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30回国会参議院1958/10/21

地方行政委員会 第6号

発言数
224
登壇者
18
会派数
3
開催日
1958/10/21

会議録

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) これより委員会を開きます。  委員の異動を報告いたします。本日加瀬完君が辞任され、藤原道子君が補欠選任されました。   —————————————

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 本日は、まず前回に引き続き、本年九月末発生の台風第二十二号による災害対策に関する件を議題に供します。  まず、現在までに判明いたしました被害の状況並びにこれに対する総合的な災害対策等について、政府の説明を聴取する段取りになっておりますが、なかんずく、ここで問題になりましたのは、田畑に非常に広範に堆積しておりますところの木材、廃材等の跡始末が、現在の水難救護法あるいはその他の関係法だけでは不便であって、何らかの特例法を設ける必要があるのじゃないか、あるいは、さらに政府が積極的に経費を負担して処置を講ずる必要があるのではないかというようなことについて質疑がございまして、本日は、まず災害対策本部長から御説明を願うことになっておりますので、そのように取り運びたいと存じます。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) ただいま委員長から御質問の流材の処置等については、後ほど申し上げることといたしまして、とりあえず災害対策本部が設けられまして以来の措置について、一応御説明申し上げたいと存じます。  災害対策本部は、設置後直ちに本部会議を開きまして、当面現行法及び行政措置により措置できる事項については、被災地域に対し最大限の手当を行うことを決定することにいたしました。さしあたり、被害の激甚であった伊豆地区及び京浜地区の現地を視察したのでありまして、伊豆地区におきましては、混乱のさなか、本部として帯同いたしました関係各省の本部部員その他の係官は、地元出先機関並びに地元地方公共団体の関係の向きに対しまして、当面措置すべき応急対策について指導いたしたのでございます。  次に本部としてとりました具体的な措置については、第一には、民生の安定についての措置についてでありますが、災害発生と同時に、関係知事は、災害救助法に基く救助対策を必要の地域に講じて参ったのでありますが、特に被害の甚大な地域につきましては、本部としましても、応急仮設住宅の建設に意を注ぎまして、当面必要な最小限度の住宅の確保及びこれが建材、資材、特に木材等の供給については、国有林野の木材の放出の措置を講ずるとともに、災害公営住宅の建設、住宅金融公庫による復興住宅への融資につきましても、所要の措置を講じて参ったのであります。  また、避難所の開設、たき出しの実施、医療及び助産の実施期間につきましても、各地域の実情に応じまして、その実施期間の延長、さらには世帯更生資金及び母子福祉資金につきましても、必要の向きに貸付財源の措置を講じたのであります。  なお、今次災害により生活保護適用者が増加することも予想されますので、生活保護法の活用及び事務の迅速処理につきましても指示いたしております。また、静岡県下における食糧の確保につきましても、乾パン、応急米の放出並びに米穀の卸売り、販売業者に対しては代金納入の延納の措置を、あるいは罹災農家に対しては、知事を通ずる米穀の特別売却及び延納の措置を必要地域について実施しておるのであります。  第二は、公共土木施設の災害復旧事業につきまして、災害発生に伴い、これが応急復旧工事の技術指導並びに応急復旧のために必要なブルトーザー、ショベル、トラクターショベル、スクレーパー、ダンプトラック、トレーラー等の建設機械を被災地に応援派遣するとともに、復旧工事費の査定を緊急に実施し、事業実施に当っても、災害関連工事とあわせ行い、再度の災害の発生を防止することといたしまして、災害復旧と関連いたしまして、上流水源地域についても、緊急砂防工事を実施していく方針を決定いたしております。  第三には、児童生徒の就学の確保でありますが、災害により全壊した小中学校の児童生徒の就学確保については、当面分散教育によることといたしました。これに必要な机、いすについて応急の措置をとるとともに、被災児童生徒に対する学用品、教科書等の配布について、さっそく迅速適正な措置をなし得るよう、また、水災地における学校及び児童生徒の保健につきましても、関係の向きに必要な具体的処理事項を指示して参ったのであります。また、国公立学校被災教職員の救済についても、各共済組合法に基く災害見舞金災害貸付金の概算払い及び現金払いを早急に実施するよう指示いたしたのであります。  第四は、被災者に対する金融措置について申しますと、中小企業の災害復旧資金につきましては、中小企業者の融資要望額を早急に調査せしめることといたしました。中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金その他地方の民間各金融機関に対し、資金需要のあった場合には、直ちにこれに応じられ得る体制をとるよう指示するとともに、国民金融公庫、中小企業金融公庫においては、被災者に対し、貸付期間の延長、据置期間の設定、担保条件の緩和等の優遇措置を講ずるほか、すでに貸し付けた分につきましても、償還期限の延長等、償還方法の緩和を行うことといたしました。また、農林漁業関係の被害に対しましては、天災融資法に基き、土地改良、林道、漁港の災害復旧に対する融資について、農林漁業金融公庫より必要な資金の融資が受けられるよう諸般の準備を進めて参ったのであります。自作農維持創設資金につきましても、相当の借り入れ希望が予想されますので、将来の事態に即応できるよういたしております。  最後に、被災地方公共団体に対してとった措置でありますが、災害県及び市町村に対しましては、地方交付税を繰り上げ交付したのでありますが、財政規模に比較して災害額の大であった静岡、島根には一〇〇%、青森、福島、岐阜、和歌山県には五〇%の繰り上げ交付をいたしたのであります。また、被災地方公共団体の災害復旧応急対策のためのつなぎ資金は、資金運用部資金から必要な額の短期融資を行うこととし、資金手当も完了しておる次第であります。  以上、災害対策本部発足以来、同本部として措置して参った事柄の概略を申し上げた次第であります。  次に、委員長から最後に申されました流材の点でありますが、これは非常にめんどうな問題でありまして、水害地復旧のため、現在の堆積場所から即刻取り片づける必要があるのでありまして、地元町村長においても、今後長期間にわたり流材を保管するためには、広大な場所と労力を要し、その管理上の価値も少いので、流材に関する従前の取扱い例等に照らし、水難救護法の適用物件として取扱うことを適切と認め、次のように処理して参りたいと思っております。  漂着木材を用材とその他の木材に分けて処理すること。用材とは素材、根付丸太等であります。その他の木材というのは、家屋、家具等の破損材でございます。用材の処理は、用材を流失した者及びその流失量の確認を了した後にすみやかに行う。ただし、個々の木材で、所有者が結果的に明らかであるもの、たとえば電柱とか橋梁材あるいは木材業者の刻印のあるもの等につきましては、現に所有者に返還中でございます。その他の木材は、所有者の確認が全く不可能のため、これの処置については、集積地の上流にある家屋の流失量に比例して、関係町村に割り当てることといたします。当該の町村長は、すみやかにその引き取りを行い、家屋を流失した者に分配して、罹災住宅、農舎、畜舎等の復旧資材の一部に使用したり、あるいは燃料、薪炭材として活用できるよう処理するということにいたします。これは非常に困難な問題でございまして、すでに昭和十三年の神戸水害の際の先例もあることでありますので、対策本部としては、水難救護法を適用すること以外には、今のところ方法がないのでありまして、委員長の御発言の通り、この問題は、将来もあることでございますので、何とか一つ適切な立法措置が必要ではないかと思っておる次第であります。神戸の問題とかあるいは和歌山県等の、いわゆる木材業者が流した流材につきましては、相当刻印がありまして、数日間において処理された前例年もございますが、伊豆地方におけるこの流材というのは、ほとんど橋梁とか、あるいは家具とか、これらの被災者の流失したものでありまして、どれがどれやら所有者も判明しないのであります。さらばといって、河川の応急改修の措置をとらなければならぬのに非常にじゃまになりますので、これが取り片づけに対するところの適切な法律が今後ぜひ必要でありまして、この問題につきましては、私の方でも非常に現在なお困っておるようなわけでございます。  以上、とりあえずお答えいたします。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 本件に対してなお質疑がございましたならば、御発言を願いたいと思いますが、ただいま御出席の方は、山口国務大臣のほか、林野庁長官、農林省災害復旧課長、建設省防災課長、同じく都市建設課長、同じく住宅総務課長、運輸省海運局次長、同じく海務課長、自治庁政務局長でございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 ただいま山口大臣のお話でありますが、私は、水難救護法を正面から読むと、これのただし書きの規定を適用するというようなことは、きわめて困難なことであると思う。しかし、とにかく緊急を要するし、これをこのまま放置することができない、従って、何とか処置しなければならぬと思います。で、お話のような処置をすれば、通常の場合は必ず後日に問題を起すことである、あるいは場合によると、刑事事件というようなものにも発展しかねない、こういうふうにも思いますので、地方がお話のような処置をするについても不安があるというふうに思いまするが、政府の有権的な——当局からこういう扱い方をしていいという積極的の指示をなさる、通牒をすると申しますか、こういうことでございますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 今日の場合といたしましては、町村に、政府が、これこれ程度の措置は差しつかえないというような指示をするところの法律的根拠が見当りませんので、ただいま申し述べたような水難救護法に基く措置以外には方法がないのでありまして、この点について、私が申し述べましたる通り、将来は、ぜひこの特別立法の措置をとるように、立法措置が必要ではないかと考えておるようなわけでありまして、現在、お尋ねのように、政府からこれこれの措置をとるようという指示は、まだ完全にいたしておりません。

小林武治自由民主党

○小林武治君 それでは、地方から、これこれこういう措置をとりたいが、異存がないか、政府当局はそれで差しつかえないかと、こういう照会があったら、どういたされますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) これに対しましては、特に災害対策本部長の責任において、それぞれの事態に対してお答えしたいと思っております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 私は、災害対策本部長というのは、これはいわゆる政治の国家組織上の機関ではない、従って、もし水難救護法を適用して、今のような結果になるとするなら、やはり主管大臣は運輸大臣じゃないかと思いますが、対策本部長もそういう御返事をいたされますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 緊急の場合でありますから、ただいま閣議によって決定された災害対策本部長として、私の責任において適切なる措置をとり、これを関係各省にその事後了解を受けるようなことにいたす以外には方途はないと考えております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 いずれにしろ、政府のその権威ある解釈が地方に通達されると、地方からの照会に対する回答でけっこうでありますが、そういうことをいたさなければ、地方当局も、自己の責任だけでこの問題を処理できないと思いまするからして、今私が申したように、政府の善処を一つお願いいたしておきます。  それから、その後の処置の問題でありまするが、たとえば、このたびの災害の結果、善後措置として特別立法をするとかせぬとかいうふうな問題がありますが、そのことについても、大臣からお答えいただくことはできますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 政府の方針といたしましては、最初の間は、前年度の諌早の災害にとったような、現在の法律の範囲において措置できるだけのことを措置しようという考えでございましたが、だんだん調査の結果、非常に災害も大きくなりますし、また、地方の実情が、諌早以上の深刻なるものがございますので、これは、どうしてもまた現在の法律だけでは解決しかねる点も相当多く発見されて参りましたので、緊急に特別立法措置をすべく目下準備中でございます。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記をやめて。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記を始めて。

森八三一緑風会

○森八三一君 ただいま山口大臣からお答えがあったことで一応了承できますが、流材や廃材の措置について、水難救護法を適用して措置をするということに閣議で決定した限りは、地方から照会があったら回答してやるなんていうなまぬるいことではなしに、市町村長は非常に困っておるのですから、きまった方針というものは、当然に積極的に示達されることが私は親切じゃないかと思うのですが、どうですか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 何か、先ほど閣議決定ということはまだ申してなかったと思うのですが、私の責任において、質問があった場合においては、緊急に適切な措置を講ずるよう私が答える、こういうことにしておるのでありまして、このことにつきましては、地方の陳情団等につきまして、私から非公式にこう言うことも差しつかえなかろう。また、特に狩野川の流材の現況からいたしますと、とうてい所有者が判明する程度のものではないのでございますから、地方または国において緊急にこれを取り片づけして、そして災害復旧に支障のないように措置しつつあるわけでございます。

森八三一緑風会

○森八三一君 そこが問題なんでしてね。水難救護法によりますというと、その所有者というものが、非常の場合ですから、すぐ判明しない。だから、関係の市町村長は六カ月間管理をしまして、その間に所有者の判明を待つというのが原則なのですね。そんなことをやっておったんではとても、河川の改修にしても、田畑の復旧にしても、広大な材料をかかえ込んでおったんじゃ復旧が間に合わぬ。だから、それを急速に措置をすることが考えられなければならぬというところに小林委員の質問のもとがあるのです。でございますから、そういうものを急速に措置をしてよろしい。他日その所有者が発見されたような場合に、すでに処分されておるということになると、これは刑事上の問題になるのですね。そういうような問題にはいたしませんということを通達をしてやらなければ、市町村長としては、法律を正面解釈をした範囲内より行動ができないということになると思うのです。でございますから、廃材や流材の処置については、水難救護法を適用して処置をするということについて政府の方針をおきめ願って、その願った結果として生ずる行為とし、て水難救護法にきめられておる窮屈な解釈じゃなくて、当面措置はかくかくの範囲までやってよろしいということを市町村長に通達されなければ親切じゃないと思うのです。聞いてきた場合には、それぞれの情勢を判断して回答してやるというのでは、これは、今ほんとうに困り切っておる市町村長を指揮する政府の態度では私はないと思うのです。積極的におやりになる必要があると思うのです。  私の質問をもう一ぺん要約して申し上げますと、今度の廃材、流材について、これを処置するための法的根拠は水難救護法に求めるということに政府ははらをきめたということを一つはっきりおっしゃってもらわなければ困る。  その次は、そうきまった限りは、その法律の正面解釈だけじゃなくて、当面の措置をするのに必要な限度においてかくかくまでしてよろしい、こう言ってやらなければ手も足も出ないと思う。そういうことをやっていただけますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) お説の通りでありまして、関係法律としては、水難救護法に基く以外には方法がないのでありまするから、お話の通り、水難救護法に基いてこれを処理するということにいたしまして、そうしてさらに、私が先ほどから申し上げました通り、対策本部長の責任において、あまりむずかしく、きびしく速記録等で責められると、これは非常に将来も困りますが、この点はお許しを願いまして、当面の緊急措置として、たとえば、町村長につきましては、国、県または当該町村が、この廃材を災害復旧に支障のないように数カ所にまとめまして、そうしてまた、これがさらにじゃまであれば、これを換価処分して、そうして後、その処分金を将来どういうふうに配分するかというようなことにしまして、一応流材というものは処分すべきものだと、私はかように思っておりまして、また、特に狩野川の現況等に照らしまして、これが所有者が将来自分のものだと言って主張してくるような様相ではないのでありますから、それくらいの措置は、私が対策本部長として町村に答えても差しつかえないと、こう思っております。

森八三一緑風会

○森八三一君 まだ非常にあいまいなんで、おそらく小林委員も、今のお答えではまた疑問が起るのではないかと思うのです。と申し上げまするのは、水難救護法を適用いたしましても、所有者が判明しない場合等に備えて、六カ月間は管理しなければならぬということが原則なんですね。ただし、その間、腐敗性のあるものだとかいろいろな条件がついておって、そういうものについては緊急処分をしてよろしいということなんです。そこで、その認定の問題が非常にやかましくなってくる。でございまするから、そういうようなことについては、今直ちに所有者の判明しないものについては、処分換金してよろしいということをおっしゃらなければ、結局流木等については、一定の堆積場所を設けて管理をしておかなければならぬというのか。それでは田畑等の復旧ができない。それをどっか支障のないところへ持っていって管理をせいと言えば、広大なものを何十キロも向うまで持っていって堆積する。非常な費用がかかる。その費用は持ってやる、こうおっしゃればまた話は別です。そういう費用は出ない、堆積しておけというのでは復旧には役立たない。そこで、処分をしてよろしいとおっしゃらなければいけない。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) これは非常に問題でありまして、今、懇談会で、私の決意なり私の今後とろうとしておる措置に対しては、お答えして、十分皆さんの御了解も得たいのでありまするが、今日速記録を通して、さようなことを私が政府当局として申しておくということは、今後特別に立法されるとしても、そういうときにも、またいろいろ引き合いに出されたりして困難なことになりますので、この点は、一つ速記録を抜いて、そうして私から適切にお答えし、あるいは皆さんのお知恵を拝借して、緊急に一つ支障なきように措置をいたしたいと、こう思っております。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記をとめて。    午前十一時十九分速記中止    —————・—————    午前十一時四十二分速記開始

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記を始めて。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 ただいまの、現在ある水難救護法、遺失物法というふうなものの解釈によって、静岡県における今の流木の処置をやるということは、実際やむを得ないことでありましょうから、これに対しては、対策本部において臨機の処置をするということもやむを得ないじゃないかと思うのですが、しかし、これは、将来の問題として考えまするというと、この種の災害、またそれによって起るこういうような事象というようなものは、どうしても何か適当な立法措置をする必要があるのじゃないかと思います。ことに、これは単に水難救護法とか、あるいは遺失物法というだけではなく、もっと広い視野において、財産権との関係を考慮して、適切な処置をする立法をする必要があるのじゃないか、こういうように、今の臨機の処置は臨機の処置として、急速にこういう事態に対応する立法をするお考えがあるかどうか、お伺いいたしたいと思います。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 御説ごもっともでございまして、これから立方措置をして二十二号台風の前後措置を講ずるということは、とうてい時間的に間に合わないことではありまするが、将来のことをおもんばかりまして、これを一つ緊急に、かような問題が措置できるように、恒久的な立法措置を講ずることが必要だと、私も痛切に感じましたので、御説の通り、これが立法措置に対して努力したいと思います。

小林武治自由民主党

○小林武治君 お話の通りでありますが、要するに、私は、静岡県としては、できるだけ早期にこれの跡始末、遺棄処分をするということが目的でありますから、いずれにしろ、安心して市町村長がこの跡始末のできるように、政府当局から一つ有権的な指示を何とか与えてほしい、こういうことをとりあえず一つお願いをしておきます。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 承知いたしました。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) それでは、流木につきましてはこの程度にいたしまして、災害対策につきまして、その他の問題について御質疑がございましたならば、お願いいたします。

小林武治自由民主党

○小林武治君 山口大臣は、多少と申しまするか、今後の災害の跡始末についての特別立法について、政府の関係に参与されておられると、こういうふうに思いますが、当委員会におきましては、前回の委員会においても、自治庁の長官に対して、静岡県の町村等は、歳入がほとんどなくなっておる、従って町村の財政の維持ができない、そのためには赤字の起債を認めてほしい、そのための特別立法もしてほしい、こういうことを申し上げて、このための努力をいたそうと、こういうことになっておりまするが、その点は、何か御存じでありましょうか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 本日もこの特に伊豆地方の災害に対して金融措置等について、閣議で決定された事項もございます。また、先ほど申し上げましたる通り、だんだん日がたつに従って、とうてい諌早でとりましたような措置だけではまかない切れない問題がございますので、すみやかに特別立法の措置を講ずるよう、目下作業を進めておるような状態でございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 財政局長にも伺っておきたいのでありますが、地方の町村あるいは県の小災害に対する、たとえば十五万円以下、十万円以下の小災害に対する補助、起債、あるいは起債に対する元利の補給、こういうふうな問題についてのお考えは、今どの程度にまとまってきておりますか。

奥野誠亮自治庁財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 御承知のように、一件当りの工事費の少いものについては、災害復旧費の国庫負担の対象にならないわけであります。しかしながら、そういう部分が非常に多いわけでありますし、その地方負担も莫大な額に上って参りますので、建設省なり農林省なりにおかれましては、ぜひそういうものについてもめんどうを見たい、しかしながら、一件々々査定をしていく、一件々々設計を作っていくというようなことではどうにもやり切れない、こういう話がございます。従いまして、そういうものは、一括して地方債をつけてもらいたい、こういうような話になっておるわけであります。そうなりますと、国が特別にめんどうを見るめんどうの見方として、地方債を許すだけのことでございますので、従いまして、その地方債の元利の償還額については、全額国で負担をするというやり方をすべきだと思うのであります。そういうことで、私たちとしては、やはり二十八年の災害の際にとられました特例災の立法、こういう措置をとるべきじゃないか、こういう考え方を持っておるわけでありまして、党内におきましても大へん強い意見になっておるわけでありますし、政府部内におきましても、農林省、建設省がそれを希望され、私たちもそうあるべきだと思っておりまして、なお、大蔵省当局と話し合いを進めておる最中であります。

小林武治自由民主党

○小林武治君 赤字起債の問題、あるいは小災害の補助あるいは起債、あるいは元利の補給、こういうふうな問題については、大体政府もこのための特別立法をしてくれる、こういうことと大体了解いたしますが、もう一つの問題は、山口大臣も聞いておいていただきたいのでありますが、二十八年の災害には、非常に災害の大きいところは、いわゆる公共事業についての高率補助という特別立法をしておるんでありますが、最近聞いておるところでは、政府では、この高率補助の特別立法をする意向があるいは非常に消極的である、こういうふうに聞いておるのでありますが、その点はいかがでございますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) ただいまお話のようなことが、今立法措置を取っております中においても非常に重要な問題でありまして、この点につきましても、なお、お説に従いまして、十分検討を加えていきたいと思います。

小林武治自由民主党

○小林武治君 そういたしますると、まだ必ずしもやめたということになっておらぬ、今後なおその実現に向って政府も考える、こういうことに了解してよろしゅうございますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 高率補助と、それからまあこの金利の面と対照しながら、どちらをとるかというようなことに非常に苦心をしておるようなわけでございます。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今のその高率補助の問題に関連するのでありますが、もし万一、高率補助の特別立法ができない、こういうふうなことになれば、当然地方起債というふうな問題で、起債でほとんど全額をまかなわなければならぬ、こういうふうなことにあるいはなると思いまするが、その初年度あるいは次年度等におけるこれらの県の補助事業に対する起債の限度ですね、あるいはこれを九〇%とするとか、あるいは七〇%とするとか、こういうふうな前は慣例もなっておるが、こういうふうな起債の状態では、高率補助がない場合には、とてもできないというふうな事態に相なると思いますが、その起債をフルに認める、そういう場合には、すなわち起債のワクを広げて、次年度等においても、七〇%とかいうような点に切らないで、フルに認める、こういうふうな考え方について自治庁はどう思いますか。

奥野誠亮自治庁財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 災害復旧の問題として、本来地方団体が負担しなければならない部分、こういうものにつきましては、現年度分に関します限り、一〇〇%地方債をつけておるわけであります。今までの例によりますと、過年度災につきましては、七〇%の起債をつけておるわけであります。ただ、個人所有でありますところの、たとえば農地復旧、こういうものにつきましては、現在五割の国庫補助が定められているわけでありますけれども、この復旧についての地方債はつけていないわけであります。従って、地方負担に関します限りは、現年度分一〇〇%、過年度分七〇%の方針によっておりますけれども、その過年度災が当該地方団体にとりまして特に莫大な額に上って参ります部分につきましては、できる限り地方債の充当率を上げるべきだ、こう私たちは考えております。ただ、具体的に、どこまでめんどうを見るべきかというような問題につきましては、今後の他の措置とあわせて検討しなければならない問題だと、こう思うわけであります。  なおさきに、小災害等についての特別債の問題をお話し申し上げましたが、私たちは、国がめんどうを見るとすれば、そういう地方債について元利補給の措置をとらなければならないと見ております。大蔵省側は、そういう地方債の元利償還額については、地方交付税のワクの中でめんどうを見ればよろしいじゃないか、こういう考え方を持っておるわけでありまして、まだ、昨日現在では、政府部内の話はついていないわけでありますけれども、先ほど申し上げましたような方向で努力して参りたい、かように考えておるわけであります。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今の、初年度は一〇〇%を見る、しかし、実際は査定その他でもって、一〇〇%にならぬというふうなこれは実情であります。また、過年度は七〇%と、こういうふうなことでは、もし高率補助等がない場合には、地方負担に耐えない。どうしてもまた、初年度と同じように一〇〇%見てもらいたい。そうでなければ復旧はできない、こういうことが実情でありますので、まああなたもある程度見てやろうというような——ある程度でなくて、自治庁の考え方としては復旧のできるように、十分な起債のワクを見てやろう、こういうふうな考え方をぜひしてほしいと思います。それからして、今の小災害についても、交付税の中に入れるということは、どっちかというと非常なごまかしで、結局ここにぶち込んで、みな地方がごまかされる。このしわが地方の赤字の原因にも大きくなっておるわけですね。取り出し得るものは取り出して元利補給等もすべきであって、交付税の中にぶち込むという考え方は、ぜひ一つ避けてもらいたい。大蔵省はどう言うか、自治庁の態度としては、そういう態度で行ってもらいたいと思います。

奥野誠亮自治庁財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) お考え方に全く同感であります。

森八三一緑風会

○森八三一君 この委員会で質問するのは必ずしも適当でないように思いますが、先刻山口大臣からお話しの中に、非常に感謝しますのは、復旧の措置として、資金需要が非常にふえるだろう、そこで、中小企業に対する金融上の担保の条件を緩和したい、それから、自作農維持資金の希望が非常に増大するだろうから、それに対して緊急の措置を講じたいという御報告があったので、非常に感謝いたしますが、なかなか金貸しというやつは、政府がそうおっしゃっても、そう簡単に応じないのが多いのです。そこで、担保の緩和というのは、どういうことをおやりになろうとしているのか、具体的な内容をお聞きしたい。それから、自作農創設維持資金の応急措置というのは、一体何を含まれているのか。これは、限度があるのですから、それをふやしてやるのか、この措置は、二十二号台風の地域だけに適用されるのか、十七号台風以下本年度の災害地にも、あまねく同様の措置をするということなのか、その辺の御構想をお聞きしたいと思います。

吉田信邦内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○政府委員(吉田信邦君) 一応一般的に申しますれば、国民金融公庫、中小企業金融公庫等における貸付条件は、災害の場合には緩和をいたすことにいたしております。国民金融公庫につきましては、通常の場合は三年の貸付期間、これを五年以内に、三年を五年に引き上げた。据置期間は普通ないのでありますが、それを六カ月据置期間を置く。それから、担保は、災害の場合には原則として取らぬ、それから、既往の貸付につきましては、応急的に六カ月の支払猶予を認めるとか、償還期限の延長、償還方法の変更、保証人の変更というような面につきましても、適宜な措置をとることにしております。それから、中小企業金融公庫につきましては、通常の場合には五年でございますが、これを、貸付期間を七年とし、据置期間は、通常六カ月のものを一年以内、それから担保は、信用保証協会の保証があれば担保を徴しない。既往貸付についても、必要な措置をとるということにいたしまして、措置して参ってきているわけであります。特に中小企業関係の災害の激しい分野につきましては、今回特別措置を本日閣議決定があったようでございます。ちょっと、その点につきましては大臣から……、どうも申し方が悪うございました。なお、農業関係につきましては、農林省から御説明を願いたいと思います。

河口清農林省農地局災害復旧課長

○説明員(河口清君) 自作農資金につきましては、静岡県の被害が非常に大きいのでございますので、ワクが五億残っておりましたうちから、一億五千万円を緊急に割り当てまして、そうして今後の自作農資金のワクの増額につきましては、今後考慮いたしたいと思います。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 適用のあるやつは、二十二号台風だけに限るのか、十七号からずっと続けてやるのか。

吉田信邦内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○政府委員(吉田信邦君) 国民金融公庫、中小企業金融公庫の条件は、今回の二十二号に限らないで適用されます。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 関連。今、中小企業金融公庫やあるいは商工中金は、災害のために償還年次を繰り延べるというようなお話があったのですが、きょう新聞に出ておりました三十億というのはその金額ですか。

吉田信邦内閣官房内閣審議室長兼内閣総理大臣官房審議室長

○政府委員(吉田信邦君) それは違うと存じますが、私、きょうの新聞に出たのはよく存じませんので……。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 きょうの新聞には、中小企業金融公庫と商工中金と合せて、三十億程度を災害のために出すということが新聞に載っていた。それとは別個なんですね。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) その程度はお答えしていいと思いますが、本日の閣議で決定いたしましたのは、伊豆地区の中小企業災害融資に関する特別措置の問題であろうと思うのでありまして、全般的な問題とは別個になっております。

松澤兼人日本社会党

○松澤兼人君 そうしますと、これは、先ほど森君から質問がありました本年度の台風ということでなくて、二十二号台風の特に伊豆地方に対する中小企業の金融分として、まあ金額は、新聞では三十億と出ております。これを特に融資するということと承わってよろしゅうございますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) その通りであります。

大沢雄一自由民主党

○大沢雄一君 ちょっと関連して。  今の、二十二号台風のうち特に伊豆地方だけに限定してということでございまするが、その事情をちょっともう少しお伺いしませんと、私も納得しかねる。たとえて申しますると、埼玉県の県南地方、川口を中心とした付近の工場など、これは、主体は湛水の被害ではありますが、非常に個人災害の金額が大きいのです。工場が月余にわたって動かない。あるいはまた、資材が水のために全く——鋳物に使うワク等を愛知県から持って来ているのですが、これに水が入ると全然動かない。ワクがくずれてしまう。そういうことで、非常に個人の損害が大きい。従ってまた、町村関係でも、これはそのまま放置できない。赤字のところを覚悟で利子補給等をいろいろきめなければならぬ。税の減免もきめなければならぬ。こういうことで、川口の付近の蕨、戸田、それから朝霞、大和町等は非常な災害を受けておるのですが、こういう所が除かれておるということは、私非常に合点がいかないのですが、どういう事情でそうなっておりますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 一応御説明申し上げます。  今年度の災害は、御承知の通り、十一号、十七号、二十一号、二十二号となっております。その中で、わけても一番災害の様相がひどかったのが伊豆地方でございます。川口地方のことは、いわゆる鋳物業者の唯一の財産ともいうべき砂を流してしまったというようなことが一番被害が大きかったように思うのでございます。ただ、ただいま申し上げた問題は、伊豆地方の場合においては、従業員が三十人以下のもの、商業、サービス業については、常時使用する従業員が五人以下、それから特別融資の貸付限度が三十万以下、まあこういうことになっておりますので、川口地方の鋳物業者に対しては、必ずしも適切じゃない点がございますので、むしろ政府としては、川口地方においては、それよりも少し経営規模の大きい、災害額にしても、何百万円というような中小企業者の範囲に属する人々が相当多いだろう。こういうことでございますので、今日のところは、一応この伊豆地方に限定いたしまして、川口地方のような特別の地域につきましては、通産大臣と大蔵大臣と私と相談して、そうしてこの金融の額及び金利の問題において十分市当局とも相談して、別個にきめることが適切ではないかというような今のところは話し合いになっております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 ちょっと関連。ただいまの大臣の御答弁中にございました中小企業の伊豆地方の問題ですね。この中にサービス業も入るのですか、旅館の復興等。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) もちろん入ります。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 この機会に、山口大臣に御所見を承わりたいと思うのですが、最近ダムができたり、また、土地改良によっていろいろ用排水を開拓している。要するに、今度はだいぶ人為的に水の流れを規制しておるわけなのであります。従って、水害等についても、その影響が大きいのじゃないかと思うのです。ダムの管理者あるいはまた水路の管理者、いろいろこういうものは管理者が違うというようなことになりますると、水門をしめたり開いたりする、あるいはダムの放水というようなことが非常に水害に大きな影響を及ぼしておるのじゃないかと思います。これはまた、利害関係が非常に違うので、上流の町村と下流の町村と違う。そこにまた、警察が水害の情勢の情報によって調べて、それに対応して方法を講ずるというようなことがある。まあそういうように、いろいろ水の流れを人為的にやっておるために、人為的に水害を作るというようなことも想像できるのである。従って、こういうような場合には、これらのいろいろの関係を十分に連絡統制をはかって、水害を全体的に防止するという方法が必要じゃないかと思うのですが、先年諌早の状況を視察したときに、この警察と、それから観測所と、降雨量の観測と、それから水防施設と、非常に連絡が不十分であったというために、災害を一そう大きくしたという事例を見ております。また、私の県でありますが、信濃川のあの水門がいつも開くとかしめるとかということで、上流と下流と苦情を起したり、またその時期をうまくやらぬというようなことで、始終問題があるのを聞いておりますし、今度の水害でも、ずいぶん、降雨量の関係もありまするけれども、湛水というようなことは、排水に非常に関係が多いのだと思うのです。それがまた、水門とかダムというようなことによって、非常な大きな影響を与えておると思うのですが、要するに、こういうような水門なり、あるいはダムの管理者なり、あるいはまた警察なり、あるいは測候所なりというような、すべてこの水に関連あるものについて、水害を防止するという線に統制的な考慮を払う必要があるのじゃないかと思うのですが、御所見を承わりたい。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 伊豆地方の問題につきましては、やはり将来は、防災ダムとか、多目的ダムとかというものが、これはもうぜひ必要だと思っておりますから、ダムというものは、あくまでも山林砂防あるいは水源涵養林といった問題と、これはもう不可分の問題だと思っております。でありますが、信濃川の例も承わっておりますが、今回のこの和歌山県の日置川の殿山ダムというのは、一番降雨量の多い真っ最中に水門を開いたというので、大へん今問題になっておるようであります。こういった問題から関連いたしまして、河川行政の一本化といいますか、こういったことには、私がいま一つ所管いたしております行政管理庁の問題になって、結局行政機構とあわせて考えなければならぬと思っております。たとえば、港湾行政とか、あるいは河川行政とかというような面は、今回の水害についても十分つぶさに私も体験、研究いたしましたから、こんなことが将来、この所管がどこであって、そうして水門を開くべき時がいつであるというようなことは、これは、今後一つ明確にしておくことが必要じゃないかと思っておりますから、御所見の通りでございます。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 今の問題は、急速にはできないとしても、非常に重大な関係があると思うのです。また、今後ますますこの水というものを人為的に規制するということが進んでくるのじゃないかと思うのですが、それに対応して適切な法的措置を講ずるというようなことも必要と思うのですが、それと同時に、これはまあだいぶ言われておると思うのですけれども、その災害を復旧するような財政的の措置も考えておく必要があると思うのです。要するに、災害を中心として、災害そのものを防止するということと、または災害の結果を復旧するというようなことと関連して、各官庁なり各方面の機関全部統制をして、それに対応する策を講ずるというのが一そう必要だと思うのですが、いかがでございましょうか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) お説の通りでありまして、病人をなおすのにも、予防医学と臨床医学とあるようなわけでありまして、今後の災害の予防のためには、お説のような適切な法的措置も当然必要であろうと存じております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 せっかくの機会だから、山口大臣に伺っておきますが、伊豆の災害の善後措置として、狩野川の復旧工事ですね。この工事は、普通なら三年で通常の場合やる、二年でこれを終るということを聞いておりますが、そういうふうに承わっておいてよろしゅうございますか。大臣の一つ関係した範囲で……。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) ちょっと速記をとめていただきたいと思います。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記をとめて。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記をつけて。

小林武治自由民主党

○小林武治君 ただいま大臣の熱意ある御答弁がありましたから、そのことに一つ全力を注いでいただくということで了解いたしておきますが、なおもう一つ、大臣も御視察になりました、狩野川の放水路があれば、あのような災害は大半防げたのじゃないか。ことに下流地帯はそうでございまするが、この放水路についても、政府部内で、二年の期間で一本だけは抜く、こういうふうな、建設省部内にもさようなお話がありまするが、その点についても、私はさよう了解しておってよろしゅうございますか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 狩野川のいわゆる最高流量をたしか私の記憶によりますると二千八百トンとして、二本の放水路を計画されておる。その一本の放水路が五百トンだから、二本でありますから、二千八百トンのうちの千トンを抜くということであれば大丈夫だというようなことで計画されたように聞き及んでおります。しかるに、今回のこの最高流量は五千トンを越したといわれておりますので、どうしても、今回のような災害がある場合においては、トンネル二本でものみ切れないのではなかろうかと思っておりますので、私は建設省当局に、将来は一つもう一本抜くような計画が恒久的に必要ではないかと申しておるようなわけであります。従いまして、御承知の通り、あそこは、金さえつぎ込めば、砂岩でありますから、工事は比較的スムーズに進むと思っておりますので、今までのような、年に六千万円や七千万円の金でやっておったんじゃ、十年くらいかかることは当然でありますから、今後あの放水路は、短期間の間に少くとも最初の計画である二本は抜くべきであると思っております。ただ、今日まで工事が遅々として進まなかったそのまた一面には、付近の漁民その他皆さん方が、非常に農地とかあるいは漁業権の問題できびしく反対されておったということ、そのためにも工事が進まなかったということは、小林議員が御承知の通りでありますので、一つ関係地元の農漁民皆さんの御協力を得まして、御理解ある御協力のもとにこれが工事の進捗をはかりたい、こう思っております。

小林武治自由民主党

○小林武治君 今お話しのような障害は、大かた除かれておりますが、この機会にぜひこの促進をはかりたい。従って、小くとも二年以内に一本のトンネルは開通さしてもらえる。こういうことの話も出ておりますので、このことは一つ絶対の要求として、大臣も、特にごらんになった災害の主管大臣としても、来年度予算においてまず実現されるということを一つお願い申し上げたいと思います。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 十分承わりまして、建設当局に強くこれを伝えたいと思います。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 ただいま大臣から、災害復旧の現在まで三・五・二でやる。これはおそきに過ぎるのじゃないか、二年くらいでというようなお話があり、非常に力強い御決意の表現があったと思っておりますが、問題は、この機会に一つ私、できれば二年でやってもちろんけっこうでございます。むしろ三年でできないところに対して、これは一つ政府でも大きな決意を持ってやっていただきたい。三・五・二がいつの間にやら四年、五年たってもまだできない。そうしている間にまた災害が起るというのが現在までの多くの河川に起っておる災害の状況だと思うのです。もちろん、今の伊豆の問題等は、ここしばらくは災害がなかった土地だというような話でありますが、地方においては、今私が言うようなところがしばしばある。しかも、悪いことには、査定をパスしておりながら、五年、六年たったあとに切り捨てられたという事実もあるのです。さらにまた、査定そのものが、どうも実際の災害があるにもかかわらずパスしないというようなこともあるので、こういう一連の関連した問題とともに、私は、今回の災害を機会に、大臣として政府の一つ現在の法律に定められておりますところの災害復旧の三・五・二を確実に一つやってもらう、そこにあらゆる努力をしてもらいたいということを要望したいと思うのですが、要望みたいになりましたが、それについて一つ大臣のお考えを承わりたいと思います。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 速記をとどめておったのを、直ちにここで問題にされることは非常に困るのでありますが、私が申しましたのは、いわゆる直轄河川等の災害に対しては、どうしても二年くらいで政府の力でやっていかなければならぬ。現在まだ二十八年度災害、過年度災害が残っておるところは、十分私も承知をいたしております。これは、主として地方の町村外のもの等が残っております。道にしても、県道等の問題が残っておるように思います。ですから、三・五・二を確実にやるということであれば、これはもちろん地方の方は御承知いただくと思いますが、この過年度災害がいまだに切り捨てられようとしておるような状態等も十分承知をいたしておりますので、この点は、私だけではございません。一つ国会を通じて、強く皆さん方の御協力によって、将来さような慣習をなくするようにお互い努力しなければならぬ、こう思います。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 重ねて申し上げるようで恐縮ですが、実際今の査定後の認証等を見まして、これで果して三・五・二でいけるかどうかということを最初からおかしなところがあるのですよ。こういうような問題、それから、今やはり地方で問題になっておりますのは、切り捨ての問題でございますね。これはやはりどうしてもやってもらわなければならないところがあり、中には、これはあるいは予防法であるかもしれませんけれども、地方自治団体等においていわば立てかえ工事みたいなものをやっておるということもあるわけなんです。そういうことが何年かたったあとに切り捨てられるというようなことになれば、非常に大きな問題になりますので、今後十分現在の……今大臣がお話ありました二年という問題は、一応速記にのらない問題としましても、三・五・二を確実に一つやらせる、こういうことで一つやっていただきたいということを申し上げます。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記とめて。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記始めて。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 二つ、大臣と、それから奥野さんにお伺いしたいのですが、大臣の方は、今の町村関係の災害復旧の問題の法の、何と言いますか、不備を整備しなければならぬということを、非常にけっこうなことで、ぜひやってもらいたいと思うのですが、その場合に、一つ希望と申しますか、お願いをしたいことは、現在の町村で、たしか十万円だと思いました。一件十万円。ところが、この間も各地方を歩いてみますと、常時災害をこうむっておる河川がありまして、その河川が雨なら雨、今度の台風なら台風で、あちらこちら復旧しなければならぬ。ところが、一カ所十万円以下だということで、今まで取り扱われてないわけです。こういうような場合は、やはりその場の実情を見て、一つの災害で起った、一つの川のそういうような災害については、ある程度やはり二カ所なり三カ所加算して法の適用ができるような工合にしてもらわぬと、常時そういうような河を持っている所は、そのために町村が非常に痛んでいるということ、財政が困っているということを私聞いてきたのでありまして、そういう点、今度の改正のときなんかに一つ御検討を願いたいと思う。これは希望であります。これが第一点。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) その通りでありまして、今の法律では、合せて一本というわけにはならないわけであります。しかし、今回の災害については、そういうことも考慮に入れまして、そうして行政措置でできる範囲のことはやるように、大体話をつけていただいておるようなわけですが、しかし将来は、十万円がいかなければ五万円にするか、あるいは一万円にするか、それでは、ちょっとみぞがいたんだから政府から金をと、こういうことになりますから、どこかで区切りをつけておかなければ、火事が起った、それではこれに見舞金を幾ら政府が出すというように、一々ストレートに政府が出すということになると、またそこに不明確な点もできますので、そういう点は、どこでピリオッドを打つかという問題だろうと思います。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 まあ一つ御検討を願いたいと思います。  もう一つ、奥野さんにお願いしたいと思いますが、今度の災害の問題が赤字団体に直接大きな関係のある所とない所とあるわけですが、ある所は、もちろん大へんな問題ですけれども、ない所でも、今常の台風の関係からして、水防の問題をもっとやらなければならぬという声が各地で起っているわけであります。いずれにしても、これは金のかかる問題になっておるわけでありますが、例の給与法の問題で、再建団体の利子補給打ち切りの問題が起っておりますが、特にこういうような問題は、この際やはりどうしても地方としても相当——ことに山形なんか一番大きいと思いますが、一つの例をあげれば、山形なんか、今度はそういう災害をこうむっておる。こういうような時代ですから、ちょうどいい時期ですから、こういう問題は、利子補給打ち切りの問題をそれではこの際水に流すというような形で、地方のそうした問題についての財源を少しでもよけいさせるようなことをやる意思があるかないか、あるいは、そういうことをきょうも自治庁の中で相談されておるような事実があるかないか、そういう点を一つお伺いしたいと思います。

奥野誠亮自治庁財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 財政再建団体の利子補給の問題につきましては、あるいは県議会の議長の会議におきましても、早急に給与法の改訂をやろう、こういうようなことをきめていただいておりますので、私は、この問題は解決すると思っております。また私たちも、利子補給を停止しておりますことは本意でございませんので、早急に改訂していただき、その交付も早急にできるように持っていけるようにしたいと思っております。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 重ねて、しつこいようですが、率直に言えば、地方は地方で、御存じのように、言い分がある。率直に言えば、僕は、あれは手落ちであったのじゃないかという点が相当あると思うのですよ。あの作られていく過程においては、しかし、今はそういうことを言ってもしようがないのだから、従って、これを機会に、ああいう問題は一つ水に流すような、率直に言えば、僕はいい時期じゃないかと実情としては思っておるので、私は、それを一つ検討してもらいたいと思うのですね。水害問題は、すぐにやらなくちゃならぬ問題だし、それから自治庁の今考えておる、小林さんなんかの考えておることでは、だいぶ間があるように私はどうも情勢上見えるので、これは、それにひっかけるわけではありませんけれども、やはりまじめにこれは一つ検討してもらいたいと思います。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 地方税の、今回の災害に伴って、税の減免等の措置が行われるのですが、それにつれて起る地方の団体の財政上の問題について、これはまあ数字等もまだはっきりしないと思いますが、態度としてはどういうふうに考えていますか。

奥野誠亮自治庁財政局長

○政府委員(奥野誠亮君) 災害に際しまして、地方税の減免につきましては、二十八年でありましたかに際しまして、標準的な減免条例を示しておるわけであります。従いまして、その条例を適用すればどれくらい減収になるか、この額は調査したいと思っておりまして、この額を基礎にして特別交付税の算定を行いたい、かように考えておまりす。

鈴木壽日本社会党

○鈴木壽君 いずれあとで、そのような問題について、もう少し詳細に数字等について、大体の対策等がまとまりましたらお願いしたいと思いますから、これでよろしゅうございます。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) ちょっと速記をとめて。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記を始めて。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 いろいろあるのですが、一つだけ、先ほどの関連で伺っておきたいと思います。  先ほどの三十億の中小企業に対する融資ですね。これの貸付方法をどういうふうにお考えになっていらっしゃるのですか。今までのように窓口が間接貸付でございました場合には、従来いろいろな金融機関を通じて金を借りている。今度また災害で借りようとしても、そういう非常な困難が起きやしないかと思うのですが、直接貸付ということになるのですね、どういうふうにお考えでしょうか。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) 還付条件を緩和すること、それから、償還期限及び据置期間の延長等、融資条件について、従来の災害の場合と同様、特別の優遇措置を講ずると、こういうことが原則でございまして、ただいま藤原さんのおっしゃったサービス業の問題でも、商業、サービス業等については、常時使用する従業員の数五人以下の人に優遇する、こういうことになっております。それで、貸付額は、一貸付先当り融資額のうち三十万円までと、こういうことにしております。それから、昭和三十四年三月三十一日までに災害融資を受けるものについて、貸付後三年を経過した日までとする、こういうことになっております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 それでは、従来その金融機関から相当の借金をしていますね。けれども、今度災害で借りる場合には、それが影響するようなことはない、直接貸付でいくと、こういうことですね。

山口喜久一郎自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(山口喜久一郎君) さようでございます。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) それでは、午前はこの程度で休憩いたします。    午後零時三十五分休憩    —————・—————    午後二時一分開会

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 午前に引き続き、委員会を再開いたします。  まず、委員の異動を報告いたします。  中田吉雄君、成瀬幡治君が辞任され、加藤シヅエ君、亀田得治君が後任として補欠選任されました。   —————————————

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 午後は、風俗営業取締法の一部を改正する法律案について質疑を続行する予定でございますが、その前に、皆様にお諮りをいたしたいことがございます。  本日までに、風俗営業取締法関係の請願が二十五件付託されてありますので、法律案審査の参考とする意味で、まずこれから請願の審査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 御異議ないものと認めます。  請願第四号喫茶店等の深夜営業取締りに関する請願外二十四件を便宜一括して議題に供します。まず、専門員より説明を聴取いたします。

福永与一郎常任委員会専門員

○専門員(福永与一郎君) お手元に一覧表を差し上げてございますから、それによって御説明申し上げます。  最初のページに十九件、後の一枚に六件掲げてございます。合計二十五件、いずれも内容は大体同趣旨のものでございます。すなわち、喫茶店等の深夜営業は、国民生活の上に百害あって一利なく、青少年の健全育成上まことに寒心にたえないものであるから、これが取締りに関する立法に際しては、午後十一時以後の営業を全面的に禁止する等の徹底的取締りができるよう措置せられ、これをすみやかにこれが立法が実現するようにお取り計らいを願いたい。かような趣旨のものでございます。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 何か御質疑その他御発言がございましょうか。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは、警察の方にお聞きしたいのですが、私は、よくこの点がわからない点がありますが、これは、各府県の条例等に現在はまかしてある。そういう形になっているのでしょうか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) お答え申し上げます。  現在風俗営業取締法がございまして、これこれのものは風俗営業として許可を受けなければならないといいまして、三つの業態を指定しておるのでございます。その一つは……

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それはわかっております。時間ですよ。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) その許可を受ける営業につきましての細部の、構造、設備その他の順守事項につきまして、都道府県の条例で定めるようにしてございます。それを受けまして、各都道府県で、風俗営業取締法施行条例という条例を作っております。それによりまして各業者の順守事項等を定めてございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 多分そうだと思ったわけですが、そこで、現実は、各府県の条例がどういう状態になっているのですか。また、それに対して警察として何か指導といいますか、基準的なものでも出して指導をしているのかどうかということが聞きたい点ですね。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 各都道府県の条例は、都道府県によりまして、それぞれその実情によりまして若干の相違点がございますが、しかし、大部分につきましては、同じようになっております。その模範的なといいますか、代表的なものを、お手元に差し上げてございます資料に、東京都の条例と宮城県の条例を載せておりますが、これらが代表的なもので、大部分これに似ております。警察庁といたしましては、各都道府県の条例を制定する場合、あるいは改正する場合等に、やはり他の府県の模様なり、あるいはこの点についてはどういう考え方があるのかというような質問といいますか、意見を聞いて参りますので、それに対しましてそれぞれ答えております。従いまして、大体基準的なものができていると申し上げて差しつかえないと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、大体東京都のやつも、大体各府県とも、現状はどこで時間は打ち切っているのですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 風俗営業の営業時間の終りの方は、大部分の府県が午後十一時でございます。ただ、東京都におきましては、キャバレーという業態につきまして午後十一時半まで、それから、神奈川県におきましては、風俗営業のうち、ぱちんこ、まあじゃん屋等を除きまして午後十一時半まで、いわゆるカフェー、料理屋等は十一時半までとなっております。その他の府県につきましては、大部分が午後十一時ということになっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ私も、大体午後十一時ぐらいで、この請願の通り、締めくくりをつけた方がいいと思うのですがね。警察の今までのいろいろ扱っている経験等からして、法律的にそういうふうに明確にきちっとする方がいいというお考えか。あるいは、あとはもう条例等に従来通りまかしておくということでいいというお考えか。どうですか。経験上。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 風俗営業の時間につきましては、それぞれ各都道府県の実情もございますし、また、都市、農村というような別によるそれぞれ異なった実情もございます。しかし、だからと申しまして、現在すでに施行されております条例を見ましても、一方において夜中の一時、一方において午後八時ごろというような規定もございませんけれども、しかし、若干の相違は、やはり各府県の実情もあろうかと思いますので、私どもの方といたしましては、この点は、やはり風俗営業という営業の特殊性からしまして、都道府県の条例にまかせてしかるべきものではないかというふうに考えております。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 この請願は、十一時までとなっているんですが、今あなたのおっしゃった風俗営業の取締りについて、今までも十一時の制限があるわけですが、ところが、それをこしている営業がずいぶんあると思いますが、それらに対する御意見はどういうふうに……。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) ただいま申しましたように、風俗営業の許可を受けておりまするカフェー、待合、料理屋あるいはダンス・ホール、キャバレ一等は、今申し上げました都道府県の条例によりまして、午後十一時ということになっておりますが、風俗営業の対象になりません、食品衛生法だけの許可を受けてやっておりまする普通の飲食店等におきましては、これは時間の制限はございませんので、従いまして、これは、営業者の意思によりまして、十一時、十二時でやめるのもおりますし、あるいは、必要によって夜中までやっておるのもおりまして、これはまちまちでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 そうじゃないのです。今許可を受けてやっている営業で、時間外にずいぶんやっているということをわれわれは見受けるのですが、それに対する取締りの状況は、どういうふうにしてやっていますか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 失礼いたしました。風俗営業の許可を受けてやっているもので、都道府県の条例で、十一時なり十一時半の終了ということに制限されております向きは、その時間制限が守られるように取締りをしておりますが、ただ、現実の問題といたしまして、十一時終了のものは、そこに客が入っているというような場合はすぐ出せない、十一時半ごろまでやっているというようなことはあろうかと思います。なおそれから、ただいまのお話で、風俗営業で、何と言いますか、非常におそくまでやっているものも非常に多いのじゃないかということをお耳にされているようにお伺いしましたが、現在風俗営業の対象としておりまするものが、風俗営業取締法によって非常に狭い範囲でございます。従いまして、風俗営業にきわめて類似するような業態でありながら、現行取締法では、風俗営業の対象になっておらないものがございましてこういうようなもので夜おそくまでやっておりまするものが、風俗営業がそのまま夜おそくまでやっておるように見えるのもだいぶあるのではないかというふうに考えております。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 今、請願でございますが、この喫茶店等の深夜営業取締りに関する請願の中で、この十九条は、こういうようなものが青少年の育成上寒心にたえない、だからこれが取締りに関する立法に際しては、午後十一時以後の営業を全面的に禁止する等の徹底的取締りができるよう措置せられ、これをすみやかに実施せられたい、こういう趣旨の請願がこんなにたくさん参っておるということは、非常に国民の関心がこの問題に集まっていると思うのでございます。青少年の不良化ということは、特に最近の二年間くらいは、その件数が非常にふえてきたというようなことも伺っておるのでございますが、この深夜喫茶と青少年の不良化ということに関係して、警察庁の方では、どのくらいの件数が特に深夜喫茶に関連する青少年の不良化の件数としてあげられているか、そうしてその内容がどういうようなものであるかというようなことにつきまして説明していただきたいと思います。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 青少年の不良化のうち、どれだけが深夜喫茶に影響されているかという数字は、実は非常にむずかしいのでございますけれども、私の方で調べましたものによりますと、御承知のように、深夜喫茶はだんだんと広まっておりますが、大部分は大都市でございまして、そのうち最も多いのが東京都内でございますが、東京都内について調べましたところによりますと、いわゆる深夜喫茶というようなものに青少年が客として入っておりましたのが、これは、平均しまして、客のうちの約二七%が少年ということになっております。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 そうしてその犯罪の内容傾向等も知らしていただきたい。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 深夜喫茶に入っておりまするからといいまして、直ちにそこで犯罪を犯しているということは言えなのでございますけれども、深夜喫茶に入っているということによって、だんだん不良化されていくというようなことで、私ども警察としましては、そういうような所に入り込んでおる少年等を補導しなければなりませんので、そういう意味の調べでございます。先ほど申し上げましたように、不良少年が犯罪を犯すのが直接深夜喫茶とどれだけ関係しておるかという数字は、ちょっと今あげられないのでございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 直接、そういうようなことは、ちょっと統計その他にあげることは困難かと思いますけれども、一般の国民が考えていることは、深夜喫茶すなわち青少年の不良の温床である、こういうふうに結びつけて考えるのが今日の常識になっておりますので、この法案の審議に当りましては、どうかそういう面で徹底的にこの国民の希望に沿えるような法律を作るように審議を進めていただきたい。こう希望いたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ただいまお聞きすると、深夜喫茶に入っているのは二七%、あとはそうするとおとなですね。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) お答え申し上げますが、深夜喫茶に入っているので、まあ通常の社会通念上おとなという人は割合に少いと言いますか、ほとんどございません。ただ、私ども、少年と成年を年令で言っておりまするので、大体私ども少年と言っておりますのは、まあ十七、八才という——十六才以下というのも、これもそうは入っておらないのでございますが、十六、七、八才、それから二十二、三、四、五、まあ大学生なんかもずいぶん入っておりますが、その年令層でございます。三十才以上の人が入っておるというのは、これはまた非常に少くなっております。まあまれだと申し上げて差しつかえないと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 だから、二七%というのはどの層ですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) ただいま申し上げました十七、八才というような少年の層を申し上げたのでございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 今、大体二七%は十七才ぐらいの若い人で、あとはまあ、おとなといっても三十才未満のいわゆる若い人です。こういうようなところで、深夜喫茶というような言葉から言えば、大体お茶を飲むというように解釈されるのでございますが、その言葉から言えば……、それで営業が成り立っていくということを不思議に思うのでございますけれども、大体客一件についてどのくらいのお金を使っているというようなことのお調べがおありになるのでございましょうか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) お答え申し上げますが、的確に統計として調べてございません、まことに失礼でございますが……。大体のところが、普通コーヒーとかソーダ水とかいうようなもので、八、九十円、百円、それに菓子でも合せて、百五十円からせいぜい二百円ぐらいのあれで、そうここで酒を飲んで大いに使うというのではないのでございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 そういたしますと、まあ二百円どまりぐらいの金額で終夜そこに粘っていて、それで、営業の方では従業員も置いているでございましょうけれども、どうしてそういう商売が採算がとれるのでございましょうか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) これは、終夜粘っていると申しますが、もちろん終夜粘っているのもございますけれども、かなり客は交代しております。と同時に、いわゆる深夜喫茶といいましても、深夜の時間だけやっているのでございませんで、むしろ終日営業、一日中営業というような形が多いのでございます。これはもちろん、従業員は交代しているようでございます。私どもも、ちょっとよく商売が成り立つなあと思うくらい、一人当りの単価は安いのでございますが、しかし、やはりむしろふえる傾向にあるのでございますので、相当な収益があるのではないか。なお、深夜喫茶におきましては、従業員の数は比較的少くて、ただ運ぶだけでございます。従業員との間における、何と言いますか、風俗を害するというようなことは、この深夜喫茶等ではあまり考えられないのでございます。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) それじゃ、ほかに特段の御発言もございませんければ、請願の審査はこの程度にいたします。請願の趣旨を参酌の上、法律案の審査をお願いすることにいたします。   —————————————

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) これより風俗営業取締法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 私は、この改正法の第六条の点について若干お聞きしておきたいと思います。これは、すでに御説明があったかとも思いますけれども、第六条の立ち入りですね。「当該官吏及び吏員」というのを「警察官」に改めておるわけですが、その前にちょっとお聞きしたいのは、第六条の立ち入りの目的というものは、一体何のための立ち入りかという点をお聞きしたいと思います。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) この第六条におきまする立ち入りは、この法律に基いてできまする都道府県の条例、すなわち順守事項でございます構造、設備とか、あるいはまた、そのほか卑猥な行為をさしてはいけないとか、いろいろな営業者の順守事項が条例で設けられております。その設けられました条例の順守事項が守られているかどうかというようなことを見るために立ち入るのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それから、従来「当該官吏及び吏員」という表現を用いてきたわけですが、従来は、実際はどういう人が調べたりしていたわけですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) これは、実は現行の風俗営業取締法ができましたのが昭和二十三年でございまして、当時は、自治体警察と国家地方警察に分れておりまして、当時の法律の用語といたしまして、国家地方警察の警察官を当該官吏、自治体警察の警察官を吏員といたしましたので、このように書いてあったのを、現在は、御承知のように、府県警察一本でありますので、「警察官」と直しただけでございまして、現行法の「当該官吏及び吏員」というのも、全く同じ「警察官」という意味で、そのほかのものは含んでございません。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 ちょっと関連して。今の答弁ですけれども、私は、今までの深夜喫茶は、風俗営業としての取締りを受けていなかったので、食品衛生による取締りを受けていたので、あるいは保健所の吏員というようなものが取締りの対象になるので、「当該官吏」というような言葉が使われていたのではないかと思っていたのですけれども、そういうわけじゃないのですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) これは、そういうわけじゃございませんで、風俗営業取締法の許可以外の飲食店等は、それぞれ食品衛生法に基く都の規則なり、あるいはまた独立の、例の東京都では、いわゆる深夜喫茶等についての条例を作りまして、それぞれに「当該官吏」、「吏員」という言葉をそちらでやっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、従来は、許可は、これは都道府県となっておりますが、許可者というのは、部署はどこでやっておりますか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) これは、従来とも公安委員会でやっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすれば、この「当該官吏及び吏員」というものは、結局いわゆる警察と若干違って、公安委員会の所属の者とか、何かそういう者という意味になるのではないですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) これは、先ほど申し上げましたような、国家地方警察、自治体警察のありました当時の法律の用語例といたしまして、国家公安委員会の管理下にありまする警察の官吏、吏員という意味合いにおきまして警察官をさすということになっておったのでございまして、他の一般の職員という意味では、当時の法律の用語例として含んでおらないのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、実際は制服を着た警察官が立ち入りをしておるのですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) もちろん、警察官でございますから、制服、私服どちらでも、もちろん、私服の場合には、身分を証明するものを見せるわけでございますが、かまわないわけでございますけれども、やはりこういう営業の順守事項を守っているかどうかということを見る関係上、これを担当する専務の警察官が立ち入ることが多くあります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それに関連して、今度は罰則の点ですね。これが改正されてきているわけですが、第六条の規定による警察官の立ち入りを拒み、妨げ、もしくは忌避した者は罰金に処すると、こういう事例は相当あったわけですか、こういうことを拒まれた事例というものは……。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 罰金の額が違いますが、やはり立ち入りを拒み、妨げ、もしくは忌避した者についての罰則は現行法でもございますが、これによりまして立ち入りを拒むというような事例は、ほとんど例が少いようでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 現行法が三千円ですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) さようでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 金額を変えただけだというのですね。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) さようでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこで、この憲法三十五条との関係ですね。住居不可侵の規定というものが明記されていて、いやしくも人の住居に入る、営業所だって住居ですが、それから、許可をされた以上は、その人の完全な支配下にある営業所ですが、そこへ入るのに、どうも明確な条件というものはついておりませんね。そういう状態で現職の警察官が入っていくというふうなことは、はなはだ不適当じゃないかと思うのですが、その点、どういうふうにお考えでしょう。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) これは、ひとり風俗営業だけでございませんで、他の許可営業等につきましても、許可の基準等を守っておるかどうかというような行政目的におきまして、当該官吏、吏員あるいは警察官が立ち入るということはいろいろございます。もちろん、憲法違反ということは考えられないと思うのでございますが、どういう目的でどういう場合に入るかということについては、六条にもございますように、この法律またはこの法律に基く都道府県の条例の実施について必要があるときに立ち入ることができると、先ほど申し上げましたように、順守事項等をよく守っておるかどうかということを見る必要があるときに立ち入る、こういうことになっているのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 たとえば警職法も、これはまあ令状をもらわないで他人の家に立ち入る場合を規定しているわけですね、警職法の第六条。これはやはりいやしくも人の住居というものを侵すわけですから、何といっても、そういうことに対して明確なやはり基準というものを警察官に対して与えておくべきです。警職法六条自体に書いておるわけですね。しかし、現在の法律でもそうなっておるのが私は不満だから言うわけですが、ただ、各府県の条例を守っておるかどうか。だから、この法律自体としては、そこへ立ち入る条件というものははっきりしておらぬわけです。こういうことだと、結局自由に入れる。結論としてはそういうことになるんですがね。いや、守っておるか守っておらぬか、入ってみなければわからぬ。結論としては、とにかく立ち入り自由だ。そういう状態でいいのかどうか。私は、こういう営業なんていうものは、あまり奨励してもらう必要はないと思っておる。営業を許さない。つぶす。それならそれでいいでしょう、そういう方針なら、また許可をしないというなら。だけれども、許したものについては、これは制服の警官が自由自在に出入りができる。これはちょっと工合が悪いのじゃないかと思います。今問題になっておる警職法でも、具体的な条件というものを警察官の立ち入りに示しておるわけですね。それを改正しようというので問題になっているわけですが、その点はどういうふうにお考えでしょうかな。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 御承知のように、風俗営業というものは、風俗を乱す営業ということであれば、これはまた別個の考えになると思うのでございますが、ともすると風俗を乱すおそれのある営業でありまするので、営業自由の憲法の原則はございますけれども、公共の福祉という建前から許可営業になっておるというふうに考えております。ともすると風俗を乱すおそれがありますので、風俗を乱さないように、都道府県の条例でもっていろいろと守るべき事項、制限事項等が規定されてございます。従いまして、その守るべき事項あるいは順守すべき事項、制限等が守られませんと、これはすぐ風俗を乱すということになろうかと思いますので、そこで、順守事項、制限等がよく守られておるかどうか、それが守られることによって、この営業は風俗を害するまでいかないで、社会公共の福祉の線にとどまることになろうかと思います。そこで守られているかどうかということを見るということは、こういうものを許可する以上、当然の義務ではないかというふうにも考えておるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこです。乱用されますと……とにかくいつでも入ってきて見れるわけです。こういうことになるわけでしてね。私は、一部改正をやられて、風俗関係が乱れないようにもっとよくする、この趣旨には大賛成です。大賛成ですが、警察官だけが自由に出入りできる。これは、私何としてもちょっとおかしいと思います。条件を守らぬと、なるほど風俗が乱れるおそれがあるから、こういうのですが、調べ方はいろいろあろうと思います。たとえば、設備の関係であれば、営業時間といっても、朝はそんなに早くないでしょうから、その前に入るとか、それから、時間を超過しておるという問題であれば、時間のときに行けばわかるわけですから、これは、そんな時間中の立ち入りは不要になるわけです。私は、何かそういうような、もう営業要らぬというならいいのです。それは、私も一つの見識だと思います。私は、もう少し数少くしてもらっていいと思います。時間なんかも、十一時というておるけれども、十時ぐらいでもいいと思います。あくる日の活動を考えたら、十一時ごろまでがちゃがちゃやっておったらろくなことはない。その点は、むしろあなたたちより私の方が強く考えておるつもりです。だけれども、警察官の立ち入りというものが何らの条件がついていない。私は、条件をつけても、決して条件違反をやっておるかどうかを調べるのに、そんなにむずかしいことはないと思います。それで、私さっき警職法のことを言っておりますが、警職法ですら、興行場、旅館、料理屋、そういう所に立ち入りする場合には、「犯罪の予防又は人の生命、身体若しくは財産に対する災害予防のため」、こういう状態がある場合には、裁判所の令状をもらわなくても、そこは憲法の例外の措置として、入ってよろしい、こう厳重にワクをはめているわけです。私は、ある程度これは必要なことだと思うのです、警職法の現行の第六条程度のことであれば。その警職法でついているその条件を、今度警職法の改正で、もっと広げようとしている。それが今大問題になっているときに、同じような警察官が、警職法と同じ料理屋などに入るのに、こっちの方は、いや条件がどうなっているか調べるだけだと言いさえすれば、ともかく自由に入ってこれる。これでは、私はちょっと釣合いがとれぬと思う。警職法というと、関心がみんなそっちへ集まっている。風俗営業というと、まあ風俗をよくするのだからよかろうということで、多少軽く見られていると思うのですが、たまたまその罰則の規定の改正があったものですから、私、ちょうど警職法を検討している途中だったものですから、それはおかしいじゃないか、そんな簡単に立ち入りできるというのは。警職法ですら厳重な条件を設けている。第一釣合いがとれぬじゃないか、同じ警察が出している法律であって。どう思いますか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 警職法のお話がございましたが、申し上げるまでもなく、警職法の現行法に規定されておりますのは、犯罪の予防または人の生命、身体もしくは財産に対する危害予防のため、その場所に立ち入ることを要求することができるというので、犯罪の予防なり、あるいはまた人の生命、身体もしくは財産に対する危害予防という目的でございますが、風俗営業取締法によりまする立ち入りは、犯罪とか、あるいはまた人の生命、身体、財産の直接の危害ということではございませんで、先ほど申し上げましたように、善良なる風俗を維持するために必要な制限なり順守事項が設けられている。それをよく守っているかどうかということを見るために立ち入るのでございまして、こういう規定は、御承知のように、あるいは質屋営業法なり古物営業法なり、あるいは火薬類取締法なり、爆発物取締罰則なり、他にもいろいろ例がございますが、いわゆる許可営業につきましては、その許可のされるにつきましてのいろいろな順守事項なり制限なりというものが守られているかどうかという点を見るための、行政目的のために立ち入るということは、これはすべてのものに通じているものではないかと思うのでございます。ただ、お話がございましたように、許可をしておきながら、勝手に自由に立ち入るということになりますと、これにやはり妥当ではないのでございまして、ここにもございますように、実施について必要があるときだけ入るのでございます。たとえば、あるAというカフェーで、いつもカーテンの装置を客室の中に設けて、いろいろとおかしなことをしているというような評判が立つ。そうしますと、警察としても、それをほうっておけませんので、そこに行って、そういうようなカーテンの遮蔽装置をしているかどうかということを見るという必要を生ずるのでございます。なお、応急設備等については、営業時間外に見ればいいじゃないかというお話がございましたが、もちろん、営業時間外に立ち入って見ることによって目的を達する場合もございますが、やはり業者におきましては、営業時間外はそういうような装置がないようにしておって、営業が始まりますと、さっと取りつけるというふうにやっているようなものももちろんございまして、乱用は戒めながら、しかし、やはりこの立ち入りは必要でございまして、これがなければ、やはりこの順守事項なり制限というものは確保されないというふうに考えるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 あなたの方は、警職法の目的と、風俗営業取締法の目的と違うんだと、こうおっしゃるけれども、入ってこられる立場の人からみれば、これは同様に憲法三十五条の住居の不可侵の規定の例外なんです。同じことなんです。しかも、たとえば保健関係の人とか、そういう人が入ってくる場合だとか、その点を一つ考えてもらわぬと、入る方は目的が違うんだと、こう言っても、受ける方は、形態としては同じことが起るわけです。形は同じです。入ってくるという……。  それと、もう一つは、たとえば保健所の関係の人が入ってくる、こういうことであれば、それは、保健所というものは、保健の関係だけしか処分がない。ところが、警察官は風俗営業の関係で入ってきたのだとしても、警察官である以上は、一方にはまた犯罪関係の任務があるわけです。内部で分担しておりましても、そこにいるお客さんなり入られる方からみたら、これは両方に受け取るわけです。むしろ日本の現在の常識から言うたら、犯罪の関係でという感じが何としても強いんです。だから、そこを区別ができないんです。で、区別ができないとすれば、警職法ではこういう厳重な条件がちゃんとつけられているのに、警職法で実際は入る場合でも、警職法で入ったのでは、厳重な規定がついておってめんどうくさいから、目的は警職法だが、いや、設備をちょっと調べにきたんだ、こう言って行けば、こっちの方では簡単に入れるからということになってくるんです。で、実際の重みは犯罪の関係です、一般の人の見る重みは。だから、ほんとうに設備だけとか許可条件等を順守させるためだけのものだというのであれば、もう少しそこへの入り方とか、営業が初まる前に調べに行くとか、そんなことをすれば大体わかると私は思うのです。  それから、先ほども言うたように、終業時間が守られているかどうかということは、終業時間にぐるっと外を回れば、大体見当がつきます。そうすれば、そのあくる日、大体迷惑にならぬように、事情を聞いてみるとか、そういうことが必要なんです。私は、何回も言うように、この営業はもっと規制していいのです。第一、許可がルーズ過ぎますよ。あんなにたくさんどうして要るんですか。あまりたくさんあるもんだから、われわれの方だって、ちょっと入りたくなる。だから、こんなものはもっと厳重にやってもよろしい。しかし、許したものについては、警察官というものは犯罪の関係を受け持っているのだから、そういう妙な感じを与えることはよくない。調べ方がむずかしいのは、これは、元来警察権力の発動というものはむずかしいものだと私は思うのです。そこをもう少し明確にしてほしいと思うのです。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) この風俗営業取締法によりまする立ち入りは、先ほど来申し上げましたように、警職法の立ち入りとは目的が違うのでございまして、実際に立ち入る場合も、各警察署の防犯係ですね。大部分の場合は、風俗営業等を担当している専務員が私服で、これは私服の専務員でございますが、それが守られておるかどうかということを見に立ち入るのでございますが、決して乱用するようなことはございませんし、今までも、これが乱用にわたったといって問題になっているようなことはないのでございます。  なお、営業時間以外でも目的は達せられるのではないかというお話でございますが、確かに十一時の終業時間であるのに、十二時、一時にやっていれば、これは外から見てもわかるのでございますが、この条例の順守事項にはいろいろございまして、たとえば十八歳未満の者、少年は客として入れることはできないという規定もあるのでございますが、これなども、やはり営業時間中に入ってみなければ、その順守事項を守っていないということを見つけることもできないのでございます。私どもの方といたしましては、もちろん乱用の防止というようなことについては、十分に注意をさせておりますし、将来も注意させるつもりでございますが、善良なる風俗を保持するために必要な、営業の経営者、従業員が守るべきものを守っているかどうかということを見に入るのでございまして、どうしてもこれがなければ、せっかくのこの法律も陥補できないといいますか、十分に業者によって守られないというおそれがありますので、その必要性が当然あろうかというふうに考えているのでございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 関連して。今、同僚亀田委員の発言と違うことを言うわけではないのですけれども、今、亀田委員のおっしゃることと私どもの考えていることと、ちょっと違うところがありますから、これは、あとで私ども発言したいことだったのですけれども、ちょっと関連して申し上げなければなりません。それは、亀田委員は、警官が職権を乱用して、人の営業あるいは客の迷惑になるような、こういうことは慎しまなくてはならないという観点からおっしゃったことなんです。それで、十一時までの営業が許されているものは、外から見れば大体わかると思いますけれども、今問題になっております深夜喫茶の問題なんかは、これはやはり営業中に中に入ってみて、初めて問題がどういうところにあるかということがわかる性質の問題じゃないかと思うのでございます。それで私どもは、時間外という今の亀田委員のお言葉とちょっと違うようで大へん済みませんけれども、むしろこの深夜喫茶の問題をほんとうにつかむためには、営業時間中に、私ども委員がそこの現場をほんとうに視察して、そうしてここに問題になっている法律が、これで十分に取り締ることができるかどうかということを見る必要があると思うのでございます。それは、保安局長も十分その問題を御理解なさると思いますから、これは、警官の職権乱用の立ち入りとはちょっと性質の違う問題でございまして、これは、委員長に申し上げたいのですけれども、ぜひ、この法案の審議中に、地方行政委員の方々が、委員長を初めとして、現場の視察を行なっていただきたいということを私ども考えているのでございます。これはきっと理事会の問題になるかと思いますから、後ほど理事を通じてこの問題を提起したいと思いますけれども、これはちょっと委員長の御意見を伺いたいのです。ほんとうに深夜喫茶の問題は、どっちかといえば新しい問題でございます。その内容は、非常にいろんな意味で新しいことを含んでいますから、どうしても現地視察の必要があると思うのです。で、委員長のお考えをちょっと伺いたいのです。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 委員長はもはやよく存じておりますので……。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 たびたびいらっしゃいますか。それは東京都内でございますか。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) はい。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 では、委員長は、これは御必要がございませんでしたら、私ども委員は必要かと思いますから、ぜひそれは、理事会の問題にしていただきたいということをここで申し上げておきます。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) それでは、後ほど御相談いたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 たとえば、入ってみなければわからぬとおっしゃるが、よく何才以下の者は入ってはならぬとか、そういう札を掲げてあるのがありますね。そういうのだけでも、私は相当きき目があると思うのです、そういうことを励行すること自体。で、物事すべて完全にやろうと思ったら、なくしたらいいのです。だから、中へ警察官が入ってどうするのですか。年を聞くのですか、年令の場合。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 私、ただいま営業時間中にやはり立ち入らなければ、十分な善良な風俗を保持するための取締りができないということを申し上げましたが、その理由は、ただいま、一例といたしまして、こういう営業につきましては、十八才未満の者は入れてはならないという義務を営業者に課しておるわけでございますが、そのほかにも、たとえば明るさでございます。これも都道府県の条例でございますが、大部分のものが三ルクス以下にしてはいけない、照明度でございますが、という規定になっております場合に、二ルクス、一ルクスというようなものが照度になっておるというのも、やはりその営業時間中に入らなければ実態がつかめませんし、そのほか遮蔽設備をしてはいけないとか、あるいはまた卑猥な、何といいますか、装飾とか行為とかいうものをさしてはいかぬとかいうような、いろいろな、ほんとに営業者が順守すべき事項をこれできめているのでございまして、やはり最小限そういうものを見るためにも、この立ち入りは必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 最小限必要なことは、私も認めるのです。じゃ、国家機関のだれがそれをやるのかということを私さっきから言っておるのです。警察官というのは、犯罪関係のものを担当しているわけです。現にその防犯関係で行ったとか、風俗営業関係で行ったとか言ったって、そこに犯罪があれば当然手をつけるでしょう。そこを私申し上げておるので、だから、たとえば、私はまたこういう関係をよく知らぬものだから、今までは当該官吏、吏員というようになっていたから、警察官などはこういう所に出入りしていないかと思っていたのです。むしろその方が適当なんです。つまり府県庁の建築関係とか保健関係とか、そういうところの人が調べるということだったら適当だと思っているのです。若干そこに警察に関係のあるものが、関連事項が出てくれば、それを警察にその人が知らすということにすれば、これはもう何ら問題が起らないで済むわけです。それでかたがた警職法とのつり合いがとれるわけです。警職法の結局厳重な規定というものが、これで事実上は抜け穴になってしまうわけですね。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) この風俗営業は、公安委員会の許可にかかわる許可営業でございます。他に質屋営業取締法、古物営業取締法も、これも公安委員会の許可にかかわる許可営業でございますが、公安委員会の許可にかかわる許可営業である以上は、やはりその許可の基準あるいはまた順守事項等が守られているかどうかということを見るのは、やはり警察官が適当であろうというふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうしたら、そういう制服なんかで行かないで、ともかく営業のじゃまにならないようにするとか何とか、そういうことを明確にしなければ、許された以上は、その条件を守っておる以上は、完全なその人の支配下ですからね。この規定があれば、完全に守っておる所にでもこれは入るわけなんですから、入って見なければわからぬ、警察でこう言うわけですからね。だから、そういう所に営業時間中に制服で入って、ちょろちょろ見るというのは私は反対ですな。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 先ほども申し上げましたように、法律またはこの法律に基く都道府県の条例の実施について必要があるときに立ち入るのでございまして、完全に順守事項あるいはまた法律を守っている業者については、その必要がないわけでございます。なお、立ち入りますのは、先ほど来申し上げましたように、ほとんど全部各警察署の防犯係の専務の警察官で、もちろん私服でございます。ほとんどがその防犯係の私服の警察官が立ち入って見るという、現在そういうふうにやっておりますし、将来もまた、そういうふうにやっていくことになろうと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは全部私服ですか、各府県とも。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 防犯係の専務員はその防犯係の仕事をする。たとえば、今言ったような風俗営業の営業者が順守事項を守っておるかどうかというような——守っていない疑いがあって、それを見に行くというような場合には、これはもう、ほとんど全部原則として私服でやっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 営業妨害にならないような方法でということを一項目入れておくべきじゃないですかね。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 必要以上に営業妨害にならないようにというようなことは当然のことでございまして、これは、警察があらゆる仕事をする場合におきまして、必要以上の迷惑をかけないように、あるいはまた、妨害にならないようにということは教養もいたしますし、内部通牒等でも絶えず繰り返していることでございます。ただ、もし規定に書きますということになりますと、一体それでは、たとえば二ルクス以下でやっているとかいうような場合あるいはまた、どうも子供らしいのをたくさん入れて、いつも少年を入れているというような場合に、やはり立ち入って、この明るさは三ルクス以下じゃないかというようなことを営業主あるいはまた従業員に聞かなければならないわけでありまして、それは、きくという限りにおいて、その間若干のあれはとられるでしょうし、ある意味では、これは営業妨害だと言えば言えるかもしれません。やはり比例の原則としての必要最小限度の警察官としてやらねばならないことをやるのは、当然のことであろうかと思います。また、必要以上に妨害をするということは戒めなければならないことで、つねづね教養もし、あるいはまた、いろいろと通牒でも出しているということで、それによって適正な取締りができてやっていくというので、私は、妥当ではなかろうか、適当ではないかというふうに考えておる次第であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 たとえば、そこの従業員にちょっと聞いてみることも必要だとおっしゃっているわけですが、そうなれば、なおさらやはり営業妨害にならないようなやり方でという意味のことを入れる必要があると私は思います。というのは、例の犯罪関係で、いわゆる職務質問をする場合には、警職法の二条で、これもやはり人に任意に聞くだけであっても、条件というものがついておる。どんな場合にでも職務質問できるわけじゃないわけです。だから、私は理屈は一緒だと思うのですよ、職務質問の場合であろうと何であろうと。こっちの場合には、無制限に何でも聞けるというわけにいかぬ。だから、それを一々こまかくは書けませんから、あなたの方としても、営業妨害をするつもりはない。また、従来もそういうことはやっておらぬと、こうおっしゃるのであれば、書いてもらったって何も差しつかえないのですから、それは当然なことをやるのだから、あちらは立ち入りされる義務があるかわりに、こちらはこういう態度でやるということを明確にすれば、こういう疑問も解消すると私は思う。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) いわゆる許可営業につきましては、先ほども申し上げましたように、他の法律によりますところの許可営業につきましても、一様にこれと同様な立入りにつきましての規定があるのでございまして、ただいまお話もございましたけれども、許可営業として営業の許可を受けている以上は、その許可に伴う条件なり、あるいはまた順守すべき事項を守るという義務があります。その義務の範囲でもってやはりその監督権に服するということは、これは当然なのではないかと思うのでございますが、ただしかし、それも、それを監督する方の立場の者が必要以上にやるということは、やはり戒めねばならないことであろうと思います。他の法律にも同様な規定がみんなありまして、それで、同じようにやはり運営されているわけでありまして、私は、これで差しつかえないというふうに考えておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 何も監督に服する義務を否定しているのじゃない。私もそれを認めているのです。その手段方法というものは、少しも限定されておらぬわけです。これは、警職法では非常にこまかくやってある。警職法違反で、まあ少しあわて者の警察官が飛び込んで、あとから大いにつるし上げられたら、いや、あれは風俗営業法で行ったのだ、こう言えば皆のがれてしまいますよ。あちらには義務があるかしらぬが、こちらには営業を侵害するというつもりはない。あなたはさっきおっしゃっているのだから、やはりそのことは、こちらもまた守るべき条件として入れるべきものじゃないか。ともかくこれは、憲法第三十五条の例外規定であることは間違いないのですから、何といったって、人の家へ入るのですから、だから、私は、こういう立法というものは、従来みんなそんなことでやっておったからというのだったら、それ自体が問題なんです。しかし、従来やっておるといっても、私はケースはいろいろ違うと思うのです。警察官が犯罪関係、あるいはこういう風俗営業関係、両方兼任しておるから、ここでは特に問題になっておるのであって、従来みんなこういう形式だからというだけでは済まぬ問題もある。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) この法律によります立ち入りは、この法律によりまして許可を受けた対象の業者だけでございまして、他の業者には及びません。警察官職務執行法の場合とは、目的もその場合も全然違うのでございます。この法律によって許可を受けた業者が、この法律並びに条例でもって定められたところを忠実に守っているかどうかということを見るための立ち入りとしまして、私は、この法律の規定で妥当ではないかというように考えておるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 警職法の第六条と対象が違う点もあるが、いやしくもこの風俗営業取締法の対象になっているものは、警職法第六条の第二項にみんな入ってしまいますよ。お客さんが多数来集する所なんだから、だから、そこで、この二つの法律の関係というものは非常にややこしいということを申し上げておる。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 私申し上げましたのは、警察官等職務執行法の六条に規定されているところは、この風俗営業取締法の対象となる業者も含みますが、それだけではなく、もっといろいろな場所等があります。と同時に、全然目的が違いまするので、そういう警職法は警職法としての規定が必要であろうかと思いますが、この風俗営業取締法は、善良な風俗を保持するという目的でもって許可された営業に対してのその順守事項等が十分守られているかどうかということを見るために入るのでございまして、目的が全然違うのではないかというふうに考えておるのであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 許可されてしまえば、これは、完全な許可された人の支配下にあるのです。そういう立場じゃないとおかしい、あくまでも。だからこれは、憲法三十五条の住居の不可侵ということは、そういう許可営業に対してだっていえます。そんなことは、普通の個人の家だって、判例を見たってそうでしょう。従って、警察官でない人が料理を食べに行くとか、そういうふうなことじゃなしに、勝手に入って行くと、住居侵入という問題が起きてきますよ。そういうわけですから、目的は違うといったって、憲法三十五条の例外であることは間違いないのです、令状等を見せないで入るのですから。その例外を必要があって規定していることは事実なんですが、受ける方は同じ状態になるということ、それから、身分は両方を兼ねた人が行く。そういう場合に、一方だけ厳重な規定があって、一方の方は立ち入りについてはなはだ容易だ。これは私、間違いを起すもとだと思う。だから警職法ほどの厳重な条件でなくても、営業者の立場というものを重んじた条項、これをやはり入れておくべきだろう、妨害にならないという、私は、もっと具体的に書く方法があれば、その方がいいと思う。少くともその程度のことは入れなければ、必ず質問でも何でも行き過ぎる場合が出てきます。行き過ぎる場合が出たって、結局あなた方は許可権者であって、業者は元来弱いのです、業者は警察に対して、多少のことを言われても。だから私は、そういう立場ということがあるから、なおさら立法としては、営業の妨害にならないようにというような一項目を入れておくことが必要だと思う。ほかの許可営業についても、そういう無条件に立ち入りができるようなことがされておるのだったら、私はこれは改むべきだと思う。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 先ほども申し上げましたように、この法律によりまする立ち入りは、行政目的のための立ち入りでございまして、しかも、この六条にもございますような風俗営業の営業所に立ち入るということで、もちろん営業者の住居その他に、居室とかいう所に立ち入ることを考えていないことは当然であります。なお、お話にありましたように、警察官がこの法律でもって、立ち入りを規定されておるからといって、必要以上に立ち入る、あるいは立ち入って後営業者に不当な迷惑をかけるというようなことは、これは、当然やるべきことではないのでありまして、それらにつきましては、私どもも常々十分戒めておりまするが、現在までのところ、この風俗営業取締法ができまして、約十年たったわけでございますが、そういう意味合いにおいて警察官が職権を乱用したとか、非常に不当なことをしたというようなことは、事例としてはほとんどないのでありまして、この法律の施行に関する限り、立ち入りのことで問題になったということもございません。ただ、将来も、必要以上に立ち入る、あるいはまた、立ち入って後業者に不当な迷惑をかけるというようなことのないようには十分戒めて参りたいというように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 だから、そういうきれいな気持でおるのであれば、法文上明確にされたらどうかと、その方が筋が通る。従来そういうことで行き過ぎがなかったとおっしゃるけれども、それは、中にはあるのですよ。おそらくあっても、許可権者だし、それからたまには、お客さん等の関係で、多少規則通りいかぬ場合等もある。そういう場合に、憎まれたらかなわぬとか、いろいろなことが、何といったって弱い立場にあるのですよ。だから、そういう立場にあれば、なおさら私は、法律としては、あなたの方では営業侵害のつもりはないと言うのですから、そのことを明確にしておいたらどうかと言うのです。必要がないというのは、あなたおかしいですな。そんなことをやらぬと言うなら、明らかにしておいたらいいじゃないですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) これも、先ほど申し上げましたように、他の許可営業に関する法律もほとんど同様な規定でございまして、それで十分に目的を達しております。私どもも、決して不必要な立ち入りをするとか、あるいは不必要な迷惑をかけるとかいう意思は毛頭ございませんし、そういう点につきましては、十分将来もまた、教養その他の方法によって、その趣旨を徹底していくべきだろうと思いますが、法律に何でもかんでも書くというのは、やはり法律としては適当でないのではないかというふうに考えますので、私といたしましては、この法律によりまして、適正に、しかもまた適当に、当を得るように取締りが励行されていくものであるというふうに考えておる次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ、だいぶ見解が並行しておるような格好になっておりますが、私は、これはたとえ前例があっても、特に警職法との関係で、非常に不適当だと思っておるのです。もう少しこれは条件をきちっとして、そうしてこういう立法を認めるべきである。警察当局自体も、そのこと自体に反対はしてないらしいですね、営業侵害はしないということについて。だから、反対もないのですから、立法の体裁としては、当然そういうふうにしておくべきものである。理由としては、これは何といったって憲法三十五条の例外規定なんです。そんな例外規定が簡単に認められていいものではないですよ。私はこれは、こういう法律案がすでにでき上ってしまっておるものですから、今さら変えにくいという立場等もあるのだろうと思いますが、理論としては、そんなことは私は了承できぬですな。できない。だから、法務当局なり、ちょっと別な立場からの意見も、少しこの点で私お聞きしてみたいと思うのです。この点、ちょっと質問を留保しておきます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 この風俗営業取締法の一部改正で、今度名称が「風俗営業等」と、「等」をお入れになったということの意味をちょっとお聞かせ願いたい。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 今度の改正案によりますと、先ほども問題になりました、いわゆる深夜喫茶等は、その明るさあるいは小部屋という点でこれをとらえまして、風俗営業の対象になるわけでございます。まあ深夜喫茶全部とは言いませんが、大部分はなると思います。しかしながら、風俗営業の対象になるその許可を受けた風俗営業になりますと、営業時間が夜の十一時まで、あるいは十一時半という例もございますが、になります。そうして十八才未満の少年は客として入れないという規定になるわけでございます。しかし、そうなりましても、他のいわゆる深夜喫茶でない、普通の飯食店でございます食品衛生法だけの許可でやっております飲食店、これは、そば屋だとか、あるいはまた飲食店だとかいうのであろうかと思います。この法律の四条の二という条文を新たに設けまして、それで、いわゆる深夜喫茶等は、風俗営業の対象にすることによって、営業時間を制限し、少年を入れないということで、一応の少年の不良化防止の目的は達成するのでございますが、それからなお、これをのがれて、あるいはまた、これに全然関係なく、普通の飲食店で夜もやっているものは、やはり残るわけでございます。ところが、それが残って、残りっぱなしにしておきますということは、やはり少年不良化防止という観点から申しても、不十分のうらみがございますので、残った分につきまして、これは公安委員会の許可営業でない、いわゆる食品衛生法だけの許可営業である飲食店につきましても、深夜におきまして、夜の十一時から翌日の日出までというこの時間につきましては、特別な順守事項が、善良な風俗の保持の上から設けられてしかるべきではないかという考え方に立ちまして、四条の二という条文をこれは新たに入れたわけでございます。その深夜の部分における特別な順守事項というものは、いろいろ考えられますが、その中に一つ、十八才未満のものは、特に理由のあるもの、たとえば深夜働いているものという以外は、客として入れてはいけないというような規定を設けることによって、少年の不良化防止というものが完全になっていくという考え方で、四条の二というものを入れたわけでございます。そうすると、この四条の二は、風俗営業でございません、風俗営業以外のもので、一般食品衛生法の許可によるものでありますが、なおかつ、それに対しての深夜における営業についての守るべき事項を都道府県条例で作って、それに違反したような場合に、都道府県の公安委員会が営業停止その他の処分をすることができる、こういう規定にしておりますので、風俗営業でないものまでもこの法律で一応取り入れましたので、「風俗営業等取締法」と、「等」の字を入れないと、ちょっと法律の趣旨からいってはみ出すような格好になりますので、等を入れたわけでございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 そういたしますと、現在時間かまわずに、深夜あるいは朝まで営業している飲食店というものは、東京都内にどのくらいございますか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 東京都内で二千何百軒かと思っておりますが、今ちょっと資料を探しておりますので、しばらくお待ち願います。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 それでは、今この第四条の二の新しい取締り規則の対象となるように考えていらっしゃるものは、どれくらいございますか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 風俗営業で許可を受けた風俗営業以外の飲食店全部が四条の二に含まれるわけでございます。そのうち、特に風俗営業以外の飲食店営業のうち、夜十一時以後まで営業しているものがこれに含まれるわけでございます。現在東京都で、夜おそくまでやっている営業といいましても、十二時で終ったり、一時で終ったり、あるいはまた、終夜やっているものもございますが、今ちょっとその資料を探しておりますので、しばらくお待ちを願いたいと思いますけれども、まあそれが対象になるわけでございますが、ただ、今度の一条の改正によりまして、終夜やっている喫茶店等のうちのいわゆる深夜喫茶の中の大部分は、一条の方で許可を受けることになっておりますので、非常にやれないようになると思いますので、現在調べてある終夜やっておるものよりも数は少くなるわけでございます。今、その数字はちょっとお待ちを願いたいと思います。  先ほどの東京都の場合の数字を申し上げますが、東京でもって、いわゆる深夜喫茶等も含めまして、その他の飲食店も全部含めて、午前一時までやっているものが約二千二百七十五軒、午前一時以降に及ぶものが四千百十一軒。これは、本年の七月十五日に警視庁で調査した資料でございますが、そういう数字になっております。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 その中で、いわゆる深夜喫茶という言葉のワクの中に入るだろうと思われるのはどれだけですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) このうち、これもはっきり入るかどうか、ちょっと全部ここでははっきりしておりませんが、喫茶店が、午前一時までにしても、午前一時以降、いずれにしても、午後の十一時以降やっているものでございますが、それを合せまして、千四十八軒になります。  それから、そのほかにバーがございますが、バーがやはり午前一時までと午前一時以降までのものを合せまして、二千百四十七という数になっております。このうちの喫茶店とバー、これがいわゆる深夜喫茶、深夜バーというものになりますが、このうちの大部分が今やっているような営業状態ですね、やっておれば、風俗営業の対象になるというふうに考えられる。もちろん、構造設備等を変えれば、また別の問題でございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 そういたしますと、その大部分のものが今度はこういう新しい規制を受けるわけでございますね。照明とか構造とか、そうすると、そのほかの残ったもの、今度新しくこれが深夜喫茶というような取締りを受け、商売がやりにくくなった残ったものは、全然届け出制で、許可制でもなく、またその取締法の対象ではないわけでございますね。しかし、深夜にもずっとやっぱりそのまま営業を続けていくわけでございますね。そういうような場合に、今度は、そちらの方にだんだん客が吸収されていくという危険は考えていらっしゃいませんですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) その点をやはり心配いたしまして、四条の二という規定を、先ほど申しました四条の二という規定を作り、そのために、「風俗営業取締」を「風俗営業等取締」ということにしよう、こういうことでございます。四条の二の規定は、この風俗営業取締法による許可営業以外の飲食店、すなわち食品衛生法だけで許可されている飲食店についての規定でございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 関連して。この規定の中には、十ルクスで取り締るわけね。これでやって、この定めの中にも、もしも都道府県の条例で、それに満たなくてもいいという定めをしたときには、まあそれでもやれるわけですね。ということになると、この規定は非常にルーズだと思うんですけれども、これはどうなんですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 第一条の五号の規定でございますね。これは、「(これにより難い特別の事情がある場合において、都道府県が条例で十ルクスに満たない照度を定めたときは、その照度)」といたしましたのは、これは、たとえば東京は、このままでいけば十ルクスでございますが、大阪は八ルクス、京都は六ルクスというように、勝手にまかせるというわけではございませんで、実はこれは、たとえば電力の事情とか、それから、非常に農山村の地帯等で電気のあかりが暗い、あるいは電気のないような所もあろうかと思います。そういう所につきまして、特別な緩和規定を設けておきませんと、そういう所も、普通のお百姓なり、普通の労働者の方々の行く飲食店まで、十ルクス以下というので、風俗営業の対象にして許可を受けるということは、これはやはり合理的でない、妥当でないと思いますので、そういう特別の場合の例外規定、こういう趣旨で特に、ここに、「これにより難い特別の事情がある場合において」としたのでございまして、そうでないと、都道府県が条例でこれこれということになると、私どもの立法の趣旨はそうでございませんけれども、勝手にきめられるというふうに誤解されてもいけませんので、特にこういう表現を用いたわけでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 電力の事情等があるとおっしゃいますけれども、十ルクスというのはどの程度の明るさなんですか。私の聞くところによると、新聞がようやく読める程度だというふうに聞いておりますが……。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) これははっきりした照度のはかり方で申しますと、一メートル離れたところにおける一燭光の明るさ、この一メートル離れたところの照度が一ルクスというのでありますが、ごく大ざっぱに、一番わかりやすく申し上げますと、映画館の映写をしておって、映写が終って次の映写に移る間の幕合いの休憩時間の明るさが、あれが大体十ルクス、大体各映画館を通じて十ルクス、こういうことになっております。従いまして、新聞を読める程度よりはずっと明るいわけでございます。あの休憩時間に、プログラムなんか十分読めるわけでございます。ずっと明るいわけでございます。  そこで、申し上げますと、やはり農村等で、比較的都会みたいな明るい生活をしていない所でございますと、たとえば、電球三十燭光か四十燭光一つでやっているような飲食店もあるかと思いますが、そういう所ですと、やはり十ルクス以下ということになってしまう。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 今のいなかでは、幾ら何でも、あの明るさ以下の電力しかないという所はないですよ。これは、抜け道に悪用される危険性がある。現在でも、十ルクスという規定のある所でも、あるいは三、あるいは四くらいでやっている所もあるそうですが、そういう所は、ほんとうにいかがかと思うような明るさなんですね。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 十ルクスの制限は、これは今ないとおっしゃいましたけれども、いなかでも、比較的いわゆる市の部分とかいうような所はないかと思いますが、やはり相当、ほんとうに農村地帯とかいうような所になると、やはり、私ども聞いてきたのでありますが、ないとは言えないようでございますし、それからまた、これはまれな例になろうかと思いますが、電気を使っていないというような所もあろうかと思います。この意味は、その県が全部こうしろという意味ではなくて、その県のうちの、もちろん県庁の所在地なんかはそういう所はないと思いますが、たとえば、ある農村、山村地帯の地域は何ルックス以下、八ルックス以下でいいとか、そういうことを設けることができるという意味合いでありまして、なお、抜け道になりはしないかという点につきまして、もちろん私ども、そういう意図は毛頭ございませんし、この法律の改正が通りますと、各都道府県は条例を改正しなくてはならないわけでございますが、その場合の基準というものは、当然やはり条例は、もちろん府県の見解でお作りになるわけでございますが、一応の案となるものの基準というものは、やはり私どもの方としても、府県に言ってやらなければならぬかと思っておりますが、そういうときには十分言うつもりでおります。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 そんな農村に参りまして、いわゆるいうところの深夜喫茶などはないと思うのです。ただ、地方から特別に願い出た場合は、これはそのときといたしましても、本法で規定いたします際に、こういうルーズなきめ方をいたしますことは、抜け穴を認める結果になる、私はそう思いますが、いかがでございますか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) この規定を置きました趣旨は、おっしゃる通り、農村等では、深夜喫茶などはもちろんないのじゃないかと思います。従って、必要ないのでございます。十ルクスなんていう規定も必要ないので、むしろ零ルクスにしておいてもかまわないわけでございます。ほとんど必要ない。ただ、都会地の十ルクスという深夜喫茶を風俗営業に取り入れるために作ったこの制限によりまして、農村等の健全な普通の飲食店までこの風俗営業の対象にさせられてはかわいそうだという意味で、この例外規定があるのでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 まことに了解しがたい御答弁だと思うのでございますが、私は今、加藤さんの関連質問で取り上げたわけでございますから、あとで私の時間にもう少しやりたいと思います。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 まだ私よくわからないのでございますが、この第四条の二でございますね。今問題になっている深夜喫茶が今後どういうふうに取り締られるかというようなことが、第四条の二を見ますと、ほかの風俗営業というものはみんな許可制でございますね。それで今度は、今までの深夜に営業していた飲食店が、また午後十一時以降ほかの風俗営業みたいな時間にもずっとやっていこうという場合には、第四条の二の規制を受ける、こういうことになるわけなんでございますか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) ちょっとややこしい規定でございますが、風俗営業というものは、これこれこれこれの要件のあるものが、風俗営業として許可を受けなければやってはいかぬ、許可を受けなければ、昼間であろうが夜であろうが深夜であろうが、やってはいけない、その許可を公安委員会が許可するようにいたしたのであります。従いまして、深夜には風俗営業というものはない、こういう概念になるわけでございます。許可を受けたものは、午後十一時とか十一時半までしかやれないから、  深夜でも深夜営業をしなくちゃならない飲食店というものは、これは考え方でございますけれども、深夜、トラックの運転手さんもぶうぶうやっております。深夜作業をやっております工場労働者もございますし、深夜に働いている人は相当おります。そういう人たちが深夜にもし食事ができないというのでは、これは適当でないかと思いますが、そういう人たちのために深夜開いている飲食店というものは、相当数あるわけでございます。そこで、それらのものは当然風俗営業じゃございません。普通の飲食店でありますから、それらのものは、風俗営業等をするにはきわめて不適当でございます。妥当ではないと思います。そこで、公安委員会の許可のもとに置くということは、これは不適当だ、妥当でないと思います。従って、公安委員会は、そういう普通の飲食店は、深夜やっていようが、昼間やっていようが、これは許可という観点からすると、ノータッチでございます。しかしながら、深夜というのは、やはり昼間と違って、ともすると善良の風俗が害されやすい特殊性があるのではないか、そこで、その深夜の特殊性からして、善良の風俗を維持するために、公安委員会の許可営業ではないけれども、一般的に、たとえ善良な人だけを相手にして、健全な飲食店営業であっても、深夜については特別な制限、営業の業態についての特別な制限、守るべき事項を定めてもいいじゃないか、その定めるのを都道府県の条例で定めさせよう。定める内容といいますと、先ほどちょっと触れましたが、十八才未満の者は、正当な理由なくしては入れてはいけないとか、あるいはまた、営業所にお客さんを宿泊させてはいけないとか、あるいはまた、人声、楽器等で大きな音を出してはいけない、いろいろ深夜の特殊性についてのそういう制限事項を設けるべきではないか、これで都道府県の条例でそういうものを定めさせますと、深夜営業をやっているものは、公安委員会から許可を受けていない、普通の食品衛生法だけの許可である健全な飲食店であっても、今言ったような条例で設けられた普通の制限事項につきましては、その制限事項を守らなければならない。そこで、それを守らないで、どんなに注意しても、大きなレコードをかけていたり、あるいはまた、十八才以下の者をたむろさせていたり、そういうようなことになると、それを公安委員会が期間を定めて、自分の許可営業ではないけれども、それについて営業停止を命ずることができる、あるいはまた必要な処分、たとえばレコードをかけちゃいけないというような処分をすることができる、こういう条文の立て方が四条の二なのでございます。この四条の二を設けることによりまして、先ほど申し上げました少年の不良化防止というようなものを、一応抜け穴はこれでふさげるのじゃないかというふうに私ども考えるのでございます。この考え方は、飲食店営業というものを全部公安委員会の許可にするということは、これはやはり現在妥当でないのじゃないか、やはり飲食店営業というもののうちの風俗を害するおそれのあるものについては、これは、風俗保持という観点から、公安委員会の許可にすべきである、こういう考え方に立っているわけでございます。  ちょっとわかりにくかったと思いますが、以上でございます。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 私ども、お聞き及びかと思いますが、衆参両院の婦人議員が超党派的に集まりまして、青少年不良化の防止のために、深夜喫茶の全面的禁止をしたいという考えのもとに、議員立法でもと考えて勉強しておりましたのですけれども、愛知法務大臣もおいでになりまして、これはどうしても婦人の世論を味方にしなければ成立しない、またできない法律だからというわけで、わざわざ来られて、大いにこういう企てに対して積極的な御意思の表明があったのです。ですから私どもは、政府がもう少しはっきりした立法をなさるものとばかり思っておりましたが、きょう私、ほかの委員会からこちらへ来て、初めてこの法案を見るようなわけですけれども、非常に無理な立て方じゃないかと思うのです。こういうようなところへ、こういうふうに許可でないものを急にちょっとはめてみて、そうしてそれからあとは非常な厳重な取り締りの対象になるというふうな、そんな無理な法律の立て方だと思うのでございますけれども、どうも私ども、これは非常に不満で、これでもって果してうまくゆくものかどうかというふうに心配しているのでございますが、たとえば、こちらで三つのいろいろな制限規定が設けてございますが、ここに書いてある文字だけでは、もし深夜喫茶は、飲食店営業という名のもとに、営業を今後とも何か今までのような意図のもとに営業を続けていこうと思った場合には、やはり続けていけるような抜け道があるのじゃないかというような心配が多分にあるのでございますけれどもね。そういうふうにお思いにならないでしょうか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) もちろん私も、法務大臣がおいでになった席に参っておりまして、いろいろお伺いしたわけでございますが、深夜喫茶を全廃しろという声あるいは要望書等があったわけです。ところが、それでは、深夜喫茶というものは何か、どういうものを深夜喫茶というのかということになりますと、これはやはり何らかの形でつかんでいかなければならないものであります。そうすると、飲食店営業は、夜十一時から翌日の朝までは全部禁止するという法律なら、これは確かにできると思いますけれども、飲食店営業のうちの深夜喫茶といいましても、何か明るさでつかむか、何かでつかまなければ、そういう通称深夜喫茶といわれておりますが、実態ははっきりしないものであります。そこでそれでは飲食店全部を夜の十一時から翌朝まで禁止すべきかということになりますと、これはやはり、先ほど申し上げましたように、深夜労働している方もおるのであって、適当ではないというふうに考えざるを得ないわけで、それでは深夜喫茶というものは十一時以降やめさせたいというので、深夜喫茶の現在の公約数をとりますと、明るさと、また、アベック室といいますか、個室でもってとらえる以外には、ちょっととらえ方がないわけであります。それでとらえて、現在普通に行われているものは、深夜喫茶は大部暗いのです。それから個室、アベック室というものを設けておる、それでとらえる。そのものは風俗営業の許可を受けなければやってはいけない。許可を受ければ、夜中はやってはいけないのですから、深夜の部分については禁止と同じことになります。許可を受けさせることによって、青少年を入れさせないという効果が出るわけです。  そこで、それじゃ深夜必要なる飲食店営業もあるから、深夜必要な飲食店営業は残して、そうでないものはやめさせるという考え方もあるのでございますのですけれども、これはやはり、それじゃこれこれの飲食店営業はいいという一ぺんの法律ではきまらないと思うのであります。これは、いろいろな幾ら条項を重ねて書いても、全部が全部当てはまることにはならないわけであります。そうなりますと、必要なものを残し、不必要なものをやらせないというためには、全部を許可営業にしなければならないということになるわけであります。全部が全部許可営業にするというのは、少くとも公安委員会の許可営業にするのは、これはやはり風俗上の観点という点から見て、やはり妥当ではないのではないか。そこで、無理な内容ではないかというお話もございましたが、一応深夜喫茶、深夜バーという現在のものは風俗営業に取り入れ、そして営業時間も十一時までにするし、少年は入れない、その他の制限事項をかぶせて取締りをする。それでも、おっしゃったように、何らか構造を、あるいは明るさを少し上げてのがれるものがあるかもしれませんので、そののがれたものがいわゆるざるの目から漏ったという格好では困りますので、そこで、そのものにつきましては、それは許可営業ではないけれども、先ほど申し上げましたような順守事項を設けて、それに違反した場合には営業停止、これは一番きつい処分になるわけですが、そういうことによって順守事項を守る、脱法行為をしないということを担保していこうというのが四条の二の規定の趣旨でございます。私どもといたしましては、そういういろいろな場合も考えまして、現行の法律の建前上、あるいはまた、社会の一般的な情勢、常識上、深夜喫茶等の青少年に及ぼす弊害というものも考えて、できる限度におきましてのこれが規制措置ではないかというふうに考えて作ったわけであります。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 それでは、この三つの、照明の問題、それから施設の問題、あと一点ございましたが、こういうような一つの基準と申しますか、ワクをはめて、そうして規制なさるということをここに規定なすったのでございますが、たとえばこの照明でございますけれども、今まで客席から勝手に暗くしたり消したりすることができるような照明の設備なんかがずいぶん多いということを聞いているのでございますけれども、そういうようなことに対しての禁止というような、あるいは取りきめが何もここに書いてないのでございますね。それはずいぶん危険じゃないかと思うのでございますが、もしその照明ということが一番深夜喫茶に必要なことであるとするならば、それは、どうしてそういうことがないというふうにお考えになるのでしょうか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) その点でございますが、もちろん客席で二段、三段というような装置でもって、暗さを調節するというような場合、それは当然その営業の業態に入るわけでございますから、その場合においては、一番暗くした照明がこの規定に当てはまっているか当てはまっていないかということによって取締りをして参ります。

加藤シヅエ日本社会党

○加藤シヅエ君 どうも、ちょっと少しこれは非常にこじつけのような無理がある法律のように見えてならないのでございますが、きょうは私、ここまでにしておきます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 最近少年の不良化の問題がやかましく言われ、それが、深夜喫茶が果している役割が非常に重いと見て、世論が燃え上ったわけですね。この世論に押されて、こういう取締りその他の法規が出て来たことは、私たち非常にけっこうだと思います。ところが、内容を見たりお話を聞いたりしていると、やはり売春防止法みたいに、非常なざる法になる危険性がある。私は、先ほどからのあなたの御説明を伺っていて、どうもわからないと思うのは、喫茶店とかバーですね、これと、単なる運転手さんとか、夜中に働いている夜間勤務者、これらの人がちょいと一ぱい御飯を食べるという店との見分けがつかないというはずはないと思うのですが、いかがですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) この点は、先ほど申し上げましたように、全部を許可にかからしめるのであれば、たとえば、これこれの地域のこのものを許可するということは、これはできるかと思いますが、そうでない限り、喫茶店とかバーとかカフエーとかというのは、これは通称でございます。これこれの設備を設けなければバーではないとか、これこれの設備があるのは喫茶店であるとかいうものではございませんので、たとえば、銀座裏あたりの、何と言いますか、御婦人のたくさんいるバーも、自分でバーと言っている人もありますし、カフエーとみずから称している人もございまして、あるいはまた、労働している人が入る、しょうちゅうを飲む所も、バーとかサントリー・バーというような名前をつけている所があります。だから、バーとか喫茶店とかいう名前だけでこれを規制するわけには参りませんので、やはり何らかのものを取り出さなければならない。そうすると、何らかのものといいますと、構造設備というものは、これは、家によって構造は千差万別でございますので、やはり明るさと、非常に風俗を乱す、あるいはまた、悪の温床になるかもしれぬという小部屋と、この二つでもって限度限界をきめていく以外に方法がないのではないか。いろいろあの手この手と苦労をしたのでございますが、結局ここに落ちついたわけでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 私は、このいわゆるいうところの深夜喫茶とカフエーだのバーだの喫茶店ですね、これが害毒をどれだけ流しているかということは、今さら論議する必要はないと思う。ですから、十一時以降のこれらの営業は一切禁止して、そのかわりに、むしろ逆にですね、労働者等の、運転手さんたちが夜御飯一ぱい食べるというような所を規定して、それで残していくという方法にした方が簡単じゃないですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) まあ運転手さんや労働者の食べる飲食店は、これは、今度も時間制限したり何かしていない。これは当然残っているわけでございます、この法律改正がありましても。そこで、いわゆる深夜喫茶等について、十一時以後これを禁止してしまったらどうか。現在あります深夜喫茶とおぼしきものを、これを十一時以後禁止したらどうか。しかし、そうすると、一軒々々、お前のところは十一時以後やってはいけないということは、これは、東京都の食品衛生法による東京都の許可だけで、風俗営業の許可ではない。現在の風俗営業法の対象には入らない。と申しますのは、客席へはべって客の接待をしておりませんものですから、来るのは、アベックとか何とか連れて来るだけで、そこにいる給仕はただ働くだけですから、現行の風保営業取締法では、どうしても風俗営業の対象になっていないのです。私どもの対象になっていません。東京都の食品衛生法によって東京都の許可を受けているだけです。それで、この点まだはっきりさしておりませんけれども、東京都が、一つ一つの営業について、十一時以後いかぬということは、あるいはできるかもしれませんし、また、現在の東京都の深夜喫茶等に関する条例によりまして、十一時以降の時間につきましては、少年を入れてはいかぬということは確かにございます。それでは、午後の十一時以前はどうかという問題になるのでございますが、たとえば、深夜喫茶等につきましては、先ほど申しました通り、深夜だけではなく、むしろ終日営業なんで、もう昼間から店内をまっ暗にしてやっているのでございます。ところが、これは、学校をさぼったりなんかして行っているのが相当多い。ところが、十一時以後はやめさしても、風俗営業の対象に取り込まなければ、昼はほうっておくよりしょうがないということになる。そこで、風俗営業の対象に取り込んで、昼間についても、暗くしているところでは、風俗営業の許可営業にしまして、暗くしているところについては、青少年を立ち入らせてはいかぬ、こういうことによって青少年の不良化防止をしていこう、こういう考え方なのでございます。いろいろな点を、こうやるとこちらが抜けるんじゃないか、こうやるとあちらが抜けるんじゃないか、いろいろな点を考え、かつ、法律としての形態を備え、表現ができるかというような点をいろいろ考え合せて、実はここに落ちついたわけでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 十一時以降を全部禁止したら、風俗営業に取り入れられないということはないので、これは取り入れて、少年が入ってはいけないとか、これこれの明るさにしなければいけないという規定はできるわけでしょう。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) この法律がそういうふうにしたのでございまして、いわゆる深夜喫茶等を風俗営業の対象に取り入れたわけでございます。取り入れると同時に、都道府県の条例で、お前のところは十一時以後はやってはいかぬ、こういうことにして、そうして少年もそこには入れさせない。こういうことにしてあるのでございます。

藤原道子日本社会党

○藤原道子君 そこで、この法律でやって、取締りの対象に上るものをどのくらいと見ておりますか。どの程度まで取り締れるという確信を持ってお出しになりましたか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 結局、先ほど申し上げましたように、いわゆる深夜喫茶、夜中の一時以前、一時以降にやっている営業者は千四十何名と申し上げましたが、千ちょっとでございますが、そのうちの大部分は風俗営業の対象になろうかと思います。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) ちょっと速記をとめて。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記を始めて。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 刑事局長がただいま御出席になったから、少し法律的な見解を承わりたいと思うんですが、先ほど議論になったところを少し繰り返さないといかんと思いますが、今度の風俗営業取締法の第六条の問題です。これは、警察官が、この法律または法律に基く都道府県の条例の実施について必要があるときは、風俗営業の営業所に立ち入ることができる。この規定が、私は、こういうばく然とした条件で立ち入りを認めることは間違いであるという立場で質問しているわけです。その理由は、第一は、憲法三十五条の住居の不可侵権、許可された営業である以上は、不可侵権があることは、これはもう間違いはないということが一つと、それから、警職法の第六条との関係ですね。警職法では、この立入りをやはり認めている、第六条で。そこで、この風俗営業取締法の対象になるようなものは、同時に警職法第六条の対象になっている。そこの立ち入りと、ここの風俗営業取締法の立ち入りとは、これは、目的はもちろん違うことは明確である。明確なんだが、結局、立ち入りという、立ち入られる方から見れば、同じ状態が発生するわけです、一応立ち入りという。それから、立ち入ってくる者は、両方とも警察官だ。あるいは、警察の内部で仕事の分担はあるかもしれません。しかしこれは、警察官であることは間違いない。だから、犯罪関係にも当然これはタッチできるし、何かそういう場面に出くわせば、当然タッチしなければならぬ義務がある。そういうふうに考えますと、この目的が違うんだからいいのだ、こういうことだけではいけないのじゃないか。もう少し立ち入られる方の立場というものを考えて、そうして営業侵害とか、人権侵害にならぬような条件を、風俗営業取締法の第六条をせっかく改正するのであれば、自分の都合のいいところだけじゃなしに、相手方の立場も考えた条件をつけるべきじゃないか。たとえば、営業の妨害にならないような方法で、立ち入りといったような条件をつけるべきじゃないか。営業妨害なんかする意思はないと警察はおっしゃっている。おっしゃっているのであればなおさらですから、そういうものをつけておく方が、憲法三十五条なりあるいは警職法との関係等から考えてもいいのでないか、釣合い上において。警職法では非常に厳重ですから、だから、警職法で、うろたえて警察官が踏み入って、いやどうも見当違いした。そこで、責任追求されるのも困る。だから、いや実は風俗営業取締法の関係があって入ってきたんだと言えば、これはあなた、結局は、警職法の脱法行為ということになる。その点をさっきからお聞きしているんだが、刑事局長の一つ御見解をお聞きしたい。

竹内壽平法務省刑事局長

○政府委員(竹内壽平君) 入る人が警察官であり、また、入られる方があるいは料理屋ということになりますと、ただいま御指摘のような御疑念もごもっともだと存じますが、法律制度としてこれを考えてみますると、まあ風俗営業の立入権の方は、いわゆる営業所に対する監督官庁としての警察官でございます。それから、片や警察官の職務執行法の立ち入りの方は、これは、申すまでもなく、いわゆる警察法第二条の警察の責務を忠実に尽すための手段として認められておる法律で、その範囲においての立ち入りでございます。そこで目的は、仰せのように、明らかに違うのでございまして、風俗営業の場合におきましては、この風俗営業法並びにその施行令である各都道府県の条例の実施状況を全からしめるために、行政作用の一つとして立ち入りを認める、立ち入り調査をするということでございまして、このような行政作用でありますから、憲法三十五条の適用を受ける余地はない、こういうふうに私ども解釈いたしておるのでございます。それで、このような行政措置に対する立ち入りというのは、他の警察法規と申しますか、質屋営業法あるいは古物営業法、あるいは、警察法規ではございませんが、労働規準法というようなものにも、それぞれ監督官庁としての立ち入り調査権を認めた同種の規定があるわけでございます。これと歩調を合せておるのでございまして、特にこの分だけをゆるやかにしておるという筋合いではないわけであります。申すまでもなく、この場合の対象になりますのは営業所だけでございまして、しかもそれは、間接強制と申しますか、立ち入りを拒んだ者に対しまして、罰則でこれを強行する、こういう関係になっておりますが、これに反しまして、警察官の職務執行法の立ち入りは、これは一般国民を対象としておるのでございます。もちろんその中に、料理屋その他の例示がしてありますけれども、要するに、考え方としましては、営業所の営業状態を立ち入りして調査するというのではなく、一定の条件のもとに、国民一般を対象とする行政作用というふうな意味において立ち入りというものを認めておるわけであって、しかもそれは、間接強制でなくして、即時強制でございます。従って、そのような場合には、一定の行政目的を果すといいましても、漫然と入るのではなくて、一定の緊急状態、あるいは危険状態、こういうものを前提といたしまして入り得るのでございますし、従いまして、そのような場合には、警職法の第六条の第三項にも明らかに規定しておりますように、「みだりに関係者の正当な業務を妨害してはならない」というようなことで、即時強制の場合における行き過ぎをその場でちょっとチェックしてある、こういうことになっておるのであります。なお、憲法三十五条の点につきましては、いろいろ御議論もあろうと思いますが、私どもといたしましては、行政行為につきましては直接かぶらないのであって、ただその精神をくんで、できるだけこの三十五条の明らかなる——いわばこれは刑事手続に関する規定だと私ども考えておりますが、それにいたしましても、この趣旨をよく体した立法をしなければならぬというふうに考えておるのでございます。  大体一応のお答えを申し上げたつもりでございますが、なお御質問がございましたら、お答えいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 刑事局長の言わんとしておる説明は、一応わかりますが、警職法の場合には、一般の公衆を対象としておる、それから風俗営業の方は、営業主を対象にしておる、こういう区別も今一応言われておる。なるほどその通りです。ところが、一般の公衆を対象にしておる警職法の第六条においてすら、業務妨害にならぬように注意せよ、こう第六条第三項に規定しておる。これは私は、犯罪関係ですから、多少営業妨害になることがあると思うのです、むしろ逆に。それでもこう規定しておるわけです。ところが、この風俗営業の方は、営業主自体を目的にしている。だから、これは一そう、その営業主を対象にしてくるのですから、営業妨害の危険性というものはあると思います。いろいろな場合が想像できますけれども……。だから、その点をどうして明確にしないかと、こう言っているのです。これは、「立ち入ることができる」と、こう書いてあるだけで、立ち入ったあとどんなことができるのかということは、何も書いてないのです。先ほど警察の方でも、こういう立法は、もうみんな前例に従ってやっているのでと言いますが、たとえば、質屋営業法の二十四条の立ち入りですね。この場合には、「営業時間中において、質屋の営業所及び質物の保管所に立ち入り、質物及び第十四条の規定による帳簿を検査し、又は関係者に質問することができる。」できる行為というものは、きちっと法律上明確にされている。だから、これなら行動がはっきりするわけですね、入ってきた後の。これはあなた、立ち入ることができるということであって、立ち入ってぽかっと立ているわけじゃない。先ほど聞くと、ちょと従業員に聞いてみたいということもあるようなお話、だから、そうなると、やはり具体的にこれは書く必要がありますよ、こういうふうに。それからほかの、旅館業法でも、この風俗営業よりはもう少しはっきり書いております。たとえば旅館業法の場合、第七条ですね。これは、「営業の施設に立ち入り、その構造設備若しくはこれに関する書類を検査させることができる。」行動というものは明確にされておるわけです。こっちの方は明確にされておらない。必要性と言うか、その入る権限だけが明確にされている。こんなものは、主観的にどうにでもできる。入ったあとは野放図ですからね。だから私は、具体的に一項目、二項目書いてほしいのだが、まあそんなことをするのも少し繁雑過ぎるということであれば、せめて営業の妨害にならないようにすべきであると思う。警職法第六条三項が規定していると同じようなことぐらいは、これは入れておかなければならない。そんなことはしませんと警察は言うておるのなら、せぬのなら、入れておったって、警察の立場で不利なことはない。両方の調和がそこでとれるわけです。全然野放図ですからね、こういうことは非常に危険です。なるほど従来もこういうことでやってきたということかもしらんが、ここがせっかく改正されるというもんだから、注意していろいろ見てみると、ちょっとほかの法律に比較しておかしいという感じを持っているのです。だから、そういう規定を入れること自体は、私は、今から法律をここで新しく御破算にして作るのだというなら、当然もう少ししぼられた概念というものが適当だと思うのですがね。刑事局長そう思いませんか。質屋の場合でも、旅館業の場合でも、入った人のやる行動というものはちゃんと明記されている。これにはないのです。それが今度は、つまり警職法と同じ人ですからね。そこで、一つの脱法行為みたいなことをされても困るのじゃないか。

竹内壽平法務省刑事局長

○政府委員(竹内壽平君) 第一の、立ち入ってから後のいかなる行動がとれるかということを、法規の上に明らかにすべきではないかという御議論でございますが、ごもっともな御議論だと存じますけれども、この点は、現行法におきましても、立ち入ることができるということで、それから先のことは書いてないわけでございますが、これは、現行法立案の当時にも、おそらくはそういう問題があったろうと思うのでございますが、これは、条例が若干各都道府県によって内容も違っておると思うのでございます。順守事項等も違っておると思いますが、そういうような順守事項を明らかにするところもありましょうし、いろいろありますので、結局は、ただばく然と立ち入るのではなくて、そのような順守事項が守られておるかどうかを調べるためには、職員に質問するであろうというようなことも当然考えられるわけで、おそらくこれは、現行法が実施してから今日になっても、大してここに問題がなくきておると、こういう現状をそのまま今度の改正法におきましても受け継いでおるわけであって、わずかに違っておりますところは、先般の警察法の改正の際に当然なすべきであった「当核官吏及び吏員」を、本来の姿である「警察官」と書き改めただけでありまして、それからなお、深夜における場合におきましての規定を加えたというだけで、この部分については、本質的な改正ということはないというふうに私ども実は理解しておった次第でございます。  それからまた、先ほどもちょっと触れましたが、警職法の六条の三項でございましたか、あのような規定を置くことの可否でございますが、これは、警職法の場合と違いまして、監督官庁がその法律の執行を監督するために入るわけでございます。従って、その受忍義務と申しますか、監督を受ける者の立場というものは、警職法の場合とは違うのではないか。警職法の場合でさえそうなっておるのだからという御議論を伺ったわけでございますが、私は、警職法だから、そういう規定を置いて、不測の迷惑をかけないようにすべきだと思いますが、この飲食店営業あるいは風俗営業の場合におきましては、当然監督を受ける建前になっておりますから、その監督をしますために入って来る、これは、業者としましてはやむを得ないことなんで、私は、むしろ警職法にはそういう規定を置くべきでありますが、風俗営業の方にはそういう規定をあえて置く必要はないのだと、かように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは、警察にちょっと聞きますが、旅館業法の場合は、これはだれが立ち入るのですか。旅館業法七条による立ち入りですね。「当該吏員」となっておりますが、実際上はこれはどうなっているのですか。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 監督官庁である都道府県知事またはその事務を取り扱うところでありまして、警察ではございません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 だから、そういう点が非常に違うわけですね。旅館ですと、そんなに人がざわざわと集まっているわけでなく、一室ずつに入っているわけですな。従って、そういうところは、実際は、警察が帳簿などを調べに行ったって、大して目に立つわけじゃない。営業妨害といったような観念というのはむしろ出にくい、風俗営業で対象になっているような店に比較すれば。大いに行ってくれというのじゃないのだが、これに比較すればね。そういうところでは、今お聞きすると、結局普通の吏員、こういう人が行くのですからね。そういう人が行って、法律で明示された行為、第七条では、ちゃんと調べる項目というものを明示しておりますね。こういうところは、行き過ぎとか、そんなことは起きてくるおそれはない。今度の場合は、結局は警職法と同じ、警察官が行って、しかも、たくさんの人が集まっているところだから、その行動の基準というものを明確にすべきではないか。して悪いことはない。私は、するのが理想だと思うのです。ただ、それを書こうとすると、なかなかむずかしいというだけであって、書き方がね。しかし、それは、行動の基準を明確にしておくのはあたりまえです。皆さんの方は、おそらく、目的がちゃんとはっきりしているのだから、目的のための行動なんだから、そこにちゃんと行動の基準があるのだと、こういうことだと思いますが、そうすれば、質屋の場合だって、旅館業法の場合だって、そんな具体的な行動まで書く必要はないわけです、目的がはっきりしているのだから。だから、一方に書いてあるのに、質屋とか旅館よりもなお一そう営業妨害のおそれのあるこういうものについて、行動の基準を具体的に書かないのはつり合いがとれない。書ければ一番いいことでしょう。書く書かぬは別として、理論としては、書けば一番いいと思いますが、その点はどうですか。現行法にとらわれないで考えて、刑事局長の御意見を聞きたい。

竹内壽平法務省刑事局長

○政府委員(竹内壽平君) 書ければ書いた方がいいという御議論でございますが、それは、書ければ書く方がいいという御議論も成り立つと思いますけれども、もともと風俗営業は許可営業になるわけなんで、その許可を受けている営業というものは、許可条件というものはわかっているわけで、従って、立ち入りました場合に、何がその立ち入りの目的になるかということは、おのずからわかってくるわけなんで、書かなくてもわかるのじゃないかというふうに私は思うのでございますが、簡明に条文として表わし得るような表現があって、そういうことを書いた方がなお明確になるということでありまするならば、しいて私も反対するものでもございませんが、なお、この改正法といいますよりも、立ち入りについては、現行法でございますが、現行法の運用に徴しまして、いささかも支障がないということならば、何もしいて書かなくてもよくはないかというのが私の意見でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ大体現行法があるから、それから、警察の立場も若干考慮されての答弁のようですが、理論的には、やはり書けるものなら書いた方がいいというふうな意味も、今の答弁に含まれておると思う。これは私は、当然そうあるべきことだと思います。まあそういう点で、刑事局長は当事者でないから、多少客観的にお答え願っておることは非常に敬服しますが、これは、ほかの法律と比較したって、当然そうすべきです。書き方が問題なんです。だから、私もわかるのですが、たとえば、営業妨害にならぬようにというふうなことを書くと、そこでトラブルが起きやせぬか、お前そういう調べ方をするのは営業妨害だと、向うから言われやせぬかといったようなことも、警察としては懸念されるのだと思います。しかし私は、そんなことを言う者はあまりおらぬと思うのですよ。大体立場が違うのだから、向うが弱いのだから、そんなことを言う場合には、それは、よほどそこに行き過ぎがある場合ですよ、おそらくは。今まで差しつかえないと言うけれども、それは、弱者だから声をあげてこないのです。そういう点もありますしね。だから、今の局長の答弁からしまして、できるものなら、これは、何かほかの質屋なり旅館業法とつり合いのとれる程度に、警察官の行動の基準というものは、やっぱりもう少し具体的に明確にしてもらいたいと思います。そうしておけば、まあ警職法で飛び込んで、間違ったと言うて、いや、これは営業法で来たんだとか、そんなことも言えぬ。ちょうど警職法が問題になっているときですから、なおさらこれは一つ厳重にやってほしい。いいでしょう、警察の方、営業を妨害するつもりはないというところから。

原文兵衞警察庁保安局長

○政府委員(原文兵衞君) 私も、先ほどの説明で、あるいは表現が足りなかったりした点があろうかと思いますので、若干付け加えさせていただきます。現行法、改正法ともに、「立ち入ることができる」というだけにしてありまして、立ち入って帳簿を検査することができるとか何とか書いてございませんのは、これは、風俗営業の順守事項等につきましては、立ち入ることによって当然若干質問をするというようなことは含まれるかと思いまするけれども、営業の内容等を許可しているのでありませんで、風俗営業という観点から許可でありますので、帳簿等を提示させる必要はございません。大体まあ立ち入って、あるいは若干質問することもあるかもしれない。それによって、明るさを暗くしているのではないか、あるいは少年等をそこにたくさん入れているのではないか、あるいは卑猥な行為をさせているのではないかということは、それによってわかるわけでありまして、むしろ逆に、質屋営業法あるいはまた旅館業法等の、立ち入って帳簿の検査をすることができるという、そこまで至らない立ち入り、もっと手前のところでよろしい、こういう意味合いでそれを規定してないのでございまして、なお、風俗営業で許可を受けておりまする料理店あるいはまたカフェー等におきましても、当然飲食店営業としての許可は受けておるものでございますので、そういう方面の監督官庁として、衛生設備その他のこまかいところを見なくちゃならぬものは、これはまた、そちらの当該官吏がそちらの法律によって見る、こういうことになっておるのでございまして、御説明の足りなかった点があろうかと思って、付け加えさせていただきます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは、文字通りに解釈すれば、「立ち入ることができる」と、まあ入ってくるだけだ、あとそんな答える必要はない、うろうろあまり歩かぬでおいてくれと、逆に出られる場合もあり得ますよ。それは、立ち入れば質問するのは当然だと、こうおっしゃるけれども、私はまあ多少好意的にそれは解釈しておるから、立ち入ってただ黙っているわけじゃないだろうと言うのですが、つむじ曲りの人がいて、君は立ち入ることができるったって、ほかのことは一体何ができるか、はっきりせぬじゃないか、警察官も困るのですよ、そんなばく然としたことじゃ。だから、現に質屋営業の方では、「又は関係者に質問することができる」と書いてあるじゃないですか。質問みたいなのは当然だということなら、そんなこと書く必要はない、これは、そうじゃない。できることは書いて置いてやった方が両方ともはっきりする。営業者にしても、入る人にしたってね。これは間違いないですよ。それは議論にならないで来たのだからということだけで、質屋営業法と旅館業法と風俗営業法と一緒に立法したら、具体的に書かれているはずです。今からでもおそくないですよ。何とかそれを直してほしいと思いますね。積極的に反対する理由はないはずです。

竹内壽平法務省刑事局長

○政府委員(竹内壽平君) 御議論ごもっともでございますが、この六条を見ますと、「条例の実施について必要があるときは」と、こうありまして、立ち入ることができる前提となりますのは、条例の実施について必要がある、この条例の実施ということなんで、その立ち入る目的が条例の実施ということにあることは、この法文上も明らかであります。おそらくは、現行法の制定されますときにも、この条例の実施ということで国会の審議も通ったのじゃなかろうかというふうに私は思うのですが、おのずからそれで行動範囲というものもわかってくるのじゃないかというふうに思うのでございまして、ただ単に、風俗営業の営業所に立ち入ることができるというだけじゃなくて、都道府県の条例の実施状況を見るために必要がある場合に入るということで、入る目的は割合明確になっているのじゃないか。のみならず、先ほども説明ありましたように、帳簿を調べたり何かするよりも、ただ入ってじろじろ見て来るだけで目的を果す場合が多いのじゃないかということを考えると、特にこれをここに書く必要もないのじゃないかというふうに思うのであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、それはやはり書いた方がはっきりする、何と言ったって。それは、目的は目的であって、それは入るまでの理由です。入ったあとの行動は全然別です。目的に包含されたものが全部行動になって現われている場合もあるし、そうでない場合もある。だからこれは、できたら明確にしておいていただきたい。どうも、店に入って中を見回すだけとか、それから、営業主並びに店員に質問できるとか、できるならできると書いたらいいし、限界がはっきりしない。入って、そこにじっとしばらくお客さんの出入りを見ておるとか、いろんなことが、限界がはっきりしませんよ。いつまでもそんなところにすわっていてもらっちゃ困るでしょう。だから、そう一々言えぬのなら、営業の妨害にならぬように注意せえというふうな、抽象的な規定でも置くとか、それは、今までずっとわれわれもこれは気が付かないでやって来たんだが、注意して見れば、ほかの法律はみな具体的なんだし、これだけ、全く立ち入ったあとの行動が何も規制してないというのはおかしい。規制の仕方がむずかしければ、営業妨害にならぬように注意せえ、こういう訓示的な規定でもただし書きとして入れてもらいたい。入れたっていいでしょう。同意して下さい。積極的な反対の理由はどうも聞かれぬものだからね。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) ちょっと速記を中止して下さい。

田中啓一自由民主党

○委員長(田中啓一君) 速記を始めて。  本案に対する質疑は、次回に続行することといたしまして、本日はこの程度にいたしまして、これにて散会いたします。    午後四時三十三分散会

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