逓信委員会 第14号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/11
会議録
○淺香委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。進藤一馬君。
○進藤委員 ラジオの収入をもってテレビジョンの経費をまかなっているのではないかという声も聞くのでありますが、ラジオとテレビの経理はどういうことになっておりますか、御説明をいただきたいと思います。
○首藤参考人 テレビジョンを開始いたしました当初からラジオとテレビの経理は画然と区分してやっておりまして、直接テレビジョンに要する経費並びにその人員の給与というふうなものはテレビジョンの会計においてこれを行い、それからその他のラジオに関するものはラジオにおいてこれを行うというふうに、経理をはっきり区分しております。ただいま御審議をいただいております三十四年度の予算につきましても、その方針で区別いたしまして経理いたしております。
○進藤委員 ラジオとテレビの経理が区分されておるそうですが、区分されておって業務運営の上に支障はないものでしょうか。将来もまたこのまま続けていかれるつもりですか。
○首藤参考人 ラジオとテレビの経理を区分いたしました趣旨は、テレビジョンを開始いたしました当時にはテレビジョンの受信者が非常に少うございまして、反面テレビジョンに要する経費が非常に膨大でございました。従いまして、テレビジョンを開始いたしましてからも最近までは赤字を計上しておったわけでございます。当時の一般の御意見といたしまして、ラジオはもう国民大衆がほとんど全部聞いておられる、反面テレビジョンはごく少数の限られた人だけがこれを聞いておられる。従ってその限られた人々が得られるテレビジョンのサービスに対して、ラジオの収入をこれに充てるということは不合理ではないかという御意見でございました。協会におきましても当然さような考えでございまして、以来はっきり区分して今日に至っておるわけでございます。そうしまして、今日におきましてテレビジョンもすでに二百万に近い数字に受信者がなって参っております。ところが、テレビジョンにつきましては非常に受信者がふえて参っておりますものの、全国に局を作りますスピードが非常に早まって参りまして、明後年までに全国に局を作ってしまおうという段階になって参ったわけでございます。従ってこれらの局を建設するまでは、テレビジョンの受信者がふえましても、あげてこれらの経費はテレビジョンの運営費に投ぜられるわけでございます。従ってテレビジョンの局が一応完成いたしまして、テレビジョン自身がテレビジョン自身の経理において安定した経理が得られるという時期を見まして、テレビジョンとラジオとの経理を一本にいたしたい、かように考えております。ただテレビジョンにつきましては、すでに三十二年度以来赤字の計上は脱却いたしまして、収支とんとんという現状でございます。従いましていましばらくこの状況を続けまして、時期を見ましてその状況が解消しましたときは、なるべく早い機会にこれを両方総合いたしまして運営の妙を発揮したい、かように考えております。
○進藤委員 外国電波の干渉、また国内の相互の混信が本年になっていっそうひどいように聞いておるのでありまして、この障害は今後も増加するのでないかと非常に憂慮されるのでありますが、その実情につきまして一つお伺いをいたします。
○溝上参考人 現在の実情を申し上げますと、非常に強く混信を受けております局が第一放送につきまして十六局、第二放送につきまして六局、それからかなり強く被害を受けております局が第一放送につきまして九局、第二放送につきまして十局という状況でございまして、これらはなかなか国内だけの問題として解決できない問題でございますが、われわれといたしましては、今後とも許される範囲内でできるだけ電力を上げる、あるいは周波数の再配分をするということで改善をはかりたいと考えております。
○進藤委員 それにつきましてこの四月には国際無線通信諮問委員会の第九回総会がロスアンゼルスで催されますし、八月にはまた国際電気通信連合の会議、無線通信主管庁会議が十月から、同連合の全権委員会議がジュネーヴで開かれるのでありますが、これらの会議におきまして無線通信に関する技術上の諸問題の討議、条約規則の改正、管理理事会、周波数の登録委員会の構成国あるいは委員選出国の選挙が行われるのでありますが、先般郵政大臣の御説明の際にも、政府としてわが国の電波権益の拡大をはかるために、ただいま鋭意準備を進めておるというお言葉があったのでありますが、どういう準備を進めておられますか、お伺いをいたしたい。
○寺尾国務大臣 御指摘のように、本年は電波あるいは電気通信に関連をいたしましてのきわめて重要な国際会議が相次いで行われますことは、お言葉の通りでございます。従いまして、この五カ年に一回、たとえばこの全権委員会議等というものは、今回は十八カ国の管理理事国を改選をするきわめて重要な会議であり、また御指摘のように、この主管庁会議におきましては周波数の割当も行われる、こういうことでありますから、この無形の大権益とでも申しましょうか、これを獲得すると同時に、日本が国際的な電気通信に関する地歩というものを十二分に確保して管理理事国にも選ばれるというためには、この委員団を相当強化する必要があるということは、お説の通りであります。従いまして、このことにつきましては過日も森本委員からの御熱意ある御指摘もございましたように、政府が三十四年度の予算に計上いたしておりますものがきわめて貧弱である、そのことについて非常な御注意をもちょうだいをいたしましたので、大蔵大臣また岸総理とも相談をいたしまして、昨日の参議院の逓信委員会におきましては、岸総理から、それによって十分な成果を得られない、全権あるいは委員団が出張するにも事欠いておるということであれば、それらについては十分考え、さらに十分検討して善処したい、こういうきわめて理解のある、この重要な国際会議に対する認識を新たにした答弁もございました。従いまして、私といたしましては、過日森本委員からは非常な鞭撻もいただいておりますし、皆様方も大方がそういう御意見でもありますので、これらの予算につきましては、岸総理の責任において補足をするというようなことにも努力をし、また昨日の岸総理の答弁からいたしましても可能である、かように考えておるわけであります。そういたしまして郵政関係当局ばかりでなく、外務省におきましても、外務大臣にも、たとえば顧問団といったような形において官民一致の形においてこの国際会議に十分協力をしてほしいというような構想も述べ、外務大臣からは、一応構想の決定次第、自分もそれに対して最善の協力をしたい、こういうことも言っておるわけであります。これはいろいろ森本委員からも御注意をいただいておりますので、十分注意をしてやらなければならぬことでありますが、放送連合等も非常に心配をされまして、何かこの国際会議等に協力ができることであれば、われわれの方としても何かの形において民間の代表等も送って協力したいということもいろいろ考えておられることを聞いております。 それから、会議に臨みまして日本がどういう問題に重点を置くか、周波数割当に対してはどういうふうな方法によってこれを要望し、獲得をするか、あるいは管理理事国になるためには列国との関係においてどういう工作を前もってする必要があるか、また会議に臨んではどういうふうな交渉をすべきかというようなことにつきまして、目下関係部局をして検討させておるわけであります。早急にこれらの結論をも得たい、同時にまた衆参両院のおもに逓信委員会等におきましても、いろいろ御意見を承わりまして皆様方の御協力も賜わり、今度の会議に対しては予算の上においても、また顧問団の活躍の上においても、十分企画検討いたしまして、万遺漏のないようにいたしたい、以上のような方向を目下極力進めておるという次第でございます。
○進藤委員 ただいま大臣のお話を承わりまして非常に意を強くしたのでありますが、日本の通信あるいは貿易とか産業、文化の向上のためにも、どうしてもこの際日本が管理理事会の理事国となり、あるいはまた周波数登録委員会の構成国として、従来の電波における日本の失地を回復するこの機会を、一つ十分効果あらしめたいと希望するのでありまして、どうぞ一つこの点につきましてこの上とも大臣の御協力、ごあっせんをお願いいたします。
○淺香委員長 片島港君。
○片島委員 最初にラジオについてお伺いしたいと思うのでありますが、前会の委員会におきまして、ラジオはほとんど頭打ちの状態になっておる、この頭打ちの原因はどういうところにあるかということで、いろいろ質疑応答がかわされたのでありますが、そのうち難聴区域の問題が取り上げられたのであります。すでに九〇%以上という聴取率を上げておるようなところにおきましては、これ以上の開発は非常に困難であるが、しかしまだ六〇%とか七〇%というような聴取率のところは、相当開発の可能性も残っておるわけであります。私の地元あたりでも相当難聴区域がありますし、NHKが作映しておられます図面を見ましても、まだまだずいぶん難聴区域が残っておるようであります。特に非常に困るのはNHKの放送が聞えるには聞えますけれども、自分が居住しておる県の放送は聞えなくて、隣県の放送なら聞える。従っていろいろなローカル放送におきまして自分の県内のことはさっぱりわからなくて、隣県のことだけ放送を聞いておる。隣県の県知事の名前はよく覚えておるが、自分の県の県知事はややもすると名前を忘れる、こういうような地域が非常に多いのでありますが、こういうところを開発することが、また今後ラジオの聴取者を増加せしめていく非常に有力な、また唯一の道ではないかと考えるのでありますが、これらの難聴区域の解消について——解消ということは完全解消であります。NHKの大きな使命とするところは国内あまねく放送が受信できるようにするというのが、民放との違いにおいて最も大きな重要な点であります。これを完全解消できるというのにはどういう構想を持っておられるかを最初にお伺いしたい。
○溝上参考人 NHKの全国普及の義務の問題につきましては、在来いろいろ周波数その他の関係もございまして、全国同一番組、全国中継というものにつきましては、最も優先的に計画を進めまして、来年度の計画が済みますと完全に一〇〇%になることになっております。しかしながらいわゆる県別放送というものにつきましては、これはまだ相当不十分な地点が残っておりまして、これは一つは周波数の問題もございますが、今後さらに研究をしまして、具体的には五カ年計画に基いてローカル放送用の局の増設をはかる予定でございます。なお最近は雑音、混信がふえておりますので、それらに対する対策も別途考えております。
○片島委員 難聴区域の解消の問題については、この予算を編成される過程における計画書が出ておりますので、さらに別の機会に今年度の実行についてお尋ねをしたいと思います。 さらに前回の委員会でとうとう明白にならなかった受信料金の問題について、大臣あるいは政府当局の方に明確にしておいていただきたいと思うのであります。NHKが公共放送として受信料を徴収する、それはあまねく放送が受信できるようにやっていく、また放送番組の内客というようなことがあげられておりますが、料金の徴収について法律上は契約するということになっておりますけれども、NHKが料金を徴収するということは、一番最初のNHKが出発をした当時からいたしますと非常に今日様子が変っておると思うのであります。第一には受信機を設置するのに許可なり届出制が必要であったというのが、法の改正によってだれでも受信機は設置できるように現在はなっておるわけであります。ところで料金を徴収するのについて一世帯一台分ということになれば、二台あっても三台あっても料金は同一である。また最近のようにポケットに入れて歩く携帯用の小さい受信機ができますと、これなどはちょっと対象にしにくいのではないか。まず第一にお伺いしたいのは、世帯というのをどういうようにして見ておられるか。一家のうちに同居人がおって、同居人がラジオを据えておる。しかしその同居人にもいろいろありまして、兄弟もあれば親戚もあり、また何でもない人もおるわけであります。間借りをしておる人もおれは下宿をしておる人もあるし、場合によっては無料でその家族と同じように取り扱っておる同居人もおると思うのでありますが、そういう場合、世帯といったような関係において、どういうふうな区別をしてその料金を徴収しておられるか。その家には携帯用を持っておる人もおれば、携帯用でなく備付を持っておる人もおるといったように、一軒の建物の中にいろいろな種類の人がいろいろな受信機を備えておる場合に、どういう基準といいますか、方針によって聴取料を取られるということになるのであるか、この点は最も技術的な点でありますから、その点をまずお伺いをしてみたいと思います。
○莊説明員 お答えいたします。現在郵政大臣が認可しておりますNHKの放送受信機は、これによりますと「世帯とは、住居及び家計をともにする者の集り又は一人で独立して住所若しくは家計を維持する者をいう。」ということで認可をいたしております。
○片島委員 書いてあることだけでは明確にならないのでありますが、私が先ほども申しましたように親戚もおれば、家族、実は世帯を別にしておる兄弟もおるわけなんです。一戸建の中におりましても世帯を分けて生活をしておる兄弟もおれば、親戚であってもただでその家に寄宿をしておる同居人もおる。こういったような場合に見分け方というのは非常に困難であろうと思うわけでありますが、そういう点はどういうふうに規制をしておりますか。
○首藤参考人 基本的には先ほど郵政省から御説明いたしましたような基準にいたしてございますが、ただ同一世帯内におきましても目的の異なるもの、たとえば商店などでお客用に設置しているものというのは、これは同一世帯でございましても別の目的を持っておるということで別の契約にいたすということになっております。また同じ家族でありましても家計が別であるとかあるいは住まいが違っておるという者につきましても、これまた別、すなわち住居が同じでありましても同居人とか寄宿人というふうな者、すなわち生計を一つにしていない者が別契約であるという解釈にいたしてございます。
○片島委員 見分け方について非常に困難があるのではないか。そういたしますと、たとえば携帯用のラジオを一つ持っておるというのは、料金は要らないわけでありますか。家には備え付けておらないで携帯用トランジスターをポケットに入れておるというのは、料金は要らないのですか。
○首藤参考人 携帯用でございましても、それ一つだけしかない場合にはもちろんもらうことになりますが、同一世帯内におきまして携帯用のものが同じ目的で並存しておる場合には、同一世帯内における受信機であるという解釈にいたしておるわけであります。
○片島委員 そうすると下宿をしておる者で携帯用一つだけ持っておって、家の中に何日ぶりかで持って入った場合だとか、家の中に入れないで外ばかりで聞いておるというときにはどうなりますか。
○首藤参考人 たとえば同居人でございまして、同居人が自分自身のものを今の携帯用のものとして使っております場合には、もちろん受信機が一つあります場合には、その携帯用に対しましても受信契約を結んでいただくという根拠になっております。
○片島委員 実際上はわからないと私は思うのです。一軒の中でも大きなアパートみたいに何十世帯も住んでおるとか、あるいは下宿で一人こっそり置いておるとか、あるいは先ほど申し上げましたような、いわゆるもとは親戚というよりも同じ家族だった者が、同じ家の中で世帯を分けて別世帯にする、親戚の者を頼まれてただでうちに寄宿をさしておるといったようなものの見分け方、あるいは家の中に備え付けないでポケットに入れて歩く携帯用、こういうものの区別をどういうふうにしてきめるか。これは私は非常に困難な問題であろうと思います。この点はさらに一つ今後料金徴収について不公平な取扱いがなされないように研究をしていただきたい、こう考えておるわけであります。 次にテレビの料金でありますが、現在の料金というものは、現在の料金をきめられた当初は赤字であったが、すでにとんとんという状態になった、こういうお話でありますが、来年度の予算から拝見いたしますと、百二十万のテレビの受像機が増加するということがこれに出ておるのであります。非常な勢いでもって現在は増加をしておるのでありますが、現在のテレビの聴視料金というものは何を基準にしてやっておられるのか。これがだんだんと聴視者がふえれば、現在でもとんとんだということでありますから、このような勢いでふえるとなりますれば、相当黒字が出てくると思うのでありますが、そういうような場合には、現在の料金が過当としてこれを減額をされるというようなお考えがありますかどうか、お伺いします。
○首藤参考人 テレビジョンにつきましては、先ほど申し上げました通り、今日におきましては赤字を脱却しておりますけれども、開設以来最近までの欠損金の繰り越しが十七億ばかりございます。これは実はまだ償還されておらぬわけでございます。その十七億ばかりの欠損金をかかえて、今日におきましてはそれ以上の欠損金をふやさないという工夫をいたしておるわけでございます。そして今後テレビジョンの財政が安定して参りました場合には、従来のその十七億の欠損金を減らしていくというふうな段階にただいまございます。テレビジョンは最近におきまして非常に受信者がふえております。しかしながらここ数年間は、先ほど申し上げましたように、全国に局を設置するのに実は膨大な資金を要するわけでございます。従ってこれらを現在のテレビジョンの受信者の数並びにそれから得る収入をもって計画的にします場合には、実はこれほどスピード・アップしてやることに困難もあるのでございます。しかしながらテレビジョンの全国普及という面をわれわれといたしましては優先いたしまして、三カ年で全国に普及させるということにいたしてございます。そういたしますと、これに要する運営費というものが非常に増加して参るのでございます。一方、先ほど申し上げましたように、テレビジョンにはもはやこれ以上の欠損金を出さないという方針でございますので、ただいま行なっております運営状況も、テレビジョンにつきましては、やはり十分な放送時間がただいままだいただいてございません。番組をごらんになって御承知いただけますように、朝昼晩、その間に聴視者の御要望があるのでございますけれども、その間の放送時間がまだ実は行われておらぬわけでございます。これらのものをやはり今後の収入の増加と見合いまして順次ふやしていくということでございますので、テレビジョン財政がすでに安定したがゆえにもう赤字は出さないということじゃございませんで、むしろテレビジョン財政におきましてはこれ以上の赤字をふやさぬという工夫で、財政に応じました事業規模、放送時間の延長というものを計画的に行なっていきたい。それと並行いたしまして、余裕ができました場合に今までの欠損金を償却していきたい、こういうふうに考えております。従いましてテレビジョンの財政が安定いたしますのは、やはり全国に置局が完了いたし、教育テレビジョンも完了いたしまして、受信者が現在の数倍というところに参りましたときにはおそらく安定すると存じますが、それまでの間はやはり欠損金は出さないまでも決して余裕のある財政ではないのじゃないか。もっともその時期につきましては、今後のテレビジョンの受信者の増加状況がこれを左右するわけでございますが、さように考えております。
○片島委員 そうすると、私が質問いたしました、テレビジョンの聴視料を現在の料金に当初きめられたわけでありますが、それはどういう基準で——まあこのくらいにきめておけば長い間にもあまり変化がないだろう、という当てずっぽうで料金はきめておられたのか。現在もちろん繰り越しの欠損、借り入れはあるかと思いますが、どういう見通しからこういう現在の料金はきめておられるか。今後もこれを下げる必要も上げる必要もないという大体見通しであるかということをお尋ねしておきたい。
○首藤参考人 ただいまのテレビジョンの受信料月額三百円につきましては、全国普及いたしますまでの長い期間並びにその後の運営状況を考えまして、三百円ならばまず当初数年間は赤字が出る、それからしばらくの間は現在のような状況が続きまして全国普及いたしましたあと、やがてはこの料金で安定した運営ができるだろうという予想で定められたものでございます。現在におきましてもさようにわれわれ考えております。
○片島委員 経理状態がよくなればサービスの方が改善せられるというのは当然でありますが、ただ私が疑念を持っておりますのは、現在の老朽施設などを改善するというような経費は、当然今までの経営の中において減価僧却引当金というものが積み立てられていて、それによって逐次老朽施設を改善していくべきではないか。ラジオが今度受信料を値上げするという予算案でありますが、ラジオもつい近年までは黒字を出しておったのでありますが、黒字を出しておった時代に、その当時から計画的に減価償却の引当金を積み立て、それによって逐次改善をしていくべきではないか、その黒字を出しておった時代にそういう計画をしておらず、増収分をいたずらに食いつぶしをしておったがために、今日になって料金の値上げをやらなければならぬようになったのではないか。老朽施設を改善していくというのは、年々の減価償却費によってこれをやっていく、新しい建設の方は外部の借り入れ資金によってやっていく。従来の減価償却費を料金値上げによってやるとか、あるいは今後建設を進めていくような新しい建設費の方に、現在までの、また現在の受信料の中からつぎ込むということは、放送事業を経営していく上において私は筋が違っておるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょう。
○首藤参考人 減価償却の問題でございますが、これは戦後の混乱時には償却方法の不備というものが一般的にございました。そうしてそれを適正な償却に直す必要があったのでございます。ところが一方難聴地域を解消するとかいうために、新しい局を作る、あるいは増力するという必要が実は優先しておりまして、その方に追われたという点が一点でございます。そこでこの減価償却につきましては、いわゆる物理的な耐用というものを考えまして、それに対する償却率を制定しておったわけでございますけれども、実は戦時中、戦後早々期に作りましたものは、非常に資材が不足な時代でございますので、それを越えた老朽というものがずっと生じたという点と、それから戦後放送の技術が革新的な進歩をして参りました。それでいわゆる物理的な耐用はございますが、機能的にはだめだというものが非常に多いのでございます。それでそれらのものを取りかえる必要があったのでありますが、先ほど申し上げましたような事情で、なかなか受信料においてはそれが手が回らなかったという事情でございます。それで今日におきましては、もはやこれ以上には放置できないという状況に立ち至っておるわけでございます。 それから過去に剰余金があったという点でございますが、これは経費の節約その他いたしまして、一応剰余金を残しましたものは、これは予算総則においてもお認めいただいておりますように、その次の期におきましてこれらの剰余金を設備の改善に充てて現在まで参っております。従いまして、この剰余金は使ってしまうと申しますよりも、予算総則の規定によりまして、翌朝におきまして設備の改善をその剰余金でもって実行して参りました。ただそれではとても追っつかぬという状況が今日あるわけでございます。
○片島委員 予算のこの建設費の中で、老朽設備を取りかえるという予算と——新しく「昭和三十四年度収支予算の編成について」という計画の方針におきまして、大阪、福岡、東京などに超大電力局を作るとか、難聴地域を解消するとかいったような、要するに新しい建設に振り向ける予算と、そうでなくして、現在の陳腐化した、非常に老朽なものを改善していくというものの内訳は、どういうふうになっておりましょうか。
○首藤参考人 五カ年計画におきましては、放送所新設、放送局の増力、それから超大電力の増力とか、そういうふうな予定があります。これらはいずれも新しい設備を作るわけでございますので、外部資金によってこれを行うという方針にいたしてございます。先ほど申し上げました老朽陳腐化したものの取りかえと申しますのは、実は現在あるものが取りかわるということでございますので、これのみに限りまして、これを自己資金、たとえば固定資産を売却いたしますとか、普通償却を充てますとかいろいろいたしまして、残りのものにつきまして、特別償却という費目によって受信料でまかないたいと考えておるわけでございます。従いまして、ただいま仰せの、新しい設備を作るものにつきましては、これは受信料によって直接建設することはいたしませんで、計画的に借入金によってこれをいたしまして、将来の収入によってこれを返済するという具体的計画にいたしてあります。
○片島委員 長期借入金がラジオにおきまして六億五千万円、そうして放送債券の方はゼロとなっておりますが、放送債券のワクは放送法の改正によって相当広げられると思うのでありますけれども、昨年まで放送債券による収入というのが相当あったのが、今年は長期借入金だけで放送債券はゼロとしてあるのは、どういう理由でありますか。
○首藤参考人 予算総則によりまして、借入金は放送債券に振りかえて行うことができる、すなわち外部から借り入れますものにつきましては、放送債券または借入金いずれの方法によってもよろしいというふうに定められてございます。そこでこの予算書におきましては、放送債券、借入金という区別は、実は今後の金融市場のにらみ合いにおいてやっていく。私どもの考えといたしましては、今度放送法も改正されますれば、放送債券発行のワクもふえることでございますし、また資金手当の方法といたしましては、やはり安定した資金を借りる必要がございますので、方針といたしましては、今後の外部資金の調達は放送債券を主にしていきたいと考えておりますが、これは今後の起債市場の模様によって、随時そのときの状況によって発行することにいたすわけでございます。そこで便宜上借入金という項目で計上してございますが、先ほども申し上げましたように、これは放送債券によって発行できることになっておりますので、心組みとしましては、放送債券を主にして今後実行していきたい、かように考えております。
○片島委員 この項目についても、少くとも予算を編成せられる上からには、放送債券を主にしていきたいというぐらいの考えがあるとすれば、やはり放送債券をゼロとして長期借入金だけを全部計上するというようなことじゃなく、一般市場の変化に応じて相互流用ができるといたしましても、やはり予算書としては、大体のその年度の見通しをつけてここに金額を計上せられるのが、私は妥当ではなかろうかと思うのであります。ただ実行上は、あなたの方はこうしておいても使えるというなら、放送債券に全部繰り入れて長期借入金をゼロとするのもまたそれは差しつかえないでありましょうが、それじゃわざわざここに項を設けておる予算書におきまして、全然見通しを立てないで、今後の市場の変化によってやるというようなことでは、私は予算編成について少し見識のないような感じがいたしますが、実行上差しつかえがないとすれば、この問題は一応これまでにしておきましょう。 次に国際放送に関する問題でありますが、今までもたびたび問題になっておりましたのが、今年度は国際放送についてもさらに拡充をしていこうと言われるのにかかわらず、政府からの助成というものが、非常に金額が少ない。国内における聴取者、受信者がこれを大部分負担して国際放送の方へ回すということは、法律の建前からいっても非常に私はおかしいやり方だと思うのであります。それともう一つは、減免措置が今度の予算においてさらに拡大をせられておりますが、減免すべき範囲は私はもっともっと多いのじゃないか。全く免除するという対象をもっと拡大すべきである。また減額すべき対象もすでに当委員会において相当指摘をせられておるのでありますが、しかし現在の一般聴取者、受信者の中からの料金をもって全面的にこれを負担をするということになりますれば、おのずからそこに限度が生まれてくる。そういたしますと、この国際放送に関する助成、法律上強制せられておるあなたの方の国際放送に対するこの問題、及び減免措置をさらに拡大をしなければならぬ、こういうふうな情勢にあるのに、これが拡大をできないが、これらも何らか政府としては財政措置を講じて、こういう困った人々をば救済する道を講ずべきではないか。それらの点について郵政大臣は、非常に考えておられると思うのでありますが、検討されたことがあるか。この二つの問題について大臣からお伺いしたい。
○寺尾国務大臣 国際放送に関しまする、政府が命令をした国際放送に対しては、その費用を政府において交付すべきだということは、明らかに放送法に示されておる通りであります。同時に、協会におきましても、協会本来の仕事、事業として国際放送を行うということが、これも規定をされておるのでありますが、ただ御指摘のように、政府が限られた予算といったようなものの中から、三十四年度に対しましては十六方向十六時間、こういうものを政府が指定をいたしまして、国際放送を命じておるということにおきましては、十分その十六方向十六時間の国際放送の目的、成果を上げ得べき予算をつけるということは、私は当然のことだと思うのでありますが、これがなかなか政府の予算その他の関係におきまして、十分われわれの要望するようなものを計上させることができなかったということは、私のまことに遺憾とするところであり、この点は申しわけがないと思っております。従いまして、その政府からの最小限度の九千三百万円何がしの交付金でありますが、これはもう必要最小限度のものではないか、こういうことは考えられるのでありまして、まことにこの点は少額で不十分で遺憾である、こう思いますが、それに対しまして協会は、それに肉をつけ、あるいは前後にいわゆる盛りものをして、そうしてこの国際放送というものがより効果を上げるような努力において二億数千万円というものを協会がこれに支出をしよう、こういうことについては、あまりにも聴取者に対する負担を重からしむるものではないかという御指摘の点も私は十分わかるのでありますけれども、ただ公共放送といたしまして国際放送をするということは、やはりその結果において日本国民が大きく列強に伍してその地位を向上していく、また貿易その他の関係からも国民の幸福の上に効果をもたらし得られる、こういう観点から申し上げて協会がそうした努力をするということもまた国民の大部分である聴取者のある点御理解を得られることではないか、かように考えておるわけであります。 また聴取料の減免ということにつきましては、先般来当委員会においてもいろいろ御議論がありましたので、そういうものを十分検討いたしました結果、今回は、御案内のように、生活保護法の被保護者というものを四万三千程度のものを減免する、こういうことに一応結論を得たわけでありまして、この点まだそういうような処置をしなければならぬ階級、あるいはそういう面もあるかに存じますけれども、これはまた今後の問題として検討をさしていただいて、できるだけ御趣旨に沿って減免の点については今後十分検討していきたい、かように考えております。
○片島委員 減免措置については私が冒頭にお尋ねをしました場合における、徴収する基準といいますか、非常に困難な、また複雑な、めんどうな問題が徴収する場合にある。これは何ら減免する必要のない階級の人々でもそういうおこぼれが相当出てくる、これはやむを得ないのです、現在の徴収方法としては。そういう事態でありますから、非常に気の毒な、当然減免すべき範囲をはっきりしておるものはこれを拡大していく必要がある。しかし拡大すればするほど、他の受信者からの受信料をそれだけまた食っていく、こういうことになるのでありますから、拡大をすると同時に、それに対する政府としての財政的な別途の措置を講ずる必要があるのじゃないか、このことを私はお尋ねをしたい。
○寺尾国務大臣 大きく申し上げましてNHKの聴取料、こういう問題そのものに非常に大きな問題点があることは御承知の通りでありまして、今御指摘のようなこともその一つの問題点であろうかと存ずるのであります。ただ協会が現在は、いわゆる聴取料の徴収の方法あるいは契約によって徴収すること、あるいは放送時間その他、あるいはまた聴取者のいろいろな環境なり実情によって、これがきわめて不公正な形をとっておるというようなことの問題等、いろいろここに聴取料の問題としては問題点がございますけれども、こういったような点については、政府といたしましても、NHKが今後大きな使命と、御指摘のようにあまねく日本全国において聴取できるように、しかもそれが中波あるいは短波、そのいずれか、あるいはテレビジョンというようなことから申しますると、非常に大きなNHKの責任であり使命になっていくわけであります。これが聴取料との関係において、今後果して健全にこの運営が推進されるかどうかというようなことについては、いろいろの問題点があろうかと私は存じます。従いましてNHKの聴取料という問題については、かつて御可決をいただきました放送法の改正におきましても、その改正の前に、これを改正いたしますについて聴取料の問題をあらゆる観点から検討いたしました。しかし、ついに現行法にかわる、よりよき聴取料の問題の解決をなし得なかったのでありまして、今後ともにこういったような問題については続いて十分検討をいたしながら、できるだけ公正な、不均衡のない、できるだけ聴取者大衆の納得のいくような聴取料なりあるいは徴収の方法を検討して善処していきたい、かように考えております。
○片島委員 時間がありませんからあと一、二点だけお伺いします。今年度の予算で従業員の昇給原資として四・一%が見積られておるようでありますが、国家公務員においても、また三公社五現業においても、いずれも四・五%の昇給原資が見込まれておる。ところがNHKの退職状況を昭和三十一年、三十二年、三十三年について見ますと、九十何名から百名内外の定年退職者があるのであります。そうしますと大体新陳代謝、特に定年までいってやめる、途中一年、三年未満とか五年未満とかいうのはこれは別といたしまして、長年勤続の者で新陳代謝していくのは、わずかに一%そこそこであります。各官公庁の退職状況から見ましてもなおその転換がなかなかゆるやかでありまして、そういうことでありますれば、少くとも官公庁並みの四・五%は昇給原資としてここに計上すべきものではなかろうか。現にいろいろの資料を、同業関係の従業員との関係を比較をいたしましても、給与はきわめて薄い状態である。そういう状態のところに、なおかつ定期昇給の昇給原資までが一般官公庁並みにも計上されないということは、従業員の今後の士気にも大いに影響すると存ずるのでありますが、この点はせめて官公庁並みに組めなかったものかどうか、お伺いをしたい。
○首藤参考人 昇給原資につきましては、原則としましては、新陳代謝によりまして、やめた人の分がまた新しい方へ回っていく、そうして自然的に昇給が行われていくというのが理想的かと考えるのであります。ただ、協会の場合におきましては、その制度が確立しておりませんでしたがゆえに、当初四・五%計上いたしまして、それから以後その時期まで順〇・一%ずつ下げて今日まで参っておるわけでございます。そういたしまして、明年度は四・一%の昇給原資をとっているわけでございますが、ただ実際的な金額から申しますと、官公庁の四・五%、それから協会の四・一%を比較します場合に、そのもとの金額が、実は協会の方が官公庁よりも高くなっておりますので、従ってこの原資としまして配分される分は、このパーセンテージとはほかに、実際的な収入においては、十分ということは申しかねるかとも存じますけれども、まずまず官公庁に劣らないものではないかと、こんなふうに算定しております。
○片島委員 基本給が変るというのは、学歴なり勤続年数等によって変ってくるのでありますから、それによって率を落すということは、これは私は当らないものだと思う。あなたの方の予算編成上、いろいろ苦労があって、こういうように削られたと思うのでありますが、これは今後の労使間におきましても、問題になる点であろうと思うのであります。まあ、予算総則等における弾力条項などの問題もあろうかと思いますので、この点については、あらためて私はお伺いをしたいと思うのであります。 最後に出演者に対する謝礼の問題でありますが、NHK独占の時代は別といたしまして、今日非常に民間放送との間にも差ができてきている。幾らか今度の予算において是正をせられておりますけれども、なおまだ非常に劣るところがあろうかと思うのであります。こういう問題は、タレントの養成の問題なども勘案しながら、何らかここに放送連盟全体としての、放送業者全体としての間における、自主的ないろいろな話し合いによって、何らかある程度の均衡を得るような方法はできないものかどうか、そういう点について、政府当局なりあるいはNHKにおいても検討せられたことがあるかどうか、最後にお伺いいたします。
○前田参考人 お説のように、NHKの放送謝金が、一般民間放送の謝金と較べて、非常に低過ぎるという点は、私どもも従来この問題を合理的に解決いたしたいという努力を二、三年間し続けて参っております。現在のところ、一般的に申しまして、講演関係の謝金は、社会的水準におおむね達していると考えておりますが、芸能関係の謝金につきましては、非常な格差があることは事実でございます。これにつきまして、御審議をいただいております明年度予算におきましては、大体二割程度の総合的な改善を考えております。しかしながら、一般的な観点から申し上げますと、タレントの数が少いというような点から、客観的には、不当に出演料が一般につり上っておるという点がございますので、NHKの建前といたしましては、社会的水準に近づけるという方針を堅持すると同時に、民間放送連盟、並びに民間放送連盟と私どもが入っております放送連合の放送番組関係の会合等におきまして、従来も、不当に社会水準から飛び離れたような出演料はお互いに出さないように自粛していきたいということで、ほとんど十数回にわたって、今日まで話し合いを続けて参っております。不幸にして、それについて総合的な結論は、現在のところまだ出ておりませんが、ただ、精神的には、民間放送連盟も全く同じような考え方をもっておられますので、今後さらにお互いに研究を続けながら、社会的水準を基盤として、相当な、合理的な線を作り出していきたい、こう考えております。
○片島委員 なお残余の質問は後日の委員会に譲りまして、本日はこれにて私は終ります。
○淺香委員長 秋田大助君。
○秋田委員 今度の三十四年度のNHK予算は、NHKとしては非常に画期的な予算だと思います。問題は、ラジオ放送料金の値上げにあると思いますから、与えられた時間も少いので、その点にしぼってお尋ねをいたします。簡潔にお答えを願いたいと思います。 私の選挙区は、御承知の通り徳島県でありますが、先般、徳島県の太平洋岸の牟岐という町から、町長その他がやって参りました。どうもNHKの放送が聞えない、ぜひ中継局を作ってもらいたい、多年の要望である。——そこは漁港の町でございますが、気象通報等、なりわいの漁業の関係上非常に大事だ、ぜひ作ってもらいたいという陳情に来られた。そこで、NHK当局にも話したところが、その必要はよく感じておる。——いわゆる難聴地域の問題である、カバレージの問題なんですが、そこで私言うたのです。NHKももちろん考える、NHKの公供放送の使命から当然やる。そうすると、こういうところに中継局もどんどん作っていかなければならぬ、その建設費も要るし、また運転費も、経営費もかさんでいく、だから値上げの必要があるということは、君たちわかるか。わかります、もう少しぐらい上げていただいてもいいから、ぜひ早く作ってもらいたい、こういうわけなんです。文化果つるところとは申しませんが、文化の恵み薄いところでは、値上げの必要が切実だからすぐわかるが、むしろ文化の恵み厚い大都会、東京等ではそれがわからないという実情があるのです。そこで、その前に、この間金丸委員でしたか、難聴地域を、施設をして、そうして工夫をすれば、もっとラジオの料金収入はふえるんじゃないか、こういう点について、今度の予算は少し内輪に過ぎていはしないかという意味の御質問があったのです。それも一理あるのですが、ラジオの放送料金の収入予定を立てるときに、過小評価であってはいかぬが、しかし過大評価になっても、これはNHKの財政を不健全に導くものだと私は思う。もちろんこれが適当だと思ったればこそ、政府も国会の承認を求められて、原案を支持されたと思うのですが、この辺に関して政府当局はどうお考えになりますか。一つ政務次官のお考えをお聞かせ下さい。
○廣瀬政府委員 大臣がおられますのに政務次官とお名ざしをいただきまして、まことに光栄に存じます。御選挙区の牟岐の例をとりましての中継所の開設と申しますか、難聴地域の解消ということにつきましては、御指摘の通りでありまして、あまねく全国にラジオの聴取のできるような方途を講じなくちゃならないという立場にありますNHKといたしましては、難聴地域の解消ということを最も大きな使命といたしまして努力しなければならないわけであります。今回の値上につきましても、その事由につきまして御説明いたしております通り、難聴地域の解消ということを一つの大きな目標にいたしております。さようなことにつきましては、今度の値上げを御了承賜わるということになりますれば一そう努力して参らなくちゃならない、かように考えておるのであります。
○秋田委員 料金収入の見積りはこれで適当だと思うかどうか。
○寺尾国務大臣 政務次官がお答えを申したことに対しまする補足を申し上げます。今、秋田委員からの御質問にありましたように、NHKは料金を大衆に求めておるわけであります。聴取料を大衆に求めて、しかも、それでNHKの運営をいたしておるのでありますから、まずあまねく日本全国の大衆を満足させることが絶対でなければならぬということは御指摘の通りだと思います。しかし、もう三十有余年の歴史を持ちながらまだ難聴地域が十数ヶ所もあるということにおいては、早急にこれを解消すべきである、同時に、こういったような難聴地域を完全に解消して、さらに聴取者大衆に満足を与えますならば、料金徴収といったような面にも非常ないい形が現われてくるのではないか。そういうことによってNHKが全国あまねく聴取できるようなことに対する難聴地域等の解消を早急にやりますことにおいて料金関係も非常に好転をしてくるのじゃないか。そういうことになれば、今回御承認を賜わりますならば、この八十五円の料金で、見通しはまずこれで収支つぐなってその使命の遂行に一応支障はないのではないか、かように考えております。
○秋田委員 私の質問の第二点につきましては的確なお答えがないようでございますが、まあけっこうでございます。 次に、ただいま申したようにいろいろNHKの施設がまだ十分いっていないところではぜひそれを作ってもらいたい。それがために費用が要る。そこではあまり収入が出てこない。従って値上げの必要がある。その地方の住民大衆はかえってよく知っておる。ところが都会においては、民放ができて以来、民放はただで聞ける。NHKは料金を取られる。しかもこんどは値上げになる。こういうことではなはだ大衆は、常識的に、ただ直感上これはおもしろくない、反対だということが出てくる。それにこたえるような措置あるいはPRその他を政府当局なりNHK当局はしなければいかぬと思うのです。最近、ことにテレビの番組が俗悪だという声が一部に高いのであります。と同時にまたNHKの放送番組の内容が、ラジオ、テレビを通じておもしろくない、また思想的な偏向が——右の方と思われる方々からは左に片寄り過ぎておる、また革新的だといわれる方々からは右に片寄り過ぎておる。NHKの番組、ことに報道解説関係の思想偏向をいろいろと云々される。これらに対しては当委員会においてもいろいろ質問がございましたが、値上げをされるに当りまして、NHK当局はどう考えるか、簡潔でよろしゅうございますから会長の御意見を一応承わっておきたい。
○廣瀬政府委員 先ほど受信料に関しましてあまねくということについて、今回八十五円に値上げすれば、そういうことに万遺憾のない措置を講ずるか、また当分これでいいかというような御質問であったかと思うのですが、これにつきましては、今度の値上げの機会に、特にNHKはそういう点に力を注ぎまして大いにやるということはお答え申した通りでございますが、将来の見通しといたしましても、さしあたり今回の値上げができますれば、ほとんど永久に近い程度かようなことで十分措置を講じ得る見込みが立つのだと、かように考えておるのでございます。ただいまの御質問につきましては会長からお答え申します。
○野村参考人 ただいま秋田委員の御質問に対して、NHKとしての私の所信を申し上げて御了解を得たいと思います。私は、NHKは政治の上にも、宗教の上にも、偏せず覚せず、中正の道をまっすぐに行かなければならぬ。報道においても、解説においても、真実をもって、そして誤まりのないことを確保していくように努めておるのでありますが、あるいは忽忙の際において、あやまちがあったかもしれませんけれども、そういう場合には直ちにこれを是正して、そのあやまちを再び繰り返さないように努めていくようにいたしております。それがために番組の編成等についても、また編成したものを放送するについても、いろいろの機関を設け責任を明らかにしてあやまちのないように、また世間からいろいの批判のないように、われわれにあるだけの力を尽して国民の皆さんの御期待に沿うように努めて参りたいと考えております。
○秋田委員 私の質問の中に、テレビあるいはラジオ等で放送番組に俗悪なものがあるという声があるが、それについてはどうか。またおもしろくないと考えられる方が相当あって、NHKの放送は聞かない、そんなものに料金を払う必要はないんだ、いわんや値上げをやという声があるのだが、それに対してどう考えられるか、その点のお答が漏れておりますから……。
○野村参考人 お答えが漏れておりましたが、そういうような批評もよく承わっております。できるだけ番組の内容を豊富にして、そうしてしかもそれが俗悪化しないように、国民の皆さんの潤いとなり、慰めとなり、励ましとなり、そしてその生活を豊かにするように努めていきまして、今後もそういうような御批判に対しては、重々注意をいたして御期待に沿うように努めていきたいと思っております。
○秋田委員 確かに一部のテレビの番組内容については、俗悪と思われるようなものもあったかと思いますけれども、最近は相当改まっておると思います。この点はNHKよりもむしろ民放に、かつてその傾向が激しく見られたのではないかと思うのでありますが、またNHKの放送番組がおもしろくないという批評ももちろんあるのでございますが、これらの諸点に関しましては、ただいまの会長のお答えで大体私はいいと思うのであります。要するに公共放送としての使命を達成するためには、NHKはやはりわれわれが家庭団らんの場において、子供も一緒に聞き、見て、そして顔を赤らめないで済む健全娯楽の線を中心に、一つ考えていただきたいということをこの際特に御要望申し上げておきます。そこで、にもかかわらずやはり世間一般には実際NHKと民放とは大差ないじゃないか、お金を払わない方がいいんだ、一つNHKはやめてしまったらどうだろうという議論も相当あるのです。わが党内でも一部そういう議論があるのです。これに対して、やはり政府当局はこの必要性ということをしっかりこの際PRなさる必要があると思う。なぜNHKを、そういう声があるにもかかわらず、存立を必要とするか。根本問題でございますが、あらためてこの際政府当局からその点の御意見を伺いたい。これをもう一ぺん政務次官に伺いたい。 それで、それにもかかわらず値上げをしなければいかぬというわけでございますから、これは大衆にわかりやすいように、これこれかくかくの事情だから値上げするんだということを、大きな柱二、三をとらえて一つ大臣からこのお答えを願いたい。
○廣瀬政府委員 NHKが特殊の性格を持ちまして、端的に申しますと、全国あまねく実施できるような放送をすることを目的としてこられたのであり、そのために特殊な法人ができまして、これが法律によって、受信料によってまかなわれるということになっております建前は御承知の通りでありますが、さような特殊な性格を持った、また目的を持ったNHKでございますので、このNHKに対しましては、放送の内容につきましても、いろいろ法律の上で期待をいたしておるのであります。新しい放送法改正につきましても、さらにまた文化的な要請をNHKにいたしておるのであります。さような公共性と申しますか、また放送内容につきましても、特殊な性格を持ったNHKであるということを、私どもは絶えず国民にPRをする必要があるんだということを考えておるわけでございます。しかし御指摘のように、今回の値上げに当りましても、いかに平素私どもがPRにつきまして努力が足らないかということを痛切に感じたわけでございますが、今後そのことにつきましては、さらに十分努力して参りたい、かように考えておるのであります。
○寺尾国務大臣 今回の値上げについて、聴取者大衆がこれに非常な賛意を表していない、こういう点は確かにそういう声もないではないと思います。私事を申し上げてはなはだ御無礼ですが、私などが今回の選挙に臨みましても、この値上げというようなことが私に非常なマイナスをもたらすということも私は覚悟はいたしております。しかし実際内容から申しまして、NHKの持ちまする大きな公共放送としての使命、また各家庭の子女に対する今後の教育、教養等の番組、こういうものは今回のNHKが拡充いたしまするこの事業内容としては最も価値のある、また聴取者、ことに各家庭に対して大きな成果をもたらすものではないか、こういうことを考えておるわけであります。従いまして、この値上げを御決定いただきますという段階になりましたならば、NHK自身がその放送をラジオを通じ、テレビを通じまして、この十八円の値上げをいたすことを国会でお許しを得た、御承認を得たということに対して、これをどういうふうに使っていくか、これからどういうふうにNHKがその大きな使命を果し、聴取者皆様方に大きく責任を果そうとしているのかという内容その他についての決意を十分聴取者皆様方にお知らせを申し上げるというようなことも最も重要な方法ではないか、またそういうことにおいて大きく御理解を持っていただけるということも確信をいたしておるのであります。政府といたしましてもこういったような面につきましては十分心をいたしまして、いたずらにNHKのための値上げではない、これは聴取者各位のための値上げである、こういう意味のPRをいたして参りまして、この値上げが許されました以上は、それに対する十分な責任を果して参りたい、かように考えております。
○秋田委員 大臣、選挙においてこの値上げが悪影響を来たすと御心配、危惧されておるようでありますが、御心配に及ばぬと私は思う。大臣の今の御所見まさにその通りで、NHKはこの値上げによってその公共放送として課されておる任務、文化向上のために、健全娯楽普及のために課せられておる使命を積極的に果すことによって、国民のための真の放送をやるということにおいて、その効果は国民に返ってくる。その点をしっかり腹に置かれて、しっかりPRをされて——それがまた政府当局の使命だ。また国民もいたずらに何にもしないで低い文化水準に甘んじておるものではない。終戦後NHKは二回ばかり値上げをしたのですが、それはインフレの後を追っかけておる。物価が高くなったその後を追っかけておる。今度の値上げはそれと性質が違うと私は思う。われわれ自身の向上によって、勤勉努力によって日本の経済力を増してきた。そこでわれわれはしばらくしんぼうしたから余裕ができた。わずかに十八円上げてもそれはインフレを起す原因ではないと思う。諸物価との比較を考えてみてもそれは明瞭です。そこでこの際はむしろ進んで文化の向上、使命の達成のために積極的に進む、それだけの余裕は日本の経済にあるのだ、ここに値上げの意義があるのではないか。その点をしっかり考えておいていただきたい。そこで今度のNHK予算の意義と申しますか、使命があろうと思う。 なおいろいろお尋ねを通じてそういう点を解明いたしたいと思いますが、時間の関係もありますので、一時野党の諸君に質問を譲りたいと思います。
○森本委員 今の値上げの問題が盛んに論ぜられておりまするが、その問題については私が日をあらためて質問をすることにいたしまして、ちょっとお聞きしたいと思いますが、今度のラジオとテレビのNHKの長期借入金でありまするが、ラジオの方が六億五千万円ですか、それからテレビの方が三十六億二千四百万円ということになっておるわけでありますが、これの調達はどうお考えになりますか。
○首藤参考人 ラジオの六億五千万円は長期借入金または放送債券によって調達する予定でございます。それからテレビジョンの借入金三十六億二千四百万円につきましては、テレビジョンの全国普及というのは実は先ほども申し上げましたように三ヶ年でこれを実行する計画にいたしてございます。従いまして一時に非常に多額の金が要るということになるわけでございます。なおこれを償還する時期を早めますためには金利が安いということがやはり必要になって参ります。そこで三十三年度におきましては、この事情によりまして、長期で安定しておって、しかも安い金利という必要から、政府にお願いいたしまして、簡易保険積立金の運用によりまして三十五億円借り入れをしておるわけでございます。明年度の三十六億につきましてもそのような趣旨からやはりできる限り多額の政府資金を融資願いたいとお願いしておるわけでございます。
○森本委員 これは電電公社の予算の編成の際にも問題になりましたが、今回のこの長期借入金の問題についても、三十三年度のNHKの予算を審議する際に、前田中郵政大臣が当委員会において、この政府の財政投融資はNHKの公共放送という建前から極力考えていきたいという御答弁がありましたが、この三十六億二千四百万円と六億五千万円の長期借入金の調達についてはかなりNHKとしても苦労するのじゃないかというふうに私は考えるわけであります。そういう観点に立っていきますならば、今回寺尾郵政大臣におかれましても、この長期借入金の問題については、やはり国務大臣として財政投融資その他について十分に考えていかなければならぬのじゃないか、この裏づけがなければこの予算案そのものは実際は魂が入らない予算になってしまうのじゃないかというふうに考えるわけであります。そういう観点に立った場合に、この予算案については郵政大臣が責任を持って国会に提案をしておるわけでありますが、そこでこの長期借入金の調達、いわゆる財政投融資という観点から考えた場合に郵政大臣はこれについてどういう考え方を持っておるか、この際一つ明確にしておいてもらいたい、こう考えるわけであります。
○寺尾国務大臣 御指摘の点、全くお示しの通りだと思います。特にテレビの長期借り入れの問題につきましては、私といたしましても所管の責任者といたしまして、できるだけこれに対する協力をいたしたいということで大蔵大臣にもこの点については一応話もいたしておりますが、細部の点に——これが御承認をいただけるということにつきましては、一応そういったような方向だけはきめておりますが、これが御承認を賜わるということになりますならば、具体的にその額その他も決定をいたしたい、そうしてあらゆる努力をいたしてみたい、かように考えております。
○森本委員 この予算案が通ったら細部についてどういうようにするかということについては十分に考えていくということでありますが、しかし前田中郵政大臣あたりは、この予算案を審議いたしまする際に、大体何億円くらいまでは私は責任を持って財政投融資について行なっていきたい、私は当該所管郵政大臣として責任を持ってこれは考えていくから、この予算案については何とぞ御賛成を願いたい、こういうふうな、なかなか明確な答弁をしておるわけであります。今回の場合も、今申しましたこの全額が調達できない限りにおいては、この予算案というものはほんとうに魂が入らない予算案になるわけであります。こういう点については大臣としても一応の考え方があろうと考えておるわけであります。そういう点については、今ここで細部についてどうこうというわけにはおそらく参らぬだろうと思いますが、しかし簡易保険資金については、これは郵政大臣の所管でありまするから、目の子算用でも大体このくらいのものは投融資ができるということははっきり計算ができると思う。そこで郵政大臣としてはこの予算を責任を持って国会に提出する以上は、この長期借入金については決して御心配ございません、私は所管大臣としてNHKに迷惑をかけるようなこともないし、また皆さんにせっかく御審議をいただいてもこの長期借入金については心配がなく私の方で調達をさすようにいたします、こういう答弁をするのが当然であります。そこで郵政大臣としては、この借入金の調達については最終的には財政投融資をもって責任を持ってこれをまかなう、こういうことをここではっきり言明をされることが私は至当ではないか、こう考えるのですが、どうですか。
○寺尾国務大臣 御意見としては全くその通りだと思います。従いまして、私は金額について最終的な結論はまだ得ておりませんけれども、私の責任におきまして御審議を賜わります以上は、これに対して責任を持って善処いたす、こういうことをお答え申し上げたいと思います。
○森本委員 NHKの方に聞きますが、この長期借入金の中で財政投融資の場合とその他の場合とで金利がどう違ってくるわけですか。
○首藤参考人 まず放送債券の比較を申しますと、ただいまの条件は、放送債券の利息が年利七分五厘でございます。これを発行します場合に、額面百円のものを九十八円で発行いたしております。そこで七分五厘、それから百円から二円というものが割引になります。なお放送債券を発行します場合には、放送法の規定によりまして、年度末に債券発行残高の一割を積み立てておくことになっております。金利とかそういう費用を計算しますと、放送債券を発行しました場合には大体年九分弱くらいの計算になります。 それから市中銀行から借ります場合には、これは金利がまちまちでございます。ただ最近におきましては金利がだんだん下って参っております。また先般市中銀行のきめた標準金利の採用によりましても、漸次これは有利な借り入れ条件になってくるのじゃないかと思っております。ただいま協会が借りております資金は大体日歩二銭ないし二銭一厘というところでございます。これは年利に換算しますと七分三厘から七分五厘というところになります。ただこれは七年、十年というような長い金ではございませんで、短期の金になっているわけでございます。
○森本委員 それはやはり財政投融資を行うということが、NHKとしては私は一番望ましい、こう考えるのですが、どうですか、会長。
○野村参考人 私もそう望んでおります。昨年末以来郵政大臣に私の希望を申し上げて、郵政大臣も責任を持ってこの建設資金はまかない得るようにするということの言明を得ております。私はそれは必ず実現するものと信じ期待いたしております。
○森本委員 今、会長からもお話がありましたが、くどいようでありますが、こういう結果になりますると、これは郵政大臣が全責任を持って、財政投融資という観点から調達をしなければならぬ、こういうことになると思いますので、一つ大臣、もう一回、この金額の範囲内とかなんとかいうことでなしに、この長期借入金については郵政大臣は全責任を持って一つ調達をするということを、この際明確にしておいてもらいたいと思うわけです。
○寺尾国務大臣 その通りいたします、
○森本委員 あと時間がありませんので、私はその他の質問は後日に譲りまして、これで終りたいと思いますが、一つだけ資料を要求しておきたいと思います。これはNHKに関係がございませんが、国際電信電話株式会社の当委員会に出されました営業成績から後の営業成績を、資料として当委員会に提出を願いたいと思います。
○淺香委員長 承知いたしました。 次会は明十二日木曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会