運輸委員会 第4号
- 発言数
- 136 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1959/01/30
会議録
○理事(相澤重明君) それではこれから運輸委員会を開会いたします。 政府の出席者は、運輸大臣永野護君、鉄道監督局長山内公猷君であります。 捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案は、去る一月二十七日、永野運輸大臣から趣旨説明を聴取いたしました。本案に対し御質疑のある方は順次御発言を願います。
○柴谷要君 本法律案は、前回の通常国会でも一年延期の法案が出されて、十分審議をしておるんだが、その後の情勢の変化でもなければ、十分な説明を聞いておるので、われわれは了承しておるんだ。本日は、質疑応答を打ち切って、しかるべき時期にこれは上げるという方法で進んでもらいたいと思うんだが……。
○理事(相澤重明君) ただいま、柴谷君の御発言のように、直ちに御発言もなければ、質疑を打ち切ったものと認めてよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(相澤重明君) それでは質疑を打ち切りまして討論に入りますが、討論も省略してよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(相澤重明君) 御意見がなければ、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 捕獲審検所の検定の再審査に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○理事(相澤重明君) 満場一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。 —————————————
○理事(相澤重明君) 次に、国内旅客船公団法案を議題といたします。 本案は一月二十九日、予備審査のため送付されました。 まず、本案の趣旨説明を求めます。
○国務大臣(永野護君) ただいま議題となりました国内旅客船公団法案の提案理由について御説明申し上げます。 本土周辺の離島や本土沿岸の各地を連絡しております国内旅客船は、現在約二千隻、十一万総トンでありまして、これらが千二百八十三の旅客定期航路に就航し、年間七千五百万人の旅客のほか、郵便物二百二十万個、手小荷物一千三百五十万個、貨物三百十万トンを輸送しておりますが、いずれも、島民の交通手段の確保、生活必需物資の輸送等の見地から、また人命の安全に直接つながっている関係から、きわめて高い公益的性格を備えているものであります。 ところで、これらの旅客船の船齢を見ますと、二十総トン以上の船舶九百一隻について調べたものでありますが、鋼船では船齢二十五年以上のものが百一隻、約二万総トンありまして、全鋼船に対し、隻数において四四%、総トン数においても二八%を占め、また木船では、船齢十五年以上のものが三百三十四隻、一万三千五百総トンありまして、全木船に対する比率は、隻数で五〇%、総トン数で五三%に当っており、いかに老齢船が多いかを物語っております。 一方、これらの旅客船を運航している事業者について見ますと、全国八百八十三の事業者の内訳は、会社二百十八、地方公共団体八十七、組合等六十二、個人が五百十六でありまして、弱小な個人経営が過半数を占めており、さらにこの二百十八の会社の内訳を見ますと、資本金一千万円以上がわずかに四十六社であるのに対し、百万円未満の小規模会社が九十と、半数近くを占める実情でありまして、このような事業者の零細性が、船舶の建改造、その他設備の近代化、サービスの向上を立ちおくらせる原因になっているのであります。 このため、昭和二十七年七月には、離島航路整備法が制定されまして、船舶の建改造のための市中融資に対する利子補給の道が開かれたのでありますが、事業自体が、ただいま申し上げましたように零細な個人経営、またはこれに近いものが大部分であり、他方、運賃が、公益的性格から、利用者の経済的負担能力や他の交通機関からの制約を受けまして十分な値上げもできず、収益性も低いために、十分な効果を上げることができず、船舶の改善整備もこのままでは期待されない実情にあるのであります。 以上のような実情にかんがみまして、船舶の建改造に必要な資金の調達が困難な事業者に協力しまして老齢船の代替建造または改造を計画的に推進させるため、政府出資の国内旅客船公団を設立いたしまして、民生の安定上必要な航路の維持改善をはかり、旅客船を利用する人々の安全をはかることといたしたのであります。 以上がこの法律案の提案理由であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○理事(相澤重明君) なお、ただいま海運局長朝田靜夫君も出席をいたしました。 本案に対する質疑等は、次回以降に譲りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(相澤重明君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。 ━━━━━━━━━━━━━
○理事(相澤重明君) 次に、私鉄運賃に関する件を議題に供したいと存じますが、前回に引き続き、質疑のある方は順次御発言を願います。
○小柳勇君 運輸大臣に質問いたします。 第一点は、十三社のうち七社を十二月の二十六日に許可し、六社を一月二十二日に認可されましたが、なぜこのように二つに分けて認可されたか、御説明願いたいと思います。
○国務大臣(永野護君) これを一どきに認可いたしましても、あるいは差しつかえないのではないかと思ったのでありますけれども、しかし、何しろ非常に大衆の利害関係の大きな問題でありますから、特に急を要する七社を認可いたしまして、その大衆に及ぼす影響をしばらく見ましてから、残りの六社の値上げを認めた方が適当だと存じましたので、そういうふうに計らった次第でございます。
○小柳勇君 そうやられた結果、その影響をどのように調べられて結果が出たか、御説明願いたいと思います。
○国務大臣(永野護君) これは主観的な問題でありますが、私どもが、いわゆる世論調査とでも申しまするか、言論機関、その他各種の団体等にいろいろと意向を聴取いたしたのでありますが、よく説明いたしますると、大体、それはやむを得ないことであろうというふうな回答を得ましたので、まず、その値上げがつらいということは認めつつも、その値上げによって大衆の受ける利益の方がもっと多いと大衆は判断してくれたものと私どもは解釈したのであります。
○小柳勇君 それはどこから報告が出たんですか。
○国務大臣(永野護君) それはいろんな、特にあるいは委員会とかあるいは団体をこさえて聴取したのではございません。多数の世論機関の人に個々別別に、私だけではありません、かなり多数の人がその意見を求めたのであります。新聞なんかは、これは聞くまでもなくすぐわかることでありまして、まあ極端な例を申せば、警職法のようなものは、あのくらい強い世論の反対があったのでありますけれども、ほとんどあの世論につぶされたような感じがするのでありますが、まあ、あれまでならずとも、各新聞の論調が、実にけしからぬというようなことがありませば、これは少し考えなければならなかったかもしらぬと思うのでありますけれども、幸いに御理解を得た点が多いと、こう私どもは判断したのであります。
○小柳勇君 そうしますと、初めに七社を許したのは、アドバルーンを上げて、国の世論の反撃を見る、こういうことで初め七社を許可されたわけですか。
○国務大臣(永野護君) アドバルーンのために、そればかりのためにやったのではありませんけれども、まず緊急やむを得ない、いわゆる赤字の程度の強いところをまずやってみましてそうしてその反響によって、その値上げの必要性が最初の七社にはやや程度が下っておると思われるところを第二次にいたしたわけであります。
○小柳勇君 きのうの大臣の説明では、赤字のために値上げしたのではない。これを通してサービスを向上し、安全運転をするために値上げしたのだ、こういうような説明があったのです。われわれは、そういうふうに理解しているが、今の説明によると、赤字の多いところから先に許可したという回答ですが、そういう点どうなんですか。
○国務大臣(永野護君) 赤字を補てんするための値上げでないことは確かであります。しかし、赤字のあるような会社では資金調達能力がありませんから、そのほんとうの値上げの理由、すなわち、安全運転とサービスの向上の施設ができないのであります。だから、結果的に見ますると、赤字の多いところをまず救っていくというので、赤字救済のような結果にはなりますけれども、ねらいはそうではなくて、赤字のあるような会社では、そういう大切な市民のサービス及び安全運転ということができませんから、まずこれから手をつけていこう、こういう順序を経たのであります。
○小柳勇君 その七社と六社の赤字の差を、数字的に資料にお示し願いたいと思います。
○国務大臣(永野護君) きょうはお手元に運輸審議会の報告書がお配りしてあると思うのです。これで各社の一応の数字が出ておりますから、ごらんを願いたいと思います。
○小柳勇君 きょうもらいましたから、数字を具体的に見ておりませんが、わずか二十六日間の間にそのような赤字の会社がやってみてそうして国民世論の反響も少なかったので、またあと六社を上げたと、こういうことですか。
○国務大臣(永野護君) 二十六日が短かいかどうかという議論があるかもしれませんけれども、大体この運賃値上げに対する世論の趨勢はその間にわかったと、こう判断したのであります。
○小柳勇君 結果的に私どもがずっと見て、二十六日の間、差を置いて、初め七社を上げてあと六社を上げられた、それで初め七社を上げたところが、あまり世論の反撃がなかった。ちょうど暮から正月にかけて国会も休会であるし、国民も、新聞などもほとんど報道を休んでおる時期ですね。そういう時期に一体報道関係の世論というものを、あなたは自分の勘でおとりになったようであるけれども、そのように運賃値上げ反対の国民世論というものはわかったと、御判断になったのであるかどうか。
○国務大臣(永野護君) さようでございます。暮と正月という期間は避けまして、大体十日ごろからは一応平常の状態に戻ると、こう考えましたから、その後約二十日近い間の世論は慎重に検討して参ったのであります。
○小柳勇君 そうしますと、あとの六社を上げられるのも、国民世論がもっと大衆的なその反撃の態勢があるならば上げないで済んだ、逆にいいますと、そういうことですか。
○国務大臣(永野護君) 上げないで済んだというのは、多少言葉に何が、説明が要るかもしれませんが、上げ得なかったという結果が起ったかもわかりません。上げないで済む、つまり世論がそれを要求すれば上げていいのだけれども、世論が歓迎しなければやめてもいいという性質の問題ではなくて、その値上げの必要性はちっとも変らないのであります。けれども、必要があっても世論の反撃が強ければ、それをやり得ないことは警職法でも同じだと思います。私どもは、実はよその話でありますけれども、警職法の必要は、私どもといたしては考えておるのでありますけれども、世論の反撃が強いからやり得なかった。しかし、それをやらないで済んだというふうには解釈いたしません。
○小柳勇君 一国の運輸行政をあずかっていられる大臣が、主観的に考えて、自分は新聞の報道、その他国民世論がそう反対でなかったからあと六社も上げた。必要性については前からわかっておった。こういう話ですね。
○国務大臣(永野護君) そうです。
○小柳勇君 そうしますと、初めの、絶対的な安全運転とか、あるいは絶対的なサービスとかいうものを、上げる理由とすることは非常に薄弱にわれわれとしては受け取るし、しかも、国民の値上げ反対の声というものを無視されたとも私は再び言わざるを得ないのです。もう一度、その点について御質問いたします。
○国務大臣(永野護君) 私は、決して無視をしておりませんつもりであります。かなりいろんな人にも聞きました。新聞も相当丁寧に読んだつもりであります。もちろん、非常な反対が起れば、それは必要のあるのに反対があるということは、いわゆるPR運動が足りないのでありますから、その必要性を時間をかけてよく説明をする期間がとりたい、こういうふうに考えておったのであります。
○小柳勇君 結局、十三社上ったことになりますが、その実効、効果——運輸大臣は、一体いつごろになったらサービスの面がよくなると御判定になって認可されたのですか。
○国務大臣(永野護君) その点が非常に大きな問題であります。私は運賃値上げの問題は、今出発点であって、到達点は先だと思うのでございます。運賃値上げがよかったか悪かったかの判断は、まだする時期じゃない。つまり、値上げしただけのものが大衆に還元されてつまり大衆のサービスがよくなる。大衆の旅行の安全確保ができませば、私はこの値上げは成功だったと思うし、反対に値上げが他の方に使われてサービスの向上もできず、安全確保もできなかったら、この値上げは失敗だったと、こう思うのであります。従いまして、今はまだ運賃値上げの是非を論ずる、ちょうどスタートを一歩踏み出しただけだと、こう考えておるのであります。従いまして、これがほんとうにうまくいくかいかぬかは、今後の各社の動き、及びこれを監督指導するわれわれの責任だと思いますので、ここに重点を置いて、この値上げを意義あらしめる。つまり、成功さすための努力を続けて参るつもりでおります。そこで、各社に対する通達も、一片の通達に終りませんで、それを厳格に見守って、そうしてこの値上げを意義あらしめるために懸命の努力をする所存でございます。
○小柳勇君 その大臣の意思を伝えた通達に対して、各社でどのような反響を示しておるか。おもなるものを、代表でもいいから、一つ明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
○国務大臣(永野護君) 各社に対しての交渉は、事務的に担当局長が扱っておりますから、担当局長から御返事いたします。
○政府委員(山内公猷君) 各社に対します通達につきましては、それぞれ呼び出しましてその趣旨を十分お伝えいたしております。それで、われわれの方といたしましては、この運賃改正をする前に、私鉄におきます輸送力の増強五カ年計画というものをとっておりまして、これを忠実に実施するようにやっております。たとえば、東武鉄道にいたしますと、現在ラッシュ時のヘッドが平均四・六分になっております。五年後におきましては、大体現在の乗車効率一九七%を、計画実現後は一五〇%くらいにするために、車両をふやしていくというような計画を逐一とっておりまして、今後その実施を監督、監査して参りたい、かように考えておるわけであります。
○小柳勇君 この値上げに関連する各社の従業員の待遇については、どのような社の態度であるか、その点を一つ御回答願いたいと思う。
○政府委員(山内公猷君) 運賃計算をいたします原価におきましては、将来どれだけ昇給するかという未確定のものは含んでおりませんで、大体、平年度における、平年度の定員に対して、過去の組合との協約上、決定いたしております人件費をフルに見込んでございます。
○小柳勇君 現在の各社平均従業員の生活水準、給与水準と、この値上げに関連する給与水準なり生活水準の向上について、どのくらいにお考えであるか。
○政府委員(山内公猷君) それは、最近時における人件費をとっておりまして、たとえば、三十一年度と三十二年度というような、いろいろ人件費がございます。そのときに、これをとりましたのは三十二年の四月でございます。四月を基準にいたしまして、そのときに、たとえばボーナスが幾ら、こういうわけできまっておりますから、それを入れまして、人件費のベースに入れてあるわけでございます。
○小柳勇君 今度は大臣に質問いたしますけれども、大衆の犠牲によって、大衆のふところからその会社に投資がなされたという批判、そういうものが今非常にきびしいわけです。そういうものに対して、その大衆の生活へのはね返り、この間、本会議でもちょっと大臣の答弁があったようですけれども、もう少し数字的に、その点どのくらい大臣がお考えになって、値上げを許可されたか。
○国務大臣(永野護君) これは、各社について非常に事情が違いますので、いわゆる安全運転の確保とサービスの向上ということを各社ごとに具体的な案をとりまして、そうしてそれが何年度にはどのくらいサービスの向上ができる、つまり混雑緩和ができるというような案を立てまして、それを具体的に遂行さすように督励して参るつもりであります。今の御指摘の、これが全部人件費の増強にとられてしまったら、実はこの値上げは、運輸省としては失敗になるわけであります。従いまして、大衆から取ったその値上り分だけは大衆に還元のできる設備にこれをやらせるように、私どもはこれから全力を尽します。それができたら、この値上げはおほめを願いたい、成功であったということになると思いますし、それができないと、この値上げは失敗だということになると、こう考えております。
○小柳勇君 どうも小さい問題ですけれども、今、公務員なりあるいは公社職員なりあるいは会社員で、交通費の実費をみな支給されておるわけです。そういうものに対して、一体どのくらい増額するのか、お調べになったことがあれば、それを発表願いたいと思います。
○政府委員(山内公猷君) 具体的に各個々の人につきましてどのくらいはね返るかという調査はないわけでございますが、総体的な数字といたしましては、総理府の統計局の調べによりますと、電車賃、この中には国電も都電も、地下鉄も、私鉄も入っておるわけでございますけれども、東京におきましては、これが総生計費に占める比率が一・二六%という数字を出しております。それから大阪におきましては一・二〇%でございまして、非常に大まかな計算になっておるわけでございますが、今度の運賃値上げで、最高二割というものをとりまして、どのくらい響くかと申しますと、消費支出が〇・三%程度響くということでございますが、私鉄だけの、何といいますか、占める比率というものに対しては、調べた確かな数字がないのであります。
○小柳勇君 小さい問題は、どうせあとでまたいろいろ機会がありましょうから省略いたしますが、最後に大臣に一つ、これは私の意見なり質問を申し上げておきたいのですが、初めに、十二月の暮に、ちょうど休会になる前に、七社認可されて、あと二十六日目に六社認可された。それで、巷間では、自民党が政治資金を調達するために、そういうふうに私鉄会社をほんろうし、手玉に取っておるという批判があるわけです。しかも、それで政治資金が大体ひもがついたので、大臣は許可したのではないか、こういうような批判すらあります。そういうことで、それに対して大臣は、もちろんノーとお答えになるであろうが、将来そういうふうな私鉄会社に対して、もちろん、選挙資金などのお話もないでございましょうが、そういう面についての将来の御決意のほどを一つお伺いしたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 運輸大臣、この行政の責任者としては、そういう政治工作の問題については何らの関心を払っておりません。単純に運輸行政の観点のみからこれを取り扱って参っておるのであります。従いまして、人の口には戸は立てられませんから、そういうことを言う人があるかもしれませんけれども、事実は断じてございません。
○柴谷要君 私は三点についてどうもわからないことがあるので、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。 それは、自民党の政策というものは一貫をしておるので、前大臣の言ったことと、次の大臣の申されることが違いがあってはならぬと思うのです。そこで、まあお伺いしたいのは、国鉄運賃値上げの際には、国民経済に及ぼす影響はないし、物価には影響はないといって力説をされた。で、国会は御存じの通り通過をした。しかも、国鉄一割三分の運賃値上げといえば非常に大きなものだ。これが国の経済に何ら影響ないと、当時の宮澤運輸大臣は言い切っておられる。ところが、中村運輸大臣になってから、私鉄運賃を上げることは、消費経済を高めることであり、物価に重大な影響があるから私は押えておる。こういうことになるというと、何が何だかさっぱりわからぬ。そこで、この両大臣のお説とあなたのお説は、どういうふうな関連を持っておられるか。一つあなたのお考えを、自民党の運輸大臣としての見解を承わっておきたい。
○国務大臣(永野護君) 運賃の値上げが国民生活に関係がないと、宮澤大臣が言ったという御説明でありますが、私は実はその速記録をまだ読んでおりませんけれども、それは、同じ自民党でありますけれども、少し暴論だという感じがするのであります。程度の差はあります。その見方の差はありますけれども、無関係だということはどうしても言い得ないと思うのであります。そうして、中村大臣の説は、それは運賃が国民生活に大きな影響を及ぼすということのほかに、おもに、それは当時の客観情勢が非常にドラスティックな、非常対策を要する時期でありましたから、その国の基本経済政策に相応してやろうという点に重点があったのではないかと思います。ことに、いわゆる連鎖反応を起すというようなことを心配したのではないかと思うのであります。私も、この運賃の値上げを許しますときには、その連鎖反応は非常に心配いたしました。ただ全体の客観情勢が、つまり日本の経済の健康状態が非常によくなりまして、昨年の暮ぐらいからは相当な、まあ重労働に耐えるように健康を回復したと判断いたしましたので、去年の暮からことしの春にかけて、本来の目的——すなわちサービスの向上と安全運転の確保という目的のためにもう踏み切ってもいいと、こう判断したために許したわけであります。
○柴谷要君 大臣は、この値上げを許可する前に、運輸審議会に諮問をされて、答申を受けられたと思うのですが、この答申をどの程度御参考にされて決定されたか、その点もお伺いしておきたい。
○国務大臣(永野護君) もちろん、運輸審議会の答申を非常に重視してこの問題を判断いたしました。そうして、運輸審議会がかなり慎重に時間をかけて研究をした結果、今お手元に差し上げました答申をお読み下さればわかりますことでありますが、各社とも、どうしてもある程度の値上げを認めてやらなければならぬという答申を出されたのであります。しかも、この値上げをしても各社の赤字は解消しないとつけ加えておるのであります。しかし、私は、国民生活に及ぼす影響の重大なことにかんがみまして、運輸審議会の答申案よりはやや低目なところに運輸省独自の見解を盛り込みまして許したのであります。
○柴谷要君 大へん運輸審議会の答申を重視されて最後の決定をなされた、こういうお話でございますが、つい三、四日前の新聞に、運輸審議会の答申は取るに足らぬものである、こういう記事が出ております。それは運賃値上げの問題ではありませんが、特に私鉄関係をめぐっての、これは内容はよく見ておりませんが、見出しから見るというと、伊豆の鉄道開発をめぐって某社に許可がおりてよろしい、こういう結論に対する批判ではないかと思うのですが、ややもすると、運輸審議会がどうも批判にこたえて結論を出していないように思うのだが、これからも運輸審議会から出て参ります答申は、ただいま運賃値上げの問題をあなたが重視されたように、ことごとく重視されていく御意思であるかどうか、重ねて伺っておきたい。
○国務大臣(永野護君) これは法律に、運輸審議会の答申は尊重しなければならないと明記されておるのでありますから、私は、その法令にはどうしても従わなければならないわけでありますが、単に法律でそう書いてあるからというばかりではなくて、運輸審議会の方々は、決して鉄道だけのために、公正でない判断をされるような人はなってはおられません。御承知の通り、会長の中島さんは、裁判官の経験を、最も正しい正義の番人である裁判官の経験のある人でありまして、鉄道に何の縁故もない方であり、最も公正なる意見の持ち主だと、こう考えておりますので、将来とも運輸審議会の決議は尊重しなければならないというその法文上の理由ばかりではなくて、審議会の方々の人格に信頼をしておりますから、今後も運輸審議会の決議は尊重して参るつもりでおります。
○柴谷要君 人を信ずることはけっこうなことで、私はいいと思うのですが、裁判官である委員長であるから無条件でと、こういうことにはならないと私は思う。というのは、私は裁判官訴追委員をやっているが、ずいぶん裁判官の中でも訴追されてくる、われわれ審議していて何百件となくある。だから無条件で信用することは、大臣、大いに警戒が必要ではないかと御忠告申し上げておく。いろいろ私鉄の関係については資料を出されておりますので、これから検討いたしまして、また次回に質問いたしたいと思いますが、最後に、どうもわからないのは、中村さんのお説と永野大臣のお説とはどうも違うような感じがする。これがやはり国民に、先ほど小柳委員が指摘したようなやはり空気をかもし出しているのではないか。いずれ機会を見て大臣に明白に、この問題が解消するような発言の場を通じてやっていただきたいと思う。これは私は、やはり運輸行政をあずかる上において疑惑を持たせることが一番危険であり、国民を惑わせることでありますので、確信のあるところを、いずれ機会を見て大臣に答弁をしていただくような時期を作りたいと思います。また、この問題については追って質問することにいたします。
○国務大臣(永野護君) この前も申したかと思いますが、中村大臣と私の政策は基本的に変った点はないと思うのであります。ただ、その運営をしていきます上の客観情勢が非常に変ってきた。つまり、あのときは神武以来の好景気が神武以来の不景気に急転落したために、そのドラスティックな国内施策の一環としてああいう政策をとったのだと、私はこう了解しておるのであります。その客観情勢がいつ変るであろうかということを私どもは絶えず察知しておる。やや昨年の秋ごろから好転し、冬になり今年の春になれば日本の経済情勢はよほど明るくなってくる、また将来も明るいと、こう感じましたことがここで値上げを認めた理由であります。根本の見方にそう中村大臣との間に差はないように思うのであります。 それから、もう一つつけ加えて申し上げておきますが、これは私がおったのではありませんから、はっきり私の責任において申し上げることは適当でないかもしれませんけれども、ただいま宮澤大臣の話を聞いた政府委員から、宮澤大臣も、運賃の値上げは国民生活の上に影響がないとは言っておらない、こういう今注意を受けたのでありますが、これは私はそのときおったのじゃありませんから、よく調べて何します。
○岩間正男君 この問題は、私は、やはりいろいろな疑惑を持っております。そしてずっと継続して何回かやっているわけですが、今資料をいただいて、もっともっとわれわれは詳細にやらなくちゃならないと思っている。というのは、やはり今、柴谷君の意見もありましたけれども、首尾一貫していない。政府の方針というのは首尾一貫していない。これはもういろいろうまいように弁解されますけれども、はっきり速記録を——客観的な資料があるのですから、その資料によって明確にしていけば、それを解釈のやり方でカラスをサギにするというような言い方ではこの問題は解決しないと思う。さらに、私は、こういう点から考えて、実は非常に奇怪な念にたえないのは、海運行政と、それから陸運のこういう行政とは真二つに割れてあなたが先ほど説明されたこれを見ますというと、たとえば、今提案理由で説明されました国内旅客船公団法案、今説明されましたが、それについて、あなた今説明の中で何と言っておられるか。公益事業なるがゆえに——読んでみましょうか。「他方、運賃が、公益的性格から、利用者の経済的負担能力や他の交通機関からの制約を受けまして十分な値上げもできず、収益性も低いために、十分な効果を上げることができず、船舶の改善整備もこのままでは期待されない実情にあるのであります。以上のような実情にかんがみまして、船舶の建改造に必要な資金の調達が困難な事業者に協力しまして、老齢船の代替建造または改造を計画的に推進させるため、政府出資の国内旅客船公団を設立いたしまして、民生の安定上必要な航路の維持改善をはかり、旅客船を利用する人々の安全をはかることといたしたのであります。」、これは国内船の場合の政府の方針です。これは、われわれが主張してきている、つまり公益的な交通機関である。従って、これについては政府が投資ないし融資の面において十分にこれを見る。そして公益性なるがゆえになかなかこの収益の面で収支が償わない点がある。そういう点については相当国家的な補助が必要である。こういうことをわれわれは国鉄の場合にも主張して参りました。 さらに、私鉄運賃の値上げにつきましては、これは一昨年の秋から鋭意この点について私たちは主張してきたのです。ところが、この点については、国内船においてはこのような方針がとられ、しかも、ただいまこれは説明されたわけなんです。この舌の根のかわかぬうちに、今度は私鉄の方はどういうことになるかというと、そのような投資、融資は非常にできない。自己資金だけではやれない。それで何とかしてこれは資金を募集したいけれども、しかし非常に赤字経営で信用が十分でないから、従って公債等も集まらない。運賃値上げ以外にないのだ。こういうような点で、私鉄の場合はまるで違った態度に立って、そして大衆のふところを目当てにしたところの、つまり、まだサービス関係の改善もしていない、それから線路容量の増強もしていない、車両の増大もしていない、サービス改善もしていない。そういうことをしていないのに、運賃を取り上げて、それによってやろうというようなことは、資本主義経済としても根本的に矛盾したような、これは営業として成り立たないところのやり方であって、あなたはやって差しつかえない、そうするとどういうことになるか。海運の方については、これは資金がないから政府の補助によってやるのだ。しかし私鉄の方についてはこれは全然別な方法でやるのだ。そうすると海運と陸運についてなぜこういう一体分けなければならないところの根拠があるのか。これは全く支離滅裂だと言わなければならない。一貫したところの公益事業に対する政府の方針というものがあるというように考えられない。こういう点についての全く矛盾した態度についてはどういうふうに説明されるか、この点について見解を承わっておきたい。
○国務大臣(永野護君) 船に対する施策と私鉄に対する方針が違うではないかというお説であります。その点に関する限りはお説の通りであります。しかし、これは事情が非常に違うのでありまして、船の方は、ただいま御審議をこれから願います。法案は全部で二億、それに三億の投融資ということであります。規模がすこぶる小さい話であります。しかし、今この小さい船会社を救ったようなやり方で私鉄十三社のそういうサービスの増強と安全確保をやりますための資金を国がみんな出してやるということになりましたら、それはとうてい国の財政がもたないのであります。それならば、むしろ一貫して、こういう公けの交通機関はみんな国営にしろという議論なら首尾が非常に一貫しております。しかし、これは根本的にイデオロギーの差になりまして、非常にむずかしい問題でありますから、事情が違うということで御了承願いたいと思います。
○岩間正男君 そういう説明をされますけれども、私は全部の資金を出せなどと言っているわけではない。非常に足りない面がある。しかも公益事業であるから非常に公共の福祉に関係のある問題である。従って、国家が無責任であり得ない。そういう立場から船団に対して二億の投資をするなら、さらに需要率の非常に多い、大衆との関係が深い、こういうようなものに対しましても、国家が資金的にこれを見る、投資ないし融資の面においてある部分これを見ていく、そうしてこれを大衆に転嫁させないという方法を私はとり得ると思う。ところが、その点をあなたは避けられて、実は安易な方法でありますが、値上げをする。値上げをすれば、いやおうなしにこれは乗らざるを得ない。値上げをしたからといって歩くわけにはいかない。自動車に乗れば何倍かかかる。こういうことでいやおうなしに乗るわけです。こういう格好で非常に弱い。その点が、今度の値上げの一つの大きな原因になっている。こういうやり方というものは、非常に私は首尾一貫しない。政策としても、どうもどっちがほんとうかわからない。公益事業というものに対する政府の基本的な方針はどうだと聞かれた場合には、これはケース・バイ・ケースだ。そうして大衆収奪のできるものは取る。取れないところ、海運のそういうところについては、これは国家が見る。これでは私は支離滅裂だと、こういうことを申し上げておる。だいぶ苦しい御答弁のようでありますが、こういう点については、今まであなたが説明されたものと、今、後段に説明されたものと基本的に食い違いがある。こういう食い違いをしょっちゅうやっておったのでは、統一された国の交通運輸行政というものはあるのかないのか、これは疑わざるを得ない。こういう点について私はもっと明確に、あなたのお考えをこの公益事業に対する点から明確にしてほしいと思います。こういう点を一つ要望しておきます。 その次に、先ほどの小柳委員の質問に関連してお聞きいたしたい。第一に、七社を暮のうちに値上げを決定しました。そうして正月の三カ日が終って四日から、春着をまだ着ているうちにこれを値上げをされた。そのときどうなんですか、あとの六社も値上げをされる考えがあったのかどうか。どういう腹でおられたのか、これをお聞きしたい。
○国務大臣(永野護君) 先ほども申しますように、運輸審議会の答申案は十三社全部にわたって値上げの必要を認めておるのでありますから、従いまして、この運輸審議会の答申を尊重いたします私どもといたしましては、十三社、結局は十三社みんな値上げしなければならぬということは、その答申の出たときからきまっておったのであります。ただ、先ほども申しますように、大衆に及ぼす影響が非常に多いことでありますから、その納得をしてもらう期間、ある程度の余裕は持たなければならぬかなと思いまして、ある意味から申しますと、小柳さんの言われたアドバルーン的の働きも確かに認めておったのであります。その結果、大衆はこれに対してそんなにひどい反撃はしないというふうな見通しがつきましたので、残りの六社を認可したわけでありまして、十三社はやらなければならぬということは、この運輸審議会の答申ばかりではございません。われわれ事務当局としても最初から確立しておった方針であります。その扱い方を研究しておっただけであります。
○岩間正男君 これは永野さんの商売のうまさというか、あるいはうまく言えば、これは政治的な手腕というか、とにかく七社やってみよう、そうしてアドバルーンを上げて大衆のなにを見て、あるいは十三社一ぺんではこれに対する反撃は非常に強くなるかもしれない。まず七社でやってみて、それほどでもなかったので、今度は六社も大丈夫だというので許可された。こういうことになるかもしれませんが、あなたのお言葉の中に大衆という言葉が出てきますが、大衆というのをちょっとお聞きしたい。どういう範囲を考えておられるのか。私たちは大衆に接しておるのだが、大衆がものすごくこれに反撃をしたということは知っておる。昨年の秋からこの私鉄の運賃の値上げの気配がとにかく風聞として流れ始めたときから、主婦連、それから学生の諸君、それから総評の労働者の諸君、その他国民のこれに対する反対運動が結成されて、とにかく、それは警職法ほどには、行かなかったでしょう。警職法ほどには行かなかったけれども、しかしこの点でいまだに、現に昨日の二十九日も、この値上げ、これが行われるという最後までがんばっておる。これはラジオやその他で放送されて、大臣もお聞きになったと思うのですが、大衆々々と言われますけれども、一体どういう範囲をお考えになっておるのですか。とにかく何百万の関係者が一致して私鉄運賃の値上げに対して反対しておる。このことは同時に物価政策の変更になるだろう。そうしてこれによっていろいろなこれは影響が出てきて、連鎖反応を起すだろう。そうするというと、結局今の物価の体系がくずれてくる、そうして波及するところが大きい、生活全体に非常な影響を与える、こういう立場から反対しておる。しかも、一方ではどうかというと、これは御承知のように賃金はほとんどストップ、上っていない。これは実情は御存じでしょう。しかも、物価は上げない。独占物価はつり上げられておる。こういう態勢です。一方では独禁法の緩和というような問題で、これは独禁法の改正法案も国会に提出されておる。こういうような関係におきまして、私鉄運賃の値上げというものは、その突破口として非常に重要な問題だ。これは単に十三社だけの問題ではない。こういうような関係から大きくこの問題については労働者や主婦や学生が中心になりまして反対しておる。われわれはこれを身をもって知っておる。あなたの場合、大衆々々とおっしゃるが、一体だれに聞かれたのですか。それから大衆の反響を見られたというのですが、二十五日間にあなたはアドバルーンを上げられて見られたとおっしゃいますが、どういうような方法をとられたか、この点、詳細にお聞きしたい。
○国務大臣(永野護君) 大衆の意向を何でつかむかという御質問のように承知いたしますが、これは先ほどの例にあげた警職法のごときは、新聞にしても、雑誌にしても、ラジオにしても、あらゆる大衆相手の機関は、筆をそろえ声を大にしてあれに対して反撃を加えて参ったのであります。従いまして、こういうものが一番大衆の声というものをくみ取る一番大きなソースでありまして、私どもも新聞、雑誌、あるいはいろんな各組合の決議、各界の決議というふうなものが出てくるようなことがありゃしないかと期待して実は見ておったのでありますけれども、少くも私の目に触れました限りでは、絶無ではなかったかもしれませんけれども、ほとんどそういう記事、ラジオ、テレビなんかのあれは目に映りませんでした。従いまして、まず大衆は認めてくれたと、こう判断したのであります。
○岩間正男君 どうもそれはあなたは高級自動車に乗って歩かれて、やっぱり大衆に接していないのです。また上げるのだそうだが、こんながたがたなところへ息もつけないくらいに詰め込む、少しもサービスは変りはしないのに、また上げられてはたまったものではないという、われわれ電車に乗りますから、そういう中でよく聞くのです。こういうところを、ほんとうにできたら、一日くらいそういうところを、ラッシュ・アワーにお乗りになって、ほんとうに大衆の胸のうちをお聞きにならなければ、代表が大臣に会いに行くといってもなかなか大へんでしょう。主婦連の代表、全学連の諸君の代表、そういう人たち、何人会ったか知りませんけれども、その背景にたくさんの人がいるわけです。そういう人は、声を上げる上げないにかかわらず、つぶやきを、声を糾合して反対しておるのです。こうやって率直にやはり聞かれるという点が私は足りないのじゃないかと思います。大衆々々とよく言いますが、大衆に籍口して主としてお聞きになったのは、私鉄の経営者だけではなかったか。それから新聞やそういうところに、なるほど警職法くらいには書かなかったかもしれないけれども、しかし賛成しておるかどうか、これは疑問です。先ほど小柳委員のお話がありましたときに、時あたかも年末、正月です。国会は空白です。休暇です。こういうときが全く選ばれておるのです。今までそうでしょう。二十六日の決定にしましても、このたびの二十二日の決定にしましても、全くこれは国会の休会中です。そうして、これから委員会審議に入ろうというそういうときを避けておるのです。そのときはすでに既成事実になっておるのです。そういうやり方に、私は、大衆の声を聞いたが、あまり反対はないと、こうおっしゃいますが、そうすると運動の仕方が非常に不十分だったからこれを上げたのだという声にも聞ける。これは国会を取り囲みますよ。この問題はほんとうに大衆は怒っていますよ。決してあなたがいい気持になって、これで反対はなかったものとお考えになったら大へんな違いだと思います。ただ、それをやらないで、まあ永野さんはわかりがいいから、きっとこれはわかってくれるだろうと期待しておるのです。非常に私は認識不足だということを言いたいのです。 もう一つお聞きしたいのは、時間をかけて説明をする、値上げの必要性、そうしてほんとうの趣旨というものを説明する、そういうことに非常に期間をかけたとおっしゃいますけれども、これは非常にかけていないのじゃないか。こういうやり方について、これはやはり十分にこの点、私は今後の運輸行政とも関連して考えてほしいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(永野護君) 私は、今の大衆の反対の声があるのをお前は知らないのだ、ないんじゃないんだというお説なんであります。あるいはそうかもしれません。しかし、私どもが何が大衆の声であるかということをつかみますためには、一々の大衆にぶつかるわけには参りませんから、その便宜の方法といたしまして、新聞や雑誌、ラジオ、テレビというようなものの記事を相当注意して読んだつもりであります。しこうして、それが積極的に値上げ賛成ということを書いてくれなくても、これはけしからぬという印象を与えておれば、新聞は正直にこれを反映いたしますから、毎日これはけしからぬ、値上げはけしからぬのだという議論が出ることは、あの警職法の問題と同様だと思うのであります。私は、大衆の声を反映する新聞は、相当に良識のある方で、よくその事情を述べればよく理解してくれる。大衆に向って何がゆえに値上げが必要であるかということを、個々の大衆全部にわたっての説明はなかなかできませんけれども、しかし、その大衆に接触する機会を持っておる新聞の編集者だとかあるいは雑誌の編集者だとか、あるいはニュース解説者だとかいう人には、少数ですから、こういうわけでこれはやむを得ぬのですということを御説明はしたつもりであります。そうしてその結果、ある程度の了解を得られましたから、あの反対論もあまりなかったのじゃないか、こう考えておるのであります。
○岩間正男君 私はこれ最後で、あと次の問題に入りますが、しかし、そういうふうに新聞記者とか、それからニュース解説者を尊重される永野運輸大臣が、国会をあまり尊重しないんですね。国会はこれは国民の代表機関で、世論のわれわれ中を歩いていますから、一番そういうものを集結したものです。そういうところで、この委員会のずっと、一昨年の秋からの私鉄運賃に対する態度というものは反対、これで貫いてきている。この前、国会を尊重したとおっしゃいましたが、まるであべこべの結論を出された。私は、今度の場合も国会の意見というものを十分に反映する、そういう機会がなかった。資料の要求を求めておったのだが、その資料が出されたときはすでにもう運賃値上げは決定されているという形で今度は運営されている。ああいうことは非常に私はまずいんじゃないかと思うんです。この点どうですか。ラジオ解説者も大切でしょう。新聞記者も大切でしょう。しかし、それの了解を得たが、国会はもういい、こうお考えになったんですか、この点合点いかないですね。
○国務大臣(永野護君) この前も申しましたように、民主主義国家が国会を中心に運営されているということは、これはもう説明も要らないことでありますから、私は決して国会を軽視しているものではございません。でありますから、できるだけの説明をいたします。国会の皆様方に御了解を得たいと思って、今こうやってせっかく説明している最中であります。いずれそれの成否は、先ほども申しましたように、大衆の負担によって賃上げされたその資金が、大衆にはね返るような使い方をするかしないかということが、この料金値上げが適当な施策であったか、あるいはそうじやなかったかということの分れ道だと、こう私は確信いたしております。
○岩間正男君 保留します、あとは……。
○理事(相澤重明君) 委員長から一つお尋ねをしておきたいと思うんですが、先ほども各委員から私鉄の運賃値上げについての質疑が行われましたのですが、昭和二十八年の八月に地方鉄道軌道整備法という法律ができている。赤字になった場合にはどうするか、こういうことが出されているのでありますが、これに対する政府の見解を述べていただきたい。
○政府委員(山内公猷君) 地方鉄道軌道整備法の対象の私鉄というものは、あらゆる私鉄ではないわけでありまして、国民の生活において、その電鉄がなければ非常に困るという意味の制約が、大体において旅客輸送は代替機関として自動車が使えるので、大量の貨物というふうな面でしぼられているわけでございます。しかし、この面につきましても、われわれの努力が至らないと思いますが、年々予算が減ってきているということは事実でありますが、対象会社がある程度減ってきているという事実もございます。それで、全私鉄がこの地方鉄道軌道整備法の対象会社にはなっていないわけでございまして、特に今回改正いたしましたような大きな電鉄はこの対象からはずされております。大体において寒い国にあります貨物を取り扱う電鉄、あるいは旅客でございましても、雪のために自動車が動けないというような電鉄がその対象会社に限定されているわけでございます。
○理事(相澤重明君) さらにお尋ねしておきたいと思うんですが、この法三条並びに法八条の解釈についてですね、再検討する意思があるかないか。地方鉄道軌道整備法について法三条、この欠損等あるいは固定資産、そういう問題について再検討する意思があるかないか。
○政府委員(山内公猷君) 現在のところ、その法律を通します際も非常に問題が多くて、われわれの方といたしましては、従前、私鉄につきましては、ほとんど全面的に補助制度をとっておったわけでございます。そういった旅客の面におきましても貨物の面におきましても、国民生活に必要なものは、代替機関の有無にかかわらず維持して参りたいという希望は持っておったわけでございますが、政府間との話し合いにおきましては、やはりそう広めるべきではないということで、あの法律を提出する場合には、その程度にしぼってあるようでございます。御承知のように自動車の発達に伴いまして、特に地方の私鉄の現況というものは逐次悪くなって参る状況でございますので、さらに再検討をいたしたいと思っております。
○理事(相澤重明君) この問題については、先ほど運輸大臣から、国内旅客船公団法案が提出をされて、先ほど岩間委員からも言われたように、とにかく赤字になるようなものについては、何とかしてこれを確保しなければいかぬと、こういうことで今回法案の提出があったと、中小鉄道についても、これはもう非常に地方の住民にとっては大事なものである。従って関係法案というものをやはり整備する、あるいはその企業の内容を確立させるということは、運輸当局の責任の問題だと思う。そういう意味でこれは検討されて、できるだけ早い機会にその検討されたことを一つ報告していただきたい、こう思うが、その準備についてよろしいですか。
○政府委員(山内公猷君) 再検討いたします。
○理事(相澤重明君) それでは、なお先ほど柴谷委員、小柳委員、岩間委員等から、この大手十三社の運賃値上げの問題について資料をちょうだいしたので、検討をして御質問をすると、こういうことがございましたから、私鉄運賃値上げの項については、以上で一応質疑を終了いたしたいと思います。
○理事(相澤重明君) ここで委員の変更を申し上げます。 石原幹市郎君、高野一夫君、植竹春彦君が辞任、その補欠として塩見俊二君、松野孝一君、田中茂穂君が選任せられました。
○理事(相澤重明君) 次は、日本国有鉄道志免鉱業所に関する件を議題に供します。 本件については、前回運輸大臣及び国鉄総裁から経過の説明を聴取いたしましたが、ただいま説明員として、日本国有鉄道総裁十河信二君、副総裁小倉俊夫君、常務理事吾孫子豊君、資材局長平出彬君、以上の方が御出席になっております。 御質疑のある方は御発言を願います。
○小柳勇君 運輸大臣並びに国鉄総裁に質問いたします。 私は細部の問題は後日に譲ることにいたしまして二十七日の委員会で運輸大臣並びに総裁が発言された売山の理由その他に関する説明を中心に質問を展開していきたいと思います。 第一は、現在志免の現地では、国鉄労働組合、炭鉱労働組合並びに総評傘下の単産が非常に心配するほど非常に不安な情勢で、この売山に反対する空気が充満しておりますが、現在の現地の情勢について運輸大臣並びに国鉄総裁は、どのように把握しておられるか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 反対が強く行われているという一般的の印象は持っております。しかし、どの程度にその反対が行われておるかという具体的なことは、直接その運営の責任者である国鉄当事者から御返事を申し上げます。
○説明員(十河信二君) 先日御報告申し上げましたように、去る一月十日に運輸大臣の御承認の指令がありました。さっそく組合その他関係方面にそのことを報告いたしました。組合に対しては、こういうふうに承認があったから、これから一つ団体交渉をやって、諸君の意向を十分に聞いて、いろいろ相談をしたい。諸君がいろいろな意見なり希望なり持っておられるだろうから、それをどうか聞く機会を持ちたいということを申し込んであるのであります。ただいままでのところ、現地でいろいろ職場大会があるとか何とかということはありますが、まだ団体交渉をやって打ち解けた話し合いをして、私どもが納得を得るような説明をしたいということを申し込んでありますが、その方の返事は目下いただいておりません。しかしながら、組合の諸君はいろいろと不安にかられて心配をして、職場大会や何かやっておられると思いますが、私どもはよく事情を説明し、今後の希望も聞いて、その希望が達成せられるように努力してあげたいから、そういう事情をよくわかってくれりゃその反対はなくなることと私は考えて、今のところ待機しているような次第であります。
○小柳勇君 現地における職員並びにそれを取り巻く町の人たちの払い下げ反対の声についても、まだひしひしと身にこたえるほど把握がないようでありますけれども、もう三年越しの話で、国鉄総裁は、今この事情を説明すればわかってもらえるだろうという楽観論を言われましたけれども、そういうふうな楽観的に見るような情勢にはないと理解いたしているわけですけれども、特に私が言いたいのは、そのような売山に反対する現地の空気を切りくずすというような措置を、そういうような卑怯な措置を国鉄総裁がおとりになったというような情報を現地から受けて、具体的に言うならば、一人の理事を現地に派遣して、反対する者を調べたり、あるいは調査会等で反対している者の団体を切りくずすというような措置をもとられたというような、非常に憤慨した情報が現地から入ったのでありますが、この点について十河総裁の見解をお聞きしたい。
○説明員(十河信二君) それはとんでもない誤解だと思います。私は事重大でありますから、数年来慎重に考慮して参ったのであります。従って、この運輸大臣の御承認の指令のあったことを、私みずから行くべきであるが、私みずから行くことができませんでしたので、常務理事を派遣して、組合にもまた関係方面にも十分説明をさせたい、こう考えて派遣したのでありまして切りくずすとか何とかという意思は毛頭ありません。事情をよく聞いてもらえば、皆さんが不安に思っていることは、ああそういうことであったかというふうに納得ができることと考えますから、そういう説明を聞いてもらいたいということで派遣したのでありまして、切りくずすなんということをする意思は毛頭持っておりません。
○小柳勇君 その点については、近く私も具体的に調査したいと思いますので質問を保留いたしまして次に運輸大臣に質問いたします。 十月四日の日に、国鉄総裁から売山申請がきた。それを一月十日に、労働者との話し合いができれば認可するという内諾を与えられた。その際に、運輸大臣はどのような調査をされ、どのような御見解で内諾を与えられたか、詳細に御説明願いたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 私は、直接炭鉱の責任者ではございませんから、いろいろな報告書あるいは委員会の調査書なんかにたよって、その国鉄経営当事者のやった行為を判断する以外に道がないのであります。従いまして、今まで出ておりまする行政管理庁からの再度の勧告、公共企業体合理化審議会の勧告、それから日本国有鉄道経営調査会の答申、それからさらに志免調査委員会の報告というものの、その報告の真実性と申しまするか、重要性を研究したわけであります。その間に社会党からは、それと反対の報告書が届けられましたので、社会党の報告書と、その前にたくさん出されておる各種の調査書または報告書を並べて、どちらに重点を置くべきかということを研究したのであります。そうしてその結果、おもなたくさんの何がありますけれども、結局するところ、その埋蔵量が一体幾らであるかということ、それからそれがどういう単価で出せるかということ、この二点に関しまする報告が、これらのいわゆる公共企業体だとかあるいは行政管理庁だとか、国鉄の方の報告と、社会党の方から出されました報告との間に大きな食い違いがあるのであります。合っておりまする点は、付近の山をみんな一緒にして総合関発すればやっていいだろうということは両者とも一致しておるのであります。そこで私は、この間に総合開発をするためには一体どのくらい費用がかかるのか、その金を大蔵省は果して出してくれるかどうか、これはちょうど予算編成の最中でありますから、これを三十四年度の国鉄の予算の中に取り入れてもらえれば、これは両者みんないい話になるのでありますから、その努力をしたのであります。これはたびたび交渉いたしました。そうしてとうとう私は、社会党のあの委員長、勝間田委員長にお願いしまして私がたのんだのでは、これは一番いい方法と思うけれども、大蔵大臣はどうしても言うことを聞いてくれないから、あなた方一つ行ってやって下さい、私を助けて下さい。そうして大蔵省がその財布のひもをゆるめてさえくれれば、八方みなよしの解決方法があるからということを申し上げたのであります。そこで勝間田委員長も大蔵大臣に話をされたらしいのでありますが、そういう努力にもかかわらず、一番いい案の総合開発の資金はとうとう得ることができなかったのであります。 そこで、今度は、今のままで、総合開発をしないで、新しい資金をそう入れないで、この国鉄の今経営しております志免鉱業所がそろばんに合うものか合わぬものか、あるいは国鉄経営上どの程度に必要性があるものかということにつきましては、今まで出されておりまする、先ほど申しました各種の報告書によらざるを得ないのであります。そこで私も相当の時間をかけまして社会党の——病気でいえば診断書であります。その個々の、国鉄の志免鉱業所という病人に対する社会党側のお医者さんの診断と、国鉄側と申しまするか、運輸省側と申しまするかの診断との、その両方の診断書を比べて検討したのでありますけれども、遺憾ながら、私は、この国鉄あるいは運輸省側の各種の調査会の報告の方に傾いたのでありまして、社会党でせっかくお作り下すったあの報告書に賛成することができなかったのであります。これは客観的の事実であります。鉱量が幾らで、幾らで掘れるということは客観的の事実で、主観ではないのであります。だから必ずわかるはずであります。そこには何らのイデオロギーの問題も何もないのであります。埋蔵量が幾らとか……。でありますから、その客観的事実に対する報告書の真実性を、これは診断書にたとえましたから、ついでにお医者さんの例でいいますと、自分のかかりつけの、最も信頼しているお医者の診断に従ったという結果になっているのであります。
○小柳勇君 ただいま運輸大臣は、申請がきたときにいろいろ資料がきたとおっいました。その資料によって判断したとおっしゃいましたが、その資料については、残念ながら当委員会には提出してないのであります。従いまして、運輸大臣が内諾を与えられるに至りました、国鉄から提出された資料並びに調査委員会の答申、それからその中でいろいろ論議された結論が出たところの内容、そういうものを当委員会に、来月五日ごろまでに御提出願いたいと思います。その点いかがでございましょうか。
○国務大臣(永野護君) 承知しました。
○理事(相澤重明君) 資料はよろしいですね。では資料提出を求めます。
○小柳勇君 もう一つ運輸大臣に質問いたしますが、あの内諾の条件の中に、従業員、職員と話し合って、円満にこれを解決することが望ましいと書いてあります。そのことをもう少し具体的に、運輸大臣考えておられる円満なということを、具体的にここで御説明願っておきたいと思います。
○国務大臣(永野護君) この山の本質に対する基本的な判断、すなわち埋蔵量及びそれの経済価値、それに対する判断が、もしも私のとりました報告書の判断が確かならば、従業員のためにも、この時この際、ある処置を考える方がむしろお仕合せになると、こう判断したのであります。従いまして私は、単に国鉄の利益ばかりではない。従業員の仕合せということも、この問題の解決に決して忘れてはいけない、こう考えましたので、そういう理由を、どう説明しても御納得のいかぬものを無理やりに——言葉が非常に悪いのですけれども、強姦的にそれで遂行しようという気持はないのであります。従いまして、この経営の責任に当っておられまする国鉄の当事者に対しては、その私の趣意は強く申したのであります。従業員の皆様の仕合せは十分考えてこれは解決してもらわなければいかぬ、強く要望するという文句を使っているのであります。従いまして、この志免問題は、まだ一つも売る、どこへどうして売るというようなことは一つも触れたことはないのであります。大体の傾向といたしましては、分離する方がほんとうだということが、先ほどあげました、たびたびの各種の勧告には、分離するのが適当だということがありましたから、分離するということだけは認めましたけれども、それをどこへいつ幾らでというようことは一切許可はしておらないのであります。これはその問題が具体的になったときに初めて私どもがこれは適当だと、こう考えるところへ適当な値段、適当な方法で売ることをあらためて許可するのでありまして、まだ決してどこへ幾らで売るというようなことは何もきめておりません。全くの白紙であります。これから十分に、今申しましたような私の強い要望を考慮しつつ、こういう大問題でありますから、天下に疑惑を多少とも招かないように、公明正大にこれを解決したい。でありますから、志免鉱業所調査委員会のあれには、ある程度の随意契約でやるべきだという、これは、こういう問題の解決の特例としてそれをやらなきゃならぬといってあるにもかかわらず、私はどうしてもこれは競争入札にしてくれということを条件とした次第でございまして、従って、競争入札でありますから、幾らにこの値段が出るかというようなことは全くわからないのでありまして、昨日の本会議で、十億円とかで売るのはけしからぬというようなお言葉がありましたけれども、全く根拠のないことであります。全く白紙であることを重ねて確信申し上げておきます。
○柴谷要君 今大臣のおっしゃったことは速記録にきちっと残りましたから、これは大臣の見解としてわれわれは十分了承していきたいと思う。 そこで、話を変えて、国鉄当局に伺いたいと思うのですが、大臣がつけられた二条件、しかも今大臣が言明されたところのお言葉、それを完全に自信をもってやり遂げる御意思があるかどうか、これをお尋ねしておきたいと思う。
○説明員(十河信二君) 大臣からいただきました指名競争入札でやれということに対しましては、すでに志免炭鉱調査委員会の答申にうたわれておりますように、また先刻大臣からもお話のありましたように、非常な困難があると私は考えております。従って、それはなかなか容易なことでない。しかし、さっき大臣からお話のありましたように、また、私はしばしば、あらゆる機会で申し上げておるように、このままでいけば、だんだんしり細りになって、毎年何百人か人が余ってくる。こういう状態で置いては、それこそ従業員に相済まぬ話だ。だから、でき得る限り、長い間従業員が安定した職場を得て、一生懸命に働いてもらえるようにしたい。すなわち、総合開発をやれば、五年で小さくなるものが十年も十五年も大手の規模でやっていける。こういうことになれば、従業員も喜んでくれることは間違いないと、私はそう確信いたしております。また、関係の町におきましても、この炭鉱がしり細りになって、だんだん不景気になっていけば、町の繁栄もだんだん衰えてくるのであります。それでは、せっかく今日まで長い間協力してくれた関係地方民の方々にも相済まぬ、こう考えまして、これはわれわれとしては、国家の資源を最も有効に利用できるように、総合開発の趣旨が実現できるようにすることが至当だ。それには、国鉄がやることは、さっき大臣からもお話のありましたように許されないとすれば、どうしてもこれは民間に譲渡して、しかるべき民間の専門家にやってもらうことが至当じゃないか。これは、従業員のためにも、また関係町のためにも、双方いいのじゃないか。従って、われわれは誠意を披瀝して皆さんに説明をすれば、皆さんは必ず納得してくれる、私はそういうふうに考えております。
○理事(相澤重明君) 非常に重要な発言になってきたから……。
○柴谷要君 私のお尋ねしておるのは、総裁のお考えを聞いておるのじゃない。すなわち、今大臣が答弁をされたことが非常に重大なんです。その重大なお言葉に対して、国鉄当局が自信をもってやりおおせるかどうかということを聞いておる。この二つの条件が、ただいまの大臣の御答弁のようなことであるならば、国鉄ができるかできないかということを聞いておる。だから、別に従来述べられておりますような総裁のお言葉を聞くのでなくて、今そこに同席されておって、大臣が御発言になったことをお聞きになっておられたと思う。その言葉が非常に重大な意味をなしておるから、国鉄自身それができるのかできないのか。これは私の見解を言わしめるならば、大臣のお言葉通りにやっていったら、これは道遠しです。これはもうおそらく十河総裁は断念をされて、売山を取りやめられることにした方が賢明だと私は思う。そのくらい大臣が重要な発言をされておることを、あなたはそこの席でおすわりになっておって、御認識にならないか。そこが大事なことですから、そのここで聞いておられた言葉に対して自信のあるところをお聞かせ願いたい。大臣がつけられた、二条件が、完全に今の御発言のようにできるかできないか。それができなければ、あなたのお考えになっております売山はできないことになりますから、これは何といっても、あなたが全力をあげて、いわゆる総合開発、国鉄の手によって総合開発をせざるを得ないという結論になるのですよ。それを私はお尋ねしておる。これはしかし、もう速記録に載っておりますから、あとでゆっくりごらんになって、また決意を固められてもかまいません。きょうこの御答弁はできないというならけっこうでございますから、これを総裁がお考えになって、総裁が今日まで考えられていたことが果して実現できるのかどうか。私は、ほとんど道遠いと考える。それならば、今にして売山の意思をおやめになって、総合開発、国鉄の手によって総合開発というあなたのお説、今なさったようなお説に進んでいくことが私は賢明じゃないか、こう考えますから、即答がおできにならないとするなら、日をあらためて、速記録がきちんとでき上りましてからごらんになってそうしてそれに対する明快なお答えを一つ願いたいと思う。その点いかがでありますか。
○説明員(十河信二君) さっき申し上げましたように、相当な困難があると思いますが、絶対不可能ということはないと思います。私は、大臣からのお話の通り、渾身の努力を傾けてやってみる。そうすれば必ずや皆さんも御援助していただけるから、これはできる、こう考えております。
○小柳勇君 運輸大臣の言われた言葉に関連して、国鉄総裁に質問いたしますが、運輸大臣は、職員との円満な話し合いをつける、これが第一、次には競争入札をやる、こういうことです。国鉄総裁は、先日の新聞によりますと、すでにもう競争入札の相手である大手三社を呼んで、競争入札をやらせるということをやってくれということを話されたという新聞記事が出ておる。この点、そういうことをまだ職員との話し合いにしないうちに国鉄総裁がやられたというのは一体どういうことで——そういう不見識なことを総裁がやっていいものかどうか、その点が第一であります。 第二の問題は、あとで答弁によって一つ……。
○説明員(十河信二君) 昭和三十年十一月に行政管理庁の勧告が発表せられまして、先刻大臣からもお話のありましたように、次ぎ次ぎといろいろな調査会、審議会等の意見が発表せられまして、そこで、大手三社及び中小の竹内礼蔵君、それから上田清次郎君、こういう方々から譲り受けたいという申し出がありました。けれども、この処置がどうなるか、まだきまっておりませんで、全部その願書はお返しいたしたいのであります。ところが、いよいよ大臣の御承認を得ましたので、これらの申し入れのあった方々に対して、こういうお申し出があって、またこういうことでお取り下げにいたしましたけれども、今度はいよいよこういうふうに監督官庁の承認を得ましたから御了承願いたいと御報告を申し上げますということで御報告を申し上げて御了承を得たのであります。これは私は仕事をしておる者の、何といいますか、言葉は悪いかもしらぬが、仁義といいますか、礼儀じゃないかと、こう考えまして、そういう報告をして、御了承を得たのであります。
○小柳勇君 第二問は、運輸大臣も言われたように、あくまでこれは現在まで白紙であって、競争入札の価については、その会社が入札すべきものと運輸大臣は理解しておられる。しかるに、最近調査委員会が総裁に答申を出しました。調査委員会をして入札価格を算定するようにという諮問を総裁は出されたようであるが、その点御返答願いたいと思う。
○説明員(十河信二君) 調査委員会に対して……。
○小柳勇君 競争入札の算定価格を出せということを諮問されたそうであります。
○説明員(十河信二君) それは今回出したのじゃないんであります。初めにこの志免炭鉱をどう処置すべきかということを諮問し、次にこれを切り離すべきだというから、しからばどういう方法で切り離すべきか、その切り離すについては値段はどういうふうにして計算したらいいものかということを諮問してあるのであります。その諮問に対して、先ほど大臣からもお話がありましたように、方法は競争入札ということが、一般の国有財産の処分の場合にとられる原則であるけれども、これはいろいろな困難があるから、競争入札の精神を取り入れて、見積り合せによる随意契約によって処置せられるが適当であろうという答申がありました。それから、価格をどういうふうにして計算すべきかということに対しては、目下調査委員会で検討中でありまして、まだこれは報告が出ておりません。
○説明員(吾孫子豊君) 調査委員会に価格の算定をたのんでおるというようなふうに御質問なさいましたので、そのことで申し上げるのでございますが、価格を算定する場合にどういうような方法でやるべきかということは諮問いたしておりますけれども、価格そのものはどういうふうにきめるのかということについてまで調査委員会にお願いしておるというわけではございません。
○小柳勇君 吾孫子理事の話でよくわかりましたが、それであれば、巷間に伝わっておるように、調査委員会をして算定、入札などの評価をやらせないように要請したいが、その点総裁はいかがでございます。
○説明員(十河信二君) 今お答えしましたように、どういう方法で価格を計算したらよろしいかという、その方法を権威ある専門家に今お尋ねしておるのでありまして、新聞に、何かその価格を幾らで売るかということを諮問しておるかのごとく報道せられたのは、あれは間違いであります。
○国務大臣(永野護君) 実は私が横合いから飛び出すのは適当ではないかもしれませんけれども、今の価格の問題に入るのはまだまだ先のことで、とてもそんな時期じゃないと私は思っておるのであります。と申しまするのは、従業員との話がまとまらない、その従業員との交渉経過によりましては、ただでももらい手がないかもわからない、非常な大きな従業員のあとの引き受け条件に負担がかかるとすれば。それが非常に簡単に話がつけば、今度は山の値打は上るかもしれません。従いまして、その前提条件である従業員との交渉の途中において、その価格が幾らになるかというような算定は、とうていまだその時期ではないと思いますから……。横合いからの答弁ですけれども。
○小柳勇君 それでよくわかりました。 で、一つは、この間の運輸大臣の総裁に対する内諾には全然触れていなかったのでありますが、鉱害についての補償、その問題については運輸大臣は一体どのようなお考えを持っておられるのか、知っておきたい。
○国務大臣(永野護君) その点も十分に考えております。そしてあの中に——しかし、重要性から申しますると、従業員との交渉が一番大きいと思いましたから、それを特にあげて、そして鉱害問題も書こうと思いましたけれども、そうするとあまりたくさんになりますから、いろいろほかにもあげなければならぬものが出ると思いましたから、等という言葉を含めまして、従業員との交渉だけでこの問題をきめるものではないのだという意味を文書には表わしておりますけれども、口では鉱害問題ははっきり申し上げてあります。
○小柳勇君 では重ねて聞いておきますが、労働条件以外に鉱害賠償問題なども解決しなければ、競争入札の段階ではない、そういうふうに確認しておいてよろしゅうございますか。
○国務大臣(永野護君) すべての問題を円満に解決するというような中には当然それが入っております。
○小柳勇君 国鉄総裁にもう一つお尋ねしておきますが、総裁のさっきの発言では、もう四、五年すると出炭量も減ってしまうので、この際に総合開発しなければならぬ、それには国鉄ができないから売るんだ。こういうように心細いことを言われましたが、そのような出炭計画並びに見込み埋蔵量、そういうものに対する資料を総裁はお持ちであるかどうか、御返事願いたいと思います。
○説明員(十河信二君) 持っております。現に昭和三十二年度は五十一万五千トン出炭いたしましたが、昭和三十三年度は初めから四十八万五千トンしか出炭ができない。現実に三万トン減るという見込みを立てて予算を組んでおったのであります。そういうふうにだんだん、年々炭鉱の条件が悪くなってきますから、どうしても出炭量が減ってくることになります。
○小柳勇君 それからもう一つは、志免は、まあここ二、三年くらいは売山の方向に話がありますが、以前はずっと国鉄が経営する方向であったので、志免鉱業所自体に、いろいろ将来に対する見通しなり出炭計画があろうと思うのですけれども、そういうものについてはあるのかないのか、御返事願っておきたいと思います。
○説明員(十河信二君) そういうものを国鉄としても調べをしたいということで調べをしかけておるところへ、この志免炭鉱調査委員会というものができたのであります。それで、その調べの途中に委員会に、ここまでできておるということを提出した資料もあります。
○小柳勇君 国鉄総裁に要請いたしますが、ただいま言われました、さっきの埋蔵量の資料と、それから今の志免鉱業所の十カ年なりあるいは十五カ年なりの将来の出炭計画、そういうものについて今まで国鉄でお使いになった、あるいはお持ちになる資料を、次の五日ごろまでに当委員会に御提出願いたいと思いますが、いかがでございましょう。
○説明員(十河信二君) 承知いたしましたが、念のために申し上げておきますが、今申し上げたその十カ年計画とか五カ年計画というものは、国鉄の決定した計画でないのでありまして、現地の当事者が、こういうふうに掘っていきたいという希望を並べ立てた数字でありますから、まだ国鉄として五カ年計画とか何とかというふうに決定したものではないのでありますから、そのことはあらかじめ御承知置きを願いたいのです。
○小柳勇君 最後に、私のは最後でありますが、あとの人はまだやると思いますけれども、今の段階において国鉄労働組合並びに志免の労働者に対して、国鉄総裁はどのような方法をもって円満にこの問題をおさめるように御決意になっておるか、重ねてお聞きしておきたいと思います。
○説明員(十河信二君) 私は、誠心誠意私の研究した過去のいろいろな志免の状態、それから専門家からいろいろ聞きました、専門家に検討してもらった結果、そういうものを私は誠心誠意従業員なりあるいは地方民の方々に御説明すれば、地方の方々も従業員の方々も、必ず私の説明に納得してくれるものと私は信じております。これは初めからたびたび申し上げるように、また先刻、大臣からお話がありましたように、従業員の不安を除こうということが、非常に大きな何があるのであります。先刻申し上げましたように、昨年から今年はもう三万トン減り、来年はまたこれから減るというふうになっておるのですから、だんだん出炭は減ってくるし、これから堀るところはだんだん困難なところになってくるわけです。総合開発をしなければどうしてもそういうふうに出炭が減ってくるわけであります。従って、出炭が減ってくればコストがそれだけ高くなって参ります。経済的にも引き合わないということに相なってくるわけでありますから、そういうことは決して従業員諸君もまた関係地方の方々も望んでおるところではない、こう私は考えますので、大臣は、従業員と円満に話のつくようにというお気持を、希望を言ってこられました。私は、その希望は、大臣の御希望は十分達成できることと思います。また、そういうふうにしたいと思って、自分は懸命の努力をするつもりでおります。
○小柳勇君 それに関連してもう一問いたしますが、総裁のその気持はよくわかりますが、現在起っておる事象というものは、組合に対して団体交渉を申し込まれた、ところが、団体交渉の話はもう労働条件、運輸大臣が言われたような労働者に対するいろいろの条件、そういうものを頭からぶっつけられて、組合としては団体交渉の段階ではないといってこれを拒否しておる。ところが、国鉄当局は内容証明の速達をもって団体交渉の要求をぶっつけて、そうしてそれきりだと聞いておる。従って労働組合はそのような押しつけがましい冷たい処置に対してと、それから今までのいろいろないきさつを考慮しながら、現在中央執行委員が十名ほど現地に行って、現地の諸君に事情を聞きながら職場大会などをやっておることを私は聞いておる。そういうふうな現実の情勢を、総裁の今のような理想論だけでは解決はできないと私は思う。そのように発生していても、今汽車がとまっておらないから、あるいは九州のことであるからというので、中央の新聞は騒がないけれども、地方の新聞では毎日トップに取り扱われて、一体いつ解決するかといって非常に不安な状態が引き起されており、総会では満場一致売山反対の決議をして、総裁に何回となく陳情にきておる状態、このような現実の情勢を、誠意をもって当ればいつか解決するというようなことは、私は当事者のとるべき態度ではないと思う。従って、現実のこの情勢に対してもう少し責任のある、しかも、具体的な答弁をお聞きしておきたいと思います。
○説明員(十河信二君) 私も、事重大でありますから、現地の情勢を毎日聞いております。今は、現地では今お話のようにいろいろな会合をして反対だということをいっておりますが、静かに考えて参れば、先刻申し上げました厳然たる事実が、昨年よりか、三十二年度よりか三十三年度は現実に出炭が減ってきているのであります。これを、将来どうなるかということを考えてくれば、従業員の諸君もわかってもらえる、私はそう思っておるのであります。これはまあ神ならぬ身の、はっきりここで組合のことをかれこれ言うわけには参りませんが、私はそういうふうに考えております。
○理事(相澤重明君) ちょっと委員長からお尋ねしておきたいのですがね。今の小柳委員の質問に対して、従業員の不安をなくしたいというのが最大の考えである、こういうお話だったのですが、あれですか、まあ山については、さっきの話は、労働問題が解決すれば売却をする、こういうような意向にとれるのですが、職員は国鉄におって働きたい、こういう考えが志免の人たちの考えだと思うんですがね、職員は。これはあくまでも国鉄職員として持っておる、こういうことで従業員の不安はなくすると、こういうことなんですか。
○説明員(十河信二君) 職員の中にはいろいろな境遇、事情のある方もたくさんありますから、私は職員の希望を十分に聞いて、でき得る限り職員に満足を与えたいと、そういうふうにする用意をもって臨んでおります。従って、私は何も押しつけがましく紙に書いた通牒一本を押しつけるということはないのでありますけれども、いやしくも監督官庁から承認の指令がきた以上は、これを早く従業員に知らせる必要があると、こう考えましたから、書面で送り届けたのであります。しかしながら、実際は何というか、非公式といいますか、いろいろ話し合いをしておる。決して私は、そういう強制がましく一片の紙きれでもって押しつけようというような意思は毛頭持っておりません。従業員に対しては、でき得る限りその希望を聞いて、そうして国鉄に引き取った方がいいという人々に対しては引き取れるように、そういった方にでき得る限りのことをいたしたい。それから地方の方々に対しても、また鉱害の関係者の方々に対しても、同様の精神をもって臨んでおります。従って、私は、そう無理なことを言わないでおりますから、皆さん納得して下さることと私は思っておる次第であります。
○理事(相澤重明君) そうするとあれですね、総裁のお話を聞いておると、職員は、本人が納得すれば山と一緒に行くこともあり得ると思うんだ。これはおそらく明治以来の問題であって、人身売買というようなものはもう禁止されておるんだな、これは。国鉄職員として働きたいということで就職した人たちを、本人の意思もどういう形で聞けるか知らぬが、山と一緒に売るなんということは、これはもう人身売買と同じようなもので、大へんな問題だと思うんだが、まあそういうことじゃなかろうと思うんですが、志免炭鉱に働いておる人たちの気持というものは、先ほどの柴谷委員の御質問の中でお答えになった運輸大臣のお答えというものが、私は一番やはり中心だと思う。こういう点で国鉄総裁には意見の食い違いのないように、先ほど確認されたように一つ努力をしてもらいたいと、こう委員長からも思うのですが、どうですか。
○柴谷要君 最後に大臣に伺っておきたいのですが、大臣が国鉄に出されました了承ですね、売山了承、あと以下二つの条件があるわけです。売山は了承するが、この二件は必ず守りなさいと、こういうきつい二つの条件であると、そう確認してよろしゅうございますか。競争入札並びに職員等の問題は円満に解決をする、この二つの条件をかなえた上で処置をしなさい、こういうふうなあなたの御許可になった御意思であるか、それとも、売山はよろしい、しかし付帯的にこういうものを二つだけはやっていきなさいという軽い気持のものであるかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 言葉じりをとらえるようですけれども、分離は認めると申しましたけれども、売山を認めるとは言っておらないのであります。分離をするのには、売山以外にもいろいろ方法があるのであります。従いまして、分離を認めるということは、すぐそれを売り飛ばすということはないのであります。誤解のないように申し添えておきます。それから、売る場合にはぜひ競争入札にしてもらいたい、随意契約はいけない。それは随意契約の方が都合のいい点のあることは十分了承しつつ、それでも、不便であっても、むずかしくても競争入札にしてもらいたいということを申しておったわけであります。それから従業員等との円満なる妥結、それから沿線の町村との円満なる解決ということは、条文の上では条件だとは書いてありません。強くこれを要望すると書いてあるのであります。従って、ほんとうにいよいよ話がまとまったといたしますると、今度あらためて、かりにこれが売山という形できまるとすれば、売ることの許可の申請があるわけであります。今の分離の了承だけでは売れないのであります。でありますから、私が強く要望したことを取り入れてなければ、そのときに私はそれを認可しないという手がありますから、御安心下さってよろしゅうございます。
○岩間正男君 十河国鉄総裁から、はっきりしたいのだが、従業員の問題を円満に解決しないうちは、やはりあなたは売山の手続をしないのだ、こういうことについては確認がなかったのです。さっき私はそのことを聞いておった。これはどうなんです。この点は、さっき柴谷委員から二つの条件として出され、それから今大臣も確認されたことなんです。総裁の方から意見としてはっきりこの点明確にしておいていただきたい、どうなんです。
○説明員(十河信二君) たびたび申し上げまするように、私は、従業員が納得してくれるものと、こう信じております。また、そういうふうに渾身の努力を傾けてやっていきたいと、こう考えております。
○岩間正男君 私の質問に対する答弁にはそれはならない。それはあなたの信念かもしらぬけれども、そういうことだけでは答弁にならないので、そういう、事態がうまくいけば、それはそれに越したことはありません。しかし、なかなかそうならない面もあるようにわれわれは情勢を見ているわけなんですね。従って、そういう点について、前提条件として、今の円満解決というものをはっきりうたう、その上に立ってそうしてあなたは作業を進めるのかどうか。この点、大丈夫だと私は確信を持つのだ。これはいいのです。信念としては差しつかえない。しかし、これはあくまで主観的な問題です。ここの委員会のはっきりした一つのあなたの確言としては承認することはできないのです。この点は、大臣のはっきり先ほど念を押した、そういう問題について、はっきりあなたはそういう方向でいくのかどうか、この点が国鉄の今後のこの問題に対する処理の中で非常に重要だ。この点明確にしていただきたい。
○説明員(十河信二君) 大臣も、さっきお話のありましたように、志免の従業員の円満な納得を得るようにといことを強く要望しておる、それは条件でない、こうおっしゃっておられるのであります。私も、初めから大臣と同じ趣旨で、従業員の幸福を念願してそうしてこの分離を実行していきたい、こう考えておりますから、私は従業員が納得してくれるということを確信しなければやりません。
○岩間正男君 条件であるとかないとか言っても、そういう問題を解決しないうちはまずいとはっきり言っておるのですから、条件と考えていいのです。これは言葉のあやではしようがないのですが、そういう点について、やはり今までとってきた国鉄のやり方、われわれも聞いておるんでありますが、どうも売山の手続の方は急いでいる。そういう既成事実を作って、いやおうなしに追い込んでいくというようなこれは結果になっていくんじゃないですか。この点、これはやはりまずいのじゃないか、こう考えるのですがね。これはどうなんですか、この点は。
○説明員(十河信二君) 大臣の承認が得られなければ、さっき大臣からお話のあったように、既成事実もできないのですよ。作りたくとも、私にはそういうことはできないのです。
○岩間正男君 なぜ私はこの点を特にくどく申し上げているかというと、総裁は、都合のいいときには国鉄の家族主義ということを言っておられるのですね。そうして今度のやり方を見ていますというと、やはりほんとうに家族主義という、そういうところに立っているのかどうか、総裁のいつもの主張と今度と違うのじゃないか。この背景には大きな企業合理化の方針があるわけです。そういう方針でもってあなたはそれをどうしても先行していく、そういうことのために、やはりそこで働いている三千の労働者に対して大きな不安を与え、しわが寄ってきているのじゃないか、こういう点を私は考えざるを得ない。そのやり方を見ても、ほんとうに家族主義を貫いているというふうに考えられない。いろいろそういう問題について、また詳細申し上げることはできないと思うのですが、この点やはり今大きな一つの国鉄の方針だ、五カ年計画を推進していくのだ。その態勢の中で国鉄というものはどうも時代おくれになりかかっている。航空機はこれはもう非常に、道路も非常に発達して、そうして、そういうほかの輸送の面と比べて立ちおくれになってきている。従って企業を合理化しなければならぬ、資金の面においてもいろいろそういう合理化をやらなければならない。こういうような一つのしわが志免炭鉱にはっきりきているのじゃないか、こういうふうにわれわれは考える。従って、この問題は、単に志免の一つの問題というよりも、むしろ、国鉄の今後の基本的な運営の方針の中においての問題、そうしてその現われとしてのこの志免炭鉱の問題を私は明確にするという立場に立たなければならぬのじゃないか。基本的な運輸行政、しかもその根幹をなすところの国鉄の運輸行政というものを、一体どういうふうにするのか。これは五カ年計画、さらにこれと関連した運賃値上げの関連におきまして、こういうような点において、私はもっともっとこれは明確にしなければならない問題だと思うのです。そういう点でただいままで志免炭鉱は非常な役割を果してきた。少くともこれは国鉄の使う石炭の一割というものはここで大体まかなっていたんじゃないか。それは同時に国鉄の炭価を決定する場合に非常に大きな役割を果している。すなわち、自分で経営しているので、その経営内容というものはよく自分でつかんでいる。そのことが同時にその十倍に余るところの国鉄の膨大な、日本の全出炭量の約一〇%に当るところの国鉄の炭価を決定するという上においても、私は大きな意義を持ってきたのじゃないか。それをやすやすと、とにかく一つの合理化の面で、そこだけに一つのしわを寄せてきても、問題を解決するという形にはいかないのじゃないか。国鉄労働者諸君の要求も、これはそこにあるのじゃないか。 一体、企業合理化といっているけれども、果して膨大な国鉄の二、三千億に余るところの年間のこの予算の中で、一体、志免炭鉱のそこだけにしわを寄せることが問題を解決することになるか、そのほかの経営の中でどういうことが行われているか、そういう問題についてびしびしとむちが一体当っているのかどうか。たとえば、これは大資本家との関係もあります。資材を一体どういうふうに購入しているかという問題、炭価の問題もあります。それからいろいろな国鉄内部における経営の非常な不十分さ、こういうものがあるのじゃないか。そういう問題等にはっきりした方針というものを与えないでおいて、志免だけに一体しわを寄せてこういう形で、労働者は、少くとも国鉄の全体的な運営についてはっきり今考えておる。日本の運輸行政というものを背負って立つと考えておる。この国鉄の労働者の立場からすれば、これは私は納得できない。ですから、単に三千人のこれは志免炭鉱の労働者の問題じゃなくて、実は三十六万人の国鉄労働者全体のこれは問題として、今この問題が焦点として浮び上ってきておる。ここに、現在の国鉄の運営、その背景にある自民党の運輸政策との関連においてここに一つの問題があるわけです。そういう問題をとらえないでおいて、そうして今言ったように、総裁は私の、一つの家族主義みたいな愛情でもって、そうしてあなたの信念でもって、——その信念はけっこうでありますけれども、この信念でもって何とか説得できるのだというふうにだけお考えになって、これは一体解決すると思いますか。これは、こういうところにしばしばぶつかってきた、この三年間の運賃値上げの論議の中で、いつでもあなたのは信念なんですね。しかし、これは大東亜時代の信念に通ずるくさみがある。危ないのじゃないか、こういうことで一体現実の問題を処理することは私はできないのじゃないか。どうですか、その点についてもう少し現実をやはり直視して、総裁自身がそういう問題についてやはり全般的な関連で、この志免の問題を解決する心がまえというものが必要だ。この問題について、必要だったらまた次回に詳細に、この次の機会にこの問題について論議しようじゃないですか、いかがですか。
○説明員(十河信二君) 私は国鉄家族主義の信念をずっと持ち続けております。そうして、志免の問題に対しても同じ信念のもとに対処いたしておるのであります。志免の問題は、他の国鉄の問題と違って、他の国鉄の問題は、年々輸送量が増加して、だんだん拡張していくことに相なっておるのであります。ところが、志免炭鉱の問題は、このままでいけばだんだんしり細りになる。それゆえに、過去において志免炭鉱の従業員を他に配置転換をしたいということで何回かやって参りました。しかしながら、山で働いておる、炭鉱で働いてくれておる人が鉄道へ移ってくるというと、どうもどこか他人の家へ嫁に行ったような感じを持っているのです。なかなか満足ができない。今後もそういうふうに年々何百人かずつ人を減さなければならぬというこれは現実の情勢にあるのです。合理化の政策を進めるがためにそうなったのじゃない。炭鉱の性質上、当然そういうふうになってくるのです。そこで、私は自分の家族のように思っておる志免炭鉱の従業員がそういう不安な状態で仕事を続けられることはまことに申しわけがない。何とかして、でき得る限り職場を安定して、少くともその安定の期間を長くしたいということを私は考えまして、これを分離したいということに方針を立てたわけであります。また、さっき人身売買というようなお話もありましたが、そういう誤解を受けてはいけないから、私は、その競争入札というふうなことは、そういう誤解を受けるから避けたいと、こう思ったのであります。
○岩間正男君 これは方針の問題じゃないと、山そのものの問題だと、こういうふうなお話ですが、そうとだけは言い切れないのじゃないか。これは、昨年もこの調査委員会の人たちが来てわれわれ検討したし、これはさらにまた、かりにこの山が売られるにしたって、次の経営者がそんな採算の合わない山を買うわけがない。問題は方針です。まず国鉄総裁、今の金の何倍かつぎ込んでごらんなさい。志免炭鉱をあなたの方で締めておるのです。どんどん締めて、ここのところ半分も——売るんだからというわけで、ここのところに資本も投下しない、消極的になっておる。そうすれば、山というものは、やっぱり締まってしまう、発展しない。これ逆にはっきりと積極的政策をとれば、ちゃんと方法があると、私はそう見ているのですよ。その点が非常に私は違うのじゃないかと思うのです。これはまあ論議は今これをやっても、また詳細なデータを示さなければならないから、この次にやりますけれども、そういう点について、まあとにかく現実はこうなんで、売るときめたので、もう身売りをするのだから、何とかそれにつじつまを合せる、問題の議論だけ展開されたのではほんとうにまずいのじゃないか。やはり大きな国鉄の経営の中で、そういう問題は同時に関連させて考えていくということがなければ、少くともこれは一つの政策にはならぬし、それから国鉄総裁の一つの方針には私はならぬと思う。大国鉄を背負っておる大総裁として、それくらいの一つの抱負経綸をはっきりして、志免の問題に一切の問題を締めかけるというようなことはやめるべきじゃないかと私は考えるが、まあそのことを述べておきます。これはまた、もっと具体的に論ずる機会がこの次にあると思います。
○理事(相澤重明君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(相澤重明君) 速記をつけて。 志免鉱業所の質疑は、本日は、この程度で終了をいたしたいと思います。 次回の運輸委員会についてお諮りをいたしたいと思うのでありますが、二月五日十時から開催をいたしたいと思います。 なお、運輸当局に資料の提出を要求したいのですが、一月二十四日に行政管理庁の発表された運輸省の認可行政に対する勧告について、こういう点について運輸委員会に資料を提出をしていただきたい。この点いかがですか。
○政府委員(山内公猷君) けっこうでございます。
○理事(相澤重明君) よろしゅうございますか。それでは資料を提出していただきます。 本日は、以上をもって散会いたします。 午後三時三十八分散会