文教委員会 第7号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/10/30
会議録
○委員長(竹中勝男君) それでは、これより文教委員会を開会いたします。 委員長及び理事打合会の経過について報告いたします。 本日の日程につきましては、まず、社会教育法等の一部を改正する法律案の質疑を行い、次に、区域外入学に関する件を取り上げることといたしました。 次回、十一月四日火曜日の委員会では、社会教育法等の一部を改正する法律案、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案の審議を行い、また、本日出席要求を行なっておりました岸総理が、衆議院予算委員会における補正予算審議の方へ出席されるため、本委員会に出席できませんので、四日あらためて要求することといたしました。なお、当日も出席されない場合は、国会法五十六条の三の解釈について法制局に質疑を継続すること、及び教職員の勤務評定に関する質疑を行うことといたしました。 すでに決定を見ております科学技術会議設置法案に関する連合審査会につきましては、内閣委員会の方がなるべく早く行うことを希望しておるようでありますので、その開会日時等については委員長に一任することといたしました。 逓信委員会で予備審査中の放送法の一部を改正する法律案について、連合審査会開会の申し入れを行う件については、協議の結果これを行うこととし、その開会日時等については委員長に一任することになりました。
○岡三郎君 あとで、先般の勤務評定の闘争中に行われた文部省の各教育委員会に対する調査依頼、これは稻田次官の名で出ておるわけですが、その内容は勤務時間外において組合の行動計画に参加したというような形の項を含めたまあ各種の調査がなされているわけですよ。それで、これが問題になっているわけですが、そのこと自体について、あとで私はちょっと文部大臣がおられるので緊急に質問をしたいと思うので、それをお許し願いたいと思います。それは後刻でよいと思います。
○委員長(竹中勝男君) 今、岡君の希望がございましたが、これは後刻に質疑を許すことといたしまして、以上の報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。
○委員長(竹中勝男君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(竹中勝男君) それでは、社会教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のある方は、順次御発言願います。
○松永忠二君 大臣に一つお尋ねをするのですが、前々からいろいろ委員会でも話が出てきておりますし、また、問題になっております十三条を削るというようなことについては、まあ憲法学者の中でもこれを憲法と関係して違反ではないというような言い方をする方もあるし、あるいは相当これは問題もあるし、むしろ違反するのではないかというような意見もあるわけで、非常に重要な問題だというふうに思っているわけであります。この十三条削除というようなことについて、この憲法との関係もあるし、また、社会教育法の中の非常な重要な案件でもあるということから、こういう問題について社会教育審議会にその答申を求めるとか、あるいは中央教育審議会に答申を求めるというようなことが行われたのかどうか。また、これについて行われたというふうに私たちはまあ承知をしておらないわけなんですが、もし、これを行わないとしたならば、どういう理由でまあ行わないのか。ここを一つ大臣からお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 社会教育審議会におきましていろいろ各般の問題について審議を願いました際に、審議会の方におきましてもこの条項を削除する方が適当である、こういうふうな意見が出されているように私は承知をいたしております。経過については政府委員から申し上げます。
○政府委員(福田繁君) 実は正式にそのことのみを諮問したことはございませんが、従来社会教育審議会におきましては、この十三条について適当な措置をして補助金が出せるようにすべきじゃないかというような意見が従来からしばしばあったのでございまして、たまたまこの体育関係の全国的、国際的な団体について、まあ補助金を出し得る道を開きたいというようなことに関連しまして、三十二年の二月の十八日でございますが、積極的にこの社会教育審議会から建議がございまして、社会教育関係団体に対して国の助成の道を開くことが必要である。従って将来この運動競技団体だけではなく、この十三条については研究して検討の上必要な措置を講ずることが望ましいというようなまあ建議が出されております。それに従って私たちは、一応事務的には処理しているわけでございます。
○松永忠二君 この三十二年の二月十八日の建議、こういうものについて今お話があったわけなんですが、この前のこの法律の改正、体育協会に、その国際的な、あるいは全国的なこの事業を行う場合において補助金を出すというようなことは、第十三条というものが現存していて、その中でそういうものを除外規定として出すということについて、これを違法ではないかというように私思うわけなんです。今度の場合には、この十三条というのは全然削除をしてしまっていくということなんです。そうなってくると、特に問題になっている憲法の条章というものと、まあ最もその第八十九条との関係がまあ正面から出てくる問題であるわけなんです。この前の場合には、十三条というものを削除しないで、その中でこの十三条はあるけれども、こういう問題についてはやはりその補助をしていくべきだということであったのが、十三条を全然削除してくるということになると、これはやはり正面から憲法との問題との関係を明確にやはりしていくべき性質のものだと思うのであります。こういうところについて、ただきょう資料をいただいた第一部長の見解がなされるということではなくて、やはりこの問題は憲法との関係がどうであるとか、あるいは社会教育法自体の中でこの項を削除するということ自体がどういうふうな一体問題点を持つかということについて、やはり正式な答申を受けるのが私は筋だと思うわけです。前回とは非常に違って、前回の際に問題になった点とは非常に違って、全然削除していくということであるので、やはりこの問題については、そのために設けられた審議会、あるいはもっと、社会教育、学校教育という教育の中の二つの大きな分野という面から言えば、中教審あたりからも、こういう社会教育の基本的な問題について教育そのものについての考え方を樹立をしていくということになれば、やはり明確な答申を受けていくのが筋ではないかというふうに思うので、前回のこととは非常に違っているというふうに私たちは思っているわけなんですが、この点については大臣はどうなんですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 憲法の条章というものは、これはどこまでもその通りなんで、この前の体育関係について御審議を願いました際にも、この憲法の条章との関連においていろいろ御論議があったわけでございます。その際にも御説明を申し上げたことでございますが、憲法の条章の適用を受けないで、社会教育法の十三条の適用を受ける仕事があるということについては明らかなことであったと私は思うのでございまして、従いまして、今回のこの条章の削除をするにつきましても、もちろん憲法の条章は生きておるわけであります。その制約のもとにおいて今後ともやっていくわけでございますので、私はこの問題のために特に社会教育審議会あるいは中教審というようなものの諮問を受けるまでの必要はなかろうと、こういうふうに考えてやっておりますような次第であります。
○松永忠二君 この問題については一つ建議を出していただいて、そうしてきょう出されている第一部長のとあわせて、やはり私は一番基本的な問題であるので、ただいま大臣から御答弁いただいただけでは了承できないので、出していただきたいと思うのです。 そこで、続いてお尋ねをしたいのは、憲法の第八十九条の中にある「公の支配に属しない」ということなんでありますが、この「公の支配に属しない」ということは、一体どういうふうに解釈をされておるのか。これを一つ局長の方から御答弁をいただきたいと思うのです。
○政府委員(福田繁君) 憲法の八十九条の公けの支配に属するという言葉の解釈でございますが、これにつきましても政府部内におきましても私どもは法制局等の法制意見に従ってこれを解釈いたしておるわけでございます。これにつきましても、かつて、公けの支配に属するという解釈についても解釈が出ておりますが、国または地方公共団体の機関がある事業に対して決定的な支配力を持つというような場合に、端的に申し上げますと、その事業は公けの支配に属する、こういうような解釈をされておるようでございます。言いかえますと、その公けの機関がその事業に対しまして、事業の内容とか、また団体でありますと構成だとか、人事というようなものにつきまして、具体的に発言干渉ができるような特別な、公けの機関と特別な関係にある場合に、公けの支配に属する、こういうような解釈をとっておるのでございます。
○松永忠二君 これについても、今あなたが法制局の方の見解を述べられたのだが、これは局長すでに御承知だと思うのですが、なかなか問題のあるところであるというように、普通の憲法の書物等を読んで見ても、実は出ているわけであります。決定的な支配を受けるということになれば、今出しているこの「公の支配に属しない」ところに出しているものについて、疑問を持たれるというようなものも、実は出てくるわけであります。これがこの私立学校の助成についていろいろ問題点も出てくるわけでありますが、私がお尋ねしたのは、公金というもの、国の金を出すということについては、憲法の条章にも、特に公けの支配に属しないところに公金を出すということを、特に教育及び博愛の事業について禁止されているわけなんです。従ってこれを裏返して考えてみると、公金を出すところについては、やはり相当国の支配、干渉というようなものが大体なされるべきであるというような考え方が当然出てくると私どもは思うのです。こういう点についてはどうなんでありますか。大臣に一つお聞かせをいただきたいと思うのですが、公金を支出するということになれば、やはり「公の支配に属しない」ところに、特に教育に関係した事業については公金を支出してはならない、従って金を出したところについては、公けの支配に属するのだというような、その支配をどういうふうに解釈するかということについては、いろいろ疑義があるとしても、この公けの支配に属するというふうに考えなければ公金を支出できないということになってくるので、公金を支出するということになれば、相当程度このものについて公けの支配が及ぶというような、そういうふうなことが、その団体等について行われてくるということは当然だというような考え方が、第八十九条の中に私はあるのではないかと思うのです。 なお、第十三条にもこれを禁止しているというところの中には、やはり公金支出をするということについては、同時にその反対的なものとして、やはり相当な制約というものを予想して考えているというふうに、われわれは考えるのですが、これはいかがなものでしょうか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 憲法の方の関係から申しますと、憲法の八十九条に規定しております教育の事業、この教育事業に関しましては「公の支配に属しない」もののことをいっているわけであります。社会教育の事業に公金が支出されているといたしますれば、これは公けの支配に属しているものと、こう見て、考えざるを得ないのです。従ってその関係におきましては、私は現在の状態のもとにおきまして、公金の支出を受けているものに対して、公けの支配が及ぶとか及ばぬとか申しますよりも、公けの支配に属しているものに対して公金が支出される、こういうふうに考えなくちゃならぬ問題じゃないかと思うのであります。 それから、十三条の関係でございますが、十三条の関係において、今回の改正案によりまして、助成、補助金が出せるというふうなものは、この憲法の条章に当るものについてはもちろん出せないわけであります。それ以外のものに対して助成金が出し得る道が開かれる、こういうことになるわけでありまして、それに対しましても、しかし、法律の十二条はそのまま生きておるわけでございますが、十二条の制約があるということは申し上げるまでもないと思うのであります。
○松永忠二君 私に今、御答弁になりましたように、公けの支配に属しない教育の事業に対する公金を支出することはできないということはその通りである。そういう制約が規定をされておるということを考えると、公けの支配に属しない、要するに教育の事業として助成できる、補助できるものとして、ここに第一部長から出されたいろんな事業については、つまり公けの支配に属しない事業であるので、そこでこれについては補助をすることもできるというふうなことがいわれているわけです。しかし補助をする、公けの支配に属しない事業に対して公金の支出ができないというような考え方というものは、やはり公金を出すものについては、そういう憲法に違反しないものに出すとしても、やはりこれは相当な制約を持ってるものだということが考えられると私は思うわけです。そういう制約があるから、初めて第十三条でも、特にそれを設けて社会教育団体に対する助成というものについて、補助については、補助に伴う一つのいろいろな支配的なもの、公けの支配的というよりも、そういう支配的なものがあるということを考えて、第十三条というものは設けられたものだと私たちは思うのです。
○国務大臣(灘尾弘吉君) ちょっと御質問の趣旨を受け取りかねたのでございますが、第十三条の削除ということをお認め願いまして、今後助成でもするというふうな場合に、その補助金支出に伴うある程度の規制というようなものは、これは考えられることだと思うのでございます。一般の補助金と同じように考えなくちゃならぬと思うのでございます。しかし、その場合におきましても、第十二条の制約は受けるのでありまして、これに対しまして、不当な統制をするとか干渉をするとかいうふうなことはできない性質のものと私は考えております。
○松永忠二君 私たちが心配をするのは、十三条を削除して補助金を与えた場合において、特に公金の支出については、相当な、憲法にも制約があるということから考えてみると、その趣旨に基いて、補助金であっても、これについては相当なやはり制約というものは考えられる。そういうことがつまり干渉というものについての口火を切るということになりはしないかということに特におそれをして、今のような質問をしておるわけでありますが、第十二条と十三条の問題でありますが、十二条があるから、第十三条を削除しても十二条の拘束があるから心配がないではないかというお話もあるのでありますけれども、十二条があったとしても私は、補助金をやったりやらなかったりするということは、自由自在だと思うわけであります。補助金を自由自在にやることもできればやらないこともできるし、たくさんやる場合もあれば少くやる場合もある、今までやってきたものについても、ことしは少くすることもできれば、また、それを全くなくせることもできるというようなことになると、第十二条は生きていたとしても、十三条を削除したことによって、補助金を与えたり、与えなかったりすることが自由自在にできるということ、そのこと自身がすでに一つの政策的な、あるいは干渉としての意図として行われることができるというふうに私はなると思うのですが、十二条があったとしても十三条を抹殺することによって、これが補助をやることもできればやらないこともできる、たくさんやることもできればやらないこともできるという、全く放任な補助ということが結果的には、これが干渉の力になるというように私たちは考えるのですが、この点は大臣いかがですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 全く放任な補助というふうに仰せになりましたが、なるほど十三条の規定はただ削除するだけでございますが、一般的に補助金を支出する道を開いたというだけでございますので、そのことによって直ちに補助金が出るとか出ないとかいうことには相なりません。また、これが認められまして、今後政府なりあるいは地方の団体等におきまして補助金を出すということにつきまして、何に出す、かんに出すということは、そのつどきまることであります。予算によって出しますが、そういうふうな場合におきまして、法の目的を明らかにいたしまして予算も組まれるわけであります。全然放任とか何とかというふうな性質の補助金はおそらく私はないだろうと思うのであります。 それからそういうふうなことで、それが第十二条に響いてくるというようなお尋ねでございますが、第十二条の方は、それぞれの団体の事業に対する統制であるとかあるいは干渉であるとかいうことを規定いたしておるものと考えるのでございまして、補助金がどこに出るとかかしこに出るとかいうことまで、私は第十二条は予想しておるものではないと思うのであります。
○松永忠二君 私が申し上げましたのは、この前も御答弁がありましたように、何も補助金を別に今すぐ出すというわけじゃないのです。出す道を開いておくだけだというこの前も御答弁があったのです。そうなってくると、私が申し上げたいのは、補助金をやったりやらなかったりすることができるということ、それはしかし、補助金をやったからすぐそれを干渉することができないということは第十二条で規定をされておるのだからいいではないかという今のお話ですけれども、第十三条で補助金をやったりやらなかったりすることができるそのこと自身が実はその団体に対して、ある場合には補助金を与え、ある場合には補助金を与えないということができるということになれば、その役員がかわっておる、あるいは役員がかわってきた、あるいはそのやっておる事業の人たちのやり方が気に入らないとかいうことで、何らの理由も明確にしないで、ただ補助金をやめることができるわけです。補助金をやめたからといって、それは干渉じゃないといっても、結果的にはそうなってくると、自由自在に補助金を与えたり与えなかったりすることができる、そのこと自身が一体干渉の力になるではないかということを私は申し上げておるのです。事実戦争当時に補助金というものを末端までやって、そうしてその末端の組織を自由自在にしたということは戦争中にほとんどそうであったということは御承知の通りだと思うわけです。そうなってくると、私はやはり補助金を与えるということが自由気ままにできない、何らの制約なくして、補助金をやめたりやめなかったりすることができない保証がない限りは、補助金を自由気ままに与えたり与えなかったりすること自体がつまり干渉を引き起すことになる。十二条の存在あるなしにかかわらず、干渉を引き起すことになりはせぬか。そういう点について、やはり実際問題としてそうだろうと私は思うのですが、再度大臣にそういうおそれが全然ないのか、常識的には私はあると思うが、いかがですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) かりに政府が補助金を出すと仮定いたしまして考えます場合に、政府といたしましては、補助金を出すのはその事業を助成したい、つまりその事業が助成することが適当であるという意味で出すわけでございます。しかし、同時にまたこの補助金を強制するわけでももちろんないわけであります。両者の気持といいますか、なにが合致しました場合に補助金というものが出せるわけであります。その補助金を出すことそれ自体によってその団体に干渉するとか統制するとかいうことには私はならぬと思うのであります。ただ、補助金の中にいろいろの種類があろうと思いますが、法令に基いて画一的に出していく補助金もあります。また、任務に適当な事業を助成するという意味において出される補助金もあろうと思うのでありますが、これは補助金の性質上そういうことに私はなると思うのでありますが、その結果として、これが直ちに干渉するとか統制するとかいうふうな問題になって、それが十二条に触れてくる、こういうふうには私は考えられないのでありまして、十二条はさようなところまでは私は影響するものとは思わないのであります。
○松永忠二君 それで、もう一つその点についてお聞きを願いたいと思うのでありますが、こういう事業に対して補助をするのだ、普通、補助の場合に、いろいろの事業については明確になって、そういう事業にどれくらいの補助を与えるということは法律に規制されておる。そういう場合に、これは補助金を与えても、それが直ちに干渉になるとかいろいろの影響というものも非常に少いと思う。あるいはこういうふうな事業については、引き続いてこの予算の範囲内で助成がなされるということであれば、これはまあ相当補助の対象の事業もわかり、内容もわかり、予算の範囲内といえども予算が取れている以上は助成がある、補助があるということになるわけでありますけれども、別にそういう何らの規制もなくて、向うとこっちの腹が合ったから助成するので、それはいい仕事だから補助しようじゃないか、よし、一つ補助しようということになり、いや、ことしは補助はできないぞ、急にある団体には補助がふえ、ある団体には補助がなくなってしまうということ、そういうこと自身が一体その第十二条にすぐ影響を及ぼしてくるというようなところから十三条が私は生まれてきておると思う。従って、この十三条というものを全く削除してしまっていくということは、むしろそういうことを認めたということになると私は思うわけであります。そういうことは、つまりこの十三条を削除するということでも適当ではないのではないか、この十二条があるからいいという言い方は私は成り立たないと思うのですが、その点を再度お聞かせいただきたいと思います。何か、特にどういう考え方があるのかないのかということを伺いたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、この補助金を出すという道を開きましても、結局はこれは予算によって制約されるわけでありまして、予算によってその補助金をいかなる仕事に対して出すか、あるいはいかなる程度において出すかということはおのずからきまってくるわけでございまするので、もちろん同じような種類の仕事をやっておりましても、その全部に対して補助金を出さない、一定の条件を具備したものに対して出す、こういうふうなことにこれはなろうかと思うのであります。予算の制約のもとにある種の目的、ある種の事業に対して補助金を出すということになって、何でもかでもかまわずに、ただこの団体に対して助成するということにはならないと思います。特に、先ほど来お話がありましたように、いわば憲法上の制約もあることでありますので、教育関係の仕事について補助金を出す場合には、この制約は厳重に受けるわけであります。従ってその事業というものに対しては、よほど注意して補助金というものを出していかなければならないと思う。漫然たる補助ということは私は行えない性質のものではないかと思うのであります。そういうふうなことでありますので、同じような種類の仕事をやっておりましても、補助金が全部に行き渡らない、こういうことは私はあり得るかと思うのであります。ある程度の条件を具備したものに対してそれを出していく、こういうふうになろうかと思うのであります。そのことはそれ自体として、やはりこれは今日の事態の上においてお認めをぜひいただきたいわけであります。つまり、そういうふうな制約はございますけれども、助成の道を開くということについてはお認めをいただきたい、かように考えるのであります。 さて、そういうふうなことの上に立って補助金を出しました場合におきましても、第十二条の制約というものはこれは依然として受けるということになるのであります。その補助金を勝手気ままに何か干渉とか統制の道具に使うというようなことになっては、これは私はよろしくない、そういう性質のものではないと思うのでありますが、全般にわたって法律できまったようなことをやるなら別でありますけれども、任意の助成事業をやっていくというふうな場合におきましては、ある団体に対してはいくが、ある団体に対してはいかない、こういうことは当然予想せられることでございます。この程度のことはお認めをいただかなくちゃならぬと思います。その補助金をもらった団体に対しまして干渉、統制というふうなことはこれはなさぬ、こういうようなふうに私は考えておるのでございます。
○秋山長造君 今の大臣の御答弁を聞いておりましても、一向ぴったりこぬ点があるのですがね。私はやっぱり社会教育法の中で、ほかの条文にもいろいろ問題はありますが、しかし、この十三条は、ただ何でもないほかの条文をただ不要だから削るというような、こういう簡単なことでなくして、やっぱり憲法上の疑義があるという意味においては、また一そう重大な規定だと思うのです。だからこそ文部省でも、こんな法制局の意見書なんかをわざわざ取り寄せられたりなんかされるくらいだろうと思うのですがね。だから、これだけのものをとにかく削るというのですから、よほどそれには何か具体的な理由がなければいかぬと思うのです。ところが、そういう理由については、大臣の提案説明を見ましても何にも触れていない。ただ、社会教育の振興のためにするのだという程度のことが、ごくあっさりと述べられているだけでありまして、私は十三条をどうしても削らなければならぬという、どういう具体的な必要があるのか、そのことをお尋ねしたい。 それから、同時に、十三条は削っても、だからというて具体的に、ではどういう団体に補助金を与えようと思っておるのだというような、別にそういう意図は今のところないというお話もこの前伺った。しかし、これだけの憲法上の疑義まであるような条文を、特にこの機会に削られるのですから、削らなければならぬよほど具体的に何か理由か事情がなければならぬと同時に、これを削って、さてどういうことをやるのだ、どういう社会教育団体に対して補助を与えるつもりだという、何かそういう構想というようなものがやっぱり文部省の方にあるはずだと思うのですが、その点一つお伺いしてみたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 社教育会に関する仕事は、御承知の通りに非常に広範であり多岐にもわたるわけでございます。文部省としましてこの法案を提出いたしましたのは、現在の状況から判断いたしまして、社会教育の振興をはかりますためには政府あるいは公共団体等におきまして、ある程度の助成という道を開くことが適当ではないか、同時にまたそういうふうな援助を要望せられる向きも少くないのであります。広範多岐にわたる仕事でありますので、今この仕事をこうするというふうなことを取りそろえて申し上げるというところにも至らぬのでありますが、一応道を開きまして、適当な事業に対しては財政の許す範囲において助成の道を講じたい、こういう考えのもとに提案をいたしましたようなわけであります。同時にまた、今日までも若干社会教育関係の仕事に対しまして、実質的には助成になってくるだろうと思うのでありますが、かなりまあ窮屈な形において予算を支出しておるというふうな実例もないわけではないのでございます。それらも助成の道を開かれるということによってもっと合理的な助成ができる、こういうことにもなろうかと思うのでございます。さしあたってぜひこれをやろうというふうな具体的なものを持ってこの法案を提出したわけではございません。将来社会教育の発達をはかりますために、この道だけは開いて、それぞれの地方なり、また国において適切と認められる事業に対しては、これを助成していこう、こういう心持を持って御審議を願っておるようなわけでございます。
○秋山長造君 大臣のお話は、もうお話自体としてはしごく淡々としておるのですけれども、私がお尋ねしておるのはそうでなしに、やはり……社会教育局長どうですか、あなたの方ではやはりこれだけのものを削られるのですから、大臣がおっしゃるように、ただ抽象的な、こうぼやっとした事情ということだけでないと思うのです。大臣が今おっしゃる程度のことだったら、大体政府にそう金が余っておるわけではないでしょう、だから補助金等臨時措置法か何か、ああいうものをもって今までどんどん出しておった補助金、学校か何かに出しておった補助金も、あっちもこっちも打ち切ってしまうようなことで、非常に窮屈なことをやっておられるのです。だから、それをわざわざ何にも具体的な理由もなければ、はっきりした手もなしに、ただ補助金を大いに出すというトンネルだけ、道だけ開くというようなことは、私はちょっと今の日本政府のやっておられることと逆行した方向ではないかと思うのです。たとえば、どういうことなんですか。一々列挙網羅的には言えぬかもしれないけれども、たとえば、どういう事情があって、これがどうもじゃまになって、そのために社会教育の振興というものが重大なそごを来たしておるというような、たとえば、どういう事情があるのですか。また、たとえば、今後これを削除して、補助金を自由に与えられる道を開いて、一体、いろいろなことがあるかもしれぬけれども、とりあえず第一として、第一にこれを削って何をやろうとするのですか。その具体的な点を一つ聞かして下さい。
○政府委員(福田繁君) ただいま大臣からお述べになりました通りでございまして、この十三条を削るということは、そういった社会教育関係団体に対して助成の道を開くという、補助金支出の形において助成の道を開くということが重要でありまして、これは国ばかりではなく、地方公共団体についても同様でございます。従って、この地方公共団体でも国でも補助金を出す場合におきましては、個々の団体の事業等についてちゃんと予算にきめまして出すわけであります。従って、この予算にきめて出すものでございますので、これはまあ予算を要求する場合には、御承知のように、やはりその当該団体等からこういうものに助成してもらいたいという希望があって初めて国でも取り上げるわけでございます。さしあたり、それでは十三条が取りはずされた場合に、具体的に何に出すかとおっしゃられましても、ちょっと困りますけれども、具体的に私どもまあさしあたり考えられますものは、一応のところ、たとえば、青年大会等に要する経費の補助金を出すとか、あるいはまた少年団等の国際的な大会等がありました場合に、そういった大会に必要な経費を出す、あるいはまた海外に視察に参ります場合に、そういった青少年に対して援助するとか、そういったものがさしあたりの問題としては、これに該当してくるものと考えております。あるいは地方にはいろいろ別のものがあるかもしれませんが、私ども考えておりますのは、そういった具体的なものでございます。
○加賀山之雄君 関連して。 それは、こういうふうに考えられないかと思うのですが、一般の義務教育と違って社会教育というものは非常に大事だ、これはおわかりになる、それがまあ非常におくれておる。社会教育法ができたときのいきさつを見ても、社会教育を振興しなければならぬのだ、そのためには国と地方公共団体の任務を明らかにするために作ったのだ、こういうふうになっておる。つまり、これは単に民間の団体とか個人にまかしておいたのでは社会教育はおくれぱなしになって、ますます一般の教育との懸隔がひどくなる。ただでさえおくれている社会教育をほうっておけない、こういうことが前提になって考えられなければならぬと思うのですが、しかし、明らかに憲法の制約がある。これは非常にはっきりしたものだと思うのですが、そのために社会教育法の十二条、十三条ができた。しかも地方公共団体、国の補助の問題については、二重にスクリューをかけて厳重に縛った。そのために非常に社会教育団体の活動、これは非常に資金的に恵まれておれば、日本の民間なり地方経済が恵まれていれば、どんどん有能な人が寄付をするとか、そういう寄付金でやっていけるということができましょうが、今の日本の社会では、そういうことが望めない。そこへもってきて、国が全然今の十三条があってはどうすることもできない。勢い民間の要望もあり、また国がこれは適当と認めたことについては、今のところもぐりでやっている。あるいは共催とか事業委託とかが、十三条があるために非常に窮屈である。そこで、十三条だけをはずして、そうして十二条は現に生きておるわけですから、これはもう非常にはっきりしたものです。「不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない。」、これははっきりきまっているから十分だと思う。しかも、必要にして十分な政府や地方公共団体がなすべきことはやっぱり行なって、そうして補助を行なって、社会教育の振興をはかろう、こういう趣旨で十三条をはずすのじゃないか、私はそういうふうにすなおに解釈すべきものではないか。何かそこに弊害がある、あるいは非常に疑惑を持って考える必要はないのじゃないか。政府は補助金はいつでもとめられる、また国会においてもこれは十分にこれを取り上げることができるわけなんです。私はその点にあまり深くこだわる必要はないのじゃないかと思うのですが、文部大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私の説明が不十分であったかと思っております。ただいま加賀山委員が申されたような心持を持ってこの法案を提案いたしたつもりでございます。政府にしましても、公共団体にしましても、社会教育は奨励しなければならぬという立場を持っておるわけであります。現実の状態から申しますと、何かそこに援助の道を開かなければ、思うように進んで参らない、また、しいて援助をしようと思っても、かなり窮屈な方法でもって地方あたりでやっておる、こういうふうな状況でございますので、憲法の制約はもちろんございますけれども、その範囲外の仕事につきましては、政府なり公共団体で事情の許す限り奨励援助していく、こういうふうなやり方によりまして一そう日本の社会教育を振興したい、かような考え方のもとにやっておるわけでございます。これによりまして私は相当日本の社会教育の上に資することができるのじゃないか。われわれといたしましても、この法律案が皆さんの御賛成を得て成立いたしましたならば、できるだけいろいろな事業に対しては援助奨励の道を講じて参りたい。予算措置等についても、従来以上積極的に努力をして参りたい、かような考え方をいたしておるわけでございます。先ほど来のお話もございましたが、個々の団体に対する干渉とか統制とかということは、厳に戒めらるべきことだと思います。この点については十分自戒いたしまして援助をして参りたいと存じます。また、万一地方の団体等において間違ったことをやっておるということでありますれば、これを注意する道もございましょうし、また、皆さんからの御批判も必ず起ってくる問題と思いますので、そういうふうな方面に対する悪影響というようなことについては、あるいは御心配の種もあるかと思いますけれども、われわれといたしましては、十分気をつけて法の運用をはかって参りたいと思っておるのであります。
○岡三郎君 関連。社会教育を振興するということについては異議はないのですが、問題は、この十三条をはずして、地方公共団体と国が社会教育団体に対して補助金を出す、われわれ長い間淳算委員会等において一番困難を感じた問題は、補助金の問題なんです。補助金の問題は非常に広範にわたり、微細にわたって、しかもその金額たるや、国家予算においては膨大なる額を占めておるわけです。これをしばしば整理統合して、そうしてこれを具体的に国家の財政に寄与させる方向で、決算委員会等はずいぶん苦労してきた。そうなるというと、目的がいいといっても、具体的に補助金ということになるというと、従来の経緯にかんがみて、簡単にこれは納得できないという面があるわけなんだ。だから、社会教育全般を振興するということについては、われわれとしては異議はないけれども、補助金を出す場合においては、具体的にそれがわれわれに明快に提示されないと、補助金に関する限りにおいて、われわれはこれは簡単に納得できないという面を持っているわけなんだ。これは予算執行の面においてはそういうことは政府当局もしばしば言明して、補助金というものについては、これは整理統合して、ふやすのではなくして、これは減らさなければいかぬ。これが国家全体の今の考え方だと私は思うのです。だから、そういう点で、補助金をどうしても出したいためにこれはやはり削除するということが明確であれば、具体的な、現在当局が考えている内容を、こういうふうに、こういう金額をこう考えているのだというふうに明快にしてもらわなければ、私は簡単に賛成できないと思う。また、その内容によって、今、社会教育局長が一、二の例を言ったが、あの程度では、補助金がどう使われるのか、これは私は納得できないと思うので、一つその当局の構想というものをはっきりしてもらいたい。社会教育全般について予算をどうするかについては、われわれも協力して、社会教育の振興については努力をしたいと思うのですが、補助金については、やはり明快に内容を提示してもらいたい。その構想をお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 補助金の整理とか、あるいは合理化とかいうことが大きな課題であるということは、これは私もよく承知いたしております。現在までに政府の出しております補助金等につきましても、仰せになりましたような意味合いにおいて、十分検討しなければならない問題だと思うのでございます。ただ、社会教育関係のことにつきましては、従来、御承知のように、制約がございましたために、むしろこれから大いにやっていかなくちゃならぬ分野の仕事ではないかと私は思うのであります。そういう問題として一つお考えをいただきたいと思うのであります。もちろん社会教育関係において補助金を出すといたしましても、従来の補助金の問題についていろいろ御検討願っておるその趣旨については、われわれも十分考えて参らなければならぬと思いますけれども、必要な補助金はやはり今後も積極的に出していくというふうな考え方で進んで参りたいと思うのであります。 それから、具体的な構想を示せということでございますが、これはなかなか困難なことでございます。政府としましても、今具体的に何の補助をどうするというふうな構想を持ってこれをお願い申し上げているわけではございません。また、地方の団体等におきましても、いろいろ多岐にわたる補助の問題もあろうかと思うのでありまして、それを今具体的にお示しをするというようなことは、これはなかなか困難だと思いますので、御了承いただきたいと思うのでございます。要は、この道を一つ開いていただいて、そうして政府が補助金を出すというふうな場合におきましては、もちろん予算に計上せられるわけでございます。さような際に十分一つ御検討をいただきたいと思うのでございます。
○岡三郎君 文部大臣がいかに言っても、それでは私は、やはり今まで予算執行の面において補助金というものの整理というものが一番重大視されてきているわけなんです。そうしてこれから文部当局あるいは地方自治体が社会教育についての補助を何とかしていきたいという意向は今述べられているわけですが、具体的に今までの補助金を支出するということについての名目は、みんなりっぱなんですよ。どれ一つとっても、各省に関係する補助金というものは名目の立たぬものはないのです。これは今回において補助金を出したいという趣旨と各省の趣旨とは、その仕事の分野は違っても、同じなんです。しかしながら、実際に名目はりっぱであっても、いざ補助金というものが支出されていくという段階においては、これが非常にいろいろな影響を与えて、こういう補助金の出し方は工合が悪い、補取金は何とかして整理しなくちゃならぬというのが、国家全体の現在の考え方だと思う。決算委員会等においてもそうなんです。だから、われわれの意向としては、補助金については全部これを切れといってもむずかしいだろうが、補助金というものを支出する場合において、国家予算の膨大な資金をこれに費やすわけだから、それが効果があるように、実効が上るように、具体的にこういうことについて検討して、これを削除するものは削除していかなければならぬ、こういう建前があるわけなんです。それを、今ここで補助金の道を開くというわけですから、大臣の言うがごとくに、補助金の道を開くというならば、具体的にこの金はこういうふうに段階的にいきたい、それは将来において変っても、まずその道を開く冒頭において、補助金というものは非常に札つきの問題が多いのだから、そうではないのだ、こういう面について補助金というものを出したいのだから、それは将来いろいろと計画が変更されるかわからぬけれども、現在はこうなんだ、こういうふうにして補助金の内容等について説明がなければ、それはむずかしいといわれてしまって、全然わからぬうちに補助金の道を開いて、そうして文部当局が予算を要求するということになれば、これは私は従来われわれが決算委員会等において検討したことの趣旨と異なってくると思う。そういう基本的な立場に立って、私は支出してはいかぬということを言っているわけではないけれども、支出するという場合には、具体的に計画的にこれをわれわれ委員に明示して、こういう方向で今のところいきたいということを言ってもらわなければ、簡単に私は補助金に関する限りには納得できない、そういう考え方を持っているのです。どうして具体的にそれが話が出せないのか、私はそれがおかしいと思う。補助金の道を開くという法文の改正、これは今すぐ執行する問題ではないという問題ではないのです。昭和三十四年度においてこの法文削除に基いて文部当局は大蔵省に予算を要求すると思うのです。そういう具体的なものがうしろになければ、今ここであわててやる必要もないと思う。そういう観点からいえば、文部省の構想というものは、補助金支出という構想があって、そうしてどうしてもやはりこういう方向にまず端緒を開いていきたいということになれば、委員各位も納得できるのじゃないかと思うのです。ですから、その大体の、今回においてこれが一応通過した場合において文部省はどの程度の補助金を大蔵省に考えているのか、あるいはそれをどういう方向に使用するのか、そういう構想を明らかにされない限りは、私は納得できないのです。法案全体についての反対というよりも、具体的にそういうあいまいさでは困るのです。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 補助金の整理合理化に関する問題は、先ほども申しましたように大きな問題であろうと思うのでありますが、これは現在政府でやっております補助金についての御批判であろうと思うのであります。社会教育関係の問題は、これまで実は道がないためにできないのであります。そういう分野につきましては、新たに補助金を出す道を開いていくということについては、御賛成をいただきたいと思うのであります。 先ほど申しましたように、非常に複雑多岐にわたる問題でございますし、こういう仕事、こういう仕事に具体的に今補助金を出すというふうなことは、全体を通じて申し上げるということはきわめて困難なことであります。ただ、われわれがこの法律を御賛成いただきますれば、何とかこれを、適当なものについては予算的措置も講じたいという希望を持っておることは、これは申すまでもないところでございます。そこで、今文部省といたしましても、いろいろ検討いたしておるわけでございますが、来年度予算等でできたら一つやってみたいと、こういうふうな問題についての項目を局長から御説明させることにいたします。
○政府委員(福田繁君) 大体項目は、特に来年度新しい大きなものを要求しておるわけじゃございませんが、先ほど申し上げましたように、全国の青年大会の際の大会に必要な経費は、これは補助金で支出してもいいのじゃないかというように考えております。また、来年度フィリピンにおきましてボーイ・スカウトの国際ジャンボリーがございますので、そういった大会の派遣費については政府としても何か考えなきゃならぬだろうというようなことで、そういった大会の派遣に要する経費も、これは新しい問題でございますが要求いたしております。また、フィリピンにおきまして世界ジャンボリーが終りました後に日本でボーイ・スカウトの全国大会がございますが、それらにつきましてもフィリピンで終りました各国の代表が日本に参りましてこれに参加するというような事柄から、これに要する経費等についても、単にボーイ・スカウトだけではなかなかこれはまかない切れないものがあるのじゃないかというようなことと同時に、また、こういった国際的なものに参加する場合におきましては、政府としても何らか助成の道を考えるべきじゃないかというようなことで、そういう日本大会の開催費の経費も一応要求いたしております。また、青少年の海外視察と申しますか、従来これは文部省で地方の青年等につきまして、広く見聞を広めまして、そうしてまた青年団活動の振興に資するというような意味で青年の海外派遣を行なっておりますが、これらの予算も、これは補助金として来年度考えてもいいと思っております。大体私が申し上げましたようなことを国の予算としては考えておりますが、地方では、一応従来の状況を調べて参りますといろいろの形がございますが、十三条の規定がございますために、やはり団体補助というか、その団体に直接補助金が出せないというような関係から、個人に補助するというような格好で出しておりますのがかなりございます。三十一年、三十二年両年度にわたりまして各府県の財政支出の状況等を見ますと、個人支出になっておりますのが三十一年度約三千万に上っております。それからまた、三十二年度はそれより少い千六百万円くらいになっておりますが、そのほか事業委託というような形で出ておりますのが三十一年度で約千三百万円、それから三十二年度で千六百万以上に上っております。その他事業委託でなく、事業共催というような形で出しておりますのが三十一年度で約三千万、三十二年度で二千七百万というような数字になっております。全体を通じますと、そういった各種の形で出しておりますけれども、内容は青少年教育の振興とか、あるいは成人教育の振興、あるいはまた社会教育施設に対する助成、あるいはまた体育のレクリエーションに関する助成、こういう意味合いをもちまして地方では合せますと三十一年度約七千万円、三十二年度六千万円くらいの金が出ていることがはっきりしております。従って、これらの大部分というものが大体補助金に、この十三条が削除されました暁においては補助金として出し得るのじゃないか、こういうように考えております。
○松永忠二君 いろいろ御答弁をもらったわけでありますが、今補助金の基本的な立場に立って問題点の話が出たわけでありますが、先ほどから私の申し上げているのは、直接干渉というものについては、第十二条というものが明確になっているので、これはできない。要するに、十三条を全然削除してしまうということで、十三条の補助金に伴う間接的な干渉というものについての保障というものが問題になってくるということを申し上げておるわけです。で、具体的にその事業をおあげになったが、国等については、先ほどいろいろお話もあったが、実情相当な良識も働き、監視も行われているわけで、現状、ここにもあるように、地方公共団体が補助をするということになると、これはもう現実に十一条、十二条、十三条という非常なたくさんのワクがかかっているにかかわらず、こういった中でも、なおかつ各地でいろいろな問題についてトラブルが起っていることも現実だと思うわけです。そうなってくると、ここで十三条を全然それを削除してしまうということによって、直接的なものとしてのことについては十二条があるとしても、十三条を削除することによる間接的な影響を与えることもできるし、与えないこともできるという状態の中で、一体このままでいいかどうかということに問題があるというふうに私たちは思う。また、もう一つの点としては、社会教育関係団体の財源というものをどこに認めていくかということについて、やはりいろろいろな意見があるのではないかと思うわけです。今、言う通り補助の道を開いていくという一つの方法も要望されている面もあるわけですけれども、同時に、実際の社会教育団体の中の青年団とか婦人会の、これは文部省の調査による財源を見ていくと、実際事業収入というのは、実に大きな部面を占めている。委託費とか、あるいは交付金というのは、上からくる、上級団体からくる交付金であるけれども、委託費というのは、言う通りそんなにたくさん出ておるわけじゃない。そうなってくると、事業費というような面について、もう少しやはり積極的な対策を打っていくというようなことも、一つの財源としての考える道じゃないか、何も今言う通りすぐ直ちに補助金を、これこれこれだけのものを出すというようなことで、具体的に考えておられない場合に、これに伴う一つの影響もあるということを考えてみたときに、他の面の財源的な措置を十分にしていくという面については、一体どういう具体的な方策を持っておられるのか、この点について、事業収入とかいうようなものについてどういうふうな財源的な措置を考えていきたいというのか、この点については局長から一つ。
○政府委員(福田繁君) ただいま仰せのように、いろいろな施設をやる場合には、事業収入についていろいろ考えたらいいじゃないかというような御意見のように承わったのでありますが、私といたしましては、私どもは、いわば逆のような立場をとっているわけでございまして、一面、たとえば、青年学級あるいは婦人学級等をやります場合に、個人負担をできるだけ負担を上げないという建前から、いろいろ実費あるいはその他いろいろな聴講料と申しますか、そういったものを取りたいという心も必ずしもないのではない、また財政当局は、いろいろ補助金だけでなく、そういった事業収入を多く上げるように考えろと、こういうようなことは、従来からいろいろ注文がありますが、国の場合でも、あるいはまた地方の公共団体が実施します場合におきましても、私どもとしてはこの社会教育を奨励する立場から、そういう事業によって収入を上げる上げないことを無理に考えないというようなことをいろいろ地方にも申しておるわけでございます。また、社会教育関係のいろいろな施設につきましても、事業収入のみによってこれが経営ができるというものでもございませんので、個々の施設によって違いますけれども、こういったものは公共のために、一般の住民の福祉のためにやはり広く開放して、そうして料金を取る場合にもできるだけ低廉な料金によってこれを開放するというのが建前だろうと思います。そういった意味で、事業収入というものは原則ではなるべく取らないようにしてもらいたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。
○松永忠二君 私申し上げたのは、私は青年団、婦人会の財源について、文部省の統計等を見て、やはり一番中心にすべきものはやはり会費である。やはり婦人会あたりが四割を会費の中に占め、青年団が会費として二割三分程度のものを持っている。しかし、それをもう少しやはり青年団、婦人会自身が高めていくことが私は必要だと思うのです。今、現実に青年団、婦人会等委託費をもらっているじゃないか。それを何も委託費をいうふうなそういう変な形にしないで、補助金で出したらいいじゃないかというお説もあるわけです。ところが、委託費というのは現実に青年団、婦人会の中でも非常にパーセントが低いわけです。婦人会あたりは七・九%で一割にも満たないわけです。事実上経費を補っているものは何であるかというと、青年団、婦人会が行なっているこれらの事業に対して免税の措置とか、そのほかの裏づけをすることによって、会費と事業の中から収益を得ている、現実に。補助の条項を取ってみたところが、今すぐ別に金を出すという国にも用意はないのだ、だから地方でも余裕はないのだということになるならば、何もこれを削除して、そうしてそういう方面からだけある程度いろいろな疑義をはさむところまで持っていかずに、削除していかないでも、現実にこういうところにつまり財源を認めていくというやり方はあるんじゃないかということなんであります。そのほかの、まだ私は具体的なものがあると思うのですが、まず、その一つの点についてどういうお考えであるか。
○政府委員(福田繁君) ただいまの私の言葉が足らなかったかも存じませんが、そういった青年団とか、あるいは婦人団体等におきまして、これはまあ御承知のように自主的な団体でございますから、団体の運営費等の経営的な経費について必要なものは会費でもって取るというのはこれはもう建前だと思います。従って一般的に申しますと、そういった経営的な経費のみならず、実際に事業をやります個々の事業に要する経費についても、青年団、あるいは婦人団体等において自分でまかなうのが建前でございましょうけれども、しかしながら、何か特別な事業をやるといったような場合に、どうしても自前ではできない。自分の会員の会費ではまかない得ないという場合も生じ得るかもわかりません。従って、会費を値上げするというようなことによって臨時的にまかない得る場合もありましょうけれども、まあそういった経営的な経費以外に何か必要な場合にはやはり地方の公共団体から助成をしてもらうというようなことも起り得ると思うのです。
○松永忠二君 今のお話しになった点、地方の団体は全然そういうものを要望していないということではなくて、そういう要望もあるということは事実だと思うのです。ただしかし、具体的にそこにどれだけのこの金をつぎ込むことができるかということが問題であるし、また、そのやり方いかんによっては非常なまあ問題を起すということに問題点があると私たちは思うわけであります。そこでその今、社会教育というものを振興するという点から考えてみた場合に、一体そのまあ社会教育の事業が非常にもうすべて十分であるというのではなくて、むしろ非常にまあ振興を考えていかなければできない教育だというふうに考えているわけでありますけれども、その場合にどこに一体重点を置いていくべきであるかということについては、どういうふうな考え方を持たれているのか。このまあ、いろいろな考え方が私はあると思いますが、その場合に、その補助金政策というようなものを考えていくのが本筋なのか。それとも、社会教育の今の状態から考えてみると、最も力を入れていかなければできない点はどういうところにあるのか。この点について局長から一つ御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(福田繁君) これは非常にむずかしい問題のように思いましたが、私どもはこの社会教育を振興するためにはいろいろな方法があると思いますけれども、現状は、やはり地方のいろいろな社会教育を振興するということは、施設も充実をさせ、あるいは設備もそれに伴っていろいろな充実をはかっていくということと、あるいはまたいろいろな地域でのいろいろな社会教育活動を振興するには、ある程度やはり必要な場合には、その事業に対して公けの機関が助成し得る道を開いておくということが、そうしてまた、現実にそういった助成をしていくということが社会教育を振興することだと思います。ただ、そういったその助成措置のみが社会教育を振興する唯一のものではないことは私どもも存じておりますが、いろいろな方法はあろうと思いますけれども、これも相当現在の状態におきましては重要な問題だと考えております。
○松永忠二君 この点については、大臣一つお聞かせを願いたいんですが、今、局長からお話のあったように、別に補助金をやることが社会教育を振興する中心的な問題ではない、まあしかし、事業についても助成の道を考えていかなければできぬというようなお話であったのですが、これは、この前の参考人を呼んだときにもお話が出ておったのですが、私たちも実際活動等を見ると、婦人団体あるいは青年団あるいはその他の団体等も、まあ共同学習とか、あるいは小グループ学習という小集団が非常にできてきて、非常に活発なグループ活動というものを行われているわけであります。そのグループ活動というものを育成し、まあ助長していくというところに、まあその社会教育の今後の新しい進展の方法があるし、また、非常に注目すべき活動をしているというふうに私たちは見ているわけであります。そうなってくると、それを、その助成をするという、助長をするという方向に社会教育の重点を置いていかなければできないということになれば、おのずから、要するに、それと結びついた人の充実というところに重点を置かれていかなければできぬわけです。そういう、その人の充実ということを考えていく場合に、ここに出ている法案について私たちが賛成をする点は、社会教育主事とか、そういう公民館主事とかの充実をはかるという方法もまあ考えられていい点だと私は思うのですが、こういう点について、実はまだ不十分な状態の中に補助金の道だけをこう開いていく。ただ、この補助金の道を開いておくというようなやり方だけではなしに、もう少し人的な充実をはかる面の財源措置というものを十分にしていくという、同じ改正をするなら、そういう改正に重点を置くというような考え方の法案を提出されねばならぬというふうに私たちは思うのですが、この点について、この改正案を見ていったときに、実際問題としてそういう方面の財源的な措置が不十分だというように私たちは思うのですが、こういう点について大臣はどういうふうなお考えを持たれておるのですか。
○加賀山之雄君 ちょっと関連して。 今、松永さんが言われたことは、全く私ども同感なんですが、今度の社会教育法改正は、私はいいところへ着眼されたと思うが、本来からいえば、社会教育が先ほど申し上げましたように非常におくれておって、金だけの問題ではないと言われたけれども、社会教育のグループ活動をするためにも、やはり個人の負担をできるだけ少くしてやりやすいようにしてやるためには、設備の充実に経費がかかるのです。私も一、二の、社会教育施設とは言えないかもしれないが、そういうグループの世話をした経験から見て、金さえもう少しあればなという気持のすることが非常にあります。そうかといって、趣旨はいいが、私人がこれに対して非常な寄付をしてくれるということもなかなかむずかしい時世でございます。従いまして、本来であれば、こういった改正というよりは、社会教育振興法というか、もっと大上段に積極的な法律を作ってやられれば、今、岡さんからも御質問があった、それではどういうものを助長していくのだということは、特別立法をされればそういうものもはっきりするし、私はそういう方向で考えるべきが至当だという気持を持つわけなんですが、今日の法案は、松永さんの言われるように、非常にむしろ微温的とも思われる最小限度のものだろうというように考えるのですが、大臣はどういうふうに考えられるか、お伺いしたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 社会教育は、私はもちろん、各地方におきまして、自発的にと申しますか、自主的にと申しますか、その活動が一番中心をなさなくちゃならぬものであると思うのでありまして、ほかから押しつけられて社会教育をやっていくというふうな姿でなくて、自主的な、自発的な活動が大いに起るということが一番大事なことじゃなかろうかと、かように考えておるわけであります。それに対しまして、国なりあるいは地方の公共団体が、外からいろいろ援助とか、助成とか、奨励とか、そういうことをやる必要はもちろんあると思いますが、基本は何といいましても、それぞれの地方の住民の諸君が自発的にやっていくということを本体としなければなるまいかと思います。大きく全国的にと申しますか、そういうふうな、一つの政策として社会教育のこういう面を伸張するというものがあれば、もちろんこれは取り上げていかなくちゃならないと思います。現在社会教育の範疇の中でやっております、たとえば青年学級というふうなものについては、これは国としても一つの方針を持って奨励をいたしておるようなわけでございますが、そのほか各地方においていろいろその地方々々の実情から生まれました社会教育活動というものも大いにあることだと思うのであります。ただいま社会教育振興法というふうな、もっと積極的なものを考える必要はないかというふうなお言葉もございましたが、これも十分検討いたさなくちゃならぬと思いますが、私ども今の考え方としましては、それぞれの地方における社会教育活動を国なり公共団体が援助していくと、そういうふうな立場からものを考えて参りたいと思うのでございます。社会教育主事の問題、あるいは公民館の整備充実の問題、いずれもさような観点から今回御審議をお願いいたしておるわけであります。ただ補助金を出す道を開いただけで、それで能事終れりということは、もちろんないと思うのでありますが、援助あるいは奨励の一助として補助金の支出の道を開くということも、相当有意義なことと考えまして、この御提案をいたしましたようなわけでございます。国がものを考えます場合には、非常に事項が限られてくると思うのでございますけれども、この施設につきましては、やはり市町村なりあるいは府県なりというふうなものがそれぞれの地域の状況に応じて援助する、奨励をしていくということが、非常な意味を持つものではないかと、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。かれこれあわせまして、何とか社会教育を一つ振興したいというふうな気持から御審議をお願いいたしておるわけでございます。
○松永忠二君 今お話のあったような点が、ほんとうにもしそういうふうなことであるとすれば、実は出てくる法案の中に、これは少しその方向と違う——違うというよりも、全く不十分だという点が幾つかあるわけです。特に、今お話の出ていることから言うならば、公民館の補助のごときは、補助する道を開くために十三条を削除するということよりも、それだけの金があるならば、むしろ第三十五条の公民館補助のごときものをもっと明確にしていくべきではないか。むしろ私たちが心配だと考えている方面の実は具体的なものが幾つかあるわけでありますが、そういう道を開かぬでも、この方面でその金を幾らでも使っていけるではないか。たとえば第三十五条のごときも、実は今度第三十六条を削除してしまうということを考えておられる。現実には、第三十六条というのは、臨時特例によって行われて、それが三十四年で打ち切られてしまうというようなことがあって、三十六条をそのまま残さないで、むしろ三十五条というものを新たに条項を設けて、こういう条文を作ったわけですが、これについて考えてみても、施設、設備に要する経費その他必要な経費というようなことで、運営というものに出せるという第三十五条の運営に要する経費の補助というものは削ってしまっておる。具体的な言葉がなくなってしまっておる。第三十六条の中に「公民館の職員に要する経費」ということが出ておって、地方の公民館でやられている方々が一番熱望しておることは、一体職員の給与の費用というものの裏づけをどうしてくれるかということが重要な問題である。主事をただ法律の上で作るということではなくて、置いた職員について経費をどう裏づけしておるかということが、実は古い改める前の第三十六条にはあったのが、それが全然なくなってしまう。そうして、たとえば字句、表現のごときも、予算の定めるところに従って補助を行うというのを、予算の範囲内において行うことができるという、非常に引き下った表現というか、内容のものである。そうなってくると、むしろ臨時特例よりまた下ったものであるし、現実に公民館補助というところの財源というのは、全く今度の新しい法律では前の法律以上に退歩しているではないかということが考えられる。実はほんとうの意味で社会教育をやられておる方々は、たとえば公民館に対する要望というものについては、まだいろいろなものがあると思うわけなんです。たとえば、公民館に関して適正な地方交付金が交付されるような措置が行われておらないわけです。これは一体どうするのか。そういうふうなこともやらないのに、しかも具体的にまだここだと目をつけておらない——具体的と言ってはまことに失礼ですが、今後道を開くという、道だけを開いていくというだけでは、われわれの考えていることは、むしろ間接的な干渉というものの憂いを一つ残しておるわけなんです。これだけこういう面においても財政的な配意がなされておるので、今後余裕があればこういうこともするというなら、まだそこにすなおな解釈もできるわけですが、そういう面は実は、私こまかいので申し上げないのですが、博物館についても、また図書館についてもみんなそうなってしまった。この点については一つ同じ金を使うならそっちの方にその金を使ってもらえるし、そういうふうに金を支出していくことがむしろ社会教育振興になると私たちは考えるわけです。この点は、大臣はどういうふうな努力をされ、また、どうしてこういうような内容になったのかということについて、一つお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(福田繁君) 公民館の補助に関する問題についての御質問でございますが、この公民館の補助に関します三十五条、三十六条の現行法は、今お述べになりましたように、運営費、運営に要する経費の補助ができるようになっておりまして、この運営費と申しましても、要するにこれは職員に要する経費を一つの基準の中に入れるということだけでございます。これは、お述べになりましたように、現行の補助金等に関する臨時特例によってこの規定は停止されております。従って、公民館に対する職員等のいわゆる運営費を補助するということも、公民館に対して、もちろん私どもは望むわけでありますけれども、しかしながら、現在私どもといたしましては、それ以上に地方の公民館を設置します場合に、施設に対する補助というものを地方は要望いたしております。従って、この施設の補助は何としても確保しなきゃならぬ。こういうような意味から臨時特例に関する法律が来年の三月三十一日に失効いたしますのを機会に、こちらの社会教育法の中にこの三十五条に新しく同様な規定を入れたのでございます。しかしながら、この規定は今お述べになりましたように、何だか弱くなっているのではないか、こういうようにおっしゃっておりますが、この「必要な援助を行う。」という現行法の規定と、「できる。」というこの三十五条の改正条文の文句でありますが、これはいかにも弱くなっているようでございますけれども、しかしながら、これはいずれも予算に定めて、予算によってきめることでありますので、その表現自体は大して問題ではないというように私どもは考えております。従って、この公民館の補助につきましては、施設、設備は当然現在の臨時特例法によっても、引き続いてこの法律によってやるわけでございますが、また情勢の、事情に応じましては、それ以外に必要な経費、たとえば事業費等も援助できる道を開いておりますので、実際はこの三十五条の、現行法とさして変わりはないというように考えるのであります。
○委員長(竹中勝男君) ちょっと速記とめて。
○委員長(竹中勝男君) 速記起して。 午前中の日程は、これで終って、一時半に再開いたします。 午後零時四十四分休憩 —————・————— 午後二時十七分開会
○理事(中野文門君) 午前に引き続き委員会を再開いたします。 社会教育法等の一部を改正する法律案に対する午前中からの質疑を継続いたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松永忠二君 条章によって一、二お伺いをしたいわけでありますが、一番問題とする点は、この改正の中に非常に統制的な面が強く出てきていはしないか、そういう点を憂えてそれに関連して質問するわけでありますが、この第九条の五に、この前にも問題になりました社会教育主事の講習を文部大臣が行うということができるように改正しようとしているわけでありますが、局長にお伺いしますが、社会教育主事の講習、身分講習でありますが、身分講習を文部大臣は行うことができるという法的な解釈はどこから来ているのでありますか。私は研修、第九条の六の主事補の研修、主事の研修については文部大臣はこれを行うということは、これはでき得るし、またこういう点について要望もあるし、実際の面で行いたいという積極的な文部省の御意思はわかるのでありますが、主事の講習の、身分講習というものを一体文部大臣は行えるという法的な見解はどこで成り立つのでありますか。そこを一つお聞かせいただきたいと思うのであります。
○政府委員(福田繁君) この主事の講習につきまして、第九条の五で講習の実施機関を従来の大学のみでなく広げておりますが、これにつきましては、この第九条の五の新しい規定によって文部大臣も講習ができると、こういうようにきめたのでございまして、従来の第九条の五は、これは大学を実施機関といたしておりますけれども、大学に委嘱することはこれは文部大臣がやるという建前になっております。従って従来の第九条の五におきましても、社会教育主事の講習は、そのもとの権限と申しますか、それは文部大臣にあるのだ、こういうふうに解釈いたしております。
○松永忠二君 それでは説明にならないので、要するに、あなたの御答弁だと、社会教育主事の身分講習というものを文部大臣がやるように今度法律でしたのであって、別に今、文部大臣が法律上みずからこういうことをやるという権限があるという法的な根拠というものは別にないのだと、こういうことなんですか。
○政府委員(福田繁君) 現行法におきましても、現行法の第九条の五において文部大臣は講習を行うと申しますか、委嘱する権限を持っておる、こういうように解釈したのでございます。
○松永忠二君 これは、そういうことではちょっと納得ができないのですが、教育公務員特例法でも第一条の専門的教育職員の中にこの社会教育主事というのが入れてある。その専門的教育職員というものについては、これは教育職員免許法に基いて大学がこれを実施をする、あるいは文部大臣の指定する養成機関がこれを行うということがあっても、文部大臣みずからがそういう教育職員免許法に基くような、そういう身分を与えるということを規定したものは一つもないわけなんです。どうなんですか。
○政府委員(福田繁君) これは教育職員につきましてはおっしゃる通りでございますが、社会教育主事につきましては、従来から第九条の五によりまして、社会教育主事の講習は文部大臣が大学に委嘱して行わせる、こういう建前をとってきておるわけであります。これがいわば文部大臣の権限といえば権限だろうと思います。
○松永忠二君 それは文部大臣の権限としては大学に委嘱をしてやるということであって、それはそういう建前をとらなければできないのは、これは教育公務員特例法に規定した専門的教育職員である、従って教育職員については教員の職員免許法に基きまして大学や養成機関がそれをやるのだから、そういう建前になっておるのであって、そういう権限があるからといって、みずからやる権限というものを規定したものはどこにもないわけです。この前、高田委員も御指摘になったように、教育行政の方にもそういうことは決してないのであります。これはやはり新しくそういう権限を作ったならば別ですけれども、今の法律には文部大臣がみずから身分講習を実施するなんということは、これは法律にはない。
○政府委員(福田繁君) 身分講習とおっしゃいますけれども、これはかつて教育長の資格を付与する際におきましても、これは教育長は従来専門職員として講習を経て資格を付与した例がございますので、そういった場合でも、これは文部大臣がその講習をやるというようになっておったのでありまして、この社会教育主事が専門的職員であることはこれは間違いありませんけれども、従来からそういった文部大臣が大学に委嘱してこれを実施するという建前をとっておりましたのは大体同様でございます。そういった他の専門的職員の場合と同様に考えております。
○松永忠二君 そういう御説明では納得いきません。その専門的教育職員については、これは教育職員免許法に基いて免許がなされるのであって、従ってそれと同じ取扱いを今まで第九条の五においてこれをやったわけなんです。今度はそれだから四番の、第九条の二の四のところにも新たに「第九条の五の規定による社会教育主事の講習を修了した者」ということが厳格に規定されているわけです。だから、これはあなたのおっしゃったことは筋が通らないのであって、専門的教育職員と規定をされた者は教育職員免許法に基いて大学や認定機関が、指定した機関がやるのであって、同様の身分を持っている社会教育主事については従前のような規定を規定してそれでやっておった、これが正しいのであって、それを大臣がいきなり身分取得の講習をやるということは、これは何ら法的な根拠がない。
○政府委員(福田繁君) お言葉を返すようで恐縮でありますけれども、文部大臣がそういった養成講習をやってはいけないというような禁止規定があるとか、あるいはまた文部省設置法に関係しまして文部省の、文部大臣の権限外の事柄だと、こういうような釈解があればこれは別でありますけれども、現在のところそういったことはないと思います。むしろこの文部大臣がそういった社会教育主事の講習等をやりますのは、やはりそういう社会教育主事が専門的な職員として社会教育を担当する者としては、相当の専門的な知識も必要であり、全国的に一定のレベルというものを持つ必要がありますので、そういった点からいって、そういった講習をするということは、何らこの文部省設置法等に掲げておりますところの文部大臣の権限からいっても矛盾するものではないと思います。従って、現行法の九条の五自体もそういった趣旨でできておるのではないかというふうに考えるのであります。
○松永忠二君 文部大臣がやっては悪いということはないと同時に、やっていいということもどこにも規定されていないのです。やっていいという規定ができるとすれば、今度新たにそういう法律ができたわけなのです。そういうことじゃないのですか。
○政府委員(福田繁君) それはおっしゃる通りでございます。
○松永忠二君 そうなってくると私は、その専門的教育職員だと明確に教育公務員特例法に規定されているものであって、指導主事、教育主事を専門的な教育職員であるというふうに規定しておって、そうして教育職員については免許法があって、免許状の取得の方法としては、法律で大学やあるいは文部省の指定する養成機関というものを明確にしてあるわけなんだから、その建前から言うと、これはやはり建前は今までのこの法律の建前が正しいのであって、これはそういうことが言えると私は思う。どうでしょう。
○政府委員(福田繁君) 専門的職員でございますけれども、専門的職員を養成する場合に、大学のみでこれを養成しなければならぬということはないと思います。
○松永忠二君 大学のみで養成しなければできないということはないと言いますけれども、大学で養成するというのが建前なんです。それならば何も教育職員免許法というものにわざわざ規定しておく必要がない。だから、やはりこれは新しくこういう権限を法的に作ったということで、それで差しつかえないと思うのです。そこで、そういうことについて私はやはり建前から言うと、今までの建前というか、今まである法律の建前から言うと、今までのやり方は正しいのであって、今やろうとしているこれはいろいろな必要から出てきたとおっしゃる。あなたたちはおっしゃるかもしれんけれども、これも私たちの理屈というか、考え方からいえば、また今の社会教育充実の上において一番参考人あたりの要望されているのは、大学における社会教育の講座を充実してほしい、そういうような要望もあるので、そういう方面の努力をなさることが先であって、建前の違っている講習を開いて、それでもってどんどん養成をしていくというような、そういうことでは建前が違うのではないか。さっき私たちが補助金の問題を云々したのも、金を出すということについては決してわれわれは悪いと言ってはおらないけれども、出すならばこのほかの方法があるのじゃないかということを言っているわけなんです。そういう点からいうと、やはりここにも私たちの見解から言えば、明らかに今の法律の建前を通り起している点が出てくる。これを純粋にすなおに考えていけというお話だけれども、今の一般的な文部省の教育行政のあり方の中から考えてくると、ここにも何か社会教育主事の講習を通して統制が行われていくのではなかろうかという憂いも実はあるわけです。そういうのが私のお聞きをした理由であって、私は今の御説明では納得いきません。やはり建前はそうであるし、文部大臣が講習をやる権限はない。やって悪いということはないかもしれないが、やっていいということはどこにもない。やるならば、免許状を出すという専門教育的な教育職員という建前ならば、今の法律からいったならば、やはり建前は今までの法律の建前の方が正しい建前だということは間違いない筋合いだと私たちは思っている。そこで、その点一つ後刻御研究なさって、もう少し納得のできるような御説明をしていただきたい。 それから続いて第十七条の問題についてでありますが、これもこの前から問題になっておるのですが、やはり同じような見方からいって社会教育委員が「社会教育関係団体、社会教育指導者その他関係者に対し、助言と指導を与えることができる。」ということについても、実は十一条を見ると、そこにも出ているように、「文部大臣及び教育委員会は、社会教育関係団体の求めに応じ、これに対し、専門的技術的指導又は助言を与えることができる。」、文部大臣や教育委員会でさえも「求めに応じ」ということで限定をされているのにかかわらず、このことについて、全くそれをこえて社会教育委員が直接に関係団体に指導、助言ができるということについては、これらの条項との関連が必ずしも私たちはすなおに解釈ができないと思うのです。この点はどういう必要があってこういうふうになさるのでありますか。
○政府委員(福田繁君) お答え前後いたしますが、あとの御質問の方からお答え申し上げたいと思います。 社会教育委員は、御承知のように現行法におきましては、「教育長を経て教育委員会に助言するため」の機関ということになっておりますが、最近御承知のように、いろいろ青少年の不良化問題等、いろいろ青少年教育については、それぞれの地域々々についていろいろな問題がございますので、そういった意味で、この社会教育委員というものが、単なる諮問機関でなく、何らかそういった青少年教育についての現場でのいろいろな相談に応じたり、指導、助言できるような職務がほしい。こういうのが現在のところ各地の要望でございます。現実にこの東京都その他数県におきましては、そういう現場の必要から社会教育委員のほかに、青少年指導委員といったような、積極的に指導のできるような委員をかなり置いて、これがかなり成績をおさめているということは事実でございます。そういった必要から単なる諮問機関でなく、社会教育委員の適任者に、そういった青少年の教育について指導、助言ができるような機能を付与しようというのが今回の改正でございます。ただその場合に、何でもかんでも広く指導、助言ができるということも、これはまた一面行き過ぎのおそれもありますので、そういったことについては、やはり教育委員会というものが責任を持っておりますので、教育委員会でこれこれの事柄ということをちゃんときめまして、しかもこの社会教育委員の全部に対してでなく、その中に適当な方がおれば、そういったきめられた特定事項についてこれは指導、助言ができるような委嘱をしよう、こういうような趣旨であります。 先ほどおっしゃいました十一条との関係でございますが、この社会教育委員は、やはり教育委員会に置かれますところの非常勤の委員でございますので、当然に、この教育委員会すら社会教育関係団体に対して、その求めに応じて助言を与えるという建前になっておりますので、当然にこの十一条は解釈上これにかぶってくるのだ、こういうように私どもは解釈するのでありまして、求めがないのに社会教育委員だけが、何でもかでも積極的に指導、助言をするというようには解釈できないのであります。 それから、最初の御質問に返るわけでありますが、現実に社会教育主事の講習をやって参りました経験から申しますと、御承知のように社会教育主事の講習につきましては、かなり専門的な、いろいろな内容にわたっておりまして、たとえば社会教育概論、社会教育に関する行政及び財政、社会教育演習とか、あるいは社会教育学、社会心理学、それから青年成人等の心理学、あるいはまた成人指導、青少年指導、視聴覚教育、あるいは学校会報、社会教育施設に関する単位、あるいはまたいろいろ職業教育、職業指導というようなものが、かなりいろいろ広範囲に、しかもかなり程度の高い講習の内容が要求されております。これに対しまして、これらの講習の内容につきまして、十五単位以上とらなければ、現行法においても主事の講習を終了したということにはならないのであります。ところで、この講習の内容でございますが、たとえば教育社会学とか、教育心理学だとか、あるいは社会教育概論だとか、そういった要するに各大学の教育学部等においてやっていただくのが、むしろ非常にふさわしい科目もこれは相当ございます。しかしながら、従来やって参りました経験から言いまして、たとえば職業指導、あるいは職業教育といったような実際の教育につきましては、教育学部だけでなくて、他の学部に、あるいは農学、工学部等にそれをお願いしなければならぬというような問題もあります。それからまた研究機関において、たとえば教育研究所というようなところにおきまして、社会教育に関する実際の演習等を教えるというようなことも必要でございます。また、文部省におきましても、たとえば社会教育行財政といったようなもの、あるいは体育、レクリエーションに関する単位、それから社会教育に関する演習といったようなもの、その中での幾つかの単位というのは文部省で、あるいは地方の教育委員会でやった方が適当だというような科目があるのであります。そういった関係からいたしまして、従来そういったものをある程度区分けをいたしまして、実施するというようなやり方をしております。従って地方の主事の講習を受けたいというものは、教育行財政等の単位をもし取りたいという場合には、文部省でやります講習会等において受けたものを、この単位の中に通算してもらうというようなことを非常に望んでいるわけでありまして、あながち文部大臣がこの講習によっていろいろするというような、そういう意図的なものでなくて、実際の講習の内容、あるいはそのやり方というものが自然にそこにくるのでございます。そういう事柄 でございますので、これは誤解のないようにお願いを申し上げたいと思います。
○松永忠二君 初めの御説明ですが、社会教育委員、まあ何かそこの委員から特定のことについて委嘱を受けてやるのだからいいではないかというお話なんです。しかし、それだけ教育委員が指導しなければできない問題であるということになれば、今の法律で実は十分できると私は思うのです。第十七条の中に、「社会教育委員は、社会教育に関し教育長を経て教育委員会に助言するため、左の職務を行う。」ということがあるわけですから、これでも十分にできるわけです。そういうことが実際にはできるし、この前から少し話が出ているように、社会教育委員自身のやり方いかんによっては、これは非常に影響するところも多いではないかというようなことが一つ心配になるわけです。だから、特定の社会教育委員に特定の問題を与えて指導していくのだということなんですが、これも非常にばく然たることで、この条文の中からそういうことが特に考えられるというようなわけでもないし、この点も一つ問題がある点だというふうに私たちは考えるわけです。現在の十七条になぜそういうことを特に規定したのか理由があると思うのです。その理由を一つ聞かせていただくことと、その次に第二の御答弁ですが、これ私は、それだからあなたのおっしゃったような講習を、第九条の六でいう研修講習をその単位として認めていくというようなことをして悪いということを言っているわけじゃない、これはできると思うのです。第九条の六の任命権者、文部大臣及び都道府県の教育委員会が行う研修を講習の単位とするということはできるわけです。ところが、今までは付則の所で見てもわかるように、「年齢三十五年以上であること。」というようなことで、社会教育の適当な人を主事として迎えることができていたけれども、今度は第四をつけることによって非常に厳格なものができ上ってしまってきているということなんです。実際にあなたの方でも御調査していられるように、市町村では八割ぐらいが付則に基く採用の教育主事であるということを考えてみたときに、どういうわけで特にそういう厳格規定を入れるか、しかも今いう私たちの考えている身分講習を文部大臣にさせるということまでしなければできないのか、文部大臣がやる研修講習を認定講習の講習単位とするという方法も開く道があるのであるから、特にそういうことを入れる必要ないんじゃないかという考え方を持つわけです。 簡単にこの二つの点について、考え方をもう一つ最後に聞かしていただきたい。
○政府委員(福田繁君) 社会教育委員の問題でございますが、これは東京などは多少事情が違いますけれども、地方に参りますと、現在社会教育委員なんかをしております方々は、かなりその町村の中では有力な、またすぐれた人が多いと思います。これは社会教育法の条文によって構成のこともかなり民主的に選出されておる現状でございます。従って、そういういい方というものは狭い地域においてはそうたくさんあるものじゃないと思いますが、そういった関係から別個にこの社会教育委員以外にこれをやると申しましても、結局やはり人としては現実にダブってくるというような場合が非常に多いと思います。従ってこの社会教育委員につきましては、そういう地方の実情を考えますと、こういう社会教育委員そのものに、いわば場合によりましては両面の職務というものをやってもらった方が適当じゃないか、こういうような趣旨からここに改正案のようなものを付加したわけであります。 それから主事の講習でございますが、これおっしゃるような意味のこともわかりますけれども、研修の場合の講習と、それから主事の養成の場合の講習というものは、今後なるべく厳格に分けていきたいと考えるのでありまして、これは初めから主事の養成講習としては養成講習として取るべき単位をはっきり明示して、科目もはっきりさして、そして私どもはやりたいと考えておりますので、単なる一般的な研修程度のものを、これを主事の講習の内容にするということについてはあまり考えてないのであります。この点につきまして、文部大臣がこの主事の講習ができるようになっておりますけれども、これは先ほど申し上げましたように今回の改正によりまして、地方の、たとえば学歴はないけれども一定の年限社会教育関係あるいはそれに類似したような職務に従事しておりまして、そうして相当な経歴を持っておるというようなものにつきましては、少くとも最低の講習を終了して、その講習を終了することによって主事としての資格を付与する、こういうようなことになるのでありまして、むしろ従来の年令三十五才以上、それから一定の、十年以上の経歴でございますか、これによってはむしろ質が悪いというのが従来から地方での考え方であります。従って、むしろできるだけ地方の社会教育主事の質を多少でも引き上げるということを考えなければならないと思っております。従って今回のような改正になったのでございます。
○松永忠二君 あなたは社会教育委員に大へんいい人もあるというようなお話ですが、同時に、この条項について一番やはり反対しておるし心配しておるのは、こういう青年団であるとかそういうような関係の団体であるということも御承知だと思う。要するに、地方の社会教育委員の人たちが直接社会教育団体にいろいろと注文をつけるということについては困る。そうでなくても実は社会教育委員の中に権限以上のことをやろうとし考える人もあるので、こういうことによっていろいろと文句を言われるということを心配しておるということもこれは声である。で、そういうことを考えれば、今までのような、社会教育委員として教育長として委員会にいうことはできるのだから、その委員会が特に必要だと考えることを社会教育委員から意見を聞いた上でないと教育委員会が実施できないということではとても話にならない。また、青年の問題については、地方には地方の青少年問題協議会もあるのであるから、やはり社会教育委員とか教育委員というものについてはやはり権限を明確にしておくということが必要じゃないか。また、そういう声があるというけれども、また逆な声もあるということだけはよく一つ御承知おきをいただきたいと思うのであります。そういう点も一つこの第十七条に私たちとしては問題の点があるので、必ずしもこれを特に改めていくというよりも、はっきりとその規定をされておる条項があるのだから、それでいって十分にできるじゃないかというような気持も実は持っておるわけです。 なお、続いて第二十三条の二の所でありますが、この前私もちょっと参考人の方にお聞きをしたのでありますが、社会教育審議会の答申の中にはもう明らかに公民館についてはいろいろと答申があるのでありますが、その答申の中に「施設、設備、職員等について、別記のような最低必要な基準を設定し、これを、補助基準として、その充実振興を図る」というふうに出ておる。この施設、設備、職員については補助基準として基準を出すのだということが出ておるのに、ここで特に「公民館の設置及び運営上必要な基準」というようなことをここへ条文で出すということについては、これはやはり答申の中にもそういうことには全然触れていないわけなんです。これはどういうふうなわけで特に「運営上必要な基準」というような言葉を入れてこれを改正せられるのでありますか。
○政府委員(福田繁君) 公民館の基準に関する問題でございますが、これは昨年十二月の社会教育審議会におきまして文部大臣の諮問に答えまして「公民館の充実振興方策について」という答申がございます。その答申の中におきまして、当時いろいろ公民館の振興上、当面の重要な事項について答申があったのでありますが、この答申の中におきましては「本審議会においては慎重審議を重ねた結果、公民館の施設、設備、管理、運営等に関し、下記のように改善を要するとの結論に達した。よって、これが実現に必要な財政的、法律的その他の措置をすみやかに講じられるよう答申します。」というような答申をいただいたのであります。公民館の施設に関する基準あるいは設備に関する基準と同時に、管理、運営に関しましても改善を要するという意味で、答申の中にそれが入っているわけであります。具体的に、じゃ運営というものは何が運営かということになるわけでありますが、この答申の中では「公民館主事を必置の職員とし、その身分待遇」についても云々というように書いてございますが、そういった公民館の主事を、職員を充実あるいは必置するというような事柄は、これは公民館の運営に関する事柄だ、また公民館に置かれておりますところの運営審議会をどうするかというような問題につきましては、従来いかような小さい公民館でも運営審議会を一つ一つ置かなければならぬというような建前になっておりますが、必ずしも同一市町村においては、これを全部置かなくても、この共通の運営審議会というものを置いても差しつかえないじゃないか、こういうような意味で、共通の運営審議会を置くことができる、こういうような公民館自体の運営について答申があったのでございます。従って、この答申の中でも、今あげましたような事柄は、これは運営に関する事項だということにわれわれは伺っておるのでありまして、今回のこの法律の改正におきましても、運営という言葉を使いましたのは、将来そういう基準を設けます際に、答申の趣旨を尊重いたしまして、独立の公民館については専任の職員を置かなければならない、あるいはまた公民館の運営審議会につきましては、同一市町村に数個ある場合におきましては、共同の運営審議会を置くことが望ましい、こういうような事柄を入れたい、こういうような趣旨で運営という言葉を使っておるのでございます。
○松永忠二君 今いろいろお話はありますが、確かに前文に「本審議会においては慎重審議を重ねた結果、公民館の施設、設備、管理、運営等に関し、下記のように改善を要するとの結論に達した。」と書いてある。運営というものは非常に広い意味でさしているのであって、明らかに別記の所にも、施設、設備について、以下こうずっと出ておる。職員についてもその中に入っておるわけです。だから、その施設、設備の基準の中に職員は出ているし、運営等に関してというのは、運営という非常に広い意味での運営というものであって、たとえば第九の「図書館、博物館、視聴覚ライブラリー等との連携を強化し、公民館の活動内容を充実すること」という、そういうようなことについて運営というものを入れてあるのであって、運営の基準というものを定めるというようなことを決して公民館の中に答申をされておるわけじゃない、しかも定めるものとするというような言い方なんですが、これについては、たとえば公民館についてもどういうことが出ておるかというと、第二十九条の所に「公民館運営審議会は、館長の諮問に応じ、公民館における各種の事業の企画実施につき調査審議するものとする。」と書いてある。その公民館運営審議会でさえも館長の諮問に応じてこういうことをやるのだと、こう言っているのに、その公民館を文部大臣が運営の基準をきめるというようなことは、直接審議会でさえ求めに応じて諮問をしてやるのだと言っているのに、こういうことで運営に関する必要な基準を定めるということは、私は必要でないと思う。しかももっと、図書館のようなものでさえも図書館法にも十八条に、文部大臣は健全な発達をはかるために、公立図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを教育委員会に提示するとともに一般公衆に対して示すものとする、というようなことが出ている。これは公立図書館についてですよ、公立図書館のようなものについてさえこういうふうに提示をするのだといって、提示という言葉が明確に出ている、文部大臣が、運営上必要な基準を定めるものとするというようなことは、これはもう私は明らかに行き過ぎではないか、決して設置基準を作ることを私はとやかく言うのではなくて、設置の基準については、むしろこういうものを作ることによって促進をするということは私はけっこうだと思う。しかし、運営について必要な基準を定めるものとする、というようなことは、これは明らかに行き過ぎではないか。それもすなおな気持で、実は文部省がやっておられることを見られている中で、私は提案されるならまだ少しは、話も全然わからぬじゃないけれども、現に私たちが学習指導要領の基準という言葉に基いて、望ましい基準、最低な基準といって、これは守らなければできないものだ、法律できめているのだという言い方でこれをやらせるということを、現に言っていることを考えてみたときに、こういうものについてそういう強弁をするということについて、これは私は法的に疑義を持つけれども、そういう段階に、これについてまでこういう必要な基準を定めるものとする、実際図書館でさえ提示をしていくとか何とかいう非常に念を入れた言い方をし、片方は官庁の諮問に応じて、公民館の運営審議会でさえもこういうことについてこう考えていくというのに、これはやはり行き過ぎじゃないか、何もこの際運営基準まで文部大臣が定めることはないじゃないかと私は思う。これは一つ大臣どうお考えになりますか。
○政府委員(福田繁君) ただいまお読みになりましたように、運営審議会の職務権限、あるいは図書館協議会の方のそういった権限はおっしゃる通りでございます。何もここで基準を設けましても、個々の公民館に文部大臣が権限をもって、いろいろこれに臨もうというような考えは毛頭ございません。そういう意味ではなくて、たとえば公民館の発達あるいはレベルを上げるためには、全国的に一般的な共通の基準というものが必要である、こういうような意味合いでここに掲げたのでありまして、決して個々の公民館そのものに対していろいろ干渉するというような意味では毛頭ないのであります。ただ、ここに運営という言葉が入りましたのは、先ほど申しましたように、主として専任職員等の人の問題でございます。これは新しく公民館をこれから作るという場合におきましては、これはいわば設置基準といってもその中に入るかも存じませんが、現にある公民館について、施設はあるが人を設けるというような場合におきましては、やはりある程度運営という言葉を使った方が適当であるというような考え方から、専任の職員、それから今申しましたような運営審議会の設置の問題、こういうものを運営という言葉に含めてここに規定したのでありまして、それ以上のことは何もないのであります。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 局長の答弁申し上げました通りでございます。
○松永忠二君 これはしかし、そういう今の説明では納得がいきません。公民館の事業については第二十二条によって明確にここに出ている、事業について、どういう事業をするかということについては出ているわけなんであります。だから、大体の公民館のやるべき仕事というものもわかっているわけなんです。これ以上それに基いての活動というものは公民館にまかしておかなければできないし、法人の公民館でも求めに応じてということを明確に規定をしているわけです。それだから、こういうことを入れておかなければ公民館の運営ができないし、共通の基準がなければ運営がばらばらになるなどということはないわけです。第二十二条は、明確にちゃんと公民館の事業についても触れて、明確に出ているわけです。こういうことこそつまり地方の公民館に、公民館運営審議会もあるのだから、まかしておけばいい。こういうことを入れるから私たちが言うように、大臣がいろいろなことに干渉するのだというように言うのです。必要なことをやることを拒んでいるわけじゃありません。設置について基準を作るということは事実必要だというふうに私たち考えている。そういうことについて「市町村に対し、指導、助言その他の援助に努める」ということについても、これは何ら差しつかえないけれども、今とにかく運営上必要な基準というものは相当各所に法律的には十分注意をしながら出されているけれども、ズバリそのものを出してきて、しかも「定めるものとする。」というようなことを言い、しかもその基準によって設置され、運営されるように文部大臣が「指導、助言その他の援助に努める」というようなことは、私たちはどうしても賛成しがたいものです。特に今私たちは、教育課程等の問題についても実は基準という言葉が必要以上に強く解釈されている。基準というのは、ここでは重要な資料というような意味であると思うのですが、どうなんですか。
○政府委員(福田繁君) これはもちろんおっしゃるように資料でございます。この資料と申しますか、基準というものを、たとえば、施設についてはこういう施設、あるいは設備についてはこういう設備をしてもらいたい、専任の職員はこのくらい置いてもらいたい、こういうような一定の基準と申しますか、資料を作って、それに応じて公民館を設置する場合、あるいはこれから充実しようというような場合に、法律にのっとってやっていただくという意味でございますから、これはあくまで資料でございます。
○松永忠二君 資料であり、参考であり、重要なものであるとするならば、何もここにそういうことを規定をせないでも幾らでもこれは出されて、参考になってやられるものです。まあ教科についてはそれではあまりに何だから、法的なあれで規制をしたのだとか、いろいろな言い方はあるとしても、公民館について運営上必要な基準を作るというようなことは、これはもう何としても私たちは納得ができない。運営の基準というのは、職員のほかに何を一体さすのですか。
○政府委員(福田繁君) 繰り返して申し上げますように、さっきおっしゃいましたような二十二条の事業について、かれこれここで設けようという考え方はないのであります。専任職員の必要な数だとか、あるいは公民館運営審議会の設置の仕方、こういうことを基準の中できめておこう、こういう趣旨でございます。
○松永忠二君 そういうことならば、私は答申に出ている設備ということで十分であると思う。特に答申にも別記して設備基準というものを明確にしてある。もし、運営基準が必要なら、答申にもちゃんと二、三として設備基準等が私は出ていなければいけないものだと思う。これは答申の線を少し出過ぎているということと、特に今現実に文部省のやられていることの中に、私たちは法を自分で勝手に都合のいいように解釈をして、それでその解釈に従わなければ、これは違反だ、これはどうしてもそう解釈できるのだ、解釈は私におまかせ下さいという言い方でやられている。こういうふうなことで、こういう言葉を使っていると、結果的にはこういうことになりやせぬかと思う。充実しようというお気持等も、そういう点は毛頭ないというお考えならば、こういうことはもう少しやはり誤解を受けぬような適切な言葉に直して、そしてこれを実施していくということは、当然私は必要なことだと考えているわけであります。そこで、先ほども私が申し上げましたようにすなおに考えていけば、これはそういうような趣旨でない、建前でないということをいろいろ御説明なさっても、それ以上に解釈できるような実はそういう部面がある。こういうことについて特に留意していただかなければ、社会教育関係団体に対するいろいろな干渉とか、誤まった動きというものもあるいは出てくると、私たちは思うのであります。現実に社会教育関係団体の中で、この前、高田委員から少しお話のあった政治的偏向というような面で、少しやはり留意していかなければいけないような団体等が、私は出てきているのではないかと考えているのです。その一つは、私はPTAというものは、広い意味の社会教育関係団体に含まれると思いますが、これについてその運営の仕方とか、そういう面について、あるいは規約のきめ方等、その他について社会教育関係団体としてはどうも少し行き過ぎじゃないかという気持を実は持っているわけですが、PTAの問題についてやはり十分検討する必要というものを感じておられるか、こういう点についてどんなお考えを持っておるか、大臣から一つお聞きしたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 率直に申し上げますると、これは私の感想でございますけれども、PTAにつきましては、従来はほとんど本省といたしましてはこれと関係を持って、そしてどうするというふうなことが少かったように思います。従いまして、PTAというものが生まれておりますけれども、実は文部省としてはほとんどこれにタッチしていないというような状況で今日まできていると思うのであります。各地のPTAにつきましていろいろな実情があろうかと思います。また、その中にはあるいは御心配のようなものもあるかと思うのでありますが、そういうふうな問題につきましては、実は文部省といたしましては、正直なところ実情も十分に把握しておらぬような点もあるように思いますので、よく一つ調査をして、今後の問題として検討してみたらどうだろうかということで、事務当局にいろいろお願いしているところでございます。
○松永忠二君 これは十分研究なさるということでありますが、具体的にPTAが非常に社会教育関係団体として活動したり、現実に動いているのは、私はやはり勤評問題等についてだと思う。こういうふうなPTAの動きというものについてやはり問題があるということは、大臣はこの問題は、特に政府として精魂を打ち込んでやられている問題でありますから、お考えになっている点があると思います。こういう点、何か具体的に御意見等お持ちですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) PTAは学校を中心として結成せられているものと思うのでございます。従いまして、そのPTAの中にはいろいろな考え方の人が入っておられる。そういうふうな性質の団体でございますので、ことに学校を中心にやっておることでもありますので、どちらに片寄る、あちらに片寄るとかというふうなことでなしに、すっきりした姿でPTAそのものが運営せられることが一番望ましいことじゃないか、かように思います。
○松永忠二君 こういうことについてはどうお考えでしょうか、PTAというけれども、現実にはPだけでTはほとんど含まれていないということの点。それから、特にこの勤評闘争の当時に全国PTA協議会というものが、中央でいろいろな態度を決定をされるということについて、一体その下部討議というようなものを経ておられるものなのかどうか、こういうふうな点。それから現実にこのいろいろな資料でも出ているように、PTAが同盟休校をやって学校へ子供の登校をみずから阻止をしているというような点。それからまた、あるいはその学校の人事というようなものに発言をして、教職員の身分の問題についても発言をしているというようなことは事実にまああるわけなのです。こういう点については、やはりそういう事実があるということを御認識であろうと思うのですが、こういうことはやはりPTAの中で問題にしていくべき性質のものだと私は考えるし、そういうことを問題にしていかないでは社会教育関係団体としての健全な発達もない。また、これが補助金問題等があるいはからんでくるということになると、ますます問題が大くきなってくるという感じがするのです。今あげたような問題点が存在するということについてはやはりお考えでございましょうか。今後そういう点についても検討して、社会教育関係団体としての民主的なものとしてやっていってもらうということについて積極的にお考えでしょうか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) PTAというものが、まあいろいろなことがその中にあるように思うのでありますが、お話の通りに、あるいはPばかりでTがないじゃないかというような御批判を受けるようなPTAもあろうかと思います。また、中にはそうでないものもあるでありましょう。しかしまた、本来社会教育関係の団体でありますけれども、そういう方面の活動というよりも、むしろ学校の後援団体というようなことが著しく現われてきておる、こういうような団体もなきにしもあらずと、かように考えられるのであります。また、現実にやっておりますことについても、大いに中にはいろいろなものがありまして、あるいは行き過ぎのようなことをやっていることもございましょうし、中にはPTAの役員等で学校の人事等にくちばしを入れるというようなことも絶無とは言えぬと思うのであります。そういうような、いろいろなものがPTAの名のもとに今日まあ雑多な動きをしておるというのが実情じゃないかと私は思うのであります。さような意味合いにおきまして、今後このPTAというものはどうあるべきか、こういうようなことについても私の最も関心を払わなければならない問題だと思いますので、先ほど申しましたように、事務当局に検討をしてもらうようにお願いをしておるようなわけであります。
○松永忠二君 まあその問題については、一つ十分御検討願いたいと思うし、特にそのPTAについては文部省はずいぶん前にはいろいろなものを出されたようです。特にそのPTAの、父母と先生の会の参考規約等には明確にその方針として、学校の人事その他の管理に干渉してはならないということも明確にあるわけです。そういうことが現実に考えられている事態に対してもなおかつPTAの問題について何らの文部省としてその関心を積極的に示さない。むしろこういうふうないろいろな問題を通してPTAの動きを何かこれでいいというような認め方をしているのではなかろうかというような錯覚を受けるような感じがするわけです。ずいぶん戦後の教育の関係、あるいは社会教育関係の団体として非常な力を発揮してきたことを私たちは決して認めないわけではないし、そういう点について十分りっぱなところをたたえるということは必要だと思うけれども、やはり問題が出てきておるということはこれは事実だと思う。こういう点についてやはりこの社会教育という広い立場から法律改正等をなさっておるし、特に補助金等の関連で心配している点も多いのであります。こういう点について十分な御配慮を願いたいと思う。 もう一つの点をお尋ねして、私はあとこまかい問題については、後刻またお尋ねをすることとして、この社会教育関係団体の政治活動というようなものについては、この前にもお話されたように通達もでておるということであって、その中に特に社会教育の関係団体が中立を保たなければいけない。特にその通達の中にも社会教育関係団体の役員の現職のまま立候補することは好ましくないということが、明確にされているわけです。そこで私は社会教育関係団体の役員の人が、現実にこの立候補ということが明確になってきているのにかかわらずですね、そういう人も社会教育関係団体の役員としていくというやり方は、一体社会教育関係の健全な発達の上にいいことなのか悪いことなのか、その点は基本的にお考えがあると思うのであります、局長いかがですか。
○政府委員(福田繁君) 今お述べになりました点は、二十七年でございましたか、地方の教育委員会の委員の選挙に関連して出された通牒のことだと思いますが、これはこの前申し上げましたように、社会教育関係団体としてはこれはあくまで教育団体でございますので、政治的には中立を保ってもらいたい、こういう考え方で、私どもちっとも変らない。現在においてもそう考えております。 それからまた、この社会教育関係団体の役員が選挙に立候補する場合には、これはその団体の中立性を保つという意味合いからいたしまして、まあ団体の役員を辞して立候補してもらいたい。こういうような意味も書いてあったと思いますが、これも原則的にはその通りだと思います。 ただ、これは個々の場合におきましては、なかなか地方でもそういった具体的な例については、まあその通牒の出ました以後におきましてもいろいろ問題はあったと存じますが、基本的にはその通牒の精神というものは変らないと思います。
○松永忠二君 そこで、基本的には考えが変らないというお話であるし、社会教育関係団体の役員が現職のまま立候補するということは好ましくないということは、裏返しをすれば立候補を声明しておる人、もう立候補の明らかな人を社会教育関係団体の役員にしていくということは、これはやはり避けていかなければならないというのが、私は基本的な考え方だと思うのです。この点はそういう建前をとっていくべきだと、私は今の御説明でもやはりそうだと思うのですが、どうですか。
○政府委員(福田繁君) どうも具体的な問題を私はよく知りませんが、一般的に申せば先ほど申した通りでありまして、やはりもしそういった政治的にその団体が利用されるおそれがあれば、これは望ましくないということは言えると思います。
○松永忠二君 これについては、やはり現実に問題があることは私は御承知じゃないかと思うのですが、先ごろ衆議院でも少し問題になりました例の何か東京都の問題でありますが、このまあ任用のことについては後ほど少しお聞きをしたいのですが、現実に東京都ラジオ体操会連盟というものがあって、そしてこの会長というものはこの一年間空席だった。ところが、九月の一日にその会長の就任を決定をしておるわけです。これは、その各区に支部を置いて、参加者は約二百万人ある。で、この副会長が尾崎という東京都教育庁体育部長であり、理事が野沢という体育課長だというようなことであります。で、ラジオ体操の会というものがそういう社会教育の関係の団体として大切なものだということついては、別に何ら私たちは認めないところじゃないんですが、もう今の話のように立候補を明らかにしているという、そういう人を立候補のまま会長にするということは、社会教育関係団体としてはやはり避けていかなきゃできないという方針だと考えるならば、もう明確に立候補することがわかっているその人を、一年間も空席であったものを急に会長として選んでいくということについて、やはり誤解を生むというようなことはあると私たちは思う。たまたま民謡連の問題が出てきているときに、またそういう問題を私たちが聞いたわけでありますが、こういう問題については、御承知でしょうか。
○政府委員(福田繁君) ただいま初めて伺ったのでございます。
○松永忠二君 で、こういう事実があるというふうに私たちは聞いておるわけでありますが、まあたまたま問題になったその人であっているので問題が多いわけでありますが、一つこういう事実があるかないか、お調べ願いたいと思います。 そこで、文部大臣はすでにお聞きだと思うのでありますが、この東京都民謡連盟というものも、それからまたラジオ体操の会も、いずれも東京都の教育庁の体育課の中に事務局が存在するわけなんです。そうして、その連絡の伝達の機関というものは、支部へ伝達する方法は、都の教育庁の機関を通じて行われているというのでありますが、こういうやり方というものは、やはり教育関係団体のあり方としては少し問題があるというふうに私たちは考えているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 民謡連盟のことは私もちょっと聞いたのでございますが、まあこういったふうの、これはレクリエーションといいましょうか、ことが進んでいくということは、望ましいことでありますので、東京都の教育委員会においてこういうことに関心を持ち、またその奨励をするということは、別段問題にすべき点はないと思うのであります。先般も何か教育庁の方で通牒を出したということを聞いたのでありますが、これはまあいろんな批判が生まれてくるかとも思うのでありますが、様子を聞きましたところでは、何らの他意なく、求められるままにやったというふうにも聞いておるのでございます。あるいは時期的に少しおかしいんじゃないかと、こういうような御批判もあるいはあるのじゃないかと思うのでありますが、やりました者といたしましては、さようなことはあまり考えもしないでやったと、こういうふうにまあ私は聞いており、たわいないものと承知いたしております。
○松永忠二君 あとのことはどうですか、事務局……。
○国務大臣(灘尾弘吉君) こういったふうな民間の運動を助長するといいますか、奨励するというふうなことと密接な関係のあるものにつきまして、都道府県教育委員会の事務局の中にそういうふうなものが同居しておるというようなことも、往々にしてあることであります。これが弊害を生ずるようなことになってはもちろん考えなきゃならんと思いますが、通常の場合といたしましては、そうまたこの点について強く問題にすることもないのではないかと、さように考えております。
○松永忠二君 ただ、民謡連の問題等も、委員会あるいは出張所長あてに伝達をしたということもあるでしょうが、公けの機関を通じてこれらの団体の者が——事務局は課の中にあるし、それからその伝達するものは全部自分の役所の伝達の機関を通じてやるというところにやはり間違いが出てくると思うので、だから、やはり現実にこういうふうな問題についてもう少し慎重にやっていくべき性質のものだと私たちは思うのです。なお、民謡連の問題等については、現実には連盟の規約等の日付が十一月の一日になっていたものが、消やして九月の八日にし、そうして結成が十一月の十二日に都体育館で結成大会を開くという予定を作って体育館を借用していたのに、九月の八日の日に民謡連の紙上結成がなされて通達がされたという事実も私たちは聞いているわけです。特にその役員が立候補が明確にわかっているというような者についての教育関係団体のやり方、なお、その教育関係団体の長が空席であったものに、それを新たに役員をきめる場合に、現実に立候補の明確になっている者をわざわざ会長にして役員に据えていくということについては、やはり教育関係の団体としては相当考えていかなければできない性質のものだと私たちは思うので、こういうことと関連をしても、私たちが前にあげました補助金問題等が間違っていけばそういうものとの関連も結びつけられてくるではないかという点を心配したわけで、これらの問題等についても、せっかく社会教育の振興をはかるというようなお考えで提案をされているわけでありますので、特にそういう点についても一つ慎重に御配慮いただきたいと思うのであります。 だいぶ時間もおそくなりましたので、私は、きょうは質問を終りたいと思います。
○委員長(竹中勝男君) ちょっと速記をとめて。
○委員長(竹中勝男君) 速記を起して。 社会教育法等の一部を改正する法律案に対する質疑は、本日は、この程度とします。 —————————————
○委員長(竹中勝男君) 次に、区域外就学に関する件を議題といたします。 質疑の方は、御発言願います。
○秋山長造君 私は、まず、大臣に御質問を申し上げる前提としてちょっとお尋ねしたいのですが、灘尾文相は、区域外就学とかあるいは越境入学とかあるいはもぐり入学とか、まあいろいろな言葉で呼ばれておりますが、要するに子供が本来就学すべき学校でない他地域の学校へ就学をしておるために、それをめぐっていろいろなおもしろからざる問題が全国的にあちこち起っておるというこの問題についてよく御承知になっておるかどうか。これは同時に、この問題について去る三月にこの委員会で問題になりまして、三月の十三日付で局長通達が地方に出ておるというような事情を御承知かどうか伺いたい。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 越境入学と申しまするか、もぐり入学と申しますか、そういうふうな事実があり、いろいろ問題となっておるということは私も伺っております。また、三月にさような問題について文部省の方から局長通達を出しておるということも承知いたしております。
○秋山長造君 そこでお尋ねいたしますが、前任の松永文部大臣はこの問題に対して非常に関心を持たれて、国会におきましてもこの問題は通達の出しっぱなしでなしに十分大臣として対策を研究して、そして要すれば立法措置をもっても規制をしたいという非常な積極的な意思表示もあったわけでありますが、ですから当然文部当局としてもその後の、通達を出してから後の結果なり反響なり、その後の経過あるいはまたそれに基いての大臣発言のように立法措置というようなことを考えられるならば考えられているはずだと思うのですが、松永文部大臣からのそういう何といいますか、事務の引き継ぎといいますか、そういう話があったかどうか。また、内藤局長のところであの通達を出された後のこの経過なり結果についてこの際明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 松永文部大臣から特に口頭をもってといいますか、特別のあれとして事務に引き継ぎはございませんけれども、しかし全般的に事務引き継ぎ書というものをいただいております。その中にはもぐり教育の問題について言及をしておられるのであります。
○政府委員(内藤譽三郎君) 御承知の通り、三月十三日に区域外就学についての局長通達を出しまして、区域外就学の実態を調査し、さらにこの区域外就学を防止する措置をとって参ったわけであります。今日まで私どもの方に来ております報告は全国で未報告の県が四県ございますが、そういう事例のないという県が十八県、ですから残りの二十四県にはかかる事例があるわけであります。件数といたしまして五十七件ございます。この五十七件のうちで町村合併に関するものが相当多いのでございまして二十三件、で、これは町村合併によってなかなか話し合いがつかない。そこでやむを得ず学区がきまらないような格好になっておりますので、区域外入学というものが行われているわけであります。それからもぐり入学、お尋ねの区域外入学の中のいわゆるもぐり入学というケースが二十五件ございます。これは県によっていろいろ事情が違いますし、また市町村によってもいろいろと事情が違っておりますが、この中でいろいろと関係者が苦労して住民登録の削除を指示したことによってこれを解決したところもございますし、あるいは千葉県のように鶴沢小学校が独立してこれを解決したという、つまり千葉市の本町小学校、この前秋山委員からのお尋ねの件は特に本町小学校に非常にたくさん集まりましたので、別に新しく鶴沢小学校を作って、この学区を明確にいたしまして解決したと、その他町村合併に伴いまして、多少地域が遠くなるというようなところもございますので、そこでなるべく近くの学校にやりたいというところもございます。これを区域外入学として押えてしまう場合には、かえって住民の不便になりますので、こういうところではなるべく教育委員会同士が話し合って区域外入学を認めるという形をとっておるのであります。 それからあるところでは父兄や保護者に説得いたしまして区域外入学を認めないと、こういうふうに努力しておる。あるいはスクール・バスの運行や学校等も考慮してできるだけ区域外入学という措置を防ぐと、いろいろ関係者が適切な措置を講じて区域外入学の防止に努力しておるのが現状でございます。
○秋山長造君 たとえば福岡だとか、あるいは福島県の常磐市ですね、ああいうところでは教育委員会が規則を作って徹底的にやって、そして効果をおさめておるように聞いておるのですが、福岡にしても、常磐市にしても内藤通達が出るより前からすでにきちっとしたことをやっておるようですが、内藤通達が出てから後、あの通達に基いて教育委員会がただ通達してきたから、それを刷り直して、そして市町村へ流しておいたんだというやりっぱなしなことだけでなく、何か本腰で取り組んでおるというような例があればお示し願いたいと思います。
○政府委員(内藤譽三郎君) たくさんございますが、二、三申し上げますと、たとえば群馬県の前橋市に市立第一中学校、これは現住地が市外にある生徒五名が前橋市内に住民登録をして第一中学に進学した。三十三年三月の通達に基いて区域外生徒の事実調査の結果、仮寄留の事実が判明したと、そこで市の教育委員会は新学期からおのおの居住する区域の中学校に通学するようこの父兄及び学校長に通達し、住民登録の削除を指示した、県教育委員会としても就学事務を適正に行うよう指示したと……。 それから、千葉県では本町小学校でございますが、鶴沢小学校との問題でございます。本町小学校には住民登録を偽わり、学区外入学者が、近くに鶴沢校を設置し、進学区を定めたところ、本町小学校に通学できなくなる地元児童の父兄が、鶴沢小学校へ移されることを拒否し問題となった。その後県教育委員会の指導等により解決した。これは鶴沢小学校の独立と就学区の設置を方針通り進め、県教育委のあっせんと指導を得て父兄を納得させて円満に解決した。それから神奈川県では、大磯町の国府中学校、これは三十二年度において同校に入学すべき生徒の十八名が住民登録を偽わって区域外就学をした。三十三年度も他地域へ転出する児童生徒があった。大磯の教育委員会は、教育施設とか、教育内容の充実、父兄の啓発により、根本的解決をはかるように目下努力をしておる。それから、これは平塚市でございますが、他学区より区域外就学をしている児童生徒数が非常に多い。そこで、市当局は、新入学児童生徒については、学区外就学のわかり次第転校させる。小学校在学中の児童には、学区長を通して住居区へ転学するよう説得するというようなことで、各教育委員会が非常に御努力になっております。まだたくさんございますが、いずれ資料としてお出しいたしてもけっこうでございます。
○秋山長造君 まあ今の点は、おっしゃる通り資料として至急に一つお渡し願いたいと思います。 そこで大臣にお尋ねしますが、この三月にこの委員会で問題になり、さらに現地調査までやったことがあるんですが、千代田区の番町小学校だとか、あるいは麹町小学校だとか、さらに麹町中学校、こういうような学校では、この間も、これは十月の十一日の朝日新聞の記事ですが、番町小学校、麹町小学校、永田町小学校等は、大体三分の一あるいはそれに近いくらい越境入学がある。それから中学校になると、われわれが調査したとき四割五分、ほとんど半数近くがこれは越境入学になっておる。それで、そのときの話では、横浜、八王子、市川、それから栃木県の小山、千葉県の佐倉、こういうような所から通学しておるとか、それからもっとびっくりしたことは、PTAの総会なんかがあると、母親が九州から、炭鉱か何かの経営者だろうと思うのですが、母親が飛行機でPTAの総会にかけつけてくる。そういうことはちっとも苦にならぬような家庭だろうと思う。そういう状態は全く気違いざたのような状態なんです。そうして中学校では、もう越境入学者はちゃんと区役所で一万円ですか、それから小学校の方は二万円というようにもぐり料をとっておる。そういう例が他にもあるのですが、そういうことは教育的におもしろくないということで問題になって、そういうことについても文部当局の方から、しかるべき手続をとって、そうして、そういうことはそのままほうっておくという手はないじゃないかというようなことを非常に議論したわけです。こういう問題は、それにとどまらぬので、この夏、やはり朝日新聞に出ておったのですが、武蔵野市では、そういうもぐり入学ということが国会で議論になり、また、文部省からの通達も出、さらに金と交換でもぐりを公認するというようなことはよろしくないということが相当大きな問題になった。にもかかわらず、武蔵野市では新たに小学生について七千円、中学生について一万円というようなことをきめておるんですね。それからよく言われる例ですが、芦屋市では、もぐり入学は六万円ですが、何かもぐり料を取るという、まあ、その他等々で、あっちこっち調べて見れば、ずいぶんそういうことが行われているんじゃなかろうか、いろいろな名目で。こういう義務教育の段階から、そういうまともにやれぬことを、いわゆるもぐりでやって、そうしてそのかわりにしかるべき金を出して、そうして金さえ出せば、もう今度は出した方が強くなるわけですから、金まで取って今さら何を言うかというようなことになってくるので、こういう事態というものは、これは正常な教育行政という立場から考えられてどうお考えになりますか。しかもこれは、今、内藤局長が読み上げられた点、あるいは読み上げられなくとも相当数これは効果をおさめたという点が集まっておるようですけれども、全国的には、まだまだこれは徹底してないんじゃないか。しかもだんだんと、また学年変りが近づいてきつつあるわけですから、もうそろそろ小学校の六年生あたりの父兄は、子供の行くべき中学校をどこにするかという問題は、これは考えておると思うのです。まあ、この際やはり時期を逸しないで、特別な何か金を納めて目をつむってもらうというようなやり方というものは、何とかこれはとめるべきだと思うのですが、その点についてどうお考えになりますか。また、どういうように大臣としておやりになる御方針ですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 今いろいろ具体的なお話を伺いまして、私もあまり詳しいことまでは承知しておらなかったのであります。学校に入るために、そうまでして金を使ってやらなくちゃならぬという事態そのものが非常に残念なことだと思います。もちろん本筋の問題といたしましては、そういうことのないことを望むことは、これは当然のことでありまして、従いまして、そういうふうな極端なことまでやって、一体、親元を離れて他府県あるいは他地域の学校に入るというふうなことは、これは一つぜひ父兄の方にも考え直してもらわなくちゃならぬことだと思うのです。問題はなかなか簡単でない。結局、学校の間にいろいろ差異があるとか、あるいは有名であるとか、無名であるとかいうようなことで、さような現象を生じてくる場合が多いのじゃないかと思うのです。そういう点については、根本的にやはり学校差をなるべくなくしていくということに、みんなが努力してやらなくちゃならぬと思います。内容、形式ともに備わっておる場合は別といたしまして、いわゆるもぐりという形において、事実を偽っての入学というものは、極力これはやめてもらうように努力しなくちゃならぬものと私は考えております。
○岡三郎君 文部大臣の言葉を聞いておると、何かよそ事のように聞える。この問題は、私はまず第一番に、義務教育の段階ですから、金を取ることは至急やめるように措置してもらいたい。まずそれから解消していかなければ、金を取っておいて、出てくれというわけにいかないだろう。だから金を取ることをまず廃止させるんですよ。これを徹底して、そうして次の段階として、金を取ることがやまったならば、それぞれやはりいろいろな名目は別にしても、とにかくこういう違法の場合は、直ちに発見次第居住地へ帰る、居住地の学校に転学する、こういうことを行わないものは、それはあなた上級学校に入学することに不適格である、もぐりですからね。というふうなことで、これは何らかの措置をしなければならぬということを明確に文部省が言えば、下の方はそれに従って適当なことをやると私は思うのです。だから以上のことのうちで、まず金を取らないこと、それからさらに進んで、こういうふうな方便によってもぐり入学するものについては、文部省の方としても、このまま進行するならば法的措置をしなければならぬというふうに松永さんも言っておられるわけですから、法的措置をとるまでもなく、自主的に解決することを強力に推進するということを、私はやはりやらなければならぬと思うのです。この二点私は答えてもらいたいと思うのだが、できることなんだから、これは。
○政府委員(内藤譽三郎君) お説の通り、区域外入学というものを原則的には認めていないわけであります。ところが教育委員会同士で話し合って認めている場合もあるわけです。たとえば、非常にその学校へ行くことが児童や父兄のために通学上不便だというような場合に他の町村に引き受けると、こういう事例は相当まあ全国にもあるわけです。それからもう一つお尋ねの芦屋のような場合は少し行き過ぎで、芦屋としても、小学校の場合に一万円、中学校一万五千円取っておるそうですが、これは本則といたしましては、そういうことを認めない方針できたけれども、やむを得ず、まあ入学を希望する人が多いから制限料の意味で取ったと、こう言っているのです。そこで、私どもとしては、区域外入学は原則としていかぬということで強く指導しているわけなんです。ですから、まず区域外入学の方を押えることが先ではなかろうか、もちろんそのために経費を徴収することは、これはいかぬと思います。ただある場合、協定したような場合は、これは町村の学校を経営する場合に、机も要るでしょうし、維持運営費も要るでしょうから、これは私とることを押えるわけには参らぬと思うのです。しかしお説のような意味のいわゆるもぐり入学をするための経費は、これは私いかぬと思うのです。
○岡三郎君 だから、いかぬと思うだけでは困るので、これを措置するということを言ってもらわなければ困るのです。これはずるいですよ。だから今言ったように、内藤さんの前段の、ある意味においては地域の実情に即して、町村合併とか何とかがあって、低学年の子供が危険を冒さなければいかぬとか、そういうふうなところは実情にかんがみてやっていくことはいいと思うのです。ただ問題は、指摘されている点は、もぐり入学に特に強調されているわけだから、だからそういうふうな点については、金を取ることはいかぬのであるなどと言っていないで、これは措置するというように言ってもらいたいのだが、そうでなければ効果が上らぬのですよ。
○政府委員(内藤譽三郎君) 私どもとしては、もぐり入学はいかぬ、この線を通すのが私は筋だと思うのです。これに伴う入学金ですか、もぐり金というようなものは、これは当然いけないことだと思うのです。
○岡三郎君 いけないことだからどうするのです。
○政府委員(内藤譽三郎君) ですから、私の申し上げているのは、もぐり入学そのものを禁止する方が私は先じゃないかと思うのです。
○岡三郎君 あなたの言っていることは私たちが言いたいことだよ。もぐり入学そのものはいかぬということは言っておるのだが、まずその第一歩として、もぐり入学のために金を取っているということ、また払っているということ自体が——出ていけと言ったって、金を払っているものは権利がそこに発効しているような形ですよ。そういうふうな場合が起るということは実に遺憾きわまる問題であると思う。だから金を取っていること自体については、緊急にこれをやめさせるということをはっきり言いなさいよ。これはそれを言ってくれなかったら、その実効が上らないじゃないですか、その第一歩として。こういう点についてはずいぶん消極的だね。
○政府委員(内藤譽三郎君) もぐり入学者そのものを、今申し上げましたように、たとえば住民登録を削除するとか、それでいくのが私は筋じゃなかろうかと思うのです。お説の通り、このために入学金を取るとか、寄付金を取るということになりますと、むしろもぐり入学を合法的に認めたことになるのですから、筋としては、私はもぐり入学を禁止する方が筋じゃなかろうか、寄付を取っているのは、これはもぐり入学を認めたことになるのです。(「だからいけないということを」「両方とめたらどうだ」と呼ぶ者あり)いや、ですから私が申し上げているのは、もぐり入学はいかなる場合にも防止しろということが第一で、お話のように、そのために寄付を取ることは適当でないから、こういうことはしないようにということはけっこうだと思っております。
○岡三郎君 けっこうですなんて人ごとみたいなことを言っているから——これは文部大臣にもよく聞いておいてもらわなければならぬが、やはり松永前文相は、この問題については必要に応じて立法措置でもして、やはり適正な運用をしていかなければならぬということまで答えられているわけですよ。だから当然事務当局としても、これに即応するところの措置をまあ一応とってこられた。しかし現実において、もぐりのために金を取っているというわけですから、これを今やめる措置をとるということですね。それを内藤さんもう一ぺんはっきりしてもらいたい。
○政府委員(内藤譽三郎君) これは先ほど大臣からもお答えがございましたように、一つは学校差の問題もあると思うのでございます。それからその地域の施設の状況等もございますから、たとえば芦屋市の場合におきましても、芦屋市の当局としては、こういう区域外就学者の実態調査を現在行なって、漸次減らす方向で進んでいるわけなんです。で、現在おるのが、三十三年度における市外の就学者は小学校八百六十九人、中学校六百七十二名ということなんです。ですからこれを今漸次減らすという方向できているわけなんです。ですから現実に……。
○岡三郎君 そんなことを聞いているのじゃないのですよ。ああいうそらっとぼけた答弁は困ると思う。言っていることはわかるわけだし、もぐり入学はいけない、それからそれに伴うところの金を取るということは、もぐりを公認することだからいけないということを言っているわけでしょう。こういうことはいけない、いけないことをやめてもらいたいということでしょう。だからそれについては、原則的なことをやっていくということは当りまえな話なんです。現実にもぐりをいけないと言いながら金を取って認めている形が実際に行われているから、そういうことは直ちにやめさせる、だから金を取ることだけは、まずできることだからやめさせる、そういうことをやりますかと言っているのだから、それをやりますと答えてもらいたいのだ。
○政府委員(内藤譽三郎君) ですから私が申し上げておりますのは、もぐり入学というものは原則としていかぬことですから、この線に沿って各都道府県は地方教育委員会の御指導を願いたい、これが一点。それから同時に、従って寄付金等を取ることは適当でない、こういう指導はいたします。
○岡三郎君 適当でないからやめさせるということはできないのですか、適当でないから至急措置をしてやめさせますと。そこがはっきりしなければ熱意が全然それはないですよ。
○政府委員(内藤譽三郎君) 文部省としては、こういうことは適当でないからやめるようにという指導はいたしますけれども、その市町村に今までとの関連もあるだろうと思うので、具体的にどうされるかということは、私の方でも責任は負えないと思うのです。文部省としては、今申しましたように、もぐり入学はいかぬ、このために認めるような格好で寄付金を取ることは適当でないから、そういうことはやめるようにという指導はいたしたいと思います。
○秋山長造君 私はもぐり入学、まあこれも正式の言葉じゃないので、いわゆるもぐり入学ですから、よくないことだということがまあ含まれているわけですね。もぐり入学ということには。内藤局長がさっきおっしゃったような町村合併の場合だとか、あるいはその他の通学距離等の問題で、当事者並びに双方の教育委員会の間で話し合った上で越境入学を許すという場合は含まれていないのですよ、私が今質問していることには。そういうことは別に弊害がないことですからね。ただ問題はもぐり入学なんです。特にもぐり入学ということは、具体的に言えば、たとえば番町幼稚園、番町小学校、麹町中学、日比谷高校、東大と、まあ俗に言うこういうエスカレーター・コースですね。要するに、そういうことをねらっての越境入学を称してもぐり入学と言っているわけだと思うのです。だからもぐり入学は原則としていかぬではない、絶対にいかぬと思うのです。また、そういうことを許すべきじゃない。いわんや小さい子供のときから、家に金さえあれば、親に社会的あるいはいろいろな力さえあれば、してよくないことが堂々と通用されるというような、一種の特権意識を植えつけていくということは、私はもってのほかだと思うのです。だからそういう意味で言っておるのですから、原則としていけませんというような、なまぬるいことでなしに、もぐり入学は文部大臣として絶対に許さぬ、現にやっておるものは、すみやかに住所に帰れというぐらいな、やはり強い発言をしてもらわなきゃ、今の局長のような発言では、これはあまり意味ないと思うのですが、こういうことにこそ、もう少し勇気をふるってやってくれなきゃ、あんた要らぬことにばかり元気出して……、どうですか、今の岡君の質問も含めて、きっぱりしたことをお答え願いたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 秋山君なり、岡君のおっしゃるお話はよくわかりました。また、局長のお答えも、それと私は筋は違っていないと思っております。文部省といたしましても、いわゆるもぐり入学がよろしくないということは明瞭なことであります。そういうことのないように措置をいたしたいと思っております。ただ問題は、実情というようなものもございましょうし、また、文部省の立場、地方の教育委員会の立場、いろいろございましょうから、その措置をどういうふうな形でやっていくかというようなことについては、私にも多少検討さしていただきたいところもございます。話の筋はよくわかっておるつもりですから、一つ検討さしていただきたいと思います。
○秋山長造君 その具体的な措置ですが、これもやはりこの際がチャンスだと思うのです。これも年を越すようなことになりますと、これは事実上間に合わない。というのは、この春の三月十三日に局長名で出された通達にしても、三月末になっても、東京都あたりは都の教育長で握ったまま、ちっとも区の教育委員会なんかに流れておらない。いわんや現地の学校の校長なんかは、そんなこと何も聞きません、知りませんというふうな状態だったのです。これは東京都が特に勤評問題なんかに血道を上げられて、そうほかのことは耳に入らなかったのかもしらんけれども、しかし、数からいうと圧倒的に東京都内に多いと思う。たとえば千代田区とか、文京区だとか、そのほか東京都内に一番多いと思うのです、エスカレーター・コースをねらったもぐり入学というものは。しかも寄付金を取っているというようなものも、数からいえば東京都あたりは非常に多いんじゃないかと思うのですが。そういうことをやはり教育長あたりでじっと握って、なるべく間に合わぬように、時期おくれになって実害がないように末端へ流すという、そういう態度というものは私はけしからぬと思うのですよ。大体、文部大臣は地方の府県の教育長あたりの任命については承認権を持っておられるわけですね。非常に強い発言権を持っておる。そういうときに、一体もぐり入学なんかを天下ごめんで認めておったり、あるいは寄付金なんかをやたらに義務教育の学校で取らしておるのを、そのままにしておるというような教育長なんかを、もう少しこれこそ強く指導助言を私はやるべきじゃないかと思う。これはやはりこの千代田区なんかでも、越境、もぐり入学が多いために有形無形の形において、事実上地元の子供というものは、その犠性になっておるのですよ、ほうっておかれるというか。やはり遠方からくるのは、大体社会的にも有力者が多い、あるいは経済的にも金持ちの子が多いというようなことで、どうしてもそこらがPTAなんかの実権を握って、そうして何でもかんでも寄付に持って行ってしまって、そうして寄付だ、寄付だというようなことをやる。そうしてある程度地元の親に対しても平等に割り当てる、親は子供かわいさに、泣く泣く寄付なんかつき合っておるという例を私は若干知っておりますが、調べて見ればたくさんあると思います。ですから、これはもう原則としていかぬというようなことでなく、絶対に許さぬというような態度で、強くやはり行政措置もやってもらいたいわけですが、同時に文部大臣として、いろいろ世間にアピールする機関はあると思いますから、強くアピールしてもらいたいと思う。来年の四月の新学期を間近に控えておる今ですから、これはぜひ早目に手を打っていただきたい、いかがですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お話しの御趣意はよくわかりました。私としましては、なお検討いたしまして善処したいと思っております。さよう御承知願います。
○秋山長造君 善処は、もう一度繰り返して申しますが、早急にやっていただきたい。そうしてそのやられたことについては、機を逸せず、やはり私どもにもそれを知らしていただきたい。それからさっきの金を取るという面もいいですね。それはおやりになるですね。それからもう一つは、これもやはりエスカレーター・コースと実質的には同じなんですが、国立大学の付属中学だとか、付属小学校なんかに対して、ずいぶん子を持つ親としては、やはり魅力を感じておるわけなんですが、特に地方においてはそうだと思う。そういう場合に、やはりこの付属学校の場合には、学区というものがどうもはっきりしていない関係もあるのですが、事実上はもぐり入学が行われるわけです。地域を越えて行われるわけです。しかもその場合に、子供ももちろんですが、特に親は付属中学だとか、付属小学校へ自分の子供をやるということに、どういいますか、一つの特権的な気持というか、みえというか、満足感というか、そういうものを大いに感じて、そうして猛烈な競争をやるわけです、あの手、この手で。そうして入る子供に対しては、その親の非常に入れたがっておるという気持を半ば利用して、そうして国立学校でありながら莫大な寄付金を取っておる。これはおそらく全国的にそうだろうと思うのですが、そういう事態を大臣は御承知になっておるかどうか。それからまた、そういうことは一体そのまま野放しにすべきものか、私はすべきものじゃないと思うが、そういうことをやるから、よけい特権意識を植えつけるというようなことになってくると思うのですが、これは具体的な例は一々申し上げませんが、全部の付属学校がやっておることです。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 国立の関係は、いわゆる学区制というふうなものの関係上、普通のもぐり入学というような問題は、あまり起らないかと思うのでありますが、競争が激しいというような関係上、寄付金を取るとか何とかいうふうなことで、それを制限しておるとかいうふうなことがありといたしますれば、これはよほど検討を要する問題だと思うのであります。私も実は国立でそういうことがあるとは思っていなかったのでありますが、十分一つ検討さしていただきたいと思います。
○秋山長造君 これは大臣の地元の広島なんかでも、ちょっとお調べになったらすぐわかりますよ。これはもうどこでも相当のものですよ。そういうことも一つ至急に調らべられて、そういうことはやはり義務教育、義務教育じゃなくてもそうですが、特に義務教育の段階で、親の社会的な地位とか、親のふところ工合だとか、そういうことが子供の進学等にいろいろの形でからむということは実に遺憾だと思うのです。これはぜひ重大な問題として取り上げていただいて、そうして、そこらはきちっと義務教育らしくやっていただきたい、この点は特に要望しておきます。 それから、さっき松永前文相がしきりに言われておった立法措置の用意ありということで、それに向って研究をするという話があったのですが、これは何ですか、文部省の方で実際に研究をおやりになったのですか、どうですか。
○政府委員(内藤譽三郎君) 私どもは、今のところ行政措置で事足りるのではなかろうか、まだ具体的な立法措置の段階まで入っておりませんです。
○岡三郎君 そうするというと、この松永前文相の答弁では、法制化をしなければいかぬのではないかというようにも考えております。その点は今研究中でありますけれども、何とか一つの方法をとらなければならぬというふうに考えておるということで、相当強い態度が出ているわけですね。立法化という前に、行政措置でできるというならそれでけっこうなんですよ。だからこれが言われて相当な日月がたっているわけで、結論として先ほど言ったことに通ずると思うのだが、行政措置でこうこうする、それでなお不十分であったということになれば、やはり立法の段階に進まなければならぬということになると思う。それを明確に言ってもらいたいと思うのだが。今、秋山さんの発言した付属の学校について、私も一つの見解を持っているのです。付属の学校は大体一学級の定員が四十名ですよ、最近は三十五名のところもあります、場所によっては。こういうふうに考えてみると、私は少いということはけっこうだと思うのですが、国立のほうがそういうふうな形になっていて、公立は五十名という大きいきまった線があるのですが、なかなかそうはいかぬということで、五十五名ないし六十名というところもあるわけです。そういうふうなことを考えてみるときに、教育の機会均等という広い立場から考えて、国立だけ理想的な環境を与えて教育研究をさせると言っても、現実の多くの学校は数多く生徒を収容しているわけです。だから私は付属の研究というものは、一体、現実に出ていく先生方に対してどれだけの力になるのか、四十名ないし三十五名の子供を教えて研究をして、実際に社会に出て行った場合に、教えを受けた教生が先生になった場合に、五十名以上の学童を教えるということになるというと、私は付属というものは特権的な教育の場になっておるということを、政府は肯定せざるを得ないと思う。というのは、なぜかというと、全体的に教育の機会均等という面から言って、国自体が、現状に即して全部を引き上げるということをやっておられるけれども、現実はあまりにもそこに差があり過ぎるわけです。それだから全部付属の方に行きたいという気持を持つのは私はやむを得ないと思う。そういう面からみると、付属というものが、地域における特別な一つの教育というものをやっておるということになると思う。だからそういう点で、文部省自体としては、やはり一般的な義務教育に関する教育をしようということを小中等で立てるという場合に、やはりこういう点についてどう考えておるのか。たとえば、形は戦前と今と変っていないんですよ。そうして、しかも義務教育の段階において入学試験めいたことをやっているわけですね。義務教育においてそういうことを許しておけるのかどうかということも考えてもらわなければならないと思います。だから付属というもののあり方について、これには私たちは非常な疑問を持っているのだが、文部大臣が知らなかったら局長でもけっこうですが、お考えを聞きたいと思う。根本的な一つの問題として……。
○政府委員(内藤譽三郎君) 国立の付属は厳密な意味で義務教育じゃないと思うのです。と申しますのは、義務教育の課程はやっておりますけれども、就学の義務はないわけであります。父兄が好んでそこに希望されるわけなんであります。また、子供もそうであります。この付属を置いている趣旨は、一つの実験学校でございますので、その中でどういう教育課程を教えられるか、ある意味で子供はモルモットにされると思う。ですから、その点十分御承知ないと、この学校へ入っても意味ないと思う。ですから、どういう教育課程を踏むか、あるいはどういう方向で教育されるか、これは父兄はあげて学校の方針に従っていただかなければならない。こういう意味で、普通の公立学校における義務教育の内容とは必ずしも一致していないと思う、ある程度、付属にはそういう余裕を与えているわけであります。ですから、これが教育効果に及ぼす影響がどうとか、いろいろと研究するわけでございます。普通の公立学校はこれは義務教育でございますので、この点は私は根本的に違うのではなかろうか、もちろん付属の実験研究の結果、りっぱな成果が上れば、これは公立学校に及ぼすように私どもも措置をいたしたいと思う。そこで、こういう点で特殊な、付属学校としては使命を持っている。 それから、今お尋ねの生徒数の問題でございますが、最近は四十あるいは四十五まで入れているようでございます。できるだけ数を少くして、いろいろな実験をするのは、数が少い方が実験しいいと思う。そういう趣旨で数が少い、公立学校につきましては、もちろん私どもも五十以下にいたしたいというので、先般、学級編成の基準に関する法律をお願いいたしまして、今後五カ年間に五十以下に切り下げたいという予算措置及び法制措置をとったわけでございます。ですから、原則としては学級規模の少い方が教育的効果は上ると思うのです。そういう点も含めて付属はいろいろと検討する、ですから特殊な立場で、特殊な地位を持っているということを御承知いただきたい。
○岡三郎君 今のお話の中で、付属の行なっている小中の教育は義務教育でないというふうに言われたのですが、義務教育でないということですと、義務教育でないものに国が経費を支出するのですか。
○政府委員(内藤譽三郎君) 私は、内容は義務教育の段階を行う、しかし付属は私は義務教育でない、厳密な意味で義務教育でないと申しましたのは、父兄はその学校にやる義務がないわけです。公立の場合は、学区内における父兄は、保護者は児童を就学させなければならない法律上の義務を負っているわけであります。法律上の義務を負っているから義務教育と申すのであります。ですから、付属は内容は義務教育段階と同じようなものをやっている、(「私立学校でやったって義務教育だ」と呼ぶ者あり)この点は従来の法制の体系といたしまして、昔の国民学校令等におきましては、私立学校と国立学校は義務教育を行なったものとみなすという規定をとった。今回の学校教育法では、お説の通り義務教育として扱っております。しかし扱っておりますけれども、私が申します厳密な意味において、父兄が義務を負っていないという意味においては、義務は受けていないと、こういう意味です。
○岡三郎君 そんなばかな話がありますか、学校教育法の中で義務教育と規定しているのです。そういう意味で厳密とか厳密でないとか、いろいろなことを言ったって、義務教育ですよ。付属の小中でやっていることは義務教育でないと初中局長が言うなら、付属というところは実験学校です。あなたたちのそうすると干渉する余地がないのですよ。何をやってもかまわぬということですか、そうじゃないでしょう。やはりいろいろ実験はするけれども、対象になる生徒に対しては義務教育を行なっているのでしょう。
○政府委員(内藤譽三郎君) ですから、私が先ほどから申しますように、内容は義務教育でございますけれども、しかし、これは公立学校に許されている幅と相当違うのです。ですから内容を、学年の少い、学年別の編成を変えるとか、いろいろ工夫されるわけです。ですから内容も公立学校における義務教育と同じではない、こういう意味でございます。
○岡三郎君 そういうことを言っているのじゃない。とにかく私は行われていること自体、義務教育だと私は思う。そういうふうな点で、国というものがそこでいろいろ研究するが、数の少い方が研究にはいいというけれども、数の少いところで研究したものを、数の多いところへ持って行って適合するかどうかは、私はこれはやはり実際に即しないじゃないかという考え方を持っている。四十人や三十五人で研究したものが、六十人のところに行ってどういう実際の効果が及ぼされるか、これは一般の研究、科学研究と違って子供というものを対象にした場合に、四十人ではできるけれども、六十人ではできないということが一ぱいある、実際は。それは教育というものについての実際の合理性というものを考えるので、付属の中でも、いろいろ数の多い学校でもやるということを考えたり、それぞれの地域によって、そういう問題については運用しておりますが、私は、やはりそういうふうなことを言っているから、付属というものが受験学校に成り下っていると思う、事実は。どこへいっても皆そうですよ。付属に行く者は上級の入学試験の勉強ですよ。これ以外にない、実際やっていることは。だから、そういう現状から見て、先ほど秋山委員が言ったように、ここでやはり広義の意味において、私は広く考えて特権的な教育の場になっていると思う。私は、だからこういう面について、やはり地域的に解消して、そうしてやはり研究するといっても、ある能力の高い者ばかり入れて研究したって、一般普通教育に何の効果がありますか。レベルの高い者だけ選んで入れて、そうしてそういう者にいろいろなことをやってみたって、それはあなた、私からいわしむれば、ある意味では机上の空論ですよ。いろいろと能力の違った子供があって、その中でどういうふうな方法をとったらば教育効果があがるかということ自体が、現実の教育に大きな影響を与えると私は思うわけです。そういうふうな点で、何も数の少いことを否定しているのじゃないけれども、数が非常に不均衡なるがゆえに、ことさらに特権的な教育ということで、こういう学校が運営されているように私は見られる。そういうふうな点で至急に、もう五十名という法律の線を暫定的に破ってずっときているけれども、最近だんだん児童が減っているというので、何年か計画で、これを五十人にするということを言っておりますけれども、なかなかそういう点は期待できないと思う。付属の運営においても、そういうふうな受験学校的な方向にならぬように、真の本来の意味に帰るような形で、これを指導する私は責任があると思う。それでなかったならば、文部省の言っている答弁と、現実の学校の運営とは相当食い違っておるということになると思う。だから、そういうふうな点において、それが入学試験の学校になっておるのかどうかという問題について、私はなっていると思う。だから、そういうふうな点について、これが一種のもぐり入学的な特権的な教育になっているということの実態から、こういうものに対しては、やはり試験等はさせないように私はやるべきだと思うが、試験めいたことをやっていることを肯定しますか。
○政府委員(内藤譽三郎君) いずれにしても、志望者がたくさんあれば、これは選抜せなければならぬ。どういう基準で選抜するか、それはいろいろあると思う。お話しのように優秀なものを一クラス選ぶのも一つの行き方だし、それから地域から雑多に選ぶのも一つの方法、それから知能の薄いのを選ぶ、特殊学級を選ぶのも一つの方法、あるいは早生児だけを選ぶのもあると思う。ですから、どういう選び方をするかということは、これは学校が、そのいろいろな研究の実態とあわせて考えるべきじゃないかと思う。ただお話のように、これが受験学校のようなふうになったら、これは私は研究実験学校の使命を果さぬと思い、これはいかぬと思うのですが、文部省としては昭和二十三年以来、付属学校のあり方につきまして、いろいろと研究もし、また指示をいたしまして、だいぶ改善されたと思っておりますが、まだ改善されないやつがたくさん残っておりますので、特に受験学校にならぬように、実験学校としての本来の使命を果すように努力いたしたいと考えております。
○岡三郎君 私は、これでやめますが、ある特定の子弟が、付属とか、特殊学校へ行くということでね。私の考え方としては、自分の子弟というものを有力者がそういうところへ入れているので、一般の普通義務教育については、定員を減らすのにまことに熱意が薄い。大体、特権的な形になって学校が運営されているので、そこへ行く者は四十名ないし多くても四十五名ぐらいでしょう。そうなるというと、一般義務教育についてのこれは、いつまでたっても一学級がなかなか減らない。二部教授も依然としてあるわけです。だから、そういうふうな形の中で、やっぱり付属にしても一般公立にしても、やっぱり同じにするんだ。これは受けるものはみんな義務教育を受ける対象になるわけだから、そういうふうにして、やはり特別にそういうふうな国の費用で待遇を受けるという形の方向を指示しなければ、この風潮は私はやまらぬと思う、実際問題として。だから、私は大体有力者の子弟というものは、県にいくというと、県庁のお役人さんとか警察の署長さんとか、税務署の署長とか、あるいは一般会社の重役とかいうものがみんな付属ですよ、付属へ行っておる。だから一般の地域の学校に対する関心というものは、そういうところは非常に薄い。そういう面において、やはり教育の振興というものにブレーキがかかっておると私なりに私は考えておるわけです。だからそういうふうな点について、少くするならば、ひとしく国全体の、いわゆる児童の定員を減らせるというふうな方向でいかないと、いつまでたってもこれは受験学校に堕しますよ、今の状態では。そういうふうな点について、私は文部省の方として十分こういうことを検討してもらいたいと思う。そうして付属も五十人ならば一般の学校も五十人になるように、特権的な教育に義務教育というものはならぬように私は是正してもらいたいと思う。こういう点になると、先のもぐり入学じゃないけれども、内藤さんが非常に遅疑逡巡して、答弁がことに不明確になって、勤評のときのような元気にならぬ。だから、こういう面についても、やはり熱意を持ってやってもらわぬと私は困ると思う。こういう点について私は実効が上るようにしてもらいたいと思います。
○委員長(竹中勝男君) 何か政府の方からこれに対して答弁ありますか。
○政府委員(内藤譽三郎君) 御趣旨に沿って大いに努力いたします。
○委員長(竹中勝男君) それでは予定の時間を過ぎましたから、これで本日の委員会は……。
○岡三郎君 ちょっと委員長その前に。きょう私が一番冒頭に言ったように、十月二十八日の統一行動に対して、稻田次官名の通牒で、この調査書が各都道府県に流されておるわけです。それに基いて疑義が栃木県で起っておりますが、どういう通牒を出したか、次官の依頼通牒、この内容を至急私の手元に届けてもらいたい。お願いします。委員会全部に回してもらいたい。
○湯山勇君 私ども記憶してから、付属の教育内容が問題になったのは、きょうが初めてだと思う。幸い東京には国立大学の付属なんかたくさんありますから、適当な機会に、やっぱり一つ調査をしてみたらいいと思うのです。これを一つ理事会の方で御協議願いたいと思います。
○委員長(竹中勝男君) それでは他に御発言がないので、本日の委員会はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会