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31回国会衆議院1959/03/23

大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 第1号

発言数
52
登壇者
6
会派数
1
開催日
1959/03/23

会議録

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員長 これより会議を開きます。  本日は中小企業金融対策及び証券行政の問題について調査を進めることといたします。質疑の通告があります。これを許します。山本勝市君。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 銀行局長にお伺いいたしますが、最近の金融情勢はどういう方向をとっておるかということを、まずお伺いしたいと思います。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 最近というのはどれだけの期間か、またそれによりまして違ってくると思いますが、大体三十三年度一ぱいを通じて申しますと、政府の散超が相当な額に上りましたので、御承知の通りに金融は緩和の方向には向っておるわけだと思います。日本銀行からの銀行の借入金もだんだん減り、金利も下るというような方向を大体たどってきたわけであります。ただ、本年に入りましてから、御承知の通りに二月、三月というのは揚超の時期に当っておるものでございますから、少し金融は締まるという経過をたどっております。しかしながら、四月以降になりますればまた調子は変ってくるのだろうと思うのであります。ことに三十四年度の国庫収支の見込みでございますが、これは年間を通じまして二千四百億円の散超というふうに見込まれておるわけでございます。その通りの数字になるかどうかは結果を見なければわかりませんけれども、大体そういう方向で進むといたしますれば、来年度は散超によって金融がゆるむというのが一応常識的に考えられるところだと思います。特に四月は御承知の通りにいつも散超の月でございますから、来月からはまたゆるんでくる、こういう形勢をとるのじゃないか、かように見ております。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 大体経済はなべ底をついて、そうしてまた上向き調子をとっておるといわれておるのでありますが、一方では金融がゆるんで、金利も下ってくる傾向にある。この経済が底をついてきたについて、産業界の気がまえと申しますか、それがまた過熱状況になりはしないか、資金需要がふえてきて、過剰投資になりはしないか、一方ではそういう心配もあると思いますが、そのことは心配はないのですか。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 金融の面から先ほど申し上げたのでございますが、今度は企業の方の面から申しまして、要するに資金の需要がどういうふうに推移するだろうかというこうことにつきましては、率直に申しまして手放しに楽観ばかりもしておれないかというふうに思っております。昭和三十三年度は資金の蓄積も相当進みましたし、他面資金の需要が少かったということで、今日までのような情勢をたどって参りました。金融正常化という方向に相当進んだということがいえると思います。昭和三十四年度は、国庫の散布超過というものはやはり同じような趨勢に進むのではないかと思っております。また資金の蓄積も相当進むだろうというふうに考えられます。それに対しまして、一体資金の需要面はどういうふうになるだろうかというような問題でございますが、これは従来通りの資金需要よりも少し活発になってくるであろうということは、まず想定しなければならぬかと思っております。しかしながら、それが非常に過熱状態にいくであろうかどうであろうかということにつきましては、私たちとしては、今までのところそういう傾向は現われておらない、こういうふうに考えております。その具体的な例と申しますと、いい例であるかどうかわかりませんけれども、経済界におきましても、金融界におきましても、過熱をさしてはいけないという議論があるわけでございます。そういうことがあるということは、またある意味におきまして、それらの人たちが自制していこうという気持がまだあるというふうに考えておるわけでございます。従いまして、これは一年先のことを予測するのはなかなかむずかしいのでありますが、景気がよくなっていくから、資金需要はある程度ふえるであろうということは想定されますけれども、それが過熱するというようなことを今心配することもないのではないか、こんなふうに感じております。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 最近株が非常に値上りして、それで株の利回りが非常に安くなったということですが、この株の利回りが下ってきたということが、金利にどういう作用を及ぼすかという点です。これは理財局長の方でも大いに検討されておるかもしれませんが、株の利回りと金利というものは、やはり非常な密接な関係にあるに違いない。金利を下げようということは、日本経済において金利が高過ぎる、これを下げるということは大きな目標の一つであると思いますが、その金利を下げるという目標から見て、株の利回りが下ってくると、金利を下げるという目標に向ってプラスの影響を与えるのではなかろうかと思うのですが、その点はどうでしょうか。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 これはちょっと私見にわたる点があるかもしれませんのですが、非常に理論的なお尋ねのように思いますので、そういう意味で私の感じておりますことを申し上げたいと思います。  やはり金利と株の値段、特に株の利回りというものは関連があるものだと思います。そうして金利の方が低くて株の利回りの方が高いというのが、正常な状態ではないだろうかと思うのであります。普通の状況で申しますならば、株の方には危険がございます。ところが金利の方は確定でございますから、従いまして、配当の方が多少高くなるというのが自然なんじゃないだろうか。配当の金利よりも預金の金利の方が低いというのが、自然なんじゃないだろうかという気がするわけです。もちろん預金金利の中にもいろいろございまして、それは日歩預金もございますし定期預金もございますけれども、定期預金をとってみても、株の方が少し上っているというのが常態じゃないだろうかという気がするわけです。お尋ねの点は、株の利回りが下るということは、預金の金利が下るということに貢献するのではないか、そういうことで、まあ預金金利の方に好影響があるのではないかというような御趣旨のお尋ねかというふうに察するわけでございます。私は、今申しましたような関係もございますと同時に、両者の間においては密接な関係があるというのが、むしろ常識ではないだろうかと思いますので、今のお尋ねに対してそのまま答えますならば、やはり日本の金利は何といっても高い、それが下っていくということが望ましいという場合に、株の利回りが非常に高いということになりますれば、預金が集まらなくなるわけでありますから、従いまして預金の金利は高くせざるを得ない、こういうことで工合が悪いのですが、配当の方の利回りが悪くなれば、預金の方は金が集まってくる、そういう方向にいく傾向があるだろうということは考えられると思います。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 つまり、株の値上りが高過ぎる、逆に言うと、利回りが安過ぎるということを一方でいいますが、逆にどうしても株の値上りを防ごうとしていろいろな策をとってみても、なかなか下らない。ほかの言葉で申しますと、利回りをもう少し上げようとしてもなかなか上らないという場合に、今度立場を変えて、金利の方が高過ぎるのじゃないか。つまり、金利の方を標準にすれば、株の利回りは安いけれども、しかし、株の方が、どういろいろやってみても、なかなかこれも実際の一つの経済界の理由があって、あらゆる方法をとっても下らぬものとすれば、あるいはこれの方が正常なのであって、金利の方が高過ぎるのじゃないか、こういう観察も可能ではないか。そうすれば、金利の方は下げようということが国の政策であるとすれば、株の方を値上りを防いで利回りをもう少しよくしようということにあまり努力しないで、むしろ金利の方を下げるように一つ考えてみたらどうか、こういうことですがね。これはどういうものかということです。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 先ほど理論的に申し上げましたので、また理論的に御追及になっておるのだと思いますが、だた、現実問題としまして、今の株価、これについて私どもとしてはほんとうはよくわからないのであります。そのことは、たとえば今のようなお話でありますれば、公定歩合の引き下げとかなんとか金利の引き下げが行われてきたわけであります。従来三回にわたりまして行われてきたわけであります。そういうことが、何と申しますか、やってみたところで株は上ることはない、金利が高過ぎて株の値段はちょうどいいくらいだというなら、金利を下げても株が上るということはないではないか、こういう現実問題になると思うのでありますが、今の現実の状態は、どちらかというと、金利が下ると株が上る、あるいは金利が下ることを見越して株が高値を続けるというふうなことがいわれておるわけであります。ここらのところは、これは理財局長の方から御答弁願った方がいいかと思いますが、われわれが見ておると、どうもそういう面がありそうである。それから、もう一つ、その原因は何だということになりますと、これも理財局長の方の分野に入るわけでありますが、私たちが見ていると、どうもそれが合理的であるかどうかは別問題といたしまして、株を買おうというところの資金量、これと株の絶対量というものがどうもつり合いがとれてないのじゃないか、そこに根本的な問題があるのじゃないだろうか、こういうふうな気がいたしておりまして、預金の金利の方をいじったからかえって株が下るというふうなことは、現実問題として今の状況では起ってこないのではないか。もう一つ、これも私わからない点でありますが、株の配当といいますか、株の値段は別問題といたしまして、配当率というものは相当高い。そういうことが、何と申しますか、配当が多いから特に預金よりも有利なんだというふうな感じが相当強く持たれておるのではないか。ですから、われわれの方といたしましては定期預金を欲しております。それには、株価の問題もありますが、配当の問題もやはりあるのではないか、こんなふうな感じがいたしております。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 これは一つ理財局長に伺います。株が高過ぎるというのでいろいろ大蔵省が措置をして、何べん措置してもちっとも効果がないというような実情のようでありますが、新聞などを見ますと、むしろどうも措置が手ぬるいというような社説まで出ておりますけれども、しかし、逆に下ってきたときに大蔵省は一体どういう措置をとるのか。これは、一部では、つまり上ってきたときにだけ措置をとって、下ってきたときは何も措置をとらない、だからそれは不公平だ、こういう声があるわけですが、あまり上り過ぎないように措置することが下り過ぎないようにする措置だ、こういうことを答弁するかもしれませんがね。しかし、そうすると、上り過ぎないためには、なるべく下り過ぎないように措置をするんだ、こういうことにもなりますが、どちらからでもよろしい。とにかく下り過ぎないように措置をするにはどうしたらよろしいか。循環論法じゃだめなんですよ。循環論法というか、一方の答えをほかの方で言って、こっちの方はこっちで答えるというんじゃね。お前の年は幾つだと言ったら、友だちのだれさんと同じ年だ、友だちの年はと言ったら、おれと同じ年だ、そういったのでは答えにならない。それはどうですか。

正示啓次郎大蔵事務官(理財局長)

○正示政府委員 まず最初に、大蔵省が株価につきましていろいろやってきた点についての御批評でございますが、これは、たびたび申し上げておりますように、私どもは株価自体を規制するというふうな考え方ではございません。どこまでも主眼といたしておりますのは、大衆の投資家を保護するという点でございます。株価自体をどうこうということばないのであります。  それで、一番の問題は、まず昨年の経過をずっとごらんいただきますと、十月ころから相当信用取引の量がふえて参っております。これを金融しております証券金融会社等のバランスを見ましても、だんだんこれがふえて参りましたので、これにつきまして所要の規制を加えたことは事実でございます。大体御承知のように四回にわたりまして規制を加えまして、今日では、この償還金利と申しますか、この割合が六割になっておりまして、そのほかにいわゆる有価証券の建値を引き下げたのでございますから、今日では有価証券を代用にいたしましての融資を受ける場合の負担というものは、九割二分三厘、相当高いところにきておることは御指摘の通りであります。これは、信用取引が非常にふえて参りますということは、結局株式市場の人気化といいますか、投機化といいますか、そういう面が出て参りますと、ほんとうの株価というものが経済の実勢から遊離して参りまして、いわば投機のための取引というような格好になってくることをわれわれは非常に警戒いたしたわけでございます。この面について所要の規制を加えたわけでございます。ところが、本年に入りまして、だんだんそういう信用取引の面は相当大きく後退をしておるのでございます。すなわち、現物といいますか、実物といいますか、そういうものを中心にした取引ということになって参りましたが、これがまたさらに一部の品薄株等におきまして若干投機的な傾向が見られるということになりましたので、これにつきましても、取引所が品薄株の取引について一種の規制を加えたということでございますが、これまた、株価自体というよりは、そういう証券の取引のあり方につきまして危険な面を注意して参る、こういう思想で一貫いたしておるわけであります。  そこで、今いろいろ御議論がございましたが、株価が上り過ぎればまた下り過ぎるというふうな点についてのお話も、いわば株価自体というよりは、それが非常に人気化しまして人気が行き過ぎますと反動がある。これに対する大蔵省なり取引所なりの管理の責任という問題が起ってくるかと思うのでありますが、われわれもその点について十分注意をいたすわけでございます。従いまして、今御指摘のように、急激な、いわば暴騰というふうな形があれば暴落が生ずるわけでございますから、これについてはわれわれとしても常に注意をいたしておるわけであります。そういうことがなくて、ほんとうに日本の経済の実勢、あるいは国際的に見ました経済の成長といいますか、そういうものを堅実に表現したような株式の量及びその価格の成長というものは、これは私は望ましいものであると思うのでありますが、それが実勢から遊離し、あるいは非常な急激な形をとって参りますと、その反動については十分注意をしなければならぬ、大体こういう考え方ではないかと思っておるわけであります。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 今度は銀行局長にお伺いしますが、銀行局の非常に重大な使命は、インフレとデフレを防いで、通貨価値の安定をはかるということであろうと思います。これは金融政策の根本的な要請であろうと思います。そこで、インフレもデフレも好ましくない、通貨価値を安定させる、こういうことは間違いありませんね。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 その通りに考えております。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 この問題は、かつての銀行局長にも私はお尋ねした点ですが、なお問題として残っておることを重ねて伺います。発券銀行、日本銀行の銀行券の発行に対しては法律上制限がある。これはこまかく申しますと今どういうふうになっておるのですか。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 日本銀行券の発行限度は一応六千五百億ということに相なっておりまして、それをこえまして、それが長期化するような場合、その場合におきましては、限外発行税というものをとりまして税金で調節する、こういう形に相なっておるわけでございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 そこで、その発券銀行の銀行券というものが通貨価値の安定に大きな影響を持つという考え方に立って、これに、一つのコントロールというか、制限を置いておるのだと思いますが、もう一つ、一般の預金銀行の発行する通貨といいますか、信用通貨ですね。これの膨張に対してどういう制限をするか。これは非常にむずかしい問題かと思いますが、しかし、中央銀行の銀行券と一般の市中銀行の信用通貨、小切手残と申しますか、これとは性質上からは同じ問題だと思います。ただ程度問題である。程度問題であって同じことになると思うのですが、一般の市中銀行の貨幣発行に対する一つの制限ですね、これはどういうふうな方法でやっておられるのですか。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 率直に申しまして、今のようなお話の点につきまして、現状がきわめて満足すべき状態ではないというふうにわれわれは考えております。およそ、中央銀行がありまして、その中央銀行が中央銀行らしい機能を営んで、そうしてインフレもデフレもないようにやっていくというためには、やはり中央銀行が適正な通貨量を供給するということであろうと思うのであります。過去の例は、それが満足であったかどうかというのは、ある部面ある段階におきましては問題視されるような段階があったろうと思います。ところが、御承知の通りに、例の神武景気のあと非常に景気がよくなった。そうして金融機関は資金が足りなくなった。そのしりを日本銀行に求めた。要するに日本銀行からの借り入れが非常にふえた。そういうような場合において、日本銀行はまずそういう貸し出しをもっと押えて、そうしてその面から金融統制をしっかりやるべきではなかったか、こういう段階があったと思うのであります。この点につきましては、御承知の通りに、現在はその貸し出しを回収するという段階にあるわけでございます。その段階におきまして、現実の問題は、その貸し出しの回収というのがインフレもデフレも起さない適度なものであるかどうか、ということが問題であろうというふうに思うわけでございます。  それから、第二の問題につきましては、日本銀行の直接操作に待たないところの、金融機関それ自身の、まあ日本銀行にしりを持っていかない形におけるところの信用の創造力をどういうふうにするか、こういう問題だろうと思うのでございます。前回山本先生からお話があったときのことも私思い出すのでございますが、この問題につきましては、預金準備制度というものがここに一つ新しく生まれてきていると思うのであります。これはまだ働いてはおりません。活動されてはおりませんけれども、ああいう制度があるということは、要するに、金融機関の貸し出しが先になって預金がたまるか、あるいは預金がたまってきて貸し出しをするか、なかなかむずかしいところだと思いますけれども、それが度が過ぎるというようなことが考えられる場合において、とにかく中央銀行に預金をしろということによって統制をしよう、こういう態勢が新しくできたのではないかというふうに考えておるわけでございます。現実の状況を申しますると、まだそれが発動するまでに至っておらない。しかしながら、新聞等でも御承知だと思いますけれども、日本銀行と銀行とが話し合いをいたしまして、まず今まで非常に少かったところの支払い準備的な預金を徐々ではありながらふやそうではないか、こういうことを現実にやりつつあるという段階でございます。これについても、その度合いが強いか弱いかということはいろいろ議論のあるところでもございましょうし、またそのやり方も必ずしも一律的にやることがいいとも限りません。しかしそういうふうなことも現実に行われつつあるわけでございます。これも、先ほど申しました日本銀行の貸し出しが残っておるときにそういうことをやるのは矛盾ではないか、まず日本銀行の貸し出しがなくなって、それからあとに考えるべきだという考え方もあろうかと思います。しかしながら、物事を分けて考え、いろいろ複雑なことがあるんだということになりますると、われわれとしては日本銀行のオーバー・ローンが解消される反面、いわゆる預金準備制度というものが発動することの基盤を作るといいますか、そういうことも必要ではないだろうか、これは、金融機関の日本銀行に対する預金がゼロの場合に、預金準備制度が発動して何が悪いかという議論があろうと思います。しかしながら、やはりある程度の支払い準備を持っておりながら、その上にそれを動かすということの方がむしろ正当ではないだろうか、こういう工合に考えまして、そういうふうなことも進めていくべき段階であろうかと思ったわけです。あとに残りますところの問題としましては、公開市場操作の問題があると思いますが、これもだんだんと工夫をしていくべきだろうと思うのであります。われわれといたしましては、過去の状況というのは、要するに日本銀行の貸し出し政策だけでその金融にマッチするといいますか、そういう段階から、だんだん実情を勘案しながらいろいろな武器を備える、それを適宜に操作していく、こういう段階に進むべきではないか、そういうことを、金融正常化という名前において、それ一つ一つをとれば、それぞれ矛盾でありますけれども、どれに偏重するというのではなくて、だんだんバランスのとれた形に参りたい、形に持ってかように考えておる次第でございます。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員長 ちょっと小委員長から関連してお尋ねしますが、大蔵大臣として日銀の信用供与あるいは通貨発行に制限を加える方法としては、通貨の発行保証がありますね。その発行保証に、今四千五百億はいわゆる商業手形などを発行保証にすることができますね。これは大蔵大臣の権限でできるんだから、この面で政府がもう少し積極的に日銀の政策に関与できるんじゃないでしょうか。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 まあ、御承知の通りに、日本銀行の発券高を規制する方法として、私は二つあると思うのであります。一つは、発行の最高限度を押えまして、それ以上はもう絶対に出してはいけないという方法と、発行するのはよろしい、しかしながら、その中身の点、いわゆる発行の準備になるものを制限するということでやる。こういうように二つあると思うのであります。  前段の問題は多少触れたわけでございますが、あとの方の問題につきましては、これは、御承知の通りに、金とかあるいは外貨資産、外国為替、外貨預金というふうなものを担保として出す限りにおきましては、これは健全であるということで、一応考え方によりまして、その点におけるところの発行の制限はないわけであります。あとは商業手形と国債というふうな問題、あるいは並手形というものに相なるかと思います。今までは、どちらかと申しますと、年度によりまして違いがあるのでありますけれども、先ほど来申しました日本銀行の貸し出しが非常にふえたという段階におきましては、国債その他のものよりも、要するに並手形とかあるいは商業手形というふうなものの比率が多くなった、こういうふうな段階があったわけでありますが、現状におきましてはむしろだんだんと日本銀行に対する借金が減ってくる、減ってきたけれども、それではそれだけ通貨の発行量を減らしてよろしいのかということになりますと、通貨の発行量というものは現実の経済の必要で動いているわけでありますから、これはやはり維持しなければならないということになると、どうかと言いますと、これからは国庫の支払いがふえるということと見合ってくるわけでありまして、やはり国債の比率がふえてくる、こういう段階でないだろうかというふうに思っておるわけであります。今のお話のような点から申しまして、何と申しますか、物件の方から規制するというやり方はもちろんあるわけでありますが、これは、どちらかといいますと、自動的な調節にまかせるという面が強いときにはそれが強く働くわけだと思いますけれども、だんだん経済界が複雑になって参りまして、ある発券高というものが適正であるか適正でないかといういろいろな要素から考えなければならぬ場合におきまして、保証物件だけで制限をし調整をするということは、必ずしも実情に即しない面があるのではないか、かように考えておる次第でございます。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員長 そこで、今の日銀券の発行保証の中の四千五百億が商業手形を保証にして発行できる。それは、おそらく、いわゆる二、三年前の非常な設備投資のブームのときの、日本銀行の貸付金がうんとふえたときの保証だから、もうここらで限度を少し大蔵大臣として減らすべきじゃないか、こういうように思うのですが、今そういう御検討はしておられませんか。これは予算委員会でもちょっと問題になったでしょう。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 今の数字の点につきましては、私今ここに資料を持ってきておりませんので、具体的に数字で申し上げると間違いがあるかもしれませんから、この点は留保させていただきたいと考えます。昨年の十一月であったかと思うのでございますが、保証物件の中身を変えました。そしてやはり、大体の大勢からいいまして、商業手形だとか、それから並手形だとか、そういうふうなものよりも国債の方に重点を置くように変えた次第でございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 この手形を使う者はだんだんふえていますか、減っていますか。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 これは、御承知の通り、現在の状況から申しますと、ああいうふうに日本銀行の貸し出しがふえましたときに、要するに保証物件がどうなったかということを、これは逆に日本銀行の側からでなく、金融機関の方から申しますと、借金をするときに何を担保に持ってきたか、こういうことになるのだろうと思うのでございます。これはあのときに非常に急激に参りましたので、いわゆる商業手形でない普通一般の手形と申しますか、並手形がふえてくる、こういう形をとってきたわけであります。現状はむしろ貸し出しが減るという形が出ておりますから、従って並手形が減っていく、こういう形になっておるというように御了承願いたいと思います。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 今、銀行局長から、日本銀行の銀行券の発行に対する一つの行き過ぎを押える意味のほかに、市中銀行自身が出す通貨の発行、銀行券ではありませんけれども、手形の形で信用通貨の発行を行き過ぎないように押えるという考え方は非常にけっこうだ。ことに今のような時期は十分研究しておくには非常に都合のいい時期ではないかと思う。いよいよ当面してから研究するというのでは時期がおくれますから、こういう時代に十分研究しておいてもらいたいと思う。  それで、それに関連して申し上げるのですけれども、よく預金の範囲内で貸し付けるということを申しますが、しかし、支払い準備を置けば預金の範囲内で貸し付けるのだ、こう解釈することは私は間違いだという考えを持っている。それで、かつても実は申し上げたことがあるのですけれども、なるほど中央銀行から金が出ておる。最初はその中央銀行から出た銀行券というものが預金の土台になるということは、争いの余地がない。ですから、中央銀行の出す金が多いか少いかということが一般市中銀行の貸し出しが適当かどうかということと深い関連を持つことは事実です。しかし、預金の中からかりに支払い準備一割なら一割、二割なら二割というものを準備金として残して、そしてあとの九割とか八割とかを貸し出す、こういうことにすれば、預金の範囲内で貸し出したのだというふうにちょっと考えられやすいと思うのです。預金が十あったうちで八貸したのだから、預金の範囲内で貸し出したのだ、こういうことになると思うのですが、それは一つの銀行について見ればそういうことになる。一つ一つの銀行について見れば、その銀行に預けた十の預かり金の中から——貸し越しなどというものはいかぬとして、たとえば十分の二を支払い準備にさしておく、そして十分の八を貸し出す、だから十のうち八貸したのだから預金の範囲内で貸した、こういうことになるのですが、それは一つ一つの銀行の立場でそうなるのであって、銀行全部一緒にして考えた場合には、その場合といえども預金以上に貸し出したことになるということで、私はこれは頭にはっきり置いて支払い準備のことを考えてもらわなければいかぬと思う。私の質問の意味は、おわかりになりますか。これはこういうことなんですよ。甲の銀行にかりに預金が十あった。そしてその甲の銀行が二だけを準備にしておいて十分の八を貸し出した。その甲の銀行は確かに預金の範囲内で貸し出したということになる。ところが、今度は乙の銀行の場合にはどういうことになるかというと、乙の銀行の預金の中には、日本銀行で出した銀行券も入っておるが、甲の銀行で出した手形も入っているということになる。そしてその手形の預金かあるいは日本銀行で出した銀行券の預金かということの間には区別はない。そこでその乙の銀行からまた今度は丙の銀行にいきますと、さらに甲の銀行、乙の銀行で出した手形がまた預金として入ってくる。もちろん日本銀行が出した金も入ってくる。その日本銀行から出した金か手形で出した預金かということの間には区別はない。こういうことになるもんですから、かりに十分の八を貸し出すということになると、最初は十分の八、極端なティピカルな例をとって考えてみますと、その十分の八のさらに十分の八を次の銀行が貸し出す、その次の銀行はそれに対してさらに十分の八をかけたものを貸し出す、もう一つは、十分の八かける十分の八かける十分の八、さらに十分の八をかけたものを貸し出す、こういうふうにしてこれを合計いたしますと、最初の十よりもはるかに大きくなる。つまり、それは日本銀行でなしに、市中銀行が出した信用通貨というものがそこに加わっていくからであります。これが今日の信用組織の中において見のがしてはならない問題である。日本銀行の出す銀行券だけをコントロールするということだけを考えては、足りない点だと思うんですよ。だから、手形利用というものは非常に便利なものですけれども、これが日本においてもアメリカのようにはならぬにしても、傾向としてだんだんとそういうふうに向いていくといたしますと、私が言ったような市中銀行の信用通貨の発行量というものはますますふえていく。この点があるものですから、この事実をまず承認されるかどうか。

石田正大蔵事務官(銀行局長)

○石田政府委員 委員長のお尋ねの数字ですが、先ほどちょっとわからないと申し上げましたが、入りましたので申し上げますが、三十二年の十二月に保証準備は全体として九千五百億でございました。そのうち、対民間でございますから、商業手形とか並手形というふうなものは六千三百億になっておりまして、それから対政府、これは国債が主でございますが、それが三千二百億ということに相なっておったわけでありまして、それを、昨年の十一月に、トータルといたしましては、だんだん銀行券がふえますから九千八百億といたしましたが、その内訳といたしまして、先ほどお話のありました四千五百億を対民間、それから五千三百億を対政府というふうにいたしわけでございます。四千五百億も今後の事情によりましてはさらに減るというふうに考えている次第でございます。  それから、山本委員がお話しになりました点は、通貨金融政策の点からのお話でございますが、実は私たちも、その点、通貨金融政策という面ばかりでなく、銀行のしつけといいますか、姿勢といいますか、そういう点も考えなければいけないというふうに思っているわけでございます。今のお話の、従来は手形、小切手というものをほんとうの預金と同じような工合に扱っておったわけでございます。これを、昨年のたしか初めだろうと思いますけれども、私たち銀行に言いまして、まず第一の段階といたしまして、預金の中で手形、小切手が何ぼあるかということを毎月出せというふうに、勘定科目の整理をいたしました。そして、その勘定科目の整理をいたしました後において、これが戦前と比べてあまりにも高率であるというので、まずこれを逓減式に引き下げるという工作を現在実施いたしておるのであります。これは五%がいいか一〇%がいいか、いろいろ議論があるところでございますけれども、いずれにせよ一〇%をこえるというようなことのないところまで持っていきたい。その当時私たちが調べましたときでは二〇%をこえておりました。これをまず引き下げようではないかということで、この工作を現在続けておるわけでございます。この点実は私たちは表向きは通貨金融政策ということで銀行には言っておりません。しつけをよくしなさいということでやっておりますが、こういうことをいたしますということは、先ほど来お話がありました本格的な通貨信用政策というものを考えるときのスターティング・ポイントとして必要ではないだろうか、かように考えておるわけでございます。残念ながら、まだその理想的なところまで現在きているとは思いませんけれども、逐次その方向に持ってきているというのが実情でございます。  それから、そういうふうな形のみならず、われわれといたしましては、いわゆる預貸率八〇%という例をおあげになりましたが、この八〇%の預貸率をわれわれが見ていく上におきまして、今申しました手形、小切手を除いたところのほんとうの意味の預金ですね。これを基礎として見るのだ、こういうことを言っておるわけでございます。  それから、なおついでに、われわれの考え方をもう一つ補足させていただきたいと思うのでありますが、手形、小切手の問題が片づいただけで、われわれは信用造出の問題がよくなったとは実は思っておらぬのであります。これから先、ほんとうにそういう分野に入っていくのだろうと私は思っておるのです。例をあげて申し上げますならば、まず貸し出しをして預金をさせる両建とか歩積みという問題がございますが、そういうふうなことも、ほんとうの預金の実態というものを現わしておらぬかもしれないということを考えまして、われわれの方といたしましては、銀行に対しまして、要するに手形、小切手を攻められたから、今度は実質的な形で操作をするということであっては何にもならないから、その点は大いに自戒してほしい、こういうことをまず一般論といたしまして注意を喚起いたしました。のみならず、銀行検査の場合におきまして、要するに銀行の経理的な健全性というものを考えるばかりでなく、そういうふうなものにつきましても、これを指摘いたしまして具体的に是正させる、こういうふうなことも努力いたしておる次第でございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 非常に堅実な方向をたどっておられて、私はけっこうだと思いますが、そういう点を十分一つ——銀行というものは、言うまでもないけれども、普通の企業とは違う。普通の企業ならなるべく物をたくさん作ればいいのです。日本銀行にしてもあまり札をたくさん作っては困るし、また普通銀行にしても信用通貨をたくさん出すということは好ましくないことで、普通の生産企業とは全く意味が違う。そういう意味で、日本銀行の銀行券の制限についてはこれはもうだれもすぐ気がつくものですから、おそらく異論がないだろうと思います。これは特別に、いわゆるバンキング・スクールといいますか、そういう学説の人は、日本銀行の通貨に制限を加えるのはいかぬ、必要があれば出るのだし、必要がなければ返ってくるのであって、決して制限しなくったって行き過ぎることはないのだ、行き過ぎれば必ず返ってくる、足らなければ別の形で補うものが出てくるのたから、ほうっておいたらいいという説もあるでしょう。しかし、そういうことは間違いでもあるし、今日の日本でもこれに制限を加えておるのですが、ただ、ややもすれば無視されてくるものは、普通銀行における信用通貨というものが忘れられる。ですから、かつてイギリスで非常にやかましく問題になったカレンシー・スクールとバンキング・スクールの争いがありました場合にも、カレンシ—・スクール、バンキング・スクールの議論の中にも、普通銀行における信用通貨の膨張に対してこれをどうするかという問題は、これまで社会的にほとんど議論されていなかったのじゃないか。ですから、ちょっと先例を求めてもあまりないのじゃないかと思うのです。ところがそれは非常に重大だと私は思う。  そこで、次に伺いますが、普通の銀行業務をやっておるところで貸し越しということはないですか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 貸し出しの形態といたしまして当座貸し越しの制度がございます。そういたしまして、ただ、外国の例と違いまして、わが国においては絶対額が非常に少いということでございますから、制度としてはございましても、実際には一部であります。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 貸し越しというのは相当にありますか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 日本の現にやっております慣行からいたしましては、そう大きな数字ではございません。ただ制度としては、まれにあります。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 かりにその支払い準備を置かせるといたしましても、預金の中で一定量を支払い準備に置かせるということから、逆に貸し出しを先にやって、そして預金させて、その中で一定量を準備に充てさせる。これは両方からできるわけですね。まず預金があって、たとえば十の預金の中で、かりに一割を準備に置かせて十分の九を貸し出すという場合と、そうではなくて、まず十を貸しておいてそれを当座預金に預金させて、そのうちの一定量を準備金に充てる。これまで、あとで言ったような意味での取引をしておって、そしてある時期にたまたま貸し越しをしたというのではなくて、まず貸しておいて、それから準備を置かせるというのはありますか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 一般の銀行業務の形態といたしまして、たとえば一億貸してほしいという場合に、一億貸し出しを起します。そういたしまして、借りた方がすぐに、かりに設備を作る場合に即日金が要るわけでもございませんので、それが当座預金として歩どまっておる、こういうことはございますので、仰せの通り貸し出しが先行いたしまして、預金がその結果としてできるということは通常あり得る姿でございます。ただ、支払い準備の観点から考えますと、やはりその当座預金ができるといたしましても、いつ引き出しの要求があるかもわからない。従って、銀行といたしましてはそれに対する現金の準備が常に要るわけでございます。従いまして、かりに銀行業務を白紙で出発いたしましたと考えまして、一億の貸し出しをそこで起して、そしてそれに見合う預金を置くというのでは、実際の準備が一文もない、こういうことでございますので、帳簿上の預金と貸し出しとが両立しておる、こういう銀行業務は正常な形においては行われない。従いまして、その一億の貸し出しが行われる前提といたしましては、その当座預金の引き出しに応じ得るだけの現金準備があることが必要であるわけでございます。その現金準備が一体どのくらいの割合であったらいいかという問題が、これはその国々の金融慣行としてございます。一般に、アメリカ、イギリスあたりではそれを一〇%程度に踏んで、いろいろな理論構成をやっておるというのが実態でございます。かりに一〇%の準備が要るといたしますと、十億の預金があれば九億までしか貸し出しができない。山本委員のお話では、九億の貸し出しはどこにいくか、こういうことだと思いますが、それが今度Aの銀行から出たといたしまして、Bの銀行の預金になると思います。そういたしますと、その銀行といたしましては、預金のうちでまた九〇%までが貸し出しに使われる。で、ぐるぐる金融界全体を回りまして、結局合計いたしますと、全体としては、やはり預金に対して貸し出しが十分の九の範囲内で起る、こういう格好になるわけでありまして、個々の案件におきましては、貸し出しが先行して、そのあとで預金ができるという現象はありましても、金融界全般の姿といたしましては、そこにおのずからなる比率が保たれる、こういうことであろうと思います。ただ、例外として、日本銀行の信用というものがそのうしろにあるといたしますと、手元の支払い準備に対しては、日本銀行から借り入れて充実するということはございますので、本源的な預金のほかに、日本銀行の信用をバツクにしたまた信用の膨張が起る、そこで経済の変動にいろいろな問題を生ずる、こういうことになろうと思いますので、日本銀行の信用というものをバツクにしないで、本来の預金から出発して物事を考えますと、やはりおのずからそこに限度があり得るだろう、こういうふうに考える次第でございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 日本銀行の銀行券の発行高と、それから市中銀行の貸出額との比率は、どのくらいになっておりますか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 そのときどきの情勢によって異なるわけでございまして、日本銀行券の数量は、先ほど局長からも申し上げましたように、一つは対政府信用によって起る、一つは対民間信用によって起る、一つは金その他の外貨資産によって起る、こういうことだろうと思います。そのときどきの情勢によりまして、日本銀行の貸し出しが一銭もなくて、しかも日銀券が出る、こういう姿もあるわけでございまして、これは戦前には日本におきましてもあった姿でございます。現在日本銀行貸し出しは約四千億でございます。それに対して日銀券が七千億ということでございますので、現状におきましては四千億と七千億という比率はございますけれども、これは決して理論的にあるべき姿を示しておるのではなくて、今の金融権勢といたしまして三十二年度に六千億もオーバー・ローンを生じたその跡始末として、逐次減っていっておるという姿を今の段階として示しておるわけでございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 日本銀行の貸し出しと銀行券の発行高というのではなくて、日本銀行から出した銀行券というものは、これが各銀行における一定の支払い準備としてなければならぬ。だから、一般の市中銀行の貸出総額と、それから日本銀行券の発行高とはどういう関係になっておるか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 これは計数的には直接関連はございません。市中に出ました日本銀行券は、たとえば政府に対する信用供与から出発いたしたといたしますと、それは政府からの支払いに充てられて民間に回流するわけでございまして、これは直接金融機関には関係のない金として、現金として流通するわけでございます。そのうち一部が銀行預金として還流するわけでございます。で、還流いたしました金がまた貸し出しに充てられる、こういうことでございますので、一般に慣習的に、その国のある段階におきまして現金取引の割合がどの程度になっておるのか、信用取引と現金取引の割合をどう考えるか、あるいは現金退蔵の習慣というものがどのくらいあるのが、そういうようなものに一つは関連がある。一つは、金融機関に還流いたしました日本銀行券が支払い準備のためにどのくらい留保されて、どのくらい貸し出しに充てられるか、こういうことにも関連がある。そういう意味におきまして、国民の生活の慣行、それから信用取引か現金取引かという慣行、それから金融機関の貸し出しの慣行、そういうようなものに一切関連いたしまして一定の数字が出てくる、こういうことでございますので、日銀券と市中銀行の貸し出し、こういうものには直接の関連はない、こういうように考えるわけでございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 日銀券とそれから普通銀行の貸し出しというのは直接の関係はないのですかね。普通銀行の貸し出しというのは、少くとも現金で、預金というものが基礎になって、そうして貸し出す。貸し出しだけが日本銀行から出した現金というものとは関係なしに貸し出されるのですか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 日本銀行券は、先ほど申し上げましたように、必ずしも全部金融機関に還流するものではなくして、一般の金融機関外で動いておる分がございますから、それを除いたものが初めて金融機関の資金として動く。そういう意味におきまして、必ずしも日本銀行券と市中銀行の貸し出しというものには関連が生じないわけでございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 これは、日本銀行から出た金がことごとく預金になるわけでないことは明らかでありますけれども、しかし、銀行が貸し出すという場合に、銀行が全部無制限に自分で貸し出しの信用通貨を創造するというのじゃなしに、やはり現金というものもそこに関連を持たしておかぬと、非常に私は危険を生ずると思うのですよ。現在だってやはり関連がある。しかし、どの程度の関連がそこについておるかということを私は聞きたいので、そこで普通銀行の貸出総額と、それから日本銀行から出た金が全部もちろん銀行に入るわけではないけれども、そのうちの一部は入って預金となって、そうしてその預金の一部分を貸す、もちろん貸し出しは先ほど私が言ったように手形で貸すから、創造した部分はありますが、それは貸出総額が日本銀行の出しておる金に比べて非常に多いということになれば——日本銀行が出した金の一部分だけが銀行の準備になっておるのに、貸出総額が非常に多いということになれば、準備預金は非常に少いということになる。だから、普通銀行の貸出総額というものと日本銀行が出しておる銀行券との割合はどれくらいになっておるか。正比例の関係があるわけじゃないでしょう。しかし無関係だということは言えないだろうと思う。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 ただ、具体的な比率がないということでございますから、もちろん、先ほど申し上げましたように、民間に滞留する以外のものは市中金融機関に入ってくる。それが支払い準備になりまして、その割合を一〇%見るかあるいは二〇%見るかといういろいろな慣行は違うといたしましても、その残りがまた貸し出しに回る、こういうことでございますので、そういう意味においての関連はあるわけでございます。しかし、それは絶対量として不確定要素の市中に滞留する分でございますので、日本銀行券として出た今の七千億というものと市中の貸し出しとはどのくらいの比率になるかということになりますと、結果的にはございます。現在数字としておよそ六兆億円の貸し出しがあるわけでございますから、日本銀行券七千億、市中の貸し出し六兆億、こういう数字はございますれども、その間に一体方程式のような何らか直接の関係があるかということになりますと、そのときの状況に応じましてやはり違う、こういうように考えておるわけでございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 非常にくどいようですが、七千億の銀行券が出ておって六兆億の貸し出しがある。七千億の中でどのくらいが銀行をくぐらないでおるか、銀行をくぐるのはどれくらいか、それはわかりますか。存外、現金として、支払い準備として、日本銀行券の中で銀行にとどまっておる数量というものは少いのじゃないかと思いますが、わかりますか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 本年一月の実数がございますから申し上げますと、全国銀行勘定におきまして、いわゆる現金勘定といたして経理いたしておりますものが、九千六百十六億でございます。しかし、この中には、先ほど局長の申し上げました小切手、手形というのが入っております。その小切手、手形が八千七百九十五億ございます。そういたしますと、その差が八百億くらいという数字になるかと思います。これがほんとうの意味の現金通貨でございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 八百億の現金通貨で六兆の貸し出し、こういうことになるわけですか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 その通りでございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 その点はそれくらいで、あまり深く突っ込んで聞きませんが、そのくらいの支払い準備というものを一つ積極的に進めて、そして日本銀行への支払いがかりに済まなくても、各銀行が——これは銀行というのは本来、申し上げるまでもないが、取付を食ったら全部つぶれるということは銀行の本質ですね。これは世界の銀行全部そうです。信用取引であって、預金に対して準備が何パーセントにいたしましても、預金以上の貸し出しをするというところに経営が成り立っているのですから、これは取付を食ったらことごとくつぶれることは明らかであります。しかし、そういうことは正常状態においてはないことでありますが、世界にはたびたびそういう現象も起った。たとえば、一九三一年のドイツでは、どの銀行も全部取付が起きた、そういうこともあり得るのでありますが、そんな極端な場合はもちろんこれは例外でありましょうし、あってはならぬことですが、しかし、私は、やはり預金者の保護ということを重視し、ことに経済界の安定ということを考える場合に、銀行の本質というものは取付を食ったら全部つぶれるのですから、支払い準備というものを何パーセントにするかは別にして、やはり早くそういう準備をする必要があると思う。     〔小委員長退席、小山小委員長代理着席〕  もう一つちょっと聞いておきたいのは、銀行がほかの産業と深い関係を持っておる場合、これは産業と銀行というものは融資関係で深い関係を持ちますが、その特殊の産業を銀行自身が自分で経営しておるのじゃないけれども、ほとんど不可分の関係でやっておる、その産業が非常な打撃を受けた場合に、銀行経営そのものに波及するというような点は、どういうふうにして対策を考えておられるか。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 最初の問題でございますが、現金が非常に少いということをもって今の預金の支払いに事欠くかという問題でございますけれども、これは若干ほかの要素がございますので、あわせて考える必要があると思います。それは、預金の支払い準備といたしましては、たとえば小切手、手形というようなものを特に粉飾的に銀行が持つということは、厳に戒めておりますし、減らすようにしておりますけれども、普通の取引の常則といたしましては、本日入りました手形は翌日の手形交換に回るわけでございまして、すぐに現金化し得る状態になっておるわけでございます。それから、そのほかに日本銀行預け金というのようなものもございます。これを次第にふやすという指導方針であるわけでございますけれども、これもかりに預金の引き出しがありました場合には、直ちに引き出してその支払いに充て得るものでございます。その他支払い準備といたしましてコールも出てございますので、これもかりに無条件ものでございましたならば、前日の予告をもって翌日はすぐ出せるというような、銀行経営的に見ますれば、そういう意味の支払い準備は相当厚いわけでございます。現金が少いことをもって、すぐに非常に不健全だ、預金の引き出しにも応じ得ないのではないかというような御疑念を抱かれたといたしますれば、その点は誤解のないように御了承願いたいと思います。  それから、第二の、銀行が一般の企業に深入りし過ぎまして、かりにその企業が軒並みに悪くなった場合に倒れてしまうじゃないか、こういうお話でございます。もちろん、従来のアメリカのパニックの例あるいはドイツのパニックの例からいたしましても、その点がやはり根本的な欠陥であるということがいわれておるわけでございまして、現在におきましても銀行経営の根本理念はやはりその点にあると思います。そういう意味におきまして、従来から銀行が特定の企業に深入りするということは絶対にいけないのだという指導方針をとっておるわけでございまして、いわゆる大口貸し出しの規制という問題だと思いますが、原則といたしましては、自己資本の十分の一以上の貸し出しはやってもらっちゃ困るということを、行政指導といたしましても、あるいは銀行検査に際しましても、特にやかましく一件万々調べ、これを差し控えるよう、こう言っておるわけでございます。ただ、現状におきましては何分オーバー・ローンの状態でございまして、これは株式会社の自己資本の充実というような問題にも関連があると思いますけれども、なかなか理想的な形態にはいかない。従いまして、これは逐次直していくべきものだと思いますけれども、指導理念といたしましてははっきりいたしまして、特に深入りしないように、資産の流動性を保つようにということを根本方針として、指導いたしておるわけでございます。

山本勝市自由民主党

○山本(勝)小委員 今おっしゃったように、銀行経営の立場から見ますと、確かに必ずしも現金でなくてもいい。その通りだと思いますが、私が一番最初に申しました金融政策としてインフレ及びデフレを押えて通貨価値の安定というものを考える上からいえば、どうしても日本銀行の出しておる金それ自身も、経済界の全体の状況から一定の制限を、数量を考えなければならぬと同じように、銀行が出す信用の創造、これが性質的にはやはり同じ作用をするものでありますから、それをいかにしてコントロールすかとるいうことが重大問題であります。そういう観点から見ますと、個々の銀行としては問題ではないし、またいよいよの場合には、国でインフレをおそれないでどんどん金を出して救うこともできますけれども、しかし、通貨価値の安定という点からいえば、やはり銀行券の数量と、つまり発券銀行の出す通貨、それから一般銀行が創造する通貨、このあとの方に特に私は注意をしてほしい、こういう意味で申し上げたわけであります。  私の質問はその程度で終ります。だいぶ長く時間を使いまして……。

小山長規自由民主党

○小山小委員長代理 奧村又十郎君。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 私は、いろいろ質問がありますが、この機会に、減税貯蓄のことについて、これは銀行局と理財局一緒にお伺いいたします。  この間の大蔵本委員会で、春日一幸君の質問で、減税貯蓄の制度に適合する証券会社として中外証券を大蔵大臣が認可した、認可して半年もたたずにああいうことになったということで、理財局長もだいぶお困りになった模様ですが、実は私も、御承知の通り減税貯蓄という制度そのものに私個人としては非常な反対をしてきたのです。これは局長御承知の通りです。あの法律が通過する直前に、これは理財局長にもこの委員会で申し上げたのですが、大蔵省がほんとうに太鼓判を押して預金者に安心して勧められる金融機関あるいは証券会社というものは、そんなに大蔵省が太鼓判を押せるものじゃなかろうから、そんなことをやったら将来において大蔵省もお困りになろうということで、いろいろな角度から減税貯蓄に反対したにかかわらず、政府は強行した、こういうことです。ところが中外証券なんかのことで政府も現実にお困りになったが、しかし、ことしの予算書を見ますと、減税貯蓄によるいわゆる減税額の予算書の見積りは、総額で約七億円くらいになっておるんですね。そうしますと、昨年度の当初の計画は、あの減税貯蓄で年間約千七百億の貯蓄を進めよう、それには、そのための減税額が約六、七十億という見積りをなさったのです。ところが、ことしの予算書を見ると、なんとまあ減税額が約七億、去年の十分の一の減税額を見積っておられる。そうすると、それによるところの貯蓄は幾らになりますか。一割ですから、約百七十億くらいしか見込んでおらない。これは一体どういうわけか。私にとってみれば、ここで一言なかるべからずというところなんです。と申しますのは、ほんとうの減税の恩恵を受けるのは、この三月十五日の確定申告のときに減税の恩恵を受けるのですから、その確定申告の結果も待たずに、去年の予算の一割に減税額を見積るということは、政府みずからもうあの法律をほんとうに実行しようという意欲を頭から失っておられるのです。これは、政府が勧めておるが国民大衆があまり乗り気でないのか、あるいは金融機関や証券会社が乗り気でないのか、一体どうですか。そんなに乗り気でなければ、もうやめてもいいが、これは金融機関も証券も両方ですが、理財局長及び銀行局長から、ことしの予算が一割に減ったという事情について、ちょっと御答弁をお願いいたします。

大月高大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○大月説明員 減税預金は昨年四月から実行いたしたわけでございまするが、ただいまもお話がございましたように、実績があまりよくないということでございます。これは今度の確定申告を待つということじゃなしに、非常に関心を持っておりました関係上、毎月実績を報告いたさせまして、その報告の結果によりますと、当初千七百八十三億の達成を見込んでおりましたのが、四月から十二月までにおきまして百九億五千万という実績が出ておるわけであります。当初の見込みに対しまして六・一四%という非常に率が低いということでございますので、これを今後本年の十二月まで継続いたしましても、そう多くは望めないのではないか、こういう過去の実績を見て予測を立てた次第でございます。そのうちにおきましても、比較的やはり長期の投資の形態におきましては成績がいいわけでございます。もちろん全体として悪いわけでございますから、相対的な問題でございますが、信託が一二・八二%という数字でございます。それから、これは理財局長からあるいはお話があるかと思いますけれども、証券投資信託が一五%幾ら、それから株式が四二%幾ら、こういう数字が出ております。その他は一〇%を割っておる、こういう数字でございます。それで、金融関係のこれらの減税貯蓄がどうして大きく伸びないのだろうという問題でございますが、当時御説明にもあったかと思うのでございますが、この減税貯蓄を一つのてこといたしまして貯蓄に対する関心を呼びたい、いわば呼び水といたしたい、こういうようなことであったわけでございます。必ずしもこの絶対額をもってこの制度の功罪を論ずるというつもりはなかったわけでございまして、現に、貯蓄全体の実績から申しますと、本年度の貯蓄目標が一兆三千億になっておることは御承知の通りでございますが、三十三年度全般を通じまして貯蓄の実積自体は一兆五千億をこすであろう、こういうように見られておるわけでございます。そういう意味におきまして、減税預金自体の計数はそう伸びない。極端に申しますれば、非常に成績が悪いと申されるわけでございますけれども、これが一つのやはり貯蓄に対する関心を呼びまして、全体としての貯蓄——もちろんほかにも原因があったわけでございますけれども、そういう問題に対してはやはり大きな貢献をしておるのではなかろうか、こういうように感ずるわけであります。特に投資信託あるいは株式、こういうようなものの割合が非常に多いということはわれわれ銀行局という立場でものを見ておりましても、自己資本の充実とオーバー・ローンの解消ということはたての両面でございまして、やはりいいことだと考えております。そういう意味におきまして、やはり相当質的な大きな貢献はしておるのではなかろうか。ただ実数から申しまして三十四年度はどうかというようなことになりますと、仰せのようにそう多くは望めない、こういう実態だと思います。

正示啓次郎大蔵事務官(理財局長)

○正示政府委員 今大月さんから全般のお話がありました。特に減税月掛投資の証券行政の面について申し上げますが、先ほどお話しの点は、先般の中外証券に関連をいたしまして、証券会社が減税貯蓄を実行いたします場合には、証券取引法の六十六条によりまして、営業証明、割賦販売の証明を受ける。こういう承認を受けておるということを、認可という表現をされたわけであります。  まず第一に明らかにいたしたいことは、私どもは、先般の春日委員の御質問にもお答えいたしましたように、証券会社に対しましては不断の検査、それから今回この割賦販売をいたす場合の一応の書面審査ということによりまして、もとより問題のあるところは留保いたしたわけでありますが、できる限り法律の施行時期に間に合せるように、表向き問題のなかったようなところから承認をいたす。これが、不幸にして、中外証券という一つの会社につきましては、隠された裏経理がありまして、それが承認を与えて日なお浅い期間に破綻を来たした、こういうことは非常に不幸なことであったと思います。現在の百十三社につきまして、この承認を与えたものがなおやっておるわけであります。これらについては、証券業者のうちでも特に注意を要するものといたしまして、われわれは厳重に監視をいたしておることはもとよりであります。なお、中外証券につきましても、特別の経理をいたさせまして、減税貯蓄の契約者の方には御損をかけないようにいたしておることは、先般も申し上げた通りであります。  今大月君のお話にもありましたように、比較的証券関係の減税貯蓄は伸びておるのであります。当初の計画に比べますれば思ったほどでもございませんが、ほかのものに比べると比較的伸びておるのです。これはやはり私は今後の大衆投資の一つの方向を示唆しておるのじゃないかと思います。先ほど山本委員からの御質問にもございましたが、やはり今後の投資態度といいますか、一般の投資の機運は、非常に堅実に、安全な、しかも直接投資——もし直接投資にいきなりいかないにしましても、投資信託というふうな、やはり株券を主にした投資というようなことにだんだんと大衆の関心が高まってきておる事実があるわけでありますから、それがまた減税月掛投資に反映しておるというふうにも見られるわけでございますから、われわれといたしましても、どこまでも、先ほど申し上げましたように、証券行政の基本のあり方としましては、大衆投資家の保護を中心にして、今後一そう証券業者、それから証券界全般の正しいあり方、これについて常に注意をして参らなければならぬ、こういうふうに考えております。

奧村又十郎自由民主党

○奧村小委員 まあ減税貯蓄のできてしもうたことの、いわばしりぬぐいの御答弁ですから、一応そういうお言葉でやむを得ぬかと思いますが、私はもし一萬田さんが今現に大蔵大臣でおられるなら、この国会でただでは済まさぬつもりでおった。もうおやめになった人を今さら言うても仕方がないが、気持から言うと、私は黙っておるのに、むしろ社会党の春日君からこうぎゅうぎゅうやられるというと、与党の私としては実際それ見たことか、そんなことは初めからわかっておるものをという気持がしてならぬ。それはなるほど今正示政府委員から減税貯蓄の分だけは損はかけておらぬと言いますけれども、それは議論をしようと思うと、それでは逃げるわけにはいかぬと私は思う。つまり、その証券会社に月掛投資をなさい、そうせられれば、全然別の所得税を三%減税してあげますぞという政府の約束というものは、まずもってこれは特別に堅実な証券会社なんですぞという意思表示をしておるようなことですから、私は、あの法律の審議中に申し上げたように、登録制の証券会社を、政府が、この会社は大丈夫ですぞ、そんなことが言えるわけがないのだから、だからわざわざ減税貯蓄に割り込みたいためにそういうことをおっしゃったのだから、そんな無理はやめなさいと言うたが、きょうはこうなったのだから、どうしても私は気持の上ではここで一言言わなければ腹の虫がおさまらぬ。それなら、正示政府委員は、月掛投資の許可、認可をするときに十分調べてみたけれども、いわゆる裏経理があったのでどうにもなりません、こういう答弁ですが、それも私は、食いついていけば、その裏経理がわからぬような承認の仕方であったのだ、こういうことなんです。それならその承認の仕方を一ぺんよく検討させていただこうか、こういうことになるので、社会党の方は一応あれでほこをおさめたのですから——実は、どちらかというと、この間の春日君の質問というものは、減税貯蓄をやったがためにあれは食いつかれてしまったわけです。それだけ政府は持てぬ責任を持たされたということですから、やはり無理はなさらぬ方がいいということになる。中外証券と同じようなものがこのあと一つも二つも出てきたら、私は今度はやらなければならぬ番ですから、どうぞ正示さんよく耳に入れておいて下さいよ。当委員会としては、きょうまでにもっと委員会を開いて、こういうことを検討したかったのですが、金融二法案の提案がおくれたために、つい委員会としても差し迫った審議の対象がなかったために、今日になったのです。それで私は委員長にもお願いですが、二法案は現実にこの国会に間に合わぬというわけです。しかし、それでは大蔵省としては今後の金融行政はどういうふうにやっていくかということについて、お尋ねしたいことが多々あるのでありますが、きょうのところは月曜日で委員の方も集まりが少いし、といって、政府の案の金融正常化の政策というものも、一度この小委員会で検討したいとかねがね考えておりましたので、この月末までに一、二回委員会を委員長の手で開いていただいて、現在の事態、特に二法案が一応流れたあとの事態について、特に中小企業金融に対して、政府の監督は金融二法案をもってという話であったが、それが流れた場合には一体どういうことになるのか。私に言わせれば、むしろ金融二法案の取締り的なものよりも、もっと積極的に、中小企業金融を堅実に育成する手段方法を政府が積極的に申し出されたい。ただ頭から、弱小金融機関がもし破綻のおそれのある場合はこうするのだというような、頭から弱小だときめつけて、それの整理の法案をお出しになる前に、弱小をこのように強く育成するのだという積極的な政策を打ち出されて、その間に金融二法案を並行してお考えになられれば、世間の納得ももっと積極的に得られる、かように思う。その意味においては、今回の事態を政府もよく一つ反省なされて、もっと中小企業金融機関を積極的に育成するという政策を一方に打ち出されて、反面金融二法案をお考えになる、こういうふうになさるべきだと私は思う。そういう意味から、そういう積極的な育成指導の政策をお尋ねいたしたいと思いますが、きょうは時間がありませんので、この次なるべくこの月内に機会を作っていただきたい、かように希望申し上げて、私の質疑を終ります。

小山長規自由民主党

○小山小委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は追って御通知することとし、これにて散会いたします。     午後三時四十一分散会

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