法務委員会 第19号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/04/07
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。 それでは、田中幾三郎君外九名提出にかかる労働関係訴訟における労働組合の当事者適格に関する法律案を議題とし、提出者より提案理由の説明を聴取いたします。菊地養之輔君。 ————————————— —————————————
○菊地養之輔君 ただいま議題となりました労働関係訴訟における労働組合の当事者適格に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 現行民事訴訟法におきましては、訴訟上の当事者となる適格は、原則として、法律関係の実体上の主体がこれを有することとなっております。従いまして、賃金の請求や解雇の効力等に関する訴訟につきましても、当該法律関係の実体上の主体である個々の労働者のみがそれぞれ訴訟の当事者適格を有し、それぞれ個々に訴訟上の手続を必要としているのであります。 しかしながら、同一事情のもとにある企業の労働者につきましては、これら法律関係は、大量的に発生するのが通例であり、そのような同種の大量な法律関係を、個々の労働者がそれぞれ別個に訴訟上の当事者として実現しようとしますと、訴訟手続は著しく複雑となる上に、相手方及び裁判所の煩瑣ははなはだしいものがあり、その結果、個々の訴訟はもちろん、全体としての訴訟も著しく遅延することになるのであります。 このような場合に、個々の組合員たる労働者のために、労働組合に対して、これら法律関係の訴訟上の当事者となることができるようにしますことは当該組合員たる労働者の訴訟上の権利の実現を全うすることができますとともに、事件の訴訟経済と訴訟促進をはかることができるのであります。 なお、従来は、労働組合の当事者適格についての実定法上の根拠がないため、それに対して種々の見解があります。この際、これらを立法上明確化することが必要であると思うのであります。 以上のような理由によりまして、労働関係上の権利義務を目的とする訴訟について、組合員のために、労働組合に当事者適格を付与することが妥当であると思いまして、この法律案を提出した次第であります。 以下この法律案の要点を御説明申し上げます。 まず第一に、この法律案で当事者適格を付与する労働組合は、労働組合法による労働組合であって、それは通常の労働組合のほかに、公共企業体筆労働関係法の公共企業体等の職員に関する労働組合及び地方公営企業労働関係法の職員の労働組合とし、また、これら労働組合は、それぞれの規約に当事者適格についての規定を定めていなければならないこととし、この法律案の適用を受ける労働組合の範囲を明確にいたしたのであります。 第二に、組合員の訴訟承継の制度を設けたことであります。労働組合が労働関係上の権利義務について訴えを提起し、または組合員に対する請求について被告として訴えを提起されたときに、当該組合員がみずから訴訟の追行を欲するときは、その訴訟の係属中、当該訴訟の承継を裁判所に申し立てることができることとし、この申し立てがありますと、当該組合員にかかる請求についての訴訟は、組合員に承継されることとしたのであります。 第三に、個々の組合員が労働関係上の権利義務を目的とする訴訟の当事者である場合において、当事者適格を有する労働組合は、当該組合員の同意を得て、その訴訟の係属中、当該訴訟を承継することができることとし、当該組合員の訴訟追行上の便宜をはかることにしたのであります。 そのほか、これら訴訟手続の特殊性にかんがみまして、それぞれ必要な規定を設けたのであります。 以上がこの法律案の提案理由及び大要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願いいたします。
○小島委員長 以上で提案理由の説明は終りました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時三十九分散会