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31回国会衆議院1959/04/09

海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第6号

発言数
40
登壇者
6
会派数
2
開催日
1959/04/09

会議録

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 これより会議を開きます。  海外同胞引揚及び遺家族援護に関する件について議事を進めます。  本委員会といたしましては、さきに未帰還者に関する特別措置法を起草いたし、多年にわたる懸案解決の一端を果したわけでありますが、なお未帰還者に関し解決を要する問題が残されておると思いますので、この際、これらの点について質疑を行います。山下委員。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 引き揚げ問題と簡単に申しますけれども、日本の敗戦によってこうむりました非常に大きな悲劇を、とにもかくにも、ここまで収拾、調整してきた援護局の果した非常に大きな仕事に対して、私どもは、顧みて今さらながら深き敬意と感謝をいたすものでありますが、それとうらはらになって、常にこの問題を取り上げて参りました当引揚特別委員会も、また終始この問題に取り組んで参りまして解決を助けて参った委員会でございますが、これも今や、この委員会としての任務も終了に近いと思われますので、残されました若干の問題につき政府の意見をただし、私どもの最後の締めくくりとして、この問題の終局をいたしたいと思います。  この間当委員会に付託されまして、委員長以下われわれ委員も非常な努力をいたしまして、解決をいたしました未帰還者に関する特別措置法の制定に当りまして、できればその際に片づけたいと思っておりました現地復員の問題がございましたが、事の性質上、その際同時に片づけることができませんでしたので、これは後日必ず善処するという政府当局の意思もあり、われわれもまたこれを了といたしまして、その際に取り残したのでございますが、その後いろいろな資料を見ますと、どうしてもこれは個別にもう一度審査を願って、そうして該当するものは該当させていただきたいと思うようなケースがございます。あの当時の、非常に混乱した興奮状態にあって起った、やむを得ないと思われるこれら現地復員の人々の処遇について、政府はどのように今後処置していこうと思われますか、その点を承わりたいと思います。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 一口に現地復員と申しますが、ただいま問題になっておりますのは、昭和二十四年に南方等で除隊したまままだ帰ってきておらないというふうな人に対しまして、当時の引揚援護庁におきまして復員処理をしたというふうな事実がございますが、その措置に関連して、いろいろただいま御質問にございましたような問題が各方面から取り上げられておるわけでございます。内容を見てみますと、二十四年でございますので、その大多数の人はむしろその前になくなっておられるのではないかというふうにも考えられるわけであります。従来、こういった人たちに対しましては、死亡が判明いたしましても、特に公務とみなし得るというふうな事情のないものにつきましては、援護法の適用もしてきておらないのであります。ただ問題は、この復員措置がどうかということよりも、復員措置がかりになかったとしても、それが公務と認められるか認められないかというふうなところに実は問題があるのではないか、かように考えておるわけであります。各方面からの御意見もございますので、私どもも慎重にこの問題を検討いたしまして、実情に即して解決をしていきたいということで考えておるわけであります。  大体の考え方といたしましては、二十四年前になくなられた方につきましては、むしろこの復員措置自身が無効ではないだろうかというふうに考えられるわけであります。また、死亡について援護法を適用するかどうかという問題があるわけでございますが、その問題につきましては、従来の扱いにおいて、若干当時の特殊事情というものに対する配慮が十分でなかったうらみもあるように考えられる。そういう点をさらに検討いたしまして、極力実情に即するように善処して参りたいと考えておるわけであります。また今回制定されました特別措置法との関連におきましても、復員措置がとられる前になくなったと思われるような人につきましては、そういった措置がなかったものとして、今回制定された法律の適用を考えるというふうなことも可能ではなかろうかということで検討しているわけで、極力御趣旨の線に沿いまして善処するようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 今の局長の御答弁で尽されておると思いますが、念を押す意味でもう一度反復いたしますれば、局長の御答弁の通りに、生存者に対するそのときの処置は、私はあやまちはなかったと思うのであります。概略の数でございますが、大体南方の現復は千六百人といわれておる。その中で、生存者が四百人くらいで、千二百人の死亡した方がやや不名誉な措置を受けておる。それは隊を離脱したという形跡がありますからやむを得ないのですが、私が先ほど申しましたように、非常に混乱し、本人も興奮しておるときであって、正当な判断をする心理状況でなかったであろうと思います。たとえば、私が一人知っておりますのは、何か特務機関——特務機関というよりは、補助憲兵というような名称の職務があったようでありますが、そういうものにいたので、隊に並んでいて武装解除を受ける際に、お前は補助憲兵という名前だから、とても裁判を免れることはできないから、今のうちにどこか消えてなくなった方がいいと友人に言われて、そうかというので、隊を離れてさまよい始めた。その後、そういうことが頭にあるものだから町にはい出してくるわけにもいかず、ジャングルかどこかを彷徨しておった、しかし栄養失調その他のことで、ついに行き倒れてなくなったということであります。私はこれの妻も子も知っております。子供はすでに結婚適齢期にあるのですが、要するに、逃亡して野たれ死んだという形のものが、現にいわれておる姿なのです。それではあまり酷ではないかということで、個別にさらに審査をし直してもらいたいと私が願うことは、そういう非常な混乱と、それから興奮しておるときにとりました処置が適当でなかったと、今平時になってわれわれが言うことは酷ではないか。だからその死亡いたしました英霊の名誉を回復してやる意味において、特別措置法をもってこれを処遇してやっていただくことが可能と思われるケースは、そのケースに入れていただけば家族も助かり、あるいはなくなりました勇士たちの霊も浮ばれるのではないか。そこで特別措置法の際に、何か一緒に扱う方法はないかということを論議いたしましたが、ちょっと趣きが違いますので、かえって法の建前を乱すおそれがあると思って、これは入れなかったのでございます。その点を、一つ当時の状況をおくみ取り願ってそういうふうな処置をとっていただけるかどうか、そういうことを私はお尋ねしたのでございます。おそれ入りますが、もう一度。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 離隊の動機その他につきましては、各まちまちであると思います。中には、常識的に判断いたしまして、軍人として処遇することが適当でないというケースもあるわけでございます。個々に十分研究しなければならぬわけでございますが、御引例になりましたケースにつきましては、十分御趣旨に沿うた処置が可能ではないか、かように考えます。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 私はこの際、六点ばかり伺っておきたいと思いますが、今のが第一点でございます。  第二点といたしまして、法の外にある未帰還者の処置でございますが、昭和十六年の十二月八日以降に戦地となりました地域内に存在していた者を、何か未帰還者の特別措置の法の中に入れていただけないか。この法外の未帰還者の処置が、やはりあの際に十分な規定をいたすことができなかったので、これが落ちこぼれているわけでございますが、それに対しての政府の御見解はどうでございましょうか。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 ただいまお尋ねの件は、留守家族援護法で未帰還者の範囲を定めておるわけでございますが、八月九日と申しますと北方の方のケースかと思いますが、八月九日に生存をしておったという——軍人につきましては未復員者ということでそういう制限はございませんが、一般邦人につきましては、八月九日に定められた地域におったということが要件にされておるわけです。従いまして、八月九日におったという資料がございますれば処置ができるわけでございます。問題は、この八月九日におったかどうかということが、はっきりしないというケースについてのお尋ねかと思うのであります。その辺は、結局事実証明の問題になって参りますので、一言にお答えいたしかねると思うのでございますが、十分実情も調べまして、救えるものは救っていくという方向で考えていきたい、かように考えております。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 この法外未帰者の取扱いにつきましては、局長の御答弁の通り、ここでどれとどれが対象に当るということは、いろいろ調査した結果でないと言えないことでございますから、そういうものも、一つ該当するものはぜひお取扱いを願いたいということを強く要望いたしておきまして、第三点に移ります。  今度は、今になってうっかりいたしたような気がするわけでありますが、未帰還者に関する特別措置法で弔慰料を受ける遺族の範囲をちょっと間違えたようであります。これは、ここにある資料を今拝見いたしましても、父母、祖父母、兄弟姉妹がみんな死んでしまって、おじがその当人の跡をお祭りする責任者になっておるようなケースがずいぶんたくさんあるわけでございますが、三親等までこの弔慰料を受けられるようにすることを特別措置法で——これはわれわれも非常にうっかりしていたなと思いますが、そうでないと、特別措置法で処理をしていただいても、おじでございますので、たとえばお葬式をするにしても、お墓を建てるにしても経費等が一つもないということになりまして、これは遺族援護法とその点符節を合せませんでしたことが法律を作るときの落度のように思いますので、この特別法の場合も、ぜひ三親等まで拡大をしていただきたい。それでないと、せっかく措置法を実施するに当って、してもらっちゃ困るというケースができてきて、法の精神とあべこべに、かえっていつまでも残ってしまうというようなことがありますことは大へん残念なことだと思いますので、その点に対してぜひそう願いたいと思いますが、いかがでございますか。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 弔慰料支給の対象になります遺族の範囲をどういうふうに考えていくかという点については、いろいろ考え方もあろうかと思います。今回制定になりました特別措置法では、二親等にとどめておるわけであります。この弔慰料を出します趣旨から申しまして、長年行方不明のままで処置がつかなかった、しかも最後の段階において必ずしも明確な資料がないままに戦時死亡宣告をした、こういうようなケースに対しまして特別の弔慰を表する、こういう趣旨で特別弔慰料が支給されるというふうなことが立法の趣旨であろうかと考えるわけでございます。そういうふうな建前に立ちますれば、ごく親しい方にというのが一つの考え方であろうと思います。またただいまお尋ねのございましたように、遺族援護法におきましては弔慰金の支給範囲が三親等になっているというふうなこともございますが、また、引揚者給付金におきましては二親等で切っております。二親等で切りまして、さらにいろいろな要件が付加されておるわけであります。そういうことになりますと、引揚者給付金よりも今度の方が若干有利な要件にされておる。また留守家族援護法におきましても、留守家族手当支給の対象となる家族も三親等までは、いっていないわけであります。そういうふうないろいろな関連があろうかと思います。わずかでございますが、葬祭料は必ずしも二親等でなしに、遺族がない場合には現実に葬祭を行う方に差し上げるというふうなことになりますので、その点につきましては漏れがないかと思うのであります。いろいろな関連がございますので、ただいまの御質問につきましては十分今後とも検討して参りたいと存じます。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 委員長もお忙しいようでありますので、私もできるだけ簡単に次に進みます。それはその三親等ということよりも、局長の言われたように、葬祭を行うことに十分な、できるだけ身近なお祭りをしてくれる人に行き渡るような方法を考えるということでございますから、これは法を改正するとかなんとかいうことでなく、今日まで行なってこられました援護局の良識を信頼して、ぜひそのように御処置を願いたいと思いますので、お願いをして次に移ります。  今回の戦時死亡宣告の場合でございますと、遺骨がございません。従って遺骨引取料というものは、遺骨がないのですから、ひょっとしたらないことになるのであろうかと思いますが、それでございますと、県や市町村で式をやってもらいますのに何もないという式になることは非常に困る、何とかしてくれという要望が非常に強いのです。これはごもっともなことだと思うのでございますが、従来行われたような霊璽を出すというような方法を考えていただけるかどうか。考えていだくことが、地方の県とか市町村で行う最後のお祭りになるのではないか、式になるのではないかと思いますので、あることの方がいいと思いますが、何らかの方法でこれをやっていただけるようなことをお考えになっておりましょうか、その点を伺っておきます。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 戦時死亡宣告を受けました人につきましても、遺骨伝達式というような形式をとりたいという御要望が私どものところにも、各方面から参っておるわけであります。ただ、今御質問の中にもございましたように、遺骨がございませんことを前提としての措置でありますので、遺骨伝達式というような形をとることが非常にむずかしいのではないかというふうな趣旨にも考えるわけでございます。ただ現実の問題として、地方庁におきまして処理をいたします場合に、遺骨伝達式でなくても、何らかそれに準ずるような措置がとれないだろうかというふうなことは確かにあろうかと思います。その点につきましても、現実にはだいぶ先の問題になるわけでありますが、各県ともぜひ一つ打ち合せをいたしまして善処して参りたい、かように存じております。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 今の問題は、どのような方法をとっていただけるか知りませんが、どっちにしてもお金が要ると思います。どういうことにおきめになっても金の問題になりますので、その金は援護局の方で何か具体的なものを考えると思いますから、その支出は予備費か何か、何でもけっこうですから、大臣もぜひ一つ御承認願って、援護局できめました通りに実行していただきたいと思いますが、いかがでありますか。

坂田道太自由民主党厚生大臣

○坂田国務大臣 御趣旨の点につきましては十分尊重いたしまして、事務当局と打ち合せまして、金額を要求すべきものがあるといたしますならば善処いたしたいと考えております。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 今度は特別措置法でございませんで、引揚者給付金の法律につきましてお尋ねをいたしておきたい問題があります。  それは、給付金法の第二条の第一項の各号のいずれかに該当するに至った引揚者の内地死亡というのであります。引揚者の遺族に対する給付金は、外地で死んでいなければいけないのですが、内地で死んだ人にも一つ何とか給付金をいただける道を開いていただきたい。と申しますことは、範囲を拡大いたしますと際限がございませんが、引き揚げて参りまして、舞鶴の援護局で手続中になくなった、もしくは病状が悪くて舞鶴の国立病院に入院加療中になくなったという人、これはちょっと法を拡大して考えていただけば、何とかなるのではないかと思うのです。この人たちは、せっかく内地までたどりついたにはたどりついたのですが、援護局の構内、もしくは援護局のすぐそばにあります国立病院というものは、内地のあたたかい肉身のふところまでたどりついた感じとはずいぶん違うものでございますので、こういうものに対しましては外地でなくなったものと同様に遺族給付金を給付してやっていただきたい、こう思うのですが、いかがでございますか。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 遺族給付金の支給対象になりますものは、外地にある間に死亡したもの、こういうふうに法律に明記されておるわけであります。そこで外地にある間というのを一体どういうふうに解釈するかというふうなことにつきまして、私どもいろいろ検討いたして参っておるわけであります。たとえば、外地を船に乗って出てしまったという場合は外地にある間と言えるかどうか、公海はどうか、あるいは領海はどうかというふうなことをいろいろ検討してみたのでございますが、領海だからということで切るのは少し酷ではないだろうかということで、第一歩を内地に踏み入れたということで実は運営をいたしておる次第でございます。御質問にございましたようなケースも若干あろうかと思います。ただ現在の法律の運営といたしましてはちょっと無理ではないだろうか、かように考えるわけでございますが、御質問でもございますので、さらに検討させていただきたいと存ずるわけでございます。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 その問題について、この法を作るときに考えていただいたので、年令が二十五才以上の場合には、そういうところまでやや拡大したような御解釈を願っているかに私は承知しておるのでありますが、その二十五才以上という年令を廃止していただくと、私が今お尋ねしたようなものも——これは数はそうたくさんではございません、もう若干名でございますから、該当して、喜んでもらえることになると思うのです。その年令を撤廃するとなると法の改正になりますが、年令を、二十五才以上というところを年令にこだわらずということにしていただければ、今給付金の法律で、役所であたたかく扱っていただくところへひっかかると思うのですが、その点はどうですか。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 二十五才云々と申しますのは、実は遺族給付金ではございませんで、引揚者給付金の問題に関係してくるわけでございます。引揚者給付金の方で二十五才以上といっておりますのは、二十五才という数字それ自身には必ずしも決定的な理由というふうなものはないかと思いますが、一応  一人前のものというところで線が引かれておるように承知いたしておるわけであります。二十五才以上という制限を付することになりますと、引揚者全体の問題になって参ります。こういった制限が要らぬのではないかという御意見も、関係団体からもいろいろ伺っております。十分御趣旨もくみまして検討させていただきたい、かように存ずるわけでございます。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 大した数ではございませんから、何か適当な方法で考えていただきたいことを強くお願いしておきます。  最後に、未帰還者の調査徹底ということと、その調査徹底に伴う整理の問題でございます。従来、長きにわたって調査究明に非常に御努力願ってきたのでありますが、私ども、もはや引き揚げ問題も最終的段階にきたという感じを持ちますので、この際、政府におかれましては、国民が、なるほど厚生省はほんとうに未帰還者の調査に関しては徹底的に、国民の納得のいく調査を進めてくれたという安心感を持ってくれるような調査をしていただきたいということと、その調査の結果等に基きまして、現在でもわれわれはそう考えられる場合が多いと思いますが、すでに十四年たちました今日、健康で外地でそれぞれの生活をしておられて、帰ろうと思えば帰れるにもかかわらず、御自分の意思で帰っておられない方を、いつまでも未帰還者の名簿にとどめておくということは、もうすべきでないと私は思います。私どもは、引き揚げ問題については不十分ながらもあらゆる点から考えて、その処遇その他の方法についても法律を制定し、その他の方法で考えて参りましたので、この際、もはや御自分の意思で外地に残っておられる方は逐次整理していく、それは情において忍びないところがありましても、政府においては一つ勇気を持って整理していただく必要な時期がきておるのではないか、こう考えますが、この点について政府はどのようにお考えになっているか、伺いたいと思います。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 御趣旨はまことにごもっともかと思います。従来もそういう方針で参っておるわけでございますが、何せ調査究明は非常にむずかしい部面もございまして、なかなか自己の意思で残っておるということの説明が十分しにくいというふうなものにつきましては、未帰還者名簿から落すということをいたしておらない。しかしすでに調査究明も相当進んで参っておりますので、自己の意思で残っておるというふうに考えられますものにつきましては、やはり逐次未帰還者名簿から落していくことが適当かと考えられるわけであります。その点、調査究明の徹底と相待ちまして、御趣旨に沿うように努力いたして参りたいと考えます。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 ちょっと私の質問で不十分な点がありますので、先ほどの法外未帰還者の処遇について、もう一度念を押さしていただきたいと思います。  未帰還者留守家族等援護法における未帰還者の定義は、昭和二十年八月九日に生存資料のあったものとなっているので、大東亜戦争勃発後、戦時中、たとえば満州で匪賊等に連れ去られまして行方不明となったような未帰還者は特別措置法の対象とはなり得ないので、やはり将来特別措置法を改正してこれらを救うことにするのが妥当と思うが、どうか、局長から御答弁を願いたいと思います。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 八月九日以後にどこかへ連れていかれたというふうなものにつきましては、先ほどお答え申し上げましたように、留守家族援護法の未帰還者の中に入るわけであります。今度の特別措置法の適用も受けると思うのであります。ただ、そういった人たちで、八月九日以降に連れていかれたのだということがはっきりしないものについては、問題があるわけであります。その問題につきましては、先ほどお答えいたしたように措置をいたして参りたい。また、この八月九日以前に行方不明になったというふうなケースも、あるいはあるのかもしれぬと思います。それらの点につきましては、事情をもう少し調査いたしまして、さらに検討をいたして参りたい、かように存ずるわけであります。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 大体、私が今お尋ねいたしました六点に対する政府のお考えは承わりました。今後、これらの問題が、今お尋ねをし、お答えを願ったような情勢で処理されますれば、引き揚げ問題というものに対しては、われわれ委員会としても、また国民の側といたしましても、百パーセント十分とは申されませんけれども、まあまあ非常な不均衡をそのまま残すということはないと思いますので、どうかその六点の問題につきまして、政府のより一そうの御善処を願って、御解決を願いたいということをお願いいたしまして、以上で私の質問を終ります。

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 ほかに質問はございませんか。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十三分休憩      ————◇—————     午後一時五十二分開議

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  北條秀一君。

北條秀一日本社会党

○北條委員 菊川、本島両委員から若干の質疑があるようでありましたが、今まで懇談しておりまして全部話が済みましたので、直ちに、午前中に引き続きまして、未帰還問題の解決についての最後的な処理をすることについて、議事を進められんことを希望いたします。

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 山下春江君より発言を求められております。これを許します。山下春江君。

山下春江自由民主党

○山下(春)委員 休憩前の質疑応答によりまして大体政府の方針も明らかになりましたが、この際、私は自由民主党及び社会党を代表して動議を提出いしたいと思います。  すなわち、先般来の理事会において協議いたした通り、未帰還者の調査究明の問題、その他いわゆる法外未帰還者に対する取扱い等について、この際本委員会の決議をいたし、もって政府の善処を要請いたしたいと思います。  まず、案文を朗読いたします。    未帰還者問題の解決促進に関する件   未帰還者問題の解決は、今国会において成立をみた「未帰還者に関する特別措置法」の運用によつて相当程度促進されるものと思われるが、今なお、ひたすら故国への帰還を待ち望みつつある生存残留者の帰還の完了については、未だ国際情勢等より推して、その早期実現が予測せられず、又未帰還者に関する調査究明も早急にその実を挙げることが容易でないと考えられる。   かかる情況に対応して、本委員会はさきに「未帰還者留守家族等援護法」の一部改正を行なつたが、今後さらに生存残留者についても調査の徹底をはかり、自己の意思により帰還しないと認められる者については、現行法の規定にしたがつて処置する等問題の解決を促進する必要がある。   さらに、今次戦争中、戦場となつた地域に所在したまま状況不明となつた未帰還者等で現行法のわく外に置かれているため、未帰還者に関する特別措置法の適用を受けることができないものがあり、又同法に規定する弔慰料の支給を受けるべき遺族の範囲についても、「戦傷病者戦没者遺族等援護法」等に規定するそれに比して均衡を失する点がある。   政府は、これらの諸点に関し、すみやかに必要な措置を講ずるとともに、将来関係法律を改正する等未帰還者問題の解決に一層の努力を傾注すべきである。   右決議する。  以上の通りでございますが、何とぞ全員の御賛同をお願い申し上げたいと存じます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 この際、お諮りいたします。ただいまの未帰還者問題の解決促進に関する件について、これを本委員会の決議とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたしました。  なお、関係政府当局に対する送付等の手続につきましては、委員長に御一任を願います。  ただいまの決議につきまして、厚生大臣より発言を求められております。この際これを許します。厚生大臣坂田道太君。

坂田道太自由民主党厚生大臣

○坂田国務大臣 引き揚げ問題、未帰還者問題等につきましては、従来より当委員会におきまして格別の御尽力をいただきましたことにつきましては、深く政府といたしまして感謝を申し上げる次第でございます。  今回、さらに当委員会の御配慮によりまして、未帰還者に関する特別措置法が制定されることに相なりました。従来からとられて参っております諸措置と相待ちまして、漸次問題も解決される方向に参ったことは御同慶にたえない次第でございます。しかしながら、なお完全解決というわけでもございません。私どもといたしましても、今後さらに努力を積み重ねて参らなければならないと感じているような次第でございます。  ただいまいろいろと問題点の御指摘もございましたが、生存残留者の調査及びその処置につきましては、御趣旨に沿いまして善処をいたしたいと存じます。  また、法改正の問題につきましては、さらに実情を調査し、慎重に検討して参りたいと存ずる次第でございます。  また、ただいまの未帰還者問題の解決促進に関する決議案につきましては、その意のあるところを体しまして、これを尊重いたしまして、政府といたしましては今後とも十分努力をいたしたいと考えておるような次第でございます。     —————————————

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 次に請願の審査に入ります。  日程第一ないし第四の未帰還者調査に関する請願は、同趣旨でありますので一括して審査をいたします。  各請願の趣旨につきましては先ほどの質疑応答によって明らかでありますので、この際説明を省略して直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 御異議なしと認めます。よって、これより採決いたします。  日程第一ないし第四の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 異議なきものと認め、さよう決定いたしました。  なお、請願の報告書の作成等に関しましては委員長に御一任願いたいと思います。     —————————————

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 この際 本島委員より発言を求められておりますので、これを許します。本島百合子君。

本島百合子日本社会党

○本島委員 本委員会の従前のことを存じませんので、多少ダブった点があるかもしれませんし、また、すでに決定済みの点もあるかもしれませんが、お許しを願います。  今日、遺骨の問題については、国際的にも問題になってきておると思います。また遺族といたしましても、何とかして遺骨だけは引き取りたいという希望があるにもかかわらず、現実的には、政府の積極的な援助というものがないためにできていない、こういうことが一般にいわれておるわけなんです。そういう点につきまして、大体最も多い地区といわれておる南方その他につきましては、今日どのような状態においてその引き取りの問題をやっておられるのか、聞かしていただきたいと思います。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 今回の戦争におきまして戦没されました方々は非常な数に上りますし、また地域につきましても、北から南に至りますために、非常に広範な戦場でなくなられておるわけです。政府といたしましても、この戦没者の御遺骨の処置につきましては従来から非常な関心を持ってその収骨等について努力をして参っておるわけであります。ことに占領中におきましては、諸般の国際情勢から、そういった希望がございましても、なかなか実現に至らなかったわけでございます。講和条約の締結と相前後いたしまして、逐次収骨の事業が進められて参った次第でございます。南方につきましては、大体主要地区の収骨が一応終っておるというふうな段階にあるわけであります。ただ何分にも、広い地域にわたりまして多数の方々がなくなられましたし、また、長年の年月を経ました後に収骨を行うということで、現地に参りましても遺骨であるかどうか、遺骨それ自身を探すことも非常にむずかしい状態にございますので、全部の御遺骨をおさめるというふうなことが非常にできない状態にあるわけでございます。また収容いたしましても、どなたのお骨であるかというふうなことは、ほとんど判別しないというふうな実情にあるわけであります。そこでそういった御遺骨をおさめましても、御遺族にお渡しすることができない状態にあることは、やむを得ないとは申しながら非常に残念に思っておる次第でございます。そこで政府におきましても、このお渡しできない遺骨をどうしたらいいかというふうなことで、収骨の事業が始まります当初からいろいろ協議をいたしておったのでございますが、去る二十八年の閣議決定をもちまして、国においてこれらの御遺骨をおさめる施設を作り、これを管理するというふうな方針が決定をされまして、その後敷地の問題その他につきまして、いろいろ紆余曲折を経たわけでございますが、昨年ようやく計画が具体化いたしまして、昨年の七月から工事に着手しまして、この間の三月二十八日に両陛下の御親臨を仰ぎまして、竣工式並びに追悼式をいたしたような次第でございます。  なお、今後残されております部分がまだございます。たとえば中共地区であるとか、あるいはソ連地区であるとかいうふうなところにつきましては、まだ十分の収骨ができておりません。ソ連地区につきましては、すでに国交も開けておることでございますので、何らかの処置を政府といたしましてもとりたいということでございますが、実情をつまびらかにする必要がございますので、大使館を通じましてソ連当局に実情の照会を今いたしておるような次第でございます。ただ南方と違いまして——南方におきましては、戦場に散らばられた状態にあるわけでございます。ソ連地区におきましては一応墓地に埋葬されておるというふうなことに相なっておりますので、これらに対する考え方も、若干あるいは変った方向をとらなければならないのではないだろうかということを考えておりますが、いずれにいたしましても、もう少し実情を明らかにいたしまして善処いたしたい、かように考えております。  中共地区につきましては、先般李徳全女史が来日いたしました際に、日赤を通じて遺骨収集の問題を持ちかけておるのでございますが、先方の御意向といたしましては、先方で集めてお届けするというふうな態度をとっておるわけであります。一昨年の暮れにも、まとまった御遺骨をいただいておるわけであります。今後もそういった方式で進められることになろう、かように考えておる次第であります。

本島百合子日本社会党

○本島委員 この御遺骨の問題につきましては、遺族の中で、いろいろ戦友その他から問い合せたり、あるいはまた報告を受けたりして、自分みずから行って調べてきたい、また骨を探したいという希望の方がかなりあると聞いておるのです。こうした場合、なかなか海外に出していただけないという不自由さを持っておるわけなんですが、こういう場合、厚生省あたりとしては何らかの援助方法を考えておられるかどうか。また、そういう申し出が現実にあったのかなかったのか。私どものところに相談を持ってこられる方は、そういう希望を持っておられる方が非常に多いわけですけれども、現地に行くことができない。こういった苦しみで夜も眠られない、こういう訴えがかなりあるわけなんですから、そういう点についてはどういう方法を今までなさってきたか、なさる意思があるか、それをお聞きしておきたいと思います。

河野鎭雄厚生事務官(引揚援護局長)

○河野政府委員 全体の状況につきましては、ただいまお答え申し上げた通りであります。南方につきましては一応終っておる、政府といたしましては、一応の収骨を終えておるというふうな状況にあるわけであります。もっとも、たとえばインドネシアであるとか、あるいは豪州で戦犯として処刑された方の御遺骨が残っておるというふうな問題がございます。こういうような問題につきましては、政府といたしまして、さらに収骨団を派遣するというふうな方法でなしに、幸い在外公館もあることでありますから、そういった機関を通じまして処置をして参りたい、かように存じておるわけであります。  今お尋ねの問題は、具体的にどういうケースかよくわかりませんが、私ども聞いておりますのはそういった、向うで一応墓地に埋葬されておる方の御遺骨の問題については伺ったことがあるわけでございますが、戦場に野ざらしになっておる遺骨というものにつきましては、先ほど来申し上げましたように、政府が主要地点に派遣団を送りまして収骨をした、そういうことで、国としては一応終了というふうな考え方をとらざるを得ないんじゃないかというふうに考えておるわけであります。

北條秀一日本社会党

○北條委員 ただいま本島委員から質問されました問題は、要するところ、きょう決議しました未帰還者問題の解決促進に関する件の中に遺骨の問題が全然出てないものですから、そこで本島委員としては、遺族なり留守家族の方から、いろいろな熱情あふるる陳情を受けられて心配された余りだと考えます。従いまして、この未帰還者の問題の解決促進は、この中には生きている者はもとより、死んだ者についての処置は遺骨を持ってくる、そうして遺族に安心させることが趣旨であるということは十分御承知であろうと思いますから、従って今援護局長からお話がありましたが、坂田厚生大臣におかれても、その点について十分に理解されておると思いますが、なお今後とも十二分に手を尽していただきますように、最後に希望したいと存じます。

田口長治郎自由民主党

○田口委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後二時十四分散会      ————◇—————

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