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30回国会参議院1958/10/06

内閣委員会 第2号

発言数
229
登壇者
16
会派数
4
開催日
1958/10/06

会議録

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。  去る九月三十日、川口爲之助君及び占部秀男君が委員を辞任され、後任として、平井太郎君及び松本治一郎君が委員に選任されました。以上、御報告いたします。   —————————————

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) それでは、これより議事に入ります。  国の防衛に関する調査のうち、まず、駐留軍による被害に対する補償に関する件を議題といたします。  矢嶋君から発言を求められておりますので、これを許します。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 終戦後、平和条約発効以前まで、さらに発効後、駐留外国軍人の手によって、日本国民の生命並びに財産が、ずいぶんと犠牲を受けているわけでありまして、最近ではジョンソン基地で宮村君の事件が起り、私は先般の委員会で、この宮村君のジョンソン基地問題を中心に、若干質疑をいたし、資料提出を要求したわけです。当日は台風の襲来した日で、質疑が途中で切れておりますので、本日、引続き、提出された資料に基いて質疑をいたしたいと思います。  実は、私はこの問題は、本会議で緊急質問でもとってやりたい、かように考えたわけですが、委員会で一応手をつけたのであるから、この委員会で徹底的に解明したい、こういう考えのもとに、実は総理の出席を要請したかったのでありますが、総理は多忙であろうから、内閣のスポークスマンとしての官房長官の出席を要請した。ところが、官房長官ちょっと会議があって来れない、それでは副長官が、ともかく聞くだけでも来いといったら、二人も副長官がおって、どうも自信がないからというようなことで、二人とも来ない。それから左藤防衛庁長官は、これは委員長から御説明がありました事情だから、私は了とします。大蔵大臣の代理ができているから、大蔵大臣の代理に出席を要請しても、これもまだ来ない。それでは政務次官といったら、政務次官もまだ来ない。こういうことでは審議できないと思う。私はけしからぬと思うんです。で、調達庁長官がお見えになっていますから、私は調達庁長官が一応の見解を持ち、また事態を把握されておりますから、その角度から、私は調達庁長官に伺います。十分お答え願いたい。従って、総理大臣あるいは大蔵大臣に対する質疑は保留いたしたいと思っております。  と申しますことは、当面の宮村君の事件もありますが、占領期間中に、日本人が駐留軍によって四千三百三十九人殺されているわけです。この出された資料によりますと、四千三百三十九人、平和条約発効後においても、実に三百十六人という日本人が生命を落している。それ以外に、財産をそこなわせられたり、あるいは傷害を受けたのはたくさんあるわけですが、出された資料によりましても、条約発効前に、実に九千九百九十八件というものがある。これらの取扱い方を見ますと、実にアンバランスがあり、無責任なる取扱いになっております。従って、私はこのたびのジョンソン基地に起ったこの宮村事件を契機に、時あたかも安保条約の改訂問題も議題になっているわけですから、ひいては行政協定にも関連して参るわけで、今この問題を審議するのに最も適当な時期であり、必要であるというように考えますので、そのことから伺って参るわけであります。  まず第一点として伺う点は、先般私は左藤防衛庁長官に、このロングプリーの事件について、政府として、何ら遺憾の意の申し入れも要望もしてない、これはどういうわけだ、従って、米軍当局に対して、日本政府として、ロングプリー事件は非常に遺憾であって、日本国民の感情としても許されないことだ。今後の日米関係の上から考えても、今後十分米軍当局は注意してほしいし、また、駐日米軍に対しては、十分の協力をしてほしいというような要請も含めたところの抗議を正式にすべきである。調達庁長官が、お互い出先機関同士で、大へんお気の毒でありました、遺憾でありましたというようなことではだめだ。従って、官房長官を通じて、閣議の議題として、正式に日本政府は、ジョンソン基地のロングプリー事件について、米軍側に申し入れをすべきであるということを要請しておきました。長官に伺いますが、その後、この矢嶋の要請を、いかように処理されたと了承しておられるか、お答え願います。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) この事件に関する政府の米軍側に対するただいま御質問の要請につきましては、日米合同委員会の日本側の代表から、先方の代表に、文書をもって申し入れいたしました。これに対しまして先方は、まことに遺憾にたえない、今後かかる事件の発生を皆無ならしむるよう、十分に注意するから、御了承願いたい、この旨向うの代表が日本側の代表に答えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それはいつの合同委員会でなされたのか、さらに、それは記録に残っているのかどうか、お答え願います。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 九月の十二日付の書類でございます。合同委員会の当日、ちょうど台風の襲来の時期でありまして会合が持てない。そのために文書をもってこちらの当方代表は向うに申し入れたわけでございまして、それに対しまして、次の委員会において、向うの代表から先ほど申し上げたような遺憾の意の表明があったわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次に伺いますことは、先般あなたはこの委員会で宮村君の弔慰金については、申請により米軍がきめる、こういうことをお答えになりました。おそらく宮村君の遺族から書面を調達庁を通じて提出し、そして米軍が弔慰金額をきめるのだと思います。そのときに、この書面に対して日本政府を代表して、調達庁長官のおそらく責任において私はやると思うのですが、意見書、勧告書というものをつけることになっていると思います。日米行政協定できめられましたこの基準からいいますと、大学生であるから基準収入日額は三百五十円、その千日分が補償金になる、そうすると約四十二万円ですね、ところが、この金額をきめるに当っては、その犠牲になった人並びにその家族等、いろいろと事情を考慮してきめると、かようになっております。それで私が承わりたい点は、宮村君の家庭がどういう事情であり、本人がどうであったかということは、この前もちょっと触れましたから、時間の関係上繰り返しません。宮村君の遺族から出される書類というものは、今どこにあるのか、また、その書類に日本側としては、どういう意見書をつけて米軍に渡さんとしているのか、具体的にお答え願いたいと思います。  実は先般の私の質問に対して、あなたは軍から五万円出ている、それ以外に部隊から約十三万七千円のお見舞金が出ている、合せて大体遺族に今まで三十一万円程度渡っているはずだ。従って総額としては四十二万円の大体倍ぐらいにはなる予定だと、こういう発言を伺いましたが、私は規定によって出されるところの弔慰金と、米軍あるいは米国人あるいは日本人が個人としてお気の毒だといって出される見舞金というものは、おのずから私は別個だと思います。そんなものをごっちゃにすることができぬと思います。日本に駐留している軍人が、ああいう基地で電車を目がけて私は狙撃したものだと思います。そして犠牲者は何らの手落ちもなく一命を落した。こういう場合に一体米軍は幾ばくの補償金を出すか、その金額が問題であって、他の人が個人的に幾ら見舞金を出したというのは、別個に私は論ずべき筋合いだと思います。そういう立場から三百五十円かける千日分、さらに葬祭料として六十日分が加わるというのですが、これに対して日本政府はどういう意見書をつけて米軍に出すつもりか、どういう勧告をするつもりか、その内容を私は知りたい。また、それを米駐留軍がいかように処理されるかということは、私のみならず日本国民の重大関心を払っているところでありますから、お答え願いたい。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) お話しの通り、前回の委員会に申し上げたと存じますが、本人並びに直接の司令官が五万四千円ずつ、それから部隊の関係者等がそれぞれ醵金して合せて三十一万円今まで軍側は支出しておると称しておりますが、これとは別個に軍といたしまして慰謝の処置がとられるわけでございます。その慰謝の処置に関しましては、ただいまもお話のありましたように、遺族からの申請書を受け付けてから審査の上出す、これを調達庁を経由する場合に、調達庁がそれに意見を付して向うに回付する、このようなことになっておりまして、まだ申請書は出て参っておりませんが、当庁がこれまでの事情を調べたところによりましても、宮村さんは単に学生であったのみならず、楽団に入って、問題の基地等でも働いておった事情が判明いたしております。従いましてそれらの事情を加味することによって、いわゆる三百五十円の千日分というものよりは少くも倍額以上のものになる、この旨を私が申し上げたわけでございます。なおこの申請書によりまして、別途にその面から考慮すべきものがあれば、この点も考慮しなければならぬ、このようにやはり申し上げたと思います。従いまして、ただいまのところ申し上げられることは、当庁として本件に対して意見書を付すべき要領と申しますか、大体考えられるところは、単なる学生の基準である三百五十円ではない楽団等で働いておられた事情による収入の点をあわせて考えるのみならず、なお承わるところによれば、特に郷里にも送金をされておるというようなこともちょっと承わっております。その辺の事情が確定いたしますならば、それらの額を見まして、一日収入がどのくらいのものになるか、三百五十円の倍額以上になると私は今想像しておりますが、それの千日分並びに祭資料といたしまして六十日分、これらの額を合計したものをもって軍側に意見書を出す、このように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それではあなたの説明では、大体行政協定十八条関係事故補償金支給基準に基いて約八十数万円、それ以外に三十数万円、この程度の補償はなされるであろうという見通しである、こういうことですか。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) ただいまのところ、そのように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私はそういうことでは納得できません。この行政協定第十八条の支給基準というのは、平和条約の発効した二十七年の五月十六日にきめられておる。平和条約が発行したのは二十七年四月二十八日です。従ってこの案文は、占領下において戦勝国と戦敗国の立場においてこの基準はきめられたものです。戦後十三年たって、こういう基準できめられることは納得できない、今度のジョンソン基地の問題に関してはですね。これはジラード事件以上に許すべからざることだと思うのです。私はちょっと計算してみたのですが、今大学の子供が大学を卒業して、日本の経済情勢が特別変らない限り、今のベースで約四十年間働いたと仮定すれば、収入は五千万円か六千万円になりますよ。日本人の平均寿命というのは男性で約六十五才くらいになっているのですからね。まあ四十年は大体働けると思う。そうすると五千万円か六千万円の収入があるのです。宮本君はそれだけのことは期待できるわけです。お母さんはそういうことを期待して、あるときは外地にあり、あるいは内地に引き揚げてから、この宮村君一人を頼りにかつぎ屋をやったり、二コヨンまでやって暮して来られた。そういう人を遇するのに、補償するに当って、この占領下にこしらえた案で三百五十円の千日分、これでは私はいろいろの事情を考慮してという項目を生かしたことにならぬと思う。アメリカの農夫でも労働賃金は最低一ドルでしょう。最低一ドルだから、この四十二万円はそれに換算すれば、きわめてわずかなものであります。こういう理不尽な形で日本人の生命を落されて、この程度で了承するということは、民族感情としても許せない。ジラード事件の坂井さんを私調べてみたのですが、これは正式に六十二万九千円出ている。それから先般もちょっと触れましたが、第五福竜丸の久保山未亡人には六百五十万円出ている。まあ、ケースは違いますけれどもね。私は日本政府はアメリカに対してもう少し強いこの抗議を申し出るとともに、弔慰金、補償金の金額決定に対しても、今のこの貨幣価値に即応するように、いろいろの事情を考慮してという項目があるのですから、それを生かして、もう少し適正なる意見書を付けるべきだと思うのです。長官の御所見を伺います。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 矢嶋君、ただいまの農夫は一ドルですか、一日。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 一時間一ドルです。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 十八条関係の補償基準につきましては、二十八年に日本政府が基準をきめ、その後の物価の変動、その他の情勢上から、三十一年の十月に改正を加えたのが、ただいまのものでございます。この補償基準という問題に関しましては、いろいろ御意見もあり、また、論議もあることを承知しておりまして、私どもも担当の役所といたしまして、常々この問題の検討は加えておるのでございます。国の機関によるところの事故で国民に傷害を与え、なかんずく死亡というような事態を惹起した場合の補償基準、この問題につきましては、種々の議論があるわけでございますが、今までこのような現在の基準を政府がとっておるゆえんは、一つには、この問題に対する定説と申しますか、確たるものがまだ全般的に結論的なものが出ておらない。この一日の収入を推定して、それに千日分をかけよう、これのよって来たるところは、実は労働者災害補償法、労災法というようなものにそのような趣旨のものが出ている。これらのものが基準になりまして、現在のところこの方式が最も妥当な線であろうと考えている次第でございます。お話しのように、いろいろな議論の中には、今後学生が卒業してどういう場所に就職して、その人が逐次栄進され、あるいは収入がふえるというならばどのくらいになるであろう、それにまた年令が、何年まで働けるか、こういうものを加味し、それから割り出す一つの方式もございます。たとえばホフマン方式というようなものもございます。それらの検討も続けているわけでございます。このホフマン方式という趣旨のものにおきましても、今後あるべき収入額の全部をもって補償基準とすべしということではなくて、それに相応するところの支出、必要経費というものは当然控除される、こういう事情がありまして、これは個々人によっていろいろ違いがあるだろうと存じます。従いまして行政的処置で、最も公正妥当な筋をとっていく、また迅速にもやっていくという趣旨から見ましたところ、ただいまのところ、収入一日の推定額というものに対する千日というものが、現在のところにおいては妥当な線であろう、このように考えている次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その点は非常に意見がありますので、さらにあとほどまた伺いますが、具体的に宮村君の遺族に対する弔慰金、補償金の決定するのは、いつごろの見通しですか。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 申請の手続等のことにつきましては、先般御上京の節に御遺族の方に、係りの者から十分に御説明、お話申し上げております。また、ただいま九州の現地におきましても、調達庁の現地局の方で御相談に応じておりますので、近いうちにその申請書が出てくると存じます。出て参りまするならば、先ほど申しましたようなただいまの方針、要領に基く意見書を出しますので、そのことはすでに米軍においても、従来の同種実例等において事情を知っており、特に今回のことについて軍側として、申しわけない、十分な処置をとりたいということから、敏速に処置をとると存じますので、申請書が近く出次第、速急に解決するものと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 このケースは、日米行政協定第十八条の五項の(b)並びに(c)に該当するものと思うのです、公務外ですから。従ってその補償金というものは、米国のドルで払われるかと思うわけですが、いかようになりますか。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) お説の通り公務外のものでございますから、今の米軍から直接に支払いをする、しかしながら、国内の弔慰金でございますので、日本金に直した上支払うものと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あとほどさらに触れますが、私さっきアメリカの労働賃金を一ドルと言いましたが、一時間一ドルですからね、だからとても行政協定十八条に基くこの支給基準というものは、お話しにならないと思う。これはさらにあとで出て参りますから、一応ここで進みますが、それでは公務中に事故が起った場合は、この行政協定十八条の三項の(d)を適用しますので、これは公務中の事故に対する補償は調達庁から出すようになっていますね。そのうち、七五%は米軍から還元されるようになっているかと思うわけですが、今安保条約の改訂が論じられているわけですが、米軍側が日本に駐留して、そして公務中とはいえ、日本国民の生命を奪っておいて、そうしてその弔慰金、補償金をお互い日本人の税金で支払う、こういう僕はばかなことはないと思う。占領直後、まあ吉田さんがワシントンで結んできたわけですが、ぜひアメリカの兵隊さん日本においで下さい。三顧の礼を尽したかどうか知らぬが、私ども反対したが、吉田さんがおきめになって帰った。そういう事情で、米軍側が日本人を殺した場合、お互い日本人の税金で弔慰金を出すようになっているんだと思うのですが、こういうものは、戦後十三年、国際社会に復帰した現在の日本国民としては了承できない。これは公務中であろうと、公務中でなかろうと、これらの弔慰金、補償金というものは、すべて国民の税金からでなくて、アメリカの金によって、アメリカの責任において私は弔慰なり補償をすべきだと思うが、調達庁長官どう考えていますか。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) お話しの通り、公務中の事故は、日本政府調達庁が担当いたしましてお支払いをいたしますが、その七五%は後に米軍側から償還を受けます。この七五%ではなく、一〇〇%受くべきだという今のお話しだと存じますが、まあ、これらの問題につきましては、まあいろいろ御意見もあるかと存じますが、安全保障条約前文等で、御承知の通り、やはり米軍も日本政府の意思、要請に基いて駐留しておる。やはり日本のために駐留しておるというその事情、それからそれらの事情におきまして、米軍が欧州各国等におきます同種のことについていかように処置しておるか、これらの点、同様の要領でただいまの償還のパーセンテージがきめられておるものと私は承知しております。これは私はただいまのところ、妥当な線であろうと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 まあ、あなたは事務当局だから、従来としてはこれは妥当だろう、こういうことを言わざるを得ないでしょう。しかし、日米関係というものは、すでに転機に来ているわけですから、この安保条約の改正、ひいては行政協定にも、影響してくるわけですが、そういう場合には私は調達庁長官としては明確なる意見を持つべきだと思う。遺族の補償等についても、直接責任ある調達庁長官が十分調査をし意見を持って、そうしてこの所管大臣、さらに内閣にその意見が反映するようにしなければ、当該責任長官が見解を持たぬようでは困ると思うのです。今後安保条約はどういうふうに改正されるか、今よりは少くとも日米関係というものは対等の立場になってくると思うのですが、そういう関係になった場合、従来通りこの弔慰金、補償金の一部を国民の税金でまかなうというのは、私は是正してしかるべきだと思うのですが、あなたそう思いませんか。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 今後安保条約がいかような方向に改正になるかにつきましては、私ただいまのところ何とも申し上げられませんが、先ほども申し上げましたように、米軍が日本に駐留するということが、やはり一面日本のためでもあるという、その根本の趣旨、方針から駐留ということに至る、このような事態から考えまして、私やはり日本としてもその関係の事故に関しましても、ただいまの程度の比率においてしかるべきものだと、これらが同種の欧州各国における実例等から見ましても妥当の線であると、ただいまそのように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そのあなたの見解は不満です。しかし、あなたはそれ以上答弁できないという。いずれこれらの問題は岸総理に伺いますので、次に質問を続けます。  あなたから出された資料によりますと、占領期間中に死亡した人が四千三百三十九人と出ています。講和条約発効後のこの遺族は三百十六となっておりますが、これは日米行政協定第十八条三項に基いてと書いてある。日米行政協定十八条三項だと、これは公務中の事故によって死亡した人が三百十六ということになるわけですが、十八条の五項は、これは公務外に起きた事件となるわけですが、公務中に三百十六人殺されているわけですが、公務外は何人日本人の生命が奪われているのですか、どうしてこの資料にそれを出されなかったのか、数字を伺います。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) その点の資料を用意せず、また今手元に何も持ってきておりません。まことに申しわけありませんが、これは直ちに調べまして御報告申し上げます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それはできるだけ早い機会に的確な数字をお教え願います。次に伺いますが、厚生省所管であった時代に六回手直しをし、平和条約発効後、調達庁にこの所掌事務が移って二十七年、二十八年、二回の手直しをして、そうして、内容はあとで私融れますが、ずいぶんアンバランスがあり、不合理、納得できないものですけれども、一応建前は二十九年の三月末に追給措置も一応終ったと、こういう形になっておりますが、しかし、この市町村当局、さらに都道府県当局が親切に指導しなかった面もあり、なお、泣き寝入りになって、何らの処遇を受けていない遺族が、私が知っている範囲内でもありますし、全国に相当あるとかように承知しているわけですが、あなたの方の調査では、未処置の件数はどのくらいあると予想されておられるか。さらに、現在調査を進めつつあるのかどうか、その辺のところを伺います。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) お話しの通り、二十八年いわゆる平和条約ができまして、そのときに平和回復善後処理費というもので、今までの占領時代のかかるケースにつきましては、一切漏れのないように処置をいたそうということで、新聞ラジオ等を通じまして十分に周知徹底をはかり、また直接にこれの衝には都道府県にしていただいたのでありますが、市町村役場等を通じて漏れのないようにはかりまして、これで全面的に処置が済んだものと考えたわけでございますが、しかしその後今日に至るまで、やはりそういうことがなされておらなかった、何らかの事情で知らなかったということで、私ども陳情を受けておりますものでは、はっきりしておりますのが死亡で十六件、傷害で十五件、計三十一件ははっきりいたしております。なお、その他もあり得るのであろうと考えまして、ただいま都道府県に対して、従来のやった実績の報告を求め、また、支給漏れ等の事情についての話があるものの通報をお願いし、調査を進めております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 地方自治体を通じて、調査して判明した件については、追給措置をとる、こういう考えですね。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 支給漏れの分は、やはり追給措置を考えなければいかぬと、このように考えています。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 若干私は内容に融れますが、非常にこの点については国は不親切であり、無責任だと思う。ということは、平和条約の第十九条の(a)項で請求権を放棄している。国際法上から言うならば、占領軍は占領地域において、その国民の生命財産を尊重しなければならぬように義務づけられています。いたずらに損害を与えることはできない、そして損害を与えた場合には、その責任を負わなければならぬように、国際法上は規定されている。だから平和条約を締結する場合に、当然米国を初め、豪州その他日本に駐留した国の軍隊に対しては、その損害補償を条約で規定すべきであったと思う。ところが、ワシントン体制を敷く場合平和条約の十九条の(a)項で、この請求権を日本は放棄している。しかし、損害を受けた国民にしてみれば、大きなこれは犠牲で、みずから持っている請求権を剥奪されたわけですから、従って国はそれにかわるべき何らかの措置をしなくてはならぬ。在外資産補償の問題はずいぶんもめましたけれども、在外資産補償も何らかの形でけりがついた。ところがこの問題については、一応過去の経過を調べてみると、占領された後に、日本政府も一応総司令部に対して補償すべきだという要請を二度ほどやっております。これに対して総司令部は責任を負わないと拒否した、突っぱねる回答をよこしているわけですね。この拒否に会ったので、日本政府は終戦処理費の中から日本国民の税金で見舞金というようなものを出していったわけです。御承知のごとく、当初は殺された人が五百円もらっていますね、五百円。それがその後の是正によって一応六万三千円までなっています。そして年次区分を六段階に分けてそれの金額をきめておりますが、これはあなた方から出された資料によっても明白なように、先ほどあなたが申された労災補償に比べると五割から六割程度じゃないですか。先ほど労災補償と大体合致する云々と申されましたが、あなたから出された資料をもってみても、これは大体労災補償の五割から六割程度ですね。さらに二十七年四月二十八日平和条約発効後の行政協定十八条の適用による補償金の約五割以下ですね、当時のベースで計算しても……。これでは僕は気の毒だと思うのですよ。全く殺され損というような形になっていると思うのですね。これはもう少し親切であり、責任を持たなくちゃならぬと思う。平和条約の十九条の(a)項で請求権を放棄しただけに、私はもう少し身の入った是正をさるべきだと思うのですが、そういう悩みを直接仕事に携わっておる長官としては持っておられないかどうか、どういう見解を持っておられるか承わりたいと思います。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 占領時代の死亡者、あるいは死亡に至らない者でも、いろいろな事故で身体障害を受けておる者、これらに関しましては、当時の政府は実情により救済的行政措置をとって参りました。これも先生も御承知の通り、数回にわたって実情に合せるように増額措置、追給措置というような処置をとって参ったのでございますが、それらを今日平和条約発効後補償をするそれらの基準と比較いたしますと、五割ないしせいぜい七割くらいしかいっていない実情にある。そのために遺族の方、あるいは障害を受けられた方で、現在非常にお困りだという、それに関することで陳情を受けておりますので、件数もこの数年間にわたって四百件余りあるわけであります。私どもといたしましては、これについて、やはり何らか適切な処置をとるべきであろうと考え、先ほども申し上げましたように、ただいま従来府県で取り扱っていただいたいろいろなケースを、今書類を見て調べて、従いましてなお書類だけではわからぬというものについては、もう少し現実に即したところの特別な調査でもいたして実態を明らかにしよう。その上で支給された状況、その後の模様において、はなはだ不十分であろうというものの措置を考えよう。このように思っておるわけです。ただ、ここで基準だけを比較された場合のものと実態の点というものには、また、おのおのケースごとに実情が違う面もあろうかと考えます。と申しますのは、現在民事特別法で遺族補償等を行います場合に、その事故のよってきたる原因、その他被害者にもどのような状況があったのだろう、あるいは当方にも過失の事情がなかったかどうか、これらの点が加味されますので、実態における支給というもの、この点はやはり個々のケースの実情を見ないというと、直ちに確かに低かった、あるいは不当に安い補償金にこのケースはなっておったと言えないと存じますが、しかし一応の議論としては、おっしゃる通り現在の基準と当時の状況を比較すれば、お説の通りでありますので、実情を調査の上、何らかの是正措置をとりたいものと私は考えております。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 先ほど来、矢嶋委員と調達庁長官の質疑応答を聞いておりまして、ジョンソン基地のあの問題の犠牲者に対する弔慰金の問題で、調達庁長官の御答弁の結論はいろいろとおっしゃったが、要するに、いろいろ計算をして、あの被害者が単に学生であって、無収入であったというようなことでなしに、収入等も計算して、そしてそれの千日分、それから六十日分の祭資料というようなものをやることになるのだが、一応それが妥当であると思う、そういうふうな意見書を付する、こういう御答弁が結論であったと私は考えます。私はそういう御答弁は、私としても不満であります。協定その他の関係、ことに今までの実例等から見て、現在それより以上のことは非常に期待は困難であるけれども、この事案が非常に特異な事案であって、国民もその弔慰等については非常な関心を持っておる。ことに米軍当局もはなはだ遺憾の意を表して、それに対してはできるだけの弔慰の方法も講ずると言っておる。これは長官も言っていらっしゃる。そういう事情であるから、協定その他で困難ではあろうと思うけれども、少くとも調達庁としてはできるだけもっとよけいな、いろいろな事情があるから、そういうことも述べて、もっとできるだけの弔慰金を支給してもらえるような意見書を付したい、こういうふうな御答弁がなぜできないのか、私は了解に苦しむ。こういうふうに規定されておることが妥当であると、先ほどから言っていらっしゃるけれども、私は妥当だとは思わない。そういうことは協定でやむを得ぬかもしれぬけれども、調達庁としてはいろいろな事情も述べて、できるだけよけいな弔慰金を被害者の遺族に取ってやるように努力するつもりである、こういう御答弁をなさるのが、私はこの段階で当然であると思うけれども、そういう御答弁はちっともない。そういう御答弁ができない理由が何かあるのであるか、なければそういう御答弁をなすったならば、それの方がこの段階において私はだれでもを納得させる御答弁だろうと思うが、その点について御見解を伺いたい。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 先生のおっしゃること私にもよくわかります。私もそのようにできるだけ軍からの慰謝料をよけいにしたい、この気持はもう先生と変りなく持っているつもりでございます。ただしかしながら、この行政を担当しておりまする庁の立場からしますると、いろいろの事情、いろいろな事態でやはり死亡という不幸な事件が起ることがいろいろほかにもございます。従いまして個々の事情によりまして、現地の部隊、その他でこれは軍全体のものとは別にやる面は、これはその事情、事情によって多い場合、少い場合がございます。しかしながら、公けに軍としてやる措置につきまして、また、日本の政府の責任官庁といたしまして、このケースに意見書を付する場合、これにはいろいろ同種類の事故、事情等に関しましても、公正な処置であるといわれるところの基準、水準というものでしていかないというと、やはり全体の行政措置としては妥当を期しがたいのではないか。このような事情からその申し上げられる確実な限度というところが、先ほども申し上げたような事情でございますので、どうぞ御了承を願います。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 私はその前にちゃんと申し上げているのです。あなたのところで法的に請求ができるその最小限度というものはこういうことだ。今までの例等から見ましても、こういうところでございます。しかしこのほかに、特別の事情でいろいろとそれを増減するということについては、今もあなた自身そういうこともできるのだと言っていらっしゃる。こういう事態が起きてきてほかの事案との均衡上、責任ある事務当局としては、それ以上のことは言えないとおっしゃるけれども、この特別の事情というものは、ああいうふうにして災害が起きてきている。そして死に至っている。それは前途有為の学生である、母一人、子一人である、国民に非常な衝動を与えた。こういうようなことから、このケースについてできるだけの弔慰金をアメリカ軍としても支給するようにしていただきたい。こういう意見書を付するのがなぜ困るのか。私はそこのところがちっともわからない。ほかの事態が起って、もっとよけいにしてもらわなければならぬ事態が起っては困りますが、不幸にして将来万一起ったら、そういう意見を付せばよろしい。そういう事態よりも、そういう必要のない事件が起ったら、そういうことはつけなければよろしい。今までどういう事件が起ったにしても、ここに起った事件は非常に気の毒な事件であるから、できるだけ弔慰金をアメリカ軍から支給してもらいたいということは、おそらく今おっしゃったように、調達庁長官もそういうことを希望しておられるということならば、そういう意見を付することに私たちは努力いたします、こう言ってなぜ悪いでしょう。私にはあなたの説明では納得いかない。そういうことはできないという理由がわかるように御説明願いたい。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 御意見のほど十分にわかっているつもりでございます。もちろん、私としても今の調査段階で、またそれ以上に、これから判明します事情等に基きまして、御意見を十分に尊重いたしまして、この問題の処置をいたしたいと思います。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 そういうことを私は要求しているのではない。あなたがこの委員会で矢嶋委員の質問に対してお答えになるお答えというものは、今私が先ほど来繰り返して申し上げておるような答弁でなければならないはずだと私は考えている。そして、あなた自身もそういう答弁をしたい、こう言っていらっしゃった。ところが、それができないのだ、こう言っていらっしゃる。そこで、そのできない理由というものは、今あなたが述べられたものは、ほかのいろいろこうした類似の事案との均衡上、つり合い上等もあって、それで担当当局としては、これより以上の答弁ができない、こうおっしゃるが、私は担当当局であればあるほど、私が希望するような答弁が当委員会でなされるはずだと私は考えておる。今言うように協定その他できまっている金額というものは千日分、あるいは六十日の祭資料、その基本になるものは被害者の収入、その被害者の収入も最大限度にできるだけの措置をする、これは了承いたします。そして、その千日分、これも今までの規定上やむを得ない。そのほか特殊ないろいろな事情を加味して、そして最後の金額のトータルはきまる、こういうことになるのだから、この事案についても、これはほかの事案でもそうですよ。できるだけよけいにアメリカ軍から弔慰金を取ることに努力なさらなければならないはずだ、してはいかぬという調達庁の事務的な拘束はないはずです。できるだけ、それが目的を達せぬかもしれぬけれども、できるだけの弔慰金を取るようになさることは、日本国民の利益を擁護しなければならぬという政府の立場からいってみても、当然おやりにならなければならぬ。今までもして参りました、これからもいたします、この事案については特にいたします、こういうことをどうしてあなたは御答弁できませんか。私は聞いておってどうも納得ができない。あなたがおできにならなければ、この問題については、さらに上級の政府委員から答弁をとらなければならぬと思うのですが、あなた自身としても、政府委員の立場からそういう御答弁をなさっても、私はお困りになることはないと思う。はっきりそうおっしゃる方がよかろう。これだけしか法規の上、あるいは協約の方ではできないことになっておりますけれども、特殊の事情を加味して、われわれもなるべくよけいにアメリカ軍が支弁してくれるように意見書等についても努力をいたします、こうおっしゃってもよかろうと思うのだけれども、どういうわけですか。何べんも申し上げておるように、おっしゃった方がよかろうと思う。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 私がこのケースに特別な事情を加味するその事実が足りないということを申し上げているつもりではないので、特別の事情は十分に入れまして意見書のもとにしたい、この通りでありますが、今ただ、ただいまの段階におきまして収入の状況等を十分に調べて一応の一定の基準のもとに処すると申し上げましたのは、先生もおっしゃいましたが、この特殊のケース、あるいは従来の実例、それらのことに関しましても、やはり均衡の失したことのないようにという配慮も非常に大事だと私は考えておるわけであります。その辺は御了承願いたいと思います。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 均衡を失しないようにしなければならぬというあなたの事務当局としてのお立場は、よくわかるのです。先ほど矢嶋委員もあげられたように、私は名前は忘れたけれども、あの例えば事案は少し違うけれども、原爆の灰をかぶった何がしという漁師が六百万円もの補償金をもらった、こういうような例もあげておられる。そういうものもあるわけですし、それで前途有為な学生、親一人子一人の学生が、ああいう基地からの発砲で死んだという事例はほかには知らない。初めての事件です。この事例についてあなたがこれに相当な弔慰金をぜひ出してもらいたいという意見を付せられたからといって、均衡を破るような事態は何も起ってこないと思う、何もない。だから一応きまっていることはこれだけです。きまっていることはこの数字より出ませんけれども、そのほかに特殊の事情もありますから、調達庁としてはなるべくよけいに弔慰金が出るように、やがて遺族の本人からも請求書が出ましょうから、申請書が出ましょうから、正しく検討の上、できるだけよけいに出るように努力をいたします、政府としては当然そうおっしゃらなければならぬのだ。どういうわけだろう、それをおっしゃれないのは。そうおっしゃって差しつかえがありますか。それを申し上げておるのです。おっしゃるのが当りまえであって、おっしゃらないのがいけないのだ。調達庁としては、そういう努力をなさる職責がおありになると私は思うのだが、一応努力してはいけないのですか。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 申請書が出ましたならば、その事情を十分に検討いたしまして、できるだけ米軍が余分に出せるように努力をいたします。この点は私もうその通りでございます。ただ、先ほど非常に支給基準の要領、その具体的な数字その他のものになりましたので、それは現在の調査段階で判明いたしておるところから考えればこの通りであるということを、それからなおこれらの今までも死亡した不幸な方、このたびの実例それらにおいてもやはり一つの均衡ということを、やはり行政上の組織としては考えていかなければならないということを申し上げた次第でございます。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 もうあなたにこれ以上申し上げない、また別な上級機関にその点はただしましょう。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 今出席されておりますのは、調達庁長官のほか調達庁の大石総務部長、そのほか鈴木内閣官房副長官、大蔵省の船後主計官、国鉄の武内調査役、以上の方々が出席されております。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 少し関連して……。私も今の長官の御答弁がよく了解できませんですが、簡単にお尋ねいたします。もし、この協定の金額がほんとうに妥当な金額であって、そして過不足がないのだ、これをもうふやす必要はないのだというような数字であるならば、それにまたプラスXというものを日本政府としてアメリカ側に要求するということは、これは考えてみなければならぬということになるだろうと思っております。遠慮しなければならないというような場面もあるだろうと思っておりますが、その現在の協定の金額というものにもう少し増加するということが、日本の状態としては望ましいことであるという考え方であるならば、その協定額というものを標準に一応しておいても、その上にプラスXというものをさらに希望されるということは、決しておかしくないのじゃないかと思うのです。その点をどういうふうにお考えになっているのか。それからもう一つは、従来の例と均衡を保つことも必要であろうというお考えのように承わったのでありますが、しかし、従来の例が日本人として満足すべき金額でなかったのだ、しかし、まあ協定もできておるから、がまんしてこういうことになったのだということの、そういうふうな考え方であるとすれば、新しい例を開いてそれをよけいに要求されて、要求という言葉は当らないかもしれません、希望されたことによって、従来の例よりも今度の分がよけいにもらえるという新例を開いてみたところで、何ももとの人に迷惑かけるわけじゃありません。ただ、この後にまたそういうことが続いて行われるかいなかということが問題になっているのだろうと思います。しかし、新しく今までよりもよりよけいに協定額以外に支給がされるというような新例が開かれれば、この後不幸にして、また、そういう類似の問題が起った場合に、やはり相当従来よりも多い金額をもらってやる、請求さしてやるということができるわけでありますから、ちっとも差しつかえないじゃないか。何も元やった人よりもよけいに、元の例よりもよけいにやっちゃ工合が悪いということは考える必要はないのじゃないか、こういう疑問を持っております。もう一つは、これでもし向うが出ない、そういう希望をこちらで申し入れてもできないというような場合、政府の御当局としては一応お考えになるだろうと思っております。しかしもし、これが足りないんだから、協定額では足りないんだから、増額の要求をしたのだということになったならば、次に起る疑問としては、政府の方では足りないと思っているのだ、しかしアメリカからどうしても出ないんだとなったならば、その足りない分だけは日本政府が出すべきじゃないかという疑問が起ってくるだろうと思っております。そういうことにでもなったら困るからというような御配慮でもあるのじゃないかと私はまあ察するわけであります。そうだとすると少し考え過ぎじゃないか。どう考えても今度の事例だけ見ましても、金額が非常に少な過ぎるということは、これは日本人としては当然、アメリカ人でもわかっているはずだと思います。普通の人情から考えますれば。その点はいかがなものですかね。御答弁願いたいと思います。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) いや、先生方のおっしゃること、まあ重々私わかっておると考えておるのでございます。従いまして本件に関しまして、できるだけの余分な額にいたしたい。この点は私も先生方と同様の気持を持っております。ただその今の、一つの政府が補償する場合の基準という点は、しかし、これはやはりどうしても類似のケースその他の場合のことも考えて、またこれにも思いをいたさなけりゃいかぬ。しかしながら、このケースが、まあ特別なケースでありまして、前途有為な学生さん、親一人子一人の、そういう家庭状況、今まで親子がどのように相互に相よって協力をされてきた実情、今後のお母さんの生涯、これらに関しましてなお格別な配意を米軍も加えて措置できるように、この点は私もまさにそのように思っておりますので、軍側にもそれは十分に申し述べて配意を求めるつもりでおります。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 そうすると、一番初めに私がお尋ねいたしました今の協定の金額がやはり正しい。それでいいんだ。不足ほ感じないということに、まあ政府としてはお考えになっているわけなのですか。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) その点は矢嶋先生から先ほど基準問題でお話がございました。ただいまの基準そのものが、実態に即しない不十分ではないのかという問題。まあこれらについてちょっと別の算定方式のような話もちょっと出しましたが、そういう点は常々、ただいまも検討を加えておるわけで、決してこれが万全のものであるから、これでもう一切がっさいいい、このようには考えていないつもりなのです。ただ、現在のところが労災法その他の政府の公的な処置としてとっておる基準でございますので、まあそれによるのが現在のところでは妥当な線である。このように考えておるわけであります。まあそれがもとになりますが、お話しの通りのこのケース特有の事情を加味するための努力、これはまあ十分にいたしたいと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 調達庁長官の直属上司は防衛庁長官であるわけですが、私はこの問題は、すなわちロングプリーの事件にしましても、さらにミズリー艦上で調印して以来のこの種案件は、内閣の責任において処理すべきものだという立場から、まあきょうは総理までは要求しないで官房長官を一応お呼びしたわけですが、官房長官、差しつかえがあって、副長官がお見えになっておる。従って私はこの問題をですね、簡単に副長官に伺います。で、あなたも頭のいい人で副長官を勤めているわけですから、あなたの判断で答えられるはずです。答えられなかったら副長官をやめなければならないでしょう。どうしても答え得ない点は保留して、お帰りになってよろしい。そのかわりに官房長官、さらにですね、総理にその旨を伝えて、あらためてここに答弁を要求いたします。で、そういう前提をもって伺いますが、先ほど同僚委員からも指摘がありましたように、私は事務当局の長官である丸山さんの答弁が、どうしても納得ができないのです。従って官房としてですね、どういう見解かということを、私はあなたの良識をもってお答え願いたいと思います。ジラード事件の坂井さんの場合は、これは慣習とはいえ、ともかく演習場に入っておったわけですね。「ママさんおいで、たくさん」というようなことを言っておった。ところが、今度のロングプリー事件というのは、学生は駐留軍にアルバイトに行くので電車に乗っておったわけですね。しかも、ロングプリーは十九才とはいえ、臨時憲兵として軍に服務しておったわけです。しかも、実弾を込めておって、その実弾の入ったのを忘れておったと日本の警察官に言っておるといっておりますが、言語道断だと思うのです。それを信じておったとするならば、そういうことを日本の警察が認めておったとするならば、私は容赦できないと思うのです。そういうことについてこそ、日本政府は米軍に厳重に抗議をすべきだと思うのです。日本に駐留しておる軍人が、一人前の臨時憲兵の職についておって、そういう自分で実弾を込めておいて、忘れて撃ったなんというばかなことはないのです。しかも、これは狙撃したに違いない。そういう状況で宮村君は生命を落した。そうしてこれらの補償については行政協定の十八条の基準から生ずる補償基準において、遺族補償の算定に当っては云々とあって、収入能力その他の事情を考慮して云々という項があるわけなんです。だからこの傷つけられた事情。さらに、その宮村君のお母さんは若くして未亡人になって、御承知と思いますが外地に行かれて、病院の看護婦や賄婦のようなことをして、再婚もしないで一人むすこを育て、終戦後は引き揚げて生活が苦しく、海産物とかあるいはお米等のかつぎ屋をするとか、最近はニコヨンをやってもう一年だ、二年だといってがんばっていたわけですよ。その一人むすこがこつ然としてこういうような形でなくなった場合ですね、よわい五十をこえておったならば、どんな意志の強い人でも腰折れてしまう。そういう特殊事情があるんだから。また、日本国民の感情というものは、他の委員から指摘された通り。だから私は日本の政府としては、今後の日米関係という立場からでも、はっきりした私は意見書を付けるべきだ。その意見書のいかんによって米軍の金額はきまるんですよ。私はおそらく調達庁の出先機関としては、この書面の作成方についても、善意を持って私は指導して下さっておると思うのです。当然すべきだと思うのです。あの書き方はわからないですよ。書面の書き方なんというのは、出先機関で指導して、それには日本政府としてはっきりした私は意見書を付けるべきだ。それによって金額がきまるわけですからね。で、私は先ほど申したようにアメリカの労働者の賃金にすると、最低給の労働者で換算しても、宮村君の今度のこの基準による補償金というものは、わずか五ヵ月分の給料です。五ヵ月分の給料ですよ。最低賃金労働者の五ヵ月間の給料にしか相当していない。これは、アメリカ人だってわかると思うんです。先ほども申し上げましたが、宮村君が大学を卒業して四十年間働くとすれば、大体五千万円か六千万円の収入になる。で、お母さんは今五十才ですが、詳しく言えば五十二才かと思いますが、これは日本人の平均寿命からいった場合、月一万円の生活費としても、二百四、五十万円は必要とする。だから、私は、日本政府が意見書を付ける場合には、いろいろの事情を勘案したときに、このお母さんが何とかあと暮せるという目安から、少くとも二百四、五十万円ぐらいはこの金が出るような立場から意見書をつけるべきだ。調達庁長官は、事務局の長官として煮え切らんことを言っているから、松岡委員、竹下委員から追及指摘されているわけですが、副長官、どう考えられますか。もう少し積極的なこの事件については、政府の意向というものを、米軍当局に伝えるべきだ、かように私は考えるのですが、御見解を承わります。

鈴木俊一内閣官房副長官

○政府委員(鈴木俊一君) 今回のジョンソン基地の発砲事件は、先ほど来お話しのございますように、まことに遺憾な事件でございまして、政府といたしましても、日米間の今日の事態から考えまして、まことに好ましからぬ反響を、いろいろと巻き起す問題であるというふうに考えたわけでございまして、九月の十八日に、日本政府を代表いたしまして、米軍側のほうに、口上書と申しますか、声明書と申しますか、これを提出をいたしておるのであります。その内容は、九月七日、ジョンソン飛行場においてきわめて不幸な事件が発生した。われわれの経験によれば、この種事件は両国間の防衛問題に関する相互協力に関連し好ましからぬ反響を日本国民に巻き起すと思われる。われわれとしては、在日米軍が同様な事件の再発を防ぐため必要な措置をとるよう希望する、こういうことを先方に申し入れたわけであります。これに対しまして、十月の二日、第百九十五回の日米合同委員会におきまして、この趣旨を重ねて日本側から申し入れたわけでございますが、これに対して、米側といたしましては、本事件の生じたことにつき遺憾の意を表明をし、今後同様の事件が再発しないよう期するものである、こういう趣旨の先方の発言があったわけであります。このことは、これは公表はいたしておりませんが、日米合同委員会の議事録に収録をいたしておるわけであります。  そういうわけで、政府といたしましては、本事件の発生について、非常に多大の関心を持ってこのような措置をいたしたわけでございますが、本件の被害を受けられた当事者に対する補償の問題につきましては、先ほど来るるお話がございまして、調達庁とされましても、現行基準の許す限り、また、その運用の可能な限り、最善の努力を傾注をして、少しでも多く補償の目的を達するようにすると、こういう気持でやっておられるようでありまして、これは、政府といたしましても、もちろんそのつもりで、各委員のお話を体しまして今後努力するつもりでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その点はその程度にとどめて、次に承わりますことは、さきほども触れましたように、平和条約十九条の(a)項によって請求権を放棄した。その後、政府としては、歴代内閣が若干の努力はされております。しかし、二十七年四月の二十七日平和条約発効の前日の前とあととで、それぞれのアンバランスが非常にひどいものがある。また、地方自治体をして調査報告をさしたわけですけれども、自治体によると、それが十分行われずに、いまだ泣き寝入りになっている人が相当数あるわけです。先ほど、調達庁長官は、今のところ三十一件、そういう該当件数を握っているということですが、調達庁長官としては、さらにこれらの調査を十分して、そうして泣き寝入りになって支給されていない該当者に対しては追支給の措置を講じたい、こういうふうに長官として言明されているのですが、官房副長官の見解はいかがですか。

鈴木俊一内閣官房副長官

○政府委員(鈴木俊一君) 過去の不幸な事例につきまして、これは、先ほど来調達庁の長官のお話でも、種々検討をしておるということでございまして、これらの件につきましても、今後最善の努力を尽して、事態の適切なる解決をはかるように努力をいたしたいと、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 さらに、それに関連してでありますが、平和条約発効以前と、発効後行政協定十八条を適用してやる場合とにおいて、非常なアンバランスがあるわけですね。私が知っている例でも福岡の板付附近で、米兵が真夜中に青年に酒買うて来いちゅうて、酒がないと断ったからといって、直ちに、前途有為の二十三、四の青年が三人その場でピストルで殺された。そういう人は、その後追給措置によってすらわずか十五万円しかもらっていないわけです。労災補償との関連に比べても非常に不十分ですが、在外資産補償の問題もああいう形で処理が終了をいたしております。この際、調達庁長官の見解では、これらの問題を一切納得のできるような合理的な方法で再検討する必要がある、かように事務当局としては考えられているようです。私は補償の立法というものをして、そうして予算化もなすべきものと、かように考えるわけです。いずれ、これは、総理にもただしたいと思いますが、官房副長官としては、どういう御見解であるか、お答え願いたいと思います。

鈴木俊一内閣官房副長官

○政府委員(鈴木俊一君) 先ほど来、るるお話がございましたこれらの不幸な事件の補償につきましての基準につきまして、調達庁としましても現に検討中であるということでありまするし、私どもといたしましても、これらの基準について、さらに実際の実情に即しまするように検討を加えて、米軍、米側との間に協定を、話し合いを了しまするならば、それに応ずる措置を当然とるべきものと思うのであります。この点は調達庁が主務官庁として、関係方面にそれぞれ連絡をしておられるわけでありまして、今後ともその点の努力を鋭意続けていただきたいと、かように思っておる次第であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 調達庁当局としても非常に骨が折れられることだと思いますが、結局は、事務当局が的確な資料を持って、そうしてはっきりした方針と見識を持つということが大切だと思うのです。で、今までずいぶん御努力願っておるわけですが、今や安保条約の改訂も論じられ、日米関係も新しい時代に入ろうとしておるわけで、過去の問題、さらに今後の問題として、この行政協定十八条によるこの支給基準がこんなものでいいのかどうか。ずいぶん今後の問題もあると思うのですが、またあらためてお尋ねもし、議論もいたしますが、調達庁事務当局としては、十分一つ御研究、御善処いただくように特に要望いたします。  最後に承わりたい点は、国鉄の武内調査役がお見えになっておるようですから承わりますが、先般この岩国駅付近でかもめが転覆した。これは米駐留軍の一兵士が警報機を無視したために、かもめが転覆した。私は岩国駅にとめられている機関車並びに客車を見ましたが、物すごい様相になっておるわけですね。よくあれで死者が出なかったものと、もう奇跡だと僕は思ったわけです。負傷者だけで済んだのは、まあ不幸中の幸いだと思っておるわけですが、あの事件によって国鉄は幾ばくの損害を受けたのか。また、これに対する米軍の補償というものは、いかように進みつつあるものか、国鉄当局の見解を一つ承わりたいと思います。

武内慎一日本国有鉄道総裁室調査役

○説明員(武内慎一君) 総裁室の武内でございます。今お尋ねの、山口県におきますかもめの衝突事件、まことに遺憾でございまして、申しわけないと思っております。これにつきましては、責任が明らかに駐留軍の方にあるということが明白のようでございますので、国鉄といたしましては、従来の例にならいまして、地元の管理局長から地元の地方調達局の方に損害補償の請求をいたす手はずになっております。ただし、なっておりますが、ただいままでのところの損害の調査が、工場に入りまして機関車、客車の修理のこまかな積算がまとまりませんので、いずれ近くまとまりましたならば、文書によって請求をいたしたい。大体概算のところ、約三千万円程度の損害になるというようなお話しでございます。そうしましたら、文書によって正式に請求いたしたい。  ついでに従来国鉄でこのような事件が多々起きまして、現在まで未解決でございますので、実は去る九月二十五日でございましたか、一括いたしまして、従来請求いたしておりましたのが未解決で遅延いたしておるということで、東京の調達庁の方へも、総裁名をもちまして、国鉄関係約四十件程度のもの、金額にしまして六千万円程度のものが未解決だから、というような督促をいたしまして、できるだけ早く損害賠償が済みますよう解決方を、調達庁本庁の方にお願いをいたしたような次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 長官に承わりますが、これらの損害賠償をスムースに十分なされる見通しでありますか、どうですか。見通しを承わりたい。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) かもめの事件は、今国鉄の当局の方からお話がありましたように、向う側が十分に御調査になっておるので、それらを文書によりまして私どもの方に受理いたしますならば、すみやかに処置いたすつもりであります。また、原因等もはっきりいたしておるようですから、さほど問題はなかろうと、このように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 先ほども武内さんから、今までの未解決のも合せて書面で請求するという御発言がございましたが、どうもお互い敗戦ぼけから抜けきれないところがあると思うのです。そして駐留軍は占領軍ぼけしてくると思うのですね。で、日本人の生命とか、財産というものを非常に軽視する傾向がいまだに続いているところに、いろいろの事件が頻発していると思います。従って政府当局としては、これらの点については、きわめてきびしく対処していくように、私は強く要望します。これらの損害が、お互い日本国民の税金によって、損害が補償される、穴埋めがされるというようなことは、断じて許すことができないと思いますので、関係者の格段の一つ御配慮を要望しまして、本日のところはこの程度にいたします。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) お説よく承わりまして善処をいたしますが、ただ、国鉄のケースがたくさんのものが未解決になっておる。これには特殊な事情があるのでちょっとつけ加えさせていただきたいと思うのですが、行政協定の十八条一項、二項に、それぞれの国の機関が公務中の事故、それに基く損害賠償は相互に放棄するということがございます。それでその国鉄というものも日本の国のやっておる機関であるから、それに関するものはこれに該当するのではないかというような議論があるわけなんです。その逆の場合を言いますと、たとえば例の洞爺丸事件等で、国鉄の船にアメリカ兵、あるいは家族等が相当多数の人数が乗っておった。これらについて、もしこの一項、二項の関係がなければ、国鉄はその軍人、軍属、家族等の多数の生命に対する補償もしなければならない。ところが、これが今のような問題で一項、二項にひっかかっておる。そこで、その国鉄というものの性格、性質等から、これらに該当させるべき機関なりやいなやという問題で、実は合同委員会で双方の討議を続けておる。このような事情から、国鉄関係のものがいまだに未解決の数が相当ある、このような事情でございます。国鉄自体は別にそこに乗っておられた被害者等の、一般の者の問題に関しましては、ただいま日米双方とも鋭意敏速処理に努力しておりますので、さほど問題なしに片づくと、かように申し上げておいて、御了承いただきたいと思います。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 時間もだいぶ切迫いたしましたので、簡単に長官に、先に質問いたしましたことの続きをお伺いしたいと思います。今度の問題も労災法の補償の問題と結びつけての御説明だったのでありますが、労災法の規定を私こまかく存じませんから、お尋ねするわけでございますが、私の頭にちょっと浮んでいることは、この問題は労災法の問題にしいて結びつけて労災法の基準をこのものの基準にするという必要はないのじゃないか、二つは性質が違うのではないか、こういうふうに思うのです。ただ参考には、幾らかなりましょうけれども、労災法がこうであるから、こっちをこうというところまでお考えになるのはおかしいのじゃないか。今度の場合は特別の場合としてお考えになってしかるべきじゃないかというぐらいな考え方をしているのですが、先ほど申しましたように、労災法の規定を私こまかく存じておりませんから、そこを緊密に結びつけなければならない事由はどういうところにあるのか。その御説明をお願いしたいと思います。切り離して考えますと、大へん仕事がしやすくなるのじゃないかと思いますけれども。

丸山佶調達庁長官

○政府委員(丸山佶君) 今回のケースを直ちに直接に労災法に結びつけたものではございませんで、ただいまこの関係の基準として載っておりますものを作りますときに、国の責任に基く補償措置をいかがあるべきか、まあいろいろ議論もあり、いろいろな方式もあるわけなんです。ホフマン方式とか、その他いろいろあるわけなんでございますが、その際に一応今国の政策、方針としてはっきり法律上に現われている関連事項が労災法にたまたまある。そこで、それもやはり一つの基準になりまして今のような基準を作り上げた。そこで、今回の件に関しましても、基準でいくと、どういう工合になるかというようなお話を申し上げた次第なんでございまして、すぐ労災法にあるものを結びつけた関係ではないのでございます。従いまして竹下先生、矢嶋先生などから特別扱いの処置ということで、いろいろ御意見も承わりましたので、十分尊重いたしまして善処いたしたいと思います。

竹下豐次緑風会

○竹下豐次君 しかし、労災法の補償そのものは、もうすでにこれは法律問題、立法問題ですから今言ってもしょうがないわけですけれども、これさえ十分でないと私は思うのです。だからほかの場合に、切り離して考えることができるならば、あまり関連させずに、一つ正しい理由で主張されるということは決しておかしくないのじゃないか、こういうふうに考えます。それから先ほど矢嶋さんのお話がございましたが、日米間のいろいろな関係も、これはよほど考えなければならない。ちょいちょいこういう事件が起ってははなはだ、個人、人間一人の問題で国と国との関係の感情というものは非常に大きくもつれてきますから、こういう際には、アメリカの立場からいっても、少々くらいの金をせぶる必要はちっともないのですから、できるだけ日本人全体を満足させるような見解を思いきって出すということの方が、アメリカのためにもいいと私は思う。これはわれわれ日本人としてはもとよりですが、そういうこともやはり政治的にお考えになって、私の今言ったように、アメリカの方に君たちの方にもいいじゃないかと、そのようにおっしゃっても、ちっとも失礼でないと私は思う。私の気持としてはそういうふうに考えておりますので、少しでもできるだけたくさん支給のできるように、格段の努力をお願いしたい、かように思っておるわけでございます。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、午前中はこの程度にとどめ、午後は二時半から再開することにいたします。  これにて暫時休憩いたします。    午後零時四十三分休憩    —————・—————    午後三時四分開会

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 委員会を再開いたします。  先刻委員の異動がございました。千葉信君、近藤信一君及び松本治一郎君が辞任され、藤田藤太郎君、横川正市君及び阿部竹松君がそれぞれ委員に選任されました。以上御報告申し上げます。   —————————————

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) それでは、国の防衛に関する調査のうち、前回に引き続き航空自衛隊の次期主力戦闘機の機種選定に関する件を議題として調査を進めます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 防衛長官に新戦闘機機種について二、三お伺いしておきます。この新戦闘機の生産に、少く見積って一千億かかると仮定いたしますと、実際ははるかによけいかかると思いますが、そうだとすると、赤ちゃんからおじいさん、おばあさんを含めて九千万一人々々が千百十一円、こういう負担をしなければならない。こういう巨額な金を使って新戦闘機を作るということになりますと、まずどうしても考えなければならないのは、この新戦闘機が第一戦に配置になるまでには大体少くも四、五年かかる。そのころには、現在でもすでに台湾でアメリカがサイドワインダーを使っておる、そういう報道を聞いておる。もうすでに誘導弾時代に入ろうとしておる、あるいは入っておるかもしれない。そういうときになって、なおかつ新戦闘機がどのように選ばれようとも、そのころに果して役に立つのかどうか、その問題がまず第一に考えられなければならないと思うわけです。この点についてまずもって長官の見解をお伺いしたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 渉外関係で遅参いたしましたことを初めにおわびいたします。ただいま新戦闘機につきまして、国民に非常な御負担をおかけするということでございましたが、これは私どもといたしましては、相当の部分米側の援助を得たいと存じておりますので、かりに一千億といたしますれば、それが全部国民の税金にかかるわけではございません。しかし、いずれにいたしましても非常な負担をかけるのでございますので、十分慎重を期して参らなければならぬと存ずるのでございますが、ただいま伊藤委員お話しの、ミサイル時代に、これから数年先にこの戦闘機が果してお役に立つかどうか、こういうことでございますが、先ほどお話のサイドワインダーはこれは空対空のミサイルでございまして、現在私どもが計画しております戦闘機が将来装着できるように研究を進めておるのでありますが、地対空ミサイル、これが非常に進歩する。そうすればこれを有人戦闘機にかえて使用するようになるのじゃないか、こういう御質問と思うのでありまするが、その点につきましては、確かに仰せの通り将来地対空ミサイルというものは、非常にこれは進歩いたすと存ずるのでありますが、しかし地対空のミサイルには、到達距離という点から見まして、広い範囲の防空には用いられない限界がある。大きな都市とか、航空基地とか、重要港湾とか、重要工業地帯というような地点の防空には、地対空ミサイルが非常に私は重く用いられるのじゃないかと思います。また敵の欺瞞行為に対する判断ができない。それから基地が固定しておりまして、機動性を欠きますから、地対空ミサイルだけで国土全体を守ろうといたしますと、非常な多数の基地施設を要する。もう一つは、地上作戦に対する協力、あるいは偵察等はミサイルではやはりできないのでございまして、そういうような地対空ミサイルの不利といたしまする点が、逆にまた有人戦闘機の利点でございまして、そういう点から、私どもは当分はミサイルと戦闘機が併用される時代が相当続くんじゃないかと、かように存じまして、私どもの今の計画は、やはり国防上どうしても一つ考えなければならぬと、かように存じている次第であります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 現在の第一線機であるF—86Fについては、たしか昭和三十年に生産を始めた、そういうふうに記憶しております。確かにその当時は第一流であったと思うのです。ところが、現在すでにもう予備役的な存在になっている。この前の委員会で長官は、F—86Fでもりっぱに役立つということをおっしゃっておりますけれども、これは実際問題として昼間機ですから、夜間敵機が来たときに、手をこまぬいて見ていなければならぬ、あるいは速力その他の性能についても、はるかに劣っている、こういうことでは、いざというときには役に立たないわけです。そういうような情勢下でこれをやはり新三菱重工との契約、あるいはまたアメリカとの契約上、なおかつ、たしか百八十四機まだ三百機のうち残りがあろうと思います。二年間にわたって百八十四機を、こういう情勢の中で、むだと知って作らなければならぬ、そういう情勢にあるわけです。従って、よほどこの点考えないと、新機種についても、このF—86Fと同じような轍を踏むのではなかろうか、そういう点が国民として非常に関心を持っておる点なんです。この点についてどういうふうにお考えであるか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) F—86Fは、現在相当程度私は役に立ち得るものと存じておるのでありまして、しかし、日進月歩の時代でございまするので、私どもの今計画しておりますF11が、長い将来には進歩がしやしないか、こういう御心配でございますが、非常にF11につきましては、これをまだいろいろ開発あるいは発展させていく、相当将来性があるということも私どもは考慮に入れまして、これを国防会議に提案いたした次第でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 次に、問題として考えられるのは、このF—86Fのことについて今申し上げたんですが、結局、候補は非常に多かったわけですね。このF11F—1F決定までに、相当候補が多かったその中から、特に突如として最終段階でこの機種が選ばれたという問題、最初は、御承知のように、ロッキードのF—104Aとか、あるいは100D、こういうものが最有力であったと思うわけです。ところが、そのときがちょうど衆議院解散の直前でもあったし、今まで有力視されておったものがけられて、突如としてここにF11F—1Fが出てきた。そういう次第で、いろいろ世間のうわさを生んでおるわけです。そういう点についての根拠を承わりたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 先日、当委員会におきまして、私どもがF—11に至りまする経緯を詳細にお答えいたしたのでございますが、そのときにも申し上げましたように、各種性能、特に多用途性とか、あるいは安全性、操縦性、所要滑走路長等の点から、私どもはF11F—1Fを国防会議に提案いたした次第であります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 自衛隊で次期戦闘機を何にするかという、そういう議論は、大体F—86Fの第一号機の完成した三十一年ごろから起きたと記憶しておるんですが、そういう段階で、一方新三菱とか、あるいはまた川崎、こういう一連の航空機生産業者から、非常に強力な働きかけがあったということで、防衛庁もテンポを進めて、急にこれを決定することになった。そういうことで、自衛隊自体の軍事的な要請というよりは、むしろ業者からの非常に強い働きかけがあって機種の選定を急いだ、そういうふうに見受けられるわけですが、この点について御解明いただきたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 業者の方から、もう現在生産をしておるものが、三十五年、三十四年でもうおしまいになるんだから、早くしてくれというようなことが、私どもの機種決定を急ぎました根本の動機ではございません。私どもといたしましては、防衛計画の上から次期戦闘機をすみやかに決定をして、その生産に入って、防空に空白を生じないようにということが、主たる私どもの目的でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 こういうような情勢の中で、昨年二月だったと覚えておりますが、航空幕僚監部の方で、長官あてに意見書を出しておると思うんですが、その要点について承わります。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 当時、私は在任中でございませんので、この問題を担当しています所轄局長からお答えいたします。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 昨年の二月というお話しでございますが、昨年の二月ごろ、航空幕僚監部からそういう意見が出てきたということは、私記憶がございません。昨年の二月……ちょっと今記憶ございません。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そのことについては、大体こういうふうに私は承知しておりますが、いろいろ条件をあげたわけです。その中で、たとえば速力については、一・五とか二マッハとか、六万フィート以上の上空で戦闘ができるとか、あるいはまた五万フィート上昇するのに三分以内とか、あるいは二百海里以上の行動半径を有するとか、あるいはまた地上滑走長二千三百フィート以下、こういうような五つの条件、あるいはそれ以上あったかもしれませんけれども、こういうような条件に合格するものとして、まず最初の段階でロッキードのF—104Aを選ぶのが、これが適当であるんじゃないかというようなことであったと思いますが、これはそういう点間違いないかどうか。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 先ほど大臣からお話がございました通り、F—86Fは、現在台湾海峡でも国府軍が使っておりますけれども、やはり一九六〇年代になりますと、若干まあ最新機ではなくなるということは、当然考えておったわけでございまして、F—86Fに次ぐ最新鋭の戦闘機を生産するという希望は前から持っておりました。その要撃機をどういう条件のものを選ぶかということにつきましては、要撃機の選定の基準といたしまして、航空幕僚監部の方から、たびたび防衛局の方には話がございまして、防衛局の方でもそれを検討して参っておるのでございます。その際に、今おっしゃいましたようなことも、私はいつの段階においてあったかということは存じませんけれども、いろいろ意見が述べられまして、やはり私どもといたしましては、ある種の速度、六万なら六万フィート以上の高度で要撃できるものというふうな条件をだんだん進めて参ってきておるのでございます。その結果、今度の最終段階におきまして、どの機種を選ぶかということにつきましても、一つの有力な判断の基準になったという次第でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 昨年の五月、防衛庁からの要請で、在日米軍事顧問団から、いろいろ機種についての幾つかの説明を聞いておるわけです。F—100、F—101、F—102、F—104、F—105、F—106、N—156Fという幾つかの機種について、軍事顧問団からいろいろ説明を聞いたが、最終的に軍事顧問団としては、結局F—104Aが適当であろう、そういうような結論であったように聞いておりますが、その点はどうなんですか。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 米国の軍事顧問団とは、絶えず密接に連絡をしておりまするので、いろいろ意見の交換はあったであろうと思います。しかし、お話しのようなことを向うから申し出たということは、私は聞いておりません。私どもの段階におきましては、航空幕僚監部の意見を十分に傾聴し、また、米軍のしかるべき方面とそれぞれ連絡をいたしまして機種の選定を進めてきたという、その過程における一つの出来事であったんじゃないかというふうに思います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私たち、例の実戦部隊で、極東空軍ではF—100を強力に推薦したが、軍事顧問団ではF—104ということで、防衛庁としては、米軍側が二つほど線を出しておるので、去就に迷ったけれども、最終的には104Aがよろしかろう、そういうことであったように聞いておるのです。その点を明確にしていただきたいと思います。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 米空軍なり軍事顧問団なりから、正式に日本政府に対しまして、どういう飛行機がよろしいというふうな意見の表明はいたしておりません。航空幕僚監部の諸君が会いました際に、個人的にはパイロットの経験のある方がいろいろなことを言ったかもわかりませんけれども、正式に申し出たということはないと私は承知しております。ただ、昨年の八月まではこの前御説明があったと思いますが、F—100とF—104の二つが候補に上っておったわけでございます。その際におきましては、一九六〇年代の要撃機ということになりますと、F—100は少しやはり性能において欠けるのではなかろうかというふうな判断は私どもしておったことはございます。しかし、昨年の八月に永盛調査団を派遣いたしまして、その際に米国の方の正式な意見をいろいろ聞いたわけでございます。その際その調査団が持って参りました報告の中に、F11F—1FあるいはN—156とか、あるいはF—102というようなものがあったのでございまして、それらの飛行機を今まで考えておりましたF—100及びF—104と合せまして、昨年の永盛調査団が帰りました以降、私どもは候補として検討をしてきたという状況でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そういう顧問団と会合を持ったことはないとおっしゃいますけれども、確かに昨年の五月、出席者については、防衛庁側から前の増原次長、それから佐薙空幕長、それに顧問団としては空軍部長のハーデイ准将以下数名ということになっておるのですが、そういうこと全然ございませんか。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 私は聞いておりません。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 それでは、この問題についてはまた後日あらためてさらにお伺いするといたしまして、そういうことではっきりしないので、実際にまだ防衛庁としても、たとえばF—104Aとしても実地にだれも見てないということで、第一次使節団がアメリカに行かれたと思う。その際、結局こちらで防衛庁が調査したものと、実際アメリカに行って調査したのではだいぶ食い違いがあると思う。たとえばいわゆる上昇性能といいますか、上昇能力といいますか、それらについても、結局五万フィート三分以内なんていうのは、アメリカ中探してもなかった。一番早いF—104でも六分は要しておる。そういうようなこととか、あるいはまた、陸上の滑走距離についても二百三百フィートというようなことで行ったけれども、実際には三千三百であったというふうに、要は防衛庁はこちらで調査した面と実際に行った面では、相当食い違いがあったということ、そういうことは、防衛庁はこちらの調査が非常にずさんであったということも言えるし、もし先ほどお伺いした顧問団の説明があったと私は仮定しますが、あったとすれば、顧問団ともあろうものがそういう間違った説明をしたということは、今後の責任追及という点にもなろうと思います。しかし顧問団の点については、そういうことはないとおっしゃるので、一応ここではおいておきますが、こういう点はいかがですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 当時のこと私存じませんのですが、私就任以来の米軍側との折触した感じから申しますと、ある機種を向うの方で一つきめて、ぜひこれにせよというようなりコメンドをするような空気は全然ないのでございまして、いろいろ資料等についてこちらが連絡をしますれば、便宜をはかってくれるというのでありまして、私着任以来この機種を特にぜひやれというような積極的な米軍側から意思表示は私は聞いておりません。それからただいま私の方でいろいろ調査をしておりましたが、それを確かめるために、永盛調査団をやってみますと、いろいろデータ等にも食い違いがあった。特に私ども104A等につきましても非常な、その当時実際採用している上においても事故が多かったというような、向うへ参りまして米軍の援助のもとにいろいろな調査をいたしまして、最近の資料をもって五つの機種を候補として私ども検討いたした次第でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 大体防衛庁としては、今回の機種選定については、全く信念がなかったと思う。いろいろ次々と考えを変えておったというふうに私どもは考えておるわけですが、結局各社のセールスマンに動かされたり、あるいはまたその調査もずさんであったという点、そういうことでF—104からF—100に、そうしてN—156、そうして最後的段階でF11F—1F、こういうふうにだんだん変ってきたわけです。だいぶ重ね重ねよろめきを示しておる。これはどういうわけであったのですか、その原因は。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 種々の機種について検討いたしましたが、これを国防会議に私どもとして責任をもって提出しようとかいうようなことを決定いたしたことはございませんので、私どもはいろいろその間の検討はいたしましたけれども、私どもはF11F—1Fを国防会議に提出いたしますまでに、104とかあるいは100を私どもが採用をきめたという事実はございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 今伊藤委員からただされておる点は、明確にしていただきたいと思う。昨年の二月ごろ佐薙空幕長はF—104が最も適当だと防衛庁長官に内申しておるはずです。そうして先ほどちょっと出ましたように、五月中旬、六本木の軍事顧問会議室で、米側と、F—104がよろしいということに一応一致しておる。そうしてF—104Aのデータを持って永盛団長がアメリカに行っておるわけです。永盛報告はあとで私伺いますが、この報告では、F11F—1Fの改良型が最良であるとか、F—104Aがいいとか、その改良型のF—104Cがいいとかいう結論は出していないわけです。ところが永盛団長が行ってみたところが、F—104Aの日本国内で見たデータと実際向うで見たデータとは違うというので、こういう報告が出てきておるわけですからね。しかし、昨年秋の段階においてはロッキードF—104Aがやや優勢であったことは、これは衆目の認めるところです。ちょうどそのころからアメリカの各社のセールスマンが日本にどっさり入ってきておるわけです。そうして防衛庁の幹部諸君ばかりでなく、与党の幹部諸君に猛烈なる働きかけをしたことは、赤坂のおかみでも知っておるし、そうして明けて三十三年正月になって佐薙空幕長が米軍の招待によって向うに行かれたときに、国防総省は極力グラマンを推薦した。それから帰ってから佐薙空幕長はグラマン一辺倒になってきたという経過をずっとたどってきておるわけです。この経過を否定しますか。これは絶対否定できないことだと思う。その点をどうしてそんなに防衛庁の態度は変ったのか、こういう点を伺っておるわけですね。またF—104Aの顧問団から出されたデータというものが、現地で見たところではずいぶん違う、そういう点についてデータ提供者であるところの顧問団として何らかの責任があるのじゃないか。また、防衛庁当局としても事前のデータの研究が不十分であったのじゃないか。こういう点ただしておるのですから、明確にお答え願うとともに、私が今申した経過に間違いがあったら反論していただきたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 先ほども申しますように、米側が機種につきましては、特定の機種を積極的に推薦したことはございません。あくまで日本側の独自の立場で最適のものをとるようにということで終始いたしておったと私は存ずるのでございます。104Aにつきましていろいろ私どもが調査をいたしまするときに、米側にも連絡を求めたことはございましょうと思います。これはあくまで日本の立場から調査をいたしたのでございまして、その調査の結果を確かめてみまするというと、いろいろな精密な数字のことでございまするので、若干の相違があったかもしれませんが、特に安全性という点につきまして、一つ慎重を期さなければならぬというふうに、私は永盛調査団の調査はあったと思うのでありますが、先ほど申しますように、104Aを特に米側の顧問団があらゆる資料を出して、全部日本にうのみにさして、その資料に間違いがあったから、われわれがよろめいたというような経過はなかったと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう一回関連質問させていただきますが、長官の答えは了承できぬと思う。あなた方は日米共同防衛体制というものを考えているでしょう。従って機種選定に当って、あなた方は米軍に何らかの質問をしないはずはないと思う。また、米軍からも日本はこういう飛行機が適当であろうというような何かのサゼッションみたいなものがないはずがない、常識的に考えて。ある時期にはF—104Aというものの推薦があっている。で、ある時期にはグラマンという推薦があっている。それから米軍の中でも国防総省と顧問団とは意見の違った場合もある。かつては、日本軍人が満州国に進駐している当時は、満州国がどの兵器を使うかという場合には、満州国に駐留している日本の軍人は相当にこれは関与したはずです。しかもその日本の軍人は、国内の軍需産業家とも関係があったことも私は否定できないと思う。この形は今の日本のこの軍装備にも私はあると思う。従って国民の一部には、日本にいる軍事顧問団、これらも何らかの飛行機メーカーのひもつきだ、こういう疑惑を持っている国民は多数いるのですよ。それから在日空軍、それから米国防総省、それぞれその時と場合で意見が違っているわけです。だからあなたは自主的々々々と言うけれども、あなた方が考えている基本的な態度から言って、向うの意見をただし、向うも何らかこちらに意見を述べるということは当然だと思う。それはなかったということ自体私は、おかしいと思う。それでアメリカのは時と場合で変ってきている。どうして一体変ったのか、それによってあなた方は非常によろめいた。その過程において日本の軍需産業家が介入して参り、また、アメリカの各商社が国内に入って、その猛烈なる販売競争をやった。従ってその関係を明確に一つ答えてほしい。これは伊藤委員並びに私の今お尋ねしているところですから、もう少しそれを明確にお答え願いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 満州事変当時の国内と出先との意見の不一致という話がございましたが、私は米軍事顧問団は御承知のように米国防総省の指揮下にあるのでございまして、これが食い違った推奨をするとか、第五空軍がまた違った動きをするとかいうようなことは、私はなかったものと信じております。繰り返して申し上げまするが、特に機種の問題につきましては、米側として特定の機種を積極的に向うから、ぜひこれによれというようなことを推薦をいたしたようなことは、私の就任以来は一度もございませんので、いろいろ私どもが調査をいたします、研究をいたします資料の提供等については協力をいたしたと思いますけれども、さような食い違いから、本省と出先とか、あるいは第五空軍と顧問団とかいうものが、別々にいろいろな私の方へ働きをしてきて、そのために私どもが影響を受けたというような事実はないものと信じております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連して。今伊藤委員並びに矢嶋委員から触れられたように、どうなんですか、日本の防衛の大前提というものは、しばしば聞いたところによりますと、日本が単独防衛ではないんだ、安全保障条約によって共同防衛の体制だ、こういうことを主張されてきたが、この点は変っておるか、変っておりませんか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 変っておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 しからば日本の防衛を、あるいはひいてはアメリカの本国の防衛をする場合に、どういう機種その他の装備を必要とするか、アメリカの持っている装備なり防衛体制というものとの関連において、この日本にとっては膨大な国民に負担をもたらす重大な問題について、あたかも日本が単独の防衛をする立場と同様な立場で、この種問題がきめられるというふうにわれわれ解せざるを得ない。言われるところによると、積極的にリコメンドしたこともないし、ただ資料の面でと言われるのは、非常な誤まりです。軍事顧問団というのはどういうためにいるのか、あるいは安全保障条約のもとに装備、防衛を計画する場合に、全く単独に、これが日本は日本、アメリカはアメリカというふうに、これは今後も考えていいのかどうか、私どもは最近も思うのですが、かりに資料を取る場合でも、何も軍を通じないたって、そうであればロッキードならばロッキード、グラマンならグラマンの設計者の方から直接資料は取り得るわけで、そこらに少し、積極的に勧められることがなかった、資料の面でというところがぼやけているんで、一切もう単独で防衛庁において、あるいは国防会議等を経て、わが国の自主的な最終決定はもちろんでしょうければも、その過程においても、一切アメリカとの関係においては無関係にこれがきめられているということなんでしょうか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 民間会社から直接とおっしゃいまするが、そういう資料も私どもはむろん参考にいたしますが、会社には会社のやはり営業ということもございますので、その資料が米軍において、陸海空それぞれ検討いたしましたその結果等も十分参酌いたしまして、私どもとしては資料を整備いたしたい、こういうことで連絡をいたしておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうすると、将来にわたってもそうであるように、わが国の装備をする場合に、共同防衛体制ということは是認されているわけです。そうすると、アメリカと日本との関係において、陸上なり海上あるいは空軍の整備計画を進めていく場合でも、全然無関係に物事が進められると、そうではなくて、やはりある程度の助言になるか進言になるか知らないが、そういう彼我の関係において最終的には自主的にきめると、こうなるんじゃないですか、どうなんです。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) さようでございます。しかし今私がお答えいたしておりまするのは、今度の機種の選定につきまして、出先の軍事顧問団とか、あるいは第五空軍とかいうところが、特にある機種を積極的に推薦をして、ぜひこれにしろというような話はなかったものとお答えしているのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうすると、向うもてんで知らないうちに、F11F—1Fというものがきまることを傍観していたでしょうし、わが方もどういうものがいいか悪いか、そんなことはこっちが判断するんで助言も要らないし、これこれの資料を部分的にあるいは総括的にとったということだけに終るんですか。軍事顧問団とか、あるいは国際関係において安全保障条約の運営なんというものは、そんなものなんですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 私どもは永盛調査団が参りまして、その資料を収集するにつきましては、米当局と連絡もし、指導も受け、向うの持っております資料等を十分参酌いたしまして、その持って帰りました資料につきまして、私どもはいろいろ検討いたした次第でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その資料には優劣は書かないで、大きさが幾ら、目方がどうとか、マッハがどうだとか、全天候がどうだとか、そんなことだけで、これだけ重要な、しかも膨大な予算を費すものについて、少くとも領空に関する限りは、重大な役割を演ずると称されてあなた方は力説される問題について、何らの助言もないし、またこちらからもどういうものがいいかということも言わなかった、そういうことなんですか、重ねてお伺いいたします。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 私どもが資料を収拾するにつきましては、十分な援助も得ましたし、連絡もいたしましたが、これを決定いたしまするにつきましては、先方に相談をいたしたわけではございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 矢嶋委員から具体的に、その日を指摘しながら質疑をされたのですが、あの事実も全くないのですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 今の二月の、昨年の二月云々ということでございますか。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それから五月中旬に、六本木の軍事顧問会議室で意見一致をみている……。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 私は就任以前で、その事実を聞いておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなたはそのころ大臣じゃないが、加藤さん知っているでしょう。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 私は昨年の八月に防衛局長に就任いたしまして、その後しばしば米軍事顧問団の責任者等に会っておりますが、その際の態度等から見まして、この飛行機がよいというふうなことは、非常に何といいますか、言わないように注意しておりました。また私、就任後航空幕僚監部の要員が米軍の者と会ったときの報告等も聞きましたけれども、その報告等におきましても、米軍がこれを推薦したというふうなことはございませんでした。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そういたしますと、開会以来御答弁になった防衛庁長官の発言の内容は、あなたの就任後における事柄についてなんですか。私どもは一応岸内閣として、継続されて、これは第二次であろうけれども、やはり防衛の継続性なり、そういった続きから見ても、いやしくも御答弁をいただく以上は、あなたの御存じになる範囲内においては御答弁をいただかなければならぬわけです。そういたしますと、あなたは就任前のことについては、どういう実態であったかということについては触れられないで、あなたの就任後に関する限りはそういうことはなかったということなんですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 前長官の事務を引き継ぎました以上は、前長官の責任を継承いたしますが、今昨年の二月とおっしゃいまするから、そのときのそういう個々のことにつきましては、私存じませんので、必要ならば当時在任をいたしました関係者から御答弁をいたそうと、かように申したので、前任者のおっしゃられましたことにつきまして責任を回避するつもりはございません。

門叶宗雄防衛庁長官官房長

○政府委員(門叶宗雄君) 私直接の責任者ではございませんが、当時からこの問題につきまして引き続き関与いたしておりますので、ただいまの御質問に対しましてお答えを申しあげます。なるほど御指摘の通り永盛調査団が先方に参る昨年の八月前におきましては、われわれの段階において次期戦闘機として検討せられておりましたのはF—104Aと100のこの二機種がおもなるものでございました。なお、航空幕僚監部においては、それ以外についても若干情報を得ておったようでありますが、主としてこの二機種について検討を続けておった次第でありますが、さらにこれを生産するということになりますれば、詳細な資料を必要とするということで、昨年の八月永盛調査団を派遣いたした次第であります。その結果は先ほど来長官からお答えになった通りでございます。なお、機種の選定につきましては、私の知り得る限りにおいて、顧問団からかれこれ意見がましいことを申し出るということはございません。当方の要請によって、必要なる知識を与えていただくということはございましたけれども、御指摘のありました二月ないしは五月において、顧問団においてF—104に決定したという事実は、当時私は承わっておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 関連ですからやめますが、そうすると、非常にあいまいなんです。かれこれと、これがいいだの悪いだの意見がましいことは言わないというが、資料なり知恵は借りたということなんでしょう知恵は借りた、どういう知恵を授かったんです。

門叶宗雄防衛庁長官官房長

○政府委員(門叶宗雄君) 当時現われておりました100ないし104、この100につきましては、御承知の通りすでに完成機としてただいまは日本にも参っております。104Aにつきましては、まだ試作の段階でございまして、実験飛行を完了したのは、たしかことしに入ってからでございます。従いまして昨年におきましても104Aという型があるということははっきりいたしておりますが、そのこまかい性能その他については、まだ正確なる情報を得ておりません。当時わかっておるだけの情報につきまして、随時先方の情報を聴取したということでございます。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 ちょっと私ども御質問したいのは、今まで86を一応戦闘機として日本で製造して使っておる。それを今度新しく104にしろあるいはF11にしろ、86よりもずっと高性能の要撃機を使おうというようなことについては、アメリカ軍の顧問団等と御相談になったことはございませんか、ありますか。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 86Fに続きます次期戦闘機の問題は、昨年の防衛力整備計画が、国防会議で整備目標が御決定になりましたが、その際にすでに私どもは86Fに続くものを何らか持ちたいということは考えておったのでございます。当然このことは、防衛力の整備計画につきましては、米軍の方からいろいろな援助を受けなければなりませんので、私どもの非常に抽象的な意思でございますが、それは米軍の方に伝わっておったと思います。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 そうすると、伝わっておったにしろ、とにかく86を現在使っておる。製造し使っておる86はもうやや性能が劣ってきた。それで次の段階として、まあ、それは何か知らぬが、マッハ二くらいな速力のあるもので。もっとこれから先役に立つ要撃機というものを使おうと思うとか、使ったらどうだとかというようなことについて、顧問団と日本の防衛当局とが一度も相談したことがないのだ、なくて、これはもう防衛当局が全然顧問団等の示唆とか、相談等をせずにそういう要撃機を、戦闘機を新しく作ろう、しかも、これを日本において製造して作ろうというようなことを独自に考えつかれた、こういうふうに私たちは理解しなければいけないのでしょうか、どうでしょうか。そこのところあたりについては、せめて顧問団というものが来ておるのだから、ある程度の相談というか、いろいろな示唆を受けられることが、一番非常に順当な手続のように思うのですが、そういう事実は全然ないとおっしゃるのですか、どうでしょう。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 86Fに続きます要撃機につきましては、T33を初めといたしまして、F—86Fも日本で米側の援助を得まして国内生産をしたのでございまするから、86Fの次の要撃機も、当然これは国内生産に踏み切るものだという了解で、米軍の方とは話はあったと思います。ただその際に申し上げておきますることは、そういう前提のもとにおきまして、どの飛行機がよろしいかということにつきましては、米軍の方からリコメンドはなかったということであります。しかしながら考えますれば、昨年の八月永盛調査団が参りました際におきまして、米軍の方からF—100、F—104のほかF11F—1F、N—156F、F—102というものを候補機として考えてみたらどうかというようなことで、いろんなデータを与えてくれております。その採否につきましては、米軍としては日本側で独自の判断で選んでよかろうという意思を表明したものと解釈できぬこともないと私は思います。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 私の質問した第一点は、明らかになったと思います。すなわち少くとも86の次にもっと高性能の戦闘機を日本で整備しようということについては、米軍の補助の関係等もあって、調査団、顧問団にも話をし、そしてこれはアメカ国防総省にも一応意を通じた、こういう事実はあった、こういうふうに私は今の御答弁は了解していいものと解釈いたします。そしてその次の段階について、いろいろ機種を八月永盛調査団が向うからいろいろ材料をもらってきたという話の前に、今問題になっておるのは、日本に来ておる顧問団がいろいろとどれかの機種を防衛当局に強く推挙したのではないのかどうか、こういうことについての質疑が展開されておると思う。巷間のうわさですから事実は知りませんが、聞いておるところでは、アメリカの国防総省ではどの戦闘機を、すなわちこれから86の次に作る戦闘機をどれにするかということについて、顧問団が積極的に関与するということは、非常に避けなければならないということで、そういうことは決して顧問団が日本の軍当局に積極的に推挙してはいけない、質問に対して必要な資料は提供してもいいが、それを推挙してはいけないということを強く要望した。私はそういうふうに聞いておる。従ってそういうふうに行われておったものと考えまするが、同時に顧問団のある個人が、特にある機種を強く日本の防衛当局に推挙したやの疑いがある。その個人は大体どうということははっきりせぬけれども、そういうことの疑いを持たれて、アメリカに呼び返された。こういうことがあるというふうに巷間ではうわさをしております。私はそういう事実があったかないか、詳しく調べておりませんけれども、そういうようなことがあったらしいといううわさが今非常に高く伝えられておりますが、防衛当局は関係当局であります。そういうことはうわさとしてお聞きになったことがあるかないか、たとえばそういうことで呼び返されたような関係顧問というふうなものはないとおっしゃるのか。それには該当せぬけれども、呼び返されたものがあるとおっしゃるのか。呼び返されたものがあって、うわさによってそういうふうなふうにも言われておることを自分たちは承知しておるとおっしゃるのか、いずれであるかを一つ御答弁願いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) そのうわさにつきましては、私は確認いたしておりませんが、今松岡委員のお話しのように、これは国防総省から顧問団に注意があったかなかったのかそれも知りませんが、先ほど申しましたように、私どもが受けました印象は、非常に顧問団は注意をして、日本当局に対して積極的にある機種を顧問団として責任をもって推奨するようなことは極力遠慮している、この印象を私は強く受けております。うわさ等は私は確認をいたしておりません。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 そういううわさについてはあなたは御存じないかもしれぬけれども、官房長なり、あるいは加藤局長なりは、そういうようなことを世間でうわさしておるということを今知っていらっしゃるか、知っていらっしゃらないか。あるいはそれに該当するようなことが、あるいはこういうことじゃないかということにお気づきになることがあるのかないのか、これを一つ長官は御存じないが、しかしそのほかたくさん防衛庁にはこれに関係していらっしゃる方がおいでになるのだから、だれかが、官房長なり、あるいは加藤局長なりどちらかでもけっこうです、いずれもそういうことについては顧問団が一人でも呼び返された事実はない、それはそういううわさはうそである、こういうふうに全部御否定になるかどうか、これをお聞かせ願いたい。

門叶宗雄防衛庁長官官房長

○政府委員(門叶宗雄君) ただいまの松岡委員の御質問の件でございます。私の承知している限りにおいては、この問題に関連して顧問団のある人が呼び返されたということはないと承知いたします。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 引き続いてお伺いします。第一次調査団を派遣したころには、グラマンは問題でなかった。ところが、その後グラマン社の売り込みの強烈な運動が始まって、そのあおりを受けて防衛庁の内部にグラマン派が生れて、従来のロッキード派に対立するに至った。こういうふうに把握しているが、その点の真相をまず聞きたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 永盛調査団が参りまして米軍のいろいろ援助のもとに調査をいたしまして、従来は艦載機であったグラマンが、こういう計画をいたしている。ぜひ試作をして、本格的な戦闘機として各国にブロポーズしようとしているというようなことで、初めてこれを調査し、これに関するいろいろな資料を持って帰りましたことは事実でございますが、国内におきまして、防衛庁当局がグラマン社のいろいろな売り込みによって、初めてこれに手を出したとか、これに動かされたというようなことはなかったと存じます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 ロッキード派とグラマン派の対立は、長官はそうおっしゃいますけれども、相当世間ではうわさが高いわけです。そこに何らかの根拠があったと思う。そういう対立の情勢の中できめかねるので、第二次調査団を佐薙空幕長を団長にアメリカに派遣した。その結果、佐薙空幕長、すなわち団長はグラマンが大体よかろう、こういうことになったと思うのですが、そこで、その反対派であるロッキード派については、一切中央に置いてはまずいので左遷をしてしまった。こういうふうな問題につながるわけです。その点の真相をありのままお聞きしたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 永盛調査団がF11も加えまして、五機種の候補機の資料を持って帰りましたのでございますので、それを十分検討をいたしております。特にその中で佐薙調査団ということをおっしゃいましたが、これは米軍から米防空の実際について見学をいたすために招待を受けて参ったのでありますから、永盛調査団とは立場が違うのでございますが、そういう機会がございましたので、なおこれについて十分その後の資料を収集するようにということでございまして、両会社の猛運動のためにわれわれが動いたとか、あるいは佐薙空幕長等がグラマン社のために非常に影響を受けてこれに傾くために、反対する者を左遷したとかというような事実はないと存じます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 左遷したような事実はないとおっしゃいますけれども、ロッキード派としてはっきりしておった松前防衛部長とか、防衛課長、あるいはまた総務部長、その当時の、これはいずれもときを同じうしてこのころにそれぞれ左遷されておるわけです。この現実。この現実を前にしても、なおかつそういう事実はないとおっしゃるわけですか。その点を納得のいくように御説明いただきたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 今名前をお示しになりました松前空将は、左遷ではございませんで、私どもは栄転と存じます。松前は栄転と存じまして、空将補から空将に昇進しまして、防衛部長の地位は空将補の位置でございますので。第一線の現在三沢の集団司令部、非常に私どもの第一線の重要な役目でございますが、これに勇躍赴任をしまして、非常な何と申しますか、張り切っておるわけでございまして、この点につきましては、ただいまお示しのようなうわさがありますためか、衆議院の決算委員会におきまして証人としてお呼びをいただきましたが、これは本人からその点につきまして左遷されたというようなことは申しておらぬと存じます。その他につきましても、たとえば浜松の通信学校長にいっております浦空将補にいたしましても、第一線の経験をいたしまするために、防空の非常なこれは重要な部門であります通信学校長として私は浜松に行って会って参りましたが、左遷をせられたというような印象を本人が持って、ふせっているということは全然ございません。非常な張り切ってその任務に精進をいたしているのでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこで、この点についていま一点お伺いしておきますが、松前部長初めその今私が指摘したような人は、その当時ロッキードを支持した人であるかどうか、この点だけをはっきり……。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申し上げましたように永盛調査団が渡米いたしまするまでは、むろん決定はいたしておりませんが、104と100が最も重要な候補に上っておったのでございまして、その当時の防衛部長としてはやはりそういうような空幕の方針を松前空将も持っておったと思いまするが、特にこれを推奨し、グラマンに反対をしてそのために左遷されたというような事実は全然ないと存じます。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 今永盛調査団が行くまでは、日本の防衛庁では104、あるいは100が最も有力な候補機種であった、こういうことは長官もお認めになっていらっしゃいます。これはどういうことでそれが最も有力な機種になったのか、調査の資料が十分でなかったから、最も有力な機種になっておったのか、ほかにも今言うように現に調査してきた結果は、それが有力な機種でなくて別のものが有力な機種になってきたのですか。防衛庁ともあろうものが、アメリカで製造されておる戦闘機だけについてでも、これは詳細な材料は一応お持ちであったと思うのです。アメリカに行かなくても、日本内地でいずれかを最も有力な機種、今おっしゃるように、永盛調査団がたつまでは、今も言っていらっしゃるように、少くとも104というようなものは非常に有力な防衛庁の候補機種になっておった、それは私は非常に不思議だと思うのです。今おっしゃるように、別に顧問団も推奨も何もしないのだ、みな自発的に防衛庁自体が調査した、そしてそこへ実は有力であってはならぬ機種が調査団が行くまでは、非常に有力な候補機種になっておったというのは、一体どういう理由でそういうふうになっておったのか、先ほど来の質疑応答では、別に顧問団等がこの機種はいいというような推奨も何もしていないということであれば、これは少しどうも私たちには特にえり出されて一つの機種が最も有力な候補になったという経過を一つお話し願わんというと納得がいかない。一つこれは当時の事情を御存じない防衛庁長官じゃなしに、当時の事情を知っていらっしゃる他の政府委員から御説明を願いたい。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 次期戦闘機の問題につきましては、航空幕僚監部は前々からいろいろその調査をしておったことは事実でございます。フランスのミラージュとか、イタリアのフィアットでありますとか、いろいろいい飛行機もございますが、対米援助を前提として考えなければならぬということもありまして、やはりおのずから米国の飛行機にだんだんとしぼられてきたということはあったのであります。米国の要撃機の中でF—100とF—104は御承知と思いますが、F—100はノースアメリカンの作っております飛行機であります。F—104はロッキードの作っている飛行機でございます。ロッキードは、今まで航空自衛隊のジェット練習機でありますT—33Aの会社でございます。日本の事情にわりかた通じているのであります。ノース・アメリカンは現在作っておりますF—86Fの親会社でありまして、これも日本の事情によく通じております。そこで、航空自衛隊の方で、次期戦闘機をいずれかに決定しようとしている、選考しているというような事情もよく承知しておりますので、ノースアメリカンとロッキードから航空自衛隊の方へいろいろな資料を、ほかの社の飛行機については入手できがたいようないろいろな資料を持ってきた。聞いてみると、両方ともなかなか優秀な飛行機であるということで、だんだんとF—100とF—104というものにしぼられてきたのではなかろうかというふうに考えております。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 そうすると、大体そういうことは明らかになって参りましたが、F—11ですか、あるいはそのほかに、五つ持ってきたとおっしゃるが、あとの三つについては、当時日本の事情が明らかでない製造会社の製造のものであって、十分な資料等を提供されておらなかったから、従ってそれは有力な候補機として防衛庁は考えておらなかったというふうに了解してよろしゅうございますか。

小山雄二防衛庁装備局長

○政府委員(小山雄二君) ただいま防衛局長が申しました通りでございますが、F—104以外の機種すなわちF11F—1Fにつきましては海軍機で、グラマンF11F—1の前身であるということはわかっておりました。空幕の方では、ある程度のデータを集めておりました。海軍機でありますF11F—1Fという実験機ができている、その性能がどらかということはよくわかっておりませんでした。これはアメリカから詳しい資料をもらっております。そのほかにN—156Fという飛行機もございますが、これもそういう飛行機をノースロップで計画をしているということは、行く前にわかっておりました。わかっておりましたが、これは何分にもまだ木型の段階で、いろいろなデータその他が、会社のほんの広告的なデータしかなくて、データがありませんでしたが、これも米軍のいろいろな見積りのデータ、先のことでございますから、こういうものを調査団がもらって参りました。F—1OOJにつきましては、これもそういう飛行機があることは、空幕はもちろん承知しております。行く前からわかっておりましたが、これは何と申しますか一連の飛行機のうちで、全天候性ということは非常に考えた飛行機でありますが、能力の点、それから非常に大きな飛行機ですから、ちょっともてあますような飛行機というような点で、わかってはおりましたが、あまり重きを置いてなかった。従って先ほど防衛局長申しましたように、行く前にわかっておりましたが、1OODと104としぼられてきている、そこにF11F—1F、N—156が、100、104のデータと同じような程度のものを調査団がまとめてもらってきた、米側のある程度の評価を得た資料というものは、調査団がこれを各機種について同時にもらってきたというような事情でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 関連して。その点、今松岡委員が関連質問したことに対する答弁が不明確だから聞きますが、あなた方は飛行機の種類を幾つもあげているが、これはアメリカの軍事機密として、ある飛行機のデータは出すけれども、ある飛行機のデータはなかなか出さないということがあったわけでしょう。そういう不便があったわけです。だから、アメリカ側が売り込もうと思う飛行機のデータは、あなた方に届ける。ところが売り込もうと思わないような飛行機のデータは、軍事機密で出さない。従って、あなた方は調査できなかったという事情があったはずです。これを否定するかしないか。これが一つ。たとえばF—102Aというのは資料が入らなかった、これが一つ。それから先ほどからずっと伺っていて、答弁がないのですが、F—104Aは、たとえば滑走路が短くて済む、大体五千から六千ぐらいでよろしい、こういうふうにあなた方は了承しておったはずです。実際アメリカに飛んでみたところが、滑走路が八千ぐらい要る。これではお話しにならないというので、F—104Aは一応陥没したということが言われている。そういう誤まったデータはどこから出たのかということです。それから、その後F—104Aを改良してF—104Cとして、滑走路を縮めたというロッキードからの資料が来ているが、その資料は信用できない、こういうふうに長官は答弁しています。ロッキードのその後の滑走路とか、あるいは上昇率とか、あるいは価格というもののデータを信用できないというわけなのですが、どういう根拠があって信用できないと言っているのか、この点。それから、F—1OODについては、これは防衛庁は非常にこれを希望しておったはずです。F—1OOD、これは航続距離が長い、多目的に合致するというので、当時の空幕としては、F—1OOD、ノースアメリカンを非常に希望しておった。ところが、たとえば河野総務会長のごときは、航続距離の長い、多目的の飛行機は、これはわが国の憲法とも関連してくる、あくまでも要撃を主とするところの飛行機でなければならぬという主張を、まあどういう魂胆があったか知らぬが、河野総務会長はやっておる。他にもそういう支持者があった。そしてF—1OODというのは一応陥没したということが伝えられておる。これが伝えられておるのは間違いないことだと思うのです。これらの選定について、具体的に機種についてあげましたが、それに対して反駁するところがあったら反駁して下さい。その当時は、F11F—1Fというものは、全然問題になっていなかった。ただ艦上機のF11F—1というのがあって、それの改良型のF11F—1Fができるらしいという程度であって、問題になっていなかった。ところが、これが忽然として出てきたわけです。しかも買おうというのは、F11F—1Fではなくて、これのさらに改良型でしょう。これはあとで聞きますが、改良型で、しかもそういう効果はどういうものかということは、あとで聞きますが、そういうものが忽然として出てきたところに、どうも防衛庁はそのときどきでぐらぐら動いている、どうしてそういうふうに変ったのかわからぬ。米軍の方である飛行機のデータは出すが、ある飛行機のデータは出さぬ、あとから出てきたのを見たら、ああこれはよかったということになる。そういうところが米軍が非常にわが防衛庁当局を困惑さしておる。その裏にはメーカーがあるのじゃないか、そういうような事柄であの戦闘機種をきめて、血税を一千数百億も使うのでは大へんだ、こういう立場から伺っているわけですから、私の言うことが聞違いなら間違いと、どこのところが間違いだと反駁するなら反駁しなさい、肯定するなら肯定しなさい。そうしなければ国民の疑惑は解けないと思うのです。

小山雄二防衛庁装備局長

○政府委員(小山雄二君) 米軍が秘密の程度の高いもののデータをなかなかくれないという問題ですが、それはある程度ございます。たとえば米軍は現在F—106をやっているが、F—108もやっています。こういうものは、米軍としても開発途上といいますか、それには秘密程度の問題と、開発して飛行機として安定しているかどうかという問題と、二つあると思いますが、やはり米軍でも、第一線で開発途上にあるものはなかなか教えてくれないということは、確かにございます。先ほどもお話がありましたが、去年八月前に、いろいろ100だ、104だと言ってやっておりましたときには、104Aは、米軍ではある程度採用することにしておりましたが、多少米軍のデータ、試験実績その他がまだ固まっていないので、なかなかその秘密程度というよりは、むしろデータその他のしっかりしたものがまだ集まらないという意味で、正式な米軍のデータはあまりもらっておりません。調査団が行きましたころから、逐次正式なデータをもらっております。現在では大体104Cのデータもくれておりますというような段階で、秘密程度の問題と裏腹といいますか、そういうように向うで確信の持てないようなデータは、これはなかなか出さない。それがだんだん進んでいく過程において、今、矢嶋委員のおっしゃったようなことは確かにございます。  それからその次は、104のデータが不正確で、どうしてそれが不正確なものだったのかというようなお話がございましたが、先ほど防衛局長も申しましたように、104につきましては、むしろロッキードと川崎の従来の生産関係でいろいろデータを持ってきておる。それについてはやはり米軍が、あそこの数字はいいのだ、悪いのだということは、当時は教えてくれなかったというような事情でございます。それに比べますと100の方は、米軍でも相当安定した、古い飛行機ですから、100の方が、比較的データが大っぴらに出ている、こういう関係でございます。いずれにいたしましても、データも、もともとはっきりしない。それともう一つは、永盛調査団が行きましたときには、飛行機をどれにするかという判断をする前に、防空体制といいますか、地上支援体制とか、要するにいろいろな講義を聞いてきているわけです。総合的にそういう基礎の上に、飛行機を具体的にどれがいいのだということを日本側で判定します。そうして飛行機は全部戦闘機でございます。しかもインターセプトの能力のよし悪しはございますけれども、要撃性を持っているわけです。従ってその中で要撃性能にもいろいろ差はありますが、そういう防空体制の上で判断したらいいのだということで、幾つもデータをくれたものだと思います。その上で、データとして合せますと、このプログラムの高さぐらいあるデータをもらってきたのですが、米軍の防空体制全般の講義とともにその機種のどれがいいか、日本で判断するデータをある程度米軍の評価を得たものをそのとき初めてもらってきたというのが、私は実態だと考えております。それからF11F—1、これはタイガーですから、そういう飛行機のあるということは知っておりました。先ほど申しましたように、海軍機ですからあまり考えなかったわけです。ところが、米国へ行きました調査団に対しても、その後空幕長が行きましたときも、米国側は、海軍であろうが、空軍であろうが、どっちでも技術的並びに財政的な援助は与える。しかもF11F—1Fという方は、海軍の実験機で、海軍が買ったものでございますが、実験はほとんど空軍がやっております。そういう意味でこれは日本の防空体系をアメリカから見たときに、十分有力な機種だということで、初めて詳細なデータを教えてもらった、こういうことでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 先ほどからいろいろ質問してきましたが、そういうような過程を経て、本年三月十五日に、前津島長官と佐薙空幕長、高橋一課長、この三人で、防衛庁としてはグラマンということに決定したわけですね。その後、特に高橋一課長について申し上げると、国防会議で、グラマン内定を有利にする意図を持って各庁の各課長に対して、そういうような有利な資料を提出するのを指示しておる、そういうように伺っておるわけですが、この点特に真相を明確にしていただきたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 伊藤委員お示しのようなうわさがあると申しますか、衆議院の決算委員会でさようなお話がございましたので、私確めましたが、十五日に三人だけで内定をいたした事実はございません。幹部が集まりまして、いろいろ協議いたしますと、今井次官その他が加わりまして、人数等はそのときおりました者からお答えいたしますが、三人だけで、ことに津島長官の自宅云々とございましたが、そういうような事実はないと存じます。従いまして、その三人で秘密のうちにきめたことを、高橋課長が関係課長に指示をして、あれでやるんだからというような資料を作れというようなことを、一課長から策動いたしますというような事実は、全くないものと存じます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 その点については、さらにまたお伺いしたいと思いますが、国防会議に提出されたグラマンとロッキードの比較表を防衛庁で出しておるわけでございますね。これを拝見いたしますと、非常にグラマンを過大に評価しておるわけですね。こういう点が、どう見ても納得できないと思うのです。いろいろ時間の関係で詳しいことは申し上げませんが、七項目に分けて行動半径が大きいとか、いろいろな性能七点ほどを比較しておるわけですね。その各項目については省略いたしますが、こういう比較がどうして正確にできるものかということをまず申し上げたいと思う。と申しますのは、このグラマンのF11F—1Fについては、現在まで試作機が二機しかない。で、一機についてはエンジン故障で使えない。一機については試験中大破してしまったと、そういうような情勢で、なぜこういうような、性能が優秀だということがどこから割り出せるのかということで、私は非常に不思議でならない。まだ百機、二百機作って、これを何百何千という時間をかけてやったというならば、こういう評価も信頼するに足りると思う。ところが、わずか二機、その二機もエンジン故障、大破というような状態では、なかなかこういうような評価は出てこないと思うのですよ。そこにも過大評価の裏づけがあると思います。この点を明確にしていただきたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 私どもが、F11を推奨いたしました理由につきましては、先日当委員会におきまして、委員長のお尋ねに対して詳細お答えをいたした通りでございまして、試作機は二機ではございますけれども、三百回以上の試験はいたしておると、また二機も、一機大破とか、一機エンジン故障というようなことは、事実に反しておるように、これは私ども米軍を通じて確かめましたが、フランス操縦士が胴体着陸をして、若干の故障があるが、これも修理ができておる。一機の方はエンジンの改装中であって、今おっしゃいましたようなことはない、こういうふうに聞いております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 以上のような情勢にさらに加えて、上昇性能については、グラマンはF—104Aには及ばないわけですね。この点ははっきりしていますね。アメリカで一番上昇性能のいいのは、104だと思いますが、まずその点でも劣性を認めなければならないわけですね。特にここに資料がございますが、グラマンF11F—1Fについては、試験飛行わずか十六時間にすぎない、そういう記録があるわけですね。ところがロッキード、これは特にAの改良型である104Cの方について出ていますが、現在米軍の方では使用中である、現在使用中ですね、という強味はある。しかも、五千数百回にわたってテストをおさめているということ、なお実際に試乗したパイロットが、非常にこれを確信をもって保証しているということ、こういう点を防衛庁が国防会議に資料を出すときに黙殺して出さないのじゃないか、そういう疑いが多分にあるわけです。この点、非常に重大な問題だと思いますから、納得のいくように御説明願いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) この点につきましても、当委員会において申し上げましたように、確かに速度、上昇力に関する限りは、104が若干すぐれておりますが、機体の安全性、操縦性、離着陸性、所要滑走路等においてはF—104Aの方が非常に難点を持っている。さらにエンジンの停止時における特に沈下率、着陸時における着速等については、安全性と操縦性においては数段劣るということは、先日当委員会で申し上げた通りであります。104の方が現在採用されているということでございますが、調査団の報告によりますと、相当の事故を起しておりまして、米軍の至宝と言われますようなテスト・パイロットが、そのためになくなりましたり、致死的な大きな事故を相当起しているような報告を受けております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 ここに出ているF11F—1Fがさように優秀であるならば、米空軍からも採用されてしかるべきだ、米空軍からは採用されていない。世界のいずこの国からも採用されていないというような点、また従って証明書についてもない。これはただグラマン社自体からは、ちゃんとした証明書は出ておりますが、他からは何らの証明書はない。カタログ、仕様書、そういうようなものについてもない。こういうようなことについて、F—104Aについて申し上げるならば、これは先ほど申し上げましたが、優秀なので米軍からも使用されている。米軍の性能証明書についても明確なものがある。またたくさんございますが、こういう点を指摘申し上げただけでも、グラマンがロッキードより非常に優秀であるなどとは、なかなかにわかに決断しがたいところではないかと思うわけです。それをあえてこういうように踏み切っているわけです。何かそこに不明朗なものがあるのではなかろうかという点は、こういう点からも出てこようというわけです。その点を一つ明確にしていただきたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) これも先日私が当委員会で詳細に申し上げたつもりでございますが、日本の国情にかんがみまして、自主的に判断をいたした次第でございまして、私どもはF11につきましては、グラマン社の宣伝とか、カタログとかいうものだけではございません、現在二機試作しましたもとを、米空軍の手においていろいろ試験をいたしているのでございまして、会社側の言い分だけを私どもが取り上げたわけではございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 時間が少いですから、きょうは二、三点について伺いたいと思います。精力的に伺いますので、明確に一つお答え願いたい。きょうあなたはアメリカの軍人とお会いになったのですが、あの名前はマケルドというのですか。その正式な名前と職名と、それから日本においでになった目的をお答え願いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 米国防長官マケルロイ氏でございます。その目的は自由陣営の防備の状態について、国防長官として各国を視察しているその途中日本に立ち寄られたと、本日儀礼的な訪問を受けた次第であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 本日会っただけですか。今後お会いになる計画はありますかどうか。特に来年度の業務計画について話し合いをする予定かどうか。さらに、この次期主力戦闘機等の問題について、あるいは今外交機関によって話し合いが進められつつある日米安保条約の改訂に関して両国の軍事担当者として、プライベートでも意見の交換をするというような、向う側に要望があるのか、またあなたはそういう要望を持ってるのか持っていないのか、それらの点を伺います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 明日防衛大学を見たい、日本の防衛の将来というものを、若い人たちの勉強しております様子を見たいというのでありますが、これに私、国会のお許しがあれば同行いたしたいと思っております。それ以外に、今お示しのような具体的な問題について、特に会議を開くとか、特にそのために面会を申し込まれているとか、私どもの方から面会を申し込むというようなことは考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 本日は主力戦闘機種の問題が議題となっておりますのでそれにしぼって伺って参ります。長官に伺いたい点は、少くとも千数百億円の血税を使う問題で、今後日本の防衛という立場からはきわめて重要な問題でありますが、ところが、最近国会において、御承知のごとく取り上げられ、論じられている現段階において、国民は、この主力戦闘機種決定の問題について、何らかの疑惑を持ち、国会を通じてぜひともこれを明確にしてほしいというような期待感を国民は持っていると思いますか。それとも今までの経過で、もう国民は疑惑は持ってないというような御見解でおられるか、お答え願います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 国会の御審議におきまして、少しでも事態が明らかになりますることは、まことにありがたいことでございまするが、これの計画を進めて参ります時期の問題でございますので、そういう点も一つよく御了承願いたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私がお伺いしてることは、日本の国民の大多数は、国会を通じてはっきりしてほしいと、中途半端でおかしいなあ、何かあるんじゃないか、いやだなあというような気持で国民はいるのではないか、従って、われわれ立法府に籍を置く者はこれを究明する、国民の前に明確にする私は責任を持っている、そういう私は責任感に燃えているものでありますが、あなたは国民をどういうふうに見ているかということをお伺いしているのです。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 大へん失礼でございまするが、私ども自由民主党は、国民の多数の支持を得て、過般の選挙において国民の信頼のもとに政局を担当いたしておると存じます。従って私どもが責任を持って防衛の問題について決定をいたしまして、行政府の責任においていよいよこれが具体化しますれば、予算を国会へお願いするわけでございます。そういう機会にも、十分私は御検討いただけると思う次第でございまして、国民の多数といたしましては、私どもが責任を持って行政府として国防会議、閣議等において、多数の国民の支持を得ておる政府の責任においてこれは進行していくものだと、かように存じております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 責任を持ってる政府で推し進めていくということはもちろんですよ、そんなことを言わなくてもね。機種のいずれに決定するかによって、予算案の額の数字というのは変ってくるわけです。ところが、こういう事態になっておりますれば、少くも国民は国会を通じを明確にしてほしい、何かもやもやがあるな、いずれでもいいから事態だけは明確にしてほしいという、私は大きな期待を持っていると思う。それにわれわれは精力的にこたえなければならぬと思う。私はそう考える。そこで、あなたに伺いたい点は、先般国防会議の懇談会がありまして、伝えられるところによると、次期国防会議において国防会議としては決定をして、総理大臣に答申するというようなことが伝えられているのですが、その考えですか、次期の国防会議というのはいつ予定しておるのですか。なお、長官の御答弁の後に、国防会議の広岡事務局長は、議長からいつごろ、次期国防会議を開くように準備せよというような指示を受けておるか、いないか、お答え願います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 国防会議、一昨日の懇談会でございますが、国防会議の議事につきましては、議長の許可がございませんと申し上げかねるのでございますが、ただ一言だけ、直ちに国防会議を開いて何月いっか開いて、これを決定するというようなことはきめておりません。私どもは衆参両院の内閣委員会において、私ども先日所信を表明いたしまして、国民はいろんなうわさがございましょうが、国民はこれに対して私の説明を御信頼いただいて、私どもの責任において進行をしていきたい、かように存じております。

廣岡謙二国防会議事務局長

○政府委員(廣岡謙二君) 従って総理から次期国防会議をいつ開くというような指示を受けたことはございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 指示を受けてなければよろしいです。しかし、次期の国防会議で決定をすると、予算編成の関係上拙速をとうとんでやるということは、厳に慎んでいただきたい。私どもはきわめて良心的に、善意を持って、精力的にこの調査審議を進めますので、拙速をもってこれに処することの絶対ないように、これはきわめて強く要望申し上げておきます。  そこで、次に承わりたいことは、非常に重要でありますが、永盛調査団の報告書の結論というものを拝見しますと、どの飛行機がいいというようなことは書いてないのです。一番大事なことは、結論として日米共同防衛体制のいかんによって、どの飛行機を選ぶかということを決定すべきだ、そういうことを結びとして書いてあります。ごもっともだと思います。先ほどお認めになりましたように、今後日米共同防衛体制で進むとならば、そのどういう状態においてやっていくかということから、機種は、あるいは航続距離が短いとか、長いとか、速度がどうだとか、そういうことが決定されていくわけです。だからそういうことは重要な資料として戦闘機種も決定されなければならぬ、従って私は具体的に伺いますよ、具体的に。まずですね、長官に承わりたい点は、今、日米安保条約の改訂が議論の段階になったわけですが、外国の、アメリカの核兵器を日本の領土、領空、領海、これに持ち込むことは、日本政府の許可なく持ち込むことはできない。こういう規定をすることについて、あなたはどういうお考えを持っておられますか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 日本が核武装をいたさない、核兵器持ち込みをいたさないということは、総理がしばしば言明しております。私どもの方針でございますが、これを条約に現わすか現わさぬかにつきましては、これは外交交渉の問題でございますので、条約に書く書かぬにかかわらず、私どもは核兵器の持ち込みに対しては、絶対承認を許さない、こういうことを堅持いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 アメリカではF—108というのは、今開発段階にあるのですが、これは小型の核弾頭がつけられる。こういう飛行機だということが伝えられているのです。間違いないと思うのですね。従ってこういう点を明確にしなくちゃならぬと思う。核兵器を持ち込まぬというのでしょう、日本人の願望でもあるわけです。今までは不明確であった。日米行政協定、安保条約では不明確であった。だからこの改訂に当って、さっき申しましたように、領土、領空、領海に核兵器は無断では持ち込まない。持ち込む場合には、日本政府の了承を得るにあらざれば持ち込むことはできない、こういう趣旨の規定をするということは、私は当然だと思うのです。これが不明確ならば、今後の戦闘機をどういうものを選ぶかということが変ってくるわけですからね。だから私はそれは外交交渉はともかくとして、あなたは責任ある岸内閣の国務大臣、しかも、防衛庁長官としてのあなたの見解を承わりたい。お答え願いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 将来、今戦闘機、核兵器という話がございましたが、戦闘機につけますミサイル等に私どもは核弾頭は絶対につけない。従って核武装をいたさないし、核兵器の持ち込みはいたさないということを堅持いたして参るわけでございまして、条約の問題につきましては、これは外務省の問題だと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 国務大臣の見解を承わっておるのです。お答え願います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 私の、見解といたしましては、核武装はいたさないし、核兵器の持ち込みはいたさないということを堅持いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 従ってこのたびの改訂に当っては明確にすることが適当である、こういう御見解でおられますね。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど申しまするように、このことにつきましては、外交交渉の範囲だと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 失礼ですがね、それでは国務大臣としては私は務まらぬと思うのです。こういう場で国務大臣、防衛庁長官として、あなたが見解を述べ得ないということは満足できません。あとでまた返って参りますよ。  それでは、次にこの機種を調べてみますと、それぞれ航続距離はみんなまちまちなのです。そこで私が承わりたい点は、今後日米の共同防衛体制を考える場合に、今の日本の防衛地域というものは、御承知のごとく安保条約によって、具体的に言うならば、沖縄、小笠原というのが入っておりません。日本国並びにその周辺というのはそれは入っていないというのが日米両国の解釈です。岸さんもはっきり答えている。では、新主力戦闘機種が問題になってきているわけですが、防衛庁長官としては、現在のわが国の防衛地域、これを今のままでいいと考えているのか、それともこれを拡大しようと考えているのか、拡大する必要があると考えているのか、いずれの見解に立っておられるか。これは新しい戦闘機の種類をきめるに当って、非常に重要な要素になるわけですから、それらのことについて答え得ないで機種をきめて、そして千数百億も血税を要するような予算案を出すということは、私は無責任だと思う。従って防衛庁長官としては、防衛地域の現状維持、あるいは拡大についてどういう見解を持っておられるかということを承わりたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 施政権は持っていないけれども、潜在主権はある。そういう地域に条約を及ぼすか及ぼさぬかについては、今後の外交交渉の問題でございます。私どもといたしましては、あくまでも日本の空を守るという立場から、次期戦闘機の考慮をいたしておる次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 外交交渉だけでは、外交交渉というものは、国民の世論を背景にやらなくては、成功するものではないですよ。ことに、条約の締結なんという問題はね。国民の大多数がどういう意見であるか、それを背景に外交をやらなければ、外務大臣同士が話し合ったって成功するものではない。これは歴史の教えるところです。従って、これらの問題について国内に議論がいろいろ議論されるということは当然だと思う。防衛庁長官として見解を持たないということは、私は不見識だと思うのですがね。重ねて伺います。この新機種の決定は、今の防衛地域を私は対象として考えられていると思う。その当時は安保条約の改訂なんかが具体的に議題に上っていないわけですからね。だからF11F—1Fの改良型を採用するというその段階において、あなた方がお考えになったことが、現在の日本の防衛地域、それを考えてきめられていると思うのです。それとも違いますか、いかがですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) わが国の防衛を完璧を期したいということで、検討いたしておる次第でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その今あなたが申されたわが国の防衛とは、具体的に聞きましょう。沖縄、小笠原は入るのですか、入らぬのですか。現在の条約、協定では、防衛庁長官がわが国の防衛の責任者として防衛を担当するのに、沖縄、小笠原は入っていないのですよ。それはこの前の国会で岸総理が私の質問に明確に答えた。だから私は具体的に伺うのです。あなたはわが国の防衛の完璧を期するために、その立場から新しい戦闘機種をきめられた。そのわが国の防衛という場合は、沖縄と小笠原を入れてお考えになったのか、入れないでお考えになったのか、それを承わりたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 私どもが今まで検討いたしました段階においては、そこまで及ぼしておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 従ってかりに沖縄、小笠原までを日本の共同防衛地域に入れるというような角度から安保条約が改訂されるとすれば、F11F—1Fの改良型、すなわち98J—11というのは、防衛という立場から言って、誤算を生じてくると思うのですが、この議論はいかがですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) そういうことが入りますか、入りませんかは、相手があることでございまして、今後の外交交渉でございますが、そういうような事態になりますれば、私どもはなお十分検討いたしたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 従ってこの一つをとりましても、日米が新しい段階に入るために今、日米安保条約、さらにそれに付随する行政協定等々の再検討が行われようとしておるわけですから、これと新機種の決定とは不可分の関係でお進みにならなければならぬと思う。それと別の立場で、ただ来年度の予算に間に合わなければならぬからというようなことで、拙速的に機種をきめるということは、きわめて私は軽率で適当でないと思うのですが、この矢嶋の所論に対してはどういうお考えですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 御意見として伺います。私どもといたしましては、将来の防空体制の責任者といたしまして、一日も早く御決定を願いたいと存じております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 さらにもう一つそれに関連して伺います。それは先般の本委員会で、台湾海峡は波高く危険である、日本は絶対にこの戦争に巻き込まれるようなことがあってはならない。その立場から、日本国内には米軍の基地がたくさんあるが、この基地を作戦基地として台湾海峡に米軍が作戦行動することは、戦争誘発のおそれがあるから好ましくないということを、あなたは答弁されました。しかし御承知のごとく、今の安保条約並びに行政協定からするならば、米軍は日本政府に何の承認、協議を得ずに日本の基地から台湾海峡への作戦行動はとれるようになっておる。ところがそのことは、日本、さらにアジアの平和のために好ましくないということを、あなたは答弁されておるのです。よって、この角度から考えた場合に、今後日本の平和と安全を確保する立場から、最高責任の地位にある防衛庁長官としては、日米安保条約の改訂に当っては、米軍が日本の基地を根拠地として日本の領土、領海、領空外に作戦行動する場合には、事前に日本政府と協議をなされるようにすべきである、そうでなければ、台湾海峡に日本政府の知らない間に作戦行動するような遺憾なことが起る、こういうことに相なると思う。従って、私は先般のあなたの答弁を明確にするために、あらためて伺うのですが、安保条約には日本にある米軍の基地から日本の領土、領空、領海外に作戦行動する場合には、日本政府と協議をする、同意を得る、こういう意味の、趣旨の条文をうたうべきである。こういうふうにあなたはお考えになっておると思いますが。確認して下さい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 極東、特に日本の安全を願望いたします者として、そういうようなことを、私どもは十分協議をされるように念願いたします。現に昨年六月の岸アイク声明において、米軍の配備につきましては、実行可能な限り日本側との協議が行われることになっており、日米合同委員会において私どもはそのように努力いたしておる次第でありまして、新しい条約におきましても、そういうようなことを私どもは切望いたすものでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もうちょっと質疑がありますが、官房長官がお急ぎのようですから、簡単に一、二点伺います。  まず伺いたいことは、私はこのたびのこの機種の選定に与党、自民党の幹部の方が非常に関与をされた。この点について非常な疑問を持っておるものです。もちろん、私は政党政治、政党内閣というものを肯定いたしております。しかし、最近の政府与党の関係を見ますというと、あたかも与党は、行政権を持っている政府の上をいくような形、ことに政府の各省庁の事務当局は与党の政調会の事務局みたいに、事務局員のような心がけで、そういうような格好で仕事をしているということは、私はこれは政務と党務をみだるものであり、ゆゆしき事態であると思う。日本の政党政治の発展のために、これは是正されなくちゃならぬと思う。最近の政府与党の関係を、あなたはどういうようにお考えになっておるか、それが一点。具体的には、この戦闘機種の決定に当って、あるいは幹事長とか、あるいは総務会長が非常に深入りをしている。直接に防衛庁の官房長に、あるいは事務次官に、あるいは国防会議の議長にこういう会を開け、その会の開き方はいかぬじゃないか、もう一ぺんやれというように、何べんも電話をかけて、圧力を加えておるというような形態は、私はおかしいと思う。これに対して官房長官はどういう見解を持っておられるか、お答え願います。

赤城宗徳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(赤城宗徳君) ただいまお話しの点において、具体的のことについては、相当違っておるのではないかと私は考えております。政府といたしましては、お話しのように、これは行政権の問題でありますから、党の方から干渉されたり、左右されたりすべき問題ではないと私は考えております。お話しの中の防衛庁の者に会議を開けとか、いろいろ話があったように今お話がありましたが、私どもはそれは聞いておりません。ただ、私の方には党の方から連絡がありまして、問題もあり、また世間の疑惑をこうむるようでも、政府としても党としても残念であるから、ガラス張りにきれいにきめていくような方法をとったらどうだ、こういうような話がありましたが、それ以上に政府の方で、党の方からの干渉や指図によって機種決定を検討し、この検討を運ぶ上において動かされておるということはないのであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは、あるいはあなたの党の方の総務会長とか幹事長から、防衛庁の次官とか、官房長あるいは国防会議の議長に、どうも君たちは資料の検討が足らない。従ってもう一ぺん検討せよというようなことを指示し、その会の持ち方が悪いから、もっとりっぱな会を持てというようなことで注意を与え、さらにそれを防衛庁長官に要望するというような事態がかりにあったとするならば、それはあなたは妥当と考えますか、適当でないと考えますか。

赤城宗徳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(赤城宗徳君) そのやり方いかんによるかと思いますけれども、お話しの点、どの程度のことか、仮定の先々のことのようでありますが、行政権を犯すような干渉をすることは、私は妥当でないと、こう考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 実際にそれがあります。私は時間がないから、日にちは言いません。二度にわたって国防会議の事務局長に要望し、それから今井事務次官にも要望している。このことは廣岡事務局長は衆議院の決算委員会で、はっきり証言をしております。防衛庁長官自身、党の幹部から呼びつけられたと言っては語弊がありますが、呼ばれて、そうして今のような検討の仕方ではだめだ。もう少し広範な委員会を設けてしっかりやれ、やってほしいというようなことの注意を受けている。これは与党の私は圧力だと思う。これはやはり官房長官とか総理から、そういう注意が大臣、さらに公務員に対してなされるのならいいのですが、与党の幹部が直接そういうような行動をとるというようなことは、私は綱紀紊乱だと思う。こういう傾向が最近濃厚ですよ。幾つも例があげられますが、最近の文部省の官僚なんか、これは役人を逸脱しておりますよ。全く自民党の政調会の何部長かというような格好ですよ。これは役人というのは弱いのですからね。立場は弱いのだから、やっぱり与党が、政党が私は反省しなければならぬと思う。これは与党と野党とを問わず、反省しなければならないと思う。でなければ三権分立の意味がなくなると思う。私は非常に平素から重大なことだと考えておりますが、特にこの戦闘機種の問題については、国民の良識ある者は非常にこれは不審に思っている。いかがですか。

赤城宗徳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(赤城宗徳君) 政党政治ですから、官庁の関係に意見を聞いたり、また政党の方で叫んで調査をする場合に、資料を出させるというようなことがあると思いますが、行政権の限度を越してこれに干渉したりすることは、私は先ほど申し上げましたように妥当ではない、こういうふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこで、具体的に承わりますが、それは、岸総理としては、議長であるから非常に責任は重い。ところが、この戦闘機種の問題になると、専門知識を持っていないから、なかなか判断しかねる。ついては、自分としては何らかの諮問的なものを持ちたい、こういう考えを持っているということを聞くわけです。ところが、政府与党の幹部の話し合いで、次のようなことがきまった。このことは川島幹事長が衆議院の決算委員会で証人として証言されているわけです。防衛庁は疑惑を受けたから、国民から信頼されぬようなことになったから、だから防衛庁の関係者をオミットして、これを除いた公正な委員会を官房長官を中心に作って、しかもその人選は官房長官に一任してそうして検討する、特に河野総務会長はこの見解を極力支持して、大学の教授あるいは新三菱とか川崎、これに関係のない他の航空機メーカーの技術者等を入れて、広く国民の意見を聞いてそうしてきめたい。その結論を国防会議は参考とし、議長は参考としてきめていきたい、こういうことが政府与党の方針としてきまった。これは川島幹事長が衆議院の決算委員会で証言していることだから、間違いないと思う。そこで、あなたは一任されているのですが、その人選はどういうふうにするつもりであるか。いつ、そういうような会を持って、そうして議長たる岸さんの諮問に参考意見として答えようとするのか、お答え願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(赤城宗徳君) 機種の決定は、非常に慎重を要しまするし、御承知の通り、四月の十二日にきめたのは内定でありますので、その後の諸種の事情を勘案して決定することに、国防会議できめることに相なっておりますが、御承知のように、選定には慎重を要しますので、どの機種がいいのか、あるいは価格の問題はどうなのかというようなことを、これは直接国防会議でいきなりきめるのが建前でありますけれども、今お話しのように、議長である総理大臣が国防会議に臨む資料、参考資料といたしまして、私の方で学識経験者とか、あるいはまた、飛行機工業等におけるエキスパートといいますか、そういう人を集めて比較検討をしてもらったり、あるいは価格の点等において検討してみたい、こう考えて委員会というような形を設けようかということにしておるわけであります。ただし、それは川島幹事長が決算委員会で申されたそうでありますが、防衛庁を除いてとかどうかということははっきり話し合っているわけではありません。私の方では、防衛庁のこの方面を担当してよく事情を知っている者の話も聞きたいと思います。しかし、それを委員という形に入れるか入れないかは、これは別個の問題といたしまして、防衛庁の今までの検討の結果も聞いてみたいとこう考えている次第でございます。しかし、これは御承知の通り行政組織法による、法律による委員会でありませんし、あるいは閣議決定で設けるという委員会でもありません。機種をどういうふうに採択するかということは、これは国防会議においてきめることでありますから、国防会議の権限を侵すとかいうような委員会を作ろうというようなことでありません。今矢嶋委員のお話しのように、そういう人々に集まってもらって、総理が国防会議に議長として臨む場合の参考資料を私の方で収集するのでありまするから、委員会というものを作ったといたしましても、これを多数決できめるとか、あるいは全会一致できめるとか、こういうことでなくて、委員と申しますか、その人々の意見をそれぞれ整理して国防会議の議長である総理に私の方から伝える、こういう気持で委員会というようなもの、委員会ということに言われておりますから、委員会と言っておきますが、そういうものにおいて意見を聞こう、こういうことであります。しからば、そういうものをいつ開くとか、人選はどうかというようなお尋ねでありますが、人等につきましては、相当各方面の顔ぶれは作っておりますが、まだ人選を決定するということには至っておりません。それから、これもお聞き及びだと思うのでありますが、数日前国防会議の懇談会をやりました。これは国防会議のメンバーが変りましたので、初会合ということもありまするし、また、この機種選定につきましていろいろ問題も起きておりましたので、機種を内定するに至った今までのいきさつとか、あるいはまたその後の情勢等を報告いたしたのであります。そういう懇談会を開きました。でありますので、今私の方で考えておりますことは、機種選定につきましては、その性能とか、いろいろその点もありましょうし、あるいはまた財政的な問題もあると思います。そういういろいろな面から考えまして、この機種決定の国防会議がいつごろ開かれるかというまだ実は予定を立てておらないのであります。でありますので、これが早く開けるようでありまするならば、いわゆるその前に意見を聞く委員会というものは、省略する場合もあるかもしれません。また、機種決定の国防会議が相当おくれるというようなことになりますならば、いわゆる意見を聞く委員会というものを開く、こういうことにも相なろうかと思っていますが、その辺まだ方針といいますか、国防会議をいつ開くかというような事の運びまで運びがはっきりいたしておりません。いたしておりませんので、今のところは、どちらとも申し上げられませんが、従来の通り委員会を開いて意見を聞くということで進めていきたい、こう考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大政治家の赤城官房長官ともあろう方が、今のような発言をされるということは、私はきわめて心外ですね。いやしくも衆議院で宣誓をして与党の大幹事長が述べられた方針というものは、しかも思いつきでなくして、政府与党の幹部で話し合った結果として証言されておるわけです。それはだてにきめられたことじゃないと思う。やはり一つの信念と根拠があってきめられたことだと思うのです。ところが、今あなたの最後の答弁の中には、機種選定が早くなるようだったならば、委員会で検討するのは省略される場合があるかもしれない、機種選定の決定が延びればそういう委員会で協議するかもしれない、おかしいじゃないですか。いずれが適当かということを決定するための必要条件として政府与党の大幹部は、委員会を開いて検討して、そして国防会議並びに議長の参考にしようという方針をきめられたのでしょう。大原則はそれでしょう。だからそれが先行して、そのあとに国防会議でいつきめるかというのが決定されなければおかしい。もちろん、国防会議は総理大臣に内申をする決定権があるわけですから、それを侵してはならぬということは、これは私はあなたが言われる通りだと思う。そのことと、国防会議が決定を急ぐような場合には、委員会が省略されるであろうということは非常に私は矛盾していると思う。だから重ねて伺いますが、あなたの方では、委員の人数とか構成はきまっていないが、総理の要望もあり、政府与党幹部の意見の一致したところであるから、学者とかあるいは飛行機メーカー、特に新三菱とか、川崎さんだけでなくて、それ以外の飛行機メーカー、専門家そういう人も含む、防衛庁の関係者も、それは委員として出るかあるいは助言者として出るか、ともかく防衛庁関係の人も入れて、そしてプライベートで、機種の問題について話し合いをして、そして一つの結論らしきものを持って、これを議長の参考に供する、国防会議の参考に供する、こういう方針で進んでいるが、その時期はいつかということはまだ言えない、こういうふうにあなたの答弁を集約するとなるかと思うのですが、いかがですか。

赤城宗徳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(赤城宗徳君) その通りであります。ただ、私が国防会議が早く開かれる場合には、委員会なしで国防会議にまっすぐ入ってしまうかもしらんというのは、これは一応の見通しで、というのは、国防会議がすぐ開かれるというようなことであれば、相当機種問題につきましても関係者が自信をもってこれならいいということになれば、これは早く開かれると思います。しかし、今の状態では、そういう状態ではありませんから、私は今お話しのように委員会を開いて、各方面の意見を聞くという方針を今強く持っておるのであります。ただ、はっきりこうわかってきた場合には、早く開かれるかもしらんということを言っただけで、これは少し言い過ぎかもしれません。今の方針ではお話しの通りであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいまの官房長官の委員会と申しますか、何と申しますか、お考え、方針に対しては、防衛庁長官としては同感ですか。それとも異議がありますか。異議があれば、どういう立場から異議があるか御見解を承わりたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 先日八木委員の御質問にも申し上げましたように、官制による、あるいは閣議の決定によるいわゆる機種選定委員会というものには賛成いたしかねますが、国防会議の議長の心がまえを作られますために、官房長官がいろいろごあっせんになるということにつきましては、異議がございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこでもう一、二点質疑さしていただきます。それできょうはやめますから。長官に伺いますが、ミサイル時代におけるわが国の防空体制を考えて、いかなる機種を選ぶかということは、あなた方の書面によると、一九六〇年から一九六五年にわたる予想目標機を考えてきめる、こういうことを私の要求に対して出された資料に書いてある。一九六〇年から一九六五年ごろの予想目標機というものは、どういうものをお考えになっておられますか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) ミサイルと有人機とが、防空のためには併用される時代だと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この文章は、ミサイルと有人機が併用されるというのでなくて、おそらくそのころはこういう性能程度の飛行機が出てくるだろうということを予想しているというふうに、文章が書いてある。そんな、ミサイルと有人機の併用なんていうことじゃありません。目標機というのは、どういうことを予想されておられるのか。あなたが出された文章から伺っているのです。これは長官ちょっと無理だろうと思いますから、専門家の方から一つお答え願いたい。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 一九六〇年代におきましては、第一線の戦闘機は大体におきまして二マッハぐらいでございます。爆撃機の方は若干おくれまして、一・五マッハから一・八マッハぐらいだろうというふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そのマッハだけしか考えて心ないのですか。今あなた方が採用しようというのは、二マッハか二・五マッハでしょう。ぎょうぎょうしく書いてあるのです。だから、どういうことかと思ったのですが、ただマッハだけですか。それじゃ先が見えておらんじゃないですか。その程度でもって、昭和三十九年度に完成するものを、今から五年間もかかって千数百億円で98Jなんか採用するということは、大きな問題があると思うが、重ねてお答え願います。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) これは根本をもう少し前から申し上げますと、一九六〇年代に、IRBM、ICBMというのは逐次実用化の段階になると思います。しかしながらIRBM、ICBMというのは、核弾頭を装着することによってはじめて効果的であるということからいたしまして、やはり依然として有人機による攻撃というものが行われるだろうということが一つの前提でございます。その有人機による攻撃に対しましては、今言ったようなことを一つ前提に置いているわけでありまして、守る方から申しますと、これを防ぐためには、ミサイルと有人機とが必要である。しかも、攻める方からいえば、御承知の通りASMというやつがだんだん発達して参ります。これは空から下へ撃つ誘導弾でありますが、これは百キロ以上ぐらいのところまで使用できるようなことになるのではなかろうか。現在アメリカではラスカルというのを開発しております。ソ連ではコメットというのを開発しております。そういうことからいたしまして、守るのは有人機とそれからSAM両方でいきたい。しかしながらSAMの方は、現在の段階におきましては、ナイキにいたしましても、タロスにいたしましても、使用し得るのは百キロ以下のところでございます。これはやはり地点防空としては非常に有効である。しかしながら、広域の防空にはSAMではまだ十分ではないのではなかろうか。有人機というのは、結局飛行機にAAMを積みまして、誘導弾を積んで、下から撃ち上げるやつを近くまで持っていって撃つというのであります。SAMも漸次発展してきていると考えますけれども、現在においては非常に高価であります。しかも、これは一度しか使えない。有人機というのは、何度も使える可能性があります。先ほど長官のおっしゃいましたような非常な利点もあるのであります。ただし、SAMも利点がございますが、SAMでカバーできないところに対しては、有人機の効用があるのであります。そういうものと併用して、今申し上げましたような予想も、一般の飛行機の開発状況とにらみ合せまして、次の機種を選定していくというのが要点でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大事なところですから、もう一ぺん伺います。それは有人機とミサイルの併用ということを言われておりますね。ミサイルでは、空対空では、大体今度買おうというサイドワインダーだけでいかれるのか。あなたの私の要求によって出された資料によると、地対空ミサイル、空対空ミサイルですか、両方出てくるわけですね。地対地も出てくる。あなたの文章には地対空ミサイルも出ている。その空対空ミサイルはサイドワインダーだけを考えているのか、地対空ミサイルはどういうふうに考えておられるのか、お答え願いたい。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 飛行機に塔裁いたします誘導弾としましては、ただいまはサイドワインダーを考えております。しかし、これは御承知の通り赤外線に追尾する方式の誘導弾でございます。そのほかにレーダーのボマークのミサイルがあるわけであります。ファルコン、スパロー、そういうものを逐次検討していきたいと思います。よりよく日本の防空にいいものを装備するように考えておりますが、もちろん、核装備はいたさないつもりであります。地対空の誘導弾につきましては、エリコンを今般輸入いたしまして、これをもとにいたしまして逐次研究開発を続けていきたい、かように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 エリコンのとこは、またあらためて聞きますが、これはスイスから買ったわけですね。アメリカの地対空のタロスとかあるいは陸軍のホークですね。さらに陸軍のナイキ、こういうものは今後考える予定ですか、一切エリコン一本でいくというお考えですか、いかがですか。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) これはだいぶ前でございますが、私の方からアメリカに対しまして、七種類のミサイルを研究開発用に供与を申し出ておることは、御承知の通りと思います。それにはオネスト・ジョンのほかナイキ・アジャクス、テリヤ、タロス、ボマーク、ファルコン、スパローでございます。どういうふうな地対空の誘導弾の様式がよろしいかということはいろいろな、もしこういうことが研究開発用にでも供与されるなら、それらを材料としてなおよく研究いたしたいと思っております。現在のところは、手に入ります地対空の誘導弾はエリコンであります。これをもとにして研究していきたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ナイキほか七種類のアメリカの地対空ミサイルの供与については、秘密保護法、防諜法に条件がついておる。それでかつては一応話し合いがまとまらなかったわけです。だからこの受入れ体制を整えるために、通常国会に秘密保護法、防諜法を出されるわけですね。それともそういうことはなくても、ナイキとかボマークの供与を受けることができる話し合いになっているのかどうか。そこのところにしぼってお話し願いたい。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 数種の地対空ミサイルの供与を申し込んでおりますことは、事実でございまするが、これに対しましてはまだ返答がございません。それが果して秘密保護に関係があるかどうかは私どもわかりません。防諜法をこの国会に出しますか出しませんかは、なお私どもとしては十分これは検討しなければならないと思っておりますが、通常国会に出しますか出しませんかは、まだ私どもは決定いたしておりません。政府として、党としてまた言論界その他の十分私どもは動向を見まして考慮することにいたしております。これを私どもがかりに、出すかどうかわかりませんが、今私どもが研究いたしますのは、今お話しのミサイルを入れるために、特にそういうことを検討しておるということはございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これで最後にいたします。F11F—1Fあるいはその他の飛行機の性能に関しては、次の機会に承わることとして、私が最後に承わりたい点は、F—86Fというのはもう相当生産されて、わが国にも資料によると、九月二十二日現在二百九十五機あるというわけですが、アメリカでもこれは採用されている長短よくわかっている飛行機です。F11F—1Fの改良型98J—11は、この次に突っ込んで聞きたいと思いますが、どの程度のものか、価格的には明確になっていないと思うのです。最近いよいよサイドワインダーをアメリカに外交筋から申し入れた、そうして予算にも計上されているから、日本にも来る、そうすると、F—86Fに大体四つずつくっつけるということがいわれているのですが、一部には台湾海峡でミグ戦闘機をこのサイドワインダーで撃墜したというようなことがともかく伝えられている。私が伺いたい点は、F—86Fは今生産段階に入っているわけですね。そうしてこれは日本でもアメリカでも、どの程度の飛行機かということはわかっている、この価格は一億九百万円くらいですね、今度のあなた方が内定しているという98JI—11というのは、三億四、五千万円もするわけですね。そこで私が伺いたい点は、サイドワインダーというのは割に価格は安い空対空のミサイルですが、サイドワインダーをF—86Fに装備するその飛行機と、今度新たに大体三倍の価格の98J—11、これは私この飛行機は幽霊だと思うのですが、こういう海のものとも山のものともわからぬような飛行機を採用した場合の性能ですね、性能の差というものは、どういうふうにあなた方は把握されておられるのか。きょうはそれだけを聞いて終りたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 先日当委員会で私が申し上げましたように、速力、上昇力その他におきましては、格段の差があるものと信じております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょっと専門家が答えて下さい。左藤さんは僕らと同じで、よく知りやせぬですよ。

加藤陽三防衛庁防衛局長

○政府委員(加藤陽三君) 御承知と思いますが、F—86Fは、これは音速以下のスピードでございます。上昇限度におきましても一万三千メートルくらいでございます。どうしても攻めて参ります飛行機が早く、しかも高いところを飛びますと、それに早く追っつくようなことが一番大事なんであります。また、戦闘の際におきましては、早く敵を攻撃をして早く避退するというようなことも考えますと、どうしてもある程度高いところへ上れるということと、早く接近できて、早く退避できるということが必要になってくるわけであります。そのことからいたしましても、やはり一九六〇年度におきましては、大体世界の飛行機の開発の状況から見て、戦闘機なら二マッハ程度、爆撃機ならそれより若干おくれますが、音速をはるかに突破できる速度になるだろうということで、F—86Fではどうしてももの足りないということになるわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最後に、これで終ります。今のは非常に重要な発言です。それほどサイドワインダーまでつけてそれほど信じていないF—86Fなら、生産をストップしたらどうですか、三十三年度に九十八機作るようになって、三十四年度に百六機生産できる見込みになっています。本年度九十八機も作るようになっている、これはストップしたらどうですか。サイドワインダーまでつけて、それをあなた方が信頼できないなら、上ることもできなければ追っかけることもできない、逃げることもできない、こんな飛行機の生産を、これからこんな飛行機を二百機も作ることはないじゃありませんか、やめたらどうですか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 進行が予想されます敵機の状況等によってもいろいろ違いまするので、一九六〇年、さらに六五年と長い先を考えますると、これはもの足りないと申しておるのでありまして、現在のころ、私どもはこれが最善のものであり、これにサイドワインダーを装備いたしますれば、十分お役に立つものと、かように信じております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 きょう質疑応答に現われました問題に関連して、時間も切迫いたしておりますから二、三点伺います。  第一点は、四月十二日の国防会議できめられたその決議の案文を伺ったのでありますが、資料の提出がございませんでした。そこで、九月九日の衆議院の決算委員会で、国防第一三三号という書信で、「航空自衛隊の次期戦闘機については、今後の計画を進行せしむる諸条件を整備するため一応F11F—1を採用することに内定する。」これには間違いございませんか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 間違いございません。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 そこで私はこの国防会議というものは、防衛庁設置法の第四十二条で内閣総理大臣の諮問事項を答申する組織でありますから、内定するといったような答申は言葉の使い方としては不穏当であると思います。たとえば私が考えればF11F—1Fを採用するのが適当と認めるというふうな言葉でなければならんと、かように思うのでありますが、なぜ私がかようなことを申すかと申しますと、この機種選定は、最終においてはこれは閣議で決定すべきものである、こういうことか衆議院の委員会で論議になったということを承わっておるのでありますが、防衛長官としては最終段階においては閣議で決定すべきものである、かようにお考えになるか。また、官房長官としては、最終段階では、次期主力戦闘機の決定は、閣議で決定すべきものである、かようにお考えになるか、この点を御両人に確認をしておきたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 最終的には、閣議において決定いたすべきものと存じます。

赤城宗徳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(赤城宗徳君) 四月十二日の内定は、御承知かと思いますが、閣議に報告ということに相なっております。それから今のお話の最終決定はどこでするかということでありますが、これは防衛庁長官の答弁のように閣議で決定する、こういうことに相なっております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 私は閣議で決定すべきものであるという見解については疑問を持っておるのでありますが、それはしばらく別問題といたしまして、F—86Fが戦闘機と決定されました時には、閣議で決定されてあったかどうか。もし決定されておるならば、それは何年何月何日の閣議で決定されておるのか。もし、直ちにお答えができないのであれば、次の機会でもよろしゅうございますから、その点を明確にしていただきたいと思います。いかがでございますか。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 次の機会において調査の上でお答えしたいと思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 次に、もう一点伺います。それは先ほど矢嶋委員の御質問に対して防衛長官は、安保条約が改訂されたときに、もしその適用範囲に沖縄と小笠原島が入った場合には、次期主力戦闘機の機種については別個に考えなければならぬ、こういった意味のお答えがあったと思うのですが、私はこれはきわめて重要な御発言であったと思います。と申しますのは、この新しい日米安保条約がどのようにきまるかはわかりませんけれども、少くとも沖縄や小笠原島に潜在主権があるということを主張しておる日本といたしましては、これは私は筋としては、防衛の範囲に入るという世論の方が筋が通っているように私は考えております。それはしばらく別問題といたしましても、少くともF11F—1Fの改良機は、最大航空持続力は三千キロメートル以上であるという場合に、沖縄が入ったからといって、たとえば鹿児島の鹿屋から飛べば十分沖縄はその行動範囲の中に入ると思うのですが、沖縄が入ったからといってF11F—1Fの改良型は、これはまた考え直さなければならぬといったような、非常に行動半径の狭いものであるというふうなお考えか。その点についてもう少し確かめて伺っておきたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 私は沖縄、小笠原の問題については、外交交渉でございますので、お答えいたしませんと申したのでございまして、それがもし日本の防衛範囲に入りましたら、機種をあらためて考え直すというようなことは申したつもりはございません。(矢嶋三義君「いや、そう言ったよ」と述ぶ)いや、そういうふうに申したことはございません。そういうときに機種をあらためて考え直すというようなことは、もしそういうふうにお聞き取りでございましたら、御訂正願いたいと思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 それは速記録を調べればよくわかるのでありますが、私は機種の問題も再考慮しなければならぬというふうにお答えがあったように聞き取ったものですから、今の質問をしたわけでありますが、なおこれはここで突きとめて私は議論する考えはございませんけれども、単に沖縄が入ったからといってすぐ変えなければならぬような機種であれば、今からまず大きく問題を、行動半径を広くとっておいてお考えになる方が万全じゃないかという点だけをここで申し上げておきます。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) ただいまのようなもし私が発言をしておりましたら、私の意でございませんので、速記録を御訂正願いたいと思います。私自身申しましたのは、沖縄あるいは小笠原を範囲に入れるか入れぬかの問題につきましては、これは外交交渉のことでございますということでございまして、それ以上もしそれが入れば、さらに航続の長い機種とかいうふうなことに考え直すという意思はございませんので、もし私の発言がございましたら、これは一つ訂正させていただきます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいま誘導質問で方針を変えられたなら、大臣ゆゆしき問題だと思うのです。私はずっと積み上げ方式で理路整然と伺っていったわけです。それであなたはそういうことを答弁せざるを得ない立場に入っていったのですよ。だからちょっと言葉がすべったので訂正してくれ、そういう問題ではない。われわれが速記録を直す場合に、てにをはが誤まった場合には速記課へ行って直せる。しかし、内容はそう簡単に直せないことになっている。だからあなたの答弁は、今あなたが訂正云々……というようなことは速記録を見たらわかります。そんなことはできない。そう言ったらあなたは、失礼だけれども精神鑑定とかいうようなことになるかもわからぬ。冗談じゃなく、だからそういうことじゃ困る。時間がないからそういうことはいたしませんが、小笠原と沖縄とが入ると入らないといっても、土地だけじゃないのですから、また領海、領空は延びていくのだから、それは八木氏の言うようにも簡単にいかぬと思う。だから僕はずっと理路整然と伺っておるわけです。だから速記録を読んでから、あらためてあなたと質疑応答をすることを委員長保留いたします。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) いずれ速記録を見て、次回にこの点は譲りたいと思っております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 時間がなくなりましたけれども、一つ官房長官に確かめておきたいと思いますが、というのは、先ほど矢嶋委員との間に質疑応答をされた機種選定委員会の問題であります。委員会というようなものとの言葉をお使いになっていらっしゃいますけれども、私は官房長官の御説明からは、岸国防会議議長が機種の決定のために意見を、適当な人から聞きたい。意見を聞くについては、だれから聞くということについては、官房長官に適当な人を選ばして、それらの人々から意見を聞くというように、慎重な態度をとるようにしたいということを、川島自由民主党幹事長が決算委員会で発言されたのにすぎないのであって、別段委員会というようなものを、行政組織法とかあるいは閣議の決定とかいうことできめるのじゃない、こういうふうに私は御答弁から了解しておるのでございますが、間違いございましょうかどうか、それをお伺いしておきます。

赤城宗徳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(赤城宗徳君) 委員会という名前に世間で流布されているものですから、誤解もあるかと思いますが、今の御指摘のように、国防会議の議長としての総理が広く意見を聞いて、国防会議に臨む場合の心がまえと申しますか、参考にしていく、そのために意見を聞く、それを集合体としての委員会という形にするか、個々人にするかということは別個の問題で、私は集合体として聞こう、こういうことでありますから、お話の通りであります。

松岡平市自由民主党

○松岡平市君 どうも私は、国防会議の議長が会議の決定をされるに当って、慎重な態度を持たれる。さらにまた、自分が決定するについて各方面から参考意見を聞かれるというようなことは望ましいことであろうと思うけれども、しかし、国会のこの委員会の論議において、そういうことを聞く、そして決定の重要な要素にされるということであれば、これはやはり私たちは、この委員会の論議、意見というようなものを、それよりも私はもっと重要な国防会議の議長が参考にしなければならぬ、そのようなことになってくるというふうに私は感ずるのですが、どうもそれはいろいろなところから出てくるものをお聞きになって決定されることはかまわぬけれども、何か知らぬけれども、特に官房長官のところでこういう意見を、こういう意見だけを吐く人、これこれの人々の意見を集めたのはこうでございます。それが論議の結果、決定の重要な要素になる、こういうことであれば、私たちはちょっとその操作についてやはり疑義を、だんだん持たざるを得なくなってくる。これはプライベートにお聞きになる分には、国防会議の議長が、自分が決定されるのに、どういう慎重のことをされてもいいかもしれないけれども、こういうところに、こういう特別の意見を聞いて、それを参考にして決定するのだということになって参りますと、その決定をさせる重要性を持たせるのですからね、そういうようなものは。そうしますと、そういうものが何にもその法令の規定にも基かず、何にもせずに、何か知らぬけれども、ここの委員会の論議の結果が一つの権威のあるもののような誤解を生じがちだと思う。これは申すまでもなく、この委員会の論議といえども、国防会議の議長は当然に、やはり決定の重要なる参考に私はしてもらえるだろうし、これからもされるものと思う。そういうものについては特段にあげずに、そうしてあなたのところで、あなたの選ばれた何がしかの意見というようなものが決定をされるについての有力な一つの、何か知らぬけれども一つの要素にされるということ、要素にならなければそんなものはもちろん無視されることでしょう、こういうようなものがここで生まれてくるということは、私は時間がございませんから論議しませんけれども、これは少し疑義があると思います。ただ私その点についてはそのままでけっこうでございますと言って、論議せずには済まされないような気がいたしますから、大へんおそくなりましたからやりませんけれども、一応その点については疑義があるということだけは申し上げておきます。

赤城宗徳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(赤城宗徳君) 御答弁は要求されていなかったようですけれども、実はそういう委員会というものを作るというようなことにしようと考えましたのは、こういう内閣委員会とか、あるいは衆議院の決算委員会とかが開かなかった前の話であります。ですから、こういう委員会の論議というものが、国防会議の議長として、国防会議において決定されることに非常に参考になる、また参考にされた方がいいと私考えております。それから今のお話しのように委員会、私の考えている委員会というものが、有力な要素になるかならないか、これは国防会議の議長の判断だと思います。私どもは、これを有力な要素として押しつけようという考えは全然持っておらないのであります。これは議長である総理が、その意見を、判断する場合に、なるほどこういう意見は貴重な意見だというようなことになる場合もありますし、また、それほど考えない場合もあるかと思います。私有力な意見として押しつける、有力な考え方として押しつけようという気持はありませんが、決定に誤まりなきを、もちろん、誤まりなきを期して議長もやっていると思いますけれども、なお慎重に参考資料を提出するために、先ほどから申し上げましたような委員会というもので意見を聞いてみる、こういう考えであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 この点については、法的な根拠なり、性格なりその他について一応官房長官が川島幹事長の証言を受けて立ってこの方向で処理するという発言にとどまっているので、続いて検討さしていただきたいと思います。きょうは私の発言の時間がないわけで、時間的にお急ぎのようでありますから、官房長官もぜひ一つ続いて出て下さい。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 防衛庁に伺うのですが、今のいわゆる機種選定委員会には、防衛庁当局の方は委員としては参加せられないが、参考人といいますか、経過説明人としては参加させるというふうな先ほどのお話しでありましたが、さような立場で防衛庁としては御異存があるのかないのか承わりたいと思います。

左藤義詮自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(左藤義詮君) 今藤田委員の御発言のように、委員会というものが非常にむずかしくなって参りましたので、どういうふうになりますか、それによって私ども判断をいたしたいと思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 それから昨日いただきましたこの資料について一点だけ伺いたいと思います。次期戦闘機の選定についてというのでありますが、その中にF11F—1F、98J—11、以下同じというのがあるのですが、この98J—11はF11F—1Fと全然同じものであるのかどうか。それが一点。  そからもら一つは、98J—11とJ79—GE—3もしくは7と同じであるか、違っているのか。もし同じであるならば、なぜ名称がこの98と79と違っているのか、その二点を御説明いただきたい。

小山雄二防衛庁装備局長

○政府委員(小山雄二君) F11F—1Fと申しますのは、海軍名でございます。これを会社では98Jといっております。これは会社名でございます。それで会社といたしましては、海軍に納めました二機、例の実験機二機のほかに、あるいはスイス向けとか、ドイツ向けとか、日本向けとかいろいろそれぞれの要望に応じまして載せるものを変えるとか、エンジンを変えるとかいろいろやっておるわけであります。たまたま日本の全天候型のエンジンを変えましたものが98J—11でございます。この方はこうありたいということで、これを中心に国防会議内定に検討いたしまして、国防会議で御審議いただきました中身は、F11F—1このシリーズのうちの98J—11だということをその格好で現わしたわけであります。エンジンにつきましては、J79—GE—3というエンジンとJ79—GE—7というエンジンがありまして、7の方が改良されたエンジンでございますが、98J系統の中には、3を積んだエンジンも、7を積んだエンジンもございますが、日本向けの98J—11には7のエンジンであります。そういうわけであります。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 この問題はだいぶ長くなりますが、私もう一点だけ伺いますが、F11F—1Fは、ただいま申されましたけれども、その系列を踏んだものが98J—11で、中のエンジンの違ったやつも含めて必ずしも全然同一なものではないというふうに伺うのと、もう一つはJ79—GE3と7、これは両方含めてというちょっとあいまいさがこの同じという中にはあるのですか。

小山雄二防衛庁装備局長

○政府委員(小山雄二君) J79—GE—3とか7といいますのは、エンジンの名前でございます。エンジンを、F11F—1Fについては物が二機しかできていないわけであります。この二機を土台にしていろいろ設計ができておるわけであります。それは全部F11F—1Fの系統のものである。要するに飛行機としては一つの系列のものである、しかし具体的のものを一々とってみますと、エンジンも多少変っておるし、載せるものも変っておる、こういう関係でございます。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 この98J—11は系列を現わしたもので以下同じという意味は、文章と中とはちょっと違っていると思います。その点で私まだ全然今の説明に納得するわけではありませんが、時間がありませんから次に譲ります。  もう一点だけ、先ほど矢嶋委員の質問の中に、昨年の五月でしたか、在日空軍から、次期戦闘機について何か推奨があったかどうかということに対する御答弁がいろいろございました。防衛庁長官は、当時在任中でなかったと、また、官房長は、自分の所管ではないが、そういうことはなかったと思う、というような、いずれも若干あいまいさを持ったお言葉でございました。しかし私としては、日米共同防衛体制の関係から、在日空軍からそれに対する話があったかなかったか。また、推奨した機が何であったかということは、一つの有力な参考になると思いますので、当時直接の責任に当った人が指定するならいいのですけれども、皆何か他人事のような話で、はなはだ審議をする上におきまして納得のいかぬところがございますので、直接の責任に当った方をお調べを願いまして、次の機会にはっきりしたところを、思うとか、私でないというところじゃなしに、はっきりした御答弁を次の機会にお願いします。これで私の質問を終ります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうであれば、その方はどなたであるかはっきりしておいて下ざいこの席で。

小山雄二防衛庁装備局長

○政府委員(小山雄二君) 私は二年以上やっておりますが、そういう会に出たこともありませんし、そういうことがあったということを聞いておりません。

永岡光治日本社会党

○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十三分散会    —————・————— 九月二十九日予備審査のため、本委員会に左の案件を付託された。  一、憲法調査会法の一部を改正する法律案  一、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案  一、科学技術会議設置法案  一、国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案  一、郵政省設置法の一部を改正する法律案

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