大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/12/23
会議録
○早川委員長 これより会議を開きます。 御報告申し上げますが、去る十八日、逓信委員会より、テレビジョン受像機に対する物品税軽減に関して本委員会に対し申し入れがありました。申入書の要旨は、現行の十四インチ・テレビジョンに対する物品税は三〇%でありますが、諸般の情勢にかんがみ、一〇%程度に引き下げてもらいたいとするものであります。申入書につきましては、印刷してお手元に配付いたしておきましたから、御承知を願います。 —————————————
○早川委員長 この際、石村委員の質問を許します。石村君。
○石村委員 きょうの委員会の議事のやり方については、理事会でいろいろきまっておるようですから、ごく簡単に公社及び大蔵省関係にお尋ねしますが、塩田の整理問題について、虚業審議会に付議して答申を待っておる、こういう総裁なりあるいは大蔵大臣の御説明だったのですが、その答申は大体いつごろ出るお見込みなんですか。
○小林説明員 お答えいたします。なるべく早く出していただくようにお願いしておりますが、何分にも非常にむずかしい、しかも重要な問題でありますので、慎重に御審議されておると思います。今のところ年内または来年当初という見込みではなかろうかと考えております。
○石村委員 諮問しておられる内容については、まだ正式にお伺いしておりませんが、やはり塩田を整理するという前提での諮問が行われておるわけなんですか。
○小林説明員 先般私の方の総裁からもお答えいたしたと思うのでありますが、諮問の内容と申しますか、諮問の事項は、非常に根本的な問題に触れておりまして、今後の塩の需給の見通し、並びに国内塩業の合理的なあり方等を、国民経済的な観点から見てどうあるべきだという、塩業政策の基本方針について答申をお願いいたしたいというのが、諮問の要旨でございます。
○石村委員 そうすると、答申の内容によっては塩田整理ということが行われるかもしれない、あるいは答申の内容によっては整理が行われないかもしれない、こういうさっぱりわからぬということになるわけですか。
○小林説明員 ただいま言葉が足りませんでしたが、その諮問の前提に、塩事業の現況、すなわち、御存じのように、塩が増産の結果滞貨が毎年ふえていく、従ってそれがもととなって赤字が出るという現状より見て、今後どうするかということでありますので、当然、その審議の内容には、ふえたものをどうするかということが含まれておりますから、一応整理というものが内容としては対象になっておるというように考えられていいのではなかろうかと思っております。
○石村委員 今整理ということが考えられるとすると、当然補償という問題も起ると思います。聞きますと、きょうの閣議で来年度の予算が骨組みというか何か決定になるようですが、そうすると、そのきょう閣議で御決定になる中に、塩田整理の補償に関するものが入るわけなんですか、入らないわけなんですか。
○小林説明員 これは、大蔵省の方から御答弁願った方がいいかもしれませんが、御承知のように、整理をするとすれば補償が要るというのは当然のことと申しますか、まあ補償が必要であるということになろうかと思いますので、一応、われわれの方といたしましては、審議会の答申がなければ幾らということは申し上げられないのでありますけれども、こういう事項、問題があるので、この点はお含み願いたいということで、大蔵省に申し上げてお願いしてありますので、果してそれをどのように扱っていただいているかは、今のところわれわれの方にはわからないというのが現状でございます。
○石村委員 大蔵大臣がおいでにならぬので困るわけですが、監理官の方で、大体その点に対する含みというか、何かおわかりになっておられるでしょうか。これはやはり、補償するということになれば、常識的に考えると、専売納付金が減るということになるのじゃないかと思いますが、それとも、そういう方法ではなしに、別個の方法でおやりになる大蔵省の腹案であるかどうか、この点お示し願いたいと思います。
○小林説明員 私は国庫当局の直接の担当者でございませんので、今晩か明日、まあここ二、三日に出ますところの国庫当局の内示案を見ないと、私どもの方にはわからないわけであります。われわれといたしましては、先ほど塩脳部長が言いましたように、そういういろいろな問題についての条件その他については、詳細に国庫当局の方に御説明してありますので、それに対しまして予算の大蔵原案が閣議で決定されて、その内示という段階に至りますれば、内容がはっきりすると思います。
○石村委員 そうした点をはっきりさせる意味で、きょう公社の総裁なり大蔵大臣に出てもらうように要求をしておいたのですが、おいでにならないので、さっぱりわからぬことになるわけです。そうすると、答申が出て、それによって政府案を決定なさるというときに、前もって当委員会にでもそういう構想をお示しになって、最後の決定を大蔵省ではおやりになるお考えか、それとも、答申によって直ちに大蔵省原案というものを作ってしまって、予算を閣議できめる、こういう運びになるのですか、どうなんですか。
○小林説明員 ただいまのところ、御承知のように基本方針について塩業審議会で御審議願っておる段階であります。答申をもらいましてから公社としての最終的な案を作りまして、監督官庁である大蔵省と相談したい、かように考えております。そのあとのことにつきましては、相談の上である程度きめられるであろう、こういうように考えております。
○石村委員 予算が出ても、やっぱり予算を認めるか認めぬかの審議が行われるわけですから、それでけっこうでありましょうが、当委員会の意見は、ある程度、百パーセントでないにしろ取り入れられなければ困る。そうした点の配慮はあるわけですか。
○村上説明員 この前も大臣から御説明ございましたけれども、塩業審議会では、直接の利害関係はないが、現在においては、世間で言ういわゆる学識経験者と申しますか、そういう方々の意見を聞いております。もちろん、意見はいろいろな方面から伺いまして、最も国民の納得のいくようなものにしていきたいと、われわれは思っておるわけであります。今申し上げましたような、そういう学識経験のある方々に、大体の構想なり基本原則というものを、十分に世間の良識を代表して結論を出していただきたいということを現在お頼みしてある状態でございます。もちろん、その審議会に、いろいろ各方面の諸先生方の御意見も申し上げて、一番妥当な結論が出るようにいたしたいと考えております。
○田万委員 関連して。 虚業審議会の結論が出た際に、この大蔵委員会は非常に塩業問題に対して熱意を特って討議をやっているわけですが、この委員会に案を示されて、この委員会でいろいろ審議を進められるというような御意向はございませんか。
○村上説明員 塩業審議会の意見を伺いまして、公社なり政府というものは案を立てるわけでございます。それにつきましては、当然、国会の予算委員会において、あるいは法律案によってはこの大蔵委員会において、いろいろな意見を伺うわけでございまして、私は、その機会に、法律案なり予算案が出たあとで十分に機会がある、こう存じております。
○石村委員 もちろん最後は国会でいろいろ政府の考えを認めるか認めぬかきめるわけなんですが、しかし、いろいろのことを考えますと、膨大な予算の中の一部分を実際問題としてやはり簡単にいじれないと思うのです。従って、そういう予算が出る前に、やはり当委員会の意見というものが十分参釣されなければ困るのじゃないかと思います。従って、先ほどの御返事を聞きますと、予算の、きょう閣議で決定になるものは、きわめてばく然とした融通のきくような案が出るともとれるような御返事であるわけなんです。そういうふうに余裕のある形でおきめになれば、それは幾らでもできるわけです。どうかそうした点を十分気をつけていただきたいと思う。審議会は第三者も入っておるから、それでいいというのでは——なるほど審議会には第三者が入っておるわけですが、やはり国会は前もって論議しておるのですから、国会の意見というものを十分いれなければ話にならないと思う。審議会の答申が出れば、もうそれで世間の意見もわかっておるのだという形で、簡単におきめになっていただいては困ると思うのです。どうですか。
○村上説明員 事前に十分な御相談をするということも確かに必要なことではございまするが、予算その他いろいろタイミングの問題もありまして、私は、最後に予算なりあるいは法律案なりというものが、いわゆる憲法上の手続で国会の審議を受けます際に、これを諸先生方の御意見なり何なりを伺うということで、普通の案件もそういうふうに処理されているということから、私はそれで妥当な結論が出るのじゃないか、こういうように考えます。
○石村委員 そのような御返事だとすると、きょうの閣議にかけられる案における塩田整理に関する考え方を、はっきりここで示していただきたいと思います。一方では答申を待っておる、こう言って、事実はもうきょう進めておるということでは、委員会を全く愚弄したやり方だと思う。もうちゃんとした大蔵省なり政府の案というものがあって、きょうの閣議の決定はなされるのじゃないか。これは再来年で処理する含みでやっていくというなら、それはそれでもけっこうです。もう三十四年度の予算ではっきり縛られてしまうというのなら、今まで審議会の答申を待つ待つ、こう言っておられる。そうして審議会の答申はまだ出ていない、一方三十四年度の予算の骨格はきょうきまってしまうというのじゃ審議会の答申を待つというのは、ただわれわれに政府の方針を示さないで、既成事実を作ろうとするやり方だ、こういう非難も生まれざるを得ないと思う。三十五年度の予算に大いに関係する形で行われるかもしれないというなら、これは私はあえて聞きません。しかし、三十四年度の予算できちんと方向がはっきりするものなら、しかも金銭的に予算的にはっきりするものなら、審議会の答申を待つというのはうそであって、政府にはあるいは公社には一定の筋書きがちゃんと書いてある、それをきょうやってしまう、あと審議会の答申というものが体裁を作るために出てくる、こうとしか理解できない。一つこの点をはっきりさしていただきたい。
○村上説明員 先ほども申し上げましたように、本日かあるいはこの二、三日うちに内示になります内容が私たちにははっきりいたしませんので、ばく然たる御返答しかできないわけでございますが、きょう閣議で決定するといわれているところの案は、いわゆる大蔵省原案の決定でございまして、これが政府の予算案になりまするまでには、相当な時日をかけて、いわゆる復活折衝の過程において入れるべき意見も入れて修正されていくわけでございます。その間に虚業審議会の諮問が出れば、非常にタイミングとしてはうまくいくわけでございますが、そこらのところは、先ほど塩脳部長が申しましたように、必ず今月末までに出るかどうかは、私どもも確信はないわけでございますが、できるだけそのタイミングが合って、両方ともに時期的に合致するような段取りで進んで参れば非常に好都合、こう思っております。
○石村委員 それは大へん好都合でしょうが、きょうの大蔵原案に、大蔵省の塩田整理に対する原案なるものがあるはずだと思う。大蔵大臣はしきりに審議会の答申を待つ、こう言っておった。答申はまだ出ていない。出ていないきょう、大蔵原案なるものが閣議できまる。——きまるかきまらぬか知らぬが、お出しになるというなら、大蔵省原案をきょうここへ出してもらいたい。答申を待つというのは、それは先のことです。大蔵省原案というものはもうすでにきまっておるのじゃないか。答申を待つというのは、それはあとで原案がどのように修正されるかもしれないという影響はあるかもしれないが、きょう提出される大蔵省原案にはあるはずだと思う。これは村上さんに聞いたってしょうがないかと思うのですが、大蔵省の大臣なり政務次官なり出て、一つこの辺の経緯を明らかにしていただきたい。 —————————————
○早川委員長 それでは、次に税制に関する件及び金融に関する件について調査を進めます。 質疑の通告があります。これを許します。川野芳滿君。
○川野委員 新聞の報ずるところによりますと、大蔵省の省議で、酒のマル公の撤廃、こういう方針がきまったというようなことが出ていましたが、マル公撤廃の問題について、撤廃の方針がきまっておるかという点をお尋ねしてみたいと思います。
○北島政府委員 ただいまの御質問では、何かどこかの新聞に、大蔵省議で酒の公定価格の廃止のことが決定したというように出ておるようなお話でございましたが、実は、大蔵省議ではまだ全然そういうことは決定いたしておりません。実は、省議の過程において、多少それに触れたことはありますが、それは当時の省議の問題でないということで、別になったわけでございます。まだきまっておりません。
○川野委員 それでは、これに対する——これは実は大蔵大臣に対する質問かとも思いますが、長官がお見えになっておりますからマル公撤廃についての御説明を承わってみたいと思います。
○北島政府委員 御承知の通りに、酒の公定価格は、現在物価統制令に基く大蔵省告示によって定まっておるものでございます。戦後非常に多くございました公定価格も、経済界の安定とともに逐次廃止されまして、現在物価統制令に基く公定価格というものは、酒とふろ銭以外には、きわめてわずかでございましょう。その他公益事業法に基く認可料金もあることではございますが、とにかく、政府がある価格をきめて、最高販売価格をきめるというような例はきわめて少くなっているわけでございまして、酒につきましても、実は、昨年あたりから、そろそろもう公定価格は廃止すべき時期ではないかというような議論がされておるわけでございます。私どもといたしましては、やはり、物価統制令に基くところの最高販売価格の統制というのは、将来長く続くべき問題ではなくて、早晩廃止しなければならぬ運命にあるものと考えております。ただし、公定価格の廃止につきましては、いろんな利害も考えなければなりません。もちろん業界の安定、酒税の確保、それから消費者の利益の擁護、こういう点を十分に考え合せて、その上で慎重に決定すべきであることと思います。しかし、方向といたしましては、やはり公定価格廃止の方向に進むべきではなかろうか。従いまして、私どもといたしましては、どうすれば、公定価格を廃止した場合において、今のような諸条件攻満たせるかという点につきまして、丸だんから研究しておく必要があるかと考えておるのでありまして、私の方でも目下慎重に研究いたしておりますとともに、業界に対しましても、将来の場合を考えて、できるだけ一つ業界の内部において協議を進めて、公定価格廃止の場合に対処すべき方法を検討」てもらいたいということを、私の方で要望しておるわけでございます。
○川野委員 物価統制令による公定価格を廃止する方向で研究している、こういうお話でございましたが、御承知のように、酒はほとんど税金です。和金を飲んでいると言っても過言でないのであります。こういう非常な非難に対する公定価格の撤廃でございますから、撤廃いたしました後においてはどういうことで価格を維持し、酒税の確保をするか、こういう点が大きな問題だろうと考えますが、こういう点についてどういうような方向でいくのだということを、大ざっぱな方向でもけっこうですが、お考えの点がございましたら御発表願いたいと思います。
○北島政府委員 実は、この点につきましては、臨時税制委員懇談会の答申にもあるわけでございます。物価統制令によるところの最高販売価格の統制は、なるべく早い機会に廃止するようにという答申でございますが、ただ、もし廃止に伴いまして値くずれがあるというような場合におきましては、酒税確保の見地からやはり相当重要な問題でございますので、あるいは酒団法によるところの協定価格等によって値をささえなければならない、というようなことを答申で言っております。この点は、私どもも全く同意見でありまして、卒然として公定価格を廃止し、これに対する何らの措置がないときには非常に大きな混乱を招きますので、まず第一に業界における協定価格という問題が考えられるわけであります。それから、特に清酒につきましては、特、一級という制度がございます。もしこのまま卒然として廃止いたしますと、従来特、一級で売っておった方は二級酒として売った方がはるかに有利になりますので、現在の級別課税制度がくずれるおそれがあります。従いまして、こういった酒類につきましては、物価統制令による最高販売価格ということではなくて、酒団法に基きまして、酒税確保のため必要あるときに大蔵大臣は最高販売価格をきめることができる、というような規定でも設けまして、たとえば、清酒につきまして、二級及び一級につきまして酒税確保の見地から最高販売価格をきめて、そうして特、一級の二級酒への流れ込み、これに基く酒税の確保の不安ということのないようにいたす必要がある、こういうように考えております。
○川野委員 公定価格をきめられております今日においても、大阪市場においては七十円も投げ売りをしておる業者が出ておる。東京においては四、五十円の値くずれがしておる。こういう実情であります。そういう事情でございますから、公定価格を廃止した後においては、当然これにかわるべき強いものでこういう問題を押えなければ、おそらく混乱が参りまして、酒税確保は困難であると存じます。そこで、ただいまも御発言がございましたが、酒団法等によりまして協定価格を作らせてやる。これは私非常にけっこうであると存じておりますが、しかし現在の酒団法というものは内容が非常に弱い。酒団法を作りますときに、奥村委員であったかと思いますが、この点について相当突っ込んだ質疑がございました。すなわち、中小企業団体法に比べましても、酒団法は非常に弱いのであります。その一例を申しましても、加入脱退が自由である、こういうことになっております。まず酒造組合から脱退いたしまして投げ売りをするということに対しては、何らの措置ができないということに現行の酒団法はなっておると私は存じます。そこで、かりに公定価格を撤廃いたしまして、協定価格によって酒価を維持させる、こういうようなお考えがあるならば、まず酒団法の改正を断行いたしまして、強い酒団法を作って、そのもとで協定価格を厳格に守らせる、こういう方法でもっていかなければ、現行の酒団法によっては、私はとうてい協定価格というものを守ることはできないと考えます。こういう点についてのお考えを承わっておきたいと思います。
○北島政府委員 酒団法の改正につきましては、先ほど申しました酒団法による最高販売価格の基調をなし得る大蔵大臣の権限のほか、なお各方面におきましても、改正すべき諸点につきまして目下検討いたしております。現在の酒団法が弱いものであるという御意見も、お話のようなごもっともな点もございますので、こういう点も十分あわせましてただいま検討中でございます。ただ、まだ成案は得ておりませんけれども、通常国会の再開までには十分成案を得たい、こういうように考えております。
○加藤(高)委員 川野委員の質問に関連いたしまして、長官にお尋ねしたいと思います。ただいまの長官の御意見によりますと、酒のマル公はこれをはずすということが、業界にも非常に大きな影響を与えるから、当分公定価格を廃止するということは慎重に考えて、また将来ばはずすべき方向に行くと思われるので、そういう点については業界側に対しても研究をすることを話しておるというように私承わったのであります。その意味は、端的に言いますと、公定価格は当分はずせない、しかしながら現在の情勢下にあってははずすべき方向には行く、だからはずされたときの用意に業界も考えておけというようにとれるのでありますが、そのことについてもっとはっきりした御意見を承わりたいと思います。
○北島政府委員 これはいつかはずすことになるから、まあゆっくり研究しましょうやということではございません。昨年からの問題になっておることでもございますし、将来の方向としてはやはり早晩はずすべき運命にあると思いますので、業界におきましてはできるだけ公定価格を維持してもらいたいという御希望はありますけれども、なかなかそういうようななまぬるい考えではいけない、いつ何どきでもはずせるように、改正しておかなければならないじゃないか、こういうことを強く私どもは申しておるのであります一しかし、さりながらといって、準備のできないうちに早急にはずすことは、ただいま申しましたような諸点にいろいろ問題がありますので、十分慎重にはいたしたいと思います。しかし、慎重にするからといっても、やはりするべきことはしなければならぬ、こういうような考えで、実は、先般の酒類懇談会におきましても、業界の代表の各位に対してお願いをいたしたわけであります。いっか廃止になるだろうからゆっくり研究しようということじやなくて、もっと慎重に御研究願いたい、こういうことで業界にはお願いいたしておるわけであります。
○加藤(高)委員 問題は、早晩という時期の問題だろうと思うのです。その時期の解釈をめぐりまして、業界にいろいろ波紋を描いて、承わるところによりますと、去る十九日の酒類懇談会のときに、各団体をお集めになって、大蔵大臣公邸におきまして国税庁へ意見を徴されたそうでございますが、そのときも、ほとんど生産者代表は、この公定価格廃止ということについて庁対の意見を述べておるということを私ども聞いておる。業界ばかりでなく、私どもの考え方といたしましては、この公定価格廃止ということは、国家財政の上から考えましても時期尚早である、かように私どもは考えておるのであります。それは、先ほど川野委員からの質問によりまして、もう十分申されておることでありまして、今さら私がここに申し上げるまでもないのでありますけれども、要するに公定価格廃止後における業界の混乱というものをどうして防ぐかということが、一番の問題点であろうと思うのであります。長官の御意見を承わりますと、いわゆる酒団法を強化して、それによって協定価格というものを作って業界を安定させるということをおっしゃられておるのでありますが、仄聞するところによりますと、ただいま国税庁で考えておるこの酒団法の改正には、先ほど川野委員から御質問になりました、いわゆる組合員の強制加入というような、この一番大事な点が抜けておるというようにも聞いておるのであります。こうしたことで、今までありますようななまぬるい酒団法によって、この協定価格というものを設置して業界の安定をはかろうということになりますと、もしそうしたことになりました場合におきましては、異常な混乱が業界に巻き起って、いわゆる税収の上にも大きな減収を来たすのではないかというように考えられるわけでありますが、その点いかがですか。
○北島政府委員 ただいまのお話のございましたように、酒団法の改正につきましては目下十分検討いたしております。ただ、強制加入の点につきましては、いろいろ波及する面もございますので、慎重に検討する必要もあろうと思います。御趣旨の点も頭に入れまして、慎重に考慮して参りたいと思います。 —————————————
○早川委員長 この際暫時政府委員に対する質疑を打ち切りまして、田万廣文君より決議案の提案について発言を求められております。これを許します。田万廣文君。
○田万委員 塩業整理に関しまして、去る十六、十七、十八、また本日にわたりまして、相当長い時間煩わしまして御調査願いまして、まことに感謝にたえないところであります。 すでに御承知のように、このたびの塩業整理は、実に塩業界始まって以来の重大問題でございまして、しかも、その整理の責任は、当委員会における調査の結果から判断しますと、あげて公社側にあるということが断定されるわけであります。また、公社側における塩脳部長も御出席になりまして、その点を率直に認めておら氷るのでございまして、その責任の上に立って今度の塩業整理が円滑になされなければならぬと思うのであります。今日ほんとうに、従来長い間、竹谷君の話ではございませんが、農奴のような生活のどん底に陥って、しかも国策に沿うて営営として、多年にわたって、何百年にわたって塩業界に貢献した人々が、このたびの整理によって死活のボーダー・ラインに今坊律しておるというのが実情でございます。それらの人々を救済するために、皆さんの心からの御同意を得て、この決議案に御賛成を願いたいと思うのであります。 決議案を朗読いたします。 塩田整理に関する決議 塩業整理に当っては、将来の需給関係、製塩技術の見透し、整理に伴う関係者への影響、整理後の塩業経営の安定等の点について慎重に検討し実情に即し既存企業の保全を期し已むを得ず整理に至ったものに付てはその補償は合理的基礎にもとづいて善処すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ皆さんが御賛成下されんことを、心からお願い申し上げる次第であります。
○早川委員長 お諮りいたします。本決議案を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 なお、本決議に関する議長に対する報告、並びに大蔵大臣及び専売公社総裁に対する参考送付の手続につきましては、委員長に御一任をお願いいたします。 この際政府より発言を求められておりますので、これを許します。山中政務次官。
○山中政府委員 ただいま本委員会におきまして全会一致御可決になりました決議の趣旨に関しまして、今回の塩菜整理につきまする諸般の問題について広範な御要求でございまするし、また全会一致の形が示しまするような妥当な考え方に立っておるものと考えまして、十分尊重いたしていきたいと考えますが、さらにその個々の具体案の作成に当りましては、本企業が国家のワクの中における特殊な専売の形で育成し強化されてきたものでありますだけに、その整理については、他のいろいろと起っておりまする整理と違いまして、国が十分にあたたかい気持をもって措置できるような作業を進めて参りたいと存じます。 —————————————
○早川委員長 引き続き税制に関する件及び金融に関する件について調査を進めてます。 質疑の通告があります。これを許します。
○佐藤(觀)委員 酒のことに関連して……。 北島長官にちょっとお尋ねしますが、この酒の公定価の問題もありますが、二級酒が非常に税金が高いということでいろいろ陳情も受けておりますし、各地で国政調査に行きましたときもいろいろその問題がありまして、せっかく酒が需要があるにかかわらず、ビールや洋酒に比べて非常に戦前に満たないという大きな理由は、二級酒の税金が非常に高いということであります。いろいろ例をあげられましたが、その点についてどういうお考えを持っておられるのか。そのことを一ぺん、主税局長かもしれませんが、北島長官、前からやっておられてるので、その点どういう考えを持っておられるのか、一つお尋ねします。
○北島政府委員 ただいま清酒が伸びないのは二級酒の税率が高いからだ、こういうお話でございますが、なるほど税率は高うございます。しかし、二級酒だけ高いのではなくて、他の酒類も一様に高い税率でございまして、特に私は清酒の二級酒の税率が他の酒類とバランスを失して高いために、清酒が伸びないということではないというふうに思っております。もちろん、二級酒につきまして税率を下げますれば、これは清酒が伸びることは確実でございましょうけれども、他の酒類とのバランスもやはり保持しなければならぬわけであります。今一番清酒が伸び悩んでおるという大きな原因は、生活の環境の変化に伴いますところの一般民衆の嗜好の変遷にあろうという感がいたします。たとえば、私どもが若いときには清酒をよくたしなんだものでありますが、ただいまの青年は簡単にトリス・バー等でハイボールで間に合わすという形になっております。そういうような嗜好の変遷、それから清酒はおかんをしなければ飲めぬという点もありましょうし、販売方法につきましても、昔ながらの販売方法をやっているウイスキー等につきましては、びんなども非常に趣向をこらしておりますが、清酒は依然として昔ながらの一升びん、こういうような点がいろいろ軍なり合って、清酒につきましては需要が伸び悩んでおるということであろうかと思います。特に清酒の二級酒の税率が他に比べて高いために伸び悩むということではなかろうと思います。
○佐藤(觀)委員 もう一つ。加藤君や川野君は酒屋でありますが、私は酒屋ではありませんので、意見の違っておる点、観点が違っておる点があると思うのです。それは、酒の戦後の需要が少くなったというのは、米の統制の結果、戦前非常に大きく整理を受けたということで、酒が一般に回り切れなかった点があると思います。それと同時に、今二級酒の税金が高い。なるほど特級酒や一級酒が高いことはわれわれも知っておりますけれども、全体から見れば、特級酒はわずかしか飲んでいない。われわれの考えておるのは、そういう意味ではなくて、やはり二級酒が三百五十円ぐらいで飲めるような、酒屋の統計もありますけれども、そういう観点も一応考えていただかなければならぬと思います。今どぶろくやしょうちゅうなんかを飲む者は、今の二級酒が高いから飲んでいるのだろうと思うのです。大衆の生活を考えて、せめて二級酒くらいはもっと自由に飲めるような税率に下げることが必要ではないかと私は考えているので、あなたはハイボールやビールを飲むのは生活が変ったからだと言われますけれども、そういうことばかりではないと思う。酒は米の関係で制限を受けておりますから、戦前に復帰しない。そういう点で戦前と戦後のバランスがとれない点があるのは御承知だと思います。そういう点を思い切って税率を下げれば、二級酒はもっと売れると思うのですが、そういう観点に立っているかどうか、もう一度お伺いをいたします。
○北島政府委員 国税庁の立場について申しますと、すべてバランスのとれた税金の引き下げは絶対に賛成です。いかなる場合においても、バランスのとれた減税につきまして一番賛意を表したいのは、国税庁であろうかと思います。酒につきましても、もちろん同様でございまして、無理な税金が低くなって、そうしてバランスがとれて、一般的に酒が伸びていくのが好ましいことではないかと思います。そういうことが酒税確保の点からも好ましいことではないか、かように考えております。
○加藤(高)委員 もう一点だけ、佐藤君から減税の話も出ましたから、それについて一言触れてみたいと思います。 長官のお話のマル公をはずして漸次自由な方向に持っていくというのも一つの考え方ではありますけれども、業界の実勢は、先ほど私が申し上げたように、大部分がマル公撤廃というものに対して反対で、生産者ことに小売業というものは非常に反対をいたしております。卸の業界においても、一部は賛成の諸君もあるようでありますけれども、反対の方が多い。こういう実情上のに立って、今後マル公を廃止して、協定価格だけでその業界の安定をはかり、税収の安全をはがるということは、これはでき得ないと思うのです。またマル公廃止後における業界の過当競争ということを考えましたときに、私ははだにアワを生ずるような感じがするのであります。現在マル公制度のもとにおいて一部においてはいろいろの議論もありまするけれども、そういった中にあってさえも、業界の経宮の状況というものは必ずしも安定しているとは言えない点がございます。こういったときに、ただ一つの抽象的、観念的理論のもとに、マル公を廃止した方がいいのではないかというようなことでマル公を廃止することは、大きな危険が伴うというように私ども業界に関係ある者としては判断をいたしまして、このマル公撤廃については反対をするのでございます。また、かりにそうした方向に進むといたしましたならば、これは、ただ単にいわゆる協定価格、そうしたものだけで業界の安定を守るというような、そんななまやさしいものではないのであります。これには、先ほど佐藤君からも言われましたが、やはり大幅な酒税の減税ということがなくては、こうしたことは考えられないと思うのであります。 せんだっての十一月十四日の奧村委員の質問に答えて、本日御出席の山中政務次官も、マル公の撤廃というものは慎重にする、またこのマル公の撤廃によって中小業者が大企業に圧迫されて混乱するということについては十分話がわかるから、その点は慎重にするという御意見を発表されている。実際マル公を廃止して一番影響を受けるのは、中小の生産者、それと同時に小売業者です。これで利益を受けるのはいかなる競争にも耐え得るところの大企業だけがあるに残るということであります。こういうことはお考えにならないと思いますが、かりに貧乏人は麦を食えという思想が残っておりまするならば、今後の大蔵行政の上について非常に大きなマイナスになりますので、この点を慎重にお考えになっていただきたいと思う。これに対しまして、一つ国税庁長官のお心がまえ、ことにわれわれの尊敬する山中政務次官のお考えをお聞きいたしたいと思います。
○山中政府委員 ただいま、御質問と申しますか、専門家の御教訓があったわけでありますが、私は、前に答弁いたしておりますように、逐次具体的な研究は事務的に続けさせておりますけれども、その裏づけとして、ただいま御指摘のような点がこれで大丈夫である、酒税の面からも業界の方からも、混乱と申しますか、なかんずく弱小業者が一挙に倒壊という事態等が起らざるためにも、諸般の準備相整わざる限りは、こういうことは断定をさせないつもりで起ります。またその方向で進んでおりますので、御懸念には及ばないと思いますが、いろいろと専門家の立場から今後もお教えをいただくならば、その通りに私も研究したいと考えております。
○早川委員長 竹谷源太郎君に申し上げますが、ただいま朝田海運局長、山下船舶局長が運輸省から来ております。運輸委員会の都合もありますので、大蔵省の関係者に対する質問の先に、一つ運輸省関係の御質問を願います。竹谷源太郎君。
○竹谷委員 それでは、委員長のお言葉もありますので、最初に輸出船舶の問題についてお尋ねしたいと思います。 ここ数年来日本の船が盛んに外国に輸出をせられておる。その理由は、日本の造船技術の優秀あるいは船価が比較的安いというようなこともありましょうが、輸出の非常に盛んな一つの原因として、日本輸出入銀行が延べ払いに対して融資をする、こういう問題もあずかって力があったかと思うのであります。昭和三十年以来を見ましても、一千億前後外国船主から日本の造船所に対する船の注文があり、ことしは上半期少かったのでありますが、最近になりましてにわかに激増している。こういう情勢で、輸出の面から見ると大へんけっこうなように見えますが、この問題について輸出入銀行が金を貸しておりますが、この金を貸すことについて一つ検討してみなければならぬ点もあるのじゃないか。そこで政府の見解を伺いたいのであります。たとえば、外国の船主の注文によって、油送船、タンカーを輸出するという場合に、現在船価も非常に安くなっており、一トン当り百四十ドルから百五十ドルくらいの安い船価でございますが、かりに安く見まして一トン——これはデッドウ・エート・トン、重量トンでありますが、一トン百四十ドルで二万トンのタンカーの注文を受けた場合に、その値段は二百八十万ドルになる。その二百八十万ドルの支払いに対して七、八割の延べ払いを認めておる。現金は二、三割しか入らない。かりに三割入ったとしても、残りの七割については、百九十六万ドルになるわけですが、七カ年とすると一年に二十八万ドルずつ払えばいい。最初に八十四万ドル現金で払えば、あとは毎年二十八万ドルずつ七年間払っていけばいい。その七年間に延べ払いをする二十八万ドルの七倍、すなわち百九十六万ドル、これを輸出入銀行が貸し付けるというような現状であるようであります。そうなりますと、これは一体、輸出をやって外貨を獲得するという面から見たならば、どういう結果になるかというと、最初の年に八十四万ドルだけ外貨が入ります。そしてその翌年から二十八万ドルずつずっと支払いを受ける金が入ってくるという計算にはなりますが、現状は、日本が自国船で運ぶ油は四五%にしか達しない。あとの五五%は、外国の船で運ぶか、あるいは外国の船をチャーターして運んできておる。そこで、結局、日本の船舶が、自国船が足らないので、相当日本のオペレーターは外国のタンカーをチャーターして運んでおるという現状である。で、かりにギリシャの船主が日本に先ほど申し上げましたような二万トンのタンカーを注文する。そうしてその船ができた。それを日本のオペレーターがチャーターをして使うということにしますならば、最初の年に八十四万ドルの外貨が入ってきて、翌年から七年間三十万ドルずつ外貨が入ってきますけれども、その二万トンの船を日本のオペレーターがチャーターするということになりますと、今の相場では大体七十三万ドルぐらい払わなければならぬ、こういうことになります。そういたしますと、最初の年に八十四万ドル外貨が入る。翌年は三十万ドル、第三年目も三十万ドルといたしますと、この三年間の外貨収入は百四十四万ドルになる。三年間に外貨が百四十四万ドル入ってくる。しかるに、二年目から七十二万ドルのチャーター料を払って、それを借りるということになると、二年間で七十二万ドルの倍の百四十四万ドルになる。だから、最初の年に船価の三割のお金を払ってもらって、翌年三十万ドル、三年目三十万ドル、合せて百四十四万ドルの外貨が入ってくるのではありますが、その船を日本の船主がチャーターして、第二年目から七十二万ドルずつ払う。第二年と第三年で七十二万ドルずつ払えば百四十四万ドル、だから三年を通ずると結局百四十四万ドル入ってくるが、チャーター料としてまた百四十四万ドル払わなければならぬ、こういうことになりますと、外国へ船舶を輸出しても、三年の間では外国は何ら入っていないという計算になる。第四年目から今度はずっと七十二万ドルずつチャーター料を払っていかなければならぬ。そうして三十万ドルずつしか入ってこない年賦償還の分の船の支払いが三十万ドル、結局それ以後五年間四十二万ドルずつ払っていく計算になりますから、一年に四十二万ドルずつ外貨の支払いが多くなるという計算になるのです。非常に数字がめんどうですが、船舶局や通商局やあるいは理財局の方は専門家だから、今のこんがらかった数字でおわかりだと思う。結論は、せっかく出血輸出みたいな非常に安い値段で船舶を輸出しても、最初の三年間で結局外貨が一文も入らないという計算になる。四年目からは五年間だけ——七年の延べ払いとしまして八年かかると見て、あとの五年間は四十三万ドルずつの外貨をチャーター料として、年賦払いで入ってくる以上に多く払わなければいかぬ。四十二万ドルずつ外貨がチャーター料としてよけい出る、こういう計算になる。そうなってくると、外貨獲得のために非常な犠牲を払って船舶を輸出することが、外貨の流出を招くことになるのではないか。外国の船主が注文して日本で作った船を全部日本人がチャーターするわけではありません。しかしながら、日本の不足しておるタンカーその他の船舶について、日本で作ったその船舶を日本の船主が借りて使うというような現状ならば、借りて使う分だけでも、一方において計画造船をやっておるのであるから、そっちへ回して、この金を使った方がむしろ有利ではないか、こういう計算が出てくると思うのでありまするが、これについて、通商局なり、あるいは運輸省なり、あるいは理財局はどういうふうにお考えになっておるか、それぞれの見解をお尋ねしたいと思います。
○山下(正)政府委員 今の御質問でございますが、お答えにぴったり合うかどうか存じませんが、一応現在の輸出船の状況につきましてお話し申し上げまして、あとで造船所が輸出をやる場合におけるいろいろな問題につきまして御説明申し上げたいと思います。 現在、輸出船は、お話のように三〇%の頭金で大体七年間の延べ払いをやっております。この延べ払いをした分につきましては、外国の船主は日本の造船所に金利を払っております。その金利は船によっていろいろでございますが、四分五厘ないし五分程度の金利を払っております。一方造船所の方は、延べ払いの輸出をします場合に、輸出入銀行から船価の八割に相当する金額の融資を受けております。従いまして、それらの事実が現在の船舶の輸出振興に大きな役割をなしていることは事実でございますが、他方造船の面から申し上げますと、現在の日本の造船所の規模というものは世界的な規模になっております。国内の造船がかりに年間五十万トンございましても、ミニマムの操業度としましては百二十万トンないし百三十万トン程度でございまして、とても国内の造船だけをもってして造船所の雇用を維持することはできないわけでございます。従いまして、どうしても輸出船、外国の船をとらなければならぬ。先ほどもお話がございましたように、現在百四十ドルないし百五十ドルで出血輸出だということでございますが、その値段では決して出血輸出の状況ではございません。ブームのときには諸物価が上りまして造船コストも高くなりましたが、船主の建造意欲が非常に高いために、いわゆる二百二十ドルとか三百四十ドルというような非常に高い重量トン当りの船価を油送船に生じましたが、現在におきましては、鉄鋼の値段も下りましたし、また造船技術の改善等によりまして、現在百四十ドルないて百五十ドルで、必ずしも造船所の輸出が出血であるというようには申し上げられないと思います。従いまして、これらの輸出は、一つには外貨の獲得にもなりますし、また国内の雇用の維持ということにもなります。御承知のように、造船所は、造船工業というものは非常に広範囲な工業に関連がございまして、多く申し上げれば二百種類にも達するということがいわれておりますが、それらの工業にはみな造船があることによって一種の仕事を与えているわけでございます。従いまして、そういう面からいたしましても、やはり日本の造船企業というものはどうしても維持しなければならぬというふうに考えておるわけでございます。 日本で作られました船が外国の船主に持たれて、その外国の船主が日本の石油業者等と輸送契約を結ぶということによりまして、日本で造船をやりましても、運賃等を支払えば、かえってマイナスになるのじゃないかという御意見がございますが、もちろん日本の国として自国船を持ちたいというのは、海運業者のみでなくて、国民千船が強く要望しておるところだと思います。従いまして、運輸省といたしましても、極力そういう線に沿って、わが国の船腹の増強ということに努力をしておるわけであります。しかし、御承知のように戦争中に膨大な船を喪失いたしまして、それが何らの補償も与えられていないというような点、戦後の無一文の状況から立ち上って現在まで船腹拡充に非常に力を注いでおりましたために、会社の内容といたしましては非常に問題があるわけであります。従って、私どもの方といたしましては、会社の基盤を今後ともますます強化して、日本の船主が自分で船を作り得る態勢を整え、またそのことが国のあらゆる面において非常にいい結果を生むであろうということは当然でありまして、この点につきましては大いに努力しているわけでございます。そういう点におきまして、必ずしも外国の船主が延べ払い分について金利を払っていないというわけではございませんし、それ等を相殺いたして考えましても、また雇用の点を考えましても、造船企業というものは今後とも輸出に多く力を入れていきたいというふうに、私どもは考えている次第でございます。御質問の要点にちょっと触れなかったと思いますが、御了承願いたいと思います。
○竹谷委員 それは、輸出を盛んにやるために、このような輸出奨励の方法手段をとることにむろん異存はないですけれども、外国船主に対して結局四分五厘の安い金利で金を貸すことになるわけです。ところが、日本の船主が計画造船で開発銀行から金を借りた場合には六分五厘、二分高い。普通銀行から借りれば一割近い。そういう多大の犠牲を払って、そして日本の船主は目をつぶらなければならぬ。外国の船主が日本に注文すると、今申し上げるような四分五厘の安い金利で、その約七、八割の金が日本の輸出入銀行から借りられる。こういう特別の恩典を与えるくらいならば、日本で外国の船主からチャーターしなければならぬ部分だけでも、計画造船を継続するのであれば、開発銀行から金を出して、日本の船主にその分を作らせるように配慮すべきではないか、こう考える。きのうきょうの新聞に第十四次計画造船の船主が決定になっている。これはいずれも倍以上の志願者があって、非常に猛烈な運動のもとにやっと二十日の日に船主が決定を見たようであります。半分以上、タンカーについても、その他のものについても、脱落している。この船主の決定についてわれわれ不審の点が非常に多い。二十億円の船を作るのに、十億円については普通銀行から一割近い金を借り、あとの半分の十億円は開発銀行から六分五厘の金を借りられる。これは非常な恩典です。利子補給を要望しておりますが、これは今度の予算案においてはけ飛ばされるようでございますが、利子補給はなくても、一割でなければ借りられぬ金を、六分五厘で開発銀行から千億も借りられるということはこれは非常な恩典です。しかも三年間の据え置きで十二年ないし十三年の延べ払い、千億の金を三年据え置いて六分五厘で使えるというだけでも、他の事業から見れば垂海おくあたわざるところだ。ところが、外国の船主は、それより二分硬い四分五厘で、七、八割の延べ払いの分について日本は輸出入銀行から金を貸してやる、こういう不合理なことがある。非常にたくさんの日本の船主から船を作りたいという要望があり、普通銀行から借りるよりも三分も金利が安い開発銀行の金がほしい。輸出入銀行の方は、それよりも二分も安い、五分も安い、そういう状況でありますので、これは何らかの調整をする必要があるのじゃないか。先ほど私は数字をあげて申し上げましたが、大体日本の船主が外国の船を借りる場合に、十五年ぐらいでチャーターしておるという場合は、最初の八年間については、一年に四年目から四十二万ドルづつ外貨の出し前が多くなるので、その金が二百十万ドルの損失になる。その後の七年間については、まるまる七十二万ドルを払わなければならぬのでありますから、その合計が五百四万ドルになります。だから、先の二百十万ドルと、それから延べ払いの外国の船主の借金が済んだあとの七年間の五百四万ドルと合せて、七百十四万ドルだけ日本は外貨を損するという計算になる。それくらいならば、その外国の船をチャ一夕ーしなければならぬ分くらいは、日本の船主に貸付をして船を作らす方か、外貨七百十四万ドル——二万重量トンのタンカーについて七百十四万ドルの外貨の損失を防ぐことができる、こういうことになる。この点大蔵省や通産省の意見はいかがですか。通産省の重工業局ですか、この船舶の輸出のととをやるところは。それと大蔵省の思見を聞きたい。
○今村説明員 お答え申し上げます。 ただいまの輸出船舶による外貨の手取りと、それから外国船のチャーターによる外貨の流出という比較の御質問でございますが、実は、先ほども運輸省からお答えがございました通り、船舶輸出につきましては、最近の造船業は、その規模から申しましても、また技術から申しましても、すでに世界的な規模の産業になっておりますので、輸出産業としてこれを育成して参りたい。また、現実に輸出の実績から申しましても、いわゆるプラント類の輸出の九割方は現在この船舶の輸出によって実績が上っておる、こういう状況でございます。なおまた、先ほどの運輸省からのお答えにございましたように、造船業の維持という面からいいましても、やはり輸出の確保ということは非常に重要な問題になって参っておりますので、そういう面から延べ払いの条件を緩和する、あるいは輸銀の融資の便宜をはかる、いろいろな面で措置をしておるわけでございますが、輸銀から現実に金を借りておりまするのは、先ほどの延べ払いの条件の場合でございましても、頭金の部分をのけまして、残りの部分について八割程度のものを融資しておるわけでございまして、契約全体から申しますと、約五割前後のものが輸銀の金を利用しておるわけでございます。いずれにいたしましても、この延べ払いの条件と申しまするのは、実は昨年の四月くらいから以降こういう状態になったのでございまして、三十年の下期から三十一年くりいの間におきましては、引き渡しまでに全部外貨が入る、こういう条件でございまして、その後国際的に海運界か非常に悪くなって参りましたために、よんどころなく現在延べ払いの条件のもとにおいて輸出を認めておるのでございます。これは、せっかく獲得しました市場を確保し、あるいはまた新市場を開拓する、かような意味合いにおきまして、現在さような方法を認めておるのでございますが、やがて海運界の情勢が変って参りますと、あるいは日本の船舶の競争力が上って参りました暁におきましては、そういう延べ払いの条件でなく、普通の最も有利な条件で、場合によりましてはキャッシュ・べースというような条件で船が売れるというような時期に回復するであろう、そういうことを期待しながら現在やっておるわけでございまして、私どもとしましては、造船につきましては輸出の最も有力なるにない手である、こういう建前から今後ともやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉岡説明員 私、為替局でございますので、全般的な大蔵省の意見を申し上げるのに適当かどうか疑問でございますが、私どもといたしましては、ただいま通産省からお話のありましたように、船舶の延べ払い輸出、特に延べ払いの点に関しましては、非常に望ましいとは考えておりません。むしろ一、二年前にありましたように、キャッシュで入ってくることが一番望ましいわけでございます。従って、日本の船舶もどんどんキャッシュで輸出がされるということが一番望ましいわけでありますが、ここしばらくの間非常に世界の状況が悪くなり、延べ払いの条件ということを、いわばやむを得ず認めておる。特に輸出競争——競争でありますから、条件の悪くなりましたときには、ある程度その悪い条件を忍んでおりませんと、市場の開拓、市場の維持ということができない。将来また条件が回復したときに失ってしまうということがございますので、ただいまはわれわれとして悪い条件で出しておりますが、本来は全部キャッシュ・ぺースに近い条件で輸出をやるべきだというふうに考えております。 それからまた、片一方、用船料を払って用船をしておるのではないかというお話でございますが、これは、理想といたしましては、日本の輸出入に関する限り、日本船で全部やることが望ましいと思いますが、日本船を作ることについては、先ほど運輸省その他からお話がありましたように、船主の問題あるいは国内の財政資金、一般の金融情勢、その他全般の情勢を考えて、できるだけのことをしておると考えております。
○竹谷委員 十四次の計画造船の船主がきまったようでありますが、これは、利子補給がなくても、先ほど申し上げますように、二十億の船を作るのに、開銀から借りる十億は三年間の据え置き、しかもあとの千億の普通銀行の利子よりも三分五厘くらい安いのです。こういうことになりますと、三年間の据え置きで、利息が一年に三千五百万、三年間で約一億五百万、それだけ見ましても、三年間で一億の利益が上る。でありますから、これは相当の恩典である。であるからこそ、猛烈に船主決定のときに争いが起る。みんな船を作りたいのです。この船主決定は、船舶局長や海運局長はあまり権限がないのかもしれないけれども、われわれから見ると、まじめに船のオペレーダーとして仕事をし、また船主として海運業をやっておる人が、どうもはずれているような感じがする。これはあなた方に話してもしょうがないけれども、これは追って内容を私は十分調べてみたいと思うのだが、何か政治的な運動の猛烈なところばかりが入っており、まじめに事務的に堅実に海運業をやっている人がのけものにされておるという感じが非常に濃厚であります。これが造船汚職事件などの起る原因となっておるのである。きょうは時間もありませんので、私は質問にかえて資料がほしいのでありますが、この船主決定に関する具体的な行政上の基準をあとでお示しを願いたい。着々とまじめに熱心に事務的にやっておるところが、どうも最後のどたんばになって排除せられておる。そして何らか政治的に強力な船会社が浮び出るという感じが濃厚だ。私は、今ここに資料も十分持っておらないので、一々具体的には申し上げませんが、これは非常に重大な問題で、大きな政治問題にもなり得るのですし、またがってなった。そういうことを再び繰り返さないように、海運局長はりっぱな公正な案を作って、それをぜひ通すようにしてもらいたい。そういう意味合いにおいて、一つその資料をあとでいただきたいと思う次第でございます。それから、今の輸出船の問題につきましては、いろいろ事情はありましょうが、国全体としていかにすれば一番多く外貨の獲得ができ、また日本の造船業が伸展をし、日本の海運業が発達をするかということを考えながら、これらの国内船主の問題並びに外国輸出船の問題等をにらみ合せて、妥当な政策を一つ大蔵省なり通産省、運輸省でとってもらいたいと思う。外国人に対して非常に厚過ぎると思う。こうまでしなくても日本の船は私は輸出する方法があると思う。外貨の節約並びに日本の経済の利益のために、十分今後とも三省において検討の上、善処せられんことを望む次第でございます。 次に、入場税の質問をいたします。きょうの新聞によりますと、政府は入場税に関して改正案を出すような記事が出ておる。特に映画の入場税については今まで五段階に分れておった——一〇%から五〇%になっておったこの入場税率を、一〇%、二〇%、三〇%というふうに、減税を含めて改正する案がきまったそうですが、この新しく改正せんとする税率によって、映画に関する入場税の税収はどのような変化があるか、お尋ねしたい。私の知っているところでは、今入場税全体の税収は約百八十億円、そのうち八五%ばかりの百五十億くらいが映画に関する入場税であると思う。だから、映画の入場税の改正というものは税収上非常な影響があると思うのだが、このような改正税率によるならばどんなふうに税収になるのか、それをまずお尋ねしたい。
○山中政府委員 事務当局に数字を説明させまする前に、限界を御了解願っておきたいのですが、予算は実はまだ大蔵省の決定を最終的に発表いたしておりませんので、今考えておる数字は減税額にしてどのくらいになるかということは、ちょっと私の方で事務当局に答弁をいたさせかねる点がございますので、仰せのような数字を明らかにするのはほど遠くないことでありますが、そういうような詰めた数字でないことで、お答えできることはお答えいたさせます。
○竹谷委員 概算でけっこうです。というのは、ここに私が持っている質料に「わが国映画産業の現状と諸問題」というのがあります。これは通産省で出したものですが、これでも大体入場人員や何かわかっておるのですから、計算はできておるはずです。
○山中政府委員 まだ最終的に御指摘のようなパーセントを御指摘通りに変えるということを、最終決定もしくは大蔵省だけでございましても発表いたしておりませんので、その数字の根拠そのものが、あるいは社会党側の御希望も私聞いておりまするし、また自民党の党としての御希望もいろいろ聞いておりますから、そのような数字でも、逆算をいたしますれば、すぐ数字はパーセントが出てくるわけでありますが、しばしの御猶予をお願いしたいと思います。
○竹谷委員 そこで、今まで五〇%もとっておったのを三〇%以内にとどめるということは、悪い方針ではないのであります。日本経済の第一面に出ているのですが、「最高三〇%どまり映画の新入場税」とある。今のように一〇%から五〇%の五段階というようなことは、徴税の実務からいっても煩瑣であり、その境目になったところでいろんな入場料金の決定について業者も非常に苦労をし、インチキではありませんが、いろんなことが行われて適当でないので、段階を削って減税するということはけっこうなことであります。また映画は大体平均して入場料金の二〇%くらいが税金になっておる。これを最高三〇%に下げても、税収入は大した変化はないと私は思う。むしろ結果はあまり減税にならないと考えるのです。そこで、この新しい大蔵省の案によれば、五十円以下一〇%というのでありますが、この一〇%の五十円以下というようなものは、教育映画あるいは文化映画のようなものは指定して無税にしたらどうか、こういうことも一つ大蔵省で考えてもらいたい。五十円の一〇%というと五円であり、三十円の入場料金なら三円にすぎない。税収も少いし、青少年等に見せる文化教育映画のようなものは、これはもう免税してもいいのじゃないか。この点御考慮を願いたい。大体全体として二〇%の税収があれば、入場税の中の映画に関する入場税はあまり予算的には減額にならないと思う。これはできればもう一本に、五十円以下無税、五十円以上二〇%くらいにきめちゃった方が、税収にもあまり響かず、簡潔であり、事務的に徴税上便宜であり、減税にもなる、こういうことにもなろうかと思うのでありまして、これは十分一つ御検討を願いたい。 ところで、百八千億の入場税収入のうち百五十億くらいは映画収入であり、他の三十億がその他の演劇や踊りやあるいは見せもの、そういうものによって得られるのでありますが、この映画以外の税金の対象になっておるいろいろな演劇その他のことについては、今非常に複雑であって、これは国税庁でも実務上むしろお困りでないかと思う。たとえば純オペラとか、あるいは純音楽とか、あるいは純踊りとかいうものがありますが、専門家に聞くと純と不純との区別がつかないという。何が純であり何が不純であるかわからない。それから演劇が踊りや音楽とは別に税率がきめられましたが、踊りと音楽とが交錯する。それに演劇のようなものが入ってくる。さて一体演劇として三〇%にするやら、その他のものとして五〇%にするのやら、純ではないからといって五〇%にするのやら、あるいは純であるから二〇%にするのやら、二〇%、三〇%、五〇%のいずれの税率を適用すべきかということになると、これは専門家でもなかなか迷って、非常に混乱が起きてくる。だから、東おどりのごときは、研究の発表だということになると、踊りとして二〇%になり、演劇だと三〇%になる。さあどっちかということになると、一週間の興行のうち最初の四日間は演劇として三〇%となる、あとの三日を二〇%の研究発表としてとるというようなべんちくりんなことをやってしまう。こういう例が他にもたくさんある。外国から踊りやバレーやバラエティや、あるいは音楽や演劇や、あるいはサーカスや、そういうものが来た場合に、過去の例においても、最初に五〇%の税率をやっておいて、あと二〇%に下げてみたり二〇%を三〇%に上げてみたり、いろいろなことをやっておる。これは判断にも困るし、事務も煩填であり、その間に政治的な運動が行われてみたりして、好ましくないことも起きる。それくらいならば、この厄介な映画以外の入場税については全部一本にしたらどうか。そして減税をしたらどうか。それでも全体の税額が三十億にとどまるのでありまするから、この減税はほんの微々たるもので、これは財政上も大した苦痛ではない。これを全部一本にしたらどうか、こう考える。 そこで、私がお尋ねしたいのは、力道山のたとえばあのプロ・レスリング、一体あれは何パーセントの税率を適用するのか。学生のスポーツのような場合にも入場料を取る場合がある。そういう場合には二〇%だろうと思うが、ああいう興行的なもの、それからプロ野球、これは映画以上に繁盛する。ああいうものは一体何パーセントの税金を取っているのか、お尋ねしたい。
○山中政府委員 こまかな一々の項目の点については、私よりも事務当局に譲る方がいいと思いますが、ただ入場税を今回諸種の要望にこたえて措置するに際しましての考え方について、一応御指摘の点等もございますので、明らかにしておきたいと思いますが、まず入場税のうち、主として映画を中心に今回いたしますのは、入場税相互間に御指摘の通りのバランスが保たれていない点がございます。従って、映画以外のものは、五〇%の比率というものはすでに存在しないのでございまして、三〇%が頭打ちでございます。そこで一般大衆の消費弾力と申しますか、どういう人たちがたとえば最高三割頭打ちの歌舞伎の特等席におさまるものであるか、その人たちと比べて、どんな大衆が映画の五〇%頭打ちの方におさまるものであるか。そこらのところはおのずと疑問の生ずるところでございますから、そういう点の調整をはかるために、まず五〇%、四〇%という税率はなくしまして、頭打ち三〇%で平均をとるというのが一つの考え方でございます。 その次には、しからば、内容の問題でございますが、それについては、これも、御指摘の通り、大体入場税は二〇%を標準としていった方がよかろう。御意見の通りでありますが、それを中心にいたしまして、税率を実は今回国会に御相談申し上げるための準備をいたしておるところでございますけれども、先ほど来申し上げまするように、こまかな比率に分けて申し上げる点まではまだ参っておりません。ただ、五十円以下の基本的な免税ということは、当初私も強く推進してみたのでありますが、実は入場税につきまして無制限に減税がその分野だけ行われる範疇にもございませんので、諸種の制約が財源上ございまするから、まず私も五十円以下の一〇%免税ということは、映画だけでありますが、金額が百七十二億のうち二十四億を占めておりまして、その一つだけで相当大きな幅を食う等の心配もございまして、一応あきらめたのでございます。しかしながら、御意見にも承わりましたように、その他について、では特例の免税措置を講ずる点は考慮しなくともいいのかということになりますと、これまたいろいろと研究しなければならぬ点が現実にあると思います。たとえば、常設の館を持たずして、それもまた定期的にでなくて、地方等を巡業いたしましたりなどする程度のものは、まあまあ追っかけて回って税を取るほど、徴税費の能率から考えましても、血眼になるべき対象でもあるまい。そこらのところには免税の措置等を講じたらとうであろうかという方向に検討を進めております。なお、具体的に野球とかあるいはプロレスとかいろいろ指摘がございましたが、これらは大体スポーツとして一律に課せられておりまするけれども、なお、比率その他については、御指摘に関しまするものを事務当局から答弁をさせたいと思います。
○北島政府委員 どの法律でもそうでございますが、限界点になりますと、果してどちらの方に解釈上くるかという点につきまして、いろいろ疑問が生ずるわけでございます。入場税法につきましては、従来からやはりお話のような問題点がございます。こういう点につきましては、私ども、実は、法律を設けてできるだけはっきりしていただいて、限界点につきまして、あまり税務署でいざこざのないようにしていただくのが、私どもとしては望ましいのでありまして、税制改正につきましては、国税の執行の任に当る者といたしましては、主税局に対しまして、しょっちゅうそういうふうにできるだけ簡単にしてもらいたいという要求をいたしているわけであります。また、個々の具体的な問題につきましていろいろ御質問がございますれば、それによってお答え申し上げたいと思いますが、概括的に申しまして、入場税法の個々の具体的の場合に適用が非常にむずかしい点がある、そういう点についてできるだけ法律によって簡単にしていただきたい、こういう希望を私どもは持っているということだけを申し上げます。
○竹谷委員 ことしの四月に演劇に関する入場税率の改正があって、これは演劇については経営者が相当楽になったわけです。聞いてみたところ、松竹り東京支店の演劇部の扱っている演劇関係の経理はどうなっているか。五月から十一月まで、この七カ月間に、やはり税率を五〇%から三〇%に下げてもらいはしたが、五百万の赤字を出しておる。演劇に関しては、もしここで減税がなくて、従来の頭打ち五〇%の高い税率で行くならば、五千七百万の赤字を出す見込みであったというのです。だから五千二百万だけ赤字が税率の低下によって救われたわけでございます。東宝の方はどうかといいますと、これは半期で、東京関係ですが、やはり七百万の赤字になっている。日劇ダンシング・チームというのは毎月百万づつの赤字を出している。これは五〇%の方です。こういうふうにして、こういう大興行家でさえも、演劇に関してはこのような赤字であり、まして寄席とか、その他いろんな見せものとして最高五〇%までのものがたくさんあるわけでございまするが、こういうものはそういう状態になっているようです。だから、演劇を三〇%まで下げたのはけっこうでございましたが、これはやはり映画と同じように二〇%を標準にして下げていかないと、正しい経営ができない、こういう実情も知っておいてもらいたい。ことに新派に至りましては、これはもうかるどころの騒ぎじゃない。やれば必ず非常な赤字を出す。むろん、だしものをやっても、俳優には一文の収入もない。むしろテレビやラジオに出演して、それのもうけで芝居をやったその赤字を俳優自身が埋めていっているというのが現状であることは、これは国税当局はよく御承知だろうと思う。そういう現在の演劇の状況であり、しかも、演劇は、これを奨励するために国立劇場も作ろう、こういう時代でございます。しかも後輩の養成もしなければならない。でありまするので、もっとこれは下げる必要がある。二〇%くらいに一律に持っていく必要がある。こういう意味からも、演劇といわず、スポーツといわず、その他の見せものといわず、みなこれは二〇%前後で一律にやっていく方が簡明直截な税法であり、しかも文化的な娯楽として、あるいは日本の文化を進めるための重要な手段としても、もう少しこれを愛護していくべきではないか。これから税収を得て国家が財政を切り盛りするというような考えではなしに、ぜいたくな、むだなことを国民がするから、税を取ってやるのだというような考えは棄てるべきじゃないかと思う。国立劇場を今度作るということでありますが、私は、その前に、この国立劇場の中で演出すべきりっぱな演劇あるいは戯曲、そういうものを発達させることが、日本の文化を向上させるために必要であり、そういう余裕が、松竹や東宝のような大興行家でもない、三〇%に下げてもらっても赤字を出しておるという現状等もにらみ合せて、入場税の事務的な簡素化、能率化という点から、またこういうものの発展のだめに、単に入場する者から税を取るという観念でなしに、もっと社会的な、文化的な面も考えつつ、入場税は真剣に検討をしてもらいたいと思う。国会の決議においても、入場税の税制に関しては、十分な研究をして出直せという決議にもなっておる通りでございまして、この問題は、狭い視野でなしに、十分政府当局に御検討を願いたいと思います。こんなもので税金をたくさん取るというような考えは捨ててもらいたい。できるだけ減税すれば、だんだん国民生活も向上して参ります。酒を飲んだり悪いことをするよりは、高級な演劇を見るなり、踊りを見るなり、音楽を聞く、あるいはスポーツを楽しむということは、今後ぜひ必要であると思う。経済が進んで多少余裕もでき、あるいは観光に、あるいはこういうものによって心を浄化し、そして健康で気持よく明日の労働に従事するという意味合いにおいて、この入場税の対象になっている演劇、スポーツその他のものを、見せものというような、川原こじきの仕事だというような考えでなしに、まじめな態度でぜひ御検討を願いたい。そしてまた、事務の簡素化からいいましても、一五%なら一五%、二〇%なら二〇%というように、一律にやった方がいいと思う。そして適正な税収もはかるし、また安い料金で人々が十分楽しめる、また知らず知らずの間に楽しみつつ、文化的な向上をはかる、リクリエーションをやるというふうに、ぜひ一つ御検討を願いたい。政務次官のこれに対する御所見を承わりたい。
○山中政府委員 御趣旨は仰せの通りでございまして、私どもそういう方向に機会をとらえて進めて参るつもりでありますが、ただ一律に二〇%ということになりますと、ある程度免税点を大きく切り上げませんと、逆に高くなる人もおるわけでありますから、今のところ、検討は、具体的に一律二〇%ということでは実は進んでおりません。二〇%程度というものが中心になるべきものであろう、言いかえるならば、二〇%が実質上入場税の中心である、平均であるという考え方で進めていくつもりであります。なお、末端におきまする徴税吏員が、これは純音準であり、これは純演劇であるという判断をいずれにするかというような点については、確かにいろいろの問題が生じてくるおそれが多分にございますから、同じ国定忠治を上演いたしましても、浅草でやればその何パーセント、あるいはこれを純粋オペラとしてやれば——オペラの国定忠治もありますまいが、比率が違うというような現象がないように、国税庁長官も、なるべくそうしてもらいたいということを言っておりますから、私どもはそういう方向に進めるにやぶさかでないということを申し上げておきたいと思います。 国立劇場等も、ことしからいよいよ敷地の決定を見、予算化いたして発足をいたす、言いかえるならば、その方面におけるわが国としての画期的な出発をする年でもございますので、私も、ただいまのあなたの御注意は十分尊重いたしまして、具体策の検討に進みたいと思います。
○竹谷委員 私の二〇%と申し上げたのは、二〇%以下で押えるそのためには、分界点は一〇%のところも必要になろうと思いますし、決して平均という意味ではありません。従って、二段階くらいが必要な場合もありましょうし、そして免税も……。その点、誤解のないように、一つ十分御検討をお願いいたします。 これでけっこうです。
○石野委員 この機会に政務次官に一つだけお尋ねいたしておきたいのですが、もう三十四年度の予算がきまるということも聞いておりますし、私どもとしてはその中にはいろいろ問題になる点も多うございますが、一つだけ、今度の予算の中に、国立療養所に関する特別会計制度ができるであろうというようなことを聞いておるのでございますが、これがそうであるかどうかという点を聞いておきたいのであります。 この点については、国立療養所の持つ意味合いからいいましても、さきに国立病院の特別会計制度というものができまして、あとの結果を見ますと、それは必ずしも国立病院の制度をよくしているというように思っていないのです。むしろ、そういうことをやりますと、当然収入に非常に注意を喚起することになりまして、そのために、病院としては、診療方法とかあるいは診断方法、医療社会事業等の、直接収入に関係のないようなものがおろそかになってくるというような点もあったりいたしますし、それから新設あるいは大修繕というようなことも控え目にされてしまうというようなことがありまして、本来の国立病院の責務を果し得ないような実情が出ておるのであります。また、療養所関係でやられると、一そう困難がくるというようにわれわれは思います。特に、この療養所にいる患者等は、この問題が、もし予想されるような状態で、法案としてあるいはそういう制度が出てくるとしますと、大へんなことだというので、ずいぶん大騒ぎをしているというような実情もございます。われわれは、やはりこの際、この国立療養所に収容されております患者諸君の問題等を考えまして、療養所がそのことのために統合、廃止などをされるようなことが起ったり、あるいは現在ある二割引の制度や、あるいは生活の苦しい者に対する経費の減免などというような処置が、不利になってくるというようなことがあっては困ると考えておりますので、もしそういうようなことが考えられるとするならば、むしろそういうことはこの機会にやめてもらいたいと思っております。この機会に一つ政務次官に、大蔵当局、政府の考え方は大体どうであるかということをお聞かせ願いたい。
○山中政府委員 ただいまお尋ねの結核の療養所についてでございますが、これは、卒直に申し上げまして、一部御心配になりました通り、そういう検討を進めていました時期が事務的にあるのであります。TBの患者は特殊の患者でございまして、新薬あるいは外科療法等の進歩に伴いまして、非常に死亡率が減少いたしました。その限りにおいては、結核対策というものが、今までのような死亡率等から推定するような対策は変えなければならない時代が参っております。また、その反面、新薬並びに外科療法は、的確にこれが全治したという結果を判断するにはなかなか長期を要します。またこれは医学上もその臨床結果というものは存在しないわけでありますから、最終的の結核対策としてこれは決定したものである、絶対に間違いないという断定は、いずれもできないと思うのであります。そういう分野の話はやめますが、そういうようなものでありますから、反面、大体この人は医学上からも外観上からも退院してもいいころにきた人だという判定が、いうならばアフター・ケアのどの時期において退院をせしめるか、社会人として今後は自己療養でもいいのだという判定をどういうふうにするかということは、なかなかむずかしいことだと思います。でありますから、反面において起って参ります現象は、大体見かけは相当いいのだけれども——これは医学の知識のない人というふうに限定してもいいのですが、見かけは相当いいのだけれども、なお退院の判定にはいろいろとごたごたして、退院の判定をいずれにするかという限界の人たちが非常にたまっているという現象があるのであります。そこで、国立結核療養所全般の経理から申しますと、これは大蔵省感覚でありますが、経理から申しますと、そこに多分に検討を加える余地があるのではなかろうかということで、これを独立採算の特別会計の建前とする制度に切りかえていったならば、あるいは、そこらの点において、出先々々の機関等の考え方の相違等も起ってくるであろうから、一面の解決策になるのではなかろうかという意見が、実は真剣に検討された時代がございます。そこでそのような御心配が実はあったのであろうと思いますが、結果から申しますと、これは取りやめることにいたしました。結核悲者というものは、御承知の通り、非常に精神的な刺激等が病状に相当な刺激を与える性格の病気でもございますので、無用の刺激を与えることは避けることにいたしまして、現在の制度のままでこれを合理化するための検討を続けていくことにいたしまして、特別会計制度というものは取りやめることにいたしましたので、あなたのところにそういう心配等の問い合せが参りますならば、やらないのだからということで、療養に専念できるようにいろいろと御教示を願いたいと考えるのであります。
○石村委員 ちょっとさっきの税制の関連で、ごく簡単に国税庁長官に聞きますが、新聞を見ますと、間組が東宮御所を一万円で入札したということですが、これは当然相当な損失が出てくると思うのです。これは税法上は損金算入になるのですか、どうですか。
○北島政府委員 卒然たる御質問でございまして、かりに一万円なり二千万円かかるところを、まあ損失がありますれば、通常は損失を見積るべきかと思います。しかし、ただいまのような特別異例の場合におきまして、これは果して認めるのがいいかどうか、これについては相当検討する必要があると思います。十分慎重に検討いたしたいと思います。ただいま卒然の御質問でございますので私どもとしては、今これを否認するとか是認するとかいうことはちょっと申し上げかねるかと思います。実情をよく調査いたします。
○石村委員 この前大宮御所のとき、何十万円とかいうのを一万円でやった。これは事実が発生したことですが、国税庁はどういう扱いをしたのですか。
○北島政府委員 まだ決算期が参っておりませんので、その点は申告になってないと思います。しかし、申告いたしましてから内容を調査いたします。
○石村委員 こういうことを国税庁長官が今返事ができないということはきわめてよろしくない。わかり切ったことだと思います。損金に算入できない、こうなればうそだと思います。これはまた後日に譲ります。
○早川委員長 それでは、午前中の会議はこの程度にいたしますが、参議院の審議の過程におきまして、本日二時から参議院で本会議が開かれ、公共企業体職員等共済組各法の一部を改正する法律案が当委員会に回って参ります。理事会の決定によりまして、直ちにこれを本委員会にかけまして採決をいたす予定になっておりまするので、大体五時ごろを目途に本委員会を再開いたしますので、さよう御承知を願います。 暫時休憩いたします。 午後零時四十三分休憩 ————◇————— 午後四時五分開議
○早川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 去る十日予備付託になりました公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案が、ただいま参議院を通過し、本付託になりましたので、提案理由の説明を聴取いたしたいと存じますが、前国会ですでに聴取いたしておりまするので、これを省略するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。 ————————————— —————————————
○早川委員長 これより質疑に入ります。御質疑の方はございませんか。——御質疑がないようでありまするから、これにて本案に対する質疑を終了いたします。 これより討論に入りたいと存じますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○早川委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 なお、この際お諮りいたします。ただいま可決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成並びに提出等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもって御通知することとし、これにて散会いたします。 午後四時七分散会 ————◇—————