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31回国会衆議院1959/03/25

文教委員会 第16号

発言数
12
登壇者
5
会派数
2
開催日
1959/03/25

会議録

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 それでは会議を開きます。  まず、高等学校における生徒の編制及び教職員の設置の基準に関する法律案を議題とし、提出者より趣旨説明を聴取いたします。西村力弥君。     —————————————     —————————————

西村力弥日本社会党

○西村力弥君 ただいま議題となりました高等学校における生徒の編制及び教職員の設置の基準に関する法律案につきまして、提案者を代表して、その理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  戦後六・三・三・四の新教育制度が実施せられ、義務教育が中学校まで延長され、憲法、教育基本法に保証されました教育の機会均等と民主教育の推進に大きく寄与いたしましたことは、まことに喜ばしいことであります。  しかしながら、急激な人口増加に伴う就学児童、生徒の増大に対しましては、終戦直後のわが国力をもってしては、その校舎及び施設、設備を完備いたしますことが、難事であったことは推察にかたくありませんが、今日のわが国状におきましては、もはや、戦前の水準を上回る国力を回復しているものと思考いたされます。  さて、教育行政全般を通じまして感ぜられますことは、高校教育が教職員定数、施設設備においてきわめて劣悪な条件のもとに行われていることであります。すなわち高校教育が今日にあっては、半義務制化しており、昭和三十三年度における高校生は三百万人を突破し、公立高校生の数は二百二十四万人に達しており、今後さらにその増加が考えられます。一方これに対しまして、校舎は大部分が旧中学校、旧女学校をそのまま転用したものが多く、一般教室はもちろん、特別教室における設備、図書館、講堂、運動場等何一つとして満足なものがない状態であり、特に産業教育諸学校の施設、設備は老朽化しており、果してこれで高校教育や産業教育が振興できるかどうか疑われる次第であり、また老朽校舎は改築を要するものが七万坪にも達し、その多くは倒壊寸前の危険な状態にあり、寸刻も猶余を許さない実情にあります。このように校舎、施設の改善はもちろんでありますが、その規模においても文部省令で定めている基準は実施されておらない現状であります。  さらに高校教育の質的内容を低下せしめ、生徒指導を困難ならしめるものとして、すし詰め学級と教職員定数の不足が大きく影響いたします。学校教育法第三条によって、昭和二十三年一月に定められました文部省令第一号の高等学校設置基準第七条に「同時に授業を受ける一学級の生徒数は、四十人以下とする。」と規定されていますが、多くの高等学校において五十人から六十人の学級編制になっており、工業、農業や水産課程においてすら四十人から五十人の学級編制となっているのが現状であります。その上、さらに激増する高校進学者と地方財政の窮迫を理由に、大部分の府県が省令の基準を無視する傾向にあります。  また、高等学校設置基準において規定される教職員の定数基準についても、無視されており、乙号基準は甲号基準の暫定基準として定められたものでありますが、省令が施行せられましてより十一年を経過いたしました今日におきましても、なお、乙号基準の八六%にしか達していない実情にあります。  特に定時制課程におきましては、勤労青少年教育の振興のかけ声にもかかわらず、校舎、施設はもちろんのこと、教職員の定数は、乙号基準の六九%にしかなっておりません。  以上申し述べましたような実情も、御承知のように公立の高等学校の教育費が地方交付税交付金の中に盛り込まれており、その単位費用の額が実態経費をはるかに下回っておることと、交付金がひもつきになっていないことから、財政窮迫の地方団体におきましては設置基準の維持が困難にならざるを得ないのであり、また設置基準が省令であって法律でない点からも、とかくなおざりにされる結果ともなっております。  このような状態を放置いたしますことは高等学校教育の本来の目的を達成することができぬのみならず、将来の日本を背負って立つ青少年教育を考えるとき、まことに憂慮にたえないのであります。  すし詰め学級を解消し、教職員の定数を確保し、もって高等学校教育の充実振興をはかることが必要であると信じ、ここに本法案を提出いたした次第でございます。  次に、高等学校における生徒の編制及び教職員の設置の基準に関する法律案の骨子について説明申し上げます。  第一には、第三条において、高等学校教育における教育効果の向上のため、高等学校の授業における生徒の編制を三十人以下と規定いたしました。  第二には、第三条より第六条において、教諭、養護教諭、事務職員、実習助手の定数を第十条において、用務員、警備員、技術職員及び作業員の定数を規定いたしました。  第三には、教職員の定数は夜間定時制課程以外の課程と夜間定時制課程について、それぞれに定数基準を適用するよう規定いたしました。  第四には、通信教育についても文部規定で定める基準を本法律案に盛り込みました。  第五には、高等学校の分校であって、当該分校の生徒の総数が百八十人以上であるものについては、一学校とみなすように規定いたしました。  第六には、休職者等学校を離れて授業を担当しない教職員は定数から除外いたしました。  第七には、附則におきまして七カ年計画で本法が実施されるように規定いたしました。  以上、高等学校の授業における生徒の編制及び教職員の設置の基準に関する法律案の提案の理由及び内容の概略を申し述べました。  何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御賛同下さいますようお願いいたします。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 本法案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 次に、日本学校安全会法案並びに国立及び公立の義務教育諸学校の児童及び生徒の災害補償に関する法律案を一括議題とし、審査を進めます。質疑を許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 前会、学校安全の責任の所在の問題について伺ったわけでありますが、本日は法制局がお見えになっておりますので、ちょっとこの問題の法律的な見解を伺いたいと思います。  まず原則的にちょっと伺いたいのは、この前、実は私が学校安全の責任という形で御質問いたしましたところが、非常にその幅が広いようで、答弁として非常に困ったというふうな話を伺ったので、基本的にある行為の最終的な責任というものが、刑法、民事訴訟法、あるいは行政上の各個の観点から個々に違うということがあり得るかどうか。大体一つの行為があって、それの責任をどこかでとるという場合には、以上の三つについて同一でなければならぬと私は思いますが、法制局の方ではどういう御見解であるか伺いたい。

野木新一法務局参事官(第二部長)

○野木政府委員 御質問は、なかなか範囲が広くて、しかもむずかしい問題に関連しておりますので、うまく御納得のいくような答弁ができるかどうかわかりませんが、おっしゃったように、行政法、あるいは民事訴訟法、あるいは刑法、そういう名前をおあげになりましたが、それぞれの法律による学校安全に関する責任が全部同じかと言いますと、その点につきましてはむしろそうではない。それぞれの法律は、それぞれの法律が規制しようとする目的、あるいは保護しようという法域、そういうものに従いまして、何がその責任者であるということは、各それぞれの法律でその目的なり保護せんとしておる法域に従って規定しておるわけでありまして、一概に全部その責任者が同じだということは必ずしも言えないわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでは具体的に、学校安全についての刑法上の責任はだれが負い、民事訴訟法に規定する責任はだれが負い、行政上の責任はだれが負うかを、法文上から一つお示し願いたいと思う。この法律によって学校安全についての刑法上の責任はここにその所在があり、この法律に基づいて学校安全の民事訴訟法の相手方、要するに責任者というものはこれこれである、行政上の責任はこの法律に基づいてだれであるということを、一つ具体的にお答えを願いたい。

野木新一法務局参事官(第二部長)

○野木政府委員 その御質問も非常に範囲が広くて、おそらくその関連する法律はずいぶんたくさんあると思います。その全部に一々言及することは、とても私は今ここで記憶にない点もありますので、最も典型的なものを一つあげて、それについて御説明申し上げたいと思います。実は問題点がはっきりしませんでしたので、あまり準備もしてきませんでしたが、今ここであり合わせた知識で申し上げます。  まず第一に刑法の方から申し上げます。たとえば学校で先生が体操時間とか授業時間中に何か興奮して生徒に傷害を与えた。それは学校の中で起った事件でありますが、これなどは明らかに刑法上の責任といたしましては、刑法は原則として行為者自身を罰する、そういう立場をとっておりまするから、そのけがをさした先生が、刑法二百何条ですか、傷害罪の罪によって十年以下の懲役または罰金に処せられる、そういうことになります。しかしながらそれに関連して今度は……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと待って下さい。そういう例じゃ、幾ら伺っても時間が空費するだけで、これは伺わなくても、だれかがけがを与えたら、それはけがを与えた者に刑事責任があるということはわかっていることでありますし、私はそういうことでなくて、もう少し本質的なところで伺いたい。

野木新一法務局参事官(第二部長)

○野木政府委員 私は今の問題からも順次御質問の点に触れていき得ると思っておりましたが、今大臣からもちょっとお話を聞きまして、ここで具体的に問題になっている点はどういう点であるという論点が大体わかったので、それに関連さしていま一度説明し直します。  たとえば学校の老朽校舎がありまして、天井が落っこちて生徒がけがしたという場合にどうか、あるいは学校で先生が臨海学校に生徒を連れていって水泳でもやっている。そうすると先生の注意が足りなくて子供が死んでしまったという場合はどうなるか。そういう例に関連づけて一応御説明申し上げたいと思います。全部御納得できるように説明ができるかどうか、多少心もとない点もありますが……。そういう場合に、まず刑法がありますから、刑事罰の点から申し上げますと、老朽校舎で天井が落っこちて生徒が死んだという場合におきましては、これは具体的の場合についてさらに故意、過失とかいう点が追及されなければなりませんので、具体的事件については非常に問題になりますが、普通から言いますと、刑事上の責任というのは先生については生ずることがあまりないのじゃないかと思います。しからば学校の設置者についてはどうかと申しますと、学校の設置者に故意の責任が生ずるということはほとんど考えられません。過失の責任はどうかと言いますと、学校の管理者として、そこで生徒がけがをすれば傷害になる、それが過失によるなれば、過失による傷害罪が成立するかどうかという問題になりますが、これも具体問題といたしましては、普通の場合はなかなか立証とかなんとかが困難だろうと思いますが、非常にはなはだしい場合については、理論的に証する余地がないかと言いますれば、刑法の、過失によって他人を傷害さしたという要件に該当する場合があれば、それに該当することになると思いますが、普通の場合は、具体的の問題としてはなかなかそこまでいくことは少ないと思います。(「それはおかしいよ、それは設置者の責任だ」と呼ぶ者あり)刑法上の責任ですよ。しかも今の場合設置者というのは法人であります。小学校でありますと市町村ということになりますから、市町村に罰則がいくということは、ことに刑法の方は設置者の市町村にいくということはないと思います。法人罰がありませんから……。ただ市町村等の首長とか、その監督者が具体的に業務上学校の施設を監督している人が、何か過失があったかどうかという点になりますと、具体的の問題になりますから、因果関係とかなんとかで非常に遠くなってしまって、実際問題としてはなかなかむずかしいんじゃないかと思います。  それからいま一つ、臨海学校の例で言いますと、これもたとえば先生が先生として児童を監督する、そういうような責任を負うておるわけでありまして、これがいわゆる業務上の責任であります。それから業務上負っている義務を尽さない、そのために生徒がおぼれて死んだというような関係になりますと、理論的にはあり得ると思います。というのは、これは学説にも今言った業務上の傷害過失致死というものは、たとえば自動車の運輸手とか、本来の危険業務、そういう場合だけ業務上過失が生ずるという学説があります。北海道で、登山部の先生が注意を怠ったために、登山した生徒が山へ行ってここえ死んだというような事件で、業務上の過失か何かで起訴して一審は通った、これは何年か前、戦争後でありますが、そういう事件があります。それは一審で確定して最高裁までいきませんでしたが、そういう例があります。それでありますから、先生の場合も業務上の過失傷害が全然生じないか、今言った臨海学校のような場合、これは具体的の場合非常に困難でありますが、全然論理的に考えられないかといいますと、今言ったような判決もありますから、これは考えられると思います。  それから民事上の責任でありますが、たとえばさっきの校舎の例でいいますと、これは国家賠償法に明らかに規定がございまして、国家賠償法の二条ですが、「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。」ということで、民事上の責任といたしましては、公立の小学校の例でいいますと、設置者である市町村がこの要件に該当いたします場合には責任を負う、そういうことになります。  それから今言った臨海学校の例のような場合に、先生に過失があったというような場合、これは営造物の設置と言えない。もっとも臨海学校でも飛び込み台などがありまして、飛び込み台から飛び込んで生徒が死んだというような場合には、その解釈上飛び込み台が営造物だという解釈も下級審——高裁までいきましたが、最高裁でありませんが、下級審の判決ではこれで認めた例もあるのであります。しかしそうでなくて、そういうことは抜きにしまして、きゃたつとかなんとかいうことで、不注意だという場合には国家賠償法の、これは二条ではありませんから、一条の、「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」これに当るかどうかという点が問題になるわけであります。しかしながら、そういう臨海学校のような監督が果して公権力の行使になるかどうか、一つの問題のある点であります。懲戒処分は、先生が先徒を懲戒するためになぐって死亡させたという場合は、公権力の行使に当ると思います。臨海学校とか遠足に行ったとかいう場合が果してこれに当るかどうか、問題があると思います。しかし、これに当らない場合には民法七百十五条があります。七百十五条で「或事業ノ為メニ他人ヲ使用スル者ハ被用者カ其事業ノ執行ニ付キ第三者ニ加ヘタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス但使用者カ被用者ノ選任及ヒ其事業ノ監督ニ付キ相当ノ注意ヲ為ヲ為シタルトキ又ハ相当ノ注意ヲ為スモ損害カ生スヘカリシトキハ此限ニ在ラス」というような条文があるわけです。これと見合って、たとえば普通の市町村の小学校の場合を、一番適例の場合を頭に入れて考えますと、小学校の先生というものは市町村の公務員になっておりまして、市町村が監督の責任を持っておるわけでありますから、市町村が民事上の損害賠償の責任は負う、そういうことになるわけであります。  それで一応刑事上と民事上の責任の説明はいたしました。  次に、行政上の責任とでも申しましょうか、たとえば今申し上げたように学校に老朽校舎があって、天井がくずれそうだ、そういうような危険校舎がある場合に、それを危険なからしむるとつった行政上の責任はだれが負うかというと、その学校を設置管理している設置者、市町村である、そういうことになってきます。それから、今いった遠足というような場合にも、究極的にはその先生を監督する責任、監督について責任を負うのは市町村であると思いますが、その間に、行く途中のそれぞれの段階において、校長なり中間段階の責任はそれぞれのところが負うということになろうかと思います。

櫻井奎夫日本社会党

○櫻井委員 議事進行。委員の出席を見ますと、委員会が始まるときだけは、政府与党の方は辛うじてわれわれと同数の委員をそろえていたが、審議が始まると、今はたった一人しかいない。このような状態では審議を続けるわけにいかない。われわれは休憩を要求する。

臼井莊一自由民主党

○臼井委員長 今呼びに行きますから、そのままでちょっと待って下さい。——それでは暫時休憩いたします。     午後零時八分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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