P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
30回国会参議院1958/11/04

文教委員会 第8号

発言数
91
登壇者
7
会派数
2
開催日
1958/11/04

会議録

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) これより文教委員会を開会いたします。  まず、理事補欠互選を行います。  現在、本委員会には欠員が一名ございます。互選の方法は、慣例により、委員長の指名によりたいと存じますが、御異議ございませんか。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 御異議ないと認めます。それでは、委員長は、理事に後藤義隆君を指名いたします。   —————————————

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 委員に変更がありましたから、御報告いたします。  本日、吉田法晴君が辞任され、補欠として安部キミ子君が選任されました。   —————————————

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 次に、先刻開会いたしました委員長及び理事打合会の経過について御報告いたします。  まず、本日、出席を要求しております岸総理が、参議院予算委員会へ出席のため、本委員会に出席できませんので、御報告いたします。従って、本日の日程といたしましては、各派共同提案の南極地域観測隊並びに宗谷乗組員激励に関する決議案をまず議題とし、次に、本審査になりました学校教育法等の一部を改正する法律案及び同法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案、公立の高等学校の夜間課程の教職員に対する夜間勤務手当の支給に関する法律案について、提案理由の説明を聴取することといたしました。次に、教職員の勤務評定に関し、文部大臣に質疑を行い、次いで国会法第五十六条の三第一項の解釈に関する質疑を続行することといたしました。次に、社会教育法等の一部を改正する法律案及び高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案の質疑を行うことといたしました。  なお、すでに決定を見ております科学技術会議設置法案の連合審査の日取りについて内閣委員長と協議いたしましたところ、五日かまたは六日という希望でありましたが、理事会で協議いたしました結果、六日は本委員会としては定例日に当っておりますので、明五日午前中に開会するよう内閣委員長に申し入れました。  以上、報告の通り運ぶことに御異議ございませんか。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 御異議ないと認めます。   —————————————

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) それでは、まず南極地域観測隊並びに宗谷乗組員激励に関する決議案を議題といたします。  まず、提案者から趣旨について御説明願います。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ちょっと速記をとめていただきたいと思います。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 速記をとめて。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 速記をつけて。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ただいま議題となりました南極地域観測隊並びに宗谷乗組員激励に関する決議を各派で共同提案することになりましたので、私がかわりまして御提案申し上げます。  まず、決議案文を朗読いたします。  南極地域観測隊の継続派遣は、夙に本委員会の強い要望であったが、今回第三次観測隊が組織され、引続き国際観測事業に参加するに至つたことは、誠に慶賀に堪えないところである。  本委員会は、今回の壮途を祝すると共に、観測隊員並に宗谷乗組員諸子が細心の注意をもってその健康を保持され、従来の貴重な体験に基く精密な計画の下に、最善の努力を払われ、輝かしい成果を挙げることにより、世界学術の進歩発達に寄与されんことを祈念してやまない。  右決議する。   昭和三十三年十一月四日  以上であります。  なお、この決議案が御採択になりました暁には、本案の取扱いについては委員長に一任いたしたいと思いますから、あわせて御審議願いたいと思います。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) ただいま湯山委員から各派を代表して提案されました通り、本案を本委員会決議とすることに御異議ございませんか。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 御異議ないと認めます。   —————————————

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 次に、学校教育法等の一部を改正する法律案及び同法施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案を一括して議題といたします。  まず、提案理由について大臣から御説明願います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) ただいま議題となりました学校教育法等の一部を改正する法律案並びは学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  まず、学校教育法等の一部を改正する法律案でございますが、この法律案は、学校教育法につきまして、専科大学制度を新設し、また高等学校の定時制課程及び通信教育課程と技能教育施設との連携をはかるため所要の規定を設けるとともに、特殊教育関係の規定等を整備し、また国立学校設置法につきまして、国立学校における授業料の滅免に関する規定を設けることとしたものであります。  まず学校教育法の改正といたしましては、第一に新たに専科大学の制度を設けたことであります。  わが国の高等教育機関としては、四年制の大学のほかに、修業年限二年または三年の短期大学がありますが、これは発足当初の経緯もあり、暫定的な制度として認められたものであって、性格も明確を欠くきらいがありましたので、その改善は各方面から久しく要望されてきたところであります。政府においては、このことについて、中央教育審議会を初め、各方面の意見を聞いて慎重に検討しました結果、このたび、新たに恒久的な専科大学の制度を設けることとし、従来の短期大学は、昭和三十四年三月三十一日までに認可されたものに限り、当分の間、存続できることとし、それ以後は、短期大学の新設は認めないことにいたしました。  専科大学は、深く専門の学芸を教授研究し、職業または実際生活に必要な能力を育成することを目的とし、四年制の大学とは、その目的、性格を異にするものであります。  修業年限は、高等学校卒業程度を入学資格とするものは、短期大学と同様二年または三年でありますが、一貫して充実した教育を施す必要がある場合には、中学校卒業程度を入学資格とする修業年限五年または六年の専科大学の制度をも認めることにいたしました。この制度は産業界その他から要望されている充実した中級技術者の養成にも大きな役割を果し得るものと信ずるのであります。  なお、専科大学は、一年の準備期間をおいて昭和三十五年度から設置できることにしております。  第二は、高等学校の定時制課程及び通信教育課程と技能教育のための施設との連携をはかったことであります。  高等学校の定時制課程または通信教育課程に在学する生徒が、学校以外の技能教育のための施設において、高等学校と同程度の教育を受けております場合には、生徒は、二重の負担を負うことになり、保健上からも適当でなく、また教育上も能率的ではありません。そこで、技能教育施設における学習を高等学校における教科の一部の履修とみなすことにより、その相互の連携を密にし、生徒の生活の実態に即した効果的な教育方法を制度化いたしまして、科学技術教育の振興に資することといたしたのであります。  第三は、特殊教育に関する規定を整備いたしたことであります。すなわち、現在、盲学校、ろう学校及び養護学校の幼稚部及び高等部は、単独には設置できないこととなっておりますが、関係者の要望もあり、また特殊教育振興の見地からいたしまして、特別の必要がある場合には、これらの部をそれぞれ単独に設置し得る道を開き、さらに、特殊学級の対象となる児童生徒の種類につきまして、教育上及び実際上の見地から現行の規定を整備いたしましたほか、盲学校、ろう学校及び養護学校に就学すべき者の範囲を政令で明らかにする等の措置を講じたのであります。  以上の諸点のほか、学校教育法につきましては、就学義務に関する規定等に所要の整備を行なっております。  次に、国立学校設置法の一部改正でございますが、これは、国立学校における授業料の減免について、財政法及び国の債権の管理等に関する法律との関係もありますので、これを明確に規定することといたしたものであります。  次に、学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案でございますが、この法律案は、学校教育法の一部改正による専科大学の制度の新設に伴い、各関係法律に所要の改正を加えたものであります。  内容のおもなものを御説明申し上げますと、第一は、教育公務員特例法の一部を改正しまして、国公立専科大学の学長及び教員の身分取扱いについては一個の学部を置く大学の学長及び教員の例によるものとしたことであります。ただし、国公立専科大学の前期の課程を担当する教員の身分取扱いについては大学付置の学校の教員の例によるものといたしました。  第二に、教育職員免許法等の一部を改正しまして、専科大学の前期の課程を担当する教員は原則として高等学校教員の免許状を必要とするものとしたことであります。ただし、必要があるときは免許状を有しない教授等が授与権者の許可を受けて前期の課程を担当する教諭または前期課程講師となることができるものといたしました。  また、専科大学において所要単位を修得した者には免許状を授与することができるものとしております。  第三に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正しまして、国立専科大学の学長及び教員の給与については国立大学の学長及び教員の例によるものとしたことであります。ただし、国立専科大学の前期の課程を担当する教員の給与については国立高等学校の教員の例によるものといたしました。  第四に、産業教育振興法等の一部を改正しまして、専科大学の前期の課程については高等学校に準じてその教育の振興をはかるための補助等を行うことにしたことであります。  第五に、装蹄師法等の一部を改正しまして、短期大学卒業程度または高等学校卒業程度を資格要件とする資格規定に、専科大学の卒業者または専科大学の前期の課程の修了者を加えたことであります。  その他学校教育法の一部改正による規定の整備に伴い、関係法律に所要の規定の整備を行いました。  以上が、両法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 次に、補足説明を緒方大学学術局長から聴取いたします。

緒方信一文部省大学学術局長

○政府委員(緒方信一君) ただいまの大臣の説明を補足して御説明申し上げます。  まず第一に、新たに専科大学を恒久的な学校制度として設けることにし、専科大学を学校教育法第一条の学校の種類の一つとして明記したのであります。また、専科大学は、大学とは目的、性格を異にする学校でありますが、大学と同様高等教育機関であるという意味で、大学と同じ章に規定することといたしました。専科大学は、深く専門の学芸を教授研究し、必要があるときは、あわせて高等学校に準ずる教育を施し、職業または実際生活に必要な能力を育成することを目的とするものでありまして、学術の研究よりはむしろ専門職業教育あるいは実際生活に必要な教育を行うことに特色があるのであります。  第二に、専科大学の入学資格及び修業年限でありますが、高等学校卒業程度を入学資格とするものは、修業年限は、現行短期大学と同じく二年または三年でありますが、一貫して充実した専門教育を行う必要がある場合には、中学校卒業程度を入学資格とする修業年限五年または六年の専科大学を設けることができるようにいたしました。この修業年限五年または六年の専科大学は、三年の前期の課程と二年または三年の後期の課程とし、前期の課程は、高等学校に準ずる教育を施し、後期の課程に進学するために必要な知識、技能を授けるものであります。  第三に、専科大学は、大学のように学部制をとらないで、学科組織によるものといたしました。  また、専科大学には、夜間において授業を行う課程を置くことができるようにいたしましたが、夜間の課程を置く場合には昼間の課程の場合の修業年限をそれぞれこえることができるものといたしております。専科大学並びにその学科、夜間の課程の設置廃止については、文部大臣の認可を要することにし、設置の認可に関しては、大学設置審議会に諮問しなければならないことにいたしております。  第四に、専科大学の教職員についてでありますが、専科大学には、学長、教授、助教授、助手及び事務職員を置き、必要に応じて、講師、技術職員その他必要な職員を置くことができるものとし、修業年限五年または六年の専科大学にはそのほかに教諭は必ず置かなければならず、さらに、養護教諭、助教諭、養護助教諭及び前期課程講師を置くことができるものといたしました。  第五に、専科大学を卒業した者が、大学に入学する場合には、文部大臣の定めるところにより、その卒業した専科大学の修業年限を入学した大学の修業年限に通算することができるようにいたしております。その他、専科大学に専攻科及び別科を置き得ることとしたほか、専科大学の通信教育の課程、教授会、研究所その他の研究施設、公私立専科大学の所轄、名誉教授、公開議座等に関しては大学と同様とし、大学に関する規定を準用いたしました。専科大学の発足につきましては、設置基準の作成、大学設置審議会の審査事務及び申請者の便宜等を考えて、昭和三十五年四月一日から設置することができるものといたしました。  なお、短期大学は、昭和三十四年三月三十一日までに認可されたものに限って、当分の間存続できることとし、短期大学の新設はそれ以後は認めないことにいたしたのであります。  以上がこの法律案の内容の概要であります。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。   —————————————

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 次に、公立の高等学校の夜間課程の教職員に対する夜間勤務手当の支給に関する法律案を議題といたします。発議者に提案理由の説明を求めます。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 ただいま議題となりました公立の高等学校の夜間課程の教職員に対する夜間勤務手当の支給に関する法律案につきまして、提案者を代表し、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  近時、定時制及び通信教育に対する社会一般の理解は産業教育や科学技術教育の一環として次第に深められてき、また、関係機関においても勤労青年教育が重視されるに至ったことは、まことに喜ばしいことであります。しかしながら、夜間の定時制高等学校に勤務する教職員がきわめて劣悪な条件のもとで教育活動を行なっていることについての当局や世上の関心はいまだはなはだ薄い現状にあります。  ここで、夜間定時制教育に従う教職員がどんなに苦しい勤務を続けているかという例の一端を申し上げますと、  第一には、家庭生活上の問題があります。すなわち、夜間勤務する教員はほとんど家庭的な雰囲気や団らんにひたることはできないのであります。また、子女の学習指導やしつけについても学齢期以後は、ほとんど放置せざるを得ないのであります。  第二には、健康上の困難があります。不規則な食事や過労から胃腸障害が多く、冬季間には感冒の罹病率も非常に高いということは、かような特殊の勤務状態による栄養不良や体力の脆弱化に基因していると考えられるのであります。また、帰宅就寝が深更に及ぶため、睡眠不足や、過労が積り視力の減退が著しいのであります。  第三には、経済的な損失も決して少くないのであります。たとえば、食事を家族と別に行なったり、あるいは外食、間食を余儀なくさせられるため食費がかさみ、暖房費や光熱費も余分に必要とするのであります。また、生徒会指導、クラブ活動による時間外指導等の関係で余分の交通費がかさんだり、他に宿泊せざるを得なくなったりしていろいろと費用が要ることになるのであります。  このように夜間定時制高校に勤務する教員は昼間の正常勤務に比し物心両面で大きな苦痛に耐えねばならないのであります。  かような状態をすみやかに改善しなければ、夜間定時制教育を真に充実することはできないのでありますが、これらの悪条件の中には夜間勤務の特殊性に基因するものや、定員、予算の関係で早急に解決できない問題もあります。しかし、とりあえず昼間勤務に比べて夜間勤務のゆえに負わされている経済的な失費については、これを補償し、少しでもその苦痛を減少していくことは、夜間課程を主体としている定時制教育の振興上緊急の要務であると存ずるのであります。右のような理由から、実はすでに北海道のほか十四府県において夜間定時制高等学校の教職員に夜間勤務手当が支給されているのであります。  私どもは、かような措置が全国的に同じ程度において、かつ恒久的になされることがきわめて必要であると存じ、ここに本法律案を提出いたした次第であります。  次に、本法律案の内容の要点を申し上げますと都道府県は、夜間の公立定時制高等学校の教職員に対して条例の定めるところに従い、夜間勤務手当を支給しなければならないこととし、その支給額は三千円を基準として定めることといたしました。  なお、本法施行に伴う経費としましては、別に提案しました高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案で規定の通りに、公立の定時制高等学校の教職員の給与費の四割を国が負担する制度により、夜間勤務手当の四割に当る約二億円を、平年度負担するという構想でございます。  以上でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 本案に関する質疑は後日に譲ります。   —————————————

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 次に、教職員の勤務評定に関する件を議題といたします。  ちょっと速記をとめて下さい。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 速記を始めて。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 本日は、勤務評定について、二、三質問申し上げたいと思います。  まず第一番目に、政府は勤務評定を実施するに当って、法律があるからやると、まあ一点張りできたと思いまするが、なるほど地公法並びに地方教育行政の組織並びに運営の法律に基いて一応記述してありまするが、この法律については、内容等が少しも書いてないと思います。従って、この法律にあるからやるといっても、勤評の内容を想定してないこういうふうな法律については、どういうふうに文部省当局としては考えておるのか。なるほど国家公務員については、人事院が十二で一応規準というものを定めておりまするが、しかし、この国家公務員の勤務評定等についても非常に問題点が私たちはあると思っております。従って、法律にあるから勤務評定は実施しなければならぬといっておるが、こういうふうな、内容を伴わないところの法律というものについては本委員は、勤務評定を実施する場合においては当然勤務評定実施に関する法律ということを建前としてその内容を列記して、あらためて国会にこれを諮る、こういうふうにならなければ、これは私は非常な強制的なものになるというふうに考えておりますが、この点について大臣の御意見を伺いたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 岡委員のお尋ねも一つの御意見だと思うのでありますが、現在の制度のもとにおきましては、お話の通りに、法律には内容その他のことは規定しておらぬ、これは、これを実施する側において、内容その他をきめる、そこにまかせておる、こういう建前のもとに制度ができておるように思うのであります。教職員の問題にいたしますれば、御承知の通りに、勤務評定の計画は、都道府県の教育委員会が立てる。つまり都道府県の教育委員会において、内容その他のことはきめると、ここにまかせておるわけであります。私はこういうふうな立て方になっておると思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 なるほど一応今言ったような大臣の解釈によって、政府あるいは文部省当局が、法律があるからやるという建前で実施してきたという点について、私は特に、戦後における法律の中において内容を規定してない法律というものは、私はこれ以外に知ることができないわけです。つまり、民主的な、いわゆる国会において法律の内容もまた、いつまでにやれということの内容も規定しておらぬ法律というものを施行する場合には特段に慎重でなければならないし、私としては内容というものがない場合において、この法律をあるから何でもやるという、こういうかさにかかった行き方というものは、非民主的なやり方であるというふうに考えるわけです。勤務を評定するという言葉以外に何にもないこういう法律が大体けしからぬと思うのですが、こういうふうな内容を伴わない法律を今のような、都道府県のいわゆる作成したものでやるというふうに一応言われるけれども、そういう点を国会等において基準とかあるいはそれに伴うところの法律の内容というものを提示して、こういう方向でやるべきだということをやはり検討するということを経ないで、これを押しつけるということはいかがかと私は思うのです。そういうふうな点について、戦後においてこういうふうな内容を伴わない法律というものを私は教えてもらいたいと思うのだが、その点どうなんです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) どういう法律があるかというふうなことになりますと、私もまことに事情に暗いのであります。国家公務員につきましても、また地方公務員につきましても、この勤務評定について法律では内容を規定しておらない。そしてそれぞれの実施の衝に当る者がその計画を立て、内容を決定するようなことになっておるわけであります。事柄にもよろうと思いますけれども、勤務評定の内容というようなことは、これは実施の衝に当る者が計画するのが相当であるということで、この法律はできておるものであると思います。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 申しおくれましたが、ただいま御出席の方は、文部大臣、それから政府委員としては文部政務次官の高見三郎さん、それから大学学術局長の緒方信一さん、それから説明員には、文部事務次官の稲田清助さんと初等中等教育局地方課長の木田宏さんが見えておられます。ちょっと報告しておきます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 私は戦前戦後を通じて、法律の内容を規定しておらないというもの、こういうものについては国家総動員法があったと思う。実際のどの法律においても大体内容というものは私は規定されておると思うのです。そういうふうな点で、やはりこういうふうな内容が明確に規定されてないものは、何らかの方式によって事前にこういう内容等を国会に諮り、法律を施行する場合においてもこういうふうな方向が建前として正しいのじゃないかということをどうしても考えざるを得ない。従って、私の見解としては、勤務評定を実施する場合においては、内容、それは何も詳細なこまかいものでなくてもいいけれども、大体概括的なものを含めた法律案としての体裁を整えて一応審議に資する。そういうことを経ていかなければ、法律としての大体体裁も整わないということを考えるわけです。今、大臣が言ったように、全部内容その他は一任するというけれども、そういう一任するということ自体についても明確になっておらぬわけです。だから、私はこの法律が制定されたときにおいては、一応外国の例その他をとって、当時、国家公務員法あるいは地方公務員法を定めるときに、そういうふうな言葉というものを入れておくという、法律の体裁上入れておくという形の中でこれを急速に実施する意向はなかったか、従ってそれが七年なり、八年という時日の経過を経たというふうに、私は解釈しているわけです。ですから、こういうふうな法律によって施行するということを当局が言うならば、法律の内容というものを国会の審議にどうしても私はかけることが正しい方向ではないかというふうに考えるわけです。それも大臣がそういうことは要らないのだと言えば、それは問答無用な、戦前における国家総動員法的な、何でもかんでもやれるのだ、こういう解釈に立つということは私はならぬと思う。少くとも、その内容としては、憲法なり教育基本法なりという精神を重視して、この中から当然内容規定というものを国会に提示していくということが正しい方式だということを、私は法律を尊重する建前ならば、特にそういう点を強調しなければならぬと考えるわけです。この点について大臣はどうお考えですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は立法に際しましてどの点を法律できめるかということは、事柄によって考えられることだと思うのであります。一から十まで何もかも法律に書くということも必ずしも適当でない場合もあります。また、法律に書かなければいけないというような性質のものもむろんあると思うのであります。立法に際しまして、これこれの事項はそれぞれの実施官庁に譲るというようなことをきめることは、事の性質に従って考えますれば一向差しつかえないことだと思うのであります。従って多くの立法におきましてもやはり今お話しになりましたような内容にわたることについても、法律ではそこまで書かないで、それぞれの機関にゆだねておるというような例も少くないと、私はさように思うのであります。立法に際しまして、従って、それぞれの行政庁に譲ってある、たとえば学校教育法等におきまして監督庁がこれをきめるというふうに、監督庁に譲っておるというようなものもあるかと思うのでありますが、そういうようなものはどういうものを考えておるかというようなことは、国会においていろいろ御審議の種になる問題でございますけれども、法律の形の上の問題といたしましてはそれぞれの事柄に従って、あるいは法で直接規定し、あるいはそれを行政当局の方にまかす、こういうことは十分あり得ることと思うのでありまして、一がいにいいとか悪いとかというように私は結論を下すわけには参らないと思うのであります。  この勤務評定の問題につきましては、勤務評定の趣旨については、どういう目的をもってやるかということについては法で規定をいたしておるところでありますが、いろいろ具体的な計画等についてはそれぞれの行政当局にゆだねておるということになっておりますが、これは勤務評定というようなことのやり方がそれでいいのか悪いかということになればいろいろ御議論はあろうと思いますが、行政当局として考えますれば現行法に従ってやっていく以外にはないと思うのであります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 その点については、やはり法律を施行していく場合において内容というものが明確でないと、こういう法律は私は実際に法を受ける立場の者からいえば非常な疑義があると思う。ちょうどこれは昭和二十五年に地公法の制定に伴う一つの検討があったわけですが、そのときの議事録を調べてみても、本件に対してはほとんど論及されておりません。われわれは、従って、こういうものの内容について当時の論及されておらなかった点を考えてみると、それほどこういう問題が重要視されておらなかったのじゃないかというふうに考えておるわけです。つまり、現在のような政府の強圧的なやり方というものをだれも予想しておらぬ。そういう中において、この勤務評定というものを、当時軽く考えておられたという点、それから特にその後においても、しばしば論議されておるわけですが、教育公務員に対して勤務評定を実施するということは非常に困難である、こういう世上における一般的な常識がこういうものについて、比較的論議がされておらなかったというふうにも解釈されるわけなんです。で、今政治的な問題になっているこの勤務評定を取り上げた場合に、内容というものが伴ってないものを、政府が一方的に、法律にあるからやるんだと、こういう高飛車な行き方ではなくして、一応法律の中に個条書きに書いてあるが本法律は内容を伴っておらぬ、従ってこの内容については慎重検討を要するということで、勤務評定に伴うところの審議会とか、そういったようなものをもってですよ、広く各般の意見を聴取して、そうして大体いろいろな意見が盛られたというところから、これを行なっていこうという慎重なる配慮が私はなされなければならぬと思うわけです。法律を特に実施してそれを守らせようという立場にあるならば、特に私はそういう客観的な情勢をくんだ配慮というものがなされない限り、これはフアッショ的な私は行き方になると思う。ことに個条書きに書いてあるからこれはできるのだということになるならば、やはりその法律の精神というものをくんで、各般の意見を聴取してこれを行うべきであるというふうに考えるが、その点文部大臣はどうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 現在の制度に関する御批判としては十分伺っておきたいと思うわけでございます。しかし、現行法のもとにおいて物事をやっていくのが行政当局としてはそういう立場におるわけでございますので、私は現行法に関する御意見は御意見といたしまして、今日まで文部省ないしは地方教育委員会といたしましては、この法律のもとにおいて、これに従って勤務評定を実施していくという建前をとっておるわけでございますので、あながちわれわれがやりましたことがフアッショ的であるとか強圧的であるとかいう御批判は当らぬのじゃないかと思うのでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 文部大臣は口を開けば法律があるからやるのだという強行一点張りの言葉が非常に強く残っておるわけです。それから灘尾さんというのは非常に冷酷むざんな人であるという、まあ、そうじゃないのだと私は思っておったのだが、非常にそういうことでけんもほろろである。私は直截に言って、法律に内容が規定されておらぬということになるならば、その法律の内容というものをどうするか、これは全部お役所にまかされておったと、こういう考え方は私は古いと思うのです。やはり内容というものを検討すべき公けの機関というものを作って、そこで慎重審議配慮して、特に教育という問題で勤評を適用するということになると、これは非常に問題が多いと思う。こういうことが私は常識的に判断されると思う。そういうふうな立場に立ったときに、これを慎重に検討し、そうして内容をどうするかというふうな、広く衆知を集めたところの審議機関というものを作って、そして実施に乗り出すべきであったというふうに、私はどうしても考えるわけです。これについて、今文部大臣が言ったように、それは文部当局なりあるいは地方教育委員会なりあるいはその他の機関がいろいろと検討してやるということについて、それでいいんだと、こう言われておりますが、実際に勤評の内容を決定していくようなことについては、現場の教職員の意向というものは、これを受け付けないような方向で行っておる。こういうふうなことになるというと、どうしても紛争を巻き起しているのは当局側ではないかという意見が私はどうしても起ると思う。これはここで単なる論争をしているわけではなくして、教育行政というものを円滑に運営していくという一つの高所なる立場に立てば、やはり全部が全部納得させることができないまでも、ある程度やはり潤滑油的な一つの機関というものを設けて、そうしてそこに衆知を傾けて、中においていろいろな意見があろうとも、まあこれでやろうというふうなこういう立場に立って、教育行政を運用することが、私は民主国家における方式ではないかというふうに思っているわけです。それだから今でもおそくはないと思う。実質的にそういうふうな機関において検討するという、こういう配慮が私は非常に希薄だと思うのだが、文部大臣はあくまでもそういうふうな機関というものを設けて、内容の検討をするということを拒否するわけですか、これはいかがです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 現在の制度の趣旨は、先ほど来お話のありましたように、この実施については、それぞれの行政当局者におまかせになり、これは十分研究して、そうしていい案を作ってやれという御趣意だろうと私は思う。それにつきましては、今回の勤務評定の問題については、それぞれ十分検討いたしました結果、各地方の委員会において計画を立て、これを実施に移しているわけでございます。その検討の仕方が十分であったかなかったかということの御批判もあろうと思いますけれども、それぞれの当局者としては、しさいに検討した結果、計画を立てていると私は思うのでございます。この勤務評定の面について、さらによく検討する意味において、審議会を作ったらどうかというふうな御意見があるというふうなことも承知いたしているのでありますが、私は現実の問題といたしましては、この段階において、現在進行いたしておりますところの勤務評定の実施ということについては、そのまま進めさしていただきたいと思うのであります。もちろんいろいろ議論のある問題でもございますので、その実施の結果に徴しまして、いろいろ検討すべきところは検討いたしてみまして、さらに改善を要するところがあれば、これはもちろん改善をちゅうちょしてはならぬと思うのでございますが、いずれにいたしましても、実施の結果に徴しまして、私は現在各地方でやっておりますところの勤務評定の問題について、これを検討するということについては、何らやぶさかではございませんけれども、今の段階で、審議会を作って、あらためて検討し直すというふうなことは考えておりません。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 現在の段階において、そういう審議会を作る意向はないということになるというと、将来は作る意向があるということにも聞えますが、それは一体いつの時期に、どういう段階になったらば、そういう考え方を持とうということになるのですか。それをもう少し突っ込んでお聞きしたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 勤務評定の実施の結果に徴しまして、いろいろわれわれも地方の実情等も検討してみたいと思っております。また、それぞれの責任当局においても、もちろんこの勤務評定の実施ということについて、今後もいろいろ検討を加えていくことと思うのであります。私はこの段階において、審議会を作るという考えは持っておらぬということは申し上げました。将来絶対に審議会を作らないという考えも持っておりません。必要があれば、審議会を作るのもけっこうだろうと思いますが、今そのことについては、格別の考え方は持っておらぬということを申し上げたいと思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そうするというと、非常にやはり灘尾さんの現在の教育行政を運営していく立場では、責任者としての気持というものが、ただ強行一点張りだというふうに考えざるを得ない。私は先ほど言ったような審議会を持って検討すべきだということは、これは為政者として、行政をつかさどるところの責任者として、そういう心がまえが必要ではないのかということを言ったわけだ。しかも現状におけるところの状態というものを、どう判断していくかわからぬけれども、各都道府県においては、それぞれ都市によってはこれを一年延期とかいろいろな形というものは出てきていると思う。こういうふうに実際に教育をつかさどっているところの末端機構が、いろいろとこの勤務評定の実施について苦悶の状態を呈している。ところが、文部省が一々口を出すことによって、さらにその紛糾を増しているというふうな状態がずいぶん多いと思う。つまり、地方の教育委員会がやっていることに対して、事ごとに口を出すというふうなことから、紛争が起らないで済むものを紛争を起すというふうなことを結果として招来している面が相当あると思う。こういうことは、先ほど文部大臣が言っている言葉の中において、地方で計画してそれを実施しているんだというならば、それにまかせるという考えが至当ではないかと思うのですが、その点はどうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 建前としてはお話の通りであります。ただ、地方からいろいろ御相談でもあれば文部省といたしましてはこれに対して必要な指導はするつもりでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そうするというと、地方の方から相談がなければ文部省はあえて干渉しないということに聞えるわけですが、それでいいのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) まあ事にもよると思うのでありますが、地方が当りまえのことを当りまえにやっておるということに、かれこれ文部省が干渉がましいことをするということは、必要はないと思うのであります。地方でやっておることが文部省から見まして適当ではないということがあれば御注意を申し上げるということは、これはあろうかと思うのでありますが、建前といたしましては今お話のありましたように、地方のなすべきことについてかれこれ文部省がよけいな干渉をする必要はないことだと私は思っておるのであります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 地方がやるべきことをやっておれば特にこれについてとやかく言う必要はないということを言われたわけですが、地方がやるべきことをやっておるということはいついつまでに実施しろということではないと思うのですが、その点はどうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) この勤務評定の問題に対する文部省の立場は、あらためて申し上げるまでもなく、法律の実施をやってもらいたいということが文部省の立場でございます。従いまして、それ以上のことをかれこれ文部省が言う必要もないことで、地方が積極的にどんどん勤務評定を実施してくれれば、文部省があらためて法律を実施しろなんということを言う必要はない。長い間この問題が懸案となっておりました法律でもあることでございますので、文部省の立場といたしましては、この法律に基いて勤務評定を実施してほしいということを地方に求めるというのが文部省の立場でございます。従いまして、地方がどんどんやっておることについてかれこれ言う必要は私はないと思うのでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 まあ文部省の意向をくんで地方でそれぞれ急いでやっておるところは、それは文部省としてかれこれとやかく言う必要はないでしょう。今言ったように、地方で勤務評定のことについていろいろ相談をし、そうして地方住民の声も聞いて教育委員会がそれぞれの都道府県においていろいろとニュアンスに富んだ処理をしていると思う。そういうふうな問題について文部省としては、とやかく言わないと言いながら、とやかく言って、そうしてこれを促進しておる。そういうことがますます混乱を助長しているというふうにも指摘されておるわけです。そういう面から考えてみて、何月何日までにこの法律は施行しなければならぬということは書いてない、法律には……。そういう、法律に明記してないものを文部省から早くやれというふうなことを言っても、これは地方の実情がやらないとは言っていないんだというふうなことで、これをずっと検討しているということになれば、これをよそから文部省がくちばしを入れてとやかく言うことは、私は筋が通らぬと思う。この点は文部大臣はどうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 文部省としては、今回の勤務評定につきましては、なるべく早くやってもらいたいと思うのでありまして、いろいろな口実を設けて遷延するということは文部省のとらざるところであります。できるだけ早くやってもらいたいというのがわれわれの心持でございますので、地方の実情によりましては、あるいは御催促申し上げるのが適当だと考えれば、催促をするつもりでございます。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 どうも、そうするというと、あなたは法律的にあるからこれを実施すると言っておるが、法律の中において何月何日までにこれを施行しろということは、これは書いてない。そういうふうな面においては、片手落ちな行政指導をするということになると、教育というものをだれでも重要視して考えておるわけです、都道府県において……。ただ地方によって、こういう面に対する考えは非常に性急論と慎重論に分れております。性急にやった方が必ずしも教育効果が上るとは私は言えないと思う。そこで、都道府県においてはそれぞれ慎重な態度をもってやっておるところがあると思う。そういうようなところに対して、昨日の新聞等を見るというと、文部大臣は、これはほんとうかどうかわからんが、十二月には北海道とか、京都とか、神奈川とか、あるいは長野等に措置要求をするというふうな記事が見えておる。こういう点は、これはどういうふうなところから出たか、私はまだその根拠を明確にしておりません。こういうような考え方が私はやはり文部当局においてあって、あればこそこういうものが記事として出たというふうに考える。この措置要求をするという記事については、ほんとうにするのかどうか、これは文部大臣にはっきりとお答え願いたいと思う。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はその記事を見ておりませんが、十二月になったらどうとかいうふうなことを決定したことは文部省内においてはございません。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 将来そういうふうに、北海道とか京都とか神奈川とか長野とか措置要求をする意向があるのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 地方の勤務評定実施に関する進行の状況いかんによると思うのであります。今直ちに措置要求をするとか何とかということはきめておりません。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そうするというと、進行いかんによっては措置要求するというわけですね。この点はどうですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 措置要求することが適当であると判断いたしました場合にはいたすつもりでおります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 そこが問題になるわけですよ。どういうふうな判断のもとにそれをやられるのか。どういう場合それをやるのか、一つそれを聞かせてもらいたいと思う。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 目的は勤務評定の実施ということにあるわけでございます。勤務評定の実施をはかる上において措置要求をした方が適当であるというふうな判断をもしする場合がありましたならばこれはやるつもりでおります。今別にかれこれ考えておりません。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 現在においては考えておらぬが、将来においてはやるかもわからぬ。どうも岸総理の答弁とだんだんだんだん似てきて、非常に不安な状態をここに呈している。こういうふうな考え方あるいは答弁の仕方、これは私はやっぱり文教の当局として残念で仕方がない。やはり広く教育を施行していく立場の人として、やはり法に照らして、そういうことは文部省としてとやかく干渉しないのだ、これは都道府県教育委員会が企画してこれはやっているのだから、これは文部省としてはそこまで手を伸ばしてどうこうと干渉すべきでないという答弁が私はあるべきだと思っておっておったのですが、あくまでも文部大臣は地方の教育に干渉しようということなんですか。それはどういうことなんですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほども申し上げましたように、私の願うところは勤務評定を実施してほしいということです。従いまして、それぞれの県において勤務評定の実施のためにいろいろ研究をし、努力をし、その方角に向って進んでおりますものに対してかれこれ私の方から措置要求をするとか何とかいうことは考えるべきでない。できるだけ早くやってほしいというだけのことでございます。従いまして現在の状況においては、各府県においてこの勤務評定の実施を拒否するというふうな事態はないのであります。いずれもその委員会においてはその方向に向って努力をいたしているわけでございます。さように私は判断いたしている。従いまして、今、勤務評定実施の措置要求を出すとか何とかいうことは何も考えていないということを申し上げておるわけでございます。事態によって出すことを必要とし、またそれが適当であるという場合がありますれば、私の権限として措置要求を出せることになっております。これを私は放棄する必要もない。そういうわけで、将来の問題はまだ全然きまっておらないわけであります。必要があれば出すということをお答え申し上げるほかないのであります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 これ以上聞くとくどくなるようだが、腹の中を探るということになると、申しわけないと思うが、なかなかいろいろなことを考えておるようですが、私としてはやはり建前が建前ならばやはりその筋を通す、地方の方で勤評をやらないという教育委員会が出た場合には、文部大臣の言葉でいえば措置要求をする、こういうふうに受け取れるのだが、この措置要求について明確にお答え願いたいのは、措置要求をした場合には、文部大臣はどういう権能があるか。つまり、強制する権能があるのかどうか、これを明確にしておいてもらいたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、教育委員会とそれから文部省との関係において措置要求をするとかしないとかいうふうに、かた苦しいといいますか、そういうふうな関係でありたくないと思う。できるだけお互いが協力いたしまして、目的を達するということが本旨でなければならないと思う。今回の勤務評定の問題につきましても、その意味におきましてはすでに実行しているところもあるし、またおくれているところもありますけれども、そのおくれているところにおいても、実施に向っていろいろ努力はしていてくれると思いますので、そのままどうぞやってくれということを申し上げておるにとどめておるのであります。おそらくそれで私はやっていけるだろうと思うのでありますけれども、地方の状況によりましては、勤務評定は法律があっても、あれはやらぬのだというふうな委員会でもあれば、それはぜひやってほしいという意味において、そういう措置要求ということも言わざるを得ないと思うのであります。措置要求をして、やらなかったらどうかということでございますが、これは私は別にやって、それで聞かなかった場合はどうするかということに対しましても、これという手はないと思います。率直に申し上げます。別に聞かなかったらどうするか、変った手があれば別でございますけれども、教育委員会と政府との関係は、そういうふうなことにまではなっていないと思うのであります。お互いに道義的といいますか、政府がそういう要求があればこれに従ってもらえるという前提のもとに、私は措置要求という規定ができておると思うのでございまして、さらに聞かぬ場合には何とかする方法があるか、制裁する方法があるかと申しますと、残念ながらそれはございません。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 私も措置要求について検討してみても、文部省に強制力というものはないと思うのです。ただ問題は、教育の二法の成立に伴って文部当局は地方の教育長の承認権を持っている、それが大体神経作用を及ぼして、なかなか微妙なる影響を与えているということは、識者の指摘しているところです。神奈川県においては教育長をやめさせて、新たなる教育長に農政部長としての鈴木という人間を持ってきておる、いろいろと陰においては実施を急がせるために圧力をかけているような、そういう徴候が看取されるわけですが、措置要求ということをする前に、私は再三再四先ほど申し上げましたが、実際に文部当局というものが地方の教育委員会なりあるいはその他の企画者にまかしておいて、そうして法律の内容というものについてはほおかぶりをしている、今そういうものを検討する段階ではない、強硬にこれを実施さしているのだから、ある段階がくれば検討するかもわからぬ、そういうふうな言葉の中において、勤務評定というものが非常な混乱を呈しているというように私は考えるわけです。そこで私はこの勤務評定について、先ほど法的に内容がないということを指摘したのですが、人事院規則の十三の二条の二項においても「あらかじめ試験的な実施その他の調査を行って、評定の結果に識別力、信頼性及び妥当性があり、且つ、容易に実施できるものであることを確かめたものでなければならない。」こう書いてあるわけです。そこで、これを客観的に解釈すれば、勤務評定というものは教育公務員に対しては、これは絶対やらなければならぬものであるかどうかということについては、非常な疑義がここに生じてくるわけです。つまり「評定の結果に識別力、信頼性及び妥当性があり、且つ容易に実施できるもの」であるかどうかという点について、これは相当の内容の論議というものを伴わなければならぬと私は思うのです。従って、サンデー毎日等で世論調査をした場合においても、勤務評定というものを教育公務員に実施する場合において、これはやった方がいいかやらぬ方がいいかという問題について、これはペンデイングの問題だと、こういうことを指摘している、それにまるをつけるような形で問題を提起している。私は灘尾文部大臣にお願いしたいことは、やはり法律を実施しているという責任当局の立場にあるものなら、なおさらこういう人事院の十——二の二条の二項についてはどういうようなお考えを持っておられたのか、現在持っておられるのか、これをお伺いしておきたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 人事院の規則に書いておりますことは、勤評を実施する上におきまして、関係者が十分心すべきことであろうと思うわけです。すなわち教育公務員にふさわしいりっぱな勤務評定の計画を立てて、これを実施するという心がまえはわれわれは持たなくちゃならぬと思うのでございます。ただ、現在の制度の上におきましては、地方の公務員であるところの教職員につきましては、これはもうやることになっておる、その間に考慮の余地はないと私は思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 だからあなたのように、そういうふうに何でもやるやるということの前に、やはり法律的においても、こういうふうな十分検討をしてかからなければならぬという内容を書いた条項というものもあるということを、私はここに特に強く言いたい。法律にあるからといって、何でも強行できるという内容のものではないかもわからぬ、この教師に対する勤務評定というものは。そういうものについて、われわれを納得させるところの少しも説明というものがなされておらないわけです。今の人事院の十——二の二条の二項にあるところの今私が読み上げた内容というものについても、ほんとうに納得できるところの説明というものを、いまだかつて一ぺんも聞いたことがないのです。今文部大臣の答弁は、地方でやっておるからと、こういうことなんです。しかし、それでは本委員会における私は説明にはならぬと思う。どうしてこういうふうに書いてあるものを、文部省としては法律にあるからといって強行するのか、こういう条項は十分文部当局においても考慮をする必要があるということを示唆していると私は思う。「勤務評定は、あらかじめ試験的な実施その他の調査を行って、評定の結果に識別力、信頼性及び妥当性があり、且つ、容易に実施できるものであることを確かめたものでなければならない。」各都道府県において校長がこれを記入する場合に、なかなかこれは困難であるということをずいぶん言ってきたわけです。ただ、職権によって地方教育委員会が強制的にこれを書かす、書かない者はこれに対して罰を加える、こういうふうな行き方だから、泣く泣く地方の校長というものは勤務評定を書いてこれを出している。こういう実例は枚挙にいとまがないと私は思う。また、この勤務評定を出した結果についていろいろといわれておるけれども、こういうものを出して果してどういう効果があるのかというふうな点についても、今依然として疑問を持っているものが非常に多いわけなんです。特に私は今この内容等に触れてみるというと、特にいろいろな条項がありまするけれども、大きな欄として特性能力という欄がある、この特性能力という欄が、これは非常な疑問を持って識者も指摘されておるわけだが、教育愛というようなものを評定できるかどうかというふうな疑問が、素朴に下部から起っておるわけです、こういうふうな内容について、文部大臣はどういう見解を持っておるか私は聞きたいと思うのですが、教育愛あるいは誠実あるいは公正、寛容、品位とか、こういうふうな内容を持ったこういうものを評定するという、いわゆる成績を記入するということが果してできるのかどうか。これは文部大臣に、そういう点についてできるかどうかをお伺いしたいと思う。教育愛というふうなものをどういうふうにして評価するのか、それを一つ聞かしてもらいたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はこの勤務評定の実施につきましては、御承知のように、しばしば言われております通りに、地方の教育委員会の教育長が寄りましていろいろな資料を検討し、慎重に考えました結果、一つの試案というものを作ったわけでございます。その試案の中に、お話しになりましたような事項が入っておるわけでございます。これに基きましてと申しますか、これを参考といたしまして、各地方の教育委員会においてそれぞれ実施計画を立てて、今日実施に移っておるわけでございますが、今御指摘になりましたような事項につきましては、私は学校長として勤めております限り、さようなことは可能であると、かように考えるのであります。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 灘尾校長が現われたとして、可能であるということを明確に私は答えてもらいたいと思う。たとえば教育愛というものをどういう尺度でこれを評定するのか、これは個人々々が客観的なものをもって判断することは私はできないと思う、人間の心の中に立ち入る問題ですよ、信条とかそういったようなもの、たとえば校長という者が、逆に教育愛が不十分な者が教育愛の十分な人に対して、自分の意向が入れられないからあれはだめだと、こういうふうな偏見をもって評定することもこれは自由自在だ、だから今の文部大臣の解釈によれば、校長はそういうことはできるというが、灘尾さんが校長さんになったとして、これをどういうふうにやるのか、それを一つ聞かしてもらいたいと思う。できないですよ、こんなことは。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はできないことはないと思うのであります。ただ校長の判断というものが正しいのか正しくないのかというふうなことについての御議論はいろいろあろうかと思いますが、しかし校長といたしまして、自分の見るところに従ってやっていくということは、これは可能だと私は思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 ずいぶん一方的なものの言い方をなされる方だとは思わなかったが、ずいぶんそういうふうなことを平気で言われる方ですね、ほんとうに。私は、今聞いておることは、それはできるかもわからぬが、それはいいかげんなものだということに私はなりがちだと思う。つまり評定そのものは、それによっていろいろな差別待遇が出てくるかもわからぬ、ところがそれが公正であるかどうかということを勤務評定というものは要求しているのですよ、識別力、信頼性及び妥当性があるかどうか、妥当性がないようなものを、識別力、あるいは信頼性が持てないようなものをやってはならぬということを指摘しておるではありませんか、法律が。そういうものを評価して信頼性なり識別力なり妥当性を見出せますか、文部大臣。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) こういうふうな問題になりますというと、いろいろ議論をすれば議論もできる問題だと思うのでございますが、しかし、教師が一体教育愛を持っておるか持っていないか、あるいは誠実であるかないかというふうなことは、いやしくも人事をつかさどっております以上は、これはわからなくちゃならぬと思います。そういう判断に基いて校長が書くということは決して不可能な問題でも何でもないと思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 それは私の指摘しておるように、識別力、信頼性及び妥当性があるということになり得るかということを客観的に見て言えるかどうかということを聞いておるのです。何だ稲田さん、ちょこちょこやっておるのはみっともないです。文部大臣はあんたよりか見識があると思ってこれをお聞きしておるのです。目ざわりでしようがない。(「気にせんで堂々とやれ」と呼ぶ者あり)堂々とやっているじゃないか、稲田君は政府委員じゃないのだから遠慮してもらいたいということを言っておる。私は客観的に見てやはり妥当性がないこういうものをしいてつけさせるということ自体、私は教育の破壊だと思うのですよ。そのことばかりではない、ほかの方にも書いてあるが、校長に対する、あるいは教員に対する品位という問題がある、清潔であるかどうかなどと。で、校長に対する一つの評定の内容についてもここに調べてきたわけですが、実際ナンセンスといいますか、もっと私は強くいえば評定すべからざることをここに掲げて評定するようなことを強制しておるというような面が相当あると思う。ある意味においては思想的な面、人間の性格を評定しておる。人間の性格というものを評定する必要がどこにあるかということを私は言いたい。そこで、私は文部大臣に聞きたいが、教員の勤務というのはどこからどこまでだかそれをはっきりしてもらいたいと思う。勤務を評定するわけですから、その勤務というものはどういう内容を持っており、その中に人間の特性能力というものが入っておるのかどうか、それは教員になるところの資格であって、それは免許状なり、あるいは教員を採用するときに、そういうものを検討するということは教育委員会がやっていいことでしょう、しかし、勤務しておる人間を客観的に見て妥当性の全然ないような条項をここに強制して書かせる、こういうふうなことになるというと、それは教育はますます破壊されていくことになると、私はそういう観点に立って今お聞きしているわけなんですが、こういうふうないわゆる特性能力というものを内容的にこういうものを検討さして、それを評価させるということになれば、これは勤務という範囲内から逸脱しておるのじゃないかというふうに考えておるが、文部大臣は教職員の勤務というものの性格をどういうふうに考えておるか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 今回の勤務評定は、勤務の状況でありますとか、あるいは勤務に関しての特性能力等についての評定を行うことになっておるように私は思うのであります。その事柄がもちろん公正であり、また妥当でなければならぬということは申すまでもないことであります。その公正妥当を期する意味において、いろいろの条項を掲げまして、これをもって教員というものを観察いたしまして、その結果に基いて評定を行うと、こういうふうなことになると、できるだけ公正妥当を期するという建前のもとに計画は立てられておるように思うのでございます。もちろん人間のやることでございますから、あるいはその間に間違いがあるとかいうことも全然ないということは言えないと思うのでありますが、少くとも、しかし、今回の勤務評定の実施によりまして、従来のいわゆる人事管理よりも一歩進めるといいますか、客観性を帯び、また合理的になってくるものと私どもは考える次第でございます。教員の勤務の範囲いかんというふうなことになりますと、私もまことにお答えしにくいのでありますが、必要があれば説明員からでもお答え申し上げさしたいと思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 自民党の諸君も、時間だ、時間だと言いますから、一応一時という時間ですから、私はここで中止しますが、昼食後質問を続けたいと思います。今言ったような事柄について初中局長が出てこられなければ、私は初中局長をどうして出てこないのか、これをこの際説明してもらいたいと思う。文部大臣が答弁できないというならば初中局長が出てきて説明する任務があると思う。どういう重要な仕事があるか知らないけれども、国会で重要な案件が審議されているときにこれは優先されることが当然だと思う。そういう意味において、午後においては初中局長があわせて出席されることを要望したいと思う。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) はい。それでは午前中における日程を大体一時ということにきめておりましたので、午前中の質疑はこの程度で終ることにいたします。初中局長は、本日神戸で開かれております中学校長会議に出席のため、本日は出席ができないと思います。それで、今、岡委員の要望である初中局長に対する質問は、保留する以外にないと思います。次回にさらに初中局長の出席を求めて、答弁を求める以外にありません。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 ちょっと文部大臣伺いますが、その中学校長会議というのはそれは公的なものですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 公的というお言葉の意味がよくわからないのでありますが、これは法律上どうとかこうとかいう問題はございませんけれども、やはり中学校長が集まっているような会議でございますから、これは私的なものといいますよりも、公けの会議と見た方がいいのじゃないかと考えております。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 いや、そんなことを聞いているのじゃない。私は文部省等においてそれを招集してやっておられるのかどうかということを聞いたわけなんです。そうでなかったならば、文部省にはそのほか幾人も役人がおられるわけですから、政府委員が国会開会中にそういうふうな地方の会議に出られて、そうして国会の質疑に応じられないということになれば、私は政府委員としての職務怠慢だと思うのです。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 岡委員の言われた、初中局長が出られないことについては、私は非常に重要な問題だと思う。きょうは前から連絡をしておったように、岸総理に出席をしてほしいというようなことを言っておった。前回もそういうことを要望してあったけれども、岸総理が出られて、この問題はいろいろ質問をされ、大臣も答弁されて、しかも初中局長にそういうふうな関係のある質問があったらどうするのか、それも全然わかつてないことではなくて、もうこのことについてはちゃんとわかっていた日程のことだと私は思うのです。なお、今お話もあったが、地方課長が出てこられておるようですが、むしろそういうところはかわって所管の課長が出て行くならまだそこにもあるのに、公けに招集しないそこに政府委員が国会の開会中に、責任を持っていながら、それが自分が出て行って、そしてかわりの者を、説明員をよこすなんて、そんなばかな話はない。先ほどそういう話があったので、私たちそんなことは承服できない。大臣御承知の上で出席をさしたのですか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 初中局長は、本日、ただいま委員長が申されました通り、神戸において開かれております中学校長会議に出席のために出張いたしておるところでございます。その結果といたしまして、御審議に支障を生ずるというふうなことになりますれば、まことに遺憾なことでございます。私並びに他の職員によってできるだけのお答えはしたいと思っておったわけでございますが、御迷惑をかけた点はまことに相済まぬと思うのであります。これは実は、初中局長が勝手に参ったのじゃございませんで、私の許可を得て参りましたのでございます。だいぶ前から約束をいたしておりますことでございましたし、また会議において文部省も今日相当重要な事項を持っておりますので、そういうふうなことのために学校長会のお求めに対しまして出席をさせることにいたしました次第でございます。責任はすべて私にあることでございますので、どうか一つよろしく御了承願いたいと思います。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 責任はすべて私にありますといって、それで済むものじゃないと私は思う。私が言うのは、政府委員は国会開会中においては、特に委員会が開かれるこういうふうな段階においては、やはり責任を果してもらわなければいかぬ。こういうことは文部大臣もよくわかっていると思うのですよ。それを承知しておいて、許可したということは、私はこれは困ると思う。ですから、政府委員でない者が行くということになれば、これは私はとやかく言いません。それから、開会中でない他の期日に初中局長が出かけることについてもとやかく私は言うものじゃない。これははっきりしておきたいと思う。ただ、今開会中であるし、国会末期なんです。こういうふうな重要段階において、中学校長会なり、その他どういう会議であるにしても、これは責任上自分は出られない、だから他の者を代人として出す、これは常識だと思う。こういう点については、文部大臣が私の責任であるということになれば、これは政府委員というものに対する責任をどうとられるのですか。かわって政府委員を臨時だれか任命するかどうかしてもらわなければならぬと思う。

松永忠二日本社会党

○松永忠二君 ちょっと関連。  そういうふうな点についても不満なのは、本日理事会に出てきて、そして参事官の方からかわってやらせてもらいたい、そういう話が出ておる。大体前々から勤務評定を中心にした問題について、とにかく懸案の事項があるので、やりたいということはわかっている。しかもお話を聞けば、大臣相当前から日程もきまっておられたというお話なら、ますますきょうの日には都合が悪いことはわかり切っている話だと僕は思うのです。それを黙っておいて、そしてきょうになってきて、理事会に来て、局長は出られませんから、かわりの課長に一つかわってと、そういうふうなことを言われる。今、御承知のように、いろいろな問題で国会も問題をかえていることは御承知の通りだと思う。私の方で極端なことを言うならば、それならばきょうの日程をやめてもらいたいと言えばそれでもできるはずだと思う。それを、とにかくいろいろな御要望もあるし、審議をするということもあれであるのでやっておるわけなんです。相当前に日程がきまっておるなら、その日程がきまっておるということを先に言って、そしてこの前の委員会にも、きょうの日に出られないということがわかっていたら、なぜはっきり局長みずからそういうことを言わなかったのですか。そういうことを黙っていて、そして大臣も、自分も、もちろん出張するには命令を出すでしょうから、判をついたけれども、私の責任だとそうおっしゃるのでは、これは少し筋が通らないのです。そういうとにかくわかっている事柄を黙っておいて、そしてしかも当日になって理事会の席に来て、初めてきょうは局長がこうだ、かわりの人でもいいでしょうかと言う。なめていると思うのですよ、実際やることが。こういう点は、私の方でこういうことを抗議するのではなくて、私は与党の方からもはっきり抗議してもらいたいと思うのですよ。決して何もいろいろなことを難くせをつけて審議を混乱させるとか、何とかということじゃないけれども、やはり誠意を示してもらわなければ、こういうふうな問題について、大臣の責任なら、日程のわかっていることなら、もっと早くからわかっていたなら、ちゃんとそういうことをはっきり言って、そうしてその中で、なおかつわれわれの方でそれでも説明して、とにかく質問をしていきたいという希望でやられるなら、私はいいと思うのですよ。そういうふうな状況で、私の責任だと簡単に言われて、なぜわかっているなら、もっと早く局長が言われなかったのかということになるのですよ。どうもこのごろ、そういうふうな全く委員会を軽視しているというような感じが強いから、特に大臣から一つお話を……。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 委員長からちょっと発言しますが、実はきょうは総理が出席する予定で日程を組んでおったわけです。総理が出席することができるかできないかはまだけさの九時半まではわからなかったのです。だから、それで岸総理が出席される可能性もあったのです。こういう重要な委員会に、政府委員である初等中等局長が前から予定して国会を欠席するということになったというのが実情なんです。

岡三郎日本社会党

○岡三郎君 私は先ほど、昨日の読売その他の新聞に載っている措置要求についての一応質問をしたが、大臣の方はそういうことは知らないというのですね。そうなると、これは全然架空の事実を新聞が書いたのか、そうでなかったら、大臣でなければ当面の責任は初中局長ですから、初中局長がこういう発表をしたのか、あるいは談話として漏らしたのか、こういういろいろな関連があると思う。そういうふうな点で、重要なる質疑をする場合における当人がいないということになると、万やむを得ない事情ということは、私はこの場合には当てはまらぬと思うのですよ。中学校長会議に行っちゃいかぬということを言っておるのじゃないのですよ。ただし、今言ったような国会中でしかも会期末で、しかもいろいろと案件がある。そういう中において、政府委員として任命されておるものは委員会を開いたならば病気以外は出席する私は義務があると思うのです。だから、大臣の口からこういうわけでどうしても初中局長が行かなければならない、こういう理由があるんだというならまだわかりますよ。それを一言も言わないで、ただ私の責任である、それでは本院を納得させることは私はできぬと思う。だから、国会に優先するような重要義務であるということになると思うのだが、それならばそれらしい答弁をしてもらいたいと思う。そうでなかったならば、委員会が開かれようがどうしようが勝手に文部省の業務によって出張する政府委員ならば政府委員をやめてもらいたいということを私は言いたいと思う。それは当然ですよ。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 御審議に御迷惑をかけましてまことに申しわけないと思います。今回の中学校長の会議に初等中等局長の出席を求められたのはだいぶ前のことです。それが文部省から初等中等局長が出張するということがやはり計画の一つの内容をなしておったと思うのであります。そういうふうなことで今日に至りましたようなわけでございまして、この出張につきましては、実は私も相談を受けたのでございます。ちょうど火曜日ということになれば委員会もあることでありますので、その相談を受けました際に私もいろいろ考えましたが、前々からの約束でございますので、行かないということになりますと、向うの会議の方にも非常に支障を来たす。こういうふうな判断をいたしましたので、申しわけないことでございますけれども、できるだけ私並びに他の職員によりまして御質問があればお答えを申し上げるということでお許しを願うというつもりで出張の許可をいたしましたようなわけでございます。その間委員会と当局との間に御連絡が不十分な点があったかと思うのでございますが。本日こういうふうにして御迷惑をかけました点はまことに申しわけないと思っております。どうぞ一つ御了承願いたいと思います。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) この問題は、ただいまの文部大臣の釈明を了承することにしたいと思います。ただ、岡委員また松永委員から相当強く今日の初中局長の行動に対しては批判があり、不満があるということははっきり記録にとどめておきたいと思います。  それでは、午前中の日程は、この程度で終ることにしまして、午後の再開を二時半といたしておきたいと思います。  それでは、この程度で午前中は休憩いたします。    午後一時二十二分休憩    —————・—————    午後三時三十七分開会

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 午前に引き続き、文教委員会を再開いたします。  ちょっと先に急ぐことからお諮りいたしますが、明日の連合審査会は、ただいま向うの内閣委員長が見えまして、午前十時が、どうしても向うの都合で十一時から一時の間でないと開けないというのですが、それでいいだろうかということでした。まあ、大体それはあした以外にこっちは、ちょっとあさってにしてくれぬかと言いますけれども、あさってはこっちの正規の委員会があるから困るということで、あした十一時からということ以外に、ちょっと連合審査の見通しがないんですが、それで了承を今したんですが、もしいけなければすぐまた取り消しますが……。  それでは十一時から一時。   —————————————

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) それから、この連合審査会に参考人の要求があるんですが、湯山委員から、日本学術会議の会長の兼重さんを参考人として呼んでほしいと言われるのですが、これは皆さんの御承認があれば申し込みますが……。

湯山勇日本社会党

○湯山勇君 この科学技術会議の設置につきましては、当初学術会議は相当反対しておったんです。それがいろいろ政府との話し合いでいろいろな条件をいれられることによって大体賛成するというようなふうになってきたので、結局学術会議がこれに対してどういう態度をとるかということは、この科学技術会議の非常に重要な要素になりますから、ぜひ学術会議の会長のこれに対する意見、そういうものを聞きたい、こういうわけです。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) そういうふうにそれは取り計らいます。  それでは、ちょっと速記をとめて下さい。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 速記を起して。  教職員の勤務評定に関する質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言願います。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 私は、山口大学における不当処分について、この問題は緒方局長も、去る十月の二十八日の文教委員会で、いろいろわが党の委員から質問がありましたので十分御承知であると思うし、またその後もいろいろ詳しいことを調査しておられると思いますが、このことについていささか質問したいと思います。  今、勤評に関連してという言葉がありましたように、一番この処分を問題にしているのは、大学の学長なりあるいは理事者の方で処分しようとするところの先生たちのいわゆる勤評ですね、勤評が正しいものであったかどうかということに基礎を置いてこの問題が発展していると思うのです。そういう意味で、この問題の概略について、緒方局長は御存じでありますが、他の委員は、参議院においては全然御承知ないと思いますし、他日は、証人なりあるいは陳情の形でもよろしいですが、いずれは参議院にも来ていただいて、正しい事実審理に基いて結論をするためには、そうすることが必要だと思いますので、概略のことについて私はお話をし、かつまた質問をしたいと思うのです。と申しますのは、事件の経緯について申しますと、山口大学の工学部の教授で加賀見という方がおられます。この方は、三年来非常に問題になった方でありまして、山口大学の教職員組合では、この先生に対する処分について、前学長、これは松山基範先生でございましたが、偶然にこの先生が、ことし春なくなられましたので、この三年来交渉を続けていた加賀見教授の処分については決定されなかったのです。されど新学長の田中晃教授が学長においでになりまして、ぜひとも善処を、前の学長との契約、これは口頭ではありますが、契約があったわけでございます、で、その契約に基いて要望しておったのであります。で、その加賀見教授というのはどういう方かと申しますと、私は人権の問題にも関するので、この席であまり詳しく申し上げたくはございませんが、新聞やその他の問題などでるる山口県の人たち、県民なりあるいは識者の間では議題になった方でありまして、その人柄についての概略を申しますと、とにかく、どう言いますか、非民主的な態度で、まあ、学生にもまた相当学内でも喜ばれない存在であったらしいのであります。そういうことで、たまたま組合側は以前の学長に申し入れたいきさつもありまして、何とか早くこの回答を得たいというので、工学部長に前からその御返答を承わるように話がしてあったそうです。ところが、学長の方でもいろいろとほんとうの誠意を見せられないで、話が延び延びになって、その返事をして交渉に入ろうという日が、三月の二十二日であったわけです。そこで、その日は組合側でも早く話をまとめたいと思って、工学部長の帰られるのを待って、その返事を聞こうとしましたら、帰られたときには実はお酒を相当召し上っていて、ぐでんぐでんになって、こちらの話の返答に満足した答えができなかった、そうこうしているうちに、話が深刻になって参りました。時間もたっうちに、いよいよわれに返つたという形で、夕方の五時ごろから初めて本格的な話になったわけです。そうこうしているうちに、時間がたちまして、夜中を通して二十三日の朝になったわけですね。御承知でもありますように、二十三日というのは、大学の入学試験施行日なんでございます。ところが、話の核心に触れることができなくて——すべて交渉などというものはジグザグの過程をとるものでありまして、なかなかはっきりした満足のいく答えが得られなかった。そうこうするうちに、すでにもう入学試験を始める時間になったということで、それらの組合なり職員なりの交渉委員の人たちは、どうしようかと、きょう話を聞くように、もう話がだいぶ進んでいて、もうすでに結論が出ようとしているところであったので、どうしようかということになって、学長とも話をしたところが、それは僕が話を聞くから、それに対する試験監督者としてしなければならないところの事務のことについては、補導課と連絡をとってしたらいいということで、これは補導課とそれから学部長との了解のもとに、こういう態勢がとられたということでありました。ところが、試験は問題なく順調に進められて、終りましたところが、このことを知った学長は、この問題を契機として、交渉委員全員の処分を考えて、組合運動の圧力を考えたわけだと思うのです。それは四月以降昇給該当者であり、また十月当然昇給しなければならない人たちに対して、事件の調査中であるから停止するということで、調査中にもかかわらず、七名の昇給停止者を出してきた。続いて十月の二十三日には、関係者十二名中事務職員を除いて助手二名、助教授四名計六名の行政処分を行なったわけであります。今回処分されなかった事務職員も、大学自体で処分ができるので、近く処分されるものと考えられているわけでございます。で、その人たちの名前を申しますと、前山大職組工学部分会長谷岡源二郎、五十四、前山大職組工学部理事川上暢夫、五十六、同じく理事藤井雄二郎、三十四、同じく理事山岡義人、四十六、以上は助教授で減俸五分の一、二ヵ月であります。また、山大職組書記長の工学部助手吉野隆、これは三十四、前者と同様減俸五分の一、二ヵ月に処せられておるのであります。なお、当時山大職組執行委員長の工学部助手新井敏正、四十一は、停職一ヵ月に処せられておるのであります。この事件の最高責任者である樋口工学部長及び田中学長は何ら処分されていない、こういう形になってきているのであります。そこで、私どもはこの問題をつくづく考えてみますに、一番問題点となるところは、樋口学部長と補導部員が事前に打ち合せを行い、入試事務に影響のないよう処置している。これは先ほどお話しましたように、合意の上でこういうことになっておる。しかも組合側からも交渉途中に受験に支障のないように配慮すべきことを発言して協力しておるのであって、大学本部から応急のために来た職員は何ら実際的な援助はしていなかったくらいであります。入試に影響がなかったことは、大学長も十月二十二日の日教組の代表と顧問弁護士の方に言明されて、はっきりもう何も影響はなかったと、こうおっしゃっていることであります。このことは、直接処分の対象に当日の交渉がならないのではないか。もし処分されるのであれば、交渉に応じ、交代を認めたところの工学部長から切るべきである。あるいは業務執行命令を出すべきであったと思うのでありますが、工学部長は、そういう行政的な責任はちっとも果されていない。そして合意の上で、いわばもしこれが処分されると考えるならば、当然私は共犯だと思うのであります。それにもかかわらず、一方的に職組の人たちだけに責任を負わしておる。  二番目に考えることは、交渉の日程を組合側が一方的に決定したのではなくて、工学部長の指定した日にそれをやった。工学部長がもし二十三日が試験だから二十二日はいけないと、もっと誠意をもって早く命じたならば、こういう結果にはならなかったと思うのです。それも工学部長が二十二日だとおっしゃって、そしてその日は夕方まで組合の人は早くから詰めかけて待っているのに、ぐでんぐでんに酔って、ろくな交渉ができなかったという事実から考えましても、これは国家公務員法第九十八条に定める交渉権を否定することになるのではないか。もう少し工学部長にそういう法的な観念があったならばこういうことにはならなかったと思う点が二点でございます。  第三点に、特に交渉委員のうち、四月、十月の当然昇給該当者に対して、勤務成績不良とか何とかいう判定なくして、調査中であるということで昇給を停止し、大学側は保留と言っているが、これは今調査している最中だからと言っていながら、また一方では昇給ストップをしている。このことは給与法の建前からも不当ではないか。わけても昇給は公務員の期待権といわれているのでありますから、このような処置は許されるものでないと私ども考えるのであります。  前に申しましたように、樋口学部長と補導部員が合意の上でそういう措置をとったということ、それから二番目は、組合側が一方的にその日をきめたのじゃなくして、学校長からそういうふうな日にちをきめたということ、この二つの理由で交渉中であったこと及びその間業務命令は出されていないことが明らかであるのに、こういうふうな処分をしたということは、これは不利益処分である、こういうふうに考えるわけであります。  第四点は、公務員の処分については、それぞれ法文で明らかにされているように確固たる事実、根拠がなければならないのであります。そうしてまた、処分は法律に定める手続を経なければならない。このことは、今回の処分は当然教育公務員特例法第九条、これは懲戒の項になると思いますが、該当するのであって、同条文及び第五条第二項から第五項までの規定は準用されると思うのです。この法を建前にしても、当然公務員としての権利は認められなければならないと思うのであります。従って、この手続によらず処分がなされている場合は、その処分は手続上誤まりがある、無効であるというふうに考えているわけであります。  第五番目に、処分された者の中には停職処分者、減俸者まで出しているし、一方当然責任をとるべき工学部長と学長は何ら処分がなされていないということは一方的であり、この事件の経緯から見て明らかに過酷である。と同時に、本事件に対しては文教当局は何も指導監督ということは、また、事実調査はなされなかったのかどうか。私が二十八日の文教委員会の速記録を見ますと、緒方局長もいろいろ答えをちゃんと出されておって、そうしていろいろの櫻井委員や西村力弥委員などの質問に対してもお答えをはっきり一つの目的に持っていこう、持っていこうとしておられるということを私は読んだのです、しかし、それではやはり片手落ちではなかろうか。もっと事実を正しく知るということによって、それは文部省の方が大学自治を乱すような強力な圧力はいけないけれども、それなりの正しい指導は当然なさっていいのではなかろうか、こういうふうに考えるのであります。まして文部省というものが権力機構であってはならないし、しかもこのように被害を受けているあわれな立場に立った人たちの味方になってそれらの先生を守っていくという、こうした善意がなければほんとうの文教政策、文教行政はスムーズにいかないのではなかろうか、私はこういうふうに感じたわけであります。またこのほか、特に今回の組合側の処分は、学内はもちろん県民に対しても非常に疑惑と不信を持たして大学自治運営についても批判が出ております。今後は、文部省はこの問題をどういうふうに収拾してこれらの国民の疑惑を解かれようとするのか。いろいろ私がこの質問をする以前に、二十八日の衆議院の議事録を見ますと、局長だけでなくて、法制局の方も、人事院の方からもそれぞれの専門家の方がお答えしておられまして、これを読めばもうあらためて質問しなくてもいいようにも思われますが、しかし、その質問をしなくてもいいということは、もうそれできめてどうにもならないのだというふうな考えであれば質問する必要もないのですけれども、それではほんとうの大学の自治も文教政策も進展しないのじゃなかろうか。どうしても事実をもう少しすなおに見ていただいて、文部当局は一体、どちらの味方ということはなされなくとも、勤評に関するこの評価あるいは処分についての根拠というものがどこにあるかという、認識というこの問題については、私は今議題になっております勤評の問題とも関連して重大な問題であり、基本的に人権を根底からくつがえすようなことであってみれば、しかも大学の教授とか助教授とかいう教育の座にある人たちの名誉というものは、非常に教育に対しては重大な問題であると思いますから、以上の経過につきましてあらまし申しましたが、この問題をどういうふうに解決しようとしておられるのか、どういうふうに考えておられるのか、局長の御意見を承わりたいと思うのであります。

緒方信一文部省大学学術局長

○政府委員(緒方信一君) ただいま山口大学に——現在これは進行中のことでございますが、懲戒事件が起っております。それについての御質問でございます。ただいまいろいろ御説明いただきましたポイントにつきまして申し上げます。  第一に、勤評一般の問題とは私は関係がない事件だと見ております。入学試験事務を命令されておって、それに従事しなかった、その行為についての懲戒の、今、審査を大学の管理機関でやっておるという事件でございます。従いまして、その一つの行為をつかまえて審査をしているということでございます。  それからもう一つ、具体的な内容を申し上げる前に、すでに御承知のことでございますけれども、前提として申し上げなければならんことは、大学の人事のことでございますので、先ほどおあげになりましたように教育公務員特例法によりまして、大学の管理機関が自主的にこれを扱うように教育公務員特例法によってきまっておるわけでございます。具体的には第九条でございます。そこで、文部省として、しかも今申し上げましたように、この事件は法律にきめられた手続で今進行中の、審査中の事件でございますので、大学がこれから自主的に詳細な公正な調査をして決定する問題であろうと考えますので、文部省があまり立ち入ってものを言うということはこの際差し控えるべきだと考えております。そこで、事柄が起りました事実は、今詳しくお述べになりましたのでございますが、御質問の第一点、私ども大学当局から報告を受けておりますが、その報告の範囲で申し上げますと、工学部長と組合の十二名でございますが、話し合いをしておる。三月二十二日の夕刻から始めて翌日になった。翌二十三日は大学の入学試験の日であった。ところが、その入学試験の監督その他の事務に、その交渉に——交渉と申しますか話し合いに当っておった組合の諸君が割り当てられておったということでございます。そこで、翌日に試験の始まるまぎわになってもその話が片づかないので、工学部長としては試験の始まる前にその話を打ち切って試験の事務につくように言った。こういう報告になっております。  それからもう一つは、これも今お話にございましたけれども、試験の時間が切迫するにかかわらず、そういう状態でありますから、大事な入学試験のことでございますから、これに万一支障があってはいかんという配慮からいたしまして、大学本部に——工学部は宇部にございますが、山口市の大学本部に連絡して、そうして本部の職員を急遽自動車で十名ほど来てもらって、そうして支障のないように配慮をした。しかし、これは実際には使っていない。その人たちは退去さしただけに終ったということのようであります。そこで、工学部の中のほかの職員をさらに割り当てがえをして、そうして試験には間に合せたということでございます。しかし、この変更いたしましたその人の割当の計画は、本来は二人割り当てておったところを一人減らすとか、あるいは省略をするとかいうようなことをして間に合せたということであろうと考えます。その割当計画を補導部員が作った、それを学長に示し、学長もその割当計画を認めたということと思いますけれども、そのことと、それからそのすわり込みをしている組合の職員が、業務につかなかったということとはこれは別個の問題であろうと考えます。でございまして、そのすわり込みをして勤務につかなかったということについて、その処分が今審査をされた、こういうことに私どもは了解をしております。  それから、なお、そのすわり込みをしたという場所が、つまりその前夜から交渉、話し合いをしたその部屋でございますけれども、その部屋は試験の当日、試験のいろいろな答案を集めるとか何とかそういうことだと思いますけれども、そういう試験の事務に使う部屋に割り当てられておったにかかわらず、そこにすわり込みをした。しかも、それは試験の監督等を行わなければならぬ助教授以下の教職員であったというようなことでございまして、大学といたしましてはこれは重大な責任があると、義務に違反したものであると、こういうふうに解釈いたしまして、懲戒に値するということで今審査が始まっておるわけでございます。審査はあくまで冒頭に申し上げましたように、大学の管理機関がこれを行うことになっておりまして、それを今進めておるわけであります。で、管理機関が進めますにつきましては、本人に説明書の交付をいたさなければならぬことになっておりますから、二十三日でございますか、本人たちにその説明書を交付したということでございます。その交付を受けた日からその本人たちは十四日以内にたしか意見の申し立てをすることができることになっておりまして、その期間にそういう要求があれば、その管理機関である評議会は、その本人たちの陳述を聞くことに相なると存じます。そうしてそういう手続を経たあとで正式に懲戒処分を決定いたしまして処分を実施する、かような手続になるかと思うのであります。大体そういうことでございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 今、局長がおっしゃいましたことの中には、山口大学の報告書とおっしゃいますが、それは学長のサインのある報告書ですか。

緒方信一文部省大学学術局長

○政府委員(緒方信一君) 学長からの報告書でございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 私が山口で聞きました内容とはずいぶんそごがあるようです。違っておるようです。それで、私が最初申しましたように、事実を十分調査してほしいと言ったことはそのことでありまして、この事実を把握しないで、一方的に学長が机上の推理やあるいは憶測で判断し、決定されて、この責任ある国会で答弁されることは私はどうかと思うのです。そうでないと、私はこの人たちの名誉にかけて、非常に今後問題が起きると思いますから、この問題はもう少し慎重に事実の調査をしてから、一方だけの話を聞かないで判断を下してもらいたいと思っております。すべて物事は一方の方へ傾きますと、えてして自分に都合のいいような話になることはこれこそ常識でございます。自分の身を守るためにはどんなことでもいいように言うのが、ことに権力の座にあるものはそういうことが自由にできる、こういうことでありますので、私はこのことを前提としてきょうの質問をしているわけであります。そこで、私が聞いております範囲においては、一の問題、すなわち従事しなかった、この問題も最初に私が申しましたように、話が途中でどうにもならなくなっているというので、どうしようかというたときに学部長と、そして組合の人たちが協議の上で、会議の上で、こうこうしようじゃないか、こういうふうに納得して、そういう手配をしたわけなんです。だから、従事しなかったということは、これは局長が憶測で、当然従事しなかった、こういうふうに言われるとすれば、そこの点、非常に微妙でありますから、私はこの御答弁には問題が残ると思うのであります。  それから大学の人事、こういうことは組合の関する問題じゃない、こういうふうな考え方でありますが、そうじゃないんですね。この問題は自分の問題で、今こうして私どももいろいろ陳情を聞いたり、また、この人だけでなしに、そのほかの人からも、私は山口で聞いてきました。そういうことであってみれば、自分のことでも、そういう被害をこうむれば、当然どうしようかという心配、権利——そうした組合などを使って意見を述べる、これは憲法で認められてある権利でありますが、人のことでも、それは当然人のことでも一生懸命やりますよ。これは、あなた、組合活動をするのに、経済闘争だけが組合運動の核心であって、その以外のことは何もするなということと同じで、そういうことは組合法にはないんですよ。あなた、私どもの方よりも、あなたの方がうんと専門家だから、その点は御承知だろうと思うのです。だから、このことで、加賀見さんの問題で学校の自治が乱れて思わしく大学の教育ができない、多数の人が認め、多数の教授の人がそのことを心配し、また父兄が心配し、学生がそれをいやがるということであれば、これはどうしても何とかしなきゃならないというのは当然のことであって、今の御答弁にも、私は少し深い思慮と、それから判断がなければいけないのではないかと思います。それから話が進行中だからとおっしゃいますけれども、進行中にもかかわらず、進行中とあなたがおっしゃいますから、それを私が是認しましても、二十日の日には、すでに評議会で処分するという決定の線が出ておるのです。あなたは御存じでしょうね。そのことをこの被害者たちには知らせないのです。このことが、私は手続上に問題があるというのです。そのことについては、衆議院でもいろいろ人事院やら法制局やらの見解が述べられておりますけれども、もう少し人間性に合った法の解釈をしてもらわなければ、悪い方に悪い方にと拡大解釈してもらうということが、私には心配なんです。今度の警職法でも、悪い方に悪い方にと解釈すれば、現場の警官がどのようにでも判断できるというので、国民が心配しているのですから、法は法として、すなおに解釈してもらいたい。この点。それから、工学部長も報告しておられると、そのように言われておりますけれども、先ほど申しましたように、報告そのものに私は疑義があるので、最初言ったように、事実の調査をもっとしてもらいたい。  こういうふうにいろいろ考えてみますと、すわり込みの場所が試験に必要な事務所であったとかいうふうなことも、おそらくこれは報告の中に言われたことに基いておっしゃるのでしょうけれども、それは前から御当人たちも、それがこんなに長引くとは思わなかった。朝八時ころから大学に詰めかけていて待っていたのですから、学部長の方でおそくなって、そしてお酒に酔っぱらって交渉をまじめにしようとしないというところに、こんなに長引いた原因があるのだから、これにも問題がある。  こういうふうに、いろいろあなたがおっしゃいましたことを一々反発すれば、もうほとんどといってもいいです、事実に相違した御答弁になっておると私は思います。それで私がまた一方的に聞いてこういうふうに質問したと、こういうふうにあなたが解釈されても、これは水かけ論になりますし、重大な問題でありますので、私は、きょうこの問題を突然、緊急に質問申し上げたのも、そのほか重要な法案がたくさんありますので、大へん御迷惑と思いますから、あまり突っ込んで、あなたを困らせる意味で質問しようとは思いません。ただ、事実をもう少し調査なり、あるいは御本人の、山大の職員組合の人たちにこの席へ来てもらって、ほんとうのことを聞いてもらいたいと、こう思っておるわけであります。それについて、何ですか、局長はどういう気持で善処しようと考えておられますか。

緒方信一文部省大学学術局長

○政府委員(緒方信一君) この手続の問題でございますが、私、最初に申し上げましたように、大学の、これは特に教員のことです、教員の方につきましては、大学管理機関の審査の結果によるのでなければ、懲戒処分することはできない、こういうのが原則になっております。そうしてその手続としましては、その審査を行うときには、その者に説明書を交付しなければならない、審査の事由を記載した説明書を交付しなければならぬ、そうしてその審査を受ける者が説明書を受領した後、十四日以内に請求した場合には、その者に対し口頭または書面で陳述する機会を与えなければならぬ、そうしてこういう、なお、そのほか必要があるときには、参考人の出頭を求めたり、あるいはその意見を徴することができる。それからこの人事に関しまする必要な事項、手続等については、大学自体が、大学管理機関が定める、こういう規定になっております。現在の問題は、今申しました説明書の交付をしたという段階であります。説明書の交付をした。今おっしゃいましたように、この管理機関というのは、評議会でございます、教員の場合は。評議会というのは、学長だけではございません。学長と各学部の教授の代表がそれに出て、そうして会議的に公正にその審査をしていく手続になっております。二十三日でございますか。本人たちに説明書の交付をした。で、これから審査がずっと続くわけであります。最初私が申し上げましたように、これは大学自体が、法律でそういうふうに、これは学問の自由を守るとか、あるいは大学の自主性を尊重するとかいう趣旨からいたしまして、こういう事柄につきましては、大学自体が、管理機関がきめる、こういう原則になっております。そうしてその原則を今実行しておる途中でございます。でございますから、この途中にいろいろ文部省が調査したりすることは必要じゃないし、むしろ有害だと思います。でありますから、今、御質問に対しましても、内容にわたってここで御返答することはいかがかと思うわけでございますけれども、しかし、御質問でございますから、私ども、大学当局から報告を受けておりますその内容を今私が申し上げたわけでございます。決してこれは学長だけが処分を一方的にきめるということではないのでございまして、先ほども申しますように、管理機関というものがちゃんときまっておる。これは大学自体がきめた手続に従って——法律に基いて大学自体がきめた手続に従って審査を実施しておるわけでございますから、私はその審査を尊重していくべきじゃないか、こう考えるのでございます。でございませんと、やはりせっかく法律で大学の特殊な立場を認めておる、それが、趣旨が没却されるのじゃないか、かように考えるわけでございます。でございますから、繰り返して申し上げますが、それは一応報告は学長の名前で来ておりますけれども、その審査は、学長じゃなく評議会がきめる、評議会がやるということになっておりますので、これは私どもとしましては、それを尊重し信頼していくという態度をとるべきだと考えております。  それからなお、この組合のその問題でございます。組合のいわゆる交渉の範囲に入るかどうかという問題でございます。私は入らぬと思います。この人事権というのは今申し上げましたように、学問の自由を尊重する、各大学の自主性を尊重するという意味で、特に大学の管理機関というものがきまって、そこですべての身分取扱いをきめる。そうしてその管理機関の議に基いて学長が任命権者に申し出て、それで任命権者が人事をやっていくという、この原則はあくまでも守っていかなければならぬ、私はかように考えております。でございますので、組合が人事の問題にこの教授をどうしてくれということを意見を申し入れることはそれは私はいいと思います。しかしながら、何と申しますか、正当と認められた交渉の権限の範囲という考え方は私はとりません。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 速記をとめて。

竹中勝男日本社会党

○委員長(竹中勝男君) 速記をつけて。  それでは、山口大学の問題については、安部委員からはさらに調査のことについて申し入れがありますが、これは理事会において御相談いたします。  本日の委員会は、この程度で散会いたします。    午後四時二十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗