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31回国会衆議院1959/06/11

農林水産委員会 第35号

発言数
193
登壇者
24
会派数
2
開催日
1959/06/11

会議録

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  農林水産物の貨物運賃問題について質疑の通告がありますので、これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいまの農林水産物資に対する国鉄の運賃改訂問題に関してでありますが、実は、四月三十日の当委員会において本問題に対する決議が行われておるわけであります。第一の点は、政府が企図されておるところの等級間の賃率改訂の問題、第二点は、本年の六月まで継続されることになっておるところの公共政策割引の継続の問題、この二点について委員会の決議が行われておりまして、当時出席しておりました小倉副総裁は、この委員会の決議に対しては十分決議の趣旨を検討して誤りのなきよう運用を期したいというよう答弁を行なっておるわけでありますが、昨日の私の質問によりましても、具体的に委員会の決議の趣旨に基いた作業が行われておらないということが明らかになっておりますので、本日は、政府の立場においてこれらの問題の善処をいかになさるお考えであるか、お尋ねしたいと思うのであります。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 車扱い貨物の特別割引賃率は、昨年六月の国鉄総裁公示によれば、本年六月三十日をもって終了することになっておりまするが、しかし、これを存続させることに対する要請も強いので、国鉄においては、農林省並びに通産省から資料の提出を求めまして、目下慎重に検討中であります。本件の処理は国鉄総裁の権限事項であるのであります。運輸大臣といたしましては、国鉄の運賃割引は特殊なものを除いてできるだけ整理するのが国鉄経営上望ましいと考えておりまするが、しかし、反面、これらの割引を存続させることについての要請も強いので、この取扱いについては慎重を要するものと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ただいまの運輸大臣の答弁によると、公共政策割引の問題は、これは国鉄総裁の権限のもとに処理できるということでありますが、そうすると、これは国有鉄道運賃法第八条の規定の範囲内で処理できるわけですね。

山内公猷運輸事務官(鉄道監督局長)

○山内説明員 ただいまのお話のように、第八条並びに第九条の料金の適用に関する細目ということで、国鉄総裁かできるようになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、四月三十日り委員会の決議が行われたときは国鉄副総裁の小倉さんが出席してみずかり答弁を行なっているわけです。ですから、そうなると、もう約二ヵ月たつているのですから、この公共政策割引り問題については、これは継続するとかしないとかいう方針だけはおおむね明らかになってしかるべしと思うのです。昨日の局長の答弁によってはその点が非常に不明確でありますので、本日出席を求めたわけでございますが、この点についてもう少し国鉄の立場から責任のある答弁をお願いします。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 私が当委員会において御答弁申し上げましたのは、私も記憶に十分新たなところでございまして、その後申し上げましたように、運賃の問題はいろいろ国民生活につながる面が重要でございまして、十分慎重を要すると存じまして、関係官庁である農林省と御相談申し上げ農林省の方から資料をいただいてそれを目下慎重に研究いたしておるのでございます。何はさて、非常に膨大な資料でございまするので、この前御答弁申し上げたように、慎重に慎重を期して調査をいたしておるということをお答え申し上げます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この問題は毎年繰り返されておるわけなんです。それで、いつの場合にも、基本的な問題が解明せられないままに、結局、ぎりぎりの段階になって、もう一年延ばすとか、そういうようなことで今日に至っておるわけです。従って、委員会の決議が行われた当時の国会の審議等においても、そういうその場のがれのようなやり方でなくて、もう少し公共政策割引あるいは農林水産物資の運賃等の問題についても基本的な問題を十分解明して、原則の上に立つた今後の方針というものを明確にすべきでないかというのが、これはわれわれの議論の焦点であったわけです。従って、今回の場合においても、決議が行われてもう二月たつわけでありますから、もう少し真剣に基本的な問題と取り組んで、政府並びに国鉄当局としても態度を明確にされて、もう少しすつきりした態度でこの問題を処理していくべきでないかと考えるわけです。その点についてはどうですか。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 昨日私が御答弁申し上げましたが、その点につきましては、今先生のおっしゃったすつきりした形と申しますのは、いわゆる特別等級ですつきりしておるわけです。すなわち、作目申し上げましたように、二千数百の品目をある一定の原則によりまして十二の等級に分けまして、そのうちから社会生活上必要なものだけを特別等級と申しまして、二一、二二、二三の三つの非常に安い運賃に分類しているわけであります。その点は、もちろんこれは公示されておりますし、明らかになっておるわけであります。その点が非常にすつきりしておる。それに対してさらにある品目につきまして公共政策の割引が行われているということでございます。従いまして、その点につきましては、昨日申し上げました通り、具体的にこの品目についてこの運賃割引をすることがどういうふうに生産者に影響があるか、どういうふうに消費者に影響があるか、あるいは昨日も農林政務次官がお答えいたしました通り、流通過程において運賃というものはどういうウエートを占めているかということを具体的に検討いたさなければ、ただ無条件で現在の公共政策割引をそのまま継続するということは考えられないのじゃないか。今先生のおつしやいましたすつきりした形と申しますのは、特別等級において非常にすつきりしておるわけです。その上にさらにやることにつきましては、具体的な品目につきまして具体的な影響を検討した上で、存続すべきかどうかということを考えなければいけないと考えまして、そうして、昨日申し上げました通り、農林省及び通産省から具体的な品目につきましての具体的な数字的な資料をもらいまして、それを現在検討しておるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういう論議ではないですよ。これは国有鉄道の運賃法の第八条の規定の範囲内において国鉄自身かこういうものを制度化している、そうでしよう。国鉄総裁の権限の範囲内において公共政策割引という制度をあなた方が設けているんですから、作る以上にはやはり一つの必然性というものがあつて、これが今日まで制度として採用されたわけです。その根拠はどこにあるかというと、当然ごの第一条の規定による、たとえば「産業の発達に資すること。」とか、「賃金及び物価の安定に寄与すること。」という、こういう国有鉄道は公共企業体として公益の上に立って運用されているのであります。従って、農林水産業のような原始産業により生産された物資というものは、その容積とか重量の割合に価格が非常に安いわけです。従って、そういう面に対しては、産業の発達に資するとか、あるいは賃金及び物価の安定に寄与する、こういう一つの国鉄運賃法の精神に基いてその特別割引とか政策割引というものを運用しなければならぬというところに根拠がある。だから、何も根拠がなくて今まで公共政策割引というものをやつたんじゃないと思う。そうでしよう。ばく然とやられたのか、根拠があつて今までやられたか、その点はどうですか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 今お話を伺つておりますと、運賃体系の根本的な問題に触れてくるかと存じまするが、国鉄は、仰せの通りに公共企業体でございまして、できるだけ社会、国家に奉仕するということが一つの大きな使命かと思います。しかしながら、反面におきまして、現行におきましては大方から企業性を持たなければいかぬというふうな強い御要請もございまして、できるだけ赤字を出さぬ独立採算を遂行していきたい、こういうふうに考えております。そういう建前のもとに運賃体系あるいは運賃理論というものも確立せられておると存じまするのは、運賃は原価を償うものであるということが法律にも規定せられております。しかしながら、国鉄の運賃ぽ全体のプールによって算定してございまするから、ある物資につきましてはもちろん赤字を出すこともやむを得ないと存じまするが、さらにその上に公共割引というようなことで低運賃を適用するということもそのときどきの情勢においてやむを得ないこともあると存じまするが、ただいま問題になっておりまする農林水産物資の割引も、実は数年前に各方面からそのときの社会情勢に照らして特に御要望が強かったのでございまして私どもも、そういう立場に立ちまして、暫定的ということで公共割引をいたしましたので、そのために、先ほど仰せの通りに、毎年々々の問題になって参つたと存ずる次第でございます。この物資の割引は、等級の変更もそうでございまするが、また公共割引も、そのときどきの情勢に応じまして再検討されて内容が変るということも、これは御承認を願いたいのでございまして、割引がいつまでも継続いたしますと、ほかの物資でまた割引をいたさなければならぬというものが出まして、もうそれに回す余裕もございませんので、すべて一たん割引したものが永久にその割引で継続するということになりますと、これはもう割引ではございませんで、その固定した運賃ということになります。私どもは、そういう立場に立ちまして、運賃全体につきましてはもちろん法律事項でございまするが、個々の適用につきましては、十分慎重な研究をいたしつつ、内容につきましてはそのつど情勢に応じた変更を加えるということもいたして参らなければ、かえつて物資の負担割合に応じた適正な運賃が施行されないというようなことに相なると思います。しかしながら、運賃をいじるということはいろいろな社会的な影響も多いので、十分慎重に研究いたさなければならぬ。ことに、ただいま問題になっておりまする農林水産物資につきましては、その意味合いから、農林省に十分な資料をお願いいたしまして、その資料に基き検討の上、国鉄だけできめるということでなく、関係官庁の御意向を十分参酌し、御協議申し上げて善処いたしたい、こういう次第でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今回の問題は、単に公共政策割引の存廃の問題だけではなくして、もう一つは賃率改訂の問題が並行しておるわけですね。この点は、結局、結果的には農林水産物資に対しては非常に不利な改訂が行われるということが大よその見通しになっているの  です。そうすると、等級間の賃率指数が改訂になつた場合において、農林水産物資の運賃が割高になってくる。さらにまた、公共政策割引制度が万が一廃止になるということになると、そのしわ寄せがほとんど農林水産物資の上に来るということになるのです。こういうことになると、これはやはり国民経済上から見ても重大な影響が来ると思うのです。もちろん、この第八条の規定の範囲内でやるということになると、運賃の総体に変化のない範囲内においての改訂ということになるんですね。何も国鉄自身の貨物運賃の増収ということにはならないような状態のもとにおいてこういう改訂とか廃止が行われるということになると、これは言うまでもなく農林水産物資に対する運賃のしわ寄せになるのです。これはだれが見ても好ましい形ではないのです。従って、われわれとしては再三にわたってこの点を警告し注意を喚起して、誤まりのなきようにしてもらいたいということで、これに対しては副総裁も誤まりなきを期したいということを確言されておるのです。従って、この機会にその真意のほどを明確にしてもらいたいわけです。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 農林水産物資は、石炭を除きますれば、国鉄として一番大量の貨物でございます。それからまた、負担能力の低い物資であるということも承知いたしております。私どもも個人的な生活におきましては農林水産物資に一番お世話になっておるのでございまして、今、農林水産物資に運賃がしわ寄せになる危険があるというようなお言葉がございましたが、かえつて逆でございます。農林水産物資につきましては、今まで国鉄といたしましても最大の努力を尽して農林水産物資の運賃を勉強して参つたのでありまして、また、今賃率をどうのこうのというお話もございましたが、賃率は法律問題でございますので、もちろん国鉄の自由になるわけではなく、法律として御審議を願うということで、公共割引とは全然別のことでございます。重ねて申しまするが、農林水産物資には私どもは今まで一番安い運賃を適用して国民生活に寄与して参つたつもりでございまするし、今後もそういうつもりで参りたいと思います。ただ、具体的な個々の問題につきましては、いろいろ情勢の変化その他によって多少そのつど修正が行われるということにつきましては、御了承願いたい。しかし、全体といたしまして、農林水産物資の運賃につきましては慎重に処置して参るつもりでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、運輸大臣にお尋ねしますが、大臣は就任早々であるから今日までの経緯はあまり勉強されておらないと思うのです。しかし、当面した問題としては、賃率改訂が国鉄の力の範囲内でないということになると、これは当然運輸大臣として相当のお考、えがあると思うのです。従ってこの賃率改訂の問題に対しては、その指向するところが果して農林水産物資の運賃引き上げということを意図して作業を進めておられるのかどうか、その点が一点と、それから、公共政策割引の問題については、これは運輸大臣としての政治的な立場から、当然国鉄において継続すべき問題であるかどうか、そのお考えを明らかにしてもらいたいと思います。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 現在鉄道貨物運賃制度調査会で検討中であるのでありまして、それがまだ答申が出ておりません。それによって善処していきたいと存じております。(「答申はいつ出るのだ」と呼ぶ者あり)先ほどもちょっと申したように思いますが、農林省並びに通産省からの資料の提出を求めております。ただいま慎重に検討中であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 検討中ということですが、これはめどは一応六月一ぱいなんですよ。だから、もうすでに継続するか廃止するかという方針が明らかにならなければいけないのですよ。そういう点は、運輸大臣が交代するときも、軽々しい問題でないから、何か引き継ぎくらいあったと思いますが、一体どうなんですか。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 これは国鉄が検討しておる問題であります。

山内公猷運輸事務官(鉄道監督局長)

○山内説明員 大臣の御答弁の補足をさせていただきたいと思います。  先ほど国鉄の営業局長が言われましたように、農林省と通産省から資料の提供を求めて、その結果、公共割引としてどういう効果を及ぼしておるか、その程度はどのくらいであるかということが明瞭になりませんと、本問題に対してどうするかということも答えがたい状態でありまして、もちろんこれは国鉄総裁の権限でありますが、運輸省といたしましても一般の問題として関心を持っておる問題でありますの一で、十分にその効果を検討いたしましてから慎重に善処いたしたい、かように考えておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農林大臣が来ておられますが、農林省としてはこの国鉄の要請にこたえてどういうような内容を持つた公共政策割引の存続に対する要請を行なっておるのですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 本問題は、六月末で期限が切れる、こういうことの段階であります。前提として、運輸当局から、この公共政策割引等の効果はどうかという資料の提出を命ぜられておりまして先般当省としても調査資料は提出いたしております。同時に、このことは、六月末でもって直ちに期限が切れるということになっては重大でございますので、農林当局といたしましては、これを継続するようにお願いしたいと、強く要請してあるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 あまり強くやつておらぬようなんです。私たちが委員会等において取り上げると初めて、農林省もやつておりますというようなことになっておるらしいが、常時こういうものは農業政策的な見地からもこれを具体的に促進するために絶えず努力されてしかるべきだと思う。相当重大な熱意を持ってかからないと、これは国鉄の方では従来とも一日も早く廃止したい考えなんですから、そういうことになると、あるいはこの機会に廃止するなどということにならぬとも限らぬわけです。従って、この機会に、農林省としては、あくまでもこれは継続されなければならぬという理由を明らかにして、今後国鉄に継続するように強力に推進すべきだと思うのです。そうでないと、これは非常に見通しが暗いような場合も出ると思うのですが、農林大臣としては確信を持ってこれを継続されるというような見込みでやつておられるのか、それを承わりたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 この問題は、さきに永野運輸大臣に閣議の席上でもこれを要請いたしておりますし、同時にまた、資料の提出に伴いまして本省からは書面をもってそれぞれの手続をとつております。派手にPRしておりませんから、いかにもPRしておらぬように申されますけれども、さようではございません。これは重大なことでございますので、運輸当局とは適切な連絡をとり努力いたしておることをはっきり申し上げます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 小倉さんにお尋ねしますが、農林省としては具体的な資料を出して実現について促進をしておるという意見なんですが、従来継続された問題ですからして、これを全面的に検討するという必要はないと思うのです。その効果性いかんということになると、これは当然継続した方が効果が上るということでやつておるんですからね。どういうところに根本的に検討する要素があるのですか。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 その点につきましては前国会でも私から申し上げましたが、大体、現在の公共割引は、昭和二十五年以来、一番古いものは二十五年、一番新しいものは三十二年、非常にまちまちでございます。そして昨日も先生方からお話がございましたが、あるものはもう十年近くたつ、しかしあるものはまだ二年しかたつていないというふうに、ばらばらでございます。しかも、割引率も品目によって非常に違つております。しかも、その中で、先ほど申し上げました通り、特別等級からさらに割引しているものもある、あるいはそうでなしに普通等級から割引しているものもある。従いまして、極端に申しますと、普通等級から見ますと最高三割以上割引しているものもあるわけでございます。そういうふうに、割引の内容も割引の期間も品目も非常にばらばらでございます。従って、個々の品目につきまして、きようの委員会は農林水産委員会でございますが、やはり、商工委員会の方から申されますれば、通産物資についてもいろいろ御要請があるわけでございます。従いまして、私の方といたしましては、農林省関係、通産省関係、両方見る必要が当然あるわけであります。そして、それが具体的に流通過程においてどういうように作用をしておるか——昨日も流通過程について農林省でいろいろ検討されておるというお話もございましたが、果して私どもが割引しておるものがほんとうに生産者に返つておるか、あるいはわれわれ消費者にどういう影響をしておるか、そういう具体的な数字的な検討をいたさないで、一たんやつたものは無条件に永遠に続くんだということは考えるべきでないというふうに考えております。従って、現在私どもとしては、農林省、通産省から出ました約百十の品目につきまして、具体的な数字、具体的な流通過程における運賃割引がどういうふうに作用しておるかということを検討しておる最中でございますので、当然これは改訂に当りましては各品目についてそういった作業をすべきものだというふうに考えてやつておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この問題は、農林委員会として何もあなた方に陳情しておるのではないのですよ。国会の調査事項として、この制度というものは、これは当然継続すべきであるという主張の上に立っておるので、何もこちらからお願いするとか陳情するという問題とは違うのですからね。そこをけじめをつけてもらわないと、何か役人が優位性の上に立って陳情を聞いておるという考えでおるから、あなた方の考えは根本的に間違つておる。あなた方は一年じゆう仕事をやつておる。だから、常時扱つておる公共政策割引の物資については、これが国民生活の上にどういう影響をもたらしておるか、あるいはこの制度はどういうような効果を発揮しておるかということは、これは時々刻々に検討しておつてしかるべきなんですよ。それを、農林省や通産省から一片の書面の提出を求めてそれが出てきてから検討しなければわからぬ、そういう不まじめな不勉強な態度でおるから、根本的な問題の解決はできないんですよ。  それで、今の答弁によると、これは全面的に廃止するという意図ではなくて、たとえば農林水産関係の百十の品目に対して検討を加えて、取捨選択して結論を出したい、そういう考えで作業を進めておるのですか。副総裁、これはどうですか。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 私の方といたしましては、各品目につきまして、具体的に両省から出て参りましたものにつきまして、それがどういうような影響があるかということを検討しております。ただ、全面的にこれを全部廃止することは非常にむずかしいだろうということは、前国会から申し上げております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 非常に大事な点ですから副総裁にお尋ねしますが、そうすると、品目には増減があるけれども、公共政策割引の制度自身は廃止にならないということですね。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 公共割引という制度はやはり存続いたすことになるだろうと思いまするが、その内容につきましてはいろいろ検討を加えて参りたい、こういうふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、これは六月末廃止になるということではなくて、この制度は継続されていく、しかし、対象になる貨物の品目については、検討の結果ふえる場合もあるし、また若干減る場合もあるかもしれないということですね。この点は非常に大事なんですよ。ですから、責任のある答弁をしてもらいたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 その内容と申しましたのは、品目及び割引率を申し上げておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、公共政策割引の制度は廃止にならなくて継続されていく、たまたま六月末で品目を検討した結果、対象にする品目としては、妥当でないという場合にはそれは削られるかもしれないが、制度そのものは六月一ぱいを過ぎても今後ずっとこれは持続されていく、こういうことなんですか。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 公共割引という制度を全廃するということは、これは困難なことだと存じます。また、それについては考慮を加えなければならぬと存じまするが、その内容であるところの公共割引というのは、いろいろだくさんな物資に通じた制度でございますし、その内容につきましては、つまりその適用品目あるいは割引率といったようなものについては、そのときの調査の結果に応じて変更を加えることもあり得るということを申し上げておるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農林大臣に申し上げますが、ただいま小倉副総裁の答弁によると、公共政策割引の制度は今後も継続していくという基本的な態度が明らかにされましたので、今後の問題としては、農林省から提示しておる品目について、これは十分国鉄当局にその内容を説明して納得させ、そしてこれを全面的に継続されるようにすることは、農林省当局の努力いかんにかかわると私たちは判断するのです。ですから、この点に対しては、今後どういうような態度で全面継続の線に持っていかれるか、腹案があれば一つ示していただきたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 公共割引制度の存続は希望しておりますから、熱心に運輸当局とお話を進めたいと存じます。ただ、今改廃の問題が出ておりますが、基本的な料率、運賃等を改訂するという場合になりますと、これは私は不可分のものだと思います。これだけをただやめるとか改訂するということは不合理だと思いますから、この点も、十分運輸当局ともお話と、合理的な結論を出したい、かように考えます。かつまた、農林物資等につきましては国民経済上非常に重大なことでございますので、まさか農林省の意向を聞かずに改廃、変更するということはあり得ないと期待しておりますし、同時にまた、通産省関係でも同様でございますから、これらは、三者といいますか、四者といいますか、関係庁におきまして十分に討議を重ね、研究を重ねて、最善の道を求めるということが肝要だと存じますので、その線に沿うて今後農林当局といたしましても連絡をとりつつ進めたい、かように考えます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 運輸大臣にお尋ねいたしますが、この公共政策割引の問題につきましては、ただいま国鉄当局並びに農林大臣の意見によって内容が明らかになつたと思うのですが、この点については、監督の立場にある運輸大臣として、この制度というものは大きな目的を持って実施されてきたのでありますから、これはさらに十全の成果を発揮できるように努力してもらいたいと思います。どうですか。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 国鉄の検討の結果を聞かねばなりませんが、公共割引を全廃するというようなことは、今副総裁が言われたように思っております。よく検討するつもりでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に、もう一点申し上げますが、この賃率改訂の問題は、審議会の答申が今後出ることになっておりまして当然国会においても審議することになるわけでありますが、見通しとしては、現行の運賃体系に照らした場合においては、どうしても農林水産物資に運賃値上げという形が来るのはないかということが各方面から危惧されておるわけです。これはやはり国鉄の経営自体にも大きな問題がいろいろあると思うのですよ。たとえば、国鉄の運賃法には、運賃というものは、公正妥当なものでなければならない、原価を償うものでなくてはならない、産業の発達に資さなければいけない、賃金及び特価の安定に寄与しなければいけない、こういう四つの柱が立ててあるのですが、この四つを全面的に生かすことはなかなか困難な事情があると思うのです。ですから、この点はやはり国鉄の今後の経営というものに対して根本的な検討を加える時期だと思うのです。ただ旅客運賃や貨物運曽の収益だけに依存して、そうして国鉄の施設の維持をはかったり、あるいけ新線の建設をやるとか、全部そういうことを収益の範囲内でやらなければいかぬというような考え方に、私は根本的な誤まりがあると思うのです。それですから、弱い原始産業の面には運賃値上げというようなしわ寄せをもたらして、そして内部的な経営の安定を求めなければならぬということになる思うのです。従って、やはり、国の開発とか発展ということを考える場合においても、たとえば今後積極的に新線建設等はどんどんやらなければならぬ上けなんですが、そういうものに対しては、やはりこれは、独立採算の原則の範疇だけにとらわれてやらなければならぬということになると、当然これは行き詰まりが来て動きがとれなくなる思うのです。——われわれしろうと流に考えた場合にも。ですから、今後の大きな建設の部面についても、やはり国鉄の収益と切り離してこれを考えるということも大事な点でないかというふうに考えるわけです。この点に対しては適当な機会にいろいろ審議したいと思いますが、こういう大まかな点については、新たに就任された運輸大臣としてはどういう考えを持っておるわけですか。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 国鉄の企業の、何言いますか、公共性、そうして緊要性、国鉄のあり方というものもよく考えまして、一つ善処したいと存じております。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 関連。  営業局長にお尋ねするが、今、調査をしておる、検討しておると言われるが、基本的にどことどこを重点にして調査しておるのですか、検討しておるのですか。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 現在公共政策割引制度を実施しております約百十の全品目につきまして検討しております。その全品日につきまして、農林省と通産省から一応こまかい資料をいただいておりますので、たとえば、その割引したものが生産者価格にどういうふうに影響しているか、あるいは場合によっては消費者価格にどういうふうに影響しているか、あるいは流通過程においてどういうふうに作用をしているかということについて検討をいたしております。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 そうすると、農林水産物だけで百十品目、これをそういう流通過程から生産費と価格形成、その利潤差の問題あるいは消費者に対する影響の問題、そういう経済的な基礎的なものまで調査するには、一品目で一週間くらいはどうしてもかかると思うのです。そうすると、百十品目を完成するのはまだ二年くらい向うになる、二年くらい向うでなければ完成しないと思うのです。その間六月一日からどうしますか。これが完成するまでこれはやりません、こういうことですか。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 その点につきましては、責任官庁であられる農林省と通産省は約一カ月間でこの資料を片づけられております。それで、私どもも、ほとんど現在徹夜の作業をして検討しております。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 いくら徹夜の作業をやつても、今あなたが最初におっしゃった流通過程の問題から生産費、価格形成から利潤差の問題までやるということになると、国鉄がさか立ちしたつて一品目一日や二日でやれつこない。あの資料は大臣の方から御命令があったから品目を書いて出しただけで、そんなものは一日か二日でできるが、流通過程の問題から生産費、価格形成から利潤差の問題、それから消費者に対する影響、こういうことを検討するとなると、どうしても私は一品目最低二日か三日はかかると思う。そうすると三百日、最低いま一年はどうしてもかかるわけです。だから、どうですか、いま一年間それが完成するまで延ばすとはっきりきめちやつたら。それが一番簡単ですよ。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 私どもといたしましては、農林省、通産省も全力をあげてあの資料をお作りになつた、しかもあらゆる行政力をお使いになってお作りになつたと考えております。その資料が、私どもがお願いいた、しましてから、昨日もここでお話しになりましたが、農林省は五月の三十日、通産省は六月の八日に私の方へ提出された。従いまして、私の方としても全力をあげて目下検討いたしております。私の精力の及ぶ限りやりたいと思っております。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 いつまでかかりますか。時期の問題です。私は一年かかると思うが、あなたはそれを大体いつまでに完了する予定ですか。ついでに農林大臣に言っておくが、農林省ももっと追加資料を出さなければだめです。どんどん出しなさい。そうすれば、向うも検討しなければいかぬ。そういうことで、検討完了まではやらないということをここではっきりして下さい。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 私の方といたしましても、一応農林省、通産省に資料の提示を求めた以上、検討を完了しないでそれを措置するようなことは考えておりません。そういうでたらめなやり方をする意思は毛頭ございません。従って、私の良心の許す限り検討させていただきます。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 だから、その時期ですよ。その検討完了時期はいつですかというのです。たとえばことしの九月までには完了する予定だとか、十二月までには完了する予定だとか、大体一完了予定というものがあるでしよう。あなたが采配をふるつて調査していて、その予定が全然なくて、ただ検討しているというのは、これはちょっといただけませんね。これはことしの十二月三十一日までに完成しようじゃないかとか、何か目安はあるはずですよ。その予定期日を言って下さいというのです。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 先ほど申し上げました通り、農林、通産両省が約一カ月間でこの資料をまとめておられます。従いまして、私の方といたしましても、その検討につきましてはおおむね一カ月くらいでやるつもりで資料を求めております。しかし、もちろん、今先生のおっしゃったように、あるいは追加資料もあるかもしれませんが、私どもが今予定しております時期は、六月末で切れますから、それまでにもちろんやるつもりでおります。しかしながら、一今おっしゃったように、どんどん追加資料が出て、そして検討しなければならないものがどんどん出ますれば、これはやはり能力の限界がございますので、いつまでに絶対やるという予定を立てろとおっしゃっても、これは私自身がやつていることでございますから、私自身としていつまでに完全にできるかということはちょっと申しかねます。私といたしましては、とにかく六月三十日にこの問題が切れるわけでありますから、それに間に合うように全精力を傾注してやつておるわけであります。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 六月三十日に間に合わなかったらどうなります。間に合わなかったら七月一日からはどうなりますか。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 もし間に合いませんでしたら、これは私の職務をむなしゆうしたことになるかもしれませんし、また、それが許される状況でございますならば、やむを得ず調査のできる限り延期いたします。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 では、それに間に合わなければ延期するということは確実なのですね。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 先ほど申し上げましたように、私といたしましては、両省から責任を持って出されたものを検討しないでこの問題を措置する意思は毛頭ございません。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 だから、七月一日を限界にして、もし間に合わないときは延期するということですね。検討を完了しなければやらぬというのだから、そうでしよう。完了しなければ延期するということははっきりしているのですね。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 その点は、現在公示が六月末で自動的に落ちることになっております。従いまして、もし私の能力不足で調査が完了しなければ、これは更新の手続をいたします。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 それは現状のままで延期するということですね。現状の政策割引そのままで延期するのですね。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 その点は、先ほど申し上げましたように、私といたしましても、とにかく良心的に両省から出たものを私の責任でもって検討いたしまして、もし私の能力不足で検討できなければ、これは延ばすか——もちろん更新となりましたならばそのままの内容で延期することになります。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 では、私はなるたけ間に合わないことを希望します。少くとも流通過程と生産費から価格形成、利潤差までやるといったら、一月やそこらでそんなことをやろうと思ったつて大体無理ですよ。もしできたとしたならば、これはただ目を通しただけだと私は断定します。そんなに簡単にできるものじやありません。一品々々の価格形成から、利潤差から、流通過程の問題から、消費者に対する影響まで調査するのに、百十品目の農林水産物資だけで一月や二月で絶対にできません。だから、もし強引に七月一日からやろうとしたなら、局長はきのうから盛んに雄弁をふるつて煙に巻いておりますが、私はいいかげんにやつたと断定します。そんなに簡単にできるものではありません。

磯崎叡日本国有鉄道参与(営業局長)

○磯崎説明員 農林、通産両省の資料は約一カ月で調査されております。また、私の方も、農林、通産両省の担当者に劣らない能力を極力発揮して調査いたします。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 大臣、これは先ほど芳賀君が言つたように、大臣はまだ就任早々でよくわからぬだろうが、これは、昨年もこの問題が起きて、六月の当委員会で総裁、副総裁が来て半日やつた結果、しからばことしは暫定的に一年延期しましょう、こういうことで、実は昨年の六月に一年延期という当委員会の約束で延期になつたという経緯がある。当委員会としてなぜこの問題をこれまで真剣に取り上げるかといえば、これは実に重大な問題なんです。それは、運輸省、国鉄としては、総額で八十億、この中でもちろんいろいろな品目で現状維持のものが出てくると、これはどういじくり回してみても、私はせいぜい四、五十億のものだと思う。そういう数字なんです。農林、水産物という原始生産物は、これは大臣は農民じゃないからわからぬでしようが、ぎりぎりの限界生産費なんです。ちょっと運賃が食い込んできたら、これはそろばんが合わぬという品物です。そこにこの問題を肖委員会で重大な問題として取り上げている理由があるのです。国鉄経営の面が困難だからということをきのうから盛んに営業局長は言っている。しかし、経営の問題は、私は政治の問題でなければいかぬと思うんです。だから、そういう点を考慮して、たとえば、先ほど芳賀君が言つたように、これは国の生産力の発展の面からの建設だから、こんなものは当然一般会計で国が負担すべきものだ。だから、そこに政治の問題として、公共企業体といいながら、企業のプロダクションの原価計算の範疇だけで何でも問題を片づけるということは、事務当局はそういうことを考えてもいいでしようが、大臣は少くともこれを政治の問題として、新線の建設は来年度からは一般会計から取るのだ、そういうような形でいけば、いつもいつもこういう問題は出てこないと思うんです。だから、そういう点について、大臣は少くとも就任するからには何らかの抱負と経綸をお持ちでしょうから、私の今言つたような面について、とにかく一国鉄というプロダクションだけでこの問題を原価計算的に解決するといううことじやなくて、政治の問題として解決していくのだという一つの考え方をお持ちなのかどうか、この際それを明らかにしておいてもらいたい。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 この問題は、今国鉄が申されましたような線に沿いまして、私もまた大いに検討するつもりでありますが、極力国鉄のあり方というものも考えまして善処したいと存じております。

綱島正興自由民主党

○綱島委員 今の点に関連して……。  ただいま応答の模様をずっと伺つておりますと、非常に懸念が出て参ります。一体、農水産物に対する運賃割引の起りました理由は、これらが産業として非常に成り立たない、黙つておけば他の産業と共立することのできない性質の産業だからということ、それをよく心に置いていただかなければならない。農業なんというものは、どんな生産条件のよい国でも、黙つておけば他の工業などとは並立してはいけない産業なんです。これはよくあなたは頭に置いていただかなければならぬ、ことに、日本で大切なことは、今日本の輸入が大体三十二、三億ドルございますが、そのうちの二十一億ドルは農林の輸入ですよ。これをどのくらい縮めていくかということが日本の国民経済の非常に重要な点になるのです。従って、この農業というものが大体立ち行くようにするのにはどうするかということは、これは非常に基本的な国民経済の構成上の大問題なんです。そのうちには、綿というような、とうてい日本の国民経済からはどう政策をもってしてもすぐには解決しがたい六億ドルぐらいの輸入のものがございます。二十一億ドルのうちの残りの十五億ドルというものは、これは政策でどうにかやれるものだが、そのうちの一つに運賃なんというものは載つているものです。それで、合理的に考えて、鼻つつらの先だけで考えずに、国民経済の基本構成から考えてもらわないと、あなたが持ってきた資料をただ上手に大学の答案を書くようなつもりでやつてもらつたつて、主観的にはまじめな考えでやられるだろうけれども、結果の上ではえらい錯誤を犯すということになるのですよ。どうも私は、今まで聞いてみても、あなたの頭の中では、どうもちょっと間に合せの、さしあたりの合理主義に出ているような気がする。もっと国民経済の根ざしておる深い事情にやつぱり根ざして考えてもらわなければならぬ。そういう点を、何日で——一カ月前に来たものだから一カ月間で作つて出すとか、一カ月間の検討で出てきたものだから自分もそれでやる、それでやらなければならぬ、それでやれるというような考えは、非常な大それた考えだというように今中澤君から御質問がありましたが、その点は私も賛成でございます。これはもう少し慎重に考えていただかなければならぬ。それで、そういうふうに事務的に考えなさらずに、これは、ある意味においては、日本でそれじや農業をつふしていいかといえば、今申し上げる通り、今のように保護していっておつても、二十一億ドルという農林水産物に対する輸入がある。これは大体日本の輸入の六〇%をこすのですよ。これを何とか解決しなければ、国民経済はどうにもならない。ほんとうの問題なんですよ。あなた方がちょっと差し寄りのことをお考えになつたつて、国民経済の大きなスケールから考えるならば、どうしてもいかれない。その事情はどういうところにあるかといえば、アメリカのような生産条件が非常によい農村でも、非常な保護政策をやつておる。一部には商工業者から非難が出るほど、大きな保護政策をやつておる。アメリカの内地予算のうちの約三〇%は農業保護政策です。それは軍事予算が非常に大きいから全予算から見ればそう大きなものではございませんが、内地予算からすれば、二九%です。だから、もう少し私はその政策というものの根本に触れた考えをしていただかなければいけないと思うのだが、差し寄つてこういう点はどうかというようなことを、あなたをここで締め上げようという意思はございません。ございませんけれども、やはりまじめに考えてもらつて、わが国民経済が破れないように注意をしてやつていただきたいと思うのです。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 あとの米価の方の参考人もお見えになっているそうですから、最後に締めくくりだけ申し上げておきますが、値段を高くすればそれで経営が合うという考え方自体が、私から言えばおかしいのですよ。これはローカルなんかにそういう具体的な例があると思う。むしろ安くすれば荷扱量がふえてくるのです。だから、その考え方自体が根本的に私はおかしいと思う。安くすれば荷がふえるという例は、具体的にあると思う。なぜトラックに現在の輸送量の七割をとられたか。国鉄運賃の比例で、これを基準にしてトラック運賃を安くしているから、荷をとられているのです。だから、私は、むしろ運賃を下げることによって、このトラック荷の七割というものがこっちに回収できるという考えを基本的に持たなければならぬと思う。そうすれば、半面にその副作用で、またいいことが出てくる。神風トラックが出てきて人を殺して歩かなくても、みな国鉄の方に行ってしまつて、町も静かになって、騒音防止なんかやらずに済む。こういう一挙両得の問題がある。だから、そういう考え方の前提が私は誤まつておると思う。とにかく経営が合わない原価主義だだから一つ合わない分は引き上げればいいのだ、経営が合つてくるのだという考え方がおかしい。それよりも、いつも貨車は満タンクにして動かして荷を集めるのには、むしろ貨物運賃を基準にして国鉄運賃を下げていく。緊急輸送のものは別としてだれが好きこのんでトラック輸送なんか頼みますか。全部日通さんから国鉄の方に頼むのにきまつている。そういう点に錯覚がある。きのうも何かこまかい説明があつて、私は専門家でないからわからないけれども、上の方の荷が減つてきて運賃が減つたから、下の方を少し上げていく、これは根本的におかしいと思う。上の方の荷が減つたというのは、トラック運賃よりか運賃コストが高いというところに問題があるのだから、上の荷の運賃コストをずっと下げてごらんなさい、必ず荷が集まつてきます。それから、下の方の荷物、特に容積をとる農水産物の運賃などを、政策割引なんて言わずに、いま一段下げてごらんなさい。近距離輸送もみな鉄道に集まります。そういう考え方も実際成り立つのですよ。だから、国鉄は商売人じゃないというのはそこにあるのです。何でもそろばんをはじいて赤字が出るから上げればいいのだというのですが、これは商売ではない。商売というものは、トラックを相手にしてどうやつてトラックの荷をこっちに強奪するかというのが商売なんです。だから、その辺に、運輸大臣も副総裁も根本的に何でも上げればいいのだという考え方、それは大きな誤まりである。むしろこれは下げて、その上の今まで利益の出た荷が減っちやつて、その赤字をカバーするために下の政策割引を上げるという考え方を根本的に改めて、上のやつを一段下げてみて、そうして荷集まりの状況を見る。要するにトラック輸送と国鉄との商売の戦争なんですよ。そういう考え方を基本的に持つべきだと思う。  いま一点は、どうも役所というものは、国会のうるさいやつにはやつてしまえというのが役所の得意の手なんです。七月一日といっても、二十二日から国会が始まります。まだ会期はきまりません。しかしながら、大体今月一ぱいは国会をやり、われわれは連日ここで農林委員会を開いておりますから、その過程において、さっきの検討がまとまつたらその検討資料、どういうことを検討したのか、先ほど局長が言つたように、流通過程から生産費から価格形式、利潤差から、消費者に対する影響、それまで実際ちゃんと調査したのか、その資料を今度の国会の始まる二十二日なり二十三日に必ず提出をしてもらいたい。それが実際、われわれが基本的に考えている、利潤差を基本に運賃を考えるべきだという考え方と、あなた方の検討は一体どういうことを調査検討しているかということを、開かれる臨時国会に一つみつしり検討したいから、そういう資料を要求して私は終ります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 それでは、この機会に委員長からだめを押しておきたいと思うのですが、この問題についてはいろいろ昨日からも議論がありましたけれども、この委員会においても相当十年来の重要な問題であります。政治的には、各委員の発言は、農林水産物資の運賃の負担力のないことをそれぞれ強調しておられます。また、行政的には、三浦農林大臣の先ほどの御発言はどこまでも農林物資を軽減するように要請しておられるということでございますから、これを決定せられるに当りましては、農林、運輸両省との間の調整が十分ついた上にやつていただきたい、これが第一点であります。もしその調整が延びるようであるならば、先ほど中澤君から発言がありましたように、総合的な合理的な等級改正並びに運賃の制度がきまるまでの間は現行のまま延ばせるかどうか。この点を二つ、小倉さんと大臣、両方から、監督の立場と実施の立場から御答弁をお願いいたします。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 先ほども営業局長から繰り返して申しましたように、資料の再検討はできるだけの努力をいたしまして急速に進めたいと思いまするが、それが調査が完了いたしませんまでは現行のままで暫定的に適用いたすということに相なっておるのであります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 監督の立場から、どうぞ。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 国鉄のお考えがきまりましてからでないと、私としてのなには申し上げられませんが、極力それを待っておる次第であります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 もう一点申し上げたいのですが、この問題は今までいろいろ質疑応答がありましたように、国民経済に及ぼす影響は重大であると思うのです。なぜならば、今まで公共割引というものは十年この方やつてきたのです。その結果日本の経済のすべての生産コストにそれは非常に影響する問題なんです。今まで十年もやつてきたものを急激にこれを変更するということになるならば、日本の経済政策の上に大きく影響すると思う。これが三省の間に話し合いがつかないで、今伝えられているように割引をとつてしまうというようなことになるならば、日本経済に大きな影響を及ぼすものでありますから、農林並びに運輸大臣は閣議において、——一方において皆さんの方の経営上から見るならば、自動車の発達によって近距離が奪われる、それで遠距離割引ができないということは、経営上から来ている問題なんです。また時代の変化から来ている問題です。こういう問題はやはり国も考慮しなければならぬと思うのです。でございますから、先ほど来いろいろ議論のありましたように、不採算の新線建設であるとか、公共割引の存続による営業上の欠陥だとかいうものについては、やはりある程度国がこれを補償すべきではないか、もし三省内において話ができなかった時分には、両大臣は閣議において国家補償の問題を持ち出される意思があるかどうか、この点を両省大臣からお伺いいたしたいと思います。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 今の委員長のお話でございますが、これは重大なことでございまして、なお精細に検討いたさなければ、国家補償をなすべきかどうか、今日結論を遺憾ながら出せません。これは御無理だろうと思います。また、政治問題として考慮すべきことは多辺的にあろうと思います。これにつきましては、運輸大臣ともよく御連絡を申し上げまして適切を期するということで、御了承を願いたいと思います。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 運輸大臣としては、今農林大臣の言われました通りでございまして、よく話し合いをいたしたいと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 国家補償をするところまでいかなくて、話し合いがつけばけつこうです。けれども、話し合いがつかないで生産業者及び消費者に大きな影響を国民的に与えることになるということをそのままにして国家補償はできないと言い切られるのもおかしいと思うのですが、その点は両方とも羨処していただきたいと思いますが、これについてどうですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 委員長の御発言のなには、十分に検討しませんと、いろいろお考えがあろうと思う。われわれ受け取り方におきましても実は当惑するわけでございます。従いまして、善処するということにつきましては、先ほど来、運輸省との間に話を十分にいたしましてやるという意味ではわれわれは善処いたす考えでございます。

重宗雄三自由民主党運輸大臣

○重宗国務大臣 農林大臣が申された通り、私もその意味においての善処をいたしたいと存じます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 それでは、一応これでいいですか。何かありますか。  赤路君。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 これは運輸省の方べちょっと注意事項としてお聞き願つておきたい。この国鉄運賃法のできましたいきさつ、これを一つお考えおき願いたいと思う。先ほど、第八条で、これは国鉄の方へ委任事項のようなお話でありましたが、もちろん、この第八条には、軽微な問題については云々ということを書いておりまして、これは確かに委任事項になっている。しかし、これの法律制定の過程において、草案の中に、公益上または国民経済上の必要ある場合には運輸大臣は運賃の減免をなし得る旨の規定があったのです。これがこの第八条の中に含まれるものとしての了解の上に立っておる。その法律制定の過程におけるいきさつは十分これは御了承おき願いたい。単に手放しで何もかも国鉄へ委任した事項ではない。そういうことを十分御了承の上で、問題に対しては対処していただきたい。そうお願いいたしておきます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 下平君。

下平正一日本社会党

○下平委員 同僚の議員の諸君が大体意を尽しておりますので、これ以上のことは私運輸委員会でまた運賃問題でやりたいと思いますが、ただ一つ、今まで論議の過程の中で、委員長がさっき言いましたけれども、運輸大臣も、特に農林大臣も、この問題に対する考え方が非常に薄いと思うのです。今問題になっておりまする公共割引、そういう問題は法律でも国鉄総裁に委任をされている事項でございまして、——これは問題にならぬと思うのです。この問題が年々歳々なぜ出てくるかといえば、そんな法律論や枝葉末梢の技術論ではないと思う。もっと根本的に問題点があると思うのです。さっき委員長が言われました通り、これは閣議なりあるいは政策なりの問題として真剣に取つ組んでいただかなければとうてい解決しないと私は思うのです。たとえば、さっき小倉副総裁が貨物運賃の問題を取り上げた説明の中に、運賃はプール計算をしているのだ、そのプール計算に質的な変化がだんだんきているのだ、こういうことが今回の問題の一つの大きな問題点だと思うのです。もう一つは、道路整備に伴つて自動車輸送とそれから汽車輸送、それに最近は近海航路の整備に伴う船舶の輸送、飛行機の輸送、こういうものが競合してきて、そのしわ寄せが国鉄にきている、こういう根本的な問題があると思うのです。そこで、どうしてもこういう根本問題は単なる今までの技術的な問題点だけの論争では私は絶対解決しないと思うのです。今委員長が国家補償の例を一つ出しましたが、すでに二十六国会でありましたか二十七国会においても国家補償の例は政府として開いておるわけです。それは、御承知の通り、昭和三十年——私はこの法律の論議に参加をいたしましたが、昭和三十年に法律百五十八号というのが出ております。これは傷痍軍人の無賃乗車をマッカーサー指令で取り上げた。これは気の毒だから傷痍軍人には国鉄を無賃で乗車させたらどうだという法律でありますが、この法律論争の際に、今行われておる論争が行われました。そして、政府も承認をいたしまして、とうとう今日では、その法律によりまして、傷痍軍人はただで乗せるが、その運賃負担は政府で持つということで、現に年々予算に組まれておるわけです。決してこれができないということはないと思うのです。国鉄は、いわゆる採算から言つたら、二万キロの営業キロの中で一万数千キロの赤字だ。しかし、東海道線のような相当もうかるところもありますので、全部が全部国家補償とは言いませんけれども、少くとも独立採算制を押しつけていくその中で、どうしても採算がとれないという面については、これは政府が考えるということは当りまえだと思うのです。こういう点を解決していかなければ、貨物の運賃の問題、特に農林水産物に対する運賃の問題は、私はなかなか解決をしないと思うのです。今日、政府が、あるいは国鉄当局が、調査委員会の結論を待っているというふうに言われておりますが、調査委員会の結論は、中間答申等を見ても、もうはっきりしておると思うのです。原価計算でやつていけ、こういう形でありますから、この落ちつく先というものは大体めどがついておると思うのです。  さらに、私は、立つたついでに一言基本的な問題で申し上げたいと思うのでありますが、今国鉄の資産が約二兆一千億円であります。これに対する国家の投資というものは八十九億円であります。昭和三十年度の一般民間企業の資産対資本の比率を見ますと、大体二四%ないし三〇%というのが企業の常識であります。二兆一千億円の資産に対して八十九億円、それで政府が全額出資だから監督をする、こういうことはおよそ筋が通らない。これは、二、三回前の国会でも、当時の政府答弁としては、まことに奇妙な形でありまするから、でき得れば本年度中にこの資本の追加をいたしますという言明を国会でしている。具体的には千八百億くらいの資本の増加をしてもいいのじゃないか、全く賛成でありますと言って政府は答弁をしているのであります。  私は、この問題が単なる国鉄当局の営業局長の能力だとかあるいは流通過程の調査だとか、そういう問題だけでこの委員会で論議をされ、あるいはまたこの委員会の四月三十日の決議というものが単なるそういう問題だけの決議である、こういうふうに考えたら大きな間違いがあると思うのです。運輸大臣は就任早々でありますし、委員会が違いますので、私はあらためてこの問題を運輸委員会で討議をいたしますが、どうか両大臣におかれましては、枝葉末節な法律論争や技術的な問題でなくて、根本的な問題として政策を早急に立ててもらいたい。その政策の立案がなければ、この問題は、たとえばこれで二カ月延びても、また九月、十月には出てくるのでありますから、どうかそういう点で政策面として十分真剣な取り組みをしていただきたいということを御要望申し上げておきます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 それでは、運輸省に対する問題はこれで終ります。  御苦労さんでした。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次に、生産者米価問題について調査を行いますが、本日は、農業団体代表として森川武門君、中村迫君、中村吉次郎君、学識経験者といたしまして大槻正男君、川野重任君、馬場啓之助君の各位を参考人として御出席を願つております。  この際一言ごあいさつをいたします。参考人各位には御多用のところ御出席いただき、厚くお礼を申し上げます。御案内のごとく、生産者米価は、本年度より従来のパリティ方式に対し新たに生産費及び所得補償方式の採用ということで、米価のあり方等につき目下朝野の論点となっております。本委員会といたしましても、その職責上、この問題について重大なる関心を払つて、かねてより調査を続けておる次第であります。何とぞ各位の忌憚のない御意見をお願いいたしたいと存じます。  まず参考人より各十分ずつ程度述べていただき、その後各委員の質疑に入ることといたします。  最初に森川参考人にお願いいたします。森川参考人。

森川武門全国農業協同組合中央会参事

○森川参考人 森川でございます。私の意見は当然農協の意見ということに相なるわけでございます。  本年度の米価につきまして、農業協同組合といたしましては、まず第一に、この基本米価の算定に当りましての方式の問題を、生産費並びに所得補償方式による、これを一つ確立するということが第一点であります。そうして、それに基いて出てきたところの基本米価石当り一万一千二百二十五円、これを一つ実現していただきたい、こういうことであります。  第二点といたしましては、本年度も予約集荷ということに相なりますので、当然それを推進するための予約諸条件の問題、これを一つ考慮していただくということであります。その諸条件の中にもあるわけでありますが、特に従来から実施されておりました予約減税の問題でありますが、これが予算米価のときに三十四年度から廃止をするという意向のもとに進んでおるようでありますが、これにつきましては従来通り存続するということを特に要請をしておるのでございます。このことに関しましては、昨日私どもの会議の結果に基きまして、われわれの代表が当委員会に陳情をいたしましてそれぞれ御要請を申し上げております。  そこで、本日は、第一点の生産費並びに所得補償方式に基くところの基本米価石当り一万一千二百二十五円、こういうふうに相なりました経過につきまして申し上げたいと思うのであります。  この価格は、算定の基礎といたしまして、私どもの方と農業会議所の方とが調査いたしました昭和三十二年産の水稲の生産費に基いております。その戸数は千五百四十四戸に相なっておるのであります。その戸数に対しまして、まず生産費を一々調査する。それから、なお、農家の労働賃金につきましては、都市の制造工業の五人以上の規模の工場の男女込みの平均賃金に評価がえをする。そうして、その間、物価につきましては、パリティ等の係数をかけまして評価がえをするということにいたしまして、昭和三十四年産の米価を出したのでございます。それを一々個別に出しまして、その生産費の低い方から高い方へ並べてバルク・ライン八〇を中心といたしまして五%の幅の農家群、この農家群が七十五戸になりますが、それの平均生産費として出したのでございます。  私どもの調査によりますと、労働賃金の問題につきましては、都市の五人以上の常用男女込みの賃金が一時間当り八十二円八十八銭というふうに出てきております。それに対しまして都市と農村との物価差〇・八七をかけまして、一時間当り七十二円十一銭、こういうふうに相なるわけであります。それを実際の家族の労働時間百九十二・六時間、なおそのほかに間接労働時間二十八・四時間というのが出ておりますので、それをかけて反当の労働費を出しております。  それから、資本利子につきましては、従来は、稲作の経営費に対しまして、すなわち物財費に対しまして利子を見ておつたのでありますが、本年度は家族労働費の評価額につきましても利子を見ました。その利子の計算の方法といたしましては、その合計額に対しまして九割を自己資本というような考え方で見て年六分一厘、これは農協の一年定期の預金金利でありますが、これを見、それから、一割を借り入れ金利というような考え方で、農手の利息年九分一厘二毛を適用しているのであります。しかし、この労賃の利子を別にいたしまして、今言いましたような割合で計算した利子につきまして、稲作の経営だけで見ますと、借り入れ資本と自己資本の歩合は二・五と七・五、こういうような割合に実はなっておるのであります。  それから、地代費につきましては、これは日本勧業銀行の支払小作料によりました。  こういうような算定の基礎をもちまして、それからなお反当の生産量は二石五斗ということに出ておりますので、従いまして、そういうことから、石当りの価格といたしまして一万一千二百二十五円、こういうふうに相なつた次第でございます。  私どもといたしましては、ぜひ一つ本年度はこれが実現されますように強く御要望を申し上げておるわけであります。従来から、生産費並びに所得補償方式のことにつきましては、長い間のわれわれの念願であり、また米審等、その他世論もこれを支持してきておるのでございまして、ようやく本年に至りまして農林省の方においてもこれを大幅に取り入れるということに踏み切られておることは、非常にわれわれとしてもけつこうなことであるというふうに思っておりますけれども、しかし、必ずしも全面的にこれによってやるということには相なっておらないようであります。ことに、この生産費方式の一番問題となるいわゆるバルク・ライン方式、こういうことにつきましてはなかなか十分御理解を得ておらないように考えますので、われわれといたしましては、特にこの機会に、本年度ここまで情勢が盛り上ってきて、これが実現できぬということになりますれば、私どもは、これはなかなか困難なことに相なるというふうにも考えます。ぜひ一つ本年度は、生産者米価をきめるその算定の方式としましては、従来から今申し上げましたような生産所得補償方式、そうしてバルク・ライン八〇というのは、われわれにとりましては最低の線と考えておりますので、そういう線を確立していただくということに一段の御尽力をお願い申し上げたい、かように考えておる次第でございます。  これで説明を終りたいと思います。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次は、中村参考人にお願いいたします。

中村迫全日本農民組合連合会主任書記

○中村(迫)参考人 私は全日本農民組合連合会の中村でございます。詳しくこまかい点にわたる時間がございませんので、そういった点は、もし御質問いただければ、その際にお答えさしていただくことにいたしまして、米価の算定方式について全日本農民組合が考えておる点を申し上げます。  一般論的なことを申し上げまして恐縮でございますが、すべて、米価の算定方式というものについては、それ自体言ってみれば先見的に一義的に決定された算定方式というようなものはわれわれはないと考えます。一定の算定方式というものは、一定の米価をきめて、その目標に従って、その目標を計算させるための手段として一つの算定方式ができ上って参るのでありまして算定方式に先行するものとしては、何よりもまず、農民にどのような性質の米価を保証するかという、そういう目標を確立し、その目標に従って算定方式を組み立てていくのが最も合理的かつ政策的な態度であろうとわれわれは確信しております。その意味では、すべての算定方式、またすべての政府が決定する米価は政策米価であることを免れ得ないと存じます。従って、私どもの求める米価につきましては、一定の算定目標をしつかり立てて、その算定目標に従って計算ができるような米価の算定方式の確立炉望ましいと今まで考えていて、その考えの立場よりいたしまして、生産費及び所得補償方式と呼ばれる米価の算定方式を政府が採用されんことを長い間かかって要望して参つたわけであります。  しかし、この米価算定方式の一つとしての生産費及び所得補償方式と申しましても、それ自体ではまだ内容は不確定でありまして、米価を計算するという計算上の手段としては不十分でございます。と申しますのは、生産費及び所得補償方式と呼ばれておりますように、二つの部分に分れております。生産費と所得を補償する部分、この二つに分れて算定方式が組み立てられていくわけでございますが、その生産費部分につきましては、いわゆる、大ざつぱに申しますと、稲作のために投ぜられた価値の回収をはかるという意味で、原価計算的な立場で生産費をとるという考え方をとつております。次に、所得補償と呼ばれる部分でございますが、これにはいろいろ学問的に検討すると多くの問題があることは、われわれ十分承知をしております。と申しますことは、所得補償ということは、一体労賃として見るのか、あるいはたとえば現在政府がとつておる。ハリティ方式の中に含まれておる都市と農村との消費水準をひとしくするという意味での所得補償にするかどうか、いろいろ問題があると思いますが、われわれがこの所得補償の中で考えることは、農民の稲作のために投下された労働を労働と見て、その労働に対して社会的に適正な労働報酬を与えるという立場をとつております。そこから、必然的にと申し上げてもいいと思いますが、所得補償部分につきましては農家の自家労働力をどのように評価するかという問題が出て参ります。これについては、私ども、都市製造工業労賃並みの労働報酬を与えるようにというように考えております。しかし、この生産費及び所得補償方式で一番論点になります自家労賃の評価の問題、もう一つバルク・ラインの問題がございまして、この二つをどのように考えるかによって生産費及び所得補償方式に従って形成される米価、従って算定目標というものが大きく変つてくるわけでございます。  この点についてわれわれが考えるところを要点だけ申し上げますと、先ほど申し上げましたように、米価は一定の目標を立てて計算され、そうして農民に対して与えられるという前提に立つ限り、政策上いかなる階層の米作農家まで米価によって生産費その他労働費を補償するかという問題をまず一つ立てて、それに明快なる回答を与える立場に立つた政策がわれわれは望ましいと存じます。それから、もう一つは、労賃の問題についても同じようなことが言えるかと思います。そこで、いかなる階層の農家、つまり生産費の観点から見まするならば、生産費の高いところから安いところまでいろいろございますが、そういういろいろなでこぼこのある生産費を現わしておる農家の階層どこまでを米価によって補償するかというこの問題であります。われわれとしましては、その点については本年も従来通りいわゆるバルク・ライン八〇%該当農家の生産費を補償するようにというような主張をとつて参っております。  このバルク・ライン八〇%につきましては、理論的にいろいろ問題もあるようであります。また、農林省で検討を進められておりますように、統計的に見て、このバルク・ラインというものが非常に不安定であるということもわれわれ知らないわけではございませんが、いずれにしましても、このバルク・ライン思想というものは、米を政府に売る農家のせめて八割程度のところまでは米価によって補償しようという一定の政策目標を持っておりまして、この目標の立て方いかんによってこのバルク・ライン思想というものもいろいろ変つてくるのではないかと思います。なお、八〇%というものが非常に不安定であるということがよく言われておりますが、われわれといたしましては、まだ具体的な検討の力がございませんので確定的なことは申し上げられないのでありますが、八〇%該当農家の地域的な階層性というものを調べ上げてみれば、必ずしも八〇%というものが不安定ではなくて、日本における米作経営上ほぼ限界的な経常農家がこの八〇%ラインに落ちるのではないかということが推定されるような資料の用意もされておるようでございます。こういったように、八〇%そのものに理論的な根拠がなくても、実態的な論証ができるならば、われわれはこの八〇%の主張点というものは非常に明確になってくるのではないかと思います。なお、この八〇%について統計上非常に不安定だというならば、その不安定を除去する方法を、むしろ、われわれもでありますが、もっともっと理論的、実証的に確定していただく努力が望ましいのではないか、こう考えております。  もう一つ、自家労賃評価の問題でございますが、この点につきましては、われわれ全日農の方では、製造工業の三十人規模以上の労働者の平均賃金をとることを主張しております。この点きわめて残念でございますが、農業協同組合の方とは見解の重大な相違がございます。こういう見解をわれわれがとつた理由を簡単に申し上げますと、少し大きなことを申し上げて恐縮でございますが、ただいま日本の労働者の賃金構造が非常にはなはだしい較差をもって形成されておるということは、これはすでに政府のいろいろの、たとえば労働白書を拝見いたしましても、日本における賃金政策上ゆゆしい問題として指摘され、ぜひ改善されなければならぬということが政策上からも日程に上されておるわけであります。たとえば、そういうはなはだしい賃金較差を持っておるこの現状に即して、農家にどのような労働報酬を与えるべきかということを考えますと、三十人規模以下の労働者の数を見ますと、ほぼわが国の労働者の半数近くを占めておるという統計も出ております。しかも、その半数近くを占める三十人以下規模の労働者こそ、まさに日本の重大な問題になっております低賃金構造の基礎を作り出しておる労働者階級の層でございます。これらの低賃金をも含めた賃金単価をもって農家の自家労働力を評価するということは、私どもは、日本の賃金の中に現われておる社会的な大きな矛盾をそのまま農村の中に及ぼして、また再び農村をして日本の低賃金構造を作り出す大きな要因をさらに加重さして作り出すというような悪循環をもたらす大きな原因になる、そういう考えから、賃金較差の問題は非常に重く見まして、大体三十人以上の規模のものの平均をとれば、そういった悪影響を排除することができるであろうというように考えておるわけであります。  この賃金問題につきましては、もう一つわれわれとして見のがし得ない重大な問題点がございます。それは、都市における男女賃金の大きな開きでございます。これもいろいろ政策的にも指摘されて問題になっておるわけでありますが、たとえば五百人以上の規模の労働者の賃金を一〇〇としまして、それ以下の規模の男女賃金の開きを見ますと、男子一〇〇に対して女子の賃金はほぼ四割ないし四割以下という非常にみじめな賃金状態になっておるわけであります。これが一つ問題点であります。他方農村の方の事情を見ますと、最近農業の日雇い賃金を協同組合、農業委員会などが協定してこれを実施するという傾向が全国的に広まつておりますが、そういう中で現われてきた男女賃金を見ましても、男子一〇〇に対しまして女子の賃金は九割、低くとも八割程度であります。農村においてすら現実に男女賃金の開きを縮めていこうという農民の強い要求と、その要求が客観的に現われておるという現状があるその事態のもとにおきまして、都市の四割以下というようなはなはだしい女子の低賃金をそのまま平均して持ち込んで、それを米価算定の一つの重要な要素とするということは、私は現実の動きと現実の欠陥に対して目をおおうものではないかと考えます。そういう観点に立ちまして、全日農では、この男女賃金の較差は、大体稲作労働における女子の能力は男子一〇に対して八割という評価をいたしまして、男女賃金を別々に算出するという計算方法をとつておるわけであります。  その他、生産費及び所得補償方式に関連いたしましては、資本利子の問題、また地代の問題等、いろいろむずかしい問題がございますが、その点につきまして簡単に申し上げますと、いわゆる地代と計上されておりますものは、厳密に学問的に言いますと、果していかなるものが地代かという点については、なかなか困難な問題が横たわつておりまして、表現上は地代と呼んでおりますが、これは調査対象農家に現われました実際の支払小作料をとると、その支払小作料が地代論的にどういう意味を持つかということは、われわれとしましてはまだ非常に不確定な準備しか持っていない状態であります。いずれにしましても、実際に農民が支払つた実納小作料を地代と呼んで、これを経費の中に入れるという考え方をとつております。  次に資本利子の問題でありますが、この資本利子の問題も非常に困難な点を含んでおりますが、この生産費及び所得補償方式が昭和三十年の米価審議会から政府に対して答申されたという経過、及び米価審議会の権威をやはりわれわれとしましては尊重し、その権威のもとにその方式の実現のために努力して参つたというような立場がありますので、ここでは昨年通りやはり全部借り入れ資本として見る、その借り入れ資本に対する利子率を見る、その利子率としましては、農手の適用のあるものは農手の貸し出しの利率、その他のものについては単位農業協同組合の貸し出し利率をとるというように七針をきめて参っております。  以上のような大ざつぱに申し上げました根拠に立ちまして、全日農が計質した結果を申し上げますと、裸正味三等で石当り一万二千五百二十円という数字になっております。  簡単でございますがこれで終ります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次は、中村吉次郎さんにお願いいたします。

中村迫全日本農民組合連合会主任書記

○中村(迫)参考人 重複しないように申し上げたいと思いますが、今まで、私どもが米価を要求する際に、生産者及び所得補償方式というのを要求して参りました。米審におきましても、過去三年にわたって討議されております。本年は農林省が大幅にこの方式を取り入れるということになって、今まで平行線で参りました米価の問題が、政府と団体とある程度歩み寄る可能性を作ることができたわけでございますが、その間、政府の幸えとわれわれの考えと近づいた点もあります。また団体の中で意見が違う点もございまして、先ほど申されました通りでございますが、政府と団体との間に話し合いが近づいた点においても、なおかつ問題は残されておるのでございます。  私どもが生産費の問題を申し上げる際には、先ほど来から言われました通り、これには二つの要求の事柄が根底にあるわけでございまして、これは申すまでもなく、一つには農民が平均水準の技術をもって最低の土地の条件で生産をする、その生産費を補償する、投下した資本を回収するということが一つのねらいでありまして、第二のねらいは、先ほど来申されました通り、農家の自家労賃を補償するという、この二つの大きな目標のもとに生産費及び所得補償方式という算定の方式を考えて今日まで来ているわけでございます。この算定の方式につきましても、いろいろ内容的には問題がございまして先ほど来から意見の違つたこともございますが、今日まで大体において農民団体、農業団体はそれらの意見の食い違いを統一して、問題のあるものはなお将来に残して絶えず検討を続けてきたのでございます。従いましてわれわれが今試算をしておる問題も、これはお断わりしなければなりませんが、農民の要求する米価は決して高米価ではない、適正米価ということでありまして、それは本年度の団体側の試算をごらんになりますと内容において、もそれが示されておると思います。適正な米価を要求しておる。しかもこれは農民が納得し、また国民が納得し得る米価でなければならないことは申すまでもないことであります。  私どもは、この生産費の内容についていろいろ問題がございますが、その点は、まず、先ほど指摘されました労賃の問題であります。労賃の問題も、都市の製造労賃をとるということは団体は一致を見ておりますし、そこに今度は三十人以上の規模をとるか五人以上の規模をとるかということが意見が分れておりますが、私どもは、現在は五人以上の規模をとる、そうして大多数の労働者を含めて一つ計算するという観点を支持しております。しかし、農林省の考え方は全規模をとる、われわれこの問題はなかなかいただけない話でありまして、一人から二人くらいの労働者というものは、御承知のように、住み込み労働者もおりますし、また、労働組合もない、社会保障もなければ健康保険の制度も適用されておらないというような五人未満の労働者の賃金というものは、幾ら農民でもこれを当てはめるわけには、実際上もまた理論的にも非常に困るわけでございまして、その点は農林省の考え方をあらためてもらいたい、こう思っております。  それから、男女別の労働賃金が都会と農村とは非常に違つておりまして、今全日農から申されました通り、女子の農業労働は、今始まつたことではなく、戦前におきましても長い間、農村の統計は、女子の労賃は男子の八割ということに常識的になっております。これはやはり米価計算、つまり自家労賃を補償する点では、この問題も実情に即して計算されなければならぬと思いますが、われわれはこれらの不満の点もあるわけでございます。  それから、地代の問題も、これは多年団体の間でも非常に議論がありまして、まだ決定的な解決はなされておらないところであります。しかし、農林省は統制小作料と言いますが、そういうものではなおさら農村の実情に沿わないのではないかということを考えておるのであります。  それから、先ほど申されませんでしたが、物価差の問題、これもやはり結果的な割合は団体も政府もあまり変つていないようでありますが、やはり農村が品物を都会よりも安く買つておる、つまり八七%だということは、ものによってはそうなるかもしれませんが、食糧にしましても、野菜とかそういうものは別としまして、加工食糧などは決して農村が安いというわけにはいきませんし、物価が上るときには都会の方が先に上りますが、やはりある程度安定しましてこれが下降の傾向に入りますと、都会の方が先に安くなる品物も非常にたくさんあります。最近においては、衣料等においては特にそういうものがあります。着物その他についても、農村には粗悪品が流れておつて、同じ小売値段の調査だけでは、その品質が証明されない。従いまして同じ値段の場合は農村が高く買つておるという品物も相当ございまして、これはたくさんの百五十幾つかの品目について調査されるわけでございますが、それについても一々検討しますとわれわれは不満があるわけでございます。しかし、それらの不満も、われわれは、やはり来年の計算において解決するということにいたしまして、今日の米価の要求を打ち立てる、こういうことを考えておるわけでございます。  それから、最後には、やはり一番問題点は、先ほど来申されました通り、バルク・ラインの方式であります。バルク・ライン八〇%は、御承知のように、米審におきまして生産費及び所得補償方式が決定されるときに大きな議論になりましてすでにこの問題は米審では答申においてはっきりと解決されております。生産費及び所得補償方式を採用する際の原理を生かすためには、どうしてもバルク・ラインをとらなければならない。農林省は、大幅にこの生産費及び所得補償方式を取り入れると言いながら、これを平均生産費で出そうと言っている。これは、全く、表には生産費及び所得補償方式を掲げながら、これを破壊する一つの計算のやり方じゃないか。バルク・ラインそのものについて議論を戦わすことはまだ余地があると思いますが、平均生産費で出すということはわれわれ納得できないというふうに考えております。  それから、今問題になりました資本利子の問題、これはわれわれは過去においてやはり借入資金ということで計算をして参つた。これはもちろん理論的に完全とは申せませんが、理屈は成り立つ。また、一方、全部を自己資金というふうに見ても、これはもちろん成り立つわけでありますが、実情に沿うために、これを借入資本と自己資本と区分したわけであります。その区分した基礎資料は、農家の経済調査あるいは資金の動態調査を採用してこれを基礎資料にしたという点でわれわれもまだ不満があります。  これらの問題は、もちろんわれわれは全幅的に満足する試算ではないのでございますが、将来においてやはり資本利子の問題も、地代の問題も、あるいは物価差の問題、自己労賃の問題も、団体の間における討論ももちろんでございますが、政府の間においても十分にこれを検討して、名実ともに生産費及び所得補償方式を実現するために一つやつてもらわなければならぬと思っております。従いまして、これらの問題は技術的な問題となるのでございますが、その中で私どもが最も不満なのは、さっき申しました平均生産費、バルク・ラインを否定したやり方、これだけはことしのうちに一つぜひ改善してもらいたい、こういうふうに思うわけであります。  最後に、きのうこの委員会におきまして問題とされ、また指摘されました予約減税の問題は、どうしても一つ現在の制度を維持してもらいたい。これは、米価の試算において考え方が分れております全日農にしましても、農協側にしましても、他のすべての農民、農業団体が一致してこれに反対しておるのでございます。今まではわれわれも的確な調査資料を持たずにおりまして、どちらかといえば水かけ論的でございました。また、農林省当局も観念論をやつておるようでございまして、非常に長引いておりましたが、最近において、きのうこの委員会において問題が出されました通り、農業団体において調査が成り立ち、数字的に大部分の農家の階層がこれによって大きな不利をこうむるということが明確になつたのでございますから、これからさらにわれわれも政府に要求するのでございますが、この点も、どうしても政府は現行の制度を維持して、米の直接統制というものの基礎をこわさないように、ことに予約制度は現在非常に成績がいいのでございますから、これに動揺がないように一つ配意を願いたいと思っておるのでございます。  以上、簡単でございますが所見を述べました。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次は、大槻参考人にお願いします。

大槻正男財団法人農林水産業生産性向上会議附設農業研修所長

○大槻参考人 昨晩電報をいただいて、何か話せということでございましたが、私は本年度の米価のことに対しては関係しなかったので、何も話すことはないのであります。ですから、本年度の米価に関係してではなく、私の考えておることをお話し申し上げたいと思います。  米価をきめるのにどういう基礎を用いるか、今考えられておるのは、一つは生産費補償方式、もう一つはパリティ計算方式、そういう二つが考えられておると思います。そしてこの方法のいずれがよいかということは、私は言えないと思います。いずれも欠陥があり、それだけ用いるということは大きな誤まりを犯すのではないかと思います。ですから、どちらをおもにするか、昨年まではパリティ方式をおもにしてやつた、ことしは補償方式をおもにしてやり、その他の生産及び経済事情を参酌して米価審議会その他で審議してきめるべき性質のものであります。  米価という場合に、これは、ねらうところが、生産費原価を補償する、生産者の費用を補償するという立場に立つのか、あるいは需給価格というものを認めて、そうして国内あるいは世界の生産費その他を参酌して、そういうものを考えあわせて米価をきめなければならぬのかどうか、これは私は大きく考えてやるべきことだと思います。しかし、生産費及び所得補償制、これがどういうふうに計算せらるべきものかということになりますと、私は学究の徒として多少の意見があります。私は、生産物の価格政策というものは、これは人的分配の問題ではなくて、産業間の分配の問題だと思います。一本の価格で所得価格をきめる、それは農業と他産業との所得の均衡を果して見ておるかどうかということになるように私は思います。それが個々の農家でどういうふうになっておるか、あるいは階級的にどうなるかというようなことはほかの政策でやるべきものであつて、農業と他産業との間の所得の分配、国民所得の分配あるいは付加価値の分配、そういうことになるのではないかと思います。そうしますと、生産費及び所得補償制と申しますが、その生産費及び所得補償制という言葉がいつできたか知りません。知らないけれども、出て用いられるようになってしまつた。さてその意味はどうかとなると、だれも定義をした人はない。そうすると、生産費というものはこの場合どういうことを意味するか。これは物財費を意味するか、あるいは生産者から外部に支払う外給費といいますか、物財並びに支払労銀、支払利子、支払小作料等を加えたもの、これを狭義の生産費といい、そうして、自分自身に支払う、あるいはその生産農家の所得となる費用、ですから家族労働費、土地用役費及び資本用役費、そういうものは所得費ということができると思います。所得となる費用、これは生産物価格があるいは消費者が負担しなければならぬ価格であり費用である、そういう意味において、こういう所得費、農家の所得になる費用、それを補償する方式である、そう考えられる。  この所得費はどういうふうに評価するかということになると、これは他産業との均衡を得た価格ということになる。そうしますと、第一には、三つの生産要素の一つとしての労働、他産業と均衡のとれたところの労働所得、あるいは労働報酬、そういうものを米価を通して獲得するということになるように思います。そういう立場から言うと、これは単に従来のように農村の雇用労銀で評価すべきものではなくて、他産業の労働価格と均衡のとれた労働価格、労働所得を、所得方式で決定される米価によって獲得するということになるのじゃないか。  それから、もう一つは資本であります。これも、他産業において、利回り、利潤といいますか、あるいは利子といいますか、そういうものは当然産業間の分配として要求せられるべきものじゃないか。これを要求米価として算定する限りにおいては、そういうふうに考えます。  それから、もう一つは地代の問題です。他代というものはどう評価するかということになると、現在これは社会関係として現われません。これは、戦前ならば小作料即地代と言うことができた。今は統制小作料でありまして、地代の一部分である、地代そのものではない。統制地代である。ですから全額としての地代というものはその小作料には現われていないと私は思います。これは人的分配あるいは制度的分配の地代であつて、地主に支払われるべきものであるが、現在全額地代が地主に支払われているとはおそらくだれも思っていないと思う。しかし、これをいかに評価するかということになると、非常に困難な問題が存在して、評価不可能と言って差しつかえないと思います。考えられるのは、現在農業団体が今度の生産費計算において採用している勧銀調査の支払小作料であるが、また小作料は統制されているけれども、地価は自由地価である。地価というものは年々の地代を現在価値に割引したサメーションである。ですから、それを還元して地価から地代を算出するという方法として、土地資本利子という計算の方法もある。しかし、今これをどうするかということになると、私ちょっと今の段階では御答弁することはできません。そういうふうになるのじゃないかと思います。  これは、農業という産業が、他の産業と均衡のとれた所得を価格を通して支払いを受けるにはどうあるべきか、こうした形において生産費というものは計算されるべきものだと私は思う。そういう関係から、私は平均生産方式をいつもとつてきておる。バルク・ラインはむしろ人的な問題で、八〇%の農家に所得を与えるという方式であり、他の産業との均衡ということになると、これは当然平均米価でやるということになる。そういうふうな考えを持ちます。  いろいろな文献や何かを見ますと、農家と他産業との均衡といった場合、農業者は、生産費を通して都市勤労者並みの労働所得さえ得ればいい、従って、地代だとか利子ということは生産費の中に算入しなくてもいいというふうな考えが相当ありますが、私は、それはいかぬと思う。農業者といえども生産者である。生産を担当する。そうして投資をしなければならぬ。あるいは土地を獲得しなければならぬ。やはり農業者も生産者です。ただ勤労者としての所得だけ、あるいは生産費の中に都市労銀だけ算入してその労働報酬さえ得ればいいというわけではない。また、そういう生産費の出し方からしますと、その価格によってはそうした労働所得というものは獲得できないということになります。そういう意味においては、私は、やはり、日本の農業者というもの、あるいは農業を担当する者としては、労働報酬だけでなく、投資資本としての利子、利潤あるいは地代というものを正当に獲得すべきものだと思う。  しかし、そうして算出された米価、生産費というもの、生産費補償主義が、現実の米価を決定するのにどう利用されるべきかということは、政治家がやるべきことで、私どもの関係するところでないというふうに思います。米価というものは安定性を保つべきものであつて、これは急に動かしたりすることもよくないし、あるいは日本の食糧事情、農業事情その他も考え合せなければならない。いろいろな要素が加わつて決定せられるべきものであつて、産業部門間の均衡を得る価格の決定の基礎として生産費を算出するということになりますと、そういうふうな形になるのではないか、そうあるべきものでないかと思います。ことに、所得を獲得する、他産業部門並みの労働所得あるいは資本所得、そういうものを獲得する米価はどうあるべきかということを決定する基礎としての生産費の算出の方法としては、大体そんなふうに私は考えます。  あと御質問がありますればお答えいたします。     [委員長退席、大野(市)委員長代理着席〕

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員長代理 どうも御苦労さまでした。  それでは、次に川野参考人にお願いいたします。

川野重任東京大学教授

○川野参考人 私もゆうべ電報で呼び出されたのですが、本日は、農林委員会で何か問題を御提示になって、これについての意見を言えという御趣旨かと思ったのでありますが、先ほど委員長のお話を伺つておりますると、何をお話ししてよいのやら、ちょっと見当がつきかねております。米価審議会の委員に内定させていただいておるようでありますが、審議会におきましては、むろん十分に原案の検討をいたしたいと思っておりますが、私は、本年度の生産者米価に関する限り、具体的な意見を申し上げる資料を持っておりません。従いまして、巷間に伝えられるところの情報がもし真であるとするならばこうだという仮定的なお話しか申し上げられませんが、それについて  一点か二点だけ申し上げさせていただきたいと思います。しかし、その前に申し上げたいと思いますことは、学者の議論から何か一義的な結論を求めようとされるならば、これは無理でありますし、私もそういう意味においてはお役に立たないということを最初に申し上げたい。もし、学者の意見で、学者と称する人が何か特定の議論をされ、これが一番いいんだという結論が出るとするならば、その人は学者でないであろう、私はそういうふうに思います。そういう意味におきまして、きわめて良心的にお答えいたしますことを御了承願いたい。  まず、生産費及び所得補償方式なるものを大幅に取り入れるということを農林省が言明していらつしやるということでありますが、これはあるいは学者の管轄ではないかもしれませんが、過去数年来これが審議会において答申されてきました趣旨をくみ取られるという点におきましては、これは当然のこととして、さすがに農林省だというふうに私は大いに賛成するものであります。そこまで問題がつき詰められて参りますと、確かに問題の争点がはっきりわかる。そこの土俵で検討いたしまして、またもとへ引き返すことはあるいはあるかもしれませんけれども、とにかく、土俵の中へ入らずにやいやい言っているのに比べますと、よほど男らしい、こう私は思っております。  それから、生産費及び所得補償方式なんでありますが、これはおそらく翻訳するのは非常にむずかしいのじゃないかと思っております。日本独得の言葉だろうと思っておりますが、先ほど大槻先生は、これはいつ出てきたかわからぬとおつしやいましたが、先生にはなはだ失礼かもしれませんが、これは実は先生も責任の一半をになわれるべきものであります。昭和三十年の専門委員会におきまして、私が専門委員会の主査に選ばれまして、生産費方式について検討しろという農林省の食糧庁長官の委嘱を受けたわけであります。しかもそれが中間的な結論でよろしいということで、あえて最終的な結論を出さずに終つた委員会がございます。そのときに幾つかの案がいわゆる専門委員という立場から出されたのでありますが、その一つに、生産費所得補償方式と呼ぶならばといった形において一つの案が出ております。その案が中間報告という形におきまして米価審議会の小委員会に報告され、そのときの小委員長はたしか大槻先生だったと思いますが、大槻先生が、先生個人の御意思じやむろんないと思いますが、三年前のことでありますからお忘れになつたことと思いますが、それを取り上げられましてそれから米価審議会にまかり出る、こういうことになつたものだと私は了解しております。そういう点、事の来歴は至って明確でございまして、一つ皆さんに御披露申し上げたいと思います。ところで、その名前なんでありますが、これは考えようによるとはなはだ奇妙であります。ある人は、悪口を言いまして、所得補償というのは一体何の所得補償だろう、賃金率ではないかと申しますが、まさにその通りであります。賃金率の補償であります。ところが、なぜ生産費でいけないか、よけいな所得補償がつくかということでありますが、このことがあまり論ぜられずに何か怪物視しているという感じが非常に強いのであります。その点につきましては私はちょっと言うのをはばかつているくらいの気持でありましたところ、大槻先生がそれを堂々と学者として申し上げたのでありますが、要するに、生産費というならば、現在の生産費の計算の仕方が曲げられているといいますか、はなはだおかしな形になっておる、こういうふうに私は言わざるを得ないのであります。何であのときは生産費方式だけで割り切れなかったかと申しますと、先ほど先生のお話のように、生産費というものを文字通りに解釈いたしますならば、かかった費用を回収するということであります。そうしますと、そこで当然米なら米を作るということにつきましてかかる費用は何かと申しますと、米を作るために労働が必要でありますが、その労働をそこへ引つぱつてくる費用、それから土地に他のものを作らずにそれを作らなければなりませんが、その土地をそこへ引つぱつてくる費用、また資本をそこべ持ってこなければなりませんが、その資本をそこへ持ってくる費用、こういうものがほんとうの生産費だろうと思います。そこで、いわば、私は戦前の米価生産費算定の方式がまずまず常識的に考えて生産費方式の基本ではないかと考えております。あのときは、地代につきましては実現小作料、類地小作料、土地資本利子という対立はありましたけれども、大体、はじいたところは、それほど大きな、一と十というほどの差異はない。労賃は農業賃金をとり、利子は、はっきり覚えておりませんが、おそらく国債の利子率くらいではなかったかと覚えております。そしてこれについてはそれほど議論がなかったのでありますが、それが戦後におきまして突然生産費にプラス所得補償方式というものが現われたゆえんはどこにあるかと申しますと、これは私の感じでありますが、要するに、統制小作料というものしか法的に認められた地代というものはないということから、それに農業労賃を足したのでは、いかにも安い、これは話にならぬということから、だんだん上げて、八〇%くらいまで、あるいは九〇%くらいまで上げてもまだ当時の米価に達しないというくらいな数字になつたのです。そこで、そういうふうな場合において、農業労賃ではじくというのはどうもおかしいじゃないかという議論が出まして、それから都市との均衡なんていうものが出てきたと了解しております。そこで、そのときに八〇%とか七五%とかいろいろ議論があったのでありますが、それも、あの当時の算定からいたしますと、その当時の統制米価からそれほど食い違つてなかったと思う。それが、その後都市労賃がだんだん上ってくるということによりまして、その基準ではじいたのでは、どうも、予算米価と申しますか、予算米価からだんだん離れてくる態勢にあるだろう——私はかように大へん正直なことを申し上げてお困りの方がおありかと思いますが、御了承願いたいと思いますが、私が申し上げることは、そういう客観的な情勢の推移がここ数年間あったということから、この方式が何かだんだんじやまになってくる、あるいは当初考えられたような機能以外の機能を持つようになってきておる、こういうようなことになっておるのではないかと思います。従いまして所得補償方式が、特に統制小作料を足がかりとするということから、妙な格好と言うとはなはだ悪いのでありますが、妙な格好になっておる点があるのではなかろうかという感じがいたします。  かつて加えまして、今度は、やはり三十年でしたか、統制小作料の改定があったのでありますが、あのときには、実現米価から逆に都市労賃並みの賃金率を農家に補償するということで逆算しまして、統制小作料と米価とがぐるぐる回りになるという形になっているわけであります。その関係も、しかし、今度の米価算定においてどういうふうになるか、そういう点を一念に置きながら私は検討いたしたいと思っております。  何か結論が出ない形になりまして申訳ありませんが、これで一つ御了承を願います。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員長代理 御苦労さんでした。  次に、馬場参考人にお願いいたします。

馬場啓之助一橋大学教授

○馬場参考人 私がこれから申し上げたいことは、大体今まで大槻、川野両先生から申し上げましたことと重複するきらいがあるかと思いますが、若干生産費及び所得補償方式につきまして学者的な立場から理論的な検討を加えました意見を申し上げてみたいと思います。  現在の生産費及び所得補償方式と呼ばれておりますものの中には二つの部分が含まれておると思います。一つは、米価算定のための目標というか、あるいは理念を現わしたもの、もう一つは、その理念をどのようにして一本の米価として客観的に数量化するかという技術的な部分であります。前の部分につきましては、名前が示しておりますように、米の生産に投下されました物的な経費を補償いたしました後に、投下されました自家労働につきましては、都市製造工業と実質的に同じ報酬を補償する、これはこの方式の底を流れておりますところの理念ではないかと思います。しかし、この理念を一本の価格として実現いたしますためには技術的な方式というものがなくてはなりませんが、それを八〇%バルク・ラインという形でもってこれと結びつけて一つの方式として構成されているのではないかと思いますが、これから私申し上げたいと思っておりますことは、この方式に盛られました理念というものをよく生かしていきながら、米価といたしまして客観性があり、連続性があり、安定性がある一つの数字をはじき出します技術的な方式といたしましてはどのようなことを考えなければならないかという二つの点に分けまして説明さしていただきたいと思います。  最初の、この算定方式の理念でありますけれども、これは、従来よくとられておりました。ハリティ方式と対比いたしまして、生産費主義というものを表わしておるのだというふうにも解されておるようでありますけれども、これは必ずしも私は生産費主義を貫いたものではないというふうに考える次第でございます。先ほども川野さんあるいは大槻さんから御説明がありましたように、生産費をはじくという観点から申し上げますならば、この米の生産に投入されました自家労働というものを評価いたします際に、米の生産に自家労働を投入いたしましたときにどれだけ農家が犠牲を払うか、もっとはっきり申しますれば、ほかに出て所得を獲得する、労賃を獲得する機会があるにもかかわらず、それを犠牲にいたしまして、この米の生産に従事するわけでありまするから、生産費の立場から申しますれば、この自家労働の評価は米の生産に従事したために失わるべき所得ということになるかと思います。そういたしますと、米の生産に従事しないときに、通常農家がほかにどのような形で賃金を獲得することができるかということになるわけでございまするが、都市の製造工業と実質的に同じ賃金を獲得する機会を犠牲にして米の生産に従事しているとは考えることができないのではないかと思います。それは、今までの日本の経済の動きの中におきまして、都市の工業労賃と農業の労働報酬との間にはかなりの較差があるにもかかわらず、結局農業の方から工業の方に十分に労働力が移動できなかったということは、言葉をかえすならば、米の生産において犠牲にする報酬というものは決して都市の製造工業の賃金ではない。従って、もしあの生産費主義というものを貫くということでありますならば、結局現在農林省で算定しておりますような農業におきまする日雇い賃金といったようなもので自家労働を評価するということが筋が通つているように思いますが、それにもかかわらず、この方式におきまして自家労働に対しましては一応都市の製造工業と実質的に同じような報酬を補償するということは、従来形成されておりました都市と農村、都市の製造工業と農業におきまする労働報酬との間の所得の不均衡を是正する、米価を算定する場合にこれを是正するということが目標ではないかと思いますので、考え方の基本から申しますれば、生産費主義ではなくて、所得均衡主義と申しますか、都市、農村の間におきまする所得の差をできるだけなくなそうということが目標ではないかと私は思います。その意味におきまして、生産費及び所得補償方式のむしろ所得補償という点に力点が置かれている考え方ではないかと思います。  ところが、こういう所得均衡ということを実現いたしまするために考慮しなくてはなりませんことは、次の二つの点ではないかと思います。  一つは、自家労働を投入いたしました時間に応じまして、都市の製造工業と実質的に同じ賃金率で評価をするということは、それは投下いたしました労働についての報酬の均衡ということを実現をする手段ではありまするけれども、農業労働と都市工業におきまする投下労働とを年間のベースにおきまして比較いたしますと、大体、都市を一〇〇にいたしまして年間農業労働として燃焼いたします時間はこれの五五%であります。従いまして、投入した時間についてだけ均衡をはかりましても、年間として実現した労働報酬あるいは勤労所得という観点から見ますると、なお不均衡というものを是正することができない。従いまして、所得均衡という立場から申しますれば、できるだけこの所得均衡の及ぼす範囲を広めなければならない、あるいは広めることが望ましいというようなことがこれと結びついて出てくるわけであります。  第二点といたしましては、ただいま、所得均衡ということを考えます際に、あるいは都市、農村、あるいは農業と工業との間の所得の均衡ということが話題に乗つておるわけでありまするけれども、農業内部におきまして作物別に非常に不均衡がある。現在実現しておりまする価格から逆算いたしました農業の労働報酬は、米とその他の作物の間におきまして非常に大きな差があるわけであります。その中で米は比較的有利でありますが、ほかのものは米に比べますとかなり較差を持って低くなっておりますので、米価を通じまして所得均衡を実現するという立場から申しますると、結局他の農産物と米との間の需給関係の相違から、米については比較的有利な条件があるという点に着目いたしますれば、せめて米において補償の範囲を拡大しなければならない、こういう要求が出てくるのも当然ではないかと思います。  これが最初の米価算定の方式として提唱されました生産費及び補償方式に盛られておりまする考え方につきましての解釈でございます。  次に、第二点といたしまして、こういう要求を一本の米価として実現をするという場合には、当然技術的な方式というものが考えられなければなりません。その場合に、こういう所得補償をいたしまする米作農家の中でどのような農家を代表的な農家と考えるかということがきまりませんと、同じ米の生産に従事しております者の中にお勇ましても、かなり大きな能率の差がございますので、代表的な農家というものを選定しなければならないわけでございます。現在のこの生産費及び所得補償方式を適用いたします際に、利用することのできまする資料は主産費に関する調査資料でございますが、生産費の調査は、御存じの通り、農林省が実施しておりまする生産費の調査にいたしましても、他の場合でも、私そうであろうと思いますけれども、結局全体の農家の中から幾つかの事例を引き出しまして、その事例の平均が全体としての米作農家の平均との誤差を少く示すことができるというように調査の設計がなされておるわけでありまするから、統計技術的に申し上げますならば、この場合代表的な農家というものは、結局この生産費調査に現われました平均層における農家というものをとらざるを得ないことになるわけでございます。先ほど申し上げましたように、方式自体に盛られておりまする所得均衡という理念から申しますならば、製造工業と農業におきまする年間労働時間の較差、農作物の内部におきまする現在の所得として実現しておりまする差といったようなものを考慮いたしますれば、この平均をそのまま適用するということでありましては、最初の所得均衡の理念に適合するとは言えないということになるわけであります。そういうところから、いわゆる八〇%バルク・ラインというものが提唱されたのではないかと思うわけでございまするが、統計技術的に考えますると、かりに調査対象に選ばれました米作農家の生産費が平均におきまして全国的なものを示しておるといたしましても、八〇%バルク・ライン層に当りまする農家の生産費が、全体としての母集団といたしましての米作農家の八〇%バルク・ライン層に適当するかどうかということは、これは保証がない。つまり、あくまで平均におきまして全国的な米作農家の姿をとらえようということが目標でございますから、たまたま調査の対象に選びました農家の八〇%層というものをピック・アップいたしましても、これが全国的な八〇%バルク・ライン層というものを代表しているかどうかということについては統計的には何とも保証がないということがまず第一。それから、第二の点といたしまして、米価を決定いたしました際に、この米をめぐりまする需給関係、あるいは米価というものが国民経済の価格体系の中で占めておりまする重要な地位から申しますれば、結局米価というものは連続性がなければならないし、安定したものでなくてはならない。つまり、たまたま調査に載つておりました農家の中から選定いたしました八〇%層の生産費を所得補償の立場から修正いたしまして出したものが、このままもし米価を決定するということでありますならば、米価の連続性とかあるいは米価の安定性、あるいはその米価のもとにおきまして果して需給均衡ということが実現するかどうかということは何ら保証がないわけでありまして、おそらく日本の経済におきましてこれほど重要な意味を持っておりますものをこういう不安定なものできめるということにつきましては、やはり相当大きな難点があるのではないかと思います。  私、前にこの点につきまして比喩をもって御説明したものを書いたことがあるのであります。私、学校の教師をしておりますので、学校の例をとりますが、学校の成績が平均してこれこれである、もし平均点が悪いということであれば、私どものような凡庸な教師が下手な教育の仕方をしたから成績が下つたのだということで、あれでありますが、百人の生徒の中で八十番目の成績をとつております人だけをとりまして、それですべてを決するということになりますと、年によりまして、八十番目に非常にできない生徒が出て参りますと、それで全部がきめられるということでは非常に困る。八十番目の生徒のできが悪いから学校の教育の効率が上っておらないと言われましても、これは教師の立場から申しますと何とも言えないわけであります。そういう比喩で申し上げますように、たまたま八〇%層の農家として調査に現われたものの生産費の評価がえをするとえらく高くなるということで、これ一本で米価をきめるということでは、なかなかどうも重要な米価でありますからふんぎりがつかない。技術的に申しますれば平均をとらざるを得ないし、そもそも方式に盛られました理念から申しますると平均ではどうも工合が悪い。それから申しますと、できるだけこの補償の層というものを拡大した方がよろしいということになりますけれども、他方、需給構造あるいは米価の安定性という点から申しますと、こういうふうに統計技術的にきわめて不安定なもの一本できめるというわけにはいかない。ここにやはり生産費及び所得補償方式というものの最も根本的な問題点があるのではないかと思います。  従って、一案といたしましては、この方式に盛られました理念的な正しい要求というものを最大限に生かしながら、しかも米価としての連続性、安定性といったようなことを両立させて考えていく方式がないだろうかということになるわけでございますが、先ほど川野さんが説明されました際に、昭和三十年におきまする専門委員会につきまして言及がされたわけでありますが、私、その専門委員会の専門委員をしておったわけでありまして私、私案を出したのでありますが、米価審議会の御審議によりまして不採用になつたわけです。それを別に蒸し返そうという気は私は毛頭ないのでありますけれども、そのときは、そういう点を考えまして、結局、平年作の場合におきまして石当り米の生産費の標準偏差というものがあるわけでありますが、大体二五%というものが平年作だとして出て参るわけでありますが、そういう平年作のときの米の標準偏差の幅を、修正いたしました平均生産費にかけますならば、結局その間に正常な——調査に現われた限りでありますが、調査に現われました限りにおきます米の正常生産費——下限農家にまで所得補償方式を及ぼすことができるというような考え方から、標準偏差を使つたらどうかという提案をしたのであります。  あるいは、これともう一つ別の考え方といたしましては、修正されました平均生産費というものはあくまでこれは一つの計算の基準といたしまして、年々過去におきまして修正されました平均生産費というものと実現しております米価との問の関係を考えましていわば平均生産費を上回って何%実現してきたかという実現率のようなものを、——これは統計的な操作によりまして需給構造にマッチした実現率というものは算定する方法があるわけでありますが、そういうものをはじいて、平均生産費に、さらにプラス・アルファでありますかベータでありますかわかりませんけれども、そういうものをかけてやっていく、これは過去の趨勢の中からそういうものをはじくわけでありますが、実現率というものもかなり安定した価を持っておりますので、米価の不安定性というものはかなりそれによって除くことができるのではないか、こういう考え方もあるのではないかということを御披露申し上げたいと思います。  こまかい点につきまして私専門に計算をしておるわけでございませんので、非常に大まかなものでありますし、また今までと重複した点があるかと思いますけれども、私の考えております基本的な点だけを御披露申し上げて、責任を果したいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員長代理 御苦労さまでした。  以上をもちまして参考人の意見陳状を終りました。  引き続き参考人並びに政府当局に対しまして質疑に入ります。石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 各参考人からは、われわれが審議の過程にあります昭和一十四年度産米価についての大へん参考になる御意見を拝聴いたしまして、感謝をいたす次第でありますが、二、三の点につきましてお尋ねいたしたいと思うのであります。  ただいま馬場参考人からは、バルク・ラインの八〇%をとるということについては、教育等の場合を例に引かれまして、必ずしも妥当でないのではないかという御意見があったわけでありますが、私は、この点に関する限りは、教育とはいささか趣きを異にしておりまして、低い生産費からだんだん並べて参りまして八〇%までということになっておりますから、ここで馬場参考人がお話しになりましたようなことには必ずしもならないのではないかと考えておるわけであります。しかし、御意見は御意見として参考にいたしたいと思うわけでありますが、今日この米価算定についての論議の過程において一番大きな問題は、私どもは昭和三十年以来の米価審議会における論議を通じて生産費はバルク・ラインの八〇%を主張して参っておるのでありますが、本年政府はこの生産費及び所得補償方式を大幅に採用するということを声明しておるのでありますけれども、特にいろいろな資料を整備いたしまして、生産費の中でバルク・ライン八〇%というものは必ずしも一定の法則性がないのでとりがたい、こういうことを主張しておるわけであります。この点について、私どもはしろうと考えでありますけれども、日本の農業のように地域性、地帯性のはなはだしいものを、全国の販売農家三百十万戸の中でわずか二千六百戸程度のものを全体でとつておいて、さらにその中で八〇%を中心として前後五%の中に落ちてくる農家の数はきわめて少いものである。そういう少いところから一つの法則性を見出そうとするところに問題があるのではないか。一体、統計学上から言って販売農家三百十万戸の中でどの程度の生産費調査というものが整つた場合に法則性というものが見出せるのか。あるいはまた、相当数をとつてもなおかつそこには法則性というものを見出しがたいのかどうか。こういう点を統計学上でお聞かせを願いたい。私どもは、地域別、地帯別にはなはだしい偏差のあるものについては、地域別、地帯別の一つの集計を出し、その線を見出して、それを全部重ねて、そこで平均値を出すというような方法もとり得るのではないかというふうに考えておるわけでありますが、これらの点について一つ馬場参考人から御意見を承わりたいと思います。

馬場啓之助一橋大学教授

○馬場参考人 今御質問のありました点につきましてお答えをしたいと思います。統計学的にというお話でございましたが、私、統計学の専門ではございませんで、経済学をやつておりますので、あまり専門的なぴたりとした精密なお答えはできないかと思いますので、あらかじめ御了承願います。  大体、理論というのは、非常に前提を置きまして理論を展開するわけでございますけれども、統計学の場合で、大体生産費の高いもの低いものがございますが、その最も平均的なところから、それぞれ生産費の幅がございますが、ずっと平均から離れておりますものが現われまする度数をグラフに書いてみますると、ちようど山形のような格好になる。これを正規分布と申します。これは、ランダムにと申しますか、無作為にやりました場合には大体そういう正規分布の形をとるというのが前提として認められるのではないかと思います。日本の米の生産農家の生産費が正規分布の法則に従うかどうかということは、これはまだ十分検討されておりませんけれども、ただこういうことが言えると思うのです。正規分布に従わないということが実証されない限りは、正規分布に従っておると見るのが理論的には穏当な見方ではないかというふうに思います。かりに正規分布に従っておるということになりますると、平均をとりまして、先ほど申しました標準偏差の幅の中に、つまり、平均をとりまして、標準偏差の幅を両端にとりますと、その中にサンプルの大体七〇%が入るというのが統計上の法則でございます。従いまして、もし平均から標準偏差の幅だけ高いところをとりますと、上から数えますと八五%が入る。正規分布なら大体そうなるということです。従って、標準偏差が——標準偏差と申しましても、平年作のときとそうでないときと、年によって振れがございますから、平年作に近いようなところでそれをとれば、それだけ上げれば、低い方がら申しまして八五%程度まで入る、こういうことでございます。  先ほど御指摘がありました、八五%案安定であるというのは低い方から累積していけば、そのものぴたりととるんじやなく、低い方から累積していくから、そんなに不安定じゃないだろうというお話でございますが、結局、八五%というものは、そういうノーマルなディストリビューションからはずれたものが出ております。そういうはずれたもの、そういう少数のグループをとりまして、これで万事を決するということになりますと、分布の型からはずれている異常なものが出るという危険性があるということ。  それから、実態的な問題といたしましては、御存じの通り、年々豊凶の差がございますし、それから災害を受けまする農家もございます。そうすると、農家の圃場が多数ございますが、その圃場の中で災害を受けましても、農家全体といたして二〇%以上の災害がなければ非災害農家ということで計算に入っておりますから、災害という非常に不確かなあれが入りまして、ちようど八〇%バルク・ラインに当るものが非常に不安定になってくるというおそれがある。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 統計的に平均値を出すならばなにですが、やはり、さっきお話しのように、一つの目標というものがありますから、われわれの考えるバルク・ライン八〇%という場合は、一つの限界生産費的な考え、大体そういう目標のももとにこれを考えておるものだから、そこに若干の食い違いが出るかとも思うのですが、ただ、平均ということになりますと、日本の農家の全体の約五〇%程度のものがその生産費を補償されない。こういうことになると、今の食管法の中でも再生一産を保障する云々という一つの法律の定めがあるわけです。もう一つは、特に最近の政府の方針といたしまして、日本農業の安定的成長をはかる、そういう一つの農業政策、そういう点からやはりこれは考えられなければならないのではないか。そういたしますと、今の食管法の規定や政府の基本的な農業政策と関連に見ると、そこに販売農家の五〇%の農家が生産費が補償されないということになると、これは非常に大きな問題であつて、私どもは、やはり限界生産費的な考えのもとに八〇%バルク・ラインというものを堅持していきたい、こう考えるわけでありますが、その点についてどうお考えになりますか。

馬場啓之助一橋大学教授

○馬場参考人 それでは、最初に、八〇%バルク・ライン方式と限界生産費説と本質的に同じかどうかという点について簡単に申し上げますと、同じでないと思います。その理由は、限界生産費と申します場合には、これは、生産費として計算をいたしますものは、共通費を除きましたいわゆる主要費用と申しております部分だけでございます。従いまして、資本利子でありますとか、あるいは農業機械の償却費でありますとか、あるいは土地資本利子といったようなものはこれを除いたものでありますので、いわゆるプライム・コストと申しております。そのプライム・コストについて、つまり主要費用について計算いたしました限界生産費と平均生産費の差額が結局利潤になるというの、が従来の通説であります。これは、もちろん、限界生産費というものにも、古い時代から最近までいろいろ考え方の違いがございますし、最近は限界生産費説というものと違いましてもっと違つた生産費主義というものが新しい考え方として出てきております。それは直接関係ございませんので……。  もう一つの点でありますが、政策目標云々ということになりますと、私は一教師でありますから、これは農林大臣からお答えになるのが適当だと思います。ただ、私が申し上げましたことで多少言葉が足りなかった点を補足いたしますと、私は、統計技術的に申し上げますれば平均生産費というものがとにかく使用にたえるものであるのだ、しかし、所得均衡という意味から申しますと平均では困る、だから、現在の国民経済の状態のもとで、また主として米の需給をめぐりまする関係から、あるいはさらに米価の連続性、安定性ということを考えまして、修正されました平均生産費の百何十%が従来趨勢的に補償されてきたということを考えますれば、その線を一応の目標にすることができるではないか。これはしろうと考えでありますが、そういうことも申し上げておきます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 いや、その点は私もわかつておるので、限界生産費的な考えということを申し上げておるわけでありますし、それから、もう一点、さっきちょっと伺つた、販売農家三百十万戸ある中で二千六百戸というものを用いて、そういう複雑な統計などを出すのに十分と言えるかどうか、それで統計的な資料というものが権威あるものであるかどうか、もっとずっと多くならなければこういう複雑な統計というものを結論づけることは無理なのじやないか、こう考えておるのですが、どうでしょうか。

馬場啓之助一橋大学教授

○馬場参考人 これは、統計調査部長が御出席になっておれば、統計調査部長が説明すべきことだろうと思いますが、これはただ私のしろうと考えではこういうことです。販売農家の大体の分布に従いまして、府県別にウエートをきめまして、サンプルをとるあれをいたしますね。それがまず第一ですね。第二点といたしまして、生産費の高低別にいろいろな層をとります。層別をいたします。この地域的にサンプルの割当と層別ができますれば、この層別の中からはランダムに引き抜けば、それは全体のかりに一%でありましても、ある程度の精度というものは期待できます。その場合に、誤差率を五%の範囲にとどめるか二%の範囲にとどめるかということから、全体の生産農家の中からどのくらいを抽出したらよろしいかということが統計理論上出てくる。ですから、必ずしも数の大小ということだけでは正確、不正確という議論にはならないので、ただ、そういう調査のサンプルを選定するときに、合理的な選定の方法ができているかどうかということが大事な点ではないかと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 この点は実は統計部長の話も聞いておるのですけれども、ありがとうございました。  それから、次に大槻参考人にちょっと伺いたいのでありますが、先ほどの、他産業との所得均衡という点から、結論的にはやはり労賃部分で補償するほかないだろうというお話であったわけであります。先ほど来の参考人の陳述にもありましたように、政府は一人以上の全規模ということを主張しておるわけでありますし、農業団体は五名以上ということを主張しておる。農業団体の主張の根拠というものは、労働統計の中で、四名までというものは、保護政策の対象になっておらないし、組合等もないのであつて、これは不完全就労である、半失業の状態だと言ってもいいわけで、そういうものはやはり除くべきであるというのが農業団体の主張でありますし、農民団体の方は、やはり、労働者に対しては、最賃法的な考え方に基いて、今の日本の労働賃金というものは、四千円以下のものが九%、八千円以下が二六%ありまして、八千円以下というものが全体で三五%もあるわけでありますが、そういう不完全就労、半失業と言っても過言でないような低賃金を除くことはもちろんであるけれども、さらに、今申し上げたような八千円以上という最賃法的な考えに基けば、やはり製造工場労働者三十名以上の規模、こういうことを主張しておるのでありますが、これについて一つ御意見を承わりたいと思います。

大槻正男財団法人農林水産業生産性向上会議附設農業研修所長

○大槻参考人 この問題は非常にむずかしいことであつて、馬場参考人からもお話のあったように、本来は、米だけの問題でなく、所得というと総合所得的にものを考えて見るべきだと思います。農家という立場に立ちますと、米価ばかりでなく、麦価からも所得を得る、あるいは養蚕、畜産その他からも得ている。その所得の均衡を得ようということになると思う。その総合労働所得。他の生産部門にも労働を提供上ますから、それで、農業全体を通しての労働所得の均衡を他の産業の労働者と得るというのが正当だということになると思います。それで、今直接お話のあった、五人以上の就労場のものをとるか、あるいは全部をとるか、そのことに対して、私何とも実情を調査してないものですからわかりません。しかし、不完全雇用状態のものでない完全雇用状態のもの、ことに要求する米価として考える場合にはそうあるべきじゃないかという考えを持ちますが、はっきりした御返事はできません。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 それでは、大槻参考人にもう一つ伺いたいのですが、わが国の農業のように、資本主義的にまではほとんど発展していない、こういう農業を見る場合に、富農とか貧農とかいうような区別をするという考え方について、これはむずかしい議論だと思いますけれども、端的に、最近よく政府が、予約減税を廃止することに関連して予約減税を存続するということは富農に対する保護政策に陥るおそれがある、だからしてこれは廃止して貧農や小農にも均霑させるべきであるというようなことをよく言うわけですが、私どもは、日本の農業というものは、いわゆる富農といわれるような階層というものは階層として一体存在するかどうかというところにいつも疑問を持つのです。そういう点についての御見解を一つ承わりたいと思います。

大槻正男財団法人農林水産業生産性向上会議附設農業研修所長

○大槻参考人 農業も生産である限り、これはできるだけ資本の装備が多いのが産業として望ましいことであつて、また、そういうものでなければ社会の農業生産という職能を完全に担当することはできないと思います。それで、産業政策としての農業政策というのは、むしろ、私は、そういうほんとうに社会生産を担当できるものを目標にすべきではないか。貧農というものは、農業政策を社会政策と混同しなければならぬ実情はありますよ。けれども、私の理論的立場から言えば、先刻申し上げたように、農業政策あるいは米価の政策も産業政策として考える。それですから、そういう貧農というものは、ことに不完全雇用その他そういうものは社会政策あるいは他の産業に移すとか、そういう農村人口問題等の方策によって講ぜられるべきものであつて、すべて米価に負担させなくちやならぬものかどうか。実情はさせなくちやならぬ点はあると思いますけれども、しかし、目ざすところとしては、私は、そうでない、やはり強力な農業生産を担当するものが農業に従事するということが必要なことである、そういうように考えております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員長代理 芳賀君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 参考人の各位には時間が延びてまことに失礼でありますが、私は、現実問題として、先ほど述べられた農業団体の代表の参考人各位にお尋ねしたいと思うわけであります。  森川さん、おりますか。——実は、全中の森川参考人がおられないと私の質問はあまり意味をなさないのですが、しかし、全日農と全農連の各位がおられるので、一応お尋ねしておきたいと思うのです。  それは、昨年農業団体においては生産費及び所得補償方式の米価算定の実現を目途として米価の要求をやられたわけでありますが、昨年の場合には、各農業団体が統一した行動をとられて、一万一千四百七十七円米価を出されたわけであります。ところが、本年度の場合においてもこの算定方式の基礎理念は変つておらぬようでありますが、今度は団体間において非常に異なつた米価が出されておるわけであります。これは、それぞれの団体の立場において主張が異なっておるのはわかるのですが、ただ、全国の素朴な農民からこれを見た場合においては非常に不安感を与えるのではないかという点もあるのです。従って、本年度は特に農林省においても新しい米価算定方式を採用するという熱意のもとに作業を進めておるわけでありまして、特に、農林省においても、関係農業団体等とは緊密な連絡を保つて意思の疎通をはかつて、そうしてできるだけ内容の整つた新米価の算定をやりたいというような態度でこられたわけですね。従って、この点について特に全日農と全中との間においては金額の一面において相違があるわけなんですが、特に、その内容を見ると、農家の自家労働に対する都市労働との均衡の問題、いわゆる評価を行う場合の方針、あるいはまた、この資本利子に対する考え方等がおもなる相違点であると思いますが、この点について、両中村参考人から一応のお考えを述べていただきたいと思います。

中村迫全日本農民組合連合会主任書記

○中村(迫)参考人 お答えいたします。  われわれ農民組合と、農協中央会の計算上の考え方で違つておる点は、先ほど申し上げましたように、自家労働力の評価に当つて、都市製造工業労働者が従事する工場規模のとり方の問題であります。この点なぜ違つたかということは、先ほど私が申し上げたような観点から違いを生じておるのでありまして、われわれとしましては、少くとも統計的に見ましても、三十人以下の規模の労働者は、今石田委員も指摘されましたように、半失業状態のものを含み、さらに、非常な低賃金状態に置かれている、しかも実態的にはそれらの労働者の中からこそまさに最賃法の設定の要求が強く出てきておるという、この現実の状態を判断の条件に入れましても、三十人以下をさらに入れていくということは不合理ではないかという考え方であります。  次に、資本利子であります。これは、先ほど詳しく申し上げることを省略いたしましたが、昨年までは、われわれも、また農協中央会その他の農業団体も、資本利子につきましては、借入資本と擬制いたしまして、農協及び農手の貸出利率をとつて参つたわけであります。ことし突如として、——われわれの印象としましては突如としてでありますが、突如として農協が資本利子の計算の考え方を変えた理由が実は納得できないのであります。詳しい説明も聞いておりませんし、さらに、言ってみれば、大和田課長において非常に申しわけない言い方になるかもしれませんが、全中が企画課と話し合つてきたというような経過を振り返つてみますと、この資本利子の計算の方法は、結果として見ますと、何か農林省のぺースの方へ巻き込まれたような印象が非常に強いのであります。と申しますのは、この基本になっております自己資本を九割と見、借入資本を一割と見るということ、これはわれわれ途中でこういう計算方法が行われているということを知りまして、新潟、山形等米作地帯に持っていって農民に聞いてみましたところ、この九割、一割という比率を出しますと、まつこうから農民の反撃を食つているわけであります。借入資本が全体の中でたつた一割なんということはとうてい考えられもしない状態であるというような農民の素朴な経営の感覚から立つた反撃も出ておりますし、そういった経過もわれわれ承知しておりませんが、とにかく、この九割と一割というように分けたこと自体が、私は、資料的にも非常に不十分であるし、また、農村の実態にも即していない、こう思います。なお、基本的にはなぜこういう考え方をとつたのか、ちょっと不可解に考えるわけであります。  基本点についての相違は、簡単に申し上げますと、そういう点であります。

中村迫全日本農民組合連合会主任書記

○中村(迫)参考人 先ほど申し上げましたように、今までも、統一要求米価を決定する際には、やはり団体間の意見というものは必ずしも一致してはいなかったのですが、それを試算する前にやはり意見を統一して試算を始めるということの経過をずっとたどつてきたわけでございます。ことしはそういう点に非常に不十分な点があったということは、非常に反省し、また批判を受けているわけでございます。  労働賃金の問題は、過去においてやはり三十人以上のものをとつていたのですが、それはどうも実情に沿わない、しかしながら統計資料がないために三十人以上をとるということで、ことしはまあ五人以上をとつて、なるたけ労働者の広い層の中度労働をとるということになつたのですが、これは全中の森川さんが言うべきことで、私ども、大体の計算の仕方というものは、ある程度話はしておりましたのですが、それが最後的にどうも話がまとまらなかったということだと思います。  それから、資本利子のことにつきましては、これはいわば一種の擬制計算でありまして、設定をしてやるわけですが、その点については、これは基礎資料について言えることであります。また、先ほど全日農の方から申された経過というようなものも、われわれは認めざるを得ないと思うのであります。  しかし、やはり、今二つの計算が出ておりますが、両団体とも、また農民の全体の意思というものは、要求米価を統一するという考え方が非常に強く持たれておりますし、今芳賀委員が指摘されました通り、農民の間では、非常に困つたことだという考え方が出ていることは事実でございまして、現在、本日におきましても、やはりこの両方の試算をいかに調整するかという努力が続けられております。われわれは、やはり、その考え方はともかくといたしまして、ことし不十分なものは来年の試算において改善する。これは毎年改善をすることにして参りまして、そのつど年によって試算の仕方を変えてきておるわけでございまして、今日の試算が絶対とは、われわれも考えない。また、両方の、農協にしましても全日農にしましても、これは絶対と主張するところはないのでありまして、やはりこれは政治的に歩み寄る、あるいは統一するということを考えてもらいたいという希望を持っているわけでございます。  以上のような事情で、今その一方の試算ということについては、私も、どつちが正しいということは、そういう考えを持っておりませんで、ただ、過去十年にわたって農民の要求というものが統一されてきたその統一というものをくずしてはならないということが農民の要求でありまして、すべての農民団体、農業団体がそういう方向に努力をしているということだけ申し上げます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 さらに全日農の中村さんにもう一点お尋ねいたしますが、昨年は、御承知の通り、一万一千四百七十七円という米価が試算されたのですね。本年度、全日農の場合には、一万二千五百二十円ですか、約一千円金額の面では高くなっておるのですね。これは計算上どこにその相違点があったかという点をちょっと……。

中村迫全日本農民組合連合会主任書記

○中村(迫)参考人 計算上の一番重要な相違点が生じたのは、自家労働の評価のところであります。私どもの方は、三十人以上をとり、しかも、男女平均という賃金率ではなくて、女の方を能力換算して男並みに評価したという点から、賃金の評価単位が両方大きく違つておるという点であります。御参考のために申し上げますと、全日農の方では、男子の一時間当りの賃金は、物価差で修正したあと、八十七円七十三銭、女子が七十円十七銭という工合になっております。こっちの方の計算では、先ほど森川さんが御説明されましたように、男女とも七十二円十一銭という単価が出ております。そういったところが非常に大きな違いになっております。その他、資本を借入資本とみなしたというような点から、若干資本利子の額が違つておりますが、大きくは自家労働費の額で違つております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点は資料でわかるのですが、ただ、昨年の米価算定の場合は、大体基本が統一されて、それには全日農も加わつて、そうして試算されたのですね。ですから、約束が、去年はそういうことであつて、ことしはまた違つてきたということになると、それは、昨年の結局自家労働に対するいわゆる都市との均衡方式に若干の誤まりがあったということで、その点を修正された結果そこに相違点ができたということですか。

中村迫全日本農民組合連合会主任書記

○中村(迫)参考人 それは団体間の問題でありますのでどうかと思いますけれども、ここでの御質問ですからお答えせざるを得ないと思います。  昨年も、われわれ農民組合は、規模の問題については三十人以上の規模をとることを主張したのであります。しかし、その際、われわれの生産費及び所得補償方式によって計算された昨年の要求米価一万一千四百八十円を実現するために、農民組合及び農協その他の農業団体が一致して行動するという行動上の条件が確保されましたので、それならば、やはり要求も統一して、農民の意識をその一点に集中して、そうして米価要求の実現のために活動しようということから、規模の問題については、昨年に関しては全日農の方が譲歩いたしまして、全中の考え方をとり入れたという経過があります。しかし、本年度は、今なお努力中でありますが、お互いの団体の自主性はむろん尊重しながら、その自主性に基く活動は相互に認め合うが、しかし、そういった中でなおかつお互いに手を結んで、統一的に行動できるならばわれわれの要求はぜひ統一して、農民一致して進んでいく方向を明示したいという考え方で、いろいろ折衝を続けて参っておりますが、まがその辺について団体の間に完全な意見の一致を見ない状態のまま今日まで立ち至っている次第であります。なおさらにその努力は本日も院外で続けられておりますし、また明日も努力を続けて、できるだけ要求米価は統一したいという方向で今後われわれも一生懸命にやつていきたいという態度であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に、委員長に申し上げますが、実は森川参考人に大事な質問をしたがつたわけですが、もう帰られたのでやむを得ませんが、これは、委員長を通じて森川参考人に対してこの点だけ、書面でもけつこうですから、資料を出してもらいたいと思うのです。それは、今度の米価算定の中の資本利子の問題ですが、全中の案によりますと、経営費については、自己資本が九割と他人資本が一割というような、そういう資本形成で算定しておるわけです。この点については、先般の農林当局の説明によっても、この資本利子の部面の経営費については、農林省も全中も両者ともに、自己資本九、他人資本一ということに対しては完全に合意ができておる、こういうような答弁も行われておるのです。この点は、私どもの立場から、日本の農業の現状、あるいは農家経済の経営の実態というものを見た場合において、どうも了承できがたい点があるわけです。非常にこれは大事な点でありますので、後刻委員長を通じて森川参考人から書面で一つ回答をしていただきたい。これを委員長にお願いするわけであります。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員長代理 承知しました。  次に、日野委員。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 時間もございませんから、簡単に二点ばかり伺います。  川野先生にちょっと伺いたいのですが、生産費所得補償方式の決定は、先刻話があった通り、大槻先生が小委員長で、当時川野さんも小委員でありまして決定した。この決定の経緯は、所得を補償する、その所得補償は、都市製造工業のどこをとるかということはあれにいたしましても、所得を補償するという方法は、これは、当時の経過から言うと、食管法の関係で、政府が義務づけられた再生産を確保することを旨として決定する、こういうことでこれが決定されて、その後私たちも米価審議会の委員になってその決定を答申して、四回も決定し、今ようやく本格的にこれを実施しようという段階なのですが、その場合に、これはどうもどこで決定されたかという話があったり、外国では外国語に翻訳する用語がないような話があったり、懐疑的なことを言われますと、これは非常に全体へ影響するものですが、この決定経緯ですね。やはり、食管法の二条にある、政府に売り渡すべし、その代償として、政府はいろいろの経済事情を勘案して米穀の再生産を確保することを旨として定めるという趣旨の上からは、この方式がやはり最良の方式である、こういうことで当時決定された方式であるとわれわれはそう了承をいたして、これを答申し、その実現のために努力しているのですが、川野先生も、大槻先生がそのことをお忘れになつたのをたしなめられておるようですから、その意見には変りはないと思うのですが、そう理解して、バルク・ライン、あるいはこの製造工業のどこをとる、こういう資本、利子、地代等の算定をどうするかということについては議論は残ると思うのですが、これはしばしば米審等でも個人的にお話をしたのですが、救済の道があるという先生の御自信。これはいろいろの議論の存するところであるけれども、これは今後の絶えざる研究、努力によって十分目的に沿うような方法を確立することができるという先生のしばしばのお話なんです。この信念には先生変りないでしような。今の話の中では少しぼけておるようですから、念を押しておきますが、その点を一つ川野先生から力強い御言明を願つておきたいと思います。

川野重任東京大学教授

○川野参考人 少しざつくばらんに申し上げて、御迷惑をかける面があるのではないかと心配をいたしましたので、ぽかさしていただきまして、大へん恐縮に存じますが、昭和三十年度の米価審議会の答申につきましては、私は当時米価審議会の委員でございませんので、直接関係はございませんが、この点一つ念のために申し上げておきます。ただし、その後の審議におきまして審議委員各位の意見の一致するところがあの答申になっておるということは十分に了承いたしておりますし、また、私自身、意見を求められまして、その趣旨に賛成した経緯もございますが、そういう点で、外国語への翻訳については多分困るだろうということは申し上げましたが、これは決してこの方式が根も葉もないということを申し上げるつもりはごうもない。むしろ私の現在の感じといたしましては、ここまで来た以上は、これを固めてちゃんとやる以外に手がないのではないかという感じであります。これは、学者というよりは、一日本人としての感覚でございます。  そこで、方式の点については、先ほど来いろいろ議論がございましたので、私はあえて申しませんが、固める道があるのではないかということを申し上げました関係上、若干私見を申し上げます。  先ほど来バルク・ライン八〇%の問題をめぐりましていろいろ御議論があったのでありますが、私の了解するところでは、馬場参考人の御発言の、バルク・ライン八〇%が安定性がないということは、これは平均との関係において安定性がないということであり、しかもそれがその年々をとると安定性がないということだと私は了承をいたします。しかしながら、そういう場合の平均そのものがそもそも安定性がないのではないかという議論も成り立ちやしないだろうか、こう考えるのであります。そういたしますと、救済の道といたしましては、長期趨勢的な傾向を示す平均的なものをとり、その平均との関係における八〇%の距離を確かめるということによってその救済の道はあるのではないか、こういうふうなお話を昨年度申し上げたわけであります。そういう点で、馬場さんはややそれに近いようなことをおつしやいましたが、たとえば平年作の平均をとり、それに標準偏差をかける。これは八〇%そのものではないと思いますが、ややそれに近いようなものが考えられる。標準偏差は二〇にとりますか何にとるかわかりませんが、それをふやしたり減らしたりすれば八〇%に近いものがとれるのではないか、それは技術的に可能ではないか、こう考えます、ただし、問題は、それで八〇%としてねらうところのものをはじき出しまして、かりにそれが安定的であるにいたしましても、米価水準としてそれが維持できるかどうかということこそが実は問題なのでありまして、技術的に八〇%がどうこうということでなしに、はじき出された米価そのものが食管の現体制からしてどうかということにこそ焦点がしぼられるべきではないか。といいますのは、過去のパリティにいたしましても、別にパリティそのものが守られているわけではなしに、それに絶えずアルファをプラスしていくという形になってきたような経緯もありますし、アメリカ等をごらんになりましても、今度は逆にパリティをだんだん下げていくというようなことをやつておりますし、そういたしますと、方式はあくまで方式で、私は、前に申し上げましたが、一種のものさしみたいなものだと思うのですが、ものさしを八寸五分ではかるか七寸五分ではかるかということになりまして、八寸五分、七寸五分という問題はそれとしてやはり検討すべきではないか。そういう点で、どうもものさしの問題、そのうちの何寸をとるかという問題が少しごちやごちやになっておるのではないか、その辺に焦点をしぼつて大いに御審議をいただいたらいいのではないか、こんな感じがいたします。私自身、八寸がいいのか七寸がいいのかということになりますと、これは、先ほど申し上げましたように、一義的には言えませんが、問題はそこにある。それをごたごたいたしますと、何かそれこそ翻訳も困難な議論になってしまう、こういうふうに私は判定をいたすのであります。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 今、川野先生は、みんな違つたものさしではかつておるからなかなか結論が出ないということですが、共通のものさしは、先生、発見できますね。そう理解してよろしゅうございますか。今後の進行の上で一つその点は共通のものさしを発見することに努力することを御約束申し上げて、返答は求めません。  それでは、大槻先生にちょっと伺いたいのですが……。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員長代理 所用で婦られました。

日野吉夫日本社会党

○日野委員 他産業との関係で国民所得の分配関係を力説されましたが、この点を一つ聞きたかったのですが、またあとに譲りましょう。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員長代理 参考人各位には長時間にわたり貴重な御意見をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して私から厚く御礼を申し上げます。  午後三時より再開いたすことにしまして、これで休憩をいたします。     午後二時十分休憩      ————◇—————     午後三時三十八分開議

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林漁業災害に関する件について調査を進めます。  降ひようによる農産物などの被害対策について質疑の通告がありますので、これを許します。神田大作君。

神田大作日本社会党

○神田委員 去る五月二十八日及び六月三日、四日等に茨城、栃木、埼玉、長野、山梨、福島等に突然ひよう害がありまして農作物に非常な災害を及ぼしておりますけれども、これら災害に対しまして、特に葉タバコの被害が甚大であると思われますので、葉タバコの被害状況等につきまして簡単に当局より御報告を願いたいと思います。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 五月二十八日から、六月四日、あるいはつい最近の八、九にわたりまして、関東を主とした降ひよう害がありまして葉タバコに相当な被害を与えたのでありますが、次々に起きておりますので、遠いところのは、まだはっきりした被害のデータがわかりませんが、関東といたしましては、茨城県に葉タバコの上にひようが降りました面積が千二百四十二ヘクタールくらいに考えております。そのうち三割以上の被害だと思われるのが七百五十四ヘクタールくらいに見積られております。栃木県におきましては、数次の降ひようで九百二十四ヘクタールくらい、そのうち三割程度と考えられるのが三百二十五ヘクタールくらいであるようであります。千葉県にも四日の日にひよう害がありまして、百四十五ヘクタールほど、そのうち三割程度の被害と思われるのが六十五ヘクタール程度というように、ただいま報告を受けております。長野、福島県の被害は、ただいま数字を持ち合せておりませんが、若干の被害があったようでございます。被害の額としましては、茨城県の被害が、被害直後でありますので、正確ではございませんが、一億七、八千万円程度であります。栃木県の被害が六千三百万円程度かと考えております。千葉県の分は六百万円程度ではないか。ただいまわかつております数字はその程度でございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 その後栃木県におきましては突風並びに豪雨にまじつたひよう害によりまして一億近くの被害が起きておるというようなことをわれわれは報告を受けておるのでありますけれども、このように、数県ではありますけれども、ひようの被害あるいは突風の被害というものは葉タバコに非常に甚大な影響を及ぼしておる。この被害の特質は、一個所に集中されておりますから、それに該当いたしました農家は全滅あるいは農家経済が立ち行かないほどの打撃をこうむつておるのでありまして、これらに対しまして過般私は、農林政務次官にも、タバコ以外におきましても農作物の被害等に関しまして厳重なる対策を強く要求しておったのでありますけれども、専売公社といたしましては、これら葉タバコの被害に対しましていかなる対策をとつておられるか、お尋ねいたします。なお、この災害に泣いておる農家の人たちが、あなたたちの対策に対しまして大きな期待を持っておるのでありますけれども、このようなときに本委員会に総裁並びに副総裁が見えないようでありますけれども、これはいかなる理由であるか、お聞かせ願いたいと思います。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 総裁、副総裁は、実はきのう葉タバコの労働問題につきまして妥結を見たのでありますが、その善後措置等もありますので、ただいま参られなかったことははなはだ遺憾に思っております。  タバコの降ひよう後の公社がとりました措置といたしましては、被害の直後に現地駐在の耕作指導員あるいは出張所におります技術員を動員して、なお不足の場合は臨時指導員も出しまして、善後措置につきまして個別に指導して参っておるわけであります。詳しく申し上げますと、必要によりまして硫安、草木灰、土寄せ、こういう手当もしますし、被害が割に軽微なものはそのまましんを伸ばして参りまして復元というような措置もいたしたいと考えております。また、被害の程度によりましては、わき芽を伸ばして再起をはかる。あるいは、被害の強いものについては、カンショ苗等を持っておりました耕作者に対しては、うねの両側に苗を植えまして、その後タバコの成り行きを見て、再起の見込みのないものについては対策してもらうというような措置をとつております。なお、全滅したものにつきましては、苗あるいは種の都合もございますが、指導員、技術員は、カンショ、陸稲あるいはトウモロコシ、ソバをまくということの御相談にも応じてを最小限度に食いとめるように措置しておるわけであります。     〔大野(市)委員長代理退席、委員長着席〕

神田大作日本社会党

○神田委員 総裁、副総裁が労働問題の善後措置のために来られないということ、われわれもこの問題については大きな関心を持っておりまして、一日も早く解決するように強く、要望しておったのでありまして、それはやむを得ないと思いますが、しかしながら、このような大きな災害をこうむつて葉タバコ耕作者が非常に心配をしておるときでありますから、こういうときには、やはり責任者である総裁なり副総裁が当委員会に出て参りまして、災害農家に対してあたたかい思いやりをなすべきだと思う。われわれがそういう機会をせつかく作つておるにもかかわらず、そういう機会をつかんでそれらの災害農家に対して思いやりをかける、そういう機会をはずすということは非常に遺憾だと思う。タバコ農家であつても、やはり農業全般の経営をやつておりまして、非常な関連性を持っておりますので、この点をよく御了承願つて、そうして、帰りましてから、総裁、副総裁にその旨を伝えてもらいたい。  公社が現地において適切なる指導をやつておられることは、われわれも過般視察をいたしまして十分わかつております。しかしながら、その際われわれが非常に深く考えたことは、現地の公社の職員が非常に努力をして指導しておつても、その裏づけが非常に不足しておるのではないか。たとえば薬剤による防除にしても、これらの援助というものは今まで公社はやつておらない。こういう点に対しまして、専売公社としては、普通作物と違つて専売事業としてやつているところの作物でありますから、これら災害農家に対しましてはもっと財政面においても援助すべきではなかろうか、かように考えておるのでありますが、その点に関してどのような考えを持っておられるか、お尋ねいたします。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 神田先生の総裁に対しましてお伝えをしろということ、とくとお伝えしたいと思います。  それから、タバコの災害の救済につきましては、一般の方法としてありますのは災害補償制度でございます。御承知のように、平年作に対して被害が三割以上ありました場合に、平年の収納代金見込みの八割と災害時の収納代金の差の半分を払う、こういう制度でございますが、このたびのひよう害について、全村全滅あるいは回復の見込みのないものに対しては、申請をいただきまして、その全滅の事実を確認次第、可及的すみやかに災害補償金を支払うように努力いたしたいと考えております。  なお、その他の災害地の消毒あるいは追肥というような面の助成につきましては、従来降ひようの場合にタバコに対しまして助成した例もございませんので、慎重に検討いたしたいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 今までにそういう助成をやつたことがないからやれないというようなことでありますけれども、これは今までやつたことが必ずしも正しいことではないんであつて、一般的作物にいたしましても、大麦、小麦の被害に対しましては、防除薬剤の補助とか、あるいはまた肥料の補助とか、種子の購入代金の補助とかいうように、一般作物に対しましてはこれらの助成をやつて災害農家を助けておるのでありますけれども、タバコの場合はただ補償制度があるからそれでいいんだというような考え方では、私は納得いかないと思うのであります。この点について特に今回の災害が一農家にとりましては激甚な被害を与えておるのでありますからして、これらタバコ耕作者を育成する意味におきましても何らかの処置をとるべきである、こういうように私は考えておるのでありますが、この点いかが考えておられるか、お尋ねいたします。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 タバコは専売作物ということで若干の特殊性があろうと思うのでありますが、地方自治体等のそうした救済措置というようなものもあろうかと思います。その辺慎重に検討してみたいと考えております。ただいまのところでは、災害の問題も、大体その全貌はわかつておりますけれども、今ここでそうした助成ができるという結論を申し上げるというほど検討されておりませんので、十分検討したいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 どうも言葉があいまいでございますが、今度の災害に対して、これらの助成をやる考えを持っておられるのかおられないのか、その点はっきりお答え願います。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 災害の実情を十分検討して、その上で考慮いたしたいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 そうすると、耕作農民の人たちが強く要望しておるこれらの助成に対しまして、十分考慮したいというような答弁でありますが、私は、そういうようななまぬるい答弁じやなしに、働く意欲を失つて、もうタバコ耕作はどうにもならぬ、こういうふうに毎年々々災害を受けておつたのでは、もう作れない、減反を公社からしいられる前にもうタバコ耕作を放棄しなくちやならぬ、そういうような考えを持っておる耕作者も多いと思うのでありますから、私は、生産者を育成する上におきまして一番大事なことは、こういう災害にあったときに公社が力強くこれらの耕作者に対しまして適切なる措置をして、そうしてそういう考えをなくして、専売事業に協力してもらうというのが大事なことだと思う。これは、あとになってからどんな措置がとられても、今災害にあったときにしておくことの方が非常にありがたいわけでありますが、この点、専売公社では一千二百五十億円からの専売益金をあげておる。そういう膨大な専売益金をあげておつて、私がいつも言うように、収納代金あるいはその他の、面においては耕作農民は必ずしも満足しておらない。価格面において非常な不満を持っておる。そういうときでありますから、少くともこういう災害のときには、もっとあたたかい思いやりを持って措置をしてもらいたいと私は思うのでありまして、この点十分考慮して早急に決断を下してもらいたい、こういうふうに思うのでありますが、いかがでございますか。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 現実にタバコの霜害あるいはひよう害を受けましたときは非常な打撃でありますが、また一面、タバコは非常に復元力の強い作物でありますので、公社といたしましては、ただいまのところ、現地の技術者が、災害タバコが平年作に戻るようにということで、その面では十分努力して参っておるわけであります。その他の措置につきましては、御趣旨を体しまして十分検討していきたいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 補償制度の問題についても、契約栽培の作物であるからして、普通作物に比較いたしまして、もっと優遇されるべきだと思うのでありますけれども、今の補償制度によりますと、非常に微温的である。その被害の年の作物の収量が過去三カ年間の収量の平均の七割以下になつた場合は、平年度の八割との差額の二分の一というようなことだと、まことに微細な補償金にしかならね。契約栽培である以上は、これらの災害に対しまして、これを補償するためにもっと率の高いものにすべきだろう、こういうように考えておるのでありますが、この点について当局はどのように考えておられるか、お尋ねします。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 現在の葉タバコの災害補償の制度でありましたら、全滅と申しますか、収穫皆無の場合におきまして、平年作の四〇%を補償することになっておるのでありますが、これを引き上げた方がよろしい、こういう御趣旨のようでありますけれども、他のこうした農業共済とのバランスから考えまして、農業共済の場合は四九%以下となっておりますが、これは農家のかけました掛金が含まつておるわけでありますし、また四九%というのは共済の最高限度でもありますので、それらは選択性があるわけであります。農村の場合におきましても、掛金に応じまして、三五%、二一%、一四%というように、三段の補償率があるのでありましてそれに比べまして、タバコの災害補償というのは、農家の掛金が全く要らないということでありますので、全損の場合は四〇%の補償ということも、必ずしも低くはないのじゃないかというふうに考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 あなたはそういうふうにお考えになるかもしれないが、ダバコ作というのは特殊な作物であつて被害を受けた後における発育が非常に強い、あるいはその回復率がよいと言われておりますが、それを回復するために費す農民の過大な労力並びにその投入する資材ということを考えてみますると、一般作物の収穫前における災害査定と、タバコの場合の収納後における災害査定とでは、そこに非常な差異があるわけです。この特殊な違いを認識せずして、単に一般農作物の災害と比較することは、私は当を得ていないと思う。こういう特殊な作物に対しましてはもっと思いやりのある災害補償制度をやつてほしい。特に専売事業である以上は、やはりこれらの災害に対しまして公社は全責任を持ってこれを処置すべきである、こういう観点に立って私は言っておるのでありますが、これは法律を改正しなければならぬと思いますが、こういうことに対しまして当局はもっと深く現実的に一つ考えてもらいたいと思いますが、これに対して再度御答弁を願います。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 災害のありました場合には、災害のない場合に比べて農家に相当な努力のいることはおっしゃる通りでございますが、農家経営の立場といたしますれば、やはり四〇%の災害補償で済ませるように、若干努力しましてそれ以上の収穫をあげるということが農家それ自体の所得を増すゆえんではないか、こういうことでありますが、このたびの災害につきましても、そうした見地で、廃作しようか、あるいは継続しようかという問題は、農家と相談してきめるように指導しておるわけでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 今の答弁はよくわからぬが、私の言っているのは、あなたたちは、普通作物の災害が四〇%であるから、それでいいというようなことを言っておりますが、私は、普通作物とタバコ作とは根本的にその性質を異にしておるのであるから、それらの普通作物の共済率を勘案してやるべきではない、特に専売事業であるから、これらの災害に対しましては公社が全責任を持って処置してもらいたい、そのためには今のタバコの災害補償制度では不十分ではないかということなんです。それを端的にこれで十分だと言えばそれまでのことで、あなた方のそういう考え方に対しまして、われわれは今後それの不当を農民とともに戦いとらなければならぬと思いますが、それは今後考慮するというならば、われわれも耕作者の立場になって早く善処できるように今後ともに協力するのでありますが、その点はっきりしてもらいたいと思います。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 ただいまの問題は、各般の情勢を勘案いたしまして、公社は均衡がとれていると考えております。ですから、今にわかに災害補償率を引き上げるということは今のところ考えておりません。

神田大作日本社会党

○神田委員 それは、今の法律では引き上げられないことでしよう。しかし、将来どう考えるか、今の現状でいいと思うのか、——部長が災害地へ行って見て、災害農家の実情をよく聞いてみれば、これはひど過ぎるということがわかると思うのでありますが、そういうことがわかつておりながら、やはり専売益金を維持するために生産農家に犠牲を払わせておつてもいいのか、それとも、これは、一千二百五十億円の専売益金を片方において上げておるのでありますから、農家に対しても災害の場合ぐらいは一つあたたかい温情を持ってこの災害を救済するという考えを持っているのか、その点はっきり御答弁願います。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 現在の補償率で公社としてはバランスがとれていると考えております。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 関連して……。  どうも回りくどいので聞いておつてもわけがわからぬ。そこで端的に聞きますが、今の法律では何もできないのだ、たとえばあれだけ損害があるが、その損害に対して補償等の措置はとつてやれないのだということなのか、それならば別途何か考えておられないのかどうか、それだけなんですよ。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 現在の災害補償制度ではできないわけでございますが、先ほどもお答えしましたように、検討はしているわけでございます。

神田大作日本社会党

○神田委員 この災害補償の問題については、今度総裁等に出席してもらつて、われわれも根本的に不備な点をついて法律改正の方へ持っていきたいと思いますから、この点はこれ以上あなたに質問をしても仕方がないから、これで終了します。  そこで、いま一点お尋ねしますが、現在災害をこうむりまして、現地の公社の職員は昼夜分たぬ努力をしているようでありますが、これら職員の非常な労力、技術的な指導等に対して、これらの職員が十分に働けるような裏づけをしてもらいたいと思うのですが、この点についていかなる処置をしているか、お尋ねいたします。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 公社の技術関係の職員につきまして、こうした場合に寝食を忘れて、と申しますと非常になにですが、時間外にも指導に当つておりますので、その辺十分その労力に報いるようにいたしたいと思っております。

神田大作日本社会党

○神田委員 今度の災害をわれわれ見まして、耕作農民の声を聞きますと、災害についていろいろと技術上の指導はしてくれる、しかしその裏づけとして何らの処置もしてくれないのは公社だけである、あるいは大麦の場合、果樹野菜の場合等につきましては、国がやれなければ県がこれにかわつて適切なる予算的措置をしている、公社だけはそういう点において非常に手ぬるいということを耕作者がわれわれに訴えているのであります。こういう点について、もっと現地の実情を調査の上善処してもらいたいということを強く要望いたします。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 ただいまも公社から茨城県、栃木県に実情は調査に参っております。帰りましたら、十分実情を聞き取りまして、災害を軽減するように努力いたしたいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 この前私はタバコの収納代金の点について強く要望しておきましたが、いわゆる収納価格というものが安い、ほかの農作物に比較して非常に低くきめられておる、これに対してもっと適切な価格を決定すべきであるということを強く要望したが、本年度においては〇・四六%値下げをいたしまして収納価格というものをきめておるようでありますが、米におきましても、午前中論議がありましたように、いわゆるパリティ方式から生産費及び所得補償方式というように、農家の生産費と所得というものを補償する、そういうような新しい方式に変つてきておるのでありますけれども、公社はこれら収納価格の決定についてどのような考えを持っておられるか、また、いつこれらの新しい収納価格をきめる予定であるか、そういう点について一言お尋ねいたします。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 収納価格の決定は、その時期は、大体翌年の耕作の始まる前でございますので、十二月と考えております。たばこ耕作審議会の委員に諮りまして、十分検討の上にきめて参りたいと思います。価格の問題もたばこ耕作審議会の御意見を聞きましてきめることになっております。それまで十分検討の上、委員の意見を聞きまして決定して参りたいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 今までの収納価格の決定の方式は、やはり米価がパリティ方式によつたので、タバコの収納代金もそれに大体のつとつた方式で計算しておるようでありますが、今度は米の場合において方式が変つてきておる。いわゆる生産費及び所得補償方式に変つた。こういう大きな変り方に対しまして、公社としてはこれに対応する考えを持っておられるかどうかをお尋ねいたします。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 米の問題がきまつたと申しますか、そういう論議がされておるようでございますが、今ここでどのような価格体系をきめていくかということは、十分研究した上でありませんと、御答弁いたしかねます。

神田大作日本社会党

○神田委員 収納価格の決定のときに、米価の場合は、だいぶ議会等におきましても論議がされ、あるいはいろいろの場面でもって十分検討をされながら決定の方向に持っていくのでありますけれども、タバコの収納代金の決定の場合は、こそこそと、いつの間に審議会を開いてどうなつたかわからないうちに、何か世間の目を隠れて決定されるような、そういううらみがある。この点われわれは非常に遺憾に思っておるのでありまして、今年度の決定に際しましては、一つ決定の時期前に資料を当委員会に一つ提出して、十分論議の末において、われわれの責見を十分当局においても聞いて、そうして公平な決定をしてもらいたい、こういうようにわれわれは考えておるのであります。その点御答弁願います。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 価格のきめ方につきまして、一定の専売法に盛られました原則という問題もありますので、十分検討して善処したいと思います。

神田大作日本社会党

○神田委員 どうも部長にこのことを満足に答弁しろと言っても無理だろう。無理だろうけれども、あなたはやはり収納価格をきめる事務的な責任者であるから、少くとも来年のタバコの収納価格をきめる基本的な態度というものは、基本的な方式というものは十分考慮しておるべきだと思うのです。特に今度の米価において価格体系が大きく変つておるということに対しまして何らの関心も示さずに、あるいはこれに対してあいまいな答弁をしておるようでございますけれども、これはそのときになって速急にできるものじゃないと私は思う。もし生産費補償方式をとるならば、厳重なる生産費調査もしておらなければならぬはずでありますから、こういう問題について、収納代金というものが非常に低目にきめられ、しかもこれがタバコ耕作農家に甚大な影響を及ぼし、農家経営上大きなウエートをなしておるこういう問題に対して、私は、もっと農民の立場に立って真剣に考えてもらいたい。タバコは今余つておるから、そんなに文句を言うなら作らなくともいいんだというのならともかく、そういうものじゃないと私は思う。もっと農業経営全般の上に立ってこの問題に取つ組んでもらいたい、こういうように私は考える。この点について、あなたはやはり事務の中心的な人間であるから、この点何ら価格の決定方式もわからぬというようなことは無責任な答弁である、こういうように私は思うのですが、その点に対してどうお考えになっておりますか。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 タバコの価格の決定方式等につきまして検討は十分しておるわけであります。しかし、どのような方式でやるかという段階にはまだなっておらないわけであります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 大野君。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 生産部長に承わりたいのですが、この規則によるとはいいますが、この本則の方の二十四条の災害補償では、「損害の二分の一に相当する金額の範囲内で大蔵省令で定める」というので、その施行細則の方の七条では、「範囲内で」というのをさらに十分の八で切つて、廃棄した場合に最高が四割の補償ができるわけであります。しかし、本則の二十四条によれば、損害額の半分は補償できるのだという最高限度が法できまつておるので、いかなる理由で施行細則でそれをさらにまた八掛にちよん切つて——八掛の半分だから四割になってしまうわけで、またそこに法がきめたものに対して物惜しみの形が現われておる。だから、事実上専売になっておるタバコのような特殊な作物は、暫通の契約の取引などの場合でも上得意の者に対してはずいぶんとお互いに災害の場合は物心両面のめんどうを見るものであるが、専売であるがゆえに、せつかく法が二分の一まで認めておるのを、二分の一もまた八がけで切るというような施行規則をきめられておるので、これに対しては幅があると思うが、これらを是正される意思がありますか。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 タバコは特殊な契約栽培であるから、もっと補償を手厚くしてよろしいではないかという御意見のように承わつたのでありますが、同じ農家が作つております作物でありますので、他の農業共済等との均衡がありまして、当局としてはそれぞれ考えておるわけであります。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 木で鼻をくくつたような答弁でははなはだどうも不満足でありまして、契約栽培をやつておるのであるから手厚く見るべきだということを認めながら、ほかの作物も農家が作つておるのだから農業共済の均衡の問題もあるという先ほど神田君に対する答弁があったけれども、とにかく、現地でほかの作物に対してはずいぶんと国家的な後援が約束されておるわけなんです。しかるに、あなたのお話であると、そのときだけはほかの農作物と比較をするような話をされながら、一方、契約栽培という特質をあなたは見失つておられる。そんな木で鼻をくくつたようなことを言わないで、ぜひ研究してもらいたい。研究することを一つお約束願いたい、こういうことなんです。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 タバコの災害補償につきましては十分研究してみたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 ただいま、災害補償の施行令その他について再検討するという約束を得ましたので、そこで、当面すぐ急ぐのでありますが、とにかく、先ほどの神田君との間答のうちにも、地方自治体などがめんどうを見るようだから云々というようなことがあったのですが、この点について、たとえば改良資金のような形とか、あるいは名目は問いませんが、現地では非常なひどい目にあつて、とてもタバコはもろいので、せつかく一尺くらい伸びたにかかわらずちよん切れてしまつて、元も子もなくなるというような脆弱なタバコの生育の姿のために、とてもタバコなんかやつておられないというような現地の声もわれわれは聞いて参つたのであります。そこで、何とか一つ見舞金のような形で元気をつけて、タバコ耕作に一そう励めるような方策がなかろうかということを現地では非常に要望しておる。こういうことならば、別に法律、規則ではなくて、総裁と御相談なされば、千何百億のそういう益金もあるのだから、そういうわけで見舞金を出される御用意はありませんか。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 見舞金と申しますか、あるいは助成金というようなものにつきましては、非常にばくたる御答弁で相済みませんが、私ども十分検討して参りたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 今の点については、検討するだけでは、まことにどうも被災民には申しわけないのでありまして、そういう形で、とにかく、先ほどから繰り返すように、契約栽培は数が少いわけですから、契約栽培に対して専売公社が、見舞金あるいは助成金、名前はけつこうですから、事実上にそういうものを流されて生産意欲を向上させるという必要が痛切に感じられるのだから、一つ、額は研究しなければならぬが、これは出すべきものかどうかくらいは、あなた言えませんか。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 出すべきであるというようには考えておりませんが、検討させていただきたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 生産部長は、そのお立場上、これは出すべきものだ、努力するという意味ですか。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 帰りまして総裁とも十分相談の上善処したいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 もう一点、いわゆる収納代金の前払い、これは従来もおやりだそうですが、今度も特に望んでおるようですが、それはいつごろ出せますか。

駿河義雄日本専売公社理事(生産部長)

○駿河説明員 収納代金の前払いは、七月一日以降検査の済んだ分から支払うことになっております。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 それでは、今度は果樹の問題でありますので、農政課長に承りたいのであります。  果樹の被害について、通例として作物はその年限りと思ったのが、樹勢回復まで五年もかかるという状況が特に今度痛感されてわれわれ見て参つたのでありますが、果樹の振興策は特に今年度は大きく取り上げられておるわけなんですが、果樹の被害に対して具体的にどんな災害対策を用意しておられるのですか。

小林誠一農林事務官(農林経済局農政課長)

○小林説明員 果樹の被害は非常に深刻な事態がときどきあるのでありまして、最初やられました年だけでなくて、次年度に及ぶ例も凍霜害その他ではあるわけであります。それにつきましては、具体的にといいますか、今回の場合の対策ということでございましょうか、通例どういう対策があるかということでございましょうか。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 今回のです。

小林誠一農林事務官(農林経済局農政課長)

○小林説明員 今回の対策といたしましては、まだ被害の実態も最終的につかんでありませんし、特産課の方からも私の方に何も話を承わつておりませんので、今回の対策費といたしましては、今のところ存じ上げておりません。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 それでは、通例の果樹の災害に対して通例施す災害対策は……。

小林誠一農林事務官(農林経済局農政課長)

○小林説明員 過去の実例から見ました場合に、果樹の被害につきましては、天災法で指定いたしまして、果樹の経営に必要な経営資金を出した例がございます。それからまた、樹勢回復等につきましていろいろの肥料その他の資金の補助が行われた場合がございます。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂説明員 ただいま農政課長からお答えいたしました通りでありますが、今回の果樹の被害につきましても、樹勢回復なり、あるいは農薬等についての陳情も受けております。従いまして、統計調査部で調査いたしております調査の詳細な被害額が判明次第、過去の対策とも対照いたしまして、適当に対策を講じて参りたいと考えております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 御田君。

神田大作日本社会党

○神田委員 今度の災害に対して一番災害地でもって要望しておるのは、天災融資法を適用して長期低利資金を貸してもらいたいというのが大きな要望でありますけれども、この問題についてその後いかなる見解をとつておられるか、お尋ねいたします。

太田康二農林事務官(農林経済局金融課長)

○太田説明員 お尋ねでございますが、一応現在までいろいろ災害の実情をつかむことに努力しているわけでございます。過去の例等も参考にいたしまして災害が判明いたし次第、天災法の指定を行うべきものかどうかということについて決定して参りたい、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 今度の災害については、被害額においては多少この前の天災融資法を適用したときよりも少いかと思いますけれども、その災害の本質は非常に農家について深刻な打撃を与えておるのでありまして、長期低利資金が融資されない限りにおいて、農家の経営は成り立っていかないとわれわれは考えておるのでありますから、この特質を十分に考察の上、この天災融資法を適用してもらいたいということを強くわれわれは、要望するのであります。聞くところによると、被害金額が少いからといって難色を示しておるといわれておりますが、この点に関してどのように考えておられるか、お伺いしたい。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂説明員 ただいま金融課長からもお答えいたしました通りに、現在被害額の実態をつかむべくせつかく努力をいたしております。そこで、天災融資法の指定についてでありますが、現在判明いたしております程度では天災法の発動は困難かと存じております。しかしながら、御指摘の通りに、被害の特質もよくこれを考え、さらに被害金額が判明次第最終的にその可否を検討いたします考えであります。

神田大作日本社会党

○神田委員 今度の災害で、写真でもごらんの通り、麦及びタバコあるいは苗しろ等全滅をいたしました農家がたくさんあります。こういうように収穫直前に差しかかったこれら作物が全滅をいたしております。特に、先ほど大野委員も質問されたように、果樹栽培農家におきましては、五年間全然収穫を見られないというような状態になってもうあすからの農業経営が行き詰まり、一家が路頭に迷つておるというような状態になっておる農家があるが、これら農家に対してはどのような処置をとられるか、この点をお尋ねいたします。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂説明員 これは、たびたび繰り返して申しております通りに、現在の段階におきましては、被害の実態をつかむことに努力いたしておるわけであります。従いまして、被害の実態が判明するにつれ、過去のいろいろの災害に対する対策等もございますので、これらとにらみ合せまして遺憾なきような対策を進めて参りたいと考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 被害の実態はある程度わかつておると思うのでありますが、現実にあす食べる米がない、あす副食物を買う金がない、こういう農家がある。こういう農家に対して、一刻も早く、低利資金の融資はもちろんのこと、その他の農業経営に対しましてさしつかえないような施策をしなければならぬと思いますけれども、この点について天災融資法による融資以外にどのようなことを考え、どのような施策を農林当局としては持っておるか、これを具体的に説明してもらいたい。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂説明員 とりあえず緊急措置につきましては当該県におきましてやつてもらつておる点もございますが、それらの具体的の講じられた施策につきましては課長からお答え申し上げます。

太田康二農林事務官(農林経済局金融課長)

○太田説明員 実は、私の方へ被害が入りますと、一応その被害に基きまして過去の例等も勘案いたしまして、もし天災融資法の指定が行われた場合に大体どのくらいの金額が融資の対象になるかということをすぐ算定いたしまして、被害金額が非常に少いような場合には当然融資の限度額も少くなる、そういうことで計算して参りますと、ちょっと言葉が過ぎるかもわかりませんが、たとえば全額県で見ていただくというようなことであつてもそれほどの県費負担にならないという場合には、天災法が指定になるかどうかという最終決定を待つまでの問は一応県の負拍ということでお願いできないかということで、実はお話に来られる県の方にはお願い申しております。たしか、この前の凍霜害のときにも、群馬県あたりの例につきましては、県費負担もそれほどの負担にならないので、ぜひ県でやつていただけないかということで、一応御了解願つた次第であります。大体そういうようなことで処置して参りたい、かように考えております。

神田大作日本社会党

○神田委員 そうすると、今度の災害に対しては、県にやらせて、農林当局としては今のところ何らの方法もない、率直に言えばそういうことだろうと思われるのですが、これは非常に冷たい仕打ではなかろうかと思う。ロッキード一機が四億五千万円、ロッキードを百機、二百機買うには大胆であつて、こういう災害に泣く農民に対する施策は財政困難な県当局におまかせしておる。そういう災害に冷淡な態度に対しては、われわれは断じてこれを看過するわけにいかない。その点についてもっと真剣に考えていただきたい。かゆいところに手が届く、そして、どうにもならない農家を再起させるというあたたかい手を率直にしかも効果的に差し伸べるべきであると思うのに、今日調査中とか、あるいはまた県にまかせてあるとか、そういう次官や当局の答弁には、われわれは満足することはできないのでありますからして、この点とくと善処してもらいたい。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂説明員 われわれの答弁に対しまして非常に不満足のようでありますが、先ほどからねんごろにお答えいたしておりますように、われわれといたしましては、とりあえず被害の実態をつかみまして、しかる後に、過去のいろいろな災害等ともにらみ合せまして適切な方法を講じたいという考えで進んでおります。農民の役所である農林省が農民の被害に対して決して冷淡であろうはずはないのであります。ただし、さしあたりの対策といたしましては、当該県をわずらわしまして、さつそくかゆいところに手が届くような措置を講じてもらつておるわけであります。最終的には被害の実態をつかみまして適当な対策を進めて参りたい、こういう考えでありますから、どうぞ一つ御了承をお願いいたします。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 これにて質疑を終了いたします。  目下調査中の降ひようによる農作物の被害対策について、大野市郎君より発言を求められております。この際これを許します。大野市郎君。

大野市郎自由民主党

○大野(市)委員 昭和三十四年降雪による農作物等被害対策に関する件につきまして決議をいたしたいと思います。  案文を朗読いたします。    昭和三十四年降霜による農作物等被害対策に関する件   去る五月二十八日、六月三日及び四日、関東、甲信越及び東北地方、特に茨城、栃木、群馬、埼玉、長野、山梨及び福島の各県下に発生した降霜は、麦類、果樹、蔬菜、煙草、水稲等に対し激甚なる損害をもたらしているので、政府は、被害農家の窮状を救い、その再生産を確保するため、天災融資法に基く災害指定を行って災害資金の貸付を可能ならしめるとともに、自作農維持創設資金の貸付枠の拡大融通、既貸付金の返納猶予、農業共済金の早期支払等適切な措置を講じ、もって災害対策の万全を期すべきである。  右決議する。   昭和三十四年六月十一日       衆議院農林水産委員会  趣旨の説明を申し上げますと、昨日の委員会において、この降ひようのむざんなる被害状況に対しましては、当委員会より委員が派遣されましてつぶさにその実情を御報告いたしておりますので、御了解のことと思いますが、この決議を御決定いただいて、被害農民の救済を早急に実施していただきたいのであります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 この際神田君より発言を求められております。これを許します。神田君。

神田大作日本社会党

○神田委員 ただいま提案になりました昭和三十四年降霜による農作物被害対策に関する件でありますが、この件に対しまして賛成の意を表する次第であります。  特に、今回の降ひようは、ところによりましてはまことに激甚でありまして、ある部落のごときは、あすからの農業収入が皆無でありますので、生活に困って北海道べ直ちに出かせぎに行こうということを部落全体が相談をしておるというような状態で、直ちに食べる蔬菜もなくなってしまつておるというように、非常に農家にとつては深刻な打撃をこうむつておるのでありますから、この決議の趣旨に沿ってすみやかに善処してもらいたいということを強く要望いたしまして、賛成の意を表する次第であります。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 ただいま大野君より提案されました自由民主党並びに日本社会党共同による昭和三十四年降雪による農作物等被害対策に関する件を本委員会の決議とするに賛成の諸君の御起立を求めます。     〔総員起立〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 起立総員。よって本件は本委員会の決議とすることに決しました。  ただいまの決議に対し、政府当局の所見を求めます。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂説明員 政府の態度といたしましては、先ほども神田委員の御質問に対しましてその一端を申し上げたのでありますが、現在統計調査部におきまして調査を実施いたしております。その詳細な被害額は実はまだ判明いたしておりません。従いまして、その被害の詳細が判明次第、過去の対策との均衡も考慮いたしまして措置いたす所存でございます。御決議になりました自作農維持創設資金の貸付、農業共済金の仮払いにつきましては、御趣旨に沿うよう善処いたしたいと考えております。  なお、天災融資法の災害指定等につきましては、先ほども申し上げましたが、現在判明いたしている程度の被害金額では天災法の発動は困難かと存じておりますが、何分にも、被害金額判明次第最終的にはその可否をさらに検討いたすつもりでございます。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 なお、お諮りいたします。ただいまの決議の関係当局への送付等の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  ちょっと速記をとめて下さい。     〔速記中止〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 それでは、速記をやつて下さい。  これにて散会いたします。     午後四時四十八分散会

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