内閣委員会 第4号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/10/21
会議録
○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。 先刻理事会を開きまして、一応決定をいたしましたことを皆さんにお諮り申し上げまして、御了解を得たいと思うのでありますが、先般の委員会で、藤田委員の方から、証人の喚問の要請があったわけでありますが、その点について御相談の結果、御要望は、川島幹事長、田中決算委員長、山本猛夫君及び山田長司君でありましたか、与党側の方からの御要望もありまして、ひとまずは、川島幹事長の証人ということは、保留をしておいて、決算委員長の田中彰治君及び山本猛夫君、山田長司君の三君を参考人として聞いて、そしてその結果、証人として喚問の必要があればそれに切りかえる。それからまた、聴取の発展の過程で、川島幹事長も証人として呼ばなければならなくなった場合には、その必要がある場合には、証人として呼ぶという大体要望がございました。それを、社会党さんの方では、ぜひこれは全部証人として呼んでもらいたいという強い要望が重ねて出されましたが、与党側のそういう要望もあるので、一度党にお持ち帰りをいただいて御相談いただけないだろうか、こういうことになっておるわけでございます。 それからこの進め方でありますが、機種選定の問題をまず取り上げて、源田及び佐薙、永盛の三君を次回に呼んで事情を聴取し、そうしてまた、必要があれば、これはそのときになって相談することにはなっておりますが、社会党さんの方からは、林統幕議長も呼んでもらいたいという要望がありました。そういう話を聞き、防衛庁長官及び関係政府委員の、機種選定についてのあらゆる角度からの検討を進めた上で、今の参考人の出席を求める、こういうことにした方が順序としてはいいのではないだろうかという要望が、これまた与党さんの方からあったわけであります。この問題についても、社会党さんの方からは、今日の段階では、あまり遷延させない方が、この審議を進める上においてはいいのではないかということで、そういう意見も述べられております。従って、参考人の出席を早く求めたらどうかという要望もありましたが、自民党さんの意向等そういう要望がありますので、それもお持ち帰りいただいて御相談をいただく、こういうことに実はなっておるわけであります。それから総理の出席でありますが、これは、機種選定あるいは防衛に関する、特に憲法第九条と関連する問題で出席を求めたいという強い要望もあり、これは機を見て出席を願うということに、これは大体申し合せがきまっておるわけであります。それからNBCの記者ブラウンに対する会見記の問題について、こういう今日論議されておる問題が起きておるわけでありますから、ブラウン氏の国会への参考人としての出席も、ぜひこれを求めてもらいたいという社会党さんの方から要望があったわけであります。これは岸総理の出席はもとよりこれはけっこうでありますが、記者の出席ということについてはどうだろうかというようなことが、自民党さんの方から特に述べられました。一応これは今日のこの時点では、呼ぶという決定にはなっておりません。保留という状況になっております。 それから科学技術会議の設置法案について、文教委員会から連合審査の申し入れがあるわけですが、まあ、法案の性質からして、これは当委員会においてもよかろうということになって、これも一応話し合いが決定をしたわけであります。 以上大体申し合せになっておりまして、ですから、きょうはこの委員会では官房長官が出席されておりますから、この前問題になっておりました提案者の資格の問題についての質問を終り、それから防衛長官に対して国の防衛に関する問題についての質疑に入る、大体こういうことになっております。次回の委員会は、日取りはきてめておりませんが、委員長の気持としては、大体木曜日、水曜日は本会議でありますので、定例日になっておりますから、木曜日の午前から引き続いて委員会を開きましてそのときにただいま申し上げました源田、佐薙、永盛三君の出席を願って質問を行うと、大体こういうような段取りにしてあるわけであります。
○八木幸吉君 今の理事会のお話しの御報告を承わったのでありますが、この前総理の出席をお願いしましたのは、NBC放送記者と総理との会見に関連して、憲法九条の問題が取り上げられた。憲法問題を所管している当委員会としてはその点を伺いたい、という点が一つと、それからもう一つは、機種選定の問題については、国防会議の議長として、また、総理大臣として総理の出席を要求したいということは、これはNBCの放送記者との会見の前からの問題であります。そこで、この前私が申し上げた、少し言葉が足りなかったかもしれませんが、できればこの問題を二つに分けて、総理に二回の出席をお願いしたいという意味の発言をしたわけでありますが、今の報告ですと、その点がもう少し、はっきりいたしておりませんが、理事会のお話しではこの問題は二つ全然別個の問題でありますから、分けて総理の出席をお願いするという意味であるか、あるいは一回、時間をたっぷり取って両方を合せて一回の出席をお願いする、こういう意味合いでのお話し合いであったか、その点もう少し突っ込んでお伺いいたします。
○委員長(永岡光治君) お答えいたします。それまで、二回に分けて、たとえば憲法九条の問題を中心にする問題と、それから記者との会見の問題についての質疑と、こういうふうに二つにはっきり分けての総理の出席を求めるという、そういう深い突き入った話し合いではございませんでした。ただ、当委員会としては、当然総理が出席すれば両方ともこれは問題になるだろうということは、当然これは予想されるわけでありますから、回数等はまだきめられておりません。
○八木幸吉君 今ちょっともう一つ私の意味が徹底していないのですが、憲法九条の関係は、放送記者との会見を主題として、たまたま憲法九条並びに防衛問題にからんでくると、放送記者との会見を中心としての総理の出席の要求と、もう一つは機種問題に関連した総理大臣なり国防会議議長としての資格における総理と、こういう意味でありまして、問題はだいぶ別なのでありますが、その二つを二回に分ければ一番いいのであるけれども、かりに一回にまとめるならば、問題がだいぶ広範にわたるから、相当長時間を必要とするというお含み合いで、今後お話をお進め願いたいということをこの機会にお願いしておきます。
○委員長(永岡光治君) 委員長としては、もとよりこれは重要な、特にこの内閣委員会に課せられた使命からいたしますと、きわめて重要な問題でありますから、一回で足りるとは考えておりません。ですから、これはもう皆さんの要望に応じて、これは総理といえども出席することが当然でありますから、しばしば出席をして、私は皆さんの御質疑に答えるべきだと、こういうように委員長自身は考えております。しかし、その日程等につきましては、またあらためて理事会等でお諮りいたしたい、かように考えております。
○千葉信君 今の理事会の委員長の報告の中で、どうもはっきりせぬところが一つあるのですがね。それは、川島君外二君の参考人としての喚問の問題、何かその前提として防衛庁の佐薙君外二君を呼んで、いろいろ機種問題について審議をしてみて、その結果に基いてその参考人の喚問という問題をはっきりするのか。その参考人の問題を、もうすでにはっきり呼ぶということに決定をしていて、そうして近い機会に防衛庁の佐薙君外二君を内閣委員会で呼んで審議を進めてみるということなのか。その点はどうですか。
○委員長(永岡光治君) お答えいたします。田中彰治君、山本猛夫君、山田長司君の三君の参考人としての喚問は決定いたしております。それから川島幹事長も、証人ではなしに、参考人としてはこれは出席を求めることになるわけです。ただ、いつ出席を求めるかというその時期については、もう少し機種の選定という問題について明確にした上で呼んだ方が順序としていいのではないか。こういうことで、そのあとにという話し合いがあったと、こういうことでございます。
○藤田進君 提案いたしましたのは、証人として法規上筋を立てて、やはり慎重に事を運んでいきたいという趣旨であったわけですが、これが参考人ということに与党の御主張があるという、その参考人、証人という関係においてはどういう御趣旨なのか。なぜ参考人で呼べるのに、証人で呼べないのか、この際明確にしておいていただきたい。
○委員長(永岡光治君) まず私からお答えいたしますが、足りないところは、御出席の理事の方から補ってもらいたい。できれば出席されておりました松岡理事の方からお答え願えば、なお正確になると思いますが、今たまたま席をはずしておりますので、理事会を主宰いたしました委員長としてお答えするわけでありますが、まあ、いきなり証人として喚問するということになると、やはりまあ何といいましょうか、儀礼といいましょうか、何といいましようか、そういう立場からもどうだろうか。もしこれが前例となっていく場合には、絶えず証人ということでお互いに発言をしたそのことに端を発してしばしば行われるということになると、必ずしも好ましい姿ではないのではないだろうか。そこで問題は、その証人と、それから参考人ということの立場になりますと、発言の権威といいましょうか、それがかなりウエートが違うのじゃないかというのが、社会党さんの心配しているところでありましたが、そういう問題については、まあ国会議員であるのだから、参考人になったからいいかげんな答弁をするとか、ごまかすということも、国会議員である以上はないだろうということを、与党さんの方からも、当然じゃないかということで、その証人必ずしも反対はしないのだが、発言をした結果に基いて、これはやはり証人としてただすべき必要があれば、証人として喚問することはごうも反対しないのだ、こういうことがあって、まず順序としてそういうふうに進めた方がいいんじゃないかという、こういう趣旨であります。なお、松岡理事が見えておりますから、松岡理事に。今、藤田君の方から質問がありまして、先ほどの参考人喚問の問題について、この前の委員会では証人として強く要望したのだが、理事会の話し合いのうちには、自民党さんの方からは、参考人という主張があったが、証人ではなぜいけないのか、こういう点についてただしたいということであります。で、一応私は、私の理事会での話し合いのうちのごく一部でありましたが、御答弁している際に、あなたがお見えになったので、敷衍をしてあなたから一つ……。
○矢嶋三義君 ちょっとその前に速記をとめて下さい。
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて下さい。
○藤田進君 この点については、まあ委員会の運営として理事会を持たれて、そこの概略が今委員長を通じて報告されたわけでありますから、私も、今委員長の経過の一端、結論らしきものについての御答弁は、そのまま、なるほどさようなものかという感じは受けないわけでありますが、一応、社会党の理事を通じて後刻また事情も聞いてみたいと思いますから、この点を、速記をつけてずっといきましても、議事進行上かえって適当でないかと思うのですが、まあ社会党の理事からも詳しく聞いてみたいと思います。
○委員長(永岡光治君) それでは、後ほど御相談いただきまして、党に御相談をしていただきたいということでお持ち帰りを願った話でありますので、後刻この問題は相談されると思いますので、さよう御了承をいただきたいと思います。ただいま理事会の報告を申し上げたわけでありますが、いろいろ質疑もありましたが、私の報告に基きまして、さらに再度この問題についての御相談をしたいと思いますので、さよう御了承おきを願います。 —————————————
○委員長(永岡光治君) 本日、山本利壽君が委員を辞任され、その後任として佐藤清一郎君が委員に選任されました。 —————————————
○委員長(永岡光治君) まず、議事に入ります前に、防衛庁長官の方から特に発言を求められておりますので、これを許します。
○国務大臣(左藤義詮君) 十月六日の当委員会における矢嶋委員の、安保条約が改定される際、沖縄、小笠原が日本の共同防衛地域に入った場合、F11F1—Fの改良型で、防衛上誤算を生じないかという趣旨の御質問に対して、私が、そういうような事態になりますれば、私どもはなお十分検討したい旨お答えしましたのは、機種をあらためて考え直すという意味でお答えしたつもりではありませんでした。しかし、さらに速記録について質疑応答の前後をしさいに検討いたしますと、機種についての御質問であることは明白であり、従って、私の答えが機種についてであると御理解されたのは、当然かと存じますが、私としては、広い意味で、もしそういう事態になりますれば、十分勉強して参らねばならぬというつもりでありました。不用意な発言で大へん御迷惑をおかけしましたことは、まことに遺憾であります。 この機会に、新聞等で非常に御心配をおかけいたしておると思います小松島の問題につきまして御報告させていただきます。徳島航空隊所属のS2F対潜哨戒機でございますが、これが民間船の須磨丸に発煙筒を投下いたしましたことが、新聞等で報ぜられまして非常な御心配をおかけいたしておると思うのであります。この演習は、紀伊水道の防備演習の一部でありまして、紀伊水道を通って大阪湾へ侵入する潜水艦を防御する、こういう演習をいたしておりました。徳島航空隊所属のS2F二機をもって潜水艦「くろしお」を標的として、これは潜水しておるのでございますが、磁力で、電磁気で水中探知を行いまして、その位置に発煙筒を投下しまして潜水艦の動静を確認する訓練でございます。電磁気探知機で潜水艦の位置を測定いたしまして、これに発煙筒をおろしておりまして、もう一回数分後におろしますると、その発煙筒の位置によってどの方向へどの速力で進んでいるかということがわかります。その演習をいたしておりました。これに対して爆撃の演習をいたしたわけではないのであります。 ところが、くろしおは御承知のようにわが国唯一の潜水艦でございますが、これを目標といたします訓練におきまして、一機がくろしおを目標にやっておりまする間、空中で待機しておりました、佐々木という三佐が機長をしておりますS2Fが、たまたま通りかかりました須磨丸を目標に選んだよりに思われるのであります。(「冗談じゃないよ」と呼ぶ者あり)これに対しまして、十九日の十一時二十三分でございます、飛行高度三百フィート、時速百四十ノットで須磨丸の上空に参りまして、その船が進んで参りましためとの航跡に、二分間の間隙をもって一発の発煙筒を落したのであります。投下いたしまする際には、計器面におきまして、飛行機の実際速度より少い仮定の速度、当日は飛行機の実速百四十ノットに対しまして仮定百ノットといたしまして意識的に誤差を作っておりますので、現実に電探いたしました船とは、相当目標をはずれるようなことになっておりまして、最初の二発はその通りに落下いたしたのでございます。ところが、その二発が終りまして、機長が訓練が終了したというので、搭乗員に所要の指示をするために機内電話で、乗組員四人でございますが、通話しているのでございますが、そのインタフォーンをもって通話しようと思いましたところが、操作を誤まりまして発煙筒を三発目を落下させた。これが不幸にして須磨丸の甲板の最後部から三メートルばかり前方、すなわち甲板上に落下いたしたわけでございます。このときには、先ほどの二発のような計器面における仮定の速度ではなくて、飛行機の速力が落ちておりまして、計器面の仮定速度、すなわち百ノットに近くなっておった際に落下せしめたものですから、こういう不幸な事態になったというふうに思われるのであります。 私どもといたしましては海幕長の指示をもって一般船舶の航行等は妨害しないよう特に注意を与えまして、各機指揮官もこれに応じて実施上配慮することになっておるのでありますが、先ほど申しましたように、くろしおを一機が目標にしておる、それを待っております間、熱心のあまり、まあ、たまたま通りかかった民間船を目標にして発煙筒を投下した。そのために乗客に非常に危険感を与えたということは、まことに申しわけないことでありまして、十分調査をいたしまして、今後この種の事故が再発しないよう万全の措置をとりたいと存じます。 なお、発揮筒は長さが四十七センチ、直径が七・三センチぐらい、海上に浮いておりまして、煙を出して位置を標示するわけでございます。従って重量も一・六キログラムのものでございます。私どもといたしましては、非常に恐縮いたしまして、事件発生とともに、現地の職員をそれぞれ関係先に急派いたしましておわびを申し上げておるのでありますが、なお一そう調査をいたしまして、かような事故が絶対に再発しませんように十分努力いたしたいと思います。非常に御心配をかけましたことを、とりあえず御報告申し上げます。
○委員長(永岡光治君) ただいまの左藤防衛庁長官の発言に対しまして御質疑がおありと思いますが、あとに譲りまして官房長官が出席されておりますので、その方から先に審議を進めたいと思います。 —————————————
○委員長(永岡光治君) その前に連合審査の件についてお諮りいたします。 去る十月十六日文教委員会から、本委員会に付託されております科学技術会議設置法案について連合審査会開会の申し入れがございました。この申し入れに応じて、文教委員会と連合審査会を開会することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 なお、開会の日取り等につきましては、両委員長協議の上決定することにいたします。 —————————————
○委員長(永岡光治君) ただいま官房長官が御出席になっておりますので、前回保留となりました内閣提出議案の提案理由の説明者に関する件について御質疑を願います。
○矢嶋三義君 官房長官はなかなか御多忙で御出席できないので、あなたへの質疑の保留されているのが若干あるわけです。さらに本日議題となっております戦闘機械の問題についても、従来の質疑の中で保留になっているものがあるし、さらに、あなたに各委員から質疑されるような問題もあるわけです。その保留になっている問題点について御多忙でしょうから、まずもって伺いたいと思います。 まず第一番に伺いたいことは、閣内において総理大臣とあなたの関係、さらに政党政治下において与党の幹事長の川島さんとあなたの関係、これらはスムーズにうまく行っていますか、どういうふうにあなたは認識されているか、まず大前提として、それを伺います。
○政府委員(赤城宗徳君) 総理大臣と官房長官である私との関係、また自由民主党の川島幹事長と官房長官である私との関係がスムーズに行っているかどうかということでありますが、万事スムーズに行っております。
○矢嶋三義君 では、その前提に立って伺いたいと思いますが、次に具体的な問題を伺う前に、まず伺いたいのは、十月六日の自民党の両院議員総会において、総裁であり総理である岸さんは、こういう調子の演説をしているのです。すなわち、最近国会の運営の正常化という美名に隠れて、そうしてわが党の政策の裏づけになる法律案件、あるいは決議案件等が、社会党の反対があるからといって出すのを、ちゅうちょするような傾向があることはいけないことだ。かりに社会党が絶対反対して、国会の正常化が乱れ、若干混乱しようとも、断固としてこれらを排除して国会に臨まなければならない、こういうきわめて調子の高いといいますか、演説を総理である岸さんが、総裁の資格において両院議員総会で演説された。これは全国の電波に乗って放送されました。あなたと岸さんとの間がうまくいっているとするならば、この演説も、あなたは承知済みであると思いますが、私はおだやかな演説でないと思うのですね。総理である人が、国会に補正予算も出るわけですが、予算案件、承認案件並びに法律案件について国会の審議を要請しようという立場にある総理が、そういう私は演説をするということは容易でないことだと思う。その出方によっては、こちらも覚悟があります。これは若い議員の血気にはやっての言葉ならわかる。これらの演説は、あなたが助言してさしたものか、あなたかどういう関与をしているのか。また、そういう総理の演説に対してあなたはどういうお考えを持っておられるのか、それを伺いたいと思います。その答弁次第では、私も考え方があります。
○政府委員(赤城宗徳君) 十月六日の今お話のは代議士会と思いますが、私は率直に言って、岸総理の演説がどういうふうでしたか、手落ちでありますが、聞いておりません。党の総裁として演説されたと思いますので、川島幹事長との打ち合わせがあったかと思いますが、官房長官として党において総理が演説されることについて助言云々ということは、今までいたしておりませんので、また、その日の演説でどういうことを言われたかということを助言もしませんし、また、する場合もありますが、実はどういう演説をするか聞いておらなかったわけであります。しかし、お話しのような演説だとすれば、私もあまりいいことじゃないと思います。総理あるいは総裁としても、社会党のいろいろな出方を反撃しても云々ということは、私が常に接しているのでは、そういう気持ちの演説は、私は聞いていないのですけれども、されたのはおかしいと思っているのでありますが、そういうことをされたとするならば、私もあまり好ましい演説ではないと、こう感じております。
○矢嶋三義君 その点については、いずれ私は総理に一回伺いたいと思うのですが、女房役としての官房長官の発言としては、今の発言を私は一応了とします。政党政治下、特に二大政党において、総裁と総理は不分離の関係にあるのですから、だから今のは総裁としてで総理でなかったというそういう詭弁は許されないわけです。それで政府と立法府の関係では、官房長官が一番接触面が多く、骨を折られる面もあるわけですからね、だから総理、総裁の発言というものは、院の運営にも非常に影響力を持つわけですから、官房長官としても重大関心を持たなければならぬと思う。きょうのあなたの答弁は、私は一応了としておきます。必要があり、あなたが希望なさるなら、どの放送局にでもありますから、NHKの録音でもお聞きになって、あなたがそういう角度から助言をする必要もあるのじゃないか、私は私見としてそういうものを持っておる。 それはそこでとどめて、具体的に伺いますが、総理大臣が内閣を代表して法律案件を国会に提出する場合は、提案理由の説明というものは、所管国務大臣がやるべきものだと考えますが、あなたはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 提案理由の説明は、原則として所管の大臣がすべきものだ、こう考えております。
○矢嶋三義君 内閣官房長官並びに総理府総務長官は、これは法の定むるところによって、国務大臣をもって任命することができることになっておるわけですね。国務大臣になれば、閣議に案件を提出する権限があるわけです。それで閣議決定されて、総理大臣の責任の立場において立法府に審議を要請する、こういうことになるわけですね。ところが、内閣法に明確になっていますように、官房長官なり総理府総務長官は、閣員ではないわけですね。案件を閣議に提案する権限もないわけです。もちろん、採決権などもないわけです。そういう総理府総務長官とか官房長官が、案件の提案趣旨説明をするということは適当じゃないと思う。まず、この原則論をあなたはどうお考えになりますか。
○政府委員(赤城宗徳君) 先ほど申し上げましたように、官房長官や総務長官は閣僚ではありません。でありますから、内閣の所管に関するもの、あるいは総理府の所管に関するものは、総理大臣が提案理由の説明をするのが筋だと思います。ただ、この際申し上げておきたいことは、両院におきまして従来から主任の大臣のほかに、政府委員も提案理由の説明をする、こういうような慣例になっておりますことは、御承知の通りであります。そこで内閣関係法案、総理府関係法案につきましては、内閣総理大臣が主任の大臣であることは申すまでもないのでありますが、国務大臣を長とする自治庁など外局関係のものを除きまして両院とも委員会における提案理由の説明は、新しい憲法下になりまして内閣官房長官または内閣官房副長官、総務長官制が設置されましてからは、内閣官房長官あるいは内閣官房副長官または総務長官が行うことが常例になっておる、こういうふうに了承しております。
○矢嶋三義君 その認識は間違っているのです。常例になっていないのです。官房長官は当初国務大臣をもって任命することができなかったのですが、吉田内閣当時に非常に所管事項が多いからというので、国務大臣をもって任命することができるように改正したわけです。さらに、三十一年に総理府総務長官という職制を設けた。そのわけは総理府所管の仕事が多いからというので設けた。国務大臣でなければ都合が悪いからというので、社会党も賛成して総務長官を国務大臣をもって任命することができる、こういうような規定を設けたわけです。吉田内閣当時は、御承知のごとくなくなった緒方さんが副総理で、そしてこれらの問題を全部扱われたのです。だから閣僚は十七名という定員があって不自由で、あなた方はどうかするというと大臣をふやそうふやそう。この前の改正のときにも、各省の政務次官を二名にするというのを出してきたが、大蔵、農林等一部だけ認められてあとは切られた。先般の通常国会においても、各省庁に官房長を軒並みに出してきて、衆参の内閣委員会で大削減を受けたことも御承知でしょう。だから具体的に言うならば、今の十七名の国務大臣でやれるはずだ。たとえば池田さんを副総理に任命しておけば、総理大臣が忙しいならば、池田さんはその代理が務まるわけだ。ところが、池田さんは今何をしているか、池田さんは。佐藤大蔵大臣がインドに旅行されたときは、私は池田さんがエキスパートだから代理を務められるのだろうと思ったら、代理もされないで、三木さんがなられた。池田さんは何もすることがないじゃないですか。そんな国務大臣を、党内事情があるのかもしれませんが、十七名の中から取るから、総務長官とか官房長官を、国務大臣をもって任命することができぬわけですね。それで閣議において提案権のない者が、立法府において内閣を代表して提案趣旨を説明するというようなことは筋が通らぬ。けれども、場合によれば、私どもはそういう公式論だけを言わないで、あなた方と妥協してきた場合もある、する用意もある。そういうことをやっておりながら、一方では岸さんが、社会党が若干反対して国会が混乱しようとも、わが党の政策である案件は、国会が混乱しようとも、断固としてやらなければということで、そうして若い議員諸君の拍手かっさいを受ける。ぜなそんな演説をしなければならないのか。そうだとすれば、この表座敷に出てくる場合には、はっきりと岸さんが来て趣旨説明をするなり、それから岸さんが忙しければ、池田さんという人がいるわけですから、副総理なら副総理という正式のものはないけれども、慣例で副総理に任命して、そうして責任の国務大臣として立法府に臨むべきであると思う。補足説明は、それは官房長官あるいは総理府総務長官で十分私どもは納得する。そういう点が私は乱れておると思う。だから、こういう点が明確にならなければ、簡単に提案理由を聞くわけにはいかぬというので保留して、本日伺っておるわけです。これはあなたにお聞きするのは無理だと思うのですが、いずれまた機会があれば、岸総理にも伺いたいと思うのですが、池田さんみたいな人を副総理のような仕事につけるべきではないか。国務大臣として何もしておらぬでしょう。それで、そうしてあなたなり総理府総務長官は国務大臣に格づけして、そうして責任の持てる立場で立法府に臨んでいくべきだと思う。私ども政府委員で提案理由の説明がよろしいなんということを、一度も言ったことはありません。補足説明は政府委員でいいのです。しかし予算案であろうが、あるいは法律案件であろうが、あるいは条約の承認であろうが、最初の趣旨説明というものは、必ず当該国努大臣にさせることを要求してきております。また、そうあるべきであると思う。これは何ぴとも反駁のできないところだと思うのですがね。いかがお考えでしょうか。
○政府委員(赤城宗徳君) 筋は今のお説の通りだと思いますけれども、従来各省大臣が提案理由を説明すべき場合におきましても、政務次官等の政府委員が説明しておる慣例もあります。あるいはまた、総理大臣が主管の大臣ということであっても、官房長官とか総務長官が提案理由を説明しておる慣行もあると私は思っております。お言葉を返すようですが、今国会でも独禁法の改正等につきまして、これは総理大臣が提案理由の説明をすべきところでありましたけれども、総務長官がかわって本会議で説明をいたしたこともあります。こういう例もありますので、できるならば、今のお話しのように、主管の大臣である総理大臣が説明すべきものと思いますけれども、官房長官あるいは総務長官等の説明によっても、提案理由の説明は御了承願える場合もある、こういうふうに考えております。
○矢嶋三義君 独禁法の問題で、衆参の本会議で総理府総務長官が政府を代表して趣旨説明をやったというのは、大きなミステークですよ。これは行政府、立法府双方の大きなミステークだ。そういうものを根拠に論じたのでは、お話しにならない。閣議に提案権もない人が、立法府の審議を仰ぐに当って、しかも本会議で政府を代表して趣旨説明をする方もする方だが、させる方もさせる方、これは行政府、立法府ともに大きなミステークだ。私は初めからそれを指摘している。しかし、これは行政機構関係は内閣委員会の所管だから、僕は内閣委員会で論ずるというので保留しておいて、先般来から論じているわけです。そういうあやまちを基礎に論じてもらっては困る。あやまちは改めなければならぬ。あなたの答弁はわかりましたからして、いずれこの問題については、内閣委員の同僚諸君とも協議をいたします。また、総理大臣から進んで何らかのごあいさつが内閣委員会にあってしかるべきだと思う。でなければ、そのものが当然の姿であるというふうに思っておったら、とんでもないことだと思う。私は十月六日に岸さんが自民党両院議員総会でああいう演説をされなければ、私はこの内閣委員会でこれほど言いません。ああいう演説をされたから、された以上は、こういう問題も触れざるを得ないというので申し上げているわけです。岸総理の多忙のときですから、本日お呼びできなかったわけですから、この旨を補佐役である官房長官から総理にお伝え願いたい。そして党内の同僚諸君とも協議の上、あらためて意思表示をしたいと思います。 委員長に申し上げますが、この件については、私はこれで一応打ち切ります。それで他の委員の方に、この件に関して質疑があればしていただいて、あとは例のジョンソン基地の勧告文の件で、保留してあるのを官房長官に聞きたいと思います。
○藤田進君 先ほど来の官房長官のお答えは、原則として所管大臣がやる。内閣の所管については総理大臣であるが、しかし常例として総務長官というように答弁されておるように思う。間違いないですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 常例としてもありまするし、国会で発行しておりまする国会の慣行の慣行例といいますか、慣行例などを見ましても、主管の大臣がいなくて政府委員である政務次官とか、その他も提案理由の説明をする場合があり、そういうことが相当慣行的になっておる。こういうことに相なっておりますので、常例でもあり、また政府委員が説明することも慣行となっておる、こういうふうに私は了承しておるということを申し上げたのであります。
○藤田進君 今二つに分けて発言された用語で、慣行と常例というのは私にははっきりわかりませんが、これは後ほど御説明いただきたい。従来、たとえば本会議のような場合に総務長官の説明を了とするかどうかということは、所管大臣の場合にはそういう議論は議運においても出ていない。委員会においても出ていない。それは結果として、所管大臣ではないが、政府委員である者からの提案理由の説明を聞こうか、いろいろな事情がこうこうだということで、そのつど会派間の了解があって、しかる後それらの人々に提案の理由の説明をさせている。調べてごらんなさい。今度の総務長官の独禁法の場合でも、議運では話が出て、その結果がこの際は聞こうということになっている。結果だけが、常例あるいは慣行と言われるが、その過程に条件として、やはり話し合いの結果、そのつどこれを許すということになっている。そう考えませんか。それもくっついたものであることを、これは分けて考えちゃいけない。それぞれの、議運なら本会議の運営について、委員会は委員会の理事会で運営その他についてもう慣行なり、あなたの言う常例なんだからいざ仕方がない、自動的に提案者の方から申し入れがあれば、もう議論の余地なくこれをのむというものではないのです。少くとも当院においてはそうなっている。その点はどう理解しますか。
○政府委員(赤城宗徳君) 法律を提案いたします提案者は、主管の大臣でありますから、主管の大臣が提案理由の説明をするのが原則だと思います。しかし、政府委員等において説明をしたからといって、主管大臣がその責任を回避するということではありませんので、慣行に従って政府委員が説明をすることも、私は悪いといいますか、まずいということはなかろうと思います。今お話しのように、そういう場合には、委員会の理事会とか議運とかにおいて話し合いといいますか、そういうことが行われている、これも一つの慣行である。こういうふうに了承いたしております。
○藤田進君 これも一つ、あれも一つと言われるけれども、例を示していただきたいのですが、提案者の方から、所管大臣ではないが、総務長官なりあるいは官房長官というものが、いろいろ議論があって、会派間の話し合いが一致しないけれども、もう常例なり慣行なりで、一方的にそういうことを実施したというためしがありますか、これはない。あれば示してください。いつどの場合にやっているか。やはりそのつど、あなたのおっしゃる言葉をそのまま受け取っても、原則をやはり通す。しかし、その間に例外があるとすれば、その例外については、そのつど会派間の話し合いがついてやっていると思うのです。その点は常例とか慣行とかいうことで、提案者のほしいままにそれがもう慣行化、常例化されていると理解されることには、誤まりがあると思う。どうなんですか。
○政府委員(赤城宗徳君) 先ほどから申し上げておりますように、提案者のほしいままに、勝手に政府委員が提案理由の説明をするということでは、不適当だと思います。しかし、繰り返して申し上げますように、政府委員が提案の趣旨説明をいたしましても、それは慣行がありますので間違いではない。しかし、そういう場合には、委員会の理事会とかあるいは本会議でいいますならば議運等で、あらかじめ了承を得てやっていることだと私も承知しております。ただ、従来政府委員が提案理由の説明をいたしましても、慣行通りで問題にならずに、そのまま受け入れられている場合もありますので、相当これは慣行的になっているというふうに私ども考えているのでありますが、原則としては、主管の大臣が提案理由の説明をすべきだということにつきましては、変りなく思っております。
○藤田進君 今までそのまま議論なしに参議院で所管大臣ではないが提案理由の説明をした、審議過程における答弁質疑等は、これはもうすべり出してあとやっているし、政府委員でない人たちも説明員といったような形でやっていることは承知しているのです。しかし、問題になった場合に、かつ提案者の方でそれが提案を押し切ってやったという例は、当院ではない。衆議院のことは私も調べておりませんが。やはり会派間で一致しない場合には、原則にかえって所管大臣が提案理由の説明をする、そういうふうに理解しますか。
○政府委員(赤城宗徳君) 衆議院におきましては、大きな法案でないものは、大てい政務次官が提案理由の説明をすることがこれはほとんど慣行になっておりまするが、参議院におきましては、今お話しの通りだと思います。ですから各派の間において異論があるといいますか、一致しない場合には、やはり原則として主管大臣が提案理由の説明をする以外にないと思います。
○藤田進君 それはただいまの点で了解いたしました。 —————————————
○矢嶋三義君 次に、簡単に伺いますが、先般ジョンソン基地に起りましたロングプリーの事件について官房長官の質疑だけは保留になっておるので、簡単に伺いますから明確にお答え願います。それは事件の内容は、御承知ですから時間もかかりますから申し上げません。行政協定十八条の支給基準によって犠牲者宮村君の遺族の補償金は三百五十円の千六十日分約三十七万一千円、かように相なるわけです。で、これ以外に米兵のお見舞金が若干あるということが、調達庁長官から答えられたのですが、そのお見舞金と補償金とは別個の問題です。で、先般調達庁長官に伺ったのですが、答弁が不十分で、自民党並びに緑風会の各委員からも、積極性と誠意が足りないじゃないかという立場から、鋭い追及を受けたのです。しかし、調達庁長官は事務当局だもんですから、はっきりわれわれの納得する答弁ができなかった。官制上直属長官は左藤防衛庁長官です。それから赤城さんは総理大臣じゃないのですけれども、総理大臣との間の関係はきわめてうまくいっておるという官房長官で、内閣の代表者と考えてよろしい、その立場から伺う。ということは、この行政協定の十八条の支給基準に基いて計算して、そうしてその書面に政府は意見書をつけるわけです。どの程度の補償をされてしかるべきだという政府勧告書がつくのですね。でこれが米軍に渡されるわけです。そうすると、米軍の方はその政府の勧告書意見書を尊重して金額を決定することになっておる。だから昭和二十七年五月十六日にこの支給基準はきまっておるのですが、その後三十一年に一応改正になっていますが、その基準で算術計算したものが、最終的なものではないわけです。で今の貨幣価値からいっても、この三、四十万円というのは妥当でないという議論がこの前鋭く行われたわけです。私も例に引いたのですが、アメリカの農夫は一時間一ドルだと一日八時間労働として、今度宮村君の受ける額というのは、わずかにアメリカの一農夫の四カ月足らずの金額です。ああいう悲惨な最後を遂げた日本の青年の生命の代償が、アメリカの農夫の四カ月にも足りないという、それほど日本の国民の生命というものは軽いものか、アメリカ人によって軽視されていいのか、こういう立場から対比すれば、話の余地はあると思う。従ってこの前のこれらの点については、与野党意見が一致したわけですが、政府としては、また宮村君の遺族から調達庁長官を通じて送られてくるであろうその調査書に、相当積極的に勧告意見書をつけるべきである。これは私の見解、でその金額は、私はここであまり突っ込んでは申しませんが、あのお母さん一人で、今五十二才あと二十年生きるとして一カ月一万円で生活するとして、一年で十二万円として、そうして二十年間として約二百四、五十万円程度の補償はしてやってしかるべきじゃないか、久保山未亡人の場合は、六百五十万円受けているわけなんですがね。そういう立場から、事務当局がこの支給基準にこだわり過ぎている点は、どうも実際的でない。その立場から伺うわけで、御両人の御所見を承わっておきたいと思います。
○政府委員(赤城宗徳君) ただいまのお話しの中で、この前委員会等におきまして、調達庁長官からも申し上げたと思いますが、一日三百五十円とこういう基準は、収入のない者に対する一般的な基準であります。学生に対する一般的な基準であります。しかし、宮村君の場合は、アルバイトもしておりましたようですし、一定の収入があったということがわかっておりますので、これは収入のある者と同じ扱いにして、補償額を決定するというのが一応の今の線で、この点につきましては、日米相互においても了解いたしております。しかし、お話しのように意見書等をつける場合におきましては、私どもといたしましては、今お引きになった例等もありますので、こういう気の毒な立場にあり、また、遺族の場合等も考えまして、できるだけ多くの補償を要求すべきであるというような意見書をつけたい、こう考えております。
○国務大臣(左藤義詮君) 今官房長官から申し上げましたように、楽団等に勤務して相当の収入も得ておる、そういう実情を今十分裏づけるような努力をいたしましてできるだけ多くの補償を得たいと思っております。意見書等につきましては、調査書が出ました上で、官房長官から申し上げましたように、私どももできるだけの善処をいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 もう一つ、これは官房長官だけ伺っておきますが、これも保留されたのですが、それは平和条約を結ぶときに、駐留軍から損害を受けた人の損害賠償請求権を国が放棄したわけですね。放棄したことは、戦争があった場合の異例な措置なんですね。従って国が放棄したのであるから、あと補償しろというのは筋が通ったはずだと思う。従って厚生省所管の時代、さらに調達庁に所管が移って以来、若干の手直しをされております。六段階に分けてやられているのですが、その内容には触れません。ただ、昭和二十七年四月二十八日平和条約が発効したあとと発効する前とでは、その取扱い方がおよそ二対一くらいの非常なアンバランスがあるわけです。のみならず、泣き寝入りで全然措置をされていない件数がかなりあるわけです。従って調達庁長官の答弁では、その未措置の分を今調査していると、今つかんでいるだけでも約四十件くらいある。だからそれを調査して、未措置の人に対しては追給措置を予算化してやりたい、これが一点。それから平和条約まで放棄したのだから、平和条約発効前と発効後両方含めて妥当な補償措置をあらためて考慮すべく今作業している、こういう事務当局の見解です。私の意見を交えて伺うならば、政府としては、この事務当局の調査を促進させて、未措置の分については、追給するとともに、昭和二十七年の平和条約の発効前と発効後のアンバランスを直すんだ、それらを通じて、一種の戦争犠牲者なんですから、妥当なる補償に国家が責任を持って対処すべきである。最近在外資産の補償とか、あるいは軍人遺家族の恩給、年金の是正等が、去る国会で行われた現在として、そういうことがされるべきだと思うのですが、官房長官に御所見を承わっておきます。
○政府委員(赤城宗徳君) 占領期間中に被害をこうむった犠牲者等につきましては、御承知の通り政府としても、行政措置によって数回にわたって補償金の増額とか、あるいは追給措置をとってきているわけであります。しかしながら、そういうことをしておるのでありまするから、漏れた者等につきましては、調査が判明次第、この漏れた者等について追給措置を講じたいと、進めております。なお、第二の平和条約締結後と締結前におけるアンバランスといいますか、そういう点もありますので、そういう点も含めて追給措置をとる方針で進めておる次第であります。
○矢嶋三義君 その方針を了といたします。早急に事務当局を督励してやらしていただきたいと思います。 なお、官房長官には主力戦闘機種の問題に関連して質疑がありますが、他の委員が質疑された後に、あらためて質問いたしたいので、私の質問は一応これで終ります。
○八木幸吉君 官房長官にお尋ねをいたしますが、閣議の決定と閣議で了承を得るということとは、違うと思うのでございますが、さようでございますか。
○政府委員(赤城宗徳君) お尋ねのように、閣議の決定は、重要な事項について閣員全体の一致した意見になっておりますので、非常に重要なものについて閣議決定いたすわけでございます。閣議の了承は、決定というほどのものでなく、一応閣議に報告いたしまして、異議がないというような程度にとどめておくと、こういうことになっておりますが、なおくわしい決定と了承等につきまして法律的な問題がお尋ねでありますならば、法制局長官その他から御答弁申し上げます。
○政府委員(鈴木俊一君) 法律等で、閣議決定事項となっておりますものを閣議に付議いたします場合は、これは閣議決定ということになります。特定の大臣の所管事項でありますけれども、非常に重要なもので、閣議に報告をして各閣僚の了解を求めておきたい、こういうものにつきましては、これは閣議了解、こういう扱いにいたしておるわけであります。
○八木幸吉君 閣議決定の場合は、その事項だけで特別に署名を取る、あるいは閣議了承はそういう署名は取らないといったような、何か手続上の差異はございますか。
○政府委員(鈴木俊一君) 手続的には、いずれも閣議整理でございまして、閣議決定につきましては、それぞれ全閣僚の署名を取るわけでありまして、手続としては変りはございません。ただ、決定とするか、了解とするかということだけの違いであります。
○八木幸吉君 そこで、これは官房長官御記憶があるかないか、そこのところは少し疑問でありますが、昭和三十二年の五月に国防の基本方針というものがきまりました。それから六月に防衛力の整備目標、それから三十二年の九月にP2V対潜哨戒艇の整備について、それだけのことが国防会議の方から、内閣総理大臣に報告、もしくは諮問事項に対する答申、もしくは中間報告として報告されておったのでありますが、このうちで閣議決定を受けたものと、単に了解事項にされたものとがあると思うのですが、今おわかりでしたら御返事いただきたいし、おわかりでなければ、次の機会でもよろしいです。
○政府委員(赤城宗徳君) 決定か了解か、調査の上お答えいたしたいと思いますが、私は決定ではないのじゃないかと思います。正確にわかりませんから、調査の上御答弁申し上げたいと思います。
○八木幸吉君 それじゃ次に、先ほどの防衛庁長官の御弁明に関連したことと、それからこの前にお調べを願って御報告をいただきたいと申しておいた事項で、まだ御報告がないのがありますから、それをとりあえず承わっておきます。 第一は、昨年の五月に麻布の六本木で在日米軍事顧問団と防衛庁の幹部が会同したときに、在日軍事顧問団から、次期主力戦闘機に対して何らかの推奨があったかどうかという問題について、出席者から直接調査をして、日時人並びにその意見を御報告をお願いしておきましたが、その結果はいかがでありますか。
○国務大臣(左藤義詮君) まだ調査が届いておりませんので、いずれまた、できるだけ調査をいたします。
○八木幸吉君 これはだいぶ前の委員会で、こんなことくらい知らないで調べがつかぬようでは、なかなか戦争をやっても勝てないと私は思うのですが、(笑声)だれがどういう経路でお調べになりますか、たとえばその会同に出席した方は増原次長以下数名ということで、この前伊藤さんでありましたか、矢嶋さんからかお話があったのですが、その人呼んでいただいて、電話で聞いても、すぐわかる話だと思うのですが、どういうわけでありましょうか。少し弁明を聞いてみたいと思いますが……。
○国務大臣(左藤義詮君) 官房長ただいま参っておりませんので、官房長に調査をするように伺っておったのでありますが、次の機会までに調査させます。
○八木幸吉君 それでは非常に不満足ですけれども、その問題はその次にしておきまして、今度は名古屋から石垣島の距離を、小学校の生徒の質問のようでありますが、お調べ願えましたか。
○政府委員(加藤陽三君) お答え申し上げます。私の方で調べておりますのは、飛行機の関係でございますので、板付を中心といたしまして、板付から沖縄県の那覇までの距離が四百八十海里、それから板付から伊江島までの距離が四百五十海里、宮崎から、これは新田原の飛行場でありますが、ここから那覇までの距離が四百海里、立川から小笠原列島の硫黄島までの距離が六百五十海里ということでございます。
○八木幸吉君 そこで問題がもとに戻るわけでありますが、今伺いますと、沖縄方面は四百五十海里以上、それから小笠原方面は六百五十海里以上、そういたしますと、二百海里の行動半径の戦闘機は、その辺の板付なり立川飛行場から飛んでいったのでは、小笠原、石垣島あの辺は行動半径に入らないということになりますと、もしこの地域が日米共同の防衛地域に入りますと、その辺の防備はどういうことになりますか。
○政府委員(加藤陽三君) この前説明いたしましたが、二百海里と申しますのは、ポイント・インターセプトと申しまして、敵の飛行機が参りましたときに、最高のスピードをもって飛び上って行く、そのときの行動半径が二百ということでございます。燃料を最も有効に使うという方法によりまして、戦闘状態において行動できます範囲、これはエリア・インターセプトと申しておりますが、この場合におきましては、今考えておりますF11—Fの改良型におきましては五百海里ちょっとございます。従いまして、那覇、伊江島ぐらいのところまでは、これは板付、宮崎からも、今言いましたエリア・インターセプトの範囲内に入るわけでありますが、小笠原列島方面におきましては、これは本土の基地からしてエリア・インターセプトをするということになりますと、少し行動範囲が足りないのであります。
○八木幸吉君 私、技術的なことはよくわからぬのですが、戦闘を開始するというなら、やはり全速力で飛ばなければならぬだろうし、最も経済的に燃料を使うようなら、経済速力で飛ぶというようなことでは間に合わぬのじゃないでしょうか。行動範囲二百海里以上と言えば、戦闘をするときには二百海里のところが最も能率的に一番よく戦闘できるということだろうと思いますが、どういうことですか。
○政府委員(加藤陽三君) 飛行機の要撃の仕方について一つ申し上げたいと思います。われわれの考えておりますわが本土の防衛防空体系におきましては、下にありますレーダー・サイドと直結して考えるということでございます。レーダー・サイドにおきまして来襲機を発見いたしますと、それに応じまして指令を出しまして要撃機が飛び出し要撃する、要撃機はレーダー・サイドの誘導によりましてそこで来襲機の方に向いまして数分間戦闘する、そしてまた引き返してくるというやり方でございます。で、ポイント・インターセプトの場合は、それを一番早いスピードでやるわけであります。エリアというのは、飛行機が飛び出しましてある程度遊よくしておりまして、下からの誘導によりまして敵が来たときにそれを迎える。ポイントの場合には、下から敵を発見して飛び出す、エリアの場合にはある程度遊よくして敵が来ましたときは、誘導を受けて敵に向っていくと、こういうやり方であります。
○八木幸吉君 そういたしますと、私はよくわかりませんけれども、たとえば石垣島に敵が来たと、それをたまたま板付で発見したら、飛んでいって落すことができないということですか。
○政府委員(加藤陽三君) これは沖縄の方で発見をした場合におきましても、われわれ本土からは飛び立ちましたときには、自分の目視で来襲機を発見するということは非常に困難だろうと思いますが、そこまで飛んでゆきまして、適当な機関の誘導を受けて来襲機にぶつかるということになるだろうと思います。
○八木幸吉君 よくわかりませんけれども、とにかく二百海里で間に合うように敵がうまく来てくれればいいけれども、二百海里で間に合わぬような条件だったら、石垣島は防衛できませんか。
○政府委員(加藤陽三君) これは二百海里ということを申しておりますのは、先ほど申し上げましたけれども、レーダー・サイドの能力との関係もあるのでございます。もう少し早く見つければ、もう少し遠くでなるべく本土を離れたところにおきまして来襲機を撃破するということが望ましいのでございますけれども、レーダー・サイドの能力の関係もありまして、少くとも二百海里ということでやっておるわけでございます。
○八木幸吉君 逆に基地から地対空誘導弾でそれを撃墜するという方が的確であり、かつ楽ではありませんか。
○政府委員(加藤陽三君) この点は、前に大臣から所信表明の際にも、触れておられるのでございまするが、現在私どもが考えておりまするところによりますと、一九六〇年代におきましては、だんだんといいSAM爆弾、一種の爆弾でございますが、誘導弾ですね、遠くから目標物に対して放して、反転して帰るというのが実用化されるであろう、その距離が現在でも大体アメリカのラスカル、ソ連のコメットというのが百キロ以上のところまで実用化し得る段階に到達をしておるのではないかと思うのでございます。そういたしますと、現在のSAMはナイキのアジャクスにいたしましても、あるいはタロスにいたしましても、百キロくらい、そのくらいかつかつのところでございまして、やはり飛行機というものをなるべく前方に出して、飛行機でまず要撃することを考えまして、それをくぐって入ってきましたものを、今度はSAMを使いまして攻撃するということが理想的な防御の仕方ではなかろうか、で、飛行機とSAMというものを配合して使いたいというふうに今考えておるわけでございます。
○八木幸吉君 なお私も勉強いたしますが、小笠原列島は要するにF11F—1Fでは防衛はできない、こういうことですか。
○政府委員(加藤陽三君) ただいま申し上げましたごとく、本土から飛びましてこれを防衛するということにつきましては、困難があろうと思います。やはり小笠原列島を守るということになりまするというと、小笠原列島の方の基地と両方から防御範囲というものを組み合せていかなければいけないんじゃないかと思います。
○八木幸吉君 そういたしますと、問題はもとへ戻るんですが、小笠原、沖縄が日米安保条約での防衛地域に入れば、小笠原を考えに入れると、戦闘機の機械の問題も再検討を要する、こういう結論になると思いますが、さようですか、これは防衛長官に。
○国務大臣(左藤義詮君) 政府委員から申し上げます。
○政府委員(加藤陽三君) 前にも申し述べております通り、今度の次期戦闘機の機種選定につきましては、本土防衛ということをねらいとして進めてきておるのでございます。しかしながら、沖縄、小笠原がかりにわが方の防衛地域に入るといたしますれば、私はやはり沖縄、小笠原の飛行場というふうなものも使うという想定からいかなければならないのであろうと思うのでありまして、その場合におきましては、今先ほどから申し上げておりまするF11F—1Fの改良型の性能というものが、依然として最も適切なる機種であるということができると思うのでございます。
○八木幸吉君 防衛長官にもう一つ確めておきますが、そういたしますと、小笠原や沖縄が防衛地域にかりに入れば、今のF11F—1Fでは十分防衛の完璧を期し得られないから、基地をその場所に設定する、少くとも小笠原においては基地を設定する、こういう想定のもとにお考えになっておりますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもは、現在小笠原あるいは沖縄を入れるべきじゃないかという点につきましては、外交交渉に待つ次第でございまして、かりのことを今お尋ねでございまするが、もし施政権が完全に返還されまして、われわれが防衛の責任を持たなければならぬという場合には、現在の機種では、やはり現地に現在は米軍の基地があると思うのでございまするが、これを使用しなければ防衛が困難じゃないか、いずれにいたしましても、こちらから飛んでいって防衛の任務を果し、また飛んで帰るというようなことは、非常にむずかしいというふうに考えております。
○八木幸吉君 そういたしますと、F11F—1Fはほんとうにできるのはこれは数年先になるわけでありますが、その時分でも、基地を小笠原なり沖縄に設定するから十分使い得ると、こういう確信のもとにお進めになると、こういう意味でありますか、念のためにもう一度伺います。
○国務大臣(左藤義詮君) いずれにいたしましても仮定の問題でございますが、私どもが現在の機種を選定いたしまするときには、本土の防衛ということを主体にして考慮いたしました次第でございます。
○八木幸吉君 本土でありますけれども、数年先のことでありますから、やはりその辺の見通しもあらかじめ考えてから、新機種の選定が私は必要じゃないか、こう思いますので、その場合仮定とはいえ、やはり総体的にこれは考えなければならぬ問題でありますから、その辺の所信をもう一度確かめておきたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) いずれにしても、仮定の問題でございますから、施政権が返還せられてわれわれが守りまする場合には、その地の基地というものを活用すれば、現在の私どもが選定しております機種で守り得ると思います。
○矢嶋三義君 関連して。聞きたいポイントは、ここにあるんですよ。沖縄、小笠原の施政権が返ってきたら、こちらの防衛区域に入るのは当然ですよ。従って沖縄、小笠原は日本の領土だから、日本の自衛隊が基地を持つのは当然ですよ。福岡に板付があるのと同じです。それはもう言わぬでもわかっている、小学校の生徒でもわかる。聞きたいことは、施政権の返還を、国民は非常に要望しております。特にわが日本社会党は大きな方針として、沖縄、小笠原の完全施政権をまず返せと、アメリカに要求しておるわけです。ところがアメリカは返さぬ、これは相当期間返さぬと思う。だからそういう現実の情勢下において日米共同防衛体制というものは、今や論じ尽されておるわけです。よろしゅうございますか。そうなると、私聞きたいことは、沖縄あるいは小笠原に、日本の自衛隊が基地に進んで行き、その今の基地を使用する。さらに具体的に言うならば、沖縄、小笠原にアメリカ軍と基地を共同使用する、その基地に共同所在するということが、あるかあり得ないかということです、問題はね。それにその基地に行かないとすれば、日本のこれから買おうとするF11F—1Fでは、向うの飛行機も飛んで逃げるんですから、追っかける場合もあるでしょうから、沖縄、小笠原には及ばないわけです。で、完全に施政権が返った場合には論ずる必要はないんです、そういう場合は。で繰り返して言いますが、沖縄、小笠原にある基地をアメリカ軍と共用するような場合があるのかないのか。あるいはその基地まで日本の自衛隊を進めて行くような形で共同防衛体制というものを考えることがあるのかないのか、そこを明確に答えていただきたい。
○国務大臣(左藤義詮君) ただいま交渉中の問題でございますので、私どもといたしましては、先ほど矢嶋委員のお話しのように完、全に施政権の返還される日を待望いたしまするが、それまでの過程におきまして、どういうような安保条約ができまするか、この点につきましては私どもは、仮定の問題でございますので、交渉の結果を見まして申し上げたいと思います。
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて。
○八木幸吉君 在日米軍事顧問団が次期主力戦闘機を推奨したかどうかという問題は、調査の後でないとわからぬということでありますので、その点は別にいたしまして、一体在日の米軍事顧問団の目的、任務はどういうものであるか、伺いたいと思います。
○政府委員(加藤陽三君) 在日軍事顧問団に関しましては、二十九年五月一日の日米間の相互防衛援助協定の第七条に書いてございます。「アメリカ合衆国政府の職員で、この協定に基いて供与される装備、資材及び役務に関するアメリカ合衆国政府の責務を日本国の領域において遂行し、且つ、この協定に基いてアメリカ合衆国政府が供与する援助の進ちよく状況を観察する便宜を与えられるもの」ということになっておるのでございます。
○八木幸吉君 それをもう少し砕いて申しますと、日本でどういう武器を使うことが、一番いわゆる日本の装備を完全にするという目的からいって望ましいかというふうなことをすすめるのが、やはり向うの任務の一つにあるのではないですか。
○政府委員(加藤陽三君) これは今の条文にありまする通り、この協定に基いてアメリカから供与される装備、資材及び役務に関する米国政府の責務を日本国内において遂行すると、そしてその進捗状況を観察するということに、協定では限られております。
○八木幸吉君 今度のF11F—1Fはやはりある部分は、アメリカから供与を受けるのだろうと思いますが、そういたしますとこの中に入るのじゃないですか。
○政府委員(加藤陽三君) 決定をいたしますれば入ると思います。
○八木幸吉君 逆に申して、供与されるものは、何が一番いいかということは、当然向うから推奨すべきカテゴリーに入るのじゃないかと思うがどうですか。
○政府委員(加藤陽三君) そこのところは、なかなかむずかしい問題であろうと思います。きまったら援助を向うから供与される、その供与の段階に入りますと、軍事顧問団というものが関係をしてくるわけでございます。ただいままで私どもの接触しました範囲におきましては、在日米軍事顧問団は、この機種の選定について積極的に日本政府に意見を述べることを、きわめて慎重に差し控えるような態度を示して参っております。
○八木幸吉君 どうも今の説明少しく納得がいきませんが、この問題は事実の解明を待ってから、さらに質問することにいたしまして、九月二十九日に、長官は当委員会でお話しになっている言葉の中の意味を二、三点伺って私の質問を次回に延ばしたいと思います。それは、その中にこういう文句がございます。「永盛将補を団長といたします六名の調査団を派遣いたしまして約一カ月にわたって米国における各機種についての資料を実地に収集せしめ、かつ防空に関する基本的な考え方についての米国防当局の説明をも聴取せしめました。」これは速記録の三ページの四段目にあります。それからもう十行ばかりまたあとに、「各機種ともにさらに追加した新資料も逐次もたらされましたので、つい最近の資料により、かつあとう限りは、米軍の正式の評価を参考とする建前で検討を行いました。」これは両方とも相当アメリカ軍の説明も聞いたし、それから米軍の正式な評価を参考にした云々と、こう書いてあるのでありますから、次期主力戦闘機に対しては、米軍から、アメリカの国防省等から何らかの示唆と申しますか、推奨があったというふうに、この御説明では受け取れるのでありますが、この意味をもう少し具体的に伺ってみたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもといたしましては、製造会社等の出しますデータだけでなしに、米軍でいろいろ検討いたしております、そういう資料を参考にいたしたいということでございまして、当方からこういうものについて一つ教えてもらいたいということにつきましては、いろいろ便宜をはかってくれておる。それから永盛調査団が参りましたときにも、機種について先方が積極的にこれにしろということじゃなしに、防空に対する国防当局、特に航空当局のいろいろな説明を聞いてきた、こういうことでございまして、これは実は私は着任前のことを申したのでございますが、その後の私どもの印象から受けましても、米軍あるいは顧問団から機種について何かリコメンドするようなことは、非常に私は注意をさせておるようなことでございます。従前もそういうことでこちらから資料の提供を頼んだものについて許し得る限りのことは、援助をしてくれたと、こういうふうに解釈をしております。
○八木幸吉君 米軍の正式の評価を参考とするというのは、どういう意味ですか。米軍の正式の評価を参考とするというのは、ちょっとわかりにくい言葉なんですが。
○政府委員(小山雄二君) 機種に関しますいろんなデータを、永盛調査団は米軍の手から直接もらって参りました。その際、詳しく申しますと米軍はいろいろ実験をしましてこのデータも確実だというものもありますし、大体いろんな経験からいってこんなところだろうという程度のものもあります。とにかく米軍が一応スクリーンしたという意味の資料を、永盛調査団が初めてもらったわけであります。その前にたとえば104等についてたくさん資料がございますが、そういう意味の米軍のスクリーンを経たといいますか、一応目を通したという資料を初めてもらった。それからその後それの追加がいろいろありましてそういうものを正式という言葉が、今申しましたように非常に厳格な意味でこれは実験データとして確実だというものと、やや経験等からいって、この数字は大丈夫だという程度の差はございますが、そういう意味で大体米軍からもらった、米軍が一応検討したものをもらった、それを参考にした、こういう意味でございます。
○八木幸吉君 先般いただきました、十月の八日にいただいた、機種別一覧表というものの中に、いろんな性能がございますが、これは米軍のいわゆる正式の評価を得た数字でございますか。
○政府委員(小山雄二君) さようでございます。ただ具体的の数字は、向うとの関係で終りませんので、それをラウンドにしてございます。
○八木幸吉君 次に伺いたいのですが、極東米軍の現在使用している飛行機の中で、F—86F、F—86Dはどれくらいの比重を占めておりますか。機種数は秘密であるかもしれませんが、大体の比重はどれくらいですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 機数につきましては、ちょっと言明をお許し願います。F86—Fは使っておりません。F86—Dが主力だと聞いております。
○八木幸吉君 F—86Fも、かつては使っておったんだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(加藤陽三君) 私どもの承知している範囲では、F—86Fは使っておりません。F—86D、それからF—100でございます。
○八木幸吉君 そこで私伺いたいのですが、現在日本にはF—86Fが百六十五機、それからF—86Dが三十九機、すでに供与になっております。これはちょうだいした資料にあるのですが、今度のF11F—1Fは米軍は一つも使っておらない、また使う意思がないということです。こういうことが防衛庁から出された資料にあるのですが、極東米空軍と日本の航空隊とが共同防衛体制をとるのに、アメリカで全然今も使っておらぬし、将来も使う意思がないという飛行機をお選びになるということは、共同防衛体制の総合作戦の上からいって、私はどうも納得がいかぬのですが、その辺には全然支障が一体ないのですか、いかがですか。
○政府委員(加藤陽三君) お答え申し上げます。米軍は日本と国柄が違いまして、米空軍について申し上げますと、戦略空軍、戦術空軍、防空空軍と大きく三つに分けておりまして、われわれの方で該当いたしますのは、防空空軍でございます。この防空空軍におきましても、それぞれ特徴のある飛行機を持っております。たとえばF—86D、F—102、F—104、F—105というふうに、たとえばF—104は現在はリミッテッドなオールウェザーとして使っております。完全なオールウェザーとしてはF—102などを使っております。デー・フアイターとしてはちょっと忘れましたが、一機種ずつの専門を持って、あらゆる条件に対応できるようにやっております。金がございますれば、こういうことも一つの方法であると思いますけれども、日本におきましてはそういうふうなことがとうていできない、そこでまあ対応性とかなんとかということが出てくるわけでありまして、一つでできるだけ多くの目的をカバーできるような飛行機を選びたいということでございましてこの辺の事情は、米軍の方でも日本の財政事情等をよく知っておりますので、十分了解をいたしております。永盛調査団が参りまして、五機種の候補機を米軍から資料をもらって帰ったのでありますけれども、米軍といたしましては、この五機種の中ならば、おおむね日本の防空に役立つということは、同時に米の自身の立場から考えましても、その五機種のうちのどれかを日本が選ぶということにつきましても、ある程度私は了解をしておるというふうに考えております。
○八木幸吉君 それは金持ちのアメリカと貧乏な日本とはいろいろ考えも違いましょうが、その説明は私もわかるのですが、今はアメリカ全体としての飛行機の選び方でありまして、極東に限って、もう少し範囲を縮めれば、日本を守るのに、たとえばF—86Dをアメリカが持っている、アメリカが全部引いてしまってから後に、やはりF11F—1Fでいいかどうかということになりますと、やはり問題になるのです。日本だけを守るという日本の立場から言えば、必ずしも今内定されたF11F—1Fがいいかどうかという点においては、私は相当疑問があるのじゃないか、その説明に今貸与目的というだけでは、もう一つ米軍を頭においての貸与目的があって、米軍が動いてから後のということをあわせ考えるときにおいて、必ずしもこれが万全であるというふうには考えられないのですが、この点はいかがですか。
○政府委員(加藤陽三君) 私どもは今機種を選ぶに当りましては、一九六〇年代における日本の防空をどうするかという見地から実は選んでおるのでございまして、そういうふうに問題をしぼって参りますと、F—104にいたしましても、F—100にいたしましても、それぞれいいところもあるのでございます。一長一短と申しますか、それぞれいいところもあるし、日本から考えると都合の悪い点もある、総合いたしまして今のところはF11F—1Fの改良型がよろしかろうというふうに考えておるわけでございます。これは申し上げるまでもありませんが、戦略的な構成ということは、これは日米共同安保体制で米軍に援助を受けている日本は戦略的な趣旨を引き受けるということであります。
○八木幸吉君 そこで観点を変えて、ドイツの空軍でもF11F—1FとF—104Aとを相当長い間研究しており、結局、F—104Aを決定したかのように伝えられているのですが、そのことは事実でございますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私、最近ドイツの大使館付武官にも話をいたしまして、またその後何か決定したら、ぜひ教えていただきたいということを頼んでおりますが、今お示しのように決定したということは申しておりません。
○八木幸吉君 それでは次に、F11F—1Fと98J—11との違いを私伺いたいと思うのです。と申しますのは、左藤長官は九月十六日の衆議院の決算委員会では、F11F—1Fは一つのシリーズの名前であって、その中に98J—11があると、こういうふうに説明されておりますが、これはどうも非常に微妙な説明の仕方で、同じであるかのような、そうでないかのようなことなんですが、内容を見てみると、私は、この98J—11、これを略称してF11Jと言っておられるそうですが、F11JとF11F—1Fとは違っておる、こういうのが私は常識じゃないかと思うのですが、長官は同じだと、こう仰せられますか。
○国務大臣(左藤義詮君) F11F—1Fは海軍名と聞いておりますが、これは二機、実験機ができております。それの、最近までは、発動機はエンジンはJ79の3を搭載しておりますが、それをJ79の7に性能を向上して、こういうものを日本ではどうかということをプロポーズしている。従って厳格に申しますれば、現在実験しております二機すなわちF11F—1Fと申しておりますものの性能向上機だというふうに申していいと思います。
○伊藤顕道君 関連。今の問題ですが、前に次期戦闘機の選定についてもこの資料を防衛庁からいただいたわけなんですが、これにもF11F—1F、それにカッコして98J—11というふうに、しごくあいまいにぼかしているのですね。こういうところにも不明瞭な点が、あっちこっち見受けられるわけです。そこで今、八木委員から指摘になった点ですが、防衛庁がいわゆる国防会議に出したのは、F11F—1Fの資料だと思うのですね。そうなんでしょう。その点まず確めておきたい。
○国務大臣(左藤義詮君) それのエンジンを7にしたものということでカッコして出したわけであります。
○伊藤顕道君 それの改良型だという意味なんですね。ところが、ただ単なる改良型でなしに、これは中身が違っておるわけです。全然別個のものではないかと思うわけです。そういう点から言うと、防衛庁としては国防会議をだましておるということも言えるわけです。そういう点で衆議院の決算委員会などでも、そういう点が指摘されたと思うのです。なるほどこの機体は両方同じですが、両者のエンジンはもう完全に違うわけですね。完全に違うだけでなく、レーダーも違う。それからまた、大事なファイアー・コントロール・システム、こういうようなところについても全然別個のものです。従ってこの両者は完全に別個のものだという、そういうしっかりした考え方に立たないと、いろいろ問題が起きておるわけです。現に問題が起きているのです。そういう点を明確にしていただきたいと思うのです。
○国務大臣(左藤義詮君) 国防会議に提案いたしますときには、その点を明確にして提案をいたしております。
○伊藤顕道君 今申し上げた機体は、大体両者同じように聞いておりますけれども、エンジンとかレーダー・ファイアー・コントロール・システム、こういうような重要な部分については完全に違っている。これは人間でも中身は全然違う人間ということになるので、肺とか心臓、神経が全然別な人間は、結局別個な人間だということになる。そういう点で完全に別個のものである。そういう考え方に立たないと、結局問題が問題を生むわけです。現に防衛庁は、いわゆる国防会議に出した資料についてもF11F—1Fの改良型、この資料はただカッコしてF11F—1Fは98J—11をいう、同じもののように書いてある。こういう点を、もう少し納得いくように御説明していただきたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) グラマンの従来のタイガーを、戦闘機用にいたしまして実験をいたしております。その一連のものを従来からの海軍名をそのままつけまして、F11F—1Fと申しております。その一連のものをいろいろなそれぞれの国に応ずるようなものにいたしましてプロポーズいたしております。その一つであります。私どもは総称してF11F—1Fと申しておりまするが、私どもが採用しようというものは、それの日本向けにプロポーズされました98Jでございますので、その点をカッコして国防会議にも十分説明をいたしております。
○伊藤顕道君 それから機種別一覧表、防衛庁からいただいたこの分ですね。これに各機種別の性能があるわけですけれども、これはどうにも納得いかないわけで、この中には数千機、もしくは数百機もうすでに製作したものがあるし、F11F—1Fについては試作機はわずか二機。最後の98J—11、いわゆる改良型については全然試作機がない。そういうものを平等にここへ数字を羅列して、一覧表を作っているわけですけれども、試作機は全然一機もなくて、ただ理論的に仮空的な数字を出すことはできるでしょうけれども、しかし、そういうものが数千機、数百機作ったものと対等に比較できるものですか。この点を明確にお伺いしたいです。
○政府委員(小山雄二君) ここに掲げました数字は先ほどもちょっと触れましたが、アメリカ空軍の一応のスクリーンと申しますか、見た上での数字でございまして、その中には非常に現実にその飛行機があって、実験値が非常にたくさん集まって確実だという数字と、今御指摘の98J—11等はまだ設計なんかで物がないわけです。御指摘の通り物がないわけでございますので、それはF11F—1Fでいろいろ実験いたしました具体的な数字から、機体も変わらない、エンジンがこう変わったらこうなるという経験値と申しますか、計算値と申しますか、そういう数字、これも米空軍の一応の評価を得た数字でございますが、そういう意味におきまして数字には二色、二色と申しますか、たくさん現実にある飛行機と、試作機、あるいは全然ない飛行機というものの数字は違いますが、両方ともそういう意味の米軍の評価を得た数字なのでございます。
○伊藤顕道君 今の御説明ですが、F11F—1Fについては、まあどうやら二機があるので、まあ非常にこれも無理だと思うわけですけれども、大体これはまあ百歩譲っていいとして、98J—11については全然ないでしょう。それを、機体は同じとしてもエンジンも違う。そして機能が違ってくるものを、ただ理論的にこう仮空的な計算をして、それがぴったり合うものでしょうか。今までの例をお伺いしたい。大体そういうことは認められておるかどうかということを……。
○政府委員(小山雄二君) それは専門家がいまして、エンジンもJ79—3というのが7に変るわけです。これは、能力的に少し推力が上るが、その程度で、もとのF11F—1Fで、具体的な実験値は、要するに大部分のところは実験値があるわけでございます。それにちょっと足すところが計算値になっておるというような関係でございます。ここに並べてあります、かりに104につきましても、104Aは実験値が非常にたくさんあるわけですが、104Cは、まだ米軍の納入機もわずかでございますから、その実験値が確実にたくさん積み重なっておるとは言えないわけでございまして、それと似たような関係が、104Aと104Cの関係が、ちょうどF11F—1Fと98J—11の関係と、大体理論的にはそう考えていいのじゃないかと思います。
○伊藤顕道君 大体専門家のお話を承わると、一つの完全な飛行機を作るためには、数千、数万時間も実験を重ねないと完全なものを作り得ない、そう言われておるわけです。ところが、F11F—1Fについては、わずか十六時間ぐらい、98J—11については全然架空のもので、ないわけですね。そういうことで、非常に危険性があるのじゃないですか。まだ、これを完全なものにするためには、相当の経費もかかりましょうし、相当時間もかかる。こういう危険をあえてするゆえんのものはどこにあるのですか。そういう危険を冒しても、なおかつF11F—1Fの改良型、いわゆる98J—11ということに断定を下す根拠ですね。
○政府委員(小山雄二君) これを、物を作る、国産する場合、国産というか、製作という点から考えますと、それは完全な、できた実験値が、全然信頼できるものが積み重なっている飛行機の方が非常にいいわけでございます。試作とか、部品の開発に対する経費がかからぬとか、時間が早いとか、場合によっては、やってみたら多少手戻りがあるという点で、まさにアメリカ軍が常用し使った経験を積んだものをとるのが、一番いいことは事実でございます。ただ、F11F—1Fにつきましては、米軍でやりましたテストが何段階かございますが、そのうちの、飛行機に関するテストというか、こういうものは全部済んでおりまして、飛行時間にいたしますと、試作機二機で三百十数回、二百数十時間飛んでおります。それからまた、エンジンにつきましても、これは所定のエンジン試験をやりまして、最後には二百時間もやりまして所定の試験を済まして、これは現に104Cに積んでおるわけでございます。要するに、そこの見込みの問題でございますが、一応専門家等の判断では、F11F—1FというものはF11からの系統である。今御指摘のように、新しい飛行機を仕上げるには、アメリカでは、長いものは七年ぐらいかかっておることは事実でございます。事実でございますが、そういう見方からいたしますと、これはグラマンの艦載機のときから始まっておるのだという見方をとっておる。その途中の改造というものは、これを要撃機に改造しておりますが、前からの経験の積み重ねというものは十分信頼していい。改造する部分は、そこだけをテストして固めていけば、完全に、製作に取りかかっても、技術的に手戻りその他の危険は非常に少いという判断であります。104等につきましても、104A、104B、104Cというものは、一連の経験と、そういうような生産の方の将来の見込みというものは、そういう見方をして、判断をしておるわけであります。
○八木幸吉君 あと二、三点伺って次回に繰り述べたいと思います。一つは、F11Jにはファイヤー・コントロール・システムがついておる、F11F—1Fについては、ついていないと承知しておりますが、どうですか。もう一つは、F11Jの尾の方の下に、二枚の、こういった何と申しましょうか、ひれがついておるスケッチを私は見たのですが、そういうものはついているかついていないか、また、F11F—1Fには全然ついていないと思うのですが、その二点だけを、確かなところを伺いたい。
○政府委員(小山雄二君) F11F—1Fにつきましては、機銃、爆弾装置その他の火器、それから火器の管制装置、ファイヤー・コントロール・システムはついておりません。今度の98Jには、こういうものをつけるという設計のものでございます。それから今の御指摘の腹のひれ、ベントラル・フィンというものがございますが、これはF11F—タイガーにはついておりません。11F—1Fにはついております。今度の飛行機98J—11にもつけることになっております。
○松岡平市君 ちょっと私さっきからのことで、F11F—1F、これでない、そうしてまだそのものは試作機もできておらぬF98Jですか、こういうものを採用する、こういうことですね。これは、あなた方が今98Jというものは、どこまでも、まだないのだ、ここに。計算の上では十分飛ぶはずの飛行機、それは、F11F—1Fの試験の結果、それが改良された98Jというものも、能力に多少の相違はあるけれども、大した間違いはなしにちゃんと飛べる、こう見た、こう言っていらっしゃるが、これは防衛庁の確信だけであって、実際にそうであるかどうかということは未定のものだ、これだけは間違いございませんか。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申し上げましたように、防衛庁がそういう確信を持ちまするにつきましては、米軍がスクリーンいたしました各種の資料を十分採用いたしまして、会社の、いろいろな会社の宣伝と申しますか、申したことだけでなしに、米当局のいろいろな資料を勘案いたしたわけであります。
○松岡平市君 私がお聞きしているのは、防衛庁がこれをおきめになるのに、資料なしでおきめになったとは考えていない。十分なる資料をもとにしてお考えにはなったわけでしょうけれども、少くともあなた方は、98Jというものはできておらぬ飛行機だ。これはできていないようですから、それはただF11F—1Fの実験の結果から、大丈夫だということを資料でそうきめているだけで、実際は、これはやってみなければ、どんな確信を持っていらっしても、やってみなければ確実なことは言えないのだということだけは、お認めにならなければならぬだろうと思うのですが、この点はどうですか。
○政府委員(小山雄二君) 98J—11という飛行機は、まだできておりません。ただそこが、どう言いますか、技術的にわたりますが、やはり機体関係、主翼とか尾翼とか、いろいろな機体関係の設計は全然変りません。変りますのは、エンジンが、3から7になるもので、これもF11F—1Fの実験機で一機エンジンを改造して地上試験をやっております。飛ぶことになると思いますが、その関係は、それはできて飛べばわかるわけであります。エンジンのJ79—3という3が7に変るというところと、それからいろいろな管制装置等を積んでいないということが変る。従って、98J—11という飛行機はないと言えばないので、それをやってみますと、管制装置その他の関係で、実験データ、計算したデータと多少違う点が出てこないかと言われますと、そういうことが絶無とは言えない。こういうことでございます。大体機体に関する限りは大丈夫という見解のもとにやっております。
○松岡平市君 機体に関する限りはF11F—1Fと大差ないと、こういうことで、おそらくそうでございましょう。しかしながら、少くともエンジンを3から7にかえる、同じ材料であれば、かえる必要はないと思うのですから、エンジンをかえるということは、エンジンの重さなり、あるいはサイズというものも何がしか変ってくるだろうと私は思うのです。かえるというよりは、3と7とは同じじゃない。ウエートも違うだろうし、サイズも違うだろう。そのサイズ、ウエートの関係では、機体のトータルとしてウエートが変ってくるだろうと思うのです。そうすれば私はマッハ二というもの以上の速度を持つ飛行機ですから、私はこれは、計算は計算として、実際には非常に微妙なものであって、相当な実際の誤差というものは出てくるだろう。出てこなければ、アメリカにおいて何べんも何べんも一つの飛行機を安定させるために、あのように繰り返し試験をやる必要は一つもないと思う。現に言ってらっしゃるように、たとえばF—104Aというものは、ちゃんと固定した性能もはっきりしているけれども、そのCというものは、できておるけれども、まだ実験段階で固定しておらんということを装備局長言っておられるのです。従ってF11F—1Fは、ただ二機であって、固定したものとは言えないだろうけれども、一応その性能その他、ちゃんとウエートもサイズも、それから速度も、一応これは今おっしゃったように、三百時間か二百時間か、何時間か知らぬけれども、試験の結果一応固まったものと言えるといたしましても98J—11というものについては、これは私はまだあなた方が大丈夫だというふうには、ちょっと困難だろうと思うのです。一応改装して、そのデータを集めているとおっしゃるけれども、改装の途中でも、機体、機器全体のウエートというものは前と同じじゃなかろうと思うのです。そういう点から、あなた方おっしゃるように、98J—11というものを御採用になるのには、少くとも、たとえ一機でも、3から7にエンジンをつけかえたものを、これはテストしなければ、私は少々無理じゃないかということが、今あなた方が一番初めに国防会議に、F11F—1Fとして出したものに格好をつけて、そして98J—11とか呼ばれるものですりかえたという印象をわれわれが払拭できないのは、あとのものと前のものを二つ並べて、あとのものは前のものよりもいいに違いない、いいというのは、あなた方の計画の上から見て、有効に違いないでしょうけれども、しかしそのものはまだテストも何もしてないのだという弱点があるように思われるのです。今はこれはテストしなくても、飛行機というものの性能などについては、今までのあなた方、専門家の立場から見れば、何ら危惧がないのだ。アメリカが新しい飛行機について何機も何機も作って、またその次のかえたものを、つけ加えたり減らしたりして、試験をしているのだから、この場合には大丈夫だ、こういうことをはっきり言える発言をしていただかないと、どうもその点については釈然とできないのじゃないか、みんなが。この点はどう考えていらっしゃるか。これは長官からお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもが国防会議に提案をいたしましたのは、F11F—1Fカッコいたしまして、これを開発いたしましたG98J—11だということでありまして、それを開発、たとえばエンジンを3から7にしました場合に、絶対に間違いないという確信があるかということでございまするが、私どもはいろいろ米軍等から資料を得まして検討いたしました数字によって、私どもの所期の性能を持ち得るものだという確信を持って国防会議に提案いたしたものでございます。
○矢嶋三義君 関連して。その確信をもってということを、われわれに安んじて信用させる力がないわけですね。というのは、私はこれは非常に大事なポイントだと思うのですが、時間がないからこの次に伺いますが、一つだけ伺ってこれに関する資料をお願いしておきたい。アメリカの空軍にクッククレギー法、アメリカの海軍にマーフィー法というのがあります。この内容は追って聞きますが、そうするとアメリカさえ採用していない飛行機、それから現実にできていない飛行機、こういうエンジンをつけかえるという飛行機、従ってテストもしていない、そういうものを三百機も一ぺんに注文するというくらいおめでたい国というのはどこの国にもないと思うのです。どうしてそれをわれわれに納得させることができますか。それから今まで承わっておりますと、そこの資料はどうもあまり信用できぬ、アメリカに行って見たところが、内地で聞いておったのとは違っておったというようなことを聞いておるが、あなた方の言っておるのは、会社のセールスマンの資料で説明されておる。米海軍の意向を聞いたというが、あの米海軍の意向を聞いたというのは公式のものですか、それはきょう答えて下さい。アメリカの一軍人か、二、三の軍人が個人的に話したものはだめです。アメリカの軍部が正式に公式文書として、この飛行機の性能、この飛行機の性能というふうに出されたものを、あなた方が根拠にされておるのかどうか。今まで出された資料並びにあなた方の答弁から印象づけられるものは、会社のが大部分です。あまり信用できないものもあるというものを答弁されておる。だからこの点。それから次の委員会に、アメリカの軍部が公式文書をもってこれらの飛行機の性能はこうだとあなた方に示されたもの、それを資料として出していただきたい。それでなければ大丈夫信用して下さい言っても、まさかこれだけ飛行機が発達してきておる時代なのに、一機もできていないで、これからエンジンを取りかえようというものを、一ぺんに三百機も注文するというのは常識上考えられない。だからさっきの一点だけ答えることと、次の委員会に私の要請した資料を出してもらいたい。その資料も米軍公式提供という活字を入れておいて下さい。
○国務大臣(左藤義詮君) 米海軍とおっしゃいましたが、米海軍も空軍も全部が協力してくれていろいろな資料の収集をいたしたと思うのでありますが、これは米軍の秘密等もございますので、米軍の公式文書というものが提出できますかどうか、これは一つもう少し部内で検討さしていただきます。
○矢嶋三義君 しかし、その資料はできるのでしょう。米軍から提供されておれば飛行機の性能に関しての数字というものは、われわれに出せるのでしょう。それが出せぬとすれば、われわれに出しておる数字はどこのものですか、会社のセールスマンのですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 米軍の方のいろいろ秘密もございます。それを好意をもって私どもにいろいろ参考にしてくれたのでありますから、われわれは大体それをラウンド・ナンバーにしてお出ししておるのでありまして、それをもう一つ、一々のこまかい数字まで出し得るかどうか、これは米軍との連絡だけではございませんで、私ども部内で検討さしていただきます。
○矢嶋三義君 この次に出してもらいます。
○大谷藤之助君 今までもらっておる資料の中で、F11F—1Fとそれから98Jのいわゆるエンジンの改良型、これとの両方の性能を比較したもののデータを持っておりますか。98Jだけしか手元にもらっていないように思うのですが、改良型エンジンを積んだ現在の予想される98Jの性能とそれからF11F—1Fの性能の比較表を一つ参考に出しておいてもらいたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 十月八日づけで出しましたものに、F11F—1Fと98J—11と並べております。実用上昇限度におきましてF11F—1Fの方は五万以上、98J—11の方は五万五千以上という、これもいずれもラウンド・ナンバーでございます。ラウンドの数字でございます。これも精密にこまかい数字までということは、ちょっと、私は米軍との関係もございますので、部内で検討いたしまして、しかしその程度の、ラウンド・ナンバー程度のものは、今そこへ出しております。
○大谷藤之助君 そうしますと、このラウンド・ナンバーでけっこうなんですが、こまかいことは全然要らないのですが、今の改型良のエンジンと前のJ3と一体ねらいは、マッハの速力を上げるのがねらいなのか、あるいは航続距離を出すのがねらいなのか、あるいはこのエンジンのねらっておるところはどの辺に差異があるのですか。この辺は全体に響いてくる問題だと思いますが。
○国務大臣(左藤義詮君) 同じ会社の一列のエンジンでございますが、それを3から7にいたしますと、エンジンの推力は、これはアフター・バーナーを採用いたしました場合において一万五千ポンド、これは地上の静止推力でございますが、それが一万五千六百ポンド程度に増加するということは、それだけ航空機の速力、上昇性能等を向上せしめる、またエンジンの燃料消費率というものが約二%と、こういう数字を持っております。
○大谷藤之助君 今の点は速力と航続距離と両方の関連があるわけですね。そうすると、今までのいろいろ各委員会の質問の応酬等を聞いておりまして、これをまさか防衛庁の方でエンジンをすりかえて、データをすりかえて、しかるべきデータなしに、テーブルプランですりかえるとは思いませんけれども、従来いわゆる改良型エンジンというと、今の飛行機と昔の飛行機は違いますけれども、昔の同じ攻撃機でも、エンジンは大てい改良型の高性能のエンジンをつけたものですけれども、戦闘機にしてもそうです。そうなると全体的にはある程度の速力は上るけれども、航続力は落ちる、多少操縦性能が上って、これは格闘せにゃならんという点はありましても、生まれかわったといっても、そう別の人間が生まれたというふうには言えない。これはいわゆる常識的に改良型のエンジンとわれわれ聞いておりますから、まあ防衛庁の話を端的に聞けば、改良型であるから、従来のF11F—1Fは変らないだろう、こう見るのが一つと、もう一方は、98Jの改良エンジンになれば、速力、マッハというようなものになると、必ずしも旧態のようなエンジンをちょっとかえたから、大して実物は、ほかのものは変らないという、実際には変らないのだということは言えないのであって、そうなると、98Jというものはエンジンが重量においてどうなのか、容積においてどうなのか、いろんなことが出てくると思いますが、そういうものも、この改良型を積むことによって、全体のバランスも操縦性能も変らないし、航続力は注文より伸びるし、速力もふえる、こういうものがりっぱな改良型だと思われますが、果しておっしゃるようにその改良型を積むことによって、ほかの方は全然変らないのだということは、ちょっとその点は受け取れないと思うのですが、その点はいわゆる重量とか容積とか、そういうものについてかなり克明に検討されたものが、資料はなくてもデータはあると思うのですが、その点についてはどうですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 3から7に換装しますことによって、機体の外形には変化はない。ただ、飛行機の形状は少し大きくなりますので、機体の中でエンジンを支えるバルクヘッドの内容が大きくなるだけであって、機体そのものには変化はない。従って設計上の変更はないというふうに聞いておりますが、なおこの点は、専門家によって一つ精密な説明をしたいと思います。
○大谷藤之助君 もう一つ、これは先ほど参考人についてのいろいろ御意見も当委員会に出ておるわけでございますが、私どもこれはしろうとの立場において、防衛庁の内局の方も実際を言えば、同じような立場であろうと思われる。その点は試作もしていないし、実用も実験飛行もあるいは実用のテスト飛行もこれはやっていない問題であるわけですから、あくまでこれは机上といえば机上の一つのデータにすぎぬと思うのですが、これをより確めるということになれば、先ほど参考人についていろいろ実施部隊側の顔ぶれが出ておったようですが、もうこの中に、実際航空自衛隊の方でいわゆる航空技術関係の現在の技術を担当しておられる、あなた方の方でエキスパートと思われるような方の意見あたりが、よりわれわれのものの考え方に近いわけでありまして、その点は一つ参考人なり、こちらの方で聞いたときにつけ加えて検討しておいてもらいたいと思います。
○矢嶋三義君 長官の冒頭発言に関連して政府委員を長く待機させておりますので、簡単に一つお伺いいたします。海上保安庁の松野警備救難部長においでを願っておったわけですが、南海汽船の須磨丸に対する海上自衛隊の発煙筒投下の問題については、当然海上保安庁としては調査済みだと思いますが、あなたのところの調査ではどういうことになっておりますか、お答えを願いたいと思います。
○説明員(松野清秀君) ただいま御質問の事件につきましては、もちろん海上保安庁におきましても現地機関が調査に当っております。まだ結論は出ておりませんが、中間報告によりますと、この須磨丸の後甲板に落下しました発煙筒につきましては、搭乗者がやはりボタンを押し間違えて落下したものと思われる、こういう報告を本庁の方へ出しております。
○矢嶋三義君 どうもそのところはおかしいと思うのですよ。三回やっておるわけですからね。ボタンを押してミステークだという見解は、何の根拠があってあなたのところはそういう結論を出されたのか。海上自衛隊に聞いたところがそう言われるので、そういうふうに認定されたのか、その点と、それから海上自衛隊の航空機並びに航空自衛隊の飛行機は、よく船とか特殊建物を目標に演習をされることが折々あるということを承わっておるのですが、海上保安庁はそういう点についてはどういう認識を持っておられるのですか。
○説明員(松野清秀君) 防衛庁におきましてたとえば艦艇による射撃訓練とか、あるいは航空機によります爆撃演習とか、そういうものを実施される場合には、当然海上保安庁の方へ連絡していただいております。ですからそういう場合には、海上保安庁におきましては、きめられました時間に航行警報といたしまして、一般の船舶に周知をさせる。しかし、今回の演習につきましては、そういうような目的ではなかったのではないかと思いますし、連絡は受けておりません、事前には。ですから公示はいたしておりません。
○矢嶋三義君 しておらない。
○説明員(松野清秀君) そうです。
○矢嶋三義君 それね、その公示を受けていないということ自体手落ちがあると思うし、さらに先ほど伺ったように、折々航海中の船舶あたりを演習の対象にするということがあるということを聞いているんですが、あなたのところは、その点についてどういう認識権を持っておるか。海上保安庁として防衛庁、海上自衛隊に対して、そういう点について注意を喚起したことが過去にあるでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(松野清秀君) 一般の船舶を対象にしておやりになったということは、私はまだ聞いておりません。
○矢嶋三義君 防衛庁側に、あるいは海上自衛隊側に注意を喚起したようなことはございませんか。
○説明員(松野清秀君) 私は聞いておりません。
○矢嶋三義君 それがあるかないか、あなたの管轄官庁に問い合せて、過去においての事実の有無を調査して、次の委員会に報告していただきたい。そういうことは折々あるということを承わっている。よろしゅうございますね、それ。
○説明員(松野清秀君) 承知いたしました。
○矢嶋三義君 長官に、この点について最後に伺いますが、これはミステークというのは、僕はちょっと納得しかねる点があるのです。僕らの聞いたところでは、大体三回同じコースでやられたというのですが、かりにミステークとしても、これは処罰の対象になりますか、いかがですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 非常に御心配いただいたと思いますので、先ほどとりあえず御報告いたしましたが、なお調査を進めておりまするので、故意にやったことであるか、過失でやったのか、先ほど申し上げましたように、一発、二発は、はるかに船のずっとうしろの方の航跡に発煙筒を二発落したというのですが、三発目は、もう訓練が終ったということをインターホーンで隊員に知らせようとして、そのインターホーンは、御承知のように、押しませんと聞こえませんですから、その押すときに、間違って発煙筒の方を押したというように私は報告を聞いておるのであります。なお、その点につきましては、十分引き続き調査を進めておりまするので、いずれまた御報告申し上げます。
○矢嶋三義君 その点、偶然にちょうど船の上に落ちるように誤まってボタンを押したというのは、そういう奇跡的な偶然の一致というのは、私はきわめてまれだと思うのです、三回やられておるのですからね。それで第一なんでしょう、演習があるときは、告示されるわけですが、それが海上保安庁を通じて各地方の出先機関を通じて各船舶に通知されていなくちゃならぬわけですよ。でなければ、船が航海しておって、日の丸のマークをつけておっても、飛行機が二度、三度と上空を回って、そうして誤まりか何か知らぬが、発煙筒でも落ちて煙が出ると、相当ショックを与えますよ。あの付近だからいいようなものの、もし北海道のあのあたりかどこかであったならば、何ですよ。判断が適正でなくて、あわてる何だったら、艦船が機関銃でもつけておったら、海上保安庁の船だったら、撃つかもしれませんよ。飛行機に射撃するかもしれませんよ、北海道の北とか九州の西南地区であったら。だからそういう点は、演習するならするとちゃんと告示して、末端の艦船にまで連絡しなくちゃならぬと思うのですが、そのこと自体私は不注意な点があると思うのですよ。そうして、ミステークということなんですが、十分調査中ということですから、調査してあらためて御報告いただきたいのです。 それから、時間がなくなりましたから次回に譲りますが、あなたの冒頭の発言は非常に率直でありましたので、率直にこの前の私に対する答弁を訂正され、遺憾の意も表明して発言されましたので、深追いをいたしません。ただ確認しておきたいことは、こういうことなんですね。きょうはそれだけにとどめておきますが、それは、今防衛庁で防衛計画を検討されているのは、沖縄とか小笠原は防衛区域に入らない、そういう立場からこの検討をやっているのだと、努力をしているのだと、しかも、かりに沖縄、小笠原が防衛区域に入っても、今われわれが採用しようとしているところのF11F—1Fの改良型であるG98J—11は、別に改めなくてもそのままでよろしいという、こういう見解を持っている、これが左藤長官のお考え方である、かように了承してよろしいわけですね。
○国務大臣(左藤義詮君) さようでございます。
○矢嶋三義君 きょうはこれでやめます。
○委員長(永岡光治君) それでは、次回は先ほど私の方から報告いたしました、源田、佐薙、永盛、さらに大谷君から特に要望されました専門の技術者を追加することにいたしますから、ぜひ御勉強をいただきまして、お願いいたしたいと思います。 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会