農林水産委員会農業法人等に関する調査小委員会 第2号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/31
会議録
○丹羽小委員長 これより農業法人等に関する調査小委員会を開会いたします。 本日は農業法人問題について政府当局に対する質疑を行います。 質疑の通告がありますので、これを許します。足鹿覺君。
○足鹿小委員 農業法人の問題について、まず最初に、その課税上の取扱い問題を中心にお尋ねをしてみたいと思います。 去る二十七日の農林水産委員会におきまして参考人の意見を聞いたわけでありますが、現地側はもちろんのこと、学識経験者においても、この農業法人の必要性、また将来の発展の方向等についてはみんな意見が一致をいたしました。国税庁長官は当日おいでになりませんでしたが、報告等はお聞きになったと思うのです。そのとき、現地側の徳島、鳥取両県の人々から現地の実情について意見が述べられ、また、私どもも各委員からこもごも質疑を行なったわけであります。その際明らかになったことは、農林水産委員会において政府の農業法人に対する課税上の取扱いについての統一見解が明らかにされたにもかかわりませず、われわれが当時から指摘をしておりましたごとく、国税庁の出先税務署に対する、また税務署が末端の農業法人関係の方々に対する態度、取扱い、ともに統一見解の精神が浸透しておらない。やはりこの問題は農業法人を否認する態度が堅持されておることが明らかになっておるのであります。そして、鳥取県の六社のうち五社に対しては、農業法人の申告と合せて個人の青色申告も行われておった、そういう事情等もあって、五社に対しては青色申告が認められた。ところが、一方、鳥取県の残る一法人と徳島におきましては、すべて青色申告の手続をとるような親切な取扱いが行われずして、普通の申告通りと、こういうことになっておるようであります。これは私ども当委員会といたしましてははなはだ遺憾に思います。長官も報告を受けられたでありましょうが、この間の委員会におきましては、特に与野党満場一致の決議が採用されておりまして、その三項についてもとくとお聞きになって、今述べたような地方への適切な措置を講ぜらるべき筋合いじゃないかと思います。二十七日の委員会まではそういう情勢でありますが、二十七日当委員会は三項目からなる重要な決議をいたしておるわけでありますから、これらもあわせお考えになりまして、まだ是正措置が講ぜられておらないならば、すみやかにこの決議の趣旨に従って御善処願いたいと思うのでありますが、二十七日以降における国税庁としてのお考え方はいかがでありますか。当委員会の決議は決議だ、おれらは知らぬのだ、どこまでも今まで通りやるんだと、こういうお考えでありますか。この間の委員会で明らかになったように、徳島に対しても鳥取の一つの法人に対しても、この決議の精神に沿って親切な措置を、少くとも青色申告を認めるように現地側と連絡をされる必要が私はあると思います。その辺の事情について承わりたい。
○北島政府委員 去る二十七日の当委員会には私はよんどころない用事がございまして出席することができませんでしたことをまずおわび申し上げます。いわゆる農業法人の課税問題につきまして大へん御心配をおかけしたわけでございますが、私どもももちろん、鳥取県におきましても、徳島県におきましても、頭から農業法人を否認するというような頭でなく、農業法人なるもののいわゆる実態調査ということを主眼に置きまして、国税局で調査いたした次第でございます。ただ、農村にとりましては、そういうような調査は初めてでございましたので、税務署が来るというだけで実は問題になるような農村が多いのでございます。そこへ大勢の国税局の職員が参りまして所得の調査のほかに実態調査をいたしたということで大へんお騒がせいたしたかと思います。こういう点は、私ども今後税務行政をやる上について非常に納税者の心理状態を考えなければならぬということを教えられたわけであります。全般の農業法人といわずすべて納税者に対しましては、私どもといたしまして、できるだけ親切にやるということをモットーといたして税務署を指導いたしております。ただ、なかなかその方針がほんとうに末端の五万にまで届くのは容易ならぬ努力が必要でありますが、たえずそういうつもりで指導いたしているわけであります。今度の農業法人の問題につきましても、今後の取扱いにつきましては、もちろん一般の納税者と同様にあくまでも親切を旨としていくつもりでございます。 ただ、青色申告の問題につきましては、ちょっと技術的な問題がございまして、直税部長からもお答えいたすと思いますが、私の気持といたしましては、できるだけ法の許す範囲において親切な取扱いをすべきである、こう考えております。もし必要があれば会計検査院等とも打ち合せまして、できるだけ穏便に妥当な措置をとりたい、こう考えております。
○金子説明員 ただいま長官からお答えのございましたように、青色等につきましても、法の許す範囲内におきましてできるだけ有利な扱いをするように努力をいたしておるわけでございますが、今先生からお話のございました鳥取の場合でございますが、五社については青色を認めて一社についてはなぜ青色を認めないのか、この点は、実は、一社につきましては、法人の申告をいたしておりました当時も白なんです。前年の三月十五日までに青の届出をしなければならぬのですが、それがしてなかったというような関係で、一社だけは白で申告をしているという状況でございます。それから、徳島の場合は、九十九件が二十日までに個人の申告をいたしております。その九十九件の個人の申告のうち十一だけ青色申告が出ております。それはこちらでその後確認いたしました数字でございますが、徳島の場合は鳥取の場合とちょっと違いまして、昨年から個人の申告をいたしておりますような状況もございまして、その後さらにどうしても青ということならば青色の届出をしていただかなければ工合が悪いわけでございますが、そのうちの十一社だけが青色の届出をして青色申告をしておられる。ほかの八十八社は依然白で、むしろ白の方が標準率課税の関係もありましてその方が都合がいいというような向きも農家によってはある場合がございます。そういった事情だろうと思いますが、八十八件は白色申告だ、こういう状況になっておりますので、御了承願います。
○足鹿小委員 よく私にはわからぬですが、標準率課税の方がいいんだと現地は言っているのですか。この間の参考人の場合はそんなことは一つも言っておらぬですよ。 それから、長官に、最高の責任者ですから、もう少し明らかにしていただきたいですが、法の許す範囲内において親切にやりたい、会計検査院とも打ち合せをして善処をしたいという意味の御答弁でありますが、法の許す範囲というと、国税関係の税法というのはなかなかめんどうくさくて、私どもしろうとですからよくわかりません。それから、その標準率課税の方の白色の方をむしろ徳島の方は好んでおるような意味にもとれたのですが、この間そんなことは一つも私ども聞いておらぬのです。それで、私の質問の趣旨は、親切におやりなさいということは、あなた方が出されたこの資料によりますと、若干のでこぼこがあるが、現地への適用の方法ではまだふえる可能性も多いけれども、法人の場合と青色の場合は実額負担の上において一応不十分ながら結末がつくのじゃないか。ですから、私は、実行可能な——理屈だけで理論闘争をするのはまた別な機会として、小委員会はそういうこまかい問題を詰めていくのが一つの目的でもあるわけですから、そのお尋ねをし、また意見も申し上げるわけです。その辺をもう少し、法の許す範囲というような抽象的なことでなしに……。それは本会議答弁ですよ。ここは小委員会で、速記はあるけれども、こうやってきょうは一対一、——あなた方の方が数が多い。委員長と私だけが出席で、あとはどこかへ行かれた人が多いようです。そういう事情ですから、何といいますか、もう少し打ちとけた態度で、あまり四角四面でなしに話を進めたいと思うのです。ですから、最初の二つのことを、長官、もう少し具体的に、それこそ親切にやって下さい。
○金子説明員 ちょっと、技術的な問題にわたっておりますので、私から答弁さしていただきます。 実は、青色申告は、御承知のように、税法上いろいろの特典がございますので、会計検査院の検査がなかなかやかましいわけでございます。これはとくと御承知のように、前年の三月十五日までに青色の申請をしておきませんと、翌年青色として認められません。その点は従来から非常にシビアな取扱いをいたしておりまして、検査院も特に目を光らせておるというような状況でございます。そこで、私ども、できることならば何とか考えられないかとかねがね思っておりましたのは、法人として青色の申告を出しておったようなものにつきましては、それがかりに税務当局の方で個人の申告にして下さいという場合に、個人についてもやはり青色の申請があったというふうな格好で見ていけはしないかという点につきまして、こちらも研究をし、それから検査院の了承も得られやしないかというように考えておるわけでございまして、そういった点は何とか納税者に有利に考えて参りたい、こういうわけでございます。 ただ、徳島の場合は、ちょっと事情が違いまして、昨年からもうすでに個人としての申告を出してもらっておるわけであります。その後もやはり、青色にしようと思えば届出が十分できる余裕はあったわけですが、依然として白でやっているわけです。先ほど標準率ということを申しましたのでちょっと言葉が足りなかったかと思うのでございますが、記帳その他につきましてやはり非常に手間がかかるものですから、一々正規の簿記を——農業簿記でございますけれども、正規の簿記という意味は略式の簿記という意味でございますが、法定の記帳をするよりも、むしろそういった帳簿をつけないで簡単なことでいく方がいいという方が八十八件あるわけでございます。十一件につきましては、個人として申告してあるが、それは青色で、あと五件、この間もお話がございましたように法人としてやっておられる方がある。この方は青色申告をしておられるわけでありますが、八十八件の方は、法定の記帳は事実できないと申しますか、あるいはする意思がないと申しますか、去年から引き続いてそれでやっておられる、こういうような状況でございます。ちょっと言葉が足りなかったかと思いますので、つけ加えておきます。
○足鹿小委員 それは、金子さん、あなた方が中央で現地の報告を系統的に聞かれる表向きの話でして、白色でやらざるを得なくなった、投げたということには、そこに至る経過があるわけです。現地の税務署長なり徳島の税務署長なり直税課長さんが非常に過酷と思われるような態度で、公然と法人をつぶしてやるんだということを言われたとか言われなかったということも私ども聞いておるのですが、そういう一つの経過があって、そして、農家も、百六もあったわけですが、その中で八十八人というものは、弾圧というか、強硬な税務署の態度というか、そういうものにおじけづいてそういうことにならざるを得なかった。これはやはり本人の意思で法人を作っておったのであって、だから、現地の税務署側がほんとうに親切な態度でやられて、こういう方法もあるんだぞ、あわせて青色もしておきなさい、それに必要な帳簿の書類もちゃんとしておきなさいというふうに、物事を納得納税というか公平な納税という課税上の大きい原則の上からおやりになっておれば、こういう八十八人という白色にならざるを得なくなった人たちも、出ずに済んだ。数ある中ですから、それはそういうふうになってしまうんですよ。そこが、力関係といいますか、権力機関と被圧迫階級の差ですよ。ですから、そこをやはり、会計検査院がやかましいならば、そういうことについて国会で特に当委員会が満場一致の決議を採択して、そしてあなた方にもそれぞれその決議文等も適当に御連絡があったはずですから、従って、今はそうだと金子さんが言われますけれども、それではあまりにも通り一ぺんじゃないかと思うのでして、そこに至った経過というものに対して、なるほどそうだったというので思い直して、会計検査院に対しても了解を得て、できるだけ現地側に親切な処置を今からでもとってやるんだ、こういうことにならねば、私がきょうこの問題を取り上げても、また一歩も前進しないということになって、結局委員会の決議というものが空転するということにならざるを得ないと思うのです。私は、そこをあなた方が考えられなければならぬと思うのです。
○北島政府委員 個人で申告する場合に、青色申告の承認申請をすることを税務署が陰に陽に圧迫したんじゃないか、こういうお話でございますが、私ども、そういう事実はなかったように思います。ただ、法人ができる当初においては、あるいは青色申告について税務署がこれを好まないような態度を示したような節があるんじゃないか、こう思っております。何ゆえにああいう法人がたくさんできたかという問題を考えますと、やはり、私は、事の起りは税金が一つの大きな問題だったのじゃないかと思う。その場合に、税務署が、もし法人として記帳能力があるような方なら、個人の青色申告の方を勧めたら、むしろああいうような問題にならなかったんじゃないか、こういう気がいたします。しかし、昨年個人でもって御申告願ったときから青色申告の方を押えたというようなことはなかったんじゃないか、こういう気がいたします。ただ、何といたしましても、はなはだ残念なことは、俗に申す、とる者、とられる者の立場で、お互いにそんなふうなことを感じあって、非常に情ないことでございますが、税務官吏はこわいもの、こういう納税者の気持もありますので、やはり表に出ない税務官吏の態度を考え過ぎまして、そうして青色申告の申請を控えたということが絶対ないかというと、私は絶無とは言えなかったかと思います。こういう点は税務行政で非常にむずかしいことでございますが、今後はそういう点についてはできるだけ納税者の心理状態にもよく立ち入ってやっていかなければならぬということを痛切に感じるわけでございます。
○足鹿小委員 これは、長官がこの間おいでになっていないから、どうも認識が薄いようですが、この間、有限会社新紅園専務の中田長吉君は、当委員会におきまして、徳島県勝浦町における経過報告という文書をちゃんと提出をし、そしてそれに基いて公述しておるわけです。それによりますと、その七ページにもありますように、「昭和三十三年六月十一日、十二日第一回中四国農業法人現地研究会開かる。この法人の行動に挑戦するが如く六月十二日、中田新一に対し個人所得税の更正決定が来た。」云々というふうにずっと始まって、とにかく、この問題が農業会議その他で大きく取り上げられ、大きく世論化するにつれて、税務署の態度も硬化を来たしておる。長官の認識はその辺でちょっと違うんじゃないか。この間のこの委員会において、中田というまだ若い人でしたが、なかなか緻密な、しかもものやわらかい中にも一つの筋の通った、りっぱな農業経営者だと私は認めましたが、それが口頭で述べるのみならず、文書をもってちゃんとこういうふうに当委員会に出しておるところを見ますと、これすらもあなた方がお認めにならぬということは、問題を処理する前提でその認識にどうもちょっと食い違いがあるように思うのです。だから、すべて適当なところまでいくと同じところへまた話が落ちてしまう。それでは何のためにわれわれが会合を開いてこの問題を検討するかわからないですよ。どうしても態度をお変えにならぬということであるならば、これは、われわれは、あなた方は口先だけで一応私どもに言われるが、腹の中では、もうがんとして、当委員会もくそもない、こういうふうに一切否認して出られる態度ととらざるを得ないですよ。それでは問題の処理にはならぬと思うのです。これは、われわれは、税金の問題だけならこんなにしつこく論議しません。日本農業の転換期に際して、大きな将来の問題を含んでおるがゆえに、この問題を通じて、かくのごとく執拗に、かつお互いが熱心に検討しておるのです。ですから、その前提をあなたは間違ってはいかぬですよ。これだけの文書がちゃんと出てきているんですからね。そうして、当日の速記録は私もまだ読んでいませんが、はっきり言っていますし、もう一人の米沢という人も出ておりました。ですから、長官も忙しいか知りませんが、もう少し理解のある態度で、現地側に対して指示をするなり、打ち合せをされて、十一件は青色ということになっているわけですから、先例はないことはないんです。ですから、あとの問題についても、五件の法人は青色が出ているわけですし、十一件は青色が出て、あと八十八件ですから、それをまず処理をされるということにならねばいかぬじゃないですか。口先だけで言われたっていかぬですよ。
○金子説明員 ただいまのお話でございますが、鳥取の場合について申し上げましたように、法人税青の申告をしているような人、たとえば先般ここで参考人として実情を述べておられた中田さんのようなところで、ずっと継続して記帳しておるような方の場合は、先ほど申し上げましたように、これは検査院と十分話し合ってみぬと結果はわかりませんが、できるだけ私どもは努力していきたい、こういう気持でおります。ただ、先ほども申し上げました八十八件という分でございますね。これは記帳が、実は、昨年の初めでもう記帳をやめてしまって全然できていないのか、現実にずっと引き続いて法人の方も青色の申告をし、それからこっちの方も記帳をずっと継続しておられるのか、そこら辺の実態はよくわかりません。そこら辺の点は私どもの方で十分調べてみまして、できるだけ足鹿先生の御意見に沿うように努力をしたいという気持を持っておりますので、御了承いただきたいと思います。
○足鹿小委員 それならよろしい。そうだろうと思うのです。最初からそう言われればいいのです。そういうふうな御答弁はすなおで非常にいいと思うのです。ただ、私が重視しておるのは、現地の報告ですね。これは、あなた方の手下と言うと語弊がありますけれども、出先機関ですから、その者たちの言うことをあなた方が否認されるということは、これは国家の徴税機構ですから今さらそういうことは言えぬでしょうが、事そういうことになって八十八件は記帳も投げてしまうというような事態に追い込んだのは、これは、だれが見ても、とにかく税務所の出方があまりきつ過ぎた。正常な徴税の措置ではなくして、相当強い措置に出られたから、勢い、めんどうくさい。百姓というものはそういうものですから、結局めんどうくさいということになるわけです。しかし、この間来ておった人たちはしっかりした人でしょうが、税理士からは青色に切りかえるような勧告を受けたけれども、別に税理士に相談しなくても自分たちでやれるのだという自信のほども示しておりました。ですから、ほんとうにこの農業法人というものを一応育てようという深い理解と認識があったならば、こういう事態にならずに私は事がおさまっておったと思うのです。しかし、何が幸いなのか知れません。これがはしなくも日本農業の大きな今後の問題の発火点にもなる事態が起きたことは、そういう点においては必ずしも悪くなかったと思うのです。ですから、この記帳がないといっても、全然ないはずはない。今この法人は休止状態というのですか。八十八社はそうなのですか。どういう工合になっておるのですか。八十八の法人は、徴税上からいくと、解体しているのですか、解散しているのですか、あるいは休止しているのですか。その形態はどうなのですか。
○金子説明員 法人自体はまだそのまま残っておる。つまり休業中で、税の面からだけ申しますと、個人として動いておる、こういう格好になっておるかと思います。
○足鹿小委員 とにかく、先ほどのあなたの御言明は非常に重要だろうと思うのです。記帳が十分でないかもしれないが、実態を調べた上でできるだけ善処したい、こういうことでありますから、この点はあなた方の態度を信じて、現地とよく打ち合せをされ、またあなた方みずからも実態をよく御調査になって、そして不公平にわたらざるように措置をしてもらうように、強く申し上げておきます。 そこで、この間から問題になっておるのですが、法人の実態をどう見るかということです。これがいつも問題になるのですが、何かあなた方の内部で、実態とはということで、やはり一つ判断、考え方の中心になるものを作っておるでしょうか。どうもこの間から実態論となるといつもこのことが進まぬ。長官どうですか。実態とは何ぞやということになると、記帳を十分にやっておれば、われわれは法人の実態を備えたものだと思うのです。経営の内容についてはどうかということになれば、これは、この間の委員会でも、中田という人が、二・五メートルの農道も作ったし、貯蔵庫も作ったし、収入もふえたし、非常に働くのが楽しくなり、ほがらかに、経営の欠陥もわかるし、それに対する手当もできるしというので、非常に能率も上るしよくなっておる、もうこのまま四、五年やらしてもらったら面目も一新するのだと、非常な希望を抱いて話をしておりました。そういうわけで、農業経営の内容上から言えば判断がつきかねるということはあり得るでしょうが、しかし、参考人がこの神聖な議場において言っているわけですから、内容的にも相当変化しておる。ですから、それは内容的な変化は認めがたいという断定はつかぬと私は思う。ただ、問題は、法人の実態とは何ぞやということになると、具体的に明らかになっておらぬ。ですから、何かものさしを持っておられて、そしてそれを一応基準にしてやっておられると思う。何と何と何だという、一つずつ条項的に、法人の実態とは、一、こういうものだ、二、こういうものだ、三、こういうものだ、というふうに説明してもらいたい。
○北島政府委員 これは、一口に法人の実態と申しますよりも、農地法上許可を受けていないが、しかもその所得は法人に帰属すると認められる実態とは何か、こういうことかと思います。先般からいろいろ御議論がございましたように、農地法上の許可を受けてないとその行為が法律上効力を生じない、従って、依然として法人に農地の使用収益権があるのでなくて一応個人にあるのだから、従って、その使用収益から生ずる所得の一部も個人にあるごとく推定される、こういうような前提でございます。その推定をくつがえして、いやそうではないのだ、法人にその所得は帰属するのだという、その法人の実態とはどの程度のものだ、こういう問題でございます。たとえば、私が五反の農地を耕やしております。家内と子供一家で耕やしておる。それを今度北島農園という法人にいたしまして、しかし依然として働いておるのは私個人であり、私の家内であり、私の子供たちであり、一家でもって法人という格好を作って、法人の設立だけをして働いておる、しかし依然として実態は個人で一家で働いておる、こういう場合でございます。その場合には一応法律上は依然として北島武雄個人にその農地を使用し得る権利がある。従って、その農地を使用する権者である私が働いておるのですから、私にその所得が帰属する、こう考えるのが普通でございます。それを、そうではない、北島の所得ではない、北島農園の所得だ、こういうのはどの程度の実態か、こういう問題がございます。その点から考えて参りますと、一番はっきりした例を申しますと、たとえば、数軒の農家が共同いたしまして、資本、労働を投入して、そうして生産設備等を供出いたしまして法人を作って、経理もはっきり個人とは分れたことをやって、法人としての経理の内容は明らかである、こんな場合は一番典型的な例として、そのような場合においては北島個人が依然として働いておっても北島農園の所得になる。そうなりますと北島農園とは言えなくなるかもしれませんが、何とか農園の所得である、こういうふうに私どもは判断いたすではございましょう。ところが、ただいま申しましたように、依然として北島一家の中で従来の農家を経営しておる、単に法人を作ってその経理の内容は法人と個人と一応別にした、こういう程度では、私はまだ北島の所得を否認して法人にあるのだという実態は備えておらないものと考えるのでございます。
○足鹿小委員 そうしますと、この間いただいた資料の説明も一つ聞きたいのですが、「農業法人の都道府県別、業態別分類表」という表をもらっておりますね。これのEですか、「農地に対する権利の取得について許可のないもの」という欄がありますね。この欄の百五十一という全国数字、これが現在長官が言われた対象になっているものと解していいと思うのですが、そうすると徳島が百五社、鳥取が六社ですから百十一社ですね。とにかく百十内外の法人については今言われたようなことだと思う。そうすると、残る四十件ばかりのものがあるわけですね。それはどことどこでどういうふうに措置をしておりますか。
○金子説明員 他の府県のものにつきましては、先般の委員会でも御説明申し上げましたように、まだ調査が進んでおりません。今後の問題といたしましては、法人の申告が出て参りましたような場合に、できるだけ実態を把握していきたい、一斉にこの際全部調査を進めることがすぐはできないものですから、まあできるだけ早い機会に調査を完了したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○足鹿小委員 調査をされるのはいいのですが、ここに調査した結果を出しておられるわけですからね。徳島百五、鳥取六で百十一、それを百五十一から引くと四十社というものが残るわけですが、ここに分布がありますけれども、その説明をしてもらえば、わかると思うのですが、それが今日もなお調査未了なんということは受け取れないですよ。もう調査はできているはずで、現地の税務署に何らかの措置を命令するとか、また、現地でどういうふうに措置をしておるのか、報告を求めておられると思うのです。それは当然でしょう。何でも金子さんは調査すると言うが、調査の結果をここにもらっておるのです。僕がこの間要求したのは、もっと詳しい業態的なものもほしかったのです。ですけれども、一応出されたものですから、その誠意は多としまして、これを根拠に、さらに、その百五十一を中心に、残った四十ぐらいのものに対しまして現地から報告をどういうふうに求められたか。それはどういうふうになっておるかということはわかっておるはずです。
○金子説明員 これは先般の小委員会でも足鹿先生に申し上げましたように、各地の税務署が一斉に実態調査をやりますことは、昨年末においてはとうてい不可能でございましたので、税務署の方に出ております法人税の申告書について大体資料を得まして、それで農地法上の許可があったものないものという区分で業態別にこれを調べましただけで、いわば申告書に基く机上の整理をやってとりあえず報告を求めたというような次第でございまして、各会社の実態につきましてどんなふうな運営がされておるかという調査までやった結果の報告ではないわけでございます。従いまして、先般申し上げましたように、この数字があるいは多少あとで動いてくるかもしれませんということを申し上げておったわけでございますが、私の方といたしましては一応全国的にどんなふうになっておるだろうかということで、机上の整理で報告を求めたものをまとめたわけでございます。
○足鹿小委員 農林省にちょっと伺います。その隣の欄に、「農地に対する権利の取得について許可のあるもの」として、全国計六とあるのですが、これはどういう内容のもので、農林省の態度はどうですか。
○庄野説明員 私の方もまだ詳細はつかんでおりませんが、国税庁の方でどういう基準で農地法の許可が要るかどうかというふうに考えられるかということでございます。たとえば、徳島、鳥取の法人につきまして、形態は請負というような形になっております。その請負の形は、十分に、契約面を見てみますと農地法の許可の要る事例にただいま徳島から出ておるのはなる、われわれはこういうふうに解釈しておりますけれども、請負の契約の内容によっては農地法の許可の要らない部分もあるのじゃないか。それは、たとえば、農作業の農地に関係しない部分等を法人でやるというような場合もあるわけです。その辺の見方がどういうふうになっておるかということによって、農地法の許可のある場合、ない場合というのが違って出てくるわけであります。実態に入って究明しないとよくわかりませんので、ただいま国税庁から出されました資料をもとにして農地事務局を通じて実態を調査したい、こういうことで、前もって照会はいたしておりますけれども、これも参考として至急実態を究明するようにいたしております。
○足鹿小委員 今庄野さんの言われるようなことはほかの欄に出ておるのですよ。それから右の方のF、H、Jというふうにずっと分類されて、こういう明確なものが一応出ておるのです。「農地に対する権利の取得について許可のあるもの」で六件はっきり明記されておるのですよ。六件やそれぐらいの調査はできないはずがないでしょう。どこでどういう手続によってなされたか、そんなことぐらいはわからぬはずがないと思うのですよ。これはあなた方直接の仕事で大事なことじゃないですか。 ついでですから、農林省に伺いますが、今の私の質問の六件について、もう少しはっきり答えて下さい。 勝浦町の与川内という農協、これは勝浦町の中にある農協のようですが、これは先般定款の変更を行いまして、法人を正組合員として認めておる。徳島県庁はこれに許可を与えておるのです。そうすると、一方においては農地法上の権利取得の問題で徳島県庁はきつい達しを出して、片一方では与川内農協の定款変更は認めて法人を正組合員にしておる。たとい過渡期といえどもこういう事態が起きておるのです。やはり、現地が必要と認め成規の手続をとったものに対しては県庁でもそうむげなことはできないのです。普通に言えばそうですよ。中央が特に干渉しなければ、大体そういうことで円満に常識的に片がつくのです。事がこういうふうにもつれてきておりますから、こういうようなことになってくるのです。私どもあえてこういう例を拾い上げてとやかく言うつもりはありませんが、そういうふうに実態が動いてきておるのですよ。そうすると、その法律は、われわれが作って、われわれがこれはわれわれの仕合せのために使うわけですから、われわれの仕合せを阻害するような法律の運用というものはあってはならぬですよ。そんなばかな話はないのです。われわれの仕合せのために、われわれがよりよく生きていくためにすべての立法行為というものはあるはずなんです。私は法律学者でも何でもありませんが、常識的にそう考えていいと思うのです。そういう解釈でいきますと、一方でとやかく言っても、勝浦町において一つの農協というものの既成事実が次々と出てきておる。もう一つは横瀬という農協です。これは理事会で法人を準組合員にちゃんと認めておるという実態がある。横瀬農協は次の総会におきましては定款の変更をする方針を立てた、こういう事実もある。勝浦町の農業委員会は一つの法人を正式に認めておる事実もある。そういうふうにすなおに法を運用していけば……
○丹羽小委員長 足鹿君ちょっと、長官は参議院に呼ばれておりますから……。
○足鹿小委員 それでは、さっきあなたが私に答えられた法人の実態とは何ぞやということについては、私はあなたの答弁では納得しない。そのことを明らかにしておきますよ。まあ向うへ行かれるならやむを得ませんがね。 農林省はこういう事実を知っておりますか。
○庄野説明員 法律の運用等につきましては、足鹿先生のおっしゃる通り、立法当時と経済情勢等が変ってくれば、その法律に定められました解釈の範囲においてそういう点は十分しんしゃくせられなくちゃならぬ、こういうふうにわれわれは考えております。ただ、この農業法人につきましてはかねがねここでも論議検討されましたような農地法上の問題がいろいろございますので、解釈でいけるかどうかという点については、われわれは、むしろ農地法の基本に触れる問題として、慎重にこれを検討して、必要があれば法律の改正という方向に持っていくべきじゃないか、こういうような考えを持っております。 なお、先ほどの六社の点につきましては、国税庁の方にも名前がわかっているということでございますので、至急調査いたしたいと思いますが、想像いたしますれば、賃借権とか使用収益権、あるいは会社に対するそういった所有権の現物出資、そういうものではないかというふうに考えられるわけでございます。至急実態を調べたい、こう思っております。 なお勝浦町の農協の会員に認められたというふうな御質問でございますが、まだ私詳細承知いたしておりません。二十七日のここの参考人の供述の中に組合員として入っているというような話がありまして、農協課の方とも打ち合せておりますが、従来の運用といたしましては、営利法人は正会員になれないように伺っております。そこら辺、どういった形の法人で組合員に認められたか、至急調べたいと思っております。
○足鹿小委員 そうしますと、この与川内農協にしろ、横瀬農協にしろ、一方は法人を正組合員と認め、一方は準組合員として認めておる、こういうことは適法な処置として県庁が認めておるわけですから、それでいいですね。それに対する調査をされぬと答弁できませんか。
○庄野説明員 農協の方は直接の担当でございませんので、私責任を持ってお答えできないのでございますが、この点は農協課の方とも早急に連絡をとりまして調査をさせたい、こう思っております。
○足鹿小委員 私の言いたいのは、こういうふうにぼつぼつといろいろな事例が起っておるということ。わからないで済んでおるところもあるでしょうが、ただ、要は、あなた方の対策がおくれておるということですよ。そのことを指摘する事例として申し上げておるのです。だから、この間から言っておりますように、この問題については、急いで、しかも間違いなく、もっと仕事を進めてもらいたい。こっちからいろいろなことを言い出すと、それに呼応してやられるのはけっこうですけれども、あなた方自体が、もっと積極的に他の部局とも連絡をおとりになって、もうゆるがせにならぬ事態が来ておるのだという認識の上に立って、その問題を検討し処理する、そして次の対策を立てるということにならなければならぬ。私はそういう趣旨で言っておるのです。これが適法でなければどうせいこうせいということではないのです。各関係外の、あなた方の知らないところにいろいろこれに関連した事例が続出しておるということなんです。むしろ、あなた方は、国税当局が農地法違反だと言うので、それについてまた検討を開始する、いつも受け身なんです。事が重大であるから受け身はわかりますが、もうそういう段階ではないという時が来ておるということをはっきり認識されて問題の処理をしてもらいたいと思うのです。せっかく次官もおいでになっておりますのでその点一つ御決意のほどを承わっておきたいと思います。
○石坂政府委員 成文法はある固定した性格を持つものであります。しかるに、人間の社会生活の諸種の現象、経済現象というものは、日に新たに変化していくものだと思います。従いまして、現実の問題と成文法との間に往々にしてギャップのできておることは否定できないのであります。先ほど足鹿委員からいろいろ御指摘になりましたが、この農業法人の現実の問題は農地法等からはるかに前進いたしておるわけでありまして、この点の現実と法との調和をいかにするかということが大きな問題になっておるかと思いますが、問題は決してそのような便々として推移すべきものではないのであります。お前たちの処理がおくれておるじゃないかとおっしゃれば、まさにわれわれもその点十分に反省いたさなければならないと思います。従いまして、農林省といたしましては、農地法の根本精神と、日本農業の大きな転換期にあって、どういうふうに日本の農業が変化して参るか。またどういうふうに進めて参るかという問題との関連、あるいはまた、農協法の点から申しますと、御指摘になった問題が起っておるようであります。従って、農地局は農地局といたしまして、また、農業協同組合の所管局である経済局におきましても農業協同組合法の問題としていろいろ取り調べ、それぞれ検討を進めておりますが、これはまさに、足鹿さん御指摘の通り、このままじんぜん日を送るべき問題ではないと思います。さりとて、問題は日本農業、日本農政の根本にも触れた問題でもありまするから、急ぎますと同時に慎重にこの問題を進めて参りたい、こういう考えを持っております。
○足鹿小委員 長官が帰ってこられましたらまたさっきの続きをやって結末をつけておきましょう。 法人の実態については、農地法上使用収益権の取得について疑義があるという前提の上に立ってその実態論は考えるべきだというあなたの御議論はそれは一応何べんも今までに繰り返されたことで、別に新しくはない。だが、しかし、先ほど述べましたように百五十一のあなた方の資料の中で、このうちに含まれておるのが鳥取と徳島でありますから、そのほかに四十ばかりのものがあるはずです。それについては、どこで、どういうもので、これには何も問題はないのかということですよ。特に鳥取と徳島は問題が起きておるが、あとの四十ばかりのところには問題はないのですか。何か取扱い上、その現地の人の出方によっては徳島のような事態が起きるし、鳥取はまた若干様子が違っておるようです。まだわれわれの目の外に置かれておる四十ばかりの、使用収益権について許可を得ていない、いわゆるあなたが言う前提のもとに判断されると思われる組合、法人ですね、それらについては何も問題はないのですか。どうも、その辺が、いろいろ考えてみると、あなた方には、法人の実態というものに対して、さっき言ったように、あなたの前提は前提として、個条書きか何か知りませんが、とにかく、現地に対して、こういうことでやれというふうな、何かものさしがやはり与えてあるのじゃないですか。それが聞きたいというのです。
○北島政府委員 百五十一の中の鳥取及び徳島を除いた四十数社については問題はないか、お前の方は認めるのはやはり何かものさしを作ってやっておるのか、こういうお話でありますが、実は、この四十数社につきましては、先ほど直税部長が申しましたように、実態調査をやっておりません。ほんとに机上だけによって、申告によって至急に報告を出させましたので、こういうことになっておるのであります。実態につきましては、やはりあらためて調査しなければならぬわけでございます。ただ、今まで調査しておりませんのは、このような大きな問題になりましたので、税務官吏に調査いたさせるにつきましても、さらに慎重な配慮を要します。そこで、一応この問題について最後的な結論が出るまで、たまたま他の申告所得税の最も繁忙な時期でもございますので、ただいままでのところ、他の四十数社についてはまだ実態調査をいたしておらない、こういう状態であります。特に一定の基準をもって、これこれのものは否認、これこれのものは是認というようなことはまだいたしておりません。
○丹羽小委員長 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○丹羽小委員長 速記を始めて下さい。
○足鹿小委員 農林省にお尋ねをしますが、この間いただいた資料ですね。このほかにも私どもの知っておる共同化の事例というふうなものはいろいろあるのですが、こういう共同化の事例を若干お示しになるについて、あるいは県を通じて、あるいは農林漁業金融公庫とか中金とか、系統金融かあるいは制度金融かそのいずれかは知らぬが、あなた方に協力を求めてきた事実とか、求めてきたが法的にどうにもならぬことがあったとか、もう少し——これを出しっぱなしにして、これが調査資料だというのではなしに、これに伴う農林省が調べたその経緯なり、これに対する処置等についてどういうふうに考えておられるか。この事例のほかに、私どもこの中でも二、三知った事例はありますが、まだたくさんあるのです。それについての考え方を一つ伺っておきたい。
○庄野説明員 その資料は非常に早急の間に作りまして、今まで報告を徴したり、あるいはこちらで調べてある資料の中から抜き出して収録いたしたものでございまして、これでは完全なものではございません。また、調べる観点も、施設の共同とか、あるいは経営の共同とか、生活まで共同しているとか、そういった共同形態なり利用形態な面から報告がなされております分をとってありますので、その共同経営なり共同利用なりの基礎になっております施設なり、あるいは農地関係ならば農地法の権利関係の点については、全然この資料では触れられておりません。そういう点において、ただいまの問題になっております農業法人の資料といたしましては不完全なものじゃないかと思います。その点につきましては、われわれといたしましても、ただいま農業法人の問題になっております問題点を調査項目としてただいま県に照会いたしておりまして、これは四月中にはそろいますので、あらためて早急に編集し直して御参考に供したい、こう思っております。 なお、中金とかあるいは公庫とかから、こういう農民の組織する団体、あるいは法人格を持っておりまする協同組合なり、あるいはそれ以外の法人というような問題で、融資の面で問題があるということでこちらの方にいろいろ照会なりそういう点の疑念についての照会なりのあった事例、私になりましてからまだないのでございまして、そういう面について、公庫の方で申しますと、共同施設などは、特に法人格がなくても、農民が共同で施設を設けるような場合には出させるようになっておりますので、そういう面であるいは法人格があってもなくても融資ができるんじゃないかと思います。具体的に問題になっておる事例は、私になりましてからまだございません。そういう点については公庫等にも照会してよく調べてみたいと思います。
○足鹿小委員 その点は特に重要でありますので、公庫等についてもよくお調べを願いたいと思います。 それから、きょうは大蔵省は見えていますか。
○丹羽小委員長 大蔵省は来ておりません。
○足鹿小委員 それではいたし方ないです。きょうのところはそういうことにしておきます。 そこで、先ほどちょっと速記をやめていろいろと懇談してみたのですが、法人の実態をはかるものさしといいますか、そういう基準とでも申しますか、そういうものがあれば列挙してもらいたいということを私言ったのですが、そういうものは全くない、こういうことでありますので、私どもも何も証拠を持って詰め寄るというわけでございません。勢い、事のけじめは、仕方がない、行政訴訟でも起して、裁判所がどう認めるかということに落ちつくでしょう。どうもしようがない。ここではこれ以上どうもいたし方がないし、われわれは、今後これを処理するためには、与えられた権限において立法措置等においてその問題を解決していくということになると思うのです。 ただ、要は、今後の税制改正の問題が一つ残っておると思うのです。きょうは主税局がおいでになっておらぬそうでありますから、次の機会に私またよくただしたいと思うのですが、専従者控除というものが全面的に全対象の農家に実施されれば、これは一番問題がないわけですが、この間金子さんが言われたように、現在たった六万しかない。そうすると、六百万農家中課税対象農家は一五%ないし二〇%といわれているが、そのまた何%にも達しない六万しか専従者控除が申告で処理されておらぬということになりますと、専従者控除自体は一応名目であって、こういう道もあるというだけのことで、全部に控除制度の特典が及んで、控除制度によって農家が税の合理的な賦課を受けたりまた納税したりするということになっておらぬ。この間われわれ大蔵委員会の方に出しましたが、これは農業者のみではないのですよ。中小企業もですが、自家労力で営んでおる者に対しては、自家労働報酬をその企業なり農業なりの必要経費として算定をする、こういうふうにしていけば、税法上の矛盾は解決がつくと思うのです。これは課税を担当し徴税の中心に立っておられる国税庁としての——大蔵省としての見解は求めることができませんが、国税庁としての所感といいますか、そういう点については矛盾を感じておる、何とかしなければならぬという気持だろうと思うのです。この前主税局の塩崎第一課長ですかもこのことは力説しておられた。そうなると、今度はまた別に企業税というようなものが出てくる可能性が考えられるわけです。それは先のことですからそれとして、当面中小企業や農業などの自家労力でもって業を営んでおる者に対しての必要経費の算定方法を是正し、自家労力を必要経費として計上を認めることの妥当性は、国税庁当局もお認めになると思うのですが、その点について研究をしておられますか。御所見を一つ承わっておきたいと思います。
○北島政府委員 ただいまのお話は、事税制に関するものでありますが、私どもも実施面に当りまして常にいろいろ矛盾も感じておるところでございます。いわば、農業それから中小企業、自家労働でもって主として経営されている企業について、いわゆる青色申告者だけについて専従者控除が認められておるが、他の者についてはどういうわけだろう、それで果してつり合いがとれておるかという感じは、私ども確かにいたすのであります。ただ、事の起りから申しますと、大体、専従者控除というのは、ちゃんとはっきり帳簿をつけておって、そうして、だれが専従しており、それに対して給料を幾らやるかということがはっきりわかっておって記帳するもの、そういうものだけしか認められないじゃないかという考え方と、もう一つは、青色申告を育成する、こういう見地から、帳簿をつけておる青色申告者だけについて認められたことかと思います。ただ、いろいろ考えてみますと、ことに、わが国の農業は、私が申すのもおこがましい次第ですが、ほとんど自家労働でまかなわれており、こういうものについては青色申告者だけについて専従者控除を認めるのは果して均衡を得ておるかどうか、こういう感じは確かにいたします。ただ、かりに農業について全部認めますと、それは普通の中小企業も同じじゃないか、こういうことになると思います。それはやがて青色申告制度全般の問題にもなるかと存じます。主税局もこの問題の解決については非常に苦慮しておるところでございます。こういう問題をあわせまして、今後税制調査会におきましては企業課税の問題として取り上げて、その一環として検討したい、こういう考え方であります。企業課税というのはちょっとおわかりにくいかと思いますが、事の起りは、個人がいわば法人化したことによって急に税の負担が少くなるのはおかしいじゃないか、こういうことから出発した問題でございまして、企業課税の方法を考えてくれという方々の御意見は、個人でも同じように法人のような取扱いをしてもらいたいという気持があるわけです。そういう考え方もあるとともに、果して税金だけのために中小企業の方々が法人化するということがいいことであるかどうか、そういうことのないような税制にするのが一番いいんじゃないかというような問題もあるわけでございます。そうすれば、いわばほんとうに法人に値する企業というのはどの程度のものか、それから、あるいは個人と変らない法人機関はどの程度のものであるか、こういう問題が出てくるわけでありまして、そういう問題をあわせて企業に対する課税を統一的に解決する必要があるだろう、こういう感じがいたします。この問題は非常にむずかしい問題でありますが、主税局でも、これから本腰を入れて企業課税のあり方について検討して成案を得たい、こういう考えでございます。どうぞその点一つ御了承願いたいと思います。
○足鹿小委員 これは委員長に一つお願いしておきますが、現地のとっておる方法なりと中央の国税庁のやっておることについてどうもぴったりしないものがあるように思うのです。それで、こういう国会の状況でありますから、今すぐというわけにも参りますまい。まあ参考人はこの間現地側が出したわけですが、何かもっとその点を究明することについて委員長においても御配慮を願いたい。それから、いま一つ、当委員会に課せられた任務は、共同化の問題があるわけです。こういう事情ですから、他の同僚諸君もおられませんので何とも言えませんが、農林省が提示しております資料、また、都市近郊地、東京都の近郊にも他のすぐれた事例があるようでありまして、ごく近いところにもあるようでありますので、一ぺん当調査小委員会としてそういう現地をよく見て、そうして今後この委員会の任務を果していく上に参考にしたいと思います。その点を一つよろしくお取扱いを願いたいと思います。
○丹羽小委員長 了承いたしました。きょうは、御発言なさったように、非常に出席が悪いですから、また後ほど皆さんと御相談いたしまして、御期待に沿うように努力いたします。 次会は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五分散会