商工委員会 第12号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/02/06
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 小売商業特別措置法案及び商業調整法案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。内海清君。
○内海(清)委員 一昨日の質問に続きまして、少しお伺いしたいと思いますが、その前に、まず中小企業庁の長官にお伺いしたいのです。一昨日私は購買会と、それから生協の小売商に与える影響、この数字につきまして、小売商の全体の年間総売上高がおよそ三兆七千四百億だ、これに対する購買会の全体の年間総売上高がおよそ一千五百億円で、四・五%だ、それから生協の年間総売上高がおよそ三百億円で〇・九%だというふうに申し上げたのでありますが、それに対しまして、長官の方では購買会の全体の総売上高は約二百四十一億程度と言われたと思うのですが、そういうふうなお答えがあった。で、先ほどこれは数字をもらいましたけれども、三十四年の一月三十一日の調査で、六百の主要工場、事業場に尋ねられた。そのうちで百三十は報告未着である。それからそのうち購買会の事業を行なっていないものが百十三ということで、結局三百四十九についての数字である。ところが長官はこれを購買会の総売上高だ、だから小売商に与える影響はこの生協と大差ないのだ、こういうことである。これはごく一部の調査であって、購買会全体の年間の売上高とはおよそ開きがあると思う。さっき長官に私の調査をお目にかけたわけだが、これによりますと大体はっきりした、これで間違いないということは申し上げかねるけれども、いろいろな各面からの調査から見て、千四百八十八億五千何がしというものであって、私がおよそ一千五百億と申し上げた数字は、これよりも多いとも少いことはない、かように思うのであります。こういうふうな一部の数字を上げて、これを全体のものだというふうなことを言われて、購買会の小売商に与える影響は生協と大差ない、かようなことを当委員会で言われることははなはだ遺憾に思う。これらにつきまして、一つ長官のはっきりした所見を伺いたいと思う。
○岩武政府委員 購買会の売上高の数字につきましては、前々回に申し上げましたのは三百四十九工場の分を申し上げたのです。実はこの調査につきましては、われわれの方も直接調査という格好をとりまして、大体大工場といいまするか、三百人以上の従業員を使っている辺の工場をねらって調べたのでございますが、御指摘のように、これが全部でないことは事実でございます。事実でございますが、かなりな工場も入っておりまするので、えらくこれが違うとは考えません。しかし、中には今御指摘のございますように、相当規模の工場でも、購買会を行なっていないところもございますので、そこらあたりは実はまだもう少し広く調べる必要があるかと思っております。 それからもう一つ、私この前のときに言葉が足りませんで、購買会の方があまり中小商業者に影響を与えていないようなことを申したかもしれませんが、これはちょっと私の言葉が足りませんで、御指摘のように、場所々々で購買会が影響を与えているのが大きいところもあり、あるいは消費生協の影響の大きいところもある、これは事実でございます。あるいは、場所によっては両方がはさみ撃ちをしているところもあるようでございます。たとえば岩手県の釜石、あるいは茨城県の日立市あたりは購買会の方が、かなりな売上高を示しております。しかも員外利用も若干あるようでございます。小売商に影響を与えておるかと思っております。それから片一方消費生協は、先日もお話がありましたように、米子の問題、これは地域生協でございます。その他若干職域生協が、かなり活発な活動を示しているところもあるようでございます。それから広島県の三原のごときは帝人の配給所、これは購買会の系統だろうと思いますが、これと三原生協、あるいはその他の生協とが混和しておるというようなところもあるようでございます。そこらあたりの小売商に与える影響は、土地々々で違うと思っております。決して購買会が中小商業者にそう大きな影響を与えていないとは申しておりません。でありますから、何とか員外利用を押えようというので、お手元にありますような法案を用意した次第でございます。
○内海(清)委員 購買会、生協が小売商に与える影響はいろいろ局地的な問題もあると思う。しかしながら、こういうふうな一部の数字をもって全体を律するというふうな考え方、これはもう根本的に一つ改めてもらわなければいかぬ。同時に、先般の御答弁では、こういう数字だからして小売商に与える影響は、購買会も生協も大体同様であるというふうなことが述べられておる。この数字をもってそういうふうなことを論ぜられるということは、はなはだ不謹慎であると思う。この数字はごく一部のきょうお示しいただいたこういうふうなものによるんだから、従って購買会と生協は、この面から見るならば、小売商に与える影響には大きな差がある、こういうことをはっきり長官も認められるだろうと思うが、いかがですか。
○岩武政府委員 前々から申し上げておりますように、小売商の問題といいますのは非常に地域的な問題でございます。それで、全国的に小売商の売上高と両方の売上高を比較して云々ということは、これはなかなか影響を論ずる場合、むずかしいんじゃないかと思っております。活発に活動しておりまする生協、あるいは購買会があるところでも、その都市全体の売上高が大きくなりますれば、そうこたえませんし、逆の場合もまたございます。まあいろいろ適例もございまするが、どちらが全国的に見てどうということは、はなはだ言いにくいと思う。やはりその土地々々で生協の方の影響が大きいところ、あるいは生協でなくて、購買会が活動しておるところ、いろいろございまするので、そういう面から申しますれば、員外利用につきましては、両方とも押えることが必要じゃないかと思っております。日本全体の小売商の売上高と、消費生協の売上高、あるいは購買会の売上高ということになりますと、これは百貨店の関係も同様でございまして、その土地々々の小売商の売上高あるいは世帯数等からと、百貨店との売上高、こういうふうに見なければなりませんが、全国的に見ますと、同様のようであります。あなたの言葉を返すようでございますが、やはりその土地々々でそれぞれ影響が違う、こういうふうに申し上げておる次第でございます。
○松平委員 今の問題で私は関連的に質問申し上げたいのですが、今長官の御答弁の中に、各土地によっていろいろな影響が違うというお話があった。私もまさにその通りだと思うのです。消費生協にいたしましても、購買会にいたしましても、たとえば大都会の東京のようなところにおいては全然影響はない。しかし地方の都市によってはところによって影響がある、長官の答弁はこういうことだったろうと思うのです。しかしこの法律は全国一律に適用する、こういう建前になっておるわけであって、地域を指定して、その地域における生協なり購買会の行き過ぎというものを是正するという建前に政府案というものはなっておりません。全国一律に、無差別に取り扱うという態度になっておる。だから、長官の答弁とこの法律の規制の仕方というものは矛盾をしておるというふうにいわなければならぬ。同時に、きのう、おとといからの内海君とのやりとりを聞いていると、内海君の方は、法律的にも生協と購買会は違っているが、その点はしばらくおくとしても、実態的にも、片方は三百億程度、片方は千五百億程度という工合に、ほとんど五倍の影響力を持っているから、実態的にいっても小売商に与える影響というものは違うじゃないか、こういうことを言っておるわけであります。ところが、今長官のお話によると、通産省の調べでは購買会の売上高は二百四千億程度、こういう答弁であって、しかもそれは今ここで、これは全部ではないというふうに思うということは認められたけれども、しかしその一事をもってして、も、あなた方の考え方は、生協と購買会の売上高というものは大よそ同じである、だからその実際における影響も同じであるということを強弁しようとしているように聞えるのであります。そこを改めなさいと私は言うのです。片方は法律的に異質のものであると同時に、実態的にも五倍の影響力を持っているものがある、それを同じ態度をもって取り締らんとするという通産省の行き方がけしからぬと、内海君は言っておるのであります。それに対してどう答えますか。
○岩武政府委員 購買会と消費生協に対しまするこの法律の態度は、一律一体に購買会事業あるいは消費生協事業を取り締るとか、押えるとかということではございませんで、その土地々々で中小商業、小売商業者に影響を著しく与えるというふうな場合に、その員外利用を抑えようという非常に幅のある態度でございます。だから、法律はこれは全国に適用いたしまするから、形は全国的に志向されましても、その実際に発動いたします場合は、その土地々々の両者の与える影響を見まして、その程度に応じてやろうということでございます。おまけにこのある種の措置命令を出しますのも、これも昨日来議論になっておりましたが、一、二、三と並んでおりまするのを全部一度に発動するということではございません。これはそのときどきの実態に応じ、また相手方の事業活動の状況に応じまして適当と認められる方法、実行可能な方法を措置命令いたすということでございますので、非常に幅のある、むしろ実態に即した弾力的な運用をする、こういうことになっております。その点は昨日来の参考人のお話も、あるいは若干の危惧ではないかと思っております。
○松平委員 それはどこにそういうことを書いてありますか。それが一つ。 それからもう一つは、かりにそういうふうな場合においても、影響を与えるかどうかということはだれが判定するんですか。これは小売商が困るといってやるのか、それとも都道府県知車とか通産大臣がやるのか、それはどうなっていますか。
○岩武政府委員 これは都道府県知事が認定するわけでございます。その認定のときには、いろいろその土地々々で問題が起ったりあるいは陳情があったり、そういうふうなことによって事情を調べてやる、こういうふうに考えております。
○松平委員 都道府県知事は、普通の場合においては、そういう認定をするのにどういう手続をもって認定するのですか。つまりどういう情報に基いてそれを認定するのですか。陳情が一番大きなケースですか。認定する場合には、都道府県知事が一々買いものを自分でやって歩いて、あるいは府県の職員が買いものをして歩いて、この土地は生協が少し行き過ぎだぞということを判定するのですか。どうやって判定するのです。
○岩武政府委員 それは発動いたしまする場合に——発動といいますか問題の端緒を作りますのは、あるいは小売商側の陳情もございましょうし、あるいは商工会議所等の意見のあれがあるかもしれませんが、具体的に認定いたしますときには、やはり購買会あるいは消費生協等の員外に売っている状況等を調べましてやる、こう思っております。そう一方的な陳情とか意見だけではない、こう思っております。
○松平委員 それでは、員外に幾ら売ったかどうかということは、都道府県知事がまず最初に調べるわけでしょう。その調べる基準はどうやって調べるのですか。あなたの言うことは、この法律を適用してクーポンを出すとか、もしくは証明書を出すとかいうことによって、そうやっていないところを調べるということなんでしょう。しからばそういう取締りのいろいろな方式というものを一律一体に示して、そういうことをやらせるということでしょう。あなたはさっきはそうではなくて、ケース・バイ・ケースでもって、地方の影響の特に多いようなところに適用するのだ、こういうことを言っておった。ところが今私が突っ込んでいくと、そうではなくてやはりそういうものをみんなに押しつけてやっていく。それでなければ調べることができぬじゃないですか。
○岩武政府委員 これはものを調べる手段の問題でございまするが、ここに書いてありますることを命令も出さない前から押しつけてやるというのでは全然ございません。調べますのは、やはり購買会なら購買会の従業員の数、それからその購買会で売っておりまする商品の種類、それから通常の世帯がそういう商品を一カ月なら一カ月に買いまする金額とか、そういうことはおのずから消費状況その他から出てくるわけでございます。そういう状況を見まして、員外利用もどの程度やっておるかどうかということはある程度わかると思います。そういうことにしませんと、初めからこういうような方法を押しつけるということは、これはもう話は逆であります。そうして員外利用もある程度行われておるという状況で、購買会、消費生協は許可を受けなければ員外販売はできないことになっております。ただいろいろ聞きますれば、許可なくて員外販売しておるところもあるかというような話もあります。そこらあたりで先ほど申しましたようないろいろな方法で、ある程度員外に売られておるらしい。それが小売商側にも相当響いておるようだというふうなことでありませんと、員外販売を禁止する、あるいはそれを確保するためにそれぞれの措置命令を出すということはむずかしいと思います。その点は御了承をお願いいたします。
○松平委員 関連だからそう長くはやりませんけれども、あなたの言われるところによると、その購買会におけるメンバー、それからおよそ買う品物の種類、売上高、そういうものを調べて、これは員外利用を相当しておるのだとか、していないのだという判断をどうやってつけますか。一体個人々々が物を買うのに、毎月これは月給のうち何割といって固めてパーセンテージで買うのじゃありませんよ。今月は幾ら、来月は幾ら、季節々々もあるでしょう。そういうものをあなたは統計によって、今月は先月よりも幾らか多いから員外利用を幾らしておる、こう言うことができますか。そういうことで個人を縛ることができますか。
○岩武政府委員 ある種の商品の大体一カ月の売上高、それからその土地における世帯数、人口数と、こういう品物をどのくらい買っておるかということは、大体従来の消費状況などに出ております。だから私が申しますのはそういうことで大体の売上高その他からある商品の消費状況はわかるわけであります。もちろんその反面には付近の小売店が営業不振で店を閉じるとか、非常に売上高が減っておるということもございます。これはよく百貨店あるいはスーパー・マーケットの場合に、そういう問題が起るわけであります。両方相待ちまして、その影響というものは出てくるわけであります。従ってそういうふうなことはその土地土地の数字的な購買の状況、売り上げの状況等をにらみ合せませんとできませんので、ただ一面的な陳情だけではいかぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
○松平委員 それから一点、そうすると、あなたの考え方は、そういう影響を小売商に与えておるかどうかということをまず調べて——いろいろな方法があると言われたが、購買会を調べ、付近の小売商も最近売り上げが減ってきたかどうか、あるいは倒産したかどうかということを調べて、どうもその影響がある、こういうふうに思ったときに初めてこの法律を適用して、そうしてクーポン制度にさせたり、あるいは証明書を持たなければ買わせないようにしよう、こういうわけでございますか。
○岩武政府委員 そういうことでございまして、その趣旨でこの法律言も書いてあります。
○内海(清)委員 なおこの間、私は生協の年間の総売上高が約三百億と申し上げた。長官の御答弁では約二百三十億あるというようなことで、そこで少し開きがありましたが、これについては、私はこの数字は生協に関係して調べましたので、大体そういう数字の上に末回答のものもあるようです。そういうものを加えて約三百億といたしたので、私の申し上げましたのは、最も良心的な数字であると思っておるのであります。でありますから、長官のお答えになりました数字からいえば、小売商に与える影響は〇・九よりもなお少い、かようなことが言えると思うのです。これらにつきましても一つ十分御検討を願いたいと思いますし、なおまた私の申しました購買会のおよそ千五百億というようなことにつきましては、けさほどちょっとお目にかけましたけれども、これらについても十分なる御検討を願って、今後はっきりした数字でもって判断し、それでもって一つ御答弁を願いたいと思うのであります。この点特に要望しておきたいと思うのであります。 それからいま一つ長官にお伺いしたいと思いますのは、昨日参考人を呼んで供述を受け、長官も終始それをお聞きになったと思うのです。ところが昨日の参考人の中の学者関係の向井さん、あるいは小売関係の高橋さん、それから消費者関係の沼田さん、あるいは小売関係の田中さんにいたしましても、大体において生協と購買会というものは異質なものであって、これを同一の取扱いをするということは不合理じゃないか、こういう意見であったと思います。いずれにいたしましても生協というものは、今後ますます国家がこれを補助育成すべきものであるというふうな御意見であったように私は承わっております。これらにつきましての長官の感じと申しますか、御所見を一つ承わりたい。
○岩武政府委員 購買会あるいは消費生協がその従業員あるいは組合員に対します関係、これは全く異質なものだということは、私も十分承知しているつもりであります。従いましてその事業活動、傾向といいますか、組合員なり従業員に対する関係の活動におきまして、それぞれ国の態度が違うということは当然のことであります。ただ両者とも本来の趣旨は従業員なり組合員に対する経済活動でございますから、員外者に売るということはあくまで例外であり、場合によっては抑制していただくことがほんとうだと思います。従いましてそういう関係からいきまして、消費生協といたしましてはむしろ組合員をふやされて、そうして員外活動をなくされるということがほんとうだと思います。なお小売商の関係からいいますと、一番問題になりますのは、やはり両者とも価格の問題でございますが、廉価販売ということが行き過ぎますと、非常に小売商に対して影響を与えますし、先日も御指摘がありましたように、できるだけ市価販売、そして利益の組合員還元ということが望ましいと思っております。これは私の方も、おそらく厚生省当局もそういう御意見だろうと思います。なお購買会につきましては利益還元ということよりも、その前にもう少し独立採算制でやる。つまり会社側がその人件費、運賃、金利とかいうものを負担しない独立採算で供給するという方法がとられれば、小売商に対する影響もかなり違うだろう。消費生協におきましては市価販売におきまして利益還元というような方針でお願いできれば、小売商に対する影響はかなり違うと思います。こういうふうな問題はあまり起らぬだろうと思っておりますし、私の方もそういうことを実は希望しているわけであります。
○内海(清)委員 ただいまの御答弁の中に、購買会を一応別にしまして、生協においては廉価販売をやっては困るというふうなお話でありますが、これについては私一昨日も申し上げましたような、政府におきましてこの生協に対する積極的な指導をすることによって、こういうふうなものが市価販売制になり、さらに払い戻し制になることによって、小売商との摩擦がなくなり、これによって両者の発展が望まれるのではないかと政府の積極的な指導、育成を要望したわけでありますが、それでは小売商の方にも廉価販売がある。これに対してはどういうふうな指導をされておるか。
○岩武政府委員 小売商の廉価販売の問題は、実に嘆かわしい問題でありまして、われわれもその対策には腐心いたしております。ただ一般消費者との関係もございますし、あるいはまたその地で競争されておる購買会、消費生協との関係もございましょう。これはたとえば団体法による価格協定できめるというふうなことは、われわれも指導したくない。御承知の通り法律の方でも価格協定は万策を尽した後にやるのだというふうになっておりますから、やはりもとになる健全経営をする、だからコストを割って売らないようにという気持を持たすことが第一だと思っております。 それからもう一つは、それに付随いたしますいろいろな広告宣伝でありますとか、あるいはいろいろな付帯サービス等におきまして、むちゃくちゃな行き過ぎがある。たとえば引っ越しのお手伝いまでするということになると、これは非常な騒ぎになりますので、そういうふうな付帯的なサービスの問題、あるいは広告宣伝等につきましては、これは今度できました団体法等の組合によりまして、お互いの協定といたしまして自制させたい、こういうふうに考えております。
○内海(清)委員 昨日の参考人の生協側の供述にもありましたが、生協としてもなるべく廉価販売をしないように、小売商との摩擦を少くするように指導をしてやっておるということであります。これらはただ生協のそういう廉価販売、これが困るというふうな取り上げ方でなしに、この両者はいずれも末端の流通機構の最も民主的な担当者であると思う。両者とも同様に摩擦なく発展せしめることが政府としての大きな責務じゃないか、かように考える。こういう点につきましては最も公平に取り上げて、これを判断し指導してもらいたいと思うのです。 社会局長が来ておられぬようでありますが、時間の関係もありますので質問を続けたいと思います。生活課長が来ておられるようですから、一つ十分な御答弁をいただきたい。生協の貸付資金の問題についてお尋ねしたいと思う。政府は常に福祉国家の建設を唱えておる。これは総理の施政方針演説の中にもあったのであります。ところが一方においては福祉活動を最も推進しておる生協に対して、その態度は逆に年々非常に冷たくなっていっておる。必要な援助を与えておらぬ。ここに政府の言われることにおのずから矛盾撞着があると思うのであります。それを具体的に言うてみますと、昭和二十八年に生まれた生協資金の貸付に関する法律、これによって今日まで貸し付けられた資金は、昭和二十八年が二千五百万円、二十九年が二千三百五十万円、三十年が二千万円、三十一年が一千二百万円、三十二年の一千万円、三十三年の九百万円、三十四年になると八百万円という程度に減っておる。こういうふうに年々急テンポに減っていっておる。これはどういう理由によるのか。政府としては一昨日の答弁にも、社会局長も生協に対しては厚生省としてはこれをだんだん指導して、育成発展せしめなければならぬとして、そういうふうな法案の提出も考えておるということである。しかるに実際問題としてはこういうふうになっておる。全く言われる言葉と反対だと思うのです。これに対する厚生省のはっきりした考えをお述べ願いたい。
○中村説明員 ただいま内海先生がおっしゃいましたように、貸付金に関しますところの予算の額は年々減少いたしております。このことにつきまして一昨日社会局長が申し上げました通り、この貸付金といいますのは、これに見合いますところの都道府県の同額の金を合せまして貸し付けることが条件になっております。そういう関係もございまして、昭和二十八年に生協に対します貸付金に関する法律ができまして、予算も計上ができたのでございますけれども、実はあまり希望がなかった。それで私どもの方でも、いわゆる実績がわかりません関係でだんだんと落ちて参ったわけであります。ところが最近におきまして非常に要望が強まって参りましたので、現在貸付金に関しますやり方は貸付期間が過ぎて国へ返って参りますと、そのまま国へ吸い上げられるという形になっておりますので、これをまたもう一度使えるように、そういうやり方を研究したい、こういうことでただいま研究いたしておるところでございます。
○内海(清)委員 要求が減るというふうな言葉もあったわけでありますけれども、これの発展をするように指導しておるというけれども、指導が足らぬということが根本だと思う。もっと厚生省において積極的なそういう意図があるならばこういう数字が現われてこぬはずである。一般消費者の要求というものは年々高まっておると思う。従って先般来言われておる厚生省の言葉と現われた実態というふうなものが、全く反対になってきておる、この点につきましては今後実際の指導育成に当って十分なる努力を願いたい、かように思うのであります。
○松平委員 関連して。今あなたの言われた、地方の公共団体の貸付の希望がなくなって、だんだん減ってきたというのだけれども、それじゃ初め二千五百万円のときにはどのくらい使い残りがあったのですか。
○中村説明員 ただいま貸付金の消化状況に関する資料を持っていませんが、後ほどお届けをいたします。 それからただいまの御質問の中で、都道府県が希望がなかったというお話でございましたが、結局はそういうことになるわけでございますが、これを消化しますところの団体と、それから都道府県の資金のやりくり等によりまして、現実には出てこなかったというわけであります。
○松平委員 貸付の利息が高いとか、あるいは同額のものをどこかで工面していかなければならぬという条件があるでしょう。その条件が合わなかった、従って借り手が少かった、こういうことなんですか。どうして借り手がなかったのか、そこのところをはっきり答弁してもらいたい。
○中村説明員 これは利率は国が年三分でもって都道府県に貸し付ける、都道府県が同額のものを貸し付けます場合においては大体三分から五分くらいの利率で貸付をいたしております。それから貸付期間は七年でありまして、条件が何と申しますか、一般に比べまして非常にきついということはなかろうと思われます。ただ従来なかなか消化できなかったということにつきましては、やはり都道府県が同一の額を予算に計上しなくちゃならない、これは地方の財政等の都合によりましてなかなかその通りいかぬ場合もある、こういうことが大きな原因じゃなかろうかと私どもは思うのでございます。
○松平委員 それでは地方は三分の一で国の方が三分の二だ、こういうふうに利率を改めていかなければならぬと思うのだが、また改めていっているようなそういう貸付方法もほかの面についてはあります。そういうようなことをして地方の財政が逼迫しているのだから、地方に負担をなるべくかけないようにしながら、なおかつこの立法の趣旨は生かしていく、こういうようなことを厚生省ではお考えになってそっちの方に踏み切るとか、そういうような考えは今まではなかったのですか。
○中村説明員 国の貸付負担分がふえることは、この資金の消化につきましては非常にいいことでございます。おっしゃる通りでございますけれども、ただほかの各種の貸付制度との均衡もございまして、生協の貸付金につきまして特に国の貸付の率を多くするということにつきましては、技術的にいかがであろうかと存じまして、今日までの今のところ国の負担分を多つくするということにつきましては、厚生省としてはやっていないのでございます。
○松平委員 昨年度の希望額はどのくらいあったのですか。昨年は九百万円は大体消化したのですか。
○中村説明員 昨年度と申しますか、正確に言えば三十三年度あるいは本年度かと思いまするが、これにつきましては予算九百万円に対しまして、地方庁からの希望として上ってきました額は一千九百万円でございまして、希望の二倍以上をこしておる、こういう状況でございます。
○松平委員 そういうふうにだんだん上ってきたのは何年ごろから、上つってきましたか。
○中村説明員 私の記憶では昭和三十三年度から上ってきたように思っておるのであります。つまり本年度からこういうふうに急激に要望が上ってきておるようでございます、
○松平委員 そのことはいろいろな原因があると思うのですが、あなたは今まで貸付がだんだんと——むしろ額に満たない、消化ができないということがしばらく続いて、昭和三十三年度からそうではなくて、逆に今度はふえてきたということは、どこに原因があるとあなたは判断しておりますか。
○中村説明員 私どもは消費生活協同組合の活動が非常に活発となってきて、都道府県におきましてもこの制度に対しまする御理解をいただくことができた、こういうふうに考えております。
○松平委員 そうすると都道府県においても、だんだん消費生活協同組合の活動というものが、これはためになる、これは少し伸ばしてやった方がいいじゃないかという気持が出てきて、これをやはり育成していくという気持が、ただ単に厚生省だけではなくて都道府県の問にも出てきた、こういうふうに理解して差しつかえないわけですね。
○中村説明員 私どもはそのように解釈をいたしております。
○内海(清)委員 ただいまの松平委員の関連質問で課長がお答えになったようなことで、先ほど私申しましたような、地方における消費者としてはこの生協というものに対して非常な関心をだんだん持ってきつつあるということであります。従って一昨日来述べられておる厚生省としての生協に対する育成の積極的な態度を特に要望したいと思う。 次に私は、この措置法の中の特に四条関係について少しお尋ねしたいと思うのであります。 まず第一にお尋ねいたしたいと思うことは、この法案の作成に当って、政府当局は生協の実態をよく調査して立案されたかどうか、これを一つまずもってお伺いしたいと思う。
○岩武政府委員 十分とまでは申せないかもしれませんが、生協の活動につきましては、ある程度都道府県あるいは商工会議所等からもデータをとりまして、特にどういうふうな営業ぶりといいますか、小売商関係に影響があるような事項につきまして、若干のデータも控えております。
○内海(清)委員 ただいまのお話によりますと、都道府県とかそのほかの小売商に影響のあるような面について調べたということでございます。ところが実際の生協の動いておる店舗についてお調べになったことがあるかどうか、お尋ねしたい。
○岩武政府委員 これは監督官庁もございますから、われわれが一々の店に行ってどうということはございませんが、御指摘のありましたような事項、特に員外販売の問題でございますとか、あるいは値段の状況でございますとか等につきまして、ある程度資料も得まして、やはり員外販売の問題は何かの形で規制した方がいいのじゃないか、かように考えております。
○内海(清)委員 監督官庁その他で、そういうことを調べたということでありますが、生協のこの販売店の実情を長官は見られたことがありますか。
○岩武政府委員 私は石川島の消費生協の店舗と、それから兵庫県芦屋の灘生協の灘の支所を見ましたが、これはむしろ、昨日来も話がありましたように、石川島の消費生協の店はああいう場所、ああいう営業方法でもありますから、小売商にはあまり影響ないと考えます。しかし私が見ない店におきまして、やはり影響のあるというふうな報告も参っておるようでございます。
○内海(清)委員 まあ一、二見られたようでありますけれども、私どもから申し上げますと、この生協の実情をあまり御存じない。今日の生協の経営の実態というもの、これはごく特別の少数のものを除きましては、特に地方におきまするところの小さい生協、これは店舗もきわめて小規模であり、かつ設備も不完全なものが多い。従って従業員にいたしましても、これは経営上できるだけ制限しておるのが実情だと思う。従ってこれらの売店におきまして、一般的に申しますと、一定の時間に多数の者がそこに押しかけて、そして品物を買う。この実情は実際をよくごらんにならぬとなかなか納得いかぬと思うのです。いわゆる百貨店等の日曜などの殺到ぶりが一時的に毎日二回、午前一回と午後、あるいはことに職域のものであるならば退庁時とかいうときに、そういう状態になると思う。だからこういうことも十分実態を見、頭に入れて立法されぬと、実際に動いておるものに対する法律としてはきわめて片手落ちの、実施できないようなものになるのじゃないか、かように考える。 そこでこの法案の中の第四条の二号ですか、「組合員である旨を示す証明書を提示しない者には、物品の供給事業を利用させないこと。」とあるわけであります。これはきのう参考人の供述の中にもあったわけであります。今申し上げましたような売店の実際の状況で、この証明書の提示を受けなければ品物が売られないというふうなことができるかどうか、またこういうふうなことをやって、果して消費者が満足するかということであります。特に通勤の帰りでありますとか、あるいは学校の帰りに、ちょっと買いものをしようというふうに思いましても、一枚の証明書であるならばこれを一家でリレーしてバトン・タッチしなければ、これが買えぬということになる。およそこの流通機構は生産者から流通機関を経て消費者にまで行きます経済の仕組みの中で最も迅速低廉であり、かつ親切でなければならぬということは御存じの通りだと思う。ところが実際この証明書というふうなものによってそれができるか、かつ、それではそういう実情であるから、そういうふうな買いものに行く者が一家五人おれば五枚の証明書を出すかというと、これはまた弊害があると思う。これらについてどういうふうな処置をされるつもりなのか、これで実際それが動いていくかどうか、これを一つお伺いしたいと思う。なお厚生省関係では大いに生協を発展させなければならぬ、生協の発達をはからなければならぬという。それに対してこういうふうな措置がとられて、厚生省は今後生協の育成助長ができると考えられるかどうか、これを一つお伺いしたい。
○岩武政府委員 購買会にしろ、消費生協にしろ、組合員、従業員に対します一定のサービスを提供するということが本来の趣旨でございますから、だれでも来た者に値段を引くというふうな店のやり方、これは実はいかがかと思うわけでございます。やはり自分のところの組合員であり、自分のところの従業員だというふうな者に売るというのが本来だろうと思います。従業員である証明書あるいは利用券といったようなものは、決して根本の消費生協の制度と矛盾するものではないだろうと思います。ただ問題は、今御指摘のように実際の店の状況に応ずるやり方いかんだと思います。この辺の事情は場所々々の生協でも同じだと思いますので、やはり何らかのこういうふうな措置が要る、これはもう事実だと思います。どこのだれかわからぬ者でも、みんなにオープンに店を開いてやるということは、これは私は消費生協の趣旨とは大いに反するだろうと思います。問題は、こういうふうな具体的なやり方、あるいは証明書を希望者の家族に渡すとかいうことも一つの方法かもしれません。あるいは利用券とか、そういう問題もあるだろうと思います。またこれは店の繁閑時によって非常に問題だとおっしゃいますが、しかしきのうもそういう参考人の供述もございましたが、これはそれほど手間のかかる問題ではございませんし、一定の形のきまったものではございませんから、そうむずかしい問題ではないと思います。これは私の私見も入るかと思いますが、立案の趣旨はそういうことでございます。その購買会なり消費生協の趣旨からいたしまして、こういうことはむしろ必要なことではないかと思っております。
○中村説明員 厚生省といたしましてこの第四条の措置を命じます場合につきましては、必要があると認めるときにこの命令を出す。それからその具体的な方法等につきましては、主務省令で内容を規定することになっておりますので、いずれ省令の制定の段階におきまして十分研究いたしたいと思います。なお証明書を提示しないときは供給事業を利用させないことということにつきましては、私どもの方といたしましては、消費生活協同組合は市価主義でやりまして、そうしてその利用高によって組合員に還元をするというようなやり方を御指導しておるわけでありますが、結局、その組合員がその組合の事業を利用した程度によりましてそれをお返しをする。それで組合の店舗では、御承知かと思いますけれども、だれが買ったかということをはっきりいたしませんと還元のときに困るわけでございまして、従って組合員のだれさんであるということを確かめまして、実は経理をいたしております。そういうやり方をやっておりますので、これによって生協の運営に支障を与えることはなかろうと思うのでございます。
○内海(清)委員 今厚生省の方で、これらの実際のことについては省令できめたいと思うということですが、どういうふうにやるのですか。
○中村説明員 この主務省令につきましては、おそらく関係の省の共同省令になると私は思うのでございますけれども、具体的なことにつきましては、通産省からお答えを願った方がよろしいのではないかと思います。
○岩武政府委員 この主務省令は、措置命令の内容というよりも、その活動の手続といいまするか、段取りをきめる予定にしております。つまり先ほど申しましたように、事前に十分調査しなければならぬとか、あるいは関係人の意見を十分聞かなければいかぬとかいうことの手続の方を予定しております。
○内海(清)委員 今四条の二号についてお尋ねしたのですが、これで何とかそういうものをやらなければ規制ができぬだろう。ところがこういうふうなものをやって、実際売店の運営ができぬ、こういうことを申し上げておるのであります。これで差しつかえないだろうという御答弁だけれども、これは全く実情を無視した、実情を知らぬ人の立案であって、全く机上のフランであると思うのであります。こういうふうなものをやれば、必ず消費者から不服が出、そこにいろいろな障害ができて、生協の運営はできにくくなることははっきりしておるわけであります。だからして、こういう点についてはいずれまた機会を得て十分なこともお尋ねしたいと思うけれども、はっきりとした考えをもって実情に即したものをやらなければ、これが生まれても何にもならぬと思う。同時にこれは生協の運営を全く無視したものであって、生協関係者としてはこの点については承服できぬだろう、かように思う。この条文は、一つ十分実情に合ったものにこれを改めていくということにしてもらわなければ、この問題は解決せぬだろう、かように思う。これは一つ十分なる調査と研究をされることを要望したいと思う。この方法では絶対に生協の運営はでときぬ、かように考えるのであります。 時間の関係もありますから、次に移りたいと思います。この第四条の三号の問題は、きのうもいろいろ話もあったわけでありますが、この三号によりますと、「組合が発行する利用券と引換に又はその利用券に必要な事項を記入するのでなければ物品の供給事業を利用させないこと及びその利用券は組合員以外の者には交付しないこと。」とあります。これによりますと、生協では現金が通用しないということになる。日本銀行券の強制通用力の問題は一応別といたしましても、生協が長年伝統的に掲げて参りましたところの現金主義というものを根本から否定するものである。これまで生協が組合員の生活指導をやってき、チケットやクーポンや伝票等による過度の売掛が勤労者に及ぼす弊害を除去するために、長年にわたってつちかって参りましたところのこの現金主義を全く無規しておるものだと思うのであります。また新生活運動をすすめ、貯金を奨励し、月賦は避ける、こういうふうなことをいっておる政府の措置とりしては、全く驚かざるを得ぬといっても過言ではないと思うのであります。これを強制することは、今日までの実態から考えてみましても、全く消費者の生活を破壊するものであり、承服しがたいところだと思うのであります。これらにつきまして一つ十分なる再検討を行なって、あくまでも現金主義を実施してもらいたい、かように要望するものでありますが、これに対する所見を伺いたいと思う。
○岩武政府委員 ただいまの内海委員の御質問御意見でございますが、これはちょっと失礼でございますが、われわれの意図を若干取り違えていらっしゃるのではないかと思っております。と申しますのは、これはすべて掛売りあるいは月賦で売れという意味ではありませんで、これは一つの整理券といったものでございます。従ってその際日銀券なり、あるいは紙幣を出され硬貨を出されて、同月中に決済されるということは、こうも矛盾しておりませんし、否定もしておりません。先ほど来厚生省の生活課長が申しましたように、事業分量配当ということになりますれば、当然整理券が要るわけであります。従ってむしろいわば消費生協の事業をお助けしておるのではないか、こういうふうに思っております。別段掛売りでなければ売らぬという趣旨ではありません。もちろん現金売り奨励という方法でありますれば、これはもちろん現金売り等は申すまでもありません。これは昨日も参考人がちょっとそういうことを申しましたが、私の方はそういうことを考えておるのではありません。念のため申し上げておきます。
○内海(清)委員 そうすると、この法案の、「組合が発行する利用券と引換に又はその利用券に必要な事項を記入するのでなければ物品の供給事業を利用させないこと及びその利用券は組合員以外の者には交付しないこと。」こういう条項があるのですが、これは今あなたの御説明のようなことですか。
○岩武政府委員 その通りでございます。
○内海(清)委員 そうすると、現金買いは差しつかえない、こういうことですか。
○岩武政府委員 さようでございます。
○内海(清)委員 なお、これの中に、「利用券と引換に又はその利用券に必要な事項を記入する。」これはどういうふうな事項であるかお聞かせ願いたい。
○岩武政府委員 これは金額、品目、あるいは場合によって組合によりましては、統計の必要もございましょうから、現金か掛かということもあるだろうと思います。そういうふうな事項と考えております。
○内海(清)委員 現金買いができれば、その点はけっこうであります。これは生協としてはあくまでも現金買いによってやることが、組合員の生活を守ることであり、今後の生協の発展にも役立つことだと思うのであります。ところが、実際において、「利用券と引換に又はその利用券に必要な事項を記入する。」これはそのつど記入するのですか。
○岩武政府委員 これは原則としてそう考えております。
○内海(清)委員 そういたしますと、これはさっきの証明書の問題と同様な問題が起きてくると思う。これの現金買いはけっこうだけれども、現金買いをしても、そのつどこの利用券と引かえにまたはその利用券に必要な事項を記入しなければ、品物が売れないということである。これは全くまた生協の実態を無視したものであると思う。さっき申しましたような実情において、果してそういうことができるかできぬか、私はこれはできないと思う。そういうふうなことをここできめて、もしこれが実施されなければ、罰則規定もあるわけです。これが十分実施できるとお考えになってやっておられるかどうか。
○岩武政府委員 私は、先ほど来申し上げまするように、消費生協は組合員の生活を守るためのものでございますから、組合としましても、当然とは申しませんけれども、利益還元等に当りましては、やはり組合員に供給することが本体でございましょうから、この証明書の提示あるいは利用券の引換等のことは、これはむしろ消費生協の仕事、事務を容易ならしめておるのではないかと思っております。ごうも消費生協の事業活動を抑制するということは考えておりません。だからその内容につきましても、これはどうしてもこういうことが実行不可能だというふうな実情、たとえば非常に従業員の数が多くて、しかも店舗等がきわめて狭くて、とても混雑してやりきれないというふうな実情がある店でありますれば、これはまたそれに応じて考えなければいかぬと思います。その辺のところは先ほど来申し上げますように、一、二、三という事項は、これを全部一度にということじゃございませんで、このうちで実情に適した方法を行なってもらいたい。この辺の判断は先ほど来申し上げましたが、所要の手続によりまして、これを都道府県知事がきめておく、こういうことになっております。一昨日でしたか、大臣が申しましたケース・バイ・ケースというお話は、そういうところを考えておるわけでございます。私はこの四条の二号、三号は、むしろ消費生協の事業を十分に助けておるのではないか、こういうように考えております。この点御了承願います。
○内海(清)委員 これは今長官のさような答弁であるけれども、実情を十分知っておるわれわれとしては、全く実施できがたいものであると思うのです。そういう実際に実施できぬようなことをここできめて何になるか。それはそのときどきによってやるんだと言われるけれども、一たん法によって出てきますと、これはあなたが一々全国に出ていってやられるかといえば、それは都道府県知事にその措置をゆだねるのである。この法文のように実施されるおそれがある。それによって迷惑をこうむるのは生協自体であり消費者である。この点を十分考えて、この特に二号、三号については十分なる再検討を要望いたしたいと思う。 なお、以上の二号、三号につきましては、なお問題が多く残っておると思いますから、今後また機会を得ていろいろ質問いたしたいと思います。 次にお伺いいたしたいと思いますことは、購買会に関する問題であります。購買会に関しましては、私ども一昨日来るる申しておりますように、生協と全く異質のものである、こういうことなんであります。これは性格上から申しましても、これに対しましては政府として何らかの方法によってこれを編成がえする、そういう方向にいかれるべきではないかと思うのであります。昨日の参考人の供述の中にも、漸次そういう方向に向いつつあるというお話もあったわけであります。これに対して政府としては一体どういうふうな考えを持っておるか、一つお伺いしたい。
○岩武政府委員 実はこの問題はかなりむずかしい問題かと思いますので、私も立案いたしまするときに、実は安田社会局長と話をしたのであります。購買会のようなものは、これは職域の生協に切りかえられないものだろうかどうだろうか。こういういわば何といいますか、形のはっきりしない福祉事業でございますから、むしろ消費生協の方がいいんじゃないかというような意味で相談したのでありますが、安田局長も、できればそういうことがいいだろうけれども、なかなか構成員の関係その他で一挙にはいかぬかもしれぬということでございました。まあこれは昨日来お話のありまするように、だんだんにはそういうふうな消費生協の方向べいくべきものじゃないかと私も考えております。ただ、現在画一的にかつ一挙にやるわけにはいかぬと思います。方向はやはりそういう方向じゃないかと思います。
○内海(清)委員 最後にちょっとお伺いいたしたいと思うのですが、社会局長が来ておられませんので、はなはだ遺憾なのでありますけれども、一昨日の私の質問で、政府はこの消費生協の積極的な育成策をとるべきではないか、なお員外利用の問題も考えるべきじゃないかということを申し上げたのに対しまして、社会局長は、生協の行う共済事業に関する監督規程とか、責任準備金制度などについて、今国会に改正案を提出したい、同時に、その場合に、員外利用も、農協では二割を認めておる、それで生協についても研究したい、かように考えておられる。これに対して中小企業庁長官は、農協のように員外利用の態度を決定するようなことはせずに、一律に禁止する意向だ、こういうふうに言っておる。両者の間に食い違いがあると思う。委員会における政府の答弁に食い違いがあるということは、はなはだ遺憾であります。これは要するに二元監督になっておるというふうな、そういうふうな方向にいきつつあるところに問題があると思う。一つこれに対する両省の方の見解を伺いたい。
○岩武政府委員 私の申し上げましたことは今も変りませんで、やはりこういうふうに小売商との関係の問題の起ります物品販売供給事業におきましては員外利用を法定しない方がいいと考えております。むしろ組合員をふやされ、員外者の利用をなくされる方向の方が生協の運動としては本来の筋だろう、こういうふうに考えております。員外利用の割合を法定されることはこの小売商業特別措置法を立案しました趣旨とは全然違ったことであります。中小企業庁としましては、それは御容赦願いたい、こういうふうに思います。
○中村説明員 厚生省といたしましては、消費生活協同組合法の中に「組合は、組合員以外の者にその事業を利用させることができない。」という規定がございまして、員外利用は原則として禁止されております建前になっておりますので、員外利用につきましては厚生省といたしましても、これはそのように指導いたしておるのであります。今後しからば員外利用を認めるような方向で研究したらどうかということにつきましては、これは現在の法律の立て方と根本的に違って参るわけでございますので、そういうことにつきましては慎重に研究いたしたいと考えます。 それから消費生活協同組合法につきましては監督は厚生省においていたしておりまして、たまたま小売商業の関係におきまして小売商業についての規定がございますけれども、生協の監督につきましては一元的に運用いたしております。
○内海(清)委員 ただいまの生活課長の答弁は、一応この間の局長の答弁をよく御吟味になったかどうかということを疑うのであります。ただ法によって定められるところを述べられたのだと思いますが、社会局長の述べられておることは、先ほど長官の言われたよらな、いわゆる生協の組合員をなるべくふやすというその過程において、この員外利用をある程度認めていかなければ、生協の組合員を十分ふやすことができない、かような観点からあの答弁があったと私は思う。その点について長官のお考えを一つお伺いいたしたいと思う。
○岩武政府委員 きのう話されましたウエーティング・メンバーの問題につきましては、私もそういう事情のことはよく存じません。しかし、組合員でないと予定されておる人に、いわば自由に利用さすことは、いかがなものかというふうに私は考えております。やはりできるだけ早く加入してもらって、結局出資の問題その他の点についてはあるいはいろいろ便法があるかもしれませんが、根本はやはり入ってもらって利用するということで、入らぬでおって利用するということは実はいかがかと存じております。
○内海(清)委員 どうも長官のお考えになることはこの法案にあまり固執し過ぎておる。一面では組合員をふやさなければいかぬということ、それならば組合員をふやす方法としてそういうことを、ある程度認めていったらどうかという点に対して、それはいかぬと言う。どうも納得いきかねる面が多いのであります。 きょうは時間の関係がございますので、一応この辺で終りたいと思いますけれども、今回の問題は非常に重要であります。従って、今後なお機会を得て十分お尋ねいたしたいと思います。政府におきましても十分御検討されんことを要望して終りりたいと思います。 —————————————
○長谷川委員長 去る二月二日当委員会に付託をされました硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし審査に入ります。まず通商産業大臣より趣旨の説明を聴取することといたします。高碕通商産業大臣。 —————————————
○高碕国務大臣 ただいま上程せられました硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 昭和二十九年八月以来、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法が五年間の限時法として施行されて参りましたことは周知の通りでありますが、その有効期限もあと半年を残すのみと相なりました。この臨時措置法は、その姉妹法であります臨時肥料需給安定法と相呼応し、硫安工業の合理化と硫安の輸出調整とを目的とするものであります。硫安工業の合理化につきましては、法律の発足に当り掲げました合理化目標には残念ながら、諸般の事情からいまだ達するに至っておりません。しかしながらこの間における関係者のなみなみならぬ努力により現在までに相当の成果をおさめ、国内価格の引き下げに大いに貢献いたしておりますことは、各位の御承知の通りであります。一方硫安の輸出はすべて日本硫安輸出株式会社を通じて行われる建前となっておりますが、これはおもに硫安の農業基礎資材としての重要性から、輸出による欠損を国内価格に転嫁させぬため、内需分と外需分とを経理的に明確に区分するとともに、硫安の輸出市場の実情から一本の輸出機関により過当競争を防止することを目的とするものであります。硫安の輸出の実情及び今後の見通しにつきましては、輸出数量はこれまで逐年増加の一途をたどり、外貨の獲得に大いに寄与いたしておりますが、今後においても海外需要は増加傾向にあり、なお一そうの輸出伸長が期待されるところであります。しかしながらその輸出価格、一時国内価格を上回ったこともありましたが、最近では輸出競争は激化し、国際競争価格は、わが国の国内価格を相当程度下回っており、今後もなお当分この状態が続くものと考えられます。 このような情勢にありますので、わが国の硫安工業が今後の国際競争に耐えて安定した発展を確保していくためには、その合理化をさらに強力に促進する必要が痛感せられるのであります。また合理化が完成して、国際競争に十分耐え得る水準にまで生産費の引き下げが実現されますまでの間は、輸出による欠損を国内価格に転嫁させないため、日本硫安輸出株式会社を通じて硫安の輸出調整をはかることが必要であります。 このように、硫安工業の合理化と硫安の輸出調整を必要とする事情は、従前と変らないと考えられますので、現行法の期限をさらに五年間延長するため、この法律案を提案いたした次第であります。なお、期限延長をさらに五年間といたしましたゆえんは、今後硫安の主要原料でありますアンモニアのガス源の流体化を中心に硫安工業の質的合理化をはかります場合、所期の目的を達成いたしますには、合理化工事計画上おおむね五年を要するからであります。 以上がこの法律案を提案したおもな理由であります。何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○長谷川委員長 なお、質疑終了後理事会を開きますから、どうか理事の方はお残りを願います。 —————————————
○長谷川委員長 次に小売商業等二法案の質疑を続行いたします。始関伊平君。
○始関委員 私は商業調整法案なるものにつきまして、提案者に主として御質問申し上げ、また関連いたします事項につきまして、厚生、通産両省の政府委員の方に御質問申し上げたいと存じます。 この提案者の筆頭にお名前があがっており、かつて通産大臣であられた水谷先生の御答弁をいただけませんことは残念であります。 まず最初に、この問題の取り上げ方でございますが、政府から出ております法案、それから社会党の商業調整法案、この二つの法案におきまして取り上げておりまする内容と申しますか対象、これは購買会の問題であり、消費生協の問題である、また生産者ないしは卸業者の小売業兼業の場合の調整の問題、さらに一つの建物の中に小売業が集まっておりまするいわゆる小売市場の規制の問題、取り上げておりまする問題は両法案ともほぼ共通であります。このように申して差しつかえなかろうと思うのであります。ただその取り上げ方につきまして、若干のニュアンスの違いがある。私この商業調整法案を通覧いたしましてちょっと感じますことは、第一には、かりに政府案で申しますと、卸業者の兼業の問題なんかにつきまして、今日地方にございます卸業というものは、概して小売業を兼業しておる。兼業することによって初めてその業態が成り立っておる。使用人も共通であり、設備も共通の場合が多いというようなことでありまするし、なおまた同一市内の小売商に卸売をするというような点から申しましても、そう弊害の生じていない場合がむしろ多いようでございまして、政府案といたしましてはこういう姿をありのままに一応は認めまして、そこにいろいろなトラブルが起る、こういうような場合にケース・バイ・ケースでこれは調整していこう、こういう立場をとっていると思うのであります。これに反しまして社会党の案では、特定の品種、地域を指定するというような場合におきましては、一応表面上はきわめて厳密な規定を置きまして罰則をもってこれを裏づける、なお非常に捕捉しにくい脱法行為も追及しよう、こういうようなことでありまして、法律をもって経済のあり方、経済の動きを規正していこうという、いわば法律権力によってやっていこうというような権力的な考え方が非常に強いのではないか、第一にはそういうことを感ずるのです。第二に、内容なり実態なりがあまり整っておらないにかかわらず、一応格好だけはっける、格好を整える、こういうような点が見受けられるのでありまして、そういう点におきまして私は社会党の特色などは一応了解いたすのでありますが、しかしこれらの点におきまして流通機構という社会党としての一つの基本的な考え方あるいは理念、将来——今日すぐではございませんですが、将来社会党は、流通機構というものをどういうふうに持っていくのかという根本的なものは、この法案を見ることによって直ちに私は了解しにくいと思うのでございまして、そういう点についてのお考えがございましたら、簡単でけっこうでございますから、一番最初にそれを伺いたいと思います。
○春日一幸君 わが党の経済の流通秩序に対する基本的な考え方は何かというお尋ねでございますが、これは当面の問題と、それから将来の問題と二様にこれを区分して考えておる次第でございます。 すなわち、資本主義政権のもとにおいて、また現在の経済秩序のもとにおいて、この流通秩序をいかに保っていこうかという点になりますると、私どもの考え方はおおむね次の通りでございます。 それは現在消費生活者に消費物資を供給する任務をにのうておりまする販売機関というものはさまざまございます。たとえて申しますと、百貨店があり、生活協同組合があり、購買会あり、消費組合ありあるいは市場あり、さまざまございます。しかしながら北海道から九州まで大体広い全国的規模においてこれを判断いたしますとき、すなわち最も多く消費生活者がどこから消費物資を入手しておるかと申しますと、それは九五・何%、正確な数字はちょと記憶にとどめておりませんが、そのような圧倒的多数で消費生活者は小売業者、小売店から消費物資の供給を受けておる。従いまして別の言葉で言うならば、小売店こそは消費生活者に消費物資を供給する本来の任務をにのうておるところの正当なる代表的機関である、かくのごとくに規定をいたした次第でございます。そういたしますると、実にそのような圧倒的多数のパーセンテージで、かつはそのような重き任務を背負っております小売店の現実の状態はどらであるかと申しますと、御承知の通り、百貨店からの圧迫があり、あるいは市場の乱立があり、あるいは購買会から、その他さまざまな影響があり、あるいは生活協同組合との関係等におきましても二・三のものがある。だとすれば、そういうような大きな国家的任務を背負うところの小売店が、消費生活者に消費物資を供給するその本来の任務を円滑に遂行していくことのために障害になるものがあるとすれば、その障害になる面を排除していかなければならない、こういうような立場に立ておるわけでございます。従いまして百貨店から来た小売店への圧迫が非常に重大であるというところから、さきに百貨店法を、わが党独自の案を提出をいたしましたが、その後政府からの御提案があり、この点についても自由企業としての面が、百貨店と小売店との関係において規正された前例等もあるわけでございます。しかしながらこれをもってしては完全に小売店の現在当面しておりまする障害を排除する形になっておりませんので、従ってここに商業調整法を制定いたしまして、他の面から来たるもの、すなわち、市場の乱立から来た小売店への圧迫、それから卸業者の兼業あるいは製造業者の直売、こういう面から来たるところの小売業者への圧迫、こういうものを排除いたしまして、よってもて小売店が消費生活者に消費物資を供給する、そういう大きな任務が円滑に遂行できる経済秩序を確立していきたい、これが当面のわが党の考え方でございます。 なお、将来の問題はどうであるかという御質問もございましたが、それは将来だんだんと政治形態がいろいろと変って参る場合もあるでございましょうが、それがどういう工合に変っていくかということは、今にわかに断定いたしがたいのであります。従いまして、われわれの基本的な一個の理念というものはあるわけでございますが、想定が仮説の上に立ちましては、実際の用に立ちませんので、その問題については答弁を差し控えておきたいと存ずるのでございます。 しかしながら、わが党の基本的な考え方は、すなわち中小企業は、協同組合中心主養という一本の背骨をそこに打ち立てておることは、かねて御承知を願っておる通りでありますので、だんだんと中小企業の協同化、すなわち小売店の協同化を地域的、職域的にはかりまして、大企業から来たる圧迫を小売店の結集した共同の力によてこれを排除していく、そしてなおこういう近代的、合理的な商業経営の中から、消費者へのサービスも高まるようにしていく、これがわれわれの考え方でございます。
○始関委員 ただいまの御答弁は、遠い先は別といたしまして、さしあたりの問題といたしましては、小売業を中心にしてやっていこうということでございまして、社会党として特に独自の考え方があるというふうには考えられませんけれども、きわめて現実的であると伺た次第であります。 その次に、これも一つの基本的な問題でございますが、重要な問題でございますし、また非常にいい機会でございますので、これも社会党の考え方を伺いたいと思うのでございますが、昨年の十月二十三日に、ただいまできておりまするのと同じ法案——小売商業特別措置法案が、本院の本会議に上程されました際に、社会党の代表質問に立たれました松平君が、このようなことを岸総理にお尋ねになておられます。それは「理想的な流通機構を考えていく場合においても、わが国の小売商は、何としても過剰であります。この過剰の始末をしなければ、小売商の安定もなく、また、流通秩序も保たれません。これを一体どうするつもりであるか。自由主義経済であるから仕方がないといって放置していくつもりであるか」、こういうふうな、大へん適切な御質問があったのでございます。これに対する岸総理の答弁は、引用いたしませんが、岸さんは、根本的には、これは日本の人口問題に関係を持った問題であるというふうに指摘されております。岸さんがそう言われても言われなくても、その通りに違いないのでございまして、これは非常に重要なかつ困難な、よって来たるところの深い問題でございますが、一体こういう質問をされました社会党自身といたしまして、この点に対する何らかの考え方があるのか。きのういろいろお話が出ましたが、登録制とか、中小企業調整とか、そういうようなお考えでもあるのか、その他何らかの対策がおありになるのか、この機会にお聞かせ願えれば、大へん仕合せだと存じます。
○春日一幸君 当面の問題、現象的に、御指摘のように、要するに小売店というものがふえる一方である。たとえば官公庁、大企業に就職せられておりました諸君が、定年によってその職を退けば、いつしか小売店などの企業にプールに入ってくるということで、だんだんとふえる一方である。こういう点について、わが党もこれに対しては相当の検討をいたしておるところでございます。そこで、この当面のしわ寄せをどういう工合にしていくかという形になりますと、登録制によて、小売営業をにわかに始めることができない、自由に始めることができない、許可認可制をしくというようなことも一つの考え方ではありましょうけれども、しかしながら、わが党はそういう政策をとらないのでございます。すなわち、現在の憲法は企業選択の自由の原則で、何人がいかなる企業を行おうとも、他の法律等においで制限のない限り、これは職業が自由に選択できるように保障されているのでございますから、憲法を尊重するわが党は、あくまでその基本的人権と申しましょうか、それはやはり保障いたして参らなければならぬのでございます。ならばそういうような情勢下において、この小売業者のその方面から来たる圧迫を何か調整する道はないかという点について、いろいろと考慮いたしました。そこで得ました結論は、これはすでに提案をいたして皆様方に御検討も願ったのでありますが、他に中小企業の産業分野の確保に関する法律という法律がございます。これは自由民主党政権の大企業の産業に対する偏向的な集中的な支援施策が、だんだんとわが国の経済を二重構造にして参りまして、そういうところから来たる中小企業の圧迫は甚大であります。しかしながら最近それらの大企業たちが、さらに自分の事業をその域を乗り越えて、従来彼らがやっていなかったところの中小企業産業分野へも進出をいたして参っておる現象が目ざましいのでございます。たとえば東洋紡がワイシャツ製造事業なんかを始めたり、あるいはその他大紡績会社が縫製加工業を始めたりなんかいたしております。そういう大企業産業たちが、すでにして中小企業産業として中小企業のなりわいのもととなっておりましたそういう中小企業産業分野へも侵入をして参りますと、力関係で当然中小企業の諸君がはみ出て参るのでございます。従いましてわが党の考え方は、だれが見ても中小企業にふさわしい産業、それから過去の実績が中小企業によって演じられて参りましたとこその産業、やはりこういうものは法律によって制限列挙いたしまして、これを中小企業産業として法定する。そうして中小企業というものの経済活動分野が法律によって確保されていく。そうしてわが国産業構造のいずれかの部門に全国民がとにかくそこにとまりまして、その経済活動の中から収入を得て生活が成り立っていくという、そういう経済構造を想定いたしまして、ただいま申し上げましたような、別途に中小企業の産業分野の確保に関する法律という法律案を上程いたしまして、御審議をお願いいたしておるような経緯でもございます。そういう方面から来たる大企業の進出を排除し、また一方商業調整法によりまして、製造業者が直売するな、あなたは製造に専念しなさい、そうして卸や小売の方は他の国民をして、そういう方面に携わる機会を確保してやる。卸業者また同然であります。卸業は卸専業主義、製造業は製造専業主義、小売業は小売専業主義、こういうような工合にいたしまして、大資本の力によって自由主義競争の域を越えた弱肉強食の形で、ことごとくの産業分野、経済活動の分野を独占するという、それを排除することによって、すなわち当面いたしております中小企業の困窮を克服していこう、こういう一連の総合施策を通じてその問題の解決をはかっていこう、こういう考えでございますので、その点御了承をお願いいたすわけでございます。
○始関委員 法律によって各産業の分野を強制的に線を引くことがいいかどうかは別といたしまして、あまり特色がないけれども、きわめて現実的な考え方だというふうに了解いたすわけであります。 内容に入って詳しくお伺いいたしたいのでございますが、最初に本法案の第一条の目的でございますが、拝見いたしますと、この法律は製造業または卸売業と小売業との間の業務分野の調整をはかると同時に、小売業相互の間の業務分野を調整するということになっておる、こういうふうに書いてあるのでございます。そこで製造業または卸売業と小売業との間のいわゆる業務分野の調整の問題が、あとにある条文によりまして非常によくわかるのでございますが、小売業と小売業との相互の間の業務分野の調整というのは一体何によってやるのか、あとを見ますとそこに出ておりますのは、いわゆる小売市場——一つの建物の中にある小売業の集団としての小売市場の規制の問題が扱ってあるだけでございまして、前後の続き合いから見ますと、小売業相互の間というものは、純粋の小売業相互の間には過当競争の関係にある小売商と小売商との間の調整と読まないと、つじつまが合わないと思うのでございますが、そういう点の内容はない。先ほど私は、格好をつけるきらいがある、看板と内容が違うと申し上げましたのはこういう点でございますが、この点につきまして御説明をお願いいたしたい。
○春日一幸君 第一条の目的は、これは読んで字の通りでございまして、製造業者と小売業、卸売業と小売業、それから小売業相互間の実務分野の調整ということになるわけでございます。従いまして小売業相互間ということは、この条文から参りますると、市場の関係とそれから生協の関係、それから小売業を行なっておりまする購買会でございまするが、そういう関係において相侵さず、侵されないその限界を一つ定めていこう、こういうのが本意でございまして、もし用語の上で足らざるところがありますれば、適当に一つ御修正願いたいと思います。本意はそこにあるわけであります。
○始関委員 次に第二条の商品及び地域の指定でございますが、私先ほども申し上げたのでございますが、どうもきのうの参考人の意見では、卸業者が小売業を兼業することをすべて禁止しろというような極端な意見もございましたが、これは小売業者の一方的な希望であるし、そういうことが実現できる筋合いのものでないことは発言する御本人もよくわかっていると思うのであります。さっきも申し上げたのでありますけれども、要するに古いいろいろな秩序がございまして、製造業者小売業ととの関係あるいは卸業と小売業との関係につきまして、年がら年じゅうそこにいろいろなトラブルが起っているわけじゃない。あるがままの姿で一応円滑にいっておる場合もきわめて多い。まあ必ずしもすべてそら参っているというのではございませんで、たとえば大阪でただいま問題になっておりまする医薬品の卸業者が非常な乱売をしておるというような場合がときにある、こういうのが事態の真相であろうと私は思うのでございます。従いまして、これは問題が起ったときに適当に調整すればよろしいのであって、商品と地域を指定して、指定された商品なり地域については、戦時中のようないろいろな権力的なきびしい統制をやる、経済の支配をやる、こういう考え方は、私は必ずしも適当でないと思うのでございますが、まず最初に商品及び地域の指定という問題でございますけれども、先ほど生協の問題についてもそういう言い方がございましたが、一体こういう規定を置いて何の商品を指定し、かつどういう地域を指定されるのか、そういう点につきまして、もし御腹案があるならば、その間の事情を、やや詳細に御説明願いたいと思います。
○春日一幸君 大体におきまして、特にこういう条文を作って制限を置いておりますのは、全面的にこれを禁止することができ得ないことはお説の通りでございまして、われわれもその理解の上に立って、こういう条文を作成いたしておるわけでございます。ただ問題は、その商品における取引の頻度が高くて、現にそういうような被害が実在をいたしている点について、救済を行わんとするのでございます。具体的に申し上げますと、たとえば東京、大阪、名古屋、横浜というようないわば大都市におきましては、繊維製品なんかを一例としてあげてみますると、それらの繊維製品の大体の商業段階は製造段階、卸段階、小売段階と期せずして三つの取引段階が形成されているわけでございます。しかるところその卸専業者が製造業者から卸をするという条件下において、大量のものを大卸の値段で仕入れをいたしまして、そこでたまたま店頭で小売販売をいたしまするとき、かりにその小売値段で売れば比較的問題は小さいかと思うのでありますが、自分の仕入れ値段が安いから勢い一定のマージンをそこべ加算いたしまして、一般小売値、小売店が売る値段よりも安い他段で売っておるのでございます。そういたしますと、その卸屋から仕入れてそうして自分で小売をいたしておりまするものとの間には、相当の値段の格差がいつしか造成されるわけでございます。そういたしますと、正当に卸屋から仕入れて売っておりまする小売屋の諸君の販売値段は、公正なるマージンで適切な値段で販売をいたしておりますにかかわらず、何だか小売屋の値段ははなはだ高い、だから不当に利益を占めているのではないかという誤認を購買者に与えるわけでございます。そういうようなことは私どもの理解としては不当なことと申さねばなりません。すなわち卸業は卸を行うという名目で、またその目的で仕入れたのでありますから、それはあくまで卸で販売をしていただく、そうして小売店はその卸屋から仕入れるにあらざれば製造業者から卸業者と同等の条件で仕入れることができないのでございますから、従いまして当然卸屋のマージンだけ小売店の販売価格は高くなるのでございますから、そういう経済行為の現実を容認いたしまして、そうしてその秩序をここに確保していくということであるならば、当然卸屋は卸専業を行うべきであり、小売屋は卸屋が乱売することによって不当な誤解を人に与える、そのことが小売活動に対して相当の障害になっておりますから、その障害を排除してやるということは、公正なる法的措置であろうと考えるのでございます。しかしながらそういうようなことは経済活動が旺盛であり、取引の頻度が高いところということになるのでございまして、九州だとか、北海道だとかいうような地方では、商習慣といたしまして、卸で仕入れて、さらにまた地方に小卸をいたしているという、そういう商習慣もあるのでございますから、そういうものについては認めていく、従いまして、大臣は公正なる第三者の立場において、そういう地域に対しては指定を行わないわけでございます。またその第二項において小売業者の団体がそのような申請をいたしました場合でも、当然その第三者的立場に立ちまする中央商業調整審議会に諮問を発せなければなりませんので、この第三者でありまするこの機関は片寄った答申はなされまい、こういうことでただいま冒頭に権力主義的統制のにおいがするではないかというお説もございましたが、これは他の法律がそうでありますように、これはあくまで民主的な手続を踏んで民主的な立場で公正な処理、公正な経済秩序の確立、この制約を一歩も外へ出てはいないのでございます。
○始関委員 ただいま御指摘になりましたような実際の例が、世間に間々あるだろということは私も了解するのでございますが、ただ非常に大きい網を投げても、そこに入ってくる魚は小魚が二尾か三尾だというような感じが私はいたすのでございます。 私は中小企業庁長官にお尋ねしたいのですが、今お話のようないろんな事例の場合に、あなたの方のやり方ではどういうふうになるのか、またうまくいく自信があるか、それについてちょっとお尋ねいたしたい。
○岩武政府委員 先日来申し上げましたように、そういうふうな問題はその土地土地で起る問題でございます。しかも起り方のケースもいろいろ違うだろうと思います。だからそこの実情に合いまするようにケース・バイ・ケースに具体的に問題を片づけていく方が、商業活動の実勢に合うと思っております。私の方は一律一体に法律上の禁止制限ということは考えてないわけでございます。
○始関委員 なお地域の指定、商品の指定に関連いたしまして、そこにございます小売業の新設の禁止でありますとか、あるいは脱法行為の取締りでありますとかいう問題につきましては、いろいろな点からいたしまして、たとえば金を持って買いにくる場合に、相手が小売商でなければ、いわゆる小売ということになって、しろうとに売ればすぐ引っかかるといういろいろな問題が出てくるわけでございますが、そういうこまかい点はきょうは一応あと回しにいたします。 次に市場の問題でございますが、市場の問題については法律の目的といたしますところは、市場の乱設の防止ということである。それによって市場の中におる小売商の利益、同時にその近辺におる小売商の利益もはかるということであろうと思うのでございますが、そういう観点からいたしますと、政府案の方はいかにも回りくどくてややこしく、わかりにくいのでございます。一体どうしてこういうややこしい規定を置くのか、またその目的とするところは私が言った通りであるのかどうかという点を、岩武長官にお尋ねいたします。
○岩武政府委員 私の方は五大都市にありまするいわゆる小売市場の乱設を防ごうという趣旨のものでございます。小売市場がああいうふうにたくさんできますのは、市場開設者、いわば建物の提供者に何かの企業意欲が起るからではないか。つまりそういうものを貸すことによって相当な利潤が上る。従ってわれもわれもというふうになるのではないだろうかと思ったのであります。別段中に入っておる小売商の要望によるものだけではないだろうと思っております。そこでそういうふうに建物提供者に特別な利潤があるとしますれば、そこを押えるのが乱設を防ぐまず第一歩であろう、こういうわけでございます。そこでこの原案になったわけでありまして、現にいろいろ実情を調べてみますと、各地でいろいろ高い権利金をとったり、あるいは場所によって相当な貸し賃をとったりしております。従ってそういうことを押えて中に入る店子を防止してやるということが小売商を保護する、まず第一歩だろうと思います。
○始関委員 政府の仕事としてはどうも少し回りくどいように思うのです。そこで春日さんに伺いますが、かりにあなたの方の案で参ったといたしまして、乱設の防止が目的であるということになりますと、五大市においては市長に許可権を与えようというのでございますが、ところが市自体が経営の主体になる場合が非常にたくさんある。それからもう一つは市と市がずっと続いて市街を形成しておるような場合も少くない。それから片方の市で行き過ぎをしないようにしましても、隣の市で設置しようということになればこれは目的を達しない。この許可権の所在につきましては市長というものは適者でない、知事が適当であろうと思うのでありますが、市長にしたのはどういう理由であるのか、その点を御説明願いたい。
○春日一幸君 これは第十条の関係ですが、法案の条文で明確にいたしておりますが、結局第二項で「前項において通商産業大臣が許可すりる場合は、申請者が指定都市の市長である場合」ということになっておりまして、すなわち五大市におきまして市長が市設の市場を作ろうとする場合は自分でできない、これは通産大臣の許可を得なければならぬ、こういうことにいたしまして、この制限のうち外には置いてないわけでございます。 それから隣の市においてそういうことをもくろみました場合においては、当然その県の知事が許可をするのでございます。そういうわけでありますから、従いまして第九条の関係におきまして地域指定を通産大臣が行われるのでございます。そういうような場合は別に混乱錯綜は生じて参らないと思うのでございます。これをもう少し詳しく説明をいたしますと、実際におきまして第九条で、乱立することによって小売業者の事業活動に悪影響を与えておるという現実が現存いたします場合は、そのときに通産大臣が地域指定を行うわけでございます。そういう地域指定を行います場合は、特に乱立の状態が顕著な場合でございます。たとえば名古屋市の場合といたしますれば、これは五大市でありますから名古屋市長、それから隣接の市ということになりますと名古屋では一宮とか岡崎とか、相当距離が離れているわけでございます。従いまして周辺の小売業者との競合という面につきましては、実際に許可認可権が別個の人格によって行われるということによって、何ら錯綜は来たして参らない、こういうことでございます。これは明確でございます。
○始関委員 そうすると通産大臣の地域指定の際に、大阪市とその隣接の地域を、何といいますか、一つのまとまった単位として指定した場合には大阪市長ではなしに大阪府知事という御見解でございますか。
○春日一幸君 そうではございません。その地域指定を行います場合に、これは明確にいたしておりますが、その指定都市——五大市について指定を行います場合においては、これは許可、認可権が五大市長、その他の地域については都道府県知事、こういう工合に明確になっておりますのでその都市、その都市を指定するわけでございますから、漫然と大阪府とか、兵庫県とかいう地域指定はなされないものと期待をいたしておりまするし、現実に小売業者との競合を排除するという排除措置でございますから、そういうことはあり得ないと考えております。
○始関委員 次に、先ほど来非常に問題になっております生協の問題でございますが、これにつきまして、最初に厚生省の政府委員の方にお尋ねを申し上げたいのであります。 まず伺いたいことは、ただいまの生協法におきましては、原則として員外販売というものが禁止をされておる。許可があって、初めて員外販売ができるはずなのでありますが、実際の生協の動きとしては、この法律の規定というものがかなり無視されておるような傾向があるのではないか、こういう点につきまして、あなたの方の御見解と実情を御説明願いたい。
○中村説明員 厚生省といたしましては、消費生活協同組合に対しまして、特に小売商業との問題もございまして、員外利用につきましては、厳格に指導をいたしておるのでございます。私どもとしましては、ただいま組合がそういうふうに員外利用を積極的にやっておるというようなことにつきましては聞いていないのでありますが、私どもとしましては、各都道府県の知事を通じまして、法律の規定の順守方を指導いたしておるのであります。
○始関委員 員外販売の禁止の規定が厳格に守られていないために、神戸その他において非常な紛争、紛議が起っておる事例があるように思うのですが、最近において員外販売の問題をめぐって問題を起したのはどういう地域ですか、重ねてお尋ねをいたします。
○中村説明員 私どもの方といたしましては、最近におきまして、消費生活協同組合が員外利用につきまして、いろいろと紛争を起しておるという事例につきまして、承知していないのでございます。
○始関委員 私はそういうふうに聞いておるのですが、御承知ないとあれば、あと回しにいたしまして、次に、消費生協に対する考え方でございますが、いろいろ毛色の違った配給機構と申しますか、営利的なもの、そうでないものを並べてこれにサービスをさして、消費者の利益をはかる、また土地土地によって事情も違いますので、その土地の事情にこたえさせる、これは私は非常にいい考え方であって、そういう意味におきまして、消費生協というものも指導、助長していくべきだ、こういう考え方に対しては私も同感でございます。ただ、消費生協を助長するということと、員外販売は認めた方がいいかどうかということとは、これは別にして考えてもらわなければ困る問題である。と申しますのは、消費者の組合であると同時に、消費者の組合であるがゆえに、税法その他の点では非常な特別の措置を受けておるわけでございますから、もし員外販売を勝手にやっていいということならば、商人と同じ立場になりますので、税法上その他の関係においてこれを優遇するという理由は消えていくと私は思うのであります。員外販売については、相当はっきりした態度をとるということが、私は当然であろうと思うのでございますが、この点につきまして、消費生活協同組合法の中に一つ規定がある。ただし、その員外販売については許可がなければいかぬという規定がある。と同時に、今度の小売商業特別措置法案では、許可の場合に一般の小売商への影響を考慮しろという二重の規定になっておるのであります。これは二重監督とか何かでおかしいというような御議論もあるようでございますが、これは実はそうでないので、府県知事が員外販売を認めた場合に、こういう事項を考慮してやるということであるのであって、私はこういう立法例は他にも多いと思うのでございますが、この点につきまして、厚生省の方の御答弁を願いたいのであります。
○中村説明員 ただいまお話ございましたように、そもそも消費生活協同組合は、その組合員に最大の奉仕をすることを目的といたしたものでございまして、また営利を目的としてその事業を行なってはならないことと相なっているのでございます。そういう意味におきまして、特に生活協同組合につきましては、種々の育成の措置が国としてもとられているわけでございます。 それからその次に、今回の小売商業特別措置法案におけるところの生協に関する規定のお話でございますが、この立法例につきましては研究いたしておりませんが、消費生活協同組合に関しまして、第三条でございますか、規定されました趣旨は、お話の通りと解釈いたしております。
○始関委員 そこで員外の販売を野放図に放任しておいてはいかぬということは、これは社会党といえどもはっきりお認めになっているところであると思うのであります。ただその制限の仕方が一律二割まではよろしいということであるのでございますが、一体一律二割というのは、毎日二割なのか、一週間に二割なのか、あるいは月に二割なのか、いろいろ考えてみますと、この二割というところで押えるということは、実行上もきわめて困難である、さもなくてさえ厚生省は知らぬとおっしゃるけれども、現実に員外利用の許可をもらっておらぬものに、員外利用を認めている、そういうやり方をしている例もかなりあるようでありまして、二割を認めるということは、結局は非常にあやふやの実態のものであって、これでは員外利用が望ましくないという点については、私は一つも解決策にならぬと思うのであります。のみならず、都市の状況その他によって、小売業との摩擦が非常に少いという場合においては、必ず二割に限定する必要はない、この二割というのは、どう考えてもあまり賛成しにくいのでありますが、ちょっと提案者の御説明を、もう一度伺いたいと思います。
○松平忠久君 御承知のように、現在の生協法は、特定の場合には、特定の品目を限って、もしくは無制限に員外利用の規定があるわけでありますが、いろいろな弊害もあるということが一面あるわけであります。ところが、一方において、日本の生協があまり伸びないという一つの原因といたしまして、これが啓蒙その他の面において欠けているということもあるし、政府の指導があまり積極的でなかったということもあるわけであります。そこで、欧州等の例を見ますと、大体生協が伸びてきているというのは、いわゆる現金主義であり、市価主義であり、払い戻し制度ということを徹底して、そうして自己資本というものを相当持たしてやっておるので摩擦がない。しかし、その場合において、組合員を伸ばす一つの方法として、いわゆるウェーティング・メンバー・システムというものがございます。これによっていわゆる準会員と申しまするか、準組合員というものを獲得して、それを六ヵ月なら六カ月の期間を過ぎれば会員になるんだ、しかしそれが六ヵ月の期間が過ぎたならば、これがまたウェーティング・メンバーのメンバーとしては認めないというようなシステムをやっておって、そうしてだんだんと発達してきた、こういう例があるわけであります。ところが、日本では今の売上高からいいましては、一%も満たないというようなことでありますけれども、昨年来少しすつそれが認識をしてきたということがありまして、そこでこれはいわゆるウェーティング・メンバーと同様のような意味をもって、約二割のいわゆる員外活動というものを認めておる。御承知のように、農協等も一割であります。現在農協におきましては、いなかのあまり店がないところに農協があるという場合もありますけれども、中小都市、ことに人口が四、五万というところは、大体都市に農協がございます。そこで員外利用を二割認めてやっておる、こういうことでありますので、これは二割ということを一応の目標にしてやってみて、それをウエーティング・メンバーの方向へ引っぱっていくことにするのがいいのではないか、こういうふうな考え方で二割ということになったわけであります。 もう一つ、野放図になりはしないかというお説もあったし、それからもう一つはいつの段階における二割なのかということでありましたけれども、これは御承知のように会計年度によりまして、二割以上になった場合には、すべてのプライオリティを剥奪されるということになっておりますので、会計年度によってそれを基準とするわけであります。しかしわれわれの一応の考え方としましては、それでは最後まで集計ができないわけでありますので、大体月報等を出させるということで、これらはいずれこの法案の趣旨からいたしまして政府自体でそういうものをきめるわけでありますが、月報等を出させて、これによって政府ににらんでもらうということにして規制をしていきたい、つまり二割以上の場合の規制をしていきたい、そういう考え方であります。
○始関委員 お話はわかりますけれども、どうも消費生協というものの本質からいたしまして、それを助長する方法として員外利用というものを、原則的に二割を認めろという考え方には私ども賛成いたしかねますが、それはそれといたしまして、最後にもう一点。先ほど来お話を伺っておりますと、いわゆる購買会につきましていろいろ目のかたきにすると申しますか、そういうような気分の御発言が多かったと思うのでございますが、ただ購買会の事業については、独立採算でないとかいろいろの問題点ももちろんありましょうけれども、これはしかしいわゆる福利施設の一つであり、実質賃金をなしておるのだということであれば、これは要するに会社と従業員との関係であって、一般の消費者に影響がない。つまり員外利用を認めるか認めないかという問題を除けば、あと元来購貿会をどうするかという問題は、どうすることが望ましいというふうな程度のことはよろしいと思うけれども、法律を作ってまでどうこうしろというふうなことまで考える必要はない、そういう性質の問題だという気がするのでございますが、中小企業庁長官の見解をちょっと何っておきたいと思います。
○岩武政府委員 企業主が自分の負担で福利厚生事業をやるということはいろいろ流通機構の不弊備な時期あるいは場所におきましては、これはまあ当然考られることだろうと思っています。これはまた場所々々の問題だろうと思いますが、一方消費生協という制度も、国の制度としてありますれば、これをうまく組織ができるものなら、消費生協に変ったってむしろその方が本来の道じゃないかと私は思っております。ただ実際問題としては、いろいろ組織関係その他で、現在購買会がそのまま消費生協になることは、どうも考えられないことであります。やはり組合員の問題その他もありますので、それは考えられないのであります。ただこういう場合に場所々々で問題が起きておりますゆえんのものは、廉価販売というものが消費者といいますか、一般のそこの住民の興味の対象になりまして、結局小売商を去って購買会の物を買いにいくということになります。これは先ほど申し上げました消費生協の市価販売ということをお願いしたいりと同時に、購買会の方は利益還元ということはありませんから、やはり独立会計で持ち出しをせぬで、そろばんの合うところでやったらどうかというふうに思っております。そうしますれば、従業員はいろいろ場所の関係その他で購買会の物を利用するでありましょうし、それから一般市民はそうでなくて付近の小売商から買うということになりましょうから、共存共栄になるわけであります。つまり事業主が福利厚生事業に力を入れて、購買会の物を安く売らすということは、実は小売商の側から申しますれば、あまり歓迎することではないと思っております。
○始関委員 消費生協に移ることは望ましいという程度の御賛成であれば私も賛成をいたします。 最後に、先ほど厚生省の方は、いわゆる生協の員外利用の問題につきまして方々でトラブルが起っておるように言っておるのでありますが、これには員外利用の許可を受けたあとのトラブルと受けずにやっておる場合のトラブルと、いろいろあると思うのであります。詳細のことは要りませんが、そういう話を全然聞いておらないのですか、あるところは聞いておるのですか。岩武長官にちょっとお伺いしたいと思う。
○岩武政府委員 実は私ども各府県の商工会議所に照会いたしまして、このくらいの返事が参っておるわけでありますが、この中で員外利用の正確な数字は、これは事の性質上なかなかむずかしいわけであります。あえて言いますれば、先ほどから私が申し上げておりますように、それぞれの消費組合で組合員であるかどうかを確認して売るとか、あるいはそういう資料をあとべ残すような方法を講じておりますれば、これは正確に員外販売と組合員販売との比率はわかりますけれども、なかなかそういう措置を講じておるところは少いようでありますから、従って消費生協の趣旨に反するようなやりかたをやっておるのじゃないかと思われます。報告によりますれば、たとえば米子の西部にあります米子西部勤労者消費生活協同組合のごときは員外販売が全体の八割になるのじゃないかと思われるといっておりますが、これは少し多過ぎると思いますけれども、その他の地区でも、たとえば先ほど来申し上げました福岡県の三池の消省生活協同組合、これは三池染料のものですが、たしか六割ぐらいになるのじゃないかというふうに言っておったと思います。しかしこれは外からの推定でありますから、数字等にわたっては信用度が低いわけでございますが、いずれにしてもかなり員外利用の行われておるものがあるということは、これは事実のようでありす。
○始関委員 ありがとうございました。
○長谷川委員長 本日はこれにて散会いたします。 次会は来たる二月十日火曜日、午前十時より委員会を開会いたします。 午後一時八分散会