地方行政委員会 第26号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/19
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 消防組織法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 他に御質疑はありませんか。——別に御質疑もないようでありますから、両案に対する質疑はこれにて終局することといたします。 この際、纐纈彌三君外二十九名の委員全員より自由民主党及び日本社会党両党共同提案にかかる消防組織法の一部を改正する法律案に対する修正案が提出されておりますので、その趣旨弁明を聴取することといたします。阪上安太郎君。
○阪上委員 ただいま議題となりました消防組織法の一部を改正する法律案に対する修正案でございますが、私から両党を代表いたしましてその趣旨の弁明をいたします。 まず最初に修正案を読み上げます。 消防組織法の一部を改正する法 律案に対する修正案 消防組織法の一部を改正する法律 案の一部を次のように修正する。第 十九条、第二十条及び第二十条の二 の改正に関する部分を削る。 以上でございますが、趣旨は、ここにございます政府提案の第十九条でございますが、これは民主主義に基く根本的な市町村消防に対するところの規定でございまして、昭和二十三年この法律が制定されまして以来、各市町村ともに優秀な成績をあげてきたのでございます。今回のこの改正案は、そういった市町村の消防に対する強い責任感を喪失させてしまう結果になるのではないかとわれわれは考えるのであります。従って、こういった条項は当然もとの姿に戻すべきであろうというのがわれわれの考え方でございます。御案内のように十九条は「市町村の消防は、国家消防本部長又は都道府県知事の運営管理又は行政管理に服することはない。」と、きわめて明確に市町村消防の責任を明らかにいたしておるのでありまして、こういった法律が、今回の改正案のごとく「国及び都道府県は、市町村の消防の自主性を尊重するとともに、その運営が円滑に行われるよう配慮するものとする。」こういうふうに書きかえられて参りますことは、重大な問題であろうとわれわれ考えるわけであります。こういう意味合いにおきまして、どうしてもこれは修正されなければならぬ、かようにわれわれ考えるわけであります。また第二十条及び第二十条の二の改正に関する部分でございますが、これも同様の見地から当然削るべきであろうとわれわれは考えるわけでございます。 いずれにいたしましても、政府のこの提案の趣旨を伺っておりますると、何か在来こういった条項があるために、とかく市町村に対する消防の国の援助ないし都道府県の援助がおろそかになっておる。それを何とかしなければいけないというのでこれを改正しようとした、こういうことでございますけれども、これは本末を転倒したところの意見でございまして、そういった財政援助の方法は別途に講じらるべきものであって、こういった基本的な規定を抹殺することは断じて許されないとわれわれは考えますので、この修正提案を出したわけでございます。どうか一つ御賛成願いたいと存じます。(拍手)
○鈴木委員長 これより討論に入る順序でありますが、特に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 消防組織法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず両党共同提案にかかる本案に対する修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○鈴木委員長 起立総員。よって本修正案は全会一致をもって可決いたしました。 次にただいまの修正部分を除く政府原案につき採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○鈴木委員長 起立総員。よって修正部分を除いては全会一致をもって原案の通り決しました。 右の結果、消防組織法の一部を改正する法律案は、全会一致をもって修正議決されました。 次に消防法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○鈴木委員長 起立総員。よって本案は全会一致をもって原案の通り可決いたしました。 両法律案に関する委員会報告書の作成についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。 —————————————
○鈴木委員長 次に消防に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。飯塚定輔君。
○飯塚委員 これは質疑というよりも、あるいは将来の消防というものに対する私の希望意見になるかもしれませんが、その点を特に大臣において御了承の上でお聞きとりを願いたいと思います。「消防団の設置、区域及び組織は、地方的要求に応じて、市町村長がこれを定める。」ということになっておりますし、また「消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護する」という大きな目的を持って活動しておりまするが、これは限られた消防団員という一つの組織、もとよりこれは大切でありますけれども、それよりも市町村のその地域的な全般的な住民が、消附思想の普及と消防の一定の訓練を受けて、皆消防という形になった方がより以上の効果が現われると思いまするから、特に消防団員になっておらない人たちであっても、たとえば成年式を終えたいわゆる成人となった地方の青年諸君を、一定の期間、あるいはその時期を限ってもよろしゅうございますが、消防団員としてその町あるいはその村、いわゆる郷土を防衛するという気持において消防団の組織の傘下に入れて、そうして消防の思想あるいは消防の訓練というものをすることを、国として将来どうお考えになるか、そういうことを私は非常に大切なことであると思うし、また、ともすれば戦後、団体訓練というようなものを受け得ない立場にある地方の青年諸君を、やはり自分の郷土を守るという郷土防衛の名誉ある消防士として一定の訓練をする。ただし、学校へ行く者は上級学校へ行ってもいいし、あるいは就職する者は就職してもいいけれども、地域住民に全部消防思想と消防訓練を受け得るような機会を与えるということを私は特に大臣にお考えを願いたいと思いまして発言をいたしたのでございますが、大臣のこれに関しての御意見を伺いたい。どういうお考えを持っておられますか。
○青木国務大臣 お話しのように、消防はお互いに自分たちの郷土を守るということでありますので、ひとり消防団員に限らず、すべての住民の方々の御協力を求めなければならないことは言うまでもないのでございます。従いまして、住民の皆さん方が進んで消防に協力して下さるということにつきましては、もちろん消防といたしましてもそういう姿を望むわけであります。ただ、申し上げるまでもなく、消防団は行政組織でありますので、未成年者等にそういう責任を負わせるわけに参らぬことは言うまでもないのでありまして、これはあくまでも自発的に少年あるいは壮年の方々が消防に協力するという姿でお願いするほかはないわけであります。また少年あるいは学校の生徒等の消防思想の普及という面から見ましても、進んでそういう方々が消防に協力して下さることはまことに望ましいことでありまして、現在全国でいわゆる少年消防クラブを作っておりますところが五千五百十三ほどあります。その少年消防の団員は六十九万三千ほどになっているわけであります。なおまたところによりまして、漁村等におきましては婦人の方々が、御承知のように消防団を組織しておるところもあるわけでありまして、それぞれの土地の状況によってそういうことも私たちはきわめて意義のあることであり、望ましいことであると思うのであります。ただ繰り返して申し上げますが、あくまでもこれは行政機関でありますので、それに正式の消防団員として御参加を願うのは、やはり少年というような方をお願いするわけには参りませんので、これは自発的に御協力を願う、また御協力を願う場合のあり方としてはもっぱら消防思想の普及、またはその消防活動に対する側面からの御協力を願う、こういう形でお願いすることが適当と思うのであります。なお、少年消防等につきましては、私どもも、小さいときからできるだけ消防思想を普及するという意味におきまし実は望ましいことと考えております。
○飯塚委員 大臣のお気持もよくわかりますが、未成年ということを大臣は今おっしゃったけれども、私の申し上げたのは、少年消防ももとよりけっこうでありまするが、私の方には婦人の消防団もあります。そういうことよりも、成年式を終えた成年になった者を一つの団体訓練をするという意味からいっても、また消防組織法の四条に「消防思想の普及宣伝」ということもありまするから、将来そういうことを、その成年式を終えた将来のある若者に対しても、郷土防衛の名誉ある消防士という気持を植えつけていただきたいということが私の希望でございますから、そういうことをお考え願いたいという私の希望をつけ加えて、私の質問を終りたいと思います。
○青木国務大臣 申し上げるまでもなく、市町村消防でありますので、市町村の市町村長におきまして、そういうお考えのもとにいろいろお願いすることは私どももまことにけっこうなことだろうと思うのでありますが、またお話しのように壮年層といいまするか、成年に達した青年の方々におきましては、一方におきまして消防に協力すると同時に、少年消防等についての指導と申しますか、そういう面においていろいろ御協力を願うことが最も適当ではないか、かように考えております。
○亀山委員 関連して。ただいま同僚の飯塚委員からお話のありました成年に達した場合に消防訓練をするということは、いろいろの意味から考えさせられる問題でありまして、あるいはこれに対する反対論も起るかもしれませんけれども、どうか当局におかれまして、一つの注意すべき御発言としてお取り上げ願って、適当に御指導を賜わることをつけ加えて私からお願いを申し上げておきます。
○鈴木委員長 安井吉典君。
○安井委員 消防本部長おいででございますので、この機会に消防団員等公務災害補償責任共済基金の関係につきまして簡単に二、三お尋ねをいたしたいと思います。非常勤消防団員あるいは一般の応援協力者に対する公務災害補償について、この法律がたしか三十一年の十一月だと思いますが、できましてから、まだ加入をしていない者がだいぶあるようでございますが、この間資料もいただきましたが、これの契約の状況、それからなぜ入らないのか、あるいは今後どのくらいの期間を置いて全体的に入る可能性があるか、そのことをまず最初にお伺いいたしたい。
○鈴木(琢)政府委員 消防団員等公務災害補償責任共済基金が三十一年の十一月に発足いたしましてから、三十三年度の実績を見ますと、加入率七五%になっております。それで三十四年度になりますと、おそらく年度当初には大体加入するわけでございますが、現在の推定ではこれが八五%には十分加入率が上昇すると予想いたしておるのでございますが、もちろん三十四年度中に一〇〇%まで持っていきたいということで趣旨の徹底に努力いたしておるつもりであります。今日まで一〇〇%加入いたしません理由は従来県単位で組合を作ったり、その他いろいろな団体を作って、それによって共済制度を実施しておったような事情のある県もございます。そういうところで基金がある程度たまっておる関係で、事務整理の都合上だんだん延び延びになっておるという理由に基く未加入が多いようでございます。この基金制度の趣旨については、だんだんとわれわれもその趣旨の徹底に努力して参りましたために、大体全国的にこの制度の趣旨は十分理解が行き届いておると存じますし、またそれぞれそういった今日まで未加入の町村におきましても、何とか方法を講じて早く加入したいという希望は述べておる状況でございますので、そういった従来のいきさつで支障がある県において、その支障がだんだん除かれて参りますれば、進んで加入するような状態になると思いますので、遠からず一〇〇%加入を達成することができると信じております。
○安井委員 都道府県の中では、その単位で組合を組織してやっているところがあるようですが、そちらの組合の基金でやった方が、いろいろな点で有利だということはないのですか。
○鈴木(琢)政府委員 県によりましては、組合を作って相当な基金をためておるようなところもございますが、ただこれは災害のことでございますので、基金をためておると申しましても、水害等の大災害があって大きな人的被害を受ける、消防団員が被害を受けるということになりますと、一ぺんで干上ってしまうというような状況でございます。幸いにそういった大規模な被害がないところは平穏に経営していくわけでございますが、予想しない大きな災害が実際にあったために、一ぺんで基金がなくなってしまったというような実例がちょいちょいございます。そういうこともだんだんわかって参りますので、そういう組合等を作って、ある程度の基金を設けておるところも、適当な時期には、やはりだんだんと加入するようになってくるのではないか、かように信じております。
○安井委員 一部事務組合としての都道府県消防災害補償組合がありますね。そういうようなものを今事務の取扱い機関にしているわけですが、それをもう少し強化して事務の一部を向うに預けていく、そういうふうな方法で——だいぶ金の出方がおくれたりしているような事情があるようなんですが、そういうような方法でもっと合理化していくという道はないのですか。
○鈴木(琢)政府委員 現在この基金の加入は、市町村が単独で加入してもよろしゅうございますし、また団体を組んで加入してもいいことになっております。ただ現在地方から非常に要望がございますのは、中央だけで基金の現金の取扱いをいたしておりますと、支払いがおくれるのじゃないかという心配が地方にはあるわけでございます。これはそういう心配が少ないように、基金の支払い事務は非常に敏活にやっておりまして、申請が地方から出て参りますと、短かいのは五日くらいで金を出します。長くても一週間くらいで出すように努力いたしておりますが、まだまだ地方には、何か自分の手近なところに支払いの事務所がないとおくれるような懸念をいたしまして、心配する向きもございます。実は法律の規定にもございますが、やはりできれば各県ごとに従たる事務所を作って、そこで支払い事務をやらせるということにいたしますと、支払いを受ける方も非常に安心するのじゃないかと思いますが、現在御承知のように、事務費は全額国庫補助という形になっておりますので、基金の全体の運営の規模に比べて非常に大きな事務費ということになりますことは難点がございますので、いろいろ折衝はいたしておりますが、まだ各県に従たる事務所を作るまでに至っておらないわけでございます。将来はぜひとも、ことに一〇〇%の加入というような段階になりますれば、ぜひとも従たる事務所を作りたいということで、引き続き大蔵省当局と折衝を重ねておるような状況でございます。
○安井委員 この前いただきましたこの基金の収支状況によりますと、国庫補助金は昭和三十一年度では一千万円ですが、三十二年度は四千万円、三十三年度は八百三十九万六千円、三十四年度は九百六十九万四千円と、ずっと減ってきて、ことしはちょっと上っております。これは事務費の関係だろうと思いますが、初め多くて今ぐっと減ってるのはどういう事情ですか。
○鈴木(琢)政府委員 実はこの基金の発足当時、毎年四千万円程度の国庫補助を出したいということで、事務的には折衝いたしておったわけでございまして、その考え方に従って、第一年度は途中でございましたので一千万円、二年度は四千万円ということで補助をいたすことにいたしたいのでございますが、この両年とも災害が比較的少なかったために、基金がある程度残って参りました。三十三年度は割合に災害が多くて、支出も多くなる見込みでございますが、差しあげました資料の備考のところにも書いてありますように、三十三年二月十八日末の支払いが二千四百万円、それから二月十九日以降三月末の推定支払い見込額九百七十六万円、それから三十四年四月以降三十三年度分として支払いの推定見込額が二千五百四十七万円というふうに推定いたしておるわけでございますが、結局、この支払いは市町村が義務的に補償額を支払うわけでございまして、その支払った額に対して市町村が基金に請求してくるわけでございますので、どうしても年度末に市町村の事務が片寄りますので、備考に書いてあるように、年度末に近くなってから支払いが非常に多いというようなことになるわけでございます。今日現在の段階での推定をいたしまして、それなら三十三年度の支払いを全部終了したらどれだけ金が残るかということをちょっと推計に基いてはじき出してみますと、大体三千五百万円程度は残る予定でございます。そういった状況でございますので、もちろんわれわれとしましては、毎年四千万円程度の補助をこの基金につぎ込んで基金を作っていきたい、そうして私たちの目標では、基金として一億二千万円くらい四、五年間に作りたいという予定で進めたのでございますが、そういった組合で積立金として順繰りに残って参りましたので、予算折衝の際に、事務費だけは法律の規定に基いて補助を出すが、基金にためていく分は、いろいろ財政の都合もあるから少し延ばしたらどうだということで、三十三年度と三十四年度には基金の部分についての補助は見合わしたという事情になっておるわけであります。三十三年度と三十四年度は事務費だけの補助ということになりましたので非常に額が小さくなった、こういうわけであります。しかし、基金の財政状況は、今申し上げましたように三十三年度を全部済ましましても三千五百万円程度は残る予定でございます。
○安井委員 あと二、三点、具体的な問題で町村側から非常に不満があるのです。あとでお尋ねするような点についての前提としてお尋ねをしたんですが、一番不満の原因は、国がもっとめんどうを見てくれるんじゃないかというような期待があったのじゃないかと思うんですね。というのは、現に市町村で一部事務組合という形で都道府県単位にやっていた。それをつぶして国が積極的に乗り出してきた。こういう以上、基金もぐんぐんふやしてくれて、そういうところから掛金なんかももっと安くなって、しかももっと十分な補償ができるんじゃないかという期待があった。それが現在の段階では事務費だけしか国は出しておらぬ。基金の造成に対する熱意なんというものはどこにいったかわけがわからぬ、こういうようなことが基本的な不満の原因ではないかというふうな気がするわけなんです。これはどうなんですか、大蔵省は出さないのですか。
○鈴木(琢)政府委員 実は、この基金の発足当時の事情を率直に申し上げますと、私どもは四千万円ずつ毎年国庫補助を出して、まあ四、五年の間にはせめて一億二、三千万円の基金を作りたいということで、事務的折衝をいたしまして、大蔵省にも実はそういう考えが最初内部にはあったのでございますが、大蔵省の中の意見も必ずしもまとまっておりませんので、そういう基金をためていくために補助金を出すのが適当だという意見と、足りなくなれば国庫からどんどん予備費等で出すのだから、必ずしも基金を急に作らぬでもいいじゃないか、こういう意見と両論ございまして、私どもは、あくまで国庫補助によって基金をためる、つまり独立の形にして、だんだん財政事情がよくなってくれば掛金を減らしていきたい、こういう考え方で進んでおるわけでございます。今後ともその希望を捨てないで大蔵省と折衝をいたすつもりでございますが、現在の財政の状態が先ほど申し上げました状況でございますので、三十三年度はとうとう事務的には負けたと申しますか、大蔵省の意見に従わざるを得ないような状況になりまして、事務費だけの補助ということになったわけでございます。それで私どもは、先ほども申し上げましたように、基金をなるべく早く造成するという希望は捨てないで、今後とも折衝を続けるつもりでございますし、また掛金等につきましても、まだまる二年とちょっとしかたっておりませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、まる三年もたちますれば、おおよその基金の運営状況というものは見当つきますので、その際にあらためてこの掛金の問題——現在は団員一人四十円、人口一人当り三銭五厘、こういうふうになっておりますが、この掛金についても検討いたしたい。そしてなるべく安くして、補償の額もまた状況によって再検討していくということにいたしたい、さように考えておる次第でございます。
○安井委員 今の基本的な問題といたしましてやはり基金という名に値するような基金に一つ仕上げていただかなければ、市町村側の強い信頼もないし、従って百パーセント加入というような方向も実現できないのではないかと思います。そういう意味で一そうの御努力を御要望いたしたいと思います。 そこで、二、三私ども聞いておりますことは、今掛金のお話が出ましたけれども、団員の場合が四十円で、人口割りが三銭五厘、そういうふうに伺っておりますが、この割り方によりますと、大体大都市においては団員の数は比較的少い。ところが、小さな町村におきましては、比較の上において団員が多くて、従って人口割りの三銭五厘と団員割りの四十円という置き方は、小さな市町村の方の負担を重くしておる。そういうふうな言い方をしておる向きもありますが、これについてはどうお考えになりますか。
○鈴木(琢)政府委員 この基金の性格としまして、保険理論に従ってやっておりますので、どうしても現在は今お話のありましたように、小さな町村で財政必ずしも豊かでない町村が、団員がたくさんおるために多額の掛金を出さなければならないという実情にありますことは、お話のありました通りであります。その点で相対的に見ますといささか不合理な感じがございますが、現在では保険理論でいっておりますために、頭数で計算しておるという形になっておるわけでございます。しかし、何と申しましても、そうかといって団員を一ぺんに減らすことはもちろんできない状況にあるわけでございますから、財政の豊かでない町村が団員の数が多いために非常な多額の掛金を出さなければならないという不合理については、将来掛金の問題を再検討いたしますときに十分考慮に入れて検討いたしたい、かように考えております。
○安井委員 純粋の保険理論だけでもないのですね。というのは、つまり一般人が従事した場合の損害補償は、半分だけが基金で払われましてあとは市町村負担でございます。ですから、そういうような面についても、これは全額基金で見ていく、そういう方向がとられることと、この掛金の問題と、やはり関係があると思うのです。今の問題について御検討はなされておりましょうか。
○鈴木(琢)政府委員 協力者については、基金から半額しか出さないという現在の制度でございますが、この基金の出発当時の考え方は、協力者に基金から全額出すということになりますと、ヤジウマと協力者との境目がつかないような問題が起って、過度に基金から協力者に対して金を出すという結果になりはしないかということをおそれまして、実際問題として、協力者に対して基金を出すような事態というものはそうたくさんございませんので、半額は市町村自体が負担するという形にしておいた方が、協力者というものの限界をはっきりさせるのにはかえっていいのじゃないかという考え方で、半額だけ基金で見るということにいたしたわけでございますが、この問題につきましても、一面には、数が少ければなおさらのことみんな出したらいいじゃないかという理屈も立つわけでございます。この問題も、将来掛金の問題を再検討いたしますときに、あわせて十分検討いたしたい、さように考えます。
○安井委員 掛金の問題の人口割りと団体割り問題と、今の問題とは関連がございます。しかし、何よりも掛金の実際負担の状況と、それから実際補償の実績と、そういうようなものを二つ見合せまして、その点慎重な御検討を一つお願いいたしたいと思うのです。 それから次に、補償の基礎額の問題ですが、この非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令、今の法律に基く政令によりますと、この補償基礎額において、団員とそれから一般市民で作業に従事した人との基礎額のバランスがどうもとれていないような気がするのですが、その点についてお尋をしたいのです。たとえばこの別表第一の補償基礎額表によりますと、五年未満の団員は日額三百七十二円の計算ですね。分団長が四百四十九円、副団長が五百五十九円、団長が五百七十八円というふうになっています。ところが、消防の仕事を応援した一般市民の場合におきましては、平均月収が一万八千円以上が六百円ということになっています。一万八千円以上、これは最高ですね。ところが、現在は大体におきまして平均月収一万八千円以上というのが普通じゃないでしょうか。そういうことになりますと、一般市民の場合は六百円日額にもらえて、勤続年数が五年そこそこの団長が五百七十八円ということになりますと、一般市民よりも本式に働くところの団員の方が悪い、こういうことになると思います。あるいは団員でも、平団員の場合は勤続年数二十五年以上で四百四十九円です。ところが一般市民の場合は、それは月収の低い人もあろうと思いますが、一万八千円以上の人ぐらいで六百円ということになりますと、相当なアンバランスがここに見られるような気がするのですが、これについてどういうふうな御見解を持っておられるか。
○横山政府委員 補償基礎額の問題は、今御指摘になりましたように、団員の場合に三百七十二円、分団長、部長等の五年未満が四百四十九円、以上それに準じて表の通りに定めてあるのでありますが、この三百七十二円をはじき出しました根拠は、当時の一般職の職員の三級一号を基準といたしまして、それを日額に計算し直した金額がこれに相なっております。その場合の扶養家族は、たしか二名に計算したと記憶いたしております。それを年限に応じてこの表の通りにいたしたのでありますが、これは御指摘のように、団員の三百七十二円それ自体につきましても、実は擬制俸給を三級の一号にすること自体にもすでに問題がございましょうし、なお一般職の職員等におきましては、その後におけるべース・アップなり給与の改定等に応じたところの変化があるわけでございまして、そういうものに応じた検討だけはぜひやらなければならないというように存じております。 なお、応援協力者の補償の基礎額でございますが、これも御指摘のように、作りました当時におきましては、月収額のこの割り方そのものは、団員等の関係から必ずしも矛盾を生じておったとは存じませんが、ただいまお話のありましたように、当てはめるべき平均収入月額それ自体が大体一番上のランクに当てはまるような状況になっておるということになりますと、両者の比較の関係では確かに矛盾もあるわけであります。これは先ほど来御説明申し上げましたように、もうしばらくの実績に基きまして、いずれ掛金全体の合理的な調整もいたさなければなりませんし、その際に、当然それらに相関連する問題といたしまして、この補償基礎額の表は状況に即するようにぜひ是正をいたしたい、このようにわれわれも考えておるわけでございます。
○安井委員 御承知のように非常勤団員ですから、たとい消防団員といいましても、農家のおやじさんや、あるいは漁師の人や、あるいはお店屋さんだとか、そういう人がみな入っているわけですね。だから、今の御説明のような一般職の人の号俸に機械的に当てはめようということ自体が無理があるのではないか、私はそういうふうな気がするわけです。現実に一般団員の場合不足額がずいぶん出るものですから、市町村費でさらに上置きをしたり、あるいは団の経費でやりくりをしたり、あるいは極端な場合ですと、その補いのために生活扶助を適用したというような例もあるようであります。あるいはまた炭鉱の労働者の場合には、これは労災法の適用がないですから、消防のことをやったということが、その本人自身にしてみると、むしろ大へんなマイナスになる、そういう事情になってしまうわけです。だから、消防団の場合は一般職と違うのですから、一般職の場合におきましては、それが本業で、そういう心組みでその仕事に入っているから、一種の労働協約的なものだということができますけれども、非常勤団員の場合は、そういうものではないと思うのです。だから、完全補償といいますか、そういう建前はあくまでも立てていくべきではないか、こういうふうに考えるわけです。そういう意味におきまして、一般の人と団員とのつり合いがおかしくなっている現在の表ができているのではないか、そういうふうな気がするわけなんです。だから、階級差の問題はそれほど重きを置かなくてもいいのじゃないかと思う。また、この仕事はほかの仕事とは違って、責任度だとかあるいは危険度といったような考慮もあるいは必要かもしれませんが、あくまでもそれを職業とする一般職員の場合とは違うという建前に立っての完全な補償ができるような処置、こういうことが十分に検討されなくてはいけないのではないか、こういうふうに考えます。その点、今も御検討されるということでございましたが、今のような姿でありましては、せっかく水火も辞せずにがんばっている団員の人の基金という制度を、国が乗り出してこういう基金の制度を作っておきながら補償が十分でない、こういうような思いに立って団員の士気を鼓舞していくという上においてはもっとお考えをいただかなければならぬのではないか、こういうふうに考えるわけですから、その点一つ強く御要望を申し上げておきます。 それからなお、常備職員の場合も、一般職員というさっきの表現がございましたが、常備職員の場合と非常勤団員の場合とのバランスはどうなっておりましょうか。
○横山政府委員 常備職員とおっしゃいますのは、おそらく消防団の常務員のことと思いますが……。(安井委員「そうです」と呼ぶ)これは、御承知の通り現在千人余りおるわけでございますが、これは地方公務員法の適用を受ける職員でございますので、一般職の職員に準じまして、一般職員並みの災害補償が行われているわけであります。従って、こちらの非常勤職員による補償の基礎額表にはよらないという扱いになっております。
○安井委員 一般職員の場合と消防職員の場合とでは、内容は少し違っているのですか。
○横山政府委員 一般職員と消防職員との関係は差別なく、消防職員は一般職と同じような取扱いを受けるようになっております。
○安井委員 危険度だとか、そういった面の考慮はないのですね。
○横山政府委員 補償それ自体につきましては、別に特別な考慮はございませんが、手当等におきまして、危険度を加味したところの特殊勤務手当というもので調節するというシステムになっております。
○安井委員 そうすると、その基礎額の決定には、その特殊勤務手当も入って基礎額が決定されるわけですね。そうなっているのですか。
○横山政府委員 基礎額の決定には特殊勤務手当を入れるというのではなくして、本俸を基準としてやると思いますから、補償基礎額それ自体については危険的な要素を加味した特殊な補償基礎額ということにはなっていないじゃないかというふうに存じております。
○安井委員 やはり災害の危険度の高さといいますと、一般職員よりも消防職員の方が高いのではないかというふうな気がするわけでありますが、その点、さらに十分お調べをいただいて、一般の職員よりも消防職員の方に、勤務の実態に照らした補償の内容でありますような御配慮を一つお願いをいたしたいと思います。 それから支払いが二、三カ月おくれていて、それによって、せっかく早々ともらうというようなことにどちらも期待しているのが、その期待がはずれて困るというふうな事情もちょっと耳にするわけでございますが、災害直後すみやかに計算されて支出される、そういうことでほんとうのありがたみがあると思うのですが、その点どうなっていましょうか。
○横山政府委員 これは、実はお手元の資料にはどうなっておりますか記憶ありませんが、先般自動車損害賠償保償法との関係が根本的に片づきまして、それ以来は御迷惑をかけるケースはなくなっておると承知しておるのでありますが、約一年余り自動車損害賠償保障法との支払い関係がもつれましたために、その支払いに関係のある部分につきましては、確かに御指摘のように相当おくれたようでございます。これは非常に申しわけなかったのでありますが、その後におきましては、先般も特に基金の支払い状況等を調べてみました結果では、本部に受理してから一週間ないし十日には処置し得るような事務態勢に入っておるようでございます。ただ中には、申請されております書類なりあるいはその事実等が必ずしも明確でないために、原町村に再照会するというふうなケースがございまして、そういう場合には、若干当該補償を受けられる方に対する現実の補償がおくれるということはないでもないと思いますが、一般的には非常にすみやかに処理をいたしまして、御迷惑をかけるケースは現在ではなくなっておる、このように承知いたしております。
○安井委員 いずれにいたしましても、たとえば、けがをされたり、あるいは殉職をされたというふうな場合には、一日も早く適期に補償が行われる。こういうことでなければ、この意味というものは半減してしまう。そういうふうに思いますので、その点特別な御配慮をお願いいたしたいと思います。 なお基金の掛金の納期につきましては、施行令の五条ですが、年度の初めに払わなければいけないのですね。
○横山政府委員 前年度末でございます。
○安井委員 前年度末に払わなければ年度の始めからもらえないというのですが、ほかの市町村の仕事等については、大てい年度の半ばだとか年度の終りだとかいうのが、これだけはあくまでも前払いで、たとえば四月の十日ごろにようやく支払いがされた場合には、一日から十日までの事故については全然支出がされない、いかにも市町村を信頼しないやり方じゃないか、そういったような声がありますが、これはどうです。
○横山政府委員 御指摘のように、今の問題は基金法の施行令第五条に、支払い期限としまして、各年度について、前年度の三月末日までにしなければならぬ、こういうことになっているのでございますが、ただいまお話しございましたように、いかにも市町村を信用しないというような姿になっておる点もございまして、実は先般来特に市町村の要望があり、大蔵省とも折衝いたしております。もともと前年度の三月末日をもって支払い期限といたしました考え方の背後には、いわゆる一般の保険的な考え方が強く支配したことだと思うのでございますが、完全に保険であるということなら、当然その前年度の末日というのは筋が通ると思いますけれども、これは保険的ではありましても、必ずしも純粋保険と趣きを異にしてしかるべきであり、特に支払う責任者が市町村でありますから、市町村の予算等の関係も顧慮いたしまして、これはすみやかに新年度に入ってしかるべき時期にというようにいたしたいということで、先般来数回大蔵省と折衝いたしております。近日中に、新年度に入って適当な時期にし得るような結論になるのではないかというように存じております。昨日もだいぶおそくまで話をしたのでございますが、確かに市町村側の強い要望もございますし、われわれとしましても、必ずしも普通の純粋な保険とは性質が違うという意味合いから、市町村の要望に沿うようにぜひいたしたいというふうに存じております。
○安井委員 消防の仕事は、市町村自治体の固有の仕事として、現在の段階ではきわめて重要な仕事であるわけでありますし、補償の仕事も市町村の当然の任務であるわけです。それを国が乗り出しまして、この基金制度をもって、その中におきまして各市町村ごとのアンバランスを直しましたり、あるいはまた基金の基礎を強くしたりという趣旨、これは非常にいいことだと思うのですが、ところが現実におきまして、今言いましたようないろいろな下からの不満がありますし、また基金の充実といったような面におきましても、当初の乗出しとはその性格において欠けるところがあるというふうな気がするわけです。そういう点におきまして、消防に従事する人たちが後顧の憂いなく働けるようなうしろだてとしての基金制度の充実を特に要望いたしまして、質問を終ります。
○鈴木委員長 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十九分散会 ————◇————— 〔参照〕 消防組織法の一部を改正する法律案 (内閣提出第一一八号)に関する報告 書消防法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四七号)に関する報告書 〔別冊附録に掲載〕