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30回国会参議院1958/10/30

商工委員会 第6号

発言数
143
登壇者
10
会派数
3
開催日
1958/10/30

会議録

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) これより商工委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、前田佳都男君が辞任し、その補欠として、古池信三君が、また吉田萬次君が辞任し、その補欠として、西田隆男君が選任されました。   —————————————

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) 次に、連合審査会についてお諮りいたします。  現在、外務委員会では、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、及び原子力の非軍事的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、以上三件の条約を審議中でありますが、原子力に関する事項は本委員会の所管事項であり、また本条約の締結に関しては深い関心を有しますので、本院規則第三十六条に基き、右三条約について外務委員会と連合審査会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  ただいまの決議に基き、委員長は外務委員会に申し入れることにいたします。  なお、連合審査会の開会日時等につきましては、前例により委員長間において協議の上、決定することにいたします。   —————————————

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) 次に、商業調整法案について提出者から提案理由の説明を聴取いたします。

田中武夫日本社会党

○衆議院議員(田中武夫君) 私はただいま議題となりました商業調整法案について提案者を代表して提案の理由を御説明申し上げます。  わが国の中小企業の全産業の中に占むる地位は事業所に於いて九九・九%、従業員数において八三・九%、出貨数において五六%でありましてその重要性は数字の示す通りであります。  今日の中小企業の悩みは過度の競争、金融難、税金高、原料高の製品安、施設の不備、技術の後進性、外貨導入の圧迫、アメリカの輸入制限、中共貿易の中絶など数え切れないほどであります。特に昨年以来の金融引締政策の影響は深刻でありまして、その多くは生存の危機にさらされておる実状であります。しかるに政府の中小企業対策は口先きだけのごまかしで、当面の措置はもちろん、恒久対策のごとき、実効を期待し得るものは何もないといっても過言でありません。たしかに二、三の立法措置は講ぜられましたが、しかし体系だったものではなく、思いつき程度のものに過ぎないのであります。  裏づけとなるべき予算化、あるいは金融措置などに至ってはただただ驚くのほかはないのであります。干天にしめりを渇望しておる気の毒な中小企業者に対して政府の与えようとしているものは何であるか、それは独禁法の緩和、輸出入取引法の改正、産業基盤の確立等の名による大企業への集中化であり、中小企業への犠牲ではありませんか。空腹に喘えぎながらパンを求める中小企業者に対し、石をもってなぐりつけるがごとき政府の冷酷なやり方に対してはいずれの日にか思い知らされることを覚悟して置くべきでありましょう。  わが社会党は今日、中小企業の置かれた窮状をすみやかに打開するため、本国会に独占資本の不当な圧迫排除、産業分野の規制、金融、税制関係及び百貨店法、官公需の確保など中小企業の振興をはかる一連の産業経済関係立法十余件を提案しているのであります。  さらに法律改正十余件、行政措置四十余件等を含め中小企業対策を総合一貫的に推進しようとしている次第であります。要するにわが党の中小企業対策は常に、国の産業経済全体の中で考え、立法措置だけでなく所要の財政経済的裏付けを並行せしめその実効を期待しようとするものであります。  ここに提案しました商業調整法はこれらのものの中の一つであることを御了承いただきたいと存ずる次第であります。以下本法案の概要について御説明申し上げます。  本法案の目的は卸売業、製造業と小売業の間にまたは小売業相互の間に業務分野を調整し、適正な流通秩序を維持することによって一般小売業者を保護しようとするものであります。  今日、小売業者は、百貨店の新増設、あるいは大規模な月賦販売、予約販売等による不当な営業方法、大メーカーによるその製品のいろいろな手段による安売り、また卸売業者による直接販売等により、その利益を著しくそこなわれているのであります。  そこで本法案はまず第一に、調整を要すべき業種と地域を商業調整審議会の意見に基き主務大臣が指定することといたしたのであります。すなわち小売業の分野において、製造業者または卸売業者と一般小売業者間に競合が起り一般小売業者の利益がそこなわれるような場合に、関係の業種、地域を限って一般小売業者の適正な経営を確保しようとするものであります。業種及び地域の指定を行う理由は、不必要に消費者の利益を害することのないように考えてのことであります。此の際小売業者の団体に指定の申請の道を開いているのであります。  第二に、この業種並びに地域指定があった場合、特別の事情がない限り、指定地域において指定業種につき製造業者、卸売業者の小売販売は新規に行うことを禁止したのであります。  第三に、このような禁止は新規開業のものだけでは不十分でありますので、既存の兼業者につき、指定地域内指定業種に属する小売業部門の設備、新増設その他経営規模の拡張をも禁止したのであります。さらに既存兼業者の小売活動が一般小売業者の存立に重大な影響を与える場合、これが圧迫緩和につき適切な措置をとるよう行政命令を出し得ることといたしております。  第四に、以上の規制に対し、大資本による脱法行為が予想されるのでこれが予防の措置を講ずることといたしました。たとえば東横百貨店における東光ストア、高島屋における高島屋ストアなどのごとく、資本的にまたは人的に支配する別会社を組織し、いわゆるスーパー・マーケット方式による事業の拡張が行われている実例もありますから、この種の事例は、脱法行為と見なし行政命令によって排除措置をとり得ることといたしております。なお百貨店関係の分については、わが党はすでに本国会に提出しております百貨店法の一部改正法案の中で百貨店法の脱法行為として規制を加えることといたしております。  第五に、公設または私設小売市場の新設拡張については、これを許可事項とした点であります。小売市場については特に関西地方に見られるように、その乱立が目立ち市場相互間並びに周辺の一般小売業者との関係、調整を要する事態となっております。そこで乱立防止に必要な地域を政令で定め、地域内における小売市場の新増設を許可制としたのであります。この場合五大都市においてはその許可の権限を市長に委ねた次第であります。  第六に、講買会事業の規制を行うことといたしました。いわゆる会社講買会による小売販売事業は年間一千数百億円に上り、その員外者利用は周辺の一般小売業者に重大な影響を与えているのであります。会社購買会は会社経営にとって、その資金運営に寄与するばかりでなく、一方では労務管理にも利用されているのであって、その形態自体にも問題がありますので、わが党は別途、労働者の指導権による消費生協への組織がえを考えておりますが、ここでは当面、員外販売を禁止することといたしております。消費生協は購売会に比し、売上高はその四分の一に過ぎない微少なものであり、その組織は、労働者の正当な生活権に基礎を置くものであり、購売会とは同一に論ずるわけには行きません。わが党は消費生協の存在意義を正当に評価し、わが国における小売事業活動の特殊な諸条件を考慮しつつ消費生協に対し特に員外利用二〇%を認めることといたしました。  最後に、本法案の運用に重要な役割を果すべき商業審議会の構成については、小売業者代表、消費者代表の参加を法文に明記し、公正にして適切な運営を期待した次第であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) 以上で提案理由の御説明を終りましたが、本案の審議は後日に譲りたいと思います。   —————————————

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) それではこれより鉱山保安法の一部を改正する法律案及び鉱業法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。質疑を行います。御質疑のある方は、順次、御発言を願います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 私は迂遠な質問なんでありますが、御承知の通り鉱山保安法、あれは二十四年の五月に施行せられておることは御承知の通りであります。今回の改正案によりますその重要点は、昨日保安局長よりお話があったのでありますが、まず、私がお尋ねをいたしたいのは、旧保安法と照し合せまして、特に第一条でありますか、第一条にいわゆる鉱害防止の明確化と、この要項ではうたわれておるのであります。特に鉱害防止ということを非常に強く出されておるわけですが、これは現行法においてはあえてこのものをうたっていないのであります。この鉱害という問題が、非常に、広くいろいろ問題があると思うのでありますが、まず鉱害の具体例につきまして、それからまた実際に最近に起った事象、そういうものにつきましてお話を願いたいと思うのであります。はなはだ迂遠の質問でありますが。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 鉱害の具体例でありますが、もちろん石炭、金属、石油それぞれ趣きを異にいたしておりますが、石炭関係から申し上げますと、まず石炭で一番大きく鉱害の起りますのは、地下採掘をいたしますと地盤が沈下いたします。従いまして地盤沈下に伴って、井戸水がかれるとか、家が倒れるとか道路がこわされるとか、いろいろございますが、一番大きい鉱害は石炭では地盤沈下、あるいはボ夕山の崩壊、これも最近かなり問題が多くなって参りまして、先般佐世保で大きくこれが崩壊流失いたしまして、七十名あまりの人々をなくした事例もございます。最近まあボタ山の鉱害の問題、かなり大きくいろいろな問題を起しておりますが、地盤沈下、ボタ山の崩壊、こういったものが一番大きい鉱害になっております。金属におきましては、御承知のように坑内水、あるいは選鉱廃水、精練廃水、さらに鉱煙、煙でございますが、こういった害によりまして、いろいろな鉱害を起されております。これらにつきましては、もちろんそれぞれの手は打っておりますが、最近一番大きいたくさん起っております鉱害といたしましては選鉱、精練の廃水がそれぞれ田畑河川に入りまして、それぞれの飲料水であるとかあるいは収穫を減少させるとか、そういった方面の鉱害を広く起しております。石油におきましては、汲み上げました濾水そういったものが、やはりこれは田畑河川に入りまして被害が多いのでありますが、最近は、特に御承知のように石油におきましても地盤沈下といったような問題も関連しておるのではないかという点で問題になっているようなこともございます。大体大ざっぱに申し上げまして、具体例としましては、そういう面に鉱害が起されておる、そういうふうに考えます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 特に大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、本法の改正案を提出せられた理由は、大体今、保安局長が述べられましたような点を考慮に入れて本改正案を出されたのでありますか、その点をお聞きしたい。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(高碕達之助君) ただいま保安局長が御説明いたしました通りでございますが、急速にこういうふうな点を提案をいたしましたことは、最近のいろいろの保安上の問題につきまして、中小炭鉱について起っておる事実がございますから、そういうものにつきましては、一日も等閑に付すことはできないということで、急速に提出さしていただいたような状態でございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 それから鉱害防止の点につきまして、集積場に関する保安義務と、この中で本法にうたっておる。これも相当な重要な点になっておりますが、譲渡または放棄したのち云云というこういう問題があるのであります。これは局長にお尋ねいたします。この譲渡または放棄したのちということがあるのでありますが、大体私どもの常識から考えて、譲渡または放棄したというのは、大体中小企業鉱業者に多いのではないかと思うのであります。そうしたのちにこの保安義務に対する費用の問題、これは本人が負担能力がないという場合には一体どうされるのですか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) ちょっとただいまの質問、鉱害がありまして、その鉱害を直す費用が鉱業権者にない場合どうなるかという御質問のようでありますが、これは一般の鉱業法できめております鉱害と同じように、もう鉱業権者が全責任を負って鉱害の解決に当る。しかしもちろんこれは石炭などは法できめておりまして、鉱害賠償のための金を積み立てておりますので、そういった点につきましては専任の局長から御答弁申し上げます。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) あるいは大竹先生の質問を取り違えておるかもしれませんが、石炭関係のボタ山でございまして、それが臨時石炭鉱害復旧法の対象になっておるといったような場合には、賠償権者が無資力であるというときには、一応国がやるという規定が臨時鉱害復旧法の方にございますので、臨鉱法の適用を受けるといったような場合には、そちらで救われるということになるわけでございます。これはただ石炭のボタ山だけでございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 従前はどうなっておりましたか。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) 二十七年に臨鉱法ができてからは、一応そういう規定が設けられたわけでございます。それまではどこにも、被害者にははなはだお気の毒でございましたが、持っていきようがないという格好でございましたので、二十七年に臨鉱法を作りまして、そして無資力あるいは鉱業権者が行方不明といった場合には、国が賠償するというか、復旧するという規定を設けております。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 その実例のごく最近のはどういうのがありますか。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) ボタ山自体で無資力あるいは行方不明というような例は、今まで一件もございませんが、ボタ山でなしに鉱害を与えた。ところが与えた鉱業権者が行方不明だ、あるいは無資力であるというものを臨鉱法で取り上げて復旧した例は、事業費にして大体五億ばかりあります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 それから保安の問題なんであります。これはよく私は知りませんが、保安委員会というものが構成をせられて、鉱山の保安事務に当られておるというふうにたしか現行法にあると思うのでありますが、この保安委員会というものはどういうものなんですか。中小企業を含めたあらゆる鉱山に保安委員会というものは設定せられておるのかどうか、それを一つお聞きしたいと思います。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 保安委員会は、労働者が五十人以上の山には保安委員会を設置すべしということになっておりまして、大体まあ五十人以上の山には全部保安委員会があるわけであります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 それから、これは改正案を待たなくも当然やらなければならぬことだと思いますが、たとえば新掘によって鉱夫に非常に死傷を来してくるというような場合に、保安命令を出してこれが措置をやる。これは先ほど申し上げた中小企業の譲渡または放棄したあとの善後措置に対する費用の負担力がないことと同じような意味になるのでありますが、今お話の五十人以上からは大体保安委員会というものができていると、こうおっしゃるのだが、実際問題において非常に思わざる災害に当面し、ある大きな事態が起きたというようなことが、中小炭鉱だけでなく、一般鉱山にも相当あるのでありますが、大きい所ならたくさんの保安委員というものがおるし、また保安委員だけでなく、いろいろな措置も取り得ることができると思うのでありますが、小さい所でそういったような災害の起きた場合に、二十人や三十人で防止または善後措置をとることはできないというようなときには、一体どうされるのか、この点を一つ伺いたい。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 特に中小炭鉱で災害が起りまして、まだ生きておるいわゆる罹災者を救出しなければならぬという事態に当りまして、資力、人員、技術、そういった点で満足な救済措置のできないような場合には、今回の保安法の改正によりまして適当な措置の命令をできるようにいたしておるわけであります。そこで鉱業権者がわれわれの命令に対しまして実施する能力のない場合には、国が直接やりますか、あるいは第三者にやらせまして、いわゆる行政の代執行であります、かわりに国がやることにいたします。しかしながら国がやりましたあとの経費につきましては、これはやはり方向といたしましては鉱業権者からいただくという考えをもっておるわけであります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 それからこれも改正の重要点になっておりますが、ある事態が起った場合、従来保安部長の命令でやったものが監督官に権限を移されるという、こういうことが出ておるのでありますが、その保安部長が監督官にその権限を移すという、こういう事態は大体どのような事態を想像したらよろしいのか、これもただ仮定のことでありますが、お聞きしておきたい。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 御存じのように、特に炭鉱の坑内などにおきましては、非常に危険な状態、一刻もゆるがせにできないような状態がございます。こういうような場合に、一々部長に指揮を受けるということでは間に合いませんので、部長命令はほとんど全部場合によりましては、鉱務監督官がなし得るようになっております。この実例はどういう例かと申しますと、たとえば鉱務監督官が現地に参りまして坑内を見て、図面その他でどうも現在堀っている所が旧坑に近いというような場合がはっきりわかりまして、それに貫通いたしますれば出水事故を起して大へんなことになりますので、あぶないというような認定ができれば、鉱務監督官はその場でとめることもできるわけであります。あるいはガスがたくさんだまっておりまして、規定におきましても、そういう中で作業をしてはいかぬというような状態になっておる場合にぶつかりますれば、鉱務監督官はいつでも作業をとめることができる。そういうような実例はたくさんございまして具体例はかなりございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 これは定員でむろんきまっておると思うのでありますが、現在現場の監督官を含めまして通産省のいわゆる保安関係にたずさわっておる人はどのくらいおるのですか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 直接現場を回りましていろいろ指示をいたしますいわゆる鉱務監督官と公称せられます者は全国に二百名ございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 そうすると、二百名ぐらいのわずかな人数では、むろんこれは一鉱地区に一人も置けないようなことになっておりますが、従ってこの保安の重点というものは、労務者によって推選された保安委員、実際問題としてその保安委員に一任をしておる、こう考えてよろしいのですか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 保安委員会は各山に置かれておりますので、その山の保安に関する重要な事項について調査、審議するというのが保安委員の役目になっております。従いましてむろん私どもの監督の足らないところ、あるいはそればかりではむろんございませんが、その山の保安に関するいろいろな問題がありますれば、その保安委員会に諮りまして適当に改善いたしておるわけでありまして、必ずしも私どもの巡回監督の補いだけをやっておるというわけではございません。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 そうすると、今お話の現場の直接監督をしておるわずか二百名というものは、これはむろん地域的な配置になっておると思いますが、これはどういう配置になっておりますか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) わずか二百名でありますから、なかなか十分な配置はできませんけれども、特に九北と申しますか、九州と北海道、これがいろいろ鉱山の関係では、特に石炭の分野が非常に多い関係上、災害も従って多いし、そのほか保安の問題等いろいろたくさんございますので、九州と北海道に最重点をおきまして、九州には約百名、あるいは北海道には七十名、あとはほとんど二十名前後といったような状態でございます。はっきりした数字はのちほどお入用なら差し上げます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 そうしてまず各鉱区で保安委員会というものができて、そうして従業員がそれに推選されてその衝に当る。で、この従業員についてはこれはむろん法律で規定があるのだろうと思いますが、従来としては特別な何か教育をある一定期間受けさせて保安の業務に当らせておるのでありますか、その点一つお伺いしたい。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) もちろん坑内は非常にむずかしい作業でありますので、それぞれ教育をいたしておりますが、特に係員以上におきましては、御承知のように国家試験をいたしておりまして、その国家試験に合格したものを採用するようになっております。一般の鉱山労働者におきましては、特にガスの多い所、あるいは出水の危険のある所は、それぞれ当方におきまして指定をいたしております。その指定のありました山につきましては、それぞれガスならガスに対する特別な教育、出水なら出水に対する特別な教育をいたしております。もちろん全般の労働者の教育につきましては、鉱業権者が責任をもって教育をするということになっておりますが、その他は特別の労働者、技術職員のうちの特別のものにつきましては、それぞれ実地あるいは実地以外の教育、どの程度にやれという基準も私どもの方で作っております。大体三十時間に近い教育を受け、そのほかに実務の教育も受けて実際の仕事につくというようなふうにいたしております。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 それは学校制度か何かでなくて、ただ養成機関か何かでやっておるのですか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 大きい鉱山におきましては、学校に近いような施設を持っておるところがございますが、もちろん中小にはそういった機関がございませんので、鉱業権者の責任におきましてそれぞれいたしております。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 いま一点伺いたいのでありますが、本改正案にボタ山の問題が大きく取り上げられておるのでありますが。これは大体九州あるいは常磐、北海道には非常に多いと思うのですが、大体ボタ山が占めておりまする地域といいますか、面積といいますか、そういうものは大体おわかりですか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) これは全部今詳細な調査をいたしておりまして、半分余りは私の方に来ておりますが、まだ全部は集っておりませんので、トータルが出ておりません。これは御承知のように、面積はなかなかはかれません、ちょっとわからないものですから。それ以外のボタ山の状態につきましては、相当詳細な様式で目下調査中でございます。これはかなり詳細なもので、大がいのボタ山の様子はわかるようになっておりますが、面積につきましてはとってないのでございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 それじゃ、委員長にお願いしますが、ボタ山のそれが詳細にわかったら、資料として提出してもらうようにお願いしたいと思います。

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) ただ今のボタ山の資料ですが、なるべく早い機会に御提出願いたいと思います。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 今のお話で、私も大竹さん以上にあまり山のことを知らぬ立場でお尋ねするのですが、衆議院の付帯決議の中に、「保安監督員制度を実効あらしめるよう措置すること。」というのをつけてこちらに送ってきておりますが、その「保安監督員」というのは、一体これはどこが任命をされることになっておりますか。これは法律を見ればわかるのですけれども、今手元にございませんので……。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 保安監督員と申しますのは、労働者が千人以上の鉱山には保安監督員を選任すべしということになっておるわけであります。従いまして千人以上の鉱山には鉱業権者が保安監督員を選任して私の方に届け出て参ります。これは実際は鉱山保安監督部でございますので、監督部長の方に選任届を出すことになっております。しかしながら千人以下の労務者の山でありましても、当方で保安監督員を置いた方がいいという認定のつきましたものに対しましては、千人以下でありましても、選任してくる場合もありますし、また私の方で選任をさせる場合もございます。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 そうすると、鉱業権者が、その千人以上の従業員のいる事業所において、監督員というものを任命をしてそれを役所へ届けてくると、こういうことですか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) その通りでございます。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 私は金属関係の工場の例を知っておって、山のことはあまり知らぬのですが、金属関係の会社におきましては、大体会社側で指名をする者、それから従業員の側で選任をする者によって安全委員会というふうなものが組織されております。そうしてその安全委員会は、常時従業員の災害の起らないような研究、起りました場合の調査、原因の除去等について、相当実効をあげているのです。それでここに指摘しておりますこの保安監督員を鉱業権者に任命をまかしておいて、従業員関係の方から選任させるというふうな制度については、お考えになっておりませんか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 御承知のように、鉱山保安の確保の責任というものは、現在のところ全部鉱業権者に対して責任を持たしているわけでございます。従って私どもの巡回監督、鉱務監督におきましても、それぞれ問題となりました事項につきましては、鉱業権者宛に通達をいたしているわけであります。しかしながら保安の確保というものは、決して鉱業権者だけではできません。労働者にこの保安の確保に協力をしてもらうということは当然必要でありますので、現在の保安法におきましても、三十八条には労働者の申告制度というのがございまして、鉱業権者が法を守らない、法あるいは規則の違反をやって、危険な状態があれば、いつでも労働者は「鉱山保安監督部長又は鉱務監督官に申告することができる。」というような制度ももちろんございます。それから先ほど御説明いたしました労務者五十人以上の山には、全部保安委員会というものを設置いたしてございます。この保安委員会におきましては、半分の委員は労働者の過半の推選を得たものでなければいかぬということになっておりまして、半分が労働者推選のもの、半分が経営者が推選したもの、こういった構成になっております。そこでそういった構成の保安委員会におきまして、その山の保安の重要な事項を調査、審議するというような形になっておりまして、現在の保安法の機構におきましても、十分に労働者が保安確保に参与できるような形体をとっているわけでございます。しかしながら、この保安委員会あるいは申告制度、こういったものも、完全に十分に発揮しているというふうに私どもは考えておりませんので、今後こういった既往の機構を十分に活用したい、また活用できるような最善の努力を尽して参りたい、かように考えております。  なお、鉱山ばかりではございません。全般を通じましては、中央には中央鉱山保安協議会、地方にはそれぞれの地区に地方鉱山保安協議会というものがございまして、これは三者構成になっておりまして、労働者の代表、学識経験者、経営の側と、こういうような機構になっておりまして、これもそれぞれ重要な事項を審議するということになっているわけでございます。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これは鉱山の監督の場合でも、それから労働基準法の適用の実際を監督する場合におきましても、申告制度というような、今おっしゃるようなものが採用されております。ところがなかなかその申告制度があるからといって、実際に労務者がこの危険を感ずるようなことを、この監督当局に申告するというふうなことは、これは全く例外でありまして、自分の職場の悪い点を外に知らせるというふうなことは、労働者はなかなか謙虚でありますから、よほどのことでないと、これはしないものであります。何か労働争議が起って、労使が非常な対立をしておるというふうな場合には、あるいは例外として申告などが行われるかもしれませんけれども、なかなか出にくいものであります。  そこで私は思うのですが、保安委員会の構成については、大体鉱業権者の任命する者半数、従業員側で選任といいますか、出しました者半数というふうな比率で構成されておる。これをその比率の五十、五十がいいか、六十と四十がいいかは別といたしまして、監督員制度の中にもこういう従業員側の選任する者を入れていく。それで結局弊害が起らなくて、実効が上っておる例を鉱山以外の産業で私よく見ておるものですから、何かそういうことが法改正を待たなくても、行政指導か何かでもできるのではないか、こう思うのですが、いかがなものでしょうか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 保安監督員は、御承知のように千人以上のところで選任するわけでありますが、機構の形といたしましては、責任を持った保安管理者以下の正規の責任のある保安機構があるわけでございます。それの外側にありまして別なところから、立場の違ったところから見て、そして保安管理者以下のやり方について勧告をする、こういうふうな機構になっておりまして、これは端的に表現いたしますと、鉱業権者の自己規律と申しますか、自分でやっておる点を自分で選任した特定の者から別な目で見させて悪い点をチェックする、こういうような機構になっておりまして、もちろん現在の法の範囲内におきましても、別に私どもの方では、たとえ鉱業権者が組合所属の方を選任されましても、資格のある者でありさえすれば、喜んでお受けするというような形になっておりまして、保安監督員につきましては経営者側から選任すべし、あるいは組合側から選任すべしというふうな点については、別段触れておりません。どちらから選任されてもけっこうであり寸す。従いましてそういうような観点からむしろ労使の問題ではないかというふうにも考えられる点もあるわけでございます。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これは、鉱業権者に、監督員制度の全体を一任しているのだからということで逃げておられますけれども、鉱山災害というものが、どこの国に比較しても、日本の鉱山ほど災害の多いところはないのじゃないか。山の近代化ということも、いろいろうたっておられますけれども、災害の多い現状は、これは近代化しているとは言えぬのであります。ことに鉱業権者である経営者は、どうしても保安監督ということよりも、生産が主になるものです。従って保安維持ということは従になりがちのものである。そういうところから、私は避け得べき災害を今日まで繰り返して起しているのじゃないかという気がするのであります。ですから、そういうなにから考えて、出してくれば、それは認めるつもりだ、こういうことではなくて、積極的に役所の方からこういうふうにしたらどうだろう、そうしてなまの声を、なまの現場の対策を災害防止のために鉱業権者に取り上げてやらせるという積極的な役所の指導というものが必要に思われるのです。法文をいじっているだけが能じゃないと思う。衆議院の委員会でも、監督員制度を実効あらしめるように措置することという付帯決議をつけておりますのは、事情は詳しく聞きませんけれども、そういうところにあるのじゃないかと私は思うのです。  これは大臣いかがなものでしょうね。そう法改正とか何とかいうことじゃなくて、従業員の側から、やはり半数くらいは保安委員会と同じように、監督員というものを出して、そうして会社と従業員の団体とが、一致して災害防止のために当らせるという積極的な行政指導を、向うが言うてくればそれを認めるという受動的な消極的態度じゃなくして、積極的な災害防止の行政指導をやってもらいたいと思うのですが、どうでしょうかね。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(高碕達之助君) 現在のところ、千人以上の山について保安監督員というものを置くようになっておりますが、実際の問題といたしまして、今日一番心配している点は、大きな山でなくて、むしろ五十人そこそこ、千人以下の山が非常に多いわけであります。そういう方につきましては、保安委員会というものがあって、これが半数は、従業員の方から出ているというわけであります。何しろ保安の監督が悪かった結果、一番の危害をこうむるのは従業員でありまして、これは命がけの問題でありまして、ほかの人は、金だけの問題ですみましょうけれども。ですから、この方の発言力を相当私は有効に使っていかなければならない、そういうことは、当然考えているわけであります。  そこで現在は、保安委員会というものがあって、これで半数でやっているというところで相当、私はよくはないだろうか、こう思っているわけであります。一方におきましても、保安監督員というものについては強化するということは、衆議院の付帯決議にもあったようでありますが、これはどうしても現状におきましては、千人以上の山については、保安監督管理者、管理部長というものは、鉱業権者が責任を負わなければならんということでありますから、鉱業権者自身がそこまで自覚してくるということになれば、それは私はこれでいいと思っておりますが、もちろんわれわれも、これについては反対はいたしませんです、保安監督員の中に、従業員が入るということは。今積極的に法律をもって組合からこれを入れるということは、保安委員会においては、これは、政府は言っておりますけれども、千人以上の山の保安監督員というふうなものにつきましては、そこまでも積極的に、政府が言うていくただいまのところ考えはいたしておりませんわけであります。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これは、私は保安委員会なるものに、どういうことをやらしておられるのか、よく法文を見ていませんからわかりませんが、何か調査、それから実際、ここをこういうふうにすれば、事故の防止ができる、前回災害があったのは、こういうところに原因があったというようなことをそのつど、一人の従業員がけがをしても、一体どういうところに原因があったのだろうか、午後三時頃であれば、疲れておったとか、前の晩に睡眠がちょっと足りなかったのじゃないだろうかというようなことに至るまで、炭坑以外の事業場における安全委員会などというものは、相当緻密な検討を加えて、そうして保安維持のために、経営者側から、そこそこの経費を出して、そしてその災害防止に努めているのであります。そういう場合の安全委員というものは、労働者側から半数以上も出て、安全委員会というものができておるのであります。それに実際のこの原因を除去する権限を持たんのじゃないかと思われるこの保安委員会というものは、もとより監督員制度の方が、多少権限がこれは違いますから、直ちに実効を上げるようなことのできるような対策を指示したり、あるいはこれを実施したりすることができるようになっておる制度と私は思うのです。そういう機構の中に、これは法律改正要りませんよ、大臣。行政指導を強力にやる。それは実際に、経営者の方は金だけで済むけれども、災害の犠牲になるものは労働者だからという理解があれば、この保安監督員制度についても、私は法改正を待たず、行政指導で十分いけるのじゃないかと、こう思うのですがね。そうでなしに、衆議院の付帯決議を尊重するの何のと言ったって、どういうことで尊重されるんですか、その程度のことができなくて……。これはどうですか、小岩井さん。

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) ちょっと答弁の前に申しげ上ますが、通産大臣は、予算委員会で先ほどから出席を求められておりますので、大臣に対する質疑を先に一つやって、いただきたいと思います。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 今の点は、小岩井局長。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) ただいまの点でございますが、保安監督員をどういうふうに効果あらしめるようにするか、こういう御質問でありますが、この保安監督員は、先ほど来御説明いたしておりますように、鉱業権者の自律制度、自分で自分の悪いところを直すという形になっておりますので、従来当方といたしましては、どういう勧告を監督員がやっておるかという点につきましては、あまり詳細に、むしろタッチしなかったのでございます。もちろん監督官は、この勧告をしました内容につきましては、勧告文を記載するようになっておりますから、これは巡回いたしましたときに監督官は見ますけれども、そういった勧告の内容を書類でとるというようなことはあえていたしませんでした。しかし最近保安監督員の問題もかなりいろいろ話題に出ます関係で、最近保安監督員がどういう勧告をいたしておるかという点につきましても、かなり詳細にとりまして、様子を見ますと、私どもが想像いたしておりましたよりも、非常によく勧告しておる山もございます。しかしもちろんあまり十分にやっていないようなのもございますけれども、大体において、かなり大きい面にまでタッチしまして勧告をいたしております。  それが一つと、それから特に千人以上の山には、選任すべしということにはなっておりますが、私どもも、最近の災害の情勢から考えまして千人以下の山でも、私どもの方で必要と認めた場合には、選任を命ずることができるというふうになっております。従いまして各保安監督部長に命じまして、千人以下の山でございましても、必要と思われる山には、選任させるようにということを申しまして、実は、昨日要求されました表の中にもございますが、かなり選任しなくてもいい山で、要するに千人以下の山でも、保安監督員を置かしておるようなわけであります。  それから、さらに千人以上の山と千人以下の山の災害の比較をいたしてみますと、千人以上の山ですと、非常に整備がよろしい。先ほど大臣のお話もございましたが、最近の災害のほとんどの大半は、いわゆる中小の小というようなところで起されておりまして、特に重大災害で見ますと、八〇%はもう中小の災害になっております。もちろん大手がないというわけではございませんけれども、現在起されております災害の大半が中小であるという関係で、むしろ現在の保安監督員の制度というものも、とかく云々はされておりましたけれども、割合によくやっているというような点も判明いたしましたし、今後さらに、こういった勧告の内容をつぶさに当りまして、それぞれ勧告の状態の悪いような監督員につきましては、もちろん選任を取り消すこともできるようになっておりますので、あまり十分に活躍していないような監督員がありますれば、当方で、十分な処置をとりたい、かように考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これは、何回も言うようですが、災害防止のための申告制度が設けられておるから、これによって、幾分かでも災害の防止ができるのだというふうな監督じゃ困りますよ。申告制度なんというものは、そういう制度としてございますということは言えますけれども、実際に申告なんというものは、あるべきものじゃないのです。私は、労働基準法の場合のことを申し上げている。違反の摘発なんというものは、出張監督でなければ絶対にできないのです。ですから監督員制度のごときも、従業員の信頼のある人を半数でも入れて、そうして会社側で任命するものと相談をさせながら、この制度を活用していかれることを強く要望しておきます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 大臣がおせわしいようですから、二、三点だけ簡単にお尋ねいたします。  お尋ねする前に、大臣と小岩井局長さんから、御答弁が——大竹さんと椿さんの御質問のうちにお答えがあったわけですが、その中で、保安の問題に関して、保安委員が労使双方から半々ずつ出ておるからいいじゃないかというお話がございましたが、これは大臣はおせわしいから、私は全部法文を読んでいるとは思いませんし、それからまた連絡も、全部局長からお伺いしているとは思いませんから、大臣は、それでけっこうだとして、それは局長は、少くとも枝葉末端まで知っておると思うのです。確かに委員というものは、労使双方から半々に出るけれども、その上の議長は、どういう人物が出るかあるいは法的に、委員会で決定したことが、どれほど法的に効力あるものかという問題になってくると、この保安委員会の有名無実のところが、全国で九〇%を占めておるということを僕は断言してもいいと思う。ですから、保安委員会がございますからということで、ぬけぬけと答弁するということは、ほんとうに知らなくて答弁したのだということなら、ロボットだし、知っておって言ったのだとしたら、あまりにも私どもを侮辱しておると私はこう思うのです。  従って、もう少し正直に、いいものはいい、役立つものは役立つ、役立た、ないものは役立ちませんという御答弁を願いたいのですが、第一番にそういうことで、御質問に入るわけですが、鉱業法、これは明治三十八年にできたのです。私のまだ生まれぬうちにできた法律ですが、昭和二十五年に改正になったのですが、改正になったのは、ほんとうに枝葉末節で、明治三十八年の鉱業法は、まだ生きておるわけです。衆議院の方でも、表現は違いますけれども、徹底的にメスを入れて検討しなさいという付帯決議がついております。が、この鉱業法をどうするかということですね、その点について、一例をあげますと、これは山口県ですが、これは日本全国にたくさんあるのですが、たとえば山口に宇部鉱山というものが、大臣御承知のようにあります。これは、山口の大財閥で、山陽無煙灰鉱いうものは、一つの鉱区に二億トンも石炭を持っている。片一方には、中小炭鉱があって、一億五千万ほどで選炭設備をつけたけれども、その鉱区がなくなったために、どうにもならぬ。隣に頼尊という鉱区がある。その頼尊という鉱区は、手をつけておらぬわけですし拡区は頼尊という人が持っておるわけです。片一方は、坑外設備だけ何億円という金を出した設備を持っておる。何とか話し合いがつかぬものかどうかという折衝を、前の石炭局長村田さんの時代にもお願いしたのですが、現在の法律では、どうもなりません。こういうことなんで、当然これは石炭局長が悪いのではなくて、法律がそうなっているんだから、やむを得ないけれども、とにかく今申しげましたように鉱区二億万トンの鉱区でも、とにかく昔はわしの鉱区じゃということで、登録すれば安くぽんぽんと、明治時代の鉱区なんてできているように思うわけです。石炭産業の労働者がストライキをやったら、石炭が出なかったりして、汽車もとまるから、これは社会秩序の破壊であり、公共福祉のとにかく妨害だということで、石炭労働者にげんこつを食わすのですよ。そのくらい石炭産業が大切なものだったら……。たくさん鉱区を持っておる人から、取ってしまえということは言いません、私は共産主義者じゃないから。しかしそちらの方へ融通するような方法を徹底的に鉱業法の改正によって、できぬものかどうか。  衆議院の付帯決議とあわせて、鉱業法の改正、これはきのうも、ちょっと局長のお話では、来年も一つやるというようなお話にも、ちょっと聞いたような気がしますが、通産大臣としては、大体日本の鉱区というものは、まことに安価に手に入れた。しかし今度高くなったから、なくなったから取れというのではございません。それを何とか通産大臣の権限で、二億トンもあったら、片方では膨大な設備があって、会社がつぶれ、労働者が路頭に迷うから、そのうちの一割をそちらへやったらどうか、あるいは今言った通り、こちらの鉱区をこういうふうにやったらどうだというような方法が、徹底的に論ずることができるようになるものかどうか、石炭合理化法改正によって、若干道を開いたけれどもこれは完全なものではございません。従って大臣のお考えを承わりたいと思います。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(高碕達之助君) 鉱業法というのは、明治三十八年にできたようでございます。当時の考え方は、一日も早く日本の地下資源を開発しなければならぬというようなことから、その資格審査も何もせずに、重点を早くやるというふうな考え方で、これはやったと思うわけでございますが、ここに私は、少し無理があると思うのです。それでどうしても鉱業権というものは国の所有なんだから、それを開発する人に渡すんだから、相当の有資格者でなければこれはだめだ。こういうことを、考え方の根本の観念をここにおいて、国のものを自分がつばをつけておいたから、自分のものとして黙っておいておくというような考え方は間違いが起るというようなことから考えますと、今の阿部委員のお話のような場合に、一方には遊んでおる、一方では鉱区を持っておる者が、あぐらをかいておるというようなことはよろしくないと思う。そういうようなことも大いに今度の鉱業法の改正には取り入れたいと思っております。  と同時に、実際今日持っておる鉱区においても、果してそれをほんとうに開発するところの資格があるかどうかというふうな、資格審査というものを、相当強くやる必要があるんじゃないか。これは根本的に私は考えたいと思っておりますが、いずれにしましても、この問題は、非常に関係するところが大きいわけでございますから、各方面の知識を集めて、それで一日も早く審議会を開いて、どういうふうに鉱業法を改正するかということを検討いたしたいと、こういうふうに思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その審議会ですがね、鉱区の問題まで論議する審議会はないんですか。最前、これも保安局長の答弁の中で、協議会もありますというような一項目がありましたが、中央における協議会を何回開いたかということを私は聞きたい。今度の法改正でも、これは小部分の改正でございますから、問題はないと御答弁あるかもしれませんが、こういう問題を改正するときには、協議会にかけなさいという法文はなくても、当然協議会に僕は諮るべきだと思うのですよ。何のために協議会を作ったのか。学校の先生もいるだろうし、組合の代表も入っているのかもしれません。局長の思う通りいかないかもしれませんけれども、協議会というものを作った精神というものは、賛成意見、反対意見、修正意見等を合せるために協議会があると思うんで、その審議会を作るといったって、全然信用ならぬのですね。  しかも、そういう点について、僕は非常に今の大臣のお話はけっこうですが、しかしながら、さて実行というということになれば、結局その不安を感ずるわけです。従って、まあ審議会を作ってやられるということはいいと思うんですが、それと同時に、この鉱業法によって、まあ保安法もあれですが、石炭山と金属鉱山、たとえば金、銀、銅を掘る山も、同じ一本のルートでいっているのです。同じ法律でもってあれしている。これもどうも、私矛盾があるような気がする。たとえば保安法、これで千名ということを規定している。監督員は千名以上、千名以下は、それぞれ担当局から、あなたのところは危険だ、監督員を置きなさいといって指示を与えた場合には、これは持つことになっている。ところが、ただいま申し上げました通り、この金属も石炭も、同じなんですね。これはどうも、私は災害率等から見て、納得いかない、こういう点はいかがです。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(高碕達之助君) もちろん、この目的によって、同じ山でも、石炭山と銅山とは違うのでありますから、そういうようなことにつきましては、それぞれ異なった見地から考えていかなければならぬと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 大臣、まことにけっこうな答弁ですが、それもよろしい、これもよろしいと思いますというようなことになると、大臣も何もないのですが、今度はそうなると、あなたは一体いつやってくれるのか、こういうことになるのですよ。ですから、来年も高碕さんに大臣をやってもらわなければならぬ。そうするとわれわれは、来年も自民党さんの政府を認めなければならぬ。(笑声)こういうことに、三段論法でないけれどもなるわけなんですがね。  しかし、そういうことは別として、明確に、とにかく来年保安法、これも、相対的に鉱業法が変ってくると、保安法にまで影響してくると思いますが、明確に来年はやられる、こういうことですね。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(高碕達之助君) 今のお話のごとく、あしたやめるかもわかりませんけれども、こういう人たちは、やはりずっと引き続いてやるわけですから、この政府委員がいる間は、必ず今日申し上げたことは、実行に移せるということにいたしたいと思っておりますが、ただここで、来年から必ずこれを実行できるかということになりますと、少くとも今年内に、この鉱業法改正の委員会を開きまして、十分検討を加えてから、いつごろ実行できるかということはお答えしなければならぬかと思っております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そのだめ押しをするわけでございませんけれども、私はやめるかもしれないけれども、ここにいる人は、やるといっても、その人たちは、依然として一局長にすぎないわけですよ大へん失礼な話ですが。ですから、わが国の政府として、どう考えますかというようなことです。

高碕達之助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(高碕達之助君) 私は、今ここで申し上げることは、私は少くとも、もっとずっとやるという考えで申し上げているわけであります。従いまして、政府といたしましては、今日申し上げたことは、必ず実行に移すように努力をいたす考えであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私の大臣に対する質問は、これでよろしゅうございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 この盗掘防止のために罰則の強化ということが、ここにありますが、盗んだのではなくて、つまりこうなんですね。地上では、こちらの方が未定だ。それからこちらの方が違うというときに、一方ではまだ掘らないんです。こちらの方では掘っているが、こちらの方には、非常にたくさんの石炭があるということがわかった。その際に、どんどんこちらの方を侵して取っている。そういう場合に、ここに争いが起きるわけです。そういう場合に、どういうふうになさるお考えですか。盗掘ではないのだけれども、あれですよ。つまりね。こう名前が別になっているんです。それを一方じゃ採掘をやらない。一方ではやっている。ところがそれが向うにたくさんあるんですよ、石炭が。そういうところは、ぐんぐんこちらを侵して掘っている。そういう際に、この罰則というか、そういう面は、どういうふうにお考えになっておりますか。それをお伺いしたい。それは現に有明海の方面においてあるのです。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) ただいま海野先生のおっしゃいました事例の場合は、いわゆる侵掘の場合に該当すると思います。ここで申しておりますやはり盗掘という概念に当るわけでございまして、鉱業権によらないで掘った、そういう場合に該当するわけでございます。

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) ちょっとお諮りしますが、大臣は、先ほど来衆議院の予算委員会の方からよばれておりますが、行ってもらってよろしゅうございますか。——それじゃ一つ御了承願いたいと思います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 どういうふうに、そういう場合には処理をされますか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 保安上の見地から、今回お願いいたしております保安法の改正の中で、その場合の処置をお願いいたしておりますが、同時に、鉱業法で罰則を適用できる、こういう形になるわけであります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 その罰則が、簡単に五十万円とか何とか、五年以下の刑とか、そんなことじゃ済まないのです。取った石炭は、その分はよけいなのですから。その際にはどうしますか。取れ高に応じて、つまり弁償するとか何とかいうことで規定されていなければ、この法案というものは生きないのじゃないですか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 鉱業法上の問題といたしましては、ここに書いておるような、つまり鉱業権によらないで採掘をいたしました場合の罰則は、五十万円以下の罰金なり、あるいは五年以下の懲役ということになるわけでありますが、もちろん当事者の間では、おれのものをお前だまって掘ったんだから、それだけ返せとか、あるいは普通の損害賠償の関係が、そこに起きることになると思います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 その際に、法の規定上は、きめがないのですが、取られただけお前の方で返せ、いや返さないというようなことになる。それを、一方には、向うの方の石炭を百万トンなら百万トン、つまりこちらに取ったということがわかってきた場合に、こういうふうにするのですか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) これは、民法の一般原則でいく以外にないと思います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 民法の一般原則というと……。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 損害賠償の請求になると思います。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そういう際に、政府が干渉しないで、ただ損害賠償の訴えによって、このあれを片付けようとしておるのですか。そういう際に法案の上では、何かきめてないのですか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 現行の鉱業法におきましても、その点につきましては、第八条に規定がございまして、鉱業権または租鉱権によらないで掘りました鉱物は、鉱業権者なり租鉱権者の所有物になるという規定が第八条にございます。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 そういう際に、つまり一方では百万トン、たとえば石炭を掘り出した、掘り出したのが、ほかの人の鉱区に属する地面から掘り出したという際に、百万トンなら百万トン、それだけ取ったのであるから、その際に適当な処置は、この法文の上ではないのですね。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) まあ現実問題としまして、先生のおっしゃるような百万トンも取るような場合はないと思いますが、普通の場合ですと、数量はおのずから限度があるわけでございますから、今回改正をお願いいたしておりますのは、今の罰則の強化を若干するという点と、それから保安法によりまして、その行為を見つけました場合に、保安上の見地から差しとめができると、こういう改正点になっているわけであります。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 それでは、この法案というものは、あんまりしっかりした法案じゃないのだね。やってもやらなくてもいいじゃないの、しっかりしていないじゃないか、やってもやらなくてもいいじゃないか。(笑声)どうなんです。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) はなはだ恐縮に存じますが、実は私ども、こういう規定がなくても、つまりこういう規定を発動しなくてもいいような関係を望んでいるわけですけれども、やむを得ず、これだけの強化をするわけでございまして、これで、もちろん私ども、実態を全部律し得るというふうには考えておりません。この点につきましては、全体の国民の知識が向上するとか、諸般の関係に待たなければもちろんならないわけでありまして、これはどの法律につきましても、罰則規定の関係は同じようなことが言えるのじゃないかと存じております。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 どうも、法案を出すときには、もう少ししっかりした法案を出さなければなりませんよ。これを読んで見るというと、はなはだ不完全なもののように思う。  そういうことに対しては、どういうふうに考えておられますか、これを完全なものと考えておられるかどうか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) もちろん、ただいまの仰せにつきましては、提案理由でも御説明申し上げましたように、今回の改正は、ごく保安に関係いたしました部分だけを取り上げて改正法案を提出いたして御審議をお願いしておるようなわけでありまして、ただいま先生のおっしゃっておられるような点からいきますと、非常に問題にならない、ごく一部分の法案の改正、こういうことになると思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 最前、大竹委員の質問に対して、樋詰さんのお答えの中に、鉱害問題の件ですが、鉱害が起きた場合は、臨時石炭鉱害復旧法という二十七年にできまして、昨年も一度延長したでしょう、あれは期間と金額に限定がございますね、そうすると大竹さんの質問は、大臣のおっしゃる通り、来年変ってしまえば別問題ですが、もし万一変らぬ場合は、これは永久に、またとにかく十年でも、二十年でも、続いていくわけですよ、そうした場合に、あなたが臨時石炭鉱害復旧法でやるとおっしゃったが、それは不可能です、あれはもう限度がございますから。  そうするとあなたの答弁は、ちょっと僕はふに落ちないのですが、その点はいかがでしょうか。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) 御承知のように、一応臨鉱法は三十七年の夏までということで時限法でございます。しかしわれわれは、三十七年の夏までは一応この法律は、活用いたしまして、そうして復旧に適するものは復旧させるということを考えておりますが、これは衆議院で申し上げたのでございますか、むしろわれわれといたしましては、それが満期になる前に、国会の方に恒久化するといったようなことをお願いしたい、そういうふうに考えておりますが、差しあたりまだ四年ばかりございますので、その間はこの法律でいきたい。それがいよいよ期限が切れるというころには、これは鉱害の最近のいろいろな社会問題というようなものとからみまして、われわれ通産省といたしましては、これはぜひ恒久制度を一つ確立していただきたいというふうに考えておりますので、これはこれから四年の間財政当局あたりとも相談いたしまして、こういう制度がとにかく永続できるように最大の努力をしたい、かように考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうなると、局長、最初から明確にするのが本質じゃないですか。私、別にあなたのあげ足を取るわけじゃないけれども、今回のやつはとにかく改正といっても永久立法になるかもわからぬ法律ですね、改正されれば、改正されたものが。永久立法が時限立法に頼らなければならぬというようなことになると、立法上の措置は僕はしろうとですからわからぬけれども、そういう点から明確にならなければ……、大竹委員はたまたま昨年の臨鉱法というものが内容がわからぬから、はあ、そうですかと、あなたの答弁に了承したようですが、それじゃちょっと筋が違うと僕は思うのですがね。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) 御承知のように、日本の鉱害問題がいろいろと法制化されましてから日にちがそうだっていないわけでございます。いろいろ鉱業権、地下を掘る場合の鉱業権の施行と、それから地上にあるいろいろな権益との調整をどうはかるかといったような問題は、これは社会生活が複雑になればなるほど、非常にむずかしい問題として非常にクローズアップされてきたのでございますが、われわれといたしましては二十九年から鉱害測量というものを始めております。特に一番鉱害の激しい北九州の筑豊地区におきましては、昨年度から三カ年計画で鉱害の測量、今までにすでに四千五百点ばかりの測量点を設けて、どこをどう掘れば地上にどういうふうな影響が起るといったようなことを今詳細に検討いたしまして大体来年度中にこれを上げたいというふうに思っておりますが、これは結局いわゆる鉱害理論というものを確立する裏付けのデータを得たいと思いまして、現在そういう測量をやっておるわけでございます。それでこの測量が終りましてからあと、地上の権益とそれから地下を掘るということの産業上のプラスというものを、大きな見地からいろいろ比較考慮をいたしまして、そして地下の採掘を許すという場合には地上の権利をこういうふうに制限しなきゃならぬといったような、因果関係あたりもあるいは逐次はっきりし得るのじゃないか。そういうような場合には、これは非常に大きな、いわゆる一般公けの害あたりとも同じようなことになると思いますが、地上の権益と地下の権益との調整をはかるための特別立法というようなこともあるいは必要になるのじゃないか。しかしいずれにいたしましても、今の段階におきましては、まだその因果関係をはっきりさせるだけのデータが日本にはないのでございますが、残念でございますが、それでとりあえず現行の鉱業法におきましては、賠償は金銭賠償という原則になっておりますが、その例外といたしまして、ある程度の費用をかけるということによって効用が回復できる、また効用を回復させることが国民経済的見地から見て必要であると思われる場合には、国あるいは地方団体というものも補助を出すということによりまして、現状に復旧させるということをしようじゃないかというのが、先生も御承知の三十七年までの臨鉱法であるわけでございますが、大体先ほど申し上げましたように、まだ四年間という期間がございますので、これから四年の間に起るものは、これは国民経済的見地から見て、復旧させるのが妥当であると考えられるものは逐次臨鉱法で指定いたしまして、そして国が関与することによって復旧するということでやっていきたいと思っておりますが、それが満期になるまでにはある程度鉱害理論というようなものもはっきりされると思いますし、また今までのいろいろな法律を見ましても、四年、五年という期間がある間、必ずしもすぐ恒久法に切りかえるという例も少いようでございますし、特に先ほど大臣あるいは鉱山局長が申し上げておりますように、鉱業法の根本的改正というようなことについて来年度は審議会を設ける、設置法を改正して審議会を設けて本格的に乗り出そうということをいたしておりますので、その研究成果を合せて、必要があれば、あるいはこの鉱業法自体の中に取り入れるということになるかもわかりません。あるいは別途の鉱害復旧法といったような格好になるか、それは今後の検討に待ちたいと考えております。差しあたりは臨鉱法で十分じゃないかと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それは十分だといっても、それは臨鉱法をはき違えていますよ。臨鉱法というものは一定の限度があるのですね、こういう仕事をやりますという。そういうあなたの膨大な構想を披瀝されたのをお聞きしたのですが、臨鉱法にこの種のあれがおおいかぶさるなどということは、昨年国会で論議されたときには、全然触れておらぬ。臨鉱法はこれこれのことをやりますということなんで、この種のものまで責任を負ってやりますということは、臨鉱法のどこを見てもございません。そうでしょう。特にあなたの、測量の方も来ているようですから読んでみなさい。臨鉱法の提案されたとき僕は聞いておったが、この種のことまで包含してやりますということは毛頭聞いておりません。臨鉱法ではこれこれで終るつもりだったけれども、まだ残りました、残ったから最後の戦時中、戦後の荒廃した炭田地帯の鉱害を復旧したい、こういうことで出発しているのですから、この上で永久無限にあれしましょうということになっておらぬし、せめて時限法でなく、ああいう法律が永久立法であればやはり文句はいわぬ。しかしこれはやはりその仕事の目的と内容が一切きまっているから、あなたの言うことがほんとうであれば、本年の春か昨年の暮か新聞で見たのですが、こちらから金を持っていって、二瀬にある日鉄鉱業が二千数百万円水増ししておった。それが見つかって、とにかく持たせなければならぬ。こういう記事を見たが、こういうものもおおいかぶさっていって、三十七年までできるということになったらもう重大なことで、臨鉱法をもう一度再検討しなければならぬということになりますよ。そういうことまでできるということになれば。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) 私先生の御質問の趣旨をあるいは取り違えているかもしれませんが、この種のものと臨鉱法というような意味の、御質問の意味わからないのでございますが、臨鉱法では一応採掘あるいはぼたの集積、いろいろございますが、それから被害を及ぼしたという場合の復旧についての定めでございます。ですから復旧のことでありまして、あるいは管理をするということとは無関係で、鉱害が起った場合に復旧するのに適する事業であるかどうかということを、国家的見地から判断いたしまして、そして復旧するということを規定しただけの問題で、私はそれを恒久化すべきであるというふうに考えていると申しまたのは、それは石炭を掘れば、あるいは地下を掘れば必ず地上へ何らかの影響がくる。その場合にただ鉱業法の金銭賠償だけということでなしに、復旧する方が社会的に適当だと思われる場合には、これを復旧させるべきじゃないか。そういうふうに考えておりますがゆえに、現在の制度は昭和三十七年だけで打ち切りでなしに、長く続いた方が社会秩序の上からも望ましいのではないかということを申し上げただけでありまして、この種のものを臨鉱法の上にかぶせるという、この種とおっしゃるのは、あるいは臨鉱法自体が鉱山の管理責任なり何なりというようなことがいっておられるかと思いますが、どうもそのあたりがはっきりしません。で私の方のあれだけ申しますと、鉱山の管理責任ということじゃなしに、一応鉱害が起った場合には、現在は臨鉱法で措置するということになっております、ということを申し上げたわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 さいぜんの大竹委員の質問の、この鉱害が起きた場合の処理については、賠償できない人があったらどうするかという質問に対しまして、あなたは臨鉱法でやるのだという御答弁だったでしょう。しかしその臨鉱法というものを国会で論議したその法の精神は、二十七年から今日までもうすでに今まで鉱害が起きた所をやってしまうつもりで出発したが、残念ながら今日までできませんでした、従ってこれだけ延長すれば今までの分は上りますからといって、今までの分をやってしまおうということなんです、あの臨鉱法の精神は。あなたは石炭局長になって間もないから当時のことをよくお知りにならぬかわからぬけれども、そういうことで出発しているのです。そうして今度大竹さんの質問に対しては、臨鉱法が三十七年まであるから、これはもしそういう問題が起きたら臨鉱法でやりますということになったら、法は矛盾しておりませんか。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) それじゃまだ私先生の御質問を取り違えておるかと存じますが、御承知のように鉱害復旧には二つの法律がございまして、戦争中の特別鉱害復旧法というのがございます。これは戦争中のすでに安定してしまった鉱害というものを復旧するということのために、御承知のように昭和二十五年に制定されました。これはその後三年延ばされて、そして戦争中の鉱害ですから、すでにこれ以上は新しく起らないということで、大体ことしの三月で一応失効いたしまして、ただ現在残務整理と申しますか、特別会計の整理を現在やっておるわけでございます。それからこれで戦争中の鉱害は、おっしゃる通り、すでにきまったものをやるつもりでおった。ところが予定期間内にそれが済まなかったので三年延長して合計百億あまりの復旧をやったわけでございます。このほかに臨時鉱害復旧法は、戦後毎日々々稼行しております、その石炭の採掘によりまして、毎年々々八億ぐらいづつ今、推定ですが、鉱害が起っておりますが、それを処理しようということで、とりあえずそれができたのでございます。まだ四年ばかりあると申し上げたのはそういう意味でありまして、これはもしそれが満期になれば、そのときにもう二度それを延ばすか、ほんとうの恒久法に切りかえるかということは、鉱業法全体の審議状況とにらみ合せてやりたいと考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 であるから劈頭、大臣とは、来年改正するとか全部根底からメスを入れる、という話もやりましたが、しかしそれはやはり仮定の事実だ、仮定のことであると考えなければならぬ。そうすると、これは当然永久立法とも考えられるから、あなたのおっしゃった臨鉱法にたよるということになれば、臨鉱法は途中でなくなる法律であるから、あるいはまた国会が延ばせば別問題ですよ、そうするとおかしいではないか。永久立法が臨時立法にたよって生きていくことはおかしい。臨時立法が永久立法を柱としてやっていくのであればそれは筋は通るけれども、僕は法律学者じゃないからわからぬけれども、どうも筋が通らぬような気がする。こういうことなんですがね。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) 先ほど来の私の御説明を繰り返すことになるかと思いますが、地上の権益と地下の権益というものの調整をどうするかということについての鉱害理論が、先ほど申し上げたように、はなはだ残念ながら立っておらないわけです。そこでどの程度だれがやるか、場合によっては国がどの程度関与するかといういろんな問題があるかと存じますが、しかしそれがしつかり確立されるまでわからぬからというので、全然措置しないわけにもいかないので、そういたしまして、とりあえず時限法をもって、そういう被害者救済法的な立法をしていただいたわけです。そしてその一つが鉱業法の本格的な改正という際に、やはりはっきりいたしました因果関係から、そのときの責任はだれにあるか、国がどの程度関与すべきかということがきまりましたときには、当然鉱業法の中に繰り入れられるのじゃないかと思いますが、今のところまだ確定するまでに至っておりません。筑豊だけを来年度一ぱいかけて測定を完了する、それから宇部あたり、ついでは常磐というところを逐次来年あたりからやりたい、こう思っておりますが、できるだけ早く、鉱害理論を確立するまでは、鉱業法の中に入れて、こうやれとというようなことをいうだけの論理的根拠を残念ながら持ち得ないために、臨時立法に今のところたよらざるを得ない、こういうことであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうするとこういうことになりますね、樋詰さんなら樋詰さんが、明治三十年なら明治三十年に、北九州なら北九州で鉱区を一つ設定した。そのあとで私たちがそこへ行って土地を買った。そのときには広漠たる畑、あるいはたんぼであったからいいけれども、そこへ家が建つようになった。そうして今度下を掘ってもらっては困るじゃないか、損害賠償をよこせということになると、こっちは鉱区を先に設定したのだから掘るのは当然だ、こういう一つ一つの、これは極端な例かも知らないが、こういう問題が出てくる。そうするとそこら辺の判定がきわめてむずかしい。従ってことしから来年にかけて、そういうやつを緻密に何といいますか算定するというか研究するというか、あるいは検討するといいましょうか、そういうことをやってそうして明確な一つの法律を出される、こういうことですね。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) 現在でも、鉱業権を設定されましたその地区の上に地上の工作を作る、というものの前後関係は、全然立っておらないわけであります。とにかく鉱業権は五十年前にできた、家はことし建ったという場合でも、現在は一応鉱業法に基きまして鉱業権者に賠償責任を課するという格好になっております。私が先ほどから申し上げておりますのは、鉱業権者に課することになっておりますが、これはあくまでも金銭賠償でやるというのが一応鉱業法の建前になっておる。金銭賠償じゃとても済まぬという場合に、特に農地の場合に多いわけでございますが、そういう場合のために現在ある程度国費を補助して復旧する、鉱業権者に金銭賠償を出させ、それでも足らぬ分は国が出す、こういうことになっておるわけであります。ところが国が出すということの法的根拠ということになりますと、先ほど申し上げましたように、国民の税金でございますので、ただでたらめに支出するわけにはいかぬ。そうするとやはり採掘をすればこの程度起るのだということをはっきりさして、そうして地下の採掘による国家的経済利益、そのための地上の権益というものを制限せざるを得ない不利益というようなものとも総合調整した場合に、どこまでを一体鉱業権者が負い、どこまでを地上の権利者が容認し、そうしてその補償をどうするかというようなことについて、少し法律的に考える必要があるのじゃないか。これはわれわれ財政当局でございませんが、財政当局といろいろ話をするという際に、この間に法文化ないしこれだけ国家が出すということがはっきり言えないということで、せっかく勉強してデータをそろえたいと、こういう努力をしておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そこで樋詰さんの言わんとするところはよくわかりました。ただこれは私より樋詰さんの方が詳しいから、私一例だけ申し上げれば、北九州の日炭高松、今度あの八幡市の下に鉱区を持っておって掘る。そこで八幡市では困るではないか……ところが三菱化成とか三菱セメント、あの辺の鉱業地帯から住宅地帯が、これは迷惑だ、埋没するとか埋没しないとか大問題があるから、当然それは一刻も早く、いずれが是か非か別として、やはり公正な判断をするような資料を作ってもらわなければならぬということになるわけですが、そこでさいぜんの大臣の御答弁の中に審議会を設けるというお話がございましたが、三局長さんのどなたでもけっこうです、政務次官もおいでになるでのすから次官の御答弁でもけっこうですが、保安法の改正ということになると、本家本元の鉱山法の改正、今のような問題を来年やるといっても、来年審議会を設けたのではどうもならぬということになりますと、来年やるという熱意があるかないか。理屈は別問題として、少くともそういうことをやるためにことしから審議会を設けなければならぬということになると、鉱山保安法のあれは今回の改正はしかじかかくかくであるから、審議会を設けるなどということは、法文に書けるかどうかわかりませんが、そういうお気持はどうなんですか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 鉱業法の改正の点について御説明申し上げますが、先ほど大臣も御説明申し上げましたように、鉱業法を全面的ににらみ合せて検討したいということで、私ども事務的に準備を進めております。ただ御承知のように鉱業法は鉱業権の設定を予定いたしておりまして、まあ鉱業法を合理的に改正する、こういう法律でございますが、一つの基本法になっておりまして、この法律の関係いたします範囲は非常に広い範囲に関係いたしておりまして、関係の法律は非常に数多くに上ります。従いましてまた内容につきましても、これは従来鉱業法につきましては、従来から改正なりこれを作ります場合には、いろいろ各方面の権威の方々に御審議をわずらわしてきた法律でございまして、私どもこれを事務的に現在検討いたしておりますが、本格的には鉱業法改正の審議会を設置いたしまして、この審議会で御検討願いたい、かように考えておりますが、ただ審議会の設置に伴いましては予算を伴いますし、また、御承知のように現在設置法を改正しなければ審議会が置けない建前になっております。通常国会にはぜひ設置法改正をお願いいたしまして、審議会を設置していただきたい、かように考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 通常国会に何を改正して審議会を設けるとおっしゃるのですか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 通産省設置法の改正をお願いしまして、そうして鉱業法改正の審議会を設置するようにしていただきたい、かように考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その次に、第二点目にお尋ねいたしますが、今回の鉱山保安法の改正によって、昨年、福井さんに二、三点お尋ねいたしましたのは、長野県の浜横川鉱山は、鉱業権者でない者が坑内に入ってマンガンを掘るから、実際は地下資源を採掘するけれども、鉱業権者がやっておらぬからということで、坑外と同じ扱いをして、地下資源の採掘をやっておるのに、とにかく保安局では何ら知らぬ、法的にも関知する限りではございませんというようなことで、労働省の基準局がおやりになっておるので、基準局長に尋ねてみたら、これは迷惑千万なお話であるというようなことで、どこに取りつく島もなかった事件がありますが、今回のこの法改正によって影響ございますか、ございませんか、そういうような場合は。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 今回の改正で関係はないと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうすると、まあ僕は大体この保安法と鉱業法改正に賛成なんですが、しかし、まだまだ私は入れてもらいたい点と直してもらいたい点がたくさんあるのですが、まあこれは決して今あるものより悪いものだとは思っておらぬ。従って私はこの改正の点には賛成だけれども、まだ十分でないと思っておるのです。しかし、去年あのくらい問題が起きて、鉱業権者でないからといって採掘して、今度は坑外扱いだといってどこにも取りつく島もない、坑内にはどんどん人が入ってマンガンを掘っておる。保安局に聞いても、これは私の権限ではございませんよ、基準局に行っても法律上は取り締れない、今申し上げた通り。それで一体今度は、坑外事業所と同じように長野県知事が判こをつけば火薬はどんどん買えるというふうなことになったら、僕はこれは無政府状態だと、そんな極端なことは言いませんけれども、ああいうものは、それが是か非かは別として、ああいうことは厳重に保安法で縛らなければ、これはとても坑内の保安法とか何とか美しい言葉を並べても内容はないというふうになりませんかね。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 私の方の関係の保安法につきましては、あれが鉱山でないということはなかなか言いにくいわけであります。もちろん、われわれは保安法を適用いたしたいのでありますけれども、保安法は、御承知のように鉱業法と姉妹法になっております。鉱業法で正当な鉱業でないというものに保安法を適用するわけには参りません。これは実際に監督官をやりましても、悪いところがあって直す場合に、一体だれに直さしたらいいかということになりますと、業鉱権者がいないことになりますので、私の方の関係ではそういった事情で保安法を適用することができないというふうに現在も解釈し、またそういうような措置をとっておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そこでこの法案を見ると、盗掘、侵掘、先ほど海野さんが若干触れられた点ですね、これはあるけれども、あの種の問題に触れぬということになりますと、そういう問題を担当する商工委員としてはこれはまことに遺憾千万で、あなたの方でもこれはさいぜん申し上げましたように責任はありませんと言われるのは当然です。それでは一体どこでその責任を持ってやるかということですよ。あなたの方も知りません、福井さんの方も知りません。もちろん石炭局長は、これは石炭専門ですから、掘る以外は知りませんということになる。そうすると、だれにおしりを持っていくかということになるのですがね。これはもうとても論議できないということになったら、それは一体どこで処置をするのですか。しかし、東京通産局へ行くと、マンガン毎月何十何トン出ているということがちゃんと報告になっているのです。これはどうですか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) あの場合は非常に先生も御承知のように特殊なケースでございまして、もちろん、法律ではああいう場合を予想いたしてなかったわけです。しかも刑事上の問題になりまして、いろいろ裁判所において係争中である、こういうようなケースでございますので、法律で真正面からいきますと、なかなか適用する条文がむずかしい、こういうことに相なっておるわけでございますが、実際上は保安上問題のないように指導をして参っておるようでありますが、最近裁判所の方で調停もずっと進行いたしておりますので、そういう非常に法律で考えておりませんような異例な事態が解消するものと期待をいたしておるわけでございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その裁判所で係争している内容は私わかりませんけれども、係争は当然、だれがどうだということは、これはあなたがやるべきでなくて、当然これは裁判官、判事なり検事なりあるいは弁護士がついて両方で争って最後はきめるべきことです。私はそういう枝葉末節の中身の問題に触れているのではありません。ああいう坑内に入ってとにかくマンガンを掘り出すのですから、これはだれがやろうがかれがやろうが、別問題で、当然鉱業法あるいは鉱山保安法の規則にのっとってやるべきものだ、これが甲がやろうが乙がやろうが、そんなことにとんちゃくしません。そんなことは裁判所できめればいいのですから、当事者がきめればなお望ましいけれども、しかし鉱業法なり鉱山保安法が厳然としてあるのですから、坑内に入ってマンガンを採掘するのが、鉱山保安法によらないでよろしいということは、石炭山は九州にたくさんあるでしょう。晩にトラックを持っていって、朝になったらおらなくするということは、これは当然取り締ることができなくなる、こういう例は九州にたくさんある。何も保安法なんか改正する必要はごうもない、そういうことになるのですね。これはどうですか、その点は。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 今申し上げましたように係争中でございまして、そうしてやっている者が、鉱業権者であるがごときなきがごときという状態になっているのが具体的な場合でございまして、従って、鉱山保安法では鉱業権者を対象にした保安だ、こういうことでブランクができているわけでございまして、この点は私ども非常に異例な場合で、法律上ちょっと手がつけられないような一時的な現象を来たしている、こういうことでございまして、だだ鉱山労務者等に支障があっては困りますので、県庁にもお願いして、十分間違いのないようにお願いをしているわけです。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それは局長、僕は納得いかぬのです。間違いないようにお願いするとか何とかいって、お願いする筋合いのものでもなければ、あなたの方でしかりおくという筋合いのものでもないわけなんです。保安法を適用する山、適用しない山、これは明確にわかるのですから、これは当然保安法を適用するかしないかわからぬという山じゃないのですから、明確に保安法によってやってもらわなければならぬし、そうすれば当然、小岩井さんの方で災害その他について厳重に指導しなければならないし、監督しなければならない。そういう山を、とにかく特殊な山だといって一カ所放棄しておったら、九州、北海道、日本国民は平等な保護を受ける権利があるのですから、よそでその問題が起きてもまた放任する、こういうことになるでしょう。ですから、僕はどうもそのあたり不思議なんですね。あなた方の話を聞くところによると、やっているのが通産省の何とか局長なら、通商産業省では目をつぶっているというようなことをいっていますよ。僕はそういわれても仕方がないと思う。もしほかの人が、鉱業権者でもない、租鉱権者でもない人が、入って掘ったら、けしからぬとあなた方は言うと思うのですよ。そうでなくて、はい、よろしゅうございますと、こういうことになりますか。そういうふうに割り切るならそういうふうに割り切られてもけっこうだが、その点を明確にしてほしいということです。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 浜横川鉱山の問題につきましては、もちろん鉱業権がなくて採掘しているというケースに該当するのではないかということで告発をいたしたわけでございます。御承知のように告発いたしまして、それがずっと裁判所で、現在東京高等裁判所まできて係争中になっている、こういう事件でございますので、私どもとしては、法律上できるだけの手を尽して参った、かように考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それはそれでいいのですけれども、そうするとこの金額ですね、刑罰のところで三十万円が五十万円になり、三年が五年ということにふえたのは、どういう人が該当するのですか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) これはどういう人が該当いたしますか、個々の場合につきましては裁判所が判決を下す問題でございまして、その点は私ども今から予定することはできないと思います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それはもう五年以下ということになっていますから、たとえば五年になるか四年になるか、三年になるか、これは別問題でしょう。裁判所がやるでしょう。あなたの方は、とにかく立法府でないから、それはそうでしょうけれども、どの種の人がたとえば対象になりますかと、こういうことをお尋ねしておるのですよ。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) ここにございますように、鉱業権によらないで鉱物を掘さくした場合、それからあるいはまた、そういった鉱業権によらないで掘った鉱物であるということを知っておりながら、それを買ったとか、あるいは運搬したとか、処分の媒介をしたとか、こういう場合でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうなると話がまたぶり返すようですが、完全な鉱業権者でもない、租鉱権者でもないのですよ。だから当然該当者になるのじゃないですか、この条文を見ていくと。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) その問題につきましては、先ほど申し上げましたように、私どもの方では、鉱業権によらないで掘っている、こういうことで裁判所に告発いたしたわけでございます。裁判所で、それは果して鉱業権がなくて掘っているのかどうかということにつきましていろいろ調査いたしまして、それが係争になって、現在なお高等裁判所に係属中である、こういうケースでございます。ただ実際問題としましては、最近調停がずっと進んでおりまして、評価も進行しておるように承知いたしております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 私は、くどいようですが、高等裁判所へ行こうが最高裁へ行こうが、特殊な鉱業権者がどなたに落ちっこうが、そんなことは一向とんちゃくないのですよ。ただ鉱業権者でない、租鉱権者でない者が厳然として掘っているから、これはけしからぬのではないか、同時に今度の改正点には、三年というのが五年になったり、三十万円が五十万円になったわけですが、しかしながら、そんなことは事例として……。どんどん掘っておるのですから、こんな法律作ったところで、これはもう何にもならぬでしょう、こういうことを言いたいのです。あなた参方どうせお守りにならないのだから、別にそれを——通産省の役人以外はこの法律に厳然と照らしてやって、通産省の役人がやっているということになれは大目に見ておくということなら、これは別ですよ。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) ただいま申し上げましたように、私どもの方としては告発いたしたわけでございますけれども、それが果して鉱業権者であるかないかということは、やはり裁判所で調べまして調査しておるわけでありまして、その最終判決が出ないままに今日に及んでいる、こういう状況でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 鉱業権者であるかないかわからぬといっても、一つの鉱区に鉱業権者が二人の名前を登録するというばかな話はないのです。東京通産局長の管轄ですから、東京通産局長を呼んで尋ねてみなければならないが、鉱業権者がだれだかわからないというようなことは、そんなでたらめな登録を東京通産局はやっているのですか。そういうことになると問題ですよ。鉱区というのは、一つの鉱区に一人の鉱業権者がおるはずだ、鉱業権者がだれだかわからぬという、そんなべらぼうなことが日本の通産局にあったら大問題だ。そんなことはほんとうですか、鉱業権者がどなただかわからぬということは。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) このケースにつきましては、鉱業権によらないで掘っているかどうかということについて嫌疑不十分である、こういうことに裁判所ではきまったわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 しかし鉱業権者であるか租鉱権者であるか、やっている人がだれであるかということは、あなた方の方ではわかっているでしょうが、それもわからないのですか。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) 形式的にはもちろん鉱業原簿に登録をいたしておりますから、それによって登録人というものははっきりいたしておるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 僕の主張が間違ったとしても、あなた方の主張が正しいとしても、とにかく地下産業に使用する火薬というものが、ある一知事によって許可されて掘るなどということは、これは僕は法律家でないからわからないけれども、きわめて常識的な、町の一市井人として常識的に判断しても、どうもおかしいと思う。そういうことは不思議じゃないですか。あなた方それを担当する最高責任者として、大臣は最高責任者か知らないが、大臣とか次官はお忙しいから、僕は大臣とか次官を責めようとは毛頭考えていない。やはり直接の最高責任者はあなた方であって、大臣が一から十まで知っておるとは思えないので、あなた方がそれを知らぬとはおかしいですな。

福井政男通商産業省鉱山局長

○政府委員(福井政男君) もちろん、鉱業原簿に登録いたしております鉱業権者というものは、はっきりいたしておるわけであります。ただ、鉱業権によらないで掘っておるかどうかということは、裁判所の調査によるわけでございまして、ただいま申し上げたような関係にこのケースはなっております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 裁判所が調査する前に、たとえば鉱区なら鉱区が一つあれ、は、明確に東京通産局に原簿があって、そうしてこの鉱区は何のたれ兵衛、福井さんなら福井さんということが明確になって、あるいはまた鉱業権者の許しを得て租鉱権者が採鉱する場合でも、租鉱権者が小岩井さんなら小岩井さんだという明確な帳簿が私は省に、あるいは局にあるものだと思った。しかし、あなたのお話を承わっておると、あなた方の方では全然おわかりにならないで、裁判所の方で判断しなければわからないとおっしゃる。そういうずさんなものであれば、これは問答しても始まりませんから、これはよろしゅうございます。  その次に小岩井さんにお尋ねいたしますが、さいぜん、椿委員の質問の中で、いろいろと監督員から保安要員の問題が出ましたが、そこで私ちょっと局長さんにお尋ねしたいのですが、保安の責任は全部経営者にある、こういう御答弁でしたが、それは文字通り解釈してよろしゅうございますか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) もちろん、私の申し上げましたのは、法規上、保安の責任というものは鉱業権者側にあるというふうにはっきり申し上げたわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 なるほど局長の御意見の通りですが、しかし、実際問題として、局長もいきなり鉱山保安局長になられたのではないので、やはり現地をよくお回りになったということを私承わっておりますから、現地の事情をよく御承知だと思いますが、これは経営者が責任者としてその保安ということに理解を持ち、その確保を期さなければならぬことは言うまでもないが、勤労者なり従業員の協力も得なければ、なかなか保安というものは確保でなきいし、また働く者も、経営者だけが責任を負って、われわれ知らぬというようなものでもなくて、当然そういう働く者も、直接自分の身に振りかかることですから、やはり働く者もその責任の一端をになってやらなければならぬ、私はこう理解しておる。そうすると保安監督員などというものは、これはあなたのおっしゃる通り、保安委員会がうまく活動しておれば別問題だが、うまく活動しておらぬという場合には、今あなたの最後におっしゃったように、責任はもう経営者にある。監督員は別にどちらから出せといってきめておらぬから、労使双方にやってもらう方がよろしい。端的に言えばこういう御答弁でしたが、こういう字句通りに解釈してよろしいですか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) もちろん、そう解釈していただいてけっこうなんであります。私の方は、まあたとえ現在の経営者側で組合側の方を選任して参りましても、資格がありさえすればもちろん承認するわけでありまして、鉱業権者が組合側から選任してきたという理由で、私の方で受けないということは絶対にございません。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうすると、望ましいことではないけれども、たとえば二人の場合には労使双方というふうになるが、一人の場合は力関係で解決する場合も、これは局長やむを得ないということに通じますね。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) もちろん保安監督員は鉱業権者が選任して参りますから、鉱業権者が選任してきます場合に、何回も申しますように、資格がありさえすれば、私の方ではお受けするわけであります。しかし保安監督員も、これは保安管理者に相当する上級の保安技術職員でございますから、いろいろ手違いその他のありました場合には解任ができることになっております。もちろん、保安管理者と同じように、不適格な場合には私の方から解任すべしということもできますし、また鉱業権者ももちろん解任することができるわけであります。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 その監督員ですが、千名以下の山は必ずしも設けなくていいのであって、あなた方の方の御指示なり御指導で設けるような仕組みになっているようですが、きょういただいた資料によりますと、確かに石炭の方はいささか多いですが、メタルに比べると、これは災害率からいったら問題にならないわけです。そうするとメタルの方は一生懸命にそういう問題に取り組んでおって、石炭の方はないがしろにしておるのではないかと言ったら極端な発言かもしれませんけれども、これはどういうことでこういうような数字が出ておるのでしょうか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 私どももメタルとコールを比べますと、メタルの方が所定の人数以下のもので選任しておるケースが多いわけであります。これは資料でもおわかりのように、内容をごらんいただきますと、石油の関係がかなりあるわけであります。この石油関係は事業場がかなり散在しておりますので、こういった特別な監督員というようなものを必要とするケースが多いのではないか、かように考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そこで、私も大体メタル山なり石油鉱山、あるいは石炭鉱山がどこにあるかわかっておるのですが、実際そういう石油の方までも配慮しているのに、石炭の方は膨大な災害が起きるのに、きわめて少いというようなことで、これは数字を見てびっくりしたのですが、そういう感じは全然ないわけですか。これはやはり正しい数字なのですか。僕は石炭の方は膨大に多いというふうに考えたのですが、事実相当災害は起きております。たとえば東中鶴では水につかって犠牲になった人がまだ上っておらぬという状況です。僕はこれが片手落ちだというような極端な言葉は用いませんけれども、あまりにも石炭に対して積極的でなかったような気がするのですが、これはいかがでございましょうか。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 石炭の場合が少いという御質問なのですけれども、これはよくわかりませんけれども、石炭の場合別に少いわけじゃありませんで、千人以上の山は、ここにあげてありますように六十九名、それから千人以下でも選任いたしておりますのが二十七名でございます。これはもちろん、私の方でも最近現地によく実情を伝えまして、保安監督員に十分職責を果たさせる、効果を上げしめるように、監督員の選任を必要とするところは、千人以下であっても十分に一つ選任をしてほしいということで、ここの数字といたしましては現在二十七名、このくらいあがっておりますが——この数はおいおい増す予定で考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そこで局長初め、北海道、九州までの監督員の人までもえらく苦労なさって、予算もないのに努力なさっていらっしゃるのでありますから、僕から、数字に出た結果だけを見て、あそこで爆発させてけしからぬ、ここで落盤させてけしからぬということは、当事者にとっては残酷な言葉になるかもわかりませんけれども、やはり数字というものはごまかすことができないので、やはり出てくると、だれにも文句をつけることができないから、一つ小岩井さん、しっかりやってくれぬかという、言いにくいことまで言わなければならぬことになるのですが、そうすると、一千名以上の山は一名という限定はしておりませんね、法律では。そうすると、ただいま三井、三池のように一万六千人もおる、あるいは三井田川のように七千人もおる、夕張は五千人もおって、たくさん坑口があるけれども、しかし、その率では監督員がおらないような気がするのですが、そうした例を三つ四つ示してお知らせを願いたいと思います。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) ただいま私の感じでは、大体一炭鉱一人あるいは二人——大体一人が多いのじゃないかというふうに考えておりますが、一番多いのが何人になりますか、私ちょっと最近の数字を承知いたしておりません。調べまして、後ほどお答え申し上げます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そこで、それは局長のおっしゃる通り閉会まぎわでもけっこうですが、救護隊というものがございますね。ところがその救護隊というのは、あなた方のやはり指示によって——末端は実際問題として会社の意向によるかもわかりませんけれども、やはり一応あなた方の御指導を仰いでおるわけですね。しかしながら、救護隊というのは各個ばらばらで、待遇から訓練方法から千差万別ですね。これを私は全国的に統一する方法をお考えになっておるかどうか、そういう点がどうなっておるか、お尋ねしたいわけですが。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 冬山にございます救護隊の訓練については、これは決して私どもばらばらになっているというふうには考えておりません。九州におきましても北海道におきましても、特別の訓練所がございまして、そこで丁寧に訓練をいたしております。各山でもそれぞれ適当な時期に、一定の期間を限りまして、絶えず訓練をいたしておりまして、訓練の内容がそうばらばらになっているということは、私どもといたしましては考えておりません。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 と私も賛成したいところでありますが、実態はあなたがおっしゃる通りでは全然ありませんよ。山によって千差万別であり、会社系列によってこれまた千差万別、大小炭鉱によっては四つか五つか、その炭鉱で一つの隊員を整えておるところもあるし、理解のあるところは、しょっちゅう訓練させておるところもあるし、理解のないところは職場から帰ってから訓練するところもあるし、これは千差万別です。これはあなたでなく、担当している課長さんから御答弁した方が、僕はよく理解しやすいと思うので、担当課長さんでもけっこうですが、そのように僕は、局長が理解されておるということは、非常に残念であるし、もら少し深く突っ込んで、こういう方もどういうことになっているかということに僕は心を使っていただきたいと思うのですが、あなたのおっしゃる通りには、現実には全然いっておりません。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 私も最近の訓練の現場を一々もちろん見てはおりませんけれども、救護隊の訓練というものにつきましては、もちろん、いいかげんな訓練はできないのであります。非常に危険作業でありまして、もちろん、大きな危険を冒して救急の作業をやるという内容のものでありますので、この訓練につきましては大体の方向、もちろんその内容もほぼきめられておりまして、そういいかげんな訓練が、やろうと思いましてもできないわけであります。おそらく、阿部先生のおっしゃっておりますのは、やり方、訓練の時期が、坑内から出てきてすぐやったり、あるいは夜やったり、昼間やったりというような、時期の問題は、これはあるいは夜やる場合もありますでしょうし、休日にやる場合もありましょうし、いろいろのケースがあると思いますが、訓練内容につきましては、これはいいかげんな訓練はできないんでありまして、どこの訓練でも、大体この内容につきましてはほぼ一定しているものと、かように考えております。特にひどいあやしい訓練をしておるという実例がございますれば、御連絡いただければ、さっそく調査してみたいと考えます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 昔、日本に軍隊があって、九州から北海道まで十何個師団か師団を置いて、陸軍の参謀本部あるいは陸軍省へ報告が——全部同じ歩兵操典あるいは戦陣訓で、全部同じとにかく教科書で訓練したから、大本営にも、あるいは陸軍省にも、おえらい人が同じレベルだと思っておった。ところが現地は必ずしもそうでなくて、千差万別であったのですよ。私は、保安局長さんもそれと同じだと言わぬけれども、もう少し検討していただかねばならぬ。ただ日曜やるとか、あるいはふだんの日やるとかということであれば、これはあまり問題ないでしょう。山の事情もあるでしょうし、仕事の都合もあるでしょうから。ただし一カ月に何日、一年に何日やるということになると、これは千差万別でね。まるでアルバイト式にやってるのが大体実態ですよ、正直に言いましてね。大体、局長もそのあたり、僕もわかっておるけれども、国会での御答弁だから、やはりそういう僕のような極端な答弁できないということで、配慮ある答弁だと思うのですが、その点は厳に僕は、お調べになって、一つそういうでこぼこがあれば、一日も早く同じレベルでやっぱり救護団の者どもが進むように訓練していただきたいと思います。  その次に、局長にお尋ねいたしますが、この保安法改正に当って、いろいろたくさん、僕たちも、こうしてもらいたいという点がございましたが、今になってはどれもこれも直すというわけにもいきません。そこでこの衆議院送付になっておりますこの点も、さいぜん大臣に聞いたけれども、大臣、きわめて有効適切な答弁だったので、あれは来年やりますとか、あなたのお説の通りです。金属とコールとどうしますかと言ったら、これは違うだろうと、まことにりっぱな答弁なので、それはそれでもういいわけですが、当事者としてかえって局長の答弁が大臣より悪くなるかもしれませんが、当事者として端的にそういうものが直ちにできるものかどうか。僕、正直ですから、大臣の答弁を真に受けて高碕さんと論争することのないように一つお尋ねしておきます。

小岩井康朔通商産業省鉱山保安局長

○政府委員(小岩井康朔君) 保安監督員の点につきましては、大臣の答弁のありましたように、私どもも現行法で労働者の協力を得る機構がそれぞれございますので、こういった機構をまずフルに活用する、そういう方向に進めたいと、かように考えております。衆議院の方でも、保安監督員の有効ならしめるような措置をとれという決議をしていただいておりますので、監督員の監督の状況、そういった内容をさらに一そう検討いたしますとともに、先ほど申し上げました千人以下の鉱山におきましても、さらに必要性の程度も検討いたし、各山の災害の実情によりましては、人数等の点につきましても十分今後検討を重ねてみたい、かように考えております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 時間が五時になりましたから、きょうで打ち切るということになっておりませんので、私質問は一応打ち切りますが、最後に、樋詰さん、九州の板付飛行場の傍に月隈炭鉱という炭鉱がございますね。これは直接、鉱山保安法に関係はございませんけれども、あれは進駐軍ですか、駐留軍ですか、自衛隊ですか、その辺から接収されるという問題が起きておるやに承わったので、それを御承知であれば、簡単でけっこうでございますから、お知らせ願いたいと思います。

樋詰誠明通商産業省石炭局長

○説明員(樋詰誠明君) 私も詳細なことは存じておりませんが、飛行場の建設ということのために接収ということになりまして、現在その価額、対価その他について折衝中であるということだけとりあえず報告を受けております。まだ、どの程度の対価になるか、どういうふうなことで支払うかといったようなことは未定でございます。目下折衝中でございます。という報告を受けております。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 今の御答弁はそれでけっこうですが、なお最終結論が出なければ出ないでけっこうですが、明日樋詰さん必ず、委員会でなくてけつこうですから、調達庁とか、その他の関係もありましょうから、大体どういういうことになっておるか、少し詳細に、個人的でもけっこうですからお知らせ願いたいと思います。  以上で終ります。

田畑金光日本社会党

○委員長(田畑金光君) 本日の委員会はこれで散会いたします。    午後四時四十六分散会

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