農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/04
会議録
○松浦委員長 これより会議を開きます。 参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。土地区画整理に伴う農地買収問題について参考人の意見を聴取するため、本日午後の委員会に日本住宅公団総裁加納久朗君、金ヶ作地区市街地造成計画反対期成同盟檜枝栄君に参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○松浦委員長 次に、海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案、農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案及び畑地農業改良促進法の一部を改良する法律案の三案を一括議題として審査を進めます。 昨日に引き続き質疑を行います。足鹿覺君。
○足鹿委員 きのうの続きを若干お尋ねしたいと思いますが、昨日いただいた資料についてまず若干お尋ねをいたします。 地域別に事業進捗状況の資料についてですが、積寒、急傾斜、湿田、砂地、畑地と五つの特殊立法の事業進捗度の資料をいただいたわけでありますが、これによりますと、第一次長期計画に対して二十四年度の新年度までの進捗度は、積寒が四四%、急傾斜が二七%、湿田が三五%、砂地が二〇%、畑地が二八%と大体なっております。砂地、畑地、急傾斜は著しく見劣りがしておるのであります。わずかに積寒地帯が一頭地を抜いて四四%という成積を上げているにすぎません。この達成率の低い原因はどこにあるのか。どういう事情によってこのような事態を――しかも三十四年度の新年度まで含めてこういう事態に停滞しておるというその責任は私は大きいと思います。昨日も次官にお尋ねをいたしましたが、議員立法なるがゆえにこういう事態を来たしておるのか。どこに一体その原因がありますか。特にこれには新農山漁村振興対策関係をも含めておるやに承知いたしますが、そういたしますと、ますますもってこの特殊立法の効果というものが上っておらない、非常に不十分、不徹底だと言われてもいたし方ないと思うのでありますが、これに対してまずお尋ねしたい。 それから、第一次長期計画なるものが示されておるが、第二次長期計画というものは立てるつもりなのか、あるのかないのか、あるとすればどういう構想のものがあるのか、その点を伺いたいのです。
○増田政府委員 ただいま御指摘のように、各特定農業地域法による進捗度がいろいろ違ってきているわけであります。特に、いろいろ差異がある中でも海岸砂地地帯の進捗度が低いということになっておるわけであります。この点、政府といたしましては、各地帯とも同じような歩調で振興するということが非常に望ましいわけでございますが、実は、法律施行の年次の新興の別などもありますし、あるいは地元の受け入れ態勢等の関係もありまして、必ずしも同率の進捗率を見ておらない次第であります。この事業の根幹となっております特に畑地灌漑の事業は、単位面積当りの事業費がきわめて多額であるというような事情もありまして、進捗度がおくれておるのが実情でございます。なお、海岸砂地地帯のような特におくれております地帯につきましては、主たる事業が畑地灌漑でございまして、よその地帯に比しまして、あるいは積寒あるいは湿田単作という点において、そういう点から特に事業がおくれておるわけでございます。 それから、次の御質問でございますが、お手元に差し上げました第一次長期計画、それからそれの進捗度が入っておりまして、さらに第二次計画の御質問でございますが、実は、当初に立てました計画は相当大きなものでございまして、もちろんこの大きなものが順調に進んでおれば問題はないわけでありますが、第一次計画の実施状況、すなわち昭和二十八年から三十三年までの実施状況等を考えまして、それで第二次計画を作成いたしたいと考えておるわけであります。すなわち昭和三十四年から三十六年までの第二次計画を考える。しかし、第二次計画は、御存じの通り、それぞれ法律に基きます審議会の議を経ることになっておるのでございますが、まだこの審議会の議を経ておりませんので、一応現在考えておりますのは私どもの案であるというふうにお考え願いたいと思います。なお、第二次計画案に関しましては、お断わり申し上げておきたいと思いますのは、大体三十三年度までの残事業量の六〇%程度を三十六年までに達成するということを目安にいたしまして私ども考えております。
○足鹿委員 振興局長の御答弁は、昨日来私も聞いておりますが、どうも答弁にならぬと思うのですよ。私が聞いておるのは、その原因を追及して、どういうふうにしたならば今後よくなると思うかということを主として私は聞いておるのですが、現状を若干説明されるという程度であって、もう少し迫力のある、そうして少くとも熱意に満ちた事務当局としての考え方を承わりたいと思って聞いておるのです。積寒の四四%はさることながら、あとのものが二〇%余りにしか進んでおらぬということは、法律を忠実に実行するあなた方の立場としては、だれが見ても遺憾千万に思うのです。特にこの法律ができたのは、現在の農政の非常に欠陥である低位生産地帯に対する施策を集中化していくための立法措置であったと思うのです。それが五年の長年月を経てこういう状態でありますから、年次別に見ますならばまことに微々たるものでありまして、このようなことで政府が畑地振興計画を口にする資格はないと私は思うのです。もう少し私も申し上げたいことはたくさんあるのです。ですけれども、あなた方を追及して困らせるという質問の立場でないから、私はきわめて穏やかに慎重にやっておるつもりなんです。ほんとうに政府が農政の基本の一環として畑地問題を特に取り上げていくならば、もう少し熱意のある、真剣な御答弁を願いたいと思うのです。あなた方がいつまでもそういうのんべんだらりとした御答弁をなさるということになりますならば、私も態度を変えて大いにこれから追及しようと思いますが、そういうつもりで最初からやっておりませんので、その点はとくとあなた方の答弁についてもよく考えてもらいたいと思うのです。 この進捗状況を見ますと、畑地の長期計画が著しく見劣りをしておる。積寒にしてみれば膨大な長期計画になっており、千二百五十三億九千百万円という大きな長期計画、これに対して畑地の長期計画は八十八億八千七百万円にすぎない。この事実それ自体が、政府が畑作振興なり畑地対策を重点施策として取り上げておっても実が伴っておらない一つの証左であろうと思うのです。第二次計画においては、この進捗度とにらみ合せてどういうふうな改定計画を持ってそれを六〇%の達成にされようとしておるのか。それは審議会にかけられるまでの素案としても、あなた方の腹づもりとしては、もう少し親切に、もう少しあなた方の熱意がうかがえるような答弁が願いたいと思う。
○伊東政府委員 今御質問でございます畑地灌漑、海岸砂地地帯防災等の進捗度がおくれていることは御指摘の通りであります。われわれも、畑地の問題につきましては、おくれを何とか取り戻したいという考えからいたしまして、補助率を引き上げますとか、実はこの進捗率には国営関係は入れてはおらぬのでございますが、国営の土地改良事業等につきましても、従来はほとんど水田地帯が多うございましたが、われわれはその点の方針を変えまして、最近はほとんど畑地帯という地区についてもこれを取り上げていこうじゃないかというようなことで、たとえばでございますが、九州の笠原でございますとか、来年の新規着工には茨城の鹿島南部がございますが、これもほとんど全都が畑地帯でございます。こういう大規模な畑地帯の振興も国営の土地改良事業として取り上げていこうというようなことで、先生の御指摘になりました畑地関係のおくれにつきましては、今まではこれにも県営までの数字はあげてございますが国営を落しておりますので、国営につきましてもそういう態度をとりまして、何とかおくれを取り戻していきたい。補助率の問題は、末端支配の問題も今まで解決できなかったことを解決いたしまして、おくれを取り戻すように努力をいたしたい、こういうふうに考えます。
○足鹿委員 その第二次計画というものを現在素案であるが大体考えておるということでありまして、それが今公式に承わることができないならば、あとでもけっこうですから、十分御説明を願う機会を一つ得たいと思っております。時間がございませんからこの資料についての質問は一応この程度で終りますが、この進捗度の問題とにらみ合せて、畑地に対する第二次長期計画の策定に当っては、さらにもっと前進して、少くとも積寒並みのところにまでいかしめるというくらいの腹づもりくらいは聞けるものだと私は思っておった。しかし、審議会の議を経なければならぬとおっしゃるから、あえてこれ以上申し上げませんが、あとで十分な資料に基いて御説明を願いたいと思います。 そこで、昭和三十五年度から三十六年度の海岸砂地地帯農業振興関係所要経費調というものをいただいておりますが、これによりますと、県営畑地灌漑の進捗度は、私の計算によると三五%、団体営灌漑排水は二一%、団体営畑地灘灘に至ってはわずかに一二%にすぎない。また防災、造林関係につきましてもきわめて低い。一括したものは畑地関係で二八%となっておりますが、この県営畑地灌漑、団体営灌漑排水、団体営畑地灌漑と規模が小さくなってくるに従って、その進捗度が、はなはだしきに至っては一二%強というところに下っておる。これは、昨日来私が指摘しておりますように、いわゆる農民負担が耐えられない、そこで、その規模が小さくなってくればくるほど、補助率が悪くなってくればくるほど、この事業の進捗率というものが低下しておると思うのです。この資料は私まだ十分時間をかけて検討しておりませんが、ただいま指摘したような点で、三十四年度を含めて平均二八%が、実際の内容になると、県営が三五になって団体営の畑地灌漑は一二%というふうに、この内容について見ても、私が指摘した通りにあなた方の資料が提示されておるのです。従って、あなた方は事実気がついておるにもかかわらず、研究に時間を要し、いろいろな資料やデータは相当そろっておるにもかかわらず問題が前進しない。これは、政務次官、しっかりお聞きを願って、強力なこの推進態勢というものを講じてもらいたいと思います。あとで農林大臣にお越しをいただいて、この点はさらにお尋ねもし、所信も伺いたいと思いますが、そういう点について十分御考慮を願いたいと思います。 防災林のことについて言及したいのでありますが、きょうは時間があればあとに回しまして、次に畑作に関する資料の欠除の問題です。私どもはいろいろな面から資料を手に入れましても、相当見るべき資料もあり、問題点の指摘も整然としておるが、かんじんな補作に関する統計資料がきわめて足りない。これは政策の貧困を物語る一つの証拠だと思うのでありますが、聞けば三十三年の十二月一日現在においての臨時畑作調査なるものを政府はやろうということでありますが、それはどの程度に現在進んでおるのか、いつごろその結果は発表になるのか、その点についてはいかがですか。
○増田政府委員 ただいま御指摘の点は、統計調査部でやっております調査がありますが、これは、本年三月までに調査を完了しまして、来年度、三十四年度の予算でとりまとめるというふうに聞いております。その発表時期等に関しましては、後刻調べましてお答え申し上げます。
○足鹿委員 今日になってようやくそういう状態でありますから、問題が一つも前進しないことになろうと思うのです。畑作関係は、農林省の機構の内部にあっても各局・各部にまたがって、官庁の縄張りと言うと語弊がありますが、セクショナリズムの関係上、草地問題を取り上げようといえばこれは畜産局へいく、営農技術でいけば振興局、農地関係は農地局で担当する、こういうことになって、そこに総合性がだんだん失われていくということが言えると思うのです。これは私の杞憂でありますが、愛知用水が膨大な経費をもって着工され、時限立法として五カ年で完工ということになっておりますけれども、これは私どもが見たところでは残念ながら相当おくれると思うんですが、大体あの事業がほかの事業費を食っておるのじゃないですか。あれだけの大きな事業を、これは特別な資金構成によって行われておることは存じておりますけれども、これが他の事業を相当圧迫しておるということも一面推測できるのでありますが、それらのものも、今度は愛知用水が完工した場合にはこの畑地対策としての一つの実績の中に織り込まれることも当然でしょうし、そういう点はないのでありますか。もしそういう点が若干あるとしますならば、これは当然他の小規模のものを食って、そしてこの愛知用水に重点が置かれ、そして片ちんばな農地対策ということになるといたしますならば、これは重要な問題だろうと思う。何か私どもの見ておる印象としてはそういう印象を受けるのでありますが、あなた方専門の立場からごらんになりまして、そういうことはないと断言できるでしょうか。
○伊東政府委員 御質問でございますが、畑灌の私の方の農地局の予算で入っておりますのは団体営と県営と国営に分れております。今御指摘の愛知用水ももちろんございます。団体営につきましては、実は三分五厘の融資のワクとの関係ともからみまして、大体前年通り、ラウンドで申しますと四十億というような団体の予算になっております。三十三年、三十四年ともに対前年同額にしようというようなことで参っております。県営、国営につきましては、これはふえて参っております。 それで、今先生の御指摘にありました、愛知用水の関係があるので畑灌関係等について経費が減っておるのじゃないかという御指摘でございますが、われわれは実はそうは考えておりませんので、団体営は実は今申し上げましたような三分五厘の関係で対前年同額くらいのものでやっておりますが、県営、国営につきましては、畑灌についてもこれは当然ふやしていく。先ほど申し上げました笠原のごときは、水田関係は全然ございません。全部畑地灌漑でございます。鹿島南部も、若干田は入っておりますが、これもほとんど畑地というような、国営でもそういうものを取り上げております。そういう関係で、われわれとしましては、来年の予算の土地改良、生産基盤強化関係が三百四十四億くらいになっておりまして、これは長期経済計画の二千三百億というべースに照らして参りますと、三十四年度のものとしてはそう低いものではないというような数字にも実はなっておりますので、愛知用水の関係があるので畑灌関係が減っているのじゃないかという御指摘でございますが、われわれは実はそういうふうには考えておりません。しかし、今後とも畑灌の問題は、先ほど申し上げましたように、積極的に一つ一つ壁を突き破りまして、何とか努力していきたいというふうに考えております。
○足鹿委員 愛知用水問題は余談でありますが、そういうことがないとおっしゃるならば一応そういうことにしておきましょう。が、ない資料中からいろいろ取りまとめてみますと、最近の主要畑作物の年次動向とでも申しますか、その一つの傾向を見ますと、大へんな傾向を示しておる。小麦の場合は田畑計で十六万六千百町歩も減反をしておる。三麦の田畑計では二十七万町歩も減反した。昭和二十五年と三十三年の対比において見ますと減反をいたしております。これは容易ならぬ事態だと思う。これを一つの畑作営農体系の上から言ってまだ解決していくべき技術的な面がたくさん取り残されておると私は思う。昨日増田局長に一般論としての麦作対策等も伺いましたが、これはまた別な機会に十分時間をかけてお尋ねする機会もあろうかと思いますが、そういうことはお気づきにならないはずはないのです。少くとも三麦合計で三十万町歩の自然減反というものは、これは国の施策としても重大な問題です。私どもが手探りで調べた資料に基いても大体そういうものがありますから、他のものは推して知るべきである。この際あなた方には釈迦に説法でありますが、私の調べたところによりますと、昭和三十二年度の畑作の農家と水田の農家あるいはその他の果樹、酪農等との農業所得の比較を見ますと、これまた大きな較差があることがわかります。米一毛作で、家族人員が六人とちょっと、経営面積が水田が一町一反五畝、畑が一反四畝で計一町二反九畝の農家は、二十八万二千九百七十九円の農業所得を上げておる。農業粗収益から農業経営を引いたものであります。ところが畑作になりますと、家族人員が六人とちょっとで、田が二反で畑が七反五畝、計九反五畝で、大体均衡のとれた経営規模の農家が、十六万三千五百五十六円。十二万円以上もその所得が低い。これで一家六人の者が食っていけるはずはないのです。酪農がいいといっても、まだ米一毛作には劣っておる。二十五万九千三百四十六円である。果樹がいいといっても、大体二十八万七千円程度で、米一毛作と大体において引き合っておる。野菜においては若干上回っておりますが、いずれにしてみましても、この畑作農家の所得というものが著しく少いということは、いろいろな政策の欠陥や種々雑多なものが累積されてこういう結果になると思いまして、これらのものをどう打開していくかということについては技術問題もあろうと思うのです。この点については昨日もお話を聞いたわけでありますが、従来の農業技術というものは米作中心になっておった。これは、一つの歴史的な面から見ますと、昔の農業技術者はほとんど地主の出身で、米の品質や増産することよって年貢米がたくさん取れる。また、年貢米にも大きな紛争なしに米がころげ込んでくる。営農と技術の結合点といいますか、そういう点におきまして、官立の試験場であるとか公共関係が持っておる試験場というものは、どうしてもほとんど米作中心になり、その間隙に、いわゆる篤農技術という、どっちかというと非科学的なものがだんだんと入ってきておる。そういう点から、われわれが聞いたところによりますと、振興局や日本の農業技術者の中でも、米作関係に専念した者は相当の地位に上っていく。それは今まで私が指摘したような関係からだんだん認められていく。ところが、畑作などと取っ組んでおったのではうだつが一向上らない。私は技術のこまかい点には触れませんが、こういうところにも大きな改革を要する点があろうと思うのです。振興局はどの程度の考え方を持っておられるか知りませんが、少くとも、従来の日本の農業技術というものが水稲中心に進んでいる、そして畜産面においても著しく見劣りがしておるということはいなめない。歴史的にずっとよく考えてみますと、今私が指摘したような点も大きく作用しておると私は思うのです。振興局のいろいろな技術関係の話などを総合してみますと、人員は相当ある、しかし運営・施設費がない、従っていつまでたっても仕事は進まぬ。こういうことに補助体系・金融体系が十分でないことがからみ合って、またそこに畑作不振の大きな原因を見ることができると思うのです。これらの点をもっと大きく取り上げて政策の転換を行わない限り、幾らたっても私はこの問題は片がつかぬと思うのです。そういう点について、畑地農業の技術の振興に対する基本的な考え方は、一体どういうふうに今後進められる御所存でありますか。技術問題についてはまだたくさんお尋ね申し上げたいことがありますが、これが一番基本だろうと思いますので、その点を特にお尋ね申し上げたい。
○増田政府委員 畑作におきます技術的な問題に関しまして、広範な御意見の開陳があったのでございます。まことにその通りでございまして、たとえば、御指摘のように、試験研究機関を見ましても、国立あるいは県立におきましても、圧倒的に水稲に従事している職員が多いわけであります。私どもの調べによりましても、たとえば畑作物と比較してみますと、国立の農業試験場におきまして、水稲に関しては百四十四人、これは農研及び地域農業試験場を合せてであります。麦に関しては九十七人、麦は比較的高いのであります。しかし、大豆、菜種その他の作物になりますと、著しく人員が減少いたしております。大豆は三十九人、菜種はまたさらに少くなる。まことに御指摘の通りでありまして、研究室の分布もこれに比例しまして、水稲、そして畑作の場合には麦、しかも麦の場合におきまして比較的小麦に重点がある。従いまして、こういう点に関しましても今後抜本的な対策を講ずる必要があるのでございます。先ほど、この人員問題とあわせまして施設・運営費の面に対しても御指摘があったのでありますが、施設に関しましては、とにかく十分な予算ではございませんけれども、鋭意努力しております。しかし運営費がなかなかこれに伴わぬ、こういう部面も多いのでございまして、実は、その点に関しても、人員を畑作中心に転換していくと同時に、事業費全体に対してもこれに伴って転換をはかっていくということが必要だと思うのであります。昨日も申し上げましたが、施設に関しましては、国立の地域の試験場の三カ所に曲りなりにもとにかくしっかりした畑作部を作ってこれを推進していくという体制がきまったのであります。現在、これに対する人員の選定、内部の転換、こういう点に関しましても鋭意研究努力しておる次第でございます。国立に例をとりましたが、県の農業試験場に関しましても、やはり水稲中心で従来やって参ったのであります。ようやく県の試験場に関しましても畑作物に関する全面的な検討の段階に到達しておるように見受けられます。特に国、県を通じて見られますことは、個々ばらばらの畑作物をつかまえておっただけではいかぬのでありまして、経営全体として、非常におくれておりますこの経営、しかも畑地の特性をとらえた経営、この経営の面を重視していこう、こういうきざしが見えるわけであります。一例を申し上げますと、三十四年度の予算におきまして、東北の地域農業試験場におきまして経営試験を強化することになったのでありますが、この場合にカブトラクターを導入して、カブトラクター耕作による適正規模の経営試験を今後確立していく、こういうことで、新しく三十四年度より試験を実施することになったのであります。こういうふうに、作物の点でも、次第に水稲あるいは小麦中心から他の作物に重点を移していく、それと同時に、畑作は特にばらばらの作物をつかまえておったのでは問題が解決しない、こういうところに、経営全体としてとらえていく、こういう方向があるわけであります。ただし、そういう点におきまして、やはり、畑地の問題をとらえる場合にはどうしても技術的な面が非常に低位でございまして、たとえば輪作関係、あるいはその作物の作付体系、こういう問題を一つとらえても、なかなか容易でないのであります。それに、畑地の土壌に関しましても対策がいろいろ論ぜられておりますけれども、これを営農面あるいは農業土木の面で実際に実施する場合におきまして、これをいかに農家に導入するか、農家に普及させる面が非常にむずかしい、こういう点で実は苦慮しておるわけであります。従いまして、省内に設けております畑作の対策委員会におきましても、一応の全国的な結論は出ておるわけでありますが、現在、これを地域区分をいたしまして、地域の特性でとらえていくという方向によって、大体全国を、試案でございますが、十四地帯くらいに分けまして、そのうちのおもなる地帯に関しましては、技術的な方向、あるいは経営上の方向、あるいは経済的な面、こういうものを考慮して現在審議検討しております。そうして、ほぼ暫定案でございますが出ております。しかし、これもやはり、実際の事業に移していく場合におきましては、あるいは畜産の面とか、それから農業土木の問題、耕種改善の面、全体をとらえて、しかも流通関係あるいは消費関係、価格支持の制度等ともにらみ合せまして対策を打ち立てる、こういうことになるわけでありまして、地域的にこれを掘り下げて結論を出すということはなかなか容易でない、こういうことでございます。 いろいろ言いわけばかり申し上げるようでございますが、私どもといたしましては、技術面・経済面を総合するためには、一つの方向としましては、やはり個々ばらばらの農家を全国画一的にとらえてこれに対して施策を打ち立てるということは非常にむずかしい、やはり地域の特性をとらえて地域別に具体的な計画を作っていく、たとえば北海道の寒冷地帯に対して畑作地帯をまずとり上げていく、それから、三十四年度におきましては、表東北の北部すなわち青森と岩手県でございますが、この地帯を北海道の例に準じましてこれを調査しまして、その調査の結果から具体的な政策を打ち出す、こういう方向で積み上げていく、かように考えております。なお、表東北北部に対する調査費は、三十四年度において百四十万円計上してあります。
○足鹿委員 ただいま農業技術の問題について承わったわけでありますが、各農区別と申しますか地帯別に畑作を研究されたものも私拝見いたしました。なかなかよく研究をしておられる。ただ、問題は、ここまでの畑作関係が非常におくれておるものを一挙に取り戻すということが、なかなかあなた方行政の面においては事務的には困難であるということはよく承知しております。やはりこれは、一つの農政として大きくこのおくれを挽回するための大きい政策的な政治的な手が加えられない限り、この問題は事務当局の責任としてこれを追及してみましたところで私は無理だろうと思う。そういう点について大体資料は整っておるのです。農業基本問題調査会にかけるまでもない。大体わかっておるのです。これをどう進めていくかということが問題だと思うのですが、特に畑作の場合は非常に商品化率が高いわけです。米の場合は、自給、余ったものを売る、こういう程度で、昨日も触れましたように、米の商品化率は実際問題として二〇%程度でしょうね。ですから、最近の果樹といわず蔬菜といわず、無計画な増産、誤まった適地通産の指導によって一番不況の影響を受け、また国際的な影響も常に受けておるわけでありますそ。ういう点から、いかようにその技術を進めてみましても、一面において、畑地農産物の市場性の確保と申しますが、これに対する対策ももちろん必要になってくるわけでありまして、これらの問題はとうていこのような法案の審議の機会に広く触れるということは審議の性質上無理があろうと思いますので、きょうは触れませんが、委員長、たとえば豊橋分場において水稲の陸地栽培で成功した事例もありますし、よほど以前に当委員会は篤農家を呼んで食糧増産問題の参考人として意見を聴取したことがありますが、今度は畑地問題についてその専門の技術者あるいはその他の学識経験者というような人を一ぺんお呼びいただいて、この問題を本格的に取り上げて検討し、解決の糸口を作りたいというふうに私は提案を申し上げたいと思います。いずれまた理事会等で適当な機会にお諮りを願いたいと思いますが、委員長においてもそういうふうに御了解を願ってお取り計らいを願いたいと思います。
○松浦委員長 御意思の点は十分善処いたします。
○足鹿委員 先ほどの試験研究問題に返りますが、桑園だとかタバコだとかいうものは政策的な減反が行われておる。麦の場合は三十万町歩近い自然減反が起きておる。他へ転換をしようと思えば、過剰傾向のために、国際的な関係もあってますます崩落をたどっておる。これに対しては自主的な生産規制の問題、あるいは市況に対応する出荷調整の問題、いろいろな問題が出てくると思うのですが、一応政府はみんなちょこちょこと手をつけておるが、それが問題の根幹に触れるようなところまで行っておらぬ。そこに私は大きな欠陥があると断ぜざるを得ないわけであります。昨日も触れましたが、試験研究は、いわゆる需要のあまり大きく変化のないもの、市場性の最もあるものを持っていかなければなりませんが、このごろ種苗商店のカタログを見ましても、いろいろなものが、またこの不況をねらって、やれ何がいいかにがいというので非常に宣伝をしておる。そうすると、困った農家は何にでも飛びついていきたい。それができたころには全く収拾がつかぬような状態になる。ちょうど一時昭和三、四年ごろに起きておった農業恐慌のときのような状態が随所に一つの傾向として現われておるわけでありまして、これは、要するに、現在畑地農業が行き詰まっておるのに対する農家のあがきとして、代作物に対するところの熾烈な要求が、素朴な形でいろいろなものに危険を冒して進んでおる、そういうところに大きな問題があろうと思うのです。代作の問題といっても、にわかに何がいいかにがいといってもあるものではないと私は思う。やはり、麦とか菜種とかいうもののコストをもっと下げて、その有利性をもっと増大していくような一面が大きく取り上げられると同時に、代作としては、暖地ビートの問題等は西日本の方においても相当の熱意を持っておる。ところが、聞くところによりますと、今度のてん菜振興会法案によれば、東北その他に一カ所できるというふうにも聞いておりますし、また、昨日私がお尋ねしましたときには御答弁がありませんでしたが、特産部のようなものを作って政府は何か与党と検討をされておるという話も聞いておる。そういうことでこの代作物に対するところの要望を満たすようなことはできないと思うのです。一つの構想のもとに、この暖地ビートが一つの代作として相当な安定性があるということになれば、これに対してもっと積極的な地域別な試験研究――指導奨励ということが危険であるとするならば、もっと充実した国の一貫した方針によって、そうしてその試験研究に対する国の考え方やあるいは助成等に対してももっと熱意を示されてしかるべきものだと思うのです。西日本における暖地ビート熱というものはわれわれではさばき切れない。国へ帰ればわれわれ専門でない者に一々聞かれます。それに対しても私どもは何と答えていいのか確信のある答弁もできない。政府の施策もほんの局地にとどまっておる。これはほんの一例でありますが、そういった商品性のある代作というものは、一挙に片がつきませんから、年月をかけてやっていかなければならぬと思います。そういう場合に、畑地農業の誠験研究機関というものが府県のまかせやその他の市町村まかせではどうしても片がつかぬ。地域的な適作物、適品種の育成や耕種技術の改善等を中心とした、代作物を含む、そうして主要作物を含む試験研究機関を設けていくということが、ひまどるようなことはありますが、やはり技術は一年にしてなりませんので、そういう点においてもっと具体的な問題として御善処願わなければならぬと思います。 まだ海岸砂地の問題もありますが、今日はこの程度でとどめまして、農林大臣に最後に締めくくりの御答弁を願って、一応この質疑を打ち切りたいと思います。 〔委員長退席、石田(宥)委員長代理着席〕 いずれにいたしましても、先ほど委員長からも善処する旨を約されましたが、当委員会においても、もっと畑地農業問題を重視して、これを全面的に取り上げて突っ込んだ審議をするよう、ぜひこの際速急にその機会を作られんことを委員長にも特に御要望申し上げておきたいと思います。 農林大臣がお見えになったときに最後のお尋ねを申し上げたいと思いますので、私の具体的な質問はこの程度で一応とどめておきたいと思います。
○石坂政府委員 農林大臣出席の場合に最後の締めくくりに対する御答弁を願うことにいたしますが、ただいま足鹿委員からるる述べられました点は、私どももおおむね同感であります。先ほど来お話しの通り、日本の農業技術の改良の技術員が、明治時代主として地主の出身であったがゆえに、水田農業に傾いた一つの理由もあるという趣旨の御指摘がありましたが、さようなこともあろうかと存じます。長い歴史を申しますならば、日本の農業は、極端に言えば、神武以来あるいは天照大神の時代から水田農業に偏して参っております。畑地農業がややともいたしますとあまり重視されておらなかった点は確かにその通りであります。従いまして政府は近年畑地農業を大きく取り上げて参りましたが、今日までの段階におきましては、まだその施策及び実施が十分でないことも御指摘の通りであります。しかしながら、足鹿委員御指摘の通りに、いろいろ資料は相当出そろっております。昨日私は開拓地の土壌研究十周年記念に出席いたしましたが、開拓地の土壌の試験研究あるいは特殊の誠験研究等について相当有益な資料が出ております。従いまして、政府といたしましては、この後も畑地振興対策について一そうの努力をいたしますが、さしあたり、昭和三十四年度の予算におきましては九州に畑地農業誠験場の畑地部を設ける、こういうふうなことにいたしまして、従来よりも一そうの試験研究の努力をいたしたい所存であります。 なお、ビートの問題をお取り上げになりましたが、今回法案が通過いたしました後に設立することになっておるてん菜振興会は、さしあたりにおきましては北海道に試験場を設置することになっておりますけれども、将来は、暖地ビートを重視いたしまして、西南暖地方面にも支所を作る計画は持っておるのであります。いずれにいたしましても、足鹿委員御指摘の点は、この後も十分に御指摘の線に沿うように努力いたさなければならない問題だと考えておリます。
○足鹿委員 大臣がおいでになりましたので、昨日来の質問を要約して締めくくりをしてみたいと思います。大臣は昨日来御欠席でございましたが、海岸砂地地帯並びに畑地農業改良促進法の期限延長法案が出ました機会に、畑作全般にわたっての一応ほんのざっとした質疑を試みたわけでありますが、御存じのように、総耕地面積が畦畔を除いて五百七十五万町歩、そのうち畑地は二百六十三万町歩といわれておりますが、大体四五・五%に当る。ところが、米の販売農家は全農家の四〇%にすぎない。米の商品化農家を見ますと二〇%内外だと大体推定できるのであります。こういう実情から見まして、畑作地帯は著しくその施策の面で取り残されておる。それは、しばしば申し上げておりますように、他産業と農林水産業との較差の不均衡、その生産性の較差の拡大ということが言われておりますが、農業部門の内部において畑作関係は著しくおくれておる。この較差を解決していくことが当面必要だ。ここまでは政府もよくお認めになって、近来畑作振興特別対策委員会等を設置されて対策を練っておられることは私も認めますが、この特殊立法の運用経過を見まして、いかに冷遇されておりますか、全くお話になりません。繰り返すようでありますけれども、これは重要でありますので、この積寒、急傾斜、湿田、砂地、畑地、この五つの特殊立法を見ましても、みな低位生産地帯です。積寒が四四%で、砂地はわずかに二〇%の進捗度であります。これは五年ないし六年の年月をかかってこの程度でありますから、年次に割ってみますならばまことに微々たるものと言わざるを得ません。こういうことでは、いかに畑作問題を検討されましても、現行法律を守ってその成果を上げていかれなければならないあなた方がこの程度の成果しか上げておられないことははなはだおかしいのでありまして、これに対して先ほどお伺いしたわけです。なお、第二次計画を立てて、第二次計画の三十六年までに今度は六〇%をやるのだというお話であり、これも十分とは思いませんが、この点を財政的な面からあるいは一般施策の面からどういうふうに達成をされる御所見であるか。その点、事務当局の事務折衝やその他では片のつかない段階だと思いますので、特に農林大臣の御所見のほどを承わっておきたいと思います。 それから、一番大きな問題として、土地条件を整備して畑地灌漑等の施設を大幅に実施するということが当面大事な問題でありますが、三十二年度、三十三年度の土地改良予算の対比を見ますと、畑灌と水田灌漑の予算の面におきましても百対六という程度にとどまっておる。これではいかにやるやると言われても問題は一向解決がつかぬ。もっとこれは重点施策として強力に進められなければならないと思うのであります。御存じのように、畑作地帯というものはみな低位生産農家でありまして、その負担にたえられない。そこから、事業の地元負担その他地方自治体の負担にたえかねて問題が解決されない。従って、現行の補助体系を改め、あるいは利子の軽減、あるいは利子補給というような、融資制度をもっと改善しなかったならば、どのようないい対策を立てましても、画にかいたもちに終るのではないか。これに対する御用意はどうかという点。 それから、先ほど次官からも御答弁をいただきましたが、麦におきましては、昭和二十五年から三十三年にわたって二麦合計で二十七万町歩の自然減反が起きている。また、葉タバコにおきましても、桑園におきましても、これは政府の政策的減反が一面において推進されておる。こういうような場合に、その減反されたものが何に代作を求めておるかと申しますと、果樹とか蔬菜とか、あるいは市場性に乏しい特殊の工芸作物であるとか、いろいろなものに農家は走って、そしてそれが無計画な増産に基いて価格は崩落の一途をたどっておる。私の県でも一時千五百円しておった二十世紀が現在はすでに千円をはるかに割っております。農家の手取りは一箱、五、六百円、その中から箱代その他のものを引けば、全く貫当り五、六十円という悲惨な状態になっておる。かように、一つの無計画な増産からきた過剰傾向、需要の伴わない増産、また出荷のうまくいかない点、そういうような点から、畑作の面におきます最近のこの状態は恐慌寸前ともいうような重大な事態に直面しておる。従って、権威ある代作物に対する政府の対処策いかんということであります。 第四点は、現行の畑地関係の急傾斜あるいは砂地、畑地、それから特殊土壌というふうに、畑地関係でも四つの立法が行われておる。積寒は必ずしも畑地に限定されておりませんが、これまた畑地も相当含まれておる。湿田を除けば、五つの特殊立法が行われ、その中の二つが三十七年度までにこのたび延長されますが、他のものを取ってみますと一応延長が済んでおりますので、三十七年では全部この特殊立法は期限が満了になるという状態でありますので、この際、非常に困難なこととは存じますが、これらの低位生産地帯を対象としたところの、言いかえますならば畑地を中心とするところの諸施策を総合統一して一貫した施策にまとめて、そして権威ある畑地政策の基準立法ともいうべきものにまとめていく必要があると私は思うのでありますが、この点について大臣の御所見はいかん。 まだたくさんございますが、大体この四点について農林大臣の御所信を承わり、私の質問を終りたいと思います。
○三浦国務大臣 お答えを申し上げます。 畑地の振興対策につきましては、ぜひこれを総合的な、同時に基礎的な問題として解決いたしたいという念願でございましたが、明三十四年度におきまする施設等もまだ十分にいかぬことは御指摘の通りであります。つきましては、一般的にこの畑地振興対策は今後強力に取り進めて参りたい所存であります。 まず第一に、畑地灌漑でございますが、これは昨年の干害等に徴しましても非常に重要な施策でございます。当面の措置はいたしたのでございますけれども、今後は灌漑を必要とする地帯につきましては計画的にこの問題を推進して参りたい所存でございます。 同時にまた、次の、畑地作振興のための補助形体を改善するということ、あるいは融資等につきましても条件を整備して統一的な施策にこれを転換して参りたいと考えております。 第三番目に、麦の減反の問題、そのほか葉タバコその他の問題でございますが、麦につきましては特に留意いたしまして、そして、価格の対策につきましても、あるいは基礎条件の整備にいたしましても、特段の考慮を払いつつ改善の道を講じたい考えであります。 なお、畑作物についての代作物をどうするかという問題でございますが、これは一面において地方の立地条件も違うことでございまするけれども、寒冷地はもとより、温暖地地方におきましても、テンサイ等の問題等も非常に脚光を浴びて有利な条件もございます。これらを十分取り上げるほかに、代作物につきましてもなお一そう研究を重ねて、この転換並びに農家経済に稗益するような方策を取り進めて参りたい所存であります。 最後に、特殊立法関係でございますが、御指摘の通り、数個の特殊立法がございまして、これが成果を上げ得ざることは遺憾に存じております。つきましては、三十七年まで一応延長することをお願いしてあるのでございますが、われわれのめどといたしましては、少くとも来年度予算編成期までには、おおむねこれに対する対策を立てて、そうして御指摘のような総合統一、同時にまた、できますならば基準立法の策案にも取り進めて参りたい。しかし、この問題は年来の日本の農政の最大の問題でございますので、来年度直ちに予算編成期までに全部間に合せ得るとは考えませんし、同時に他面この問題の調査も別個に取り進めまして、早期に対策を立て、同時に総合的なものにして立法をするという考え方で取り進めたいと考えますが、当委員会におきましても、年来この問題につきましては具体的ないろいろの御意見等も御提示されまして示唆いただいたのでございますから、今後とも、それらの点を十分検討し、これを翫味し、そうして立案の参考にして取り進めたいと存じます。 〔石田(宥)委員長代理退席、委員長着席〕
○松浦委員長 ほかに質疑はございませんか。――なければ、これにて三案に対する質疑は終了いたします。 次に三案を一括して討論に付しますが、討論の通告もございませんので、直ちに採決いたします。 まず、海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松浦委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 次に、農山漁村電気導入促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松浦委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 次に、畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松浦委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 ただいま可決いたしました海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案及び畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案の両案について、足鹿豊君より自由民主党並びに日本社会党の共同提案にかかる附帯決議を付したいとの申し出があります。この際発言を求めます。足鹿覺君。
○足鹿委員 ただいま可決されました海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案及び畑地農業改良促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を付する動議を提出いたします。 まず案文を朗読いたします。 海岸砂地地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案及び畑地改良促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 近来、農業と他産業との所得又は生産性の較差は益々拡大しているのみならず、農業部門の内部にあっても水田農業と畑地農業との間に同様の事態が生じている。最近、政府は畑作振興のため対策を講ずるに至っているが、その内容をみるに、財政措置、経営及び技術指導、生産物の流通等の面において総合一貫性を欠き、各般の措置が不徹底であるため、畑作農家の経営は正に行づまりの現状にある。よって、政府は速かに畑地農業振興の総合的基本施策を確立するため左記の各項につき特段の考慮を払うべきである。 記 一、土地条件を整備して畑地かんがい等の土地改良事業を大幅に実施するとともに、水資源の開発及び利用の対策を充実し、これがため必要な財政上の措置を講ずること。 二、昭和三十三年度までの畑地改良地域の農業改良計画及び海岸砂地地帯の農業振興計画に基く実績は、それぞれ僅かに二四%及び一六%であるに過ぎない状態にかんがみ、可及的に進捗率の引上げを図るような各般の措置を講ずるとともに、特に現行補助体系を改善し、利子補給を伴う融資制度を拡充すること。 三、速やかに、各種の畑地農業対策を総合した基本制度を確立するための特別の措置を講ずること。 右決議する。 昭和三十四年三月四日 衆議院農林水産委員会 これが案文であります。説明を要しないと思うのでありますが、今までこの案文につきましても自由民主党並びにわが党との間でいろいろと御相談を申し上げたのでありますが、特に二項の点は当面しておる一番重要な問題と思うのです。「一」の土地条件を整備して畑地灌漑等の土地改良事業を大幅に実施するといたしましても、これを末端において実施に移していく場合に、特に畑地農業は非常に貧困な農家が多くて、その負担に耐えられない。従って、その進捗率もわずかなところにとどまらざるを得ないのが現状であります。これについては、政府も団体営等の補助率について若干の改善を加えられたことはけっこうでありますが、もっと補助体系そのものを改善すると同時に、利子補給を伴う融資制度を拡充したい。特に利子の軽減問題が他との関連にありましても非常に大きな問題であります。この問題についても意見は大体一致しておったのでありますが、各般の事情によって、成文化するということについては、お互い満場一致の決議案の採択の関係上、一応案文の上からは削っております。その点におきまして決して意見が相反したものではない、いろいろの他との関連もありまして慎重な取扱いをしたということを政府においても十分お含みの上御善処あらんことを一言つけ加えておきたいと思います。 あとの問題につきましては、今までの質疑において十分でありますので、省略をいたします。
○松浦委員長 ただいま足鹿覺君より提案いたされました附帯決議案に御賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松浦委員長 起立総員。よって、附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいま附帯決議に対する政府の所見を求めます。三浦農林大臣。
○三浦国務大臣 ただいま御決議になりました事項は、畑地振興上重要な問題を包容しております。つきましては、当局におきましては、十分検討を重ねまして、この御趣旨に沿うように特段の考慮を払いたいと考えております。
○松浦委員長 なお、お諮りいたします。ただいま可決いたしました三案の委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 暫時休憩いたしまして、理事会を開きます。 午後零時五分休憩 ――――◇――――― 午後五時二分開議
○松浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 寒冷地畑作農業振興臨時措置法案及び北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案の両案を一括議題とし、審査を進めます。 質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 なしと認めます。 この際お諮りいたします。寒冷地畑作農業振興臨時措置法案については、提出者より成規の手続をもって撤回の申し出があります。本案はすでに本委員会の議題といたしておりますので、委員会の許可が必要であります。本案の撤回を許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は撤回を許可することにいたしました。 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案に対し、本名武君より自由民主党並びに日本社会党共同提案にかかる修正案が提出いたされております。その内容はお手元に配付いたしておる通りでございます。 まず修正案の趣旨について提出者の説明を求めます。本名武君。
○本名委員 ただいま議題になりました本案につきまして、私は自由民主党と日本社会党を代表いたしまして修正の動議を提出いたします。 まず案文を朗読いたします。 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案に対する修正案 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時指置法案の一部を次のように修正する。 第四条中「貸付金の利率は年七分以内、その償還期間(据置期間を含む。)は二十 年以内、その据置期間は五年以内において、それぞれ公庫が定めるものとする。」を 「貸付金の利率は年五分五厘以内、その償還期間(据置期間を含む。)は二十年以内 においてそれぞれ公庫が定めるものとし、その据置期間は五年とする。」に改める。 第八条を第九条とし、第七条の次に次の一条を加える。 (家畜の導入に関する措置) 第八条 国は第六条第一項の規定による認定を受けた営農改善計画の達成を図るため 、当該営農改善計画に基く家畜の導入については、国が所有する家畜の貸付その他 の助成措置を講ずるよう努めなければならない。 以上が修正案の案文でございます。 これにつきまして簡単に趣旨を御説明申し上げます。 本国会におきまして、政府は、寒冷地農業、特に後進性の強い、あるいは気象条件その他の劣悪な条件下にある北海道の畑作営農改善のために本法案を提出されましたことは、非常にわれわれは敬意を表するのでございます。ただ、その内容におきまして、私は、この際、農政の新しい考え方に立って出されたこの法案に対して、先ほど述べましたような修正を加えようとするのでございます。 申し上げるまでもなく、営農改善資金の貸付がこの法律の基幹とする内容になっておりますが、本法案のキー・ポイントでありますところのいわゆる営農改善資金の貸付制度というものをほんとうに本法案の趣旨を生かすために活用いたしますためには、申すまでもなく、一体その償還期限及び据置期間をどうするかということ、あるいはまた金利をどういう姿に置くかということが最も重要な要諦であろうと思うのでございます。つきましては、このいわゆる金利据え置きに関しましては、まず金利水準というもの、今日の農業の実態から見ましてどこに水準を置くべきかということに多大な問題があろうと思います。しかして、とりあえず、本法案を提出されましたときを機会にいたしまして、ぜひ、この金利は、政府提案の七分以内を、最も適切な金利水準に近づけるために五分五厘以下という利率に修正をいたしたいのでございます。 申すまでもなく、今日の農政におけるあらゆる問題点、生産基盤の確立でありますとか、あるいはまた経営方式、経営規模、その他いろいろな問題点がございますと同時に、これらの問題を着々と解決していかなければならないことは当然でございますが、今日の他産業との比較におきましても、金利体系がこの産業の種類からいたしましていかに高率であるかということは、まさに、われわれ農政に関与する者ばかりでなく、国民、産業人全体の一つの通念になっております。従って、この機会に、私は、この通念の上に立ってもぜひこの制度は低金利をもって処置するのが妥当であろうと考えるのでございます。他産業との比較におきましても論ぜられることは、政府におきましては最近硫安の生産と需給の関係から従来の融資利率九分を六分五厘に引き下げて硫安の生産の安定と需給の調整をはかろうと意図されたのでございます。これらの硫安産業と比較いたしましても、当然農業におけるこの金融体系というものは一日も早く改められなければならない。その前提として、たまたま政府みずからお出しになったこの法律を機会として、より合法的な利率に改定することこそが、農民の要望であるばかりでなく、日本の産業全体の発展のために農業を通じて寄与するゆえんであろうと私は考えるのであります。そういう意味におきまして利率を五分五厘に修正いたしたいと思うのでございます。いたずらに財政的な見地やその他金融体系のバランスの上にのみ今日言葉をにごすことなく、――われわれは、これを農政の一大転換の政府における重大な意図の発露であると感激しつつ、この修正案を提出いたした次第でございます。 さらにまた、この内容について見まするに、実は、この法律の本質は、何と申しましても畑作営農改善、特に有畜農業を重点とした改善の上に施策がとられるわけでございますが、本法案の中には家畜に対する条文がないのでございます。従来家畜の導入につきましては現行のいろいろな制度がございますが、ぜひこの法律に現行の制度をからみ合せて実施されることが、私は、この制度を生かし、より有効に活用できる道であると考えまして、さらに追加いたしまして修正を加えたわけでございます。今日家畜の制度については再検討を要する段階でございますが、従って、申すまでもなく、畑作営農改善の上には当然土地改良や施設と相待ってセットとしてこれが施策を講じなければならないと考えられます。従って、ここには、その新しい再検討の上に立って統一されるまで、とりあえず今日の現行制度というものをかみ合せて運用できるような処置を講じた次第でございます。 その意味におきまして、どうぞこの修正に対して委員長におかれては直ちに採決の手続あらんことを要望いたしまして、私の趣旨弁明を終ります。(拍手)
○松浦委員長 次に、修正案について質疑はございませんか。――なければ、この際本修正案について内閣の意見を求めます。石坂政務次官。
○石坂政府委員 本案につきましては、政府といたしましては、ただいまのところにわかに賛成いたしかねますが、十分検討の上措置いたしたいと思います。
○松浦委員長 次に、修正案及び原案を一括して討論に付しますが、討論の通告がございませんので、直ちに採決いたします。 まず修正案について採決いたします。修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松浦委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、修正部分を除く原案について採決いたします。修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松浦委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 ただいま可決いたしました北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案について芳賀貢君より自由民主党並びに日本社会党共同提案にかかる附帯決議を付したいとの申し出があります。この際発言を求められております。芳賀貢君。
○芳賀委員 ただいま修正可決されました北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案に対し、私は日本社会党並びに自由民主党を代表し附帯決議を付するの動議を提出いたします。 まず決議の案文を朗読いたします。 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当り、北海道畑作農業の特異性と、累年災害のため困窮を極めている農家経済の実情にかんがみ、左記各項の如く実施すべきである。 記 一、営農改善資金のうち、土地改良関係資金の貸付については、非補助小団地等土地改良事業助成基金の運用による公庫の非補助土地改良事業融資に関する利子軽減の措置を活用するよう措置すること。 二、営農改善計画の作成又はその達成につき、北海道知事が行う指導について、その万全を期するため、農業改良普及員の営農指導能力の涵養及び寒冷地畑作振興地域に対する増員を図る等指導態勢の整備拡充につき積極的考慮を払うこと。 三、天災により生じた農家の固定化負債についてすみやかに全国的な実情調査を行い、その整備のための特別の措置を講ずることとし、連年災害をうけ困窮する農家数が特に多い北海道については、その特殊性を考慮し、明年度以降固定化債務の整理を促進するため、自作農維持創設資金枠の大幅の拡大をはかり、同資金の同地域貸付分としてとくに資金源の確保に努め、従来の配分額と合せて増額割当すること。 四、自作農維持創設資金の貸出限度は最高二十万円となっているが、実情に副わない場合があるので、業務方法書を改訂し、最高額を実情に即するよう引上げること。 右決議する。 昭和三十四年三月四日 衆議院農林水産委員会 以下決議案の各項につき主要なる点を御説明申します。 第一項は、本法の運用についてでありますが、営農改善資金の貸出利率は年五分五厘以内とただいま修正せられたのでありますが、そのうちで、土地改良事業等の関係資金につきましては、本年度より実施されておりますところの非補助小団地等土地改良事業助成基金制度による年三分五厘の資金の活用をはかることにより本事業の達成を期すべきであります。 第二項は、本法の対象農家の営農改善計画を達成させるためには、各戸の営農改善計画の作成及び改善計画の実施、並びに市町村の営農類型に基く農家群の共同生産活動に対する適切な指導または助長の必要が望まれるので、本法の指定地域内の市町村に対しましては、農業改良助長法に基く改良普及事業と関連を保ち、特に農業経営経済の部面に指導力のある改良普及員を増員配置し、寒冷地農業確立の推進をはかるよう政府は適切な措置を講ずべきであります。 第三項は、本法により寒冷地農業の振興を期するのでありますが、おおよそ、農業振興に関する幾多の施策が講ぜられていますが、その場合最も問題となるのは農家の固定化負債の処理についてであります。特に、本法の対象となる北海道の地域は、御承知のごとく、連年の冷害、凶作等が原因となって、二十万戸農家の一戸当り固定化債務は約三十五万円にも及んでおる現況でありますので、この際、全国的にも農家の固定化負債の現況を十分調査検討すると同時に、これに対応する農家負債整理のための立法措置をすみやかに講ずべきであります。従って、このような前提に立ちまして、本法実施に当り不可避的な障害となる北海道寒冷地域の農家の固定化負債の整理を行うためには、農家負債の立法措置の講ぜられるまでの応急的措置として、現行の自作農維持創設資金の積極的運用に期待いたすものであります。すなわち、昭和三十四年度の農林漁業金融公庫資金の運用計画によれば、自創資金のワクは一応百億円となっておりますがこの際、公庫資金全体の運用の改善を期し、すみやかに自創資金の総ワクの拡大をはかり、北海道に対する従来の配分方針にこれらを加えた増額配分の措置により、おおむね二十億円を下らざる額を目途とし融資の実行を期待するのであります。 第四項は、前項に関連いたしまして、自作農維持創設資金の貸出最高限度の是正についてであります。御承知の通り、自創法には貸出限度の規定はなく、公庫の業務方法書で定めているものでありますが、現在のごとき最高限度二十万円では、わが国の自作農中心の農政上の見地からも、また本制度の目的からも、さらに全国耕作農家の実態を見ましても実情に沿わない事情が多々ありますので、公庫総裁並びに農林大臣におかれては、全国的な農業の地域性と特殊性を十分考慮して、実情に合致させることに努め、現行の最高限度二十万円を、倍額以上のおおむね五十万円程度を目途とした引き上げを行うべきであります。 以上申し上げまして、本決議案の提案理由の説明を終ります。
○松浦委員長 ただいまの附帯決議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松浦委員長 起立総員。よって附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議に対する政府の所見を求めます。石坂政務次官。
○石坂政府委員 ただいま全会一致をもって御決議になりました附帯決議に対しましては、御決議の趣旨を十分に検討いたしまして措置いたすつもりでございます。
○松浦委員長 次にお諮りいたします。本案に関する委員会の報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松浦委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○松浦委員長 次に、農林水産の振興に関する件について調査を進めます。 農地買収問題について質疑の通告がありますので、順次これを許します。 なお、本問題について出席を願っております参考人よりの意見の聴取は、質疑において行いたいと存じます。實川清之君。
○實川委員 最近、住宅の建設あるいはダム建設、軍事基地の問題、高速道路建設の問題というような問題が相次いで起りまして、農地が次々に壊廃をいたしていることは御承知の通りでございますが、このような事態は、現行の農地法の建前から考えますと非常に問題が多く、しかも、それらの結果といたしまして、非常に農民が莫大な犠牲あるいは負担を背負わされておるわけでございます。千葉県の松戸市金ケ作の地区におきましても、住宅公団による市街地の造成が計画され、すでに一部着手されておるわけでございます。この金ケ作の住宅建設の問題につきまして、地元の反対同盟の代表者であります檜枝参考人にまずお伺いいたしたいのでございますが、あなた方は、この住宅建設につきまして、すでに三年来、いろいろの悪条件のもとにおきまして、土地を守るための闘争を展開されておるのでございます。あなた方がこの住宅建設につきましてどのような理由から反対されるか、その点をまずお伺いいたしたいと思います。
○檜枝参考人 お答えいたします。現在の住宅難の現状から、住宅の建設そのものには国民の一部として反対すべきではないと思っています。ただ、私どもが反対する理由は、その住宅政策が私どもの犠牲においてなされるということであります。この住宅建設に関連するところの土地区画整理事業は、その公共施設、用地を無償提供させ、そしてその事業費をわれわれに負担させるというものであります。これは区画整理のいわゆる受益者負担の建前から出たものでありまして、一応、区画整理が市街地においてなされる場合においては、あるいはそのようなことになるかもしれないと存ずるのでありますが、事私ども農村地帯の農地におきましては、その土地を無償で取り上げるということになりますと、これは皆さんもおわかりになることと思いますが、農地が一坪減れば一坪分だけ減収になる。しかも、この区画整理の場合は、私どもの所有地の三割を無償で取り上げるわけでありますので、最低限三割の減収を来たすわけであります。また、その上に、この区画整理は、宅地としての改善を主眼としておりますので、土地改良のごとく農地の改良を主眼としておりまませんので、実情に非常に適しないところが多く、たとえば、換地の場合において、農地に対して山林原野を換地する、南面傾斜に対しては、北面傾斜を換地する、良田に対しは劣等田を換地する。あるいは、道路によって非常に高低ができる。また、この五十一万坪の狭い地区内に三万六千メートルに上るところの道路を施設するために、われわれの土地は細分され、農耕上にも非常な支障を来たす。あらゆる点を総合しましても、私どもの減収というものは、地区内のみの土地に依存しておる者にとりましては四割ないし五割の減収を来たすのであります。それは、将来におきまして土地の値上りを来たし財産価値がこえる、だから受益するというようなことは、もしわれわれが将来農耕生活をやらないとしたらそういうことが言えるかもしれませんが、私どもは農耕生活を今後続けていくという意思を放棄しないということになるというと、われわれはただ農耕生活上五割の減収をしいられるという事実だけがこの区画整理事業によって残るわけであります。私どもはこの事業に賛成しようとしても賛成できない。つまり、われわれの生活が破壊されるからだということになるのであります。決して私どもは住宅政策に反対するものではありません。私どもの生活が成り立つようにしていただければ、何ら私は反対の理由はないと思います。
○實川委員 ただいま檜枝参考人から、住宅建設には賛成であるが、その結果として農民の犠牲が大きく、農業経営ができなくなるから、あるいは農民の生活ができなくなるから反対だというようにお伺いをいたしたのでございますが、すでに、金ケ作の地区におきましては、相当面積の農地が道路のために占拠され、あるいは仮換地の指定を受けまして、現在その問題も持ち上ろうといたしておるわけでございますが、現在まで道路を作ったり仮換地の処分を受けたというようなことから、現実に金ケ作のあなた方農民がどの程度の被害を受け、あるいはまたどのような影響を受けておられるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○檜枝参考人 お答えいたします。先ほどもちょっと触れましたけれども、大体、収入の点におきまして、従来農地の利用度の総和と施行後の利用度の総和を算定いたしまして計算いたしますと、最低で三五%、最高五〇%の減収になろうかと思います。そのほか、水田、山林がなくなりますので、飯米購入負担がふえるわけであります。それから、さらに、区画整理の施行によって地価が上るといたしますならば、将来私どもの税金負担は著しく増大する。つまり、収入は半減し、負担は従来より多くなる、こういうふうな状態になります。 〔委員長退席、本名委員長代理着席〕
○實川委員 ただいま三五%ないし五〇%農業経営の面に影響が現われるというようなお話でございましたが、この点につきまして、これはどういうような計算と申しますかそろばんのはじき方でこのような被害を算定されたわけですか。
○檜枝参考人 それは、現在の各個人別の土地につきまして、その人の持っている一番いい畑を標準にとりまして、これを百点満点といたします。それから、今度の仮換地によりましての距離、地味、日照その他農地の利用上考え及びますすべての点を考慮いたしまして、点数で割り出しております。たとえば、ある人間が一町歩の畑を持っておった。その指数を一〇といたします。それから、山林の場合になりますと開墾いたしましても大体五カ年くらいは収入を期待することができない。そうしますと、その畑は、いろいろ考えまして、山林の場合で大体その収入は五〇%くらいになる。こういう計算をしております。それからまた、距離が現在より三百メートルも遠くなりますと、蔬菜を主作物といたします私どもから言うと栽培上非常なひまを食いますので、そういうような場合には三百メートル隔たると十点ぐらいを百点満点から減点して計算しておる。そのほかいろいろそういう工合に算出して計算しております。
○實川委員 換地の実情についてお話しいただきたいと思います。
○檜枝参考人 換地の実情でありますが、換地と申しましても、現地換地になります部分もありますけれども、住宅公団が住宅建設団地を事前に団地として獲得することなく、地区全体に何百筆と散在しております土地を、地元民のまとまった土地と交換いたしまして、団地を形成するのでありますから、どうしても区画整理の建前であります現地換地の建前がとれないわけであります。たとえば、同盟員のうち岡田東五郎のごときは、住宅宅地を除いて、その前面にある一町四反ぐらいの畑をそっくり公団用地のために取られるのであります。そしてその人間の換地はその住居の裏の方へ北面傾斜となって換地されます。それから、真島忠一の場合は、二町八反ぐらい耕作いたしておるのでありますが、前面のやや南面傾斜を含んだ平坦な日照申し分のない畑の一町二反のうち、二反を残して、全部これも公団用地、道路、それから保留地等に取られるわけであります。そういう例が多々あるようで、また、先ほども申しましたように、山林に換地されるとか、あるいは北面傾斜に換地されるとか、いろいろな危険がありまして、非常にこれは大きな問題だと思います。
○實川委員 そういたしますと、換地の結果、あるいは減歩の結果、農家に対するいろいろ被害は非常に大きいわけでありますが、それらのために農業経営を続けてやっていくことのできないような農家ができておるかどうか、その点をお伺いいたしたい。
○檜枝参考人 大体、今のところ、昨年中使用収益の停止を受けまして、道路工事を実施いたした結果、すでに壌廃された分といたしましては、大体最高二割ぐらいでありますが、現在使用収益の停止を受けて近く工事の開始の予定にあるものを入れますと、現実に道路によってつぶされる土地が大体二割程度以上に上るものが、大体八名程度あるようであります。
○實川委員 それじゃまたあとで必要に応じてお尋ねいたしますが、最初に、計画局の五十嵐さんがおいでのようでありますから、お伺いいたします。この金ケ作の土地区画整理事業を建設省で御指定になっているようでございますが、御指定になるまでの経過なり、あいるは農林省とそういう問題につきまして協議をなさったかどうか、この点についてお伺いしたいのであります。
○五十嵐説明員 最初この地区を決定いたしますにつきましては、首都建設委員会の方から勧告がございまして、首都圏審議会の衛星都市整備の観点から東京の周辺に選ばれた場所の一環として、金カ作地区が選ばれておったわけでございます。その地区を住宅公団が行います住宅建設の一環としての宅地造成事業の場所として選んだわけでございまして、選びました後、土地を買収いたしますにつきまして農林省の方と折衝いたしたわけでございます。
○實川委員 農林省と土地の買収について相談されたということでございますが、その時期はいつごろでございますか。
○五十嵐説明員 昭和三十年の秋と覚えております。
○實川委員 今まで、この問題につきましては、建設委員会におきましても、あいるは農林水産委員会におきましても、何回か取り上げられておるようでございますが、それらの議事録等を見ますと、建設省の考え方では必ずしも農林省と相談する必要はないというような答弁もあるし、ただ農地の転用の問題については農林省と相談しななければらない、その他のことについては相談の必要がないというようなことを、多分計画局長だったと思いますが、繰り返し主張されておるように見たのでございますが、もしそうだとするならば、農林省と協議したのは昭和三十年といたしますと、その当時はまだ農地の転用の問題は具体的には発生していなかったのではないか。従って、その当時何を農林省と相談されたか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○五十嵐説明員 住宅公団の行います区画整理事業は、土地をあらかじめ住宅公団みずからの土地として取得いたす事業が一緒に関連されておるわけでございますが、その際住宅公団が土地を買収いたしますについては、これを将来宅地に利用する関係上、あらかじめ転用の問題がございますので農林省の方と折衝いたしたわけでございます。
○實川委員 それでは、将来宅地として農地を転用するということで事前に協議をした、その際農林省の回答はどういう回答でございましたか。
○五十嵐説明員 農林省と折衝を数回重ねまして、あらかじめ地区を相談いたしまして、この区域につきましては将来転用を認めるという前提のもとに内諾を与えようというような方針であったと覚えております。
○實川委員 それでは、農林省は内諾を与えられたのですか。
○五十嵐説明員 仮換地がきまった上で転用を認める、その前提として、宅地開発の事業として地区を選定しますにつきまして内諾を得たわけでございます。
○實川委員 それでは、地区を選定するについての内諾であって、農地の転用の問題についての内諾ではなかったわけですか。
○五十嵐説明員 地区を選定するにつきまして、土地を買収するについての内諾が得られたわけでございます。
○實川委員 これは農林省にお伺いいたしたいのですが、昭和三十年当時は、金ケ作の農家の人は大多数は反対であったはずでございます。少くとも金ケ作に主要な農耕地を持っておる百数十名の人は反対であって、従って、その当時農民がこの買収に喜んで応じたわけではないはずでありますが、土地の所有者である農民の承諾なしにその転用を認めたのかどうか、あるいはまた内諾を与えたのかどうか、それを伺いたいと思います。
○石坂政府委員 ただいまの問題でありますが、その当時の事情につきまして農地局長からお答えいたします。
○伊東政府委員 当時の事情でありますので、あるいは若干違っておりますれば後刻訂正させていただきます。今建設省から御答弁がありましたように、三十年の末ごろでございますか、話がありまして、土地区画整理事業をやります建設用地の敷地の取得につきまして転用の許可をしましたのは三十一年の六月ごろでございます。これは農地事務局で建設事務所の敷地として転用しますという許可をいたしております。その前に建設省から話がありましたときに、この地区について住宅公団が区画整理事業をされることは農林省としてはやむを得ぬという意味のことを、文書でなくておそらく口頭で御返事いたしているのだろうと思います。ただ、前のことでございますので、調べまして、もし間違っておりましたら訂正させていただきます。
○實川委員 この問題につきましては、今官房長官をされております当時の農林大臣の赤城さんが、農民の承諾なしには絶対に転用を認めないということを言い切っておられるのでございますが、今あなたのおっしゃったのと、当時の農林大臣の御答弁とが違うようでございますが、その点はどうなんでしょうか。
○伊東政府委員 大臣の御答弁、実は知りませんで、はなはだ恐縮でございましたが、おそらく、当時の事情といたしまして、先生の御指摘のありましたように、ある数の反対があったのだろうと私は思います。その当時におきまして、大体この地区が住宅公団の選びます区画整理事業として、首都圏といいますか、そういう関係でやむを得ないであろうという御返事をしたのだろうと思います。ただ、個々の農地についてどういう転用の許可をするかということにつきましては、まだその当時どの土地をどういうふうに転用を許可するかというようなことまでは話し合いはしてないだろうというふうに私は考えるのです。
○實川委員 それでは、再び五十嵐さんにお伺いいたしますが、建設省では、この土地区画整理法を純然たる農村地帯に適用されることは適当だとお考えになっておりますか。
○五十嵐説明員 区画整理法から参りますと、土地の種類のいかんを問わず区画整理は施行ができることになっておりまして、それが都市計画として決定されますれば、区画整理を施行することはしようがないと思います。
○實川委員 なるほど、今の区画整理法では、農地はいけないというような積極的に認めない条文はないようでございますが、この立法の趣旨から見ましても、これは明らかに農耕地に適用するために作った法律ではないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。つまり、市街地における土地区画整理の場合でございまして、従って、これを農村に適用する場合には非常に問題が出てくるわけでございます。従って、立法の趣旨から見ましても、農村にこういうものを持ってこられるということは、いたずらに農民の犠牲、負担を大きくするばかりでございまして、従って、そういうような点について、たとい法律上農地に用いてはならないというような規定がなくても、この法律を農村で適用した場合にはどういうような結果が出てくるかというような点についての御配慮はなかったわけでございますか。
○五十嵐説明員 区画整理法の中に、区画整理を始める前に農地に影響する際には地区の農業委員会の意見を聞くことになっておりまして、この事業を始めますにつきましては農業委員会の意見を聞いておるわけでございます。
○實川委員 ただいま檜枝参考人から、いろいろ、この問題についての現地の影響の程度なり、あるいはどのような影響があるかということが陳情されたわけでございますが、それをお聞きになってもわかりますように、農村においてこの土地区画整理法を用いますと、いたずらに農民の犠牲を大きくしておるわけでございます。大体、土地区画整理法は減歩というようなものを認めておりますが、減歩というと非常に体裁よく聞こえますが、これは実際は無償没収です。終戦後の農地改革におきましても国家が有償で土地を買い上げてやっておるし、無償没収をやった国はソビエト・ロシヤかあるいは中国の労農革命の場合だけでございまして、日本で農民の生産手段である農地を無償没収してよろしいという乱暴な規定のあるのはこの法律くらいのものであると私は思います。その理論的根拠と申しますか、そういうことを認めておる理由といたしましては、農家が受益者であるというような判断に立っておるわけです。果して農家が受益者かどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○五十嵐説明員 区画整理法は、先ほどお話のありましたように市街地にやる趣旨ではないかというようなお話でございましたけれども、市街地のみではなくて農地をも含めてやる前提に立っておりまして、この減歩の方式につきましては区画整理法の規定に基いてやっておるのでございます。私は区画整理法の規定が正しいと思っておるわけでございまして、それが宅地として転換されるという前提に立っておるわけでございます。その関係上土地の利用が増進する、その関係で減歩されるというようなことになるわけでございます。しかしながら、農業を継続する上において支障がある場合においては、それについての措置がとらるべきであろうと思っております。
○實川委員 あなたのお話はちょっと私にもわからないのですが、なぜこの法律を適用することが正しいか。現実に三割の土地が無償没収されれば三割だけ直接耕地面積は減ってくるわけです。その問題は当然その一家の収入なりあいるは生活に直接影響するわけです。あなたの言うように、宅地とした場合は確かに地価の値上りというような問題も起り得るでしょう。しかし、農家は土地を離れては農業はないのです。従って、農家の場合においては、土地を売り払って他に転業するというようなことならば話はわかるのでございますが、農業をやっていくという農民の立場から申しますならば、土地を捨てて、土地を商品として扱うわけにはとうてい参らない。そうしますと、何ら受益する面はないはずです。従って、受益者であるというような想定のもとに減歩を認めておる土地区画整理法でございますから、農業者の場合にはこの法律は全然当てはまらない。ただ法律にそういうこまかい規定がなかったのをいいことにしまして、それを農地にも適用して農民に非常な犠牲を払わしておるということになろうと私は思いますが、そうしてまた、先ほどの檜枝参考人の話をあなたもお聞きになっておわかりの通り、現実にそういう影響が出ておるわけです。三〇%ないし五〇%の農家所得の減少になる。たとえば、ここに一町歩の農家経営をする者があったといたします。そして家族人員が六人であったといたします。しかもその耕地は畑であったとする。大体金ケ作は御承知の通り畑が大部分でございます。 〔本名委員長代理退席、大野(市)委員長代理着席〕 六人家族で畑一町歩の経営をする農家の場合を考えますと、大体、農家の建前といたしますれば、自分たちの食べるもの、主食あいるは副食というようなものをまず自給する。その自給するためにどのくらいの面積が要るかと申しますと、年間見ますと、大体畑の場合一人当り一反歩が要ると思います。六人でありますと六反歩が大体自給部面に用いられる。あと四反歩残りますが、これが、商品作物と申しますか、あいるは換金作物と申しますか、とにかく農産物を作ってそれを金にかえて、その金で税金を払ったり、あいるはまた子供を学校にやったり、あいるは自分たちの着物を着たり、いろいろ家計費に使われるわけでございます。そういうようなのが大体農家の普通の経営のあり方です。そういう場合に、三〇%の土地が没収されたとしますと、あと残るのは七反歩です。土地の方の減歩がされたからといって、人口の方の減歩をするわけには参らない、食べ物も三〇%減歩するわけにはいかないので、結局、六人の自給部面に要する六反歩というのは、一町歩やっておった場合でも七反歩やっておった場合でも同じことです。そうしますと、三〇%の減歩がなされますと、あと残る一反歩だけの土地から得た農産物を金にかえて、それで生活をしなければならない。かりに一反歩五万円の収入が見込めたといたしましても、五万円だけでは六人家族一カ年間の現金支出をまかなうわけにはとうてい参りません。従って、これは農家経営としては成り立たなくなることを意味するわけでございます。従って、そのような影響が現実にこの減歩というような形で強行されておるわけでございますが、その点について建設省はどうお考えになっていますか。
○五十嵐説明員 区画整理法の建前はあくまでも土地の評価についてやっておるのでございまして、土地の利用価値が増進すれば、それに基いて減歩されるというような前提に立っておりますので、生活の問題はまた別の方法になるわけでございます。
○實川委員 生活の問題は別の問題といいましても、われわれが生きていく権利は憲法で保障されているわけです。いかに宅地を作ろうといたしましても、そのためにわれわれの生存権をじゅうりんされるようなことは許されるはずはないと思いますが、あなたのおっしゃるのはどういうことですか。
○五十嵐説明員 住宅公団の場合におきましては、農業を継続する上において真に困る方につきましては、いろいろな方法をもちまして、かわり地のあっせんとかいうような方法をいたしたわけでございまして、その生活の面についての措置を別途に考えておるわけでございます。
○實川委員 あとで局長さんがおいでになるそうでございますから、五十嵐さんに対する質問はこの程度で打ち切りたいと思います。 それまでの間と申しますとはなはだ恐縮なんですが、公団総裁の加納先生にお伺いいたしたいと思います。 金ケ作の問題につきましては、すでに御承知の通り三年余り紛争に紛争を重ねて参りまして、現在なお結論が出ていないように私は思いますが、その間、農民の側におきましても非常に犠牲を払っており、また、いろいろ紛争等の問題が出ました場合におきましては、そのつど警察隊が介入いたしまして、なぐったりけったり、あるいはまた検束をするというような権力にものを言わせましてこの仕事を強引に押し進めておるわけでございます。今までの農民の立場というものを考えましても、農民は非常に経済力もないし、また社会的な地位も低いというような関係で、いろいろの事業が行われます場合に、いつでも下積みになってその犠牲をしいられておるのが百姓だと私は思いますが、今度の金ケ作の場合におきましても、やはり今までの例に漏れず、農民だけがひとり歩の悪い立場に立たされて泣いておるわけでございます。公団総裁といたしましては、金ケ作における過去あるいは現在に至るまでの状態をどのようにお考えになり、またあなたがおやりになっております住宅建設の仕事にいたしましても、なるほど、戦後の住宅の払底いたしております現況におきましては、家のない者に土地を与えるということは非常にりっぱなことでもございますし、けっこうなことでございますが、しかし、その反面に、その住宅が建てられることによって多数の農民が泣かなければならない、あるいは父祖伝来の土地を離れて流浪の旅に出なければならない、そのような犠牲が陰に払われておるということになりますならば、右手で与えた慈悲は左手で人を殺すことによってあがなわれた慈悲ということになり、無意味な慈愛になると私は考えますが、加納総裁もそのようなことは当然お考えにならないし、住宅建設という大きな仕事を達成されるためにいろいろと御苦心なすっていらっしゃることはよくわかりますが、現実にはいろいろな問題が起きて、そのために百姓が泣いておる、これをどうお考えになり、またどういう工合に処理されようとお考えになりますか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
○加納参考人 お答え申し上げます。 實川さんのおっしゃること、まことにもっともでございます。この仕事を始めますときから、こういうような摩擦が起るであろうことはかねてから私は考えておりましたので、金ケ作が首都圏整備委員会で第一の東京の衛星都市として指定され、それから住宅公団の責任においてこの土地を研究いたしました結果、東京の衛星都市として最も適当な場所であるということから、合法的にこの仕事を進めて参ったわけでございます。二百三十四名の地主さんに相談いたしまして、そのうちから百七十四名の承諾を得まして、そしてこの仕事を遂行して参りました。今日でも反対同盟というものを結成していらっしゃる方が三十名ございます。 さて、これを始めますときに、長い間祖先の地面で生業として農業をしておられた方がここを離れるということは、感情的にも非常にお気の毒のことでありますし、何とかして経済的に立っていくようにこれをお世話しなければならない、こう思いまして、――地主さんを分けてみると二つになると思うのですが、一つは、あくまでも農業をやっていく、一つは、自分の家族その他の関係から他の職業に離れてもよろしい、こういう二つの種類があると思います。それで、第一の方々に対しては、こういうようなわけでここへ住宅地ができるのであるから、もしあなた方が団地外に農地をお求めになるならば、私の方で御周旋いたします、なお住宅までも移して差し上げますということを申し上げました結果が、二十七名の方には現に三万五千坪の地域外の代替農地を差し上げて、そうして満足してそこにお移りになっていただいたわけでございます。 なお、私の方の公団に農家の方が地主を代表してお見えになっていろいろ御相談がありましたので、私は、あくまでも個々に御相談いたしましょう。皆さん方の御家族の構成、皆さん方の持っていらっしゃる土地の面積、また、皆さん方の持っていらっしゃる土地が団地にどのくらいあり、団地の外にどのくらいあるかというようなことまで一々伺って、個々に御相談して何とか皆さん方の将来の生活に不安のないようにして差し上げたいということを申し上げたわけであります。それで、公団に十数名の方が見えましたときには、私は一々お名前を伺って、そうして、皆様方の家族の構成、あるいは何反歩持っていらっしゃるのですかということを伺って、個々に御相談しようとしたわけでありますが、代表であられる檜枝さんが、そのときにたびたびさえぎられまして、これは団体交渉だということで、個々に話してはいけないのだというお話であります。私は、そのときに申し上げたのは、これは工場の労働者の団体交渉というものとは意味が違うのだ、農村の場合には一々農家の方々の事情が違い、おのおの持っていらっしゃる感情も違い、家族構成も違うのだから、これは個々に御相談して差し上げたい。あるいは、公団が二万五千人の人口の町をそこへ作る以上は、いろいろな職業がまたそこに生じて参ります。でありますから、そういうものにも皆さんの方の子弟の職業の御推薦もいたしましょう、そして生活の安定をはかって差し上げたいという考えを私は今でも変えておりません。今でも個々にいらっしゃっていだたくならば喜んでその御相談に応じたいと思います。また、御承知のように、区画整理によってどういうことになるかと申しますと、かりに千坪の地面を持っていた方が千円の価格であるとすれば、それは百万円の地価でございます。しかしながら、公団がたとい三割の減歩をいたしまして、その方の地面が七百坪になったといたしましても、公団が水道、ガス、電気その他において資本を導入しました結果、一坪について千七、八百円の投資をいたします。それでございますから、千円の土地は時価にいたしますと四千円にも五千円にもなっておるのでございます。それでありますから、かりにそれが七百坪に減ったにしても、五千円とすれば三百五十万円の土地になるわけであります。でありますから、それだけの利益をもって何か他の生業に転じられるということも保証して差し上げる、こういうつもりでお話を申し上げたのでありますけれども、そのときのお話が、おれたちはあくまでも百姓をするのだ、そういうような転業の気持はないというお話でありまして、当時は六十名の反対者でありましたけれども、今日すでにその人数は三十名にまた減ってきておるわけであります。この方々は、どういうわけか知りませんけれども、絶対的に区画整理に反対するという建前できておられますので、幾ら理を尽してお話しましても、なかなかわれわれの相談に応じていただけない、こういうようなわけで、はなはだ私どもも苦心しておるわけであります。 農民の方には、実に御同情にたえないのは、先祖からずっとやっていらっしゃる仕事を急に取りかえるということは必ず不安があるに違いない、何とかしてその不安を除去するために私を信じていただきたい、何とかしてやって差し上げますということを私は誠意をもってお話いたしました。松戸に私が参りましたときに、農民の代表の方々がたくさん見えましたけれども、そのときは団体交渉ということで、すでに入れ知恵がしてあったかどうか知りませんけれども、個々に話をしようと思っても、わあわあ言われてとても話ができない。であるから、私は、個々にお話したい、あなた方のこの農地の問題は、団体交渉などという問題じゃありません、一人ずつあなた方が自分の身に考えてごらんになったならば、いかに自分の家族を将来不安のないようにするためには、加納と相談する方がいいじゃないかとお考えになっていただくだろうと私は思ったのですが、遺憾にしてまだ私の誠意が地主の方々に通っておらないのでございます。 そうして、私も、国家のために住宅公団という重要な使命を帯びて団地を作り住宅を建設するということが一方にあるのでありますから、そう長く待って国家にむだな金利をかけるということはできません。そこで、二年半たちました昨年の一月に測量を開始いたしました。ところが、それに対して実力の妨害がありましたので、それでも私は強行するつもりでありましたけれども、ここに自民党、社会党、県、市、建設省、農林省、この六者が出てこられて、調停しよう、それでは調停をおまかせしますということで、減歩三割二分六厘というものを三割にまで私の方は譲歩いたしました。そのために国家は四千万円の補償をお出しになるということで、最後の調停案ができました。その調停案によって今日進んでおるわけでございます。しかしながら、今なおここに三十名の方が、ほんとうに私の考えを理解していただけないで、そうして反対しておられるのでありますが、これらの人たちに対して、もう一度東京支所長の山名氏を通じて皆さんに回覧を回しまして、いよいよ仮換地ということになりました、しかしながら、皆さんの土地が農耕に適しない、あるいは換地になったところが山林である、あるいは非常なやせ地であるというようなところには、一つ御相談して、できるならばその山林を前にあったような土地にまで直してあげて、そうして皆さんにお返ししたい、それからまた、お金でもって改良費が済むというならば、それも差し上げてよろしい、いずれにしても、個々に私どもの方はできるだけの御相談をいたしましょうという回覧を回して、その期日を三月の十五日と切ったわけであります。こういうことまでする必要はないのですけれども、私は、三月の十五日が四月の十五日まででも、あるいは永遠にこれらの農民のお困りになった方のために御相談に応じて、生活の安定がくるように努力するつもりであります。
○實川委員 総裁の農家に対するあたたかい思いやりのことはよくわかりましたが、総裁にもう一つ私がお願い申し上げたいと思いますのは、あなたは、団体交渉だから交渉に応ずるわけにいかない、個別折衝ならば十分その事情をよく聞いてできるだけのことはしてあげる、まことにけっこうだと思いますが、団体交渉かあるいは個別交渉か、その是非は別といたしましても、その交渉の仕方のいかんというような程度の問題でこの問題がこれまで紛糾し、あるいはまたいろいろの不祥事件も出てきておるということでは、これはどうもはなはだ残念なように私は思うわけでございます。従って、ほんとうに総裁がそのように農家の立場をお考えになるならば、その点をもう少し割り切って、ほんとうに農家の言い分もとっくり聞く、かりに三十名あるいは四十名の農家であっても、団体交渉であっても、お前たちの言うことを全部言ってみな、また総裁のお考えもお述べになる機会もあるわけであります。私はそのくらいの手続上の問題でこの問題がこれ以上紛争を長引かせるということは、あなたもおっしゃったように、大局的に見まして非常にこれは大きなマイナスだと思いますので、こういうような点につきましても、場合によれば団交もあえて受ける、そうして事態の円満解決をはかっていくようにするというように一つお考え直しを願えないものかどうか。 なお、転業の題題がございましたが、今まで軍事基地の問題やあるいはその他の問題で農家が離農いたしまして、そのかわり賠償金を相当もらって他に転業したというような事例がたくさんございますが、私の聞くところによりますと、ほとんどそういう転業組は失敗をして、盆になっても祖先の墓参りもできない、正月になっても自分の郷里に帰れないという事例がほとんど枚挙にいとまないように伺っております。特に農家の場合におきましてはそういうような商売をやった経験もございませんし、また、その賠償金の額も、これはいろいろございましょうが、おそらくそうまとまった資本ではないはずなんです。そのような零細な金をもってなれない商売をするということは、これは非常に危険なことで、一まず転業ということで問題はけりがっくかもしれませんが、長い目で見ますと、これも決して親切な処置ではないと私は考えるわけでございます。やはり百姓は百姓として立てるようにお考え願うことが大事じゃないか。 なお、反対同盟の諸君は現在三十九名と私伺っておりますが、この反対同盟の連中は理由のいかんにかかわらず土地区画整理事業に絶対反対で、その他のものは何ものも聞き入れる寛容さは持っていないというようにお話しでございますが、先ほど檜枝参考人もここの席で申されておりますように、われわれは農業経営ができればいいのだ、これからも継続して百姓をやっていきたいので、それができるような処置をとってもらえるならば住宅建設には反対するものでないということを明言されておりますので、この点につきましても総裁のお考えと現地の反対同盟の考え方に若干のずれがあるように私は思います。こういうような問題につきましても、やはり今後話し合っていただきまして、何とか事態の円満な解決をおはかり願いたいと私思いますが、これらの点につきましてあらためて御意見を伺いたいと思います。
○加納参考人 今實川さんからお話がありましたことに全く同感でありまして、先ほど来申し上げておる通り、今後といえども永遠に私はこの農家のために御相談に応じていきたいと思います。
○實川委員 そこで、これはお願いになるような筋でございますが、一つ三十九名の反対同盟の諸君ともひざを交えてじっくり話し合ってみていただくわけには参らないでしょうか。たとえば、この三十九名の反対同盟の諸君といえども、決して鬼でも蛇でもない、われわれと同じような日本人だと私は考えております。ただ、利害関係が違い立場が違うために、いろいろ今までいきさつができて、もつれにもつれて参ったわけです。従って、現状では総裁の方におきましてもあるいは反対同盟の方におきましても相当感情的なものを含んでいらっしゃるかもしれませんが、それを一つあなたの大きな立場からこれらの農民と十分話し合っていただき、また、その話し合いの形も、もし反対同盟が希望するならば団体交渉であっても差しつかえないんじゃないか。私がこの問題に若干タッチいたしましてからまだきわめて短時間でございますが、私の接触いたしました範囲におきましては、反対同盟の諸君も決してこれ以上皆さん方に御迷惑をかけたり、あるいはまためちゃくちゃな横車を押して問題をあくまでも紛糾させるというような意思は断じてないことを私は申し上げたいのでございますが、これらの問題について重ねて一つ総裁のお話を承わりたいと思います。
○加納参考人 先ほどから何回も繰り返して申し上げました通り、私は、今後とも、この問題が円満に解決し、そうして個々の地主が満足されるように努力いたします。
○實川委員 そうすると、団交の場合は絶対に話し合いに応じないということになるわけでございますか。
○加納参考人 それは實川さんと私との見解の違いでありまして、私は、農民の方々とのお話は、団体交渉というような性質のものではなくて、個々にあくまでもお話していく、こういうのが私の立場でございます。
○實川委員 それはまあそれ以上この問題について追及しても水かけ論……
○大野(市)委員長代理 實川君、約束の時間が参っておりますから……。
○實川委員 それじゃ委員長に申し上げますが、この問題の結果いかんによりましては、こういうような事態が全国的に起り得る可能性があるわけです。従って、私は、農林省としましても、あるいはまたわれわれ農業に関係する者といたしましても、このようなことが全国的に至るところで惹起されるということになりますと、日本の農地行政はめちゃくちゃになると考えております。そういう意味におきまして、単に時間が延びたあるいはおくれたということでこの問題をいいかげんなところで打ち切るわけには参らないわけであります。きょうだって、延びたというのは、大体あなた方の党内のいろいろな問題から延びたわけじゃございませんか。五時になるまでだれがこういう工合に時間を引きずったのですか。そういうようなことで、私の発言を封じられることははなはだ遺憾です。
○大野(市)委員長代理 できるだけ一つお時間の方をお考えを願います。
○實川委員 これからまだだいぶかかりますから、御承知おき願います。
○石田(宥)委員 関連して……。 今総裁の意見を聞いておりますと、団体交渉を拒否して個人々々で話をする、こういう話でしたね。ところが、今までの質疑応答の経過を見ますと、あなたが団体交渉をやっておられれば、一部分は解決ついたけれどもまだ三十何名も残るというようなことがなかったのではないかということを私は考えるのです。あなた方の事業というものが部分的に行われる事情ならば、これは団体交渉でなくてもいい。一団地としてこれを手に入れなければならないものを、これは団体交渉をやらないというところに、そもそも出発点を誤まっておるのじゃないか。そうでしょう。それをあなたは団体交渉というものは何か労働組合か何かに限ったかのごとき錯覚を起しておるからこういう問題が起っておる。ところが、今日二年半もかかってまだ工事に着工することのできないような現在のような状態を来たさしめたというのは、あなたの責任だと言っても過言でないと思うのです。そうじゃないですか。 それからまた、なるほど、よく転業資金やあるいは賠償金等についていろいろ御配慮があったようですけれども、この点はあなたも勉強しておられると思うけれども、今日までのダムの構築あるいはその他の農地を失った農民がどういう状態になっておるとお考えですか。たとえば、只見川の開発の当時のある農家のごときは、数千万円の金を手にして、そして他に転業した。ところが、いずれも数年を出ずして全部その金を使い果してみじめな姿になっておる。こういうふうに、ただたくさん金さえやればいい、他に転業の資金さえ与えればそれで責任は済むというようなお考えだとするならば、われわれはとうてい承服できないのです。私は、この点はあなたも大きな事業をおやりになっておる公団の総裁なんだから、やはり、農民というものの本質的な性格と、転業する場合どういう結果になるかというようなことについては、ほかにもそういう事例があるのだから、十分調査研究をされて対策をなさるべきだったと思うのです。これはまだ金ケ作の場合には他に転業した者がみじめな結果に達したという結論まで出ていないかもしれない。しかし、農民は本能的にそれを知っておる。数千万円の金を手に入れても、右から左、利息の高いのに誘惑をされてあっちこっちみんな貸し付けてしまって、それが取れなくなったり、あるいは、旅館や料理屋に転業したために、二年か三年で全部またそれを手離さなければならないというような事例があまりにも多い。農民はそれを本能的に知っておるから、なかなか容易にそれに応じないわけなんです。そういう点で、私は、その団体交渉に応じないということの基本的な態度が大きな誤まりを起しているんじゃないかと考える。この点一つ反省の意思があるかないか。今後といえども、三十何名というものについては、共同の運命としてお互いに手を取り合って対処しようとしておるんだから、やはりそれを相手にしてあなたは交渉に応じていく責任があるのではないか、こう思うのですが、どうですか。
○加納参考人 私は国家からこの重任を命ぜられておりまして、私の信ずるところを行なって参りますから、もし私の見解が誤まっておって、はなはだ不都合な総裁だとお思いになるならば、政府に建議なさって免職をおさせになったらよろしい。
○石田(宥)委員 それはもってのほかだ。そういうことはあなたの言うべき言葉ではない。第一、莫大な政府の資金を二年半も使って手をかけておるけれども、今日どれだけ進んでいるか。その責任をあなたはどうするんです。あなたはその責任を感じていないのか。そうして、何だその暴言は。許しがたい暴言だ、それは。
○加納参考人 許しがたい暴言ならお許しにならないでよろしゅうございます。
○石田(宥)委員 それは答弁じゃない。私は参考人として意見を聞いておる。意見を聞いておるんだ。少しも答弁になっていないじゃないですか。
○加納参考人 答弁なってるじゃありませんか。
○石田(宥)委員 答弁じゃないですよ。
○加納参考人 それは見解の違いです。
○石田(宥)委員 見解の違いじゃない。答弁になっていない。こっちの聞くことに対してすなおに答弁しなさいよ。団体交渉をしないから今日のような不始末を起したんじゃないかというんです。
○加納参考人 私は今後といえども個々に相談に応じて、個々に皆様方の幸福になるように御相談いたすというのが私の態度であります。
○石田(宥)委員 そういう態度であるとすれば、一体、今後これを円満に解決づけて、政府の政策に基いて、そうして政府の資金による事業計画が円満に遂行できるとお考えですかどうですか。
○加納参考人 できると信じております。
○石田(宥)委員 次に石坂政務次官に伺いたいと思うのでありますが、今質疑応答の中で明らかになっておりますように、膨大な農地が犠牲に供されておる。まず第一に、これに対しての法的な基礎もきわめてあいまいなんですよ。なおあとで法的な議論が行われると思いますが、きわめてあいまいだ。ことに、さっき實川委員が指摘されましたように、前の農林大臣はちゃんと、これに対して内諾を与えないと、こう言っておる。ところが、その後に内諾を与えておる。そういう手続の問題もありますが、今お聞きのように、公団の総裁のやった措置というものが、私どもの判断ではその措置よろしきを得ないので、今日のような状態になっていると思うのです。政府としてこういう公団の総裁に対して一体どうお考えになるのですか。
○石坂政府委員 金ケ作の区画整理の問題につきまして、私は従来の経過を一通りは知っておりますが、ただいま総裁と皆さん方の質疑応答の過程に明らかにされましたような従来の経過の実際が適当であったかどうかという点について政府はどう思うかという御指摘でありますが、その詳細な事情を私は確かめておりませず、ただ、三十九名の方が反対をされておりますし、なお、昭和二十三年の十一月十九日に公団が、竹あるいは大根等の物件除去を農民の方々がやらなかったために、それをみずから除去いたしましたことから、警察官の出動があったようでありますが、その際農林省といたしましてはこの停止を公団に励奨しておるようであります。この総裁のとってこられた措置につきまして政府はどう思うかという私に対する御質問に対しましては、私から答えるべき筋合いであるかどうかということについて、私も実は判断いたしかねておるような心境でございます。
○實川委員 加納先生に申し上げたいと思いますが、実は、加納総裁は私の同郷の大先輩でございますし、また日本人の中では最も洗練された国際人と承わっておりまして、かねがね非常に敬意を払っておるのでございますけれども、今の総裁の言動をわきから拝見いたしておりますと、どうも、私は、金ケ作の紛糾の原因は、あなたのその一徹な御気性の中にあったのではないかというような感じが実はいたすのであります。先ほど、あなたは、この問題をこれ以上長引かせて国に迷惑をかけても相ならぬ、従ってこれは強行するつもりだというようなことも申されておりますが、最近の新聞でちらほら出ておりますように、公団の運営自体がいろいろ国家に迷惑をかけておるような実情にあるのでございますが、私は、先ほどあなたの、国に迷惑をかけるから、農民の犠牲なんかどうでもかまわぬ、反対でもどうでもままわぬから強行するというような御発言でございますが、国に迷惑をかけているのは現在の公団の運営そのものにもあるのじゃないですか。たとえば、農民には非常な犠牲を払わせながら、ブローカーなんかを使って土地を買いあさったり、あるいはまた数千万円の不当利得をブローカーに与えておるというようなことが新聞に出ておりますが、それがあなたの信念でおやりになっていることでございますか。私はそうは受け取りたくはないのです。金ケ作の問題にいたしましても、あなたのそのような、言うならばむちゃくちゃながんこな行き方が不必要に問題を混乱させているのでありまして、私は、先ほど石田委員の言われるように、むしろ今日の事態を招いたのはあなたにその責任が大きくあるというように感ぜざるを得ないのでございます。どうか一つ、そういうようなむちゃなことをおっしゃらずに、この問題の解決のために最善の努力を尽す、そのためには団交もあえて辞さないというような決意をしていただきたい。そうでなければ、あなたがほかの部分でどのようにりっぱなことをおっしゃいましても、結局はあなたのその態度が問題をぶちこわしておるのでございまして、今日におきましては、そういうことを改めることこそが、あなたのおっしゃるように問題を円満に解決するゆえんだと私は思いますから、この点については、見解の相違というようなにべもない御回答でなく、何か一つお考え直しをいただきたいと思います。
○加納参考人 今るる御忠告がございました。せいぜい御忠告の通りに従っていきたいと思います。
○大野(市)委員長代理 参考人はよろしゅうございますか。――それでは、どうも御苦労さまでした。
○實川委員 計画局長さんがおいでになったようですから、お伺いいたしますが、市街地を造成する場合に、よりどころとなっておりますのは、住宅公団法と土地区画整理法だと思いますが、その中で土地区画整理法を農村地帯に持ってこられておるようでありますが、これは、私から申し上げますと、違法とは申し上げませんけれども、立法の趣旨から見まして、この法律を農村地帯において適用することは間違いだというように考えておりますが、その点はどうです。
○美馬政府委員 松戸の問題につきましては、いろいろ事件を起しておりまして、私ども監督官庁といたしまして非常に残念に思っております。私ども土地の造成問題をいろいろやっておりますが、やはり、理想的に申しますと、土地の造成の問題は、海面の埋め立てであるとか、そういう方面に第一次的には向いまして、農地はできるだけ避けていこうというのが私ども建設省としての基本的な態度でございます。先般来海面の埋め立ての公団というふうな構想も出しまして、できるだけ農地の消耗は避けて海面の方面に市街地の造成をしていこうというのが私どもの気持でございます。しかしながら、実際問題といたしましてはなかなかこれだけでは解決いたしませんので、区画整理法あるいは公団法では法的にはいろいろこの趣旨を規定しておりますが、もともとこの趣旨は健全なる市街地を造成するという建前でございまして、そのためには都市周辺を市街地化していくと申しますのが一番大きい問題であろうと思います。しかしながら、首都圏の立場におきましては、これは御承知のように首都圏全般の構想もありまして、やはり東京都が発展していくためには周囲に衛星都市も作らなければならぬというような勧告もありまして、一般の市街地の場合と比べまして多少趣きも異なっております。従って、今回の松戸というふうな問題が出たわけでございます。この松戸につきましては、首都圏の計画におきまして、東京都の衛星都市としての決定もいたしておるというふうなことになっております。しかしながら、これは精神でございまして、実際の運用につきましては、私ども区画整理をやる上におきまして最も問題といたしますのは、農地をつぶす問題でございます。大きい立場からやむを得ない場合は御承認を願わなければならぬ問題と思いますが、あえて必要のない場合はつぶす必要はない、こういうふうに思っております。従来区画整理法なり公団法の建前が建設省中心で都市計画事業としてやっていくというふうな考え方でもございましたが、これは、松戸の事件等にかんがみまして、今後方針を改めまして、住宅公団がやる場合あるいは市町村がやる場合、府県がやる場合等におきましては、農林当局とも十分に協議いたしまして、基本計画の決定の際によく納得のいくような方法を今後とりたい、こういうふうに考えております。
○石田(宥)委員 議事進行について……。 きょうは時間もだいぶおくれておりますし、また、先ほどの参考人の態度等についても本委員会として十分検討を要する議もあると考えられますので、明日建設大臣、農林大臣等も出席願った上で続行されるように取り計らいを願いたいと思います。
○栗林委員 議事進行について……。 特に明日は赤城官房長官の出席を一つお願いしたいと思います。その理由は、先ほど實川委員が質問をした中で明らかにされておることは、昨年の二月の参議院の本会議で、亀田議員の質問に対して赤城農林大臣は、農民の納得のいかない農地転用は絶対に許可をしないという答弁をされております。従って、本件を質疑をするに当ってどうしても赤城官房長官の出席が必要であると思いますので、委員長においてしかるべくお取り計らいをお願いいたしたい、かように思うのであります。
○大野(市)委員長代理 ただいまの石田委員並びに栗林委員の動議に対しましては、明日の理事会においてこれをお諮りいたしまして、善処をいたしたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十二分散会