地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1958/10/15
会議録
○委員長(田中啓一君) これより委員会を開きます。 まず、委員の異動を報告いたします。 去る十日塩見俊二君が辞任され、館哲二君が補欠選任されました。また本十五日、館哲二君、本多市郎君が辞任され、山本利壽君、西田信一君がそれぞれ補欠選任されました。 —————————————
○委員長(田中啓一君) 本日は、まず、本年九月発生の台風第二十二号による災害対策に関する件を議題に供します。
○小林武治君 この前の委員会で、特別交付税等のことを若干伺っておいたのでありますが、なお、この点をもっと具体的に一つお聞きしておきたいと考えます。 それにつきまして、特別交付税が、本年は全体の六%で百三十四億が予定されておる、こういうことでありますが、この百三十四億の中で、税収入等の減収の期待される分を補てんする、たとえば木材引取税の取り分不足、こういうことのために使われると、こういうような費用のために相当部分が取りのけられておるということでありますが、その額はどれくらいになっておるのですか。
○説明員(細郷道一君) 税制の改正によって措置をしなければならない、激変緩和の意味で措置をしなければならないものに、木材引取税の減収補てんの問題があります。これは、まだはっきりした数字はきまっておりませんが、せいぜい四、五億程度にとまるものだろうと思います。それから、昨年法改正をいたしましたことによりますもので、住民税の第二方式の準率制定の分の、二年目の分の措置がございます。これがどれくらいになりますか、まああっても十億程度のものであろうかと思います。そのほか一応予想されます事項としては、本年度の税収の減、経済不況によります税収の減をどの程度まで補てんするかという問題がございますが、これは、例年九月決算まで見る関係上、十一月の末になりませんと申告がございませんので、そのころになりませんと、数字がちょっとわからないのであります。従って、今その数字をどれくらいに見るかということはちょっと申し上げかねます。まあ大体そんなところじゃないかと思います。
○小林武治君 そうすると、特別交付税の額は、百億前後というふうに大体予想しなければならぬと思いますが、それをいつものようなやり方で交付しておったのでは、今度のような局地的な災害地に対する特別交付税は、相当実際の必要を下回るのじゃないかと、こういうふうに思いまするが、町村の状況ですね、あるいは県の今の税収の不足、徴収不能、あるいは災害による財政支出の増加、こういうふうなものについて大体の見当がおつきになったかどうか、その点はどうですか。
○説明員(細郷道一君) 今ちょっと申し上げた中で、なお、今年度の普通交付税の激変緩和の措置としていたすものが、まだ二十億ほど予定されております。そういったものを引いた残りが従来の普通交付税という考えになるわけであります。非常にワクは窮屈になるわけであります。そこで、今お尋ねの地方団体の減免税の問題でございますが、私の方も、まだ資料を全部整えておりません。もう少しいたしますと、そういった関係の資料を各地方団体に要求することになっております。また、先般現地に出張した者の意見を聞いてみますと、まだ税収については、とりあえず徴収猶予というような段階を経ているようでありまして、まだ減免措置というところまで至っていないようであります。従いまして、もうちょっと時間がたって、私の方の照会を得ませんと、結論が出て参らないと、こう思います。
○小林武治君 大臣がお見えになったからお尋ねしますが、今度の災害の関係の善後措置のために、自治庁関係も特別立法をどうしてもしなければならぬ問題、たとえば、今の小災害に対する起債、あるいはこの起債の元利の償還というふうな問題、あるいは町村財政においてどうしても補てんができない、いわゆる赤字が相当出る、こういうことで、そういういわゆる財政の赤字起債、こういうふうな問題は、特別立法をしなければ期待に沿えない、こういうことで、しかも、それの必要が私どもあると考えますが、これについては、自治庁はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(青木正君) 今回の災害の対策につきましては、私どもの当初予想しておったよりも非常に激甚であり、しかも、単に伊豆方面に限らず、たとえば青森であるとか、あるいは福島であるとか、その他各地に相当甚大な被害が出ておるようであります。しかも、お話のように、なかなか国でやる仕事だけではとうてい復旧ができないものがたくさんありまして、いわゆる小災害という点に相当重点を置いて考えなければいかぬのじゃないかということを、私ども先般来いろいろ検討いたしているのであります。そこで、現実には、どの程度の災害があり、そうしてまた、自治庁関係としてどの程度のことをしなければならぬかという問題になりますと、まあある程度わかってきておりますが、なおまだ詳細にわからぬ点もあるのでありまして、建設省関係は若干わかっておりますが、農林省関係等につきまして、なおもっと詳細な資料を集めなければならぬものもあるようであります。そこで、市町村財政あるいは府県財政に対するいわゆる特別交付税の問題もあるわけでありますが、特別交付税は、御承知のように、一定の限度がありますので、これをふやすことができるかどうか問題がありますし、また、特別交付税でなしに、お話のような小災害に対して起債を認めて、そうしてそれに対して、元利について国がめんどうを見るというような、いわゆる特別立法の問題も当然考えなければいかぬのじゃないかということを、私どもも、基本的にと申しますか、一応の考え方としては、そういうことも当然起ってくるのじゃないか、こう考えているのでありますが、実際には、まだ事務当局同士でもう少し話を詰めてみなければわからぬ点もありますので、大よその見当は、結末を見なくても考えなければいかぬのじゃないかという気持は持っておるのでありますが、具体的には、しからばこの程度どうするか、こういうことにつきましては、もうちょっと事務当局間の話を進めてみないと、最終的な結論を出すことは困難ではないか、かように考えております。
○小林武治君 この特別立法あるいは小災害の起債、こういうようなことは、自治庁は、どちらかというと受け身、あるいは消極的に、建設省がきまったならばこちらも考える、このような考え方があるように見えますが、これでは私は、小災害はすべて町村の仕事それ自体でありまして、これを町村の負担で今のままでやれということは不可能だと思う。従って、町村財政の立場からいえば、むしろ自治庁が積極的になって、建設省でも小災害を起債の対象あるいは補助金の対象にしろ、こういうふうに、むしろ積極的に出られる必要があると同時に、今の町村財政がこのままでは運営ができない、こういう事態に、今は交付税の先払い等がありますからやれますが、やがて町村財政が絶対に運営不可能になるということは、今からはっきり予言できるのでありますから、財政の問題あるいは今の小災害の問題に、すぐに財政に影響してくることでありますからして、今までのような受け身でなくて、むしろ積極的に、自治庁が建設省あるいは農林省を誘って、あるいは大蔵省に対しても、特別立法の必要があるというふうな、積極的な態度をとる必要が私はあると思う。これが地方財政に対する責任者としての自治庁の態度であると思いますが、そういうふうな態度をぜひとってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(青木正君) 御趣旨の点はよくわかるのでありまして、私も、先日実は建設大臣にも私どもの気持を申し上げまして、建設省、農林省と協力いたしまして、私どもは、市町村財政を守る立場からいたしましても、われわれはできるだけのことをやらなければならぬ、当然の自治庁としての仕事でありますから、御趣旨の点を体しまして、今後も遅滞なく各省と連絡し、また府県、市町村の立場を守って、期待に沿うことができるように全力を尽していきたい、かように考えております。
○小林武治君 今の特別立法の問題は、心理的にも非常に大きな影響がありまして、何か政府が多少消極的だ、こういうようなことが新聞等にも出ております。町村の復興、復旧等に対する士気と申しますか、こういうことに非常に大きな影響を及ぼしておりますので、その点は、ぜひ積極的に特別立法をする、必要なものは。そうしてほかのこそくな手段でこれを弥縫するということのないように、ぜひお願いしておきたいのです。それで、たとえば、われわれ伊豆の方面におきましても、韮山村とか、あるいは修善寺町とか、中伊豆町とかいうふうなものはほとんど、一年の免税あるいは減税でなくて、数年にわたって税収入をあげることが不可能だ、ことに中伊豆町等を見ますと、町村の全体の予算五千万円、そのうち三千万円が税収入でまかなっている。ところが、この税収入のおもなるものは、御承知のように、ワサビ田の収入、こういうものが非常に大きな内容になっておるわけであります。これらは、二年、三年は復旧できない、こういう状態にあるので、この話を聞いただけでも、町村は、ここ二、三年は、もう財政を今のような状態でまかなえない、こういうことになっておるのでありまして、この財政を町村は維持するためには、どうしても赤字起債というふうな特別な方途が必要だと思いまするが、その点、今のような財政運営のための赤字起債、こういうようなことについては、やむを得ないというふうにお考えになっておりますか、どうでしょうか。
○国務大臣(青木正君) 町村が、災害の結果財政の面に非常に支障を来たした、そのために市町村としての維持ができていけなくなるということになりましたならば、これは重大問題でありますので、私としましては、何らかの方法を尽しまして、そういうことのないように、起債の問題あるいは特別交付税の問題もあるでしょうし、可能なる限りまたいろいろな方法を考えまして、何とか財政の運営を守っていくように御協力申し上げたいと、かように存じております。 なお、伊豆におきましては、御承知のように、災害対策本部を設けまして、いろいろ各省庁からの案を持ち寄って検討いたしておりますので、自治庁側としても、お話のような点につきましては、前々から連絡いたしまして、自治庁としての立場から、こういうことをやってほしいということは、常時連絡いたしておるのでありますが、今後も一そう御趣旨の点を体しまして、災害対策本部を中心としてこれが実現に尽していきたい、かように考えております。
○大沢雄一君 関連いたします。地方起債の立法措置による特別措置の問題というのが出ましたが、これに関連いたしまして、私からもお願いかたがた、一そう大臣にお骨折りを願いたいと思うのでございますが、ただいま自治庁の方で、必要はあると思うけれども、目下のところまだ調査中で、未定であるというふうな意味に伺えたのでありますが、この点につきましては、単に局所的な災害の、公共災害の非常にひどいところだけの問題ではないという点を十分御認識願いたい。たとえて申しますれば、埼玉県の例をとりますれば、埼玉県の県南地方のごときは、これは、主としてその被害は冠水によるものでありまして、必ずしも山くずれとか、あるいは堤防の破堤とかというようなものによらないのでありまするから、一見、道路その他の公共災害の面では、無論被害は相当ありますけれども、静岡その他の地方に比較して少いように見えるのでありますが、しかし、町村財政等の観点から見まするというと、決してそうでない。商工業の中心地が長い間水浸しになったために操業ができない。それから、鋳物その他機械工場が、水が入ったために機械がさびついてしまって動かなくなる。そのほか鋳物工場であれば、型、その原料の砂その他の資材がすっかり流れてしまうという、個人の災害といいまするか、そういう面を見まするというと、これは非常に大きなものがある。川口市だけでも、三十億を下らないといわれております。こういう観点から、市の財政に、税収の点で、減免をしなければならぬ、あるいは県が減収をするというようなことが、これは非常に起ってきます。川口だけでも二億五千万円、これは、歳入が減って赤字が出るということは、計算で明らかになっておるわけです。こういう場合に、町村財政の運営の点から、どうしても現在の地方財政法の起債のワクの問題、それを変更願いまして、町村財政が運営がつくようにこれに対してしていただきませんというと、非常にこれは自治体の運営上困るわけでありますので、こういう点を十分御検討いただきまして、いずれそういう立法措置ができますれば、政令で市町村を指定する、あるいは府県を指定する、こういうようなことになっていくわけでありますが、そういう場合に、十分一つ災害から受けまする影響ということをお考えいただきまして、災害の復旧ということはもとよりでございまするけれども、市町村財政を何とか守っていくという観点から、十分御検討いただきたいと思いますので、この点、お願いいたしておきます。
○国務大臣(青木正君) ただいまのお話の点も、私も、実は川口市の当局からも、いろいろ事情を承わったのであります。御承知のように、川口市は不交付団で、一応財政は豊かな市でありますが、今回の災害によりまして非常な打撃を受けて、市の税収入がもうお話のような非常な減収、その結果、少くともこの際は何らかのそういう起債財源に仰がなければ、市の財政の運用ができないというような事情を私承わっておるのであります。先ほど小林委員のお話の伊豆の町村におきましても、あるいはもっとより以上に困難な事情もあると思うのであります。従いまして、いろいろいわゆる高率補助の問題とも関連いたしまして、市町村財政をどの程度めんどう見なければならぬのか、そういうような数字の集まるのを待ちまして、今回もやはり、二十八年あるいは三十年、二十九年でありますか、と同じように、やはりそういう財政救済のための起債という問題も考えていかなければならぬのじゃないかと、こういうような基本的な考えは持っておるのでありますが、具体的には、どの程度めんどうを見なければならぬのか、これはなお事、務当局間で折衝を重ねた上でないと決定いたしかねる、かように思っておるのであります。
○小林武治君 御答弁で、まあ特別立法をしなければなるまい、それだけの熱意がある、こういう自治庁のお話と承わったのでありますが、それにつきまして、まず第一の問題は、特別交付税の問題でありますが、特別交付税の配り方が、何かこの前お聞きすれば、前災害が二%程度、こういうふうなことを伺ったのでありますが、この点はその通りでございますか。
○説明員(細郷道一君) 昨年はそういうやり方をいたしました。しかし、過去においても、ほかの税収の減とか、あるいは災害救助費の額とか、それぞれやはり災害にいろいろな型があるわけでございまして、それに応じて他の方法をとったこともございます。従いまして、ことしの場合も、なお工夫の余地があると思っております。
○小林武治君 私は、今の災害額の二%というふうなことでは、なかなか実情に適した配分はできまいと思う。私は、本来なら、一体、特別交付税が額が多ければ、税収入の減免による減収、あるいは災害による歳出増、この両方をプラスしたものを補てんするというふうな方法が、私は特別交付税の配分のあるべき姿であると、こういうふうに思うのでありますが、これが両方完全に補てんされれば、いろいろなめんどうな問題が起ってこない。しかし、総額のワクがきまっておる以上、それができないというふうに思うのでありますが、できるだけ本来の姿に近づけるように、税収のとれなかったものと歳出の増をプラスしたものを見てやる、こういうふうな姿に変らなければならぬ。ただ漫然と災害額の二%、こういうふうな方法では、私は適当でないと思うので、ことしの特交の配分については、一つそういうふうなことを念頭に置いて考えてもらえないか、こういうことはいかがですか。
○国務大臣(青木正君) 基本的には、お話の通りと思うのであります。ただ平均して何%というよりは、実際にお話のような考え方に立ってやるべきことは本来のあり方と私も考えるのであります。ただ、御指摘のように、特別交付税のワクの限度もありますので、その点も万やむを得ない事情もあろうかと思うのでありますが、できるだけそういうような考え方に立って、特別交付税の問題を考えていきたい、かように思っております。
○小林武治君 今のこの二%の問題でありますが、二%というのは、たとえば、ある県が二百億災害があった。こういう場合に、県と市町村に対する配分は四%になるのか、その点はどうなんですか。
○説明員(細郷道一君) 県二%、市町村二%、こういうことになります。
○小林武治君 そうすると、もとの二百億円に対してその県全体には四%、こういう考え方ですか。
○説明員(細郷道一君) そうです。
○小林武治君 一つ、ことしは、災害も相当局地的に深刻なのが多いのが特徴じゃないかと思うのであります。従って、特交の配分についても、一つぜひ重点的な扱い方をしていただきたいと思います。ただ、例年、最近三カ年くらいは大した災害がない。従って、災害に対する特交も、まあ今のような方法をとられたと思いますが、ことしの災害は、態様も状態も違う。従って、一つぜひ重点的の配分をして、赤字起債をしても、その結果の負担は相当長年にわたって町村にあるから、できるなら一つ特交でもって、少しでもたくさんこれでもって負担してもらいたい、こういうふうに思いますが、配分の方法を一つ重点的にするというふうな配慮をぜひ願いたいと思います。いかがですか、その点は。
○国務大臣(青木正君) 先ほど申し上げましたように、お話の、本質的にはそうなければならぬと私は考えておりますので、できるだけ御期待に沿うようにいたしたいと思います。
○小林武治君 それから一つ、私どもの方の伊豆の災害の特徴でありますが、天城山の材木が流れた。要するに、切って積んでおいた材木が数万石といわれておりますが、現在田方平野の一番水田のいい所の数百町歩に流木が堆積しておる。今まで、熊本の災害のときには、排土のための補助金というようなものが出たから、今度の伊豆の伊東の災害では、やはり市中に相当な砂の堆積ができた。この排土のための補助金も相当計上されておる、こういうことでありますが、この材木の取りのけ、田畑の復旧も、あるいは行方不明者の捜索、あるいは死体の捜索等にも、また数万石の材木と、それから二千戸に及ぶ流出家屋の廃材、これがもう堆積しておって、これは、写真でもごらんのように、見渡す限り材木の原になっておる。この問題は、土を排出すると同じように、材木の取り片づけというようなものが、今は自衛隊や消防団等である程度死体捜索というようなことでやっておりますが、この材木は、排土と同じように相当大きな問題で、町村に大きな負担をかけておる。この問題を一つ、町村財政の問題としても考えていただきたい。所管は私どこになるかわかりませんが、自治庁でも何か一つ、担当の省と御相談なさっていただきたいと思うが、どうでしょうか。
○説明員(細郷道一君) 流木の処理については、現行法上これをどの法律によって処理をするかという問題があるわけでございます。一つの考え方は、遺失物法によって処理するという考え方、これで参りますというと、一年間現地において保管をいたしまして、所有者が現われますればその者に渡すわけであります。その後になれば県に帰属する、こういうことになります。もう一つの考え方は、水難救護法で、漂流物あるいは沈没物というようなものの扱いをする。この場合には、現地の市町村長がやはりこれを保管して、六カ月たって、その間に所有者が明らかになれば渡す。その場合、その所有者がはっきりしないで六カ月をたった場合には、これを処分して、経費を引いて国に金を納める、こういう法律があるわけなんであります。そのいずれを適用するかという問題が一つあったわけでございます。この点は、いろいろ伊豆の現地でも問題になったようでありまして、自治庁も間に入りまして、警察あるいは運輸省ともいろいろ御相談をしておるわけであります。問題の一つは、いずれの法律を適用するかという問題と、それから、いずれの法律を適用するにいたしましても、六カ月ないし一年という期間保管管理をしていなければならないかどうか、緊急事態に間に合わないのじゃないかというような問題がございます。その点は、それぞれの省庁と連絡をとって、研究をしていただいております。
○小林武治君 今の問題は、いずれの法律によるにしても、その材木の処理が全然不可能であると、たんぼの中心にあるもんだから。それから、その積載して置く場所がないと、たとえ片づけても、相当遠方に持っていかなければそれができない。しかし、その処理自体はやはり町村の責任になる、差し向き町村の財政の負担になる、こういうことであるからして、自治庁としても、流木の処理に要する経費というものも、何らかの形でもってぜひ考えてもらえないだろうか、こういうことですから、まあ法律の問題はまたあとお聞きするとしましても、町村の当分の立てかえになるか何になるか、とにかく相当の負担をしなければならない。とにかく全くそれはおそろしい廃材の堆積でありますので、たんぼの復旧の前に、まずこの材木を取り除かなければならない。その材木が一メートルも二メートルも重なっておる、こういうふうな問題になっておりますので、財政問題としても、一つ何らかの考えを自治庁は持っていただきたい、そのことはどうでしょうか。
○政府委員(黒金泰美君) ただいまのお話、ごもっともでございます。十分に各省と打ち合せまして、あと始末のつくようにいたしたいと思います。
○小林武治君 次は、どちらで扱うか、たとえば、きょうおいで願っております警察庁の遺失物法の関係、あるいは海上保安庁の水難救護法の関係、そういうふうな関係は、何か御相談になりましたでしょうか。
○政府委員(原文兵衛君) この問題、運輸省と法制局の間でもって一応相談いたしまして、やはり従来の水害、たとえば諌早の水害とか、あるいは古く神戸の水害とか、いろいろあるのでございますが、今度のような水害の場合において、先ほど自治庁の方からお話のございました水難救護法二十四条による漂流物、水害による漂流物ということになります。そこで、それによりますと、市町村長に引き渡すようになっておりまして、市町村長がこれを取り扱うということになっておりまして、この点、法制局とも相談いたしまして、運輸省の方も、その法制局とお話し合いになりまして、大体その方向できまっておるのであります。ただ、一言つけ加えさしていただきますと、漂流物でも、非常に、半年も一年もたって、いつの水害でどうなったのかわからないというようなことになりますと、遺失物法の適用を受けるような場合があろうかと思いますが、今度の場合は、はっきりしておりますので、やはり水難救護法の取扱いを受けて、市町村長において取り扱うということが妥当であろうと、こういう見解に達しております。
○小林武治君 今の点、海上保安庁の方も来られておるので、一つ……。
○説明員(松野清秀君) 海上の漂流物につきましては、海上保安庁としましては、従来とも水難救護法によって処理されるもんだと、こういうようなことで扱って参っておりますが、なお、ただいまいろいろお話のありましたように、今回の問題につきましては、なお関係各省ともよく協議しまして対処したいと思っておりますが、ただ、今回の災害に関しましては、海上に出たものは比較的少いようでありまして、先般私が、今月の三日、四日の両日にわたりまして狩野川の河口の周辺から駿河湾一帯にわたりまして、まあ相当精細に調査したつもりでありますが、もうその当時も、ほとんど海上には漂流物がないというような状況でありました。それだけのことを御参考までに申し上げておきます。
○小林武治君 今のその流木は、まあ漂流物というのは、海に出たものは少くて、ほとんど大部分が水田の上にそのまま堆積してしまった、こういうことでありまするが、そうすると、あなたの方で、あなたの方というか、要するに水難救護法で扱う、こういうことになっておる。これはどうですか。遺失物法はやはり半年に直したのじゃなかったですか。一年だったですかな。
○政府委員(原文兵衛君) 保管期間は、遺失物法では、前国会に改正になりまして、半年になっております。ただ、ただいま私が申し上げましたのは、水難救護法によりましても、河川に漂流する材木についても、やはり水難救護法でもって規定しておるものもございますし、私の方と運輸省、法制局のお話し合いにおきましては、今度のような場合における取扱いは、やはり水難救護法の適用になるのが妥当である、至当であるという結論に達しておるようでございます。
○委員長(田中啓一君) 私からも、一つ関連して質問したいと思うのですが、その水難救護法というものが根拠になるのでありましょうが、実際その運用の問題でですね。今、小林さんの御質問にもあったのですし、また、この水害地の写真などを見ましてもわかりますように、まあ田畑へ多くは家の廃材みたいなものが一ぱい広面積にわたって散らばっておるわけですね。水が引いて行けば、みなたんぼの上に載っておることになる。百姓としては、一応家は失っちゃったが、そうなれば、一日も早く二毛作に取りかかりたいわけだろうし、あるいはまた、若干でももみらしい格好のものが残っておれば、そういうものの下からもみを救い出すと、一応食糧を得ると、こういうこともむろんやりたいことなんですね。そこで、市町村長がそれを管理するということになりましても、ゆうゆうとやっておられるのじゃ非常に困るのですね。同時に、まあ私も水害——下流地帯で、昔は水が入ったり、そういうものがたんと流れついて来た村に育った人間なんです。これは、大体百姓は、ちょっと所有者がわからぬような体の廃材その他のようなものは、それはまあそれぞれ自分の田畑になり屋敷に堆積したものはそこの者が始末をしろと、やるぞと、まあこういうようなやり方をやり、所有主があとから探しに来て、持っていきたいというようなものは、まあ常識的にどこかに積んでおいてやるというようなことで、大へん、何というか、水害地の慣習みたいなものがあって、別段町村長からお触れが出て来なくても、みんなそれはどんどんあすからでも実行して、復旧なり何なりに努めていく。そうしてまた、大いに燃料も得て助かるというようなことを常識的、慣習的にやっておるのですがね。そこらの一体ことというのは、たまたまめったにない所であると、皆とほうにくれて、ああだこうだと言って、相談するのに日を暮しちまうのだろうと思うのですが、それは一体そういうようなやり方をしても差しつかえないことになるものなんだろうか、どういうものなんでしょうかね。今のその法律から申しましてですね。だから、きわめて常識的な話でけっこうなんですが、どなたか、原さんでも……。
○政府委員(原文兵衛君) 私申し上げましたのは、もちろん、言うまでもなく、法律の建前がそうであるから、警察は、この問題については、知らぬ顔の半兵衛をきめ込むというような意味合いでは毛頭ないのでありまして、現地におきまして、警察、消防団あるいは向うに出動いたしました自衛隊等が市町村長と協力して、あるいはまた、市町村長の要請によって、適正妥当な措置を現にしつつありまして、また将来もしなくちゃならない問題であります。従いまして、今のような場合において、非常に大きな木材とかなんとかというものになりますと、これは、価格の相当高いものであれば、これはやはりどこかに保管しなくちゃならぬかと思いますが、まあ切れ端とかというようなものにつきましては、それを田畑の所有者が、まあ何と申しますか、それを取り除いて、たきぎに使いましたりしたときには、遺失物法あるいは水難救助法の違反というようなことでやるということは、これはもうないのでありまして、警察としても、実情に適するようなやり方で協力もしますし、また法の運用もやっていくということをお答えできると思います。
○小林武治君 今の問題は、多少の廃材とか小さいものはとにかく、相当な流木があるので、これを水難救護法によって市町村長が六カ月保管しろと言われても、それはできない。保管する場所がない。これは、全部が水田なんですし、わずかにたんぼ道があるだけで、これを保管しろなんということは実情に適しない。それで、私のお聞きしたいことは、六カ月保管しろというのは実情に合わないから、何か特別立法をする必要はないかということを次にお聞きしたい。今の、家の廃材などいろいろの問題があり、しかも今度のは、数百町歩にわたって一面に流木、廃材が積載、停滞している。だれの土地かたんぼかも全然わからない。その中でも、りっぱな流木等は、個人々々が処分するなんということは許されない。ところが、それを町村長が半年も保管しろと言われても、置くところもない。また運ぶところもない。こういう状態であるから、りっぱな流木の処分についても、期間の短縮とか、あるいは即時処分とか、こういうふうな特別の措置が必要である。私はそういう必要を認めるが、それについて、さっきからの話に、地方財政あるいは農林その他において特別立法をしろということをわれわれも要望し、政府も何とかいたそう、従って、流木の保管あるいは水難救護法の特例、こういうことについて特別立法をする必要があると思うが、それについて何か考えておるか、そういうことを次にお聞きしたい。
○説明員(松野清秀君) 数年前紀州に非常に大きな水害がありましたが、そのときには、非常にたくさんの山林から立木等が海に流されまして、大量であった。こういうのだと、非常に大きな量になるということで、なかなか水難救護法だけでは十分でないというので、その当時におきましては、航路障害にもなりますし、別に予算措置を講じまして、そういうものを特に早期に集めまして処理いたしたのであります。しかし、今回の場合は、先ほど申しましたように、海上につきましては、流れ出たという流木はもう非常に少いし、すでに今月の初め当時におきましても、ほとんどないというような状況でありましたので、海上保安庁といたしましては、今のそういう流木の処理の問題について、特別立法というようなことにつきましては考えておりません。
○小林武治君 考えておらないというのは、陸上に堆積したものも水難救護法の適用になるとすればですね。海の上であれば、海の上は、それを揚げて浜に置けばこれは差しつかえない。ところが、今度の問題は、置く場所もない。こういうことであるからして、あなたの方の法律が適用になるとすれば、この水田の上に堆積した木材の処分というものについて、何か特例を設けなければやれない。そうでなければ田畑の復旧はできない。行ってごらんになるとわかるように、置くところはない。だからして、これを集積するというふうな方法がないから、これを六カ月保存しろと言ってもできない。けれども、法律がきめておるということなんです。私は、もし考えておらなければ、一つ特例を作ってもらいたい、こういうことを申し上げているのであります。
○説明員(松野清秀君) 海上保安庁として申し上げましたのは、私どもの方は海上だけを持っているものですから、陸上の田畑等のことについては、警察当局ですとか、そういう方でお考え願いたいと、こういうふうに考えております。
○政府委員(原文兵衛君) ただいまの問題でございますが、先ほど申し上げましたように、警察の所管ということにはちょっと考えられないのでございますけれども、しかし、警察としましては、当然あらゆる場合にまあお手助けするべきところはするものでありまして、また、警察の当然の使命としてやるべきこともいろいろあるものでございますから、従いまして、それの問題につきましても、関係の各省に私どもの方も積極的に働きかけまして、協議いたしまして、検討の結果、適正な措置がとれるようにやりたいと思います。
○小林武治君 これはもう、今のお話を聞いていると、さっぱり、日本の役所ではどこでも扱うところはないというようなことですな。そうすると、あなたの方は、水難救護法は海の上でないから適用にならぬと、こう言うのですか。おかの方は関係ないのですか。
○説明員(松野清秀君) そういうことじゃございません。まあ私どもは海上を管轄しているということを申し上げたので、そういう特別措置などにつきましては、いずれまあ、今お話がありましたように、関係機関とお話し合いをしたいと思います。
○小林武治君 救護法の適用があれば、おかの上であろうがやる、海の上であろうがやるということがなければおかしい。日本の役所では、どこにも扱うところがない。一体そんな妙な話はないと思うのです。そうすると、今のようなことをお考え下さらぬと、あの材木を六ヵ月保管しろというのも、水難救護法の適用がなければ、こんなものはどんどん処分しちゃいますよ。(西郷吉之助君「研究しておらんじゃないか。部長はもっと確信のあるものを答えて下さい」と述ぶ)だからして、今の点は、何しろ数百町歩の水田が全く木材でふさがっている。田畑の復旧の上においても、どうしてもこれを片づけなければならない。ところが、さっきのお話のように、海の上にない材木はおれは知らぬということになると、水難救護法が適用になっているという言葉と矛盾するものがあると思う。政府は、どこでどういうふうに扱ってくれるのか。委員長から一つただしてもらいたい。
○委員長(田中啓一君) それでは委員長からお尋ねしますが、水難救護法の所管官庁はどこになるのでありますか。まあ少くとも一部分は所管であるようでありましたので、松野救難部長からお答え願いたい。
○説明員(松野清秀君) 海上保安庁は、陸上には管轄権がございませんので、まあ海上のそういう漂流物につきましては海上保安庁がむろん……
○委員長(田中啓一君) いや、委員長からもう一ぺん質問します。そういう御質問をしたのではないので、大ていどの法律でも所管省というのがあるわけなんですが、一体水難救護法の所管省はどこかと言ってお尋ねしているわけであります。おわかりになりませんか。
○説明員(松野清秀君) これは、運輸省と自治庁であると思います。
○委員長(田中啓一君) それじゃ重ねて自治庁にお伺いしますが、水難救護法は、自治庁と運輸省との共同管掌になっておりますか。いかがですか。
○説明員(細郷道一君) 今聞きますと、水難救護法の所管庁は、運輸省の海運局だそうであります。
○西郷吉之助君 自治庁にはないだろう。
○説明員(細郷道一君) 自治庁は、どうも私もそう古くないのでありますけれども、今まで扱ったような記憶はございません。ただ、法律を提案いたしますときに、署名大臣がどこの大臣になるかといったようなことになりますと、場合によりますと市町村長に事務を委任するような関係から、昔なら内務大臣、今なら内閣総理大臣の連署を求めておるかもしれません。
○西郷吉之助君 委員長、間違ったことを答弁しないように、訂正をさしてもらいたい。
○委員長(田中啓一君) それでは、委員長からもう一度質問をいたします。御答弁を聞いておりますと、他に連署の関係があるかもしれませんが、どうも一応運輸省らしく思われる。でありますから、水難救護法に特例法を設ける必要ありやなしやという本日の小林委員の質問でありますから、お帰りになって、とくと所管を明らかにして、その上で必要なる御答弁をなさるように私どもとしてもらいたいことを要望しておきます。
○小林武治君 今の問題でありますが、委員長の言われた通り、私はどこの所管でもかまわない。ただ、この材木を六カ月保管しろといっても不可能なんです。従って、もしその漂流物の処分というものが水難救護法の所管であるなら、その救護法の特例を設けるという点の特別立法がぜひ必要であると思うので、その点について責任のある者に、一つあしたの委員会ではっきりさせてもらいたいと思います。
○委員長(田中啓一君) よろしゅうございますか。 ほかにもう御質問はございませんか、関連あるいは本議題につきまして。
○大沢雄一君 特別交付金の方に戻りまして、自治庁の方にお伺いしたいと思いますが、先ほど特交のこの災害額についてのお話がありました。災害額の二%ということを言っておったんですが、これは公共災害額の二%という意味ですか。まず第一にその点、どういう意味ですか、二%というのは。
○説明員(細郷道一君) その通りであります。
○大沢雄一君 公共ですか。そういたしますと、先ほどちょっと私もお尋ねいたしましたが、公共災害額の金額と、特別交付税を必要とする市町村税等の、あるいは県税等の減収額と、非常に違ってくるんですね。さっき私も川口の例をとって言いましたが、そういうふうな場合には、これはもう非常におかしなことになるんじゃないかと思うんですが、公共災害額の額は非常に少くとも、減収は非常にたくさん地方財政において起るというようなことは、さっきの例でもよくわかるんですが、何か適当じゃないんじゃないですか。どういうふうにしてそこを調整なさるんですか。
○説明員(細郷道一君) 特交でやりますときに、災害額の基礎に二%とるといいますときに見ております経費は、一方では税の減収あるいは使用料、手数料、たとえば授業料など取れないといったような歳入の減、一方では、応急対策の事業あるいは災害救助の事業、それから単独災害事業、こういったいろいろな歳出の面を、両方合せて一つの尺度で見ておるわけであります。従いまして、公共災害の施設と税収とだけ見ますと、あるいは食い違うこともあるかと思いまするが、公共災害が大きければ、やはり歳入の面が大きいということもあるわけであります。また逆の場合もあろうかと思います。で、先ほどお答えしましたように、一般的な災害の様相でありますれば、おおむねそれをとりますことが団体間に公平ではないだろうかということで、去年あたりその方法をとっておったわけであります。
○大沢雄一君 どうも、今の御答弁を聞いても私はそう思うのですがね。まあ何というか、全体のワクの金額の目標を把握するという意味においては意義がありますが、これを各自治団体に対する交付額の基準とするということについては、今のお話を聞いても、非常にどうも適当でないように思います。他に別に必要な歳出額が災害のために幾らあったか、あるいはまた、そのための減収が幾らあったか、そういうことを入れてこれは査定していくことになると、その公共災害額に対する二%の額というものは、これはほとんど、何というか、交付税の額の決定基準については、非常に意味の少いものになってしまって、何かどうも、私は実際の法の意義には非常にそぐわないような気がしますが、これは少し、先ほど重点的にするようにという御議論がありましたが、その趣旨は、やはり必要のある所にぴったりいくようにという趣旨だと思うんです。そういう点から一つ十分御検討を願いたいと思います。
○説明員(細郷道一君) お話ごもっともなんでありますけれども、何分にも総ワクに限定があるものでありますから、まあ二%という数字だけを見ますと、異常な感を持たれるかと思いますが、全体に限度があるものですから、そういうような結果になっております。なお、よく工夫いたしたいと思います。
○委員長(田中啓一君) 他に別段御質問はないようでありますが、ただ、先ほど水難救護法に関する質疑が残っておりますので、その点だけは明日続行することにいたします。本日は、この程度で質疑は終りたいと思います。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十九分散会