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31回国会衆議院1959/03/26

農林水産委員会 第29号

発言数
92
登壇者
14
会派数
2
開催日
1959/03/26

会議録

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。すなわち、農地買収問題についてその意見を徴するため、日本住宅公団総裁加納久朗君に参考人として出頭を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、出頭を求める日時の決定につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次に、農林水産業の振興に関する件につきまして調査を進めます。  まず蚕糸に関する試験研究費の補助金について、政府当局より説明を求めます。大澤蚕糸局長。

大澤融農林省蚕糸局長

○大澤(融)政府委員 この前の本委員会で高田委員から御質問のありました、片倉工業に対する企業合理化試験研究費補助金の問題について、当時私詳しく知りませんでしたからお答えできなかったのでございますが、調べた経過を御説明申し上げます。  三十二年度の農林水産企業合理化試験研究費補助金といたしまして、お配りいたした紙の右側にありますように、数項目のものがきめられまして、実施に移されたわけであります。御指摘になりましたのは、一番目に書いてございます均一生糸製造用繰糸機の研究、これでございます。研究費総額が三百三十二万円、そのうち補助の対象になります分が百十二万一千円、半額補助でありますので五十六万円の補助、こういうことになっております。これは生糸が均一にできてくるような繰糸機の製作の研究ということでございます。片倉工業で以前からこういうことのグルントの研究を進めておりましたが、このような繰糸機ができることは非常に望ましいことで、そうしたグルントの研究をしておったということがありましたし、そういうものが早くできるといいということでこれを補助の対象に取り上げたわけです。  そこで、これの結果は、昨年の八月蚕糸局にいろいろ報告があったのでございますが、その後会計検査院の検査が九月にありまして、その際、補助対象になっている機器類をほんとうに買っているかどうかということに疑問が持たれまして、さらに会計検査院が書類上の検査から実地の検査を行なってみましたところ、補助対象の機械が、実は前に自分の費用で買ったものをこの補助金で買ったんだというような形をとっていたのです。そこで、会計検査院とともに農林省といたしましてもこまかい調査をいたしたわけです。その結果によりますと、補助期間中に、正当と認められる支出額、これが三十四万四百二十六円。ですから、このうち半額の補助金として十七万二百十三円、これは正当の使用であるということが確認されましたけれども、同期間中に対象の研究に支出されてない、あるいは期間外支出だというようなものが、最初に申し上げました百十二万円から今の三十四万何がしを引きました額、これが当初の計画通りの使用がされてなかったわけであります。そこで、農林省といたしましては、会計検査院とも相談いたしまして、交付決定を取り消しまして、直ちにこの返還を命じたわけです。この場合に、今申し上げましたように、一部は補助金対象の正当な支出だというものもございましたけれども、交付決定を全部取り消しまして、全額の還付を命じたわけです。     [委員長退席、吉川(久)委員長代理着席〕  そこで、還付を命じましたのは十月の末、約一週間で、適正化法に基きまして、補助金の今の五十六万円の全額と、それから補助金適正化法十九条にいいますところの加算金三万五千四百四十八円を加えまして、片倉工業から還付返納をしてきたわけであります。  大体以上の経過でございます。

高田富之日本社会党

○高田委員 そうしますと、この件だけで、毎年そういうようなことが連続しておったというようなことではなかったのですか。

大澤融農林省蚕糸局長

○大澤(融)政府委員 片倉に今まで企業合理化補助金として出ましたものは、その表の左側にございますが、二十六年から約九百四十万円というものが補助金として出ておりますが、三十年までは、会計検査院の検査も受けて、一部のものは非常によくいっているということでおほめにあずかったものもあるそうであります。さらに、三十一年度は、これは会計検査院の検査はございませんでしたけれども、私どもの方から検査をいたしまして、今回のようなことはなかったわけであります。従って、片倉工業は、この三十二年の今申し上げた五十六万円、これだけの問題でございます。

高田富之日本社会党

○高田委員 農林省としては、片倉工業並びに製糸協会に対して、こういうことがあったにつきまして何らかの警告とか何か処置をおとりになりましたか。

大澤融農林省蚕糸局長

○大澤(融)政府委員 厳重に警告をいたしまして、あのような還付を命じますと同時に、始末書を提出させるというような処置をとりました。

高田富之日本社会党

○高田委員 こういうようなことがほかにもあるようなうわさもありますけれども、これはやはり、会計検査院だけの問題でなく、農林省として、そういうことで出した金が有効に使われており、どの程度の成果を上げているかということを、やはりきちんと把握していなければ、ただやりっぱなしでは意味がないと思うのです。だから、そういう点は農林省としても反省されて、出されたところはやはり定期的にでも行って見て、どのくらい有効に使われてどういう成果を上げているか、上げていないか、こういうことは非常に大事なことですから、今後は一そう力を入れなければならぬことなので、こういう点につきましても一つ厳重な監督をせられ、有効に使う点について一そう気をつけていただきたい、こう思いますので、その点を要望しておきます。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 ただいまの高田委員の御発言はまことにごもっともでございます。お言葉の通り、今後とも一そうその点につきましては注意いたします考えでございます。     —————————————

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 次に、農産物価格問題について質疑の通告があります。これを許します。倉成正君。

倉成正自由民主党

○倉成委員 私は最近のカンショ澱粉の価格に関し御質問申し上げたいと思います。  カンショ澱粉の生産並びにその価格いかんが、澱粉業界はもちろん農家の経済に及ぼす影響が重大なものであることは申すまでもございませんが、このことは、農産物価格安定法によってカンショ澱粉及びバレイショ澱粉の買い上げが指定されているゆえんのものと考えるわけであります。ところが、最近のカンショ澱粉の市況を調査いたしてみますと、カンショ澱粉の市場価格は、検査一等品で九州相場千四百七十円、関東が千五百十円でございます。これは、政府買い入れの基準価格に対して九州では九十円安く、関東では六十円安くなっております。また、食糧庁が行政措置として公表いたしました安定価格の下限の価格、三月期でございますが、千六百三十円、消費地の価格と比較しますと、消費地において百円から百二十円安くなっておるわけでございます。なお、御承知のように、澱粉の買い上げにつきましては、全販連と全澱連とのこの二つと、それからアウトサイダーと、この三者で大体買い上げることになっておるわけでございますが、全澱連の澱粉の原料というのは全部買い取りでありまして、現在全国の四十七銀行から借りております資金が総額四十五億六千万円という非常に膨大なものになっておるわけであります。また、この原料資金の返済がちょうど三月から四月にかかっておるわけであります。従いまして、このままの状況で参りますと、澱粉業界というのは非常な苦境に立つことになりまして、これは来年度のカンショ生産等に非常な悪影響を及ぼすかと思うわけであります。従いまして、この際農林省におきましてはっきりした澱粉負い上げの方針を天下にお示しになることが、澱粉業界の安定のため、ひいては農家経済のためにまことに適切な施策と考えるわけでございますが、これについて、政府はカンショ澱粉を早急に買い上げる御意思があるか、また、いつどのくらいの量を買い上げるおつもりであるかということを明確にお答え願いたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 澱粉の価格の問題につきましては、農林省といたしましてもずっと配慮を続けて参ったのでございます。すなわち、昨年の十月、澱粉の買い入れ、売却の方針につきまして、価格の安定のため優先団体の販売調整を強力に推進するようにはかって参ったのでありますが、最近の澱粉の価格は、ただいま倉成委員御指摘の通りに、基準買い入れ価格を下回っておるような状況でございます。優先団体の自主調整を強化するよう勧告いたしますとともに、たしか本年の三月十八日だったかと思いますが、食糧庁長官の名をもちまして、各銀行に対しまして資金、決済の補助等の依頼を行なったのでありますが、依然市価は低迷しておるような現状でございます。このまま放置いたしますれば、倉成委員御指摘の通りに、業者ないしは生産農民の経済にも悪影響を及ぼすところ大きいのでありまするし、かつまた、政府に対する買い入れの要望が非常に強くなって参りまして、買い入れを余儀なくされることも予想いたされますので、優先団体の自主調整を強化いたしまして、調整保管の増大をはからしめるようにいたしまして、なお必要があれば、販売調整計画の三月までの保管計画分量の合計を上回る調整保管を緊急に行いまして、市価の回復をはからしめるよう考えております。以上の措置を行いましてもなお市価が基準買い入れ価格を下回っておるときにおきましては、三月末の保管計画量を越えて調整いたしました分につきまして四月中に買い入れを行うよう措置する考えでおります。  なお、どの程度の数量ということにつきましてのことが御指摘の中にありましたが、それらの点につきましては部長から御答弁をいたします。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 基本的な行き方はただいま政務次官から御説明がございましたが、三月末の両調整団体の持越量と計画保管量は、全販連の場合約九百万貫、工業組合系統の全国澱粉連の場合約五百八十万貫ということになっております。これを上回って自主調整をやってもらうわけでございますから、その上回った分がどの程度になるであろうか、また、上回って自主調整をやった結果相場が持ち直すことを私どもは期待いたしておりますけれども、その後の推移等もございますので、結局翌月中に政府がどのくらい買わなければならぬ数字になるかということについては、両団体の自発的な自主調整の強化、計画以上の自主調整がどのくらいできるかということにかかりますので、今直ちに数量的な予測はつきません。当初三月末でやる予定でございましたが、あるいは、時期が切迫いたしましたから、四月の十日か十五日ということになるかもわかりません。いずれにいたしましても、両団体の計画持越量を上回った分を政府が翌月中に必ず肩がわりするという約束をいたしまして市価の回復をはかりたい、その趣旨の通達を一両日中に出す手はずにいたしております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 政務次官並びに部長から御答弁がありましたように、食糧庁長官が金融についての通知を出されたり、あるいはカンショ澱粉価格の維持についての御努力に対しては敬意を表する次第でございますが、問題の焦点は、現在の悪い市況を何とか回復してやるということではないかと思うのであります。従いまして、調整量と上回った分だけ買い入れるというような措置だけではなかなか市況の回復になってこない。ですから、端的に早急に澱粉を二百万貫でも三百万貫でも買い上げるという線を出せば市況が回復してくると思うのであります。こういう親心を農林省はお持ちになっているかどうか。また、お持ちにならなければ、そういう対策をとられることが非常に必要ではないか、かように考えるわけであります。どうぞよろしくお願いいたします。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 親心と言われますと返す言葉もないように思いますが、何分この優先団体が一応自主調整いたしますことが最も適当なことだと私は考えております。すなわち、それこそ民主的なあり方でございまして、自主調整いたしましてもなお、先ほど部長からも答弁いたしました通りに、計画数量を上回りました分につきましては、政府といたしましてこれを買い上げるにやぶさかでないわけであります。この点、全面的に何もかにもこの際政府におんぶするという考えでなしに、一応優先団体において自主調整に努力していただきたい、農林省といたしましてはかような希望を持っておるわけであります。

倉成正自由民主党

○倉成委員 今の政務次官の御答弁の趣旨はよくわかるのです。ですから、関係団体でできるだけ調整をやっていくという努力は、これは私どもとして十分しなければならないと思います。しかし、市況を回復させるというのがやはり問題の焦点でなければならない。調整量云々というようなことは一つの手段であって、かりにそういうことでありましても、市況が回復しないということになれば、これはただ机の上でつじつまが合っただけのことになるわけです。従って、調整量についてはできるだけ関係団体にも努力いたしてもらうと同時に、やはり、実情に即して、市況を回復させるために、そう大した量ではございませんから買い上げるのだ、こういう方針を明確に打ち出していただきたい。この委員会の質疑もやはりすぐ市況に影響を及ぼすわけでございますから、消極的なお答えは一つなさらないでいただきたい。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 市況を回復するということの基本的のねらいは、倉成委員と所見はちっとも変っておりません。ただ、政府といたしましては、先ほどから申し上げておりますような方法によりまして、市況を回復し得るものなりとの期待を持っておるわけであります。

倉成正自由民主党

○倉成委員 政府のお見通しはけっこうでございますが、現実にはそれでは回復しないというような見通しが一方で成り立って、業界の方々はそういう考え方をしているわけです。従って、私はここで政務次官その他と論争しようとは思いませんけれども、やはり、そういう処置と同時に、市況回復について政府が責任を持って、これの具体的な措置、もっと率直に申しますと、二百万貫でも三百万貫でも必要があれば早急に買い上げて処置をするということくらいは、一つここでおっしゃっていただかなければ、澱粉業界の期待にこたえることができないのではないか。将来農家に非常に禍根を残すと思いますので、重ねて御質問申し上げたい。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 方法といたしまして、農産物価格安定法の趣旨から言いまして、直接市中のものを政府が買う建前にはなっておりませんことは御承知の通りであります。優先団体が調整保管をいたしましたものを優先的に買うことにいたしております。そこで、政府が買いましても、調整団体が保管をいたしましても、市況に及ぼす影響は理屈の上では同じことでございます。ただ、御指摘のように、政府が買いますと言いますことが、市況をささえる非常に有力な材料であることも御説の通りでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、一定期限を途中で切りまして、調整期間中であるにもかかわらず、まだその調整の期間は六月まで続いておりますけれども、この市況ではその調整時期を終るまで政府が拱手傍観をしておるわけに参りませんし、また、調整団体も、強い政府からの指示と申しますか約束をいたしておりませんと、思い切って市中のものを買うだけの、金融的な面でもそうでございましょうし、また、あとを政府が引き受けるという確約がなければ、なかなか計画を上回って調整をするというような勇気も出て参りません。そこで、調整期間中であっても思い切って買ってみる、思い切って自主調整をやってみる、その自主調整をやった結果がなお市況をさえさせない場合は、その計画以上のものを、二百万貫とか三百万貫とかいうことでなしに、むしろ計画を上回って買ったものは全量を買います、——かりに自主調整団体が計画を上回って二百万貫、三百万貫、あるいはそれ以上のものを上回って自主調整をして、しかも市況がそれによってさえないということであれば、政府が上回ったもの全部を翌月中に必ず引き受けますという確約をいたしますことによって、政府買い入れを一つの有効な市況の支持材料にしようという考えでございます。

倉成正自由民主党

○倉成委員 理屈は今部長のおっしゃる通りだと思うのです。ただ、問題は、現在全澱連関係の原料資金の借り入れが四十五億六千万円という非常に膨大な額に達しておる。しかも償還期にきておる。食糧庁長官のいろいろな通牒がありましたけれども、それではこういった状態をささえるものにはなっていないというのが現実でございます。従って、問題は、やはり安心をしてこういった澱粉業界にも金融をし、また澱粉業界もそう売り急ぎをしないでもいいようにしてやるというのが、今まで御説明になった趣旨じゃないかと思うわけです。ですから、やはり、政府で買い入れをやるのだということを公式に声明をしまして、現在の市況の低迷が続くような状態を打破してやるんだという含みを持ったお答えをいただかないと、ただ従来こういうふうにしておったからこうやるんだという公式論では、現在の状態を脱却することはできないのじゃないか。その点、もう一度承わりたい。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 農林省の方針につきまして、外部への発表は、当委員会を通しまして先ほど倉成委員にお答え申し上げましたこの趣旨、この発表こそ最上の発表の方法だと考えておりますが、なお、別途、政府といたしましても、一両日中にその方針は新聞発表等をいたしますつもりでございます。

本名武自由民主党

○本名委員 関連して……。  政府のお気持はよくわかるのですが、しかし、その程度のわかり方ですと、やはり、倉成委員の心配されるように、なかなか聞きたいことが率直に判断できないと思うのです。そこで、具体的にお聞きします。優先団体というお話がありましたが、これは全販ですか。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 全販連と全澱連の二団体が優先団体になっております。

本名武自由民主党

○本名委員 私、わからないのでお聞きしますが、優先団体が自主計画を立てまして、政府とその内容の打ち合せをして、さらに、一月か何月か忘れたが、政府と契約をすることになっておると思いますが、そういう手続は済んでいるのですか。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 調整計画を法律によって御提出になりまして、それの承認をいたしております。それから、買い入れにつきましては、市価が買入価格を下回った場合に所要の実費を加算して買うという趣旨の通知が両団体に出してございます。

本名武自由民主党

○本名委員 そうしますと、手続一切が一応済んでおる。問題は、やはり、倉成委員の指摘するように、数量と、時期はいつかということの発表を待つということになると思うのです。従って、これは相場にも非常に影響するものですから、今日のように下っておるものを上げるためには、あらゆる発言なり指示なりなさっていいのでありますが、あるいはまたそれ以上深い思慮に立って今日数量なり時期が明示できないというならば、少くとも、抽象論でなく、こういう手続が残っておるとか、これだけのことをやったならば大体いつころまでにきまりがっくだろうとか、その程度の具体的な、実際の発表に至るまでの手順を一応お示しになるくらいのことはなさっておいた方がいいのじゃないかと思いますが、どうです。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 私ども同様の考え方で両団体といろいろ協議をいたしたわけであります。先ほど申し上げましたように、三月末の両団体の自主調整計画、これだけ持てば政府に依存しなくても自主調整で市価が維持できるだろうという建前で両団体が立てました計画の三月末の保管予定数量が、全販連の場合で、約九百万貫、全澱連の場合で約五百八十万貫。全澱連は実際の扱い高は多いのでありますが、計画の持ち越しは全販連より若干少くなっております。そこで。まず第一段は。その自主計画通りの保管を両団体にやっていただくことが先決だということで、先般通知を出したのであります。それでもさえない——両団体の自主調整計画一ぱいまでまず買っていただくことが先決だと思いまして、それをまずやっていただくわけですが、今申しました計画数量までかりに自主調整をやりましても、なおどうも最近の相場の状況では不十分ではなかろうかという御意見もございます。そこで、その計画数量を上回って、市中のそういった撹乱要因になりますようなものを両団体が積極的に買い入れを行う、保管を行うということを今お願いをいたしておるわけであります。そこで、その時期をいつにとりますか、四月の十五日にとりますか月末にとりますか、なるべく早い方がいいと思いますが、四月十五日なら十五日に一定の目標買入数量以上のものを買っていただく。それを両団体がどのくらいになさるかは今後の協議でございます。両団体が、事前に立てました計画よりも最近の市況から見て相場を持ち直すためにほさらに二百万貫なり三百万貫なりを上回って調整をする必要があるというお考えであれば、それを一つの努力目標としてやっていただこう。それをやっていただいてと申しますか、少くとも本来の計画以上に持っても市況が回復いたしませんときは、その本来の計画以上持った分については、六月などといわずに即刻四月中に政府がその分は肩がわりをいたしますということで、その努力目標数量等はなお両団体と協議をいたしまして一つの努力目標を定めますけれども、定めました努力目標をやってもなお及ばないというときには、その努力目標と当初立てました計画との差額の分は政府が即刻買い上げをするという確約をいたすことによって、両団体の一つの自主的な調整運動を奨励をいたしますと同時に、政府がその危険に対して保証するという形で相場の回復をはかって参りたい、さような手続をとることにいたしております。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 関連して……。  ただいま倉成委員から澱粉の市価の安定についての当面の問題についての質問がございましたが、これに関連をいたしまして石坂政務次官にお伺いしたいと思うのです。  最近、聞くところによりますと、アマリカのコーン・プロダクト・コーポレートが日本に進出いたしまして、このカンショ、バレイショの澱粉によるところの工業を熊本県において始めようという計画があるということを聞いておりますが、こういうようなことになりますと、一時はカンショ、バレイショの生産地に対して相当な需要が及ぶということは考えられますけれども、しかし、この会社の性質から申しまして、一年あるいは二年後には日本のカンショ、バレイショの澱粉の市価をたたいてしまうという結果に陥るような心配が多分にあるということが言われておるのでありますが、こういうことに対しまして農林当局におきましてはどういうお考えを持っておいでになりますか。もしこういうことが実現いたしますと、将来農家に非常に大きな影響を来たらす問題であると思うのでございますが、これに対しまして政務次官はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、御意見をお伺いいたしたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 コーン・プロダクトの問題は、私も仄聞いたしておりますが、熊本県下に工場ができるというようなことは私は承知いたしておりません。しかし、私の仄聞いたしておりますところによりますと、味の素の会社とコーン・プロダクトの会社とに従来関係がありましたが、現在、この問題につきまして、両方で、どの程度話し合いがいっておるか知りませんけれども、話をしておる、こういうように承知いたしておるのでございまして、それ以上のことは私ども承知いたしておりません。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 これは私ども関係議員のところにもそれぞれ業者からも陳情が来ているのでありまして、農林当局においてもそういうプランその他については御承知になっておられるところだと思うのでございますが、全販連の方におきましては、これはまだ十分調査をしておられないようでありますけれども、しかし、これがもし実現されるという場合においては、農家に及ぼす影響というものは相当のものがあるということが考えられるのであります。これが実現してしまったならばどうすることもできないのでありまして、まだそういううわさを仄聞しておるという程度だということで、そのまま手をこまぬいておられていいものであるかどうか、もう少し実情をよく調査して、これに対する適当な措置を講ぜられるということが必要であると思うのでございますが、もう少しはっきりおっしゃっていただきたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 ただいまのお言葉の通りに、もし大企業が国内に進出して参りました場合の生産農家に対する影響、その他の影響はまことに大きいのでありますから、決して手をこまぬいて成り行きを見ておるわけではないのであります。さような点につきましては、いろいろ問題点につきまして一応検討もし、考慮も払っておるわけであります。その具体的な点につきましては部長から補足して答弁いたさせます。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 関連の澱粉業界あるいは結晶ブドウ糖の製造に現在かかりつつある既存の皆様方から、御指摘のような点についての懸念の点を種々お話を伺っております。そこで、当事者の側の見解を私どもも十分ただしております。まだ各般の調査研究中でございまして、具体的なことまでは当事者の側ではまだ私どものところまで申し越す段階になっておらぬという状況のようでございます。  そこで、私どもの最も懸念いたしますところは、外国から非常に生産費の安い澱粉が流入することは非常に困る、これはいずれにいたしましても絶対に防がなければならない、まずそういう考え方は固めております。それから、かりに原料を外国に依存することなく日本のカンショ、バレイショ澱粉等の処理に限定をして事が進められる場合を予想いたしましても、すでに結晶ブドウ糖につきましては昨年来数工場融資のあっせん等もはかりまして育成中でございます。従いまして、競争力のあるものが無秩序に出て参りまして、そういった需要に見合わない生産をやる、あるいは製品の製造が無秩序な競争状態に陥るというようなことは、育成過程にあります日本の結晶ブドウ糖工業を順調に育てることに相ならぬというふうに考えますので、その辺の既存の日本の澱粉処理加工業との技術的あるいは資本的あるいは経常的な十分な調整の見通しがつくまでは、そういったことを軽々には実現しないようにということを十分当事者にも申し含めてございます。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 このコーン・プロダクトは、御承知の通り、アメリカにおける世界的に有数な業者であります。すでに、かつて朝鮮においてその事業を開始したこともあり、戦後も日本進出を幾たびか計画をしておると伝えられておるのでありまして、今回、今お話のありましたように、味の素と提携をして、ぜひとも一つこれを具体化しようという強い動きをしておるということは、もう隠れもない事実でございまして、こういうことが実現されます暁におきましては、ただいまも当局から話されましたような非常な大きな影響を、加工業者のみならず生産農家に及ぼすということは必至でございます。そして、これをとめようということになりますと、いろいろ考えられる点がありましょうけれども、なかなかきめ手がないというふうにも思われるのであります。もしこのことが申請されます場合に、農林当局といたしましては、むしろこれを歓迎するというか、手放しというわけではもちろんないと思いますけれども、あるいはこれを入れた方がいいというお考えをお持ちになりますか、あるいはまた、これは絶対に入れない方がいいというお考えを持ちますか、その点を一つ明確にお伺いをいたしたいと思います。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 先ほど申し上げましたように、原料を海外から持ってくるということでは、私どもとうてい容認し得るところではございません。それから、原料を、今日の過剰状態であります日本のイモ澱粉に限定することができますれば、新しい技術その他の導入ということは、あながち頭からこれを否定するというのもいかがなものかというふうには考えております。ただし、先ほど申し上げましたように、現在育成中の結晶ブドウ糖、あのまだ少量しかできておりません結晶ブドウ糖ですら十分な販路の確立を見ておらない現状でございます。そこで、日本におきます結晶ブドウ糖あるいは澱粉の販路の今後の推移というものと十分調整をとり、かつ、既存の育成中の結晶ブドウ糖工業とも十分の調整をとることが何よりも必要なことであります。それができない限りは、こういった企業が無秩序に出現いたしますことには、私ども賛成いたしかねる次第であります。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 このコーン・プロダクトはどういう意図で日本に進出するかということはこれはもう言わなくてもわかっていると思うのでありまして、アメリカの余剰農産物であるコーンの澱粉を日本の安い労賃で消化したいということがやはりねらいだろうと思うのであります。そういうことのために、とにかく足がかりを作って、最初は何とかいい条件でもって事業を開始するということに落ちつくといたしましても、将来においては必ず、アメリカの余剰物資であるコーンをもって、日本の生産農家、カンショ、バレイショを作る農家を圧迫するというようなことは、これはもうおよそ想像がつくところであります。こういうことに対して、これは外国の澱粉を入れないということを条件にしてならばということを言われますけれども、一たん足がかりを作られた場合において、それを防ぐことができるかどうか。これだけの大きな資本を擁しておるところの世界有数の会社が出てきて、日本の澱粉業界をかき回す、あるいはまた結晶ブドウ糖を作る業者に大きな影響を与える、ひいては生産農家にも甚大な被害を及ぼすというような、ほとんど壊滅的な状態に陥るかもわからないというようなことも予想されるのであります。これに対して、今部長の言われたような、条件が整えば、外国の技術を入れることも、資本を入れることもいいじゃないかというようなお考えで、果していいんだろうかということに対しては、私は疑いを持つのでありますが、この点に対して石坂政務次官のお考えを承わりたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 国際的に競争力の弱い日本の農産物の関係からいたしまして、海外からの農産物の輸入を差し控える、できるだけ少くするということの好ましいことは基本的の問題だと思います。  さて、ただいまのコーン・プロダクトの問題に対するこの後の対策につきましては西村委員の質問の御要求は右か左かこの際一刀両断の結論を明言せよというような御趣旨のように伺いますけれども、いろいろ問題点を考慮し、西村委員御指摘のような点も十分に考慮のうちに入れまして、その後の具体的の対策には万遺憾なきを期して進めて参りたいと存じております。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 関連ですから、なるべく簡単に。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 ただいまお話しになりました点について、まだ了とするわけには参らないのでありますが、私の質問はまた次回に譲りまして、きょうはこの程度でとめておきますが、一つ十分に御調査をいただきまして、その結果を御報告をいただきたいと思います。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 西村君に申し上げますが、甘味資源の関係で結晶ブドウ糖の問題はあらためてやる予定を立てておりますから、そのとき十分お願いをいたします。

西村関一日本社会党

○西村(関)委員 御調査の結果は、小委員会に報告をしていただけばけっこうです。

倉成正自由民主党

○倉成委員 問題の本筋にもう一度返って御質問申し上げたいと思います。  先ほどの農林省の御答弁も筋としてはよくわかるのでありますが、問題は、やはり、業界では現在政府が買い入れを消極的に考えていやしないかという不安を持っておるのです。これが非常に市況に悪影響を及ぼしておるというのは事実であります。従って、金融的にも困っておりますし、現在こういう市況である。これをやはり現実にもとに戻すというのが政策の中心ではないかと思うのであります。ですから、従来いろいろ御計画を立てられてやってこられたことをそのまま行うということではなくして、もう少し積極的に政府が買い上げをやる、調整計画量等についても検討する、こういう御配慮のある御答弁をいただきたいと思うのでございます。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 先ほどから御答弁申し上げております点につきまして、倉成委員は、先ほどは理屈はわかると言われたのであります。ただいまは筋はわかると言われました。政府の考えております理屈なり筋はまさに倉成委員にも御了承を願ったわけであります。しかるに、——既定方針を少しも変えずにやろうというような、そういう考えは持っておりません。すなわち、一例を申し上げますと、買い入れ期間はカンショ澱粉は六月の末日、バレイショも同様であります。それで一応調整されました数量を上回った点については、六月を待たずに買い入れましょう、そういうような筋でございます。しかしながら、倉成君の御説のような市況の事情その他のいろいろの点もございますので、具体的の事情はよく調べまして、業界の方々に不安を抱かせませんように、なおまたできるだけすみやかに市況の価格の安定をはかりますように努力いたす考えでおります。どうぞこの点御了承をお願いいたします。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 田口長治郎君。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 私、当委員会提案の法律案を上げるために参議院に行っておりまして、今までの本問題に対する質疑の経過をよく存じないのでございますが、新方式によってこの澱粉問題を処置する、こういうことを承わっておるのでありますが、私の想像いたしますところによりますと、新方式とは安定帯を作られたことが一つと、そうして自主調整数量を決定されて自主的に調整をされる、この二つの要素があると思うのでございますが、そのほかに要素がありますれば承わりたいと思います。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 新方式と仰せられましたけれども、必ずしもそれほど従来と変っておるというふうにも考えておりませんが、あらかじめ、今御指摘のございましたように、調整団体が出回り期前に調整計画を立て、それを農林大臣の承認を受けて自主調整をやり、その結果市況が十分さえないときは順次その優先団体のものを政府が買い上げて援助を行うという基本線は従来といささかも変っておりません。ただ、御指摘になりましたように、自主調整に入ります前に、その自主調整計画の基準となるべき目標価格というものを、あらかじめ上値と下値両方の目標価格を各団体においてお立て願いまして、その幅の中で自主調整が円滑にいくように、それで、それに及ばないときには政府が買い入れの援助を行い、それ以上の高騰を見るときには政府の手持ち澱粉を調整期間中といえども放出する、そういう一つのお約束を調整団体といたしまして、今まで以上に計画的な自主調整を強化して参りたいということで発足いたしました点が、変ったと申しますれば新しい点でございます。  そこで、なおほかに変った点があろうかというお尋ねでございますが、そのときの心づもり、私どもと両団体との心づもりといたしまして、月別にかくかくの数量を逐次蔵入れ保管をして参れば、政府に買ってもらうことなく市況が安定するであろうという一つの目標を、心組みを持っておったわけです。そこで、実際にすべり出してみますと、いろいろの事情が、つまり変更がございますので、必ずしも所期の通りの市況が実現しておらぬ現状でございます。そこで、これはどうも最初に立てた自主調整計画の保管目標数量というものが現実に合わず、つまり、少な過ぎたのじゃなかったか。そこで、やはりこの市況にたえて当初の考え方をやって参るためにはその保管計画をもっと大胆に引き上げまして、両団体とも、もっと保管を繰り上げて行うと申しますか、予定以上に行うことが何よりも必要ではなかろうか。それによって市況が回復することがまず期待されるわけでありますが、しかし、両団体とも、当初立てました計画以上に持つということはやはりなお相場がさえないときに非常に困るというような一つの下安を伴います。そこで、そういう計画以上のものを買うことに踏み切る以上は、その結果の相場のさえない結果はやはり政府が自主調整期間の終期を待たずに途中で助太刀に出て、政府も調整団体の分を一部肩がわりをして買い受けるというような、両者が一体となって運営することが、自主調整団体の機能を強化することでもあり、また、今日の相場の不振に一つの刺激を与え、なお、刺激以上に、必要があれば実際に買うわけでございますが、そういうことで、不需要期と申しますか、価格の不振を一掃いたしたい、そういうふうに最近両団体とも相談をいたしまして、即刻それの実行に移ろうということで準備をいたしておるわけであります。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 調整の問題はあとで質疑を継続するといたしまして、安定帯の問題につきましては、一定の幅をもって最高と最低とをきめておられる。この最高、最低線は、最高以上に価格が暴騰したときは政府手持ちのものを放出をする、最低の場合におきましては澱粉を政府が買い上げる、こういうことが主眼だと思いますが、その点はどうでございますか。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 これは、両団体が自主調整計画を作りますとき、一つの自主調整のめどといたしまして、これだけの保管、これだけの売却をやって参ればこういった価格で市況を安定させ得るのではないかというのが主眼となった価格帯でございます。もちろん、自主調整によりましてその価格が実現せずに、自主調整だけではその掲げた目標になかなかいかないというような場合には、調整団体の買い入れ活動を私どもが補完する意味で買うということは、法の精神から言って当然予想いたしておるわけでございます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 私どもは、農産物価格安定法によって最終的にはなまカンショ及びバレイショの価格がいつでも適当なレベルに維持できるように、こういうことでこの澱粉操作をやっておるのでございます。従って、安定帯を作りました以上は、これは自主調整のみにたよることなしに、この安定帯を発動する必要がある場合におきましては農産物価格安定法の精神にのっとって政府自体が操作しなければならぬ、こういうふうに考えておるのでございます。先ほど次官の話を聞いておりますと、六月末までに買い上げ時期がなっておるから、そう押し詰まらない前に買う、こういう御意向のようでございまして、そこにどうも、今の澱粉価格の逼迫しておる状態と、官庁で買い上げられるという気持との間には少しずれがあって、でき得れば一日も早く買わなければならぬ情勢にあるのに、そこまでどうもぴんとお考えになっていないのではないか、こういうような感じがするわけです。その点は別に深く追及はいたしませんが、とにかく、今購入をしなければならぬ状態に市況があるとすれば、政府の責任において、しかも安定帯を作っております以上、安定帯の最低価格以下に下っておれば、これは一日も早く政府が買って元に戻す、こういうような根本精神が必要である、そうなければならぬ、こう考える次第でございますが、今安定帯の最低価格に対して澱粉の市況の価格はどういう状態になっておるか、その点お伺いいたしたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 私から一言田口委員に補充的に御答弁答申し上げますが、田口委員は、先ほどからの質疑応答を十分お聞きになっておりませんので、ただいまのような御質問の一節が出たかと思います。私の申し上げましたことは、普通の場合であれば両方とも六月末日になっておるけれども、その六月までも待たずに、できるだけすみやかに買い上げる、ただし、三月、一応優先団体において自主調整をしてもらって、そうしてそれを超過した分については政府はできるだけすみやかに買い上げる、こういうことを先ほどから申し上げておりまして、これが政府の基本的の線であります。従いまして、倉成委員にも御答弁申し上げましたように、この基本的な筋は倉成委員も御了承願っております。しかしながら、最後に申し上げましたように、現在の澱粉価格の市況の状況等も種々考慮に加えなければならぬ点がございますので、具体的の事情をよく調べまして、業者の方々の不安のないように措置いたして参りたい、こういうふうに申し上げたわけでありまして、その他のいろいろの点につきましては部長から御答弁申し上げます。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 最近の市況は、そのようなことが反映いたしましたか、若干回復しつつあるのでございますが、なお東京都の相場にいたしまして千五百八十円程度というのが現状のように承知をいたしております。政府が買い入れを行います際の最低価格は、田口委員すでに御承知の通り、千五百五十円というのが最低支持価格の線でございます。もちろん、買い入れますときは、調整団体が調整保管中に費します金利、倉敷等の実費の加算は行いますが、基準となります価格は千五百五十円であります。そこで、両調整団体が一つの目標価格として、下限としてこのくらいで売りたいという目標に掲げております価格は月別に推移をいたしておるようでありますが、三月は一応千六百三十円くらいというところを調整団体の一つの最低目標価格というふうに置いて、それを基礎にして調整保管をおやりになっておるのが、私どもの方に提出されております自主調整計画の骨子になっております今のいわゆる下限価格でございます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 今昌谷部長は、東京市況が千五百八十円、こういうようなお話のように伺いますが、千四百八十円と違いますか。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 新聞で私どもが日々の相場を調査いたしております。これは千五百八十円に相違ございません。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 この市況が低迷しておることの前提といたしましては、結局、自主調整ができておるかできていないか。また、農林省といたしましては、まず自主調整をやらして、その上でと、こういうようなお考えのようでございますが、そういたしますと、この自主調整の計画が前提としてできる状態であったかどうかということが非常に問題になると思うのでございます。少くとも、この自主調整をいたしますのには、資金の準備と倉庫の準備ということが前提でなけりゃならない、こう考えるのでございます。そのほかに、もう一つ考えなけりゃならないことは、検査合格品のパーセンテージがどの程度になるかという問題もあると思うのでございますが、農林省がこの団体から出されて自主調整計画をごらんになった場合に、資金関係、倉庫関係及び合格品のパーセンテージの問題、こういう点をお考えになって、この計画が実際にできるものであるかどうかということを審査をされ、そうして完全に実行できるというようなお考えになられたのであるか、あるいは、単に書類が出たからこれでやろう、準備も何もなしにこれでやろう、こういうようなことでやられたものであるかどうか、その点が非常に重大でないか、こう考えるのでございます。相当に資金も準備をし、倉庫も準備をし、合格品のパーセンテージからもお考えになって、これならばいける、こういうような自主調整の計画であって、そうして業者がその計画を遂行しなかった、こういうようなことであれば、これは業者の責任である。しかしながら、資金の手当もないし、倉庫も考えない、できた澱粉の中で合格品は何%あるかということも審査をしないで、書類が出てきたからこれを認可する、こういうことであれば、これは業者も責任がありますけれども、農林省も一半の責任を負わなけりゃならぬ、こう私は考えるのでございますが、その点についてはどういう経過をたどっでおりますか。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 両団体がいろいろ自主調整計画をお立てになります前に、私どもの方とも十分御指摘の点についても御相談を重ねたわけであります。資金につきましては、調整団体の一つであります全販連につきましては、これは系統のことでもございますので、十分その計画にたえるだけの資金を、私どもが特に口を出すまでもなく内部で確保をし、現に実行しておられますので、何ら不安はございません。それから、倉庫につきましても、自主調整の保管をいたします対象となるべき倉庫は、単にそういった自主調整団体がおきめになるだけでなしに、私どもも末端の食糧事務所を動員をいたしまして、御相談に乗りながら、こことこことが自主調整の倉庫にふさわしい倉庫であろうということの決定に参画をし、御協力を申し上げております。それから、全販連以外のいわゆる全澱連と申します自主調整団体につきましてはそういった調整機能が遺憾ながら全販連ほど十分ございません。そこで、自主調整計画におきましても、先ほど申し上げましたように、全販連は全体の澱粉の扱いから言えばはるかに割合が少いのでございますが、その全販連が三月末見込みで九百万貫の保管をする調整計画になっておるのに対しまして、全体の扱い量の非常に多い全澱連の方は、諸般の能力等も考慮に入れまして、五百八十万貫というような少い数字の計画にとどまっております。これは、扱い方の割合から言えば、自主調整団体としてはもっともっと全販連の何倍か保管をしていただく方が私どもとしてはありがたいのでありますが、先生の御指摘のように、ただ理屈だけでは参りませんので、現実の資金、倉庫、その他の自主調整能力というものを考えまして、適切なそれぞれの調整能力に応じた自主調整計画ということにとどまらさるを得なかった実情であります。従いまして、その辺のところは、それぞれの団体の能力に応じた調整計画が立てられつつあるように思います。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 この調整数量の問題になりますが、全販連と全澱連、この二つはおのおのどの数量を押えて調整数量に計上してあるのですか。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 全販連の関係での生産数量は、貫数にいたしまして、全販連系統の調整によりますものの総生産数量が三千万貫というふうに見込まれております。それに対しまして、全澱連の関係の調整計画の基礎になっております生産量は四千九百万貫というふうになっております。それに対しまして、いわゆる調整数量は、これは全期間を通じての調整数量でございますが、つまり、実際に集荷をし、あるいは計画的に販売をし、計画的に持ち越す対象になる数量でございますが、全販連は二千二百万貫を調整の対象として計画いたしておるのに対しまして、全澱連は千八百万貫を調整の対象として計画に計上いたしております。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 この二千二百万貫、千八百万貫の調整数量に対しまして、現在調整をしております全販連の数量はこの数字でございますか。あるいはこれから下回っておるか。また、全澱連の方の千八百万貫に対しまして、実際にどの程度調整しておるか、五百八十万貫でございますか、それともこれより上回るか下回っておるか。その点一つはっきりお答え願いたい。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 両団体が三月末に保管をする予定をいたしております数量が、先ほどお話のありましたように、全敗連は九百万貫を三月末の持ち越しにする計画であり、全澱連は五百八十万貫を持ち越しにする計画でございます。実際にはそれを上回るように目下努力中でございますが、二月のときは全販連が七百七十万貫程度であったかと記憶しております。そのとき、二月末でどの程度の計画達成率であったかということを見ますと、七百五十万貫をちょっと下回っておったと記憶しております。全澱連の方は、正確な数字を今持ち合せておりませんが、全販連の目標に対する調整度合いから見ますと若干減っております。そして、ただいま申し上げましたようなことで御援助もし御相談もいたしながら、三月末、あるいは適当な時期を切って政府の買い入れ対象数量を定めようとしておるわけでありますが、そのために金融その他の措置にさらに一そうの御援助を申し上げようと思っておるわけであります。全販連につきましては、三月末が九百万貫、四月末が九百四、五十万貫であったと思いますが、まず少くとも相当上回った自主調整をやるように各県に呼びかけております。その数字は市況の推移にもよりますが、それくらいが政府の買い入れ必要対象数量ということになっております。全澱連に対しまして一生懸命援助申し上げておりますが、かりに全澱連の調整数量が目標通り達成されませんでも、と申しますか、両団体が両方ともが目標以上買った場合に初めて政府が買うと申し上げておるのではございませんで、この際の計画外緊急保管をおやりいただく分につきましては、一方の団体がそれを達成しなくても、一方の団体がそれを達成して上回っておれば、もちろん買い上げ対象にいたして参る予定にいたしております。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 この二千二百万貫、一千八百万貫というのは、毎月買い入れた数量の合計という数字と解釈してよいのですか。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 その通りだと思います。つまり、全体の生産のうち計画に載せて売り買いをする数量ということでございます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 全販の方の調整数量につきましては御承知の通りに、全販は原料、集荷その他の金融もついております。そうして、この金融は相当長期で、製品金融に切りかえるようなそういう処置もできる金融と考えておるのでございますから、この点はあるいはうまくいくと思うのでございますが、この全澱連の千八百万貫の自主調整ということにつきましては、私もしろうとでございますが、金融方面からとうていこういう計画書が出ても実行はできない数量である、こういうふうに考えるのでございますが、農林省としてはこの数量が調整できる数量だ、こうお考えになって認められたのでございますか、その点をお伺いしたいと思います。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 全澱連の場合には、いわゆる全販連のような系統組織とは若干趣きを異にいたしておりますので、純粋の意味で全国中央団体が実際に売買に組合として物を握って調整する仕組みにはなっておりません。そこで、本来そういう意味での調整機能は従って全販連と比べますと幾分弱いわけでありますが、ここに全澱連からの御計画として出ておりますものは各団体の構成員あるいは県の連合会、さらに県の団体の構成員が一つの中央団体の計画的な意思に基いて計画の線に乗って出し入れをするものを含めてこの計画が成り立っておるのでございまして、その意味で、純粋に中央一団体が実際に自分の資金を調達をして売り買いに参画をするという筋合いのものとは趣きを異にいたしております。しかし、調整団体としての調整機能はそのように若干弱いのが実態でございまして、まことに残念ではございますが、そういう実態に応じまして、私どもとしては各組合構成員あるいは県の連合会に資金のあっせん——中小企業金融公庫、商工中金なりあるいは個別の市中銀行なり、それぞれ団体が手当をしておられますそれらの金融機関につきまして、農林省としても積極的なごあっせんをし、その計画をもり立てておるわけであります。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 この数量で自主調整させるためには、やはり、少くとも全販連と同じような原料集荷資金という点から農林省としてもお骨折り願わなければ、私は不可能だと思うのであります。個々の工場に対しましてごく短期の原料集荷資金を地方銀行から借りさせてやらせるというような今の状態におきましては、どうも、千八百万貫を自主調整しろ、ここに非常に無理があったのじゃないか。これは私は業者の方も悪いと思う。自信のないのを、千八百万貫自主調整すると言われることは非常に悪いのでございますが、一方、また、農林省の方も、これでできるというお考えで許可されたとすれば、非常に甘い考えでないかと思うのでございます。私、この点を突っ込んで聞きますことは、どうも業者も悪いし、従って、将来業者としても自信のある計画書を出さなければいけないということと、同時に、農林省としても、これが認可に当りましてはあらゆる方面から検討されて、実行される、こういう確信のもとに認可をされるということが必要であって、今年の場合におきましては、この両者がその点に錯誤を来たしておりますためにこういう市況を出しておるのじゃないかと考えるのであります。その点から考えましても、今どうしても市況が伸びないということに対しまして、自主調整一本やりで農林省が進まれるということはどうかと私は考えるのでございます。  もう一つお伺いいたしますことはこの全澱連の製品は、生産総数量に対して合格品が大体何パーセントあったか、ここ二、三年のその点の数量をお伺いいたしたいと思います。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 御指摘の過去の調整実績をお示しする十分な資料が手元にございませんが、先ほどの調整計画、全敗連が二千二百万貫、全澱連が千八百万貫を調整販売の対象にいたしておるということを申し上げましたが、その数量に対比しての前年度の実績が手元にございますので、御参考までに申し上げますと、全販連は千四百万貫、全澱連は五百六十万貫というふうになっております。もちろん、基礎になります生産等の事情も関係するわけでありますが、御指摘のように、昨年の実績は本年の計画と比較いたしますとかなり低調なものでございます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 合格品のパーセンテージにつきましては私も的確なる資料を持っておりませんが、大体全澱連では三 〇%内外ではないかというふうに考えるのでございますが、生産数量四千九百万貫の三〇%ということになりますと、千四百万貫程度です。千四百万貫の合格品があって、それに自主調整の数量は千八百万貫、こういうことになるので、業者の立場から言いますと、もし合格品でないものを自主調整で倉庫に入れるということになりますと、金利、倉敷その他の事情があって、合格品でございますと政府があとで買い上げるということで金融もつくと思うのでございますけれども、不合格品を自主調整で倉庫に入れましても、これは金融も何もつかない。この点から言っても、どうも今年の千八百万貫自主調整というのは、業者も妙な数字を出しておりますし、これを許可した農林省もどうか、こう考えるのでございますが、そういう点についてはどうお考えになっておりますか。

昌谷孝農林事務官(食糧庁業務第二部長)

○昌谷説明員 計画をお出しになりました当初は、理想的な一つの調整目標を掲げられまして、むしろそれによって、所要資金の獲得とか、あるいはその他の一つの自主調整団体としての調整活動を、うんと高い目標を置いて活発なものにしたいというお気持が多分にあろうかと思います。従いまして、私どもも、一がいに、分不相応な調整計画であるから引き下げたらよかろうというふうに申し上げるのも、ある程度は御注意申し上げて調整をとりますけれども、せっかくやろうとしているのに、あまり水をさすというようなことになっても申しわけないというようなところで、それ以上立ち入って強くは申し上げなかったのは、確かに御指摘のようにそういう事情にあることは事実でございます。実際やってみますと、予定通りの検査の合格率も達成できないし、また従って調整蔵入れするのにふさわしいものがそれだけ減りますから、調整計画を達成することもなかなか骨の折れることであるというふうに、手落ちがありましたこともおっしゃる通りであろうと思います。そこで、そういった買い入れ措置を前提としての調整保管ということでありますから、あくまで買い入れ対象となり得る検査合格品を調整保管せざるを得ませんわけで、そこにおのずから計画と実績との間に若干のずれが出ることももちろん念頭に置いて対処して参らなければならぬと思っております。ただ、両団体に呼びかけておりますのは、そういった現在の市況の不振を挽回するわけでありますから、あくまで調整計画を上回るように自主調整をやる、それを一つのてこ入れとして私どもが買い入れを行うという基本方針で呼びかけており、その体制を整えて参るということでありまして、なおその調整計画自体の吟味なり何なりは今後の問題として十分に検討いたしたいと思います。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 私が特に強くこの問題をお願いしますゆえんは、全販連はまじめに調整をしておる。それが、全澱のずさんな計画によりまして、この方からその価格がくずれるということになりますと、これは全販連系統としても非常に迷惑なことであります。同時に、今全澱系統では資金が非常に逼迫してしまっておりまして、ぐずぐずいたしますとあるいは倒産してしまうような工場も相当出てくるんじゃないか。今年のこの澱粉の問題で全澱系統でそういうことが出て参りますと、来年のなまイモの購入価格ということに対してこれは直接に関係をしてくる、こういうようなことを心配するわけでございます。例年は、御承知の通りに、大体二月ぐらいから政府としては買い入れをいたしまして、そうしてどうにか市価の安定を来たしておる。今年、新方式といいますか、とにかく安定帯を作る、あるいは自主調整を強くするというようなことをやられて、その結果、計画ずさんのためにどうも市況に直ちに関係して現状のような状態になっておるとすれば、これは新しい方式でございますから、将来の行き方としては大いに研究し万全を尽さなければなりませんけれども、今年初めてやったためにそういうような悪影響を及ぼしておるといたしますと、この自主調整をお話しになることも一つの筋としては将来研究しなければなりませんけれども、これだけにたよられることなしに、むしろこの自主調整が完全にできたらというような気持でなしに、今年初めてやったことであるから、一応やってみたけれども、結果においてこうなっておるということであるから、この問題もある程度進めていただくと同時に、やはり、例年のように、また農産物価格安定法の示す通りに、ある程度の買い上げをしてもらって市況を挽回させる。自主調整をできるだけやってということもあるでありましょうが、ある程度自主調整をやらせて、そうして買い上げる方法で市価を安定する、こういうことが全販連系統に迷惑かけぬことであるし、また来年度のイモの価格を決定する場合におきましてもきわめて重大ではないか、こう考える次第でございますから、ここで部長あるいは次官に買い上げろとかなんだとかいうことは要求はいたしませんけれども、そういう事情がありますから、この買い上げということにつきましては、一日も早く処置していただく。自主調整の線をあまり強く出されて、これがある程度完全にできなければということになれば、時期を失してしまいますから、その点は一つお含みの上、なるべく早く買い上げていただく、こういうような処置を一つぜひとつていただく方が、なまイモの価格といたしまして、あるいは全販連が迷惑をこうむらないという点から言っても非常に必要と思いますから、その点だけをお願いいたしまして、私の質問を終ります。     —————————————

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 食糧に関する件について質疑の通告があります。これを許します。茜ケ久保重光君。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 簡単なことでございますが、食糧検査について一、二点お伺いしたいと思います。  それは、米麦検査の場所のことでございます。実は、単作地帯ですとそうでもないのですが、二毛作地帯の農村を回って参りますと、非常に苦情を言ってくるのであります。検査場所は非常に限定されまして、たった三炭か三俵の米麦を検査してもらうのに終日かかった、従って、これでは困るので、何とか、現在の検査方法ではなくて、検査の場所をふやしていただいて、もう少し農民の手を省かせてもらいたい、こういう声を非常に聞くのであります。反面、食糧事務所等に参りますと、今度はまた、定員等の関係もありまして、なかなか手不足で、そういう農民の実態もわかるのだが、なかなか思うようにならぬということも聞くのでございます。しかし、農林省も、農民関係の仕事をいろいろしてもらっておりますが、直接こういう農民に対して、サービスとはいきませんでも、農民と直接接触して仕事をしてもらう面は、なるたけ農民諸君の要望にこたえてもらいたいと思うのです。その面においては、現在各村々で限定された地区でやっておる検査を、もう少し区域を縮めて検査場所を多くして、そうして農民の手数を省くような処置をしてもらいたい、こう思うのでありますが、現在の検査状況と、それに対する農林省の検査の実態を御説明願って、そういうことができるかどうかという点をお聞かせ願いたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 食糧検査につきまして、ただいま御指摘のような農家の方々からの不平、不満の声もあろうかと存じます。検査の実情並びにこれが改善の方法等につきまして、事務当局からお答えいたします。

有路政保農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○有路説明員 今御指摘の問題は、あっちこっちからそういうお話がある場合があるわけですが、従来というか戦前は、いわゆる生産検査といいますか、農家の庭まで入ったことがあるわけですが、戦時中管理されるようになりまして、農産物検査法ができたときも農林委員会でも御議論があったようですが、いわゆる集合検査といいますか、そういう方法でいかざるを得ないということで、方法としては集合検査ということでやっております。ただ、個々の農家の庭まで入るということはできないわけでありますが、検査の公正上からも集合検査がいいのじゃないか。ただ、やはり、地方によりましては、倉庫まで持っていくのは大へんだということで、あるいは倉庫のスペース等の関係もあると思いますが、そういう場合は、臨時に検査場所を設けまして、農民の方々の御相談の上そうやっている場合も、御関係の事例があると思います。ただ、方法としては先ほどお話のありました、まあ人の問題も出たわけでありますが、集合検査という方法でいっておるわけであります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 集合検査に反対なわけではないのです。ではありませんが、山間部に参りますと、一里も二里も遠い道を運んで、それも何十俵というまとまったものを出すならば別でありますが、二俵か三俵の検査に農民が終日ひまを費すという状態、しかも農繁期の際だと大へんなことになる。これは一、二件じゃなくて全国にあると思う。農林省には農民に対するサービス機関としていろんなことをやってもらうけれども、先ほど指摘したように、直接農民にぶつかる面でありますから、やはり積極的にそういう問題を解消してもらいたいと思う。もし人員が足りなければ、やっぱり人員をふやすことも必要でしょう。または内勤の職員等が何か転換——これは問題はありましょうが、何らか方法を講じて、やはり早急にこの問題は検討してもらいたいし、場合によっては、自転車で回るのがなんなら、バイク・モーターとかオートバイとか、そういう機動力を用いれば、人員をふやさなくてもできるのじゃないですか。そういう応急の策を考えてもらう必要があると思います。そういった面で、ぜひ現在の検査場所を何か適合するような方向べ持っていく努力をしてもらいたいと思いますが、今指摘した点も考えて、いかがでございましょうか。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 機動力の問題については、オートバイを、私は正確な数は覚えませんが、三十四年度の予算では幾らかっけました。なお、あなたの御指摘のようないろいろの点につきましては、これを改善するように十分に検討いたさなければならぬと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 これは特殊な問題でございますから、特にひどいところは食糧事務所等と相談をして、話し合いの上、やはりふやすこともあっていいと思う。その場合、もし規則上いけなければ、食糧事務所から本庁に連絡をして、ふやすことについての御了解を得ることができれば、農民も非常に喜ぶと思う。決して無理を言うのじゃなくて、だれが考えてもこれは無理だと思うところについては、食糧事務所と相談をして、ふやすことも適宜考えてもらいたい、それについては農林省も了解をしてもらいたい、こういう点についてはいかがでございましょうか。

有路政保農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○有路説明員 その点は、従来から、検査場所の指定は本庁でやっておるのでありませんで、食糧事務所長が公示することになっております。それで、御相談されてそうやられることは差しつかえないと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 それは一つぜひ農民の要望にこたえてもらいたいと思います。  次に、もう一点お聞きしたいのは、検査と直接関係はありませんが、米麦の俵装についてです。これはあなたの方の関係でしょう。これは一時何か秋田方面からの白米を紙袋にされましたが、その結果、私どもの地方農民は非常に危惧を持っている。と申しますのは、あれを全面的に玄米等までも農林省はやるのじゃないかという危惧を持っているのですよ。これは、回ってみますと、無理もないので、農閑期に農民諸君が俵を編んだりなわをなったりする副収入、これは非常に大きいのですね。これがもしも全部紙袋に転換されると農民の副収入に非常に大きな影響を与えるということで心配している。そこで、紙袋を試験された結果と、それを将来やはり玄米やほかの麦の俵装にも及ぼしていく御意見かどうか、この点についてお伺いします。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 紙包装にした方が第一取扱い上も便利であるというような点もありますが、一面、わら工品の地帯からは非常な反対があるわけであります。従いまして、御承知の通りに、本年は掲精した分について若干手紙袋に入れるようにいたしましたが、実は、石田委員がここにおられますが、前国会の委員会でありましたか、石田委員の方は、なぜ紙袋の方にせぬかというような御意見でございます。ただいまの御意見は、紙袋にしては困る、こういう御意見でございまして、いろいろやはり、場所々々、人々によって意見があるわけであります。あちら立てればこちら立たずというような状況もございますので、これは冗談でなしに十分検討いたします。私どもの地元でも、ぜひ紙袋にせいということですし、特に石黒さんなどはその説の有力な主張者であるように伺っておりますが、いずれにいたしましても検討いたします。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 どうも同じ党内から二つの意見が出ては困るのですが、これは各地方の特殊性でやむを得ぬ点もあると思います。私ども関係した面では、農閑期におけるわら工品による農家の副収入という面に重大な関心を持っております。今のところ大体白米に限定するのではないかという点で一応安心いたしておりますが、この点は全般的な点もありましょうが、そういう点も十分お含みの上、今後善処されるよう御要望申し上げておきます。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 ただいまのところ白米だけでございますが、私の記憶では、石田委員の御質問の際は、渡部食糧庁長官はたしか検討を約束しておるようでございます。この後いろいろな点を調べまして、検討いたします。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 関連して……。  俵装の問題が出ましたが、これは食糧庁でも研究課題になっておると考えられますし、また、必ずしも画一的にしなければならない問題ではありませんので、任意制ということも行い得る。現実には、俵を使っておるところもあり、かますを使っておるところもあるわけでございますから、この点についてあまりこだわることはないと思いますが、少くとも、俵というものはもう前時代的なものだという総体的な認識はだんだん深まってくると私は思うのです。ただ、検査の技術上の問題あるいは保管上の問題についてもう少し検討を進めていただきたい。  そこで、一点だけ伺いたいのは、最近新聞の報ずるところによると、麻袋を使用しようという意見がかなり食糧庁の中に強いやに承わるのでありますが、麻袋使用についての検討もどの程度まで進んでおるのか。麻袋は、かつてはいろいろ汚職問題等も起したことがありますように、国際的な品物でありますだけに、これについては特に慎重な取扱いを願わなければならない、いわゆる生産農民中心にこれらの問題を処理していただかなければならないと思うのでありますが、どの程度に進んでおるかを一つ伺いたい。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 麻袋の問題につきましては、確かに御説の通り検討はいたしておるそうでございますが、しかし、積極的にというようなことでもなさそうに私は了解いたしております。検討の段階については事務当局からお答え申し上げます。

有路政保農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○有路説明員 去年の集荷の余剰米と申しますか、集荷対策の場合も、ちょっとそういう問題が出たわけでありますが、そういうこととも関連して、先生の言われる紙の包装、俵装の近代化と申しますか、そういう方向の一連として麻袋の方も考えて検討しておる、そういう状況でございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 せっかく検査課長が見えておられますので、一つお尋ねしますが、米の検査の問題です。検査の規格についての標準米の査定は、地方の査定会をやって、それをまた地域的に査定会をやって、具体的に言うと、新潟県なら新潟県で一応査定会をやって、それから北陸地方でやって、そして中央で再検討を加えて、またその標準米を下部へ流して検査を行うようであります。そういう手続上の問題もあるが、検査の規格という中で、水分の含有量というのがかなり大きなウェートを占めておる。この水分の含有量というのは、その年の気候や地域性ももちろんありまして、軟質米、硬質米の差もございますけれども、昨年のような長雨等がありますると、地域によってはどうしても乾燥機等の使用では一定の水分含有にまで落すことができないような場合があるのです。そういう場合に、標準米の査定をされるに当ってどの程度に実情に沿うような標準の作成が行われておるか、ただ水分含有量というものが一五%なら一五%、一五・五%なら一五・五%というように機械的にこれは用うべきものではないであろうと思うのです。また、特別な年、特別な地域には若干さじかげんを加えられておることも承知しておりますけれども、それがどの程度実情に沿うようにしんしゃくされておるのか。実は、その問題がありますごとに、秋田だとか新潟だとかいうようなところで大騒ぎをしなければならぬような状況でありますので、そういうことをしなくても適切な査定が行われるような手続方法になっておればけっこうだと思うのですが、どうもその点のしんしゃくが足りないのではないかと考えられるので、この機会にちょっと承わっておきたいと思うのです。

有路政保農林技官(食糧庁総務部検査課長)

○有路説明員 標準品の決定でありますが、特に今お話のあった水分というのは、標準品、いわゆる品物で現わすということは困難な問題であるわけであります。従って、検査は規格でやる。標準品というのは現物でやるわけでありますから、そのものをはかって何%ということになりますけれども、考え方のよしあしは別にしまして、水分が一%多いとかなんとかいうことは標準品そのものではわかりにくいと思います。むしろ、形質の面で、その年の実態に沿うような、いわゆる生きた青米は整粒として数えるとか、そういうようなしんしゃくがなされる場合があると思いますが、水分についてはそういうことになっております。いわゆる作の悪いといいますか、天候の不良のときには、えてして検査もそういうものが出るようになります。適正な検査という面からいけばちょっとおかしいわけでありますが、実態はそういうことになっておると思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 なお、政務次官にちょっと要望を申し上げておきますが、最近東北、北陸地方ではだいぶ米の乾燥機が積極的に使われるようになりまして、ようやくこれから普及しようというところですが、少し政府の力の入れ方が足りないようです。地域的にこれを使い始めたところは、非常に喜んで品質改善で積極的に使っておるのです。ところが、そうでない地方が、まだその利用の方法をよく知らないというか、まだ用いない地域が非常に多いので、もうしばらく積極的な助成措置をおとりいただきたい。実は二年ばかり、わずかですけれども機械を農林省が買って配置されて助成措置をやられたので、相当に普及しました。しかし、もう少し普及させるために積極的な予算措置を、ことしはどうも思うようでなかったようでありますが、来年度にはもう少し積極的にやっていただきませんと、米がだぶついてきたような時代に、水分の多い米は品質の変化などもありましていろいろ問題があろうと思うので、今からその点を十分当局に検討を加えさして、積極的な対策をとられるように要望申し上げます。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 承知いたしました。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 関連して……。  検査課長にお尋ねしたいのですが、先ほど茜ケ久保さんからのお尋ねに対して、きわめて農民に対する理解ある検査の方法がとり行われておるようなお話でございました。また、茜ヶ久保さんの要望にもこたえられるような話でございましたが、現実は大へん違っておるのです。そこで、私も地方においてそういう問題にぶつかりましたから、食糧事務所の方にお尋ねしますると、検査課長から、今後においてはやはり農協の受取り場所において、倉庫において検査をする既定の方針を示してこられた、今後においてはそういう方針で進んでいきたい、こういうことを言っておられる。果してそういう方針であるならば、先ほどの御答弁と食い違っておるわけでありまして、食糧事務所はそういうことを言っておるのですが、一つその点を明らかにしておいていただきたい。  それから、今石田先生からお尋ねがございましたが、二年、三年、それ以上続いた豊作のために、米のないと青に農民から供出をさせる政府の苦しい気持を忘れて、今大へん米がだぶついてきたがために、買い入れについての政府の考え方というものが非常に変ってきているのではないか、こう思うのです。これはやがて問題になるであろうところの米の買入価格ということについても非常に関係してくると思うのです。政府当局の、農民に対して頼んででも供出をさせよう、頼んででも米を出してもらおう。そういうときの気持と、今日はもう米がだぶついてきたのだから倉庫まで持ってこい、それでなかったら今までのような便宜は与えないというような、こういう考えそれ自体が、私は、米の価格に影響してくることであり、また政府自身の農業政策の上に、農民に対する考えに影響してくるものだと思う。政府自身が農民に大へん冷たい態度をとってきた、こういうことはそこらからでも現われてくると思うのです。今まで親切な検査の方法であったのが、片方には冷たい態度をとられ、農民の実際の困っておることも考えずに検査がとり行われる、こうなりますと、やはり米の相場といったものも非常に問題になってくると思うのです。だから、私ども考えるに、米が非常によけいとれるようになった、増産になったから心配ない、たたいてもいいだろう、こういう気持が政府にうかがわれるのですが、その点一つ、聞き方は悪いかもしれませんけれども、お尋ねしておきたいと思うのです。それは現われておるじゃありませんか。実際において今までよりも親切味が欠けておる。これは明らかに今後の米の相場にもその気持が浮んでくるのです。安くなってくる。安くなるというよりも、自然について上ってこない、こう思われるのですから、一つお尋ねしておきたいと思うのです。  それから、もう一つ、包装の問題があったのですが、実際、持ち運びに、今までの重いものじゃなくて、もう少し婦女子にまで持ち運びができるような程度のものにして、そうして、化学肥料よりも有機質を、ただでさえ産地に行けば青草まで切って入れておるのだから、わらなんかはたんぽへ還元すべきである、あまりにも搾取し過ぎてやせ衰えておりますから、こういうような堆肥の問題も考えまして、できるだけ紙袋にしろ何にしろ方法を講じてほしいということを、この委員会から石田先生を立てて要望しておる。今新しい委員の人が飛び込んできて、一地方的なことの主張をせられて、せっかくの研究が頓挫したり、または実現しないようなことは困ります。なるほど、わら工品などの製造のために、それによって大きな農民所得になるところもありましょうが、これはやはり、わらも田に返したいし、返そうとしても、俵やかますでなければ供出を受け取ってくれないということでは困るのですから、その点、もっと大局をながめて、われわれの委員会で要望しておる点を実現できるように御努力をちょうだいしたいと思っております。その点をもう一ぺん重ねてお尋ねいたします。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 先ほど申し上げましたように、これは、石田委員には食糧庁の長官も検討をお約束申し上げております。今丹羽委員からいろいろ御指摘のような紙袋の取扱い上の便利等もありますけれども、検査のときに刺をさしたあとの問題、しかし、今では紙袋に刺をさし込んでもあとでまたそれをはる簡便な方法もできておるようなことも聞いております。いずれにいたしましても、御要望の点を十分考慮に入れまして検討いたしますつもりであります。  それから、農民に対して、たまたま豊作が数年続いたからといって不親切な態度なり政策をとってはならぬということは、まさにその通りでございまして、その点は十分心得てやっております。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員 今、出先の食糧事務所も、増産のために気持が非常に明るいし、昔ほどに難儀はしていらっしやらないと思う。しかし、この豊作がいつまで続くか、やがてはまた昔のような凶作時代がくるであろう。そのときには、政府が農民にまた涙をもって訴え、国民全体の消費者の立場に立って供出をこいねがわなくちゃならぬ。そのために食管法も残っておるのですから、そういうことも考えて、もうとれるのだから大丈夫だ、どんなことを言っても農民は無理をしてでも出すだろうというような気持が実際食糧庁、食糧事務所にはあるのですから、そのときにまた困るようなことのないよう、一つ愛情を持ってやっていただくことを重ねて要望して、質問を打ち切らしていただきます。

吉川久衛自由民主党

○吉川(久)委員長代理 本日の議事はこの程度とし、次会は明二十七日開会することとして、これにて散会いたします。     午後一時四分散会

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