大蔵委員会 第20号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/11
会議録
○早川委員長 これより会議を開きます。 特定港湾施設工事特別会計法案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案及び関税定率法の一部を改正する法律案の三法律案を一括して議題といたします。 御質疑はありませんか。——御質疑がないようですから、これにて三法律案に対する質疑は終了いたします。 これより討論に入るのでありまするが、各案に対しましては討論の申し入れがありませんので、直ちに採決に入ることといたします。 まず、特定港湾施設工事特別会計法案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。両法律案を原案の通り可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって両法律案はいずれも原案通り可決いたしました。 次に、関税定率法の一部を改正する法律案について採決いたします。本法律案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○早川委員長 起立多数。よって、本法律案は原案の通り可決いたしました。 この際お諮りいたします。ただいま可決いたしました三法律案に関する委員会報告書の作成並びに提出等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 —————————————
○早川委員長 次に、所得税法の一部を改する法律案及び租税特別措置法の一部を改する法律案の両法律案を一括して議題といたします。 質疑の通告があります。これを許します。廣瀬勝邦君。
○廣瀬(勝)委員 農業法人の取扱いに関しましては、先般の委員会以来当委員会で問題にしておったのでございますが、大体国税当局、農林省等の方で話し合いができた。これについての了解点に達したということを聞くのですが、どうですか。
○北島政府委員 農業法人に関する解釈及び取扱いの問題につきましては、先般来の農林省、法制局等と打ち合せておりましたが、昨日三者の意見が一致いたしましたので、ここに御披露申し上げます。「いわゆる農業法人は、既に設立登記がなされ、法人自体は有効に設立されているものと考えられるから、その設立を否定することは勿論できない。また、法人が有効に設立され、法人形態で事業を営むこととした場合に、税法上も、その事業を法人の事業とし、その所得に対して法人税を課することとするのが通常である。しかし、いわゆる農業法人に関しては、農地法第三条により農地を使用収益する権利を設定する場合等には知事又は農業委員会の許可を受けなければならず、許可を受けないでした行為は効力を生じないこととなっており、その許可がない場合には、法律上は、依然として農地の所有者たる個人がこれを使用収益する権利を有しているものと解されている。もっとも法律上効力を生じない行為であっても、その行為に因り実質的に所得を亨受する者がある場合には、税法上その者の所得に対して課税すべきであるが、いわゆる農業法人が農地の所有者たる個人の同族的な法人であり、法人設立の形態をとった後にも個人時代と農業経営の実態が変らないような場合には、所得税法上農業経営から生ずる所得は個人に帰属するものと認めてこれに対して所得税を課することが相当と考えられる。」以上が三者の一致した見解でございます。
○廣瀬(勝)委員 もう少しそれを具体的に……。従来の問題点は長官もわかっておると思うのです。経営実態がどういうふうなもので、それをどういうふうにして把握しておるか。しかもその土地において国税庁はどういう行き過ぎをやっておるか。これはわかると思います。その具体例をあげてちょっとおっしゃっていただけませんか。
○金子説明員 ただいま問題となっております徳島県の場合あるいは鳥取県の場合におきましては、これは、先生も御承知のように、税務署の調査等によりますと、法人の登記はなるほどできておりますが、経営の実態につきましては、従来と変っていないという報告を私どもは受けております。たとえば米の供出の例にいたしましても、依然として個人の名前で行われております。また農業協同組合の加入名義も個人名義になっておる。あるいは預貯金の実際、農業倉庫等の実際につきましても、個人自体と全然変っていないというような実情でございますので、徳島、広島の従来調査いたしましたようなものにつきましては、私どもは、所得が個人に帰属するものといたしまして考えざるを得ないのじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○廣瀬(勝)委員 具体例といいましても、個々によって違ってくると思います。今現地で問題になっておりますのは、そちらの方で調査をされまして、審査をされまして、その経過において非常に行き過ぎが出ております。これはある程度当局の方も認められると思うのです。そういうふうなことをやっていけば、実態課税、実質課税といいましても、全部それでならされてしまう。お前のところは法人とし認めがたいというふうにされてしまいます。これは農家の実態じゃないかと思うのです。まして、徳島の例で言うならば、徳島の国税局から、あるいは徳島の税務署から、十人以上もの人がどかどかと踏み込んで行って、必要以上のことを調べたり何かしておる、こういうことを言われましたが、これでは慫慂じゃなしに強制している。この態度を国税庁の方が一擲しない限り、今長官の読んでいただいたようなところにするのはけっこうですが、しかし、そういうふうなことを読んでいただいたって、実質的に何らプラスにならない。問題はそこなのです。従いまして、当局の方としても、やはり従来のような態度で今後臨んでいくか、その点一つ。
○金子説明員 調査の行き過ぎにつきまして御指摘を受けたのでございますが、この点につきましては、私どもも、できるだけ行き過ぎのないように従来も注意いたしておりますし、今後も第一線の税務署員を厳に戒めて参りたいと思います。先生から御指摘の御趣旨は十分私ども考えていかなければならぬと思っておる次第でございます。ただ、先般の委員会におきまして、私の説明がやや言葉が足らなかった点もあるかと思いますので、一言だけつけ加えさしていただきたいと思うのでありますが、実はこの徳島県の農業法人の問題につきましては、阿部五郎先生から以前にいろいろお話も承わっておりましたし、当局の見解も農林水産委員会において申し上げたのでございますが、結局は、やはり私どもの立場といたしましては、いきなり更正なり決定をするよりは、個人所得としての申告を慫慂した方が妥当ではなかいというようなことから申告の慫慂をいたした次第でございます。ただ少し誤解を招いておるのではないかと思いますのは、実は最初三回ばかり調査をやったそうでありますが、一つは一般の調査、一つは更正をいたします場合の申告がなかった方に対して更をやる場合の調査、それからすぐ再調査の請求が出ましたので、それに基く調査というように、三回にわたる調査をやりましたために無用の刺激を与えましたことと、もう一つは法人の実態がどうなっておるかという調査であったために、普通の調査の場合よりも余分の手間のかかる調査を税務署が念入りに続けたというような点がございまして、従来から標準率課税で農家の場合は課税をいたしておりまして、そういったこまかい調査になれておらない農家の方に対して、やや微に入り細にわたって調査をいたしましたために、非常な刺激を与えたのではないかというふうに私どもは考えておりますので、ほど先先生から御指摘がありましたような点につきましては、今後私どもは十分気をつけて参りたいと考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
○廣瀬(勝)委員 実質課税ということが問題になりますと、結局、中小企業関係の法人、これも実際面からいきますと大福帳でやっておるところがずいぶん多いと思うのであります。われわれ自身の経験からいたしましても、こういうものが一応書類の上だけで法人として通っておる。それで法人課税が認められておる。これをなぜ農業だけについて厳重なる実質課税ということをやらなければいけないのか。これは非常に不合理だと思うのです。ですから、今部長が言われたことが、そのまま末端までずっといって徹底して、なるべく取り上げていこう、こういうふうな気持でやるのと、なるべくつぶしていこうという気持でやるのとでは、雲泥の相違が出てきます。ここらあたりの点は長官どうですか、今のお気持として。大体これからやっていこうとする国税当局の方の方針として、そういうふうにシビアーにやっていくのか、あるいは中小企業の方と同じような格好で扱っていこうとするのか、その方向はどちらを考えておられますか。
○北島政府委員 お答え申し上げます。一応、いわゆる農業法人の場合におきましては、まずそれが農地法の許可を受けていない行為で効力を生じないということが、一つの法秩序の上からいっても前提になると思います。ただそれが明らかに実質上法人に所得が帰属する、こういう場合には、やはり実質課税の原則によって、法人に対して法人税を課税することが建前でございます。私ども、もちろん、商工業者の方におきましても、それが法人として取引されておっても、明らかに個人に属する、こういう場合におきましては、やはり法人課税を否認いたしまして個人課税をする場合があるわけであります。たとえば先年問題になりました企業の組合あるものにつきましては、やはり法人として設立され、法人として申告されても、実体は個人だというような場合には、個人として課税をいたしたわけであります。そういった考え方でやって参ります。ただし、調査に当りましては、ただいま直税部長が申しましたように、何分にも農民の方は税務管理の調査になれておりません。そういう点を頭に入れまして、十分慎重に行き過ぎの起らないようにいたしたいと考えております。
○廣瀬(勝)委員 農地管理部長がお見えになりましたから、国税長官の方から大体農林当局と大蔵省との意見が調整されたものを聞きまして、おそらく間違いはないと思いますが、農林省の方として把握しております。農業法人についての扱い方、これをあなたの口から承わっておきたい。
○庄野説明員 おくれまして失礼いたしましたが、農業法人の扱いにつきましては、先ほど国税庁長官から農業法人に対する課税上の取扱いについてということでお読みになりました文章の通りに、昨日まで調整いたしまして話がついておりますので、間違いないと思っております。
○廣瀬(勝)委員 これ以上は、今後の推移を見まして、またこの委員会でも問題になるのでしたら私取り上げて参りたいと思いますが、しばらくの間は今おっしゃいました当局の言明を一応信用しておきましょう。申告の期限も迫っておりますから、そういうような関係もあって、ここしばらくは非常に激しい動きが出ると思いますが、それを一応見守っております。ただし、その途中におきまして、従来通りの方針で国税庁当局が実質課税という名目を表に立ててやっていくということならば、われわれとして取り上げるつもりであります。その点を十分御認識いただきまして、親心を持った取扱いをこの農業法人の上にしていただきたい。これを長官にお願いしておきます。
○早川委員長 小澤君。
○小沢(貞)委員 この文章を見せていただいたのですが、私法律がよくわかりません。それで、たとい農地法に違反するような法人であっても、法人の実体が整っていれば法人税でいいわけですね。そのものずばりと質問いたします。要するに、知事または農業委員会の許可を得ないで法律上違反したものであっても、実体が法人であるならばいいわけですね。法人税を課するのが当然なんですね。そういうように解釈していいですか。
○北島政府委員 正確に申し上げますと、たとい農地法の許可を得なくても、その所得の実体が法人に帰属すると認められる場合には、法人で課税するという建前になっております。おっしゃるところは、法人ができておれば法人に課税するというように受け取れますが、そういうことではございません。一応法律上効力を生じないものとなっておりますので、その使用収益する権利は依然として個人にある。しかしながら、その所得が明らかに法人に帰属すると認められる場合には、個人としてでなく、法人として課税する、こういう建前でありますから、どうか誤解のないようにお願いいたします。
○小沢(貞)委員 私の質問したことをその通りでありますという答弁でいいわけですか。農地法上の手続、知事または農業委員会の権限に属する手続を踏まないでやっていれば、農地法違反になるかもしれません。違反であるかどうかはまだこれから部長に聞くのですが、たとい農地法に違反しているようなことがあっても、実体が法人であるならば、それは当然法人税を課する。これでいいのでしょう。
○北島政府委員 御質問のお言葉が実は足りないのです。実体が法人であるということは、法人の実体を備えておってもというわけではございませんで、明らかに所得が実体的に法人に帰属する、こういう場合を考えておるわけであります。お話のように、実体が法人であればということでただイエスと申しますと、法人を設立して、法人があることはもちろんでございますから、法人課税ということになる。そういうふうに私どもは申し上げているわけではないのです。一応法律上は個人に帰属するものであるけれども、明らかに個人でなくて法人に帰属するものであると認められるならば、法人で課税いたします。明らかな場合と申しますと、いわゆる同族的な法人でなくて、何人かお集まりになって共同的に法人を作っておやりになる、こういう場合には、私は、個人課税でなく、法人課税の実体があるのではないかと考えます。しかし、ただ一口に法人の実体があればというお話でございますと非常に誤解を生じやすいので、ただいまの註釈を要するわけでございます。
○小沢(貞)委員 法人の実体という言葉と今長官の言われることと若干ニュアンスが違うようですが、それでは法人登記その他完全に済ませて——農地法その他は一切触れません。中小商工業者がやっていると同じような法人であるならば、当然その農業者についても法人税だ、こういうように解釈してよろしいですか。
○北島政府委員 私どもはまず一応農地法の現在の法秩序というものを頭に入れて考えます。そして普通の商工業の取引におきましては、法人として取引をし、一応法人としてその権利は帰属しているものと考えます。ただし、それの実体が明らかに法人でなくて個人と認められる場合に、私たちは、今まで、企業組合におけるように個人課税をいたしているわけでございます。いわゆる農業法人の場合におきましては、農地法上の許可がないと私法上の効力を生じないので、依然として個人に権利が帰属すると認められます。さりながら、明らかに個人でなくて法人の方に所得が帰属するんだという場合には、私ども個人課税でなく法人課税でやる、こういうことを言っているわけであります。
○小沢(貞)委員 それでは、具体的に、農地法上の無権限小作をやっておる者があるとします。それは不法占有的な無権限小作もあるでしょう。地主が反対するのにやっておるという不法占有的な無権限小作もあるでしょう。あるいは地主が了解をして農地法上の手続を経ないでやっておる無権限小作がある。なれ合いというのですか、やみ小作というのですか、そういうものがあるわけです。やみ小作の上に積み上げられた税、そういうものは無権限小作だからということで、一体国税庁の方で何らかの処置をするのですか。
○北島政府委員 いわゆるやみ小作の場合のお尋ねでありますが、その場合におきましても、一応権利としては土地の所有者にあると思います。ただし、その場合に、明らかに利害は対立するところの他の個人が所得を持っておる、他の個人に所得が帰属しておる、こう認められる場合におきましては、実質課税の原則によりまして、実際にその所得の帰属する個人に課税いたすのが原則であります。
○小沢(貞)委員 実質課税ということは私もよくわかりませんが、たとえば昔石当り七千円のものをやみで売って一万五千円も二万円も取った、こういう場合には、一体法律に違反しておるでしょう。それだけの所得があれば、その所得に対して課するという意味もあるのでしょう。これが実質課税であると思う。だから、そういう意味からすれば、これは地主と了解のもとにやっておるやみ小作、無権限小作ですね。そういう場合には、その行為によって生じた実体に対して税をかければいいのじゃないか。農地法に違反しておるかいないか、そういうことを調べる必要はないじゃありませんか。
○北島政府委員 いわゆるやみ小作、明らかに地主さんとなれ合いの上で耕作させておる、この場合には所得の帰属がはっきりしておるわけであります。明らかにそれは、地主ではなくて、やみ小作人ということになるでしょう。そういう場合には、所得税法におきましても、実際に所得の帰属するいわゆるやみ小作者の方に課税するのが建前であります。それから、いわゆる経済統制法令違反によって所得があった場合に、所得税法の建前は実際の所得に対して課税をする、こういうわけであります。
○小沢(貞)委員 今のやみ小作の場合には、やみをやっておるということは法律違反ですよ。実際の所得の帰属にかけるというのですから、法人の場合にも、農地法違反をしておっても、農地法にさかのぼっていろいろ文句を言う必要がない、こういうことを私は言っておる。だから、法人に完全に所得が帰属しておれば、その所得だけを見て課税すればよいという論理になるわけです。私の言ったことにオーケーですと言っていただけばよいのですが、いろいろ注釈を加えられるから、また元に戻らなければならぬのです。
○高田委員 関連して。 今お答えになっておる問題は非常に重要なことなんで、むずかしい御答弁では困るのです。この文章を見ますと、非常にはっきりしていると思うのです。要は、あなた方今まで農業法人を認めないで、個人で申告しろと言ってきた理由は二つあるわけです。一つは、農地法違反であって当然無効であるから、その収益は個人に帰属するもので、法人には帰属しないのだということ。もう一つは、実質上調べてみても、大体個人がただ看板を塗り変えただけにすぎないからということが、つけたりの第二の理由です。税務当局の主たる理由は第一だったのです。農地法違反だから、その利益は個人に帰属するので、法人には帰属しないということを建前として、今まで数年間にわたってあなた方が認めて法人として扱ってきたものを、突如として今回は画一的に否認する方針をとられた。それを今度は、この覚書によって、あなた方は正しい考えに直されたわけです。つまり、法人ができた以上は、その法人が違法行為で何をやろうとも、そんなことは問題じゃない。これはもう税務当局の関与すべからざることであって、やみの利益であろうが詐欺の利益であろうが、食糧管理法違反であろうが、何であろうが、もうけたものに課税するのがあなた方の建前であって、それ以外の干渉すべからざることまで——この農業法人に関しては今まであなた方は干渉してきた。それをただいま反省されて、農林当局並びに法政局の正論の前に誤まりを正されたわけですから、その点は率直でなければならぬと思うのです。ですから、今までは間違っておりました、農地法違反について云々したことは誤まりでありました——要するに、そのできている法人が実際に法人として利益を上げたり、営業行為をしていたりするということだけが問題なんであって、もとの契約や何かが違法であるとかなんとかいうようなことまで云々したことは、行き過ぎであって誤まりであったということを率直にここで言っていただきたい。それを明確にしていただきたいと思うのです。
○北島政府委員 これをよくごらんいただきますれば、おわかりいただけると思うのです。「いわゆる農業法人に関しては、農地法第三条により農地を使用収益する権利を設定する場合等には知事又は農業委員会の許可を受けなければならず、許可を受けないでした行為は効力を生じないこととなっており、その許可がない場合には、法律上は、依然として農地の所有者たる個人がこれを使用収益する権利を有しているものと解されている。」これは今まで通りの考え方なんです。「もっとも法律上効力を生じない行為であっても、その行為に因り実質的に所得を享受する者がある場合には、税法上その者の所得に対して課税すべきであるが、」これも今まで通りの考え方で、ただこれがはっきり出てこなかっただけです。「いわゆる農業法人が農地の所有者たる個人の同族的な法人であり、法人設立の形態をとった後にも個人時代と農業経営の実態が変らないような場合には、所得税法上農業経営から生ずる所得は個人に帰属するものと認めてこれに対して所得税を課することが相当と考えられる。」この通りの見解でありますので、一つ額面通りお受け取り願いたいと思います。
○高田委員 ですから、この文章は、要するにあなた方が今まで言ってきたことに対しても多少面子を立てなければならぬので、言い回しはちょっと複雑になっておりますけれども、前のはもっと明確なんです。前に徳島に出しましたけれども、これは農地法違反なりということで、すぱりと割り切っておるわけなんです。農地法違反というものが出るまでは、現実にあなた方は認めてきたのだ。農地法違反だという解釈が出てきたので、突然それが法人としてやっていけなくなったということではないのです。行為は数年前から同じことをやっている。この期に至って、あなた方が突如として大だんびらを振りかざして、一斎に否認の態度に出たのは、農地法違反という大義名分を明らかにしたからなんです。実質課税の原則というのは当りまえの話なんで、今までずっとあなた方は認めてきた。認められたどころじゃない。徳島の税務署は農民に対して勧めた。あなた方がそんなに税金をまけてもらいたいと言うのなら、何回も交渉に来る必要はない、法人になさいと言うので、ああそうですがといって法人にした。そういうふうにしてやっておるのですから、ここでこういう解釈が出た以上は今までああいう紛争を起したことについては、あなた方は反省しなければならぬと思うのです。農地法というものを振りかざしたからいけないので、そうでなければ、実質課税のことは昔から同じで、今あらためて騒ぐ必要はないのです。ですから、全部法人として申告さして、そうして法人としての課税対象として扱ってあく。たまたま、とてつもない内容で大いにインチキであって、法人でも何でもないということがきわめて明瞭である場合、これは例外的にはそういうこともあるでしょう。しかしながら、原則的には法人として扱おうとしている。そうでないようにするというのは、原則に対する例外なんですよ。これを読むと、例外がまた原則になりそうな危険もあるのですし、全部例外みたいになっては困るので、こういうことはいけないと思う。あなた方も今までずっと六百何社認めてきたんだから、これをあくまで認めるのが原則です。この問題についても、もう申告期も迫っておりますし、みんな法人申告をするわけです。そういう態度で円満に穏やかに常識的に運営する考えになられておるのかどうか、そこをお伺いしたいのです。
○金子説明員 お答え申し上げます。 従来からも、国税当局といたしましては、第一段に、課税に当って所得がだれに帰属するかということを考える際の一つの大きな要素になりますのは、やはり法律形式と申しますか、一応の法律的な有効性ということが問題になりておるということを申しております。それから、第二段として、法形式を離れて見た場合に、その所得がだれに帰属しておるかということを実質的に判断しなければならないと考えておりますということを、るる御説明申し上げて参ったわけでありますが、その点につきましては、私どもは、従来通り、果してそれが法律上だれに帰属する所得かということを、農業法人の場合におきましても、その他の法人につきましても考えるのが筋じゃないか、この点は依然さように考えておる次第でございます。 それから、第二点の、ただその法律形式を離れて、所得が実質上だれに帰属しなければならぬか、しておると考えるべきかという、この点は従来も申しておりましたし、今度もやはりその点は相当ウエートを置いて考えるべきだというふうに、この文章でも出ておる次第でございます。お話のように、農地法によって、三条四項でございますか、法律上効力を生じないということになりました場合に、さらに実態的に見てそれがだれに帰属する所得であるかという法人経営の実態に即して考えるべきであるということは、所得税法三条の二の規定によっても、これはやはり、税務当局としては、所得帰属の判定に際して考えなければならぬ建前になっておるというふうに考えておる次第でございます。
○高田委員 それは、法律上は無効だから、帰属すべき建前だと言っても、法人を作っちゃった以上は、建前はもうくずれちゃっているのだから、法人を設立して登記をして法人の帳簿を整えた以上は、その間違った契約に基いて請負工作ということになれば、これはいかに違法なものであろうと何であろうと、法律上個人に帰属すべきなんです。しかし現実には法人に帰属しちゃっていますよ。だから、ちゃんと給料制度になっておるのですから、これはどうしようもないと思うんですよ。明らかに法人に実際は帰属しちゃっているんです。それをここに書いておりますが、農業経営の実態が個人時代と変らない場合と言っておりますけれども、それは個人が会社になった場合でも、働く人間は今までの同じ人間が働いておるのですし、今までと同じ仕事をしているのですから、そんなことを言えばみんな同じになってしまいますよ。個人時代と変らないじゃないかと言われたら、それはみんな変らなくなります。同族会社を見てごらんなさい。みんなそうです。小さなげた屋でも魚屋でもみんな法人になっても、朝から晩まで一生懸命に働いて、注文をとって歩いて、ちっとも変らないじゃないか。そんなことを言ったら、同族会社はみな否認されることになります。そうじゃないのじゃないですか。法律上ちゃんと人格を認められた法人というものが登記されて、第三者に対する対抗要件を備えた以上は、別なものがちゃんとできちゃったのだから、これはしようがない。中身は同じ人間が動いて、同じ畑を同じように耕しておっても、それはもう全くその利益は法人に帰属している。ここに書いてある言葉を見ますと、法人設立の後も個人時代と経営の実態が変らないような場合には個人に帰属することに認定してしまおうということは、はなはだ乱暴なことなんです。そんなことを言ったら、一戸一法人というようなものは全面的に否認になるのじゃないですか、少しこれを強調されたら。どうなんですか。そうじゃないでしょう。そこを一つはっきりして下さい。
○小沢(貞)委員 関連して。 問題をずばりと答えていただきたいのですが、農地法上のことを検討をして、税務職員は税金をとるかとらないかということを言っているのです。農地法上のことを全然頭の中からはずしてしまって、その農業法人の税の問題を検討するかしないかということです。それも一緒に答えて下さい。
○北島政府委員 農地法というものはやはり現実としてございまして、そうして、農地法によって、許可を受けないでした行為は私法上も効力を生じないということになっておりますので、その法律秩序を前提としてやはり考えるべきじゃないかと思うのでございます。ただいまのような事例におきましては、農地法の許可を受けておらない。この場合においては、法律上の効力を生じていないので、実質的に個人に依然として使用収益する権利があるということです。ただし、それが明らかに個人でなくて法人の所得に帰属する、こう認められる場合には、法人で課税するということであります。法人がただできておるから、それだけでもってすぐ法人の課税だ、こういうことにはならないわけであります。あくまでも法人の実体につきまして、そうしてここに書いてあるような、個人の同族的な法人であり、法人設立の形態をとった後にも、個人時代と農業経営の実態が変わらないような場合には、やはり所得税法上所得税を課することが相当、こういうことでございます。どうぞよろしく御了承を願います。
○小沢(貞)委員 その農業法人の場合に、これが農地法上の手続を経てあるかどうかということは、やはり頭に置いてやるのですか。私は国税庁がそういうことをやるのはおかしいと思うというのは、先ほど来、一軒一軒、耕作のいわゆる地主となれ合いでやみ小作料をとっておるものに対して、これは農地法上の手続をやったかやらないかということを今までかつてやってきましたか。農地法上適法であったかどうかということをまず考えて、それから後に税務署は税金をとりましたか。私は、法人の実体とか同族会社とかなんとか、所得の帰属するところが法人であるか個人であるかはあとの問題として、農地法上の問題を考慮して税の問題に取っ組まなければならないのかどうか。それを言っているのです。
○北島政府委員 いわゆるやみ小作の場合、普通は利害対立するAとBとの間に行われるわけです。この場合において、一応土地の所有者に権利は帰属すると考えられても、実質上明らかにBの方に耕作上の権利、収益が帰属する、こういうことは実にはっきりしておるので、そういう場合においては、やはり実質課税の原則によって、いわゆるやみ小作に課税すべきである、ただし、いわゆる同族的なものにつきましては、その間の別が実ははっきりしていないのであります。たとえば徳島の例につきましても、一応個人が法人に肥培管理その他農業経営の一切を受け負わせる、土地を貸して、それから受ける収益に対して、九割は法人がとり、一割は個人がとる、そうしてまた、その個人は、同時に会社の役員として報酬とか賞与とかをとる、こういう格好にはなっておりますが、実際上一農家一法人で、法人が耕しておるといっても、御主人が耕し、一家で耕しておる、そうして法律上においてはやはり使用収益は個人の権利に属しておる、こういうことになった場合に、果してそれが法人に属するというような実体があるかどうかということになると、やはり非常な疑問であります。私どもはただ先ほど申しましたように、明らかにこれは同族的な法人でなく、Aという人と対立する別な法人がある、そしてその法人に実際上所得が帰属しておる、こんな場合には、いわゆる実質課税の原則によって、法人に課税すべきであると考えておるのであります。
○小沢(貞)委員 先ほど高田委員から御質問のあった通り、たとえば 鳥取県 (有)澤農園 代表者澤静晴殿 倉吉税務署長 北浦利雄印 欠損金額の修正通知書云々というようなことで、今まで何でもないときには、こういうように法人税をちゃんと認めてやってきたのです。源泉徴収もちゃんとやってきたのです。だから、ある場合には、ここに文書もありますけれども、法人税に御協力を願ってまことにありがとうございましたと、こういう公文書まで今まで農業法人に対してやっておったわけです。ところが、農地法の問題が途中から出てきたものだから、莫大な費用をかけて、もう一回再調査をして、鳥取にしても徳島にしてもそうです。そこに踏み込んでいって、大へんな調査をして、親戚一同を慫慂して、何とかあの法人を取り消させるようにしよう、こういうことを盛んにやっていったのじゃないですか。農地法上の問題が出てきて、そういうことを言い出した。今まで農地法ということを知らなんでおった。知らなんでおったということは、やみ小作のその帰属がどっちでやったらいいかわからないのを無視しておったのと同じだと思う。そういう法律的なことを国税庁は審査をして、それから税金をかける権限なんかないと思う。農地法上違反しておるか違反していないか、これはどろぼうしてきたものであるかどうか、あるいは食管法違反であるかどうか、こういう法律的なことまでみな審査をして、それから税金をとったのですか。そうじゃないのじゃないですか。実体に対して課税すればいいのでしょう。だから、問題は、法人が法律上有効であるかないかということではなくて、その所得の実体がそこにあるかどうか、そっちだけ見ればいいのでしょう。そこはどうなんですか。
○北島政府委員 御承知の通り、今所得税、法人税はともに申告納税制度をとっております。法人につきましては、法人が御自分でもって所得を申告する建前になっておりまして、ただそれを税務署が受け取ったからといって、全部今の問題を掘り下げて、意識して、それを積極的に認めておったということにはならないのであります。たとえば、個人の所得税につきましても、御申告をいただいております。そうすると、更正決定期間三年間、詐偽その他不正の行為によれば五年間はできるわけであります。その間何も手を打たないからといって、今までの個人の所得税についてそれを認めたということにはならないのであります。よく調査してみて、実体を認識して、そこで初めて結論が出るのでありまして、数年間気がつかなかった、問題の実質について掘り下げる機会がなかった、これは残念ではございますけれども、何もそれを税務署が進んで認めたということではございませんので、その点は一つ御了承願います。
○小沢(貞)委員 ちょっとくどいようですが、やみ小作とか、どろぼうして持ってきた所得であるか、あるいはこの人はどうやって所得をしたのか、その所得が適法であるかどうかということを、国税庁が考えて、税務署が考えて、税金をとらなければいけないのか。これは法律のどういうところに示されておるか。法的な根拠を示してもらいたい。そういうことまで税務署が審査をして税金をとらなければならないかどうか。所得税法第三条二項の実質課税というのは、一体やみであろうと、どろぼうしてきたものであろうと、その実体に対して課税すればいいと思う。そのもとにさかのぼっていって、これは適法に所得を得たのか、そんなことまで税務署が審査して税金をとるという法律的な根拠はどこにありますか。
○金子説明員 ただいま長官からお話がございましたように、現在の税法の建前として申告納税制度をとっておりますので、納税者の方からかくかくしかじかの所得があったということの申告があれば、一応それをのむのが通常の建前になっております。しかし、現実問題として、犯罪によって得た所得であるというようなことで、あとでそれが臓物として没収されるというようなことになりましたならば、やはりこれは減額更正をしてやるのが筋合いだということになるわけでございまして、一応先ほど来るる申し上げておりますように、法律上だれに帰属するかということは、やはり私は税法上、国税当局として判定すべき義務があり責任があるというふうに考えておる次第でございます。
○早川委員長 小澤君にちょっと申し上げますが、葬式の関係がありまして、理事会で十二時までということになっておりますので、最後に簡単におまとめを願いたいと思います。
○小沢(貞)委員 それでは、あとで没収されそうなものであるかどうかということを税務署は一々検討して税金をかけていましたか。それが一つ。 それで、今度は農地局の方にお尋ねしますが、いよいよ勝浦町の農業委員会が三月三日に米沢豊幸と有限会社芳幸園との五反歩の賃貸契約を承認した、こういうことです。それに対して一体農林省はどういう態度でもって臨まれるか、一つその点をお答えをいただきたいと思います。
○庄野説明員 農地法の問題でございますので、私からお答えいたします。そういう情報が入っております。これは芳幸園の賃貸借契約になっておるように聞いておりますが、三条の許可申請に対して、勝浦町の農業委員会で容認の決議をしたというところまで情報が入っております。それについては、私の方では、賃貸借ということが明確になっておりますれば、農地法三条の許可を要する行為、こう思います。それで、それにつきまして、法人に許可を与うべきやいなやということがます三条の問題で起るわけでございます。現行農地法の解釈として、農林省としては、土地の賃借権ということが明白になっておりますれば、いわゆる農業の法人経営の者に対して三条の許可をなすべきでないという見解を持っております。これは、農地法の全体的な理論として、自作農というものは農耕を営む個人ということになっておりまして、現行農地法の問題といたしましては法人に対する賃借権は認めない、こういう建前であります。
○高田委員 関連して。 そういうふうな解釈もあり得るかもしれない。しかし反対の解釈もあり得ると思うのです。これはなかなか微妙なところだと思う。いずれにしましても現地において法律上農業委員会が認めればいいんですが、農業委員会は認めた。大体賃借りですからね。形は法人による土地の請負といっても、それは賃借りに直せばいいんですから、内容は賃借りと同じだと思う。ですから、これが問題になった以上は、農業委員会は一斉にこれを承認する、こういう前提に立って考えた方がいいと思う。現に全国の農業会議が認めろという猛運動をやっているのですから、認めるにきまっているのです。そうすると、法律上は当然に合法的に農業委員会が認めて、そういう契約もちゃんと成立して、法人も登記をされて一般的なものになったのですから、現段階においてはそういう前提で議論をしなければならぬ。そうなりますと、もはや、先ほど来いろいろ言われておりますが、税務当局においては指一本触れる余地はなくなったわけでございます。どうか一つこの際はっきりと、現在まで認めてきました農業法人というものは、例外はあるかもしれません。しかし原則として認めるということをここで言明して下さい。一つお願いします。
○庄野説明員 先ほどの御質問に対する御説明がまだ残っておりましたが、委員会で承認の決議をするというところまでで、許可指示書はまだ出ておりません。そういう情報でございます。農林省といたしましては、明確によく調査いたしまして、そういうものが三条の許可を要する行為であって、しかも法人という場合には、現行法の解釈としては許可しない方針でいきます。これについてはまだ手続上の問題がいろいろ残るかと思いますけれども、明確に三条の問題になってきますれば、現行法の解釈として、私たちは農業法人に対する賃借権の設定というものはできないのじゃないかと考えております。なお、将来の問題としては農業の近代化なり合理化なりという問題でいろいろ問題があるかと思いますが、そういう点は、農地法の問題なりあるいは協同組合の問題なり、いろいろの問題点がありますので、十分時間をかしていただきまして検討して参りたい。ただ、現行の農地法の建前からいいますと、いろいろな弊害が出るということを前提にして考えまして、現在においては許可できないという方針を堅持いたしております。
○早川委員長 時間が過ぎていますので、またこの次にお願いできませんか。
○小沢(貞)委員 それでは資料だけお願いしておきます。高松国税局と広島国税局が、昨年農業法人問題で、だれとだれがどこへ行って、どのくらいな費用をかけて一体調査をしたか、これだけの一覧表を明日までに出していただきたい。
○廣瀬(勝)委員 それと同時に、やりとりしている書類がございますれば、それも一緒に差し出して下さい。
○金子説明員 ただいま御要求のございました資料でございますが、国税庁の方にその資料が参っておりません。これから問い合せるといたしますると、若干時日をかしていただかなければいかぬと思います。
○小沢(貞)委員 徳島税務署長に三回念を押しましたが、農地法違反ということと実質課税と、この二つによってとにかく今調査をして取り消さしているのだ、こういうことを言っておったわけです。その資料というものは局及び庁を通じて参っておりますか。私は三回念を押している。まさか文書に判を押せとは言えないけれども、そういう工合に農地法違反とその二つをたてにとって、いつ会議を開いてやったかどうか、その事情等がありましたら、会議の日その他を一つ資料によって知らしていただきたいと思う。 それから、去年の十二月十六日にラジオ放送で聞いているのですが、国税庁としては農地法で禁止している個人経営の農家の法人組織は認めないという方針を確認し、四国、中国以外の国税局でも厳重に調査した上これらについては云々という、これらの会議も開いているようですから、この問題について会議を開いた日取り、どういう決定をしたというような資料がありましたら、それを出していただきたい。 農地局に対してはまだ質問がたくさんありますけれども、時間がないそうですから質問を保留して、今日はこのくらいで打ち切っておきたいと思います。
○佐藤(觀)委員 実は今日大蔵大臣が必ず十一時半に来るということで理事会は了解したのですが、十二時十分になりてもいまだに来られません。これではわれわれ審議をやろうと思っても審議ができませんので、明日春日君の質問がありますが、こういう点についてはっきりしたあれが出なければ、われわれは審議に応ずるわけにいきません。あなたの方の法律案だけあげて、こちらの約束したことを守らぬようでは、われわれ野党としてはこういうことは絶対に認められませんので、委員長としては今後十分に取り計らいをいただきますように、特に明日の春日君の質問が運べるように、委員長において善処されんことを要求いたします。
○早川委員長 ただいまの佐藤君の発言、十分了承して善処いたしたいと思います。 本日はこの程度にとどめ、次会は明十二日午前十時十五分より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時九分散会 ————◇—————