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31回国会衆議院1959/03/17

運輸委員会 第17号

発言数
72
登壇者
8
会派数
2
開催日
1959/03/17

会議録

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、参議院送付にかかる日本観光協会法案を議題とし、審査を行います。  質疑の通告がありますので、これを許します。堀内一雄君。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 私は日本観光協会法案につきまして運輸大臣に、先般の久保君の御質疑に対しまして運輸大臣から御答弁になりました問題が、時間の不足等もございましたことと存じますが、やや私ども納得のいかない点もございますので、この際民間関係の業者、こういうものを中心といたしまして政府の所信をお伺いいたしたいのでございます。  観光事業に対する運輸大臣の御熱意に対してはわれわれひとしく敬服しておるのでございますが、国際観光におきまして、従来宣伝というようなものに対しては国際観光協会がやり、その受け入れ態勢につきましては全日本観光連盟が民間団体として担任しておるのでございますが、この間にとかく連絡がうまくいかないために、事業上においてそごを来たしておるというようなこと、しかも一方から申しますれば、その必要に迫られまして、国際観光協会と全日本観光連盟との間におきましては、人事の上におきましてもほとんど重複をいたしておるような状態であります。     〔委員長退席、簡牛委員長代理着席〕 また一方民間の業者の声を聞きますと、国際観光協会といったような方面にも会費を出し、また全日本観光連盟というようなものにもひとしく会費を出すというようなことで、いろいろ不便がありますために、それが日本の観光の振興上にいろいろ影響があるように聞いておるのでございます。それがために先般全日本観光連盟におきましては、ぜひともこれを一体化するというような決議までいたしておるのでございまして、そういう意味から私はこの今度の日本観光協会法というようなものができますれば、この日本の民間事業といったような方面の、国際観光の方には少くも相当の態勢が整うということになるのではないかと思いますが、そういう意味においてまず運輸大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 お答えいたします。御説の通り今まで国際観光協会と全日本観光連盟が二本建になっておりまして、その間にあまりスムーズな連絡がとれておらなかった。まことに遺憾に存じます。このたび発足をいたします日本観光協会がちょうどこれを統合したような形になりますので、その欠陥を補い得るのではないかと考えております。ただ、今度できます日本観光協会というものはもっと仕事のできる意義のあてる母体にしたいと思っていろいろ微力を尽したのでありますけれども、残念ながら非常に不満足になったことはこの前申し上げた通りであります。少くもジェトロが二十億円の補助金を得るのならばこれも十億円、あの十億円というのは基金ではないのでありまして、毎年十億円の経費を出すくらいなスケールにしてやりたいというのが私の理想であったのであります。それが二億円ずつでありますけれども、一億五千万あるのですからわずかに五千万円の増額にとどまったというようなことでありますので、私の理想といたします観光事業の振興ということに対しましてはまことに微力、少くもこの観光協会が事業母体になる余地はほとんどなくなってしまった。資金面からいってそういう制約を受けるのでありまして、日本の観光事業は国外における宣伝、国内における受け入れ態勢、全部日本観光協会を中心にして統一的にやりたいという私の理想は遺憾ながら非常に竜頭蛇尾に終ったような格好になっておるのであります。しかし今日のいろいろな情勢からは私の微力で尽す最大限の実績であるわけであります。ただこの前も申しましたように、これでとどまらないでこれを出発点としまして、われわれの理想的日本観光事業の中心体にこれを盛り上げていくように努めていきたい。これは決して到達点じゃない、出発点だというふうに御了解を願いたいと思います。そして今、堀内委員がおっしゃったような理想的な経営にこれを持っていきたい、かように考えております。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 ただいまの大臣の御答弁でよくわかったのでございますが、要するに日本の観光が今日十分の成果を上げないということ、私は日本の国民の人たちが全般的に観光ということについて、だいぶ認識を新たにしてきたというものの、まだ政府当局を初めといたしまして、重要性というものが十分わかっていない結果だと思うのでございます。そういう財政的の問題等につきまして、大蔵当局も出ておりませんので、私は近く一般質問として政府の関係方面の御意見をお伺いいたしたい所存でございます。従いましてきょうはその点は触れませんが、そういう意味からこの日本観光協会法案が、現在非常なる努力をなさった結果ここまで到達したのでございまして、これを将来育成していくということについては、私は今の大臣の御答弁でよくわかったのでございますが、そういう意味から私どもも、現在の情勢においてこれがなし得る最大限度である、また一方観光という関係から言えば、これが最小限の成果だというふうに考えて、われわれはこの法案を審議したいと思っておるのでございます。  次に私は具体的問題につきまして、こまかい点については局長からでも御答弁いただけばよろしゅうございますが、国際観光ということになりますると、まず対外宣伝、その次に旅客のあっせん、それから第三に受け入れ態勢、この三段階になると思うのでございます。今度の観光協会法案を見ますと、従来の国際観光協会並びに全日本観光連盟の定款等から判断いたしますると、宣伝と受け入れ態勢という問題については相当重きを置いているけれども、あっせん事業ということに対してはほとんどあげられておりません。そこで日本におきましては、旅行あっ旋業法というものもあるようでございまするが、これは主として日本国内においてやっているあっせん事業であって、国外のあっせん事業、たとえば各方面の旅行案内宣伝機関に旅客が来て、そこで相談してどういうふうな計画をもって、どういうコースでやるというようなことができないように私は思うのでございます。これにつきましては御承知のように、英米にはトーマス・クックがあり、それからソ連にはイン・ツーリストがあり、イタリアにはチッドがあるといったようなことで、各国ともそういう機関が整備されておるのでございますが、この点についてどういうふうにお考えになっておるか、ちょっとお伺いいたします。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 その点はお説の通りでございまして、われわれといたしましてももっと旅行あっせん業者が国際的に進出することを希望いたしております。現在の状態を申し上げますと、御承知の日本交通公社がわが国では国際的に相当以前から名を売っておるのでございまして、昔ジャパン・ツーリスト・ビューロー、いわゆるJBBと申しておりましたが、そういった名前は相当売れておるのであります。しかし、何と申しましても国際的な規模におきましては、ただいま堀内先生が御指摘のような、大規模な業者にはなかなか立ち向いができない情勢でございます。現在日本交通公社におきましても、海外事務所を持っておりますところは、わずかにニューヨークとロスアンゼルス、そんなところでございまして、非常に海外における事務所網は貧弱でございます。しかしこれも今後伸びていくことになるであろうとは思いますけれども、事業そのものが採算に乗りませんと、海外事務所をどんどん持つということも実際問題としては非常にむずかしいかと存じておりますが、幸いに政府の補助金で国際観光協会の海外宣伝事務所ができておりますので、できればそういった事務所に交通公社の関係の従業員を、いわゆるジョイント・オフィスというような関係で置かせまして、旅行あっせん業の国際的な進出をはからせたい、こういうふうに考えております。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 私がヨーロッパを旅行しましたときに、たとえばトーマス・クックならトーマス・クックへ行って、そこで金を払い込んでおけば、その旅行先の停車場へ行けば、すでにトーマス・クックの帽子をかぶった人間が駅のプラットホームに立っておって案内してくれる。それがもうホテルから何からすっかり準備しておいてくれるので、旅行が非常に安易だといったようなことを経験しておるのでございます。交通公社にいたしましても、従前はそういうような組織に基礎を置いておったと私は思うのでございますが、終戦当時駐留軍が参りまして、この交通公社に対する政府の補助とかいうようなものを打ち切ってしまい、そして交通公社に対するいろいろな変革があったように私は思うのでございます。そこで占領時代には外国人を対象として、各国鉄の主要駅には案内の組織があったように私は考えております。それが駐留軍の引き揚げと一緒に撤廃されてしまったということになっておるのじゃないか。そうしますと、日本の今のあつ旋業法によってできておるところの組織でもって、駐留軍が来た当時持っておったような、ああいう停車場におるあっせん、世話役といったようなものの関係がどうなるか、この辺について現状を一つお伺いしたい。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 お説の通りに、終戦直後は特に駐留軍のために、ほとんど全国の主要駅には案内所があったのでございますが、現在そういった性格の案内所はほとんどなくなっております。しかし交通公社はその後業務を拡充いたしまして、現在では全国にたしか二百十四、五の営業所を持っておりまして、そういった方面にも、十分ではございませんが遺憾なきを期しているように考えております。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 その辺について、私はもう少し当局でも交通公社の実情を調べていただきたいと思うのですが、私の申しますのは、まず第一に、外国においても宣伝機関というものと旅行あっせん機関というものは、おのずから性質を異にしておる。戦前においてはもう交通公社というものが一本でやっておったのですから、その辺は非常にいいのですけれども、まず海外におけるそういう窓口といいますか、そういう点について今の程度でいいとお考えになっておりますか。また将来改善の必要があるとお考えになっておりますか。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 もちろんこれは大いに改善する必要があると考えております。たとえば東京におきましても、諸外国の主要観光国の主要観光地における施設のように、ヴィジターズ・ビューローといいますか、外国から訪問客が参りましたときに、そこへ参れば、すべて旅館のことから、あるいはホテルのことから、あるいは観光ルートのことから、あるいは貸自動車のことから、全部がわかるというふうな機関、組織が必要であろうかと思いますが、これも目下、東京都は東京都で、それ自身の力で多少やっておりますけれども、そう大した大きい規模ではございません。ちょっとした規模でやっておりますが、こういったヴィジターズ・ビューロー的なものをもっと本格的に育成する必要があるのでございまして、将来は主要観光地にはそういった総合的な案内所というものを作っていく必要がある。こういったことも、やはり新しい日本観光協会を指導いたしまして、そういう施設の整備に努めさせるようにいたしたいと考えております。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 そこで私は大臣にお伺いいたしたいのでございますが、ただいまも応答がありましたように、私は日本のあっせん方面というものは非常に欠陥があるように思うのでございます。第一、国外においてそういうものがほとんどない。それから今度は国内のあっせん業者にいたしましても、あつ旋業法によりますれば一般あっせん業というものは外国人を取り扱うということになっておりますけれども、これがきわめて不十分で、しかも外国から来ました旅行者等に対して、トーマス・クックやそのほかの国にある組織のように、知らないところへ一人で行きましても、何の不安もなくホテルへ行き、観光ができるというような組織が、それこそ採算がとれないならば政府の方で相当援助してやるというようなことが必要と考えますが、現にドイツにおきましても中央観光局を初めといたしまして、イタリアでもみなそれぞれ政府の機関または補助金を与えてやっておるようなわけでございます。     〔簡牛委員長代理退席、委員長着席〕 これは日本の戦前における観光組織としてはすでにあったものが、米国が来て自由主義的な考えからこれを破壊したので、そのままになっておるのじゃないかというふうに私は考えるのでございます。ところが今度の法案の中を見ましても、その他これに関連ある事項といったようなところへ含まれるのかもしれませんけれども、これはあまりに重要なように考えますので、将来こういう点について一つお考えいただきたいと存じますが、その点の御所見を伺いたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 お説ごもっともだと思います。大体今までの日本における観光事業の取扱い方が、いわゆる生産事業ではないという取扱い方を受けておる。金融業者なんかでも近ごろやっと本格的な生産業にやや近い取扱い方をいたしたようなことであります。従いましてそのまた手先と申しますか、あっせん業者というものは社会的の扱い方も、今堀内委員のおっしゃったようなトーマス・クックの社員に対する扱い方とはよほど違うみじめな扱い方を受けておるわけであります。しかし、そういう扱い方を受けておるにもかかわらず、その任務は非常に重いのでありまして、このあっせん業者の扱い方の善悪が、外客がせっかく日本へ来ましていい印象を持って帰るか、悪い印象を持って帰るかという、ほとんど分れ目になるほど重要なる作用をする業態でありますから、全般的にこの観光事業に対する認識を改めるとともに、それの付随事業であるあっせん業者に対する取扱い方もだんだん改善していかなければならぬということは、堀内委員と全く御同感なんであります。ただ、問題は、また同じところに返るのでありますけれども、最初に観光協会を作りましたときには、これに少くとも年に十億くらいの経費を政府から出資してもらって、そういうことをひっくるめて、全部この日本観光協会でやろうというのが理想案であったのでありますけれども、最初に申しましたように実に不満足な、わずかに海外宣伝の費用を五千万円増額したという程度にとどまりましたために、今堀内委員の御指摘になりましたような必要性は十分に感じつつ、経費面から申しましても実現ができないまことに遺憾な状態であります。繰り返して申すまでもないと思いますけれども、今後この芽ばえ、母体を育てまして、ぜひそういうことも観光協会の仕事の中に取り入れてやっていきたい、こう考えております。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 ぜひともこの点につきましては今後とも一つ御検討願いたいと思っております。  その次にお伺いしたいのは、今度国際観光協会と全日本観光連盟を合体されたことにつきまして、先般他の委員からも御質疑があったのでございますが、国内観光の問題について、従来全日本観光連盟の定款の中に上っておりました国立公園関係の問題とか、国民の厚生関係の問題とか、国民の観光観念の普及の問題とか、そういったような国内観光的な問題、または国民の観光思想の普及というようなことが今度なくなってしまうようですが、その辺についてはどんなふうにお考えになっておられますか。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 今度の法案でおわかりのことと存じますが、第一条に日本観光協会の目的が上っております。これは前段では、国際観光事業の振興をうたい、後段で「あわせて観光事業一般の健全な発達に寄与することを目的とする。」こういうようにうたっておりまして、観光事業を国内、国外というふうに分けて考えないで、一緒にこれを考えて、その発展をはかるんだということをいっておりまして、国内観光的なものを全然無視するというのではございません。むしろ実態的な考え方を申し上げますと、日本観光協会は、国際観光協会と全日本観光連盟を一緒にいたしまして、まずその財政的基盤を強化いたします。これは十分強化できるという確信を持っております。そのことによって国内観光事業の振興にも大いに寄与する、経費的にも十分の発展、増加をはかることができ、結果的には国内観光事業の振興にもなるというふうに考えております。必ずそのように実現できることを確信しております。元来、観光事業というものは、国際観光あるいは国内観光というふうに分けて考えるべき問題ではないというふうに考えております。むしろこれは一体的に、いわば車の両輪的なものとして一体的に考えていって、初めて全般的な観光事業の振興ができるんだというふうに考えております。  定款の関係で御指摘になりましたが、この法案では極力国際観光協会のやっております仕事と、全日本観光連盟のやっております仕事をまとめまして、抽象的に表現しております関係上、具体的にはなっておりませんが、しかしこれからやろうという仕事は、やはり国際観光協会のやっております仕事とそれから全日本観光連盟のやっております仕事を引き継ぎまして、これを拡充発展させようということでございますので、十分御趣旨に沿い得ると存じます。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 ただいまの局長の御答弁は、まことにそれは非常に苦しいので、そういうふうな御答弁になったんでしょうけれども、そもそも観光というものは、御承知の通り一般国策でございまして、従って今の政府では、関連している役所が十あるのでございます。そこで、政府の方はそういうふうに十にも分れておるが、民間の受け入れ態勢としては一つだということでありますので、その全日本観光連盟というようなものが幾つかのものを受け入れて仕事をするということになっておる。そこでこの協会法というものを作る場合に、関係各省という関係が起ってくると思うのでございます。そこでこの法律を作るときにいろいろ御研究、御連絡をなすったでしょうが、現に今局長はそうおっしゃるけれども、第五章の業務のところの「業務の範囲上というところへいきますれば、「一外国人二外国人三観光に関する調査四観光に関する出版物五前各号の業務に附帯する業務」というのがあって、そこで今おっしゃったようなことは入れば入るのでございますけれども、私はそれにはあまり問題が大き過ぎるというふうに考えるのでございます。従いまして、今までの観光連盟の規約、定款の中には、関係各省の大臣を顧問とするということになっておるのでございますが、今度は監督が運輸大臣一本になっておる。そこで関係各省の方とは関係がなくなるというようなことになるんじゃないかと思うのでありますが、この辺のことに対して……。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 この法文上からは、確かに全日本観光連盟が各省と関係を持っておりましたことは表われておりませんが、新しい日本観光協会の実際上の運営に当りましては、十分御趣旨に沿えるような態勢は整えさせたい、かように考えております。一例を申し上げますと、この日本観光協会では新しく定款を作ることになっておりますが、その定款で、法文に表われております役員のほかに、たとえば顧問とか参与とか、そういった制度を作らせまして、その参与に関係各省の、たとえば文部省であるとかあるいは厚生省であるとかあるいは建設省であるとか、そういった関係各省の局長級の人を参与にいたしまして、特に国内観光の問題について十分御意見を拝聴できるというふうな仕組みにしてはどうかというふうに考えております。確かに現在国内観光と申しますか、あるいは受け入れ態勢の問題に関連しましては、道路であるとかあるいは観光資源の開発あるいは観光資源の保存ということは、それぞれ建設省なりあるいは厚生省なりあるいは文部省が非常な関係を持っておるのでございまして、そういったことから全日本観光連盟では、ただいま御指摘のように、関係各省大臣も顧問としておりますし、また関係各省の局長級は理事として入っておりまして、そういった仕組みでいろいろ各省の指導を受けられるような態勢にはなっております。そういったことをやはり新しい日本観光協会でも引き継いで、関係各省との連絡を十分していただき、また御指導もいただくというふうな仕組みを考えていきたい、かように存じております。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 私は、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、これは日本観光振興のための礎石なんだ、これから本物を建てるんだという御趣旨において、これを現状においてはぜひとも成立させていくことは必要と思うのでございます。従いまして、私どもはどうしても政府をもっと鞭撻する意味において、附帯決議等の考えも持っておるのでございますが、それはそれとしてこの運営の上において、先ほど申しましたように、旅客に対する宣伝、あっせん、受け入れ態勢、これが三位一体となって初めて観光はうまくいく。そのあっせんの点が、米軍が日本へ参りましてからのいろいろな経緯等から、私は非常に欠陥があるように考えるのでございまして、この点を運用の際にぜひともお考えいただきたい。  第二は、この法案が、日本の観光関係が、ことに国際、国内といった意味において十省にも分れており、国内観光の点が表に現われておらない。従いまして、私は考えようによっては厚生省、文部省方面との御連絡がこれからなかなかうまくいかぬのじゃないかと思うのでございまして、そういう点からもぜひ善処するようにお願いいたしたいと存じます。それに対する大臣の御決意をお伺いしたい。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 この定款に載っておりまする役員というところには、今のような名前は載っておりません。しかし、これは法律的のそういう役員にしなくとも、相談役とか顧問とか参与という役は置けるのでございますから、そこいらは、実際上の運営が円滑にいきますような方法は、これが発足いたしましたら、手落ちなくやりたいと考えております。  それから第一の、あっせん業者に対する取扱い方に関する御意見もまことにごもっともだと思いますから、御趣旨に沿うような運営は、あっせん業者をしてトーマス・クック的なものになるまでこれを盛り立てていきたい、かように考えております。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 ただいまの御答弁でわかりましたが、私はこの際特に厚生省関係、国立公園関係、そういう方面との関係が円満にいくように御心配いただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終ります。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 先日質問をいたしたわけですが、時間がありませんでしたために十分意を尽し得なかったので、あらためて御質問申し上げます。なお、堀内さんからも御質問がありましたので、その点はなるべく省いていきたいと思います。  この法案のねらいは、先ほど来御説明があった通りだと思うのですが、この法案をでっち上げるまでの間に、関係各省との間の協議というか、それはどの程度までおやりになっておるか、従来通りの形でやっておられたのか、あるいは一歩進んでおやりになっておるのか、その点を一つお伺いします。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 この法案を準備いたしましたいきさつを申し上げますと、大体大臣がしばしば申し上げておりますように、日本貿易振興会と同じように、政府出資を仰ぐというような構想でございました関係上、最初は大蔵省と主として協議いたしておったわけでございます。これを特殊法人化するということについては、やはり一番大きな折衝の相手方は大蔵省でございます。久保委員の仰せられます関係各省と申しますのは、おそらく国内態勢の問題について、たとえば道路の問題になりますと建設省、それから国立公園の整備ということになると厚生省、あるいは文化財ということになると文部省、こういった方面との協議はどうしているのだというふうな御質問であろうかと存じますけれども、しかし、もともと国際観光協会と全日本観光連盟を一本にするということは、すでに昨年の六月それぞれの総会なりあるいは評議員会において意思決定をしておるのでございまして、それについては関係各省も賛成をなすっておったのでございます。従いましてこの一本化したものを特殊法人に切りかえるということについては、あらためて関係各省に相談するまでもなく、その必要はない、こういうふうに考えた次第でございます。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 各省との連絡をどうしたかという久保委員の御質問に対しては大体今観光局長が答えた通りでありますが、なお、その間に私は閣議で各省大臣に対して、この観光事業に対してもっと政府として力を入れなければならぬということはたびたび申しておるのであります。そうしてこの法案の骨子についてもかなりいろいろな角度から説明いたしました。従いまして各省に別々に交渉は特にいたしておりませんけれども、閣議の中でこの法案の説明をいたしましたから、各省大臣の了解を得ておるものと、こう了解してります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、閣議で御了解を得たということでありますが、これは従来の国際観光協会に対する助成、あるいは全日本観光連盟、そういうことに対するものは、ただ統合するのだ、そうして国際収支の面でも役に立っていくのだという程度の御了解を願ったというふうにとれるわけでございます。そうしますというと、日本観光協会というものは、前回も申し上げた通りただ統合したというだけである。なるほど前進した面もあるいは前進を企画する面もこれはおありかと思います。しかしそれは観光事業全体の大きな飛躍台にはちっともなってないんじゃないか、こう思うのです。というのは、観光事業関係の各省が数多くあることは先ほどもお話の通りであります。これは各省が一致してその事事業をやらなければ、とうてい完成ができないわけです。そこでせっかく日本観光協会法を作るというならば、もっと前進した各省間にまたがるところの事業、あるいはそういう方針、こういうものを統合する政府の裏づけがなくては、この観光協会法というものは生きていかないんじゃないかと私は思うのです。ただ単なる今までの二つある観光事業団体を統合した、そして国際収支をさらに増していくのだというだけでは、なるほどその理想を追求することはけっこうなのでありますが、その裏づけが全体として全然ないということではこれは少しお粗末ではないか、こういうふうに思うのです。よって、私はこの法案ができるというか、こしらえる裏づけとして、やはり各省にまたがるところの観光事業について一つの線を出して裏づけとすべきじゃないか、そういうお話は閣議においてもなされなかったのですか。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 この前、夢物語のような話だと申しましたが、実は日本のように資源の乏しい国で、外貨獲得のために将来伸びのある事業は観光事業だ、ある意味からいうと、通産省に匹敵する、いわゆる貿易収支に匹敵するインヴィジブル・エクスポートとしてそれを統轄するものは、観光省というものを日本のような特殊の国では設けてもいいのじゃないかという意気込みでお話をしたのであります。従いまして、最初の理想からいえば、各省の観光に関する仕事は一本にまとめたいという理想で進んだのでありますけれども、たびたびお話しましたようないきさつで非常に不十分である、まことに不満足な法案になったのでありますけれども、私はこれでも運営によりまして相当観光事業の増進のためには役に立つような働きができるのではないかと思っております。繰り返して言うようでありますけれども、最初の理想と現実は非常に離れておりますものですから、久保委員のような感想は私自体にも強いのであります。強いのでありますけれども、これを先ほど申しましたように出発点といたしまして、久保委員のお考えになっておりますような理想までこれを持っていって、観光事業はこれ一本でやっていけるというところまでこれを育てていきたい、こう考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、まだそういう域には達していないようでありますが、それでは、内閣の諮問機関として観光審議会といいますか、そういうものがおありだそうでありますが、これを機会に、あらためて観光事業を、政府関係のものは一つの統一した施策として取り上げる裏づけにするというようなことで、これに一ぺん諮問する必要があると思うのですが、そのお考えはどうですか。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 どこでも共通のことなんでありますけれども、諮問機関というのはなかなか実効が上りかねるのであります。そこで、内閣の観光審議会も、むろんりっぱな顔ぶれを集めておりまして、りっぱなものでありますけれども、この日本観光協会ができましたら、これは実行機関といたしまして、むしろ観光審議会をこれが引っぱっていくぐらいな力強いものにこれをしていきたい、かように考えておるのであります。一番最初に私どもが考えました日本観光協会法案というものはまさにその通りであったのでありますけれども、先ほど申しましたようないきさつから、むしろ逆に、観光審議会の一種の下の機関というような印象が今残っております。その程度の実質になっておるのでありますけれども、私どもの理想は、これを大きくして、そうしてこの観光協会が観光審議会を引っぱっていくというように立場がかわる程度まで、この日本観光協会というものを育てていきたい、かように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 大臣のお話は、何か私らは奇異に感ずるのです。逆ではないかと思うのです。むしろ政府は観光事業に対する一貫した方策がなくて、今度この法案が通りますれば一つの特殊法人ができて、その特殊法人に一切をおまかせする、自分の作っている審議会もこの観光協会が引っぱっていくように持っていきたい、こういうお話でありますが、これはちょっと逆じゃないかと思うのです。だから、問題は、政府がもう少し積極的な施策を裏づけとして持って、その実行機関が日本観光協会であるというのが正しいのじゃないかと私は思うのですが、どうでしょう。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 観光審議会ができますときには、まだこの観光協会法案が海のものとも山のものともわからぬときであったのであります。従いまして私どもの気持では、日本観光協会ができましたならばこれが万事やるのだから、観光審議会もその中心になる日本観光協会の諮問機関ぐらいなものの程度にとどまるものであってほしい、こう考えておったのであります。あくまでも日本観光協会が中心になっていきたい、こう考えておったのでありますが、その後折衝の過程において、この日本観光協会というものが、先ほども繰り返して申しますように、最初のスタートから比較いたしますとまことに不満足なところにとどまったものでありますから、お説のように観光審議会というものが日本の観光の基本の国策をきめて、そして日本観光協会がそれの一部の実行機関になるというような限度にとどまることになったのであります。私はそれはまことに遺憾だと思っておるのでありまして、たとえば、運輸行政は運輸省がみなきめてしまって、そして運輸審議会がそれの諮問機関的な役をするような立場に、観光に関することは全部をあげてこの日本観光協会——まあ非常に現実から遊離するかもしれませんけれども、観光省的のものにこの働きをインプルーブしていきたいというつもりでこの法案を最初に計画したわけであります。繰り返して言うようですけれども、現実がまことに最初の理想から離れたものになったものでございますから、今、久保委員の御質疑のような御心配がわくのじゃないか、こう考えております。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 事務的に補足さしていただきます。  ただいまの久保委員の御質問は、たとえば政府において観光事業振興の基本計画を策定して、そしてそれを閣議決定するというふうな権威あるものにして、具体的な施策の裏づけをすべきではないかというふうな御質問かと思いますが、御承知かどうかは存じませんけれども、政府はすでに昭和三十一年の八月に観光事業振興基本要綱というものを閣議決定いたしております。この閣議決定に基きまして、観光事業振興五カ年計画というものを関係各省の間で策定いたしております。しかしこれは別に閣議決定になっておりませんで、従って財政的な裏づけも十分ではございません。最近内閣の方で実はこの関係各省の調整をやっております関係上、この観光事業五カ年計画はだいぶ古くなっておるから、新しい見地からこれを練り直して、できれば閣議決定を仰ごうではないかというふうな話が出ております。そういうことはだんだん進行して参ると思います。とりあえずは過般観光事業審議会の方から昭和三十三年十一月二十一日に総理大臣あて、観光事業振興のためとるべき当面の施策についての諮問に対する答申というのが出ております。これで政府が行うべき観光事業振興のための基本的な方策が答申されておるわけであります。これを新しい基本線にいたしまして、そして新しい五カ年計画を策定するということになるのではないかと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、五カ年計画はこれからだということですね。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 そうでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 少しおそいんじゃないですかね。というのは、りっぱな法案を出してきたんですから、これを裏づけて観光事業振興の五カ年計画はやはり同時に発表して、こういうわけでこういうふうにするのだというのが当然じゃないかと思うわけです。どうもあなたのお話だと、大へん理想は大きかったのだが、小さくなったのだ、それだけではどうも、小さければ小さいなりにやはり裏づけになる五ヵ年計画なら五カ年計画をはっきり明示して、そこに政府の各省にわたる事業の一貫性がなくては、観光協会を一つ作ったからそれで国際収支も上るのだという手放しで喜べるようなものでは絶対にございません。そういうことを一つ申し上げておきましょう。  それから大蔵政務次官おいでですから一つ財政面でのお尋ねをしたいのですが、この観光協会法案に付随して助成の方は従来の法律で約五千万増の二億だそうでありますが、国際収支によるプラス面はもう御存じの通りだと思います。今回二つの団体が早く言えば統合されるわけであります。そこで国内観光も国際観光もこれは日本全体から見れば表裏一体したものであります。従来わが国の観光事業が外国に比べてお粗末なの何といっても国内の受け入れ態勢——受け入れとはもちろんホテル等もございましょうが、観光資源の開発という点で非常に見劣りがしていると思うのです。そこにもちろん宣伝も貧弱でございましたが、むしろ受け入れ態勢、そうなりますると、今までやってきた国内観光の面では地方自治団体なり、あるいは観光業者の会費といいますか、そういう金でやってきたわけなんですね。この際国際観光を振興するというためには——国内、国際観光という区別はございませんが、国内におけるそういう観光資源の開発に相当な金が必要だと思うのです。先般の運輸大臣の答弁では、約十億要求したそうでございますが、できたものは二億、こういうことであります。この二億だけではどうもこのいかめしい法律に似合わないような感じをわれわれはずっと持っておるわけなんです。これはもちろん予算は二億ということでございましょうが、何とかもう少し別な面で、三十四年度なら三十四年度出発に当って援助していくというか、助成していくという方法をお考えでしょうか、どうでしょうか。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 ただいまお話の通り、永野運輸大臣がこの法案とその実行に非常に情熱を傾けておられたものでありまして、私ども十分その御意向を財政的な観点から受け入れるべく尊敬して扱って参ったのでありますが、現実におきましては十億という要求のシステムと申しますか方法が、ジェトロの方式を前提として考えております。すなわち、十億出資による六分の年六千万円の利子によって運営していきたい、一種の観光基金みたいなものにして金を減らさずに運営していきたいという、一面いえば非常に合理的で考えるに値する方式だと思うのであります。ただ私ども財政当局といたしましては、そういう十分考えるに値すると考えながら、他面には一般財源からの出資がそういうジェトロの方式をもって観光その他にも全部広げられていくということについて、それが正しいのである、財政運用上理想であるというところに結論が出ませんで、従って両者合併による自己資本の充実、あるいは観光業界あたりの負担分等も若干情熱のいかんによってはふやし得ること等を考えますると、現在の海外にありまする出張所等を、四カ所の分を御要求がありましたので六カ所にふやして、主として海外面の充実に進むとか、あるいはPRの費用をもう少しよけい見ようということで一億三千万を二億にふやしていったわけであります。  なおその他において、じゃ現状からほうっておくつもりか、あるいはどういう施策があるかということでございますが、私どもといたしましては、国内観光の基本的な条件としてやはり道路、それから収容施設、ホテル等が基本的な条件だと思います。幸い道路におきましては、御承知のような今論議の最中であります一兆円道路というものが発足いたしまして、これの完成に従いましてそれぞれ観光の基本条件が満たされてくることはだれしも否定できないところでありまするし、ことに有料道路関係におきましては、重点が観光道路ではないかといわれているほど、実際上の予定個所というものが観光地に相当なウエートが置かれておりますので、観光面におけるプラスはまず基本条件の一つとしては明るい面ではなかろうか。  それからホテル等に対しまする開銀融資等におきましても、今日までは、大きなホテルが一つ申し入れをして、これを消化いたしますと、あとは全国は名目だけのばらまきというような傾向でございましたので、三十三年度の当初案は約五億ぐらい予定いたしておりましたものが、実際に日本の国情に応じた観光ホテルの建設ということを取り上げて参りますると、それを消化するのには相当オーバーするだろうという見通しが三十三年度にもあるのであります。そこで三十四年度におきましては、政府といたしましても積極的にホテルの面等も融資ワクを広げまして、やはり道路の方向と相待って重要施設が完備されていくように、都市をまず第一にということも正しいのでありますが、しかし地方がそのために食いつぶされてしりまうということも正しくないことであることは間違いありませんので、そういう点も開銀融資等の面で考えていきたい。こういうこと等を今後の残された施策として具体化しつつある次第であります。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 関連して、大蔵政務次官にお伺いしたいのですが、ただいまのお話で、大体政府出資の問題については御答弁があったようでございますけれども、まずその問題について少し深くお伺いしたいのです。  ただいまあなたのおっしゃったように、道路の整備が先決であることは申すまでもありません。これに対して一兆億円の道路整備の予算を持ってこられたことは、われわれは大いに敬意を表します。ところが道路整備に続いて起るところのものはホテルだ。このホテルについて、都市のホテルについては、今もお話がありまして、十分ではありませんが一応了承しておきます。ところが地方に道路ができて、そして地方の観光地に行った場合に、その観光地のホテルという問題、これは今度の法案等においても相当重要視されておる問題であると思うのでございますが、現在、日本のいわゆる観光地におけるホテルの採算というものを考えますると、東京付近におきましても、ホテルの建設というものは大体戦前の七百倍はかかっておる。しかも収入の方については四百倍だというようなところに非常に観光ホテルの問題があるのでございますが、東京そのほか大都市のところのホテルの収入というものは大体年間八〇%くらいなければ困る。ところが地方の観光地におけるホテルというものは四〇%程度だ。そういうことで非常に採算が不利だ。そこで現在また一方から言いますと、大蔵省の方でやっておる融資が、ホテルに対しては融資順位が丙だ。それで中小企業そのほかからの融資ということになりますと、これが一千万限度だ、利息は九分だというようなことでありまするので、ホテルの整備といったようなことをしようといたしましても、一千万ぽっちではどうするわけにもいかない。そこで一般地方の銀行がまた融資順位が丙だということで、やむを得ずみんな高利のところへ走っておる。そこでホテルの整備が非常に困難であるばかりでなく、またできたホテルが非採算的であり、従って、料金が非常に高い。現に世界で日本のホテルが一番高いといっており、具体的に申しますれば、今の運輸省などの発表によりましても、外国のホテルのレートは、大体一晩六ドル、日本のやつはハドル半かかっておるというような状態にあって、非常に宿泊料が高いというようなことになっておる。そこで地方の観光地におけるホテルの状態を見ますと、現在大体十七くらいあるのですけれども、このホテルがどういう時期に、どうしてできたかと申しますれば、昭和六年から昭和十二年の間に政府で特別融資をしておる。そのときの融資は大体三分五厘くらいの程度で、そうして三年据え置きの二十七年、大体三十年月賦といったようなことでやっておる。その当時にできたホテルが十七あるのですが、その後においては、日本の新しい地方の観光地に一つもホテルができておらぬ。こういうような状態であるので、これを何とか打開しなければならぬというので、われわれの仄聞するところでは、運輸省の非常な熱意で今度の法案というようなことに進んでいったにかかわらず、それが大蔵省の反対で壁へぶつかっちゃったというようなことは、われわれ非常に心外に思うのですが、この際大蔵省では、ホテルの方に対して融資の順位を上げるとか、さもなければ、特殊の開銀なら開銀にしましても、もっと地方のホテルの方に便宜を与えるとか、年限を長くするとかいうようなことを考えておられるかどうか、そのことをお伺いしたい。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 堀内さんは特別委員長でありまするし、御高説ということで拝聴しなければならぬと思うのですが、ただ、大蔵省の反対によってこれがつぶれたということでなくて、これは観光協会を作るに当って、その協会でホテル建築までという構想が、その限りにおいては入れられなかったということでございまして、ホテルそのものといたしましては、先ほど御答弁申し上げました通り、今日までの経過が示しておりまするように、決して満足すべきものでなかったことは御承知の通りでありまするし、私どももそれを承知いたしておりまするから、運輸当局とも相談をいたしまして、運輸省が認めましたもの、もしくはその資格に合致すべきものは、これは融資条件も甲に上げまして、その要求を満たすようにいたしておりますが、ただその面ばかり考えますると、先ほど久保君の質問にも私が答えましたように、いわゆる融資ワクを都市の大観光ホテルで食いつぶすというようなことが起る可能性もありますから、地方の方も、やはり道路等も逐次整備していくわけでありまするし、それを充足する受け入れ態勢が整わなければ、観光事業は日本全体の事業になり得ないわけであります。そこで私どもといたしましては、三十三年度の融資のワクを来年度におきましてはうんと広げまして、それを上回るワクをもって、その検討をいたしまする際にも、御指摘になりましたような、日本の観光受け入れ施設の盲点を満たし得るように十分考えて研究を続けておるところでありまして、私どもの考え方も決して根本的には違っておるところはないと思います。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 観光協会の今のホテル建築まで云々というお話がありましたが、この問題に対しましても、運輸省当局等のお考えは仄聞するところではいわゆる住宅公団と同じような組織においてやることによって、今の低利長期の融資といったようなことができ、そこにこの盲点が打開されるのではないかというようなことを非常に検討されたそうでありまして、そこに大蔵省との見解の相違ということはいろいろありましょうが、とにかく私どもの考えでは、外貨の獲得におきましては、現在日本が、大蔵省においては本年は五億何千万ドルの黒字だというけれども、このうち四億くらいのものは御承知の特別の関係であるので、これがなくなった場合に将来どうなるかというと、ここに観光というようなことが非常にクローズ・アップされてくる。しかも外国から日本に来たいという者は非常に多い。来てみてもホテルがないので、船の中に泊っておる。それで都市の方のホテルを直した場合に、道路の関係でいなかえ行く。そこにホテルがないというようなことになりますれば、お客を連れてきても、それはだまして連れてくるようなことになりますし、それから一般国内の観光、一般勤労者の旅行といったようなこともあることは今さら申すまでもありませんが、そういう方面からぜひとも今後特別の御努力を願いたいと思います。  それと関連していま一つ申し上げたいのは、この外資の導入といったようなことについてわれわれもいろいろ聞いておるのでありますが、外資を導入するにはどうしても政府保証というものが必要だというようなことで、観光協会法等についても政府保証という問題を非常に強く言っておったが、やはり大蔵省で話がつかないというようなことで、それがなくなってしまったというような関係のことを聞いておるのですが、その辺の事情はどうですか。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 前段御要望になりました点でございますが、私ども御趣旨の方向をなるべく生かせるようにしたいと考えて、先ほど御答弁をいたしたようなことも考えておる次第でありますが、ただ日本の国力と申しますか、関係業界の能力は、観光業界におきましても、アメリカ、フランス、イタリア、ことに観光立国のフランス、イタリア等には及ぶべくもありませんが、しかしやはり相当の能力はあると思います。これを後進国のように国が国立ホテルをわざわざ作ってやらなければ能力がないかといえば、やはり能力はあると見るのが至当でありまして、そのためには、先ほど来申し上げましたように、その能力に助太刀を国がしてやるということが自然の第二段の策であると思います。高利の金を借りてやらなければできぬというのでは、ただ能力があるといったって、苦しみのためのから回りだということにもなりますから、そういう面を検討して、やはり自力ということを重点にしていこうというのが財政当局の見解であります。  第二点の御趣旨の点につきましても、私も大蔵省という役所に参りまして、一般の国の財政を担当いたしましと、各省のいずれもりっぱな理想的なものを掲げて持ってこられますものを、財源の点から、あるいは先ほど御指摘になりました政府保証等の面からも、いろいろと制限を加えていかなければ、国の財政運用の困難な役所であるということも半面わかりました。非常にいい修行もいたしておるのでありますが、それらの条件等につきましては、国として現在観光協会だけを取り上げるということも、他の通産関係のいろいろな保証等もございますし、建設省あたりの建設業界のリスク保証等も問題になっておりますので、そういう関連からこの際ごがまんを願ったわけであります。もちろんそういう小手先のことではなくて、根本は、御要望になりましたような、異国情緒という面からいったって、少くともイタリア、フランスに劣らないだけのものを日本は持っておるわけでありますから、そういうことを国政の上で忘れないように、金庫番だけでそういうことをやっていかないようには心がけさしていくつもりであります。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 私は、観光の方面に対して、御出身からいっても最もエキスパートといわれる大蔵大臣がおる、そこに政治力の強い政務次官がすわっておるのだから、今度こそは観光はいくだろうと思って大いに期待しておったけれども、郷に入ったら郷に従うというか、すっかり態度を変えてしまって、観光に対する御熱意がどこへいったかわからないような形になって、おそらく官僚連中に縛られるような山中政務次官でもなかろうし、佐藤大蔵大臣でもないと思いますが、われわれは大いに期待しておるのですから、一つこの際善処をお願いして、私の質問はこれで終ります。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 御叱正のほどおそれ入りますが、また各省山ほど要求がありまして、山中がおってくれてこれは実現したのでありがとうという省もあるわけでございます。運輸省の中にも、また別の方面では、山中君よく押し切ってくれたというものもあるわけでございますから、一つだけを取り上げての御議論はお慎しみいただくようにお願いいたします。おしかりはつつしんでお受けいたします。

久保三郎日本社会党

○久保委員 大蔵政務次官からいろいろお話がありましてよくわかりましたが、ただ一つわからない点が残っております。というのは、助成金に比較して、この協会法の性格といいますか、非常に運輸大臣の権限が強くなっておる。というのは、役員の任命、最高指導部は全部運輸大臣が任命するということになっておる。なるほど先ほどの運輸大臣の御答弁からいいますならば、そういう性格であるべきだとも考えられます。ところが内容がこれに伴わぬ。いわゆる財政的にも、早くいえば少し出して、大半は会員諸氏から出してもらって、頭の統制はこちらでするというふうにとれるのであって、どうも残念だと思うのです。これに対して大蔵省として何か強い御要望もこういうことであるんじゃないかと思うのですが、政務次官のお考えはいかがでしょうか。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 永野さんは、御前歴が示しますように、最も庶民的な政治家の一人でありますから、私どもといたしましては、財政的にいろいろと応答は申し上げましたが、その後の監督において主管省の大臣の権限が強過ぎる、弱過ぎるということについてもっぱら永野民主的大臣を信頼いたしましておまかせいたしておるのでありまして、それでもなおかつ縛り過ぎるということでは、これは永野運輸大臣の御答弁が適当だろうと思うのであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いや、運輸大臣の方のお話は大体伺ったのであります。大蔵省筋からどうもそういうことにしなければいかぬだろうということで何か縛りをかけた、こういうふうにわれわれは仄聞しておる。そういうことも、縛るなら縛るように、もっと金をたくさん出せば縛りようがあると思う。それから先ほどの運輸大臣の御答弁は、これが特殊法人として国がやることを全部代行するような形を理想として描いておられる。その点ではそれは当然そうあるべきだと思う。ただしその裏づけがちっとも進歩していないという点は、これはどうも半端じゃないか。これを要望しておきますが、呼んでもう少し助成しろと言ったって、それは無理だと思います。よって、さっき運輸大臣がそういう答弁をされたが、そういう性格に合う形を財政的に今後お骨折りをいただかなければならぬという点であります。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 私どもは自由民主党でありまして、なるべく縛りたくないというのが基本的な考えでありますが、ただ今、久保さんの御意見をひっくり返しますと、じゃ金をある程度出したら縛ってもいいかということになりますと、それもなかなか疑問でありまして、今国家公務員の退職年金制度等の議論は大蔵省の監督が強過ぎるというようなことで、国が五五%の負担で実施しようとしておりますが、それでもなおかつ言われるわけであります。私どもといたしましては、なるべく民主的に、しかもおっしゃるような点が、先ほど来の答弁で申し上げましたように、そういう意味において形影相伴いますように努力をしたいということを申し上げておきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 われわれの方も実は縛ることはあまり好きじゃない。ただ先ほどの運輸大臣の答弁からいくと、そういう性格だ、国全体の官公署に類するものだ、そうあるべきだということです。まあ大蔵政務次官にお話し申し上げるのは、縛るのには少し金が足りないじゃないかということでありますので、一つお考えをいただきたいと思います。  そこで観光局長にお尋ねいたします。今の役員の任命の問題ですが、金の問題、その多少にかかわらず、これは観光事業そのものからいけば融通性があってやるのが一番いい。そういう点から言うと、この法案は運輸大臣が一方的に任命するということでありますが、今までの民主的な形態から今度は官僚統制のような形になるわけです。そうしますとどうも割り切れない面があるのです。これはこの前の質問でも申し上げましたが、運営委員会にかけておきめになるとか、あるいはその意向をくんで任命するとか、そういう手続に変えていった方が非常にやりいいのではなかろうか。そこに財政面からいっても、観光協会そのものが国の助成金で大半を持っているわけではなさそうでありますから、そういうところからいきますれば、そういう方法を考えるべきじゃなかろうか、この点についてどうお考えになるか。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 今の久保委員の御発言の中に、国が補助金、そうした金をもっと出すならばこういったやり方でも差しつかえないかとも思うというふうな御発言がございましたけれども、実は、来年度の予算案について見ましても、われわれは総額大体三億をこの事業費として考えておりますが、このうち二億は政府の補助金でございます。民間の拠出金は一億集まるかどうかというところでございまして、従いまして、政府の補助金の割合が圧倒的に大きい、こういうことが申せると存じます。従いまして政府のコントロールというものが通常の公益法人よりももっと強くなるということは当然ではないかというふうに考えております。しかし反面、やはり久保委員の御指摘のように、会員というものがおりまして、その会員の納める会費というものが、この新しい協会の財政的基盤の一半をになっておるわけでございます。従いまして、会員の発言権をいかにして民主的に確保するかということも、一つの大きな命題であろうかと思います。  そこで第一点の役員の任命の問題でございますが、過般の参議院の運輸委員会におきましても、大臣からすでに御答弁申し上げておりますように、実際問題としては、やはり運営委員の方々であるとか、あるいは出資者の方々のおもなるものに当然御相談申し上げるわけでございます。実際上の運営におきましては、久保委員の御要望なさいますような方向に沿えるかと存じております、またそうしなければならぬと考えております。また、この運営委員会の運用等につきましても、定款面で、十分民主的な方法に運営していきたい、かように考えております。一例を申し上げますと、この協会の最も重要なる事項の一つであります予算であるとか、あるいは事業計画、こういったものは会員の一番関心の深い問題でございますが、これを会員の間接的な発言の場であります運営委員会に、運輸大臣の認可を得る前にあらかじめその調査審議をお願いする、こういうことにすれば会員の御納得がいくのではないか。あるいはこの法案では会員の総会というものはございませんが、しかし、やはり定款で会員の総会というものを設けまして、年に少くとも一回以上会員が全部集まりまして、協会の事業問題について調査審議するという機会を設ければ、やはり民主的な運営ということの希望に沿い得るのではないか、こういうふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 金だけじゃないのでありますが、一言断わっておきますが、事業そのものの実行は会員にあるわけであります。そういう点からも、今のお話の通り十分会員の意向をくんで、民主的に運営されることを希望しておきます。  それからもう一つ、先ほど堀内さんからのお話で、あっせん業者の問題が出ておりますが、確かにそうだと思うのです。そうしますと、あっせん業者は、この日本観光協会ができれば、観光協会の手によって育成強化していくということになりますか。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 この旅行あっせん業者は、御案内のように政府は旅行あつ旋業法というものをだいぶ前に作りまして、指導育成に当っておりますが、もちろんこの旅行あっせん業者そのものも協会的な組織網を持っておりまして、こういうものを通じましてさらに指導育成を強化していきたいと思っておりますが、日本観光協会も、もちろん政府の代行機関的な性格を持っておりますので、そういう面の育成につきましては、十分意を用い得るように指導いたしたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 最後に一つだけお伺いしておきます。この法案ができて、今予定されておるのが二億の助成でございまして、そういう今の事業計画は約三億ということでありますが、その中で国内観光面は財政的にどのくらいのプラスになるのか、端的にこれだけ御答弁願いたい。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 現在の情勢を見ましても、全日本観光連盟は約二千五百万円くらいの予算でいろいろ仕事をしております。しかしながらその大部分は、全国に八つございます全日本観光連盟の支部の活動経費にそのまま充てられておりまして、中央には上ってきておりません。そこで中央の全日本観光連盟本部として全国的にやる仕事というものは、経費的に見るとほとんど問題にならない額でございます。せんじ詰めてみますと、全日本観光連盟本部独自でやっております仕事というものが五、六百万円ではないかというふうに私は推測いたしておりますが、しかしこの日本観光協会におきましては、来年度の三億の中から少くとも国内観光のために三千万円程度はさき得るのではないか。つまり額から申しますと相当飛躍的に増額できるというふうに確信いたしております。十分御期待に沿い得ると思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それで、統合した場合、二つの団体の間でともすれば今後の事業経営に円滑を欠く場合が多いと思うのでありますが、そういう点の心配はないように持っていけるのかどうか、これが一つ。それからもう一つは、この観光協会法は、全体的に見て、先ほどの大臣の答弁から見ると非常にピンぼけになっている点が多い。だからこれは、通るにしても、将来このピンぼけを直すような努力を大臣を初め政府はすべきだと思うがどうか。この二つだけお聞きしたい。

岡本悟運輸技官(観光局長)

○岡本政府委員 統合した場合に、国際観光協会と全日本観光連盟との両者の関係がうまくいくかどうかというお尋ねでございますが、すでに御承知と存じますけれども、この両者の構成のメンバーはだいぶダブっているわけでございます。それからもう一つは、役員にいたしましても、現在は、会長は違いますけれども、副会長は両方とも同じでございます。それから、その他の役員も兼務している者もございます。しかも、実際の仕事の進み方から見ておりますと、事務所も非常に近い、まるで一緒の部屋にいるような格好でございまして、現在においても両者は緊密な関係にございます。従いまして、これが一体化になりましても今御指摘のような心配はないと存じておりますが、しかし、仰せの趣旨はこの新しい協会の運営に十分反映させますように指導いたしたいと考えております。  それから第二の点につきましては、大臣からしばしば言明されておりますように、これが最高理想的なものではないのでございまして、これを出発点といたしまして将来理想的なものに進めていきたい、かように存じております。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 他に御質疑はございませんか。——他にないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決いたしたいと存じます。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。日本観光協会法案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立]

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。この際、堀内一雄君より発言を求められておりますので、これを許します。堀内一雄君。

堀内一雄自由民主党

○堀内委員 私はこの際、自由民主党並びに日本社会党共同提案のもとに、日本観光協会法に対する附帯決議を提案いたします。まず本文を読み上げます。     日本観光協会法に対する附帯決議案  我が国観光事業振興上、ホテル等受入施設の整備が極めて緊要であるに鑑み、政府は、昭和三十五年度以降、日本観光協会等に対し財政金融上の助成措置を強化拡充して、これらの事業の急速な促進を図るべきである。   右決議する。  理由を申し上げます。観光事業の振興は今や世界的ブームであります。日本に対する観光熱はきわめて旺盛であり、その前途は洋々たるものがあるのであります。しかるにわが国の観光施設は、政府組織においても、民間組織においても、いまだ不十分の点が非常に多いのであります。しかも貿易の前途を考えますときに、インヴィジブル・トレードといたしまして現在船舶収入のない日本といたしましては、その振興はきわめて緊要であると存じます。しかるに受け入れ態勢であるところのホテル、会議場等の整備については各種の盲点があってこれを阻害しておるのでありますが、これら各種の障害を排除して日本観光を振興せんとして生まれた日本観光協会に対して、財政金融上の助成措置を講ずるとともに、外資導入の基盤を作るため政府保証の制度を設ける等の方法によってこの難関を打開して、そうして本事業の急速なる発達を期すべきであるというのでございます。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 ただいまの堀内一雄の動議のごとく日本観光協会法に附帯決議を付するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。永野運輸大臣。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 政府といたしましては、附帯決議の趣意を十分尊重申し上げまして善処いたしたいと思います。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 なお、ただいま可決いたしました本案に対する報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 次に、内閣提出、参議院送付にかかる中小型鋼船造船業合理化臨時措置法案を議題とし、審査を行います。  質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 山中政務次官がお見えになっておりますので、政務次官に御質問を申し上げたいと存じます。  各省からいろいろりっぱな要求がたくさん出てきても、財政上の都合でどうにもならない。その中にあっても特にこの海運の振興、輸出の振興、あるいは海運の中小企業対策というふうな面に深い理解を持たれましてこの法案の成立につきまして非常に御協力、御尽力をいただきました政務次官に対しまして心から敬意を表するのでありますが、私はこのせっかく作っていただいた法律を生かすも殺すも、この第六条いかんにあると存じます。この第六条に書いてありますのは、「政府は合理化実施計画に定める中小型鋼船造船業の合理化のための設備の設置に必要な資金のあっせんに努める」と書いてあります。実は私たちの気持といたしましては、これは「確保に努める」というふうに書いていただきたかったのでございますが、これは一般会計から直接出すのでなくして、開銀資金等をあっせんしていただくというふうな関係になりますので、これは確保にかわる意味のあっせんというふうに私たちは解釈をいたしておるのでありますが、この点政務次官の御意見を伺ってみたいと思います。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 わが国の造船業はドイツ、イギリスを凌駕する実績もしくは実力を備えるに至っておりまして、非常にけっこうなことと思うのでありますが、他面におきましてその巨大な造船業の陰に、ただいま關谷委員の御指摘になりましたような中小型の造船所が呻吟しておる事実があることを忘れてはならないと思います。そこで、これを御要求になりまして、關谷委員が先頭に立っていろいろの御努力をされたことを私も十分拝承いたしておりまして頭の下る思いがいたしておるのでありますが、ただいま第六条のあっせんの意味について実はお話があったのでございます。私どもといたしましては、今回の予算に当りましても、審議会を設けて漸進措置を具体的にはかっていくというお話がございましたが、この点は海運造船合理化審議会の中に部会を新設していただくことによってごがまんをしていただきましたかわりに、私ども政府といたしましてもこの方面に今後重点を置いて参るということの証左といたしまして、木造船の標準船型の設定費に四百三十万ほどを予算面に出して参っておりますが、問題はその後において中小型造船業界の伸展をいかに助成していくかということになると思うのであります。私どもといたしましては、現在中小企業金融公庫等で、全部が中小型のみに限定はされておりませんが、三十二年度の実績で、約八十八件の三億三千二百四十万円ほどの貸し出しがすでに実績になって具体化されておるわけでありますので、やはり国が引き続きそういう方面を伸ばして参りますと同時に、要はその開銀資金によって条件を改善していきたいというのが目標であろうと考えております。中小企業金融公庫にいたしましても、四月からは現在の九分六厘を三厘ほど下げることになっております。しかしなお開銀の方が有利であることも、また条件等が中小型造船業界にはことにふさわしいことも承知しておりますので、私どもといたしましては、開銀のワクの中に、前年度百九十億くらいでございました特別その他ワクというものを今回二百五十億にふやしております。もちろんこれは各省から今後それぞれ要求が出て、どのような要求額となり、その消化はどういうふうになるかは未定のままでありますから、今はっきり断定することは非常に困難と思いますが、しかし開銀融資ベースにおいて、中小型造船業界でこの対象になり得るものは積極的な立場において消化していくということが、当然この法案に伴うところの政府の考えでなかろうかというように思います。そこでその方向に関係局ないし開発銀行等の意思を統一しつつありまして、ほぼその方向に向いつつあるところであります。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 政務次官の御努力によって、大体五億程度のものが本年の資金としてあっせんを受けるようになっておるというふうに仄聞しておりますが、五ヵ年計画をいたしまして、中小の綱船造船業者の救済、合理化をやるためには、大体五十億余りの金が要りますので、五ヵ年計画といたしますると年々十億程度要るわけでありますけれども、今年度は審議会等もこれから発足いたしまするし、いろいろ調査等に時日も要しまするので、そういうようなことを計算に入れられての五億円であって、残る四十五億というものをあとの四カ年でやっていただけるというふうに私たちは期待をしておるのでありますが、これらの資金面の確保について格段の御努力にあずかりたいと存じます。これに対する政務次官の御意見を伺っておきごたいと思います。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 中小造船業関係と密接不離と申しますか、また逆にいいますと、現在旅客船公団法等が提案審議になりまして、ほぼ可決確実でありますが、この公団法の裏づけとなるべきものがまたこの中小型鋼船造船業合理化法じゃなかろうかと考えております。しかしながらその現実は、総件数大体二百十七件のうち、資本金一億円以上というものはわずか六件しかないということでもわかりますように、では形影相伴うといってもその裏づけの実力はどうかというと、旅客船公団推進に当ってもその能力の面で憂慮される事態にあるわけでありますから、私ここで配分計画の最終決定を見ざる前に幾らということを申し上げることは不可能でありますが、十分關谷委員の吐露されました信念の方向に裏づけて参ることが旅客船公団法を通そうという政府の意思に沿うものでなければならぬ、こう考えますので、十分尊重して実現の方向に進めていきたいと思います。

關谷勝利自由民主党

○關谷委員 要は、これは最初から私が申し上げましたように、第六条のあっせんいかんによるわけでありますので、せっかく他のたくさんの要求事業に優先をしてこれを成立さしていただいておりますので、この効果が上りますように十分の資金あっせんをいただくようにお願いし、その決意のほどをもう一回承わっておいて質問を打ち切りたいと思います。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、十分努力いたして参ることはお聞きの通りでございますが、ただ特別ワクと申しましても二百五十億のワク内でございまするので、各省それぞれ硫安を主張するものもあり、その他いろいろございます。おそらく要求額が倍するものと思われますので、政府がこれを協議いたしまする際には当然国策という立場から進めて参らなければならぬ。そうすると国策とは何ぞやということになりますると、この中小型造船関係のものはすでに発足を見つつあります旅客船公団の裏づけということでありまするから、關谷委員の御主張のことが私どもとしては正しい方向であり、その方向への努力を重ねていくことをお誓い申し上げます。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 関連質問。——次官がお見えになっておりますから一点だけお伺いしておきたいと思います。  第一条に、「合理化を促進することにより、船舶の輸出の振興及び海運業の健全な発達に寄与する」こういうように明確に目的を明らかにされておるわけです。先般来政府当局に輸出の振興策についていろいろお伺いをいたしたわけですが、当面考えられるのは東南アジア地域、あるいはまた中近東等に輸出のいわゆる需要が非常に多い。しかもこのままほうっておくならば、欧州の造船業界に荒らされてしまう。従ってすみやかに合理化を促進をして、そうして輸出の振興をはかりたい、こういうお話でございます。しかしながら、中近東あるいは東南アジア地域におけるいわゆるポンド圏に対して、政府はかなり貿易について選逡巡をされている向きがあるわけであります。従ってポンドの取扱いということについて、従来の方針だけでなしに、もう少し積極的な考え方を示してもらわなければ、結果から見るならば中近東なり東南アジアというものに対しての貿易というものは伸びていかない、こういう点があります。そこで今後のポンド圏に対する考え方、こういうものを一つお聞かせを願いたい、これが第一点。  それから第二点は、欧州の延べ払い等についてお伺いをいたしますと、非常にいい条件のところではまくら金五%で二十年くらいは延べ払いをする、こういうお話でございます。ドイツにおいては大体一五%で十年ないし十五年ということでありますが、わが国の延べ払いというものは非常に短かい。そういう点からせっかく日本の優秀な船を買いたいと考えても、未開発の地域でございますのでやはり困難なところがある。こういう問題を大蔵当局は積極的に考えていただかなければ、第一条の目的に沿うことができないのではないか、こういうように思うのです。この点についても御意見をお伺いしたい。

山中貞則自由民主党大蔵政務次官

○山中政府委員 御質問の一、二点は、ほとんど関連した問題だと考えますが、まず基本的には私ども単に中小型船のみならず、大型輸送船その他につきましても、先般のフィリピンの輸出が相当国会におきましてもまた業界におきましても議論されました通りでありまして、私ども政府といたしましては、せっかく日本の誇っております輸出産業の花であります造船業界というものはやはり輸出を促進していく方向に進めていかなければならない。もちろんそれに伴いまする条件等は十分他国等を勘案してきめなければならないということは当然であります。基本的な方針はまさに御指摘の通りだと思います。中小型船につきましては、ことに東南アジアの未開発地域、中近東等の能力のいまだ及ばざる国におきましては当然そういう中小型の需要もあると思いますので、十分戒心してその方向に参りたいと思います。  なお、これを現在はばんでおるものは何かということになりますと、第二の質問の延べ払いということになってくると思います。これは貿易主管の通産省といたしましては、なるべく諸外国に比較して、せめて最恵同等な、もしくはそれ以上の待遇を与えて初めて日本の輸出産業の基礎が固まるということをかねがね主張いたしておるのですが、ただ大蔵省といたしまして今日までとりました範囲ではちょっと渋い方でありまして、なるべく延べ払いにならないように、最悪の場合の焦げつき筆が日本の底の浅い経済に大きな影響を与えないようにという配慮が強かったわけであります。しかし欧州における通貨の自由性回復等の状況も起っておるわけでございますから、わが国のみがそういうことに固執して取り残されていくということを歓迎するものでは決してないわけであります。十分個々のものをケース・バイ・ケースで取り上げて参りまして、柔軟性のある輸出産業として、もちろん造船業界も取り上げていかなければならない、こういうふうに考えております。

井岡大治日本社会党

○井岡委員 今の御説明で大体了解をいたすわけですが、特にこの際運輸大臣としては政府当局に今私が申し上げましたような点を十分反映をしていただかないと、せっかく法律は作ったが結果は何もならない、たとえば最近の一万トン級の船台を持っておるところは、これは計画造船にも入ってない、そうしてその延べ払い等のことから輸出に向かない、こういうような点で非常に困っておる。こういう点等を考慮するならば、特にいわゆるポンド圏に対する貿易の振興策を十分考えていただくと同時に、延べ払い等について特段の考慮を払ってもらうようにしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

永野護自由民主党運輸大臣

○永野国務大臣 御指摘の点は、たびたび通産大臣と一緒になりまして大蔵大臣に懇請をしておる点でありますから、今後も引き続いて努力を重ねて参りたいと思っております。

塚原俊郎自由民主党

○塚原委員長 次会は来たる十九日木曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十八分散会      ————◇—————     午後零時三十八分散会

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