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31回国会衆議院1959/02/27

農林水産委員会 第14号

発言数
117
登壇者
14
会派数
2
開催日
1959/02/27

会議録

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  北洋漁業及び日韓漁業問題について質疑の通告があります。これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 外務大臣並びに農林大臣に対しまして、日ソ漁業問題についてお尋ねをいたします。  現在東京におきまして日ソ漁業委員会が持たれておるわけでありますが、まずお尋ねしたい点は、この漁業委員会において日本の政府側からオホーツク海の海域にサケ・マスの漁労のために出漁するという件を提起されるお考えがあるかないか、その点お尋ねします。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 まず私から……。  昨年、日ソ漁業交渉におきまして、資源保護の見地からオホーツク海には出漁しないという両国の取りきめがございますので、本年は出漁するという申し出はしてございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 外務大臣はいかがですか。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 同様でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、お尋ねしますが、昨年の漁業交渉における経過をわれわれが検討した場合において、当初、委員会におきましては、一九五八年の総漁獲量を十万トンにする、しかもそのうちオホーツク海の海域におきましては母船一隻と限定し漁獲量は六千五百トンにする、そういう取りきめが行われたわけです。ところが、最終段階において突如として日本の本国政府から、当時代表でありました赤城農林大臣に対して、漁獲量を一万トンふやせ、その条件は一九五九年以降オホーツク海において日本側はサケ・マスの漁業を行わない、停止するということを日本側かう条件にして、一万トンの漁獲量をふやして十一万トンに取りきめろという、こういう訓令が行われたわけです。こうなりますと、これは決してオホーツク海域におけるサケ・マス漁業の資源の確保増大のために漁業委員会がきめたということには絶対ならないのであります。結局、日本の独占的な漁業資本家の、しかも昨年一カ年に限っての利益を守るために、一万トンの漁獲量をふやして、そうしてその代償として一九五九年以降オホーツク海にサケ・マス漁業の出漁を行わない、こういう取りきめを行なったようにわれわれは聞いておるわけでありますが、ほんとうにこれが日本とソ連間における交渉の内容であり、日本の政府としてのそれが真意であったかどうかということを重ねてお尋ねしておきます。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 当時、ソ連側におきましては、オホーツク海においては資源保護の関係から絶対出漁に応じないということで、最終段階においても向うは撤回しない、こういうことにわれわれは聞いております。従いまして、最終的に取りきめた場合には、応じないものでございますから、終末は今言った通りの結末になったのでございますけれども、最後まで向うはオホーツク海における出漁をがえんぜない、相互にこれを取りきめるということであったのであります。決してこちらの方から条件として出したということではございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは内容が違うのです。このことは、昨年の四月二十五日に、当時の赤城農林大臣は、四月二十四日に帰国されて二十五日に当委員会において、これは国会の解散の日ですが、その四月二十五日に赤城農林大臣が当委員会に出席して、私の質問に答えて、私が先ほどお尋ねしたような点をここに明らかにされたわけです。われわれとしては十万トンの線で一応きめてあった、ところが、本国から突如として、もう一万トンふやすようにしろ、そのかわり、日本側から提案して、一九五九年以降オホーツク海域ではサケ・マスの漁業は行わない、停止するということで、昨年の決定が行われたということをわれわれは承知しているわけです。そうしますと、これは、日ソの漁業条約、これの付属書に規定された日ソ漁業委員会において取り上げる問題と全く筋合いが違うわけです。この資源の保護増大という点については、条約の四条の規定に基いて委員会がこれを討議決定する権限を持っているわけであります。あくまでもその条約区域内における漁業の資源の確保並びに増大のために委員会が科学的な立場からこれを検討して両条約国にその結果を勧告することができるというのが条約の付属書にきめられた委員会の権限であるということになる。ですから、委員会が交換条件において漁獲量を一万トンふやすとか減らすとかいうことは権限外です。あくまでも政治的な取引としてオホーツク海に出漁しないということを条件にして昨年に限って一万トンの漁獲量をふやしたということは明らかなんです。この点外務大臣から明確にしてもらいたい。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 ただいま農林大臣のお答えにありましたように、オホーツク海の船団派遣の問題につきましては、昨年もソ連側がこれを全面的にやめてもらいたいという強い要求をしてきたのであります。従いまして、昨年も出せないかもしれないという困難な状態にあったのでありますが、その問題はその問題として問題の解決をはかったのでありまして、十一万トンのトン数の問題とは関係ないわけであります。しかし、当時は交渉の最終段階であり、しかもソ連側の強い要求によったのでありますから、そのときに決定されたことはやむを得ないことだと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 外務大臣に重ねてお尋ねしますが、それでは昨年の決定は、これは純科学的な立場に立ってオホーツク海の出漁を今年度から行わない、そういう委員会の決定なわけですか。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 むろん、このオホーツク海におけるサケ・マスの資源保護という問題については、科学的検討を要すること当然だと思います。その結論に立って問題を考えなければならぬということは魚族保存という意味からも言えるわけであります。しかしながら、今申しましたように、トン数とは全然関係ないということを申し上げます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 しかも、昨年の会議の経過はソ連側においては資源並びに今後の操業等の問題を取り上げて、希望的な意見としてはオホーツク海におけるサケ・マスの出漁を停止するようにしてもらいたい、しかし、それは一九五八年に行われるこの委員会の決定に基く両条約国の共同調査の結果に基いて、そうしてオホーツク海における出漁を停止してもらいたいという、こういう希望的な意見は向から提起されたことは事実なんです。一九五九年から漁業を停止してくれというような提案は、絶対これはなされていないのです。なされておらないからこそ、十万トンという最終決定がなされたときに、しかもモスクワ会議の場所でできた問題でなくして日本の本国の訓令によって、もう一万トンふやせ、そのかわり日本側から条件として来年度からはオホーツク海においては出漁をしない、こういうことを条件にして一万トンふやせということで、かかる決定がなされた。これは赤城農林大臣の報告の中においても明らかなんですよ。ですから、これは全く日ソ漁業条約並びに付属書に規定された共同委員会の権限から逸脱したような取りきめが昨年は行われたわけなんです。でありますから、今年は当然これらの問題についても、この規制区域内における漁業禁止区域の設定の問題、あるいは漁獲量の決定等の問題は、これは条約事項にあるのではなくて、付属書に基いて、日ソ漁業委員会が毎年次の定例の委員会においてこれを取り上げ、あるいは付属書の一部を修正することもできるというふうに規定されておるのでありますから、当然今年の漁業委員会の議題にこれは日本側から提案すべきものとわれわれは考えておるのですが、その点はいかがですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 資源の問題につきましてはもうあらゆる角度から科学的な材料等を出してやっております。しかし、さきにお尋ねのようにオホーツク海の禁漁は交換条件などということで取りきめてないことは、われわれは当路の大臣としまして前農林大臣からさようなことは聞いておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういうことではなくて、ことしの漁業委員会に、日本側からオホーツク海のサケ・マス漁業の問題について、これは当然提案すべき事項です。それはなぜかというと、昨年両国の共同調査はこの委員会の取りきめによって行われておるわけだ。ソ連側は、この調査の結果に基いてオホーツク海の操業問題をきめたいという希望を述べておった。だから、順序としては、当然昨年の調査の決定に基き、昨年一カ年で調査が完了しない場合においては持続的に調査を行なって、科学的な調査の結論に基いて、今後のオホーツク海における漁業問題をどうするかということをあらためてこれは決定すべき問題であるわけだ。しかも、毎年の委員会においては、条約区域内における禁止区域の決定の問題であるとか、あるいは漁獲量の全体の決定等については、これは当然議題として検討できることになっておるわけです。それが政府としては去年あのような政治取引をやった経緯がありますのでなかなか提案することは困難と思いますが、やはりこの際、日本の、この国としての権益を守る意味においても、当然調査の結果等に基いて委員会に提案すべきものである、このようにわれわれは考えておるわけです。外務大臣の御答弁を願います。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 資源の調査は本年も昨年もやりまして、日本側から申し出まして調査をやったわけであります。引き続き来年度も調査をいたすことになろうかと思います。それらの調査の結果を待って決定すべき問題ではないかと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、お尋ねしますが、今年の二月の二十日の水産庁日報という新聞に、水産庁長官は、記者会見の席上で、オホーツク海のサケ・マス漁業に出漁するという問題は、これは条約違反になるからして認めることができないという発言を行なっておるわけです。これは当然水産庁長官の立場で発表されたのですからして政府の見解であるというふうにわれわれは考えておりますが、この昨年度の取りきめが行われておるということは、これは言うまでもありませんが、しかし、漁業委員会に、これらの禁止区域の問題とか漁獲量等の問題を持ち出すというようなこと、あるいは昨年の付属書に基いた決定に対して一部の修正を行うというようなことを日本側から提起する問題について、これが条約違反であるという根拠はどこにあるか、その点の御答弁を願います。

奧原日出男水産庁長官

○奧原政府委員 私は、水産庁日報にどういう記事が出ましたか、またその記事が信憑性があるものであるという保証は申し上げるわけには参りません。私は昨年、その当時掌握いたしました科学的な根拠に基きましてあの通りの決定をいたした次第でございます。従って、今年の交渉におきまして、さらにそのときの決定が科学的な根拠に基かざるものであることを立証し得るだけの調査が整っていない現段階におきまして、日本側が直ちに昨年約束いたしましたオホーツク禁漁をことしから取りやめるという提案をすることは、これは両国の交渉をまとめるゆえんのものではない、こういうふうな考え方を話した記憶を持っておる次第でございますが、新聞記者がどう勘違いしてそれを書きましたか、それは私は存じません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 外務大臣にお尋ねしますが、しからば、オホーツク海における漁業停止の問題は、この決定は、これは日ソ漁業条約の一部と認めておるのか、条約外の事項であるか、外務大臣はどういうようなお考えを持っていますか。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 委員会の中できめられたものでにありますから、条約内だと考えます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 条約内というのは、どういうことですか。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 委員会の中においてきめられた、話し合いをした問題でありますから、条約の適用を受けるものだと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは条約とみなすかどうかということを私は聞いておる。条約であるかどうかということです。

金山政英外務事務官(欧亜局長)

○金山政府委員 この委員会は、北洋のサケ・マスに関する条約に基いて設定されたものでありますから、その委員会によって決定されたもの、条約によって適用されるもの、そういうふうに私は解釈しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは、条約であれば当然国会に批准を求める必要があると思います。条約の外だから、これらの漁獲量の問題であるとか、あるいは区域内における禁止区域の設定等の問題については、これは何も国会の批准を求めなくて処理しているわけですね。従って、この問題は、やはり委員会の権限だけで付属書の修正もできるし、毎年次の委員会においてどのような変更もできるというのが建前になっておるわけですよ。ですから、これは条約の外であるわけです。そうであれば、これは条約であるからして変更はできないというような立論は成り立たないと思う。しかも、昨年の決定によると、一九五九年以降オホーツク海におけるサケ・マスの漁業を停止するということになっている。そうなると、これが以降であるということになれば、政府としては今後条約期間の満了時期までを以降とみなした取りきめをしたのかどうか。その点はいかがですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 条約の規定に基きまして、漁業委員会でその条約のワク内で取りきめられた協定だと思います。従いまして、あなたの御質疑の、将来これを改定するかという問題でございますが、現在の段階では改定の申し出は不適当である。これは現在出すべきじゃない。というのは、科学調査をしておりますけれども、その過程におきましていろいろ交渉の結果、まだ精細な改定を必要とするような科学的な研究が終了しておりませんから、従って、本年度の漁業協定の話し合いを進める上におきましても適切ではない。こういうことで、今水産庁長官も言った通りでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 科学的な共同調査の終らないうちにかかる問題を取り上げるのは不適当であるということであれば、なぜ昨年調査以前に出漁停止というような問題をこちらから持ち出してみずからその権益を放棄したのですか。ですから、私の聞いておるのは、何ら調査の結果も待たないで日本側から提起して出漁を放棄した、しかも昨年一カ年に限って漁獲量を一万トンふやすだけの取引条件でやったというような間違った取りきめというものは、これは即時に改めて、今年度は正しい科学的な基礎に基いた交渉をすべきであるということをわれわれは指摘しておるわけです。しかも、農林大臣は、思いますというようなことを言っておるが、日本の政府の責任でこのような決定を行なっておるのでしょう。しかも、将来ということになっても、この日ソ漁業条約は一九五六年から十カ年の有効期間を持った条約であるわけです。ですから、将来といっても、この条約の期限の満了の時期までしかこの将来の極限はないわけです。そうなると、条約が終るまでの間は日本側としては出漁停止の態勢でいくのかどうか。その点は外交問題を扱っておる外務大臣からお尋ねします。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 根底は漁業の問題ですから、私からお答えいたします。日本の方からオホーツク海出漁を停止するというようなことは出しておりません。向うは、漁族保存の関係から漁業の停止をするということは、一貫した、最後まで譲らなかった線であることは、先ほども申し上げた通りでございます。それから、同時に、今後改定するかどうかの問題は、両者間の漁業協定の委員会等で討議すべき問題であって、これを出す場合には、双方の了解では、科学的な研究を待っていろいろ再検討するということになっておる。現在の段階では、昨年も両国の共同調査等をいたしたのでございますが、これを改定する段階ではないということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 外務大臣にお尋ねいたしますが、将来停止するというのは、いつまで停止するわけですか。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 今農林大臣の言われましたように、漁業委員会において終始一貫魚族保存の立場からソ連としては昨年度も一隻も出漁させないという要求で終始しておりましたが、ようやく昨年度は一隻出した。明年以降については日本側も共同調査を提案しておりますので、共同調査の結果を待ってやるが、しかし、さしあたり来年は一つ自粛しようじゃないかというような話し合いをいたしたわけでありまして、共同調査も本年やれば二回目でございますし、結論が出てくれば、さらに問題は取り上げていくかとも思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 外務大臣の御答弁によると、今年度の現在行なっておる漁業委員会にはこれは提案する意思はない、しかし、共同調査が本年も行われるとすれば、それらの調査の結果に基いて当然主張すべきものであるとすれば、たとえば明年度の委員会においては提起する場合もある、こういうことですか。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 その科学調査の結果がソ連側の主張しておるようになりますか、それらの結果を待ってやらなければなりませんから、今判断しかねるわけでありますけれども、そうした問題は起ってくるのではないかと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そこで、現在の日ソ漁業委員会も相当難航しているわけですが、結局これは資源論の問題等が中心になっているわけですね。ですから、毎年のようにこの調査が行われているわけでありますから、究極の調査の結論に到達しない場合においても、たとえば資源の保護増大の見地から見ても一定限度内においてオホーツク海の海域においてサケ・マスの操業が可能であるというような科学的の根拠が現在の時限で発見された場合においては、当然率直に委員会に議題としてこれは提案すべきものであると私どもは考えているわけですが、そういう勇気と自信は政府においては全然ないのですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 両国の科学的研究が進み、双方の合意ができ上るという客観的情勢になりまする場合には、もとよりわれわれの方として改定いたしたいという考えでございます。現在の段階では、現在の漁業委員会の交渉の模様、同時にまた妥結等も考える必要がありますし、同時にまた、現在の段階における科学的調査は、まだ双方とも十分じゃない、非常に対立しておりますから、今は出す時期ではない、こういうことです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これはソ連側から提起すべきものではないのです。日本側から提起しない限り永久にこの問題を取り上げる機会はないんですよ。ところが、去年日本側から提案して、オホーツク海に出漁しませんというような、全く取り返しのつかない誤まりをあなた方は犯したわけなんです。ですから、それには政府が十分責任を負わなければ、これは提案する機会というものはないんです。しかし、今年の会議においても、これは当然この条約区域内における禁止区域の変更に対する問題とかあるいはたとえばこの海域における漁業資源の保護増大に関するような問題は細目にわたって現在委員会は討議しているわけですね。たとえば、その中に、この資源の増大のための孵化放流事業等のような問題にしても、御存じの通り日本側においても特に北海道のオホーツク海あるいは根室海峡の海域においては相当積極的な孵化放流事業を行なっているわけです。オホーツク海域においては十七水系で約一億万粒の孵化放流をやっている。根室海峡海域においては十七水系で約三億三千万粒の孵化放流事業をやっておる。あるいはまた、日本海においては六水系で三千二百万粒、太平洋海域においては十三水系で二千八百万粒、合せて北海道におけるサケ・マスの孵化放流事業は五十三水系で約五億万粒、毎年の孵化放流事業をやっているわけです。これはやはりオホーツク海あるいは関係海域に放流されたものが成長してこれが日本の漁業の発展、漁民の生産あるいは生活を確保するための基礎的な資源拡大の事業として政府が予算を投じてやっておるのじゃないかと思う。こういう事業をやっており、両国間においてこれらのことは今後も協力的にますます積極的に行わるべき筋合いなわけです。これを積極的にやるという一面において、やはり沿岸漁民に対しましてもその生産と生活を保護してやるというような施策の裏づけがなければ、ただ孵化放流事業だけ一生懸命にやって、この海域には出漁しない、そういうことでは、この事業というものはどこに目的があるかわからないということになってしまう。ですから、今年の会議においても、日本のかかる資源増大の事業内容というもの、あるいは将来の計画というものを明らかにして、特に沿岸における日本の漁民、特に零細漁民の生活と生産の最低限を確保するためには、どうしてもオホーツク海の海域においても最小限度これだけの漁獲量は必要である、あるいはまた、今後の漁業の操業方式等にいたしましても、今までは母船式によるところの独航船漁業であったのでありますが、今後はやはり、かかる沿岸の漁民の最低限度の生活を守るためには、方式を変えて、このオホーツク海沿岸を基地としたところのいわゆる基地独航方式によって、少くとも三十トン程度の小型船等を中心にして、しかも沿岸の関係漁業協同組合が責任を負ったような体制で出漁するというような新たなる提案をこの漁業委員会に提起した場合においては、必ずソ連側においてもこれは検討に値するという熱意のある態度を示すのじゃないかというふうにわれわれは判断しておるわけでありますが、そのようなお考えは絶対にないのですか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 先ほども申し上げました通り、わが方からオホーツク海の禁漁をするということをみずから出したのじゃございません。これは先ほど申し上げた通りです。向うがこれを禁漁区にいたしたい、こういうことで、最終にはその協定をいたしたということでございますが、わが方から提案したということではございませんから、誤解のないようにしていただきたい。  それから、今基地独航船を出すならば向うがそれに応ずるだけの熱意を持つだろうということでございますが、私は直接のなにではございませんが、先方のお考え等も承わりまして、そういうことについてソ連側では明確な返事をしたこともなければ、これを了承する余地がないということは言っておりますから、私は客観的に成功のなにはないと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 成功の見通しがあるないは、これは熱意を持って会議にこの問題を提起するかどうかにかかっておるわけなんです。しかも、このオホーツク沿岸の漁業の実態は、御承知の通り、毎年十二月から翌年の三月までの間は流氷が流れて、この四カ月間というものは全く漁業ができないのです。こういうような特殊的な問題が残されておる。しかも、この沿岸において孵化放流事業を国も行なっておるし、また沿岸の漁業関係者もこれに協力しておる。ですから、せめて最も不遇な地位に置かれておる、悪条件の地域にある沿岸の零細漁民が作っております漁業協同組合等に責任を持たせた、基地独航方式による出漁方式を委員会に提起するということは、これは国民の最低生活を政府の責任で守る上においても、オホーツク海の公海にわれわれが権利を主張して出漁できるようにする提案をなすのは当然だと思うのです。そういうことができないという根拠がわれわれは理解できないわけです。重ねてお尋ねしますが、外務大臣としてもう少し熱意を持ってこの会議に日本代表が臨むように指導したり指揮するお考えがあるかないか、いかがですか。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 この会議を日本側のために熱意を持ってやるという意味においては、外務省といたしましても人後に落ちないつもりでおりますけれども、ただ、実際の漁業政策あるいは漁業の内容等につきましては、農林省の意向によってわれわれは仕事をして参りたい、こう思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、外務大臣は農林省の意向によってはいかようにも取り計らいたいということを言っておるわけです。藤山さんの方が良心的ですよ。農林大臣は、昨年の取りきめは日本側から提起したのでない、——しかもあなたは直接モスクワへ行っておらないじゃないですか。そのあなたがそういうことを強弁してこの場を逃げてしまおうとしておるのだ。ですから、もう少し、日本の農民や漁民の立場を守る農林大臣としたならば、沿岸における漁民の窮状というものは十分考えて——今日までの日ソの漁業問題というものは、これは独占資本漁業の利益を守るだけにきゅうきゅうとしてきたわけなんです。ですから、そういう態度を本質的に改めて、日ソ間における漁業交渉というものは、あくまでも日本の国全体の漁業の発展のために、しかもこの漁業に携わっておる零細漁民の利益を守るために日ソ漁業交渉を進めていく委員会に臨む、こういう基本態度を明確にしなければ、日本の国民ないし沿岸の零細漁民というもの、絶対に現在進行しておる日ソ漁業委員会に対する日本側の態度に対しての期待というものは持てないと思うのですが、この点はどうなんですか。沿岸漁民の利益と生活を守るために心を改めて漁業委員会に臨む、これだけは明らかに言明してもらいたいわけなんです。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 日本の漁業を守り、同時に関係の漁民の利益を擁護していくというのが基本的考えであります。ただし、具体的にソ連側といろいろ折衝するにつきましては、非常に困難な問題がありますから、あなたのお説の通りにすべてがいかないからというのでわれわれの熱意を疑われても、これはお答えのしようがないことになると思うのです。われわれとしましては、最善を尽して、あらゆる角度から日ソ交渉を妥結し、そうして季節的に出漁をし得るような結論を得たい、こういうことでやっております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 芳賀君、時間がありませんから結論を述べて下さい。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、外務大臣並びに農林大臣の今の答弁は最初のうちは非常に詭弁を弄しておられたけれども、外務大臣は農林大臣の意思が明らかになれば現在日ソ漁業委員会においてはこの問題は提起する用意があるということを示されたわけです。ですから、あなたの熱意の内容というものが明らかになれば、交渉ですから相手があるから成否のことは現在はわかりませんが、しかし、今までと違った態度でこのオホーツク海における出漁の問題を取り上げて、十分熱意を持ってソ連側に当る場合においては、努力いかんによっては絶対にだめだと断定することもできないと思うのです。ことしだめならば来年さらに主張を貫徹させるというくらいの迫力と熱意がなければ、外交というものは全然進まないですよペっぴり腰で、向うの思惑を考えたり、あなたたちの背後にある漁業資本家の思惑だけを考えては、交渉というものは進まないと思うのです。ですから、この際ぜひとも、日本側の態度として、この条約並びに付属書に基いて当然提案できるのですから、この漁業委員会にオホーツク海における沿岸漁民の利益と生活を守るために基地独航方式によるところの出漁問題を討議してもらいたい、こういう提案をぜひしていただきたいということをわれわれからも要望して、大臣の最後の明白なるお答えを願うわけです。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 オホーツク海に対しまするなには、繰り返して申し上げますが、第一に、日本側から提案をしてあれを禁漁区にしたのじゃございません。第二には、現在の段階におきましては、両国の科学的研究に基いて自後これを改善するという線に沿うて双方の科学的研究がだんだん進み、それで話し合いのだんだんつくような段階になりますと、われわれはなお改善の努力を進めて参りたいと思います。しかし、相手方のあることでございますから、あなたの意見をわれわれが直ちに採用するせないということだけでこの問題を解決すべき問題でないと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 提案するかしないかということです。そういう気持があるかないかということを明らかにしてくれればいいのです。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 オホーツク海に関します限り、現在の段階ではさような提案は不適当だと考えております。

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 田口長治郎君。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 私は、日韓漁業問題につきまして、外務大臣及び農林大臣に二、三お伺いをいたしたいと思うのであります。  今回、人道上の見地から、政府は韓国人の北鮮帰還の問題につきまして非常に熱意を示しておられるのでございますが、私どもは昭和二十七年からきわめて低姿勢をもって韓国に接したのでございますが、その結果は七年ともにうまくいかないで、言葉をかえて言いますと、今回ある程度高姿勢でいかれる、これもけっこうだと思うのであります。ただ、北鮮に帰す韓国人に対しては非常な熱意を持って人道的にお考えになっておるが、釜山に抑留されておる漁業者に対しましては、一般の人の印象といたしましては、何だか北鮮の問題以下に人道上お考えになっておるのじゃないか、こういうような誤解があるようでございます。私は外務大臣と一緒にこの問題に努力しておる一人としてよくその点は了承をしておる次第でございますが、留守家族その他には、北鮮に帰る韓国人に対しては非常に人道的にお考えになって、どうも抑留船員に対してはそれほど考えておられない、こういうような印象を与えておられるようでございます。御承知の通り、あの抑留船員は、ほとんど板張りに、わずかの面積にたくさんの人が収容されて、すべてが栄養失調になっておる。昨年の二月から五月まで四回にわたりまして九百二十二人の漁夫を帰しましたが、これらの連中はいまだに病院に通い、また入院をしておる、こういうような状態でございまして、生活の自由がない、あるいは生活の環境から考えましても、日本国内におって自由な生活をしており今北鮮に帰らんとしておる人よりも、人道上の問題から言いますとはるかに大きいものである、かように大臣もお考えになっておると思うのでございますから、釜山の抑留漁夫については、人道上、北鮮に帰る鮮人同様というのでなく優先的に考えておる、こういうことについて、具体的に大臣がとられたことについて、この国会を通じて一つ世間が納得するような答弁をしていただきたいのでございます。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 李ラインの内外において拿捕されました日本漁船及びその抑留者につきましては、われわれも、お話のありましたように、非常に痛恨事であると思っておりますし、人道上の見地からしましても重大な問題だと考えております。従いまして、一昨年も、日韓会談を開きます前提としてはどうしてもこの問題を解決しなければならぬということで、当時、十二月三十一日でありましたか、取りきめましたときにも、この抑留漁夫の帰還ということを強く主張して、そして、ただいま御指摘のありましたように、九百二十二名でありましたか、その送還をまず前提としなければならぬということで、日韓会談の再開の前提条件としてこれを進めて参ったわけであります。その後李ラインの問題が日韓会談の交渉に乗っておるわけでありますけれども、漁業委員会等の進行状況が、われわれの考えておるように思う通り参っておりません。その結果として根本的にこうした問題を解決することを期待しながら日韓会談を開いて、それが解決すればそうした問題が解決し得るのではないかということのために努力してきたわけでありますが、残念ながらその後も漁船の拿捕が行われ、あるいは抑留漁夫がその数を増してきたということは、まことに遺憾であると思います。こまかいことはアジア局長から申し上げますが、日韓会談を通じて、この問題は絶えず韓国側の反省を促してきたわけでありますが、今日の段階ではとうていそうした問題として取り上げてもなかなか解決しにくい点があるように思います。従って、われわれとしては、先般井上日赤外事部長がジュネーブに参りましたときに、特に私から、国際赤十字に対して、抑留漁夫の帰還の問題について赤十字国際委員会のあっせんを依頼する手紙をボアシェ委員長あてに出したようなわけであります。これらの問題につきましては、最善の努力をいたしまして、また人道上の問題として、また不法な処置のもとに抑留されておる人として、もちろん留学家族の方々その他のことを考えてみましても遺憾にたえない次第でございますから、最善の努力をするようただいま努めておるわけでありまして、幸いにして国際赤十字は多分この問題を取り上げて何らかの処置をするように進めて下さることだということを期待しておる次第でございます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 外務大臣の答弁は相当長うございましたが、要するに、あの生活状態からして、人道上の見地から、北鮮に帰る韓国人以上に重大問題である、かような信念のもとにこれが釈放について努力しておられる、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 その通り御解釈いただいてけっこうです。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 今回政府が北鮮帰還問題に熱意を持たれてこれが実行に着手された。その結果として、すべてのしわが漁業者に押し寄せておる。そのしわの一番大きなものは、今釜山に抑留されておる百五十三人の日本人漁夫の帰還問題である。第二の問題といたしましては、あの海域における日本の漁業者の安全操業の問題が非常に脅かされておる。この二つが主たる問題と思うのでございますが、その第一の抑留船員を帰すことにつきましては、今外務大臣が御答弁になりましたように、国際赤十字委員会に話しておられる、これも非常にけっこうでございます。きのうきょうの新聞によりますと、なかなかこの方面容易ではないと思うのでございます。私はもう一つ、この問題につきましては常に考えておるのでございますが、国連の人権委員会、ここに留守家族の代表でもやって、つぶさに一つじきじき訴えさせる、こういうことも赤十字の国際委員会と同等あるいはそれ以上に必ず効果をもたらすのじゃないか、こういうことを考えておる一人でございますが、この点につきまして外務大臣はどうお考えでございますか、お伺いいたしたいと思います。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 この抑留船員の問題等につきまして、国連関係に対して何らかの方法をとることがどうであろうかという御質問であろうと思います。私どもとしては、今回これらの処置をとりましたにつきましては、各国の駐在大使を通じまして各国政府にそれぞれ日韓間におきますこの人らの問題について十分な説明をしていただくとともに、また、国連大使を通じて、国連に対してもハマーショルド事務総長を通じ、また韓国の代表団に対して説明をいたしております。これらの問題について、ただいまお話のありましたような人権委員会に、——お話しになりましたように、もし最初に何か話をいたすとすれば人権委員会が一番適当ではないかというのが私どもの考え方なのですけれども、それらの人権委員会にどういうふうに働きかけるかというような問題については、ただいまいろいろ検討をいたしております。しかし、国際赤十字等がこの問題については特に熱心に扱ってくれると信じておりますので、国際赤十字委員会の決定と申しますか、今後のこの問題の処理の推移を見た上でなければ、その後どうするかということを今申し上げない方がいいのじゃないか、こう考えております。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 国連の人権委員会は、委員長が御婦人でもありますし、留守家族が実際の状態を訴えますれば、よくわかると思います。世界人権宣言もやった委員会でございますから、一つ派遣していただくような方法につきましてぜひ御配慮願いたいと思うのでございます。  それから、この抑留者のほとんど全部が今栄養失調である、こういうような実情になっておる点から申しまして、留守家族からの差し入れというものがきわめて重大であると考えるのでございます。御承知の通り、今差入金としましては年に五万四千円を国から支給しております。月に四千五百円でございますが、実際に調査をしてみますと、月に一回以上差し入れをしておりまして、そうして一回に七千五百円ないし八千円程度の品物を送っておるのでございます。それと、送る方法といたしまして今航空便よりほかに方法がないものですから、この輸送料として一個一回について約千八百円から二千円程度かけておる。言いかえますと、毎月一回に済ましても一万五千円程度の金を留守家族が差し入れのために使っておる。そうなりますと、月に四千五百円で、しかも働き手をなくした留守家族から送るのでございますから、これは非常な無理になっておるのでございます。農林大臣にお伺いいたしたいと思うのでございますが、この差入金だけはどうしてもある程度増額してやらなければならない、かように考える次第でございますが、この点についてどうお考えでございましょうか。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 現在の差し入れ自体が第一だんだん届くようになることを期待しております。金額が現在の給与でもって不足だ、こういうことでございますが、これは事情に即して考えなければなりませんが、ただいまのところすぐに結論を出すわけにいかぬことは御承知の通りであります。十分に調査検討の上、さらにまた考究いたしたい、こら考えます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 もう実際は調査の必要もないのでございまして、一万円以上使っておるのに対して、留守家族は四千五百円しかもらわないで、あとは手持ちをやっておる、こういうような実情でございますから、大蔵省の関係で大臣はそういう答弁をされたと思うのでございますが、どうしてもこれは解決しなければならぬという熱意を持って大蔵省とぜひ折衝をしてもらいたいのでございます。  それから、外務大臣にこの問題についてお伺いいたしたいのでございますが、今申しますように航空便で一個一個送っております。従って、大きさにも制限がありますし、料金にも非常に高い点で困っておる。これはどうしても下関なら下関に一つにまとめましてわが方の船ででも一括して向うに届けるような、そういうような折衝を今までされたかきれないか知りませんけれども、やっておられぬとすれば、一つそういう道を講じていただきたいという問題が一つと、それから、向うは今では十分な栄養をやっておるからということで拒否すると思いますけれども、ある程度の金を送っていいようなその折衝をぜひやっていただきたい、かように考えるわけでございますが、この点について外務大臣の御意向を承わります。

板垣修外務事務官(アジア局長)

○板垣政府委員 私からお答えいたします。  今御指摘の点は、留守家族から送りまする個人のほかに、政府からまとめて送るという問題もあると思うのでありますが、御承知のように、昭和二十八年から三十年の初めごろまでは政府名義で集団的な小包を前後七回送りました。また、金の面も四回ばかり小づかい銭を送ったことがあるわけでありまするが、三十一年の暮れになりまして、韓国側は、もう家族から送るやつで十分である、給与も待遇もいいから別にそれ以上政府名義の集団小包は送ってもらわなくてもいいということで拒否して参りました。これに対しまして、最近に至るまで三回にわたりましていろいろと韓国側と折衝いたしましたけれども、韓国側はどうしても、御指摘の通り、待遇はそう悪くはないのであるからそれ以上別に政府から送ってもらう必要はないという態度を取り続けております。これに対しましては、確かに御指摘の通り今後なお韓国側ともいろいろ話をしてみたいと思いますし、ことに、この釜山の抑留漁夫の問題に関連いたしまして、国際赤十字に委託をいたしましたから、これと関連いたしまして、収容所における待遇状況あるいはこれに対する援護の方法につきまして、十分国際赤十字の意見を徴して、これを利用する方法も一法かと考えております。従いまして、ただいまの金を送るというような問題につきましても、あるいはそういう方法で解決できるかもしれないと考えております。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 時間がありませんから、先を急ぎます。  次は安全操業の問題でございます。あそこでは現在以西底びき網の人が九千五百人程度働いておりますし、まき網関係の人が九千人程度働いております。それから、釣、はえなわの人が五千人程度、中型底びき関係の人が千人以上で、おそらく二万四、五千人程度の人が百億円程度の漁獲をしておりまして、その漁獲物は、関西方面におきましてはほとんど大衆的の魚はあの漁場から供給している、こういうような実情になっておるのでございます。さような観点から、もし今回の北鮮帰還の問題で安全操業が保障せられないということになりますと、この二万四、五千人の人間ばかりでなしに、この漁業への関連産業あるいは消費者、こういう点におきましてきわめて重大と考えるのでございます。この安全操業はきわめてむずかしいことであります。農林大臣が答弁されるとすれば、小型無電をくっつけさせる、こういうような答弁でもされると思うのでございますけれども、この小型無電の問題はごく一部の問題でございまして、水産庁の取締り船あるいは海上保安庁の警備船、こういうものも相当強化されると思うのでございますが、そのほかの方法で何とか安心して漁業ができるようなことまで政府としてはお考えにならなければ、このいわゆる大きなしわを寄せておるのが非常な問題になると考えるのでございますが、小型無電あるいは取締り船の強化、こういう問題以外に政府としてお考えになっている問題があるとすれば、一つここでお差しつかえのない程度の御答弁を願いたい。

三浦一雄自由民主党農林大臣

○三浦国務大臣 現在海上保安庁の巡視船は十三隻と聞いております。これが二交代をもって常時出動しておる。それから、水産庁におきましては漁業監視船を六隻出動さしておる、こういうことでございまして、同時に、小型無電につきましては、小型の船舶に据え付けさしたい、これに対しまして助成と金融の道を講ずるということで今やっておりますが、大体これは実行し得る見込みでございます。その他のことにつきましては、農林省といたしましては今のところは別にございません。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 外務大臣がお立ちになる時間だそうでございますが、このことだけはぜひ一つ聞いておいていただきたいのでございます。それは、あの李承晩ラインの取扱いの問題でございますが、今はないと思いますけれども、外務省の内部には、李承晩ラインはそのままにしておいても、将来、漁業協定だとかあるいは合弁会社の形式だとか、そういうような方法で日本の漁業者があの中で仕事ができるような形式でもいいんじゃないか、こういう思想がある程度流れておった時代もありますけれども、あの李承晩ラインというものは、御承知の通りに、竹島まで含んでおり、韓国の沿岸から百九十マイルも外に出て、南の方は、わが対馬の北端のところを走って、対馬に沿うて南にずっと下っておる、こういうようなところでもございますし、それからシナ東海と日本海との通路に当っておりまして、魚がほとんどあの海域に集まってくるところであります。あすこの漁場の開発というものは、日本の漁業者が昔からようやくあすこまで開発しておるのでございまして、あそこにああいうラインを引いて、そうして管轄権が韓国にある、こういうような格好では、国家百年を誤まるものでございますし、西日本全体の漁業者はそういうようなことではとうてい納得がいかないのでございますから、私どもは、この資源の保護、あるいは漁業調整上やむを得ないという最小限度の海域において線を引くということはやむを得ませんけれども、そういう合弁会社だとかあるいは漁業協定による入漁だとか、さような形においてあの中で仕事をする、かような処置をとったら大へんだと思うのでございます。今までの日韓会談で示しておられる案を見ますと、今そういう思想は全然ないようでございますけれども、いろいろな経緯、紆余曲折から、これが線がまた迷うてくるというようなことがあったら大へんでございますから、この点だけを一つ、御答弁は要りませんが、よく外務大臣としては含んでおいていただきたいのでございます。

藤山愛一郎自由民主党外務大臣

○藤山国務大臣 李承晩ラインを認めるということは、漁業問題ばかりでなく、他の見地からも、私どもはあの線を認めようという考え方には全然なっておりません。従いまして、その点はわれわれとしてあくまでも認めないということで参りたい、こら思っております。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 もう一分だけ…。  今度の問題で、韓国は、最初非常な威圧的の発言で、経済断交もあえて辞せない、こういうような声明をしておったようでございますが、韓国との貿易で一番困っておるのは漁業者でございます。御承知の通りに、ノリが輸入されるということで、零細沿岸漁業者が苦心惨たんして作った内地のノリが値段が下ってしまう、あるいは韓国でとりました鮮魚を下関を通じて輸入するために魚価が下る、こういうことで、日本漁民としては非常に迷惑をこうむっております。さようなこともありますし、その他のいろいろな輸出品、輸入品に関しましても、もし向うが経済断交をするということであれば、もう日本としてはぜひ受けなければならぬ、こういうふうに考えるのでございます。政府としてはいろいろな事情はありましょうけれども、そういう意見が非常に強いということだけを御了承願いたいと思うのであります。     —————————————

松浦周太郎自由民主党

○松浦委員長 次に、愛知用水公団の事業運営の問題について、魚屋堅次郎君より発言を求められております。この際これを許します。角屋堅次郎君。     〔松浦委員長退席、丹羽(兵)委員長代理着席〕

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私は、この機会に、木曽特定地域総合開発計画並びにその一環として現在実施されております愛知用水事業の問題について重点的に二、三の問題についてお伺いをいたします。  まず最初に、経済企画庁の関係の方も見えておるようでありますから、木曽特定地域総合開発計画の問題から入って参りたいと思います。  御承知のように、本問題については、国土総合開発法というのがございまして、それに基いて、全国総合開発計画、あるいは都道府県総合開発計画、あるいは地方総合開発計画、本問題に関係のあります四番目の問題として特定地域総合開発計画、この四つの種類に総合開発計画は分れておるわけでありますが、木曽の特定地域総合開発計画については、資料によりますと、昭和二十六年十二月四日に総理大臣から指定をされて以来、開発目標といたしまして、資源開発、これは、農産、電源、林産、第二番目として国土保全、これは治山治水を含む、第三番目として工業立地条件整備、この三つの開発目標に基きまして、御承知の国土総合開発審議会に諮問をされ、そして審議が数年にわたって続けられまして、特にこの地域は非常に重要な地域であるので、特別委員会が総合開発審議会の中に設置されまして、六回にわたる審議が継続された結果、審議会の決議として昭和三十一年三月二日に決議がなされ、追って閣議決定が昭和三十一年三月二十三日にされまして、ここに木曽特定地域総合開発計画というものが樹立され、自来、この計画に基いて、さしあたり実施すべき諸般の事業についての実施、並びに今後調査の上計画を決定すべき事業についても、それぞれ調査が進められておる段階にあることは御承知の通りでございます。この際経済企画庁の方にお伺いしたいのは、ただいま申しましたような経過に基いて木曽特別開発地域の指定が決定をされたわけでございますけれども、との閣議決定の中には、もちろん関係県である愛知、三重、岐阜、長野のそれぞれの開発計画というものが中身にあり、そしてまた当面実施すべき事業についてもそれぞれの実施計画というものがその中に織り込まれまして、一般的な閣議決定、こういう計画になったものと承知しておるわけでございます。そこで、特別委員会等も設置をいたしまして相当長期にわたって審議がなされる過程の中で、いろいろ関係県の間あるいは関係各省の間において調整にいろいろな論議が出たろうと私は思うのでございますが、閣議決定に至るまでのこういった問題について若干お話を願いたいと思います。

高尾文知総理府事務官(経済企画庁総合開発局参事官)

○高尾説明員 ただいまの角屋委員の御質疑でございますが、個々の具体的な詳細な決定に至るまでの問題といたしましては、企画庁といたしましてはいろいろつまびらかにはいたしておりませんですが、一般的に、こういう閣議決定というものが特定地域についてなされる、それに至りますまでの原則といいますかきめ方の問題ということを、現在の国土総合開発法に準拠いたしましてごく簡単に申し上げますると、閣議決定をいたしますのはもちろん総理大臣が決定いたすわけでありますが、その前に経済企画庁長官と建設大臣とが協議をいたしまして、総理大臣に決定の要請をいたすわけでございます。なお、それを経済企画庁長官がいたしますのには、経済企画庁だけの考えではできませんので、これは関係の各行政機関の意見を十分聞きましてその協議をなす。また、片一方建設大臣の方におきましては、これはどちらかといいますとむしろ関係都府県の意見、同意というものを得まして、ただいまの企画庁長官と協議いたすわけでございます。それから、建設大臣の方で各都道府県の意見をいろいろ聞くわけでございますが、その際に、各都道府県自体といたしましては、それぞれの各県議会、あるいは都議会の同意を必要とすることになっているわけでございます。また、それと並行いたしまして、各都府県に設置いたしております地方のそれぞれの審議会がございますが、その意見を十分取り入れまして、ただいまのように上に持ち上げまして、これを全国的に国土総合開発審議会に諮りまして最終的に決定をいたす。こういうふうな運びになっております。事務的にいろいろ問題がありますのはそれぞれの組織段階において議論を尽して消化されていく、こういうことに相なるわけでございます。不十分でございますが、一応答弁といたすわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 御承知の、国土総合開発の審議会において特別委員会を設置した場合には、特別委員会の調査並びに審議の状況については審議会に報告をすることに国土総合開発法でなっているわけでございますが、そういう資料はちゃんと整備されておるものと思いますが、いかがでございましょう。

高尾文知総理府事務官(経済企画庁総合開発局参事官)

○高尾説明員 ただいま御指摘の通り、そういう国土総合開発審議会あるいは各段階の審議会におきます資料等は、それぞれ整備されておるものと考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで、木曽の特定総合開発地域については昭和三十一年三月二十三日に基本計画が決定を見たわけでございますけれども、国土総合開発法によりますと、この基本計画の変更等の問題について、第十条の一の第一項、第二項、第三項に関連をいたしまして、第二項において、「内閣総理大臣は、経済事情等の著しい変化のため、前項の規定による閣議の決定があった特定地域総合開発計画が情勢の推移に適合しなくなったと認める場合においては、関係各行政機関の長、関係都府県及び国土総合開発審議会の意見を聞いてこれを変更し、閣議の決定を求めることができる。」、こういう条項と第十一条の四の経済企画庁長官が行う関係各行政機関の長との調整の問題との関連で、内閣総理大臣が閣議決定を経てやらなければならない変更の問題と経済企画庁長官が調整としてやり得る問題との限界というものについて、こういう総合開発の場合には具体的にどういう場合に閣議によって修正変更しなければならないか、あるいはまたどういう場合に経済企画庁長官の権限で調整ができるのか、この点についてお答えを願いたいと思います。

高尾文知総理府事務官(経済企画庁総合開発局参事官)

○高尾説明員 はなはだむずかしい問題でございまして、従来実例といたしましてそういうものを変更いたしたという事例はないわけでございます。従いまして、現在あるこの法律の条文によって考えていくよりいたしかたないわけでございます。ただいま先生から御指摘のありました通りに、第十条の二には、閣議決定ということと、それの第二項といたしまして、ただいまの「経済事情等の著しい変化のため」云々ということで、可能性がここに認められておるわけでございます。これは、ただいま申し上げましたように、実例としては変更して決定したということはございませんが、企画庁といたしましては、非常に慎重な手続を経て、各関係府県の意見あるいは審議会その他の意見を徴し、しかも国土総合開発審議会の議決を経て決定をいたしておりますので、この計画の中にそういう変更を要する事態が生じたかどうかということは、経済企画庁の長官だけで判断すべき問題ではありませんので、それぞれの関係行政機関の長あるいは関係の審議会等の意見、そういうものに基きまして、決定を改正の必要があればこれを改定していく、そういう一般的な心がまえでおるわけでございます。経済企画庁だけで独自に判断して直ちにやるというようなことは考えられないのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。それから、もう一つ、ただいまのはあくまで関係各行政機関の方から調整の申し出がある場合のことを言ったわけでございますが、事業の実態から申しますと、経済企画庁というのは御承知の通りあくまでも実施官庁ではございませんので、これを各事業別にそれぞれの行政部門において実施されておりますその中で、各省間の権限争議的な問題が起ってきたというような場合に、関係行政機関の長からの申し出によってこれを調整するということが、企画庁の設置法の中にも調整の機能として認められておるわけでございますので、そういう場合もあろうかと考えるわけでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 農地局長が予算分科会の忙がしい中見えましたので、問題を転じまして、ただいまの質問の点については後ほど愛知用水の関連の問題のときに再び御質問申し上げることにいたしまして、愛知用水の問題について入って参りたいと思いますが、先ほど来の木曽特定総合開発計画の一理として愛知用水事業が行われておるわけでございますけれども、この点については、御承知の世界銀行からの借款という形において外資の導入による農地開発改良事業、こういうものが現在実施をされておるわけでございます。御承知のように、外資導入による農地開発改良事業といたしましては、このほかに、機械開墾事業、あるいは泥炭地の開発事業、乳牛導入等の四事業が行われておるわけでございますが、この点については、昭和二十七年の十二月にガーナー副総裁が日本に来訪以来、アジアの中近東部長のドール等の翌年の来訪、さらに昭和二十九年夏の世界銀行農業調査団の訪日等から発展をいたしまして、外資導入の運びに相なったことは御承知の通りでございまするけれども、この外資導入による農地開発改良事業の問題について、特に愛知用水の問題に関連をして、過般総括質問の際、西村委員よりも、この技術導入の問題、あるいは外資導入の額の変更等の問題について御指摘があったわけでございます。この機会に農地局長にお伺いしたいのでございますが、外資導入による農地開発改良事業の功罪というものについて、今実施をしておる各種事業の経過を検討して、どういうふうに農林省としての見解をお持ちか、お伺いをいたしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今先生から御質問のありました、私の方で外資を導入いたしてやっております仕事は、愛知用水公団関係、それから機械公団関係でございます。愛知用水について考えてみますと、当時あの地点でロックフィル・ダムを作りまして、短かい期間の中でこれを完成していくということにつきましては、これは二十七、八年から起った話でございますが、当時の日本のいろいろな農業土木関係の機械の事情あるいはその他の関係から考えまして、世銀で借款をしてこの事業をやっていくということは、社会的に考えてみまして当然考えられることであったのではなかろうか、そういうことをやらなかったならばなかなかあの事業には手はつかなかったのではないか、そういうふうに私は当時の事情を考えております。しかし、その後、この前も御答弁いたしたのでございますが、実は七百万ドルの借款のうちで百七十万ドルはキャンセルいたしました。これはほとんど大部分は機械でございます。機械につきましては、ある程度国産の機械でやれるという自信を得まして、外資の七百万ドルのうち百七十万ドルをキャンセルするということをしたわけでございます。当時の事情としましては、短かい期間であの大工事をやっていくということにつきましては、当然これは考えられる方法であったと思います。機械開墾につきましても実は同じような事情がございます。これは、上北あるいは根釧、篠津でやっておりますが、やはり乳牛の関係はございますが、ほとんど大部分は機械を導入いたしまして工事のスピード・アップをしていくということでございます。これにつきましても、当時は、日本の機械の事情からいたしますと、ああいう形が当然考えられる形の一つであったというふうに考えます。しかし、これにつきましても、まだキャンセルするということはございませんが、一部のものについては国産の機械でやっていけるのではないかということで、今検討いたしているような次第でございます。  今後の外資の問題でございますが、今後におきましては、これはどういう地点でどういう事業ということになるか、まだ仮定の問題でございますが、できればなるべく国内の技術、国内の資本を使ってやっていくことが望ましいと思うのでございますが、その能力を越えるような部分につきましては、場合によりましてはまたそういうことも考えられると思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 愛知用水の場合における世界銀行の借款の条件がいろいろ問題になるわけでございますし、またEFA技術援助協定に基くところの指導援助の具体的な内容という問題についてもいろいろ論議のあるところでございますが、この世界銀行の借款条件の問題に関連して、愛知用水の計画そのものについて、計画の樹立あるいは変更等については、借款の協定によって世界銀行の承認を求めなければならぬものかどうか、こういうことが一つあろうかと思います。同時に、EFAの技術援助協定の問題で、先ほどの牧尾橋ダムの問題については、今日の日本の農業土木の段階では、これの設計施工についてはまだ困難な面があるので技術援助を仰いだやに承わっておるわけでございまするけれども、こういうダムの建設並びに幹線水路の設計施工等の問題について、具体的に技術援助の形としてどういうふうに実施をされておるのか、こういう点についても簡単にお伺いをいたしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 技術援助のおもなものは、牧尾の堰堤、それから幹線水路、調整池に関してのものが一番多うございます。そのほかに畑地灌漑についても若干技術援助を受けるという形のものでございます。  今まで受けました内容でございますが、ダムにつきましては、模型ダム、余水吐け等につきまして、模型をシカゴで作りまして、向うで実験をしました上で計画を立てまして、さらにその計画に基きまして日本側が細目の計画を立てるというようなことをやっております。また、幹線水路につきましては、トンネルあるいは開渠、サイフォン等、ほとんど全部向うのEFAで設計をいたしまして、それに基いて日本側が細目の設計をして承認を受けるというような形をとっております。ただ、最近、幹線水路等につきましては、一々シカゴまで持っていきまして承認を受けるという形ではなくて、こちらの方にまかせてもらいまして、こちらの駐在員のところで話し合いをしてやっていただくということにして時間の節約をはかっておるような次第でございます。そのほか、これは設計の問題でございますが、監督、あるいは工事の入札等につきましても、その結果について、どこが出してきたものについてはこういうところがいい悪いというような考課表を作る、あるいは仕事の監督をするというようなことをいたしておるのがEFAの技術援助の大体の内容でございます。これは来年の五月でございますか、一応協定の期限が切れることになっております。  それから、基本計画を変える場合に一々向うの承認が要るかという問題でございますが、これは実は内容によりけりだと思います。たとえばダムでありますとか幹線水路とか、そういうものに関連しますと、当然向うの技術援助を受けてやるということになっておりますので、向うと話し合いをするということになると思うのでありますが、その他支線水路の問題等につきましても相当の金額を使用する予定になっております。こういうものにつきまして一々向うの承認を受けなくてもいいというふうにわれわれは考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 政務次官にお伺いをしたいのでございますが、先ほど来の質問の経過でも御承知のように、外資導入に基く農地開発改良事業というものが、現在愛知用水を初め機械開墾あるいは泥炭地開発あるいは乳牛導入等を通じてなされてきておるわけでございますけれども、今農地局長の話でもありますように、世界銀行の借款条件あるいはまたEFAの技術援助等の場合には、いろいろな工事の設計、施工等の過程を通じていろいろな制約を受けておることは間違いのない事実でございまして、今日の日本の農業土木の進展状況から見て、資金あるいは技術等についても将来はやはりそういう制約を排して日本独自の資金と技術によってやっていくという方向でなければならぬかと思うわけでございますけれども、こういった外資導入による農業開発改良事業等の将来の展望等について政府は具体的にはどういう方針で臨まれようとしておるかという点をお伺いをいたしたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 外資導入による農業開発の点でありますが、外資導入することがよいか悪いかということにつきましていろいろ御意見もあろうかと存じますが、愛知用水公団なりあるいは農業開発機械公団等が発足いたしましたころの日本の状態といたしましては、急速にかつ相当大がかりの農地開発をするためには、やはりああいう方法をとった方がその当時の状況としては私はよかったと思うのであります。しかるに、現在の日本の農業土木は、農林省におきましても相当水準の高いすぐれた技術家も多数おります。現にその技術によりまして各地において実施をいたしております。せんだって二月一日に完工式をやりました児島湾の締め切り工事のごときも、これは世界第二の工事だと言われておるくらいでありまして、私ども、わが農業技術の著しい進歩について喜んでおるような次第であります。そこで、将来といたしましては、単に技術のみならず、従来外国の諸機械によっておりましたものも、機械の面から申しましても国産の機械がいろいろ発達して参っておりますから、相なるべくんば、日本の技術により、日本の機械により、また日本の資金によって開発を進めていくことが一番理想的であろうとは思います。でありますから、だんだんそういう方向に進むべきだと思いますが、さて、現在のところ、今まで世銀なりその他との契約によって定められているものを直ちにキャンセルするということは、これはいろいろの点から申しまして困難なことだと思うのであります。部分的に機械の購入について一部キャンセルした点も、先ほど農地局長が申しましたようにありますけれども、それは話し合いの結果そういうことをやったのでありますが、今までのたとえば余剰農産物の条約上の義務に属するもの、あるいは契約上の義務に属するもの等は、これは忠実に履行すべきだと思います。この後の問題につきましては、先ほど申し上げておりますように、できれば日本の国内のもので十分間に合わすべきは間に合せていきたい、こういう考え方であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 世界銀行の借款の過程におきましては、先ほど申しましたように、世界銀行の方から数次にわたって日本への代表団の派遣、調査、視察等が行われ、それぞれ、あるいはドール報告となって現われたり、あるいは世界銀行農業調査団報告として現われて、その結果として、日本に対する借款供与の第一順位に農業投資というものをきめて今日実施しておるわけでございますけれども、四つの関連事業をずっと進めて参りました結果として、最近の世界銀行のいわゆる外資導入による日本の農地開発改良事業に対して、今後さらに発展をさせていこうという考え方に立っておるのか、あるいは、そうでなくて、今行なっておる事業程度にとどめて、将来は他に転移をしたいと考えておるのか、その辺のところの状況について政務次官からお伺いをいたしたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 世銀と日本との関係におきまして、この後なお一そう事業量をふやすとかあるいは他の地域に新たな事業を着手するとか、そういう話は今日ところはございません。あるいは将来状況の変化によりましてそういう話が持ち上ることはあり得るかと考えますけれども、現在のところさようなことはございません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 愛知用水事業計画の内容に入って二、三御質問申し上げたいと思うわけでございます。  御承知のように、愛知用水公団は、愛知用水公団法に基いて、土地改良法によらずして事業の一貫施行等を現在実施をしておるわけでございますが、この事業の一貫施行の問題と関連をして、一般的な農地開発事業の場合においては、その事業規模に応じて、あるいは国営、県営、団体営等に分け、補助区分についてもそれぞれ仕分けがされて実施されておるわけでございますけれども、公団による一貫作業を実施する場合に、いわゆる一般的な農地開発事業とほぼ同じような補助区分に基いてそれぞれ処理をしていくという考え方のようですが、しかし、公団で一貫作業で実施する場合には、そこで具体的に工事の施行実施をやっていく場合に矛盾が起っておるのではないか、こういうふうな感じがするわけでございますけれども、こういう点について農地局長から承わりたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 御質問でございますが、実は、公団で全部やれればいいのでございますが、公団の人員、管理費等の問題もございまして、一部のものにつきましては、支線水路以下のものあるいは用地の問題その他につきまして県等に委託をしてやっているものがございます。これは、先生のおっしゃいました矛盾といいますよりも、そうしてやっていくことがこの仕事をやります上に最も効果的じゃないかというふうに思われる点もございまして、一部県に委託してやっているということがございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 今度の愛知用水計画の中で一つのポイントは、兼山地点におけるところの愛知用水関係にどれだけの水をとるかということが一つの問題点であろうと思います。御承知のように、木曽川流域については、従来から、それぞれ慣行により、あるいは法的により、いろいろな形におけるところの水利権も存在をし、それが農業用水として利用されたり、あるいは工業用水、あるいはまた上水道その他に利用されたりし、また、河川の場合においては、治水のために必要な一定の量を流さなければならぬという治水上の問題等もあるわけでございますから、新しく運河的に愛知用水によるところの幹線水路ができた場合に、これは新たな水の用途としてこれを使用していくということでありますから、その影響するところは、取水地点以降の下流地域におけるところの水利権、あるいは治水、あるいはその他今後発展を予想されるもろもろの問題からする水に対するところの需要の増加、こういうことに至大な影響を与えることは当然のことかと思います。そこで、愛知用水事業計画によります場合には、この兼山地点におけるところの水の最大取水量については、毎秒三十立方メートル、こういうことでそれぞれ幹線水路、支線等の設計施工もされておるのでございますけれども、この点は間違いがございませんか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今御質問の通りでございまして、幹線水路の断面でも、今おっしゃいました秒速三十トンということになっております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 この兼山取入口におけるところの最大取水量毎秒三十トン、こういうことにおいて設計がそれぞれ組まれておるわけでございますけれども、その取水量に基いて、設計の中におきましては、農業用水関係大体一億一千万トン、工業用水関係四千五百万トン、その四千五百万トンのうち、上水道関係千七百八十五万トン、工業用水関係二千七百十五万トン、こういうふうにいわゆる用水関係の計画としてはなっておると考えるのでございますが、これで間違いございませんか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 御質問の通りの数字で計画を作っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで、農業用水一億一千万トンの需要量については、これは水田において過去のいろいろな調査の結果に基いて、従来の水不足田に対する補給量、新しく開田さるべきものに対するところの用水量、こういうものから、水田では六千七百五十七万三千トン、畑の場合においては、御承知のように約三千町歩の開墾が行われ、これに対するところの畑灌の問題、並びに既存の畑地に対する畑地灌漑の問題等を含めて一万三千四百九十五町歩に対するところの畑地灌漑量、こういうことで四千二百五十九万一千トン、しめて大体一億一千万トンというふうに計画されておると思うのでございますが、この点は間違いございませんか。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 旧田への川水補給を受けるという数字は、今先生がおっしゃいましたが、六千四百万トンということになっております。それから開田へ三百万、畑灌で大体四千三百万ぐらいという、先生のおっしゃいましたのと若干違いますが、それで一億一千万、少しの違いでございますが、そういう計画をいたしております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 そこで、この農業用水関係の問題について、これは過般西村委員、丹羽委員等からも質問があったわけでございますが、その質問に農地局長が答えて、畑の灌漑等については、むしろ畑灌よりも畑を水田に切りかえたいという要請が相当に出てきておる、こういうことが農地局長の過般の答弁で出ておるわけでございます。そこで、水田等の問題についての用水量等については従来の地域の実情から相当正確なものが読めると思いますけれども、畑地灌漑については、日本の場合には従来あまり大規模な畑地灌漑というものは行われてきてないのでございまして、最近の広範な大規模な土地改良等において畑地灌漑ということが進んで参っておりますけれども、いまだ必ずしも十分な形になっておらない。そこで、畑地灌漑の場合反当どれだけの用水量に見込むかということは、何を作るかという問題、土壌関係の問題、その他の問題がいろいろからみまして、必ずしもこの畑地関係の用水量についてはこれでいいのかどうかということが一つの問題だろうと思いますし、同時に、将来畑の水田への切りかえというような問題になって参りますと、当然農業用水全体の総量としては増大をしてくることは自然の勢いでございます。そういう点から見て、農業用水一億一千万トンという量は将来増大する可能性を持つというふうに考えておるわけでございますが、ただいま質問しましたそれぞれの点についてお答えを願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 畑灌の問題でございますが、愛知用水計画をやります大きな目的の一つは、実は畑地灌漑にあったわけであります。面積におきましても、実は半分が畑地灌漑ということになっております。愛知用水計画で畑灌が一枚看板とは決して申せませんが、大きな目的の一つであったということはたしかでございます。これにつきごましては、最近畑というよりも水田にしたいという要望があるということをこの前私申し上げたのでございますが、これは実は西村委員からの御質問であったのでございます。畑灌の営農の指導の問題については、われわれといたしましては、今後十分に国の試験場なり県の試験場あるいは改良普及員においてあとの営農形態、畑灌の問題の指導を十分いたしませんと、この面積で計画通りということはなかなか困難であろうと存じます。それで、われわれといたしましては、農民の人々は畑地よりも水田にして米を作った方が農業経営として安定するのではないかという従来の考え方から改善を希望する人もあるのでございますが、限られた水の量でございますので、なるべく畑灌についてはこの計画でやっていくような指導はぜひいたしたいと思います。ただ、農民の希望でございますので、水の量とのかね合いでどういう結果になりますか、われわれといたしましては、水の量というものも限定されておりますので、その前提に立ちましていろいろのものを考えていきたいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 山林原野の開墾が約三千町歩計画の中で見込まれているわけでございますけれども、この三千町歩を、入植方面にどの程度、あるいは地元増反分にどの程度という具体的な計画については、私が農林省等にお伺いをした範囲内では、まだこれからの問題のように実は承わっておるわけでございます。しかし、後ほど触れます愛知用水の事業の進捗度の表等からいたしますと、すでに開墾についても約三〇%程度本年の末までに進む計画に相なっておるわけでございますけれども、この山林原野の新しく開墾される自後の計画について、具体的にどういう営農方式で、どれだけの入植を入れ、どれだけの部分が地元増反分に当るのであるか、こういう点について具体的にお伺いいたしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 これは計画でございますが、開拓の計画は開田が二百六十九町でございます。これは当初計画から二百六十九という開田になっております。それから開畑が二千八百五十六町という数字を計画いたしております。それから、入植は二百六十五戸、増反をする農家が七千八百四十戸というふうな、面積と入植戸数と増反戸数を考えて一応計画は作っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 広範な畑地灌漑の実施に伴いまして、今後いわゆる畑地灌漑を含めての新しい営農指導体制という問題について十分現地の実情に合った体制の整備をやらなければならぬ。それがための試験研究あるいは今後の具体的な営農指導体制というものを整備しなければならぬということでございますが、この点については今日までの結果について過般西村委員なりあるいは丹羽委員等からも指摘されたわけでございますけれども、今日、畑地灌漑の問題は、冒頭にもお話ししましたように、いまだ日本の場合においてはこれからの段階である。こういう点からいたしまして、特に外資導入までして世界的な注目のうちに実施をされる愛知用水事業の今後の農業問題としての成否は、畑地灌漑を含む営農体系というものが今後りっぱに成立していくかどうかということに一つの大きな焦点があろうと思うわけでございますけれども、そういう観点からして、今日の体制をどう改善しさらに進展をさせていかれようとするのであるか、この点について政務次官からお答えをいただきたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 技術的なことは私はすこぶる不案内でありますが、私の平素の考え方は、日本農業の振興のための大きな柱は畑作振興である、畑作振興の一つの大きな柱は畑地灌漑である、かように考えております。ただいま角屋委員の御指摘のうちに、畑地灌漑ということは日本の農業に対する新しい試みであるというお言葉があったようでありますが、確かにその通りだと思います。しかしながら、今日の畑地灌漑類似のことは、日本のごくいなかでありまするけれども、小規模にやっているところもございます。たとえば、私の県下に、私と同じ郡でありますが、原水村というところがあります。そこは畑どころであります。しかも昔から白川の余水を冬中そこに入れておりまして、水入れ畑と俗に称しております。そこの隣接したところに昭和十六年に農地開発営団が増設しました開墾地がありますが、これも畑地どころでありまして、そこにも水を引いておりまして、麦、カボチャ等相当生産をあげておるところがあります。従いまして、私は、畑地灌漑というのは日本の畑作振興の上には画期的のことだと思うのでありまするから、技術設計を十分にいたしましてこれを大いにやっていくべきだと思っております。これに対して外資を導入してやるかあるいは国の投融資等でやるかということにつきましては、これはおのずから別個の問題でありますので、私は畑地灌漑は今後大いに推進すべき一つの新しいテーマだと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 農地学書によりますと、愛知用水事業の問題の意義について、事業の一貫します大規模な畑地灌漑の採用、事業の早期完成、日本の農業土木技術に対するところの貢献、こういうふうに触れておるわけでございますけれども、事業の早期完成の問題に関連をいたしまして、すべり出しにあるいは外資導入その他余剰農産物の見返り円の見込み違い問題等もありましておくれたという問題、具体的に計画では昭和三十六年の三月で工事全体は終るというふうに申しており、しかも、これに対する過般の委員会の質問に対しても、農林大臣あるいは農地局長はそれでいけるという御答弁のようでございます。そこで、愛知用水事業進度表の問題の中で、具体的に、ダム幹線水路、支線水路、補助ため池、開墾隧道、発電、各項目にわたって、昭和三十三年度以前の出来高、昭和三十四年度の新しい年度の実施計画、三十五年度の実施予定計画、こういうものについてお示しを願いたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 工事の問題でございますが、今先生のおっしゃいましたように、当初基本計画を作りましてから、実施計画を作りまして縦覧公告をいたしますまでにだいぶ期間がございました。これは、おっしゃいましたように、一番大きな原因は、余剰農産物の受け入れということが中止になったということで、内容が変りましたのでおくれたわけでございます。それから、もう一点、昨年ダムの仮締め切りの決壊の問題がございましたが、これも原因になりまして若干のずれを来たしたわけであります。しかし、われわれといたしましては、何とか三十五年度すなわち三十六年の三月には師崎までは水を通したいということで、公団を督励いたしておるような次第であります。  それで、進捗状況でございますが、工事につきましては、大体一斉にかかりましたのが、本格的にかかりましたのは本年度からでございます。それで契約をいたしましたので、われわれ今申し上げますのは、契約金額等を土台にいたしまして進捗状況を申し上げますと、本年度末、三十三年度末におきましては、大体ダム工事において六四%、幹線水路で二七%、それから支線水路で三四%、補助ため池で四九%、全工事の四二%ぐらいではないかと予定いたしております。三十四年度では、公団の予算を百十二億ということでやりまして、ダムが累計しまして八六%、それから幹線水路が累計いたしまして六五%、支線水路が七八%、補助ため池が八六%、開墾とか耕地整備が五一%ということで、累計いたしまして七〇%くらいになるのじゃなかろうかという予想をいたしております。しかし、これにつきましては、よほどの努力は実は要ると思います。公団につきましても、先ほど申し上げましたように、われわれも十分監督いたしまして、三十六年の三月には何とか完成したいというつもりでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 愛知用水事業の場合には、すべり出しにおいてもいろいろ支障がありましたが、先ほどお触れになりました昨年度の仮締め切りの決壊の問題や、最近二月に入りましてから牧尾橋ダムの仮トンネルの亀裂等の問題が生じて、いろいろ問題をかもし出しておることは御承知の通りでございますが、最近生じました牧尾橋のダム付近の隧道の亀裂の問題に関連をいたしまして、この亀裂の原因、これは具体的工事施工の公団側の責任にあると考えるのでございますが、その亀裂の原因、並びに、そのことによって生ずる——上流地区に民間の貯木その他いろいろなものがありますし、またこの隧道を通っての交通、その他の問題等もあるわけでありますけれども、これが関係町村に与えておるところの影響と、これに対する今日具体的な対策についてお伺いをいたしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 今御指摘の点は、二月十五日に、これはダムのつけかえ道路の方の工事をやっております道路、それから、林鉄が入っておりましたのをつけかえをしますので、仮のトンネルを作りまして林鉄を通しましたが、この道路とトンネル内に亀裂が生じたわけでございます。これにつきましては、現在はほとんど亀裂はいずれも停止の状態になっております。この原因につきましては、実はいろいろ各方面の関係者にお願いしまして、現場を見てもらって、われわれの方も一緒に判断をしようということで、現在現地へ行っておりますので、原因についてはまたわかり次第御報告いたしたいと思います。こういう状態になっておりますが、工事自体は支障がございませんので、左岸の工事、あるいは締め切り工事は従来通り続行いたしております。  上流並びに下流に対する影響でございますが、現在ここで一日二、三百石の民材を運んでおります。これは国有林の林鉄を貸しまして民材を運んでおります。それから、上流の王滝の人が下に下ってきます場合にこの林鉄を利用するということがございますので、そういう人々に迷惑をかけないように、どこの責任ということは別にいたしまして、とりあえず公団で公団所有のバスを出しまして、その林鉄のつけかえトンネルの不通の間はバスで通るということにいたしておりますし、木材につきましても、トラックを雇いまして、その間は公団で運ぶということをやっております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 愛知用水事業についてはとかく新聞の種になる問題がときどき起っておることは、こういう大きな開発改良事業から見てまことに遺憾なことだと思うわけでございますが、これは今後数年にわたる大事業でございまして、やはり農林省といたしましては公団を督励してこういうことのないように万遺憾なきを期してもらわなければいかぬというふうに私どもも痛感いたしておるわけでございます。なおまた、生じた個所におけるところの善後処置等の問題についても同様でございます。  そこで、工事の進捗度の問題については、これは、昭和三十六年三月を迎えたときに農地局長の話をした点が具体的にどうなるかという点で、各項目別に記録にとどめておきたいという気持があってお伺いをしたのでありますけれども、それはともかくといたしまして、私の農林大臣に対する総括質問の中でも、土地改良事業等の計画が延びたために利子その他の関係で地元負担が非常に増加して、これが借財の返済に非常に困るということがあちこちに生じておる、この借財整理の問題を今日では具体的に考うべき段階じゃないかということを指摘したのでございますが、この点については、ちょうど今委員長をやっておられる丹羽さんも触れられまして、工事の遷延の問題について具体的に現地農民の声として率直に指摘したわけでございます。そこで、農地白書によりますと、農家の事業費の負担区分として八十四億五千三百万円を受益農家が負担するような資料の数字になっておりますが、これは、公団の一貫事業の建前から見て、従来の一般的な土地改良、開発事業と同じような補助区分に基いてやるところにも矛盾があることを先ほど申し上げました。この膨大な受益農家負担の問題について、具体的に一軒の個々の農家の場合には、田の場合、畑の場合で平均どれだけの負担になっておるのか、こういう点についてお伺いいたしたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 今の具体的の数字の問題は局長からお答えいたしますが、先ほど角屋委員のお言葉のうちに、農林省としても愛知用水公団のこの後の事業進捗について十分注意するようにというお言葉でございますが、私も全く同様に存じております。何分にも今までなかった大事業でありまして、公団当事者も注意に注意を加えまして今日までいろいろ苦労いたしておる打ちあけ話も私は聞いております。私的のことを申し上げまして恐縮でありますけれども、昨年の十二月なくなりました副総裁の大津敏男君は私の中学時代の一年先輩でございまして、さような関係からいろいろ彼の苦心談等も聞いておるわけでありまして、従来の公団当事者の苦労も察しております。しかし、角屋さんの御指摘になりましたようなことは、農林省としても当然やらなければならぬことでありますから、できるだけ注意いたしまして、そして農民の負担をふやさないように、かつ予定通り事業の完成するように十分督励努力いたしたいと思います。  なお具体的ないろいろなことにつきましては農地局長からお答えいたします。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 農家の負担のり問題でございますが、実施計画を作りまして縦覧公告をやる場合の前提は、十五年間反当二千八百円余、二千九百円足らずの金額で縦覧公告をやりまして同意を得たような次第であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 先ほど、兼山地点における最大取水量毎秒三十立方メートルの問題と関連して、農業用水、工業用水のそれぞれの配分計画の問題について触れたわけでございますが、その経過の中で、農業用水の問題については、愛知用水事業の力点は農業の開発というところにあったのでございますから、農業用水の一億一千万トンの中身からいたしましても、これは今後相当プラスされる可能性こそあれマイナスの可能性というものはないのじゃないかと思われます。それで、最近新聞等で、工業用水の計画量以上の増加という問題が、愛知県側から公団を通じあるいは直接農林省等に要請がきているやに伺っているわけでございますけれども、この点について実情をお伺いいたしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 愛知県から当初公団に、工業用水として、一億一千万トンという農業用水からでなくて、自分の方でもしも別に水を考えられればこの水路を使わせてもらいたいという話がございました。まだ公団からは何も返事はいたしておりません。その後農林省に対しましても同じような要望がありました。これも、農業用水としての一億一千万トンはこの計画のままでございますが、工業用水を別途にもう少しほしいのだというような計画を話されたことはその通りでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 年間の農業用水、工業用水という仕訳でいきますと先ほどのような数字になると思いますが、この毎秒三十立方メートルの内訳としては、概算農業用水が二八・五立方メートル、上水道、工業用水が一・五立方メートルと規定されているというふうに承わっているわけでございますが、愛知県側の工業用水量増加の要請としては、この毎秒一・五立方メートルのものをさらに二立方メートルないしそれ以上の増加の要請であるやに聞いているわけでございますけれども、この点についてお伺いいたしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 話がありましたのはその通りでございます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 愛知用水計画による兼山地点の毎秒三十立方メートルという最大取水量の問題について、これがかりに変更という事態になった場合に、御承知の、先ほど来聞いております世界銀行の借款との関係、技術援助との関係、こういう問題、さらに国土総合開発法による計区画変更という問題に関連して、これは経済企画庁の調整問題であるか、あるいは内閣総理大臣の閣議決定による変更の問題であるか、こういうことについてそれぞれ関係者からお伺いいたしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 特定地域総合開発計画のことでお話しになったのでありますが、私の記憶では、あの計画では愛知用水のあそこで三十トン取るということまでの計画は実はなかったのじゃないか。ただ、愛知用水事業を行うということはありましたが、そこまでの詳細な計画はなかったように覚えております。  それから、われわれの基本計画の問題でございますが、これはわれわれとしましても十分検討をいたしませんと正確なお答えはいたしかねるのでございますが、愛知県に対しましても実は何も返事はいたしておりません。聞いただけであります。実は愛知県だけではなく三重県からもこの問題についてはいろいろ話があるのでございますが、これについてもわれわれは何も言っておりません。それで、単に水路だけを通してくれというような場合——これは仮定の場合でございますが、そういう場合に、実施計画が変更になるかどうかということにつきましては、これは疑問がございます。ただ、基本計画の問題になって参りますと、これは、各省でみんなで協議いたしまして、あそこで三十トンというお話をいたしましたし、もしもそれ以上水の問題が変ってくるということになりますれば、これは当然関係省、下流の岐阜県、三重県の各関係県も含めまして十分相談した上でないと、何ともこれは御答弁いたしかねるというふうに思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 国土総合開発法に基く特別総合開発地域という中の計画の一つの問題点は、やはり水の量をどうするかということにある。その場合に、新しく愛知用水事業として取水をする場合にどの程度取れるかということは、これは基本の問題でございます。従って、その基本の問題について、閣議決定は一般的な決定でありましても、その積み重ねとして、岐阜、愛知、三重、長野等の各県の計画、あるいは特別開発計画に盛られるべき愛知用水計画の具体的な問題も含めて、こういうものの了解の上に立って私はこれが成り立っておるというふうに了承するわけでございますが、いかがでございましょう。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 木曽の特定地域開発計画では、実は先生のおっしゃるところまで詳細に詰めて閣議決定をいたしておりません。それで、それには直接この問題が——これは仮定でございますが、たとえば三十トンが三十五トンになるとか三十六トンになるということでその閣議決定にすぐに影響するというふうには考えておりません。ただ、基本計画を作りますときには、これは関係省とも話をきめておるわけでございますので、それが変るということになりますれば、当然そういう手続はしなければならぬと存じます。御参考まででございますが、基本計画では三十五トンということできめておりますが、一応愛知用水の計画を変えるというようなことが起きますれば、やはり関係省及びこれに影響します関係県とも十分連絡をしなきゃならぬと思っております。そういう重大問題でございますので、この問題につきましては、われわれは両県と話はいたしましたが、聞いただけでありまして、まだ何ら返答をしておりません。十分検討いたしたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 愛知用水にどれだけの水を取るかという問題は、下流の濃尾平野関係、あるいは木曽川の下流の愛知、岐阜、三重にわたるそれぞれの関係地域、農地にいたしまして三万四千六百余町歩の穀倉地帯に重大な影響を及ぼす問題であることは御承知の通りかと思います。しかも、最近この下流地域においては、上流の発電計画、あるいは愛知用水の新設計画というものから、河川の状況が変化したのに伴いますところの農業用水の取水困難という問題が起って参っておりますし、また、下流地域におけるところの地盤変動等の影響もありまして、伊勢湾からの逆潮遡行という問題もございまして、いわゆる河川の上の淡水の減少により樋管からの導入が相当困難になってきておるという事実が、木曽川の下流の、三重県関係で言えば長島、木曽岬村というところで具体的に起ってきておることは御承知のことだと思います。そこで、そういうふうな事態でございまして、同時に、兼山下流の地域においては、御承知のように農林省所管で昭和三十二年から国で濃尾用水改良事業等も実施をされておるわけでございますし、これと、さらに先ほど申し上げました木曽川下流におけるところの地盤沈下による逆潮等の問題とも関連をして、この愛知用水にどれだけの取水量をとるかということは重大な問題だと私は思うわけであります。この点について再度お伺いいたしたいと思います。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 御質問の通りでございまして、あそこの犬山のすぐ下には濃尾第一用水が今農林省で計画をいたしまして事業の実施をいたしております。これは岐阜県の関係でありますが、先生のおっしゃる通り木曽川下流地域の問題もございますし、これは非常に重要な問題でございます。河床維持の問題もございまして、建設省、あるいは工業用水では通産省というふうに、関係省もあっちこっち多岐にわたっておりますし、この問題は十分慎重に検討いたしたいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 建設省の方にお伺いいたしたいのでありますが、木曽川の流域におけるところの水利権の問題でございますけれども、この水利権の問題につきましては、国土総合開発審議会においても水に関する調査会を作って、いろいろ過去の慣行あるいは既得権の問題等について重点的な河川について調査が進められておることを承知しておるわけでございますが、水利権の問題については旧来の古い伝統と歴史がございましてなかなかむずかしい点もあるわけでございますけれども、木曽川の流域における農業方面の水利権、こういう問題についてはどの程度明らかに把握されておるのでございましょうか、この点をお伺いいたしたいと思います。

小林泰建設技官(河川局開発課長)

○小林説明員 水利権の行政につきましては、第一次の河川管理者であります知事にその許可権、監督権があるわけでございます。従来、水利使用の処分に当りまして、発電用水利以外の水利使用につきましては知事限りの処分になっておりまして、特別に他府県に影響を及ぼすような場合、つまり河川行政監督令の条項に基きまして建設大臣の認可を要する水利使用、それ以外のものにつきましては関係所管河川管理者において処理されておる状況でございます。従いまして、その法律は三十二年度に一部改正をいたしまして、一定規模以上の水利使用については建設大臣の認可を要すというような改正が行われたわけでございますが、この木曽川水系におきまして現存いたします水利使用の大部分は、御承知の通り非常に古くから歴史を持っております慣行水利権を主体にした大規模な木津、宮田等の用水のほかに、その後新しい水利権が県において設定されておるというような状況でございまして、その実態は関係所管の河川管理者において正確な、最も信頼し得る資料が確保されておるわけでございます。従いまして、現在私ども手元に持っておりませんが、その数字的な資料については根拠が明確になっております。ただし、慣行水利権の内容については、御承知の通りなかなか問題がむずかしいわけでございまして、実際農作物等に被害の生じないような限界において、あるいは既設水路の容量等において判定されておるのが通常であると存じます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 具体的に、木曽川の場合に、今渡堰堤より下流の必要水量についての愛知県側の取水量に対する見方と、三重県側の取水量に対する見方というものを資料によって見てみますと、木曽川の下流における三重県側の既得の水利権についての愛知と三重の見解に食い違いを生じておるということがございます。具体的に申しますと、三重県側では三十三・二四四立方メートル毎秒のものがこの木曽川下流の水利権として既得権益として実際に存在をする、こう言うのに対しまして、愛知側では大体それを二十立方メートル毎秒以下に抑えておる、こういうことが具体的に出ておるわけでございますけれども、三重県の木曽川農業水利実態調査については、河川局水政課の照会に対する回答の中で、すでに河川局の方にも資料が提示されておると思うので御承知だと思いますが、こういう食い違いというのは建設省の立場から見てどういうふうにお考えでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。

小林泰建設技官(河川局開発課長)

○小林説明員 三重一県の管内におきましての農業水利の実態は、水量的に非常に判定が困難な問題でございます。また、その大部分はおそらく慣行水利権であると私も伺っておるわけでございますが、従来、これは主として長島地区に相当するものではないかと思いますが、(角屋委員「長島と木曽岬」と呼ぶ)その付近に関するものであると存じますが、この地域は、御承知の通り満潮時、干潮時を利用して取水しておる、いわゆる入樋の方法によって取水を行なっておる地点であると存じます。従いまして、その干満の状況等によって水量に非常な変化がございますのと、また灌漑時期等においてもその水量に非常に差異が生じておるのではないかと存じます。私も先ほどの水政課に出ておるという資料についてはまだ拝見しておりませんので明確にはお答えできませんが、そういう点で判定が非常に困難であっただろうと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 木曽川下流の三重県の既得利水権の問題については、用水樋管名、取水個所、水利権者、用水量、灌漑面積、こういう形において二十カ所の用水樋管名ごとにそれぞれ用水量が具体的に数字で示されまして、合計として三十二・二五七立方メートル毎秒、こういうふうにはっきり実は数字として現われておるわけでございます。その点で、愛知県側の調べと三重県側の調べとの間に食い違いが生じておることは常識的には考えられないわけでございますけれども、御承知のように、最近愛知県その他で新聞をにぎわしております東海製鉄誘致問題について、愛知県側では、御承知の知多半島の横須賀町付近の地先に埋立工事をやって、先ほど来質問の経過でも明らかなように、愛知用水事業の用水路を地先として使って工業用水を得ながらそこに工場を建設したい、こういうことについて愛知県から公団、農林省にこういう運動が行われ、あるいは三重県側においても、桑名あるいは四日市の埋立工事を海岸地帯にやりまして、工業用水等に対する設計計画等も立てながら誘致運動をやっておる、こういう状態にあることは御承知の通りだと思います。この工場用水をいずれに誘致すべきかという問題については、政治力の差であるとかあるいは動きの巧妙・拙劣などによって決定されるべきでないことは当然であります。いわゆる木曽川の水というものを新しく分水すべく、愛知用水方面に具体的にはどの程度振り向け、本来の本家たるべき木曽川の流域にどの程度に向けるべきかということは、政治問題ではなくして、やはり科学的な立論の基礎と過去の既得権益というものを十分に尊重した立場から真剣に考えられなければならぬ問題だと思います。従って、先ほど来申し上げておりますように、愛知用水の計画について具体的に基本計画というものはすでにできており、その計画の変更を伴うような問題が今日いわば政治的な問題として出てこようとしておる、こういう場合に、農林省として、あるいは関係各省としてどう対処すべきかという問題については、十分慎重を期さなければならない問題だと私は思うのであります。そこで、この問題の推移いかんによっては、具体的に現地の設計計画あるいは現地の実態、こういうものに基いて、かりに愛知県側の要請のような問題が生じた場合にそういう科学的な根拠がなくそれが実施された場合、木曽川の下流におけるところの塩害問題、あるいは将来の利水の増大傾向に対する支障問題、あるいは木曽川の下流におけるところの治水からする当然流さなければならない水の枯渇問題、こういうものが生ずることによって関係住民に大きな支障が出た場合、その補償の責任は一体どこが負うのか、こういうふうな問題にも発展しかねない性格を持っておるだろうと私は思う。こういう問題については、やはり関係各省で慎重に考えなければならぬし、同時に、この地域が木曽特別開発地域として計画がなされ、いわゆる伊勢湾臨海工業地帯の工場配置を具体的にどうするのが中京地区におけるところの将来の発展から見て妥当であるか、こういうこと等も十分勘案して考えなければならぬ性格の問題だと思うのであります。この点について、今当面問題になっております東海製鉄の問題に対する基本的な農林省としての態度について、これは政務次官も従来の経過についてはわれわれ委員からもお尋ねがございまして御承知だと思いますけれども、率直にお答え願いたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 愛知用水公団の事業の範囲が広範かつ大きな仕事でありますだけに、その工事の進行過程において、また工事の完成後において影響が大きく、またいろいろの問題が出て参るであろう、そういうことのあり得ることは考えられるのであります。従いまして、それに対処する態度といたしましては、どこどこまでも合理的な基礎の上に立って公正妥当な解決策を見出すというのが基本的の態度でなければならないと思います。ただいま具体的の問題として起っておる東海製鉄の誘致問題につきましては、いろいろ経過的の事情は農地局長からお答えいたしますが、現在のところ、農林省といたしまして、いかにするかという対策の点まではまだ考えておりません。

伊東正義農林事務官(農地局長)

○伊東政府委員 特に経過ということもないのでございますが、先ほどお答えいたしましたように、自分の方に誘致したいというような話が両県からありましたことは先ほども申し上げた通りでございます。われわれとしましては、会社がどこへ行くかということは会社自身がきわめるべきことでございますので、この問題、私どもは水の問題として愛知用水がどちらに行った場合にもどういうことになるかということは慎重に検討すべきでございますが、どこへ行くかという問題は会社自身が決定する問題で、われわれが口を差しはさむ問題ではないというように考えております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 政務次官もあるいは農地局長も非常にばく然たる抽象的なお答えのようでございますが、ことに、農地局長の場合に、どこに位置を選ぶかは会社自身の問題だというふうに言われますけれども、やはり、この東海製鉄等の大きな工場の場合の立地条件の選択は、工場用水が円滑に得られるかということが一つのかぎでございます。従いまして、これは単に会社が自由選択で選ぶべき問題でない。ことに、愛知用水の基本的な計画との関連という問題が無関係に愛知へ導入されるということはあり得ない。三重の場合は愛知用水関係とは無関係の問題になりますけれども、愛知に選択するという場合においては関係を生じてくることは明らかでございます。従いまして、そういう問題を含んでおるだけに、愛知用水事業の基本計画との関連、あるいは兼山下流地域におけるところの農業用水の今後の開発計画、あるいは木曽川の下流におけるところの、関係県におけるところの農業の開発問題、こういう問題と十分かみ合わせながら結論を得なければならない、こういうふうに確信をいたすわけでございます。そういう点でやはり政務次官にも強く要望したいわけでございますけれども、伊勢湾臨海地区におけるところの今後の工場の発展の問題、あるいは農業の今後の全体的の計画の問題については、愛知用水計画につきましても、今後の畑灌の問題あるいは畑の水田への転換の問題等、やはり相関すべき要素を含んでおるだけに、工場用水に対するところの今後の問題についてはよほど慎重にやらないと、この地域における農業の発展というものは大きな支障を生ずるということになるのではないか、こういうふうに実は考えておるのでございますし、同時に、先ほど来申し上げておりますように、兼山下流地域におけるところの三万町歩にわたる農業の今後の発展の問題からいたしましても、十分慎重に対処しなければならぬと思うわけでございます。この点について再度政務次官からお答えを願いたいと思います。

石坂繁自由民主党農林政務次官

○石坂政府委員 慎重にやらなければならぬという基本的の態度につきましては、お説の通りだと思います。しかして、この後いろいろ問題が起りました場合におきまして、その問題解決には、御注意の点もございますから、十分慎重にいたしたいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 愛知用水の問題は、私も三重県の関係で隣県でございますから、もとよりこういう外資導入による新規の工事計画、しかも三百三十一億という膨大な事業費を使っての計画でございますから、具体的に現地等を視察の機会を得て、さらにいろいろ、今後の推進の問題、あるいは今申しました問題の今後の進展のいかんによっては具体的の問題を取り上げて委員会で追及をいたしたい、こういうふうに考えて、本日はこの程度で質問を終らしていただきます。

丹羽兵助自由民主党

○丹羽(兵)委員長代理 本日の議事はこの程度にとどめ、次会は明二十八日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。     午後五時四十五分散会

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