議院運営委員会 第20号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/06
会議録
○江崎委員長 これより会議を開きます。 まず、本会議において趣旨説明を聴取する議案についてでありますが、日本社会党から申し出のありました、農地被買収者問題調査会設置法案につきましては、前回の委員会において留保になっておりましたが、本案の取扱いをいかがいたしますか、御協議を願います。
○荒舩委員 この問題は、社会党さんから趣旨説明を聴取するということでお話がございましたが、その後いろいろの都合でおくれておりますので、本日、本会議にかけることにいたしたいと思います。なお、参議院の予算総会のまっ最中でございますので、この問題について、総理に対する質問があるようでございますが、総理でなく、ぜひ他の大臣にかわってもらうということにお願いしたいのですが、どうですか。
○山本(幸)委員 これは重要な問題ですから、総理の出席がなければやれぬのです。従って、今お説のように、参議院で予算総会を開いておりますから、本会議を開会している間に総理の御出席を願えればやります、出席が願えなければやらない、こういうことで一つお願いいたします。
○荒舩委員 それでは、一番あと回しにして、出られるか、出られないか、結果を見るということで、議場内交渉でお願いをいたします。
○江崎委員長 それでは、農地被買収者問題調査会設置法案は、本日の本会議において趣旨説明を行うこととし、参議院の予算審議の関係もありますので、その上程は議場内交渉で決することとするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 この案の趣旨説明は、松野総理府総務長官が行うことになっております。 なお、右の趣旨説明に対しまして、自由民主党の綱島正興君及び日本社会党の高田富之君から質疑の申し出がありますが、この時間等についていかがいたしますか、御協議を願います。
○荒舩委員 前例通りでいかがですか。
○江崎委員長 それでは、質疑はこれを許可することとし、その発言時間は、前例通り、大体おのおの十五分程度とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、綱島君の要求大臣は、総理大臣及び農林大臣であります。また、高田君の要求大臣は、総理大臣、農林大臣、総理府総務長官、厚生大臣及び建設大臣であります。 —————————————
○江崎委員長 次に、非核武装決議案の提出及び国際労働条約第八十七号批准に関する決議案等に関する問題についてでありますが、この際、岸内閣総理大臣が御出席になっておりますので、発言を許します。山本君。
○山本(幸)委員 総理にお尋ね申し上げたいのですが、実は、お尋ねしようとする問題は、非核武装宣言決議案に関してであります。これは御承知のように、過ぐる予算委員会で、わが党の勝間田君及び佐々木君または小平君から、それぞれ総理に対して質問をいたしたわけです。その結果、総理の答弁がございまして、総理の答弁は、おおむね質問者の質問の意向と同一だと私どもは解釈いたしておるわけです。しかしてその総理の答弁を中心にいたしまして、両党間でこれが決議案の話し合いをいたしたわけです。言うまでもなく、決議案の取り扱いについては、議運の従来からの慣習といたしまして、この種のものは、満場一致いわゆる両党の一致によって行うという慣習があるわけです。ところが、たまたま両党間で決議案提出についての話し合いをいたしたところが、その決議案の内容について、両党間の意見の一致を見ずに、その結果、最終的には、しからば両党がそれぞれ独自の決議案を手続することに努力をしよう、そういうことで本議院運営委員会に扱い方の一任をなされたわけです。そこで私は、今申し上げたように、従来の慣習からいけば、両党がそれぞれ独自の立場に立って決議案上程の手続をするということは、あまり好ましいことではないと考えているわけです。従って、できるならば、われわれとしては、両党間でさらに話し合いをいたしまして、——もちろん話し合いの窓口は議運に移っておりますから、われわれ議運の委員として話し合いをして、一本にしてこれを上程いたしたい、こう考えておりますけれども、一本にするについては、やはり従来の両党間の食い違いをどこかで統一しなければならぬわけです。そこで私は、この際冒頭に総理にお尋ねしたいことは、あなたは、一体こういうものがそれぞれ両党独自の立場で上程の手続をすることがいいと思うか悪いと思うか、それとも一本にまとめてやるような従来の慣習がいいと思うか悪いと思うか、その点について、まず御意見を伺いたいと思います。
○岸国務大臣 私、実は国会の運営、議案の取扱い等の先例等については、十分承知をいたしておりませんが、しかし、今山本委員の御質問にもありましたように、この種のものは、両党別々の決議案でなくして、一本に適当にまとめて出すという従来の慣行は、私は望ましい慣行であろう、かように思います。
○山本(幸)委員 それでは、総理も私どもと大体同じような御意見だと拝聴したわけですが、率直に私は申し上げます。ただいま参議院で予算委員会が開かれておりますから、予算委員会になるべく妨害にならぬように端的にお尋ねいたしますが、私どもは、今総理が御答弁なすったように、一本の形で決議案を出すことを好ましいと思っておりますから、従って、当委員会でこれからいろいろ話し合いを続けたいと思っているわけです。そこで私は、ちょっと速記を拝見してみたのですけれども、速記の中でその必要な個所だけを申し上げてみますと、勝間田君は、「非核武装宣言を日本の自主的立場において早期に行うべきである。これはアジア外交に及ぼす平和的な貢献と考えるがどうか。」これに対して総理は、「そのことは私自身が責任を持って、国会を通じて明確にこの点はすでに言い切っておる。」さらに勝間田君は、「それなら国会において核非武装の宣言を決議することにあなたは支持、協力することができるか。」これに対してあなたは、「私自身は、今申し上げた通り、そういう内容を持ったことが決議されることについては、全然私は同意であります。」さらに佐々木君の質問に対しましては、総理は、「私は国会を通じて、日本の自衛隊を核武装しない、また、日本に核兵器を持ち込み、これによって日本の防衛ということはしないという意味のことをしばしば明言しております。この明言は、国会内だけでなく、国会を通じて国民はもとより、国際的にも私の責任ある言明である。」こうお答えになって、続いてさらに岸さんは、「私は現在まで一切の核武装をしないという考えを言っているのであります」。これに対して佐々木君が一つ突っ込んでおります。それは、「そうすれば、自衛のためでありますとか、あるいは小型のものであるとか、また、そういうものに限らず、一切の核兵器の保有並びに持ち込む意思はない、また、持ち込むことを許さないというように解釈してよろしいのか。」この質問に対しまして、総理は「私の言明は、そういう意味であります。」こういう答弁をなさってみえるのです。この答弁に基いて、わが党は、先般来与党に対しまして、核非武装の決議案の案文を作成して話し合いをいたしたわけですが、しかるところ、与党の出しました決議案の案文は、要約して申し上げますならば、将来永久不変に核兵器が持てないというような意味にとれることについては同意しかねる、こういう内容の案文でございますので、そういたしますと、わが党は決して総理の答弁を逸脱した決議案の案文を作ろうという意思はございませんが、結果においては、与党はあなたの答弁を無視したところの、答弁と違った決議案を作ろうというので、わが党と話し合いが決裂をしたわけです。従って、そのことは、与党があなたに対して弾劾をしたと私は思うのです。そこで、私は岸さんにお尋ねしたいのですが、私どもは無理なことは申しませんが、今読み上げましたところの、予算委員会における速記に出た総理の答弁並びに態度、方針、そういうものそのままの決議案なら、あなたは与党をまとめて、議運で一本で出せるような手続が運べることに努力をしてもらえるかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。
○岸国務大臣 今答弁を速記録についてお読み上げになりましたが、なお、私は前提として、国会の議決の問題については国会としてお扱いになることであるということを申し上げております。これは行政府が国会に、どういう議決をしろとか、あるいはどういう議決はいかぬとかいう態度に出るべきものではなくして、国会が独自の立場でおやりになることが当然だと思います。そこで、国会がやるにつきましては、二大政党でありますから、両党で話をするということになると思います。私は、私の内閣の行政方針として、今申し上げました通りの信念に基いて行政をいたしておりまして、現在日本の自衛隊は核武装をいたしておりませんし、また外国から持ち込まれておりません。そのことに対して、党内において、そういう政策は間違っているといって、私の政策に対して非難なりあるいは不信任を表明されてはおりません。ただ、国会が重大な決議をなさる場合において、そういうものの決議の意義なり、あるいは従来国会として同種の問題について決議をされてきているものとの関係もございまして、国会としてどういう決議の形において扱うかということにつきましては、私は、党のそれぞれの機関なり、それぞれの関係の方面におきまして、十分に研究をしてもらって結論を出すように、従来指導をいたしておるわけであります。従いまして、今日私が行政の首班として何していることを、国会の議決として同様に国会が決議すべきものであるとして、私が直ちに党をまとめるということは、今申しましたようなことの経過から申しまして、困難であろうと思います。
○山本(幸)委員 岸総理の答弁はきわめて明確です。私は、立法府の責任と行政府、いわゆる執行府の責任とは、おのずから別であることは十分理解しております。しかも、それが大原則であることも、十分私は承知しております。ただ、私がここで岸さんに一つ混同していただきたくないことは、非核武装の問題とか、これらの問題については、これは行政府だから、執行府だからといって、機械的に区別すべき性質のものではないと思うのです。なぜかと申しますと、この種の問題の本質は政策問題です。政策問題として、しかも、政治問題として、岸さんが予算委員会で、これらの決議案については支持、協力を与うる、あるいはいかなる核兵器といえども、持ち込みを許さない、また、持ち込ませない、こういうことを明確に答弁で同意なさっていらっしゃるわけです。そうだとするならば、私は、一般的な原則をこういう問題に当てはめてあなたが御答弁なさることについては、納得しかねるのです。私は、むしろ、こういう政治論議、政策論議については、一般的な行政府の執行問題とはおのずから性質が異なっている、こう解釈しております。従って、そういうときには、当然政党内閣、いわゆる議院内閣制という基本線に立って、総理の答弁はおのずから総裁の答弁なりと私どもは理解をいたしております。少くとも、総理がそのような答弁をなさるときには、事前に党側と話し合いの上で答弁なさっていると私どもは理解いたしております。従って、私は、あなたがそういう政党内閣制の立場に立って、御答弁なさっていらっしゃると理解をしておりますがゆえに、当然、これにあなたが同意をした限りにおいては、総裁として党をまとめて——しかも、そのまとめ方に私どもは無理を申し上げているのではない。あなたの答弁したそのままを決議案に織り込むんだが、それでまとめてくれ、こう申し上げているのですが、この点はいかがですか。
○岸国務大臣 先ほど来お答え申し上げておりますように、また、私が核武装をしないということを言明いたしましたのは、今回が初めてではございませんで、私が内閣を組織して以来、機会あるごとにこれは申してきております。しかして、その私のとっている政策自体に対して、私の率いている自由民主党が反対であり、そういう政策はいかぬといって、私が今日まで非難されたこともございませんし、反対されたこともございません。ただ問題は、あくまでも権威ある国会の決議としてこれを取り上げるという場合におきましては、私はやはり行政府が責任を持って言っている現実の政策というものを、国会が、総理が言明したことはすべてこれをことごとく国会の決議にするという問題ではなかろうと思います。国会の決議というものは、さらに権威ある形において、いろいろな点における意義を持つものでありますから、そういうものについて、政党におきまして十分に論議を尽し、また、従来この種の問題を取り扱った経過等も十分考えて、そこに国会としてある種の統一した考え方をまとめるということが、国会運営の上からいいましても、党の運営の上におきましても、当然考えられなければならぬ問題であろう、こう思っております。そこに、内閣の行政方針と国会の決議というものの意義の相違があるんだと、私はかように考えております。
○山本(幸)委員 私はちょっと理解に苦しむのですが、もちろん、あなたが行政府の責任者として、立法府とはおのずから責任が違うんだから、自分はそういう言明はしたけれども、権威ある決議については、それぞれ国会でやってもらいたいと言う趣旨はわかるのです。わかるが、私が今申し上げたように、現在の内閣は、議院内閣制です、政党内閣制です。政党が責任を持って内閣を構成しているわけです。それが、きわめて簡単な、あるいは国会で決定されたものの行政の執行ならいざ知らず、その前の問題を議論しておるわけです。しかも、先ほど申し上げたように、これは政治的な問題として扱われ、しかも、日本の大きな政策上の論議として扱われた問題でありますので、私は、当然政党内閣の原則論に立って、あなたは総裁としてそれをまとめる責任があると思うのです。私は、あなたは総理として発言したけれども、総裁としてはまとめることができぬというような、そういうばかなことは通らぬと思う。当然総裁としてまとめる責任があると思う。
○岸国務大臣 先ほどからお答え申し上げておるように、私がこの方針を宣明いたしておりますのは、すでに内閣成立以来ずっと続けてきておるのであります。しかして、昨年の四月、この権威ある国会において、この問題を取り扱っての決議が行われておるのであります。私が申している政策の精神においては、私は違わないと思いますが、表現においては違っております。そういうものが、権威ある国会の決議としてすでに満場一致、昨年——それもそう遠いなにじゃありません、昨年の四月かと思いますが、通っております。その前から、私は、それではその決議のようなことを申しておったかというと、そうじゃなしに、今と同じことを申している。従って、それから見ましても、行政庁の行政方針というものと、国会がその問題をどういうふうに決議なさるかということは、おのずから違うものが出ていることは、従来の例から申してもそうであり、私は別に非常な異を立てる考えで申しているわけではございませんから、御了承願いたい。
○山本(幸)委員 それは、岸さんのおっしゃるように、行政府が申されたことと、国会の意思とがあるいは違うこともございましょう。それは認めます。しかし、私は少くとも、日本が核武装をするとかせぬとか、あるいは核兵器を持ち込むとか持ち込まぬとか、こういう重大な問題について、行政府の責任者であり、党の総裁であるあなたが言明をせられたことを、それは行政府と党とは違うんだ、立法府とは違うんだからといって、機械的に区別されて答弁されたんでは、国民は納得いたしません。そういう答弁は許されぬと思います。そこで私は、そういうことを申し上げても時間を食うだけですし、その点は並行線ですから、はずしましょう。 ただ、最後にお尋ねしたいことは、少くともあなたが答弁なさったその答弁の状態そのままを、われわれが今後話し合いをいたしていく決議案の案文の内容にしたい、こういうふうにしていきたいと考えておりますが、この際あなたは、責任を持ってまとめるとか、まとめぬとかいうことは別問題にして、そういう決議案が出ることについては御同意ですか。
○岸国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、決議案の問題につきましては、私は国会においてそのお取扱いをお願い申し上げまして、両党の意見の一致点を見出して、これが提案されることを望みます。
○山本(幸)委員 それではもう一ぺん念のために申し上げますが、あなたの御答弁通り、あなたの方針、態度通り、決議案の案文をわれわれは作成したいと思うのでありますが、その際にあなたは、自分の答弁通りのものなら、この決議案の作成について党をまとめるべく努力はなさいますか。
○岸国務大臣 先ほど来申し上げているように、山本委員と私と少し考えの違う点は、要するに、行政庁としての声明なり政策の決定なりというものと、国会が決議をされるその決議との間におきましては、常にそれが同一でなければならないというものではないと私は思う。国会の各種の状況から、国会の決議として権威ある決議を採用する場合にどういうなににするかということは、国会が独自に考えるべきものであって、行政庁が言ったからその通りさせなければならぬ、あるいはその通りでなければならぬというふうには、私は考えておりません。
○山本(幸)委員 それは、私とあなたの見解に幾分か相違がございましょう。私は、一般論としてはあなたの見解も認めますけれども、今申し上げたように、これは日本の将来に関する重大な問題でありますから、そういう問題を発言せられる場合には、政党内閣制である限りにおいては、総理の答弁と総裁の行動とは一体不可分の関係にある、こう解釈しております。しかし、それは争っても仕方がございませんが、今申し上げたように、あなたの答弁そのままの決議案を私どもはやりたいと思いますが、それについて努力をしてもらえるかどうかということを聞いているのです。
○岸国務大臣 先ほど来申し上げております通り、それぞれの党におきましては、それぞれの党の機関があり、国会の運営につきましては国会の運営のなにがありますから、私は趣旨につきましては十分にこれらと話をしてみますけれども、必ずその通りに結論を出すとかいうことをここで言明するわけには参りません。
○山本(幸)委員 もっとやりたいけれども、やめます。
○江崎委員長 だんだん約束の時間がきておりますから。——池田君。
○池田(禎)委員 今、わが党から本院に対して、国際労働条約第八十七号批准に関する決議案というものを提出している。これは自民党の方で、いまだ党議がきまらないから、待ってくれ、待ってくれというので、もう何十日間というほど、これは懸案になったままでたなざらしになっている。ただいま山本君から総理大臣にただした非核武装宣言と、やや内容も似ているのではなかろうかと私は思います。ただいまの総理の答弁なり与党のお考え方というものには、私は依然として非常に不満です。今日、新憲法下においては、超然内閣と違って、明らかにイギリス流の議院内閣制で、責任を持っている。議員にあらざる者が閣僚たることについては、制限を付されている。これは憲法の明示するところです。従って、ときに総理大臣として答え、ときに総裁としての立場を区分するということは、これは現行憲法のもとにおける大きな矛盾であると私は思います。しかし、この問題で論争しようとは思っておりません。 そこで私は、ILO条約の批准について、政府は、労働問題懇談会の結論が出たならば、早急にその結論を待ってきめると、一年半もかかってそのことを繰り返し繰り返し申されて参ったのであります。国内法の手続が要るのだというふうなことを常に申しているようでありますが、この国会において批准を行う用意がありましょうか、どうでしょうか、この点をお尋ねいたします。
○岸国務大臣 ILO八十七号の批准問題につきましては、今池田委員から御指摘がありましたように、政府は、労働問題懇談会の答申を待って、これを尊重して措置したいということを従来申しております。その答申が出ましたので、私どもは、その答申の結論である批准するという考えのもとに、各種の準備を整えて、その準備がなるのを待って批准の手続をとるつもりでおります。
○池田(禎)委員 私の問わんとする主眼は、今国会において批准をなさる御用意がありましょうかどうかということです。
○岸国務大臣 この問題は、できるだけ急いで準備をするように関係各省に命じております。しかし、なかなかむずかしい問題も包含いたしておりますので、簡単に結論を見出すことはなかなかむずかしいのではないかと思います。そういう意味において、今議会に提案することは、あるいはむずかしいのではなかろうか、かように思っております。
○池田(禎)委員 この委員会は、法案の内容なり条文の内容について立ち入って質疑応答する委員会ではございません。それはそれぞれ所管の委員会がございますので、その内容には私は触れませんが、ただ一点申し上げたいことは、こういう国際的な法規、ことに国連の非常任理事国として今や重きをなしている日本が、こういう条約の批准について大きな警告を受けたということは、国際的に見ても、非常に信義にもとるものではなかろうかと私は思います。確かに、政府の言われているような国内的な諸法規の問題は、ないとは申しません。あることを私は率直に認めます。けれども、何といっても、批准するという前提に立って、これらの問題をすみやかに解決されんことを、この際、私は総理大臣に希望しておきますが、御意見がございましたら伺いたい。
○岸国務大臣 政府といたしましても、批准するという前提に立って、あらゆる前提問題を解決する、それも、しかも急いでやるという決意のもとに、鋭意準備を進行させております。
○池田(禎)委員 この際、これはこの問題と違いますけれども、総理大臣に一点ただしておきたいことがあります。それは、従来しばしば院議をもって可決された決議、あるいはかようなものが、行政面において実施されていないものが多々あることを私は指摘しなければならない。政府は、憲法の明示するところにより、国権の最高機関の決議に対して、あらゆる努力を払い、誠意を持ってこれら決議の趣旨を生かすということを、この際総理大臣は御言明できるでありましょうかどうか。
○岸国務大臣 国会の決議に対しましては、行政府たる私どもとして、誠意を持ってそれの実現を期していかなければならないことはもちろんであります。あるいは従来それが十分にいっていないような点に関しましては、なお十分調査して、これが御趣旨に沿うように努力をいたします。
○山本(幸)委員 一点だけ伺いたい。ILOの決議案の問題ですが、今岸総理の答弁で、早急にやりたい、また早急にやるように命じているという御答弁は、私はけっこうだと思いますが、私どもの知識で知る範囲では、国内法の整備と申しましても、結局公労法の第四条三項、それから地公労法の第五条三項、これが中心でございまして、従って、そう時間のかかる問題でないと私は理解しております。その他にあるとは存じておりません。また、答申案も四項目にわたっておりますけれども、第一は、八十七号を批准せよ、第二は、国内法整備のために四条三項、五条三項を廃止しろというので、あとのことはむしろ附帯的な問題だと思う。従って、今あなたの御答弁でわかるように、早急におやりいただくということであれば、その程度のものなら、この国会で十分できるんじゃないか、そのお手続がいただけるのではないかと思っておりますが、ぜひそういうふうに御努力を願うように、私は希望意見だけを申し上げておきます。
○江崎委員長 これにて両決議案に関しての総理に対する質疑は終了いたしました。両決議案の取扱いについては、追って御協議願うことにいたします。 —————————————
○江崎委員長 次に、緊急上程予定議案についてでありますが、内閣委員会の、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案が、本日委員会の審査を終了いたしております。また、内閣委員会の、大蔵省設置法の一部を改正する法律案、南方同胞援護会法の一部を改正する法律案、日本国憲法第八条の規定による議決案が、本日委員会の審査を終了する予定になっております。つきましては、右各案は、本日の本会議に緊急上程するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 次に、昭和三十二年度、昭和三十三年度衆議院予備金支出の件についてでありますが、国会予備金に関する法律第三条の規定によりますと、各議院の予備金の支出については、議院運営委員会の委員長が、これを次の常会の会期の初めにおいて、その院に報告して承諾を求めなければならないことになっております。つきましては、昭和三十二年十二月二十日以降昭和三十三年十二月九日までの間に本院予備金から支出した金額の内訳は、お手元に配付の印刷物の通りであります。本件は、これを本日の本会議において報告し、承諾を求めることにいたしたいと思いまするが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○江崎委員長 次に、本日の本会議の議事につきまして、事務総長から説明を願います。
○山本(幸)委員 議事進行。——実は、今わが党の国会対策から連絡がございまして、聞くところによると、本日の議事に重大な関係のある問題がございますので、この際、私から発言して御了解を得たいと思います。と申しますのは、御承知の通り、先般来、衆議院の決算委員会はほとんど開かれておりません。少くとも、衆議院における三回の国会で実質審議百四十三日やりましたけれども、そのうちで決算委員会は、流会の七回を含めてわずか十数回しか開いておりません。そこで、私どもは、この状態では議会運営上非常に困るから、ぜひ決算委員長と話し合いをしたい、こう申し上げておったところが、委員長並びに荒船理事その他の諸君の御努力によって、一昨日、昨日あたりから決算委員会が開かれるようになったわけです。しかるところ、決算委員長は、病気だということで一週間の欠席届を議長の手元に出しておられる。そこで、病気であるかどうかということをいろいろ問い合せてみたら、その病気は全くうそであって、本日聞くところによると、田中決算委員長の家にどろぼうが入ったので、そこで休まなければならぬということで、また理由が変ってきたわけです。従って、本日の決算委員会は、田中決算委員長、並びに決算委員会の理事諸君すらも出て来ておらぬという状況で、開店休業のありさまです。こういう状態のもとに、私どもは国会運営をすることはできないと思います。与党の諸君は、野党に対していつも国会の正常化を唱えられておりますが、自分の方のこういう重大な、今申し上げたような欠点は、そのままひた隠しに隠すというやり方は、これは国会の正常化に相反すると私は考えている。従って、今事務総長が説明せられようとする決算委員会に関する日程については、本日は本会議ではやれませんから、あらかじめ私どもの方から申し上げておきます。
○荒舩委員 田中決算委員長の問題につきましては、病気ということで一週間の欠席届が出ているわけです。従って、どろぼうと病気と関係がないのでございまして、病気だそうでございますから、その点御了承願いたいと思います。
○池田(禎)委員 この際、与党選出の委員長なりといえども、そういう点でただ単に庇護するということはお取りやめを願いたい。そういうことでありますならば、決算委員長につきましては、社会党としては、これ以上こういうことを許すわけにいきません。国会構成上における委員長の解任決議案提出の用意がありますから、暫時休憩を願います。
○荒舩委員 ただいま休憩ということでございますが、いかがでしょうか、これは……。
○池田(禎)委員 党に帰って相談した上で、これからの国会の運営についての相談なら、また参りますが……。
○荒舩委員 いかがでしょうか、きょうは決算委員会の問題だけでないのでありまして、ほかの……。
○池田(禎)委員 委員長の解任決議案を出すかどうかということを、党において相談いたします。解任決議案を出すことになった以上は、一切の議事に先がけてこれを取り扱ってもらわなければならぬ。これは法の示すところであります。
○江崎委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○江崎委員長 速記を戻して下さい。
○荒舩委員 ただいま社会党さんから、決算委員長の問題につきまして強いお話がございましたが、この点は私ども、病気であるか、あるいはにせ病であるか、よく調査をいたします。そこで、決算委員から上ってきた問題を除いて、本日の本会議で御審議を願うことに御賛成を願いたいと思います。
○池田(禎)委員 これは、三十二年度の会計検査院の報告書の審議すらも入っていなかったのです。数日前に委員長の解任をするというので、あわてて委員会を開いて、ようやく上ったのです。山本君が先ほど言うように、二十九、三十、三十一国会において開会が十何回ということは、乱暴きわまる委員会である。こういう必要のない委員会なら、私は廃止すべきだと思う。常設委員会が、こういうことで、しかも自由民主党の議員なるがゆえに、何事でもこれを擁護するというお考え方では、国会を正常化するなんという空論はやめてもらいたい。これは議長に対しても、こういう委員長を放任することができるかどうか、議長の所見を私はこの際伺いたい。
○荒舩委員 私どもは、わが党から出ている決算委員長ということの考えはございません。病気か、あるいはにせ病か、先ほどのお話でございましたが、どろぼうが入ったというようなお話でございまして、その真偽も、まだ私どもよく承知いたしておりません。従って、わが党から出ている決算委員長だから、その事の真偽をきわめないで、ただ単に擁護するということではございません。しかしながら、ほかにも多数の日程に上っている議案がありますので、この決算委員会の分だけはあと回しにいたしまして、きょうは、ほかの審議を進めていただくようにお願いしたいと思います。
○池田(禎)委員 私の言っているのは、今回のことだけで、病気だとかなんとかいうことを言うのではありません。百数十日の実績を見て、私は申し上げている。そのことは、与党としてはいかなる御答弁をなさるでありましょうか。あなた方は、御調査になりましたか。臨時国会と通常国会を入れて三回の国会において、流会々々、委員長が招集しておきながら、自分は出てこない、そういうことについて、与党側はどういう見解ですか。
○荒舩委員 私どもも、決算委員長の欠席の多いことは十分認めております。しかしながら、本日池田、山本両委員から御発言の、病気であるか、にせ病かというような問題については、まだ私ども調べておりません。調べまして、遺憾の点がありましたら、後ほど理事会を開きまして、理事会で御相談を願いたいと思いますが、先ほど申し上げるように、他の日程に掲げてある法案がたくさんございますので、それは、一つきょうの本会議で審議を願うことに御賛成を願いたいと思います。
○山本(幸)委員 あなた方も、決算委員会におけるところの事態はお認めになったと思います。これは、私どもが申し上げなくても、お調べになったと思いますが、私が申し上げた通りです。そこで、そういうことを確認の上、今、池田君は納得しかねると言っておこってみえるけれども、この際池田君もがまんしてもらって、この分だけはきょう保留して、残りのものだけを一つやりましょう。
○池田(禎)委員 この際、私は議長に重ねてお尋ねいたしておきます。田中決算委員長の決算委員会における運営の姿というものは、これは容易ならざる委員会の運営ぶりであると私は思っております。流会々々、こういうことで、野党が要求しても、何としても応じない。そういうようなことが、国会の正常化だとか、あるいは四者会談とか、両党首会談を行なって、正常な姿に戻そうということをきめ合った直後に、公然と行われておることは、私はまことに遺憾千万であると思います。ただいまこの席において、議長よりその答弁を伺おうとは思いませんが、少くとも、この決算委員会における、事態は、十分御調査の上、しかるべく議長において回答なり処置を行うように、この際私は申し入れをいたします。
○荒舩委員 先ほどの山本委員の言われる、決算委員会のものはあと回しにしまして、ほかの委員会から上ってきましたものを、一つきょうは本会議でぜひ審議していただきたいと思います。
○江崎委員長 それでは、先ほどの山本君、及びただいまの荒船君の御発言もありますので、日程第一、第二は、本日のところ延期することとし、残余の日程を上程するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○江崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○江崎委員長 本日の本会議の議事につきまして、事務総長から説明を願います。
○鈴木事務総長 御説明申し上げます。ただいまの御決定に従いまして、日程の第一、第二は、本日延期することにお諮りいたします。従いまして、それは省きまして、日程第三から御説明申し上げます。日程第三は、全会一致でございまして、これは国土総合開発特別委員会の理事の福家さんが御説明に相なることになっております。それから日程第四から第七までは、農林水産委員会の所管でございますので、一括上程いたします。これは、農林委員長の松浦さんが御報告に相なりまして、四案とも全会一致でございます。それから第八から第十七までは、大蔵委員会の所管でございますので、一括上程いたします。これは、大蔵委員長の早川さんが御報告に相なる予定になっております。それで、日程第八、第九、第十の三案は、全会一致でございますが、あと第十一、第十二、第十三、第十四の四案は、社会党が反対でございますので、採決は起立でお願いいたします。それから、第十五、第十六、第十七は、各案とも全会一致でございます。次に、日程の第十八と第十九でございますが、これは法務委員会の所管でございますので、一括上程いたしまして、法務委員長の小島さんが御報告に相なります。これは、共産党だけが反対でございますので、もし御出席になっておりますれば、起立採決でお願いいたします。それから、日程第二十、第二十一は、運輸委員会の所管でございますので、一括上程いたしまして、これは運輸委員長の塚原さんが御報告に相なりますが、両案とも全会一致でございます。それから、内閣委員会から上って参っております、経済企画庁設置法の一部を改正する法律案、大蔵省設置法の一部を改正する法律案、それから南方同胞援護会法の一部を改正する法律案、日本国憲法第八条の規定による議決案は、四案ともいずれも全会一致で内閣委員会を上っておりまして、これは、内閣委員会の理事の平井さんが御報告に相なる予定になっております。そのあとに、ただいま御決議いただきました、昭和三十二年度同三十三年度の衆議院予備金支出の件について御報告になって、御承認を得ることになっております。以上であります。 —————————————
○江崎委員長 そこでで、本会議の開会時間ですが……。
○荒舩委員 社会党さんに御了解を願いたいと思うのですが、本日は、参議院で予算を審議中でございますので、この日程の件は一つぜひ政務次官で御了承願いたいと思います。
○山本(幸)委員 その点くらいは了承します。
○荒舩委員 なお、農地被買収者の問題でございますが、これは総理の出席を要求せられておりますので、そこで、日程を始めておりますうちに、この農地被買収者の問題を総理が出席できる時間に間に合わせるような方法でいかがでございますか。
○山本(幸)委員 原則的に認めましょう。
○江崎委員長 御了解願います。
○山村(新)委員 もし出席ができなかった場合に、どうなりますか。農地被買収者の問題は、この次になりますか。
○山本(幸)委員 延期ですね。
○荒舩委員 どうでしょう、そういうことで……。
○江崎委員長 さっき、場内交渉でこの上程をきめるということで御決議をいただいております。 —————————————
○江崎委員長 それでは、開会時間はどういうことにいたしますか。
○荒舩委員 これまた参議院の進行状況を見ながら、一応三時予鈴、三時十分開会ということにしておきまして、またお話し合いを願うということにしましょう。
○江崎委員長 それでは、ただいま荒船君の御発言を御了承願いまして、三時予鈴、三時十分から開会することといたします。 —————————————
○江崎委員長 次に、次回の本会議の件についてでありまするが、次回の本会議は、十日、火曜日、定刻から開会することといたします。従いまして、次回の委員会は、同日十一時から理事会を開き、理事会散会後に委員会を開会することといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十四分散会