内閣委員会 第1号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1958/09/29
会議録
○委員長(永岡光治君) これより内閣委員会を開会いたします。 調査承認要求の件についてお諮りいたします。 従来本委員会において調査を続けて参りました国家行政組織に関する調査、国家公務員制度及び恩給に関する調査及び国の防衛に関する調査につきましては、引き続き実情に即して調査を進める必要があると存じますので、今期国会におきましても従前の要領により、調査承認要求書を議長あて提出することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 午後一時から再開することにいたしまして、これにて暫時休憩いたします。 午前十一時十四分休憩 —————・————— 午後一時三十六分開会
○委員長(永岡光治君) 委員会を再開いたします。 本日松平勇雄君が委員を辞任され、補欠として堀木鎌三君が委員に選任されました。 また、先刻議長において本委員会要求の国の防衛に関する調査外二件の調査を承認せられましたので、御報告いたします。 —————————————
○委員長(永岡光治君) それではこれより議事に入ります。国の防衛に関する調査のうち、前回に引き続き航空自衛隊の次期主力戦闘機の機種選定に関する件を議題として調査を進めます。まず、左藤防衛庁長官から本件に関するこれまでの経緯について御説明を願います。
○国務大臣(左藤義詮君) お答えをいたします前に、前回の委員会で台風のための出動状況について御報告申し上げましたが、各地ともそれぞれ任務を達成いたしておりまするが、特に伊豆地方が未曾有の惨害でございまして、死者、行方不明者、まあおそらく助からないだろうという者、千名以上という非常なことでございます。昨日私も現地へ行って参りましたので、いろいろ自衛隊について御心配いただきまする皆さま方に、自衛隊の伊豆方面における状況を簡単に御報告いたしたいと思います。 御承知のように富士学校がございますので、とりあえず二十七日教導連隊を中心に九百名ばかり現地へ派遣をいたしました。また、橋も道も全部流れてしまっており、現在とりあえず道路の警戒、死体の発掘等をいたしております。その他第一建設等からも、その他の部隊からも、昨日は二千四百十六名出動いたしております。幸い東京の方が落ちつきましたので、一管の主力をさらに増援する予定でございまして、現在四千五百名くらい出動いたしまして、豊川の施設部隊も参りまして、ブルトーザーその他により橋梁、道路の警戒、さらに奥地の方は全然連絡がついておりませんので、ヘリコプター、あるいは連絡機を総動員いたしまして、食糧の輸送とか、患者、死体の搬出とか、まあ私行って参りましたが、非常に現地から感謝せられております。この上とも最善を尽す覚悟でございますので、この点御報告申し上げておきます。
○矢嶋三義君 戦闘機問題に入る前に、その点について私は一点質疑と要望を申し上げたいと思いますが、先般二十六日に、台風襲来に備えて警戒態勢に入っているという自発的発言をしていただいて、私は敬意を表し、御激励も申し上げておったわけです。従って私はこのたびの台風に対して、自衛隊がそういう態勢にあるなら、どういう活動をするかということを、新聞、ラジオを通じて、重大な関心を払っておったわけなんですが、ところが、ただいまの報告にも現われておりますし、また新聞、ラジオを通じても、自衛隊としては非常に動きが鈍いと思うんです。たとえば伊豆のあの大災害に対しても、初めて自衛隊が出たのは、二十六日の夜、大体十時ごろに富士学校の生徒が百人三島市に派遣されただけで、そうして今の説明では、四千五百人ぐらい出動準備中だとは何ごとですか。二十六日の夜半から二十七日、二十八日、きょうは二十九日ですよ。一刻を争うじゃないですか。それだけの態勢をしておったならば、あなたのところは無電機もたくさん持っておられるんですから、直ちに私は出動しなければ意味をなさんと思う。防衛分担金と合せて、約千四百四十億円ばかり国費を使っているわけなんですから、こういうときに百パーセントの活動をしなければ、私は意味をなさんと思う。それに関連して、私は要望するとともに伺うわけですが、あの八月十五日、全日空機が墜落した当時、活躍された。そして八月十五日には、あの静岡県下で防衛庁は上陸演習をやっている。一方、海上保安庁並びに民間漁船は、全日空の機体と死体捜索に懸命になっておられる。そうして八月十五日、そこで同じその海区で演習して、これで演習終り、これから全日空機犠牲者の捜索に向うというようなことを指揮官が命令している。こういうばかなことがありますか、長官。八月十五日に演習をやらなければどうにもならぬという問題じゃないでしょう。一部の演習部隊をさいても、私は全日空機の犠牲者の捜索に当るべきだと思う。ところが、そのときに演習だけすましておいて、これで演習終り、これから全日空機の遺体捜索に向えというような命令、私はそんなばかなことはないと思うんですよ。私は当時、報道を聞いて非常に憤慨した一人なんですが、それだけに、関東にはめったに直接台風は上陸しないわけですが、初めてだけに、しかも雨量が大きかっただけに、混乱もあり、犠牲者も非常に大きいわけなんですが、この出動状況の鈍いことは何ごとですか。この関東、東海に現在いるところの自衛隊関係の隊員を全部注入してもいいじゃないですか。こういう点については、一体長官はどういうお考えでおられるのか、それを承わるとともに、私はもう少し大部隊を早急に出動させるように強く要望いたします。お答え願います。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほど四千五百名を、一管でございますが、出動準備中と申しましたが、これはもう移動をいたしております。現地へ私参って見まして、先の方がもう全然橋も道も途絶してしまっておりますので、そこへ何千というものをあとからあとからつぎ込みましても、全然仕事ができないという状況でございまして、現地で十分県当局とも連絡をとりまして、動かし得る最大限の活動をいたしております。これ以上一管の者を全部そこへつぎ込みますると、かえって仕事ができなくなってしまう、増員ばかりやっても、これは現地を私見て参りまして、そこへ行くことも非常に困難なものでございますから、とりあえずたくさんの部隊が奥へどんどん行けまするような道路の啓開とか、材木が一ぱい詰って動きがとれないので、これもできるだけそういう機材等を持っております豊川等の部隊を前に出すようにいたしておりますので、今四千五百人一管の東京の方の手のあいた者と申しましたが、これはもう働き得る範囲においては、行けるように、もう移動をしておる。そういうことを全部含めて申し上げたのでありまして、本日は、おそらく四千名以上の者が現地で働いておることになっておると思います。 それから、非常に出動が鈍かったということでございますが、伊豆方面が、私行って見まして、全く不意打ちでございまして、富士学校からなぜ早く出さなかったかと調べてみましたが、とりあえず五個班ほどの偵察班を各地へ派遣しておったのでありますが、狩野川がああいうような未曾有のことになろうとは、三島あたりまでその情報がわかりましたのは、夜が明けてからのようでございます。従って私どもとしては、県の出動要請がありましたときに、直ちに出動いたしたのでございまして、大仁警察のごときも全滅してしまって、県の方へも全然わからなかった。こういうような状況でございまして、これは手前みそのようでございますが、自衛隊が一番早くかけつけてくれて、死体捜索その他食糧救援等を非常にやってくれたというように、現地では感謝されておるのでございますが、通信の途絶しましたこと、非常に水や山津波等が急に出ましたので、県の方への現地からの連絡がない。従って県からの出動要請は、今その時間はもう一度調べますが、相当おそかったのでありますが、その要請に対しましては、すみやかにこたえ得るように、最善の努力はいたしたのでございます。
○矢嶋三義君 私はそれで了承しません。二十六日にあれだけの態勢をしいておるならば、何も相手から三顧の礼を尽して要請が来なくても、こちらから自発的に連絡をとって行くくらいの心がけがなくちゃだめですよ。私は九州出身ですから、災害の経験はあるし、行って見なくても、目に映るようにわかるんです。実際消防団なんか、それは自分の家のこともあるから、とてもああいう場合に役に立ちません。警察だってとても及ばない。こういうときに自衛隊が一番力になるわけなんです。だからあなたの方から県あたりに盛んに接触を保っていくという心がけでなければ、ただ態勢だけ作っておって、部屋にデンと司令官が腰かけておって、正式要請があるのを待つというような、そういう心がけはとんでもないことだと思う。第一私は具体的に申し上げますが、二十八日は、朝二百五十人伊東市へ海上から自衛隊が上陸したというんです。これはおそいんです。海上は自由に通れるじゃないですか。二十七日中に伊東には上陸できるはずです。それが二十八日朝になって、ようやく二百五十人が上陸しているじゃないですか。こういうことでは私は言いわけが立たぬと思うんです。これはヘリコプターで何人か点々と、五人、十人と自衛隊員を降下させる、それだけでその地域の人は安心し、不安が除去されるわけです。そういうような配慮がなくちゃならぬ。そういう点について、二十六日のあなた方の事前の警戒態勢というものは、まことに私は心がけがいいと思っておったけれども、実際動いた結果というものは、これはお話しにならぬです。もう少ししっかりやってもらいたい。ことに、この前の九州の災害のときは、九州の国鉄幹線が、二週間にわたって不通であった。ところが、その当時、自衛隊は国鉄の復旧には使えないといって、ほとんど使われていない。資料で先般の予算委員会で質問もし、内閣委員会でも質問もして、今後国鉄の幹線災害の場合に、国鉄の復旧にも自衛隊が働けるように、平素から訓練しておいてほしいということを、再三にわたって、強く要望しておったわけですが、今度はそういう方面に出動しているかどうか。もう一ぺんそれを伺って、次の日程があるようですから、あらためてまた伺います。 それと最後にさっきの八月十五日の演習と全日空の関係を伺いましたが、防衛庁長官としてはどういうお考えを持っておるか、ついでに承わっておきたい。
○委員長(永岡光治君) 御答弁願ってから、引き続いて経過の説明を願います。
○国務大臣(左藤義詮君) 全日空のときには、私どもの横須賀管区のほとんどの力をあげて捜索に従事しまして、最初に機体の一部等を発見しましたのも自衛艦でございましたが、たまたま当時演習をしておった、その演習をすみやかに途中でやめてでもかけつけるべきであったか、この点につきましては取りあえず演習を終ってすぐ援助に向ったわけでございますが、その判断等につきましては、なお当時の状況をよく調べまして、今後注意いたしたいと思います。 それからあれだけ警戒しておったのに、伊豆に急に間に合わなかったということでございますが、九州に御経験お持ちでございますが、きのう現地へ行って参りまして、警察も消防も全然手が出ない、県の当局も全然実情を知らなかった。やっと二十七日の午後になって非常なことだということがわかった、それ以前に県から要請があり次第、私どもの部隊、特に富士学校、御承知の通り教育を主にしておりますが、そういうことを一切差しおきまして、とにかく富士学校の校長が非常な率先指揮をいたしましてやりましたことにつきましては、とっさのことでありますから、いろいろ手落ちはあるかもしれませんが、全体といたしましては現地において非常によくやってくれたというような空気であったと私は思います。なおしかし、ああいうふうに災害が大きく来まするときに、できるだけ手落ちなく全部に行き渡るようにということは、現在の兵力では困難でございますので、ただいま自衛隊に対する国民の大きな期待について矢嶋委員の方から御注意がありましたが、これは十分平素訓練いたしますが、兵力等も十分持てますように、今後一そう御援助願いたいと思います。
○委員長(永岡光治君) 引き続いて、経過の御説明を願います。
○国務大臣(左藤義詮君) 次期戦闘機の問題がいろいろ皆さんに御心配をかけるというようなことがあれば、私どもまことに恐縮に存ずるのでございますが、私どもの所管の親元の内閣委員会におきまして、この事態を一つ国民に御鮮明いただきたい。ただいま委員長から私の所信、この問題に対する経過をお尋ねいただきました。少し長くなりますけれども、この機会に詳細に一つ申し上げたいと思います。 第一に、わが国の防衛に対してどういうような考えを持ち、どういうところから戦闘機が必要になってくるかということでございまするが、わが国の防衛の目的は、申すまでもなく直接及び間接の侵略を未然に防止することに努めまして、万一侵略が行われました場合には、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至りまするまでは、米国との安全保障体制を基調といたしまして、国の総力をあげて国土を防衛し、まって民族の独立と安全を確保することにありと信じております。この考えに基きまして、実際侵略が行われますような場合には、第一には本土及び周辺の制空と制海権の確保、第二には、主要海上交通の確保、いろいろな物資を運んで参ります船団の護衛、主要海上交通の確保、第三には、敵の上陸及び着陸進攻を破砕する、第四番目には国内治安の維持に対する協力、これが自衛隊の主たる行動となると考えております。わが国の地理的条件等から考えまして、侵略が起った場合には、まず空から行われる危険が最も想定されますので、わが国の防衛は防空を第一義とすべきであると考えております。 防空の手段として、それでは有人機によるか、ミサイルによるか、いろいろ議論のあるところでございますが、最近のミサイルの研究開発の状況からしますと、IRBMに引き続きICBMが昨年の人工衛星以来逐次実用の段階に達するものと思われます。しかし、これら核兵器の運搬手段である大陸間弾道弾の使用は、もしこれが始まりますれば、全面的無制限核戦争を意味するものでありますので、これはもう人類の破滅だ。そういうようなことは人類の英知のあります限り何とかして押える。その生起の公算はますます減少していく、またいかなければならぬ。そうしますと一方において局地戦におけるわが国に対する攻撃というものは、やはり有人機による部分が多いと考えるのであります。これらの点を考えますと、防衛力整備目標における航空自衛隊の計画すなわち戦闘機二十七隊の整備ということはやはりゆるがせにすることはできないと存じます。この有人機の飛行隊、二十七隊の整備はミサイル時代に何の役に立つか、どういう意義を持つかというような議論もございますが、地対空ミサイルの進歩に伴いまして、これを有人機のかわりに使うような分野が増大したことは否定いたしませんが、しかし、地対空ミサイルには到達距離の点から広い範囲の防空には限度がございます。どうしても地点防空が主たる用法でありまして、また、敵の欺瞞行動に対する判断ができない。基地が固定して機動性を欠いておる、他の地上作戦に対する協力あるいは偵察に利用できないというような不利な点がございます。このミサイルの不利な点というのが一方から申しますれば有人機の利点とされるのであります。従いましてミサイルと並行して有人機の必要性は、今後相当の期間依然として減ずるものでないということが世界の通説であると思います。従ってわが国の有効なる防空体制は有人機と地対空ミサイルの併用が望ましいのであります。すなわちわが国の防空は来攻する敵機を洋上に要撃して本土に入らしめないことが第一の目的で、もしこれをくぐった敵機があるならばさらに航空機、地対空ミサイル、高射砲等の一元的運用によって破砕するものでなければならぬと思います。この任務達成のための航空機はわが国の地理的状況、気象の状況、予想される来攻機種及びその攻撃法等を考慮しますと、要撃及び制空の機能を果し、さらに全天候性を具備することが必要であります。さらにまた、地上作戦協力等の性能をも保有することが望ましいのですが、整備、補給及び財政等の面からはなるべく機種を少くすることも考えなければならぬと思います。 右に申し述べましたような防空の体制に対する構想を基本といたしまして、次期戦闘機の選定に当りましては、わが国の特殊なる地理的条件等を考慮した防衛思想に立脚した将来の防空体制のあり方及び防空兵器体系についてもでき得る限り検討いたしまして、有人機、地対空ミサイル、空対空ミサイル、地上警戒管制組織、航空基地等の総合的防空組織について慎重な考慮を払いまして防衛力整備目標における防空体制を計画通り充実することを目標といたしたのであります。 次期戦闘機の機種選定につきましては、防衛庁としては一昨年以来いかなる機種が適当であるかについて調査検討を行なって参りましたが、機種の選定に当りましては正確なる資料を、十分収集することが最も必要でありますので、昨年の八月下旬米側の協力を得まして永盛将補を団長といたします六名の調査団を派遣いたしまして、約一ヵ月にわたって米国における各機種についての資料を実地に収集せしめ、かつ防空に関する基本的な考え方についての米国防当局の説明をも聴取せしめました。 調査団は帰団後、候補機種としてF—100D、それからF—104A、F—11F—1F、N—156F、F—102Aの五機種をあげて、各機種ごとにその性能、運用、生産等各方面にわたり詳細なデーターを報告いたしました。この報告に基いて機種選定に関する慎重な検討を行いましたが、その後各機種ともにさらに追加した新資料も逐次もたらされましたので、つい最近の資料により、かつあとう限りは、米軍の正式の評価を参考とする建前で検討を行いました。候補機種のうち、五つの機種のうち、F—102Aにつきましては、さらに速度、滑走路長、整備補給の困難性の点からこれを除外いたしました。F—100Dにつきましては、全天候性能、F—100Jについても検討いたしました。各機種については、その性能について一長一短がございました。これらの各機種のうち一機種を選定するには、第一には、要撃性能においてある一定の水準にあること。第二には、実用面においてわが国の事情にマッチするとともに、長期間の使用に耐えること。第三に、適当な期間内に国産可能の状況にあること等を条件として検討を加えました。かつ、本年一月佐薙空幕長らの渡米の機会を利用して、さらに実地について検討した結果をとりまとめて、四月十二日の国防会議において、防衛庁の見解を説明したのであります。その説明いたしました防衛庁の見解でございますが、特に重点を置いて検討をいたしたのは、次の諸点でございます。 第一は、要求性能すなわち速度、上昇率、上昇限度、行動半径、離着陸距離、武装及び全天候性から見て要撃機としての性能のすぐれていること、第二には、長期使用の可能性のあること。第三には、多用途性——できるだけ広い多用途性のあること。第四は、安全性に富むこと、第五は、実用実験の終了の程度、第六は、経済性、第七は、整備補給の難易等でありました。 さらに、航空機生産の見地からも慎重な検討を行いました。すなわち、生産に着手するまでの準備期間のなるべく短かいことが望ましい点等であります。 以上述べました見地から、候補各機種について比較検討いたした点を申し上げますと、少し詳細にわたりまして申し上げますと、第一に、速力については、空対空ミサイル、たとえばサイドワインダーのような空対空ミサイル装備及び攻撃法の改善によりまして、要撃機の速力が目標機より優速であることは必ずしも必要でないという議論もございますが、しかし、速力が重要な要素の一つであるということは変らないと思います。F11F—1F及びF—104Aはいわゆる二マッハ級の超音速機であり、その他の三つ、すなわちF—100D、F—100J及びN—156Fは一・五マッハ以下で、速力の点については前の二つとあとの三つとは相当の開きがございます。第二、上昇性能につきましては、F—104Aが一番すぐれており、次いでF—11F—1F、N—156F、F—100J、F—100Dの順と思われます。第三に、行動半径の点につきましては、諸種の条件を考慮してポイントインターセプトにおきましては、少くとも二〇〇NM以上の行動半径が望ましいのでありますが、増槽タンクを別につけない状態でこれを満足するには、F11F—1Fのみでありました。第四、離着陸距離につきましては、わが国の実情にかんがみ、なるべく短かい滑走路ですむことが望ましいが、この点から申しますと、N—156F、F11F—1F、F—104A、F—100J、F—100Dの順序と考えられます。第五に、武装及び全天候性の点から申しますと、各機種ともに空対空、ミサイル装備が可能であります。次に全天候性につきましては、F—100Jを除いてこれを欠いておりますが、目下米軍で開発中の射撃管制装置FCSを装備することによりまして、全天候性を持ち得る可能性があり、これらの点ではF11F—1Fが将来性においてすぐれていると思われるのであります。六、長期使用の可能性という点から、なるべく長期にわたり使用可能なことが望ましいが、このためには将来、性能向上の余地があることが望ましい。この点からはF11F—1Fがすぐれており、F—100Dは劣っていると考えられるのであります。七、多用途性につきましては、わが国の実情としては、多機種を持つことは困難でありますので、要撃機としての十分な性能のほか、偵察、地上戦闘協力等の多用途に供し得ることが望ましいのであります。この点ではF11F—1F及びF—100D及びF—100Jがすぐれ、F—104A及びN—156Fは劣るものと思われます。また、安全性につきましては、航空自衛隊の現状その他わが国の実情にかんがみ、安全性を重視することが必要であります。この点からはF—100Dはすでに安定しておりF—100J及びF11F—1Fは安全性が高く、N—156Fも同様と思われますが、F—104Aはこの点他の機種より劣ると思われます。八、実用実験につきましては、F—100Dは問題ではなく、F—104Aは部隊に配属されており、F11F—1FはJ79—GE—3を搭載した原型機二機について飛行性能試験を終了したのであります。N—156Fはまだ木型の段階であったのであります。生産の準備期間の点から見ますと、防衛及び航空機生産の見地からは、いわゆる生産のリードタイムがなるべく短かいことが望ましいが、この点からいたしますと、F—100D、F—104Aが有利であり、F—100JそれからF11F—1F、N—156Fは開発のため、なお若干の期間を要するものと考えられました。十、経済性から見ますと、N—156Fはおそらく最も低廉であると思われます。十一、整備補給の難易について見ますと、N—156Fは最も容易であり、F—104A、F11F—1Fにはそれぞれ一長一短がございます。補給につきましては、F11F—1F、F11F—1、すなわち艦載機のタイガーでありますが、これは米海軍がまだ相当期間使用いたしますので、相当の便宜は得られますが、F—100D、F—104Aに比較いたしますと不利と思われます。 長いこと申しましたが、以上の見地から結論といたしまして、当時防衛庁の見解は、F—100D、F—100Jは要撃性能の点からは将来性に乏しく、次期戦闘機としては適当でない。F—104Aは、速度や上昇性能ですぐれておりますが、行動半径、多用途性及び安全性の点から適当でない。N—156Fは、軽量小型で所要滑走路が短かく廉価であり、日本の特殊性に合致する点が多いので考慮に値すると思われますが、性能において若干不満足な点があり、かつ生産のリードタイムが一番長いといううらみがございます。F11F—1Fは、各種の要求性能を満足し、安全性が大であり、多用途性に富み、滑走路も短かく、用兵上及びわが国の事情にも比較的よく適合しておると認められ、また、将来の防空兵器体系から見ても、最も幅の広い活動かできると考えられますが、米海、空軍ともに制式化の計画がないということに伴う不利な点と、他機に比べて必ずしも廉価でないという点がございますが、航空自衛隊の次期戦闘機としては最も適当なものと判断する、こういう結論に到達いたしたのであります。 この機会に特にF11F—1FとF—104とについて比較検討いたしました点を申し上げますと、速度、上昇力に関する限りF—104がF11F—1Fにまさることは明らかでありますが、機体の安全性、操縦性、離着陸性、所要滑走路の点においてF—104はF11F—1Fに比較してかなりの難点を持っておるのであります。特にエンジンがとまったときの沈下率、着陸時における着速等の点からは、安全性と操縦性においてF11F—1Fに数段劣ると考えられるのであります。 機種選定の大きな要素としてわが国の事情を考えます場合、次期戦闘機の運用に際しては、飛行性能のほかに、特に安全性、操縦性を含めてでございますが、この安全性と所要滑走路長の点が大きな要素であると考えます。わが国のごとく飛行場付近に人家の密集しておる土地におきましては、上空におけるエンジンの故障の際の沈下速度が著しく大きく、かつ着速の大きいF—104ごとき機種は、平素の飛行訓練時におきましても、運用上困難な問題を起しやすいのであり、さらに滑走路の延長につきましても、これを実施しますのには、なかなか障害が多く、わが国におきましては、なるべく短かい滑走路上において運用できる機種が望ましいことは当然であります。これらの点はまた操縦性の安全にも重要な影響を持ちます。従って防衛庁としては、安全性等の点からF—104は望ましくないと考えたのであります。なお、F—104につきましては、性能向上型としてのF—104Cについて十分な検討を行い、さらに八月には、日本向のF—104Cについても会社から説明を受けていろいろ検討いたしましたが、われわれとしては内定当時と同様の見解を持っておるのであります。なおF—104は米軍ですでに採用しており、F11F—1Fは、米海、空軍ともに採用の計画がない。従って補給等について多くの不利があることは事実でありますが、その原型でありますF11F—1、すなわちタイガーは米海軍の制式機として約二百機量産されており、F11F—1Fは二機の実験機について米空軍が米海軍から委托を受けて、すでに三百回以上も飛行テストを行い、その飛行性能は確認されておるのであります。従って十分に信頼できる機種であると認められますので、その性能向上型である98J—11を採用することに内定したのであります。 なお、F11F—1F実験機のエンジンはJ79の3である。98J—11は、J79—7を装着する予定である。この98J—11はJ79の7を装着する予定でありますが、飛行テストは前のテストを念のため確かめる程度のものである。エンジンは3から7に変ったとしましても、テストを初めからやり直すという性質ではございません。しかも、このエンジンは開発テストを完了し、エンジンとしては完全に信頼し得るものであります。なお、98J—11のテストにつきましては、技術面等から米国の相当の援助を期待して計画されておるのであり、試験と生産とをある程度並行いたしましても、大きな危険が伴うものではないと確信いたしております。この点につきましては、従来の調査においても米軍等において十分調査をいたしたものであります。 内定いたしました経緯につきましては、今まで述べた通りでございますが、さらに内定以後の状況について申し上げたいと存じます。 四月十二日の国防会議におきまして、今後の諸条件を整備するためF11F—1Fを内定したのでございますが、新機種を国産化するためには、国産を担当いたします日本の会社と先方の会社との間に、具体的な生産のスケジュールを打ち合せ、詳細な計画を必要とするものであり、これらのものを基礎として米側に具体的な援助の申し入れができるのであり、かつ、わが方の予算計画も見通しがつくのであります。従って機種を内定することにより、国産担当会社を指定し、所要の資料を作成せしめ、それらの資料を見て国産化に関する正確な見通しを立て、技術的にも予算的にも実行可能と考えられますなら、そこで初めて正式決定をするという段取りなのであります。従ってこの内定後、防衛庁はすみやかに具体的な生産計画案及び価格見積りを把握して、これを検討の上、国防会議の審議に諮り、最終決定を行うことになるのであります。すなわち、通産省が産業行政上の見地から、まず新三菱重工を生産担当会社として指定いたしましたので、詳細に申しますと、新三菱をメイン・コントラクト、川崎航空機をサブ・コントラクト、こういう指定をいたしましたので、防衛庁は防衛庁としての国産化の諸条件を示して指示したものであります。六月二十五日新三菱の報告が正式に提出されましたので、これを庁内において詳細検討した結果を、現在国防会議事務局において検討をいたしている段階でございます。 国防会議において新機種が正式に決定いたしますれば、これに基いて米国側に対し、わが方から費用の分担、その他に関し、米国政府の援助に期待すべき具体的事項を正式に提案し、日米交渉をすみやかに開き得るよう要請いたすのであります。この日米交渉が明年度予算案の閣議決定までに妥結いたしますれば、これによってわが国の負担すべき予算を計上し、日米共同生産の協定及び細目取りきめに調印することになるのであります。この協定及び取りきめによって、日本政府が予算案に計上した予算が、国会の御承認をいただきますれば、昭和三十四年度から生産に着手することができると思われます。なお、双方の費用分担がどのようになるかは、交渉に待つほかはないのでありますが、わが方としては相当の部分を米国の援助に期待しておりますので、いわゆる総額一千億以上の費用が、すべてわが国の負担となる次第ではございません。以上F11F—1Fを国防会議において内定いたしました経緯と問題点につきまして、防衛庁の見解及び今後の見通しについて申し上げた次第であります。 つけ加えますが、新機種内定までの経緯に関し、もし防衛庁に非常に大きな過失等がありますれば、私はすみやかにあらためる措置をとりたいと存じます。また、巷間伝えられるような不正があるとは思われませんが、もし不正があってかような結論が出たのでございましたならば、部下に対して断固たる処置をとることにやぶさかではございません。以上が経緯の概略であり、長官としての所信を申し上げた次第でございまして、何とぞ本委員会の審議を通じ、国民の前に事の真相を明らかにして、すみやかに機種の御決定を得たいと念願している次第であります。
○委員長(永岡光治君) 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○近藤信一君 ただいま防衛庁長官から次期戦闘機の選定について、詳しく御説明がございましたが、この問題につきましては、後日また私ども詳しく御質問いたしまするが、その前に私は国の防衛問題について二、三の点について防衛庁長官に御質問を申し上げたいと思います。 それはまず第一番に、明年度の自衛隊の増強計画の問題でございますが、防衛庁長官が長官に就任されまして間もなく、私どもは新聞でこれを見ましたが、来年度自衛隊の一万名の増員計画、こういうようなことが新聞に出ました。その後防衛庁長官のまたお言葉によると、来年度の一万名の自衛隊の増員というものは見合せなくちゃならぬ。こういうようなことが新聞に出ておったと私は思うのでございます。この点について、なぜ来年度の自衛隊の一万名の増員計画というものを取りやめなければならなかったかという、この点が第一点。 それから今世界はいわゆる平和主義に向いまして各国がそれぞれ努力をしております。金門、馬祖等の問題をめぐりまして、中共におきましてはいろいろ風雲急な点がございまするが、世界の各国はそれぞれ平和を目ざして、いろいろな国の政策というものをやっております。過日もアメリカはいわゆる原水爆の実験を一年間禁止するということを声明いたしました。そうして今世界の目標というものがこの平和主義を目ざしておりまするが、それに対してはいわゆる武装をしての平和主義と、武装をせずしての平和主義、この二つの見方があると私は思うのでございます。日本の現在の目標、今防衛庁長官も言われましたように、いわゆる日本が侵略を受けた場合、いわゆる侵略ということを前提としての今防衛計画というものがなされておる。しかし、日本のこの防衛計画というものは、果して世界情勢の上に立って防衛計画というものが立てられておるかどうか、まずこういう点について第二点としてお尋ねいたしたいと思います。 それから第三点といたしましては、三十三年度を起点といたしまして、三ヵ年計画というものが立案されております。これは三十二年の六月十四日の国防会議と閣議でたしか決定されたものと私は記憶しておりまするが、この長期防衛計画は一体その後どういうふうな進展を遂げておるか。そして最後の三十六年からの防衛計画というものに対して防衛庁はどんないわゆる構想を持っておるか、この点が第三点。 それから先ほども言われましたが、防衛問題については、いろいろと今考えておるが、世界の各国は今おおむねミサイル部隊を編成して、そうして防衛をしようという計画がそれぞれなされておるが、日本においてこの点どういうようなお考えを持っておられるか、この点第四点としてお尋ねいたします。
○国務大臣(左藤義詮君) 第一の一万増員とおっしゃったのは、陸上部隊のことだと思いますが、御承知のように明後年までに私どもは陸上十八万という目標を立てておりまするが、それを三十四年度に予算要求するかどうかということでございますが、これにつきましてはいろいろ慎重にしなければならぬということで、国の財政状態とか、空、海との関係もございまして、私は就任以来一万を増員するとか、あるいはしないとか一切言明いたしたことございません。新聞等でいろいろ伝えられておりまするが、私自身としましてはよほど慎重にして、それぞれの事務当局の計画とにらみ合せまして、明年度予算構成を、私も国務大臣の一員としてそういうことを十分考えた上で結論を出すべきだということで、今お話しのような増員をするときめて、また取りやめたというような事実はございません。 最後に、この間予算要求いたしましたところでは、陸上は三千七百名というような数字で予算の要求をいたしております。各国が平和を目ざして努力しておるときに、ふやす必要があるかどうかということでございますが、非常に日本の自衛体制はおくれておりまして、先ほど申しましたようなわれわれは目評にも達しておりませんことでございまして、非常な核装備を持った国が、通常兵器の部隊を若干減らしておるようなことは聞きまするけれども、多くの新興国等におきましても、自衛の達成のためには非常な努力をいたしておるのでございまして、わが国の置かれておりまする状況におきましては、やはり国力、国情の許します限りにおいて、防衛力は増強いたしたい。先ほど矢嶋委員からお話のありましたように、災害地等につきましても実は非常に手薄でございまして、いわんや非常のときの私どもは防衛の完璧を期するために努力をいたしたいと思う次度でございます。 それから、三十四年度の計画はどういう計画を持っているかということでございますが、これは今度私どもも業務計画による予算の要求を大蔵省にいたしまして、これは詳細に新聞等に発表いたしたのでありまして、果してその通り予算が実現いたしますかどうか、今後皆様方の御援助をいただきたいと思います。三十六年度以降の計画につきましては、現在いろいろ検討中でございまして、まだ正式に決定するところまで至っておりません。 最後に、いわゆるミサイルでございますが、長い将来にはだんだんミサイイルが私は有人機にかわっていく、ミサイルというものが防衛の主力になることは否定できぬと存じまするが、先ほど委員長のお尋ねに対して申し上げましたように、私どもは当分はやはりミサイルと有人機が、あるいは高射砲等が相並んで防衛に当るべきものだというように存じております。ミサイルの研究につきましては、非常に日本は立ちおくれておりますので、一日も早くその開発に努力いたしたい次第でございます。たまたまその研究用の資材として輸入しようとしましたものが、いろいろ私どもの説明が不十分でございましたので、誤解をいただきました。この点もわが国の開発しようとするミサイルは、決して核装備するものではないということを御納得をいただきまして、一日も早くこれが防衛に役に立つように技術研究所等におきまして努力をいたしておる次第でございます。なお、これを実験いたします実験隊も、明年度は予算をつけていただきたいとお願いしている次第でございます。
○近藤信一君 三千七百人の計画で、それから従来日本の防衛関係では、まず陸上、それから海上、それから航空と、こういうふうな段階的なものがついておったようでございますが、今度はそれが、航空、陸上、海上と、こういうふうな、航空自衛隊というのが第一義的なものである、こういうふうに私どもは聞いておるのでございますが、防衛庁の考えは、そのようなお考えであるかどうか、この点。 それから、いわゆるミサイル部隊については、ミサイルの問題は非常におくれておるから研究しておる。そしてまあ研究がなされた場合には、ミサイル部隊というものを編成するお考えがあるかどうか。
○国務大臣(左藤義詮君) 実験部隊を……。
○委員長(永岡光治君) 委員長に発言を求めてからお願いいたします。
○国務大臣(左藤義詮君) 明年度陸上にどれくらい要求しておるか。私、制服の方をお示しいたしましたが、これには文官も含めますので、正確に申しまして、明年度三千八百九十八名でございます。この陸、海、空のいずれを主にするかということでございますが、私どもの業務計画にも書いておりまするように、また、ただいま委員長の御質問に対しても申し上げましたように、一番おくれております空に主力を置きたい。それに次いで海あるいは陸、いずれも私どもとしてはできるだけ増強を願いたいと思いまするけれども、本年度の予算要求には、そういうような順序で業務計画を立て、重点を置いておるつもりでございます。ミサイルにつきましては、非常に立ちおくれておりまするが、研究を重ねまして、明年度お願いをしておりまするのは、それを実験をいたす実験部隊を編成いたしたいと存じておるのでございます。
○近藤信一君 次に、明年度の防衛分担金の問題についてお尋ねいたしまするが、対米方針が従来一般方式をとっておりまするが、今年度は駐留軍が撤退いたしまして、この分担金も相当減額される、こういうふうに思うわけでございます。従いまして、明年度の分担金は特別減額がなかったものとしてきめられるというふうに聞いておりまするが、政府はこの点どのように処置をされるおつもりであるか。さらに、計画の基礎として特別減額の方式を明年度はどういうふうな形で出されるのか、この点をお尋ねいたします。
○国務大臣(左藤義詮君) 御承知のように防衛分担金の交渉は外務省がやりますので、私どもとしては、しかも、相手のあることでございますので、できるだけわが国の財政に、また防衛庁に有利なような御折衝を願いたいと外務省に要望いたしておるのでございます。
○委員長(永岡光治君) ただいま政府側から出席しております方々は、左藤防衛庁長官を初め辻政務次官、門叶官房長、加藤防衛局長、小山装備局長、山下経理局長、廣岡国防会議事務局長、以上でございます。
○近藤信一君 あと二点ほどお尋ねいたしますが、自衛隊をレバノンの国連の監視団に何とか参加させるとかしないとか、こういう問題があるわけです。これはハマーショルド国連事務総長から警察軍として一つ参加を要請する、こういうようなことが申し入れのあった場合に、政府はこれに対して、憲法上からいくと、どうもこれは違反するのじゃないか、こういうふうな解釈をしておられる。また、自衛隊法にもこれは抵触するから、この点は日本の国連への監視団の参加ということは非常にむずかしい、こういうふうなことが言われておったように私は聞いておった。ところが、今度藤山外務大臣との意見が、そこで若干違っておるというふうに私は食い違いが起っておるのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、この点防衛庁長官はどういうふうに考えておられますか。
○国務大臣(左藤義詮君) レバノンの紛争につきまして、国連から今警察軍というお話がございましたが、その事実は私伺っておりません。これは監視団、武装をしない、しかし軍事的な知識を有する階級、大尉または少佐とかと言ってきておりましたが、そういうものを国連にあっせんして編成をして現地において武器密輸入等のことがあるかないか、これを監視するということでございまして、戦力を持った警察軍ではないと存じます。こういうものが日本から、これは各国から出しておるのでありますが、日本からも出し得るかどうかということが、外務省へ連絡がございました。戦力を持った軍隊ではございませんので、憲法上のことはまあ差しつかえないと思いますが、しかし、自衛隊法の方ではいろいろ出動いたします範囲が法律できまっておりまするので、直接私どもの方から出すことについては、もし疑義があるといけない。これはまあいろいろ問題があると思いますけれども、疑義があってはいけないというので、私たちは慎重を期した次第でございまして、外務省へ身分を移して出されるならば私どもとしてはいなむものではない。こういうことで、最終的には外務大臣と意見が食い違ったことはございません。
○近藤信一君 まあ、防衛庁長官は戦力を持ったものでないからという今の御答弁でございまするが、戦力とは何ぞやということになると、いろいろ問題が起りまするが、そうするとこれは監視国だ。警察軍じゃない、監視団だ。その監視団は丸腰で行くのですか。この点はどうなんですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 護身用の拳銃くらいは持つでしょうが、いわゆる武力を持って行くのじゃないと心得ております。
○近藤信一君 武力を持っては行かない。また監視団の仲間にも入るわけなのですが、向うで武力を持った国も来ると思うのですね。日本は持って行かぬといたしましても、武力を装備したのを向うでもし使用せなきゃならぬ、ただ、監視だけじゃなくしてその監視しておるところに、もし戦闘が起った場合には、やはりこれを武力をもって撃退するとか何とかいうことが予想される。その場合にその武力を持った監視団に参加しておるのでございまするから、これとまあ共同防衛といいますか、監視といいますか、これに参加した場合に、これは憲法に抵触するかどうか。この点長官のお考えをお聞かせ願いたい。
○国務大臣(左藤義詮君) まあ、監視団というものがどういうような仕事をしておるか、これによって違うと思いますが、私どもが聞きました範囲においては、出すとなればもっと確めますが、私どもがハマーショルドから要請された今までレバノンに行っております監視団というものは、軍隊としての行動はいたしておりません。そういう知識を持った者を各国から集めまして、国境の監視をいたしている。これに対して、もし戦闘が起った場合には、軍隊としてのいわゆるこれに対する戦闘をいたすものじゃない。自分を守る、護身のことは別でございますけれども、軍隊としてのこれに対する防御とか戦闘とかというようなことは、全然考慮されていないように思っております。
○近藤信一君 まあ、あくまでもそれは監視団だ、こういうことなんでございまするが、ただ、監視団だからといってぽかんと見ているわけじゃないと思うのです。やはり監視しているところにやはり戦闘が開始すれば、その監視団は直ちにこれを撃退するとか何とかいうことが予想されるわけなんで、その場合になお、われわれは監視団だからといってぽかんと見ているだけでこれは済むかどうか。その場合にはやはりこれは戦闘に参加するということになるのじゃないかと私は思うのですが、まあ、この点防衛庁はあくまでも監視団だからちゃんと監視しておるだけで問題は終るんだと、こういうようにお考えになれば、これは別な問題でございまするが、私は監視団といえどもちゃんと、ぽかんと監視しておるだけでなくて、やはりそこに戦闘が行われれば、その戦闘に参加し、武力をもってこれに対して撃退なら撃退する、こういうことに相なるのではないかというふうにまあ私は思う。この点まあ防衛庁長官と考えは違うかもしれませんが、その点まああくまでも防衛庁長官が監視団だとこういうことなれば、これは別問題でございますが、この点どうですか。
○国務大臣(左藤義詮君) レバノンの国境をもし侵すものがあれば、レバノンの軍隊がこれと戦うことはあると思いまするが、そういうような密輸入とか国境侵犯とかというようなことがあるかないか、その事実を監視いたすのでございまして、護身用のほかに何ら戦力を持ちません監視団がこれと戦闘をいたすことはないと思います。
○矢嶋三義君 長官、きわめて重大なことを、いとも簡単にお答えになっておるが、これはきわめて重大、許されぬことだと思うのですがね。国連監視団というのは、国際通念では戦力である各国の軍人で構成するという、こういう国際通念でこれは見られ、取り扱われておる。通産省の職員が貿易振興のために外務省に籍を移して、外務公務員として、そうしてその出先在外公館に勤務するのとは、事が違いますよ。防衛庁から外務省に身分を移して行くのならば差しつかえないと自分は考えておる。この解釈はきわめて私は重大なことだと思う。少くとも憲法を変えるか、あるいは自衛隊法を改めざる限り、ピストルを持って行くまいが、ピストル一丁持って行こうが、今の自衛官、自衛隊というものは、国連監視団等には断じて私は参加することは法的に許されないことだと思う。これは私は外務省の見解の方が正しいと思うのですが、先ほど来近藤委員の質問に対する答弁を承わっておりますと、私はきわめて遺憾にたえません。この私の見解に対して、あなたはどういう見解を持っているか。もう一度お答え願うとともに、あわせて私は伺いますが、それでは先般九月十八日にアメリカのダレス長官が国連平和軍を提唱している。わが藤山外務大臣はこれに賛意を表しているのですね。こういう国連平和軍というような創設について、あなたはどういう見解を持っておられるか。それからそういうものに対してですね、派遣の要請があれば、ピストル一丁程度ならばよかろうというので、外務省に身分を移して、そうして外務公務員として出張の形をとるのかどうか。どういうお考えを持っているのか。明確にお答えを願いたい。
○国務大臣(左藤義詮君) レバノンの場合には、要請をお断りをいたしましたので、今お話しのように十分念を入れて一つ検討をしたい。しかし、私個人の考えといたしましては、先ほど申しましたような監視団でございますれば、個人々々として軍事的知識を持った者が外務省の公務員として参加することは、差しつかえないのじゃないかと、かように存じておるのでございますが、国連平和軍というお言葉は私は初めて伺いますが、どういうふうに藤山さん言われましたか、相当の武力を持った者が国際紛争の場合に出動をする。そういうふうなものをもし編成するならば、私どもはこれには参加できないと思います。
○近藤信一君 最後に一点お尋ねいたしまするが、先ほど私が申しましたように、世界では平和をめざしていろいろと武力、武装もなされる。また、武力でなくしての平和を望んでおる国もある。ここで今世界ではほとんどがミサイル時代に入って来たといってもこれは過言ではないと思う。それに対して日本が今戦闘機の機種の選定をしなければならぬ。こういうことになっていろいろ議論になってきておるわけなんです。で、この次期戦闘機の選定ということになれば、日本はそういうミサイル時代にまだ戦闘機をもってそうしてこれからやらなきゃならん。これからまだ、きまったといたしましても、相当年月がまあかかるわけなんです。そういうときに、一方においては日本は戦闘機を購入して、これから防衛の問題に当らなきゃならん、一方ではミサイルがどんどんと進んで、そして、まあ主力戦闘機なんというのはもう必要ではないんではないか、こういう点で、アメリカのわが国の駐留関係、いわゆる各航空関係は相当引き揚げていった。もう戦闘機時代じゃない、これからはミサイル時代だ、こういうことで、駐留軍もだいぶ航空隊が引き揚げたわけなんです。そこへもって、日本はこれから戦闘機を選定してこれから作って、それによって日本を防衛する、こういうことでは、非常にもうこれは時代おくれ的なことではないかというふうにまあ私は感ずるんです。そこで、一体、防衛庁は、果して、そういうミサイル時代に、日本が戦闘機をこれからまだ作って購入すると、こういうことになるんですが、そんなことで防衛庁長官が言っておられるようないわゆる防衛体制というものが十分であるかどうか。こういう点を、一つ防衛庁長官のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほども委員長のお尋ねに対して申し上げましたが、地対空ミサイルの進歩に伴いまして、これを有人機に代替して使用し得る分野が次第に増勢する趨勢にあることは私どもも否定いたしておりません。しかし、地対空ミサイルには、その到達距離の点から見て、広い範囲の防空にこれを用いるには限界がある。むしろ、大都市とか、航空基地、重要港湾、重要工業地帯等の地点防空にこれを用うることが主である。それからまた、敵の欺瞞行為に対してこれは判断ができない。基地が固定していて機動性を欠きまするために、これによる有効な防空のためには、非常にたくさんな基地施設を要する。それから、地上作戦に対する協力、偵察等に利用できない、というような不便がございます、目をもって見ませんので。こういうミサイルでは補えないその不利な点が、逆に有人戦闘機の利点となるわけでございます。従いまして、地対空ミサイルの発達と並行いたしましてやはり有人戦闘機の必要性というものは、今後相当の期間減ずるものじゃない、こういうことが世界の通説のようでございまして、各国ともなお有人機の開発については努力をいたしておる実情でございまして、何十年何百年の将来どうなりまするか、私どもは、ここ当分の間は、先ほど申しまするように、ミサイルの開発にも努力をいたしまするが、やはり有人戦闘機というものは相当整備いたしまして、防空の全きを期したいと存じております。
○近藤信一君 最後に、もうほんとうの最後でございますが、今私どもは、もうここ数年来、アメリカの航空基地である砂川だとか、愛知の小牧だとか、これは現在の滑走路では短かいから、これを拡張せなきゃならん、こういうことで拡張計画というものがまだそのまま残っておると思うんです。いわゆる米軍は帰りましたが、その後にまだ残ってこの問題は尾を引いておると思うんです。先ほどからの防衛庁長官のいわゆる次期戦闘機の御説明を聞いておりますると、何か、今度購入を予定される戦闘機は七千フィートでこれはけっこう間に合う、こういうことでございまするから、今まだ尾を引いておる砂川だとか、小牧だとか、これらの拡張計画というものは、防衛庁は、これでもうそんなに滑走路も必要でないから、もう拡張というものは必要はないと、こういうふうにお考えになって、拡張計画というものをもう打ち切られるお考えがあるかどうか。この点を最後にお尋ねいたしまして、同僚議員も待っておられますので、私の質問をまたいずれ後日に残しまして、本日はこれにて私の御質問を終ります。
○国務大臣(左藤義詮君) わが国のような狭い国では、できるだけ短かい滑走路で間に合うようにしたいと思いまするが、七千と申しましても、いろいろ訓練の段階もございまするし、特に日本のように周囲に人家等の多い所におきましては、相当の余裕を持つ必要もございますから、現在の飛行場がどれくらいの長さで、これはもういつまでもこれでいい、あるいは、もう少し拡張をしなければならん。もし、御要望でございますれば、事務当局から御説明いたしまするが、私は、七千と申しまするから七千きっちりで全部がいけるかどうか、やはり相当の危険も多いし、天候その他、飛行場が現状のままで一切拡張はもう必要はないというようには、お約束できないのでございます。
○矢嶋三義君 ただいま近藤委員から、戦闘機種の問題に関して、その幾つかある飛行機の性能等論ずる前に、前提としてたださなければならない点について質疑が行われていたわけです。私もこれに関連してその点にしぼって二、三伺いたいと思います。いずれ機種の具体的な内容並びにそれに紛々としてにおっているところの不正等に関しては、きょう時間がなければ、あらためて伺うことにして、まず前提として伺うのですが、その第一点は、機種選定をするに当っては、防衛庁としては、世界の軍事情勢あるいは武器の進歩の度合、特に各国の飛行機の生産状況とか、あるいは持てる性能等、十分検討されてそうして機種選定の問題と取り組まれたのかどうか、それらの点について簡単に伺います。
○国務大臣(左藤義詮君) もとより、私、専門家でございませんが、私どもの防衛庁内のそれぞれ責任者が、全力をあげてあとう限りの検討はいたしておると存じます。
○矢嶋三義君 あなたは、先ほど近藤委員の御質疑に対して、日本はミサイルはおくれているから、これの研究をする。来年度の予算要求に当っては、これが重点になって相当の予算要求をしているようです。さらに、近くミサイル部隊を設けたいということを、九州出張の場合にも記者会見の場合に述べられておりますが、次の質問を発する関係上、承わるわけですが、かつてアメリカに要請してその後とだえておるナイキとか、あるいはボマーク、こういうものの供与ないしは貸与を今アメリカに要請しているのかどうか。また、これからしようとするのかどうか、一部にはそれらの研究に、すでに若干の自衛官が派米されているということが伝えられているわけですが、現在の状況、さらに、将来のこれらに対する見通しを承わりたい。
○国務大臣(左藤義詮君) 前任者の時代に相当の供与を交渉いたしましたことは聞いておりまするが、これに対しては、先方からまだ応諾はございません。それから、これを研究に出しているかどうかということでございまするが、御承知のように、相当数の留学者を出しておりまするのですが、国防全体にわたっての研究をいたしております中に、ミサイルの研究をいたしている者もあると存じます。
○矢嶋三義君 これも次の質問を発するに必要な前提質問でありますが、ものは具体的な問題から入らなければならない。そこで、私はあなたに伺いますが、今台湾海峡は波が高いわけですが、駐留在日米軍が日本の基地から台湾作戦をやるということについては、好ましいことと考えますか、好ましくないことと防衛庁長官は考えますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 政府委員からお答えさせます。
○矢嶋三義君 政府委員ではだめです。そういうことは政府委員じゃだめです。これは私はミサイル時代下における日本の国防体制はどういうふうな見通しを持っておられるか、そうしてこの機種選定には、どういう方針で当られたかということを文書をもって資料として出してもらいたいと要請しましたら、文書で出ない。先ほどの説明でちょっと触れられただけで、従ってこういう基本的な問題は、防衛庁長官が明確でなければ、これは防衛責任者として不適格ということになる。これは加藤防衛局長の答弁することでなくて、防衛庁長官はどういう見解を持っておられるかということは、きわめて重要ですから、お答え願います。
○国務大臣(左藤義詮君) 日本に戦火の及びますようなことは望ましくございません。
○矢嶋三義君 で、あなたの答弁によりますと、台湾海峡を中心に、米中両国は相当緊迫した状況にある。これは日々伝えられているところです。在日米軍が日本基地を足場にしてこれに作戦をやることは、戦争誘発のおそれがあるから望ましくない、こういうまあ御見解があったわけです。しかし、アメリカ側はすでにそういう行動をとられている。もう板付あたりへ行ってみたらすぐわかります、台湾海峡の状況が。ちょっと板付あたりは緊張しております。それは朝鮮事変のときと同様です。すでにそういう行動に入っている。日本政府としてこのことに遺憾の意を表する意思はございませんか。すべきだと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(左藤義詮君) 台湾海峡の緊迫につきましては、先般総理も記者会見で申しておりまするように、すみやかに平和的な解決をすることを、日本としては切望いたしているわけでございまして、こういう情勢につきまして、米軍が警戒体制に入っていることはあると思いまするが、私どもといたしましては、先ほど申しましたように、わが国を基地として戦争が行われ、われわれに戦火の及ぶようなことは望ましくない。すみやかに平和的な解決を総理は切望する旨を声明している通りでございます。
○矢嶋三義君 そこで、続いて伺いますが、あなた方のそういう考えがあるにかかわらず、実際はそうなっていない。相当行動している。あるいは戦火が及んでくるかもしれません。その危険性は私はあると思う。現にけさの新聞の報ずるところによりますと、アメリカとしては中共に核兵器を使うこともあり得る、中共の出方次第では、米軍は核兵器を使う決意があると、どうかつかどうか知りませんが、こういうことを正式に発表いたしております。それに対して中共は、アメリカがそういう出方をするならば、断固として戦うと、こういうことを声明している。そういう緊迫状態です。かりにその米中が台湾海峡を中心として争った場合に、日本の基地に波及する。そうすると、あなた方自衛隊はわが国土を守るということになると、その飛行機にミサイルを積めるものだと思うのですね、あなた方の考えでは。向うの飛行機は、ミサイルはもちろんのこと、核弾頭までつけている飛行機が最近できているということが報ぜられている。そうしますならば、F—86Fは実戦闘機としてはもう二年前から役に立たぬということになっています。だから防衛庁も計画をやめたわけですね。するとこれから戦闘機種を選定するに当っては、それにどういうミサイルを積むお考えで、戦闘機の機種選定の作業をなされたのか、また、なされようとしておられるのか、お答え願います。
○国務大臣(左藤義詮君) 次期戦闘機は、ミサイルで装備いたしたい、ただし、これは絶対に核弾頭はつけない。現在、先ほど申しましたように、ミサイルにつきましては研究開発の段階でございますが、もし、どんなものをつけるかとおっしゃいますれば、とりあえずはサイド・ワインダーによるものが想定されると存じます。
○矢嶋三義君 これも次の質問を発する関係上必要だから伺うのですが、あなた方が今度選定する新戦闘機には、ミサイルのサイド・ワインダーをつけよう、そうなれば、そのサイド・ワインダーには、これを改装することによって、工夫をこらすことによって、小型核弾頭をつけ得るのか、つけ得ないのか、どういう見通しを持っておられますか。
○国務大臣(左藤義詮君) 空対空のミサイル、サイド・ワインダーは、私どもは核弾頭をつけ得ないものであり、また、万一今お話しのように——サイド・ワインダーという名前はおそらく変ると思いますが、空対空の、ミサイルで、小型の核弾頭をつけるものが他国にできましても、わが国といたしましては絶対に核装備はいたさないという方針で、TNTの通常の火薬を弾頭といたしましたミサイルを装着する予定でございます。
○矢嶋三義君 あなた方の考えには、非常に私は矛盾があると思うのです。で、F—86F、これは一マッハか、一・五マッハくらいな戦闘機と思うのですが、これは三百機の生産計画を立てたのが三十一年でしょう。そして三十三年にこの第三次計画として十四機、三十四年に百六機、なお今後百二十機作るようになっているわけですが、これ以外にMSA供与があるわけですが、三十三年三月に三百機の計画になっているわけです。するとこれは、三十一年に着手して、三百機の半数も作らないうちに、F—86Fは朝鮮戦争でも使ってみたが、もうこれは役に立たぬ。実用戦闘機としてはだめだ、そこで新しい機種をというので、着手したのでしょう。そしていろいろ検討しているうちに、まあこれはまた後日専門的に追求して参りますが、F11F—1Fの改良型に落ちついたと言っている。これは日進月歩ですよ。もうアメリカには、あなた、ミサイルはもちろんのこと、小型核弾頭のつく新戦闘機ができているのではないですか。あれはF—86F型がだめになったように、近い将来、一、二年のうちに、今度はこのF11F—1Fの改良型では、これではどうもミサイルの優秀なのをつけられぬ。これでは防空の任務が果されないから、つけなくちゃならぬと、こういうように発展していくのに間違いない。そのことと、核兵器は絶対に持ち込まないということとは、非常な私は矛盾をすると思う。私がなぜこういうことを伺っているかというと、こういう議論をすること、並びにこういうことに努力されるあなた方のその態度は、憲法九十九条違反だと思う。憲法九条違反ですよ、明らかに。世界の軍事情勢から、各国の持っている武器を専門的に検討して、どういう性能を持っているから、それに打ち勝つためには、どの程度の性能を持った飛行機を持たなくちゃならぬというのを検討し、そしてその生産計画を立てる、そしてこれを持つ、これ自体明らかに私は憲法九条違反だと思う。しかも、国民の税金をそういう方面に使うこと、それに努力することが憲法九十九条の公務員の守るべき基本的態度に反すると思うのです。これをあなた方の今のペースを進めれば、先ほど私が申しましたように、必ず小型核兵器を積めるミサイル、そういうものを装置したところの新しい戦闘機種でなければならぬという点に到達していくと思う。憲法を軽視することもはなはだしいし、国民を欺瞞するもきわまれりと言わなければならぬと思う。私は左藤長官は非常に文化人でそういう点私は敬意を表しています。憲法九条に対しても、私ははっきりした考えを持っておられると思うのですが、まあ防衛庁長官だから苦しみながら私はこういうことを御答弁なさっていると思うのですけれども、これはロッキード、あるいはグラマン、いずれが優秀だとかという議論をする前に、根本問題として私はきわめて重要な点があると思う。そういう憲法をいただいて日本の平和と国民の生命財産と独立を守っていくという立場からいくならば金門、馬祖島の問題、あるいは現在現実に起っているこの台湾海峡の波の荒いこの事態における米軍の日本基地を足がかりとしての行動に対して、明確なる方針を打ち出して外交交渉に移すというようなことが、私はこの憲法九条の精神に沿うものであり、国の平和と独立を守る立場にある国民、特に防衛庁長官としては、そういう点に明確な考えを持って、閣内でも私は努力されなくちゃならぬと思う。それを先ほどから答弁されているように、またここで説明されたように、各国の戦闘機種の性能をるる述べて、そして質疑応答されているような、お答えをなされているということは、非常に私は新憲法下心外にたえないのですが、長官としてはどういうお考えであるか、反省されるお気持はないか。厳粛に一つお答え願いたいと思います。
○国務大臣(左藤義詮君) 先ほどから申し上げておりまするのは、私どもは直接、間接の侵略に対して祖国を、子孫民族を守ろうということを申しておるのでございまして、私どもの計画しておりますることは、全部その範囲内でございまして、非常に将来ミサイルが必ず核になるというお話しでございまするが、広島、長崎におきまして人類最初の原爆の被害を受けました日本人としては、絶対に核装備はいたさない。世界各国がすみやかに核実験だけでなしに、貯蔵も使用も禁止するように、これが私どもの悲願でございまして、その点におきましては、私どもは最小限度の自衛のために努力いたしておることでありまして、憲法九条に違反するようなつもりはございません。 なお、外務大臣がきょう閣僚全部にただいま報告をいたします安保条約につきましては、私自身もちょっと責任がございますので、正式にきょう閣僚で聞きますのが三時からでございますので、政務次官その他関係者全部残しますので、三時からそれを始めておりますので、これは正式には初めてきょう閣僚全部に渡米の報告をいたしますので一つ……。
○委員長(永岡光治君) ちょっと速記をとめて。
○委員長(永岡光治君) 速記を始めて。
○伊藤顕道君 長官お急ぎのようですから、ごく簡単にお伺いしますが、次期戦闘機種については時間がかかりますので、それに入る前に、きょうは現在の主力戦闘機であるF—86Fについて一つ二つお伺いしますが、前の委員からも繰り返しお話しのあったように、このF—86Fについては三百機計画されているわけです。現在百何機しかできていないと思う、その点を明確にまずお伺いしたいと思う、百何機であるかということを。かりに百といたしますれば残りまだ二百機あるわけです。このように現在約三分の一程度しかできない現段階で、もうすでに世の中はミサイル時代に入って予備的な性格になってしまった、旧式になってしまった、こういうことについてさらにあと残る二百機くらいをどういう事情で生産しなければならないのか。しかも、一機について一億という巨額の金をこれにつぎ込まなければならない、意味のないそういう旧式なものになぜそういう巨額の金を使わなければならないのかという点、この点をまず伺います。
○国務大臣(左藤義詮君) 現在のF—86Fは供与によります分と国内で生産いたします分と、まだ進行の途中でございます。詳細な数字はただいま申し上げますが、私どもといたしましては、これが陳腐化して無効のものとは考えておりませんです。わが国の領空を侵犯いたします場合に、インターセプトしまして、特に爆撃機等が来ますれば、なおさらこれに対して現在持っております装備において最善を尽して防空の任務に当り得るように、しかし、いつまでもこればかりではいけませんので、次期戦闘機をわれわれ研究いたしておるわけでございまして、昭和三十五年までにはF—86Fを中心といたしまして防空の責任を全うしていきたい所存でございます。詳細の数字、計画、現状等については防衛局長から説明いたします。
○伊藤顕道君 そういうふうにF—86Fについてはまだ役に立つ、そう言われておりますけれども、この一月佐薙幕僚長が例の機種問題でワシントンに渡ったとき、アメリカの空軍某大将が日本でまだF—86Fを生産しているのかとびっくり仰天したということを、私は外電で承知しておるわけであります。こういうことで世界の常識はF—86Fは役に立たない、こういう情勢下にあるわけであります。これをしかも二百機近くも作ろうとすることは、自衛隊の防空上の、戦略上の見地からではなくて、日本の新三菱とか、そういう航空機生産工業育成のためとしか考えられないわけであります。一体戦略上必要なのか、航空産業育成のために必要なのか。どちらに重点を置いてなおそういうものを続行しようとするのか、そういう点をお伺いしたい。
○国務大臣(左藤義詮君) 機種問題もいろいろございましたので、さらに佐薙幕僚長からは渡米いたしました際のことにつきましては、詳細に二回にわたって聞きましたが、何大将でございますか、そういう話は私聞いておりませんでございまして、やはり世界各国においてこの程度の戦闘機がなお生産をせられ、また使用をされている、現に台湾海峡の上空でもF—86Fが相当活動しておるのでございまして、これが私は絶対最上のものとは思いませんが、現在の段階におきましては、やはりこれで現に北海道の領空侵犯も日夜努力をいたしております。現在の計画はただ単に航空機生産会社のために、全く役に立たないものをむだに使っておるというようには考えておりません。
○矢嶋三義君 国防会議の事務局長に、きょうは二、三点だけお伺いしておきます。まず、あなたは衆議院の決算委員会で、ずいぶんあらゆる角度から追及され、場合によると犯人扱いに扱われた場合もあるやに、私は速記録を拝見するのですが、何か心当りがあられますか。どういう現在心境におられるか、まずお答え願いたいと思います。
○政府委員(廣岡謙二君) 事務局といたしまして、この次期の戦闘機の選定につきましては、事務的に、技術的に十分慎重に検討を加えて参ったつもりであります。これに関連いたしまして、この間の決算委員会で、私に対しまして金をもらったことがあるのじゃないかというようなことを聞かれたのでありまするが、全く私としましては遺憾なことであったと存じております。私ども初め、防衛庁事務局におきましては、一切こういうことで疑惑を受けるようなことはいたしておりません。
○矢嶋三義君 それはそれで承わっておきますが、私一つお願いしておきたいと思うのですが、それは今後審議に必要な資料になりますので、早目にお願いするわけですが、それは九月九日に、衆議院の山本委員が、確固たる証拠を持っているぞ、手紙を写真で複写したものを持っていると言ってあなたに迫っておりますね。おそらくあなたは、そのあとでその証拠をお見せ下さいと言ってお願いして、もうその証拠をあなたは入手されているのだと思うのですが、入手されているのか、されておらないのか。それからもしあなたが入手されていなかったら、山本委員のところに行って、一つどういう証拠か承わって、この次ここでお答えできるようにしてきていただきたい。もしそれができぬ場合には、あらためて委員会として、この証拠を入手しなければ、この事態が明確になりませんので必要なわけです。それで前もってあなたにその後どういう経過になっておるか承わりたいと思って伺ったわけです。
○政府委員(廣岡謙二君) 全然こういう九月九日の何か証拠というものは、私どもには心当りございませんので、私は、こういうものは実は黙殺をいたしておるのであります。どういう内容のものでありまするか、その後山本委員にももちろんただしてもおりません。
○矢嶋三義君 ではあなたのただいま答弁を承わると、非常に心外だ、公明正大にやったつもりで疑惑を持たれたことは非常に意外である、こういう内容のことを答弁されているのですが、それだけに国防会議の事務局長としては国民に大きな疑惑を与えた。私は持っていますよ、持っています。この問題については、事が明白になるために徹底的に追及してほしいという念願に燃えられていることと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(廣岡謙二君) この機種の問題は、国会においても、決算委員会でも取り上げられまして、国民にある疑惑を与えたということは争えないことだと私は思っております。まことに私ども遺憾に存ずるのであります。私は、先ほど申しまするように、われわれの態度といたしましては、一点の疑惑を受けるものもないと確信をいたしておりますので、国会において、特に内閣委員会等において、いろいろ御審議を願う機会に、おのずからこの黒白の点ははっきりして参るということを考えておりまするし、私どもむしろそれを期待いたしておる次第であります。
○矢嶋三義君 もう一、二点伺いますが、国防会議は現在定員十三名だと思いますが、違いますか、どうですか。
○政府委員(廣岡謙二君) 前回の国会の御審議を得まして、現在十四名になっております。
○矢嶋三義君 先般の国会で一名増員して十四名、それ以外に幹事というものがありますが、これは各省の次官ですね。従って役に立つ場合もあれば、まあアクセサリイみたいになる。それ以外に参事官が八人おりますが、こういう構成で、こういう専門的な検討ができるものかどうか。先ほど防衛庁長官の報告によりますと、新三菱重工の方が、五月から六月にアメリカに行かれて、そうして生産計画その他をずっと検討されて、データをこしらえてこられた。そのデータを今国防会議事務局長の手で、国防会議にかける前提として検討中だということですが、まあ、新三菱重工にはずいぶん専門家がおられるだろうと思う、そういう方がアメリカへ行ったんです。グラマン本社にも専門家はおられるでしょう。そういう人が一緒になってこしらえたデータを、あなたの十四人にはお茶くみなさっておる人も入っておるわけですから、その十四人と、各省の次官が、幹事十人、参事官八人程度でそれを批判するような検討ができるのかどうか、これが一つ。 それからきょうは時間がないから、いずれあらためて聞きますけれども、それと関連して承わっておかなければならぬことは、河野総務会長が、ともかく国民の疑惑を解くために十分検討してもらわなければならぬ。従って川崎さんとか三菱さんなんかと一緒にあなたが共済会館で協議なさるような、そういう検討じゃだめだ。大学の教授とかあるいは川崎、三菱さんを除いたほかの航空生産技術者等きわめて広く有識者を糾合して、そうして一応検討をしてみる必要がある。そうしてその検討の結果は、あくまでも国防会議が責任を持つわけですから、国防会議の責任において結論を出すべきだ、こういうことを直接あなたにも要請をしておるわけです。防衛庁の今井次官にも要請しておるわけです。そこで私が承わりたいことは、先ほど防衛庁長官は、あなたに検討さしておるというのですが、その検討の結果、国防会議にかかってくるわけですけれども、さっき私がお尋ねしたような、こういう構成で検討が果してできるものかどうか。それから責任は国防会議できめるにしても、広く有識者を糾合してぜひとも検討をしてほしいという河野総務会長の要望ですね。こういう形を取り入れてそうして事務局の責任において検討して、事務局の局長の責任において国防会議にそのデータを出さんとするのか、いずれの道をとりつつあるのか、いずれをとらんとするのかお答え願いたい。
○政府委員(廣岡謙二君) 第一のお尋ねでございまするが、もちろん申し上げるまでもなく、事務局は、国防会議において審議されまする議案、これがきわめて正確にまた円滑に審議される、そのために必要なる資料を収集し、整備いたしまして、これをその参考にしてもらうということが非常に重要な任務だと考えております。このために、今お話しのありましたように、各省から関係の課長、これは防衛、外務、大蔵、通産、企画庁、この五省から関係の課長がそれぞれ兼任参事官となりまして、この事務局に非常勤でありまするけれども、勤務いたしておるのであります。この参事官会議におきましては、ただいま申しまするような防衛の問題、国防に当るような問題、防衛産業の問題、そういうような問題について随時意見の交換なり、あるいは資料についての検討なりやって参っておるのであります。で、これは各省のそれぞれの、たとえば大蔵省でありますれば、防衛問題を一々検討いたします際には、財政的の面から検討を加えて参らなければならぬ必要もございまするし、また通産省といたしますれば、防衛産業の育成、調整という面もございまするし、まあそういうことでもって必要なる関係各省から参事官制度をもって事務局に編成されたのであります。幹事会は、ただいま申しまするような各省の事務次官をもって構成をいたすのでありまして、これは国防会議自体に付設されておる機関でございます。従って、参事官会議を通じてそれぞれ事務次官にも、常時問題の所在点でありまするとか、そういう問題が幹事には、事務次官には通ずるわけでありまするし、幹事自体も常時直属各大臣に問題の推移、経緯等につきましては耳に入れるというようなことで、国防会議が開かれましてから、直ちにまるで白紙のようなものが国防会議に持ち込まれるというようなことは避くべきであるというような観点から、そういうような幹事の制度も作られたわけであります。今度の次期戦闘機の問題につきましても、そういう意味で各省の意見を聞き、あるいは調整し、意見のまとまったものは、そのまま国防会議に持ち込みまするし、意見の分れたものにつきましては、これまたそのまま国防会議に持ち込まれまして、国防会議としての慎重なる審議の資料にする、こういうような格好でやっておるわけであります。(矢嶋三義君「具体的に今当面している問題について能力あるかどうかということです。」と述ぶ)私はこの資料の問題につきましては、何と申しましても責任官庁は、これは防衛庁にあると思います。従って、防衛庁のその方面における技術的な、戦術的な検討は、やはり防衛庁が一番詳しく検討されるものであると思っておりますので、私はそういう技術、能力という面については絶対に信頼を置いてしかるべきだと私はこう考えております。 それから第二の問題、これは、この機種の選定の問題は、あくまでも国防会議においてやることが本体であり、これは当然のことであります。従って、世上云々されまする今度の機種選定に関する委員会、これは委員会というようなもので私はないのだと思いまするが、防衛庁を抜きにしてこの問題を民間人で論議されるということは、これはちょっとどうかと思いまするが、私が国防会議議長の総理大臣には、あくまでもこの選定、決定は国防会議であるべきだ、これは申すまでもないのであります。ただ、総理大臣として何らかの参考にされるということならば、国防会議という線でなくてやられる、もしやられるとすれば、私はそういう意味におけるものだと理解をいたしております。
○矢嶋三義君 私は同僚委員とともに、今後この委員会で逐次調査審議して参りますが、それで明確にならない場合には、防衛庁の方でも国会で徹底的に問題を解明してほしいという御要望もありますので、専門家をお呼びして公聴会等を開く方法も、あるいは必要になってくる場合があるかと、まあかように考えているわけです。まあ、防衛庁には不正はおそらくないでしょう。それを全面的に信用するということですが、新しい機種の選定に当って、まあ進歩ということもありますが、あれがいいだろう、これがいいだろうと、空幕の方で、不正でなくてあれがいいだろう、これがいいだろうとよろめいたことも事実なんですからね。なかなか専門家でなければ甲乙はつけがたいものがあると思う。従ってあなたのところで重要な検討をされておられるというのですが、これは十分心して検討してもらわなければならぬ。これは幾ら大臣でも、国防会議の議員がなかなかわかるものでないのです。ややともすれば軍人というものは、どこの国の軍人でも常に国際緊張を説いて、そうして軍事の、軍備の必要なことを常に過大にこれを主張して、そうして軍備を拡大していくというのが、どこの国の軍人でもこれは共通した習性です。それだけにこの国防会議の私は責任は非常に重いと思いますので、その点特に要望いたします。 最後に、辻政務次官に一つだけお伺いいたすのですが、それはこれも早急にただしておかなくちゃならぬ点だから、ただしますが、一つは永盛団長の報告書の資料を要求したのに出ていない。これはこの次に出して下さい。それから佐薙空幕長は、これはアメリカの航空参謀長の招待で全額アメリカ持ちで御旅行なさったというのですが、しかし、あの一月、二月のころは最もこの戦闘機種の問題が国内においても、またアメリカにおいても論じられた時で、おそらく佐薙空幕長の実際招待されて向うを視察された場合の最も重点を置かれたのは、この機種の問題に間違いないと思う。そうでないとすると、これは非常識だと思うのです。従って私は招待でお行きになったのだけれども、何らか佐薙空幕長は帰って復命しているだろうと思う。意見を具申しているだろうと思う。それをどういう意見を具申されたかということも、この次に必ず資料として出していただきたい。一つ質問したいと申したのは次のことです。それは先ほど来のこの説明を聞いてみますと、F11F—1Fに一応機種だけ内定して、そうして三菱さんと川崎さんを主従に指定して、そうしてこの新三菱重工さんにアメリカに行ってもらって、そうしてデータをグラマン社と一緒に研究して作って持って帰ってもらって、それが防衛庁に出て来たから、それで防衛庁で目を通して今国防会議事務局長のところで検討している、こういうことなんですね。機種は五つあるわけでしょう。最初に残ったのは五つですね。だからほんとうに優劣を検討するためには、これを全部出さなければだめですよ、全部出さなければ。全部どこかに指定して、そうして生産計画その他を立ててみて、そうしてそれを比べなければ比較にならぬと思うのです。だから私は辻政務次官に伺うことは、最終的に優秀だと思われるのが五つ残ったと言われるのですが、まあ考えようによれば、私は六種になると思うのです。この各種類について早急にメーカーと連絡をとって、生産計画その他等を検討して、これを国防会議事務局にも出してもらいたいし、また、本委員会にも出してもらいたい。これをここで、かなり時間がかかると思いますから、きょうは早々とお願いするわけです。これで質問を終ります。
○政府委員(辻寛一君) ただいまの五種の機種につきまして、メーカーともよく打ち合せて資料を出せということでございますが、(矢嶋三義君「問い合せて」と述ぶ)問い合せてということですが、私は技術の面はよく存じませんが、専門家がそれぞれの見地から十分研究いたしまして最後に残りましたのが、この機種なんでございますね。ですから、そのいきさつにつきましては、先ほど長官も申し述べられたわけでありますので、大体それによりまして御了承が賜われることと存じますので、あらためてさらにそのメーカーに託しまして調査をするにも及ばないように存じまするが、今までのいきさつによりまして、大体御了承を賜わることができればありがたいと存ずるわけでございますが、さらに足らない点がありますれば、さらに詳細をきわめて一つ御報告さしていただくことによって御了承を賜わりたいと、こう存ずるのであります。
○矢嶋三義君 重ねて願っておきますが、絶対了承できぬですね。生産計画もないし、それからその後変った単価等もないわけですからね。だからわれわれは審議しようといっても比較しようがないのですから……。だから、あなたのところでできなければ、出先商社はこちらにもあるわけですから、F11F—1Fを検討され、提出されたデータですね、今事務局で扱っている。それに匹敵するようなものを資料として国防会議に当然出さるべきであるし、また、われわれ検討しようとする内閣委員会にも出していただかなければ検討できぬわけですから、だから出していただくように委員長に私は要請いたします。
○委員長(永岡光治君) どうですか。
○政府委員(辻寛一君) それでは五種のその機種を今まで検討いたしました過程におけるできるだけ詳細なる資料を一つ至急提出することにいたします。
○政府委員(門叶宗雄君) 先ほど矢嶋委員の御質問で永盛報告については、お手元に御配付申し上げたいと思います。佐薙空幕長はこの前もお話がございました通り、前から米空軍の招待を受けておったのでございます。たまたま予算編成等の関係でおくれて参った次第であります。目的は別の目的であります。ただ、次期戦闘機の問題について相当論議があった際でありますので、各地において実情を詳細調べて参っておりますが、これは口頭で説明をいたしております。別に報告書としてとりまとめたものはございません。御了承願います。
○矢嶋三義君 それじゃあ口頭報告の内容ですね。きょうはこの程度にしておきます。
○伊藤顕道君 廣岡事務局長が見えておりますので、一点だけお伺いしますが、衆議院の決算委員会が開かれる前、あなたから赤城官房長官に対して、いまさら、国防会議で決定したものをしろうとがごてごて言ったところで動かせない。わしが出て専門的な知識で説明すれば委員会の審議が続かない。そういう意味のことをあなたから長官に対して言われたそうですが、その事実があるのかないのか、これをまずお伺いします。
○政府委員(廣岡謙二君) 今、おっしゃいますような事実はございません。
○伊藤顕道君 今私の言ったような表現ではおっしゃらないとしても、それに近いような、類似したようなことをおっしゃったかどうか。
○政府委員(廣岡謙二君) 先ほど来申しまするように、この問題はあくまで国防会議の線でやるべきだ。ほかで、民間の有識者から聞かれるということならば、これは国防会議議長ということでなくて、総理大臣としてお聞きになる、そうして参考にせられるというべきであったいうことを申しました。
○伊藤顕道君 これは正式な会議で公然と言われたという意味ではないわけですけれども、あなたが委員会に出る前に、そういうことを言われたということは、あなたがそういう気持で決算委員会に出ているのじゃないか。そういうことで非常に問題があるわけなんです。そこで、公然の場で言われたということを私は言っているわけじゃないのですけれども、それにしてもそういう、それに近いような表現がある。またいろいろありましょうけれども、そういう意味のことを言われたかどうかということを伺っているわけなんです。
○政府委員(廣岡謙二君) どういうことから私の申しましたことと食い違ってきたか、あるいは誤解されているかわかりませんですけれども、そういうような、ただいま伊藤委員のおっしゃいますような趣旨でもって官房長官に申したことはございません。
○委員長(永岡光治君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十六分散会