地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/10/24
会議録
○委員長(田中啓一君) これより委員会を開きます。 まず、委員の異動を報告いたします。 本日三浦義男君が辞任され、小林武治君が後任として選任されました。 —————————————
○委員長(田中啓一君) 昨日の委員会におきまして、当委員会と文教委員会とが、風俗営業取締法の一部を改正する法律案につきまして連合審査を行う件は、委員長一任となっておったのでありますが、文教委員長からは、当委員長に対して、二十七日連合審査を行いたい旨のお申し出がございましたけれども、当委員会といたしましては、本日中に討論採決を行いたい旨の意向が大体明らかでございましたので、二十七日ではお申し出に応じかねる旨御返答申し上げましたところ、それならばやむを得ない、かような御返事であった次第でありますので、この段報告をいたす次第であります。 従って、本日は、風俗営業取締法の一部を改正する法律案の審査を行いたいと存じます。 本案について質疑を続行いたします。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。 —————————————
○委員長(田中啓一君) なお、委員藤原道子君が辞任をされまして、高田なほ子君が選任をされましたので、この段報告いたします。 —————————————
○高田なほ子君 お許しをいただきまして、発言の機会を得るわけですが、文教委員会との連合審査が、当委員会としての諸般の御事情上一応取りやめるということに相なりましたが、かねてから、文教委員会としても、青少年のよりよい育成のために、あげて私ども関心を持っておったやさき、幸いにして、世論にこたえられて、政府側としては、今般問題になっておる深夜喫茶業を排除して社会のよい秩序を保とうとする意図のもとに、本法案を提出されたということについては、心からの敬意を表したいと思います。しかし、法文中に二、三の疑問の点があり、かつまた、この法案を通して、願わしいと思うような点がありますので、若干の時間をちょうだいして、質疑をさしていただきたい。 青木公安委員長は、お見えになっておりませんか。
○委員長(田中啓一君) 公安委員長は、ただいま衆議院の委員会に出ておりまして、ただいまのところ、ちょっと御出席不可能でございます。
○高田なほ子君 そうですか。それでは、時間の都合もありますから、できれば公安委員長にも御出席をわずらわしたいと思ったのでありますが、おいでにならないのでありますから、私の質問に対して責任をもってお答えを得られる方、どなたでもけっこうでありますから、お答え願いたいと思います。 風俗営業の業態は、いろいろあるわけでありますが、総体的に言うと、風俗営業が拡大する方向に行っておるということは、社会全体が必ずしも健康な状態にない、こういうふうに今私ども考えておりますので、風俗営業の業態が次第々々にこの数が減るということを実は望んでおるわけであります。しかし、先般文教委員会においても御答弁をわずらわした点でありますが、風俗営業の業態並びにその営業がどういう方向に進んでいるかというと、必ずしも縮小の方向には進んでいない。むしろ、売春禁止法が制定されて以来、青線赤線区域というものは姿を没しましたが、これらの人たちは、それぞれ新しい就業の道を求めて転業されているわけですが、就業の実態を見ると、必ずしも風俗営業に該当しないという方面にだけ転出されたとは考えられない。従いまして、最近の風俗営業の業態がどういう方向に行っているか、こういう点について、概略でけっこうでありますから、総体的な問題として、まず御答弁をわずらわしたいと思います。
○政府委員(原文兵衞君) 御承知のように、風俗営業取締法は、善良な風俗を保持するために、そのようなおそれのある営業につきまして、風俗を害することのないようにというためのもろもろの規定を設け、また、その一部を都道府県の条例にゆだねてあるわけでございます。そこで、風俗営業の許可をするに当りましては、そういうような健康な風俗を害するおそれのないように、あるいはまた、青少年等に悪い影響を及ぼすことのないようにという、いろいろな点を考慮して許可の可否を取扱っておりますが、たとえば、学校、病院あるいは教会等の周囲百メートル以内はこういうものを許可しないとか、いろいろなことをやっております。それでも、なおかつ風俗営業の許可を受ける人の数は相当ございます。特に、ただいまお話がございましたように、本年四月一日から全面実施になりました売春防止法の関係によりまして、従前そのような営業をしておった方々で、転業する転業先としまして、一番多いものは旅館でございますが、その次に料理店、カフエー、あるいはまた普通の飲食店というような工合に、転業をして参っておるのでございますが、従いまして、そのような関係もありまして、本年は、風俗営業の増加が従来よりも多かったということは申せると思います。本年は大体多かったと思うのでございます。ただ、昨年までは、そういうような、本年のような特殊な事情がございませんので、特別非常にふえてきておるという状況は見られませんで、概数を申し上げますと、許可を受けた風俗営業の数が、昭和三十一年末で十三万六千四百六十四軒でございますが、昭和三十二年末——一年後の昭和三十二年末の数字が十三万六千六百七十軒となっております。従いまして、この一年間において二百軒ほどまあトータルでふえておる。もちろん廃業する者もありますし、新規に許可をするものもある。その増減はありますが、トータルにおきまして、一昨年末と昨年末では、約二百軒増加しておる。本年は、売春防止法実施の転業の関係がありまして、昨年よりも若干ふえておる、こういう状況でございます。
○高田なほ子君 転機の中に立ってこの業態がふえたということについて、私はあえて非難を試みようとするものではありませんが、ただ、政府当局としては、社会にこれらの業態がふえていくという姿は、不健全な社会状態であるという認識に立たれるということがきわめて重要な問題である、こういうことをまあ申し上げたいために質問を申し上げたのであります。今はこの青線、赤線の、特に旅館、その他料理屋、小料理屋等二百軒もふえているわけでありますが、問題になっているこの深夜喫茶業というもの、これは、最近になって非常な増加率を示しておったわけですが、従来まで、これは風俗営業の範疇に入りませんでしたので、この深夜業の数がどのくらいふえたかという正確な数字等については、お持ち合せがないのではないかと思うのでありますが、常識的に言うところの深夜喫茶は、昨年中にどのくらいの増加率を示しているか、数字的にお示しを願いたい。
○政府委員(原文兵衞君) いわゆる深夜喫茶、深夜バー等につきましては、ただいまお話がございましたように、風俗営業取締法の対象になっておりませんで、食品衛生法だけの許可でもってやっておる営業でございますので、許可の数という調査の仕方でなく——ただしかし、深夜喫茶等の弊害が相当に出てきている、これを何とかしなければならぬという建前から、警察におきましても、その実態を調査いたしましたものがございますが、その総数は、お手元に差し上げてございます風俗営業取締法の一部を改正する法律案についての資料の中に、午後十一時まで営業するもの、午前一時まで営業するもの、午前一時以降に及ぶものということで、全国の調べがございますが、喫茶店等について申し上げますと、営業時間午後十一時までのものが八千七百四十二軒は、午前一時までのものが三千二百三十軒、午前一時以降に及ぶものが千六百五十八軒と、これは全国の総数でございますが、こういうような数字になっておるのでございます。 なお、東京都について申し上げますと、いわゆる深夜喫茶等として、東京都では昭和三十一年に条例を設けまして、これを、午後十一時以降にその営業が及ぶものについては届出制として届け出でさせておるのでございますが、その数字によりますと、昭和三十一年末には四千七百六十軒、昭和三十二年末には五千八百九十五軒、本年の四月末で六千二百九十九軒、本年の五月末——一月後には六千四百五十軒と、それぞれ増加の傾向を示しておるのでございます。 大体以上のような数字でございます。
○高田なほ子君 大へん、東京都のこの深夜喫茶条例に基いて届出をしたものでも、今おっしょったような脅威的な増加率を示しているということについて、前段申し上げた社会の健康性という問題とこの増加率という問題とをあわせて考えますときに、まことに憂慮にたえないというような思いがするわけであります。従って、そのような状況下に本法案が提出されたということについて、前申し上げましたように、私も衷心よりこれに敬意を表していきたいと思うのです。従いまして、現在のような状態であればこそ、この第一条の定義の改正が、かなり改正案では細分化されておるようであります。たとえば、現行法の第一条第二号の、「キャバレー、ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業」というひっくるめた概念を、改正法案では、一号並びに四号というふうに、二つの概念に分けて細分化しておるようであります。この細分化した理由というのは、先ほど御答弁の趣旨の中から若干くみ取れたようにも思うのでありますが、この細分化された理由というものは、あなたが先ほど御答弁の中に、当局としては十二分の慎重な注意をして、この風俗頽廃のないようにしていきたいというような精神であったようでありますが、その精神と、この細分化した理由というものが果して合致しておるものであるかどうか、この点について御答弁をわずらわしたい。
○政府委員(原文兵衞君) 現行法の第一条の第二号、「キヤバレー、ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業」というのを、改正法では三つに分けたのでございます。それは、第一号の「キヤバレーその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客席で客の接待をして客に飲食をさせる営業」、第三号として、「ナイトクラブその他設備を設けて客にダンスをさせ、かつ、客に飲食をさせる営業」、第四号として、「ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業」と分けたのでございますが、これは、実は深い意味があってのことではございませんで、現行の二号の「キヤバレー、ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業」の実態が非常にまちまちになっております。その実態をとらえますと、ただいま申し上げましたような、お客さんが一人で行って、そこにダンサーがおりまして、一緒に、飲食の接待もするし、ダンスもさせるというのを通常キヤバレーという呼び方で呼ばれているのが多いものでございますから、それを一号に「キヤバレーその他」とあげました。それから、その店にダンサー等がおりませんが、お客さんが同伴者を連れていって飲食をし、かつ踊る設備があってダンスをさせる営業、普通ナイトクラブ等と呼ばれているようでございますが、そのグループをこの一つのグループに分けてあげ、それからほんとうのダンスホール、飲食の設備のない、ダンスだけのものを分けたものでございまして、これは、現行二号の実態によってそれを明らかにしたというだけでございまして、それ以上の意味はないのでございます。
○高田なほ子君 単に事務的に細分をしたのだというような御説明であるわけですが、これはあくまでも風俗営業等取締法でありまして、概念的なもので取り締るということが危険であるので、やはりこの業態というものを正確にして、これを取締りの対象にするという趣旨であるように私は考えられますが、そういう意味合いではないのでしょうか。重ねてお尋ねいたします。
○政府委員(原文兵衞君) 業態をつかまえてここに規定するという、その通りの意味でございます。ただ名前で分けるのではございませんで、御承知のように、キャバレーその他あるいはナイトクラブその他にも、例を言いますならば、待合、料理店、カフエーその他と、名前はいろいろ勝手につけるものでございますから、それは例示にすぎませんで、それはそのあとにありまする、たとえば一号でいいますならば、「客にダンスをさせ、かつ、客席で客の接待をして客に飲食をさせる営業」、こういう業態の実態によってつかまえていくということでございまして、その点はおっしゃる通りでございます。
○高田なほ子君 これは、重ねて申し上げますが、取締りというやはり一つの法律であります。少くとも取締りという法律である以上には、取締りの対象というものが明確にならないと、その実績が上らないのみか、ときと場合によっては、ざるの抜け穴というような印象を受けないでもない、こういう法案の性格でありますから、やはりその対象というものをここに正確にしたということについては、私も賛意を表したい。こういう理屈が成り立つのであれば、さらに私は、ここで細分化しなければならない業態が不問に付されている点があるのではないかということを指摘しなければならない。これは、現行法の第一条の第一号に当ります。改正法案では第二号にひっくるまっておりますが、「待合、料理店、カフエーその他客席で客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」こういうふうにひっくるめてございますが、これは、男性の感覚とか女性の感覚とかいうものではなくて、常識的に、純然たる料理店と、そしてまた待合というものは、おのずから性格が変っているものではないだろうか、カフエーと待合とは、おのずから性格が変っているものではないだろうか。今日ややともすれば、待合は明らかに、現状では、客席に招待された婦人が客の求めに応じて春をひさぐためにこの席を提供する場所であるのが、待合の全部とは申し上げかねますが、それが従来の伝統的な常識であった。そうだとするならば、純然たる客に料理を食べさせるものと待合というものとは、すでにもう売春防止法が制定されているのでありますから、ここらあたりで一つ政府は踏み切って、やはりこの取締法案の対象であるべきものの内容を明確にするとともに、売春防止法案が巷間ざる法だと言われるようなそしりをここらあたりで防いでいくというような果断な態度が必要ではないかというふうに、意見として考えられますが、この意見について、どういうふうな御見解をお持ちになっていらっしゃいますか。御答弁をわずらわしたいと思います。
○政府委員(原文兵衞君) 先ほど申し上げましたように、この法律は「待合、料理店、カフエーその他」としてありますが、これは例示にすぎませんで、この法でいうのは、「客席で客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」という業態の実態によってこれをつかまえておりますので、待合、料理店、カフエー等は例示にすぎません。と申しますのは、たとえば、現在は、東京都内では待合という名前を使っているものはございません。今は料亭となっておりまして、ただ、この法律ができた昭和二十三年当時は、通常待合といっておったようでございますが、関西の方に行きますと、それをお茶屋といいますか、何かいろいろ、同じような業態でも、地方によって呼び方が違ったり、それぞれにまた自分で勝手な名前をつけております。料理店と申しましても、ただいま純然たる料理店というお話がございましたが、ただ単に料理だけを出す、御家族連れなどで行って、料理だけを食べるような所はやはり料理店といっておりますが、客席で客を接待し、客に遊興または飲食をさせる営業でございませんから、そういう料理店は風俗営業の許可を受けておりません。対象になっておらないのでございます。同じ料理店という名前がつきましても、芸者あるいは女中等がそばにはべって、そして客席で客の接待をして、客に遊興または飲食をさせる場合におきましては、同じ料理店でも、この風俗営業の対象になるということでございまして、結局、客席で客の接待をして客に遊興または飲食をさせるかどうかということによりまして、この業態を風俗営業にするかどうかというふうに規定しておるのでございます。なお、ただいま待合等は、今申し上げましたように、東京では待合という名称のものは現在ございませんけれども、そういう所では売春が行われることが多いのではないか、全部ではないが、一部にはそういうものがあるのではないかというお話でございますが、これは、もしそういう所でもって売春防止法にいう管理売春なり場所提供、あるいはまた、その他の禁止行為が行われますならば、もちろん売春防止法によってその行為者を、違反者を取り締ると同時に、たとえばそういう所が売春の場所提供というようなことになりますと、この法律によりまして、現行法でいうならば四条の「風俗営業を営む者又はその代理人、使用人その他の従業者が、当該営業に関し、法令又は前条の規定に基く都道府県の条例に違反する行為をした場合」としまして、営業の取り消しなり、あるいはまた、停止なりの処分を行なって、そういうことのないように取締りを厳重にしていくというのが現状でございます。
○高田なほ子君 局長の御答弁としては、それ以上の御答弁は望むべくもありませんが、今、私の意見をこれ以上ここに強弁する時間的な余裕もありませんが、後刻これは、一つの政策の問題として取り上げさせていただく機会を私は待つものであります。 結論として申し上げますならば、キャバレー、ダンスホール、ナイトクラブというような、きわめて具体的な細分をしながら、この取締法の的確な運営をはかろうとする趣旨は、当然待合、料理店、カフエー等、この業態の内容等についても常識的に研究されて、しかるべき手を打たれることが風俗営業等取締法の一歩前進ではないかという結論的な意見を持つものでありますが、これは、政府当局に対してさらにお伺いをし、また、お互いに意見を開陳させていただきたいと思います。 第二点にお伺いしたいことは、社会の疑問にこたえる意味でお答えいただきたい。すでに、重複した部分は、重複したと断わっていただけばけっこうと思います。こういう法律が通ると、喫茶店全部が風俗営業になってしまう。まことにいい面もあるけれども、はなはだ味もそっけもないようなふうになってしまうのではないかというような疑問を持たれる方があるわけでございます。私の今度は個人的な立場になると、喫茶店を全部つぶせというような考えはちっとも持っておらない。本音を吐けば、明るい健康な喫茶店は、こんなにみじめな働き方をしておる私やすべての人々にとって、ある一面においては、社会のオアシスのような役割も果すものだと思います。よい音楽、明るい空気、清潔な接待、かおりの高い飲みものというのは、まことにけっこうなものであります。従いまして、そういうような考え方をお持ちになる方々が、うっかりいたしますと、これが全部風俗営業になってしまって、そういう所におっかないおまわりが年中ごろごろ入ってきて、にらみ回すというようなことになっちゃまことに困るというような一部の御意見もあるわけであります。そういう、何と申しますか、常識的な意見に対して疑問のないように、法案を通すために重ねてお尋ねをしておきます。
○政府委員(原文兵衞君) まことに私も、ただいまの御意見、御感想の通りだと思うのでございますが、この法律の改正法案ができましても、明るい健全な喫茶店というのは、この法律の対象になりませんで、これは、従来通り、食品衛生法の許可を受けただけでもって、従来通りの営業ができるわけでございます。そこで私どもが、この法律の五号、六号で、そういう明るい健全な喫茶店までこの営業の対象にするということは非常識である、むしろよくない結果を生むというので、そういうものは対象にしないで、暗い不健全なおそれのある営業を対象にしようとして、五号、六号の限度をきめたのでございます。すなわち、明るさにおきまして十ルクス以下のような喫茶店に青少年が入って、そうして長時間いろいろなことをしているということが、少年の不良化防止上非常に考えなければならないというので、そういう喫茶店は、明るさにおいて十ルクス以下、あるいは人から見えないように小さな仕切りを作った部屋を持っている、あるいはまた、そういう席を設けておるというようなものは、これは不健全になるおそれが非常に多いので、そういうものだけを風俗営業の対象にして、これを許可を受けさせる、そうすると、許可を受けました結果といたしまして、少年はそこに客として入れないという条例が、都道府県の条例でほとんどできておるわけでございますので、少年はそういう所に入れない。しかし、明るい健康な喫茶店、まあたとえば、何といいますか、森永、不二屋とか、いろいろな喫茶店がございます。これは、現在のような業態である限りにおきましては、明るいのですし、それから青少年の問題にしましても、あるいはまた、善良の風俗という観点からしましても、何ら弊害のあるものではないので、そういうものがこの風俗営業の対象にならないようにというので、十ルクスと五平方メートル以下の見通しのきかない小部屋、そういう限度でもってそれを規制している、こういう考え方でやっておるわけでございます。
○高田なほ子君 そうしますと、具体的には、現在東京には二万九千の喫茶店があるようです。この二万九千の中で、深夜喫茶の届出をし、かつ許可を得て営業を営んでいるものが大体六千五百軒になっておるようであります。で、このほかに、喫茶店に、ぐれん隊の連中ですね、不良と言った方がいいと思いますが、そういうものが集中している喫茶店が約千七百軒、先般文教委員会では、警察庁の方から、警視庁の方からですか、お答えをいただきまして、ぐれん隊がたむろしているというのが七百五十軒、売春を行うような喫茶店が約四百軒という数字をあげて説明をして下さった。従いまして、具体的に申し上げますと、二万九千の中で、深夜喫茶を営むという届出をした六千五百軒の許可を得たものの中で、照明が十ルクス以下、客席の構造がきわめてまずいというものだけは、これは風俗営業の範疇に入る、こういうふうになるわけでしょうか。私の質問の趣意はおわかりだと思いますけれども、この深夜業を届け出た、許可を得た六千五百軒の中でも、十ルクス以上あるものもあるかもしれません。設備のあまり悪くないものもあるかもしれません。そういうものはこの風俗営業の対象の中に入らないことになるわけだし、むしろ厳重に取り締らなければならないというものは、特にこの業態だけではなく、青少年を不良に導くいわゆる千七百軒のこの不良少年がたむろする喫茶店、あるいは七百五十軒のぐれん隊が中心になっている喫茶店、あるいは四百軒の売春を主として常習とするような喫茶店が十ルクス以上の照明を持ち、構造が必ずしもこの規制に該当しないという場合には、これは風俗営業の取締り対象にならないで、従来の通りに放置されるということになれば、これはどういうことになるか、どうもたくさんの疑問が残るのです。質問の趣旨はおわかりでしょうか。
○政府委員(原文兵衞君) 御趣旨はよくわかるのでございますが、やはり営業を許可営業にするかどうかという場合におきましては、その構造なり、あるいはまた照明なりというような設備、業態というものによりましてつかまえませんで、お前のところのお客はどうも不良が多いらしいとか、ぐれん隊が多いらしいということでは、これはやはり法律としてなかなかつかまえきれませんし、また、そういうようなものも、きのうはA店にたむろしていたかもしれませんが、きょうはB店にたむろしているというようなこともあろうかと存じます。それはそれでもって、やはり青少年の不良化防止のための警察の他の活動、あるいはまた暴力行為、暴力団の取締りというような活動によってやっていくべき筋ではないかと思います。その方ももちろん一生懸命やっているわけでございます。 なお、ちょっと申し上げたいのは、先ほど数字で御質問がございました約六千五百軒という、その深夜喫茶といいましたのは、これは深夜喫茶等というので、いわゆる深夜バーとか、それから深夜の支那そば屋……まあ支那そば屋は入りませんが、深夜バーとか、あるいはそれに類するようなもので、届け出たもの全体が約六千五百軒で、いわゆる喫茶店だけではございませんですが、しかしながら、そのうちにも喫茶店は非常に多いのでございまして、ただ、今御質問がございましたが、やはりぐれん隊とか何とかがおるような喫茶店は、やはり照明度が暗いとかいうようなところに、全部が全部とはいえませんが、そういうところにやはり多くたむろするということがありますので、そういう意味合いにおきまして、今度のこの風俗営業に取り入れるということによって、そこに青少年が入れないという、それだけでもずいぶんと効果がいわゆるぐれん隊対策としてもあるのではないかというふうに考えておりますが、なおそのほかに、この法律では、深夜、十一時以降翌朝の日の出までの間は、これは特殊なやはり夜中という環境をとらえまして、普通の飲食店につきましても、深夜に青少年がそこにやたらに出入りするということは、やはり青少年の不良化防止上よくないので、そこに制限を設けて、条例で制限を設けられるようにいたしまして、深夜につきましては、特に働いている少年とかいうような理由のあるもの以外は、少年十八才以下の者は入れないようにするというようなことも考慮されてこの改正案ができているのでございます。私どもも、同じような気持でもって、青少年対策に少しでも——青少年対策は、ひとり深夜喫茶の問題だけで解決するものとは思いませんが、この改正案によりましても、現在よりずっとよくなるようにしていきたいという気持でやっておるのであります。
○高田なほ子君 いわゆる不良のたむろする千七百軒、ぐれん隊の集中する七百五十軒、売春が行われるような四百軒は、大体この風俗営業の範疇に入るような喫茶店なので、そう心配はないだろうというような御答弁でありますが、私もそういうふうに考えたいのですが、風俗営業法の取締り対象にならないような喫茶店の中でも、この不良のたむろするような、あるいはぐれん隊のおるような喫茶店もかなり場末などにあるようです。風俗営業の範疇に入りますと、風俗営業取締法で一応取り締っていけるのですが、しからざるものについての取締りというものについては、これは、相当やはり警察の方もお考えいただかなければならない、御注意までにこれは申し上げるわけでありますが、よくこういう喫茶店、いかがわしいような所には、犯罪容疑者などが入り込んだりする場合があるので、犯罪捜査のために業者の協力を求めるというような点から、この不良のたむろするような千七百軒もの業態を放置しておくということは、私は問題だと思う。これは、たとい十ルクス、あるいはまた、構造上まずいとかまずくないとかいうような業態からだけ取り締るのではなくて、やはりこの不良少年がたむろするというような、その業態ではないけれども、その姿そのままに対して何らかの行政処分が行われるような手がその次に打たれなければならないのではないかという意見を私は持つのです。これは意見です。この意見については、局長さんからお伺いしてもちょっとむだだと思いますけれども、御研究いただきたいと思っております。 その次にお尋ねしたいことは、喫茶店、バーに対しては、十ルクスという規定が一応ここに出てきて、大へんけっこうだと思いますが、しかしながら、その他の風俗営業、キャバレー、待合、料理店、ナイトクラブ、ダンスホール、そういったようなもの、こういうものは十ルクスというような制限を設けないで、幾ら暗くてもいいということになるわけですね、法律を裏返していえば。そういうことについても、私どもはどうかしらと思う点があるわけなんですが、私の疑問に対してお答えをわずらわしたい。
○政府委員(原文兵衞君) 現行の風俗営業取締法によりまして風俗営業の許可を受けておりまするキャバレー、ダンスホール、待合、料理店等は、これは、明るさは都道府県の条例によりまして最低を押えております。そのほとんど全部の都道府県が、最低が大体三ルクス以上というふうになっております。普通の料理店などでは、これは十ルクスどころではなくて、三十ルクス、五十ルクスというような明るい料理店も非常にあると思いますが、ただし、それは明るくて、客席で客の接待をしなければあれは受けないわけですが、客席で客の接待をしておる料理店で、非常に明るい料理店は幾らもあるわけであります。現行のは、最低限を押えておるというのが実情でございます。ただ、この五号の十ルクスといいますのは、現在では、そういうふうに客席で客の接待をして遊興または飲食をさせるとか、あるいはまたダンスをさせるとかいうことによって風俗営業の対象としておりまする、先ほど来お話にありましたようないわゆる深夜喫茶等につきましては、客席で客の接待をするとか、ダンスをさせるとかいうことがないものでございます。その範疇は、普通の飲食店なのであります。しかし、普通の飲食店でありますけれども、非常に暗くしてやっているというのが実態で、その暗さのために、いろいろと少年の不良化等の問題が出てくるので、十ルクス以下のような暗いものについては、これは風俗営業取締法の許可を受けさせ、風俗営業として青少年を入れないようにしよう、こういう趣旨でございまして、現在も、現行の風俗営業につきましては、都道府県で最低の線をきめておるのが実情でございます。
○高田なほ子君 実情の御報告だけで、私の意見には答えていただけなかったわけです。実情は私もよく知っておるわけです。これは問答を避けたいと思います。 次にお伺いしたいことは、一応この深夜喫茶は、これが正確に励行されますと、かなりその成果を上げることは疑いない事実だろうと思います。そこで、心配になるのは、この深夜喫茶業者の意見を聞くと、どうも十二時以降はそう営業上もうからないのだ、ただしかし、近所隣が深夜喫茶をやるということになると、これは競争上やむを得ないという説明を業者はするわけなのです。しかし、これは業者の説明でございまして、実際問題としては、需要供給の関係がやはり商売の成り立ちになるわけなのでありますから、需要者のあることによって深夜業、深夜喫茶というものはこんなにふえたのでありますから、深夜喫茶をねらうような、行きたいというようないわゆる需要者が多くあるということがふえた原因になるわけなので、この深夜喫茶を一応風俗営業の中で取り締って参りますと、その需要者はどこに流れていくかということが問題に上っていく。先般警視庁の方からいただきました資料によりますと、お好み焼き屋がかなり繁昌しているのですね。目が深夜喫茶の方にいきますと、結局その他のお好み焼き屋、また、そのほかにいろいろあるかもしれませんけれども、そういうような所に需要者が流れていく危険が非常にあるような……こっちを押えるとこっちにうみが出る、こっちを押えればこっちへうみが出るというようなことになってくるわけであります。お好み焼き屋等の問題については、今後どういうような方向に行くかということについて御研究になっておられますか。また、いわゆるこれも風俗営業の範疇に入ってくるものなのかどうか、お尋ねいたします。
○政府委員(原文兵衞君) 御心配ごもっともでございますが、実はこの法律の六号の「喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見とおすことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの」という、その大部分は、今のようなお好み焼き屋がこれに該当するというねらいをもってこれはできておりますので、これは、お好み焼き屋といっても、広い部屋に何台も置いて、ごちゃごちゃして食べている所は普通の飲食店と違いませんが、最近いわゆるアベックお好みといいますか、というような、狭い部屋を設けてやっている所はその危険性があります。それで、六号の規定をきめまして風俗営業にしていこう、こういうような考え方でおるわけであります。
○高田なほ子君 青少年を対象にするこのいわゆる喫茶店とお好み焼き屋等が風俗営業として取締りの対象になるわけですが、私のこれは意見が少し入るわけですが、青少年はやはり補導するという面もここに非常に多く含まれているわけですが、取締りだけではなくて、従来も、なかなかおまわりさんはこういう方面に役立って下さったと思うわけです。しかし、おまわりさんによりましては、非常に威嚇するわけですね。お前は十八才にならないのに、こういう所に入ってたから学校の先生に言うとか、そういうような威嚇をもってやる方もある。そのために、むしろ注意を受けたことのために転落していくというような例が間々ございます。私は、青少年を取締りのほかに補導するという面を容認するものでありますが、補導の面等には、できるならば婦人警官が青少年に対しては十二分に活動をしていただけるとするならばまことにけっこうではないか、今までも、婦人警官がそういう役にお立ちになっていらっしゃるようでありますが、どうも第一線で私こういう風景を拝見したことがないのですが、私の意見と希望等について、どういうような対策を考えていらっしゃるか、これを伺いたいと思います。
○政府委員(原文兵衞君) ごもっともなお話でございますが、ただいまのお話は、まあいわゆる少年補導というお話でございましょうと思いますが、警察におきましては、御承知のように、昭和二十四年以来、全国の府県本部あるいは警察署にも、それぞれ専門の少年課あるいは少年係を設置しまして、自来少年係の選任につきましては、特別に少年というものを扱うために教育を、教養を重ねに重ねて参ってきておりまして、ただいま御心配になったような事例があれば、これこそいけないと、そういう点を特に重点にして教養を重ねてきておりまして、現在では各都道府県、各警察署とも、学校あるいはPTAあるいは御家庭等とほんとうに密接な協力をしながら、少年の不良化防止、補導、あるいはまた長欠児童、退学児童等の善導ということに熱情を、ほんとうに真剣な態度でもってそれに当っておりまして、ずいぶん感謝されている面もあるのでございますが、もちろん、ただいま御指摘のように、少年を威嚇するとか、あるいはまた、前後のことも考えずに、ただもう学校にすぐ連絡して、そのために少年がかえって反発心を起したり、あるいはまた、非常に傷つけられて悪の方に走っていくというようなことがあっては、これはもうほんとうに大へんなんで、そういうことのないように、くれぐれも教養を重ねている次第でございます。 なお、婦人警官の問題につきましては、現在婦人警察官の全体の数というものはそれほどございませんけれども、その婦人警察官の大部分が、各府県とも少年係として非常な成績をあげているのでございます。 以上でございます。
○高田なほ子君 警職法の改正に伴って、当局としては相当の警察官の増員を考えておるようであります。こういう面が社会問題として大きく出、また法改正が行われるとすれば、行政面においてもそれ相当の細心の注意が必要だと考えられます。従って、この警察官の増員等については、やはり婦人警官を増員していくという方向が、——私は警察官の増員はあまり賛成しないんですが、するならば、やはり婦人警官というものを大量に入れていただいて、そしてやわらかい調子で、ほんとうの意味の愛情のこもる少年補導に当るべきであるという見解をとっておるわけであります。従って、婦人警官の問題については、庁内にどんなふうな意見があるか、尋ねておきたいと思います。 もう一つ、これに関連するわけでありますが、この犯罪容疑者または警察当局の方で犯罪者として取締りを必要とする者ですね。その者が、昨年、統計を拝見すると、三千七十八名もある。その三千七十八名の約二〇%が喫茶店に出入りをしておる。しかし、職務質問ができないので大へん困るというような御意見が実はあったんですが、今度は風俗営業という範疇にこれは入るわけでありますから、こういうような者は、やはり相当取締りもできるのじゃないかというふうに考えられますが、客として入っていた場合に、こういったような者をどういうふうにして取り扱っていくものか、不安を持っておりますので、お答えを願いたいと思います。
○政府委員(原文兵衞君) 婦人警察官の問題は、これは、先ほど申し上げましたように、少年係として、少年の補導等には、婦人警察官というものはほんとうに非常にりっぱな成績をあげるのです。そういう意味合いにおいて、御承知のように、現在警察官の定員というものはワクがございますが、もしその定員がふやしていただけるようなときになりましたならば、少くともその少年警察といいますか、少年補導の面におきましては、婦人警察官というものを十分考えたい。今、もちろん婦人警察官はほとんど少年警察に充てているのでございますが、さらにそれをふやすという点についても、将来もし警察の定員がふえるというようなときには十分考えたいというふうに考えておるのであります。 なお、いわゆる深夜喫茶等に出入りしておる少年の数は確かに相当あるのでございますが、今度は、いわゆる深夜喫茶、暗くしているいわゆる深夜喫茶等は風俗営業の対象にしますので、少年をそこに営業者は入れてはならないという営業者の義務が課せられるわけでございます。某々喫茶店は風俗営業の許可を受けた喫茶店であって、しょっちゅうどうも中学生が入っているというようなことになりますならば、警察としましては、その営業者に対して警告を発し、あるいは処分をするということになりますと同時に、もし学校でも怠けて、しょっちゅうそういう所に入り浸っておるというような少年等を発見しましたならば、それはやはり、その少年に説諭するなり、あるいはまた、補導してそれを直してやるという方向に警察官としての職責を全うするということになるかと思います。
○高田なほ子君 私は犯罪容疑者の質問をしたわけですね。ずいぶん犯罪容疑者、犯罪者として取締りを必要とする者の数が多いはずですが、それが一応野放しになっているんじゃないかと思うんですね。これは、文教委員会での質疑の中から出てきたのです。こういう犯罪容疑者のような者、取締りを必要とする者が三千七十八名もあって、その中の二〇%が深夜喫茶に出入りしておるということ、これがどういうわけでこのまま放置されているのかなんていうことについて大へん疑問を持つわけなんですね、私どもは。このことを放置しておくということは、深夜喫茶に出入りしていた今日までの少年というものは、みんなこういう者のひもになっているわけです。たとえば、昨年の八月から六月までの間に、小学生が六十八名も深夜喫茶に出入りしていた。調べてみましたところが、そういうようないかがわしい者の子分になってそこに出入りしていたということになれば、犯罪容疑者または犯罪者として取締りを必要とする、つまり暴力団のようなものが三千七十八名もほったらかしておいて、そのうちの二〇%がこういう所に入っておるということがわかりながら、これの営業を停止させることができないというのはどういうわけなんですか。これは、当然こういうことが業態としてわかっておるならば、これは、有無を言わさず、私は営業停止の処分をしていいんじゃないかと思います。なぜこういうものを放置してあるのか。
○政府委員(原文兵衞君) お話の三千七十名ですか、という数字は、おそらく特定な犯罪を犯して、その容疑があるということではなくて、暴力行為をふるったり、あるいはまた、犯罪を犯すようないわゆる暴力団、ぐれん隊のお話かと思いますが、特定の犯罪を犯した容疑があれば、それは捜査の線に乗せていくわけでございますが、いわゆる暴力団、ぐれん隊につきましては、御承知のように、継続的に強力にぐれん隊、暴力団の取締りを現在各府県でやっております。警視庁等におきましても、よく新聞に出ますように、新宿、浅草あるいは池袋、渋谷というような所に、それぞれ暴力団対策の地区本部を設けまして、厳重に取締りを励行してきて、すでにずいぶん検挙をしておる実情でございます。 なお、そういうようなものがたむろしておるような所に少年が入っておるというようなことを防ぐために、今度こういうような法律で、そういう場をなくそう、少年が入れなくなるようにしようというのがねらいでございますが、現在は、そういうような場所はおそらく風俗営業取締法の許可の対象となってない、いわゆる深夜喫茶等であるために、これは、警察としては、営業の処分とかなんとかというようなことは、警察の許可営業でありませんので、できない状況にあると思うのでございます。
○高田なほ子君 この点はこのくらいにしまして、今度の法案の改正の中で非常に特徴的なものとして、飲食店営業、これの深夜営業を法的に認めるわけでありますね。これは制限なしに認めていくということになるのじゃないでしょうか、どうですか。
○政府委員(原文兵衞君) 風俗営業以外の飲食店営業については、現在時間的な制限は全然ございません。警察といいますか、公安委員会の許可した営業ではございませんので、公安委員会によって時間的な制限をするということは、やはりこれは無理があるというので、結局時間的な制限を、もしこれは食品衛生法の方で作ればできるかと思いますが、公安委員会の方ではそれはむずかしい。しかしながら、深夜の部分につきましては、深夜行われている状況につきましては、深夜の特殊性ということからいって、深夜というものは、これはどうしても風俗を害するおそれがある時間というふうにも言えるわけでございますから、そこで、その特殊性をつかまえて、都道府県が条例でもって、深夜にはこういうことをしてはいけない、たとえば、先ほど申し上げましたが、十八才未満の者は、特別の理由がある場合以外入れてはいけない、大声を出してはいけない、あるいは客を宿泊させてはいけないとか、いろいろの制限をし、そういう制限に違反したものにつきまして、公安委員会が期間を定めて営業の停止処分という行政処分もできるようにすることによって、普通の飲食店営業におきましても、青少年の保護育成上、あるいはまた善良な風俗の保持上、そういうことのないようにしようというのが、今度の改正法の一つの重点として、四条の二で取り上げられておるのでございます。
○高田なほ子君 具体的に言うと、これは飲食営業に入るのだろうと思いますが、私は詳しくはわかりませんが、最近焼き鳥の屋台、これは飲食営業だろうと思うのです。これも深夜営業になるだろうと思う。最近は、売春防止法が制定されてから、これらの屋台店が相当それらの業態、売春を助長させるような役割を果している実態にあるということがしばしば指摘されております。こういうようなものに対して、公安委員会としては、行政処分の対象としてこれを取り締っているのかどうか、それが行政処分の対象になり得る法的な根拠というものがあるのかどうか、お尋ねしておきたい。
○政府委員(原文兵衞君) いわゆる屋台の焼き鳥屋等は、これは風俗営業でございません。飲食店営業ではございますが、風俗営業ではございませんので、公安委員会がそれを行政処分するというようなことはできません。ただ、焼き鳥屋とか、焼きそば屋とか、そういう飲食店が道路上深夜でやっている場合には、これを無許可でやっておりますと、これは道路交通取締法によりまして、警察署長が取締りをすることができるということになっております。先般新聞にも出ておりましたが、池袋方面におきまして、無許可でもって道路上そういう飲食店営業をしておるというものが相当数ありますので、池袋警察で、それに対して厳重に取締りを加えるということが新聞に出ておりました。そういうことはできますが、そういう飲食店を公安委員会が行政処分をするというわけには現行法ではいかないのであります。
○高田なほ子君 これも意見に入りますが、見通しとしては、深夜における飲食店営業が公安委員会の処分対象にならないということになってくれば、結局社会のうみというものは、そういう方向に流れていくわけです。ただ単に道路無許可のゆえをもって取締りの対象になるというのでは、風俗営業取締法の立法の精神に若干欠くるところがあるのじゃないかという気がするわけです。私の根本的な思想は、やたらに取締れとか、許可せよということを言うのはいやなんです、ほんとうは。しかし、やはりこっちを押えればこっちへ来るというような病的な社会の中では、悪い傾向に走るのだという見通しがついたならば、やはり先へ先へと手を打つくらいの方法が必要じゃないかという意見を持っているのです。これはあとで答えていただきますが、これに続いて、その問題は行政処分に関連する問題ですから、第四条の行政処分の問題について尋ねておきます。 これは、公安委員会の手によって行政処分が行われるわけでありますから、「善良の風俗を害する虞があるときは、営業の許可を取り消し、若しくは営業の停止を命じ、又は善良の風俗を害する行為を防止するために必要な処分をすることができる」というふうに規定されている。従来の喫茶店の業態にも、ずいぶんいかがわしいものがあったわけでありますが、従来までは、この対象が保健所になっているというわけですね、第一線が……。保健所では、営業停止をする前に注意を与えたり、それから、構造の改善を命令したりする権限を保健所が持って、しかる後に行政処分という手が打たれたわけであります。ところが、今度の法改正になりますと、保健所の手から離れていくわけでありますが、やはり業者にも良心があれば、あやまりを直すにやぶさかでないということになる。改善命令等がされた後において厳重なる処分をしていくというやり方にしていく方が妥当なやり方じゃないかというふうにも考えられます。この点の運営はどういうふうになるか、お尋ねをしておきたい。
○政府委員(原文兵衞君) お答え申し上げますが、最初のお話の屋台等につきましては、これはこの法律が、改正法案では、四条の二では、「客席を設けて客に飲食をさせる営業」は、深夜における部分については、先ほど申し上げましたような規制をすることができるようになります。それに違反した場合に、公安委員会で営業の停止処分をすることができるようになると申し上げましたが、今度の改正法案になりますと、客席を設けて飲食をさせる営業も、深夜の営業についてとありますから、屋台でも、たとえば、車をがらがら引っ張って歩く、立って飲む甘酒屋とか、ほんとうに車を引っ張って歩き、夜中にその辺を歩くシナそば屋などは、もう客席を設けておりませんから、それに入りません。ほんとうの移動飲食店でありますが、いわゆる新宿、池袋などで見られますような固定した屋台、腰かけを二つ三つ置いて、女の子がいるというようなものには、これは今度は入って参りますから、だから、この取締りは相当よくできるようになるかと思います。 それから、行政処分の方は……。
○高田なほ子君 ちょっと待って下さい。腰かけでも座席なんですか。今の御解釈では、屋台の前にある腰かけは、これは座席という判定ですか。
○政府委員(原文兵衞君) それは、やはり客席を設けてあるという解釈でございます。
○高田なほ子君 ようございます。
○政府委員(原文兵衞君) 行政処分のことでございますが、公安委員会が、行政処分として営業の取り消しなり、あるいは停止なり、許可の取り消しなり、停止なり、あるいはまた、期間を設けて営業の停止をすることができる場合におきましても、まずその前提として警告をするとか、あるいはまた、簡単な違反であって、設備を変えるとかということで済むものならば、設備を変えるように命じて、それを変えさせるとかということで、とにかくそういうようなことを防止するために必要な処分をすることができるのです。許可の取り消しとか、停止というのは、一番重い処分でございますから、その手前の処分なり、あるいは警告で済むものは、もちろんそれでやって、そうして最もきびしい処分として、許可の取り消しなり停止、あるいは営業の停止というものでもって、その善良の風俗を保持する担保にしよう、こういう考え方でございまして、何でもかんでも苛酷に、いきなり営業の許可の取り消しをやるとか何とかいうんじゃなくて、まずそこへいかないでもって、善良の風俗を害する行為を防止する目的が達せられれば、その限度において処分をする、こういうやり方でやるのでございます。保健所の許可はなくなりませんあらゆる飲食店につきまして、すべて保健所の許可がございます。
○高田なほ子君 公安委員長がお見えになりましたので、二、三点だけ質問をしてやめたいと思います。実は、深夜喫茶の弊害を改めていきたいというようなことのために、風俗営業取締法の一部改正案が提案されましたが、かねがね私どもも、母親という立場で、深夜喫茶の弊害について心を痛めておったものでありますので、この法の改正が出されたということについては、実は賛意を表しておるわけでございます。ただしかし、公安委員長にとくとお願いをいたさなければならないことは、警察官を私は敵に回すという考えはありませんし、警察官は全部けしからぬというような考え方も持ってはおりません。しかし、ややともすると、この風俗営業に関する取締りについて、警察官はかなり寛大な態度をとっています。見て見ないふりをするような態度をとっています。この原因はどこにあるかということについては、いろいろそれは申し分もあるかもしれません。犯罪捜査等について、悪の温床になるような風俗営業の業態の中で、警察官がこれらの業者に協力を求めなければならぬというような場合もあることも、私は一部認めざるを得ないのですが、ただしかし、幾ら法律ができても、どんなに取締り法律だけができておっても、業者とぐるになるような形のやり方であっては、この法律を生かすことはできないという考え方を持っているんです。現に青線赤線の取締りなんというのは、ちゃんと取り締れたにかかわらず、遺憾ながら、警察官が見ても見ないふりをしている。一ぱい飲まされれば、もうなびいていくというような、そういう例も実は過去にあったので、この法案が改正されるに当りまして、特にその警察官等に対してこの趣旨を徹底させ、そうしてこの精神が生かされるように計らっていただきたいと考えるものでありますが、具体的にこの法案が改正されんとするときに当って、どういうような見解をお持ちになってこれに対処していかれようとするか、御意見を承わらしていただきたいと思います。
○国務大臣(青木正君) お話のように、警察官が職権を乱用することは、非常にこれは困った問題でありますが、同時に、当然果さなければならない警察官の責務を怠るというようなことがありましては、これまた、御指摘のように、重大問題であります。特に従来も、ややもすれば、ざっくばらんに申し上げますと、よく料飲店等の関係において、警察官がそういう店といろいろな因縁を生じて、そのために取締りがおろそかになるということを、私どもも従来しばしば耳にしたこともあるのでございます。そういうことがあってはならぬことは当然でありますので、私どもといたしましては、この法律が通過いたしますれば、それぞれの各府県の本部、あるいは、東京で申し上げますれば、警視庁等を通しまして、末端にまでこの法律の趣旨がよく徹底するように、十分指導して参りたい。なお、また、一般的に申し上げまして、お話のように、警察官が長く同じ所に勤務しておりまして、料飲店等と特殊な関係が起るということも考えられますので、警察といたしましては、ある期間一定の地域に勤務いたしますれば、あまり因縁を生じないように、これを他の所へ転勤させる、こういうふうな措置もとっておるのであります。お話の点は十分わかりますので、私ども、この法律が成立いたしますれば、御趣旨に沿うよう、できるだけ警察官に徹底をはかり、せっかくできました法律が、法律は作ったけれども、一向その実効があがらぬというようなことになりましては、国会に対しまして申しわけないことになりますので、最善を尽して参りたいと、かように存じております。
○高田なほ子君 私は、この風俗営業等の取締法の改正の中で、風俗営業の対象が拡大したという点について、喜んでいるのではなくて、実は非常に悲しんでいる。この改正は、実に悲しい改正であります。従いまして、この改正の趣旨とするところは、青少年を守っていくという建前に立っているものと私は承知するのでありますが、それにしては、ひげの生えたぶっきらぼうのおまわりさんが青少年に当るというのではなくて、先ほども質問をしたんですが、特に公安委員長がお見えになりましたけれども、婦人警官等の増員を計らって、男の警官も増して女の警官も増すというのではなく、予算の範囲内で、五千人増すならば、そのうちの三千名は婦人にする、こういうような処置をおとりになって、この法の精神を生かされるような対策をあらためて考えていただきたい。最近警視庁で私はヒットと思うのは、警視庁の窓口で、これは余分な話ですけれども、きれいな婦人の方がおられますよ。非常に気分がいいんです。それほど婦人の力というものは、目に見えないいい何を持っているわけです。ですから、警職法の改正で一万名増すとか何とか、職務質問じゃ何じゃいうことばかり言っておりますけれども、さっぱり実効がありませんし、これの改正をしてもだめですから、やはり青少年を守ろうというこの法の改正精神に照らして、全面的に婦人警官がこれに当っていただけるように、特に善処をしていただきたいと思っています。 もう一つ、重なる質問でありますが、深夜における飲食店営業が、今回の法律では、かなり大幅な行政処分があるにしても、認められておりますから、深夜喫茶を必要とするような社会の病根というものがこっちの方にいかないように、十分御注意いただくことと、もう一つは、深夜喫茶に十ルクスというような照明の規制を設けなければならないが、一面においては、公園あるいは緑地帯といわれるような所がまだあまりございませんために、公園それから小公園等を見ますと、ほとんどこれは電灯がついておりません。こういうものを放置して、十ルクスばかりをきめても何にもならないので、むしろ深夜喫茶が廃止されると、ちまたにこういう業態がはびこるということをおそれるので、公安委員長としては、街頭における照明というものについて積極的に計画を立てられ、予算を取られて、警察官を増員するのではなくて、警察官が不必要な環境をこれに伴って作っていくというような、積極的な施策が早急に講ぜられることを私は強く希望するわけでございます。この点についての御意見もあわせて伺わしていただいて、私の質問を終りたいと思います。
○国務大臣(青木正君) 青少年問題につきましては、私どもも、これは非常に重大な問題と考えておるのでありまして、私は、個人的なことを申し上げまして恐縮でありますが、国家公安委員長になりまして、日本の犯罪統計をいろいろ調べてみたのでありますが、私は、一番自分としてこの点は重視しなければいかぬと考えたことは、実は、率直に申し上げまして、青少年の犯罪の増加の傾向であります。われわれお互いがいかに努力して、りっぱな社会を作りましても、次の時代が万一間違いを起すことになりましては重大問題でありますので、お互いに青少年問題は真剣に考えていかなければいかぬのじゃないか。もちろん、青少年問題の解決は、これは、根本的には警察問題でないということは、私もよく承知しておりますが、むしろもっと根本的に考えて、教育の問題なり、あるいは社会環境の問題なり、いろいろな面から青少年の問題は解決しなければならぬことは当然でありますので、私ども、その考え方には全く同感なんであります。ただしかし、警察は警察としての立場において、やはり青少年問題の解決に協力すべきではないかと、こういう考え方に立って、警察としての立場においてやれる限度において協力すべきであるという考え方に立って、この深夜喫茶の問題につきましても考えておるのであります。 お話の婦人警察官の問題につきまして、私もしろうとなりに、公安委員会でそのことを発言したこともあるのでありますが、婦人警察官が、まあ戦後相当私ども街頭で見かけたのが、最近におきましてはやや減ったのではないか、青少年の補導ということにつきましては、女の方がいいのじゃないかということは、私どももそういう考えで、警察当局と何回となく話したことがあるのであります。で、実態をいろいろ聞いてみますると、まあ婦人警察官は非常にいいのでありますが、これは、採用いたしまして長く勤務ができないというような実際の問題等もありまして、なかなか他の男の警察官と同じように、まあ希望をする数を満たすということもでき得ない実情等もあるようであります。しかし、お話のように、婦人警察官は婦人警察官としてのいい面もあり、また、婦人警察官を最も適当とするお話のような場合もありますので、私どもは、やはり婦人警察官というものを警察官増員の機会にはやりできるだけ採用いたしまして、そうして婦人警察官の向くところへやはり向くようにして、そうすることが、これはまあ私は警察というものが、何といいますか、ほんとうに民衆の気持になって、そうしてまた、民衆と同じ立場に立ってやっていくと、つまり権力的な立場ということでなしにやるためには、やはり婦人警察官にこういうような問題は担当してもらうことが適当じゃないかと、こういう気持がいたすのでありまして、できるだけ婦人警察官の増員につきましても考えていきたいと、かように私自身も考えており、警察当局といたしましても、そういう考えでこの法律案成立後はやって参りたいと、かように考えておる次第であります。 それから社会の病根の問題、それは、先ほど前段で申し上げましたように、この問題は全く警察だけの問題ではないのでありまして、むしろ問題はもっと深いところにあるのでありまして、その社会の病根を芟除するために、あらゆる立場において、またそれぞれの所管において、協力していただかなければならぬと、かように存ずるのであります。 それから公園等暗いところ、これをこのままに放置しておくことがいかぬというお話でありますが、確かに私どもその通りと考えます。ただ問題は、この公園の街灯等の問題は、実際問題として、大てい町内会であるとか、あるいはまた町村とか、そういうものがいろいろこれを立てておるようであります。警察自体が街灯を立てるというわけにもなかなかいかぬと思うのでありますが、しかし、公安委員会の立場において、できるだけそういう希望を、それぞれの関係の方面にわれわれの希望を伝え、そうしてこれはまあ、街灯設置はもちろんのこと、そういう小公園等における照明の問題、こういう問題につきましても、これは、われわれからいたしますれば、犯罪予防の面から、あるいはまた風紀の面からいたしましても、あるいはまた交通の面からいたしましても、町を明るくしなければならぬことは当然でありますので、できるだけ関係方面にわれわれの希望を伝えまして、その方向にいくように力を尽していきたい、かように考えております。
○高田なほ子君 もう一つ、今の御答弁の中で、私が質問した趣意というものをちょっと十分おくみ取りになっておられなかったようですが、確かに街灯の暗さというのは、今町内会とか防犯協会というものにまかされておるところに欠陥があるわけです。このことは、やはり国民を保護する、青少年の不良化を防ぐ、そうしてまた、そういう犯罪の温床になるような暗やみを放置しておくというようなことは、これはやはり防犯協会の責任ではなくて、国自体のやはり責任だと私は考えておるわけなんです。具体的に言えば、私どもの住宅の近くでも、しばしばこういう問題でもって警察と話してみても、らちがあかない。防犯協会がやっておるとか、町内会がやっておるとか、町内会といったって、店先の営業に便利なように、相互的に粉飾するというときにはやる気になりましょうけれども、だれも人が通らないところに金を出してあかりをつけるような社会性は、まだまだ発見することができないのですね。それにまかせておるところに問題があるので、私は質問申し上げたので、もう少し、公安委員長としては、この問題を真剣に取り上げて、新たなる社会を明るくする計画というものの一環としてこれを御検討いただきたいという趣旨での質問であったわけですが、少し物足りないのですが、何とかなりませんか。
○国務大臣(青木正君) 現在の現状に即して私実は申し上げたのでありますが、これは、街灯は、それぞれ自治体の責任と申しますか、実際には自治体でやる建前になっておりますので、現在のあり方としてはそういうことになっておりますので、私どもは、そういう現在のあり方に即して、明るい町を作るために、それぞれのそういう関係の機関にわれわれの気持を強く申し述べて御協力を願うようにしたい、こういうことを申し上げたのであります。ただしかし、お話しのように、もっと根本的に物事を考えて掘り下げて、これを国でやるなり、あるいは自治体の義務としてやらせるなり、そうすべきじゃないかというお話のようであります。そういうことでありますれば、これはおのずからもっと根本的に検討しなければならぬ問題でありますので、私、今ここでただちに御趣旨に沿って、国でやるとか、あるいは町村でやるとか、そういうふうな立法的な措置を講ずるというようなことをここで直ちに言明することは、私ども軽率のそしりがあるかもしれません。そういうことを申し上げかねるのでありますが、しかし、御趣旨の点、よくわかっておりますので、現状に即して、そういう街頭の問題はさらにもっと根本的に考えて、お話のような御趣旨に沿うことができるかどうか、なお十分私どもも検討してみたいと思います。はなはだ不十分な御答弁で、まことに恐縮でありますが、現段階においてのことをただいまお答え申し上げたわけでありまして、本質的なことは、なおよく検討していきたいと考えます。
○松澤兼人君 ちょっと公安委員長に二つ、三つお聞きしたいのでありますが、第一点は、この改正法律案の規定と、それから都道府県条例の関係であります。これは、第一条五号でルクスの問題が出ております。第一条六号で広さの問題が出ております。第四条の二で時間の問題が出ておるわけであります。これは、法律で十ルクスと規定して、そのカッコの中を削ってしまって、十ルクスだけということにするとか、あるいは第六号の場合には、五平方メートルに満たない広さをきめた場合には、その広さとするということで、法律で基準を設けて、都道府県条例をそれにならわせるということはできないものですか。
○政府委員(原文兵衞君) 私からお答えさしていただきます。第五号でいいます「十ルクス(これにより難い特別の事情がある場合において、都道府県が条例で十ルクスに満たい照度を定めたときは、その照度)」といたしましたのは、これはたとえば、東京は法律のままの十ルクス、大阪は八ルクスというようなきめ方を容認するという趣旨のものではございませんで、「これにより難い特別の事情」という表現によりまして、たとえば農山村等におきまして、あまり電気はつけない習慣があったり、あるいは電力事情等によりまして、普通の農山村のそば屋だとか、普通の飲食店等でも、暗い家が相当あるかと思います。あるいはもっと奥に行きますと、いわゆる山小屋式の場所もあるかと思いますが、そういうような場合に、このカッコ内のきわめて例外的な「これにより難い特別の事情」がある場合の措置を講じておきませんと、そういうものまで風俗営業の対象になるということは、いかにも不合理でございますので、その意味でカッコをつけたのでございまして、東京は幾ら、大阪は幾ら、同じような条件のところをまちまちに作るという趣旨ではございません。そういう条例を作る場合におきまする基準等につきましては、もちろん各都道府県にいろいろと私どもの方としてもお話をするつもりでおるのでございます。なお、六号の「これにより難い特別の事情がある場合」ということも同様の趣旨でございまして、これは五号、六号とも、特別の条例を定めなければ、当然五平方メートルがそのままかぶるわけでございますが、六号のカッコ内も、五平方メートルというのは大体約三畳なんでございます。一坪半——三畳でございます。そうしますると、地方の習慣によりまして、一畳の広さの大きさというものは、若干大きいところと小さいところがあるというのが、厳密に言うと、三畳が五平方メートル以下、四・六平方メートル、五平方メートル以下というような場合があるかと思いまして、そういうような意味合いにおいて、三畳が五平方メートル以下ということで、そういう地方の家の構造、古くからの建物とか何とかというのがあろうかと思いまして、特別の事情というのは五号と同じような意味合いでつけたので、東京は五平方メートル、大阪は三平方メートルでいいという趣旨のものではございません。ちょっと先ほど十ルクスのあれが出ましたが、農山村の方で、今ごろそんな暗いあれはないのじゃないかというこの間御質問もあったのでございますけれども、大ざっぱに言いまして、約八畳の部屋で四十ワットくらいの明るさというのが、普通の高さに電気をつけたところの明るさというのが約十ルクスなんでございます。そうしますと、やはりうんとへんぴな所に行きますと、三十ワットとか二十ワットでやっておる所もかなりあるのではないかと考えましたので、まあ十ルクスというのが限度である。しかし、そういう地方の事情等を考えて、農山村等で、ある地域においては八ルクスにしてもいい、そういう特別の事情を考慮したのでございます。
○松澤兼人君 たとえば東京都は、都条例においては、客室の照明は、いずれの部面においても三ルクス以上、こういうことになっておりますが、これは、東京でもこういう三ルクスということをやれば、地方でも三ルクスということでもあたり前だということになる。それで、農山漁村というようなところで、どうしても電力事情などで、それにより難い場合は、これは特殊な場合として、ですから法律としては十ルクス、それから、特殊の事情がある場合には別に定めるというふうにやれば、それでいいのじゃないか、今まではいずれもまちまちであったと思うのですが、これを一律にされることは、たとえば、食品衛生法では十ルクスと書いてある、それは書きっぱなしです。ほかに三ルクスとか何とかということは何も書いてない。そうすれば、食品衛生法では十ルクスと書いて、風俗営業の方では十ルクス、そうしてそれによりがたい場合には三ルクスでもいいというようなことでは、ちょっとつじつまが合わないのじゃないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(原文兵衞君) 各都道府県の条例でもって、いずれの部分ではかった客席の明るさ、いずれの部分ではかった場合においても三ルクス以上というのは、一番下の線が三ルクスで、三ルクス以下はもう違反という最低の線をきめたのでございまして、たとえば、それは現行の風俗営業法の許可を受けているものについて現行条例できめてあるのでございます。ですから、上の限界は、現行法によって許可を受けている風俗営業にはないのでございます。従いまして、東京あたりで、大きな宴会をやる料理店は、芸者などが入るために、風俗営業の許可を受けておりますけれども、これはもう非常に明るくして、むしろこうこうと螢光灯なんかうんとつけてやっているというような状況で、最低のものをきめたわけでございます。ところが、現行法では、今問題になっております青少年の入るような喫茶店、いわゆる深夜喫茶というようなものは、どうしても現行法では風俗営業の許可を受ける対象にならない。そうすると、食品衛生法の許可の対象だけで、食品衛生法の許可を受けている限りは、東京都の施行細則によりまして、十ルクス以上の明るさでなければならないことになっているのでございますが、現実は十ルクスよりも暗くて、ひどいのになると、二ルクス、一ルクスという暗さで喫茶店を営んでいる、こういう所に青少年が入り込んでいるという遺憾の状態なんでございます。遺憾の状態でございますけれども、公安委員会の管轄下にございません。保健所等の管轄下のために、違反の状態が見のがされ、それが行政処分の対象等にならないで、ますますそういうものがふえてきているというのが現状でございます。そこで、現状をとらえまして、十ルクス以下というようなものは、風俗営業法の許可の対象にする、許可の対象にすることによって、青少年は入ってはいけないし、いろいろ順守事項を設けて、それが順守事項に反したような場合には、公安委員会の方で営業の停止その他の処分をすることができる、こういうことによって目的を果すことができる、こういう考え方でございます。何か十ルクス、三ルクスというので、非常に条例との関係もあって、ややこしいような感じになっておりますけれども、事情は今申し上げたようなことで、これによって青少年をこういう所に入れないようにしようというのが、こういうことが大きなねらいであります。
○鈴木壽君 今の御説明ですがね。せんだってから、うちの方の藤原さんの質問に対するあなたのお答えのときからわからないように思うのですが、実は、あなたは今、照度の十ルクスということで、これが最低のものだ、こういうふうなお話ですが、この五号は、風俗営業というものに現在喫茶店等でやっている同じ状態を取り込むために、十ルクス以下にやっていく、いわゆる三ルクスとか、極端に言えば一ルクスとか、そういうものが今あるわけなんですから、そういうものを放置しないで、この法律の中に取り込むためにきめたので、十ルクスが最低の照度になって、それ以下のものを引っ張るためのこれは規定じゃないだろうか。こう私は解釈しておるわけですよ。ですから、十ルクスが、そのものが最低だとか最高だとかいう問題ではなしに、それ以下に限って営業をしておる者に対して全部まあとにかくこの法律の中に、ワクの中へ入れてきて、そうして青少年等の問題を規制していこうと、こういう建前だと思うのです。私は今いったような了解をしてこれを見ていきますが、従って、あなたの説明、いなかであればこれによりがたい場所であって、それは条例できめる。まあとにかくきめるという線は、あくまでも十ルクス以下の五、三、あるいは極端な場合でいえば一、こういうものを全部とにかくさらって持ってこなければいけないというところにあるので、十ルクスが最低のところだ、それによりがたい場合はどうだというような御説明では、ちょっと私まだ理解しかねるので、ここら辺もう少し具体的に、カッコの中と、それを具体的に一つおっしゃっていただきたいと思う。
○政府委員(原文兵衞君) 前段の方は、今お話の通りなんで、ちょっと私の先ほどの松澤先生にお答えしたものをお聞き違いではないかと、失礼ですが、思うのですが、先ほど申したのは、現在の風俗営業は、条例によって最低の線を三ルクス、それ以上としてあるということを申し上げたので……。
○鈴木壽君 それじゃなくて、今の五に関して。
○政府委員(原文兵衞君) 五に関しましては、現実に十ルクス以下でもってやっている喫茶店等がたくさんありますので、その十ルクス以下のものを風俗営業に取り入れるために、この五の規定を設けたのは、おっしゃる通りでございます。そこで、カッコの中に入れましたのは、その例をあげて言いますと、いなかのそば屋が、そこでずっと前々から八ルクスでやっている。その辺は、まあ大体いつも暗いような、生活もあまり電灯をつけないようなところが農山村等には相当あるのじゃないか。そうすると、いなかのそば屋がいつも八ルクスでやっているものを、このカッコ内がないと、それは風俗営業の許可を受けなければならないようになってしまう。そうすると、そのそば屋はかわいそうでありますだけでなく、そのそば屋には少年も入れちゃいなけいということでは、これはまことに実態にそぐわないので、そういう電力事情か、あるいは従来の習慣かで、一般に暗いような所につきましては、たとえば、何々県の何々地方という、地域を限ってもいいのでございますが、そこでは八ルクス以下のものが風俗営業に入る。そういうふうにして、そのそば屋は八ルクスあるから入らない。普通のそば屋のままでやってよろしい。飲食店のそば屋でやってよろしい、そういう意味合いでこのカッコを入れたのでございます。
○鈴木壽君 念のために、このカッコがない場合は、このまますらっと読んでいってカッコのない場合は、十ルクス以下で現在営業している者を放置できないから引っ張ってきたのだ。これはこのままでいいと思う。そしてカッコの中であなたがただいま御説明の、いなかの例をおあげになりましたが、その場合は条例等でこれ以下という、十ルクス以下ということでなしに、何ルクス以上と、たとえば五ルクス以上と、こういうふうにきめたところもあるいはあるかもしれませんね。きめなければいけないようなことがあるかもしれませんね。
○政府委員(原文兵衞君) そば屋とか何とかいうのは風俗営業でなしに……、
○鈴木壽君 そんなことを言っているのじゃない。私はただ明るさの問題だけ、どうもお話が私十分にのみ込めないので、少しくどいようですが、十ルクス以下ということでとらえることについて、私先ほど申しましたように、またあなたの御答弁の通り、まあ双方とも異議はないと思うのです、これは。そこで、カッコの中であなたが説明なさることは、何も私は、いなかのそば屋を風俗営業で縛れということでなしに、そういうものも縛るということでは困るというあなたのお話なんです。従って、そういう場合に、きめる場合に、そういういなかのやつは最低限をきめなければいけないと思う、最低限を。五とか三とか、事情によっては最低限をきめるのがはっきりすると思うんですよ、ルクスの最低限を。だから、カッコの中は、最低限をきめる際に、十ルクスによらなくてもいいというようなことであって、そういうふうに私考えれば、ここはつじつまが合うんじゃないかというふうに思うわけなんです。少し私の言い方が悪いんですがね。おわかりになりませんか。
○政府委員(柏村信雄君) 今の御質問ですが、結局、一般には十ルクスで、それ以下でやろうとするものが風俗営業になるわけですね。で、今保安局長の申しましたのは、土地の状況、地方の事情によって、これ以下でも、たとえば八ルクスと十ルクスの間のものを風俗営業に取り入れるのはかわいそうだ、たとえば今のそば屋の例ですね。そういうものをきめて、八ルクスとか七ルクスで、それ以下のものは風俗営業に取り入れるということに一応なりまして、そうして今度なったのに対して、風俗営業になった以上は、何ルクス以上でなければならぬというのは、今度このワクをきめるわけです。だから、さっき松澤先生お話しの三ルクスというのは、飲食は十ルクスになっておる、風俗営業に入ったものは三ルクス以上でなければいかぬ、三ルクス未満はいけない、こういう形になって、だから、条例できめるのは二つきまるわけですね。その風俗営業に取り入れるワクのあれとして一つあれして、風俗営業であってもこれ以下はいけない、これ以上でなければいかぬという、条例で二つ書かれるわけです。
○鈴木壽君 これでやめますが、実は私も、この風俗営業としてとらえる要件として、五号ないし六号、この二つの問題を取り上げているんで、この明るさの問題というのは、いろいろこれは問題があるわけなんです、実は。そこで、これをはっきりさせておきたい、こういうようなつもりなんで、まあ私の根本的な考え方は、この二つの点で、今問題となっておる喫茶店とか、その他のいわゆる青少年の不良化に関する問題等において、ちょっと風俗営業というところに網をかぶせてしまってやることが果してどうかという実は問題もあるわけです。しかし、現実の問題として、この明るさの問題が非常に大きな問題になっておりますものですから、ただ、何べんも何べんも申し上げますように、お話を聞いておっただけでは、ちょっと自分の考えておることで、のみ込めないようなところが一つあったものですから……。まあよろしゅうございます。
○松澤兼人君 それでは、もう一度むし返して聞きますけれども、結局、食品衛生法によれば、その細則まで含めて、食品衛生法によれば、十ルクス以下の飲食店というものはあり得ないんですよ。もし十ルクス以下だったらどうなんです。
○政府委員(原文兵衞君) 東京都の例をとりますと、食品衛生法でもって、御承知のように、知事がその飲食店について基準を設けることはできるようになっておりますから、その食品衛生法に基く東京都の食品衛生法施行細則ができておりまして、その施行細則で、飲食店の客室の明るさは十ルクス以上とする、こういうふうになっておりますが、ただし書きがございまして、ただし、風俗営業取締法の許可を受けた風俗営業についてはこの限りでないというただし書きがございます。そこで、今問題になっておりまするいわゆる深夜喫茶とかお好み燒き屋とか、これは普通の飲食店で、風俗営業でございません、現在は。従って、すべてのすし屋でもそば屋でも、同様に十ルクス以上でなければならない。ところが、現実には十ルクス以下でやっておる深夜喫茶がたくさんある。いわゆる深夜がですよ。深夜でなくても、昼間からまっ暗に十ルクス以下でやっておるというのがたくさんあるわけでございます。これはしかし違反の状態でございます。違反の状態ですが、警察では、これは罰則がございますから、罰則としての取締りはできるわけでございます。しかし、行政処分権は、警察といいますか、公安委員会にはございません。これは都知事でございます。ところが、その違反の状態が現実の問題としてそのままになっている。これが現実でございます。それじゃ警察では罰則の取締りをしているかということになりますが、これは全然やっていないわけではございませんけれども、これをやるには、御承知のように、実際の証拠をたくさんそろえまして、その一軒をやるのに大へんな手数と人数がかかるわけなんです。しかも、それをやられても、罰則でせいぜい罰金ぐらいのものです。それで、あしたから同じ業態をやっているのが現実です。警察が、数の多いそういうものに対して、今、売春防止法その他の暴力団狩りに手がかかるので、とてもそこまで手が回らないわけです。そうすると、行政処分権がない上に、都の方では実際には行政処分をしておりませんから、違反の状態が残念ながらこういうふうになっているというのが現実でございます。そこで、その現実をとらえて、これを風俗営業の対象にしてしまって、そうしてそれを公安委員会の許可営業にするとともに、公安委員会でもって行政処分もできるということによって、この現実の状態から、少くとも青少年はこれに入らないようにオミットしていく。そういうふうなことで、この青少年問題に非常に効果があるというのが一番の改正の目的でございます。その目的を達成するために、この現実をとらえてこれを考えたのが、この法律の改正案でございます。
○松澤兼人君 あなた方からおっしゃればそうかもしませんが、しかし、私たちから見れば、食品衛生法というものがあって、それが施行されていないからといって、今度こっちへもってきて、十ルクスというやつをやって、それから十ルクス以下で、また都条例によって定めるさらに低い標準というものがあって、それ以下であるというようなものだけをこっちへ移してきたわけでしょう。そうだとおかしいのじゃないか。こっちの方はそのままにしておいて、こっちへ移してきて、十ルクスという基準を設けている。あるいは都条例によって、それ以下でもいい、それから、東京だったら、三ルクスというようなことになってきて、低い基準を持っているわけでしょう。そうすると、かりに現在の通りだとすれば、三ルクス以下のものだけを取締りの対象にするというわけでしょう。
○政府委員(原文兵衞君) 三ルクス以下になると違反です、現行の風俗営業取締法で許可を受けておりますカフエーとかキャバレーも。同時にこれは、食品衛生法による都知事の許可を受けているわけでございます。二重許可でございます。善良の風俗を害するおそれがあるという角度から二重許可で、公安委員会の許可も受け、その行政処分の対象にもなっているわけでございます。従って、あらゆる飲食店でなくて、その飲食店の中の明るさで言うならば、十ルクス以下でやっているようなものは、これは、そのことが害するとは言えないけれども、害するおそれがあるというので、客席で客を接待する営業と同様に二重許可で、そういう営業をやっているものだけが二重許可で、公安委員会の許可と監督と処分の対象になる、こういう考え方で、結局、今の現行法では、キャバレーみたいのものになれば入りますけれども、いわゆる喫茶店形態で暗くしているのは入らないものですから、それを取り入れて、そうして青少年をそこに入れないようにするという考え方なんであります。
○松澤兼人君 保安局長として、都条例を作る場合、いなかのことは特別の事情として、五大府県というようなところでは、実際の指導として、今後三ルクスというものを認めますか。
○政府委員(原文兵衞君) この三ルクスというのは、都道府県条例で現在きめられている最低限でございます。今度の問題は、青少年の保護というのが、これが一番の重点になって、青少年が深夜喫茶等で不良化するのを防止する、こういう環境といいますか、不良化の環境を一つ一つなくする。そのなくするのがこの法律を改正していこうという一番の重点であろうかと私は思います。そうすると、十ルクス以下のような所へは青少年は入ってはいけないわけですから、その限りにおいては、従来のキャバレーなどと同じように、青少年以外のおとなの入る世界になります。であるならば、従来のカフエーと同じような最低限の制限はあって当然理屈に合うというふうに私は考えているものでございます。青少年はそこに入れないのですから。
○松澤兼人君 そうじゃなくて、かりに、今三ルクスというものもありますけれども、これは、五号の問題だけを切り離して、今のカフエーというものは別にして、そこに青少年は入れないわけですから、今度喫茶店その他を、これは法律の基準というものを十ルクスにするわけでしょう。それから、都道府県条例の基準というものは、それ以下である場合も予想されるわけでしょう。現在では予想されるけれども、しかし、この法律によって深夜喫茶を取り締るとか、あるいは青少年がそこに立ち入ることをなるべく防ぐという場合に、新しく都条例を作るとか、都条例を改正するというようなことで、いわゆる都道府県条例を作る場合に、これはこういう趣旨のものだから、この場合には、都条例というものは十ルクスに近いもの、あるいは五ルクス以下であってはならないという指導をやることがむしろ必要なのであって、都条例の現行は三ルクスであると、こういっても、これが今後はそういうことでなく、喫茶店はできるだけ明るくしなければならないという方針で、国家公安委員会は指導しなければいけないじゃないか、こういうふうに考えるのですが……。
○政府委員(原文兵衞君) 先ほど私のお答えは、御質問を勘違いした点もございますと思いますが、この法律の改正案によりまして、私先ほど申しました山村などの例外は別として、少くとも六大都市その他深夜喫茶等がある都市、そういうような所につきましては、少くとも深夜喫茶等があるような所につきましては、十ルクスより低い八ルクス、五ルクスというようなところで定めるということでなく、この法律通り、このカッコをないものとして指導するという考え方を持っております。
○松澤兼人君 私の質問が悪かったかもしれないが、そう簡単におっしゃればよかった。東京都条例というものには、風俗営業取締法施行条例というようなものがあるのですけれども、これに新たにやはり五号、六号をつけ加えなければならないわけですから、そうすると、営業所の明るさは三ルクス以上とする。こういう規定がまたほかに出てくるわけでしょう。その場合、この法律でいう五号、六号は、主として喫茶店を主体とする、こういうものにあっては、法律通り十ルクスでなければならないとするというふうに条例を作れば、私たちが心配することはないと思うのですよ。しかし、そうなると、今度は、その喫茶店は風俗営業の取締りの対象にならないということになります、十ルクス以上だから。その取締りの方の手心といいますか、うまさというものはどうなのですか。全部そういうものが都条例で十ルクス以上になって、明るくさえなれば、それで青少年はそういう所に来なくなるのか、あるいはそれでも問題の青少年が集まってくるならば、また別個の取締りをやらなければならなくなってくるのですか。その点どうですか。
○政府委員(原文兵衞君) ちょっと、御質問にさらにお問いして失礼ですが、十ルクス以上とするということは、結局風俗営業に取り入れないことになるわけでございます。そういう意味でございますか。
○松澤兼人君 今度は十ルクスとすると、こういうことでしょう。だから、あなたのおっしゃるいなかの方は別ですよ。少くとも東京都とか大阪という所は十ルクスでしょう、条例がしいてその下を規定すれば別ですけれども、この立法の趣旨から言えば。だから、法律が十ルクスということになれば、青少年は、まあそんな明るい喫茶店へは行かないということになるわけですな。そういうことになるでしょう。だから、一つの矛盾といいますかね。目的といいますか。その二つの目的がどういうふうにかみ合うかという問題を今言っているのです。
○政府委員(原文兵衞君) この五号は、十ルクスとして営むものでなくて、十ルクス以下として営むものは風俗営業に取り入れる、こういうことでございます。従って、十ルクス以上でなくちゃならないとおっしゃると、風俗営業として取り入れられなくなってしまうわけです。風俗営業で取り入れられないという状態は現在と同じ状態なんです。現在十ルクス以上でなくちゃならぬ、しかし違反をしている状態ですね。違反をしているけれども、先ほど申し上げたような理由で、公安委員会にまあ行政処分の権限も何もございませんので、残念ながらそのまま違反の状態がますますふえていくというのが現状である。そこで、やはり現状をとらえて、十ルクス以下のものについては風俗営業にして、公安委員会の監督下に置くと同時に、行政処分その他の処置によりまして違反のないように処していく、これはまあ大へん矛盾したような言い方でございますが、しかし、現実は結局、その保健所の許可だけでもって違反をしておりましても、なかなか行政処分というものは行われない。そこにこの深夜喫茶のどんどんふえてきたという大きな理由があろうかと思うのでございます。
○松澤兼人君 法律というものはそういうものかもしれませんけれども、わざわざ十ルクスという基準を設定して、それ以下のものを今度は風俗営業に入れて、そうして青少年の取締りの対象にするという、その理屈がどうもわからぬと言うんです。現実から言えばそういうことかもしれませんけれども、しかし、そういう回り道をして、しかも、何か罪人を作るようなかっこうに持って回らなければ、この青少年の問題、何とかならぬものかなあと、こう思うんです。
○政府委員(原文兵衞君) これはまことに残念なことだと、私も思っておりまするけれども、こういう飲食店営業だけでなく、その他のものにつきましても、法律で、たとえば、今言ったように、十ルクス以上にしなくちゃならぬということで、それに罰則の規定がございましても、それだけでは実際問題として、罰金くらい少し払っても何でもないという思想が非常にあるわけなんです。もちろん私どもも、それはいかないと思うのでございますけれども、それが現実にどうにもならないから、まあ理論上おかしいようなことでも、これはやっていかなくちゃならないんじゃないかと思うんです。
○松澤兼人君 感想だけ申し上げますけれども、わざわざ持って回ったようなやり方をしないで、そういう第一深夜業を許可するという公安委員会もおかしい話ですし、そこへ青少年が集まるということのためにわざわざ照度というものをきめまして、それ以下のものは今度風俗営業の中に押し込んでしまって、警察の対象にする持って回り方が、もうちょっとすっきりする方法はないか。これは、法律の技術といいますか、ほかの法律とのいろいろ比較検討とか、あるいは憲法違反とか、いろいろな問題を考えれば、持って回ったようなかっこうになるかもしれませんけれども、もうちょっと、われわれしろうとから言えば、そのこと自体をこうびしゃっと取り締るようにやる方法がありそうなもんだ。それじゃ照度十ルクスとして、まだそれでも、十ルクスを九ルクスくらい、もちろん青少年が集まってくるとする、それから、十ルクスにしたって集まってくるとすれば、照度を十五ルクスというふうに上げなければならないというような、これは結果的な問題も起ってくると思うのでございますけれども、青少年が集まってくるということ自体が暗いことのためだけであるのかということですね。そういう問題を考えてみると、こういう持って回ったやり方というものはどうも、果して青少年の深夜喫茶に出入というものを十分に取り締れるかどうかということを懸念するわけなんです。これはもう、私の感想ですから……。
○委員長(田中啓一君) 本案に対する質疑は、これにて終局とすることに御異議ございませんか。
○委員長(田中啓一君) 御異議ないと認めます。再開後の委員会において、本案の討論、採決を行いますから、御承知おきを願います。 これにて休憩いたします。 午後一時五十六分休憩 —————・————— 午後二時五十四分開会
○委員長(田中啓一君) 委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、風俗営業取締法の一部を改正する法律案を議題に供します。 これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。なお、修正案等がございましたら、討論中にお送べを願います。
○加藤シヅエ君 私は、この風俗営業取締法の一部を改正する法律案につきまして、修正の意見を持っているものでございますが、ただいまその修正の意見をここで述べたいと思います。 修正の第一点は、原案の第一条第五号を削ったことであります。その理由は、第五号の規定は、いわゆる深夜喫茶のうち、その客席における照度が十ルクス以下のものを新たに風俗営業に加えようとするものでございますけれども、これでは、その照度が十ルクス以下の喫茶店等の営業をいわば公認することになりますので、これを削除し、むしろこの種の営業における照度の重要性に着目して、新たに第三条の二の規定を設けて、喫茶店等の客席における照度は、常に十ルクス以上でなければならない旨を法律で直接規定いたしました。理想論といたしましては、風俗営業全般について、その客席における明るさは少くとも十ルクスなければならないとしたいところでございますけれど、一応この際は、新たに風俗営業に加えられた、小部屋等を有する喫茶店についてのみこの制限を付し、風俗営業全般についての照度の規制は、他日を期することといたしました。 修正の第二点は、警察官が風俗営業等の営業所に立ち入る場合の規定についてでございます。この立入につきましては、この法律の第六条で規定しているのでありますが、その現行条文では、法律や条例の実施について必要があるときは、いつでも自由に立ち入れるような表現になっておりますので、これを施行に必要な限度においてのみ立ち入れることに改めるとともに、新たに第三項を設けて、警察官がその立入に当っては、みだりに関係人の正当な業務を妨害してはならない旨を規定し、警察官がその立入権を行使するに当って、いやしくも職権乱用のおそれ等のない、慎重な配慮をいたしました。これが第六条についての修正でございます。 修正案の内容といたしましては、大体以上の二点がおもなもので、その他は、これに伴う条文の整理等でございます。
○委員長(田中啓一君) 他にございませんか。
○大沢雄一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、政府原案に賛成するとともに、ただいま御提案になりました修正案に反対の意思を表すものでございます。 今回の政府提案は、青少年の不良化防止、風俗改善に関する強い世論の要望にこたえまして、深夜喫茶等の弊害を除かんとするものでありまして、その趣旨におきましては、何人も異論はないのでございます。政府案の骨子といたしまする要点は三つであると思いまするが、その第一点が、いわゆる深夜喫茶と称せられる喫茶店、バーの類の客席の明るさ、照度十ルクス以下と、客席の広さ五平方メートル以下の基準でとらえて、これらに該当するものを新たに風俗営業に加えまして、都道府県公安委員会の許可営業といたしまして、その取締りに服させ、十八才未満の少年を客とすることができない、また、深夜すなわち午後の十一時以降日出時までの営業を行わしめないということがその第一点であると思います。 第二点は、客席の照度または広さにおきまして、第一点に該当せざる客席を設けて客に飲食をさせる飲食会業者の深夜営業に対しまして、善良な風俗を害する行為を防止するために、都道府県の条例をもって警察の立入に服せしめんとするものでございまして、この改正によりまして、第一の規制をのがれて深夜に風俗を乱すことのなからしめんことを期するものであると存ずるのでございます。 第三点は、罰則の整備強化でございまして、以上の三点は、いずれも必要な改正であると認めるものでありまして、この点におきまして、政府の原案に賛成するものでございます。 しかしながら、さらにこの法の改正の趣旨を徹底させるためには、運用の面におきまして、この問題となっておりまする喫茶店、バー等につきまして、少年、すなわち十八才未満の者、これは入れないはずでありまするが、この取締りを自信を持って警察においてやっていただかなければ、その目的は達成せられないのでございまして、この点について、私どもは、当局に立入の励行をきびしくすることを望みたいと希望するものでございます。 さらにまた、この風俗営業に新しく加えました喫茶店、バー等においてはもとよりでございまするが、現在のこの風俗営業におきましても、その明るさの最低限は、これは都道府県の条例の規定にゆだねられておりまして、おおむね三ルクスという最低限が定められておるのでありまするが、もっとこれを明るくするということが風俗改善の趣旨からいいのではないかという、強いこれは一般の世論の要望があるように私どもは考えるのでございまして、この点について、いずれ条例の制定その他の指導等をなさると思うのでございますが、この点について、警察当局に十分一つ指導と研究とをこの際強くお願いしておきたいと思うのであります。 それから、ただいま提案されました修正案でございまするが、第一点の照度によりまする新しく風俗営業に取り入れまする第五号を削りまして、当面構造、設備の点におきましてのこの条項によって風俗営業の対象に新しく入れるものを規制いたしまして、そうしてその明るさを十ルクス以上としようということでございまするが、そうすることによりましてこの第五号が削られまするので、現在最も弊害をかもしておりまする喫茶店、バー等が、これが現在のまま当分の間放置されるということになることを私どもはおそれるのでございまして、この点については、私ども遺憾ながら賛成ができないのであります。 次に、この修正の主要の第二点でございまするが、第六条の警察官の立入の問題に関しましての修正の御趣旨は、立入につきまして、本法及び条例を施行するに必要なる限度でこの立入権を認めていく、そしてその行使を、正当な業務を妨害してはならないという、何といいまするか、業務の執行についての規制を明文をもって設けられたい、こういう御趣旨のように解するのでございまして、そういう趣旨におきましては、私ども、これにもとより反対ではないのでございます。これは当然のことでございまして、現行法におきましても、法律及び条例の施行に必要なるとき立入ができるということでありまするから、この法文の趣旨というものは、全くここに今修正しようというのと同じこれは意味を持っており、従来もそのように運用されて参っておりまして、別に、そのために職権乱用等の問題も起っておることがないように私どもは考えるのでございます。いわんやこの条文は、これは、風俗営業の許可を受けたるものがその行政の関係の中におきまして当然受ける規制の関係でありまして、憲法にいわゆる自由権の制限等とは、全くこれは問題が別でございまするので、私どもは、現行法のままの表現の仕方で何ら差しつかえない、かように考えるのでございまして、この点におきましても、遺憾ながら修正に反対せざるを得ないわけでございます。 以上、要旨を申し上げまして、政府の原案に賛成し、修正案に反対するものでございます。何とぞ御同意をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。
○森八三一君 私は、ただいま議題になっております風俗営業取締法の一部を改正する法律案に対しまして、緑風会を代表して、政府の提出いたしました改正原案に賛成をし、加藤委員から提案せられました修正案に反対の意を表明するものであります。 そこで、一言申し添えまして政府の注意を喚起し、なお将来に向って善処を希望いたしたいと思うのでございますが、その第一点は、修正案にもございました照度の問題であります。今回の改正法によって新たに取り上げられました喫茶店なりバーは、もちろん従前からこの法の対象となっておりましたいわゆる風俗営業全体を通じまして立入をしなければならぬという趣旨からしまして、風俗等が努めて善良に守られまするようにしなければなりませぬ趣旨にかんがみまして、必ずしも現在都道府県条例で定めております照度というものが適当であるかどうかということについては、非常に多くの疑問がないわけではございません。そこで、各業態を通じまして、さらに一そうの明るさを保つようにいたしますることが、こういう法律を定めて参ります趣旨に沿い得ると思うのでございます。でございまするので、さらに一そうの研究をせられまして、でき得る限り趣旨に沿うように、明るさを保つように、希望といたしましては、他の法律によって定めておるやに承わるのでございまするが、少くとも十ルクス以上の照度を全対象業者は持たなければならぬというように規定をすべきではないかというように考えられるのでありまするが、おのおの業態によって多少の差がありましょうから、そういう点について、趣旨を十分取り入れまするような方向に向ってさらに一そうの研究をされ、将来改むべき点は十分一つ改めるように、善処をお願いしたいという点が第一点であります。 それから第二の点は、質疑の過程を通じましても明らかになっておりますように、現在も、今回取り入れられようとしている喫茶店とかバー等についての照度の問題等について、他の条例、法令等によって一定の基準が定められておりますが、その基準が守られぬままに放置されておるという現況であるわけであります。そこで、今回の改正法が実施を見ることになりましても、その法律の適用について厳格適正に施行されませんと、法律改正をいたしました趣旨が、また従前のように失われる危険がないとは言えないと思うのであります。でございまするので、いやしくも目的を持って本法を改正しました限りにおきましては、本法改正の趣旨が十分に達成せられますように、法律の適用について格段の努力を希望するのであります。 第三点に申し上げたいことは、これは多少言葉の表現が適当でないかもしれませんが、この法律により取締り対象となります各風俗営業者は、取締りをいたしまする警官との関係において、非常に私は常識的に弱い立場に立っていると思うのであります。でございますので、従来もそういうようなことを耳にするのでありますが、取締りに名をかりて、いろいろの供応だとか、あるいは飲食の提供というような問題がありまして、業者からは取締りが非常にいやがられておるというようなことを聞くのであります。そういうことでありましては、非常に遺憾なことでございますので、そういうような指弾を受けるような取締り行為がいやしくも発生いたしませんように十分御留意を願う、そのためには、取締りの衝に当ります警官諸君の素養というものを十分高揚しなければならぬと、なお、言葉を返して申しますれば、警察官の教養について一そう御工夫を願いませんというと、取締り範囲を拡大することによって、従来言われておりましたような弊害がさらに広がっていくというような心配を持つのでありますので、そういう点につきましては、十分一つ心して当っていただきたいという、以上三点の希望を申し添えまして、原案に賛成し、修正案には反対をいたす次第であります。
○委員長(田中啓一君) 速記をとめて。
○委員長(田中啓一君) 速記をつけて。 これにて討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ります。 まず、討論中加藤君から提出されました修正案を問題に供します。 本修正案に賛成の諸君の挙手を求めます。
○委員長(田中啓一君) 少数と認めます。よって、加藤君提出の修正案は否決せられました。 次に、風俗営業取締法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を求めます。
○委員長(田中啓一君) 全員一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
○委員長(田中啓一君) 御異議ないと認めて、さよう取り計らいます。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時十六分散会