大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1958/10/28
会議録
○委員長(前田久吉君) ただいまから委員会を開きます。 接収貴金属等の処理に関する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。なお、佐藤大蔵大臣は、ドイツの大蔵大臣と会見のため、十一時半までに大使館に行かなきゃなりませんので、この点お含みの上、御質疑を願います。
○栗山良夫君 それじゃ、時間がないでしょう。
○委員長(前田久吉君) 三十分時間がございまするから。
○栗山良夫君 ただいま、委員長の方から、接収貴金属等の処理に関する法律案についての質疑ということをおっしゃいましたが、私は、前から、臨時国会の冒頭に、大蔵大臣に二、三お尋ねをいたしたいことがありまするので出席の要請をしておったわけですから、この法案に関係のない点に触れるかもしれませんが、御了承願いたいと思います。それから、もちろん、接収貴金属の点について大蔵大臣にお尋ねをいたしたい点がわが党としてありますから、そういう点はもちろん伺いたいと思います。 それから、今、御在席の時間が非常に短かいように伺いましたが、次回には大蔵大臣は御出席願えるかどうか、それをちょっと伺いたいと思います。
○委員長(前田久吉君) いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 次回は、いつになりますか。
○委員長(前田久吉君) 木曜日ですね。
○国務大臣(佐藤榮作君) ちょうど予算委員会で衆議院とぶつかるから、できればきょう一つ……。どうかよろしくお願いいたします。
○栗山良夫君 それでは、まあ衆議院の関係はもちろんあるでしょうけれども、予算委員会が始まるというと、大蔵委員会の方へは大蔵大臣が出席にならぬという慣例のようなことになっておるようですが、それでは大蔵委員会として審議ができませんので、政府と委員長との間においてよく連絡をとっていただいて、なるべく当委員会へ大蔵大臣が出席をせられるように、大蔵大臣も努めていただきたいと思うんです。
○国務大臣(佐藤榮作君) 承知しました。
○栗山良夫君 委員会は、大蔵という字がついているんですから、こちらの方が優先しなくちゃいかぬ。そういうことでお願いします。 まず第一に、九月の二十五日、閉会中の委員会におきまして、私は、その当時の事情のもとにおいて、将来に対する二、三の問題点をお尋ねをいたしたのであります。その点について、当時御答弁をいただいた問題が、御答弁をいただいた通りに進んでおるのかどうなのか、まだよく今日においてもわからない問題があります。それから、御答弁をいただいたことと著しく食い違っておる問題もあります。そういう点について、事態を明らかにいたしたいと思っております。 第一点は、来年度の通常国会に提出をせられる予定の予算についてでありますが、二十五日の委員会においては、私は、早手回しに三十四年度の予算編成に対する大綱というものを政府は示すべきではないかということを、あなたに意見として申し上げました。ところが、いろいろな事情があってただいま時期を明確にすることはちょっとできない、研究中である、こうおっしゃいましたが、もうすでに一ヵ月以上たちました。聞くところによると、政府は、予算を、通常国会の従来の慣例を破って、なるべく早目に提出をするというような言明もあるようでありますが、一体、予算編成の基本構想というか、予算の大綱というか、そういうものはいつお示しになるか、これを伺いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまお尋ねがございましたが、それにお答えする前に、一言、国会開会中重大な時期にもかかわりませず、私、インドに参りまして、審議に大へん支障を来たしましたことを、つつしんでおわびを申し上げます。なおまた、大蔵委員会は、もちろん私の本来の仕事がかかる委員会でございますし、私、十分差し繰りまして出席をして、皆様方の御審議をいただきたいと考えております。 次に、来年度予算の編成方針をいつ示すかというお尋ねでございますが、この点については、政府自身も大蔵当局もいろいろ研究をいたしておりますが、ただいままだ編成基本方針をお示しする段階にはなっておりません。編成についての党側からの要望事項等は受けておりますが、まだこれを大蔵省の方針として発表する段階にはなっておりません。 また、提出の時期でございますが、できるだけ早目にという気持はございます。ございますが、ただいまの各省から出ております数字の審査等の状況から見ますと、これを十二月中に国会に提案するということは、これはまず困難だと思います。私の方の考えといたしましては、ぜひともできるだけ早く予算案をまとめたい、こういうことに力をいたしておるのでございまして、これらの点は大体、私どものもくろみといたしましては、年内には何とかして予算案をでっち上げたい、かような目標だけは置いております。しかし、それから後に印刷に付したりいたしますから、提案の時期といたしましては、再開前ということになろうかと思います。
○栗山良夫君 国民の知りたがっておるのは、ただいま大臣が本年中に予算を何とかでっち上げて一月に出したいというお話でありますが、そういう具体化されてしまったことではなくて、具体化される前の基本的な構想というものを知りたがっておると思うのです。その構想が結論づけられるということは、政府の考えておる明年度の経済の見通しとか、いろいろなものがそこに集約されるわけですからね。構想というものなしに、いきなり印刷にして出すというのは、これこそ従来の慣例にない。従って、私が繰り返してこの点であなたにお尋ねしておるのは、ただ紙に書いた構想なり基本大綱というものが形式上必要であるからと申しておるのではないので、その点に対するお心がまえというものはどういうことになっておるか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申し上げましたように、まだ申し上げる段階になっておりません。
○栗山良夫君 そうすると、そういう結論が出ないのは問題が二つあると思いますが、一つは、あなたの方の党である自民党からは、もうすでに編成要綱が政府に出されておると言われましたが、それはそれとして、自民党と政府との間に調整を要する点があって出ないのか、あるいは、自民党との調整は済んでも政府部内における調整が済まないためにまとまらないのか、どちらに最大の要因がございますか。要するに、基本構想が発表できないという最大の要因はどこにありますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろの問題があるのでございます。ただいま御指摘になった党の点も、もちろん考慮の中に入れなければならないこと、これはもちろんでございます。しかし、政府自身が政府の責任において予算を編成すること、これまた間違いのないことでございまして、私どもの基本的な構想を取りまとめる上において、いろいろの事情を勘案している、こういう段階でございます。
○栗山良夫君 私は、一番今問題になってあなたが苦慮せられておるのは、減税公約を予算化することが非常に困難な状態に陥っているということも一つではないかと思います。特に地方税関係については、地方公共団体は猛烈な反対をして、あげて中央財政に依存する態勢を示しております。これに対する調整がおそらくつかないのではないか。また、国民年金に対する財源の問題でも困っている。もちろん、資金源の問題もありましょう、経済の見通しの問題もありましょうが、そういうところが非常に大きなネックになって、いつまでたっても基本構想が、もう十月を今過ぎようとしているのです、にもかかわらず出せない、そういうことになっておると私は思いますが、また国民もそういうふうに確かに理解していると思いますけれども、あなたはこれを否定なさるか、肯定なさるか、どちらですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 在来、昨年度予算編成に際しましては、当初編成基本構想というようなものを発表したかと思います。これは相当早い時期に出したと思います。しかし、いわゆる予算編成方針というものは十二月になってから扱ったかと思います。私どもも、今回、この予算編成基本構想という抽象的なものよりも、もう少し予算の内容が固まったときに、この編成方針の具体的なものを発表する方が、国民の批判を仰ぐにも好都合じゃないか、こういうような考え方をいたしておりますので、まだただいま、先ほど来申すように、その時期でないということを私は申しておるのでございます。いろいろな事情がある。大へん端折って、理由を説明をいたしておりませんから、こういう理由か、ああいう理由かというお尋ねがございますが、まあ結論だけ申すと、まだこの編成方針を発表する段階になっておらない、こういうことに尽きるのでございます。
○栗山良夫君 この委員会には直接的な関連は審議上はないかもしれませんが、一番問題になるのは、やはり減税の中で地方税に関する部分だと思うのです。この地方税に関する部分を、もし大臣が総括的にもお答えいただけるということになれば、時間がありませんから次回になるかもしれませんが、こまかく細目的に一つ一つお尋ねをしていかなければならぬと思いますが、まあきょうはひっくるめてお尋ねいたします。 地方税に予定をされておる減税というものを、おそらく党側からも相当な圧力がかかるだろうし、地方公共団体のかかっていることはもう事実です。そういう現下の情勢において、大蔵大臣は公約通り断行されますか、どうですか。そこのところが国民としては一番知りたいところです。所得税の問題は大体見当がついておりますから、また間接税の問題も原主税局長からたびたび意見の開陳がありますので、大体われわれものみ込んでおる。この地方税の問題をどうなさるおつもりですか、これについて決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 減税公約を実現する、これに対しましての政府の熱意は、もうすでに御承知の通りであります。また、その決意に沿っていろいろ準備を進めておることも、御承知の通りでございます。ただいま臨時税制懇談会等で各方面の御意見を伺って、成案を得べく急いでおる最中でございます。この成案をまだ得ておりませんから、具体的な内容を申し上げるわけにはもちろん参りませんが、御指摘になりましたように、地方税を減税した場合に、その減税そのものも非常に議論があるだろうと思います。同時にまた、減税後の財源確保等についてもいろいろの要望があるだろう。これは大へんむずかしい問題であろうと思います。しかし、まだ具体化しておりませんから、その問題の所在というか、意向だけが察知できる程度でございまして、ただいまこれに対してどうするこうするという考え方も、まだもちろん持っておりません。 しかしながら、この減税に対しましては、強い決意をもってこれが実現を期する、これはこの機会に申し上げられ得ることでございまして、私どもも、ぜひとも公約いたしましたこの減税は忠実に実行に移したい、かように念願いたしておる次第でございます。
○栗山良夫君 いずれ、そういう予算関係の細目の問題は、予算委員会でもやられるでしょうけれども、大蔵委員会としてもやはり、直接関係のある部分でお尋ねしたい細目がありますが、その点は、きょう時間がありませんから、次回に譲りたいと思います。 それから、もう一つの問題として、大蔵大臣の今までの動きと、ごく最近インドから帰られてから、非常に大きく変った問題が二つありますが、そのうちの一つは、公定歩合の引き下げについて非常な熱意を示しておられました。本会議においても、委員会においても、金利の引き下げについては一生懸命に熱心にやる、こういうことでわれわれも了承しておりましたが、もうほとんど第三次の引き下げは既成の事実のようになっておりまして、その理由も大へんあったと思いますが、非常な株式のブーム等も起きたので、大蔵大臣はもう一厘下げられると、既定の事実だということで、だいぶあおられたようにわれわれは聞いておりますが、ところが、そういう時期になったにもかかわらず、あなたと山際さんとが何か話をされて、もうやめたんだ、金利の引き下げはやらないのだと、こういうふうにおっしゃったということでありますが、その真相はいかがなものでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 過去におきまして、日銀の公定歩合を二回にわたって引き下げたことは御承知の通りでありますし、また、市中金融等もこれに追随して参ったことも御承知の通りであります。大体金融も正常化の方向に進んだ、かように思っております。ところが、金利そのものの問題は、ただいま御指摘になりましたように、まことに鋭敏に各方面に影響を及ぼすもので、これが外国の例等で見ますと、あまり金利論争をこう活発にやっておる所は見受けない。本来私は、二度の金利、公定歩合の引き下げをいたしました直後に、そういうお話をしたのであります。大体こういうことは日本銀行の本来の仕事なんだから、日本銀行にまかせておけばいい、政府が干渉することなどはあまり望ましいことではない、経済の各方面に非常な影響がある。ただいま株の異常高、これなどもこういうことに関係があるのではないか、こういうことをいわれておるのでございますが、しかし、これは必ずしもこれが影響して株価が異常高になった、こういう結論だと、それだけだとは私は思いませんけれども、まあそういうような非難すら受けておる。この経済の問題についてはどこまでも慎重であってほしいというのが、これはもう政財界一般の御要望ではないかと思います。ことに、大蔵大臣や日本銀行の総裁などが、こういう問題につきまして非常に慎重な態度で発言することは、御了承をいただかなければならないことだ、かように思います。この意味におきまして、私どももこういう問題については慎重な発言をしたいと、かように考えておりますので、どうかその点、御了承をいただきたいと思います。
○栗山良夫君 あなたが慎重な発言をせられて、その結果、第三次の引き下げは万々間違いないという判断をしたわけです。ところが、その慎重な発言が、今度は軽率に打ち消しになったわけです。それで、とまどっておるというのが実情です、実際の実情は。 そこで、あなたに重ねて伺いますが、インドから帰られてから急にそういうふうに変ったのは、やはり金融の実際担当者である金融機関からの反対が相当強かったんじゃないか。これは率直な話ですけれども、そうじゃありませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま基本的なお話が出ておりますが、私、インドへ行く前も、いついつに公定歩合の第三次引き下げをするというようなことを言った覚えはありませんし、帰ってからも、公定歩合の引き下げはやらない、かようにはっきり申したこともございません。私は、こういう点については、実は人一倍に慎重に扱っておるつもりでございますので、明確な右だとか左だとか申したことはございません。ただ、私はかねてから申しておりますのは、抽象的な議論といたしまして、金利は国際金利水準にさや寄せすることが望ましいということは、あらゆる機会に申し上げております。この考え方は別に私、変ってはおりません。これはもうはっきり申し上げ得ることでございます。ただ、具体的問題として金利問題を取り扱う、こういう態度については、ただいま申し上げるように、それを区別いたしまして、これを慎重に扱っておるということでございます。 また、今、栗山委員から御指摘になりましたように、私がインドにおる間ですか、帰ってからではなかったと思いますが、市銀の小笠原君が金利問題について一文を発表しておる、こういうことはございます。しかし、私のところに対してはこの金利をどういうふうに扱えというような話を、だれもされた方はございません。金利に関する限り、私も具体的には申しておりませんが、実は新聞記事でいろいろ教えられておるような次第でございまして、これは私自身、記事そのものから受けた感じから申しましても、これが非常に断定的な記事だとはどうも見受けられない節もございますし、今言われるような懸念は実はないのでございます。この点を重ねて申し上げまして、御了承をお願いいたします。
○栗山良夫君 金融が逼迫しているか緩慢であるかというような問題が、直接行うべきか行なってはならぬかという判断の材料に、もちろん今までもなってきました。これからもなると思いますが、今金融が少し緩慢になってきております。そういう情勢だから、一応やめておこうということであろうと思いますが、問題は、何としても、政府がはっきりした経済の見通しというものを発表されないところに、私は問題があると思うのです。聞くところによりますと、大蔵省が予算を編成されるための経済見通しの重要な根拠にされるのは、十一月ですか、十二月ですか、そのころに、大急ぎで今作業をやって、業界にも全部サウンドしておりますが、そういうような経済企画庁が一生懸命作業をやっているその作業が終って、集約されてからだということを聞いておりますが、そうですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 事務当局がどういう処置をしているか、私も存じません。存じませんが、一般的に言えることは、来年度の経済見通しに対してできるだけ詳細な材料を集めて結論を出したいというこの努力は、これは当然のことだと思います。そういう意味で、今のような実際に調査を進めている向きがあるかもわかりません。しかし、特にこれは大臣の命でどうこうというようなものではありません。
○栗山良夫君 もう二回にわたって公定歩合の引き下げが行われましたが、あれだけ引き下げがあったにかかわらず、一番私どもが金利水準の引き下げに期待をしておった中小企業に対して、思うほどの引き下げができていないというところが、一番問題だと私は思います。従って、中小企業の関係の金利をうんと下げてやるということに、大蔵省としては努力をせられるべきだと思います。特に、きのうは次官会議で、中小企業向けの年末融資について何か決定をされたようであります。百億ばかり用意をするということであるようでありますが、量もさることでありますけれども、金利そのものを下げてやるということでなければならない。ところが、私ども最近耳にしておるところによると、金融機関では標準金利制というようなものを設けて、ソースの方の金利の情勢には無関係に、一般の中小企業の貸し出し等については、ある一つの標準をきめてしまおうというような動きがあるというようなことを聞いておりますが、こういう動きについて大蔵大臣は御承知になっておるかどうか。また、そういう動きについて大蔵大臣は御賛成でありますか。あるいは何か別な考え方をお持ちになっておるか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 金利に対しましては、ある程度これはまかすのがいいように思います。しかしながら、ただいま言われるように標準金利制を業者の仲間できめるとかいうようなことは、私、これは穏当ではないと思います。金利そのものの問題と資金ワクの問題と、これは二つございます。二つございまして、非常に資金が潤沢な場合におきますと、もっと金利を安くしろ、こういうような問題があろうかと思いますが、やはり何と申しましても、資金ワクが豊富であることが第一でございましょうし、資金ワクが豊富であることが同時に金利が安くなる理由でもあるわけでございまして、先ほど非常に散超になっておる、こういう際だから金利にさわらないのかという話がございますが、これはやはりこういう時期だから金利を下げろという議論も出てくるわけです。そういう意味では、今日の金融緩慢の状況は、金利を下げるのにはふさわしい時期といえるのかもしれません。しかし、と申しましても、あるいは二月になれば直ちに揚超になる。これが非常に期間的に循環しますから、季節的な散超だとか揚超だとかということにあまりとらわれないで、総体の預金の状態と貸し出しの状況等をにらんで、日銀の貸し出しがどういうような残高になるか、あるいはコール・レートが、公定歩合とは別に特殊なコール・レートがどんどん出てきて、そうしてだんだん安くなっていく、こういう状況になってくると、公定歩合の引き下げとかということはあまり議論をする必要がなくなってくる。実質的にはよほど金利体系は変ってきている、こういうことも実は言えるのじゃないか。この金利そのものは、冒頭にも申し上げましたように、私は、経済の実情から自然におさまるところにおさまる、そういう方向が一番望ましいのじゃないか。あまり管理統制というか、国家統制というような形でない方がいいのじゃないか、現在はこういう気持を私は多分に持っております。といって、民間で勝手に、金融業者だけで勝手に率をきめることは、これまた望ましいことではないと思います。これは指摘ができると思います。しかし、今金融の実際の状況を見まして、資金が非常に潤沢になっておることだけは、これは事実です。 しかし、ただいま、特に昨日の次官会議で決定し、きょうの閣議で決定をいたしました年末金融等に対しましては、これはもう政府資金をそういう方向へ流すのでありまして、この政府関係の金融機関といたしましては、この金利等も他の市中金融よりも安いところのもので、そういう意味で中小企業は非常に幸いするのじゃないかと思います。また、こういうところの資金がふえるということが、他の市中金融をしてやはりそれに追随させる一つの原動力にもなる、こういうふうに思いまして、実際には金額より以上の効果も考え得るのじゃないか、かように実は考えている次第でございます。
○委員長(前田久吉君) 栗山君、時間がありませんので、議題の方に一つ。
○栗山良夫君 もう少し時間をもらえませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 委員長、よろしかったら、もう少しやっていただきましょう。ちょうど油ののったところでありますから。(笑声)
○栗山良夫君 金利関係の問題は、大体今、大蔵大臣は腹の中にあるほんとうのことを言われたと思うのですが、私は、金融緩慢なときに下げて、また逼迫すると上げると、あまりみっともないから、下げてもいい時期なんだけれども、しばらく、また批判されるからしんぼうしておこうという腹が、はっきりあなたのおっしゃったんだから、大体ほんとうのことをおっしゃったと思う。そういう状態があるから、もう少し経済の見通しさえはっきりおつけになれば、もっと自信のある態度で引き下げをするならする、しないならしないということが言えると思うのですよ。今のお話だけではまだ不十分でありますが、いずれそのうちに議論のできる資料を大蔵省としても御発表になるでしょうから、そのときにいたしたいと思います。 それから、外債の問題でございますが、九月二十五日に私はいろいろ外債の点についてお尋ねをしたときに、まあ当時もうすでに報道機関等では、いよいよ大蔵大臣が踏み切るのではないかというような記事も散見されました。そこで、アメリカの金融市場が非常に緊張しておって、外債の発行条件が悪い状態にあるのに、大蔵大臣がそういう考えがあるのかというお尋ねをいたしましたところが、自分はそういうことは全然、研究はしているけれども、具体的なそういう計画をやっていることは全然ないのだ。これは二回にわたってあなたおっしゃったんです。私はけさも速記録を読み直してみたのですが、ちゃんと書いてあります。それほどまではっきりおっしゃったのに、まだきょうは二十八日ですからね、二十五日からだから一月とちょっとたっただけで、その短期間にどうしてこう急激な変化があったのか、これがどうしても理解ができないのです。
○国務大臣(佐藤榮作君) 外債の問題について、今まで委員会等で話していたことと今やっていることが違うじゃないか、どうしてそうなったのか、こういうお尋ねでございますが、外債について研究をしていたことは御承知の通りであります。これは御了承いただけると思います。ただ、この外債を出すにいたしましても、当方の持札が全部外に出ることが外債を有利に募集し得るかどうか、こういう問題のあること、この点はぜひとも御了承いただきたいと思うのです。私は、日本経済を膨張さしていく上において、やはり内外の資金を確保するということが望ましい、こういうふうに実は考えておる一人でございます。これはもうかねてから、そういう考えを持っておったのであります。一部においては、外国資本の導入、これは資金を取る上において、これは将来の負担になるとかいうことで、非常に懸念される向きもございますが、言いかえますならば、日本の産業自身が外国資金をも借り得る力を持っておれば、その限度内においてこれを借りるということなら、これは何ら差しつかえない。また、そうあることが急激に国内経済を拡大する力にもなる、かように実は考えておるのであります。 そこで、三十年以来、いわゆる外債というものは発行はされておりませんけれども、もうすでに世銀を通じ、あるいは外国からのパテントの買い入れその他によりまして、相当多額に上る資金的な援助は、もう過去に受けて参っておるのであります。これを在来のような民間のベースにおける世銀の借款というような形でなしに、今度は国自身が一つ資金を外国からも獲得し、そうしていわゆる政府資金として重要産業にこれを投資することができる、こういう道を一つ実は開くべきじゃないか、こういうことを実は考えておる一人でございます。過去の先輩の大臣諸公もそういう努力をされたと思いますが、外債発行の段取りにまだなかなかいかなかった。しかし、過去の先輩諸公のいろいろの努力によりまして、順次日本に対する理解も深まり、ことにまた、最近日本経済の底力というものに対しては非常な信用を博して参ったと思います。ことにIMFに対して一億二千五百万ドルを借りたら、直ちに一年足らずしてこれを返すようになった、皆済するようになった、こういうようなことが非常に信用を博したと思います。こういうところから、外国市場も日本の外債につきまして非常な好転を示してきた。同時にまた、アメリカの経済状態はもうすでに立ち直ったと言われておりますし、今後金利は高くなる、こういう方向をたどる、こういうことが看取されるのであります。そういうような時期になって参りますと、この外債を募集する道をとにかく開いていく、そうしてニューヨーク・マーケットの状況とあわして、そうして適正な条件のもとで外債を発行する、まおそうすることが国の経済を発展する力にもなるのじゃないか、かように思うのであります。 ことに、私が今日まで非常に慎重な扱い方をいたしておりましたのは、これは栗山さんもすでに御承知のことだと思いますが、世銀の借款というものを一応計画いたしておりますが、この外債を発行いたしますと世銀借款が減るおそれはないか、プラス・アルファであるなら外債を出すことがこれは意味があるが、もしも世銀借款計画をこれだけ減額するようなことにでもなるのなら、これは外債を発行するということは根本的にできないことである、実はかように考えまして、この点に特に重点を置いて調査いたして参ったのです。そういたしますと、世銀の借款は在来の計画通りでこれを進め得る、いな世銀借款との抱き合せによって日本の外債は非常に信用を持ってこの発行が容易だ、こういう実は見通しがついたのでございます。こういう意味から、まあ今回のこの臨時国会に特に法案を提案いたしまして御審議を得、そうして皆様から外債発行の権限を一つ付与していただいて、ニューヨークのマーケットの状況を見てこれを具体化していくという、まあ道を一つ与えていただきたい、こういうように実はただいま考えておる次第でございます。 私の基本的な考え方をお話をいたさないで、具体的な問題としての外債について、ただいまないというような話をした、こういうところに大へん誤解を受け、また私の説明が不十分であっていろいろな御迷惑をかけたかと思いますが、ただいま申し上げたような考え方でおることでございますので、過去の御答弁等で私の説明が不十分であった、かようにも存じますので、この点、おそまきながら御了承をお願いいたします。
○栗山良夫君 まあ、インドへ行ったときにいろいろ研究をしてくるということは確かにおっしゃったのですから、その点では、あなたが国会ではだいぶ批判されたけれども、インドへ行ってそういう新しい情勢を察知して来られたということは、あるいはよかったかもしれません。まあその点は素直に了承しておきましょう。おきましょうが、問題は、大蔵大臣は今の言葉の中で外債募集の道を開くのだと、こうおっしゃいましたが、道を開くだけでトラックは走らせられないのですか。そこのところが今大へん問題なところですが、法律案はまあいずれ審議いたしますから、そのときに詳しく伺いますが、今国会では法律を作るだけで、道路を作るだけで、上に走る方の車は——まあ実際には外債の募集行為ですね、それはいつおやりになるか。これをもしもおやりになるとすれば、これは政府が募集するわけですから、予算措置というものをちゃんと作らなければいかぬ。産投特別会計に入れられるでしょうから、そちらの方の予算の補正というものはいつおやりになるか。そういうところまでも明らかにされなければ、ちょっと了承がつかないわけです。今のお話でいけば、世銀のワクに食い込まないでプラス・アルファとして外債の発行ができる、こういうことであります。しかも、そういう金が必要である、こうおっしゃれば、道を聞くだけではなくて、実際に募集行為に入らなければならない。ところが、そこまでは触れておいでになりません。これはどういう御構想でありますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 御指摘の通りに、外債発行の権利だけ付与していただけば、それは大へん好都合でございますが、そういうわけには参りません。今回も補正予算を提案いたします。百八億円、三千万ドルに該当する補正予算を、災害補正予算とあわせて提案いたしまして、御審議を願うことにいたしております。
○栗山良夫君 岸内閣は、警職法を突然出して問題になってみたり、今のものも、この臨時国会の補正予算論議は、ずいぶんあなたとやりました。そのときにあなたが言われたことは、災害があったときにやるとおっしゃった。幸か不幸か、とにかく伊豆半島に災害がありました。それで九十億出すことになった。ところが、一言もそのほかのことについて、臨時国会では絶対に予算の補正はしない、こういう工合に何回となく言い切られた。そうしておいて、突然まただんだんと聖人のような格好で——聖人でないとあなたを言うわけではないけれども、そういう格好でこういうものを持ち出してこられる心境というものは、一体どうなんですか。そういうことで岸内閣を国民が信用し、大蔵大臣を信用するということは、ちょっとむずかしくなってしまう。その辺の解明はどういう工合になされますか。
○委員長(前田久吉君) 時間があと五分ぐらいしかございませんから、そのつもりで。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま大へん、過去の災害予算を出すという点についてお話があったが、いろいろ外債発行につきまして、私もいろいろ研究をいたしてみたのであります。ところが、先ほど来申しますように、基本的な考え方は申し上げました。もう一つの具体化する方の条件から申しますと、ニューヨークのマーケットの事情等から見ると、できるだけ早くなければならない。どうも早いほど日本に対しては有利の状況ではないか、こういうことが実は看取されるのであります。昨日も、ちょうどアンダーソン財務長官が来ておりますが、アメリカの景気などについて、そのままに聞かなくとも、相当割引をして聞きましても、非常ないわゆる景気の回復だということが看取できるのであります。金利を引き上げたことは、新聞等で報道いたしております。そういう状況から見ますと、できるだけ早い時期が望ましい、こういうことであります。実は過去において、なるべく出したくないと申しました予算ではございますが、今回そういうような時期をも勘案して、特に御審議を願うことにいたしたのでございます。 で、一面から申しまして、冒頭にお尋ねがありましたように、政府に対する授権立法が加能なのかどうか。外国の例等を見ますと、外債発行というか、あるいは国債発行等の権限は、政府に実は付与しておいて予算案を成立さすときにそういうものについての協賛を経るか経ないか、こういうような態度をとっておる法制もあるようでございます。日本の国におきましては、過去三十年間、外債発行はいたしておりません。こういうところで、いろいろその扱い方について研究をいたしたのでございますが、今日の法律上から申しますならば、これはやはり補正予算をあわせて出すことが筋である、かように実は考えられますので、今回そういうような法案を出した次第でございます。この点は、特に急を要するという意味におきまして、外債を発行いたしますならば、やはりニューヨークのマーケットの動向等をも、これはやはり頭の中に入れてそういう措置をとるべきじゃないか。具体的には、もちろんまだ権限が付与されておりませんから、具体的な交渉などできる段階ではございません。この発行条件等が非常に不利にならないように、こういう点をぜひとも、事前に早手回しにこれだけの処置をとらしていただきたい、これが私どもの考え方でございます。御了承を願いたいと思います。
○栗山良夫君 あとのこまかい点は、法案が出てからお尋ねいたしますが、先ほどの大蔵大臣の言葉の中で、ぜひ研究をしておいていただいて、しかるべき機会に説明を願いたいと思いますのは、今も大蔵省の方から資料をいただきましたが、この点はやはりよく考えなければいけないんです。それは、今のあなたの言葉の中にも、日本は経済力ができて外資を導入する力ができたので、金はなるたけ借りた方がいいから借りるんだというようなお話でございましたが、現実に、すでに相当巨額な、五億ドルをこえる金が入ってきております。戦争前の外債もあります。従って、どんどん借り入れるのはいいんですけれども、ほんとうに国内に残る残高というものは、割合に少いんです。時間がありませんから、こまかい説明を求めませんが、少い。従って、何のために外資を使っているのか、また使い方に非常にむだがありはしないかというようなことも検討を加えなければならぬわけです。日本の経済力の強化に役立つということであればいいわけですが、それはやはり輸出の振興等に役立たなければなりませんが、それがさっぱり振興に役立たないで、ロスになっているというような点がありはしないか。今言葉の中にあった、たとえば技術援助の導入にしても、これはいつか予算委員会で指摘いたしましたが、むちゃくちゃな計画を強行してやって、もう少し国が考えてやればあんなに払わなくていいものを、契約してしまう。また、日本の経済にとって必要でないものを契約している。いろいろ無統制になる。そういうことに全然批判をし、措置しないで、金さえ借りればいいんだから、何でも入れろというようなことではいけないと私は思います。実業人は別ですが、少くとも政府当局はそういう態度であってはならぬ。そういう点についての言葉は、一向に今のところ伺っておりませんが、いずれ一つこういう点をこまかくお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 今の栗山君の御注意、これはもうしごくもっともです。私も、経済の自由競争はけっこうだけれども、これが二重、三重投資になる、こういうようなことはよほど慎しまなければならぬ。やはり産業政策というものを持って、そうして外国との提携等についてもよく考えなければならぬ。これはもうおそらく言われようとして、時間がないから具体的にお話にならなかったんだろうけれども、繊維関係等については、特にそういうことを考える。また最近は石油化学とかいうような面で、いろいろ私どもも考えなければならぬところがあると思います。外債の問題は、こういうわずか金額としては三千万ドルにすぎませんけれども、これによってどんどん借金をするというような考え方で、こういう道を開くという気持は毛頭ございません。しかし、旧外債の償還計画でありますとか、その他の長期計画等を勘案いたしてみますると、やはり外債を発行する道を開いておくことが、将来やらなくともいいんですから、もしそういう必要があるならば、こういう道が開けることが望ましいんじゃないか、かようにも思います。また、次の委員会等には、何とか時間を差し繰って出て参りまして、次の質疑に答えたいと思います。きょうはこれで失礼さしていただきます。
○委員長(前田久吉君) 引き続き、質疑をお願いいたします。
○小笠原二三男君 私、大臣が出て行ってしまったので、きょう質問しようと思って準備して参りましたが、大臣が退席したので、事務的なことはもう十分前回から聞いておるので、聞く相手がいなくなったので、質疑は留保したいと思います。
○委員長(前田久吉君) 政務次官がおりますから、政務次官に……。 本件の質疑は次回に譲ります。 —————————————
○委員長(前田久吉君) これより専売事業に関する件を議題といたします。 まず、公社当局から発言を求められておりますので、これを許可いたします。
○説明員(松隈秀雄君) 先般の新聞紙上に、公社高橋総裁室長が話しいたしたこととして記事になっておりまする事項について、先般の委員会におきまして副総裁から御答弁申し上げましたが、その後本人について、なおその談話の内容を確かめましたところ、いろいろの事項につきまして新聞記者に説明したのでありまするが、その際用語等に不注意な点がありまして、聞く者の受け取り方によりましては、新聞記事にあったようなふうにとられるおそれもあったように考えられます。もちろん、本人はああいう言葉を直接使ったことはないし、他を誹謗するような気持はなかったのでありますが、説明や用語等に周到な注意を欠きましたその結果、社会党に御迷惑をかけましたことは、まことに申しわけない次第でございまして、公社総裁といたしまして、まことに遺憾に存ずる次第でありまして、陳謝いたします。 なお、本人も非常に恐縮しておりまして、私といたしましても、本人に対しまする処置につきましては、十分考慮の上善処したいと考えております。
○委員長(前田久吉君) ちょっと速記をとめて下さい。
○委員長(前田久吉君) 速記を始めて。 ただいまの新聞記事の件については、松隈総裁の発言によって事情が明らかになりましたので、委員長としては、この問題について新聞社に問い合せることを差し控えたいと存じますので、御承知願います。
○小笠原二三男君 それでは、総裁おいでになっておりますから、くどくど再三当委員会で話しておりまする千厩地区の問題について、ただいまの御発言にもありますように、公社側としては、こういう紛糾と申しますか、混乱は、社会党がやっているものではない、あるいは党利党略それぞれ相争っている問題ではない、その地域自体に起っている耕作者自身の、組合結成にからんでの幾多の意思の不統一と申しますか、混乱から起ってきている、というふうに御理解になったと思う。これは前回も聞きましたが、十分調査もしていると思う。それから、われわれとしましても、公社に一方的に出過ぎたことをやるなということを、再三基本として申し上げているので、公社自身として実体に触れ、耕作農民の意思を尊重して、円滑な処理を積極的になすことについて、何らそれを妨げようとするものでもなければ、委員会として、またわれわれ社会党の議員として、それがこうあるべきである、そうあるべきであるという末端のことにまで、指図、手配りしようとする意思はわれわれにはない。そういう意味から、公社側としては、われわれの申し上げていることを単に追及というふうにだけ聞いて、じんぜん糊塗している、あるいは静観の事態というようなことでは、実際農民の意思は達成せられないし、公社の組合運営の建前からいっても不都合であろうと思います。そういう意味では、私は前回にも申しましたが、公社自身においても、私、前段に申し上げたような趣旨において、十分至急に善処するというような態度でなければいかぬと思います。前回にも論議がありましたように、六組合の結成の申請等が出ている。それが書類不備という形式上の問題にからんで、ある場所に停滞をしている。それについても、却下もしなければ、また慎重に検討もしない。こういうようなことでは、私は公社として至らないのではないかというふうに感じます。 それで、これもまた委員会で速記をつけて種々論議をすると、かえってまた取りこぼしができたり、単に追及というふうなことで、皆さんの方が萎縮したりするということでは、われわれの本意でもありませんから、これ以上この事態の中においてかれこれとは申し上げませんが、本日は積極的な御発言が新聞の問題であって、同様に千厩地区の問題についても取りまとめた御所見があるならば、聞かせておいていただきたいと思います。
○説明員(松隈秀雄君) 千厩地区の問題につきましても、前回に質疑応答がございましたことは、私も速記録で承知をいたしました。六地区の申請が出ておりまして、これについて書類として不備な点があるということを申し上げてありますが、その通りでありまするので、その書類の保管のことにつきましても手続を進めております。 ただ、それが保管されたとしまして、最初に出ておりまする千厩地区の東山葉、東磐井郡の東山葉に関する限り一組合という考え方と、六つという考え方を、どう調整したらいいかということについて、公社が非常に考慮しているところであります。私も前々回に答弁申し上げたことがあり、それから前回の答弁を見ましても、公社があまり積極的に出るというと、また、公社は権力を持っているからして、公社の意思が強く働らき過ぎる、こういうようなおそれもあるということが一つ、事態を静観すると申しますか、時間がかかっておりまする原因だと思いますが、ただいま小笠原委員のおっしゃったように、いたずらに公社が萎縮しているだけでは事態が解決しない、従って公社もこの問題の解決方には善処すべきである、こういうお話でございまするので、まことにその点ごもっともでありまするので、単なる法律の形式の問題を離れまして、あるいはこの問題は法律論的よりもその以前の問題であり、それから形式で片づけましても、事後の組合の運営が非常に混乱いたしましてうまくいかぬということでは、これは公社も困りますが、耕作農民の方々に対しても決してよいことではございませんので、それらの点ができるだけ円満に解決し、事後の運営も円滑にいきまするような方法が何らか見い出されるのではないか。そういう特別地区設定といったような、法律以前の問題としてできるだけ解決をはかって、手続は形式的にすらすらいき得るというようなことになれば非常に望ましいと、かように考えておるのでありまして、そういう点について努力をしてみたい、かように考えております。
○小笠原二三男君 きょうの松隈さんの御答弁は、前回の御発言から見ると相当進歩せられたと申しますか、行き届いたと申しますか、御答弁でありますが、まあ用語の点では、法律以前の問題だというようですが、政令の方だと思うのです。政令で規定している問題も幅が広い意味の問題であると思うので、法律は厳として法律の趣旨においてそれは進められることですから、私はそれでけっこうだと思いますが、実は率直にいうならば、公社が積極的にやったらどうかというようなことは、たとえば私がここで、公社側はしからば一本でもいかぬ、また六つということもどうかというお考えがあるというなら、これこれはこういうふうにしたらいいとかというふうに公社としては考えるが、地元に対してこれを強制するということはできないから、われわれとしても静観しておるなら静観しているのだ、そういうまとまりが期待されるなら期待されるとかという御発言があれば、それに関してわれわれの所見もあって、そして帰一するところはこの辺ということで、公社の言い分がわれわれ正しいと思えば、われわれは自由な立場にあるのですから、耕作農民に対してもそれで進められたらいかがかというお勧めもできるわけなんですね。しかし、こういう委員会でまた尋ねるということそれ自身、影響するところも大きいでしょうから、本日は私はお尋ねしません。しかし、そういう気持において私は善処せられることを強く希望し、いたずらに紛糾が長引くというようなことであってはならないということを、再三繰り返して申し上げておきます。 と同時に、われわれとしても、そういう意味において、円満な処理のためにわれわれの責任において農民並びに公社側にお手伝いができるということであれば、われわれはきん然そういうことを、拒否するのではなくて、お手伝いをする用意は十分あるということを申し上げておきます。
○委員長(前田久吉君) 速記をとめて。
○委員長(前田久吉君) 速記をつけて。
○野溝勝君 公社に先日質問をした、四国の問題に対する御答弁を願いたいと思います。
○説明員(駿河義雄君) 十月二十一日の本委員会におきまして、野溝委員から調査報告方を命ぜられました四国のタバコ耕作に関する問題を、御報告申し上げます。 観音寺を中心としております三豊タバコ耕作組合の事故についてでございますが、事件の概要は、三豊タバコ耕作組合の肥料購入委員会が、昭和二十九年及び三十年作用の肥料の購入先を富士通商株式会社と決定し、これに対しまして同組合の参事が、初めは耕作者の収納代金の前渡金を支払われ、後では金融機関から借りかえたのでございますが、これが焦げつきになったという問題でございまして、その金額は合計で三千八百七十九万八千円でございました。二十九年作用の肥料に対する損害が千七百万円、三十年作用の肥料に対する損害が千七百一万円となっておるわけであります。その間におきます延滞利子が四百七十八万八千円と相なっております。この債務の処理につきまして、富士通商株式会社等より回収いたしました回収金その他によりまして千二百五十八万九千円、役員の弁済によりますものが二百五十八万円、耕作者立てかえ負担によりますものが二千三百六十二万円、合計三千八百七十九万八千円と相なっております。耕作者の立てかえ負担の分につきましては、耕作組合におきまして耕作者に事情を説明しまして了解を得まして、次のように両年度に分れまして負担したのでございます。昭和三十年度におきまして百五十万円、昭和三十一年度におきまして二千二百十二万円が耕作者の負担になっておるわけでありますが、この耕作者の負担額は債権回収次第耕作者に返還する予定に相なっております。 野溝先生の御質問で、この三豊の肥料の発注に関する赤字は、公社がブローカー等と肥料のあっせんをしたのであるというような御質問でございましたが、富士通商株式会社に発注いたしましたものは公社とは関係ございませんで、同組合の肥料委員会がこの富士通商を自発的に選定したものでございまして、公社とは関係ないのでございます。 なお、この耕作者が負担をいたしております金の問題でございまして、耕作者にとりましては、旧タバコ耕作組合が解散になって参りますので、その負担金が返されるだろうかという危惧を抱くのは無理からぬことだと思うのでございますが、旧耕作組合が解散になりましても、耕作者の債権は消滅することなく回収次第返還される。その方法といたしましては、この債権を新しくできます組合に譲渡する予定になっておるそうでございまして、その辺の新しい、旧組合の解散に伴う不安につきまして、債権耕作者に説明が十分足りなかったのではないかというように考えられますので、高松の地方局といたしましては十分、関係組合の当局にこの債権耕作者に納得のいく説明をするように、組合を指導する方針でございます。 第二点は、タバコの収納代金あるいは概算払金を、公社は特定の金融機関に預けるように指導しているのではないかという問題の調査でございまして、収納代金の支払いは、高松地方局管内におきましては、各タバコ耕作組合長が受領代理人となり、耕作組合長はもよりの県信連支所を副代理人といたしまして選定して、収納代金を一括受領しております。県信連から農業協同組合の各耕作者の貯金口座に振りかえて支払っておりまして、なお、概算払金の取扱いにつきましても、耕作組合長が一括受領いたしており、預け先につきましては組合が自主的に決定しておりますので、従いまして、公社は特定の金融機関に預けるように指導した事実はないのでございます。もっとも、この公社の預託金は国庫金に準じます公社の公金でありますので、その預け先といたしましては、原則として国庫代理店が指定されているわけでありまして、事業の運営上支障がありますときは県信連等を利用できるように相なってはおります。 それから第三点は、タバコ耕作の指導をしあるいは鑑定をする人が、耕作組合長との間に何か不正の問題があったような人間が、依然として鑑定しているのはまずいのじゃないかという御指摘だったようでございますが、これに該当します者を、御疑念に該当します者を調査したのでございますが、当っておりますかどうかはっきりいたしませんが、この点御報告申し上げます。昭和二十八年十二月、香川県川岡村タバコ耕作組合長池田健一氏から公社の白方技術主任がオートバイをもらったのではないかというふうなお話があったそうでありますが、このオートバイは五万円で白方技術主任が買い受けたものでありまして、本件を不正贈与といたしまして、昭和三十一年度に労働組合が告発したのでございますが、高松地検の取調べの結果、何ら不正の事実がないということが判明して、明らかになっている次第でございます。
○野溝勝君 御調査といいましょうか、打ち合わせの結果御回答願ったのでございますが、こまかい点につきましては、現地の耕作者の方からいまだそれに対する回答もございませんので、きょうは私はこの程度で……。
○平林剛君 私は一つだけこの機会にお尋ねしておきたいことがあります。それは、四国の高松市の下笠居地区周辺における塩害の問題と、塩専売法の解釈について、この機会にお尋ねしておきたいと思います。 御承知のように、四国の沿岸におきましては、専売公社の塩製造方法が流下式枝条架架設の製造方法に変りましてから、この地域周辺に塩の害が起りまして、果樹園、農地その他一般市民の生活におきましても、影響を受けているのであります。昨年、私はこの委員会でこれに関する専売公社の対策をお尋ねいたしたのでありますが、今日に至ってもなお解決しておらない。これは結局、塩専売法に対する公社の考え方がやはり影響しているのではないかと考えるのであります。そこで、今日の塩専売法は、ただいま四国で起きておりますような塩害ということを予想して法律が書かれてあるとは考えません。従来と製造方法が変ってきましたので、新たに塩害問題が起きたとき一体どうするかという処理が、そのために欠けているのではないか。そのゆえに、何年かかりましても、現地の塩害問題を解決することができない、こういう欠陥を露呈しているのではないか、こう思うのであります。最初にお尋ねいたしますが、この香川県における塩害の実情について公社はどの程度御承知になっておるか、それをお尋ねいたしたいと思います。
○説明員(松隈秀雄君) 香川県の一部の地域におきまして、主として枝条架の塩と申しますか、あわと申しますか、それが飛ぶことによって農作物に塩害を及ぼした。そういうことのために、塩業者と塩害を受けた農民との間にいざこざがあるということは聞いております。それに対処いたしまする公社側の措置といたしましては、枝条架を通常の状態で使用すればそういう害は起らない。これを具体的に申しまするというと、風速五メートルをこえるというようなときに枝条架を使うというと、塩が飛んで害を及ぼすおそれがある。であるからして、そういう場合には枝条架を使わないようにという注意を一方においていたしまするとともに、塩の害が枝条架から発生したものであるか、あるいは他の原因も混同しておるか、それから塩害を受けた被害はどの程度であるかということにつきましては、塩業者、と申しましても、これは塩業組合だと思うのでありますが、組合側と、農民の方も組合がございますから、それで話し合いをする。その場合において、あるいは第三者的立場において、県庁の農務課と申しますか、農業課と申しますか、そういうような人にも間に立ってもらって、なるべく事態を円満に解決するようにということも希望いたしまして、そういう面の話し合いも進行しておるように聞き、現に一部の金は支払われた事実もあるように聞いております。
○平林剛君 香川県の下笠居地区に限らず、坂出地区の松山、大越、それから西浜新町、矢島、牟礼、詫間、各地区において、現在、今お話しのような塩害が各地に起きておるのであります。そしてこの塩害の原因がどこにあるかということにつきましては、昨年の夏、多分専売公社が委嘱なさったと思うのでありますが、農林省の役人と、その委託を受けた杉浦実農学博士が現地を調査いたしまして、これは枝条架による塩害であるという結論をつけ、関係者に報告がされておることは御承知であろうと思います。この報告書には専売公社の責任者も署名をして、報告書として提出をされていますから、多分公社も塩害があるということはお認めになっているのではないか。しかるに、この塩害を受けた人に対してどういう処置をするかということが、塩専売法の解釈をめぐって、未解決のままに放置をされておるのであります。 なぜかというと、その塩田のそばにある果樹園栽培者、あるいは農民、一般市民たちは、この塩害を受けたのは、専売公社が塩害を受けるような所に、特に季節風が海から陸に向って吹いてくるような所に、枝条架の架設の許可を与えたからだ。すなわち、許可を与えた専売公社は、その塩害を受けたことに対しても、直接でなくても、間接的に責任の立場にあるのではないか。こうして専売公社の責任を追及をしておるのであります。また、塩業者も、これはおれたちはその園芸経営者やあるいは農民その他に迷惑をかけるとは思わない。なぜかといえば、これは専売公社がその製造を許可しておるからで、そういう心配はないから専売公社も許可をしたものだ、こういってその責任をのがれているのであります。従って、今日この問題を解決するのはだれかということになりますと、お互いに法律上の解釈を整理いたさないと、根本的な解明ができないという実情にある。お互いに責めを他になすりつけておる。専売公社にも私は以前お話を聞いたのでありますが、許可をしたことがすなわちその塩害を受けた人に対する損害まで負担しなければならぬということにはならないという御解釈のようですが、そんな解釈をお互いにしておったんでは、現実に被害を受けている問題を解決するものはだれもいないということになってしまいまして、このまま放置しておると、ことし十一月に入りますと、あの瀬戸内海は季節風が北から南に吹く。そしてそのために来年の四月、果樹の実が実る花が咲くころにですね、結局壊滅状態に陥るというおそれがありまして、ここから生活権の侵害を端緒に、社会問題が発生するという懸念まであるんです。 そこで、私は、専売公社が塩の製造について許可を与える場合に、現実問題において塩害というものが予想せられるのでありますから、許可などする場合でも、こういうことを念頭に置いて許可をしなければならぬと思うのです。現在の塩専売法によりますと、この製造の許可は、第四条におきまして、規定の制限に触れない者が製造の許可を受けることになり、専売公社がその許可権を持っておるのでありますが、この許可権に関してですね、専売公社はそういう配慮をして許可をすべきものだと私は思うのですが、現在公社としてはどういう方針で臨まれておりますか。
○説明員(村上孝太郎君) 専売法の解釈になりますので、私の方からただいまの平林委員の御質問に対して御答弁いたします。 これは私どももいろいろ、去年から問題になっておりますので、法制局ともいろいろ相談をしたのでございますが、企業がその本来の事業を営みます場合に、その事業活動によって他の相隣関係にある事業に損害を与えた場合に、その責任がどうなるかという問題であります。これは私は、塩に限らず、いろいろなところにあると思うのであります。たとえば、有名な問題といたしましては、別子の煙害問題というのは昔からやかましい問題であります。もちろん、公社が専売事業で許可をします事業につきましても、そういうふうな相隣関係にある他の事業者なりあるいは住民に対して害を与える場合はどうかという問題があるわけでございますが、これは専売事業の許可の場合に特に問題にすべき問題ではないのでありまして、専売法上の許可は、たとえば塩の品質がどうかとか、あるいは専売取締法上の都合がどうかとか、こういう専売目的達成のための許可権でございまするし、従って、許可の場合の採用の基準も、そうした専売法上の目的から専売事業運営のために必要な限りにおいて、そうした基準を解釈し裁量いたすものであろうと思うのであります。もちろん、この専売の許可が与えられたらば、受けた方といたしましてはあらゆる責任がなくなるわけではないのでございまして、許可を受けた事業といえども、専売法における許可を受けたから他のあらゆる相隣関係にある企業なり、あるいは事業なり、あるいは住民に迷惑を与えてよろしいということになるわけではないのでありまして、それは普通の事業活動を営みます場合の制約として、許可を受けた事業としては当然考えてやらねばならぬわけであります。もし、これを怠っていろいろな迷惑を相隣関係にある者に及ぼした場合には、それは当然民法における損害賠償その他によって賠償をすべきでありまして、専売法上の許可を受けたからそうした賠償関係の責任をのがれるということはあり得ないと、私はそう考えております。
○平林剛君 法律は、まだ塩害という現実を想定しない前に作られたものでありますから、監理官のお話のような解釈は、現在の塩専売法上の現状に即さない欠陥だと、私は初め申し上げたのであります。第六条に「許可の申請」という条項がありまして、「塩又はかん水を製造しようとする者は、製品の種類、製造の方法、製造場及び貯蔵所の規模及び位置並びに一箇年の製造能力を定め、公社に申請して、製造場ごとにその許可を受けなければならない。」、これを裏から返せば、ただいま読み上げましたようなことについて、公社は判断をし許可をするということになるわけであります。この場合、法律のできたときには塩害が生ずるということをあまり予想していなかったのですが、今日は、塩害が起るということを予想しなければならない実情があるわけです。 そこで、私は、法律の解釈を求めるんじゃないんです。行政上、第六条にかかることがある以上、専売公社は、塩害が生ずると思われるような地域に対しては、この許可に当って慎重を期さなければならぬ。もっと強く言えば、塩害を受けないように、他に迷惑を及ぼすような所に対しては許可を慎重にしなければならぬ、こういう行政が必要ではないか。専売公社の御意見を聞きたいと思います。
○説明員(松隈秀雄君) 法律問題でなくて、行政問題として、許可をする場合、ことに近年始まりました流下式塩田に伴う枝条架の問題であると思うのでありますが、枝条架を設立するということの許可に当りまして、できるだけ相隣関係の人に迷惑をかけないようにという点も考慮するということは、考えられるところであります。 それから、枝条架を設けたからといって、すぐ塩害が生ずると、こういうものでもございませんので、その操作ということも非常に関連して参りまするので、これも、法律問題ではなく事実問題として、塩害を与えるというようなことになれば、それは民法上の損害賠償の責任も発生して、塩業者として窮地に陥る、それだけ負担も増すと、こういうことになりまするから、そういう点については十分注意するようにということを、ふだんにおいて塩業者に注意すると、こういうことは、これはまあ公社の親切心から出ていいことだと、かように思っております。
○平林剛君 私は、専売公社が塩製造の許可をするときに、現実問題で塩害の発生をして、そのため社会問題が発生しようとしておるのでありますから、今後の許可をする場合におきましても、やはりそのことは頭に入れながらしなければならぬということを強調いたしておきます。 そこで、問題は、現実の処理であります。現在、高松周辺、いや、先ほどあげた各地において塩害が発生しつつあることは、農学博士の杉浦実氏もこれを認めて、農林省並びに専売公社にその報告書を提出をいたしておるのであります。従って、専売公社はこれに対して何らかの手を打つという行政上の処理が必要ではないか。現にその処理をやっておるのです。たとえば、今総裁が指摘をされましたように、風速何メートル以上は操業を停止する、あるいは季節風は特に夜間において海から南へ吹いて参りますから、夜間の操業はせない、こういうような操作基準というものを設けまして、そうして関係業者に注意を与えておる。これはやはり塩専売法によって、製造の方法について専売公社は指示をすることができるのでありますから、当然しなければならぬ。今日高松地方局が塩業者に対して行いつつある指示は、五メートル以上は操業しない、夜間はこれを操業しないとかいうようなことを業者に徹底はしておりますが、私は、法律第十条に基いた指示がそれに該当するものと思うのであります。もし、かりにそうだといたしますと、その業者がこの指示に従わなかった場合、当然専売公社は次の手を打たなきゃいかぬことになるわけであります。現在、高松地方局が業者に対してどういう指示をしておるかということは、御承知でしょう。
○説明員(松隈秀雄君) 前段として、塩専売法十条に基きまする指示からして、塩害を発生せしめないように注意をしておるということについては、法律解釈上必ずしもあなたの御意見に同意できないのでありまして、その点、法律の不備とか、あるいは新しい情勢に応ずるように規定されていないとかという点は、御意見の通りでありまするけれども、現在公社として解釈しておりまするのは、法十条の製造方法の指示ということは、公社が必要とする塩についての品質、数量等に関係した指示と、こういうふうに解釈しております。さればといって、先ほど申し上げましたように、塩害を与えた場合には、民法上の損害賠償の責任でありまするけれども、公社も、そういうことで地方に問題が起っておるというような場合に、公社と塩業者との間柄から考えまして、やはり問題は起さないように、損害を他人に加えないように、賠償等の責任を負うことによって塩業者の財政状態が悪くなる、こういうことのないようにという注意は、これはもう当然別の面からすべきであると、こういう立場からの注意をしておると、こういうふうに御了承願いたいのであります。
○平林剛君 第十条は、「公社は、製造者に対し、塩又はかん水の製造方法についてあらかじめ公社の定めたる標準に従うように指示することができる。」、こう規定してあるのであります。塩専売法は、冒頭申し上げたように、塩害を予想しなかったから、この十条に塩害の予防措置を指示するまで含まれていないといえば、立法当時はそうであったかもしれません。しかし、現実問題としては、やはりそれを含めてこの第十条の指示を解釈し運用すべき時代ではないか。私は、そのゆえに、専売公社がもし塩業者に、五メートル以上は操業してはいけないとか、夜間操業してはならないという指示をするときは、この第十条によって製造方法を一つの要領として指示すべきものである。また、現に高松地方局が行なった指示はこれに該当するものである、こう理解をいたすのであります。 総裁にお尋ねしますが、それでは、やはり高松地方局が塩業者に行なっておる指示は、一体何に基いて行われたのか。塩業者からいえば、まことに越権じゃないかということに相なる。しかし、それは越権でも何でもないので、塩専売法に基いて指示したものと解釈できるので、そういう指示権は公社に当然あり得る。製造業者に今指示しておるのは、一体どういう権限に属してそれではおやりになっているのでしょうか。
○説明員(松隈秀雄君) 先ほども申し上げましたように、十条の命令として出しておるのではなくて、やはり塩業者と公社との関係においては、いろいろの関係から、公社も塩業者の状態が健全であることを希望いたします。その塩業者が自分の業務に関連して、他人に迷惑とか損害を与えるというようなこと、その結果賠償の責任を負うというようなことになれば、塩業者の財政状況、資産内容も悪くなるわけでありますから、そういうことについては十分注意するようにということを指示すると、こういうことは行政面としてあっていい、かように思っております。
○平林剛君 私、行政面についてのただいまの権能というものは、何から生まれるかということが疑問なのです。総裁は私の質問をはっきり把握されておらないかもしれませんが、ただいまお話しになったような指導なり指示というものは、法律に、塩専売法に基いて発せられる行政の権限でなければならぬ。専売公社が勝手にやることはない。たとえば塩製造者が健全でなければならぬとかいうようなことを、やっぱり塩専売法に基いて行政指導をなさる。たとえば他人に迷惑を及ぼすようなことはいかぬからというので、そういう意味からだというが、先ほど監理官の法律解釈によると、迷惑を及ぼす、損害を受けたときは民法でやればいいということで、本来専売公社は超然としていていいはずです。しかし、超然であってはならないのであって、ならぬということは、やはりこれらの問題について、塩専売法で専売公社は製造業者に適切な指示をする各条項があるから、それに基いて指示しておる。いろいろな関係があるからとか、迷惑をかけちゃならぬからそういう指示、注意をしたというのは、これはそれだけなら権限外のことをおやりになった。やっぱり塩専売法の規定があって、第十条の指示権があるから、それを受け継いで行政が行われる、こう解釈できると私は思うのです。 監理官、そのことについて何か御発言があったら、特に認めますから、説明をして下さい。
○説明員(村上孝太郎君) ただいまの「指示」ということがいろいろに使われているようでございますが、たとえばこの十条の指示に違反しますというと、たしかあとの条文で、罰金を科したり許可を取り消したりする規定があるように思いますが、先ほどから総裁の言っておられます指示というのは、そういう法的効力を持った指示ではないのでありまして、公社といたしましては、もちろん傘下の塩業者というものが健全であることの方が好ましいのでありまして、公社が持っておりまする技術陣から考えると、大体これ以上の風速になるというと、塩害といいますか、塩の粉末、塩のあわが飛んで、それによっていろいろ迷惑な問題が発生すると。それによってまた塩業者も民法上の損害を賠償せにゃならぬということになりますと、そう楽な経営をしているわけでもございませんから、それでは塩業者としても困ることになるから、こういうような場合にはしない方がいいのじゃないかと。一種のアドバイスであるように考えております。従って、この十条の指示ということではないと私は思っております。この十条の指示以外の……。(平林剛君「以外の指示権はどこから発するのですか」と述ぶ)私の申し上げておりますのは、十条の指示でなければそういうアドバイスをしてはならぬかということになりますと、私は現在の専売公社として、塩業者が持っておらぬ知識をもってアドバイスをするということは私は差しつかえないのじゃないかと、こういうふうに解釈しております。
○平林剛君 そのアドバイスとか、それから注意とかいうやつは、専売公社は本来権限はないのです。今あなたのお話しのようなことならば、よけいなお世話だということに相なるわけです。しかし、第十条に、そのために製造者に対しあらかじめ公社の定めたる標準に従うように指示することができる指示権を与えてあるから、アドバイスができたり注意ができたりするので、こういう法律がなかったならば、よけいなお世話で、業者に対する介入ですよ。そういうことをおやりになっておるとは私は考えない。それでは慣行上そういうことをおやりになったかもしれないが、はっきりその行政権限があれば、法律に基いて生まれるのであって、それ以外のことはこれは製造業者に権力をもってする介入でしかない。 それで、今現に高松地方局が風速五メートル以上は操業してはならぬ、夜間の営業はしてはならないという指示をしたのは、製造業者に対する一つの制限なんです。夜間やろうと、風速があろうと、何しようと勝手じゃないかというのは業者の言い分です。しかし、他に迷惑を及ぼすことがあるから、専売公社はそういうことを言っている。営業権まで侵害をする——もし法律に根拠がなければ、営業方法まで侵害する権利というものは専売公社にないわけなんです。ところが、ただいまのような指示をしたのは、この第十条を受けて、塩害を未然に防止するために製造方法に対する公社のあらかじめ定める標準を指示している、こういうふうに理解しなければ、これはもう専売公社は越権行為をやったことになる。私はやはり、高松地方局が行なっている指示はこの第十条によったものだと解釈すべきだ。いや、ここであなたの説明は、私の納得するお答えになりませんから、もうそれ以上聞いたって、これはお答えは必要ありません。ただ、この点は研究をしていただきたい。専売公社が業者に対して指示するのは、一体何でやるのか。業務方法でやるというが、業務方法は塩専売法に基いて行うものでなければならぬ。その点はもう少し慎重に検討してもらいたい、こう思うのであります。 そこで、この第十条に基く指示を、もしそうでないとするならば、こういう塩害の起きているときこそ専売公社は第十条で指示を出さなければならぬ。これはそれを否定しているとは私は思わないのですが、否定をしていると思いますか。これは監理官でもいい。あなた、この第十条は、ここに書いてある解釈は、この塩害を未然に防止するために指示を出すということを否定している法律である、こう読むのですか。
○説明員(村上孝太郎君) 私も、この問題いろいろむずかしい問題なんで、法制局ともいろいろ研究をし合ったところでございますが、この十条の規定というものは、当然に考えるべき道徳律と申しますか、あらかじめ公社で定める標準に従って指示するということになりますと、塩業者に対して、お前は隣りに迷惑をかけないように操業しなければならぬという指示になるわけでございますが、私は、十条というものは専売法上の法益を守るための指示でございまして、そういうふうな、一般的に隣りに迷惑をかけないように操業しろというふうな、そういう指示をこの十条では含んでいないと思っておりますし、この点は、私がいろいろ研究してみた上でも、そういう解釈でございます。 まあ現在、ある一定の条件に該当する場合には塩害が起るから操業しないようにという、そういうことを専売の地方局で言っているようでございまするが、これは私はさっきから申し上げておりますように、この十条の指示に入るわけではないので、そういう意味において専売法上どこに根拠があるかということになるわけでございまするが、およそ法律というものは、法律上指示と申します場合には、その指示違反の場合の一定の措置と申しまするか、そういうものを規定しておくのが普通でございます。そうでないいわゆる実質上の指導なりアドバイスということ、これが全部越権だからやめてしまえと、こういうことになりますれば、これは非常に業者と専売との間が、何といいますか、円滑に、法律上の問題で解決しなくても、実際上の指導でやれるというようなそういう便宜が奪われるわけでございます。その点は、私は、現在の専売がそうした指導をやっていることが全然いかぬ、そういうふうには考えておりません。
○平林剛君 あなた、法律の解釈はこれ以上お話ししても仕方がない。ただ、そんならば、この問題はだれが解決するかということです。現実にこうなれば、果樹園栽培者、付近の農民は、あの枝条架をこわしてしまえ、だれも解決してくれる人がなければ実力でもってこわしてしまえ、こういって社会問題に発展したらどうする。あなたの解釈だと、それは裁判でやればいいんだと、こう言っているのだが、裁判は一年も二年も三年もかかる。その間、現実に何億、何十億という損害を受けている人たちは、一体どうするのか。専売公社がそれをやらぬということであれば、裁判所以外にないということになりますけれども、それでは一体、その塩の問題について相当の権限を与えている塩専売法、これに基く運営の専売公社は一体どういうことになるのか。それじゃ、いろいろな注意をして、それを聞かなかったらどうするのか。あとは民法でおやりになればいいということで放置するやり方は、これはお役人のやることです。私は現実の問題を、じゃ、だれが処理するのかという観点から、また処理をするのには現在の塩専売法が不備ならばそこを検討したらどうかということを前提として、言っていることです。 専売公社の総裁にお尋ねしますが、現在風速五メートル以上は操業をしてはいかぬとか、夜間営業はしてはいかぬ、それは塩害がひどくなるから……。これは私は法律上の指示だと思うけれども、それによらざるアドバイス、注意をなさっておるようです。聞かなかったらどうする、こういうことに相なるわけです。専売公社としては、もしその注意にかかわらず製造業者が聞かなかったらどうする。聞かないのが当りまえなわけです。風速五、六メートルというのは鹹水をとるのに一番適した風の速さで、多少風がないと能率が上らないわけです。また、夜間の方がちょうどいい風が吹くものですから、夜間操業するのです。もしこれをとめられてしまったならば、そこの塩田、塩の製造業者は能率が落ちてしまって、企業を閉鎖しなければならないということになる。死活問題だから、その人たちはどんどん夜間操業をするのです。専売公社は一生懸命、夜間営業をするなとか、風速五メートル以上は操業停止しろといってみても、初めからできない相談です。結局、製造業者は専売公社の言うことを聞かない。専売公社は注意はしているけれども、それを無視している、こういうことになる。法律に基く権限でないから専売公社の顔がつぶれてもいい、こういうことになるかもしれませんけれども、これでは何のための指示かということに相なる。 これは私考えたくないことですが、一部の人たちは、これは製造業者と専売公社の話し合いがあって、ぬかに釘を打つようなやり方をして、責任を他に転嫁しているのだと、あらぬ風説まで立てられている実情ですよ。これは私は信じたくない。しかし、やはり専売公社は、こういう段階になったら、何かの手を打たなければならない。そのまま静観をなさっているおつもりでございましょうか。
○説明員(松隈秀雄君) 好意的な注意といたしまして、風の強いときとか、あるいは夜間で特に塩害の発生のおそれのあるときは、枝条架をとめるようにということを注意しておるわけでありますので、その命令に従わないからといって、すぐに、十条の命令であればそれに基く措置が法律的にきめられておりますけれども、十条の命令としては発しておりませんので、すぐにそれに対してどう措置をとるかということは申し上げられないわけであります。 なお、法律をどう改正したらいいかということは、これはまた別の問題として研究する余地はあると思います。
○平林剛君 現実において、高松地方局に総裁はこの処理を多分まかされているのだと思います。そこで、高松地方局においては、被害を受けている農家並びに果樹園栽培者と塩業者との間に入りまして、専売公社からの注意を聞かないで十月三十一日までそのまま経過しておれば、全面的に操業の停止をさせるという約束をしておるわけです。今月一ぱい、もし塩の製造業者が公社の注意、アドバイスを聞かないでそのまま操業を続けておるとしたならば、十一月一日からは全面的に操業を停止させる、こういう約束をいたしておるのです。私は一昨日、高松から二度目の調査を終りまして戻って参ったのでありますが、期日は迫っておるにかかわらず、塩製造業者は専売公社のアドバイスですか、注意を聞かないで、相変らず操業をしております。十一月になりますと季節風が激しくなりまして、損害が拡大をすることは火を見るよりも明らかな実情に相なっている。そこで、現在専売公社としても、高松地方局においてはそれだけ約束をしているわけです。私は、その約束が、今度は公社の総裁からが、どうも適当でないとお考えになってもならなくても、現実はどっちにころんでも、やはり問題が起きてくることであります。至急専売公社の本社として、首脳部としては、これは高松地方局だけにまかせておけない複雑な法律解釈があるのですよ。それですから、私は、総裁はこの点を御研究になって、高松地方局だけにまかさず、あなたの方からも、これは新しいケースとして具体的処理に乗り出していただきたい。そこにおいて、先ほど言ったように、こいねがわくは、積極的に問題解決のために乗り出すことを希望いたすのであります。 そこで、もう一つ聞いておきたいのですが、そこで塩業者が一番困っておるのは、損害賠償を払わなければならぬということは認めておるのですよ。しかし、今日までこの製造業者が払ったのは五万円とか十万円程度です。これでは、実際あの果樹園の損害やあるいは農家に与えた損害、これはだれか測定してみないと、まだわからない問題ですが、それだけの被害では私はこの議会で問題にはいたしません。もっと大きな被害があるから、問題にするのです。ところが、現実にその程度で話し合いをつけようとなさる。塩業者も無理もない。二十八の個人がそれぞれ出資をして塩田をやっておるのでありますし、専売公社の塩業政策の転換によって塩価の切り下げをしなければならぬ。枝条架の架設のためにかなりの経費をかけて、その借金を返さなければならぬということから、なかなか塩害に対する補償までするわけにはいかないといっている苦しい実情を、私は認めます。 そこで、私は、そういうときの予想をして塩専売法第十六条というものが規定をされているのじゃないか、こういう解釈を持っておるのであります。たとえば、製造業者が津波の害、風水害、震害その他がございまして、塩に限りますが、塩の「滅失、損傷その他の事由に困る損害を受けたときは、公社は、その製造者にその損害の三分の二に相当する金額の範囲内で大蔵省令で定める額の補償金を交付することができる」。と規定してある。塩害は津波ではない。塩害は風水害や震害ではないかもしれません。しかし、現実に塩の害が——これは専売公社が製造法を変えることを指示すれば別です。しかし、法律に基いて指示をしない限りにおきましては、天然の災害にひとしいようなことに相なる。こういうときには専売公社も第十六条を発動して、何らかの措置に出ていいのではないかという解釈も成り立つのです。 先ほど申し上げましたように、塩専売法が制定をされたときは塩害を予想していなかった。しかし、予想はしておりませんけれども、第十六条に、「津波の害、風水害、震害その他の災害に困り」と、こうあります。「その他の災害」の中に、塩害を含めることができないのか。現在の法律の行政上の解釈として、これを含めることは可能ではないか。もし可能だとすれば、この措置を何らかの方法で解決することができるのではないか、こう考えておるのであります。で、私は、十六条はそれを予想しておるのではないというお答えが、多分、監理官あたりが昔の解釈をするからあるかと思うけれども、「その他の災害」という中に含めることがいけないということは多分ないのじゃないか。これも塩害という実際問題が発生をしたときですから、十分研究をして、しかるべき措置をすべきものだと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(村上孝太郎君) この十六条の規定の「その他」ということでございまするけれども、一般に災害補償の規定はいろいろ専売法の中にございまするけれども、その規定を流れておりまする思想は、いわば業者の自分の意思に基くものではなくて、不可抗力によるところの損害だという観念が規定を貫いております。従って、まあ今平林委員は、塩害というのはいわば天然の災害と同じだというふうな御見解でございましたけれども、私は、専売の傘下にある事業といえども、ほかの完全な自由企業であろうとも、すべて自己責任の原則と申しまするか、はたの者に迷惑をかけないで事業をやるということは、これは私は当然の義務だろうと思うのでございまして、そういう意味から申しますると、確かに風速の非常に速いときに枝条架を動かせばもうかるということはわかっておりましても、それで相隣者に迷惑をかけるということであれば、それを当然自分の意思でもってはたに迷惑をかけないような事業の運営をする、事業活動を行うということは当然でございまするから、この十六条における不可抗力的な範疇の中には入らない、こういうふうに私は考えております。
○平林剛君 私は、専売公社が自分で法律にある指示権を用いたり、製造方法についてあらかじめ定めた標準で適切な指導をしないというから、ひねくって、それでは天然の災害であろうと、こう言っておるのです。専売がやればできることなんですよ。やればいいことをやらないでいるから、騒ぎが大きくなっておるのでありまして、私は、至急に塩害を予防するための指導というものを法律に基いて公社が指示を出すべきだと思う。そしてその指示にどうしても従えない、こういうことであれば、他に実益害を及ぼしておるものでありますから、そういうことは民法上の訴訟でやればいいなんという超然とした態度でなくて、やはり専売公社が許可という問題についても、私は間接的に責任がないとはいえないと、こう解釈をとっておるのでありますから、やはりそういう意味で善処する必要があるではないか。いわんや、十月一ぱいまでに、もしこの問題が解決しなければ、高松地方局は全面的操業停止をするという約束をしておるのでありますから、そうなると、製造業者にも重大な関心があるのです。そして、もしそれはとてもできないということになって中止をすれば、今度は被害を受けておる人たちが怒るわけです。だから、期日は十一月一日に迫っておるのでありますから、この問題を一つ専売公社も誠意をもって解決するように努力をしてもらいたい。まだ言いたいことはあるのですけれども、総裁から一つ、最後に私の要望にお答えを願いまして、質問は打ち切ることにいたしたいと思います。
○説明員(松隈秀雄君) 現実に起っておりまする塩害の損害賠償をどうするかということにつきましては、高松の地方局が間に入って、あるいは県庁の人その他第三者も入れまして、なるべく円満に話し合いがつきまして、被害を受けた者もある程度満足し、塩業者も出し得るような金に落ち着くことを希望いたしておるわけであります。 将来の問題といたしますると、現行法の解釈から申しまして、非常に疑問がありまして、現行法のままこれを、塩害の防止を指示事項に入れるとか、あるいは損害賠償を払ったときに災害補償の中に含めることが非常に困難であるということは、監理官から申し上げた通りであります。従いまして、これは立法事項にも関連することでありまするので、慎重検討をいたさないと、にわかに結論は出しにくい問題であるということを申し上げておきます。
○平林剛君 現実の問題についてはどう対処していきますか。これを私はお尋ねしておる。
○説明員(松隈秀雄君) 現実の問題といたしましては、私も、十月一ぱいは動かしてもいいけれども、十一月一日以降は全然操業を停止させるというようなことが、有効な公社の命令的なものとしてあるというふうには考えないで、なるべく業者をしてすみやかに被害者との間に話し合いを進めて、損害賠償の額を取りきめるように、それにはある期限を付して伝達をしないというと、こういう問題の交渉はとかくだらだら延びるから、そういう意味で、まあ十月一ぱいに解決をするようにという、意味を少し強めるような意味で、あるいはそういう表現の約束になっておるかと思うのでありまするが、実際問題としては、十一月一日以降操業停止を命ずる、こういうようなことはできない。従って、現実問題としては、十一月一日以降はなお一そう注意をして被害を及ぼさないように、枝条架を運用するようにという希望を申し述べつつ、おそらく両当事者間に損害賠償についての話が具体的に進行して、何とか円満に妥結に至るように努力をするということが、高松地方局の実際にとるであろうと考えられるやり方だと思っております。
○平林剛君 これは、私は先般、社会党の調査団の一員として高松に参りまして、たまたま、この果樹栽培者並びに農民の塩害を受けておることに関する陳情を受けたわけであります。同時に、それらの団体何百名という人が、死活問題をどうしてくれるといって専売公社に押しかけたのにぶつかって、大へんな混乱が起きましたので、あっせんに乗り出したことがあったのであります。その際に結んだ覚書というのが、十月までにもし製造業者が公社の注意に従わなかったときには、製造、営業、操業全般を中止させるという約束をしたんです。私はその覚書を調印するのに立ち会っておるわけです。ですから、これは専売公社としてもやはり慎重なる調査をして、今後の社会問題に発展することを未然にそれこそ防止するために、私はしかるべき措置、すなわち第十条の指示を製造業者にもして、それが守られるようにしなきゃならぬ、それが現在公社のとるべき最善の道ではないか。しかる後に、一つその後のことを考えるという態度をとっていただきたい。これを一つ要望しておきます。今後の問題の発展いかんによりまして、再びこれを取り上げることがございますから、どうか一つ責任を持って処理に当っていただくことを要望いたします。
○野溝勝君 議事進行について一言。私、これは御答弁にはならないでよろしいのですが、一言だけ申し上げます。今、平林君から申し上げました通り、われわれは現地の調査に参ったわけです。そこで、当局と塩害被害者との間にある程度話ができたわけですよ。特に塩脳部長初め関係者は、誠意を持ってこの処理に当るということを言われておるわけです。ですから、今のところを聞くと、法理論的な論争らしいのですがね、第十条の点だの、第十六条の点だの。しかし、いずれにしても、こういう印象を与えておるのですよ。今、公社は塩があまり必要ないから、最近非常にそういう方面に対しては冷淡だということさえ言っておるのですね。そういうようなことが現実に、何といいますかな、産業の上にも、こう推察できるようなふうに誤解を受けると、これは大きな問題になると思うのです。そこで、今、総裁並びに監理官もばかに法理論的にこだわっておるようですが、現実にその被害の問題をどうするかと、地方公社の当局はここにぶつかっておるのですから、それでこれを乗り切ろうとしておるわけですから、われわれにもそういうことを誓約されたのですから、ともかくそういう点について地方公社と至急折衝して、この対策を具体化するように努力願いたいと思うのです。その点に対する御意見を拝聴いたします。
○説明員(松隈秀雄君) 御趣旨、よくわかりました。地方局とも話し合ってみたいと思っております。
○委員長(前田久吉君) 本日はこの程度で終り、次回は十一月四日(火曜日)午前十時から委員会を開きます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時十二分散会