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31回国会衆議院1959/03/19

商工委員会 第32号

発言数
36
登壇者
4
会派数
1
開催日
1959/03/19

会議録

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 これより会議を開きます。  小売商業特別措置法案、商業調整法案、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案及び輸出入取引法の一部を改正する法律案、以上四案を一括して議題といたします。審査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。始関伊平君。

始関伊平自由民主党

○始関委員 輸出入取引法の一部を改正する法律案は、これは輸出取引秩序の確立という点から見まして、非常に重要な意義があると同時に、相当今問題点の多い法案だと思いますが、私は若干の問題点につきましてお尋ねをいたしたいのであります。  輸出取引における過当競争を防止するという目的のために、ただいまこの法律の第十一条の規定に基いて、輸出業者は輸出組合を結成して、そうして仕向地と貨物とを協定して、価格なりあるいは数量なりに関する協定を締結できる、また「当該貨物の生産業者又は販売業者とこれらの事項について組合員のためにする団体協約を締結することができる。」、こういうことになっております。それで、輸出組合というものは、繊維、鉄鋼あるいはミシン、自転車、いろいろな品種にわたって相当広範に結成されておりますし、またこの場面においては、いわゆるアウト・サイダーに対する規制命令も出せる、こういうことになっておりますので、輸出取引秩序の確立といいましても、直接輸出の場面における問題あるいは直接輸出の段階における問題というものは、少くとも制度的にはあまりない。従って、この改正案のねらいとするところは、法律の題名は輸出入取引等の秩序の確立に関する法律、こういうように改めようということによってもわかるように、直接輸出の場面と一緒に、その背後にあると申しますか、その背景にある国内の生産取引の場面をも含めて、体制を全体的に整備したいという点にあると思います。そこで、この輸出組合のできておりますのは相当多いようでございますが、たとえばセメントとかあるいはビタミンとか問題が多いものもあると思いますけれども、こういうものについて生産業者または販売業者の協定は、ただいまの規定では、あくまでこれは輸出すべき貨物に限定せられておるのであるけれども、今度の改正案では、ただいまの例で申せば、セメントそのものあるいはビタミンそのものについて、輸出向けと内需向けとあわせて一本にして、全体的に協定を締結できるようにしよう、ここに非常に大きなねらいがあると思うのですが、一体輸出における過当競争防止という見地、そういう出発点からだんだんそういうふうに広がって参つるわけでございますが、こういう改正をやらなければいかぬということについて、いろいろな例をあげて、こういう実情であるからそこまで広げる必要があるんだ、こういうことを一つ御説明願って、実情を明らかにいたしていただきたいのであります。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 ただいまお話のございましたごとく、輸出入取引法は現状におきましても、かなりの目的の達成をいたしておるのでありまして、輸出取引秩序の確立にいたしましても、現在輸出組合が三十四ばかりできておりますし、その他かなりの輸出業者の協定もできておりまして、この輸出取引秩序の確立につきましては、かなりの目的を達成しつつあることは御指摘の通りでございます。しかしながら、今のお話にありましたように、現行法はあくまでも主体が、輸出業者の段階におけるいろいろの協定ができるというようなことになっておるわけでありますし、またあわせて生産業者の段階におきましても、ある程度の協定はできることになっておるのでありまするが、あくまでも輸出貨物に関しての協定なのであります。これでは実際問題といたしまして、輸出取引秩序の確立という点から申しますと、不十分な点があるのでありまして、今れの改正のおもな点の一つといたしましては、生産業者が輸出向けの貨物と、また国内向けの貨物等も含めて協定ができるように改正をしたいというのが、大きなねらいの一つになっておるのであります。今、その具体的な必要性いかんというお尋ねでございますが、一、二の例を申し上げてみたいと思います。たとえばビタミンBについて申し上つげますと、生産量の六、七〇%が輸出をされておるのであります。おもな輸出先はアメリカであるわけでありますが、わが国の輸出量は米国の総生産量の二割前後を占めておるというような状況に相なっておるのであります。そこで米国の業者は、日本ビタミンの安値が米国内の市価を全般に引き下げる原因になっておるということで、すでに関税引き上げの運動を起しておるのでありますが、わが国のビタミン製造業者は、輸出向けにつきまして生産量及び国内卸売価格について一応の協定を結んでいるのでありますが、これはあくまで輸出向けだけでありまして、輸出価格に値くずれも生じますし、米側業者を刺激せざる高さにこの価格を維持するということは非常に困難であるわけであります。その原因は何かといいますと、国内においてビタミンBの生産が過剰でありまして、その卸売価格は下落をしておりまして、国内向け、輸出用ともに扱っている輸出商社は、これら両者の価格を適当にプールをしまして、安値で輸出をしているというような状況であります。言いかえてみますと、輸出向けにつきましてだけ協定をやりましても、国内向けのものの協定ができませんければ、輸出業者としましては国内向けのものを輸出に利用するといいますか、使うことによってそういう抜け道ができるというようなわけであります。そういうような場合におきましては、どうしても国内向けと輸出向けと両方を協定の対象にして価格維持をはからなければならぬのじゃないかと思うのであります。もちろんビタミンBのみならず、他の商品についても、こういうような場合におきましては、国内の業者及び消費者に対する影響をおもんぱかって、価格の決定について慎重を期さなければならぬということは、これは申すまでもないわけであります。少くとも輸出価格の維持ということからいいますと、両方含めていたさなければ効果がないかとも思うのであります。いま一つの事例として申し上げますと、セメントでございますが、セメントは生産量の約一五%は輸出をいたしておりまして、輸出金額は年間約四千万ドルに達しておりまして、輸出貿易の拡大に寄与することの大きな商品だと思うのであります。これはすでに生産業者の段階におきまして、輸出向けのセメントについて協定がございまして、一種の調整委員会を中心としまして、仕向地または時期によって高く売れるものと安く売れるものをプールしまして、セメント業界全体として、年間約二百万トンに及ぶ輸出を維持してきておるのであります。最近の国際的売り込み競争の激化に伴いまして、輸出だけについての業界の協力態勢においては輸出を維持することが困難になりつつあるのであります。今後この輸出を維持していくためには、この輸出を国内生産と関連せしめつながら、現在すでに相当生産調整を行いつつあります国内生産に関連せしめて、輸出したる業者には国内用生産の割前を増加せしめる等の方法を考えることが必要と思うのであります。すなわち国内用生産についても、何らかの調整をいたす措置が必要であろうかと思うのであります。例をあげますと、さような点がさしあたり考えられるのであります。ビタミンBの場合は一方におきまする生産量の相当部分が輸出され、ておる貨物に該当しますし、セメントの場合は輸出貿易の拡大に寄与することが大きな貨物ということになろうかと思うのであります。これらの点につきましては一応輸出用、国内用を含めて協定の対象にいたさなければ、輸出取引秩序の確立が十分にできないというふうに考えられる商品と思っておるのであります。

始関伊平自由民主党

○始関委員 輸出品の価格を維持するために、この改正案の言葉でいうと、生産業者等の段階でありますが、その段階で輸出に向けられるものについての価格を維持するような方策を講じても、国内向けの方がどんどん下ってしまうということでは、結局それが回り回って輸出価格の維持もできないのではないか、こういう御説明であって、その点はセメントなりビタミンBについては了承いたしました。これは第五条の四の規定だろうと思います。その次に今お話のございましたのは、これは生産業者等の段階においてこの法律の適用の幅を広げる、こういう問題でありますが、今度はもう一つ奥行きを広くすると申しますか、輸出の過当競争防止のために必要があるときは、さらにさかのぼって原材料の生産業者まで、その原材料の生産数量なり、価格なりについて協定を締結できるようにしよう、こういう規定がある。これは第五条の五でございますが、たとえば船舶については船舶の輸出組合があります。その場合に必要があれば船舶用鋼材の供給業者である鉄鋼業者についても協定を締結できるようにしよう、しかも鉄鋼業者がさらに必要であれば、鉄鋼業者の使う原材料の購入に関する協定というようなところまでいこう、こういうような趣旨の規定があるように思うのでありますが、建前は輸出における過当競争の防止ということである。それが直接輸出品の生産者のところで、国内向けのものまであわせて統制といいますか、協定の中に入れていくという必要があることは、今の説明で大体了承できないこともないのでありますが、もっとさかのぼって輸出ということからいえば、非常に縁の遠い原材料の生産業者のところまで輸出という観点から協定を結ばせるようにしなければいかぬというので、非常に縁が遠くなってくるように思うのですが、ここまで追及してと申しますかさかのぼってというか、やはり輸出という観点からいろいろな規制措置を講じていかなければならぬ、これの必要について適当な例があれば例をあげて一つ御説明願いたい。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 まず第一には、船舶のメーカーでは、造船用の鋼板の購入につきましていろいろな協定ができるということは、これは第五条の四に該当するわけでありますけれども、先生の御指摘の面は原材料のメーカーと鉄鋼業者の段階における協定の問題だと思うのであります。確かにお説のように、まずその輸出品のメーカーである、この場合におきますと造船業者が造船用の鋼材の購入についての協定を結ぶということが先決かと思うのであります。また輸出機械のメーカーが、この機械の原材料であるアルミニウムとかあるいは電気銅の購入についての協定を結ぶということが先だと思うのでありまするが、他方そういう輸出品のメーカーだけの協定では目的が達成できないのではないか、原材料供給者である鉄鋼メーカーあるいは電気銅精練業者の段階におきましても協定を締結することを認める方がより目的の達成に資するのではないかという配慮でありまして、この順位を申しますと、まず原材料を買う側の協定があり、次に供給業者側の、メーカーの協定に進むべきではないか、われわれの運用上といたしましてはさようなふうに考えておるのでございますが、法文の体裁としまして、やや並列的なきらいになっておることは事実でありますが、その辺のところは現実の経済なり取引の実情に応じまして運営されるのではないか。一方だけの協定は認めるが、一方の協定は認めないというのもいかがか、両段階の協定を認める方がより合理的であり、より目的達成に資するのではないかという配慮からであります。

始関伊平自由民主党

○始関委員 あとの話はわからぬこともないのですけれども、今の話で行きますと、たとえて言えば、通産省には通商局があれば、ほかの局はなくてもいいといったような考え方にも通じてくる。そこで私ども輸出における過当競争を防止して、取引秩序を確立するということの重要性については毛頭異存はないのですが、今お話しのように、生産カルテルあるいは価格カルテルを結成し得る幅をだんだん広げて、さらに原材料の生産者というようなことで奥行きもだんだん深くしていく、そういうことであると、これは輸出の振興という観点からそこまでいくというのはちょっと行き過ぎではないか、いずれ遠からず独禁法の改正案もまた出てくると思うのですが、今のお話のようなことでだんだん進めていけば、輸出取引秩序の確立という名をかりて何でもできる、独禁法改正の実をここであげてしまうというようなことにもなり得るおそれがあると思うのです、その可能性があるわけだと思うのです。そこであなたは輸出という観点から議論されておるので、それはそれでけっこうですが、一方においてはこの法案に反対するものもあるわけなんですから、そこまでだんだん広げていくということについては、実は考えなければならぬと思うのです。まあはっきりした説明を伺えなければ、それはそれでよろしいのですつが、要するに問題がここまで広がってくるならば、それは輸出取引秩序の確立という観点から考えるのは不適当なんであって、産業政策全体の問題、あるいはカルテル政策全体の問題として取り上げてこなければならぬ、そうでないとさっき申し上げたように、この法律に対する反対もあるのだ、それは輸出の振興という観点からはいいとしても、国内に対するいろいろの悪影響ということも考えられるわけですが、通商局が主体になってやるのはそういう方面に対する配慮も十分に及ばないという心配もないわけではないと思う。私は話をここまで進めるならば、この法律体系によらずに、もっと別個の見地から扱うべきではないかと思うのです。少くともそういう議論が有力に主張できるだろうと思うのですが、輸出振興という観点からここまで広げなければいかぬ、しかもそれが私が申しておるような全体の調和を破ることはないという保障があるかないかというような点について、もう一点見解を伺いたい。それから政令で貨物をきめることになっておるのですが、政令で定める貨物というものは、どういうものを予定しておるのかという点も、あわせて御説明願いたい。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 今通商局が何でもかんでもやるのではないかというお話がございましたが、実は通産省の機構の中におきましても、通商局と申しますのは、やや総合的な行政を担当させられておるのであります。実をいいますと、ここの五条の四にしましても、五条の五にいたしましても、これらの具体的な認可の事務は、それぞれの原局がいたすのでございますから、通商局が輸出秩序の確立の見地からして国内全般にいろいろの干渉といいますか、コントロールの手を伸ばすのではないかというお話がありますが、これはそうじゃございませんで、それぞれ分業で種別にやっておりますから、その点一つ誤解のないように御了解願いたいと思います。確かに先生今御指摘のような輸出秩序の確立に名をかりて、この生産段階に深く入っていくのではないかカルテル化を推し進めるのではないかという危惧の念を持たれ、あるいは御心配をいただいておる向きもあるのでありますが、われわれといたしましては毛頭さような考え方をいたしておらぬわけでありまして、この第五条の四なり第五条の五なり、あるいはそれに関連する条文をごらん願えばおわかり願えると思うのでありますが、この「生産数量の相当部分が輸出されている貨物又は輸出貿易の拡大に寄与することが大きい貨物」ということでまず限定をし、それからまたそれを政令でもって慎重に判断をして決定をされるわけでもありますし、また具体的なカルテルの認可に当りましては現行法の第、五条の第二項の六号によりまして「国内の関係中小企業者その他の関係事業者又は一般消費者の利益を不当に害するおそれがないこと。」というふうな点も十分配慮されて認可がされるわけでありますし、また中小企業に関しますついろいろの団体法も、また本法に優先するわけでありまして、それらの法律で目的を達成できる場合はそれにまず譲って、それで達成できぬ場合に、本法の規定による協定の締結ということになるわけであります。また認可に当りましては、公正取引委員会の同意を得ることにもなっておるわけであります。また今回の俗称輸出振興カルテルにつきましては、アウトサイダー規制もございませんので、多数の業種にこういう協定ができるともわれわれ予想いたしておりません。ごく大きなメーカーのそろっている業種についてだけ、そういう協定ができるのではないかというふうに考えておるのであります。従いまして、理論的に考えますと、先生の御心配いただきさましたような、こういうところを足がかりにして、どんどん奥まで入りはしないかということも考えられるわけでありますが、現実問題といたしましてはさようなことにはなりませんし、今申しましたいろいろな制約条件もございまするので、何らさようなことにはならない。運用につきましても十分慎重にそういう御心配の点のないように運用したいということで、われわれ通商局のみならず、省をあげてそういう心がまえで進んでおるような次第であります。

始関伊平自由民主党

○始関委員 何か予定しておりますか。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 予定の貨物につきましては、先ほど申しましたビタミンB及びセメントでありますが、その他のものにつきましては、理論的に予想できるものも多々ございますが、こういう商品を予想するとか予定しているとかいうことを申し上げるのは、かえって差しつりかえがあるのではなかろうか。業界からそういう申し出があり、申請があって、そこで慎重に検討をして認可するというふうに持っていきたいと思います。

始関伊平自由民主党

○始関委員 そこで第五条の四号の中に「他の法令の規定による適法な共同行為をもりてしてはこれらの事由を除去すつることが困難であるとき」云々こういうふうに規定してあります。そこでここにある他の法令というのは、何と何が入るのかこれを一つお答え願いたい。それで他の法令との関係というのは、私はちょっとややこしい問題がいろいろあると思うので、私の申し上げることをよく聞いて、一つはっきり御返事願いたいのです。一つはたとえば鉄鋼は繊維なんかと並んで一番大きい重要な輸出品です。でありますから本法による条件が整えば、鉄鋼のメーカーについて、いわゆる生産者等の協定をさせることができるであろうと思うのですが、この点どうか。それから、同時に独禁法の緩和の規定が遠からず出ると思うのですが、独禁法ないしは今後緩和せらるべき独禁法の規定に基いてでも、条件が整えばやはり独禁法に基くカルテルの結成ができると思うのですが、こういうふうに両方ででき得る場合があり得るのかどうかということと、その場合には一体どっちが優先するのかということ、これが第一点です。第二点は、「他の法令の規定による適法な共同行為をもってしてはこれらの事由を除去することが困難である」云々、この書き方は、非常に不明瞭であると思うのですが、たとえば今の鉄鋼の場合でいえば、独禁法の規定によって独禁法の認めるカルテルが結成された。しかしながらそのカルテルでは、あなた方の法律で予期しておる効果を上げると申しますかおさめるためには不十分である、こういうことがあり得るということを前提にした規定だろうと思うが、その点も一つお答え願いたい。これは鉄鋼の例でなくてもようございますけれども、そうであるとすれば独禁法なら独禁法、中小企業団体法なら中小企業団体法による一種のカルテルが認められた、その上にさらにこの法律によるカルテルを認めなければいかぬ場合がある、今私が読み上げたこの文句はそういうふうに読めるのですが、その通りであるのかどうか、これが第二点です。  それからもう一つ、たとえば独禁法なら独禁法で、カルテルを認めてくれてしかるべき状態であるにかかわらず、公取委員会が認めないというような場合には、この法律でやるということも今読み上げた文句の趣旨の中に含んでおるのかどうか。これは一番最初にお尋ねした問題の、両方に該当する場合にはどっちが優先するかという問題とも関連があるのですが、全体の趣旨としてほかの法律の方が優先するということのようだから、かりにそうであるとすれば、公取が鉄鋼なりその他の物資についてカルテルを認めるべきであるにかかわらず認めないという場合には、こっちでやるということをねらっているのかどうか、これが第三点であります。最初の、一体他の法令は何かという点も合せて四点について明快にお答えを願いたい。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 第五条の四にいうところの「他の法令上と申しまするのは、中小企業団体法、輸出水産物振興法、独禁法、肥料の二法、なお目下参議院で審議を願っております軽機械輸出振興法を、他の法令と考えております。本法と他の法令との関係でございますが、「他の法令の規定による適法な共同行為をもってしてはこれらの事由を除去することが困難であるとき」と書いてありまして、他の法令が優先をするのであります。しかしながら、たとえば独禁法の場合の例をとってみますると、独禁法の目的とするところと、本法の目的とするところとは対象が若干違っておる面もあるわけでございますつるので、理論的に、かりに独禁法でもって協定ができたという場合でも、本法による生産業者の協定はもちろん可能であるわけでありまするが、問題は独禁法その他の法令による共同行為をもって輸出秩序の確立という点が達成できるならば、本法に書いてありますように、理論的には可能であっても、する必要がないわけであります。ダブってやるという考え方は、毛頭いたしておりません。また公正正取引委員会の用意も得なければならぬことでもございまするので、公正取引委員会において他の法令による場合の協定が認められなかったという場合を本法でやろうといたしましても、公正取引委員会は、多分同意をいたさないかと思うのであります。従いまして他の法令による場合に、公正取引委員会がアウトにしたものをねらって、本法でやるのつかというお尋ねにつきましては、本法におきましても、同様に公正取引委員会の同意ということになっておりまするので、一方でアウトになったごとき場合におきましては、本法の場合におきましても、公正取引委員会の同意を得ることは困難であると思うので、そういう抜け道的な考え方はごうもいたしておらぬのでありまして、あくまでも他の法令を優先さして、それで目的が達成できるならばそれでいいし、できない場合には本法が発動をする、こういうふうに考えております。

始関伊平自由民主党

○始関委員 農村方面では、独禁法に反対して、ついでにこの法案にも反対するわけですが、肥料とか農機具とか農薬などと、この法律との関係を簡単に説明願いたい。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 農業関係団体から、この五条の四ないし五条の、五につきまして、若干の批判はございます。われわれといたしまして肥料につきましては、肥料二法が優先するというこつとは今も申し上げた通りでございまして、法律論といたしまして、本法が全然発動しないのかと言われますと、若干疑問はございますが、まあ肥料二法でもって目的が大体達成できるのではなかろうかというふうに考えておるのであります。従って他の法令というのが肥料二法になるわけでありますが、それで達成できさるならば、本法の発動の余地というものはほとんどないと申し上げてよかろうと思います。それから農機具等につつきましては、生産量の相当部分が輸出されている貨物であるかどうか、輸出貿易の拡大に供するところが大きい貨物であるのかどうかということについては疑問はございますが、実は今のところは対象貨物として政令で規定をするような品目ではなかろうかというふうに考えております。

始関伊平自由民主党

○始関委員 さっきの問題ですが、独禁法とこの法律とは目的も違うし、カルテルを結成できる条件も違うのだから、独禁法の方で断わられても、この法律で可能になるという場合も当然あり得るわけですね。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 法理論としてはあり得るかと思います。

始関伊平自由民主党

○始関委員 他の法令との関係というのは、今も申し上げたように非常にややこしい問題をいろいろ含んでくると思うのです。そこでこの法律の眼目が従来輸出向けだけを考えておったものを、今度は内需向けと合せて、全体としての貨物のカルテル、いわゆる輸出振興管理を考えていこう、こういうことなんですから、輸出入取引法という法律があって、そのうちの一部分をすでにこの法律で取り扱っておる。そういう観点からいえば、改正案でこういったような問題を取り扱うということもうなずけないわけでもありませんけれども、しかし内需と一緒にして、しかも日本の輸出物資といっても、割合からいえば内需向けの方が多いと私は思うので、そういうことになりますと、いわゆる関連法規として一番大きい関係のある独禁法の改正案がどうせ近く出ると思うから、そちらの方に譲って一本の法体系にした方がすっきりした形になるのではないかと思います。そういう方法をとらなかった理由、それから独禁法に譲ると何か支障があるのか、こういう点の見解を伺いたい。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 まことにごもっともなお尋ねと思うのでありますが、もうすでに現行法におきまして輸出前引秩序確立のために、輸出貨物の生産業者について輸出向け貨物についてのカルテルの結成が認められておるのであります。従いまして第五条の四、第五条の五は、それに若干プラスをした格好にすきないのでありまして、法の目的とするところが同じ場面であるわけであります。若干プラス・アルファになったというにすぎないのであります。今の御指摘は独禁法の中にこれを入れたらどうかというお考えかとも思うのでありますが、これも理論的には私は可能と思います。不可能ではないと思うのでありますが、かりに輸出取引秩序確立のためのものを一方は独禁法に入れる、一方は取引法に入っておるということでは、法制論としては非常にまずいということでありまして、それならばもう独禁法の方に入れるとすれば、今の生産者の輸出向けの貨物についてのカルテルの部分も、全部独禁法の中に織り込むべきではないかという議論もありまして、さような両法間における条文のやりとりをするということは法技術的にはむずかしい、結局七、八分通り輸出入取引法でやっているのだから、それにプラス・アルファをした方が法理論としても、あるいは輸出の取引秩序の確立を目的とする一つの法律を完成するという意味からも、本法のごとき体裁を取る方がベターであるということで本法に入ったのでありまして、理論的に考えますならば、独禁法の中に入れることは不可能ではない、そのときには現行法の輸出入取引法も相当大きくいじらなければならないという不便さ、困難さはあろうかと思うのであります。まあいろいろそういう点も考えたのでございますが、輸出入取引法の改正として輸出入取引法にこの部分をつけ加える方が、法技術の上からも都合がいいし、また実際に取引秩序の確立という同じ方向をいいますか、同じ線に乗った問題でございますので、いろいろ勘案の結果、本法のようなところに落ちついた次第でございます。

始関伊平自由民主党

○始関委員 先ほどのあなたのお話だと、輸出取引秩序の確立という観点から関連する事項を、ずっと一まとめにしてこの法律で立法されるのだ、こうおっしゃるけれども、しかし法律の実際の運用については、やはり公取の貴見というものが非常に強くて、あなた方の方はさっぱり自主的に動けない、こういうお話であって、独占禁止法によるカルテルができないような場合には、この法律によるカルテルもやはり、理論的には可能性があるけれども、実際上はだめである、こういうような御見解だった。そうすると非常にぎょうぎょうしくこういう大きい改正をしても、先ほどの御説明からいうと、実質的にはあまり意味がない、独自な立場から動けないのに法体系だけ作ってもしようがないと思うのですが、この点の見解はどうか。それからもう一つ、今の問題に関連して、ビタミンやセメントについては独禁法ではいけないのかどうか。この法律で取り上げるその理由、ビタミン、セメントの問題について独禁法と本法との関係を。向うで断わられたのじゃないですね、最初からこっちへ来て異存がない、こういうことですか。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 第一点でありますが、独禁法はいわゆる不況カルテル、合理化カルテルであります。不況のある場合、あるいは合理化を要する場合の協定にすぎないわけでございます。ところが不況がない場合、輸出取引秩序の確立のために、どうしても生産業者の段階でそういう協定を必要とつする場合には、これは独禁法の舞台ではないわけであります。従って独禁法でもって公取の方に申請が出ない問題であります。先生の言われたのは、独禁法下において協定の申請が公取に出てアウトになった場合のことを御指摘になったかと思うのでありまするが、不況の判断あるいは合理化の必要性の判断と、輸出振興のための輸出取引秩序の判断、これは別個でございます。従って私の申し上げたいのは、そういう独禁法の発動の余地のない場合におきまして、この本法の必要の起る場合もあるわけであります。その場合はもちろん公取といたしましては本法の精神に従って判断をされると思うのであります。不況下において同時に輸出振興もやらなければいかぬ、輸出取引秩序の確立もやらなければいかぬという場合におきましては、その不況に関する協定の方が優先するのは当然であろうと思うのでありますが、そうでない場合、好況下におきます問題の処理につきましては、これはあくまでも本法によらざるを得ないと思っておるのでありまして、先ほど例をあげましたビタミンBなりセメントにつきさましては、どうも現在までのわれわれの研究したところでは、不況カルテルあるいは合理化カルテルというワク内で処理するのには若干無理がある。まあこれからまた若干情勢も変って参ると思いますが、去年の状況下におきましても、不況とも言わず、合理化を要する協定というわけにもいかない、どうも本法そのものでいくほか仕方がないのじゃなかろうかということであったわけであります。

南好雄自由民主党

○南委員 私、独禁法の改正の案文を見ておらぬのですが、今回政府は独禁法改正の提案をしておりませんので、それとこれとの関係を聞くことはいささかどうかとも思うのでありますが、今度の国会にも独禁法の一部改正の案が出るという話も聞いておったので、なお念のためにお聞きするのであります。独禁法が伝えられるように改正されますと、こういうような改正は要らぬような気がするのでありますが、独禁法でいかれて、足らぬところは現在でも輸出入取引法でいけるような気がする。独禁法を出さないならば、当該の輸出に関連して、必ずしも輸出でない内需のものでも、輸出を奨励する意味で一部広げていく、いわゆる独禁法の例外措置をとっていく必要がある、こういうような考え方も成り立ってくるのでありますが、伝えられるように独禁法が改正されますると、この法律の改正はほとんど要らなくなる。ただ事務的に見まして、輸出をやって、またその所管している省で輸出に関する品物を、内地もかけていろいろとやることが行政的にいって都合がいいということはあり得るかもしれません。法体系の上においては、伝えられるように独禁法が改正になりますと、この種の改正は要らぬような気がするのですが、そこの法律的な構成なり体系について通商局の方で御研究なさったことがありますか。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 実は私ども独禁法の方はあまり存じないものでありまして、はっきりお答えができないかと思うのでありますが、要するに独禁法の対象といたしますのは不況カルテルあるいは合理化カルテルだけでございまして、従ってその不況下において輸出振興上あるいは過当競争防止のために生産者団体のカルテルを指定するという場合におきまして、不況カルテルの形成によってかなりの目的を達成できる場合があろうかと思うのであります。本法の目的とするところは、先ほどもお答えをいたしましたように、対象とするところが異なっておるわけでございまして、輸出振興、過当競争の防止、輸出取引秩序の確立、こういう目的でございますので、独禁法の適用されない場面を対象にしておるのであります。従いまして、独禁法が改正されるならば、本法の改正の必要がないじゃないかという御指摘でありますが、本法を作案いたしますときには、もちろん独禁法の改正も同時に議が進んだのであります。独禁法の方でも、詳細は私は存じませんが、まだ提案をするということで準備中ということになっております。会期の関係もあってどうなるか私は存じませんが、一応独禁法が提案されようがされまいが、どっちへころびましても、われわれとしては輸出取引秩序の確立のためには本法改正の必要がある。改正をかりにされましても、あるいは独禁法が現行法のままでありましても、対象とするところは違うのでありますので、本法の改正の必要はあろう。ただこの独禁法が改正されたような場合には、不況カルテルと合理化カルテルの形成が容易になるという場合におきましては、かりに不況下に例をとって考えましたならば、不況カルテルができることによって、本法の発動する場面が若干狭まることは事実かと思います。不況カルテルによって、輸出秩序の確立ができるならば、本法にうたいますので、他の法令で目的が達成できるならば、その方を優先するという建前上、そういうことになるかと思います。対象とするところが違いまするので、われわれといたしましては、かりに独禁法がどうなろうと、本法改正の必要はあるというふうに考えております。

南好雄自由民主党

○南委員 それは法律的に設例された御説明なんですが、伝えられるように、独禁法が改正されて、合理化カルテルなり不況カルテルがある程度容易にでき得るものといたしまするならば、それでも法律的の考え方によって輸出可能物資また輸出され得る物資について、別のこういうような生産者協定なり、あるいは通商を含んだものを併存して作っていくお考えなんですか。私は、実際合理化カルテルなり不況カルテルというものができれば、その不況カルテルなり合理化カルテルの一部門として輸出奨励事務に当っていけると思う。またそうしてこそ、一つの大きな意味の目的も達成せられる。しかしそれは今あなたが言われたように、法律の考え方が違うんだから、こういうような考え方のものを別に現実に作るのだ、この法規に基いて作るんだということになりますと、先ほど始関委員から質問にあったセメントの例をとりますと、セメントの合理化カルテルなり不況カルテルができている上に、もう一つこの輸出入の秩序に関する法律に基くもう一つのカルテルができて、カルテルが二つできるという考え方になるのでありますが、これは私は現実の問題として非常におかしな問題じゃないかと思う。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 今の点は少し誤解があるのではないかと思うのでありますが、本改正案ではっきりいたしておりますように、「他の法令の規定による」云々といっておりまするのは、要するに独禁法なら独禁法でもって目的は達成できる、独禁法の不況カルテルなり合理化カルテルでもって、本法の所期しているがごとき目的を達成する場合は、その他の法令が優先をして、本法は発動する必要がない、こういうことになっておるのでありますが、しかしながら、たとえば好況時をとって判断をいただければ、非常におわかりやすかろうと思いまするが、たとえば好況時においては、不況カルテルというものは必要がない。しかしそのときにおきましても、輸出取引の秩序の確立、過当競争の防止という必要のある場合は多っ々あろうかと思います。その場合には、独禁法の発動する余地はないわけであります。その場合には、本法によりまして協定を結ぶほかはないわけであります。先ほども例をあげましたたとえばビタミンのBとか、あるいはセメントにつきましては、今やっておりまするのはこの取引法に基いた協定でございまするが、輸出向けの貨物だけをやっておりまするので、十分な効果を発揮していないということを申し上げたのであります。それらにつきましては、不況カルテルでもなければ合理化カルテルでもない、現行輸出入取引法に基く輸出向け貨物に関する生産者の協定にすぎないのであります。それでは目的が十分達成できないということで本法の必要がある、こういうことになるのであります。

南好雄自由民主党

○南委員 そうすると、通商局長の御説明は——私これは独禁法とあわせて質問しておるのでないので、私も一ぺんくらいしか見たことのない法律ですから、はっきりとした概念を持って御質問しておるのではないので、まことに恐縮なんですが、こういう改正が必要であるということは、独禁法改正いかんにかかわらず、輸出についていろいろ仕事を進めていく上において、どうしてもこの程度まで現在禁止されておる独禁法を穴をあけないと、どうも輸出振興なりの目的が達成できない、こういう趣旨から立法されたものだ、こういう御説明なんですね。そして結局あわせて独禁法が改正になるならぬは別として、これはこういう種類の改正でずっと将来やっていけるものだ、改正になったような場合でもこの法律の存在理由は厳としてあるのだ、こういう政府の総合されたお返事なんですか。そこを一点だけ……。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 その通りでありまして、独禁法が現行のままであろうと改正されようと、本法の必要はあるということであります。その理由といたしましては、先ほど申し上げた通りでありまして、法の対象とするところが違う、こういうことであります。ただ、不況下におきまして本法のような必要が起きた場合には、まず不況カルテルなり合理化カルテルが優先して結成されるでありましょうから、そういう場合はその他の法令が優先をするという程度にすぎないと思います。

始関伊平自由民主党

○始関委員 ただいままでのお答えで、この法律と独禁法によるカルテルとの関係は大体明らかになったと思います。それでけっこうだと思います。独自の分野があるということをはっきり言うておかぬと困るわけです。次に、残った問題につきまして簡単に質問いたしますが、貿易連合という新しい観念といいますか何か飛び出してきておるわけですが、こういう新しい制度と申しますか法人ができてきたのでありますが、これはどういう事情でできてきたのか。たとえば中小企業協同組合といったようなものとの制度上の違い、こういう点を一つ簡単でけっこうですから御説明願いたい。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 まず貿易連合の制度を新設いたしました理由でございますが、貿易連合は、主といたしまして中小商社が同志的な結合を行うことによりまして、連合員間における輸出または輸入取引上の過度の競争を防止し、あわせて連合員の経済的地位の向上をはかることを目的とした、そういう理由でございます。貿易商社特に中小商社が、その経営の基礎及び取引態勢を強化する対策といたしましては、合併または新設会社の設立が最も徹底した形でありますが、各商社には長年ののれん、取引制度とかあるいは金融関係がある関係上、簡単には合併、新設会社の設立を行うことが困難な場合が多いのでありまして、特定の地域及び商品について、貿易業務を一団体に集中をして、過当競争防止の見地から、一定の法的規制のもとに指導監督をしていくとともに、この行政活動の活発化、連合の金融機関との交渉、在外支店設置等の活動を容易にするため、法人格を付与することが必要と認められて、こういう新しい制度を設けんとするものであります。現在におきましても貿易連合と名のつくものが五つ、六つできていることは御承知の通りであります。あるものは民法上の組合の格好をとっているものもありますし、あるいは中小企業の協同組合の形をとっているものもあるのであります。ともかく現状におきましてすでにさようなものができておるのでございます。それを今度こういう新しい制度のもとに育成していきたいというのが念願であるわけであります。そこでお尋ねの第二の中小企業協同組合との差でございますが、協同組合は組合員の相互扶助を目的といたしておりますが、貿易連合の方は連合員の一定の業務をまとめて、これを効率的に運用することにより営利を目的としているのであります。次には、協同組合は原則といたしまして加入、脱退が自由でございますが、貿易連合は加入に制限があり、連合員の連合との競業の禁止とか、あるいは連合の連合員に対する売買義務制度等の制限があるわけであります。第三には協同組合の組合員は商業につきましては使用人三十人以下を原則としておりますが、貿易連合の連合員につきましては使用人三十人以上の商社の加入も可能であるという点が協同組合との違いでありまして、現に協同組合になっている貿易連合からも、中小企業の協同組合では感じから申しても、事業の不便さから申してもどらもぴったりこない、何か新しい制度にしてくれというような希望が非常に強くありまして、今回の所要の改正案の中に新しい制度を一つ設けたいということで提案した次第でございます。

始関伊平自由民主党

○始関委員 ただいまの御説明はわかりますが、この制度は要するにいわゆる連合員は定款で定める輸出入業務については、その部分だけについては企業合同したのと同じことになる、こういう制度だと思うのです。第二十七条の十三の規定はその趣旨を表わしておると思うのですが、一方第二十七条の十四の方を見ますと、この貿易連合というものは連合員から買わなければいかぬとか、あるいはそこに売らなければいかぬというようなことで、どうもその趣旨とやや矛盾しているのではないかという感じがするのです。これは取引の合理化というような点からいってもおかしいと思う。貿易連合に利益があれば連合員に配分すればいいので、その制度の本質から見て第二十七条の十四がちょっとおかしいのではないか。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 先ほど申し上げましたように、貿易連合は完全な企業連合ではないわけであります。完全な企業連合をやるということになれば、先ほど申しましたような合併をやるとか、新設会社になるとかいうことが、一番簡単直截なやり方だと思いますが、先ほども申し上げましたような理由でなかなかそこまで行きにくいということで、企業合同という観点からいうと、やや中途半端な制度かとも思うのであります。具体的に申し上げますならば、輸出、輸入と申しましても、輸出については国内の買取業務があるわけであります。国内で物を買い取ってそれを輸出する。輸入につきましては輸入した物を国内で販売するという業務がありますが、今回の貿易連合は国—内業務でありまする国内における買い取り、あるいは国内における販売というものは貿易連合の対象にしないわけであります。輸出、輸入の面だけを対象にするわけであります。従いまして輸出する貨物をどこから買うか、輸入した貨物をどこへ売るかというのは、あくまで貿易連合連一合員の経済的地位の向上ということから、輸出するものについては連合員から物を買い、輸入した物は連合員に販売するということを原則にして、貿易連合のみならず連合員の経済的地位を向上しょら、こういうことであります。だから根元から全部営業を合同したというものではないわけであります。その意味においては先ほども申しましたように、やや不完全な合同の形態かと思うのであります。輸出入の業務の一定分野におきましては、共同事業ということにしたわけでありまして、その意味におきまして新しい観念をここに導入したわけであります。

始関伊平自由民主党

○始関委員 それじゃちょっと伺いますが、あなたの方で、やっている特定物資、バナナとかパイカン、腕時計、これなんか一人当りの取扱いの割当の最低をきめております。そういう場合に貿易連合が認めれば、完全な脱法行為と同じになるのですが、どうですか。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 この貿易連合は実は政府の方で強制するものでもなし、中小の貿易業者が自発的に同志的に結合をして、お互いの地位の向上をはかろうということからくるわけです。今御指摘の特定物資の輸入割当において、ある最低取扱い基準以下のものはどうするか、貿易連合をいたした場合にどうなるかというお話でございますが、あの最低取扱い基準の場合も、いわゆる実績の譲渡というものを認めているわけであります。従いまして彼らがその貿易連合を作って、そこで実績を集めて最低取扱い基準以上になってやるというならば、それでけっこうかと思っております。別段脱法でもなんでもない。現在も実績の譲渡を認めておりまして、コンマ以上の人に譲渡することも可能であれば、コンマ以下の人が集まってコンマ以上になることも自由でありますので、貿易連合によって彼らが実績の譲渡問題を解決したいということならば、それも一つの方法かと考えます。

始関伊平自由民主党

○始関委員 第五条り三の場合のアウトサイダー規制は——今度第二十九条の二の規定が初めてできることになったわけですが、第五条の四と第五条の五についてはアウトサイダー規制がないのですね。これはどういうわけですか。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 先般来申し上げましたように、五条の四なり五条の五は輸出向けの貨物のみならず、国内向けの貨物もあわせて対象にする関係で、その影響するところは輸出入貨物の協定の場合以上に非常に重大だということで、アウトサイダーの規制までもして、そういう協定の実施を政府が補完する必要はないであろうという観点からでありまして、五条の三のごときにおきましては、これは輸出貨物だけについてでありますので、もしアウトサイダーがあって、その協定の実施があまりうまくいかぬという場合にはこれはアウトサイダー規制によりまして、より効果をと発揮せしめる必要かあろうかと思います。五条の四なり五につきましては、影響するところも非常に大きいので、アウトサイダー規制まではやる必要はないではなかろうかということであります。従いまして逆に申し上げますならば、アウトサイダーの規制がなくとも効果が上る業種でなければ、協定の締結は意味が薄いということになろうかと思います。若干チェックした意味にも考えておるのであります。

始関伊平自由民主党

○始関委員 それではこれでおしまいにしますが、最後に登録の問題ですか、特定の地域と貨物を指定して、ある場合には輸出業者の登録制度をやろう、登録のつないものは輸出ができないようにしよう、こういうことですが、これは過当競争を防ぐという点から申しまして、先ほど来御説明願ったような全般的な規制措置と一緒にそういうことをやるということは、私はやむを得ない措置だろうと思うのですが、ただしかしながら輸出の過当競争というのは、きわめて一般的な現象ではなかろうか、こう思うので、従ってこれをお考えになるならば、むしろ輸出の全般についてやるべきが至当ではないかという議論も、私は相当有力に成り立つと思うのですが、特定の貨物あるいは特定の仕向地というものを特定して、そこに限ってやるというのは一体どういう考え方であるのか。これを裏返して伺いますと、過当競争の特に著しい特定仕向地、あるいは特定貨物というものが実際にあるのかどうか、その点を具体的に一つ御説明を願いたい、これが第一点です。第二点は、実力のないものが新規に出てくることを防止するのが主たる眼目であるように伺っておりますが、現在の現存業者をある程度整理するという考え方があるのかどうかということを伺いたい。特にいわゆる弱小業者の取扱いをどうするかということを伺いたいのであります。それから第三点として、登録を認めるとか認めないということになりますと、結局その基準というものが私は問題だと思うのですが、ここにいろいろ書いてありますけれども、結局基準としては今までの実績を主にしてやるよりほかに、あまりいい方法はあるまいと思うけれども、実績によらずに、何かそのような抽象的なことが書いてございますが、これはどういうわけなんですか、この場合において実績というものは、ここに三つばかり条件がございますが。この三つの条件を一言で言うと、結局実績ということになると思うのです。しかしながら実績がなくても、ここに該当する場合というのもあり得る。あるとすればどういう場合か。この三点について伺って、それで質問を終りといたします。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○松尾(泰)政府委員 まず第一点は全面的登録制をとるべきではないか、本法においては部分的登録制になっておるが、その理由いかんというお尋ねかと思うのであります。率直に申しまして、業界の一部の希望もありまして、全面的登録制という問題もだいぶん研究をいたしたのでありますが、全面的な登録制の実施につきましてはいろいろの弊害面も予想できまするし、率直に申し上げますならば、まだそこまで踏み切る自信がなかったということであります。まず部分的登録制を逐次やってみた結果を見て、全面的な登録制になるという場合もあろうかと思います。根本的に全面的登録制と部分的登録制の差は、全面的登録制ということになりますと、あくまでも貿易上の免許制というか、許可制というような観念になるわけであります。もちろんこれは過当競争の防止につながる問題ではございますが、過当競争防止そのものというわけではない。われわれといたしましては、今回の改正のねらいの大部分が過当競争の防止ということでありますので、過当競争防止に必要な範囲の問題に限定をして、営業の免許制等の問題は、次の問題にしたいという意味であります。現在すでに特定地域につきまして、特定貨物にもいろいろ輸出調整その他が行われておるのでございます。ところが、たとえば不良外商が、かばんを持ってやってきて取引をいたすとか、協定を乱して逃げて帰っていくというような場合もありますし、また実績のなき人たちが次から次へ出てきて、なかなか輸出調整がうまくいかぬというような場合もありますので、さしあたりといたしましては、ある具体的な地域、貨物につきましてこの登録制を実施して、できさるだけ新規の不良商社の混入といいますか、侵入を防ぐということが過当競争の防止に役立つのではないかというり配慮から、こういう部分的登録制を実施しようとしたものであります。従いまして今具体的にどの商品、どの地域についてやるというはっきりしたことを申し上げにくいのでありますが、すでに輸出入取引法あるいは輸出貿易管理令によりまして、輸出調整あるいは価格調整が実施をされております物資は、一応の対象になろうかと思います。過当競争防止のためにそういう調整措置をとっておるのでありますけれども、一応そういう商品が対象に考えられるかと思います。必ずしも全部をというふうに考えておるわけではありません。この行政事務にも限界がございますので、それらの分子の中から業界の希望も聞いてやりたいというふうに考えております。それから次の現存業者の問題でありますが、われわれは、今も申しますように、この中小の業者あるいは小実績者をこれによって整理をするというふうな考え方はごうも持っておりませんが、どうも輸出調整をするということになりますと、実績の少い人たちは、現実の問題として取引をしにくくなる。そこでやむを得ず貿易連合というような格好でもって共同行為をいたさざるを得ないというような羽目になる場合が多いのでございますが、それはその小実績者が貿易連合によって、自分らの地位を維持するという問題であります。登録制によってわれわれはそういう人たちを整理するという考え方はごうも持っておらぬのでありまして、主たるねらいは、そういう弱体な不良な新規業者の介入を防止したいということであります。しかしながらまた新規業者だからといって全然やらせないということになりますと、そうもいかないかとも思うのであります。この登録基準というところにも書いておりますように、経理的基礎、経験及び能力ということで、別途通産省令で定める基準を設けまして、そこで判断をしていきたいと思っておりますが、有力なる新規業者は別にいたしましても、今申しますように、主たるねらいは、そういう不良な、弱小な新規業者の介入を防止したい、こういうねらいでございます。従いまして、実績というものは、やはり大きな判断の基準になろうかと思っております。先ほども申しますように、新規業者を全然入れないというわけでもないのでございますので、実績がなければ全然アウトかというと、必ずしもそうではない。しかし大部分の場合は、やはり実績ということが、一つの大きな判断の基準になる、こういうふうに考えております。これらの基準の策定につきましては非常にむずかしいのであります。まだ非常にこまかい点まではできておりませんが、追って輸出入取引審議会にも諮問することになっておりますので、業界の意見を十分に聞きまりして、合理的な基準を策定したいというふうに思います。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 本日は、これにて散会をいたします。次会は明二十日午前十時より開会をいたします。     午前十一時五十一分散会

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