農林水産委員会 第34号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/06/10
会議録
○松浦委員長 それでは、これより会議を開きます。 参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 先般来調査して参りました米価問題につきまして、農業団体代表者並びに学識経験者よりその意見を聴取するため、明十一日委員会に出頭を求めたいと思いますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、参考人の人選等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしとして、さよう決定いたしました。 —————————————
○松浦委員長 農林漁業災害に関する件について調査を進めます。 まず、昨九日茨城、栃木両県下のひょう害による農作物被害の実情調査のため本委員会より派遣いたしました派遣委員より、調査の報告を聴取いたしたいと存じます。大野市郎君。
○大野(市)委員 昨日茨城県並びに栃木県下におきまする農作物のひょう害調査のために現地に参りましたので、災害の調査報告をいたします。 本調査に参加されました委員は、自由党から金丸委員、八木委員並びに私の三人でありまして、社会党からは神田委員、實川委員、角屋委員の、計六人であります。六月九日の日帰り調査という強行軍でありましたために、朝七時出発、夜は九時帰京という強行軍でございまして、茨城県においては岩間町、笠間市、七会村、御前山村及び緒川村管内を調査いたしました。また、栃木県におきましては芳賀町地区を調査をいたしましたが、行程は三百キロにわたりまして、広範な地域に及んだものであります。 われわれが調査しました地帯においては、実はひょう害は常襲の地帯でありまして、毎年ひょう害を受けておるのでございますが、今年のひょう害は記録上からいっても三十年来の大被害であるといわれております。五月の二十八日及び六月の三日に毎年発生する程度の被害を受けておったのでありますが、六月四日の日には、約二十分から三十分の間に、非常に大きな、ピンポンのたまのような大きさのひょうが豪雨のように襲って参ったのでありまして、このたびの大きな被害を出す結果になったのであります。六月四日の降ひょうは関東一帯の都県にわたって被害を受けたのでありますが、特に大きな被害を受けたのが茨城県でありまして、同県の調査によりますと、被害総額は概算四億二千万円といわれておりまして、次いで栃木県の二億円以上の損害が計上されておる状況であります。 茨城県における農作物被害のおもなものは麦類でありまして、被害の面積は一万七千ヘクタールとなっておりまして、そのうちで小麦が三分の二を占めておるのであります。次はタバコでありまして、金額で言いましても、本県最高で、二億九千万円余の損害が計上されております。面積も千二百三十三ヘクタールといわれておるのであります。そのほか、菜種、蔬菜、陸稲などが被害の種類にあがっておるのであります。 栃木県においては、麦類が二千六百ヘクタールありまして、一億九百余万円の被害を受けたのでありますが、このうちで、ビール麦は、全国の生産量の四割を同県だけで占めておるような生産県でありますだけに、被害額は四千四百万円以上といわれております。次にタバコでありますが、四百三十二ヘクタール、三千八百万円、ナシが三十四ヘクタール、千七百万円、カンピョウが二百二十三ヘクタール、千四百万円、バレイショ一千三百万円余の被害額が計上されておりますが、これは調査とともにさらに増加する見込みであります。 以上に見られますように、被害の最も多いのは麦類でありまして、大麦は収穫半ばでありました。小麦その他はあと旬日を出ずして収穫期に入ろうという大切な時期でありましたので、農民の落胆ぶりはわれわれの想像以上に深刻なものがございます。 次に、現地の被害の実情などについて簡単につけ加えます。 最初岩間町に参りまして、雨の降る中を小麦畑に参り、調査をしたのであります。この辺一帯は同町地区の中では最も降ひょうの激しいところでありまして、見渡す限りの小麦畑が一握りの穂も残されないほどに徹底してたたきのめされた被害の状況でありました。 次に笠間市に入りましたが、ここでは県及び農業関係者多数が被害の実情をそれぞれ申し述べまして、その対策についてもいろいろ陳情を受けた次第であります。同地区の現地において主としてタバコの被害を調査したのでありますが、県下のタバコ耕作面積が一千七十ヘクタールで、そのうち被害率五割以上のものが半数を占めておりまして、その半数の中で四割が全滅という悲惨な状況であります。この全滅地区の多くが調査地区に集中しておったのであります。タバコ畑は、全く一枚の葉も残らないで、ピンポン玉大の降ひょうのためにたたき落された茎がむざんにもなまなましい姿を残しておるのであります。全く手の施しようがないという状態であります。 次に七会村を調査し、日程外の御前山村、緒川村と、山深く足を延ばして、そちらに経営しておる零細農民の悲壮な訴えを現地で聴取したのであります。緒川村の一部落では、三十戸ほどでございますが、被害が激甚のためにその三十戸が全戸をあげて現金収入の道を求めて北海道に出かせぎに行く計画を進めておるという状況を聞いて参ったのであります。 以上で茨城県を終りまして、栃木県に入ったのでありますが、栃木県においては、時間の関係上、果樹園、特にナシの被害を主として調査したのであります。ナシは今ちょうどピンポン玉よりも大きい程度に生育しておりましたが、全部丁寧に紙袋で包んでおりますにもかかわらず、この降ひょうのために地上一尺もひょうが積ったような激しい降り方でありましたために、紙袋の上から傷を取けて、収穫は皆無という状況であります。また、注目すべきことは、果樹園のこのナシの被害状況は、ことしの果実だけでなくて、新芽をことごとく痛めておりますために、さらにそのナシの木自体表皮を傷つけております関係から、ことし出た新芽が生長して来年度の果実がなりますのが、葉とともに全部落ちております関係で不可能になったといわれております。少くとも二年間は収穫のない果樹園となり、五年ぐらいは平年作に戻らないという、果樹園の被害は特殊な形で現われておるのをわれわれは現地で見て参ったのであります。 以上で現地の実情を終りまして、関係者からの要望について申し添えますと、その要望は、茨城県被害各地でも、栃木県でも、おおむね同様でありまするので、一括して申し述べます。 第一点は、被害農家に対する営農資金の融通であります。本災害は、規模からして、天災法の適用が受けられるかどうか、現地の君たちは心配しておるのでございますが、われわれの観察いたしましたところ、局部的ではありますが、被害地は非常な激甚な影響を受けておりますので、何とか特別の御努力によって、天災法の適用を受けられるようにしてあげねばならぬというふうな印象を強く受けて参ったのであります。自作農維持創設資金を大幅に増ワク融通されたいということ、及び、今までに貸し付けられた貸付金の返還を延期する措置を講じてもらいたいというのが現地の要望であります。 第二点は、農業共済金の早期仮払いの措置を講ぜられたいこと。 第三点は、税の減免、特別交付税交付金の増額交付であります。 第四点は、病害虫防除用薬剤費及び樹勢の回復用肥料購入費の助成。 第五点は、被害農家の現金収入を確保するための救農土木事業の実施及び製炭業者に対する国有林の払い下げなど。 以上が現地におきまする要望事項のおもなるものでございます。 最後に、本委員会の直接の所管ではありませんが、タバコ耕作者の災害対策につきまして、農民救済という観点から本委員会で御解決をいただきたいと思うものがあります。すなわち、タバコ耕作者が災害を受けた場合に、その年の耕作が不能に陥り、耕作を中止した場合は、専売法に基いて、過去の実績などから計算して反収の四割相当額まで補償することになっております。被害耕作者が耕作を中止するかしないかは本人の自由選択にゆだねられるという現地の専売公社の責任者の言明でございますが、もし中止した場合にはわずか四割の補償で打ち切られることになります。これらの耕作者には別途災害救助の道が開かれておらないのであります。茨城県の一部には任意共済を耕作者相互間で作っておるところもありますが、あまり効果をあげるまでには至っておらないようであります。われわれ調査委員はこの問題について種々相談したのでありますが、結局、たとえば専売公社をして災害発生の場合に補償金のほかに見舞金を支給するようにできないか、また、続けて耕作をする者に対してもその災害の被害率に応じて見舞金を支給するようにできないか、あるいは専売法を改正して、補償金を大幅に増すか、見舞金制度をはっきりと法の措置で規定せしめるかというふうな強硬な方途まで講じてやりませんと、専売の名のもとに耕作をしておる特殊なタバコ耕作者が安心してタバコを続いて作るという意欲を著しく阻害する点を実は感得して参ったのでありまして、いわゆる共存共栄の意味でも、従来の商習慣の上からも、さようなことが必要でないかと痛感したわけでございます。 委員会におかれましても、被害農民の窮情を推察されまして、農民の要望を達成するために全面的な御協力をお願いいたしまして、私の報告を終ります。(拍手)
○松浦委員長 以上をもちまして派遣委員の報告は終りました。 農林大臣が出席するまで暫時休憩いたします。 午前十時四十九分休憩 ————◇————— 午前十一時十五分開議
○松浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件、特に米価問題について調査を進めます。 質問者の通告がありますので、これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 農林大臣にお尋ねしますが、政府においては、二十二日からの臨時国会を前にして、内閣の大幅改造を急いでおられる。従って、三浦さんもこの臨時国会までがおそらく大臣としての御在任の範囲と常識的には考えられる。従って、この際、在任中におかれまして、昭和三十四年度の米価決定の問題については、三浦農林大臣としての明確な態度を御決定になって、全国農民の期待にこたえるべきではないかと私どもは考えておりますが、御決意のほどはいかがですか。
○三浦国務大臣 私は、任期のある限り最善を尽してその職責を尽したい。こう考えております。 お尋ねの米価の審議の問題でございますが、これは、米価審議会が政府の正式な諮問機関としまして、その議を経て取りきめをすることは申すまでもございません。その際にいかような案を出すか、これが問題の焦点だろうと思いますが、私としましては、先年来の経緯にかんがみまして、そうして計算方式等もできるだけ事情に適したものを作り上げたい、こう考えております。
○芳賀委員 そこで、お尋ねしたいのは、農林大臣はしばしば国会において、三十四年度の米価は生産費及び所得補償方式を採用して行いたい、こういうことを言明されておるわけであります。従って、米価審議会の開会の期日も二十五日が予定されておるわけでありまして、もうすでに政府としての米価決定の算定方式というものは基本的に決定されておるべきであるとわれわれは考える。ところが、一昨日の本委員会並びに昨日の食糧に関する小委員会等において、農林省事務当局においては、いまだに算定方式の基本さえも決定しておらない、こういうような答弁が行われたわけであります。従って、農林大臣の責任において、果して昭和三十四年度の米価算定の基本的な方針を何によってやるか、この点だけはまず明らかにしてもらう必要があるのです。
○三浦国務大臣 お尋ねの問題につきましては、いわゆる生産費及び所得補償方式という算式をとれ、こういう委員会等の御要望でございましたが、これに対しまして、私は、その算定方式等につきましてはまだ熟さない部分がたくさんある、しかしこれは熟さないからといって放置するわけにはいかないから、これは周倒な検討を加えて、この計算方式等の採用の可否等について十分検討したい、こういうことを一貫して申し上げておったわけでございます。今資料等はまだふぞろいの問題もございますので、われわれは米価審議会に提案します基礎材料を目下整理中でございますので、今しばらくの間時間をかしていただきたい、こう考えております。
○芳賀委員 たとえば今月の二十五日に米価審議会を開会する場合、少くともその十日くらい前に政府の原案が大よそ整っておらなければ、今月中に米審を開くことはできないと思うのです。それですからして、もうすでに基本方針はきまってしかるべきであると思うのです。それが、いまだに何によってやるかわからない、大臣自身もわからないようであっては、事務当局としても作業のしょうがないと思うのです。この点は責任を明らかにする必要があると思うのです。一体、従来の方式でやるのか、ことしからは方針を変えて、そうして生産費及び所得補償方式に踏み切るか、この点だけは大臣の責任で明確にしておく必要があると思います。
○三浦国務大臣 生産費・所得補償方式に盛り込まれている趣旨を十分にくんで今回の米価の基礎材料を整備したい、こういう考え方でございまして、形式的に生産費補償方式の算式をとるとか従来のパリティ方式をとるということじゃなくて、今申し上げたようなことで進みたい、こういう基本的な態度で進んでおります。
○芳賀委員 それでは食糧庁長官よりあなたの方が態度がなまぬるい。渡部長官は、大幅に生産費・所得補償方式を採用して事務当局としては仕事を進めていく——長官はただ大幅というようなことを言っておる。あなたの場合には、大幅も小幅もわからないで、今後どうするかというような方針もきまっておらぬようですが、そういうことでは、むしろ事務当局に引きずられて大臣が動いておるということにもなるわけですが、どうですか。この基本的な方針を明らかにすることはできないですか。
○三浦国務大臣 今申し上げた通りで、私は指導してここまで持ってきたのでございまして、長官が大幅にやるという決意でありますことは、私としても非常に欣快と存じております。
○芳賀委員 それでは、大臣が指導されて長官がかかる言明をされたとすれば、結局は大臣の方針は生産費及び所得補償方式に基いた米価の算定を行なって、それを今年度の実行米価として実行に移す、そういうお考えなのですね。
○三浦国務大臣 趣旨は十分取り入れたい。こういう考えであります。
○芳賀委員 趣旨ではなくて、もう具体的な作業の段階なんですよ。それくらいのことが明らかにできないではいかないじゃないですか。もし農林大臣が言明できなければ、これは総理大臣に出席してもらって、内閣の責任においてことしの米価決定の方針をどうするかということを明らかにしてもらう必要があると思う。しかし、せっかく農林大臣という職務があるのですから、せめて農林大臣としてこの点だけは明らかにされたらいいと思う。
○三浦国務大臣 諮問案を提出しますまでには十分に間に合せるようにしたい、こう考えております。
○芳賀委員 それでは、方向としては生産費及び所得補償方式でいくというふうにわれわれは解釈して、以下若干の質問をしたいと思います。 この生産費又び所得補償方式でやる場合においても、いろいろ方法はあるわけです。特に、全国の農民あるいは国会等における意向、あるいは昭和三十年以来の米価審議会における意向等によっても、やはりバルク・ライン生産費についての米価算定をすべきであるという意見が非常に圧倒的なんです。従って、この線に基いて仕事を進めておられるとわれわれは考えておるのですが、その点はいかがですか。
○三浦国務大臣 その点についてはまたいろいろの欠点もあります。これは算式の問題でございますから、食糧庁長官から答弁させたいと思います。
○渡部説明員 御指摘の、八〇%バルク・ライン生産費方式をとるかという問題でございますが、まだ最終的な結論に到達していないということはきのう申し上げた通りでございます。いろいろなむずかしい問題がございますので、それを検討しているわけでございます。
○芳賀委員 とにかく、算定方式を大きく変更するわけですから、最初から百パーセント完全なものができ上るということは考えられない。しかし、万全を期して行う場合においては、当然、帰納するところは、八〇%バルク・ラインの生産費方式によるということが一番われわれは妥当であると考えておる。ところが、昨日の小委員会、一昨日の本委員会等において当局が提出された資料等は、ほとんど八〇%バルク・ラインに対する反論的な、駁論的な資料だけを膨大にそろえて、説明に終始されたのです。そういうことになると、裏を返せば、バルク・ライン方式による算定を行う意思がないというふうにもわれわれは考える。そのことをさらに端的に突き詰めれば、これはあくまでも従来の低米価方式を堅持しなければならぬというような至上命令のもとに動いておるようにも考えられるわけです。こういう点は非常に疑惑を招く点ですから、この機会に明らかにしてもらいたい。理論的にこの生産費及び所得補償方式を採用するということが一番重大な点なんです。ですから、米価がどの線になるかということよりも、生産費及び所得補償方式を採用する場合、理論的にも基本的にどのような構成によってこれを行うべきかということについては、これは完全に統一できた見解や態度の上に立って実行に移さるべきものであるとわれわれは考えるわけですが、その点はいかがですか。
○三浦国務大臣 きのうその問題につきまして事務当局からも御説明申し上げたと思うのです。今、委員会その他の意見とまるで反する、こういうことでございましたが、つまり、それだけ未熟な点があると思うのです。従いまして、米価審議会等においては、もっと建設的な、同時にまた啓発的な御意見も聞き、そうして調整すべき問題であろうかと考えます。
○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、この新方式を採用する場合、あくまでもこれは農家の所得補償が基本になるのですが、従来非常に論議されてきたところの、いわゆる米を生産する場合に投入された農家の自家労働に対する賃金評価というものをいかなる方式でやるかということに問題はかかっておるわけです。従って、これは都市の労働賃金との均衡方式によるということが最も妥当な方法でありますが、しからば、農家の自家労賃をどのような方式によって適正妥当に都市の労働賃金と均衡をとるか、こういう問題については農林大臣はどのようなお考えを持っておるか。
○三浦国務大臣 この賃金のとり方につきましても、いろいろの方法がある。これについてもやはり十分に米価審議会等の御意見を聞きまして決定すべきことだと思うのです。あまりに低くしたのでは効果は出ないし、さればとて非常に高賃金のベースをとるわけにいきますまいから、これをいかようにとるか、これも未熟の点でございます。遺憾ながらわれわれとしてまだきめかねておるところであります。
○芳賀委員 それは、米価審議会に白紙の態度で臨んで、自家労働賃金の評価をどうするかという意見を求めて、それから原案を作るというのであればいいわけです。そういうわけではないのです。米審を招集する場合には政府原案を持って臨まれるわけですね。原案の中において当然自家労働に対する評価方式がどうであるということが盛られていなければならぬわけです。それに対して何ら考えがないということは無責任じゃないですか。従って、労賃評価を都市との均衡方式をとるという場合において、いろいろな方式があるわけです。あるいは製造業の全規模であるとか、あるいは五人以上とか三十人以上とか、これはいろいろあるわけなんですが、農林大臣としてはその場合におよそどういうような基準というものを採用すべきであるというような腹案はあると思うのです。
○三浦国務大臣 今御指摘にありました通り、労賃のとり方にもいろいろ算式がある、こういうふうにすでに設問者の御意見ですら、そうなので、われわれとしては、趣旨はやはり都市と均衡を得たものをとりたい、こういう考え方です。しかし、ただいまのところ、まだお示しする段階ではございませんから……。
○芳賀委員 それでは、抽象的な質問になりますが、できるだけ安い賃金に対応するような考えでいくか、中正を得たようなところに持っていきたいというお考えなのか。
○三浦国務大臣 米価はやはり非常に重要な問題でありますし、国民経済全体の見通しにも影響があるものでございますから、公正妥当な結論を得たいと思っております。
○芳賀委員 特に、これは、前国会において、たとえば最低賃金法が、社会党案と自由党案は全く異なったものでありますが、とにかく生まれたわけなんです。そういう点から考えた場合においても、都市の労働賃金と農家の自家労働の均衡をとるという場合においても、あくまでもその思想というものは最低賃金の確保という理論構成の上に立った均衡方式でなければいけないと思うのです。原始的な飢餓的な賃金水準を農家の自家労賃に採用するということになれば、これは何ら意味をなさないわけですね。そういう間違いは犯さないという意味ですか。
○三浦国務大臣 先ほど申し上げました通り、これは国民経済の上に公正妥当な結論を見出したい。先ほどおっしゃったような不当なものにするという考えはございません。
○芳賀委員 次に、米価算定の要素の一つになっておる農家の投入した資本、固定資本あるいは流動資本等がありますが、この資本に対する利子をどういうふうに見るかというような点も、非常にこれは大事な点だと思います。農業経営というのは、投下した資本に対してほとんど利潤部面というものはないですね。しかし、せめて最低線であっても投下資本に対する適正な利回りという程度のものは、当然これは生産費の中に確保さるべきものであるとわれわれは考えておるのです。従って、この点については、たとえば固定資本の大きなものには土地資本等がありますが、あとは流動資本、そういうものに対しては、農林大臣はどのような判断をもって臨まんとしておるか。
○三浦国務大臣 かなり技術的な問題でございますから、食糧庁長官からお答えさせたいと思います。
○渡部説明員 投下資本に対して、借入金には利子、自己資本に対しては利潤、これを見るのが資本主義経済の原理であります。しかし、農業では経営と家計が分離されておりませんから、そういった一般的な考え方では計算がむずかしい。そうしますれば、やはり、この米の生産費の計算では、これに適応するような考え方をいたした方がいいと思います。その際に、どの範囲を対象にして利子を見るかという問題と、それから、利子を見る場合にどういう率の利子を見るか、こういう問題があるだろうと思うのでございます。これらは、現在、たとえば農家が組合に貯金するにしましても、定期があり短期があり、いろいろございますから、いずれか一つというわけにはいかないので、それらを勘案して妥当な線を出したい、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 そこで、たとえば流動資本にしても、これは自己資本と他人資本に区分することができると思うのです。この点についても、昨日、一昨日の委員会等において、政府の判断は、全般的にながめた場合に、自己資本が九〇%、それから他人資本が一〇%、大体こういうような資本形成で現在の農業経営が行われておるというような判断をせられておるようなんですが、これはどこかに大きな誤謬があると思うのですね。そういう点はこの際もう少し具体的に明らかにしてもらわぬと、ただばく然と農家の経済調査の中から抽出された農家の資金動態調査の内容が九対一ということになっておるからそうなのだということは、あまりにもズレがあると思うのです。こういう点はやはり長官にもう少し現実に即した具体的な説明を願いたい。
○渡部説明員 これはやはり数字に基いて検討する以外にないと思うのでありますが、協同組合なら協同組合としての貸付金、こういうものから見ますと、いかにも借入金が多いような印象を受けます。それから、今問題になるのは、借りるときに、たとえば公庫の金なら公庫の金にしても、借りる人がやや問題になる。これは全体の農家の経営に必要な所要資金に比べれば、御想像になるように大きいものではないのが実態でございます。これは、先ほど申し上げましたように、利子をつける資本というものも範囲を非常に広く見ておるわけでございますから、それに対しての考え方になるわけです。借り入れの方は現実の借り入れの率を出しているわけでございます。その点は、借入金が一、貯金が九というのは、これは協同組合中央会その他農業団体との相談でも大体その辺が妥当なのじゃないかという線が出ておるのでございますから、実際の数字を検討していただけばわかると思います。
○芳賀委員 今の答弁は、これは農業協同組合関係も了承したというのは、ただ農林省の考え方に太刀打ちする基礎的な資料が欠除しておった、ないということで、結局押しつけられて、引き下ったのでないかとわれわれは考えております。少くとも全中等を中心とした協同組合の団体が、全国の農民の経営上の資本構成が、九〇%というと、ほとんど全部自己資本だけでやれるということなのです。そういう実態ではないと思うのですね。われわれはこれを農政上の見地から見た場合においても、むしろ日本の農業の最近の特性というものは非常に所得水準が低くなって兼業化の傾向が増大しておるというようなことになると、農業の経営部門の中における資本力というものは、むしろ他人資本への依存度が高まってくるというのが一つの道筋でないかと考えられる。これは、常識的に考えた場合においては、旧式なそういう現実離れしたものを基本にした生産費の算定ということには、最初から大きな誤まりがあると考えられるので、この点は、まだ時間的な余裕が若干あるとすれば、十分再検討の必要があるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○渡部説明員 この点は、正確な表現ではございませんが、一つの判断のよすがになるのです。農業粗生産額に対して農家の各月の借入舞高見てしただけば、その点は一目瞭然判断していただけるのじゃないかと思います。これは借金をする個々の人は相当大きい問題になりますけれども、農家全体を押しなべていきますと、総粗生産額が一兆五千億、それに対して何千億程度の借入金でございますから、そんなに大きいものではないのです。
○芳賀委員 この点は問題をあとに残して、次に農林大臣にお伺いしますが、固定資本である土地、これを資本として見た場合、これは農業の投下資本の中では一番大きなウエートを占めておるわけです。ですから、この資本に対して資本利子を考えれば、どういうような見解をとるのが妥当であるか。農林大臣としてはどう考えますか。
○三浦国務大臣 現在は統制小作料をとっておる、こういうことでございます。
○芳賀委員 それは、地代説から言えば、統制小作料とか実納小作料とかありますし、また、たとえば地方税法等に基けば、土地は固定資産税の対象になる。これは、あくまでも、土地を評価して、その収益還元の方式によってこれに対して土地の評価が行われて、これに対しては土地に固定資産税が賦課されておるというような点を取り上げてみると、これは土地に対する資本としての評価、またその評価された資本財に対するいわゆる利回りということを考えた場合においても、これはいろいろな方式があると思うのです。ただぽつんと統制小作料とか言われても、なかなか承服できがたいのです。ですから、こういう点に対しても、生産費等を計上する場合の資本に対する利子の計算ということを考えた場合においては、この農家の投下資本財の大きなウエートを占める土地に対してはどういう考えで進むかというような点に対しては、もう少し詳しく多年の経験の上に立った三浦さんの御説を承わっておきたいと思います。
○三浦国務大臣 いろいろ技術的な面もありますので、事務当局から説明をいたさせます。
○大和田説明員 昨日もその問題に触れましたけれども、土地資本利子と地代との関係で申し上げますが、大きく分けまして三つございます。 一つは、売買地価を手がかりにいたしまして、それに国債利回りその他のものをかけて土地の資本利子を出す方法でございます。 第二は、実際の米価から家族労賃その他の費用を差し引きまして、収益を出しまして、その収益を還元する方法でございます。これは収益地代と称するものでございます。 第三は、小作地につきましては小作料を、自作地につきましては類地の小作料をとるという方法でございます。 第一の売買地価に国債利回りその他の利子をかけまして土地資本利子を出します方法は、御承知のように、土地売買代価というのは、十五万とか、二十万とか、ところによって相当多くなっておりますけれども、農家が、いわゆる限界地価といいますか、一片の土地を手に入れて、どこまで自分の労賃を低評価してやり抜けるかという、自分の労賃を最も低廉に評価することによって生じますところの高い地価でございますから、それに国債利回りその他の利子をかけて資本利子をとります方法は、現在私たちが考えておりますような生産費及び所得補償方式によって家族労賃に都市の労賃に均衡するような労賃を当てはめるという思想とは根本的に違っておるわけでございます。従いまして、売買地価を手がかりにして地代を探る、そしてそれをもって米価形成をするという考え方は、私たちの今問題にしておりますところの米価算定方式から言ってとることはできません。 それから、さらに、収益地代の問題は、実は米価がきまりませんと、その米価のもとにおいてどの程度の収益が上るかということもきまってこないわけでございます。さらに、その場合には、家族労賃をどれだけに評価するということも重要な問題になって参ります。従いまして、米価論として収益地代をとりますことは、きめようとする米価をもって収益地代を探ろうとするわけでございますから、循環論になって、これも米価形成の理論としてはとるわけに参りません。 従いまして、実際とり得る方法あるいは稲作の家族労賃に都市均衡労賃を当てはめるような考え方に立って米価を形成いたそうといたします場合に、地代として実際とることができます方法は、小作地につきましては小作料、それから、自作地につきましては、それに匹敵するような類地の小作料ということになるわけでございます。 この場合に、何をもって小作地についての小作料とするかということは、これは二つ意見の対立がございます。一つは、やみ小作料であってもなくても、現実に小作農が支払った小作料をもって生産費を形成するから、それをもって米価算定の基礎にすべきであるという議論でございます。これは、かかったものは生産費であるという、まさにきわめて自明なことでございますけれども、しからば、生産費及び所得補償方式による考え方は、実はかかったものを全部見ろということではございません。これは家族労賃を現実に農村でないような労賃に当てはめるわけでございます。むしろ、何をもって適正な米価を形成するかということでございますから、かかったものはすべて米価に形成するということからは、家族労賃に都市均衡労賃を評価するという理論も出てこないわけでございます。従いまして、小作料をとります場合は、現在の統制小作料は、小作農も自作農と同じように同等の都市均衡労賃を得ることができるようにきめられた額でございますから、また、法律をもって、これを支払えば小作関係はそれでよいということになっておりますのに、小作農が現実にやみ小作料を払うといたしますと、それは国がきめました小作料よりもさらに低く自分の労賃を評価いたしましてやみ小作料を支払うことになるわけでございますから、それを追認して、建前として支払小作料、実納小作料、あるいはやみ小作料を米価算定にとりますと、やみ小作料を追認することと同時に、さらに小作料を増額すべきだという意見がいろんな方面から出てくるわけでございます。従って、米価の形成としては、農林省の統計調査部でやっておりますところの生産費計算では当然支払小作料をとるのが建前としても筋でございますけれども、米価の計算に当っては、建前としてはやはり統制小作料を小作地についてとり、そうして自作地についても類地小作料という形の統制小作料をとるということが本旨であろうかと存じます。
○芳賀委員 その点は、大和田さんの説明が大臣の意思を体したという意味に理解していいわけですね。
○三浦国務大臣 その通りです。
○芳賀委員 次にお尋ねしますが、都市との均衡をとるという場合は、都市と農村の物価差、これをたとえば八七%というところに押えて修正を行うというような意向も説明があったわけですが、この点について農林大臣のお考えを明らかにしてもらいたい。
○渡部説明員 これは、昨年度私の方で計算したときにはもっと率が低かったのでございますが、その後具体的に再調査をいたしまして、また農業団体等ともよく意見を交換しまして、大体八七%くらいがいいのじゃないかということできめたわけでございます。
○芳賀委員 それで、都市と農村の物価差ですが、一番大きい差のあるのは、品目にすると何ですか。
○大和田説明員 都市と農村の物価差で、一番差が開いているのは食糧関係でございます。あるいは家賃でございます。今、都市と農村の物価差は八七でやっておりますけれども、これは日本ばかりではございません。各国の例を申し上げますと、イギリスは、農村を一〇〇として、一〇五でございます。アメリカは一一四でございます。日本の中でも東京と地方の小都会とは相当物価差がございまして、東京を一〇〇としますと、松江が九〇・七、青森が九一・八というふうに、地方の小都会においてすでに相当の物価差が出ております。従って、一般農村との物価差は東京と地方より大きいわけでございますから、まず八七というのは妥当な数字であろうと思います。
○芳賀委員 そこで、問題になるのは、食糧が一番差があるというのですが、食糧の場合、どういうところに差があるのですか。東京の場合はたとえば配給価格で押えるのが当然ですね。農村の主食、米麦の場合はどういうところで押えるのですか。
○大和田説明員 配給価格だけで申し上げますと、十キロ当り、東京が八百七十円、東北六県が八百十円でございます。新潟その他が八百三十円、それだけの差がついております。それから、そのほか、ごく常識的に言っておわかりになると思いますことは、野菜とか果物とか牛乳とか、農家の手を離れて私たちが東京で買うのは大体三倍というのが定評でございますから、それだけの開きが歴然とあるわけでございます。
○芳賀委員 その野菜の場合ですね。小さい問題ですけれども、都会周辺の野菜の生産地帯から生産されて都市に提供された野菜の価格と、一般の全国の農家が自家用の野菜を生産した場合の生産費というのは非常に違うのですよ。むしろ農家の場合においても専門の野菜生産農家から購入した方が安上りになるという事例は幾多あるのです。たとえば、水田農家が自分が野菜を生産して自給するような場合においては、むしろ購入する野菜よりも実質的な生産費から言うと高く上るという場合が非常に多いというようなことは、常識的に判断されると思うのです。それから、主食の場合においても、たとえば小作料に例をとった場合、実納小作料というのを全く是認しないであくまでも統制小作料主義でいく、実納小作料というものを認めた場合にはこれはやみ小作料の追認になるというような理論を一応おくみになって、主食の面においては、都市においてはやみ米を買って食べておるから主食費が高くなる、それを認めるということになると、同じ生産費形成の中においても、小作料の場合には現実を無視してあくまでも統制小作料でいかなければいけない、主食の場合においては国の制度に違反したやみ米の価格を認めるというような、非常に矛盾した考え方の上に立って生産費の計算をするということは、これは後日に問題を残すと思うのです。こういう点はどうですか、良心的な食糧庁においては。
○渡部説明員 今のように具体的な例をあげられますとそういうことがあるかもしれません。しかし、現に、先ほど申し上げましたように、米については生産地と消費地とちゃんと区別しておるわけであります。野菜その他のものにつきましても、平均的に言えば差があるのが常識で、今のように非常に条件の悪いところで作れば高くつくかもしれませんが、それをもって差がないと言うわけにはいかないと思います。
○芳賀委員 それは認めておるのです。だから、一方において食糧関係の現実をありのままに是認した生産費をとるとすれば、たとえば地代の面においても統制小作料あるいは実納小作料がやはり現実の面にはあるわけなんです。それもやはり認めるという態度の上に立たなければ、これは片手落ちになると思うのです。
○渡部説明員 ですから、これはやはり観念的な問題でなくして、——私の方で昨年たしか八二%くらい見ておったわけです。それを、今のような問題を捨象して、この程度ならば妥当であるというところで、はっきりぴしっと出るわけでございませんでも、理屈は一応通らなければいかぬ、そういうふうに考えておるわけであります。
○芳賀委員 だから、この点は地代の場合においても統計上から見た場合においては——統計というのはやはり現実を無視するわけにいかないでしょう。経済調査をやる場合においても、現実に納めた小作料が幾ばくかということが正確に記載されなければ統計の意味をなさないと思う。ですから、そういうものが経済調査の中に現われてくる場合においては、やはり地代というもののとり方の場合においても現実を認めて、そうしてその内容の中には何%か統制小作料でないいわゆる支払小作料というものが入っておっても、それはやはり生産費の中で認めるというようなことにいくべきでないかというのがわれわれの主張なんです。
○渡部説明員 これはやはり理屈でなければ——何でもかんでもかかったものはやるのだ、こういうわけには万人が納得してくれないと思います。果してどの程度までが納得し得られるものであるかという幅はあると思いますけれども、今の小作料のような問題は、はね返りが来て、小作料の今まできめておること自体を否定するようなことになってしまっては困るのでございますから、今のたとえば物価差をとる場合にも、やみの率がどのくらいあって、それをどのくらい引くかという計算はなかなかめんどうであります。しかし、計算できるものは計算しなければなりません。たから、公定のものは公定だけのもので比較するということがいいことかもしれません。そういう点を勘案しながら、データについて、これはとった方がいい、これはとらない方がいいということで話をしておるのでございます。
○芳賀委員 ですから、物価差が多ければ結局それが賃金部面においても非常に低賃金の要素になるわけです。それから、小作料の地代の場合においても、あくまでも統制小作料一本やりでいくということになると生産費が少い、そういうことになるわけです。だから、一方においては賃金の評価というものはなるたけ低い方に押えようとする、支出面においてもできるだけものを低く押えようとするということになれば、結局答えは安い米価ということにしかならないのです。意図的に低米価というものを考える場合においてはそういうことになる。従って、主食の場合においても、たとえば都市と農村の差異があるということは現実なんですが、その場合においても、やはり配給米の価格なら価格でいくということであれば、これは地代も統制小作料でいくということと相対して、それでもよいと思う。一方はやみを認め、一方は認められない、そういう片手落ちをやっておる。これは了承できないわけであります。
○渡部説明員 私の力では、やみを追認するという建前をとることは間違っておると思います。今の計算は、八七%に妥協したのは、ぴしっと計算で出ておるのではなくして、そういう問題を考慮しながらあれによった、こういうところでございますので、趣旨はやはり理屈の通るところ、こういうところで考えていかなければならない、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 以上、生産費及び所得補償方式の算定をやる場合のおもなるコスト要素等の問題について大臣にお尋ねしたのですが、われわれとしては、ただばく然と米価がこの機会に高くなればいいという考え方だけの上に立っているのではないのです。これは、農政上の問題から言っても、あるいは米作農家の今後の生産性確保という意味から言っても、せっかく三十年以来の努力によって新しい算定方式が生まれようとする場合においては、その基礎というものは、あくまでも理論的な根拠の上に立って積み重ねていって、そうして計算の技術的な面において不備な点があれば逐次是正していくことはできるのですから、基本だけはこの際明らかにした米価の構成というものをぜひやってもらいたいというのが私たちの多年の念願なんです。ですから、そういう場合においては、最初から頭の中に低い米価とか高い米価というものを想定して作業するということになると、どうしても純粋が曇ってくるから、こういう非常に大事な画期的な米価算定の一つの変化が行われる機会ですから、ぜひこれは農林大臣にしても事務当局にしても良心的にこの作業を進めるということを一つここで言明してもらいたいのです。いかがですか。
○三浦国務大臣 今御指摘になりましたいわゆる生産費・所得補償の算定方式をとるにつきましても、その基礎となる問題が非常に意見が多い、同時にまた、きめ手がないということが、農林省がこれを直ちに採用することについてちゅうちょしたゆえんであります。しかしながら、これはいつまでもそのままにしてもおけないというので、その基礎を確立するように努力しようじゃないかということで、過去一年間努力して参ったのでございます。今後といえども、この問題は、あるいは学説の上から、あるいは実際の面から、なおだんだん積み上げて、これを補正しながら直して適正なものにしなければならぬと思うのでございますが、そういう方向に持っていきたいということは、もう農林省としましてもはっきりしておると思うのです。ただ、具体的にどうするかということば今後にもよることであろうかと思いますが、われわれの態度としましては今申し上げた通りでございます。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、本年度の集荷対策の一環として、やはり政府は予約制度を継続されると思うのです。従って、集荷の一つの条件として今日まで続けてきたところの、たとえば予約申し込みの加算とか、あるいは時期別格差の問題、あるいは歩どまり格差とか、さらにまた減税措置の問題、あるいは石二千円の概算金の支払いの問題、これらの措置は今年度どのように考えておられるか、農林大臣から直接御説明を願いたいと思います。
○三浦国務大臣 予約減税措置は、前回法律でもってこれは取りやめるということにいたしておりますが、その他の事項につきましては、従前の線を守って、そしてこれを施行していきたい、こう考えております。
○芳賀委員 念のために一つ一つお尋ねしますが、予約申し込み加算一石百円、これは厳守するわけですか。
○渡部説明員 これは前々から御説明申し上げておりますように百七十五円にいたしております。
○芳賀委員 百七十五円と言われたが、申し込み加算金は百円でしょう。あとの七十五円というのは、今問題になっておる予約減税の廃止に伴う加算とかなんとか、そういう意味のものじゃないですか。
○渡部説明員 尽くる理由はそういうことでございますけれども、加算としては予約加算、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 もう度農林大臣からわかるように。
○渡部説明員 予約加算としてはあくまで百七十五円でございます。七十五円を加算する理由としては、予約減税に相当する部分を予約減税をやめまして加算金の方に回す財源にする、そういうことでございます。
○芳賀委員 農林大臣にお尋ねしますが、予約申し込み加算金というのは内容が複雑なものであってはいけないのですよ。従来は百円であったから、さらにこの奨励制度を強める意味において百七十五円に引き上げるなら引き上げる、それでいいわけなんですが、どうですか、大臣。
○三浦国務大臣 食糧庁長官説明の通りです。
○芳賀委員 私のお尋ねは、われわれとしては、予約申し込み加算金は、従来は百円であったが、本年度から百七十五円にするというのは、さらにこの制度を強めて米作農民に協力してもらうために百七十五円に引き上げたのである、そういう御趣旨でしょう。
○渡部説明員 これは、予約加算としてはそうでございます。そのほかに予約減税を廃止する。——その予約加算を増す理由として。
○芳賀委員 それでは何も意味をなさない。引き上げたということに何もならないのです。減税問題はあとで大臣にお尋ねしますが、もう少しすっきりと、予約申し込み加算は、従来は百円で少な過ぎたから、ことしからは百七十五円に引き上げて協力をお願いする、そういう趣旨でこれは引き上げしたのかどうかということをお尋ねしている。これは責任者の農林大臣からお答えしてもらいたい。
○三浦国務大臣 担当しております食糧庁長官の説明の通りでございます。
○芳賀委員 次に、時期別格差の存続も、これは従前通りと思いますが、時期別の格差は、昨年は八百円、六百円、四百円、二百円というふうに区切られておったのですが、この内容は従前通りにするのか、あるいはもっとこれを改善して、実質的に時期別格差というものが非常に効果的に活用できるようにされるお考えか、その点はいかがです。
○渡部説明員 格差といたしましては、やはり時期別格差の処置が、九月から十月にかけての端境期に食糧配給に支障ないように、こういう趣旨からいいと思いますから、その趣旨に合うのには、現在のままでいいか、あるいはその点をもう少しはっきりした方がいいか、こういう点を検討中でございます。といいますのは、もうこれだけの生産があがったならば時期別格差は要らないじゃないかという説が、これは米価審議会で毎回出ておるようでございます。私の方では、昨年の経験にかんがみまして、少くとも九月、十月の端境期には、昨年のような台風がございますと、やはり配給に非常に心配がございますから、その間は絶対に必要でないか、こういうふうに思っております。これをだんだら長くすることがいいのか悪いのか、そういう点は多少問題があるのじゃないか、こういうふうに考えます。
○芳賀委員 次に、歩どまり加算の制度がことしも継続されると思いますが、これについてはどうなっておりますか。石百円確保するかどうかということです。
○渡部説明員 現在石五十円でございますが、これが妥当であるかどうかということを検討しております。
○芳賀委員 ことしは五十円という見込みですか。
○渡部説明員 まだ最後的に結論を出しておりませんが、この程度でいいのじゃないかと思っております。
○芳賀委員 その次には、概算金の支払いは従前ずっと石二千円ずつということになってきているのです。当然これは行われると思うのですが、概算金支払いの時期等は速急にする必要があると思うのですが、大体今の見通しから言うといつごろになるのか。
○渡部説明員 概算金の支払いは予約のときでございますから、米価が決定次第予約の申し込みの受付を始めますから、そのときから支払っていきます。
○芳賀委員 では、常識的に七月早々からということになるのですね。 次に、先ほど長官から減税廃止について触れられたが、今度の政府に売り渡しする米に対する減税措置の廃止というものは、実質的にはむしろ手取り米価の減少ということになるわけなんです。これは農林省としても不勉強で、政府部内においても大蔵省の方針に従ったようにわれわれは考えておるのですが、実際問題として具体的に個々の検討を行なった場合においては、減税制度を廃止して、たとえば一石七十五円の米価の引き上げを行うというようなことにしても、米を政府に売り渡す農家の実際の手取りはむしろ減少するということに実際になるわけです。そういうことになれば、これは全く巧妙なインチキ農政であるということにもなるのです。従って、このことは、農林大臣においても、もう地方からいろいろ痛烈な批判があり、あるいは農業団体等からも指摘を受けておると思うのです。これは誤まりであったということをお考えになっておると思いますが、いかがですか。——いや、農林大臣に。全部渡部さんが農林大臣の答弁をしておっては……。
○三浦国務大臣 これは、この前から申し上げておる通り、規模の大きい人は若干の影響はないとは言えません。しかし、それを保護するために従来の税制その他のなにをそのまま存置しておくことはどうかということでございまして、小規模の方の農家につきましてはいずれも利益になるのでありまして、われわれはそれをとったのでございまして、決してインチキだとは思っておりません。
○芳賀委員 農林大臣の言われる小規模なと言われるのは、どのくらいの農家を言うのですか。有利であるという小規模の農家というのはどのくらいのものをさしますか。これはピンからキリまであるからわからぬ。これは、具体的に、三百十五万販売農家のうちの、この七十五円の引き上げによって実際に恩恵を受ける農家の内容を……。
○渡部説明員 これは予約減税でありますから、所得税と地方税を納める農家ということになっております。地方税はほとんど大部分の農家が関係しますが、所得税は今度の税制の改正によって四十数万戸になってくるわけです。従いまして、四十数万戸だけが予約減税の恩恵を受ける。その人は言いかえればそれだけ手取り米価がふえるのだ、こういうことでございます。それだけの少い農家の米価の手取りを多くするよりも、それに見合う額を三百万戸に近いその他の小規模の売り渡し農家に石七十五円予約加算としてつけた方が全体的にいいんじゃないか、こういうことでございまして、そこで、どの程度の規模からということでございますが、大体私どもの試算では、全国的に申し上げますと、五十四石以上の生産農家は所得税が予約減税がなくなると従来よりも率が悪くなる。しかし、これは、早場地帯の予約でない時期別加算を非常によけいとるという地域では三十七石くらいの生産農家以上の規模の人に影響がある。そのほかそれ以下の規模の人は得をする、こういうことになるように想定しております。なお、この点でいろいろ御意見がございましたので、私の方では目下実地について調査をしております。この集計が大体今週の末ぐらいにできますから、もし今申し上げておりますことに間違いがありますれば、そのときに訂正さしていただきます。
○芳賀委員 それは大きな間違いがあるのですよ、長官の答弁の中にも、今年度から全般的な所得税法の改正による減税というものを頭の中に入れないでやっておるところに問題があるわけなんです。これは、ことしからの所得税の減税というのは、これはひとり農民だけではないのですよ。全国民を対象にして所得税の減税というものは行われるわけだ。特に農民あるいは勤労所得者は、これは大体扶養控除の引き上げが中心ですから、扶養家族の多い人たちは相当減税になるということになる。ですから、税制度の改正によって農村においてもある程度の所得税の引き下げというものが行われてくるわけなんです。ですから、それと今度の予約減税の廃止というものを混淆して考えると非常に問題が大きくなってくると思う。これは昨日、一昨日の委員会においてもわが党の石田委員や栗林委員からも指摘された点なんですね。政府としては、われわれ社会党が予約減税に反対して富農擁護の考えに立っているのじゃないか、これは非常に間違った考えじゃないか。これは具体的な例をあげると、一体、日本の米作農家の中で、たとえば男子一人の米の生産力というものの最高の限界はどのくらいの生産をすることができるのですか。男一人の労働の限界において最高限度何石の米の生産ができるのですか。まずそれからお伺いしましょう。
○渡部説明員 これはよく調査してみないとすぐお答えすることはできないと思います。これは地域々々によって違うし、農機具の使い方によりまして、農薬の使い方、肥料の使い方によって違いますから、これは今すぐ見解を申し上げるということは、私、手持ちの資料ではできません。
○芳賀委員 それでは、たとえば地域によっても違うが、一町歩の耕作を一人の農家の従業者だけでやれるですか。水田一町歩を。
○渡部説明員 その質問の意味がよくわかりませんが、一人というのはどういう意味ですか。
○芳賀委員 一人は一人だ。家族じゃないですよ。米の生産に従事する男子の労働によって、一人の年間の労働力で一町歩の耕作が完全にやれるかどうかということなんです。
○渡部説明員 これは非常にむずかしい問題で、そういう質問には私あまり答えることはできないと思います。それはやっぱりその人の腕力にもよるだろうと思いますし、知能程度にもよるだろうと思います。これは非常にむずかしい問題で、もっと端的に、どういうことを答えればいいのか、実のところ……。
○芳賀委員 それはあなたが日本の農民の中に相当富農階層があるという間違った考えの上に立っているのですよ。しかも農政を担当しているあなたたちがそういう誤謬に陥っているわけだ。だから、たとえば米作農家の場合は、一人に限定するということに無理があるが、たとえば三人の自家労働を中心にして二町歩とか二町五反の経営をやっておるという例は、これは幾多あるわけだ。それを単位労働に限定した場合に、一人の最高限度はやはり一町歩くらいが最高だと思う。その場合、その一町歩から、たとえば反当四石の生産があがったとしても、四十石でしょう。一石一万円にして四十万円じゃないですか。それが全部所得だったとしても、その農家の一人の所得が、経費も何も除かないで四十万円だから、四十万円の所得をあげるという農民が富農層ということになるのですか。
○渡部説明員 私はそういうものを富農層とは考えません。ただ、農家の中で階層別に上層と下層と見て比較的富裕である。これも比較論でございます。どうしたって比較論以外には絶対的な富農層ということは言い得ないわけです。
○芳賀委員 ですから、この際政府としても富農政策のために減税措置を講じたのではないと思う。米の集荷対策とか、そういう一つの保護政策として取り上げて、これは数年間続いてきている。だから、これは農民の側から見れば一つの税制上の既得権です。そういうことになるでしょう。既存の制度というものは非常に歓迎されて、これは悪政でないということで今まで継続されてきておるわけだから、それを今度一ぺんに剥奪してしまった。そうして実際の手取り米価が今までよりも七十五円それに見合うものが米価の中へ算入されても、実質的には増税によって手取り米価が減少するということになれば、これは今までの制度の方がよかったということになる。これは既得権を剥奪することにもなるのです。零細農民に対して、今まであった税の制度をなくして、そのかわり七十五円米価を上げてやればいいじゃないかというようなことでは、これは相済まぬと思うのです。ですから、われわれとしては、具体的な資料の上に立って、むしろこれは実質的な手取りの減少になるという事例を持っているわけです。あなたの方ではそれがまだないわけです。この点については、ここですぐ結論を出すことができないとしても、この具体的な事例というものを十分全国的に地域別にも階層別にも検討して、所得税、地方税を通じてこれが米価の実質的な値下りになるかどうかということ、それから、特に今後の農政上の問題としても、一体農民のどの階層に重点を置いた農業政策を今後進めるかということにも問題があると思う。最近の傾向からいくと、兼業化がずっと激化して、専業農家は全国の三分の一くらいしかないということになっておるわけです。ですから、専業農家を中心とした農業政策というものを今後進めていくか、あるいは、もう大部分が兼業化されておるのだから、兼業の方の広範な階層というものを相当重要視した農業政策というものを取り上げていくとか、これはいろいろな将来の基本的な農政上の問題が出てくると思うのですが、一体どこに中心を置いて今後の農業の政策あるいは農業生産の拡大をはかるかということになると思うのです。そういう基本的な問題については、農林大臣としてはどう考えられますか。
○三浦国務大臣 私は、今後は、いわゆる兼業農家等に就労の機会を与えるということ、それからその収入等を増額するということに今後の施策の重点を指向しなければならぬ、こう考えております。
○渡部説明員 さっきの予約減税の関係でございます。私の方の趣旨がよくおつかめになっていないと思うのですが、私の方は、当初予約減税が出発したときは九十四万戸が予約減税の恩典を受けていたのが、四十数万戸になるということが一つです。それからまた、予約減税というものは、石当り米価の手取りが予約減税を受ける人と受けない人によって違うのです。違うというのは、比較的上層農家に有利に違うということでございます。従って、その有利に違う部分がこんなに少いならば、その部分をもっと大多数の方に引き直した方がいいのではないか、こういうことでございまして、農家が絶対に富農であるとかなんとかという問題と違って、零細農家の手取りが少いようなやり方は間違っている、こういうふうな考え方でございます。これも予約減税だけで直すということも無理だと思います。ほかのことも伴わなければならぬと思いますが、予約減税で直すことも、上層階級の実質的手取りが多いということはいかにも私どものやり方が間違っているのじゃないか、こういうところでございまして、その点をよく了解していただきたいと思います。
○芳賀委員 ですから、これはやはり政府の米の集荷上の一つの施策とも言えるわけですね。政府に販売した農家についてはこういう減税制度があるという一つの約束でこれは行われているのですからね。もう一つは、農林大臣も今言われた通り、この兼業農家の面においても相当重点的に今後施策を進めていかなければならぬ、これはもっともなんですが、それと同時に、現在の専業農家がこれ以上減少しないような強力な施策もまた必要だと思うのです。そうじゃないですか。
○三浦国務大臣 傾向としてどういうふうに持っていくかということでございましたので、われわれは、傾向としては、今後この零細な兼業農家等に力点を置いていかなければならない、こう申し上げたので、現に農業に従事しておる者の福利厚生を確保し伸ばしていくというのは、基本的にさようでなければならぬと考えます。
○芳賀委員 この予約減税の問題は、別に政府がやる意思がないと言っても、われわれはそれで引き下るわけではない。これは、われわれ議員の立場から法案を国会に提出して、従来も議員立法でやってきた制度なんですから、政府にそのような意思がないということが明らかになれば、これは適当の機会に法案を提出して成立させて、そうして今までの制度を生かすということに対しては十分の努力をする考えですが、しかし、政府においても、その当時の考えと内容においては、相当大きな誤算とか問題が全国的に随所にあるということは大体もう察知されておると思うのです。ですから、そういう点に対してもまじめに検討を加えて、これは失敗したとか間違いがあるという場合においては謙虚に反省する必要があると思うわけです。その点は、大臣、どうですか。
○三浦国務大臣 常にまじめな態度で検討は重ねます。
○松浦委員長 石田宥全君。
○石田(宥)委員 三十四年度産米価格の算定方式の問題については、芳賀委員から質疑が行われまして、はなはだ不明確な答弁でございましたが、しかしながら、まだ政府の案が固まっていないとすれば、これはまあやむを得ないことだと思います。しかし、先ほど芳賀委員の質問に対して、米価審議会に諮って御意見を聞いた上で決定をしたい、こういう大臣の答弁でありますけれども、これは大臣の答弁の方が間違っておると思うのです。米価審議会というものは、閣議において諮問案を決定されて、閣議決定の諮問案について諮問をされることになるのであって、従来は、諮問案についていかなる答申が行われようとも、ほとんどこれを修正しないという慣例があるわけです。これは長い間の実績に徴して明らかなんです。だから、われわれは本委員会においてこの問題を追及しておる。この委員会等においてもう少しざっくばらんな大臣の考え方というものが明らかになりませんと、結局は、米価審議会に、政府の恣意的なというか、予算米価に合せるような、きわめて政治的な、従来言われておったような米価の諮問が行われるということになるのです。しかし、大臣は、任期はいつまでだかわからないとしても、少くとも現在の三浦農林大臣の責任において、ことしは違うんだ、違う方式をとるんだということならば、話はわかるのです。一体、ことしは、従来のような諮問の仕方でなしに、政府案を固める前に懇談会なり何らかの形で米価審議会の委員にお諮りになった後に諮問を正式に行われる方針なのかどうか、これを一つただしたい。
○三浦国務大臣 今石田委員のお尋ねのように事前にいろいろ協議等をしましてそれで政府原案をとりきめるということは、事実困難だろうと思います。従いまして、私たちとしましては、今策案の過程でございますが、当委員会等で御論議のありました点を十分参酌しまして、そして一応政府の責任のある案をとりきめてお諮りする、こういう運びにいたしたいと考えます。
○石田(宥)委員 そこで、その算定方式その他については、芳賀委員から相当詳しく質問が行われておりますので、私は今芳賀委員が最後に質疑を行われました予約減税の問題をもう少し堀り下げて質疑を行いたいと思う。と申しますのは、これは、春の通常国会の予算審議等の際には、ただいま大臣が答弁されましたような抽象的な論議で終っておりましたので、実はあまりはっきりした資料が整わないままに議論が終っておったわけです。ところが、その後農業団体等が相当多くの府県にわたって実地についての調査を進めておりましたところ、当初私どもが考えておったよりもはるかに影響が大きいことが明らかになりました。米価が決定されると直ちに予約にとりかかるわけでありますが、予約を進める上においての影響が非常に大きいことが憂慮される。農民の各層にわたる大部分の農民がこれに対して非常な不安の念を持っておるわけでありまして、予約制度自体に支障を来たすのではないかという不安がございますので、この点についてはもう少し問題点を明らかにしなければならないと思うのであります。 きのうもちょっと触れておったのでありますが、食糧庁長官の考え方はちょっと納得がいかないのです。抽象論としてはわれわれもわかるのですよ。けれども、具体的な問題になりますと、長官は全くこの問題を理解しておらないと言っても過言ではない。これはなぜかと申しますと、たとえば扶養控除の問題でありますが、食糧庁が発表したこの資料に基きますと、扶養家族の数は三・七六人ということになっておるのです。そこで、実際問題としては、農家経済調査やあるいは大蔵省の主税局の調査によってももっとずっと多い。たとえば主税局調査の所得税課税農家の平均家族数は六・六人だし、農林省の農家経済調査では平均家族数は六・三人になっておる。それを三・七六人という数字で計算をしておるのは不合理じゃないか、でたらめじゃないか、こういうことをこの前に私が質疑をいたしますと、食糧庁では説明がつかないで、大蔵省から担当係官を呼んで答弁さした。その答弁によると、その理由は、配偶者が五万円以上の所得がある場合は、控除額が七万円でなく五万円で打ち切られるからである、こういう答弁をしておる。一体、農家で——これは大臣もご存じなはずなんだが、農家の中で配偶者等が五万円以上の特別の所得を持っておるような農家というものがあるかないか、これは常識判断で明らかですよ。それを、全国平均において、配偶者の中で五万円以上の所得があれば扶養控除額は税法改正の七万円でなく五万円で打ち切られるから、そういう数字になっておるということは、どこへ行ってもこんなものは通用しませんよ。かりに少な目に見て六人としても、そのうち経営者が一人とすれば、五人にならなければならない。それを三・七六人というのは一体どういう理由か。この点では私はあなたから答弁を求めようとは思わないのです。一例をあげておるにすぎない。そういうふうなずさんな計算に基いておるということを指摘したいのです。あるいはまた、ことしから税法改正になった、それを農林省の資料は平年べースで出しておる。そういうことは、これも常識でわかる。本年の三月までは前年の税法が適用されておる。四月以降にならなければならない。三ヵ月分は控除されなければならない。それを控除しないで平年べースで計算しておる。こういうふうなことが、長官が言うように零細な農家にはプラスになるんだという断定の根拠になっておると思うのですよ。こういうでたらめな数字、今長官の答弁によると、たとえば五十石ないし五十四石以上の農家には若干マイナスになるがと、こういうことを言っておる。ところが、これは、われわれの資料によりますと、たとえば、早場地帯じゃありません、山梨県を例にとると、三反七畝しか耕していないで十三石二斗の生産数量の農家で、かろうじて石当り二十四円のプラスになる。ところが、七反六畝で生産数量が十二石八斗の農家で石当り二十八円のマイナスになるのです。それから、五反六畝で十五石六斗しかとっていないところで石当り六百五十三円のマイナスになっておるのです。こういうふうに、もう具体的な数字が出ておるのです。一体農林省がどういう機関を通じてどういう調査方法で調査をされたか知らないけれども、五十石ないし五十四石以上の農家の方にはマイナスになるけれどもその他の小農の方はプラスになるというような根拠は、私どもは理解できないし、また長官がそういうことを強引に主張される理由というものは、さっき指摘したような農林省の根本的な資料に欠陥があるからそういう結論が出ておると思うのです。この前も私が出し上げたのですが、租税特別措置法では、大企業や大産業資本家にはまだ八百億も減免税をやっておる。政府は本年から五百億減税を断行した。しかるに、農民に対しては、今日まで調査したところの資料に基くと、少くとも七、八十億の増税になることは間違いありません。これは所得税だけではありませんよ。住民税が入るからです。住民税を入れると七、八十億の増税になる。一方の国民には五百億減税をやりながら、農民に対しては七、八十億の増税をする、こういう結果になる。しかも、この予約減税は、租税特別措置法による減税ではないのです。これは、私は昭和三十年に米価審議員をいたしておりまして、米価審議会における河野農林大臣と最終決定の際に小委員として特にそれに参加して、これは低米価に対するプラス・アルフアでやったことはもう当時の記録で明瞭なんです。ですから、明らかに低米価に対するプラス・アルフアとしてやってきたものを、大蔵省の臨時税制調査会あたりでは、あたかも租税特別措置法によるもののごとき見解のもとに、これを廃止するという意見が数年前から出ておった。一体、農林大臣は、今私が指摘しましたような農林省の薄弱な誤謬だらけの資料に基いて農民に対して莫大な増税をあえてするような予約減税廃止に同意をされた根拠、理由、これを私は明らかにしてもらわなければならないと思うのです。
○三浦国務大臣 この問題は、前国会におきまして説明した通りでございますが、今御指摘になりました基礎になっておるいろいろな資料、それらについても問題があろうかと思うのであります。前回の国会でも説明申し上げました通り、逐次所得税も減免をしておる。そうなってきますと、従来租税の納入の対象になっておる人たちも、だんだん減少して参る。そうしますと、特定の人のみがその減税の恩典に浴するということは、米の集荷の上においても適当でない。従って、その減税分は一般の農家に還元するということが相当だと考えます。それでこれに同意したわけでございます。しかし、同時に、今いろいろな事例を引いて御指摘がございましたが、なお当局としましては詳細な調査のデータはまだ持っておらぬのでございますけれども、それに対しましての一応の考え方は、企画課長から説明さしていただきます。
○石田(宥)委員 企画課長の答弁は要らぬ。大臣に質問しているのだから。 そこで、この前本委員会においてこの問題を指摘しましたが、長官や企画課長は依然として前説を固執しておるのですよ。しかし、固執しながらも自信を持っていないことは明らかなんです。なぜかというと、それを指摘された後に独自な調査を始めたということなんです。もし確信を持ってやるならば、何も独自な調査をその後に始める必要はない。これは事前にもっと精密な調査と資料に基いて決定さるべきものなんです。それを、何の自信も持たず確信のないままに閣議で同意を与えられた大臣の責任は重大だということを私は言っておるのです。そこで、その当時は、われわれも、富農保護政策のような予約減税というものは改めるべきではないかという議論は、抽象論としては一応納得できる、しかし、そのことについて具体的に試算してみたところが、これは相当違った結論が出そうだからというので、実は再検討を迫ったわけです。ところが、再検討を迫ったにもかかわらず、先刻私が指摘を申し上げたようなずさんな資料で、しかも農林省としては自信を持って答弁ができなくて、大蔵省の係官まで呼んで答弁をされておるけれども、その答弁がまたでたらめだということです。これは明らかですよ。これは弁解の余地はないんです。そういうふうなことから、今農民の間に大きな動揺を起しておる。農業団体、農業会議等があげてこの問題に当って苦慮しておるわけなんです。従って、私は、その後の数字がだんだん明らかになってきた場合に、その根拠に間違いがあったということが明らかになった場合に、これは当然予約減税なるものの存続を必要とすると思うが、しかも、農林大臣は、そういう重大な誤謬を犯し重大なあやまちを犯して、そのまま退任して一体いいのかどうか。そういうことは非常に重大な問題をあとに残していくことになると思うが、現役の間にこの問題については何らかの結論を出すべきであり、農林大臣としての責任において明らかにしなければならぬ問題である、こう私は考える。今日ここまで私が具体的な事例をあげて申し上げておるのですが、その責任を一体どうお考えになっているか。
○三浦国務大臣 今御指摘になりまして、いろいろ資料等につきましても御説明がありました。われわれとしましては、その御提案になったような資料を当局としましても厳密に検討した上に対処いたしたい、こう考えます。従いまして、今後、お手元にあります資料等はもとよりわれわれとしましては尊重しますが、当局としましても責任のある検討をした上に最終的な態度をとるべきだ、こう考えております。
○石田(宥)委員 そこで、一つ課長にお聞きします。今度の予約減税を廃止するに伴うところの農家の税負担に及ぼす影響というものは、どういう構想のもとで、どういう機関を通じて、どういう意図のもとに——ということは、おそらく農業団体の方の資料は比較的富農層をねらって調査したのではないかというようなことを言いたいのだろうと思う。同時に、今度われわれから言わせると、比較的その下層の方の貧農の小農の方を中心にねらって資料を出してくるのじゃないかということが考えられるわけなのです。そこで、調査の仕方を一つざっくばらんにまず伺っておきたい。
○大和田説明員 ただいまの御質問にお答えいたします前に、石田委員から三つ、四つの論点に触れられておりますので、その点を簡単に申し上げます。 第一は扶養控除の家族数の問題で、これは確かに御指摘のような問題もあろうかと思います。また、農家経済調査その他の家族員数との食い違いは、むすこが鉄道に出ていたり、あるいは学校の先生をしていたりする場合に、扶養控除からはずされるわけでございますから、これは私の方で実態の調査を現在やっておりますから、私の方の見込みが大体合っていると思いますけれども、それは実態調査の結果によってなおチェックいたしたいというふうに考えております。御指摘のようにただ三人あるいは四人ということが農家経済の実態とは遠いというふうには、私たちは考えておりません。 第二点は、三十四年の税率が四分の三でございますから、これは四月から減税の対象になるわけでございますから平年ベースを使うのはおかしいという御意見でございますけれども、これは、かりに三十四年度ベースを使いますと、国税において大体十五億台の相違がございますけれども、地方税においてはゼロでございます。従いまして、三十四年ベースで切りかえをいたしますと、十五億円を三千二百万石で割るということになりまして、予約減税のかわりに申し込み加算に加える額は五十円程度にしかなりません。従いまして、私どもは三十四年度ベースでやるかどうかということを一応考慮いたしましたけれども、それでは国税と地方税と両方をながめて切りかえをいたしませんと大へん不公平になりますので、あえて平年べースにいたしたわけでございます。これは農家の手取りを少々計算するということとは逆でございます。その点御了承を願いたいと思います。 それから、もう一つは、先ほども長官が、普通の政府に対して米を売り渡す農家の所得税の負担が全国一律で五十四石まで、それから早場米地帯で三十七石程度までは所得税においては従前のものとは変らないというふうに御説明いたしたわけでございますけれども、その意味は、あくまで所得税について変らないということを申し上げたわけですが、石田委員も議論でお取り上げになりましたように、かりに扶養家族の数が六人といたしますと、今までと違って七万五千円だけ扶養控除額がふえるわけでございます。新しい所得税の改正と従前の所得税法とでは、扶養家族六人をべースにいたしますと七万五千円だけ扶養控除で少くなるわけでございます。税率が今回の所得税法の改正によって多少低くなったわけでございますけれども、その点を別にいたしましても、扶養控除で七万五千円少くなるということは、予約減税で一律に千四百円でございますから、今まで予約減税で課税対象にしなかったものが一石千四百円でございますから、それがやめられても扶養控除で七万五千円だけ控除額が多くなりますと、七万五千円を千四百円で割りますと五十四石になるわけでございます。従いまして、従前の所得税法が変らないという前提に立って予約減税ある場合と、所得税法が変りまして予約減税がない場合とを比べますと、所得税に関する限りはまさに五十四石分に相当するわけでございます。なお、これは全国の数字でございますから、八百円の時期別格差をもらうところの石川その他の超早場米地帯でも、実は八百円というふうには正確にいっておりませんけれども、かりに八百円時期別格差をもらうところで二千円にいたしますと、それでも七万五千円という数は三十七石五斗に相当するわけでございます。そういう意味で申し上げた次第でございます。 なお、全中で取り上げましたこの資料につきましては、実は私まだよく検討いたしておりませんけれども、石田先生がお話されましたように相当な上層偏異を示しておるように考えるわけでございます。全国で二百三十三戸の中で、今度の所得税の改正がありましても予約減税ある場合に所得税を納める農家が百二十八戸で、これは五四%に相当いたします。予約減税がなければ百五十四戸で六六%程度になるように考えます。——まだよく吟味をいたしておりませんけれども。従いまして、現在の米の売り渡し農家の戸数というものについては、先ほどもお手元に資料として差し上げましたけれども、三百十万戸ぐらいでございます。所得税を従来納めておる農家は六十万戸と少々でございますから、全農家に比べて一割、米を売り渡す農家に比べて約二割程度が実態でございます。しかし、この表では、それが五割ないし七割程度になっておることは、この資料を御利用願います場合の一つの問題点であろうかと思います。 それから、もう一つは、今山梨県について資料の御指摘があったわけでございますけれども、この資料でAマイナスDというのは、実は予約減税存続の得失を表わす数字でございますけれども、Eプラス1、これはどういう意味の数字であるか、私たちは了解いたすことができません。なぜかといいますと、AマイナスDで、所得税法が直って、しかも予約減税ある場合とない場合との比較でございますので、それ以外の数字はないはずでございます。それにまたEプラス1というのを加えますと、予約減税存続の場合の税額、予約減税AマイナスDというところが二回出て参りますから、これはいかなる意味の数字であるか、私たちは了解できません。予約減税存続の得失を見る場合には、あくまでAマイナスDで、それで見ますと、下層といいますか、下層といいましても相当な農家で、水田面積が七反六畝とか五反六畝というものが含まれておりますけれども、それでも九十円、石当り二十二円とか十三円とかいう今度の措置によってプラスになるようになっております。御指摘になりましたその二十八円とかあるいはその他の数字で、Eプラス1のところは、これは私どもは了解いたすことができない数字でございます。 それだけをお答え申し上げまして、調査でございまして、これは地域別に平場地帯あり山場地帯あり、地域的に大体代表性のありますところの約二十の村につきまして、きのうも生産費調査で申し上げましたように、ランダム・サンプリングで五分の一程度の抽出をやりまして、二千五百に近い程度の戸数について現在集計をいたしております。これは集計がおくれて、私どもも実は、全中からこういう数字が出ていて、私の方は数字が出ておりませんので、はなはだ恐縮をいたしておりますし、また残念でございますけれども、資料ができましたら印刷にいたしまして、詳しく御説明をいたしたいと思います。
○石田(宥)委員 今課長がいろいろ説明をしておるのですが、これは所得税を中心にした議論なんです。私どもは、予約減税というものは、従来自治庁の特別な措置で住民税にこれを適用することになっておるものですから、所得税だけで私どもは議論をしておるのではございません。これは一つ明らかにしておきたいと思います。 そこで、先ほど大臣に申し上げたように、また大臣もそれについてはよく精査をした後に云々という答弁があったわけでありますが、結果的に、農林省の調査がどう出るか、それによってということでありましょうが、ここでわれわれが指摘するように、その税額が、所得税が十五億、住民税が八億というような数字でなくて、もっと非常に大きな数字だということが明らかになった際に、これはさっき芳賀委員も指摘されたように、本年中にきまればよろしい問題でありますから、場合によったら——昨年と一昨年は政府提出の法案でありましたけれども、それまでは議員提出立法でやってきたものでありますから、今直ちにこれを処理しなければならない問題ではございませんけれども、この問題で私どもが指摘するような、それに近いような結論が出た場合において、これを存続する用意があるかないか。これは当然存続すべきものであると思うが、大臣はいかように考えておられるか。
○三浦国務大臣 この問題は重要なことでございますので、先ほど申し上げました通り、精査いたしまして、十分に各方面から検討した上でわれわれの能度をきめたい、かように考えております。
○石田(宥)委員 特に、この問題は、先ほど申しましたように、予約制度が維持存続できるかどうかという点で及ぼす影響は非常に大きい。特に農林大臣の出身県であられる秋田県などでは、政府に売り渡すよりも安いやみ米が年々相当量出回っておるわけであります。一体なぜそういうものが出るか。これは、言うまでもなく、政府に売り渡せば高く売れるけれども、それが課税の対象になることをおそれてやみ米が横行しておるわけであります。従来のような予約減税で所得税や住民税に大幅な減免税が行われた際もやみ米が横行したものが、今度この制度がなくなりますと、ひとり秋田県や山形県のみにとどまらず、全国的にそういう現象が顕著になって参りますと、結果においては予約制度が崩壊するおそれがある。こういう点をわれわれは憂慮するわけです。これについて、農村のこともよくおわかりの農林大臣は、そういう点の影響をどうお考えになっておるか。
○三浦国務大臣 米の問題は、石田さんは最も造詣の深い方ですからなんですが、やみ米のいろいろな動きというものは、必ずしも税金ばかりでは私はないと思うのです。われわれの周辺の農家でも行われておるのですが、ただ単に税金だけの問題ではなかろうと思うのです。いろいろ、家族や経営の問題だとかいうこともございますのでなんですが、この問題は前国会にも申し上げました通り、われわれとしましては、規模の大きい特殊な人は影響が絶無だとは言えぬけれども、大多数の人人にむしろ減税の恩典は帰属するようになるからということでこの制度を支持してきたわけでございます。しかるところ、なお検討せよ、いろいろな資料から見て非常な重税もしくは増税になっている、こういう御意見でございますので、果してそれが増税になっているかどうか、従来政府が取り来たった減税の効果がどういうふうに具体的になっているかどうかは、よく検討して調べた上でなければわれわれは結論を出せないと思うのです。従いまして、これを十分に検討しました上で対処して参りたいということでございますから、御了承を得たいと思います。
○石田(宥)委員 そこで、もう一点伺いますが、先ほど申しましたように、予約減税というものは低米価に対するプラス・アルフアとして発生した。ところが、きょうの答弁では、七十五円というものは予約加算、こういうことではっきり出てきたわけです。予約加算ということになりますと、米の統制の存廃とは別にまた予約制度というものについての議論が出て参ります。その際に、完全なる米価の中に入っていないということになると、予約制度が云々されて参りますと、直ちにこれが切り捨てられるおそれが十分にあるので、やはり、予約加算としてではなしに、予約減税引き当て分の加算ということにこの点は明らかにしておかなければならない性格のものであると思うのです。それをしいて予約加算にされたということは、予約制度を強化するという点においてはプラスになるかもしれない。しかし予約制度そのものが議論の対象になって、予約制度まで行う必要がない、——今日経団連あたりで統制そのものについての議論が行われておって、統制を廃止しろというような議論も行われているような時代に、統制廃止まではやらないけれども、予約制度はやめようじゃないかということになりますと、この部分が完全になくなってしまうおそれがある。これを予約減税引き当て分としての加算にしないで予約加算に加えられた理由はどういうことなのでしょう。
○三浦国務大臣 私は当時のことは詳しく知りませんけれども、当初この予約制度開始の際に、河野さんの大臣のときだと思いますが、大体二百五十円程度の予約加算をつけてほしいということであった。ところが、具体的には、百円は加算金としてつける、あとの百五十円は減税制度を置いてこれに対処するということでこれが開始されたと聞いておるわけでございます。しかるところ、だんだん減税も進んで参りましたので、今では当局の計算でございますと二十億程度の減税の分になってきた。それを当初の考えのようにこれをつけ加えることに整理すれば百七十五円になる、こういうことになるわけでございます。同時に、この加算をやめるかどうかの問題でございますが、これは仮の話でございますが、私は当分のうちこの予約制度というものは持続せざるを得ない客観情勢にあると思う。従いまして、現在としましても、農林省は統制撤廃の意見はございません。かりにこの問題等がある意味でだんだん変るといたしましても、実質的にやはり米価でございますから、これは尊重さるべきものだと思います。われわれとしましては、かりに予約制度が変ったような場合に米価の基準としてこれを見ないかどうかということでございますが、実質的にこれは米価をなすものでございますから、それを尊重して処理するのが最も適切なことではないかと考えます。
○石田(宥)委員 大体この程度で終りたいと思うのですが、特に先ほど来申し上げているように、昭和三十四年度の生産者米価と同様に、あるいはそれ以上に農民が関心を持っていることでもあり、また予約制度それ自体に及ぼす影響も大きい問題でございますので、この点についてはぜひ本委員会の意向を尊重されて善処されるように希望を申し上げて、私の質問を終ります。
○神田委員 関連して……。 時間も大臣ないようでございますから、簡単に本日はもち米の加算金の問題についてお尋ね申します。 農林省当局は、本年度におきましてはもち米の加算金を幅を狭くするような考えを持っておるということを聞いておるのでありますけれども、大臣はこの点についてどのような考えを持っておられるか、伺いたい。
○三浦国務大臣 もち米の加算を減らすような検討をしておる、こういうことを聞くがどうかということでございますが、これらの計算の基礎は、企画課長にやらせておりますから、企画課長に一応答弁をいたさせます。
○神田委員 大臣の基本的考えはどうなんですか。
○三浦国務大臣 基本的には、私は、不利益にならぬようにしたい、こう考えております。
○大和田説明員 今大臣から御答弁がございましたように、もち米の消費の伸びが最近非常に悪いということが一点ございます。それから、特に陸稲のもちについては、なかなか引取手が見つからない、売れない、はっきり申し上げますれば売れ行きがなかなか悪いという問題がございます。しかし、従来一俵当り四百五十円の加算を長いことやっておりました経過もございますので、そういう売れ行きの実態を見てすぐ下げるというふうにも考えることはなかなかむずかしいことでございますから、消費の実態その他を現在こまかく調査をいたしまして検討をいたしておるわけであります。
○神田委員 非常に大事な問題でありますので、いま一回大臣に答弁してもらいたいと思いますが、私は、今までもち米の加算金をやっておって、この際加算金をなくするということになりますと、これは畑作振興上から農業経営に非常に大きな影響を及ぼす。ことに日本では食糧が満足に生産されていないときに、畑作における陸稲もちを減らすということは、私は、日本の食糧需給の調整上非常に大事なことであると思う。だから、売れ行きが少しぐらい悪いからといって、この点でもって価格を引き下げるということに対しましては、これは大きな観点に立って善処してもらわなければならぬ。そういう意味合いにおいて、もち米の加算金の引き下げというものに対しましては軽々にやるべきじゃない。そういう点、慎重な御考慮を願って、今までと同様の加算金をすべきものである。こういう点を私は強く要望する。大臣の御答弁をお願いします。
○三浦国務大臣 御指摘のように、慎重に検討して善処いたします。
○松浦委員長 午後は二時三十分より再開することとして、これにて暫時休憩いたします。 午後一時十三分休憩 ————◇————— 午後二時五十三分開議
○松浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件、特に農林水産物の貨物運賃問題について調査を進めます。 本委員会といたしましては、本問題につき、去る四月三十日、農林水産関係の国鉄貨物等級改訂に関する件という決議を行なったのでありますが、その後の国鉄当局における貨物運賃改訂の問題がどのように進捗しているか、その問題の経緯等についてまず説明を求むることといたします。磯崎局長。
○磯崎説明員 四月三十日の当委員会における決議におきまして、まず二つございますが、一つは、そのまま読ましていただきまして、「等級間賃率指数における低率適用貨物の賃率指数の引上げあるいは特別等級及び公共政策割引の品目の整理又は割引率の低減等を行わないこと。」、「本年六月末日をもって割引適用期限の終了する公共政策割引は引続き存続すること。なお、農林水産関係貨物等級の改訂案の作成にあたっては、予め関係省に協議するとともに、その決定前に本委員会に報告すること。」、こういう決議でありました。 これにつきまして、第一項の方につきましては、前国会で御報告申し上げました通り、私の方に一昨年から鉄道運賃制度調査会というものを設置いたしまして、そしてなお調査会が貨物運賃のみならず旅客運賃を含めまして鉄道運賃全般の問題につきまして調査審議中でありまして、まだ結論が出ておりません。今の進行状況で参りますと、多分もう一月くらいかかるのではないかというような見通しでございますが、その中でも、御指摘の貨物の等級の問題につきましては、問題が非常に具体的な問題であり、また、私どもの知識だけで足りず、非常に専門的な知識を要する問題が多いものでございますので、ことしの一月に貨物等級の専門委員会を設置いたしまして、そして一月以降今日まで専門委員会を三回開催いたしまして、その間、小委員会を、第一小委員会、第二小委員会を作り、第一小委員会はすでに三回を経過いたしまして、一応のそれに与えられましたごく特殊な専門的なことについての結論を出しております。第二小委員会は、ちょうど現在やっている最中でございまして、まだ一回開催いたしましたきりでございます。これは貨物の等級の問題あるいは等級の指数の問題等非常に専門的な具体的な数字に当っての作業をすることになっています。第二回は多分今月の下旬か来月の上旬に開催されることになるというふうに考えております。そういうような状況でございまして、まだ御決議が具体的にどうこうという段階まで立ち至っておりません。調査会の答申が出まして——ことに、答申が出ましても、貨物の等級だけにつきましては、専門的な事項であるので、答申の中でその問題は別にして、それだけあとに回すというようなことになるかというふうに考えております。具体的に全部の答申が出そろいますのは多分九月か十月ごろに相なるのではないかというふうに考えております。もちろん、これも、私どもの事務局と申しますか、事務をやっております者の推定でございます。その後どういうふうに委員会の論議が進展いたしますかによってはまた変って参るかと存じますが、一応私どもといたしましてはその程度の進行状況にしていただきたいというような趣旨のことを申し上げております。 それから、今月末に期限の切れます公共政策割引につきましては、過般の当委員会の御決議につきまして、総裁から、十分調査研究いたしましてというふうに申し上げました通り、その後前国会で私からも申し上げましたが、農林省及び通産省から約百十の品目につきまして、具体的に私の方でやっております割引がどういうふうに消費者価格に影響を与えたか、及び生産者に対してどういうふうな影響を与えたか、それが全体の農林水産物の流通過程においてどういうふうな機能を果したかということにつきまして、私の方から正式に農林省及び通産省に照会を発しました。三十三年度の実績に基きまして、最近農林、通産の両省から膨大な資料をちょうだいしております。現在それにつきまして鋭意検討中でございます。もちろんこれらの品目が非常に多数にわたりまして、ことに農林省及び通産省は全然別な角度からこの問題をごらんになっているようでありますし、私どもといたしましても、その資料の中にはいろいろ、農林省及び通産省の原局と申しますか各主管局が調査された資料が多いのでありますので、精粗おのずから趣きも違っておりますし、また見方あるいは数字の検討の仕方等につきましても必ずしも一様ではない点もございますので、それらにつきまして農林省、通産省と種々意見を交換いたしました上で、その後の問題について十分検討をいたして参りたいというような段階になっております。 一応今までの経過を御説明申し上げました。
○松浦委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。下平正一君。
○下平委員 ただいま、前国会の終りに決議をされました国鉄の運賃の改訂問題についての経過の御説明がありましたが、その後、特に国鉄の貨物運賃の値上げにつきましては、農民団体その他各関係団体が非常に不安を持ちまして、特に公共割引が今月末切れ、続いて等級表の改訂等を通じて相当な運賃値上げが行われるではないかという心配を皆さん方がしているわけであります。仄聞するところによりますと、三月の十九日、それから四月の三十日に農林水産委員会等で決議をされた趣旨とは、逆な方向といいますか、もっと心配をされる方向へ向っていると私ども聞いておりますので、この際具体的な問題数点について御質問をして、運輸省の考え方あるいは国鉄当局の考え方をただすと同時に、前国会の決議に盛られたような、日本の農民の人たちの心配がないように一つ手配をしていただきたいと思うわけであります。 その前に、公共割引といわれたり、あるいは等級制度といわれたりしておりますが、やや専門的でありますのでなかなか理解がされないと思います。そこで、国鉄の当局に、まず、現在の割引制度あるいは特別等級、一種の割引だと思いますが、こういうものについて、大体どんな品目がどの程度に運賃軽減をされているか、詳細とまでいかなくても、できる限り詳しくお知らせ願いたいと思います。
○磯崎説明員 ただいまの下平先生の御質問にお答えいたします。多少数字がこまかくなりますが、実はごく最近まとまった数字でございますので、まだ印刷してお手元にお届けするまでに至っておりませんことを非常に恐縮に存じますが、幸いに昭和三十三年度の最近の数字がまとまりましたので、それにつきまして御説明させていただきたいと存じます。 その前に、私の方の貨物の運賃と申しますのは、根本的にトラックの運賃と違っておりまして、御承知の通り、トラックにつきましては、どんな品物を送りましても、一トンーキロ幾らという運賃制度でございますが、私の方は、鉄道が陸上交通事業を独占しておりました当時の運賃制度、すなわち貨物の価格によりまして貨物の運賃が違うという貨物の等級制度をとっておるわけでございます。従いまして、鉄道に出貨されます約七千ばかりの品目がございますが、この七千ほどの品目を一応二千数百に圧縮いたしまして、その二千数百につきましておのおのある一定の時期をきめまして、その一定の時期の価格を決定するわけでございます。これにつきましては、もちろん行政官庁の農林省、通産省あるいは文部省等のお力によりまして、ある一定の時期の価格を決定いたしまして、その次に、二千数百品目の各価格がきまりましたあとに、今度は等級と申しますのが現在一等級から十二等級までございます。数の少いほど運賃が高くて、多いほど安いということでございます。その一から十二までの等級を、第一等級は幾らから幾らまでのものを第一等級にする、あるいは十級のものは何百円から何千円までを十級にするというふうに、各等級別に価格の刻みを決定してあるわけでございます。その価格の刻みが決定されますと、今申しました二千数百品目が自動的にその等級に当てはまるということになるわけでございます。それでもって一応価格主義に基く運賃の負担がきまってくるわけでありますが、それが現在の貨物の等級の基礎でございます。 それに対しまして、まず公共的な立場から、今先生のおっしゃったいわゆる特別等級というものを設定いたします。この特別等級に属しております品目は約二百品目くらいございます。その普通等級の等級、たとえば米なら米は、米一トンの価格は幾ら幾ら、そうすると四級から四級に該当する。しかしながら、米というものは、公共政策的な意味においてその四級と別な等級を作るというように、約二百数十の品目につきまして特別等級という制度を行なっております。これが二十一級から、二十一、二十二、二十三、二十四というように二十台の番号をつけておりますのが特別等級であります。すなわち、私の方に出貨されます各品目は、普通等級の等級を持っておりますと同時に特別等級の等級と両方持っているということになるわけでります。具体的な運賃の計算は、そのあとの方の特別等級で運賃計算をいたすわけであります。従いまして、価格主義で参りますれば当然四級なり五級に入りますものも、特別等級になりますと、ずっと価格が下りまして、十級なり十一級のものと同じ運賃になるという立て方になっております。この特別等級に属しますものは、品目別に申しますと約二百数十品目、トン数から申しますと、私の方の輸送トン数のうちの約五分の一くらいであります。私の方の輸送トン数が年間一億七千万トンばかりでございますので、その約二割くらいが特別等級に属する品目でございます。そうして、特別等級に属する品目を全部洗いまして、それが全体でその運賃の割引が幾らになるか、すなわち普通等級の運賃よりも特別等級の方の運賃はずっと安くなっておりますが、安くなっております部分を合計いたしますと、約七十九億、すなわち七十九億だけ一般運賃で収受すべきものから低く割引いたしまして、割引の総額が特別等級で七十九億に相なっておるわけでございます。 さらにそれに加えまして、品目は必ずしも全部重複はしておりませんが、その次に公共政策割引というものが入ってくるわけでございます。この公共政策割引に属する品目は約百十品目ございます。これは運賃改正の際に急激に運賃負担が重くなることを避けるという意味で、一番古いものは昭和二十五年に設定いたしましたし、また一番新しいものは昭和三十二年の運賃改正のときに新しく追加いたしたものもございます。全体で約百十の品目でございます。この百十の品目は、ただいま申しました特別等級の運賃からさらに割引しておるものが大部分でございます。従いまして、特殊な例を申し上げますれば、本来の普通等級から約三割ないし四割割引をしておる品目がございます。 特別等級との関係は非常に複雑になりますので、特別等級を基礎といたしまして、現在の公共政策割引がどのくらいあるかということを一応申し上げますと、これは昭和三十三年度のごく新しい数字でございますが、トン数が合計で千四百七十六万トン、私の方の全体の貨物輸送のうちの八・五%くらいに当るわけでございます。それの割引の額の総計は二十億三千八百万円、省略いたしますと約二十億でございます。これは、昭和三十三年は御承知の通り全体の輸送量が非常に減りましたために、昭和三十一年度におきましては約二十四億ございましたものが、昭和三十三年度は二十億でございます。すなわち、金額といたしましては約二十億、トン数といたしましては約千五百万トンというものが公共政策割引の内容でございまして、品目を申しますと、非常に多数になりますので、ごく概括して申し上げますと、一番多いのは木材類でございまして、木材類が約四百万トン、薪炭類が約二百万トン、魚介類、水産物関係が約百六十万トン、野菜がやはり同じく百六十万トン、生果物がごくわずかで二万トンばかり、雑穀が約五十六万トン、いろいろな食品類が約五十万トン、家畜類が十三万トン、肥料類が九十万トン、農機具が五万トン、わら工品が十二万トン、これだけが農林関係の物資でありますが、以下通産関係の物資といたしまして、無煙炭が二十六万トン、石灰石、金鉱等の鉱石類が二百八十六万トン、その他が約八万トン。下の方の数字は略しましたので、多少合いませんが、全体で千四百七十六万トン。これがその内容であります。 これらが公共政策割引のごくあらましの内容でございますが、私の方ではそのほかにあと二種類の割引をいたしております。 一つは、災害に対する割引であります。昭和三十三年度に実施いたしました災害割引のトン数は七千二百五十五トンであります。そして割り引きました金額は千四百万円、これはほとんど全部無賃に近いものになりますので、トン数の割に金額が非常にかさむわけでありまして、七千トンで千四百万円の割引をいたしております。これは、たとえば熊野地方の水害、弘前の水害、青森、盛岡の風水害、瀬戸内の火事、福岡県の旱害、伊豆地方の風水害等、先生方のお耳に新しいいろいろな災害につきまして、具体的な物資の運賃の割引なりあるいは減免をいたしております。これが今申しましたように全体で千四百万円の額になるわけでございます。 それから、もう一つは、営業割引と申しまして、これは荷主との一種の特約に基くものでございます。私の方で、たとえばことしの出荷がこれだけだ、来年これ以上の荷物を出してくれればこれだけ割引する、すなわち全体としての収入増加のために行う割引でございます。これにつきましては、大体昨年実施いたしましたものが五十一件、トン数が八十八万トンであります。一番大きいのは四国、和歌山県その他のミカン、これが約二十六万トンばかりございます。これを含めまして、全体で約八十八万トンが営業割引の対象となっております。これは品目によりましていろいろ額が違いますが、いわゆる割引額が全体で約八千百万円でございます。すなわち八十八万トンに対して八千万円の割引をいたしております。この割引につきましては、年度が済みますと会計検査院の非常に厳重な監査がございまして、たとえば、割引の約束をいたしましても、責任の額にまで達しなかったというような場合には割引ができないというような、非常にむずかしい厳重な規則がついております。これが、三十三年度に実施いたしましたもの及び年度をまたがって現在なお実施中のものを含めまして、今申しました通り、件数が五十一件、トン数が八十八万トン、金額が約八千万円ということになっております。 私の方で実施いたしております割引は、今申しました通り、公共割引、災害割引、営業割引、この三種類のほかに、先ほど申しましたいわゆる根本的な特別等級という問題、これが約八十億という金額が全体の割引額でありまして、貨物関係全部を合せますと約百億になんなんとする数字に相なっております。
○下平委員 今御説明を願った中で、通産関係とかあるいは災害その他は別といたしましても、特に公共割引の約千五百万トンの中で一千万トン近いものが主として農林水産の関係になり、割合からいけば十四、五億くらいの割合になると思うのでありますが、この割合制度の廃止ということは非常に重大な問題だと思うのです。特に、コストの安い、生産費が高くマージンの少いそういう品物が大部分農林水産物でありますので、この影響は非常に大きいと思うのです。これは公共割引だけ単に考えるということにはいかないと思うのです。本来の性格が運賃改正の急激な影響を避けるためといいますけれども、内容を見てみますと、特別等級にいくものとか、いろいろ関連性があると思うのです。 そこで、この等級制度その他についての経過報告を今お伺いしてみますと、まだ答申が出ていないから全然本格的には考えていないのだ、こういうお答えでありました。しかし、私は、この問題が取り上げられましてすでに数年かかっていると思うのです。それで、先ほどの意見の中では、等級小委員会からおよそ十月ごろに全般的な答申案が出るのではないか、こういう時期でありますから、国鉄自体としては、答申案のあるなしにかかわらず、やはり国鉄としてのある程度の改訂の方針なり、あるいは公共割引については打ち切るなら打ち切るというようなある程度の方針が立っていると私は思うのですが、基本的なあれでもいいからお聞かせ願いたいと思うのです。特に等級の改正問題に対する基本的な考え方、こういうものを少しお聞かせ願いたいと思うのです。
○磯崎説明員 その点につきましては、実は昭和三十二年度の運賃改訂のときに非常にそういう御議論がありまして、私どもといたしましては、昭和三十二年度の運賃改訂の際に、できれば等級問題も同時に片づけて、そして両方一緒の新しい事態に即応した貨物の運賃、賃率及び等級制度を作りたいというふうに考えておったのであります。しかしながら、運賃の改訂、賃率の改訂と同時に等級改正をやりますと、ものによりましては賃率改訂と両方の影響を受けるものが非常に多うございまして、急激な変化が相当たくさんの物資について起るということも予見されましたし、また、時日その他の関係上、等級を全面的にいじるということがほとんど不可能な段階でございました。それで、昭和三十二年度に運賃法を御改正願う際に、等級問題については専門委員会を設けて十分慎重審議した上で等級改正を行いたいということも実は申し上げておったわけでございまして、そのいきさつにかんがみまして、昭和三十二年の秋に今の調査会を作ったわけでございます。調査会の中には部外の学識経験者はもとより、最近の等級専門委員会の中には鉄道に出貨される大荷主の代表者はほとんど全部含まれておりまして、種々論議がされているわけであります。鉄道運賃全般の問題、ことに、世界的に言われます日本の国鉄は旅客運賃でもうけて貨物運賃で損しているのだという議論もございますれば、また旅客運賃の中でも定期の問題等もございまして、いろいろ各般全般的にわたる問題があります。たとえばこの割引の問題だけにいたしましても、これは貨物運賃だけの問題でなしに、旅客の定期の問題とかあるいは一般運賃の問題というふうに全般的に関係して参りますので、その後調査会といたしましてはいろいろ各方面から議論を尽しておるわけでございます。 そういう段階でありまして、私どもといたしましては、その調査会の御結論を待ちました上で、そういういろいろな御意見を十分参考といたしまして私ども自体の案を作らなければならないというふうに考えておりますが、一応現在は三十三年度の運賃改訂の引き続きの形でもってその調査会に全体の方向の調査をお願いいたしておるわけでございますので、私の方の独自の考え方等につきましては、その御答申が出た上で十分検討して参りたいというふうに考えておる次第でございます。
○下平委員 もう少し具体的にこれからお伺いしたいと思うのですが、三月十九日の日の運輸大臣の答弁を見てみますと、国鉄の運賃は国鉄運賃法でそのきめ方の大きなワクがきまっている、それで今回の改正については増徴にならない範囲内において云々、こういう答弁をされているわけであります。実際に改訂をする理由としては、品物の負担力の変動があったということが一つ、それから、経済界にいろいろな情勢の変化があったということが一つ、それから、運賃を負担する業態自体に能力の変化があったという点が一つ、この三つをあげて言われていると思うのです。しかし、私は、これだけでなくて、第一項に入るかもしれませんけれども、今度の改正を通じて強く打ち出されてくる点は、しかも農林水産物として一番危険な点は、いわゆる負担力という形から、輸送原価に見合う、輸送原価を償うという考え方が非常に強く出てきていると思うのです。そこで、この輸送原価を償うという考え方で強くこの改訂が推し進められますと、農林水産物のような場合には勢い大幅な運賃の増徴にならざるを得ない、こういうふうに私どもは心配をするわけなんであります。そこで、まだそのほかにも、バランスの問題とか運賃収入の等級別構成の問題等もあると思いますが、そういう点等について多少御説明をいただきたいと思います。
○磯崎説明員 ただいま御指摘の国有鉄道運賃法の第一条にございます通り、運賃の決定原則といたしまして四つの原則がございます。これは、御承知の通り、公正妥当であること、原価を償うこと、産業の発達に資すること、それから賃金物価の安定に寄与すること、この四つが、これは昭和二十三年にできました法律でございまして、今後の運賃決定に当ってこのいずれにウエートを置くべきかということにつきましては、いろいろ議論もございますし、また学者の間でも種々論議の分れているところであります。最近の新しい学説、ことに新しい経済学説の限界費用価格形成の原理などを見ますと、非常に突拍子もない意見も出てきているわけであります。ただ、私どもの方といたしましては、そういう抽象論は抜きといたしまして、最近の私の方の貨物輸送の非常に大きな質的な変化があるということを一言申し上げさせていただきたいのであります。 これはごく常識的な言い方で非常に申しわけないのでございますが、端的に申しますと、今の鉄道の貨物運賃制度は近距離運賃が割合に割高なのです。そうして遠距離運賃が安いというような、距離による一つの運賃の配分ということを考える。それは、日本の地形が非常に狭長であるという意味で、よその国に全く見られないような非常に遠距離の逓減、すなわち強度な遠距離逓減をとっているという建前がございます。それが一つでございます。従って、その場合には、結局、近距離である程度もうけて、遠距離で損をする、こういうようなのが一つの距離上の運賃制度であります。 それから、もう一つは、等級上の運賃制度でございまして、これは、さっき私が申し上げました、一から十二までございますが、大体七等級、これは石炭でございますが、七級が大体原価を見合うことになっております。すなわち、石炭が全体の輸送量の約四分の一、最近もうちょっと多くなっておりますが、約四千万トン近くございます。この石炭運賃が実は国鉄運賃の全体を決定する非常に大きな一つのものさしになっております。この石炭運賃の七級というのは、実は原価計算をいたしまして、大体貨物を一トン一キロ送る原価、それから石炭を一トン一キロ送ります運賃、これを大体見合わしてあるわけであります。従いまして、六級から上の貨物につきましては、原価より上回った運賃をとっているわけでございまして、それから、八級から下の貨物につきまして、もちろん特別等級はそれに含まれますが、八級から下の貨物につきましては原価を下回る運賃をとっておるわけであります。そうして、等級別に申し上げますれば、六級から上の運賃でもって八級から下の運賃の赤をカバーしている、これが私の方の運賃制度の一つの、非常にラフな申し上げ方で申しわけありませんが、立て方でございます。ところが、最近の現状は、御承知の通り、トラックの発達というものが非常に目ざましいのでありますが、昭和三十二年度の実績で参りますれば、日本全体で動きます年間の貨物が約十億トンございますが、その十億トンのうち約七割がトラックでございます。そうして、国鉄はそのうちの三〇%しか運んでおりません。すなわち、日本全体の貨物の輸送量のうちの大半を現在トラックが輸送しておる。もちろん足の長さは違いますが、トン数から申しますと半分以上はトラックでございます。そのトラックの運賃はどうかと申しますと、先ほど申しました通り、大体距離比例制でございます。距離から申しますと距離に比例しております。遠距離逓減ということはあまりございません。それから、等級という制度が全くございません。トラック運賃は、御承知の通り、大体、荷役がしにくいとか、あるいはよこれやすい、こわれやすいという、そういう物の物理的な性格による運賃の差はございますが、物の用途とか、物の価格による運賃の差というものは全くございません。従いまして、米を一車送りましても、機械一車送りましても、一応運賃は同じでございます。すなわち、トラック運賃は、距離から申しましても距離に比例しておる、それから等級制がないということになりますと、結局近距離の貨物はトラックの方が運賃が安いということになる。遠距離の貨物は鉄道の方が運賃が安い。従って、近距離貨物は最近どんどんトラックの方に行っております。それの証拠といたしまして、戦前の私の方の貨物の平均の輸送キロ、すなわち私の方で送ります貨物の全体の足の長さを見ますと、戦前が約百七十キロでございます。現在はちょうど百キロふえまして二百七十キロが現在の私の方の貨物輸送の距離でございます。すなわち、今までよりも百キロ伸びたということは、それだけ遠距離逓減のうまくきいたものを運んでおるということになりますので、距離的に申しましても、どうしても運賃の収入が減ってくるわけであります。それから、等級別に申しますと、大体戦争前には鉄道に出荷される貨物のうちで約三割は高級品でございました。現在の私の力で申しますれば、四級以上のものが昔三〇%あったものが、現在八%しかございません。結局、等級別に言って、等級の高いものはトラックの方が運賃が安いのでトラックに移る。だんだんその傾向をたどって参りますと、鉄道は、距離の非常に長いもの、それから等級の低いもの、この二つが鉄道に残ってくるという形に相なる。しかも、トラック運賃というのは若干弾力性もございますし、上下の幅もある。経営上も割合弾力的な経営ができるという建前から申しますと、結局、鉄道の貨物というものは、非常に足の長い、等級の低いものだけが残ってくるという形になってくる。そういう形になりましても、運賃制度だけは昔の鉄道が陸上交通を独占していた時代の運賃制度をとって参りますと、結局貨物輸送は非常に大きな赤字を招くのではないかというように相なるわけであります。結局、この問題が将来の、先生が今おっしゃった原価の問題とにらみ合せた上で貨物運賃の動向を決定いたします大きな問題になるのじゃないかと思います。それから、旅客運賃につきましても、定期旅客が非常にふえておる。定期旅客は非常に安い運賃でございますが、この定期旅客のふえ方が一般旅客のふえ方よりも大きい。定期外の旅客は飛行機あるいはバスあるいは自家用車等にどんどん参りますが、定期旅客だけは鉄道に残る。それと同じような現象が貨物等につきましても現在徐々に起きつつあるわけであります。従って、その際に、今後低等級のしかも足の長い貨物の運賃をどうするかということは、原価主義に立ちかえりましても非常に大きな問題になるのじゃないかというふうに考えます。 原価について申し上げますれば、今申し上げました通り、距離的に申しますと大体二百キロどまりくらいのところが原価とんとんで、等級から申しますと七級のところが大体原価とんとんということに相なっておるわけでございます。
○下平委員 もう、二、三点質問をしておきたいと思います。 この答申案を待って、こういうことを言われますが、私たちが今質問の中でお答えを聞いていると、よけいに心配がふえてきたわけなんです。これはまごまごすると農林水産物がまるきりしょい込まなければいかぬじゃないかというような気持がますますしてくるわけです。そこで、御承知のように、中間答申案というものが出ましたのですね。この中を見ると、たとえば運賃については原価主義というものがもうはっきり打ち出されてきているわけです。それから、遠距離逓減についても、今磯崎営業局長が言われたような国鉄の考え方と全く同じの、遠距離逓減については現状をあらためて考え直さなければならぬ、こういう中間答申案が出ているわけです。それから、なお、説明にはありませんでしたけれども、減トン扱いをやめなさいというような意見も出ておるようです。これは、特に今日出ておるのは、木材の十五トン積みには現場でもそういう意見が出ておるようなんですが、そういう問題が次々と出てきて、特に政策割引その他については全面的な打ち切りという形が出てきているわけです。これは、非常に今一般の農民の皆さん方が特に農林水産物について心配をされている点が私は率直に出てきたのではないかと思います。 そこで、これから多少意見をまじえながら質問をいたしたいと思いますが、まず、運賃について国鉄運賃法の第一条に運賃決定の原則が書かれてありますけれども、この原則を、今お話を聞いている範囲においては、第二号の、運賃は原価を償うものであること、これにもうもっぱら重点が注がれた考え方で進んでいると思うのです。私は、この運賃法の第一条の精神というものは、四つに等分にかかっていると思うのです。たとえば、第三番目には、産業の発達に資すること、これが運賃の決定原則でなければならぬ、こう書いてあります。第四番目には、賃金及び物価の安定に寄与すること、こう書かれてあるわけです。そうすると、原価を償うものであるという条件は、これは運賃の部面ではプラスに働いてくると思うのです。しかし、産業の発達に資することということになりますと、原価は百円だが、産業の発達に資するために八十円で送りなさい、マイナスの部面にこれは働いてくると思うのです。産業の発達に必要だから運賃を高くとれということはおそらくないと思うのです。第四番目の、賃金及び物価の安定に寄与すること、これも賃金の収入を受ける国鉄側から言えばマイナスの働きがあると思うのです。そこで、今度の、今言った非常に原価を割っている、しかも、あとで少し質問したいと思うのですが、輸送の量、質的な問題等々を考えていけば、遠距離貨物についても原価主義、あるいは特別等級ないしは割引等もやめて原価主義にいくという考え方でありますので、そうすると、運賃の決定項目に言うところの三、四というものはウエートがなくなってしまうのです。そうすると、私は、国鉄というものの公共性というものは全部なくなって、単なる営利会社、こういう形にも運賃の面から出てくると思うのです。そこで、この貨物等級の変更、私はあとで具体的に数字をあげますが、貨物等級の変更というものは、やり方によっては運賃改正より以上のものだと思うのです。運賃改正よりもっとひどい影響が出ると思うのですが、そういう相当な影響を及ぼす、金額的にも大きくなるというような運賃の問題、等級の問題をいじくる際に、やはり、国鉄の当局として、あるいは次官もお見えになっておりますが、政府当局として、この運賃法に言うところのこの項目をどう調整をしていくかということを明確にやらなければ、犠牲を受けるのは、今言った情勢からいけば、農産物とか、あるいは低価額のものとか、あるいは長距離輸送しなければならぬものとか、そういうところに全部犠牲が行ってしまうのです。ですから、等級変更というものは簡単な考え方ではできません。そこで、運賃法の第一条に基くこの予想される等級改訂その他との関連で、どう二号、三号というものを調整をしていくお考えか、これは磯崎さんに言っても無理だと思いますので、次官にお伺いしたいと思います。
○石坂説明員 ただいまの御質問の国鉄運賃法の第一条の問題でありますが、これは、政府としてというお話でありましたが、農林省の直接の関係ではございませんので、私といたしましては十分の知識を持っておりません。ただ、あとで御質問もあろうかと思いますが、今回の公共政策割引につきましては、先ほど局長からも御報告のうちにありました通りに、去る五月三十日の日付で品目の調書を国鉄に送りますときに、それにつけ加えまして、引き続きこの割引の延長方を申し入れております。
○下平委員 ちょっと私の質問の答弁とはあれしませんでしたが、これはまたあとで御質問をすることにいたしますが、それでは、磯崎さん、国鉄の方にお伺いしますけれども、これは政務次官も聞いていただきたいのですが、この中間答申の中にはそういうことも含めて意見が出ているのです。たとえてみると、公共割引というものが政策的にあるいは国全体の立場から必要なことは必要だ、しかし、そういう必要なものであって原価を割る場合、あるいは国鉄全体の収益の中でまかない切れない場合には、当然国家補償か何らかの措置が行われなければならない、そういう措置を行なって公共割引をやっていくべきだ、こういう意見が答申案に出ているのです。具体的には、そういうことについて、たとえば、今遠距離がなくなれば、私の出身県は長野県で木材の産地であります。木材に例をとってみれば、木材の輸送距離というものは非常に長いと思うのです。これなんか直ちにそれは木材の価格に影響をいたします。これが単なる取引業者あるいは流通過程だけで消化できる問題ならいいと思うのですが、この遠距離逓減制をやめる、特別等級をやめるとか、あるいは今言った方針で低額等級の中のものの高額の方をこっちに持ってくる、そういうことをすれば、相当な値上りになるのです。これは私は必ず木材の流通過程の中では消化できない金額になると思うのです。そうすると、相当一国の経済にも大きな影響を及ぼす面が出てくるのしゃないか。そこで、国鉄の皆さん方はそういうことは前々から十分承知だと思うのですがね。そういう運賃の改正をするという面だけでなくて、そういう公共性についての、どうしてほしい、これが限界点だ、これ以上はどうするのだというような意見がきっとあると思うのです。私は、こういう席上でやっぱりその意見を出して、できるものは実現をさしていくようにしなければならぬと思うのですが、そういう点についての御所見があれば、ちょっと聞かしてもらいたいと思います。
○磯崎説明員 ただいま御指摘の通り、現在私の方でやっております特別等級なり、あるいは公共政策割引をもし一挙にこれを廃止するようなことがあれば、これはもちろん非常に大きな影響があるということは、これは私どももよくわかっておりますし、かりにたとえば実額から申しましても約百億からのものが農林水産関係の負担になるということは、これは非常に大きな問題であるということは、運賃の割引額から申しましても、私どもは実は非常によくわかっておるつもりでございます。しかし、一方、国鉄といたしましては、独立採算制を強くしいられ、とにかく収入でもって支出をまかなっているわけであります。さらに、建設線につきましても、どんな赤字の建設線でも今後建設していかなければならない。利子も払えないような建設線でも建設して参る。経営すれば支出の数分の一の収入しかあげない、こういう建設線をやはりこれからやって参らなければならないというようなときに当りまして、やはり、何とかして、この財政上の将来の赤というものを、当然輸送分野の変更から参ります赤字というものは何とかしなければならないというふうに考えておるわけでございます。もちろん、これにつきましては、国鉄だけでどうこうというわけにも参りませんし、もしほうっておきますれば、結局、私どもの経費を詰めるか、あるいは自己資本による資本投下を減らすしか方法がないと思います。それ以外は、今やっておりますように、ほかの運賃にぶっかけることであります。先ほど説明が非常に粗末でございましたが、たとえば特別等級の八十億と申します金は国鉄が負担しているという言葉は非常に妙な言い方でございます。実は、正確に申しますれば、これは国鉄の負担でなしに、この利用者以外の利用者が負担している、こういうふうに申し上げるのが筋じゃないかというふうに考えます。すなわち、国鉄が輸送を独占しておりますために、ほかの利用者にこの八十億を転嫁しておるわけでございます。と申しますことは、逆に申しますれば、運賃の改訂等をいたします場合に、特別等級で八十億赤が出るから、その八十億分を一般の運賃レベルに入れてあるわけであります。しかしながら、その限度がもうぼつぼつ来ておるのじゃないか。一番そのしわの寄っているのが定期外の旅客運賃でございます。すなわち、定期外の旅客運賃に極力しわを寄せて、そして特別等級なり何なりをやっているというのが今のありさまでございます。しかし、定期外の旅客運賃につきましても、たとえば飛行機というものができましたので、定期外運賃の最高限というものはおのずから飛行機運賃できまってきておるわけでございます。従って、これ以上定期外の旅客運賃を上げましても、それが運賃収入の増加にならないということが予見されるわけでございます。だんだんそういうふうにいたしますと、今あります大きな原価を割っております分のしりの持って行きどころがなくなってくるというのが、現在の、また現在予見されますこれから先の輸送の現状でございます。従いまして、私どもといたしましては、どうしても、今のまま運賃を据え置く、あるいは非常に安い定期運賃をそのままにしておけとおっしゃるならば、これは国鉄利用者だけが負担するのはおかしいので、これはまあ私の非常に個人的な考えになって非常に恐縮でございまして、こういう席で申し上げていいかどうかちょっとわかりませんが、私個人の感覚から申しますれば、国民全体が負担すべきものではないかというふうに考えます。それを国鉄利用者だけが負担するということは、少し当を得ていないのじゃないかというふうに考えます。従いまして、たとえばその分を国家が補償してくれるというような形になりますれば、もちろん今の形のままでやっていけると考えますが、今申しました通り、だんだんそういった原価割れのもののしりぬぐいをする輸送の分野がなくなってきたという大きな事実に直面してみますと、やはり、何とかその原価割れの分は、結局国鉄の経費を減らすか、そのものの運賃にかけるか、あるいは第三者の国家からいただくか、これ以外にはどうも方法がないのではないかというふうに考えられるわけであります。この点は多少言い過ぎがありましたら恐縮でございますが、そういうふうに考えております。
○下平委員 時間が長くなりますので、結論的な話に行きますが、結局、この間当委員会で質問した大臣の改訂理由はほんとうの表面的であって、私は、今回のほんとうの改訂理由というものは、今言った答申案に出ております等級間の輸送量の変化が大きいと思います。一級の運賃指数が二百、十二級が七十五となっていますが、さっき説明によりますと、石炭を中心にした七級以上が原価を償う、それ以下は償わない、原価を償うものの輸送量が減ってきた、そこで、国鉄の経営としてはこのままでは絶対にやっていけない、こういう結論だと思います。そこで公共的な国全体の面から見てどうしてもやらなければならない割引も、経営上からできないからやめます、これがほんとうの国鉄の腹だと思うのです。私は、そういうふうにこの問題を理解しなければ、単なる経済の変動だとか、業態の負担能力があるとか、こういうことはごまかしだと思うのです。たとえば運輸大臣がこの間の御説明で、業態の負担能力に変化がある、こう言いましたが、たとえば農林水産物に例をとってみれば、実際、普通の一般商品でしたら、運賃の値上げの分というものは、一%ないし二%というものは大体流通過程で消化されております。それ以上上ったものでも、消費者段階で物価値上げという形で消化されていくのです。ところが、農林水産物の流通過程を見ると、これが逆なんです。農林水産物の場合は、運賃値上げが消費や流通過程で消化されずに、生産者段階に迫ってくるのです。運賃の上った分だけを生産者がすぐ負担するという形が今の農林水産物の流通過程の姿だと思うのです。そうすれば、この考え方でやっていくと、結局等級の低い農林水産物が全部国鉄の経営の困難なやつを引き受けなければならぬ。ところが、政策的に見ると、どうしてもこれは割引を適用していかなければならぬという品目である。だから、この間に解決点を見つけなければ、とても解決はできないと思うのです。これを解決するのは、もう国鉄の等級表をいじくる技術的な問題ではありません。 そこで、実は、農林大臣にもおいで願い、運輸大臣にもおいでを願う予定でありましたが、きょうおいで願えないのですけれども、もう少し大所高所の政策面から、この農林水産物の問題をどうするのだ、こういうことを政府で真剣に考えなければいかぬと思うのです。そういう点について私は政務次官にお聞きしたいのですが、どうも農林省でもいかにもぼやっとし過ぎているような気がするのです。農民の利益を守って、そういう状況をあれして、そうしてできるだけ国鉄にやらせる、多少無理でもやらせるということをどんどんやる、それでもどうしてもできなかったら大臣が閣議で政策としてこれを解決するというだけの熱意がなかったら、しわ寄せは農民だけに行ってしまうじゃないですか。私は、そういう点は、ここではっきりあなた方がこの問題に真剣に取っ組んで本質を見きわめて対策を立てなければいかぬ時期に来ていると思うのです。そういう点について政務次官からちょっと御所見をお聞きしたいと思います。
○石坂説明員 国鉄運賃の問題、わけても農林水産物に関する運賃についていろいろ御意見を開陳され、御激励を受けたのでありますが、お話の点はいろいろ私どもも考えなければならぬ点があるようであります。今日までのわれわれの態度がなまぬるかったという御批評もいただいたのでありますが、その後関係諸当局とも十分に打ち合せいたしまして、運賃問題の改善のために努力いたしたいと存じております。なお、別途、御承知の通りに今次国会で生鮮食料品卸売市場対策調査委員会設置法というものを出しまして、これはもうすでに三月に発足いたしております。これは広く農林水産物の全般にわたりましての流通、消費、価格の面等につきまして一年以内に結論を得るという、農林省といたしましての立場でこの点は進行いたしております。
○下平委員 国鉄にも少し御注意申し上げておきたいのです。農林省の方はそういう情勢をよく御存じだということでありますので、私はあとでこの改正の手続上の問題についても若干触れますが、そのときにもお願いしたいと思いますけれども、その前にも国鉄に一つお願いをしておきたいのであります。国鉄の全収入面から見たら、特別等級の二十一から二十三まで、それに現在行われている公共割引を含めましても、多少の整理があれば、金額としては大体七、八十億円になると思うのです。収入の面から言ったら、これを解決して直ちに国鉄の収入問題なり経費問題が全面的に解決できるという問題じゃないと思うのです。ウエートが小さいと思うのです。そこで、特に公共割引の今月一ぱいで切れる問題、その他特別等級について理解をしてもらいたいと思うのですが、さっき磯崎さんが言った遠距離逓減もありましたから、下級等級に対する運賃の転嫁という考え方も考え方としてはうなずけないことはないのでありますけれども、かりにそれが実施をされた場合の農民の被害、農産物のいろいろな面に重大な影響を与えるということを認識してもらいたいと思うのです。これは御承知だと思いますが、今日本の人口は九千二百九十万人であります。就労人口を正確に言わなくても、農村人口というものはその約半数に近い四千二百万人と言われておりますが、この四千二百万人の所得というものは国民所得の一七%にしか当らないのです。最近日本の国民所得はどんどん伸びました。たしか八兆九千億くらいまで伸びたと言われておりますが、農民の所得、農林水産所得というものは非常にその所得の伸びが少いのです。まあ簡単に言ったら、非常に困っている、こういう階層だと思うのですが、こういう今日の農民の実態というものはやはり考えの中に入れていただきたいと思うのです。それから、先ほどおっしゃいましたように、運賃の値上り、運賃コストというものは、一般商品と違って生産者に直接のしわ寄せがくる、こういうことを申し上げましたが、たとえば一つの例をとってみますと、運賃が多少上った、多少下った、割引の適用をしてもらったかもらわないかということで非常に生産が違ってくるのです。昨年やりました一例を見ますると、長野県の例で、局部的な例ですから全般を律することはちょっとできないかもしれませんが、最近、ピーマンとか、レタスとか、セロリとか、こういう高級洋野菜が農村ではかなり作られてきた。また需要も拡大をしてきて、現下収入の道としては立地条件によっては非常にいいことなんです。ところが、一昨年には長野県から名古屋向うへ、大阪市場、神戸市場に出たのは大体二万六千個しか出ていなかった。それを昨年の五月から名古屋向うに対する運賃の二割引の適用を認めてもらったわけです。ところが、昨年の実績は驚くなかれ五万三千個と非常にふえたのです。これは例のとり方が多少悪いかもしれませんけれども、それほど運賃というものが影響してくるのです。なぜ影響してくるかといえば、消費者価格へ持っていかれれば生産の方はちっとも変りませんが、生産者価格の方へ影響してきまずから、運賃コストがすぐもうかるもうからないのせとぎわに来てしまう。そこで、生産者としては運賃を安くしてもらえば多少でももうかるから出そうという形で敏感に影響しているのです。こういう実例をよく考えてもらいたいのです。それから、リンゴ等に例をとってみても、きのう私は新橋でリンゴを買いましたが、一個三十円です。大体、私のところで、一貫目二十個ないし二十二、三個というリンゴで、一貫目大体六百円です。ところが、私のところのリンゴ園、ずいぶん私のところにもありますが、大体一貫目当り七十五円そこそこの手取りということなんです。こういう農村の実態というものを国鉄当局もよく考えていただいて、国鉄当局に政策を実行せいとは私言いませんけれども、そういう面からも、実施をする国鉄当局にも関心を十分払っていただかなければならぬのではないか、こう思います。これは答弁は要りませんけれども、ぜひ要望しておきたいと思います。 それから、最後に、改正の手続の問題について若干お伺いをしたいわけでありますが、先日の委員会の質疑を見ておりまして、運賃法の七条ですか、それから九条ですか、この条項に基いて等級表の変更は国会が行う、十五等級を十二にするとか十にするとか、これは法律事項である、しかし、その間の品目をただ動かすというようなことについては、これは国会の承認が要らないのだ、こういう考え方だと思うのです。その点、磯崎さん、どうですか。
○磯崎説明員 ただいま手続関係の問題でございますが、第七条第二項に「車扱貨物運賃は、貨物等級表の等級に従い、別表第三の賃率による。」ということになっておりまして、別表第三の賃率は法律でございますが、等級表自体は法律ではございません。
○下平委員 賃率と等級はからんでおるのです。
○磯崎説明員 ですから、賃率は御承知の通り距離と等級になっております。従いまして、たとえば今まで一から十二まであるものが十三になるとかあるいは十になるということになれば、これは賃率表の改正になりますので、その賃率表の改正という手続におきまして等級表を御審議願うということになるわけであります。しかしながら、具体的にどの品目をどの等級に入れるかということにつきまして、非常にこれは事務的に大へんな問題でございまして、さっき申しましたように二千数百の品目があります。しかも価格の調査だけでも約半年かかっておる、こういったものの機械的な当てはめでございますので、これは私の方で関係各省と相談してやっておる、こういう今までのやり方になっております。
○下平委員 むずかしい規定や法律の解釈は別として、たとえば公共保障であることははっきりしていますね。これは法律事項ではございませんでも、今度の等級表、賃率その他一切を含めた貨物運賃制度の改正ということになれば、影響が非常に大きいと思うのです。 そこで、私が言いたいことは、特にその零細な農林水産物に関する影響が大きい問題であるから、かりに法律事項ではなくて国鉄総裁に委任された事項だということでありましても、私は、この際この取扱い方というものはより慎重を期していただきたい。たとえば関係の農林省あるいは通産省、そこらの協議がととのわなければ実施は控えるという程度まで国鉄も慎重な取扱いをしていただきたい。もちろんこれは農林省が農林省の立場だけということではないでしょう。当然国家的な立場、国鉄の立場等も考慮すると思いますので、国鉄が独断でやる、この程度はいいんだというような形におさめずして、最低限農林、通産の関係各省、できるならばこの前の決議にありましたような、事前に——きわめて軽微な、百万、二百万、一千万程度の問題はそこまでは言いませんけれども、今度の改訂に出てきておりますような遠距離逓減だとかあるいは特別等級の整理だとかいうようなこと、あるいは上級等級の運賃を下級に転嫁をするというような形で処理をされる問題については、今言ったように最低限前回の決議を生かしていただき関係各省との打ち合せ、この了解の上にやっていただく、なおかつ、できるならば当委員会にぜひ報告をしていただいて、あらかじめの了解をしていただく、このくらい慎重な手続をやっていただきたい、こう思います。これについてちょっと御意見を承わりたい。
○磯崎説明員 ただいまの御指摘の点につきましては全く私も同じ考えを持っております。現在の等級専門委員会には、農林省の農林経済局長、それから通産省の企業局長、経済企画庁の調整局長、これが正式な委員として加入をしていただいております。従いまして、各専門委員会におきましても、また今まで作りました第二までの小委員会にも、もちろん今の三人の方は全部入っていただいております。従いまして、私どもといたしましては、なるべく調査会の御審議の過程において関係各省の御意見もいろいろ承わった上で調査会の結論を出されるというように考えますが、その結論を出された上で私の方がいろいろ考えます際にも、もちろん農林、通産両省とは密接な関係を持って進まなければいけないということを確信しております。 もう一つつけ加えさせていただきますと、今調査会で扱っておりますのは運賃全体の問題でございますので、もしこれを全面的に実施することに相なりますれば、当然運賃法全体の改正に相なると思います。従いまして、これは国会で御審議をいただくことになるのは当然でございます。その時期が、たとえば今度の通常国会とかあるいはその次ということはまだ全くわかりませんが、当然国会の御審議を経て、しかるべき手続によって実施しなければならないということは、はっきり確信いたしております。 ただ一つ、これは非常に申しわけないのですけれども、農林省と私の方は非常に密接な連絡をとっておるつもりでおりますが、たとえば今農林次官の言われましたいわゆる農林水産物の流通過程の問題でありますが、その流通過程の委員会をお作りになる際にも、これほど運賃の問題が大きな問題ならば、われわれの方もその委員にお加え下さるべきだと思いますが、そういう委員会をお作りになりまして全然運賃問題にお触れにならないということは、私どもの方でよくわからないのであります。それほど運賃問題が大きな問題ならば、農林省としては流通過程の調査会に当然私どもをお加え下さって審議されるべきなのに、全然そういうときには無視されまして、こういうところばかりで議論をされることは了解できないところがあります。これは御質問でないのに申しわけありませんが、率直に言わせていただきますとそういうふうに考えます。
○石坂説明員 あまり率直過ぎましたような磯崎局長の発言でありますが、これは、あの委員会設置法の法律の建前からいたしまして、学識経験者ということになっております。各省とも入っておりません。学識経験者ということでありますから、その点は一つ……。
○下平委員 最後に一項目質問したいのですが、六月末で具体的に公共割引が切れるわけであります。先ほど農林省の政務次官もそんなことを言っていましたし、私はこれは認識不足だと思っておるのですが、公共割引が運賃改正の急激なあれを調整するために設けられたのだ、このために時期が来ればはずすのだ、こういう通り一ぺんの考え方でこの公共政策割引を考えられたら、これは間違いです。とんでもない間違いだと私は思うのです。それはすでに実績が示しておるわけです。昭和二十五年の運賃改正の際にこれができました。昭和二十五年から十年も依然として続いてきているのです。これは、私は、今日の状態の中では表面上に言うところの運賃改正の極端な影響を避けるためだという、そういうことでなくて、もうすでにこの過去の実績その他で、これは公共割引というものは、たとえば等級で言うならば実質的には特別等級的な性格を持ってきていると思うのです。これを今直ちにぱっとはずすということは、これは理屈から言っても私はおかしいと思うのです。もし過渡的な措置であるとするならば、昭和二十五年の改正の影響が何回か改正されたのにまだ残っておるということはおかしい。少くとも一、二年で過渡的にこれはやめるべきだ。それがやまらないところに問題の本質があると思うのです。私は、もうすでに公共政策割引はある程度本質的には特別等級的な性格になってきているのだ。しかもその理屈はどうあろうとも、実際に運賃を支払ってその恩恵を十年も受けてきて、いまさら過渡的ですからやめますといっても、これは承知できないのです。ですから、できた建前が当時はどうか知りませんが、昭和二十五年から十年もたった今日では、これは簡単に考えてもらっては困ると思うのです。私は、ここでぜひこの公共割引は再検討をするということで早急にこの公共割引制度を打ち切るとかそういう方針を出されないように、これは特にお願いしたいと思いますが、農林省の次官の考え方、これは国鉄に一つお願いしますからぜひ聞いていただきたいと思うのですが、ちょっと御答弁をお願いいたします。
○石坂説明員 先ほど私のお答えいたしました点が、私の知識の不十分と用語の不十分で、はなはだ不満足だったと思いますが、いろいろ御指摘の点はごもっともだと思います。御要望の趣旨に沿いまして善処いたしたいと思います。
○磯崎説明員 私の方といたしましても、もちろんこの公共政策割引が非常に大きな影響を持つということは十分承知いたしておりますので、従って、六月末で期限が切れるにつきましても、農林、通産両省から非常に膨大な、現実の昭和三十三年度の数字に基きました具体的な生きた資料を実はちょうだいしたわけであります。それに基きまして十分両省と御相談した上で今後の問題をきめて参りたいというふうに考えております。先生の御指摘になりましたこの影響が非常に大きいということにつきましては、十分承知いたしておりますし、もちろんこれを一挙に全廃するなんということはできるものでないということも十分私は承知いたしておるつもりであります。従いまして、今後は、今提出されました両省の資料に基きまして十分検討を加えまして、両省と相談した上で善処いたしたいと考えておる次第であります。
○下平委員 要望だけ一つ言っておきますが、話は余談ですが、国会の人事や委員の任命等、このごろの政府のいろいろのやり方というものは、ちょっとやり方がこすいですね。国会開会中やるとどうも騒がれていかぬから、閉会中にこそこそとやって、済んでしまったから仕方がない、——実は、きのうも議運で、私、政府提案の人事を二つ、承認できぬ、こう言ったのですが、これは人事の問題だけでなくて、国会がやかましいから開会中とか時期はちょっとはずして閉会中にやってしまって、やってしまったから仕方がないじゃないかという形でこういう問題が片づけられがちなんです。私はきょう時間をわざわざ大へんいただきましてお願いしたりあるいはお尋ねをしたことは、今言った農林水産物に対するいわゆる認識を国鉄当局も改めてくれということが一つ、国鉄の経営がいろいろ困った問題になってきているから、これは単なる運賃改訂の問題だけでなくて、政府の政策、交通政策なりあるいはその他のいろいろの政策として考えてもらいたいという点が一つと、それから、最後にお願いしたい点は、特に六月末で切れる公共割引については、少くともこれだけの論議をし、お願いもしてありますので、閉会中にこそっとでき上ってしまったというような形だけはぜひとっていただかないように、これは御答弁は要りませんが、私個人でなくて、一つお百姓さんのためにも心からお願いしておきたいと思いますので、磯崎さん、ぜひ一つお願いしたいと思います。
○松浦委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 ただいま同僚委員から専門的な質問がありましたが、この際国鉄当局にお尋ねしたい点は、実は、当委員会において四月の三十日に国鉄運賃の中における農林水産物資の運賃改訂の問題に対する決議を行なっております。これは御承知の通り。この決議は、これは社会党といわず自民党といわず全会一致で議決されておるわけであります。そのときたまたま出席しておった小倉副総裁は、この議決に対して、本委員会の決議の趣旨を十分検討して誤まりなきを期したい、こういう答弁を行なっておる。従って、これはその後国会の意思を尊重されて二項目にわたる本委員会の決議の趣旨というものを国鉄当局において十分検討されて、そして委員会の決議の趣旨を生かすための努力が続けられておると思うわけです。ですから、その趣旨を検討して誤まりなきを期したいという努力の跡というものを、この際一つ明らかにしてもらいたい。
○磯崎説明員 私どもといたしましては、具体的な数字につきましての検討でございますので、昭和三十三年度の実績につきまして、先ほど申し上げました通り、まず農林省と通産省が具体的に、たとえば農機具なら農機具というものに対して何十万円の割引をした、それがどういうような影響があった、それを調査しない限り今後この問題をどうするこうするということには参りません。従いまして、両者に対しまして四月早々に資料の提供を求めたわけであります。それにつきまして、両者が、ごく最近通産省の方も出そろいましたが、個々の品目の割引額につきまして、それが生産者にどういう影響を与えるか、あるいは消費者にどういう影響を与えるかという具体的な回答を得たばかりでございます。それがない限り、私どもとしましては、抽象的にただ延ばすとか延ばさないとかいうことは、これは申し上げられないので、具体的な数字を検討した上で、今これからきめるわけでございます。現在その膨大な資料と取り組んで、日夜検討している最中でございます。それが調査、研究の内容でございます。
○芳賀委員 その点はわかるのですが、ただ、四月三十日に決議が行われておるわけですね。今日まで約二ヵ月間経過しておる。六十日あればこれは相当具体的な検討がやれると思うのです。それを農林当局が怠っておったということになると、これは非常に問題があるわけです。農林省もこの委員会に出席しておるわけです。一体どっちが熱意を欠いておったからこの作業が進んでおらぬのか、その点はどうなんですか。
○石坂説明員 農林水産物の運賃の問題でありますから、農林省が熱意を欠いたはずはないわけであります。ただし、品目がかなりの多数になりますので、その調査に多少時間がかかりまして、私の方で国鉄の方に調書を送りましたのが五月三十日でございます。大体決議後そのくらいの時間は品目調査等のためにかかったわけであります。
○芳賀委員 特に、この決議の中で第二項は「本年六月末日をもって割引適用期限の終了する公共政策割引は引続き存続すること。」ということになっておるわけであります。これはもう期限付なんですから、六月で一応従来実施されたあれは切れるというような、そういう解釈も成り立つわけです。従って、これは、この期限の切れないうちに、この委員会の趣旨を生かすということになれば、やはり今後も継続してやるなら継続してやるという結論がこの時間切れにならないうちに出ないと、これはもう時期を逸するということになる。これは非常に大事な問題だと思うのです。ですから、緊急を要するように事案については、先にこれは取り上げて、一体この公共政策割引制度というものは従来通り存続するかどうか、こういう点はやはり基本を明らかにして、継続するならすると、そういうことを明確にされたらどうですか。
○石坂説明員 先ほどお答えいたしましたうちに、品目が多数であるために調査にひまが要りましたということを申し上げましたが、確かにその通りであります。しかし、一面、国鉄当局からは、五月の末日までに報告してくれということでございました。三十一日の前日、五月三十日に報告いたしましたような次第でございます。決して怠ったわけではございません。
○芳賀委員 いや、そういう内輪の水かけ論を聞いているわけではない。この決議は、当然関係当局に参考送付されておるのです。委員長は送付しておるでしょう。
○松浦委員長 送付しました。
○芳賀委員 だから、何も農林省が国鉄からそういう連絡が何月何日に来たからやったということではなくて、当委員会の決議は、農林省にも通産省にも国鉄にも、関係当局には全部送付済みなんです。だから、国鉄から連絡がなければ、農林省の方から進んでこれはこうしたらいいではないかぐらいの積極性というものがなければいけない。
○石坂説明員 それは、先ほど私の答弁の前半であって、品目が多数に上ったために調査に相当時間を要しました、こういうことであります。しかしながら、国鉄からの注文は五月末日までということであるから、五月三十日で送ったということであります。
○芳賀委員 ですから、既往のいきさつは別として、とにかく六月で一応切れることになっているその公共政策割引を継続すべきわけです。だから、基本的に継続するならするでいいのです。あと細目の点については検討の余地が若干あるとしても、大筋だけここで明らかにしてもらわぬと困る。すでに内閣改造を前にして、ここで明らかにしてもらわぬと困る。
○石坂説明員 これは、明らかにいたすということよりも、五月三十日にその調書を送付しました。その書類につけて、この公共割引は従来通り継続されるように特に御配意願う、こういうことを申し入れたわけであります。
○芳賀委員 事務当局としては、政府を代表して答弁できないのですから、結局石坂さんしか政府を代表する人はいないわけです。だから、これはやはり、責任がある答弁ということになると、農林政務次官でも、政府としては公共政策割引は今後継続するならするという方針であるとかないとか、この点は明らかにする必要があると思う。
○石坂説明員 今までの私の答弁で御了解が願えただろうと思いますが、もう一ぺん繰り返しますと、昭和三十四年五月三十日付で、ぜひこの公共割引については従来通り延期してもらうように格段の御配意をお願いいたしますということをあわせて申し上げております。従いまして、この割引制度がなお継続されることを農林省といたしまして希望しておることはもちろんであります。
○芳賀委員 政府としてこれを継続するかしないかということをあなたから答弁してもらいたいのです。あなたでできないとすれば、適当な人物を連れてきて答弁してもらうべきだと思います。政府としての答弁を一つ……。
○石坂説明員 政府としての答弁を私に迫られることは、少し無理ではないかと思います。農林省といたしましては、繰り返して申しております通りに、ぜひこれを継続してもらいたい、こういうふうな申し入れもしておるし、また、その線に向って努力いたしております。
○芳賀委員 委員会としては、四月三十日の決議の線から、政府及び国鉄当局には十分検討してこれを尊重する意思があるかないかということを明らかにしてもらえればいいのです。本日はたまたま石坂さんだけが政府委員なんです。ですから、あなたは、農林省の次官でも、やはりこの場合政府を代表して、いかなる意思があるかということを明らかにすべきだと思う。あなたが不適当であるとすれば、運輸大臣にしても、あるいは農林大臣でも、総理大臣でも、責任のある答弁のできる者を出席させる必要があると思います。これは、委員長、どうですか。
○赤路委員 議事進行。 今お聞きの通り、これは重大な問題ですから、この際、政府側の、あるいは国鉄側の責任のある答弁を求めたいと思う。委員長において、さっそく出席するようお取り計らい願いたいと思います。それまでの間暫時休憩を願います。
○松浦委員長 それでは、運輸大臣と農林大臣、もし運輸大臣が来なければ、総裁でも呼ぶことにいたします。暫時休憩いたします。 午後四時十七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕