地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/02/05
会議録
○亀山委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長が所用のためお見えになりませんので、委員長の指定により私が委員長の職務を行います。 まず、昨四日付託に相なりました消防組織法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。国務大臣青木正君。 —————————————
○青木国務大臣 今回提案いたしました消防組織法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由並びにその内容の概略を御説明いたします。 消防組織法の一部を改正することにつきましては、さきに消防審議会の答申もあり、また従来より消防制度に関しまして問題となっておりました事項につきまして種々検討いたして参りました結果、政府といたしましては、これが改善強化をはかるべく今回成案を得ましたのでここに提案いたした次第であります。 以下、この法律案のおもなる内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、この法律案では、国及び都道府県の消防に関する組織、権能の合理化をはかり、国、地方を通じて緊密な協力と一貫した行政が行われることが必要でありますので、まず国につきましては、国家消防本部に消防大学校及び諮問機関として消防審議会を付置いたしますとともに、消防研究所の所掌事務を明確にいたしました。次に都道府県につきましては、市町村の有効適切な消火活動を期するため、その所掌事務として、市町村が作成する火災防御計画の指導を新たに加えることにいたしました。 第二に、市町村消防の自主性を尊重し、その運営の円滑化について配慮すること及び市町村消防の合理化に資するための勧告、指導または助言を行う上に必要な資料の提出を求めること等について規定を整備して、国、都道府県、市町村相互間の関係を明らかにいたしました。 第三に、消防行政及び消防活動の重要性にかんがみまして、消防長の任用資格を、政令で定める期間消防事務その他の行政事務に従事した者または消防大学校で行う消防長として必要な教育訓練を受けた者といたしました。 第四に、消防団長の職務を明確にいたしまして、市町村の消防の充実と合理化をはかることといたしました。 第五に、その他字句の修正、規定の整備をはかることにいたしました。 以上がこの法律案を提出いたしました理由とその内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○亀山委員長代理 次に、地方財政に関する件につきまして調査を進めます。 この際、昭和三十四年度地方財政計画について説明を聴取することといたします。国務大臣青木正君。
○青木国務大臣 ただいまお手元に配付いたしました昭和三十四年度地方財政計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和三十四年度の地方財政につきましては、多くの地方団体がなお再建途上にあることにかんがみ、一面においては、地方税についても減税を行い、国民負担の軽減をはかることとしながらも、他面においては、可及的に地方財源の充実をはかり、行政水準の維持向上に留意することとして、次のような方針に基き、地方財政計画を策定することといたしたのであります。 第一は、中小企業の負担の軽減をはかるため、事業税を減税するほか、零細負担の排除と負担の均衡化を中心とする地方税制の改正を行うことであります。第二は、減税による昭和三十四年度における地方財源の減少を補てんするため、地方交付税率を引き上げるほか、固定資産税の制限税率の引き下げに伴って生ずる減収を補てんするための特別措置を講ずることであります。第三は、公共事業を初めとする投資的事業の拡充に必要な財源を確保することにより、可及的に行政水準の維持向上を期するため、次のような措置を講ずることであります。その一は、道路整備五カ年計画の実施を確保するため、道路整備事業の国庫負担率は、特に引き上げられた昭和三十三年度の負担率を維持するとともに、地方負担額の増加に対応し、軽油引取税の税率を引き上げて、道路目的財源の充実をはかることであります。その二は、すし詰め教室の解消のための公立文教施設整備事業費等の必要資金を確保するため、地方債の総額を増額することであります。第四は、人事院勧告に基く国家公務員の給与改善措置に対応し、地方公務員についても初任給の引き上げ及び期末手当の増額をはかることができるようにすることであります。第五は、地方団体間の財源の均衡化を前進させるため、地方交付税制度等を改正することであります。 以上のような方針のもとに、昭和三十四年度の地方財政計画を策定いたしますと、その歳出規模は、一兆三千三百四十一億円となり、昭和三十三年度地方財政計画に比して、一千十八億円の増加を見ることとなったのであります。 次に、歳出及び歳入のおもな内容の概要について、簡単に御説明申し上げます。 まず第一に歳出について申し上げます。その一は、給与関係経費であります。給与関係経費につきましては、一、人事院勧告に基く給与の改善のための経費、二、すし詰め教室解消のための義務教育職員の増加、交通警察の拡充強化等のための警察職員の増加、消防行政の指導強化等のための都道府県職員の増加その他法律制度の改正に伴う職員の増加に要する経費をまかなうための財源を確保するほか、昇給、退職手当、暫定手当の増、恩給及び退隠料の増等を見込みました結果、前年度に比し四百四十一億円を増加し、五千三百九十一億円となったのであります。 その二は、その他の消費的経費であります。このうち、国庫補助負担金を伴う経費につきましては、義務教育教材費、生活保護費等国庫予算の増加に伴う地方負担の増加をまかなうための財源を確保し、また、国庫補助負担金を伴わない経費につきましては、地方選挙費その他の増、減経費を見込んだほか、特に駐在所勤務警察職員の配偶者等に対する協力報酬費を新たに計上することとするとともに、反面、可及的に経費の節減合理化を期するため、旅費及び物件費について三%程度の節約を見込むこととしたのであります。その結果、前年度に比し、国庫補助負担金を伴う経費は百五億円を増加し、一千二百七十八億円になり、国庫補助負担金を伴わない経費は九億円を減じ、一千五百二十六億円となったのであります。 その三は、公債費であります。公債費につきましては、一部償還期限の到来する地方債があること等に基き、昭和三十四年度は八百十六億円となり、前年度に比し七億円の減を示しますが、直轄事業の地方分担金にかかる交付公債の元利償還費は累年増加する状況にあり、昭和三十五年度以降においては、公債費は再び増加を示すものと見込まれます。 その四は、道路、橋梁等の維持補修費でありますが、この経費は、前年度と同額の四百二十億円を見込むことといたしました。 その五は、投資的経費であります。このうち国庫補助負担金を伴うものは国庫予算において、道路整備五カ年計画に基く道路整備事業費、すし詰め教室解消のための公立文教施設整備事業費、治山治水対策事業費等の公共事業費が著しく増額されたため、前年度に対し、四百十三億円増加し、二千六百六十六億円となったのであります。 なお、地方財政の再建等のための公共事業に係る国庫負担等の臨時特例に関する法律の適用期限の終了に伴い、関係部分の国庫負担率が引き下げられることもあって、地方負担の増加額は二百十八億円に上る見込みであります。直轄事業に伴う地方分担金の増加額約七十八億円を加えますと、地方負担の増加額は二百九十六億円程度となります。 また、国庫補助負担金を伴わない地方独自の投資的経費につきましては、義務教育施設の整備事業費、道路整備五カ年計画における道路整備事業費、下水道整備事業費、新市町村建設に要する経費、昭和三十三年発生災害の災害復旧事業費等を中心として、前年度に比し、七十五億円を増額し、一千七十九億円としたのであります。 第二は、歳入であります。その一は、地方税収入であります。現行制度による税収入は、前年度に比し、三百五十三億円増加するものと見込まれるのでありますが、固定資産税の制限税率引下げに伴う減収額を除き、事業税を中心として九十七億円の減税を行うこととする反面、道路整備五カ年計画の実施に必要な道路財源を充実するため、軽油引取税の税率の引き上げ等を行うことにより増収をはかることとしていますので、差引四十九億円の減収を生ずることとなります。従いまして、結果において前年度に比し三百四億円の増となり、総額五千四百九億円となるものとしたのであります。 その二は、地方譲与税であります。譲与税収入については、三十一億円の自然増収が見込まれているのでありますが、入場税の減税に基く入場譲与税の減収十九億円を差し引きますと、前年度に比し十二億円増加し、総額三百三十四億円となるものと見込まれるのであります。 その三は、地方交付税であります。地方交付税の総額は、二千四百八十六億円と見込みましたが、これは法定の繰入率を一%引き上げることとし、所得税減税後の国税三税の収入見込み額八千二百十八億円の二八・五%の額に、昭和三十二年度の精算分百四十四億円を加算して算定したものでありまして、前年度に比し、二百四十六億円の増となっております。 その四は、国庫支出金であります。国庫支出金は、義務教育費国庫負担金において八十六億円の増、その他の普通補助負担金において六十億円の増、公共事業費補助負担金において百八十四億円の増、失業対策事業費補助負担金において十一億円の増でありまして、総計において、前年度に比し、三百四十一億円を増加し、三千四百三十億円となっております。なお、国有提供施設等所在市町村助成交付金は、前年度と同額の十億円であります。 その五は、地方債であります。地方債につきましては、国におけるすし詰め教室の解消等の計画に即応し、適債事業の所要資金を確保するため、前年度に比し六十五億円を増額し、その総額を四百九十五億円としたのであります。 なお、明年度における地方債としては、地方財政計画に計上する右の額のほかに、公営企業債四百八十七億円、準公営企業債百十八億円を予定しており、これらを合せて、地方債の総額は一千百億円となるのでありまして、前年度に比し百億円の増加となっております。資金別の内訳は、政府資金八百五十億円、公募資金二百五十億円であります。また、さしあたり交付公債をもって納付する直轄事業にかかる地方分担金の増加額が、約七十八億円を見込まれていますので、これを加えますと、地方財政計画に掲げるべき普通会計分の地方優の増加額は、百四十三億円程度となる見込みであります、 その六は、雑収入であります。雑収入につきましては、高等学校の生徒増に伴う授業料の増、発電水利使用料の増、その他の自然増によって、前年度に比し五十億円増加するものと見込み、一千百八十七億円としたのであります。 なお、東京都及び五大市の下水道事業につきましては、これを準公営企業といたしますことに伴い、これにかかる歳入及び歳出を、それぞれ地方財政計画から除外しております。 これを要するに、明年度増加する一千十八億円の歳出の内訳は、一、人事院勧告による初任給の引上げ及び期末手当の増額に要する経費百五十七億円を含む給与関係経費並びに生活保護費等の国庫補助負担金の増加に対応する消費的経費において五百三十七億円の増、二、公共事業、失業対策事業、単独事業等の投資的経費において四百八十八億円の増となっております。この投資的経費の増加額はかなり著しいものがありますが、このうちには、道路整備五カ年計画による公共事業及び単独事業百八十二億円、すし詰め教室解消五カ年計画による公共事業及び単独事業八十八億円、災害復旧事業四十七億円等が含まれているのでありまして、これらによって相当行政水準の維持向上が期せられることになっているのであります。 以上が昭和三十四年度地方財政計画の概要であります。 なお、このほか、明年度の地方財政につきましては、別途、地方交付税制度の改正により、地方団体間の財源の均衡化をさらに前進させることを予定しており、また、地方道路譲与税の譲与基準等についても改正を加え、地方財源の適正な帰属について一層の検討を加えることといたしたいと考えております。 最後に、一言お断わりいたしておきたいと存じますが、本財政計画は概算でありまして、今後、精査の上、若干の異動を生ずることがあることをあらかじめ御承知いただきたいと存じます。
○亀山委員長代理 次に補足説明を聴取することといたします。奥野財政局長。
○奧野政府委員 お手元にお配りしております昭和三十四年度地方財政計画の概要といたしました六ページの印刷物がございますので、その二ページ目から御説明さしていただきたいと思います。 歳出規模は全体で一兆三千三百四十一億円、前年度に比して千十八億円の増加でありますが、先ほど御説明のありました下水道関係の部分で四十九億円を三十三年度の分から減額いたしておりますので、これに四十九億円を加えました千六十七億円の増というのが実質的な増加でございます。 歳出の主要な増減は右のところに掲げてある数字の通りでございますが、カッコにいたしておりますのは、経費総額から国庫支出金を差し引きました純地方負担額を示しておるものでございます。 消費的経費の総額では五百三十七億円の増加でございますけれども、国庫支出金を差し引きますと、純地方負担額では三百九十一億円の増加となっております。その大きなものは給与関係経費でありまして、総額では四百四十一億円、純地方負担額では三百五十七億円であります。給与費のうちで人事院勧告に基く初任給の引き上げ及び期末手当の増額、いずれも国家公務員についてその通り採用されて参るわけでございますので、地方公務員につきましてもこれに準ずる措置がとられると予定いたしまして、これだけの財源を見込んでいるわけであります。総額で百五十七億円、純地方負担額では百三十一億円ということになっております。このうち期末手当の増額〇・二五カ月分につきまして、十二月において 〇・一カ月、六月において〇・一五カ月ということでございまして、十二月に支給する分は、すでに昨年から増額が行われて参っておるのでございます。 次がすし詰め教室解消のための義務教育職員の増員の問題でございます。学級編成及び教職員の標準を定めますところの法律ができて参るわけでありまして、その施行令をもちまして、漸次法律本来の趣旨に沿ったところに学級編成等の適正化をはかっていくということにいたしているわけでございます。三十三年では、一学級の暫定的な最高員数を六十人にしておったわけでありますが、三十四年度においては、それを五十八人に引き下げる。中学校におきましては、五十五人にいたしておったわけでありますが、それを三十四年度においては五十四人に引き下げる、こういうように予定されておるわけでございます。そういたしますと、教職員を七千三十人増強するということになって参るわけでありますが、児童生徒数が減って参りますので、それらの自然減を差し引いて計算をいたしますと、三千二百七十一人の純増加ということになるわけでございます。 その次が法律制度の改正等に基く増員でございます。交通警察の拡充等の関係から、警察職員を二千五百人増員したい。国の予算におきましても二千五百人に対応いたします装備の費用等が掲げられておるわけでございます。給与費は全額地方の負担でございますので、それらの経費をこの計画に見込んでおるわけでございます。また、近来公民教育の充実が唱えられておるわけでありまして、別途社会教育法の改正も予定されており、市及び人口三万以上の町村には社会教育主事を置かなければならないというような考え方が打ち出されておりますので、それに伴いまして、市及び人口三万人以上の町村に一人ずつ社会教育主事が増員できるような財政計画にいたしたいということを考えたわけでございます。また、消防法等の改正で、府県における危険物取締りの事務等が追加されましたり、あるいは消防職員の訓練の強化というようなことも考えられたりいたしておりますので、府県の消防関係の職員を一県当り三人ぐらいは増強しなければならないだろうというようなことを見込んでおるわけでございます。なお職員の振りかえ等によりまして、若干の増加がはかられるものというように期待をいたしているわけでございます。また、職業訓練法が制定されまして、三十四年度から、庁県におきまして技能検定を行わなければならないことになっておりますので、その関係の職員を一県当り二人ずつ見込んで、九十二人は増加できるような財源措置をいたそうといたしているわけでございます。これらの部分は地方交付税を計算いたします場合に、基準財政需要額に算入いたしまして、各地方団体を通じてそれだけの財源を保証するというようなことを別途に予定をいたして参っておるわけでございます。 その次が臨時職員の定数化の問題でございます。臨時職員ではありますが勤務の実態が常勤と変りはない、そういう人たちにつきまして昇進の道を与えるというようなことから、昨年度二〇%だけ定数に繰り入れる措置を国の場合と並行して採用いたしたわけであります。ところが、昨年国会におきまして、臨時職員の定数化をもっと多く取り上げるべきであるというようなことから、国家公務員につきましては二七%に引き上げられたわけであります。それに対応いたしまして、地方公務員についても残りの七%の部分をさらに定数化いたしたい、こういう考え方で、三十二年度分の臨時職員の七%に当ります三千六百五十三人を定数化いたしたい、かように考えいておるわけでございます。 その次が暫定手当の本俸繰り入れに伴う付加給の増でございますが、これは三十四年度から、現在二級地に対する暫定手当一〇%でありますのを、一級地並みの五%に引き下げる措置がとられます。二級地一〇%、三級地一五%、四級地二〇%の暫定手当が支給されておるわけであります。暫定手当を整理するという方向で二級地と一級地の率が同じになるわけでございます。同じになる機会に、その五%分は全部本俸に繰り入れてしまう。従いまして二級地、三級地、四級地の暫定手当は五%ずつ引き下げられるということになるわけであります。本俸に入って参りますといろいろな付加給の基本に算定されるわけでございますので、給与費としては総額においてこの程度の増加を来たすということになるわけでございます。 昇給財源が全体で百八十五億円、義務教育費等についての国庫負担金を差し引きますと、百四十九億円となるわけでございます。義務教育職員の給与費につきましては、別途二分の一は義務教育費国庫負担金として国の予算に計上されておるわけでございますので、それと考え方を同じにいたしておるわけであります。すなわち三十三年の予算額に一%の増加を見込んで、それにさらに三十四年度へ持っていくために三%の増加を見込む、こういうような算定が行われておるわけであります。これは国の予算に合せております。一般職員や警察職員につきましては四・二%の昇給財源を見込むという計算をいたしておるわけでございます。恩給及び退隠料は過去の実績に基いて計算をいたしております。 その他の経費で九十六億円の増加、純地方負担額では三十四億円の増加となっておるわけでございますが、国庫補助負担金を伴いますのが百五億円で、純地方負担額では四十三億円であります。そこにおもなものだけを若干掲げておいたわけであります。義務教育教材費でありますとか、生活保護費でありますとか、児童保護費でありますとか、結核予防費でありますとか、都道府県警察費でありますとかいうようなものについて予算の増額措置が行われておるわけでございます。 国庫補助負担金を伴わないものにつきましては、差し引き計算では九億の減少を示すことになっています。三十四年度は選挙が一般的に行われるわけでございますので、二十七億円の増加を来たす。その次は、駐在所に勤務しております警察職員の配偶者に対しまして、配偶者もまた駐在所勤務の警察官の事務に一般的に協力するような状態に置かれておるわけでございますので、近来若干の県でとられております報償費の給付、それを一般化したい、こう考えておるわけであります。月千円の報償費を支給できるようにいたしたいということで、二億円程度の額を見込んでおります。その次が生徒増、人口増に伴う経費の増が十三億円、その次が旅費及び物件費の節約、国の予算編成に当りましては、物件費等の節約は二%、三%あるいは五%見込まれたわけでございますが、地方財政計画の上におきましては、平均三%の節約を期待するということで三十八億円の減をされておるわけでございます。合併の進行に伴う経費の減等が十三億円あるわけでございます。これは数年来同じような計算の仕方をずっとしてきております、経過的な計算をしてきております計画上の数字でございます。 公債費では七億円の減が立っておるわけでございますが、実質的には四億円の減でございます。(3)に書いておりますように、東京都及び五大市の下水道事業を準公営企業に移しかえることにしたことにより三億円の減が生じているからでございます。普通地方債の分では二十七億円の減でございますが、直轄事業分担金にかかる交付公債分では二十三億円の増加となっておるわけでございます。直轄事業の分担金を全部公債でまかなうという建前を昭和二十八年以来とって参ってきておりますので、交付公債にかかります元利償還分が毎年増加する傾向をたどって参っておるのであります。反面、普通地方債につきましては、地方債の発行額を漸減するという方針をとって参りました関係もございまして、三十四年度では二十七億円の減ということになっております。こういうような傾向は逆に三十五年度からは、若干ずつまた増加していくというふうに変って参るのでございます。 維持補修費では別に増減を見込んでおりません。 投資的経費で、国庫補助負担金を伴うものが四百十三億円という大幅な増加になっております。地方の純負担額におきましても二百十八億円という非常に大きな増加になっておるわけでございます。公共事業を充実することによりまして、いろいろな施設も水準が引き上げられるということになるわけでございます。普通建設事業費では三百五十八億円の増、純地方負担額では百八十四億の増加でございます。最も大きいのは道路整備事業費でありまして、五カ年一兆円の計画の進行に伴います増加額でございます。このほかに直轄事業が大きく取り上げられておりますので、全体としてはさらに大きな金額になっておるわけであります。文教施設整備事業費では四十八億円の増加、地方負担額では二十九億円の増加でございます。治山治水対策事業費で四十五億円、その他で百七億円、災害復旧事業費が三十四億円で、これらを合せまして公共事業費が増加いたしておるわけであります。そのほかに失業対策事業費が二十一億円の増加で、純地方負担額では十億円の増加ということになっておるのでございます。このような大きな地方負担額の増加になりました一つが、地方財政再建のための公共事業費の国庫負担率等の特例、これが期限がきましたので、三十四年度からはもとの低い国の負担率に下ることが大きな原因でございます。もし国費を一定いたしまして、臨時特例法の負担率によって事業を計画するということになりますと、地方の負担は、公共事業で五十五億円程度を減少し、直轄事業で三十二億円程度減少する、こういうように見込まれておるのでございます。それともう一つは国費そのものが相当に増額されているからでございまして、両面から地方負担額が非常に増加してきたということになっておるのでございます。 国庫補助負担金を伴わない投資的な経費は七十五億円の増、こう予定しておるのでありまして、普通建設事業費で六十二億円、災害復旧事業費で十三億円の増加と考えているわけでございます。これらを全部合せまして一千十八億円の増加、純地方負担額では六百七十七億円の増加と考えているわけでございます。 備考に掲げましたように、東京都及び五大市の下水道事業を準公営企業に移しかえることに伴い、昭和三十三年度財政計画から、公債費五億円、公共事業費十五億円、国庫補助金を伴わない普通建設事業費二十九億円、合計四十九億円を落して、そして比較しやすいようにいたしたわけでございます。 歳入では、地方税で三百四億円の増加でございますが、普通税では二百二十四億の増加、現行制度による増が三百十四億、事業税等の減税による減が九十七億、国税の改正に伴う増が七億、こういう内訳になっておるわけでございます。地方財政計画では、標準税率に基く税収入を計上していくという建前をとっておりますので、固定資産税の制限税率が引き下げられることになっておりますが、この六億円分はこの計算に入っていないわけでございます。目的税の増が八十億、現行制度による増が三十九億円で、軽油引取税の税率引き上げ一キロリットル四千円、その引き上げによる増が四十一億円を見込んでおるのであります。 地方譲与税が十二億円の増加で、入場譲与税が五億円減り、地方道路譲与税が十六億円、特別とん譲与税が一億円増加、こういうことになっておるのであります。 地方交付税の増が二百四十六億円。国庫支出金の増三百四十一億円のおもなものは、義務教育費関係の国庫負担金で八十六億円、そのうち給与費の分が八十四億円、教材費の分が二億円ということになっております。その他の普通補助負担金の増が六十億円でありますが、おもなものは生活保護費、児童保護費、結核予防費、都道府県警察費等でございます。公共事業費補助負担金の増は百八十四億円で、普通建設事業費の補助負担金が百七十四億円でありまして、最も大きなものが道路整備事業費の百二億円でございます。その他文教施設整備事業費、治山治水対策事業費等がございます。災害復旧事業費補助負担金が十億の増加、失業対策事業費補助負担金が十一億円の増加、こういうことになっております。 地方債は、別途地方債計画をお配りいたしておりますので、それでお話しさせていただきたいと思います。 雑収入で五十億円の増加、使用料及び手数料で四十六億円、発電の増加等によって、発電水利使用料が八億円程度増加するようであります。高等学校授業料の増加が八億円、高等学校の生徒数が増加して参っておるわけでございますので、職員給与費の中でも、高等学校の先生の増加を見込んでおるわけでありまして、それに対応して、ここに授業料等の増加も見込んだわけでございます。その他で三十億円、雑入で四億円、合計して一千十八億円、こういうことになっておるわけでございます。 次に、一枚紙の昭和三十四年度地方債計画というのがございますので、それをちょっと見ていただきたいと思います。 三十四年度計画額A欄の一番下を見ていただきますと、千百億円でございます。三十三年度のB欄の額が千億円でございますので、百億円の増加ということでございます。そのうち一般会計分が四百九十五億円で、六十五億円の増加となるわけでございます。ところが直轄事業の分担金が七十八億円増加いたしますので、それを加えますと百四十三億円の増加ということになるわけでございまして、普通会計分の地方債が実質的には三割前後の増加、非常に大きな増加の数字になっておるのでございます。一般補助事業は五億円増額するわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように公共事業費の地方負担額が非常に増加して参っておりますので、五億円増加いたしましても充当率は逆に下って参るということになっております。三十三年度の場合と同じように、総合開発、災害関連、住宅、港湾、都市計画、これだけのものを対象にして起債を許可したいというふうに考えておるわけでございます。都市計画につきましては、都市計画税の関係もございまして、三割程度の充当率を従来から考えているわけでございます。その他の事業につきましては五〇%程度の充当率であったわけでありますが、五億円増額いたしましても、四五%程度の充当率に起債の方は下ってくるというように見込まれておるのでございます。災害復旧事業費で右の端を見ていただきますと、二十五億円増加させておるわけでございますが、三十三年の災害の規模が大きかった関係から、過年度災害復旧事業費に相当の起債を予定しなければならないことになっておるのでございます。義務教育の施設整備事業につきましては、二十五億円のかなり大幅な増額を予定しておるわけでございまして、すし詰め教室を五カ年間で解消していこうという国の計画に即応いたしまして、地方債の面におきましても相当な増額を予定いたしたわけでございます。一般単独事業では十億の増加でございますが、下水道事業で六億円、その他について四億円の増を予定しておるわけでございます。別途東京都、五大市の下水道事業は準公営企業に切りかえるという考え方のもとに移しかえを行なっております。2の準公営企業分の(4)のところに、六大都市分として四十億円が上っておるわけでございます。三十三年度よりも、この分については二十億円の増加、重点的に下水事業の整備をはかっていきたいという考え方を持っておるわけでございます。 準公営企業分では、総額が百十八億円で、前年よりも三十八億円の増加となっておるわけで、港湾整備事業について十一億円、簡易水道事業四億円、屠場事業はそのままでありますが、宅地造成事業で三億円の増加というようにいたしておるわけでございます。区画整理等が行われます場合に、保留地の売却等が行われますまで、ある程度の資金を必要とするわけでございますので、今回新たに宅地造成事業というような項目を準公営企業に立てまして、この程度の額を予定いたしまして、そうして区画整理等の事業の振興を助成したい、かように考えておるわけでございます。 公営企業会計分では七億の増加、電気事業は十億円の減、水道事業では十億円の増、この中には工業用水道も入っておるわけでございまして、工業用水道は三十三年が三十億円でありましたのを三十二億円に予定をいたしておるわけでございます。交通事業が六十五億円で五億円の増、病院事業が十二億円で二億円の増、市場、国際観光、ガス、その他の公営企業は従来通り。退職手当債は、この計画に掲げることをとりやめて、十億円の減にいたしております。一般的には退職手当債を予定することは避けたい。しかし合併町村等でどうしても必要な分につきましては、一般単独事業のワクの中で考えていくべきものであろうというふうに存じておるわけであります。 この千百億円の資金構成は、政府資金が八百五十億円で公募資金が二百五十億円になっておりますが、この二百五十億円のうちで、百億円は公営企業金融公庫から融資をし、残りの百五十億円は市中において地方債を発行して資金を集める。その資金を予定いたしておるわけであります。以上であります。
○亀山委員長代理 質疑の通告がありますのでこれを許します。中井徳次郎君。
○中井(徳)委員 今大臣、関係政府委員から説明を聴取したのでありますが、これに対する質疑は、私どもよく調査をいたしてから順を追って行いたいと思っておりますが、私は、地方財政計画の形式につきまして一、二お尋ねをしたいと思います。 数年来、私は毎年この説明を聴取しておるわけでありますが、どうもこの地方財政計画は、率直に申し上げると、しろうとにはなかなかわかりにくい計画になっております。そんなことをいえば予算全部がそういうことになる、と言えばそれまででありますが、特に私気にかかるのは、国の予算との関係なんかどうもはっきりいたしておらぬ。そこで政府におかれても、いろいろとこの財政計画をもっと簡単明瞭にわかりやすくするように御研究に相なっておるだろうとは思うのであります。実は私も数年前でありましたか、府県と市町村に分けるとか、あるいは交付税を交付されるものと、されないもの、いわゆる交付団体と不交付団体というふうに分けて出せとか、いろいろなことを申しまして、内訳としてはそういう形でこのごろ出るようになって参りましたが、しかし、どうも毎年拝見いたしておりましてもはっきりいたしません。特に消費的経費と投資的経費という分け方につきましても、一応これは経済の建前からいってもっともであると思われるのでありますけれども、しさいに内容を検討いたしますと、必ずしも投資的経費が投資的でないし、消費的経費が消費的でない。従って的という言葉を使ったといえばこれもそれまでですが、どうもはっきりいたしません。そうしておそらくこの計画をお立てになるときには、大蔵省その他と折衝の中において、あるいは行政水準の向上その他で議論になる場合にはやはり消費的経費というのはなるべく押えるべきものであって、投資的経費を大きくすればにぎやかなものになるという考え方がお互いの議論の中にあって、この分け方によりまして、やはりそうされておるきらいがなきにしもあらずだと私は思うのであります。具体的に言いますと、失業救済事業が投資的経費の中に入っておる。生活保護費というのは消費的経費かもしれません。これは消費的経費でありましょう。一方失対事業が投資的経資であるか、その中には特別失対もあるということを言われればそれまででありますが、どうもその辺のところははっきりいたしません。そしてそういうものと国との関係は、国の予算は、それ労働省、それ大蔵省、通産省というふうになっておりまして、これは一括出されておるというので、この点は私は一つ深く研究をしていただけぬであろうかと思うのであります。 特にお尋ねをいたしたいのは、歳入の面は割にわかるが、歳出が非常にわかりにくい。従ってこの機会に、政府におかれても、戦後初めてというなら別ですが、もう十四年たっていますから、大体資料もはっきりしておるだろうと思うのであります。そこでまず歳出の面等において、財政計画は府県と市町村の二つに分けてもらったらどんなものであろうか、私はこういうふうな非常に強い考え方を持っておるのであります。こういう点について思い切った改革の気持があるかどうか。今大臣も見えたからお尋ねするのですが、財政計画の組み方で今お尋ねしているのです。府県と市町村の区別がしろうと目にはつかない。それから経費の内訳、たとえば道路の予算とありましても、県道はどうで市町村道はどの程度かということがわからない。従って、私はこの際はっきりと府県と市町村にまず分けるというふうにしてもらった方がいいのではないかと思う。しかし、その場合は府県といいましても都道府県でありますから、東京都などはどうなるのかという議論も出ましょうけれども、一応そんな考え方をいたしておる。特に消費的経費を見ますと、消費的経費というのはなるべく節約ということになろうと思うが、自治体の消費的経費というのは、株式会社や一事業団体の消費的経費と本質がだいぶ違いますよ。学校教育の問題というものを一がいに純経済的な建前から消費的経費であるとして、先生の数もなるべく少い方がいいということになるから、すし詰め教室ということになってくるので、これは形が内容を規制すると思うのです。ことに予算におきましては、なるべく節約をするということになってきて、自治体の本来の仕事に非常に影響がある。戸籍の問題その他の問題、これは消費的経費だと言われればそれまでですが、そういうものを節約するといってもしようがないと思うのです。そういう観点に立って、私は地方財政計画というものを一つもう考え直す時期にきていはせぬかと思うのです。これまでは材料もありませんでしょう。その証拠には、予算と決算はいつも千億くらい差があるということで問題になっているんですが、もう十四年たっておるのでございますから、もうできそうなものだと私は思うのです。こういう地方財政計画の組み方につきましてどんなふうに考えておられるか。私は、きょうはこうしろああしろという決定的な意見を、私個人として持っているわけでも、あるいは党としてこうしろという結論を持っているわけでもございませんが、現在のままでは、いつまでたっても——地方財政の赤字を解消するという大命題をなし遂げるには、単に声を大にして六団体その他が予算編成のときにわあわあ言うだけではいかぬと思う。それはこういうところにも原因があるように思われてなりませんので、政府の見解をお尋ねするわけであります。
○青木国務大臣 途中から聞きましたので、前段の方の御質問はあるいは聞き漏らしの点もあるかと思うのでありますが、私参りましてから承わった限りにおきまして、私の考え方と申しますか、また自治庁の現在やっておる点を申し上げたいと思います。なお、これも中井先生は党の立場あるいはまとまった具体的のどうしろということでなしに、中井先生の感じということで御質問があったのでありますが、私も、自治庁の長官という立場でない私の感じになるかもしれませんが、私自身の感じとして考えておりますることは、御指摘のように、毎年々々地方財政計画が発表される。ところが各府県なり市町村なりの決算が違ってくる。これは根本的に考えますと、本来ならば、各府県、市町村の実際の経費、こういうものを積み上げてきて、それをにらみ合して財政計画を作れば理想的と思うのであります。ところが、現在の財政計画では、御承知のように、あるべき姿と申しますか、一応想定して、その想定の上に立って基準財政需要というものを考え、それをもととして作っておりますので、まことに、極端に言うと架空のような感じがいたしますので、私自身としても、何とか一つ実際に即するような方法はないものか。たとえば三十四年度の各市町村なり府県なりの実際の仕事、実際の行政の規模、そういうものを集計して、それを一つの資料として、さらに国の方の財政計画とにらみ合して何とか調整をとるような道はないものかということも、個人的に私考えてみるのでありますが、今までのシャウプ勧告以来の財政計画、いわゆる財政調整の方法をとるようになってきてからの日本の財政計画の上に立って、主として現在の交付税、昔の交付金を作るための基準として作ってきたいきさつ等から見まして、こういう形になってきたと思うのでありますが、これはお話しのように、できるだけ実際に即した数字を、決算においてつかむということでなしに、事前につかむような方法を考えていかなければならぬのじゃないか、そういうことを実は私も考えておるのであります。 しからば、どうすればいいかということになりますと、これはなかなかここで私の口からどうと言うわけに参りませんが、私は、やはりできるだけ地方制度調査会あたりでも、そういうことを少し検討していただきまして、何とか今後の地方財政のあり方をきめる上においても最も重要な問題にもなりますので、そういう点も今後研究していきたい、かように考えておる次第であります。 なお、三十四年度の財政計画の内訳と申しますか、府県と市町村の区分等につきまして、事務当局としてどういう作業をしておるか、その点につきましては奥野局長から答弁いたさせたいと存じます。
○奧野政府委員 御指摘のように、まだ府県、市町村別を出しておりませんので、一そうわかりにくいと存じます。実は今その仕事を進めておるわけでありまして、とりあえず概算でも早く御説明申し上げるようにということでございましたので、一本でお出ししておるわけであります。府県別、市町村別、さらに交付団体、不交付団体別の数字の整理を急いでおるわけであります。国庫支出金の内訳が、かなりおくれてきまって参りましたので、その辺の作業がおくれておるわけであります。近く提出いたしたいと思っております。 なお、消費的経費と投資的経費に区分する。これも実は当時いろいろ考えた末、投資的経費と消費的経費というふうな名前を使い出したのでありますが、どうもおっしゃいますように、消費的経費というと、何かむだ使いをするという感じにとられがちだ、何か名前を変えてみたいということで、内部でも検討を重ねたわけでございます。あるいは回帰性を持った経費、回帰性的な費用と言おうかというふうにも考えたのでありますが、熟した名前がございませんので、もう少し私たちも将来考えていきたいと思います。当時、その経費の支出の効果が当該年度で終るか、あるいは後年度まで継続するか、そういう意味で投資的経費、消費的経費というふうな言葉があったので、それを使い出したわけであります。使い出して今日になってみると、どうも消費的経費という表現では人を誤解させるおそれが多分にある。何かここで言葉を変えてみたいということでいろいろ工夫してみたのですが、結局、いい知恵が浮ばないまま同じような方向をたどって参ったわけであります。将来とも、お教えをいただきながら私たちとしても研究をして参りたいと思っております。 なお経費の個々別の区分でありますが、個々の団体につきましては、交付税の計算、行政項目ごとの基準財政需要額の算定を通じて保障して参ってきておるわけであります。これはあるべき経費についての財源を保障するということになっておりますので、個々の団体の運営におきましては、必ずしもその通り使用していないかもしれません。しかし地方交付税法に書いてあります地方行政の計画的な運営を保障するという点からいきますと、あるべき経費を個々の行政項目ごとに財源を保障していかなければならない。従ってどういうようなところをねらっているかということは、基準財政需要額が府県別、市町村別、行政項目別にどういうような金額になっているかというようなことで御判断いただかなければならないと思います。個々の団体が運営いたしました結果は、これはやはり決算の費目別の数字で御判断いただかなければならないのではないか、こう思うのであります。地方財政計画は 一応地方財政のあるべき姿を保障していくというような意味で、ある意味においては積み重ね的な計算方式をとりながら数字を固めて参っているわけであります。しかし御指摘になりました点はごもっともなことでございますので、将来とも十分研究いたして参りたいと存じます。
○中井(徳)委員 大体大臣と局長の御意見はすべてわかるのですが、さらに従いまして、そういう御意見でありまするならば、私はことしどうこうしようというものではありませんから、財政計画をお立てになるときには一つしっかり御研究を願いたいという意味であります。特に消費的経費というような表現は、できればこれは改めてもらわなければならない。内容は、私はやはり昔から言われる経営費、むしろ維持費といいますか、そういうものだと思うのであります。実はきょう私はちょっと新聞を見ますと、読売新聞の社説に「給与費が問題の地方財政」、確かにあの論評をざっと見ると、私は四百億もふえたら大へんだ、しかし、それは組み方に大きな盲点があります。従って一般論としてはこの社説は正しいと思うのです。しかし、中に入って見ますと、それじゃどうだ、おそらくこの記者は東京都政を目の前にしまして、大阪府の職員の待遇は恵れているというふうなことが非常に多かろうと思うのです、現実の問題といたしまして。それはよし悪しは別でございます。しかし内容に入りますと、私は数年前にも議論をいたしましたが、国の給与よりも府県市町村の方がいいという説がたくさんございまして、非常な勢いでやっておったのですが、実際はそうでなかろうとわれわれは言っておった。それで行って調べて見ましたところが、やはり私どもの予言の通り、必ずしもそうではありませんでした。今でも地方に参りますと、平均給与九千円というような市町村がずいぶんたくさんございます。そういうものを一挙に直すということになりますと、なかなか今日のこれだけでは足りないのでありますけれども、財政計画としてああいう表現でお出しになることが、やはりこういう社説のような議論が出てくることになると思うのです。純経済的な立場からいえば、いろいろ今の私の話にも議論はあろうと思いますけれども、現実のでこぼこをいかんせんというのが考え方でありまして、自治庁におかれても、それをお考えになるだろうと思いますが、そういうことを考えますると、ぜひともあの表現は、ことしはやむを得ないとしましても、将来は考えてもらわなければならない。それから都道府県と市町村、これはもう実際のきょうの説明をいただく場合にも、むしろ具体的な収入支出の説明の際には、都道府県、市町村別にやっていただかないことにはよくわからないと思うのであります。この点も一つ。第一段の総括表もけっこうでありますが、その次が重要である。そういう段階にまで入っておる。大臣は、架空なものになりがちだと言われておりますが、十余年の努力でだんだん近づいてきておることも、私どもは認めたいと思うのであります。さらにもっと実情に合うようにするためには、私が今申しましたように十分一つ勘案をして、将来うまくいくようにやっていただきたい。ことしはこうやって一応出されたのでありますし、また手続のことでありますから、私も最後までどちらかとは言いませんけれども、大へんくどいようでありますが、このことを強く要望しておきます。 委員長、なお更埴市の市制の問題についてお尋ねしたいのですが、よろしいでしょうか。 —————————————
○亀山委員長代理 それでは次に地方自治に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので順次これを許します。中井君。
○中井(徳)委員 それでは次に、私個人としてははなはだ簡単でありますが、長野県の更埴市の市制の問題について一、二点お尋ねしたいと思います。 この更埴市といいますのは、四方町村でしたか、この際人口三万以上は市になれというあの改正がありました結果、一本になりまして、大同団結をして市になろうじゃないかというので、昨年各町村とも——この四つの町村のうち三つまでは満場一致、一つの町だけが十二対二というような投票でもって市制実施の決議をして県へ持って行ったのであります。県も調べてみますと、条件が備わっておるというので、十一月二十日に他の二つの案件とともに中央に内示をいたしておいた。そういたしまして中央からもそれぞれ係官が参りまして調査をいたしました。これは市になる要件がことごとく備わっておる。三つの案件のうち一番備わっておるというふうなことでもって、調査をされて帰られたのであります。その後、たまたまこの更埴市というものは選挙区が一区と二区とに分れておるというふうなことから、中央において一部の有力な人から異議が出たとか出ないとかいうことがございました。そういうことから、この十一月二十日の申請が、十二月の十七日に他の二つだけは政府の方から内諾がありまして、県会は、十二月二十二日それを受けて新市の議決をいたしておりますが、更埴市だけはそういう事情がありましたのか、いまだに政府からははっきりした意思表示がない。いずれそのうちあるでございましょうというのが県の話でありますけれども、地元の人たちにとりましては、なぜおくれておるかというふうなことで、いろいろな道聴塗説を生みまして、今や大騒ぎをしておる事態でございます。いろいろと詳しいことを私はたくさん聞いて参りましたけれども、私はその詳しい内容まで本日申し上げませんが、政府におかれましては、この問題をどういうふうに今扱っておられるのか、それを承わっておきたいのであります。 なお念のために申し上げておきますが、私どもの常識でこの判断をいたしますと、また法制的な見地も一応調べたのでございますが、ずっと筋が通っておりまして、すなおにお認めになるということが当然の筋道であるような印象を強く受けて実は帰って参りました。もとより一部の反対はあるでありましょう。これは町村合併あるいは新市を作りますときにはいつも起ります問題でございます。おそらく政府におかれては、その反対の方々をよく納得せしめるのに努力をしておられるのであろうと、私はきわめて善意に実は解釈するものでございますけれども、現状はどんなことでございましょうか。これはおそらく大臣におかれてもよく御案内の事件だと思いますので、大臣から率直に御事情をお聞かせ願いたい、かように思う次第であります。
○青木国務大臣 お話の更埴市の問題については、私、自治庁へ戻りましたときにこの問題があることを聞きまして、そうして従来の経過等も一応事務当局から説明を聞いたのであります。お話しのように三つの市の申請がありまして、他の二つは自治庁の方ですでに内諾を与えておる。更埴市はまだ残っておる。しこうして御指摘のように、この問題が選挙区の問題との関連も出ておるわけであります。もちろん町村合併問題と区割りの問題とは別個の問題でありますので、その問題をこれにからませてどうこうというべき筋合いでないことは言うまでもないのでありますが、ただそういう問題等もありまして、いろいろなお調整を要する点もあるように、私ども事務当局の方からいろいろの動きも聞いておりますので、なお調整の段階に入っておるわけであります。従来のいきさつ並びに現在の進行状況等につきまして、事務当局はいろいろと関係の方面とも折衝いたしておりますので、一応藤井行政局長から経過を御説明申し上げます。
○藤井政府委員 更埴市制の申請の時期、経緯等につきましては、中井委員から御指摘がございました通りでございます。率直簡明に申し上げたいと存じますが、この更埴市制は、四カ町村を合併をして市を作りたいという案件でございます。市自体の要件に適合いたしておるかどうかということにつきましては、われわれの方からも調査官を派遣をいたしまして、いろいろ詳細に検討をいたしたのであります。われわれとして最終的な結論を下します前に、今一応最後的に判断をいたさなければならぬ点といたしましては、一つは市制の要件自体の問題でございますが、この点は、あからさまに申しますならば、市としての全般的な要件というものはかなり充足されておる。特に最近できております市等との比較をいたします場合においては、市の要件というものはかなりの程度に充足されておるのではないかということが一般的に言い得るのではないかと思うのであります。ただ、こういうような客観的な条件といたしましても、一つは、目が二つある。千曲川をはさみまして左岸と右岸にそれぞれ二つのブロックがございます。二つの目があるということが、将来の市制の施行、市制の運営をやって参りまする際にどういうようになっていくであろうか、こういうような面が一つございます。それから一つのグループの方におきまして、他の目との間に川があるということは大した問題でないといたしましても、連檐関係におきまして若干の問題があるという点がございます。さらに第三の点といたしましては、当該町村の中で二カ町村につきましては、従来県が計画をいたしました県計画というものと違った面が出てきているのであります。こういうような違った面が出て参っておりまする点を、先般の国会におきまして御議決をいただきました新市町村建設促進法の一部改正によって、計画改定の仕事を現在進めておりますが、その全体計画とのにらみ合せにおいてどういう取扱いをしていけばいいのかというような点が第三点。第四点といたしましては、更埴市制を申請いたしておりまする一部の村におきまして、相当な反対勢力というものがございます。議決自体は十二対二ということに相なっているのでございますが、そうしてまた普通の場合におきましては、一部に反対がございましても、現在の議会政治あるいは自治制度の運営上、議会の意思というものを第一義的には尊重して参らなければならぬということは当然のことでございまして、そのこと自体にこだわっているわけではございませんが、しかし、その背後にあるものといたしまして、市制の施行ということについて、十分市民並びに住民に納得をせしめるような周知宣伝の方法が講ぜられなかったというようなことで、住民の間にかなりの反対がございます。事実署名等もかなり出てきておる。署名の価値、署名に対する批判というものをどの程度に評価していくかというような点はございまするけれども、そういうような問題が一つあるわけでございます。われわれといたしましては、市制の要件というものを考える際に、今申し上げたような点を、最終的にどういうふうに判断をして結論を下すかという点が今懸案として残っているというふうに考えております。 なお、先刻も大臣からも申し上げましたように、本件は衆議院の選挙区にまたがる市制の施行ということでございまして、これは実は今までに初めてのケースでございます。なるほど、市制の施行ということと、でき上った市というものをどちらの選挙区に所属せしめるかということとはおのずから別問題である。選挙区にまたがるから市制の問題をどうこうというようなことは、これは考え方として間違いでございましょう。間違いでございましょうが、しかし何分にも初めてのケースでもございまするので、それらの将来の見通しというようなことにつきましても、やはりはっきりとした線を打ち出して、その上でやって参りますることが、いろいろな面から申して本市制の施行というものを円滑ならしめるゆえんではあるまいか。かように考えておりまして、今それらの点について最終的な判断をいたすために調整を行なっているような段階でございます。しかし、私たちといたしましては、これはいつまでもこのままでほっておくというつもりは毛頭持っておりません。住民の意思というものが表明せられ、これに基いて県当局自体が、その点についてこちらに内協議をして参っておるという現実でございますので、それらの現実をながめながら、われわれといたしましては、できるだけすみやかに結論を出したい、かように考えておる次第でございます。
○中井(徳)委員 できるだけすみやかにというふうなお話、あるいはまた目が二つあるということ、あるいは十二対二の反対であるというようなこと、これは私どもにもよくわかるのです。ただいつまでも——この間も小津君の質問に初めてのケースだというお話でありますが、その境で市ができるのは初めてであるかもしれませんが、町村合併によって選挙区が変るということはたくさんございます。その場合に何も問題になっておりません。一村全部大きな市に合併することによって、他の選挙区に変るということはございます。私も国会議員の一人であります。ことに衆議院に籍を置く者としまして、こういう問題については、超党派的に、もちろん立場はよくわかるのであります。一票でも損したら工合が悪いということはよくわかります。わかりますから、どのくらい大きなことであろうかと思って、実は向うへ行ったのです。行きまして現実にそれならというので調べましたところが、一位の当選者は七万五千票、二位は七万四千票、三位が六万票、落選した人は四万八千票、これは私の親友の西村彰一さんで、この間なくなりました。問題の人は二位でございまして、落選した人とは実に三万票も開いておる。そうして問題の町は全部入れて七千票であります。そのうち五千票くらいしか取っておりません。差引計算いたしますと、せいぜい三、四千票のことである。これもしかも過去の実績でありまして、将来どうなるかわからない。天下の大人物といわれる人が、あまりどうもこだわり過ぎるのじゃないかというのが実は私の率直な印象でございます。こういうものは政党だとか、政派だとか、そういう関係から物事をこまかく申しあげると、すなおなものがすなおでなくなりはせぬかという心配をしながら、実は私はお尋ねをいたしておるのでございますが、その辺のところに解決策が十分にあるのではないか、初めてのケースだといいますが、私も実は損をいたしております。二、三年前に、他の地区に二つの村が合併になりまして、一度も演説に行かなくてもちゃんと入る票が入らなくなった。そういうことを言ったのではどうも話になりません。ことに公職選挙法の十三条の二項ですか、施行令の第三条等には詳しくその場合どうするかが書いてあります。ただ「その他の事情」というのが一項の第三行目にあるだけですが、どうも「その他の事情」にはあてはまりそうにもございません。私、申し上げるのは、賛成、反対の意思表示は、何も国会議員は黙っておれというわけではございませんので、当該の有力な方が大いに反対なさるのもけっこうだと思います。個人といたしまして意思表示をされるのもけっこうだと思いますけれども、政府におかれて、そういうことによって非常な牽制を受けておられるかのごとき印象をこの地区住民に与えておられるということ、実にまずいことではなかろうか、私はそれを心配いたしますので重ねてお尋ねするのであります。従いまして、初めてではないということを第一に思います。それと、私もそこをずっと一日回りましたが、いわゆる善光寺平のまん中にありまして、長野県におきましては一番いいぐらいのところでございます。商工業なども盛んに行われておるところであります。目が二つで、ちょっと離れておるようなお話でありますが、実は非常に近いのです。ちっとも離れておりません。たんたんたる平原であります。周囲を山に囲まれまして、まことにいい行政単位だと私は思うのであります。そうしてまたいろいろ承わりますと、県の計画とは多少食い違っておるけれども、四つでないとうまく一本にならない、二つずつどうだ、等分だというのじゃけんかが始まるというような土地らしゅうございます。四つの場合は実にきれいにしゃん、しゃん、しゃんといっておる。ところが、今度また反対派などが極力やるものですから、少し汚職事件のようなものが起って参りまして、今警察がそこに手を入れ始めておる。それならその反対派が言ったんだから、引っぱられたのは賛成派ばかりかというと、まず反対派が引っぱられたという。非常に混乱が起っておりますので、あまり政府において時日を遷延されると事件がますます大きくなるように思いますので、この点どうでございましょうか、何でも二十日ごろに長野で予算の県会を開く、それまでに政府の方で何とか回答を出すという話であるとか、うでないとかということを伺ったのですが、近い機会ということにつきましては、幾日ごろまでにというお考えであるか。この点をお尋ねして、あとはまだ質問の方が残っておりますから、私はこれで終ります。
○藤井政府委員 御承知のように、この問題が未解決でありまするために、いろいろ地元に摩擦が起っておる、あるいは混乱とおぼしきような事態が起っておる。長く事態を放置すればするほどそれは悪化していく可能性があるということは、われわれもその通りだというふうに考えております。われわれといたしましては、本件について、このまま何ら結論を下さずに、いつまでも放置をしていくというような考え方は毛頭持っておりません。先刻申し上げたいろいろな事情があるものでございますので、それらの点について、できるだけすみやかに結論を下しまして、私たちといたしましては、県の定例の予算県会が大体二十日ごろに始まるということを伺っております。それにできるだけ一つ間に合うように最終的な結論は下したい、かように考えております。
○北條委員 ちょっと関連して。先ほど中井委員の御質問に藤井局長が話したことについて一点だけ。町村の合併について、県のもとの計画と四カ町村の合併、更埴市制の計画が食い違っておるということですが、その点を一つ明らかにしていただきたい。どういうふうに違っておるか。
○藤井政府委員 更埴市制は、先刻申し上げましたように四カ町村でございまして、これはあまり具体的になるのはいかがかと存じますが、屋代、埴生、それから稲荷山、八幡、この四カ町村の計画でございます。初め県が計画をいたしておりましたものは、その中で稲荷山、八幡、それから塩崎、これは先般篠ノ井に入りまして篠ノ井市ができました。この三カ町村をくくって一つの町にしようという計画であったわけであります。
○中井(徳)委員 そのお話でもう一つ。今、北條君からも御質問がありましたが、そういう県の計画ができなくなっているのです。そのことだけははっきりいたしておるのです。塩崎というところは篠ノ井に合併してしまってできないのです。ですから計画は変っておる。これは去年か、おととしですか知りませんが、そういうものと変っているからどうこうということになると、まず塩崎では篠ノ井の市政を認めた。認めておきながら変っておるというのは少しおかしいですから、その点だけを申し上げておきます。誤解があるといけませんから……。
○門司委員 この機会にちょっと資料の要求だけしておきますから、一つこれを次の機会に、できれば地方財政計画の資料に出してもらいたいと思います。 一つは税外負担に関する調査資料を出してもらいたいと思います。このことは、ことしの財政計画の数字のよしあしを別にいたしまして見てみると、結局問題は、政府の施策に基く地方負担というものの増加が六百七十七億ですか、というような数字になっておって、そうして総額の一千幾らかふえたのとの関係は三百四十一億しか実際の地方財政の膨張率というものはないように考えるわけです。そこで問題になりますのは、多年この委員会でいろいろ申し上げております税外負担をなくするという政府の方針については、やや失望を感ずるような、数字的に問題が出てくると思います。従って税外負担に関する調査資料が自治庁にあるはずであります。自治庁になければ、地方財政審議会か、税制調査会かなんかが自治庁の中にあります。そこで出したパンフレットがあるはずでありますから、これを一つ出していただきたいと思います。 それからそのほかの問題として、同じようにこれは地方税法のときにでもけっこうだと思うが、財政の全体を見るために、一応法定外普通税の状態と超過税率の関係の資料を一つ出していただきたいということ。それからもう一つは、この財政計画の中で三十三年度との比較が出ておりますが、さらにその前の年度の三十二年度との比較が出ておりませんので、結局財政状態の推移を見ることのためにはもう一年前までの比較表をこれにつけてもらいたいということであります。それからその次に出していただきたい書類というのは、昭和三十二年度の地方の、都道府県あるいは市町村の決算が大体できておるはずであります。昨年の十月ごろできておると思いますので、この決算の資料を一つ出してもらいたい。同時に、この決算の書類については、昭和三十二年度の当初の国の財政計画との比較表を一つ出してもらいたい。こういうことが明確になって参りませんと、ここで幾ら書類に基いた地方財政だけをこねくり回してみたところで、結局正しい結論は出ないと思う。この地方財政計画の推移をずっと見てきて、ここで立てた地方財政計画と、実際の地方の財政状態というものとの開きがどうなっているかということ等についても、参考の資料としてぜひ一つ出していただきたい。これらの資料はいずれも自治庁にあると思いますから、そうむずかしい資料ではないと私は思います。一つ出してもらいたい。 それからこれはこまかい問題で、次の法律案も出ておりますから問題にするほどのことはないと思いますが、ただ心がまえとして一応自治庁に聞いておきたいと思いますことは、今度出された法律案の中に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の一部を改正する法律案というのがあって、そうして自衛隊の使う弾薬庫というようなものがこの対象になるということが法律の改正で出ております。そうしてこれの交付金は去年と同額になっております。そうすると金額はごくわずかな数字だと思うのです。大きな数字にはならぬと思いますが、結論からいうと、十億という去年の数字は減ったという結論が出ざるを得ない。これはごくわずかな数字だと思いますが、こういうつじつまの合わぬことがここに出てきておる。だからそういうものについても、やはり何かごくわずかだと思いますが、法律の改正で新たに加えられるというのなら、それに見合うようなものがどこか私はなければならぬと思う。そういう点について、もし資料があるなら出してもらいたい。
○亀山委員長代理 小澤君。——小澤君に申し上げますが、実は藤井行政局長は他の委員会から至急出席を求められております。従ってなるべく簡単にお願いを申し上げます。
○小沢(貞)委員 それでは局長の方から先にお尋ねいたします。実はこういううわさを聞いたわけです。これは十二月です。現地から陳情に町長ですか、議長ですか来たときに、どうも選挙区に関係のあるようなことなら、お前の町の町議会の議決をし直してこい。こういうようなことを言われたそうです。そうしたら隣にいた愛知法務大臣、当時兼任をしていた愛知長官から、君、そんなことを言うのは自治庁としては出過ぎているからだめだ。こういうような忠告を受けたというようなうわさが広がっているわけです。これは非常にゆゆしき問題であるので、行政局長からもこの点を一つ明確にまず第一に答弁をしていただきたいと思います。
○藤井政府委員 私がその際にどういう具体的なことを申し上げたかということにつきましては、これは一方の人がどういうことを言っておられるか存じませんですから、その点について事をあらためて申し上げることは差し控えたいと思うのでありますが、ただ席上いろいろ話がございまして、町村合併の関係の議決と、それに基く申請というものと、その後の議決変更というものとの関係はどういうことになっておるのかという法律問題が論議に上っておったのじゃないかというふうに考えます。と申しますのは、今の場合で申しますると、四カ町村が議決をして、そうして申請をいたします。これはいわゆる法律的な表現をもって申しますると、これは一種の合同行為といわれるものでございまして、その後これを取り下げるという場合には、また同時に四カ町村が同じ方法の議決でこれを取り下げるということになって参りませんと、法律行為としては存続をいたしておるのであります。従いまして、かりに一カ町村が取り下げの議決が可能であるという事態が起きて参りました場合にも、これは法律的には効果はない。しかし、ただそのような事態が市制の施行ということについて全般的にどういう影響を及ぼしてくるかというような点については、判断をいたしまする際に、要するに内協議に対してこちらが最終的なお答えをいたしまする際に、一つの行政的な配慮としてこれを考慮しなければならないこともある。そういう意味の論議をいたしたことは記憶いたしております。
○小沢(貞)委員 今の局長の答弁では明確にそういうことを言いましたということは言わなかったようです。しかし、最初からこの問題にタッチした自治庁がちっとも協議を整えるというか、認可、許可という言葉がいいのか、そこは知りませんが、それを渋っている動きをじっと見ていると、具体的に言いますと、稲荷山町内において前の議決をひっくり返させるような動きがあるわけです。現にある町会議員のところには、人権侵害に近いようなことを持っていって、お前はなぜ賛成したか、反対に回れというような半分脅迫をしているというようなことで、切りくずしをやっております。そういう中で、自治庁はしばらく待っている、県会には間に合わせるようにするから待っている、待っている。こういう動きを見ておると、あるいはまたその出身の某有力者がいつ何をどこでどういうふうにしたかという動きを見ていると、自治庁のやっていることは、慎重に検討するという美名に隠れて、もう一回議会でひっくり返してくるような動きをさせることを援助しているようなことをやっているわけです。静かに見ていると、そうです。客観的に見ていて、そういう動きがあるのです。だから、この際大臣は早く決断をして、すみやかに許可するのが当然だ、こういうように考えるわけです。だからこの点一つ大臣の答弁を承わりたい。
○青木国務大臣 この問題につきまして、先ほど行政局長も御答弁申し上げておりましたが、私一番心配いたしますことは、市制ができ上りまして、できたあとでそういう従来のいきさつから混乱を起すというようなことになりますと、これはまたせっかくできた市が、そういうことになることを予見されるような状態のまま認めるということはどうかと考えられますので、でき上った市が円満に市制の運営ができるようなあり方にしなければならぬ。こういう考え方で実はいろいろ百方苦心をいたしておるのでありまして、決して市制施行に対してそこに一部の勢力ができるということでなしに、全般にでき上った市が円満にいくようにしたい、こういうことだけの念願であることを御了承いただきたいと思うのであります。
○小沢(貞)委員 これは協議を早く整えて、許可してやることが一番円満にいくのです。先ほど中井委員の言われたように三カ町村満場一致、あとは十二対二ということです。こんなに理想的にうまくできたことはないのです。それを渋っていることが逆に反対派をあおり、今後市ができたときに禍根を残すような格好になるわけです。そこで私は具体的にお尋ねいたしますが、こういうように一部の反対があるようなところを許可したことは幾らでもあると思うのです。たとえば、この間お隣の篠ノ井市がそうなんです。ここもまだひどい反対があるのを自治庁はすぐに許可してしまったわけです。現地を視察した結果、そういう具体的な例があるので円満にいくように待っておる、一部の反対があるのを何とか調整したい、こういうのはみなうそだと私は考えるわけであります。だから反対があるのを許可した例があるかないか、具体的に聞かしていただきたい。たとえば長野県内であったのは塩尻市、すぐお隣の篠ノ井市です。こういうのは猛反対がある。それを許可しているじゃないですか。これは理由にならないと思いますが、具体的にどうですか。
○藤井政府委員 議決をいたしましても、当該関係市町村の住民の中でかなりの反対がある。しかし、その反対自体が市制を施行した後において全体の市制の運営について絶対的な支障にならないという見通しがつきました場合におきまして、その市制を許可した例はほかにもかなりございます。
○小沢(貞)委員 そういうことを言っていけば、ちゃんと市町村の議決をして持ってきたものを許可をして、反対があるならば新市町村建設促進法ですか、それの計画を変更して、知事か調停に付して、最終的には住民の投票に付して三分の二あればできるのですから、その法律通りやっていけばいい。そんなことを先の先まで考えて待たしておく必要はないじゃないですか。
○藤井政府委員 私が先刻申し上げましたのは、いわゆる人口要件に関連する問題といたしましては、四つの理由の中の一つの理由、検討すべき事項として申し上げたのでありまして、それだけをこの場合において市制の許可をおくらしておる唯一の理由であるというふうには考えておらないのであります。
○小沢(貞)委員 だから、これは理由にならないと思うのです。四つのうちの一つの反対があるというのは理由にならない。だから理由として一つ欠けたはずです。いま一つの理由は、目が二つあるとか、まん中に川があると言っておる。この前、局長の欠席したときに私が質問したのですが、それは理由ではない。理由がなくなっているはずです。こういう例はほかにも幾らでもある。目が二つあるというのは、ほとんどくっついているような状態になっていますから、そんなことは理由にならないと思うのです。それから連檐関係に若干疑問がある。こんな連檐関係に疑問があるのはほかに幾らでもあるのです。こんなものは理由にならない。一部の反対勢力があるというのは理由にならないわけです。最終的に残ったのは、この前私の質問でも言ったように、衆議院の選挙区の問題なんです。こういうふうに考えるわけです。ほかに理由が成り立たないと考えるわけですが、どうですか、それは。
○藤井政府委員 その点は別に問題にならぬということではございませんで、私自身といたしましては、一応先刻申し上げました事由、またこれが選挙区にまたがる問題として、要するに市制設置の問題としては初めてのケースである。こういうような事項をもあわせまして最終的に取扱い方針をきめていきたい、こういうように考えるのであります。
○小沢(貞)委員 事務的なことを聞きます。選挙区にまたがったところにもっていって市ができた。できたときには、この市というものは、選挙区はどうなるのだということは、法律にちゃんときまっておるはずだと思う。施行令までちゃんとできておる。この場合にはどういうようにやれということがちゃんときまっておる。法律にちゃんとうたわれておるのだから、そんなことはちっとも心配になることではない。それでは私は事務的に聞きますが、この市を二つに分けて、第一区から来たものはそのままもと通り第一区、第二区から来たものはそのまま第二区に、市ができても選挙区をやっていってはどうかというようなことを、こっちから言っておるのか、地元で運動をさせておるのか、そういうことをさせておる向きがある。しかし、私はこの法律を幾ら読んでみても、一つの市ができれば、その選挙区は、法律に書いてある通りに、いずれかに属さなければならないというように解釈するのですが、そこは法的に間違いないのですか。
○藤井政府委員 選挙区にまたがって市が設置せられました場合におきましては、この市がどの選挙区に属するかということの決定は、内閣総理大臣がいたします。現在の市を認めて、たとえば更埴市を認めて、その一部をある選挙区に、一部を他の選挙区にそのまま残しておくということは法的にはできません。
○小沢(貞)委員 この前も繰り返しましたが、きょうは大臣がおるからちょうどいいと思いますが、その選挙区をきめる場合に重要な要素が二つあるわけです。一つは、選挙区を見て、議員一人当りの人口の少い方に行け、こういうことです。それからもう一つはその市を作るのに、こっちの選挙区から集まった、あっちの選挙区から集まった、その集まった人口の多い方に行け、こういうような工合に公職選挙法施行令第三条にちゃんと明確にうたわれております。だからこの場合は、この前も選挙課長かだれかに聞いたのですが、その二つの条件を勘案してみると、第二区に行くのは当然だ。今、藤井行政局長が言われたように、市をもと通り分けて置いておこうということは、法律的に不可能だ、こういうように明確に答弁されましたので、どっちかにやらなければならない、こういうことになります。どっちかにやる場合には、二つの条件が整った方に行くのが当然だと思うのですが、法律上の解釈はその通りでいいですね。この前は選挙課長もそういう御答弁だが、そういうことでがさがさしていてはいけませんから、大臣、明確に答弁していただきたい。
○青木国務大臣 公職選挙法の規定する区の考え方は、お話しの通りと私も考えます。
○小沢(貞)委員 わかりました。
○下平委員 関連して一つだけお伺いしたいのですが、藤井行政局長は、この問題は初めてのケースだと言っておりましたが、第十七条の第三項で、あらかじめ協議する、こういうので、あらかじめ協議をされて、自治庁では、これはいかぬといってそれを認められなかった、こういう前例はあるのですか。
○藤井政府委員 町村合併促進法の時代におきまして、人口要件が明確に足りませんために協議に応じなかった例はあると承知をいたしておりますが、その他にはございません。
○下平委員 あらかじめ協議をされて、いかぬといって断わるのは人口の要件だけだ、その他は県の段階であらかじめ協議したのは、全部自治庁でもこれを許しておる。こういうことですね。そこで御承知のように長野県から三つの市が申請になったと思うのです。実は今問題になっております更埴市の関係と、それから私の選挙区で具体的に塩尻市が申請になったはずだ。今、藤井行政局長が自治庁でいろいろ考えているという要素の中に、一部に反対がある、こういうことを言われたのでありますが、実は更埴市の場合の反対は、議会の議決がたしか十二対二でしたか、二人の反対があったわけです。塩尻市の場合はもっとひどい反対があった。御承知の片丘という村であります。しかもこの村は、反対のために村長が辞職をさせられてしまった。そうして私がつい先日帰ったときに、新しい市政執行が四月でありまするから、わずか二カ月でありまするが、村長の選挙をし直すというような激しい反対があった村なんです。こういう村長がそのために辞職をしなければならぬというような激しい反対がある片丘という村をかかえた塩尻市の合併については、自治庁は何も言わずにこれを許可している。片一方更埴市の場合には、今の段階へくれば、いろいろな有力者の、何というかそのための運動があるようであります。そのために多少問題が出てきているわけでありまするが、片丘の反対に比べたらこれは比較にならない。私は現地調査に行ってみまして、いろいろ今行政局長が言っておりまするけれども、今までの自治庁が合併にとってきた態度、以前の協議に応じてきた態度等から見て、すべての今までの理由というものは理由にならない。しいて言うならば、今言った選挙区の帰属の問題だけが問題になっておりまして、現地へ行ってみればわかります通り、地方自治の本質はやはり住民の意思を尊重するということにすべての重点が置かれなければならぬのが、現地へ行ってみると、有力な人がいれば、その人の票数がどっちへ動くかあっちへ動くかということで、国の政治で地方自治の原則が曲げられるということが非常に重大な問題になっているわけであります。 そこで私は長官にお伺いをいたしたいわけでありまするが、大体地方住民の意思というものは、今までのケースや、あるいは長野県が申請をした三つのケースから見て、更埴市の場合も合併を希望している、こういうふうに見て差しつかえないと思うのです。先ほど質問がありました通り、これ以上遷延をしていけば非常に問題が紛糾をするということも予想されますので、さっきの藤井行政局長の答弁では、その点はあいまいであります。大臣から、二月の県会が迫っておりますので、もっと明確にあなた方の判断を下される時期並びに判断を下される方向等について、この際明確にしておいていただきたいと思うのです。大臣に御答弁をお願いいたします。
○青木国務大臣 町村合併あるいは市の新設に当りまして、住民の意思を尊重することは当然であります。そしてまた住民の意思、意見はいろいろありましても、議会に表明された意思というものを尊重しなければならぬということ、お話の通りであります。その点私は、下平委員のお話しのように、やはり議会に表明された意思というものを住民の意思として尊重しなければならぬ、さように考えております。また、この問題が遷延しておりますと、その結果として、かえって逆に市の円満なる運営を阻害するというおそれがあるというお話もただいま承わったのでありまして、私どももそういう点を考えまして、できるだけすみやかに結論を出したい、かように考えております。そして今二月県会というお話がありましたが、もちろん私どもも一応のめどとしてそういう目標を置いてやらなければならぬ、こう考えております。
○下平委員 これは大臣に特にお願いしておきたいのでありまするが、住民の意思で決定せらるべき問題が、時の政治権力——というよりも、更埴市の場合には限られた一部の有力者、こういうことになると思うのです。大体町村合併が問題になるのはどこでなるかといえば、合併をしようというおのおのの村の住民の意思が衝突をした場合に、合併問題が困難になってくるのであります。今度の場合は、現地調査をしてみると、住民の意思、たとえば川向うの屋代、埴生、こちらの八幡、稲荷山、この住民の利害関係で川をはさんで対立をしているということなら問題は理解ができるのです。こういうケースは幾らでもあると思うのです。しかし、今回の更埴市の問題を見ると、住民対一部の有力者の争いです。これは現地へ行ってみればすぐわかります。住民対一部の有力者の争いが更埴市の問題になっている。これは町村合併の本質からおよそ離れてしまっておる。これは答弁は要りませんけれども、私が大臣に一つお願いしておきたいことは、そのことが自民党内の派閥の系列まで住民の中に明らかにされて、大臣は何系統だ、この人は何系統だというようなことで、ほんとうの地方自治の住民の意思を尊重するという形が著しくゆがめられた形で行われているのです。私は、青木さんの人格というものを前々から非常に尊敬をしておりますので、まさかそういうことにはならないと思いますし、そういう考え方は毛頭ないと思います。現に現地の間では派閥まで調べ上げて、大臣は何の派閥にいる、この人は何の派閥にいる、そういうところまで問題が発展をしているわけであります。だから、すみやかに住民の意思ないしは公職選挙法の十三条並びに施行令の三条ですか、そういうものに照らして、筋道の通った解決のめどを一日も早く出していただくように希望だけ申し上げておきます。
○亀山委員長代理 小澤君。簡単に願います。
○小沢(貞)委員 だから、地元でいろいろ言っている新しい市を二つに分けるということもできないし、それから帰属も今大臣の答弁によってはっきりしたわけであります。だから選挙のことについてはもう問題は解決したと思うのです。それからあと三項目、四項目、一部に反対があるとか、県の計画と違っているとか、目が二つあるとか、いろいろ言われているようですけれども、それも前例と比較すれば延ばしておく理由にならないと思うのです。これ以上延ばしていると、私冒頭に申し上げましたように、賛成した議員のところへ出かけていって大ぜいでつるし上げて、その人は家にいられないというような人権を侵害するような事件が起って、もう地元はこの問題を起しているわけです。このままほうっておくということは、ますますそういう勢力を高めさせることを自治庁が援助しているような格好にしか見受けられないわけです。だから懸案事項は一切解決したというように考えられますので、この上はすみやかに許可してもらうことをお願いして、私の質問を終りたいと思います。
○亀山委員長代理 本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十八分散会