商工委員会 第3号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/12/18
会議録
○長谷川委員長 これより会議を開きます。 軽機械の輸出の振興に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。勝澤芳雄君。
○勝澤委員 まず私は、この法案につきまして、第一番に、この法案を必要とする理由というのが、この提案の理由をいろいろ見た場合においてどうもわからないわけであります。この理由の中であげられている問題をまず見てみますと、過当競争防止のため、こういうふうに言われておるのでありますが、現行の輸出入取引法なりあるいは中小企業団体法で十分だと思われているにかかわらず不十分だと、こう言っておる。具体的にどういうふうに不十分なのかという点については、何らの説明を加えていない。あるいはまた軽機械の品質の向上、そして積極的な海外市場の開拓、こう言われておるのでありますが、これは過般われわれが日本貿易協会を作って、特に中小企業の問題については十分なる対策を行うのだ、こういうこの前の提案がありましてそれが今日実施されておるわけであります。こういう観点からこの法案をながめた場合、私は具体的にこの法案を今急いで直ちに実施しなければならぬ、こういう理由についてどうも了解ができませんので、まずその問題について一つ納得のいく御説明を賜わりたい。
○小出政府委員 ただいま提案いたしております軽機械の輸出の振興に関する法律に基きまして、登録制度なりあるいは輸出振興事業協会という新しい組織を作ることにつきまして、工業組合あるいは輸出組合というような既存の制度の活用なり、あるいはジェトロの活用によって十分ではないかという御趣旨の御質問だと思うのであります。 こういうような新しい法律によりまして、輸出貿易の伸張をさらにはからなければならぬというその背景になっておりまする業界の実情を見ますというと、過去におきましてもちろん工業組合なり、あるいは輸出組合によりまして調整活動を行なってきたのでございまするけれども、実際上工業組合による出荷数量の割当というふうな生産ワクというようなものを作っておりましても、次々に新しい企業が発生いたしまして漸次限られたワクを取り合わなければならぬ。従いまして既存の業界といたしまして数量調整等によりましてあるいは価格調整等によりまして漸次立ち直ってくる態勢ができておるにもかかわりませず、新しい企業の発生等によりましてどうしても調整活動というものが阻害されるという実情にあるわけであります。従いまして、それは中小企業団体法の運営によりましてもある程度はできるわけでございますけれども、昨日も申し上げましたように団体法によりまして設備制限というような方法もございまするけれども、ただいま問題になっておりまする家庭用ミシンなり、あるいは双眼鏡というような業界の実態は、いわゆるアッセンブル工業、組み立て工業でございまして、中核になる設備がない。従って、設備制限というようなことによりましては、そういった新規業者の発生も抑制できないという事情にございますので、どうしても新しい登録制度、製造業者の登録というようなことによりまして、中小企業団体法の設備制限にかわる措置といたしまして、これを運営することが必要であろうということが一つでございます。それから輸出貿易の伸展に関しまし、は、これはもちろん輸出組合あるいは商社の活動というようなものがあるわけでございますけれども、問題は海外、主としてアメリカというふうな市場に対します直接のマーケッティング、市場開拓ということにつきまし、は中小業者の集まりでもありますし、また海外需要の点につきまして実情に暗いということもございますの、やはり国内の体制におきまして輸出振興事業協会というような新しい組価によりまして、しかもそれには平等にみんなで負担金を負担いたしまして、共同の出資と申しますか、経費負担に基きまして海外の広報宣伝活動をやつてもらう、こういうようなことが必要ではないか、かように考えてこういう私しい制度を立案した次第でありま
○勝澤委員 そうしますと、新しい企業の発生というものを今のままで放置しておくということは、いろいろとこれからの輸出を振興する場合に困る。たから新しい企業の発生を停止させるために、この法案というものが今必要なんだ、こういうふうな御説明でしょうか。
○小出政府委員 登録制度の目的は、登録を停止することによりまして新規企業を抑制するというところまでいき得るわけでございますけれども、それは過当競争が非常に激しくなってきて、漸次弊害が激しくなってきたという場合においてとられる例外的な措置ございまして、そのこと自体が目的はございません。しかしながら登録るに当りましては登録の基準というものを昨日も御説明申し上げましたように作るわけでございますが、その登録の基準というものは輸出を行いますにふさわしいメーカーとしての適正な基準というものを定めまして、これを漸次高めていくということによりまし、品質の向上をはかっていくということが必要であろうと思います。従いましてその基準に合致しないようなものは事実上登録ができないわけでありますので、新規に始めます場合等におきましても、それによって事実上抑制ができるという結果を来たすのではないか。その反面におきまして、これが既存の業界の保護にもなる、こういうふうな考え方をとっておるわけであります。ただそれだけの登録基準の運営だけではとうてい抑えられないというような、非常な過当競争の弊害が激しくなってきた場合におきましては、例外的な措置として登録の停止ということによりまして、事実上新規業者の発生を阻止するということもなし得るわけであります。登録の停止そのこと自体を法目的としているわけではございません。
○勝澤委員 登録の停止そのこと自体を目的としていない、法律を見ればそういうふうに書かれてあるのですが、しかしこの法律を作るという前提は、軽機械といえば、まだ、ほかにもたくさんあるけれども、当面ミシンと双眼鏡だけを取り上げた。そうして言うならば例外だと言われる登録を停止する、ここにこの法案の重点というのを当面取り上げて、早急にやらなければならぬ、こういうふうに見られるのですが、その点どうですか。
○小出政府委員 法律の適用を受けます業者につきましては申すまでもなく、法律自体に別表として掲げてあるのは、さしあたり家庭用ミシンと双眼鏡だけでございますが、これはこの法律の趣旨に基きましてこの法律の運用によりまして輸出の振興をはからなければならないという条件を備えておるものが、さしあたりこのりの業者であるということであります。これは言いかえますならば、既存の工業組合等の調整活動のみでは不十分である。それ以上新しい措置を加えなければ、このままでいきまするというと、いろいろの弊害が出てくるおそれがあるという状態にまで立ち至っておるのが、この二つの業界であるという趣旨であります。しかもそれは早急に手を打ちませんと、先ほども申し上げましたように年々相当の新規企業の発生もありまするし、従いまして生産の数量等のワクの調整等につきましても、いろいろの弊害が起っておる。従ってせっかく価格協定をし、さらに有利な値段でもって輸出をしようという場合におきまして、せっかくそういう態勢ができておるにもかかわらず、反面において片方からくずされていくというふうな弊害を起しておるわけであります。そういうような意味におきまして、できるだけ早く手を打たなければならない状態に立ち至っておるのが、この二つの業界である、こういうふうに判断した次第であります。
○勝澤委員 とりあえずこの登録の停止をして、新規開業を押え、業界の安定をはかる、そうしなければならないものがミシンと双眼鏡だ、こういうふうに聞えるわけなんです。ですから新規開業を押えて、業界の安定をはかるために登録の停止をしなければならぬ。登録の停止をするためには当然この法律が必要なんだ。そこで登録の停止というところだけが重点になって、ミシンと双眼鏡だけが選ばれたふうに見えるわけです。業界の意見はどうか、私たちのところにきております資料によりますれば、業界でも相当部分の人たちが反対をしておる、こういう中でこの法案をかりに作ったとしても、この法案を運用する場合において一番重点になる業界の協力というものがなければ、この法案というものは、明らかに法律で規制をして、そうして役人の統制によってやるというのであって、業者の自主的なものによって自発的な輸出振興なり、あるいはまた品質の向上、こういうものをはからなければならないにかかわらず、それを何か権力によって押えつけたものによってやろう、こういう思想が出ておるわけでありますが、こういう業界の動きなりあるいはまたどうも先ほどから言われている登録の停止を目的のために、ミシンと双眼鏡だけ選んだのだ、こういう理解になるのですが、それ以外の問題についてはどういうふうに考えられるか。
○小出政府委員 この二つの業界を取り上げました趣旨につきましては、業界の要請もございまするが、同時にこの法律の軽機械の定義にも書いてありますように、その業界の実情が、大部分は中小企業者であり、しかもいわゆる部品を他から買い入れまして組み立てる。いわゆる組み立てといって、アッセンブル・メーカーであるというそういう生産体制であるということが、同じ軽機械の中におきましても、条件として掲げられておるのであります。さらにその大部分が輸出されておる。その輸出額におきましても非常に多額にのぼっておりまして、さらに将来輸出が伸展する可能性がある業界である、国際競争力も十分備えておる。そういうような実態を備えております面から申しましても、この三つの業界というものが、この二つの条件を最もよく備えておる業界であるということがもう一つあるわけであります。 そこでただいま御指摘になりました登録の停止の問題でございまするが、これは先ほども申し上げましたように、登録を停止することが目的ではございません。登録制度をしき、その登録の条件というものが一つの基準によって与えられるわけでありますが、そのこと自体によりまして、相当品質の向上という目的を達成するのではないか。それがそれだけの運用では不十分であって、いろいろな弊害を起しましたときに、例外的措置として停止までいくというわけでございまして当初から登録の停止を目的としておるわけではございません。 それからもう一つ、ただいま御指摘がございました業界内部におきまして相当な反対があるという問題でございますが、この点につきましては昨日も田中先生あるいは常森先生からも御指摘がございました。われわれもさらに昨日その後いろいろ実情も検討してみたのでございます。私どもの判断といたしましては、業界の大勢というものは、やはりこういった措置を要望しておる。もちろん業界の十分な納得なくしては法の運用というものは円滑にいかないかと思うのであります。しかし反対をされておる一部の方につきましても、この法案の趣旨が十分徹底すれば、私は必ずや賛成していただけるものと思うのであります。と申しますのは、この制度はこれを裏から申しますれば、結局既存業界の保護になるわけでありましてもしこういう制度を新たに運用しない場合におきましては、結局従来の弊害、つまりわずかなワクをだんだん多くの業者によって分け合わなければならぬというようなことによりまして値くずしの問題その他いろいろな弊害が出てくる。既存の組合の調整活動というものを、結局無意味なものにしてしまうおそれが生じてくるという弊害はますます激しくなるばかりであります。従いまして国全体から申しましても輸出産業として非常に重要な分野を占めております、しかもそれが大部分中小企業の製品である、こういう特殊な業界の発展を阻害することになる、こういうふうに考えるわけでありまして、それらの趣旨につきましては、あるいは私どもの業界に対する説明が不十分であったかと思います。けれども、よく納得するようにお話しすることができるのではないか、かように考える次第であります。
○勝澤委員 輸出ということが中心にされておるわけでありますが、このミシンと双眼鏡で国内だけでやられている業者というのは、どういうふうな分布になっておりますか。
○小出政府委員 ちょっとあるいは御質問の御趣旨をとり違えているかと思いますけれども、双眼鏡の業界におきましては、国内関係のみをやっておる企業というものは事実上ございません。ミシンにつきましてはある程度ございます。
○勝澤委員 そうしますと国内外を問わずミシンと双眼鏡というのは、言うならば形をかえた私は統制だと思うのです。そうして新しい業界の安定という名目によってあるいは過当競争防止とかという名目によって、当面ミシンと双眼鏡だけは全部統制をしてしまおう、こういうことになってくると、私はこれはいろいろと問題があろうと思うのです。 そこで先ほどから登録という問題をだいぶ言われておるのでありますが、一体登録をするということの目的は、品質の向上をはかるのが登録の目的だ、こういうふうに言われておる。それならば登録をしなければ品質の向上はできないのかという逆な考え方が出てくると思うのです。今日まで輸出が伸びてきた原因というものは、やはり業者の方々がいろいろと努力をされた、あるいはまた皆さん方がいろいろと指導よろしきを得た、そのために輸出が伸びてきた、それで品質もよくなってきた、こういうふうに思うのであります。それを登録をしなければ品質の向上ができないのだというふうに考えて、そして登録をさせるために理屈として品質の向しというものをくっつけておるような感じなんですが、どういうわけで登録しなければ品質の向上ができないのか。今までも品質の向上が当然行われてきたし、また行われてきたから輸出が伸びたのですから、その問題について、登録をしなければならぬ理由をもっと具体的に御説明願いた。
○小出政府委員 登録制度の一つの大きな目的は品質の向上ということにあるわけでございますが、従来家庭用ミシンなりあるいは双眼鏡というような軽機械数の輸出が非常に伸びてきたということは、御指摘の通り品質が諸外国の製品に比べまして優秀であるということはもちろん大きな理由でございますが、同時にこういった日本の製品が世界の諸外国に比べきまして、非常に優秀な根強い国際競争力を持っておるという一番大きな理由は、何と申しましてもそれがそれほどの大きな施設を要しないで、主として人間の手によりまして組み立てられていくという、つまり日本人の技能に最もよく適した産業であり、しかも同時に、これはいいことか悪いことかは別といたしまして現実の問題といたしまして、世界各国に比べましてまだ労賃が安いというような点もございます。従いまして国際競争力が十分にあるということが、輸出が伸張いたしました一番大きな原因でございます。従いまして品賢はもちろん従来ともだんだん向上ししてきておりますけれども、しかしながらさらに一段と輸出を拡大していくということのためには、やはり現在のままでは限界があるのではないか。もちろんそれは輸出検査というふうな方法もございますけれども、検査制度というものはむしろ粗悪品を出さないための消極的な品質維持のための施策にすぎないのでありまして、積極的に品質を向上していくということのためには、やはり技術的な面あるいは設備的な面等につきまして特定の登録の基準を設けまして、それを漸次高めていくということによって、業界の技術の向上、品質の向上というようなことについて指導をしていく必要があるのではないか、かように考えるわけであります。 統制という問題でございますけれども、今日まで非常に輸出が伸張し、あるいは国内においても漸次生産あるいは価格等の調整が行われてきたのは、むしろ中小企業団体法等の既存の制度によるある意味における統制の効果でございまして、もちろんそれが官僚統制というような弊害を起すことは、厳に避けなくてはいけないことでございますけれども、そういった調整活動にさらに加えまして、一段と輸出を伸ばしていきますためには、どうしても登録制度ということによりまして品質の向上をはかる必要があるのではないか、かように考える次第であります。
○勝澤委員 どうも品質の向上をはかるために登録が必要だという、その必要の度合いというものが希薄のように思うのです。今やはり品質が向上したから、あるいはまた賃金が安いから、国際競争市場においてわれわれの輸出が伸びた、こういうふうに見てくれば、もう少しつつ込んで、先ほどもお話がありましたように、スイスの時計工業のようにもっと労働者の賃金というものを中心に考えるべきではないだろうか、こういうことも、やはり今の説明のように登録をすることが品質の向上だというならば、労働者の賃金を高めてやることが、ますます個人の技術を磨くということになり、品質の向上になると私は思う。それを登録という規制によって、そして今日でもどんどんいい物ができているにかかわらず、わざわざ一つの基準を作り、これでなければいかぬ、これでなければいかぬ、それを高めるということによって規制をしていく。それよりも、やはりお互いが競争し合うということになるならば、いろいろこれについての資金のあっせんを具体的にしてやることによって、登録でなくて私はお互いの競争というものは成り立っていき、品質の向上ということになっていく、こういうふうに思うわけでありまして、いたずらに登録をさせることが品質の向上だと考えられることは、少し政治のやり方として、何かワクに当てはめてしまえばそれでよくなるのだという見方をされている点は、業界からの反対も考えてみると、業界の実情についてどうもあまりよく理解されていないのじゃないだろうか、こういうふうに私は思うのです。 そこで今度は、登録の基準の作り方が私は最も大事な問題だと思う。登録の基準の作り方によっては、業者の死活問題にもなるわけでありまして、今日設備という設備がないのだ、こういわれておる。その設備という設備がないといわれておりながら、そこに登録の基準を設ける。そうすると現実に既存の業者の中でも相当部分の者が登録の基準に当てはまらぬということが、やはり初めから考えられなければ、登録の基準というものはできないわけであります。この基準の考え方について一つ御説明を賜わりたいと思います。
○小出政府委員 登録制度の運用に当りましては、ただいま御指摘のように、登録基準の設定ということが中心になるわけでございまして、この登録の基準を設定するにつきましては、もちろん業界の実情ということが一番基本になるわけでございます。従いまして基準を作る場合におきましては、これはもちろん通商産業省令によってきめるわけでございますけれども、行政官庁の方において一方的にこれを設定するというようなことはもちろんいたしません。まず基準を作るに当りましては、技術面、あるいは検査の面、あるいは設備の面、いろいろな角度から業界の意見を徴しまして、従いまして既存の工業組合の方からむしろ原案を出していただきまして、これについてト分業界と相談をいたしながら、最後に納得のできたところで省令によって公示をする、こういうふうな考え方でいきたいと思っております、 それからもう一つは、この登録制度というものが品質の向しということを主眼にいたしております以上は、登録基準というものは漸次高度化していくということになろうかと思いますが、その場合におきましてやはりこの基準に適合しないという——これはあるいは登録制度を施行いたしました当初には、そういう例はほとんどないかと思いますが、適合しないというものが出てくることも当然予想されるわけであります。その場合におきましては、最初に登録制度を実施するに当りまして、昨日も申しあげましたように、六ヵ月という猶予期間もございまするし、また将来基準を変更していきまする場合におきましても漸次不適格、不適合の企業というものも出てくることが予想されますので、それらの業者につきましてはいろいろその基準に合致するように誘導することはもちろんでございますけれども、転換その他の必要を生じました場合等におきましては、これに対する資金的な援助というようなことにつきましても、十分政府として手厚く助成をしていく考え方を持っております。
○勝澤委員 業界の意見を聞いて登録の基準を作るということなんですが、具体的に今通産省として考えられている基準というものがあるように私聞いているのですが、その基準の内容について一つ御説明願いたいと思います。
○小出政府委員 登録の基準の設定につきましては、ただいまもお答えいたしましたように、業界の実情を十分検討いたしまして、業界の現実の姿を前提としてきめるわけでございますので、あらかじめ行政官庁の方で原案を用意して、これを業界に押しつけるというようなことは一切いたさぬつもりであります。従いまして今日のところ基準につきましては何ら私どもの方といたしましては具体案を持っておりません。
○勝澤委員 そうしますとこの登録基準というのは、今日双眼鏡なりミシンを作っているどのような零細企業でもみな当てはまるものだ、こう理解してよろしいですか。
○小出政府委員 登録の基準につきましては今申しましたように、われわれの方におきましてはあらかじめ用意した案はございませんけれども、組合の方においてはある程度原案の試案というようなものをお作りになっておるようでございますが、いずれにいたしましても登録制度を最初に施行いたしますにつきましては、もちろん相当の猶予期間もございまするけれども、事実上既存の業界の方は拾い上げられるようになっているのじゃないか、かように考えております。
○勝澤委員 業界の意見という問題でありますが、業界自体がこの法案について相当反対がある、また各方面から出されている、こういう中で登録の基準を作ろうとすれば、勢いその中のある一部のものだけを中心とした登録の基準になる。反対をしている既存の業者というものは切り捨てられるということは明白なんです。こういう立場で考えてみると、なおさら私は、登録の基準を作ることによってある一部のものだけはこれで残っていく、こういうふうにならざるを得ないと思う。ですからやはり基本となるのは、この法律についての理解というものをもっと十分業界に広めて、業界の中から一人も反対がない、こういう立場でこの法律がみな喜ばれて実施をされていくということにならない限り、私は登録の基準の作り方というものは重大な問題だと思うのです。その点いかがですか。
○小出政府委員 登録の基準の作成につきましては、ただいまも申し上げましたように、工業組合等におきまして自主的に一つの試案等もできておるし、また将来具体的に設定せられます場合には、組合の方からむしろ原案を出していただいて作るわけでございます。そこで今御指摘になりました業界の内部においていろいろ反対があるのではないかという御意見でございまするが、組合の方を中心にいたしまして工業組合において一応原案を作るという態勢でございまするので、この工業組合の組織なり運営というものは、これは民主的に運営されるわけでございます。業界内部において十分議論を尽して、一部の特定の役員と申しますか、幹部だけで独断で案を作るというようなことはできない仕組みになっておると、私は了解をいたしておりますので、そこにおいて十分御審議のしで出してこられた案を尊弔いたしまして基準を作っていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○勝澤委員 今日の事態であれば、この法律がなければ、今営業されている、製品もできる、それが輸出に向いて生活をしている。それが基準を作ることによって、あるいは一部の反対があるかもしれないというような基準を作ることによって、その基準から漏れた人は生活の根拠を失うことになるわけです。それに使われている従業員もまた同じことなのです。こういう点を考えてみると、私はわざわざ基準を作るこのこと自体が、大へん生活の自由を奪うことになりはせぬか、こういうように思うのですが、その点どうですか。
○小出政府委員 最初に登録の基準を設定いたしまして登録制度をしくにつきましては、先ほども申しましたように、既存の業界の方がこれに適合しないために漸次整理されていくというようなことをねらいにしておるわけではございません。事実上既存の業界の方は登録基準に合致するように運営されていくと思います。従いましてただいまお話のように、直ちに転廃業を余儀なくされ、あるいは失業者が出るというようなことにならないように運営をしていきたいと考えております。 それから労賃の問題等にいたしましても、先ほど日本の労働力は安いということが国際競争力の一つの強味であるということを申し上げましたけれども、そのこと自体は決して望ましいことではございません。むしろこういった登録制度によりまして、品質を向上し、輸出を伸長することによりまして業界が立ち直るといたしますれば、自然その雇用者等に対しましても、漸次その給与が改善されていくというふうな結果を来たすのではないかというふうに考えるわけでございまして、そういったような雇用対策という点から申しましても、やはりこういった制度は必要ではないか、かように考える次第であります。
○勝澤委員 今の話の前段を聞いておりますと、事実上不適格者は出ない、こう言われておる。そうすると現在作っている者については不適格者が出てこないのだ、こういう理解でよろしいですか、もう一度お伺いいたします。
○小出政府委員 そういうふうに御了解いただいていいと思います。
○勝澤委員 そこでそれならば、登録の基準というものはとにかく既存の業者でそのままでいい、しかしやがては基準を高めていくことが品質の向上になる、こう言われた。そこでこの基準を高めていくことが品質の向上だというならば、当然設備を改善していかなければならない、あるいはまた高い技術者を入れていかなければならぬ。こういうことになるならば、その面について通産省として相当資金的な問題は考えられておると思う。そこでやはり具体的にこの品質を向上するために登録する——登録の手数料ばかりをとるのが目的じゃないようですから、やはりその登録をさせることによって品質の向上になるのだ、その裏づけというものは私は金だと思うのです。具体的にどういうふうに考えておられるのですか。
○小出政府委員 登録制度をしきまする最初におきましては、もちろんこれは既存業者を整理するということが目的ではございません。むしろ既存の業界を保護し、安定していくということが目的でございまするので、そういった意味におきまして、登録基準はいたずらに高い基準を作るというようなことではなくて、むしろ最低の基準から出発をするということでございますので、既存の業界につきましては、先ほどお話のような結果になろうかと思います。 そこで問題は、将来におきまして品質を向上するために漸次基準を高めていく、それも一挙に上げるのではなくて、業界の実情をにらみ合せながら逐次高めていくわけでございまするが、その際におきましてかりに一部におきましてその基準にまで合致しないというような実情が起りました場合には、そういった業界に対する措置といたしましては、まず第一に基準に合致するような線にまで持っていくような措置をとって、できるだけ指導をするということが第一点でございます。そのためにはたとえば設備を補強するために必要な設備資金のあっせんをできるだけやる。あるいは関係企業の間において企業の合同というようなことによって基準が得られるというような場合におきましては、そういうことを業界において望まれまするならば、その方向に指導していくというようなことをいたしたいと思っております。ただ既存業者の中で従来から下請だけを使っておるとか、あるいは他人に生産制限のワクを譲渡するというようなことだけで営業しているというような実態のものもないわけではありませんので、そういったものにつきましては、できるだけ合理的な生産体制に切りかえていくというふうに持っていきたいと考えます。
○勝澤委員 設備の問題につきましては大へん考えられているようでありますが、それは登録をさせなければそういうことをやらないということなんですか。登録ということをさせなくとも今言われたようなことは行政指導でできないものでしょうか。
○小出政府委員 もちろんただいま申しましたのは登録基準に適合しない企業が出てきた場合における措置でございますがもちろん従来から既存の制度を活用いたしまして、工業組合なりあるいは輸出組合それぞれにつきまして、金融面あるいは技術に関する補助というようなことは通産省におきまして従来からもやっておりまするし、将来もそういう方向におけるあっせんなり援助はいたしていきたい。ただ今問題になりました登録基準に合致しないという場合における措置といたしましては、特にその点につきましては、さらに設備資金のあっせん等について特に力を入れてごあっせん申し上げたい、こういうふうに考えております。
○勝澤委員 そうすると登録制度でなくて、あるいは登録の基準を設けなくとも現実には行政指導の面においていろいろと設備の改善や、そういうものについての資金については考えられる。そうするならば、わざわざここで登録をさせる必要もないじゃないだろうか。行政的な指導の面においてやはり品質の向上をはかる。あるいは輸出検査あるいはまたこれらについての検査試験上、いろいろそういう問題で考えられると思う。そうするとこの登録というものをながめてみると、新規業者を登録を停止させるために、新規業者の開店を抑えるために登録というものが生まれてきた、こういう理解にならざるを得ないわけですが、その点どうですか。
○小出政府委員 お話の通り設備資金のあっせんでありますとか、あるいは技術の指導でありますとか、検査というような既存の制度の活用によりましても、もちろん相当程度に品質の向上なりあるいは企業の生産体制を整備していくことはできるわけでございますけれども、先ほども繰り返して申し上げましたように、それだけでは今日の業界の実情なり、あるいは海外に対しまする輸出の伸張ということの限界を考えました場合におきまして、基本的なそれらの限界をさらに破りまして、輸出を一そう拡大していくための措置といたしましては不十分である、こういう意味におきまして新たに登録制度なり輸出振興事業協会の設立を意図しておる次第でございます。
○田中(武)委員 関連質問。ただいまの勝澤委員の質問に対する局長の答弁に関連いたしまして御質問いたします。先ほど来の御答弁を聞いておりますと、登録の基準は業界の意見を聞いてやる、勝澤君の質問に対してそうお答えになった。勝澤氏から業界の一部の意見にならないか、そうするならば反対しておる者ははずされていく危険性がある、こういう御質問があった。その後の局長の御答弁では、企業の合理化といいますか、合併といいますか、そういうようなことも行われるだろう、こういうふうに言われておる。これをすでに裏書きするような事実が大阪に起っておる。御存じでしょうか。大阪のミシン業界では千台というからおそらく年産だろうと思いますが、年産千台程度の弱小メーカーに対しましては、この法律が通るならばもうお前たちはやっていけないんだ。一人歩きはできないんだ。だからというようなことで合併吸収しようとする動きがすでに起っておる。こういうことを聞いているのですが、そういうような事実は聞いておられるかどうか。ミシン、双眼鏡の業者の中においても大小があると思う。やはり大が中小を食っていくということになろうと思うのです。今日双眼鏡業界においても意見が二つ対立しているということは、そういう面も考えられるのではないかと思うのです。この法律がなぜ必要か、こういう疑問の中の一つに、この法律によって中小企業の系列化が強化せられる、こういうような点をわれわれは一点重視しているわけなんです。そういうような点からも考えましてそれを裏書きするような大阪のこういり事態についてはどうお考えになっておるか。あるいはそういうことが事実行われておるとするならば、まだ法律が通っていないにかかわらず、この法律が通ればお前たちはもう一人歩きはできないんだ。だからおれの傘下に入れというようなことでやられているというようなことが事実であるとするなりば、もうこの法律が実施以前に何らかの意図を持って進められておる、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○小出政府委員 田中先生の今御指摘になられました点は、御心配はもっともな点だと思うのでありますが、ただいまおあげになりました大阪における天体的な動き等につきましては、そういううわさが一部に流れていることは間接に伺っておりますけれども、直接に私どもの方においてはそういう事案を承知いたしておりません。しかしそういうような事態になるということは、まことにこれは不合理な話でございましてこの法律の目的といたしますところは、先ほども申しましたように、製造業者の大部分が中小業者であるということが、この法律の一つの要件でございます。従いまして、もともとミシンなりあるいは双眼鏡というものが国際競争力を持っているという一番強みは、その生産体制がむしろ中小企業であるというところに強みがあるのではないかというふうに考えるのでございます。従いまして昨日も問題になりました大メーカーが漸次この分野に進出してくるというような事態が起るといたしますれば、そういう事態をむしろ阻止するためにこういった登録制度なり、既存業界の保護ということを考えたわけでございます。そういうような意味におきまして、むしろある意味においては既存の中小企業をほんとうに中小企業らしい国際競争力に強みを持ったものに育て上げていくということがこの法律の趣旨でございますので、かりに今御指摘になりましたような事態が発生しつつあるといたしますれば、これにつきましては十分私どもといたしましてもそういう事態にならないように調整し指導していきたい、かように考えます。
○田中(武)委員 今大阪に起っていることが事実かどうか知りませんが、そういうことは不合理であると局長はおっしゃっておる。これは法がまだ成立しない前にそういうような動きがあるということが不合理だ、こういうふうにお考えになっているのか。あるいはこれが通らないうちにやるから適当でない、通ってしまうと実際にそういうようなことになるのではないでしょうか。この基準いかんによって、あるいは運営いかんによって、もう一人歩きできないから、一緒になれと言えばきれいですが、実際は吸収してつぶしてい、こういうようなことが行われるのではないかと思いますが、もう一ぺんお伺いいたします。
○小出政府委員 この法律が施行されました以後におきましては、むしろ逆にこれによって中小企業らしい中小企業を育てていくことが主眼でございますので、登録基準等におきましても、たとえば大企業の規模でなければならないというような基準をすることは毛頭考えておりません。中小企業に最も適した登録基準ということで運営していきたいと思っております。従いまして、法律ができます以前にその法律の解釈をまげて、そういうふうに他の業界に働きかけるというような動きがあるといたしますれば、それは非常に不合理な事態であります。そういう事態を阻止することのために、むしろ逆にこういう登録制度等によりましてはっきりした企業体制を作っていきたい。従って企業の合同とか中小企業を漸次整理して大企業に持っていくというようなことは、全然この法律によってはねらいとしているものではございません。そういう趣旨で登録基準を運用していきたい、かように考えます。
○勝澤委員 私は先ほどからの登録制の質問について登録がどうしても必要だという理由については了解できないのでありますが、次の問題に進んで参りたいと思います。そのために輸出振興事業協会、こういうものを作られる。輸出振興事業協会というのは、一体何をするところかということでよく見てみますと、今日作られているジェトロで大部分解決される問題じゃないだろうか、あるいはまた既存の業界でやられている方法において十分じゃないだろうか、こういうように思うのであります。これを見て、何かこの輸出振興事業協会を作るために、わざわざミシンと双眼鏡をくっつけてきた、こういうようにどうしても理解するのでありますが、この輸出振興事業協会というのは一体何をするところが、御説明を承わりたい。
○小出政府委員 輸出振興事業協会というのは全く御指摘の通り新しい組織でございます。こういった新しい組織をなぜ新たに作らなければならないかということでございますが、それはこの法律の目的の一つの大きなねらいでございます輸出をさらに拡大していくということのためには、従来のような単に輸出業者の行います活動だけでは、海外に対する市場の調査、開拓という面に手が届かない面がございます。どうしてもやはり製造業者として、メーカーとして新たに相手の市場の最終需要の動向を把握していかなければならないということが必要になってくるわけでございます。そこで、そういったメーカーの段階におけるマーケッティング活動、市場開拓の活動ということが必要であるわけでありますが、それには既存の制度だけでは不十分でございまして、つまり従来から工業組合とか輸出組合というものもございますけれども、それらはどちらかと申しますれば出荷の統制とか、価格の制限とか、いわゆる調整活動の方に露点があるわけでございまして、そういう積極的な海外に対するマーケッティングということにつきましては手が届かないわけでございます。従いまして、そういったことを行いますために、新たに業界を打って一丸といたしました単一の協会を作りまして、ちょうどスイスにおきましてスイス型の時計につきまして時計商工会議所という単一の団体において行なっておりますのと同じように、この協会を設立しまして海外市場の調査とか、海外市場に対する正価の普及、あるいはPR、品質改善のための調査、試験研究というようなことを中心といたしまして、その協会が業界全体のメーカー自身の団体といたしまして運営をして参りたい、かように考えておるわけであります。
○勝澤委員 そうしますと、現在日本貿易振興会というものがたくさんの予算で活躍されておるのですが、これで不十分だからまたこれを作る、こういうことなん、ですか。
○小出政府委員 輸出振興事業協会の行いますマーケッティングの業務と既存のジェトロ、いわゆる日本貿易振興会との関係につきましては業務の委託をするという関係になっております。従いまして、この法律案の第四十六条第一三項によって協会のマーケッティング業務の実際の実施段階につきましては、このジェトロというものに委託をして行うのでございますが、協会自身といたしましては、そういったマーケッティング業務につきましての種々の計画の立案あるいは市場調査に関する計画の立案というようなものを、この協会において行いまして、それを現実に実施する現実の委託業務をこのジェトロに行わせるということで、その間両々相待って行うということでございまして、実際上の重複はない、かように考えます。
○勝澤委員 そうすると、ジュトロや輸出組合とも協力しあってやっていくのだ、それとこれもあわせてやるのだ。——何か今まで作られているもので十分じゃないだろうか。——ある相当の部分というのは委託をするのだ、こう言われる。ですからここでわざわざ輸出振興事業協会というものを作る理由が私にはますますわからない。従来あるものを強化していけばいいのであって、わざわざまた別のものを作る。そうすると、あらゆるこれからの産業の中で出てくるものについては、また同じようにこういう形で作られるのか。こういう関連から考えてわざわざ作らなければならぬ理由について、もう少し一つ詳細に御説明願いたい。
○小出政府委員 海外に対します市場の開拓、調査、いわゆるマーケッティングの業務につきましては、もちろん既存の輸出業者の団体である輸出組合とか、あるいは海外に対する対外的な機関としてのジェトロ、貿易振興会というようなものがあるわけでございますけれども、まず輸出業者の団体等につきましては、これはむしろ商社、つまり輸出商と相手方の輸入商というふうな関係におきまして、いわゆる輸出入取引の折衝の段階が中心でございまして実際のこちらの国内における生産者、それから向うの相手国におきますところの、輸入をしたあとの実際に製品を使います最終の需要者、言いかえますならば、最終のエンド・ユースというものに対する実際の需要者の把握というようなものにつきましては、これが不十分でございます。それから例の貿易振興会の活動もやはりそういった主として貿易面におけるところの活動が中心でございまして、これと肉内におけるところの生産者——実際の生産業者との連携ということにつきましては、貿易振興会ではそこまで手が届かない組織になっておりますので、やはり国内の生産業者の態勢を整えましてそれと貿易振興会というものとで連携をいたしまして、貿易振興会の方においては対外的な活動をやっていただく、こういうような方向に持っていくのが一番合理的なんではないかということで、こういう組織を作ったわけでございまして、その場合におきましてそういった国内の生産態勢を作るということにつきまして国内におきましては工業組合というような既存の組合がございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、主として調整活動に専念するということでございまして、マーケッティングというようなところに手を伸ばす余力がないというのが実情でございますので、業界全体が平等の立場において負担をいたしました区域を運営いたします輸出振興事業協会を設立する、こういうことにいたした次第でございます。
○勝澤委員 現行の輸出振興会社は今日国内の調整だけで、市場開拓、こういうものをやる力がない、こう言われている。だからそれを強化したら問題ない。新しい別のものを別段作らなくても、現行の輸出振興会社を強化することによって十分活用できるのではないだろうか、こう思うのでございます。わざわざここでこういう輸出振興事業協会というものを作る、このことがどうも、何か現在やっておるもの、あるいは業者自体がやっているものはいけないものであって、お役所が作ったものをやることが何かうまくいくのだ、こういうふうに考えられておる。基本的に、やはり仕事をする人たち、あるいは輸出をする人たち、こういう人たちが喜んで品物を出す、あるいは喜んでその品物がどこへも売れていく、こういうシステムにするのが必要であって、わざわざ法律を作って法律で縛って、その中で無理無体に規格を合せよう、ここに一つの問題点があるのじゃないだろうかと思うのです。そこで、なぜ現行にある輸出振興会社というものを余力がないと言われておるのか。こういう別のものを作るのだったら、これをもっと強化すれば十分足りると思うのですが、その点はいかがですか。
○小出政府委員 先ほど余力がないと申し上げましたのは、輸出振興会社の問題ではございませんで、工業組合というふうな調整活動をやっておりまする団体について申し上げたつもりだったのでございまするが、ただいま御指摘になりました輸出振興会社、これは双眼鏡におきましてもあるいはミシンにつき」ましてもあるわけでございますが、この輸出振興会社というのは、一手買い取りというふうな形において、弱小のメーカーとサッフライアーとの間の企業取引を遮断することによって、取引内容を健全化するということが目的で当初発足したのは、御承知の通りでございますけれども、その実態を見ますと、すでに御承知かと思うのでありまするが、いるいろ実は問題と申しまするか、いろいるな混乱を起しております。それはこの会社の組織の面につきまして、まず利害が相反しております。るところのメーカーとサッフライアーの代表によって構成されておりますので、この運営が非常にスムーズにいっていないという事態であることは、業界の内外においてひとしく認められておるところでございます。そういったメーカーとサッフライアー間のいろいろ利害の対立、あるいはメーカーの内部におきましてもいろいろ企業の規模によりまして利事の対立等がございまして非常に業務が不円滑になっており、運営がスムーズにいっていないというのが実態でございます。こういうふうな組織ではそういうふうなことがとうていスムーズにいかない。従いまして、今後におきましてこの輸出振興事業協会が、場合によっては一手買い取りというふうなところまでいき得るわけでありますが、やはり業界全体が平等の立場で負担金というものを徴収することによりまして組織される団体の方が、むしろ業界全体としては公平に運営ができるのではないかというふうに考えた次第でございまして、従って、ここに新たに協会を発足することができますれば、既存の振興会社はこれに対して発展的に解消する、こういうふうな段取りでいきたい、かように考えております。
○勝澤委員 そこでだいぶはっきりしてきたのですが、業界の通常がスムーズにいっていない、業界の運営がスムーズにいっていないから、法律を作ればそれがうまくいく、だから負担金を取るのだ、その金で運営をしていく、こういうことなんです。そこでまず考えられることは、これは局長に言ってもなんですけれども、何か今の政府というのは法律を作れば何でもおさまるというふうに理解されておる。それはやはり法律を作るのでなくて、社会の秩序を作っていく中で、法律なんというものはあってもなくても自然とそれが守られていくものだ。ですから、業界の意見がばらばらになっておる、反対もある。いや、通産省が調べたのは賛成が多かったから、こう言うが、しかし今日になってみると、ますます反対が出てきた。しかも、いや、それは一部だと言われておるが、一部でも反対があるということは認めなければならぬ。その反対があるところにもってきて今度は何をやるかといえば、登録をするのだ、登録の基準を作るのだ、その基準はどうかと突き詰めていけば、今の制度が全部当てはまる基準だ、こう言っておるのですけれども、徐々に基準を高めていく、高めていくためには金がいるから、金がないのは一緒になるかつぶれてしまえ、こういうことになる。そこでこの法案を見る場合に、ますます、この法案をどうしても早急に作らなければならぬという理由というものが見当らないように私は思うのです。やはりそのためには、せっかく通産省が通産省の行政としてやられているのですから、もう少し業者に喜ばれるようにやらなければならぬ。そうしてこれによってほんとうに品質の向上になるとは私は考えておりません。登録ができたから品質の向上ができるということはごまかしでしょう。これは業界を安定させ、て、登録をしてなるべくこういう業者は作らないということがねらいでしょうから、これは明らかに統制ですから、そういうふうに考えていけば、これは必然的にもっと十分業者の意見というものを聞き、そうして業者の意見というものが統一された形でこの法案というものが出てこなければ、この法案をせっかく作っても、それは権力による押しつけだけであってまた先ほども言われたように系列化の促進だけであって、輸出についての利益あるいは業者全体についての利益というものは何もないと私は思うのです。 こういう観点からもっと質問をいたしたいと思っておりますけれども、あまり質問をしても、どうも、すればするほどこの法律というものが必要でなくなるということになりますので、この辺で私は質問を終っておきます。
○長谷川委員長 松平忠久君。
○松平委員 まず最初にお伺いしたいのですが、今までミシンと双眼鏡が対象になっているわけだからそこをお聞きしたいのだが、この業界が、いわゆるアッセンブル・メーカーというか、そういうものによって日本の労働賃金が非常に安いということを一つの武器として非常に伸びてきた、こういう産業である。しかもやり方が非常に簡単にできてもうかるから過当競争が非常に激しい。それを今日の段階において何とかして品質を向上させて、もっと高いものにしていきたいということが一つのねらいである。それにはやたらと競争が出てこないような登録制度をしなくちゃならぬということから出発しておると思うのです。 そこでお伺いしたいのはこの組合、いろいろ組合がありますけれども、かりにこれを双眼鏡の方に例をとると、これは調整組合というものができたのはいつごろであって、それからその調整組合というもののメンバーは全部の部品というものを作っている人が参加しておる組合であるのかどうか、それから、その後中小企業団体組織法というものができてきてから、それがどういうふうに変化をしてきているかということ、その点が配られたこの資料を見ておっても、どうもわからないのだけれども、それをまず伺いたい。
○小出政府委員 双眼鏡に関しまして、ただいま松平先生が御指摘になりましたいろいろの組合、組織が過去において法律の変化等によりまして変ってきておりますが、その経過を申し上げますると、双眼鏡に関しましては、まず昭和二十九年の十一月に、当時の中小企業安定法の適用業種に指定されまして、十二月には直ちに日本輸出双眼鏡調整組合というのが設立されました。翌年の三十年の五月に、この組合が出荷数量に関する制限を開始いたしまして、翌年の三十一年の九月には、さらに出荷数量の制限だけでなくて、販売方法あるいは販売価格に関する制限も開始いたしました。その間に、先ほど問題になりました日本双眼鏡輸出振興株式会社というものを一手買取機関として設立したのでございます。そういたしまして、三十一年の十一月の十日に輸出向けの双眼鏡出荷制限規則、これは通産省令でございますが、これを中小企業安定法の第三十九条の二項によりまして施行いたしました。これによりましてアウトサイダーの出荷数量の制限もできるようになったのでございます。そういたしまして翌年の三十一年十二月七日に、輸出向け双眼鏡の販売方法等の制限に関する省令もやはり制定施行されました。これによってアウトサイダーの販売方法についても制限されることになったのであります。ことしに入りまして六月に、御承知の通り、中小企案安定法から中小企業団体法というふうに法律が切りかえられましたのに伴いまして日本輸出双眼鏡工業組合というふうに名称を改めたのでございます。そういたしまして前の安定法時代のアウトサイダーの命令、これを新しい法律である中小企業団体法の五十六条の規定によるアウトサイダー命令というものに切りかえたのでございます。なお先ほど御質問がございました組合の構成といたしましては、部品関係はこれに入っていないのでありまして、アッセンブルだけが入っておるということでございます。そういたしましてことしの八月に、先ほどの輸出振興会社、これの業務方法を改正しまして、これが実質的に一手買い取りの関係に置かれたのでございます。大体そういうような経過になっております。
○松平委員 そうすると現在の双眼鏡の組合活動あるいは事業活動というものは、中小企業団体組織法に基いたところの工業組合というものと、別個に、今度成立しておるところの一手買取会社というものの二つに大体大別されるということになりますか。それでその工業組合にはいわゆるアッセンブル・メーカーというものは全部加入しておるのかどうか、それはどうですか。
○小出政府委員 組合とアウトサイダーとの関係でございますが、大体企業の数が現在約二百十ばかりございますが、そのうち十軒ほどがアウトサ・イダーでございます。あとの二百が組合員ということです。
○松平委員 私の承知しているところでは、百九十一の組合員があるそうですが、そうしますと大体あなたの言うのと合っているという気がするのです。そうすると組合員百九十一名を持っておるところの工業組合というものが一番大きい組織であってそうしてそのほかには別に別個の組合というものは現在ではないわけですか。
○小出政府委員 こういう調整活動をやっております工業組合のほかに協同組合が五つあります。
○松平委員 そこで、その協同組合はこの工業組合の中へメンバーとして入っておりますか。
○小出政府委員 入っております。
○松平委員 それから今度新しい法律ができる場合において、協会というもののメンバーはすなわち工業組合のメンバーと全然同じだということに了解していいのですか。
○小出政府委員 今度できまする輸出振興事業協会は、従来の団体と組織が少し変っておりましていわゆるメンバーというのは実はないのであります。実際これを運用するにつきましては総代会というものを中心に運償いたしますが、その総代会を構成いたしますのは、選び出しますのは、既存の各組合の組合員の方から出てくる、こういうことになろうかと思います。
○松平委員 そうすると組合員というのは総代会の総代を選ぶという権限を付与される、こういうことになる。同時にこの人たちは工業組合のメンバーでもある。こういうふうに了解して差しつかえないわけですね。
○小出政府委員 正確に申しますれば工業組合のメンバーと申しまするよりは、今度登録制度ができました場合の登録業者の中から総代会を構成するということになりますから、事実上は大体大部分はそういうことになろうかと思います。
○松平委員 そこで、現在やっておる工業組合の機能はどういう機能を現在持っておりますか。どういう活動をしておりますか。
○小出政府委員 現在の中小企業団体法に基く工業組合の行う活動というものは、要するに、一口で申しますれば調整活動、いわゆる出荷数量の制限でありますとか、あるいは販売方法なり、販価格に関する制限というようなことをその機能として行なっておる次第であります。
○松平委員 そうすると、その工業組合は安定法時代の調整組合を、そのまま受け継いでやっておるというわけであって新しい中小企業団体組織法に基いたところの法の精神、すなわち調整事業とともに事業を行う、こういうものを新たに中小企業団体法の中では作ったのです。今まで調整組合ただ一点張りの安定法だけの精神ではいかぬのであって、新しいアイデアとして、これに事業活動をやらせるという方向にしていくのが、いわゆる商工組合の精神である、こういうふうにわれわれは理解して、あの法律を通したわけであるが、そうしますと、この双眼鏡の工業組合というものは、調整事業だけでもって事業をやってない、事業組合ではない、こういうわけですね。
○小出政府委員 主として調整活動を中心に行なっておるということでございまして、今お話のように中小企業団体法によりまして調整事業のほかに経済事業もできるわけでございます。現在経済事業もやっておりますが、それはある程度、年末に金融措置をやるというような程度の経済事業は、同時に行なっております。
○松平委員 次官にお伺いしたいのだけれども、中小企業組織法をわれわれが苦労して一年以上もかかって作ったというものは、いわゆる不況時における過当競争にどういうふうに対処するかということで作ったのであります。その根本精神は、中小企業をいかに組織化して大企業にも対抗して、工場を発展さしていかなければならぬかというのがねらいである。鮎川さんなどもそういう趣旨に賛成したわけですが、当時の状況としては、これが、そういう根本的な思想とは若干ずれたような関係になって成立したものであります。しかしわれわれはこの精神を生かして、あくまで現在の中小企業というものは、中小企業の憲法ともいうべき団体法、われわれはこれを団体組織法というふうに直したわけだが、この組織法に基いてやっていかなければならぬというのがわれわれの思想なのです。ということは、日本の中小企業全般として、もう少し民主的に活動さしていく必要があるのではないか。聞くとこるによると、この工業組合というものは、かなり内部がごたごたしておったそうであります。派閥抗争が非常にありまして、何々党であるかのごとく派閥抗争が激しくてある場合には理事長に反対派が出れば、今度はそれが次に落されるということで調整事業を五、六年の間やってきた、こういうふうにわれわれは聞いておるわけであります。そういうことでこれは頭が未熟なのだ。双眼鏡の人たちはまだ民主主義の運営になれていないのです。そこでこれをやはりもう少し育てていく必要があるのではないか、もう少し正常化していく必要があるのではないか。(笑声)これは笑いごとではない。日本の民主主義の行き方は、下手をすると民主主義というものは与えられたものであるから、われわれは努力しない、途中でもってそれを挫折させてしまう。ところが憲法にいっておるがごとく、日本の民主主義というものは、すべて日本の法律、最近できた法律は、民主主義をどうやってわれわれが努力していかなければならぬか。つまり何々しなければならぬとか、努力をしなければならないという法律体制というものが、今日の多くの法律の用語となって現われておるということは、お互いに民主主義を育てていくために、しばらくの間努力をしようじゃないか、こういう考えから出発しておると思うのです。従って双眼鏡の組合においても栄枯盛衰常なく、波瀾曲折を招いておるというようなことを、だんだんとなくしていくように指導していかなければならぬ、こういうふうに思うのです。ところが、今聞けば、調整組合というものが、今度は性格を変えて事業もできるような法律になって幾らか事業もやっておるわけであるけれども、こういうものに事業をもっとどんどんさせていって、その間において民主主義的な運営の訓練を双眼鏡の人たちにさせていく、そういうことをしばらくの問続けていくのが、日本の民主主義のあり方あるいは中小企業のあり方としてはそういう道がいいということで、中小企業団体組織法というものを作ったわけです。従って政府はこれにもう少し力を入れてやってこれにいろいろなことをやらしていく、いきなり官僚統制的な権力をもって、上から君たちはもう民主主義の資格はないから頭から権力でやるのだということでなくて、もう少し親心でもってそれを育ててやるという考えがなければならぬ。従ってその意味におきましては、むしろ既存のものをもっと育てていってその足りないところをいろいろな法律的な保護政策なり、不足のところを補っていくという補完的な法律体制というものを整えてやる、こういう行き方がいいのであって、いきなり彼らはどうも内部であまりごたごたするから厳罰をもって臨むような統制方式でぴしゃっとやっていくということは、少し民主主義の方向からいえば逆廃りというか、そういう印象を受けるわけですが、全般論でありますから一つ次官の御見解を承わりたいと思います。
○大島政府委員 一応ごもっとものように伺いますが、ただ従来調整組合で何とかやれるものだという考えのもとに調整組合というものが推進されたと思うのです。ところが実際やってみると調整組合は案外に能率が上らないのです。そこで皆さんとともに中小企業団体法による組合を組織しようじゃないかということで、できたと私は存じておるわけであります。ところがこれに対して、率直に言うと各組合とも調整組合があるのに、また中小企業団体法による組合を作ることは何か重複ではないかというようなことで、作ることを大部分が非常に逡巡しているのです。だから幾らもできておらぬのです。ですから私たちはその面においてはできる限りその中小企業団体法による組合をどんどん作って、運営の妙を行うべきである、そうすれば相当効果が上るのではないかと私は思うのです。今申すようにそのようなことであまり設立もしなければ、できたものでもなかなかうまく運営していないというのが業者の方の現実なんです。今度出す法律というのは、それはそれとして、貿易の面については先日できました貿易振興会、国内のメーカーその他の調整あるいはいろいろなPRというような問題に対して、今度作ろうという輸出事業協会であるというように区分されて私たちは研究しているわけなんでありますが、先ほど来重複するではないか、あるいは従来のジェトロを強化すればいいではないかというお説もごもっともだと思うのです。思うのですが、それよりもいま一段強化した方がなおまた業者の方にも国家的にもいいのじゃないかというような見解に立って立案されておるもの、かように考えておるわけであります。
○松平委員 大体根本的には私の趣旨に賛成のように私は受け取っておるわけでありますが、結論はもう少し強化しようという強化の仕方なんだと思うのです。もう少し強化をしていきたいということは現状に即して私もこれが必要だろうと思うのです。しかしながらどうもこの業界はがりがりが多くてまとまらぬとか、あるいはアウトサイダーのようなものもあるとか、もしくは新規にどんどんいろいろやってくるというようなことがありまして、そして混乱も若干そこにあるので、もっと強くやらなければならぬ、こういう考えは一応ごもっともでありますけれども、そこは強権的な程度によると思うのです。これは今お聞きすると、この組合は調整事業がおもであって経済事業はほとんどやっていない。しかもこれは四月に施行されたものでありますから、調整組合から新しい中小企業団体組織法に基くところの組合べの切りかえもごく最近行われたのではないか、こういうふうに思うのです。ですからもう少しこの工業組合というものを、経済活動ができるようなふうにしてやって、それでやっていこうというのが、この新しい、ことし施行された工業組合の精神なんだから、そういう御努力は私はすべきであると思います。今、次官のお話によりましても、調整組合のほかに新しい団体組織法に基いた組合の方へ切りかえた事業そのものもやらしていきたいというふうに当局は考えているけれども、どうもなかなかうまくいかぬということであったわけであります。なるほど従来五、六年間、安定法もありましたから、だんだんわかってきて、調整事業だけについては、ある程度成果が上っていると思うのですが、同時にまた経済事業を行わせることは時間が短かい。つまり、四月施行でありますから短かいために、その成果が上らぬけれども、これも調整事業の調整組合の安定法の経過をみると、やはり、五、六年はかかるのです。お互いに民主主義を育てていくという意味からいっても、組合活動をやらせる上においても、民主的な運営をさせていくという場合におきましては、五、六年間はわれわれは努力していかなければならぬというふうに思うのです。その努力をせずして、いきなりやや強い統制をしていくということは私はどうもおかしいのではないかという気がすると同時に、この法案を見ましても、たとえば今度新しくできる協会というものは組合の場合と違いまして、協会の役員はことごとく営利その他に関係をしない者ということが原則になっておるわけです。ところが、組合というものはそうではなくて、組合自体の営利活動、経済活動をしておる者が、その中の役員になっておるわけですから非常に違うわけです。片方は非常に民主的に運営される、しかし片方は事業に関係していない、営利を目的として事業をしていない者がメンバーになって全部押えていくというのでありますから、そこに民主主義という観点から立つと違ったことが出てきてしまう、こういうふうに思うのです。ですから、いきなりそういう工合にいわゆるお上の統制的な考え方ではなくて四月施行された中小企業団体組織法に基くところの工業組合に経済活動をどんどんやらして、そしてそれをもう少し育てていく。なおかつ業界が混乱に波乱を重ねておるとか、あるいはがりがりが多いというところは、あらためて降魔の利剣をひっさげて上からがちゃんとやるのも、手ではないかと私は思うのですけれども、その辺はどうですか。
○大島政府委員 それも一つの考え方だと思います。やはりおっしゃられるような要領で、てんから全部が悪いとは考えませんけれども、それはそれとして、また新しくそれ以上強化するようなものを——強化というと何か弾圧でもするように聞えますけれども、そういう意味ではなくてより以上——結局はこれは業者のためなんです。何といったって業者のためにその方がいいというような考え方から出ているわけでありまして、業者のためということは、結局は国のためなんですから、そういうような意味で、決して私はこの新しく設立しようというものがマイナスだというようには考えられないのです。私も中小企業に属する一人です、これは余談になりますが……。やはり今度作ったところの中小企業団体組織法によるこのものが、あなたがおっしゃるようにまだ未熟なんです。未熟だから思うように成果を発揮していないのです。だから発揮していないから、どうも思うようにいっていない。それが完全になるまで待ってもいいのじゃないかというのも、それは一つのお考えであるとは私も思います。けれどもそれはそれで育成すると同時に、また内面的にこのようなものを作ってより以上の成果をあげる、こういうように私としては考えておるわけですが、そのように御了承願いたいと思います。
○松平委員 確かに未熟なんですよ。未熟だからそれを育成するようにすればいいわけだ。育成するようにするには、むしろ今の買い取り機関というものもその中に入れてしまってそしてその中で経済活動もできるようにしてやる、こういうふうにしてそこべ政府がもう少し保護政策を加えてやるということでもっていくならば、両々相待って民主的な運営もだんだんできていって組合の人たちの民主化というものもだんだん行われていくと同時に、大企業に対する一つの防波堤となっていくというアイデアがそこに生まれてくるのではないか。未熟だから一方ではそれを育成するのだけれども、一方ではそれと対立したようなものを作ってやっていくということになると、業界は三本建になって、調整事業はこっちでやる、経済活動はこっちでやるという工合になりまして、ここはまた内輪割れが出てくるのではなかろうか、こういうふうに見ておるのであります。しかしその点については次官も大体私の説に賛同されたようなところもありますので次に移りたいと思います。 次にお伺いしたいのは、政府はミシン工業会に対して今日まで一体どういつた保護政策を加えたことがあるか、どういった助長政策を加えたことがあるか、私ども見ておりますと、開発銀行の資金は一銭もミシン工業会には出ておりません。ミシンの資質が悪いとか、あるいは技術がドイツのものと比べてどうも劣っている。それにはもう少し施設を増強してやらなければならぬということで、どこかにお話をして金融的な裏づけをしてやるとかそういう親心をもってやったことがあるかどうか。開発銀行の資金について、ミシンの場合は若干出ておりますが、双眼鏡の場合は全然出ていないが、これは一体皆さんの方で、何かそういう話を政府部内でしたことがあるかどうか、あるいはしたことすらないのかどうかということをまず伺っておきたい。
○小出政府委員 ミシンなり双眼鏡というふうな軽機械に対しまして、従来から政府としてどういうような助成と申しまするか、援助を与えてきたかというお尋ねでございますが、もちろんこれらの業界が中小企業が主であり、また輸出産業として重要な業種でございますので、われわれといたしましてはできるだけの各種の優遇措置を講じたいということで——もちろんそれは通産省だけではできない問題が大部分でございますので、必ずしもわれわれの意図通りには参っておりませんけれども、ある程度税制の面あるいは金融の面ないしは技術の向上というふうな面において優遇措置をいたして参ったのであります。 具体的に申しますと、まずミシンにつきましては、税制の面につきまして特別償却制度を適用いたしておることは御承知の通りであります。双眼鏡につきましても同様に光学レンズについては特別償却を適用しておる。それから物品税の関係につきましては、ミシンはございませんが双眼鏡につきましては、実はただいま問題にいたしまして、三〇%の物品税をゼロにするようにただいま交渉しております。その他税制面におきましては輸出所得控除の関係でありまするとか、あるいは高性能の外国機械を輸入する場合の輸入関税の免除の問題でありますとか、あるいは五割増し償却というようなものを適用するというようなことを税制面においてはミシン、双眼鏡類——これは他の軽機械、カメラとか時計等についても、やはり同じような措置をいたしておりますがやっております。 それから第二は金融面でございますが、金融面につきましては、ただいま御指摘になりました機械工業振興法によりまして、特定業種に指定されておりますミシンにつきましては、開発銀行の特別融資、特別金利の五分丑厘の安い金を融資するということをあっせんをいたしておりまして、ミシンにつきましては部品の二十五社を推薦いたしまして、現在約一億六百万円だけの貸付が決定しておりまして、一部はすでにその金が貸し付けられておる状況でございます。ただ御指摘の通り双眼鏡につきましては、実はそういった開発銀行の特別融資の対象としてまだ企業態勢が金融機関の側から見ました立場におきましては、やや不十分な点もございますので、これはむしろ逆に今後登録制度その他によりまして、だんだん企業の確立をはかっていくことによって、できるだけこの線に乗せていきたいと考えております。それから特別融資じゃなくて一般の融資、つまり開発銀行の——一般金融機関よりは金利は安いわけでございますが、特別融資でなく一般の融資につきましては、これは昭和二十六年以降やっておりまして、ミシンについては特定の費用にすでに五千万円ほどの貸付が推傭されております。 それから中小企業金融公庫の融資につきましては、できるだけこの設備基準に適合するような措置を、今回の法律がもし認められますれば、この法律に従いまして漸次そういった中小企業金融公庫の対象資金なり設備資金なりに合致するように持っていきたい。そういたしますれば融資の対象になり得るのではないか。ただ御承知のようにこういった設備資金の関係につきましては、こういう業種の特性から申しまして設備はあまりないわけでございますので、基準というものは非常にむずかしいわけでございますが、できるだけそういう方向に持っていきたいと考えております。 それから中小企業振興助成法に基きまして、国なりあるいは各府県から補助金が出ております。ミシンにつきましてはミシン・テーブルにつきまして十万円ないし二百万円という範囲でそういった補助金の貸付を行なっております。 そのほか商工組合中央金庫の融資につきましては、双眼鏡については先ほどの双眼鏡輸出振興株式会社に対しまして、運転資金として五億円を貸し付けることになっております。これはそういうワクが確保してあるという意味でございます。 それから最後に技術関係の措置でございますが、これにつきましては同じく中小企業輸出振興施策補助金という制度がございます。これは技術関係でございますので、テーマがやはり優秀でなければならぬわけでございますが、そういう優秀なテーマにつきましては、すでに数件の適用がありまして補助金が出ております。そのほか鉱工業技術研究補助金でありますとか、あるいは自転車関係の振興資金の補助金、これはミシンなり双眼鏡、いずれも開放研究所というものがございます。この開放研究所等に対しまして補助をいたしておる次第でございます。 なおついでに、これは従来からやって参りました措置でございますが、さらにつけ加えて申し上げますれば、今回の法律が通り、また予算をただいま大蔵省と折衝いたしておりますが、大蔵省へ提出いたしておる予算といたしましても、先ほどの輸出振興事業協会に対しまして、その行いまするマーケッティング事業に対する補助として二億三千万円を、要求いたしております。従いましてこれが認められますれば、この負担金という制度も事実上この政府の補助によってまかなえることになろうかと考えております。
○松平委員 若干そういう補助政策といいますか助成政策を講じてきていることは私も認めますけれども、一体日本の製品としてミシンの場合、あるいは双眼鏡の場合、どういうとこるが外国の製品と比べて劣っているのですか。どういうふうに品質を向上すればいいというお考えなんですか。
○小出政府委員 私は技術者じゃございませんので、具体的にどの部分をどういうふうに改良すればいいということにつきましては、私自身がお答えする能力を持っていないわけでございますが、おそらく現在の段階におきましては、品質の面につきましては、もちろん外国の製品に劣っておると申しますよりは、これは先ほども御質問がございましたように、日本の製品は世界各国にいろいろな面において最も優秀な国際競争力を持っているという点においては、これは申すまでもないのであります。しかしヨーロッパ、西ドイツその他いろいろな技術的にすぐれた諸外国等と今後競争し、さらに輸出を拡大していきますためには、やはり不断に品質の向上をはかっていかなければならぬ、もちろんそれがためには具体的にどういうところをどういうふうに改良すればいいかという問題につきましては、業界自身におきましても開放研究所等におきまして、いろいろ研究してきていただいておるわけであります。政府の方といたしましても、工業技術院等に技術補助金等を与えます場合において、専門の技術家の間において検討してできるだけの品質向上に対する措置をとっていきたい、こういうふうに考えております。
○松平委員 それはやはり局長は技術家でないからこまかいことはわからぬのは当りまえだけれども、しかしこういう法律を出してくる限りにおいては、一体ミシンはどういうところが外国と比べて劣っているかということ、双眼鏡はどこが悪いのだというようなことを知らなくて何ができますか。これは根本問題じゃないか。この根本問題がわからなくてこれを振興させようというのはおかしいと思う。ただ一方り方で過当競争だからといって、過当既争だけ抑えて、法律の中には技術の円上とかいろいろ書いてあるけれども、その具体的のことが全然通産省でつかめていないということでもって、これをどうやって向上するというのか、私はそれはおかしいと思う。あなたが技術家でないからわからぬというばらば、一つ技術家を連れてきて説明してもらいたい。
○小出政府委員 ただいまここに私以外に技術家がおりませんので、今直ちここで具体的にお答えすることはでさないかと思いますが、品質向上ということは、先ほど申しましたように、外国の製品に比べましてここが劣っておるからこれを改良するんだという、」ごもありましょうけれども、本来ならばほうっておいても相当輸出は出ようかと思います。思いますけれども、しかしこれにはやはり限度がございまして、従来からの本来の強みである国際競争力だけにたよっていくわけにはいかぬ、従いまして今後むしろ品質を漸次高めていく、こういうことがねらいでございまして現在の品質の粗悪ば点を改善していくという消極的な面よりは、むしろ今後高めていくというところに主眼があるわけでございます。
○松平委員 私はミシンはジューキ・・ミシンをかつて同僚諸君と見に行ったとがあるが、そのときに日本の工業ミシンというものは世界的になっておる。そしてパテントを海外からも買いに来ておる、こういう説明をいろいろ受けた。これはどこに原因があるかというと、ミシンがよくなったという原因は、技術者の中に数学に特にひいでた者があって、その数学によってびうの打ち方をきめて、その数学的な判断によって計算に基いてどこにびょうを打てばいいかということによって安定度を保ったということを言っておる、そこで日本の工業ミシンのごときは海外に殺到して出ておる、こういうことを私は聞いたことがある。双眼鏡なんかにおいてもそれと似たようなことがあるのじゃなかろうかと思う。外国と比べて悪いところを直すのではなくて、現在のままでも売れるけれども、もう少しこれをよくした方がいいと、こういうふうなことをおっしゃるけれども、しからば一体どういうところをもっとよくすればいいかということを、われわれつんぼさじきでもってだれも知らぬ。国会の審議においても全然そういう一番大事なところは知らぬで、めくらでおって、つんぼさじきで審議をしておるということははなはだどうもどうかと思う。そこで今ここにおるとこるの課長なりなんなりという者も全然そういうことは知らぬのか。どこをどう直していけばいいか。品質といってもばく然と品質というだけではわかりません。レンズがどうだとか、あるいは側がどうだとかいうことがあるでしょう。そういうところをもう少し実情を把握していただきたいが、知っている限りここでしゃべって下さい。
○小出政府委員 ただいま技術的な面についての品質向上の具体的な例を示せというお話でございますが、ここでお答えすることができないのはまことに申しわけないのでございますけれども、ただいまここに技術屋がおりませんので、あらためて後刻資料によりまして御提示申し上げたいと思います。
○松平委員 双眼鏡は世界で一番優秀なものを作っているのはドイツだと聞いておるけれども、ドルに直して、アメリカで売られているドイツの双眼鏡一台の値段と日本のものの値段とは、どのくらい開きがありますか。
○小出政府委員 いろいろな場合がございますが、西ドイツの製品につきましては、大体百ドル前後というのが普通のようでございます。これに対しまして、日本の製品は二十五ドル以下というふうな相当の開きがあるようでございます。
○松平委員 そこで四分の一くらいの値段であるけれども、品質から見て日本のものは四分の一なのか、それともドイツに比べて何%くらいの能力があるのか、お聞きしたい。
○小出政府委員 品質の点につきましてその差をパーセントで示すということは非常に困難であろうかと思いますけれども、先ほど申しましたように、日本の製品は品質的には現在諸外国のものに比べて特に劣っておるということはございませんで、西ドイツの製品に比べましてそう開きはない、かように考えております。
○松平委員 委員長に申し上げたいのだけれども、今議論を聞いてもわかるように、品質はパーセントでもってはかることはできないというけれども、今日科学の時代、検査機構の発達している時代においては品質はパーセントではかれると思う。ところが今の答えは全部勘でもって言っているだけで、こういうことはないだろうと思うとか、こうだろうと思うとかいうようなことになっております。私はこれは根本の問題だと思う。だから、これは今資料を出すと言われたけれども、一つ、正確な資料を出してもらいたい。委員長においてお取り計らいを願いたい。
○長谷川委員長 お答え申し上げます。 私は、現在の日本の双眼鏡がかくのごとく大きく飛躍したゆえんというものは、世界の技術の中で最もまさっているからである、こう今日考えております。しかしなお各国とも日本の双眼鏡に負けないで、より以上自国の輸出を向上させようとして現在競争をしております。ですから、その競争に負けないために日本の技術をより以上向上させていくために——漫然としていることはできないので、より以上技術を向上させなければならないというのが、おそらく通産省の考え方であろうと私は考えます。でありますから、そういうような点についても、もっとこまかにこれを出せといってみても、劣っている国がまさっている国と比較するならいいが、日本はまさっていると思うので、その資料を出せといっても、なかなか完全なものは出し得ないと考える。だから、現在の日本の技術に並行して各国とも技術の競争をしているこの際であるからこの日本の技術を低下させてはならない、より以上向上させなければならないという点に重点があると私は考えます。従って、この上にあなた方の方においてその資料がお出しになれるならば、まことにけっこうだから出してもらって参考にしたいと思います。
○松平委員 政務次官みたいな答弁をしてもらったが、それは一つ出してもらいたい。 そこで今のに関連してお尋ねしたいのですが、今あなたの説明によると、双眼鏡については、あの機械産業の臨時措置法でしたか、あれにないので開発銀行の金は出ていない、こういうお答えであったと思います。それからもう一つのその理由といたしましては、アッセンブル・メーカーであるとか、あるいはそれだけの企業対象になっておらないもの、こういうことであろうと思います。私もまさにそうだろうと思う。そこでお聞きしたいのは、今ちょっとあなたのあげた数字は間違いじゃないかと思う。商工中金が五億のワクをここへ設定したということを言われたけれども、そんな大きなワクを双眼鏡には設定しておるとは思えぬ。われわれの調べたところでは五千万円になっておるのだが、零が君の方は一つ多いんじゃないか。
○小出政府委員 先ほど申し上げました商工中金の五億円のワクというのは、双眼鏡輸出振興株式会社の運転資金、買取資金として五億円のワクを設定しておることは間違いございません。ただ五千万円というのは別にございまして、これは年末融資のワクであります。
○松平委員 その五億のワクの中で、現在実際に出ておる金は幾らであるかということ、それから別に五千万円のことで実際に出ておるのは幾らであるか、それをお聞きしたい。
○小出政府委員 双眼鏡輸出振興株式会社に対する五億円のワクにつきましては、ワクが今確保してあるだけで、現実にはまだ出ておりません。これはまだ買取資金としてそれだけの必要がないということであります。必要が生ずればそれだけのワクを出し得る、こういうことになっております。 それから、五千万円のことにつきましては、年末を控えましてのワクということで、現実には今のところ具体的な数字を持っておらないのであります。
○松平委員 それはワクはできたが出てないということは、これは業者がその金繰りに因ってないというのか。つまりワクはあるけれども、それだけの金は要らないんだということでもって借りないのか、もしくは商工中金がやかましいことを言って、そんなにやかましいならそんな金は借りないというのか、そこら辺はどうですか。
○小出政府委員 商工中金につきましては、従来から非常に商工中金の方から協力的にやっていただいておりまして商工中金の扱い方がどうというようなこと、あるいは手続上の問題で出ないということでなく、実際今のところ需要関係から申しまして、不需要期ということもございまして今おあげになりました前の方の理由によりまして出ていない、こういうことでございます。
○松平委員 今お聞きしたところによると、年末資金として五億のワクとか五千万円というお話であったけれども、需要期でないから借り手がないのだろうということだったけれども、それはちょっと矛属していませんか。需要期だから年末資金が必要だろうと思うのだが、どういうことですか。答弁が矛盾しておると思う。
○小出政府委員 先ほど申しました五億円というのは年末資金ではございませんで、輸出振興株式会社の買取資金の方でございます。それはむしろ需要期である関係から申しまして、事実上そういう資金が必要でない、こういうことでございます。 それから年末資金の方は時期的な関係からいたしまして、おそらくこれから具体的に出てくるかと思いますけれども、今のところまだ現実にはそうなっていないわけであります。
○松平委員 年末資金は大体十二月十日でどこの銀行でも締め切っておるわけであります。あなたはどういうことに基いてこれから出てくるというふうに御答弁になっておるのか、それを伺いたい。
○小出政府委員 今具体的に五千万円の中で、どれだけの貸付が行われたかという数字を実は持っていないのであります。もちろんそれは手続としては進められておると思いますけれども、具体的に現実の貸付額というものは、もし御要求がございますればさらに調査いたしまして、後刻資料でお答えいたしたいと思います。
○松平委員 調査の必要はありません。私が調べたところでは三千三百万円出ておる。そこですべて今お聞きの通りに私の方がよく知っておって、あなたの方が知らぬ。業界についてこういうばかな話はないと思うのだ。五億のことについても、一体五億という金はいつごろそういうものは必要なのか、一体需要期はいっといつです。私は知っておるのだから慎重に答えて下さい。
○小出政府委員 需要関係から申しますと、御承知でしょうけれどもクリスマスが一番最盛期です。従いましてそういう関係が今順調に行っておりますために、むしろ買取資金が要らない、こういう結果になっておると思います。従いましてそういうワクだけが用意してある、こういうふうな関係であります。
○松平委員 そうすると通産省全体の考え方は、税制の面、あるいは金融の面で、この業界をとにかく育てていきたい。将来ももっとこれをいわゆる国家の助成政策によって向上させていきたい、こういうことは私も了解しているのですが、今後その方針をむしろもっと積極化していこう、こういうつもりなんですか。
○小出政府委員 申すまでもなく、これはミシン、双眼鏡に限らず、中小企業なり輸出産業全般につきましては、そういう考え方で今後も積極的にできるだけの手は打っていきたい、かように考えております。
○松平委員 ミシン、双眼鏡に限らずと今おっしゃったけれども、私の問いはそうではなくてミシン、双眼鏡に限って他のものよりも、もっとやっていきたいというお考えであるかどうか、これを伺っておるわけです。
○小出政府委員 通産省の所管しております産業はたくさんございまして、いろいろ同じ軽機械という中にも、カメラとか時計というふうなものもございますわけでございますが、特に今回輸出振興という具体的趣旨で、特別な法律を用意した業界でございますので、できるだけミシン、双眼鏡には特に重点を置いて考えていきたい、かように考えております。
○松平委員 私はその答弁で非常に満足します。これは日本の産業というものの今後の行き方というものを見ると、雇用関係というものは非常に重大である。これを考えた場合にやはり精密工業、これに対して助成政策をとっていく、今は重化学工業重点であります。それもいいでしょう。しかし将来の日本のことを考えてみると、どうしてもこれは精密で、原料の安いものでもって労働の価値の高いものを作っていくというところに、政府はポイントを置いてそれに保護政策を加えていくのが、日本の産業の行き方であろう、こういうふうに私はかねてから主張しておるのであるから、今あなたの御答弁に私は満足するのでありますが、しからばお伺いしたいが、そういうふうに助成政策をとっておるということであるならば、この登録の基準というものはある程度高いところにきめて、そうしてそれで現在のものが合わないようなものがたくさんあるだろう。技術にしてもあるいは施設にしても合わないものがあるが、基準を少し高いところにきめてそうして合わないものをなるべく早くそこに合わせてやるというところに、ここに、ポイントを置かなければならぬと私は思う。そういうところに今あなたのおっしゃるところの今後の助成政策の方向を向けていかなければならぬ、こういうふうに思いますが、私の意見に対してどういうふうにお考えです。
○小出政府委員 登録制度をしきました場合に、登録の基準につきましては先般来お答えいたしておりますように、法律を施行します場合に一挙に非常に高い基準を設けますと、いろいろそれに非常な不適格な業者もたくさん出てくるわけでありまして、むしろ業界が混乱するということも考えられますので、さしあたりは必要にして十分な最低の基準のところから出発はいたしますけれども、漸次この基準は品質向上というところの趣旨から申しましても高めていく、しかしあまり高きに失するということも考えものだと思いますので、その辺は業界の実情と輸出の伸び方等とにらみ合せて逐次基準を改善をしていく、こういうふうな方向で行きたい、かように考えております。
○松平委員 産業のことを考えると、過当競争をやめさせていくという場合において、必要な措置をとる。しかしながらその措置の中において生きておるところのこの業界は、世界的にいってももっと品質その他を向上していかなければならぬ、そういうことであろうと思う。ですからどうしても助成政策をとりながら、一方において過当競争を防止していく、この二本建でいくべき政策であろうと思う。従ってなるほど極端に基準を上げるということは混乱を起しますからできませんけれども、逐次これを上げるというその考え方は私も賛成なんです。しかしその場合において一次的に混乱を防止するというようなこと、あるいは特に必要があると認めたときはというようなことで、一方的に政府の考え方だけでもって登録を停止するということを規定しているわけだけれども、私はこれはいわゆる官僚統制式な現われじゃないかと思うのです。ですから、むしろ基準を高くきめて、そしてその基準にはずれたものは、しかも現在その業種、業態を営んでおるというようなものは、ての基準になるべく早く年限を切ってハカ月なら六カ月、一年なら一年以内にその基準に達するように、政府でもって技術者の研修会を開くとか、あるいはまた施設に対して融資のあっせんをするとかいうようなことでそこに持っていく、こういうことにされることが私は一つの方法ではないかと思うりだが、その考え方に対しては当局はとういう見解を持っておりますか、それもあわせて伺いたい。
○小出政府委員 今、松平先生のお述べになりましたような行き方も一つの行き方ではあろうかと思うのでございますけれども、先ほども申しましたよりに、何分にも非常に零細企業が大部分でございまして、登録の基準を初めから高いところに置いて、そこにたとい数年間の猶予期間を置きましても、はかなかそこまで一挙に持っていくということは非常に困難であろうというかうに考えます。従いまして、先ほど申しましたような漸次ステップを踏みながらだんだん上の方に上っていく、こういうふうな関係で行きたい、かよりに考えております。 なお登録の停止につきましては、官庁の方で一方的にやるというようなお話でございますけれども、これは中小企業団体法の五十八条の命令発動の要件と同じ要件を具備している場合における停止措置の権限が与えられておるわりであります。従って具体的に中小企未安定審議会というものの議を経まして、その登録停止措置を発動する、こういう段取りになりますので、その辺は十分関係方面の意見を聞きながらやる、こういうことになろうかと思います。
○松平委員 ちょっとお伺いしたいのですが、登録制度を採用する場合におきまして、たとえば繊維産業設備臨時措置法に基いて織機の登録、その他をいたしました。登録制をしくという場合において一時的な都合でもって登録を一時中止するというような、かつてそういう立法措置がございましたか。これは許可、不許可の場合におきましても、一時的にこの産業は数年の間全然許可しないのだ、一体こういうような立法措置というものはございますか、先例を承わりたい。
○小出政府委員 先例としましては輸出水産業臨時措置法でございますか、それにそういうものの例が一つございます。
○松平委員 その輸出水産業というのは、サケカン、カニカンというような、ああいう魚介物の加工品の製品を作っておる会社に対してとった措置ですか。
○小出政府委員 カン詰なり冷凍関係の業界についてとられた措置であります。
○松平委員 いつその法律ができたか。
○小出政府委員 数年前だと思いますが、正確な年月日を覚えておりませんので、後ほどこれも資料によりましてお答えいたしたいと思います。
○松平委員 私はこれは異例な立法措置であろうと思うのです。登録制度というものは許可制度ではない。それを一方的な都合によって一時登録をやめてしまうということは、職業の自由ということからいいますと、よほどこれは問題になることではないかと思うのです。団体組織法の強制加入についてあれだけの議論が起ったことは、皆さんも御承知の通りであるが、憲法の規定に基く職業の自由というものを一時的に停止をするということは、これはどういう法律的根拠に基いてそういう立法措置が加えられていくのか。憲法の保障しておるところを例外規定としてやる場合には、公共の秩序であるとか、あるいは公益であるとかいうような場合について、立法の例外が認められているわけであって、それ以外の自由というものに対しての束縛というものはないはずである。しからばこれを一時的に停止するという自由の束縛をここに現わしてきたということは、法理論としてどういう根拠に基いておりますか。
○小出政府委員 登録制度というものをしき、場合によっては登録の停止も行うというような制度が結局憲法に保障されておる常業の自由を阻害するというような趣旨におきまして法律上の根拠が非常に疑わしいのではないか、こういうような御質問だと思うのでありますが、確かに憲法の第二十三条におきましてはすべて国民は職業選択の自由を有し、公共の福祉に重大な影響を及ぼす場合を除いてはこれを制限してはならないという条文はございます。これは結局具体的には登録制度というものは、ある意味におきましては常業の自由に対して一つの制限という結果を来たすということは、これは否定できないと思うのであります。従いましてその間の憲法上の問題等につきましては、十分われわれも検討を加えたのでございまするが、この法律の趣旨から見まして、この法律の本旨が御承知のように輸出の振興というところに基本があるわけでありまして、しかも輸出の振興ということは日本が自立していきまする上におきまして国策の基本であり、しかも最大の急務であるという現実があるわけであります。しかもその輸出振興という国策の一番大きな一端をになっておりまするのが、この軽機械という業界でありまして、従いまして粗悪品が輸出されるということになりますと、結局日本の輸出全体の成果を傷つけるということであります。それを防止すると同時に業界全体が安定し、共倒れにならないようにやっていこうというのが登録制度の趣旨でございまして、その意味におきましてはこの程度の制限はやむを得ないし、また憲法上も、その点につきましてはいろいろ先ほど申しました輸出水産業振興に関する法律は一つの例でございますけれども、その他いろいろ常業の制限を行なっておりまする、たとえば生命、人権の保護に関する必要から制限をしたり、あるいは一般の利用者を保護するために制限をしたり、あるいは治安関係、産業秩序の維持のために常業の制限をするというような立法例はたくさんございます。それから登録の停止というような問題につきましては、先般来お答えいたしておりまするように、中小企業団体法におきまして設備の新設制限命令の規定があるわけでありますが、それがいわば形を変えた中小企業団体法におきましては設備の制限命令というものは、事実上営業を停止する結果を来たすわけでございまするが、それが設備というものが中核体でない業界におきましては、それにかわるものとして登録の停止ということで、しかもそれは一時的に業界の秩序が回復するまでの臨時的な措置として行うということでございましてこれはそういった一つの特殊な措置という意味におきまして憲法上の見解におきましてもこれは有効である、こういう趣旨の法律的な検討を終えまして提案申し上げた次第でございます。
○松平委員 これは議論が分れるところであろうと思うのです。国策のために憲法を曲げちゃいかぬ。国策も憲法の範囲内においてやらなくちゃならぬということなんです。ですから、国策国策ということでもって、憲法の精神を曲げるような措置がなされてはならないわけだ。そのことは小出君もよく御承知だろうと思うのですが、私どもの考えにおきましては、今の憲法第二十二条のところに該当するかどうかということは、私は非常に疑問に思う。むしろそれを逸脱しているのではないか、こういうふうに思います。 それから先ほどあなたが言われたところの団体法の中の制限命令、これとも違ったところがある。こっちの方は一般的にもう新しいものを極力停止する、こういうわけで、総括的にかつ一般的に常業停止、従業停止ということになるわけだ。そこでこの点が私どもの見解は対立をしております。しかしこれは議論をしておったところでなかなからちがあかぬというふうに思いますので、私はこれで議論をやめますけれども、時間も非常に経過したので、もう一度お伺いして一応私の質問を終って、あと逐条その他については次の機会に譲りたいと思うのですが、最後にお伺いしたい点は、これは重複するようでありますけれども、過当競争の防止ということをわれわれはいかぬというわけではありません。ただその防止の仕方についてやはり民主的なルールに従ってやっていくということをわれわれはあくまでも守っていかなければならぬ、こういうふうに思うのです。ところがこれがそうではなくて、民三主義的な行き方というものの経験を経ずして、いきなり違った方式でやっていかなければならぬという根拠は、どうしても私には納得できない。そこでお伺いしたいのは、工業組合というようなものに、かりにそういう機能を持たせる。言いかえるならば、今の一手買取会社というようなものをすぐ協会にして、それを官僚統制にするのではなくて、工業組合の中にそれを入れて、そうしてその工業組合の中の輸出振興部であるとか、あるいは調整部であるとかいろいろやりまして、そうしてその中でもって民主的に運営をしていく。ところがいわゆる利害の対立の関係があるからうまくいかぬということも、過去の経験から徴して出てくるでありましょう。しからばそのときに、専務なら専務というものは、全然利害関係のないりっぱな人を送って、それを運激していくというようなことでもってこの民主主義のあり方というものを理解させながらいくというようなことにしても、これはできるんではないか、こういうふうに私は思うわけだけれども、そういうものを経ずして、一ぺんにすぐにやってしまうというその根拠、それはどういうところにあるわけですか。
○小出政府委員 先ほど来御意見を阻わっておりますように、既存の工業組合というような制度、これが民主的た運営になれるまでには、もうちょっと時間がかかるかもしれないけれども、そういう未熟な段階を相当の経験を結んで、これを成長させた上で、その組合にこういった機能を持たせるという行き方の方が、民主的ではないかという御意見もごもっともだと思うのでございまするが、先ほど政務次官からもお答えがありましたように、この工業組合が調整活動の面だけをとらえますると、これは実は相当の長い経験を経ておるわけでありまして、しからば経済事業の面はどうかということになりますると、これはもちろん中小企業団体法の成立以後の問題でございまするので、まだ経済事業らしい経済事業もやっていない。しからば今度の輸出振興事業協会というものの行いまする事業は、経済事業の一種ではございますけれども、しかしこれはきわめて限られた海外に対する広報宣伝という特殊な面を担当するものでございまして、工業組合の一般の金融事業というふうな経済事業とはおのずから性質も違うし、機能も違うという考え方に立っておるわけでございます。しかも現実の問題として見ました場合におきましても、もちろんそれは業界全体が非常に民主的な運営に翌熟し、アウトサイダーもなく、業界内部においてもほとんど利害の対立もないというような状態でありますれば、また格別でございますけれども、先ほど双眼鏡輸出振興株式会社の運営の例から申しましても、どうしてもそういった点に習熟するということも非常に早急には期待でき場ない。しかも一方現実の事態というものは、相当急を要するような事態になっておるということでございます。しかも輸出振興事業協会の運営が、非常に官僚統制的であるというような印象をあるいはお持ちかとも思いますけれども、輸出振興事業協会、運営につきましては、総代会という業界の実情なり総意を反映し得る組織を中心にして運営されますし、事実上それを執行する執行面の役員につきましては、御承知のように、この法律の建前が全体から負担金を取り相当多額の金が集積される。そういうものを運営していきます場合におきましては、むしろ直接業界人自身がこれをやるということよりは、むしろそういった面に知識経験の豊富な人が、公平の立場においてこれを行なうことが必要であろうという意味で、こういうような組織を作ったわけでございます。従いまして工業組合というものが非常に合理的に発展し、その本来の目的の通りに民主的に成長したということで、今後問題なくスムーズに運営されるという段階になりますれば——なるということが近い将来において非常に可能性があるということが、現実に見通し得ます場合におきましては、また考え方も違おうかと思いますけれども、現実の事態がそうなるということは、ほとんど現在の状態から判断いたしますれば期待できない。しかも一方において、この考え方といたしまして、工業組合の機能と輸出振興事業協会の機能とは、全然別個の機能を持っておるという意味におきまして、そういう組織を別に考える。しかも業界全体が、負担金という点につきとましては非常に少額でありますが、むしろこういうような負担の仕方ならば、かえって業界全体としても非常に納得してまとまっていくという態勢ができたというふうに考えられますので、一応このように提案したような次第であります。
○松平委員 もう一点伺いたいのは、この協会というものができれば、その事務費なりあるいは一手買取融資のワクのあっせんなりというようなこの機関を育てていくための保護措置というものは、政府でどういう措置を講ぜられるつもりなんですか。
○小出政府委員 輸出振興事業協会が今後事業をいたしていきますにつきまして、政府としては、もちろんいろいろな面で助成措置を講じていきたいと思っております。これにつきましては、先ほどもお答えいたしましたように、すでにただいま大蔵省と折衝いたしております三十四年度の予算内容におきましても、その輸出振興費の補助といたしまして約二億三千万円の振興費の補助ということを予定いたしておりまして、これによりまして、一方負担金の面と合せまして相当の事業の運営ができるというように考えておる次第であります。
○松平委員 今未熟であるから、未熟のものを待っておれないから、別個のものを作るのだとおっしゃっておったが、この未熟のものというのは、未熱であるかどうかというのは、まだやってないから想像であって、今までの調整組合の過程においてはなるほどごたごたがあって未熟だった。だから今後事業活動をする上においてもおそらく未熟であろう、こういう仮定に基いて新しい機構を作っていくというわけだ。そういう場合において、やっていくものは総代会なり何なりいろいろな民主的なカモフラージュのようなものはありますけれども、そういうものは別にいたしまして、かりに輸出振興部というものが工業組合の中にできて、それが今までの一手買取機関のものと、これからやろうとするものと同じような仕事をどんどんやっていく、どうせ業界のメンバーも同じなんだから、そうしてやっていくということになった場合には、政府の予定しておるところの二億何千万円という助成金というものはやらないというお考えなんですか。そうでなくて、それは別個で、どんどん業界のためにやるのだというお考えですか。
○小出政府委員 輸出振興事業協会と工業組合の関係につきましては、考え方の問題と現実の問題と二つあるというふうに申し上げたわけでございますが、現実の問題として、工業組合の運営が未熟であるから、これにかわるものとして輸出振興事業協会を考えたということでなくて、考え方自体としまして、輸出振興事業協会というものの持っております機能、組織と、工業組合の行いまする本来の使命というものとは、おのずから違うという趣旨において考え、同時に工業組合の現実の事態というものもあわせて考えると、こういうふうな組織も必要ではないか、こういうふうに申し上げたつもりであったのでございますが、輸出振興事業協会は、御承知のように、全体から漏れなく登録業者からは、負担金というものによりまして、全体としてそれが輸出振興という利益を享受すると申しますか、それがはね返ってくる、こういう建前でございます。従いまして工業組合は、制度的にも事実上もアウトサイダーというものがあり得るわけでございます。また今後もアウトサイダーというものはふえてくる、新規開業者もふえてくるという情勢にありますので、従いまして、制度的に申しましても、やはり振興事業協会というもので運営をせざるを得ないということでございます。その関係の補助金等の予算を要求しておる、こういうことでございます。
○松平委員 これで終りますけれども、今の工業組合にアウトサイダーが出てきたり、あるいは新規に出てくるものがある、これはあり得るでしょう。しかしこれは五十八条なり何なりで規制命令ができるし、強制加入の規定もあるということでありますから、今までの法律に基いてやろうと思えばできることである。そこで私が特に申し上げたいのは、こういうものをこしらえなければ政府は保護政策を加えないのだというふうなまま親的な考え方をもって臨まれるということであると、これは因った問題になる。今御承知のように業界はかなり割れております。割れておるから、これを一体にやっていくというためには、少し時間をかけていかなければならぬじゃないかという気がいたしておるのであります。従ってその場合におきまして、あるいは妥協するかというようなことにならぬとも限らぬ、そういう場合において政府が今まで考えておったところとは違った方向になるかもしれぬ。しかし違った方向になっても、なおかつ政府の輸出振興に対する考え方なりもろもろの助成政策というのは、やはり業界発展のためにやってやらなければならぬ。これは先ほど次官も申されたが、業者のための向上、過当競争防止のための考え方に立脚しておるということは、私もわかるわけであって、そのやり方について若干の異論があり、組合が割れておるということでありますから、今申しました助成政策というのは、これはどういうふうなことになるにしろ、政府の考えはやはりこの助成政策を続けていくという考えを堅持されていかれる必要があるのではないか、こういうふうに思います。これは御答弁を要求しませんが、以上申しあげまして一応私の質問を打ち切ります。細目の逐条等は後刻に譲りたいと思います。
○長谷川委員長 本日は、これにて散会いたします。 次会は明日午前九時四十分より理事会、午前十時より委員会を開会いたします。 午後一時五分散会