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31回国会衆議院1959/03/27

内閣委員会 第25号

発言数
39
登壇者
8
会派数
2
開催日
1959/03/27

会議録

内海安吉自由民主党

○内海委員長 これより会議を開きます。防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を許します。石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 大へん時間がないというので、日本の国にとって大切な法案の審議が、すらっと頭と顔をなでたくらいでこの委員会を通っていくという姿を見ると、私はこれはやはり正常なものじゃないと思うのです。ここにこそ、われわれは国民の負託を受けて、全勢力を傾けて論議をした結果、ほんとうに疲れ果てて採決という段階になれば国民も理解すると思うのだが、全くこれは——私は憎まれ口をききたくないのですが、もっとわれわれは努力をして、これはわれわれにも責任があるのでしょうけれども、与党の諸君が特にこの責任を痛感しなければならぬと思う。ほんとうですよ。今度はこういうことのないように、一つ時間を与えてくれることをまず第一に私は要望しておきたいと思うのです。  防衛長官が私どもの方の石橋君から質問のあったことに対して答えた要旨が、非常に誠意のある責任のある立場にある大臣の答弁だというふうに私は考えることができないのです。これも話し合えば実際言って私が理解するまでに一時間くらいかかると思うから、これもオミットしなければならぬという点は実に私は残念でありますが、また機会を見てこの問題を話し合いたいと思います。きょうは一つ内容に入ってお聞きしたいと思うのですが、まず技術研究本部のことについてお聞きしておきたい。項目だけをあげますから、その項目に的確に答えていただきたいと思います。  技術研究本部の大まかな任務はどこにあるか。それから自衛隊の核武装というものに対して研究を積んでいるのかどうか。核武装の問題とともに、今の一大脅威になっているのは毒ガスの問題ですが、その毒ガスの問題も研究しているのかどうか。それから防衛庁はアメリカから放射性同位元素を非常にたくさん買っているというが、事実買っているのかどうか。そしてこれは一体何の目的に研究しているのか。研究項目は秘密なのかどうか。それと同時に設備は開放しているかどうか。大学校の先生たちと共同研究をするようなもくろみを持っているかどうか。これはもちろん東大の生産性本部の問題とからみ合わして聞きたい。それから技術本部の研究項目の一つとして、民間に問題事項をば依頼しているかどうか。こういう項冒について、あなたの方は大へん予算もたくさん取っていますから、かなりぜいたくな研究をしていると私は見ている。豊富な研究費の中でどういうことを研究しているかということを、私は項目をあげましたから、それについて順次答えていただきたい。

青山秀三郎防衛庁技官(防衛庁技術研究本部長)

○青山説明員 お答え申し上げます。技術研究本部の目的はこの法にもございますが、自衛隊の装備品等につきましての技術的な調査研究、設計、施策、試験その他を行なうというのが目的でございます。実はこれがまだ発足以来この八月でようやく七年経過いたしますわけでございますが、その間私どもの方におきましてはできるだけこの目的に沿うように努力して参っております。  核武装についての御質問が第二にございましたが、私どもの方におきましては、こういう問題につきましては直接何も関連いたしておりません。ただ放射線の影響を受けます問題がわれわれの関連にございますので、それにつきましては研究を進めております。それから毒ガス、同位元素等につきましても詳細申し上げたいと思いますけれども、時間もございませんので……。これはわれわれの方の関係においてはまだ緒に着いた程度でありますので、具体的に申し上げるところまで進んでおりませんが、同位元素等もこれを使いますためにはある特殊な施設を必要といたしますので、その施設の完備を待っておるのでございます。  また民間との共同研究の関係でございます。これは私どもの方ではできるだけ庁内で研究を進めたいと思っておりますが、国のいろいろな研究機関、また関係会社の機関その他に、問題によりまして、御協力を願っておるものが多々ございます。またそれらはただいま申し上げました装備品に関係する問題に限っておるのでございます。なお詳細の点については時間がございますれば申し上げたいと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 項目について全く項目的な答えしかいただけないので内容が全然わからない。(「頭がいいからわかるだろう」と呼び、その他発言する者あり)八卦置きじゃないからわからぬ。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 静粛に願います。

石山權作日本社会党

○石山委員 だからこの問題はまた後日機会を見て私の方でもあなたの方に参りまして、いろいろ疑問な点はお尋ねしたい。ことに研究部門については深い関心を持っておるということは、悪く使えば大へんな毒ガス製造所の元祖にもなるわけだが、また有効に使えば民間の産業に寄与する面も出てくるのだ、新しい分野の開拓も可能なのだ、資金が豊富だから。大へんわれわれは興味を持っておるということだ。  それからもう一つ、大臣にお聞きします。これは私の方の委員からも質問が出たのですが、安保条約が改定になるということを想定しながら、やはり日米の防衛に対する専門委員という問題です。これは過日あなたと藤山外相との間で安保条約がどう結ばれようとも日米の協力関係、特に軍事協力関係が緊密化されるだろうと言われているのです。それをあなたは了解したと言っておるのだ。その軍事的な協力化が、私たちが考えるには、これが共同防衛から共同援護になるだろう、共同援護法に変っていくだろう。かかる場合においては、自衛力よりもやはり憲法にうたわれておる問題以外にわれわれ日本というものが軍事幕地化されて、いわゆる兵革部の役目も持つのではないか。要求されればいろいろなものを提供する。いろいろなものの中には兵員もあるということです。武器の供与、食糧はもちろんだと思うのですが、それと同時にもう一つ懸念されることは、共同防衛の名のもとで自衛隊が使われるだろう。これは指揮命令系統は区別があるというふうにおっしゃっておりますが、要請があれば出動せざるを得ないような立場に追い込まれるのではないか、こういうふうな心配があるわけなんです。あなたその点に対してどういうふうに御説明していただけるか。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 日米安保条約の問題につきましては、目下外務大臣が中心に政府においていろいろと研究を遂げられており、その内容についてはすでにしばしば本委員会もしくは国会において論議をせられておる通りでございまするが、私どもとしては今回の安保条約の基礎が双方の自主性に立って、対等の関係において、かつまたアメリカが日本を防衛する義務を負うという意味においては、私どもとして今回の安保条約が進歩である、かように考えておりますので、それらの各般の具体的な内容について、御指摘のような点については常に協議に待つということで、行政協定二十四条を本条約のうちへ入れたいという政府の希望等によりまして、御心配のないようにいたしたい、かように考えておる次第であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 これはだめ押しをするような形ですが、事前の協議という言葉でお逃げになるようですが、うまく協議が成果を上げるときと、協議が物別れになるということが予想されることなんだ。協議が物別れになったときは一方的に押しつけられてもやむを得ないというのが、今までのいわゆる安保条約の内容です。行政協定の内容です。やはりそうなるわけですか。今度の共同防衛、専門委員案なるものも、そういう内容を含んだいわゆる事前の協議でございますか。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 御心配のような点のないように協議をいたしたい、かようなことでございます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 柏正男君。

柏正男日本社会党

○柏委員 本日は与党の皆さんの方で大へんにお急ぎのようでありますが、私はしかしながらこの機会に二つの点について防衛庁長官にお聞きしたいと思います。  第一の点はただいま石山委員からもお話がございましたが、日本の誘導弾研究に対しての態度、これがいろいろな多くの問題を含んでいる。直接侵略に対しての問題、また間接侵略に対してもこの問題が関連を持つ、そういう点につきまして、私はこの予算の中に出てきておる陸上自衛隊にロケット実験隊を設ける、これは一体どこにどういう規模でどんな形でこれを設けようとするものであるか、またこういう実験隊が将来においてどういう装備に変っていき、どういうようにこれを配備するものであるか、そういう点についてまず第一点としてお聞きしたい。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 ロケット実験隊の配備の位置につきましては、まだせっかく研究中でございまして、場所を具体的にきめておるわけでございません。御指摘のように陸上幕僚監部の組織としてロケット実験隊を置く、かように考えておりまして、現在のところでは人員もあまり多数ではございませんが、大体班長以下九名程度で、その他隊員合せますと百四十数名ということに相なりますが、できるだけ法案の御審議を得た暁におきましては、これらの点についてできるだけ配備その他急速に決り定をいたしたいと思います。

柏正男日本社会党

○柏委員 そのロケット実験隊というものは、将来において日本の核兵器を持つ部隊の基本になるものだと思いますが、そういう部隊が将来自衛隊の通常兵器として核兵器を認めるということがくると予想されますが、どうでございますか。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 核兵器につきましては、御承知のように岸内閣としては絶対に持たないということをしばしば声明いたしておりますが、ロケットの研究につきましてはすでにスイスよりエリコンその他のものも輸入いたしておりますし、またわが国としてもいろいろな角度から研究をいたしておりますが、これらは将来のガイデッド・ミサイル等の関係から、われわれとしても十分研究を遂げなければならぬと考えております。これと核兵器の問題とは全然別個である、かように御了承いただきたいと思います。

柏正男日本社会党

○柏委員 次に内乱と間接侵略について防衛庁長官の意見を聞きたいのですが、今度の予算の中で間接侵略についての態勢を確立するということがうたってございますが、どういう形で間接侵略の態勢の確立ができるのでございますか。また間接侵略の規模をどの程度に考えておられるのでございますか。御所見を承わりたいと思う。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤(陽)政府委員 間接侵略の態様につきましてはいろいろございまして、ここで一がいにどういうふうなものを考えておるかということを申し上げることは困難でございます。間接侵略の防衛態勢の強化といたしましては、一つは三方面隊の新設ということがございます。通信隊の改編、それから警備訓練の強化というふうなことがございます。

柏正男日本社会党

○柏委員 自衛隊法の七十八条また八十一条というのを見ますと、治安出動、要請出動というような形で間接侵略に対する自衛隊の出動が規定されております。また八十九条によりますと、この自衛隊員は警察官職務執行法を準用して、それによって活動ができる。これは昔の戒厳令の第九条に匹敵する非常に重要なる条項であると私は思います。しかしながら日本の現在の自衛隊法によりますと、治安出動に際しましては、総理大臣は何ものにも相談をする必要はない。防衛出動については国防会議に可否を問わなければならない。治安出動については総理大臣の勝手にできる。しかし旧帝国憲法におきましても戒厳令を施行する場合には枢密院の議を経なければならない、そういうように法律が規定しております。そういう点を考えますと私は旧憲法時代よりももっと容易に、もっと簡単に戒厳令がしけるような現在の状態のもとで、総理大臣が独裁的な権限として勝手なときに勝手な治安出動を命ずることができるのではないか、そういうことについてはあなた方は自衛隊法の八十九条というようなものについていかがお考えでございますか。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤(陽)政府委員 今御質問になりました点につきましては、私どもは戒厳の態勢によらずして、従前の衛戌地勤務令その他の態勢を参考として権限等をきめておるのでありまして、人権の制限等に関する規定はございません。それからむしろその考え方といたしましては、従前の知事の師団長に対する出兵請求というものに相当する考え方で、治安出動に関する規定が整備してございます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 柏君、簡潔に願います。

柏正男日本社会党

○柏委員 しかしながら自衛隊法の九十条には、武器の使用に対する規定がございます。どんな場合におきましても、普通の警察官が治安の維持に当る場合と、兵器を持った兵隊が、自衛隊員が治安の維持に当る場合とは、私は基本的人権に対する脅威の程度が違うだろうと思います。こういうように重大なる基本的人権に対する脅威を与えるようなこの条項は、憲法の条項に違反するのではないか、私はそう考えますが、防衛庁長官はどう思われますか。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 御指摘の自衛隊法第九十条でございますが、この場合におきましても明確な制限を付しておりまして、これを排除するに他に方法がないというような場合、その他きわめて制限的なことを、暴行を受けた、あるいは脅迫をしようとする明白な場合、危険があるというようなきわめて制限的な条項の場合にのみ武器を持ち得るという条項になっておりますので、憲法上支障はないことと私は確信いたします。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 柏君、簡単に。

柏正男日本社会党

○柏委員 今のお答えではございますが、しかし警察官が従来の権限を持っており、その上に治安出動で自衛隊が出動した場合、一体いずれが警察権の行使について優先的な権利を持ち、権限を持つものですか。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 警察官と自衛隊の出動につきましては、その事態に応じまして、あらかじめ警察庁との協議ができておりまして、まず警察官においてこれを処理していただき、事態がどうしても警察官をもってしては処理できないような大きな騒擾等においては、自衛隊がこれにかわる。その場合におきましても自衛隊は、まず重要な各部所の擁護に当るというようなことで、騒擾等が現実に起きた場合以外には、極力直接大衆と接触しないという厳密な話し合いをしておりまして、御心配のないような協議を遂げておる次第であります。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 きわめて簡単に願います。

柏正男日本社会党

○柏委員 最後に一つ。この前までの防衛庁長官の話の中には、オネスト・ジョンくらいは憲法上の解釈から見たらば通常兵器と見てもいいというようなお考えを述べておられます。しかしそういうお考えは、今は憲法上の問題でございましょうが、将来においてもしオネスト・ジョン程度のものが通常兵器に繰り入れられるような時代が来ましたならば、これが治安出動の際に通常兵器として使用される、そういうようなことさえないとも言えないとすれば、私はオネスト・ジョンの問題については非常に深い関心を払います。そういう意味において、今後の自衛隊のそういう考え方の中には深い関心を持っていただきたいと思います。以上をもって質問を終ります。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 お言葉の点は、十分戒心いたしたいと存じます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 石橋政嗣君。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 最後に二、三点ばかり確認をしておきたいと思います。明確な御答弁がいただけますならば、あらためて定員法の審議の際に御出席を願わないことにいたします。  その一つは、防衛庁の外局の調達庁の職員が、来年度もまた三百二十名整理されるわけです。そのうち二百余名については、防衛本庁の方に引き取る、このような説明が政府側でなされておるようでありますが、引き取る側の防衛庁として、その点責任をもって対処していただけるものか。あわせて、その際には現在の等級等についても十分考慮されるものであるか、この点まず第一に御質問をいたしたいと思います。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 ただいまの点は、責任をもってお言葉の通り処理をいたしたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 もう一つ。ここ数年来毎年のように調達庁の職員は整理をされまして、非常に不安動揺激しいものがあるわけなんです。この点国会におきましても、衆参両院において、何とか根本的な対策を立てて、職員が安心して仕事のできるようにすべきじゃないかということを再三質問いたしておるわけでございますが、そのたびに、目下検討中であるとか、そういうふうな抽象的な答弁しか得られておらないのでございますけれども、私はこの点についてできるだけ早い機会に成案を得べきじゃないかと考えております。今すぐにここに成案を出せと言いましても無理かもしれませんが、現在どの程度のことを考えておるのかということを御説明願っておきますれば、近い将来再度あらためてその後どの程度に進んだかということをお尋ねするようにいたしたいと思いますので、一つ現状をお話し願いたいと思います。

伊能繁次郎自由民主党防衛庁長官

○伊能国務大臣 御指摘の点は、お言葉のようにしばしば本国会において御質疑がありまして、われわれとしても誠意をもってこれが根本的解決に努力いたしたい。一つ大きな障害と申しますか、現実の問題としては、御承知のように調達庁は現在外局で、一般職でございます。防衛庁は特別職がほとんどであるという点において本質的な困難があるわけでございまして、この点については、私もこの種の仕事について一般論として考えました際に、土地管理その他最も従来調達庁が練達な職員を持っておる関係上からいけば、大蔵省の国有財産管理の仕事、また当庁内におきましては地方建設部その他の関連の仕事、あるいは調達本部その他の関連の仕事、それぞれ重要な関連の仕事もあろうと存じますが、これを一般職として一般公務員の中へいかに織り込むかというような問題につきましては、直ちに解決がしがたい、かように考えまして、先般行政管理庁長官ともこの問題について懇談をし、さらに大蔵大臣とも国有財産管理の観点から、最も重大な関連があるので、防衛庁においては、調達庁のまじめに働いておる人が働けば働くほど仕事量が少くなるという現状について、この根本的な解決をはかるべく、できるだけ早い機会に当方として成案を得て御相談をするから、その際には行政管理庁としてぜひこの問題と行政機構改革の一端としてお取り上げを願いたいということで、目下研究中でございます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 ほかに質問はありませんか。——御質疑がなければ、これにて防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案についての質疑は終了いたしました。  これより両案を一括して討論に入ります。討論の通告があります。これを許します。石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 私は社会党を代表いたしまして、防衛庁設置法の一部改正、それと自衛隊法の一部を改正する二法案について反対をいたします。  自民党政府諸君が、今さらのごとく国家の自衛権云々を口にしているありさまを見ますと、そこに何らの進歩がない。依然として人類創始時代のアダム、イブの裸体時代の本能論を展開しているにすぎない。しかもなぐられたらなぐり返す、じゃまものは殺さなければ安心できないという軍備論だから、現代人としては幼稚きわまるものです。われわれのごとく近代科学と文化を考えているものから見れば、何ゆえに自民党や政府諸君はなぐってくる相手に対して身をかわすことのできるという工夫をしないだろうか。なぐられる以前の仲よしクラブの結成などをなぜ考えないだろうか。軍事的中立を国是として平和産業育成を経済の支柱とすることをなぜ考えないだろうか。軍事的中立地帯を設けるということも一考すべきであろう。ソ連、中共、北鮮、北ベトナムを含め、アジアの利害関係を持つ米英仏との話し合いと、またはアジアの集団安全保障などをなぜ考えないだろうか。しかるに政府は、人間本能の自衛権に事かりて、政府の統一見解を本委員会に出したが、その言葉にいわく、座して自滅を待つということは憲法の趣旨ではなかろうなどという、殺されるときは防衛上どんな手段も許されるのだということでしょう。こんなことは国会論議以前のことでございます。憲法論や法律論ではございません。国政を論議し、国家の将来を憂える政治家の言葉ではないでしょう。どこに国民を指向する高さというものがあるでございましょうか。国の政治に責任を持つものの言葉ではないです。むしろ皆さんは、核兵器の惨禍を説明し、核兵器を持たねば戦いに敗北するなど脅迫しているではありませんか。よく防衛することはよく攻めることにありと昔からいわれているが、これは戦争行為の基本として政府は大事にしていると見えます。自衛力は相対的なもので、四囲の情勢、環境に支配されると答弁をしておりますが、これは戦術情勢論でございましょう。政治論であって、憲法の解釈ではございません。戦争はしないのだという大前提の中から生まれた憲法なのでございますが、その中で許された日本の自衛権であるはずでございます。日本人の自衛権は、敗戦により弱者の弱きから生まれたものではございません。われわれの自衛権という、それに伴うところの自衛力は、戦争から学んだとうとい教訓として、日本国民の生活の安定と世界平和に貢献するという念願でございます。それを戦争準備の拡大解釈を行なっていこうとするところは、まことにおそるべきものがあると感じられるのでございます。政府の言う自衛力は相対的だという。これは世間でいうところの攻撃力というもの、一方的な破壊力を持つもののみに通ずるということでございましょうか。政府の自衛力は四囲の情勢に支配されるというが、世上にいわれている攻撃力は、四囲の情勢を抜きにする強力な戦闘力を持つもののみを言うのでございましょうか。だから政府の言う最小の自衛力というものは、相対的と四囲の情勢によって、それにプラス・アルフアという恐怖観念から、最小の自衛力というものは最小の攻撃力と発展をし、最大の破壊力を持つ武器を有さなければ安心ができないという道を探しているようでございます。  このごとくに政府は憲法を正当に解釈せずして、表面に対座をして論じてはおりません。小手先において、言葉のあやでごまかそうとしております。憲法と日米安保条約は異質なものであるから、憲法は犯されていないのだなどというしかし安保条約、日米行政協定を見てみますると、日本在住の米軍の姿を見てみますと、憲法がいかに無視されているかということは、これは異質などという一片の言葉では片つけられない問題だと私たちは思っております。憲法と安保条約は異質であるからなどといって詭弁を弄して、てんとして恥じない自民党あるいは政府の諸君の言い分は、世上ではこれを三百代言と申しております。私たちはこういう連中は隣組では相手にしないのですが、国政の場合はかかるごまかしを許すことは、国民の権利、経済にすぐ響き、また生命と財産にも影響する重大な問題でございますから、三百代言などといってただ侮蔑したのみではいけないのであります。これは厳重にある意味では規制をしなければならないことだと私たちは考えているのでございます。  国民の税金は大切なのでございますから、有効適切に使用しなければならないのでございます。今回は自衛隊をば一万二千人増加をいたしまして、予算も百五十九億八千万を増加をいたしました。しかしこれはジェット機を多く持つ国あるいは原子爆弾を持つ国、弾道弾を持つ国、誘導弾を持つ国から見れば、及びもっかないのでございます。ですから皆さんは言うでございましょう、だからアメリカが大切なんだと。自己の微力を補うために大国の力を借りなければならないという言いわけをしているのでございます。そして米国の駐留軍をかなりにありがたがっている顔つきでございます。その大国は、思想の自由を看板にしながら、共産主義は人類の敵だと言っております。すると岸政府と自民党は、オウム返しに反共主義のチャンピオンはおれたちだ、こういうふうに言うのであります。大国におもねる余りに、社会党の中立政策も共産主義のためにする言葉であるなどとよく言うのでございますが、もちろんこれは、大国によく思われたいための外交政策や防衛増強をやるのですから、国民の平和の願望と貧弱な国民生活から見た無理押しを通そうとするのですから、その責任感、自責感から来るところの過労で目の色が変っているから、社会党をたまさか赤く見えるのだろうと思って、われわれは国民生活の向上のために一生懸命はせ回っていて忙しいのですから、そうかもしらぬというふうにわれわれは気にしなかったが、自民党政府は大国におもねる余りに、大衆行動や個人の権利や生活を圧迫するところの警職法などを出したが、やつらも苦労しているのだからあやまちを犯すなどといって、同情づけで済ませられないことでございます。  防衛計画と国防費の急増、これは国内的に岸保守政権への反対となりましょう。外交的には反共政策をわが国へ持ち込む大国をば頼みにしているのでございますから、この大国の米国等に対して反対行動を国民が起すのは当然でございましょう。これを押えるのが警職法なのでございますから、警職法を失敗した岸政権に対しては、米国上層部では信用ががた落ちというが、さもありなんといういうところでございましょう。まことに日本民族のいい恥さらしをしたものでございます。しかも与党議員が自衛隊を国民の大衆運動に関与さすがごとき誘導尋問を長官にしていることは、まことにおそるべき謀略が含まれていると思います。自衛隊が保守党権力の代行機関になることは厳に戒しめなければならないと思います。国民の意思と国民生活を無規した防衛論はあり得ない。政府与党は国防関連産業による経済の繁栄を夢みていますが、これは時代錯誤もはなはだしいことであります。これからは、輸出のできないような産業に過大な投資をすることは、日本経済が国民生活に寄与するどころか、いたずらに国民生活を犠牲にするでございましょう。  ここで私は戦闘機の機種問題等を、あるいは天川事件などを論ずる時間のないのは残念でございますが、防衛庁のような大機構を持ち、日本の国の中では一番の大きな予算を持つ防衛庁が、本職の研究者がいないのかどうか知りませんが、一野人の研究家に機械の問題が牛耳られているということ、しかもここに汚職の問題があとを引きまして、森脇氏という人に大言壮語されておる。おれが一言すればそれらの関係の役人が三十人も首を切られるなどと放言をされながら、何らそれに対して明確な答弁のできないような防衛庁の内容は、私はある意味では一新しなければならない、こういうふうに思うのでございます。それが払拭されまして、新しい意味の日本の防衛というものを考える時期がくるのではないかと思います。日本の国防と防衛隊の増強は、私は日本の資本主義と保守政権の罪悪と二つ並べられることのないようにしたいものだと考えております。その冷酷な日常が日本国のためだという、そのことのために身を打ち込んでいる一兵卒に、国民の敵となるような立場を与えないようにしたいものでございます。戦場へ行かねば税金をむだ使いしているのだ、だから戦争をというふうな考えを持たせるような教育はしてはいけないのではないか、こういうふうに思います。その点、今回の予算増額、人員の増加、統幕の強化、それらに対して、いずれの点から見ましても、日本の国民生活の安定と世界平和のために寄与するという面が少しも出ていないのでございます。残念でございますが、極言すれば、税金を浪費をいたしまして、国民の負託にこたえないというのがこの防衛二法案でございますから、私たちとしては断固として反対せざるを得ないという立場をば表明して、討論を終る次第でございます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 平井義一君。

平井義一自由民主党

○平井委員 私は自由民主党を代表して、防衛二法案について賛成の意を表明するものであります。  最近の国際情勢は、依然として力のバランスによって平和が維持されておるということは、社会党の諸君も御承知の通りであります。永世中立国といわれるスイスを初め、独立国はいずれも自衛軍を持っておる。そうして祖国の防衛、民族を擁護しておるということは、社会党の諸君は百も御承知と思うのである。国防という根本的な大問題について、国際社会の現実を無視して、いたずらに抽象的な観念論に走って、理想の夢を抱くということであっては、国家の存立と民族の生命を危うくし、国家百年の大計を誤まるものであるといわなければなりません。  この二法案は、御承知の通り、来年度において防空態勢の強化のため航究自衛隊を充実し、また対潜防衛を中心とする海上作戦の基盤を確立するため海上自衛隊を増強し、もって国土の防衛に備えるとともに、世界の平和に寄与せんとするものであります。これは明らかに国民の期待に沿うということをわれわれは信じつつ、ここに賛意を表明する次第でございます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより両案を一括して採決いたします。防衛庁設置法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の両案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

内海安吉自由民主党

○内海委員長 起立多数。よって両案はいずれも原案の通り可決いたしました。  なお、両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内海安吉自由民主党

○内海委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決定いたしました。  次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後八時五分散会      ————◇—————

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