科学技術振興対策特別委員会 第10号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/04/30
会議録
○小金委員長 これより会議を開きます。 この際、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。本委員会といたしましては、閉会中もなお科学技術振興対策に関する件について調査をいたしたい旨議長に申し出たいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○小金委員長 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。先ほど議長に申し出ることにいたしました案件につきまして、院議による付託があり、実地調査の必要がある場合には委員派遣を行うことといたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、派遣委員の人数、氏名、派遣地、期間並びに承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○小金委員長 引き続いて科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 この際質疑の通告がございますので、これを許します。岡良一君。
○岡委員 兼重先生に若干お尋ねをいたしたいと思うのでございます。先般、防衛庁の原子力の研究、開発に関して、学術会議として意思決定をなされまして、新聞でその片りんを伺いましたが、なお、その趣旨をこの際お聞きいたしたいと思います。
○兼重説明員 お答え申し上げます。防衛庁の研究につきまして、学術会議で別に論議したことはございません。会員の一人から、防衛庁で原子力関係の研究をすることについて——これは日本の原子力の研究、開発及び利用が平和の目的に限るといわれる原子力基本法との関係についてと推察されるのでありますが、一人の会員から質問がございました。しかし、そのときには、学術会議から原子力基本法を厳守することについて申し入れをしよう、こういう申し入れについて審議をする際でございましたから、そのお答は、原子力委員である私としては、また別な機会にいたしたいということで、その場ではいたしませんでしたので、学術会議として、それについて意思の決定は何もいたしておりません。
○岡委員 きょう御出席を願っているこのは、原子力委員として御出席を願っているわけではありますが、しかし、学術会議の総会が、一致した決定としての申し入れということになれば、原子力委員会としてもこれは無関心ではあり得ない、そう私考えますので、学術会議の議長を兼ねておられるということは別といたしまして、その趣旨をお尋ねをいたしたい、こう思ってお尋ねしたわけであります。
○兼重説明員 ただいまの御質問、私は原子力委員としての私への質問というふうに了解したわけではございませんで、先般の学術会議の総会においてのことをお答えいたしたつもりでございます。学術会議で政府へ申し入れることにきめましたのは、最近の国会の論議などを通じて、原子力基本法の精神が厳守されるかどうかについての疑問を感じると申しますか、そういうことがあるから、原子力基本法は厳守されるようにということを政府へ申し入れようということでございます。そこで、私は、そのときに、政府として、特に原子力委員会としては、先般有沢委員が岡先生の御質問に対して答えられたことでもわかるように、原子力基本法を守るということについて何も疑問もなければ、いわゆるよろめくというような言葉で表現されるようなことは何もない、従って、この申し入れを、政府、特にその中で政策のことについて総理を助ける、あるいは総理に意見を言う立場にある原子力委員会を含めて申し入れられるとすると、少し形がおかしいような感じがするということも、そこで申しましたところ、原子力委員会、特に有沢委員の発言については十分了解した、この申し入れは、それを支持する意味のものであるということが発言者すべての意見でございましたから、ほかの人もそれを聞いた上で、その申し入れをすることについて賛成の挙手をしたわけでございます。その意見を原子力委員会として受け取りますれば、ますます今までの態度を堅持していくということでありまして、別にこれまでの態度に反省を求められるというようなことは毛頭含んでおらないことがわかっております。私自身、学術会議の会長として、これを政府の方へ伝える手続をとっております。
○岡委員 有沢原子力委員との応答は、先般の予算委員会の第一分科会でお伺いいたしたわけでございます。あのときには、その問題が特に主題でもないので、私もそれ以上深くは触れなかったわけでございますが、そういたしますと、学術会議においても有沢委員の御発言が了承されたということになると、若干問題があるわけです。防衛庁ないし自衛隊が独自な立場から原子力の研究、開発に従事するということは、自衛隊法のいかなる規定において可能なのか、私ははっきりわかりません。どういうふうな根拠においてそれが許されると考えられて了承を与えられたのでございますか。
○兼重説明員 お答えいたします。防衛庁が独自の考えで原子力に関する研究をすることが認められたわけでも何でもございません。そのときの質問は、三十四年度の原子力予算の中に、防衛庁が担当するもの——金額といたしまして、数百万円であったかと思いますが、そういうものがあるが、あれがなぜ平和利用であるか、こういう質問があったわけでございます。それに対して、平和利用と判断いたしましたのは、原子力委員会でもそう判断いたしてあれが出ておるわけでございます。その件については、きょうの申し入れと直接の関係はないので、また別の機会に質問者にはお答えいたしますと、それはそれきりに打ち切ったわけでございまして、防衛庁は原子力委員会と無関係に勝手な原子力の研究をしてもいいとか、そんなことは全然問題にもなりませんし、そんなことを考えておるわけではないのでございます。
○岡委員 ところが、防衛庁が、その分科会において明らかになったところでは、原子力に関する研究はすでに昭和二十八年か九年に始められておるわけです。しかし、予算に計上されたのは昭和三十四年度の予算です。ところで、原子力委員会は昭和三十年に発足しておるわけです。原子力委員会法によれば、原子力の研究、開発については、各省庁の部分全部について、いわば予算の配分をするという権限が与えられておるわけですから、従って、私が独自な立場と申しますのは、何ら原子力委員会とは無関係に、すでに昭和二十八年か九年に——七年であったかもしれませんが、始められておる。原子力委員会はノー・タッチで、予算を計上して始められておる。昭和三十四年度になって初めて予算に計上されている。こういう格好になっておる。しかし、これは明らかに原子力委員会の権能を無視したやり方だと私は申し上げたいのですが、いかがでしょう。
○兼重説明員 二十七、八年からはっきり原子力に関する研究とうたって防衛庁の予算に出ておったかどうかということは私、実は存じません。それで昨年の夏前と思いますが、三十四年度の予算概算要求の前に、原子力委員会が、文部省の中の大学に関するものを除きました部分について予算の見積り調整について意見を求められましたとき、私も、防衛庁の関係のことであっても、当然ここで考え、それが平和利用の範囲を出るものか出ないものか判断した上でしなければいけないと申しまして、昨年やったわけでございます。その前年に、そういうことが別の方法でなされておったかどうかということは、私その前年も関係はいたしておりましたけれども、そこまで十分確かめてはおりませんでした。もしもその辺の御疑問でありますれば、ここに原子力局長がおりますから、そちらの方にお尋ねしていただきたいと思います。
○岡委員 この間の予算委員会の第一分科会では、防衛庁の方では、数字を示してはっきりやっていたということを言っておられたのであります。それで、私は非常に奇異に感じたことをその際申し上げたわけですが、防衛庁がやることが自衛隊法の規定にかんがみ妥当かどうかということ、また、今度は、予算に計上されて原子力委員会によって予算が配分されたけれども、これまではそうではなかったという事実、この点については、またあらためて高碕委員長の御出席のときにお伺いしたいと思いますが、関連して一言お尋ねをいたします。 御存じのように、動力協定が米英との間に結ばれましたときに、特にアメリカとの動力協定が締結された際、わが方の強い要望によって、返還される使用済み燃料は、これを平和目的にのみ利用するということを明文化されたわけであります。当初、相手方としては、他の国との均衡上、こういう明文は困る、こういう強い意思でありましたが、その後、わが方の強い要求が入れられ、態度が改められた。そうして議定書の中で、平和利用に限るということが明文化されたため、原子力基本法によって原子兵器の持ち込み、あるいは保有は認められないということが、先般の委員会において有沢委員から言明を受けた。そこで、保有は認められないということを有沢委員も認められ、政府の見解もそれに統一されたようです。そういたしますと、今安保条約の改定交渉が行われておりますが、この中に、当然核兵器の持ち込みは認めないということの約束をとりつける必要があると思うのです。動力協定の場合に、やはり日本側の強い要求のもとに使用済み燃料は平和目的にのみ使う、こういう議定書を取りつけておるのでありますから、核兵器の所有が認められないという基本法が存在する限り——これは存在はいたしましても、しかし、米軍の装備を拘束するわけにはいかないのですから、従って、相手国との協定の中に、当然持ち込みは認めない、こういう一項を明確にした約束を取りつける必要があると思うのですが、原子力委員としての先生の御意見はいかがでしょうか。
○兼重説明員 私は、技術関係の者でありますために、防衛関係のこと、あるいは安全保障条約のことにつきまして私の独自の見解を述べるというほどの意見を持っておりませんが、先般有沢委員が岡議員の御質問に対してお答えになったところに、全面的に賛成いたしております。
○岡委員 私がこういうことを申しますのは、たとえば、原子力委員会設置法の第四条に、「委員会は、原子力利用に関する重要事項について必要があると認めるときは、内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告することができる。」、こういう規定があるわけです。ですから、原子力委員会は、言ってみれば原子力基本法というものの守り本尊であってもらいたいのです。とすると、国内で保有を認められないということは、要するに、原子力の核兵器の使用ということは、内外を通じて認めないという気持を具体的に打ち出していくというならば、この第四条に認められた勧告の権利に基いて、内閣総理大臣を通じて防衛庁長官なり、外務大臣なりに勧告をされてしかるべきである。われわれが、動力協定においては、使用済み燃料は、これは平和目的に利用する、こういう一札を取りつけておるのと同じ形で、安保条約の改定の際には、当然原子力委員会は勧告権を大いに発動する必要がある。貿易のこと、外交のことばわからないということでは相済まないと思うのです。これは原子力委員会の当然の責任ではないか。勧告権を発動して、総理大臣を通じて、安保条約改定の交渉に当っておる藤山外務大臣に対して、持ち込み禁止を明文化すべきであるという意思を一応明確にされるべきではないでしょうか。
○兼重説明員 ただいまの御意見は十分承わっておきます。ただ、今そういうことについて原子力委員会が勧告すべきものであるかどうかということについては、私一人ではちょっと判断をいたしかねます。私どもは、原子力委員会が原子力基本法の番人であるべきだということにつきましては、御意見を伺うまでもなく、そう考えております。特に、私が二年前に原子力委員会の委員を引き受けますときに、それが非常に大事なことであるというのを確かめましてから入ったくらいでございますから、その点については、私自身ちっとも異論を持っておりません。ただ、私考えますのは、国内の原子力政策についてというその範囲が、どこまでであるかということについては、今すぐここで、それでありますから勧告することにいたしましょうというところまで割り切れないのでございますが、有沢委員のお答えは、十分御趣旨のことは了解されて答えられておると思っております。私その点で有沢委員のお答えに賛成しておるということを先ほど申したわけであります。
○岡委員 これも外務大臣等の御出席があった機会にもっと私どもの気持も申し上げたいと思いますが、ただ、原子力政策を推進するというためには、日本の現在の段階では、どうしても原子力外交というものが非常に大きな役割を演じておることは申すまでもないことであります。従いまして、原子力政策の推進をしようとすれば、当然原子力外交というものが原子力委員会の大きな仕事になるわけです。それをゆがめられずに、まっすぐに基本法の線に沿うて進めていくということが、私は原子力委員会の大きなお仕事ではないかと思いますので、ぜひこういう点は、委員も今後とも御留意を願いたいと思います。 ただ、そういうことを特に私痛感をいたしますのは、この間外務委員会で、英国からコールダーホール改良型の炉を導入することについて、サケカンを英国が余分に買うというようなこととの関連で、いわばコールダーホール炉を日本が買ってやるから、英国はサケカンをよけい買うというような話し合いが行われたという事実が、先般森島委員から指摘をされておったのでございますが、この点について、原子力委員会としてはどの程度関知しておられますか。
○兼重説明員 そのことにつきまして、私は、どうも委員会で何か相談を受けたという記憶がないのでございます。従って、原子力委員会が、コールダーホール改良型の原子炉はいずれ輸入することになるのだから、そのつもりでサケ、マスのカン詰のことを話してよろしい、あるいはいけない、そういうことも言った記憶はございません。もちろん、言ってよろしいというはずはないわけでありますから、言ったことはありませんが、そういう相談を受けた記憶もございません。従って、それがどういう筋でどういう話し合いになりましたか、私ども存じませんけれども、これは原子力委員会としては、安全性の問題などについて疑問がなくならなければ、あれの設置が認められないわけでありますから、その設置が認められるようになるかならぬかということは、十分な資料が出た上でなければ判断できないのであります。その資料もないうちに、そういうことが言われるということはあり得ないことと考えております。
○岡委員 私も、実はそう思いますので、まことに意外なことと思うのです。これは原子力局としては御相談にあずかられましたか。
○佐々木政府委員 私の方にも相談はございません。私どもといたしましては、ただいま兼重委員からお話のあります通り、コールダーホール炉を平和利用目的のために入れるに際しての経済性、安全性等を検討して許認可の可否をきめるだけでございまして、それ以上、通商政策にそれがどういう問題をはらむかといったような点は、私どもの関係事項でもございませんし、所管事項でもございません。
○岡委員 委員長、これは外交上、秘密会にしなければいけないのですか、差しつかえないでしょうか。
○小金委員長 いいと思います。もし会議録にとどめていいか悪いかという問題が起りましたときには、委員長におまかせ願いたいと思います。
○岡委員 実は、去年の四月ごろ、ロンドンの中川臨時代理大使から藤山外務大臣あての電信によれば、パーシバルの発言は、サケカンを譲許比率に加味して考えたとすれば、原子炉を本年購入しない場合も、それが購入時期の延期で、結局は購入すると解される限り、来年以降直ちに所要の調整を行う必要がないと主張される根拠となる、その意味で、本年はただで百万ポンド取り、原子炉を明年以降のサケカン毎年百万ポンドと交換した結果になるというようなことで、外務大臣に意見を求めてきておるわけであります。これは要するに、日本側とすれば、すでに出先では、まだ日英動力協定も何もできていない先に、コールダーホール改良型を導入するという前提の上に立って、そこで三百億かかるならば、五百万ポンドを六百万ポンドにしてサケカンを買ってもらう、そうすれば十億だ、だから相手方への支払いも、いわばこういうなしくずしの形でやっていこう、こういう伺いを立てておるわけです。これに対して外務省は、現地の中川臨時代理大使に何か返事を出しておられるか、御存じございませんか。
○佐々木政府委員 通商政策のバランス関係から、日英通商条約と申しますか、その具体的なとりきめに、どういう内容を織り込むかといったような点に関しましては、先ほど申し上げましたように、具体的な相談はもちろん受けておりません。従いまして、ただいま読み上げられました経過については存じません。
○岡委員 しかし、なお、昨年の二月ごろに藤山外務大臣が受け取っておられるロンドンの中川臨時代理大使からの電信には、日英貿易会談に関する件について、原子炉購入調査団の活動に関しては、英国政府は重大な関心を抱いており、日英貿易交渉におけるモーガン国務大臣のあいさつの際に言及したごとくである、英側の原子炉購入に関する期待と関心をわが方が適宜貿易交渉上利用するならば、ある程度有利と思われるので、原子力協定との関係並びに本調査団はスペシフィケーションを提示するのみであり、購入についてコミットしない等、微妙な事情はあるが、最終的には英国から原子炉を買い入れるものである、その含みで適宜交渉に利用して異存がないか、御指示をわずらわしたい、こういうこと言っておるわけです。動力協定も何も国会に諮られない前に、すでに貿易協定の中で、コールダーホール型の炉を導入する前提でこういう貿易協定というものを始められようという状態にしておるわけです。これは、この間何も御存じないというのですが、体こういうことが御存じなくて済むのでございましょうか。兼重先生にお尋ねしますが、御存じのように、われわれは原子力発電も反対ではございません。ただしかし、コールダーホール改良型については、その経済性なり安全性についてよほど慎重にやってもらわないと、万一の事故でもあった場合には、将来の原子力開発の上において、大きな国民的な不信を呼ぶことになると大へんだ、よほど慎重に取り扱ってもらいたい、こう申し上げておるわけです。ところが、全然それとは無関係に、貿易協定の中で、サケカンを百万ポンドよけい買ってくれれば、とにかく輸出額がふえるということで、コールダーホール改良型を買う場合の支払い関係を、単に貿易上の国際収支面も緩和されるんだということで、こういう意見を出す。私は、こういうことが原子力委員会として無関係なものにあったとすれば、そのこと自体が、原子力委員会が無関心であったということが無責任といわなければならない。何の案内もなく、こうした話が進められておるとすれば、原子力委員会の権限、権能はいずこにありやとさえ思う。この点、原子力委員としてのお立場から率直な意見を伺いたいと思います。
○兼重説明員 その件について何か相談を受けたという記憶がないか、先ほど申しましたそれは、佐々木局長のお答えからも、その通りだということはおわかりになるかと思います。そこで、外務省に参りますそういうふうなものが、全部原子力局あるいは原子力委員会の方へ連絡がこれまであったかと申しますと、そうではないと思います。それで、外務省として、これは原子力局あるいは委員会と連絡をする必要がありと認めたものだけが来ております。今の電文の初めを見ますと、特に貿易に関係したことでございますから、あるいはそういう判断をされなかったものの一つであろうと想像するのでございます。そこで、そういう場合の措置が、どういうのが一番適当かということは、なおいろいろ解決を要する問題があるかと思います。外務省と原子力局、あるいは原子力委員会との間の連絡が密でありますと、そういうことは減るだろうと思います。そういう点に関しまして、最近は前よりもよほど連絡がよくなっておりますので、今後はだんだん改善されると考えておりますが、当時そういうふうなことがあったということは、今、あるいは先だっての国会の御質問のことを新聞で見たのが始めてのことでございます。そういう点に対して今後どういうふうにするかということは、また原子力委員会でもよく相談をいたしてみたいと思います。
○岡委員 兼重先生は、あまり外務省を援護する必要はないと私は思うのです。問題は、あとに申しましたような形で、昨年二月ごろの現地からの藤山外務大臣あての電信によれば、貿易協定を進める上において、コールダーホール改良型を買うという含みで進めた方が有利であるということを、はっきり言うてきておるわけです。しかも、それがサケカンでいった方がいいんだ、そうして五百万ポンドを六百万ポンド買う、百万ポンドよけい買ってくれ、そして、その百万ポンドはすでに去年売ちゃっているのです。国際信義上から考えても、そうじゅゃございませんでしょうか。コールダーホール改良型を買うんだという含みで、相手方もこれに重大な関心を示しておる。そこで、それをその含みで交渉して、百万ポンドすでによけい売っているんです。すでに百万ポンド売っておって、国会では動力協定を去年おそく可決しておるのです。国会というものの審議権さへ全然無視し、現地の諸君か外務省の諸君か知らないが、その諸君と英国とのサル芝居にわれわれは踊らされておるわけですよ。コールダーホールを買うときめて、原子力委員会も踊らされているわけですよ。先生がさっきおっしゃったような安全に関する専門委員会、経済に関する専門委員会など設けられて、やっとそれが発足して、まだ仕事も十分まとまっていないというときに、そんな委員会が発足する前に、すでにこういう交渉が行われておる。こういうことを一体どう思われるか。これからの問題ではございません。これは重要な問題じゃございませんか。
○兼重説明員 私は、別段外務省を弁護するつもりで申したわけじゃございません。今御質問になっておりますこと、その通りの話が、たとえばロンドンで行われたということが常識的にちょっと考えられないわけでございます。これは、おそらく表現が、何かもう少し違ったことででもされておるのなら別として、日本がどんな状況であっても、今問題になっておりますコールダーホール改良型の原子炉を輸入しなければなつらないような、そういう形でできておるということは、ちょっと考えられません。従って、その点はもう少し外務省なんかの説明もお聞きになりました上で、それがはっきりいたしましてから考えた方がよろしいんじゃなかろうか。私は、そういうことを約束しておるから、もう国際信義上、あれがどんなものであろうと買わなければならぬという状態になっておるとは、とても考えられません。従って、そういうふうになっておることを前提として、原子力委員会は何をしておるというふうにおっしゃられたのに、すぐお答えができないわけであります。
○岡委員 そうすると、これは一つ外務省の、せめて局長でも次官でも呼んでもらわなければいかぬな。委員長、ぜひ一つ呼んでいただきたい。これは、いわば意見を求めてきておるのに対して、外務省がどういう返事を与えておるかということを確かめておく必要があると思うのです。さもなければ、外務省が独走で、貿易協定やそういうものにからまされては、事前にすでにのっぴきならない立場に追い込まれて、結局原子力委員会がその状態のまま、前提をのんだ形で、事実上は日本の原子力政策を進めるという形になれば、原子力委員会の権限の立場からも遺憾千万だと思います。それは無電さんも御異議ないと思います。だから、これははっきりしてもらいたい。なぜなら、もうそういう話が出て、向うから重大な関心を示し、こちらからも貿易協定の中で五百万ポンドを六百万ポンドにふやし、百万ポンドは去年の秋に売ってしまって、受取勘定の十億というものがもう出ておるわけですよ。そこで、今度日本の原子力委員会では、安全性、経済性を検討した結果、これはだめだ、こうなったら、出先の外務省の面目まるつぶれになってしまう。もしこれを前提としてコールダーホール改良型を買うということになれば、原子力委員会の以前に、すでに外務省の出先は原子力委員会の決定権というものを無視してコールダーホール改良型を入れるという、そういうことを勝手に取りきめた形で交渉を推し進めるということになり、これは今後の日本の原子力政策という立場から見ても、原子力委員会の権限、権威という立場から見ても、ゆるがせにすべき問題じゃないと私は思う。これは委員長、ぜひ一つ今国会中に、外務省はこの返事をどう出したか、はっきりとした明文化されたものを示してもらいたい。また、それは当然原子力委員会としても、科学技術庁としても、もう事態をそこまではっきりせらるべきじゃないでしょうか。
○兼重説明員 私は、きょう、その照会電文の写しでございましょうか、そのことを伺いますので、その点を確かめる必要はあると先ほどから感じておりましたが、しかし、今でもそのような事態になっておるとは考えられません。しかし、万々一原子力委員会が審議をする前にそういう約束がされておるということがあったといたしましょうか、その場合でも、別に原子力委員会はそれに拘束されることはないと考えておりますから、それとは無関係に、厳密な審査をして、いいか悪いかを決定するつもりでございます。そのことが国際信義に反するようになるかならぬかということは、外務省がどういう話をしておるかにかかるわけでございますが、しかし、私はどのように悪く考えましても、そんな非常識はやっていないような気がいたしておりますから、ここでそれを前提にして、すぐそれは大へんだというふうには申し上げるつもりはないわけでございます。
○岡委員 それでは、いずれまた来月には当委員会も開かれますので、その際に、この貿易協定並びにその付属文書の一切、並びにサケカンの輸出の状況、その他支払いの金額等を、われわれとして納得のいくように、またこの電信に対する外務省の返事、こういうものを資料としてぜひ一つ御提出を願うように、委員長としてお取り計らいいただきたいと思います。 あと、私は茅先生にお尋ねをしたいと思います。
○小金委員長 それでは、今このイギリスとの通商協定に関連して原子炉の問題が出たようです。それは科学技術庁と原子力委員会と外務省とでよく今の話の筋に沿うて打ち合せをして、はっきりさせておいて下さい。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○小金委員長 速記を続けて下さい。 ただいまの岡委員の御質疑と、それからその答えのうち、外交上の機密にわたる部分がありましたなら、会議録を取り調べの上、その措置につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小金委員長 それではそのように取り計らいます。
○岡委員 一言だけお願いいたします。兼重先生に、なおもう一度念を押しておきますが、たとい貿易協定の内容のいかんにかかわらず、原子力委員会としては原子力委員会の権威にかけて、コールダーホール改良型の経済性、安全性の結論が出てからこれを購入すべきかいなかをきめる、こういう御方針と考えていいのでございますか。
○兼重説明員 その通りでございます。
○岡委員 それで、兼重先生の方はなんでございますが、今資料を要求したことに関連いたしまして、なお若干の資料を、これは原子力局の方で、この次の委員会まででけっこうでございますが、御用意願いたいと思います。それは、コールダーホール型の導入設置についての原子力発電株式会社の申請書、それからコスト四円九十八銭という金頭がありましたが、なお最近の新鋭火力のキロワット当りのコスト、それから重油専焼の場合におけるキロワット当りのコスト、それから保険がその後どういうことになりましたか、どのくらいの保険に相なっておりますかというようなこと、これを一つ数字の問題ですが、お願いしておきます。
○佐々木政府委員 申請書は、実は非常に膨大なものでございまして、その全文ですか、あるいはアブストラクトでよろしいのでしょうか。
○岡委員 しろうとにわかるように出してもらいたい。
○佐々木政府委員 それではアブストラクトで提出いたしましょう。 —————————————
○小金委員長 それでは、先般科学技術会議の設置法が施行されまして、議長には内閣総理大臣、議員には大蔵大臣、文部大臣、経済企画自長官、科学枝術庁長官、これは役人といいますか、役人の方から出て、あと、そのほかに兼重、内海、梶井、茅の四氏が議員になられました。 この際、議員に就任せられまして、本日ここにお見えになっております兼重寛九郎君、内海清温君、梶井剛君、この御三方を御紹介申し上げます。 〔兼重寛九郎君、内海清温君、握井剛君起立〕
○小金委員長 この際、皆さん方から一言ごあいさつを願います。兼重議員。
○兼重説明員 御承知のように、私は学術会議の会長でありますゆえで科学技術会議の議員の一人になりました。そういう意味から、私の責任は、ただ科学技術会議の議員の一人という以上に、特に科学者の意見をその中で反映させるということを非常に大きな任務の一つと考えておるわけでございます。これは私一人の力でできることではないほどむずかしい、また大事なことでございますけれども、幸い、こちらにおいでになります両議員及び茅議員も、そういうことについては十分の御理解を持っておって下さいますので、せんだって、四月十四日に第一回の会議がありましたとき以来、私はその点についての負担は幾らか軽くなったような気がしておるくらいであります。これからいたすべき仕事あるいは抱負というものはたくさんあるべきでございますが、私は学術会議の会長として入っておりますために、個人的なことはあまり申す必要がないかと思います。これでお許しを願いたいと思います。
○小金委員長 内海議員。
○内海説明員 私は御紹介いただきました内海清温でございます。今日この席に参りまして、議員としての所信を申し述べろということでございますが、所信と申しましても、実はどういうことをお話ししたらいいか、こういう席に私はなれませんので、私が考えております、また、私が所信を申し述べる前提になりますことを若干申し述べたいと思います。これから申し上げますことは、むしろ皆さんの方がよく御存じのことでございますので、釈迦に説法のきらいがあるかと思いますが、ただ、私の所信を申し上げるその前提となる環境と申しますか、現況について少しばかり申し上げたいと思いますから、どうかお許しを願いたいと思います。 御承知の通り、是近におけるアメリカ、ソ連を初めといたします各国の科学技術の進歩、発達というものはまことに驚くべきものでございまして、第二の産業革命が起っておるといわれるのもまことにむべなるかなと断ぜざるを得ません。しかしながら、これはもちろん偶然に生まれた現象ではありません。人類の真理を探ろうとする欲求と、それを人類の福祉に役立たせようとする不断の努力の成果であるとは言うまでもありません。その成果の多くが自国の戦力増強という軍事目的から出発したものであったといたしましても、結果においてはいずれも人類福祉の増進に役立っておるといって差しつかえないと存じます。 翻って、日本の科学技術の歴史と現状とを考えてみますと、日本のいわゆる近代科学というものは、御承知の通りまことに歴史が浅く、徳川末期に蘭学が日本に入っきたのに始まると思うのでありますが、主として明治維新以来のことでありまして、歴代の政府は、まず国民の教育に最も力を入れて参りました。特に世界の先進国に伍して平和を維持し、国民の福祉を増進するために、いわゆる富国強兵をスローガンといたしたのでありますが、そのためには、おくれておると申すより、皆無に近かった近代科学技術を先進国から導入いたし、これを育成することが唯一の道であるということに気づいたことはまことに当然でありまして、国をあげて科学を学び、技術を習いました。その結果は、めきめきと現われて参りました。産業は興り、技術は進み、ついには日本は富国強兵を誇り、世界の四大強国などとうぬぼれるに至りました。とうとう日支事変、第二次大戦に突入いたしたのでございます。しかしながら、科学技術の面から静かに過去を反省して、科学も技術も日本に導入を始めましてから日なお浅かったために、もちろん多くの例外はありますが、その導入した科学技術を吸収し、消化するのに精一ぱいでありまして、まだ完全にこれを血となし、肉となし、力となし、さらに進んで新しい日本独得の科学技術を生み、あらゆる科学技術の分野で世界水準に満して、さらにこれを追い抜くという段階にはほど遠いものがあったと思う次第でございます。しかるにこの段階で第二次大戦に突入したのでございます。真珠湾の奇襲攻撃以来、緒戦こそまことにはなばなしかったのでございますが、だんだんにぼろが出て参りまして、結果はあの通りでございます。日本の科学技術水準の認識を誤まったことが戦争突入の原因であり、また、日本の科学技術の底の浅さ、低さが敗因正であったことは、私が例をあげますまでもなく、合日では何人も否定しないところであろうと存じます。その上に、日本が戦時中並びに敗戦後の虚脱時代、すなわち科学技術の研究が停頓しております間に、米国、ソ連初め各国は、いずれも科学技術の研究に、科学者、技術者の養成に格段の力を入れて参ったことは御承知の通りであります。そうしてスプートニク、ミサイル、人工頭脳等々から各種の医業、農薬等々に至るまで、まことに驚異的な成果を上げておることもすでに御承知の通りでありまして、いわゆる第二次産業革命はすでに始まっておると称せられるゆえんであろうと存じます。しかも、彼らは決して現状に甘んじてはおりません。ますます科学技術躍進のために金と物と人とを惜しみなく投じ つつありますこと、これも御承知の通りでありますが、一例をあげてみますと、科学研究のために投入しております金が、一九五六年の調べを見ますと、アメリカが日本の六十八倍の金を投じております。英国が日本に比べて六倍余の金を投じております。また、西独も日本の二倍余の金を投じております。これを政府の支出の研究費と政府予算の比率で見ますと、米国、英国は政府予算の四%を投入しております。日本においては、わずかに二%でございます。金額で申しますと、アメリカが一兆数百億円、イギリスが二千二百五十八億円に対して、日本はわずかに二百二十億円でございます。 戦後、日本は敗戦による虚脱状態から早く立ち上って目ざましい速度で復興を遂げたといわれております。なるほど産業も栄えております。国民生活も向上して参りました。国際収支も黒字を保っております。国民所得も国家財政も漸次拡大して参りました。現象的には、まことにはなばなしく見えるのでありますが、しかし、日本の経済の底はきわめて浅い、経済の基盤はきわめて低いというのが実情であります。今脚光を浴びております新興産業のどれをとってみましても、おおむね外国の発明、特許あるいは外国の科学技術の導入によらないものはまれであります。しかるに、先ほど申しました通り、戦後各国の科学技術はいまだかつてない速度をもって躍進を遂げつつあるのでございます。今日、日本の先端を行っております産業、また設備近代化のために無理な資金でもって設備投資に努めております産業が、明日再び技術において、設備において陳腐化をかこつおそれがないでありましょうか。日本の経済をささえるただ一つの道は、輸出産業の進展にあるといわれております。その輸出競争は、日一日と激烈になってくると思われます。従来、輸出競争の唯一の武器であった低賃金には今後もはやたよれない上に、工場のオートメーション化は賃金が生産コストの中に占める比重をますます小さくしております。しからば何をもって世界の輸出競争に耐えるかという問題でありますが、これも私が申し上げるまでもなく、ただ一つの道は、最高度の科学技術を産業に導入いたしまして、日本に賦存する乏しい資源、また外国から輸入いたします原材料に最大の付加価値を与えてこれを輸出する、これ以外に道はないと思う次第であります。 ところが、その科学技術が世界の各国に比べまして大へんおくれておるのでありますから、将来に大きな問題を残しておるといわざるを得ないのでございます。戦後、歴代の政府で、その政策に科学技術の振興をうたわなかったものはありませんでしたが、その施策を見ますと、いずれも龍頭蛇尾と申しますか、羊頭を掲げて狗肉を売ると申しますか、その感なきを得ないのであります。そのために、日本の科学技術のおくれをますます大きくしておると考えざるを得ないのでございます。日本は、今日結論に達したわけでありますが、日本が今日急速に、また強力になさなければならぬことは、第一に科学技術のこの大きなおくれを急速に取り返して、一日も早く世界水準にまで到達するための手段、方法を講じなければならぬということでありましょう。第二に、世界の科学技術は、先ほども申しました通り、今後は、従来に比して急速度で進歩するものと推定されるのでありますから、日本もこれと歩調をそろえて進まねばならぬと思うのであります。この第一も第二も、言うべくして実に容易ならぬ大事業であると思うのでありますが、政府も国民も、ほんとうにこの点に目ざめまして、思い切った手段、方法をとらなければならないと思うのでございます。現政府が、科学技術の振興を国の重要政策として取り上げておりますことは、まことに当然のことでありますが、要は、その実行であると思うのでございます。今日新たにこの科学技術会議というものが設置されましたのは、わが国の科学技術を飛躍的に振興せしむるための総合的、長期的基本方策を樹立するにありと理解いたしております。これが政策実行の突破口にならなければならぬと存じております。まことに私どもの任務の重大さを痛感いたす次第であります。 私は、今日まで四十数年間技術者として終始いたして参りましたが、今回はからずも科学技術会議の議員を拝命いたしまして、わが国科学技術の飛躍的振興のために私の余生をささげますことは、無上の光栄であり、技術者としてまことに本懐でございます。不徳、不敏ながら、私の最善を尽したいと考えておりますので、どうかこの上とも御指導、御鞭撻を賜わりますようお願いいたす次第でございます。
○小金委員長 次に梶井議員。
○梶井説明員 今回、当委員会の委員各位の方々の御推薦によりまして、政府は科学技術会議を設置されるようになりました。そうして、科学技術の振興を重要政策として、今後力をいたされるという決意を表明されたわけであります。私は、単なる一部分の専門的知識しか持っておりませんけれども、今後科学百般に対しても勉強いたしまして、御期待に沿うようにいたしたいと思います。 現在のわが国の科学技術の姿というものは、きわめて微力であります。基礎研究、応用研究を担任いたしますところの大学、あるいは国立研究所における予算等もきわめて少くて、国としてこれに対し力を注がなければならぬことは明らかであります。ことに最近は、基礎研究、応用研究から開発研究に発展します時間が非常に短縮されて参っておるのでありますから、わが国としましても、国が中心となって基礎研究、応用研究を推進し、かつ、これを開発研究に移すよう、民間の研究機関を動員してやっていかなくちゃならぬということを痛感しております。しかし、現状は、科学技術の研究者の数並びに質において、欧米にはるかに劣っておりますし、また、政府が科学技術振興に充てておられまする予算もきわめて微弱なんでありまするから、私どもは、これらの機関に対しましてできるだけすみやかに、その欠陥を補い、そして、できるだけ早くわが国の科学技術の基本的な政策を確立して、これを推進することを私どもの任務だと確信いたします。自分自身としましては、はなはだ微力な者であることを痛感いたしておりまするけれども、全力をあげて、わが国の運命が科学技術の振興に将来大いにかかっておるということを自覚しまして、努力いたしたいと存じますから、どうか皆様方の御指導、御鞭撻をいただくように切にお願い申し上上げます。(拍手)
○小金委員長 これで内海、梶井両君のごあいさつは終りました。 —————————————
○小金委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。
○岡委員 私は、せっかく科学技術会議の議員に御就任いただいた御両氏に対して、別に質問などということを申し上げるのではございませんが、この科学技術会議は、実はこの科学振興対策特別委員会が満場一致でこの会議を設置すべきものという強い意思決定をいたしまして、その結果、これが生まれたわけでございます。従いまして、われわれ科学技術の委員会といたしましても、この会議の運営と申しまするよりも、会議の成果については大きな責任を持っておるわけでございます。その点から若干希望を申し上げて、両議員の御意見を承わりたいと思います。 第一の問題は、実は科学技術の振興というものは、先ほども内海議員の仰せられたように、国際的、世界的な徴候である。従って、立ちおくれたわが国の科学技術振興については、最も権威ある機関を作って、計画的にわが国の立ちおくれを克服する、こういう考え方で、実はこの会議の構成におきましても、内閣総理大臣が議長となっております。私どもは、内閣の首班である内閣総理大臣が議長になる、こういうことを強く要求いたしました。速記録でごらんをいただけばわかりますが、前々回の予算委員会においても、内閣委員会においても、私どもはこれを強く要求いたしました。ところが、これが認められない結果となって、従って、議長ではございますが、内閣総理大臣は総理府の主宰者という立場における議長でございます。これは具体的にどうなるかと申しますと、総理府に付置されたたくさんの委員会、審議会がございます。その中には、たとえば売春対策審議会というものもありますが、大体、売春対策審議会と科学技術会議というものが同列なものになってしまっておる。これではこの会議がほんとうに権威ある運営をなし得るかどうか。もっと内閣の首班たる内閣総理大臣がこの会議運営の責任をとるというところにまで持っていかなくては、せっかくのこの重大問題についての基本的な諸施策を審議していただく会議としての権威がないのではないかということを、非常に私どもも強く案じまして主張いたしましたが、その結果は、今申しましたように、総理府の主宰者である内閣総理大臣となって、内閣の首班である内閣総理大臣ではないのです。そこで、こういう審議会がたくさんあります。あるいはこういう会議めいたものがたくさん付置されて、いわゆる一種の諮問機関のような形で、社会保障審議会とか、かなり権威のあるものもございます。ところが、従来の運営上から、私どもまことに遺憾なことは、せっかくこういう機関を設けながら、機関の意見というものが、予算の問題なり人事の問題なりにちっとも反映しない。ただ作文を作るに終っておるという例が実は非常に多い。この点を私どもは憂えまして、内閣の首班が議長となる、こう主張しましたが、みごと私どもの期待は裏切られた結果になりました。私は、この科学技術会議設置法について、今両議員のごあいさつは、まことにわが意を得たごあいさつではございますが、さて、会議が仕事をやろうとすると、今申しましたように、従来の例に徴しますと、一極の諮問機関で、聞きおく程度に終るという可能性が多い。率直に申し上げて、両議議員とも、まことに古武士の風格を持っておられますが、鉄扉をかまえた姿であくまでもやってもらわなければ私は困ると思うが、その辺、もう一ぺんはっきりと所信を承わりたい。
○梶井説明員 ただいま仰せの通り、議長は総理大臣ということになっておりまして、しかも、その議員の中には大蔵大臣、文部大臣、経済企画庁長官が入っておられます。また、科学技術庁長官は現在通産大臣が兼ねておられますから、両方の意味において御出席になっておるのだろうと私は思います。先般、第一回総会がございまして、各自が自由に意見を述べる機会が与えられました。その際に、四人の議員がそれぞれ意見を申し上げました。科学技術の振興というものは、単なる題目に終ったのでは何らの意味をなさない、現実にその問題が一つ一つ解決されなければならぬということの趣旨をそれぞれ申し上げたのであります。 私個人が申し上げましたことをこの機会に簡単に申し上げますと、総会は年に四日開かれることになっております。わずか四回でありますから、議長であるところの総理大臣は、毎回必ず御出席を願いたいということをお願いしておきました。また、この科学技術会議の規定の中に、答申いたしましたことに対しましては、これを尊重しなければならないということが書いてございます。これは、従来の単なる諮問機関と違いまして、尊重するという意味は、これを実行に移すということに近い文句だと思います。これは解釈の次第によりまして、尊重したというも程度問題がありますけれども、しかし、従来の諮問委員会と違いまして、特に尊重しなければならないということがございまするので、単に聞きおくという意味では毛頭ないと思います。これを実行に移さなければならない。従って、私どもは、答申するばかりでなくて、実行についても関係の閣僚の方々に直接お願いもし、かつ、これを具体化することにつきまして、私どもも十分に努力いたしたいと考えておる次第であります。
○岡委員 そこで、もう一つの点でございますが、文部大臣も参加して科学技術振興の基盤を養い推進する、それからまた、民間の研究その他について、やはり大きな役割を演じてもらわねばならない科学技術庁長官も入っておる、また予算を扱っておる大蔵大臣も入っておる、構成は非常にはなばなしいわけでございますが、そこで、ただ私は、今内海議員が申されましたように、なるほど科学は真理を追求する、真理というものは国境を越えたものであることは申し上げるまでもございません。ところが、閣僚が大量に入っておられるということになりますと、国境を越えた真理を追求する、そして、これを人類の福祉と繁栄に役立たしめようというにもかかわらず、その時の政権の性格によって、その方向がゆがめられるという危険性があり得ると思うわけです。そこで具体的に申し上げますと、たとえば、現在科学技術の振興においてトップ・レベルにある国はアメリカと同時にソビエトだと思います。ところが、日本も立ちおくれを克服するためには、やはり国境を越えた真理を探求する科学の問題であります限りは、その時の政府の外交政策に左右されるのではなくて、やはりよきものはどんどん積極的に摂取しながら、日本の科学技術の振興のかてにしていくという方針がまず基本でなければならない。ここに、私は科学技術に会議の運営上一つの問題点が起ってくると思います。時の政府の閣僚が大量に入っておられれば、その時の政府の外交方針によって科学技術会議というものの運営が、特に海外における科学技術の成果を摂取し、これをわが国の科学技術発展のかてにしようという、国境を越えた真理の追求という場から考えると、そこに一つの変更が予想され得るわけでございます。この点について両議員の御心境をお漏らし願いたい。
○梶井説明員 確かに仰せの通り、科学というものに対しては国境がございません。ことに純粋科学、ほんとうのナチュラル・サイエンスというものに対しましては、自然現象の発見に基礎を置きますから、どこの国が研究いたしましても、それが発表される限り国境なく知れ渡ってしまうわけであります。しかし、ただいま政治が科学技術の研究を曲げることはないかというお話でありますが、科学技術者というものは、本来が人類の幸福を増進するために科学技術をやっておるのでありますから、その結果としまして、でき上ったものがもし悪用されるならば人類に害を及ぼします。もし、これが善用されるならば、これは人類の幸福を増進するわけであります。一つの例を申し上げますれば、原子爆弾というものが、もし爆弾として攻撃兵器になった場合においては人類に不幸をもたらすわけであります。しかし、原子爆弾を研究した人々というものは、決してそういう意図を持ってやったわけではありません。でありますから、これは私どもの任務であると同時に、要するに、政治家の方々の良心に基いて、科学技術の発達をいかに人類並びに社会に対してこれを利用していくかということをやっていただかなければならぬと思います。でありますから、私どもは科学技術の進歩というものが人類の幸福を増進するように、できるだけ努力いたしたいと思っております。
○岡委員 私がお尋ねしておるのは、幸福の目的か、または反対の目的かということではなくて、たとえば、アメリカも非常に進歩しておる、ロシヤも非常に進歩しておる。そうすると、やはり国境を越えた真理を追求する、科学を中心とし、これをわが国において発展させようとするための中枢機関である科学子技術会議というものは、たとえば、その時の政府がアメリカに片寄っておるとか、ソビエトに片寄っておるというふうなことはしないと思うのです。いずれであろうとも、よきものはどんどん、両陣営のいずれからも摂取するという、そういう方針が望ましいが、たくさんの大臣が入っておると、その政府の方針によって、一方に片寄ってくるということが起る心配がある、こういうことがあってはならないではないか、その点の御所信を伺いたい、こう申し上げておるわけです。
○梶井説明員 科学技術に関して、ことに科学に関しましては、これは世界的に共通的に利用されつつありますからして、政府の政策によってアメリカに片寄るとか、ソ連に片寄るとかいうようなことがちょっと困難じゃないか。ソ連にしましても、アメリカにしましても、科学の進歩がされましたならば、直ちにそれが日本に利用できる限りは利用すべきである。ソ連が研究したものであるから、日本が利用しちゃいけないということはできないのじゃないかと私は思いますが、ただ、これを応用しました開発研究になりますと、お互いに秘密を守ったりいたしますので、従って、時の政府、相手の政府の方針によりまして、日本にその応用研究がわからないという場合はあり得ると思います。また、日本が、そういう場合によその国へその応用研究を発表しないということがあり得るかもしれません。しかし、基礎的研究そのものにつきましては、これは国境なくやっていきますが、そのあとの応用研究、開発研究は各自の力によってできるだけ早く促進する以外にはないと思います。 —————————————
○小金委員長 ちょっと。ただいま科学技術会議の議員になられました茅誠司君がここに御出席になりましたので、この際御紹介申し上げます。 〔茅誠司君起立〕 —————————————
○小金委員長 それでは岡建一君。
○岡委員 茅先生にお教えを願いたいと思う点があるので、率直な御意見を承わりたいと思います。 と申しますのは、先生も御存じのように、核兵器の問題でございますが、先般、原子力委員の有沢先生から、原子力基本法が現存する限りは、日本は自衛の目的といえども核兵器の保有、使用を認むべきでない、こうと言われました。そこで、自衛の目的とは何であるか。日本の国の平和と安全のためであろうとも、自衛隊が防衛行動に出た場合には、核兵器の使用はやはり認められないものである、こういうことがっ防衛庁の次官から言明があったわけです。従って、問題は、原子方基本法第二条を改正すれば持ち得るということが、裏を返せば出てくるわけであります。その点につきまして、先般憲法調査会の総会の席上で、防衛庁当局の出席者が申しました意見といたしまして、こういうことが新聞に伝えられております。それは、憲法上核兵器は、いわゆる原水爆というふうなものは持てない、しかし小型のものはその限りでない、こういう意見が新聞では伝えられておるわけであります。私は専門の知識はございません。ただ従来の時に用いられた物理的な破壊力、あるいは化学的な破壊力、生物学的な破壊力、しかも化学兵器、生物学的な兵器というものは、これは国際法的には日本は参加しておりませんが、禁止のものになっておる。ところが、全く異質的な、しかも巨大なエネルギーを蔵しておる、いわゆる核分裂ないし核融合を軍事目的に使うということは、たとい小型といえども、私は憲法第九条の精神から見ても絶対に持つべきではな い、こう考えておるわけでありますが、その点、大型は悪くて小型はいいのだという、きわめて素朴な大型、小型論が横行しておることについて、こ の際、茅先生から特に専門の立場から、十分私どもを啓蒙していただきたいと思うわけです。
○茅説明員 憲法の解釈の問題は私は専門でございませんし、そういう点は申し上げられません。しかし、私は、有沢委員が原子力基本法の立場から、小型核兵器といえども原子力基本法ではこれを禁止している、これを改正しなければ持つことはできないという意見を述べられたことに対して、非常な敬意を表しておる一人であります。ただ、この小型核兵器は防御兵器であるから、憲法において許せるという話が出ておりましたが、私は、憲法で防御兵器である場合は許せるとか許せないとかいう問題に入りたいとは思いません。ただ、問題として、小型兵器と大型兵器の限界ということはほとんどないのじゃないか。たとえば、あの当時論議されておりましたのは、百キロないし百五十キロ程度の射程を持つ、そういうミサイルに核弾頭をつけるということは防御の範囲であるから当然許される、しかし、ほんとうの意味で防御と申しますならば、敵の基地をたたくのでなければ、私は防御にならないのだと思うのです。ですから、そういう意味におきまして、防御ということだけから申しますならば、敵の基地をたたけるようなICBMでなければ、ほんとうの防御には私はならないと思います。そういう意味におきまして、防御ということだけで小型と大型とを区別するということは私はできない。少くとも、小型兵器がいいという議論になりますと、大型兵器も防御的な攻撃ですね。そういう意味においてはいいという議論が成り立つ。そうなれば、もう限度はございませんで、どんな核兵器であっても差しつかえないという議論が出てくるんじゃないか。そういう点から申しまして、私は小型核兵器といえども持つべきものではないということを心から信じております。私の考え方だけ申し上げます。
○岡委員 なお関連して、先ほど兼重先生にも承わったのですが、今安保条約の改定問題が出ておるわけでございます。そこで、この前アメリカとの動力協定の場合には、私ども自社両党の議員が代表いたしまして、アメリカ原子力委員会のフローベルグ氏と会いまして、いわゆる使用済み燃料については、これを引き取って、いかように使おうとも、わが方としては、これは向うにまかせるという形でございましたので、それは日本には御承知のように原子力基本法というものがある、従って、日本で原子力発電をやった使用済み燃料を、お宅の方でこれを原爆の原料に使われたのでは、この基本法の精神から見てわれわれとしては賛同しがたい、従って、この際協定の上に、使用済み燃料を引き取っても、これは軍事目的に使わない、平和目的に限るということを条文の上に明確にしてもらわなければ困るということで、昨年の八月の下旬でしたか、私どもは強くこれを要求いたしました。それもありまして、議定書の形で、本協定正文と同様に、御存じのように平和利用のみに限るという向うの意思がはっきりされたわけです。 そこで、今度は安保条約改定の問題ですが、基本法に基いて、自衛隊は核兵器は大型も小型も持てない。しかし、基本法はアメリカの軍隊の装備を制約する力はございません。してみれば、あるいは持ち込むかもしれない。岸総理は、持ち込ましめないと申しておりましても、いざ、まさかというときになれば、やはり陸海空軍を統括するアメリカ大統領の決定によって、日本に駐留する米軍なり、日本に基地を持つ空軍なり、あるいは海軍が原子兵器を持つということの裁定が下れば、おそらく東京の政府はこれに対して文句は言えなかろうと思うのです。だから、安保条約の改定の場合、やはり明確に、われわれが動力協定においてアメリカにその約束をさせたように、持ち込まないという明文を取りつける必要があるのではないか。でなければ、単に自衛隊が持っちゃならないということだけでは、今後原子戦争ということが、地域的であろうと全面的なものであろうと、そういう事態が万一の事態として予想されるときには、これもはっきりさせなければならない、こう思うわけです。安保条約改定の方式でなくては、どうしても核兵器の持ち込みはしないという約束を取りつけるべきである。これが基本法の精神を原子力外交の面において生かすゆえんではないか、その事例はすでに動力協定においてあるではないか、私はそう考えておる。この機会に茅先生のこの点に対する御所見を承わりたい。
○茅説明員 私は、安保条約改定の詳しい政治的ないきさつについては、専門外でわかりませんけれども、自分の信念としまして、核兵器を人を殺すために使いたくない、そういう立場から、いかなる場合でも日本に核兵器を持ち込まれることに反対であります。そういう意味において、そういうことのできないような規定が設けられることには非常に賛成であります。
○小金委員長 本日はこの程度にて散会いたします。 午後三時七分散会