農林水産委員会 第24号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1959/03/17
会議録
○吉川(久)委員長代理 これより会議を開きます。 松浦委員長は本日都合により出席できませんので、その指名により私が委員長の職務を行います。 小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。当委員会において先般来調査して参りました農業法人等の問題をさらに専門的に調査するため、本委員会に小委員十一名からなる農業法人等に関する調査小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川(久)委員長代理 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。ただいま設置するに決しました小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長においてこれを指名したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川(久)委員長代理 御異議なしと認め、小委員及び小委員長の選任は追って公報をもって指名いたします。 —————————————
○吉川(久)委員長代理 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 農林水産物の貨物運賃問題について野原正勝君より発言を求められております。この際これを許します。野原正勝君。
○野原委員 農林水産物資の貨物運賃の問題が非常に大きく今問題になろうとしておりますので、私は、この際この問題に関しまして十分この委員会で審議を尽し、あやまちのない国鉄の貨物運賃の改定という問題に対処して参らなければならぬというふうに考えて、この委員会で特にお願いしまして発言を許していただく機会を持ったわけであります。 本日は、私どもがいろいろただしたいと思う関係の者が来ておりませんので、本日の午後でもよろしいし、また場合によっては明日でもよろしいのでありますが、まず委員長の方でお取り計らいをいただきたいことは、運輸省側の方からは永野運輸大臣並びに十河国鉄総裁の出席をお願いいたしたい。 それから、農林省側の方からは、三浦農林大臣、山崎林野庁長官、奥原水産庁長官並びに須賀農林経済局長にこの委員会に出席していただくようにお取り計らいをいただきたいと思います。それから、この際に、国鉄貨物運賃改定の問題に関しましての資料の要求をいたします。国鉄の運賃制度調査会における提出資料全部、それから、貨物部会における提出資料全部、及び貨物等級専門委員会における提出資料全部、これを当委員会に一つ御提供願いたい。この資料によりまして貨物運賃改定問題を十分の時間をかけて検討を加えることにいたしたいと思います。 これは、事は運輸の問題であり、まに運輸委員会の問題でもありましょうが、なかんずく農林水産物の運賃は農山漁村の人たちの生活に非常に大きな影響があります。同時にまた、中小企業の人々にも非常に大きな影響があります。また、国民生活の全体にもたらす影響たるや、はかり知れないものがあるわけであります。そういう点から、これらの問題をあくまでも明らかにいたしまして、あやまちのない国鉄の運賃改定という問題に対処していく必要がある、さように考えますので、委員長においてお取り計らいをお願いしたいと思います。
○吉川(久)委員長代理 ただいまの野原委員からの要求は、委員長において要求通り取り計らいます。 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時より再会することとしてこれにて休憩いたします。 午前十一時二十七分休憩 ————◇————— 午後一時四十四分開議
○丹羽(兵)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 農業法人問題について政府当局より発言を求められておりますので、この際これを許します。石坂農林政務次官。
○石坂政府委員 農業法人の課税上の取扱いにつきましては、さきに発表いたしました統一見解の通りでありますが、さらにこれを敷衍いたしますと次の通りであります。すなわち、農業法人が農地の使用収益について農地法上の許可を受けていない場合は一応その所得は個人に帰属するものと推定せられますが、農地法の許可を受けていない場合であっても、法人の経営の実態より見て所得の享受者が法人であると認められる場合は法人として課税することが相当であり、しからざる場合は個人として課税することが相当であると存じます。従って、昭和三十二年度分及び昭和三十三年度分の取扱いについてもこの原則によって処理せざるを得ないと存じております。
○山中政府委員 大蔵省といたしましては、ただいま農林政務次官の述べられましたことにつきまして異議はございません。 なお、法制局といたしましても法制上これに対しては異議のないことを表明いたします。 —————————————
○丹羽(兵)委員長代理 次に、酪農振興法の一部を改正する法律案及び飼料需給安定法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、審議を進めます。 質疑の通告がありまするので、これを許します。永田亮一君。 〔丹羽(兵)委員長代理退席、吉川 (久)委員長代理着席〕
○永田委員 昭和三十四年度の農林関係予算を通覧してみまして、どうもおせじにもほめられるものではないと思うのでありまするが、しかし、その中ではまだ畜産関係の予算は相当に躍進をしておるように思われるのであります。ほかの農林関係のものに比べれば、前年度に比べてかなり躍進しておるということは、これは局長初め皆さんのお骨折りによるものと思うのでありますが、この畜産あるいは酪農の問題こそ、わが国の農業を合理化していく、さらに国民の食生活の改善になくてはならぬものであるという認識がだんだんと深まってきた現われであると考えまして、酪農関係の者としましては、まずこの点については農林当局の御努力に敬意を表するわけであります。 それで、酪農関係の本年度の大きなねらいと申しますか、どういうことを柱としてやっていこうとしておるのか、この根本的な方針について石坂政務次官にまずお尋ねしたいと思うのであります。
○石坂政府委員 昭和三十四年度における酪農の基本方針についての御質疑でございますが、昨年中酪農問題につきましていろいろ皆さん方にも御心配をかけております。御承知の通り、戦後における酪農の急速な発展と推移を顧み、最近における牛乳、乳製品品の事情に対処いたしまして、昭和三十二年九月二十七日に閣議の了解をもちまして、牛乳、乳製品の需給調整対策というものを策定いたしました。さらに、昭和三十三年八月二十二日の閣議決定によりまして、当面の乳価対策について決定いたしましたが、このことにつきましてはすでに御承知のところであると存じます。これに基きまして、政府といたしましては、酪農振興基金の設立とともに、牛乳、乳製品の学校給食における国産品の一部使用増加、これによる需給調節、及び、主として昨年夏期における乳価対策のための応急対策を講ぜられることとなったのであります。本来、酪農が農業経営の長期的な合理化と発展のための根幹であり、牛乳、乳製品が今後における国民栄養の大宗となり、国民食生活改善と体位の向上に寄与することは言うまでもございません。しかして、牛乳、乳製品の生産、流通、消費の各分野にわたる伝統的かつ不均衡な不合理が一般経済の影響下にありまして最近著しく表面化して参ったのであります。よって、この際、根本的に関係産業、経済構造の体質を改善することを目標といたしまして、長期的観点に立ち、総合的な計画及び施策を樹立、実行することが必要と認められるのであります。従って、また、あわせてこれがための経過的及びその他に関連いたしまして必要な措置をできるだけすみやかに講ずるの必要を感じまして、昨年以来事務当局はそれこそ日夜を分たず酪農全体の問題を検討いたして参りまして、酪農経営の改善安定と振興に関する国の基本計画その他必要なる計画を策定いたしました。昭和三十四年度の予算におきましても、前年度に比較いたしますと、畜産全体におきまして九億の増加をいたしておりさす。なお、策定いたしました項目はかなり多岐にわたっておりますので、一挙に全部直ちに実現することもそうやさしい問題とは思いませんけれども、すでに策定いたしました諸決定事項に従いまして、逐次強力にこれが実現を期して参りたいと考えております。 要するに、国民の食生活の改善、国民の体位の向上、さらには国民経済の体質の改善という観点からと、酪農農家の経営の安定ということを主眼といたしまして、右申し上げました諸政策につきまして十分に努力を進めて参りたい所存でございます。
○永田委員 大体わかりました。根本方針はそれくらいにいたしまして、酪振法問題に入っていきたいと思います。 この酪振法は成立のときにすでに相当欠陥が認められておったと思うのでありますが、酪振法は、昭和二十九年、あれは十九国会でありましたか、そのとき成立したのでありますが、この法律の中では、乳価の安定あるいは消費の増進というものに対する規定がないということがだいぶ問題になりまして、当農林委員会におきましても附帯決議をつけたはずであります。たとえば、牛乳の集団飲用の促進であるとか、あるいは牛乳の生産費を償うところの乳価の維持の問題、あるいは乳製品の滞貨に対する融資あっせん、こういうような附帯決議をつけておいたのでありますが、今日出されておる酪振法の改正案を見ますと、これはずいぶん出たり入ったり、最終案なるものが何べんも変ったりして、大分よろめいたような形跡がございまして、私どももその中ではまだ十分に納得がいかないものが多々あるのであります。それで、その中の具体的なことについて逐次質問を申し上げてみたいと思うのであります。 まず第一は、集約酪農地域の問題でありますが、これはこの法の施行以来今までにたしか七十五カ所ほど指定されたはずであります。原料乳の地域が六十何カ所でありましたか、市乳の地域が十カ所くらいあったと思います。この七十五カ所以外にまだ追加の予定のようでありますが、この集約酪農地域というのは、その後出た政令で見ますと、原料乳の地域では、毎日百五十石、五千頭を単位としており、市乳の地域では、毎日六十石、二千頭ぐらいが基準にされておるようであります。しかし、こういう基準でありますと、事実上一つの地域に一つの工場しか承認されないという現状でありまして、この一つの工場の指定をめぐって、私ども聞いておりますのでは、相当乳業者の間にいろいろな競争が行われて、忌まわしいような買収とかなんかが行われたということも聞いておるのであります。従って、この地域内の酪農民というものは、中心工場の経営者である乳業者の従属的な地位となってきたような傾向がある。そういうような忌まわしい競争であるとか、あるいは乳業者が工場に対して従属的な地位になってきた、こういう点はなかったかどうかというようなことについて、まず局長に一つお伺いしてみたいと思うのであります。
○安田(善)政府委員 私も、先生御承知の通り、必ずしも詳しくありませんので、法施行以後の各酪農地域の、特に乳業業者の点についての非常な内情のこまかいことはわかりませんが、正当に業務の引き継ぎを受けております限りにおいては、たとえば青森の三八地区とかその他の地区におきましても、中心工場を中心にして一地域一工場、すなわち、お話のように、原料乳地帯は乳量が百五十石の加工工場を考える、市乳地帯では乳量六十石の集荷処理を一応考えるということにいたしておりますので、目的は生産牛乳と処理との間のアンバランスのないようにということであろうと考えるのでありますが、経営の合理化から来る工場、事業場の単数制度が望ましいというような傾向も出ておりますので、それらのことが全くなかったとは思いません。これを最近も研究しておりますが、今後なおよく先生方の御意見を伺いまして、既存の制度の部分、すなわち今度の法律改正案によりまして改正する部分以外でも、政令、省令、あるいは基準等の定めるところにおいて変更するのは、酪農を振興し、経営を安定し、乳業を盛んにして、生産と流通、消費を合理化して、そのおのおののマッチをはかるというような意味合いに対しまする場合においては、だんだんと修正して運用すべきものだ、こういうふうに思っております。なお、地域指定の際に、すでに既存の工場が二つあったり、既存の工場と中心工場を指定することによりまして二工場になる、こういうようなことは別に排除いたしておらないわけであります。
○永田委員 この酪振法が制定された昭和二十九年ごろに比べますと、わが国の酪農は著しく規模が拡大してきたと思うのであります。酪農の規模がどんどん大きくなってくる。それによって酪振法というものがだんだん時代からずれてきているのじゃないかという気がするのであります。たとえば、従来、市乳処理工場のプラントに原料乳を送る、そしてそこで市乳に出すけれども、余ったものは、一たん集荷した余剰分をまた地方の乳製品の工場に逆送する、こういうような不経済なやり方をやっておるところが相当あったと思うのでありますが、現在では、こういうやり方ではなしに、消費都市に、市乳の処理、それから同時に乳製品の製造をあわせて行うことができる大総合工場というものを建てていくということが、このごろの時代に合った行き方であろうと思うのであります。そういう点から見ますと、今度の酪振法の改正の中で指定地域の問題がありますが、この指定地域の規制というものが、こういう時代の流れの面から考えてみますと、どうも逆行しているのじゃないか、酪農のほんとうの振興、あるいは安い牛乳を市乳に出すというような点から見て、これをむしろ妨げる結果になりはせぬかという心配があるのでありますが、地域指定の問題について御意見を伺いたいと思うのであります。
○安田(善)政府委員 今回、指定地域におきまする酪農事業施設の届出制、これに対しまするある条件、法定しました条件に従いまして、その適正配置のために必要な勧告をなし得る規定をも設けておるのでありますが、先生御指定の点に即して申し上げますと、第一が、立法当時よりは情勢が変っておるのだから、市乳都市の方に総合大工場のようなものをもっとよく認める方がよくはないか。総合工場とは、飲用牛乳と余剰牛乳の乳製品処理工場を兼ねた総合的なものだという御意味だと思いますが、原則といたしまして私もその通りだと思います。あわせまして、およそ処理、製造の工場は、適正規模で、消費者に資するように、生産者に有利であるように、適正規模化もだんだんとはかっていかなければならぬと思うのであります。作業の能率化寺においても同様でありますが、たとえて申しますと、生乳が腐敗しやすい夏分などは、三日以上一週間も雨が続きますと、市乳用に製造しましたものでも販売ができないことがありまして、これを乳製品にあとで回す必要もあるのであります。これを集約酪農地域に還送するようなことは合理的なことではございませんので、その例から見てもそのように思うのであります。第二の、指定地域の規制が逆行しておるのじゃないかということは、提案理由で過般政務次官が当委員会で御説明を申し上げましたように、集酪地域に指定されるような地域がだんだん減りまして、中には原料乳地帯と市乳地帯の両方がある。この場合に、酪農の振興に伴いまして牛乳の生産がふえるのであります。本来日本では、性質上、飲用牛乳すなわち市乳で売れる方が同じ生乳の生産でも農家に有利でございます。だから、売れるものでありますれば、また国産の市乳の消費をいろいろの手を使って増進すべきものと思いますが、それに照応いたしまして、集約酪農地域の中で生産されますものが付近または経済的立地条件の範囲内におきまして他の地域において飲用牛乳等で販売されることは、必ずしも生産者にも消費者にも悪いことではないわけであります。生産者団体と労働組合あるいは主婦連等が共同いたしまして、安い牛乳の集団的飲用を進められる、学校給食をやるというようなことは望ましいことだと思いますが、その際に、生産と消費をマッチさせまして、かつまた業者間の過当競争を防ぎ、適正規模化と適正配置をもちまして、生産、乳業ともに共存し得るような——乳業と申しますのは、牛乳の生産、販売、加工を行います乳業者及農業協同組合も一応乳業者と申すものでございますが、その両者の共存をはかりますためには、やはり牛乳の生産から販売、消費地まで適当な程度の、すなわち、現在の状態では自由経済を骨子にはするが、必要公益を保持するための規制は必要だという立場に立ちまして、その限りにおいて、せっかく集約酪農地域の酪農振興をはかることの上において抜けておるところを指定地域内では温和にこれを調整することが適当ではないか。調整とは、施設の届出をいただいて、強制力を法には持っておるわけでないが、必要な限り勧告をして、その援助を中心にして合理化をはかっていただくという意味の案を具しておるわけであります。従いまして、これがむしろ立法当初の精神またその後の情勢に応じまして目的を達成するために必要なことであるのでありまして、時代に逆行しておるというふうには私どもは考えておらない次第でございます。
○永田委員 今の局長のお話もよくわかりますが、ただ、温和に漸進的にやっていこうという考え方も、それは一つの考え方ではありますけれども、昨今の酪農情勢と申しますか、拡大の速度というものが急速に大きくなってきておると思うのであります。そして、大工場が都市の周辺にでき、タンク・ローリーなんかの冷却輸送機具が発達して参りまして、集乳圏が非常に大きくなってきました。一つの工場の集乳範囲が十県とか十数県の範囲にも及ぶほど大きな集乳範囲になってきておるのであります。従ってこういう時代になって参りますと、今までの集約酪農地域というものにあまり固定した考えを持っておると、どうも時代の進行にマッチしないのじゃないかという気がする。府県という行政区域を超越してしまって——今までのような小さな酪農地帯のまん中に工場があるというふうな方式は、私はどうも時代おくれでないかと思うのであります。こういうときには、むしろ今までの小さな工場なんかは思い切ってつぶしてしまっても、大きな総合的なものを作る方が、今体のコスト安にもなるし、また安くなれば消費も拡大する、従って酪農の発達にもなる、こういうふうに考えておるのでありまして、どうもこの規制のやり方に疑問があるのでありますが、重ねてこの点御説明を願いたいと思います。
○安田(善)政府委員 先ほどお答え申し上げました中で、従来の集約酪農地域に固定をしているという点が時代逆行というか時代おくれではないかという点についてお答えを落しました。その点は、集約酪農地域は、日本の農業経営の改善のためと、酪農の健全なる発達、経営安定というような意味でございますが、それを目途にして、自然的条件と経済的条件が一応必要と認められる開発地域を中心に現行法では考えておると思うのであります。従来はこの関係だけが酪農経営に関しまする政府が法律をもって行うところの施策の地域となっております。その中には、乳業施設、集乳施設、自給飼料、家畜の飼養頭数等のことも振興計画をもって定めることになっておるのでありますが、これは必ずしも集約酪農地域に固定していることはいいことではないと思いまして今回の法律案を提案をいたしましたので、その意味におきましては、集酪地域に固定しているのは時代おくれだと思います。と申しますのは、集約酪農地域の中におる乳牛の頭数は、日本全国の乳牛の頭数の三割七分しかおりません。生産乳もそれに応じて半分以下であります。ところが、牛乳、乳製品の流通、消費とか価格とか安定とかいうことが問題になりますので、さらにその地域外におきましても酪農経営改善に関する計画を立てることを考え、またそれを国や県が指導すること、またこのための組合等の事業を援助することを今回は法案に規定をいたして御提案申し上げておるのであります。その意味においては御意見は同感でありまして、法案の各逐条について御審議をお願いしたいと思うのであります。 それから、小工場をつぶして大きな総合工場を作るのがいろいろな点から見ていいじゃないかという点でございますが、いかなる産業でも、適正規模と、生産費が合理化されて、従業する人の所得が多くて、消費者には安く手に入る、国際競争力も強いということが望ましいと思いますが、やはりそれには手段と時期とが必要だと思いまして、その方向に基きましてそれぞれについて考えるべきだと思うのであります。現在営業している工場を一挙につぶすということはちょっとどうかと思います。もしそういう方法をとりますれば補償等のこともあると思いますが、言葉の問題かもしれませんが、逐次移行する。中小企業は、協同組合を作りまして、あるいは中小企業団体法を通じまして共同化を進めて、まずその目的を達する、国際的にもまた消費者と生産者との間ででもどうしても合わないようなものはこれを整理する、そういう方法でいくのが温和であろう、かつまた、目下農林省ではその点の非常に詳しい法案を提案するかどうか研究中でございまして、今後その方向で努力いたしたい、こういうふうに思っておるのであります。
○永田委員 大体わかりましたが、今その補償のお話が出たので、ついでにお尋ねするわけですが、もしこの法律がそのまま施行されるということになりますと、たとえば施設の変更とかそういうことで指定地域で規制が行われた場合に、そういうときの損害補償については何かお考えでしょうか。
○安田(善)政府委員 その点につきましては、酪農事業施設に関しましては、新設、変更の場合、廃止を含みますが、施設がありましても、事業の一部または全部の休止または廃止の場合には規定してありますが、承認制度の場合と、届出をお願いする場合と、そうして適当な条件のもとに行政庁が勧告をすることができるという規定が現行規定のほかにさらに追加されておるのでありますが、そのいずれを問わず、現行法の承認制度と届出制度においても補償がありませんでしたように、今回は補償を考えておらないのであります。しかし、そのやり方によりましては補償が要る場合も生ずるかと思いますが、改正をしました追加の規定の、勧告をすることができるという場合におきましては、適正配置に関しましても事前に届出を願いまして、計画変更をして実施をお願いするようなことでございまして、得べかりし利益か、そうでなしに、得た利益に対して通常生ずべき損失を補てんする必要があるようなそういう損失であるかということ等を考え合せながら、業界に——業界というのは農協等も含みますが、損失を生じない建前であります。勧告をすればその目的を達することが意図されるのは当然でありますけれども、法律的に見ますれば、勧告をすることは命令をしたことではございませんので、他の幾つかある法律におのおのありますように、それの引き受け実施の義務が生じませんので、損失を生ずることはない。他のいろいろな法律があるようでございますが、勧告に関して損失補償を規定した法律は、一応私どもは目下見受けないのでその範囲で運用する、こういうつもりでございます。
○永田委員 酪農の規模が非常に拡大されたということだが、たとえば乳価のことなんかにしましても、工場なんかの出先の方では話し合いがいつもつかなかった。去年あたりいろいろごたごたがありましたけれども、大ていの工場では、出先の工場長では話がつかぬということで、みんな東京や大阪の乳業者の本社の方で、つまり中央でなければ交渉ができなかった。こういうことを考えてみても、今までの小さな集約酪農地域の考え方というものは、私は直していかなくちゃいかぬのじゃないかと思うのであります。そういう意味において、今度の知事のあっせん機構といいますか、府県の方のあっせん機構を主にするというような考え方も、やはりちょっと時代からずれておるのじゃないか。この点はまたあとで伺いますけれども、ちょっと関連して、知事の方のあっせん機構というものは、今の時代から言えば中央でまず第一義的にやるべきじゃないかということについてお答え願いたいと思います。
○安田(善)政府委員 乳価の紛争あっせんまたは調停のことでございますが、現行法におきましても、なまの生乳の取引についての紛争のあっせんをすることは、知事があっせん委員をして行わせる方法でございますが、集約酪農地域に生産される牛乳の取引だけに限ってはおりません。それは日本じゅうにおける生乳の取引についてでございます。今回の改正案は、最近当委員会の諸先生にいろいろ御批判、御指導を受けましたことを一応考えまして、それを尊重もいたしまして、地方においては都道府県知事が行う、中央においては大臣が行う、その両者を置いたのであります。大臣は、もちろん一県限りの影響でない数府県にわたり、全国的にわたって、乳価あるいは酪農経営の安定等について適当でないおそれがある場合に、知事が第一段であるが、それがどうしてもうまくいかないということで持ってきた場合に行うことにしておるのであります。大メーカーは初めから大臣がやればいいじゃないかということでございますが、大メーカーでも、乳価等は地区ごとにありまして、たとえば北海道の明治、雪印、大阪の関西酪農あるいは岩手の全酪連、こういう地域によって違います。一企業体でありましても、その地域ごとの乳価もございますので、一県限りでその取引の紛争の処理があっせん調停において可能でありますれば、それはやはり知事が行うのが、日本の行政機構の普通でもあるし、実情もよくわかるだろう、しかし、それが、紛争が起きて、一県であっても数府県でも、さらに広範な影響のあるときは大臣が行うのが適当であるという二段がまえにしただけでありまして、農林大臣や知事等がやらないというふうにしたのではございません。なお、改正案は、御判読いただきましたように、従来あっせん委員をして行わしめたときに公益委員等が引き受けない場合はやりようがございませんので、知事が自分でやる、こういうふうにして調律をすると同時に、中央、地方の生乳取引の調停委員会を設けまして、その公正を期するようにする。農林大臣は、中央の生乳取引委員会に、二人以下では公平を欠くこともあるから、三人を指名して行わしめるようにいたします。また、そういう御指摘のような場合、知事が行います場合にも、知事に対しまして農林大臣が助言、資料の提示その他必要な協力をする措置を置きまして、たとえば農林大臣と都道府県知事が乳価に関して上下の官庁にある場合の指示、そういうことを当然行い得ることのほか、法文をもって知事が行う場合でも、県内のこともそうだが、特に御指摘のような場合には、農林大臣が助言、資料の提示その他必要な協力をすることを確保して万全を期したいと思っておるのでございます。
○永田委員 この問題はまたあとでお尋ねしたいと思います。 次は、消費の拡大の面について畜産局のお考え方を承わりたいのでありますが、集団飲用、それから学校給食等は、消費の拡大のためには最良の打開策であると考えておるのであります。しかし、これを推進していくためには、たとえば株式会社で言うと創業費というような面の経費が相当要ると思うのであります。たとえば職場に冷蔵庫を置いておく、その冷蔵庫の設備をする、あるいはまた数カ所の職場を対象とした大きな集積配達所といいますか、ストック・ポイントが必要になってくる。こういう冷蔵庫とかストック・ポイントとかいうものに対しての経費をどういうふうに考えておられるのか。現在は大きな乳業者は集団飲用にはどうも熱心じゃない。ほとんどそっぽを向いております。あまりもうからないからだと思うのでありますが、この集団飲用を促進させることが、今までは生産者とか中小の乳業者とか、そういう貧乏で投資の力がない、こういうものが非常に熱心にやっておったのであります。私どもは、この消費を拡大するためには、どうしても集団飲用あるいは学校給食、こういう設備をこれからどんどんふやしていく必要があると考えておる。これに対して政府はどういうお考えを持っておられるか。それから、この集団飲用の冷蔵庫あるいは職場向けのものなんかは免税にしてしかるべきだ、こういう消費の拡大策を考えておりますが、政府の方はどうお考えになっておるか、お尋ねをいたします。
○安田(善)政府委員 そういう問題については、先生の御意見の通りだと思います。特に基本的な考えにおいてそうだと思います。そこで、学校給食につきましては、供給いたします牛乳に、価格差の補助のような補助金約十五億、飲用牛乳で十一億、乳製品で約三億強でございますが、それを年間一般予算に計上して公けに示し、逐次来年以降も相当計画的に考えていこうと思いますが、それを給食する施設につきましては、文部省におきまして、小麦粉に関すること以外に、たしか約二億だったと思いますが、生活困窮者の場合にその父兄負担をなくすることと、給食施設に関する補助を計上していただいておるのであります。前年度より拡充しておると心得ております。また、集団飲用の場合におきましては、農業協同組合やその連合会が職場であることが多いと思いますが、生活地域におきまして集団飲用する場合の施設もあると思いますが、これは公庫資金をもちまして来年度約三億の資金——この三億は、産地の集乳施設、クーラー、輸送費等にも使いたいと思いますが、それらの点についても低利長期の融資をはかりたいと思っておるのであります。乳業会社と消費者が株式会社の場合は、これは去年からやっておりますが、集団的な飲用を中心にして消費の増進、そういう場合に、会社側ぐらいは負担してもいいじゃないか、そういうことで、協議をもちまして、実質上に冷蔵庫の設備等ができるように打ち合せしてお勧めして、石川島造船等その他いろいろ例がありますが、行われておる場合があります。その冷蔵庫に物品税がかかるわけでありまして、大量の消費をいたします場合は電気冷蔵庫が多いと思いますが、学校給食用の施設につきましては、都市農村を問わず物品税四割でございますのを、大蔵省に要求して免除措置をとらせました。その他の飲用のものにつきましては、ほんとうの用途がはっきりしないとか、負担者があるじゃないかというような点を中心にいたしまして、まだ妥結をいたしておりません。私どもは、そういう点を明確に、最初は制限的にしても、しかるべき努力をいたしたいと思っておりますが、そのままであります。例を引きますと、乳製品製造業者がアイスクリームを小売店で売ります場合には、本質的に必要な点もありますが、小さい冷蔵庫施設を小売店等にメーカーが置いておるのであります。メーカーが置くことがいいかどうか議論もありましょうが、そういうときのサービスもありますから、乳業者で可能なものは、やはり牛乳の消費、集団飲用というものを単に企業の対象と考えるばかりではなしに、社会的に非常に意味があること等をなおよく懇談を申し上げまして、それらが進むようにしていきたいと考えております。主婦連等でもそういうことをお考えになっておることもございますが、同様でございます。
○永田委員 次に、消費の拡大あるいは集団飲用を妨げておる大きなものに、食品衛生法規があります。これは当委員会でもたびたび問題になりまして、多くの方から質問をされたのでありまするが、昔は、牛乳を薬品扱いにして、お薬のようにして飲んだ。この食品衛生法規が問題になりまして、たしか昭和三十年であったと思いまするが、厚生省の公衆衛生局長の通牒で、集団飲用の場合は、特に市乳の搬入は大型の容器でもいい、あるいは処理施設は法第二十一条の許可を要しない、あるいは殺菌は簡易な高温殺菌でもよろしい、こういう通牒が出されておるのであります。ところが、その通牒の最後の方にはただし書きがついておりまして、牛乳の生産地である農山村地帯からきわめて短時間のうちに生乳を入手し得るところということが書いてあるために、私の方でも、これをたてにとりまして、地方の保健所ではなかなか許可しない。こういうことが集団飲用あるいは消費の拡大を非常に妨げておると思うのであります。これは当委員会でも今までしばしば問題になりましたけれども、その後農林省はどういう努力をされておるか、厚生省との間にどういう交渉を持たれたか、そういう点をお聞かせ願いたいと思います。
○安田(善)政府委員 永田先生のただいまの御質問でございますが、これは、昭和三十年、環境衛生部長を楠本君がやっておりました当時、当委員会でもいろいろ問題があって、低温殺菌がいいのだ、高温殺菌は好ましくないのだ、やっても制限的なものだ、それも本省から出しますということで、実際上地方において積極的にこれを奨励的に弊害なく許可をしている例がないことが最近まで続いておったことを、楠本君に会ってよく研究をいたしました。昨年牛乳の生産が消費に見合わずいささか過剰であったというような時代に、政府が国費を投入しまして牛乳の消費増進運動を学校給食のほかに一般的にもしようとする際にも、当然考慮をいたしました。大野先生あるいは中澤先生、その他当委員会の諸先生からはいろいろの御質問が農林省と厚生省にあったことも記憶にあります。 そこで、昨年当面の乳価対策を閣議決定しました。消費増進の条項に関しまして、別途酪振法において設けられておりまする酪農審議会の議決もありました。その議決は、簡易に消費者に飲用ができる方法を考究して進めようという表現でございますが、御趣旨を体しまして、厚生省がやらなければ農林省において家畜衛生のこともやっておるからよく研究してやってみよう、国立牧場の牛乳等で、付近で高温殺菌で弊害がない、多少のビタミンCは地から補給すればかえっていい場合もある、そういうことなどを例にあげまして折衝しましたところ、その消費普及事業の実施の次官会議をいたしまする場合に、この問題は厚生省に主としてやらせてくれないか、衛生の問題でありますから、ということでございましたので、農林省ともども行うなら、厚生省がお進めして、趣旨がそのように進めるという方法でやって下されば、そういうふうに引き受けてもよろしいというので、その趣旨で次官会議を決定いたしました。それがたしか十月の終りか十一月の中旬でございますが、それから、年末年始を通じまして、まず関東の近県で、これは私のヒント、アイデアでございますが、こういうふうにしてやりますれば経費もうまくできるし、衛生上も差しつかえないし、県の衛生部も認めていいんだというモデル、適例を示すように、それは厚生省、農林省のほか、文部省、また都道府県の関係部課に一般消費者、生産者の方も入れて実例を示すようにして、それでよければそれを普及するように、必要に応じて必要な範囲で従来の制限以上に普及するようにという約束を公衛衆生局長といたしたのであります。そこで、年末年始に予算上厚生省はその実験にちょっと困ると言っておりましたが、群馬県その他でやりまして、厚生省で今その整備をいたしております。その前に、長野県では、少い例で恐縮でございますが、すでに二ヵ町は明瞭に県の衛生部も賛成して実行をいたしております。今後具体的に例を示して、関係のいろいろな角度からする人がみな同意したり推進したり許容するようなことで推進をいたすことにしておる次第でございます。
○永田委員 次に、学校給食の場合のことをお尋ねしたいのですが、余剰農産物の協定の中で義務づけられているところの輸入脱脂粉乳、年間二万四千トンだということを聞いておりまするが、これは非常にまずくて評判が悪いわけです。私の子供なんかも脱脂粉乳の輸入のやつはまずいから飲まないと言っておりまするが、しかし、これを消化するということが文部省とか教育委員会、学校給食会なんかの責任になっておるようであります。農林省としては、国内産の牛乳が外国から入ってくる脱脂粉乳に置きかえられるということが望ましいと思うのでありますが、そういうふうになってくると教育関係者は責任上困る、こういう対立した立場になっておると思うのでありますが、こういう問題で文部省と農林省との両者の話し合いとか調整というものはどういうふうになっておりますか。
○安田(善)政府委員 ただいま農林省、文部省と対立はございません。お手元に配付をいたしました法案のもとでありまして、そのままでない分もございますが、これは逐次実情に応じて修正を加えるということできめてあるわけでございますが、酪農の長期的観点に立った総合対策の構想というものと、今回の酪農振興法の一部改正法案の中に盛られておりますように、学校給食につきましては、農林大臣が学校へ乳を供給するまでは所管を持ちまして、文部大臣に協議をして行うことにいたしております。また、学校給食会につきましても、文部省の所管でございますが、文部大臣を通じて農林省の監督もできるようになっておるのであります。それから、給食計画、何を何日ぐらい、ミルク給食を給食の全体の中でどのくらいやるかは一応年々の予算で具体的にきまり、一応の長期計画を持つような体制に従来からなっておりますので、その間に、昨年から当委員会の諸先生の御指導的意見を尊重いたしまして、よく話し合いをしまして、国産牛乳、乳製品をだんだんと輸入乳製品の方に置きかえて学校給食をするんだ、また、現在のミルクによる学校給食はその普及率が少な過ぎる、こういうことについて、文部大臣も参議院の予算委員会においてお答えになっておられまするけれども、そのような方針で進んでおるのでございまして、私ども、予算の折衝と同時に、学校給食計画を考えまして文部省と折衝する場合にも、考え方に異存はないのでございます。 多少文部省が心配をいたしている点をつけ加えますと、夏季の給食というような場合には一部の地帯に飲用牛乳に不足が生ずる場合が過去においてあったのではなかろうか。たしか三十年と三十一年だったと思いますが、あるいは二十九年と三十年だったかもしれませんが、農林省の予算で国産牛乳を学校給食に回そうという予算が全部使えなかったということがございます。しかし、今後は態勢を整えましてそうするから、そういうふうにしてくれということで、異存はございません。 もう一つは、学校で給食する際に、輸入たるといなとを問わず、粉乳でありますと、砂糖あるいはバター等を添加しない場合はまずいかもしれませんが、衛生的な処理が割合学校として責任が持ちやすいというので、そういう点を好むような意見が間々出るのであります。これはその面についてはよく注意して遺憾なきを期することでございまして、学校給食会、これは中央と地方とがございますけれども、それらの、あるいはそれらに関係する業界の意見等は、公正な教育の意味も持ち国内産を伸ばそうということであります。一般業界では特殊用途で消費を伸ばすことはむずかしいが、学校給食では政府間の意見を統一してよくやろう、だんだん輸入は減らそう、こういうふうに考えております。この意見は一致しておるつもりでございます。
○永田委員 その学校給食の脱脂粉乳の問題でございますが、今までアメリカからただでもらっていた分があったと思うのです。一昨々年からでしたか、だんだん減らしていくということを聞いておったんですが、四カ年で四分の一ずつ減らしていくということを聞いておったんでありますが、そうすると、ことしの分はどうなっておるんですか。もうなくなったわけですか。
○安田(善)政府委員 アメリカからグラントでもらう、こういう分だと思いますが、昨年五千トンをもって終りといたしまして、教育に使うようなそういう乳製品は、とかくの問題がある際だから、三十四年度はそういうグラントは受け入れない、こういうことにきめてあります。 なお、本年度三十三年度はお話のように脱粉の輸入量は二万五百トンでございますが、来年度予算に計上してわれわれが文部省とともに考えておりますのは、来年度は一万五千トンで、五千五百トンの減をいたしております。二割五分減をさせるようにいたしております。これは、逐年、国内の需給のこともありますが、酪農振興をはかって、その方向をますます進めようと思っておる次第でございます。
○永田委員 そうすると、お金を払っておるもの、余剰農産物関係のCCCの機関のもの、これは一ポンド幾らで買っておるのですか。それで、それを学校給食会に幾らで売っておるのですか。
○安田(善)政府委員 簡単に申し上げますと、あとで幾らと申し上げますが、国産の脱脂粉乳の最近の価格の三分の一くらいでございます。アメリカの国内のなま乳の価格は日本とそう違いませんが、CCCによります過剰物資の輸出はいささかダンピングのきらいもあるかと思うのであります。一ポンド四セント、目下の為替換算率で十四円四十銭。学校に売りますときにはこれが二十五円になっておるようであります。
○永田委員 アメリカなんかでは国内の価格を維持するためにこういうようなCCCの関係でいろいろの政策を行っておると思うのであります。これは、ヨーロッパなんかでも、デンマークやその他でも、大体同じようなことをやって国内の価格を維持してやっていっておると思うのでありますが、これから後にわが国でもこういうような問題あるいは輸出の問題を考えていかないと、毎年増加する乳量というものを考える場合に、国内のバランスがとれなくなってくるのではないか。わが国のこの輸出の問題ということをどういうふうに考えておられますか。
○安田(善)政府委員 牛乳関係の輸出品と申しますれば、一応乳製品の輸出ということに目下は限定してもいいと思いますが、終戦前かって日本は加糖練乳を南方地域の乳製品の消費のところに輸出をしたことがあります。雪印が興農公社とか酪農農業協同組合という形のときだったと思いますが、輸出の補助金を政府から出しましたときにロンドン市場に売ったことがあります。たしかその国際的規格は二級品の第一とも言えぬが二級品のいい方に属するといったようなことであったようでありますが、練乳と、特に腐敗しにくい加糖練乳と粉乳、バター、チーズ、こういうようなものが問題かと思うのでありますが、目下は、世界を支配しているバターで例を言いますと、主要輸出国は日本の現在のバターの価格の半分くらいか四割減くらいの間にあるわけであります。要するに、価格が合わないということであります。しかし、努力をしなくちゃなりませんので、輸出を安く売って出して、可能な場合に輸出を出して国内の価格を高くするというようなことなどがない何かの研究を今後しなくちゃいかぬと思うのであります。また、品質につきましては、輸出用の場合は特に英米系またはその旧植民地だと思いますが、日本のバター等は海水からの食用塩を使っておるのでありますが、外国は岩塩を使っておりまして、日本人の米に対する味がデリケートなように、そういう部分の注意もする必要があると思われるのであります。また、輸出国の家畜及び畜産品の細菌衛生の状況ですが、そういう点で、初めから、たとえばビルマだと思いますが日本品は輸入禁止をしておるというような場合もあるのでありますので、多方面に研究をして、生産費の合理化、品質の適応性、価格の調整、あるいはその衛上の問題、こういうものを解決しなくちゃいけませんが、現在でも試作品はお勧めしまして、シンガポール等について少しずつ試験輸出をいたしておるのであります。台湾とか中共の一部とか南方その他への加糖練乳は、昔の輸出——向うで言えば輸入の慣行等もございますので、それらについて逐次研究をしたいと思いますが、それに当りましても、やはり、酪農経営から、牛乳の処理加工業から、その合理化等、総合的な国内体制の整備をもって、その力をもって外国に輸出し得るような力が基本的にできてくることも重要でございますので、ある意味では今回の改正法律案も将来に向いましてのその一道程だと考えておる次第でございます。
○永田委員 学校給食の政府の補助が今まで一合について四円だったのですが、今度三円七十銭になったということであります。この脱脂粉乳はメーカーから学校給食会へ納めるときには幾らで納めているのか。それから、学校給食会が一ポンドについて幾らで県の方に出しておるのか。その差額を四円で補助をしておったわけでありますが、三円七十銭になって、そこのところがどういうふうになっているのか。それから、脱脂粉乳一ポンドに水をまぜて牛乳をこしらえる、そうすると幾らの牛乳ができるのですか。
○安田(善)政府委員 第一の点でございますが、一合四円というのは前年度から引き継いで三十三年度も計上してありましたが、まず第一には、予算編成期より今後に処する場合、将来のことは不明な分が一部ありますが、農林省の調査によりますと、一合当り五十銭ないし六十銭程度において、飲用牛乳を処理する方が買われる価格、言いかえますと生産者のなま乳の販売価格が下っておるのだ、しかしその価格はまちまちでございますが、そのときに、もし学校へ納める値段が同じだとしますと、これは不当に血税でもってする補助金を乳業者に学校給食においてただもうけさせる、そういうことになるわけでありますので、乳価が下っておるうちの弾力性を見まして半分程度、五、六十銭のうちの三十銭くらいを下げて、特定の者が価格の変動のためにもうけをしないという措置をとるのが穏当だというので下げたつもりであります。またもう一つは、今までは、国産の牛乳、乳製品を学校給食に回します場合に、なま乳でやるのがいいのか乳製品でやるのがいいのかということについて意見が必ずしも一致しておりませんでしたが、私どもは、国産品は近くで生産ができて、農家の牛乳販売収入もいいのだから、また消費者も喜ぶのであるから、なま乳がいいということで、なま乳を中心にしていこう、かつまた、その数量を増して輸入を避けてする方針で第一歩を踏み出そう、そういうことからいたしまして、財政等の許す限り、また文部省と意見が一応合いまする限りにおいて数量の確保をあわせますと、先ほど申し上げました乳製品七万五千トン分、飲用牛乳で三十二万四千トン分、それを一般会計の通常予算で計上する際に、十五億の予算がありまして、一般販売価格の三分の二近く飲用牛乳では補助金を出すようなことでございまするから、両者勘案いたしまして、少し下げた方がいいんじゃないかという意味で三十銭下げたのであります。 また、学校給食会にメーカーが売り渡します価格は、目下神奈川が一番高いのでありますが、北海道その他原乳の価格等の差が地域によって違いますが、全国平均は、予算単価もこれをとってありますが、平均単価は六円六十銭であります。六円六十銭供給で、四円を補助したのは三円七十銭にする、そういうことであります。しかし、従来六円六十銭供給でどこも一律にやっておるわけではございませんで、たしか神奈川が七円八十銭か九十銭でございままして、五円何十銭というところもあるわけでございます。 今後は、日本の牛乳及び乳製品全体が需給のバランスがとれつつありますが、まだ過剰ぎみである、夏分はどうである、今後不足するじゃないかということについては、研究を要すると思いますが、学校給食に対する補助金の一般予算の計上は、見通ししにくいものがありますから、国内需給調整上、酪農安定、乳価安定上必要な場合はよく政府部内で相談しなくちゃいけませんが、全く予備費を出さぬわけじゃない、予備費を出すこともある、こういう予算折衝上一応の折衝もいたしましたので、学校給食は、補助を法的にきめますと同時に、国産品の牛乳、乳製品で消費増進をはかり、その消費に見合う生産の進捗をはかるという建前を維持しまして、国産牛乳、乳製品による学校給食の法的制度化に一歩を踏み出そうといたしておりますから、父兄等にはいろいろ苦労があろうと思いますが、あまり御迷惑をかけないように実行したい、またできるだろう、こういうふうに思っておる次第でございます。
○吉川(久)委員長代理 本会議も始まりますので、本日の質疑はこの程度にとどめ、明十八日午前十時より開会いたすこととし、これにて散会いたします。 午後三時五分散会