内閣委員会 第6号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/02/10
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 自治庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。黒金自治政務次官。 —————————————
○黒金政府委員 ただいま議題となりました自治庁設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 今回の改正は、地方公共団体の財務会計制度に関する重要事項を調査審議するため、自治庁に付属機関として臨時に地方財務会計制度調査会を設置しようとするものであります。地方自治法が制定されまして以来、地方制度は漸次整備されて参っておりますが、地方自治運営の合理化及び能率化につきましてはなお努力し、改善しなければならない点が少くないのであります。なかんずく現在の地方公共団体の財務会計制度は、ほとんど市制、町村制、府県制当時のままでありまして、今日の実情に沿わない個所も出てきており、合理的、能率的な財務会計の運営という見地から、根本的に検討、改善すべき点が少くないのであります。 国の財務会計制度につきましては戦後、財政法、会計法、国有財産法、物品管理法、国の債権の管理等に関する法律等が相次いで整備されておるのでありまして、地方公共団体につきましても、これらの国の制度のほか、民間企業における合計制度等も十分に参酌して、合理的、能率的な財務会計制度を整備いたしますことは地方自治の適正かつ能率的な運営を確保するために、必要欠くべからざるところと存ずる次第であります。しかしながら地方公共団体の会計制度は都道府県、大都市その他の市町村等規模の異なる各種の団体に適用されるべきものでありますから、国の場合と異なり、きわめて複雑多岐にわたる上に、きわめて専門的、技術的知識経験を必要とする性格の問題でありますので、特に財務会計制度に関する専門の方々の御意見を十分に伺い、改正に遺憾なきを期したいと存じまして、今回新たに地方財務会計制度調査会を設け、おおむね一年間の予定をもちまして調査審議をお願いすることといたした次第でございます。 以上が自治庁設置法の一部を改正する法律案の提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○内海委員長 次に南方同胞援護会法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。佐藤副長官。 ————————————— —————————————
○佐藤(朝)政府委員 ただいま議題となりました南方同胞援護会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。 御承知のように南方同胞援護会は沖縄、小笠原等の南方地域に関する諸問題の解決の促進をはかるため必要な調査研究及び啓蒙宣伝を行うとともに、同地域に居住する日本国民に対し援護を行い、もってその福祉の増進をはかることを目的として、一昨年の九月に特殊法人として設置され、現在南方地域に関する諸問題についての調査研究及び定期刊行物等の発行、講演会等の開催その他必要な啓蒙宣伝並びに南方地域に居住する日本国民に対する援護等の業務を行なっておるのであります。ところで南方地域のほか、終戦以来ソビエト社会主義共和国連邦により占領され、事実上その支配下にある北方の地域に関しましても、調査研究、啓蒙宣伝その他南方同胞援護会が現在行なっている業務と同じ種類の業務を行い、その解決の促進をはからなければならない諸問題があるのであります。そこで南方同胞援護会が当分の間、南方地域に関する業務のほか、北方の地域に関する業務をもあわせ行うことができるようにいたしたいと考えますので、その根拠法である南方同胞援護会法の一部を改正する必要があるのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。 次にこの法律案の内容を御説明申し上げますと、現行の南方同胞援護会法の附則に新しく「業務に関する暫定措置」として一項を加え、南方同胞援護会は当分の間、北方の地域に関しましても、同会が行なっている南方地域に関する業務と同種類の業務を行うことができることにしたことであります。なお北方の地域の範囲は、政令でこれを定めることにいたしております。 以上、この法律案の提案理由及び概要を御説明申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようお願い申し上げる次第であります。 —————————————
○内海委員長 次に厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。池田厚生政務次官。 ————————————— —————————————
○池田政府委員 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。 この法律案は、国民年金制度の実施に伴う事務機構を整備するため、新たに厚生省に年金局及び国民年金審議会を設置するとともに、医療に関する制度等について調査審議させるため、医療制度調査会を設置するほか、地方支分部局のうち地方復員部を廃止すること等をそのおもな内容とするものであります。 まず改正の第一点は、年金局及び国民年金審議会の設置であります。御承知の通り国民年金制度につきましては、かねての公約通り拠出及び無拠出による老令、障害及び母子の三年金を包括する国民年金法案をすでに今国会に提案いたし、無拠出の年金につきましては本年十一月分から支給を開始し、拠出制の年金につきましては昭和三十六年四月から保険料徴収を開始する予定であります。本制度は、所得保障の本格的形式として国民の福祉の向上にきわめて重要な意義を有するものと考えるものでありますが、わが国としては全く未経験の分野に属する本制度が円滑に運営され、所期の目的を達成するためには、その実施のための事務機構の整備が不可欠の要件と考えられるのでありまして、このため行政審議会の答申の次第もあり、新たに厚住省の内部部局として年金局を設置することとし、国民年金事業の企画、立案、指導監督等の事務に当らせようとするものであります。またこれに関連いたしまして、国民年金事業の実施に関する重要事項につきまして、広く国民各階層の意見を徴し、その適切な運営に資するため、付属機関として新たに国民年金審議会を設置することとした次第であります。 改正の第二点は、医療制度調査会の設置であります。政府におきましては、国民の医療保障の実現を期するため、国民皆保険四カ年計画の達成、医療機関の整備等諸般の施策の推進に当っているのでありますが、国民皆保険の進展と医療事情の推移にかんがみ、従来の医療制度等につきまして根本的に検討を行う必要があると考えられますので、本調査会を設置し、各方面からの御意見を承わり、新しい情勢に適合した適切な医療制度の樹立に資したいと存じているのであります。なお本調査会における審議につきましては、その設置の趣旨にかんがみまして、二カ年程度の審議をもって結論を得られるよう予定しております。 改正の第三点は、千鳥ケ淵戦没者墓苑の維持管理を新たに国立公園部の所掌事務としたことであります。第二次世界大戦中海外におきまして戦没された方々の遺骨であって、遺族に引き渡すことのできないものが多数保管されているのでありますが、これらの遺骨につきましては、現在都内千鳥ケ淵の地に建設いたしております墓苑に納めることとなっております。この墓苑は、国が設立する墓苑でありますので、今後の維持管理につきましても国が直接行うことが適当であると考え、これに関する事務を国立公園部の所掌事務とした次第であります。 改正の第四点は、受胎調節に関する事務を公衆衛生局の所管から児童局の所管としたことであります。受胎調節につきましては、漸次その普及を見、逐年その成果を上げて参りましたが、本来受胎調節は、母体の健康を保護することを目的とするものでありまして、児童局の行政面で取り扱っております母子衛生の分野と密接な関連を有し、健全な家庭の建設という点で共通の理念を持つものであります。従いまして受胎調節に関する事務を児童局の事務とし、これらの事務を一体的に行うことにより、今後一そう家庭の福祉の向上をはかることができるものと考える次第であります。 改正の第五点は、地方復員部の廃止であります。地方復員部は現在横須賀、呉及び佐世保の三カ所に設置されており、旧海軍にかかる復員関係その他の残務整理に関する事務等をつかさどっておりますが、漸次事務量の減少に伴い、これらの事務を中央において集約的に処理する方が能率的であると考えられますので、これらの機関を廃止し、今後引揚援護局において処理することとした次第であります。 なお以上の改正につきまして、年金局及び国民年金審議会に関する部分は本年五月一日から、地方復員部の廃止は本年十一月十六日から、その他の部分は本年四月一日から施行することといたしております。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○内海委員長 ただいま提案理由の説明を聴取いたしました各案についての質疑は次会に譲ります。 —————————————
○内海委員長 この際、各省設置法改正案等審査小委員長岡崎英城君より報告を求めることといたします。岡崎君。
○岡崎委員 去る二月五日木曜日午前十時より第一回の各省設置法に関する小委員会を開会いたし、法案の取扱いについていろいろ協議いたしました。その結果、左の三点を申し合せました。 一、小委員会ではまず両党で意見の一致した法案から順序をきめ、これを逐次本委員会に上程し、質疑の上、採決に持ち込めるものは採決に持ち込み、質疑の結果、新たに両党委員の協議を要するものと認められたものについては、再び小委員会に持ち込んで協議すること、 二、二月十日すなわち本日の委員会の審議にゆだねるものは次の三法案で、いずれも前国会において衆参両院の本会議もしくはそれぞれの委員会において立法するよう決議された設置法あるいは設置法の一部改正案で、その内容においてもおおむね問題のないものと認められたものであります。すなわち、イ、水産庁設置法の一部を改正する法律案、これは衆参両院の本会議の決議に基いたものであります。口、臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会設置法案、これは衆参両院の農林水産委員会における附帯決議として要請されたものであります。ハ、通商産業省設置法の一部を改正する法律案、これは衆参両院の商工委員会の附帯決議に基き立案されたものであります。 三、二月十日午後の小委員会では、主として官房長の設置を要求する郵政省設置法の一部を改正する法律案及び文部省設置法の一部を改正する法律案の取扱いを議題として協議することとなっております。 以上、御報告いたします。 —————————————
○内海委員長 ただいまの岡崎小委員長の報告に基き、臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会設置法案、水産庁設置法の一部を改正する法律案及び通産省設置法の一部を改正する法律案の三案を一括議題とし、これより質疑に入ります。御質疑はございませんか。
○受田委員 これはすでに国会で附帯決議されて、問題が解決されたといわれる法案でありますので、いずれわれわれの党でも異議のない結論が出ると思いますけれども、十分この附帯決議の線と法案の内容との結びつきを検討する必要がありますので、本格的な質疑は次の日にいたすことといたしまして、一言だけお尋ねをする点をここで申し上げておきたい。水産庁設置法関係でありますが、漁港行政というものの拡充強化ということは、漁港部を作ることが適切であるという意味の御解釈をされたわけですか。まだほかに何かこの問題について考えるべき点はなかったか、政府の御答弁を願いたいと思います。
○石坂政府委員 ただいまの受田委員の御質問でありますが、もちろん政府といたしましては漁港行政の刷新強化という点が、単に漁港部を設けることによってのみ解決するとは思っておりません。政府は漁港行政、水産行政全般につきまして鋭意努力をして参り、逐年この予算も増額いたしておりましたが、わけても漁港に関する行政施策というものがおくれておりましたので、特に御要望の両院の附帯決議等の趣旨もございましたので、新たに漁港部を設けることにいたしたのであります。詳細な経過につきましては水産庁次長からお答え申し上げます。
○西村政府委員 ただいまの受田委員の御質問に補足してお答えいたします。漁港の整備促進ということ、これは漁業生産の基盤を強化する上においてきわめて必要であります。私どもは何も行政機構だけをここで重点として置いているわけではございません。昨年の衆参両院の院議にもありますように、まず従来の漁港整備計画に基く漁港整備の実施を早急に実現するように予算的な措置を講ずるということで、この点につきまして私どもは財政上許す限りのことをして参りたい。そこで本年におきましては相当程度の予算的な面も増大しております。第二の問題といたしまして、やはり昨年の議決になりました第三種の漁港のうち、特定のものにつきまして特別な措置を講ずるということもございます。これにつきましても私どもとしまして十分研究をして参りました。これに対しては財政上の事情もありまして、まだ早急にすぐ実現するという運びには至りませんが、私どもとしてはできるだけ早い機会においてこれにつきましても手を打って参りたい。いろいろこういうことをやっていきます場合におきまして、基本として行政機構というものは従来より一段と拡充して参らなければならない。すなわち従来漁港課でやっておりまするけれども、昭和二十三年の漁港課設置以来、現在で予算量において九倍にならんとしており、港湾の数も四倍程度になっております。そういう点も考え、なお今後における建設の計画というものを十分やって、これに伴う実施の方も万全を期したい、こういうためにはやはり漁港部というようなものを設けて機構を拡充することも、一つ必要であるというふうに考えた次第であります。
○受田委員 大体政府自身が行政機構の全般の改革案を用意しておられるわけでございますから、それと十分にらみ合せて水産行政を検討する必要があると思います。単に場当り的に漁港部を作って、多年の水産行政の問題点を解決しようということが、賢明な策かどうかということも問題だと思うのです。水産行政のもう少しスケールの大きい立場からの水産庁の水産省への昇格というようなものについても、十分御検討されておると思うのでございまするが、単に漁港部の新設というのみでなく、行政機構全般の問題としての水産省というようなものの考え方を、政府側の見解を担当者から御答弁願いたいと思います。
○西村政府委員 ただいま受田委員の御質問で、水産行政を全般的に考えて参らなければならぬ、これはまことにごもっともだと思います。ただ水産庁の問題等につきまして私ども事務当局がこれに答弁することはいかがかと思います。いずれにしましても最近の内外における漁業ないしは水産の問題というものはきわめて複雑を加えて参り、内外の対策に忙殺されておる事情でありますので、私どもとしましては、水産庁内部において、あるいは農林省としましては、この機構改革につきまして目下真剣に取り組んでおる。今後どういうふうにやっていくかにつきましては、最も能率的に、事態に最も適切に即応できるような機構を作る必要があります。なかなか簡単なことではございませんけれども、ぜひ近い将来に実現したいという希望を持ちまして努力をしております。
○内海委員長 以上三案に対する質疑は次会に譲ります。 —————————————
○内海委員長 この際赤城内閣官房長官より、皇太子殿下の御成婚の問題のいきさつにつきまして発言を求められておりますので、これを許します。
○赤城政府委員 皇太子殿下の御結婚について、妃選定の経緯から始めて皇室会議の開催、納采の儀等今日に至るまでの経過、さらに今後行わるべき結婚の諸儀式の概要等について申し上げたいと思います。 まず最初に、御結婚についてとられた方針と経過でありますが、宮内庁においては数年前から天皇、皇后両陛下並びに皇太子殿下のおぼしめしを伺い、皇室の伝統と将来皇太子妃の国内及び国際間における御活動が繁多かつ重要となることを考え、御本人の健康、学業、人格、容姿等万般について優秀であることはもとより、血統、親族関係等について支障のないことを期して調査を続けてきたのでありまして、その間宮内庁長官から内閣総理大臣に時宜連絡があったと承知しております。 妃選定に当り特に考慮を加えられましたのはその選定の範囲であります。このことにつきましては、過去の国会における御質問もあり、宮内庁当局からお答えしたところでありますが、戦後数多くの宮家が皇族籍を離脱され、華族制度も廃止になり、また新皇室典範は、皇族の婚嫁は皇族または華族に限るとの規定を廃除しております。しかし皇太子妃としての身位にかんがみ、まず皇族、旧皇族及び旧華族の範囲で選考いたしたのでありますが、同時に優生学的にも近親間の御結婚はなるべく避けたいと考えられたのであります。そのほか皇太子殿下との年令差の問題もありましたので、選定の範囲を広げて参ったのであります。しかしながらどんな家庭の人であってもよいというのではなく、妃たるべき御本人がすぐれていることはもちろん、家系が明らかで、現代日本のりっぱな、良識のある、清潔な家庭の人でなければならないことは申すまでもないことであります。 皇太子殿下は、その地位に関する御自覚がきわめてしっかりしておられ、御自分の責任と義務については実に忠実な方でありますので、皇太子殿下の御結婚については、殿下の慎重なお考えと当局の客観的な調査とが完全に一致し、かつ両陛下のお許しを得て成立することが必要でありますが、事実その通り進行したのであります。 以上の趣旨で調査選考を行い、内閣総理大臣その他関係者の意見をも徴して準備を進め、ついに正田美智子嬢を皇太子妃として最もふさわしい方と考え、皇太子殿下のおぼしめしを伺い、昨年八月中旬両陛下のお許しを得、同月下旬正田家に内々申し入れ、同年十一月十三日ようやく内諾をいただいたような次第であります。ここにおいて同月二十七日皇室会議開催の運びとなり、皇太子殿下の御婚姻のことが全会一致で可決されました。 宮内庁は取り急ぎ御結婚の準備に取りかかったのでありますが、御結婚の諸儀式は今日の時勢に即応し、必ずしも旧来のものに拘泥せず、廃すべきものは廃し、改むべきものは改め、また御結婚の諸調度等も万事簡素を旨とし、さしあたり必要なもののみにとどめ、諸経費をきわめて控え目にする方針を立てたのであります。 御結婚の諸儀式につきましては、その後宮内庁において種々検討を加え、内閣とも協議の結果、最も中心的な儀式である結婚の儀、すなわち皇太子、同妃が結婚の誓いをされる儀式であります。それから朝見の儀、すなわち皇太子、同妃が天皇、皇后に結婚のごあいさつをなさる儀式であります。及び宮中祝宴の儀、すなわち皇太子、同妃の結婚御披露の祝宴でありますが、この三つの儀を国の儀式として、この三つの儀式は来たる四月中旬、皇居において行うことが去る一月十六日の閣議において決定され、本日結婚の儀、朝見の儀は四月十日に、祝宴の儀は四月十三日から三日間行うように内定されました。 ただいま申し上げました国の儀式としての三つの儀式のほか、納采の儀、すなわち皇太子のお使いが妃となる方の邸に至って、いわゆる結納を行う儀式でありますが、この納采の儀は去る一月十四日に行われましたことは御承知の通りであります。国の儀式である結婚の儀は賢所で行われ、この儀には皇族、正田家の親族、内閣総理大臣、衆参両院議長、最高裁判所長官以下、各界の代表者約六百名の御参列を願う予定であります。宮中祝宴の儀は内外の各界の代表を夫人同伴で約三千人招待する予定であります。 次に予算関係といたしましては、御婚儀に必要な経費として、昭和三十四年度予算に皇室費千九百六十六万六千円を計上しております。そのおもな内容は、祝宴費、儀服費、行啓費等であります。このほか御結婚に伴う経費として、宮内庁費として人件費等約六百八十万円を計上いたしております。 なお正田美智子嬢は、近く皇室に入られる準備として、去る一月十三日から祭祀、憲法及び皇室典範、宮内庁の制度、宮中儀式及び行事、日本歴史・外国語等について講義を受けておられますが、今上陛下のとき、東宮妃の御学問所が御結婚六年前に開設されたのに比べ、非常に簡単になっております。 以上、皇太子妃選定の経緯とその決定、その後今日に至るまでの経過と今後の予定につきまして御報告申し上げました。
○内海委員長 ただいまの報告につきまして高瀬傳君より質疑の申し出がありますのでこれを許します。時間の都合上きわめて簡単にお願いしたいと思います。
○高瀬委員 委員長の御注意もありますから、きわめて簡単にいたします。実はこの前の内閣委員会におきまして、皇太子妃結婚に関しまして各委員より質問がありましたが、特に私はこの際皇室会議の問題について質疑をいたしたいと思います。皇室会議そのもののたった一回の会議で、正田美智子嬢の結婚が決定された。これはまことにただいまの報告にありましたようにけっこうなことではございますが、私どもといたしましては非常に重大な国事でございますから、万事国民に異論のない結婚が取り運ばれたということについては、まことに慶賀にたえないことでありますが、皇室会議は私から申し上げるまでもなく、皇位継承、その他重要な皇室の問題について審議決定する機関でございまするし、うまく万事取り運ばれたときはけっこうでありますが、国民に非常な異論でもありました際は、これらの重大な国事がわずか一回の皇室会議で決定されるということは、私は非常に問題ではなかろうかと思うのであります。従って内閣におきまして、これらの問題について、たとえば閣僚会議で慎重にやられたとか、あるいはその後のいきさつについてどうであったかとか、そういうことは国会に報告されておりますれば、われわれとしてもその点は異議はないのでございまするが、皇太子妃の決定が宮内庁から発表され、総理の談話もございましたが、われわれとしては重大なるこれらの国事について、国会に今日まで何らの報告もないし、皇室会議の運営そのものも、構成その他についても、私は幾多意見もございます。たとえば議長と副議長が重なって出る。椎熊君と前の星島議長が出られた。こういう場合に、副議長なるものは議長が事故あるときこれを代行するというような形にありまするのに、議長、副議長が衆参両院とも重なって出ておられる。こういう構成の問題もございまするし、私はもっとこれらの重大な国事については、国民がこれらの問題について、個人の正田美智子さんの一家の問題もございましょうが、国民が全部これらの点についてよりよりわかるような状態において、民主主義的に皇室会議が運営されることが望ましい。こういう関係で、私は今回の皇太子妃決定に際する皇室会議の運営の方法等については、非常に疑義を持つものであります。従ってこの決定に至りますまでの、主としていきさつについて、幸い総理もお見えになっておりますので、それらの点について伺いたいことと、それから皇室会議自体のあり方あるいは構成等につきまして、内閣において何らかのお考えもお持ちになっているかどうか、これらの点についても総理のお考えを伺っておきたい、こういうのでございます。
○岸国務大臣 皇室会議の構成につきましては、御承知の通り法律できまっておりまして、私の承知しておるところによりますと、戦後一回皇室会議が開かれたのは、宮家の降下の問題で審議された、今回が二回であったように聞いております。構成につきましてはそういう法律で定められておるところであり、いろいろな御議論もあろうかと思いますが、必要があれば法律の改正等によって考えるわけでありまして、今内閣において構成を特に変えなければならぬというふうには実は考えておりません。 それから皇太子妃の決定に至りますまでの経緯につきましては、先ほど官房長官が申し述べた通りでございますが、私は皇室会議の議長でもありますし、事前におきましていろいろな経緯について、時々宮内庁長官等から連絡も受け、相談も受けてきたのであります。ただ御承知の通り、これがある程度まで内定をしない前にいろいろうわさされるということは、これは国内におきましても、今お話のように国民も非常に強い関心を持っておる。国際的にも非常な関心があり、候補者として事前にいろいろな取りざたも実は行われておったことも御承知の通りであります。しかしそのことは、一方当該御本人の問題でもあると同時に、これに関係する方々の立場もございますので、できるだけ慎重を期すると同時に、ある程度までは絶対に秘密が保持されることが、実は事の性質上必要であるのでありまして、そういうことにおきまして、きわめて慎重に各般のことが調査されるとともに、御関係の方々の御内意やあるいは御意見等も伺い、また皇室会議の議長として、時々内閣総理大臣としては御相談を受けてきたのでありますけれども、ある程度公式の発表が行われるまでの間はこれを秘密に取り扱ったことは事の性質上やむを得なかった、またそれが必要であったと私は思います。 それから皇室会議におきましての審議は、こういう大事なものを一回だけではなはだ慎重さを欠いたのではないかというお話、ごもっともに思います。もちろん当日の皇室会議におきましては、宮内庁長官よりあらゆる資料と、それから経緯について詳細な説明がありまして、会議の議員におきましては十分にこれらの資料と説明に基いてこれを決定したわけでございまして、決してただ形式的会議一回でというふうな事情ではなかったわけであります。 以上今の質問に関して私の関係しておりますことをお答えいたします。 —————————————
○内海委員長 次に国の防衛に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。石橋政嗣君。
○石橋(政)委員 本日は戦闘機の問題を中心にお伺いしたいと思うわけでございますが、その前に昨年の臨時国会において、安保条約の改定交渉とからんで特に憲法の問題としていろいろお尋ねをいたしたわけでございますが、その点でどうも納得がいかない面が解決しておりませんので、その点から先にお伺いをしておきたいと思います。 その質問をいたします前に、私は一応政府の見解を確めておきたいことがあるのであります。それは何かと申しますと、常に問題になる自衛権というものについての考え方です。国が固有の権利として持っている自衛権というものは、大体急迫または現実の不正な危害が起ってきた、国家または国民に対する危害が必ずこれに伴う、危害に対する防衛の行為は危険を防止するためにやむを得ない限度というものがおのずからあるのだ、こういうような考え方の上に立っておると思うのですが、歴代保守党内閣はこれについて一つの統一見解を今まで述べてきております。要約して申し上げますと、第一に急迫不正の侵害、すなわち現実的な侵害があること。第二にそれを排除するために他に手段がないということ。第三にそれを防御するために最小限必要な方法をとるということ。以上三つの原則を自衛権の行使の厳格なる条件と考えている。すなわち自衛権の限界というものはあるのだ、こういう統一的な見解を歴代保守党内閣はとってきておるわけでございますが、この考え方にはよもや変更はないものと思いますけれども、まず最初に岸総理のその点の御見解をただしておきたいと思います。
○岸国務大臣 自衛権の本質及びその限界につきましては、今石橋委員の御質問の通りに私も考えております。
○石橋(政)委員 それでは質問を進めますが、私はそういった見解を堅持していく限り、安保条約の改定交渉において、いろいろな面で差しさわりが出てくるのじゃないかというふうに思うわけです。それを例をあげながら話してみたいと思うのですが、まず第一に、条約交渉の内容を私ども詳細には知ることができないわけでございますけれども、報道等を通じて耳にいたします範囲におきましては、どうも米側の考え方の中に、条約適用地域というものと、共同防衛地域というものと、こう分けて話を進めてくるのじゃないかというふうにうかがい知れるわけであります。そうしてちょうどこれを裏づけるかのように、去年の十月三十日でしたかの予算委員会において総理も同じような見解を述べておられます。それをちょっと申し上げますと、条約の適用区域と共同防衛区域は別に考えなければならない、こういうふうな答弁を予算委員会でなさっておるようでございますが、こういうことになるかならぬかは別として、話の中で当然出てくるだろうというふうなことは肯定なさいますでしょうか。
○岸国務大臣 交渉の内容、ことに地域の問題について今石橋委員のお話のような、条約の適用の区域と共同防衛の地域というものとの関連上の考え方はあると思います。しかしそういう内容を持って条約を作るかどうかということは、これは全然別の問題でありまして、そういう考え方はあると思います。
○石橋(政)委員 それでは最初に共同防衛区域についてお尋ねしたいわけですが、先年の臨時国会において私、沖縄、小笠原を共同防衛地域にするということは憲法違反じゃないか、こういうふうなことを申し上げたわけです。結局日本の主権は全然及ばない、憲法も適用がない、そういう地域に対していわゆる自衛権を主張するということはおかしい。これはもう限界を越えて明らかに憲法違反だというように私が言ったのに対しまして、総理及び法制局長官は、今潜在主権というものしか持たない沖縄、小笠原に対して自衛権を主張することは、抽象的にどうかは別として現実にはできない。しかしこの地域に対して日本が実際に行動することをアメリカが認めたということになると、それだけ日本の主権が及んでいって、アメリカの施政権というものの一部がへこむことになるのだから、日本の主権が及んだことになるし、自衛権というものがおのずからそこに設けられる、広がっていくということにもなるのだという、まことに妙な答弁をなさったのでございますが、私はこのべこむというのがどうもわからないわけです。一体共同行動を沖縄においてとることができる、そうすればアメリカの施政権の一部がへこむ、そういう考え方でいくならば、現実に日本においては安保条約においてアメリカの基地を認めております。それからアメリカ軍の行動も認めております。そうすると日本の主権はへこんでいるのですか、こういう解釈も当然成り立つと思うのですが、その点いかがでし上
○岸国務大臣 憲法上の解釈問題につきましては、一応法制局長官からお答えさぜます。
○林(修)政府委員 たしか昨年私がお答えした趣旨は、現在の沖縄、小笠原、これはいわゆる日本は潜在主権を持っておる、領土権を放棄したことはない、従って日本の領土である、従って抽象的、観念的にいえば現在二つとも自衛権はある、こういうことをまずお答え申し上げました。しかし現在においては沖縄、小笠原は平和条約第三条というものがございまして、アメリカが今全面的に施政権を行使しております。従ってアメリカが承認しない限りにおいて、日本がここに現実に自衛権を行使することはできない、かように考えます。しかしこれがたとえばアメリカとの話によって、いわゆるアメリカを援助するというのでなく、日本がその領土として、そこに日本がある種の行動をするということをアメリカがそれだけ認めると申しますか、譲るとすれば、その範囲において日本が自衛行動することは、他国の領土に対して日本が自衛行動することではない、日本の領土に対して自衛行動をするということだから憲法違反ではなかろう、こういうことを申し上げたわけでありまして、この点は今アメリカが日本の防衛をやってくれているということとは別の問題です。アメリカが日本の防衛をやっているということは、アメリカが日本を、いわゆる外国を援助するという趣旨で日本の防衛をやってくれているわけでございます。その点は私の申しました趣旨と違うわけでございまして、沖縄に対して日本が自衛行動するというのは、いわゆるアメリカが施政権を行使している地域を日本が防衛するのではなくて、その範囲をある程度アメリカが譲ってくれた場合において日本が防衛する、これは別に自衛権の行使として認められる、こういう趣旨のことを申し上げたわけであります。
○石橋(政)委員 そういう説明でわかる人はおそらく私はおらないだろうと思う。第一、潜在主権というものからまず考えてみたいと思うのです。潜在主権という言葉が用いられ始めたのは、結局サンフランシスコ講和会議において、アメリカ代表のダレスさんが、日本は残りの主権を保持する、こういう表現を使ったのですね。そこから出発していると思う。結局司法、立法、行政の三権はアメリカが全部持つ、施政権はアメリカが全部持つ。しかし最終的に、潜在主権というものはたとえば沖縄を独立させるとかあるいはどこかほかの国の領土にするとか、そういう処分を行うという場合には日本の了解、同意が必要だ、そういう意味だろうと思うのです。今言われている潜在主権はそういう意味だと私理解しておる。そうしますと、今あなたのおっしゃるような主権の一部、施政権の一部はへっこんだという場合、いわゆる日本の潜在主権というものは何か変化があるのでしょうか。
○林(修)政府委員 現実における潜在主権、ダレスの言った潜在主権の内容は何かといってみれば、今石橋委員の仰せられたようなことかと思います。現在の施政権はすべてアメリカが持っております。しかし日本は領土権を放棄したことはないわけでありますから、アメリカがこの沖縄、小笠原についても最終処分権を持たない、こういう意味が現実の今の内容だと思います。しかし先ほどから申し上げました沖縄、小笠原の自衛権の問題は、これは多少今の状態が変化することを前提として実はわれわれ申しておるのであります。現状のままの状態というわけではないのでありまして、正平和条約第三条によってアメリカが現在施政権の全部を行使しておる状態が、多少そこに条約上日本が日本の領土として日本の自衛権を行使することを認められれば、もちろんその内容は変化するわけであります。その変化した状態のもとにおいては憲法違反という問題は起らない、こういうわけであります。
○石橋(政)委員 それではもう少し角度を変えてみたいと思うのですが、たとえば沖縄がこの共同防衛地域に指定されるとします。そうした場合、その沖縄というものは一体日本の領土として扱われるのですか。それともアメリカの管轄地域として共同防衛地域に入っていくのですか。これは現在のアメリカと韓国、あるいはアメリカと中華民国、あるいはアメリカとフィリピン、こういったもののそれぞれの相互防衛援助条約を見ますと、いずれも沖縄というような地域はアメリカのいわゆる管轄する地域、管轄権下にある属領諸島という表現の中で、アメリカの領土として入っているわけなんです。日本とアメリカが条約を作るときだけは、何か沖縄は日本のものである、そういうような考えで入り込んでくる余地があるというのですか。
○林(修)政府委員 これは今も米華の条約においては、いわゆる管轄権ある島嶼というものに沖縄、小笠原を含んでおるという解釈は、お説の通りでございます。しかしこれは別にアメリカのほんとうの意味の領土として扱っておるのとは実は違うのであります。少くとも日本がそれを認めたことではないのであります。管轄権のある地域という意味で入っておるわけであります。そこで日本とアメリカの関係で——これはもちろん仮定の問題でありますから、その点御了解願いたいのでありますが、沖縄、小笠原を日本がかりに防衛するときめたならば、その場合日本の態度としては、日本をアメリカが守ってくれるからかわりにアメリカの領土を守るという建前では、やはり憲法上の問題がある、そういうわけではないのであります。沖縄はあくまでも日本の領土である。日本の領土であるという建前でもしも日本が沖縄、小笠原を守るとすれば、そういう建前でいくべきである。そういう建前が認められない限りは、日本の憲法上はできないのじゃないか、かようにわれわれは考えておるわけであります。二国間条約というものは二国間だけを拘束するものでございまして、米韓あるいは米台条約で沖縄が地域上どうなっておるかということとは、直接の関係はございません。しかし日本の希望としては、そういうことについて何らかの変化があることを希望すべきではございましょうけれども、二国間条約については、おのおのそれぞれの間で効力を持っておる。日本とアメリカの間でそういうことであれば、一応は足りるわけでございます。なおよその国の条約も何とかしてもらいたいという希望はあるわけであります。それは直接の問題ではないわけであります。
○石橋(政)委員 それではもうそろそろ総理にお伺いしますが、大体はっきりしたと思うのです。それはアメリカの立場から考えてみればいいと思うのです。アメリカが韓国や中華民国やフィリピンと条約を結ぶ場合には、沖縄はおのれの管轄権下にある諸島だ、そういうふうにして条約を作る、日本と結ぶときには日本の領土としてこれを含めている、そんなことがアメリカはできますか。できると思いますか。総理は日本の総理ですけれども、今度アメリカの大統領の気持でやってみた場合に、そんなに国によって同じ島を片一方では日本のもの、片一方では自分のところの管轄権下にある諸島、そういうふうなことで全然一貫性のない条約を作ることができるとお考えになりますか。アメリカの議会にしたって、そんなことで承認いたすと思っておられますか。いかがでしょう。
○岸国務大臣 私は、米韓条約や米台条約の上において、アメリカの管轄しておる島嶼という言葉が使ってあるように承知しておりますが、その管轄しておる島嶼というのは、これを直ちにアメリカの領土だ、こういう考え方にならなければならぬとは、私としては考えておりません。従って今石橋委員の御質問のように、サンフランシスコ条約で沖縄及び小笠原の地位というものはさまっておりますから、それにおいては先ほど来御議論がありましたように、領土主権はあくまでも日本が持っておる、いわゆる潜在主権として持っておる、こういう立場において、われわれがアメリカといろいろな条約を作る場合において、当然それに基いてやっておる。あとは韓国との間のアメリカとの関係というものが全然違うというふうに石橋委員はお話しになっておりますが、そこは解釈の余地のある広い、管轄しておるという言葉で示しておるので、これは領土だ、こうはっきり言い切っているわけではありませんから、その間には私は、アメリカとしては一応の解釈が立ち得るのではないかと思います。
○石橋(政)委員 領土という表現は使っておりません。これはいかなる条約でも、そういう言葉は使わないようです。領土という言葉を使ったのに私はお目にかかったことがありません。米台条約の場合には行政管轄のもとにある領域、それから米韓条約の場合には米国の管轄権下にある西太平洋の属領諸島、こういう表現が使ってあります。属領諸島といえばやはり領土と違うのですか。同じようなものだと思うのです。とにかくアメリカがそういうふうな、あっちに対してはこう、こっちに対してはあるというふうに、別々のやり方をするということは絶対にできないと思うのです。しかしそれはできるかもしれぬと総理はおっしゃるのですが、しからばかりにできたとしても、私どもが常に指摘するように、それでは沖縄というものが韓国とアメリカの条約の中にも、アメリカと中華民国、台湾との間の中にも、フィリピンとの中にも、そして日本との中にも含まれるということになると、どうしたってここがかなめになって、個々の条約だとはいうものの一つの軍事同盟体的なものができる。常にいわれているところのNEATO的なものができる。そういうおそれがあるということは十分にお認めになるでしょうね。その点はいかがですか。
○岸国務大臣 それぞれの条約というものは観念上は独立しておるものでありまして、私が申し上げるまでもなく、条約は二国間の権利義務をきめる以外に目的もなく、またそういう性格も持たないことは当然であります。それぞれの条約が、それぞれの別の目的なりあるいは別個の意義を持ってそれぞれの国と結ばれておるわけでありますから、観念上は私はこれらの条約の間には関連はないと思います。その意味においては、これらの国が一緒になって共同的な軍事同盟を結んだ場合とは性格が違うことは言うを待ちません。ただ石橋委員の御指摘になったように、いろいろな事態から見て、そういう危険性をはらんでおるではないかという気持なり考えなりは、私は成り立ち得ると思います。
○石橋(政)委員 率直にお答え願ったので、さらに私は追及いたしません。そういう危険性の多分にあるようなことはぜひおやめになっていただきたいという要望にとどめておきたいと思います。 そこでそれではもう一つお聞きいたしますが、沖縄、小笠原というものを共同防衛地域にすることには、政府の立場でいった場合には憲法上疑義がある、われわれの立場からいえば明らかに違反だ、そういうことになるわけですが、これが沖縄、小笠原の場合。ところが日本の領域、それから沖縄、小笠原、そういうもの以外の地域を共同防衛地域に含めるということになると、これは絶対に憲法違反だ、その点は間違いないでしょうね。
○岸国務大臣 先ほど来沖縄及び小笠原をかりに入れたという場合において、日本の憲法の解釈と、沖縄、小笠原というものの性格からいって御議論はありますけれども、自衛権が、アメリカの承諾を得て、それだけわれわれが伸びていくという考え方をわれわれはとっておるわけであります。その他の地域、たとえば西太平洋におけるアメリカのその他の地域、領土に行くということになると、憲法の問題がはっきり出てくる。憲法上日本の自衛権の範囲の活動としてはそういうところには行けない、こう思っております。
○石橋(政)委員 それでは今度は自衛権の限界という立場から、沖縄問題を考えていただきたいと思います。というのは、沖縄でかりに日本の自衛隊が共同の行動をする権利をアメリカが若干認めたというにいたしましても、防衛の主体はアメリカにあることはお認めになりますね。日本がちょっとお手伝いに行ったかどうか知りませんが、共同防衛地域になろうとも、あくまで防衛の主体はアメリカにあるということはお認めになりましょうね。
○岸国務大臣 実際上の問題と法律の、条約上の問題とは分けて考えなければならぬと思いますが、実際はもし何か問題が起ったときに、アメリカは膨大な軍事力を持っておるわけですから、事実上中心になるということは私は当然だと思います。しかし条約上どういうふうに条約をきめるかということにおいて、あるいは立場としては両方が対等だというような考え方もありましょうし、あるいは日本が領土権を持つという建前からいえば、日本を中心にするというふうな建前も考え得ると思います。しかしながら実際問題からいえば石橋君の言われる通りだと思います。
○石橋(政)委員 そうしますと先ほど御確認願った本来の自衛権の限界というものについての統一解釈に照らしてみた場合、第二番目にあげましたそれを排除するために、他に手段がないという場合というものに当てはまるかどうかという問題、アメリカという大きな勢力が厳然としておって、現実的には防衛の主体になっておる、結局他に方法があるわけです。それを日本がわざわざ何か理由をつけていって、何のお手伝いか知りませんが、それをやるほどのことが必要になってくるのか。これは他に手段があるにもかかわらずやるということになりはしないかと思うのですが、そういう点で限界を越えはしませんか。
○岸国務大臣 私はあらゆる場合を考えなければならぬと思いますが、今石橋君の言われるように、やはり自衛権の限界というものは他に手段があって、日本から進んでどうするということではなしに、やはり他に方法がないということを前提にすべきことは当然であると思います。しかし行われたところの侵略なり急迫不正の侵略というものを排除するに、日本の自衛隊が出動することよりほかに方法がないというような事態が全然ないということを前提にするわけにはいかないだろうと思います。
○石橋(政)委員 それでは原則としてはアメリカがやるのであって、かりに共同防衛地域になったところで、日本の自衛隊がすぐに出ていくというようなことはないという確認をしていただけるわけですね。
○岸国務大臣 先ほどからお答え申し上げておるように、実際問題としてはそういうことになるだろうと思います。
○石橋(政)委員 それでは次に条約適用区域というものについてお伺いしたいわけですが、これは一体どんなものなんですか。条約適用地域がかりにできるとすれば、これは私はっきりしないのですが——共同防衛地域と異った、ほかの、区別されたものとして条約適用区域を作るというが、それは一体どういう意義があるのですか。
○岸国務大臣 世間で行われております条約区域というものと防衛区域というものを分けるという議論を私も検討しているのですが、必ずしも明確な法律論的なものがあるわけでもないように思う点もありますし、明確でもありませんが、一応もし分けるとすれば、こういうように考えたらどうかと思うのです。条約区域に加えられたところの不正なる急迫な侵害というものは、共同の侵害としてこれに対して防衛をするという、そこに加えられる侵害を共同の危険として両当事国が認める。しかしそこの防衛行動というものはどういうふうにやるかということになれば、その一方だけがそれを行う場合もあるだろうし、共同して防衛するという場合もあるだろう。そこに加えられた侵害を共同の危険として条約上考えるというようなことが、条約区域と防衛区域と分けるとすれば観念的にはそう考えるべきではないかと思っております。
○石橋(政)委員 結局、相互防衛、相互援助というものを、この区域というもので見た場合の表現である、こういうことになるわけですか。私はどうも共同防衛地域と条約適用地域、そんなものが分けられるのだろうかという感じがするのです。総理もあまり自信がなさそうなんですが……。
○岸国務大臣 実はその点明確に——先ほどお答えしたような程度にしか私も理解しておりませんが、なお法制局長官から一応法律上の解釈を申し上げたいと思います。
○林(修)政府委員 この点、実は私も世間でいわれる点はよくわからない点が多いわけでございます。むしろ新聞等でいろいろ書かれておるのが前提で、私どもがそれを現実に分けようとして考えたことは実はないわけであります。しかししいてそういうことをいえば、今総理の仰せられたようなことかと思うわけであります。御承知のように、米韓、米台条約ではいわゆる条約地域というものがあるわけですが、これは実は即観念的な共同防衛地域になっております。しかし日本の場合でいえば、共同防衛と申しますか、お互いに、特に日本が自衛行動をし得る範囲は限定されるわけでございますから、それは相当狭くなる。その場合に、条約の適用区域というものを別に設ける必要ありやいなやという問題があるわけですが、先ほど総理が仰せられたように、観念的にどこどこの区域に対する侵害は共同の危険と認めるというようなことを別に立てれば立てられないこともないと思います。しかしこれは現実にはほとんど何らの実効的なものはないわけであります。そうなれば、そういうものを分けて考える必要ありやいなやということが、むしろ翻って疑問になってくるわけだと思います。もう一つ、条約適用地域、これは別にあまり現実問題ではないと思いますが、たとえば米軍の行動区域というようなものも、今の安保条約にあるわけであります。こういうものも条約にもしも書かれれば、これも一種の条約適用区域かもわかりません。そういうところから、実は今まで世間で行われております議論は、割合に観念が整理されないで行われているのではないか、かように考えております。 〔「むずかしい」と呼ぶ者あり〕
○石橋(政)委員 これは世間がといって新聞の責任に押しつけておりますけれども、総理も区別しなければいかぬとおっしゃっているわけです。ところが今白状されたわけです。みずからそこのところはどう違うかわからぬというまま、総理自体もそういう言葉を使っておる。これはただ新聞報道その他が整理ができないままに使っているという問題ではない。政府自体が何のことかわからぬが、区別しなければいかぬだろうというようなことで今まで述べておるから、私どもわかるはずがない。わからぬで言っていることがわれわれにわかるはずがない。それをまた私が聞いているのだから、なおわからない、そういうことなんです。皆さんがむずかしいとおっしゃるのは……。 そこで、終りにしますが、やはり総理がちょっと漏らした言葉の中にもありましたが、条約適用地域における——これは日本の領域でもなければ、沖縄、小笠原程度に潜在主権を持っておる領域でもないわけです。どこかほかのところが入る可能性があるわけです。そういうものを作る場合に、そこにおける侵略、侵害、そういうものは共同の、何といいますか侵略とみなす、侵害とみなす、こういうことがちょっと表現に出てきたのですが、これは思想的にであろうとも、やはり集団的自衛権、相互防衛、相互援助という思想だと思うのです。私はこれはかりに思想であっても、思想そのものがやはり憲法違反だと思う。一体よその国の侵害、侵略まで日本に対する侵略と思うということが、今の憲法で許されておりますか。私はそれに行動を伴わなくても、そういう思想を持つこと自体が違憲だと思いますが、大体直接に攻撃を受けない国が、結局よその国の侵略をみずからの国の侵略とみなす、そういう考え方自体が、やはり現在の憲法のワクの中でものを考えなくちゃならぬ政府としては絶対にとれないのじゃないか、そう思うのですが、いかがです、総理。
○岸国務大臣 思想云々ということのお話でありますが、私はそれは石橋君が何かの考え違いではないかと思います。たとえばわれわれは世界平和を守っていくということは、同時にこれは日本の安全保障の意味からいって、世界のどこにも戦争があってはならない。従って、ある場合においては、国連においてそういうどこかに加えられたところの危険なる侵害というものは世界平和に害がある。国連に参加しておる国としてはその危険を共同の危険とし、これに対し何か集団防衛の方法をとるというような機構が将来でき得ることも考えなければならぬと思います。そういうこと、またそれが共同の危険であると考えても、これでもって軍事行動をすぐ起すということは、憲法上許されないことは当然でありますけれども、現実のわれわれ国際生活をしていく上において、われわれの近隣——われわれが実力を行使することはできない地域であっても、そこに加えられておるところの危険を、同時にわれわれに対するやはりゆゆしい危険であると感ずるということは、思想的にいって、私はそれが憲法違反だと実は思わない。現実の行動の問題になってくれば、これは明らかに憲法の制約を受けることは私は当然だと、こう思っております。
○石橋(政)委員 行動の伴わないものは、これは観念論をやっても始まりませんし、時間がありませんから、それでは本論に入りたいと思います。 それは最近参議院の本会議におきましても問題になりましたF86F戦闘機の返還問題、それから新しく作ろうとしておりますいわゆるグラマンF11F—1Fの生産問題、そういうものをひっくるめて私は戦闘機問題と防衛計画との関連、そういう立場から一つ質問してみたいと思うわけです。 私が言いたいことは、今政府が持っておりますところの、岸総理がわざわざ御携行になってアイゼンハワー大統領のところまで持っていってお見せになったところの防衛力整備目標、普通いわれておる防衛三カ年計画、これはもはや本質的にくずれ去っているのじゃないか、こういうことを主張したいわけなんです。それをいろいろな角度からやりますと時間を食いますから、いわゆる戦闘機、航空機という問題に焦点をしぼってやりたいと思うのですが、私がなぜこの計画がもはやくずれ去ったかと言いますと、やはり三つの角度から見ていいと思う。 一つは、この間戦闘機を返した、こういう形の中で現われておりますいわゆるアメリカの供与兵器を現実に返さざるを得ないような状態になってきているということ、その背景にあるものはいわゆる軍事援助の大幅削減という方向がアメリカにおいてとられておるということです。こういう立場。日本の整備目標を達成するためには、相当部分の供与をアメリカに期待するという一項が入っておるわけです。日本の立場からいえば、なお相当部分をアメリカの供与に期待するとある。その期待されておる方のアメリカ側では、軍事援助削減、特に現物を供与するという形、しかもそれは無償供与という形をだんだん減らしていこう、こういう大綱が打ち出されてきておる。そし現象面においては、四十五機返還というものが現実に現われてきておる。それだけじゃない。防衛庁が計画しておるところの供与期待の飛行機というものは、現実に到着しておりません。来年度だって、これだけをもらいたい、たとえばF86Dを六十機もらいたいというような計画は書いてありますけれども、これは来そうもありません。そういう面からくずれかかっているということが一つです。それからもう一つは、新しい機種がきまらぬということです。これはもうすでに完全に一年間おくれております。そうしますと、ことしの予算にこの初年度経費が少くとも織り込まれ、生産を九月ごろから始めて、初めて防衛計画の達成にどうにかすべり込める、こういうお話であったのですが、すでにもう来年度の予算には全然当初経費というものは組まれていない。そうしますとどう見たって一年間は完全におくれている。ここから計画の狂いがもう現実にきているということ。それから第三番目はこれに関連がある。結局新しい機種の生産に入れない。入れないものだからどういう手を打ったかというと、政府が今F86Fを生産している三菱救済のために、その間を何とか食いつながすために、次の機種を作るまでの間を食い延ばすために、その生産速度をものすごく落してしまった。今のところ月産四機ぐらいになっているのじゃないかと思う。どこから私がその数字を引っぱり出したかというと、ことしの三十三年度末の現有F86Fと来年度末のF86Fというものとの見込み数が書いてあります。その差をはじき出してみたらたしか四十六機です。そうしますとこれを十二カ月で割ってみると四機ないのです。月産四機以下に押えてしまった。ここからも計画はくずれてくるのです。ざっと見ても以上の三つの点から、どうしたってこの防衛計画というものは完全にくずれる時期に来ている。それをなおかつ大丈夫です、大丈夫ですと言おうとする意図がわからぬことはないけれども、やはり率直に言わないと私は工合が悪いと思う。国民に対しても国会に対しても、もう少し責任を持って明確にお答え願わなければ因る。あくまで主張されるなら、私は一つ一つ今から材料を出しお尋ねいたしますが、いかがです。
○岸国務大臣 防衛三カ年計画につきましては、国防会議でその計画の大綱をきめて、そしてそれに基いて進んできおります。もちろんいろいろな計画でありますから、これの実行に当りまして計画通りいくものと、あるいは整備計画等がややおくれたりする場合とがあります。F86Fの返還の問題の事情については、防衛庁長官からお答えをいたしますが、私どもはこれによって基本方針を変えなければならない、今石橋委員のお話のように、これはもうくずれ去っておるというふうには考えておりません。なお三カ年計画の後に来たるべき防衛計画の大綱をどういうふうに長期に定めるかというようなことは、国防会議において十分各般の新しい事情も考えて検討をいたしております。決し今お話のように、すべてのわれわれの立てたところの計画がくずれ去ってしまっておるという事情ではございません。
○石橋(政)委員 まだ固執されておられるようでございますが、私たちは、大体日本がアメリカというものに大幅に依存して、特に軍事的にはそうなんですが、そういう立場にあって自主的な防衛計画、特に防衛力整備目標というようなものを、自主的に作っていくことは不可能だ、国防会議などというものは、茶番劇だという主張を今までしてきたわけです。それを裏づけることになるものだから固執されておると思うのですが、これはやはり正直におっしゃった方がいいと思うのですが、いかがですか。それでなかったら、それでは私は一つ一つお尋ねいたしましょう。まず第一番目に返還問題について、長官から御説明正願います。
○伊能国務大臣 F86Fの返還につきましては、御承知のようにあの四十五機を受領いたしましたのは、昭和三十二年の春でございます。それ以後はF86Fについては全然受領をいたしておりません。石橋先生御承知のように、たまたまその間において、航空要員、ジェット要員の養成等について、遠州灘の試射場の問題、あるいは浜松の飛行基地の返還の問題その他の事情から、乗員につきましては、御指摘のように若干の訓練上のおくれを生じたことは事実であります。それらの関係でアメリカ側としては、昭和三十二年春に引き渡されたものがことしになってもそのまま保管されておるということでは、御承知のように日米の相互援助協定に基きまして、双方当面の利用に必要でないものについては、それぞれの国からそれの返還を申し出たり、返還の要求ができるという趣旨に基いて、返したらどうかという話が昨年の春以来ありまして、当方において、御指摘のような三カ年の整備目標等との関連から、返すべきかどうかということについては、かなり長い間検討をいたしておりましたが、ただいま申し上げたような飛行場の整備に伴う、あるいは移転に伴う訓練上の関係から、乗員に若干不足ができましたので、それでは将来F86D等の供与について十分好意ある配慮を払ってもらいたいということを申し入れ、アメリカにおいてもその点については、将来の問題として十分な考慮を払うというような話し合い等もありましたので、昨年の暮れにこれを返還することを決定いたしまして、目下返還中でございますが、これだけでは、航空自衛隊の整備目標を直ちに変更するという考えは現在持っておりません。ことに整備目標については、このほかに海幕、陸幕等の関係もありますので、私どもとしては将来の問題については、後刻御質疑があるかと思いますが、軍事援助の今後の見通しの問題、あるいはわが国における大体二%を基準とした国民所得に対する防衛力の整備の問題等、国力、国情に応じた整備をやるということが国防の基本方針でもありますので、それらの点から、三カ年の整備問題等の次の段階においてどういうようにするかということは目下十分検討中でございますが、さしあたり四十五機の問題について、今直ちに整備目標、いわゆる整備計画がくずれ去ったというようにも考えておりませんし、私どもそれをもってすぐ修正をするという考えを持っておらないのであります。
○茜ケ久保委員 関連して。総理に一言だけお伺いしたいと思います。岸総理は昔の天皇と同じ権力を持っていらっしゃる。これは三軍の統率者であります。各省についてはそれぞれ各省大臣がおりますが、防衛庁限りにおいては防衛庁長官がおりますけれども、あなたが最高の責任者であります。従いまして自衛隊に関する件は、もちろん伊能防衛庁長官が責任を負いますけれども、さらにあなたは直接の責任を負うておる。そこでそういう立場からお伺いしたいのですが、あなたも茨城県の百里原の飛行場の問題を御承知だと思うのです。一昨々日町長のリコールの問題もございました。今百里原でああいう重大な問題を起しておりますが、その原因が百里原の第五航空団の設定について起っております。そこで私がお伺いしたいのはあの第五航空団の建設は昭和三十一年からすでに今日まで五億七千万円の巨費を投じてやっております。しかも一昨八日には格納庫、兵舎その他あらゆる付属建物の建設が終ったというので、事もあろうに航空自衛隊の著楽隊まで出て完成祝いをしております。しかもそのときは旧正月の元日であり、その前には設置に反対をしておられた山西町長のリコール成立によって、反対派の飛行場誘致派の諸君がお祝いをしておった。そのとき、どういう意図でなされたかわかりませんけれども、航空自衛隊の音楽隊が出まして、その五億七千万円かかった建物の設備の完成祝いをなさったということであります。しかし総理にお聞きしたいのは、建物はできましたけれども、肝心かなめの滑走路は一寸もできておりません。飛行基地に幾ら建物ができましても、肝心かなめの滑走路が一寸もできぬという現状において、どんなことで完成をなさったのかということでありますが、それよりも私は岸総理に責任を問いたい。今後防衛庁では必ず滑走路を作るとおっしゃるけれども、私の調査した範囲においては、肝心かなめの滑走路は、まん中にまだ数名の反対派がおりまして、絶対にこれは滑走路には渡さぬと言ってがんばっておる。この滑走路がいつできるという見通しは、私はあとで防衛庁長官に聞きたいと思いますので、これは総理には聞きませんが、総理は自衛隊の最高責任者として、もしも滑走路ができない場合、どういう責任をおとりになるか。国民の血税を五億七千万円も使って、りっぱな兵舎や格納庫ができたけれども、肝心かなめの滑走路ができないというこの現実に直面して、あなたはこれができなかった場合——十年先、二十年先のことではありませんが、少くとも私は、今国会の会期中にめどがつくなり、あるいは近い将来に完成するという見通しができなければ、非常に重大だと思う。今の飛行場も問題だが、国民の血税をこのようにむだづかいされては困る。見通しが立たないのにやっては困る。そこで私は岸総理に、三軍の統率者として、この問題の結果についての責任をお伺いしたい。
○岸国務大臣 基地あるいは飛行場の建設につきまして、地元民の十分な協ヵを得なければ完成ができないことは御承知の通りであります。私はあくまでも地元の人々の了解を十分に得て、そうしてこれを責任をもって完成したい、かように考えております。
○茜ケ久保委員 それでは済まないですよ。そういう答弁は今ずっと聞いておりますが、できないのですよ。今日まで三年かかってできない。今後の見通しもないのですよ。しかしあなたが必ずやってみせるとおっしゃるならけっこうです。それも今私が言ったように、三年先、五年先、十年先のことではありません。それでは私は申し上げますが、一体いつまでにこれをやるのか。岸総理にそれを誠意を持ってやってもらわないと、防衛庁が言っているように、やりますやりますと言っても、三年かかってもできないのですよ。そこで私は、単なる答弁でないはっきりした岸総理の腹を聞きたい。
○岸国務大臣 私の報告を受けております限りにおいては、過去において今日までできておらないことは事実でありますが、しかしだんだんこの反対者の数も減って参っておりまして、強硬ではございますが、ごく少数になってきているというふうに報告を聞いております。しかしなお強硬な反対もあるようでありますから、政府といたしましては十分にこの地元の了解を得て、一日も早く完成するように努力したいと思います。一つ茜ケ久保委員におきましても、われわれの方針に対して御理解をいただいて御協力をいただき、せっかくできた滑走路等がむだにならないようにお願いいたします。
○茜ケ久保委員 もしも反対者がどうしても承知しない場合には、あなたは自衛隊の基地設定のために土地収用法を執行される意思があるかどうか、これをお聞きしたい。
○岸国務大臣 具体的の手続の問題につきましては、ここでまだ申し上げる段階ではないので、極力地元の人々の反対者を説得して、ぜひ協力してもらいたい一心でございます。
○内海委員長 平井義一君。
○平井委員 ちょっと国防会議の議長としての総理大臣にお聞きいたします。次期戦闘機の購入で非常に紆余曲折があって今日まで決定しておりませんが、防衛計画にも関係があることでありますので、近いうちに決定をするお考えがありますかどうか、早くきめていただきたいと思います。
○岸国務大臣 この問題に関しましては、御承知のように昨年四月に内定をいたしましたが、その後いろいろな方面の事情も調査いたして参っております。すでに一年近く経過いたしておりまして、内定した当時の事情と相当変化もございますし、いろいろな点において目下検討いたしております。しかしいつまでもじんぜん日を送るわけにもいきませんから、なるべく早く決定し実施いたしたいと考えております。
○石橋(政)委員 この返還問題はよく説明していただかなければ、非常に国民に対しても申しわけないと私は思います。なぜかというと、現実に莫大な国費を使って国内生産をやっておるわけです。それから新しい機種の生産も早くやらなければいけないのだということを盛んにPRしているわけであります。そんなことを言っておるかと思うと、片一方ではアメリカからただでもらってきたものを返してしまうというようなこともやっている。一体何をしておるのかという気持をみんな持っておる。そこでやはり完全にそういう疑惑をぬぐい去るような努力を防衛庁としてはやらなければならないと思うわけですが、こういう羽目に陥ったまず第一番目の原因というものが、パイロットと飛行機数の不均衡から出てきておることははっきりしておるわけです。現在ジェット飛行機というものはF86F、F86D合せて大体三百三十二機というふうに長官は答弁しておられたようですが、これに対してパイロットは第一線要員として使える者といえばわずか五十人いるかいないかだと私は思う。一体こういう根本的なパイロットの養成という問題を度外視して、飛行機の数だけ、頭数だけそろえていけばいいというでたらめなところから出発していると思うのです。一体どういうところにこのパイロット養成計画のそごがあったのですか。ここのところにもはっきりした理由がなくてはならぬと思うのですが、この点から御説明願いたい。
○伊能国務大臣 ただいまの点について御説明を申し上げますと、御承知のようにさいぜん申し上げた遠州灘試射場の問題あるいは浜松基地の移転等の問題、さらに御承知のようにジェットの航空機訓練要員は非常に高度の訓練を要しまするので、一応これが所要要員として決定いたしましたものを訓練いたしますにも、御承知のように二十六カ月というような長期の期間を要しまするので、それらの訓練の上から当方において適性者をいろいろな点でテストをし、養成しながらできるだけ一〇〇%に訓練を完成いたしたいわけでありまするが、さいぜんのような事情等もありまして、若干の養成率が、最近においては七〇%、期間にいたしまして約十カ月近くというようなおくれを生じましたために、現在においてはただいま先生からは四、五十人とお話がありましたが、今月末で百四十八人養成ができております。また年度末においては百八十人という計画になって、若干のおくれを来たしたことは訓練上まことに申しわけないと存じますが、特に重大な支障を生ずるという状態ではないということは数字の掲げる通りでございます。
○石橋(政)委員 そうしますとその百四十八人、年度末に百八十人とおっしゃっておりますのは、これはTに乗れるというだけでなしに、Fにも必ず乗れるというわけですか。
○伊能国務大臣 御指摘の通りでございます。
○石橋(政)委員 それからアメリカからもらった飛行機、これはアメリカから供与された分としては一番新しいものなんですね。昭和三十二年度に来た分だ。一番新しいのを取り上げられるというからにはそれ相応の原因がなくてはならぬ、おそらく倉庫かどこかにほうり込んだままになっておったのじゃないかと思うのですが、そういう事情についてお話願いたいことと、そういうでたらめなことをもしやったとするならば、向うさんの方にも、こちらさんの方にも、責任者がおられて、当然処罰の問題なども出てきていいのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○伊能国務大臣 さいぜんも事情を十分説明せよというお話がございましたので、つけ加えたいと存じますが、御承知のようにF86Fにつきましては、従来からいろいろ米側と軍事供与について折衝いたしました結果、昭和三十年六月に初めて日米共同生産協定ができ上りまして、その際にはとりあえず第一回の協定において七十機を日本において生産する、さらに三十一年四月、三十二年四月と、この第二回、第三回の共同生産協定に基きまして、第二回では百十機、第三回が百二十機と、目下その第三回を生産中でございますが、本来の建前はこの共同生産協定に基いた国産機によって、ジェット要員の訓練並びに装備を完成するという建前でございますが、御承知のように三十年六月に協定ができましても、国産は準備その他国内防衛産業の整備の関係上、直ちにはできないわけでございますので、その間にアメリカからF86Fの現物をある程度もらうということで、昭和二十一年四月から、御承知のように昭和三十一年度は百十四機を受け、さらに三十二年に四月、五月、六月と、この三カ月にわたって四十五機の供与を受けた次第でございます。この四十五機が木更津の補給部隊に保管をされておりまして、さいぜん申し上げましたような射場、飛行場等の関係から、乗員養成に若干のおくれを来たしましたので、アメリカの方でそれではまだ使わない四十五機があり、将来新しい機を要求する際においても、さしあたり使わないものであれば条約に基いて返してもらった方がいいし、また日本としてもその点を考慮してもらいたい、こういうことでありましたことと、かたがた三十二年六月の受領した四十五機が完了いたしましたあと、昨年になりましたが、昨年の春一年程度まで使わないでおきましたために、モスボールしておりました関係上、しみついたりその他の関係で、これを使うには相当の経費もかかるというようなこともありましたし、かたがた当面乗員の関係上、必要がなくなったということで、今のお話のように責任問題とかなんとかいうことでなく、条約の趣旨に基いて、お互いに要らないものは返したり、また要るものをもらうという方が、今後の軍事援助の円満な遂行の上にもきわめて望ましいことだ、かように思いまして、昨年の十一月末に政府としては返還を決定し、目下返還中でございます。
○内海委員長 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止]
○内海委員長 速記を始めて下さい。 本日はこれにて散会し、次会は公報をもってお知らせいたします。 午後零時十九分散会