運輸委員会 第18号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1959/03/19
会議録
○塚原委員長 これより会議を開きます。 この際、天野公義君より、揮発油税法の一部を改正する法律案に関する申入れの件について発言を求められておりますので、これを許します。天野公義君。
○天野(公)委員 ただいま大蔵委員会において審査中の揮発油税法の一部を改正する法律案につきましては、過日運輸委員会と連合審査会を開きましたが、本案につきましては、当委員会といたしましても重大な関係もありますので、次のごとき修正意見を大蔵委員会に申し入れたいと存じます。 申し入れ文の案文を朗読いたします。 揮発油税法の一部を改正する法律案に関する申入れの件 我国道路の現状並びに急速なる自動車化の現況に鑑み、道路整備の緊要なことは云うを俟たない。政府は五ヵ年計画一兆円で道路を整備すると称しながら、その大部分を揮発油税等の収入によることとしている。然るに自動車が主として中小企業により使用されつつある現状から、揮発油税等の税率引上げは、その経済に及ぼす影響極めて甚大なるにかんがみ慎重な考慮を払い、奇くも之等中小企業の担税力に対し過重負担とならざる様速かに措置を講ぜられたい。 案文は以上の通りでありますが、若干補足して説明させていただきます。 この案文にもありますように、現在の日本の道路整備の状況からいたしまして、道路の急速な整備をはかっていくということは言うを待たないところでございまして、五ヵ年計画により一兆円で道路を整備するということは、これは当然であろうと思うのでございます。しかしその一兆円の道路整備費用の大部分を揮発油税、これの収入によるということにつきましては、大きな異論があると思うのであります。道路の整備というものは国土の開発、産業の基盤を拡充する、いろいろな意味合いからいたしまして重大でありますが、その財源というものをほとんど揮発油税のみに依存をするということにつきましては、揮発油を使用する者に対する一方的な課税であるというように判断せぜるを得ないのであります。しかも現在政府の考えております原案は、一挙に五千五百円を引き上げるという案でございまして、これによる揮発油税の収入と一般財源の使用、この二つを比較いたしますと、非常なアンバランスがそこにありまして、あまりにも揮発油税に依存をし過ぎる、このように判断をさぜるを得ないわけであります。揮発油税はもちろんそれを使用するものが自動車であり、しかも現在の自動車を使用しておる現状は中小企業者による使用というものが非常に多いわけでございます。従いまして、政府は今回減税という公約を片方で言いながら、しかもその反面において揮発油税の増徴ということによるこの増徴部面を見ますと、自動車を使用する中小企業にいたずらにこの増税がかぶさってくるということは、いなめない事実であるのでございます。ましてや自動車業界の中におきましては、特にトラック業界のような不況産業のものもありますし、その他の自動車業界全般といたしましても、この揮発油税の増徴ということは各企業体について非常に大きな影響を及ぼしてくるということは言うを待たないところでございます。ましてや一般商店なり農山漁村等で、自家用で一台を持って使用しておるような零細業者にとりましては、事業税の減免、所得税の減免というような部面は、この揮発油税の増徴によって、一挙に吹き飛んでしまう、こういうふうにも考えられるわけでございます。従いまして、この揮発油税の増徴ということは、中小企業並びに経済一般に対する影響、並びに物価に対する影響等、その影響するところはきわめて多いのでございます。従いまして、これら自動車業界並びに中小企業、また一台持ちの零細企業者の担税力にかんがみまして、過重負担とならないような措置を講ずるということが必要であろうと思うのでございます。本委員会といたしましては、この案件につきましては、修正意見を通すということはできない建前になっておるのでございまして、これらの趣旨をよく大蔵委員会を通じまして、われわれの考えております線の実現できるように、この際申し入れる必要がある、かように考える次第でございます。従いまして、今読みましたような案文を作った次第でございます。当委員会といたしましても重大な関係があるのでございまして、今の修正意見を大蔵委員会に申し入れたいと思う次第でございます。何とぞ委員各位の御賛同あらんことを望みます。
○塚原委員長 ただいま天野君より提出されました申し入れの動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、本件の取扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 —————————————
○塚原委員長 次に、内閣提出、参議院送付にかかる中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案を議題とし、審査を行います。質疑の通告がありますので、これを許します。土井直作君。
○土井委員 前回質疑を取り残してございますので、この際きわめて簡単に二、三質問を申し上げたいと思います。ことに、この問題につきましては、事柄は比較的小さいようでございますが、将来に影響するところが非常に多いように考えますので、大臣に、ただいまから申し上げます私の質疑に対する見解を、この際ただしておきたいと思うのであります。今回の中小型鋼船合理化に対するところの法案でございますが、その中で附則第二項において「モーターボート競走法の一部を次のように改正する。」といたしておりまして、その中に「モーターボートその他の船舶、」という「その他の船舶」が改められるわけであります。しかしながら、このことは、法案の目的を達成するために当然の処置であると考えておりますが、この場合特にお伺い申し上げたいのは、モーターボート競走法の十九条から受けまして二十二条の五の事項でございますが、「連合会は、第十九条の規定による交付金を、前条第三号から第六号までに掲げる業務に必要な経費以外の経費に充ててはならない。」こういうように規定してございます。今回の改正には、この費用の使用に対する内容等についての修正あるいは改正等が行われておらないのでありますが、これは言うまでもなく、二十二条の四の中に掲げられております第三、第四、第五、第六、こういうようなものに交付金を運用するということになっております。けれども、この「必要な経費以外の経費に充ててはならない。」という解釈、この解釈は、政府としてどういう御解釈の上に立っておられるか、一応お聞き申し上げたいのであります。
○山下(正)政府委員 お答え申し上げます。お尋ねの件につきましては、このモーダーボート競走法におきまして、交付金の使途につきましては、はっきり使用制限をいたしておるわけでございます。今お尋ねのございましたように、今回の改正におきまして、従来の関連工業とか、またはモーターボートそれ自身、あるいは海難防止等に交付金を使用することは認められておりますが、今回この改正によりまして、船自体につきまして、この交付金の使用を認めるような御措置をお願い申しておるわけでございます。従いまして、法律にございますように、この条文にもうたいまして、費用のお互いの流用というようなことは絶対にございませんし、またそういうことがあってはいけないことと思っております。従いまして、今回の改正によりまして、モーターボート以外の船舶に使用する場合におきましては、先般も委員会で御説明申しましたように、関連工業その他海難防止等に相当な経費が使われておりますので、この中小型の造船業等につきまして、大きな費用をそこにさくということは全然考えておりません。もちろん使います費用といたしましては、この中小型造船業の共同の利益、たとえば技術向上のための講習会とか、あるいは共同の試験研究等をしなければならぬ場合、どうしても他に財源がないというような場合に、共同の研究施設をするとか試験設備をするというような点にこの交付金を使用するということはあるかもしれませんけれども、造船業に誤解資金として貸し付けるというようなことは、今のところは全然考えておりません。と申しますのは、今までの関連工業または海難防止に対します交付金の額それ自身が、必ずしも十分な額ではございません。しかし一方、この法律によりまして、私ども期待しております額は、年額十億の金額を期待しておりますので、それらの事実をいろいろ考えてみますと、交付金の使用を設備の点にまで、中小型鋼船造船業に及ぼすのは無理じゃないかという考えでいございます。従いまして、その点につきましては、現に法律に基いて適正な今後の運用方法を考えていきたいと思っております。
○土井委員 ただいま山下船舶局長が答弁されました事柄については、そのまま大臣の意思として承知してよろしゅうございますか、その点を……。
○永野国務大臣 さようでございます。
○土井委員 この場合お聞きしておきたいと思います事柄は、従来の交付金に関するところの処理は、大体モーターボート連合会が起案いたしまして、運輸大臣の許可を得てそれぞれやっておるのでありますが、先般の質疑で私申し上げましたように、モーターボート連合会が運輸省の意思と合致しないような起案をした場合において、運輸大臣はこれを許可しないという権限を有しておられるわけであります。そのことはもとより私は当然だ、こう考えておりまするが、そこでさらにお聞きしたいと思いまする点は、ただいま船舶局長が答弁されましたように、これはそれぞれモーターボートと関連する関連工業の方面に補助または交付金という形において行われるわけでありまするが、この法文の中から見て参りますと、それを取り扱う主体は、あくまで連合会が主体となって取り扱うのであって、その他の団体ということはあり得ないのかどうか、あり得るのかどうか、こういう点について一つこの際お伺いいたしておきたいと思います。
○山下(正)政府委員 法律におきまして、交付金につきましては連合会がこれを取り扱うことにいたしております。それ以外の団体において交付金の基本的な運営についての取扱いはいたしません。その交付金を受けまして、そしてそれの運用、たとえば研究に使うとか、また委託事業に使うとか、補助金として使う場合は、もちろん先ほどお話にございましたように、連合会から案が出まして、これを運輸大臣が承認いたしまして、それから委託金または補助金の形式をもっていろいろの団体また研究等に振り向けるわけでございまして、交付金それ自体の基本的な計画は、連合会の方で立てるわけでございます。
○土井委員 そうしますと、あくまでも連合会が主体であって、連合会からそれぞれの団体または業者に交付あるいは助成するいうことであって、自主的には、主体の変った形における団体がこれを取り扱うということについては、今のところ運輸省としては考えておらない、こう解釈を下してよろしゅうございますか。
○山下(正)政府委員 御説の通りでございまして、基本的なモーターボート競走の交付金は、連合会に一応帰属いたしまして連合会においてそれを配分する。その配分したものについて、たとえば海難防止協会のようなものでございますると、協会自身がいろいろな海難防止の案を立てまして、もちろんこれにつきましては運輸大臣の承認等を得まして、これを自分の傘下の海難防止のいろいろの研究機関に配分することはあり得ると思います。基本といたしましては、連合会に交付金は帰属する、そういう考えでございます。
○土井委員 そういたしますと、この規則に書いてある範囲以外の事柄は、実際上の問題として、運用面においてもこれをなすことができないという解釈をそのままとってよろしゅうございますね。
○山下(正)政府委員 お尋ねの趣旨が私にはっきりのみ込めませんが、先ほど申しましたように、交付金といたしましては、連合会の方に帰属いたまして、連合会が運輸大臣の承認を得まして、そのいろいろの使途について考えるということでございます。
○土井委員 この問題についてはなおいろいろな点でお聞きしたい点がありますけれども、きわめてデリケートな内容等もございますので、私はこの場合そのことについてさらに追及して質疑をすることを一応留保しておきまするが、他日適当な機会において、いわゆる運輸省全般の問題に関する質疑等が行われる場合に、事の事情の発展いかんによってはさらにこの問題を通じて再質問をいたしたいと思いまするので、その点については留保いたします。 さらに、きわめて事務的な関係を質疑したいと思うのでありまするが、今度のモーターボート競争会の予算案の内容を検討して参りますと、元来、今までのこの問題についての質疑の過程におきましても、費用の点が非常に少いので十分なる補助あるいは交付、助成等ができないということがいわれております。ところが、今回の予算の面から見て参りますると、従来の助成金よりもさらに下回った予算の編成が行われておるのでありまするが、この点についてはどういう理由によってそういうふうになったか、言いかえれば、交付金の額が少くなっておるのかどうか、あるいは少くなっておらないけれども、実際上においては予算面で減らしておるのかどうか、この点についての事情を一つこの際御説明を願いたいと思います。
○蒲説明員 お答えいたします。三十四年度のモーターボート競走会連合会からの予算の認可申請がございまして、それを審査する際に、仰せのように昨年より少し減っております。その第一の原因は、まず収入の見込みがやや減っております。というのは、売り上げの問題がございます。第二に、支出予算を削っておりますのは、それは留保いたしております。と申しますのは、予算がきまりましたとき、モーターボート競走会が予算を提出いたします時期と、一方に三十四年度における交付金運用の事業についての決定しない部分がございまして、その部分だけは繰り越しの格好で残しております。しかしこれは当然十九条の交付金の目的に沿ったこと以外には使用できないわけでございますから、その目的の範囲内で使用される予定になっております。ただ使途がまだ事業計画の一部確定しないものがあるために残っておるという状態でございまして、交付金全体を減らすという考えではございません。
○土井委員 ただいまの御答弁で大体内容的にはわかるのでありますが、ただ予算は年々同じ時期に同じ形で編成されるように考えておるのでありますけれども、どういうわけで予算上のズレが生じてきたのか、技術的にはこういう点はいかがなものでありましょうか。
○蒲説明員 このモーターボート競走会が予算制度を厳格にとり始めましてからまた二回目でございます。と申しますのは、モーターボート競走法が改正になりましたのが一昨年の十月でございまして、それまではこのような制度をとっておりません。昨年が第一回の予算でございます。つまり、現在実行しておる予算が第一回でございます。第一回の状態を見ますと、必ずしも当初予算と実行とがうまく一致しない場合ができまして、あまり初めから厳格にきめてしまいますと、そのためにかえって競走会自体も身動きができないという状態がありますので、三十三年度の予算の執行の実情をよく見て三十四年度に移れるようにという意味で若干の弾力性を残した、そのために三十四年度のものはかようなことになりましたが、おそらく今後は、三十三年、三十四年の二ヵ年の実績を通じてみて、今後はかような弾力性を残す必要はなくなるのではないかと思っております。
○土井委員 御存じの通り、モーターボート競争法は時限法でございまして、多分来年の九月だと思います。この問題の取扱いをどうするかということはもとより国会で決定すべき事柄でありますが、もしこれが廃止されるような場合が生じて参りますならば、それに対する関連工業に対して従来やった施設は、これは運輸省として交付金の部分だけ、言いかえればモーターボートを取り上げられた交付金の部分だけを削減して、従来通りそれぞれの業者に交付しあるいは助成する、こういう考え方であるのか、あるいはその予算をそれだけ減額されたものを増額してやるのか、あるいは従来やっておったものを中止するのかどうか、こういう点についてのお考えはいかがでございましょうか。
○山下(正)政府委員 お説のように来年中に時限法が失効するわけでございまして、現在の交付金の問題につきましてはいかように処置するか、実はまだ検討をいたしておりません。従いまして、今後この問題につきましていかように処理していくか十分に検討をいたしまして、その処理につきましてはっきりした考えを打ち立てたいと考えております。
○土井委員 なおきわめて部分的な形ではありますけれども、将来に重要性を持つ面も多少残っておりますが、いろいろな関係がございますので、私はこの際質疑をこの程度で打ち切りたいと思います。
○塚原委員長 他に御質疑はございませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 他にないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたします。 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決いたしたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 御異議なしと認め、採決いたします。 中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○塚原委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。 この際、井岡大治君より発言を求められておりますので、これを許します。井岡大治君。
○井岡委員 私は自由民主党並びに日本社会党を代表して、ただいま議決されました中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案に対し、附帯決議を付する動議を提出いたしたいと存じます。 まず附帯決議案の案文を朗読いたします。 中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案に対する附帯決議案 政府は、中小型鋼船造船業の合理化を急速かつ容易ならしめるため、左記事項について特段の措置を講ずべきである。 一 合理化の実施に必要な資金源を確保すること。 二 輸出の振興を図るため取引の円滑化に努めること。特にポンド圏市場の開発について取引条件の緩和を図ること。 右決議する。 次にその理由を若干申し述べたいと存じます。 造船業がわが国国民性に最も適した産業であることは政府もっとに理解していることであり、かつ付加価値率や外貨獲得率が高いのみならず、広範な関連産業を通じて国民経済の発展に大きく寄与していることは今さら言を待ちません。しかるにわが国中小型鋼船造船業界は、戦争中軍需産業として急激に膨張したものであり、その後設備の改善は閑却視され、ために老朽化、陳腐化の程度ははなはだしく、技術水準もなお改善を要する点が多く見受けられるのであります。すなわち政府は、中小型鋼船造船業合理化促進のため臨時措置法案を提出して参ったことは、まことに時宜に適したものと言わなければなりませんけれども、これが合理化を急速かつ容易ならしむるためには、合理化の実施に必要な資金を確保することが絶対の条件でありますから、十分な配慮を要望いたします。 次に、政府は東南アジア、中近東地域への輸出を考慮されているようでありますが、これら後進国のドル不足は単に一般的な不況によるものではなく、いまだ工業生産の立ちおくれに起因するものでありますから、取引条件の緩和をはかることはもちろん、ポンド圏市場における西欧諸国の貿易状況等を考慮いたしつつ、特段の措置を講ずることが現下わが国の急務かと存ずるのであります。政府はすみやかに延べ払い制度の改善並びにポンド圏輸出への損失補償等の措置を講ずるよう要望いたして附帯決議案の趣旨の説明を終ります。 諸君の御賛同を得たいと存じます。
○塚原委員長 ただいま井岡君より提出されました動議のごとく中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案に附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。永野運輸大臣。
○永野国務大臣 附帯決議の御趣意は、政府といたしましてもまことにごもっともと思いますから、さよう取り計らうつもりでございます。
○塚原委員長 なお、本案に対する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 それではさよう決しました。 —————————————
○塚原委員長 次に、内閣提出、参議院送付にかかる自動車ターミナル法案を議題として審査を行います。 この際、政府当局より本案の概要説明を聴取いたします。國友自動車局長。
○國友政府委員 ただいま御審議を願っております自動車ターミナル法案につきまして、そのおもな点を御説明申し上げます。 条文の御説明に入ります前に、自動車ターミナルの効用といったものにつきましてあらましを申し上げたいと存じます。資料といたしましては、この「自動車ターミナル」という資料を前にお配りしてございますが、それは自動車ターミナルの効用、それからわが国の現状、さらに外国の例といったようなものについて記載してございますので、詳細につきましてはこの資料をごらんになっていただけば御了解願えることと思いますが、簡単に効用等について申し上げます。 航空機に対する空港、鉄道に対する停車場等、これら交通機関のターミナル施設、すなわち旅客の乗りかえ、乗り継ぎ、貨物の積みかえ、中継等の行われる施設は比較的よく整備されているのでありますが、これに比べて自動車に対するターミナル施設は、バスターミナルにしてもトラックターミナルにしても、一般公衆と密接な関係があるにもかかわらずほとんど放置されたままとなっていたというのが実情でございます。しかるに最近における自動車運送の急速な発達は、この自動車ターミナルの整備を強く要請するに至って参ったのであります。 そこで、自動車ターミナルの効用はどういうものであるかということでございますが、これを一言にして申しますならば、しばしば例にされます通り、鉄道における駅と同様のものであるといえるのであります。ただバスターミナルとトラックターミナルとでは、その具体的面におきましてやや異なるところが認められますので、これら二者につきまして、個別的に申し上げてみたいと存じます。 まずバスターミナルの効用でありますが、御承知のように大都市等における通勤、通学用のバス輸送力を増強しますためには、バスの運行回数を増加させることが何としても必要となって参ります。しかるに、バスの起終点、たとえば東京におきましては丸ノ内、新橋、新宿、渋谷等でありますが、これらを現在のように、一般交通の用に供されておりますところの道路または駅前広場に求めておりましたのでは、その面積、交通量その他の関係上、運行回数の増大はもはや望み得ない状態にあるのであります。バスターミナルは、道路等の一般交通の用に供する場所ではなく、路外の専用施設を使用するものでありますから、大幅にハスの運行回数をふやし得ることになるわけであります。また、このような施設が設けられますと、バス輸送網を適正化し、バス輸送の能率を向上することも可能になって参ります。すなわち、一般論的に申しまして、多数のバス路線が一定場所において接続される結果、旅客輸送の合理化が行われるとともに、公衆の利便も一段と向上することが期待されるのでありまして、近代的都市内交通及び都市間交通において特に痛感されるところであります。一方、現在のバス路線の態様を見ますと、交通系路の見地からいって必ずしも適切とは申せないのであります。しこうしてそのおもな原因の一つは、バス路線網の連絡、調整を行うに適した場がないことにあるのでありますから、バスターミナルが設置されますれば、まさしくこのような場を提供することになるのでありまして、バス路線網の形成も一そう促進されることになると申せましょう。本法案におきまして、自動車ターミナルを、同時に二両以上の事業用自動車を停留させることを目的とした施設として把握することにいたしました理由も、このような施設が、上述した連絡、調整の機能を発揮する最小単位であると考えられるからであります。バスターナミルの別の効果といたしまして、交通安全の確保が数えられます。先ほどもちょっと触れました通り、一般交通の用に供される場所で、バスが発着し、旅客か乗降するといった状態がわが国の実情でありますが、路面交通の輻湊する都心部におきましては、きわめて危険であり、早急に改善される要があります。本法案におきまして、自動車の停留所が一般交通の場所にあるものは、ダーナミルの範疇からはずしておりますのも、このような趣旨からでございます。さらに本法案におきましては、バスの通行する重路と、旅客の乗降場を区分することを考えておりますので、バスが他の車両、通行人、旅客等に妨げられずに発着し、旅客は危険を伴わずに乗降することが期待されるのでありますが、さらに一般交通の面からこれを見ますれば、混雑を緩和し、交通の流れを円滑化することもまた可能となって参るわけであります。このような状態を旅客の側から見ますれば、まず、バス運行ダイヤの合理的調整及び正確化が期せられるほか、バスの選択、乗りかえ、その他バスの利用が容易かつ便利になるわけであり、従ってバスターミナルの整備が促進されますれば、安全快適にバスを利用できることになりますから、バス輸送の飛躍的発展もおのずから期待されるものと信ずるものであります。 次に、トラックターミナルについてでありますが、トラック輸送網の形成という機能においては、バスターミナルの場合と同様のことがいえるのであります。このほかトラックターミナルにおいて特に注意すべき点は、トラック事業全体の合理化において、ターミナルが果す役割であります。すなわち貨物は人と異なり、自分で移動していくことをしないのですから、集貨、配達積みおろし、中継等の機構及び施設が十分でない現状においては、貨物の毀損、配達の遅延等が生じており、トラック事業の一つの隘路ともなっているのでありますが、トラックターミナルの整備が促進されますれば、これらの事項は集約的、合理的に行い得るようになりますので、トラック輸送の能率の向上、ひいては事業の合理化もまた期待し得るのであります。その他、道路交通の緩和、円滑化等につきましては、バスターミナルと全く同様の効果をもたらすものであります。さらにこれを荷主の側から見ますれば、集配の合理化、連絡運輸の円滑化等によって、貨物の速達が促進されますほか、運送申し込み手続が簡素化されるといった直接的効用が大きいのでありますが、ターミナルにおける荷役の機械化等により、貨物の毀損度が減少し、荷作り費等が節減されるといった間接効果も見のがせないところでありましょう。 以上申し上げましたところによって、自動車ターミナルの効果の概要と、あわせて本法案の第一章総則の関係について御説明したわけであります。 続いて第二章の自動車ターミナル事業関係について御説明申し上げます。 自動車ターミナル事業とは、一般自動車ターミナルを設置して、他人、すなわち路線自動車運送事業者のために供用する事業でありますが、第三条の規定により、この事業を行おうとする者は、運輸大臣の免許を受けることとなっております。自動車ターミナルは、一度設置されますと、自然にその施設が路線網の中心になるという自然独占的性格を有するものでありますので、位置、規模等を慎重に選定する必要があります。また、このように路線網の形成に対する影響力がきわめて大きく、従って、自動車運送事業にも重大な関係を有するものでありますから、設置後は運営を安定させ、継続させる必要がありますので、事業の開始に当っては、事業継続能力等について慎重に考慮する必要があり、さらに使用料金等も規制する必要があります。これが本法案において自動車ターミナル事業を免許事業とした理由となっております。 ここで条文を飛ばして第二十一条についてちょっと御説明申し上げます。本条は、自動車運送事業者が、一般自動車ターミナルの使用をしていない場合等について定めたものでありまして、容易に利用し得る一般自動車ターミナルがあるにもかかわらず、これを使用しないことによって、路線網の形成をはばんでいる者があった場合には、本条の命令をすることによって、自動車運送全体を正常な姿にするという趣旨であります。 次に、第三章の専用自動車ターミナル関係について御説明申し上げます。専用自動車ターミナル、すなわち自己の自動車運送事業の用に供することを目的として設置する自動車ターミナルにつきましては、第二十五条の規定により、その設置、使用の停止及び廃止等の際届出を要することとなっております。専用自動車ターミナルは、自動車運送事業者の施設でありますので、一般自動車ターミナルと異なり、継続能力等についてあらためてチェックする必要もありませんので、届出させるだけいにとどめたものであります。その他専用自動車ターミナルにつきましても、その使用を開始するには、運輸大臣の検査に合格しなければならないこととして、その安全性につき担保するとともに、第二章の規定中、すなわち自動車ターミナル事業について規定しております条項でございますが、第二章の規定中、構造設備の維持義務、危険混雑の防止義務等を準用して、その保安及び利用者の利便の確保をはかっております。また、専用自動車ターミナルの運営については、道路運送法の関連規定の適用があるものといたしました。たとえば、専用自動車ターミナルを他の自動車運送事業者と共用しようとするときは、すなわち一緒に使おうとします場合には、その契約は、道路運送法上の運輸に関する協定として、運輸大臣の認可を要するわけであります。 次に、第四章バスターミナルに関する特別規定でありますが、この章の趣旨は、バス路線が多数集中している地域にバスターミナルがないため、一般公衆の利便及びバス事業の健全な発達を著しく妨げていると認められるときは、本章第二十九条の規定により、関係バス事業者に対し共同してバスターミナルを設置するため必要な措置をとるべきことを指示することができるということであります。第二十九条にいう地域とは、たとえば東京駅周辺といった比較的狭い場所をさすものでありまして、共同して措置をとらしめる理由は、かかる地域におけるバスターミナルは、当然に単一性を保有すべきものであり、また、このターミナルを使用するのは、結局これら関係事業者となるわけでありますから、被らが互いに協議して、最も使用しやすく、かつ、利用者公衆にとっても便利なものを設置すべきであると考えられるからであります。 次に、第五章雑則でありますが、自動車ターミナルの建設または改造には、土地及び資金の確保が重要な要素となりますので、第三十一条には、それらに関する措置について運輸大臣は努力すべき旨を規定しましたほか、運輸審議会への諮問、公聴会の開催、関係行政機関の意見の徴取等、本法案の執行に当って、その円滑と完璧を期するに必要な事項を規定しております。 第六章は、所要の罰則について定めたものであります。 最後に附則でございますが、主として経過規定について定めたものであります。すなわち、この法律施行の際に、自動車ターミナル事業を経営している者は、三ヵ月以内に所定の届出をしますれば、本法に基く免許事業者とみなされることといたし、さらに、使用料金、供用約款、利用規程、供用義務及び管理義務については六ヵ月間、構造設備の維持義務については三ヵ年間、その規定を適用しないことといたしました。次に専用自動車ターミナルを現に使用している自動車運送事業者については、三ヵ月以内にその旨を届け出ることといたし、利用規程及び管理義務については六ヵ月間、構造設備の維持義務については三ヵ年間それぞれ規定を適用しないことといたしました。従いまして、本法施行のときに、一般自動車ターミナルを現に供用し、または専用自動車ターミナルを現に使用しているものにつきましては、当該供用または使用に当っての本法の第十条第一項または第二十六条本文の検査の規定は、適用されないのであります。なお、附則の第七条において土地収用法の一部改正を行いまして、自動車ターミナル事業についても自動車運送事業と同様に土地収用法の適用があるものといたしております。 以上をもちまして、本法案の概要についての御説明を終ります。
○塚原委員長 本案に対する質疑は次会に譲ることといたします。 次会は来たる二十四日、来週火曜午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとりし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十五分散会 ————◇—————