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31回国会衆議院1959/02/18

商工委員会 第16号

発言数
118
登壇者
8
会派数
2
開催日
1959/02/18

会議録

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 これより会議を開きます。  航空機工業振興法の一部を改正する法律案、及びプラント類輸出促進臨時措置法案の両案を一括し、議題といたします。審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。板川正吾君。

板川正吾日本社会党

○板川委員 昨日に引き続きまして、プラント類輸出促進臨時措置法案について質問を申し上げたいと存じます。  通産省の本年度の予算等を見ましても、当初通産省の原案では、三十億円国が出資して、特殊法人を作り、それによってコンサルティングの業務を委託してやりたい、こういうふうに原案にも、通産省の要求額にも載っております。この形が流れて、そうしてこういう民間団体に委託してやる、こういうふうにきまったことは、一体どういう過程があったか。ただ政府の方としては三十億という出資はできないから、そういう体制はいかぬといったのか、このプラント輸出についてそういう特殊法人を作る必要がないからそれを作らなかったのか、金の点なのか、運営の点なのか、そういう点について過程を一つ説明願いたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 今回プラント類輸出促進の法案を提案するに至ります間におきまして、ただいま御指摘がありましたように、この法案の終局の目的は、プラント類輸出促進のために、輸出コンサルティングに伴うリスク補償制度を確立するということが、もちろんその主たる内容の一つでございまするが、根本的にはわが国のコンサルティング体制を強化するというのが、重要な目的の一つになっておるわけであります。その意味におきまして、御指摘がありましたように、通産省としましては、そのコンサルティング体制の強化の基本的な一つの方向といたしまして、わが国におきましては、コンサルタントの育成が非常におくれておる、従って強力な中心となるコンサルタントを育成するという意味におきまして、相当の政府出資をいたしまして、これに民間も協力した一つの母体を作りたい、その意味におきまして、特殊法人を作って、それに関連する予算措置なり、法律措置をしたいということを当初考えたことは御指摘の通りでございます。そこでこれにつきまして、いろいろ関係各省とも折衝をいたして参ったのでありまするが、何と申しましても、特殊法人を作るにつきましては、やはり政府出資というものがなければ、ほんとうの意味におけるコンサルティング体制強化にはならないわけでありまして、単に形だけの特殊法人ということでは、いたずらに政府の監督規定等がふえるだけで、実際のコンサルティング体制の強化はできないという意味におきまして、その政府出資ということに特に重点を償いて折衝したのであります。ところが何と申しましても、数十億の出資を一般会計からするということになりますると、財政当局といたしまして、大蔵省方面にも相当難色がございまして、率直に申しまして、それらの予算措置等に関しまして、見通しが立たないという結果になりましたので、やむを得ずその点につきましては、とりあえず現在ありまする社団法人日本ブラント協会を指定機関としてやろうということに、私どもは大蔵省とも話し合いができたのであります。従いまして、かりに特殊法人ができるといろ見通しがあった場合におきましても、やはりこの社団法人日本プラント協会を発展的に解消して、その特殊法人にもっていく。特殊法人を作るにしましても、その母体としては、やはりブラント協会を考えておったわけでございますが、率直に申しまして、そういった財政面における支出の見通しが立たなかったということが主たる理由でございます。従って私ども、少くとも通産省といたしましては、やはりできるだけ早い機会に、そういった体制にもっていくということの希望は、今日においても捨てていない、こういう実情でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうしますとコンサルティングの体制を強化する機関としては、最低どうしても三十億は費用として年間かかるだろう、たとえば予算は要求は三十億であったが、三十億は出せないというならば、実際の運営は別の機関を作っても無理であるから、従ってこのプラント協会に委託する、こういうふうになったということですね。ですから将来こういう機関を作る場合には、少くとも最低三十億以上の出資がなければだめだ、こういうふうに考えてよろしいですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 特殊法人の裏づけとしての予算措置につきましては、通産省の当初要求はそういうふうな線で一般基金としての政府出資、それからリスク補償の基金としての政府出資と両方考えておったのでありますが、その一般基金の方の支出につきましては三十億がいいか、あるいは十億でも足りるかという問題は、今後やはり残ると思います。しかしながら少くとも十億以上の一般基金があり、それに民間の出資金も入れまして、その運用利子によりまして一般基金をまかなっていく、こういうふうな建前でございますので、どうしても十億以上の単位の金になるという面におきまして、財政的にも非常に難色があったという経過でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 わかりました。次に移ります。  この提案理由の説明の中にありましたが、「政府は、すでに日本輸出入銀行による協調融資、輸出保険制度の運用、租税特別措置法による輸出所得の控除、延払条件の緩和等の措置を講じ、プラント輸出の促進に努力を傾注して来たのであります。」こう言われております。この四つの方法で、プラント輸出に協力をしてきたというのでありますが、この四つの方法を実はもう少し具体的に説明をしていただきたいと思います。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 ブラント輸出の振興策といたしましては、今お示しの通り政府といたしましてはいろいろの面から措置をとってきたのでありますが、ここにあげてありますそれぞれの措置について、その内容について申し上げますと、第一は御承知のように、これはプラント輸出に限らないわけでありますけれども、輸出関係につきまして日本輸出入銀行という特殊の銀行を設立されておりまして、これが輸出面におきまして、特にブラント輸出というような一件当りの契約金額が巨額なものにつきましての金融措置ということが非常に重要になって参りますので、しかも輸出の場合には延べ払い方式による場合が非常に多いわけでございます。従ってどうして承その間のつなぎとして金融措置が必要であるということになりますので、特にブラントの輸出金融に対しましては輸出入銀行から安い金利で融資を行うわけであります。その場合におきまして市中銀行ともちろん協調融資になるわけでありますけれども、特にプラント輸出等の場合におきましては、輸出入銀行の融資割合は八〇%、市中銀行が二〇%というような非常に大きな部分を安い金利で融資する、こういうことを行なっております。  それから輸出母体の輸出所得控除制度の問題でありますが、これは御承知の通り、租税特別措置法という法律に基きまして、輸出所得につきまして、控除制度が行われておるわけでありますが、特にプラント輸出に関しましては、その関係におきましては、控除の割合につきまして非常に優遇をいたしておるのであります。すなわち一般の商品につきましては商社が一%、メーカーは三%というふうな控除割合でありますが、プラント輸出の場合につきましてはプラント・メーカーに対しましては、輸出取引額に対しまして控除率を五%と特に高くいたしまして、輸出所得控除制度を運用しておるわけであります。  それから第三には、相手国との契約面におきまして、一度に全部の支払いが行われないで、最初頭金だけを払いまして、あと何年間かの延べ払いということになる場合が、特にプラント輸出に関しましては多いわけでございます。国際競争の面におきまして、諸外国先進国等においては、やはりそれらの延べ払いの面において支払い条件の競争をしておるような関係がございます。従って日本におきましても、それらの延べ払い等については相手国の外貨事情というような点もございまするけれども、それらの事情の許す限りできるだけ延べ払い条件を緩和していく、こういうふうな方向で措置をいたしております。  それから為替損失補償制度の運営の問題でありまするが、プラント輸出は契約をいたしまして決済までに相当期間が長い。従ってその間に相手国との関係において為替レートの変更があるという危険があるわけであります。従ってそういった為替レートの変更の危険、そういうリスクをカバーしてやる必要があるわけであります。そういう場合に対処いたしまするために、輸出業者と政府との間に補償契約を結びまして、政府がそういった為替面のリスクを補償するという制度が、昭和二十七年から行われております。これが設備等の輸出為替損失補償制度の問題でございます。大体そういうような点が、従来ブラント輸出に特に重点を置いて行なっておりまする政府の助成措置と申しまするか、促進措置の内容でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それらの促進措置は一つの条件があると思うのです。実際一千万以上のプラント輸出という場合、こういう条件がありませんか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 大体今まで申し上げましたいろいろの措置を適用いたしまするに当りましては、お示しの通り大体一千万円以上という条件でやっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 今度の法案でプラント類の輸出が非常に促進されるとなると、この二条にいうように、通信設備とか水道設備、教育、研究、医療設備、こういったものがプラント類の定義の中に入っており、こういった施設は大規模なのもありましょうけれども、場合によっては一千万前後のプラントもあり得ると思うのでありますが、従来こういう少額の、一千万以下のプラント輸出者というのは、政府の特別な助成措貴というものはされておらなかったのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 プラント輸出と申しますと、プラントというものの定義と申しまするか、その範囲につきましてはいろいろな解釈があり得るわけでございます。今回御提案申し上げましたこの法律におけるプラントというものの定義は、御承知の通り法律の第二条に明確に書いてありまして、比較的厳密に規定されておるわけでありますが、広い意味におきましては、通常プラントといっておりまする場合におきましては、かなりその定義は範囲が広いわけであります。先ほど申しました設備等というような言葉が税法上あるいは為替損失補償制度等においては用いられておりますが、それは大体一千万円あるいは二万五千ドルというふうな範囲に考えておりまして、それ以下のものにつきましてはやはりプラントという範囲には、ちょっと入りにくいのじゃないかというふうに考えております。それで今お話のございましたような水道施設であるとか、あるいは教育、研究施設というようなものにつきましては、やはりこの法律のプラントという概念の中に含めて考えておりますけれども、しかしそれらの点につきましては、やはりこの法律において規定しておりまするプラントの概念の範疇に入るものに限って適用をしていく、こういうような考えでおりまして、それでこのプラントの範疇に入らないものにつきましては、これは輸出促進に関するいろいろの措置をもってまかなうよりほかはないのではないか。その措置はやはり一件当りの金額が非常に大きいというものになりまして、初めてそのいろいろなコンサルタントの面におきましても、また輸出契約の交渉の面におきましてもいろいろな困難が生ずるのでありまして、そういう面につきまして特に力を入れて促進をしていきたい、こういう趣旨でございますので、その他のものにつきましては一般の措置によらざるを得ない、こういうふうに考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私がお伺いしたいのは、たとえば一千万円以上はプラントの範疇だ、しかし九百九十九万円という場合もあるだろう、これは一万円欠けたからプラントじゃないという定義は、私はどうかと思うのです。それで九百九十九万以下あるいは九百八十万のプラント輸出をした場合に、政府で従来制度としてどういうような援助措置があったかということをお伺いしたい。  それからなぜそういうことを聞きたいかといいますと、この日本のプラント輸出のお得意先というのは東南アジアでありますから、そういう国はあまり外貨も豊富ではない。たとえば教育施設であるとか、通信設備であるとか、医療施設であるとかいうのは九百八十万の場合もあり得るのじゃないか。少額のプラントとして輸出する場合もあり得るのじゃないか。なるほど外貨をかせぐために大きいところをおもな対象とするということはわかりますけれども、小さい中小業者ですか、こういうもののプラント輸出についてはどういう措置があったか、こういうことをお伺いしておるわけです。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 先ほど申し上げました一千万円とかあるいは二万五千ドルというふうな一つの契約金額の基準は、確かにお話の通り、特に法律上あるいは制度上そういう明確な規定が置いてあるわけではございません。実際上の運用といたしまして、輸出入銀行が融資をいたしまする際の一つの融資の方針と申しますか、内規のような形で運用されております。従いましてこれは絶対的な条件ではございませんで、たとえば一千万円が一万円欠けてもあるいは百万円欠けてもいかぬというふうな絶対的な意味のものではございません。輸銀の融資の運用方針の調整によって、その間の弾力性はあるわけであります。ただ実際問題といたしまして従来の経験から申しますれば、東南アジアその他輸出の相手先の国から延べ払い条件というものを要求ざれる該当金額というものは、大体一千万円以上の場合において初めてそういう問題が起ってきておりますので、大体現在までのところの経験から見ますれば、その程度の基準で今後も一応まかなえるのではないか、かように考えております。非常に絶対的に厳密な条件ではないということでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そう絶対的なものじゃないが、それ以下はあまり考えていない、こういうことだと思うのです。  それでは次に移りますが、日本プラント協会に加盟していないブラント輸出者あるいはその団体があると思いますが、その団体なりおもな輸出者の名をあげていただきたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 いわゆるコンサルタントという業務を行なっておりまするものは、お話の通り日本プラント協会が代表的なものでございますが、それ以外にたくさんあるわけでございます。大体私どもがただいままでに調査いたしております範囲におきましては、日本プラント協会を含めまして二十団体が、あるいは会社がございます。申し上げますと、まず一番代表的なものは日本プラント協会でございまするが、そのほか社団法人の海外建設協力会、同じく社団法人で国際建設技術協会。これは大体建設関係のコンサルタントだと思います。それから社団法人海外電力調査会、これはただいまメコン川の水力調査などをいたしておりまするコンサルタントでございます。それから海外企業技術協力斡旋本部、海外機械興発株式会社、それから一社団法人機械技術協力協会、日本産業再建技術協会、日本工営株式会社、これは例の久保田さんがやっておられる会社でございます。それから日本技術協力株式会社、それから株式会社日本ケミカル・プラント・コンサルタント、これはケミカルの面についてのコンサルタントです。それからパシフィック・コンサルタント株式会社、それから海外技術協力株式会社、それから国際技術協力開発株式会社・社団法人建設技術研究所、日本通信プラント輸出懇談会、日本海外工業技術協力会、目印工業協力協議会、海外技術輸出振興委員会、それから国際市場コンサルタント株式会社というふうないろいろな株式会社あり、社団法人あり、あるいは協会というふうな形のものがございまして、それぞれの活動をいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、いずれもそれほど強力なものはないのが実情でございます。今後大いにこれらを育成していかなきゃならぬ、かように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 昨日お伺いしましたら、ことし日本プラント協会に国の補助が一億五千九百万円参りますが、この国の補助というのは、そういう日本プラント協会に加盟していないプラント業者にはいかないのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 日本プラント協会の会員といたしましては、昨日も申し上げましたように、大体メーカーが中心でございます。従ってプラント協会自身には補助金が出ておりますけれども、それらの会員である個々の会社にいくわけではございません。そういったような補助対象としましては、ただいまのところ社団法人日本プラント協会に対する補助金だけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それ以外のプラント団体にはいかない、こういうことですね。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 この協会という一つの機関に対するものでございまするが、なおそのほかにプラント関連技術協力費というのが、今の補助金の内容としてございまし七、これはそのプラント協会に限らず、他の団体でございましても、適当なテーマがございますれば、その協力費は出せる、こういう形になっております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 その協力費は出せるということになっておりますが、昨年の実績でそれは出ておりますか、どのくらい出ておりますか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 ただいま申し上げましたプラント関連技術協力費は、プラント協会以外の団体に対しましても、三十三年度において七つのものに出ております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 幾らですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 約千五百万円出ております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この法律案を作るときに、日本プラント協会に加盟してないそれらのプラント輸出団体の人たちの意見を聞きましたか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 もちろんコンサルティング体制の強化ということでございますので、コンサルタント一般の関連のある方々の意見は十分聞いた上で立案いたしました。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうしますと、日本海外工業技術協力会というのがあるのを御存じですね。そこではこの法案に反対だ、こういう意見を持っておるのですが、これに対して意見を聞いたというのですが、その場合に日本海外工業技術協力会等の意見を聞きましたか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 ただいまおあげになりました日本海外工業技術協力会、これは名古屋市にある協力会でございますが、先ほど申し上げました全部で二十でございますが、これらの関連の全体の協会なり団体につきましては、よく意見を聞いております。ただ具体的に日本海外工業技術協力会が面接どういうふうな意見を出しましたか、私自身は承知いたしておりませんが、この協力会は、過去の実績を見ましても、プラント協会の組織等を通じまして、海外に人も派遣しておりまして、特にこの趣旨について反対をしておるというふうな情報は、私どもの方では受け取っておりません。ただ最初この法案を立案いたしましたときに、一般のコンサルタントの間において、多少誤解と申しまするか懸念がございましたのは、こういった指定機関と申しますか政府業務の委託機関ができますると、そこが全部のコンサルティングを独占するのではないかというような懸念があったようでございまするが、これはこの法律の建前でも明らかでございますように、これが独占をするわけではございません。コンサルティング活動は自由に従来通り全部の人がやれるわけでございます。ただこの補償契約に関する具体的な事務を、このプラント協会に委託をするというだけのことでございまして、全然排他的な考えを持っていないということを、十分関係方面にも納得させたつもりでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 その人たちの反対というのですか、それをしている気持は、やはりプラント協会が政府の業務を受け継いで、海外からのコンサルティングを一手引き受けという格好になる。それは信用があるわけですからね。そうなりますと、どうしてもプラント輸出に関する今後の発展というのは、日本プラント協会が一手に引き受けることになる。そうすると中小プラント・メーカーですか、これは受注が上の方でさえぎられて、とても自分の方のところまでこない。従来の補助率からいっても七社で千五、六百万、片方は一億六千万近く出す、こういうことでとの法案が通る、あるいは政府の政策というのはどうも大手重点じゃないか、こういうところに不満を持っておると思うのですが、私はこのプラント協会については、またよく意見を聞いた上でさらに検討いたしたいと思います。  それから次に移りますが、この法案によりますと、政府はプラント輸出者が輸出契約を履行する能力がないと認めるときは、補償契約を締結してはならないと三条の二項の二にございます。もちろんこれは輸出能力がないことが明らかである場合は問題ございませんが、ただこの規定の運用によって輸出能力があるかないかということを、どこがきめるかということなんですが、これはプラント協会が業務をまかせられておりますか、国にかわって判定するということになりますか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 補償契約に関します業務は、本来政府の業務でございますが、これを便宜指定機関に委託をするわけであります。委託でありまして委任ではないわけでありまして、全面的に政府の権限をこれに与えてしまうわけではございません。最終的にはこれは政府の業務として政府が決定をする、こういう建前になっております。従って実際の運用につきましては先般も申し上げましたように、プラント協会の内部組織を基調に、その面の業務を取り扱う専門の体制を作りまして、そこにはおそらく常時通産省なり大蔵省から連絡官を派遣いたしまして、合議的に仕事を運営するという形になろうかと思います。  今お話のございました能力判定の問題につきましても、これは能力と一口に申しましても法律的な能力もありますし、あるいは経済的な能力もありますし、あるいは技術的な能力もございますが、やはり当該プラント輸出というものが、いろいろな面におきまして相手国との関係等においていろいろな角度から審査をしなければならぬという性質のものでございますので、その辺につきましてはブラント協会に全面的にまかせ切るということではございません。適正に運営をしていくことができる、かように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 適正にきめる、全部まかしたわけじゃないというのですが、これは通産省がどういう形でタッチしてきめるのですか。プラント協会では復旧を通産省に出して、通商局なりがそれを許可するかしないか、こういう形をとるのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 実際の補償契約を締結するかしないか、それからその補償契約の内容は適正であるかどうかということにつきましての審査の方法につきましては、ただいまのところ具体的にどういうふうにするというところまではきまっておりませんけれども、先ほども申し上げましたように、すでにプラント協会にもその準備的な研究をやらしておりますけれども、おそらくはプラント協会の中に適当なコミッティを置きまして、通産省あるいは大蔵省から適当な担当者をコミッティの中に加えまして審査をしていく、こういうことになろうかと思います。従いまして基本的な問題、たとえば能力の問題とか、そういうような点につきましては、相当政府としても関心を持たなければならぬ点でございまして、それらの点については審査の際に政府の意思を十分反映することができると思います。それからただ具体的に技術的な面になって参りますと、非常にこまかい個々の契約の内容としての技術面の条項等になりますると、相当専門的な知識を必要とするわけでございまして、それらの面につきましてはやはりプラント協会自身が持っておりまする技術陣、あるいは協力会社等の技術陣等も委嘱いたしまして、共同で審査をしていく、こういう形になろうかと思います。具体的にこれが輸出契約という面になりますると、輸出承認の問題その他の手続は従来通り通産省のそれぞれの所管のところでこれを取り扱う、こういうことになるわけでございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 この法律が通りますと、たとえば事故が起って損失を補償するというようなことの手続は、それは二年後、三年後かもしれません。五年後かもしれませんから、問題はそれほどじゃない。しかし契約するときの契約の具体的内容であるとか、契約させない基準とか、こういうものは法律が通るとすぐさま省令ではっきりしなくちゃならぬ問題だと思うのです。それはまだ具体的にというのですが、できればこういうときに構想くらい本来なら早く説明してもらいたいと思ったわけですが、御研究願いたいと思います。  それでは次に移りますが、この資料をいただきまして読んでみましたら、東南アジアのプラント輸出の中で何といっても英国と米国が断然多い。この三、四年三億ドルをこえる実績である。その次に西ドイツ、次に日本、こういう形になっております。英米二国が額からいっても非常に多いのでありますが、この多い理由ですね。たとえば米国の場合は借款とか援助とか、そういう形のものであって、商業ベースでないか、あるか。イギリスはどうか。それから西ドイツと日本は大体似ているのじゃないかと思うのですが、この事情がわかりましたら伺いたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 先述国であります英米あるいは西独というようなところは、今お話のございました東南アジア等に対しますプラント輸出の進捗の状況というものは、日本とはまだ相当開きがございます。日本のプラント輸出は諸外国に比べますと、まだきわめて低い状態であるということが、今回促進しなければならぬ基本的な問題でございます。なぜそういうふうに米英西独等が出ておるかということでございますが、これは一般的に申しまして米国なり英国なり、あるいは西独というようなものの、こういった非常に大きな機械の単体の輸出の場合はもちろんでございますが、一つのセットとしての工場の建設というようなことに関しますこれらの諸外国の技術的な面の能力に関する信頼度と申しますか、そういうようなものが相当に高いということ、これはどうしても否定できない事実でございまして、また事実技術的にも日本よりも進んでいる面が相当にあるわけであります。これはそういった実力を持っておるということが一番の原因でございますが、そのほかに特にイギリスにつきましては、東南アジアの諸国がいわゆるポンド圏と申しますか、そういうものの範疇に入っておりまして、特恵関税というようなもの適用等もございますし、そういった地理的な関係と申しますか、政治的な関係からくる優位という面もあろうかと思います。また米国につきましては、やはりいろいろ政府が支払い条件等につきまして、側面から援助しておるといったような実態もあずかって力があるのではないか、かように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 従来東南アジア、中近東にプラント類の輸出をいたしておりますが、そこで、違約金を実際に払った実例、資料にも多少ありますけれども、補足して説明を願いたい。  それからもう一つ、違約金の保証条項ですね、これについて一番ひどい最近の実例、そういうものを例をあげていただきたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 従来から、まだ経験なり実績は少いわけでございますけれども、日本から相当またプラント輸出の実績も、ある程度持っております。その中で今御質問がございました、具体的にペナルティを払った例があるかどうかということでございますが、現実には今までのところ違約金を払った例はございません。それでは全部それが順調にいったのかということになりますと、実態はそうではございませんで、違約金を支払いまする前に、いろいろ工場を建設している途中におきまして、リプレースといいますか、いろいろ工合の悪い点等もありまして、これが日本側のメーカー自身、輸出関係者自身がその前に機械なり装置の取りかえ、あるいは修理をしたということによってまかなってきたわけであります。それらの経費は相当の額になろうかと思います。従いましていわゆる違約金という形においては、まだ今までのところございません。  それから保証条項の内容でございますが、今までの実績を申し上げますと、これは大体一九五四年から昨年の六月くらいまでの累計でございまして、今まで輸出の実績を持っておりまするおもな十五社につきましての調査をいたしたところによりますと、この保証条項の内容といたしまして、引き渡し期日、何年何月までに引き渡せという引き渡し期日に関する保証条項、これが相当ございます。それからその設備の性能に関する保証、それから材質に関する保証を要求しておるものがあります。それから生産能力を保証しろということをいっておるのもあります。それからできました製品の品質、性能についての保証、それから原材料等の原単位に関する保証、こういうような例がございました。これは今までの調査によりまする保証条項の内容として掲げられておるのは、大体そういうものがあげられるわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 実際に違約金を払ったことはあまりない、ただし実際今後も違約金で払うよりも、悪かったら最初の約束通りの生産能力なり設備なりにしてやる、約束を果すという形で違約金が払われると思うのですが、実際そういうふうに取りかえたものはどのくらいあるのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 これにつきましては、昨年の同じく六月までの調査——これは大体大手の七社くらいにつきまして調査をしました数字によりますると、今手元に全部についての詳細な資料を持っておりませんけれども、インドにおける洗炭プラントでありますとか、非常にたくさんの例がございます。ほとんどあらゆる場合につきまして、それぞれメーカーが事前にそういった措置をとっておるということでございまして、もし詳細な点につきまして御要求がありますれば、別に資料としてお届け申し上げることにいたしたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 それでは、それはあとで資料でいただきたいと思うのですが、それを私が聞きますのは、第七条の補償料のことなんです。これは一〇%というふうにきまったそうであります。しかし、聞くところによると、大蔵省では当初二〇%がいい、通産省では五%がいい、そういう取りかえたり違約金を払ったりした割合が関連して、この五%なりの議論が出、あるいは二〇%なりの議論が出たと思うのです。ですから、補償料は補償価額の一〇%ですか、補償金額の限度の一〇%ですね、この一〇%というのはそういうことも考慮してこの補償料の率をきめたと思うのですが、一部に高いという説もありますし、また通産省の方が甘くて、大蔵省の考え方がいいのではないか、こういうような考え方をする人もありますが、この点一〇%にきまったことに対して、どういう考え方を持っておりますか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 今お話しの通り第七条の補償料を納めるにつきまして、その補償料はどういうふうな料率で納めるかということにつきましては、政令で具体的にきめることになっております。しかしながらもちろんこれは非常に重要な問題でございますので、大体関係省の間におきましては、おおよそこのくらいの料率ということをもって、最初スタートするときにはそういうふうに考えたいということで折衝いたしたのでありますが、ただいま御指摘の通りこの一〇%というのは、いわゆる事故率と申しますか、事故の発生率を一〇%、こういうふうに押えたのでございます。従いまして十件の契約のうち一件について事故が起る、こういう計算でございます。従いましてこれにつきましては具体的にそういう点から、たとえば補償価額の限度、あるいはこれに対する補償の限度、それから今の事故率を全部かけ合せますと、一応一・四%という補償料率になろうかと思います。しかし、これは初年度三十四年度における料率でございまして、率直に申しましてこの事故率は、まだ日本においては、経験も浅いので、実はだれもわからないわけでございまして、ただ従来の諸外国におけるいろいろな例等から見まして、大体一〇%というところが最初の出だしとしては適当であろう、こういうことでございます。財政当局としてはできるだけ財政負担を少くするという気持になりがちでございまして、従って二〇%というような事故率で大事を踏む見方もあったのでございますが、あまり大事を踏みますと、せっかく政府がリスクをカバーしてやろうというのが、逆に全然政府がリスクを最初から負わないような制度を作るということでは無理がございますし、そこのところは、あまり甘くいたしますと、過大な財政負担にもなるということで、両省間においていろいろ調整しましたところ、さしあたり一〇%くらいの事故率でスタートしてみよう。もちろんこれは初年度の一応の料率でございます。実際の経験を積むに従って料率を漸減していくと申しますか、低く減らしていく、こういう方針で臨んでいきたいという考えを持っております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 次に補償契約の内容についてちょっと考え方をお尋ねしたいのですが、プラント輸出の引き合いが参りまして、コンサルタント派遣をする。その場合、その結果大体五社なら五社合わさればそのプラント輸出の契約ができる、こういうことになると思うのです。一社で全部やるというのは小さいのなら別ですが、大きくなりますと五社なり十社なりが入ると思うのです。その場合、補償契約は五社なら五社のうちの代表が一括して相手方に契約をするのか。それからまた五社が別々に保証条項の契約をするのか。たとえば重電機とほかの機械と一緒にした設備の場合、重電機の補償の場合、リスクが起きた場合には重電機の会社が負担するというようなことの契約をするのか。その契約の方式をわかりましたら一つ……。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 お話の通りプラント輸出は一件当りの金額も非常に大きいわけでございまするし、またその内容が簡単な機械の輸出の場合と違いまして、各方面のいわゆる電気関係の機械もございますし、あるいは化学関係の機械も必要とする総合的なセットとして出る場合が多いわけでございますので、関連メーカーの数も非常にふえるということになろうかと思います。お示しの通り実際にプラント輸出の建設をいたしまする当事者としては、数社が共同でやる場合が多いわけでございます。しかしその間にはおのずからメイン・コントラクターと申しますか、それからサブ・コントラクターというふうな関係のものが出てくるわけでございます。従いましてたとえば一番代表的な例といたしましてはパキスタンにおける尿素プラントの建設の場合におきまして、これは約百億円近い、九十億円をこすプラントの輸出でございますが、この場合にはたとえば神戸製鋼という中心になる会社がメイン・コントラクターになり、あとの七社がこれに関連して総合的に建設を進める、こういう格好になっております。従いまして実際問題として政府との間に補償契約を締結する当事者といたしましては、その三社なら五社がありまする場合におきましてはその中の代表になる一社と契約を結ぶことによりまして、その契約の効力はその五社全部に及ぶという形をとっていきたい、かように考えます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 補償原因の発生した場合、そういう事故が起きたとしますと、その原因がほんとうにコンサルティングの欠陥によるものか、あるいは操作の間違いによるものか、あるいはその他の技術上の欠陥があった、こういうようなことか。いろいろ事故はあろうと思うのですが、コンサルティングの欠陥による場合にはこれは政府が補償する。ところがコンサルティングの欠陥によるか、よらないかということは、具体的にどこがきめることになるのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 今回政府において補償契約を締結する対象といたしまする補償契約の内容といたしましては、今お話しの通りコンサルティングの欠陥に基くきずが原因となっていろんな保証条項が実施できない、そういった場合における違約金の支払いを行わなければならぬということについての補償でございます。従いまして具体的には第二条の第六項において、この法律において保証損失とはどういうものであるかということが書いてございます。そこにこの「保証条項を含むブラント類輸出契約を締結しているものが、当該保証条項に基き、かつ、コンサルティングの欠陥に起因して、」ということが書いてあるのであります。従いましてこの保証条項に基いて違約金を支払わなければならぬ事態に立ち至った、その原因がコンサルティングの欠陥に起因した場合に限って、この補償金を支払う、こういうことになるわけであります。従いましてこのコンサルティングの欠陥に起因したか、しないか、今お話しの通り、それが何か非常に重大な過失なりあるいは故意と申しますか、わざと意識しながらそういうことをやったかというような点につきましての判定の問題がここに出てくるわけでございますが、コンサルティングの欠陥に基いたか基かないかということの内容の審査につきましては先ほども申し上げましたように補償金一を払うかいなかというような問題を決定いたします際におきまして、それらの原因については十分究明をした上で、政府としては態度を決定するということになるわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 そうしますと、こういうことになるんですか。補償を要求されてきた。そうするとその前にそれが保証条項の中にあるかどうか。もちろん、なければ問題はないのですが、ある。あるんだけれども、しかしその原因がほんとうに保証条項の中にあるコンサルティングの欠陥かいなかということで、向うとしてはいろいろ扱い方が十分でなかったりするといろいろな要件を出してくると思う。まあ後進国ですから。そうしますとそれは一たん政府の業務を委託されておるプラント協会にきて、ここでそういう問題を審議して、これはコンサルティングの欠陥によるものだ、あるいはよらないものだ、こういうことを一応そこできめて——政府といっても通産省へ持ってきてもなかなか判定材料はないのですから、結局委託されたプラント協会が国にかわってそれを判定するということになりませんか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 実際問題といたしましての補償契約に伴います業務の運営方法につきましては、先ほども申し上げましたように、業務は本来政府の業務ではございますけれども、非常な技術的な能力を持っておりまする適当な機関にこれを委託するという意味におきましてプラント協会を予定しているわけでございますが、しかしこれはあくまでも政府の業務であり、決定は政府がやるわけでございます。従いまして、先ほども申し上げましたように、おそらくは具体的にそういう事故が発生いたしまして、これをどう処置するかという問題が起りました場合におきましては、プラント協会の中の適当な組織を確立するわけでございますが、そこに政府の関係者が出向きまして共同で審査をする、こういうことになろうかと思います。法律的には第八条のところにおきまして補償原因の発生しました場合における補償金の額ということが書いてございますが、これは当然その額を出すか出さないか、また補償としてどれだけ出すべきかということにつきましては、もちろんその前に——法律上の字句はございませんが、当然審査という段階があるわけでございます。その審査につきましてはプラント協会にまかせきりということではなくて、そういう形において政府の関係者が入りまして最終的に決定する、こういうことにする予定でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私は二条の六を読んでも八条を読んでも、そういう場合に具体的にどうするということが明確でないからお聞きしたのです。たとえばプラント協会が判定をやる。しかし判定権は政府が持つ。それはいいでしょう。しかし実際問題として資料の収集、裏づけ等はやはりプラント協会にまかせられておる、プラント協会がやらなければならぬ。そうするとそのプラント協会は十九社で現在構成をしておる、その十九社が日本における代表的なプラント業者である、そういう関連を考えると、その大きいプラント輸出の何十億というものの中で、何億という損害の事件が出た場合に、それを補償してもらう業者と、コンサルティングの欠陥かいなかをきめる機関が、結局同一人が構成するような場合があり得ると思うのです。そうするとどうもそこでなれ合いで、本来ならもう少し突っ込んで向うの原因を調べれば、コンサルティングの欠陥じゃないということがわかる場合でも、そういう資料は積極的にやらないで、これはまあコンサルティングの欠陥だ、こういうことになってしまうおそれが将来あるのではないか、こう思っておるのですが、この点についてどうお考えになりますか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 具体的な資料の収集なり不審査と申しますか調査等につきましては、もちろんプラント協会に業務を委託いたしました以上は、これに主としてやらせるのでございます。しかしながら最終的にこれを審査をし確認をするという場合におきましては当然これは政府の担当者が入りまして決定をするわけでございますが、ただ今お話のように、プラント協会自身がコンサルタント業務を片一方において行なっておりまするし、またその構成員が現在のところ十九社にとどまっておるという実態から考えまして、確かに御懸念のような点が出てくるおそれもございますので、私どもといたしましては、その点については十分一つ監督上なり運営上においては注意をしていきたい。そのために政府の業務を委託する範囲につきましては、通常の社団法人としてのいろいろの監督規定のほかに、特にこの補償業務を行わせるについてのいろいろの監督規定を法律の中にも条文として入れておるわけでございまして、その辺は厳正公平に運用するようにいたして参りたいと思っております。そういたしまして、万一気をつけて行いました上におきましても、なおかつ不服があるという場合につきましては、不服の申し立てに関する規定も十五条に設けておるようなわけでございますから、直接の利害関係者であれば当事者でなくてもだれでも不服の申し立てをすることができるという道も聞いてあるわけでございまして、それらの点につきましては十分運用上も気をつけていきたい、かように考える次第でございます。

板川正吾日本社会党

○板川委員 十九社の内部でそういう問題があると同時に、政府の業務を委託されているプラント協会の、そういう判定する委員会ですか、その機関が、今度は十九社以外のプラント業者、これも全部やるわけですね。そうしますと、場合によっては十九社の場合にはその判定が非常に甘くて、なるべくコンサルティングの欠陥だということにして補償を出すようにし、十九社以外の三十団体もあるそうですが、こういう団体のプラント業者の場合には判定が辛くて、みんなコンサルティングの欠陥でない、こういうような判定を下すこともあり得ると懸念されます。こういう点は私としてどうもこの機関が納得できないのですが、さらに研究したいと思っております。  次に、ただいま局長は、そういう判定が間違った場合には、十五条によって不服申し立ての機関がある、これを利用したらいいじゃないか、こう言われておるのですが、この不服の申し立ての機関は通産省に置くことになりますか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 第十五条の不服の申し立てば通商産業大臣に対していたしまする申し立てでございますので、当然通産省の中にこれに対するあれを省令によって置くことになろうと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 その機関は判定的な機関ですか、それともあっせん、調停的な機関ですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 この不服の申し立ての受理をいたしまして、これをどういうふうに扱うかということにつきましては、この法律上の規定といたしましては、申し立てを受けました日から半年以内に少くとも最終決定をしなければならぬ。その前には一般に公開をした聴聞を行う。ちょうどこれは電気料金その他の聴聞会と同じような形におきまして関係者に対しては広く公開をいたしまして、公平にこれを判断するわけであります。そういたしまして、その結果当然再審査という機会を与えることになるわけでございますが、その再審査の結果といたしまして、さらにその判定について誤まりがあるというような面につきましては、当然それに基いてこれは行政的に是正する措置をとらなければならぬ、かように考えております。

板川正吾日本社会党

○板川委員 ちょっと私わからないのですが、不服の申し立てをする、その場合には公開で聴聞会を開く、ですからこれは法律的決定権はこの法文上からいうと、結局はないのじゃないかと思うのです。そうすると、通産省へ持っていったが、その扱い方がやはり自分としてはどうしても不満だ。損害を受けたプラント業者は、これはどうしてもコンサルティングの欠陥によるものだが、それをそうじゃないとプラント協会もいい、プラント協会にまかせてあった通産省へ持っていっても材料がプラント協会から出ておるのだから、まあ向うの意見を採用して、自分はやはり不利をこうむっておる、こういう場合にこれはどうしても争いたいという場合には裁判上の手続をとるほかはないのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 不服の申し立てという制度を設けておりまする趣旨は、申すまでもなく保証損失があるかないか、あるいはその金額をどうやって確認するか、そうしてその相手方に対する制裁規定というようなことにつきまして、この政府のとりました措置に対する不服の申し立てでございますが、これに対してさらに再審査の結果、何らかの決定が行われた、それに対してなお不服であるというような場合につきましては、この補償契約は性質上は私法上の契約となるべきものでありますので、最終的にはやはり裁判による手続ということになろうかと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 こういうふうに通産省の中に二段階の判定といいますか、決定する審査機関があります。しかし一段階は大体プラント協会じゃないですか。同じところを二回やってもしようがないのですから……。二段階は通産省で審査して決定する。しかしこれがどうしても不服だというなら法律によって裁判を起しなさい、こういうことでいいのですね。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 第一段階としてはプラント協会で、第二段階としては政府ということではございませんで、最初もやはり行政上の措置でございますので、たとえば補償金額を決定したり、あるいは補償金の支払い停止をやったり、場合によっては補償金の返還命令を出したり、あるいは補償契約の解除をしたりというようないろいろな措置は、全部政府の行いまする行政措置でございます。だから決定者はやはり政府であります。その同じ政府に不服申し立てをする、こういうことになりまして、これは従来こういうような申し立ての場合のいろいろな例でも、そういうふうになっておるわけであります。

板川正吾日本社会党

○板川委員 もう一つちょっと話は戻りますが、外国からプラントの引き合いが来たときに、一応権威ある代表的な日本プラント協会に普通集まります。その場合に、向うの注文の内容を見ると、大体五社でよろしい。五社程度が集まればこれはやれる、コンサルタントを派遣する、こういうことになろうと思います。その場合、五社をどこにきめるか。まことに好条件の注文である、しかも十九社ともたとえば非常な不況で、どこも受注能力はある、お互いに重電機なら重電機は、自分の方が一番いい、こう思っておる。こういう場合に、たとえば重電機のある部分の注文の場合に、どこを指定するかということは、プラント協会ではどういうふうにしてきめるのでしょうか。そしてそのきめ方によって、どうもけしからぬじゃないか、おれのところへやらないで、いつもおれのところへくるときは悪い材料ばかり来て、今度はいいなと思ったらよその会社がとってしまって、こっちへ来ない、こういうような不満が十九社の内部でもあり得ると思うし、あったという話も聞いておるのですが、こういうことは実際どうなっておりますか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 プラント輸出に関する引き合い、これは厳密な意味におけるプラント輸出に限定して考えました場合におきましても、プラント協会が従来その引き合いの話の前面に出まして、協会自身が一応少くとも形式的には受注者として表面に出る場合が、少くとも過去の半数くらいは、金額的に見ましてプラント協会がそういうふうな代表的なものになっております。その場合における受注のやり方につきましては、それはプラント輸出の輸出契約と申しまするか、その契約を実際履行するのは、その背後においてどのメーカーにするかということにつきましては、これはおそらく従来プラント協会を中心にして、関係のメーカーの間に相談をしてやってきておるやり方を、今後とも続けることになろうかと思います。具体的に補償契約を政府で結ぶか結ばないかという業務に関しましては、これはプラント協会に対しまして、政府の業務として委託をいたしまするけれども、輸出そのものに関する引き合いの面につきましては、やはりプラント協会が通常のいわゆるコンサルタントの一人として、それぞれの商社なりあるいはメーカーとの間に話し合いを進める、こういう形になっているわけでございます。その辺の段階におきましては、これはいわゆるコマーシャル・ベースと申しますか、そういう形において商談が進められる、かような形になると思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 私その点実は調べてみたのです。そうすると、向うの事務局長の言われるのには、そういう心配はない、どこもうまくいっております、こう言っておるんですね。ところがその後聞くところによると、十九社内部でもいろいろな問題があるそうです。そうするとどうも事務局長が言われるのと違う。結局相手から引き合いがきて、それをどこにきめるかということは、本来なら官報に公示するのじゃないけれども、ある程度公示して、あるいはある団体、相互のそういう団体等に連絡して、入札制度か何かみたいなことでないと、特定の者だけいいものをとっていく、こういうふうに感じるんですが、国が業務を委託する。アラント協会の運営について、一つ今後も監督指導をしてもらいたいと思います。  それから四年の限時法ということになります。しかし日本の科学水準からして、四年間たったらこの日本の最も不足しておるコンサルティングの体制が確立されるとはどうしても思わない。そうしますと、四年ということで期限をきめたということは、この間とりあえずこれでやっておって、そうしてその間研究して、もっとりっぱなコンサルティングの体制を確立するために、第一段階としてこういうことをやられようとするのか、あるいは四年でとにかく大体所期の目的を果せる、こういうことなのか、一つその事情、考え方を説明していただきたい。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 この法律は御指摘の通り四年間ということに一応期限は切られておりまするが、この考え方は、プラント輸出を促通するにつきまして、コンサルティング体制を強化するということは非常に緊急を要する問題でございまして、できるだけすみやかにそういう体制を確立しなければならぬという意味におきまして、早急の間にそれらの体制を整えたいということが一つのねらいでございます。従ってこの四年間で果してそういう体制が完備するかどうかという点については私どもも同様に懸念は持っておるわけでございますけれども、できるだけこの四年の間にこの体制を確立していきたいという趣旨でありまして、四年間という期限は、一応の考え方といたしましては、第二次の経済五カ年計画の最終年度までにこういう体制を確立したいというわけでございます。従ってその四年の間において締結されました補償契約は四年を経過いたしましてもなお有効でございまして、実際の面におきましてはさらにその後も効力を継続するわけでありますが、お話の通り、コンサルティング体制の強化につきましては、本来ならば、最初に御質問がございましたが、特殊法人というような点につきましても、われわれは将来考えていかなくちゃならぬというふうにも思いますので、そういう面におきましては、やはり特殊法人的な制度は恒久的なものとして考えていきたいと思います。

板川正吾日本社会党

○板川委員 これで終ります。これはどこに質問していいかわからないのですが、この間の新聞によりますと、商工委員と機械懇話会というのが結成をいたされた、こういわれておるのです。新聞にありますが、名前ははばかります。これはこの法案の通過とは何ら関係がないと思いますが、どなたが答弁されるか、してもらいたいと思います。以上をもって私の質問を終ります。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 機械懇話会というのは、私も出席いたしまして承知いたしております。これは機械関係は何と申しまするか業界が非常に複雑多岐で、一口に機械と申しましても、その中に関連団体が十以上もあるというようなことでございまして、業界自身としてもまとまりが必ずしもよくないし、また業界の実情につきましても、各方面からの御認識を十分得るに至っていないというのが実情でございますので、そういう趣旨でいろいろ各方面の方と懇談したいというのが、その趣旨のようでございます。この法律とは全然関係がございません。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私は航空機工業振興法の改正法とプラント輸出振興法につきまして大臣に二、三お伺いしたい、こう思っておるのですが、今大臣は科学技術振興対策特別委員会で答弁中だそうで、大臣が見えるまで、ちょうど幸い中川次官が見えておりますので、先日私が航空機工業振興法について質問いたしました際の中川次官の御答弁の中で、三、三気になる点がありますので、その点についてお尋ねしておきたい、このように思います。なお私は、できますれば十三日の会議録が出てから、その会議録を見ながら一つお伺いしたいと思ったのですが、きょうそういうことで時間が切れましたので、大臣が来ましたら話を変えて、あらためて次官にお伺いする、そういうことにいたします。  まずお伺いしたいのですが、会議録がないので、言葉のテニオハは違うかもしれませんが、中川次官の御答弁の中に、外車を輸入すること等にもいろいろ問題がある、三百万円で入れたのが直ちに六百万円、倍以上に売れる、そのためには与野党の議員等からもいろんなあの手この手の陳情がある、中には、新聞社という言葉だったか、報道関係という言葉だったか忘れましたが、新聞社等で外国自動車を入れて、それを本来の目的に使用せず、賃貸ししておるような例もある、そういうことを言われたのですが、そういうことを言われたのは間違いありませんな。

中川俊思自由民主党通商産業政務次官

○中川(俊)政府委員 私が聞いておりますところによりますれば、そういうようなことがあるということを私は聞いておる、そのことをこの間申し上げたのです。私はそれを別につぶさに調べたわけでも何でもありません。ありませんが、そういうことはしばしば私の耳に入っておる。それから報道用に使うという名目でおとりになったのを、報道用に使わないで社長が使うとか、あるいは重役が使うとかというふうに使われておる点もあるやに聞いております。これは私は一、二例も知っております。そういうことを聞いておりますが、しかしどこにそういうことがあるかということは、この席で申し上げることは、はばかります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 いや、一、二例も知っておるということなら、どうでしょう、明らかに、どういう会社がこういうことをやっている——確かに次官はこの前に、賃貸しをしておる、こういうことを言われたと思うのです。自家用車を賃貸しするというようなことは、それ自体が問題だと思います。しかも輸入に当って、報道用といったような名目で入れたのを、そういうようないわゆるタクシーの営業の許可をもらわねばならないようなことに使っておるのであります。そういうことはまさかないだろうと思うのですが、事実あれば私はおかしいと思う。そこでもっと具体的にお伺いしたと思いうのですが……。

中川俊思自由民主党通商産業政務次官

○中川(俊)政府委員 それはただいま申し上げました通り、具体的にここで申し上げることははばかります。はばかりますが、そういううわさは私の耳にしばしば入っておる、そういうことを申し上げたのです。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 委員長にお願いしておきますが、大臣が見えましたので、この問題は別の機会にやりたいと思います。これに関連して、外車の輸入に対していろいろと疑惑がある、従いましてその割当がどうなっておるのか、あるいは輸入の手続その他等についても、関係の局長ですか、担当者等も来てもらって、もう一度中川次官も御出席を願って、お伺いいたしたいと思っております。これは別に一つ機会を与えていただくようお願いしておきまして、大臣に質問いたしたいと思います。  そこで大臣にお伺いいたしますが、実は御承知のように今当委員会で航空機工業振興法の一部改正法、それからプラント輸出の促進法を議題としているのですが、これに関連して大臣から一つ明確なお考えを伺っておきたい、こう思うことは、私ここ四年ばかり商工委員ばかりしておりますが、商工委員会にかかってくるところの法案を一つ一つずっと振り返ってみますと、この前私が軽機械輸出振興法で申し上げたのですが、どうも特殊会社を作る、そこでその業界のことを一手に引き受けてやらすというようなこと、それを裏返してみたならば、独占形態の強化を促進していく、また単独法で出てくるやつのほとんどが、姿、形は変れども、独占禁止法の緩和という格好をとってきておる。その一つ一つの法案を見た場合、われわれもまた、これは輸出の振興だからやむを得まい、あるいはこれは航空機という特殊なものだからやむを得まいというようなことで、ついうっかりと申しますか、まあまあということで、今までほとんど賛成して参りました。ところがまあまあと一つだけ取り上げた場合にはそれほどでもないと思うのが、ずっと流れておる一貫したところを見ますと、一つの骨組みがあって、それに肉づけをしていくような格好で事が進められておる。その骨組みといいますか、道筋というのは、特殊会社を作って、そこに官僚の姥捨山を作っていく、そしてそれを通じて官僚統制を強化する、そうしてその特殊法人なり特殊会社に、国の予算をもって出資もしくは補助金というような名目で金を出す、あるいは財政投融資の面から低金利の金を回す、そうしてますます官僚の手による業界の支配、そういうことによる大企業への奉仕、すなわち独占形態への促進、こういうようなことが脈々として流れている、このように考えられます。現に今審議しております二法案、その通りであります。大臣もまた一つ一つについて、これは必要だ、こういうことでやっておられるだろうが、一応大臣が、大臣になられて以来手にかけられた法案を振り返ってみられた場合に、そういうような事態がなかったかどうか。うっかりすると、大臣自体も官僚の手によってあちらこちらから縛り上げられて、大臣が動きがとれない、いわゆる官僚組織の強化ということが着々として進められておる、このように感じますが、大臣いかがでしょう。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 今度の航空機工業の問題にいたしましても、またプラント輸出の問題にいたしましても、限りある小さな力の総力をできるだけそこへ集中して、発揮してやっていこう、こういうことのために企てられた仕事でございまして、つまらない研究なりいろんなものがばらばらに働いてはいかぬ、こういうことのために企てられた仕事であります。その結果、自然今お話のごとく、うっかりすればこれは官僚姥捨山になり、あるいは官僚統制の機関となり、またお話のごとく独占資本の助成機関となる、こういうふうな心配もあるということは私は同感であります。できるだけそういうふうにならぬように、目的とするところはつまりみなの力を総合的に発揮する、こういうことのために私どもはやっておるわけなんでありまして、目的は全然違っておるわけなんでありますから、そういう弊害があるということはよく心に銘じて、そうして今後そういうことがないように運営していきたい、こう思っております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大臣はいつも同じような答弁をせられるのです。今後このようなことのないようにしたい、こういうことはいつも言われるのだが、やはり同じようなことが続いておる。私この前にも、国会があるのだから、国会は法律を作ったり改正をしたりするのが任務だからということで、少しわれわれを酷使しておられるのじゃないかという感じを受けるというようなことを申しげましたが、一つで済む法律を、あとからすぐに改正を出してくる、こういうやり方によって、やはり今言ったような形態に持っていく。航空機工業振興法がその通りであります。また一つの法律ができて、それが十分に効果を発揮しないといいますか、十分な運用がせられていないのに、その効果を待たずに、これではだめだからというようなことで法律をすぐ出してくる。中小企業団体組織法を作っておいて、軽機械輸出振興法が出てきたのはまさにその通りであります。これをずっと見ておりますと、結局のところは通産省——通産省だけでない、あるいは各官庁と申した方がいいかもしれませんが、各部局ごとに自分たちの管理下といいますか、なわ張りといいますか、その中に自分たちが自由にできる組合なり団体を作っていく、あるいはそういう特殊会社を作っていくという動きが見えておる。たとえば通商局の方が輸出入取引法を改正して貿易連合というものを作ってやろうと考えたら、重工業局は負けじと軽機械輸出振興法のようなものを作って貿易協会のようなものを作る。あるいはこういったブラント協会へ——この法律によって一つの指導権を握る、あるいは航空機の振興のための特殊会社を作ってその業界を統制していく。どうもこれは各部局ごとのセクトが、なわ張り争いが如実に現われてきておる、こう考えます。これを統制し、これをうまくまとめていくのは、私は大臣だろうと思うのですが、大臣はそのような感じを受けておられませんか、まさにその通りです。もしおっしゃるなら、この四年間に扱った法律を全部一つ一つあげて私の言っていることに根拠があるということを証明いたしたいと思いますが、いかがですか。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 今回の航空機工業の振興法というのは、全然、今の御心配になったことが目的でなくて、航空機がいかに日本で必要であるかということのためにこれを考えられたことでありますし、またプラント輸出の問題にいたしましても、今日輸出振興をするためにはどうしてもブラント輸出をする協会を強化して、そうしてこのプラントの能力等について保証するという方法をやらなければ輸出ができない、こういうことのために非常に必要に訴えられて立案いたしました両法案でありまして、今の御心配のようなことのないように、私どもは今後の運営において、先ほどお答えいたしました通りに実行いたしたいと存じます。どうか、目的は全然違っておりますから御心配のないように一つお考えを願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 たとえばこの航空機工業振興法ですが、これは御承知のように通りましたのは二十八国会です。解散国会の前で、一年とたたないのです。そのときに、これは前に局長にも同じ趣旨のことを私は伺いました。そのときに現に航空機工業振興法という法案を出してきた。これは中型ジェット輸送機を国産化するために必要だ、こういうことなんです。ではそのときにすでに、一年前にそれを進めるためには特殊会社が必要であるという構想があったのかどうか、この間の答弁によると、若干そういうような構想を持っておりました、じゃそのときなぜ一緒に出してこなかったかといえば、いわゆる出資金の問題と予算の関係があったかに聞きました。私が法律を作り過ぎる、作ったやつをすぐ改正し過ぎるというのはこのことなんです。この法律を一つ考えてみても、一年たたないで改正案が出てきた。それならなぜ最初からこの特殊会社の構想を入れたものを出してこなかったのかということなんです。それをつき詰めていくと、結局は予算の関係でといったようなことのようだった。そうするならば、おそらくそのときには通産省としては最初からこういうものを作って、こういう特殊会社を作って、本年度三億円ですが、当時幾ら考えたか知らぬが、出資金というものを要求せられたが入らなかった。だからそれで切り離して法案だけを出してきた。三十四年度になって二億円という金額が認められたから出してきた、こういうことだろうと思うのです。そうするなら、私は、大蔵省の一主計官の考え方によって国会の法案審議に対する一つの冒涜といいますか、そういうことが行われておると思うのです。今後私はこういった、出してきてから半年や一年たたないうちに改正するようなことはやめてもらいたいと思うのです。当時、解散前は大臣は大臣じゃなかったと思うのですが、通産大臣はその前は大臣でしたが、これは確かにそういう構想があったのが、予算の関係でこうなったのだと思いますがいかがですか。こういうようなやり方について大臣はいい行き方と考えておられますか。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 航空機工業の国内における進展の工合が、この法律の改正等に関係しておることと思います。当時、中型輸送機というものが、わずかの予算からこれを発足しておりましたが、そんなに急いでやるほど必要がなかった、こう存じておりますが、御承知のようにすでに航空機工業には多数の人間が従事しておる。それが戦闘機の機種問題等がまだきまらない。そこにいろいろな空白の状態が起る。こういう場合には中型飛行機をなるべく早く実行に移していきたい、こういうよらな点から今回振興法を改正いたしまして、特殊法人を作るということに相なったわけでありますから、決して初めからこういうわけではございませんで、この仕事自身の進行状態、必要状態というふうなことにつきまして、法律もときどき変えなければならぬ、こういうわけでありますから、その点は御了解願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大臣、そうしますと局長なり次官の答弁とちょっと食い違ってきますが、最初この法案を二十八国会に出したときには、特殊法人としての構想は持っていなかった、その後必要があったから出した、そのように受け取ったのですが、そうすると、最初お出しになったときには、この中型ジェット輸送機を国産化していく、その主体はどのようにお考えになっておったのでしょう。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 先般、ただいま大臣にお尋ねになりましたことと同様の御質問があったのでありますが、私がお答えいたしました趣旨は、航空機工業振興法の終局の目的は、航空機工業の国産化を促進し、これを確立するということでございました。当時においてすでに今日のような日本航空機製造株式会社というような特殊会社を具体的に予想しておったわけではございません。従って、ただいま大臣からもお話がございましたように、航空機工業の国産化を確立するにつきましては、まず設計の段階から入っていかなければならぬ。その意味におきまして、財団法人輸送機設計研究協会というところに各関係会社の衆知を集めまして設計を行い、これに対して政府は助成をし、それに関連する航空機工業のいろいろな面についての助成をするための法律を作ったわけでございます。それが具体的に、この設計研究協会の活動なり設計の進捗状況が、先ほど大臣がお話しになりましたように、実物大の木型まで製作ができるような段階に達しました。いよいよこれから試作開発の段階に入るということでございます。それを具体的に国産化の進展の状況とにらみ合せまして、かたがた予算措置という点の問題とも関連いたしまして、ここに中核体としての製造会社が設立できるという見込みがつきましたので、今回その面の改正をしたわけであります。通常の法律改正のように、法律そのものの趣旨を変更するという意味ではございませんで、法律の本来の目的である国産化を促進し確立するための段階として、逐次それが具体化するに従って、それに伴う裏づけとしての法案を整備していく、こういう趣旨の改正でございますので、そういう意味において御了承いただきたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 議事録がまだできていないので、その点はっきりしませんが、私の記憶ではこういう構想も若干持っておった、こういうことだと思う。ところが、きょうの答弁はまた違っておると思うのです。そうすると結局一年足らずして同法に基く特殊法人を作ろうということは、特殊法人を作るためには政府出資金が必要だ、それが予算措置ができなかったから、あとに回した、こういうような受け取り方が一つある。もう一つは最初は考えていなかったが、設計を進めていく途中からそういう構想になった、こういう受け取り方が一つある。そうであるなら、航空機工業振興法というような大きな名前を掲げて大上段に振りかぶって、二十八国会に法案を出されたときに一年先の見通しがつかなかったか、こういうことになる。実のところは、私の推測ですが、最初は特殊法人というようなことを考えずに何とか補助金を出してやろう、こういうことだったのですが、その関係六社ですか、有力な三社あたりから猛烈な運動が起って、その三社の間あるいは六社の間にどうも話し合いがつかない。これこそわが社においてとろうというような運動が起り、それが調整がつかなかったから、それらの関係者によって一つの特殊法人を作って、そうしてそこへ金を出してそれらの関係者に均等に恩恵を与えよう、こういうことで変ってきたともとれるわけなんです。一体どうなんですか。もう一ぺんはっきりお答え願います。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 先ほど申し上げましたように、国産化ということは結局最後は製造販売業というところまで行くわけでございます。従いまして全体の水準といたしましては、設計の段階から入りまして、設計が完了すれば試作をし、試験を行い、最後は量産態勢に入るということは国産化の当然の段階でございまして、そういう意味におきまして、私どもとしてはそういう計画を持っておったということは申し上げたのでございます。その場合におきまして、その量産化を行うにつきまして、具体的にどういう構想でやるかということにつきましては、この法律を御提案申し上げた当時におきましては、はっきり固まっていなかったというのが実情でございます。従って一応大蔵省に予算を要求してみたけれども、それが通らなかったので、会社の構想をやめ、従って法律にも書かなかったというものではございません。  それから今お話がございましたような、関係の航空機会社からの非常な運動なり、そういうような経過によってこれが生まれてきたというものではございません。やはり日本として最初の国産機を作るにつきましては、どの会社でもやれないというのが実情でございます。そういった航空機工業の現状等に即しまして、こういうふうな構想を立てざるを得なかった、こういうことであります。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 そういうことにしておきましょう。しかしやはり何かすっきりしないところがありますね。一年もたたないうちに出すのであったら、なぜ最初に出しておかなかったか、しかも航空機工業振興法を最初審議しておった当時、相当各社の間に競争のあったことも否定できないと思います。私も聞いております。がしかし、それはそれとしておきましょう。しかし何回も言うことですが、最初から法案を出されるなら、相当の期間の見通しをつけられて、はっきりした固まったものとして出してきてほしい。半年やそこらで改正をするとか、あるいは半年もたたないうちに、同じ方向を向いておって、より強化の方向だというようなことは、今後はおやめ願いたいと思います。このプラント輸出の関係にしましても、これは大臣にお伺いしますが、すでに日本プラント協会というものがあるわけなんです。そこである程度のことをやっているのです。きのうの局長の御答弁によると、一社ではそういったプラント輸出に当ってのコンサルタントですか、調査とか、実地に当っての設計とかいうようなことは無理だ、だからこういう法律でカバーしなければいけないんだ、こういうことですが、現に日本にプラント協会というのが、十九社ですか、しかも、いずれも日本では大企業に属する会社ばかりでできております。それが相互に一つの仕事を始めているが、それに対してこの法律によって保険をつけてやろう、こういうことなんです。そうするなら、もちろん日本ブラント協会の定款その他によって、それに加盟ということはきまってくると思いますが、おそらくはそう多くの人たちの加盟を許さないだろうと思います。そうすると、現在ある十九社によってできておる日本プラント協会、これに対して政府が特別の保護立法を与えていこうという——きのうも申したのですが、やはりこれは大企業への奉仕ということになろうと思います。なるほどプラントの輸出が将来の日本に重要であり、また大臣自体がこれを推進しておられることはよくわかります。だからといって、私は何もこんな法律を作らなくとも、きのうも聞いたのですが、現在ある保険制度で何かできないのかという感じも受けます。いずれにしろ、こういう名目によって大企業の集団である日本プラント協会へ特殊な資金を回すということだけは間違いないのです。これは大企業への奉仕だと考えますが、いかがでしよう。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 現在のプラント協会は十九社だというお話でございますが、これはプラント輸出によって恩恵を受けるところは十九社だけではなくて、現在におきまして一番問題といたしますことは、プラント輸出をいたします場合に、たとえば製糖工場を輸出するという場合に、実際その機械を動かして、機械に対する能力だとか、機械に対する生産力だとかいうことを知っておるのは、機械を動かした製糖会社であります。ところがこれをプラント輸出するのはだれかというと、この機械を作るメーカーでありまして、これは実際から言うと自分で製糖をやったことがなく、機械を作るだけの専門家であります。また化学工業も同様でありまして、そういう場合に機械を輸出する人たちが、この能力の責任を持たなければならぬという場合には、この機械に対するコンサルタントがあって、すべての技術の責任を持つ人が責任をもってやらなければ注文はとれないのです。すでにエジプトに、ある化学工業の機械を輸出するということになりまして、相当話は進んでおります。値段は安いのだけれども、この能力等に対する責任は持てないということは、これは機械のメーカーでありますから、動かしたことはない人でありますから、そういう人の力を総合したプラント協会にはコンサルタントを置いて、多数の技術者がおって、これに対する責任を持つ、責任を持つ以上は確かにこれはよいということを見きわめをつけなければならぬ。その場合にはその能力の責任を持つということは絶対必要であるという感を、最近ますます深くしたわけであります。そこで機械を輸出した場合において、これだけの能率は上るという責任を持って、もしそれが上らなかった場合には、それに対する保険をかけるということは、やはりプラント協会自身が持たなければならぬということになりますから、これはプラント協会の仕事を助けるということになりますが、プラント協会は大工業だけを助けるわけではなくて、かりに小さなメーカーでありましても、これが責任を持たなければならぬという場合には、プラント協会はその能力に対する責任を持ち保険を引き受けるという方針で進めたいと存じておりますから、必ずしも大メーカーだけを助けるというわけではないということを御了解願いたいと思います。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 板川委員の質問にも出ておったかと思いますが、現在プラント協会に入っておる十九社のほかに、プラント類を輸出したいというか、そういう能力のあるものがまだ三十ばかりある、ところがこの法案が成立すれば、この事務はおそらく日本ブラント協会にさせるだろうと思います。そうするとプラント協会の会員でなければこの恩典は受けられないということになる。そうするとプラント協会に入会する場合などはどういうことになりますか、希望があればだれでも入れるのですか。

小出榮一通商産業事務官(重工業局長)

○小出政府委員 プラント輸出を促進するための補償契約でございまして、プラント協会はその補償契約の締結、それの運営に関する業務を——本来政府の業務でありますけれども、それを便宜プラント協会に委託するというだけのことでありまして、補償契約を結ぶのはだれでもよいわけであります。従いましてプラント協会の会員でなくてもかまわないわけでございまするし、また事実そういう場合が非常に出てくると思います。  それからもう一つプラント協会の会員は現在のところ十九社でございますけれども、これはプラント協会の定款に従いまして、所定の手続を踏めば、プラント協会に加入することはもちろん自由でございます。十九社だけで独占し、その門戸を閉ざしておるわけではございません。ただ、板川先生からもお話がございました御懸念の点は、プラント協会自身がそういった業務を行いまする関係上、とかくその会員である十九社に片寄るおそれはないかという御懸念でございます。その点につきましては、再三私からもお答え申し上げました通り、これにつきましては、政府の業務を委託する限りにおきまして、プラント協会に対しては特別の監督規定もございますので、十分政府においてもこの運営については気をつけていきたい、かように考えております。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 形式はそうであろうとも、実際はやはり自分たちの協会のものだけを守る、こういうことであろうと私は思うわけです。先ほどから言っているように、この委員会に出てくる法案が、大ていがその業界において一つの協会を作るとか、あるいは何とか特殊会社を作るとか、こういうような方向によって、その会員だけで、その以外のものは全部落してしまう、こういうようなにおいが強いわけなんです。そこでこう申し上げておるわけなんですが、ちょっと方面を変えてお伺いします。大臣、通産省の管轄は、重工業もそうだが、中小企業関係も管轄なんですが、こういうことによって大企業の方へ相当奉仕しておられることははっきりしておる。一面中小企業に対してはどうかというと、本年度の中小企業対策費は二十一億七千万円でしたか、全体の予算に対して、労働省関係のやつを入れて一十二億二千万円だったか、〇・一五%、これは大臣に聞いてもわからぬと思うのですが、通産省のどなたかから答弁願いたいと思います。一体中小企業といわれる階層から上ってくるところの税金が幾らで、その人たちに還元せられるところの税金が幾らか、一つそれを言っていただきたい。できなければ、資料として出していただきたい。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 私、今数字はわかりませんが、資料として提供いたします。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 大体税金というものは——大蔵委員会みたいになりますが、高い、安いという金額だけの問題でなく、かけたものがその階級の人たち、階層の人たちにどう還元せられるかということになると思うのです。おそらく中小企業に対しては、かけた金とその人たちに還元せられるやつは雲泥の差があると思います。一応資料を要求いたします。  そこで、最後に一つ大臣に御確約願いたいのですが、今私が申しておるように、大企業とか独占企業に対しては相当こまかい神経を使っておられる一面、中小企業労働者に対しては、口では言われるが、あまりやっておられないように思う。この特殊会社ができました。なるほどこの特殊会社はピーク時で百九十人ほどしか使わないし、その仕事自体が高度の設計技術ということですから、そう適任者は多くはなかろうと思いますが、それの下請といいますか、その設計に基いて実際の生産をやる関係業者には、相当の従業員が必要です。御承知のように、駐留軍の労務者——この人たが駐留軍の引き揚げということ、これは国民的歓迎の中に行われたわけですが、反面、そのために職場を失った人たちがたくさんおります。現に立川を例にとりましても、三千人の離職者がおります。これらの人たちは、戦前航空機研究所、あるいは立川飛行機、あるいは昭和飛行機といったようなところで仕事をしておった人で、航空機関係の経験者であります。しかもジェット機というようなものが日本に新たに持ち込まれた際、既存の大きな航空機会社もジェット機技術修得のために、一応自分のところの優秀な従業員を、これは休職にしたのか、表面的解雇という格好をとったのか、出張にしたのか知りませんが、会社を一応やめまして、休みまして、半年なり一年なり、もぐりとでも申しますか、駐留軍の労務者として入りまして、そこで働いて、一応のジェット技術といいますか、そういうことを修得したならば、駐留軍労務者はやめて、その会社に戻ってそこで仕事をするというようなケースが過去にありました。こういった人たちが三千人立川地区だけでもおります。従ってこの法律が、あるいはプラント輸出振興法は大会社への奉仕であると私ははっきり言いたい。その反面、そういった職を失った労働者、しかもそれらの人たちがジェット機等についての経験者であり、技術習得者である、こういう点から、努めてこういう特殊会社及びこの関係会社で採用していくような——今後人が要るときにはそういう人たちを優先的に使ってくというい方向へ大臣から指導といいますか、勧告をしてもらいたい。実はこの法案採決に当りましてそういう意味のことを附帯決議として私つけたいと考えておりましたが、どうも附帯決議ということじゃおかしいと思いましたので、附帯決議にかわるものとして大臣にこの点を申し上げまして、大臣から必ずそのようにやるという明確なる御回答をいただきたい、このように思います。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 ただいまのお話について弁解をしておきたいことがあります。通産大臣は大企業にばかり神経を使っているというお話でございますが、決してそうでございません。私ども一番に神経を使っておるのは、中小企業者であり、失業者の問題であります。従いまして、今回皆さんの御審議によりましてこの法律案が通過いたしまして特殊法人ができる場合には、これはきわめて少数の人で、その設計だとか、そういう関係の人でありますけれども、できるだけ駐留軍等に働いておった人、その道の人を採用するように努力いたしますと同時に、その関係工業におきましても、今の失業している人たちを収容するように努力いたしたいと思っております。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 この際お諮りいたします。  航空機工業振興法の一部を改正する法律案についての質疑は終了したものと認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 御異議なしと認めます。  次に、本案の討論に入るのでありますが、通告もありませんので、これを行わず、直ちに採決に入ります。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。  採決をいたします。本案を原案の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案の通り可決いたしました。  なお、本案に関する委員会の報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任願うことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。     —————————————

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 次に、小売商業特別措置法案、商業調整法案、特定物資輸入臨時措置法の一部を改正する法律案、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法の一部を改正する法律案、石油資源開発株式会社法の一部を改正する法律案及び繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案、以上六法案を一括して議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。堂森芳夫君。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 ただいま提案されております繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案に関しまして、若干の質問を行いたいと思います。  昨年の十月二十九日に第一回の繊維総合対策懇談会が催されまして、自来数回にわたって懇談会が開催されました。そして大臣は、たしか昨年の九月の臨時国会の当時と思いますが、繊維産業がきわめて不況に陥っておる、これに対していかなる施策、方策を政府は持っておるか、こういう質問を私がいたしましたときに、いずれ繊維総合対策懇談会を催して、その結論も聞きながら総合対策を立てて参りたい、こういう御発言があったのでありますが、当時大臣は、従来の合成繊維といいますか、化学繊維——合成繊維は化学繊維の一部でありますが、従来の合成繊維偏重を改めて、天然繊維を軽視してきたような態度も改める、こういう意味の御答弁もあったわけであります。そうしてその結果、懇談会のいろいろな結論をお聞きになって、このたびこの法律の一部改正案をお出しになった、こういうふうに私は解釈いたしているわけでありますが、私はこの臨時措置法の一部改正案を見まして、政府の繊維対策、こういうものについていささかの疑問を持っておるわけであります。そこで大臣は、今後の繊維対策というものについて、今日いかなる構想をお持ちになっておるのかということについて一つ御答弁を願いたい、こう思うわけであります。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 ただいまお話のごとく、繊維工業を総合的に考えまして、この行き方をきめたい、こういうことのために、繊維工業懇談会を開きまして、これは非常に熱心に検討いたしました結果、先般来大体の結論が出たのであります。その結論といたしましては、繊維工業全体の基礎をもっと固めなければならぬ、つまり体質を改善しなければならぬということと、もう一つは、今後の原料等につきましては相当自由性を持たせなければならぬ、こういう二つの大きな柱をもちまして、大体懇談会の結論が出たわけでありますから、それを基準といたしまして、目下繊維局長の方において十分対策を講じておるわけでありますが、要は、現在の繊維工業があまりに設備過多になっておる、この設備過多をどう整理するかということ、それから羊毛にいたしましても原綿にいたしましても、その輸入等につきましては、いろいろ現在の世界の情勢が為替の自由化なり、あるいは貿易の自由化に向いている、この際にどうしたらいいか、こういうふうなことをよく考究いたしましてやっておるわけでありますが、詳細なことは繊維局長から御答弁いたさせます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 ただいまの大臣の答弁でございますが、どうも大臣の御答弁を聞いておりますと、繊維総合対策と申しましても、ただ過剰な設備を一応規制していく、これを措置法の改正によってさらに合成繊維にも広げていく、きわめて消極的な対策しかない、こういうように思うわけであります。繊維産業をともかく斜陽産業と言っておりますけれども、日本の輸出というものを見ますると、やはり大きな部分を占めた産業でありますが、私はそれでは政府としてはきわめて消極的な態度である、こう思うが、大臣はいかがでございましょうか。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 現状におきましては繊維工業が非常に不況にあることは事実でありますから、まずいかに対策を講じてこれを救済するかということが第一でありまして、御承知のごとく繊維工業が日本の将来といたしましても重要なる輸出産業となるという使命を持っておるということは御同感でありますから、これは決して消極的な意味ではなくて、まず一応今日現状に即しましてこの不況状態を脱却する、さらに進んでこれを積極的に伸展するという方針をむろん持続していきたいと存じております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 この問題は私は非常に重要なことだと思うのであります。昭和三十一年六月に公布されまして、十月に施行されました繊維工業設備臨時措置法というものに現われておりますように、従来人絹糸、スラ綿などは行政勧告によって操短を続けて参り、人絹織物やあるいはまたスフ織物につきましてはこれを買い上げを行なって、過剰生産の対策を講ずる、こういう方法を続けてこられたわけでありますが、このような実情というものは、従来の政府の施策というものは、私はやはり内需の喚起というものをもっとどんどんやっていく、たとえば最低賃金制の問題、今国会で大いに問題になっておるわけでありますが、最低賃金制の制定も一つの大きな内需の喚起になりましょう。またたとえば私日本全国の病院をよく見る機会がありますが、病院なんかを見ますと、おそらく諸外国あるいは日本の国よりももっと後進国と思われるような国のいろいろな大きな病院を見ましても——日本の病院なんかでは、たとえば寝具なんかを見ましても、またスーツなんかを見ましても非常にきたないボロのようなものを着ておる。こういうような点、これもやはり社会保障というものの進展によって綿でもスフでもいいわけですが、そうした内需というものがもっともっとふえてくるような可能性が十分あるというふうに感ずるのですが、まあいろいろな施策が伴って内需の喚起がもっともっと行われる、こういう努力がどうも通産当局には従来欠けておったのではないか、こういうふうに感ずるわけであります。また輸出の伸張というようなことについても、今日こそもっともっと特段の努力というものがなされなければいけないのじゃないか、どうも政府のやっておることは、生産過剰ということのみにとらわれて、そうして織機あるいは糸のメーカーの方も同時でありますが、この過剰を押える、こういうところにのみ重点がいっておるように思うのであります。大臣は、こういうふうな内需の喚起あるいは輸出の伸張ということについての——懇談会も長い間続けられたわけでありますから、そうした今後の見通しといいますか、どういうことをやっていくのだということについて一つ御答弁を願いたい、こう思うわけであります。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 もちろんこの内需の喚起ということは必要でありまして、現在国民一人当りの消費量はどうなっておるか、そうして先進国との比較研究をいたしましても、必ずしも日本の消費は非常に少いというわけでもありません。全体的に見まして上層階級においては相当大きな消費をしておりますが、下層階級においては消費量は少いということを、よくわれわれは認識しておるわけでありますから、従って社会政策の方と相呼応して、そうして下層階級における消費量をもっとふやすということの方針を持っていきたい、こう存じておるわけでありますが、全般的に見まして国民の所得と一緒に、相並んで内需の喚起をやっていきたい、こう存じております。また輸出の方におきましても、これは現在日本の繊維工業の技術というものは決して外国には負けない、むしろ非常に優秀であるということでありますから、この優秀なる技術をさらに新しい技術等を導入いたしまして、これと相並んで、そうして世界的に、繊維工業というものは、日本は非常にいいということをよく認識させまして、いろいろ混紡等も考えて、各種の繊維等も一緒に混織するというようなことも考えまして、今後繊維工業としての海外輸出についての大きな使命を全うしていきたい、こう存じておるわけなんであります。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 たとえばヨーロッパ諸国においても、日本の繊維製品が優秀であるということは認められておると思うのです。ところが大臣よく御承知のように、デンマークとかあるいはスイスとかいう西欧諸国で、いろいろなトラブルが起きて参りまして、現在では日本の繊維製品の輸出が非常に狭き門にぶつかっておる、こういう実情があるわけでありますが、こういうようなことに対して政府としてはどんなふうな努力をしてきておるのか、あるいは今後の見通しはどんなものであるかということについて、局長から少しく答弁を願いたいと思います。

今井善衞通商産業事務官(繊維局長)

○今井政府委員 輸出の振興はもちろん大事なことでございまして、日本商品が非常に優秀であり、しかも価格が安いということで名声を博し、非常に多方面に輸出されておるわけでございまして、私どもも今後ますます努力を続けなければならぬと思っております。ただ何と申しましてもたとえば人絹、スフ製品の輸出は全世界の輸出品の約六割から七割方を占めております。それから綿製品にしましても、二割五分から三割程度は日本の綿製品が輸出されておるという状態で、現在すでに輸出の数量にいたしましても、地域にいたしましても、非常に行き渡っておるということでございまして、私どもといたしまして、もっともっとふやしていきたいとは思いますけれども、ただ全世界の繊維製品の貿易量のうちで、さらに割合を高めていくということは、これはますます非常な努力が要るというようなことになるわけであります。今後におきましては、もっともっといい製品と申しますか、先ほど大臣が出されましたように、いろいろ各繊維の特性を生かした交織織物等を出しまして、しかも値を高く出すということが必要であろうと思います。ただいま御指摘の欧州市場等につきましては、日本からここ二、三年非常に急激に輸出が伸びておりまして、その結果逆に向うの国内産業を圧迫するというふうな問題、しかもそれが向うの国内産業よりもはるかに安い価格であるというふうな関係で、日本といたしましてはもちろん輸出を伸ばしていかなければならないのでございますが、あまりにも相手方産業を刺激するような伸ばし方というものは、日本としても自粛すべきではないかということで、現在におきまして欧州各国に対しまして、いわゆる輸出規制を行なっておりますが、できるだけ高く売りつける。しかも数量につきましても野放図に伸ばすというのじゃなくて、徐々に伸ばしていきたいということで輸出規制をやっておるわけでございます。しかしその間におきまして、やはりスイスなりデンマークなりに日本の輸出品の伸び方があまりにも急激である、あるいは価格が安過ぎるというふうな問題でトラブルを起しておるわけでございますが、そういうことが起らないように輸出規制を合理的に実施して参りたい、かように存じております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 昨年でございましたか、ドイツのエアハルトが来ましたときに、たとえば日本の繊維製品は西欧へもっともっと入る見込みはある、見通しは十分持てる。しかしドイツの製品なんかと比較して、およそ三〇%くらいにしか値段が当らぬ。これはひどいじゃないか、彼一流のいろいろな議論を吐いていったわけでありますが、そんな低賃金の労働者を使って、そうして安いものを売られたのでは困るから、日本はもっと賃金について考えるべきではないかと、いろいろな意見を吐いておるわけであります。そこでそうした問題について、繊維だけには限りませんが、輸出について、この繊維総合対策懇談会でも議論はいろいろ経過中に出ておりますが、何か強力な輸出委員会というような制度でも作って、安売りをしないような、あるいはもっとPRをどんどんやっていくような、いろいろな生産者をも含めて、貿易業者と一緒になり、あるいはまた広い衆知を集めた貿易対策が必要ではないか、こういうようなことも、あなたが主宰されました懇談会ではいろいろな議論が出ておったと思うのであります。そのことはそうといたしまして、この法律と直接関係の深い点について、私は大臣にほんの一点について伺ってみたいと思うのであります。と申しますのは、現在のところ日本における化学繊維、特に合成繊維製造の過程といいますか、方式といいますか、そういうものは今後もっともっと助成して、もっと研究をし、そうしてどんどんと優秀なものを作っていく段階に、まだあると私は思います。世界各国を見ましても、たとえば先進国の一つであるアメリカにおいても、長い年月を費して、そうしてこつこつと精力的に研究がずっと続けられて来ておる。日本の研究は短期間で、これを一つ露骨にはっきり言いますと、まねをして、そうしてロイアルティを払って、向うの技術を導入してやっていく、こういうようなやり方をしておるということについては、大いに問題があると思うのでありまして、日本の国が、長い歴史を持っておる繊維産業というものをもって、将来国際競争にも勝っていく、こういう意味において、今日こそ合成繊維というものの製造方式といいますか、そういう科学的な研究をもっともっと強力にしていくべき段階にある、こういうふうに私は思うのでありますが、このたびの法律改正というものによって、合成繊維の生産や技術を押えていく、圧迫していく、こういう感じを持つわけでありまして、確かに繊維総合対策懇談会でも特に合成繊維の研究試作といいますか、そういう方面に重点を置いておる業者の人たちも、今そういう法律を作ってもらって、圧迫していくような機運を作ることは、かえって日本の繊維産業の将来の発展のために、これは取り返しのつかない結果を生むのではないか、こういう心配を非常に持っておると思うのでありますが、こういう点について大臣の御所見を伺いたい、こう思うわけであります。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 原則といたしまして日本の繊維工業というものは、これは好むと好まざるとにかかわらず、結局合成繊維に進んでいくべきものだと私は存じております。しかしながら今日までのやり方におきましては、合成繊維があまり行き過ぎておったということも事実でありますが、これに幾らかの規制を加えたようでありますから、今御指摘のような感じが、一部分の方には抱かれたかもしれませんが、少くとも合成繊維の技術の向上につきましてはこれは何ら制肘を加えず、もっと積極的に進んでいくという方法で進みたいと存じます。ただ生産につきましては、一ぺんにたくさんの生産ができるということは、いろいろ各方面に及ぼす影響が大でありますから、その生産を調整しつつ消費とにらみ合わせていく、こういう方法で、先日懇談会できめていただきました趣旨に基きまして、実行に移していきたいと存じておるわけでございます。要するに技術はますます伸ばす、そうして生産は周囲とにらみ合せて順次これを増加していく、こういう方向に進みたいと存じております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 ただいまの大臣の答弁によりますと、合成繊維については何か行き過ぎがあったのではないか、こういうふうに受け取れるのですが、具体的に言いますと、どういう点が行き過ぎであったのでしょうか。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 一昨年来繊維工業が盛んになってきたときに、好景気に乗じて設備を増大し過ぎたというか、ほかの繊維工業に比較して設備を増大し過ぎた、こういう感じがしたのであります。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 しかし私が政府からもらっておる資料を見ておりますと、合成繊維方面においては決して過剰になっていないように思いますがいかがでございますか。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 原料の方はともかくも、合成繊維における織機だとか紡機につきましては、ほかの天然繊維に併用できるわけでありますから、そこに行き過ぎがあった、こういうふうな感じでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 そうしますと具体的にお尋ねをいたしますが、このたびの措置法の一部改正によって、今後合成繊維の発展を決して阻害しない、こういうふうに確信をお持ちになるのか、御答弁を願います。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 今回の臨時措置法が改正されましても、決して発展を阻止することはないと存じます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 私はかなり見解が違うわけです。と申しますのは、これから生まれていこう、あるいはどんどん発展していこうという化学繊維、特に合成繊維の今後、ある意味では大部分がまだ未開拓の分野の産業だと思うのです。今後どのようなものが生まれていくかということについても、サイエンスのやっていくことは、ある意味では予測もできないようなすぐれた性質の繊維ができてくることも考えられるわけであります。そうしますと、このような規制というもの、——もっともこの法律を改正するについて繊維総合対策懇談会においても極力官僚規制、そういうものを避けながら業者の自主的な規制、自主的なコントロールによって、今後の繊維産業の発展のために合成繊維の発展を育成していくような顧慮は払う、こういうふうな話し合いを盛んにしておられるようでありますが、私はこういう改正案による合成繊維の規制というものは、どうしても時期が早いのではないかと考えておるわけであります。これは見解の相違ということになればやむを得ないのでありますが、そこで私は賛同を続けたいと思うわけであります。現在の織物製品というものは、綿、毛、あるいは化繊、いろいろなものがあるわけでありますが、それらのものについてはそれぞれの特質があって、その用途について見ますと、やはりこれにはこれが適切である、こちらにはこれが適切であると、いろいろその特徴がそれぞれの繊維にあると思うのであります。そういう意味で天然繊維、人造繊維というものについていろいろな利害得失というか、特徴がある、こういう特徴があるということを私たちはもっともっと宣伝をし、あるいは啓蒙というか、そういう努力の必要なことが内需においても、また輸出についても言えるので、そういう努力がもっともっとなされなければならぬと思うわけであります。この懇談会の中にもいろいろなことが出ております。たとえば懇談会の席上のいろいろな意見、——これは政府の意見はほとんどありませんが、お客さん、消費者というものが主であるから、消費者が選んでくれるんで、こちらからこういうものを使え、ああいうものを使えという規制はできないのだ、こういうようなことを局長もたしか話をしておられるようであります。そういうものを押しつけるわけではありませんが、しかし繊維というものが、今後化学繊維によってぐんぐんいろいろなものができていき、しかも天然繊維が同時にあるという場合、また天然繊維にしても今後いろいろな工夫がどんどんなされていって進歩発展をしていくと思うのですが、繊維によってはいろいろな特徴、特質というか、美点、すぐれた点、また欠点もそれぞれあると思います。そういう点について、もっともっと政府が啓蒙宣伝を強力にやる必要があると私は思いますが、その点いかがでしょうか、御答弁を願いたい。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣・科学技術庁長官

○高碕国務大臣 全く同感でございまして、よく消費者に知らしめて、消費者の選定によって製造せなければならぬということでありますから、よく消費者を啓蒙するということが必要だと存じます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 どうもそれでは困ります。  局長いかがですか。どんな具体的なことをしてこられたか、今後どういうことをやっていくのか、一つ詳細に伺いたい。

今井善衞通商産業事務官(繊維局長)

○今井政府委員 それぞれの繊維の特徴なり、あるいはそれぞれの会社の製品をいかに消費者に知らしめるかということは、これは本来企業の仕事であろうと思いますが、ただ御指摘のように、この合成繊維なりあるいは化学繊維なり、いろいろ現在新しいものができておりますために消費者の啓蒙が必要であるということでございます。従いましてたとえば人絹等につきましては、非常にほかの合成繊維から圧迫を受けるために、さらに新しい品種の転換を行わなければならぬというふうなことで、これは人絹会社が主になりまして、人絹の生産者からポンド当りある程度の金額をとって、共同宣伝あるいは共同的にどういう用途が人絹に一番適するかというふうなことで発足することになっております。  それからほかの繊維につきましても、もっともっと各団体におきまして総合的に知恵を持ちよりまして、根本的に調査したいという動きがございまして、私どももそれをそういう方向にプッシュしたいと考えております。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 少し重複するようなことになりますけれども、重ねて局長に質問を続けていきたい、こう思います。昨年の十月の終りから繊維総合対策懇談会が生れまして、それが継続されて参りました。この懇談会の経過中において大体どのような結論が出てきたのか、少しく詳細に答弁を願いたいと思うわけであります。

今井善衞通商産業事務官(繊維局長)

○今井政府委員 先ほどの大臣の答弁と一応重複することになりますけれども、まず第一に、この二年間の非常に長い繊維産業の受けた不況の原因というのはどこにあるかということでございますが、やはり計画性を欠きまして、各企業が設備を作り過ぎた、その結果生産過剰に陥った、ところが需要がそれについてこないという点に根本的な原因があるのではないか。もちろんそれに関連しまして世界的な不況なり、あるいは東南アジアの購買力不足というふうな問題が随伴したのでございますけれども、要するに設備過剰というところに根本的に不況の原因があるのではないか、これを打開しますために、先ほど堂森先生からおっしゃいました内需の振興なり、あるいは輸出の振興によりまして、今持っております設備がフルに動くというふうなことが可能であれば、これはもちろん一番けっこうなことでございまして、もちろん業界としてもわれわれとしても努力は続けなければならないわけでございますが、これは短期間にはおいそれとはなかなか片づかない、楽観を許さない。ところで他方におきまして、たとえば今度のポンドの交換性の回復とかいうふうなことでもって、貿易が自由になるとともに、ますます国際競争というものは激化するのではないか。それからまた後進国におきましてはパキスタン等を初めといたしまして繊維工業が盛んに興りつつある。それらを通じて見ますと、ますます繊維産業の国際競争というものは激化していくのではないか。従いまして、需要はおいそれとは伸びない、しかも競争はますます激化するということになりますと、やはり一番根本は体質の改善ではないか。この繊維産業がもっとほかの国に比べまして基礎がかたく、しかもそのコストが安くでき、しかもいいものができるような体質の改善というものが一番必要ではないか。それで体質の改善といたしまして何が根本かということになりますと、その際自由か統制かという問題が非常に大きく議論されたわけでございます。御承知のように繊維産業は、現在におきましては輸入原料の割当という意味合いからいたしまして、相当統制的な要素があるわけでございます。また統制が統制を呼ぶというふうな意味合いから申しますと、ややもいたしますると統制の強化の方向になっていく。しかもなお設備問題については、これは今回改正願います設備措置法によりまして、ある意味の統制的な要素はあるわけでございます。いろいろ話しましたその結論的な問題というのは、繊維につきましては、何と申しましても輸出商品であり国際商品でございますので、従って将来の方向としては自由の方向に持っていきたい。しかしながらこの自由の方向に持っていくにいたしましても、その際どうしても計画がなければいかぬ、秩序がなければいかぬ。その計画なり秩序というものは、これは設備の面で押えていく。設備の面だけにおきましては、計画なり秩序を置きまして、あと取引段階、原料の輸入にいたしましても、あるいは国内の取引にいたしましても、あるいは輸出の関係にいたしましても、できるだけ自由な方向に持っていきたいというのが根本的な動きであろうと思います。ところで、それじゃ原料の割当を今すぐやめられるかということになりますと、これはやめるという方式はAA制の採用ということになりますけれども、現在の日本の国際収支なり外貨の状態からいきますと、一たんAAに踏み切りまして、また直ちにそのAAを外貨がなくなったからといって締めるというふうなことになりますれば、かえってその繊維工業全体に無用の混乱を招くのではないか。そこで将来におきましてはAAになることが望ましい、原料の輸入等は自由にすることが望ましい、そういう態勢を作っていこうじゃないか、その態勢を作る場合におきましても、何と申しましてもガンになるのは国内の過剰設備でございます。たとえば現在需要に対しまして三割も四割もふくれ上っている生産設備を自由にしておいて、そうして原料の輸入の自由だとか、あるいは取引の自由だとかいうふうなことをいたしましても、これはさっそく生産過剰になります。また不況の泥沼に落ち込んでいく。そこでこの設備につきましては、現在すでに設備が余っておって、今後当分ふやす必要がないというものにつきましては、これはもちろん押えていく。それから合成繊維とかアセテートとか、あるいは合繊紡機あたりも足らなくなると思いますが、将来需要の伸びに応じて伸ばしていかなければならない設備というものは、これはもちろん伸ばしていくのだけれども、計画的に伸ばしていこうという考え方であります。この設備の新設なり増設なりについては、さような考え方でこの措置法の改正をいたしたい。  それから紡績機械なりあるいは織機等につきましては、これは御承知のように、ほとんど全部が現在過剰でございます。その過剰をどうするかという問題でございますが、これはこの二年間におきましては、御承知のように、生産調整、操短ということで解決して参ったわけでございます。しかしながらこの操短なり、そういう調節は、これは本来非常に短期的な措置であるわけでございまして、現にやっております方式も、三カ月ごとに生産を調整する、三カ月ごとに計画を打ち出していくというふうなやり力になっておるわけでございます。ところが非常に短期的に生産を調整するということになりますと、この封緘をしております予備軍としての設備というものが、いつ何時解除されて第一線に出てくるかわからぬという不安があるわけでございます。従いまして常に買手の方から申しますと、これは国内の問屋にしろあるいは海外の買手にしろ、いつ何時日本の繊維がもっと暴落して買手が不利になるかわからぬという不安を抱くわけでございますので、この生産調整という手段よりも、むしろ過剰設備をある程度たな上げしようということでございます。従いまして、この審議会の答申におきましても、紡績なりあるいは綿紡績、スフ紡績、毛紡績等の設備が余っております紡績段階におきましては、おおむね設備の二割をたな上げしよう、たな上げの方法といたしまして、この法律に基きます格納という措置をとろう、格納をいたします場合におきまして、これは単にそのまま格納しておる場合もございましょうし、あるいは企業が、自分の格納設備というのは古いから、従ってこの際スクラップにしてまた将来においては新しいものに取りかえようというような若返り方策もできるわけでございます。従いまして、そういう場合には、非常に合理化と申しますか、体質の改善というようなことに寄与いたしますから、この法律に基きましておおむね二割程度格納いたしまして、そうしてあと市況の要請によりまして短期的に生産の調節をする必要があるならば、従来の生産調整の方法を、ごく一つ部分併用していきたいということでございます。  それからこの織機の段階につきましては、これは前々から問題になっております織機の買い上げを急速に実施しよう、綿スフ織物織機、絹人絹織機をここ数カ月の間に、約五万二千台ばかり急速に買い上げを実施して、織機の過剰設備というものを、ある程度処理したいということでございます。  それからそのほか大企業と中小企業との関係でございますが、これは御承知のように原糸段階はおおむね大企業、織布段階はおおむね中小企業でございますから、とにかくできるだけその間の協力関係というものを密接にしていきたい。中小企業がよくなるためには、どうしても大企業もある程度よくなっていなければ中小企業の方も潤ってきませんし、それからまた大企業自体はやたらに中小企業をたたくというふうなことじゃなくて、お互いによくなることが、結局お互いに協力し合うことが、結局お互いの繁栄になるのじゃないかということをもっとよく徹底して、そういうふうな観点で措置を講じよう、その場合におきまして、これはもちろん両者のいろいろな問題についてのあっせんというものを政府は乗り出してやらなければならぬ場合もございましょうし、また本来企業といたしましては、これはいろいろいわれておるわけでございますが、大企業と中小企業の系列という問題は、輸出品についてはむしろ必要じゃないか、系列がいかぬというふうな見方もございますけれども、この懇談会の結論といたしましては、中小企業の団体におきましても、むしろこの際原糸段階と中小企業の系列というものは、ある程度積極的に進めていいんじゃないか。しかしその場合におきまして系列に乗り得る事業というものは、比較的優れた技術なり内容の高い中小企業ということになりますので、従いまして系列に乗り得ないような企業を、どうするかという問題でございますが、これは中小企業団体法の運用によりまして、それらのものが漏れないように、むしろその段階におきましては公平という観念でもって、できるだけ育てていこうじゃないかということでございます。それからまた紡績が現在たとえば糸の製造と織布の製造と両方やっておりまして、そしてそのほかに専業の織屋さんがございますが、それらの場合にどうするかという問題でございますが、織布段階の方からは、むしろこの際紡績の織布というものはやめてほしいというふうな意見も出ました。しかしそれに対しましては結局賃金の関係その他によりまして、将来はおそらく徐々に紡績の織布というものは織屋の方に移ってくるであろうけれども、それは結局系列がある程度強化するに従いまして、それに応じて移ってくる問題であって、ある程度ときをかせば画然に好ましい状態が現出するんじゃないか。むしろそこに政策的な力を加えないで、そういうふうな両者の協力関係を強化することによって好ましい状態を漸次に持っていきたいというふうな考え方でございます。  それから輸出の振興につきましては、先ほど御質問がありましたような趣旨で、もちろん今後輸出の振興というものはできるだけやって参らなければならぬわけでございますが、その際にいかにいい品物を高く売るか、その高く売るかという問題につきまして、これは輸出業者の段階だけではなかなかうまくいかない。そこでどうしても生産業者の過当競争が輸出業者に響きまして、生産業者にしりをひっぱたかれるために、輸出業者はやむを得ず安売りをせざるを得ないというふうな関係もございます。従って輸出業者だけでなくて生産業者も入って、何とかもっと安売りをしない態勢を強化していきたい。それにはもう少し根本的に問題を掘り下げるために別の会議を作りまして、そこで根本的に検討していこうというふうなことになったわけでございます。そのほかスフ混紡の奨励とか、いろいろな問題がございますが、大体ただいま申しましたようなことです。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 ただいまの繊維局長の御説明で大体わかったのですが、もう一つ私は重要な問題が欠けておると思います。設備の過剰を格納するなりスクラップ化するなり、あるいは今後規制していくという問題に関連して、やはり労働問題がある。職場の合理化ということも取り上げられておるのでありますが、合理化によって職場の転換という問題も起きてくるでしょう。また会社によっては人員の整理もやる、いろいろな問題が起きてきておると思うのであります。この繊維産業に働いておる労働者の問題は、きわめて重要な社会問題であります。こういう点については今後政府はどのような指導をし、処置していこうと思っておられるか、その点を御説明願いたい。

今井善衞通商産業事務官(繊維局長)

○今井政府委員 労働問題につきましても、委員の中に繊維産業の労働者の代表の方がおられましたので、非常に真剣に討議されたわけでございまして、今回の格納なりスクラップ化という問題に伴いまして、企業の合理化というふうな面が当然出てくるわけでございます。その際に、いかなる意味合いにおきましても、たとえば首切りとか、労働条件の切り下げというふうな、一方的に労働者にしわ寄せをすることは避けよう、これは労使ともにそういう決意をしたわけでございます。ただ場合によりましてこの格納をかりに二割ということにいたしまして、一社でもって数工場持っておる場合があるわけでございます。その場合に、これは数工場一律に二割格納するというわけではございませんで、ある場合には、比較的いい設備の工場はフルに動かす、比較的設備の悪いものは非常に格納率が高いとか、場合によっては閉鎖する、それに伴って労務者の配置転換というふうな問題も起るわけでございますが、その場合におきましても、先ほど申しましたように首切りはしない、経営者と組合と十分話し合って、話し合いのつく限り協調的にやって参りたいというふうになっておるわけでございます。そのほか労働問題といたしましては労働時間の厳守の問題でございます。現在設備が相当あり余っておりますので、非常に厳重な操短をしておることになっておりますのが、また逆に、工場によりましては労働時間を長くして操業しておる。そのために生産過剰に拍車をかけておるというふうなことがかりにありますれば、これは非常に問題であるということで、特に中小企業の段階でございますが、労働基準法の労働時間を団体法による組合によりまして協定によって守っていきたい、労働時間を守る守り方をお互いに監視しながら守っていきたいというふうなこともございますし、また最低賃金の問題につきましても、先ほどおっしゃいましたような関係から、これは内需の振興にも寄与する、あるいは過当の競争防止にも役立つ、そういうような関係からいたしまして、この最低賃金というものは業種なりあるいは地域によりまして、お互いに協定と申しますか、あるいはそのほかの方法によりましてきめて、そうしてできるだけ最低賃金を維持するようにしていきたい、そういうふうな問題も取り上げられて、答申に入っておるわけでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 繊維総合対策懇談会の席上で出された資料だと思うのですが、昭和三十五年度の繊維需給の見通し表というものがあなたの方から出されておる。これを見ておりますと、こまかい数字は省きますが、こうした見通しというものは、大体どういう根拠から出されたものでありますか、説明を願いたいと思います。

今井善衞通商産業事務官(繊維局長)

○今井政府委員 これは三十五年度並びに三十七年度の繊維の需給見通しが立てられたわけでございますが、御存じのように、現在でも、繊維工業設備臨時措置法によりまして、三十五年度の繊維需給計画というものは立てられておるわけでございます。ところが、その後におきまして、必ずしもその計画通りにはいかぬ、むしろここ非常な不景気、不況によりまして、需要の伸び方が落ちておるというふうなことがありまして、再検討しなければならぬという段階にあったわけでございますが、とにかく各紡績なり、毛紡績なりあるいは化学繊維の面からして、それぞれの業種から見まして、今後の繊維の需要というものは、どういうふうになるであろうか、一つざっくばらんに出してもらいたいということで、政府の見方とは全然無関係に、各業種におきまして、見通しを立てたわけでございます。多少のでこぼこはありましたけれども、いずれも今までございました三十五年度の政府の需給計画よりも下回っておりましたものでございます。私どもといたしましても最近二、三年間の繊維需要の伸び方の停頓工合だとか、あるいはその後経済企画庁におきまする経済五カ年計画の国民所得の伸び等も若干修正されておりますから、そういうふうな伸びの低下、それらを一定の函数にとりまして、そして今までの実績をもとにしましてそれを伸ばして参りました。それが大体三十五年度の需給の見通しになっておるということになっておりまして、三、四年前に立てました三十五年度の需給の見通しよりも、約六、七%低下しておる数字になっておるわけでございます。

堂森芳夫日本社会党

○堂森委員 私はこの法律に関連して、繊維に対する政府の施策について、各般にわたって質問をしたいと思っておりましたが、時間ももう一時を過ぎておりますし、いずれまた次の機会に譲ることにいたしますが、政府のこのたび出して参りましたこの改正案というものによって、ようやく合成繊維というものの今後の目まぐるしい発展というもの、その芽をつんでしまうようなことがあっては大へんなことになりますから、こういう点について今後政府当局が十分留意をしながら、過剰生産に陥らないという、そうしたうまみのある政策を続けていかれますように要望しまして、きょうは質問を終ります。

長谷川四郎自由民主党

○長谷川委員長 本日はこれにて散会をいたします。次会は明日午前十時より開会をいたします。     午後一時十五分散会      ————◇—————

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