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31回国会衆議院1959/06/10

法務委員会 第23号

発言数
53
登壇者
7
会派数
2
開催日
1959/06/10

会議録

小島徹三自由民主党

○小島委員長 これより会議を開きます。  法務行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。  中村高一君。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 福島県の猪苗代の営林署に起つた不当検挙の問題について、林野庁の長官並びに警察、検察、法務行政を担当する諸君の御答弁を一つ願いたいと思うのであります。  最初に林野庁の長官の方からお答えを願いたいのでありますが、今まで労働問題について団交などが行われましたあとで、あるいはその途中において問題の起ったというような場合がないとは言えないのでありますが、今度の問題のように、正式に組合の代表者と営林署の間において超過勤務手当の問題あるいはその他の職員の施設等について団体交渉が行われて、五月四日円満に団体交渉が妥結をしまして、両方が何も問題がなくこれで団体交渉が終ったという、こういう経過をたどって、問題なのは、それから約二十日間も過ぎてから団体交渉に当った者を七名検挙してしまった、どうもそのやり方が理解できないのであります。何か暴行とかあるいは傷害とかいうようなことが起ったとするならば、団体交渉は数日にわたって行なったのでありますから、そこで検挙されるならばわかるのですけれども、二十日も過ぎてから検挙をして、しかもこれが——警察庁の長官にも答えてもらいたいのは、猪苗代という所轄の警察があるのに、それは手を出さない、県の警察部が直接出かけてきて引っぱった、この辺も通常の経過では了解ができないのであります。大ていならば、団体交渉が円満に片づいたというような場合に、両方きれいに手打ちをして、とにかく毎日顔を合せている同じ営林署の内部のことですから、こんなことで警察問題になるというようなことは、ちょっと理解できないのであります。二十日も過ぎてから、所轄の警察は何もしないのに、県警察が飛び出してきて検挙をする、しかも団交をやっておった代表者を引っぱるというのでは、うっかり労働組合の団体交渉権というようなものも使えないということになってしまう。この起訴状などによりますと、何か傷害があった、こういっておりますから、これはいずれ裁判になるからわかりますが、当時猪苗代の町のお医者さんのところに営林署長が被害を受けたといって行ったときには——そのお医者さんは佐瀬というお医者さんでありますけれども、診断の結果は、肝臓機能障害だといって、別にどこも悪いところはないから、御希望ならばビタミンでも打ちましょうといって、ビタミンを打って帰ったという事態もわかっておるのであります。ところがその後、警察医か何かじゃないかと思うのですが、一週間の診断書を出した人があるらしいのであります。直後診断の医者は、何にもない、肝臓の機能障害くらいで、ビタミンでも打とうといって済んだものを、後になってから一週間の傷害だというような診断書を作っておるところもおかしいと思うのでありますが、この経過を見ると、どうも何か林野庁の方では、この問題を特に取り上げて組合側に不当に圧力を加えるというような疑いがあると思うのであります。先に林野庁の方からお答えを願って、あと警察庁の方から、どうして所轄の警察が何もやらぬものを、大事件であるかのごとくに県警察が飛び出してきてやらなければならなかったのか、その経過を聞きたいと思うのであります。

山崎斉林野庁長官

○山崎説明員 二月から五月にわたりまして、猪苗代において団体交渉が行われ、またその過程においていろいろな問題が出たのでありますが、当事者の営林署といたしましては、やはり営林署の内部の問題であるというふうな考え方に基きまして、いろいろな不法といいますか、団体交渉の過程において、組合側の適正でない、妥当でない行為に対しましても、できるだけそれを荒立てるといいますか、告発とかそういうふうなことはやらないで、やはり円満に解決するような方向に物事を持っていきたいという考え方でこれに臨んだわけであります。この団体交渉ができた後におきまして、当局側の方で、警察とどうこういたしまして、組合に弾圧を加えるという考え方に基いてこの事態を処理したものではないというふうにわれわれは承知しておる次第であります。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 今の長官の答えでは、弾圧する意思はないのだというようなことですけれども、これは団体交渉をやるときに警察官でも中に入っておって、二十日もたってから引っぱっていったのか、それとも営林署の方から、団体交渉は終ったけれども、考えてみると途中で乱暴があったというようなことで、警察へでも訴えて出たものやら、弾圧を加える意思もなく円満に話がついて、同じ営林署で——おそらく猪苗代なんという所は山の中だと思うのですけれども、そういう営林署で毎日顔を合せている職員の中で、多少団体交渉の際に言葉の行き違いくらいはむろんあったかもしれないけれども、圧迫を加える意思でないならば、どこからこんなに大量に検挙しなければならない経過になったのでしょうか。営林署はノー・タッチなのか、何でこんなことになったのでしょうか。

山崎斉林野庁長官

○山崎説明員 営林署といたしましては、もちろんこの事態に対して告発するというふうな手続はとらなかったのであります。また、警察当局に対しまして、自後におきましても、具体的な措置をお願いするというふうなことも何ら行わなかったという経緯になっておるのであります。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 そうすると、営林署としては、警察問題にする意思もないし、それほどのことでもない、団体交渉を終ったときに、署長から、円満に話もついたし、特に君らを不利益な取扱いをやるような状態でもないから、そういうことは、任命権者である営林局長にも申し上げておきます、安心して下さいと言って、円満に手打ちをして別れて、ああよかったと思ったら、二十日過ぎてから逮捕状で寝込みを襲って、七人も警察に連れて行かれちゃったのですけれども、どうですか、長官としても、二十日も過ぎてから、皆寝ているところを逮捕状執行で七名も検挙するほどのことではなさそうに御答弁ですけれども、それは警察のやり過ぎのように、あなたの御答弁では見える。ひどいならひどいと言って下さい。それは遠慮なく、何もあなたはおそれるところなくおっしゃて下さい。

山崎斉林野庁長官

○山崎説明員 この最終の段階におきまして、組合側から、不利益な取扱いをしなければならないような状態ではなかったということを確認してもらいたいという要請があったのであります。これにつきましては、当局側として、これを確認することはかたく拒否したわけであります。従いまして、それに基きまして、組合側から、一切の不利益な取扱いをしないことを要求するという形の要求書がそれにかわって出されたわけでありまして、それを受けまして、署長としましては、組合側の意見は了解はします、その旨を任命権者の局長にも上申いたしましょうということを確認した文書を出しておるのであります。しかしながら、この了解という点につきましては、議事録にも明らかでありますが、了解したということの意味は、組合の意見を聞きましたので、その聞いた通り上司にお伝えするという意味でありますということを明らかにしておるのであります。不利益な取扱いをしなければならないような状態ではなかったということではないというふうにわれわれは解釈しておるのであります。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 行政処分については、今長官のおっしゃる通り、不利益なことはしないということですからそれでわかるのですが、その程度のことだとすると、何で寝込みを襲ったり、ことに団体交渉で話がついた事件を、二十日も過ぎてから寝込みを襲うというやり方がどうしてもわからないのですが、大てい労働争議や何かある場合には、やっている最中、もみ合ったり何かして、よく連れて行かれたりするのはわかるのですけれども、ことに円満に話がついて、別に不利益の処分をするほどのことでもないというほどの問題で、七名もあとから引っぱっていくということについては、どうも警察の行き過ぎのようにも考えられるのですけれども、この際警察庁の方からお答え願いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 警察が組合運動自体について介入しないとうことは、前々から申し上げておりますように、基本的な大事な方針でございす。従いまして、組合活動、あるいは団体交渉の過程において、これが法に許される範囲内において円満に行われておる、あるいはときどき言葉のやりとりとか何かで激越な調子になろうと、いやしくも法に触れることのない限り、警察としてこれに関与しないことは当然であります。しかし、今回の事件は、警察としては、捜査をいたした結果、四月二十八日と五月四日におきまして相当に暴力的な行為が行われておると認識をしておるわけでございまして、たとい団体交渉が終局的に円満に解決いたしましても、その間に起りました不法事案についての責任は、これを追及していくということが警察の態度でございまして、そういう趣旨に基いて今回の検挙を行なったわけでございます。先ほどお話の五月四日に解決したというのではなくて、五月十日に妥結いたしておるわけでありますが、この二十八日と五月四日の事件を慎重に捜査して参りまして、五月二十日でありましたかに検挙をするということになった次第であります。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 ちょうど参議院の選挙中でありまして、その当時福島県に岸総裁や大野副総裁が応援演説に回っていって、何かこの事件のことを聞いたというのです。それで、そんなものはやっちまえ、やらないとくせになるとか言うたというて、それから県警察部がそれはやっつけろと言った、こういうふうに組合の方では言っている者もあるのです。それは二十日間も過ぎて、その期間が長いから、捜査について疑いがあるという意味では必ずしもなくして、私が申し上げるのは、所轄の警察も問題にしないし、今長官の答弁を見てもどうも大へんな事態だからというほどでもないし、林野庁としてはやってもらわなくてもいいんだというほどの軽微な問題だと私は思うのです。それを県の警察部がいきり立って大がかりにやるということもおかしいし、それからもう一つは、営林署の署長の奥さんが、検挙される前に、近いうちに組合の幹部は引っぱられますよということを言っておったというのです。そうすると、何となしに営林署の署長と県の警察部や何かと打ち合せか何かをしておったのではないかと思われる。さもなければ、奥さんの口からそんなことが漏れるはずはない。どうも政治的な手が加えられたように思われるのですけれども、警察庁としては、その事実についてそんなに詳しくお調べになっていないのではないでしょうか。詳しくなければまた調べてもらっていいのですが……。

柏村信雄警察庁長官

○柏村説明員 それでは、事件の概要を申し上げておきたいと思います。  四月二十八日の事件でございますが、午後九時三十分ごろに猪苗代の営林署長の永田永久というものが団交を一時中止をいたしまして、庶務課長と経営課長と一緒に署長室から退出しようとして出入口に向いましたところが、ここで中闘の石川一雄らがその進路に立ちふさがって妨害した。そのためにやむなくこの両課長は窓から外に逃げ出そうとした。これを分会の副執行委員長の渡辺幸雄、分会員の上野利志雄の両名が、足首をつかんで引っぱった。分会書記長の奥田、分会員の松井という者ら数名が、ようやく窓下に飛びおりました阿部という課長を取り押えまして、輪型スクラムを組んで、石川の呼び子に合せましてかけ声をかげながらその課長の周囲を回って、脱出を不可能ならしめる、そうして再び署長室に連れ戻して、さらに阿部課長と同じように窓から逃げました菅野課長というのを追っかけまして、これをつかまえる、これもまた輪型スクラムに入れて、署長室に連れて戻る、そしてさらに署長のかけておるいすをゆさぶるとか、あるいは課長のいすをゆさぶる、胸をこづくというようなことを、二十八日にいたしておるわけであります。  さらに五月四日に至りましては、午後二時四十分ごろから三時ごろまでの間に、永田署長が組合側との団交の席上におきまして、その罵声に耐えかねて交渉を一時中止して退出しょうといたしたわけでありますが、これに対しましても石川らが再三にわたって永田署長の肩を強く押していすにすわらせる、さらに退出しようといたしました署長を三、四回突き飛ばして金庫にぶつける、さらに逃げ出そうとして出入口に向うのに対して、数名がスクラムを組んでこれを妨害する、やむなく署長が窓から逃げ出そうとしたが、分会員長の五十嵐、それから石川というのがその足首をつかんで妨害して、窓の外に転倒させる、その上さらに数名が輪型スクラムを組んで、かけ声を発して署長の周囲を回って、その脱出を不可能ならしめる、さらに署長に対して右手の関節部とか後頭部に打撲傷を与えるというような事件でございます。  こういう暴力的な行為に対しまして、警察としては慎重に捜査を進め、また関係者が非常に多くの範囲にわたりますので、県本部が直接責任を持って指揮をとったという実情でございまして、先ほどお話のような政治的な意図によってこの取締りを行なったというようなことは全くないのでございます。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 文書に書かれたものを読むと、そういうふうにいかにも何か乱暴を働いたように見えますけれども、団体交渉のときに多少のどなり合いくらいは、どこの団体交渉の際にもあることであって、この程度の問題が七人も検挙、逮捕するほどの問題であったかどうか。これは別に裁判になっておるのでありますから、そのことをかれこれ言うわけではありませんけれども、いかにもどうもこの逮捕が政治的な逮捕であると思われるのはこの経過ばかりでないのであります。林野庁の労務管理に関しまして下部に流しておる秘密の指令というものを見ますと、大へんな戦闘的な闘争態勢を営林署長にやらせるような趣旨の文書を流しておるのでありまして、何かこれは警察と林野庁の方で合作でやったんじゃないかと思われるような節も明らかに認められるのであります。たとえば、これは秋田県の秋田営林局から米内沢営林署分会というのに出した通報の中には、こういうことまでも書いてあります。警察は積極的に団体交渉や何かのときに応援をする、こういう文書を流しておるのであります。だからおそれずやれというような趣旨の文書を流しておるのであります。警察が積極的に応援するなどということはあり得ないはずであります。団交の場合に、もし逸脱する場合には警察が出るということならわかるけれども、林野庁から出した文書の中に、警察は積極的に管理者側を応援するのだといってけしかけております。そして今の米内沢という営林署分会に出した秋田営林局の通報の中にも、いろいろの団交や何かの場合の団交ハンドブックとかいうものを林野庁から下の方に出しているのでありますが、まるで昔の特高か何かのようなことをやらせるような文章があるわけです。たとえば「夜間は当局活躍の場である。重要な情報PRは夜間別個に得られる場合が多いのである。」とか「情報とPRは足で得られる」というのが鉄則である。ジットしていては何物も得られない。」といって、組合の情報を探れというような、全くこれは特高警察か何かのようだ。それから「情報は一寸した立話し等瞬間の間に得られることも多い。凡ゆる神経を立てて情報を集める必要がある。」というような、まるでどうも戦術が同じ営林署の中で毎日働いている管理者と組合員との間のことだろうかと思われるぐらいの、あなたの方の上部からの秘密の文書が流れております。そしてその文書の中にも、組合というものをこんなふうに見ておるのかと私たち驚いておるのですけれども、長官はどうお考えになっているか。とにかく上部から出している文書です。  組合は「階級闘争的権力闘争を企画し死力を尽し当局と対決せんとするものの如し。」とか、とにかく戦争か何かがいよいよ始まるときであるかのごとき文書を下に流している。そして「一度決心した方針を変更するのは余程でないとしてはいけない。責任者がこれを行うと指揮混乱し部下錯乱してしまう。そして凡ての行動が受動的となり相手にいなされる結果となる。」というようなことをいって、きぜんとして立てというのだから、これじゃ団交を一体スムーズにやれというのやら、戦う態勢をとれというのやらわからぬ、いかにもものすごい文書が出ております。「闘争は弾丸の来ない戦い即ち演習であり、芝居でもある。」どうしてこんなことを一体けしかけなければならないのか。それからこれは三十三年の十一月十一日に林野庁の職員課から営林署に出した文書の中に、「職場闘争は、既に明らかな通り、単に経済的要求を獲得するための手段なのではなく」「固有の労働組合組織ではなく、職場の人民管理機関であり、革命の基礎構造をなすものである。」というような文書を出しているのですけれども、一体こういう断定を下しておるのですか。林野庁の組合は、あなたが管理する職域の部下の組合です。それが人民管理機関であったり、革命の基礎構造をなすという認定をおやりになっておるのかどうか。こんな認定をされておるとすれば、これは大へんなことだと思うのです。上司が林野庁の職員を革命の基礎構造だなんという認定をしているということはとんでもないことのように思うのです。あなたは長官としてこんな文書を下部に流しておることを御存じであるかどうか、御答弁を願いたい。

山崎斉林野庁長官

○山崎説明員 林野庁といたしましても、公労法の趣旨にかんがみまして、正常な労使の慣行を尊重して、平和的な友好的な労使関係の維持をしていかなければならぬということは当然なことでありまして、それに努力をいたしておるのであります。不当に組合を弾圧するようなことは毛頭考えていないのであります。従いまして、団体交渉というものにつきましては、正常なルールに乗った団体交渉というものは、当局側としてもいつでもこれは当然受けて、双方で話し合い、問題の解決に努力するということは、当然やらなければならないことだと考えまして、そういう線に従ってわれわれとしても努力もし、関係のそれぞれ下部機関にもそういうふうにやるようにわれわれとしても極力指導をしておるという形であります。ただ、その過程におきまして、不法とか不当な行為があるというものに対しましては、当局側としてもこれに断固としたきぜんたる態度で臨まなければならないというふうに考えておるのでありまして、そういう趣旨に基いて林野庁としては組合に対応していくということを考えておる次第であります。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 長官のおっしゃる通り、私らも決して団体交渉や労働争議に乱暴なことをしろなんということを考えておるわけではない。むろん争議が起っても、あるいは団体交渉の場合においても、平和的に話し合いで解決することが望ましいことでもあるし、われわれはそういうことを期待しておるのでありますけれども、長官の今言われた気持はわかるのですが、今申し上げたような文書が下に流れておるということが行き過ぎではないかということを私は聞いておるのです。あなたもきっと、これは知らないというわけではないのだろうと思うのですが、このように組合に対して大へんな革命機関であるかのごとき断定を加えて、そうして署長よしっかりやれ、あの組合は革命の基礎構造だなんということを教えて、組合の代表が来たときには戦えというような指導方針は、労務管理の上においてよろしくないのじゃないかということを言っておるのであって、私がさっき申し上げた文書はみんな実際に出ておる文書でありますから、知らないというわけはないと思うのでありますが、一体そういう指導方針はよくない、組合に行き過ぎがあるというならわかりますけれども、こんな文章というものは、まるで戦わせる姿であり、もう自分の職域の組合という認識ではありませんよ。まるでもう組合というものは署長に対抗する組織であり、革命の組織であり、何でもかんでも因縁をつけるものであるかのごとき文書を流すということは、下部の営林署の署長なんかを誤まらしめるものだと思うのです。やはりもっと民主的な指導方法をとらなくて、営林署というものはみんな山の中にある国有林の管理でありますから、そういうところに対してはもっと穏やかな指導方法があるのじゃないか。とんでもない。この文章をもっとたくさん読めばきりがないのでありますけれども、これは行き過ぎの文章ではないかということを私はお聞きしたいのであります。

山崎斉林野庁長官

○山崎説明員 組合からそのつど下部のそれぞれの機関その他に出されますいわゆる組合の運動方針というものがあるわけでありますが、そういうものに対する一つの批判と申しますか、考え方というふうなものとして、お説のようなものがわれわれの方面から出されているという形のものでありまして、われわれといたしまして、組合との関係は、先ほど申し上げましたような考え方に基きまして、正常な方向に、平和的な友好的な労使関係を維持するという方向にどこまでも進めたいと考えております。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 そういうことは私たちはもう賛成だというのです。そういう組合との間の円満な団交とか、あるいは話し合いの上で労務管理を進めていくというようなことは、私たちは別に反対だと言っているのじゃないのです。ただ、あなたがお認めになっておるような秘密指令というようなものを見ると、これが同じ職場の組合に対する見方かということを私は聞いているのであって、もっと管理の方法があろうじゃないか。これじゃまるで戦う姿であって、組合が来たならば、あれはもう人民管理の機関だとか、あるいは革命の基礎構造の下部だとかなんとかということをやられたのじゃ、とてもたまらないじゃないですか。こういうあなたらの思想が、団交が円満に話がついて、営林署長がよかっだねと言って別れたものを、二十日も過ぎてから寝込みを襲うというような形になって出てくるのだろうと私は思うのです。常識から考えられませんよ。話がついて円満に別れたものを、県の警察部が二十日も過ぎてから、まるで寝込みなんか襲うというようなやり方が、どうもわれわれにはわからないというのです。あなた方の指導も、もう少し敵だという考えを捨てて、こんな指令をおやめなさいというのです。これじゃどこの署長だって板ばさみになって、黙っていれば上からしかられる、組合とけんかしなければ軟弱だと言われて、場合によれば左遷でもされるという心配も、むろん営林署長なんか考えるだろうと私は思う。こういうことでけしかけるような労務管理は私はいけないと思うが、いかがですかということを聞いておるのです。

山崎斉林野庁長官

○山崎説明員 先ほど先生からお話のありました問題につきまして、私たちの方といたしましては、組合から出されましたいわゆる運動方針というものに対しての批判という立場からそういうものを考えているわけでありまして、そういうふうな組合との関係、団交その他につきましては、今までるる申し上げましたような考え方で組合に対応していくということは、われわれしとてはかたくそういう方針をとっているわけであります。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 そうすると、この林野庁の本庁から出した秘密指令というものは、全国の営林局か、あるいは営林署かに流していると思うんですが、これは問題のあったところだけにこういうものを流しておるのか。全般的に流しておるよつうに見えるんですが、それはどうでしょう。

山崎斉林野庁長官

○山崎説明員 それにつきましては先ほどお話のありました米内沢営林署におきますいろいろな団交その他の過程を通じての事態に対する反省録という形で出しているものであると思うのでありまして、これは林野庁の下部の機関、営林署まで出ているというものであります。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 今の御答弁によりますと、おそらく全部に出しておるようでありますが、こういう闘争的な態度をとるというやり方が、私は今度の検挙の事件にも影響していると思うのでありまして、一体官庁の、特に公労法の規定を受けている官庁の労務管理として、こんな秘密指令に現われているようなやり方が正しいと思うのか、あるいはこの文書の中に行き過ぎがあったと思われるか、私は長官の御答弁を願いたいと思うのであります。われわれが見たらとんでもない行き過ぎだと思うのでありますけれども、長官は何ともないというふうにお考えになっているのでしょうか。

山崎斉林野庁長官

○山崎説明員 先ほどから申し上げておりますように、営林署における一つの闘争といいますか、事態の反省録として、あるいはまた組合の運動指針というふうなものに対します批判というふうな形でわれわれはそういうものを考えているわけでありまして、それが日常のわれわれの組合に対していく場合の基本的な考え方でなければならぬというふうには考えていないのであります。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 この程度でよろしゅうございます。

小島徹三自由民主党

○小島委員長 猪俣君。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 大臣は御出席ないですか。

小島徹三自由民主党

○小島委員長 大臣は、会議が午前中から午後にかけてずっとありまして、出られないそうです。これはきのうあなたの秘書の方に断ってあります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 法制局長官は出ていませんね。

小島徹三自由民主党

○小島委員長 法制局長官は四時ごろにならなければ出勤できないそうです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 私は、砂川判決の問題についての質問を、数日前に出してある。この重大問題に対して、法務大臣と法制局長官の御出席を願っておったわけです。昔の法務総裁は、内閣の法律顧問として、内閣の法律的意見を言う権限があったが、今の法務大臣はそういう官制でなくなったから、法制局長官がどうしても出ないというと、内閣全体に対する法律的意見というものが出ないわけなんです。だけれども、私が法律問題についてはしばしば法制局長官の出席を要求していても、今日までただの一ぺんも法制局長官は出たためしがない。一体どういうわけなんです。

小島徹三自由民主党

○小島委員長 きょうは亀岡第一部長が出ておるのですが、法制局長官は四時まで出られないというわけです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 それでは一応お尋ねいたしますが、これは大臣が出ておられませんと、私どもの質問の要点に対して的確なる御答弁は、事務当局にはむずかしいんじゃないかと思われるのです。その意味におきまして次のこの委員会の開催日までに、今日答弁できないことは、大臣と御相談の上、御答弁願ってもいいと思います。その意味においてお尋ねいたします。  沖縄におきまして、刑法並びに刑事訴訟法の改正が行われて、非常に言論、集会、あらゆる大衆行動の自由が押えられ、死刑をもって臨まれるような重刑に処する刑法の改正が行われるわけでありますが、沖縄におきましては施政権、土地権は日本にないけれども、日本の領土高権はある。従って外交保護権は日本政府で持っておるということは、前の重光外務大臣時代に、私の質問に対しまして、重光外務大臣はさような答弁をしております。これは日本の国籍法が行われ、日本の国籍となっております沖縄の国民に対しまして、アメリカの民政府が世界の人権宣言に違反するような人権じゅうりんの立法をする際におきましては、わが国の国民保護権、外交保護権に基きまして、これに対して対抗策が私はあると思う。重光外務大臣のときに、かようなアメリカの施政権といえども乱用は許すべきものじゃない、乱用せられた場合においては、わが国においては外交保護権に基いて国際裁判所なりあるいは国際連合に訴えることができるんじゃないかと言うたら、重光さんはその通りであるという答弁をしております。そこで沖縄に今かような人権弾圧の法規の改正が行われようとしておりますが、これに対しまして日本の政府はどういう態度をとるのであるか、これを第一点にお聞きしたい。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡説明員 お答え申し上げます。ただいまのお尋ねでございますが、御趣旨にあります通りに、沖縄に対しては、平和条約第三条によりまして、アメリカ側に立法、司法、行政の三権すなわち施政権があるわけでございます。しかしながら、沖縄住民は、御説にありました通り日本国民であるということには間違いがないのでありまして、この場合沖縄住民が困難な事情にあるということにあれば、日本政府といたしまして、これが是正するようアメリカ政府に適法に要求することは可能であるということは言えると思います。この点は猪俣先生が前に在外市民保護権があるかどうかという点についてその当時の外務大臣重光さんが、在外市民保護権があると——私もその当時の委員会に出ておりまして聞いておったのでありますが、ただ法制局といたしましては、従来から、沖縄住民に対して国際法でいわれている在外市民保護権があるかということについては、そこまで突き詰めて申し上げていないので、沖縄住民はあくまで日本国民であるという建前から、この人々が非常に困難な事情にあるということであれば、日本政府としては、アメリカ政府に対して是正の措置を要求することが可能であるでしょうということを申し上げたわけです。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 あなたはむろん法律的立場からお答えになっておると思うのですが、そうすると法制局のあなたの見解としては、要するに、国際公法上いわれる外交保護権というものが日本にあるという御見解ですか。その点はっきりしていただきたい。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡説明員 国際公法でいわれております在外市民保護権、いわゆる外交保護権でございますが、これは日本の国民が外国に行っておりまして、その国の政府の何らかの措置によって困難な状態にあるという場合に、日本政府がその政府に対して是正を求めるというのがまさに外交保護権の本旨だと思います。ところが、沖縄地域、これは日本から見て純然たる外国というわけには参らない。すなわち領土権は日本に依然として残っておるという意味から申して、普通国際法でいわれておる外交保護権そのものではないだろう、しかしながら、そういう沖縄住民、これはあくまで日本国民であることは間違いないという建前から、その国民が困難な事情にあるという場合に、アメリカ政府に是正を求めることは適法にできるでしょう、可能であろうということを申し上げておるわけであります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そうすると、要するに外交保護権というのは、外国におけるところの日本人に対する保護の権利、こういうふうにあなたは解釈なさる。私の言う意味は、日本の国籍法に服しておる日本国民である、この沖縄県民に対してわが国が外交保護権はもちろんのこと、その他の世界人権宣言に違反するようなアメリカの施政権に対しては、これに対して是正を求める権利があるのじゃないかというのが私の考え方です。外交保護権といえば外国においてということになりますが、その思想からすれば、日本には潜在主権がある。それに基いて沖縄の人たちといえども日本国民である以上は、権利の乱用は許されない。世界人権宣言に違反するようなアメリカ政府の権利の乱用に対しては、わが国の潜在主権でもよろしい、それに基く国民の保護権——外交保護権はあなたのおっしゃるように外国領土における話かしらぬが、国民保護権というのはわが国にあるのじゃないか。その国民の保護権というものがないということになれば、潜在主権とは何ぞやという問題になる。領土高権に付随するものは国民保護権、ただしそれが正常な形においてアメリカの統治権が行われている場合においては、条約の効果としてわれわれはそれに従うことになりましょうが、かような世界人権宣言に違反するような、国際法上認められないような権利の侵害に対して、いわゆる国民保護権、領土高権を持って、国籍法を施行しておりまする日本国において、国民保護権に基いてこれが是正を権利としてアメリカに要求することができるのじゃないか。その法的の見解をあなたに承わりたい。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡説明員 ただいま猪俣先生が国民保護権と仰せになりました。その国民保護権の内容として、沖縄住民が人道的に非常に困難な事態に立ち至っている、その場合にその施政権を有する国、すなわちアメリカ政府に対して日本国政府がその糾正を求めると申しますか、是正をさせることを適法に主張するということは可能であると考えます。ただ、先ほど申しましたように、こういう権利がある、その権利がすなわち在外市民保護権というような言葉にそのまま該当するかどうかということになりますと、沖縄地域があくまで潜在主権と申しますか領土権が日本国にあるという立場から見て、外国にある日本人それ自身とは考えられないということを申し上げておるわけであります。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 いや、国民保護権があるという見解があなたにあればそれでよろしい。一切統治権を与えておるから、日本政府は何らの権限がないような見解を持っているとすれば間違いであると思って、私は外交保護権及び同じ性質を持っておる国民保護権ということについての見解をただしたのです。潜在主権がある以上は、そして国籍法が施行せられて、アメリカの住民でないという見解を持つ以上は、日本国が保護権を持つことは当然のことだ。  そこで今度はもう一つの見解ですが、この沖縄における刑法の改正の内容において、日本の内地を外国と同様に取り扱っている規定がある。たとえば、いろいろの軍の機密、諜報、これを琉球政府及びアメリカ政府以外の者にもたらした者は、外国に通報したものとして処罰するような規定がある。そうすると、わが国民はその意味においては外国人扱いにされておる。日本人は外国人になるわけです。それはどういう見解になりますか。われわれは沖縄住民は日本国籍法の施行せられておるところで、日本人であるという確信を持っておる。しかるにアメリカ政府はこれを外国人と取り扱っておる。さようなことに対して、一体あなたの法律的見解からして、アメリカ政府のこの立法の態度は是であるか非であるか、それを承わりたい。日本の国籍法を適用せられ、国民の保護権まであるとするその際に、アメリカが日本の内地を外国及び外国人とみなして、こういう法律を作るということに対しては、これは私は違法だと思う。そうすると一体潜在主権があり、日本の国籍法を施行しておるということと矛盾してくると思う。これはどういう調和をいたしますか。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡説明員 お答え申し上げます。沖縄におきますアメリカ政府の権能は、先ほども触れました通り、平和条約の第三条によりまして、立法、司法、行政の三権を有しておるわけでございます。従ってこの立法、司法、行政の行使に関する限り、日本政府としてはアメリカ政府の了解がない限り、それに対して関与はできない。ただ先ほど申しましたように、この立法ないし司法、行政の内容について、沖縄住民が非常に困難なる事態に陥らされるというようなことでありますれば、先ほどのお言葉にあります国民保護権と申しますか、アメリカ政府に何らかの是正を求めることが適法にできるということを申し上げられると思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 あなたと議論しても始まらぬと思うのだが、日本人を外国人とするような立法をアメリカが勝手に作ることまでも、われわれは委任したということになるならば、沖縄は完全なるアメリカの領土になる。限界があると思うのだ。潜在主権があると称し、日本の国籍法も施行し、アメリカ市民じゃないという態度をとっておるならば、その反面解釈すれば、沖縄人は日本人であるがゆえに、あなたが言うように最後に国民保護権があるという見地に立つならば、それをまっ向から否定するような、日本の内地及び内地人を外国人とするような法律の制定は許さるべきものではない。条約違反じゃないですか。それに対してどう思いますか。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡説明員 ただいまお話にございます通り、沖縄の住民について日本の国籍法は適用になる。すなわち日本国民である。従ってこの日本国民たる地位を失わず、すなわち沖縄住民を日本国民外の国民とするということは、アメリカ政府に権限がないことは明らかでございます、それからまた領土権が日本にありますので、アメリカ政府がこの領土権を最終的に失わせるというような処置を講ずるということも、法律的には不可能であるということも言えると思います。従って、今申しました潜在主権という言葉の内容、すなわち沖縄住民の日本国籍を有する地位、日本国民たる地位をなくするとか、また日本の領土でなくするというようなことは、これは法律的にはできないということは言えると思います。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 あなたの答弁ははっきりよくわからぬが、潜在主権があり、領土権があると称して、日本の国籍法を適用しておきながら、その日本の内地人を外国人扱いにするような法律を作ることは矛盾である。さようなことはアメリカといえども条約に違反しておると私は思うのです。だから、さようなことに対しては、政府がアメリカ政府に交渉すべきものだと私は思う。これは法制局のあなたにお聞きしても仕方がない。ただ、国民保護権があるということになるならば、沖縄人は日本人である。従って日本の内地人は沖縄人から見て外国人というわけにいかぬです。しかるにさような法律を勝手気ままに作って、それにわれわれは何らの抗議もできないというようなことは、政府がこの領土主権あるいは潜在主権さえ活用する意思がないとわれわれは認める。厳重な抗議をすべきだと思うのです。  そこで、これも法務大臣がいないのであれですから竹内局長にお聞きいたしますが、一体法務省を中心にして、そのような沖縄における刑法改正問題について、何らかの交渉をするような動きがあるのですか。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内説明員 今の抗議をするとかいうような問題につきましては、法務省としては何ら動きはございません。ごく最近になりまして、今お尋ねの琉球刑法の写しのようなものを入手いたしまして、ただいま研究をいたしておる段階でございます。

中村高一日本社会党

○中村(高)委員 関連して。——その沖縄の刑法ですね、六月一日に施行するというのを六月十五日まで延期して、今実施時を延ばしておるようですが、これは何ですか、アメリカの方が自主的にやったんでしょうか、あるいは日本の政府の方からでも何か言っているのか、それとも現地の立法院とかあるいは琉球政府なんかから何か交渉か何かして、待ってくれろというようなことでもやったんでしょうか。今延期になっておりますね、それはおわかりになりますか。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内説明員 確実なることではございませんけれども、私どもの聞いております情報によりますと、英文で出ておりますために、これを日本文に直しまして、国民に周知するといいますか、そういうために、その翻訳並びにその言葉の周知のために若干日時を要するということで、六月じゃなくて八月というふうに聞いておりますが、それまで施行が延期されているというふうに聞いております。もちろんこれはわが方から抗議がましいことを申した結果そうなったのではなくて、琉球自体の内部の話し合いによってそうなったというふうに聞いております。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 そこで竹内局長にお尋ねしますが、今沖縄におけるこういう刑法改正というような、基本的人権侵害のような法律ができる。結局沖縄のアメリカの軍事基地強化のためだ。そこで今度は、今安保条約改正にからみまして、聞くところによれば、アメリカと日本が攻守同盟を結ぶ。完全なお互いの相互援助の攻守同盟、軍事同盟に安保条約を改定する。そうしてミサイルのいろいろの設備を今準備中であるというような一連のことから考えまして、一体軍機保護法とか防諜法とかいうようなことが、また制定せられるんじゃないかという心配が濃厚になって参りました。沖縄におきまして、そのような世界人権宣言に違反するような法律を制定するアメリカ、これに対して何ら抗議もせずして、漫然としておるところの政府の状態から見ますると、この安保条約が改正せられまして、完全なる攻守同盟的な性格に変って参りまするならば、ここにわが国の軍備は最高潮に達し、いわゆる軍機保護法、防諜法、このような意味の法律がまた登場する気配が濃厚だと思うのです。これに対して法務省内においては準備しておりますか、あるいはさような相談は全然ないのであるか、それをお尋ねします。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内説明員 安保条約の改定に伴って、ただいまお話のいわゆる防諜法というようなものが必要であるかどうかにつきましては、法務省としては現在何も関知いたしておりません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 これは法制局にそういう諮問がありますかどうですか。

亀岡康夫法制局参事官(第一部長)

○亀岡説明員 法制局におきましても何ら承知いたしておりません。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 これはまあ大臣がおりませんし、準備もしておらないという御答弁でありますから、その程度にいたしておきます。  いま一つお尋ねすることは、これも大臣にお尋ねすることでありますが、今度の砂川事件に対しまして検察庁は跳躍上告をなさった。これはもう訴訟法上に規定があることであるから当然のことではあると思いますが、この検察庁の上告趣意書なるものを拝見をいたしておるのですけれども、この検察庁の上告趣意書なるもののここに盛られているこの趣旨は、やはり政府の態度として受け取っていいのかどうか。私は内閣と検察庁というものの関係について少しはっきりさしておきたいと思うので質問をするのでありますが、これも大臣がおられないために正確な御答弁はあるいはむずかしいかも存じませんけれども、この東京地方検察庁検事正野村佐太男氏から出されている上告趣意書なるものは、内閣もこれを了承し、これを支持し、全く同意見であると見ていいのかどうか。その点について法務省はどう理解されているのか。なお、この上告趣意書を提出される際に、検察庁の上層部はもちろんでありますが、法務大臣を通じて閣議に了解を得て、その支持のもとに出されたものであるかどうか。もちろん検察庁も行政機関の一つでありますから、時の政府というふうに見てもいいが、ただ検察庁は検察庁法によりまして、相当の司法権の一翼的な独立性を持っておりますがために、なお私は内閣と検察庁の関係というものに関連いたしまして多少の疑義がある。それについてあなたにお尋ねしたいので、その点についての御見解を承わりたい。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内説明員 この野村検事正名をもって提出されました上告趣意書の作成につきましては、純粋に司法的な刑事訴訟法によった手続といたしまして処理をいたしましたので、検察官におきましては、終始独自の立場で趣意書の作成に当ったものでございます。その見解の基礎になりましたものは、申すまでもなく、各学会の意見、政府の見解等も検察官におきまして十分検討した上で書かれたものと考えておりますけれども、これがすなわち政府の見解であるというふうに法律上なるかどうかということにつきましては、私どもそう考えていいのかしからざるものであるか、これは必ずしも明白でありませんが、少くとも趣意書の作成の経過並びに検察官の態度といたしましては、今申したような独自の立場で作成をいたしましたことを申し上げる次第でございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 これは裁判所と違って検察庁は内閣のもとにあると思われるのです。そして、そういう跳躍上告すべきかどうか、それからどういう趣旨で原判決に反対するかどうかというようなことは、やはり法務大臣を通じて閣議の了解もあるのじゃないかと思われるのですが、その辺のことは、あなたはおわかりになりませんか。

竹内寿平検事(刑事局長)

○竹内説明員 ただいまの点は、私は了承いたしておりません。ただ、私どもの立場といたしまして、少くとも私の立場といたしましては、大臣からは、この跳躍上告につきましては検察庁に一任するという趣旨を伺っておりますので、その旨を検察庁にも伝えてありますし、作成いたしましていよいよ提出します段になりまして、私どもも大臣に内容を御説明申し上げたことは事実でございますが、それは大臣の責任において、あとどう処理されましたかは私の承知いたさないところでございます。

猪俣浩三日本社会党

○猪俣委員 実は大臣がお見えにならぬために、私の質問したいと思う中核の問題はきょう質問できません。そこでこの次の法務委員会のときには、ぜひ大臣に出ていただきたい。私はほんとうは岸総理に出ていただきたい。代代の総理大臣は、法務委員会というものを軽べつするのかどうか、私は最も重大な委員会だと思いますが、総理大臣はめったに出てこない。総理大臣がよく出てきたのは、社会党の片山内閣のときです。片山さんは、自分が弁護士のせいでありますか、法務委員会に数回出てきました。しかるにそのほかの——吉田茂総理大臣に至っては、私は十数回要求し、委員長も非常に心配し、官房長官までも非常に心配してやっておっても、とうとう一ぺんも法務委員会に出てこない。そういうふらちな話はないと思うのだ。あまりばかにし過ぎていると思うのだ。そこで私は、この大きな問題がやはり予算委員会とか、そういうまるで場違いのところばかりで論議されておるが、元来こういう問題は、法務委員会で、ほんとうに虚心たんかいに一問一答やるべき筋合いの問題だと思うのです。総理が出てこないために、見当違いの予算委員会なんかばかりでやっておる。僕は間違いだと思うのですが、小島委員長、あなたもそう委員長を長い間やっているわけでもなかろうから、一つ小島委員長のときにこういうことをやったという意味において、総理大臣を出して下さい。法務大臣と総理大臣と……(「二回出てきたよ」と呼ぶ者あり)ただ連合審査会のときには、この間の警察法のときには出てきたようだが、法務委員会だけでは出てきやしないのだ。ですから、これはやはり法務委員会で、各委員がほんとうに真摯に一問一答をやって、国民に安心を与えるなり、あるいはアメリカに対する一つのここでわれわれの意思を表明するなりすべきものだと思う。だから、あなたの政治力で一つこれをやって下さい。これは政府委員と関係のないあなたに対する要望です。私の質問はこれで終ります。

小島徹三自由民主党

○小島委員長 本日はこの程度にして散会いたします。     午前十一時四十四分散会

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