内閣委員会 第3号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/10/17
会議録
○委員長(永岡光治君) それではこれより内閣委員会を開会いたします。 去る十月七日、横川正市君、藤田藤太郎君及び阿部竹松君が委員を辞任され、その後任として近藤信一君、千葉信君及び松本治一郎君がそれぞれ委員に選任されました。 また昨十六日、上原正吉君が辞任され、重宗雄三君が委員に選任されました。 以上、御報告いたします。 —————————————
○委員長(永岡光治君) それではこれより議事に入ります。 まず、本委員会に付託された法律案につきまして、これより順次提案理由の説明を聴取いたします。 まず、先議となっております公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について説明を求めます。
○国務大臣(永野護君) ただいま議題となりました公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由並びにその概要を御説明申し上げます。 現行の公共企業体職員等共済組合法は、昭和三十一年に制定されましたが、その後、健康保険法の一部を改正する法律が施行されましたので、それに伴います改正とともに本法自体の整備をも含めまして、昭和三十二年に一部改正法案を提案いたしましたが、審議未了となりました。その後、国家公務員共済組合法が全部改正となりまして、新しい国家公務員共済組合法が本年に至って制定になりましたので、それと関連する条文の改正をも必要とするに至りました。以上がこの法律案を提出するに至りました次第であります。 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。 第一は、健康保険法の一部改正に伴う改正でありまして、その内容は、療養の給付についての一部負担の制度が改正されましたことと、保険医療機関に関する規定、保険医療機関に対する罰則の規定が改正されましたことなどに伴いまして所要の改正を行うものでありまして、このほかに、不正受給者から費用を徴収できるという規定も新たに加えることにいたしております。 第二は、国家公務員共済組合法の制定に伴う改正でありまして、これはすべて付則に規定されております転出、復帰、転入組合員の長期給付に関する規定につきましての所要の改正のみであります。 第三は、短期給付関係の改正でありますが、その内容は、被扶養者の範囲及び組合員の資格喪失後における継続給付の受給資格要件につきまして、健康保険法の規定の例にならいましてそれぞれ改正をいたすことにいたしております。 第四は、更新組合員についての長期給付関係の改正でありますが、その内容は、増加恩給を受ける権利を、希望により消滅させてその者の恩給公務員期間を組合員期間に算入できるようにすること、共済組合の職員であった期間を退職年金受給資格期間として算入すること、組合員期間に職員期間に準ずる国家公務員であった期間で運営規則で定めるものを加えること等のための改正をいたすことにいたしております。 第五は、主務大臣が共済組合に対し、監督上必要な命令ができることにするとともに、役員等の法律違反に対する罰則規定を整備するための所要の改正をいたすことにいたしております。 なお、その他長期給付に関する規定等につきまして、現行法施行後における運営の状況等にかんがみまして、所要の改正を行うことといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由とその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○千葉信君 運輸大臣にお伺いしますが、これはあなたが今提案理由の説明に当られましたが、この法律案の審議に当って、あなたが責任を持たれることになったのですか。どういう経過で、あなたが今後主務大臣という格好で答弁に当られるのか。もしそうだとすれば、その根拠をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(永野護君) これは御承知の通り、大蔵、郵政、運輸三省の共管になっております。従来これは順番に責任者になるというようなことで、今度は運輸省がやる番になっておるからということで、お引き受けしたような次第でございます。
○千葉信君 どこでそういうことをきめたのですか。
○国務大臣(永野護君) それは三省間でそういう申し合せをいたしたわけであります。
○千葉信君 それは三省間でそういうふうにおきめになったのかもしれないけれども、国会の方の立場とすれば、本来国家公務員の関係の共済組合法の所管省がこの場合三省にまたがっているとはいっても、その責任省は政府にないのですか。三省という格好に分れているのですか。もし、政府の方で三省に分れているというふうな見解ならば、私ども輪番制などということは、ここでは了承できぬ形になると思いますが、その場合には、三人の大臣が出席して、答弁してもらわなければ審議が進まぬという事態になると思いますが、その点はどうお考えになりますか。
○国務大臣(永野護君) 率直に申しまして、三人がそれぞれの責任を持っておるのでありますから、それぞれみんな出てくるのが、あるいは適当かと思いますけれども、私ははなはだ準備不足だったのですけれども、慣例的に順番になっておるというので、そう深くも考えませんで、そういうことになっておるのならば、お引き受けしなければならぬと、こう考えた次第でございます。
○千葉信君 どうも今の答弁ではすっきりしないと思うのですがね。一つの法律案を提出して、それの主務大臣が不明確で国会がその審議に入るということは、国会としてはこれは考えなければならぬし、政府の方でそういうふうに三省各省にまたがっているなどという場合は、当然内閣でそれを担当する人がどの大臣かいるはずです。この点が明らかにならないと、私どもの方では、ちょっとこれの審議を進めるわけにいかぬという事態が起ると思うのですが、たとえば各省にまたがっている事項については、これは当然総理大臣なり、官房長官ということになると思うのですがね。どうも政府の見解不明確のままで、かわりばんこに国会で答弁するなんという、そういう不見識な方針を私は了承できぬと思うのですが、まあ、きょうはあなたの方でもその点についてどうも準備も不足のようですし、この次の委員会に出席されるまでに、その点はっきりして出席してもらいたいと思います。
○国務大臣(永野護君) 十分にその点を練らないで参りましたことは、不十分であったと思いますが、私は従来、こういうものは順番というと、はなはだ語弊があるかもしれませんけれども、全部が出て説明するのじゃなくて、かわるがわるにというと順番になりますかね、ということであったと説明を聞きましたから、その慣例に従おう……。
○千葉信君 私はこの点について、法律上はっきりここで永野さんに問い詰めることは、今の永野さんの答弁から言って、どうも不用意千万に出てきたようですから、私はこれ以上この問題を追及しませんけれども、この次からはこういうことのないように、委員長の方でも十分政府の方に注意を喚起していただきたいと思います。
○委員長(永岡光治君) 承知いたしました。 —————————————
○委員長(永岡光治君) 以下予備審査でございますが、次に、科学技術会議設置法案について説明を求めます。
○国務大臣(三木武夫君) ただいま議題となりました科学技術会議設置法案につき、御説明申し上げます。 最近における世界の科学技術の進歩は、まことに著しいものがありますが、このようなときに際して、天賦の資源に恵まれないわが国が、その文化と経済の発展を期するためには、科学技術の画期的な振興をはかるほかにはないということは、自明のことと考えます。このため政府といたしましては、科学技術振興の国家的重要性を深く認識いたし、その振興のために諸般の施策を推進しているのでありますが、従来の施策が、総合性という面において、必ずしも十分でなかったということに思いをいたし、政府の施策に一そうの総合性を持たせるため、ここに科学技術会議設置法案を提案する次第であります。 以下、科学技術会議設置法案につき、その概略を御説明申し上げます。 この法律案は、さきの第二十八国会において審議未了となった同名の法律案に、国会審議の経過及び日本学術会議の意見を参照して、若干の修正を加えたものであります。科学技術会議は、内閣総理大臣の諮問機関として総理府に置かれ、内閣総理大臣は、科学技術に関するきわめて重要な事項に関して関係行政機関の施策の総合調整を行う必要があるときには、その事項について、科学技術会議に諮問しなければならないことといたしております。この科学技術振興のためにきわめて重要な事項と申しますのは、第一に、科学技術一般に関する基本的かつ総合的な政策の樹立、第二に、科学技術に関する長期的かつ総合的な研究目標の設定、第三に、この研究目標を達成するために必要な研究のうち、特に重要なものの推進方策の基本の策定、第四に、日本学術会議への諮問及び日本学術会議の答申または勧告に関することのうち重要なもの、以上の四つの事項であります。 このような事項につきましては、従来とも、大学の研究に関しては文部省、工業の分野においては通商産業省、農業の分野においては農林省というように関係各省において、それぞれ所掌事務の範囲内で、決定推進されて参ったものであり、また、科学技術庁、原子力委員会のように、総合調整を任務とする機関もすでに設置されているのではありますが、科学技術の全般にわたって、施策の総合調整をはかる機関は、現在のところ存在しないのであります。そこで、新たに科学技術会議を設けて、これに科学技術の全分野にわたる施策の総合調整の機能を果させようとするものであります。 もとより、本会議は前述のように、各行政機関の科学技術全般に関する施策の総合調整をはかることを目的として設置されるものでありまして、各機関の専管に属する事項のみを対象とした審議は行われないものであり、また、大学の学問研究に関する文部省の所掌事務をも含めた総合的な調整を行うに際しましても、憲法により保障されたその自由は十分に尊重されるものであることは、言うまでもありません。 科学技術会議のこのような任務の重大性にかんがみ、その組織には、他の一般の諮問機関と違った大きな特色を持たせているのであります。すなわち、第一に、議長は内閣総理大臣であり、第二に、その議員としては大蔵、文部両大臣及び経済企画庁、科学技術庁両長官並びに日本学術会議会長が充てられるほか、関係国務大臣が必要に応じて議員として会議に参加できることとされていること、第三に、閣僚及び日本学術会議会長以外から任命される識見の高い議員三人のうち二人は常勤とされて、常時科学技術に関する内外の動向の把握とその検討に専念できるようにされていること、最後に、議員全体の数が少数に制限されていること、以上であります。これは、科学技術会議の設置の趣旨にかんがみ、その組織を強力にし、かつ、その活動を実効あらしめんとするためであります。従いまして、閣僚及び日本学術会議会長以外の議員の人選に当りましては、特に意を用いて、科学技術に関して最高の識見を有する者を選び、科学技術会議の公正な運営を期する所存であります。 以上、はなはだ簡単でありますが、科学技術会議設置法案につきまして御説明申し上げました。 なお御参考に申し上げますと、本法案につきましては、これに必要な昭和三十三年度予算支出の御決定をいただいております。 科学技術振興の重要性に対する皆様の深い御理解により、本法案が可決されるよう心から希望いたします。本法案の慎重にしてすみやかなる御審議をお願いいたします。 —————————————
○委員長(永岡光治君) 次に、郵政省設置法の一部を改正する法律案について説明を求めます。
○国務大臣(寺尾豊君) ただいま議題になりました郵政省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 この法律案は、郵政省の省名を、逓信省に改めること及び電気通信監理官二人を廃し、内部部局として電務局を設けることをそのおもな内容といたしております。 改正の第一点は、省名を逓信省に改めることであります。郵政省という省名は、昭和二十四年に、もとの逓信省が二分され、電気通信省が独立し、残りの郵便、郵便貯金、簡易生命保険等の事業を行う省として、この名称が定められたものでありますが、その後昭和二十七年に、日本電信電話公社等が設立されるに伴って、電気通信に関する行政事務が、また同時に電波監理委員会の廃止に伴って、電波に関する行政事務が、郵政省の所管として復帰して参り、以来これらの部門の省内における比重がいよいよ高まって参りましたので、通信行政主管庁たる実質と、あわせて郵便局を窓口機関として郵政事業を行なっている実体とに対応するよう、省名を逓信省と改めようとするものであります。 改正の第二点は、特別の職として置かれている電気通信監理官を廃して、内部部局として電務局を設けることであります。 郵政省の電気通信監理官は、特定の公共企業体または公団を監理するために置かれることを例とする監理官と違いまして、日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社の監督のみならず、広く有線電気通信の規律、監督、電波及び放送の規律に関する事項以外の国際的な電気通信関係の諸事務等をその所掌事務としており、最近めざましく発達してきている有線放送電話及びその他の私設の有線電気通信設備に対する監督、指導及び助長を適切に行い、また、戦後占領下にあって国際的に不利益を受けていた電気通信界の発達に十分な施策を行うほか、有線及び無線の電気通信の技術的発達の結果、電信電話等への応用の面において両者の間の調整をはかる必要があり、これらに対応して、電気通信行政の責任部局たる電務局を設け、責任の所在を明確にするとともに、局組織によって事務を円滑かつ能率的に遂行しようとするものであります。 なお、今回の改正におきましては、おもな改正内容は以上二点でございますが、従来やや明確を欠いていた一部の表現等につきましても、ごくわずかでありますが、改めようとしております。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。 —————————————
○委員長(永岡光治君) 次に、国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案について説明を求めます。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま議題となりました国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 国家公務員のための国設宿舎に関する法律は、昭和二十四年八月から施行されたものでありますが、何分にも占領下に制定された法律でもあり、施行後十年になる今日におきましては、制度、運用の両面にわたり、是正補完すべき事項が少くありませんので、この際実情に即して改正しようとするものであります。 次に、主たる改正点につきましてその概要を申し上げます。 第一は、宿舎審議会の廃止であります。宿舎審議会は、もともと、法律制定時におきましては、多年不統一に放任されてきた宿舎制度に関する諸問題を一挙に解決することが困難でありましたので、本来は法律に明定すべき宿舎の維持管理の基準、有料宿舎の使用料の基準等の重要事項を、その調査審議の結果を待って決定するという建前をとらざるを得なかったために設置されたものであります。しかしながら、宿舎制度がおおむね確立された今日におきましては、これらの重要事項は、当然法律に明定すべきものと考え、今回の改正案に織り込むことといたしましたので、この際行政簡素化の趣旨に即して、これを廃止しようとするものであります。 第二は、宿舎貸与の対象となる国家公務員の範囲が不明確でありますので、宿舎設置の目的等にかんがみまして、その範囲を原則として常時勤務に服する国家公務員に限ろうとするものであります。なお、臨時職員でありましても、その職務の性質上宿舎貸与の必要がある者等につきましては、政令で定めるところにより宿舎を貸与し得ることとして実情に即した配慮を加えることといたしました。 第三は、宿舎の設置に関しまして、その基本となります設置計画の作成及び変更の手続を明確にし、また、公邸の備品、光熱水料等の費用の負担区分及び無料宿舎を貸与する者の範囲を明確にしたことであります。 第四は、宿舎の維持管理に関してであります。有料宿舎の使用料は、原則として宿舎の設置等に要する費用を回収する建前のもとにその算定方法を合理的なものに改め、また、被貸与者の宿舎使用上の義務を明確にし、さらに宿舎の明渡事由、損害賠償金について必要な規定の追加を行うこととしたものであります。 以上のほか、所要の規定の整備をはかり、事務処理の円滑化をはかったものであります。 これがこの法律案の提案の理由及び内容の概略であります。何とぞ御審議の上すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて下さい。 ただいま総理府総務長官の松野さんが見えております。八木君。
○八木幸吉君 総務長官にちょっとお伺いしたいのですが、この間、独禁法の改正の提案理由を総務長官が本会議で説明されました。ところが、この案が付託されたのは商工委員会、商工委員会に付託される案であれば、通産大臣が提案理由の説明をされるのがすらっとしていると思うのですが、それを総務長官がおやりになったという理由が一つ。総務長官がおやりになることが筋が通っているなら、あの案は内閣委員会に付託されるべきものじゃないかと思いますが、その辺のところを一つ御説明願いたい。
○政府委員(松野頼三君) お答えします。現在の公正取引委員会は総理府の外局になっております。従って、公正取引委員会は政府委員ではございますけれども、提案権というものが今日ございませんので、従って、その所管しておる総理府総務長官が法律的な提案をする。こういう順序で、私の方でやることになりました。なお、国会で、商工委員会といいますのは、議事規則で、この公正取引委員会の法律というものは、以前は経済安定委員会というのでやっておりまして、それが廃止のときに、そのまま商工委員会ということにきまっております。これはたしか、明文があると存じます。そういう関係で、私自身も内閣委員会だと思っておりましたところが、条文を調べて、これは国会でおやりになるのでございますから、国会の方でそれをおやりになったという話を聞いたわけでございます。内閣ではどこでしろ、ここでしろという意見じゃございません。国会内の議事規則で、そういうふうになっているということを、事務当局から聞いたわけで、私も、実は、内閣委員会だと、自分自身は念頭に置いておりましたけれども、国会の議事規則がそうなっておるそうでございます。
○矢嶋三義君 ちょうど独禁法の問題が出まして、松野長官から今のような答弁がありましたので、それに関連してちょっと伺いたいと思うのです。ということは、国家の行政機構という立場から、権限と責任の所在というものを明確にしておくことが常に大事だと思います。そういう立場から伺いたいと思います。まず伺いたいのは、閣員はどういう人で構成されることになっているでしょうか。
○政府委員(松野頼三君) 閣員は、内閣法の所定の定員として、国会議員の以外の者もなれますが、規定としては国会議員がどの程度という規定によって、それによって実行されているわけでございます。
○矢嶋三義君 国務大臣になり得る人が国会議員と、それから制約された範囲内における民間人からと分れておるのですが、閣員とは何ぞやということです。
○政府委員(松野頼三君) 閣員とは、いわゆる内閣法で国務大臣その他というその規定によって実施されておると考えます。
○矢嶋三義君 国務大臣及びその他とは、その他とは、どういうことですか。
○政府委員(松野頼三君) 閣員というのは、国務大臣ということが原則でございます。総理大臣と国務大臣だけでございまして、私の方今感違いしましたのは、閣議と考え違いしました。閣員というのは、国務大臣及び総理大臣という規定があるのでございます。
○矢嶋三義君 内閣法二条によって、閣員は総理大臣と定数以内の国務大臣だけが閣員、それから官房長官並びに総理府総務長官は閣員に入らないわけです。 次に伺いたい点は、閣議で法律を出す場合に議決するのですが、その法律と案件を閣議の議決を求めるために提案権があるのは、どういう人でございましょうか。
○政府委員(松野頼三君) お答えいたします。総理大臣及び各大臣というのが、内閣法における規定だと存じます。
○矢嶋三義君 その通りです。内閣法第四条で明確になっております。従って総理大臣が政府を代表して国会に法律案を出す場合、事前に閣議決定をやるわけですが、官房長官並びに総理府総務長官は案件を閣議に提出する権限はないわけですね。あらためて確認していただきたいと思います。
○政府委員(松野頼三君) さように心得ます。
○矢嶋三義君 その通りです。次に伺いたい点は、官房長官並びに総理府総務長官は閣議に出席することはこれは出席されておるのですね。ところが採決権はないものと思いますが、いかがですか。
○政府委員(松野頼三君) 採決権と申しますか、いわゆる署名の権利はないと存じます。
○矢嶋三義君 法律案は、内閣総理大臣が内閣を代表して国会に提出するわけですが、閣議決定する場合も、それぞれ責任国務大臣があるわけですね。従って私は当内閣委員会は、法律案の提案だけは、所管の国務大臣から承わるということは慣例になっているわけです。従ってその慣例からいうと、官房長官並びに総理府総務長官が説明することは筋が通らぬと思います。筋からいいますと、権限と責任の所在から申しますと、閣議に法律案を出す権限もない人が、この国会で、立法府に対して審議を仰ぐ提案をする場合に、その官房長官、総理府長官がやるということは、私は相当重大な誤まりを犯している、かように私は考えるわけです。ということは、それでまあ私ちょっと意見を言うて承わるわけですが、御承知のごとく総理大臣以下国務大臣合計十七人で構成することになっているわけですね。そして法律では、総務長官も官房長官も国務大臣をもって任ずることができることになっているわけです。だから岸総理大臣の考え一つで官房長官、総理府総務長官は国務大臣に任命できるわけです。そうしますと、閣議においても案件の提出権がありますし、堂々と国会で提案理由を述べられると思います。ところが、十七人のワクがあるものですから、まあ池田さんみたいな人を副総理に任命しておけばちゃんとできるわけですよ。ところが、党内のいろいろな事情があるのか、池田国務大臣みたいな無任所大臣というのですか、何も分担を持たないああいう遊休国務大臣というものを、ああいうものを作っている。この前大蔵大臣が外遊される場合も、あのエキスパートの池田さんは臨時代理にならないで、三木国務大臣がなられた。何のために池田国務大臣がおられるのかわからぬ。そういう国務大臣のポストを持っているから、あなたが国務大臣になれぬわけです。なれぬから閣議に出せないわけです。それで、その人が立法府に提案説明をするというのは、これは、私は相当重大な問題だと思うのですよ。だからそういう点を避けようと思えば、総理大臣がみずから忙しくてやれないとなれば、かつて吉田内閣当時に緒方さんが副総理で一切切り回していったように、ああいう何も仕事を持っていない池田国務大臣を副総理に任命していただけばいいのですよ。そうすれば堂々とやれるわけです。党内事情かなんか知りませんが、そういうことをやっていないで、閣議にさえ法律を提案する権限のない人が立法府にあの提案をするということは、これは行政府と立法府の関係で、私はかなり大事だと思うのです。これは当内閣委員会が前藤田委員長のときもそうでしたが、提案説明だけは、当該責任国務大臣から説明を必ず受ける。あとはまあいつもおいでできないだろうから、政府委員からいろいろと承わろうと、こういう慣例できた点から言いますと、その問題点がある。これを官房長官、特に総理大臣はどういうふうに考えておるか。その見解をただし、何らか納得できるような釈明があれば、筋さえわかれば、私は次の判断を下すわけですがね。少くとも官房長官がどういう見解を持っているかということと、何らかその琴線に触れる説明がないと、筋も何も立たんで、権限と責任の所在の不明確のままでは工合が悪いというので、官房長官の出席を要請しているわけです。この点はむしろ総理府総務長官よりも官房長官が答弁に当るのが至当だと思うのですけれども、ちょうど独禁法と関連して八木君から出たから、私伺っているのですが、矢嶋の所論が暴論と聞えるか、ごもっともだと聞えるか。その点だけ一つ総理府総務長官から承わっておきたい。
○政府委員(松野頼三君) ごもっともでございまして、ただ慣例として、あるいは総理大臣の今日の職責が非常に多種多様だという意味で、今日までは前総務長官も一応所管事項に関しましては、国務大臣に準じてお取り計らいをいただいております。従って、どうかこの例も一つお願いをいたしたい。法律及び行政機構から申しますと、総理府は総理大臣がもちろん総理府の長であります。その中の総理府という外局を抜きにした本府が、私の長という立場になっておりますので、総理府全般から言うならば、総理府はあくまで総理大臣、その中に国務大臣をもって充てるものをのかしたあとの総理府本府だという行政機構の上から言われますれば、総理府の長はだれかと言われれば総理大臣であります。各省分担して、なお総理府設置法の際にも、当内閣委員会でも御審議になりましたように、総理府総務長官は国務大臣をもって充てることを得という条文を特に議会修正でお入れいただいたいきさつもありますので、しかし、今日私は国務大臣じゃありませんから、充てることを得であって、私は今日その充ててはないわけであります。そういういきさつもありますので、一応行政機構の上からは、この前もたしか総務長官で御審議いただきましたし、一応今日の議会の申し合せと申しますか、慣例としては国務大臣に準ずるもので、一応納得しようというので、今日までやっていただいておりますので、どうぞ一つその辺もおくみ取りいただいて、矢嶋さんのおっしゃることは、暴論じゃございません。同時に私の申しますことも、一つお聞きいただいてお許しをお願いいたしたいと存じます。 —————————————
○委員長(永岡光治君) ただいま委員の異動がございました。佐藤清一郎君が辞任され、山本利壽君が委員に選任されました。 —————————————
○千葉信君 今の矢嶋君の質問の問題に関係するのですがね。今、総務長官は、大臣ではなくとも、総理府をあずかる者として、総理大臣事故あるときもしくはまた何かの都合があるときには、総理府の一応の責任者として総務長官が代理をして国会に対して提案し答弁をすると、こういう見解を政府の方では一応おとりになる。これが正しい考え方であるかどうか、この点別にして、もし総務長官の言われる今の見解をその通りだということにすると、私はまた問題が一つ起ると思うのです。それは、さっきあなたのおいでのところで、運輸大臣が、公共企業体職員等共済組合法の一部改正案を提案された。実はあの法律は、三省にまたがっていることは、これは長官も御承知の通り。その場合、三省にまたがっている法律案について、もしくはまた、その行政上の権限について、そういうふうな場合には、かわりばんこに三人が国会で答弁するとして、だれが一体責任者になるか、不明確な格好は、これは許されぬと思うのです。そういう場合は、やはり総理府設置法の三条ですか、各省行政機関にその分担が、もしくは分掌が明確でない場合には、その行政事務については、これは総理府が担当するのでしょう。その総理府が担当するという場合には、これは当然内閣総理大臣なり、もしくはさっきのお話しのように総務長官ということに一応なると思うのです、責任は。そうすると、その考えが正しいということになると、あの法律案の提案の責任者なり、国会に対して答弁する立場の人は、総務長官もしくは総理大臣、こういうことになると思うのですが、どうですか。
○政府委員(松野頼三君) 先ほどの運輸大臣のこと、私もちょっと、他に言及して申しわけありませんけれども、各省の所管事務の中に入っておらぬものは総理府ということの明記があると思います。しかし、先ほどの法律は、各省の所管事項に入っておる、どの省にも入っておるという意味で、どの省でも同じような文句で、各省行政機構の中に入っておるから、その入っておる中から代表者がやると、こういう今までのいきさつであった。私は、どの省にも入っていないものは、当然私がやらなきゃならない。こういう感じで私はこの行政機構というものを読んで、私は自分の所管をやっております。
○千葉信君 もしそうだということになると、国家行政組織法によると、各省は、明確な範囲の所掌事務等の権限を持って各行政機関を担当しろということになっていますが、そういうことになると、行政組織法の第二条に違反する考えだということになりはしませんか。
○政府委員(松野頼三君) 各省行政機構の中には、同じような文句が各省に入っておるわけです。どの省一省見ても明確に入っていますが、同じ文句が各省に入っておるということが、たくさん今日ございます。従ってどの省、かりに一つの例、水道の例を見ますと、どの省にも入っておるものがあるわけです。同じような文句、水道という文句を使っておる。その省だけ見ますと明確になっていますが、ほかの省にも同じような文句が入っておるときにはどうだということは、分担させる区分というものが今日の行政組織では多種多様じゃないか。従って権限はどの省にもあるのだ、権限のある省の中から、私は代表者がおやりになるのではないかと、こう考えております。給与の問題なんかおそらく一番いい例だと思いますが、給与は各省にまたがっております。どの省にも給与というものは所管があるわけです。しかし、この給与ということになったときには、どの省がやるかと言えば総理府がやるというわけで、総理府の中に給与というものが入れられたのではなかろうか。従ってどの省にも入っておる、明確に一つしかないというのではなしに、私は探せばどの省にも入っておるのではなかろうか。従って特にこういうものは総理府でやれということで、また私の方の設置法の中に入れられたのではなかろうか、こういうわけで、それは行政機構の毎年の課題じゃないかと思います。私、どの行政組織法を見ましても、いろいろ書いてあるのですから、それを一本にしよう、明確にしようじゃないかということが、行政機構の毎年の改革の趣旨じゃなかろうか、こう私は考えますので、はなはだ私は突然の話で、明確かどうか知りませんけれども、私が今まで感じて自分の職務をやっておりますのは、こういう気持であります。
○千葉信君 総務長官の言われる通り、各省になるほど同じような業務がみな分担されている。給与の問題もその著しい例ですが、しかしここでその第三条の第四号の解釈ですね、この第四号解釈だけからいえば「他の行政機関の所掌に属しない行政事務」ということは、これだけを読んだら、あなたの言われる意見が出てくる。しかし、今のようなたとえば給与の例がいい例であるように、各省にまたがっている仕事、各省がおのおの同じように分担している仕事、そういう行政事務に関連した法律案が国会へかりに出されたとする。その場合国会に対して責任を持つ大臣。それはだれかという問題が出てくる。そうすると、今度はこの第三条の第三号が問題になりはせぬか。つまり各省間にまたがっている仕事に対して、それが全部ばらばらに分掌されております。しかし、その間の各省の総合調整という立場は、これは総理府なり内閣である。いいですか、そうなるとさっきのような問題、たとえば国会に対して三人の大臣がかわりばんこに出てきて答弁するなどという、そういう責任の不明確な態度は、少くとも内閣法の建前からいって私は許されないことなんだ。そういう場合にはやはりだれかがはっきりした明快な責任をもって、国会へ出て答弁しなければならぬ。それが同様の権限なりばらばらの格好での答弁ということは、これはほんとうの責任を持っていることにはならぬ。その場合には、つまりこの総理府設置法で言う内閣総理大臣、もしくはそれの代理としての総務長官、こういう格好が第三条の三号から出てきはしませんか。第四号だけをあなたのような解釈をしては、第三条の精神は、これはすっかりもう何というか問題にならない格好になってしまう。その点、どうでしょうか。
○政府委員(松野頼三君) それで、おそらく内閣におきましても、総合的にやりますには、提案理由をだれが代表でやるか、同じような平等な立場で三人おられるというときには、それじゃだれが総体的にこの責任を負うかというのは、まあ提案理由の説明者が総体的に負う。ただし、各省の所管事項、運輸省のものは運輸大臣、あるいは各省のものはそこの部分についてそこの省の長が、あるいはその大臣がおやりになるということはあり得ると思います。運輸省の職員のことであるとか、あるいは同じ一つの問題が出たときに、総理府だけの答弁ができないことがあるかもしれません。そういうときは職責あるいはその省固有のものについては、所管の大臣が補足説明をされましょうが、代表者及び提案理由というものをやりましたものが、総体的な責任を負うべきじゃなかろうかと思います。補足説明には各省大臣も出ていただきましょう、こういう感じで、私は今日まで、総理府というものはそうあるべきものだ、総理府総務長官は、各省のものを全部統合して責任を負うというわけには参りません。この給与問題については、総合的な給与問題について、私が責任をもって御答弁いたします。各省の中で防衛庁、防衛庁が一番いい例で、今日さっそく問題になるかもしれません。防衛庁の一つの職責あるいは給与法について議論が出たときには、防衛庁長官が自分の所管としてやることは当然かもしれませんけれども、給与の総体的なものは、私が責任をもって持つものだ。従って補足説明には、防衛庁にもお願いいたさなければなりませんが、給与そのものを提案いたしました者としては、私が全責任を負うべきだ、こういうのが今日総理府で一番問題が多いものですから、そういう意味で提案理由、あるいは答弁に当るべきだと思います。
○矢嶋三義君 ただいまのこの立法府と行政府の質疑応答は、私は総理大臣でなくちゃできないと思います。少くともこれは官房長官でなければ……、官房長官と総理府総務長官の事務分掌の点からいって総理大臣、少くとも官房長官でなければ、総理府総務長官ではちょっとはずれておると思う。便宜上やっておるわけですがね。だから、僕は早急に官房長官の出席を委員長は要望してもらいたいと同時に、私は一言申し上げて千葉さんの質問を続けていただきますが、私がなぜこういうことを申し上げるかといいますと、権限と責任の所在と同時に、政府はきわめてルーズだと思う。ということは、官房長官は国務大臣をもって任ずる必要があるというので改正したわけです。それから総理府総務長官を設ける場合も、次官を各省二人にするというような案を持ってきたわけです、副大臣にするというような。ところが行政費を節約するということは非常に大切なことだというので、一部政務次官を二名にして他は落したわけですね。総理府総務長官の場合も国務大臣をもって任命することができるようにする必要があるかどうか議論があった。大臣があまり多くなることは好ましくない。しかし、総理府の仕事が錯綜しているから、国務大臣をもって任命できるようにした方がいいのじゃないかというので、私ども賛成して国会を通したわけです。ところが、任命できるのに、池田さんみたいに何も仕事のない国務大臣を置いておきながら、総理府総務長官、官房長官は十七名のワクがあるものだから国務大臣に任命できない。そうしてしかも、提案理由には行政制度改革の一環としてとやって、あとは何もなくて、前国会では各省軒並みに官房長を新たに設けるような逆の提案をしてきて、衆参の内閣委員会で大修正を受けたわけですね。それで、そのときどきで大臣とか次官とか官房長、そういう高級な人はどんどんふやしながら、一方行政の末端の職員は臨時雇いで採用されて、十年も十二年もなのですよ。定員外の臨時雇いで同じ仕事をしている公務員がおるわけで、いつも定員の問題でここが問題になる。そういう点で非常に政府は無責任でルーズでだらしがないと思う。私はそう考える。だから、私はこの問題を明確にして、内閣の責任者がはっきりした見解を表示できなければ、内閣の規定からいっても、また、こういう法律案が通過した経緯からいっても、黙して過すわけにはいかないという立場で、私は総理大臣あるいは官房長官にただそうとしているのです。委員長におかれては、官房長官の出席を早急に、それでなかったら、ほんとうを言うと総理大臣を呼ぶといいのですよ、総理大臣の出席を。提案理由を読むか読まぬかは別として。これははっきりさせておかなければ、次の通常国会にまた省を幾つふやすとか、局を幾つふやすとかいうことを考えられておる。そういう点と関連してきますと、私はこういう点は明確にしてもらわなくちゃならぬと思う。ですから、官房長官で話がわかれば、それであえて総理大臣とも言いませんが、少くとも官房長官に来てもらわなければ、運ぶわけにはいかぬと思う。
○委員長(永岡光治君) 要望ですね。
○矢嶋三義君 ええ。
○千葉信君 総務長官、さっきからの質疑応答の中でまだ疑義がだいぶ残っておりますが、最後にもう一つの疑義というのは、これも政府の方で考えてもらいたいと思うのですけれども、国会に対してどの大臣が最終的な責任大臣か不明確な格好での答弁ということは許されないと思う。そういう場合に、それならば総務長官にする、あるいは総理大臣にするという場合と、もう一つは、ああいうふうに責任の限界が明確でない場合には、内閣法に基いてその閣議で担当大臣をきめる必要がある。これは第七条にはっきりと出ておりますから、各大臣間の権限について疑義がある場合、もしくはああいう場合を含めてはっきりとだれが担当大臣であるということを明確にきめろというのが、内閣法の第七条ですから、従ってさっきのような事態は、やはり国会としては十分考えなければならぬと思う。その点どうですか。
○政府委員(松野頼三君) 仰せのように、内閣法第七条には「主任の大臣の間における権限についての疑義は、内閣総理大臣が、閣議にかけて、これを裁定する。」と書いてありますが、千葉委員もおっしゃるように、疑義があるときには、総理大臣が各省大臣の間において裁定する。同時に、私の問題がこれに当てはまるかどうかということは、大臣に準じていただければ、これに当てはまると考えますし、明文から言いますれば、その通りと思います。私はそれに準じて取り扱っていただければ、当てはまると思いますので、よろしくどうぞ……。
○千葉信君 私の質問しておるのは、冒頭に申し上げたように、独禁法に関連してあなたが提案理由を説明された云々の問題について、その資格があるかないかは別として、また別の問題として、私はさっきの公共企業体職員等共済組合法を取り上げたわけですから、その関係についてはもう一度今度の委員会で上程されたときに、その点についての明確な答弁をしてもらわないと、あの法律案の審議が一つも進みませんから、総務長官においても、一つその点は今のうちからはっきりお考えおきを願いたい、はっきり措置をとっていただきたい。
○矢嶋三義君 総務長官自身に関連することで大へん恐縮なんですが、筋としてどう考えるかということを承わるわけですが、内閣には定員があるわけですね。だから池田さんみたいに何もなさらぬ人は、国務大臣をやめていただいて、そうして規定があるのだから、立法府との関連から言っても、立法府に敬意を表し筋を通すということから言っても、総務長官を国務大臣にするのが私は筋だと思いますが、あなたはどうお考えになっておりますか。
○政府委員(松野頼三君) これは私個人の意見ですが、総理府総務長官という職は「国務大臣をもって充てる」というこの文句は、非常に行政上有効なものだ、やはり国務大臣という立場においてやるべき仕事が非常に多い、私は率直にそう考えます。これはどちらかといえば非常に各省間の調整とか、各省にまたがるということになれば、各省大臣と対等、あるいはそれ以上の職務が非常に多いという意味では私は「国務大臣をもって充てる」というこの言葉が非常に行政上においては有効に使われる、こう思います。その程度で一つごかんべんを……。
○委員長(永岡光治君) 速記をとめて下さい。 午後三時八分速記中止 —————・————— 午後三時二十二分速記開始
○委員長(永岡光治君) 速記を起して下さい。 なお残余の法律案につきましては、都合により、後日に譲ることにいたします。 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を起して下さい。 —————————————
○委員長(永岡光治君) それでは、以上各法律案の自後の審査を後日に譲りまして、次に、国の防衛に関する調査を議題として前回に引き続き調査を進めます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○千葉信君 防衛庁長官にお尋ねしますが、たしかきょうから北海道で相当広範な地域にわたって、かなりの隊員が動員されて自衛隊の演習が行われているようですが、その大体の計画等をここで一応明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 本日から二十一日までの間におきまして、方面隊本部、第二管区隊、第五管区隊、第七混成団、第一特科団及び第一特車群を主力といたしまして、これに空挺部隊の約二百でございます。それから海上自衛隊の第三船艇隊、大湊のでございます。及び航空自衛隊の一部、輸送機が六機、それからF—86三ないし四機が参加いたしまして、長距離の機動演習というのを行うことにいたしました。 演習の内容は、各駐屯地から根室、釧路平野に至る主要道路に沿う地域で、方面隊主力の軽車両による車両行進及び行進間における架橋、それから渡河、宿営、警戒、補給等の訓練を行うとともに、対空挺の訓練、これは石狩地区であります。及び船艇訓練と合せ一部海上輸送、室蘭と釧路間でありますが、それを実施します。参加人員が二万三千人、車両が約四千両の規模でございます。
○千葉信君 相当膨大な数の隊員が動員されて、地域も石狩から十勝、釧路にかけての地域ですから、北海道としては約半分くらいの地域、ここに相当な演習が展開されるのですが、どういう想定で、この演習を行われるのですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申し上げましたように、長距離の機動ということが目的でありまして、各駐屯地から根室、釧路平野に集結をいたしますその機動が主でございまして、それ以外には約二個中隊を仮敵としまして、小規模の索敵演習を試みるという程度であります。重火器等の射撃は行わずに、若干の小銃による空砲射撃という程度でありまして、実質は今申し上げまするように駐屯地から機動による集結ということが演習の主眼でございます。
○委員長(永岡光治君) 政府側の出席者は、左藤防衛庁長官のほかに門叶官房長、加藤防衛局長、小山装備局長、廣岡国防会議事務局長、以上であります。
○千葉信君 演習の規模なりそのやり方などにつきましては、大体今のお話しわかりました。私のお尋ねしているのは、あなたは今索敵という言葉を使われましたが、それは一体どういう想定のもとにその索敵を行うか。今回の演習をやられるに当っての一つの想定と申しますか、仮定と申しますか、どういう場合に備えるための演習ということですか。どこにその仮定を置いたのか、その点。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもある仮想敵国を予想しての演習ではございませんので、ただいま索敵と申しましたのは、機動をいたして参りまする場合に若干の仮設敵を作りまして、これに対する警戒、行進等でございまして、特別の仮想敵国に対する演習という意味は全然持っておりません。
○千葉信君 索敵という言葉じりを私はとらえるつもりはありませんが、演習をやられる場合に、一応の想定なるものがなしに、その機動演習をただどこからどこまで行くんだというそういう演習はないと思います。これは左藤さんも私もしろうとですが、少くとも軍が動員される演習される場合には、どういう場合に備えるかということが、一つの目標だと思うのです。それがなしに演習が行われるとしたら、これはナンセンスなんです。おまけに今お答えにもありましたように、石狩から十勝、それから釧路を経て根室原野にも大部隊が集結されるという演習です。この演習は、私は全然想定なしに、ただ機動だけをためすための演習とは考えられないし、また、防衛庁としても、そうは言えないだろうと思うのです。ですから具体的に言えば、一体どの辺に、そのあなたが索敵という言葉を使われた敵が、潜在しもしくは侵入したと考えられて行動されるのか。そういう点が一つの想定とならなければ、私は答弁にはならぬと思うのです。その点いかがですか。
○国務大臣(左藤義詮君) ただいま索敵と申しましたのは、小規模の索敵と申しましたので、非常な大規模のある侵略があって、それに対して演習をいたすというような意味ではないのでありますが、私どもとしましては、御承知のように道西方面では前に演習いたしましたが、道東方面はあまりそういう機会がございません。その集結をいたします演習場等の関係もございますので、先ほど申しましたように、機動集結ということを主にいたしまして計画をいたしたわけでございます。
○千葉信君 大敵とは一体どういう程度のものを考えておられるか知りませんが、大敵であろうと、小敵という言葉を使われた場合であろうと……。
○国務大臣(左藤義詮君) 大敵とは言いませんでした。
○千葉信君 あなたは今大敵による侵入ということを考えておるのじゃないということを言われた、その大敵というものがどの程度のものを指して言っておられるかは別として、私は大であろうと小であろうと、今あなたははっきり小敵という言葉を使われたと思うのですが、そういうものが侵入し、もしくはどこかに潜在するというその想定がなければならぬと思う、あなたのお言葉からいって。ですから、そういうものがどういう方面から侵入したと考えて、一体演習を行うのが、どの辺にそういうまあ小敵なら小敵でもいいから、それがいると考えて行動されようとしたのか。それにはその行動を決定する一つの基本というか、仮定というものがなければ、その演習は成り立たぬじゃないですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申しまするように、仮想敵国というようなものは、私ども予想しておりませんので、いろいろ機動の演習をいたしまする場合に、その一部において先ほど申しまするように、きわめて小規模のもし敵があれば、これに対してどういうような処置をするかという小規模の索敵演習をいたすわけであります。
○矢嶋三義君 ちょっと関連して、長官あっさりお答えになった方がいいと思うのですが、あなた方の防衛努力というものは、共産主義の侵略を防衛することを目的にやっておるでしょう、いかがですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもは、直接間接の侵略に対処するように努力いたしております。
○矢嶋三義君 いや私のお伺いしておることを、肯定なり否定なりいずれかして下さい。共産主義の侵略に対する防衛に備えてあなた方は業務を遂行しているのじゃありませんか。
○国務大臣(左藤義詮君) 共産主義の場合もございましょうし、右翼の場合もございましょうし、私どもはそういう主義ということよりも、直接、間接のわが国に対する侵略に対処するように努力をいたしております。
○矢嶋三義君 そう時と場合で違った発言をされては困る。あなたはこの前マケルロイ米国防長官とお会いになりましたね。そのときにマ長官は、こういうことをあなたに話された。現在日本には、日米安保条約を破棄して、日米中ソ不可侵条約を結ぶべきだとの意見もあるようだが、共産主義者の言う不可侵条約は、麻薬のようなものだ、こういうふうにマ長官が述べた。これに対して左藤長官は、これは保守党の意見ではない、自由陣営の一員として今後共産主義の侵略に対する防衛に努力したいと、あなたが述べられた、こういうふうに伝えられている。こういうことなかったのですか。
○国務大臣(左藤義詮君) マケルロイ長官は、儀礼的な訪問を受けまして、話しましたことにつきましては、新聞の人は立会っておりません。私どもだけで話しましたことでございまして、その内容につきましては、今お話しの通りではございません。
○矢嶋三義君 それはおかしいと思うのです。これは日本の日刊紙としても常に一流日刊紙として責任を持って報道している朝日新聞の十月七日に、あなたはマケルロイ氏と二人で一対一で話したのじゃないのです。その会談に出席した人は相当数あるのです。そういう相当数の人を打診した結果、朝日の記者は、こういう記事にした。間違いない。あなたからは記者は聞いていないか知らんが、その席にはべって数人の日本側の人が参加している。そういう人に、一人から聞いてこういう記事を書くのじゃなしに、新聞記者から僕は聞いたのです。閣議があっても、いろいろな会があっても、出席者の二、三人をサウンドするというのですね。そうして三人ぐらいの意見が一致したら、ははあこういうふうなんだと、初めて記事にする。たった一人の人からこういう話があったからといって、すぐ記事にしないと思う。私は当然だと思う。それだけの慎重さを、私は公器としての報道に携わっている人は、堅持していると思う。ちゃんとそういう立場からこういう記事にしたのですね。だからこういう話はあったのです。当然これは私は、マケルロイ氏が来たからこういう話があったと思う。あなたはこういうこともおっしゃっているでしょう。まずあなたから、日米安保条約改定交渉が行われ、極東情勢が緊迫している現在、マ長官が来日したことは意義が深い、こういうふうに歓迎の言葉を述べている。そうだと思うのです。そうして儀礼的といっても、やあ今日は、暑いな、寒いな、それだけで終るはずはないのですよ。こういうことが出ているのは当然だと思う。それであなたははっきりと、これは保守党の意見ではない、不可侵条約は、これは保守党の意見ではない。自由陣営の一員として、今後共産主義の侵略に対する防衛に努力したいと、ここに述べている。さもあらんと僕は思うのですよ。岸さんもきょう本会議場で、外国記者との問答について議論があったけれども、時と場合と変えるのでなくて、私はこれはほんとうだと思うのですよ。そうだと私思うのですがね。まあそれはともかくとして、こういう話は全然なかったと否定されますか、どうですか、お答え願いたい。
○国務大臣(左藤義詮君) マケルロイ長官と私が話しましたことにつきましては、公表をいたすべきものではないと思います。
○矢嶋三義君 こういう話があったかないかということは、答えてよろしいと思う。これは日本の有力日刊紙に全部載って報道されているのですからね。そういう事実があったかなかったかということを伺っているので、それはお答えいただいていいと思う。もしあなたの答弁が事実と食い違ったら、これはあとで重大な問題が起ってくると思う。
○国務大臣(左藤義詮君) 公開いたしました会議ではございませんので、私どもの信義上、その内容につきましては申し上げることを御遠慮したいと思います。
○矢嶋三義君 ということは、やはり、宗教家であり、文化人である長官としては、答えずらいと思うのです。その答弁の裏には、これを肯定されていると思うのです、否定しないところはね。否定して事実と反したら、これは重大な問題が起ると思う。これは朝日の記者を証人に呼びますよ。こういうアメリカの国防長官とお話し合いしておれば、この共産主義の侵略に対するという中で、日本を取り巻いておる共産主義国というのはちゃんとわかっておりますね。そうなると、一つの、北海道で演習をするとすれば、さっき千葉委員といろいろ問答されているのですけれども、それは想定があると思う。そういうことは隠さぬ方がいいと思うのですがね。相当の費用を使い、北海道には相当の補償をせにゃならぬ、たとえば道路とか耕地なんか痛むだろうと思うのですがね。それだけの犠牲を払ってやっているのですから、ただ漫然と子供が鬼ごっこやっているような調子じゃないわけだから、そういうところは、私は明確にお答えになった方がいいと思うのですがね。私は今関連質問ですから千葉委員の質問に返しますが、いかがでしょう。
○国務大臣(左藤義詮君) 演習をいたしますのは、北海道地区だけではございません。九州等においてもいたしておりますが、私どもとしましては、ある仮想敵国を予想しての演習ということではありません。
○千葉信君 私も左藤さんの立場から、こういう仮想敵国を持って、こういう想定のもとにやっているということをはっきりそこで言うことは、あなたの立場としては困難だろうし、それはおそらくはっきり答弁はできぬだろうと思う。ですから私は、矢嶋君と違ってそういうところまでは追及しません。しかし、どういう答弁をされるにしろ、あなたのさっきされた答弁の中で言われたように、大敵ではないけれども小敵だ、それからそれがどこかに潜入しているという、その潜入している小敵を探すのだと、探してこれに対して演習をするという想定のもとにやるのだということを言われているわけですから、やはりその実際の場合等に備えて今回の演習は、一応のその想定のもとに行われているということは、もう明らかだし、どう言いくるめてみても、それが大きい部隊であろうと小さい部隊であろうと、小敵という言葉を使われたその敵を撃つという、その敵から日本を守るという想定の上に立っておることは、これは間違いないと思うのですが、その点はどうですか、敵国という言葉を使わないにしても、要するに敵というものを想定して、そこに演習をされていると思うのですが、どうですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 演習いたします場合に若干の、いわゆる仮想敵国ではございませんけれども、仮設敵と申しますか、対抗敵というのは設けてやることはいたします。
○千葉信君 そこでそういう想定、どの程度に想定されたか、その内容まで私はここでお尋ねしようとは思いませんけれども、たまたま一つの想定となったその小さい敵なら敵の潜入が、非常に地理的な条件の悪いところで今回行われようとしておるということは、私は問題にしなければならぬと思う。釧路、根室は、ことに根室といいますと、対岸に千島を控え、指呼の間にあります。そうしてしかも、向うの島にはどういう配備があるかしれませんけれども、少くともそこにもかなりな軍備があると考えなければならぬ。そういう地域でなぜ演習をしなければならぬのか。どうして別なそういう問題にならないような地域を選ばなかったのか、あすこを選んだ理由は一体何ですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申し上げましたように、道西方面ではかって演習をいたしたこともありますし、今回は旭川とか帯広とかというところから機動をいたしまして集結をいたしますのには、演習場等の関係においても、これが適当であるというような判断で計画いたしたのであります。
○千葉信君 私はその時期が悪かったということについても問題があると思う。たとえば御承知のように台湾海峡の問題があり、かなり国際情勢の中では、あなた方のおっしゃるかなり緊張した状態というものが、今、日本の周辺にあるでしょう。その時期を選んだことも、私は偶然の一致か何か知りませんけれども、やはりそういう演習なんかをやる場合には、場所もそうだし、時期というものも私はある程度考慮を加える必要があると思う。長官は今回の演習が、その場所なりその時期のために、国際関係にとって決して妥当な措置でなかったとお考えになりませんか。
○国務大臣(左藤義詮君) 御承知のように自衛隊の訓練は、一年の年次計画を立てまして、順次小部隊から演練をして参りまして、大体秋に演習をいたします。その計画は相当前から立てておりますので、今回の演習も、台湾海峡等の問題があってから計画いたしたのではないのでございまして、私どもは最小限度の自衛力を持ちまする以上は、わが国土内において演習いたす。それを私は他の国がいろいろ御心配になるようなことはないはずだと思うのでございまして、私どもといたしましては、計画の通り実施をいたした次第であります。
○千葉信君 日本の防衛庁の長官が、ないはずだなどという主観をお持ちになっても、それで一体世間に通るとお考えになりますか。国際的に一体そういうあなたの主観が、どこからも客観的に見て、何にも刺激することにならぬというふうに、あなたはそこで判断されますか。あまりに主観に過ぎるじゃありませんか、どうですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもとしては、繰り返して申しますように、他の国を侵略をしようというような意思は毛頭持っておりませんので、必要最小限度の自衛の責任を果していきたい、そういう意味において私どもは演習をいたしておる次第であります。
○千葉信君 日本の自衛隊が侵略をするなどということになったら、大へんなことですから、そんなことはあなたから聞かなくても当然のことで、侵略をするかもしれないということのために刺激をするのじゃなくて、そういう演習自体が、雪上地帯にあるどっかの国を刺激するとは考えなかったのか、その点について防衛庁としては何らの考慮を払う必要はないと考えたのか、もしくは十分いろいろな角度から判断して、そんなに刺激しないだろうという判断に立たれたのか。そういう点について一体防衛庁として考えたのかどうか、どういう検討を加えられたか、その点を伺いたい。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもは、先ほど申しますように、自衛のための私どもの努力、それをいたす一環として、私どもが自主的にこの演習をやるわけでございます。
○千葉信君 外国との関係は、あなたの立場もあって、これ以上は押し問答に終るでしょうから、私はこれ以上この問題であなたを追及する気持はありませんが、もう一つの問題は、昔の日本の陸海軍、特に陸軍の演習なんかはおおむね秋季行われたようです。しかも、当時はまあ何というか、天皇陛下の軍隊であるというか、今とは違った受け取り方が国民の間にあったわけです。ですからその実りの秋に、ある程度取り入れが妨害されたり、集荷が減るという事態があっても、当時の国民の受ける、特に農民諸君のこれに対する印象というものは、考えというものは違っていたと思うのです。おそらくこれは長官も御承知だと思うのですが、現在の自衛隊に対する国民の考え方ですね、自衛隊に対する国民の印象なり考え方というものは、昔の軍隊に対するものと違うことは、これはあなたも否定なさらぬと思うのです。極端な言葉を使う国民もおります、私はここではそんな言葉は出しません。しかし、少くも昔相当自分の田畑が荒された場合でも、それほど悪感情を持たなかった場合と、今日の国民感情は違うと思うのです。ですからおそらくこれは長官も御承知でしょうが、今回の大演習が発表された当時、その地域における農民諸君は、正面切って反対したはずです。それらの農民諸君の意向に対して、防衛庁は今回の演習が行われるに当ってどういうふうに対処をされましたか、問題は、お互いに了解されたということですか。 〔委員長退席、理事矢嶋三義君着席〕
○国務大臣(左藤義詮君) 昔の陸海軍と私どもは一線を画しまして、全く民主的な国民の自衛隊になりたいと努力をいたしておるわけでございますが、従ってできるだけ国民に私は理解をしていただき、納得をしていただくようにと努力をいたしておるつもりでございますから、いろいろな天災地変等につきましても、まあ愛される自衛隊といいますか、一生懸命努力をいたしております。こういう私どもは、いわゆる今千葉さんお話しのような、権力で無理をしいるということでなしに、できるだけ一つ私は国民に親しまれるような自衛隊になりたい。いろいろイデオロギーの違い方もございましょうし、たくさんの自衛隊でございますから、国民に対して御迷惑をかけることがあるかもしれませんが、そういうような、先ほどおっしゃっておるような昔の陸軍は泣き寝入りをしたけれども、かなり考えは違うじゃないか、こういうお話しでありますが、私は昔のような無理押しをしないような一つ努力をしたいと思っております。
○千葉信君 私は具体的に今回の大演習の計画を知ったその地域における農民諸君がやめてくれということを主張している、いやだということを主張しているのです。農作物が被害を受けることについても、非常に大きな危惧を持っている、非常に大きな不安を持っているのです。そうしてこの大演習をやめてくれという主張が、相当強く私は防衛庁に到達したはずだと思うのです。現にその地域における総監の新聞発表の中にも、そういう事実があったということを認めているのです。それが十分に了解されて、話し合いがついて、了解の上で今回の演習が行われるかどうか、それをお尋ねしているのです。
○国務大臣(左藤義詮君) 農作物の被害等に対して、演習をやめてほしいというようないろいろな声のあったことも伺っておりまするし、また中にはぜひ一つこの演習をやるようにというような声もあるのでございまして、数日前にも北海道の第五区になりますか、出身の三代議士もお見えいただきまして、そういう演習をやめるようにという声を代表して、国民の代表として私どもに御忠告をいただきました。そういう皆さんの御心配は私どももできるだけ体しまして、演習の中止はできませんけれども、できるだけ一つ地元の御迷惑を少くするようにというような努力はいたしたいと思っております。
○千葉信君 そうすると、一部に、だめにするためかどうかは知りませんけれども、自衛隊の演習歓迎だという者もあった、しかしそうでない者もあったということは知りながら、今回の演習が行われるわけですね。
○国務大臣(左藤義詮君) 特にその地元を代表せられる三代議士の切々たるお話は伺いましたが、私どもといたしましては、十分注意いたしまして、きょうから始まったわけでございますが、計画の演習はいたしたいと存じております。
○千葉信君 三代議士がどういう言い方をしたか、どういう交渉をされたかは私は知りませんけれども、私の聞いているのは、その代議士が反対しているとか、代議士があなたの方へ行ったということじゃなく、実際にその演習の被害を受ける人たちが反対しているという事実を、きょうからやっているという以上は、長官は無視されたことになるわけですが、そう了解していいのですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私はそういういろいろな声がございまして、しかも、その地区の国民の代表でございます国会議員の方に、特に私はお目にかかりましてお話を伺ったわけでございますが、先ほどできるだけ注意と申しましたことを具体的に申しますと、演習場以外では路外行動は、いわゆる農作物等いろいろ収穫をしておられるのですが、そういうところでは非常に列が混雑しまして若干はみ出るということはございましょうが、しかし、そういう例外以外は、路外行動はほとんど行わないように配慮する。それから住民に対する損害でございますが、これは極力避けるように努めております。これは特に私はやかましく申しております。実は私自身も演習に行くつもりでございましたけれども、先ほど私が念願いたします国民に御迷惑をかけないで、国民に納得のいくようにということで、私も行くつもりでございましたけれども、国会の関係で参れませんので、きょうは政務次官が行っておりまするが、特にそのことは注意をいたしまして、今御心配のような点、全然ないとは申しませんけれども、非常な勝手に、昔の陸海軍のように収穫をしておられるところへどんどん飛び込んでいくとか、あるいは損害を非常に与えるとかいうことは、できるだけ避けるように私は努めておるつもりでございまして、しかし、たくさんのことでございまするから、それにもかかわらず損害が発生いたしました場合には、法に基く正当な補償を行うべきではないか、特に今回はただいま千葉委員の御心配のような声がございましたので、損害補償を円滑迅速に実施いたしますために、演習の統裁部に補償をいたします補償課というものを設置することにしております。あとから、時を経てからいろいろ問題を残さぬように、その場で補償等できるだけいたしたい。道路が非常な車両で行進いたしますので、破損等いたしました場合には、私の方に施設部隊を持っておりまするので、それがあとから行ってできる限り補修工事をいたす、こういうようなことで先ほど千葉さんおっしゃったような地元の声を十分に私ども考慮いたしましてやるように指示をいたしております。
○千葉信君 補償が完全に行われなければならぬことは、これは当然のことです。その点は私はそのお言葉通りやってもらわなければならぬと思いますけれども、私はその長官の気持は了とします。了とするというのは、できるだけ一般道民に対していろいろな形の損害を及ぼさないようにやるという長官のその御答弁は了とします。しかし、それは私は長官のその机の上の答弁だけに終ると思うんです。だれが考えてみても、長官は今なるべく収穫しておる場所なんかについてはこれを避けてやるというお話で、路上というお言葉を使われたようですけれども、一体二万三千もの自衛隊が動員されて、演習が行われ車両も四千両という格好です。長官はその当該地域における道路の状態御承知かどうかわかりませんけれども、それだけの部隊、車両が動員されて、道路だけで一体済ませる演習が演習になるか、そんなことは常識上考えられないことです。しかも、やっと車一台、トラックが一台通ればこれと交差するのに困難しておるような道路です。そんな道路だけで一体やる演習が効果あると長官お考えですか。そんなものは常識上全然通用しないんです。必ずもう畑地であろうと、田であろうと、相当な部隊の軍靴のもとにじゅうりんするような状態になると思うんです。それだから道民は反対しておる、北海道の道民諸君が特に反対している。一体今でさえ非常に自衛隊に対する国民の印象が好ましくない状態にあるというときに、なぜそういう反対を押しのけてまで演習しなければならぬと考えたのか。しかも、その地域が地域だ、指呼の間に千島がある、しかもその時期が取り入れの時期、今盛んに取り入れの最中です。しかも、その時期はさっきも申し上げましたように、国内だけの問題ではそうだけれども、国際的な関係からいうと非常に好ましくない情勢が渦巻いておる段階じゃありませんか。しかも、あなたは坊さんのはずです。ほんとうにあなた平和的に物事を考えるとすれば、少くとも今回の時期は好ましくない時期だということははっきりしておる。二十一日、二十二日などといわずに即刻やめるようにしたらどうですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 本日から開始いたしました演習を中止する意思はございません。 〔理事矢嶋三義君退席、理事松岡平市君着席〕
○千葉信君 あなたはやめない決意のようですが、今回の演習が国民に歓迎されない、少くとも当該地域に歓迎されない演習だということ、同時にまた、国際関係の点からいっても、今の時期は決して好ましい時期じゃない。それから被害をこうむる農民の立場から考えてみても、まだ作物が取り入れ前という格好、そういう点から考えても好ましくない時期じゃありませんか。かりにあなたは今回始めたから二十一日までやるとしても、今後はこういう三つも四つも悪い条件を強行するという態度は私は慎重にやらなければいかぬと思うんです。それがあなたのおっしゃる愛される自衛隊にもっていく一つの方法でもあるじゃありませんか。何の笑い顔見せても、そういうやり方をする以上、決して愛される自衛隊になるはずないじゃありませんか。今後について私はこういう点は十分防衛庁の長官としては考えるべきだと思うんですがどうですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申しました、多数の国民の支持を受けるように努力をいたしたいと思います。私どもが自衛の努力をいたします以上は、一定の演習をいたしますることは、私は当然のことだと思っております。
○矢嶋三義君 ただいまの千葉委員の質疑に関連して少し伺います。五日間やられるそうですが、予算は幾らになっておりますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 北海道で行います演習の所要経費は、総額九千七百十万円。内訳も申しましょうか……。
○矢嶋三義君 今度補償課を設けて損害を受けた方に対する補償をできるだけ完璧にやりたいという、この心がけは多といたしますが、千葉委員が指摘されましたように、北海道は道一本ところどころしか通っておりませんから、相当田畑は荒されることになると思うのです。従って一応補償課を作った以上は、補償金がどれくらい要るだろうということの見積りは立っておると思うのですが、どの程度見積っておられるのか。その金額は九千七百十万円の中に入っているのか、入っていないのか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 六十万円ほどその中に予定しております。
○矢嶋三義君 補償課なんて作っても五日間、二万数千の軍隊を動かして、何千両の車を動かして六十万円の補償額とは笑わせますよ。六十万で補償できますか。だから農民が反対するわけです。私はおそらくこう聞いたら、答弁としては、その損害の程度によって考えているといって、数字を答弁しないだろうと期待して伺ったところが、六十万円のワクがきまっておると、おかしいですね、これは何ですか、この六十万円という数字は、もう動かないのですかどうなんですか。まあ、演習次第では、北海道へは私も二度ばかり行ったことがあるのですが、北の方に参りますと、特車なんか通ると危ないような橋がかなりありますよ。最近かなり道路がよくなって、大体中部から北まで行かれるようになっておりますけれども、おそらくちょっと大きい特車が通るとだめになる道路がかなりある。あなた方も一応危ない橋があることは調査されておるはずです。おそらく私は橋の損傷するのはかなり出てくると予想しています。それから大きな特車が通りますと、御承知のように、北海道は凍上という現象が起りますから、これにも相当大きく影響してくると思います。これはこちらの本州あたりの気候と路床が違いますからね。さらに道が少いというところから、どうしても田畑を通らなければならぬから、北海道における補償というものは相当な金額になると予想しているのですが、補償課を設けて査定をして、損害が大きくなれば、この金額はふやす余裕があるおつもりであるのか。それとも、六十万というワクがきまっておって、自衛隊員に、六十万円程度の損害を与える以上の行動をしちゃならぬぞとワクをはめてやられるのか、その点はどうですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 今お示しの道路、橋梁等の損害がございまする場合には、私どもの持っておりまする施設部隊によって補修工事をいたしたい、その分はただいまの費用とは別でございます。 〔理事松岡平市君退席、委員長着席〕
○矢嶋三義君 たとえば、橋が一番問題になるのですが、橋だったら橋を直すのに器材が要りますね。それから道路を補修する場合でも、砂利とか、いろいろ器材が要りますがね、そういうものは何ですか、自衛隊の別の予算で出されるのですか。それはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(左藤義詮君) とりあえず賠償費として六十万円を計上しておりますが、非常な迷惑を与えました場合には、これは予算でありまするので、実行いたしまする場合には、また私は考慮しなければいかぬと思っております。
○矢嶋三義君 そうすると、橋梁の修築をするのに器材が要る場合に、その器材費というのは六十万円に入っておるというおつもりで積算されておるわけですね。
○国務大臣(左藤義詮君) ただいま申しました私の六十万円というのは、賠償費でございまして、それから補修整備費は、別途訓練演習費の中に含んでおります。従って、今お話しのような橋梁を直します資材とか、砂利とかにつきましては、訓練演習費の中から支出いたすつもりでございます。
○矢嶋三義君 それはどのくらい予定しておりますか。
○国務大臣(左藤義詮君) これは訓練演習費として千二百万円組んでおりますうちに、補修整備費を含めております。
○矢嶋三義君 そうなりますと、補償課を設けたとすれば、二十一日で演習を終っても、補償課の人は査定が済むまで残られて、そうして施設部隊のように道路とか橋梁を修復する部隊というものは、それが修理できるまでは、しばらくの間演習をやった地帯に残るというふうなことも予想しておられるわけですね。
○国務大臣(左藤義詮君) お話がつかず、仕事が残りまする間は、さよういたしたいと思っております。
○矢嶋三義君 千葉委員からも指摘されましたように、演習をやられる以上は、それらの点については、十分一つ配慮されることを私は強く希望しておきます。 千葉委員は、この演習目的、それから補償の問題、それから演習のあり方等を中心にお伺いしたわけですが、演習目的については明確を欠きました。それで、これと関連して一つ伺うのですが、それは、八月十五日静岡県の海岸で敵前上陸演習をやりましたね。あの演習の演習目的は何でございますか。私は、今の日本の憲法と自衛隊法からいって、ああいう大がかりな総合的上陸演習は、どういう目的をもってやられるのだろうかと疑問を持っておるのですが、きょうの北海道における演習目的に対する答弁も理解しかねる点がありますが、関連して、ああいう総合的上陸演習はどういう目的でやられるのでございますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもの自衛隊の力は、必要最小限度でございまして、各地区ごとに出動いたしまする場合に、お互いに融通し合うと申しますか、お互いに兵力を移動することがあると思います。さような場合に、鉄道、道路等が破壊された場合には、海上から輸送をいたすというような場合も相当あろうかと存じております。
○矢嶋三義君 そういうことは、なんですか、日本の領土の上にどこかの国の兵隊が侵略上陸していると、それを迎撃するために海上から上陸する場合がある、こういう場合が予想されるので、それに備えるための訓練をされていると、こういうことですか。
○国務大臣(左藤義詮君) たとえば、東京に重大事態がありまするときに、ほかの地区、たとえば北海道等から海上機動力によって援助部隊が来るというようなことは、想定いたしております。
○矢嶋三義君 あの場合は、敵前上陸の演習でしたですね。具体的には、東京に敵部隊が侵略上陸していると、それで陸上から東京に近寄れぬから、海上から東京に上陸している敵を迎撃するために上陸するような場合が起り得ると、だからそれに備えて訓練するということなんですか。私はやはり、日本の領海外に奉る島嶼への上陸ということも、あなたがたは軍隊といっているわけですが、軍隊である以上は、そういう上陸訓練をしておかなくちゃならぬと、これは将来海外派兵なんかがどうなるか、これと抵触すると思うのですが、そういう角度から、戦力であるかないかは別として、世界各国の軍隊の通念という立場から、やはり上陸演習をやらなければならぬというような立場から、私はああいう訓練をされているのじゃないかと思うのですが、今あなたが申されるように、東京に北海道から、あるいは東北から来る場合に、陸上からは来れぬから、海から上陸する必要が予想されるから、そういう場合に備えて訓練していると、こういうことですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私どもは海外派兵はいたさないと申し上げておるのでございまして、従って私どもは、海陸共同でいたします演習は、ただいまお話しのような場合を主として予想いたしております。
○八木幸吉君 長官にお伺いいたしますが、この前F—86Fが航空自衛隊の主力戦闘機に決定したことについては、閣議で決定されたかどうかということの御調査を願っておきましたが、結果はいかがでしたか。
○国務大臣(左藤義詮君) 次期戦闘機の国防会議の決定がなされますれば、いよいよ対米交渉も整いまして正式に決定するときには、閣議でお取りきめを願いたいと思っております。
○矢嶋三義君 議事進行について発言いたします。順序でありますが、実は十月六日の委員会において、私の新戦闘機種選定と日本の防衛地域に関する質疑に対する答弁と、その後刻八木委員が私の発言並びに長官の答弁を引用して質疑された場合の答弁とに大きな食い違いがあり、私はそれに異議を唱え、時間の関係上質疑応答することを、委員長に保留をいたしました。そのときに永岡委員長は、いずれ速記録を見て次回にこの点は譲りたいと思っておりますと、委員長発言をされました。ついては、順序として私は、委員長に速記録を見た結果どうであったかということをお答え願いたいと思う。
○委員長(永岡光治君) ただいま八木君の発言中でありますが、この問題と若干関連があるようでありますので、前回の防衛長官の答弁の食い違いについて、委員長から特に発言を求めまして、速記録を見た上で次回に譲るという発言をしたわけでありますが、今速記録を読み上げますが、だいぶ食い違っているようでありますから、この点を一つどう処理されるのか、皆さんの方で御相談をいただきたいと思っておりますが、それはまず矢嶋三義君からの発言を読み上げますと、「従ってかりに沖縄、小笠原までを日本の共同防衛地域に入れるというような程度から保安条約が改訂されるとすれば、F11F—1Fの改良型、すなわち98J—11というのは、防衛という立場から言って、誤算を生じてくると思うのですが、この議論はいかがですか。」、この質問に対して防衛庁長官の答弁は、「そういうことが入りますか、入りませんかは、相手があることでございまして、今後の外交交渉でございますが、そういうような事態になりますれば、私どもはなお十分検討いたしたいと思います。」、と、こういう答弁でありますが、八木君の質問に対する左藤長官の答弁は、「私は沖縄、小笠原の問題については、外交交渉でございますので、お答えいたしませんと申したのでございまして、それがもし日本の防衛範囲に入りましたら、機種をあらためて考え直すというようなことは申したつもりはございません。」、こういうことでありますから、だいぶ食い違っておるようでありまして、議事録は今読み上げましたような質問及び答弁の内容になっておりますので、以上私の方から一応調べました結論だけを御報告申し上げまして、これについてどういう取扱いをするか、皆さんの方で御相談をしていただきたいと思っております。
○千葉信君 もう一回違っておるところを、委員長読み上げて下さい。
○委員長(永岡光治君) 違っておるところは、矢嶋君の方からは、「従ってかりに沖縄、小笠原までを日本の共同防衛地域に入れるというような角度から安保条約が改訂されるとすれば、F11F—1Fの改良型、すなわち98J—11というのは、防衛という立場から言って、誤算を生じてくると思うのですが、この議論はいかがですか。」、こういう質問に対して防衛庁長官は、「そういうことが入りますか、入りませんかは、相手があることでございまして、」、つまり沖縄、小笠原が入るか入らないかということは、相手のあることでございまして、という意味でございますが、「今後の外交交渉でございますが、そういうような事態になりますれば、私どもはなお十分検討いたしたいと思います。」、という答弁をしたわけです。これに対して八木君からの質問は、念のため八木君の質問も読み上げます。「次に、もう一点伺います。それは先ほど矢嶋委員の御質問に対して防衛長官は、安保条約が改訂されたときに、もしその適用範囲に沖縄と小笠原島が入った場合には、次期主力戦闘機の機種については別個に考えなければならぬ、こういった意味のお答えがあったと思うのですが、私はこれはきわめて重要な御発言であったと思います。と申しますのは、この新しい日米安保条約がどのようにきまるかはわかりませんけれども、少くとも沖縄や小笠原島に潜在主権があるということを主張しておる日本といたしましては、これは私は筋としては、防衛の範囲に入るという世論の方が筋が通っているように私は考えております。それはしばらく別問題といたしましても、少くともF11—F1Fの改良機は、最大航空持続力は三千キロメートル以上であるという場合に、沖縄が入ったからといって、たとえば鹿児島の鹿屋から飛べば十分沖縄はその行動範囲の中に入ると思うのですが、沖縄が入ったからといってF11F—1Fの改良型は、これはまた考え直さなければならぬといったような、非常に行動半径の狭いものであるというふうなお考えか。その点についてもう少し確かめて伺っておきたいと思います。」、という質問をしたわけです。これに対して防衛庁長官は、先ほど読み上げましたが、「私は沖縄、小笠原の問題については、外交交渉でございますので、お答えいたしませんと申したのでございまして、それがもし日本の防衛範囲に入りましたら、機種をあらためて考え直すというようなことは申したつもりはございません。」、ということを言っているわけですね。ですからここで矢嶋君に対する答弁と、八木君に対する答弁が少し変っておるわけです。これについてのそれでは長官の所見を求めたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 矢嶋委員にお答えいたしましたのは、機種を私は改めるというようなつもりで申したのではございません。矢嶋委員がずっと詰められてこられて、私もうっかり御質問の機種という点に重点を置かれたということを私は聞き違いましたのでございますが、私はここで申しましたのは、沖縄、小笠原がもし共同防衛地域に入るようになりますと、私どもとしてはいろいろ広い意味で勉強をいたさねばならぬ、機種をその場合に改める、誤算を生ずるから改めるということは申したつもりではなかったのであります。
○矢嶋三義君 それね長官、機種の問題はずっと論じてきたわけです、お互い。そうして機種にピントを合せているわけです。その直後に「そういうような事態になりますれば、私どもはなお十分検討いたしたいと思います。」それは機種を検討するということに日本語からいって間違いありませんよ。そうとらなかったら、その人は語学能力がないと思うのです。間違いないと思う。そこで私はさらに今、日米安保条約の改変交渉があっておって、そうして沖縄、小笠原が共同防衛地域に入るか入らないかという議論をされておるのだから、だからその結果によって影響があるわけです。だからそれらの見通しも立ててからでなければ、拙速的にこの機種の決定をすることは問題がある、かように申したときに、あなたはそれだったら、いやいや、それは防衛地域に、小笠原、沖縄が共同防衛地域に入る入らぬということと機種とは関係ないのだということを反論せねばならぬ、ところがそれをしていない。だからこの速記録から申しましても、あと私は念を押した場合に、それに対してあなたが反論していない。もしほんとうだったら、それだったら、いやいや、それはなんだ、沖縄、小笠原が入る入らぬということとF11F—1Fを変えなければならぬということとは関係ないのだとここで反論せねばならぬ、所見を述べなければならぬのに述べていないわけです。そうしてあとに行って、さっき読まれたように、八木委員の答弁でこうなっているわけです。これは私ははっきり大きな食い違いだと思います。その重大さは、防衛庁長官の方が、こういう点が不明確なままで機種を決定されることに非常に重大性があると言っているので、私は指摘しているわけです。いかがですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私は先ほど申しましたように、機種を改めなければ、変えなければ計画ができないという意味で申したのではございませんので、広い意味で、もしそういう事態になりますれば、私どもとしては十分勉強をして考えなければならぬ、こういうことを申したつもりでございます。
○矢嶋三義君 長官、この速記録をごらんになりましたか。
○国務大臣(左藤義詮君) 読みました。
○矢嶋三義君 失礼ですけれども、中学校でも高等学校の生徒でも読まして、これをどういうふうに意味をとるかということを聞いてもらいたいと思うのですね。これを日本人だったら、だれが読んでも、この質問から答弁、これを読みますれば、機種を十分研究しなきゃならぬと考えているというふうに、明確ですよ、これは……。
○国務大臣(左藤義詮君) 問と答とが少し食い違ったような印象があるかも存じませんが、私の申しました趣旨は、万一さようなことになりますれば、広い意味でいろいろ私どもは勉強いたしたいと、こういうことで申したつもりでございます。
○矢嶋三義君 もうちょっとお聞きしますが、そういうことになると、機種選定について議論ができないのですよ。あなた方の答弁が時と場合でぐらぐらするのでは、機種選定に当ってどういう方針で防衛庁はおられるのか、私らは判断するのに迷ってしまうのですね。非常に大切ですよ。角度を変えて率直に承わりましょう。加藤防衛局長、伺いますよ。あなたは日本の防衛という角度から沖縄、小笠原を防衛地域に入れる必要があると考えますか。入れなくてもよろしいと考えているわけですか。純技術的に防衛局長として答えて下さい。防衛局長として見解を持っているはずです。
○政府委員(加藤陽三君) これは全く政治的な問題でございます。
○矢嶋三義君 政治的じゃない。防衛局長ですよ、防衛という純技術的な立場から答えなさい。だから、あなたがそんなことを答弁するから、僕はきょう林統幕議長、それから空幕長も説明員として出席を要求したのです。どうしてこれ出て来ないのですか。長官、ああいう人は公務員です。説明員として出席要求したら、当然出て来るべきだ。現に答弁できないじゃないですか。だから私はそれを見越して林統幕議長の出席を要求したわけです、空幕長も出席しない。それに対して何らの釈明もあってない。その理由を防衛庁長官から答弁される前に、もう一ぺん加藤防衛局長に聞くが、純政治的、そんなことありますか、あなたは防衛局長じゃありませんか。防衛局長、よく研究しているのでしょう。どういう戦闘機が必要だということも研究しているのでしょう。そうしてこの戦闘機が適当だと、結論出して、千数百億の国民の血税を使おうとしているわけです。だから、私の聞いているのは、純国防という技術的な立場から、沖縄、小笠原は防衛地域に入れる必要がある、あるいは、ない、どちらの見解を持っているのか。それがなくて戦闘機種の選定なんかできますか。それでこれだけの飛行機を買う予算を一つ御審議を願いたいということを立法府に、あなた、言われますか。それがわからぬで、われわれは審議できますか。どの飛行機が要るか、重ねて答弁を求めます。そのあとで防衛庁長官の答弁を求めます。
○政府委員(加藤陽三君) 私どもは現在の日本の区域、沖縄、小笠原を除いた区域についての防衛整備目標を立て、これの実現に励進しておるのであります。沖縄、小笠原が入るか入らぬかということは、今申し上げましたごとく、主として政治的な問題として決定されるのだろうと思いますが、入るなら入るで、それに応じた防衛の整備目標というものを考えなければならないと思うのでございまして、たとえば小笠原とか沖縄が入りますと、防衛の区域は広くなる。同時に守る方から言えば負担は重くなるし、責任は重くなる。それは戦術的に入った方がいいかどうかということは、私は統幕議長が出ましても、お答えできない問題だろうと思います。
○矢嶋三義君 そうするとあなたの答弁は、今あなたが、戦闘機あるいは潜水艦とか、あるいは陸上自衛隊の部隊、それを訓練するわけですね。それらは、新主力戦闘機種の選定も含んで、沖縄、小笠原というのは防衛区域に入らぬという状況下において検討され、また訓練をやっておる、こういうことなんですか。
○政府委員(加藤陽三君) 私どもは、ただいま申し上げました通り、沖縄、小笠原を除いた地域についての防衛というものを目標にして訓練をし、準備をいたしておる次第でございます。
○矢嶋三義君 ということは、この飛行機を作りかけて、昭和三十九年ごろできるわけでしょう。五年くらい先ですよ、できるのは。だから、五年先においても日本の防衛区域というものは、現状だという認識のもとにやられておるのだと私は思うのです。だから今のあなたの答弁を裏返せば、沖縄、小笠原の防衛地域は含めないで、当分の間日本の防衛をやっていこう、やっていける。こういう認識に立っていると、答弁を裏返しているわけですが、そうですね。
○政府委員(加藤陽三君) 繰り返して申し上げますが、現在の防衛力整備状況というものは、沖縄、小笠原を除いた日本の区域について考えているということでございます。
○矢嶋三義君 だからなんでしょう。無責任な話じゃないですか。千何百億をもって飛行機を買う。それが五年先にできるのですよ。だから将来五年先のことを考えて戦闘機の研究をされているのでしょう。そうして結論を出しているわけでしょう。だからあなた方の前提としては、防衛地域というものは、それは十年、二十年先はわからぬけれども、ここ当分少くとも五年後に飛行機ができて、昭和三十九年ごろ入ってくるわけですから……。だから小笠原、沖縄が入らぬ。そういう防衛体制でいくということで進んでいっているということに答弁があったと思うのですが、そうでしょう。逆なことをいっているのじゃないのです。あなたの答弁のままいっているので、私はいつも反対を言わなくちゃならぬのでもなんでもないのですよ。
○政府委員(加藤陽三君) 私も繰り返して申し上げておりまする通り、現在の防衛力整備目標というのは、沖縄、小笠原を除いた地域について、日本の領土について考えているということを申し上げているのであります。戦闘機の問題は、大臣の御答弁にもございましたが、私どもの観点からいたしますれば、候補機の中でどれをとるかということになりますると、現在の日本の防衛戦力を考えた場合に、やはりF11F—1Fの方が適当なのではなかろうかと思うのでありまして、このF11F—1Fの使用方法等から考えますれば、たとえかりに沖縄、小笠原というものが入りました場合を想定いたしましても、私どもはこの飛行機で十分やっていけるのではないかというふうに考えております。
○千葉信君 左藤さんにお伺いしますが、今、委員長が読まれた速記録からいいましても、矢嶋議員の質問に対する答弁と、それから八木議員の質問に対する答弁とは明らかに食い違っている。片方では沖縄、小笠原がかりに日本の防衛区域に入った場合でも、機種の問題については再考慮の余地がないという答弁をされたあと、しかし矢嶋君の質問に対しては、明らかに速記録の方では、沖縄、小笠原が日本の防衛区域に入った場合には、戦闘機種の問題についても考えなければならぬということを答弁している。はっきり食い違っている。これを同じ意味の答弁だなんということをいう以上、日本語を知らぬ者のいうことです。日本語のわからぬ者が防衛庁長官を務まるはずがない。やめなければならぬ。どっちなのか、この際はっきりあなたの責任上明らかにしなければならぬと思う。どうでしょうか。
○国務大臣(左藤義詮君) 私が矢嶋委員にお答えいたしましたのは、機種の問題についてやり直すとかいう意味ではございませんので、もし、仮定の場合でございますが、こういう地域が入りますれば、私ども防衛についていろいろ広い意味で勉強いたしたい、こういうことを申したつもりでございます。それが舌足らずでありまして、いろいろあいまいとしたことは申しわけございませんが、私の意味はそういう広い意味で勉強いたしたい、こういうことを申したつもりでございます。
○千葉信君 この際委員長どう判断されますか。この速記録を、委員長さっきの報告では、明らかに食い違っているという判断で発言されたようですが、委員長いかがでしょうか。
○委員長(永岡光治君) 委員長としては、食い違っているという判断をしているわけです。それで皆さんの方で取り扱いについて御相談いただきたいということで、皆さんにお諮りしているわけであります。ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて。
○八木幸吉君 今、F—86Fを決定したときに、閣議の決定を経ているかどうかということを伺ったのですが、少し質問の要点を長官がお取り違えになったような御答弁でありました。そのときに、矢嶋委員から、この前の、沖縄、小笠原島が、もし日本の防衛地域に入ったときの長官の答弁についてのお話しに発展したのでありますが、私、沖縄、小笠原島が日本の防衛地域に入ったときにでも、F11F—1Fは最大航空持続距離が三千キロメートル以上であるから、鹿屋から沖縄に飛べるじゃないか、こういう意味で御質問申し上げたのですが、その後防衛庁からいただきました資料で、私その点について少し疑問を持って参りましたので、話が少し横の方へそれますけれども、この次に防衛庁長官が御答弁になる参考にもなると思いますので、その点を先に伺って、それからまだたくさん質問がありますけれども、時間の関係もありますから、適当なところで次回に繰り越したいと思います。その意味は、機種別一覧表という資料を十月八日付で防衛庁からいただきました。そのうちに、最大航空距離、行動半径がF11F—1Fは二百海里以上、こういうことになっております。そこで、私、防衛庁長官でも、あるいは当局の方でもけっこうでありますから伺いたいのですが、一体鹿屋から琉球列島の一番端までどのくらい距離があるか、それから東京から小笠原島までは、一体二百海里よりは近いか遠いか、その点をまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(加藤陽三君) 十月八日付で御配付いたしました資料は、最大航続距離と書いてございますけれども、ポイント・インター・セプターの行動半径でございます。ポイント・インター・セプターと申しますのは、御承知と思いますが、アフター・バーナーをかけまして、燃料の消費をかまわず最大のスピードをもって飛び上るという場合でございまして、その場合の最大航続距離が二百海里以上ということでございます。燃料の経済的な使用によりまして、長距離の飛行を継続しようと思いまする場合におきましては、F11F—1Fは約二千海里でございます。キロメートルにいたしますと一・八倍でございますから三千六百キロぐらいのところです。沖縄の一番遠い所でございますか、ちょっと、これは正確なことは今申し上げられませんからよく調べてから……。
○八木幸吉君 私よくわからぬのですけれども、とにかく行動範囲が二百海里以上、かりに二百海里としますね。沖縄の端、小笠原の端がもっと遠ければ、F11F—1Fでは間に合わない、こういうことになるのじゃないかということを数字的に伺っておるので、その距離は大体わかりませんか。どうも私ちょっと地図を見ても、そこまで飛んで戦争をして帰ってくることはできそうにないような気がするのですがどうですか。
○政府委員(加藤陽三君) あまりうろ覚えで申し上げてはいかがかと思いますから、この次ぎ調べて参ります。
○八木幸吉君 その問題で、実は最初の矢嶋委員に長官がお答えになったところがほんとうで、私にお答えになったことが怪しくなっているじゃないかと思うので、沖縄や小笠原と日本の鹿屋なり東京からの距離というものと、行動半径と、非常に重要な関係を持ってくると思いますので、この点技術的にすぐわかることでありますから、今でも大体私はわかるじゃないかと思うのですが、二百海里より少し遠くはないかと思うのですが、いかがですか。その点はこの次に伺うとしまして……。
○矢嶋三義君 ちょっと一言。この次の答弁のときまで、必要がありますから、資料を請求しておきますが、あなたが今知らぬこと自体問題があるので、それも計算に入れます。あなたは、先ほどから盛んに鹿屋からの距離と言いますが、まっすぐに行って来るわけではない。向うの飛行機がこう来れば、こう曲らなくちゃならぬ。一直線に行って一直線に帰るというわけではないので、その点を含んで答弁していただかないと、あとでもめますので。
○委員長(永岡光治君) それではあとで次回に明確な資料をお願いいたします。
○八木幸吉君 それからF—86Fは、閣議の決定を経ておるかどうか、経ておれば、何月何日であるかということを。
○国務大臣(左藤義詮君) F—86Fは、最終的には、米側と書簡の交換をやっております。その際、三十年の六月三日でございますが、閣議決定を経ております。当時国防会議がございませんでしたので、経済閣僚懇談会に三月86Fの生産について諮りまして、御承認を得ております。
○八木幸吉君 今書面の交換というふうなお話がございましたが、F—86Fにきめるということが閣議決定になったのでありますか。きめてから後に、アメリカといろいろな交換文書がたまたま閣議決定になったのか、閣議決定がつまり86Fを決定したことになるのか、その後の手続を閣議決定したのであるか、その点が重大なことです。
○政府委員(門叶宗雄君) 最終的には、米側と交換公文を交換いたすことによりましてきまるわけでございまして、その最終的段階において閣議の御決定を経ておる。F—86Fを国内生産することについて、米側と折衝を始めていくという意味の閣議決定はございません。それにかわるものとして、当時ございました経済閣僚懇談会において、大体こういう計画に基いて何機生産するかということで米側と折衝を進めていくという御承認は、先ほど申し上げました経済閣僚懇談会で得ておるわけでございます。最終的な米側との交換公文を取りかわす際に、閣議決定を経ておる、こういうことでございます。
○八木幸吉君 そうすると、米側との交換公文を決定する際には、閣議決定はしたけれども、F—86Fを次期主力戦闘機にきめるということは、閣議決定はしておらなかったので、防衛庁だけできめた、こういうことですか。
○政府委員(門叶宗雄君) 最終的に米側と交換公文をすることが、結局はやはりこの生産を最終的にきめることになるわけでございまして、その際、閣議決定を経ておる。それから国内生産を進める意思をきめて、交渉を進めるにつきましては、防衛庁として一応意見をきめ、閣僚懇談会にお諮りをして御承認を得ておる、こういうことであります。
○八木幸吉君 長官に伺いますが、F11F—1Fを次期主力戦闘機にきめたということは閣議決定事項である。この前にそういうふうな御答弁がありましたが、今の官房長の御答弁ですと、アメリカとの交換公文だけが閣議で決定されておって、その前の実質的にF—86Fがきまるということは、防衛庁だけできめたというふうに私は受け取りまして、閣議決定の意味が少し違っておるように考えますが、長官はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 当時は国防会議がございませんので、今官房長の申し上げたようなことでございます。私は国防会議で総理に答申がせられましたら、閣議においてこれをおきめいただきたいと思っております。
○八木幸吉君 そうしますと、今の段階では、F11F—1Fを次期主力戦闘機にきめるということを一応閣議で決定して、それからいろいろの契約をするについての日米交換公文を、またもう一ぺん閣議で決定する。二回閣議で決定される、こういうことでありますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 国防会議の結果が報告されましたら、今後これによって日米交渉をいたすということを閣議でお諮りをいたしたいと思います。
○八木幸吉君 そして交渉がまとまりましたら、いずれ交換公文を取りかわすであろうと思いますが、そうでございますか。
○国務大臣(左藤義詮君) さようでございます。
○八木幸吉君 その交換公文は、閣議でまた決定されますか。
○国務大臣(左藤義詮君) さように思います。
○八木幸吉君 そういたしますと、F—86Fのときは、最終段階での交換公文だけが閣議で決定され、このF11F—1Fのときは、最初契約をする前に一度閣議できめて、また交換公文のときには閣議を経る。つまり二度閣議を経るということでありますと、それを逆に申しますと、なぜ今度はF11F—1Fを防衛庁だけでおきめにならないで閣議できめるか。なぜそれを前は閣議でおきめにならなかったか。その差異についての御説明を伺いたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申し上げましたように、前のときには国防会議がございませんでしたが、今度は国防会議がございますので、機種決定は防衛計画の大綱の一環たる次期戦闘機整備の重要な内容をなすものであり、これに要する経費も大きい。国内産業への影響もあるということを考えまして、国防会議にかけられたものと思いますので、国防会議にかけられましたので、その答申がございますれば、これを閣議にかけて、政府の最終意見を統一して対米交渉を進めることが望ましい、かように存じます。
○八木幸吉君 私は前のF—86Fの決定の形式の方が、こめ今回の決定の形式よりはいいと思います。というのは、国防会議の防衛計画の大綱というような中には、機種の選定までは私は含んでおらぬ、これは少し行き過ぎである、こういう見解でありますけれども、それ以上は意見の相違になりますから、この点はこの程度にいたしておきます。 もう一点、速記録の問題でありますが、やはりこれも防衛庁長官に伺わなければならぬ点でありますが、時間がだいぶおそくなりましたけれども、その点だけ伺って、あとは留保します。と申しますのは、九月二十九日の参議院内閣委員会で、防衛庁長官が、F11F—1Fの補給関係について、F11F—1F、F11F—1、すなわち艦載機のタイガーでありますが、これは米海軍がまだ相当期間使用いたしますので、相当の便宜は得られますが、F—1OOD、F—104Aに比較いたしますと不利と思われます。」それからその次の段階で、「米海、空軍ともに採用の計画がない。従って補給等について多くの不利があることは事実でありますが、云々」こういうことが出ておるのでありますが、補給関係は。最初の方は、相当の便宜は得られますが、と書いてあるのですが、この次の方では、多く不利である、こういうふうに出ているのですが、一体F11F—1Fは、補給関係は不利なのか、有利なのか、どっちなんでしょうか。少し矛盾しているように読めるのですが……。
○国務大臣(左藤義詮君) どうも日本語がへたで、たびたび御迷惑をかけますが、タイガー、今の艦載機ですね、これを陸上戦闘機に開発いたしたものでございますので、相当の程度はタイガーの部品をそのまま使っている。その点については若干の便宜はある。しかし全部が全部、現在米国で使っているものでもございませんので、やはり不利な点はある、こういうニュアンスで申したつもりでございます。
○八木幸吉君 それから国防会議の事務局長がお見えになっておりますが、F11F—1Fを内定したという国防第一三三号、この内定答申の際の諮問の文句を、私、資料として出していただきたいと、前にお願いしてあるのですが、一つも出てきませんが、ないのですか。どうしてお出しいただかないのか。
○政府委員(廣岡謙二君) その資料を出せというのは、きょう連絡を受けまして、さっそく準備をいたしております。
○八木幸吉君 これは実はたびたび請求しているのですが、これはあるのですか、ないのですか。あれば、あした午前中に出していただけますか。
○政府委員(廣岡謙二君) あしたの午前中までに提出いたします。
○八木幸吉君 では自余の質問は保留します。
○藤田進君 私は、この際、戦闘機機種内定等に関連して、国民が多くの疑惑を持っていることは御承知の通りであります。従って当委員会は、これから申し上げる証人を喚問することとし、その日程については可及的すみやかな時期にという条件で、理事会で一応の御相談をいただきたい、かように考えます。大田区山王二の二一五八、川島正次郎。千代田区平河町二の一一、田中彰治。杉並区井荻二の三四、山本猛夫。世田谷区上北沢二の五二八、山田長司。第一段階として、以上の四証人の喚問について、御決定をいただきたい。
○八木幸吉君 私も議事進行で一言お願いするのでありますが、きのうときょうとの、衆参両院の本会議で、岸総理大臣からアメリカの新聞記者に対して話されたことが問題になりまして、総理みずから御説明があったのは御承知の通りであります。その問題の中心点は、御承知の通り、憲法第九条の問題、それからこれに関連した防衛の問題等がありますので、委員長理事、御相談の上で、なるべくすみやかな機会に、この総理の発言を中心として、防衛なり憲法の問題を所管しております内閣委員会に総理の御出席を求めて、もう少し詳細にこのことを聞きたい。こういうことをお願いしたいと思います。
○矢嶋三義君 ただいまの八木委員の発言については、先日の理事の打ち合せ会で、総理はいずれ本委員会に出席していただくことで、与党も努力するということになっているわけですが、早い時期と、まだその時期でないというので、その時期だけがきまらないで、呼ぶということだけは与党側も了承しているわけでございますから、それだけ申し添えておきます。
○八木幸吉君 私の言うのは、機種問題では、国防会議議長、あるいは内閣総理大臣の資格において出るか出ないか知りませんが、突発事項的にあの問題が出たものですから、機種問題を離れて、憲法問題を中心にしての出席でありまして、従って私のお願いするのは、二回おいで願いたい。こういうのであります。
○大谷藤之助君 今の藤田委員の発言ですが、与党側にも希望があるものですから、理事会において一つ御検討さしていただきたい。八木さんの方とはまた別個に、これは。
○千葉信君 今の大谷君の発言は、どうもはっきりしないが、もう一回。
○大谷藤之助君 先ほどの藤田委員の発言ですね、一つ理事会において、与党側にもいろいろその点について考えておる面がありますから、委員長、理事会でさっそく検討することにしてもらいたいと思います。
○委員長(永岡光治君) ただいまの委員長の理解は、藤田君の今の提案は、日程等を理事会で相談してくれという発言であって、この委員会ではそういうふうに取り上げてもらいたいという要望に聞こえたのですが、そうじゃないのですか。
○藤田進君 本委員会は、私は成立して継続されておると理解しております。従って賛否があれば賛否を明らかにして態度を表明されるべきなんで、提案といたしましては、委員長があらためて申された通りであります。しかし、実態はいろいろ時間がございましょうから、こういう提案があった事実について、は一つその上で、与党もこれをいつの委員会できめるかということ等は理事会で一つ相談さしてくれということのように見受けるのであります。そうであるならば、私もきょうこのまま、もうすぐ委員長が採決ということもいかがかと考えます。内容については妥協せざるを得ないと思います。その通りです。
○大谷藤之助君 ただいまの件、ここで採決するといっても、ごらんの通りで、私はたって強行し採決するというのもあれですが、この場合において、今の日程についてもそうでしょうが、私の今申し上げたのは、ただいま藤田委員の発言されたのは、人名も載っておりますし、人名なり、あるいは日程なり、その件について委員長理事会において一つ与党側にもいろいろ希望もありますから、委員長理事会において再検討していただきたいと、かように考えます。
○千葉信君 それからもう一つの八木委員の発言された岸首相喚問の問題は、きわめて重要な問題ですから、一つ次の委員会で早急にその措置をとるように、委員長の方で連絡してもらいたいと思います。与党側においても異議ないと思います。
○委員長(永岡光治君) 次期委員会に出席させると、こういうのですね。
○大谷藤之助君 それは先ほど申し上げたのを、あなたお耳に入らなかったかもしれませんが、八木委員の発言とは別個の問題ですから、岸首相を呼ぶという案件は、これも委員長理事会で検討を加えてしかるべき問題だと思います。
○委員長(永岡光治君) それでは要望の趣旨に従って理事会で相談をすることにいたします。
○藤田進君 その理事会ではめどをつけて、やはり提案いたしました以上、提案者としてはタイムリーに、時期というものが大事ですから、その日程をすみやかに組んでいただきたい。
○委員長(永岡光治君) よろしゅうございますね。それじゃさよう取り計らうことにいたします。 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十六分散会