海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/01/27
会議録
○田口委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。理事受田新吉君より理事を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。 なお、ただいま辞任いたされました理事の補欠選任は、委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 御異議なしと認めます。 それでは北條秀一君を理事に指名いたします。 —————————————
○田口委員長 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する件について議事を進めます。 未帰還者に関する特別措置に関する問題でありますが、戦後十数年を経過した今日、なお相当数の消息不明の未帰還者があることは御承知の通りでありまして、引続きこれらの人々の状況について調査究明を徹底して、留守家族の要望にこたえる必要があることはもちろんでありますが、一方長年月にわたって生存の資料がないような人たちに対しては、この際何らかの特別な措置が要るのでないかということで、本委員会といたしまして、かねてから種々調査研究をいたして参ったところであります。たまたま昨年十二月十七日に、引揚同胞対策審議会におきまして、未帰還者に関する特別措置について決議が行われたこともありますし、本委員会としては、昨年の暮れ、数次にわたり理事会を開き、種々協議の結果、関係留守家族の立場や意向を尊重しながら、昭和二十二年以降生存の見込みが全くない者等について戦時死亡宣告を行い、これらの戦時死亡宣告があった留守家族に対しては弔慰料を支給することとし、また、今年七月一ぱいをもって打ち切られることになっておる留守家族手当の支給をさらに延長する措置を講じ、このために本委員会において、お手元に配付いたしております大網の趣旨により、立法措置を講ずることが妥当であるとの結論に達したのであります。 以上のような経過でございますが、つきましては、本委員会に小委員八名からなる小委員会を設置し、未帰還者に関する特別措置について調査研究の上、法律案を起草せしめたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、小委員及び小委員長の選任に関しましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 御異議なしと認めます。 それでは、小委員に 逢澤 寛君 受田 新吉君 中山 マサ君 長谷川 峻君 細田 義安君 北條 秀一君 山口シヅエ君 山下 春江君を、小委員長には山下春江君をそれぞれ指名いたします。 なお、この際本件について、質疑の通告がありますのでこれを許します。受田新吉君。
○受田委員 せっかく引揚援護局長が御出席でありますので、この法案を取り扱うに先だちまして、お伺いしておきたい点が一、二あります。 今回、戦時死亡宣言の法案を提出することによって起る影響力は、これによって未帰還問題は一応の解決を見るのだという印象を世間に与えるおそれがあると思うのです。しかし、今この法案の委員長の御報告の骨子を伺いますと、決して、政府が従来取り来たった未帰還者の調査究明及び帰還促進という、法律に規定された当然の責任を政府が免れておるとは思えません。そこでこの法案を取り扱うに当って、大事なことでありますので伺いたいのですが、この法案が通過したということによって世間に与える影響力を考えたときに、厚生省の未帰還調査に関する機構その他の問題に、これで手を抜くのだというような形のものになるおそれはないかどうか。たとえば、未帰還調査部、地方復員局の機構を縮小するとか——すでに舞鶴援護局は廃止されており、未帰還調査部の人員は整理されつつあるときに、そうした機構を縮小する、さらにもう一つ進んで、引揚援護局というものもやめてしまうというような構想が自然にわいて出るのでないかと思うのですが、これはいかがでございますか。
○河野説明員 未帰還者の特別の処置が必要だということは、当委員会においてもかねてから御議論になっておりますし、私どもも、未帰還処理の一環といたしまして、ぜひそういう処置が必要だと考えて、いろいろ今までも検討して今日に至っておるわけであります。ただ、これをしたからといって、お尋ねのように、未帰還問題のすべてが解決するのだという考え方は毛頭持っておらないのであります。解決の一助にはなると思いますが、しかしこれが出ればもうすべて終りであるというふうな考え方はいたしておらないわけであります。従いまして、今後におきましても、未帰還調査にできるだけ努力して参らなければならないことはもちろんでございますし、また海外にあって引き揚げを希望する方々で帰れない方々が、まだ残っております。こういった方々の帰還促進あるいはその援助につきましては、従来通りやはり努力をして参る必要がある。ただ、やり方等につきましてはだんだん対象も減っておるということであれば、それに応じた措置を考えていくことは当然だと思いますが、この制度ができるからということの必然的な関連性において考えるべきものではないであろう、かように考えております。
○受田委員 いま一つ。この法案の要綱の中に、委員長が言われた中の戦時死亡宣言を受けざる者、すなわち本人の申し出のない者ですね、引き続いて未帰還者として存置せしめてもらいたいと希望する者は、今の援護法の規定によって、いわゆる援護の性格からいって、生計主体者でない者及び六十才未満の父母等は手当を受けていないわけです。三年延長するという要綱があるわけですが、延長しても何らそういう特典を新たに受けるわけでもないのであります。手当をもらわないという人がそのままこの先残るわけですが、これを入れるか入れないかということは、今小委員会が設置されましたし、またこの委員会の今後の審議に重大なる関心事になるので、政府としては、別に今回、そういうものの内容についてこの委員会で結論を出していただかなくても、政府は当然そういう未帰還者として残っておる不幸な留守家族に対して、今申し上げた年令制限を受けたり、生計主体者でないというような立場で支給の対象になっておらない人に対しては、たとえば留守家族手当法とか、あるいは公務員の給与法の改正をやるとかいうことで善処する御意思がないかどうか。それによっては、今より審査するであろう小委員会及びこの委員会が、何かの決意を固めなければならぬ理由にもなると思いますので、局長の御答弁いかんによってはこの委員会が相当活況を呈し、あるいは沈滞するというおそれもあるわけです。一つ重大な御答弁でありますから……。
○河野説明員 ただいまの問題につきまして私どもが考えておりますことは、今までもたびたびお答えいたした通りでございまして、ただいまお尋ねのありましたような点もあるわけでございますが、援護法の建前というふうなことから、ただいまのような制度がとられておるわけであります。現在これを直ちに変えるというふうな方向で考えてはおらない。政府といたしましては、従来の考え方と基本的に考え方を異にするというふうな気持は、今のところ持っておらないのであります。
○受田委員 非常に冷たい御答弁でありますので、この委員会は重大な決意をもって審査に当ることを御通告申し上げておきます。 同時に、一つ追加してお尋ねしたいことがあるのですが、未帰還調査の進行が今停滞しておるような印象を受けておる。しかしながら、未帰還調査部で今まで努力したにかかわらず、なかなか究明できなかったというような者の中に、実際は、死んでいたというふうに未帰還調査部が判定した中に生きておる人もある。この間神戸の長田さんは、インドネシア賠償船の船長がセレベス島に寄ったとき、そこにおいて夫がはっきりと生存しているということを確認した報道が入っております。こういうように、未帰還調査部ではもうだめだというような一応のピリオドを打ったような人の中に、まだ生存しておるということもあるわけです。今後、戦時死亡宣言をして後にまた帰ってこられる。去年も、舞鶴に中共から帰ってこられた人の中に、今まで全然情報の入ってなかった方で帰ってこられた方もあるわけです。そういうことになると、未帰還調査の調査の状況に、どこかに手落ちがあるということも言えるわけですが、長田さんの生存が認められておるというような今日、未帰還調査の実態というものに、どこかに手落ちがあるのじゃないか、人員不足とか、あるいは経費があまり十分でないとかいうために、疎漏が起っておるのじゃないかと思いますが、担当責任者である援護局長として、その経費が非常に少い、調査人員が少い、あるいは協力態勢が十分でないとかいう悲哀をかこっておられる向きはないか、お答えを願いたいと思います。
○河野説明員 ただいま、具体的な例を引用されてのお話でございました。インドネシアに、今まで死んでおると思われておった人が生きておったというようなケースをお引きになったのですが、実はこのケース、私どもとしてまだ確認できる確かな情報ではないのではないかということで、ただいまさらに現地にも照会をいたしまして、取調べ中でございます。 それはただいまの具体的なケースについてのお答えでございますが、そのほか一般論といたしまして、御指摘になりましたように、公報が出た人で生きて帰ってこられたというふうな例が皆無ではない。もっとも数が多いわけではございませんが、皆無ではないわけでございます。ただこれは、何にいたしましても、確実な証拠が全部あって処理するというものばかりじゃございませんので、そこに推定というものを差しはさまざるを得ないような状態が一般的にはあるわけです。従いまして、判断を誤まって、大体常識的に考えれば万般間違いないだろうと思って処理したところが、実際は生きておったというふうなケースがないわけではないのであります。これは事の性質上やむを得ないので、手が足らないとか、金が足らないとかいう問題とちょっと違うのではないか。そういうふうなことのないようには万般今後も注意していきたいと思っておりますが、今申し上げましたように、手が足らないとか金の問題ではなしに、事柄の性質上万やむを得ない事態があり得るのではないか、かように考えております。
○受田委員 今の最後のお言葉で、手が足りないとか金が足りないとかで疎漏が起っているのではないということでございましたが、たとえばインドネシアに生存説があるということになれば、その残された人の生存説の究明をするために外交交渉をもっとやるとか、あるいは外交の努力によってだれかを派遣してその調査に行くとか、そういうことは手が要ることだし、金が要ることですね。そういうことをしないで、手が足りない、金が足りない意味でやらないのじゃないのだということの御回答は、どうも私は納得できない。実際に、そこにそういう生きているということが言われておるならば、そこへだれかを派遣するとか、あるいは家族をそこへ派遣する旅費を支弁して調査をさせるとかいうことを——これは外務省との関係にもなるわけですが、あなたはきょうは政府の責任者として御答弁願いたいのですが、政府としてはそういう努力をする道があるのじゃありませんか。それをちょっと伺いたいのです。
○河野説明員 ただいま具体的な例についてお答え申し上げましたように、ただいま現地には日本の在外公館もあるわけでありますから、それを通じて調べてもらうように手配をいたしておるわけであります。今後そういう事態が起りますれば、何らかの手段によって極力究明するように努力するつもりでおります。
○田口委員長 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十三分散会