農林水産委員会 第3号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/12/18
会議録
○吉川(久)委員長代理 これより会議を開きます。 松浦委員長は本日都合により出席できませんので、私がその指名により委員長の職務を行います。 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。中澤茂一君。
○中澤委員 前回大蔵大臣に予算委員会でいろいろ蚕糸問題についてお伺いしたのですが、この五十億の追加分、合計二百億について、基本的に一体来年度の蚕糸対策はどうするのだという問題が解決しないと、この五十億もまたむだごとになる危険がある。そこで、基本的に一体繭糸価格安定法そのものを維持するのかしないのか。これがはっきりしない限りまた来年大きな問題になってくると思うのです。その点について、農林大臣の所管でございますから農林大臣の御答弁を求め、なお大蔵大臣にも所見があれば申し述べてもらいたい。
○三浦国務大臣 前にもお尋ねがございましてお答えしたのでありますが、繭糸価安定の施策は講じて参りたい。依然これを講じて参りたい。ただし、事情がだんだん変って参りましたので、いろいろ改訂は加えていく、こう考えまして、繭糸価の安定についてはやはり依然堅持して参りたい、こう考えております。
○中澤委員 大蔵大臣にお伺いするより先に農林大臣にお伺いして、そして大蔵大臣はそれを完全に大蔵大臣として予算的な措置その他を見るということでないと意味がない。そこで、今農林大臣が維持すると言ったが、その維持の仕方に幾つか問題がある。そこで、政府はどういう方法で維持するということを考えておるか。
○三浦国務大臣 まだ後年度の改訂する線はただいま検討中ではございますけれども、従来やっております基本線に沿うて一部改正を加え、そしてやって参りたい、こういうことであります。
○中澤委員 そういう抽象論じゃなくして、もっとはっきり言ってもらいたいのです。要するに、繭糸価格安定法そのものは存続させるが、その方法いかんによれば有名無実になる。 しからば、具体的にお尋ねしますが、価格維持の面をどう考えているかという問題なのです。
○三浦国務大臣 価格の維持はして参りたいと思いますが、今まで取り扱ったような一俵当り十九万円というのは改定したい考えであります。
○中澤委員 十九万円の改定はそれはいいです。しからば、底値十九万円というものをどう動かすつもりか。それを下げるとすれば、一体どういうところに下げて、そして繭糸価格安定法で最後のてこ入れをしていこうという考えなのですか。
○三浦国務大臣 繭糸価の安定の線でございますが、これは実需の伴うものにしていかなければならぬ。そうして、ただいまのところ幾らに定めるということはまだ申しかねます。検討しておりまして、大体のなにが終りましたならば関係の機関にも諮ってやって参るということにしていきたい考えでございます。
○中澤委員 どうもそのところが私にはごまかしにしか聞えない。現在十五万二千円です。大体、あの五十億を決定し、三百万の買い上げを決定したとき、十五万八千円ちょっと欠けたが、七千何百円までいっている。現在十五万二千円。これは、私がいつも問題にする例の生糸取引所の、この際政府がどうやるかという一つの見守っている考え方。今需要はぐんぐん伸びてきておる。そこで、一体底値を十九万円からどこに下げて維持するのかということは、農林大臣、はっきり信念を持っていいですよ。だから、その点をどこに一体十九万円の底値を下げて維持するのか。
○三浦国務大臣 今具体的にその価格を明示せよということは、困難であると思いますから、推移を見まして具体的に決定させていただきたい、こういうことです。
○中澤委員 それではあなたはだめですよ。ごまかしを言っている。こっちでも耳がないわけではないし、ちゃんと情報が入っているのだから、一つの協会法案の考え方、これは審議会に政府が諮ろうとする考え方、これを率直に言ったらどうですか。あなたがおっしゃらなければ、私が聞いている範囲において、政府の考え方がこうであるということを申し上げてもいい。
○三浦国務大臣 ただいまのところ、どうも遺憾ながら申しかねます。
○中澤委員 だめですよ、農林大臣。そういうごまかしはよしましょうよ。あなたの方で考えておる案というものは十四万円と十八万円でしょう。十四万円と十八万円にして、財政負担から、こう逃げてしまおうというのが考え方でしょう。違いますか。今度ば大蔵大臣だ、どうですか。
○佐藤国務大臣 先ほど来お話しになっていらっしゃる点、生糸の価格をどの程度にねらいを定めて行政指導をしておるか。これは、申すまでもなく、養蚕農家にとりましても、また織物業者にとりましても、生糸を取り扱われる商社にとりましても、まことに重大な問題でございます。また、私どもの立場におきましても、わが国産業の面から見て非常に重要なる産業でございます。そういう意味から、先ほど来農林大臣が申し上げますように、その価格の決定にはよほど慎重を期さなければならない。そこでいろいろな手続があることだと思います。ことに政府だけで独断的にその価格を決定するというものではないように私考えておりますので、各方面の良知を集めて最終的に決定される、こういうことだと思います。非常に端的なお話でございますし、またいろいろ新聞等にうわさも出ているということも私は耳にいたしております。しかしながら、責任のある大臣といたしまして、さような点はまだ申し上げる段階ではない。事柄の性質が、ただいま御指摘申し上げますようにまことに重大なものでございます。それだけに、農林大臣の発言、しごく私賛成でございます。
○中澤委員 だめだよ、大蔵大臣。あなたまでそんなごまかしの仲間はやめましょうや。十四万、十八万で財政負担を今後抜いていこうという考え方があるとすると、これは大問題なんですよ。何のために一体支持価格制度というものがあるのかという基本問題が出てくるんですよ。そういう基本問題が出てくるのだから、一体最低価格をどこで押えててこ入れをやるのだ。十四万、十八万なら、事実財政負担は無意義ですよ。繭糸価格安定法そのものはあっても、もう発動の機会はない。それならば基本的に言えば支持価格制度そのものを政府は投げるということなんですよ。だから、そういう面において、大蔵大臣としては、農産物に関する限り今いろいろやっておる支持価格制度というものを根本的にくずして、自由経済の中へ農村経済を投げ込もうという考え方か、または弱体な農業経済であるから支持価格制度を維持して農民の生活を守ってやろうという考え方か、そのどっちなんですか。
○佐藤国務大臣 ただいま申し上げますように、その重要性にかんがみて慎重な扱いをいたしておるのでございます。私も大蔵大臣でございますから、財政負担がどうとかこうとか、さぞ気になるだろうと御心配をしていただきますことは大へんけっこうでありますが、私、自分の立場だけでこういう大問題というか産業の各方面に影響を及ぼす問題をきめたくはございません。ことに、中澤さんは、もう申すまでもなくその道の権威者であられるから、今までの扱い方で今日のような実情になっていることを非常に御心配になっておられるのだと思います。私もその一人なのです。ただ、過去において十九万円を底値にしていろいろ準備を進めてみたが、なかなかそれが維持できておらない。とにかく、経済の問題は、一つのねらいをもって、そうして価格の安定をし、各方面に及ぼす影響を最少限度にとどめる、影響をとどめるばかりではない、その産業の基盤を強固にする、こういう考え方でとにかく取り組んで参る。だから、大蔵当局といたしましても春繭について相当多額の金を出している。さらにまた、その後の情勢等を見て、実勢が非常に変っておる、この実勢の変動では、これは大へんだと思いますからこそ、また夏秋蚕に対しても対策を立てたわけでございます。そういう意味で、おそらく農林当局としてもこの産業のあり方——先ほど御指摘するように、養蚕家といい、あるいは製糸業者といい、あるいは織物業者といい、貿易業者といい、各方面に影響を持つ国内重要産業、この点で、この産業はいかにするか、この立場でこの問題と取り組んでいきたいと思うのでございます。 問題は、今も非常に御心配になっておられるように、実勢が一体どうなるのか、実勢の変動と、これが需要としてどういうように動いていくか、これをやはりつかんでいかなければならぬ。その立場においてこの糸価の安定ということを期すべきじゃないか。この基本方針は、御指摘になるまでもなく、私は、おそらく中澤さんの考え方も同様でしょうし、農林大臣もまた政府の者としては同じような考え方で取り組んでおると思います。しかし、それでは今日新聞に出ておる十四万から十八万という、この十四万になることはないのだから、それでは財政の負担を逃げるつもりか、こういうような御意見がもしあるとすれば、それは相当事態についての認識が甘いのじゃないかということを私は憂える一人でございます。おそらく、中澤さん御自身は、業界のあり方については、私なんかよりはくろうとでいらっしゃるし専門家だから、よく御承知だと思います。(笑声)まじめなお話をしているのですから、どうか笑わないでお聞き取りを願いたい。私どもが夏秋蚕に対して千二百円という当時のいわゆる実勢とは相当大幅なところで買ったこの一事をごらんになりましても、私どもが財政負担を逃げるとか、そういうけちな考え方で問題に取り組んでいないこの実情は御理解が少くともいただけるのではないかと思います。そうかといって、千二百円は安かった、なぜ千三百円で買わなかったのか、千四百円で買わなかったのか、こういう御議論があるかとも思いますが、それはあまりに実情とかけ離れた議論というふうに私は考えるのでございます、どうか、そういうような立場で、問題は、一局、あるいは大蔵当局であるとか、あるいは農林省の役人であるとかというところでこういう問題をきめないで、やはり審議会等がこういう問題については真剣に取り組まれて、この種産業の価格安定、そうすることが真に需要を拡大するゆえんだというところに思いをいたされて、そういう意味で御審議を十分願いたいと考えております。
○中澤委員 財政負担をのがれる意思はないのだ、それはどこまでもやるんだということは、反面から考えれば、支持価格制をどこまでもとっていこう、そういう考え方なら、今また混乱を業界が起しておるのは、結局、協会法案で繭の価格だけはある程度保証してやって、糸価格に対しては知らぬ、こういう案じゃないかというのが業界の強い反対の根拠ですから、それらを一挙に解決するのには、支持価格、最低価格を十六万円なら十六万円と、政府はどこまでもこの価格は維持していくんだ、こういうふうにすっきり割り切れば、業界の反対はすぐやんでしまうのです。要するに、繭だけは約三分の一を二十億の金で五、六倍の保証をつけて、その運転資金で約七万俵の生糸というものを需給調整をさせよう、そうして糸価を安定させよう、このねらいはいいと思う。問題は、製糸関係初め糸関係が反対するのは、それじゃ繭の方だけ保証してわれわれの方はほうり投げるのではないか、それを今の反対の唯一の根拠にして連中がもめているわけです。だから、少くとも支持価格制を——今佐藤さんのおっしゃるように財政負担を逃げるわけじゃないのだと言うなら、ここで支持価格をここまでに引き下げて維持していくんだと言って出せば、問題は解決する。だから、その点について、支持価格をどこまでも維持するんだというのならば、当然もう数字を出すべき段階じゃないか。現在十五万二、三千円を上下しております。少くとも幾らで最低価格を維持するんだという態勢が必要です。それは行政的にコントロールができないかというと、できるんです。私はこのころ大澤君とちょっと話したんだけれども、綿糸やその他に操短の規制措置をやるように、大手口に対して規制措置を政府は一つ考えられないか。たとえば需給かあれして値下りする危険があったならば、操短を大手口に勧告して、一割なら一割の操短制限をやる、この規制をまず第一段階に考えればいい。十六万円ということを政府は生み出すことができるんですよ。そうした規制措置を考えて、大手口に対して一割なり一割五分の操短をやって、まず第一に需給調整のコントロールをここでやる。その次は繭の段階です。さっき言う協会法案のなにで需給のコントロールをする。この二つを完全に政府が掌握してやるならば、私は財政負担なくして十六万円はできると確信しておる。しかも、アメリカなどは、値段が安いのは問題ではないのだ。とにかく価格を安定してもらわないから困るのだ。ところが、内需の場合はこうは言えないのです。これは明らかに内需のいろいろな物価の状況その他でもって内需の場合はあるいは十五万を割る段階も来るかもしれない。しかし、今は本年における蚕糸も一般経済も底だと私は見ておる。現にどんどん需要が旺盛に伸び始めておる。そこで、政府がどこまでも支持価格制度を維持するのだという腹をきめて断言して、そして規制措置で第一次コントロールをし、協会法で第二次コントロールをするならば、十六万円は維持できるのです。できるならば業界は反対しません。今のような混乱も起しませんよ。だから、今の御答弁では、そんなけちなことはおれは考えないのだ、もっともっと大きな角度から全産業を考えるのだ、こういう大蔵大臣としてはごもっともな御答弁ですが、そういう支持価格を維持して財政負担があればやってもいいのだという腹がまえだけで、負担しなくても済む方法があるじゃないですか。だから、大蔵大臣がきょうこの農林委員会でばっと言えば、業界も反対運動をやめてしまいますよ。これならオーケーだと、みんなから賛成されるのだから、さっと十六万円を維持するんだとやってみましょう。
○佐藤国務大臣 農林大臣の所掌事項でございますが、あるいは私が引っぱり出されたのもこういう意味のことが聞きたいというお話ではないかと思います。少しよけいなことですが、本筋でない話になるかもわかりませんが、お話を申し上げてみたいことがございます。 先ほど、生糸の問題をめぐりまして、関係する方面が非常に広いと申しました。ことに、養蚕家だとか、製糸業者だとか、あるいは絹織物業者、あるいは貿易商社、こういうような各種団体を考えてみますと、本来から申すならば、最終段階においての需要がふえることを全部のものが一致して協力することが望ましい。そういうことでありたいと思います。そういうふうに考えますと、全部が共通の利益を確保するために協力ができるのじゃないかと思うのであります。これは非常に簡単な理屈を申して恐縮でございますが、ところが、今までのあり方は、糸だけの問題で、糸だけの価格安定の処置をとったのではどうも関係の方々の利益を確保することができない。言いかえますならば、養蚕家の利益と、製糸業者やあるいは織物業者や商社等とときに利害が相反する、こういう場合で、あちらこちらにしわが寄ってくる。こういうような危険な様相を示してきた、かように思いますので、糸価安定法の考えとはやや変った方法で価格維持に乗り出したのが今回の政府の態度であります。言いかえますならば、繭の段階においてとにかくある程度数量を引き取ってみて、そうして最終段階に対する調整をはかってみよう。これが他の産業における操短というような形と似通ったもののように思いますが、そういうような方法でとにかく総体の規制をある程度してみよう、こういう措置をとったのであります。だからこそ繭自身を買う。どうもなま繭は買えないから、それを乾繭として保管するような措置をとる。また、いつまでも繭にしておくわけにいかないから、適当なときに順次これを糸に変えていく。また、総体としてやはり繭のできが今の需要から見ると少し多過ぎるようだ、そこで桑園の整理というような問題にもなり、あるいは種紙の配給を相当規制してみるとか、あらゆる方法で生糸の原料である繭の供給を相当押えてきた。同時にまた、生糸の段階においても、また織物の段階等においても、それぞれ需給の関係で自粛的な方法がとられてきておる。しかし、今日までのところ糸価安定法がありますから、その糸価安定法の基本的な考え方でこれを非常な変動のないようにしようといって努力してきているのが私どもの今日までの努力であります。 そこで、農林当局といたしましても、協会法案を出したりして自主的に価格安定の方法を考えるとか、いろいろなことが処置されておるのだと思いますが、ときには各関係の人たちの利害が衝突することはございますが、もっと大局的な立場に立つならば、相互の利益を確保する意味において相互に協力できることがある。その協力を実現することが最も望ましいことではないか。これがただいま農林省なりまた大蔵省なり事務当局が相互に話し合って御審議をいただいておる協会法案その他に相なっておる、かように私は理解いたしておるのでございます。中澤委員は業界のことはそういう点については詳しい知識を持っていらっしゃるのですから、私は非常に乱暴な言い方をして恐縮でございますが、ある程度御理解がいただけるのではないか。それぞれの立場においてたたき合う、それぞれの立場において自己の主張だけをする、こういうようなことだと、そのしわ寄せを国自身が全部背負わなければならぬ。こういう処置は、これまたやれることではない。この点は特に私どもが念頭に置いておることを一つ御披露いたす次第であります。 具体的な問題につきましては、これは農林大臣の所掌事項であり、行政的な指導なりその他の面において十分配意されることだと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○中澤委員 大蔵大臣はうまいことばかり言っておるが、話を聞いても何の身もないのだ。要するに、質問の要点は一つしかないのです。支持価格を維持するのだ、それに対する財政負担を若干背負っても支持価格を繭糸価格安定法に従って底値をきめて支持するのだ、これを大蔵大臣に言ってもらいたいのです、端的に言えば。 そこで、それまでの具体的な案として、私がさっき申し上げたように、農林大臣の方がある程度の規制措置を講じ、なおかつ二段でああいう方法でやるならば、支持価格が財政負担なしで事実上できるではないか。こういうことは農林大臣が行政の長として考えればよいことである。だから、大蔵大臣は、支持価格制をどこまでもやるのだ、こういう御意思なら、それに対する若干の財政負担というものは、金がだいぶ集まってくるのだから、そのくらいは農民に出しましょう、こう言ってもらえばよいのですよ。どうなんですか。
○佐藤国務大臣 大へん固ばったお話をして恐縮でございますが、私、基本的な問題としての御理解を得たいと思って、私の質の一端を披露したわけですが、今お尋ねのような点については、先ほど来申し上げますように、それぞれの機関を通じてやはり最終的に決定さるべきものだと思います。今日の段階は、一体実勢はどういうことになるのか、それにどういうようにわれわれの音意欲を盛り込むかということに尽きるのだと思います。お尋ねの御趣旨もそうだろうと思います。実勢のままであるならば何もそんなものは必要ないじゃないか、こういうようにも聞き取れるのであります。私ども先ほど来のような基本的な考え方をいたしておりますので、実勢は尊重しなければならぬ、だからそれに行政的な意欲というものをどう具体的に出すか、これはどこまでもやはり審議会の議を経てやらないことには、それぞれの制度を誤まることでございます。だから、この点は、いろいろお尋ねがございますが、先ほど来農林大臣が答えますように、率直に申しまして、この段階なり、この国会の委員会の権威をもちろん認めないわけではございませんで、同時に、農林省としては、こういうものの価格決定の順序がございますので、そういうところで十分お諮りすることだと思います。むしろ、私どもは、こういう機会にこの委員会を通じて皆様方の御意見を率直に伺う方が、今後進めていく上において非常に好参考になるのじゃないか、かように考えております。
○中澤委員 それは大蔵大臣はそう言うけれども、結局僕は、支持価格制を支持して若干でもやるのだ、こういう御答弁をほしいのだ。予算委員会において、三浦農林大臣は、ではあなたは支持価格をどの辺まで下げるのが妥当なんだという質問に対して、あなたもそばでお聞きのように、まあ十五万ないし十六万くらいなところがという答弁をされたら、すぐそのあとで、あなたが、今そういう価格を言うのはやはり問題があるからと言って取り消したような答弁をしたのは、記憶があると思うのですが、結局、あの当時でさえ、農林大臣としては——当時の速記録を調べればわかるが、そういう一つの底値を出しておるのだがら、むしろ、この際、支持価格制をやるんだということを政府が基本的にきめるならば、やはり価格をすっぱり出して、この辺で支持するんだとはっきりした方がいいのです。われわれとしても、何もこの問題を、私はこの前も言ったように、社会党だからとか、自民党だから、与党、野党だからというので言っておるんじゃないのですよ。だから、その辺は了とされて、政府がほんとうの腹がまえさえできれば——今までどこがいけないといったら、腹がまえができないところが一番いけない。そのために、むだ金を二百億も出して、しかも混乱に混乱を続けさしてきた。結局どこに問題があったかといえば、春からの農林大臣の腹がまえがないからだ。ぴしゃっと腹がまえをきめれば財布の方は出さぬでも済んだものを、財布から出すような出さないような、腹の方がふらふらしているから、問題がますます紛糾してくる。それだから、現在支持価格制度をどこまでも維持するのだ、価格については審議会その他があるからそこで最低価格は決定してもらうのだ、それについての財政負担というものは場合によれば私としては考える、こう言ってもらえばいいのです。
○佐藤国務大臣 これはもう先ほど来申すようなことでございますから、結論は変りはないと思います。過去におきましても、十九万、二十三万という一つの安定帯を考えた。おそらくその十九万が発動するときはほとんどないと考えておられたあの十九万、二十三万の安定帯が、いつの間にか十九万が維持できなくなり、そうして十九万で買い取りをしなければならなかった。こういう経験から見ましても、将来の糸価のあり方として一体どういう幅を持つかということ、これは農林当局の一番苦しいことだろうと思います。この点が、いわゆる単一の支持価格でないところの糸価安定の方法でございますから、なかなかむずかしいだろうと思います。私は、おそらく、問題になりますのは、価格をどうきめるかということが一点、もう一点は、一体もうきめる時期じゃないかということ、この二つが実はあるんじゃないかと思うんです。今の中澤さんのお話は、その二つを一緒にして、むしろ価格からやれば時期はすぐきまるんだということなのだろうと思います。私、いろいろお話を伺っておりまして、また農林当局もおそらくその点ではよほど問題が詰まってきているんじゃないか、いつまでもほうっておけない段階、おそらく決定をしなければならない段階になっている、実はかように私自身は感じます。これはしかし農林大臣がどう言われますか。おそらくもうそろそろ実勢を見るという期間はもう過ぎてきているんじゃないか。そういうところで最終的な決定をする。そうすれば審議会等を経て最終的な決定を見る。そこは、どこまでも、過去の安定地帯でもわかるように、最低と最高をきめてきている、そうして実情においてはその中間のところで大体安定をしておった、だがいつの間にか需給のバランスがこわれちゃって最低のところになり、その最低を割るようになった、そこでてこ入れをしてその価格の維持をはかった、こういうような経過があるのでございますから、今の時期にどういう処置をとるべきか、これは一つ農林大臣から十分私ども相談を受けて最終的な決定をいたしたいもの、かように考えます。
○中澤委員 幾ら言っても何だかナマズ問答みたいでだめですが、農林当局がきめてその価格であれした場合は、これは別に財政負担は受けないのだが、そういう必要な場合は、支持価格制度をどこまでも維持するのだから、一定のあれを経てしたものに対しての支持価格制度はどこまでもとるのだ、それの財政負担はやむを得ないものは出すのだ、この基本的な考え方は、大蔵大臣、いいですね。
○佐藤国務大臣 この糸価安定の方法が、従前同様一つの安定帯を考えていく、こういう考え方には私ども賛成でございますし、安定帯がきまれば、その安定帯内に価格を維持するということ、これは私どもの当然の責務だと思います。そこで、申し上げたいのは、この安定帯を、どこまでも安定帯であるということを念頭に置かれて、そうして適正なものをきめていただきたいと思います。
○中澤委員 じゃ、農林大臣に承わりますが、一体、安定帯というけれども、今大蔵大臣の言う安定帯という言葉自体が問題で、たとえば、安定帯は、極端に言えば、十万円と十五万円——今十五万円だから、最高十五万円にして最低十万円にしようといえば、これが安定帯だ。具体的になれば、一体価格をどうするか、どこに底値を押えるかということか問題なんです。だから、それについてやはりまた時期おくれをやっていると私は思う。今業界があれだけもめておる。このごろ赤旗をかついであなたの部屋の前にすわり込んだのは、結局、ぴしゃっときめる段階に来ているのにきめないから、今日こう問題が紛糾しておる。どうですか、はっきりとこの辺できめる段階じゃないですか。まだ早い、これは実勢価格がどこへ落ちついていくかいま少し見べえ見べえといって一年も二年も見ているんじゃもう価値はないんです。きめる時期の問題と、はっきりと価格の問題を打ち出す段階でしょう。どうですか。
○三浦国務大臣 改定の時期がだんだん迫っておる、こう考えております。
○中澤委員 農林大臣はいつもこれだから、もう私はあなたにものを言わないというのだけれども、農林大臣である以上、ものを言わないわけにいかないから、ついやむを得ずものを言っているのですが、そういうことは、あなたはそれで政治的な御答弁だと思っているかもしれませんが、混乱をますます起す原因というものはみなそこにある。だから、もう時期が来たということはわかったが、そんなら、いつごろまでに、大体どの程度の目安でおきめになるおつもりですか。
○三浦国務大臣 その目安が重要な問題でございますから、ただいま検討しておる。先ほど大蔵大臣もおっしゃった通り、適正なものにきめないと、これまたなんでございますから、これは検討しまして、そうして繭糸価格安定審議会等にもお諮りしまして最終的に取りきめたい、こう考えております。
○中澤委員 もうそれでけっこうです。 そこで、五十億の問題を伺いますが、今度の五十億円で実際の買上数量というものは何貫ですか。三百万貫以内という法案がここへ出てきておりますが、実際の買上数量は何百万貫ですか。
○大澤政府委員 三百万貫が最高限度でございまして、全養連の方でこれを目標にしてどれほどのものをたな上げするかということは目下やっておるわけであります。この数量は大体十二月二十五日ごろに確定するはずであります。ただいままだ確定した数量は私どもわかっておりません。
○中澤委員 見込みは。
○大澤政府委員 もう少したちませんと、はっきりしたものはわかりません。
○中澤委員 三百万貫ないはずなんですよ。だから、見込みを聞いている。十二月二十五日じゃなくても、もう見込みは大体まとまっているはずだ。僕らわかっているのに、蚕糸局長がわからないはずはない。それがわからなければ、やめてもらうより仕方がない。
○大澤政府委員 三百万貫一ぱいにならないかもしれませんが、その辺がどの程度になるかということは、もうしばらくいたしませんとはっきりつかめない状態であります。
○中澤委員 そうすると、この前の残は一体どれだけあるのです。この前の残は十八億幾らくらいあるはずです。
○大澤政府委員 春繭の五十億の残は、概数でございますけれども、約十八億あります。
○中澤委員 それで、今度は、私が大体聞いた数量では最高二百四十万貫くらい。今度の五十億とて若干残が出てくる、残りが出てくるわけです。それは農林大臣どういうふうに使うおつもりですか。三百万貫買っても、五十億ですから残が出る。その残プラス前の十八億なら、相当に残がある。それはどう使うのか。
○大澤政府委員 先ほど来から大臣が言っておられますような価格改定が行われた場合には、新しい価格、最低価格で政府が買う、こういうことになるわけであります。その場合に今の残が活用されるということになるはずであります。
○中澤委員 そこで、大蔵大臣、来年度の予算編成の問題、これは実は足鹿さんからあなたにお聞きするという話になっていたのですが、もう本会議のベルが鳴って時間がないから、私から続けて聞いておきますが、この二百億を一般会計で負担するのかどうするのか。これは予算編成上大きな問題になってくると思う。何かほかの方法、ワク外の方法を考えているのか、あるいはこの二百億というものを一般会計で負担するのか。
○佐藤国務大臣 これは大変な問題です。御指摘の通りです。今ちょうど高木主計官が来ておりますので、高木君から御説明させます。
○高木説明員 最終的には省議も経ておりませんので申し上げかねますが、全部を一般会計で持つということは、予算全体の都合から申しまして持てないことになるのではないかと思います。しかしながら、さりとて、相当実質的な赤字も持っておりますから、赤字部分も借入金に及ぶというようなこともできませんので、そこらを見まして、借り入れ得るものはある程度借り入れしてやっていける範囲でいきたいという程度で、私どもの方では用意をしております。
○佐藤国務大臣 今の話で、まことに不十分な話をして恐縮でございます。ただ、まだ省議で決定もいたしておりませんのではっきりしませんが、十分考えまして善処する、こういうお約束だけいたしておきます。
○中澤委員 あとまだ高田君の質問があるそうなのでこれでやめますが、これはことしの農林予算編成上の大問題だと思います。そこで、これは方法を完全にワク外にしないと、一千二百億とっても、この二百億を振り込まれた日には一千億にしかならない。そうして、自民党の皆さんは、何だおらの方は一千二百億をとったと言ったって、内容を知らない人は本気にするが、去年の一千余億だって、内容をあらためてみれば、一千億なんかいっていない。だから、そういうごまかしでなくて——これは農林省の三浦農林大臣を応援しているんだから、あなたしっかりしなさいよ。二百億というのは、僕の考えでは、もし日銀がだめなら、農林中金の一年債に何とか考えて、完全にワク外にしないと、またこれは予算編成で佐藤大蔵大臣が、あなた何を言っているんだ、あの二百億をやっているじゃないか、だからだめなんだとやられるから、だから、これを完全にワク外にすることを考えないと、来年度の農林予算、きょうあたりぼつぼつ農林はやっているらしいが、大問題になると思う。だから、きょうやっておれば、大蔵大臣、そういうごまかしを言わないで、これはワク外にするのだ、これは担保にして農林中金の一年債に切りかえていくのだ、あるいは日銀のこういう方法でやっていくのだということは、きょうわかっているはずです。大蔵大臣、どうなんです。
○佐藤国務大臣 まだ会議をやっておりません。私の方の会議は本会議が済んだ後ということになっておりますので、まだやっておりません。先ほど来申し上げますように、全部ワク外であるとかというわけにもいかぬでしょう。またこれは会計の問題もあります。それだからといって、全額どうこうしろということはなかなか困難でしょう。とにかく、お預かりするということは、先ほど申し上げましたように、これに対する善処をするということのお約束だけで御了承いただきたいと思います。
○中澤委員 そうすると、ワク外とワク内でやる、しかし、そのワク外のものは、大綱予算の上にそれを口実にしてしわ寄せしないということは、大蔵大臣、はっきり言って下さい。
○佐藤国務大臣 それはどういうことを言われるのかわかりませんが、これは各省とも予算の増加ということをいろいろ心配しております。ワク外だろうがワク内だろうが、総予算の範囲で考えるということには間違いないのであります。だから、その点で、これだけは増加分に入らぬぞとか、そういうような言い方は、私は予算の性格から見てどうか。第一、既定経費が、みんなもうそんなものはさまっているのだから、それはワク外だといわれても、どうも仕方がないのです。これはとにかく跡始末の問題として十分善処します。
○吉川(久)委員長代理 高田君。
○高田委員 大蔵大臣にお伺いしたいのですが、今年度の繭糸価格の異常な変動、暴落につきましては、もう言うまでもないのですが、業界はもとより、農民としましても非常な動揺をして参りました。その問われわれは農林大臣を通じまして政府の意向をただして参ったのでありますが、いつも結局は大蔵大臣、あなたのお考えが那辺にあるやによって決定されるかのごとく印象を受けまして、あなたの御出席を求めることすでに数回に及んでいるわけでありますけれども、いつも御出席がなかったので非常に遺憾に思っておるわけでありますが、今度の価格の変動は、一つには世界的な不況とか、いろいろ原因としては大きな原因があろうと思いますけれども、しかしながら、私の見る目では、やはり政府のこの事態に対処する態度が明確でないところにある。しかも、たまたま大蔵大臣のごときは、大蔵大臣の言明としてしばしばいろいろなことが伝えられた。この春は、例の百億をまず出そうというようなことで、さらに、世論がそれを承知しないで、二百億でなければてこ入れがきかない、こういう世論になってきて、結局百五十億ということになってきましたが、あの当時、その直前に伝えられましたことは、大蔵大臣は、これは新聞紙上にも出ておったのでありますが、今や絹織物というようなもの、生糸というものは時代おくれになったので不要であるというようなことを談話をされて、それが一般の新聞に出ました。私が埼玉県の県庁の蚕糸課に行きましたところ、蚕糸課長がそれを出して見せて、こういうことだから困るのですよ、せっかく落ちつくべきところに落ちつきそうな気配が見えましても、大臣がこういうことを言い出すからますます暴落に拍車をかけてしまう、何とか高田さんが行って大蔵大臣にこういうことを言わせないようにしてもらわなければ困る、こういうことを実は聞いておる。それから、今度は、ようやく業界の世論も農民の世論も高まって、百億ではだめだということになりまして、百五十億ということで春出したときには、何か、これ以外にはびた一文出せぬ、これが最後だ、あとは自由に一つやってくれというようなことで、いわゆる手切金ということがこれまた世論になった。これは大蔵大臣の手切金の言明ですよ。そういうことがあるから、せっかく金を出しましても、先物は依然上らなかったし、焼け石に水みたいに、すぐ七月の末ごろから暴落が始まった。始まったころになって、皆さんが、これは与党の附帯決議もあることだから、また法の建前として一カ年を通じて繭糸価格を安定するということがはっきり書いてあることだから、何か手を打つだろう手を打つだろう、打ってくれと言っているときに、今度は大蔵大臣は、これは結局農民が悪いんだ、二割調整に協力しないで、農民の責任だ、農民が悪くてこうなったから、金はびた一文出せないというようなことが、これまた新聞紙上に出た。こういうことで、私は、今度のこの業界の混乱については、大蔵大臣の失言ですね、この責任はきわめて大きいと思うのです。まず第一に、その点について、大蔵大臣のこれらの放言については相当責任があると思いますので、所信を承わりたいと思います。
○佐藤国務大臣 私は新聞記事が間違ったと申すわけではありませんが、私の真意といいますか、それは先ほど中澤委員にお答えした通りでございます。当委員会を通じて私の所信を重ねてごひろういたしておきますから、過去のことについていろいろな誤解があったと思いますが、その点は御了承をお願いいたします。今後におきましても、もちろん私の立場も立場でございますから、言動については十分慎しみ深くいたすつもりでございます。この点は私の決意として御披露しておきます。御了承いただきます。
○高田委員 いずれにしても、安心するような放言なら幾らされてもいいが、ますます不安をかもすようなことをしばしば言われるので、われわれも非常に困ったわけであります。それでは今後は絶対そういう放言は慎しんでいただきたいということをお願いしておきます。 それから、今度の夏秋蚕につきまして、われわれは、何としても、政府のたびたびの約束でもあるし、また法の建前もあるし、また附帯決議も前回の法律についておりますので、何らかの方法はあり得ると思って要求をして参りました。ところが、そのうちに、どうも価格としては千四百円は繭について無理だ、無理だけれども、しかし、それは何らかの方法で、価格はかりに千二百円程度になりましても、公約の建前、法律の建前、また農業の特殊事情から見て、千四百円になるべく合うように何らかの方法で金を出すということが伝えられて参りました。おそらくこれは与党の方々との相談の結果農林大臣においてはその腹を固めて大蔵大臣に折衝されたことと思うのです。ところが、それが結局そういうことはだめだということになっちゃって、とどのつまりが、差額金を実際は何らかの名目の乾繭に対する補助金として全部の農民に出そうとしたものが出せなくなって、金のやり場に困って、結局それを特殊機関の方へ持っていくという窮余の一策が編み出されたというような事情になっておると思うのです。 そこで、あなたにお伺いしたいのですが、千四百円という価格が、生産費の八五%を補償する、農産物の支持価格として適当なりとして農林大臣がこれは指定した価格なんですが、相場から、どうしても千二百円以上は無理である、上げられないというときの差額について、何らかの名目で——これは乾繭につきましていろいろな名目がつけられると思いますが、いずれにしても、価格差を補給する考えで金を出すということをあなたが拒否された根拠はどこにあるのですか。
○佐藤国務大臣 御承知のように、実勢が非常に変っております。実勢に近いところできめるということが本筋だと思います。そういう意味で、一産業につきまして実勢と非常にかけ離れたところで補助を出すということは、この税の使い方から申しましてもいろいろ疑問があり、私どもは賛成しかねるということでございます。
○高田委員 これはしかしもう少し明快に答えていただきたい。税の使い方としても云々というようなことでなく、これは出すということには相当の根拠があると思うのですよ。理由があると思うのです。ですから、それがどうしても出せないというには相当納得させ得る理由がないとどうも困るのですが、もうちょっとその点をこまかく御説明願いたいのです。
○佐藤国務大臣 ただいま申し上げますように、実勢と非常にかけ離れたところで処置をつけるわけには参りません。ことに、この夏秋蚕につきましては先ほど、約束云々であとビター文も出さぬというようなことを僕が言ったとか言わぬとかというお話が出ておりましたが、特にこの需給調整の問題を考えまして、数量的に一応落ちつくところを見当をつける、そうして業界の賛成を得てきておるのであります。そういうような筋のものでございますから、今回はそれに対する補償などはすべきではないと、いうのが結論でございます。 大へんおそれ入りますが、実は本会議に私の方の法案がかかっておりますので……。
○高田委員 それじゃ次会に保留しておきます。
○吉川(久)委員長代理 本日はこの程度とし、次会は公報をもってお知らせいたします。 散会いたします。 午後二時三十五分散会