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31回国会衆議院1958/12/19

地方行政委員会 第3号

発言数
80
登壇者
10
会派数
2
開催日
1958/12/19

会議録

鈴木善幸自由民主党

○鈴木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる風俗営業取締法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。本島百合子君。

本島百合子日本社会党

○本島委員 この風俗営業取締法の一部改正につきましてお尋ねしたいことは、風俗営業の取締りというこの法律案ができました当時の御見解を聞かせていただきたいと思います。と同時に、この改正案に盛られております御説明は一応拝見いたしましたが、この改正案の目途とされたところはどういうところにあったのかということを聞かせていただきたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 現行の風俗営業法は、終戦後の昭和二十三年に制定いたされたわけでございます。一般の飲食店につきましては、食品衛生法に基いてこれが規制をいたしておるわけでございますが、特に客席で客を接待する営業でありますとか、あるいは客にダンスをさせる営業でありますとか、あるいは射幸心をそそりますような遊技をさせる営業というものにつきましては、特に善良な風俗を乱すおそれのある行為を誘発する可能性もございますので、こういうものについては、特に別個に風俗営業取締法によりまして、善良の風俗を保持するという見地に立って制定されたものと理解いたしておる次第であります。

本島百合子日本社会党

○本島委員 今度の改正案についての考え方を今お聞かせ願いたかったのでございますが、その点の御説明は……。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 現在までそうした考え方で、特に客席で客に接待をする営業でありますとか、ダンスをする営業、それから射幸心をそそるような営業というものについてのみ、風俗営業としてこれを規制する考えであったのでありますが、最近の社会の実態を見ますと、特に青少年等の何と申しますか、善良な風俗を害する、あるいは青少年を不良化せしめるような雰囲気の営業が風俗営業以外に非常に多く起っている。いわゆる深夜喫茶ということが盛んに行われるようになりまして、それが特に青少年の非行化に影響を強く与えているというような事情でございますので、こういう深夜における営業についてある程度の規制を加える必要があるのではないか。従ってその特殊なもの、たとえば非常に照明を暗くして行うものでありますとか、あるいは見通しのきかない狭い個室によって同伴者の享楽的雰囲気をかもし出すような営業というものは、これは単なる飲食店営業として取り扱わずに風俗営業の方に入れて、風俗営業としてこれに必要な規制を加えて参りたいということが一つの点でございます。こういうふうに照度を暗くするとか、あるいは個室を作るというような客観的標準によらなければ、なかなか風俗営業に取り入れる営業を規定することが困難であります。しかしながら、そういうことである標準をきめて取り入れますると、その他のものについて、また必ずしも全部が健全な営業として行われ得るかどうかということの保証がいたしがたいので、第四条の二というものを新たに設けまして、深夜における営業につきましては、単なる飲食店営業でありまして、善良の風俗を害しないような規制をいたしていく。そのために条例である程度の基準を定めるとか、特別の規制方法を考えるということにいたしたのが今回の改正のおもなるねらいでございます。

本島百合子日本社会党

○本島委員 ただいまの御説明で参りますと、青少年を守るということが大きな目的で、しかも最近深夜喫茶店というものが非常にできた。そこでこうした改正によって善良な風俗を保持するんだ。こういう御答弁のようでありますが、そういたしますと、この改正案で参りまして、大体喫茶店それ自体は認められる業態だから、その中で二つの種類をここで認めよう、こういうことになるわけですね。そういたしますと、たとえば風俗営業でいきますと、十一時まではできる、そうしてその風俗営業をかりに光の程度を明るくするとか、あるいは客席を少し模様がえすれば——かりに店が一つだとしますと、喫茶店の規格に合っていれば十一時以降翌日の夜明けまでやれる。こういうことで、喫茶店というものがここで二つの種類が認められるということに、この改正案ではなると思うのです。  ところがそもそも、すでに御承知であろうと思いますが、青少年を守るということから、この深夜喫茶店を撤廃してもらいたいということが、全国的な大きな運動となって参ったわけなんです。最初東京都の新宿で問題が起って、そしてこの業態の中で青少年の問題として騒ぎが起った。そうすると、これはどういう店なんだろうというようなことから、地域のお母さんたちが、夜周辺にあります深夜喫茶店を全部調査した。そういたしますと、善良なる市民というものが行ってないわけなんですね。そうして喫茶店に立てこもっておる人々というのは、若い人たちも多いし、中年過ぎの人もかなりいる。それが普通の喫茶店という状態ではないんだ。ですから深夜に喫茶を目的として営業しなければならぬという理屈はないんじゃないかということから、青少年を守ってもらいたい、従ってこの深夜における喫茶店はなくしてもらいたい、こういうことが世論となっても現われてきたわけなんです。従って国の方にも、東京都から再三そういう意見書が出されておるわけなんです。にもかかわらず、今日までそうしたものが放置されまして、ようやくにしてこの改正案が出て参ったのでありますが、この風俗営業でいきますと、光の度合を都道府県条例によって定めたものであれば、十ルクス以下でもよろしいという見方になって、それが風俗営業の中に包含されるということになれば、飲食店として考えられる喫茶店そのものが変貌してくるわけなんですが、そういう点はどういうふうにお考えになるのですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 ただいまのお話、ごもっともと思うのでありますが、まず現在のいわゆる深夜喫茶というものの実態を見まして、これを定義づけてあるワクをはめるということになりますと、どうしても共通な一つの客観的な標準というものを考えなければならない。そこで考えましたのが十ルクス以下という照度に暗くしてやること、それから五平方メートル以下の個室を作ってやるものという、はっきりとだれにでもとらえ得るような標準というものを考えざるを得なかったわけです。大体これでただいま先生のお話のような少年の不良化をもたらすような、いわゆる深夜喫茶というものはカバーできるのではないかということで、一応これを風俗営業の中に取り入れて、十一時以後はこういうものはやらせないということにしたわけです。しかしながら、その他の喫茶店、これも喫茶店とか何とか申しますが、やはり飲食店でございまして、いわゆる客に飲食をさせる営業ということになるわけでありまして、これにはいろんな態様がございます。夜間に工場街で食事を供さなければならぬところもあるし、それからたとえば夜間営業をする自動車の運転手に喫茶をさせなければならぬというような特殊な事情のあるものもございますし、それからまたいろいろ夜間に喫茶なり飲食なりをさせる必要というものも考えられないわけではないのでありまして、こういうものを全部禁止と申しますか、極端な制限をするということは、営業の自由というような点からいかがであろうか、またこれを利用する人の迷惑という問題も考えなければならない。ただ先ほど申し上げましたように、こうして一応の共通の基準で風俗営業に取り込んで参りますと、残ったものがまた何らかの形において青少年に悪影響を及ぼすような雰囲気をかもし出すような営業を営まないとは限らぬ。そういうことで四条の二というものを設けて、そういうものについても悪影響を及ぼさないように取締りをなし得るような余地を残したわけでございます。また、府県が別に定めるということも認めておるわけでありますが、これは都道府県に特別な事情がございまして、たええば電力の供給が非常に貧弱である、あるいは僻地であるとか、そういうようなところにつきましては、十ルクスというようなものを普通使わないで、かなり暗くして飲食をさせるというような習慣になっておるような地域もまれにはあると思われるのでありまして、こういうものを一々風俗営業に取り入れて、十一時とか十一時半とかいうことで制限をしてしまうということは、これは何ら風俗に影響を及ぼさないような地域においてそういう店もあり得るわけでありまして、だから府県が一円となってそういうことをやるという趣旨ではございませんで、府県のうちの特殊な地域、特殊な事情のもとにおいて十ルクスとかあるいは五平方メートルという制限を若干緩和して規定することができるということにいたした次第でございまして、個々の府県が非常に甘くしているんだとかいうようなことはないように取り計らいたいと考えておる次第であります。

本島百合子日本社会党

○本島委員 そういたしますと、営業権の自由ということで、各種の業態があるから、そういうものの規制はできない。これはどなたも考えられることでありますが、喫茶店そのもののあり方、それからこれは都市における特殊な事情でもあるし、また青線、赤線地帯がなくなってから、そういう地域にも最近できて参ったわけなのであります。そうしますと、その環境というものも問題になってくるわけなのであります。その喫茶店自体を幾ら規格に合せて風俗営業に取り入れて、そうしてこの改正案でいうように、官憲の立ち入りも自由にできるというふうにされましても、これは規格に合った業態ですから、それじゃいつ何どきでもおまわりさんが踏み込んできて、お前は何歳だというふうに尋ねることができるかというと、それは営業の妨害になってくる。そうしたことはできないはずです。そうしますと、この規格に合うということであれば、現在の諸条例、東京都の条例で見ておりますように、食品衛生法でもなされるわけです。その監督もされておるし、十八歳未満の人たちの出入りはさせられないようになっておる。もし入ればその業者は直ちに連絡をとるというふうになっておるわけでありまして、それをこの風俗営業の中で取り扱えば、一方その業態が、いわゆる食品衛生法を犯す範囲をこえていかないと保証ができるかどうか。それから青少年たちを、今あなたが御説明なさるように万全を期して守ることができるのかどうかということになれば、私は非常に疑問だと思うのです。むしろこれは喫茶店といいものを二つの業態に分けさせるより、十一時以降はいかぬ。全部風俗営業の中に入れ込んでしまって、そうして風俗営業の中の設備、機構、照明というものをこの改正案で改善されて、今よりは健全なるあり方で認める。こういうことになれば世間も納得するだろうし、子を持つ親としても安心さが出てくるだろうと思います。ところが、この改正案でいけば、一方喫茶店はそのまま認めておるんだ。客を接待をする女のあるところ、照明の暗いところ、それから個室のあるところ、そういうものだけは風俗営業の中に入れるんだ。こういう分類の仕方なんですね。そうすると、これは幾らおやりになっても、抜け穴というものはしょっちゅうあることであって、これは万全を期された改正案ではないということを私は申し上げたいのであります。そういう点でどのような確信がおありなのか、聞かしていただきたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 あるいは私、誤解して伺ったかと思うのでありますが、先生のお話によりますと、深夜十一時以後やるものは全部風俗営業に入れた方がいいんじゃないか、こういうお考えのように伺ったのですが、そういうことでございますか。

本島百合子日本社会党

○本島委員 すべての飲食店を含めとは言わないのです。深夜喫茶店が主たる改正の目標になっているようですから、それを申し上げたわけです。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 法律上は喫茶店というあれはないのでございます。結局、食品衛生法によって許可を得た飲食店と、それから風俗営業取締法による風俗営業、一般に飲食をさせるものについてはそういうふうに分けられるわけでございますので、一応現在の深夜喫茶の類型というものを標準化してみますと、これで大体押えられる。まずさしあたってはこの程度で押えていけば、深夜喫茶の現在心配されておる問題というものは、営業面については解消し得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。もちろんただいまお話しのように、風俗営業ということになったら、やたらに踏み込んで調査をするということではございませんけれども、何と申しましても、一般の食品衛生法による飲食店営業よりは、風俗営業の方がいろいろの規制がきつくなっておるわけでございますし、現在食品衛生法による飲食店が確かにいろいろの制約を規定上設けられておりまして、たとえば東京都におきましては、食品衛生法の施行細則において客席十ルクス以上ということになっておるわけでございますが、実際先生方がごらんになって御心配になるような深夜喫茶というのは、それによって行われておる。しかも、そういう大量の深夜喫茶というものが実際上はなかなか取締りが困難であるということは、ある面で、青少年や何かを除いては必要な、あるいは許し得る営業であっても、それが実際に東京都の施行細則の規定に従わないで行われ、しかもその取締りが十分行われない実情というものが現実にあるわけでございます。そういう点から考えれば、やはり現在深夜喫茶として考えられるものを一つの共通な客観的なワクによって標準化いたしまして、これを風俗営業として認める。しかし、その標準に合うものは深夜は営ませない、こういうことにする方がより実際に合う措置ではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井(徳)委員 関連して。どうも私よくわからぬのですが、どうなんですか。この法律が通ると、そういう深夜喫茶を十一時以後はやつちゃならぬということができるのですか。本島さんは、なかなかできにくい、やはり深夜喫茶が残る、皆さんの御判断ではそれができるのか、その辺のところをちょっと伺いたい。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 営業時間の規制は、風俗営業取締法に基きまして、それぞれ各府県で条例が作られておるわけでございます。そして条例におきましては、風俗営業取締法の第三条に基きまして、都道府県では時間の制限ができることになっております。そうしますと、各地方ではそれに基きまして十一時——大多数の府県は十一時でございますが、一、二の県におきましては十一時半という終業時間をきめております。それに基きまして、今回の第一条の改正に基いて新しく風俗営業に入った深夜喫茶につきましては、当然その時間制限を受ける、こういうことになります。

本島百合子日本社会党

○本島委員 今条例で時間規制ができると言われましたけれども、大体法律でいけば、これは翌朝までやれることになっておるわけなんですね。それを条例でやっていきますと、地方の県ではなかなかこれが困難だということで、風俗営業改正案が出ることを非常に期待を持っていたわけなんです。ところがこの改正案でいくと、今の御説明のように、深夜喫茶店を二つに分けられるわけなんですね。普通の飲食店というような営業の形における喫茶店が一つと、それから十一時までの風俗営業の形における喫茶店と二種類がここにできるわけなんです。そうしますと、今長官は、それによって深夜喫茶店はなくなるだろう、こう言われておりますが、なくならないだろうということが世間でいわれておることだし、また実地に歩いてみましても、それは言い得ることなんです。ですから、ここで喫茶店という大衆食堂的な考え方——深夜に働く人々のための飲食物を提供するものは、そば屋さんがあり、あるいは大衆食堂的なものがあるのです。ですから、それ以外に、こうした喫茶店という形における業態が果して必要なのか必要でないのかということになれば、これは全然必要でないということがいわれるわけなんです。このものがあることによって悪の温床となり得るわけなんです。私どもが、かりに新宿なり渋谷なりを視察してみようと考えて行く場合に、個人で行けるのかどうか、こういうことを考えていただきたい。私どもが参りますときでも、必ず警視庁並びに警察に連絡をとって行かなければ危険でございますよ、こう言われるわけです。男の方は別かもしれませんが、そういう雰囲気をかもし出しておるのです。十二時過ぎてあの町を歩いてみます。そうすると、ヨタモノみたいな若い者たち——これは十八才未満ではございません。それより上に出ておる二十代くらいの人たちが五、六人ずらっと立って張り込んでいるわけです。おかしいなという者、あるいはこれはだませる者と思うならば、そういう者に目当てをつけて、そこで犯罪のもとが生まれてきておるわけです。そういうような者を置いておいていいのか悪いのか、こういうことになる。憲法上の自由権という問題が今言われておる。飲食店というものはあるのですから、それ以外に喫茶店という形における、この改正案で規格をきめられる線とはずれた光がさしてくればいいじゃないか、何平方メートルあればいいじゃないか、そういう形における喫茶店というものは残っていく。これは営業する人たちから考えて、どちらがもうかるかということになるのです。もうかるということになれば、風俗営業に入った方はもうからないということになる。それよりは喫茶店の方がもうかっていくというわけなんですね。大体営業時間のおもな収益の入る時間は、十二時、一時、まあ二時少し前くらいだ、こういうことがいわれておる。そういたしますと、ここで二種類の喫茶店というような形が生み出されるということはおもしろくない。一つの保護条例的な、保護法律的なものに変ってくるということを私どもはおそれておるわけなんです。  それからいま一つは、官憲の立ち入りができる。こういうことが自由になるから、今までのような食品衛生法よりはいいだろう、こういうことの考え方、これは私どもがいつも心配することは、すべての人が犯罪者だというものの考え方において、官憲の立ち入りというものが生まれてくるということを常識的に思うわけなんです。青少年を守ろうとするときには、これでは守れないのです。今、青少年を守って効果を上げておるのは、町のお母さんたちが——危険でありますから警察官の方々と同行はされますけれども、お母さん方がずっと歩いて、不審に思うお子さんたちに、親心を持って尋ねて、補導をしておるということにおいて効果が上っておるわけなんです。ですから、必ずしも官憲の立ち入りにおいて青少年が守れるということにはならないのです。ですから、この深夜、翌朝の夜明けまで営業する業態、いわゆる深夜業をする人々のために提供する場所として考えた場合、こういう人たちかこの喫茶店に入るかというと、入っておりません。そうしますと、明らかにこの深夜営業する喫茶店であるという言葉が入っている限りにおいては、この喫茶店というものを十一時以降なくしていくという考え方に立つことが妥当じゃないか。あなたも御調査の結果おわかりになると思いますが、この喫茶店という種類の店のある周辺というものは、決して労働者は入っておりません。入っておる人たちは、いわゆる暴力団狩りの対象になるべきような人々なんです。善良なる市民がそこへ立ち入るには危険を感ずるというような状態のところにあり、またそういう状態のものなんです。それから私どもが入ってみまして、青少年は入っておりません。こう言われますが、明らかに未成年者だと思える者が入っておる。しかもその人たちは、それは警察の取締りがまずいからだといわれるかもしれませんが、これは未成年者じゃありませんと言われるけれども、未成年である。ちょっとおかしな人が入ってきたというときには、連絡があって、この連中はすぐに雲散霧消するという形がとられております。ですからこそ、この深夜の喫茶店というものが問題になってきたわけなんです。こういう環境と実態というものを知ったときに、この改正案では防ぎとめることができないから、深夜営業の喫茶店は風俗営業の中に入れて、十一時以降は営業させない。同時に、風俗営業の中で、先ほど言われる光の面では、十ルクス以下でもいいということでなくて、十ルクス以上でなければならない、このようにして、明るく健全にさしてもらわなければ、いつまでたってもこの問題はケリがつかないということをおそれて、私は質問しておるわけなんです。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 確かにただいまお話しのように、喫茶店、いわゆる新宿あたりにあります喫茶店というものが、ほんとうに健全な人によって深夜営業が営まれているかどうかという問題は、これはお話の点、まことにごもっともな点があると思ますが、今度の改正におきましては、確かにお話のように二つに分けるということは事実でございます。現在深夜喫茶の実情からして、やはり照明を暗くする、あるいは個室を作る、こういうことによって享楽的雰囲気をかもし出す。そういう客観的な形態をとらえて、風俗営業にこれを入れよう、これは先ほど申し上げますように、時間の制限で深夜はできないことになる。それから深夜行うものは、照明を明るくし、見通しをきかせるという条件をしっかり守るようにするということで、これをしも全部営業を禁止するというところまで進むのが果して適当であるかどうか、ここはもう踏み切りの問題だと思いますけれども、現在の段階は、とりあえず現在悪の温床になり、青少年の不良化を促しておるような業態というものはこういう業態である。こういうものを風俗営業に取り入れて、これを深夜においては行わせないようにする。そうして残ったものは明るくし、また見通しのきくようなことにして、少くともその営業の形態からは享楽的雰囲気をかもし出すようなことのないようにする。しかし、そういうものがただいま御心配のような事態も起ってこないとは限りませんので、こういうものについては四条の二によって必要な規制を加えていくということでいくべきではないか。また暴力団等がこれにたむろするというような問題につきましては、別途そういうものについての取締り態勢というものを整備いたしまして処置いたしていくべきものではないかというふうに考えております。これはどの辺までやったのがいいか、またこの問題だけで抜本塞源的にできるものであるかどうか、いろいろ考えまして、営業の自由と、一方においては善良の風俗の保持というこのかね合いに立って、現在の段階においてはこの程度で一つやっていきたいという考えでございまして、これはニュアンスの問題がございますので、全くこれが最上のものであるかどうか、さらに抜本塞源的にそういう営業は全部禁止したらいいということまでいっていいのかどうか、この辺は問題は残るかと思いますけれども、まずこういうことで現在の深夜喫茶というものを考えてみて、こういうものを風俗営業に取り入れる。そうでないものは、やはり青壮年である十分の見識のある人たちが利用しようとすればできるという状態に置いておくことがいいことではないかという気持でございまして、そこまで勇敢に踏み切るということがないという点は、確かに御指摘のような気持はございますけれども、この際は、この程度で一つ踏み出していきたいということでございます。

本島百合子日本社会党

○本島委員 それでは現在全国的に深夜喫茶店がどのくらいあって、この法律改正で風俗営業に入ってくるだろうと思われる数字——私どもは、過日衆参議員の会議のときにもこれを問題にしたわけなんです。この法律が出て、果して風俗営業の中に切りかわっていく店が何軒あるか、これは非常に微々たるもので、これは有名無実の法律に化するだろうということがいわれたわけです。ですから、こういう点はどういうお見通しであるか。そうしてこの改正案で成果が上ってくるということを先ほどからいわれておりますが、これは見解の相違であるかもしれませんけれども、これはなかなかでき得ないものであるからこそ、深夜の喫茶店は禁止してほしいという請願が国の方に提出されておるはずであります。また中央の青少年問題協議会にも出されておるわけなんです。従って、そういうものの取扱いがどういうふうになされて警察庁の方には御連絡があっておるのかということを聞かしていただきたいと思います。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 お手元の方に資料として、風俗営業取締法の一部を改正する法律案についての資料を差し上げてありますが、その五十二ページの表をお開きいただきたいと思います。これにつきまして概略を御説明申し上げます。これはことしの七月十五日に、現在の全国及び六大都府県の関係について統計を出したのであります。これによりますと、ごらんの通り喫茶店、バー、その他、計、こういうふうな欄に分けまして、それ以外に風俗上青少年育成上害のないもの、こういうふうな事項に分けまして調査いたしたわけであります。それによりますと、現在喫茶店などの営業の総数が一応六万九千四百九軒、それから害のないものが十一万九千余り、こういうふうになっておりますが、その中で御指摘の喫茶店は一万三千六百三十一ございます。その中で十一時までやっておりますのが八千七百四十二軒、それ以降午前一時まで、あるいは午前一時以降に及ぶものを入れますと、喫茶店につきましては三千二百三十と一千六百五十八、この計が約四千八百余りになるわけであります。その他バーあるいはお好み焼きなど、こういうような類のものを入れますと、大体十一時以降やっておりますのが、この表の欄の計のところで一万六千二百十五軒、一万四千九百七十四軒、約三万軒ばかりが現在全国において深夜にわたってやっておる、こういうふうな状況でございます。  その中で照度の関係を調べてみますと、大体普通の距離で見まして新聞の読める程度のものが——大体新聞の読める程度と申しますと、三ルクスないし四ルクス程度のものでございます。この程度の照度でやっておりますのが、喫茶店につきましては一万一千八百三十六、バーその他を入れますと六万三千五百九十三軒に及んでおります。それから新聞の読めない程度の三ルクスないし四ルクス以下というようなものが、喫茶店につきまして千七百九十五、それからバーにつきまして二千八百二十四、その他千百九十七で、計五千八百十六軒に及んでいるような状況であります。  それから問題になっております個室関係の状況の調べによりますと、その下の欄で、室にかぎのかかっておるもの、これは喫茶店で三十三、バーで五十七、その他で五十三、計百四十三ございます。それから見通しを妨げる、見通し困難な状態で個室を作っているというような関係のものが、喫茶店で五百七十四、バーで四百七軒、その他四百七十六軒、計一千四百五十七軒でございます。また、装飾関係で、卑猥な装飾をいたしておりますのが、喫茶店について三十五、バーについては八十七、その他百十でありまして、計二百三十二というふうな状況でございます。  それが六大都市の欄にいきますと、この状況は左の欄に二表として出ておりますが、たとえば午後十一時以降にわたって経営いたしておりますものが、結論から申し上げますと、計の欄で喫茶店、バー、その他を総計いたしまして、六千五十一軒と六千五百八十軒、計約一万二千になります。約一万二千に及んで深夜の喫茶店、バー、その他が営まれておる状況でございまして、六大都府県が全国の三万のうちの四割近くに及んでおるような状況でございます。  その照度あるいは客室の状況を申し上げますと、ここに掲げてありますように、新聞の読める程度以上のものが、計で二万五千七軒。それから新聞の読めない程度、すなわち三ルクスないし四ルクス以下のもの、これが計で二千七百四十二軒に及んでおるような状況であります。それから客室の関係で申し上げますと、先ほどの分類に従って御説明申し上げますが、部屋にかぎのかかるもの、これが計で八十八軒、それから見通しの困難なもの、これが五百十一軒、卑猥な装飾をしたもの、これが八十九軒に及んでおります。  大体こういうような状況で、相当の数に及んでおりますので、これが今度の改正法案によりますと、照度の関係あるいは個室の関係その他で、風俗営業取締法のいろんな規制をかぶせて、青少年の出入りを禁止する、あるいは射幸的な行為を取り締っていくというような一応の効果はあげ得るのじゃないかと思います。

本島百合子日本社会党

○本島委員 たとえば良俗を乱すようなおそれがあった場合、業態の方は罰則規定があるのですが、客に対しては何もないわけですね。そういう点はどういうお考えをお持ちになっておるか。青少年は別途補導をされておることはわかっておりますが、おとなの場合にどういうようになさるか、その点をお聞かせ願いたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 この法律の目的は、こうした風俗営業を営む者についての規制でございますので、直接的にその客というところにまで取締りの手を伸ばしていくという考えはないわけでございます。従って、客については規制しないという建前になっております。

本島百合子日本社会党

○本島委員 最後にもう一点、この法律改正案そのものの考え方についてお尋ねいたしますが、今おっしゃるように、客そのものにはしないんだ。そうしますと、青少年を守るという立場において、この改正案の大方の理由を占めておるというような場合に、考えてみますと、補導されていくべき青少年の言っておることは、おれたちがやっておるのじゃない、おとながやっておるじゃないか、そうしてまねをして何が悪いんだという言葉をはいております。それから大体あそこはそういう不良仲間と知り合う機会を得る場所なんであります。その場所においてはやらないで、一歩外に出てやる、こういう場合が非常に多いのです。そういたしますと、青少年を守るという形において、この風俗営業改正でもって相当防げるというふうにお考えになっておることは非常な間違いじゃないかということがわかると思うのです。この業態だけの規制ということになるわけですから、このことにおいて業態が粛正するのかというと、その点も非常にあいまいになってくる。しかも、先ほどからいうように、この改正案で、喫茶店が二つの種類で営業ができるということになるわけなんです。従って、一応私どもの考え方からすれば、飲食店というものは現にあるのであって、青少年を守るということと、深夜における喫茶店というものが悪の温床になりがちであるから、この改正をするんだということが目的であるならば、これはやはり十一時以降はやらせない。深夜喫茶は必要でない。善良なる市民であり、労働者であるならば、こういうところにはあまり来ていないということを考え、また普通家庭の婦人、主人であるならば、何もこういう喫茶店に立ち寄る必要がないのです。何かの考え方あるいはもの珍しさ、そういうもので行かれる方があるかもしれませんが、それ以外に常連として行く人はほとんどないわけなんです。家庭を守るという意味からすれば、この喫茶店が、今統計でいわれるように全国的に見てもかなりの数を持っている。これが減るわけじゃなくて激増しそうな形勢にある今日、やはり喫茶店というものは十一時以降やれないものだということと同時に、この改正案をもう一度改正していただいて、風俗営業であろうとも、十ルクス以下のような暗さではいかぬということを規制しなければ、この青少年を守るということから、社会の環境を浄化するという立場からしても、この問題は解決されないと考えられるわけです。こういう意味におきましていま一度、憲法上ということを先ほどから言っておられますので、憲法ではどこがひっかかるのか、営業権の自由ということを言われますれども、この深夜喫茶店そのものが社会の良俗を乱すおそれがある。こう世間でも思いまた実際見てもそうなっておるという状態のときに、なぜこの喫茶店は許されなければならないのかと私どもは考えておるわけです。この観点をお聞かせ願いたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 御説まことにごもっともな点もあると思います。私も、営業の自由ということが絶対なものではない。公共の福祉に従わなければならないという点から、これは社会の情勢によっても、どこまで自由を認めていくのが憲法の趣旨に沿ったものであるかということも検討を要する問題だとは思うのでございます。ただ、今度の改正におきまして、先生のお話のような抜本的な改革ということにはあるいはならないかもしれませんが、やはり憲法にいう営業の自由を尊重しつつ、現在必要とされる規制をこれに加えて参るというふうに考えておるわけでございまして、この改正によりまして、青少年問題、少くとも深夜喫茶における青少年問題がことごとく解消するというふうには考えませんが、少くとも深夜喫茶の営業面における規制をこれだけ強く加えることによって、相当に環境の浄化ということに役立つのではないかというふうに考えておるわけでございます。もとより青少年の不良化防止のためには、各父兄の関心がさらに深まることも必要でありましょうまた教育上の問題もございましょうし、社会一般のその他のいろいろな施策というものも相またなければならないわけでございまして、この深夜喫茶もその一環として一つ環境浄化のために役立たせたいということでございまして、これだけで青少年問題の解決ができるというふうな甘い考えは毛頭持っておりませんが、少くともそういうことに対する一助になるのではないか。そして現在においては、先ほど来申し上げますように、営業の自由と公共の福祉とのかね合いをこの辺に見ていくのが妥当ではないかという観点に立って改正を考えた次第であります。御了承を願います。

鈴木善幸自由民主党

○鈴木委員長 門司君。

門司亮日本社会党

○門司委員 私は今の質疑応答をずっと聞いておりまして、少しわからぬところがあるので聞いておきたいと思います。  この法律を改正される最大の目的は、取締りを強化されようとするのか、犯罪を防止していこうとされておるのか、どっちに重点を置いていこうとしておるのか、その点の考え方を一つ聞かせておいていただきたいと思います。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 先ほど来申し上げておりますように、現在の深夜喫茶というものが青少年に対して特に悪影響を及ぼしておるという実態にかんがみまして、その悪影響を及ぼす環境をあらためて参りたい。従って今先生のお話の点から申せば、予防的措置に重点を置いているということが申し上げられると思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 そうだとすれば、やはり犯罪の予防の徹底は、犯罪の根絶を期するということが予防の最後でなければならないと思う。今まで私が疑問だと思いますのは、どうも自信がないようです。幾らか今までよりもよくなるだろう。しかし根絶されるとは考えておらない。こういうあいまいさでこの法律が改正されておるとすれば、やはり施行に当っても、そういうあいまいさが私は出てくると思います。それでは結論的には結局何もならぬものができやしないかということなんです。それの具体的な現われとして出てきておるものに、照度の問題が一つある。だれが考えても、暗くなければ飲食ができないという理由は成り立たぬと思う。明るくて差しつかえがない。いわゆる通常の明るさというものを保つことが私はよろしいと思う。風俗営業取締りの対象になる喫茶店というものが、暗いから取締りの対象になるのだということなら、それはおかしいと思う。やめさせた方がいい。普通のところで普通の営業を行なっていく。何かこういう暗さがなければ営業はできないのだ、またそういうものが定義づけられることが、私にはどう考えても考えられない。一般の明るさよりも暗くなければ営業ができないのだということがちっともわかりません。これは飲食をするところですから、芝居か何かで暗い場面をやる場合には、暗くしなければ感じが出ないかもしれませんが、飲食をするところで、暗くなければその感じが出ないということはどう考えても考えられない。そういうことは大体考えなくていいんじゃないか。こういうことを考えること自身がおかしいのではないか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 私、先ほど申しましたのは、自信がないとのお話でありますが、この法律の改正によって相当環境が浄化されるということについては自信を持っております。しかし先ほど申し上げましたのは、このことだけで青少年の不良化が防止できるということではないという意味で申し上げたのでありまして、この改正について、非常に青少年の不良化をもたらすような環境の浄化に役立つであろうということについては、確信を持っておる次第でございます。  また明るさの問題も、われわれも何も明るいことを望まないのではないのでありまして、実際に明るいところで飯飲をすることが健全な社会生活を営んでいく上に最もいいことであるということは、門司委員のお考えと私は同感であります。しかしながら、暗いところを好むやからもおりまして、その暗いところを好む連中に、やはりどの程度の暗さを認めていいかということでございまして、そういう意味において、たとえば現在でもカフェーなどはずいぶん暗くいたしておるわけであります。そういう意味で三ルクス以上でなければならぬ。たとえば風俗営業でも十ルクス以下でもやむを得ないが、三ルクス以上でなければならぬというような制限をつけておるところもあるようなわけでございまして、ただいまお話のような点は、われわれが決して暗いところを奨励しておるのではない。世の中に実際そういう面があるので、それについて、そういうものはやはり風俗営業に組み入れて、これについての必要な規制を加えていくことが必要ではないかという趣旨でございます。

門司亮日本社会党

○門司委員 今の答弁はわかったようなわからぬような答弁ですが、ものの考え方ですよ。それは暗いところを好む人もあるかもしれませんが、明るいところを好む人もあるでしょう。しかし問題は、犯罪をなくするという基本的方針があるなら、これはやはり犯罪をなくすることのために努力すべきである。この程度ならよろしい、しかしそこには犯罪が起る、だからそれを取り締る。取り締らなくたっていいんですよ。警察があるから取り締るのだというものの考え方は誤まりですよ。警察なんというのは一日遊んでいたってけっこうだ。警察が一生懸命取締りの対象をこしらえて、そうして取り締るということ自身が誤まりなんだ。警察の取締りの建前からいえば、私はそういうものの考え方は誤まりだと思う。取り締る者の考え方からいえば、取締りの対象にならぬものをこしらえるために努力すべきであると私は思う。取り締るものの対象をある程度認めておいて、そうしてそれを取り締るんだということの、そんな不徹底さということはあり得ないと思う。もし暗さを好む者があって、その暗さにつけ込んで犯罪が起るというなら、その犯罪を防止しようとするならば、やはりその暗さをなくすることです。暗さをなくすること以外に犯罪の防止はあり得ない。その辺の考え方にどうも警察的の、取締り的のものの考え方がまだこの中に残ってやしないか、私はそういうふうに考えるのだが、一体その辺はどうなんです。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 別に警察として取締りの対象をふやそうと考えているわけではございませんので現在深夜喫茶というものが相当に多くある。こういうものを今の形において深夜営業をさせることはやめさせたい。そのためには風俗営業にこれをとり込んでいくことがいいのじゃないか。それをいきなり、暗い享楽的雰囲気をもたらすような状況というものを全部禁止して——禁止すればそこで取締りの問題が起るわけでありますが、禁止して、全部明るい、いわゆる享楽的雰囲気などを考えないような状態にするのが現在の段階において妥当であるのか、あるいはそういう社会の現象がとにかくある以上は、ある程度それを認めつつこれについて必要な規制をしていくのがよいのかという問題に帰すると思いますが、私どもとしては、やはりあまり厳格に考えず、相当程度の明るさを持たなければいかぬとか、あるいは享楽的雰囲気を起すような状態はやめたがいいということにこの段階において踏み切ることは、必ずしも妥当な行き方ではないのだというふうに考えている次第であります。

門司亮日本社会党

○門司委員 そうだとすると、最後には、普通の状態で大体新聞が読めるか読めないかという明るさの問題になると思うのだがあ、この明るさというのはどういうことです。こんなむずかしいことを書いてあっても、一向にわからぬのだが、照度をはかるものを持ってこなければ、目で見ただけでは測定ができないと思う。しかし、その測定のできないものの営業をしておるというときは、その測定は一体だれがするのですか。ここには警察官の立ち入りができるように書いてあるが、警察官がそのときそのときに行って測定するのか、あるいは何人が行って見ても、これでよろしいということのわかる照度計を備えて、現在の照度がすぐわかるように明示してあるのか、その辺が私は非常にむずかしいと思う。やはり委員会が心配しておりますように、これがなかなかなくならないという、原因は、私はそこにあると思う。これはなかなかそう簡単にいかぬ。あらかじめそういう測定の設備をさせるのですか。この明るさは法律で許された明るさだ、あるいは地方の条例できめられた明るさだということを、絶えず何人にもわかるようにする、これができておるかどうか。それを徹底しようとすれば、やはりそういうことが必要だと私は考えるのですよ。そこまでいかなければ、法律に幾ら書いてあっても、こんなもの何にもならないと思うのです。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 十ルクスということを基準にいたしておりますが、一ルクスというのは、一燭光の光源から一メートル離れたところで受ける照度、これが一ルクスで、その十倍が十ルクスということになるわけであります。これは大体そういうことで基準がきまるわけでありますが、一々それを調べるかどうかということは、やはり営業者の自省に待つ。しかしながら、どうもそういうことで、非常に照度が暗いのにかかわらず、風俗営業でもなし、深夜においてやっているというような状況であれば、これについて正確な照度計によって調査をするということも起り得るかと思いますが、まずこういう基準を設けて、業者の自粛を促すということが先決であろうかと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 百歩譲って、こういう法律でよろしいといたしましても、正確なものについては、やはり何人もこれがわかるようにしておかなければならぬ。これはこの営業だけではないでしょう。たとえばふろ屋の料金にしても、床屋の料金にしても、あるいは宿屋の料金にしても、何人にもわかるようにちゃんと掲示してある。照度というものだけが規定していなくてもいいということになると、幾らでもやる。毎晩検査するわけでもないでしょうしょっちゅう見張っておるわけでもないと思う。もし、当局がここから犯罪をなくしようとするならば、そこまで徹底したものにして、暗さというものは一般の明るい百ワット、二百ワットというばかばかしい昼間のような明るさでなくてもよろしいかもしれぬ。夜は夜らしい多少雰囲気があってよろしい。夜の雰囲気を好むという感じは人間だれでもあります。夜というものの雰囲気はあるにしても、やはり明るさというものについては、正確に何人もこれを見られるように、ほかの営業と同じように、ちゃんとここに掲示しなければならない。この法律だけがこの点に非常にあいまいになっている。あいまいであるところに世間から騒がれる問題が残されておると思う。こういう点等については、特に条例に待つというならば条例に待ってもいいかもしれぬ。しかし、これは地方の公安委員会のきめ方でもよろしいかもしれない。法律にそこまで書かなくていいという意見があるかもしれない。さっき少し皮肉なことを聞いたようでありますが、あなた方の方で、犯罪の防止がほんとうに建前であるとするならば、やはり徹底したものにしておいてもらいたい。そして照度というものがごまかされないようなものにしてもらいたい。そういうことをすること自体が、やはり業者の自粛になると思う。法律の書きっぱなしであれば、必ず私は本島委員の言うような心配が起ると思う。その点についても、私は、この明るさについていいかどうか疑問がある。広さもあると思います。一メートル離れてどのくらいの明るさということが必ずなければならぬと思う。そうでないと、光というものについて、たくさん電灯をつけるとか、あるいは大きいのを一つでよろしいとかいう、いろいろ問題が出てくると思う。  その次に聞いておきたいと思いますのは、法律の内容です。一つ変っておるところは、六条の「当該、官吏及び吏員」というところを「警察官」に改めるとありますが、このこと自体は今までどういう不都合があったのですか。私どもこの法律を作ったときは、当該官吏及び吏員というような幅を持たせた。実際は、この営業にはいろいろな問題があるのです。単に風俗営業の取締りというだけでなくして、やはり許可その他の関係からくる飲食その他の取締りというような、いろいろな問題がある。従って、ここに立ち入りをする場合には、やはりこういう幅の広いものにしておいた方がいいだろうということが大体考えられたと思うところが、これを警察官だけに限るということにした。今までどういう不都合があったのか、どうしても変えなければならぬという理由があるのか、その点を一つはっきりしておいてもらいたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 さっきのお話の、照度を各店で示させるかどうかという問題については、まことにごもっともな点があると思いますので、それを表示させるかどうかということをここで明言もできかねますが、よく研究することにいたしたいと思います。  それから第六条の「当該官吏及び吏員」というのを「警察官」に改めましたのは、従来も警察官だけでございます。この風俗営業取締法に基いて立ち入りをするのは、警察官だけでありまして、ただ前に国家地方警察と自治体警察に分れておりましたときに、自治体のあれを警察官と言わないというような関係がありましたので、あれが府県警察に統一されましたときに、全部警察官というふうに直しましたのに応じまして、この点は文字だけを変えた次第でございます。他意はございません。

門司亮日本社会党

○門司委員 もう一つ最後に聞いておきたいと思いますことは、ここで働いております従業者と労働基準法との関係であります。これが十一時ということになりますと、結局八時間を一応の基準としてみますと、午後の何時ごろになりますか、だいぶおそくなければ始められない。おそらく業者は、これらの問題についても、風俗営業取締法の対象になっておる業者というものは、交代制をとっておるから労働基準法には触れない、あるいは二交代制、三交代制ということになっておるからということに、私は現在はなっておると思います。それでなければ工合が悪いと思います。しかし、実際の問題としては、そういうことが健全に行われておるかどうか、そういうことが一つの問題であります。私がなぜそういうことを言うかといいますと、これらの業態の中で主として犯罪が起って参りますのは、温床になると考えられるのは、おそくなってからである。そういたしますと、そのときどきの相手方といいますか、それらの問題が、やはり変っていくことがよろしいのか、変らない方がよろしいのか、事実上の問題は私はいろいろあると思います。しかし、少くともこういう深夜を認めております限りにおいては、やはり労働基準法との関係というものが当然考えられなくてはならない。その規定がこの中に何もない。それは労働基準法にゆだねておる、基準局にあるからそれでよろしいのだとお考えになられますか、その点をはっきりしてもらいたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 従業者につきまして、労働基準法の規定に従って従業させられておるかどうかという問題、確かにお話のような点があるかと思いますが、これは労働基準法の方で十分に取締りをしていただくべき問題だと思います。この法律には、そういう意味において規定されていないわけであります。

門司亮日本社会党

○門司委員 その点が、こういう特殊な問題でありますから、やはり必要でないかということが考えられる。なぜかといいますと、たとえばものの考え方でありまして、ここに従事をしておる人あるいはこういう業態の中においでになる人が、やはり一つの労働者としての自尊心といいますか、そういうものをはっきり自覚してもらいたい。ただ客にサービスをする、何か男に付随した女であるというようなものの考え方から脱却して、そうして一つのやはり職業人としての自覚を与えること自体が、私は、かなり大きく犯罪の防止ということに役立ちはしないかということがどうしても考えられる。どうもあそこでいろいろのことをやっておることを見ておると、あるいはそういうことが平気で行われておること。ところが、中で働いております諸君が、一つのりっぱな職業だというプライドの上に立って立ち働きをされるという場合と、そうでない場合とは、犯罪にかなり大きな関係を持っていると考えられる。そういう点等についても、この問題は、やはりもう少し法律を改正していこうとするにはそういうことも考える必要がありはしないか。そういたしますと、これを単に基準局だけにまかしておいていいかどうか。今日の労働基準局が、夜の夜中まで十分に監督しているかどうかということについては、法律上はやれることになっているからやるかもしらぬ。しかし、話し合いをする余地がありはしないかというようなことが考えられる。だから、この法律でそこまで書くということは、書き過ぎだという御議論があるなら私はよろしいと思う。しかしこのことについては、やはり労働基準局に関しても相当やはり関心をうながしておかないと、これはなかなかうまくいかないと思う。特にキャバレーであるとかというようなところの——今日の女の人をみんな悪く言うわけではありませんが、主体というものは、必ずしも職業婦人としてのプライドの上に立って行為が行われておるかどうかということには、私は疑問があると思う。だからそういう点も、やはりこういう法律を審議する場合には十分われわれとしては考慮しなければならぬと思う。今の長官のお話では、そんなことは基準局にまかしておいた方がよろしいというなら私はそれでよろしい。基準局の諸君に来てもらって、一応その辺のところをわれわれとしてはただしたい。しかし、あなた方が取締りの対象として見ておられる場合に、労働基準法が守られておるかどうかということについては、どういうお感じですか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 ただいまお話しの、従業員が職業婦人、労働者としての自覚に立って仕事をしていくということが健全な営業の運営あるいは犯罪の予防等に役立つことであろうというお説は、私は全く同感でございます。またそういうことを期待いたしたいと思うのでございます。さらに現在の従業者が、労働基準法の規定に完全に合致して、これらの営業において行われているかどうかということは、私、そこまで確信は持てませんが、しかし、はなはだしく乱れているというふうにも聞いておりません。この点はなお労働省とも先生のお話のように、こういうものはもちろん管轄は向うでありますので、私の方で容喙すべき限りではございませんが、趣旨に沿って注意を喚起し、お互いにそれぞれの分野を守って仕事を完全に果して参りたいというふうに考えている次第であります。

門司亮日本社会党

○門司委員 最後に、これらの実施計画は、この法律に基いて各都道府県の公安委員会できめるということになると思います。それと同時に取締りもやはりそういうことにならざるを得ないと思いますが、その場合の条例です。これは県で条例をこしらえますから、国で、法律に違反しない限り、これでいいとか悪いとかは、建前上もできないということになっておる。しかしもし警察庁で、そういう公安委員会で定める、いわゆる県条例で定める基本的なもの等が考えられているなら、一つ参考にお示し願っておきたい。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 この法案で、執行に関しまして各県の条例で施行条例を作る面がたくさんございますので、それに関して、私の方で一応それの参考までの各県の施行条例の基準に類するような形のものを一応検討しておりました。ある程度の成案は得ておりますが、もちろん各県にはそれぞれの事情がございますので、この通りやれということを強制するわけにはいきませんけれども、行政指導によりまして、ある程度基本的な問題については、各県の事情の許す限りにおいて、その施行条例の参考を基準にして法の精神が貫かれるように指導して参りたいと思っております。

門司亮日本社会党

○門司委員 私が今要求いたしましたのは、先ほども本島委員が心配しておりますように、都条例であるが、それとこの法律との関連性であるとか、実際は条例にはかなり書いてあるんです。ところが、それはなかなか守られておらない。こういう点に私は問題があると思うそこで先ほどから申し上げておりますように、できれば具体的に、照度なんかはだれがいって見ても——何も照度計なんかを持っていって係官がはからなければならないような不徹底さでなく、だれが見てもわかるようにするということをお話をしたわけです。そういう関係がありますので、法案の内容を見ますと、法案が通って三カ月以内ということを書いてありますから、法律ができても、新しい法律に基く実施期間は相当あると思いますので、できればこの委員会で採決をする前に、一応そういうものを、あなたの方でできているとすれば、見せてもらいたいと思う。そうしませんと、私はこのままこれをうのみにするわけにはいかぬと思う。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 ある程度の成案がございますので、追って提出いたしたいと思います。

門司亮日本社会党

○門司委員 審議するというわけではありませんから、参考の資料だけにしたいのでございますから、そのつもりで出していただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党

○鈴木委員長 天野光晴君。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 きょうこれをやるということを知らなかったので、勉強してなくてはなはだ恐縮ですが、総理府令で定めたいわゆる飲食店営業という内容は、どういうのでしょう。私は総理府令を調べてくればよかったのですが、ちょっと勉強が足りなくて恐縮なんですが、いわゆる過去における飲食店営業というものが全部これに当てはまってくるのか、当てはまらないとすると、そのうち喫茶店、バーというもので、特にこの風俗営業に入れるもの、それはどういう段階になっておりますか。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 飲食店全部が法規の対象になるわけではございません。第一条の、今回新設をいたそうとしております五号、六号、これが風俗営業の対象になるわけであります。その場合の照度のはかり方というものは、別途総理府令で具体的にきめるということになっております。  それから先ほど本島先生からもお話がございましたが、関連がございますので申し上げたいと思いますが、いわゆる五号、六号の喫茶店、バー以外の普通の喫茶店の場合、これはやはり一応対象になるわけでございますが、それは深夜の営業を行う場合、深夜十一時あるいは十一時半以降翌朝まで営業されるという場合に、順守事項に基いて営業していただく、こういうことになるわけであります。総理府令のはかり方は、今、ただいまの案を検討いたしたいと思っておりますが、照度計という照度をはかる機械がございますが、その照度計を持って参りまして、客席のいす、テーブルがございます場合には、そのいす、テーブルの面ではかれば、自然と何ルクスという明るさが示される。そういうように、客席のいす、テーブルがございます場合には、いす、テーブルの面における照度計が示す照度ということになっております。いす、テーブルがない場合におきましては、客のすわられるそのいすの高さの明るさということになるわけでございます。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 そうしますと、総理府令はこれから作るんだということに聞いて差しつかえないですね。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 さようでございます。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 そこで、この法律でいいますと、五号では照度を制限して、六号では広さを制限しているのですが、この照度より幾分明るくて、この広さより広いものは、この風俗営業では規制しない、こういうように承知していいですか。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 さようでございます。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 先ほど門司委員からも質問があったのですが、この照度が非常に問題だと思うのです。最近警視庁で何か照度計というものを持って歩いて、キャバレーなんかに行って、お前のところは何ぼだということを盛んにやっておるという話を聞いているのですが、これは光線を受ける建築の状態によって非常に照度が違うと思うのです。今理論的に一燭の照度が一メートル行ったところのものだということでは、非常に問題だし、これが今度取締りの対象になって、非常にややこしい問題が将来起きてくるのではないかと思うのですが、それに対して、たとえば営業を許可する場合に、係官が行って、そのうちの照度はこの程度のものだ、これは何燭光で、これだけあればこれはいいんだというようなところまでおやりになる考え方なのか。それとも野放しで、これだけでやるんだぞといってやらしておいて、あと照度計を持ってはかっていって——五円か十円で買えるものならばいいけれども、相当高価なものではないかと思うので、照度計を各個人々々で持っているわけにいかないと思うのですが、取締りの対象が非常にふえるという状態は望ましくないと思うので、そういう点についての末端における実際の取締りを行う場合の考え方、これを許可をする場合の考え方についてちょっと……。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 確かにごもっともな御質問だと思いますが、いよいよ施行になります場合には、照度についても、広さについても、相当こまかい客観的なはかり方なりきめ方が、それぞれの点であると思います。それの基準も詳細に細目をきめまして、関係業者を第一線で集めていただいて、周知徹底いたしまして、これが徹底するように、また業者にいたずらなる混乱を来たさないように指導して参りたいと思います。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 ここでいうバーというものの内容、これはどういうものをバーというのか。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 ここでバーというのは、喫茶店とかバーという名前は一つの例でございまして、実質的にどんなものが法第一条第五号の対象になるかということは、そこにございます客席における照度十ルクス以下として営むものというものが風俗営業としての対象になるわけであります。バーあるいは喫茶店の設備を設けて客に飲食させる営業でありまして、照度が暗いというものが五号の営業の対象になるのであります。喫茶店、バーという名前を用いておりませんでも、あるいはサロンというものもあると思います。これは一つの例でございます。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 そうしますと、くどいようでありますが非常にむずかしいから……。普通の営業は、大体十一時くらいで、今までは営業時間というものがあるわけなのですが、先ほど来聞いておると、いわゆるこの法律で規定する広さより広くて、たとえば五平方メートルですか、五平方メートル以上、五・一平方でもいいし、五・〇〇一平方でもいい、これよりちょっと広い程度のもので、照度が十ルクス以上であることができれば、これは夜通し営業してもいい、現在取締りをしていないかという問題ですが、その点はどうでしょうか。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村政府委員 お説のような飲食店につきましては、改正法案の五号、六号にはかかって参っておりませんが、四条の二ではかかってくる場合がございますので、その規制を受けるということになります。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 そうしますと、ここの第四条の二でいう「善良の風俗を害する行為」とは概念的にどういうものか。取り締る方だけでは、これが善良な風俗を害する行為だとわかっておっても、取締りを受ける一般民衆がわからなければ、非常に困るので、国民全部にわからしめる通念的な善良な風俗を害する行為とはどういうものをいうのか。この四条の二というものは、それだけで引っかかるのでしょう。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 四条の二がそれだけで引っかかるというのでありますが、四条の二につきましては、およそ営業で明るくて狭くないもの、いわゆる健全な飲食店営業につきましては、食品衛生法に基きまして、環境衛生、食品衛生の立場からこれが規制の対象になっておるわけでございますが、今回風俗営業法の改正によりまして入ります第四条の二によりましては、食品衛生法によって許可されておる飲食店営業につきまして、これを許可の対象にするというものではございませんので、その場合に深夜十一時あるいは十二時から日の出まで営業をなされるという場合におきましては、営業者につきまして、夜の営業でございますので、おのずからそこに守っていただくような事柄がいろいろあろうかと思うのでございます。そこでそういうようないろいろ守っていただかなければならないこと、たとえば深夜青少年をそこに立ち入れて営業するとか、あるいは非常にやかましい騒音を立てる、あるいはショーをやるとか、そういったような営業をおやりになっていただくということは、青少年の不良化の防止あるいは性犯罪の防止とか売春の防止とか、そういう各種の健全な社会生活の保持に害があるような行為をすることを防ぐ、こういうことでございます。従いまして、そういう営業者として守っていただくような順守事項だけを四条の二に述べまして、各都道府県条例できめていただく。それをその範囲においてやっていただく、こういうことであります。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 先ほど来の質問の内容を聞いていますと、取締りの対象にするかしないかということが議論の中心になっておるようなので、それで私もお聞きするのですが、それでは具体的にいって、喫茶店、バー等、いわゆる飲食店営業を行うものの業態のうち、この風俗営業にかけないで、自由に営業できるものの業態は、具体的にどういうものを考えておるか。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 風俗営業にかからない営業と申しますと、普通のすし屋さんでございますとか、うどん屋さんでございますとか、あるいは勤労者のための夜のいこいの喫茶店というようなものもあるようでございまするが、そういうような業態、しかもそれで明るさが十ルクス以上で明るい、それから個室も、狭い部屋で見通しのきかないような部屋がない、こういったような営業でございます。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 どうも話がややこしくなったのですが、いわゆる通念上バーというのは、銀座あたりへ行ってみると、バーというのがありますね。カウンターがあって、酒を飲むところなんですが、ああいう営業をやっておるところで、いわゆる五平方メートル以上あって、明るさは十ルクス以上あって、中で歌舞音曲をやらないで、静かに客が飲食をしておる場合には、夜通し営業をやってもいいのかということであります。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 お説の通りであります。ただこの場合におきまして、四条の二の、今回法律の改正の中になっております順守事項のうちで、いろいろと守っていただくことがございますが、そういうことに違反するようなことがございますならば、必要な範囲の規制を受ける、こういうことでございます。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 そうしますと、この四条の二というのは、条文を読んだだけでは非常にむずかしいと思うのですが、指導される方針として、たとえば騒音にわたるような行為をせざることとか、あるいは放歌をやらないとか、そういう具体的なものを指示される予定なんでしょうか。それとも抽象的にこれだけのものを流して、非常に含みのある幅の広いもので流すお考えなのか、どうでしょう。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 この四条の二は、先ほど来御説明申し上げておりますように、風俗営業に入らないもので、食品衛生法に基く飲食店、これが深夜において行うものについての規制の方法として、都道府県で条例で定める。しかし、それもばく然としないように、先ほど申し上げましたように、条例の基準になるようなものを現在用意いたしておりまして、これを大体参考にして府県で作ってもらう。その内容としては、ただいま増井君から申しましたような事例があげられておるということでございます。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 そうしますと、今までバー営業等をやって、レコードもかけないで、客が静かに飲んでおるものに対して、警察の方で行って、お前のところはちょっと営業時間が過ぎたぞ、というような取締りをやった場合には、やっぱり取締りの行き過ぎと見て差しつかえないでしょうか。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 さようでございます。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 そこで、今度の改正された法律案の執行については、条例で都道府県の公安委員会が定めるところになっており、その施行について、条例の内容については参考資料を用意しておられるということでございますが、その参考資料の内容が非常に問題になってくると思うのです。というのは、この第三条で「営業所の構造設備等について、善良の風俗を害する行為を防止するために必要な制限を定めることができる。」というだけの法律条文で、さて末端の府県の議会の議決を必要とする条例の作成に当っては、より具体的なものを示して、これでなければならないんだという意思表示を過去においてされておるわけなんですが、そうしますと、参考資料ではなくて、その条例の内容にまで一つの形を作って、これだけはどうしても条例に盛らなければならないという問題があるならば、やはりこの法律の面に表わしておくということの方が望ましいと思うのです。今度の場合、全国統一的に、北は北海道から南は鹿児島まで、各都道府県の公安委員会でこの条例の案文を作成すると思うのですが、その中に、一貫してこれだけはどうしてもやってもらわなければならないというようなものが、この法律の条文からはずれておるものであるかないかということの問題、それは資料を出して見ていただければすぐ一目瞭然わかると思うのですが、そういう点でその内容について、一貫して、どうしてもこれだけは、法律には載っていないのだけれどもやってもらわなければならないというようなことがあるかどうかという問題。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 法律に規定するまでもないけれども、条理的に、こういう法律が出れば当然こういうことは規定すべきであろうというような問題はあろうかと思います。従って全国一律になるような問題もあろうかと思います。しかし、そうでない範囲も相当にあるわけでありまして、先ほど保安局長が申しましたように、あくまでもわれわれの方から示しますのは基準で、これを参考にして、都道府県の実情に応じて条例を作成していただくということに相なろうかと思う次第であります。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 それではもう一つお尋ねしますが、先ほど柏村長官のお話をお聞きしますと、とりあえずこの法律はやってみようと、いろんな客観的な主観的な状態において、この程度一つやってみて、そうしてもしこれが行き過ぎになるような場合、あるいはこれが非常にいいという場合と二通りあると思う言けれども、そういう場合には、適切な措置を考慮されておるかのような含みのある答弁を先ほど本島委員に対してされておったようですが、そういう含みがあるかどうか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 私どもといたしましては、現在の段階においては、この程度の改正が必要にして十分なものではないか。しかし、いつまでもこういうものでいいのかどうかということは、さらに本島委員のようなもっと進んだ御意見もあるわけでありますし、必要で十分と申しますか、最小限度と申しますか、この際改正をぜひしなければならない限度はこの程度である。これで相当に効果を上げることができるという確信に立って、現在の段階では最上のものと考えて出しておるわけでございます。しかし、現在においてもいろいろ御意見のあることでもありますので、むしろ行き過ぎというよりは行き足らずということで御心配の向きがあるわけでありますので、実績に応じまして、さらに検討はいたしたいと思いますが、決して一応これを出してみようじゃないかというような軽い意味で考えておるものではございませんので、御了承願いたいと思います。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 そこでちょっと古い話になるのですが、これでやめますから聞いていただきたいと思うのです。三条の構造設備の問題で、実は、私、県議会でこの条例を審議したことがあるのですが、そのときに警察庁の方の方針として、法律の精神でどうしてもまずいということで削ることはできなかったのですが、料理店に押し入れを作ってはいけないということがあるのですね。今までのこちらで流した内容にですね。日本建築でいくと、押し入れの定義が、物入れにもなり、いろいろあると思うんですが、警察の方の考え方としては、押し入れを作ると、ふとんを入れてある。そのふとんで、料理屋だから、芸者等がはべる場合において、あるいは密淫売でもやるのではないかというような考え方だろうと思うのですが、押し入れには、ふとんでなくて、あるいは座ぶとんでもお膳でもいろいろ入れる。その押し入れ談義というのをいろいろやったことがあるのですが、それから兼業の問題、これは都道府県の公安委員会にゆだねて、条例等によってやり得るような状態になっているのですが、非常に実情に沿わない各府県の条例ができていると思うんです。実は、この風俗営業取締法の一部改正に、いわゆる深夜喫茶の取締りを入れるか入れぬかというような段階だったものですから、本来ならばその点までさかのぼって話し合いをして、その法の精神の考え方等についてただしてみたかったのですが、こう法律になってしまったから、それは新たなる問題なんであれなんですが、今度のこの法律に関する参考資料としての条例を流す場合には、実情にそぐわないようなものまでも流されると、府県の公安委員会では至上命令と心得ているから、だからそういう点でまぎらわしくないような、形の上において、ある程度府県の実情に即したような条例が作成されるような参考資料という内容のものであるならば、その趣旨にはずれないような格好のものを流されるように希望いたします。以上であります。

太田一夫日本社会党

○太田委員 一、二関連してお尋ねしたいのですが、ただいまのお話の中から出てくることなんですが、十一時で風俗営業の喫茶店は終りになるという御回答があったのですが、実際にいって、十一時に終るところもあれば十一時半のところもある。十一時から十ルクスの喫茶店はやめになる、もうやらないという基準は、何か地方にお示しになる基準の中から出てきたのか。十一時以後は絶対やらせない、絶対十一時以後でないというお考え方の基本、根拠をお尋ねしたい。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 今度第一条の第五号及び第六号の営業が風俗営業ということになりますと、風俗営業として時間の規制を各都道府県の条例でいたしておるわけであります。それが大体のところが十一時、十一時半のところもあります。実際にそれをちょっとこえてやっているところも、もちろんあるかと思いますけれども、風俗営業である限りにおいては、そういう時間的制約を都道府県でいたしております。そしてそれは法律に基いた根拠でやっておるわけでございますので、風俗営業に入る限り、そういう筋になるわけでございます。

太田一夫日本社会党

○太田委員 そうしますと、風俗営業の許可を得た喫茶店が、十一時まではいわゆる暗い照度で行われる。十一時以後になりまして明るくいたしましたら、第四条の二の一般飲食店ということになるのでしょうか。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 これは第五号及び第六号は食品衛生法による営業でなしに、風俗営業として許可を受けるわけでありますから、風俗営業違反ということになると思います。

太田一夫日本社会党

○太田委員 違反でなしに、かりに十一時からは新しいスイッチに切りかえて十六ルクス以上になりますと、これは風俗営業でない。十一時以後は状態を変える、そういうことがあり得ますかどうか。そういうことは認めないかどうか。

増井正次郎警視長(警察庁保安局参事官)

○増井説明員 十一時までの営業というのは、結果と申しますか、飲食店以外の営業のうち喫茶店、バー等であって、設備を持って客に飲食させる暗い営業、十ルクス以下の営業を業として行なっておる営業でありますならば、それは新たに風俗営業の対象として取り入れられることになるわけであります。その対象に取り入れた限りにおきましては、十一時という各都道府県の施行条例に基く時間の制限を受けることになりますので、その限りにおきましては、営業時間は十一時までだ、あるいは府県によりましては十一時半だ、こういうふうになるかと思います。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 これはどうなりましょうか。五平方メートル以下で風俗営業の許可を受けて営業をやるということになりますが、それが今度増築をして相当大きくなった場合、照度を明るくして営業をやるというような場合においては、風俗営業取締りの法規からはずして、食品衛生法の許可だけで営業を切りかえて変更できるかどうかという問題です。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 もちろん構造設備を変えて、この風俗営業に該当しないような形になって、食品衛生法のいう飲食店として許可を受けておるならば、それで当然状態を変えるということはできると思います。

田中榮一自由民主党

○田中(榮)委員 風俗営業の取締りにつきまして、ちょっと警察当局に申し上げておきたいのでございますが、最近におきまして、この風俗営業も非常にいろいろ各方面にびまんしてきたことは、これは社会風教上からいたしましていろいろ議論があると思いますが、私どもちまたにおきまして、うわさといいますか、聞くところによりますと、警察署の取締りといいますか——もちろんこれはその法規違反の点につきましては十分厳重に取締りをせねばならぬことは当然のことでありますが、ただ度を過しました取締りということになりますと、非常に警察に対するいろいろの反感といいますか、そうしたものが出てくるおそれがあるわけです。一例を申し上げますと、せんだってあるところの料理屋でありますが、全然芸人も入らぬところでございます。そこに百畳敷の大きな室があります。大体におきましてこれは大衆的の料理屋でありまして、そこに相当りっぱなステージが——ステージと申しましても一段高いところでございますが、そこでどういうことをやるかといいますと、ときに会合をやり、組合の総会をやって議事進行のためにその壇上に机を並べていろいろ議事を進行する場合もあるし、あるいはまた町内会等がそこに集まって、いろいろな地方民謡等をやって、非常に民衆的に楽しむ場所になるわけでありますが、せっかくできた舞台を、こうした芸人の入らぬところにはステージを作ってはいかぬ、こういうことで相当りっぱなステージをぶちこわせ、破壊してしまえという命令が出ているわけでございます。業者としては、もちろん芸人等は入れません。あるいは組合の総会において議事進行のための壇上にもなるし、あるいはまたその町内会の老若男女の集まったときの地方民謡の場合の舞台になるのであるからして、何も風俗を乱すような行為をやる場所でもないし、特に畳が百畳も入っておるところでありますから、こういうことは常識的に見て警察官が、それならばそういうふうにしろ、絶えず使ってはいかぬ、場合によっては幕でも引いておいて、必要があればそれを使ってもいいじゃないか、こういうことを言ったのですけれども、所轄の警察署の方においては絶対にこわせ、こういうことであります。私はそれを聞きまして、警察というものはいま少し常識を持って取締りをすべきではないか、かように考えるわけであります。私は、取締りのやり方についてどうとは言いませんけれども、こういうときにはある程度常識を持って、温情を持ってやってもらいたいと思う。ことにその場所は、地方々々のいわゆる民謡をやるとか、そうした大衆的に利用される場所でありまして、決してその百畳敷の場所において風俗を乱すような行為が行われる場所でもないのであります。こういうときには、どういう条例になっているか、私はその条例の内容は存じませんが、結局、この風俗取締りというものは、常識に合致したような取締りをし、また大衆が納得するような取締りをせねばならぬと思うのであります。そうした場合におきまして、私は、今後こうした条例のできた場合におきましても、一線の警察官がそうした常識を持って入っていきませんと、一般の客というものには罪はないのであります。当然の料金を払って楽しんでいるその場所に、制服の警察官が多数どかどかと入り込むということは一般の客に非常に悪い感じを与え、また警察に対するいろいろの悪い感じを与えるわけでありますので、取締りの第一線の警察官に対しましては、十分に一つ良識を持って、一般の罪もない大衆に迷惑のかからぬように、取締りのこまかい点につきまして十分に御注意願いたいと思う。それだけ一つ申し上げておきます。

柏村信雄警察庁長官

○柏村政府委員 警察の取締りの適正を期すべきことは申すまでもございませんし、特にこうした風俗営業等につきましては、あまあらゆるくして問題を起す場合もありますし、きわめてしゃくし定木にやって非常な迷惑をかけるということも多かろうかと思います。今お話しのような事案は、私聞いておりませんが、警察官が、事に当って詳細な注意を払って良識をもって事に当るということについては、御説の通りであろうと思います。また具体の問題についてはよく検討いたしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党

○鈴木委員長 この際暫時休憩いたします。     午後零時五十一分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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