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31回国会衆議院1959/02/10

予算委員会 第8号

発言数
29
登壇者
3
会派数
2
開催日
1959/02/10

会議録

楢橋渡自由民主党

○楢橋委員長 これより会議を開きます。  昭和三十四年度一般会計予算、昭和三十四年度特別会計予算、昭和三十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  勝間田清一君より発言を求められています。この際これを許します。勝間田清一君。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 私は日本社会党を代表いたしまして、この際に岸総理の決意と責任を問いたいと思うのであります。  去る二月の二日にこの会場を通じて、私は岸総理に対して、非核武装宣言を日本が単独に行うことに対して、国会が、これが宣言を決議することに対して、支持と協力をするかどうかという点を明確に問うたところが、岸総理はこれに対して、全く同感であると今日まで答えられてきたのであります。  しかるに今日両党においてこの問題を交渉いたしておるにかかわらず、事実上の決裂の状態にある。政党責任内閣の総理大臣として少しも協力も支持もしていないではないか。私はこのことをきわめて遺憾に思うのであります。今日まで幾たびか責任政治制を主張しておきながら、何らの協力も支持もやっておらないじゃないか、こういう状態で国会の権威を保つことは断じてできないと私は思う。岸総理の今回におけるこれに対する決意をお伺いしたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 核兵器の問題に関する私の所信につきましては、しばしば言明をしておる通り、今日も変っておりません。  さらに決議の問題につきましては、私もはっきりお答えを申し上げましたように、国会で扱われるべき問題だと考えます。しかして党がこの問題をどう扱うかということにつきましては私ももちろん総裁として、できるだけ私が総理としてお答えをしておる線に沿うように努力をいたして参っております。その結果、両党の国会対策委員長の間において、この問題の取扱いについて交渉がされておる、交渉中であると私は報告を受けております。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 これが決議について協力をいたしておるという、総裁としての、総理としてのお話でありますけれども、私はそう理解することは断じてできません。今日までの交渉の経過はあなたも御存じの通りに、わが党の河野国会対策委員長の提出した文案について統一の意見を求めようではないか、やろうではないか、それが交渉の重点であったことはあなたの御存じの通りでありましょう。その重点であるところの内容は、一切の核兵器は持たないのだ、持ち込まないのだ、保持もしないのだ、小型といえども、防衛といえどもこれを持たないのだ、という答弁をあなたはいたしておるのであります。しかるに、このあなたの責任ある答弁を、この両党の決議で、国会の決議でこれを盛ろうとすることに対して、増田国会対策委員長はこれを拒否いたしておるのであります。あなたの言明されたことと、今日増田国会対策委員長の言っておることは、全く違うじゃないか、政府と与党の態度が違うじゃないか。この違うところを改めるところに、あなたが責任ある政治を行なっていくという支持と協力の責任があると私は思う。それをやっておらないじゃないですか、どう思いますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 御承知のように、党は党としてのいろいろな機関もございますし、これが国会の運営その他につきまして、私は両党が交渉を尽すべきことは当然であります。今勝間田君はわれわれ自民党が出しておるこの一つの提案なり、あるいは国会対策委員長同士の間の話し合いというものが、私の趣旨を全然無視したものであるように言われておりますが、そうではなくして、この線に沿うて両党が話し合いをしておるというのが現状であると、私は報告を受けておるのであります。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 私は、岸総理が国会と内閣とを分けて、そうしてある方にはある答弁をし、他には他の答弁をし、他の態度をとる。こういう態度は、政党責任制の今日の内閣制度においては、断じて許せないことだと思う。国会における発言は、総理といえども、われわれ一議員としても、その責任の重いことは同等であると思う。同時に一党の総裁が、一国の総理として責任ある答弁をここにおいて繰り返していく以上、この責任ある答弁というものは必ず実現しなければならぬものと私は考える、当然だと思います。かって小川友三君が第七回国会におきまして、予算委員会において反対討論をしたけれども、本会議でこれに賛成したために、この人は除名をされました。私は今日の責任内閣というものは、これ以上の責任を負うベきものだと実は思う。それであってこそ初めてあなたの答弁がそつのない答弁というよりも、責任ある答弁になると私は思う。これが肝心かなめのところではないか。これが破れるようで、今日どうして責任内閣というものがとれるか、国会の権威をどうして上げることができるか。私はあなたのその場限りの答弁は困る、これは国会を今日冒涜しておる最大の原因だと私は思っておる。その意味において、あなたの今日のこの責任を一党の総理として総裁として実現する責任があると私は思う。これに対してどう考えますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 総理大臣として私がここで言明をしたことについて、私が総理大臣として責任を負うことはこれは当然であります。しかし私が言明をしたことを、直ちに国会がそれを取り上げてそのまま議決にされるか、あるいは法律等にされるかどうかという問題は、これは国会がおきめになる問題だと思います。私はそれに従わなければならぬと思います。     〔発言する者多し〕

楢橋渡自由民主党

○楢橋委員長 静粛に願います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 あらゆる核兵器は持ち込まない、持たない、保持もしなければ持ち込みもしない。この態度はあなたの態度、言明された責任内閣の首班としてのあなたの態度、この態度と、今日あなたがよって立つところの自民党の国会対策委員長の態度とは違うじゃないか。与党と内閣との間における態度の違いが出たときに、あなたはそれでいいと思うのか。あなたはその意見を責任ある統一をして、ここに言明をするところに実行というものが伴う。言明が即実行されるのだ。この実行がされないところに、今日政府と与党との間における意見の相違が、便宜的な答弁となって現われておる、私はそういうように考えるのであります。この与党と政府の態度のこの違いというものは、決して簡単なものではないと私は思う。小さな問題で意見が分れていくならば、これはあり得ることでありましょう。しかし今日こうした外交上の大きな問題、基本方針の問題について、与党と総理大臣との意見が違うなどということであっては、私は国会の審議はできないと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 私は、私が内閣総理大臣として言明をしておる事柄に対して党が反対して、その私の内閣の方針を認めないということであるならば、今勝間田君の言う通りである。ただ国会対策委員長同士で扱っている問題は、国会の議決としてこれをいかに表わすがということについて両党が話し合いをしているわけでありまして、このことは、私が行政府の長として、内閣総理大臣として認めておる私の行政方針を、党が否認しておるという問題とは違うと思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 いわゆるわが党の統一見解を求めたのに対して、今日増田国会対策委員長との交渉においては、事実上決裂いたしておるのであります。あなたの見解は、今日増田国会対策委員長の見解となっていないのであります。同じ方向に進んでいるという方向の問題じゃない。内容は今日明白でしょう。明白な内容のものがなぜ今日受け入れられないのか。それが受け入れられないならば、われわれの今日のこうした質問は無意味になるでしょう。実行されないでしょう。この総理大臣の言明と両党の交渉の過程における与党の言明とが今日違っておるということです。それでは今日の責任政治はできないではないか。明白な答弁をお願いしたいのであります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 繰り返して申し上げますけれども、私が内閣の首班として今核兵器についての一つの方針、所信を明らかにしておるように、その方針ですべての政治を行なっているということ自体に対して、党がそれを否認しておるという問題じゃないと思います。問題は、この問題を議会としていかに扱い、いかなる決議をすることが、国会として適当であるかという問題について、両党の意見が今一致しておらないという問題であると私は思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 重ねてお尋ねいたしますけれども、あなたは、政党と、その政党の責任内閣の上に立った総理大臣としての関係をごまかそうとしておる。すなわちあなたの今日総裁として、総理としての答弁は、あなたの与党の考えと違っておるのであります。それで責任内閣がとれるかどうかということであります。それをあなたに聞きたいのであります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 私は違っておらないと思います。私は日本の自衛隊を核武装しないと言っておるし、また核兵器を持ち込ませないと言っておることは、現実にそのまま行われておるのであって、ちっともその方針と違反したところのことは、党と政府との間にないと思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 あなたはそこで非常にごまかされておるわけでありますが、要するに増田国会対策委員長は、あらゆる核兵器を持たない、これを保有することもしないし、持ち込むこともしない、すなわち防衛として、他国を脅威する兵器として核兵器を保有しないという文章の内容にわれわれはしたいのだ、またそうであると私は考えるのだ、この見解を統一見解として求めようではないかということを拒否されておるわけであります。あなたはそれを画然とここで信念として申されておるわけであります。あなたの与党はこれを拒否されておるのであります。同じ一つのことに、一国の総裁であり総理であるあなたの思惑と与党の態度とが違うではないか。それで政党責任内閣制というものがとれるのであるか。とれないじゃないか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 私がしばしば申し上げておるように、私は岸内閣の方針として、先ほども申し上げた通り、核武装をしない、核兵器は持ち込まないという方針を貫いてきております。それを変えなければならないような与党内の議論は私はないと思う。ただ問題は、この問題に関して現在の状況において、国会においていかなる決議をすることが適当であるかということについて、私は両党の間にまだ意見が一致を見るに至っておらない段階であると思います。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 これは事実上今日決裂をいたしておるのである。私はそれであるがゆえに今日これを重大な問題として考えていきたいのであります。二月六日の朝日新聞の朝刊にこうした重大な記事があります。「赤城官房長官は、五日夜七時過ぎ渋谷南平台の私邸に岸首相を訪ね、非核武装決議に関する同日の自民党総務会、外交調査会の話し合いの結果を報告した。岸首相はこれに対し「私は個人としてこの趣旨の決議に賛成したが、党や国会に私個人の考えを押しつけるようなことは考えていない。」——その個人としてあなたは答弁されたのであるか、これをあなたにはっきり聞きたいのであります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 もちろん私がここで答弁いたしておることは、総理大臣として答弁をいたしておるのであります。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 きょうの十二時の福田幹事長の記者会見におきまして、いわく、すなわち自民党は核武装をしないということは、あらゆる核兵器を保持したり持ち込んだりすることをしないという意味ではないのだ、そういう意味では岸総理と党とは意見が一致しておる、こういう言明をいたしておるのであります。そうなると、今日あなたの言われることと与党の幹事長談話で発表されたことと全く違う。幹事長談話の方は、あらゆる核兵器を持み込まないとか、保有しないとかいう意味ではないのだ、何らかほかのものは持ち込んでもいいような受け取り方をするところの談話を発表しておられる。それと岸総理とは全く意見が同じであるという談話を今日の記者会見で行なっておられる。あなたは与党と完全に違うではありませんか。これは一体どうしますか。この幹事長の今日の十二時の記者会見の内容をどうしますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 幹事長は記者会見においてどういう発言をしましたか、それを私は承知いたしておりません。しかし私がここで内閣総理大臣としてお答えをしていることは、これはきわめて明瞭であると思います。     〔発言する者多し〕

楢橋渡自由民主党

○楢橋委員長 静粛に。——静粛に。

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 私は今日国会の権威を一番高める事柄は、政党内閣制を持っておる、その制度の上に立つ今日、与党とその内閣を担当する総理の言葉が、確実に実行できるかできないかというところに、国会の権威を高める一番の基礎があると思う。これにゆるぎが生じてくるようでは、われわれはここでいかに論議を尽してみても私はナンセンスだと思う。同時に今日国際信義を高める上において、岸総理が、おれは核兵器は持たないのだ、おれは何何しないんだという答弁を何回されても、世界の多くの人たちは、岸総理はああいうことを言っているけれども、言うことと実際とは違うんだ、こういうことが、岸内閣に対し日本国民に対する信頼を国際的に失墜しておるところの根本だと思う。対外的な政治の権威を確立をし、国際的な信用を確立するためには、政党内閣の上に立つところの総理の言質が確実に守られるというところにあると私は思う。この大本を確立せずして、あなたがいかに要領のいい答弁をされても、それは政治にはならないでしょう。国の不幸になるだけでしょう。その意味において、今日この状態においては、とる道は二つしかないと私は思う。一つは何か、あなたが言質通り共同宣言を実行するためにあなたが努力し、これを実現されるかどうか。もう一つは、与党を押えて実現できないならば、その上にいかにあなたが内閣を続けようとしたところで、それは実行できないのであるから、あなたは党内統一をとることができないために、責任の政治を行うことができないというのだから、あなたは総辞職する以外にはないと私は思う。私はその二つに一つをとるべきだと思う。これを明らかにしない限り、私はこの予算案にこれ以上協力することはできません。これを明確にしない以上、われわれは予算案の審議に協力することはできないということを明白に申し上げて、私の質問を終ります。(拍手)

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 私は明確に申しておりますし、また事実が私の言明通り日本の自衛隊は核武装をいたしておりませんし、また日本に核兵器を持ち込んでおるところの事実は全然ございませんし、私が国会において言明しておる通りに実行されておるということをよく銘記しておいてもらいたいと思います。(拍手)

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 それならばあなたは与党を引き連れて全部あなたの見解にさしたらいいじゃないですか。なぜ実現させないのですか。実現させずして言葉を吐くだけでは、責任政治は意味をなさないと私は思う。一体与党をなだめてやる決意があるのか。与党に行ってやる元気があるのですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 先ほどからきわめて明瞭に申し上げておる通り、国会においていかなる決議をすべきかということは、これは国会がおきめになることであり、また二大政党である以上、両党の間に十分な話し合いをしてその結果論を得るべきである。私は内閣の首班として、私の行政の基本として、私が言明しておる事柄について、実行上何ら間違っておらないということを明確に申し上げます。     〔発言する者多し〕

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 二大政党をあなたが説かれるが、その二大政党が、今日信義をもって話を続けておるのであります。あなたは総裁とし、総理としての両面の責任を負うべきであると私は思うのであります。それは当然だと思うのであります。その二大政党がお互いに話し合って、岸総理の再々言明をするその内容が、与党に行って受け入れられないということになったならば、一体どういう政治になるのですか。この総裁として、総理としての両面の責任を、あなたは果しておられないのであります。私はそれが言いのがれには絶対にならないと思う。あなたは総裁としての責任を果すべきである。同時にその上に総理としての責任を果すべきだ。どうしますか。二大政党の話し合いがそこで成立しますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣

○岸国務大臣 同じことを何べんもお答えすることになるのでありますが、私は内閣総理大臣として政府の方針の根本、並びに私の所信を明らかにいたしておりまして、実行上日本の国が、私が言明しておる通りに動いておることは事実であります。そしてそれはわが自由民主党においても、それを支持しておることも事実であります。ただ問題は、今回いかなる決議を国会においてするかという問題でありまして、そのことについては国会が自主的な立場において、両党においてそれが話し合いをしておるということが実情である、こう思うのでありまして、今勝間田委員が声を大にして私をなじられますけれども、私はその間においてきわめて問題は明瞭であると思います。     〔発言する者あり〕

勝間田清一日本社会党

○勝間田委員 この責任を回避して、岸総理がこうした責任を回避している以上、私どもは岸総理の答弁に信義を置いて国会のいかなる質問をしても、無意味だと私は思う。私は今日議長に対して、この総理の答弁の権威、それが実行されることに対しての、重大な決意を求めざるを得ないことを、われわれは警告いたしまして、私の質問を終ります。(拍手)

楢橋渡自由民主党

○楢橋委員長 質疑を続行いたします。石村英雄君。——この際暫時休憩いたします。     午後二時四十六分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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