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31回国会衆議院1959/04/07

運輸委員会 第22号

発言数
27
登壇者
7
会派数
2
開催日
1959/04/07

会議録

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 これより会議を開きます。  国鉄の経営等に関する件につき、調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 先般お尋ねしたのでありますが、運輸省からはおいでになっておらぬし、おいでになっていても監督局長ではおわかりにならないので、きょうは政務次官がおいでですから、あらためてお尋ねをするわけです。  今回の皇太子の御結婚に伴いまして、政府は特赦を行うというお話でありますが、特赦の本質についての論議は別として、実施されるという前提に立てば、いわゆる行政処分の問題について、政府内部においていかように扱う考えでおられるか、その点をお尋ねしたいのであります。

中馬辰猪自由民主党運輸政務次官

○中馬政府委員 皇太子殿下の御成婚に関しまして、政府といたしましては、懲戒免除の措置をとる考えはただいま持っておりません。戦後の例を申し上げますと、国連加盟の場合においては実行いたしておりませんけれども、ただ講和条約締結の際におきましては、若干さような措置をとったことがございますが、今回におきましては、ただいまのところその考えは持っておりません。

久保三郎日本社会党

○久保委員 一般特赦は実施される御方針でございましょうか。

中馬辰猪自由民主党運輸政務次官

○中馬政府委員 やる考えであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 一般の刑法上の特赦は実施されて、それ以外の行政処分については考えておらないということ、少し片手落ちではないかと思うのであります。特に国鉄の問題を見ますれば、御承知のように運転事故あるいは営業事故、これによる懲戒処分等も多くあるわけであります。その原因について、たとえば運転事故等の原因を検討しますれば、本人の怠慢というようなものはほとんどないのでありまして、たとえば注意力が不十分であったとか、あるいは過失であったとか、こういうのが多いと思うのであります。そういうものについて全然考えておらぬで、新聞の報ずるところによれば、刑法に関するいわゆる特赦、これは選挙違反までも含めるようなお話も伝わっております。これは一般国民から見ても、片手落ちもはなはだしいものだとわれわれは考えているのであります。現在その行政処分に対しての特赦は考えておらぬということは、まだそこまで話はいっておらぬのか、全然今後やる考えがないのか、いずれでありましょうか。

中馬辰猪自由民主党運輸政務次官

○中馬政府委員 ただいまの御質問に対しましては、政府全体の考えでございますので、特に国鉄だけやるとかやらないとかいう問題では、ただいまのところないように思われます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、運輸省担当の政府代表者として、閣議の席等に、実情からいって行政処分に対する特赦を提案する考えは大臣なり政務次官にはおありでしょうか。

中馬辰猪自由民主党運輸政務次官

○中馬政府委員 ただいまのところは、大臣も入院中でございまするし、特にこまかい問題等についてはまだ相談をいたしておりませんけれども、よく相談をいたして参りたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それでは次に国鉄にお伺いをいたします。先般質問を中途で打ち切りましたが、あらためて志免鉱業所の状況について、二、三お尋ねをしたいと思う。先般申し上げましたように、志免鉱業所の分離に対して、国鉄当局は運輸大臣の指令に忠実ではないではないか、こういう結論を私は持っているわけであります。一つは先月の二十八日の夜に、鉱業所の副長宿舎において、組合員十数名を集めて、両副長が会談をしているという事実がございます。この内容については先般申し上げたような話がされているということであります。いずれの側から出たか、これは判然といたしません。さらにわれわれが知っている範囲では、特に本社関係では、志免鉱業所に何ら関係のない船舶局の向井総務課長が、裏に同って分裂工作をやっているという話があるし、一部事実がございます。こういう点も一つ明らかにしてほしいと思うのであります。現在国鉄当局は労働問題というか、志免鉱業所分離に伴う労働問題の扱いを、かような方法でやっていく方針であるのかどうか、これを一つお伺いします。時間がありませんから続けて質問を申し上げます。  第二番目には、今までこの分裂工作によって労働問題を処理し、分離を進めていくという方策が事実上表に出て参っております。たとえば二十八日夜の先ほどの会談、それに引き続いて処分発表、処分を発表して今度は彼らの集団交渉に当りましては、当局はすでに警察官の出動要請をやっており、はなはだしいのは団体交渉の席上にも、私服警官数十名を介在させておくというようなこと、さらにはけさの新聞の報ずるところによれば、組合幹部を逮捕させるような方向に持っていっておる。これらの事項は結局二十八日夜行われた会談の内容に符合しております。結局幹部の処分をいたして、それによって起る紛争に対し警官の介入を許し、幹部のまず分離をはかるということ、こういうことをやっておる。さらに裏では第二組合の工作を向井総務課長を使ってやっておるということ、さらにもう一つ、先月三十一日付かで西部支社から志免鉱業所に配置転換の職員募集をやらせ、鉱業所は二日に四百名の配置転換の募集をいたしております。これらは組合側には何ら通告なくして、通常の業務だというような話でやっているそうであります。かたがた処分をしておいて、不当組合であるから志免鉱業所の団体交渉には応じられないからというような申し入れもやっているそうであります。これら一連のつながりをずっと見ておりますと、どうもやることが筋が通っておらぬではないかと思うのです。これらについて当局のお考えをお聞きしたいと思います。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 ただいまお尋ねのございました点について、私からお答えを申し上げたいと思います。  二十八日の夜云々ということは、前回の委員会でもお尋ねがございました。私の方も事情を一応取り調べておりますが、二十八日の夜に太田副長の宿舎に若干の従業員が集まったということは事実でございまするが、内村副長がその日にはそこにはおらなかったということでございまするし、私どもの聞きましたところでは、御質問のございましたお話の内容のようなことは何にもなかった模様でございます。  それから、お尋ねのございました順序に従ってお答えを申し上げたいと思いますが、本件について志免の問題に関係のない船舶局の総務課長を使っておるではないかというお尋ねでございますけれども、問題にされました向井君は、船舶局の総務課長に相違ございませんが、同時に志免の問題を補助させますために総裁室の調査役というものを兼務さして、この志免の問題が重大であるのにかんがみまして、同君を補佐に使っておりますので、これは船舶局の課長を使うというのとは性格が違っておりますので、そういう事情にあるということを御了承いただきたいと思います。  それから当局がこの向井調査役を使って何か組合の分裂工作をやっておるのではないかというようなお尋ねでございまするが、この点は、そんなことは毛頭ございませんので、当局としても組合がこの問題について分裂するというようなことは望ましいこととは考えておりません。むしろ何か工作するとすれば、分裂しないようにという工作はするかもしれませんけれども、おっしゃるような分裂工作というようなことは、われわれ方針としても毛頭考えてもおりませんし、またそういうようなことをやらせておるというようなことはございません。  それから志免の支部の三役の処分を行なったということについてでございますが、この点はたしか前会にもちょっと申し上げたかと思いますけれども、志免の鉱業所の組合員が、数回にわたって全山四時間ストというような、公労法で明らかに禁止された争議行為を、当局のこれまた文書あるいは口頭による数回にわたる警告を無視して行われましたので、こういうような明らかな法律違反の行為をいつまでも無視しておるということは、公共企業体の管理者として責任上許されないところである、そういう見解に立ちまして、やむを得ず処分をしたという事情にございます。  次に、団体交渉の席上に警察官を入れたということを今おっしゃいましたが、団体交渉というのは、今さら申し上げるまでもないことでございますが、私どもは公社側並びに職員側の双方の代表者である交渉委員が集まって話し合いをするのを団体交渉と言っておりますので、現在志免で行われておりますように、数千人の従業員あるいは家族あるいはよその組合の方を動員されて、大ぜいの威力を利用して、いわゆる集団的なつるし上げ的な行為をなさるような場合、これを団体交渉であるとは考えておりません。そういうようなややもすれば暴力をも伴いがちな、また事実暴力行為も起ったような、そういういわゆる集団的な交渉——私は交渉という言葉も不適当であると思いますが、そういうような行動の行われる際に、いかなる不測の事態の発生もはかり得ないというような場合に、警察官の出動を要請するということは、これまた当然の処置であるというふうに考えておる次第でございます。  それから配置転換のことについて、組合側といわゆる団体交渉というような段階を経ないで、直接職員に働きかけるというような方法をとったことがおかしくはないかというようなお尋ねであったと思いまするが、実はこの配置転換の問題にいたしましても、あるいはまた炭鉱の譲渡に伴う労働条件その他の問題につきましても、ぜひ早く国体交渉をいたしたいということを、これまた組合の本部に対しても支部に対しても再三申し入れをいたしておるわけでございますけれども、遺憾ながら組合側の方はこの問題について団体交渉に応じて下さるような態勢になりませんので、国鉄当局側としては、今すぐにでも団体交渉はやりたいのでありますけれども、それができない状態にありますのと、一方北九州の電化工事その他に伴って要員の充足をするという必要が起っておりまするし、また志免炭鉱の譲渡ということは、これはもう政府の御承認も得た国鉄としては理事会の決定も経た不動の方針でございますので、当然その場合には配置転換という問題が起ってくることも予想しておかねばならない、そういう状態にございますので、これは決して団体交渉を回避するという意味ではなく、とにかくそういう問題があるのだから、従業員の皆さんにも早くその事情を知っていただく必要がある、こういう意味で掲示をして皆さんにそのことをお知らせした、こういうわけでございまして、組合側の方でその問題についてこれは団体交渉で結論を出そうではないかというお話がございますれば、何どきでもこれを団体交渉に移すということについてやぶさかではないわけでございます。その辺の事情をとくと御了解願いたいと思うのでございます。  それからなお、今度は解雇処分があったので、当局側が団交を拒否するという申し入れをしたというようなことがお尋ねにございましたが、団体交渉を拒否するという申し入れをしたという報告は実はまだ本社の方では聞いておりませんけれども、これは実はこの間解雇処分の通告をいたしました三役の諸君は明日付で発令をされることに予定されております。それで明日発令になりますと、これらの諸君は職員としての身分を失うことになります。そういたしますと、もちろん公労法上適法な組合の代表者ということではなくなりますので、そうなりますと、そういう適法な代表者でない人たちを相手に団体交渉を行うということは不可能になりますから、当局側としてはすみやかに団交ができるように適法な代表者をあらためて選出して下さるように組合側に御要望申し上げる、そういう段取りになるわけでございます。この状態がこのまま続くということになりますと、志免の現地では支部を相手には団体交渉はできないという状態になるわけでございます。ただし組合側の方では——実はこれは昨日その報告を聞いたのでございますが、現地の支部の方では、自分らは将来とも団体交渉をする意思はない、この問題については本社と本部の間で団体交渉をやってもらいたい、こういうふうに組合側は申しておられるというふうに伺っております。  以上あるいは抜けた点があるかもしれませんが、お尋ねのございました点について一応御説明申し上げた次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 向井総務課長が本社の調査役兼務にされたのだそうでありますが、私の聞いたのでは違いましたが、それはその通りでありましょう。兼務させたというが、これは何をやらせるのに兼務させたのですか。ことさらに船舶局の総務課長を兼務させるほど必要があったその理由は何ですか。

吾孫子豊日本国有鉄道常務理事

○吾孫子説明員 先年志免鉱業所調査委員会という外部の学識経験者を委嘱した委員会を作りましたことは先生も御存じであろうと思いまするが、実は向井調査役は前に志免の鉱業所副長を勤めたことがございまして、志免の実情をよく知っておるわけでございます。それで実は志免鉱業所調査委員会の仕事は、本来は資材局が主管局でその事務を扱っておったわけでございますが、資材局の要員だけでは不足でございましたので、志免の事情に詳しい同君を総裁室調査役兼務にいたしました。この鉱業所調査委員会の事務局の仕事、その他志免鉱業所の問題を補助させるという目的のために総裁室調査役を兼務させた次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 向井調査役の任務についてははっきりしませんが、先ほどの御答弁の中で、工作するとすれば分裂させないように工作しているんでありましょう。こういう御答弁ですが、当局側が組合の問題に、分裂させるとかさせないとかは別として、いずれの側でも工作するということは筋が通らぬ話ですな。これははっきり申し上げます。そんなことは正常な労使慣行の筋からいけば大きくはずれておると思うのでありまして、どうもその辺から上手の手から水が漏れておるようですが、案外分裂工作といいますか切りくずし工作を任務としてやっておられるように思う。これは不明朗でありますから退所さしていただきたいと思います。  もう一つは公労法によって処分したと言うのですが、なるほどそうかもしれません。しかしながら、本問題は志免鉱業所を分離する問題についてやっておるわけでありまして、一般の賃上げ闘争とかその他の闘争の問題とは事が違うと思う。よって、大臣指令は、円満に事態を解決しろということでありますから、その線に沿ってやるのが当然だと思います。私は法律を守るとか守らぬとかの以前の問題だと思うのであります。しかも国鉄の運輸面に働いている者が四時間ストライキをやって汽車がとまったというのなら、対社会的にも大きな問題として何らかの方法を当局としては考えなければなりません。しかし志免鉱業所を今やって対社会的にどんな影響があるか。あなたのよりどころは公労法だけなんです。こういう機械的な形では私は分離する、しない、どっちにしても円満な経営はできないと思う。この点を第二番目に御忠告申し上げておきます。  それから団交の問題でありますが、団交の問題はなるほどそういうふうに現地で言っておるのならそれはそれでいいかもしれませんけれども、いずれにしても四百名の配置転換をする場合に、団交に応じないからと、とにかく一方的に応酬した。それではどうかと思うのであります。さらに民主主義というのは、御承知の通り回りくどくて時間がかかり手数がかかる。これをまず第一に頭に十分入れておかぬと問題があると思うのです。だから団交がなければその他の方法でちゃんと労働条件その他を明示して御通告なさるのがほんとうじゃないかと思うのです。しかも、このとき私が聞いた話では、組合が、その条件等について説明してくれと言ったら、その団交に応じない、こういう話を聞いておるのです。これは間違いか何か知りませんが、お調べ下さい。これはおかしな話です。  それからあとでお話があった、あした発令になるから公労法上の適法の組合でないから団交に応じられない。——現在国会を中心にして問題になっておる労働問題懇談会ですか懇談会ですかのメンバーにあなたはなっておるようですが、ILOの批准の問題もあるときに、あえてこの問題をここに出す必要はない。先ほど来申し上げたように、結局はこの問題は志免鉱業所の将来の大きな問題なんです。一般の問題ではないのでありまして、特に運輸大臣からの指令もそういう意味が含めてあるのだから考えてもらわなければいかぬと思います。とにかく私は先を急ぎますからこまかくは申し上げませんが、少くとも国鉄当局は、事を急いで仕損じてはいけないから、もう少しじっくり落ちついて物事を判断していったらどうですか。きょうは総裁がおられないので大へん残念ですが、総裁は間もなく任期が切れるので、再選されるか、再任されるかわかりませんが、総裁は鉄道の大先輩だそうでありまして、任期が切れるということは一応おやめになるということであります。あの人が今まで唱えた部下を愛するという考え、国鉄を愛するという考えからいけば、あなた自身ももう少し考えてやらぬと晩節を飾れぬと思うのです。今言ったように、法律一点張りあるいは公式一点張り、民主主義の時間がかかって回りくどいということを全然抜きにして物事を処理するようなことでは、私はどっちにしてもまずいと思う。この点を警告して、私は一応質問をやめます。  最後にちょっとお尋ねしますが、最近播但線の事故がありましたな。あれについて報告は聞いているんですか。播但線のトンネルの中で機関士が窒息して、疾走してどこかへぶつかったという衝突事故がけさの新聞にちょっと出ていました。私は菅家先生があと待っておられるので言いっぱなしにしますが、少くともああいう問題は今始まったことじゃないと思うのです。結局安全衛生というか、そういう問題について国鉄はあまり金をかけてないのじゃないかと思うのです。実際、まず運転する人の安全が保たれないで旅客と荷物の安全が保たれる道理はないのです。どこに原因があったかわかりませんが、少くとも新聞面から判断すると、とにかく機関士あるいは機関助士が窒息したんで、とまる駅にとまらぬで突っ走って、トンネルのところへ行ってまた衝突したという。これは大きな問題です。旅客列車だったら大へんな話だ。私は無理して牽引定数をよけいに持ったり、あるいは機関車は老朽機関車を持っていったり、あるいは石炭も悪い石炭をたいているのじゃないかと思う。しかも防護装置なども考えてなかったんじゃないか。どういう装置を使っているんですか。私は時間がありませんから簡単にします。あのトンネルの乗務区間の機関士、機関車乗務員に対してどういう防護装置をやっているんですか。マスクをつけるとか何かあるんですか、どうですか。それだけ御答弁願いたい。

小倉俊夫日本国有鉄道副総裁

○小倉説明員 播但線の事故につきましては、報告を受けております。原因は、ただいま阪大におきまして、なくなられた方の解剖をいたしておりまして、けさ七時に解剖が終ったということでございまするが、まだ正式の発表はございません。私ども、なくなられた二者の方々及びその遺族の方にまことにつつしんで心から哀悼の意を表したいと存じます。原因の詳細につきましては、その解剖の正式発表を待たなければ、列車の転覆による外傷による死であるか、あるいは煤煙のための窒息のための死であるか、それははっきりいたしませんが、ただいまのところ、これはごく推定でございますが、関係者の意向を総合いたしますと、どうやら煤煙のための窒息ではなかったか、こういうふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 今のお話で、大体新聞の報ずるところと同じだと思います。私た大へんな事故だと思います。終戦直後に北海道の何とかトンネルでそういう事故が一ぺんあったかと思います。最近国鉄の経営は、いろいろな社会的な批判もあって、精神的にどうしても堅実さを失っているのじゃないかと私は思うのです。というのは、たとえば、今度客車を塗りかえてきれいにするということであります。何かの新聞にもこれを嘲笑半分に書いていたものがございますが、その通りだと思います。私は、もちろんきれいな化粧をした客車は必要だと思います。しかしながらその前にそういう見えないところにおける対策というのが非常に漏れているんじゃないか。私は原因がはっきりするまであまり申し上げませんけれども、今御答弁がないところを見ると、少くともそれに対するところの防護装置などをそのままで運転されているのじゃなかろうか、あるいは機関士が持っているぬれ手ぬぐい一本でやっているのではなかろうかと思うのです。もしもそうだとすれば、これは当局の大きな責任だと私は思いますけれども、二人の死によって、今後そういう事故が再びできなければこれは幸いです。しかし、今のままの経営の精神的な方針では再びできるんじゃないかと私は思うのです。これは詳細な調査をしていただいて、今までどういう防護装置をやっていたか、その当時の牽引には無理があったかどうか、あるいは科学的に石炭がどうであったか、機関車の構造はどうであったか、大へんこまかいようでありますが、この席へ報告を出してほしいと思います。それから今後どうするのか。これはもちろんやってもらわなければなりません。これを一つ要望しておきます。  それから繰り返しになりますが、総裁がいないので、志免鉱業所の問題について、最後に副総裁に言っておきます。質問じゃありませんから、聞いておいて下さい。とにかく今、吾孫子常務からそれぞれ御答弁いただいたが、いつかも言ったと思うのでありますけれども、昔ながらの家族主義ということは、おやじの言うことは全部子供に聞かせるのだということがまだ国鉄の上層部には残っているようだし、それからもう一つは、法律一点張りで全部こういう機動性を帯びた仕事をやろうというところに問題があると思うのです。だから、志免鉱業所問題ももう少し長い目で、経営という立場に立って考えることが必要だと思うのです。りっぱな経営者に皆さんがおなりになることが先じゃないかと思う。法律で取り締ったり処分したりすることはだれでもできるのです。それじゃ何にもならぬと思うのです。だから、総裁の晩年を飾るためにも、あまり大きなあやまちを起さないように善処を要望しておきますとともに、今までの処分その他いろいろなことをもう少し反省して、軌道に乗せる努力と誠意をあなた方はもう一ぺん示す必要があると思いますから、再考されるよう希望しておきます。以上です。     —————————————

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 次に、陸運に関する件につきまして調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。菅家喜六君。

菅家喜六自由民主党

○菅家委員 本員は先般の本委員会において運輸当局に数点ただしておるのでありますが、さらにその要領を得ないので、引き続いてきょうはそれらの点をお伺いいたしたいと思います。  大体は、昭和三十三年七月二十一日付をもって発せられた自動車局長名の通達なるものが法律的に有効であるかどうかということが一点であります。従って、これに関連して道路運送法の六十二条の解釈でありますが、これは本法制定のときに運輸省が逐条説明をいたしたところの資料があるのでありまして、この法律制定当時のことはこの説明書によって了承できると思うのであります。この問題が一たび本委員会で取り上げられますと、交通関係の新聞雑誌ことごとくあげてこの問題について運輸省の行政上の不当措置を責め、その反省を求めているようであります。ただの一社も運輸省の自動車局の見解を支持している雑誌を今日まで私は一つも拝見いたしておりません。ただ、これはおそらく運輸省の幹部が書かれたものと推定できるものに「運輸広報」なるものがございます。これには「自動車事業の供用約款について」というので、これらに関係することを質疑応答の形でこれに書いておるのでありますが、これらを総合してみましても、私どもの主張がまさに正しいということを裏書きする以外の何ものでもありません。大体私がこういうことをやかましく本委員会で取り上げますのは、どういうことかといいますと、運輸省の行政が、ややもすれば役人の独善でしばしば非難をこうむっておる自動車の認可、許可、あるいは広範にわたる運輸省の所管事項でありますとか、あるいは汽船の認可、許可の問題、かなり全国に多くの支障があって、運輸行政がきびしく批判されている折柄であり、また私がこれを調べました範囲においても、何か役人の独善によって運輸行政が運行されているような感を深くいたしますので、この問題を取り上げてやかましく論じておるのでございます。一局長が疑問のある問題で法制局に伺いを立てておった事柄を、その答弁もこないうちに、政務次官、大臣にも相談なく局長名をもってこの権限を剥奪する。いわゆる政令によって権限が委託された陸運局長の権限を奪うがごとき通牒を出すことが、果して行政上の正当なる手続でございましょうか。国家行政組織法を見ましても、命令、指示、通達、これらの訓令にひとしいものは、大臣と外局の長以外にはないとはっきり組織法には書いてございます。従いまして私はこの自動車局長の通達というものは国家行政組織法の違反の疑いが十分にあるということが第一点でございます。この前伺いましたところ、大臣は、法律論は自分はわからないが、同じ建物の中におったのであるから、一言くらい政務次官並びに大臣にも話してくれてもよかった、まことにその点は遺憾である、けれども法律論はやがて研究してお答えしますということであった。残念なことには、大臣は病気できょうは欠席されておりまするから、大臣の法律的な解釈を伺うことはできないが、中馬政務次官が政府を代表しておられますから、後ほどその法律論をただしたいと思うのでございます。そこで、その当時運輸省の言われたことには、これは一つの行政手続の先例によってやったというお答えがあるのです。一体そういう通達を局長がどの場合にいつ出されたのでございましょうか。これが第一に伺う点でございます。私は運輸省自動車局で発行いたしました本を調べてみました。自動車道通達集というものでございます。これは運輸省には一部しかないでしょう。非常な苦心をして集めた本でありますが、自動車局で通達をしたものは全部これにおさまっている。これはどの部分にございましょうか。行政処置の先例によってやったとおっしゃるならば、どういう先例があるのでありますか、お示しを願いたい。これはあなたの方で発行している自動車道通達集でございます。この行政例がどこにありますかを第一にお尋ねいたしたいのであります。

國友康弘運輸事務官(自動車局長)

○國友政府委員 お答え申し上げます。通達集の中に上っておりましたかどうかは、現在私ここに持ち合せておりませんので、確認いたしておらないのでございますが、昭和二十六年に道路運送法が改正になりましたあとで、「道路運送法施行に伴う自動車道関係事務の取扱いについて」という通達を自動車局長名で各陸運局長におろしておりますが、これは昭和二十六年の九月一日でございます。昭和二十六年の九月一日にその通牒を陸運局長に出しまして、その後昭和二十六年の九月の二十九日にさらに「自動車道事業供用約款の取扱について」という通達を自動車局長名で各陸運局長あてに出しておりまして、これは約款例を添付いたしておるのでございます。

菅家喜六自由民主党

○菅家委員 ただいまの自動車局長のお話は、これにはその例はありません。例はありませんが、それは例にならないのであります。何となれば、これは閣議を開いて権限を各陸運局長に委任したものであります。その委任の範囲内のものに対する通達であれば、やはりこれは当時大臣なり局長の承認を経てやっているのであります。そのときは省議を開いておりませんか。ちゃんと相談になっておるはずでございます。部課長会議というものを開いて、こういう約款例によって——約款例というものはやらなくちゃならないものである、例を作るときはちゃんと省議を開いておるのであります。部課長の会議も開いておるのであります。当時はそのことを大臣も了承しております。政務次官はそのことはわからなかったが、大臣は了承しております。それに基いてそういう通達を出せば、これが有効なのでございます。にもかかわらず、省議も開かず、部課長の会議も開かず、一局長が先に通達を出しておるからといって、その通達と相反するような通牒を出すということは、これは法律的に見て有効でございましょうか。それからまたそういうことが行政処置として正しい行政のあり方でしょうか。

國友康弘運輸事務官(自動車局長)

○國友政府委員 お答え申し上げます。国家行政組織法の第十四条の第二項には「各大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。」これは三十二年に改正になっておりますが、趣旨としましては国家行政組織法が成立しましたときからそう大して変っておりません。第十四条の二項の条項がございまして、先生が今おっしゃいましたところでございますが、この条文には「訓令又は通達を発することができる。」と書いておりまして、先ほど申し上げました昭和二十六年九月一日あるいは九月二十九日の通達の場合におきましては自動車局長名で出しておりますけれども、これは従来慣習的に自動車局長で通達を出していいということが包括的に大臣から委任されておると解釈できると思うのでございますが、今申し上げました九月一日の通達あるいは九月二十九日の通達の運用に関しましてむしろ疑義を生ずる点がございますので、昭和三十三年の七月二十一日に「自動車道事業の供用約款の取扱について」という通達を自動車局長名で出しております。この点につきましては、慣習的に包括的な委任を受けておるという解釈をいたしておるのでございます。

菅家喜六自由民主党

○菅家委員 まことに珍しい御意見でありまして、こういうことが大臣から委任を受けた権限である、こうおっしゃる。いつ、どういうことによってその根拠があるのか、ただ自分たちはそう解釈するというだけでは納得できないのでございます。そういたしますと、これは自動車局長の権限で、先に言われた陸運局長の権限と全く違うとここに書いてあるでしょう。「特定の供用申込者に対してする供用の拒絶又は拒絶を可能とする条項を有する約款は認可しないこと。」とあるのであります。特にどこにそういうことができるのでございましょうか。六十二条を見ましても、許可の条項は加えなければならぬということをはっきり書いてある。そういう拒絶の条項を書いたものを認可してならない通達というものは政令によって大臣が委嘱した権限を犯すものだと私どもは解釈するのであります。あくまでも局長は、こういうものは自分たちの権限でできるのだ、政務次官にも省議にもかけない、しかも疑問があるとおっしゃったんではないですか。あなたの方では法制局長官に七月八日付をもってこれらに関する質問書を出しております。これを読み上げてみましょう。一番わかりやすい。「供用拒絶等の条項を有する供用約款の認可及び自動車道事業の限定免許について」内閣法制局長官林さんあてのものであります。「標記の件につき、左記の点に疑義があるので貴見を承りたい。なお、本件は、事務処理上差し迫った問題であるので至急御回答願いたい。」こういうことでお伺いを立てているのです。「一、当社と契約した場合を除いて一般乗合旅客自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送事業の路線営業による供用は拒絶する。」という条項を有する供用約款の認可申請が道路運送法第六十二条によりなされた場合において、行政庁がその認可をすることは適法か。」これが一つです。あなた方はこの説明がつかなかった、疑問があるとおっしゃっている。道路運送法第六十二条により行政庁がこのような供用約款のものが加わったときに認可していいかどうか、これを聞きたいといって有権解釈を求められたのであります。第二は「「一般乗合旅客自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送事業に関してする供用契約、別に特約に依る。」という条項を有する供用約款の認可申請が道路運送法第六十二条によりなされた場合において、行政庁がその認可をすることは適法か。」これが第二です。第三は「一を適法と解する場合、一般乗合旅客自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送事業に関して特約が成立しなかったときに道路運送法第六十五条第一号により特約が結ばれないことを理由に供用を拒否することができるか。」こういうことが三番目にあなたの方から出ております。四が「道路運送法第四十七条第三項により、自動車道事業の限定免許をする場合、次のような限定は適法か。(1)一般乗合旅客自動車運送事業者の運行する乗合旅客自動車は、当該自動車道事業者がその運送事業者と特約した場合に限る。(2)一般乗合旅客自動車運送事業者の運行する乗合旅客自動車は、甲事業者(自社を含む。)の運行するものに限る。」、五が「自動車事業者は、一般乗合旅客自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送事業の免許を受けた者から一般自動車道の供用を求められた場合、道路運送法第六十五条各号列記の場合以外の理由、即ち一般自動車道に関して有する所有権又はその他の権原を理由として供用を拒絶することができるか。」そういうのが疑問とされて、法律解釈に有権解釈を得るために法制局長官に伺いを立てられた。その答弁がきておらないうちにどうしてこういうものを急に発せられたのでありますか。一日、二日を争う問題ではない。しかも大臣がかわられて、先の大臣のときやらないで、三日間の後にそういう工作をされた。そこに一般の疑いの目がかかる。よく官僚の中には、政党の大臣が来ると、大臣なんかわからないのであるからわれわれの中でやるんだという考え方の者がおる。不都合な者がおる。それだけのことをやるならば先の中村大臣のいるうちにこの理由を示して、これはこういうことであるべきであるということをその席上でやってやるべきだ、その大臣がいなくなるとたんに、三日、四日返事もこないうちに急いでこういう通牒を出して、陸運局長の権限を幾らか薄める、もし権限が侵されていないなら薄めると言ってもいい。すでに多年の問題で、この問題は疑問があった。そこで私は、この法律の制定当時一体どういうことを運輸省が言ってこの法律を出したかと思って、そのときの逐条審議の説明を見たのであります。大体これによって六十二条はこういう立法の精神であるということがわかる。それであるからそういう疑問のあるものを急いで出しておる。きょうは残念なことに、今の局長をいじめてみても仕方がない、これははっきり言えばさきの荒木次官とさきの局長が大体結託してやられた仕事だ。さきの局長は他に転じておる。荒木次官はやめてしまった。これで実は今の局長にあまり追及するのは気の毒でありますが、しかしこれはわれわれの立場として党派の問題ではない。やがてこれは全会一致の形において本会議で問題になる事件である。本国会中に問題になるのでありまして、本委員会は、従ってこのことを明らかにしておかなければならないのであります。それでありますから、あまりこだわらないで今の局長は、今の局長の責任でやったことではない、前局長のやったことである、これは私もよくわかる。しかし前の局長のやったことをこの際誤まりであったとも言い得ないだろう。けれども、これは私どもは国家行政組織法とかなんとかを論じておるのではない。そういうやり方が今後この運輸省の中に行われるならば、これはやはり世間の言う通りに次々とそういうことが行われていく。ちょうど朝日新聞が取り扱っておる「通産省通達に法令違反の疑い」というのも、これとやや似た一つのケースではないか。こういうことが行政面にたくさん出てくるということになるならば、国家行政というものは正しくいかなくなるのだ。その証拠は何であるか。私はきょうは統計をちょっと忘れてきましたが、訴願、行政訴訟が出ておる件数の一番多いのが運輸省のようでございます。なぜそのように運輸省に行政訴訟、訴願の件数が多いのか考えてみますと、一つは、これは運輸省の所管事項が多いということを意味します。二つ目には、やはり行政というものがうまくいっていない証拠で、政治が先行していないということが大きな原因だ。行政の前に政治というものは先行していくべきはずなのに、この運輸行政においては政治力が先行していないために、行政がうまくいっていない。ゆえに訴願、訴訟となって現われるのでございます。おそらくこの供用約款の問題は、全国の業者があげて重要問題視しておるものでありますから、業者の間から訴願、訴訟が起きることは当然でございます。これらを考えてみましたときに、自動車道の供用約款の問題は、ひとり営業者側に立って考えるわけにはいかない。もとよりこれは供用を受ける者の立場も考えなければならないのでありまして、それらを考えてみましたときに、この自動車局長の通達というものは、一応穏当な処置としては、これはお取り消しになるべきだと思う。そうして省議あるいは部課長会議、政務次官、大臣の手を経て、政令によってゆだねられる案件の事柄であるから、出直しをして、あらためてその全部の解釈が一致したときに出されてもおそくない問題ではないか。そう問題を引き起してまで一局長によってこれを左右するということを強行しなくてもよさそうなものだ。一応は法律による疑義があるから、何年幾日付の通達というものは、取扱いを取り消して、そうして、ここに法制局からもおいでになっておりますけれども、法制局も本会議で聞かれることになれば、政府は法的根拠を明らかにしなければなりません。きょうは私はここにたくさんの資料を持ってきておりますが、読み上げません。本来ならば全部速記にとどめるために読み上げたいのでありますが、同僚諸君に迷惑をかけますから、一切法理論はいずれ別の機会に別の方法によっていたすことにして、きょうは述べません。私の結論を急ぎますために、私はここで政務次官にもお尋ねしたい、局長にも率直にお尋ねしたい。これだけ言うのであるから、この自動車局長の七月二十一日付の各地の陸運局長への通達は一応ストップして、そうしてあらためてそれぞれの機関にかけて、法制局の答弁をはっきり得て、それからこういう通牒を出すならば、私どもは何ら異議がありません。急にあわてくさって、大臣がやめる三日間の間に措置して、そうしてこういう通達を出されるということは、やはりここに一般の疑問を起すことだと思いますので、まず、局長をその点でいじめるのはどうかと思いますから、政務次官にお尋ねをしたい。  つまり、これは一応の相談をかけるまでやはりこの通達というものはストップすべきじゃないか。もしどうしてもこの通達が法律的に有効だとなれば、私は残念なことながら一つ本日は決議案を提出せざるを得ません。決議案で委員会は意思表示をいたします。従ってそれが通りますならば、やはり本会議においてこの法的根拠というものを明らかにしてもらわなければなりませんので、将来の運輸行政のためにやかましく私は論ずるのであります。それらの手続を経ず、一応この通達というものは穏当を欠くのであるからストップして、そうしてよく研究をして、疑問のある点は有権的な解釈を基礎にしたものによって解決なさるというならば、あえてここに決議案を提出する必要もありません。また本会議等において全会一致の緊急質問による決議案の上程などというようなことになりましては、これは決して運輸行政の成功だとは言えないのでございます。あるいは私どもの法的解釈が間違いで、この通達は有効かもしれません。しかし、疑問のあることは事実でございましょう。その証拠にはこれだけの全国の交通関係の新聞、雑誌が、運輸省を支持した意見は一つもない、全部ことごとくこれをめぐって運輸行政の腐敗をついておるのでございます。そういう点を政務次官は十分お考えになりまして——直接問題になりましたのはこの自動車局長の通達であります。かりに百歩を譲って、こういう通達が法律的に違反でない——なるほど自動車道の取扱いについてという通牒はお出しになった、しかし、この通達とその通達は違うのでございますよ。そのときは約款例を示すための通達でありますから当然でございます。政令によって権限をゆだねたものに対して局長がこういう例を出すのだという通達はいいのでありますが、今度は疑問のあるものを取り消す通達の場合に、部課長会議を開き、省議を開き、政務次官を経、大臣を経てどうして悪いのか、そういう行政をやってどうして悪いのか、私は政務次官からそれに対する答弁を得たいのでございます。

中馬辰猪自由民主党運輸政務次官

○中馬政府委員 さきに本委員会において菅家先生からの御質問あるいは御要望があり、ただいままたいろいろ具体的な問題に関する御質問あるいは御要望等がございました。率直に申し上げまして、どなたでございましても新しく大臣となり、あるいは政務次官として役所に入ったならば、その行政の全般あるいは大綱について的確なる把握をするには大体一カ月くらいかかるのじゃなかろうかと思うのであります。従って、このような問題が生じましたからというわけではございませんけれども、永野運輸大臣を中心といたしまして——その後、あるいは今日におきましても、特に自動車行政に関しましては、いろいろ厄介な問題等もあるように思われます。これは業者の方々がいろいろ競願をされて、もし自分の主張する会社が認可にならなければおそらく一生涯その道路を走ることができないというようなまことに死活の問題でございますから、勢い自動車行政に関しましては熾烈なる競争があるということは当然であります。従って運輸大臣といたしましても、また政務次官といたしましても、特に自動車の競願関係等につきましては念には念を入れまして、いかなる場合においても直接大臣の決裁を受けるようにいたしております。今までの例につきましては詳細に存知いたしおりませんけれども、ただいまにおきましてはいかなる小さい問題であれ、たとえば国営バスが一社出願をいたし民間バスが競願をしていないというような場合、あるいは民間バスのみが申請をいだつして国鉄バスはただ形式的に競願をいたしておるというような場合、いろいろ軽微な問題等もございますけれども、そういう一切の軽微な問題でありましても、少くとも政務次官のところまではこれを報告するようにいたしております。私の判断でこれはどうしても大臣に御決裁をいただかなければならぬとか、こういう問題等につきましては政務次官が判断をいたしまして大臣の御決裁をいただくようにいたしておりまして、今日におきましては少くともこういう問題に関しましては間違いはないと確信をいたしております。特に先ほど御指摘がございました大臣や政務次官を事務局が無視して独走する傾向があるというお話でございますけれども、私の承知いたしておる限りにおきましては今日さようなことは全くございませんし、またあっては相ならぬと考えまして、日夜私どもも勉強いたし、そして事大小となく、あるいは国会で問題となり、あるいは世間の疑惑を受けるような問題等につきましては、慎重の上にも慎重を期しまして、いかなるささいな問題であっても必ず少くとも政務次官のところまではそれを持ってくるようにということで、この問題はひとり自動車局のみならず他の局に対しましても徹底いたしておるように、私どもは確信をいたしております。  なお、ただいまの問題等に関しましては、目下法制局の方からの御回答もございませんので、法制局の回答いかんによってあらためてお答えをいたしたいと思います。

菅家喜六自由民主党

○菅家委員 大臣、政府を代表してのお話でまことにけっこうなことでありますが、一つ御訂正を願いたいことは、私どもの伺わんとしておるところは、自動車の競願のことに関係することではございません。言うまでもなく、この法律によって自動車道事業者というものは国家から保護を受けるべき性質のものでございます。それと同時にまたその自動車を使用する者の権利も保護されなければなりません。供用者というものの立場も十分考えるということが、国家法律の真理でございます。それとは関係ないのでございます。私どもは供用させるのがいいとか悪いとか言うのではない。政令によって委嘱された案件というものが、一局長の通達によってくつがえされるというようなことはどうしても納得ができないという事柄なのであります。その法律的解釈——私どもは法制局がこれに対する考えをはっきり出して下さったら何もないのです。それは有権解釈として、やはり法制局が解釈を下したならば、われわれはこれを最後の法的解釈として取り扱うよりほかないと思う。立法府が別に解釈をするなら別でございますが、そうでないならば行政府としては——これを有権解釈と言っているのでありますが、それによってやるというのが一番正しい行政法なのであります。それでやらなかったからいけない、そのもとに戻せと私どもは言うのであります。それを今の政務次官のように、今度は一々政務次官なり大臣を経て御決裁になってけっこうでございますが、そうなれば政令によって陸運局長に委嘱したことなんかみな取り消してしまった方がいい。陸運局長なんかにやらせないで、むしろ本省の政務次官、大臣の決裁を得るように、本省が取り扱う事項にするならば一番問題がないのであります。陸運局長に権限を全部政令でゆだねておったところに、この供用約款の問題が起きてきたのでございます。今度はそういうことを全部本省でおやりになるというなら、私は、閣議でそのことをお取り消しになって、そうして陸運局長に委嘱したものを取り消して今度は一切本省でおやりになるというなら、何らの議論はございません。それからまた法制局のこれに対する意見が出ましたら、それ以上私どもは何も運輸省の行政官を追及する理由はなくなってしまう。もし法制局の法的解釈が間違っているというときには、立法府は別の解釈を法制局に向って言うべきものでありまして、運輸行政に対する追及となってはこないのでございます。最後の決定は立法府にございます。けれども、まず行政府の最高の法律解釈は、やはり法制局の意見をもとにすべきものだという建前になっているのでございますから、もう一度政務次官からはっきり願いたいことは、研究の結果法制局の意見が出た場合には、この問題の処置をそのとき考えるということと、それからもし今のようなお話であるならば、私は陸運局長にゆだねた権限を全部本省にとってしまった方がいい、あの政令はやめた方がいいと思いますが、それに対する政府の考えを承わっておきたい。

中馬辰猪自由民主党運輸政務次官

○中馬政府委員 先ほど競願の問題を申し上げたのは、たとえばということでございまして、そういう問題等についてもいろいろ大臣や政務次官でやっておるということでございます。  それから陸運局長の権限内のことは、当然局長の権限内で処置すべきであって、競願等の問題に関しましては、これは本省で決裁すべきでありますから、本省で従来通りやりたいと思っております。  なお、法制局の回答をわれわれの方でも促進いたしまして、法制局の回答いかんによって、まことに重大な問題でございますからして、私どもの方の態度を決定いたしたいと考えております。

菅家喜六自由民主党

○菅家委員 これをもって打ち切りますが、最後にここに一つの動議を提出いたしておきます。  昭和三十三年七月二十一日、自動車局長名をもって各陸運局長に発せられた「自動車道事業の供用約款の取扱について」に示された「一、特定の供用申込者に対してする供用の拒絶又は拒絶を可能とする条項を有する約款は認可しないこと。二、前記通達中の供用約款例と著しく異なる申請があった場合には、その処分方について稟伺すること。」この通達は法律違反であるもので、これを取り消すべしという強い要請をいたすのであります。その要請を今文書にいたしまして委員長まで提出いたしますから、一つ決議の形でこの動議をお諮りを願いたい。その時期と方法は委員長の裁量にまかせます。ただいま口頭で言いましたが、文書で必要だということならば、直ちに文書をもって提出いたします。右の強い要請を決議案の形において本委員会を通過するようとの動議を提出いたします。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 ただいまの菅家君の要請の動議でありますが、ただいままでの質疑応答を拝聴いたしておりまして、問題はなかなか重要だと思いますから、いずれ理事会に諮りまして御相談申し上げることにいたします。なお菅家君よりは文書で出して下さい。  次会は公報をもってお知らせすることといたし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十四分散会

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