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31回国会衆議院1959/02/25

大蔵委員会専売事業に関する小委員会 第2号

発言数
167
登壇者
12
会派数
2
開催日
1959/02/25

会議録

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 これより会議を開きます。  この際、一言私からごあいさつ申し上げますが、山下前小委員長が御退任になりましたあとを不肖引き継ぎまして、この重職を汚すことになりましたので、未熟なものでありますが、どうか委員各位の御協力によりまして円満に審議ができますように、念願をいたす次第でございます。     —————————————  専売事業に関する件について本日は調査を進めますが、専売事業の中で塩業問題について特にきょうは調査をいたしたいと思うております。  まず政府において提出を予定をいたしておりますところの塩業整備臨時措置法案について、政府当局より説明を聴取することといたします。村上政府委員。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 印刷の関係で正式の提案はあしたになる予定でございます。お手元に差し上げました「塩業整備臨時措置法要綱」というものにつきまして、大体の構想を御説明申し上げたいと存じます。  この法案が出ますに至りました沿革でございますが、これはすでに皆さん御承知のことと思うのでございまするが、戦時中及び戦後の塩不足の点から、昭和二十五年に、今後の塩業をどう持っていくかという閣議決定がございました。それで、食料塩の全量自給を目的にして、しかも、外塩に依存しておりました食料塩の自給ということによって国民生活が安定していく、及び、従来外塩に依存しておりました関係上、これに費消されておった外貨を節約したい、こういうふうな閣議決定がされたわけでございます。しかも、いろいろな新技術によりまして生産力の拡充ということが鋭意進められてきたわけでございまするが、昭和二十八、九年ごろから取り入れられて参りました流下式枝条架方式という新しい塩の生産技術が予想外にわが国国内塩の生産力を伸ばすに至りまして、今度は逆に昭和三十二年ごろから将来の過剰ということがだんだん問題にされてきたわけでございます。当時の国内塩生産量はまだ八十万トン程度でございましたが、将来このままいけば、食料塩の正常需要といわれる百万トンをはるかにこえる生産力に発展するのではないかということで、同年の夏ごろから、塩業者の代表をも交えまして、これらと協議の上で、国内塩の生産対策というものを同年の十二月十八日に作っております。先般公社で作りましたこの国内塩生産対策の中には、いろいろのことがきめてございまするが、その主要なるポイントといたしましては、国内塩業の合理化促進及び経営基盤の強化のために、この際全国の製塩施設の整理統合計画を策定しなければならない、それから、将来の収納価格は、食料用と工業用とを区分して、前者については一万円程度、後者については輸入塩価格を目標とするというふうな原則が定められたわけでございます。  この国内生産対策に基きまして、昨年の七月から御存じの塩業審議会というものが開かれまして、二十五回にわたる慎重な検討の結果、塩自給の基本方策について結論を出したわけでございます。この塩業審議会の結論によりますと、現在の日本の塩の需要は三百万トン余りもある。これは工業塩を含んででありますが、この需要のうちの二百万トンを工業用、特にソーダ工業用でございまするが、この市場は、国内塩価が国際価格に比べてあまりにも高いため、国内塩の市場となるに至っておらない。そこで、現在の国内塩の需給バランスは、食料塩百万トンの需要に対して供給が百三十万トンに達しておる。差し引き三十万トンの過剰塩を生じている。この過剰塩の存在ということは、公益専売制度としては、事業の存立の前提として非常に困るわけでございまして、公益専売制度は需給の均衡ということを基本条件としている以上、その過剰塩を除去するということは存立の条件になるわけでございます。またこの過剰塩の存在ということによりまして塩事業会計も非常に大きな赤字を出しておる。専売制度を健全化するためには、この過剰塩の除去を試みなければならぬ。また、この過剰塩を除去いたします際に、現在国内塩業の構造の中に含まれている非常に非能率な企業を整理しまして、国内塩の品質の改善と原価の低減ということを目的として整理を行うべきだ、こういうふうな結論を出したわけでございます。なお、その整理に際して、これに伴う経済的あるいは社会的な混乱を防止するために適切な補償を行うべきである。この構想が塩業審議会の答申の中に盛られておりまして、それを法文化したのが今回の塩業整備臨時措置法案なるものの内容なのでございます。  そこで、この塩業整備臨時措置法案の大筋につきまして御説明を申し上げたいと思うのでありますが、お手元に差し上げました要綱を読みながら御説明をいたします。  一、「目的」でございますが、「この法律は、塩の需給を調整するため、塩業整理交付金の交付等の措置を講じて塩業の過剰生産力の円滑かつ適正な整理を行い、もって国内塩業の基盤の強化及び塩専売事業の健全な運営に資することを目的とすること。」と書いてございますことは、先ほど申しました三十万トンの過剰生産力を円滑に——これは塩業整理交付金の交付等の措置を講じて、整理によって生じます経済的、社会的混乱を防止して円滑に行う。かつ、整理いたします際に非能率な企業から整理を行いまして、適正な塩業界の基盤の強化を行う。これによりまして、塩専売事業も、需給のバランスと塩事業収支の均衡を回復することになりまして、健全な発展が可能になる。これが今回の法案の目的でございます。法案の第一条に規定してあるところでございます。  それでは、一体この整理をどういうふうな方法で行うかということが、その二以降の問題になるわけでございます。塩業審議会の答申に盛られました構想によりますと、今後の塩業整理というものは、価格政策を中心にして行なっていく。昭和三十七年度の当初白塩一トン当り一万円ということがその目標である。この目標を塩業者がそれぞれ自己の長期的採算面から判断をしまして、廃業すべきか、あるいは残存すべきかをきめるというのが原則であります。その自主的な申し出による廃業についての規定が法案の第二条に規定してあるところでございまして、要綱では二と書いてあるところでございます。  二、塩又はかん水の製造の廃止を申し出る製造者に対する交付金の交付   (1) 昭和三十四年四月一日から昭和三十五年三月三十一日までの間に塩専売法第十二条第一項の許可を受けて公社の指定する日までに製造を廃止した製造者に対し、醜業整理交付金を交付すること。   (2) 交付金は、分割交付ができること。  今御説明いたしました自発的な廃業というものが原則でございまして、今回の整備は昭和三十四年及び昭和三十五年の二カ年度にわたって行いまするが、最初の年に自発的な廃業の申し出を受けて、われわれは、この申し出だけで、先ほど申し上げました過剰生産力三十万トンというものの除去を達成したい、こう考えておるわけでございます。それに対しては交付金を交付する。交付金の基準につきましては法案の第三条と要綱の三に書いてございますが、それはあとから御説明いたします。「交付金は、分割交付ができること」というふうに書いてございますが、これはあとで御説明いたします。今回の整備の原資としまして、従来たとえば石炭事業の整備がそうでございましたように、整備費については残存業者が共助するということがいろいろ前例にもございます。それから、塩業審議会の答申中にも、整理補償費の一部は残存事業においても応分の負担をすべきであるというふうに答申をされております。その関係で、昭和三十五年から三十九年までの四カ年にわたって共助金を納付させるわけでございますが、納付された共助金が四カ年にわたる関係上、これに相応する交付金の交付というものも分割する必要があるわけでございます。これは、結局、実質的には被整理業者の金融機関に対する償還というものに照応するわけでございまして、その関係から整理される業者の転業その他には差しつかえないわけでございまして、ただ交付が分割できるということをここに規定したわけでございます。ただ、そのほかにも、廃止をいたしました際にすぐに必要となります塩田に関する交付金とか、あるいは転業資金とか退職金というふうなものについては百パーセント交付するつもりでございますが、施設についての現金というものは、たとえば三十四年度にやりましても、その年に即座に必要でございませんので、総額八十七億の今回の整理関係の交付金の中で、昭和三十四年度に計上してありますのは三十七億ということになっております。その三十七億の内訳は、先ほど申し上げました施設以外のものは大体百パーセント組んでございますが、施設については昭和三十四年度に大体二〇%組んでございます。その関係からも、この分割交付の規定が生きてくるわけでございます。  交付金はどういうふうな基準によって与えるかということになるわけでございますが、それが三の「交付金の額」というところに規定してございます「塩業整理交付金は、次に掲げる金額で廃止業者につきそれぞれ該当する額の合計額とすること。」として並んでおります。   (1) 製塩施設については、廃止の日の現在価額からその処分見込額を控除した額に相当する金額。   (2) 塩田土地については、これを他の用途に転用するものとしての費用の一部に相当する金額(一陌当り八十六万七千円)。   (3) 塩田製塩業者(これに準ずる温泉熱利用製塩業者を含む。)に対しては、収納価格に納付塩量(最低一陌当百五十トンを保証すること。)を乗じて得た額の三割に相当する金額。   (4) 塩業従業員に対しては昭和三十三年中の支払給与総額の十二分の十二に相当する金額(但し、平均勤 続年数十年とした場合。)から退職給与積立金額を控除した金額。   (5) 法人を清算するために必要な費用((1)〜(4)までの交付金額の二%を限度とする。)及び解 散の際の繰越欠損額のうち、やむを得ないと認められる額に相当する金額。  以上五つの項目が上っております。これは廃止塩業者の種類によりまして積算の方法が違うわけでございますが、機械製塩、塩田製塩のすべてに共通いたしておりますのは、そこにございます柱の(1)と(4)と(五)の三つの項目でございます。これは、共通積算事項と申しますか、「施設については、廃止の日の現在価額」これは帳簿価額を言っておるわけでございまして、その関係から償却未済もこれに入ってくることになります。「現在価額からその処分見込額を控除した額に相当する金額。」これが、先ほどの八十七億の国庫債務負担総額の中では、五十九億九千六百万円を占めております。次の共通の積算事項といたしましては、従業員の退職給与であります。塩業従業員に対しては十年勤続者が十二分の十二、一年分の退職金がもらえるように措置したいというのが、今回の整備に際しての政府の考え方でございまして、その金額から退職給与積み立ての金額を控除した金額が、この共通積算事項の第二になるわけでございます。それから、その次は清算費用であります。これは共通の積算事項でございまして、そのほか塩田製塩業者に対しては特殊な積算事項があるわけでございます。その一は塩田土地でございまして、「これを他の用途に転用するものとしての費用の一部に相当する金額」、積算の内訳といたしましては、塩田土地が通常その用途を転換いたします場合に予想されます農地に転換される場合を想定いたしまして、農地造成費用を一ヘクタール当り百三十万円、その三分の二に当る八十六万七千円を積算しよう、こういうわけでございます。それから、第二の塩田製塩業者に対してのみ特殊に積算される事項といたしましては、そこの(3)にございます転業資金でございます。収納価格に納付塩量を乗じて得た額の三割、これは一カ年の水揚量の一割が大体推定所得であって、その三カ年分という意味でございます。ただし最低一ヘクタール当り百五十トンを保証する。この転業資金をなぜ塩田製塩業者にのみ交付することにしたかという理由でございますが、いわゆる採鹹人というものは、その大部分が給与所得者としての今度の整備についての保護も受ける、あるいは投資所得としてはきわめて少額であって、その投資先の転換ということだけで将来の生活の安定が得られないということから、この採鹹人の特殊な地位に着目しまして、彼らが何十年の生業を失って次の生業を得るまでのいわば助成ということで、この転業資金の項目、そういうものの積算をしたわけでございます。そのほか、公社といたしましては、過剰塩というものが非常に大きな塩事業収支のガンになっておりまして、廃止の時期が早ければ早いほどこの過剰塩の発生は少くなるわけでございますし、過剰塩の発生が少くなれば、赤字の発生も小さくなるわけでございます。そこで、三十四年度中に自主的に廃業いたしますものに対しては、こうした過剰塩の発生が少く、従って国損も助かるという意味から、適正な繰り越し欠損について、これに相当するものを見てやろうということになっているわけでございます。  なお、この交付金の算定にあたりましては、施設の残存価格が幾らであるとか、いろいろな技術的な問題、評価の問題が発生いたしますので、四「鑑定人」というところに「設備の残存価額等は、鑑定人の意見を聞いて定めるようにすること。」これは法案の第五条に規定してあるところでございます。  この自主的な廃業というものをいわば今度の整理の骨子にいたしているわけでございますが、この自主的な廃業のみによって三十万トンの過剰生産力が整理できなかった場合にはどうするかということで、第二の段階としてはこの要綱には書いてございませんけれども、法案の第二条三項に「勧告の制度」というものがございまして、企業診断をするとあなたのところはなかなかむずかしいのじゃないか、将来の価格政策についていけないのじゃないかというようなアドヴァイスをすることによりまして、十分企業の自主的判断を助成するといいますか、そういうことを考えております。この勧告それ自体は、それによってどうなるというわけではございません。ただ自主的な廃業を円滑にするというわけでございます。  それでもこの三十万トンの過剰生産力が除去できないというときに、過剰生産力の除去できなかった部分について、その製造許可の取り消しという最後の手段を発動するわけでございます。「製造廃止の申出者だけでは、過剰生産力の整理ができないときは、昭和三十五年四月一日から同年十二月三十一日までの間に限り、生産能率が著しく劣ると認められる企業について、その製造許可を取り消すことができるようにすること。この場合には、通常生ずべき損失を補償することとする。但し、この補償金の額が三の交付金の計算により算出した額に満たない場合には、満たない額を限度として一定の算定基準によって計算した交付金をあわせて交付すること。」こう書いてございます。昭和三十四年度中は自主的廃業をわれわれは期待する。それでだめなときに、昭和三十五年四月一日から同年十二月三十一日までの間に限って、生産能率が著しく劣っておると診断される企業につきまして、その製造許可を取り消すという最後の措置をいたすわけでございます。この場合には、いわゆるその取り消しによって相当因果関係のある損失を補償するということにいたしております。ただ、この相当因果関係のある——法文では「通常生ずべき損失」と書いてございますが、その損失の中には、施設の積算基準になっております現在価額、いわば帳簿価額を意味すると先ほど申し上げましたが、この帳簿価額を標準とすることによって入ってくる償却未済というふうなものは、これの中には通常入らないわけでございまするが、そういうものとか、あるいは土地を他の用途に転用する場合の助成的な費用というふうなものも、この通常生ずべき損失の中に入るかどうかも、いろいろ疑問がございます。そこで、この通常生ずべき損失と先ほどの交付金の積算基準によって計算したものとの間に差がございますときには、両者の間に均衡を失わせないように、この補償金の額が三の交付金の計算により算出した額に満たない場合には、満たない額を限度として特別交付金を交付する、こういうふうに規定したわけでございます。  これが大体の整備の方法でございます。  それから、整備の資金としまして、先ほど申し上げました納付金の制度を採用いたしております。「交付金の財源の一部に充てるため、昭和三十五年度から昭和三十八年度までの間に限り、残存業者から、収納塩量一トンにつき二百円を限度として、公社に納付金を納付させること。」先ほど申し上げましたように、従来の整備の前例、あるいは塩業審議会の答申中にある整理補償費の一部は残存企業においても応分の負担をすべきである、というふうな趣旨に照らしまして、納付金の制度を採用しておるわけでございます。  それから、今回の整備につきましては、いろいろ整備される方からいいましても公社の処分に対し不服のある者があるわけでございまして、そういうものに対する救済規定として、異議の申し立ての制度を置いております。七、「異議の申立」「この法律の規定による公社の処分に対し異議のある者の救済規定を設けること。」これが法案の第九条に規定されておるところでございまして、今回の整備を円滑にかつ民主的に行うために、こうした救済制度を特に規定したわけでございます。  それから、その次は、今度被整理業者がもらいまする交付金につきまして税がかかってくるわけでございまするが、その課税についての特例を規定しております。今回の交付金が整備によりますところの職を失った方々の転業あるいは再就職というものを目途としております以上、その趣旨にのっとりまして、しかも他の税制度とあまり均衡を失しないような課税の特例を置く必要があるわけでございまして、それについての規定が載っておるわけでございます。「交付金のうち、製塩施設の製造の廃止による減価をうめるための費用でその現在価額から処分予定価額を控除した金額に相当するもの等については、交付金を収入金とみず現在価額の圧縮記帳等の方法を認め、その方法の適用を受けなかったものについては個人にあっては一時所得として取り扱うこととする等今回の塩業整備の実際に即した課税の取扱を行うこと。」先ほど交付金の積算基準で申し上げました際に、土地を他の用途に転用する場合に、その農地造成費の三分の二に相当する金額を積算すると申し上げましたが、この部分、これをかりに塩田交付金といいますと、この部分については、今度の課税の特例によりまして、二カ年間は仮勘定に置かれまして、二カ年内にその金額を資本的な支出に充てました場合には圧縮記帳を認める。これによって、施設についての減価部分、価値の減少した部分についてもらった交付金というものは所得上はなかったものとみなされて、結局残存価額というものが記帳されることになるわけでございます。製塩施設の交付金につきましても、施設についての積算基準につきましても、同じような措置がとられることになっております。  それから、先ほど申し上げました塩田製塩業者、採鹹人に特に積算されますところの転業資金につきましては、これは一時に課税の対象にするときには累進率の適用を受けるわけでありまして、これを避けるために、五分五乗方式という、転業資金でもらう金の五分の一について、適用される税率を全部に適用するという特例が認められるわけであります。  それから、退職金につきましては通常の退職金でございます。  こういうふうに、課税につきましても、今れの整備の趣旨にのっとりまして、特例を規定しよう。これが要綱の八にございますし、法案の十条に規定されておる「課税の特例」でございます。  それから、今回の塩業整備を円滑に行いますために、あるいは民主的に行いますために、臨時塩業整備審議会というものを設けることにいたしております。法案の十二条に規定されているところでございますが、「総裁の諮問機関として臨時塩業整備審議会を置き、許可の取消の対象となる製造者の選定、整理に伴う苦情処理等の整備に関する重要事項を調査審議させること。」これが臨時塩業整備審議会の任務でございます。  それから、要綱の十にございます、今回の整備のいわば補助的な手段であり、かつ、この十の二項はまさに今度の整備の原則論を間接的に表わしたところでございまするが、残存しようとする塩業者に対して事業合理化計画書というものを提出させて、この計画書の内容を審査することによって企業の内容を適切に判断をしまして、もし自主的な廃業だけで十分でない場合の取り消しの発動をする際の基礎的な資料にいたしたい、こういうふうに考えております。二番目は、先ほど申し上げましたように、塩業審議会の答申の中にもありますし、今回の整備の構想もそうでございまするが、昭和三十七年度白塩トン当り予定収納価格一万円という標準価格、これが将来の価格政策の中心になるわけでございまするが、それに沿って健全な経営ができるかどうかということを、この事業合理化計画書の中に述べることになっております。  この今申し上げましたのが、今度の塩業整備臨時措置法案の大づかみのところでございまして、これによって円滑かつ適正な整備を行いたいというのが、今回の法案を提出申し上げる目的でございます。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 今の御説明、交付金の(3)ですね。何か三年分を転業資金で差し上げるというような、これはあんまり思い切った話だが、文章で読みますと、「収納価格に納付塩量を乗じて得た額の三割」、三割ですから、一年分の三割じゃないですか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 そうお考えになってもけっこうなんでございますが、塩の水揚量の一割が大体一年間の推定所得と考えられるとすれば、三割とすれば三年分になるということを申し上げたのであります。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 もう一つ、先ほどの御説明の中に、塩業対策要綱というものを専売公社でお作りになったそうですが、それは何年何月でしたか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 昭和三十二年十二月十八日のことでございます。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 それでは、次に今回のこの塩業整備を政府で計画をいたすことに相なりましたその前提条件といいますか、塩業政策全般についての質疑に入りたいと思うのでございますが、きょうは大蔵大臣も御出席になっておりますので、できれば大蔵大臣に主としてまず御質疑を願いたいと思うのです。質疑の通告がありますから、これを許します。奧村君。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 これから政府が国会に提案なさろうとする塩業整備塩時措置法というものは、いろいろな意味でこれは重大な問題を含んでおりますし、考え方によっては大へん矛盾したものもあるし、従って、根本的には、塩専売を今後とも一体存続させるべきかどうか、なぜまた存続させねばならぬのかというところまで掘り下げなければ、この問題の審議は進まない、かように思いますので、そういう広範なことについてお尋ねいたしたいと思いますが、何しろまだ法案が提案されておりませんので、逐条の内容がわかりませんので、実は私十分の案が頭に入っておりません。きょうはほかの委員諸君の御質問もあるようでありますし、概括した問題についてちょっとお尋ねを申し上げたいと思うのであります。  私は、結論的にお聞きしたいのは、ここまでくると、一体塩専売をなぜ継続させねばならぬ理由があるのか、あるいはやめるについてはどういう困難があるのかということなのでありますが、しかし、そこまでの問題について政府の明確な御答弁を求めるについては、今回の対策についてもよくきわめねばならぬ、こういうことに相なるわけでありますので、順序を経てお尋ねをいたしたいと思う次第であります。しかし、大蔵大臣は時間の御都合もありましょうから、そこまでの御質問にたどりつくまでの途中の質問は抜きにいたしまして、大蔵大臣にお尋ねいたしたいのですが。大ざっぱに申しますと、この塩業整備臨時措置法案というものは、ただいまの説明にもありますように、ことしと来年にかけりて八十七億円の補償と申しますか、交付金を出す。いただく方にはまだこれで不足かもわかりませんが、しかし、普通一般、われわれ国会でいろいろな法律案を審議しているその常識からいきますと、転業資金は出す、従業員には一年分の退職金を出す、あるいはその他いろいろ出して税法上の恩恵も与えるというのでありますが、これは、今後において、塩だけではありません。たばこ専売あるいはその他においてもずいぶん重大な影響を及ぼすのでありますが、こういうことを今なさなければならぬ差し迫った事情に追い詰められた責任はどこにあるかということであります。これがはっきりいたしませんと、この法案の性格というものはわかってこぬ。今御説明にもありましたが、あるいはまた塩業審議会の答申書を読んでみましても、大体国内の食料塩は八十万トンでいいのだということを答申書に書いてある。そこで八十万トンの製塩の施設というものはすでに三十二年度に完成しておる。これは、三十二年度には八十七万トンできる。しかし、そのときにはすでに許可し、また融資がどんどん継続しておるから、ゆくゆくは百三十万トンまでいくということはわかっておる。どうにもこうにもならぬようになって、さしずめ三十万トンだけここで整備をしようということであります。これは一体だれの失敗であるか。だれの責任であるか。これは政府の失敗である、専売公社の責任であるとするならば、その政府の行政の責任のために、転業する人には補償金を与えねばならぬという理屈は立つ。しかしこれは果して政府の責任であるか。専売法を読んでみますと、許可の規定があり、製造制限は書いてある。塩専売法のこの規定に基き、この精神で行政や専売の事業をやってくれれば、こんなに急激に見通しつかぬ過剰な塩ができるわけがない。だから、この法律というものは、塩専売法の精神を根本からこれはくずしてしまう。そこで塩専売法を施行する責任は専売公社である。百三十万トンからできるという状態までいつの間にか四、五年のうちにずるずるときてしまった、さああわててこれは整備しなければならぬということでありますから、これはどう考えても責任がある。しかも塩専売法には、過剰になってやめた場合には補償金を上げますということは、どこを見たってただの一字も書いてない。また過剰になったら政府の計画に基いて製造を制限することができるという明文はちゃんとある。専売法の通りやれば何もこんなことは要らぬ。そこで、この事態になったということについては、政府はいさぎよくその責任を認めて、専売公社、またこの監督の責任である政府がその責任を認めて、しかし、おやめになる人にはお気の毒であるから、政府の責任において補償金を出す、こういう具合のものであるかどうか、大蔵大臣の御答弁を承わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 今回塩業整備法案を出して御審議をいただくに際しまして、冒頭にお話しになりますように、いろいろの問題を含んでおる。なかなか簡単な問題ではございません。この塩専売ができました沿革をごらんになりましてもおわかりになりますように、一番最初は、財政収入というか、歳入財源としての専売をやってきた。しかし、その後になりまして、高橋大蔵大臣時分には、いわゆる歳入源としての専売ではなく、国民生活に重大な影響のある塩を確保するという意味の、いわゆる公益専売制というものをとってきたのであります。従いまして、最初、戦争当時こしらえたというか、昔スタートしたときとは今の性格は非常に違ってきておるのです。公益専売の性格を持ってきておる。そこで、戦争の際において国内で塩を確保する。食料塩ばかりではない。工業塩においても国内塩で確保する。そういうことでいろいろ苦しんで参りました。特に、終戦後において、非常な労働力の低下なりあるいは塩田の荒廃から見て、非常に国内塩の不足を来たした。専売公社としては戦後は非常に増産に意を用い、そういう意味で数度の台風被害等に対しても製塩業者の協力を得るということで、またそれに対する援助の手を差し伸べて、製塩数量の確保に非常に力をいたしてきたのであります。これは私どもつい最近まで経験したことですが、当時塩がなくて塩水でもって食料塩にかえるような、食生活においても非常な不便を感じた。その当時非常に努力をして、国内で八十万トンあるいは九十万トン、大体百五万トンというような数字が一応の需要の目標と考えられるのですが、そういうような需要の数量に比べて、四十万トンであるとか、あるいは五十万トンであるとか、非常に少額の国内塩しかできなかった。そこで在来の入浜塩業に対して製塩方法を工夫し改善していく。問題はそのときにあるだろうと思います。一面において非常な奨励方策をとり、また製塩方式について新しいものを取り入れた。その新しいものを取り入れました際の生産能力の把握が十分でなかった。これは明らかに御指摘の通りです。この際に新しい製塩方式になれば塩が非常にたくさんできるということを、十分把握しなければならなかったものだと思いますが、それが当初計画したより以上に効率的な製塩方法であった。そこで今日は百二十五万トンから百三十万トンできるようになってきた。しかしながら塩の需要はあまり伸びていかない。むしろ、最近になりますと、食生活改善等から見まして、見方によっては食料塩は予想したよりも少し減っているのじゃないか。こういうような見方すら立つような況状なんです。だから、需要の伸びはないが、新しい製塩方式を採用していくと、これは数量的にも非常にオーバーしていくことになるのです。  そこで、そういうような状態が一体いつわかったかということであります。これは、新しい流下式を採用して一応の計画を立てたが、われわれが想像するより以上の生産能力を上げている。実際にやってみると確かにそうなっている。ところが、一面、新しい施設のもとで製塩をするのには相当の期間を要してきている。ただ単に計画をして半年くらいで新しい製塩方法に移りかわるわけにもいかない。最近問題になります錦海塩業等になると、数年かりかっておる。三年もかかっておる。あるいは四年かかっておる。許可から考えれば五年かかってもまだ完了をしないとか、こういうように設備の期間も相当長くなっております。そういうようなことで、ただいまの推定供給力というか、製塩数量としては百二十万トンないし百三十万トンとなる。これは今日なされておる計画が全部稼働するようになったときの数量でありまして、現実にただいま百二十五万トンあるいは百三十万トンの塩が出ておるというわけではございませんが、今まで許可したものを過去の実績等から見ると、そういう数字になる。そうして需要の面ではとても伸びていかない。こういう状況でありますと、もうすでに塩専売の方ではこの数年は相当多額の赤字を現出しておる。専売だから赤字であってもいいじゃないかという議論もあるかとも思いますが、とにかく事業そのものとすれば、少くとも新しい工夫をして消費者にすぐ負担をかけない程度に塩価を引き下げる、原価を下げていくような指導が望ましいことは申すまでもないところでありまして、これが赤字であることは私どももたえられないところである。しかも総体の数量としてただいま申すように順次上ってきておりますから、ここで今回のような整理を一つ断行し需給の調節をはかっていこう、そうして収納塩価も大体の見通しとして近くトン当り一万円ですか、その塩価に目標を置いて、そして整理の一つの基準を考えてみたい、こういう意味で一つ協力を願っておるわけであります。  そこで、問題は、今お尋ねになりましたように、一体だれの責任か、こういうことになって参りますと、おそらく新しい製塩方法を取り上げたときの十分の把握ができておらなかった、その結果ということになるだろうと思います。ことに最近イオン交換樹脂膜というような製塩方法になって参りますと、もっとさらに変ってくると思います。これは国内でそういうものを計画しておるものはありますが、まだ実際に製塩をしておるものはない。将来のことまでいろいろ考えて参りますと、こういう際に何らかの措置をとっていかなければならない。製塩業は御承知のように専売であり、公社と製塩業者と緊密な協力のもとに、国内塩の確保をとにかくしてきている。その意味におきましては、これは一身同体といってもいい。わが国の塩政策に協力してくれたものだと思います。ところが、古い製塩方法が旧式なものであることは、私が指摘するまでもないことでありますから、これはよく御承知のことだと思います。そうすると、やはり製塩業者自身も近代化されていかなければならない。機械化なりあるいは製塩方式自身が科学的製塩方式に変っていかなければならない。そういたさないと事業そのものが取り残された事業になるわけであります。その転換して新しい製塩方式になったときの製塩能力というものを十分把握しないと、今日のような事態が起るということになるのであります。  ただいまの補償金額が多いとか少いとかいう問題についての御批判でございますが、専売事業の特殊性というものは十分考えなければならないのではないか。過去におきまして、塩田業者自身が、場合によりましたら他の事業に転換したい希望を持ったような折もあったと思います。しかしながら当時は国内製塩の数量は非常に少い。食生活の確保が第一の目標でありますので、製塩業者に対しても非常に積極的な協力を専売公社自身も願ってき、幸いにして今日まで製塩業者の協力を得て参ったと思うのであります。そういう意味では、ほんとうに協力を得てきた製塩業者——しかしながら塩専売そのものは相当の赤字を毎年続けてきておる。そういうことを考えますと、これはやはり次の段階では何らかの処置をとっていく。そういう場合に適正な補償制度を取り上げていく。しかも、今回は、強制というよりも、塩の収納価格その他の事業のあり方の将来の見通しをよく説明して、それに協力する、そういうことを胸のうちに理解して、今後この事業をやっていくかやっていかないか、それを第一の選択といいますか、そういうような方法で整理を進めていきたい、こういう考え方であります。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 私は与党の議員としてあまり突っ込んでお尋ねもしにくいのでありますが、しかし、この法案は今後に非常な重大な例を残しますので、やはり根本の問題だけはきわめていかなければいけません。  この塩専売法によって、専売公社と塩製造人との関係は明治以来はっきりと規定してあるので、この中には、やめろとか、やめた場合は補償金を上げる、転業金を差し上げる、いわんや自発的にやめた場合にはお金を差し上げるということは全然規定してないので、塩の製造者は許可が要る。許可の要る仕事をやっておるから、やめれば補償金を出すということになれば、今後葉タバコをやめた者は、せめてタバコ乾燥場には補償金を出さなければならぬし、酒の免許も氷の免許も、そういう専売に似たものになら、やめるときに補償金を出すというふうな考え方も響いてくるが、これは、そうじゃない。これはこれだけだ。しかもこれが今度の三十万トンだけならいいが、今後またこれをおやりになる。そうすると、根本から専売法を変えて——おやめになったときには将来とも差し上げるというふうな誤解を生じたら、これは大へんなことになる。そこで、なぜこういうことをなさるかということについては、政府が専売法を正常に執行しておるならこういうことは起らぬ。やはり政府は、率直にかぶとを脱いで、見通しを誤まり、政府の責任においてと、少し言い回しはどうかわからぬが、それを全然ほおかむりしてこれを出しますというのでは、ちょっと世間は通らぬと思うので、今の御答弁ではちょっとにおわしてはおられるが、私は足らぬと思う私が野党なら相当……。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 言って下さい。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 それなら今お話しの錦海湾ですが、これはまだ何年もかかる。現に農林漁業金融公庫でことし十四億の融資をする。来年度予算にも融資のなにを持っておる。この許可は一、二年前ですか、今お聞きした専売局の虚業対策要綱をきめた以前であったかもしれぬけれども、これは公社の総裁にお尋ねしますが、専売法の九条には、政府の計画に基いて塩の製造を制限することができるという明文があって、これによって塩の製造をやっておられる。したならば、こんなのは、国の金をどんどん使って、長期低利の農林漁業の資金なり農林中金の金をずいぶん使って、これからも使って、そうしてやらしておいて、一方においてはやめさせるんだ、それに補償金を出すんだ「これでは国民が納得できぬと思う。錦海湾についてはこの第九条によって施設を制限なさったらいいんです。今さら取り返しはりかぬでしょうけれども、施設の制限をしたらいい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 ただいま錦海湾についてお話がございましたけれども、錦海湾は許可を受けて現に工事が進行中の製塩事業でありまして、公社法によって取り消します場合には、塩専売法の違反行為があるとか、あるいは特別の理由がなくして塩を一年以上製造しないというようなときには、取り消しに該当いたしますけれども、海面を埋め立てて、そこに塩田からさらに煎熬工場を作るというような大工事が延びておるのは、それぞれ理由があるためでありますので、それだけでは直ちに専売法を発動して取り消すことにはならぬと思うのであります。なお、先ほど監理官から援用のありました国内塩生産対策を三十二年の十二月に立てましたときにおきましても、すでに錦海湾も問題になったのでありまするが、その場合におきまして、既許可のもの及びこれに準ずるものを除く製塩施設の新増設は行わないという一項がございまして、これはすでに許可を得て稼動しているものと考えていいのであります。これに準ずるものといったのは、許可を受けて工事をしておるようなものが指定されるのでありますが、それらは一応是認いたしまして、整備計画の中において考える、こういうような申し合せになっておりますから、今回法案が通りましたならば、その整備のワク内において自主的に取り消しを申し出るものであるか、あるいは先ほど説明がありました勧告によるかというような点については、慎重に検討いたしたいと考えております。  それから、第九条の製塩の割当の規定でありまするが、未稼動のものに九条を適用するのは法律解釈としてはいかがかと思うのでありまして、食料塩の全量なら全量を押えて、それに対して全体の生産が過剰であるというときに、全体のものに対してたとえばその一割生産を制限するとか、一割五分生産を制限するとか、そういうような割当式を行う、こういう趣旨に解する規定であって、第九条があるから錦海湾はやめろとか、あるいは設備をこれ以上してはいかぬというふうには適用しにくいというように考えております。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 公社総裁に申し上げますが、私らももう国会に十何年も出ておれば、審議にもなれておりますから、一応納得のできる御答弁でなければ、あんまり見えすいた御答弁では——お立場の苦しいことはわかるけれども、それで済ますのでは、私ども国会議員の立場がありません。公社の総裁がそういう見えすいたへ理屈でいかれると、私も仕方がないからそれに食いついていかなければならぬ。それじゃ、塩専売法の九条を執行する責任者はどなたでありますか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 公社総裁は専売法第九条を適用させる権限を持っております。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 そうしますと、先ほどの御答弁では、何か塩業審議会の答申が、すでに許可を認めたものはやむを得ぬからそれは言わぬでおこうじゃないか。それは虚業審議会が言うておるんで、公社の責任者の総裁がそんなところに逃げて走るようなことでは、話がさかさまである。一体塩業審議会というのはどの法律に基いてできておるのですか。また審議会の答申というものはどれほど法的に尊重しなければならぬのか。その規定を一つお聞きしておきます。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 第九条の解釈ですけれども、「公社は、塩又はかん水の需給調整上必要があるときは、製造者に対し、塩又はかん水の製造数量を制限することができる。」というので、この運用は、先ほど私が申し上げましたように、全体として食料塩の需給がバランスを失した場合においては、製造者に対して製造数量の制限を行うことができる。そういう場合においては、やはり製造者に対して不公平な取扱いをするわけにいきませんので、これを発動することになれば、許可数量に応じて、その超過部分が減るような比例的な制限をすることが、公社の塩行政としてとるべき措置だと思うのであります。それならば、食料塩の需要に対して生産がオーバーしてきたから、この九条を発動するかどうかということが問題になって、公社としてもそれを考えたのであります。しかし、全体に対して制限を行うと、すべての製塩業者が、比例的にではあるけれども、生産量が落ちてくる。そうすると、ただでさえ製塩業者の採算状態がよろしくないところに、また生産数量の制限を受けるということになりますると、全部の製塩業者がジリ貧に陥ってしまう、こういう状態を出現する方が得策であるか、あるいは非能率、非採算と認められるような塩業者を何らかの形において整理することができて、残ったものが塩業の基盤を強化する、合理化する、こういう姿が望ましいかということで、実は塩業者の方々とも実情を話して——これはもちろん塩業者も実態を知っているのですから、相談をし合ったわけです。その結果、先ほど申し上げました三十二年十二月十八日の国内塩生産対策というような一つの申し合せのようなものができまして、塩業者も、国内塩の生産量は近く食料塩の需給を完全に充足することになるので、この際国内塩の生産目標を、食料塩については全量自給の目的を達するのであるけれども、残るべき国内塩業の合理化の促進、そうして基盤の強化のためには、この際全国の製塩施設の整理統合計画を策定するのもやむを得ない、こういうふうに塩業者との間に一つの方針みたいなものがきまったわけであります。そうして、そうなると、この製塩施設の整理合理化というものは、公社が一方限りに行う方がいいか。やはりこれは、塩業にとってばかりじゃなくて、国民経済に重大な影響を及ぼすことであるからして、広く学識経験者の意見を聞いた方がよろしいということで、塩業審議会という総裁の諮問機関に審議をお願いしまして、その答申を本年の一月十六日にいただいた、こういう経過になっております。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 いろいろ言われるが、失礼ですが、専売公社総裁はこれは大蔵大臣じゃないので、大体公社の総裁がこういう政策的なことをなさるということが、私は制度上おかしいと思っておるのです。それは別問題としても、公社総裁には、公社総裁の仕事をなさるについて、専売公社法のこれに対する業務規程、あるいは塩については塩専売法、これに基いて仕事をおやりなさいといって、政府はあなたにおまかせしてあるのです。だからして、その範囲内であなたは仕事をなさるので、今の御答弁には大蔵大臣を越えたような言辞もありますけれども、私のお尋ねすることだけを答えてもらえばいいのです。私のお尋ねしたのは、先ほどあなたは寄りかかって逃げられましたが、塩業審議会というものはどの法律に基いて作られておって、どの法律に基いて専売公社総裁としてそれを尊重なさるのか、その法制的なことをお聞きしたのです。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 特に塩専売法に根拠を置いて設けた塩業審議会ではございません。先ほど申し上げましたように、塩の需給がアンバランスになりまして、この状態では公社総裁として塩の行政をやっていく上に非常に困ると思いまして、塩業者とも話したところが、やはり製塩施設の整理統合計画というものが必要である、こういうような意見も出ましたので、それを具体化する上において、独善的な措置に陥らないためには、やはり広く学識経験者の意見を聞いた方がいいというので、総裁の単なる諮問機関といたしまして塩業審議会というものがかねてありまするので、その審議会に、塩業の将来の需給の計画、それから整理統合等についての意見を聞いたわけでありまして、これについては大蔵省にも相談して……。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 私のお尋ねしたことだけで……。今の御答弁では、法律にもないものを、内輪の審議会でしょう。それの答申に基いて、今まで許可したものは認めておる、それ以上は認めない、そういう答申がありましたので、公社総裁はこうしました。——法制上何にもそういうことに寄りかかれないのに、うまく答弁を逃げよう、そういう御答弁では国会の答弁にはならぬというのです。私はそこを……。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 政府と専売公社との間に意見の相違があるかのような印象をもし与えておられれば、どうか誤解のないように願います。この問題に関する限り、と申すとちょっと言葉がおかしいですが、この問題は、もちろん政府は専売公社とよく相談をいたしまして、今回の法案を提案いたしておるのであります。また、その審議会そのものについて、いろいろ法的の根拠いかんというようなお話がございますが、ただいままでその法的なものはないにいたしましても、大蔵省も、この種の審議会が、専売公社並びに業者、さらにまた消費者、この三者の利益についても十分検討してくれるということで、過去においても相当の成績を上げておるのであります。たとえば収納塩価をいかにするかというようなことにつきましても、この種の審議会等に諮りまして、適正なものをきめておるのであります。先ほど来、専売関係の法律から公社総裁の権限のお話がございますが、ただいまは、独善に陥らず、民主的に何事についても取り扱わなければなりませんし、ことに今回のような権利の基本に関するような問題については、私どもとしても慎重の上にも慎重を期していくつもりでございまして、原案を作成いたしますまでも、各方面の意見を聞いて参っておりますが、また今回は衆参両院におきましても十分御審議を賜わりたい、かように考えておる次第でございます。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 何といいましても、この塩の需給をうまくやっていくということについては、これは専売公社の総裁の責任であるし、しかもそれをやる準拠法は専売法であるということはお認めになった。私は、専売公社のきょうまでのやり方について、急激に百三十万トンにもふえたということについては、せっかくやれる法律を与えてあるにかかわらず、こういうことに至らしめたというのは、私はやはり確かに責任があると思う。これを明確にしなければ、この法案というものは審議ができぬ、かように思いますから、まことに残念でありますが、もう少し突っ込んでその責任関係をお尋ねいたします。  錦海湾の許可はいつであったか、それから総事業計画、資金量、それからそれが完成したあかつきの生産の能力、それから完成がいつであるか、現在以後ほぼ幾らの資金を注入しなければならぬか、その資金はどの方面から用意をしておるか、これだけをちょっと聞きたい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 私、塩脳部長でございますが、かわりましてただいまの点を御説明申し上げます。  錦海塩業が計画されましたのは、先ほど話がありましたように、二十八、九年のころから計画されまして、実施に入りましたのは三十一年。従いまして、許可も三十一年に与えられております。なお生産能力としては約十万トン。塩田面積が四百四十町歩ということになっております。それから資金総額は約三十三億の予定でありますが、今後そのうちなお使う金としては十四、五億残っておるかと思われます。本年の四月には一部稼働するようでありますが、全部の完了は来年の九月の予定でございます。以上が大体のアウト・ラインであります。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 資金はどちらから出るのですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 資金はそのうち十億が農林漁業資金、あとは農中とか一般市中金融、自己資本、このように聞いております。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 自己資本、つまり株式会社でしょうが、その会社の資本金額、それから払い込み済みの金額、それから農林漁業資金は、これは長期低利でたしか年四分かと思ったが、その融資の条件をちょっと簡単に……。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 ただいま会社というお話でございましたが、これは錦海塩業組合という組合組織になっております。それから資金は六億と聞いておりますが、なお農林漁業資金の方は六分と七分五厘の金利になっております。七分五厘が工場の方で、塩田の方が六分という割になっております。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 会社組織ではない、組合というのですが、許可した以上は経営形態は明確になっておるのですが、組合というのはどういう法律に基くものでありますか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 塩業組合法という法律がございまして、これの法律に基いて設立された組合でございます。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 それは設立許可は幾日ですか。払い込みは幾らきておりますか。組合員の数、地域……。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 組合員は、数はちょっと忘れましたが、ほとんど全国の塩業者が組合員になっておるようであります。それから払い込みは今のところ四億余りだと聞いております。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 四億もの企業形態に——どうも私どもには理解しかねる企業形態だと思いますが、そこで公社総裁にお尋ねいたします。先ほどおっしゃったが、総裁の責任で許可したということは私はあやまちであると思うけれども、しかしこれは深く追及できない。しかし、許可しても、もうここまで過剰になることがはっきりわかるのなら、塩専売法九条に基いて、そんなに作っても、政府の収納の計画では、食料塩でいえば毎年八十万トンしか収納しないのだから、作ったって買えぬのだから、計画は一部変更なさいというくらいのことは当然おっしゃるべきであるし、またそんな過剰なところへ農林漁業資金などの長期低利の国の融資を入れるということは大へんなことで、これはおそらく私は農林大臣なり大蔵大臣の所見もまた承わらねばならぬが、まず専売公社総裁としては、そんな百三万トンも作られたって収納できぬでしょうそれを制限する法律はある。計画を一部変更させる命令とか、指図とか、あるいは話し合いとかいうことをなさったのですか、なさらぬのですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 錦海湾につきましては、途中で計画を変更させるという交渉はいたしておりません。第九条によって割当を変更するということは、一企業だけをとらえては第九条の発動は無理だ、こういう解釈をとっておりますので、それはやっておりません。  それから、先ほど申し上げましたように、許可を取り消すということは、取り消し事由がはっきりしないと取り消しもできないというので、これはでき過ぎて困るという事実はありますけれども、公社としてはそのこともできないという状態であります。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 第六条には、一カ年の製造能力を定めて、製造場ごとにその許可を受けなければならぬという条項もある。これは、あなた、何年もかかってそんな膨大なことをする間に、この条項ででも押えられる。まるであなた、手放しでほっといて……。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 第六条は、許可するに当って許可能力というものを定めて許可をし、一度許可をすれば永久に許可。今度はでき過ぎた場合において制限するということになれば、ひとり錦海湾だけができ過ぎたと見るのか、ほかもでき過ぎたと見るのか、その場合において九条を発動するとすれば、私なり専売公社の解釈というものは、やはり許可高に応じて各塩業者に割当制限をするというふうに九条は発動すべきものと今考えておるわけであります。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 失礼ですが、松隈総裁にこの塩専売法の現行法をお渡しして専売事業をやっていただいたのでは、これはきりもなしにいってしまう。まことに不安千万ですが、どうもこれ以上は議論にわたりますから、錦海湾の実情をもう一度詳しく調べた上で——これはほかにも政府の融資で昭和二十八、九年以後許可をとられてやってみたら、能力が上らないので、ずいぶん莫大な資金を投入しながら、開店休業をやっておる。今度整理すると、それにまた金を与えるというふうになったのでは、たまったものではないから、これはいずれ後日よくそういう事実を調べて、そしてやはり一ぺん専売公社の責任を明確にしてもらいたい、かように存じます。  大蔵大臣に、せっかくの機会ですから、単刀直入に伺います。これも階段を経てお尋ねしなければいかぬのですが、仕方がない、結論までいきますが、私の考えでは、国内の塩業者を保護するために、特に食料塩はもっと安くできるにかかわらず、高いものを売っておる。しかも近年専売公社の塩の会計は赤字である。特に工業塩なんか外国からずいぶん安いものが入っておる。いろいろ合理化をなさっても、外国の塩に比べれば高いものである。こうなりますと、戦時中や終戦直後は、軍事上あるいはいろいろな事情で、ある程度塩の確保をしなければならないが、今日はそれほどの必要もないとするならば、むしろ塩専売はやめて自由にした方が、消費者に渡る塩の価格も下るし、政府も要らぬ金も使わないでいいし、いいというふうに思うのでありますが、政府はどのようにお考えでありますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 塩専売をやめたらどうかというお尋ねでございますが、ただいま政府はさようなことは考えておりません。これはなかなか簡単にそういう結論には到達しかねます。しかし、一応の御意見、御議論としてはよく伺っておくつもりではございます。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 それじゃなぜ塩専売を今後継続してやっていかれるか、その理由をお尋ねします。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 ただいま御指摘になりましたように、塩自身、工業用塩は大体三百万トン近いものを買っておるでございましょう。また国内塩は大体需要として多く見て百五万トンでしょう。今の生産能力で数量的にも足りませんが、数量よりも、一番問題は価格の問題でございます。外国から入ってきますものはトン当り四千円ないし五千円だと思います。わが国の国内塩は一万円以上の塩価でございますので、とても外国の塩とただいまのところでは価格の面では競争ができない。工業塩は外国の安い塩を使って初めて日本の繊維その他の工業が国際的にも競争ができるということでございますから、今の国内塩が非常に安くなるということが考えられるかどうかということであります。その点では、新しい製塩方法、一番能率的であり、安くできるだろうというのが、イオン交換樹脂膜という製塩方法だと思いますが、ただいままだ国内ではそれがやられておらない。今あります塩業者に対する対策が立てられないうちに、いたずらに新しいものを導入するということは、それこそ業界に混乱を来たすもとでありますから、十分これは慎重に考えていかなければならないだろうと思います。そういう意味で、将来の塩価のあり方というものについては、やはり低下さす方向に持っていかなければならないと思います。しかして、今専売公社で考えておりますのは、三十七年に一万円にするという大体の考え方で、国内製塩業者をただいま指導いたしておる最中であります。その面から見ますと、いわゆる工業塩を自給するというのにはまだまだ相当の階梯があるものだ、かように私どもは考えております。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 塩専売については、よほどの理由がなければいかぬ。御承知のたばこ専売については、税収を確保するということが主たる理由と私は心得ます。塩専売についてはむしろ赤字が出ておるんですから、税収どころか、国家が犠牲を払っておる。そこで、消費者に対して、あるいは国民全体に対して、塩専売を維持しなければならぬ理由がどこにあるかということをお聞きしたい。今の御答弁では、いかにも製塩業者を守っていく、今やめたのでは外国の塩の価格と競争ができぬから守っていく、それでは製塩業者のための塩専売で、これは国民が納得しません。消費者の側、あるいは国民全体に対して、塩専売を維持しなければならぬ積極的な理由がありますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど私だいぶ経過的なお話をいたしましたが、今の塩専売は、たばこ専売などと違って、これは公益専売といわれるものであります。言いかえますならば、消費者のための専売ということがいえるのであります。価格が安ければ直ちに食料塩になるかという問題があるのでございますが、私どもはただいまの外塩が直ちには食料塩にはならぬ、不適だと考えております。やはり国内の白塩というものが食料塩にはふさわしいのであります。従いまして、塩の濃度から見ると、強い塩あるいは輸入塩のような茶褐色のようなものだとか、あるいは來雑物がありましても濃度の点においては変らない。だから工業塩として使うことは差しつかえない。しかしながら、食料塩として考えますと、これは不適当だということになるのであります。その意味において、今専売公社は公益専売という建前でやっておりますから、いわゆる消費者の塩価は引き上げておらない、そういうところにも赤字というものがあるわけであります。そういう点で、公益専売の制度は、消費者の面に対しても、また一面専売制度としてやってきました製塩業者の面から見ましても、簡単にそれをやめるという考え方にはまだなっておらないのであります。

西村英一自由民主党

○西村(英)小委員 ちょっと関連して。  関連質問ですが、奥村さんと反対のことを言うようになると思うのですけれども、ちょっと聞いていただきたいのです。今度塩業審議会で出した答申案の最後に、塩専売制度の再検討ということをいわれておるのです。そこで、あたかも、近い将来に再検討して、塩の専売制度を廃止するのじゃないかというようなことを考えないでもないのですが、塩に対しては価格政策でこれからいろいろ考えていくことは当然のことでございまするが、価格政策のみで塩、なんかんずく食料塩を考えるわけにいかないと思います。そこで、大蔵大臣の答弁で私も公益制度になったということは満足しておりますが、世間で、こういうものが発表されますと、塩も自由競争でやっていくんじゃないかというような、非常な不安な空気が起らないとも限らないですが、この辺は、私は、食料塩は空気とともに必要なものであるから、やはり日本の置かれておる自然条件は、五十年も百年も先のことはわかりませんが、当分の間は塩専売制度を続けていく、こういうことを大蔵大臣としてははっきり申さないと、この答申案のように、価格政策によってこれを考えていくというようなことになりますると、非常に将来業者に悪い空気が起ると思うのですが、この点大蔵大臣からもう一ぺんお話を承わりたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 この専売制度をやめていく考え方はございません。これは続けていくつもりでございます。そこで、問題になりますのは、奥村委員、西村委員ともに御心配のことだと思うのは、ただいま百三十万トンできて、これでは困るんだということで今回整理いたすのでございますが、整理案が実現いたしました後の、いわゆる残存製塩業者がそれで果してやっていけるのかどうか、もっと新しい製塩方法に変ってきたときにどうなるのか、こういう問題まで実は考えておかなければなりませんことでございます。製塩事業の整理は過去においても二回行なったことがあるのであります。しかしながらそれを行なったが、そのうちにすぐふえた。あるいは戦後において、足らないといって急に増産をやった、直ちに整理したという、いかにもみっともない処置をとっておる。従って、残存業者としても、一体あとはどうなるのか、だんだん収納塩価も下げていくというが、それじゃ果して立っていくのかという問題でございますが、私どもは、今回の三十万トン整理案というものは、将来の需給をも一応見る、残存業者としても業態の工夫をしていくことによって十分立ちゆき得るんだ、また、専売会計としても、赤字を解消することができ、正常な健全な方向に持っていき得るんだ、こういうことで今回この整理案を審議いたしておるのでありまして、専売をやめるという考え方は毛頭ございません。

小山長規自由民主党

○小山小委員 関連が多少はずれるかもしれませんけれども、今整理後の塩業者の立場をも考えなければならぬというお話がありましたが、整理中のことを一体どう考えているのかということを一つ聞いてみたい。それは、答申案の第四項の「製塩設備の整理」の第一には、これは原則は自主的に整理させるんだと書いてあります。法律案の要綱を見ますと強制である。むろんこれは強制だから法律があるのですが、書かれておるのであります。この答申の要綱は、原則はやはり自主的にやらせるんだ、こうなっておりまして、そうして、その裏づけとして、「塩業経営の合理化」という第六の項の第三に「整備が完了するまでの間、新技術の工業化等のため特に必要がある場合は、現在の製塩許可を承継し、その能力の範囲内で、設備の改良又は新増設を行うものに限り、認めるべきである。」要するに、この強制法規ができても、残る者は相当高い価格の人たちが残っていくんだ、それをさらに価格を低下させることが国民のために必要なんだという大原則だろうと思う。そうすると、整理の途中においても、整理後においても、価格を低廉化するために、新技術の導入ということは積極的にやるのだ、という趣旨がここに盛られておるのであろうと思うのであります。そうしますと、現在、この整理の段階において、機械製塩業者などで、強制の補償の対象にはなりたくないが、買手があるならばその権利を売ってもいいという人がおるとする。そういう人に対して、これから新技術をやろうという人がその権利を買いたい。こういうのがまさに第三の項に書いてあるこれだろうと思いますが、この点は今度の立法に当ってはどうお考えになっておるのか。あるいは今後の行政方針としてどういうふうにそれをお扱いになるのか。つまり承継を認めるのか認めないのか。その点をお聞かせ願いたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど申しました百二十万トンないし百三十万トンという製塩能力、これは、今までに許可いたしました既免許業者も、第六項でしたか、いわれております数量から見て、そういうことに結果はなるようでございます。従いまして、先ほど来、免許は受けているが、まだ実際に稼働してないものはこの際引っ込んだらどうかということになるのですが、一面、すでに免許されたもの、既許可者は実は同一に扱っております。整理期間中はもちろんのことでありますが、今後、新免許というか、新許可を与えるということは、よほど慎重に考えなければならぬことだ。この意味においては、公社が新しいものを許可する考え方はもちろんないようでございますし、私どももこれは当分やるべきでないという考え方をいたしております。  これは明確に申していいことだと思います。そこで、問題は、既許可のうちにいたしましても、実際に塩を作っておりましても非能率のものがあります。これは、地理的な条件もありましょうし、また製塩方法自身が古い場合もありましょうし、いろいろな理由から非能率のものがございます。一面、最近許可いたしましたものは新しい施設でありますので、稼働いたすようになれば、それは能率的な製塩工場であることは、まず私ども今日からはっきりそう申し上げ得るように思うのであります。そこで、今回の整理に当りましては、一つの収納塩価の目標、先ほど申しますように三十七年の収納塩価は一万円だという目標をはっきり業界に示すことによって、業者自身が自分のところの製塩を続けていって、それで合うか合わないかという一つの判断をしてもらうことが、より今回の成績を上げるゆえんだろう、こういうような見方をいたしておるのであります。そこで、問題になるのですが、過去の製塩業者の実態をいろいろ見ますと、製塩方法が旧式であるというばかりでなく、一製塩業者当り一ヘクタールにもならないというような、非常に小さな塩業者もあるのであります。こういう点は、先ほどの製塩組合法等ができて、組合によって仕事をするとは申しましても、やはり内部的には経営規模としては相当非能率という点はいなめない事実だと思います。過去の許可を受けた範囲内においての統合は、もちろん私ども差しつかえないことだと思うし、むしろその方が、業界をして強固ならしめるという面から見ると、大いに役立つことではないかと思います。  そこで、問題がもう一つありますのは、先ほど御披露いたしましたイオン交換樹脂膜というような新しい製塩方法というものでございますが、この新しい製塩方法を導入する、既許可の製塩の範囲内においてそういう方法を許すことはどうかという問題があるのであります。この問題についても、専売公社自身も、影響するところ非常に甚大だということで、ただいま慎重にその問題と取り組んでいるというか、研究中でございます。今後の見通し等について一応申しますならば、既権利者のその権利は一応確保されてしかるべきじゃないか、こういうことが一応いえるのではないかと思いますが、これに反対するという場合には、非常に強い理由がないとなかなか困難ではないかというふうに思います。私は、塩自身は、一面において整理もいたして参りますが、同時に、その製塩方法なり規模なりが近代的であり能率的であるように、あらゆる機会に指導していくことが望ましいのではないか、かように考えております。

小山長規自由民主党

○小山小委員 今大蔵大臣のおっしゃったことは、ずいぶん長いことおっしゃいましたが、結局イオン交換樹脂膜を使う新技術が今後発達する見込みがある。そこで、今までの権利を持っておる人がその樹脂膜でやろうという団体に自分の権利を譲渡しようという事情がある場合には、反対する理由はないのだ、こういうことですね。それに対して、専売公社の方で、影響することが重大だとおっしゃるのは、おそらくそのイオン交換樹脂膜によってやることが非常に安くできる見込みだ、あまり安くでき過ぎると、今までの古い設備なり古い方法でやっている人たちが非常に困る、こういう趣旨ですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 先ほどお話のありました答申の中にありまする「塩業経営の合理化」の三に、新技術の工業化ということが書いてありまするのは、塩業審議会におきましてイオン交換樹脂膜が問題になりまして、その結果入ったわけであります。枝条架式とか流下式というのは、今日では新技術とはいいかねるものであります。ただ、イオン交換樹脂膜法というものはまだ試験の段階でありまして、かりにこれを工業化するにいたしましても、中間工業試験というものを経て、それから最終的な工業化をすべきであるというのが、専門の委員の先生方の御意見であります。従って、そういう中間的な工業化であるならば、既存の工場と申しますか、既許可の塩業者の能力の範囲内くらいにおいてこれを認めるということが適当であろう、というふうに答申になっておるわけであります。それならば、経営は、困難だけれども、イオン交換樹脂膜さえ持ち出せば整理にあわないで生き延びることができるのか、こう申しますと、先ほども申し上げましたように、イオン交換樹脂膜の研究はある程度進んでおりますけれども、これは、まだこれで十分安くまた安全に操業ができるという見通しはなかなかつきかねておりますので、導入するにつきましても、よほど調査を慎重にした上取り扱わなければいかぬ、こういう趣旨と考えております。

小山長規自由民主党

○小山小委員 どうも少し遠回しな話ですが、要するに、御心配といいますのは、第三の項について今イオン交換樹脂膜の問題に触れておるわけですが、その新技術を導入すれば、今整理の対象になっておる人も、導入をしようという意思表示をすれば、この整理から免れるということをお考になっておるわけでしょうか。それとも、今その製法がまだ確定したものでないから、中間工業試験を通ったら、そういう方法に大規模に切りかえようとお考えになっておるのですか。一体どっちなんです。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 中間工業試験的なものはやらせてみる必要があると思いますが、よほど技術の研究が進んでおって、これならばやらしても大丈夫だという見通しがつかないと、また失敗すると大へんですから、そういう点について慎重を期したい、かように思います。

小山長規自由民主党

○小山小委員 その点はわかりました。そうしますと、その工業試験ができたとあなた方の方で判断されるのは、だれが判断されるのですか。総裁が判断されるのですか。審議会が判断されるのですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 それがために、今度の整備に関連して虚業整備審議会というものが設けてございます。ここに学識経験者、さらにできますれば所属して専門委員を置きたいと思いますので、その方面の技術的な権威者を入れて、その研究の成果を報告を受けて判断したい、かように考えております。

小山長規自由民主党

○小山小委員 その場合には、つまり承継ば許そう、こういうことですね。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 はあ。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 奧村君。奧村君にちょっと申し上げますが、きょう大臣になるべく集中的に、ほかにも質疑を願いたいと思いますから、あとにずいぶんまだ通告もせられておる人が残っておりますから、どうかお願いします。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 委員長の御指示に従いまして、私は、ほかの委員の御質問もありますから、あと一点だけお尋ねいたしますが、この塩業の臨時整備に、今回、ことし来年で八十七億の金を使ってやる。それで三十万トンですか。しかし将来の塩業政策をよほどはっきりしていただかなければ困るのですが、それに関連して特にここではっきりしておいていただきたいのは、すでに百三十万トンの生産能力が予想されておる。今回三十万トン整備いたしましても、大体食料塩として通常必要なのは八十万トン、そうすれば二十万トンがまだその上に過剰である。従って、今回の三十万トンの整備が完了したならば、またあと二十万トンを整備なさるのかどうか。これがこの法案に関連して非常に重大な問題になってくると思うので、大蔵大臣のお考えを承わりたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 食料塩八十万トンとかあるいは九十五万トンとかいろいろ表現がありますが、大蔵省の見るところでは大体九十五万トンという見方をいたしております。先ほど百三十万トンというような表現もいたしておりますが、百二十五万トンないし百三十万トンというところです。今回九十五万トン・べースということを一応考えております。ところが、この食料塩並びに国内塩で使う工業塩等も考えてみますと、大体百五万トンくらいは国内塩の需要があます。そういたしますと、ここに十万トンくらいな将来発展し得る余力を持っておるということでございますので、今日の整理によりまして、一応ここ当分の需給の調節ができるのじゃないかと思います。ただ、これは少し議論になりまして恐縮でございますが、この製塩能力の計算の方法がなかなかむずかしいのでありまして、ただいま申し上げた百三十万トンと申しますのは、非常に天候その他の条件に恵まれた一番いいところの製塩能力を実は言っておるのであります。天候その他に相当左右されますので、そこには相当の動きのあることも御了承願いたいと思います。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 中原健次君。

中原健次日本社会党

○中原小委員 大臣がせっかくお見えですから、最初にちょっと伺っておきます。ただいま専売法による塩の企業の各種の状態についてお話しになりました。私どもから申しますと、それほどに塩業企業というものが国家の指導なり保護育成を受けなければならぬような立場に制約をされておって、むしろ自由に伸びていくということの危険さえ感じておるというのが実情ではないかと思います。従って、そういうような状況の中で企業を経営していく塩業としては、今回提出をされるのであろうと考えられております、いわゆる整備要綱に示されているごとき内容というものは、むしろまだこれをもって適当とは言えないのじゃないか、逆にもう少し考えるべきじゃないかということの方が、かえって強く出てくるように思うのであります。なぜなら、先ほどからの御答弁の中に、また質問の中にも伺えたと思いますが、いわゆる流下式に転換をいたしました当座、すでに日本の塩業企業というものはどの方向に追いやられていくであろうかということは、わかっておったと思うのであります。必ずしも的確であったかどうかについては問題があるといたしましても、そういう方向は出ておったと思うのです。従って、その方向をもちろん承知すればこそ、なおさら流下式への転換を育成された、こう理解しております。そうであるならば、国のいわば政策、国策としてその方向へ推進されたのでありますから、その推進の結果として現われてきたきょうの現象に対して政府がしかるべき措置を講ずるということになってくるのも、これはきわめて当然だと思うのであります。従って、この流下式に転換をなさって以来もう三、四年になりますが、その経過した期間の中に毎年々々着々それへの対策を御用意になったのかどうか。これは公社自身のお考えがそうだろうが、同時に、政府として、大蔵省当局として、この点お気づきになられたのかどうか、一応その点を伺っておきたい。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 流下式枝条架方式という技術が採用されましてから、すでにもう五、六年になろうと思っております。先ほど大臣からも申し上げましたように、当初の流下式枝条架方式の生産力というものは、大体一ヘクタール当り百八十トン程度ではなかろうかというのが、当時の技術者の推定でございます。ただ、枝条架方式というのは、枝条架の割合によって非常にヘクタール当りの生産力が変ってくるものでございまして、当初一〇%内外の枝条架率というものが最も適正な枝条架の規模であるというふうに考えておりましたものが、その後の実験値によりまして、さらに相当比例的に生産力が、枝条架の率を伸ばすことによってふえていくというふうなことがだんだんわかって参りました。現在においては一ヘクタール当り三百トンをこすものさえあるわけでございますが、そうした条件の変化というものがだんだんわかりかけてきたということが——私は、当時担当しておりませんので、はっきりは存じませんが、大体三十一年のしまいごろからそういうふうな問題がみんなの口に上ってきた、こういうふうに存じております。そこで、三十二年になりましてから、これはいち早く何らかの対策を講じなければならぬということで、三十二年度中いろいろな方策を検討し、かつ、こういうふうな大問題であり、塩業界に与える混乱も少くないという見地から、塩業者の代表の方にも集まっていただきまして、約半年以上の間いろいろな対策を協議したのでございます。それが実りましたものが、先ほど引用いたしました三十二年の十二月十八日にきまりました生産対策要綱でございます。そうした過剰生産力の発生というものに気づき方がおそかったではないか、あるいは気づいたときに直ちに適切な措置を講じられなかったではないか、というふうな印象を持たれておるのではないかと思うのでありますが、この流下式枝条架方式における枝条架率による生産力の変化というものは、これはその地域における風速にも影響がございますし、ただ単なる気象台の風速の実験値だけでなく、非常に局部的に働くエネルギーでございますので、一カ所でもって枝条架率を十何パーセントにしたらば二百トン以上出た、あるいは三百トン出たというデータだけで、直ちに当時は最も大事だと思われた塩の供給力の将来を卜するには、あまりにも大胆だ、というふうな気持が技術者の間にもあったのではないかと思うのでありまして、その点については、官僚的なマンネリズムだというおしかりを受ければ、そうかもしれないのでございますけれども、少くとも慎重には慎重を期したということで、われわれとしては考えてきておったのでありますけれども、結局今日のごとく枝条架をふやすことによって、この生産力が相当比例的に増加するというふうな現実に当面するということに相なったわけでございます。

中原健次日本社会党

○中原小委員 私は、むしろ、流下式に転換されて生産の能率を高め、かつ塩業の振興を期するというようなことを考えられたことについては、非常にいいと思います。私は決して反対ではないのです。ただ、問題は、そのようなことによって起る結果の犠牲といいますか、どういう言葉を使ったらいいか、その結果として起る生産の事情の変化、そういうふうなものに対して当然対策がすでに必要であったのではなかろうか。そうであったならば、その対策をどういう経過でお立てになったか、こういうことを聞いたつもりであります。そこで、大臣の御所見が聞きたいのですが、そういうような経過の中で、いわば善意に前進させていく生産の機構の改革の中で、意外という言葉は適当でないが、むしろはからずしてこういうことになってきた。そうなってくると、その結果起るであろう塩業の変化について、企業事情の変化について、やはりその責任、そういうふうな結果に対する責任——責任ということは、私の言っているのは、法律的に追及することと違うんです。その責任というか、そういう起ってきた変化に対する負うべき責め、これはちょっとむずかしいですが、いずれにしても責めといいますか、責任といいますか、そういう言葉で言わなければならぬと思うんですが、それをどぎつく言う必要はないのです。ただ、そういう意味で、国として放任しちゃおけぬじゃないか、何とかしてそれに対して対処すべきじゃないか、必然に起ってくるこういう考え方だと思うのです。これについては大臣はどうお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど来申し上げましたように、食料塩、これの確保は非常な力を入れてきた。戦後私どもずいぶん苦い経験をなめて参ったのでありますが、皆様方も同様に塩が足らなくてお困りになったこと、今でもちゃんと御記憶に存しておると思います。そういう意味で、専売公社としては、非常に積極的に増産方法を進めてきた。今の流下式枝条架方式というものを採用いたしましたのも、そういう意味でやった。そのためには、資金の確保から技術的な指導、あらゆるものをやってきた。同時にまた、場所によりましては、製塩業者自身がその土地を処分したいという気持があっても、実は、政府自身も、塩の増産という意味からあまり転業も許さず、とにかくひたむきに協力を求めてきたということであります。今日一体どこに狂いがあったか。そうして整理というような大なたをふるうということになると、ずいぶん迷惑するのじゃないか、いろいろの計画を立ててきたものが、この機会にすっかり変ってくる、それは大へんなことだ、こういうことになるのでございますから、整理というようなことを考えるまでもなく、何らかの方法はないかということで、いろいろ政府、専売公社でも工夫して参ったことでございます。しかし、現実の問題で、現にただいま申しますように、技術家としては一ヘクタール当り百八十トンくらいがいいだろうと思ったのが、二百五十トンになり、あるいは三百トンできる、こういう情勢でございますから、とにかく数量的には何と申してもこれは過剰製塩という状況になっている。国内塩の需要を伸ばす方法もございません。いろいろ工夫した結果が、今日のような整理案を実は出す。同時に、残存業者の将来に対する見通しというか、事業の成り立つことについても十分めんどうを見ていく。そうして、国内白塩の需給の調整、同時に所要量の確保ということをただいまやろうといたしておるのであります。先ほど来いろいろのお話も出ておりますが、私ども考えますのに、製塩業者とそれから専売公社、言いかえますならば、公社と製塩業者の一体的な立場、これが今日の実情でございますし、私は、その間に何ら意思の疎通を欠くような点もないし、大へんりっぱな協力態勢で進んできたと思います。ことに、それが専売という制度のもとにおいて、両者が密につながっていたと思います。今回過剰製塩の処置についていかにするかという、こういう場合におきましても、いわゆる審議会、学識経験者、各方面、各界の人を集め、もちろん製塩業者も中に入っておりますが、それらの意見も十分聞いて、今回の具体的内容を持つその整理案までいろいろ答申を得ておるような次第であります。  問題は、こういう機会にやめていかれる業者に対しても、この協力に対して心から感謝の気持は十分ございますし、また、残存業者にいたしましても、今回やめられる業者に対して、その立場についても十分深い理解と同情を持っておるようでございます。従いまして、残存業者の協力をも得まして、今回の整理を円満裏に遂行して参りたい、実はかように考えておる次第でございます。一にこの専売制度というその制度のもとに結びつかれ、また専売制度のもとにおいての整理だという意味において、今回の整理案を作るその骨子の考えがまとまっておる。この点を御理解いただきたいのであります。

中原健次日本社会党

○中原小委員 すでに御存じのように、塩の企業というものは歴史は長い。二十年や三十年ではないんです。従って、極端な表現になるかもしれませんが、祖先伝来という言葉がここには当てはまるようです。長い年代を通して、いろいろ品を変え、手を変え、方法を変えて塩業の経営を一生懸命守ってきた。従って、そういうような業界に対する今度の措置でありまするから、今度のいわゆる塩業の整理補償要綱といいますか、こういうものを見まして、私どもはちょっとびっくりしたんです。もちろんきわめて当然だし、いやむしろまだまだこれじゃそろばんが無理なんじゃないかという見解さえ持つわけであります。それはとにかくといたしまして、そういう歴史をすでに積み重ねてきている企業に対しての処置でありまするから、今にわかに転換させろといっても、なかなか企業転換はむずかしいんです。すでに技術自体がなかなかほかへ転業できない。しかも、おやじ、おじいさんあるいはひいじいさんの代からやってきている、見ている人々でありますから、なかなか転業はむずかしいということが言えるわけです。先ほど大臣のお話にもありましたように、小さい業者がたくさんある。その点では零細業者なんです。こういう人々は一族あげて塩につかっているという形がほんとうなんです。従って、そういう条件の中ではぐくまれ、なお経営を続けてきたのでありますから、この方々をもっと親切に処理してあげるということがいいのではないか、こういう前提になると思います。  同時に、もう一つは、そのもとで働く従業者の場合です。この従業者というものがまた実にひどいんです。実情をごらんになられたと思いますが、行って塩業の実情をごらんになったら、何ともひどいもんです。昭和三十何年の今日、日本にこんな仕事があるのかと思ったような状態であったんです。流下式に転換してそのほかに少しばかりの進歩的な要素が見えてきたんですが、そのとたんに、今度の人間の整理ということになった。その整理にしましても、ここ三、四年の間に、これは絶対数からいうと整理される方が多いのではないかという現象が出てきているわけです。従って、この塩の業につかっておる人は、自分だけじゃない、女房もむすこもやっている、ひょっとするとおじいさんまでのそのそしているかもしれない。一族あげて塩業に従事している従業者であるということが言えるわけです。そうしますると、ここで転換させるということになりますと、Bの方へ転換しようと思っても、一族五人、三人、二人全部転換はむずかしいのですね。一人の切りかえなら、まだむずかしいという中にも、可能性が楽になって参りますけれども、三人、四人、五人の一族あげての転換ということになって参りますと、そう簡単には参りません。先日来も業者の方あるいは従業者の方が東京に見えまして、いろいろ様子を聞いてみると、なるほどこれは困った、ほんとうに企業の切りかえのための準備資金、こういうものがないからには、この人々は結局飢餓窮乏である。ほかにどのような結論も出てこない。やはり飢餓だということになるような感じがいたしました。従って、私はこの要綱が出るのを待ち受けておったのです。かねていろいろな報道は聞いておりましたけれども、あれじゃ困る。もう少し何とかと期待いたしたのでありますが、きょうの要綱を見て、表記にいろいろ困難な表現が使われておりますので、すぐにぴったり数字が合うかどうかわかりませんが、かねてわれわれが耳にしておりましたいわゆる補償要綱の補償の金額、補償方法等とあまり違わないですね。大体こんなことも聞いておりました。そうすると、さあこれでいいのだろうかという答えの方が先に出るわけです。もう少し考えることはできないのだろうか。そういう点で、大臣のさっきからの御答弁を集約してみますと、大体御了解が願えるような気がするのですけれども、大体これでいいのだろうか、もう少し妥当、適当な方法は出ないだろうか、こういう疑問に到達しておるわけです。ずばっとお前言えと言われても困るのですが、私は今そういう感じに到達しております。これがこの要綱に示されているかというと、とんでもないことで、やはり企業の性格から申しましてきわめて当然なことで、むしろこれじゃ困る。もう少し何とか政府の好意を、政府の協力態勢を、協力の心がまえを見てもらうべきじゃないか。そうして、今後やはり政府が企画しておられるように、この企業が非常に有能な、非常に有効適切な、非常に合理的な妥当なものに発展していくようにしなければならない。いつまでも高い原価でいいというのではありません。いつまでも塩業の生産力を遅々として進ませぬということでは困るのでありまして、むしろこれは大いにやってもらいたい。容赦なしに、うしろを見ずにやってもらわなければならぬ。そのためには不安があってはならぬということでありまして、そういう意味で、その中の一つの方法として、この補償方法についてもう一度大臣、これでよろしいでしょうか。よろしいと思ってお出しになったことはわかります。しかし、よろしくないと思いますから……。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 補償が適正かどうか、なかなかむずかしいことでございます。私どもは今回やめていかれる方については心から御同情申し上げておるつもりであります。ただいま中原さんの御指摘になりましたように、父祖伝来の仕事というか、製塩業者御自身がそうだし、またその職場で働かれる方も、つい最近までは近代的な労務形態ではなかったと思います。一口に浜子というような表現を私どもの国ではいたしておるように、これはいわゆる労働階級では最も恵まれない階層であったと思います。しかしながら、とにかくとうとい塩を作っておられる方でありますし、そういう意味では、今回やめられる方については、十分私どももその立場について理解と同情を持って処置したつもりであります。決して甘い案というわけではございませんし、またこれが非常に辛い案とも実は私ども考えておりません。この点は、他の事業の整理その他の場合の退職金の支給状況、その他等と比べてごらんになりますと、よくこの塩専売の特殊事情についての理解を持った処置だということが、御了解がいくのではないかと思います。私どもも専売公社と特に頭をしぼりまして、ただいまの案が適正なりとして、ただいま提案をして御審議をいただこう、こういう気持でおりますので、何とぞ御審議を賜わりますようお願いいたします。

中原健次日本社会党

○中原小委員 もう一つお尋ねしておきたいのですが、これも先ほど大臣からお話がしばしばあったのですが、三百万トン、三百五十万トン、四百万トンと増産すると思いますが、すでに計算は大体はっきりしておると思いますけれども、そのワクがさらに太ろうとする。生産力が太っていくということも考えられる。しかも、外塩も価格等の関係で今のところある程度無視できない。一定量の外境を取り入れながら、国内塩を生産していくということになってきますと、今日の需要量だけを絶対需要量と考えるわけにいかない。需要量をふやさなくちゃならぬ。食べるものはそうめちゃくちゃにふえるものではありません。やっぱり工業塩であります。最近特に化学の非常な前進があるようでありますから、そういう意味では、もう少し工業塩を消化するような考え方、そういうことに心を寄せて、かつそれぞれの専門の機関に研究させる、こういう態度を持つことが必要ではないか。そうしなければ結局行き詰まるにきまっておる。行き詰まる業界だということになる。そうすれば、塩業に従事する者は楽しみがない。将来に希望、理想を持っていくということは、そういうことも伴ってこなければならないのじゃないか。そう思いますが、その点大臣の御意見をお聞かせ願いたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 公社の重大な仕事の一つでありますから、私がかわってお答え申し上げたいと思います。ただいまの御意見まことにごもっともでありまして、需給の調整をする上から、生産面におきまする整理統合ということも必要でありますけれども、需要の面を伸ばすということも必要であるのでありまして、国内塩も、広い意味において一般食塩に使う面において、価格の面と品質の面から現状では百万トンが少し無理だ、こういうことになっておるのでありまして、品質の面は、国内塩の白塩の粒が小さ過ぎるというところに主たる難点がございますので、この点につきましては硬質の粗粒子塩、粒の荒い塩を作るという研究をいたしまして、最近その目鼻がつきまして、生産を開始いたしております。価格につきましては、今外塩と国内白塩とでは、塩分はほぼ同じであるけれども、一トン約千円の違いがございますので、この点を今回の整理後の収納価格の改定によって、一万円というような収納価格になりますれば、その面からの改定もできると思っておるのであります。  なお、そういう点のほかに、お話のように国内塩を工業塩の方に回すことができれば、この方は二百万トンからの輸入をいたしておりますので、そこにまだ未開拓の非常に広い余地があるのでありまして、国内塩を工業塩に使うという研究のためには、公社にも研究機関、試験場もございますので、その全力をあげて研究に従事しておりまして、その成果を期待しておるわけであります。このために公社内に国内塩利用研究室という部屋を特に設けまして、技術者の研究のセンターといたしておるような次第であります。

中原健次日本社会党

○中原小委員 それでは、もう少し具体的なことに入りたいのですが、第二ページの四項の、塩業従事者に対して支給すべき金額の問題、十二分の十二という数字が出ております。これは大体一年分というふうに理解できるのですが、これはばく然として一年分ということになるようです。ここにただし書きとして、「勤続年数十年とした場合」というのですが、十年以下の場合はどういうふうになりますか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 先ほど要綱の御説明をいたしますときに少し御説明申し上げたのでございまするが、不十分でございましたので補足させていただきます。この平均勤続年数十年とした場合が、実は指数一というふうに考えております。平均勤続年数が十年ならば十二分の十二、一年分が渡る。もしこれが五年であれば、指数は二分の一ということになりまして、十二分の十二すなわち一カ年分の二分の一、こういうふうに考えておりまして、われわれとしましては、この退職金の程度であれば、社会通念として適正な金額といえるのではないか、そうした金額がやめられる労務者の方に補償されますように、そこを基準として、もしその企業に退職積立金がありますれば、それを控除した金額を出す、こういうふうに積算基準を立てたわけでございます。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 中原君にちょっと申し上げますが、きょうはなるべく大臣に対して重要な問題だけをお願いします。

中原健次日本社会党

○中原小委員 そこで、退職給与積立金額を控除した金額という、このあとの付文ですが、これは一体どういうことなのかということです。これはだれがだれときめた退職金ですか、これを一つ……。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、今度の整理によりまして具体的に職を失われる方が、適当な再就職資金と申しますか、そういうものが手に入るということが、われわれとしては一番念願になっておるわけでございまして、末端の金額を押えまして、それを国が確実に行き渡るようにこの交付金の積算をする。もし、その場合に、当該企業とその従業員との間の退職給与規則というものがございまして、その退職給与規則によっていろいろ積立金もございましょうが、積立金がある場合には、その積立金も合して、ともかく労務者に渡る金が、今申し上げた十年勤続一カ年というふうな金額になるように措置したというのが、われわれの希望でございます。

中原健次日本社会党

○中原小委員 そうすると、退職給与積立金云々というのとはかかわりなしに、そういうことがあろうとも、実質上の手取金額が十二分の十二に該当するように処置したい、こういうふうに承わってよろしいですね。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 全然積立金のない場合にはそういうことになります。

中原健次日本社会党

○中原小委員 ある場合があるのですが……。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 ある場合には、それを差し引いた場合には、それを差し引いた額を交付金として渡せば、それと合して、離職される労務者の方には、十年勤続一カ年分の退職金が渡る、こういうことになっております。

中原健次日本社会党

○中原小委員 それでは、ただいまの御答弁では、そういうものを含めて十二分の十二、こういう解釈になりますが、よろしゅうございますか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 さようであります。

中原健次日本社会党

○中原小委員 そこで、申し上げたいのは、さっきからちょっと申しましたように、この退職積立金云々というのは、自分も積み立てて一生懸命将来を保障しておるわけですね。これを政府が干渉しちゃならぬですな。これは労使間の一種の労働協約なんです。そうでしょう。今の公社の立場あるいは政府の立場からいえば、労使間の労働協約にまで顧慮をめぐらす必要はなかったのです。そういうことになるでしょう。そうすると、これは当事者間でしかるべくやることなんであって、そんなことにまでわたる必要はなくて、むしろ政府の方から出しましょうといって、金額はあくまで政府が拠出する金というところに限度を置かれるのがほんとうじゃないか。そこまで干渉されたのでは、いわゆる労働協約にまで干渉したということにもなると思う。これは考え方ですけれども、そういうことになると思う。われわれはそんな必要はないと思う。これはやっぱり労働者の事情々々によって異なっている。しかも、ほんとうは労働者自身が積み立てをしておるのですから、そこまで御関係にならぬでもいい。助成するならば、むしろ別の手を打って労働条件をよくしてやるというのなら、最近の労働政策として当然のことだと思う。けれども、今日この場としては、これはちょっと行過ぎじゃないか、こう思いますが、これは一つ大臣の御見解をお伺いしたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど政府委員から説明いたしましたように、離職される方の転業資金といいますか、そういうものを確保するということを政府としては十分考えたい。従いまして、たとえば退職金制度のあるところだと、政府の出すものプラスそれになる。また退職金のないところの者は政府からもらうだけだ、こういうことになりますと、いろいろ幸不幸ができて参るように思うのであります。私どもは、離職者の転業資金確保というか、その一応のつなぎ資金確保、ここに特に重点を置くべきではないかと思うのでありまして、この意味においては、給付の原因が労使間の話し合いによる退職金制度であろうが、これはやはりそういう際には私ども一緒にして考うべきじゃないか。これは今までの製塩業者の実態によると思うのでありますが、先ほど来も申し上げますように、小業者が非常に多いとか、おそらくそういうところでは退職金制度がないだろうと思います。そういたしますと、退職金制度のないところの人は政府できめただけもらう、あるいは、非常に大きな製塩業者で、退職金制度を持っておるところで整理に該当するところがあるかどうかちょっと疑問でありますが、そういたしますと、そういうところでは、政府からもらうものプラス退職金ということになりまして、離職される方の均衡がどうもとれないように思う。問題はいろいろの見方があると思います。一がいに私どもの主張をどこまでも押し通す考え方ではございませんが、この退職金制度というか、離職者についてのつなぎ資金を出すという建前から見ますと、手取り幾らになるということが本来問題であるべきで、そういう意味から考えますれば、十年のところで一年分として、退職金制度があれば、それだけの金額を引いた不足分を差し上げる、また、退職金制度がなくても、十年勤続の場合は今度は一年分だけは差し上げる、こういうことで、離職者の間に甲乙のないようにしたいというのが私どもの考え方でございます。これはいろいろ議論はあるだろうと思います。

中原健次日本社会党

○中原小委員 議論はいたしませんが、もちろん議論はあります。しかし、今日の実情からいきまして、退職金の制度をすでに作り上げておるところと作っておらぬところと、どういうふうになるか知りませんが、かなりそういう制度を持っておると思います。そうなりますと、この十二分の十二というものはおそらく控除されていく。これはそれが減らされていくということにつながっておると思うのです。なおまだそういう制度をよう持ち得ないところもあるでしょう。むしろ持ち得ないところが今日問題になっておるのです。なっていいのです。だから、そこでそういうところは、先ほど申しました転業のための準備資金ということになって参りますと、今日の物価の事情から考えてどうでしょうか。十何万円か知りませんが、おそらくこれは二十万円にはならぬと思います。この計算ではなるのでしょうか。二十万円にはなり得ないのじゃないか。ならぬと思います。十二、三万円、十四、五万円、十年としてそのくらいになってしまうのです。予想ですから、計算じゃないですから計算ではもっとなるかもしれませんし、案外少いかもしれませんが、それだけの金で、そういうことで転業資金になるでしょうか。これは言葉はいいのですよ。私も転業資金を考えたということは賛成なんです。その通りです。しかしその転業資金の裏づけをするに足る金が問題だ。これは案外少な過ぎたじゃないかということにしばしばなる。いやほとんど全部です。この点はどうでしょう。それでも仕方がない、考えただけでいいじゃないかということなのか。考えた以上は、それに値するような計算を考えるべきではないかということなのです。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 金額の多寡というものは見ようによって違うわけでございますが、今われわれが積算いたしておりますこの(4)基準によりますと、大体平均十年の勤続者に対しては十五、六万円の金が渡ることになると思います。今回の制度におきましては、前回と違いまして、大部分の労務者の方々が失業保険にも加入しておられますので、失業保険によるところの六カ月の給付というものに加えて、この十五万円というふうなものが再就職の資金になるわけでございます。もちろん、おっしゃいますように、非常にローカル・カラーの多い塩業でございまして、その地区で直ちに他の職を求めるということが困難なることは、われわれも重々承知をいたしております。また、承知をいたしておりまするので、われわれが労働省あたりで調べました資料からしました退職金の積算額に比べて、われわれのできるだけのことをいたしたいということで、こういう基準にいたしたわけであります。また、単に無為徒食するということだけでは、幾ら資金を差し上げても、次の新しい生活にたどりつくわけにいかないわけでございまして、ほかの政府の労務対策というものもあわせて、いろいろ考えねばならぬのではないかということで、われわれはそっちの方の措置も研究いたしたいと思っております。転業資金として幾らが妥当かというふうな問題には、先ほど大臣も申し上げましたようないろいろの見方があろうかと思うのでありますが、この整理交付金を負担しますのはやはり国民でございまして、国民の目から見て一応合理的だと思われるところを、われわれがない知恵をしぼって推定いたして、こういう基準にいたしたのだというふうに御了承いただきたいと思います。

中原健次日本社会党

○中原小委員 繰り返すようになりますが、転業資金というからには、やはりほんとうに転換をすることに役立つ資金、言葉や名前じゃだめなんです。最近言葉の魔術ということがはやりますけれども、そんなことはだめなんです。魔術を使う必要はない。端的に、直截鮮明に、なるほどこれなら、これを基礎にして何とか立ち上りましょうと言い得るだけの、しかも、これだけ御配慮を願ったのなら、何ぼつろうてもおれたちはがんばろうと言わせるだけの指導が必要なんです。その意味でこの資金があるのだし、もしそうでないなら、名前はもらったけれども、結局どうにもならぬということになるんじゃないか。たとえば、この季節になれば、焼イモ屋を始めるといい、焼イモ屋の資金が何ぼ要るだろうか。三万円でも二万円でもできるだろうとおっしゃるかもしれませんが、そうではないのです。まず場所が問題です。今塩業の諸君はどこにいるかといえば、海浜です。海浜で焼イモ屋をやったって売れない。やはり一定の場所まで転出しなければなりません。転出の資金、家賃、設備あるいは原材料ということになってくると、何ぼ要るか知りませんが、いずれにしましても十五万円、十六万円の資金というものは、あらっということになっちゃう。そういっているきょうの日も、退職した瞬間から収入がないのです。しかしやはり食べなければなりません。先ほど失業保険の話が出ましたが、失業保険の適用を受けておるような人たちと、そうでない人たちの数字はよくわかりませんけれども、かりにそれを受け得るような事情になっておったとしても、これは失業保険の掛金を出しておるわけです。しかもそういうのを少しでも補うために国家がそういう制度を作ったのですから、このことを今この問題にからみつける必要はない。これは、そうではなくて、それはそれなりに、その日その日に何を食べるか知りませんけれども、生きていかなければなりません。さっき言いましたように、ただ一人が失業するのではない。むすこもいれば、おじいさんもいる。ひょっとしたら嫁もいるということになるのです。そうすると、全部の者が一つの仕事に固まってできないので、分散する。分散するためには分散の費用が要る。居住地分散になるか、企業分散になるか、勤め先の分散になるかは別としまして、とにかく分散しなければならぬ。そういうことを考えると、やはり十五万や二十万くらいの金ではどうにもならぬ。政府はつべこべうまいことを言うが、中身を見たらからっぽになっているというのが地元の経験でありますから、そういう経験の繰り返しにならぬようにお願いしたい。大臣は地元のことは関係がないかもしれませんが、あなたの地元にもだいぶございます。山口県にもずいぶんあります。われわれのところにもあります。あればあるほど、現実をあまりにもよく知り過ぎているから、こういうことを申し上げるので、無理なことを申し上げているのとは違うのです。この点についてはほんとうの決意のほどをお示し願いたいのです。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 これは今中原さんの言われる通りなかなかむずかしい問題だと思います。転業資金としてどのくらいが適当かということですが、転業資金全部というわけにもいかないでしょう。やはり離職の際にもらう退職金でございますので、他の事業の退職金とも十分横の均衡を考えなければなりません。ただいまお前のところにも多数の塩業者がおると言われたが、その通りであります。また、私不幸にしてそういう整備の時期に大蔵大臣をしておりますだけに、私の地方の方々に対して、気持の上からは幾らでも差し上げたいというような気持がいたしますけれども、やはり一通りの基準というものがあるように思うのであります。別に甘い気持ではございませんと先ほど申し上げましたが、今まで十年いたところで九カ月の退職金というのが普通の相場ではないか、というような気持も実は持っておるのであります。あるいは半年というようなところもあるかもわかりませんが、六カ月は少な過ぎるとか、あるいは九カ月とか、その点から見まして、最も恵まれない労働階層だというような気持も多分にあるのです。今回十年で一年分というのは、実はよほど他との均衡を考慮しながら、この程度はという金額を作ったつもりでございます。しかし、ただいま言われますように、いろいろ御批判はおありのことだと思います。私どもといたしましては、私の国にそういう方が多いからというので特に上げたつもりは毛頭ございません。どこまでも行政としては公平な考え方でいたしたつもりであります。ましてこの金額にしてもこれで十分だというような気持はございませんが、今私どもが建前として出し得る、考慮し得る最大限のものときめまして、皆様方の御審議をいただいておるのでございます。どうかその点も御了承いただきたいと思います。

中原健次日本社会党

○中原小委員 従業員諸君の給料をちょっと調べてみたが、安いようです。あまり高い方ではありません。むしろ標準以下です。そうなって参りますと、標準以下であるだけに、総額もやはり少くなるということが出てくるわけです。今まで、そういう海浜の特別な条件の中で、ともにだんごになって食っておったから、これだけの給与でもどうにかやれたということが言い得るわけです。今後条件が変ってくるわけです。変ってきたときには、やはり元手になる離職金にしましても、結局それは転業資金に使わざるを得ない。ですから、そういう意味で、それを総合した中で総合金額というものを考えてみなければならぬ。七カ月も八カ月も九カ月も十二カ月もというような計算だけでものを考えないで、やはりそれに要する金額が問題になるのではないか。そういうことを考えますならば、さっきから申しますように、労働協約の中できまっておる問題、あるいは将来労働協約で決定すべきはずのもの、そういうことは両者に専心まかしておけばよいのであって、それをわざわざここに取り上げて、あるいは資金ワクをあえて減らさなければならぬものかどうかということです。これはあまり念が入り過ぎるではないですか。その点いかがです。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 今の製塩業に従事しておられる方々の賃金の問題でございますが、これは、賃金の形態というか、また生活環境というのは、立地条件の点を申すのですが、いわゆる地元で働かれるという労務者が非常に多いと思います。先ほどは全家をあげてというお話もございましたが、確かに全家をあげてという労務者もあるし、また従いまして、天候その他の関係からも、時間的にそれじゃフルに全部の勤労を製塩にささげるというような問題も一つはあるわけでございますので、この賃金自身が比較的安いというところは、そういうところにあると思います。過去の非常に恵まれない状況から見れば、戦後はよほど賃金の状況は変っております。私どもが子供の時分のときと今とは相違している。この点は新しく変っていると認識していいことだろうと思います。そういうような事業に従事する実際の状況等を勘案してみますと、ただいま申すような一年分の退職金というものは、相当奮発した退職金だということも実はいえるのじゃないか。いろいろそれは見方はございますから、これで十分だというのでは絶対にございませんが、そういうような意見も立ち得るのじゃないかと思うのです。問題は職場による幸、不幸ということを非常に考えなければならないのじゃないかと思うのであります。今回の整理というその点は、専売事業のあり方という意味においての一つの犠牲だと思いますので、もちろん、その経営者から見て、収納塩価がそんなに安くなるのならやっていけない、だからこの際やめていくという気持の者もございましょうが、少くともこれは専売事業としての犠牲者ということがいえるのだと思います。その点では、事業者ももちろんのこと、またそこの従業員も同様の犠牲者だということがいえると思います。従って、勤めておる場所によって幸、不幸がないようにするというのが本来の建前で、先ほど来申すように、十年たったところで一年分を支給するという考え方で、ただいままでは参っておるのであります。従いまして、いかにもこまかな議論をしておるようで恐縮でございますが、たとえば共済年金制度の話をしたり、あるいは失業保険の話をしたりして、いかにもこまかいように考えられるかもわかりませんが、今申すように、退職金としてはまず十年で一年、それがその職場において共済制度があるような場合には、そこまで今回は見なくてもいいのじゃないかというのが、私どもの考え方でございます。この点では中原さんのお話もわからないことはございませんが、今回の整理をめぐりまして、勤務する職場によって幸、不幸の生じないように考えて参りたいというのが、実は一つの考え方でもあります。

中原健次日本社会党

○中原小委員 職場によって幸、不幸の生じないように、なるべく平均な条件を作りたい、こういうことですね。けっこうだと思います。ただ、問題は、それの最低をそろえるということになるのではありますまいか。最低の、ここまで以下は下げられぬというところにそろえようとしているのじゃないか。こういう考えじゃ困るのです。やはりそうじゃなくて、先ほどから議論があったと思いますが、今度の整理は、言葉を使えばやむにやまれざる整理ともいえるのでしょう。いろいろな客観条件、いろいろなことを取り入れて考えてみて、ここまでくれば、ある程度まで塩業の限界というところまできておるかのごとき感じもするのです。そうなると、これはもうどうにもならぬのじゃないか、だからこうするのだということなら、これはやめさせるということがやはりほんとうですね。だから考慮してもらわなければならぬのですが、これは不可避的な整理で、必然不可避なものだ、どうにもならぬということだと思います。しかし、必然不可避なところへ追い込んだのは、政策の失敗がやはりあるのです。私どもには事情はわかるのです。わかるけれども、そこへいくための政治的責任はないとはいえないのです。今日の世の中で、一生懸命働いている人間が、避けることのできない必然的な方向として失業するのだ、業をやめなければならぬということを作り上げたことは、何としても政治上の失敗です。言いわけはつきますよ。釈明はいろいろやりますよ。やりますけれども、釈明のいかんにかかわらず、これは政策上の失敗であった、欠陥を暴露したということに帰着すると私は思います。そう思えば、なおさら、やはり失業する者に対しての決意の強さ、深さ、大きさが要るわけです。何とか最低でそろえるというのじゃなくて、なるほどできるだけがんばったんだ、これ以上言われてもどうにもならぬというのでなくちゃならぬ、そうすると、さっきから何べんも申し上げますけれども、わざわざこういうような条項までつけて、特にこれだけは引いてしまいますというようなことをいうことはないじゃないか。これはあまり念が入り過ぎている、私はそう思うのです。やはりそういうことじゃなくて、この点は、事情が許せば、この失業する人々、業者も従業員も全部東京へ来てもらおうじゃありませんか。そこで一回話をしましょうや。そうすべきだと思います。ただ役所の中だけで判断するのじゃ計算が机上の計算になってしまう。そうじゃなくて、現実にどろまみれの足で働いている人々と、将来はこうだ、今日はこうだという話をしてみれば、やはり大臣ももう少し元気が出るし、公社当局も本気になるでしょう。本気でないとは言わない。けれども、その本気が、最低をそろえるということではだめだ。最大限をそろえるようにどうしても立ち上ってもらいたい、こう思う。いかがなものですか。これは冗談じゃないですよ。ほんとうに最大限の奮発をしてもらいたい。そういう意味でこれはいかがですか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 今の十年の一年というのは、実は私どもも非常に奮発したつもりでございます。過去の整理の場合の実例をごらんになると、塩業整理の場合に、これは時勢もよほど違っておりますが、四・五カ月程度はでなかったかと思います。これは大へん低い退職金であったと思います。最近の労働状況あるいは組合関係等から見まして、よほどこういう点については私どもも理解を新たにした点があるように、みずから考えておるので、あります。最低でそろえると言われますが、実は最高でそろえるつもりで、一年というような案を出しておるのであります。これはいろいろ御議論のおありのことだと思いますが、ただいま私どもはこれが適正なりとして御審議をいただいておるのでありますから、今日これ以上の議論をいたすことはないと思いますが、ただぜひとも御理解をいただきたいと思いますことは、他の事業等についての退職金あたりの率等から見ますと、今回は特に奮発した一年という率を出しておりますのも、これも専売制度という特殊の制度という点でこれを考えたつもりでございまして、私は、他の一般産業等には、この率が必ずしも適用されるものではないだろう、実はかように思っておるのであります。この点は、特にこの方面について深い経験や知識を持たれる中原さんでございますから、私どものこの案を出した気持については、おそらく御理解がいただけるのじゃないか。ただ、それにいたしましても、いかにも金額が少いという点で、何かふやす方法はないかといって御苦心をなさっていらっしゃるのじゃないかと思いますが、私は、今のところ、この考え方は政府としては最終的に決定いたした案でございますので、そういう意味で御審議をいただきたいと思います。

中原健次日本社会党

○中原小委員 もう一つ、客観情勢が非常に変ってきたと言われますが、先般来から問題になっておりますILO条約の批准の問題を考えても国際労働機関でさえああいったことを非常にきつく熱心に主張しているわけです。国連においても、また政府自身としても、決してこれを否定する考えを持っておらないと思うのです。そこにはこまかい点でいろいろ対立もあるようですけれども、結論としては、そこまで客観条件は動いているわけです。動いているときに、よう考えなければならぬことは、人間の子としての生存する権利に対する行為、これはやはり要るのだと思います。そういうことを考えますと、これは過分だとか、あるいは上をそろえるというような言葉はやめていただきたい。そういう言葉を使われると、上という文字をもう一ぺん解釈し直さなければならない。点が下の方についていると違うのですよ。それじゃだめです。そうじゃなくてやはり真実にどうだろうかということなのです。私は何度も申しますけれども、そういう国際の労働機関でさえ、日本にもっともっと本気で労働者の権益を認めろ、労働者を人間の子として生かしめろということがこれだけ熱心に言われ、また、日本の国内においても、それにこたえる体制を作るために一生懸命になっておる。そうだとすると、今回のことは偶然時間が同じになりましたけれども、そうすると、なるほどこの点でもこれだけの考慮を払うておるじゃないかと言えるようにしてもらいたいというのが、私の要求なのです。これは他の委員諸君においていろいろ質問もありましょうから、おじゃまじゃいけませんから、これできょうは一応私の質問を終ります。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 ただいま上だとか下だとか申しましたが、この点は一つ取り消させていただきます。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 田万廣文君。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 いろいろと同僚から相当詳しく話があったのですが、私が大蔵大臣にまず第一に聞きたいのは、今度の虚業整理については、事ここに至った場合にはやむを得ぬというふうに私ども一応考えるわけであります。将来の需給態勢からいってもやむを得ないと思うのでありますけれども、しかし、事ここに至るようなことに対して、政府として、また公社としては、当然私は責任を持たれなければならない。要するに、業者の責任でなくて、公社並びに大蔵省の責任であるということを率直におっしゃっていただけるかどうか、これをまずお聞きしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど来るるお話を申し上げたところで尽きるように思っております。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 私どもの聞いた範囲では、答弁がなかなかお上手なので、あるような、ないような、ないような、あるようなことになっておると思うのです。私がここで率直に申し上げたいことは、塩業者が三十一年の五月二十三日に長崎で大会をいたしまして、その際に、結論として国内塩業対策の確立についてという決議をしております。ちょっと読み上げますが、   現在国内塩業は、昭和二十五年三月十七日の閣議決定の国内塩業対策に基き、少なくも国民の必需品である食料塩については、その全量を国内生産で確保することを目途に、政府の施策が講ぜられ、爾来各種の製塩技術が勃興したのであるが、就中塩田製塩の採かん面に於ける流下式は、劃期的な進歩を遂げ、その生産力は陌当り二百頓以上に達する事確実となり、昭和二十五年三月の国内塩業対策閣議決定当時に於ては、全く予期せざる新事態が発生し、今や国内食料塩は在来塩業の生産力によって、近き将来完全に充足し得る計画が確実に樹立し得る段階に到達するに至った。   然るに最近の国内塩業政策の実態は、多くの新規製塩が日を逐って認可せられ、その生産力は二十万頓を上廻る状況であるのみならず、更らに新規許可の申請が後を絶たない現状である。   随って、このまま放置するに於ては、国内塩業の生産力は食料塩の需要量を邊かに突破することとなり、近き将来に於いて国内虚業の整理を断行せざるを得ない最悪の事態に陥いる懸念さえ生ずるに至った。そういうことをすでに三十一年に業者は言っておるのであります。これを公社に通達しており、また公社においては実情を相当知っておるにかかわらず、今日までえんえんとして数年間を経過して、百三十万トンとれる、これが今ここにおいて整理をしなければいかぬというような、あわてた姿がはっきり出ておるのであります。そのときになぜ結論を出しておらなんだか。早く出せば出すほど、被害が少くなり、業者も安定した生活ができる。それを二年間も三年間も四年間もほうっておいたという責任は、公社並びに当時の大蔵大臣は佐藤さんではございませんでしたけれども、政府に重大な責任を感じてもらわなければいかぬ。と申しますのは、今度のこの整理について、この責任においてこれを補償するということの根本的な認識を伺いたいので、聞いておるわけなんです。いかがでございますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 今回の補償制度そのものについては、先ほど来同僚議員あるいは日本社会党の皆様方からお尋ねがございましたが、私どもも、この整理をする場合におきまして、専売事業であるという建前から、特にその補償制度も具体的に案を十分勘案したつもりであります。おそらくその点は田万さんの御意見と同じ立場に立ってこの処置をとっておるのだ、かように御了承いただきたいと思います。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 私どもが今度の整理案で一番心配いたしますのは、今申し上げた三十一年五月の大会以後において、機械製塩が八社許可されております。また、先ほど奧村君からお話がございましたが、錦海湾、合計三十万トンの許可が当時塩業者の声に応じてなされておらなければ、今日の塩業整理というような問題は起きてこなくてもいいはずの問題である、私どもはかように考える。しからば、業者の方が塩業の将来の確立について確とした意見を持っておって、政府並びに公社がそういう意見を持っておらないということに相なるのであって、ますますもって政府、公社の責任は重大であろう。この点について、くどいようでありますけれども、公社の総裁からでも御答弁願いたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 ただいまお話しになりましたのは、業者が三十一年五月に長崎県で会合をして決議書を作っておるということでありますが、その決議をいただいております。それと前後しまして三十一年の五月二十一日に専売公社の総裁談というものを発表しておりまして、その一部を読みますと、   昨年度に於ける国内塩の生産量は五九五千瓲に達し、戦後最高の生産を示すに至った。途中を略しますが、   以上二つの方法に依る製塩を以て  此処数年後には我国食料用塩の全需要約一一〇万瓲を生産し得ることとなり、食料用塩の自給が達成される見透しがついたわけである。   従って、食料用塩の生産を目的とする新規の製塩は今後許可致し難い現状であり、製塩の合理化と増産の進行に伴い、公社の買上価格も逐次引下げて行きたいと考えている。   右の如く国内塩の増産に伴い、輸入原塩又はその粉砕塩を使用している事業方面についても、漸次之を国内白塩を以て置き替えて行くこととなるので、需要者の理解と協力とを期待して止まない。こういう声明を長崎の決議とほとんど一日違いにおいて出しておりますので、この日以後は新規の許可をしておらない。今問題になりました機械製塩、錦海湾等は、古いものは二十八年、二十九年、三十年当時に大部分企画されまして、ある程度事業計画を承認したというような格好になっております。ただ、許可期日は少しおくれておりますけれども、すでに事業の申請を受け付けておる。そうして、ただいま申し上げました三十一年五月二十一日に、特に総裁談というものを発表いたしまして、新規の製塩は許可しないのだ、こういうことを明らかにしておりますので、それから後は許可しておらない。結局その許可したものがだんだんに製造数量がふえてきた。ことに流下式及び枝条架式による製塩において、当初の見込みよりも生産量が増して参ったということで、問題が非常に重大化して参りましたので、三十二年に入ってからは、さっそく塩業者との間にいかなる方法でこれを解決したらいいかということの相談を始めたというようなわけでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 今のお話によりますと、三十一年以前に申請の受付をしておったが、しかし許可の期日はおくれておる。要するに長崎大会から後に許可した。これはおかしいじゃないですか。許可するときにすでにもう塩の増産はでき過ぎるということがわかっておりながら、許可するということは間違っておる。これはどういうことなのですか。あなたの言うことは私はわからない。わかったところは、いかにもばかげたことをやっておる。今日の整備というものは、あなたのそういうことによって起きてきておる。あなたみずからがその矛盾を率直に認めたことになるじゃないですか。いかがですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 製塩業は相当の固定設備を要し巨額の資本を要しますので、事業計画を立てまして内認可を得るために申請書を出す、そしてそれの準備をしておる、その間、公社でも、その事業の性質上許可すべきものであるかどうかということを検討しつつ、大体において許可できるであろうということをいって、一種の内認可的な行為があった、そしていよいよ許可書を交付したという日がおくれておりますが、これもおくれたものは一、二でありまして、大部分はやはり三十年、三十一年に済んでおります。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 大蔵大臣にお尋ねしたいのですか、ちょっと今出ておられた間に、総裁との話があったわけですが、先ほど申し上げたように三十一年にそういう大会で決議がされておるにかかわらず、それ以後において許可をされておるということは無定見じゃないか、今日の整理は、そのときに早くやっておれば小さくて済んだのじゃないかということの質問に対して、総裁の今のお話によると、いわゆる機械製塩八社、二十万トン、錦海の十万トン、これの許可はその後にしておるけれども、申請を受け付けておったのは先であるという話です。申請を受け付けておったのは先であって、許可はその後においてやっておるという御答弁があったから、私はそれは大きな間違いじゃなかったかということを質問したわけです。大臣はどういうようにお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 松隈総裁にいたしましても、私にいたしましても、当時の責任者ではないと思います。当時の責任者でないから言を左右にするわけではございませんが、実は私自身もこの製塩業の扱い方についていろいろ専売公社と交渉を持ったことがあるのです。その当時は、私自身、将来のことを考え、工場誘致ができないかということで、実は交渉したことがございますが、当時は国内塩の生産を確保するというところに全力を注いでいる最中でございまして、その工場転換などには賛成が願えなかったということでございます。今日考えてみますと、当時の見方についてはいろいろあるが、食料塩を確保する責任が専売公社にあるとすれば、当時さような措置をとったこともやむを得なかったんではないかと思います。ちょうど今お尋ねになります問題についても、ただいま松隈総裁からお話をしておりますように、この国内製塩が三十万トンあるい五十万トン時代にいろいろ計画をされている。そうして準備が進む——なかなか多額の資金を要することでございますから、許可だとかいう点についてはそう簡単に運ばないにいたしましても、事業計画を立てる方の人から見ますと、いろいろな事情もあるだろうと思います。総体の空気として二十八年、二十九年、三十年という時分は、製塩というか、塩の量の確保ということに全力を注いでおる時代でございますので、いろいろ製塩の計画のあるような人に対しては、おそらく相談にも乗っていただろうと思います。この行政措置がいいというわけではございませんが、当時の実情から見るとそういうこともあったのではないかということを、ただいま想像するわけでございます。そういたしますと、だんだん進んで参ってきて、三十一年には先ほど読まれたような事態にまでなっている。しかし、それまでに、内認可というか、それが与えられたり、あるいは正式に許可されたとかいうような事態でございますので、この点は当時の関係者の立場についても、私今日全然理解をしないわけではございません。しかも、この専売公社でやっておりますことは、今回もそうですが、塩業者、製塩業者との連係は非常に緊密でありまして、いわゆる政府と民間業者というような関係でなしに、一体としてよく相談しておるようでございますから、そういう意味では製塩業者と公社という関係はまことに密接不可分であります。従いまして、過去の許可というか、内認可等についても、ある程度やむを得ないものとして了承されていた向きもあったやに、私どもは仄聞するのであります。そういう点が専売事業において特殊の事情にあるということ、この点をやはり御理解をいただくと、ただいま御指摘になりますような点についても、その筋が立つ立たぬは別といたしまして、当時の事情ではそういうこともあっただろう、という程度の御理解はいただけるのではないかと思うのであります。私は、関係しなかったからということで、責任をのがれるつもりは毛頭ございませんが、当時の実情を率直に御披露いたしまして、やむを得なかったであろうその事情について御理解を願いたい、かように思います。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 話の趣旨はよくわかったのです。しかし、実際問題として、内認可といいますか、そういうものを与えておったとしても、三十一年五月のころにおいては、塩の増産はうんとできて参って、将来の需給態勢を今こそ確立しなければならぬという業者の声があったのだから、今日あわてる公社が実にばからしい話である。そのときに、内認可であったにしても、それを取り消して、既設業者を温存して保護してやるということが、ほんとうの公社の虚業政策でなければならなかった。今日この塩業政策からいうと、既設業者、非能率なものは別として、相当能率的なものでもこれを整備して、そうして新たに三十一年以後に許可されたものは生きていく。それが言いかえるならば大企業である。大企業を温存して中小企業の塩田業者を倒していく、というような政策の結果になっておると私は思う。ここにおいて、私は、今申し上げたように、公社の大きな間違いがこういう結果になったのだろう、大蔵省においても見込み違いがあったのだろう、その責任をお尋ねしておる。その責任の所在によって、今度の労務者に対しても、中小企業の業者に対しても、整備される人々に対する補償の問題に大きな影響力があると思う。率直に、今までの塩業政策というものが誤まっておったということをお認めになられたらどうですか。総裁いかがです。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 新技術の導入ということがございまして、ことにそれが自然条件も関連しておりまするので、正確な能力の把握というものが実にむずかしかったわけであります。しかも枝条架とか、あるいは流下式塩田の転換は、どちらかといえば、当初生産条件の悪いところから早く切りかえて成績を上げたい。これも塩増産対策の一環だと思いますが、そういうところから手をつけまして、入浜でも比較的成績の上っておる地方はあと回しということになりましたので、最初手をつけたところあたりから見れば、当時ヘクタール当り百八十トンくらいの推算をしたのも、あながち見込み違いともいえないと思うのであります。それからだんだんに優良産地の方に転換が行われるに従って、ヘクタール当り二百トンとか二百五十トンというような成績が現われて参ったのでありますが、それらの事情がはっきりして参ったのが先ほど申し上げました三十一年の五月ごろで、塩業者の方もこのままでは食糧塩を国内で生産し過ぎるという自覚になって大会が行われ、公社の方においても、その当時においては新規の許可は絶対しない、こういう発表をするという事態になり、それに引き続いて対策を講ずるということは怠らずやって参ったつもりでありまするが、何しろ関係する方面も多方面であり、重大な問題でありまするから、結論を得るまでにひまがかかった、こういうような事情です。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 私は今の総裁の答弁では満足はとてもできぬ。現実の問題として塩業整備の問題が起きておるのでありまするが、業者にいたしましても、それから残存する業者の労働者のことですけれども、これらの諸君の将来の塩業に対する政府並びに公社の政策というものがはっきり出されておらなければ、またこういう整備ということが起るのじゃないか、一ぺんあることは二へんあるということなのでありますが、こういう懸念を非常にしておる。それは、塩業の増産、その後のいろいろな問題に対して非常に悪影響を残すと思うのです。これははっきりとなかなか答弁しにくいこととは思いますが、将来再びやらぬということはなかなか言いにくいと思うのです。しかし、どういうふうに考えておられるか、将来の見通しについて大蔵大臣の御意見を伺いたい。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 先ほど申しますように、今回三十万トンの整理案を出しております。これは大体九十五万トンの生産確保という目標になると思います。そこで、先ほど同僚委員の質問にもありましたように、あるいは九十五万トンの製塩能力というのは少し大きいのじゃないか、八十万トンが適当じゃないのか、こういうようなお話もございますが、私どもが考えますのに、ただいまのところで国内塩の需要としては大体百五万トン、そこに十万トンの余力がある。この十万トンの伸びというものが、残存業者としての経営上の一つの希望の持てる点ではないかと思うのであります。今回この整理をいたすにつきましても、三十万トンは少い、あるいは四十五万トンが適当だというような議論もいろいろあったと思いますが、私ども、整理という事態そのものの重大なる意義を考えます際に、将来の見通しが立つところで整理をすべきじゃないか、犠牲を多数出すべきじゃないだろう、こういうことで、まず九十五万トン生産確保という目標を立てたのでございます。従いまして、今後の製塩業のあり方といたしましては、事情の激変がない限り、今日の状態で十分やっていけるものだ、事情の激変のないにかかわらず、次の整備など考えるような問題は起らない、こういうのが私どもの考え方でございます。問題は、ただいま申す国内塩の需要というものの見方でございますが、大体百五万トンの今の生産目標と十万トンの差があるという点から見まして、事情が非常に激変しない限り、残存業者としては引き続いてりっぱに製塩業はやっていけるものだ、かように実は確信をいたしておる次第であります。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 将来再び塩業整備をする気持は今のところはないというふうに承わっていいわけですね。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 さようでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 次にお尋ねしたいのは、収納価格審議会、塩業審議会、それから将来生まれる塩業整備審議会、こういう審議会に、過去においては、労働組合というか、労働者の代表は全然入っておらぬ。これはどういう理由でオミットされておるのか、それをお尋ねしたい。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 学識経験者とそれから塩業者と消費者といったようなグループから選んでおりますのが収納価格審議会でございます。これは葉タバコのたばこ耕作審議会は法律でできておりますが、その構成等ともにらみ合せて、今塩専売法の改正があれば織り込むであろうという形を想像して、現在そういう試案をもって塩収納価格審議会を構成しているというわけでございます。それから、塩業審議会の方は、公社発足以来塩の重要問題を審議いたしますために設けてある総裁の諮問機関でありまして、これは塩業者の代表が入っておりますが、主として学識経験者からなっておるというわけであります。次に、今回提出されます塩業整備法案においても審議会を設けることになっておりますが、これも、他の審議会等との権衡をとりまして、七人の学識経験者をもって組織するという一応の議案になっております。労務問題もとより重要でございますが、学識経験者という広い観点から委員を選んでいくことによって、労務問題に対する一応の広い見地からの御意見は伺える、かように存じて従来扱ってきておるわけであります。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 業者の代表は中に入れて、労働者の代表の方は入れないで——それらの人の意見は学識経験者の方でわかる。それだったら業者も入れないでいいわけじゃないですか。いかがですか。収納価格の中には相当のパーセンテージ労賃という問題に関係があるのだから、労働者を入れなければいかぬじゃないですか。学識経験者だけで労働者の意見がわかるというのは、どういう根拠から出ているのですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 おっしゃっておることが塩の収納価格審議会であるか、あるいは一般の塩業対策を審議するための塩業審議会であるか、そこがよくわからなかったのでありますが、収納価格審議会の場合におきましては、先ほども申し上げましたように、葉タバコの収納価格を決定いたしますために、たばこ耕作審議会というものがございまして、これが耕作者の代表とそれから使用者代表と学識経験者といったような組織になっておりますので、同じく公社が収納いたします塩の価格を決定する場合において、塩専売法を改正して収納価格審議会というものを設けるとすれば、おそらくそれに形をならうであろう、こういうふうに想像いたしたので、塩業者の代表と使用者の代表、学識経験者、こういうふうにしたわけであります。塩業者の生産したものを直接買いますので、これはどうしても除外するわけにはいかない。収納価格を審議する場合におきましては、各種の要素を検討いたします。収納価格をきめる要素となるものは、いろいろの生産費、それから適正利潤というようなわけでありまして、その中には石炭代もあれば電力代もあり、また労賃もあるというようなわけでありまして、労賃も一要素には違いありませんけれども、結局それは生産費の中の一要素である。その要素ごとに代表をとるということは煩にたえない。しかし、生産者の生産したものを買い上げるのだから、その意見は聞く、こういう考えだと思うのです。それから、塩業審議会は従来から設けられてありまして、これには、塩業者の代表というのは、塩業組合中央会の会長が広い意味で入っておるというだけで、あとは、一般的な広い見地から、あるいは社会政策とかあるいは金融政策、そういうような広い意味から意見を聞きたい、こういう意味で委員を選んでおるのでありますので、この場合における塩業者の代表というのは、全く塩業組合中央会会長たる地位で入ってもらっておるというだけの選考の仕方であります

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 田万さんに御相談しますが、大臣が五時にどうしてもやむを得ない用務でほかの方に回られますので、石野委員に先にとにかく大臣に御質問を願った方がよくはないかと思っているのですが……。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 けっこうです。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 石野君。

石野久男日本社会党

○石野小委員 私は、大臣だけに、簡単に二、三の問題でまだわからない点がありますから、お聞きしたいと思います。  今度塩業整備に関しまして政府当局並びに専売当局がとりました事情については、先ほどからいろいろと事情のお話がありましたが、しかし、結果的に見ますと、この整備を受けるのは、大体従来長いことやってきました業者の中でも、やはり設備などにおいて劣っておると思われる、いわゆる小資本の方々がその対象になっているという結果が出ているわけであります。大臣はしばしば公社と業者との一体化というのは非常に緊密だと言われておりまして、その中には、やはり専売事業の中で特に塩業が、公益専売としての性格上、長いこと続いてきた歴史的な意味を含めてのお話だったと思うのです。そういうような歴史的な過程が非常に深い人々が、かえって逆に整理の対象になっているような結果が出ているというふうに思われます。こういう点に、やはり整備のあり方にいろいろな問題が出てくる結果が出まして、それで問題が出てくる。もちろんそれに関連する労働者の問題、中小企業の業者の問題などもあるわけであります。そこで、こういうような事情をなるべくスムーズに解決するための方策を、私たちとしては真剣に考えなければならぬわけであります。ところが、この塩業自体は、生産は非常に過大であるけれども、コスト高だ。ここで必要なのは、やはり生産を低下させてコストを下げなければならぬというこの問題があるわけでございます。これだけに事業体としては非常にむずかしい問題だろうと思うのです。そういうようなものを内包しつつ、専売の制度はもちろん維持するわけなんですから、従って、やはり専売行政をやるということについては、今後非常に困難な事情が内包している、こう思います。従って、ここでは場当り式の整理をやるということだけでこの事態を解決するのではよくないと思うのです。私はこういうような整理を行うに当りまして、その監督の任に当っておられます大臣並びに総裁が、こういうような非常に矛盾しました内容を持っている——しかもそこで整理をやるというときに、場当り式な整備ではいけないのだ。先ほど総裁は、総裁声明で今後は新規の許可も与えないというようなことも言っておりますけれども、事態は決してそれだけでは私どもとしても納得できないわけです。実際コスト安をねらうということになれば、結局生産設備などの問題に触れて参りましょうから、そうした問題を含めますと、言葉の上だけで整理は行われないということだけでは納得ができないものがあるので、当然やはり生産設備やあるいは塩業におけるところの運営の問題についての、本質的なものの考え方が大事だろうと思うのです。従って、私は、この際大臣に、こういう問題を含めた将来にわたるところの塩業に対する考え方を、各般にわたりまして、一応、しかしあまり詳しくなりますと時間がなくなりますから、簡潔に要点だけお聞かせ願いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 石野さんもやはり塩業に御関係がおありだと思いますが、私のところなどは非常に古い塩業者がいるところでございます。ことに、小学校へ行った時分の地理の本などには、山口県防府、三田尻の塩田というものは写真まで出たものであります。しかし、最近の状況から見ますと、香川県、岡山県などが実は製塩の中心になっております。どうしてそういうように変ったかということについては、いろいろ問題があると思いますが、一つは製塩技術が変ったことがございましょうし、もう一つは、立地条件から見まして、過去の台風常襲地帯、そういう意味で、塩業者としては非常な損害を数度にわたって受けてきているということでございます。また塩田は、なるほど耕地にするにいたしましても資本のことは大へんのようですし、また灌漑用水からとるということもなかなか容易ではございません。そこで、工場誘致などができる場所に幸いにして塩田があれば、そういう意味では塩田も転換できるのでございますが、山口県下やまたその他の地方においても、いわゆる工場誘致に不適当な場所において塩田業が行われておる実情でございます。そこでいわゆる転業というものはできない。一面では、先ほど来申すように戦後非常に塩の供給が弱まった。これを増産する。そういう意味では製塩技術を改善、改良していくということで、その方の工夫をしていく。同時にまた、近代的規模に従って製塩事業というものを相当奨励してきた。それが三十二年の年末になりますと、これはもうとにかくいかぬということで、専売公社並びに塩業者双方で研究した結果、新しい免許はしないようにしよう、今までの方法でとにかく続けていこう、また事業の経営規模等についてもその採算性を十分考えていくようにお互いに工夫しようとか、とにかく事業自身についての基本的な立て直し方針を公社並びに業者間でも相談をして参ったと思います。そこへ持ってきて、最も新しいものとして、先ほども話の出ておりましたイオン交換樹脂膜というような製塩技術まで導入するというような事態になっておる。そういうふうになって参りますと、塩業としてはとにかくここで大転換をしていかなければならないという状態になっておるのであります。そこで、普通の事業でございますれば、供給をふやし、同時に需要もうんとふやしていくということで、他の産業においては塩業に見るような事態は起らないで、生産が上ることをむしろ奨励するというような状況でございますが、国内塩業に関する限り需要の限度というものがとにかくある。これを特別に奨励いたしても、これが画期的に拡大されるとはどうも考えられない。先ほど国内塩と外塩との差は千円だという話を総裁がしておられました。これなぞは販売価格の問題でございまして、外塩と国内塩とを比較してみると、その差額は生産費の面において非常な相違があるのであります。そこで、多量に消費する工業塩に国内塩が振り向けられるという事態は、今日の状況ではそう容易には考えられない。先ほど申すようなイオン交換樹脂膜というようなものに転業したというような暁においては、あるいは工業塩の方に供給が回し得るというような事態が起るかもわかりませんが、これは技術自身で一応考えられる製塩方法であり、これをいわゆるマス・プロの方向へ持っていった際に、その採算がとれるようになるかどうか、これはまだ疑問の存するものだと思います。そういうところで、この需要自身を伸ばし得ない事実、そういうところになりますと、やむを得ず今日のような整理方式をとらざるを得ないというところに、実は追い込まれておるのであります。私どもはこの点まことに遺憾、残念に思っております。先ほど来お話のありますように、製塩業に従事された方々の過去の努力なり、あるいはまた協力なり、そういうことを考えてみますと、それはほんとうに今日やめられる、しかも農地転換にしてもなかなか容易ではない、また、立地条件等から見て、近代工場誘致ということもなかなか全部が全部に適用されるような状況でもない、こういうようなものであるだけに、今回でやめられる方については、心から実は同情を禁じ得ないのであります。しかし、それかといって、今の状況のままで推移するわけにはいかない。そこで、この残存業者の協力も得るし、また今回でやめられる方についても、事情について十分の認識を、御理解を得て、今回の整理案に御協力を願うという実は態度をとっておるのであります。今日までのところ、いろいろの御意見が具体案についてはあることだと思いますが、整理はやむを得ないという方向のようでありますし、またその整理の数量も、先ほど来田万委員にお答えいたしましたように、四十五万トン整理案もあったんだということを申しましたが、大体三十万トン整理ということで、業界の方も一応御了承はいただけたのではないかと思います。また、補償の内容等につきましても、私どもは、先ほど中原さんにお答えいたしましたように、特に甘い考え方もいたしておりませんが、特に渋い考え方もいたしておらない。まず御理解がいただけるような考え方であります。要は、こういう大事業といいますか、大改革を遂行するのでございますから、御指摘になりましたように、やめていかれる方も、また残られる方も、心から協力されるような、いわゆる円満に事態が解決を見るような事柄でなければならぬ。私どもの政治の目標もそこに実は置いておるのでありまして、そういう意味で、やめていかれる方についての最大限の補償も考える、また、残存される方々の将来につきましても、その事業を継続していかれるに十分な熱意を示されるような指導もしていく、こういうように各方面にわたって、実はない知恵をしぼって工夫しておるような次第であります。

石野久男日本社会党

○石野小委員 いろいろお話がありましたけれども、どうにもやむを得ないのだから、これは整理を納得してもらわなければ仕方がないということで、将来どうするかということについては、あまりしっかりした方針もないようでございます。そういうことだから、いろいろな問題が起きてくると私は思うのです。そこで、どうにもしようがない、ここでは大改革だと、こう言うけれども、実は、改革というよりも、またこれから新しい問題が出てくるのだと私は思います。おそらく、今度の整理をこういうふうにしましても、次にまたすぐ生産費を低下しなければならないという問題が出てきますし、需要喚起という問題はなかなか容易でないということになると、設備を改善すれば当然増産されるのですから、また同じような事態が出てくると思うのです。従って、私は、ここで政府に今お聞きしたがったことで御返事がございませんが、今後設備の改善をする場合に、当然やはりここには資本が非常に多額に必要になってくるわけです。その場合に、既存の業者と、それから新しい資本を持っている人々がこの業界に入ってこようとする場合の取扱いの問題が出てくると思います。これは総裁が権限を持っているところの第九条における生産の調節、六条によるところの設備の許可の問題、これらともちろん関連するわけでございますが、私は、今度の場合なんかで、特に錦海湾工事の問題などを含めて、当然今からはっきりしておかなければいけないと思いますのは、既存業者でさえもすでに生産過剰になっているのに、認可されたからといってそれはそのままにしておいて、それは将来生産が出てきたときに第九条の適用でするのだということでは、これはちょっと塩業の行政としては当を得ていないと私は思うのです。こんなことでは、とてもいつまでたっても混乱は残るばかりです。私は、この際、将来もし生産設備の改善なんということで、どうしても全体としての産業の進歩あるいはコスト低下をねらうということが必要だといったときに、政府はどういうふうにして業者の統合とかあるいは整理の問題に方針を置いていくか、既存業者と新しく入ってこようとする資本とのにらみ合せをどういうふうに見ていくかという問題については、ここでやはりこの整備法案をわれわれが検討するに当っては、当然聞いておかなければならない一つのものだと思いますので、その点について一つ大臣の率直簡明なる御答弁をいただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 大へん一ぺんに申すと長くなりますので、時計を見て適当にとりやめたのですが、今後の塩のあり方として基本となりますのは、収納塩価を一万円に下げる。それを大体三十七年度を目標にいたしております。この点は業界にはっきり明示してある。それで、一万円という収納塩価というものが、事業を経営する場合の一つの目安になっておると思います。従って、今回の整備案が出た際に、自分たちがどういう措置をとるかということ、その一万円という採算がどうかということで、業界自身が考えて見るということが一つあると思います。それから、もう一つは、ただいま言われております新規業者というものはどうなるのだということですが、最近はとにかく新規許可は許しておりませんし、三十二年の十二月の公社と業者との話し合いでも、こういう事態だから新しい業者は作らないことにしようということで、新しく許可は与えておりません。従って今日の九十五万トンなら九十五万トン・べースというもので、これは変らないものだと一応お考え願っていいと思います。  そこで問題になるのは、今日許可は得、ただいま設備を整備中であり、フルに動いていないもの、こういうものはどうなるのだ、こういうことでございますが、法律的に見まして許可を得て、いろいろ設備を整備しておるものそれ自身を、まだ整備をしていないからといって、それだけの理由で既許可者を整理するわけにはいかない。この点は先ほど総裁から詳しく御説明いたしておる通りであります。特にこの塩専売法に違反しておるとか、あるいは特別な不都合があるといえば、これはもちろん許可も取り消して参りますが正しく設備の増強をはかっておる際に、これを取り消す方法はないと思います。これは一つ御了承いただきたいと思うのであります。今日九十五万トンの目標を一応考えておりますのも、ただいまも既許可の連中をも含めての一応の数字、先ほど申す百二十五万あるいは百三十万トンというのは、それら既許可のトン数の総合計であるということを、一つ御了承いただきたいと思います。  今後のあり方としては、新規事業の許可ということは、まず当分はあり得ないと申しますか、非常に需要がふえない限り、そういうことは考えられない、こういうふうに思います。今後の需要の面は先ほどもちょっと触れましたように、国内製塩で、工業塩をまかない得るような事態が起るかどうかというその一点にかかると思います。もう食料塩としては既存の業者で十分であるということがいえるのであります。そこで問題は、この需要のふえない製塩業が非能率である、言いかえますならば非常に利潤が上らないものだ、利益が出てこないような事業の形態でありましては、そこで働かれる従業員に対してもまた業者に対しても、政府なり専売公社として十分なめんどうを見たとはいえないのであります。やはり適当な利潤は生み得るように十分指導していかなければならないと思います。そういうことが労働条件を向上させることでもありましょうし、経営者としての熱意を示すゆえんであると思いますので、そういう意味の工夫は、既許可の製塩の能力の範囲内において、今後適当な工夫なり指導なりをしていくべきではないかと思うのであります。私は、先ほど申すように、今回の整理によって一応九十五万トン・べースというものができ、今日の状況においても国内塩としての百五万トンの需要が一応あると考えますと、そこに十万トンの伸びがまだ考え得られるのでありますから、そういう意味で残存業者としては一応将来の製塩についても十分安心してこれを続け得るのではないか、かように考えまして、この際は、そういう意味で、今度は残存業者に対する考え方、それからやめていかれる人々に対しての考え方、この二つを区別して対策を立てておるような次第であります。

石野久男日本社会党

○石野小委員 私は、まだこの法案のこまかいいろんな問題についてはあとでお聞きするとして、もう一つ政府の整理に対する考え方と、それから将来にわたっての考え方について聞きたいのですが、専売の制度を残して、そうして今日こういうような整理を行っていきますと、今後やはり当然のことでございますが、需要の喚起を一方に願いつつ、片方ではやはりコストを下げていくということをやらなければいかぬのです。その場合に、政府は従来とも公益専売事業として業者の方々と非常に緊密な連携をとってきた。大臣がしばしば言っているように、業者の中には、ある時期においては転業しようとしておる人があったけれども、国家の施策によって無理にそこにとめて、そうして国家の政策に協力させてきたんだ。そういう人々は、今はむしろ仕事をやっていきたいというときに、今度はやめさせるんだ、こういう事態になっておる。これは政府の責任は非常に重大だと思う。そうして、私が先ほども言いましたように、そういうような悲運な目にあう人は、大体既存業者の中では小資本の方々である。それはおのずから設備なんかにおいても劣るところが出るからでありますが、そういう方々に対して、今もお前たちは能力がないんだから、またこれから後三十七年には大体トン当り一万円のところまでコスト・ダウンをすることができないんだから、もうお前にはやめてもらう、これではあまり情のないやり方だと私は思うのです。なぜなら、過去の歴史的な経過があるから私は言うわけです。そういうときに、皆さん、特に大臣が言う業者と公社との間の緊密化の努力がどういう形で示されておるかというと、早くいえば、既存業者の中の大資本と言ってはいけないが、とにかく大規模生産をやっておる方々とは非常に緊密であったけれども、中小、特に零細企業とはあまり緊密でないという結果が出ているわけです。これはやはりよろしくないことだと思うのです。こういう形を今後も考えていくとしますと、今の整理では案外零細企業はなくなります。しかし、残存業者の中でも、今後設備を拡大しようというときに、やはり零細企業になる人々はたくさんおるわけでございます。同じようなことが繰り返されていく。しかも、一方では、今度は錦海湾の工事については、とにかく資本金の六億円ですか四億円でしたかに対して、農林中金だとかあるいは農林漁業金融公庫のような国家の資金をふんだんに貸してやって、有利な事業をさせるというような手当をするわけです。なぜ零細企業をもう少し組織化するような処置をして、そういう人々を失業させないで、あるいは企業をやめさせることをしないで、むしろそういう人々に手だてをするような方針があるかどうかということは、非常に重大だと思うのです。政府の今度の整理の考え方というのは、塩業企業者、特に大企業に対しては非常に協力はしているけれども、中小、特に零細企業に対しては非常に冷淡なやり方だと思うのです。こういうやり方を続けられることはよろしくないと思うので、この際こういう問題について大臣の考え方を聞いておきたい。  それから、なおもう一つだけ聞きますが、錦海湾の工事につきましては、もうすでに三十一年には生産過剰の状態だということがはっきり出てきておったわけですが、その年度のときにやはり認可しているわけです。公社の方はその前に内認可を与えておるから、こういうことをおっしゃれるわけなんです。ここに私たちは問題があると思うのです。内認可が与えられておりましても、片方においては生産過剰が出てくることははっきりしておるし、整理を行わなくちゃならぬ事情が出てきているときに、新しいこういうような認可をすることはどうも解せないことなんです。これは既存業者に対して実に冷淡なやり方だと思う。おそらく、公社や政府側からいえば、内認可をされるべき錦海湾の工事というものは、近代化された設備だからと言うでしょう。それなら、なぜそういう思いやりを——整理をしなければならないであろう対象の諸君を、あなた方の思いやりによって組織化をさせ、あるいは仕事をさせるような仕組みをしなかったのか。私は、こういう点に、公社なりあるいは政府なりが大企業と中小企業とを区別しておるあのあり方がはっきり出てきていると思うのです。これらの点もやはり究明されなければならない問題だと思う。また、塩業行政の上からいって、実に重大な問題を含んでいると思うのです。この点も大臣からお話を聞いておきたいのであります。

佐藤榮作自由民主党大蔵大臣

○佐藤国務大臣 今言われますように、将来の塩業のあり方というものは、三十七年に一万円に下げるということは、今公表しているわけではなく、すでに三十二年から公表をいたしておるのであります。これは塩業者も了承しておる。従いまして、昨年また一昨年も収納塩価をいかにするかということで、公社はいろいろ苦心をしておるわけでして、ただいまそういうことを公表して、それに引き合わなければやめていけというのは冷たいじゃないかというお話でございますが、政府あるいは公社が製塩業者とよく話し合って、収納価格のあり方の一応の目標を示し、そして業界のあり方をそれに協力させるという態度をとっていることは、私をして言わしむれば、むしろ進歩的な行き方ではないかと思うのであります。これはいろんな議論もあろうと思いますが、そういうように私は思います。塩業者自身といたしましても、将来のあり方についてそれぞれ協力的な立場から工夫して、苦心し、そこで事業を転換というか、やめていくとかいうようなこともそれぞれ考えていくのであります。そこで、別に大企業についてどうとか、あるいは中小企業について考えが足らないとかいうものではありません。塩業の実態は、先ほど申しますように、むしろ中小企業の方が非常に多く、大企業はきわめて少数でございます。そこで、先ほどもお話しになっておりますように、塩業組合法というものができて、組合の許可を特に指導しておる。それこそ小業者がお互いに助け合うような方法による塩業のあり方を公社も政府も指導して参っております。この点では、私は、むしろ今まで産業形態としてはよほどよく進んだ指導をしてきた、こういうふうに思っております。これは、やはり公社自身が独自の立場からではなくして、これこそは、私が指摘するように、公社と塩業者との間の密接な連携で今日のような業態を招集しているのだと思って、私は業界のために実は喜んでいる次第であります。  そこで、問題になりますのは錦海湾塩業でございます。この問題については、松隈総裁からも先ほどお話しになり、私からも当時の事情をおぼろげながら田万委員に対して率直に御披露いたしたような経過でございます。いろいろの御意見がおありかと思いますが、おそらく、海面を埋め立てていく海面干拓と塩業とが結びつき、同時にまた干拓事業と三位一体であの事業がとにかく行われていると思います。先ほど私どもこの席で初めて伺ったのでありますが、錦海湾塩業そのものが会社組織でなしに組合組織だという点も、おそらく関係の人たちの協力を主体に考えて発足したものだろうと思います。私、錦海湾虚業について特に弁護をする気持で申すわけではございませんが、当時の実態はそういうことであって、やむを得ない事情もあったことだろうと思うのであります。数字的な問題として考えてみますと、この許可を与えられた時期と、それから長崎における決議というものには、おそらく時期的な相違もあるのではないかと思います。あるいはまた、三十二年の十二月に、先ほど申しますように、はっきり新規許可はしないという基本的方針をきめておりますが、あるいはもう少し早くきめた方がよかったのではないかという御指摘でございますけれども、私は、一応経過から見まして、すでにその権利者というものが確定しておるといたしますれば、その設備の近代化という点に相当の期待をかけるべきではないかと思います。既存の業者自身におきましても、流下式を採用したとか、その他技術的な工夫は随時にいたして参るのでございますから、そういう意味でこの点は御了承いただきたいと思います。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 大臣に対する質疑は本日はこれで終了いたします。  なお、再売公社に対して質疑があると思いますが、これは継続して許します。田万廣文君。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 話が中断いたしましたが、総裁に先ほどの質問の続きを伺いたいと思います。ものの生産については資本と労働が必然的な問題ですが、今までの総裁のお話、あるいは大蔵大臣のお話を聞いていると、塩業者々々々ということをしきりに言っているけれども、塩業労働者のことについては一つも言わぬ。密接な関係というものは塩業者とばかり結びついているように思います。従って、そういう考え方の上に立って、収納価格審議会においても、塩業審議会においても、また、これはおそらく私どものひがみかもしれませんが、将来生まれる塩業整備審議会にも、労働者代表というものをオミットしょうというような考えを持っていると私は考えるのです。しかしながら、代近的なものの考え方という立場からいうならば、そういうことは間違っておる。資本と労働というものがあって物が生産されるという原則に立ってものを考えるときに、塩業審議会特に収納価格審議会に労働代表を入れなかったということは、大きなマイナスだと私は思う。また筋が通らないと思う。この点について、また将来の審議会設置の場合におけるものの考え方について、組合対策というものについて、総裁の御意見を伺いたいと思います。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 今考えておりまする塩業整備審議会はどういう仕事をするのかということでありますが、これは整理対象企業の認定基準の作成であるとか、その適用整理の実施に伴う苦情処理、許可取り消しに伴う損失補償額の算定、残存企業の合理化計画の審査といったような広範な問題を処理いたしまして、個々の業者に直接関係のあることを審議すという建前にはなっておりません。これは、先ほど申し上げました広い見地から、そういう仕事をしていただく者というので、学識経験者をもって組織したい、かように考えておりまして、その学識経験者としてどういう人を選ぶかということについては、今日まだきめてはおりません。こういう性格からいって、現実の塩業者もこれに入ってくるということもどうかというふうに考えておるわけであります。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 おそらく、私どもの見通しでは、この塩業整備審議会の中には、学識経験者だけでなくて、塩業者の代表、たとえば塩業組合中央会の会長の平野氏がそこに入ってくるというようなことが考えられる。そこで、何がゆえにことさらに組合労働者の代表を敬遠するのですか。今度のこの整備法案の要綱を見ましても、塩田整理業者に対する補償と、塩田従業員に対する補償も書いてあるですね。それは間違いないわけですね。そうすると、やはり労働者というものに対する立場を考えて補償ということになるならば、収納価格審議会においても、塩業審議会においても、またこれからの塩業整備審議会においても、重大な利害関係があるんじゃないですか。業者だけが利害関係者であって、労働者が利害関係がないということを総裁ははっきり仰せられますか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 塩業者はもちろん利害関係者であり、労働者も直接の利害関係者でありまするから、離職に当って退職金を出すという建前をとっているわけであります。ただ、先ほど申し上げましたように、塩業整備審議会というものの性格と申しますか、あるいは仕事が、個々の設備の補償を幾らにするか、あるいは個々の従業員の退職の基準であるところの給与額を幾らとするか、そういう具体的な個々についての審議をする機関とは今考えておりませんので、一般的な、通則的な、標準的なものとか、あるいは計画について審議をしたい、こういうわけでありまするので、おのずからその構成委員というものが、広い見地から意見を述べられるような意味での学識経験者の中から委嘱したい、かように考えております。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 それでは、さらにお尋ねしますが、その審議会ができた時分には、学識経験者だけで組織して、塩業者の代表者は入れられませんね。それを断言できますか。また入れるという場合には、今申し上げたように、労働者の代表を入れるということを断言できますか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 私からお答えいたしますが、総裁から詳しく御説明申し上げましたように、企業診断をすることが主になると思われますので、そういうことにたんのうな学識経験者をお願いしたい、現在かように考えております。従いまして、具体的にどういう人ということは考えてはおりませんが、そういうことができる人ということで、どの利益代表ということは全然この審議会には考えられておりません。従って、そういう企業診断なり、またそれに伴う苦情処理等ができるような学識経験者、こういうふうに考えているわけでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 わかったようなわからぬような答弁ですが、私の質問に対してはっきり答えていただきたいのは、学識経験者だけで将来審議会を構成するのか、あるいは企業診断という立場からこの審議会が役割を持っているのであるから、業者代表あるいは労働者代表というものは加えないという結論になるのかどうか、その点をはっきり答弁して下さい。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 現在の段階では、そこのところは、先ほど私が申しましたように、非常にわかったようなわからぬような御答弁だったかもしれませんが、企業診断なり苦情処理ができるような方ということでございまして、どういう階層の利益代表ということは考えておりません。従いまして、現在の段階では、だれは入れない、だれは入れるという段階ではまだないと考えております。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 おそらく私の考えていることが将来当るだろうと思うのです。たとえば塩業組合中央会の会長の平野氏を学識経験者として送るとか、これはいうならば塩業者代表として送り込むということをあなたたちは考えていると思う。学識経験者という言葉にごまかして塩業者代表として出てくる。どうですか。そういう考えがあなたの腹の底にあるのではないですか。正直に言って下さい。総裁いかがですか。うそのことを言わぬで、ほんとうのことを言ったらいいのです。学識経験者の代表として塩業組合中央会の平野氏を入れるというような考えを持っているのではないですか。将来ごまかしを言っても必ずわかることなんです。いかがですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 今すぐそういう考えがあるかないかとおっしゃっても、まだこの委員を選考するというような段階でもありませんし、そういうことを考えておりませんから、具体的な名前を指定して、この人は入れるかとか、入れないかということを言われましても、非常に答弁がしにくいわけです。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 それでは、名前を言うと答弁がしにくいようだから、名前を言わなくてもいいが、とにかく学識経験者の中に塩業者の代表と見られる人を入れるという考えは、腹の底には実際にあるのじゃないですか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 整理基準を定めたりしますると、塩業者の代表という方が学識経験という資格において入っていることがいいか悪いか、あるいはその人がかえって迷惑をするかというような点まで今考慮しておりまするので、人選についてそういうはっきりしたことを申し上げかねる、こういうわけでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 くどいようですが、はっきりここで、総裁から、塩業代表者と見られるような人は学識経験者の中に入れないということを御答弁できますか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 特に利益代表と思われるような意味における塩業者を入れない方がいいというような御意見のように伺えれば、そういうふうな考えがよろしかろうと思います。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 どうもこんがらかって、私の頭ではわかりませんな。要するに言葉のあやでいろいろとれると思うが、学識経験者という言葉はまことにきれいな言葉です。しかし、学識経験者という言葉を使って、実質的には塩業者と見られる人が学識経験者として入っていくのではないか。入っていくことに対して私は必ずしも反対しているわけではない。むしろ業者の方を整備を受ける方の代表として受け入れるということもよろしいだろう。しかし、それと同時に、整備せられたならば、失業者が出る、失業者は労働者であるという立場からいって、労働者の代表ということが悪ければ、塩業者と同じように学識経験者としてそういうものを一つ中へ入れるということを考えたらいかがであろうか、むしろ考えるべきではないかということをあなたにお尋ねしておるわけです。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 この委員になるお方は、これはなかなか立場がつらいんで、それは、おっしゃる通り、塩業者でも学識経験者といって通り、広い意味で意見の立つお方があり、それから塩業に従事しておる労務者の中にも、学識経験者として一般的な広い視野においてものを考えていただける方があるということは考えられるわけでありますが、直接利害を代表するような人が入って、その立場が非常に苦しくなるというような場合においては、整備審議会の運営がうまくいかないおそれがある。そういうことであるならば、利益代表的なにおいの強い方はできるだけ避けて、いわゆる学識経験者という人、しかもそれもあまり人数をふやさないで、七人ぐらいの程度というふうに今考えておるわけでございますが、その方々に御審議を願おう、こういうのが一応現在での考え方であります。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 この質問はいいかげんにしたいと思うのですが、どうもはっきりしたようなせぬような、キツネにつままれたような答弁です。これは、私だけでなくて、ほかの委員もそういうふうに考えておられると思う。収納価格審議会に労働者を入れられなかったというのは、はっきり言うたら、どういう理由からそうなっておるのですか。さっきちょっとお話がありましたが、葉タバコの耕作者代表というようなこともありましたが、この塩の問題については、塩の収納価格のあるパーセンテージは労賃というものが当然含まれておるということからいって、労働者代表を加えてしかるべきではなかろうか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 この点も先ほど私どもの総裁から説明がありましたが、これと同じようなもので、御承知のように、たばこ耕作審議会というものが設けられておりますが、この方はタバコ耕作者の代表と学識経験者からなっております。従いまして、同じ公社に設けられる価格審議会でありますから、同じような構成にすべきではないかという意見もあったようでありますが、塩の場合には、タバコと違いまして、販売価格に直結いたしておりますので、いわゆる消費者代表と申しますか、大口の消費者代表の方々も非常に御意見があるようでございます。従いまして、生産者代表と消費者代表とそれから中立の委員と、こういう三者構成でやっていただくのが、一番公平な御審議が願えるのではなかろうかということで、いわゆる三者構成にいたしたようなわけでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 生産者と消費者と中立という三つの立場の代表者を入れたというのですね。そうすると、労働者の方は生産者代表にはなり得ないのですか。どういう理由でなり得ないのですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 この価格に関係される点については、先ほど、私の方の総裁も、価格を構成する要素として、燃料なり、人件費、電力その他いろいろ申されましたが、価格を構成する要素としてはいろいろある、また、消費者の方の立場から見れば、消費者に関連する、消費価格に関連する立場の方がいろいろあるというように、いろいろ関連する面もたくさん出て参りますので、一応直接の利害関係者並びに中立ということに切って構成をお願いいたしたような次第でございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 労働者は利害関係者じゃないですか。

小林章日本専売公社塩脳部長

○小林説明員 利害関係者じゃないとは申しませんが、そういう関係する面が各方面にございますので、一応直接の利害関係者の側にお願いした、こういうふうにいたしたわけでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 私はあなたたちの考え方とまるっきり違う。やはり今日の物の生産というものは、資本家と労働者との二つの円滑な結びつきにおいてすべてのものの増産ができるという立場からいって、公社の皆さん方の考え方が、この収納価格審議会の構成にいたしましても、その他の審議会の構成にいたしましても、労働者の代表者を入れなかったということは、大きなミステークだと私は思う。この点について幾ら議論をしても、あなたの方と私の方とでは平行線で、どうも考えのちょうつがいが合いませんので、この程度で残念ながらやめざるを得ないと思いますが、しかし希望的な意見としては、これは現在は資本主義社会においてそういうことをあなたは言っておられる。またそういう時代であるかもしれませんが、だんだん世の中が変ってきて、労働者というものの地位が非常に高くなって、入れなかったところに大きな誤まりがあったということで将来に禍根を残さないように、今から真剣にこれは考えていただいて、次から次へできるであろう、また過去においてできている審議会に、組合の方——を決して肩書でも何でもない。ほんとうに労働者の代表を歓迎して入れるというものの考え方に切りかえていただきたい。これが私の希望的意見です。  次に、総裁に承わりたいのです。今度の塩業整備に関連した問題になりますが、公社の直営工場、これはどういうふうなお考えを持っているんですか。整備するというのですか、あるいは残すということになるのですか。私どもの考え方といたしましては、塩業のこれから将来起きてくる複雑な問題に対処するために、技術的な面においても問題があるのでありますが、その指導の役割を果すためにこれは存置してよろしいんじゃなかろうか、こう考えておるのですが、総裁はいかがでしょうか。

松隈秀雄日本専売公社総裁

○松隈説明員 公社の製塩工場といたしましては、現在小名浜と防府の二カ所でございます。小名浜の方につきましては、これは海水直煮式の製塩工場でありますが、先ほど塩の需要開拓の問題で粗粒子塩を作りたいということを申しましたが、そういう新規の需要に応ずるような新製品を作り出すといったような方の研究を主に運用して参りたいと思っております。防府の工場につきましては、御承知と思うのでありますが、公社の工場は煎熬だけを行います工場でありまして、これに、付近に鹹水を製造して供給いたします採鹹人というものがついておって、二者一体となって一つの製塩が行われておるわけであります。従って、これは今回の塩業整備におきましては、答申に述べられております通り、まず塩業者、一貫作業で製塩まで行いますものはもちろんでありますが、採鹹人までを含んでおりますので、その採鹹人が、将来の塩価を考えて、この際残った方がいいか、あるいは残ってもなかなか経営困難であるから、むしろ整理資金の出る際にやめた方がいいということを自主的にきめることになっておりまするので、そちらの方の決定ということとにらみ合せていくべきもので、この際公社の工場だから整理の対象の外だ、こうきめてしまうわけには参らない、かように考えます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 村上さんにお尋ねしたいのでありますが、先ほど中原さんからいろいろと大臣に対して労務者の窮状を訴えて、この補償については相当涙のある解決をしてもらいたいと言われました。私も全く中原君と同感でございまして、大臣の言葉を借りて言うならば、心から同情しておるというふうに言われたわけです。しかし、心から同情しておるという言葉の上ではまことにありがたいような話ですけれども、実質的に今度の法案を見ますと、スズメの涙くらいで、鬼の涙くらいならありがたく思うのですけれども、そういうことになって大きな差があるということと、それから実質的に与えるものとが大きな開きが出ている。私は、ここで村上さんにお話ししたいのは、「この塩田製塩業者に対しては、収納価格に納付塩量(最低一陌当百五十トンを保証すること。)を乗じて得た額の三割に相当する金額。ということが書いてありますが、これは、いろいろわれわれが承わるところによると、実質百五十トン以下の生産量であったものについても、百五十トンに引き上げて、最低の線をそこにとめた。そういう話が業者との間に妥結できてこうなったというふうに聞いておるのですが、事実ですか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 ここの最低一ヘクタール当り百五十トンと申しますのは、流下式につきましては、大体この水準が出ておりますけれども、入浜式塩田のごときにつきましては、これ以下のものもございます。これについては百五十トンまで見よう、こういうことでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 政府の初めに考えておった金額と、百五十トンに引き上げた入浜式の補償の金額との差はどのくらいになりますか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 これは実際にやめる業者が具体的にどうなるかによって違うわけでございまするが、われわれが一応推定しておりますところによりますと、納付塩量について三万トン違う、こういうふうにお考え願います。金額にして一億円くらいの差がございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 そこで、比較をして見るのですが、塩田業者にはそういうふうな非常に手厚い措置が講ぜられておるにかかわらず、塩業従業員に対しては、わずかに一年分、先ほどの話にあったように、これは大きなアンバランスじゃなかろうかと思うのです。やはり平均勤続年数十年とした場合における一年分というのは、非常に少いと私は思う。労働者側の意見はすでにお聞きと思いますが、一万六千円の三十カ月分、四十八万円というものを要求しておるのでありますが、それはともかくとして、あまりにも、この塩田製塩業者の補償と、塩業従業員に対する補償というものとの間に開きがあり過ぎる。言うならば、先ほどいろいろお話があったが、塩田業者とは非常に密接に結びついておる。そういう方の意見は入りやすくして、そうしてすべての委員会においてもボイコットされておる労働者の方の意見というものは、ほとんど聞かれておらないということなんです。この点について、大臣は、非常に親切な取扱いをしてやったというような、甘くも辛くもないというような話をしておられましたが、これは私は辛いと思う。この点について監理官はどういうふうにお考えになりますか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 いろいろものの見方でございますが、この塩田製塩業者に対する納付塩量の三割に相当する転業資金というものは、金額にすると大体五十万円前後になるわけでございます。先ほど中原委員からおっしゃいましたように、祖先伝来塩業をやっておりました連中がここで転業いたすわけでございますが、この採鹹人という地位は、先ほど私の説明をいたしますときにちょっと申し上げましたが、給与所得者としての保護も今回受けられないし、投資所得者としてはきわめて微々たる存在であって、将来すぐ転業の助けを得られないというようなものに着目して、この祖先伝来の塩業を転換するに当っての転業資金というような含みを持っておるわけであります。祖先伝来、大部分は専売発祥以来五十年余りの長い間にわたってやっておる方々でありますが、現在の投資が二十年この虚業をやっておったといたしますと、この(4)の退職金の平均勤続十年に対して一カ年というふうな計算でやってみますと、月額大体二万円くらいの給与についての退職金を、(4)の積算基準と同じような計算によってもらったのと相当してくるわけでございます。もちろん採鹹人だから月額二万円でいいとか悪いとか、いろいろな議論はあるでありましょうが、ここに書いてありますような表現から申しますと、三年分という非常に大きな金額のように見えるのでありますが、その実情は今申し上げたような程度のものであって、これが逆に少いじゃないかというおしかりになるかと思うのでありますが、少くとも(4)との均衡から申しますと、私は、そう均衡を失しておるわけではないし、まあ非常に配慮したというふうなことを(4)について大臣が申されましたのも、実はこの十年勤続に対して一年分というふうな標準も、最初は六カ月から発足したわけでございまして、労働省の調査あたりを見ますと、化学工業の平均退職金というのは大体十年当り六カ月だというところから、先ほどもいろいろ申し上げたような転業内規というようなことも考え、今回の整理の意味も考えて、一カ年というところまで持ってきたという経緯からすると、非常に考えた、同情を示してやったんだという大臣のお話も、無理からぬところではないかと思うのであります。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 大臣も考え、あなたも考えた結果、こういう結論を一応出したということですが、この整理される塩田製塩業者というものは土地を持っております。そしてその土地がまた相当高く売れるか、あるいは他に転業するため資本として残って、資産としてあるわけです。従って、生活にあすから困るというような人は、今度の塩田製塩業者の整理の中には含んでおらないのです。ところが、塩田従業者の方はあしたから失業する。転業資金という言葉で言われておりますが、十二、三万円の金をもらって、転業資金としてそれで十分であるというようにあなたは考えているのですか。先ほど中原君からもその点についていろいろ聞かれましたが、ちょっと転業するにしても二十万円、三十万円という金が要るのですから、一家あげてこの製塩の仕事に従業員として働いておってそれらの人があしたから転業して何をやるか、一人が転業するのにも相当金が要る。五人も六人もがたちまち失業して、十二、三万の金や二十万円の金をもらって、それで生活が保障されたというふうにあなたは考えますか。いかがですか。あなたが塩田の従業員として働いておって、これくらいのことで満足されますか、いかがですか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 これは、先ほどから何度も同じような御答弁を申し上げるわけでございますけれども、支払い給与総額等、従来の支払い給与の実績というものは、われわれが考えれば、従来それによって生活を立てておった原資だ、こういうふうに理解申し上げていいのではないかと思うのでありますが、そういうものを標準にしまして一カ年分、これは平均十カ年勤続でございますが、そういうふうな退職金というものが実際に新しい職業をつかむまでの資金として十分かどうかというふうな見方、これは場所にもよりましょうし、それからその人の技能にもよりましょうし、その他離職される方々を包む客観的な諸条件というものによって長短があるわけでございます。先ほど、中原さんは、失業保険は積み立てたものだからこれは別の話じゃないか、こういうお話でございました。もちろん失業保険について今度の補償からもらうわけでは全くないのでございますが、ただ次の新しい職業をつかまえるまでの期間としては、それでも一つの身過ぎの手段になるわけでございまして、われわれとしては、いろいろな見地から見て、所々による条件の難易の差はありましょうけれども、こういう程度のもので何とか新しい職業を見つけていただきたい。しかも、これは、単なる消費生活を保障するというだけではなくて、他のいろいろな労務対策、労務政策というものもからみ合せて、大いに措置をしなければならぬということを申し上げておるわけでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 最後でございますが、従業員に対する補償については、もっと真剣に考えてやっていただいて、そうして十二分の十二というものを十二分の十五とかあるいは十六というふうに、あたたかい解決のとりようというものをあなたたちは全然考えられませんか。ものは相談ですが……。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 先ほど、大臣は、これを提案をした理由は、政府がいろいろ検討した結果適切と考えて御提案申し上げたので、その口の裏から相談するなどということはどんなものかということをおっしゃいましたが、ましてや私ども下僚のごときが、そういう御相談には目下応じられないわけであります。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 大臣はさっきそういうことを言われたから、あなた方としては、これはどうするこうするということは言えない立場であろうけれども、あなたは、村上監理官でなくて、人間として、考えてやったらいいなというぐらいの気持は持っておられるかどうか、これはいかがですか。総理大臣岸信介と自民党総裁と使い分けもできる時代ですから、人間として村上さんが考えた場合に、これは少いからもっと多くしてやろうという考えはございませんか。それも言えないですか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 人間としての立場ということから申しますと、私も同情の念人後に落ちないつもりでございますが、また人間の立場として申しますと、これは負担する国民の立場もやはり考えなければならぬわけでございまして、先ほどから今日の事態を招いたのはだれの責任だという議論がございましたが、私はその議論は別にしても、今度の交付金を負担するのは国民であろうかと思います。そこで、国民としての立場から、こういう負担が納得し得るものであるかどうかということも、われわれ当局者としては大いに御説明申し上げ、納得していただかなければならぬのではないかと思います。これは一面今度の交付金がほかの業界に対するそれと比べて手厚過ぎるという批判もありますが、そういうものも声として出ておるのだろうと思うのでありまして、私としましては、人間として非常に同情する立場と、それから負担をする国民としての立場というふうなものから、まあここらあたりという気持から出したわけなんでございます。

田万廣文日本社会党

○田万小委員 えらくこう回りくどい答弁をせられておるのですが、人間としては同情にたえぬ、しかし国民的な立場においてはいかがであろうか。国民的立場においてわれわれは同情せにゃいかぬという場合も出てくる。今度の塩業の従業員は、一般の労働者の立場と違って、先ほど中原君もいろいろ言われたが、もうそれにかかっておるというのが実態です。総裁もその点はよく御存じだと思う失業してしまうのですから……。一般の基準に合せて十二分の十二という一年分で解決したらそれでよろしいというものの考え方は、皮相なものの考え方だ、私どもはこう考える。なおもっと深い人間性を研究していただきまして、国民的視野に立って、これを何とかして引き上げてやろうというふうな考え方に頭を切りかえなければならぬ。あなたからも大蔵大臣に話を願いたい。もちろん私どもも委員会で申し上げたい。さようにお願いしたいと思います。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 廣瀬勝邦君。

廣瀬勝邦日本社会党

○廣瀬(勝)小委員 ちょっと数字的なことだけ聞いておきます。交付金の額の中で一から五までの額は、大体割り振りしておられると思うのですが、おっしゃっていただけますか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 先ほど申し上げましたように、総額でございますが、一が五十九億九千万、約六十億でございます。それから第二の積算基準、これが十二億二千万、約十二億円でございます。それから三が約八億四千万でございます。それから四が四億五千万でございます。それから五の清算費用というのが一億七千万ばかりでございまして、その地先ほど申し上げました四カ年にわたる交付金の交付になります。これは実質的には金融機関への償還になるわけです。金融機関に対する償還の利子が少しございまして、それで八十七億、こういうふうな内容になっております。

廣瀬勝邦日本社会党

○廣瀬(勝)小委員 それでは、一つ最後のものを、作業はできておると思いますから、できるだけ早く出していただきたい。法案自体はあした提案ですか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 あした提案する予定でございます。

廣瀬勝邦日本社会党

○廣瀬(勝)小委員 あとは政令できめられるのですか。施行令ですか。どうですか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 政令に譲っておるところが相当ございます。この政令の内容につきましても、大体現在予定しておりますところは御説明できると思います。

廣瀬勝邦日本社会党

○廣瀬(勝)小委員 これは同時ですか。

村上孝太郎大蔵事務官(大臣官房日本専売公社監理官)

○村上(孝)政府委員 政令の案そのものと申しますか、法律の中で「政令の定めるところにより」というところにつきましては、その政令に定められる内容につきまして御説明申し上げたいと思います。

廣瀬勝邦日本社会党

○廣瀬(勝)小委員 それから、先ほどの質疑の過程でも出たのですが、錦海が問題になっておることは御承知の通りなんです。錦海の組合員、これの住所、氏名、それから持ち分、それからあとの機械製塩八社についての住所、氏名、持ち分、これを至急に提出していただきたい。  以上でけっこうであります。

濱田幸雄自由民主党

○濱田小委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は追って御通知することとし、これにて散会いたします。     午後五時四十七分散会

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