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31回国会衆議院1959/03/04

逓信委員会 第11号

発言数
100
登壇者
17
会派数
2
開催日
1959/03/04

会議録

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 これより会議を開きます。  電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  発言の通告がありますので、これを許します。平野三郎君。

平野三郎自由民主党

○平野委員 私はこの際、三色ブラウン管の問題につきまして、少しく政府の所見を伺いたいと存じます。  実はこの問題につきましては、すでに本委員会におきましてしばしば質疑が行われ、政府から御答弁もあり、また電波に関する審議会から政府に対する答申もなされておるわけであります。その間の事情につきましては、私もよく承知いたしておるわけでありますが、その後相当時日を経過いたしておりますので、政府といたしましてはこの問題につきまして御研究をせられておることと存ずるわけでありますけれども、その後の事情につきまして、政府として、どういう努力をせられたか、また現在はこの問題につきましてどういうふうにお考えになっておられますか、その間の事情につきまして、まず大臣から御所見を承わりたいと存じます。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○寺尾国務大臣 平野さんからの御質疑は、懸案のカラー・テレビジョン放送、あるいはカラー・テレビジョンの取扱に対しての政府の考え方はどうか、こういう御質疑のようでございます。しばしば御答弁も申し上げ、また御指摘のように、過日の電波監理審議会等につきましてもカラーテレビジョンの今後の見通しあるいはこれらに関します事項について諮問をいたしまして、その答申も出たわけでありますが、やはりカラー・テレビジョンというものが現在まだ世界の標準方式も確定をしていない。日本でNHK並びにNTV、また最近にはKRの方に試験放送をするという許可を与えたわけであります。日本で行なっておりますものは、NTSC方式、白黒いずれも受像できるというような相当簡便なシステムを選んでおることも御承知の通りであります。しかしながら、この標準方式というものがロスアンゼルスの四月の会議で論議せられるということが目前に迫ってもおりますし、また受像機についても一応試作品はできたようでありますけれども、これを量産をする、マス・プロにするということには相当の年月も要するというような見通し等もありまして、国民が待望し、またカラー・テレビジョンというものをできるだけ早く放送のできるようにあらゆる準備を進めて参ることを、今まで通り強く推進をして参りますことには何ら変りはございませんけれども、これらにつきましての諸準備、またそれらに対します技術的ないろいろの基準、こういうものを十分検討いたしまして準備を進めて参りまして、そうして慎重にこれらの諸準備の完璧を期して、しこうして本放送に入るということにいたしたい、かように存じております。

平野三郎自由民主党

○平野委員 今、大臣の御答弁によりまして、慎重にやるということについては、私どもも同感でありますが、慎重々々といっておっては、この問題の解決はできないわけであって、今電波監理局長が見えましたから、濱田さんに伺いたいのでありますが、わが国といたしましては、エレクトロニクスの振興ということに最大の力を注がなければならぬという感じを持っておるわけであります。従って、この三色ブラウン管の問題をいかにして早急に解決するか、一日も早く日本が率先してこの問題に挺身する必要があると思っております。今アメリカがどうであるとか、イギリスがどうであるとかいうようなことを言うて、ただ外国に追従するような観念ではいけないのであって、日本としては、平和文化国家たることを憲法によって世界に宣明をしておるのであるから、進んでこういう問題に進まなければならぬ。それにはただ慎重と言っておるだけではいけないのであって、このカラー・テレビジョンにつきましても、アメリカがまだごたごたしておるからとかいうことでなくて、むしろ日本が進んでやる必要はないかという立場から、お尋ねをしておるわけであります。今まで本委員会ではたびたび問題になっておりまして、大臣の御所見はよく了承いたしますが、電波監理局長とせられて、その後どういう努力をしておられるか、どういう見解を持ってこの問題に対処しておられるかという具体的なことにつきまして、少しく御所見を承わりたいと存じます。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 平野委員の電子科学あるいは電子光学の画期的な振興をはかる必要につきましてのお話を伺いましたが、全く私も同感でございます。わが国の経済基盤の強化をやるために、エレクトロニクスが最も重大なる中核的な意義を持つということは、私どもも深く考えておるのであります。それに関連いたしまして、カラー・テレビはエレクトロニクスのもろもろの技術の中で最も複雑な、かつ総合的研究を要するものであることは御承知の通りであります。従いまして、私どもはカラー・テレビのなるべく早い開発を、できますならばわが国独自の力によってやりたいという強い念願を持っておるわけでありまして、これにつきましていろいろな施策を進めなければいけないのであります。慎重々々と申しまして、何もやらないというのでは絶対にありません。たとえば、カラー・テレビ調査会というものが設けられまして、カラー・テレビジョンのいろいろな問題につきまして論議をしております。同時に、カラー・テレビ調査会が研究開発を推進するようないろいろな手をとるように、絶えずそれに対しての注意あるいは奨励を与えているわけでありまして、たとえば単に調査にとどまらず、カラー・テレビの研究団というふうな名称のものを早く作って、ただに放送会社あるいはNHKのみならず、大学の研究者も加わりまして、できますならばわが国独自の、日本の国情に適した、最も日本聴視者のためになるような、あるいは現在の社会情勢に最も適するようなカラー・テレビジョンの方式を考えるようにぜひやってもらいたい。特にNHKにおきましては、その性格からいい、あるいは現在の諸情勢から勘案しましても、最も責任を持って独自の開発研究を推進すべきであるという考えを私ども持っておりまして、絶えずNHKの研究所あるいは会長に進言いたしております。  ついでに申し上げますが、世界の情勢は、アメリカのNTSC式というものが最も実用になる可能性をただいまのところ示しているのでありますけれども、これはアメリカにおいても不人気でありまして、なかなかそれが普及するに至りません。ドイツもフランスもイギリスもこの方式の研究をやっておりますけれども、同時に、最もよい、最も技術的に進歩した、あるいは経済的にも適当なものはないというので、各国とも研究を進めておるわけでありまして、私どもの考え方としては、アメリカがどうであろうと、イギリスやドイツがどうでありましょうとも、日本は日本として、日本の国情に適した標準方式を考え、それによって実施をはかるべきである。そういう意味において、われわれは軽率に外国のまねをしない。アメリカのものをそのままやるというようなことは決してしない。そういう考えを持っている次第でございます。

平野三郎自由民主党

○平野委員 今アメリカで非常に不人気であるというお話でありましたが、まず実情をよく分析する必要があるわけであります。アメリカにおけるところの白黒テレビというものが現在どのような普及状態にあるか、またこれは今後どういう方向で進んでいくかということ——アメリカとキューバだけがやっておるわけでありますが、アメリカにおける現在のカラー・テレビジョンの普及の状況、今日までの趨勢、今後どういうふうな方向にいくかという点、並びに日本においてかりに今のアメリカの方式でやった場合において、どういう状況になるかという点の見通しを一つ承わりたいと思います。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田政府委員 アメリカの白黒のテレビは、御承知のように現在約五千万台に達しました。私の予想では大体飽和状態に近からんというように見えます。でありますから、もし非常に技術的によいものでありますならば、アメリカ人はカラー・テレビに移行していきそうなものだと考えている次第であります。すでにアメリカは白黒テレビジョンをスタートいたしましてから十数年を経過しておりますので、もはやこの白黒テレビのセットも古くなったものが多数にあると思うのでありまして、非常に適当な、社会的の効果もよいカラー・テレビジョンであるとアメリカ人が認識すれば、必ずやカラーに急速に移行する、急速でなくても、きわめて堅実に移行していくだろうということを私どもは初めから予想しておりました。ところが、意外にも進展が非常におそうございまして、目下のところ三十数万台の普及にすぎないというのが実情であります。アメリカに行ってごらんになった方のお話によりますと、どこにカラー・テレビのセットがあるのかなかなか発見すらも困難である。それから実際にカラー・テレビを持っておられる家庭を訪問して実見された方のお話を聞きますと、なかなか調整が困難であって、しろうとでは使えそうもないというふうなことも言っておられますし、このアメリカで普及しない理由がいまだ明確でありませんけれども、多分色についてのアメリカ人の認識が、われわれが考えておるよりもシビアである、厳格な批判をしておられるということが第一点、第二点は、経済的にまだ高く、白黒テレビに置きかえるほど安くない、調整が困難であるというふうな点が、普及をおくらしておるものであろうと考えております。  なお、これにつきましては、最近アメリカに行く機会の多い人もおりますので、その方々に調査していただきまして、ぜひ明確なる理由を発見してきていただくようにお願いしておる次第でございます。日本の今の情勢といたしましては、白黒テレビの全国普及ということが第一の問題でありまして、今年の終りから来年の半ばぐらいになりますと、第一次のチャンネル・プランによりますところの八割くらいの白黒テレビの全国普及が達成いたします。それまで各民間会社、NHKともに白黒テレビの建設、普及に大わらわでありまして、カラー・テレビジョンあるいはFM放送などまで手を伸ばすだけの余力があるかどうか疑わしいというふうに私どもは考えております。それが現状でございまして、カラー・テレビジョンを日本に今持ってきたらばどうかということは、まず白黒テレビの普及が第一だ、これの普及が促進せられて、相当多数の人が、白黒テレビを置いて、これを見、あるいは批判し、その影響等を十分考えて、しかる後にカラーについて、どういう程度の色彩のものがテレビジョンとして適当であるかということにつきましての正確な批判力が生まれてきて、そして受け入れ態勢ができましてから、ゆっくりこれについて判断をするがいい、そういうふうに私は考えております。

平野三郎自由民主党

○平野委員 今のゆっくり判断するがいいというようなことでは、納得がいたしかねるのであります。  この際、大臣に重ねて私はお伺いいたしたいと思いまするが、とにかくテレビジョンは、白黒よりもカラーになればいいにきまっておるわけであって、一日も早く白黒をカラーに変えていきたいということは、だれしも一致しておることと思うのであります。しかしながら、単に、今部分的にはできておりまするが、見せもの的な考え方でいくというふうなことは、電波法の精神によるところの、電波は不偏公平でなければならぬという見地からいっても、慎重に考えなければならぬと思うのであります。結局、問題は、技術の問題であり、同時に価格の問題であるわけでありまするが、その点においてまず技術の問題をいかにして解決するか、また同時に、これを工業化するについて、いかに低廉にして豊富なるところのカラー・テレビジョンを供給していくかということについて、政府としては努力をしなければならぬと思うのであります。この点については、郵政大臣とせられて非常な決意でこの問題に対処しなければならぬと私は考えますが、これに関する大臣の決意と御所見を伺いたいと思います。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○寺尾国務大臣 カラー・テレビジョンをできるだけすみやかに本放送する、放送を開始するということについては、異議のないところだと思うのであります。現段階におきましては、御承知のように実験放送が行われておる。過日の電波監理審議機関に私が諮問をいたしましたその答申の中にも、単なる実験ということだけにとどまらず、実験室から外へ出る、そうして実際のカラー・テレビジョンの放送の形——いわゆる実験室から外へ出るというような答申もあったのでありますから、本放送に対する諸準備として、私は、この実験放送というものに相当力を入れていくべきであるということには、これはそういう方針は持っておりますけれども、しかし、ただいま申し上げましたように、技術的にこのエレクトロニクスのいわゆる総合的な、あるいはまたその最高の科学の電子科学その他の総合的な、いわゆるカラー・テレビジョンに対する最高度の技術、こういうものを得るということに、アメリカのような進んだ国でさえも必ずしも完璧を得ていないということでありまするから、この点についてはもちろん努力はしなければなりませんし、また努力を続けていっておりますけれども、しかし、これが果して世界の標準方式に対しての、むしろ日本が独特のカラー・テレビの方式をここで打ち立てるというこの理想というものに対して、現実にこれの成果を上げるということについては、相当さらに研究を続けるという必要があろうかと思うのであります。  同時に御指摘のように、やはり放送法にも示されておりますように、これは大衆を相手として、各家庭を対象にして放送というものが行われるということでなければ、放送というものの、いわゆる目的、あるいはこの放送が大衆のかてとして、しかもカラー・テレビジョンのような科学の粋を結集した高度の放送のほんとうの意義というものは、効果というものは出ない。だから、できるだけすみやかにこの実験放送の域から脱して、各家庭にこれを一つ放送し得るような時代を作らなければならぬ。それには、今の技術的、経済的な面をあわせて研究をして、できるだけ安い受像機、それと今局長が指摘を申し上げましたように、操作のしやすいものを作らなければならぬ。これは簡単に申し上げれば、慎重ということになって、このことはよほどむずかしい問題でありまするから、今局長が申し上げましたが、結局は技術的、経済的な面において十分これを研究をしていく、あるいはまた成果を上げていくということに尽きるということでありまして、いろいろ国際会議等も行われておりまするし、また日本の研究も、民間等の研究もかなり進んでおりまするから、たとえば方式さえきまれば、いわゆるメカニズムがはっきりいたしますならば、私は量産をするということは、日本の工業力をもって、生産力をもってすれば可能だと思います。これは相当成果は上る。しかし、そのもとになるいわゆる技術的な研究というものが、今完成に向って努力をしていっているという状況でありますから、ひたむきに一つ経済的、技術的な面を十分検討していくということであろうかと思います。

平野三郎自由民主党

○平野委員 要するに、結局この問題は技術的並びに経済的ということに尽きるわけであります。これはやはり科学技術庁及び通産省においても御研究願わなければならぬ問題でありますが、科学技術庁と通産省の御所見を伺いまして、私の質疑を終りたいと思います。

鈴木清次総理府技官(科学技術庁長官官房科学調査官)

○鈴木説明員 御答弁申し上げます。科学技術庁におきましては、エレクトロニクスの技術の振興ということにつきまして熱意を持って努力をいたしておるのでございますが、そのうちの一つの重要な問題といたしまして、カラー・テレビジョンの問題を取り上げております。それにつきまして、現在行われておりますNTSC方式自体につきましても、まだ技術的に完璧であるとは認められない点も多々ございますので、そういう点も含めまして、かつカラー・テレビジョンはNTSC方式だけに限定されるものであるかどうかという点も考慮しまして、電子技術審議会に科学技術庁長官から諮問をいたしまして、現在カラー・テレビジョンをすみやかに実施し得るための技術的ベースの研究を促進するための審議を継続中でございます。いずれ審議の結果を待ちまして、技術的にカラー・テレビをどういう工合に実現すべきかということについて、科学技術庁としまして十分検討を加えていきたい、こういう工合に考えておるわけでございます。

重見通雄通商産業技官(重工業局電気通信機課長)

○重見説明員 通産省といたしましても、郵政省と密接な連絡をとって、この問題に対処しているわけでございますが、一番問題になりますのは、カラーの受像機の問題でございまして、この点について私どもの方には二つ問題がございます。  一つは、受像機の国産化、とにかく輸入をなるべく少くするというか、またでき得れば輸入をしないという、完全な国産化をはかっていきたいと思っております。それからもう一つは、たといカラーの放送が始まるにいたしましても、低廉な受像機でないと普及が伸びませんので、受像機の低廉なものができるようにしていく、こういうことが実は方式の方にも関係があるかと思われますので、その点を方式決定までに慎重に連絡しながら、いろいろ研究を重ねていくというようなわけでございます。  特に普及の問題に関連しまして、それから国産化の問題につきましても、大きな問題は、これに使いますトリカラー・チューブの国産化でございまして、それにつきましても、現在アメリカで行われておりますような大型のものでは日本の国情に合うかどうか、あるいは普及の点も問題であろうというようなことでございますので、特に新しいものとしては十七インチの角型のブラウン管の試作にかかる。これは外国に例がないわけでございますが、こういうものも検討していく。こういうようなことを、ここ過去二年半にわたりまして、かなりの補助金も交付いたして研究を続けておるというようなことでございます。大体現在としましては、外国から輸入した部品による組み立てを一応完了したといいますか、一応の試作はできたという段階でございます。今後その部品類の完全国産化をはかっていく。それで時間的にも非常に迫られておると思いますけれども、そういう万端の準備を整えてから本放送に入るということが望ましいのではないか、というふうに考えるわけでございます。

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 金丸徳重君。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 私は先般御説明をいただきました日本電信電話公社の事業概況に関連いたしまして、二、三の点について電電公社御当局にお伺いを申したいのでございます。御説明によりますると、第二次五カ年計画に入りまして以来、いろいろの事情がありまして、必ずしも世間の要望を十分に満たすだけの御計画になっておらないような節もあるようであります。この点大へん気になるのであります。たとえば地方におきます電話加入の申し込み積滞数といいますか、そういうものも将来に向ってぐんぐん減って参るというような期待を持っておったのでありまするが、この予算をもっていたしますると、必ずしもそういう期待が持てない、希望が持てないような節も現われております。また町村合併その他に関連いたしまして、地方の電報電話局の統合がかなり強く期待されておるのでありますが、これも必ずしも予定通りに進みかねるような心配もある。ことに私どもが非常に期待をいたしておったところの、電電公社としての大きなヒットであると思われまする電話サービスの地方への普及といいますか、今まで電話の恩沢に浴し得なかったような山間地帯に向って大いにその計画を及ぼしていこうというような、非常に大きな政策の面が、必ずしもことしの予算に十分に盛られていないようでございます。私どもは、この政策を通じて、文化の均霑と申しますか、都会中心主義の今までの行き方からいたしまして、地方へ重点が置かれて、地方と都会と相平均するような、文化の均霑度合い、生活環境の一致した状況下において、いい社会生活を営むということに大きな希望を持っておったのでありますが、これを伺いますると、この方面に力の入り工合というものが、私どもが念願いたしたところから見ますると、かなり低いものに思われるのであります。こうしたことから考えまして、果してこの計画をもって御満足なさっておられるのか、あるいは御不満であるとしまするならば、その御不満をなおかつ解消し得なかった原因というものがどこにおありであるか、将来に向ってそれらを打開する道というものはどういう方向に御努力になられるのか、総括的にお伺いをいたしたいのであります。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○大橋説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。  電電公社が創立いたしましてから、さっそく第一次の五カ年計画というものが策定せられて、昨年度の三十二年度の終りで一応完結いたしたことは御承知の通りであります。この間五カ年間に百九万の加入者をつけまして、大体毎年二十万以上の数になっております。しかし、これでもって十分地方の要望が満足されたとは考えておりませんので、直ちに第二次の五カ年計画の策定に当ったのであります。その際の考え方としまして、計画を立てた当時の状況からいいますと、まず大体毎年二十四万ないし二十五万程度の新規の申し込みがあるだろう、こういう想定のもとに、年々二十七万程度のものをつけていきますれば、まずそのときの新規需要を十分満たしたほかに、積滞数も数万ずつは減していけるだろう、かような当時の推定のもとに、五カ年計画が策定されたのであります。ところが、いよいよ本年度から実行に移ったわけでありますが、初めの予想に反しまして、最近新規需要というものが非常に増して参りました。世の中が不景気だといわれておるにもかかわりませず、三十一年度においては三十四万の新規の加入申し込みがありました。三十二年度においては三十三万の申し込みがあって、初めの予想をまず大きく裏切った形になったのであります。この原因についてはいろいろ考えられるのでありますが、ともかくもさような一般の要望が非常に熾烈であるといたしますれば、初めの予定の第二次五カ年計画を遂行いたしたのでは、どうも初めの一般の要望を満たすことがとうてい困難だ、かような状況に立ち至りましたので、三十四年度の、つまり来年度の予算におきましては、とりあえず少くとも三十万以上の新規加入をつける事業案を立てなければどうもいけないのだ、かような想定のもとに、最初二十七万という予定をさらに上回った計画を立てて予算を要求いたしたのであります。いろいろ財政上の関係その他の理由から、結局三十万の予定というものが、予算をいただくことができなかったのでありまして、御承知の通りに二十八万の加入者をつける、かようなことで、来年度の予算がここに提出されておるわけであります。しかし、この状況ではますます積滞数がふえる。現に積滞数は現在六十万に達しております状況でありますから、どうしてもこの第二次五カ年計画というものは改定の必要があるだろう、かように考えまして、目下第二次五カ年計画の改定について調査を進めております。  それから、地方の状況がことに悪いではないか、農村の合併なり、あるいは山村地帯の電話がどうも不足している。これはお説の通りと思います。ことに第一次の五カ年計画におきましては、当時戦災によってほとんど壊滅状態になった電話を復旧いたすためには、なかなか全国にわたって一律にやっておったのじゃうまくいけないということで、まず大都市の方を最初に手をかけて、まず復旧を試み、ややその方が復旧いたしたときに地方の農村の方へ移っていく、かような当時の方針のもとに、第一次計画が立てられたのであります。今度の第二次五カ年計画におきましては、大体都会方面がある程度まで復旧いたしましたので、農村の方へも相当力を注がなければならぬ、かような考え方のもとに町村合併に対するいろいろな施設、また無電話部落の解消という方面にも力を注ぐ、こういうことで、第二次五カ年計画ではその方面に相当の計画を載せておるわけであります。しかし、もちろんこれでもって満足だとは考えておりません。従いまして、今後の第二次五カ年計画の改定についてもその点を十分考究いたしたい、かように考えております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 今の御説明によりまして、年々三十万、あるいは三十万以上にもなるところの新規申し込みに対して、ことしずいぶん御努力なさっておるのにもかかわらず、財政その他の諸条件に制約されて、辛うじて二十八万というようなことであるように承わるのであります。この状況をもっていたしますると、現にあるところの六十万、それからここ両三年来進んでおるところの一年に三十万以上の加入希望者がふえておるというようなことから勘案いたしますると、この六十万の積端数というのは容易に減るどころか、ますますふえて参るような傾向になるのであります。そして御説明によりますと、地方にも大いに力を入れておる、こう言われまするが、先般ちょうだいいたしました予算説明の中で承わりますと、実際に地方へ振り向けられる金というものは、たとえば農山漁村の電話普及特別対策などにおきましては、わずかに前年度に二億円だけ増そうというようなことでございます。それ前の町村合併の電話サービスの改善というようなことにつきましては、これもやはり二億円だけ増しております。増さないよりも増したことにはなるわけでありますけれども、全体の電信電話事業の増す割合に比較いたしますると、ほんの申しわけ的なものになるようであります。これというのも、全体のワクが足らないために、やむを得ず地方の方を押えてしまったというようなことになろうかとも思われるのであります。そこでお話の中にありました財政その他の悪条件に制約せられると言いいますが、財政その他の悪条件は、おそらく財政が一番大きな原因をなしておると思います。その点についてもう少し具体的に御説明をいただきたいと思います。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○大橋説明員 ただいまの仰せのこと、ごもっともであります。私も全く同感であります。結局問題は、どういうふうにして外部資金が得られるかということが最後の唯一のかぎであろうかと思うのです。現在八百五十億の建設予算であります。そのうち約八百億というものが自己資金並びに加入者の引き受ける公債、社債、こういうものでまかなわれておるのでありまして、あとの五十億だけが、二十五億が簡保等の資金、あとの二十五億が一般公募による社債というものが認められておるのであります。結局ほとんどできるだけの自己資金というものを動員して、それ以上自己資金としてはもうほとんど出しようがない状態なんです。そうすると、外部からの借入金なり社債等がどの程度得られるかということが、将来の拡張のかぎになるかと思うのであります。そこで私ども五カ年計画の改定を目下研究いたしておりますが、これを大きくするについては、最後の限界というものは、どの程度外部資金が得られるかという点に帰着するかと思います。従いまして資金調達の問題は、私どもの目下の研究題目として最も力を入れて研究をいたしておるところであります。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 建設改良計画の所要資金の大部分を、自己資金といいますか、自己資金に関連する中からまかなわなければならなような状況であると承わったのでありますが、なぜ外部資金がそんなに獲得困難であるのか、私はこの点非常に了解しかねるのでございます。大臣がいらっしゃいせんので、これは内閣全体の方針にも関連することでありまするが、その点について実は私も不思議に思いまして、ことしの予算編成方針を見たのであります。この予算編成方針の中には、ずいぶんと経済基盤の拡充強化というものをうたってございまして、その方面の基礎建設といいますか、土台を作ることに力を入れるということが、三十四年度の予算編成方針の第一に強くうたっておる点でございます。そうしてその中に、道路、港湾に大いに力を入れるということもうたってあるのでございます。まさに道路、港湾などは経済基盤のねらいといたしましては大事なところでもありましょうが、しかし、それ以上に交通、通信こそ経済基盤のほんとうの大事なねらいでなければならないと思う。しかるに予算編成方針には何ら触れておりません。もちろん、これは特別会計であるからという、従来の行きがかりといいますか、そういうものが一つの言いのがれの点になっておるかもわかりせんが、これは非常に残念なことでありまして、道路、港湾に力が入り、道路、港湾に相当の国家資金が注がれるということでありまするならば、それ以上に、この予算編成方針にうたわれる、うたわれないにかかわらず、実際の資金面においては大いに考慮が払われなければならないと思うのでありまするが、この点について、単に予算編成方針にうたわれないばかりでなしに、実際問題におきましても、ただいま電電公社総裁から嘆かれたように、外部資金としては全くのわずかのものきりこれに注がれていない。これは一体どういうことでありましょうか。大臣がいらっしゃいませんから、一つ政務次官からその辺のいきさつをお伺いしたいのであります。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○廣瀬政府委員 経済基盤の確立強化に交通、通信が非常に重大なる役割を持っておりますことは、御指摘の通りだと思うのであります。従いまして自民党といたしましても、通信政策の拡充強化ということは一つの大きな柱にいたしております。そこで、電電公社の明年度の建設計画でございますが、これは私どもといたしましては、さような党の立場からも、また事業を担当いたしております立場からいたしましても、ぜひとも明年度は第二次五カ年計画の第二年度目に当るのだ、そこで、建設計画といたしましては九百五十億程度の計画を立てて進みたい、そのためには二百十億程度の純然たる外部資金——俗にいう外部資金でございますがを獲得したいということで予算の折衝に当ったわけでございます。ところが、御承知のように第二次五カ年計画といたしましては、総建設計画の額が四千百億円ということになっております。最近電話の需要がいろいろな事情によりまして非常に増高して参っております。さような観点から明年度は九百五十億の建設計画で進みたい、かように考えておりましたけれども、第二次五カ年計画の全体というところから申しますと、一応八百数十億というような数字が出て参るわけであります。そこで、実はもう少し早く私どもといたしましても、第二次五カ年計画全体を、最近の電話の需要に即応いたしまして拡大修正をやっておきますならば、予算の折衝のときに理解が早かったかと存じますけれども、明年度の予算の折衝に当りましては、それが間に合わなかったという不利があったわけでございまして、大蔵当局その他関係の向きの了解の取りつけが非常に難渋いたしまして、結局八百五十億という総額に落ちつかざるを得なくなったわけでございます。しかし、これは本年度の七百五十億プラス弾力条項という、そういう金額に比べますと、自己資金の拠出と申しますか、それには非常に多額の御無理を申し上げたのでございますけれども、全体の建設計画としましては百億の増額をいたしておるわけでございます。  そこで、この際将来の第二次五カ年計画の全体を再検討しよう、そうして明年度からさらに外部資金の獲得に、はっきりした方途を定めて具体的に折衝していこう、そういうようなことが肝要であろうということで、党といたしましても、通信政策の重要性にかんがみまして、最近党内に電信電話拡充の特別委員会というものを設置いたしまして、鋭意検討を加えて政府の施策の一助にしていきたい、かように党の方でも考えていらっしゃるようでございますので、私どももさような特別委員会が党内にできたということは、非常に力強く思っておるわけでございます。先ほど党の政策がこれこれだからという御発言もございましたので、御参考までに自民党の状況を申し上げておきます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 政務次官の御説明によりますと、電電公社の第二次五カ年計画に対する御説明なり御計画の進行がもう少し早かったならば、それをもって政府部内においても郵政当局としての努力を大いに払うべき機会もあったであろう、というような口吻が漏らされておるのであります。しかし第二次五カ年計画はことしに始まったわけではないのでありまして、もう長い間進んで参ったことであります。今さら電電公社の説明を聞かなければ、閣内において努力が払えないということであるはずがないと思います。いわんや閣議決定になりましたのは十二月の一日である。この予算編成方針がきめられたのはそういうことである。そのときにはすでに電電公社としては九百五十億、もしくはでき得べくんばそれ以上の建設改良予算をもって、この社会の要望に沿いたいという熱意が示されておったはずなのであります。私がお伺いいたしたいのは、そういう電電公社の強い要望を閣内において郵政大臣はどういうふうに御処理なさったかということであります。その点をもう一度承わっておきたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党郵政政務次官

○廣瀬政府委員 電電公社の拡充計画につきましては大臣も非常な関心と熱意を持たれまして、閣議におきましても大いに主張されましたし、また予算の獲得につきましても大いに御奮闘されたわけでございますけれども、国の全体の財政投融資計画等の関係もございまして、また先刻から申しておりますように、いろいろ相手方に認識させる根拠と申しますか、そういう点につきまして、いささか遺憾の点も、私どもといたしましてありましたわけであります。せんじ詰めれば、私どもの努力の足りなかったせいかもしれませんけれども、さようなことになったわけであります。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 非常に御苦労になったにもかかわらず、こういう結果と相なったことにつきまして、政務次官は大臣の御意向をもくんでの遺憾の意を表明せられております。つきましては、今後における一そうの御尽力をお願いする以外に今となってはないわけであります。  そこで次に進むわけでありますが、先ほどのお言葉の中で、自己資金について無理をお願いして、ようやく八百五十億の建設計画を進めることに相なったということであります。私どもが見ましても、いかにも無理をなさった気配があります。あまりにも自己資金にたより過ぎているきらいを持ちます。これというのも、外部資金がとれなかったということのやむを得なさ、まあ電電公社といたしましては、板ばさみになった関係上、やむを得ず、それを郵政当局の、といいますか、政府当局の無理を聞き入れざるを得なかったというように了解せざるを得ないのであります。その無理な点を、なお今後におけるいろいろの処置にも関連いたして参りますから、お伺いをいたしたいのでありますが、本年度の予算を見ますると、収入の伸びが電電公社、ことに電話収入におきましては、一割以上になっておるようであります。一一、二%になるのでありましょうか、この点は日本全体の経済の伸びが、三十四年度において四%ないし、よく見込んで六%、大体五%程度じゃないかと見られる際におきまして、少し見過ぎておるのではないかという心配を持つのであります。これと同じようなほかの事業の収入の伸び、事業の伸びと比較いたしますると、郵政事業において、郵政大臣の御説明によりますと、三十四年度が三十三年度と比較いたしまして八・二%でありましたか、そういう御説明を受けておるのであります。また鉄道はわずかに二%きり増を見ておりません。専売がどうかと思って見ましたら、これが三・六%ちょっとになりましょうか、私の手元にあるところの資料によって見ましただけでも、こんな状況であります。放送事業などにおいては、とうてい伸びは見られないということで、料金改訂というようなことを持ち出しておるのであります。これらと関連して考えてみますると、電話事業における一〇%以上の伸びを見込むということは、相当無理をされた——外部資金が得られない、しかしながら、そういう中においても、建設改良における社会の要望に沿わなければならないやむにやまれぬ状況からして、しいて伸びをよけいに見込んだのではないかというような心配が多分に持たれるのであります。そうしてそのことは、このちょうだいした資料の上におきましても、たとえば度数料などにおいては、二割以上にもなるほどの増を見込んでおります。それから公衆電話料などにおきましても、二割近い増を見込んでおる。こういうような増の伸びの見方というものが、果して適当とお考えになっておられるかどうか。やむにやまれずして、どこからか形だけでも財源を生み出さなければならないというような、やむにやまれないお気持から、こういうような予算を編成なさったのか、収入の伸びを見込まれたのかどうか、それらについて一つざっくばらんの御説明をちょうだいいたしたいと思います。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○大橋説明員 ただいま将来の伸びその他に関連いたしまして、少し無理な増収を見込んでおるのではないか、自己資金の捻出方法に無理があるのではないかという大体御説のようであります。お言葉を返すようでありますつが、決して無理はやっていないつもりであります。最小限度出せるだけのものは出しましたけどれも、決して無理をして自己資金を出しておるわけではありません。  それから収入の増の問題でありますが、これは三十三年度の上半期は、ほとんど横ばい、もしくは予定よりも多少減収の月もあったのでありますが、下半期になりましてようやく予定よりも幾らか収入の増に、実績において転化して参ったのであります。結局将来の増収見込み、収入の見込みは、四月から九月までの状況をもとにいたしまして来年度の収入を算定いたしたのであります。決してその間の事柄に増収をよけい見込んだということはないのであります。それからいま一つの、ほかの鉄道なりその他のものに比べまして、通信の方では、昨年増設いたしましたものは確実にその前の年に比べますと、それだけ収入が増して参るわけであります。それから一般の今までの経験によりましても、むろん世の中の景気不景気によって影響は受けますけどれも、ほかのものに比べて通信の、ことに電話の収入の利益率が比較的に少いのでありまして、現に非常に不景気だというときも、申し込みが常に予定よりも上回った申し込みがあるくらいでありますから、大体通信の量というものは、世の中の不景気を受けることが比較的少いのではないかと思います。それと、先ほど度数料のことについてのお話でありましたが、これは御承知の市外通話の即時化に伴いまして、今まで市外通話として計上されておったもので度数料の中に入ったものが相当ありますので、そういうことの関係が相当現われておるのではないかと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 今の総裁の御説明に関連いたしまして、政府の方から御所見を承わりたいと思います。

松田英一郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○松田政府委員 私ども郵政省といたしまして、公社の予算につきましては大蔵省と協議をいたしましてこの結論に至ったわけでございますけどれも、ただいま公社の総裁から御説明がございましたように、この収入の見込み方等につきましても私ども詳細に調べたわけでございます。その結果といたしまして、この見込み方というものは決して無理に見込んだという数字ではなくて、来年度の予想というものを立てまして、経済の伸びも、ただいま申されました一割というふうな。パーセンテージの増を見込んだということではなく、いろいろ公社の収入の上ってくる施設その他等から勘案いたしまして、まあ大体この程度の数字はいいところであろう、公社もそう考えるというふうなことで算定された数字でございます。そのほかの度数料の非常な増加、これはただいま総裁が言われましたように、公社の収入の経理の仕方と申しますか、そういったものからくる増になるわけでございまして、その他自己資金全体としてながめまして、この程度のものをしゃにむに無理をして出させるために出さしたというよりも、公社として事業計画の増加をねらうためには、みずからもできるだけのことをして自己資金はこれに充てる必要があるというふうに考えて出された数字と私ども考えましたので、妥当と認めたわけでございます。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 決して無理があるわけではないというお答えでありますと、大へんけっこうでありまするけどれも、先ほど外部資金獲得のために御努力なさった当局の政務次官のお言葉の中に、無理をお願いしたというようなこともありましたし、その言葉じりをとらえるだけではありませんが、私はそのような外部資金獲得の困難にもからんで、あるいは電電公社の方で無理をなさった、無理ということになりませんとしますならば、まあぎりぎりのところまで盛り込んだというような心配を持ったものですから、その点を念を押してみたわけであります。無理がないということであれば、大へんけっこうでありまするけれども、ただ私は、この点今後における外部資金を獲得する上において、この程度の自己資金が常にまかなわれるんだ、あるいは今後におきましては、さらに拡張改良の結果といたしまして、一そうの伸びが期待されるんだということでありますと、今後一そう外部資金等の獲得はその必要がなくなりはしないかというような心配を持つのであります。もちろん外部資金によらずにやられればいいのですが、私はしろうとでありますから、そういうことが言えるかどうかわかりませんけどれも、新しい仕事を進めていく、建設計画をする上におきましては、多くの場合多くの事業というものは、これを外部から借りてきて、そうして将来に向って長き期間をかけてこれを償還していくというところに、事業拡張の理想の形態があるのです。現に加入しておるところの人たちからの収入増によって将来の新しい加入者、あるいは新しい建設への資金をまかなうということはそれ自体私は少し無理なことではないか、理想の態度ではないのではないかと思うのであります。もしそういう余裕があるとしまするならば、それこそはむしろ料金低下に向けなければならないのだろうと思うのであります。もちろん拡張によって現に加入しておる者の受けるところの便益の増ということも考えられます。そういう点はよくわかるのでありますが、しかしながら、それ以上の拡張予算については、むしろ私は外部資金にたよるべき本質的なものを持っておると思うのです。それ以上のものがあるとしまするならば、それは料金の低減に向けらるべきものではないかと思うものですから、そこで大きな拡張あるいは改良計画をする場合におきましては、それは相当の分量を外部資金にたよるべきであると思っておったのであります。ところが、この程度のものならばできる。将来今のような伸び方でいきますならば、さらに自己資金で分担すべき面は増してくるということになるでありましょうが、それらの点につきまして、どういう御見解を持っておられましょうか、もう一度お伺いいたしたいと思います。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○大橋説明員 ただいまの仰せはごもっともな点が多いと思うのですが、私の方といたしましては、今日のような趨勢で三十数万にも上るような新規申し込みがある。そうして一方には六十万をこえるような積滞数がある。従いまして、当分の間はどうしても三十数万年々新規増設をするにあらざれば、その積滞数が減ることがないという情勢のように考えられるのであります。従ってさような増設をやるためには、どうしても外部資金を相当今後注入するのでなければ、かような計画は実行はできないと思っておるわけであります。従いまして今後第二次五カ年計画の改定等をやる場合には、ぜひともこれ以上のもっと大幅な外部資金の導入ということについて考えなければならない、かように考えておる次第であります。  なお、料金のむしろ値下げにそういう金があるなら回したらどうかということですが、先ほど申しました八百五十億のうち八百億というもの、大部分が自己資金でまかなわれておるということは、言葉をかえていえば、料金といいますか、電話料の収入の方からの剰余からも出ておるということになるのです。ところが、この八百五十億の建設資金というものは、その大部分は実は改良でありまして、新規の拡張の分はむしろ小さなものになっておる。従いまして、改良費の相当の部分を料金でまかなうということは、決して不当に金を使うことにはならないのであります。のみならず、先ほどのお言葉でもありましたように、電話の加入者は将来新しい加入者がふえるに従ってむしろ便益は増すわけでありますから、従って建設費の二部にもその料金の一部分を回しても不合理ではない、かように私どもは考えておりますので、現在のところでは、特に料金を下げなければならぬとは考えておりません。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 私も今料金問題に直接触れることは、そのときでないと思いますが、ただ、あまりに自己資金にたより過ぎるきらいがあります。また、たよってもいいようなお考えをもしかお持ちでありますと、勢いのおもむくところ、そういう方向にまでなる心配を持ったものですから、念のためにお伺いをいたしたのであります。  そこで、今までのお答えによりまして、伸びが、なるほどほかの事業あるいは日本経済の全体の伸びに比較して現実に多いのであれば、これは無理ではないのだ、これくらいのものは十分期待してよろしいというお答えであります。その通り受け取る以外にはないのでありますし、またそうあってほしいと私どもも思います。思いますけれども、しかし何か知らん、私は今までのいきさつから考えまして、少し伸びをよけい見過ぎた心配があるのではないかと思います。ことに公社制度の特質といたしまして、給与面において、これは従業員の勤労意欲を増すといいますか、あるいは業務における改善その他において、努力の結果としての事業費の節減というようなものを期待するという意味におきまして、特別給与制度などがとられております。そして、それはやっぱりある目標を立てて努力をして、その結果として現われたものについての特別給与でありますから、もしお話の中にありましたように、ことしの収入見込みがかりに無理ではないといたしましても、ぎりぎりのところまで見込んであるといたしますと、この公社制度の一大特質である従業員の勤労意欲を増す工夫、努力心を刺激するということができ得なくなるような心配を持つのであります。これらについてはどういう御見解を持っておりましょうか、お伺いをいたしたい。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○大橋説明員 従業員の給与ができるだけ厚くなることは、私どもも念願をいたしておるところであります。これは御承知のように、公社法三十条で大体原則がきまっております。その原則に基いてきめられておるのであります。ただそれ以外に、業績手当として、その年度の事業成績がよろしい場合には、業績手当でもって報奨をする道が開かれておるので、現在の制度のもとにおいては、まずそれによって勤労に対する目標をできるだけ多くしていくということであります。しかしながら、その基本の給料につきましても、事情の許す限り待遇改善をしていくということは、私どもも常に念願をいたし、考えておるところであります。

片島港日本社会党

○片島委員 関連して。ただいま私は予算委員会の分科会においてお尋ねしましたときの速記録をまたあらためて拝見したのでありますが、副総裁の方から、公社法の三十条に対する解釈についてちょっと疑義があったものでありますから、この際ただしておきたいと思います。  公社法の三十条には、御承知のように職務の内容と責任に応じ、またその能率を考慮したものでなければならぬ、こういうことが書いてありますのを、私はその従業員の能率ということは、結局生産性がそれだけ上ったというふうに解釈をして、それが従業員にはね返ってくるべきものであろう、こういうふうに解釈をしておったが、副総裁の答弁では、能率の上った者にはそれだけ給与を厚くするという方針をとっておるのだという、個人の配分についての解釈がそこに書いてあるかのような印象を私は受けたのであります。法律によってきめます場合には、職員といういわゆる総括した従業員全体の能率、従業員全体の生産性が上ったということしか法律には書くべきものではなくして、内部における個々人の能率が上ったか下ったかということの配分の問題については、法律でやるべきことではなく、内部の人事行政としてやるべき問題であって、こういう法律に書くべきことではないと思うのです。この三十条の一項というのは、従業員全体に対する能率を考慮して、従業員全体に対する給与を考慮すべきものである、こういうふうに私は解釈しておったのでございますが、その点は一体どういう解釈でございましょうか。ここで念を押しておきたいと思います。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。第三十条一項の解釈でありますが、能率給そのほかの定義の問題は、いろいろなむずかしい問題もあるわけでありますけれども、この三十条の普通の解釈は「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」この前段における「職務の内容と責任に応ずるものであり、」ということは、御承知のようにいわゆる身分給でなくて、ぺ一・フォア・ワーク、仕事の内容と責任に応じてそういう給与体系を前提にしていくことであります。「且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」いわばこの後段につきましては、いわゆる悪平等というのではなくして、やはり職員の発揮した能率を前提にして——今の能率給にはいろいろな種類がありますから、すべてを含むかどうかという点に幾分問題がありますが、いわゆる能率給的な要素を考えなければならぬ、こう解釈するのが普通であろうと存じます。

片島港日本社会党

○片島委員 公社法の第三十条の二項におきましては、「前項の給与は、国家公務員及び民間事業の従業者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」この国家公務員なり民間事業の従業員の給与というものは、それを考慮して電電公社の従業員の給与をきめるべきものである、こういうふうに概括的なもの、従業員全般についてのものでありますから、その第三十条は、あなたが言われるように、個人の配分についてのことをここに解釈を限定するということは、公社法の精神から少しそれておるのではないか。ここに「給与」と、一つの項を設けて三十条をつけたのは、電電公社全体の従業員の給与については、その職務、もちろん局長とそれから全く最近入った新米、そういうものを一緒にするということでないことはもちろんわかっております。これはその身分などに応じた責任、主任とか係長とか課長とか、そういうものは当然これに入るでありましょうが、しかし同時に、そういう職員としての職務の内容、責任に応ずるものであって、かつ職員が発揮した能率ということになりますれば、やはり広く従業員全体が一体とならなければ、生産性というものは向上しないのです。幾ら課長が一人で張り切ってみましても、能率は上らない。部長だけが一生懸命やっても上らないのですから、それらを一体としての従業員の給与を加味した給与体系でなければならぬ、こういうふうにそこまで幅を広げて解釈しなければ、あなたたちが、今後従業員との間に、給与問題についていろいろ交渉される場合にも、平行線をたどるようになるのじゃないか、こう考えるのですが、いかがでしょう。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 二項との関連のお話がありましたので、その点を御説明いたしますと、二項は、御承知のように「国家公務員及び民間事業の従業者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」この二項の問題は、いわゆるベースの問題でありますが、このベースのレベルをどこに置くかという問題で、この二項の問題に関連する考え方もいろいろあることは御承知で、国家公務員に準ずるだけでいくか、あるいは民間事業の従業員の給与と両方を考えていかなければならないか、この公社法の二項の精神は、両方考えろ、こういうことだろうと思います。これも念のために申し上げますが、たとえば前回の公共企業体審議会の答申では、国家公務員に準ずる程度で定めるというふうになっておりましたけれども、私はむしろ、両方考えるという意味において、この公社法三十条の二項の精神の方がいいのじゃないかと思っておりますが、これは、そういう意味で、ベースの問題であります。そこで、それと関連して第一項の問題に戻るわけでありますが、「その職務の内容と責任に応ずるものであり、且つ、職員が発揮した能率が考慮される」これはただいまお話がありましたように、やはり身分給じゃない、職務の内容と責任による、従って学歴や勤続年数だけで給与がきまるものじゃない。学歴や勤続年数で、もう何年たてば幾らになるというようにきまるものではなくして、その仕事の内容と責任に応ずる、これが前段、後者につきましても、そういう意味で、悪平等でなくして、能率給的な要素が考慮されなければならぬ、こう解釈するのが当然じゃないかと思っております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 先ほどの総裁のお答えによりまして、もちろん従業員の給与全般についても、あたたかい気持を持って考えられるということでありまするから、それは一応了承できるといたしましても、私の心配いたしまするのは、業績手当の根拠になるところの三十四年度の収入見込み、それから収入実績とがあまりにもぎりぎりでありまして、業績手当算出の根拠がないということになったら、これは困ることになりはしないかというようなことであるのであります。資料によって承知いたすところによりますれば、ここ数年来、業績手当は年々相当額が出ておるのであります。それというのも、経済全体の伸びが、収入見込み額をオーバーしたところの収入実績があるからだと私は考えるのであります。もし三十四年度の計画が、やむにやまれずして、ぎりぎりのところ、あるいはもしか心配があるかもしれないけれども、というような一まつの不安を持ちながら、なおかつ、そうした見込みを持ったといたしますると、この業績手当にたよることができなくなってきて、ここに他の公務員との実際上の給与の開きが出てきやしないかということを心配いたすのであります。これにつきまして、従来業績手当を加えて、辛うじて他の公社もしくは公務員との給与上の均衡のとれておったその歴史にかんがみまして、今後におけるところの見込みはいかがでありましょうか。念のためにお伺いいたしたいと思います。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 ただいまお尋ねの点は三十四年度の問題であろうと思いますが、三十四年度の収入の見込みにつきましては、先ほど総裁からお答えいたしました通り、決して無理な見込み方はいたしておりませんで、収入の見込み方の方法は、三十三年度の収入見込み方と同一の原則に立ってやっております。それは他の言葉で申しますと、先ほど総裁から話がありましたように、本年の四月から九月——これも御承知のように最初予算を編成する場合は、四月から九月までの収入はわからないから、最初は四月から六月までをベースとして見込んで、いよいよ最後の予算を提出すると申しますか、数字のとりまとめを大蔵省と最後にやるというようなときには、できるだけ最後のとりまとめに近い、わかった数字までを前提にしていく、そういう考え方で九月までの全体の収入を見る。その場合に、過去十年くらいにわたって年間の月々のカーブがあるので、そのカーブと、今の今後四月から九月に見込まれるカーブをかみ合していく、こういう見込み方をいたしておりまして、決して無理な見込み方をいたしておらないつもりであります。そこで来年の予想収入に対して来年の実際収入がどうなるだろうか。この辺はむずかしい問題であります。私は幾分楽観的かもわかりませんが、従業員の努力とお客さんに対するサービスをできるだけよくしていくならば、この予想収入をある程度超過していくということは、必ずしも無理ではないと考えております。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 必ずしも無理はないというところに、一まつの不安を持つのであります。しかし今までの御経験によるところの算定によって自信も持っておられるようでありますから、それに信頼申し上げる以外にはないわけであります。ただ、ここで念のためにもう一度お答えいただきたいのであります。先ほど申し上げましたように、業績手当というものを相当額見込んで期待している、それらのものについて、現実のものとしてどういうお見込みを持っておられるか、今まで通り、もしくは今まで以上の業績手当の原資は十分心配ないのだというお答ができ得られるものか、そういうことをお願いいたしたいのであります。今までの収入見込みその他の関係からいたしまして、なお念を押して伺っておきたいのであります。いかがでしょうか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 私もただいまの御意見の通り、そう期待いたしたいのでありますが、事が何分将来のことでありますので、具体的にどのくらい超過するであろうか、その超過の額の中の幾分ということが原資の幅になってくるわけでありますが、何分三十四年度末にならなければ実際はわからないので、できるだけお互いに協力してそういうことを期待していきたいと思っておりますけれども、まだ具体的に原資がどの程度確実かということは、遺憾ながらちょっとわかりかねる問題だと思います。

金丸徳重日本社会党

○金丸(徳)委員 私のちょうだいした時間がもう過ぎてしまいますから、これ以上くどくどとお伺いすることは遠慮しなければならないわけであります。しかし私はことしの予算の問題点は、外部資金があまりに少いじゃないか、そして今後これをどういうふうに盛り返していくかということと、それからもう一つは、無理はないのだと郵政当局も言われますし、公社当局もそう算定しておられますから、無理がないということを額面通り承わるにいたしましても、何かしらん——今の業績手当云々について、念のためにお伺いいたしますると、まあその点になりますると、言葉が濁るわけです。しかし、これは来年のことでありまするから、鬼に笑われるということにならざるを得ないのでありますが、しかしその点が私は重要な問題であると思いまするので、十分に一つ念に念を入れて、今後の実行計画などについてお運びを願って、従業員をして張り合いよいよ、ことしの計画に邁進できるような態勢といいますか、方策をおとり願うようにお願いしたいのであります。もう一点、私が最初に申し上げました点でありまするが、公社の御計画の中で、私どもがひとえに御期待申し上げておりますのは、地方に対するサービスの均霑であります。これが、ある面におきましては、地方局の統合及び設備の改善、またある面におきましては、山間地帯の無電話部落の解消というような面に現われて参りまして、地方の絶賛を陣しておりますることは、私の口から今さら申し上げるまでもないのであります。その絶賛を博するところの一大政策の進行が、三十四年度においてややその進度を鈍らすというような心配を持つものであります。     〔委員長退席、橋本(登)委員長代理着席〕 年々相当のスピードをもって、これに力が注がれておりますけれども、三十四年度におきましては、わずかに両方とも二億ずつの増ということであります。この点、非常に残念に思うのであります。今後、実際の実行予算をお組みになり、お進めになる場合におきましては、何らかの方策を講じていただいて、この方面に特別の力を注いでいただきたいと思うのであります。私は地方に住んでおりまして、つくづく思うのでありますが、地方が住みにくいままでほっておかれるということが、今の日本の社会不安をかもし出しておるところの一大原因であるのであります。地方が住みにくい、地方の文化が低い、地方は不便だということのために、地方の人口がどんどん減っておるのです。そして、都会へ都会へと移り住んでおるのでありまして、こうしたことから、都会に人口過剰を来たし、都会に社会不安の原因をますます増しておるのであります。もしこれが幸いにして、通信文化の均霑といいますか、サービスの向上によって、住みよき地方、住みよき農村を作り上げて、ここに人口を食いとめるの方策の道が開けるならば、私は日本の最大の問題の解決のめどがついてくるのではないかと思います。そういう意味におきまして、私は電電公社でおとりになっておるところの地方へのサービス改善の力が、三十四年度においてさらに今までにも増して増加されるように、力を特に注いでいただくような方針を一つとっていただきたいものだと念願いたしておった、その念願は現実には破られておるのでありますが、今後における方策の推進の過程において、一つこれをお聞き届けいただけるようにお考え下さいますれば、まことに仕合せでございます。これは私のお願いであります。そのほか、なお二、三の点を残しておるのでありまするが、ほかの委員からのお尋ねもあります。私の時間は参りました。今後なお時間がありますれば、質問をさしていただくことにいたしまして、これで私の質問を終らしていただきます。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員長代理 森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 先ほどの公社法三十条の解釈の問題については、これは副総裁の解釈は私は非常におかしいと思いますので、この問題を明確にしておきたい、こういうふうに考えておりますが、この三十条の解釈については、どうせ時間も長くかかりますので、他日に日を譲ってこの論争を行いたいと思います。しかし、われわれといたしましても、この公社法ができましたときの、この三十条の改正のいきさつの速記録等も調べてみたいと考えておりますので、場合によっては、私は法制局の意見も聞いて、そうして正確な論争をしたい、こう思いますが、ただ、できるならば、そんなややこしいことをせずに、副総裁が一応片寄った、一方だけの解釈をせずに——その比重はともかくとして、これはやはり両方の面が含まれておるという解釈をわれわれとしては持っておるわけであります。だから、その点については後日の論争に譲るといたしまして、きょうは時間もあまりありませんが、聞いておきたい点がございます。  それは前の国会以降、これは解散前の国会でございましたが、工作工場の問題について私の方から質問をいたしました。これについては、組合側と公社側とが十分に連絡をとり合って行いますということで、一応終ったわけであります。その後、組合と公社側との間においては話し合いが十分進められておるようでありますが、われわれといたしましても、この工作工場については、机上では非常に論争をいたしておりますけれども、現実にまだ見ておりませんので、近くこの委員会で東京都内にあります工作工場を正式に見てみたい。それからあとでまたいろいろ論争もしたい、こういうように考えておりまするが、それはともかくといたしまして、今せっかく組合との話し合いがついておるということでございますので、公社側といたしましても、この工作工場については、減品目の問題とか、あるいは今後のこれの運営の問題とかいうことで、いろいろ組合側とも話があろうと思いますけれども、そういう組合、公社の話ということを抜きにいたしましても、前にわれわれがこの委員会で論争いたしましたように、やはりこの工作工場が電電公社のために発展をしていく方向に、これを公社当局として考えてもらいたい。無理に合理化するという点においてこれを縮小するという考え方でなくして、さらに新しい技術をも導入し、今までの問題についても、これをより拡大強化していく、こういう方向における工作工場の運営を保ってもらいたい、こう考えておるわけでありますが、この点についての御返答を願いたいと思います。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 ただいまお話がありましたように、組合との間に、この工作工場の安定堅実な運営についての協定ができまして、一月十二日にその大綱趣旨を前提にする協定に調印いたしたわけであります。その趣旨に沿いまして、その後具体的な内容の話し合いをやってきております。御承知のように減品目と申しますのは、減る品目でありまして、この品目はどうしてももう修理に適しないというようなものを大体減品目といたしておりますが、たとえばデルビルの電話機等のようなものも、わざわざお客さんに直してまた持っていくようなことをしないで、廃棄していったらよろしい、あるいは搬送機にしても、古いものを直すのでなくて、廃棄していきましょう。そういう種類のものが減品目になるというようなこと。それから工作工場の従来の工場計算規程、これも非常に複雑で、従業員に精神的圧迫をある程度加えているものもありますので、また少し簡略化して、事務の簡略化をはかるという意味からも、両面からしまして、これを簡易化していくというような方向の問題が進んでおるわけでありまして、これも組合と話し合いながら進めておるわけであります。そういうように御了承願います。

森本靖日本社会党

○森本委員 その減品目の問題についても、あるいは外注を行なっておる品目等についても、この工作工場においてこれを今後修理していくなら修理していくというような問題もあろうと思う。私が言っておりますのは、そういうこまかい問題については、先ほどの理事会の予定では、九日に東京都内の工場を見に行くということになっておりますので、私も、見てあとでまた論争したいと思いますけれども、現実の問題として、この工作工場を電電公社の工作工場として、こういう方面における中心的なものとして、あるいは技術の養成という観点から考えても、これはやはり重大な一つの機構であります。そういう観点からいって、ただ経営の面だけを考えて縮小していくという考え方でなく、いわゆる技術養成のセンターとしての考え方に立って、これを拡大強化していくという基本線に立って一つやってもらいたい、こういうことを言っておるわけであります。具体的な問題を個々にとらえて私はどうこう言っておるわけではないのであります。そういう基本的な考え方に立って電電公社が将来この工作工場について運営をしていってもらいたい、それはどうか、こういうことであります。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 ただいまの問題について昨年末以来組合といろいろ話し合って、ここに結論に達したわけでありますが、この工作工場をどうするかという問題につきまして、無理な拡張を考えましても、結局事業のためでもないし、従業員のためでもないと私思うのです。そういうような意味でいろいろ論議し合いました。ことにこの工作工場における長期運営計画に関する覚書を締結いたしておるわけでありますが、この覚書の趣旨を申し上げますと、初めに「工作工場は、将来に亘って安定した且つ健全な工場として運営することを前提として、次のことを確認し、覚書とする。」こういう趣旨で一条から九条にわたっておもなる方向をきめてきたわけでございます。この覚書に基いてあと細目の協定に入っていくということであります。その点はそういうように御了解願いたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 私の質問の点をそらさないように願いたい。私の言っておりますのは、そういう点については、私もよく聞いて知っておりまするけれども、技術養成という一つの観点からいったならば、この工作工場というものは電電公社にとっては全然変るべきものはないと思います。そういう観点からいって、技術陣を養成するという面においても、たとえば現場から二、三カ月あるいは六カ月、一年行って帰ってきてもいいわけです。そういう観点から考えていったならば、これはあながち経営の合理化のみを考えて、経営上という点から考えて、それを縮小するという方向にいくよりは、基本的にはこれを強化し、あるいは場合によっては、その量の少い多いは別としても、やはりこれを育てていく、あるいは拡大をしていくという考え方に公社は立てぬものか、こういうことを言っておるわけです。だから、私はそのこまかい問題をいろいろ論争しておるわけじゃない。こまかい問題についてはまだ足らない点もあるし、せっかく視察に行く日程もこしらえておりますので、その場合に工作工場の幹部なりあるいは従業員の御意見もよく聞いて、そして当委員会においてもう一ぺん質疑応答を行いたい。ただ私が言っておりますのは、基本的にこれを縮小するという考え方じゃなくして、やはりこれを発展さしていくという考え方に公社側は立てぬものか、こういうことなんです。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 われわれもこの工作工場の長期運営につきまして、単に経営の合理化という観点のみでなくして、工作工場に働いておる人たちの精神的安定、それからその将来というものを考えまして結論に達しましたのが、この覚書であります。この覚書で、ここに「将来に亘て安定した且つ健全な工場」——これは、あるいはお話のように拡張すると書くか、「安定した且つ健全な工場」と書くか——最後の結論が「将来に亘って安定した且つ健全な工場として運営することを前提」とする。こういうことを前提にしてこの覚書が締結されておるわけでございます。お話の問題は、具体的な問題に結局直結いたすわけでありますが、たとえば最近のいろいろな搬送機にいたしましても、小型搬送機というようなものになりますと、現在の段階では、修理はこういう工作工場でするよりは、メーカーで直接せざるを得ない情勢になってきております。そういうような問題をまた先生も見ていただくそうでありますけれども、具体的に工作工場に行って見ていただいて、現実のものを御調査願えばけっこうだろうと思いますが、そういうような問題に結局直結いたすわけであります。そこで、われわれが合理化だけを考えるのじゃない工作工場は、将来にわたって安定したかつ健全な工場として運営することを考えていこうではないかという意味で、この覚書を締結したわけであります。そういうように御了解願いたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 ポータブルの搬送機については、工作工場で修理するということが不可能で、メーカーで修理した方がいいなんということは私は理由にならぬと思う。私も一応そういう機械については若干やったことがありますので知っておりますが、必ずしもそういう理由は成り立たぬと思います。そんなこまかい問題をここで論争しておる時間もございませんので後日に譲りますが、ただ私が非常に心配するのは、「将来に亘って安定した且つ健全な工場」というと、ややもいたしますと、公社の方は経営で頭が一ぱいでありますから、そういう方向ばかりになるような気がするのであります。そういうことでなしに、そういう経営の合理化ということを考えなければ仕方がないけれども、さらにこれを発展をさしていくという方向に頭を使ってもらいたい。あなた方は資本家ではないのだから、そういう経営ばかりのことを考えずに、電電公社の技術の養成センターというような意味も含めて、そういう点も両方兼ね合せて考えていってもらいたい、こういうことを私が言っておるわけであります。そういう方向においてやるということについては、総裁、異議がないでしょうが。何も合理化してはいかぬということを言っておるわけではない。合理化もやらなければならぬけれども、それ以外に電電公社の技術養成のセンターとしての考え方もやっぱり持っていっていいんじゃないか、そういう方向における発展も考えていっていいんじゃないか、こういうことを言っておるわけですが、総裁、どうですか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○大橋説明員 経営の合理化のみによってこの工場の問題を処理しようとはむろん考えておりません。しかしながら、修理工場というものは修理工場の使命があるので、これは技術の研究所なり練習所ではないのでありますから、将来の技術の練習のために主としてこれを使うという考え方でもないのであります。やはり修理そのものものを中心にして考えていこうと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 修理そのものについて考えておるといっても、今の技術陣の養成なんというものは、現場においては非常に微弱なもんです。だから、せっかく一通信局に一工場を置くならば、そういう考え方も現実の問題としてあわせて持っていって妥当なんだ。だから合理化だけを考えずに、そういう面も兼ね合せて考えていってもいいじゃないか、何も公社はかた苦しく、経営を合理化しなければならぬという点だけを考えていかなくても、私が言っているように、広い視野に立って考えていっていいんじゃないか。これは当委員会に今おりませんけれども、前の逓信院の総裁でありました松前氏も、そういうことをこの委員会で明確に言っておられる。あなたは松前さんよりずっと先輩ですから、まだもっと詳しいかもしれませんけれども、松前さんもやっぱりそういうことを言っておられる。そういうことを考えてみた場合、やはり合理化々々々という点だけを頭に置かずに、そういう方向における発展ということも兼ね合せて考えていったらいいじゃないか、こういうことを言っておるわけです。この点について私が言っていることがどこが悪いかということを総裁に言ってもらいたいと思う。私は合理化をするということがいけないということを言っておるわけではない。合理化するということも経営者は考えていかなければならぬ。それと同時に、一通信局に一つの工作工場ということであるならば、やはりそういう修理という点から考えても、技術陣の養成というような点から考えても、そういう点の拡大強化という点が考えられる、考える余地は十分にある。そういう点も兼ね合せて全体的にこれを考えていったらどうか、こういうことを言っておるわけです。これは何も悪いことではない。私が言っていることが悪いというなら、どこが悪いということを明確に言ってもらいたい。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 先生の言っておられることが悪いとは決して申していないので、その精神非常にけっこうだろうと思います。ただ私が申し上げたのは、今のこの工作工場の覚書も、合理化のみでなくて、従業員のことも、両方考えまして達した覚書であります。  それからなお将来の運営についてのお話でありますが、そういうものを必要な場合には、できれば訓練の場には使ってもいいじゃないか、これも場合によって考えていいと思います。従業員の訓練のためには、御承知のように学園というものを私ども持っておりますから、学園でいろいろ訓練するほかに、現場でいろいろ訓練することもあるし、そういう意味におきまして、あるものはこの工作工場で実習をやった方がいいような場合には、もちろんわれわれとしても将来考えていってもいい問題だろうと思います。しかし技術の中心が全部ここへくるという問題でもなかろうと私ども思っておるのであります。御承知のように新技術の中心になりますものは、われわれの方では大体通信研究所があります。通信研究所で新技術の研究をいたしておる、また例の試作工場は通信研究所自身に持っておるというふうな関係がありまして、これをいろいろの訓練の場に使うとか、あるいは、またほかの工作工場の人の訓練の場に使っていく、またここも実習の場として使っていく、そういうふうに相互に関連して、総合的に考えていくことはまことにけっこうだろうと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういう説明をせずに、私の言うたことがよかっかたらよかったという答弁だけで、はっきりすればいいわけなんです。いろいろ説明があったわけでありますが、私が言っておりますのは、ここにうたっておりますところの「且つ健全な工場として運営することを前提として、」この言葉はけっこうである。だから、そういう行為をやる場合には、合理化という点だけを頭に置かずに、そういうふうにさらに発展をさせていくということについても頭に置いて、十分に従業員との話し合いをして、円満に片をつけてもらいたい、こういうことを要望しておるわけであります。その点を十分含んで将来この運営についてはやっていってもらいたい、こう思うわけであります。  それから、この間予算委員会の分科会において電電公社の分をやろうと思ったところが、時間がなくなってやれなくて、公社の方は安心したかしれません。きょうもやる時間があまりありませんが、政務次官がおりますので、これは公社でなくて、政府当局に一言言っておきたいと思います。これは参議院でも論争されておりまするし、当委員会でも今、金丸委員が問題としました外部資金の問題であります。外部資金の問題のときに、最初に私が社会党の政調会として電電公社の諸君に来ていただいて、そうして電電公社の予算原案の説明を例年の通り受けたわけであります。そのときに、いわゆる外部資金の二百十億円という問題については、私は明確に、これがとれたらお慰みだ、もしとれたら電電公社の政治力あるいは政務次官、あるいは大臣の政治力というものは大したもんだ、おそらくこれはとれまい——絶対にとれまい、こういうような予算の組み方をしておったのでは、自己資金をはき出せということになる、そこへ落ちつくのが当然だ、こういうことを申し上げておいたわけでありますが、今回の場合その通りになったわけであります。     〔橋本(登)委員長代理退席、粟山委員長代理着席〕 政務次官を前に置いてそういうことを言っては悪いけれども、まさに政府当局の政治力の欠除だと思う。それからさらに電電公社の方に言わせますならば、電電公社は、またこれは自民党の特別委員会なら特別委員会の言う通りになって、しまいには資金だけはぼられて、結局自己資金を出さなければならぬ。私は側面的に見ておって、まことに嘆かわしい次第であるというふうに考えておるわけでありますが、そのしわ寄せが結局全部従業員にかかってくる、こういう格好になっておるわけであります。そこで、きょう新聞で見ますると、電電公社の方で何か労働関係が騒々しいようなことが載っておりまするが、今電電公社と組合との間で一番重要な問題になっておるのは何ですか。

横田信夫日本電信電話公社副総裁

○横田説明員 ただいま御質問の、われわれと組合との間で懸案になっておる問題は、第一は御承知のベース・アップの問題であります。それから第二には等級撤廃の問題であります。第三には定員配置というような問題であります。第四は不当処分の撤回——われわれはそう考えておりませんで、組合の方がそう言っておるのです。そのほか小さい問題約十数件にわたって今組合といろいろ話し合いをいたしておるわけであります。     〔栗山委員長代理退席、進藤委員長代理着席〕

森本靖日本社会党

○森本委員 そこでまず最初のべース・アップの点でありますが、労働関係というものは、おそらく何といっても賃金問題でありますから、そこで組合側からの要求はどういう要求になっておりますか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 お答え申し上げます。まず第一は、等級撤廃を前提といたしまして、概略申し上げますと、三千円のベース・アップでございます。第二の問題は、年令別の最低保障賃金の問題であります。第三の問題が勤務地手当の繰り入れの問題でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 現在の公社のべースは幾らですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 お答え申し上げます。現在のべースは大体一万九千数百円でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、今年度の予算にはどういうべース・アップの見込みをしておるわけでありますか。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 来年度の予算において職員の給与をどのくらい見込んでおるか、こういう御質問でございますね。——予算に見込みましたのは二万百二十六円だったかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 一万九千円から二万百二十六円ということになりますと、これは千百二十六円上るということになっておるわけでありますか。これは昇給ですか。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 ただいま申し上げました言葉が足りませんでしたので、数字をもって申し上げます。ただいま電電公社の給与の予算単価は、基準内の給与といたしまして一万九千百四十九円であります。三十四年度の予算単価といたしましては二万百十六円でございます。なぜそれだけ給与単価が上ったかと申しますと、年間約四・五%の昇給を見込んでおる、その分を加算いたしました。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、一千三十三円というものが四・五%ということになるわけですか。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 お答えいたします。一千三十余円にはならないかと思います。その差は九百六十七円、それが一万九千百四十九円に対する昇給分でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 三十三年度で職員の総人員が幾らでありますか、この一万九千百四十九円の単価によった人員ですね。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 三十三年度におきまして予算の積算の基礎となっております職員総数は、十八万二千三百五十一名でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 現在員は幾らですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 現在員が——ちょっと今数字を調べますから……。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでは、この十八万二千三百五十一名というのは、三十四年度の二万百十六円というものの根拠の場合はなんぼになっておるわけですか。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 三十四年度の予算に見込みました職員の総数は十八万五千七百三名でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、三十四年度の定員面の増加はなんぼになっておりますか。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 予算定員の増は三千三百五十二名でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、この十八万五千七百三名というのは三十三年度ですが、このときの現在員は幾らですか。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 今ちょっとわかりませんので……。

森本靖日本社会党

○森本委員 わからなければけっこうですが、こういうことがほんとうは給与に一番関係があります。もっとも委員会でやらぬ方がいいかもわかりませんが、そこで組合側から出ております二千円のベース・アップに対しては九百六十七円です。これは昇給原資でありますが、三千円というのはベース・アップであって、昇給原資というものは、普通の昇給原資というものを要求しておりはせぬですか。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 お答えをいたします。ただいまのお話は、この昇給額以上にべース・アップを要求しておるのかというお尋ねでございますか。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうであります。

山本英也日本電信電話公社経理局長

○山本説明員 その通りだと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 そこで現在これは調停にかかっておるようでありますが、調停委員会の状況はどういうふうになっておりますか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 調停委員会といたしましては、従来三回の委員会が開かれております。そうして双方からいろいろと質問に応じまして意見を申し上げておる段階であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 そこで公社側がこういう予算を出した以上は、びた一文も上げられないということで、おそらく本心は上げたいと思うのだろうけれども、それは政府もありますし、そうはいかぬということで、おそらく上げるわけには参らぬということで、がんばっていると思いますが、公社が調停委員会において上げるわけには参らぬとがんばっておる理由を一つここで言ってもらいたいと思います。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 基本的な考えといたしましては、私どもの給与が社会的な水準というものを十分に考慮しなくちゃならないということは、先ほども話に出ました公社法の三十条の基本原則にかかってくる問題であります。ところで現在のべース自体の決定は、昨年の仲裁裁定において一応きめられたものによっておるわけであります。その後におきまして、私どもの見るところでは、ベース・アップをしなくてはならないような客観的な情勢の変化というものはないというふうに考えているわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、復習いたしますが、社会的水準というものには上げる要素がない、それから昨年の仲裁裁定以来物価は上っておらない、この二つの条件である、こういうことですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 物価が上らないどころじゃない。これはこの逓信委員会にもかかっておりますが、NHK料金も八十五円に値上げになるわけであって、わが党はこれは反対でありますけれども、与党はおそらく押し切るだろうと思います。それ以外に私鉄の料金、それから電気の料金、ガスの料金というようなものも大体上るということを言っておるわけです。そういうことになってきますと、物価は下るどころか、上るばかりである、こういうことになるわけであります。この点は私は全然あなた方の論拠は問題にならぬと思いますが、ただ問題になりますのは、社会的水準という点について、一体どこに電電公社の給与水準を置くか。そういうことになって参りますと、この三十条の問題を論争しなければなりませんが、それを副総裁との間にやっておりますと相当長くなりますので、この論争は蒸し返しませんが、三十条によるところの社会的基準というものを一体どこに置いて公社は考えられるのか。たとえば、ここにありますところの国家公務員はよくわかっておりますが、これに比べたらどうもならぬ。ただ電電公社としては、電電公社に似通った仕事をしておるところと比べるのが一番いいわけであります。そういう点については一体どこと比べておるか。この点を一つお答え願いたいと思います。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 基準といたしましては、民間の企業とそれから国家公務員の実情と二つを勘案してきめなくてはならぬということになっておるわけでございます。ところで私どもと比べてみた場合におきまして、対象として考えるべき民間企業というふうなものは数多くないわけでございます。従って私どもといたしましては、これにはいろいろな考え方があると思いますけれども、先ほど申し上げました二つの要素というものを検討してきめざるを得ない。その場合にいろいろと私どもの考え方、組合の考え方等において意見の食い違いがありますが、その場合においては、第三者的な権威ある機関において決定したものに従うべきである。その点から言いまして、昨年の仲裁裁定の結果を建前としていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 今の公務員の給与べースは幾らですか。今年度の予算の……。それがわからぬようで比べものになりますか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 今こまかい数字を持っておりませんが、私どもとしましては、大体現在の公務員ベースと比べた場合におきまして、バランスがとれておるというふうに考えるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 職員局長にしても経理局長にしても、公務員の給与べースが幾らかと聞かれて、それがピンと答えられるようでなかったら、これは比べていない証拠です。ほかの総予算が何ぼで、こまかい予算は何ぼということは別ですよ。しかし、ことしのあなたのところの職員のべースが何ぼで、国家公務員のべースが何ぼだということくらいは頭にピンとくるようでなければ、頭の中に給与ベースというものが渦を巻いていない証拠です。そう言っては失礼だが、一つ十分にその点は御記憶願っておきたいと思う。これは私も実はわかっておったけれども、聞いたわけです。  そこでもとに戻りまして、公務員とのベースの比較ということも、三十条では行わなければなりませんけれども、しかし民間事業の従事員の給与その他の事情を考慮して定めなければならないという点があるわけですね。そうすると民間事業で、あなた方が一番比べられるところの事業というものはどこですか。公社に似通ったところは……。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 今お話の点につきまして、電気通信事業ということになると、国際電電の事業かと思っていますが、私どもはこれにつきましての考え方は別に持っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 考え方は別に持っておっても、私が聞いておるのは、比べる民間企業はどれでありますか、こう聞いたところが、国際電電である、こういう御回答である。国際電電というものは、いつも当委員会でも問題になる会社でありまして、営業成績についても、私はこの委員会の終りに新しい営業成績というものを資料として要求をしておこうと思うのですが、そこでこの国際電電がもともと一緒の仕事をしておって、そして現在でも、たとえば中央電信の外信課におった者がそのまま国際電電の方に行った、内信におった者がそのまま電電公社におる、こういうことでありますが、今の国際電電のべースはどのくらいですか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 現在のべースでございますが、これは一応住宅手当、勤務地手当、扶養手当、その他一切含めまして申し上げますと、三万円になります。

森本靖日本社会党

○森本委員 民間企業と一番比べられるものが三万円、公社のベースは驚くなかれ四・五%のものを含めまして二万円ちょっとです。こういうことになりますと、約一万円違うわけであります。そこで公務員の給与も考えなければならぬけれども、この三十条の法の解釈からいきますならば、と同時にこの国際電電の「民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」というこの条項をどういうふうに適用されたか、このべースをきめる際に。ちょっとそれをお聞きしたいのです。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 これは言葉の問題が一つございますが、比べなくてはならないという場合において、一応参酌するといいますか、ほかに比較するものがありませんから、一応これを参酌してくれというふうな意味にお聞き取りいただきたいと思うのでありますが、私どもといたしましては、べースの問題を考える場合におきまして、職員の構成等についてやはりいろいろと特殊事情があるかと思っております。  それで今の国際電電の場合でございますが、まず一つ言えますことは、これは基本的な問題でございますけれども、国際電電の場合には、御承知のように私企業でありまして、従って収入として上ってきたものにつきましてこれをいかに給与に配分するかということは、経営面の問題としてまかされておりまして、これは認可事項にもなっていないところでございます。その点御承知の通りであります。ところが電電公社の場合におきましては、給与総額というような制限がありますので、まずその点において基本的な制約があるという特殊事情があると思っております。第二の問題といたしましては給与の内容につきまして特殊なものが国際電電としては入っておる。住宅手当というようなものが国際電電としては別に認められております。なおまた勤務地手当等につきましても、職員の分布から見た場合におきまして、国際電電の場合は東京、大阪にほとんど大部分の方が分布しておる。ところが私の方の場合におきましては、地方にもずっと散在しておる。いわゆる分散しておるというような点が違っております。第三の問題といたしましては、大体職員の構成を見た場合におきまして、国際電電の場合は高校卒業者が半分以上を占めております。これに対しまして電電公社の場合におきましては中等卒が大部分でございます。このような職員構成においても差異があるわけでございます。  それで絶対額におきましては、以上申し上げました結果で違っております。けれども、先ほどお話のございました国際電電を分離した当時と、現在のべース・アップの実情をパーセンテージで見た場合におきましては、いずれも四〇数%でございまして、その点においては、私はその面から見た場合においては、ある程度バランスがとれているという見方もできるのではないかというふうに考えております。いずれにいたしましても、同種の電気通信事業を経営しておりますものではございますけれども、企業形態その他においても違っておりますので、これは厳格な意味において比べる性質の事業かどうかということについては、非常に疑問があるというふうに考えておるわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっと電気通信監理官に聞きます。国際電電の住宅手当というものはどうなっておりますか。

松田英一郵政事務官(大臣官房電気通信監理官)

○松田政府委員 私、きょう手元へ資料を持っておりませんので、具体的数字を申し上げかねるのであります。世帯主、それから非世帯主に分れましてのパーセンテージの数字を覚えておりませんので、調べまして申し上げます。

森本靖日本社会党

○森本委員 今あげられました給与総額の問題ということについては、これは予算の際に給与総額の措置をどうするかという問題でありますから、これは政治的にこれをやろうということになれば問題はないわけです。ただ、これが政治的に予算の編成のときに電電公社の要求が入れられなかったという点だけであります。そこで問題になりますのは、次の給与の内容について国際電電とこれこれしかじかかくかくという説明がありました。説明がありましたが、あなたの説明を聞いておりますと、自分の都合のいいところばかり説明する。都合の悪いところは一つも説明しておらぬ。これは私も現に中央電信におった経験を持っておりますから、よく知っておりますが、実際問題としてそれでは昭和十三年から十四年に同じように中央電信におった人で、かりに外信におったから国際電電に行った者、それから電電公社に残った者とを抽出して、給与の比較をしてみたら一番いいと思うのです。あなたが今言ったような構成は確かにある。あるいは向うは新陳代謝が非常に少いということも言えると思う。それから職員構成についても学歴がかなり高いということも言えると思うのです。言えると思うが、そういうことは総体的に言えることであって、個々に具体的にこれを抽出して調べた場合は、かなり私は差がついておると思う。そういうことを調べたことがありますか。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 この点につきましては、私どもといたしましても具体的なデータをつかむことが非常にむずかしくございますので、現在持っておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは将来も私はぜひやってもらいたいと思う。あなた方は、給与をなるべく低くしようということなしに、なるべく時の政府当局と争ってでも、これだけ従業員が苦労して仕事をしておるのであるし、合理化もますます進んでおる、そういう点からの従業員の苦労を考えた場合に、先ほどの予算編成のときの論争を見ましても、自己資金がかなり建設資金に回っておるということを考えた場合には、よき管理者として、よき経営者としては、やはり従業員の待遇改善を念頭に置いていかなければならぬ。なるべく上げるようにこれを考えていくのが当然だと思う。そういう場合には、あなた方が示すような悪い材料ばかりでなしに、国際電電と電電公社の職員を比べたら、現実にはいい資料も出てくるはずです。だから、たとえば昭和十三年なら十三年に逓信講習所の普通科卒業あるいは高等科卒業で、同じように通信関係をやっておって、今日国際電電に行っておる者と電電公社におる者と明確に比べてみたらいい。そういう作業も一つやってみたらどうですか。これはやはり給与の上る材料になりますよ。あまり時間がございませんので次になりますが、どうですか、そういうことをやって、あまり下げることばかり考えてみずに、上げることも考えてみたら。

行廣清美日本電信電話公社職員局長

○行廣説明員 私どもといたしましても、いろいろな面からべースの問題は検討したいと思っておりますので、今お話のございましたようなデータも作ることができるならば作ってみたいというふうに考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 最後に、私は総裁に一言言っておきたいと思います。電電公社の総裁、副総裁にとっては、電信電話事業の経営その他は一番重大な問題でありますが、その反面、労務対策もかなり大きな仕事であると思う。新しくかわられた総裁、副総裁のもとにおいては、前の総裁、副総裁のもとより、もっと労働事情が悪くなったというふうな評判を立てられるのは、新しい総裁、副総裁のためにならぬ。それから電電公社のためにもならぬ。やはり今日の電電公社の経営者としては、事業経営という大きな観点から考えての責任はあるけれども、労務対策については今日の経営者としてはかなり比重をさいて考えていかなきゃならぬ。だから、先ほど来私が言っておりますように、政治的に電電公社としてもどうもむずかしいという面はあろうと思う、これは私が側面的に想像してもあろうと思う、しかし、そうであっても、公社の幹部としては、従業員に対して、政治面ではこういうふうにむずかしいけれども、われわれとしてはできる限りこういう努力をしておるんだ、こういう具体的な例を示せば、私は従業員としてもかなり納得する面が出てくるんじゃないかと思う。そこで今私が申しました給与の比較の問題にしても、悪い面だけを取り上げてやらずに、いい面も取り上げて、こういうところもありますからといって政府当局と交渉したということは、一回も聞いたことがない。また私は与党の諸君ともよく話し合いますけれども、そういうことで給与の改正をしてくれということを電電公社から言ってきたというようなことについても、与党の諸君からも聞いたことがない。そういうところは、人間と人間であります限りは、やはり有無相通ずるものが出てくると思う。そういう微妙な心理というものを十分考えて、この労務対策ということについても万遺憾ないように期せられたい。私は新しい総裁がきわめて有能な総裁であるということも聞いておりますし、またわれわれの大先輩でもあります。そういう方がせっかく新しく総裁として就任をせられて、これから電電公社の事業も第二次五カ年計画を遂行していかなければならぬ、こういう段階において、こういう労務対策についても十分に慎重なる考慮を払われて、今私が言ったような問題についても誠意を持ってやっていただきたい、こういう点については、総裁として経営者全体を叱咤督励をしてやってもらいたい、こう思うわけでありますが、労務対策について最後に一言総裁の御意見を聞いておきたい、こう思うわけであります。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○大橋説明員 労務対策が経営面に関連いたしまして非常に重要であるということは、お説の通り私もさように考えております。今後の経営を進める上におきましても、むろん労務対策についても十分考慮を払って進んでいきたいと思っております。

進藤一馬自由民主党

○進藤委員長代理 次会は明五日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時二分散会

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