P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
31回国会衆議院1959/05/04

地方行政委員会 第31号

発言数
40
登壇者
7
会派数
2
開催日
1959/05/04

会議録

鈴木善幸自由民主党

○鈴木委員長 これより会議を開きます。  地方自治に関する件並びに警察に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。門司亮君。

門司亮日本社会党

○門司委員 それでは選挙のことと、地方自治法との関係その他のことをお聞きしたい。  最初に聞いておきたいのは、一つの事件として公職選挙法の違反で罰金刑がきまって、従って当然被選挙権がなくなっておる。同時に公民権が停止されておりますから、市会議員としての資格もなくなっていなければならぬはずだと思うのだが、この人が、詳しく言えば昨年の十月一日に戸別訪問の強要というような罪名で八千円の罰金が確定して納められておる。従って、その日の十月一日に同時に公民権が停止されておる。にもかかわらず、そのままことしの四月まで市会議員として在職して議会に出席して、同時に歳費を受けておる。こういうような事実があるのだが、それに対して一体自治庁はどういうふうにお考えになるのか、その点を最初聞いておきたいと思います。

松村清之総理府事務官(自治庁長官官房長)

○松村説明員 十月一日に罰金刑が確定しまして被選挙権を失ったその際、その人は当然議員の職を退くべきだと思いますが、今お話しのように、その後も引き続き議会におったということはまことに遺憾なことでございますが、その間に行いました議決につきましては、判例等にも、その本人の投票が議会の議決の結果に影響を及ぼさない限りは、議会の議決そのものは有効である。こういう判例もございますので、そのように考えておるような次第でございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 それは現実の問題として、議決の効力がどうかという問題であって、市会の構成とは違うと思う。市会の構成は、市会議員にあらざる者が入っていてよろしいかどうか。その後における議決がどうかという議論は、今のような答弁があろうかと思う。しかし、構成員にあらざる者が、一体市会の議決に加わることができるかどうかということなんです。問題はここにあるのですよ。日にちその他を詳細にいえばもっとはっきりすると思いますが、今までのことをはっきり時間的に問題を解決することになれば、簡易裁判所で選挙違反で裁判を受けたのが昨年、三十三年八月二十日であって、罰金の命令書が三十三年九月十六日に出ておる。それから本裁判も何もやっておりませんので、従って三十三年十月一日に確定して、罰金八千円納められておる。そのときに公民権が停止されておる、こういうことです。そうして、それの犯罪通知が区役所に来ておるのが、三十四年三月三日付で裁判所から来ておって、区役所はこれを三月六日に受け取って犯罪人名簿に入れられておるという事実がある。しかし、これは一つの経過であって、当然本人としては、十月一日に失格したことがわかっていなければならぬ。しかもこれは市会議員を十二年もやっているのですから、新しい議員じゃない。そういう問題が実はあるのでありますが、これに対して今のような答弁だけではこの問題の解決に私はならぬと思う。問題は、こういう事態が起るので、それじゃこれを一体どうなくしていくかということが一つの課題だと思う。これは本人の申告だから、出なければ役所も知る余地がないのだというようなことを一応現在の役所の方では言われておる。議長も市長も市会事務局の当局もどうも知らなかったから支払った、本人が黙っているから支払った、こういうことなのですね。そういうことでよろしいかどうかということなのです。もしいけないとすれば、それをどこでその穴をなくするかということです。こういう問題を少くともなくするという措置について何かお考えがあるなら、この際承わっておきたい。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 私から申し上げます。ただいま問題になっておりまする事件でございますが、私、実はまだ具体的な内容についてはよく承知はいたしておらないのでありますが、今門司委員が御指摘になりましたような事実そのままがありといたしますれば、これはまことに遺憾千万であったというふうに言わざるを得ないのであります。判決が確定をいたしておる、罰金刑が確定をしたということに相なりますれば、それに伴って当然法的効果として議員たるの資格は喪失をするわけでありますからして、その後におきましては、本人としてももちろん議会に出ることはできないでありましょうし、また議長にいたしましても、その点についてはかりに入場するというようなことがありましても、その出席というものは拒否するということにしなければならぬわけであります。ただ本件につきましては、今もお話がありましたように、関係のところでそういう事実を実は知らなかったのだ、こういうようなことを言っておるようであります。区役所自体に判決書が到着いたしましたのも、本年に入りましてからであるというふうなことがございます。それらの点につきまして立法論的にどういうように間隙をなくしていくか、本人が黙っておるというような場合におきましても、それらの点についてもう少し敏速的確な連絡その他の処置が講じ得るような措置を考えなければいけないのじゃないか、そういう点は確かにあり得ると思うのであります。今ここでそれらの点につきましてどういうふうに立法論的に解決をしていくかということについて、私自身として具体的な成案があるわけじゃございませんが、確かに問題点の一つであると思います。そういうような点につきましてはさらに具体的に検討を加えたい、かように考える次第でございます。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 関連して。問題を明らかにするために一言だけ質問さしていただきたい。簡単であります。  本人が当然失格になりましょうけれども、当然失格ということの具体的に行政上に現われる時期は、町村長が当該議員を会議に招集しないということから始まるのかどうかという問題が一つ。  それから犯罪人通知書というものは市町村役場に法務省から来るのでありますけれども、公職にある者の通知書は一般の犯罪人通知書よりも先に来るように記憶しておりますが、そういうお取扱いになっているか。それともそうなってなければ、特にそういう議会の構成に関するものなんかは法務省から早く当該自治体の方へ通知をさせるように法律改正の必要がないかどうか。その二つの疑問がございますので、ちょっとお尋ねします。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 取扱いといたしましては、犯罪人関係の調査また連絡事項につきましては、選挙関係については、法務省におきましても他のものよりも優先的に取り扱う措置を講じておるようであります。ただそれらの点につきまして、今のような事態もございますので、なお法務省とも連絡いたしまして、立法的に措置をいたすべきことは研究問題といたしまして、実際上、運用上でそれらの間隙を少しでも狭めるということができます部面につきましては、さらに連絡を強化してやっていくことが必要ではないかと考える次第でございます。  それからもう一つの問題でございますが、この点は、もちろんわかっておりますれば、市長の側から招集告知というものをやらないというところから始まるべきでありますが、もっとさかのぼって申しますと、たとえば議会招集の必要性がその時期には感じられなかった。しかし、具体的に現われて参りますのはいわゆる歳費の支払いの問題がございます。そういう段階において気をつけておれば、そのときからはっきり断ち切った措置を講ずるべきである、それが第二段階であると思います。

加藤精三自由民主党

○加藤(精)委員 今の取扱い上、行政上市会議員でなくなる時期の問題でございますが、それは法務省から当該地方団体へ、地方団体の議員の犯罪であれば早く通告してもらった方がいいというのが私の主張でございます。行政局長の御回答は、選挙関係の犯罪通知は特に急いでいるというのでございますが、私といたしましては、市町村議会の構成ということは市町村自治の二つの主権の一つでありますから、そういう意味で特に急ぐことを立法してはどうかという意見でございますから、私のその主張を正確に受け取っていただいて御研究を願いたい、こういうわけでございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 それで問題になりますのは、今のような、これから研究するというお話でありますが、これは役所の内部の問題が一つあるのですね。たとえば三月六日にはすでに犯罪人名簿が来ております。おくれてはおりますが来ているから、そのときから区役所は知っているわけです、公職にありますから。これをやはり直ちに市会事務局なりあるいは市長に通告することは、私は当然行わるべきことだと思う。そうすれば、たとえば三月と四月からでも歳費の支払いあるいは三月の予算市会には出席ができなかったかもしれない。これはずっと出ているんです。それで日にちの問題もありますが、実際は役所内部の落度もあるのですね。全然ないとは言わせないのです。ところが、犯罪人名簿自身というものが秘密であることには間違いはないですが、しかし、当然区役所のとるべき仕事としては、市長なりあるいはさっき言ったように市会の事務局なりに通知すべきだったと私は思う。しかし、そういうことは規定の上には何もないのですね。取扱いの上の常識上そういうことは考えられるが、規定の上には何もない。従って、そういう面についても一応当局は一体どう考えるかということ。それからさっきの選挙局長の話のように、それがどう作用するかということで、問題がなければそれでよろしいんだということは、これは実際に行われたものだからやむを得ぬという一つの事態である。もしこれが一票の差で何かが決定したような事件があった場合には、これは非常に大きな問題になるのですね。これは横浜の事件でありますが、横浜の高射砲陣地の解除されたものを再び自衛隊に貸与するかどうかというときは、ほんとうに市会がまっ二つに分れて、最後の一票できめたという事実があるのですね。これはこの事件ではありませんけれども、そういう事実が市会の中にあるわけです。そういうことが問題になると、これは取り返しがつかないのですね。さっきの事件は進行していますから。これは無効であってもなくても、やっていることは取り返しはつきはしない。そういう非常に重大な問題が出てくるわけです。単に賛否両論についての採決の結果異同がなく、問題が起らぬからということだけでは私は済まされないと思うのです。四月に出席して、四月の決議に加わっておりますが、これはいずれも満場一致できまっておりますから、一票の差がどうこうということではない。その以前に行われた事件は、横浜でもそういう事件があったことは事実なんです。だから、こういう問題は、単に裁判所の判決がどうだというわけにはいかない。もしそれなら一票の差で問題があったときに、一体事件を取り返すことができるかどうかというと、何人も遂行したものについては取り返すことはできないし、保証もできない。そこで、そういう問題については厳重にしておかないと大きな間違いを起すし、取り返しのつかぬ間違いをこしらえる。その場合にだれに責任があるかといわれたって、だれに責任があるかわからぬということでは困る。その点を私どもは非常に心配するんだが、これについてただ研究するというだけではなくて、こういう問題はそれじゃどうすればよろしいかということについてのもう少しはっきりした答弁はできませんか。大臣がおいでになれば、大臣にもこの点をはっきり聞いて、そうして法務大臣との間でこの次にでも確かめなければならぬと思うのです。どういうことです。これは今の法律ではどうにもならぬとおっしゃるのですか。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 お説の点はまことにごもっともでありまして、今までの具体的な事例につきましても、今問題になっておりますような案件が出ておるようなことは、私、過去の実例としてはあまり承知いたしておらないのであります。ただ本件のごく三月に入って、おくれはしたけれども、そのときに通知が行った。しかもその後においても実際に当該議員の職を失ったはずの者が議事に参画しておるような事例があったという場合に、その当時といたしますれば、これはなるほど役所内部のやり方にまずいことがあったのではないか。当然通知があれば、その旨をはっきりと自治庁にも通知をし、また議員にもはっきりとその旨の通知をし、連絡をしていくということは、これは当然早急に措置をしなければならぬ問題であったと思うのであります。そういうところがどういう理由でそういうことになったのかということにつきましては、私たちといたしましても、今後のいろいろな行政指導の面もございますし、また場合によりましては立法的に解決をしなければならぬ面も起ってくるかもしれません。そういうような点につきましては、もう少し具体的によく調べてみたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 今具体的に調べるといっても、調べたって事実がこうなんだから私は調べようがないと思うんだが、それはそれとして、その次に聞いておきたいのは、同じように関連するのでありますが、この人は市会議員に立候補の資格がなかったわけです。結局十一条の例の選挙権、被選挙権の問題で当然二百五十二条にひっかかっておりますから、立候補の資格がなかったわけです。ところがこれが四月八日に立候補の届出をしている。選挙管理委員会の現在の立場は、立候補をした者は受付けないわけにはいかない。拒否する権限を持っておりませんから、これはむろん受け付けた。ところが、実際は資格がないということははっきりしているということですね。そこで問題になりますのは、手続からいえば、私から言うより選挙局長の方がよく知っておられると思うのですが、選管その他が一応受け付けたものを、原籍地記載で犯罪事実があれば、当然資格のない人については選挙会で投票が無効になる。こういう決定を下して、投票してもそれは無効だということになると私は思うのです。選挙管理委員会としての処置は、そういう処置をとる以外に私は手はなかったと思うのです。ところが、問題になりますのは、八日に立候補の届出をして、そうしてこれは十日に恩赦になって復権している。ところが御丁寧に、十一日には簡易裁判所から、本人の資格は喪失しているのだということが一応区役所に電話で通知が来ている。しかし、そのときは十一日であって、十日に復権しているということですね。そこで問題になりますのは、この二日間の選挙運動がどうかということです。これはあとの問題になろうかと思いますが、そうなってくると、こういう選挙法にはいろいろと矛盾が出てくるのです。これをどう解釈してよろしいか、当然資格のなかった人が立候補をしている。そして二日間選挙運動をやった。選挙運動をやらないといったって、選挙事務所の届出もやっているし、選挙出納責任者の届出もしているし、全部やっていることに間違いない。具体的な運動もやっていることは間違いない。そうすると、途中で資格ができてきたから、その以前の運動が選挙違反であるかないか、こういうきわめて妙な問題が一つ出てきている。  それからもう一つは、八日に届け出ましたこの人の履歴の中には、職業が市会議員とはっきり書いてある。これは資格のないことが書いてある。従って、裁判所からも通知があったということでかれこれして、十二日に、立候補届出の履歴の職業の市会議員と書いたのを削って、印刷業と直しておる事実がある。こういうことが一体行われるかどうかということです。こういう疑問がたくさんあるのです。これらは自治法で直すべきところがあるのか、あるいは公職選挙法を改正して、こういう穴をなくすことができるのか、こういう点をはっきり聞いておきたいと思います。

松村清之総理府事務官(自治庁長官官房長)

○松村説明員 お話しの点でございますが、被選挙権を有しますということは、立候補のための要件ではないというふうに公職選挙法では考えております。従って、その方が被選挙権がなかったわけですが、これが立候補するということは別に法律上差しつかえございません。ただ、被選挙権を持たない者は選挙運動はできないということに法律上なっております。従って、この本人以外の人が選挙運動をやりますことは、これは別といたしまして、本人が二日間選挙運動をやったといたしますれば法律違反になると思います。  それで、先ほど市会議員でないのに市会議員と書いたということは、これは経歴の詐称ということになって、これも法律に触れるのではなかろうかと、法律解釈としては考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 そうすると、途中で十二日に職業を書きかえたということは、解釈のしようによっては、まだ要するに市会議員の立候補者としての役所の公示がされておりません。そういうことになると思います。だからわれわれの疑問をするところは、事実的にそういうものがあるから、それを書きかえてもよろしいとも考えられるのでありますが、届出の書類を途中で書きかえてもよろしいということになると、結局何が書かれるかわからないということになります。お役所はこれを公報に公示することになっておりますから、おそらくだれとだれが立候補して、どういう人だということを公示するでしょう。そうなりますと、将来の選挙運動といいますか、選挙の取扱いについて相当大きな疑惑が全国的に出てくると思いますので、この点をお聞きいたします。

松村清之総理府事務官(自治庁長官官房長)

○松村説明員 立候補届出の書類につきましては、正当なことを書かなければなりませんので、本人が市会議員でないのに市会議員であるように書くということは、法に違反することもありますし、そうすべきではないと思うのでございます。具体的な事情について私もよく承知しておりませんので、それ以上のことは別にお答えすることもできませんが、本人が自分で偽わりと知りながらそういうことをやったということになってきますれば、これは法律に照らして違法かどうかということをきめなければならないかと考えます。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうもそういう水かけ論みたいなことで一向わからぬですが、私はこの点はかなり克明に調査をしております。大体私の調査した範囲では間違いないと思う。それでもし必要があれば、選挙管理委員会からその際のいきさつというものを書類でとってもよろしいと思う。  それからもう一つ問題になりますのは、歳費が支払われたという問題ですが、これは一体、本人が詐欺になるのか、役所側の瑕疵になるのか、どういうことに解釈すればよろしいのですか。

松村清之総理府事務官(自治庁長官官房長)

○松村説明員 歳費の問題でございますが、これは刑が確定したということになりますと、その以後においての歳費は、これは支払うべきものではございません。従って、もしかりに間違って支払っておるということであれば、これは当然本人から返してもらわなければならぬ、こういう手続を講ずべきものだと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 私はそれはそれでいいと思う。どっちにしても返さるべきものだと思う。ただ問題になるのは、本人としては知っているはずなんです。知らなかったといったところで、市会議員を十二年もやったんですから、自分の身分に関係することは知らないということはない。問題は詐欺——いわば告訴すれば詐欺になるかもしれないという話になるかもしれない。しかし問題の所在が、単に市役所は知らなかったから払った、あと取り戻せばいいんだということだけで一体済まされる問題であるかどうかということなんです。これはどう考えてもその辺の処置がおかしい。だから今の答弁で、ただ返せばいいんだということになれば、これは役所の落度というものは何もなかったということです。そうして本人が、自分が申告しなかったから本人がいけないということになろうかと思います。だから、どこまでも本人の落度といいますか、善意に解釈すれば、本人が知らなかったから受け取ったということになる。悪意に解釈すれば、知っていて黙って受け取ったということになるかもしれない。この二つの解釈の仕方があるかもしれない。いずれにしても、市役所としては支払ったということ自体が、それだけでよろしいかどうかということ。今のような、ただ返せばいいんだということだけで済まされる問題であるかどうかということについて、実際はわれわれは疑問があると思う。支払うべきものでなかったものが支払われておった。その間に何も役所が知らなかったということにも私は問題があろうかと思います。  もう一つは、さっき言いましたように、少くとも三月六日に通知が来ているんですね。そういたしますと、どっかに今までのうちに処置がとらるべきだったと思う。今になって騒がなくても、選挙になってあわてて、いや被選挙権があったとかなかったとかいうことであわててやらなくても、その前に処置がとられてなければならない。だから、役所内部においてそうした落度については責任をどうするかということですが、これは別に責任を問われる筋合いじゃないとお考えですか。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 結局今問題は、先にお述べになりました点、すなわち刑が確定した、その場合において、通知の方法をどうするか、まずそのこと自体について通知をすべき責任主体をどこに置くかというような点について、若干従来の立法措置なり取扱いの方法なりというものが、不明確といえば不明確な点があったというところから出てきておるのではないかと思うのであります。その場合に、資格のない者に対して歳費を払ったという厳然たる事実があるといたしますれば、その場合に、本人にかりに事実を知りながらなおこれを受け取ったという故意があるのか、過失があるのか、あるいは支払い側におきまして、事実を知りながら故意にあるいは過失にやったことについて、公金の支出自体について責任を全うしなかった点があるかというような問題は、これは起り得ることだと思うのであります。ただその前提といたしまして、やはりどうしても責任がどこにあるかというような点を明確にいたしませんと、一つの刑事事件として立件いたします場合におきましても、これは私の立場からとやかく言うべき筋合いではありませんが、不明確な点も残り得るのではなかろうかというような考えもいたします。  私といたしましても、別に返せばそれでいいんだということには考えておらないのでありまして、もちろんこれらの点につきましては、はっきりとした措置を講ずべきであった。少くとも三月六日なら三月六日に通知が来たのであれば、その後においては歳費は支払わるべきものでないのでありますから、それらの点について手続上の手抜かりなり、何らかの点があったということは、事実に徴してももう少し調べてみなければわかりませんが、そういう厳然たる事実があるということはまぎれもない事柄でありますので、そこに手落ちがあったということははっきり申せるのではないかと思います。そういうような点につきましては、やはり事務的にもう少しはっきりすべき点ははっきりさせるというようなことについて注意を喚起しなければなりませんし、それと同時に併行いたしまして立法的に不備な点がございますれば、そういうような点につきまして整備をはかるように研究をして参りたい、こういう趣旨で申し上げた次第でございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 それは、あなたと議論しても水かけ論になると思いますが、さっきの経歴の問題ですが、途中で書きかえることが法的に許されておりますか、その点もう一度確かめておきたいと思います。

松村清之総理府事務官(自治庁長官官房長)

○松村説明員 最初に届け出ました事項について、変更がある場合には変更届ができるということにはなっております。従ってその場合、具体的にはどうか知りませんが、本人が全く自分が市会議員でなくなっているのを知らなかったという場合におきましては、あとで知ったことはその届事項の変更ということでできようかと思いますが、最初から知っておりながらそうしたことは、やはり法に反することになろうかと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 その知っているとか知っていないという問題でないんだ。具体的に言うと、途中で区長が注意している。六日にこういう通知が来ております。従って被選挙権がないからだめですと言われているが、十日に復権するから差しつかえないんだということでやっている。八日に届け出て、書きかえたのは十二日です。問違いがあったというのなら十日の新しいときに書きかえるべきです。  それからもう一つ立ったついでに言っておきますが、資格のないときに立候補届を出して、途中で資格ができたからといって、一体そのまま継続ができるかどうかということ、これも問題がある。二日なら二日の間、選挙運動をしたことが違反になる。選挙運動はできないんだ。その間じっとしていて、あとで復権になったんだから立候補してもよろしいんだ、運動をしてもよろしいという解釈が成り立つかどうかということです。そういうところは非常に問題が残されている。実際恩赦というものはこういうばかばかしいところまで影響してきているんです。きょうは大臣がおいでにならぬから、そんなことまでやかましくあなた方に言ってもしょうがないと思うが、そういう解釈はどうなるんですか。そのまま継続してもよろしいという解釈ですか、それともあらためて届をし直すべきだ、こういうことですか。

松村清之総理府事務官(自治庁長官官房長)

○松村説明員 先ほどの私の言葉が足らなかったかと思いますが、立候補の際には被選挙権を持たなくても、選挙期日にもっておればいい、こういう解釈でございます。従って恩赦で復権したといなとにかかわらず、そういうことを抜きにいたしましても、被選挙権がなくても立候補はできる。ただ選挙の期日に被選挙権があればいいんだ、その場合間に合わなければこれは無効になるわけですが、しかし、その選挙運動に関しましては、被選挙権のない者、選挙権のない者はこれができない。こういうことになっているわけでございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 私の伺いましたのは、そういうこと、それからさっき聞きましたのは、そうするとこういう解釈でよろしいのですか。届出は一つでいいんだ、こういったことですね。そうしますと、十二日までは市会議員としての届出があって、しかもそれは恩赦になった後二日です。届出をしてあって、そして途中で書きかえたという事実、これは私は知らなかったとは言えないと思うのです。それでその間やはり運動しているのです。事態がそのときに変ったものじゃないのです。すでに半年も前にあったという事実なんです。それが途中で経歴が変ったということはあり得ないと私は思うのです。選挙の期日後変ったということ、要するに届出のときの職業が変っても、これは届出のときの職業というのは、そのときの職業でなければならない。それをそのままにしておけば、むろん経歴の詐称になる。だから取りかえるのだというりくつが成り立つと思うのです。そういうことにならなければ、経歴詐称にはならぬのです。そういう場合に、途中で取りかえた場合、たとえば今まで雑貨商をやった人が、途中で飲食店に変ったという場合、途中で書きかえても経歴詐称にはならない。前もほんとうですし、あとのもほんとうですから、経歴詐称にならない。ところが、前のはうそなんです。経歴詐称になるから書きかえた、こういうことですね。そういうことが許されるかどうかということなんです。問題はそこにあるのです。両方ほんとうだというのなら、これは書きかえても差しつかえないと思うのです。今までこうやっていた、これもほんとうだ。しかし現在の職業は途中で変ったから書きかえた。丁寧な行き方からすれば、そういうことになるかもしれない。しかし現実に片方はそうでなかったということですね。それを抹殺するために新しく取りかえたということの事実は、私は今の答弁の範疇とは本質的に違っていると思うのです。そういうものが許されるかどうかということです。

松村清之総理府事務官(自治庁長官官房長)

○松村説明員 お話しのように、立候補届当時の職業がその後変った場合においては、これは届出の変更届出、こういうことでできるわけでございますが、ただいまのお話のように、もう立候補のときに、届出のときにすでに市会議員でなかったのを、市会議員としておる。これは明らかに法に違反することだろうと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 その点はあまり長くなりますから、あともう少し聞きたいことがありますが、大臣がおいでになったところで聞くとして、もう一つ聞いておきたいと思いますことは、自治庁におそらく書類がいっていると思いますから、自治庁の方も御存じだと思いますが、例の山梨県の中巨摩郡源村の町村合併に伴う今度の選挙の問題です。これは統一選挙が当然四月三十日に行われることがわかっておって、そうして村議会が四月十九日に即時合併を一応決議いたしております。そうしてその合併の期日が五月一日だということになっておりますので、結局選挙を行う必要がないということで、村長の選挙も村議会の選挙も行なっておらない。こういうことになっておりますが、一体こういうことについて自治庁の考え方はどうですか。これは四月三十日に選挙して、五月一日に合併するのだから、事実上村会議員の必要もない、あるいは村長さんの必要もない。まあ村長さんについては事務処理があるいは行われるかもしれない。しかし、議決機関がないという事態の中で合併が行われることがよろしいかどうかということです。これはいろいろ問題があろうかと思います。しかし、片方は村長さんもなければ村議会もない。そういうものとの合併が一体いいのか悪いのかということです。そういう処置をとることがいいか悪いか。これは自治庁にも通知がいっていると思いますが、これはどうお考えになりますか。

松村清之総理府事務官(自治庁長官官房長)

○松村説明員 町村合併からの観点は行政局長の方からお答えをしていただきますが、今の問題は、法律的にやかましく解釈しますれば、四月三十日にやるべきことになるのでございますけれども、そういうふうに町村合併が行われて、すぐまた選挙をやらなければならぬ。こういう事態に着目いたしますと、四月三十日に選挙をやることは実益がないのではなかろうか、こういうふうに考えられまして、そういった措置をとることも、自治運営の当局者がきめられますと、それは実際上からやむを得ない措置ではなかろうか、こういうふうに考えております。

門司亮日本社会党

○門司委員 そういう処置がやむを得ぬと言っておりますが、町村合併の問題については、実際はいろいろ問題があるのです。そうして村会で十九日にきめた。しかし、その中にはいろいろ反対の諸君もおりますしするから、即時合併をするというようなことが、あまりにもこの問題については手続が早く、県庁もあるいは自治庁関係も手回しがよ過ぎたと思うのです。そうして四月十九日に村議会で決議したことが、五月一日に合併されるというようなことは、今までの町村合併ではあり得なかったと思うのです、こういう迅速に行われたということは。同時に、片っ方は村の構成というものが、統一選挙の建前からいえば、五月一日には事実上はないのです。それから同時に四月三十日で村議会の任期が切れているとすれば、議会は全くないということになる。任期があればまた別だと思うのです。議員の任期は四年とすると法律にあって、統一選挙は特別法でやったので、議員の任期があれば別です。しかし、議員の任期は全くなくなっている。村長さんの場合は、欠けておっても助役がおりますから、代理をする当事者がおりますからやかましく言わぬでもいいのですが、議員の立場からいえば村という態勢を整えていない。村というものは理事者があり、議決機関があって村の態勢があるので、村としての態勢がないものが合併することがいいか悪いか。従って、ここの千何百人の有権者は、自分たちの代表者を選挙する投票をしていない。たとい一日でも自分たちの代表者がいないときに合併が行われているのですが、こういうことがいいか悪いかということです。私は、法律的にはあなた方の解釈はあると思う。その後に村の議会を開いて、村会議員の定数を改正して、新しく合併した村から何人かの議員を出すことも可能だと思う。やればやれないことはない。だから、全然議決権に対する村民の意思の反映ができないとは言わぬ。しかし、少くとも合併当時における村民の意思決定機関というものはなかった。こういうことが許されるかどうか、行政上のむだはあると思います。一日か二日のものを選挙をしなくてもいいということだと思いますけれども、体裁上は必ず疑問が出てくると思うのです。こういうことを行政処置としてよろしいと考えますか。そうすると、これは一日でも二日でも三日でもよろしいという解釈が出てきますよ。その点はどうなんですか。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 なるほど合併の際に、一方の議会の構成がなされておらない、全然ないというようなことを前提にいたしまして合併を行う。これは見方によりましては非常におかしい、奇異な感じが確かにいたさないことはないのであります。ただやはり当局といたしましては、先刻選挙局長から申し上げましたように、実益問題というものをおそらく考慮いたしまして、そういう措置に出たのではないかというふうに考えるのであります。あらかじめそういうような方法もとるべきかどうかというようなことについて、当方にかりに相談があるといたしますれば、やはり何らか助言の方法があったかと思いますが、おそらく当局といたしましては、今の実益論というようなことに主眼を置いて、そういう処置を講じたのではないかと考える次第であります。

門司亮日本社会党

○門司委員 実益論というようなものではなくて、投票するということは国民の基本的権利なんです。国民の主権者としての最大限の権利なんです。これ以外に一体どこに国民の主権者としての行為があるか。投票するということ、自分たちの代表者を選ぶということが、ほんとうに具体的に現われた主権者としての権利なんです。その主権者としての権利が行使されないで、そうして便宜したとい一時間であろうと、一日であろうと、事実のないときに一体合併をすることがよろしいかどうかということです。これは単に財政上の問題や何かのむだがあるからということでは済まされないと私は思う。基本的権利をどうするかということなんです。これで合併したものがあなた方は有効だとお考えになりますか。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)委員 関連して。今のような問題ですが、これはおそらく合併をされる村の理事者その他が、そういう事態について独自の判断をされずに、具体的な話は私は山梨県のように伺いますが、山梨県の県当局なり地方課なり、そういうものと相談の上でやられたというふうな、そういう形跡はあるんじゃないですか、その辺のところをついでにちょっとお聞かせを願いたい。今の門司さんの御質問、私はあまり具体的な内容は実は存じませんが、最近の地方自治の全般のやり方を見ますと、どうも非常に安易に物事を片づけるくせがついておるように思いますので、その辺のところを一つ聞かせていただきたいと思います。

皆川迪夫総理府事務官(自治庁選挙局選挙課長)

○皆川説明員 私から補足的にお答え申し上げます。本件につきましては、正式な県当局からの照会というものはございませんけれども、村として五月一日に合併をする。そうしますと、前任者が四月三十日までで、新しい議員は五月一日から任期が始まるわけでありますから、その日に合併をしてしまいますと、選挙をしてもほとんど実益がない。任期が始まる当日にすでに議員の身分も失うということでは実益がないから、そういうような場合には、告示前にそういうような事態がはっきりしておる場合には、選挙をやらぬでもかまわぬ、差しつかえないものであろうかどうか、こういうようなことを電話で照会があったように記憶しております。それに対して私たちとしては、もちろん法律上そういうような場合に選挙をしなくて差しつかえないというような根拠はございませんけれども、自治団体が自分の自治運営の立場から、実益のないような選挙をやらないというようなことをやっても、法律上は別に制裁というような手段もございませんし、その当該団体で、その方がいいというような判断でおきめになれば、これはやむを得ないんじゃないだろうか、こういうようにお答えをいたしたわけでございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 問題はそういうところにあるのです。それが一つの問題と、それからもう一つの大きな問題は、十九日に村議会で決議されたものが、知事の専決で二十一日にすでに自治庁に申達されているのです。県議会にかけてないで知事の専決でやっておるのです。こういうむちゃくちゃなことがこの前に行われておる。知事の専決でこういうものが自治庁に申達されて、そして県議会は知らぬというようなことでよろしいかどうかということなんです。町村合併の問題を十九日に議会で決議をして、二十一日に知事の専決で自治庁に申達した。それからこういう問題が発生してきているのです。だから、ここでこういう問題を引き起したということは、私は正しい手続ではなかったと思うのです。自治庁はこういう問題について、差しつかえがないのだ、これでも合併ができるのだというようにお考えですか。私は、知事の専決というものにも少し問題があると思うのです。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 合併問題のような重要な案件につきましては、軽々に知事が専決処分で決定をするには不適当な案件であることは申すまでもございません。大体の場合、もちろん合併案件等につきましては議会に諮りまして決定をいたしておるのでありまして、専決をやっておる事例というものはそう多くあるわけではございません。われわれといたしましても、重要な事柄につきまして軽々に専決処分権を発動するということは慎重にしなければならぬということで、今までも指導はしてきておるのであります。ただしからば、合併案件について専決が全然ないかというと、そうではございません。いろいろな事情、すなわち当時議会が開会のいとまがない、あるいは開会自体もできがたい客観情勢がある、そういったような事態におきまして専決をやっておる事例も間々ございます。ただ、そういうような場合におきましては、あらかじめこの案件については、いつごろ関係町村当局から申請が出てくるということになるだろう、そうすれば従来のいきさつからしてこういうものは認めざるを得ないからして、その点はあらかじめ了承しておいてもらいたいということを、議会の関係筋にいろいろ事前に連絡をとりまして案件を処理しておるというのが実例のように私は承知いたしておるのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 これは私の手元にあります陳情書を見てみますと、四月十九日に村議会で決議をいたしております。当日は日曜であります。そうしてその日の午後四時半ごろに甲府の某所で知事と会談をしてこれをきめられて、二十一日に自治庁に申達されている。こういうことなんです。二十日の中一日しかない。だから、おそらく県議会に諮るとか相談するとかいう時間は全然なかったと私は思う。これはきわめて事務的に知事の専決が行われたと思います。この事態は、もう少し自治庁でも調査をしてもらわぬと、このまま見のがすわけにはいかぬ。こういうことが行われていて、そうして五月一日にいきなり持ってきて合併をするのだということが議決されている。そうして選挙が行われる。全然村民の意思決定というものがされないで合併が行われる。私は、合併自身もさっき申し上げたように問題だと思う。たとい一日でも村としての体裁というものがなければならぬと思う。村としての議決機関を持たない間に合併されたなんという不見識なことがあり得るかどうか。これはちょっと私は問題だと思う。それから同時に、選挙をしなかったということ自身が私はおかしいと思う。選挙はやはり住民の——今の新しい憲法というか、昔のものでも同じだと思いますけれども、住民のほんとうの意思決定機関としての最大の権利ですよ。これを便宜上やらなくともよろしいのだという理屈は、自治庁自身がそう解釈することが私はおかしいと思う。これは一日がよければ二日でもいい、三日でもよろしいということになろうと思う。半年とか一年とかはそうはいかぬだろうと思います。私は、村長さんのことはあまりやかましく言わない。村長さんは代理者があればそれでもよろしいかと思う。しかし、少くとも議員の任期が切れて、村会議員のいないときに村が合併されていたという不見識なことは考えられない。合併するなら、なおさらその合併条件というものはきちんとしたものにそろえるべきだと思う。これを自治庁がよろしいと言われるならば、全く国民の最大の主権者としての権利を自治庁自身がじゅうりんすることになると思う。そうお考えにならないですか。ただこれを事務的だけで、村議を一ぺん選挙すれば何十万と金がかかるので、むだだからやめるということで選挙が取り扱われたのでは、国民はかなわぬですよ。私はそう考えるのです。それから、同時にこの取扱いも、三十日に選挙が行われることはわかっているんですね。新しい議会ができることがわかっている。しかも四月の十九日に、次の議会ができることははっきりわかっている。にもかかわらず、何で急いでこういうことをやらなきゃならなかったかということです。この陳情書を見てみますると、有権者千二百六十何名かの中に、六百何名かの反対署名がちゃんと出ている。これでもし選挙すれば、あるいは村議会がひっくり返るかもしれない。そうすれば併合が困難だというので、今のうちにやって、村民に何もものを言わせないという考え方以外に、実際何もなかったと私は思う。そういう考え方がないなら、新しい村議会の動向というものを見定めて、その上で合併をきめてもよかったと思う。もう任期が十日しかないのに十九日の日に議決させる。しかも、それから十何日かに選挙に入るんです。ほとんど日がないんです。私はそういうふうにあまり勘ぐってものを言いたくはないけど、村内の有権者千二百六十四名の中で六百五十名の反対の陳情書に対する署名が行われておるんですね。この事実を見ますと、選挙をすると村議会の分野が変るかもしれない。変ったのでは合併が困難になるかりもしれない。それなら今のうちに早くやって、新しい議会をこしらえない方がよい。こういうような意図があったのではないかと私は思うのですが、そういうことを調査されて今のような御返事をされたのかどうか伺いたい。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 本件につきましては、先刻選挙課長からも御答弁申し上げましたように、選挙手続自体の問題について町会の方から連絡があったようでございますが、町村合併自体の問題といたしまして私はその点承知をいたしておりません。ただ、従来この源村は御承知のように愛育村でございまして、そういう点で非常にうまくいっておったのでございますが、いろんな状態で一時は分割をしたり、今度また新しいところに合併をするということで、かなり村内がもめておるということにつきましては承知をいたしておるのであります。県の建設審議会等におきましても、いろいろその間の事情について苦慮いたしておったのでございますが、大体今のような線で最終的には計画自体もやむを得ないということで踏み切ったのでございます。専決自体の点につきましては、なるほど今のような時日的な余裕という点から申しますと手続がとれなかったかもしれない。事実選挙期間に入っておるというような事態もございましたので、そういうことはなかったのではないかと思いますが、そこまでにいきます段階におきまして、大体いつごろ案件が出てくる、そういう場合においてはやむを得ず専決等で処置をしたいということで、事前に打ち合せをし、了解を得て処置をいたしておりまするのが従来の通例のように私は承知をいたしておるという意味で申し上げたのであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 どうも決定的のものがないようですが、私は、この事件について最後に聞いておきたいと思いますことは、こういうことで合併しても、それを一体自治庁は有効だというふうに認められておるかどうかということですね。それから問題は、住民が代表者を選ぶことができなかったという事実に対して、だれが一体責任を負うかということですね。私は、これはただ事務的な問題だといって片づけるわけにいかぬと思うのですよ。新しく合併されて、村が今度新しくできた。しかしその村に対しては、源村の諸君だけは、村会議員に対しても投票をようしておらない。それから村の村長に対しても投票をようしておらない。自分たちの代表者でない機関が運営されているのですね。それから選挙権がなくなったということですね。これは一応こっちに村会が開かれて、たとい一日の日だけでも村会があった。そうしてこれが合併をした。その後、村会が一応合併されたことのために村が解散されるのだ、なくなるのだというなら、これはまた話はできてくるかもしれない。ところが、この場合はそういう処置がとられていない。最初から選挙していないのですから、ある意味においては選挙権の剥奪ですよ。行政措置で選挙権を剥奪されたのではかなわぬですよ。そういうことが一体いいとお考えなのですか。いいということになると、こういうものはたびたび出てくると思います。任期の間ぎわになって、次の選挙の前日に合併することをきめておけば、どこの村会でもこれをやれば、もう文句は言わせないということになる。これは実際に悪例を残すと思うのです。ここだけではないと思います。今申し上げたように、私のところに来ておる陳情書を見てみますと、これは「自治庁長官殿」と書いてあるから、自治庁にも行っておると思うが、有権者千二百六十四名中反対署名をしたのが六百五十名ありますからね。この比率からいけば、当然村会というものは議決がひっくり返ると思う。そういうものを恐れて、今の賛成派の多いうちに、庁方にすきを与えないで合併に持っていくということは、明らかに陰謀なんです。もう自分たちの寿命といったって、四月十九日では幾らもない。あと三十日までの間に何日ありますか。十一日しかない。ほとんど自分たちの選挙に入る直前なんですね。そのときにこういうことを決議して、そうして合併に持ち込んだという事実がある。これを自治庁が知らなかったとは言わせない。また、知事がそういうことはわからなかったというはずがないと思う。そこまでくれば、当然新しい議会ができて、新しい住民の意思決定に基いて合併をしなさいと言うのが常識だと私は思う。だから、そういう点について、これでよろしいというふうに認められますか。そうすると、私は先に悪例を残すと思います。あなた方がこれを認めるといわれるなら、今後悪例が必ずできるということをはっきり言っておかなければならぬ。そうしてこういう問題が起ってくる。知事が専決をやっているのですから、知事自身もおかしいのです。十九日の日曜に議決したものを、二十一日に専決して、自治庁に申達するなんておかしい。何もそんなに急がなければならぬものでもなし、人の生命に関係するものでは私はないと思うのです。当然さっきのお話のように、順序としては、やはり県議会に諮るべきが私は順序だと思う。またそうでなければならぬと思う。これは議論しても始まらぬので、一体自治庁はこれを有効とお認めになっておるかということだけをここではっきり聞いておきたい。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 先刻も申し上げましたように、手続といたしましては、事柄の重要性にかんがみて、当然成規の手続を経て、県議会の議決を経てから処置をすべきものであろうと思います。ただ専決自体は、絶対認められない筋合いのものでもございません。また現実に事例もあるわけでございまして、その点につきまして、私たちといたしましては、法的にこれが無効であるということは申せません。やはり適法として処置をせざるを得ないのではないかというふうに考えておるのであります。ただお話のありましたような点は、これはわれわれとしても十分考えてみなければならぬ点があるように思われます。そういったような点につきましては、将来悪例を残すというようなことのないような指導をとって参らなければならぬではないか、かように考えます。

門司亮日本社会党

○門司委員 今のは大体明確になって参りましたが、問題は専決ですね。知事の専決処分の中にこういう重大な問題を専決処分として許されますか。知事の専決処分というものはおのずから法律の中で制限してあると思います。何でもかんでもよろしいということは書いてないはずです。ただ伝染病であるとか災害であるとかいうような、どうしてもやむを得ざる、その場でなければ処置ができなかった問題については、これは専決でよろしいが、しかし、こういう問題はその場でなければ専決ができないという問題ではないのですからね。町村合併なんというものは人の生命に関係するものでもなければ、そんなに大きな問題が世間に起る問題でもない。だから専決々々といっても、町村合併に対してこう性急に専決処分をした事例がありますか。十九日に出てきたものを二十一日に知事が専決処分をして自治庁に申達をするというようなことは、私はおそらくなかったと思うのですよ。議会を開くいとまがなかったというが、いとまがなかったということは、おのずからそこに条件があるはずだ。具体的な事実があるはずだ。こういう状態で議会が開けなかったのだという事例があると思う。今度の場合はそういう実態かなかったと思うのです。そういう実態があっても、県議会は開いて、そうしてきちんとした手続でやるのが私はほんとうであったと思うのです。それでなければならぬと思うのです。ことに住民の基本的な権利ですからね。それをただ専決がやれるからといって——専決がやれるということは事態やむを得ざる場合の処置としての専決がやり得るという条項であって、これは具体的のもので、普遍的なものではないのです。もし自治庁がそういうお考えなら、やはりあの法律を書き直さなければならぬ。そうしてきちんときめなければならぬ。これとこれと、あとは絶対に専決してはならぬということを書いておかなければ危なくて仕方がない。こういう非常識なものが出てくることは、あなた方は差しつかえないということになるならば、そういう非常識を封ずる法律をやはりこしらえなければならぬ。少くとも知事あるいは議会というものについて、われわれはほんとうに不見識な拘束をするような法律はこしらえたくはない。きわめて常識的に行われるべきだという考え方に立ってこしらえられるのが法の建前としてはほんとうだと思う。刑法のように、悪人を縛るようながんじがらめの法律をこしらえることは不見識だと思う。しかし、今のようなお考え方であるならば、がんじがらめに知事の権限は針で突いた穴もないようにしておかないと危なくてしようがない。その点はどうなんです。法的には差しつかえがないのだと言われるけれども、私は法の精神からいっても誤まりだと思うのですよ。少くとも町村合併がこういう形で専決処分で出てくるということについては誤まりがあると思うのです。住民の意思というものは聞くべきだと思う。しかも知事はこの事実を知っているはずだ。千二百六十何名かの中に六百五十人に上る反対陳情者の出ていることは知っているはずだ。そうしてこの陳情書に書いてあることが事実とすれば問題なんです。役所であらざるところで会って、そうして談合がされているということになると、一つの陰謀ですよ。だからそういう問題については自治庁は調査されて、私はなおげたを預けるわけではありませんが、こういう問題については、私は善処しておいてもらいたいと思います。そうしませんと、必ず悪例を残しますよ、あなたが何と言っても……。一ぺんこういうものができた以上は、地方の自治体は、自治庁がどう言おうとこう言おうと、必ず悪例ができると思うのです。だからもしいけないとするならば、自治法を改正して、こういう抜け穴のないように改正しなさい。だからどうなんです。もう一度念を押しておきますが、そうすると、これは妙なことを聞くようですけれども、法律の解釈としては例はあり得るかもしれないが、処置としては妥当でなかったということに私は解釈すべきだと思いますが、そういうことに解釈されますか。

藤井貞夫総理府事務官(自治庁行政局長)

○藤井説明員 先刻来申し上げておりますように、合併案件というような点につきましてはやはり成規の手続を踏んで議会にかけて審議をして決定するという方法に出るべきが当然であろうと思うのであります。ただ形式的に見ました場合に、合併案件というものが絶対に専決の対象になり得ないかというと、やっぱりそうも言い切れないのではないかと考えております。ただ法の精神からいって、本件のごとき重要案件につきましては、専決権の乱用というものは、これはやることは法の精神からいって適当ではないということは、私は、はっきり言えるのではないかと思っております。

鈴木善幸自由民主党

○鈴木委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後零時五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗