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31回国会衆議院1959/02/03

逓信委員会 第5号

発言数
12
登壇者
4
会派数
2
開催日
1959/02/03

会議録

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 これより会議を開きます。  放送法の一部を改正する法律案及び本案に対する橋本委員提出の修正案を一括して議題といたします。  両案に対する質疑はすでに終了いたしておりますので、これより討論に入ります。討論の通告があります。順次これを許します。  森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 ただいま議題となりました放送法の一部を改正する法律案に関し、私は日本社会党を代表して、自由民主党橋本理事提出にかかる修正案並びに政府提出の原案に対して反対の意を表するものであります。  元来ラジオ並びにテレビジョン放送事業は、国家社会のもろもろの機能並びに大衆の生活に対して大きな影響力を及ぼし、きわめて重要な役割を果しておるものでありますから、放送事業のあり方を規律する放送法の内容が時代の要求に合致していなかったりあるいはその規律の方向が民主主義の根本原理に反するようなことがあるとするならば、放送事業自体は言うに及ばず、国家社会そのものが成育をはばまれたり、ゆがめられたり、そういう方向に走ったりする危険にさらされるのであります。  このようにきわめて重要な意義を持つ放送法の改正案として政府が今回提案をした法律案を前にして、つぶさにわれわれが検討してみますと、私はまず第一に、それがきわめて枝葉末節的な切り張り改正であることを指摘せざるを得ないのであります。さらに個々の問題についてはいろいろ反動的な改正の内容もあるわけでありますが、ここではそういうことを省略をいたしまして、放送法制定以来すでに八年半に余る日時がたち、その間に民間放送の出現、テレビジョン放送の発足等、幾多の新事態が発生をし、政府の提案理由の説明の中にも明言をしております通り、わが国の放送界の事情は現行法制定当時とは一変をしているのであります。この情勢の変化に適応するように放送法を改正しなければならないという議論がやかましくなったのは数年以前であり、政府においても特別の調査機関を設け、長日月をかけて研究を重ね、本委員会においても独自の立場から小委員会を設け、多数の参考人の意見を徴する等、詳細な検討を進めてたきのであります。従って世間一般では、これだけの万全の準備を整えた以上、政府が放送法改正案と銘を打って提出する法案は、現行法の欠陥を補ったいわゆる根本的の改正案であると期待をしておったのであります。かりにそこまでいかなくとも、少くともこの八年半の期間に論議の焦点となった問題については、政府としては積極にせよ消極にせよ、これに対する所信を表明し、取り入れるべきものは改正案に取り入れてよりよい放送法を作ることが当然の責務であります。しかるにこの改正案においては、少し根本に触れるような問題は一切他日に譲って、差しおきがたい当面の問題という看板の陰に表面を糊塗した観がすこぶる濃厚でありまして、これがわざわざ調査会を作り長い時間をかけて研究した結果の成案であるとしたならば、世上一般の期待を裏切ることはなはだしいばかりでなく、わが国の放送事業のあり方に対する根本的な指針、目標、理想というものは依然混迷をしたままに放置されておるといわざるを得ないのであります。  放送法改正議論の中心課題となった問題としては、まず電波法第七条の改正問題があります。許可事業である放送事業において最も大切なことは、どういう放送局が免許され、どういう放送局が免許されないかということでありますが、この許否を決する基準は、現行法においては放送局開設の根本基準という省令にゆだねられておるのであります。かかる実質的の規定は当然放送法に取り入れられ、行政官庁は法のもとにこれが執行に当るべきであるということは、各方面の一致した議論であるにもかかわらず、今回の改正案においては全然これに触れておらないのであります。  次に、わが国の放送事業がNHKと民放の二本立制をとっている根本理念はどこにあるのか、NHKと民放との性格の差異はどうなっておるのか、もしも両者の性格に差異があるとしたならば、これに基いて両者はそれぞれいかなる方向に向って事業を進めていくべきであるか、これまた放送法が明らかにしなければならない大方針でありますが、これらについても幾多の議論があるにかかわりませず、改正案は一向に政府の態度を明らかにしていないのであります。従って久しい間の論争の種であるところのNHKの受信料のあり方についても何ら解決を見ておらないのであります。受信料に対する国民の疑義から、ひいては受信料不払いの傾向すら漸次顕著になろうとしておる今日であります。  そのほかNHK予算に対する国会修正権の存否の問題、新聞放送兼営による言論独占排除の問題、NHK経営委員の代表分野に関する問題等、数え来たれば幾多の重要な根本問題が未解決のままたな上げされているこのような改正案に対しては、わが党としては賛成するわけにはいかないのであります。  また今回の改正案のいわば眼目ともいうべき放送番組の向上適正化について見ましても、放送番組に教育教養を盛り、その内容をより高度のものに引き上げること自体に異論はございませんけれども、このことは実は現在の放送法においても放送事業の公共性からいって当然要求されている事柄でありますけれども、問題は放送事業者がこの方向をとろうとしても事業の営利性からいって、あるいは他との競争のために容易にこの方向に踏み切れない点にあるのであって、これは一片の訓示的規定によって簡単に達成できる問題ではないのであります。事実法律による要請のない現在においても、放送事業経営の許す限度においては、事業者自体自発的に番組審議機関を設け、基準を作って番組の向上改善に努力し、相当の成果を上げているのであって、現在の段階において新たに法律の規定を作ってみても、果してどれだけの実効をおさめることができるか、はなはだ疑問であります。かりに一歩を譲って、このような法的規制が必要であるといたしましても、このやり方は、直ちに政府の言論統制に通ずる危険を十分にはらんでいるのでありまして、わが党としては、この危険に対する十分な保障のない限り、軽々にこの改正案に対して賛成することはできないのであります。  本案に対して自由民主党から提出された修正案は、無修正の場合に比し、政府原案を一歩前進せしめるものであることは若干認めるのでありますが、わが党の意図するところとは、なお根本的に相隔たるものがあるのでありまして、この程度の修正ではとうてい原案の持つ欠陥を補うことはできないのであります。  以上の理由により、日本社会党といたしましては、橋本理事提出の修正案並びに政府提出の原案に対しては、いずれも反対であることを表明いたしまして、私の反対討論を終ります。(拍手)

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 服部安司君。

服部安司自由民主党

○服部委員 ただいま議題となりました放送法の一部を改正する法律案に関し、私は自由民主党を代表して、橋本理事提出にかかる修正案並びに同修正部分を除く原案に対し、賛成の意を表するものであります。  現行放送法は、去る昭和二十五年いわゆる電波の解放とその効率的利用とを標榜して制定されたものでありますが、この法律所期の目的はみごとに的中して、わが国放送界はこれを契機としてうつぼつたる振興の機運に転じ、自来今日に至る八カ年余りの間に、NHK放送の普及、民間放送の出現とその急速な発展、テレビジョン放送の発足等、幾多画期的な進展ぶりを示し、さらに科学技術の進歩によって近い将来にはFM及びカラー・テレビジョンの本格放送をも期待し得るという、まことに喜ぶべき急カーブの成長を遂げつつあるのであります。  このような放送事業の飛躍的発展に伴う放送界の諸事情の著しく変化した結果として、新情勢に適応せしめるように放送法を改正することが必要であるという論議が台頭したのはすでに久しい以前であって、政府並びに国会、特に当逓信委員会において、それぞれ機関を設けてこれが研究に着手してからも相当の日時が経過しており、政府からも再三にわたって国会に対して改正案が提出されたのであります。  今回の法律案は、政府としては四度目の提案でありますが、この改正案の基本方針としては、第一に、改正の要点を当面差しおきがたい必要に迫られている点にしぼったこと、第二に、放送番組の向上適正化をはかったこと、第三に、NHKの機構、業務及び財務を整備したこと、第四に、民間放送事業に関する規定若干を追加したことの四点をあげることができます。  この基本方針に少しく検討を加えるならば、まず電波、放送両法を通ずる根本的な改正は理想ではありますけれども、言うはやすく行うにかたい大事業であり、特にテレビジョンあるいはFM放送の発展、UHF帯の利用等、現在における未知数的要素を考慮するならば、今直ちにこれを決すべき時期であるかいなかは疑問の余地を存するのみならず、これに籍口して当面解決の必要に迫られている諸問題を放置することが許されないとするならば、本案のごとき部分的改正もまたやむを得ない措置と考えられるのであります。  次に、NHK及び民間放送を通じ、放送番組の向上適正化をはかることの必要は、世論の動向に徴して明らかなところであって、本改正案においても目的の大半がここに指向されており、特に教育教養の面に対する放送の利用に意を用いているのは、きわめて適切な改正と考えられます。しかも放送が言論機関たる特質にかんがみ、行政権による規制を避け、放送事業者の自主的規制にまかせるという方途をとって、放送法第三条の放送番組編集の自由の原則に抵触することのないよう慎重な配慮が払われていることは、注目さるべきことであると思います。  第三に、NHKの機構、業務及び財務の整備は、NHKの規模及び業務量の増大に伴って当然の措置というべきであり、ことにその収支予算等の国会の承認を受けられなかった場合の臨時措置の規定は、当委員会においても再三その不備を指摘しておったものが今回補われたものであって、きわめて必要な改正であると認められます。  民間放送事業者に対しては、放送番組適正化に関するもののほかは、その独立性確保のためにする若干の規定が追加せられたにとどまり、なるべく法の覊束を少くしてその自主的活動を活発ならしめようとする現行法の精神は何らの変更をも受けておらないのであります。  このように、本改正案はその基本的構想においてきわめて適切妥当であり、内容をなす各条項の改正もおおむねこの基本方針に合致しておるものと認められるのでありますが、さらに本委員会の法案審議過程における各委員あるいは参考人の意見等にかんがみ、過日橋本理事から修正案が提出され、その趣旨の御説明がありました。  修正の第一点は、NHKの理事の数「五人以上十人以内」とあるのを「七人以上十人以内」に改めようとするものであります。第二点は、放送内容についての事後措置の期間を、原案には放送後「一箇月以内」となっているのを「三週間以内」に改めようとするものでありまして、いずれも放送事業運営の実際に照らし、適切な修正と認められるものであります。修正の第三点は、「郵政大臣は、放送事業者に対しその業務に関し報告をさせることができる」という規定を「その業務に関し資料の提出を求めることができる」と改めるものでありますが、この修正は、この条文の趣旨が、業務報告に籍口して放送番組の内容その他に不当に干渉するような意図を含んでいないことを一そう明瞭にしようとするものであります。修正の第四点である番組審議機関の共同設置に関する規定の追加も、一般放送事業運営の実情に即した適切なる修正と思われるのであります。これらの修正は、政府提出原案の本質に何らの変更を加えるものではなく、原案の欠を補って、これを一そう完璧なものとしたものと認められるのであります。  よって自由民主党は、橋本理事提出にかかる修正案並びに同修正部分を除く原案に賛成するものであることを明らかにして私の討論を終ります。(拍手)

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず橋本委員提出の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいまの修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 起立多数。よって、修正部分を除いて原案の通り決しました。  これにて放送法の一部を改正する法律案は修正議決いたしました。  本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 御異議なしと認め、さように取り計らいます。  この際、寺尾郵政大臣より発言を求められておりますので、これを許します。

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○寺尾国務大臣 ただいまは、慎重御審議の結果、委員会におきまして放送法に対する修正案が御可決を賜わりましたことを衷心よりお礼を申し上げます。また修正部分につきましても、委員各位の御熱心なる御審議の結晶でありまして、この点に対しましても心より敬意を払う次第であります。  長期間にわたりましていろいろと御審議また御理解を賜わりまして今日あることを得ましたことを、重ねてお礼申し上げたいと思います。     —————————————

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 次に、去る一月三十一日付託になりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。  まず寺尾郵政大臣より提案理由の説明を聴取することといたします。寺尾郵政大臣。     —————————————

寺尾豊自由民主党郵政大臣

○寺尾国務大臣 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。  この改正法律案は、簡易生命保険の新しい保険種類として、家族保険を創設しようとするものであります。この新種保険を創設しようといたしますのは、最近の国民大衆の保険需要の動向にかんがみまして、夫婦及び子、すなわち家族全員を一団として被保険者とする生命保険を安い保険料で提供し、家庭の経済生活の安定を確保しようとするものであります。  この保険の内容は、夫婦のいずれか一方がこの保険契約を締結いたしますと、保険契約者を主たる被保険者として、その配偶者及び未成年の子も被保険者となるのであります。保険契約者につきましては、その者が一般に家庭の経済生活の支柱となっているものでありますところから、その者の生存中に保険期間が満了し、または保険期間の満了前に死亡した場合に保険金を支払い、もって老後における生活の安定、あるいは死亡した場合における医療費、葬祭費及び遺族の当座の生活費等を確保しようとするものであります。また配偶者及び子につきましては、一定の年令に達する前に死亡したときに保険金を支払うことにし、それらの者の死亡による保険契約者の経済的負担を軽減しようとするものであります。  保険金額は、保険契約者に対する保険金額を基本とし、配偶者はその四割、子はその二割とするものであります。なおこの保険は、簡易保険の一種類でありますので、被保険者一人について二十五万円という現行の最高制限額のワク内で実施するものであります。  保険料額は、保険契約者の年令によって定まり、子は何人いても保険料額は同一で、保険契約者が単独で従来の簡易保険に加入する場合の保険料額に比し、約一割五分程度の増加にとどまっております。なお、保険契約者が死亡した後は、将来の保険料の払い込みが免除され、配偶者及び子に対する保険はそのまま継続するという仕組みであります。  その他の事項につきましては、現行の保険種類とほぼ同様であります。  このような内容の家族保険は、保険料が安く、簡易に利用でき、家庭の経済生活の安定に資するところが大きい保険として、簡易生命保険法の目的にまさに合致するものと確信いたしております。  以上、この改正法律案の提案理由及び改正内容の概略を御説明申し上げた次第であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。

淺香忠雄自由民主党

○淺香委員長 これにて提案理由の説明聴取を終りました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時十分散会      ————◇—————

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