農林水産委員会 第19号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/06
会議録
○吉川(久)委員長代理 これより会議を開きます。 小かん加糖れん乳等の製造の用に供するため売り渡す国有てん菜糖の売渡価格の特例に関する法律案、日本てん菜振興会法案及び臨時てん菜糖製造業者納付金法案の三案を一括して議題とし、審査に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 ただいま提案されましたテンサイ三法案に対して質問をいたします。きょうは農林大臣が出席されておりませんので石坂政務次官にお尋ねしますが、政府におかれては、今回の法案提出に当って、特に国内における糖業振興並びに甘味資源の生産拡大等について長期的な計画を立てられたように承知をしておるのでありますが、それらの基本的な構想について主要な点を説明願いたいと思います。
○石坂政府委員 ただいま芳賀委員から御質問の国内砂糖需給計画に対する基本的な政府の考えという点であります。御承知の通りに、甘味資源は国民生活に必要不可欠のものでありますが、その九〇%は輸入に仰いでおる現状であります。従いまして、この後の国民生活の安定の点から、また海外貿易の振興の点、すなわち外貨節約の点からいたしましても、国内甘味資源の自給力の強化ということはゆるがせにすべからざる重要な問題であると考えます。従いまして、この基本的の考えに立ちまして、この後十年ないし十四、五年の間の日本の人口の増加、生活程度の向上とにらみ合せましての甘味資源の需給の問題でありますが、大体十年後の砂糖の需要を百五十二万トンと一応想定いたしたのであります。従いまして、この百五十二万トンの大体半分を国内産の甘味資源によって充当しよう、すなわち四十万トンをテンサイ糖による、二十万トンを砂糖キビ、カンシャ糖による、残りの十五万トンを結晶ブドウ糖によって充てることにいたしますが、この合計が七十五万トンになります。従いまして、百五十二万トンといたしますと、国内資源によって七十五万トン、それから七十七万トン程度の輸入によって、国内需給に対する甘味資源を確保していこう、これが基本的の考え方であります。
○芳賀委員 ただいまお述べになった国内における甘味資源の増産対策でありますが、たとえばテンサイ糖の四十万トンの増産計画等にしても、これは十カ年計画としてもこの実現は相当容易でないと思うのです。ただ単にテンサイ糖の価格面の操作程度ではこのような大増産を望むことはできないと思うのでありますが、その場合、畑作振興とかあるいは農業生産の拡大というような問題に関連してどのような具体的な施策を進めていくか。たとえば、テンサイ糖の増産をはかるための、原料であるテンサイ栽培可能面積というものは、四十万トン生産に達するような面積を確保することもなかなか容易でないと思うのです。問題は、原料の生産の基礎条件をどういうようにして整備して増産の方に発展させるかという基本的な問題が欠けておっては、これは単なる空文の計画になるおそれがあると思うのです。従って、農業面においての生産基盤の拡大という点に対しては、どのような方針で進まれるか。
○石坂政府委員 十年後のテンサイ糖四十万トンの確保が決して容易なわざとは思わないのであります。従いまして、政府といたしましては、テンサイ糖のみならず、先ほど列挙いたしましたカンシャあるいは結晶ブトウ糖等による国内の甘味資源確保のためには、あらゆる努力をいたして参る所存でございます。 さて、御指摘のテンサイに関する問題でありますが、最近テンサイに対する一般農家の関心あるいは一般世間の関心が非常に強くなって参りましたことは喜ぶべき傾向であると考えておりますが、政府は、ただいま御審議を願っておる法案によりまして、先般の関税及び砂糖消費税の振りかえに関連いたしまして国内糖価の安定をはかって参りますると同時に、当面のテンサイにつきましても、あらゆる角度からこの増産確保に邁進いたして参るつもりであります。すなわち、何と申しましても生産の増強をいたしますためには品種の改良をいたさなければなりません。従いまして、この後、日本てん菜振興会法の通過の暁には、てん菜振興会等によりまして、品種の改良、生産コストの低減その他についての全面的の研究をいたして参るつもりでおります。今日までの状況は、芳賀さんとくと御承知置きの通りに、テンサイは耐冷作物であるという点から北海道に主として生産されておりました状況でありますが、北海道においてのテンサイの生産を一そう増強いたしますると同時に、東北地方におきましても、北海道と類似した地域、たとえば青森県のごときにおきましては、テンサイ栽培可能であるという点から、ここにも将来進めて参りたいと存じております。一面、テンサイは耐冷作物であると同時に、近時暖地ビートに対する研究もよほど進んで参っておりまして、現に暖地ビートは、府県の農事試験場の研究の程度でありまするけれども、さきには宮崎、鹿児島、熊本、岡山等の農事試験場において相当研究を進めております。大分も同様でありますが、九州、中国、さらに四国の香川県も最近に研究を始めたような状況であります。かようにいたしまして、単に耐冷作物としてのビートのみならず、暖地ビートに対する研究も進めまして、寒暖相待ちまして国内のビートの生産を増強いたして参りたいと存じております。そうして、ビートの栽培は、畑作物として畑作振興上重要な作物であるばかりでなく、稲作の早期栽培のあと作としてもきわめて有利な作物であると考えておりますので、作のみならず、水田あと作の作物としても十分に研究を進め、奨励を進めて参りたいと考えております
○芳賀委員 そこで、お尋ねしたいのでありますが、今度の法案提出によって、従来ありますてん菜生産臨時措置法との関係ですね。これらの点がやや不明確になっておりますので、この点についてお答え願います。
○石坂政府委員 てん菜生産振興臨時措置法と今回の提案との関連につきましては、食糧庁長官からお答えさせたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 てん菜生産振興臨時措置法は、寒冷地におけるテンサイの生産振興をはかるために作られました。その骨子は、法律の第三条によりまして、「省令で定める数量以上のてん菜を生産する道府県の知事は、省令の定めるところにより、当該道府県におけるてん菜生産振興計画を定めて農林大臣の承認を受けなければならない。」、こういうことが第一点と、「国は、毎年度、予算の範囲内において、第一項の道府県に対し、同項の規定により農林大臣の承認を受けたてん菜生産振興計画を実施するために必要な経費の一部を補助する。」ということと、第四条で、テンサイの振興をはかるために必要があるときは、「てん菜糖の製造を業とする者からてん菜糖の買い入をすることができる。」こういうことが大体骨子であります。さらに、この目的を達するために、製造業者間の競争を合理的にするため、第八条で、「農林大臣は、製造業者に対し、てん菜の買入その他生産者との取引についての条件及びその買入の方法並びにてん菜糖の製造及び貯蔵に関し必要な指示をすることができる。」、大体そういうことろが骨子になっておると思います。 そこで、今度の新しい法案との関係でございますが、このてん菜生産振興臨時措置法の実施されておる現在までの砂糖価格の状況は、年によって相当な変動がございましたが、最近の糖価は七十円を多少上下し、ここ一年間くらいの糖価は七十一円、最近では七十円を割っております。そういう状況でございます。しかるに、テンサイの生産コストは、これはお手元に資料としてお配りしてございますが、二十七年に一斤当り五十五円七十銭、二十八年が五十三円二十五銭、二十九年が五十二円九十銭、三十年が四十九円八十六銭、三十一年が四十六円五十銭、三十二年に新しい工場ができまして、古い工場では四十六円二十五銭であるが、新しい工場は六十円十銭、こういうふうな状況でございます。これを輸入糖の原価に比較いたしますと、かりに糖価を七十一円としますと、消費税か二十八円でございますから、輸入糖の関税込みの価格は四十三円になるのであります。従って、いかなるテンサイの工場も自由に販売することはできないような状況にあります。すなわち、輸入糖との太刀打ちはできないような状況にあったのであります。そこで、こういう状態では、一方におきましては、いつまでたってもいわゆる資本主義社会における企業の独立性というものを保持することはできないし、さらにまた、これから大いにテンサイ糖を生産しようとする企業の意欲を阻害する、こういうことも考えられましたので、このたび関税と消費税の額を従来とは逆にいたしまして、関税を従来は斤当り八円八十四銭であったのを二十六円二十一銭、消費税を従来二十八円であったものを十二円大十銭、こういうことにいたしまして、関税込みの糖価を六十円余りにいたしました。 〔吉川(久)委員長代理退席、石田(宥)委員長代理着席〕 そうしますれば、先ほど申し上げましたように、国内のテンサイ糖製造業者が外国の輸入糖と太刀打ちできる、こういう条件か整えられたことになるのでありますから、そういう条件のもとにおいて、てん菜生産振興臨時措置法を運用していきたい。こういうことで、その運用方針といたしましては、これもまたお手元に配付いたしております「てん菜の振興措置について」の第六項に書いておりますように、建設直後のものは、創業早々でありますので相当いろいろな経費がかかってコストも高くなるだろうから、従来通り特別価格で買い上げる、そのほかのものにつきましては、先ほど申し上げましたように、一応の計算は、糖価を七十三円と推定いたしますれば、建設して数年たった工場では輸入糖と太刀打ちができるという条件はございますけれども、しかしこれは新しい販路を開拓しなければいけない、あるいは糖価の水準も予定通り七十三円がコンスタントに維持できるかできないかという見通しもなかなかつけがたいという状況もございますから、当分の間はそういった不安がある製造業者からは申し込みによって標準価額で買い上げる、こういうことをいたしておるのであります。ただし、操業を始めまして、てん菜生産振興臨時措置法に基きまして政府が買い上げて相当の財政負担をいたしました結果、施設の償即ができておる、固定資産の償即ができておるというような関係から生産費が非常に安い会社は、買い上げを強制しない限り、そういう条件が整っておるのでありますから買い上げなくてもよろしい、こういうふうな運用方針に切りかえようというのでございます。
○芳賀委員 てん菜生産振興臨時措置法の問題でありますが、当然農林省が扱っているのですが、内部的には食糧庁と振興局の担当の分野が明確になっておらぬ点もあると思うのですが、その点について長官並びに振興局長からお答え願いたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 食糧庁といたしましては、国内甘味資源の生産、流通、すなわち砂糖なり澱粉なり水あめなり、そういう食品としての甘味資源の生産、流通を指導監督する、こういうことになっております。その点から、一体日本の、需要量はどういうふうに伸びていくだろう、あるいはまたこれに対して日本の甘味資源の需給はどういうふうになっていくだろう、こういうことを検討いたしておりまして、需要の方は私の方で専管ということになります。国内生産の方になりますと、これだけ作ってほしい、こう言いましても、これは生産を指導する担当局でございます振興局の甘味資源の原料計画、そういうものの可能性の範囲内ということになりますから、甘味資源の原料関係については、私の方から、外貨事情からいくとできるだけ国内生産を増加してもらいたい、一体どれだけあるのだ、そういうことで振興局に原料の生産計画についての検討を願う、こういう関係になっております。
○林田説明員 先ほど食糧庁長官から申した通りでございますが、振興局は農業生産の方を担当しております。従いまして、テンサイの生産を専管いたしております。それから、テンサイ糖の方と関連することについては、食糧庁と十分協議いたしましてやっていくということにいたしております。
○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、生産振興法の中の第三条で、テンサイの生産振興計画を道府県の知事が立てるということになっておりますが、これはまだ十分な運用が行われておらぬ点もあると思うわけであります。それで、先ほどの長官の答弁等によっても、単にこれは生産面の抽象的な計画だけでなくて、やはり今後はテンサイ糖の一大増産を計画的に、しかも長期的に達成するということになれば、おのずからこの計画は、生産計画と並んで集荷、販売等の面についてにも、明確な長期的な計画、あるいは生産地帯であるところの市町村単位の生産とか出荷計画というものが明らかにならなければ、長期的な増産体制は確立できないと思うのです。従って、この法律の条項だけではやはり不備な点が出てくると思うのであります。それで、これらの点に対しては、いわゆる内容を是正する必要があると思いますが、その点農林省ではいかに考えておりますか。
○渡部(伍)政府委員 テンサイの生産計画は、結局、何年度に何県で何千万斤あるいは何万斤のテンサイができる、こういうことでございまして、これは、テンサイを振興する上において、一つの目標、伸度率、そういうものを立ててやっていこう、こういうことでございます。それをどういうふうに売るかという問題は、これは必ずしも第三条においては要求していないのであります。もし、最近ございますように、工場がおいおい設立されまして原料の争奪競争が起るということになれば、第八条の指示権によってその調整をしていけばいい、こういう考え方でございます。ただ、立法論といたしましては、新しく法律を作るといたしますれば、現在におきましては、御説のように、生産計画、あるいはどこの工場に販売するのであるという販売計画を出して、製造業者間の調整の一つの資料になる材料をとることも適当なことであると考えております。
○芳賀委員 結局、生産地帯の最末端から計画を積み上げていくということは一番必要なわけなんですね。特に、今後増産計画の方向に向っていくということになれば、年次別の生産計画、あるいは土壌改良等によって単位生産の拡大も期待しなければなりませんから、そういう点に対しても、生産地帯の町村を単位とした生産計画あるいは出荷計画等が明らかになってこなければならず、これが明らかになれば全体の地域における生産の分布状態も明らかになりますし、また、それに従って、工場建設が要求されるような場合においては、最適な地域をこの計画の上に立って選定して、そして決定するというようなことになる。そういうふうにするためには、どうしても第三条の計画の策定の内容を、今までのような形式的なものでなくて相当重視して、この線に沿って長期増産計画の達成ということをぜひ進めていく必要かあると思うのであります。それで、私たちとしては、この点はやりは法律の内容を充実する必要があるのではないかというふうに考えておるわけですが、もう一度御答弁を願いたいと思います。
○渡部(伍)政府委員 その点は御指摘の通りでございまして、私たち、この前の御質問の際に、てん菜生産振興臨時措置法の新しい運用方針というか、当然この「てん菜の振興措置について」の一項、一項、三項、四項を、従来のてん菜生産振興臨時措置法の運用を明確にする点として御説明いたさなければならなかったのでありますが、御指摘の通りであります。ただいま、十カ年の年別、それから町村別の長期計画を振興局の方において北海道庁を督励して作っていただいております。それに基きまして年々新しい栽培地域がふえていくのでありますから、その裁培地域と、それを受け入れる工場との間の調整の問題、そういうものにつきましても、明確な運用方針を立てまして、先般北海道庁及び関係業者に通達を出したのでありますが、そういうことにいたしたいと思います。現在の状況では、一工場あたり、反当四千百斤の生産で六千町歩で百二十日の操業という、一つの工場単位の目標を作っております。それがだんだん新しい地域かふえていきますと、百三十日の操業、あるいは百四十日の操業をしなければ原料を消化することができない。そうかといって、原料の見通しのつかないうちに新しい工場か入れば、従来の工場も非常な迷惑をこうむるということもございますから、そういう一つの工場当りの標準をきめまして、それと年度別の生産計画とをにらみ合せて、旧来の工場と新設工場に非常な不公平なりあるいは負担をかけないような方向で新しい工場の新設を指導していった方がいいのではないかということを、「てん菜振興措置について」の四項で書いてございます。 なお、長期裁培計画につきましては振興局参事官の方から説明いたします。
○林田説明員 テンサイの生産計画については、仰せの通り、市町村からの積み上げたこまかい計画を立てる必要があるわけでございます。その点につきましては、北海道庁と振興局と十分協議いたしまして、目下町村別の策定をしておるような次第であります。それで、一応、私たちの方といたしましては、北海道庁と何回となく協議いたしまして、北海道の全体的なビートの生産計画を作っております。それにつきまして御説明を申し上げますと、既耕地と開拓地を入れまして、三十二年に普通畑の面積が、農林省の統計調査部の調べで七十四万町歩ほどあるわけでございます。その中から、焼き畑とか、あるいは切りかえ畑とが、あるいは牧草畑、そういうような面積を除きまして、畑面積を既耕地六十五万町歩というふうに算定いたしまして、それからなお、果樹園芸のみを主としてやっておる町村とか、あるいは漁村とか、あるいは水田とか、都市の周辺の町村というふうな、おもにビートを作らないようなところの面積を除きまして、さらにそれから、ビートを作るのに不適当な泥炭地とか、あるいは粗粒性の火山灰地とか、砂丘地、傾斜の激しいところというような不良土壌の畑を除きまして、最後にテンサイの作付可能な畑面積を四十八万六千町歩くらいに算定したのであります。それに、今後の、大体三十七年ごろまでの開拓の面積を算定いたしまして、五十五万四千町歩ほどがテンサイの作付可能畑面積というふうに算定したのであります。それを経営階層別にどの程度その畑面積にテンサイを作付したらいいであろうかというようなことをいろいろローテーションを加味いたしまして考えて、結局のテンサイの作付面積をはじいたわけでありますが、既耕地と開拓地を入れまして七万八千町歩程度の面積に将来なるであろうというふうに算定をしておるわけであります。それで、当面、三十四年を初年度としまして、五カ年程度で、三十八年くらいで五万九千町歩くらいにしていきたいというふうに計画をいたしております。
○石田(宥)委員長代理 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時半より再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ————◇————— 午後二時三十二分開議
○松浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 小かん加糖れん乳等の製造の用に供するため売り渡す国有てん菜糖の売渡価格の特例に関する法律案、日本てん菜振興会法案及び臨時てん菜糖製造業者納付金法案の三案を一括して議題とし、審査に入ります。 質疑を続行いたします。芳賀貢君。
○芳賀委員 先ほど当局から北海道テンサイの生産計画の案が示されましたが、これによりますと、三十四年から始まって五カ年計画で作付面積が約五万九千町歩、反当の平均収量か四千三百八十斤ということを目標にしておられますが、この計画に沿って、たとえば工場建設については一工場の適正面積あるいは工場の今後の建設計画等に対しましてはどういうような案をお持ちですか。
○渡部(伍)政府委員 先ほど申し上げましたように、反当四千百斤・六千町歩・百二十日操業で一工場、こういうふうになっております。お示しいたしました計画では、反当収量も年々上っていく、こういうふうに考えられます。三十四年からは七工場が動きます。従って、この計画によりますれば、三十六年には一工場ふやしてゆうゆうたるものがある、三十五年でもやろうとすればできる可能性がある、こういう状況になっております。しかし、先ほど申し上げましたように、三十四年度以降の分につきましては、町村別の具体的な計画を作成中でございまして、その結果を見まして、果して三十五年に入るか三十六年にした方がいいか、こういうふうな結論を出すことにした方がいいんじゃないか、こういうふうに現在のところ考えております。
○芳賀委員 そういたしますと、三十四年度に七工場操業ということになると、三十八年度には二工場くらい新設されて九工場くらいの操業は十分に妥当であろうという見通しは持っていますね。
○渡部(伍)政府委員 そうでございます。
○芳賀委員 それで、最近の北海道の情勢等を見ると、相当各地に工場建設の動きがあるわけですね。中には、国務大臣である山口長官が具体的に藤山さんの日糖の工場誘致を十勝の本別町にやる、こういう約束に似たようなことまで言いふらして歩くということも、これは当委員会においても同僚の松浦委員から指摘した点もあるので、今度の長期計画に沿った工場建設というものは、一部の製糖会社とかあるいは有力な閣僚あるいは与党の政治家諸君なんかのそういう利害につながったような判断で今後北海道へ工場を持ち込むなんということは、これは、長期計画を達成する上においては、熱意のほどはわかると思うけれども、しかしむしろ障害になる場合の方が多いと思うのです。でありますから、今後の工場新設等に対しては、政府としても相当明確な方針あるいは基準をきわめて、この長期計画の線に沿った適正な工場配置計画を立てる必要かどうしてもあると思いますが、それは今までは工場建設については法的には農地法に基く工場の建設に対する転用許可というところだけで抑えてきたように考えるのですが、この点については、たとえば現在あるテンサイの生産振興法に根拠を置くとか、何かの立法上の根拠の上に立って基準を示して、適格条件が具備されて初めて工場の建設をたとえば認可なら認可するというようなことに一歩進めたらいかがですか。
○渡部(伍)政府委員 この計画は一応支庁別の作付可能の状況をもととした大ざっぱ数字でございまして、これを町村別にブレークダウンしまして、年々どれだけの作付の伸びが見込まれる、かつそれがどの地域に見込まれるということをはっきりしなければいかぬわけです。極端に言いますと、このトータルだけから言いますと、三十八年には、六千町歩反当四千百斤ということになれば十工場ということになり、あと三工場入る計算になります。しかし、私が多少控え目に申し上げましたのは、それは、町村別にこれをはっきり計画を確認しまして、工場と作付地域との、いわゆる経済圏、その関係を確かめなければ、北海道トータルの作付可能面積があるかといって、ある一カ所に工場か集中すれば、そこにいろいろなトラブルができてきますから、どうしても、一工場反当四千百斤六千町歩百二十日操業という基準を示しても、それを具体的に適用するのには、やはりあんまり遠方から原料を持ってくるのも工場の採算上工合が悪いから、そういうようなところは、その地方全体が作付のレベルが上るまでは、そう重点を置くわけにいかないのであります。そういうのを見きわめた上で工場の新増設を指導した方がいい、こういうふうに考えるのであります。 さらに、そう言うならばはっきり法律上工場の建設を許可制にしたらいいじゃないか、こういうお話があったと思いますが、そういう点は私どもは案を作る際にいろいろ議論いたしました。しかし、一方、反対論からは、これから工場をうんと作ってもらった方がテンサイの生産には都合がいいのだから、何も許可制によって設備過剰になるという——やりようによっては設備過剰にならなくて済むならば許可制にする必要はないじゃないかという議論が一点と、それから、新憲法下におきましては、企業自由の原則から、企業の許可制というものについては、法制局あたりでも、これを憲法が容認してない、こういう説があるのでありまして、その二つの理由から、直ちに工場の建設を許可制にするということには踏み切ってないのであります。しかし、現在は、先ほど御指摘がありましたように農地転用の許可なり、機械輸入の為替の許可なり、財政資金の貸付の承認で許可制の場合と同様に処置ができる、片一方の方から見た乱設の抑制は十分目的が達成できるというふうに考えておるのであります。
○芳賀委員 今の答弁、企業の自由の原則から言って疑義があるという点ですが、最初から全くの自由企業でやるのであれば別として、現在ある法律によっても、また今度出された法案によっても、新設の当初数年間は非常にコスト高になるので、そういう分については国が保護して製品買い上げをやるということが前提になるわけですね。そういう前提かあって北海道にはテンサイ工場が従来も建設されたし、今後もそういうことでいくと思うのです、ですから、前提か、高コストの分については製品の買い上げという約束がなされて、そうし工場の建設がされるとすれば、当然これは建設に対しても一定の基準を国か示して、それに適合するような手続をとったものを検討して、そうしてこれに適否の承認を与えるということは、これは差しつかえないじゃないですか。
○渡部(伍)政府委員 これはお話の点とちょっと違うのであります。すなわち、今度の買い上げでは、企業育成のの見地から、原則的には申し出に基いて希望によって買い上げる、そういうふうな企業の育成を前提にしておるわけであります。そうして、個別価格で買い上げるのはあくまでも創業当初であって、企業がノーマルな運転に至らない時期にはそのノーマルな運転ができないことによる出費が将来のその企業のノーマルな運転に支障になってはならないということで個別価格で買い上げる、従って、個別価格で買い上げる期間はあくまでも最小限度こういうことになっておるのであります。それか初めからコストが高いということであれば、これは資金の融通の際に当然審査されることになりまして、そういうものはもっとほかのものと太刀打ちができるようなコストの見通しがつくまでは政府としてはその企業について援助しない方がいいのではないか、こういうことに結論づけられるのだろうと思います。従いまして、それは法律上における許可制とは全く違った問題と私どもは了解しております。
○芳賀委員 問題は、結局、農地法とか、外貨の割当とか、あるいは公庫資金の融資とか、そういうことで今実際は規制しているわけですね。自由にやらしていないわけですね。そういうことが本質じゃないと思うのです。従って、てん菜振興法ならてん菜振興法の規定の中で、工場新設の場合にはやはり適格条件というものを示して、そうして適正妥当な地域に工場が積極的に建設せられるように計らった方かいいと思うのです。これは法律に絶対そういうことが書けないとかできないという問題でないと思うのです。たとえば同じ農林省関係の酪農振興法にしても、やはり高度集約地域内において乳業の施設をやるような場合においてはその承認が要るというような実例もあるのですから、絶対にこれはできないとか何とかいう問題ではないと思うのです。もちろん、今の自民党の資本主義的な思想から言えば、こういう工場建設等を抑圧しない方がいい、自由にさせる、しかも利益を守ってやった方がいいという考え方の上に立っておることは、これは当然ですし、そういうことをやっておるのです。だが、農林官僚の優秀なあなたが、できないとか、この形でなければだめなんだと言うことは、ちょっとふだんの渡部さんらしくないと思うのです。
○渡部(伍)政府委員 これは私ども現実に法制局とかけ合ったのであります。これは私の方は必ずしも許可制を主張しなかったのであります。むしろ大蔵省の方が企業の過当競争で過剰投資になってはいけないから許可制をしいたらいいのじゃないかということで、法制局とかけ合ったわけであります。しかし、それは現在の憲法のもとでは認められない、こういうことで下っておるのであります。農林省といたしましては、むしろほかの方の手段で同一の目的ができるならば、大上段にいかにも工場の新設、増設を抑圧するような形式にならない方がいいのじゃないか、こういうことで許可制には農林省としては積極的でなかったことも事実であります。そこで例をあげられたのは百貨店で、百貨店法であれは許可制になっております。これは百貨店の進出が中小企業を圧迫する、公共の利益に反するから、これが唯一の例外だ、こういうことであったのであります。酪農振興法の中でもしそういう規定が置かれたとすれば、それが原乳生産者に不当の圧迫を与える、こういう乱立によって不当の圧迫を与えるという百貨店法と同じような事由が法制局で承認されたからだと思います。私の方のビート製造業の許可制についての検討の結果は、今申し上げる通りであります。
○芳賀委員 具体的の問題として、この長期計画の線に沿って、一つの経済圏というか生産圏というか、そういうような工場を中心としたブロックが一つ形成される。そういう地域に新しい工場の建設が必要であるというような場合に、あなたの論法でいくと、その地域に幾つもの会社が進出を希望する場合もあるわけで、そういうものをどうやって今度選別したり選択して、これにきめるというようなことにするわけなんですか。
○渡部(伍)政府委員 これは、先ほども申し上げましたように、町村別の長期計画を立てまして、そうして一つの工場の経済供給圏というものを引きまして、それを基準にいたしまして、新しい工場の進出の可能性ありやいなやをきめると、従来の工場の成立を脅かすことなくして新しい工場の進出ができるかできないかということが見当がつくわけであります。それによってやるわけであります。その際に何も押える手がなければ、これはお話のように強い圧力によってきめられるかもしれませんが、この地域に一カ所しか工場が入る余地がないということになれば、農地転用の許可なり、投資効率なり、そういうもので認定することができるし、もし同等の条件であるとすれば、これはやはり役所が仲に立って、共同施設をやるなりあるいはお互いに譲り合ってもらうということ以外にはないのじゃないかと思います。これは、許可制の場合に二つが競願した場合にどちらをとるか、こういう問題と同じケースになると思います。
○芳賀委員 ただ、問題になるのは、全然基準とか、一つの国がそれを選択してきめるとかいうことを行わないと、従来行われたような実例が出るわけですね。たとえば、卑近な例で言うと、昨年芝浦の工場か操業を行なって、政府が芝浦製糖から第一回の買い上げを行なったのですね。今年度は北連が新工場を昨年から操業して、そうして本年政府が買上価格をきめる。それが、普通の常識から考えれば、ビート工場が建設されて生産された製品に対しては、新工場についての初年度の買上価格というものは、経済的な事情が激変しない限り大体同一水準の買上価格でそれは処理されるべきものであるというふうに、しろうと的に常識的に考えればそういうことになると思うのです。ですから、一昨年の芝浦の買上価格が一ピクル六千十円ですか、一斤について六十円でこれは買い上げが行われておる。その次の北連の場合にも、これはやはり新設工場で作った同一の製品であるという場合においては大体それと同じような価格で買い上げされてしかるべきだというふうに判断がされるわけです。ところが、今のやり方から言うと、必ずしも同じ六十円なら六十円ということにはならないでしょう。そういうものは、建設の前提として、その工場建設の場合は適正規模というものを段階にして、そうして製造費はおよそどのくらいを目途にするとか、政府があらかじめ工場の製造施設等を行う場合の適正な基準というものを一応用意しておいて、そうしてそれらの基準に従って建設計画を工場が行うというようなことになれば、大体政府の意図する適正規模の工場が建設されて、そうして企業努力もすれば、やはりこちらの期待したような製造原価で製品ができ上るというふうにわれわれは考えておるわけです。そういう意味においても、工場建設に対しては、やはり法律等によって政府が一定の基準を示して、それに基いて会社は手続をして、そうして承認を受けるというようなことにするのが、今後のためにも非常にいいじゃないかと考えるのですが、これは政務次官はどう考えておりますか。
○渡部(伍)政府委員 ちょっと私から……。 今のお話は、法律問題と実際の行政指導の効果の問題と、この二つに分れるのではないかと思います。法律問題といたしますと、先ほど引例になりました酪農振興法の十二条の集乳施設、乳業施設、これは承認制になっておりますが、新しい施設を作るとか作らぬとかいう問題ではなくて、衛生的な施設を作るか作らぬかの問題で承認制が認められておるのであります。今度の改正案では事業施設については届出になっておりまして、やはり法制局の見解は私どもに示された見解と同じことになっておると思うのであります。果してしからば、行政的指導で許可制にした場合と同じ効果かできるかできないか、こういう問題でございますが、私どもは、これはできる、こういうふうに考えておるのであります。そのときに、御引例になりました、たとえばある工場は初年度が一ピクル当り六千円、あめ工場は五千八百円というような数字になるとします。しかし、これには集荷地域の経済性と工場建設費の多寡、こういうものが一つの判定基準になるのではないかと思います。同一地域で集荷する目的でその地域の中に二つの工場の申請があるとすれば、金がよけいかからぬで同じ効果が出る工場がやはり優先順位を持つことはやむを得ぬではないか、こういうふうに思うのです。従いまして、これからの方針も、私どもの方は、先ほどから申し上げますように、先般振興局長と食糧庁長官名をもって北海道知事その他関係方面に通牒を出しまして、集荷地域の調整の一つの目標を示しております。すなわち、一工場当り四千百斤・六千町歩・百二十日操業、これは一つの工場の経済単位、こういうふうに見まして、これに該当する作付可能の余裕が一つの工場を中心としてそれだけの規模を確保できるならば新しい工場を認める基準とする。それで、そこに競願があれば、今言ったように、最も技術的に見てもいいし、コスト的に見てもいい工場が先順位になるというのが区原則ではないか、それで十分指導ができる、こういうふうに考えております。
○石坂政府委員 ビート工場の新設に関する方針について、法律的見解並びに行政指導の面からする役所の態度につきましては、ただいま食糧庁長官が申し上げました通りであります。これを要するに、立地的条件その他の諸条件を考えまして、新設工場の経営の面及び生産者の経営安定というような点に十分に留意をいたしまして、その後関係各方面と協調をして適当に間違いのないように処理して参りたいと思います。
○芳賀委員 それでは、行政的にやる場合、今後新しい工場建設がもくろまれた場合は、たとえば四千百斤の六千町歩という一つの適正な集荷区域を与えてやるということになれば、おのずからその一つの経済圏の中における工場の規模というものは大体標準ができるわけです。ですから、その場合は、工場の建設費についても、そういう施設等についてもやはり一つの限度というものを置く。それ以上に会社が膨大な施設費を投じた場合においてもそれがすべてコスト計算の中に取り入れられるというようなことは弊害になると思うのですよ。今まではやむを得ない点があったとしても、これからの場合には、今長官の言ったような、法律でやらぬ場合においても行政指導でやれるという自信があれば、そういう点に対してははっきりした基準とか指導を与えて、工場の建設費は大体どのくらいにして、操業能率はどのくらいの操業度のものを作るとかいうことにして、やはりコストを押えるというような努力もしないと、いくら金をかけてもそれは全部償却や何かで見ますとか、金利を見ますとか、企業努力を怠って歩どまりが悪くてもそれを全部見ますというようなことでは、むしろ企業者を甘やかすようなことにもなると思うので、この点の改善について、もう少し明確な方針を明らかにしてもらいたい。
○渡部(伍)政府委員 これは、原則的に言いますと、たとえば木造で作るとか、鉄筋コンクリートでやるとか、一つの施設を作るについてもいろいろなやり方があると思います。しかし、それはおのずから経済限度というものかあるわけでありますから、過当な設備の投資をやるということは普通の業者ならやらないわけであります。しかし、それらは私の方でにらみ合せて検討いたします。ただ、御指摘のように、よけいな金をかけるということは、これを従来のように永久的に買い上げなければならないということになれば、個別原価で買い上げるということになればそれを全部見ることになりますけれども、今度のてん菜生産振興臨時措置法による買い上げの新しい方針は、創業早々の年は機械の調整とかいろいろな不慮の製造業者の責めに帰しては省令の線に沿わないというふうな理由でよけいかかる場合があるから、それは特別価格で買い上げができる、その一定の年限を過ぎれば、これはあくまでも、ノーマルな運転ができるという標準価格を算定して、それによって申し入れによって買い上げる、こういうことでございますから、今度の制度ならばよけいな経費をかけるということはちょっと想像ができない、そういうことはあり得ないと考えてよいのではないかと考えます。
○芳賀委員 次に、政府のテンサイ振興の措置として、地方に審議会等を設置して、そうして生産者あるいは関係者であるとか学識経験者、そういうような人たちを網羅した審議会等の設置を行うということも述べられておりますが、これは、関係の都道府県知事の審議会を設置させる、そういう意図で述べられたのですか。
○渡部(伍)政府委員 私の方では、この間、テンサイ集布調整要領の第二に、テンサイの販売に関する計画というところで、都道府県知事は、テンサイ生産者団体、製造業者その他関係者の意見を徴し所要の調整を加えた上販売計画を作成する、そのために、都道府県知事が適当と認める公正な機関、たとえば協議会等を作って、そこへ諮問して原料集荷の調整を行なっていこう、こういうことを言っておりまして、審議会というお話がございましたが、今の協議会の話ならば、これは都道府県ごとに設置してもらわなければならない、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 今協議会と言われておりますが、必要な場合にはもう少し性格を明確にして審議会を設けて、たとえば知事がこれで生産計画、出荷計画等を定めて、そうして大臣の承認を求めるということになるわけでございますか、それらのすべての生産とか出荷とか必要な計画、あるいはまた工場単位の集荷区域の配分の計画とか、そういうものを立てる場合、またテンサイ振興上のいろいろな計画等を立てるような場合に、審議会等を設置して、そうしてこの審議会の意見を徴するとか、あるいは審議会が意見を建議するとか、そういうことができるようにすれば非常に充実した運営ができるのじゃないかというふうにわれわれは考えるのですが、これについてはどう考えておりますか。
○渡部(伍)政府委員 てん菜生産振興臨時措置法の制定当時には、最近のようにテンサイの生産についての発展的な見方は必ずしもなかったようであります。工場間の調整というものについても十分な考慮が払われてなかったのでございます。そこで、そういう問題は一切第八条で農林大臣の指示によって処置する、こういうことになっておるのでございます。立法論としては、最近の立法例等を見ますれば、あるいは行政指導の一つの前提としてそういう審議会なり協議会といふものを法律で書くということも一つの考え方ではないかと思います。
○芳賀委員 そうしないと、たとえば大事な工場別の集荷区域決定の問題についても、最近農林省の方でも今後の方針については従来よりも大幅に知事に責任をまかして適正な集荷区域の決定等をやらせるというふうな方針になったというふうにも聞いておるのですか、知事かそれをやる場合においても、やはり最も密接な関係に置かれておる関係者の代表が構成するところの審議会というようなものを設けて、そうして諸般の計画に対して適当な意見を徴して、それらを尊重して、そうして知事が計画を立案して農林大臣の承認を求める、こういうふうに一貫した体系で今後ぜひ進むべきであるということになれば、やはり場合によっては法律の一部等にこういう条項を加えて積極的な努力をしたらどうかというふうに考えますが、いかがですか。
○渡部(伍)政府委員 そういう考えもあると思いますが、私の方では、そういうふうに法律を必ずしも直さなくても、当然行政措置でそういうことはでき得る、こういう観点から、先ほど申し上げましたように、テンサイの集荷調整要領というものを農林省できめまして、そしてそれを各関係者に通達して、都道府県知事を中心にして協議会を作れば十分目的は達成できる、こういうふうに考えておるのであります。
○芳賀委員 長官は何でもかんでも行政措置で十分やれるということを言っておりますけれども、今までの経緯を見ると必ずしもそれで十分にいっておらぬ点もあるのです。たとえば、今後強力な国内の糖業の振興をはかるような場合は、既存の法律等についてもこの際検討を加えてそれを是正したり、現在の事情に適合させる必要があるような面についてはやはり立法の面においても適当な改正を加える必要があるとわれわれは考えておる。どうしてもあなたの方でやってくれというわけではないのですが、政府の意見を参考までにわれわれはただして、政府に積極性がないとすれば、これは私どもの方で十分な処置をしたいというふうに考えておるわけであります。 次にお尋ねしたい点は、今度の法律によりますと、法律の意味は第二といたしましても、今まではとにかく全量買い上げをやってきたわけですね。これからは一部買い上げということになるわけですか、その場合どうして全量買い上げをしないかということになるわけですか、その点に対する基本的な考えを示してもらいたいのです。
○渡部(伍)政府委員 これは、先般お手元に配付してございます甘味資源の自給力強化総合対策糖価関係資料、この資料に基いてお聞き取りを願いたいのでありますが、従来、てん菜生産振興臨時措置法では、法律第四条で、「てん菜糖の買入をすることができる。」、こういうふうになっておりますが、事実は、テンサイ糖と輸入糖との価格関係から、どうしてもテンサイ糖を政府が買い入れなければ、自由に販売することができないような条件のもとにあるのであります。すなわち、それは、国際砂糖協定のきめております糖価水準、すなわち四セントから三セント十五の間に国際砂糖協定では砂糖の価格を安定しようということにしておるのであります。その中値三セント四十五を基準にいたしますと、運賃、国内の諸経費、関税、消費税をかけますと、糖価が七十一円になったのであります。それから、現行の消費税でありますが二十八円を引きますと、関税をかけた日本の輸入糖の価格は四十三円になるのであります。それは資料の2の(一)のところを見ていただきます。現行で七十一円から二十八円を引くと四十三円ということになります。それに対抗するためには日本のテンサイ糖の価格は販売経費を含めまして四十三円以下でなければならないというのであります。しかるに、その資料の三ページ目でごらんのように、昭和二十七年から日額のものを買い上げまして、三十一年までは日甜のものだけでございますが、日甜のコスト、利潤を見ましても四十六円二十五銭でございます。従って、どうしても買わざるを得なかったのであります。今度は、逆にそれを、今の一ページの、糖価七十三円と見まして消費税十二円六十銭を引きますと、六十円四十銭がテンサイ糖が対抗しなければいけない来年度からの関税をかけた輸入糖の価格になるわけであります。そうしますと、日甜のものでございますと四十六円二十五銭に販売経費七円十銭というものを加算しますと五十三円三十五銭ということになります。そうしますと、六十円との開きは非常に大きな開きが出てくるのでありますから、十分自由に売ることができる。それからまた、この法律で「買入をすることができる。」ということになっておりますので、そのままで放置いたしますれば、政府に売り渡せといってもこれは強制する手段がありませんから、おれは売り渡さないで自分で売りたいということになれば売ってこないという条件が関税、消費税の切りかえででるわけでありますから、そういう状態ならば、企業自由の原則からいけば、それを無理に政府に売り渡さなければならないような、食管の米の規定にありますようなそういう強制力を持たした制度には切り変えなくても、テンサイの育成には十分目的が達成できるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○芳賀委員 具体的な問題ですが、この新しい法律ができる前後から、今度の政府のお考えは、口甜の従来の三工場については、これは納付金制度の対象にするわけですね。従って、これは全く買う意思が政府の方にはないわけです。しかし、そういう低コストのたとえば日甜なら日甜が、ぜひ従来通りの方式で買い上げを継続してもらいたいというような要請はしばしば行われたわけですね。私どもの方へもそういう意思表示があったし、政府の方にもういう意思表示が行われておったわけです。安い値段でもいいからぜひ買い上げを続けてもらいたい、これはどういう意味なんですか。
○渡部(伍)政府委員 これは、一方では輸入糖の精製業者——日甜も輸入糖の精製業者でございますが、その仲間から、そんなに安いテンサイ糖、つまり、関税をうんと上げまして、競争力ができれば、それを市場に日甜から出されたのでは日本全体の糖価を乱す、従ってこれは政府が買い上げてくれというのが一方からの意見。それから、生産者側の意見から言いますと、買い上げを主張になった理由は、日甜だけが非常にコストも安く競争力もつけば、ほかの製糖業者が従来集荷しておった地域も荒しにいく、従って、そういうことが現出しないようにしてくれ、これが他のテンサイ糖の製造業者。それからまた、テンサイの生産者側からいきますと、やはり、テンサイ生産者にテンサイの売り渡し価格について不均等になることは困る、こういうふうな主張がありまして、日甜としては、それぞれのメンバーに、精製糖協会あるいは甜菜糖業協会というものに加盟をしておるのでありますから、その協会の議決に従って行動しておった、私どもはこう了解しております。
○芳賀委員 そうすると、日甜の意思というものは、企業の上に立った日甜の意思が買い上げを継続してくれというのじゃなくて、テンサイ業者の仲間の関係とか、それから輸入糖の精製糖をやっておるというような糖業者との関係、そういう周囲の事情のもとに買い上げを継続してもらいたいということを不本意ながら言っておるわけですね。
○渡部(伍)政府委員 それは非常にデリケートな問題で、私どもは、経済の原則に従って、やかましい原価計算で引きずられるので、自由に売れるなら自由に売った方がこれは経済人としての本質である、こういうふうに考えまして、私どもの方でそういうふうに理解しておる、こういうことでございまして、日甜の本意を確めたというわけではございません。経済の常識によって判断しておる、こういうことでございます。
○芳賀委員 そこで法律では、特に必要と認めたときというようなことがありますが、こちらでどうしても買い上げしなければならぬという必要性が今度の関税あるいは砂糖消費税の措置で除去されたとしても、従来の買い上げの算定方式に基く非常にコストの安い製品についても、製造業者の意思でぜひ従来の通り買い上げをしてもらいたいという場合には、絶対お前のやつは買わない、安いのは買わない、高いのしか政府は買わないんだというような態度をあえてとる必要もないと思うんです。従来も、保護政策のもとに、食管特別会計のもとではテンサイ糖の扱いによって相当の赤字を出しておるわけですね。従来も買い上げ対象になる分についてはそういうことで来たと思うのです。従って非常に製造原価の安い製品を買い上げてもらいたいというような希望があって従来の算定方式に基いた買い上げをやった場合においては、これは国自身としても別に不当にその企業を保護するということにもならぬし、食管会計の中においてもむしろ利益が出るというようなことにもなると思うのです。そういう点はもう少し判断を加えて、低コストのものについてもぜひ買い上げてもらいたいというような申し出があったものに対してはどうするか、その態度はきまっておるのですか。
○渡部(伍)政府委員 私の考えでは、四条の法律の建前は、買い上げは制限的になっているわけでございます。特に必要があると認めるときは買い上げをすることができる、こういうことで、買い上げを必要としないものは買い上げなくていい、こういうわけです。御設例の、非常にコストの低い会社が買い上げてでくれということは、私どもの方では、ここに書いてある特に買い上げをする必要があると認めるわけにはいかないのじゃないか。これは、先ほど三つの理由を申し上げましたが、日本の糖価を撹乱するとか、あるいは他のテンサイ糖製造業者を圧迫するとか、そういうことが予想されるのでありますれば、これはやはり必要があるという一つの条件になると思いますけれども、現在のところでは、そういうことを私どもは予想しておりませんから、買い上げなくてもよろしい、特に必要があると認めることはできない、こういう解釈でございます。しかし、これは、そういう想定が変りまして、いろいろな弊害か出るということならば、この法律の条項でも、もし心から低コストのものを買ってくれということになれば、諸般の情勢を見てできないことはないと思うが、当面の問題としてはその必要がない、こういうことであります。
○芳賀委員 この点は、渡部さんだけでなく、石坂さんの意見も聞きたいですが、これは法律の審議上大事な点なんです。非常に生産費の低い工場の製品を政府の今までの方針通りぜひ買い上げてもらいたいという切なる申し出があった場合においても、いや、あんたのところは製品か安過ぎるから政府は絶対買いませんという態度でいかれる考えか。今までは出血をカバ一する意味で保護政策を講じて買い上げを続けてきたわけです。だから、従来通りやってもらいたいという場合には、やはり買い上げをして、そうしてそれを政府が払い下げを行うという措置を講ずれば——高いのだけ買えば食管の赤字はふえるけれども、安いのも買えば、それはやはり利益部分になるわけです。そういうことも併用するようなことでいけば、場合によっては、納付金制度を——特定の工場三工場なら三工場とか、同一会社の中のまた特別な工場だけというようなことはなかなか筋の通らぬ点もあると思う。その辺は政治的な判断できめられた節もあると思いますので、石坂政務次官の御所見を伺っておきます。
○渡部(伍)政府委員 政務次官の前にちょっと申し上げます。今の私の説明がちょっと足りなかったのでありますが第一点は、私どもは、自由に売ってよろしいという条件か整っておるときに、それをわざわざ買ってくれと出し出があるだろうと思うという推定はちょっと下し得ないというのが一点でございます。それから、第二点の、今までは関税込みの輸入糖価格が非常に低かったから食管がテンサイ糖を買い入れて財政負担をしたけれども、今度はそれを関税をうんと上げて競争力ができたから、もし従来のような特別価格で買い上げれば食管は損するどころか相当もうけが出てくるんじゃないかということですが、これは計算上はそうなるのでありまして、そういうふうな制度にするのにはもし売ってくるならば買ったらいいじゃないかということは言えますけれども、法律的に見ますと、そういう売ってくることが予想できないのにそういうことを規定することは立法論としてはおかしいじゃないか、そういう議論でございます。もし何らかの必要で全部政府が管理する必要があるならば、法律の規定で、先ほど申し上げましたように、売り渡しすべしという規定にしなければつじつまが合わないじゃないか、こういうことで、この点も、われわれが今度の日甜の制度を考える上で、中でもずいぶん議論した点でございます。
○石坂政府委員 いろいろこの点について政治的配慮の結果きめられたことではないかというような御指摘がございましたが、結局現在の法案に落ちつきました経過並びに結果につきましては、ただいま長官から申し上げた通りであります。何分、非常に安いものを他に自由に売れるのに買ってくれというような申し出も、ちょっと今のところわれわれからは予測ができないような感じがいたすのであります。結局長官から申し上げましたような経過を経てこの結論に到達いたした次第であります。
○芳賀委員 それでは、そういう申し出があった場合にも絶対買わないということですね。
○渡部(伍)政府委員 これは、現在の諸般の条件のもとでは買う必要がない、情勢が変れば、この法律の必要性を認定いたしまして対策をきめればいい、現在の諸条件のもとでは買わない、こういうふうに御了承願います。
○芳賀委員 ですから、申し出があれば断わるという意味ですね。
○渡部(伍)政府委員 現在の諸情勢のもとにおいては断わります。
○芳賀委員 そこで、そういうふうに安いものは買わないということで、いきなり一方においては低コストの工場に対しては納付金という形で超過利得の吸収を行うということになるわけですが、その辺の論理的な矛盾というものはどういうふうに考えておりますか。
○渡部(伍)政府委員 ただいま断わると申し上げましたのは、断わらなければならない理由が一つあるわけなんです。というのは、一体いかなる価格で買い上上げるかということなんであります。それを、従来の方式で個別価格の算定方式でよろしいという場合でも断わるのか、こういうお話でありますが、それも断わった方かいい、こういうのであります。というのは、御承知のように、個別価格の決定というものにつきましては、いろいろな陳情があるわけでございます。それを、神様でないのですから、正確に判断することば非常にむずかしいのであります。従って、個別価格を計算した結果は、私どもの方では正しいと思っても、これは、Aの会社がBの個別価格を見て、Cの会社はきつい、こういう批判が出るのでございまして、個別価格という制度では、私どもの方では、できるだけ最小限度にきめた方が情勢としてよろしい、こういうので、今の操業上のいろいろなトラブルを理由にして、目のつく限りにおいての個別価格と、あとは標準価格、こういう考え方にしているのであります。従って、安い価格で売り渡しを申し込んでもなぜ買わないかといっても、そのときにはやはり、厳密な原価計算をして、これがほかの会社に比べて不当の利潤を与えておるのではない、こういう証明をしなければならないから、あえて安い価格で申し込んでも買わないと申し上げておるのであります。 さらに、しからば、そういうものを買わないでおいてなぜ納付金をとるか、こういうのでありますが、これは、先ほどの資料に基いて御理解がいただけますように、関税込みの糖価六十円四十銭に比べまして、日甜の場合、三十二年のコストに七円の販売経費を見ましても五十三円でありますから、七、八円のまだ開きがあるわけでございます。その開きが出たゆえんは関税と消費税を振りかえる制度の交換による反射的利益でありまして、この利益が、先ほどからいろいろ問題を御説明しましたが、あるいは不当の競争力の根源になって、その利益の範囲内において一般糖価をくずす、あるいは他のテンサイ糖製造業者に対して撹乱的要素を包含するとかの点、その出てきた利益というものが純粋に企業の努力だけでなしに制度の切りかえによるものであるということ、さらにはまた、日本甜菜糖については、昭和二十七年以来買い上げによって、これも制度の一つの立て方に原因することでありますが、それにつきましても七、八億の財政負担をしておる、こういうような観点から言って、これをそのまま放置することは経済の上から言ってもおもしろくない、こういうことで、法律の規定に基きまして、五カ年間単位当り一定の金額をもって、この法律では一キログラム当り六円という低額でその生産力に応じて納付してもらう、こういうようにいたしたのであります。従って、この納付金の性質は、法制局の見解によりますと、租税的な特別納付金、こういうふうな解釈をいただいておるのでございます。
○芳賀委員 その場合、従来の従量買い上げから従価の方向に移行していくわけなんですが、問題になるのは、買い上げのない一部テンサイ糖生産者に対する原料価格の支持、この制度か弱まるのではないかという不安がだいぶ出てきておるわけです。テンサイ振興法の第五条には、生産者に対する価格関係の事項がありまして、最低生産者価格を国がきめて、毎年の四月下旬までに公示しなければならぬということになっておりますが、この最低生産者価格の規定は、あくまでも政府が買い上けるテンサイ糖に対する一つの条件になっているわけです。政府がテンサイ糖を買い上げする場合においては、その原料価格を政府が支持した最低生産者価格以下で買った場合には買い上げ対象にしないという規定なんですが、結局だんだんと製品が今度は買い上げ対象にならないということになると、それらのものについては最低生産者価格というものの根拠が非常に薄れてくるわけです。この点は今後どういうふうに処理されて、従来よりも強力な生産者に対する価格支持の施策を進めていく考えなのか。
○渡部(伍)政府委員 この点は、私どもの方では、従来は、個別価格で買い上げておったのでありますから、一応どのテンサイ糖製造業者もテンサイの生産者に払う支払いのできる限度は同等、平等の条件こういうふうに考えておるのであります。すなわち、コスト計算して積み上げて、個別価格を積み上げて買い上げておったのでありますから、原料は昨年で言いますれば三千百五十円、こういうもので一律にきめていく。今度一部買い上げなくていいということになりますと、買い上げなくていいというテンサイ糖の製造業者は個別価格あるいは標準価格で買い上げるテンサイ糖の製造業者が支払うことができるその会社の財源よりも、自由に売れる会社の原料に支払われる財源の方が大きいわけでございますから、よけい生産者に払う可能性があっても、それを少く払うということは、これはことに農民団体等の力の強い現在でございますから、よけい払う財源があるならば少しでもふくらますという運動が起ることは当然でございますが、その払う可能性があるときでもそれを押えることかできいないだらう、こういうことで、非常にコストの安いテンサイ糖業者からたとい希望があっても買い上げをやらなくても、生産著に対する圧迫はないものと考えております。
○芳賀委員 買い上げ対象になる工場に対しては、従来の最低生産者価格で原料を買い上げしなければ政府は製品を買い上げしないということは明確なんです。低コストの買い上げ対象にならぬ工場は、必ずしもこの価格に拘束されないわけですね。もちろん利潤がふえるのだから、これ以下に買うことはないでしょう。以上に買う余力というものは必ず出てくる日甜の三工場から一キロ六円の納付金を吸収したとしても、これは、従来の価格算定によって、たとえば昨年の四十六円で買い上げする場合よりも幾分ゆとりはあることになるのですね。ですから、良心的な企業者の場合においては、そういう余力をもって生産者の労苦に報いるために、買い上げ値段が若干最低生産者価格よりも上回るということはあり得るのですね。それに対しては政府としては別に規制を加える考えはないのでしょう。
○渡部(伍)政府委員 しかし、これか不当に高くなっては、他のテンサイ糖製造業者の原料集荷に支障を及ぼすことになりますから、そういうことがあっては困るのであります。そこで、私の方では、先ほど御説明いたしましたように、一方では、他のテンサイ糖業者に対する影響あるいは一般の糖価の値下りに対する影響、それから今のようなそういう問題が起らないように、納付金を巻き上げまして、一般の会社よりは多少は利潤がいいけれども非常に不当の競争力ができるというところまでの利潤を残さないように、納付金で調整しよう、こういうことでございます。理窟から言いますと、他の会社よりも利潤の可能性がよけいあるという限度においては競争力が強い、こういうことであります。
○芳賀委員 ですから、高く買っても、政府は苦情を言ったりこれを規制するというようなことをするかしないかということを言っているのです。
○渡部(伍)政府委員 やっぱり、行政指導としては、他に迷惑を及ぼさないようにせよという指導はしなければならぬと思います。
○芳賀委員 これはおかしいじゃないですか。会社が工場を建てる場合に、これを承認制にしたらいいじゃ、ないかということに対しては、これは自由化の原則から言ってうまくないと言う。それから、安い製品を買い上げてくれという場合においては、買い上げを断わると言う。ですから、業者に対しては利潤追求をほしいままにさせるような態度で臨み、利益部分の中から、企業努力等の中から生産者に対して政府が示す最低価格以上の原料代金を支払うことは不当であるとか、他に迷惑をかけるとか言うのは、これは国民に迷惑をかけるというのか、農民に迷惑をかけるというのか、業者に迷惑をかけるというのか、これはだれに迷惑をかけるのですか。
○渡部(伍)政府委員 この法律はあくまでも最低価格を維持しているわけですから、告示しましても、個別価格で買っている会社でもそれ以上に払う余裕があれば払っても悪いことはないわけであります。しかし、それには限度があるということを申し上げておるのでありまして、たとえば隣の工場の集荷地域から原料を高い価格で買ってやるとか、そういうふうなことで買うことについて私どもでは行政指導をしなければならない、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 もちろん、その工場の地域外から原料を集めるとかなんとかいう、いわゆる過当競争的な行為は避けなければいかぬか、一斤三円六十銭というのはハンデでしょう。結局、三工場から納付金をとるというのは、それだけのバンディキャップをつけても、たとえば競馬のレースの場合にハンデがついた馬でもやはり勝馬になることはあるのですから、そういうハンデをつけてなお企業努力の中から一定の利潤部分がまだあるという場合に、原料価格とかいろいろな生産者に対する助成の意味でそれを生産者にも配分するという行為は、これは推奨してもいいが、けしからぬということにはならぬと思うのです。ですから、その点だけを明らかにしてもらえば、これは解決つく問題です。
○渡部(伍)政府委員 ですから、私はけしからぬとは言ってないのでありまして、他に迷惑を及ぼさない限度においては、これはやはり、原料を売る人と、砂糖を精製するために原料を買う人との取引ですから、その取引にまかしたらいいではないか、こういうことであります。
○芳賀委員 次に、生産者価格に対する具体的な考え方ですね。従来三カ年くらいは千斤三千五百円の線でずっときたのですが、今度は関税、消費税等の関係においてテンサイ糖が市場に対してもある程度有利な条件で処理できるというようなことになったわけですから、この税制上の改正というものは単にテンサイ業者だけを保護するためのものではないと思うのですね。今後のテンサイ振興あるいは畑地振興というようなことも政府はうたっておるから、これらの有利な条件というものは生産者に対しても何らかの形で還元されなければならぬわけですね。あるいはまた、もう一方においては、このことによって消費者に対しても従来よりも安い砂糖が提供されるような配慮も必要なわけなんですが、この際、たとえば今年の四月末までに公示されるところの最低生産者価格というものについては、この制度上の変化も加味してどういうような目途で決定されるか。
○渡部(伍)政府委員 テンサイの生産のコストは、優良種子とかあるいは栽培技術の向上等によって下っていくべきであると思うのであります。私の方では、当分の間千斤当り三千百五十円というものを変えたくない、こういうふうに思っております。 それから、今の関税、消費税の振りかえの利益を生産者なり消費者にも還えしたらいいではないか、こういうことでございますが、第一段としましては、企業の自主的な意欲を高揚するという条件を厳守する、それから、第二段としては、それによって生産がふえますと、私の方で甘味総合対策で掲げておりますように、十年後に半分が国産自給ということになりますれば、現在約八百億の税金が関税、消費税で砂糖について消費者にかけられておりますが、その点は、かりに十年後百五十二万トンで七十五万トンの国産糖ができるということになりますと、税の額は五百五、六十億になるわけであります。そこで、二百億余りの税負担が消費者の方に振りかえ軽減されるという格好になるわけです。それだけ、逆に言うと、生産者にその差額分が生産増強と売り上げ高の増加というこことで還元することになるのであります。さらに、直接の生産者に対する当面の処置といたしましては、納付金を政府に納付してもらう、それに見合って、その全額を特別に振興会の出資金または補助金という形でテンサイの生産振興のために使っていこう、こういうことが効果としてあげられる。また、もっと直接の関係としては、従来の食糧管理特別会会計の中のテンサイ糖の買い上げによる財政負担が、将来はほとんどなくなることになるのであります。そういったいろいろな効果が出てくるのであります。この効果で私ども満足していいというわけにはいかないので、一応制度の切りかえをいたしまして、さらに国内の甘味資源の自給力の増加に必要な施策については次々考えていくようにした方がいいのじゃないか、こう考えております。
○芳賀委員 次に、生産者に対するいろいろな助成措置が今までとられてきたんですが、今後これに対してはどういう態度で臨まれるか。たとえば、直接生産者に対しましてはテンサイの種子に対する補助金、それから早期奨励金、これは原料を早期出荷してもらうためにトン当りの奨励金を期日を区切って決定しておるわけです。あるいは運搬の補助、工場まで、あるいは駅までの搬出距離が非常に遠いところは、これを調整するために運搬補助というものを出しておったのですつが、さらにまた貯蔵に対する手当、これらのものがすべて政府から補助金の形で出資されておるわけです。総額は、これは工場がふえ、あるいはテンサイの作付反別がふえることによってだんだん膨張していくことは当然なんですが、この単位に対する、たとえば千斤に対しての補助額というものは大体基準があるわけなんだか、こういう直接生産者に対する補助の支出等は従来通り農林省の方から支出していくのか、あるいはまた政府が予定しておるてん菜振興会等がこの面も担当して生産者に対する助成措置を講ずるものであるか、この点。もう一つの点は、会社側か生産者に対して行なっておった補助的な措置、買い上げ対象になる工場と、今度は対象にならない工場というふうなことになるのですが、そのいずれの場合においても、従来会社が行なっておった耕作資金の利子補給の問題、あるいは薬剤の助成の問題であるとか、原料受け渡しの場合の立会人の日当の問題であるとか、またビート代金の前払いの問題であるとか、そういう点。さらにまた、ビートの採種事業等に対して、も採種圃の設置委託補助等が国の予算から支出されております。そういう一連の保護、補助あるいは助成の措置が政府直接あるいは会社側から行われておったのでありますが、これらの点について、今後この程度で継続していくか、もう少し積極的にやる考えであるか、いかがですか。
○渡部(伍)政府委員 これは、買い入れをいたしますものにつきましては、現在やっておる会社からの生産者補助はその通り継続させまして、それを条件にしてテンサイ糖を買い上げる、それを認めなければそれだけ縮む、こういうことでやろうと思っております。それから、政府がいろいろ補助しておる分がございます。これは、たとえば畑作改善の一環として土層改良用のトラクター導入の問題、あるいはまた採種圃の補助というような問題等、いろいろな形態のものがございますが、この中で、国が続けてやった方がいいもの——なぜかと申しますと、テンサイだけでなしに一般の畑作改善の共通の施策がございます。そういうものはやはり国が継続してやっていったらいいだろう、そうでなしに純粋にテンサイの生産奨励に関係する部分は順次振興会の事業として切りかえてやった方が効果が上るのではないか、現在ではそういうふうに考えております。
○松浦委員長 関連質問として、保岡武久君。
○保岡委員 私は、二月十八日に、日本の南西諸島方面で生産されますカンシャ糖、特に黒糖の問題について質問をいたしたわけであったのでありますが、本日、北海道等のテンサイ糖の振興について、特に日本てん菜振興会法案が審議されておりますので、これに関連いたしまして、二、三御質問申し上げたいと存ずる次第であります。北海道のテンサイ糖が国内砂糖甘味資源の非常に大事なものであることは、もう申し上げるまでもないことでありまするし、昭和二十八年一月にてん菜生産振興臨時措置法という法律ができまして、相当厚く保護せられて今日に至っておるし、さらにまた、今国会におきまして、砂糖消費税法の改正により、関税と消費税とが振りかわるというようなことによって、その自立をさらに促進される、なおまた、日本てん菜振興会等が今度新しく発足されまして、今後ますますその発展のために寄与せられるということになりましたことは、非常に機宜に適した問題でありまして、私ども大へんに喜んでおる次第でございます。ところが、一方、同じ国内の砂糖甘味資源のうち、サトウキビを原料にすを砂糖、すなわちカンシャ糖につきましては、従来かような保護育成ということが行われていないという感じがするわけです。もちろん多少のことはこれまでもいろいろと手が打たれたと思いますけれども、こういうような画期的な国の法律制度等によって十分な保護が講じられたということをあまり聞かないのであります。ただ、終戦後八年間、南西諸島、特に奄美群島はアメリカに占領せられておりまして、復帰したのが昭和二十八年の十二月でございますが、復帰後、政府といたされましても、奄美群島復帰特別措置法に基いて、八年間の荒廃あるいは長い間の島嶼としての後進性というものを復興しようということで、相当な国費を投じて努力して今日きておられるのでありますが、その復興計画の中において黒糖なるもの生産の増強等についてある程度の配慮をしておるということは申し上げることができると思うのであります。そこで、このたび政府におかれましては、特に農林省におかれましては、国内砂糖甘味資源というものをできるだけ自給自足する、将来十年後には百五十二万トンを大体国民の甘味資源需要というふうに想定されまして、そのうち、七十七万トン程度に輸入を押えて、七十五万トン程度は国内で自給する、そのうちの四十万トンはテンサイ糖で充てる、あとの二十万トンをカンシャ糖に依存する、最後の十五万トンを結晶ブドー糖に依存する、こういう大きな方針を樹立せられましたことは、私ども、産業振興の上からいいましても、また輸入防遏の上からいいましても、政府の一大英断でありまして、まことに画期的な御方針だと思うのでございます。従って、今後政府といたされましてもこの計画の達成のためにあらゆる努力を払っていかるべきであると思うのでございますか、今回提案されておりますところの砂糖消費税の改廃の問題、あるいはまた、今申しましたように、日本てんさい振興会を設置されるというような問題等につきましては、その計画を達成されるために必要な措置としておやりになったことであろうし、今後その成果も非常に大きく上る、かように思うのでございますが、そういうような考え方で、南西諸島方面、奄美群島方面の、あるいは沖縄群島方面のカンシャ糖の振興ということについては、私、政府として十分な御計画をまだ立ててないんじゃないか、立ててないばかりじゃなしに、十分実情を把握しておられるかどうかということについても疑問を持たざるを得ないわけであります。 そこで、私がお伺いいたしたいことは、北海道のテンサイ糖あるいは今後日本全体に暖地ビートあるいは寒地ビートを奨励しようということでそれぞれ大きな計画を立てておられるわけでございますが、それと同じような意味におきまして、将来カンシャ糖において二十万トンを想定しておるわけです。その想定のうち十四万トンを沖縄諸島に求める、六万トンを奄美大島、秘子島なりの鹿児島県下の島嶼に依存していくということでありますか、これだけの大きな計画を遂行する。これは、一面から申すならば、それぞれの島々の住民の農業を非常に大きく振興させることにもなりまして、その面からも非常に喜ぶべきでありますが、一面また日本の砂糖資源の拡充強化ということにも非常に寄与することであります。それについての今後の増産計画と、そういう諸般の計画をいかようにお立てになるかということについて、一応承わっておきたいと思います。
○石坂政府委員 カンシャ糖のこの後の国内甘味資源確保の中で持つ比重は非常に大きいことは御指摘の通りであります。そうして、この後の計画といたしまして、沖縄十四万トン、西南暖地六万トン、合計二十万トンのカンシャ糖を獲得する計画も、御指摘の通りであります。しかるに、従来のサトウキビの生産に対する政府の施策が十分でなかったじゃないか、こういう御指摘でございますが、なるほど、西南暖地、ことに鹿児島は、三十二年度において、全国のサトウキビ栽培面積六万四千二十六町のうち、鹿児島県は六千四百五十三町歩であります。三十三年度で、全国六万五千四十四町のうち、鹿児島県は五千六百七町歩であります。こういうふうに非常に耕作面積が広くなっておりまするが、これに対しまして、従来政府は種子島に国立の試験地を設けまして、ここで試験研究をやっておりましたことも、保岡委員御承知の通りであります。そこで、この試験地におきまして、新たにわせの品種CPができまして、ようやくこれが普及段階に入っておりますが、今後は、この島だけでなく、大隅半島、薩摩半島にも導入されようといたしております現在であります。九州西南暖地の畑作試験地を設けるように、昭和三十四年度は農林省としても計画をいたしておりますが、この後これらの試験研究を進めまして、西南暖地はもとより、本土におきましてのカンシャの生産について、この試験地を中心にいたしまして十分に研究をして普及に当って参る考えであります。
○芳賀委員 次に、振興会法の問題でありますが、新たに振興会を設置して、しかも国が全額出資してこの事業 をやるのですが、われわれの判断では、国が全額出資するということは国の支出でこの事業を行うことになるので、むしろ国が積極的な大規模なビートの試験研究と種子の採取事業等をやることもできるじゃないかというふうにも考えるのですが、振興会でなければできないのだという理由があれば——国営ではできない、振興会でなければやれないのだというような何か理由があると思うのです。その点を、これは石坂さんから……。 〔委員長退席、本名委員長代理着席〕
○石坂政府委員 絶対に国立ではやれない、従って裏を返せば絶対に新たな振興会を作ってでなければだめだ、こういう議論は、私ども基礎にいたしておらないのであります。一体、この後の北海道のみならず西南暖地まで含めてのビートの生産、この後のビート生産の発展、テンサイ糖の振興、テンサイ生産農家の経営安定等にどちらが有利であろうかという比較の問題から、新たに振興会を作るという結論に到達したことだと思っております。すなわち、国でやるということになると、国の試験研究ということは、ビートという一つの品種だけを取り上げてそこでやるということも必ずしも適当でないのであります。この当面の問題は、ただ単一の種類であるビートの品種の改良その他の試験研究をどうするかという問題。従いまして、その一つに集中いたしますためには、特定のこの振興会のようなものを設けまして、そこにその道のエキスパートを集中して専念に試験研究に邁進してもらうということが最も適当な方法であろう、かように考えるのであります。ただし、その際、国及び都道府県、ことに北海道のビートの関係でありますが、国の試験研究機関あるいはそのスタッフ、並びに北海道の試験研究機関あるいはそのスタッフの方々には、こちらからも十分に協力を願いますが、ぜひともそれらの方々の御協力によりまして一そう試験研究の実をあげて参りたい、こういう考え方で、今回日本てん菜振興会法案というものを提案して御審議を願っておるような次第であります。
○芳賀委員 それでは、現在の政府の農政上の試験研究機関に対する貧困な態度というものから、結局国営ではやれないんだ、こういうものを作らなければいかぬということになるんですね。
○石坂政府委員 私のお答えが、言葉が足らず、かつ適切でなかったために、さような御質問が出たかと思いますが、私は、現在の国立の各農事試験場が完全無欠、その試験研究の費用等がこれで十分だとは必ずしも考えておりません。なお今後充実改善せなければならない面があろうかと思います。しかし、今日まで参ります段階において、その当面の条件のもとに鋭意努力いたしまして、それぞれ相当の成績をあげて参りましたことも、これは顕著な事実として認めなければならないと思います。ただ、問題は、テンサイの品種だけに対して一切の研究をやれという場合に、いろいろの農作物を研究の対象としておる従来の試験場が適当であるか、あるいはまた別にこういうものを設けることがより一そう適当であるかということになりますと、先ほどから申しております通りであります。そこで、この試験研究場におきましても、テンサイに関する試験研究の技術者がそうたくさんいないのでありまして、それらの人たちにも十分に働いていただきますが、この限られた従来の国立試験研究場がテンサイに関する研究技術者に公務員の給料を支給いたしますことに対しましては、その待遇上の制約もございますので、かような会を設けたわけであります。なお、そのほかに、もし必要があれば現地の栽培農家や製糖業者の意見も聞き、外国の技術者を招聘いたしまして、その技術研究等も取り入れ、一段とこのテンサイに関する試験研究の実をあげたい、こういう趣旨から、別に新たにこういう会を設置することにいたしたのであります。
○芳賀委員 ですから、農政の貧困の結果でしょう。たとえば、農林省の試験場の場合は給料が安過ぎるから優秀な技術者が入ってこない。費用の点についても、振興局等にはビート専門の一大試験を行うような予算は全然ついていない。そこに欠陥があるではないか。その問題が解消され、技術者を尊重優遇する、あるいは水稲に偏重した試験研究の因襲とか弊風を打破して、やはり畑作振興の面についても積極的に試験研究、採種事業をやることが国の政策の中できまれば、国営としてどんどんやれると思うのです。貧弱な政府の今の農政上の殻の中ではこれはやれないから、それで、異例の措置ではあるが振興会というものを設けてやらざるを得ない、そういうことを告白しているようなものではないですか、振興会を作るということは。
○石坂政府委員 ことさら私の答弁の中から従来の農林省の試験研究の貧弱を告白しているではないかというところまで引ずり出して断定をされておりますことは、農林省といたしましていささか受け取りかねるのであります。先ほどから繰り返して申し上げております通りに、農林省といたしましては、その時期々々に与えられた条件のもとに最大限度の努力をして相当の成績をあげておりますことは顕著な事実だと私は思っております。ただ、ビートに関する研究は、それだけを専門にやっておった方が従来の国立試験場ではそう多くないのであります。従って、今後国立試験場における研究の結果を待っておるか、あるいはそれを待たずに、今日の畑作振興の点から申しましても、国内甘味資源の確保の点から申しましても、ビートの生産は大きく力を入れなければならぬので、この際国立でなしに新たにこういう特殊法人を設けて研究を進めていこうというのでありまして、この点十分に御了解を願いたいと思います。 試験研究の施設、スタッフあるいはその経費の大小過不足の問題につきましては、いろいろ規格、スタンダードの置き方で議論が出てくるだろうと思います。アメリカと日本と比べるならばこれは大へんな相違があるというような御議論も出てくるだろうと思います。十分ではない、乏しいという批判を受ける間にあって、国立の試験場が最善の努力をいたして参っておる、私はかように信じております。
○芳賀委員 苦衷のほどはわかるのですけれども、結果的には国が全額振興会に出資するのです。納付金が一つの財源にはなるのですけれども、納付金にしても、一応国庫の収入になって、振興会との直接の結びつきは表面には出ていないわけです。ですから毎年三億五千万円ずつの均等とすれば五カ年間で十七億五千万、これだけの支出を行なって積極的にビートの試験研究をやる。今の機構の中でこれができないということはおよそ想像がつく。ですから、そういう苦心のほどはわかるが、本筋としてはビートだってやはり畑作の一環ですから、そうなのですよ。あなたはビートだけをほかのものと切り離してやれぬと言うが、これはやれるのですよ。水稲だって独立の試験場でやっておるし、これはやはり独立した専門の試験研究が進まぬと、畑作試験場の片すみでビートの試験もやっているということでは成績かあがらぬですね。それはわかるわけですが、それでは、将来五カ年とか十カ年後に相当の成績があがったという暁には、やはり本筋に戻して、これは国営試験場の一環としてやるということになってもいいと思うのですが、いかがですか。
○渡部(伍)政府委員 ただいまの問題は、芳賀先生のおっしゃるのも一理あると思いますが、私どもの方の立場としては、政務次官が申し上げた通りであります。ただ、ちょっと補足させていただきたいのは、ビートは明治の初年に日本に入ってきましたけれども、その後の日本における発展というものは御承知の通りでございます。それが、最近における土壌、肥料学の発達とか、あるいは育種の発達とかから、日本に適合するようないろいろな発展を見ておるのでございます。それをさらに一そう急ピッチで日本の中に取り入れていくためには、先ほど政務次官がちょっと申しましたように、現在の公務員制度では、やはり給与の点あるいは定員の点において、理屈は、お話しのように、予算をとって定員を増して特別の給与制度を作ってやったらいいじゃないか、こういうことになるのでございますが、それは実際はなかなかむずかしい問題で、それを待つよりも、現在ある試験場の技術者、これは国立試験場あるいは都道府県の試験場、さらにはまたテンサイ糖製造関係の技術者、あるいは外国の技術著等も一挙に動員して、急速に試験研究体制を整備した方がいいじゃないか。これは、御指摘の通り、正統派的な議論から言えば、当然国の機構を確立して、御指摘のように、五カ年間に十六億の金が入るならばそれをそっくりビートに集中して使ったらいいじゃないか、こういうことが言えるのであります。そういう議論が現にわれわれの中にあったのでありますが、私が申し上げましたように、やはり純粋の理屈だけで急速に解決できないものでありますから、そういうものを打破して、この盛り上っておるビートの意欲をさらに高めるのには振興会方式がいいのじゃないかということで踏み切ったのであります。 しからば、これが一定の段階に到達した場合には、これを国の試験研究体制の中に吸収したらいいじゃないか、こういう御意見でございますか、私どもの方も、当然そういう問題は、国の試験研究体制の統一性という問題から、これも討議しております。少し先のことになりますから、ここでははっきりいつからやるというようなことは申し上げかねますが、われわれもそういう方向に持っていきたいと思っております。
○芳賀委員 本会議の時間が迫っておるので、あと二、三点ほどお尋ねしますが、第一の点は、振興会の行う業務、これは二十三条の一から七まで掲げてありますが、その中の一番大事なのは、やはりテンサイの原原種並びに原種の生産、配布の問題、さらにまた、委託を受けて前号の生産にかかる原種によるテンサイの種子の生産及び配布、こういう点か出ていますか、これは、すべてのテンサイの原原種及び原種の生産及び配布、あるいは委託を受けた分についても生産、配布を行うというような思想であるとすれば、これは国全体のテンサイの種子関係のものはこの振興会が掌握するというふうにとられるのですが、そういうことですか。
○渡部(伍)政府委員 原原種、原種の生産、配布は振興会が一元的にやることになっております。現実に農家がテンサイを収穫するために使う種子、その生産、配布は、いずれかのテンサイ製造業者からの委託があった場合にのみやり得る、いわばそういう能力を振興会に与えるという意味で、進んで農家が植えつけに使う種子の生産、配布はやらない、こういうことでございます。原原種、原種は統一的にこの振興会でやる、こういうことでございます。
○芳賀委員 第四では、製糖関係の試験研究は製糖業者に委託して試験研究をやるということになるのですね。ですから、これから考えると、たとえば原種の採種等については、これは場合によっては、従来の歴史的の経過もありますので、振興会が委託して原種の採種事業も行うことができるというような、もう少し幅のある運営というものがどうしても必要ではないかと思うのです。たとえば、最近北海道等においてはこのテンサイの種子公社等の構想もあるということは、長官も御承知の通りと思いますが、そういう現地における種子の採取等は、特に種子の場合、振興会に委託して行う場合は、おそらくその会社等から委託されるという場合もあると思うのです。同じ種子の試験研究をやる場合も、たとい生産数量か落ちても含糖率さえ高ければいいというような考え方で試験研究を進める場合と、やはり生産者の立場を十分考えて、収量の面においても含糖率の面においてもびっこにならぬような形で、そういう優良品種の試験研究を行うというような一つの出発点が違う場合が生じてくると思う。ですから、地方において採種事業とかその研究をやるような意欲が盛り上っておる場合においては、やはりそれらの機構と接着して、場合によっては委託をして仕事をやってもらうこともできるというふうにされたらいかがかと思うわけです。その点はどうですか。
○渡部(伍)政府委員 ちょっと説明が不十分でしたが、原原種、原種の生産、配布の関係は、原原種、原種は研究所で全部やります。それから、原種の関係は、お説のようにほかに委託してやることを考えております。それから、種子の関係は、現在はテンサイ糖の製造業者が採種事業をやっておりますから、そのものがやりたいと言えば、そのものをいかぬと言うわけにもいかぬだろうと思います。しかし、これは北海道庁でも目下研究しておりまして、採種適地の問題ですね、採種時期に雨が少く乾燥しておるとか、いろいろな条件がございますから、現在までのところだと七工場分ぐらいは採種地にそう困っていないようでございますが、これが十年計画で、先ほど御説明がありましたように八万町歩近くの栽培面積になりますと、果して現在の地域だけで採種か可能であるかどうかという問題が、この間北海道庁と打ち合せをしたときにもまだはっきり出ておりません。従いまして、そういう場合には、あるいはこのテンサイ糖製造会社が共同で採種事業を行う機関を作って、そこで共同的に事業をやった方がいい、こういう結論が出るかもしれませんが、この問題はしばらく研究課題として、早急に将来のテンサイの作付の発展とにらみ合して結論を出さなければならない、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 次に、業務の中で私たちが考えて必要でないかと思うのは、単に種子の試験研究ということだけでなくて、たとえば一歩進めて土壌改良というような事業も、やはり振興会として積極的な事業をやる場合には考える必要があると思う。たとえば心土耕とか混層耕等の機械力によるところの土層改良、こういうことをやはり何かの機構で強力に進めるということになれば、相当テンサイの栽培可能地は拡大していくこともできるんじゃないかと思いますし、また単位生産を高めることも必至だと思うのですが、こういう点に対する構想というのは全然ないわけですか。
○渡部(伍)政府委員 その点は非常に重要な点でございますが、この本来の業務は第二十二条の一項に規定しておることでございます。従って、原原種、原種の生産なり、単位面積当りの今の収量あるいは糖度を加味した最高のもの、それと農家に最も経済的になるような品種を育成する、こういうねらい、病虫害の研究、こういうような点があくまでも中心になってきますが、今の土壌改良とか、それから、もっと根本的には土地改良ですね、重粘土地帯の改良とか、あるいは湿田地帯の排水事業とか、そういう土地改良、これは今までの土地改良事業でやってもらう。土壌改良等は試作地を委託をいたしまして、それを通じて結果を出していく、こういうようなことは、二十三条の一項の七号、「前号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するために必要な業務」、この中でやっていこう、こういうふうにもくろんでおります。そのために毎年二千万円の生産奨励事業費が組んでございますが、それによって、これは研究所の圃場だけではできない仕事でございますから、都道府県の試験場なりあるいは農家にそういう仕事を委託してやったらいいんじゃないか、こういうふうに考えます。
○芳賀委員 今申したような土地改良的な事業等を、特に土壌改良等はやはり機械力によらなければできませんから、こういう点も長期計画に沿った事業としてやっていく必要があると思うのです。それが必要であるとすれば、これは「その他」なんということでなく、やはり明確に業務の内容を明らかにうたった方がいいんじゃないかと思います。特に、この法律によると、五カ年間に財源が限られておるわけです。そうなると、十カ年計画の増産計画の達成、また十カ年計画でそれでいいというわけでなく、将来持続的に国内の糖業振興というものを高めて国内の自給度を高めるということが眼目であると思うのですが、長期的な持続的なこれらの事業の運営というものは予想していないのですか。
○渡部(伍)政府委員 てん菜振興会はテンサイの試験研究を主としておるものでありまして、テンサイ栽培の奨励施設、すなわち北海道開発庁でやっておる土地改良事業とかあるいは現に改良普及事業でやっております土壌改良事業、こういう事業費をこの振興会で出す、こういうことは考えておりません。それにはもっともっと大きい金が必要でございますから、それは、従来の施設をこの振興会で研究した効果に合わして、別途国から必要な国費なり補助金を計上してやっていって、先ほど申し上げております市町村別のテンサイ作付可能面積を造成していく、こういう考えでございます。
○芳賀委員 それじゃ次に人事の問題についてお尋ねしますが、役員の方では理事長一名と理事二名以内、この理事の構成といいますのは大体どういうふうな選考基準を設けて考えておられるかという点と、運営審議会は、これは十名の委員よりなる審議会を設置するということになっておりますが、この運営審議会の役割も軽視できないわけです。この二点について政府の構想を聞かしてもらいたい。
○渡部(伍)政府委員 役員は、理事長一人、理事二人以内、監事一人、これが常勤でおりまして、非常勤の理事三人、こういうことになっております。そのほかに、十人以内で組織する運営審議会というものを置くことになっております。これは、テンサイの振興事業に関して学識経験ある者から常勤の理事長、理事は選任したい、こういうふうに考えておるのであります。これは研究事務を管理する責任者でございますから、そういう能力のある人を選定いたしたいというように考えております。それから、運営審議会の方は、これは振興会の事業を円滑に行うために各方面の学識経験者——これは諮問機関でございますから、常時詰めておるというのじゃなしに、理事、理事長よりも広い範囲で、土壌改良あるいは作物の専門家なり、ビートそれ自身でなくビートの生産に貢献できる知識を与え得る学識経験者、こういう広い範囲から選任して組織するようにしたいと思っております。
○芳賀委員 もう時間がないですから、きょうはこの程度にしておきます。
○本名委員長代理 次会は来たる十日火曜日午前十時半より開会いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十一分散会