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31回国会衆議院1958/12/18

内閣委員会 第3号

発言数
123
登壇者
18
会派数
2
開催日
1958/12/18

会議録

内海安吉自由民主党

○内海委員長 これより会議を開きます。  国の防衛に関する件、公務員の制度及び給与に関する件、恩給及び法制一般に関する件の各件について調査を進めます。  質問の通告がありますので、順次これを許します。保科善四郎君。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 私は今から、もとの陸海軍の施設の処理がどういうような工合になっているかということについて、大蔵省当局と防衛庁当局にお伺いをいたしたいと思います。  第一に、今申し上げました処理はどういうような方針で処理をしておられるか、大蔵省の管財局の当局に伺います。

市瀬泰蔵大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 旧陸海軍の所属でありました財産は、終戦後すべて大蔵省所管の国有財産として、旧軍用財産として整理しておりまして、この財産の処理が国有財産の処理の中心をなしておる次第でございますが、一般的に申し上げますと、こういう旧軍引き継ぎの施設につきまして、その施設をあらゆる角度から検討いたしまして、最も有効適切に活用するという方針で、従来及び今後も処理しておる次第でございます。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 旧陸海軍の施設は、地理的に見ても、防衛上非常に重要視して選択されておるわけであります。従ってその処理は、第一義的に防衛庁の要請に従ってこれを処理しなくちゃならぬと思うのでありますが、そういうような工合に処理されておりますか。

市瀬泰蔵大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 防衛庁が設置されましてからは、防衛庁の長期計画の見通しに立ちました毎年の計画を承わりまして、その防衛庁の国有財産に対する利用希望と、それからその他の国の機関におきます希望及び地元の意向等を十分検討いたしました上、国の施設につきましては、原則としましては優先的にこれを活用させるという方針をとっております。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 防衛庁がいろいろな計画の上に立ってこれが必要がないという意思表示があった場合には、次にはどういう順序でこれを処理されておりますか。

市瀬泰蔵大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 国有財産の種類によりましては、必ずしも防衛庁の利用希望を考慮しない場合もありますけれども、かりに防衛庁の利用希望を考慮して検討しなければならない場合でありまして、昔たとえば演習場であるとか飛行場に使ったところで防衛庁が使わない、こういううようなケースでございますと、これを地元の工場誘致等の観点から工場転換計画をすべきか、あるいは文教、観光施設等の施設に振り向けるべきかというようなことも考慮いたしまして、そうしました後で、だれもが希望がないというような場合に、現在農林当局におかれまして、自作農創設のために農地解放というような希望も強うございますので、農耕適地となる分は農林省に所管を移す、こういうことにしております。そういう事情もないものは、通常一般競争その他何か特別の理由ある場合は、特別の縁故によりまして売り払いをする等、会計法規に即して処理をしております。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 その一般処理の場合、今縁故者という答弁が出たようでありますが、防衛庁の要請、その次は一般公共の利用、そういう必要がないというような場合には、一体旧地主返還ということに対してどういう考慮を払っておられるか、もう一度はっきりした御答弁を願いたい。

市瀬泰蔵大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 大蔵省の方針といたしましては、大蔵省が引き継ぎます前の陸海軍が買収した国有財産について申しますと、買収前の地主はどなたでございましても、そのもとの地主であるという事情を特に優先的に考慮はしない。現在、旧陸海軍から引き継ぎを受けた財産を最も有効、効率的に活用するという見地から考えて処理いたしますので、あるときは旧地主の国有財産の利用目的が合理的でありますならば、旧地主に払い下げすることもありますし、あるいはその他の利用目的をよしとしまして払い下げることもありますし、あるいはそういう特別の考慮をいたしませんで、一般に競争入札の方法で売り払いすることもあるということでございます。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 この問題に関連して、いろいろなところに問題があるわけです。私は全国的にあるのじゃないかと思いますが、一例を旧多賀城工廠の例にとって考えてみますと、ここは第一次計画から第二次計画という工合に、大東亜戦争の末期に買収をされた場所です。第二期拡張のときには相当無理をして買収をされ、あるいは憲兵が行って相当脅迫的に買収をしたというような事例もあります。あるいは印判を無理やりに持って行って買収をし、あるいは買収の手続が済まずに今日までなお租税を納めておるというようなものもあるわけです。そういうような人たちが、今のような大蔵省が考えたような一般競争入札等によって、利権者のえさになっておるというような状況を見ては、相当憤慨をしておる状況が出ておるわけであります。それでこういうような特殊な状況のあるものに対して、やはり今のような一般的な考えでもって処理されるお考えですか、それをちょっと伺いたい。

市瀬泰蔵大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 多賀城の場合について申し上げますと、この財産を買収しました事情は非常に複雑でございまして、昭和十七年ごろから旧海軍が海軍工廠用地とするために買収をしたものでございます。その中には海軍が建設方面に力を注ぎましたためか、跡始末を忘れまして、たとえば国に登記を移転する仕事をおろそかにしたようなものがかなりございます。あるいはただいま保科委員からの御指摘もありましたように、一部の方々からは非常にひどい買い上げをされた、あるいは代金も払われていないようなところまでも押えられたというようなことを聞いておりますので、ただいま大蔵省の地方機関であります東北財務局におきまして、徹底した調査を開始したところでございますが、その結果によりまして、最終判断が下されるわけでございますが、通常の場合は先ほど申し上げましたような線で多賀城も処理されることと考えられます。なお税金と申されましたが、おそらく固定資産税を、国が買収してある土地であるにもかかわりませず、どなたか、旧地主がまだお払いになっていることだと思いますが、固定資産税は地方税の市町村税でありますが、市町村の徴税当局があやまって課税したものかと思われますので、国の方で国有財産であるという証明書をいつでも交付する予定でありますが、それをお持ちになっていけば当該市町村当局から税の還付は受けられるものと考えます。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 大体わかりましたが、実際問題としてこの多賀城あたりには相当計画がえで荒廃したり、やりっぱなされているところがあるわけです。そういう場所は旧地主に返してもらって農業耕作をやりたいというような希望もあるし、またこれはあなたのところにも行っていると思いますが、返還不能の土地に対して、当時の事情を考慮して再補償されたいというような要望も非常に強く出ているわけであります。これは現実の状態がそういう状態であります。それから買収の事情が今申し上げましたような事情であるので、そういう要望が出ているのだと思いますが、こういう問題に対しては、やはりあたたかい気持を持ってこういう問題を処理されぬと、不要の摩擦を生じて良民を苦しめるという結果になりますから、こういう点に対しては私は十分に考慮をして、不安のないように気持よく政府に協力するような態勢を作っていただきたい、そう思うわけでございます。  同時に、こういう問題が所々方々にあるわけです。たとえば隣の松島航空隊、これは防衛庁の関係ですでに防衛庁の施設になっておるわけでありますけれども、この航空隊内にやはり登記未了の場所があって、そうして旧地主が税金を払っておる。そうして何かいろいろ話をすると調達庁の方でやかましいことを言うて、今訴訟になっているというような問題もあるわけであります。そういうような一連の問題がこれは全国にわたってあると思うのです。こういう問題はいろいろな戦後の行き過ぎを是正するという諸種の措置が講ぜられておるのです。従って管財局においてもこういう問題を一つ調査されて、そうしてあたたかい気持を持ってこういう問題を処理していただきたいと私は念願をいたしておるわけであります。これに対してもう一回管財当局の考え方を伺っておきたいと思います。

市瀬泰蔵大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 多賀城に関連しまして先ほど来一般論を申し上げましたが、なお多賀城について最後に申し上げますと、すでに防衛庁に所管を移したところもございますし、また仙塩総合開発の国家目的に従いまして、数社の企業に売り払いしたところもございます。そのほか、なお私どもの計画で工場用地あるいは工場付属の社宅地あるいは多賀城地区の市町村関係の公共施設に予定しているところを除きました部分につきましては、ただいまの御趣旨はよくわかりますので、国の立場としましては、旧海軍の買収は適法に、公正に行われたものであるというものを引き継いでおりますけれども、現に使う予定のない未利用地につきましては、旧地主の方がもし特定の利用目的をおっしゃっていただきますならば、適正な規模で払い下げする道も開かれておる、こういうことを申し上げたいと思うのであります。  なお松島の問題につきましては、すでに防衛庁に所管がえをし、一部防衛庁も買収を終了したと思います。この点は説明を省略さしていただきます。

保科善四郎自由民主党

○保科委員 最後に、こういうような一連の問題がありますから、一つ調査されて、どういうふうに処理されるかというふうなことに対する調査の結果を、この委員会で御報告を願いたいと思います。それから、この松島航空隊のことはよくお調べになって、住民は全面的に協力しようとしているのですから、いたずらに訴訟なんか起すような態勢を作らずに、もっと親切に一つやっていただきたいと思いますが、防衛庁当局はよく調べて善処していただきたいと思います。  最後にもう一つ、この防衛を最も経済的にやるには、旧陸海軍の施設を全面的に将来の防衛計画の上から検討されて、総合的な計画を一つお作りになって、大蔵省と十分に折衝されて——必要なものを追っ払っては、これはあとから得られないのです。ああいうような重要な場所ば、土地があっても、防衛庁は国の防衛に必要な場所はなかなか得られない。特にウォーター・フロントを伴うようなところは場所として得られない。そういうふうな見地から総合的に一つ計画をお立てになって、大蔵省とお話しになって、結局相当大事な場所は利権屋のえさになっておるというような場所もあることを、私は実際聞いておるわけでございます。この点に関して十分に一つ市当局との間にお話しになって、国家の財産をむだのないようにお使いなさることを一つ希望して私の質問を終ります。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 市瀬君にちょっと言うておきますが、保科委員の御質問、御要望、よくわかるのでありますが、多賀城の紛擾地の調査の結果は、ぜひともこの委員会に報告してもらいたい。  第二は、松島航空隊の問題も同時に調査の結果を御報告してもらいたい。これは防衛庁に、それだけ委員会として要望しておきます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 防衛関係で質問がありますが、一応大蔵省に関連質問を一つだけしておきます。これは具体的な問題でありますが、実は私どもの群馬県の前橋市に、かつてアメリカ軍が長い間使っておりました旧中島飛行機関係の敷地、建物があるのであります。これを市当局並びに市民は、いわゆる工場誘致の大きな希望として今日まで各方面に陳情なり運動をしたのでありますが、幸い西武鉄道が車両工場に使うということで、市並びに市民も非常に喜んでおったのでございます。最近どうもそういったことが立ち消えになる可能性が出てきたというので、二十万市民は非常に落胆をしておったのでありますが、さらに最近大蔵省にただしましたところ、そういったことが一般の市民の心配とは逆に、むしろ進行しているということを聞いているのでありますが、その間の最近の実情について、大蔵当局の御発表になっていい限りの事情を御説明願います。

市瀬泰蔵大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 ただいまの茜ケ久保委員の質問は、前橋市の天川原にあります国有財産でございまして、土地が二万二千八百坪、建物四千五百坪あります大きな規模でございますが、すでに昨年の八月、アメリカ軍から返還されまして、前橋市の皆さんの強力なる工場誘致の運動が功を奏されまして、いろいろの紆余曲折はあったのでございますが、結局西武鉄道一本にしぼられまして、西武鉄道に車両工場施設ということで売り払いをすることが内定されまして、大蔵省にあります国有財産関東地方審議会においても、西武鉄道に売り払いを可とするという答申が出ております。ただいま価格の折衝中でございまして、国有財産の払い下げも相当部分民事法の適用がありますので、いわゆる通常の土地建物売買の様式と同じように、売手、買手の間の話し合いが少し長引きまして、私どもとしましては、今年じゅうには契約締結までこぎつけるかと思ったのでございますが、少しおくれそうである。しかしどうおくれましても、年度内には締結できるものと思っております。でございますから、あるいは前橋市の皆さんも、あまりにもおそいので、あるいはという御懸念もあるかと思いますが、私どもとしましては、もはや西武鉄道に売り払ったとしまして、西武鉄道が車両工場として大いに活用していただくという方向で進んでおることは全然変っておりません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 大蔵当局のそういう御方針を聞いて、おそらく前橋市民は非常に喜ぶと思います。ただ最近、市当局並びに市会議員の諸君が関係者を歴訪した場合、むしろ西武鉄道が何か最初の何社かで競合するような立場にあったときには非常に熱心であったが、最近、今おっしゃったように西武一本にしぼってきた今日、西武の方で何か力を抜いて、あまり積極的ではないのじゃないかという懸念も出てきております。そういった点で、大蔵省当局の態度ははっきりしたのでありますか、相手方である西武鉄道はむしろ、今申しましたように消極的になって、あるいはせっかくの大蔵省の好意を無にするのじゃないかという心配も多分にあるのでありますが、この点に対する課長の見通しと申しますか、今お聞きすると、おそくとも年度内とおっしゃったのでありますが、西武側の態度をはっきりおっしゃっていただけば、これはなおいいと思いますが、この点だけ……。

市瀬泰蔵大蔵事務官(管財局国有財産第二課長)

○市瀬説明員 本委員会でお答えするのはどうかと思うのでございますが、おそらくこれは価格のかけ引きの問題でございまして、実は先ほど私が答弁いたしましたのも、もはや大蔵省は売手としてある意味で弱い立場に立ったようなふうにとられると非常に困るのでございますが、結局そうほしくもないような顔をすれば安く入手できるのではあるまいかというような、いろいろなかけ引きもありましょう。そういうような事情で、若干価格折衝か延びたものと、こう私どもは見通しておるのでございます。特に本件につきましては、運輸省当局におかれましても、ぜひとも推進さしてほしいということを言っておりますので、万一会社側が全然その気がなくなれば、売り払いするわけには参りませんけれども、諸般の事情からは、円満に払い下げがいくものと、こう考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 大へんけっこうであります。どうぞ一つお願いいたします。小さい問題でありますが、やはり旧駐留軍関係の、今保科委員からもありましたが、駐留軍関係のいろいろな施設や土地等が、今後相当こういう形でそれぞれの地方に払い下げ、あるいはまた転換があると思うのであります。そういった意味で特に前橋市のような中小都市における地帯では、工場誘致に非常に熱意を持っておりますので、こういうものがスムーズに参りますと、全国的に見ても大へんいい手本になると思います。地元も協力することにやぶさかではありませんし、全面的に支持をいたしますから、なるべく早く決定をするように重ねてお願いしておきます。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 受田新吉君。

受田新吉日本社会党

○受田委員 まず最初に行管庁の山口国務大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、あなたは大臣就任直後に行政機構の改革について構想をお示しになられた。その落ちついた政治生活の最初の通常国会が来たわけですが、国家行政組織法を中心とする行政機構の全面的改正をどのように考えておられるか。すでに国会で審議され、廃案となった行政機構改革の諸法案等との関係も含めて御答弁をいただきたいと思います。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 お尋ねの行政機構の改革のつきましては、政府及び私らの党の公約でもございますので、皆さんの御協力を得て何とかこれが達成に努めたいと思っておりますが、何と申しましても御承知の通りなかなか難事業でありますので、与党とも十分連絡をいたします。また各方面の権威者に、いわゆる審議会において、これらの高い識見を持たるる専門家諸君の意見もあらゆる方法をもって今聞いている次第でありまして、私といたしましても今期国会中には何とか成果を得て、一つ国会に提出したいとせっかく目下努力中でございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 今国会中に提案したい、その提案したいという御構想の中に、かつて国会に提出せられ、審議未了になった諸法案というものは当然それへ含めて考えられているのかどうか。それからもう一つは行政審議会が、ついこの間十五日に第一回の答申をあなたの方へしているわけです。この国民年金関係の行政組織というものに対して、さしあたりかくあってほしいという希望は申し述べられているはずでありますが、そういうものの取扱いはどう考えておられますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 お尋ねの通り国会において審議し、あるいはいまだ解決していない問題等も含めてあわせて提出したいという考えでありますが、ただいまの国民年金等に関する答申につきましては私の方でなお十分検討を加えて、これもぜひ提出したいと思っている次第であります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 提出の時期はいつごろに置いておられますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 まだ審議会に答申を求める案件も相当用意しておりますので、これらが審議されるころ合いを見計らわなければならぬ次第でありますが、警職法等の審議の状況等にかんがみましても、この問題は多年唱えられてきて、なかなか実現ができなかった問題ですから、政府といたしましても十分検討を加えた後提出したいのでありまして、その時期を明確に今申すわけには参りませんが、明年のいわゆる予算案が衆議院を通過する、そのころが一番適当な時期ではないか、私はかように考えております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 この通常国会は参議院選挙や地方選挙対策に相当配慮しなければならない立場にあるので、こうした行政機構改革のような重要な法案を、衆議院を予算案が通るこころまでに出すということでは、とても国会通過の見通しは立たぬということにもなると思うのでありますが、別に通らなくてもいい程度の改革案なのかどうか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 そうではないのでありまして、そのころがちょうど私らの準備も整うであろうし、また衆議院としても予算案が参議院に送られた後の、いわゆる少し皆さん方の手がすいたころに出したら、一番一気呵成にお願いができるのではないか、私はかように思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 それは、私申し上げませんが、よほど甘い考え方だということを御警告だけ申し上げておきます。私はこの前の国会でもいろいろ討議し、この行政機構改革諸問題については同僚の石橋委員からも非常に警告を発して、あなた方に反省を促しておったわけですが、その問題が今度の機構改革案の中にどのように盛られるかということについても、私は事前に十分あなた方の方で念を入れて考慮しておいてもらわなければ、とんでもないことになるということだけを申し上げておきます。  同時にこの国家行政組織法の改正、各省設置法の改正とあわせて討議される問題の中に、ここにおられる左藤さんが長官をしておられる防衛庁を国防省に昇格したいという、これは左藤さん御就任以後直ちに声明されて、国の防衛を拡充強化する意味においては国防省にしなければ、総理府の一外局などというちっぽけな機構ではとてもだめだという——山口さん、あなたも一外局の長官ですが、非常にちっぽけな外局の長官です、お二人とも。そこでそれではだめだから、国防省にしなければならぬということで、左藤さんはこの委員会でも声明されております。この左藤長官の声明されておる国防省設置法案は次の通常国会に出すように、あなた方の構想の中には当然入れられるのですかどうですか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 まだ完全に成案を得ておりませんので、この国防省への昇格という問題は、ただいま私から詳細にお答えする段階ではございませんが、この点に関しましてはなお防衛庁当局とも十分相談の上、結論が出ましたら、一つ審議をお願いしたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 成案がまだできていないということで、まだ具体的に考えていないということと私は了解するわけです。しかし防衛の担当の国務大臣としては、そういう所見を持っておられるということに対して、山口長官としては考慮すべきものだという考えを持っておるのかどうか、それは一長官の言明にすぎないので、馬耳東風で今は聞き流しておるのだ、いずれおれが適当な機会に入れるか入れないかきめるのだ、そういうお気持であるのかどうか、十分尊重する意思を持っておられるのか、そこの両者択一をお答え願いたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 防衛庁当局の御意見は、十分これを間かなければなりませんが、また行政管理庁といたしましては独自の見解もいささか持っておるようなわけでありまして、これが十分調整の上結論を得たいと思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 左藤長官は、引き続き当委員会で発言された国防省設置構想を強力に推し進める決意を持っておられるかどうか、お答えをいただきたいと思います。それから山口さん、あなたはあなたなりに何かお考えがあると言われたですね。そのお考えがあると言われた底は何か、大へん私、心配な点がありますからそれを一つ、お二人でお答え願いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 野党であります受田委員から、非常に防衛庁を御支援いただくお話を伺いまして感激をいたすのでありますが、再三申し上げておりますように、防衛庁といたしましては米軍の大規模撤退に伴いまして、自衛隊の防衛責任が名実ともに非常に重要になってきた、また自衛隊の任務にかんがみましても人員二十四万を有してやっておるのに、総理府の一外局であるということは、何となく暫定的組織という感じもございますので、本格的、恒久的組織にすることが自衛隊員の士気の高揚にも寄与する、そういうような立場から、一日も早く国防省としていただきたいというような要望を持っておるのでございます。しかし行政管理庁、またそこに設置されます学識経験者等の意見もございましょうと思いますので、十分調整をいたしまして、私どもといたしましては一日も早くそういうことの実現を希望しておるわけであります。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 ただいま考えておることを明らかにせよということでありますが、考えはあくまでも考えでありまして、行政管理庁といたしましては、ただ国防省の問題だけを考えておるのではないのでありまして、各省からいろいろの考え方や要求がたくさん出ておりますので、これらとあわせて十分な成案を得たい、こう思っておるようなわけでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 左藤長官の御発言の中にありましたように、私は国防省を大いに推進するという希望を述べたわけではないのでありますから……。そこはわれわれとしては、むしろ謙虚な気持で防衛庁が機構の整備、縮小というところへ心を向けていただくことが願わしいことであります。そういう意味ですからね。  しかしそれはそれとして申し上げますが、左藤長官は近く御引退されることになるという立場に置かれておるということですが、私はあなたがとにかく就任以来精励恪勤されたことは認めます。あなたが誠実にやられたことは認めるのですが、ただここで問題になるのは——ちょっと問題が派生的になりますが、国の行政組織上の問題として、また機構と人との関係において十分考えていかなければならぬのは、行管長官としてのお仕事の第二条の第二項に「行政機関の機構、定員及び運営の総合調整」という任務があるわけであります。そういう運営の総合調整という点は非常に重大なことでありますが、機構がスムーズに動くということにおいても、その人を得るということが非常に大事なことだと思います。それで左藤さんのように、一生懸命やろうという人をわずか半年かそこらでどんどんやめさせるということは、機関の機構の運営が円滑に調整されないということにもなると思いますか、この機構と人という関係を十分考えた運営ということがあなたは大事であるとお思いになりませんか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 左藤さんの問題は、寡聞にしてまだ何とも私は承わっていないのであります。今受田委員のお尋ねの機構という中には、大臣も含まれておるような御意見のようでございますか、私はその方面には力はないのでありまして、各官庁の内部の機構なりあるいは行政運営上の能率化とか簡素化とか、あるいはまた各省のいわゆる設置法の改正によって、それが人の交流というようなことについては十分一つ善処していきたい、こう思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 今大事なことを言われたのですけれども、運営上の御発言の中に機能を能率化することも含まれておるようでございますが、最近官房長官赤城さんが、官庁の局長以上の勤務状況がよろしくない。局長は朝十時、十一時、ときには十二時ごろ出てくるのが多いというので、次官会議でも厳重に御注意をされたようです。これはやはり管理、監督の地位にある最上級官がそうした勤務をなまけているということは、問題だと思うのです。職員の勤務条件に関して規制するのは人事院なんです。人事院は勤務時間について一つの規制をしております。職員の勤務時間としては、人事院規則の十五条の中に一週間四十四時間の勤務時間を考えているわけです。この勤務時間の割り振りについては、会計検査院とか人事院とか総理大臣とか、内訳は適当にやるわけですけれども、しかし大体午前九時から午後五時までとなっているはずです。午前九時に出勤しない局長は、当然遅刻です。ところがその前の晩に、つまりハイ・クラスの官職にあるというので夜の会合をいろいろなさる。夜の勤務が非常に長時間にわたるという関係で、超過勤務手当は出ないけれども、管理職手当が出ておる。そういうことを口実にして翌日おくれるとか、あるいは自動車が混雑してなかなか思うように車が運んでくれないということは口実として成り立たない。何となれば全国の小中学校、高等学校の先生たちは、大てい夜はPTAの会合で十時、十一時、ときには十二時ごろまで毎晩勤務しておられる。そういう人と、局長さんたちがおそく登庁せられるということとは、これはどうも私どもとして納得できない矛盾だと思うのです。だから夜の勤務が長いからという理由で朝おそくなるというような局長などがおるなれば、勤務の基準は人事院が作って、そして監督の責任者は各省の首脳部であるから、局長が悪ければ次官が処分すればいいし、次官が悪ければ大臣が処分すればいいのです。朝の勤務などがおくれて、行政事務を渋滞させているということになれば、行管長官として何か手を打たなければいかぬと思うのですが、お考えを一つ承わりたいと思います。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 お説ごもっともでありますが、これは日本の官庁の長いよろしくない習慣でもあると思われますので、この点に関しまして十分私どもの方でも研究しまして、何らか一つまた考え方を明らかにしたいと思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 勤務評定をされる学校の教師は、午前九時にはきちんと出て勤務に当らなければならないし、五分おくれても遅刻というので、減給、期末手当の減額の基準になってくる。ところが各省の次官とか局長とかは十時から十一時、たまには十二時ごろ出て、ときには午後適当なときにちょっと出て姿をくらますというような人もおるということを聞いておるわけです。そういうような形に勤務する人に対して出勤簿はどうなっておるか。午前九時に出てこないものはちゃんと遅刻にしてあるかどうか。そういう資料を私はほしいと思うのでありますが、そういう局長や次官の勤務評定、こういうものは大臣において適当にやっておられるかどうか、御答弁を願いたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 先ほど答弁いたしました通り、各省においてさような上級幹部の出勤時間を記録されておるかどうかというようなことは、私はまだはっきり知りませんので、この点を明確にしていきたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 そういう出勤のおそい人は、普通ならば遅刻が何回か続けば減給の基準にもなってくるという形ですが、大体十時ごろか一時間おくれて登庁するのが慣例となっておるような方々に対して、減給措置とか減俸措置とか、あるいは期末手当の減額とかいう措置をされた例があるかどうか、一つ承わりたいのです。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 何か今局長に聞くと、二十三年に人事院の方で実施されたことがあるように承わりますが、今後に関しましては私の責任において善処いたしたいと思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 山口長官より厳格な御言明があったわけです。今後局長たちは午前九時に出ない者は昇給昇格を停止する、はっきり政府の方針がきまったわけです。これは閣議においても長官は赤城長官と御相談されることと思いますので、私はその山口大臣の綱紀粛正に対する御決意に敬意を表して、今後を見守っていきたいと存じます。  そこでもう一つ、山口長官のお仕事の中に、行政機関の職員の定員化の法律を御所管されておるわけですが、先般この定員法が通りまして、御存じのように二万六千五百四十人の人が定員化された。ところがまだこれに近い数字の人々が残っておるわけでございますが、この人々の定員化ということについてはどう考えておられるか。同時に、松野総務長官は公務員制度の所管の長官でございますが、この定員法の関係と公務員制度というものは表裏一体をなすものであるので、公務員制度を法制化する、公務員制度の改革案をごく近い機会に出したいと言明された従来の行きがかりから見て、公務員制度の改革をこの国会に出される用意があるかどうか。あるとすれば、今の山口長官の所管の定員法の定員化はどういう形になってくるのか、その二つの関係を両長官に御答弁願います。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 お尋ねの通り、本年度におきましては各省庁の業務の状況及び常勤労務者の処遇の点も考慮して、大幅に定員の手直しを行い、定員外職員のうち、あれはたしか六万幾らと思いましたが、そのうち約二万七千人を定員に繰り入れたのでありますが、近く公務員制度の改革の実現を期待しておりますので、その際定員外職員の制度を根本的に改革していきたい、こう思っております。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 公務員制度の改正ですでに二年半前から答申を受けておりますので、時間的に申しましても当然早い時期に改正案を出すべきだという方針に政府も決定いたしております。従ってその方針に従ってただいま草案を練っておりまして、この国会に提案いたすように各省の交渉、折衝及び調整をいたしております。私の見込みといたしましては、この国会に提案いたす方向に時間的に間に合うだろう、また審議をお願いできるように早い時期に提案できるだろう、こういう方向で今日やっております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 大体方針を伺ったわけですが、時期も間に合うように、この国会で成立が可能であるようにという見通しを持っておられるようです。ところがこの定員制度というものは、これはなかなかややこしいものであって、これを改革することになるといろいろと障害が起るわけです。たとえば例の公務員制度調査会の答申の単純労務者と一般行政職員と分離するようなものは、これは非常に問題が大きいわけです。こういうようなものは一体あなた方が今計画されている中に、当然そういう調査会の答申をする形で審議されておるのかどうか。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 答申案に沿って今日やっておりますが、答申案の中にも明確にこうしろというものと、ある程度幅のある答申を受けておりますので、その幅をどの点に区切りがあるかというのが、今日の一番大きな焦点であります。あの通りやりますならば、あるいは相当大きな、逆に反対が強くなるかもしれません。従って答申そのものをやればいいのだという機械的のものでもございませんので、答申の中に今回提案するに適当であるかどうかという点を洗いまして、適当であるというものについて今回提案をいたしたい、こういうふうに考えております。ことに非常勤労務者を定員外にしろと明確にいたしますならば、答申の趣旨には沿うかもしれませんが、現在の運営から参りまして、果してそれができるかどうか、これも疑問が出て参ります。従って答申に忠実なることにおいてのみ、これが最高だとも言えませんし、ある場合には答申に幅を持たせる方が妥当だという意見の方がかえって強いところもありますので、その辺を取捨選択いたしまして、今日苦労をいたしておるわけで、ただいま政府で予算編成の方が相当進んでおりますので、この方がおくれておりますために、それでは明確にそういう予算が出せるかというと、ここにもなかなか実は予算とこの定員法との間の成立のずれがございますから、あるいは提案いたしましたときに、実行におけるある程度の時間的余裕を含めた提案になるかもしれません。これは現状においては御了承願いたいというふうな方向に進むかもしれませんので、あらためて提案のときにまた明確な御答弁と、あるいは提案趣旨を説明いたしたいと思います。

受田新吉日本社会党

○受田委員 たとえば建設省とか、北海道開発庁とか、運輸省の港湾関係の職員とか、こういう現業官庁に勤めている人々、これは一時的な、臨時雇用というような形で、とうてい律することのできない立場にある。たとえば長期にわたって、全く普通の勤務、正常の勤務をする定員法のワク内の人と同じようなことをしておる。また採用の基準が非常に厳重であるというところから見ても、はっきり一般の定員内の職員と同じ勤務をしている人々、それをたとえば五現業のような形の現業職員としての法的取扱いをするというのなら、これは別です。そういうような場合に、この単純労務者の中にそういう常勤的な性格を持ちながらも、臨時職員として、非常勤職員として勤務しているという名目で、別扱いにしようというような考え方が政府の中にあるならば、これは私たちは絶対に承服できないわけです。そういうところも十分検討してやってもらいたい。そうして残された定員化の問題が、この前定員の中に入った人と残された人と全く同じような条件なんですが、一方は定員の中に入り、一方は残されておるのです。こういうようなことを考えると、公務員制度調査室の方の調査が不十分で、今回間に合わぬ場合には、定員化をこちらの方でされるという用意をされるかどうか。これも一つお答えをいただきたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○山口国務大臣 これは従来しばしば論議があったのでありまして、定員外職員の発生は公務員制度に深い関係があるのでありまして、これが何としても根本的な解決は、公務員制度の改正を待つほかはないのであると私は考えております。この改正が今、松野長官が申された通り、目前に迫っておりますので、実は私といたしましても、北海道開発庁長官として相当この問題に当面しておりますので、この松野長官の言明がすみやかに実現するように、待っておるようなわけでございます。

受田新吉日本社会党

○受田委員 そういう問題の、具体的な政府の誠意を近い機会にお示し願いたい。  最後に一つ、文部省も来ておられると思いますので、管理職手当の問題にちょっと触れてお尋ねを終りたいと思うのですが、今回の予算の文部省の要求の中にはっきりと管理職手当を校長、教頭にまで——校長はもちろん教頭が新設になっておる。ところがこの教頭に対する管理職手当は何を根拠にして出されたのか、法的基礎はどこにあるのか。給与法第十条の二の俸給の特別調整額を出す管理または監督の地位にある職員という立場をどこから見出しておられるのか、私は了解に苦しむのです。文部当局の御答弁を願いたい。

安嶋弥文部事務官(初等中等教育局財務課長)

○安嶋説明員 お尋ねでございますが、教頭の職務につきましては、学校教育法施行規則の第二十二条の二に規定がございまして、「校長を助け、校務を整理する。」と書いてございます。従いまして校務の整理に必要な限度におきましては、教頭は所属職員を監督する地位にあるわけであります。また勤務の実態を調査いたしました結果といたしましても、全勤務時間の相当部分が管理的な活動に充てられておるという実態があるわけであります。そういう点におきまして、教頭は管理または監督の地位にある職員にほかならないというふうに考えております。  なお教頭と類似の職でございますが、すでに管理職として国家公務員につきまして指定されておるものといたしましては、総理府の統計職員養成所の教頭、それから警察大学校の教頭、海上保安大学校の教頭、航空大学校の教頭がございます。これらの職務規定でございますが、ただいま私が申し上げました小中学校等の教頭の職務規定とほぼ同じでございまして、たとえば海上保安大学校の教頭でございますが、「教頭は、海上保安大学校長を助け、校務を整理する。」と書いてございまして、規定の上におきましても、また先ほど申し上げました教頭の職務の実態から申しましても、これは給与法のいわゆる管理監督の地位にある職員と考えて差しつかえがないというふうに考えております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 地方の小学校に行くと、五人か六人か知らぬが、そういうところがたくさんある。校長を除いてあとはみな女の先生というところが多いのです。もともと給与法第十九条の三に規定されているように、俸給の特別調整額を受ける者はその他の諸手当を支給されないが、そういうところでは宿日直等の諸手当を支給しているために、管理職手当をもらうよりはるかに高い手当を受けているところがある、そうしたところで双方の手当の併給を認めるというような法的基礎をどこから見出すかということを、ごく簡単に伺いたい。

安嶋弥文部事務官(初等中等教育局財務課長)

○安嶋説明員 公立学校教育公務員の給与は、国立学校教育公務員の給与の額を基準として定めるということがございまして、簡単に申しますと、その取扱いにおきまして若干の差異があっても差しつかえがないというふうに考えておるわけであります。

受田新吉日本社会党

○受田委員 そういうことは給与法に違反することになる。宿日直その他の手当を支給しないという、十六条からずっと続いた分を支給しないという給与法の精神には違反するわけです。それが違反するということで、大蔵省は事務的に難色を示した。人事院総裁、これはどうお考えですか。第十九条の三の解釈は、そういうように併給を認めるのか。もう一つは海上保安大学の問題もあるが、校務を整理するのが管理監督の地位かどうか、そういうことで御答弁をいただきたい。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 給与法第十条の二によって特別調整額、すなわち管理職手当というものを支給しておるわけでございます。この管理監督というのは、「管理又は監督」といっておりますけれども、これは一語として管理または監督と見るべきだと私どもは思っております。これは結局ただいまの解釈と、私の方の解釈といたしましては二種類ございまして、第一種は所掌事務を処理いたすに当りまして、部下に対し指揮、命令、監視等の権限を有する地位にある者、第二は所掌事務の執行方針を決定し、もしくはその方針の企画、立案に当りまして、その決定に参画する責任を有する職員、まずこのように解釈して、運用しておるわけでございます。そうして中小学校の教頭がこれに該当するかどうかということは、これは教育公務員の問題でございまするから、これは文部省の意見を尊重するよりいたし方がなかろうと思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 これで私質問を閉じますが、あなたたちは文部省の意見に従うと言う。教育公務員というのは国家公務員です。あなたの所管の国立大学、国立学校の先生がおるわけですね。そうすると、文部省の意見に従うというこの考え方は、人事院が政治的に動くということになる。きょうも大蔵省の省議できまった管理職手当に関する対策は、これは事務的にはわれわれは承服できない。ただ政治的にどういうことがあるかということは、やむを得ぬというような含みが持たされておる。こういう意味からも、人事院は政治的には動くべきじゃない。文部省は今政治的に動いておる。政治的に動いておる文部省の意見に従うということになると、人事院の中立性は完全に侵害されるということになる。もう少し高い立場、もしこれを出すということになれば、類似の課長補佐、係長、そういうところにまだまだずいぶんこうした形の管理の内容を持ちそうなものがどんどん出てくるわけです。ずいぶん広範にわたって適用範囲が広がることになるという意味からも、人事院は文部省の意見に一応従うということになると、文部省が案を立てさえすれば、人事院はどんどん教育公務員については、すべて文部省案を尊重するということになったら、何のために人事院という独立機関があるのかということになる。あなた方もう少ししっかりして下さい。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 私はしっかりしておるつもりでございます。それはまず問題をほぐして参りますけれども、第一に受田さんは、宿日直手当云々ということのお話がございましたが、これは国家公務員では給与法を厳正に適用いたしまして、さようなものは支給いたしておりません。また文部省の意見を尊重すると申しましたことは事実でございますけれども、これを国家公務員たる中小学校の校長に出す場合には、人事院規則の改訂を必要といたしまするから、そのときはわれわれはそれを十分検討いたしましてきめたいと思っておるのでございます。ただし中小学校と申しましても、大部分はこれは地方公務員たる中小学校でございまして、国家公務員たる中小学校の教頭というものは、きわめて少いということは、受田さんも御承知の通りだろうと思っております。

受田新吉日本社会党

○受田委員 どうも私は承知できない。総裁に伺いたい。どうもあなたはよろめいていると思うのです。これはあなたが規則を出されるわけでしょう。規則改正は、あなたが印判を押さなければだめです。文部省が何をやろうと思っても、あなたがけとばせばいい。文部省が政治的に動いているということははっきりわかっている。何とか口実をつけてやろうと思って、いろいろ勝手な規則を作る。文部省が勝手に規則を作れば、管理の地位を確立するということになれば、何でもできる。それを尊重するということになると、あなた結局文部省に巻き込まれますよ。文部省は最近教育の中立正を完全に失ってしまっている。従って一つ人事院だけは本筋を通して、最後にあなたが判を押されるときに、それがよいかどうかを私たちに相談して下さい。それを相談して、規則を出すときには十分諮るということが言明できるかどうか、それを一つ……。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 それこそ人事院の中立性を害することではないでしょうか。これはどうも一々社会党さんにお諮りはできない。それから第二に、文部省が政治的に動いていると仰せられますが、それは受田さんの御感想でございまして、われわれは必ずしもさようには思っておりません。

受田新吉日本社会党

○受田委員 それだけにして終ります。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 岡崎英城君。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員 ただいま公務員の手当の問題が出ましたので、非常に時節柄緊急の実情にあると思いますから、一つ総務長官の方に、または総務長官御自身でなくその担当官の御答弁でよろしゅうございますから、一言御質問いたしたいと思います。  それは寒冷地手当並びに石炭手当、薪炭手当等の問題でございますが、一般公務員の以上の手当等については、ただいま値上げの要望が相当熾烈にあるように思いますので、ただいまの一般公務員の寒冷地手当等についての実情を一つ御説明願いたい。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 石炭手当の問題はたびたび国会で議論になりまして、要するに石炭手当の区分の方法及び数量に関する問題だと私は推察いたしております。北海道における石炭手当は、御承知のごとく、法律にきまっております。三トン以内において毎年人事院からの勧告における炭価に応じて支給するという方法で今日やっておりますが、これの増額の問題、あるいは北海道を何地区かに分けて地域差をここに設けるという案と、この二つの問題だと思いますが、今日政府といたしましては、法律が三トンということで出ておりますので、本年夏人事院勧告に従いましてすでに支給いたしておりますのが、今日の石炭手当の現状でございます。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員 ただいまの総務長官の御答弁で一応わかりましたが、この問題について将来政府において特段の考慮を払って、この支給額等に対して増額する御意思があるかどうかということを承わりたい。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 ただいまのところ、法律の規定によって、増額ばいたしかねる現状でございます。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員 ただいまの御答弁で一応私の質問を終るわけでございますが、実情はこの諸手当が非常に複雑になっておりますので、その簡素化、並びに実情から申しまして非常に三公社五現業等から比べると低いようでございますので、将来十分政府において御考慮願うことを希望いたしまして、一応終りたいと思います。

松野頼三自由民主党総理府総務長官

○松野政府委員 岡崎委員の御指摘のように、三公社五現業と公務員との差もございますが、三公社五現業内においても実はすでに差ができておりまして、相当複雑な格差まで生まれておるので、どれが妥当かということを——おのおの法律及び支給の基礎が違います。あるものは団体交渉によって、また現業官庁においてはその財源によって、支給の額が違う。このように三公社五現業内においても、今日実は格差が出ております。また公務員は法律できまる。おのおの立ちます基本が違いますので今日のような現状でございますが、勤務者から見るならば、なるべくこれは一本化して統一的に平均にということは一つの希望でございましょう。従って各種手当と同様に、この問題は将来の給支与問題としては当然大きな問題になるべきものでありますが、そういう現状の観点に立って、今日検討いたしておりません。ただ公務員だけいじればいいのだというわけでもありませんので、せっかくこの問題を是正いたしますならば、三公社五現業及び公務員というものを一律にして、同様な支給率ということは一つの理想だと考えておりますが、法律の建前が今日そうなっておりませんために、まだそのままの現状で今日やるより仕方がなかろう、そういうわけで、将来私たちは検討いたしますが、今年はさしあたり間に合わないので、現状のままで支給いたしたい、かように考えております。

内海安吉自由民主党

○内海委員長 石橋政嗣君。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 いろいろ質問したいのですが、質問に入る前に大臣に、子算編成に関連して一点お伺いいたしておきたいと思います。  岸内閣としては、来年度予算を年内に取りまとめたいという意向で作業を進めておられるようでございますが、この線でいきますと、当然防衛庁としては案が固まっておるものとわれわれは考えられる。そこで直接防衛庁の関係しておる問題、それから間接的に関係を持つ問題についてちょっとお尋ねしたいわけでございますが、その第一は、陸上自衛隊の一万人の増員というものを来年度実施するつもりであるかどうか。それから次に、新しい戦闘機の機種がきまらない、従って来年度予算の中でその必要経費を繰り込むことが今のところ不可能であるやにわれわれは推測いたしておるわけでございますが、この点はどういうふうな線でまとめておるのかということをまずお尋ねいたしたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 本年度一万増員いたしたのでありますが、明年度は各般の事情で一万人の増員は困難であろうということで、一万人の増員要求はいたしておりません。  それから機種問題は御承知のように最後決定しておりませんので、この予算も要求の中へ入れておりません。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 陸上自衛隊の一万人の増員は平年度はやらないということでございますが、陸上自衛隊の方は、昭和三十五年度までに十八万人に整備するのだという整備目標からいえば、まあまあという逃げ口上もあるかと思いますけれども、新しい機種がきまらない、従って来年度の生産開始が不可能だということになると、必然的に航空自衛隊に関連する面はすでに三カ年計画がくずれてくるというふうに私どもは考えるわけです。そうしますと、現在政府が持っております防衛力整備目標三カ年計画というものは、くずれたというふうに私どもは考えるわけでございますが、そういうお考えの上に立って根本的に考え直す時期にきておるというふうに思っておられるのかどうか、この点をまずお聞きします。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 当初予算には要求いたしておりませんが、なお補正その他の道もございまするし、機種の決定をいたしましても、初年度は治工具等の準備の計画でございますので、なお私どもといたしましては、航空の整備計画に最善を尽したいと存じております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 航空自衛隊の三カ年計画の到達目標というものは千三百機、今度新しく作ろうとしておった戦闘機は当然その中に含まれるという説明があったわけです。そうすると千三百というのは、大体三十五年までの計画ではあるが、実質的には完成するのは三十七年度というふうにわれわれは聞いておるのですけれども、来年の当初予算に計上して六月ごろから生産を開始して、やっとそれにすべり込むかどうかという程度のものである。それが当初予算に組まれてないということになると、これは完全にくずれてくると私は考えておるのですが、その点いかがですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 六月ということは、御承知のようにいろいろ準備の段階でございますので、治工具その他の整備だけでございます。そういう点につきまして、私どもといたしましてはまだ希望は捨てておりません。何とかして三十七年度を目標にして努力をいたしておる段階でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 努力をいたしておるとおっしゃいましても、実質的にどんなに努力しても不可能だという結論しか出てこないわけです。大臣がそうおっしゃるならば、具体的に来年の補正予算で、何月ごろか知りませんが、かりに九月より前に補正が組まれるとしても、おそらく計上されることはあり得ないと思うのです。そうしますと、補正予算でかりに予算が計上されましても、具体的にそれではいつから生産を開始して、どういうふうな計画で進めていけば間に合うのかという説明を当然求めざるを得ないのでございますが、そう意地をはらずに率直に答弁された方がいいのじゃないですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 初年度は先ほど申しまするように治工具の整備でございまして、そういうことを、できるだけおくれましたものをすくい出すといたしまして、何とかして三十七年度目標の計画は、私どもとしては努力をいたしたいと存じておるわけでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 担当の局長からでもいいですから、それでは具体的にどういう計画で進めていけば間に合うのだということを一つ説明して下さい。

加藤陽三防衛庁参事官(防衛局長)

○加藤(陽)政府委員 ただいま大臣から御説明がございましたごとく、現在立てております防衛力整備計画によりますと、三十五年度までに陸上十八万、海上十二万四千、航空自衛隊千三百というものを整備する。ただし艦艇、飛行機につきましては三十七年度までということになっておるわけでございます。当初の予想といたしましては、少くとも明年の予算に計上してやれば、何とか三十七年末までにはそれで間に合うだろう、こういうふうに実は思っておったのでございますが、だんだんこういうような情勢になりまして予算の計上がおくれますと、私どももその点につきましては若干の心配を持っておるわけでございます。ただ生産の工程をどういうふうにして縮めることができるかという問題になると思いますが、装備局長が参っておりませんし、私から申し上げるわけには参りません。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは装備局長に出てきていただいて、あとで説明してもらっていいと思うのですが、防衛庁がその点もうあきらめておりながらこだわっておるのは、やはり米軍との関係があるのではないかと思う。というのは、新聞報道によりますと、来年度から着手しない限り援助の点ももう考えないというようなことが報道されておったやに私記憶いたしておるわけでございますが、そういう点にこだわっているのではないかというような気がするわけですが、その点いかがですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 ただいまの新聞のことはどういうことでありましたか、私記憶ありませんですが、私どもといたしましては、立案をいたしました整備計画を何とか達成したいということで努力をいたしておるのでございまして、米軍関係でこだわっておるというようなことはないと存じます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それではその点はあとで御説明願うことにして、もう一つ、直接折衝の責任者ではないわけですが、非常に関係のある問題として防衛分担金の問題があるわけです。これは本年度中に予算を固めるのだと岸内閣はおっしゃっていますが、現に外務省と大蔵省の間ですら意見の統一ができておらない。結局削減の方式を一般方式でいくか、あるいは本年度やったように特別減額も加味していくかということで意見が一致しておらないようでございますが、そういうことになりますと、いよいよもって少くともこの面だけでも本年中に固めるということは不可能ではないかと思うのですが、間接的に大いに影響を受けます。防衛庁としてこの点どういうようなお考えを持っておられますか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 申すまでもなく分担金の交渉は相手のあることでございまして、外務省及び大蔵省が直接その衝に当っているわけでございますが、私はすみやかに両大臣の方針が一致しまして、折衝を進められるように希望しておるわけでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 希望しておられるのはわかりますけれども、やはり防衛庁としては米側の意向というようなものも日ごろの接触からいって十分にくみ取れると思うのですが、一体この防衛分担金について特別減額というものが来年度も可能であるのかどうか、その点何らかの見通しは持っておらないわけですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 わが国の財政状況等を見まして、特別減額が認められるように私どもは希望をいたしておるものでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 新しい戦闘機の機種がきまらない。従って生産も来年度中に開始することは不可能だ。そういうことであるならば、戦闘機の生産に関する援助自体も考えざるを得ないし、防衛分担金の特別減額なんというのはもってのほかだというような形で、米側が出てくるおそれも多分にあると思うのですが、その点はどうですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 現在まださような、米側から確かなことは聞いておりません。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは私ほかに質問の用意がたくさんありますから、装備局長の方の答弁を先に承わりたいと思います。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 三十四年度に予算が計上できませんで、三十四年度の初頭から仕事が進まないというようなことがありましても、たとえば今の計画では、アメリカと日本の共同生産をやる建前になっております。そしてその共同生産の形は、初めのころはほとんど全部がアメリカの負担という形で、アメリカで大部分のものを作って、初めはことにノックダウンでそれを持ってきて組み立てる。それからだんだん国産に進めていく。負担の関係でいいますと、初めはアメリカで大部分やる、だんだん日本の負担がふえていくという形の共同生産を実質上もやらざるを得ませんし、また従来の共同生産の形もそうなっています。従って、日本の予算がきまりませんでもアメリカと実質的には話がつき、日本の予算はちょっとおくれましても、いつか計上できるという保証等がありますれば、国会を通りませんでも、そういう約束のもとにアメリカが自分の方の仕事を進めてもらうというふうな形も考えられますし、そうしますとアメリカの方の仕事が初め進んでいく、日本は少しおくれて予算を計上してやっていくという形でやりますれば、仕事の進捗には絶対的に、一年も始まらないというような形でない形がとれるのじゃないかということを考えておる次第であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それで大体おぼろげながらわかったのですが、もうすでに石川島の田無工場あたりは、ずいぶん設備も拡張し、人員も入れて作業を始めておるというふうに私は聞いておるのでありますが、それでは政府では、日本の国内において新機種がきまろうときまるまいと、アメリカ側の方針に基いてどんどん仕事を始めていく。日本政府はあとから乗ってこい、こういう今の装備局長の答弁の中でうかがわれるような、そういう線で進められておる作業と心得ていいわけですか。

小山雄二防衛庁参事官(装備局長)

○小山政府委員 今石川島の例を引かれましたが、石川島ではF86のエンジン、いわゆるJ47のエンジンのホット・パーツといいますか、割に取りかえの機会の多い部分だけを国産化を進めております。エンジン全体で、値段からいいまして半分くらいのものを国産するという準備を進めております。第一回の部品を買いましてそれを認定試験と申しますか、規格に合うかどうかというふうな試験をしておる段階でございます。     〔委員長退席、平井委員長代理着席〕 今ちょっと言われました設備拡張というのは、次の飛行機のエンジンのことでなくて、そのF86のエンジンの補用部品の生産のためのものでございます。  先ほどちょっとお伺いがあったかわかりませんが、もちろん日本側が、政府の予算を組んで、それが国会で御承認を得られなければ日本側は仕事を進めるわけにいきません。しかし今回、当初予算に載らなくても、政府は補正予算とかの予算に計上する機会がありますれば、まるまる完全に一年はおくれるということは、先ほども申しましたような建前で、なかろうじゃないかと考えておるわけであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 間に合うということを信用していけば、結局アメリカとの共同生産だ。だからアメリカの方である程度話を進め、作業を進めておいてもらって、日本政府はあとから乗っかっていけばいいのだ、だから間に合うのだということであれば、それはそれなりに理解ができる。しかしこれは非常に重大な問題だ。これだけ問題が紛糾して、いろいろ疑問が残っておるために決定しない。そういうことを一切無視して、アメリカ側の方だけが準備を進めていって、日本はあとで追っつけ。もう既定の事実としてそれに乗っかっていく、こういうやり方では了解できない。それからもう一つは、そんなにゆっくりやって間に合うなら、なぜあわててああいうふうな国会解散の直前をねらって、十分な論議も尽されないままにぱっときめたのか。そんなに間に合うくらいならゆっくり慎重になぜやらなかったか。こういう問題も出てくるわけですが、その点と前の問題について大臣、一つ説明して下さい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 四月内定をいたしましたときには、十分な時間をとって計画をいたしたと思いますが、こういうような事態になりましたので、非常に窮屈ではございますけれども、何とかしてスピード・アップをして、計画を切り詰めてでも、私どもは実は一日も早く本予算にと存じたのでありますが、それがもし不可能になりましても、補正予算等について十分努力をいたしまして、計画を進めていきたいと存じておる次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それではその問題はもっと掘り下げて後日やることにいたしまして、今日の本論に入りたいと思います。というのは、防衛庁と外局の調達庁の双方に関係のある問題が三つ四つあるわけです。大体申し上げますと、非常に補償関係の仕事がおくれておる。四年も五年もほったらかして、被害を受けておる国民は大きな迷惑を受けておるということが、例としてあげるものが二、三ある。これは非常にたくさんあると思うのです。またそういう問題がたくさんあるかと思うと、今度はえらいサービスが行き届いて、どうもこんなにまでサービスする必要があるのだろうかと思われるような件もある。それを最後に一つ持っていきたいと思う。  最初にお尋ねいたしますのは、これは先日防衛庁の官房長に調べていただいた問題ですが、北海道の特科大隊の問題なんですが、鹿追の特科大隊の大砲を引いた車両が演習場に通うために起きた問題だと思うのですが、士幌町を通過するとその際に道路とか橋梁とかを損壊せしめておる。一つもこれを修復してくれないと再三要望しておるようでございますが、何ら誠意がない。自分たちはどうしておるかというと、こわしてしまった橋を通るときは、何か丈夫な橋げたを持っていって突っかい棒して、通ってしまったあとははずして持って帰る、こういうふうなことが行われておるという苦情が実は地元から出てきた。こういうことをしては実際困るじゃないかというので、官房長に一つ調査してもらいたいという申し入れをしておったわけでございますが、この調査の結果を一応御報告願いたいことと、これに対する補償というものを明確にやるのかどうかということ、この点について明確に御答弁願いたいと思います。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 ただいま石橋委員の御質問のありました点についてお答え申し上げたいと思います。先般石橋委員からお申し出がありましたので、直ちに現地について調査をいたしました。その結果判明いたしましたところによりますと、問題の鹿追—士幌間の道路及び橋梁につきましては、昭和三十一年の四月、帯広の特車部隊が北海道の然別演習場東南方、道道第二十四号線約七キロの間において、約四十カ所、延長約八十メートルの路面及び六カ所の弱小橋梁の橋橘を損壊した、こういう事実がございます。本件につきましては三十一年の五月に、士幌の人々から道路の補修について要請がありましたので、帯広の土木現業所と協議をいたしまして、第五施設大隊を派遣し、昭和三十一年九月七日から十二日までの間に、補修作業を実施完了いたしております。三十一年九月、道路の補修が完了いたしましてからは、特車及び車両部隊の通行は一応禁止いたしております。ただジープなどが業務で通行するというようなことはあったようでございます。本年の十一月四日に至りまして、道庁の帯広土木現業所から鹿追部隊に対して、道路破損を理由に砂利運搬等について協力方の要請が口頭でございました。部隊側では、現地を視察いたしましたところ、直ちに補修を要するほどの状況ではないと認めたようでございます。また凍冷の季節でありますので、工事を施行するのは来春の方が効果的ではないか、なおまた手不足等の関係のために、直ちに補修着手の運びに至っておらないようでありますが、当方からも、道庁側とよく連絡をし、できるだけ早く協力するように申し出、その線に沿って道庁側と折衝を続けておるようでございます。以上、今日までわかりました実情を御報告いたします。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 今官房長から報告があったわけでございますが、私どもの方にきております申し立てと幾分差異があるわけです。この点私の方も、今の報告が正しいか、それともこちらに言ってきております内容が正しいのかということを再度調べてみますが、防衛庁としても、こういうふうな事実があるとするならば、一つ早急に復旧のために手を打ってもらいたいと思います。大体地元からの申し立てによりますと、損害は約三千五百万円という金額まで申し出てきておりますので、この点十分に考慮していただけるかどうか、その点だけお伺いして次の質問に移りたいと思います。

門叶宗雄防衛庁参事官(長官官房長)

○門叶政府委員 ただいま私から申し上げたように目下のところ承知しておりまするが、さらに実情をきわめまして、もしこちらで補償すべきものがあれば当然補償いたしたいと考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 次も同じく北海道の問題で、主として調達庁に関連する問題ですが、現在は防衛庁にも関連が出てきておる問題であります。それは場所は島松の演習場ですけれども、ここで米軍のジェット機による爆撃演習が昭和三十年の九月から始められておった。主たる被害者は野崎牧場という牧場を経営しておる人なんですが、このジェット機の飛来回数が非常に多いために、乳の出る量がものすごく減ってきた。それから早産、流産というようなことがしょっちゅう起きてくる。しまいには奥さんまでがジェット機のノイローゼで倒れてしまって療養中というふうな、簡単に言えばそういう事件なんです。この点、札幌調達局の申し出もありまして補償の申請をしろということであったために、早くから補償申請をやっておるわけでありますが、いまだにこの補償が行われておらない。大体三十年以降起きている問題でございますが、なぜそういうようにおくれておるのか。現に農林省の技術試験所で試験いたしました結果によっても、被害者が申し立てておる程度の被害はあるという裏づけも出ておるやに聞いておるわけであります。これは今年の十月ごろ出たということでありますが、そういうものがあるにもかかわらず、なお補償がおくれておる理由というものをまず第一にお尋ねしたいと思います。

丸山佶調達庁長官

○丸山政府委員 ただいまお尋ねの島松演習場における野崎牧場の乳牛の搾乳量の減少の問題に対する補償の関係でございますが、調達庁としてはできるだけ早く損害の実態をつかみまして補償の措置をとりたいと努力しておりますが、何分にも問題が非常に専門的な事項にわたりますので、その実情調査の資料といたしまして北海道庁の試験場に依頼をいたしておるわけでございます。近くその結果が出るという報告を聞いておりますので、それに基きまして早急に補償の措置をとりたいと考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私の方にきております申し出によると、すでに本年の十月二日に報告書ができ上ったということなんです。長い間の懸案事項でもありますし、一つ早急にやってもらいたいということが第一ですが、それよりも住民たちが希望いたしておりますのは、補償よりも標的の位置を変えてくれという問題であったわけです。この点で米軍側ともだいぶ長い間折衝が続けられておったようです。実質的には標的の移動は行われておらないのですが、それでも司令官と会ったときの話、あるいは米国の領事と会ったときの話などによりますと、少くとも言葉の上だけでは誠意を示しておるかのごとき印象を受けたわけです。米国側は、できるだけ住民に被害を与える度合いを少くしようというふうな誠意は再三披瀝しておるようです。しかし実質的にはそれが行われておらない。最近では米軍側の演習は実質的に終りまして、自衛隊の演習に使われておる。ところが自衛隊側は、折衝いたしましても、この標的移動という問題に関連して、全くもって誠意のある態度を示しておらないということが問題になったのです。たとえば千歳の航空自衛隊に抗議しに行ったときに、最高責任者は会わないで、古賀という警備司令が会った。その司令の言葉などをここに書いておるのですが、自分たちは三沢の米空軍の指揮下にあるので、自主的にコースの変更とか標的の移動とかはできない、米空軍から飛べという指令があれば、住民に被害があっても飛ばなければならないということを了承してほしい、こういうようなことを公言しているという事実もあるわけです。これには北海道新聞の記者の人も立ち会っておるというふうに報告が来ております。米側も実質的には標的を移動しなかったのだから同じじゃないかと言われればそれまでですが、少くとも努力しよう、日米合同委員会でも話し合いに応じましょうというふうな表明をしておったのに、今度は肝心かなめの同じ日本人の仲間である自衛隊がこういうことを公言しておるということは問題だと思いますが、この点をまず調べてもらいたいということ。それからそういうふうに住民が迷惑をしておるとするならば、こんなことを言わずに、自衛隊ならなおやりやすいのですから、一つ住民の受ける被害というものを極力押えるためにはどうしたらいいかという角度から検討して、でき得るならばこれは実現してもらいたいということが第二番目です。この点一お願いしたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○左藤国務大臣 ただいまの古賀という者のことにつきましては、私報告を聞いておりませんので、よく調査をいたしましていろいろ実情を調べました上で、一つできるだけ御趣旨に沿うように努力してみたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは、この問題も、調達庁なり防衛庁なりが今後積極的に誠意を持って働いてもらった結果も待って、さらに私は質問を続けるなり何なりいたしたいと思います。  それから第三の問題は、これもずいぶん古い事件ですが、調達庁と外務省に関連する問題です。事件の概要というのは、昭和二十九年十二月七日に起きたのでございますが、長崎県の五島と本土とのちょうど中間地点において、鮮魚運搬船の万龍丸というのがアメリカの軍艦によって損傷を受けた事件であります。これはもう十分に御検討願っておると思うので、私がことさらにここで説明する必要はないと思うのですが、そのとき船は非常に大きな損害を受け、相当流失品も出したようでございますけれども、沈没はしなかった。これをオーカー号というアメリカの軍艦が曳航をいたしまして、佐世保港の入口のところまで引っぱってきて、サルベージ船に引き渡した。そのサルベージ船の不手際から沈没させてしまった、こういう事件なんです。これがいまだに解決をしておらない。二十九年の事件がいまだに解決しないために、この船の持ち主は病気になって、借金はたまってもうどうにもならぬといって泣きついてきている問題なんです。調達庁には私早くから、何で促進してくれないのかという抗議めいた申し入れをしておったわけですが、いまだに解決しておりませんので、若干の質問をしてみたいと思うわけであります。  そこでまず第一に外務省にお尋ねしたいのですが、ちょうどこの事件が発生いたしましたのは、長崎から船が出て五島の岩瀬浦という港に向っておった、そのちょうど本土と五島の間です。そのために外務省としては、これは領海外の事故だというふうにきめつけてしまっておる。領海外の事故だから行政協定十八条による補償はできない、これは被害者が直接アメリカ側と折衝すべき問題だ、話が進まないようならおれの方で便宜を見てやってもいいというような文書が当時出されておるわけです。私はこの点でも納得がいかないわけです。一体長崎から五島に向っていくそのちょうど中間で事故が起きた、それを領海外だと言って突っぱねてしまうという考え方がとられていいものかどうかという点で納得がいかないわけです。御承知の通り安保条約からいきましても、日本が条約によって米軍に配備の権利を認めておりますのは国内に限られておりません。その付近も含まれております。当然権利があるものとして、日本の国内及びその付近に配備する権利をアメリカに認めておる、こういうふうに私どもは理解している。ところがその付近に入る事件についてはそれはもう領海外だからといって、何ら救済の措置を講じない。救済されるのは明らかに領海内、国内だけに限っていくという、こういう考え方を持っておるという点で納得がいかないのですが、あくまでこれは領海外の事故として処理すべきだというふうにお考えなのかどうか、その点からお尋ねしておきたいと思います。

森治樹外務事務官(アメリカ局長)

○森政府委員 この行政協定十八条の問題につきましては、御承知の通り、第一次的には調達庁で所管される案件でございます。当時の記録によりますと、福岡調達局に対して本人から申請がありまして、その申請を調達庁で受けられましたが、本件は公海上で発生した事故でありますので貴局によって本件の早急解決方をはかられたく依頼しますというお申し出に接したわけでございます。そこで私どもの方といたしましては、十八条でもし本件の解決ができないということであれば、どういう解決方法があるであろうかということを検討いたしました結果、これはアメリカの法律によって、パブリック・ヴェッセル・アクト、いわゆる公船法による海軍長官に対する損害の請求及びアメリカの地方裁判所に訴える、この二つの方法があるので、このいずれかをとられるように御本人に伝達した次第でございます。ただいま行政協定の方の解釈について御質問がございましたが、これにつきましたは私どもといたしましても、当時調達庁でとられておりますように、なるほど安保条約第一条には、米軍は日本及びその周辺に軍を配備する権利を認められておりますけれども、行政協定十八条によりまして処理し得る案件は、同条第三項だったと思いますが、確かに日本国において発生した事件に限られておるのでございます。従いましてこういう特定である十八条の規定に基きまして、遺憾ながらこれは十八条によって処理し得る案件ではないのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それは私も今指摘しましたように、十八条では「日本国において」と明確になっているのです。しかし日本側が条約上配備の権利を認めておるのは日本国に限っておらない。その付近を含めておる。しかも行政協定も前文において日本国及びその付近における配備を規律する条件はこの行政協定による、こういうふうになっておる。それなのに十八条の補償規定だけが国内に限ってしまっているということは、どうもおかしいじゃないかという根本的な考え方をお尋ねしているわけなんです。それからこれに関連いたしまして、たとえば漁業補償というものは、独自の法律を作ってはあるけれども、これは公海上の場合でも行なっておるわけですね。この点と考え方の上ではどういうふうにつながるのか、これも一つ明確にしてもらいたいと思います。

森治樹外務事務官(アメリカ局長)

○森政府委員 ただいま石橋委員から指摘せられました通りでございますが、考え方といたしましては、行政協定及び安保条約第一条の日本周辺というのは、そういうところに軍を配備する権利を一般的に規定したものでありまして、特定の補償請求という事項を扱うときには、やはりそれに関する特別の条文でございます十八条によって処理するほかはないという立場に立っておる次第でございます。  なお漁業補償の面でございますが、これは調達庁長官にお答え願った方があるいは適当かと思いますが、この点につきましては、おそらくいろいろな各具体的な案件によって異なるところがあるかもしれませんけれども、日本周辺に配備されております関係上、特定の日本領域外の地域において、演習等のために日本船等に対する立ち入りの禁止等の要求を受けまして、それに基きまして日本側で特定の措置をとった、そのために漁船の立ち入り等ができなくなった、そのための補償ということではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 しかし結果的に国内法で保護されているわけなんですよ、演習場というのは、ほとんどいわゆる領海外、公海上に設定されておる。しかし、明らかに在日米軍の演習の用に供するために操業が制限される、あるいは禁止される、それに対して国内法で補償しておる、こういう考え方なんです。そういうことかできるならば、今のこの案件なども当然国内法によって救済するということが妥当ではないか、それをまず考えるべきじゃないか。それを最初からアメリカと直接交渉しろというふうに突っ放してしまう、そういう考え方に私は積極的に賛成できないわけなんです。国内法で救済する方法があるのじゃないか。それは、法律的にいえば、われわれもあなたの言う理屈はわかるのですが、一般国民としてみれば、だれが考えたって、全く本土と五島列島との間のまん中の地点、そこを日本の領海でありません、公海でございますからとぽんと突っぱねられて、日本政府は積極的に救いの手を伸べてやらない、アメリカと勝手に交渉しろと言われたら、法律がどうなっておろうと、常識的にだってこれは納得しませんですよ。政府としては、そういう国民の受けた損害というものを、そういう地点だったのならば、何とか国内的に救済する方法がないだろうかとまず考えてやるのが至当じゃないだろうかという気持で私はお尋ねしておるわけなんです。その点はどうなんですか。

森治樹外務事務官(アメリカ局長)

○森政府委員 先ほど冒頭に御説明いたしましたように、本件に関する予算は調達庁についておる次第でございまして、私どもが通報を受けました際に、調達庁の解釈としては、これは十八条でいけないから、何かほかに方法がないかという御依頼がありましたので、それなら、こういう方法があるということを御本人に通知した次第でございます。ただ法律論ならば、そういう私が先ほど申し上げましたような論をとらざるを得ないのではないかというのが私どもの立場でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そうじゃないですよ。経過は私文書を持っていますが、三十年の四月二十六日、調達庁の次長から福岡調達局長あては出されておる記録によると、あなたが今おっしゃっているのとは考え方は逆です。「このことについては、従来、参照文書により処理してきたが、今般、外務省欧米局長よりの別紙文書のとおり、被害者から直接米極東軍司令官あて損害補償請求を行うことに改正されたから承知願いたい。」こうなっております。調達庁はそういう意向で動いておったが、あなた方から通牒が出されて、指示されたからやむを得ないのでそれに改正されたのだ、こういう文書になっておりますが、その点どちらからでもいいですから納得のいくように一つ説明して下さい。

森治樹外務事務官(アメリカ局長)

○森政府委員 私どもの方の記録によりますと、ずいぶん前の話でございますから、私もそのとき直接関係いたしておりませんので記録によってやるほかないのでございますが、欧米局長に対しまして福岡調達局からこういうことを言ってきた。「本件は公海上で発生した事故でありますので、貴局、」これは欧米局でございますが、「欧米局で本件の早急解決方をはかられたく依頼します。」ということでございまして、従って私どもとしてはそういう法律解釈は妥当であるので、それではどういう救済方法があるかということを検討したというように、この記録からは読めるわけでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そういうお互いの責任のなすり合いが、この問題を四年も五年も長引かせているのです。私たちははっきりわからないのです。外務省の方では調達庁からそういうふうに言ってきたというが、調達庁の方を見ると、外務省の意向によって改正されるのだということが、福岡の調達局にあてて出されております「調達丙発第一二〇二号、三十年四月二十六日」です。一体どちらかほんとうなんですか。これは調達庁の方の責任の転嫁ですか。

丸山佶調達庁長官

○丸山政府委員 この文書の御指摘の問題点について、実は十分の用意をして参りませんが、この十八条の適用の解釈につきまして、日米双方にいろいろ意見がある。それを合同委員会等を通じまして明確にすることに努める。その結果十八条はあくまで日本国内におけるものに限るということがその当時判明したものと私は今考えておるのでございます。それらの事項について具体的に従来同じようなもので十八条で取り扱った具体例をただいま私記憶しておりません。その十八条によるもがはっきり国内のものに限るということが明確になって、それに基いて今後はこういう取扱いをするのである。従ってこれは直接米軍に請求されずに、外務省の言われる通り、一々それに基いて米軍に請求いたしまして、それに対して米軍も了承して、それならば自分の方で被害者に払うべき金額はこれこれである。当初に二十七万円を見舞金の形で支払う旨を通知して参りました。これに関しまして、それでは足りないという意味のお申し出が長崎県庁を通じて出され、これに対して米軍はなお再考慮の結果、三十二年の一月になりまして、三十万九千七百五十円に改める、こういうものを通知して参りました。この段階にあるわけでございます。従ってこれの額の問題にただいまになっておるのでございまして、この数字で双方が納得できるような適正な額の措置を早くつけるよう、私どもも当初からの関係者といたしまして、解決に努力いたしたいと考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 とにかく一番最初調達庁の、おそらく丸山さんが次長時代だと思うのですか、次長から福岡調達局長に出された文書では、だれが読んでもやろうと思えばやれるものを突っぱねたような印象を与えるのです。日本政府としては、「従来、参照文書により処理してきたが、今般、外務省欧米局長よりの別紙文書のとおり、被害者から直接米極東司令官あて損害補償請求を行うことに改正されたから承知願いたい。」今までは直接救済の道があった。それが今度からできなくなった。その間何らの法改正も条約改正も行政協定の改正もありません。だから積極的に政府がみずから手を差し伸べてやろうと思えばできるものを、突っぱねてしまったという印象を被害者に与えておることは事実なんです。それが一つ。それからもう一つ、何とか日本政府でめんどうを見てやろうと思えば「こういう扱いをしなくて済む方法が何ぼでもある。その一つの考え方として、現に福岡調達局が示した案というものがあるのです。これは調達庁は知っておる。衝突した事故は、それは法律的にやかましくいえば、領海外かもしれぬけれども、そのときは沈没しておらぬ。それを曳航していって、佐世保の港の入り口まで連れていって、そしてその際今度米側のいわゆるサルベージ船の不手ぎわで沈没したのだが、この沈没した事故が発生したのは明らかに領海内です。だから領海内事故として政府が手を差し伸べてやるという方法があるわけです。福岡調達局はそういう方法でやるべきものだ、いかがでしょうかと調達庁に伺いを立てておる。いれに対して調達庁は何ら同調の意図も示しておらぬ。あくまで本人と米側でやれという。米側はどうかというと、本人が八百十万円の補償要求をしておるのに対して、今説明があったようにわずかに二十何万、最終的に三十万円です。船体、エンジンの査定だけでも、長崎県の漁船組合の査定によってでも百十一万円、これは最低の線としてそれだけのものを積られておる。全く力のない本人がアメリカ政府に嘆願して泣きついた結果としてわずかに三十万、それで政府は妥当なりとお考えですか。何とか考えてやろうという気持になれませんか。今の答弁を私は聞いておっても、外務省と調達庁がお互いに譲り合って、こういうことに関してはなわ張り根性を発揮しないで、謙譲の美徳を発揮してもらいたい。被害者一人がにっちもさっちもいかなくなっておる。四年も五年も月日がたっておる。これではあまりにかわいそうだと思う。方法はどうでもいいのですよ。本人が納得いくように、われわれが妥当だと思うような線をいずれの機関でもけっこうです。一つやってやろうという気持になれませんか。なるとすれば、具体的に今からどうする、そしてどういうふうに線を出すということを明確にここで一つ答弁していただきたいと思います。

丸山佶調達庁長官

○丸山政府委員 結局その損害額の適正なものを出して、これを被害者にすみやかに支払いをするということでございまして、その目的のために調達庁は十分の努力をいたすつもりであることはもちろんでございますが、その箱の問題についても実はいろいろの算定額がございます。今石橋先生のお述べになりましたように、その価格の問題についても漁船組合のもの、それから米軍の算定のものがある。これらにはいずれもいろいろの根拠がある。米軍側の言い分といたしましては、その衝突における責任問題がどちらの責任がより多くあって衝突事故を起したものであるかどうか、こういう点。それからその船が網でつり上げられておるときに落ちて沈没した、これの事情は、この船が非常に老朽であったのではないか、衝突のときに灯火をつけておらず、見張りもいなかった、このようないろいろな争点があるわけでございます。ただいまの処理方法としては、このような線でいっておりますので、この線で解決するのが、私は一番早くもあり、自信の持ち得る道だと思います。ただその場合には、今のような点からの額だけの問題になると思います。一方、今これを十八条に、それならば従来もやったような例があるから直してということは、これは非常に困難だと考えております。のみならず、十八条によるといたしましても、金額に関する点につきましては、やはりその事故原因その他がありますので、それの方でやれば、必ず額がよけいになって云々とも言えないものと考えておる次第でございます。最も手近い適切な方法で軍側と折衝いたしまして、早期解決をはかりたいと考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 その事故の責任が一体どちらにあるかということの争点があることは事実です。しかしこれを公正に、当時第三者的な立場から見ておった者はだれもおらない。それをやらなくてはならない。海上保安部でも現認できなかったとはっきり文書で言っておる。それで米軍艦の艦長の供述書だけをつけて出しております。今までの扱いを見ておりますと、本人の言い分、光もつけておった、そういうような言い分が非常に軽視されて、米側のいわゆる艦長の供述書だけが非常に重視されておるようなきらいなきにしもあらずです。これはもう争いがあって、しかも公正な、これを判定する当時の目撃者もおらないということになると、いつまでもこれは争いで終るでしょう。そういうことにこだわっておってはこの処理はできないと思う。私も方法はどちらでもいいと今は言っているのです。とにかく老朽船だとおっしゃるが、老朽かどうかは知らぬけれども、公正な保険組合が査定した金額というものも一つの参考として出できております。そういうものを勘案して、外務省であれ調達庁であれ、政府として責任を持ってやる、だからこれは調達庁がやるなら調達庁の長官、外務省がやるならアメリカ局長が、そこで二人で話していただいてもけっこうです。今からどういう手を打って、将来に、いつごろまでにはめどをつけるようにいたしたいということだけでも、一つここで表明していただけませんか。

森治樹外務事務官(アメリカ局長)

○森政府委員 今日までの経過を見ますと、ただいま調達庁長官からお答えの通りに、請求の金額とアメリカ側の提示しました金額との間には、相当の開きがあるようであります。今日まで私どもは御本人の方からはあまり接触を受けてないようなことでございまして、実は本件に関する情報も、アメリカ側から逐次通報を受けておったような次第でございます。私どもとしましても、本件は相当長く未解決になっておりますし、また行政協定十八条の問題として扱われる御本人と米海軍当局の間の折衝になっておりますので、できるだけのお手助けはいたす用意がございますし、できるだけのことをして、早く解決をはかる努力をいたしたいと考えておる次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 本人は接触しようにもできないのですよ。これ以来借金はかさみ、本人は病気で長期療養です。どうにもならずに医療保護を受けて寝たきりなんです。私も会っておりません。そういう状況ですから、自分は何も動けない。だから県に泣きついておった。国の政府との交渉を県におまかせするという態度で、今までおったようです。それが一つも進まないものですから、直接私の方に手紙で何とかしてくれという依頼がきたわけです。そういう事情もあるので、本人は来たくても来れないし、経済的にも肉体的にもどうにもならない状況にあるわけです。そういうことも一つ十分考慮して、何とか一つ早く処理していただきたい。今後の処置の結果を待って、また私はやるなり何なりいたしたい。  以上は米軍なりあるいは自衛隊なりから被害を受けたけれども、その補償ということになると、遅々として進まないという例にもなるわけなのです。そういう例がたくさん、おそらく山ほどあると思う。それは人手の足らない面もありましょう。予算の足らない面もありましょう。しかしとにかくたくさんの人たちが困って泣いておる状況は山ほどあると思う。そういうものがある反面において、非常に不可解な、いやにスムーズに、とんとんと話がまとまっていくというような事件もあるということを、一つ例をあげてみたいと思うのです。そればどういう事件かといいますと、——私はこれに不正があるとか何とかきめつけようと思いません。一応実情をお聞きして、私の方でもさらにこれを調べてみたいと思うのです。その内容は、佐世保に旧海軍の水交社、海仁会、これらのものが持っておった建物があります。特に下士官兵集会所に使っておった海仁会の建物なんというものは実にりっぱなものです。広大なものです。この二つの建物は、いずれも解散団体に指定されましたために、終戦後国に没収されております。そしてそれ以来ずっと今まで、一貫して米軍が使用しております。このことをまず頭に置いておいていただきたい。その建物を講和条約発効直前に、民間に払い下げておる。これは調達庁で私お尋ねいたしました結末も判明いたしております。米軍が使っているものを、大体九千万円で民間に払い下げております。当時は米軍がフルに活用しておりましたこの建物を、佐世保土地建物株式会社というものを作らせて、——これはほかに何も仕事をしておりません。これは払い下げてもらうだけの会社です。これに九千万円で払い下げております。しかし依然として米軍は使っておるのですから、使用料を毎年払っておる。その使用料は幾ら払っておるのかということも、一つ各年度ごとに報告していただきたいのですが、三十二年度だけでも三千二百三十三万円払っております。こういう計算でいきますと、大体三年間で払い下げ価格というものは取り返した勘定になります。あとの三、四年は、その使用料はまるもうけです。それだけでもちょっとおかしいのですが、それを今度はことしになって再度国が買い上げている。国がですよ。その価格は幾らかというと、一億六千九百三十五万円です。しかも米軍はずっと使っておる。使ってはおるけれども、民間に払い下げた当時は、米軍はフルに使っておったが、現在は米軍にとってはあってもなくてもいいような建物です。私この間も行って何に使っておるかと見ましたら、ハイスクールに使っておる。佐世保に何人のアメリカ人がおるかしれませんが、普通の学校ならいざ知らず、ハイスクールということになるとおそらく何人も通っておらぬ、あの広大なりっぱな建物をハイスクールに使うだけの使用目的です、現在は。それを国が一億七千万の金を出して今度はまた買い上げてやった。だれが考えたってこれはおかしいと思いますよ。こういったおかしいと思うようなものが、かえってスムーズにとんとんと話がついておる。しかも民間の人たちが十分に満足する価格がいつも評価されておる、こういうことは釈然としません。地元でも非常に問題になっております。私も再三調査しろといわれておったわけですが、この間から調査を始めたわけですけれども、どうも納得がいかない。そこで、明確に詳細に一週間も前からお願いしておいたのですから、当時のいきさつから、その払い下げた会社がどういう事業をやっておる会社か、代表者はだれか、資本金は幾らぐらいか、坪数がどれくらいかということも含めて、ずっと納得のいくような経過をまず御説明願いたいと思うのです。

丸山佶調達庁長官

○丸山政府委員 この施設を国が当初払い下げ、また接収中でございますので、賃借料を支払い、最近において、これを買収しておる事情は、それぞれその必要性があってやった措置でございます。これに対する詳細のことも調べてございますので、担当の不動産部長より詳細に説明させます。お許しを願います。

柏原益太郎総理府事務官(調達庁不動産部長)

○柏原説明員 ただいま長官からお話がございましたので、私から本建物を買収するに至りました経緯につきまして御説明申し上げます。  石橋先生からお話がございました通り、本建物は二十年の十月に米陸軍によって接収されたのでございます。これは米陸軍の宿泊施設として当時使用されておりました。終戦後その建物は法務府の解散団体財産売却理事会という機関によりまして管理されておったのでございますが、GHQの指令によりまして、昭和二十七年の三月に法務省の民事局が長崎県に委託いたしまして公売入札を行っております。開札の結果、水交社は三千六百六十万円、海仁会は五千百五十万円、八千八百万円で佐世保土地建物株式会社が落札いたしております。なおこの施設は建物のみでございまして、土地は大蔵省の所管でございます。今お話がございました通り、民有の財産となりましたので、それ以後は調達庁が賃貸借契約をいたしまして借料を払って参りました。昭和三十年になりまして米陸軍の引き揚げが活発となりまして、この建物も返還されるのではないかというふうな気配が見えたのでございますが、三十年の十月一日に至りまして、陸軍の引き揚げたあとに海軍がこの建物を使用することになりました。その後米軍に、この建物につきまして返還の有無を口頭あるいは公文によって照会いたしたのでございますが、当分この建物は使用するのだという返事が参っております。一方、昭和三十一年の五月でございますが、所有者の方からこの建物は当時払い下げを受けるときに銀行からも金を借りておる、しかも講和発効後に至っても返還にならないという事情で、相当金繰りにも逼迫をしておるので、この建物を買ってもらいたい、もともとこの建物の払い下げを受けるときには、将来返還になった際にホテルとしてこれを使用したいのだ、そういう目的で払い下げを受けたのだ、ところか一向返還にもなりそうにないし、会社としての資金事情も非常に窮屈であるから、何とか買い上げをお願いしたいという請願書が提出されております。これは昭和三十一年の六月でございます。     〔平井委員長代理退席、受田委員長代理着席〕 調達庁といたしましては、賃貸借契約の条項にもございますが、賃貸借いたしましてから三カ年引き続いてお借りしておる、なお将来にわたっても引き続きお借りするという場合に、所有者の方から買い上げの請求ができることに賃貸借契約上条項が一条設けてございます。そういうこともございますし、昭和二十一年でございますので、すでに足かけ五年ほど借り上げを続けてきたわけでございます。それでそういった陳情がございましたが、三十一年度におきましてはほかの買収の案件もございますし、予算の手当がございませんので、三十一年度はお断わりいたして、買収をいたさなかったのでございます。三十二年度に至りまして、予算の手当もつきましたので、まず旧水交社の建物を三十二年の十二月に買収を終りまして、次いで旧海仁会館の方を三十三年の三月に買収を終っております。この買収につきましての評価方法でございますが、調達庁の建物につきましての買収の評価の方法は、買収の当時においては、当該の建物を再建築する場合の再建築費というものを一応算定いたしまして、その当該建物が何カ年経過しておるか、いわゆる耐用年数による経過年数というものを見まして、経年減価をいたします。その他その建物が建てられましてから買収の当時に至りますまでの間の建物の保管の状況、維持管理の状況によりまして、いろいろと減額もしなくてはなりません。そういうことで一応評価をいたします。しかしこの建物は二十七年に法務府の方から払い下げをされた建物であるということも考慮に入れまして、実は法務府の方の払い下げ価格というものを買収当時の物価にスライドさせまして、その評価との中間をとって実際の買収価格を決定いたしたのでございます。そういったようなやり方は、この両建物について同一のやり方で進んでおります。  なお、この建物の現在の利用状況でございますが、ただいま石橋先生からお話がありました通り、海仁会館の方は小中学校の教室に一部使われております。それは小学校と中学校の教室が十二学級あるようでございます。その他銀行とか図書館とかPXあるいは赤十字の事務所等に使われております。現在米軍が三十五名、小学生、中学生が三百五十名、日本人の労務者が百二十五名、五百名でこの海仁会の方は利用されておるという状況でございます。また旧水交社の方は米軍人の男女の独身寮、それから事務所、クラブに利用されております。ここには日本人の労務者が八十名雇用されておりまして、今の部屋の数が五十室ございますが、そのうち二十八室は常時そこの部屋を利用しておる。残りの部屋は一般の宿泊施設として利用されておるという現況でございます。  なお二十七年四月以降の借り上げ料の集計でございますが、合計いたしまして一億八千五百二十八万円をこの間に借料として支払っております。この借料の算定について申し上げますと、登録価格に住宅につきましては八%の利回りを乗じまして、それに減価償却費その他建物の固定資産の税額を加算したものをもって賃借料として支払っておるわけでございます。なお年度別の賃借料でございますが、ただいま総計で申し上げましたが、まるい数字で申し上げますと、二十七年度が二千三百三十四万二千円でございます。二十八年度が三千三百十八万五千円、二十九年度が三千三百七十三万二千六百円、三十年度が三千三百八十八万八千円、三十一年度が三千百九十二万四千円、三十二年度は買収の時期が年度途中でございますので、借料もその関係で減っておりますが、二千九百三十六万三千円でございます。以上合計いたしますと、先ほど申しましたように約一億八千五百万円の借料と相なります。以上でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 二十七年の三月、講和発効直前に約九千万円で民間の会社に払い下げて、それ以後一億八千五百万円という借り上げ料を払っておる。それをさらに昨年度から今年度にかけて一億七千万円で政府がまた買ってやるということは、理屈はいろいろつきましょう。しかし一般的な常識として、正直にいってどうしてもこれはどこかに無理があるという感じですよ。それはあなたも理屈がないことはやらぬだろうとは思います。しかし理屈があったにしたって市民としては納得いかない。特に旧軍人グループが海友会などというものを組織しているわけですが、この人たちは軍人在籍時代にやはりこの建物を作るために相当の醵出もしているらしい。それをわれわれが金を出して作った建物を、没収されたとはいえ売ったり買ったりされて、しかも何億というもうけをそういった会社の者にとられてはかなわぬというこの市民感情というのは、私は無視できないのじゃないかと思うのですよ。これはおわかりになると思う。そこで一体どこに一番無理があるかということなのですが、講和発効直前に民間に払い下げろというメモランダムが出たとおっしゃるのですが、それが事実だとすれば、このメモランダムに無理があったのじゃないかということがまず考えられます。一体なぜ講和発効直前に、自分たちが接収解除するあてもないものを民間に払い下げろ、こういうメモランダムを出したかということなんです。政府はそのときに、そういった占領下だからめちゃくちゃだと思ったけれどもしようがなかったのだとおっしゃるかもしれぬけれども、抵抗しようと思えば、講和発効は一月後です、ねばればねばれたはずだと僕は思う。だからある程度納得のいく理由が示されたのじゃないかという感じです。納得のいく理由というのは何かといえば、近いうちに接収解除するからということでなくちゃならぬ。そうでなければあとの行為はつじつまが合いませんよ。日本政府としては、そういうメモランダムが出されて、民間に払い下げろという命令が出たなら、それなら当然近々返してくれるのですかというくぎを打っておくべきだったと思う。それがなかったとすれば、命令だからしようがないのだというのは逃げ口上だと言われてもやむを得ないと思う。この点おわかりだと思う。米軍側の命令の理屈が通らなければ、もう講和発効直前だ、がんばる、こういうことができたはずだ。理屈が通っているとすれば、それは接収解除という裏づけがなければならぬ。政府としては、それでは近々解除してくれるのですかという約束を取りつけて民間に払い下げるべきだと思う。そのどちらもなされておらないというのはあまりにも情ないと思うのです。ここが一番問題になると思うのです。ここで誤まったものだから、あとがどうも不明朗になってくる。これは一般民間の人たちの推測ですが、おそらく米軍側と特定の何人かの民間人とがぐるになって画策したのじゃないか。ひどい人になるとそれに政府も一枚加わったのじゃないかという、こういううわさすらされております。それは結果的になかったにしても、その後の経過からいってそういううわさをされてもやむを得ない。これは私はどうしても納得がいかないと思う。それでは接収解除を近々やるというメモランダムの裏づけになるような約束も何も当時取りつけていなかったのですか、その点どうですか。

丸山佶調達庁長官

○丸山政府委員 先生の今のお話の点よく了解できるのでございますが、講和条約発効直前にGHQの指令で法務省が公開入札で払い下げを行なった、この辺のことは実は調達庁とは離れた仕事でございますし、なお本日こちらに参るのにその辺の事情のところを法務省の方からも承わってきておりませんし、事情もよくわかりませんので、この際その辺を明確にすることはできぬと思います。まあ法務省の方にお尋ねいただけば一番けっこうだと思います。また私たちも必要があれば照会してお答えしようと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは本会議の時間も迫っておるようですから、一応経過をお伺いする程度にとどめて、私もまた帰りましてから調査をいたしまして、あらためてお伺いするなり何なりするようにいたしたいと思います。本日は事情をお伺いするという程度にとどめて質問を終ります。

受田新吉日本社会党

○受田委員長代理 次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時二十七分散会

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